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特表2023-543256電流センサ機構を有する直流電圧コンバータ
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  • 特表-電流センサ機構を有する直流電圧コンバータ 図1a
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-13
(54)【発明の名称】電流センサ機構を有する直流電圧コンバータ
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/155 20060101AFI20231005BHJP
【FI】
H02M3/155 W
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023519168
(86)(22)【出願日】2021-09-28
(85)【翻訳文提出日】2023-04-19
(86)【国際出願番号】 AT2021060349
(87)【国際公開番号】W WO2022067364
(87)【国際公開日】2022-04-07
(31)【優先権主張番号】A50834/2020
(32)【優先日】2020-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518151386
【氏名又は名称】エーヴィエル・リスト・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュミット、マーティン
(72)【発明者】
【氏名】レイジンガー、エルウィン
【テーマコード(参考)】
5H730
【Fターム(参考)】
5H730AA13
5H730AA20
5H730AS05
5H730BB13
5H730BB82
5H730BB88
5H730DD04
5H730EE59
5H730FD31
5H730FG05
5H730ZZ07
(57)【要約】
入力電圧V1を少なくとも1つの可変の出力直流電圧Voutへと変換するための直流電圧コンバータであって、それぞれ少なくとも1つの電子制御可能なハーフブリッジ(3,3')を有する少なくとも2つの切換式のコンバータユニット(2,2')と、可変の周期時間と可変のデューティ比とをもって変調方式でハーフブリッジ(3,3')を制御するために構成された制御ユニット(4)とを含み、コンバータユニット(2,2')の出力回線(5,5')に専用の電流センサ(6,6')がそれぞれ設けられ、制御ユニット(4)は、電流センサ(6,6')により測定されたコンバータユニット(2,2')の電流の強さI,I'を受信して、互いに相違するデューティ比でコンバータユニット(2,2')を制御するために、特に、いくつかのコンバータユニット(2,2')を他のコンバータユニット(2,2')に比べて低減されたデューティ比で作動化するために、または作動化しないために、構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力電圧Vを少なくとも1つの可変の出力直流電圧Voutへと変換するための直流電圧コンバータ(1)であって、
a.それぞれ少なくとも1つの電子制御可能なハーフブリッジ(3,3')を有する少なくとも2つの切換式のコンバータユニット(2,2')と、
b.可変の周期時間と可変のデューティ比とをもって変調方式で前記ハーフブリッジ(3,3')を制御するために構成された制御ユニット(4)とを含む、直流電圧コンバータにおいて、
-前記コンバータユニット(2,2')の出力回線(5,5')に専用の電流センサ(6,6')がそれぞれ設けられ、
-前記制御ユニット(4)は、
o前記電流センサ(6,6')により測定された前記コンバータユニット(2,2')の電流の強さI,I'を受信して、
o互いに相違するデューティ比で前記コンバータユニット(2,2')を制御するために、特に、いくつかの前記コンバータユニット(2,2')を他の前記コンバータユニット(2,2')に比べて低減されたデューティ比で作動化するために、または作動化しないために、構成されることを特徴とする直流電圧コンバータ。
【請求項2】
前記コンバータユニット(2,2')の前記出力回線(5,5')は前記電流センサ(6,6')の後で相互接続されており、それにより前記出力回線(5,5')の電流が互いに加算され、前記制御ユニット(4)は合計電流Ioutを計算するために構成されることを特徴とする、請求項1に記載の直流電圧コンバータ(1)。
【請求項3】
前記制御ユニット(4)は、計算された合計電流Ioutに依存して、または合計電流Ioutの目標値Isollに依存して、前記コンバータユニット(2,2')を作動化するために構成されることを特徴とする、請求項2に記載の直流電圧コンバータ(1)。
【請求項4】
前記電流センサ(6,6')は等しい定格電流I,I'を有することを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の直流電圧コンバータ(1)。
【請求項5】
前記電流センサ(6,6')は相違する定格電流I,I'を有することを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の直流電圧コンバータ(1)。
【請求項6】
前記制御ユニット(4)は、合計電流Ioutを定格電流I,I'と比較して、
a.合計電流Ioutよりも大きいが合計電流Ioutにもっとも近い定格電流I,I'を付属の前記電流センサ(6,6')が有しているコンバータユニット(2,2')を作動化するために、または、
b.それぞれの定格電流の合計が合計電流Ioutよりも大きいが合計電流Ioutにもっとも近いコンバータユニット(2,2')を作動化するために、構成され、
それにより、作動化された前記コンバータユニット(2,2')の前記出力回線(5,5')における電流の強さは付属の前記電流センサ(6,6')の定格電流I,I'よりもそのつど低いが、可能な限りこれに近いことを特徴とする、請求項2から5のいずれか1項に記載の直流電圧コンバータ(1)。
【請求項7】
前記出力回線(5,5')にインターリービングチョーク(7,7')が設けられることを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載の直流電圧コンバータ(1)。
【請求項8】
前記コンバータユニット(2)のうちの少なくとも1つは、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上のハーフブリッジ(3,3a,3b)を有し、これらの出力部がそれぞれの共通の出力回線(5)を形成するために、特に電流補償されていてよいインターリービングチョーク(7,7a,7b)を介して相互接続されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載の直流電圧コンバータ(1)。
【請求項9】
各々の前記ハーフブリッジ(3,3')は、
a.制御される2つの半導体スイッチまたは
b.制御される1つの半導体スイッチとダイオード
を含み、前記半導体スイッチは好ましくはSiCトランジスタまたはGaNトランジスタとして構成され、場合によりこれらのトランジスタのうちの複数が並列接続されることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載の直流電圧コンバータ(1)。
【請求項10】
前記コンバータユニット(2,2')は共通の変換器モジュール(8)に統合されることを特徴とする、請求項1から9のいずれか1項に記載の直流電圧コンバータ(1)。
【請求項11】
前記制御ユニット(4)は、SiCトランジスタが使用される場合には最大200kHzの切換周波数で、たとえば24kHz、33kHz、または75kHzで前記ハーフブリッジ(3,3')を制御し、GaNトランジスタが使用される場合には最大で2.5MHzの切換周波数でこれを制御するために構成されることを特徴とする、請求項1から10のいずれか1項に記載の直流電圧コンバータ(1)。
【請求項12】
前記出力回線(5,5')には、提供されるべき有効信号の周波数を超える限界周波数を有する、好ましくは30kHzを超える、たとえば約60kHzの、最大で150kHzを超える限界周波数を有する、ローパスフィルタとして構成されたLCフィルタ機構(9,9')が配置されることを特徴とする、請求項1から11のいずれか1項に記載の直流電圧コンバータ(1)。
【請求項13】
前記LCフィルタ機構(9,9')にはそれぞれ約150nHから300nHの範囲内のインダクタンスを有するフィルタチョークが設けられることを特徴とする、請求項12に記載の直流電圧コンバータ(1)。
【請求項14】
前記電流センサ(6,6')は約50A、175A、または700Aの範囲内の定格電流I,I'を有することを特徴とする、請求項1から13のいずれか1項に記載の直流電圧コンバータ(1)。
【請求項15】
前記電流センサ(6,6')の測定精度はその定格電流I,I'に関して+/-0.01%の範囲内にあることを特徴とする、請求項1から14のいずれか1項に記載の直流電圧コンバータ(1)。
【請求項16】
低い測定精度およびたとえば約1MHzの高いダイナミクスを有する第1の測定チャネル(11)と、高い測定精度およびたとえば10Hzの低いダイナミクスを有する第2の測定チャネル(11')とが設けられ、前記制御ユニット(4)は両方の前記測定チャネル(11,11')に照会をするために構成されることを特徴とする、請求項1から15のいずれか1項に記載の直流電圧コンバータ(1)。
【請求項17】
前記電流センサ(6,6')は熱的なコンディショニングをするために、たとえば約50℃の前記電流センサ(6,6')の温度を保証するために、たとえばペルチエ素子や液体冷却体などの冷却部材と、および/またはたとえば線条抵抗器などの加熱部材と、熱伝導式に結合されることを特徴とする、請求項1から16のいずれか1項に記載の直流電圧コンバータ(1)。
【請求項18】
入力直流電圧Vを出力直流電圧Voutから分離するための電気的な分離部、たとえば内部変圧器が設けられることを特徴とする、請求項1から17のいずれか1項に記載の直流電圧コンバータ(1)。
【請求項19】
請求項1から18のいずれか1項に記載の直流電圧コンバータ(1)を含む、1つまたは複数の電気的なバッテリセル(8,8')または燃料電池をテストするためのセルテスター。
【請求項20】
入力直流電圧Vを提供するために電気的な分離部を有する電源変換器(10)が設けられることを特徴とする、請求項19に記載のセルテスター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電流センサ機構を有する直流電圧コンバータに関し、および、このような種類の直流電圧コンバータを有するセルテスターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術より、電子制御可能なハーフブリッジを有する切換式のコンバータユニットを利用して、入力直流電圧を、時間的に可変の1つまたは複数の出力直流電圧へと変換するための、制御式の直流電圧コンバータ(DC/DCコンバータ)が知られている。このとき、電子制御ユニットがそれぞれのコンバータユニットの同期した作動化のために作用し、それは電子制御ユニットが、たとえばパルス幅変調(PWM)などの変調方式によって、可変の周期時間と可変のデューティ比とをもってハーフブリッジをオンオフすることによる。ハーフブリッジの半導体スイッチは、入力直流電圧を高い切換周波数でオンオフする;これに後置されたフィルタ機構が、生成された電圧パルスを平滑化して、これを所望の出力直流電圧へと変換する。このとき切換周波数は電源周波数を大幅に上回り、多くの場合に20kHzである。出力直流電圧は入力直流電圧よりも低くても高くてもよく、同一または相違する極性を有することができる。
【0003】
伝送される電流を測定するために、ないしは伝送される出力を測定するために、電流センサ機構によって出力電流を測定することが知られている。しかしながら1つの問題は、従来式の電流センサでは、厳密に定義された測定範囲内でしか高い精度が可能でないという点にある。
したがって従来技術では多くの場合、ちょうど予想される電流範囲内で所望の精度が実現されるように、電流センサ機構を設計することが試みられる。予想される電流範囲から外れると、従来式の電流センサでは測定範囲が切り換えられる。しかしそのために不連続性が生じ、この不連続性は、提供される有効信号のダイナミクスが大きくなるほど有害なものとなる。
【0004】
しかし、他ならぬ電気バッテリモジュールや燃料電池のセルテスターは、時間領域においてだけでなく負荷電流のオーダーに関しても、非常に高いダイナミスでの直流電圧の提供を必要とする。そこでは幅広い電流範囲にわたって高いダイナミクスのもとで、非常に高い測定精度が望ましいはずである。たとえば具体的な要求事項は、0A~250Aの電流範囲で最大150kHzのダイナミクスを有する可変の直流電圧のもとでの、電流ないし出力の高精度の測定である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって本発明の課題は、この問題を取り除き、時間的にハイダイナミックな直流電圧を生成することができ、その際に伝送される電流を一定の高い精度で非常に幅広い測定範囲にわたって測定することができる、電気的な直流電圧コンバータならびにセルテスターを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は請求項1に記載の装置によって解決される。
【0007】
本発明による直流電圧コンバータは入力電圧Vを少なくとも1つの可変の出力直流電圧Voutへと変換するために構成され、それぞれ少なくとも1つの電子制御可能なハーフブリッジを有する少なくとも2つの切換式のコンバータユニットを含み、ならびに、可変の周期時間と可変のデューティ比とをもって変調方式でハーフブリッジを制御するために構成された制御ユニットを含む。
【0008】
本発明によると、切換式のコンバータユニットの出力回線に専用の電流センサがそれぞれ設けられる。
【0009】
制御ユニットは、電流センサにより測定されたコンバータユニットの電流の強さを受信して、互いに相違するデューティ比でコンバータユニットを制御するために構成される。特に制御ユニットは、いくつかのコンバータユニットを他のコンバータユニットと比べて低減されたデューティ比で作動化することができる。制御ユニットは、いくつかのコンバータユニットを作動化しないために、すなわちゼロのデューティ比で作動化するために、構成されていてもよい。すなわち本発明によると制御ユニットは、それぞれのコンバータユニットを介して伝送される、伝送される電流全体の割合を制御する。
【0010】
コンバータユニットの出力回線は、電流センサの後で相互接続されるのが好ましい。それにより、出力回線の電流が互いに加算されることが実現される。制御ユニットは、電流センサへの照会によって合計電流Ioutを計算するために構成されていてよい。任意の数のコンバータユニットおよびこれらに付属する出力回線が設けられていてよい。制御ユニットは、出力回線のすべての電流の合計として合計電流を計算する。
【0011】
結果的に、付属の電流センサが合計電流の該当する電流強さについて最小の測定誤差を有しているコンバータユニットが作動化されるように、制御ユニットが変調方式を適合化することができる。したがって全体の合計電流について最小の測定誤差が実現され、測定範囲を切り換える必要はない。測定範囲を切り換える代わりに、制御ユニットは、付属の電流センサが適切な定格電流を有しているコンバータユニットを作動化する。
【0012】
特に制御ユニットは、計算された合計電流Ioutに依存して、または合計電流の目標値Isollに依存して、コンバータユニットを作動化するために構成されていてよい。換言すると制御ユニットは、伝送されるべき合計電流を前もってすでに知っていることができ、付属の電流センサがこの目標値についてもっとも小さい測定誤差をもたらすことになるコンバータユニットを事前に作動化する。
本発明の実施形態では、電流センサはそれぞれ等しい定格電流I,I'を有することができる。本発明の別の実施形態では、電流センサは相違する定格電流I,I'を有することができる。特に、電流センサはそれぞれ相違する測定範囲を有することが意図されていてよい。
【0013】
電流センサの定格電流と、この測定範囲でのそれぞれ特定のスケール精度(フルスケール精度)とが結びつけられる。たとえば、I=600Aと、600Aまでの測定範囲で0.01%のスケール精度とを有する電流センサは+/-60mAの予想される誤差を有し、I'=300Aの定格電流と、300Aまでの測定範囲で同一のスケール精度とを有する電流センサは+/-30mAの誤差を有する。すなわち、高い定格電流を有する電流センサの絶対的に予想される測定誤差は、通常、低い定格電流を有する電流センサのそれよりも大きい。
【0014】
電流センサは、低抵抗の電気的なシャント抵抗と、電圧計とをそれぞれ有することができる。特に、電流センサは測定抵抗R,R'を有することができ、その抵抗値は少なくとも係数5だけ、たとえば係数10から20だけ、相違している。たとえば第1の電流センサの抵抗値Rは約100μΩであってよく、第2の電流センサの抵抗値R'は約2mΩであってよい。あるいは、電流センサは誘導式の電流測定をするための磁気回路を有することもできる。本発明は、電流測定をするための特定のメカニズムに限定されるものではない。
【0015】
制御ユニットは、合計電流Ioutを定格電流I,I'と比較し、合計電流よりも大きいが合計電流にもっとも近い定格電流を付属の電流センサが有しているコンバータユニットを作動化するために構成されていてよい。このことが好ましいのは、ただ1つの電流センサの定格電流よりも合計電流が小さい場合である。
【0016】
あるいは制御ユニットは、合計電流Ioutを定格電流I,I'と比較し、それぞれの定格電流の合計が合計電流よりも大きいが合計電流にもっとも近いコンバータユニットを作動化するために構成されていてもよい。このことが好ましいのは、電流センサのそれぞれ個々の定格電流よりも合計電流が大きい場合である。それにより、作動化されたコンバータユニットの出力回線における電流強さが、付属の電流センサの定格電流I,I'よりもそのつど低いが、可能な限りこれに近いことが保証される。それにより、予想される測定誤差を低減するために、使用される電流センサの測定範囲がそのつど可能な限り幅広く活用される。
【0017】
本発明によると、出力回線にインターリービングチョークが設けられることが意図されていてよい。コンバータユニットのうちの少なくとも1つは、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上のハーフブリッジを有することができ、これらの出力部がそれぞれの共通の出力回線を形成するために、特に電流補償されていてよいインターリービングチョークを介して相互接続される。
【0018】
各々のハーフブリッジは、制御される2つの半導体スイッチまたは制御される1つの半導体スイッチ、およびダイオードを含むことができ、半導体スイッチは好ましくはSiCトランジスタまたはGaNトランジスタとして構成され、場合により、これらのトランジスタのうちの複数が並列接続される。
【0019】
コンバータユニットは1つの共通の変換器モジュールに統合されていてよい。
【0020】
制御ユニットは、SiCトランジスタが使用される場合には最大200kHzの切換周波数で、たとえば24kHz、33kHz、または75kHzでハーフブリッジを制御し、GaNトランジスタが使用される場合には最大2.5MHzの切換周波数でこれを制御するために構成されていてよい。
【0021】
コンバータユニットの出力回線には、提供されるべき有効信号の周波数を超える限界周波数を有する、好ましくは30kHzを超える、たとえば約60kHzの、最大で150kHzを超える限界周波数を有する、ローパスフィルタとして構成されたLCフィルタ機構が配置されていてよい。
LCフィルタ機構には、それぞれ約150nHから300nHの範囲内のインダクタンスを有するフィルタチョークが設けられていてよい。電流センサは、たとえば約50A、175A、300A、600A、または700Aの範囲内の定格電流I,I'を有することができる。電流センサの測定精度は、定格電流I,I'に関して、たとえばおよそ+/-0.005%、+/-0.01%、または+/-0.05%の範囲内にあってよい。
【0022】
本発明による直流電圧コンバータは、低い測定精度およびたとえば約1MHzの高いダイナミクスを有する第1の測定チャネルと、高い測定精度およびたとえば約10Hzの低いダイナミクスを有する第2の測定チャネルとを有することができ、制御ユニットは両方の測定チャネルをシーケンシャルに、または同時に、照会するために構成されていてよい。両方の測定チャネルは互いに分離されていてよいが、両方の測定チャネルがそれぞれの電流センサに統合されていてもよい。たとえば電流センサは、電圧降下を測定するためのそれぞれ1つのシャント抵抗と、付属の2つの電圧増幅器と、2つの測定チャネルで電圧降下を測定およびデジタル化するための後置された2つのA/Dコンバータとを有することができる。
【0023】
電流センサは熱的なコンディショニングをするために、たとえば約50℃の電流センサの温度を保証するために、たとえばペルチエ素子や液体冷却体などの冷却部材と、および/またはたとえば線条抵抗器などの加熱部材と、熱伝導式に結合されていてよい。
【0024】
本発明による直流電圧コンバータは、入力直流電圧Vを出力直流電圧Voutから分離するために、内部の電気的な分離部を、たとえば変圧器を、有することができる。
【0025】
さらに本発明は、本発明による直流電圧コンバータを含む、1つまたは複数の電気的なバッテリセルまたは燃料電池をテストするためのセルテスターに関する。ここでセルテスターという概念は、電気エネルギー蓄積器または燃料電池を試験するためのあらゆる装置を含み、特に、個々のセル、複数のセル、個々または複数のバッテリパック、あるいは電気バッテリ全体を試験するための装置を含む。
入力電圧Vを提供するために、電気的な分離部を有する、たとえば変圧器を有する、電源変換器が設けられていてよい。
【0026】
本発明のその他の構成要件は、特許請求の範囲、図面、および以下の説明から明らかとなる。次に、他を排除するのではない実施例を参照しながら本発明について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1a図1aは、本発明によるセルテスターの実施形態の模式的なブロック図を示す。
図1b図1bは、本発明による直流電圧コンバータの実施形態の模式的な回路図を示す。
図1c図1cは、本発明による直流電圧コンバータの別の実施形態の模式的な回路図を示す。
図1d図1dは、本発明による直流電圧コンバータの別の実施形態の模式的な回路図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1aは、本発明によるセルテスターの実施形態の模式的なブロック図を示している。セルテスターは、たとえば共通のバッテリモジュールの一部であってよい1つまたは複数の電気的なバッテリセル8,8'をテストするために構成されており、本発明による2つの直流電圧コンバータ1,1'を含んでいる。
【0029】
直流電圧コンバータ1,1'は、共通の電源変換器10から入力電圧Vの供給を受ける。電源変換器10は3相の供給電源に接続されており、たとえば内部変圧器などの電気的な分離部を備えている。直流電圧コンバータ1,1'は、振幅範囲と周波数範囲の中でハイダイナミックに可変である、互いに独立した直流電圧Vout,Vout'をバッテリセル8,8'のテストのために生成する。制御ユニット4が、模式的に示すデータ回線を介して両方の直流電圧コンバータ1,1'と接続されており、供給される電流値ないし電圧値をこれらから受信する。さらに制御ユニット4は、制御回線を介して、直流電圧コンバータ1,1'のコンバータユニットと接続されている。
図示しない実施例では、各々の直流電圧コンバータ1,1'が内部の電気的な分離部を含む。このことが特に好ましいのは、テストされるべきバッテリセル8,8'が互いに電気接続されている場合であり、たとえば、これらが共通のバッテリパックの一部となっている場合である。
【0030】
図1bは、本発明による直流電圧コンバータ1の実施形態の模式的な回路図を示している。直流電圧コンバータ1は、電子制御可能なハーフブリッジ3,3'をそれぞれ有する2つの切換式のコンバータユニット2,2'と、可変の周期時間と可変のデューティ比とをもって変調方式でハーフブリッジ3,3'を制御するために構成された電子制御ユニット4とを含んでいる。コンバータユニット2,2'の出力回線5,5'に、専用の電流センサ6,6'がそれぞれ設けられている。
【0031】
制御ユニット4は、電流センサ6,6'により測定されたコンバータユニット2,2'の電流の強さI,I'を、模式的に示唆しているデータ回線を介して受信して処理するために構成されている。
【0032】
コンバータユニット2,2'の出力回線5,5'は電流センサ6,6'の後で相互接続されており、それにより出力回線5,5'の電流が互いに加算される。制御ユニット4は、合計電流Iout=I+I'を計算するために構成されている。
【0033】
さらに制御ユニット4は、互いに相違するデューティ比でコンバータユニット2,2'を制御するために構成されている。すなわち制御ユニットは、コンバータユニット2をコンバータユニット2'に比べて低減されたデューティ比で作動化することができ、または、コンバータユニット2,2'のうちの一方を作動化しないことができる。このことは、計算された合計電流Ioutに依存して、または合計電流Ioutの目標値Isollに依存して、行われる。
【0034】
本実施例では、第1の電流センサ6の定格電流はI=600Aに等しく、第2の電流センサ6'の定格電流はI=300Aに等しい。これらの電流センサのスケール誤差はそれぞれ0.01%である。このケースでは制御装置は、0Aから300Aの合計電流のもとでは、測定誤差を+/-30mAに制限するために、第2のコンバータユニット2'だけを作動化する。300Aから600Aの合計電流のもとでは、測定誤差を+/-60mAに制限するために、第1のコンバータユニット2が作動化され、第2のコンバータユニット2'は不作動化される。600Aから900Aの合計電流のもとでは、制御ユニットは第1のコンバータユニット2と第2のコンバータユニット2'を両方とも作動化する。このとき第1のコンバータユニット2は、第2の電流センサ2'を300Aの測定電流で全面的に活用して第1の電流センサ2の負荷を低くするために、第2のコンバータユニット2'に比べて低減されたデューティ比で作動化することができる。最後に900Aの合計電流のもとでは、両方のコンバータユニット2,2'が同じ大きさのデューティ比で作動化される。
【0035】
図示しない別の実施例では、定格電流がI=300Aに等しい同一の電流センサを有する3つのコンバータユニットが設けられる。これらの電流センサのスケール誤差はそれぞれ0.01%である。このケースでは制御ユニットは、測定誤差を+/-30mAに制限するために、0Aから300Aの合計電流のもとでは第1のコンバータユニットを作動化する。300Aから600Aの合計電流のもとでは、測定誤差を+/-60mAに制限するために、第2のコンバータユニットが追加的に作動化される。600Aから900Aの合計電流のもとでは、制御ユニットは、測定誤差を+/-90mAに制限するために、第3のコンバータユニットを追加的に作動化する。
【0036】
コンバータユニット2,2'の出力回線5,5'には、インターリービングチョーク7,7'が設けられている。各々のハーフブリッジ3,3'は、SiCトランジスタとして構成された制御式の2つの半導体スイッチを含んでおり、これらのトランジスタの複数が半導体スイッチを形成するために並列接続される。コンバータユニット2,2'は共通の変換器モジュール8に統合されている。切換周波数は、本実施例では約75kHzである。
【0037】
コンバータユニット2,2'の出力回線5,5'には、提供される有効信号の周波数すなわちここでは約45kHzを超える限界周波数を有するローパスフィルタとして構成されたLCフィルタ機構9,9'が配置されている。
【0038】
図1cは、本発明による直流電圧コンバータの別の実施形態の模式的な回路図を示している。この実施例は図1bのものに相当しているが、第1のコンバータユニット2が並列接続された3つのハーフブリッジ3,3a,3bを有していて、それらの出力部がインターリービングチョーク7,7a,7bを介して相互接続されているという違いがある。同じく両方の出力回線5,5'に、電流センサ6,6'が設けられている。低い測定精度およびたとえば約1MHzの高いダイナミクスを有する第1の測定チャネル11と、高い測定精度およびたとえば10Hzの低いダイナミクスを有する第2の測定チャネル11'とが設けられており、制御ユニット4は両方の測定チャネル11,11'に照会をするために構成されている。電流センサ6,6'は第2の測定チャネル11'を利用することができる;それに対して第1の測定チャネル11については、模式的に示唆している別個の電流センサが設けられている。
【0039】
図1dは、本発明による直流電圧コンバータの別の実施形態の模式的な回路図を示している。この実施例は図1cのものに相当しているが、電流センサ6,6'がそれぞれ第1の測定チャネル11と第2の測定チャネル11'とを利用できるという違いがある。この目的のために電流センサ6,6'には、模式的に示唆しているそれぞれ2つの電圧測定装置が、たとえば異なる限界周波数およびA/Dコンバータを有する別個の電圧増幅器の形態で配置されている。
【0040】
しかしながら本発明は本実施例に限定されるものではなく、下記の特許請求の範囲の枠内にある一切の装置を含む。特に本発明は、特定の種類の電流センサの使用に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0041】
1 直流電圧コンバータ
2,2' コンバータユニット
3,3' ハーフブリッジ
4 制御ユニット
5,5' 出力回線
6,6' 電流センサ
7,7a,7b,7' インターリービングチョーク
8,8' バッテリセル
9,9' LCフィルタ機構
10 電源変換器
11,11' 測定チャネル
図1a
図1b
図1c
図1d
【手続補正書】
【提出日】2023-05-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電流センサ機構を有する直流電圧コンバータに関し、および、このような種類の直流電圧コンバータを有するセルテスターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術より、電子制御可能なハーフブリッジを有する切換式のコンバータユニットを利用して、入力直流電圧を、時間的に可変の1つまたは複数の出力直流電圧へと変換するための、制御式の直流電圧コンバータ(DC/DCコンバータ)が知られている。このとき、電子制御ユニットがそれぞれのコンバータユニットの同期した作動化のために作用し、それは電子制御ユニットが、たとえばパルス幅変調(PWM)などの変調方式によって、可変の周期時間と可変のデューティ比とをもってハーフブリッジをオンオフすることによる。ハーフブリッジの半導体スイッチは、入力直流電圧を高い切換周波数でオンオフする;これに後置されたフィルタ機構が、生成された電圧パルスを平滑化して、これを所望の出力直流電圧へと変換する。このとき切換周波数は電源周波数を大幅に上回り、多くの場合に20kHzである。出力直流電圧は入力直流電圧よりも低くても高くてもよく、同一または相違する極性を有することができる。
【0003】
伝送される電流を測定するために、または伝送される出力を測定するために、電流センサ機構によって出力電流を測定することが知られている。しかしながら1つの問題は、従来式の電流センサでは、厳密に定義された測定範囲内でしか高い精度が可能でないという点にある。
したがって従来技術では多くの場合、ちょうど予想される電流範囲内で所望の精度が実現されるように、電流センサ機構を設計することが試みられる。予想される電流範囲から外れると、従来式の電流センサでは測定範囲が切り換えられる。しかしそのために不連続性が生じ、この不連続性は、提供される有効信号のダイナミクスが大きくなるほど有害なものとなる。この点について従来技術より、たとえばドイツ特許出願公開第102012106262A1号明細書、欧州特許出願公開第2863528A1号明細書、米国特許出願公開第2010033154A1号明細書、国際公開第2013174967A1号明細書、ドイツ特許出願公開第102015200716A1号明細書が公知である。
【0004】
しかし、他ならぬ電気バッテリモジュールや燃料電池のセルテスターは、時間領域においてだけでなく負荷電流のオーダーに関しても、非常に高いダイナミスでの直流電圧の提供を必要とする。そこでは幅広い電流範囲にわたって高いダイナミクスのもとで、非常に高い測定精度が望ましいはずである。たとえば具体的な要求事項は、0A~250Aの電流範囲で最大150kHzのダイナミクスを有する可変の直流電圧のもとでの、電流または出力の高精度の測定である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】ドイツ特許出願公開第102012106262A1号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第2863528A1号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2010033154A1号明細書
【特許文献4】国際公開第2013174967A1号明細書
【特許文献5】ドイツ特許出願公開第102015200716A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって本発明の課題は、この問題を取り除き、時間的にハイダイナミックな直流電圧を生成することができ、その際に伝送される電流を一定の高い精度で非常に幅広い測定範囲にわたって測定することができる、電気的な直流電圧コンバータならびにセルテスターを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は請求項1に記載の装置によって解決される。
【0008】
本発明による直流電圧コンバータは入力電圧Vを少なくとも1つの可変の出力直流電圧Voutへと変換するために構成され、それぞれ少なくとも1つの電子制御可能なハーフブリッジを有する少なくとも2つの切換式のコンバータユニットを含み、ならびに、可変の周期時間と可変のデューティ比とをもって変調方式でハーフブリッジを制御するために構成された制御ユニットを含む。
【0009】
本発明によると、切換式のコンバータユニットの出力回線に専用の電流センサがそれぞれ設けられる。
【0010】
制御ユニットは、電流センサにより測定されたコンバータユニットの電流の強さを受信して、互いに相違するデューティ比でコンバータユニットを制御するために構成される。特に制御ユニットは、いくつかのコンバータユニットを他のコンバータユニットと比べて低減されたデューティ比で作動化することができる。制御ユニットは、いくつかのコンバータユニットを作動化しないために、すなわちゼロのデューティ比で作動化するために、構成されていてもよい。すなわち本発明によると制御ユニットは、それぞれのコンバータユニットを介して伝送される、伝送される電流全体の割合を制御する。
【0011】
コンバータユニットの出力回線は、電流センサの後で相互接続されるのが好ましい。それにより、出力回線の電流が互いに加算されることが実現される。制御ユニットは、電流センサへの照会によって合計電流Ioutを計算するために構成されていてよい。任意の数のコンバータユニットおよびこれらに付属する出力回線が設けられていてよい。制御ユニットは、出力回線のすべての電流の合計として合計電流を計算する。
【0012】
結果的に、付属の電流センサが合計電流の該当する電流強さについて最小の測定誤差を有しているコンバータユニットが作動化されるように、制御ユニットが変調方式を適合化することができる。したがって全体の合計電流について最小の測定誤差が実現され、測定範囲を切り換える必要はない。測定範囲を切り換える代わりに、制御ユニットは、付属の電流センサが適切な定格電流を有しているコンバータユニットを作動化する。
【0013】
特に制御ユニットは、計算された合計電流Ioutに依存して、または合計電流の目標値Isollに依存して、コンバータユニットを作動化するために構成されていてよい。換言すると制御ユニットは、伝送されるべき合計電流を前もってすでに知っていることができ、付属の電流センサがこの目標値についてもっとも小さい測定誤差をもたらすことになるコンバータユニットを事前に作動化する。
本発明の実施形態では、電流センサはそれぞれ等しい定格電流I,I'を有することができる。本発明の別の実施形態では、電流センサは相違する定格電流I,I'を有することができる。特に、電流センサはそれぞれ相違する測定範囲を有することが意図されていてよい。
【0014】
電流センサの定格電流と、この測定範囲でのそれぞれ特定のスケール精度(フルスケール精度)とが結びつけられる。たとえば、I=600Aと、600Aまでの測定範囲で0.01%のスケール精度とを有する電流センサは+/-60mAの予想される誤差を有し、I'=300Aの定格電流と、300Aまでの測定範囲で同一のスケール精度とを有する電流センサは+/-30mAの誤差を有する。すなわち、高い定格電流を有する電流センサの絶対的に予想される測定誤差は、通常、低い定格電流を有する電流センサのそれよりも大きい。
【0015】
電流センサは、低抵抗の電気的なシャント抵抗と、電圧計とをそれぞれ有することができる。特に、電流センサは測定抵抗R,R'を有することができ、その抵抗値は少なくとも係数5だけ、たとえば係数10から20だけ、相違している。たとえば第1の電流センサの抵抗値Rは約100μΩであってよく、第2の電流センサの抵抗値R'は約2mΩであってよい。あるいは、電流センサは誘導式の電流測定をするための磁気回路を有することもできる。本発明は、電流測定をするための特定のメカニズムに限定されるものではない。
【0016】
制御ユニットは、合計電流Ioutを定格電流I,I'と比較し、合計電流よりも大きいが合計電流にもっとも近い定格電流を付属の電流センサが有しているコンバータユニットを作動化するために構成されていてよい。このことが好ましいのは、ただ1つの電流センサの定格電流よりも合計電流が小さい場合である。
【0017】
あるいは制御ユニットは、合計電流Ioutを定格電流I,I'と比較し、それぞれの定格電流の合計が合計電流よりも大きいが合計電流にもっとも近いコンバータユニットを作動化するために構成されていてもよい。このことが好ましいのは、電流センサのそれぞれ個々の定格電流よりも合計電流が大きい場合である。それにより、作動化されたコンバータユニットの出力回線における電流強さが、付属の電流センサの定格電流I,I'よりもそのつど低いが、可能な限りこれに近いことが保証される。それにより、予想される測定誤差を低減するために、使用される電流センサの測定範囲がそのつど可能な限り幅広く活用される。
【0018】
本発明によると、出力回線にインターリービングチョークが設けられることが意図されていてよい。コンバータユニットのうちの少なくとも1つは、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上のハーフブリッジを有することができ、これらの出力部がそれぞれの共通の出力回線を形成するために、特に電流補償されていてよいインターリービングチョークを介して相互接続される。
【0019】
各々のハーフブリッジは、制御される2つの半導体スイッチまたは制御される1つの半導体スイッチ、およびダイオードを含むことができ、半導体スイッチは好ましくはSiCトランジスタまたはGaNトランジスタとして構成され、場合により、これらのトランジスタのうち複数が並列接続される。
【0020】
コンバータユニットは1つの共通の変換器モジュールに統合されていてよい。
【0021】
制御ユニットは、SiCトランジスタが使用される場合には最大200kHzの切換周波数で、たとえば24kHz、33kHz、または75kHzでハーフブリッジを制御し、GaNトランジスタが使用される場合には最大2.5MHzの切換周波数でこれを制御するために構成されていてよい。
【0022】
コンバータユニットの出力回線には、提供されるべき有効信号の周波数を超える限界周波数を有する、好ましくは30kHzを超える、たとえば約60kHzの、最大で150kHzを超える限界周波数を有する、ローパスフィルタとして構成されたLCフィルタ機構が配置されていてよい。
LCフィルタ機構には、それぞれ約150nHから300nHの範囲内のインダクタンスを有するフィルタチョークが設けられていてよい。電流センサは、たとえば約50A、175A、300A、600A、または700Aの範囲内の定格電流I,I'を有することができる。電流センサの測定精度は、定格電流I,I'に関して、たとえばおよそ+/-0.005%、+/-0.01%、または+/-0.05%の範囲内にあってよい。
【0023】
本発明による直流電圧コンバータは、低い測定精度およびたとえば約1MHzの高いダイナミクスを有する第1の測定チャネルと、高い測定精度およびたとえば約10Hzの低いダイナミクスを有する第2の測定チャネルとを有することができ、制御ユニットは両方の測定チャネルをシーケンシャルに、または同時に、照会するために構成されていてよい。両方の測定チャネルは互いに分離されていてよいが、両方の測定チャネルがそれぞれの電流センサに統合されていてもよい。たとえば電流センサは、電圧降下を測定するためのそれぞれ1つのシャント抵抗と、付属の2つの電圧増幅器と、2つの測定チャネルで電圧降下を測定およびデジタル化するための後置された2つのA/Dコンバータとを有することができる。
【0024】
電流センサは熱的なコンディショニングをするために、たとえば約50℃の電流センサの温度を保証するために、たとえばペルチエ素子や液体冷却体などの冷却部材と、および/またはたとえば線条抵抗器などの加熱部材と、熱伝導式に結合されていてよい。
【0025】
本発明による直流電圧コンバータは、入力直流電圧Vを出力直流電圧Voutから分離するために、内部の電気的な分離部を、たとえば変圧器を、有することができる。
【0026】
さらに本発明は、本発明による直流電圧コンバータを含む、1つまたは複数の電気的なバッテリセルまたは燃料電池をテストするためのセルテスターに関する。ここでセルテスターという概念は、電気エネルギー蓄積器または燃料電池を試験するためのあらゆる装置を含み、特に、個々のセル、複数のセル、個々または複数のバッテリパック、あるいは電気バッテリ全体を試験するための装置を含む。
入力電圧Vを提供するために、電気的な分離部を有する、たとえば変圧器を有する、電源変換器が設けられていてよい。
【0027】
本発明のその他の構成要件は、特許請求の範囲、図面、および以下の説明から明らかとなる。次に、他を排除するのではない実施例を参照しながら本発明について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1a図1aは、本発明によるセルテスターの実施形態の模式的なブロック図を示す。
図1b図1bは、本発明による直流電圧コンバータの実施形態の模式的な回路図を示す。
図1c図1cは、本発明による直流電圧コンバータの別の実施形態の模式的な回路図を示す。
図1d図1dは、本発明による直流電圧コンバータの別の実施形態の模式的な回路図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1aは、本発明によるセルテスターの実施形態の模式的なブロック図を示している。セルテスターは、たとえば共通のバッテリモジュールの一部であってよい1つまたは複数の電気的なバッテリセル8,8'をテストするために構成されており、本発明による2つの直流電圧コンバータ1,1'を含んでいる。
【0030】
直流電圧コンバータ1,1'は、共通の電源変換器10から入力電圧Vの供給を受ける。電源変換器10は3相の供給電源に接続されており、たとえば内部変圧器などの電気的な分離部を備えている。直流電圧コンバータ1,1'は、振幅範囲と周波数範囲の中でハイダイナミックに可変である、互いに独立した直流電圧Vout,Vout'をバッテリセル8,8'のテストのために生成する。制御ユニット4が、模式的に示すデータ回線を介して両方の直流電圧コンバータ1,1'と接続されており、供給される電流値または電圧値をこれらから受信する。さらに制御ユニット4は、制御回線を介して、直流電圧コンバータ1,1'のコンバータユニットと接続されている。
図示しない実施例では、各々の直流電圧コンバータ1,1'が内部の電気的な分離部を含む。このことが特に好ましいのは、テストされるべきバッテリセル8,8'が互いに電気接続されている場合であり、たとえば、これらが共通のバッテリパックの一部となっている場合である。
【0031】
図1bは、本発明による直流電圧コンバータ1の実施形態の模式的な回路図を示している。直流電圧コンバータ1は、電子制御可能なハーフブリッジ3,3'をそれぞれ有する2つの切換式のコンバータユニット2,2'と、可変の周期時間と可変のデューティ比とをもって変調方式でハーフブリッジ3,3'を制御するために構成された電子制御ユニット4とを含んでいる。コンバータユニット2,2'の出力回線5,5'に、専用の電流センサ6,6'がそれぞれ設けられている。
【0032】
制御ユニット4は、電流センサ6,6'により測定されたコンバータユニット2,2'の電流の強さI,I'を、模式的に示唆しているデータ回線を介して受信して処理するために構成されている。
【0033】
コンバータユニット2,2'の出力回線5,5'は電流センサ6,6'の後で相互接続されており、それにより出力回線5,5'の電流が互いに加算される。制御ユニット4は、合計電流Iout=I+I'を計算するために構成されている。
【0034】
さらに制御ユニット4は、互いに相違するデューティ比でコンバータユニット2,2'を制御するために構成されている。すなわち制御ユニットは、コンバータユニット2をコンバータユニット2'に比べて低減されたデューティ比で作動化することができ、または、コンバータユニット2,2'のうちの一方を作動化しないことができる。このことは、計算された合計電流Ioutに依存して、または合計電流Ioutの目標値Isollに依存して、行われる。
【0035】
本実施例では、第1の電流センサ6の定格電流はI=600Aに等しく、第2の電流センサ6'の定格電流はI=300Aに等しい。これらの電流センサのスケール誤差はそれぞれ0.01%である。このケースでは制御装置は、0Aから300Aの合計電流のもとでは、測定誤差を+/-30mAに制限するために、第2のコンバータユニット2'だけを作動化する。300Aから600Aの合計電流のもとでは、測定誤差を+/-60mAに制限するために、第1のコンバータユニット2が作動化され、第2のコンバータユニット2'は不作動化される。600Aから900Aの合計電流のもとでは、制御ユニットは第1のコンバータユニット2と第2のコンバータユニット2'を両方とも作動化する。このとき第1のコンバータユニット2は、第2の電流センサ2'を300Aの測定電流で全面的に活用して第1の電流センサ2の負荷を低くするために、第2のコンバータユニット2'に比べて低減されたデューティ比で作動化することができる。最後に900Aの合計電流のもとでは、両方のコンバータユニット2,2'が同じ大きさのデューティ比で作動化される。
【0036】
図示しない別の実施例では、定格電流がI=300Aに等しい同一の電流センサを有する3つのコンバータユニットが設けられる。これらの電流センサのスケール誤差はそれぞれ0.01%である。このケースでは制御ユニットは、測定誤差を+/-30mAに制限するために、0Aから300Aの合計電流のもとでは第1のコンバータユニットを作動化する。300Aから600Aの合計電流のもとでは、測定誤差を+/-60mAに制限するために、第2のコンバータユニットが追加的に作動化される。600Aから900Aの合計電流のもとでは、制御ユニットは、測定誤差を+/-90mAに制限するために、第3のコンバータユニットを追加的に作動化する。
【0037】
コンバータユニット2,2'の出力回線5,5'には、インターリービングチョーク7,7'が設けられている。各々のハーフブリッジ3,3'は、SiCトランジスタとして構成された制御式の2つの半導体スイッチを含んでおり、これらのトランジスタの複数が半導体スイッチを形成するために並列接続される。コンバータユニット2,2'は共通の変換器モジュール8に統合されている。切換周波数は、本実施例では約75kHzである。
【0038】
コンバータユニット2,2'の出力回線5,5'には、提供される有効信号の周波数すなわちここでは約45kHzを超える限界周波数を有するローパスフィルタとして構成されたLCフィルタ機構9,9'が配置されている。
【0039】
図1cは、本発明による直流電圧コンバータの別の実施形態の模式的な回路図を示している。この実施例は図1bのものに相当しているが、第1のコンバータユニット2が並列接続された3つのハーフブリッジ3,3a,3bを有していて、それらの出力部がインターリービングチョーク7,7a,7bを介して相互接続されているという違いがある。同じく両方の出力回線5,5'に、電流センサ6,6'が設けられている。低い測定精度およびたとえば約1MHzの高いダイナミクスを有する第1の測定チャネル11と、高い測定精度およびたとえば10Hzの低いダイナミクスを有する第2の測定チャネル11'とが設けられており、制御ユニット4は両方の測定チャネル11,11'に照会をするために構成されている。電流センサ6,6'は第2の測定チャネル11'を利用することができる;それに対して第1の測定チャネル11については、模式的に示唆している別個の電流センサが設けられている。
【0040】
図1dは、本発明による直流電圧コンバータの別の実施形態の模式的な回路図を示している。この実施例は図1cのものに相当しているが、電流センサ6,6'がそれぞれ第1の測定チャネル11と第2の測定チャネル11'とを利用できるという違いがある。この目的のために電流センサ6,6'には、模式的に示唆しているそれぞれ2つの電圧測定装置が、たとえば異なる限界周波数およびA/Dコンバータを有する別個の電圧増幅器の形態で配置されている。
【0041】
しかしながら本発明は本実施例に限定されるものではなく、下記の特許請求の範囲の枠内にある一切の装置を含む。特に本発明は、特定の種類の電流センサの使用に限定されるものではない。
[項目1]
入力電圧V を少なくとも1つの可変の出力直流電圧V out へと変換するための直流電圧コンバータ(1)であって、
a.それぞれ少なくとも1つの電子制御可能なハーフブリッジ(3,3')を有する少なくとも2つの切換式のコンバータユニット(2,2')と、
b.可変の周期時間と可変のデューティ比とをもって変調方式で前記ハーフブリッジ(3,3')を制御するために構成された制御ユニット(4)とを含む、直流電圧コンバータにおいて、
-前記コンバータユニット(2,2')の出力回線(5,5')に専用の電流センサ(6,6')がそれぞれ設けられ、
-前記制御ユニット(4)は、
o前記電流センサ(6,6')により測定された前記コンバータユニット(2,2')の電流の強さI ,I 'を受信して、
o互いに相違するデューティ比で前記コンバータユニット(2,2')を制御するために、特に、いくつかの前記コンバータユニット(2,2')を他の前記コンバータユニット(2,2')に比べて低減されたデューティ比で作動化するために、または作動化しないために、構成されることを特徴とする直流電圧コンバータ。
[項目2]
前記コンバータユニット(2,2')の前記出力回線(5,5')は前記電流センサ(6,6')の後で相互接続されており、それにより前記出力回線(5,5')の電流が互いに加算され、前記制御ユニット(4)は合計電流I out を計算するために構成されることを特徴とする、項目1に記載の直流電圧コンバータ(1)。
[項目3]
前記制御ユニット(4)は、計算された合計電流I out に依存して、または合計電流I out の目標値I soll に依存して、前記コンバータユニット(2,2')を作動化するために構成されることを特徴とする、項目2に記載の直流電圧コンバータ(1)。
[項目4]
前記電流センサ(6,6')は等しい定格電流I ,I 'を有することを特徴とする、項目1から3のいずれか1項に記載の直流電圧コンバータ(1)。
[項目5]
前記電流センサ(6,6')は相違する定格電流I ,I 'を有することを特徴とする、項目1から3のいずれか1項に記載の直流電圧コンバータ(1)。
[項目6]
前記制御ユニット(4)は、合計電流I out を定格電流I ,I 'と比較して、
a.合計電流I out よりも大きいが合計電流I out にもっとも近い定格電流I ,I 'を付属の前記電流センサ(6,6')が有しているコンバータユニット(2,2')を作動化するために、または、
b.それぞれの定格電流の合計が合計電流I out よりも大きいが合計電流I out にもっとも近いコンバータユニット(2,2')を作動化するために、構成され、
それにより、作動化された前記コンバータユニット(2,2')の前記出力回線(5,5')における電流の強さは付属の前記電流センサ(6,6')の定格電流I ,I 'よりもそのつど低いが、可能な限りこれに近いことを特徴とする、項目2から5のいずれか1項に記載の直流電圧コンバータ(1)。
[項目7]
前記出力回線(5,5')にインターリービングチョーク(7,7')が設けられることを特徴とする、項目1から6のいずれか1項に記載の直流電圧コンバータ(1)。
[項目8]
前記コンバータユニット(2)のうちの少なくとも1つは、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上のハーフブリッジ(3,3a,3b)を有し、これらの出力部がそれぞれの共通の出力回線(5)を形成するために、特に電流補償されていてよいインターリービングチョーク(7,7a,7b)を介して相互接続されることを特徴とする、項目1から7のいずれか1項に記載の直流電圧コンバータ(1)。
[項目9]
各々の前記ハーフブリッジ(3,3')は、
a.制御される2つの半導体スイッチまたは
b.制御される1つの半導体スイッチとダイオード
を含み、前記半導体スイッチは好ましくはSiCトランジスタまたはGaNトランジスタとして構成され、場合によりこれらのトランジスタのうちの複数が並列接続されることを特徴とする、項目1から8のいずれか1項に記載の直流電圧コンバータ(1)。
[項目10]
前記コンバータユニット(2,2')は共通の変換器モジュール(8)に統合されることを特徴とする、項目1から9のいずれか1項に記載の直流電圧コンバータ(1)。
[項目11]
前記制御ユニット(4)は、SiCトランジスタが使用される場合には最大200kHzの切換周波数で、たとえば24kHz、33kHz、または75kHzで前記ハーフブリッジ(3,3')を制御し、GaNトランジスタが使用される場合には最大で2.5MHzの切換周波数でこれを制御するために構成されることを特徴とする、項目1から10のいずれか1項に記載の直流電圧コンバータ(1)。
[項目12]
前記出力回線(5,5')には、提供されるべき有効信号の周波数を超える限界周波数を有する、好ましくは30kHzを超える、たとえば約60kHzの、最大で150kHzを超える限界周波数を有する、ローパスフィルタとして構成されたLCフィルタ機構(9,9')が配置されることを特徴とする、項目1から11のいずれか1項に記載の直流電圧コンバータ(1)。
[項目13]
前記LCフィルタ機構(9,9')にはそれぞれ約150nHから300nHの範囲内のインダクタンスを有するフィルタチョークが設けられることを特徴とする、項目12に記載の直流電圧コンバータ(1)。
[項目14]
前記電流センサ(6,6')は約50A、175A、または700Aの範囲内の定格電流I ,I 'を有することを特徴とする、項目1から13のいずれか1項に記載の直流電圧コンバータ(1)。
[項目15]
前記電流センサ(6,6')の測定精度はその定格電流I ,I 'に関して+/-0.01%の範囲内にあることを特徴とする、項目1から14のいずれか1項に記載の直流電圧コンバータ(1)。
[項目16]
低い測定精度およびたとえば約1MHzの高いダイナミクスを有する第1の測定チャネル(11)と、高い測定精度およびたとえば10Hzの低いダイナミクスを有する第2の測定チャネル(11')とが設けられ、前記制御ユニット(4)は両方の前記測定チャネル(11,11')に照会をするために構成されることを特徴とする、項目1から15のいずれか1項に記載の直流電圧コンバータ(1)。
[項目17]
前記電流センサ(6,6')は熱的なコンディショニングをするために、たとえば約50℃の前記電流センサ(6,6')の温度を保証するために、たとえばペルチエ素子や液体冷却体などの冷却部材と、および/またはたとえば線条抵抗器などの加熱部材と、熱伝導式に結合されることを特徴とする、項目1から16のいずれか1項に記載の直流電圧コンバータ(1)。
[項目18]
入力直流電圧V を出力直流電圧V out から分離するための電気的な分離部、たとえば内部変圧器が設けられることを特徴とする、項目1から17のいずれか1項に記載の直流電圧コンバータ(1)。
[項目19]
項目1から18のいずれか1項に記載の直流電圧コンバータ(1)を含む、1つまたは複数の電気的なバッテリセル(8,8')または燃料電池をテストするためのセルテスター。
[項目20]
入力直流電圧V を提供するために電気的な分離部を有する電源変換器(10)が設けられることを特徴とする、項目19に記載のセルテスター。
【符号の説明】
【0042】
1 直流電圧コンバータ
2,2' コンバータユニット
3,3' ハーフブリッジ
4 制御ユニット
5,5' 出力回線
6,6' 電流センサ
7,7a,7b,7' インターリービングチョーク
8,8' バッテリセル
9,9' LCフィルタ機構
10 電源変換器
11,11' 測定チャネル
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力電圧Vを少なくとも1つの可変の出力直流電圧Voutへと変換する直流電圧コンバータであって、
a.それぞれ少なくとも1つの電子制御可能なハーフブリッジを有する少なくとも2つの切換式のコンバータユニットと
b.可変の周期時間と可変のデューティ比とをもって変調方式で前記ハーフブリッジを制御する制御ユニットと含み
-前記コンバータユニットの出力回線に専用の電流センサがそれぞれ設けられ、
-前記制御ユニットは
o前記電流センサにより測定された前記コンバータユニットの電流の強さI,I'を受信して、
o互いに相違するデューティ比で前記コンバータユニットを制御するために、特に、いくつかの前記コンバータユニットを他の前記コンバータユニットに比べて低減されたデューティ比で作動化するために、または作動化しないために、構成される直流電圧コンバータにおいて、
前記コンバータユニットの前記出力回線は前記電流センサの後で相互接続され、前記出力回線の電流が互いに加算され、前記制御ユニットは合計電流I out を計算するために構成され、前記制御ユニットは、前記合計電流I out を定格電流I ,I 'と比較して、
a.前記合計電流I out よりも大きいが前記合計電流I out にもっとも近い前記定格電流I ,I 'を付属の前記電流センサが有しているコンバータユニットを作動化するために、または、
b.それぞれの定格電流の合計が前記合計電流I out よりも大きいが前記合計電流I out にもっとも近いコンバータユニットを作動化するために、構成され、
作動化された前記コンバータユニットの前記出力回線における電流の強さは付属の前記電流センサの前記定格電流I ,I 'よりもそのつど低いが、可能な限りこれに近い直流電圧コンバータ。
【請求項2】
前記制御ユニッは、計算された前記合計電流Ioutに依存して、または前記合計電流Ioutの目標値Isollに依存して、前記コンバータユニットを作動化する、請求項に記載の直流電圧コンバータ。
【請求項3】
前記電流センサは等しい定格電流I,I'を有する、請求項1または2に記載の直流電圧コンバータ。
【請求項4】
前記電流センサは相違する定格電流I,I'を有する、請求項1または2に記載の直流電圧コンバータ。
【請求項5】
前記出力回線にインターリービングチョークが設けられる、請求項1からのいずれか1項に記載の直流電圧コンバータ。
【請求項6】
前記コンバータユニットのうちの少なくとも1つは、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上のハーフブリッジを有し、これらの出力部がそれぞれの共通の出力回線を形成するために、特に電流補償されていてよいインターリービングチョークを介して相互接続される、請求項1からのいずれか1項に記載の直流電圧コンバータ。
【請求項7】
各々の前記ハーフブリッジは
a.制御される2つの半導体スイッチまたは
b.制御される1つの半導体スイッチとダイオード
を含み、前記半導体スイッチは好ましくはSiCトランジスタまたはGaNトランジスタとして構成され、場合によりこれらのトランジスタのうち複数が並列接続される、請求項1からのいずれか1項に記載の直流電圧コンバータ。
【請求項8】
前記コンバータユニットは共通の変換器モジュールに統合される、請求項1からのいずれか1項に記載の直流電圧コンバータ。
【請求項9】
前記制御ユニットは、SiCトランジスタが使用される場合には最大200kHzの切換周波数で、たとえば24kHz、33kHz、または75kHzで前記ハーフブリッジを制御し、GaNトランジスタが使用される場合には最大で2.5MHzの切換周波数で制御する、請求項1からのいずれか1項に記載の直流電圧コンバータ。
【請求項10】
前記出力回線には、提供されるべき有効信号の周波数を超える限界周波数を有する、好ましくは30kHzを超える、たとえば約60kHzの、最大で150kHzを超える限界周波数を有する、ローパスフィルタとして構成されたLCフィルタ機構が配置される、請求項1からのいずれか1項に記載の直流電圧コンバータ。
【請求項11】
前記LCフィルタ機構にはそれぞれ約150nHから300nHの範囲内のインダクタンスを有するフィルタチョークが設けられる、請求項10に記載の直流電圧コンバー
【請求項12】
前記電流センサは約50A、175A、または700Aの範囲内の前記定格電流I,I'を有する、請求項1から11のいずれか1項に記載の直流電圧コンバータ。
【請求項13】
前記電流センサの測定精度は前記定格電流I,I'に関して+/-0.01%の範囲内にある、請求項1から12のいずれか1項に記載の直流電圧コンバータ。
【請求項14】
低い測定精度およびたとえば約1MHzの高いダイナミクスを有する第1の測定チャネルと、高い測定精度およびたとえば10Hzの低いダイナミクスを有する第2の測定チャネルとが設けられ、前記制御ユニットは前記第1の測定チャネルおよび前記第2の測定チャネルの方に会する、請求項1から13のいずれか1項に記載の直流電圧コンバータ。
【請求項15】
前記電流センサは熱的なコンディショニングをするために、たとえば約50℃の前記電流センサの温度を保証するために、たとえばペルチエ素子や液体冷却体などの冷却部材と、および/またはたとえば線条抵抗器などの加熱部材と、熱伝導式に結合される、請求項1から14のいずれか1項に記載の直流電圧コンバータ。
【請求項16】
入力直流電圧Vを出力直流電圧Voutから分離する電気的な分離部、たとえば内部変圧器が設けられる、請求項1から15のいずれか1項に記載の直流電圧コンバータ。
【請求項17】
請求項1から16のいずれか1項に記載の直流電圧コンバータを含む、1つまたは複数の電気的なバッテリセルまたは燃料電池をテストするセルテスター。
【請求項18】
入力直流電圧Vを提供するために電気的な分離部を有する電源変換器が設けられる、請求項17に記載のセルテスター。
【国際調査報告】