IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ジャイラス エーシーエムアイ インクの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-13
(54)【発明の名称】排石の最中における閉塞防止
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/22 20060101AFI20231005BHJP
【FI】
A61B17/22 510
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023519111
(86)(22)【出願日】2021-09-24
(85)【翻訳文提出日】2023-05-23
(86)【国際出願番号】 US2021052042
(87)【国際公開番号】W WO2022067092
(87)【国際公開日】2022-03-31
(31)【優先権主張番号】63/083,414
(32)【優先日】2020-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500498763
【氏名又は名称】ジャイラス エーシーエムアイ インク ディー/ビー/エー オリンパス サージカル テクノロジーズ アメリカ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ・ベーカー
(72)【発明者】
【氏名】スザンナ・エル・マヨ
(72)【発明者】
【氏名】アーサー・ジェイ・ベルテルソン
(72)【発明者】
【氏名】エリック・ステンダー
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160EE05
4C160EE06
(57)【要約】
砕石システムが、砕石デバイスおよびコントローラ回路を備え得る。音響結石破砕用のこのデバイスは、音響処理プローブであって、1つまたは複数の結石を処理するためにこのプローブに沿って音響エネルギーを供給するための音響処理プローブと、このプローブを少なくとも部分的に通って延在する排出通路であって、この排出通路を介して1つまたは複数の結石の少なくとも一部分を除去するための排出通路とを備え得る。砕石デバイスに結合されたコントローラ回路は、排出通路の閉塞指標を受け取り、受け取られた閉塞指標に応答して排出通路を介した排出の少なくとも1つの特性を変化させるために閉塞防止モードの開始または調節のうちの少なくとも一方を行うように構成され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
砕石システムであって、
砕石デバイスであって、
音響処理プローブであって、1つまたは複数の結石を処理するために前記プローブに沿って音響エネルギーを供給するための音響処理プローブ、および
前記プローブを少なくとも部分的に通って延在する排出通路であって、前記排出通路を介して前記1つまたは複数の結石の少なくとも一部分を除去するための排出通路
を備える、砕石デバイスと、
前記砕石デバイスに結合されたコントローラ回路であって、
前記排出通路の閉塞指標を受け取り、
前記受け取られた閉塞指標に応答して、前記排出通路を介した排出の少なくとも1つの特性を変化させるために閉塞防止モードの開始または調節のうちの少なくとも一方を行う
ように構成された、コントローラ回路と
を備える、砕石システム。
【請求項2】
前記閉塞指標は、
前記排出通路に関連する流れ、
前記排出通路に関連する圧力、
前記排出通路に対して結合された真空源に特有の電力、または
前記排出通路に対して結合された前記真空源に関する温度
のうちの少なくとも1つに基づくものである、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記閉塞指標は、前記閉塞が、前記排出通路内であるか、または前記排出通路の開口の外部閉鎖であるかの指標を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記受け取られた閉塞指標に応答して、前記排出通路を介した排出の少なくとも1つの特性を変化させるために閉塞防止モードの開始または調節のうちの少なくとも一方を行うことは、
前記プローブに対して印加されるもしくは前記プローブに特有の音響エネルギーを調節すること、
前記排出通路に対して印加されるもしくは前記排出通路に特有の吸引を調節すること、
前記排出通路内の流れを反転もしくは他の方法で調節すること、
前記排出通路と組み合わせて使用するための補助通路を調節すること、または
潅注特性を調節すること
のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記閉塞指標は、モニタリングされるパラメータ値の変化を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記閉塞指標は、特定のしきい値に対して前記モニタリングされるパラメータ値の前記変化を比較することを含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記閉塞指標は、前記モニタリングされるパラメータ値の前記変化と、前記モニタリングされるパラメータ値の前記変化の対応する期間とを含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記受け取られた閉塞指標に応答して、前記排出通路を介した排出の少なくとも1つの特性を変化させるために閉塞防止モードの開始または調節のうちの少なくとも一方を行うことは、前記排出通路に沿った音波波腹または音波波節の位置を調節することを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記受け取られた閉塞指標に応答して、前記排出通路を介した排出の少なくとも1つの特性を変化させるために閉塞防止モードの開始または調節のうちの少なくとも一方を行うことは、音響トランスデューサにより前記排出通路に沿って生成される音響周波数を変化させることを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記受け取られた閉塞指標に応答して、前記排出通路を介した排出の少なくとも1つの特性を変化させるために閉塞防止モードの開始または調節のうちの少なくとも一方を行うことは、前記音響エネルギーのパルス幅変調を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記受け取られた閉塞指標に応答して、前記排出通路を介した排出の少なくとも1つの特性を変化させるために閉塞防止モードの開始または調節のうちの少なくとも一方を行うことは、前記排出通路に対して適用される吸引を変化させることを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
吸引を変化させることは、特定の時間量の間において前記吸引を反転させることを含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
吸引を変化させることは、前記排出通路に対して流体結合された圧力ポートタップを使用することを含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記圧力ポートタップおよび前記排出通路は、デュアルルーメンカテーテルを介して圧力源に対して連結される、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記圧力ポートタップは、1つまたは複数の流れ制御部または吸引制御部を備える、請求項13に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権主張
本出願は、2020年9月25日に出願された米国仮特許出願第63/083,414号の優先権の利益を主張し、この米国仮特許出願の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている。
【0002】
本文献は、砕石術を利用して、例えば生理学的な「結石」などの障害物を破壊するための技術に関し、より詳細には、排石の最中における閉塞防止のための技術に関する。
【背景技術】
【0003】
医療用内視鏡は、1800年台初頭に初めて開発され、体内を検査するために使用されてきた。典型的な内視鏡は、光学撮像システムまたは電子撮像システムを備える遠位端部と、例えばデバイスを操縦するため、または画像を見るためなどの制御部を有する近位端部とを有する。細長シャフトが、近位端部と遠位端部とを連結する。一部の内視鏡では、医師が、1つまたは複数の作業チャネルに器具を通すことによって、例えば組織の切除または物体の回収を行うことが可能である。
【0004】
過去数十年にわたり、内視鏡検査の分野においてならびに特に胆管、尿路、腎臓、および胆嚢の中の生理学的結石の粉砕に関して、いくつかの進歩があった。これらの領域内に位置する生理学的結石は、管を塞ぎ、患者にかなりの痛みを引き起こし得るため、破壊および/または除去されなければならない。超音波砕石または他の音響砕石、空気圧砕石、電気水圧砕石(EHL)、および例えば緑色光、YAG、またはホルミウムレーザを利用した結石粉砕を含み得るレーザ砕石を含む、結石を粉砕するための様々な技術が開発されてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国出願第63/071,208号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は、特に、例えば結石の断片化および処置を目的として使用される音響プローブにおいてなど、結石破砕デバイスにおいて、閉塞を防止、阻止、または修復するためのデバイスおよび方法を提供する。本明細書におけるこれらの技術は、実際の閉塞もしくは切迫閉塞の指標、または砕石システムにおいて閉塞もしくは被閉塞性を誘発し得る1つまたは複数の条件を検出することを含み得る。さらに、本明細書におけるこれらの技術は、閉塞または潜在的閉塞の検出に応答して、開始または修正され得る1つまたは複数の閉塞防止モードを含み得る。閉塞防止モードは、閉塞防止モードがない場合には生じ得るような排出通路に沿った閉塞を防止、阻止、または修復するのを補助し得る。さらに、これは、他の場合であれば起こり得る排出通路に沿った閉塞により手技を妨げられることなく、ユーザが、二次的断片化が発生している間においても結石破砕デバイスをより継続的に動作させ得ることを助長し得る。
【0007】
例えば患者内の結石塊を破壊するために音響伝達プローブを使用するものなどの結石破砕手技において、結石破砕デバイスは、例えば断片化デブリを除去するために吸引が印加される排出経路に沿ってなど、閉塞を生じ得る。この排出経路は、例えば標的結石塊の付近の結石破砕デバイスの先端部からデバイス本体を貫通してなど延在することが可能であり、破片除去のために吸引が適用される、デバイスに対して連結された吸引チューブまたは排出チューブを備え得る。例えば、結石塊が断片化、破砕、または粉化される場合に、結果として生じる結石破片は、例えばプローブ先端部にて、プローブ本体内で、超音波トランスデューサ付近で、装着された吸引通路内で、または排出通路内もしくは排出通路に沿って、あるいはかかる位置の1つまたは複数の組合せにてなど、デバイスを閉塞させ得る。かかる閉塞は、閉塞通路を妨げまたは閉鎖する恐れがあり、これは、手技の最中において後の排出を低減またはさらには停止させ、それにより以降において患者およびデバイスからかかるさらなる結石破片をさらに除去することをより困難にする恐れがある。
【0008】
いくつかの例では、オペレータは、例えばデバイスの排出チューブから閉塞を手動により解消するためになど、閉塞が存在する場合に手技を停止することが必要になる場合すらあり、このような手動による解消は、例えば技術者または看護師などの追加の人員による補助を必要とする場合がある。時として、閉塞防止は、清掃ツールを使用して手動により実施され得るが、場合によっては、排出チューブの閉塞部分へのアクセスを可能にして閉塞の緩和、低減、または除去を行うために、デバイスの1つまたは複数の部分を分解しなければならない。極端な例では、閉塞したデバイスを交換するためにバックアップデバイスを使用しなければならない。オペレータは、手動により閉塞防止を行うために手技を中断する必要性を伴うことなく、閉塞を回避するまたは他の方法で閉塞に対処し得ることが好ましい。
【0009】
本明細書において論じるように、閉塞または閉塞の可能性が、検出されてシステムに示され、システムは、閉塞を防止、阻止、または修復するために閉塞防止モードを開始または調節し得る。閉塞または閉塞を生じさせる可能性のある条件の検出または指標は、例えばインピーダンスもしくは電圧の変化によって、またはハンドピースにおける温度の変化によってなど、結石塊に対する圧力の変化を検出することを含み得る。閉塞の検出または閉塞の可能性を示す検出は、砕石デバイスの動作中に閉塞または潜在的閉塞に対処することにより一時停止を、停止を、または不連続動作を防ぐように、閉塞防止モードを開始させるために利用され得る。
【0010】
閉塞を防止、阻止、または修復する方法は、例えばデバイス内における流れの反転、デバイス内で利用される音響エネルギー内の波節位置を移動するための周波数の変更、または並流圧力タップの使用による排出チューブ内圧力の変更などの、閉塞防止モードを含み得る。かかる閉塞防止モードは、閉塞の検出もしくは閉塞誘発要因の検出に応答して、開始されるか、または手術の様々な部分で実行されるようにスケジューリングされることが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
一例では、砕石システムが、砕石デバイスおよびコントローラ回路を備え得る。この砕石デバイスは、音響処理プローブであって、1つまたは複数の結石を処理するためにこのプローブに沿って音響エネルギーを供給するための音響処理プローブと、このプローブを少なくとも部分的に通って延在する排出通路であって、この排出通路を介して1つまたは複数の結石の少なくとも一部分を除去するための排出通路とを備え得る。砕石デバイスに結合されたコントローラ回路は、排出通路の閉塞指標を受け取り、受け取られた閉塞指標に応答して、排出通路を介した排出の少なくとも1つの特性を変化させるために閉塞防止モードの開始または調節のうちの少なくとも一方を行うように構成され得る。
【0012】
一例では、砕石デバイスを清掃する方法が、砕石デバイスに対して結合された排出通路の閉塞指標を受け取ることと、受け取られた閉塞指標に応答して、排出通路を介した排出の少なくとも1つの特性を変化させるために閉塞防止モードの開始または調節のうちの少なくとも一方を行うこととを含み得る。
【0013】
図は、必ずしも縮尺通りには描かれていない。これらの図において、類似の数字は、異なる図面においても類似の構成要素を示し得る。それぞれ異なる添え字を有する類似の数字は、類似の構成要素のそれぞれ異なる例に相当し得る。図は、本文献にて論ずる様々な実施形態を一般的に、例として、非限定的に示す。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】結石破砕デバイスの一例の概略図である。
図2】砕石デバイスを閉塞防止する方法の一例を示すブロック図である。
図3】砕石デバイスにおける閉塞を検出する方法の例の概略図である。
図4A】波節位置を変更する閉塞防止モードの一例を示す概略図である。
図4B】波節位置を変更する閉塞防止モードの一例を示す概略図である。
図4C】波節位置を変更する閉塞防止モードの一例を示す概略図である。
図5A】砕石デバイスにおいて吸引反転を利用する閉塞防止の方法の一例の概略図である。
図5B】砕石デバイスにおいて吸引反転を利用する閉塞防止の方法の一例の概略図である。
図5C】砕石デバイスにおいて吸引反転を利用する閉塞防止の方法の一例の概略図である。
図6A】排出チューブと並列的に圧力ポートタップを使用することにより閉塞防止を行う方法の一例を示す概略図である。
図6B】排出チューブと並列的に圧力ポートタップを使用することにより閉塞防止を行う方法の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本文献は、砕石デバイス内の排出通路に沿って引っ掛かった結石塊の破片による閉塞の問題に対処するためのシステムおよび方法の例について説明する。これは、閉塞または潜在的切迫閉塞の指標を受け取ることと、閉塞防止モードを開始または更新することとを含み得る。この排出通路は、例えば砕石デバイスの遠位端部と、の間において、デバイスの本体を貫通し、デバイスに対して連結された吸引チューブまたは排出チューブを貫通して延在する。
【0016】
閉塞または潜在的閉塞の1つまたは複数の指標は、このシステムにより受け取られ得る。閉塞指標の実例としては、排出通路に関連する流量もしくは圧力に基づく指標、排出通路に対して結合された真空源(例えば吸引ポンプもしくは真空ポンプ)の電力特性もしくは温度に基づく指標、または閉塞位置が排出通路内であるもしくは閉塞が排出通路の開口の外部閉鎖に少なくとも部分的に起因する、のいずれであるかに関する指標のうちの1つまたは複数が含まれ得る。
【0017】
1つまたは複数の閉塞防止モードが、例えば超音波トランスデューサと排出チューブとの間の1つまたは複数の位置においてなど例えば排出通路に沿って、所望の効果を達成することを補助するためなどに開始または調節され得る。閉塞防止モードを開始または調節する実例としては、プローブに対して印加されるもしくはプローブに特有の音響エネルギーを調節すること、排出通路に対して印加されるもしくは排出通路に特有の吸引を調節すること、排出通路内の流れを反転もしくは他の方法で調節すること、排出通路と組み合わせて使用するための補助通路を調節すること、または潅注特性を調節することのうちの1つまたは複数が含まれ得る。
【0018】
図1は、例えば閉塞防止モードと共に使用可能であるような、音響伝達式結石破砕除去アセンブリ100の複数部分の一例の概略図である。このアセンブリ100は、近位部分102および遠位部分104を備え得る。アセンブリ100は、プローブ本体112を有する音響プローブ110を備え得る。さらに、アセンブリ100は、音響トランスデューサ120、ハンドピース125、排出チューブ130、および圧力源140のうちの1つまたは複数を備えることが可能である、またはこれらのうちの1つまたは複数に対して結合され得る。アセンブリ100は、発電機150と接続状態にあることが可能である。
【0019】
アセンブリ100は、例えば断片化などにより結石を処理するための破砕デバイスを備え得る。アセンブリ100は、結石を断片化するまたは他の方法で生理学的標的を処理するために、超音波エネルギーもしくは他の音響エネルギーの利用、低周波衝撃の利用、またはそれらの任意の組合せの利用などによる砕石治療を実施し得る。アセンブリ100は、例えば結石を破壊するために音波および超音波の両方をパルス発振し得るものなどの、二重周波デバイスまたは他の多周波デバイスを備え得る。
【0020】
プローブ110は、例えば結石治療のためなどの例えば切開部を介してなど例えば患者内への挿入が可能になるように、サイズ設定および形状設定され得る。プローブ110は、断片化のために発電機または音響トランスデューサから標的の結石まで音響エネルギーを伝達するための音響伝達プローブを備え得る。プローブ110は、デバイスを使用するオペレータにより近い位置に近位部分102を、および治療部位により近い位置に遠位部分104を備え得る。プローブ110は、使用される特定のプローブタイプおよび遠位プローブ先端部に応じて、例えば約350mm~約600mmの長さを有し得る。プローブ110は、使用される特定のプローブタイプおよびプローブ先端部に応じて、例えば約0.90mm~約3.90mmの直径を有し得る。
【0021】
プローブ110は、近位部分102と遠位部分104との間に延在するプローブ本体112を備えることが可能であり、例えばルーメンが、近位部分102と遠位部分104との間にさらに延在し得る。プローブ本体112は、例えば断片化のために結石に到達するようになど、患者内への挿入のためにサイズ設定および形状設定され得る。プローブ本体112は、金属材料もしくは複合金属材料を含み得る、または金属材料もしくは複合金属材料から作製され得る。プローブ本体112は、プローブ先端部114に結合するための1つまたは複数のカプラまたは他の装着機構を備え得る。プローブ本体112は、標的結石の上またはその付近におけるプローブ先端部114の配置または作動をオペレータに操縦させ得るものであることが可能である。
【0022】
プローブ先端部114は、プローブ本体112に対して装着され得る。プローブ先端部114は、1つまたは複数の標的結石を粉砕、断片化、または破砕するためにサイズ設定、形状設定、および構成され得る。プローブ先端部114は、プローブ本体112に対して装着され得る。いくつかの例では、プローブ先端部114は、ルーメンを備え得る。プローブ先端部114がエンドユーザによってプローブ本体112に対して装着される場合に、プローブ先端部114のルーメンは、例えば連続する潅注通路および/または排出通路170を実現するように、プローブ本体112のルーメンに整列し、このルーメンから延在し得る。プローブ先端部114は、実施される特定の手技またはその手技が実施される特定の標的に応じて、例えばチゼル先端部、正方形先端部、遠位方向に向いたより大きいもしくはより小さい表面積を有する先端部、様々なトポグラフィ、様々な形態構造、または様々な材料から作製されるなど、所望の形態構造または他の特徴を有し得る。
【0023】
音響トランスデューサ120は、音響伝達プローブ110を介して標的結石に対して音響エネルギーを供給するために作動可能であり得る。この音響トランスデューサ120は、例えば断片化または粉化などにより標的結石を破壊するためなどに、超音波エネルギー、音波エネルギー、またはそれらのいくつかの組合せを供給し得る。いくつかの例では、音響トランスデューサ120は、様々なエネルギーレベル間またはエネルギータイプ間で衝撃パルス発振を行うように構成され得る。これは、例えば間断的な低周波音響エネルギーパルスまたは間断的な力学的衝撃エネルギー量を有する超音波エネルギーの印加を含み得る。音響トランスデューサ120は、具体的な手術に応じて、変更される波形または周波数の音響エネルギーを供給し得る。例えば、音響トランスデューサ120は、手技のうちの1つまたは複数の部分に対して波形を選択、調節、または最適化するように動作され得る。音響トランスデューサ120は、例えば標的結石の付近にまたは標的結石と接触状態に配置され得るプローブ先端部114まで音響伝達プローブ本体112の長さ方向に沿って音響エネルギーを供給するためなどに、この音響伝達式プローブ本体112に対して音響的に結合され得る。一例では、使用される特定のトランスデューサに応じて、音響トランスデューサ120は、約4~約6cmの直径、約15~約25cmの長さ、および約0.4~約1.0kgの重量を有し得る。
【0024】
ハンドピース125は、エンドユーザオペレータがアセンブリ100を把持および操縦することが可能になるように形状設定およびサイズ設定され得る。一例では、ハンドピース125は、音響トランスデューサ120のすべてまたは一部分を収容し得る。ハンドピース125は、例えばオペレータによるアセンブリ100の制御が可能になるように、1つまたは複数のボタンまたは他のユーザインターフェース手段を備え得る。例えば、ハンドピース125は、圧力源140と接続状態にある可変的吸引制御のためのダイアルを備え得る。一例では、ハンドピースは、断片化のために標的結石に対する印加を行うために音響トランスデューサ120から超音波エネルギー、音響エネルギー、または他のエネルギーを印加するための1つまたは複数のボタンを備え得る。いくつかの例では、このシステムは、例えば音響トランスデューサ120の作動を制御するためなどのフットペダルまたは他の補助アクチュエータを追加的にまたは代替的に備え得る。
【0025】
排出チューブ130は、例えばアセンブリ100に対して潅注、吸引、またはそれらの両方を行うために、プローブ110のルーメンに対して流体連結され得る。排出チューブ130は、ハンドピース125から例えば真空ポンプなどの圧力源140に向かって外方に延在し得る。圧力源140は、プローブ110のルーメンから離れる方向へと排出チューブ130に沿って破砕された結石の破片を引き寄せるために、排出チューブ130の長さ方向に沿って排出圧力を印加し得る。追加的には、排出チューブ130は、所望に応じて潅注され得る。
【0026】
発電機150は、例えば使用中にアセンブリ100に対して電気エネルギーを供給するためなどに、アセンブリ100と電気接続状態にあることが可能である。発電機150は、例えば標的結石の断片化などのために超音波エネルギー、他の音響エネルギー、または衝撃エネルギーを発生させるために音響トランスデューサ120に給電するための電気エネルギーを供給し得る。一例では、発電機150は、約90~約264ボルト(ピーク-ツー-ピーク)のAC電気エネルギーを供給し得る。発電機150により供給される電気エネルギー信号は、変更されることが可能であり(例えば振幅、周波数、パルス幅、変調、等々)、これは例えば実施される特定の治療および所望のパラメータに応じて決定することが可能である。
【0027】
排出チューブ130は、プローブ先端部114のルーメン116からプローブ本体112のルーメン113および排出チューブ130を通って延在するより大きな排出通路170のうちの一部分であり得る。結石破片は、プローブアセンブリ100が動作する最中に排出通路170に沿って排出され得る。プローブアセンブリ100は、排出通路170間における閉塞の検出および/または処置を目的とする1つまたは複数の特徴部を備え得る。次に、図2A図5Bを参照としてかかる特徴部の例を論じる。
【0028】
制御回路180は、例えば真空源140、音響トランスデューサ120、および発電機150などの、アセンブリ100の様々な構成要素のうちの1つまたは複数に対して結合され接続状態にあり得る。コントローラ回路180は、例えば1つまたは複数の閉塞防止モードを変更、開始、または調節するためなどに、例えば圧力情報などのセンサデータをアセンブリ100内の様々なセンサのうちの1つまたは複数から受信するように構成され得る。
【0029】
図2は、閉塞の指標を受け取ること(ブロック210)と、閉塞防止モードを開始または調節すること(ブロック220)との両方を含む、破砕デバイスを洗浄または閉塞解消する方法200を示すブロック図である。次に、Table 1A(表1)およびTable 1B(表2)において、実際の閉塞または切迫閉塞を検出する例と、閉塞防止モードの例とを示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
この方法は、閉塞の指標を受け取ること(ブロック210)と、閉塞防止モードの開始または調節のうちの少なくとも一方を行うこと(ブロック220)とを含み得る。任意には、閉塞指標を受け取ること(210)は、閉塞または切迫閉塞の検出を含み得る。
【0033】
ステップ210において、閉塞(または切迫閉塞)が、例えば発電機150により供給される電流の電気的特性における変化、結石により印加される力の変化、圧力源140により供給される圧力の変化もしくは排出通路170内における吸引の変化、ハンドピース125における温度の変化、排出チューブ130内の流体流の変化、閉塞の光学的検出、閉塞の手動検出、これらの組合せをモニタリングすることによって、または他の閉塞検出方法によってなど、様々な方法で検出され得る。
【0034】
例えば、方法200は、例えば排出チューブ130内またはプローブ本体112内などの排出通路170内の流量低下を検出することを任意に含み得る。いくつかの例では、閉塞の指標を検出することは、手術の最中にプローブ110に対して結石塊によって印加される力の変化を検出することを含み得る。かような力の変化は、発電機150により供給される電流の電気的特性に対してこの力を相関づけることによって検出され得る。例えば、発電機150により供給される電流のインピーダンスまたは電圧における変化などの1つまたは複数の電気的特性のモニタリングが、所与の期間の間に例えばしきい値などの特定の数値を超えて上昇する場合があり、これが、上述の力の変化を示し得る。いくつかの例では、閉塞指標の検出は、所与の期間において砕石デバイスのハンドピースにて例えばオペレータが気づき得るような温度上昇などの温度変化を検出することを含み得る。いくつかの例では、閉塞指標の検出は、例えば排出チューブ130内などの潅注および吸引の通路内における砕石デバイスの流体流の変化を検出することを含み得る。いくつかの例では、閉塞指標の検出は、閉塞の光学的検出を含み得る。次に、閉塞検出の例をTable 2(表3)に概略的に示し、図3を参照として説明する。
【0035】
【表3】
【0036】
Table 1(表1、表2)において説明する方法に加えて、閉塞または切迫閉塞を検出する追加のまたは代替的な方法を利用することが可能である。閉塞または切迫閉塞が検出されると、これに応答して、閉塞防止モードが閉塞を処理するように開始または更新され得る(ブロック220)。
【0037】
いくつかの例では、コントローラ回路180は、例えば電気的特性に関するものなどの例えばしきい値または所望の値などの1つまたは複数のパラメータ値を記憶し得る。これらの1つまたは複数のパラメータ値は、例えば典型的な「無閉塞」状況または「閉塞」状況と相関関係にあり得る。この例では、発電機150は、関心対象のパラメータをモニタリングし、コントローラ回路180は、記憶されたパラメータ値に対して検出された数値を絶えず比較し得る。検出された数値が記憶された認証値を超えてまたはそれ未満へ変化すると、閉塞または潜在的閉塞の指標が生成され得る。
【0038】
閉塞防止モードの開始または調節(220)は、閉塞の指標に応答して、排出通路に沿った少なくとも1つの排出特性を変化させることを含み得る。以降で図4を参照として論じるように、閉塞防止モードの開始または調節は、例えば1つまたは複数の電気的特性または音響特性を変更することなどによって波節を移動することにより、その波節の位置における閉塞に変動を生じさせることを含み得る。以降で図5A図5Cを参照として論じるように、いくつかの例では、閉塞防止モードの開始または調節は、特定の時間量の間にわたり排出通路内の吸引を反転または変更することを含み得る。以降で図6A図6Bを参照として説明するように、いくつかの例では、閉塞防止モードの開始または調節は、例えば圧力ポートタップなどにより砕石デバイスの排出通路内の圧力を調節することを含み得る。次に、閉塞防止モードの例をTable 3(表4)に概略的に示し、図4図6を参照として論じる。
【0039】
【表4】
【0040】
ブロック220で、これらのまたは他の閉塞防止モードのうちの1つまたは複数が、ブロック210からの具体的な閉塞指標に応じて開始または適合化され得る。閉塞防止モードは、所望に応じてデバイス100内における閉塞を粉砕または防止するために、特定の時間量にわたり連続的、パルス状、またはスケジューリングされた様式で活用され得る。閉塞防止モードは、オペレータによる手術の中断、デバイス100の閉塞解消、およびその後の再開を回避するために、デバイス100を用いた手術の途中において利用され得る。次に、図4図6を参照として閉塞防止モードの例をさらに詳細に論じる。
【0041】
図3は、実際の閉塞もしくは切迫閉塞を検出し閉塞指標300を生成する、または砕石デバイス内で閉塞を誘発し得る1つまたは複数の条件を検出する、例302、304、306、308、および310を示す概略図である。これらの例302、304、306、308、および310はいずれも、閉塞または切迫閉塞の指標を生成するために、単独でもしくは組合せにおいて、または他の閉塞検出方法への追加として利用することが可能である。以降において図4図6を参照として論じる1つまたは複数の閉塞防止モードは、閉塞または切迫閉塞の指標に応答して、開始または変更され得る。
【0042】
例302では、プローブアセンブリ100は、結石によりプローブに対して印加される力の量を検出し、その後にこれらの結石が比較的大きな塊または比較的硬い塊のいずれであるかを判定するために利用され得る。この力は、プローブアセンブリ100が結石塊と直接接触状態にあるか否かによって、ならびに例えば結石のタイプ、サイズ、および硬度などのパラメータに応じて、変化し得る。比較的大きな結石塊または比較的硬い結石塊の場合に、それらの破片もまた、比較的大きなものとなり、流れの閉塞または制約をより頻繁に引き起こす場合がある。したがって、結石がより大きな力を生じさせ、比較的大きいまたは硬い結石である場合には、閉塞は切迫的なものとなる場合があり、閉塞またはその可能性の指標が生成され得る。
【0043】
結石によりデバイス100に対して印加されている力の量は、発電機150により生成される電流の1つまたは複数の電気的特性(312)をモニタリングすることによって検出され得る。例えば、この電流の電圧(314)またはインピーダンス(316)の変化が、結石によりデバイスに対して印加される力の変化を示し得る。電圧またはインピーダンスの変化は、例えば音響トランスデューサ120内において、発電機150に、またはプローブアセンブリ100に沿った他の位置においてなど、アセンブリ100に組み込まれた1つまたは複数のセンサ電極によって、このアセンブリ内で検出される。この1つまたは複数のセンサ電極は、コントローラ回路180と接続状態にあることが可能である。検出される電圧またはインピーダンスの変化は、結石塊により印加される力に対して相関づけられ得る。他の例では、音響トランスデューサ120と共に使用される電力(318)が、破砕のために結石塊により印加される力の量に対して相関づけられ得る。
【0044】
石の断片化の最中に検出された例えば電圧、インピーダンス、または電力などの電気的特性と、手技の最中における電圧またはインピーダンスの変化とに基づき、断片化手技のために標的結石により印加される力の量が、判定され、結石そのものに関する情報を提供し得る。標的結石を断片化するための力の量は、この手技の間全体にわたりモニタリングされ、閉塞指標または切迫閉塞指標の生成を補助し得る。例えば、検出された結石の力が、例えばその力が所与の期間にわたり著しく上昇するなど変化した場合に、比較的硬いまたは大きい結石の指標が生成され得る。比較的硬いまたは大きい結石塊は、流れの閉塞もしくは流量低下が切迫的であることを、または流れの閉塞もしくは流量低下が手術の最中に発生する可能性が高いことを示し得る。これに応答して、本システムは、閉塞防止モードを開始または調節し得る。次に、図3A図5Bを参照として、かかる閉塞防止モードの例を論じる。
【0045】
例304では、潅注流体流の低下が、閉塞指標となり得る。断片化された結石は、除去するために排出通路170を介して手術の最中に患者およびデバイス100から吸い出される。破片は、吸引および潅注の組合せにより排出され得る。潅注流体の流量は、例えば排出通路170と直線状に並んだ1つまたは複数の流量センサを用いて、またはデバイス100のオペレータによって手動で、モニタリングされ得る。排出通路170中の完全なまたは部分的な遮断により生じる閉塞は、潅注流体流を減速または停止させ得る。例えばしきい値などの特定量にわたり流体流量の低下が観察された場合に、閉塞または潜在的閉塞の指標が生成され得る。
【0046】
例306では、排出通路170内における圧力の上昇が、閉塞指標となり得る。圧力源140は、例えば排出通路170に沿ってなどデバイス100に真空を供給し得る。この圧力源140は、必要に応じて破片の排出のためにデバイス100に対して可変的な圧力を供給し得る。圧力源140は、所望時に真空率を上昇または低下させるためにコントローラ回路180との組合せにおいて機能し得る。排出通路170内の圧力は、1つまたは複数の圧力センサによりモニタリングされ得る。この圧力が排出通路内において上昇し、圧力源140が流体流量を維持するために真空率を上昇させなければならない場合に、これが、閉塞指標となり得る。したがって、圧力上昇が検出された場合には、閉塞指標が生成され得る。
【0047】
例308では、ハンドピースにおける温度変化が、閉塞指標となり得る。閉塞が生じると、デバイスのハンドピース125が加熱し得る。オペレータが、温度上昇に気づくと、閉塞または潜在的閉塞が、オペレータにより示され得る。代替的には、1つまたは複数の温度センサが、デバイス100内に組み込まれ、設定期間にわたり温度があるしきい値を上回って上昇した場合に閉塞を示し得るように、コントローラ回路180と接続状態にあることが可能である。
【0048】
例310では、例えば米国出願第63/071,208号に記載されるものなどの、デバイスの1つまたは複数の光学的特性の変化が、閉塞指標となり得る。この米国仮出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。例示の方法302~310はいずれも、単独でもしくは他との組合せにおいて利用することが可能である。また、追加的な閉塞検出方法を利用することも可能である。
【0049】
モニタリングされるパラメータ(例えば電気、光学、圧力、またはその他などの)に応じて、閉塞または潜在的閉塞の指標は、パラメータが例えばしきい値などの具体的な数値を超えて上昇することに基づいて生成され得る。または、この指標は、例えばある具体的な期間にわたるようなそのパラメータの変化に基づいて生成され得る。いくつかの例では、閉塞指標は、実施される感知の種類に応じて、例えば排出通路170に沿った位置などのデバイス内のある位置に対して、または排出通路170への開口の外部閉鎖に対して相関づけられ得る。
【0050】
例えば、閉塞を検出するまたは閉塞を予測する方法では、この方法は、連続的測定または定期的測定のいずれかによる、閉塞を示すパラメータの測定により開始され得る。次に、検出されたパラメータが、例えば閉塞条件または閉塞解消条件におけるパラメータの数値などの、記憶された数値パラメータと比較され得る。次いで、閉塞または切迫閉塞の判定が、この比較に基づき実施され得る。閉塞が発生している、または閉塞が間もなく発生し得る場合に、閉塞解消ステップが遂行され得る。閉塞または潜在的閉塞が検出されない場合には、モニタリングが継続され得る。
【0051】
閉塞または潜在的閉塞が検出されると、信号がアセンブリ100に対して送信されて閉塞を示し得る。これに応答して、システムは、1つまたは複数の閉塞防止モードを開始、適合化、または調節し得る。閉塞防止モードは、プローブに対して印加されるもしくはプローブに特有の音響エネルギーを調節すること、排出通路に対して印加されるもしくは排出通路に特有の吸引を調節すること、排出通路内の流れを反転もしくは他の方法で調節すること、排出通路と組み合わせて使用するための補助通路を調節すること、潅注特性を調節すること、または上記のTable 3(表4)に概説するようなその他のもののうちの1つまたは複数を含み得る。次に、図4A図6を参照として、閉塞防止モードの実例を論じる。
【0052】
図4A図4Cは、使用されている閉塞防止モードの例を示す。図4Aは、波節および波腹の位置の例を示す。図4Bに示すように、波節は、閉塞しやすい傾向を有し得る。図4Cに示すように、閉塞防止モード400が実施されることにより、かような波節における閉塞が粉砕され得る。
【0053】
図4Aは、プローブ本体112に沿って伝播する波形のグラフの例を示す。図4Aに示すように、波形は、例えば標的結石塊の断片化を可能にするためになど、超音波トランスデューサ120と、との間においてプローブ先端部114に向かってプローブ本体112に沿って伝播し得る。プローブ本体112の長さ方向において、波節および波腹は共に、プローブに沿った様々な箇所に対応しつつ、この波形内において離間され得る。波形の振幅が変更された場合でも、波節および波腹はこれらの位置に留まり得る。波節の位置では結石に変動が生じにくいため、波節は、波形内におけるその性質により閉塞しやすい傾向を有し得る。いくつかの例では、結石は、波節の位置で形成され、流量低下または閉塞を引き起こし得る。
【0054】
図4Bおよび図4Cに示す閉塞防止モード400は、排出通路に沿った音波波腹(「ピーク」)または波節の位置を調節して結石片を撤去することを含み得る。このアセンブリ100において、音響トランスデューサ120は、プローブ110の長さ方向に沿って定常波として音響エネルギーを供給し得る。その波形は、プローブ110の長さ方向に沿って伝播し、波節および波腹の位置は、部分的には供給される音響エネルギーの周波数に基づき相対的に設定され得る。例えば、波節が、アセンブリ100の遠位部分104の付近において約21kHzで生じ得る。周波数が、例えば19.5kHz~21.5kHzの間で変更されると、波節およびピークの位置はシフトする。これは、排出通路170内の流体流に影響を及ぼし、波節の位置に形成され得る結石破片に到達する音響エネルギーに影響を及ぼし得る。
【0055】
アセンブリ100において、閉塞防止モード400は、閉塞指標に応答してもしくはスケジュールにしたがって、例えばある特定の期間にわたってなどコントローラ回路180により実施され得るか、または手動により遂行され得る。いくつかの例では、波節位置の変化は、周波数、振幅、デューティサイクル、または他の変数の変更によって実現され得る。いくつかの例では、閉塞防止モード400は、例えば音響トランスデューサ120を介して供給されるエネルギーのパルス発振およびそのデューティサイクルの変更などによる、音響エネルギーのパルス幅変調を含み得る。波腹もしくは波節の移動、または閉塞防止モード400の他の変更は、例えば閉塞指標および潜在的閉塞指標に応答して、スケジュールにしたがって、または手動によってなど、コントローラ回路180により開始または調節され得る。
【0056】
図4Bおよび図4Cは、波節の位置を変更する閉塞防止モード400を示す概略図を示す。例えばアセンブリ100などの破砕デバイスにおいて、プローブ110、超音波トランスデューサ120、または排出チューブ130のいずれかが、閉塞を被りやすい場合があり、この閉塞は、アセンブリ100における吸引を停止させる恐れがある。閉塞防止モード400において、アセンブリ100の動作の最中に使用される音響エネルギーは、アセンブリ100における閉塞を防止、対処、または他の方法で予防するために変更され得る。図4Aに示すように、波節420において、結石破片410が、集まり、流れを制限し得るまたは流れを詰まらせ得る。
【0057】
プローブアセンブリ100において、音響トランスデューサ120は、定常的なまたはパルス状の音響エネルギー振動を送達することによって結石塊を断片化し得る。音響トランスデューサ120は、プローブ110に沿って伝播する超音波または準超音波の音響エネルギーを供給し得る。プローブアセンブリ100により供給される音響エネルギーは、音響トランスデューサ120により、例えば周波数、インピーダンス、または入力電力における変化のうちの1つまたは複数などに基づいて調節され得る。例えば、音響トランスデューサ120に通電するために使用される電力は、例えば実際の閉塞または切迫閉塞の事例の検出に応答してなど、例えばハンドピース125上の1つまたは複数のボタンもしくはトリガを作動させることにより、または発電機150に備えられたもしくは結合された制御回路180により自動的になど、例えば高出量と低出力などのレベル同士の間で調節され得る。同様に、音響トランスデューサ120により生成される例えば超音波または準超音波である音響エネルギー周波数は、例えば結石のサイズ、重量、または破片サイズなどの1つまたは複数のパラメータに基づき自動的に確立され得るまたは調節され得る。特定の標的結石に対して印加される音響出力または音響周波数のこのような調整により、処置時間がより迅速になり、塊のより効率的な断片化が可能になり得る。石に対して適用される電力、周波数、インピーダンス、力、もしくは他のパラメータ、またはこれらの組合せを適合化することがこのように可能であることを利用することによって、排出通路170に沿った閉塞に対処し、閉塞防止モードを開始または調節することが可能となる。
【0058】
いくつかの例では、閉塞は、例えばアセンブリ100の動作中に印加される音響エネルギーの定常波内の波節箇所など、アセンブリ100に沿って、例えば波節420などの1つまたは複数の音波節の位置にて発生し得るか、または発生しやすい傾向を有し得る。アセンブリ100の動作時に、閉塞防止モード400は、これらの音波節を一時的に移動させるまたは音波節に変動を生じさせるために、始動またはエディットされ得る。例えば、発電機150は、アセンブリ100に対して変動周波数エネルギー、パルス幅変調、デューティサイクルの変更、または振幅変更を適用するために、制御回路180によって作動され得る。具体的には、この「掃除」モードは、例えば手術が実施されている間に波節位置に変動を生じさせ結石塊閉塞または閉鎖の状態から一時的に抜け出すためになど、固定周波数振動で発生する典型的な定常波に変化を生じさせるために実行され得る。
【0059】
閉塞防止モード400は、スケジュールにしたがってまたは潜在的閉塞指標に応答して実行され得る。例えば、閉塞防止モード400において、「掃除」モードまたは「閉塞防止」モードは、図3を参照として上述したものなどの潜在的閉塞指標に応答して、アセンブリ100において始動され得る。代替的にはまたは追加的には、閉塞防止モード400は、実施中の手術に相関づけられた定時スケジュールにしたがうことが可能である。この例では、例えば変動周波数、パルス幅変調、デューティサイクル変更、または振幅変更などである、閉塞防止モード400の「掃除」モードは、例えばパルス状でなど、手術中にわたって特定の時点にて開始され得る。いくつかの例では、「掃除」モードは、所望に応じてより長い期間にわたりまたは継続的に実行され得る。任意には、オペレータは、手術中に流量喪失にオペレータが気づいた場合に、この「掃除」モードを手動によって開始することができる。
【0060】
図5A図5Cは、砕石デバイスにおける吸引反転を利用する閉塞防止モード500の方法の概略図を示す。この閉塞防止モード500は、排出通路170内の流体流(F)を変化させることによって1つまたは複数の結石破片410を撤去するために、設定された時間量にわたり排出通路170に対して適用される吸引を変化させるまたは反転させることを含み得る。排出通路内の吸引量および対応する流体流(F)流量は、圧力源140の位置においてアセンブリ100内において変更されることが可能であり、この場合に、真空強度は、音響トランスデューサ120の位置にて変更され得る。
【0061】
図5Aは、正常な流れ条件下における排出通路170内の閉塞形成を示す。破砕手技の最中に、断片化後の結石破片410を除去することが望ましい。結石破片410を除去するために、流体流(F)が、腎臓から、アセンブリ100のプローブ110および排出チューブ130を経由することを含め、排出通路170に沿って連続するように維持され得る。排出通路170を通過する流体流量は、結石破片410を除去するために十分な量であることが可能である。この流量が過度に低い場合には、結石破片410は、移動中の流体流が破片重量を支持することができないか、または破片410が排出通路170の内径に沿って失速し凝集するかのいずれかの理由により、効果的には除去されない。第2の例では、図5Aに示すものなどの流れ狭窄部または流れ障害部が発生し得る。狭窄、障害、または他の閉塞を伴うことなく適切な流体流量を維持することは、アセンブリ100内において圧力が変化し得る複数の箇所があるため、困難となる恐れがある。圧力源140、音響トランスデューサに関する吸引流設定、および排石チューブのねじれまたは締まりが、閉塞に関与し得る。
【0062】
図5Bは、閉塞防止モード500による一時的な流れ反転を示す。図5Bでは、例えば排出チューブ130内などにおける排出通路170に沿った吸引が、破片410による閉塞を粉砕するおよびこの閉塞に変動を生じさせるために反転される。流体流は、例えば圧力源140にて供給される圧力を変化させることによりまたは音響トランスデューサ120における吸引流設定を変更することにより、変更され得る。図5Bでは逆流が図示されるが、例えば部分逆流などの他のタイプの変動を利用することにより結石破片を撤去することが可能である。いくつかの例では、流体流の変更または反転は、設定された期間ごとに1回実施され得る。いくつかの例では、流体流の変更または反転が、例えばスケジュールにしたがってまたはパルス状でなど、ある期間に複数回実施され得る。いずれの場合においても、流体流の変更または反転は、一時的なものであり、閉塞を粉砕するための乱流を生じさせるために圧力低下をもたらすものであることが可能である。
【0063】
図5Cは、排出通路170を通る正常な流れの回復を示す。図5Bにおける流体流の変化または反転により、結石破片の撤去が可能となり、これらの結石破片は、除去に向けて回復した流体流中を進み続けることが可能となる。正常な流体流の回復により、デブリおよび破片が流し去られ得る。いくつかの例では、流体流のかかる反転または変化は、吸引の変化ではなく潅注流体の供給における変化によって実現され得る。
【0064】
流体流の変化または反転は、予期される流れの閉塞または制限の量に応じて、所望にしたがい反復されるかまたは手術中全体にわたりスケジューリングされ得る。いくつかの例では、例えば図3を参照として上記で論じた検出などの、閉塞指標または潜在的閉塞指標が、閉塞防止モード400をトリガさせ得る。いくつかの例では、閉塞指標または潜在的閉塞指標が、例えば吸引上昇、吸引が反転もしくは変更される時間の延長、または手術全体にわたり吸引が反転もしくは変更される回数の増加などの、閉塞防止モード400における変更をトリガし得る。
【0065】
図6A図6Bは、排出チューブと並列する圧力ポートタップ610を使用することにより閉塞防止モード600の方法を示す概略図である。閉塞防止モード600が圧力ポートタップ610を備えるこのアセンブリ100では、デュアルルーメンチューブ620(例えばカテーテル)が、排出チューブ130の流体出口615および圧力ポートタップ610を圧力源140に対して連結するために使用され得る。圧力ポートタップ610は、1つまたは複数の流体制御部または吸引制御部を任意に備え得る。閉塞防止モード600は、例えば閉ループシステムなどにおいて使用することができる。
【0066】
閉塞防止モード600では、アセンブリ100における圧力変化が、流体流および撤去に変化を生じさせるためにまたは閉塞を防止するために圧力ポートタップ610を活用し得る。アセンブリ100内において、例えば真空ポンプなどの圧力源140、トランスデューサ中の1つまたは複数の吸引制御ベント、および雰囲気室内圧力のいずれもが、アセンブリ100内の圧力に影響を及ぼし、その後にアセンブリ100内で閉塞を生じさせる可能性がある。これらの様々な箇所における圧力差は、影響を被ることにより排出通路170内の流体流量を変更し得る。デバイス内の圧力または吸引は、これらの箇所においてモニタリングされ得る。
【0067】
デュアルルーメンチューブ620は、流体出口615における手技流出物および圧力レベルの両方に対して導管を提供し得る。コントローラ回路180および圧力源140は、例えば圧力ポートタップ610中に位置する1つまたは複数のセンサなどの、デュアルルーメンチューブ620中の1つまたは複数の圧力センサと通信可能である。コントローラ回路180は、圧力源140自体により供給される真空レベルに対して圧力信号を比較し得る。その圧力情報に応じて、コントローラ回路180は、必要に応じてアセンブリ100およびデュアルルーメンチューブ620の中の真空率を調節するように圧力源140に命じることができる。例えば、主要流体出口615内の圧力が、供給される真空よりも低く、場合によっては閉塞を示す場合に、圧力源140は、供給される真空を調節することが可能である。代替的には、主要流体出口615と真空源140との間の圧力差の増加が、場合によっては閉塞を示すものとなり得る。次いで、圧力源140は、供給される真空を変化させ、デバイス排出通路170内の内腔開通性を維持するように調節され得る。
【0068】
代替的には、閉ループ流体制御が望ましくない場合に、低流量信号が実行され、オペレータが適切な調節を圧力源140に対して手動により行い得る。いくつかの例では、様々なより小さな圧力センサが、圧力信号を生成するために音響トランスデューサ120内に備えられ得る。この例では、これらの圧力センサは、音響トランスデューサ120内の回路を介してコントローラ回路180に対して電気結合され得る。
【0069】
様々な留意点および実施例
これらの非限定的な例はそれぞれ、独立したものであることが可能であり、あるいは他の例のうちの1つまたは複数との様々な置換または組合せにおいて組み合わされることが可能である。
【0070】
実施例1は、破砕システムを備え得る。この破砕システムは、砕石デバイスであって、音響処理プローブであって、1つまたは複数の結石を処理するためにこのプローブに沿って音響エネルギーを供給するための音響処理プローブ、およびこのプローブを少なくとも部分的に通って延在する排出通路であって、この排出通路を介して1つまたは複数の結石の少なくとも一部分を除去するための排出通路を備える、砕石デバイスと、この砕石デバイスに結合されたコントローラ回路であって、排出通路の閉塞指標を受け取り、受け取られた閉塞指標に応答して、排出通路を介した排出の少なくとも1つの特性を変化させるために閉塞防止モードの開始または調節のうちの少なくとも一方を行うように構成された、コントローラ回路とを備える。
【0071】
実施例2は、実施例1を含み得る。前出の閉塞指標は、排出通路に関連する流れ、排出通路に関連する圧力、排出通路に対して結合された真空源に特有の電力、または排出通路に対して結合された真空源に関する温度のうちの少なくとも1つに基づくものである。
【0072】
実施例3は、実施例1または2を含み得る。前出の閉塞指標は、閉塞が、排出通路内にあるか、または排出通路の開口の外部閉鎖であるかの指標を含む。
【0073】
実施例4は、実施例1から3のいずれかを含み得る。受け取られた閉塞指標に応答して、排出通路を介した排出の少なくとも1つの特性を変化させるために閉塞防止モードの開始または調節のうちの少なくとも一方を行うことは、プローブに対して印加されるもしくはプローブに特有の音響エネルギーを調節すること、排出通路に対して印加されるもしくは排出通路に特有の吸引を調節すること、排出通路内の流れを反転もしくは他の方法で調節すること、排出通路と組み合わせて使用するための補助通路を調節すること、または潅注特性を調節することのうちの少なくとも1つを含む。
【0074】
実施例5は、実施例1から4のいずれかを含み得る。閉塞指標は、モニタリングされるパラメータ値の変化を含む。
【0075】
実施例6は、実施例1から5のいずれかを含み得る。閉塞指標は、特定のしきい値に対してモニタリングされるパラメータの変化を比較することを含む。
【0076】
実施例7は、実施例1から6のいずれかを含み得る。閉塞指標は、モニタリングされるパラメータ値の変化と、モニタリングされるパラメータ値の変化の対応する期間とを含む。
【0077】
実施例8は、実施例1から7のいずれかを含み得る。受け取られた閉塞指標に応答して、排出通路を介した排出の少なくとも1つの特性を変化させるために閉塞防止モードの開始または調節のうちの少なくとも一方を行うことは、排出通路に沿った音波波腹または音波波節の位置を調節することを含む。
【0078】
実施例9は、実施例1から8のいずれかを含み得る。受け取られた閉塞指標に応答して、排出通路を介した排出の少なくとも1つの特性を変化させるために閉塞防止モードの開始または調節のうちの少なくとも一方を行うことは、音響トランスデューサにより排出通路に沿って生成される音響周波数を変化させることを含む。
【0079】
実施例10は、実施例1から9のいずれかを含み得る。受け取られた閉塞指標に応答して、排出通路を介した排出の少なくとも1つの特性を変化させるために閉塞防止モードの開始または調節のうちの少なくとも一方を行うことは、音響エネルギーのパルス幅変調を含む。
【0080】
実施例11は、実施例1から10のいずれかを含み得る。受け取られた閉塞指標に応答して、排出通路を介した排出の少なくとも1つの特性を変化させるために閉塞防止モードの開始または調節のうちの少なくとも一方を行うことは、排出通路に対して適用される吸引を変化させることを含む。
【0081】
実施例12は、実施例1から11のいずれかを含み得る。吸引を変化させることは、特定の時間量の間において吸引を反転させることを含む。
【0082】
実施例13は、実施例1から12のいずれかを含み得る。吸引を変化させることは、排出通路に対して流体結合された圧力ポートタップを使用することを含む。
【0083】
実施例14は、実施例1から13のいずれかを含み得る。圧力ポートタップおよび排出通路は、デュアルルーメンカテーテルを介して圧力源に対して連結される。
【0084】
実施例15は、実施例1から14のいずれかを含み得る。圧力ポートタップは、1つまたは複数の流れ制御部または吸引制御部を備える。
【0085】
実施例16は、砕石デバイスを掃除する方法を含み得る。この方法は、砕石デバイスに対して結合された排出通路の閉塞指標を受け取ることと、受け取られた閉塞指標に応答して、排出通路を介した排出の少なくとも1つの特性を変化させるために閉塞防止モードの開始または調節のうちの少なくとも一方を行うこととを含む。
【0086】
実施例17は、実施例16を含み得る。実施例17は、排出通路の閉塞指標を検出することをさらに含む。
【0087】
実施例18は、実施例16または17を含み得る。閉塞指標を検出することは、結石により印加される力の変化をインピーダンス、電力、または電圧における変化として検出することを含む。
【0088】
実施例19は、実施例16から18のいずれかを含み得る。閉塞指標を検出することは、砕石デバイスのハンドピースにおける圧力の変化を検出することを含む。
【0089】
実施例20は、実施例16から19のいずれかを含み得る。閉塞指標を検出することは、砕石デバイスにおける流体流の変化を検出することを含む。
【0090】
実施例21は、実施例16から20のいずれかを含み得る。受け取られた閉塞指標に応答して、排出通路を介した排出の少なくとも1つの特性を変化させるために閉塞防止モードの開始または調節のうちの少なくとも一方を行うことは、波節を移動することにより波節位置における閉塞に変動を生じさせることを含む。
【0091】
実施例22は、実施例16から21のいずれかを含み得る。受け取られた閉塞指標に応答して、排出通路を介した排出の少なくとも1つの特性を変化させるために閉塞防止モードの開始または調節のうちの少なくとも一方を行うことは、所定の時間量の間にわたり閉塞位置で吸引を反転させることを含む。
【0092】
実施例23は、実施例16から22のいずれかを含み得る。受け取られた閉塞指標に応答して、排出通路を介した排出の少なくとも1つの特性を変化させるために閉塞防止モードの開始または調節のうちの少なくとも一方を行うことは、砕石デバイスの排出通路内の圧力を調節することを含む。
【0093】
実施例24は、砕石システム内の閉塞を検出するための方法を含み得る。この方法は、閉塞を示すパラメータをモニタリングすることと、モニタリングされたパラメータをこのパラメータの記憶された数値と比較することと、この比較に基づいて閉塞が発生する可能性があるかまたは既に発生しているかのいずれであるかを判定することと、閉塞が発生する可能性があるかまたは既に発生している場合に閉塞解消シーケンスを開始することとを含む。
【0094】
実施例25は、実施例24を含み得る。パラメータをモニタリングすることは、継続的に実施される。
【0095】
実施例26は、実施例24または25を含み得る。パラメータをモニタリングすることは、定期的に実施される。
【0096】
実施例27は、実施例24から26のいずれかを含み得る。パラメータは、砕石システムの電気パラメータ、光学パラメータ、または物理パラメータである。
【0097】
実施例28は、実施例24から27のいずれかを含み得る。パラメータの記憶された数値は、閉塞を示す数値である。
【0098】
実施例29は、実施例24から28のいずれかを含み得る。パラメータの記憶された数値は、閉塞がないことを示す数値である。
【0099】
実施例30は、実施例24から29のいずれかを含み得る。実施例30は、閉塞が検出されない場合に閉塞を示すパラメータをさらにモニタリングすることを含む。
【0100】
これらの非限定的な実施例はそれぞれ、それ自体において独立したものであることが可能であり、または他の実施例のうちの1つまたは複数との様々な置換または組合せにおいて組み合わされることが可能である。
【0101】
上記の詳細な説明は、この詳細な説明の一部を成す添付の図面への参照を含む。これらの図面は、本発明を実施可能な具体的な実施形態を例として示す。本明細書においては、これらの実施形態もまた「実施例」と呼ばれる。かかる実施例は、図示または説明されるものに追加される要素をさらに備えることが可能である。しかし、本発明者らは、図示または説明される要素のみが設けられた実施例も予期する。さらに、本発明者らは、ある特定の実施例(もしくはその1つまたは複数の態様)または本明細書において図示もしくは説明される他の実施例(もしくはその1つまたは複数の態様)のいずれかに対する、図示もしくは説明される要素(またはその1つまたは複数の態様)の任意の組合せまたは置換を利用した実施例をさらに予期する。
【0102】
本文献と参照により組み込まれる任意の文献との間に矛盾する使用がある場合には、本文献における使用が優先される。
【0103】
本文献において、「1つの(a、an)」という用語は、特許文献において通常あるように、任意の他の例または「少なくとも1つの」もしくは「1つまたは複数の」の使用とは無関係に、1つまたは2つ以上を含むように使用される。本文献において、「または」という用語は、別様のことが指摘されない限り、非排他的なものを示すために使用されるか、または「AまたはB」が、「AではあるがBではない」、「BではあるがAではない」、および「AおよびB」を含むものとして使用される。本文献において、「含んでいる(including)」および「その場合に(in which)」は、「備えている(comprising)」および「ここで(wherein)」という用語のそれぞれと均等であるプレーンイングリッシュとして使用される。また、添付の特許請求の範囲において、「含んでいる(including)」および「備えている(comprising)」という用語は、非限定的なものであり、すなわち特許請求の範囲においてかかる用語に続いて列挙される要素に加えてさらに要素を含んだシステム、デバイス、商品、組成物、調合物、またはプロセスは、特許請求の範囲内に依然として含まれるものとみなされる。さらに、添付の特許請求の範囲において、「第1の」、「第2の」、「第3の」等の用語は、単なる符号として使用されるにすぎず、かかる対象物に対して数的要件を課すことを目的としたものではない。
【0104】
本明細書において説明される方法の実施例は、少なくとも部分的に機械実装またはコンピュータ実装され得る。いくつかの実施例は、上記の実施例において説明されるような方法を実施するように電子デバイスを設定するように実行可能な命令で符号化されたコンピュータ可読媒体または機械可読媒体を備え得る。かかる方法の一実装形態は、例えばマイクロコード、アセンブリ言語コード、または高水準言語コード等のコードからなり得る。かかるコードは、様々な方法を実施するためのコンピュータ可読命令を含み得る。このコードは、コンピュータプログラム製品の一部分を構成し得る。さらに、一実施例では、このコードは、例えば実行中にまたは他の時点にてなど、1つまたは複数の揮発性有形コンピュータ可読媒体、非一過性有形コンピュータ可読媒体、または不揮発性有形コンピュータ可読媒体の上に有形的に記憶され得る。これらの有形コンピュータ可読媒体の実施例には、ハードディスク、リムーバブル磁気ディスク、リムーバブル光ディスク(例えばコンパクトディスクおよびデジタルビデオディスク)磁気カセット、メモリカードまたはメモリスティック、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ならびにリードオンリーメモリ(ROM)等が含まれ得るが、これらに限定されない。
【0105】
上記の説明は、例示を目的とするものであり非限定的なものとして意図される。例えば、上述の実施例(またはその1つまたは複数の態様)は、相互に組み合わせて使用されてもよい。例えば上記の説明の精査に基づき、当業者などが、他の実施形態を使用することが可能である。要約書は、その読者が技術的開示の本質を迅速に確認し得るように提示される。要約書は、特許請求の範囲またはその意味を解釈または限定するようには使用されないという理解の下において提出される。また、上記の詳細な説明において、様々な特徴が、本開示を円滑にするために共にまとめられる場合がある。これは、ある特許請求されない本開示の特徴が、いずれかの請求項にとって必須のものであることを意図するものとして解釈されるべきではない。むしろ、本発明の主題は、ある特定の開示の実施形態のすべて未満の特徴に存し得る。したがって、添付の特許請求の範囲は、実施例または実施形態としてこの詳細な説明に組み込まれ、各請求項は、単独の実施形態としてそれ自体において独立したものである。また、かかる実施形態は、様々な組合せまたは置換において相互に組み合わされ得ることが予期される。本発明の範囲は、かかる特許請求の範囲の権利範囲内である均等物の全範囲と共に、添付の特許請求の範囲を参照として判断されるべきである。
【符号の説明】
【0106】
100 音響伝達式結石破砕除去アセンブリ、デバイス、プローブアセンブリ
102 近位部分
104 遠位部分
110 音響プローブ、音響伝達プローブ
112 プローブ本体、音響伝達プローブ本体
113 ルーメン
114 プローブ先端部
116 ルーメン
120 音響トランスデューサ、超音波トランスデューサ
125 ハンドピース
130 排出チューブ
140 圧力源、真空源
150 発電機
170 排出通路
180 コントローラ回路、制御回路
400 閉塞防止モード
410 結石破片
420 波節
500 閉塞防止モード
600 閉塞防止モード
610 圧力ポートタップ
615 流体出口、主要流体出口
620 デュアルルーメンチューブ
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
【国際調査報告】