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特表2023-543272棚装置、ロボット及び倉庫貯蔵システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-13
(54)【発明の名称】棚装置、ロボット及び倉庫貯蔵システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/14 20060101AFI20231005BHJP
   B65G 1/04 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
B65G1/14 A
B65G1/04 527
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023519287
(86)(22)【出願日】2021-08-26
(85)【翻訳文提出日】2023-04-10
(86)【国際出願番号】 CN2021114787
(87)【国際公開番号】W WO2022062826
(87)【国際公開日】2022-03-31
(31)【優先権主張番号】202022174511.9
(32)【優先日】2020-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202022174513.8
(32)【優先日】2020-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202011039047.0
(32)【優先日】2020-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519206553
【氏名又は名称】シャンハイ クイックトロン インテリジェント テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SHANGHAI QUICKTRON INTELLIGENT TECHNOLOGY CO., LTD
【住所又は居所原語表記】Room 1030, Zone B, Room 1205, No.968, 128 Memorial Road, Baoshan District, Shanghai 200435, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホー ユンティー
(72)【発明者】
【氏名】ワン シンハオ
(72)【発明者】
【氏名】タン タン
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022FF01
3F022JJ09
3F022MM52
(57)【要約】
棚装置(100)、ロボット(200)及び倉庫貯蔵システム(1)を提供する。棚装置(100)は、棚(10)と軌道組立体(20)とを備え、棚(10)は、少なくとも2つであり、間隔を隔てて設置され、かつ隣接する2つの棚(10)の間に通路(10a)が画定され、軌道組立体(20)は、通路(10a)の上方に位置し、かつ隣接する2つの棚(10)の頂部に取り外し可能に接続され、軌道組立体(20)に通路(10a)の通行方向に沿って延在する軌道(20a)が設置され、軌道(20a)が通路(10a)に沿って移動するロボット(200)と位置規制的に係合することに適する。よって、棚装置(100)全体の構造の安定性を向上させ、棚(10)が変形する効率を低減させることで、ロボット(200)が貨物箱を出し入れする安定性及び成功率を向上させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
棚と軌道組立体とを備え、
前記棚は、少なくとも2つであり、間隔を隔てて設置され、かつ隣接する2つの前記棚の間に通路が画定され、
前記軌道組立体は、前記通路の上方に位置し、かつ隣接する2つの前記棚の頂部に取り外し可能に接続され、前記軌道組立体に前記通路の通行方向に沿って延在する軌道が設置され、前記軌道が前記通路に沿って移動するロボットと位置規制的に係合することに適することを特徴とする、棚装置。
【請求項2】
前記軌道組立体は、対向して設置された2つの軌道壁を有し、かつ2つの前記軌道壁はそれぞれ前記通路の通行方向に沿って延在して前記軌道を画定しており、
前記ロボットの頂部は、2つの前記軌道壁の間に位置し、かつ、2つの前記軌道壁とスライド係合することに適することを特徴とする、請求項1に記載の棚装置。
【請求項3】
前記軌道組立体は、横ロッドと垂直ロッドとを備え、
前記横ロッドは、前記通路の通行方向に沿って延在し、2つの前記横ロッドが前記通路の通行方向に垂直な方向において対向して設置され、ここで、2つの前記横ロッドの対向する側面によりそれぞれ前記軌道壁が形成され、
前記垂直ロッドの上端が前記横ロッドに接続され、前記垂直ロッドの下端が前記棚に取り外し可能に接続されていることを特徴とする、請求項2に記載の棚装置。
【請求項4】
前記横ロッドは、第1の折り曲げ部及び第2の折り曲げ部を備え、前記第1の折り曲げ部は前記垂直ロッドの上端に支持され、前記第2の折り曲げ部の側面は前記軌道壁を形成することを特徴とする、請求項3に記載の棚装置。
【請求項5】
前記棚は、垂直方向に沿って延在する支持ロッドを備え、前記垂直ロッドの下端は前記支持ロッドの上端に挿着係合されていることを特徴とする、請求項3に記載の棚装置。
【請求項6】
前記垂直ロッドに、接続孔が設置され、前記支持ロッドの壁体に垂直方向に沿って互いに間隔を隔てた複数の位置決め孔が設置され、前記接続孔が一つの前記位置決め孔に対向して設置されることで、位置規制部材が前記位置決め孔を貫通して前記接続孔に接続されていることを特徴とする、請求項5に記載の棚装置。
【請求項7】
前記軌道組立体は、縦ロッドを更に備え、前記縦ロッドは、2つの前記横ロッドに何れも接続され、複数の前記縦ロッドが前記通路の通行方向において間隔を隔てて設置されていることを特徴とする、請求項3に記載の棚装置。
【請求項8】
2つの前記軌道壁の端部に隣接する部分は、それぞれ円弧状壁として構成されていることを特徴とする、請求項2に記載の棚装置。
【請求項9】
前記棚は、垂直方向において間隔を隔てて設置された第1の仕切り板及び第2の仕切り板を備え、前記第1の仕切り板は、前記第2の仕切り板の上方に位置し、ここで、前記第1の仕切り板は、貯蔵層を画定し、前記第2の仕切り板は、一時貯蔵層を画定していることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の棚装置。
【請求項10】
移動シャーシとブラケットとを備え、
前記移動シャーシは、棚装置の通路に沿って移動可能であり、
前記ブラケットは、前記移動シャーシに設置され、前記ブラケットの頂部に、前記棚装置の軌道と位置規制的に係合することに適するスライド組立体が設置されていることを特徴とする、ロボット。
【請求項11】
前記スライド組立体に、滑車が設置され、2つの前記滑車は、前記軌道の2つの軌道壁に対しそれぞれ転動的に係合していることを特徴とする、請求項10に記載のロボット。
【請求項12】
前記滑車の回転軸線が垂直方向に沿って設置されていることを特徴とする、請求項11に記載のロボット。
【請求項13】
前記スライド組立体は、固定部とスライド部とを備え、
前記固定部は、2つの固定ラグを備え、2つの前記固定ラグが、それぞれ前記ブラケットの頂部の対向する両側に接続され、
2つの前記スライド部が、それぞれ前記固定部の対向する両側に設けられ、前記スライド部が、取付座及び前記取付座に回転可能に設けられた前記滑車を備えることを特徴とする、請求項11に記載のロボット。
【請求項14】
2つの前記スライド部と前記固定部との間に、いずれも弾性復帰部が設置されることで、前記スライド部が前記固定部に対して伸縮可能であることを特徴とする、請求項13に記載のロボット。
【請求項15】
前記弾性復帰部は、
前記固定部側に位置する軸固定部材と、
前記軸固定部材に固定され、前記取付座が摺動可能に設けられたスライド軸と、
前記スライド軸に嵌設され、第1の端が前記取付座に当接され、第2の端が前記軸固定部材に当接された弾性部材と、を備えることを特徴とする、請求項14に記載のロボット。
【請求項16】
前記スライド組立体の数は、1つであり、かつ前記ブラケットの頂部の長手方向における中央に設置されていることを特徴とする、請求項10に記載のロボット。
【請求項17】
前記スライド組立体の数が複数であり、かつ前記ブラケットの頂部の長手方向において間隔を隔てて設置されていることを特徴とする、請求項10に記載のロボット。
【請求項18】
前記ブラケットに設置され、かつ前記ブラケットに対して垂直方向に沿って移動する搬送部を更に備えることを特徴とする、請求項10~17のいずれか一項に記載のロボット。
【請求項19】
請求項1~9のいずれか一項に記載の棚装置及び/又は請求項10~18のいずれか一項に記載のロボットを備えることを特徴とする、倉庫貯蔵システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2020年9月28日に中国知識産権局へ提出された出願番号が2020110390470であり、発明名称が「棚装置及び倉庫貯蔵システム」である中国特許出願と、2020年9月28日に中国知識産権局へ提出された出願番号が2020221745119であり、名称が「棚装置及び倉庫貯蔵システム」である中国実用新案出願と、2020年9月28日に中国知識産権局へ提出された出願番号が2020221745138であり、名称が「ロボット及び倉庫貯蔵システム」である中国実用新案出願と、の優先権を主張する。その全ての内容は、引用により本願に組み込まれる。
【0002】
本願は、倉庫貯蔵技術に関し、特に、棚装置、ロボット及び倉庫貯蔵システムに関する。
【背景技術】
【0003】
従来の技術における倉庫貯蔵システムの棚装置は、ロボットが高所の貨物箱を出し入れする時に車体の揺れが発生しやすく、貨物箱の出し入れが失敗することを引き起こし、更にロボット及び棚が倒れることを引き起こし、潜在的な安全リスクがあった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の実施例は、関連技術に存在する問題を解決するために、棚装置、ロボット及び倉庫貯蔵システムを提供する。その技術案は以下のとおりである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様において、本願の実施例は、棚と軌道組立体とを備え、
棚は、少なくとも2つであり、間隔を隔てて設置され、かつ隣接する2つの棚の間に通路が画定され、
軌道組立体は、通路の上方に位置し、かつ隣接する2つの棚の頂部に取り外し可能に接続され、軌道組立体に通路の通行方向に沿って延在する軌道が設置され、軌道が通路に沿って移動するロボットと位置規制的に係合することに適する棚装置を提供する。
【0006】
一つの実施形態において、軌道組立体は、対向して設置された2つの軌道壁を有し、かつ2つの軌道壁はそれぞれ通路の通行方向に沿って延在して軌道を画定しており、
ロボットの頂部は、2つの軌道壁の間に位置し、かつ、2つの軌道壁とスライド係合することに適する。
【0007】
一つの実施形態において、軌道組立体は、横ロッドと垂直ロッドとを備え、
横ロッドは、通路の通行方向に沿って延在し、2つの横ロッドが通路の通行方向に垂直な方向において対向して設置され、ここで、2つの横ロッドの対向する側面によりそれぞれ軌道壁が形成され、
垂直ロッドの上端が横ロッドに接続され、垂直ロッドの下端が棚に取り外し可能に接続されている。
【0008】
一つの実施形態において、横ロッドは、第1の折り曲げ部及び第2の折り曲げ部を備え、第1の折り曲げ部は、垂直ロッドの上端に支持され、第2の折り曲げ部の側面は軌道壁を形成する。
【0009】
一つの実施形態において、棚は、垂直方向に沿って延在する支持ロッドを備え、垂直ロッドの下端は、支持ロッドの上端に挿着係合されている。
【0010】
一つの実施形態において、垂直ロッドに、接続孔が設置され、支持ロッドの壁体に垂直方向に沿って互いに間隔を隔てた複数の位置決め孔が設置され、接続孔が一つの位置決め孔に対向して設置されることで、位置規制部材が位置決め孔を貫通して接続孔に接続されている。
【0011】
一つの実施形態において、軌道組立体は、縦ロッドを更に備え、縦ロッドは、2つの横ロッドに何れも接続され、複数の縦ロッドが通路の通行方向において間隔を隔てて設置されている。
【0012】
一つの実施形態において、2つの軌道壁の端部に隣接する部分は、それぞれ円弧状壁として構成されている。
【0013】
一つの実施形態において、棚は、垂直方向において間隔を隔てて設置された第1の仕切り板及び第2の仕切り板を備え、第1の仕切り板は、第2の仕切り板の上方に位置し、ここで、第1の仕切り板は、貯蔵層を画定し、第2の仕切り板は、一時貯蔵層を画定している。
【0014】
第2の態様において、本願の実施例は、移動シャーシとブラケットとを備え、
移動シャーシは、棚装置の通路に沿って移動可能であり、
ブラケットは、移動シャーシに設置され、ブラケットの頂部に、棚装置の軌道と位置規制的に係合することに適するスライド組立体が設置されているロボットを提供する。
【0015】
一つの実施形態において、スライド組立体に、滑車が設置され、2つの滑車は、軌道の2つの軌道壁に対しそれぞれ転動的に係合している。
【0016】
一つの実施形態において、滑車の回転軸線が垂直方向に沿って設置されている。
【0017】
一つの実施形態において、スライド組立体は、固定部とスライド部とを備え、
固定部は、2つの固定ラグを備え、2つの固定ラグが、それぞれブラケットの頂部の対向する両側に接続され、
2つのスライド部が、それぞれ固定部の対向する両側に設けられ、スライド部が、取付座及び取付座に回転可能に設けられた滑車を備える。
【0018】
一つの実施形態において、2つのスライド部と固定部との間に、いずれも弾性復帰部が設置されることで、スライド部が固定部に対して伸縮可能である。
【0019】
一つの実施形態において、弾性復帰部は、
固定部側に位置する軸固定部材と、
軸固定部材に固定され、取付座が摺動可能に設けられたスライド軸と、
スライド軸に嵌設され、第1の端が取付座に当接され、第2の端が軸固定部材に当接された弾性部材と、を備える。
【0020】
一つの実施形態において、スライド組立体の数は、1つであり、かつブラケットの頂部の長手方向における中央に設置されている。
【0021】
一つの実施形態において、スライド組立体の数は、複数であり、かつブラケットの頂部の長さ方向において間隔を隔てて設置されている。
【0022】
一つの実施形態において、該ロボットは、ブラケットに設置され、かつブラケットに対して垂直方向に沿って移動する搬送部を更に備える。
【0023】
第3の態様において、本願の実施例は、本願の上記いずれかの実施形態に係る棚装置及び/又は本願の上記いずれかの実施形態に係るロボットを備える倉庫貯蔵システムを更に提供する。
【0024】
本願の実施例の技術案は、以下の利点又は有益な効果を含む。棚装置全体の構造の安定性を向上させ、棚が変形する効率を低減させることで、ロボットが貨物箱を出し入れする安定性及び成功率を向上させることができる。一方では、棚が外力作用を受ける時に棚と地面との固定領域のモーメントを減少させ、棚が倒れる確率を低減させ、棚装置の安全性を確保することができる。他方では、ある程度で倒れ確率に対する棚の高さの影響を減少させ、したがって棚の高さを制限する必要とせず、棚の貯蔵量を向上させることに有利である。更に、棚の頂部を倉庫の天井に対し固定する必要とせず、棚の安定性を向上させることができ、倉庫での棚装置の取り付け難易度を低減させることができ、又、棚は様々な高さの倉庫に適用され、棚装置の適用範囲を向上させることができる。また、軌道組立体にロボットに対して位置規制作用を形成する軌道を設置することにより、ロボットが通路に沿って移動する過程において揺れる又は横方向に倒れる確率を低減させ、これにより、ロボットが貨物箱を出し入れする成功率を向上させ、かつロボットが倒れることにより棚がロボットと共に倒れる確率を低減させ、ロボットが通路に沿って移動し貨物箱を出し入れする安定性を向上させることに有利である。
【0025】
上記概要は、単に明細書の説明のためであり、いかなる方式で限定されることを意図しない。上記記載された例示的な態様、実施形態及び特徴に加えて、図面及び以下の詳細な説明を参照することにより、本願のさらなる態様、実施形態及び特徴は容易に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図面において、特に規定しない限り、複数の図面における同一の符号は同一又は類似の部材又は要素を示す。これらの図面は、必ずしも縮尺で描かれていなくてもよい。なお、これらの図面は本願に開示されたいくつかの実施形態のみを示し、本願の範囲を限定するものと見なすべきではない。
図1】本願の実施例に係る棚装置の構造を示す概略図である。
図2】本願の実施例に係る棚装置の一部構造を示す概略図である。
図3】本願の実施例に係る棚装置の一部構造を示す概略図である。
図4】本願の実施例に係る棚装置の軌道組立体の一部構造を示す概略図である。
図5】本願の実施例に係る棚装置とロボットとの係合を示す概略図である。
図6】本願の実施例に係るロボットの構造を示す概略図である。
図7】本願の実施例に係るロボットのスライド組立体の構造を示す概略図である。
図8】本願の実施例に係るロボットのスライド組立体と軌道組立体との係合を示す概略図である。
図9】本願の一つの実施例に係る倉庫貯蔵システムのロボットを示す平面図である。
図10】本願の別の実施例に係る倉庫貯蔵システムのロボットを示す平面図である。
図11】本願の実施例に係る倉庫貯蔵システムの構造を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下では、いくつかの例示的な実施例のみを簡単に説明する。当業者が認識できるように、本願の趣旨又は範囲から逸脱することなく、様々な異なる方式で説明された実施例を修正することができる。したがって、図面及び説明は、実質的に例示的なものであり、制限的なものではないと見なされる。
【0028】
以下、図1図5を参照して、本願の実施例に係る棚装置100について説明する。本願の実施例に係る棚装置100は、貨物を収容する貨物箱を保管するためのものである。
【0029】
図1に示すように、棚装置100は、棚10及び軌道組立体20を備える。
【0030】
具体的には、棚10は、間隔を隔てて少なくとも2つ設置され、かつ隣接する2つの棚10の間に通路10aが画定されている。軌道組立体20は通路10aの上方に位置し、かつ隣接する2つの棚10の頂部に取り外し可能に接続され、軌道組立体20に通路10aの通行方向に沿って延在する軌道20aが設置され、軌道20aは、通路10aに沿って移動するロボット200と位置規制的に係合することに適する。
【0031】
一例において、棚10は、2つであってもよく、かつ2つの棚10は、棚10の幅方向に平行な方向(すなわち図示における左右方向)に並列しかつ間隔を隔てて設置され、2つの棚10の間の領域は通路10aを形成している。理解できるように、通路10aの通行方向は、ロボット200が通路10aに沿って移動する方向であり、通路10aの通行方向は、その長さ方向であってもよく、かつ通路10aの長さ方向は棚10の長さ方向(すなわち図示における前後方向)に平行に設置されている。軌道組立体20は通路10aの上方に設置されかつ2つの棚10の頂部にそれぞれ接続され、これにより軌道組立体20と2つの棚10とは一体構造を形成している。
【0032】
これにより、一方では棚装置100の全体構造の安定性を向上させ、棚10が倒れる確率を低減させることができ、他方では、軌道組立体20をロボット200に対し回避させることで、ロボット200が通路10aに沿ってスムーズに移動することを確保できる。
【0033】
一例において、ロボット200は、通路10a内で前後方向に沿って移動することに適し、かつ棚10に保管された貨物箱を棚10から搬送し、又は貨物箱を棚10に搬送するために用いられる。軌道組立体20の軌道20aは、通路10aの長さ方向に沿って延在し、ロボット200の頂部は、軌道20a内に位置し、これによりロボット200の頂部は軌道20aと位置規制的に係合している。また、ロボット200が通路10aに沿って移動する過程において、ロボット200の頂部と軌道20aとはスライド係合可能である。
【0034】
好ましくは、ロボット200が通路10aに沿って移動する過程において、ロボット200の頂部は、常に軌道20aと位置規制的に係合したままである。
【0035】
これにより、ロボット200が通路10aに沿って移動する過程において、ロボット200の頂部に対する軌道組立体20の軌道20aの位置規制作用により、ロボット200が通路10aの幅方向のいずれか一側に向かって倒れることを回避することができ、ロボット200の移動過程における安定性を確保することができる。
【0036】
なお、倉庫貯蔵システム1の坪効率を確保し、すなわち棚装置100の貯蔵量をできるだけ向上させるために、棚10の高さを高く設定する必要があり、これにより棚10に複数の貯蔵層12aを設置している。それに応じて、ロボット200が棚10の最上層に位置する貯蔵層12aに対し貨物箱を出し入れすることを確保するために、ロボット200の高さは棚10の高さとほぼ同じであるのが好適である。したがって、単一の棚10及び単一のロボット200の高さが高いほど、倒れる確率もそれに応じて高くなる。
【0037】
従来の技術における棚装置では、単一の棚の安定性が悪く、かつ時間の経過に伴って棚が変形しやすく、これによりロボットが貨物箱を出し入れする成功率に対し影響を与える。次に、棚は、地面のみに固定的に接続され、ロボットが倒れて棚と衝突する時、棚と地面との固定領域に対し大きなモーメントを印加し、棚が倒れやすくなる。また、ロボット及び棚が倒れる確率を低減させるために、ロボット及び棚の高さを制限する必要があり、これにより棚の貯蔵量が制限される。
【0038】
本願の実施例に係る棚装置100は、2つの棚10の頂部に通路10aの上方に位置する軌道組立体20を設置することにより、軌道組立体20と2つの棚10とが一体構造を形成している。これにより、一方では、棚装置100の全体構造の安定性を向上させ、棚10が変形する効率を低減させ、ロボット200が貨物箱を出し入れする安定性及び成功率を向上させることができる。他方では、棚10が外力作用を受ける時に棚10と地面との固定領域のモーメントを低減させることで、棚10が倒れる確率を低減させ、棚装置100の安全性を確保することができる。更に、一定の程度で棚10の高さが倒れ確率に与える影響を低減させるため、棚10の高さを制限する必要とせず、棚10の貯蔵量を向上させることに有利である。
【0039】
更に、棚10の頂部を倉庫の天井に対し固定する必要とせず、棚10の安定性を向上させることができ、倉庫での棚装置100の取り付け難易度を低減させることができる。また、棚10は、様々な高さの倉庫に適用されることで、棚装置100の適用範囲を向上させる。
【0040】
また、軌道組立体20に、ロボット200に対して位置規制作用を形成する軌道20aを設置することにより、ロボット200が通路10aに沿って移動する過程において揺れる又は側方向に倒れる確率を低減させることができ、これによりロボット200が貨物箱を出し入れする成功率を向上させ、かつロボット200が倒れることにより棚10がロボット200と共に倒れる確率を低減させることができ、ロボット200が通路10aに沿って移動し貨物箱を出し入れする安定性を向上させることに有利である。
【0041】
したがって、本願の実施例に係る棚装置100は、構造が安定し、棚10及びロボット200が倒れる確率が低く、取り付け難易度が小さく、かつ適用範囲が広いなどの利点を有する。
【0042】
一つの実施形態では、図2に示すように、軌道組立体20は、対向して設置された2つの軌道壁212aを有し、かつ2つの軌道壁212aは、それぞれ通路10aの通行方向に沿って延在して軌道20aを画定している。ロボット200の頂部は、2つの軌道壁212aの間に位置し、かつ2つの軌道壁212aとスライド係合することに適する。
【0043】
例示的には、2つの軌道壁212aは、図1に示された左右方向において対向して設置され、かつ軌道壁212aは図1に示された前後方向に沿って延在している。なお、2つの軌道壁212aの間の距離がロボット200の頂部の幅に等しくてもよく、これにより、ロボット200の頂部の左右方向における対向する両側が、それぞれ2つの軌道壁212aに当接されて係合され、ロボット200が常に直立状態を保持し、ロボット200が倒れることを回避することができる。又は、2つの軌道壁212aの間の距離は、ロボット200の頂部の幅より僅かに大きくてもよい。すなわち、ロボット200が直立状態にある場合、ロボット200の頂部の幅方向の両側は2つの軌道壁212aといずれも接触しない。ロボット200が小さい角度で傾斜する場合、ロボット200の頂部の傾斜方向に向く側は、その対応する側の軌道壁212aと接触することで、ロボット200が倒れ続けることを回避することができる。
【0044】
一つの実施形態では、図2に示すように、軌道組立体20は、横ロッド21及び垂直ロッド22を備える。具体的には、横ロッド21は通路10aの通行方向に沿って延在し、2つの横ロッド21は通路10aの通行方向に垂直な方向において対向して設置されている。ここで、2つの横ロッド21の対向する側面によりそれぞれ軌道壁212aが形成されている。垂直ロッド22の上端は横ロッド21に接続され、垂直ロッド22の下端は棚10に取り外し可能に接続されている。
【0045】
例示的には、2つの横ロッド21は、図1に示す前後方向に沿って延在し、かつ2つの横ロッド21は、図1に示す左右方向において対向して設置されている。2つの横ロッド21はそれぞれ2つの棚10の上方に位置し、かつ2つの横ロッド21の互いに向く側面はそれぞれ軌道壁212aを形成している。垂直ロッド22は、2つの横ロッド21に対応して2組設置されてもよく、各組に2つの垂直ロッド22を備える。ここで、各組における2つの垂直ロッド22の上端はそれぞれ対応する横ロッド21の長手方向の両端に固定接続され、かつ各組における2つの垂直ロッド22の下端はいずれも対応する側の棚10に取り外し可能に接続されている。
【0046】
好ましくは、図4に示すように、横ロッド21は、第1の折り曲げ部211及び第2の折り曲げ部212を備え、第1の折り曲げ部211は、垂直ロッド22の上端に支持され、第2の折り曲げ部212の側面により軌道壁212aが形成されている。
【0047】
例示的には、第1の折り曲げ部211と第2の折り曲げ部212とは、それぞれ通路10aの通行方向に沿って延在し、かつ第1の折り曲げ部211の側縁部は第2の折り曲げ部212の上縁部に接続されている。第1の折り曲げ部211及び第2の折り曲げ部212はいずれも平板状に構成されてもよく、かつ第1の折り曲げ部211が水平方向に沿って設置され、第2の折り曲げ部212が垂直方向に沿って設置されることにより、第1の折り曲げ部211及び第2の折り曲げ部212が位置する平面が互いに垂直である。ここで、2つの横ロッド21の第1の折り曲げ部211の下面の夫々は、その対応する1組の垂直ロッド22の上端に支持され、2つの横ロッド21の第2の折り曲げ部212の互いに向く側面は、軌道壁212aを形成している。
【0048】
好ましくは、図1図4に示すように、棚10は、垂直方向に沿って延在する支持ロッド11を備え、垂直ロッド22の下端は、支持ロッド11の上端に挿着係合されている。
【0049】
例示的には、棚10は、間隔を隔てて設置された複数の支持ロッド11を備え、支持ロッド11は、垂直方向に沿って延在し、かつ支持ロッド11の下端は地面に支持され、支持ロッド11の上端は自由端を形成している。垂直ロッド22の下端は、棚10の通路10aに隣接する側の支持ロッド11の上端に挿着されている。ここで、支持ロッド11は中空管として構成されてもよく、これにより垂直ロッド22は、支持ロッド11の上端の開口から支持ロッド11の内部に挿設されてもよい。
【0050】
一例において、垂直ロッド22に接続孔が設けられ、支持ロッド11の壁体に垂直方向に沿って互いに間隔を隔てた複数の位置決め孔が設けられ、接続孔はその一つの位置決め孔に対向して設けられ、これにより位置規制部材14は、位置決め孔を貫通して接続孔に接続されている。
【0051】
具体的には、接続孔は、垂直ロッド22の壁体を貫通して設置され、複数の位置決め孔は支持ロッド11の壁体を貫通して設置され、位置規制部材14は外部から位置決め孔を貫通しかつ接続孔に固定接続されてもよく、これにより垂直ロッド22を支持ロッド11内に固定する。ここで、位置規制部材14は、ネジであってもよい。理解できるように、垂直ロッド22における接続孔と支持ロッド11上の異なる高さの位置決め孔とを位置合わせしかつ位置規制部材14により接続することにより、垂直ロッド22が位置決め孔に挿入される深さを調整することができ、棚10に対する軌道組立体20の高さを調整することができる。このように、ロボット200の高さに基づいて地面に対する軌道組立体20の高さを調整することにより、軌道組立体20の軌道20aとロボット200とが位置規制的に係合可能である。これにより、棚装置100は異なる高さのロボット200に適用され、ロボット200に対する高さ制限を低減させ、棚装置100の適用範囲を更に向上させることができる。
【0052】
好ましくは、図2及び図3に示すように、軌道組立体20は、縦ロッド23を更に備える。縦ロッド23は2つの横ロッド21に何れも接続され、複数の縦ロッド23は、通路10aの通行方向において間隔を隔てて設置されている。
【0053】
例示的には、縦ロッド23は、図1に示す左右方向に沿って延在することで、縦ロッド23の長さ方向は横ロッド21の長さ方向と垂直である。縦ロッド23は、平板構造に構成されてもよく、かつ縦ロッド23は2つの横ロッド21の第1の折り曲げ部211の上面に支持され、かつネジにより固定されてもよい。複数の縦ロッド23は、横ロッド21の長手方向に等間隔で設けられている。これにより、2つの横ロッド21は複数の縦ロッド23により接続されて一体構造を形成することで、軌道組立体20全体の構造安定性を向上させることができる。
【0054】
一つの実施形態では、図4に示すように、2つの軌道壁212aの端部に隣接する部分は、それぞれ円弧状壁として構成されている。
【0055】
例示的には、2つの軌道壁212aの端部に隣接する部分は、それぞれ端部に向かう方向において外向きに円弧状に延在することにより、2つの軌道壁212aの端部に隣接する部分の間の距離を端部に向かう方向において徐々に増大させる。これにより、ロボット200が通路10aに入る時、2つの軌道壁212aの端部に隣接する部分は、ロボット200の頂部に対してガイドの役割を果たし、これによりロボット200の頂部と軌道20aとの適合性を向上させることができる。好ましくは、軌道壁212aの両端に隣接する部分はいずれも円弧状壁として構成され、これにより、ロボット200は通路10aのいずれかの端部から通路10aに入る時、いずれもロボット200の頂部に対してガイド作用を果たすことができる。
【0056】
一つの実施形態において、図1に示すように、棚10は、垂直方向において間隔を隔てて設置された第1の仕切り板12及び第2の仕切り板13を備え、第1の仕切り板12は第2の仕切り板13の上方に位置し、ここで、第1の仕切り板12は、貯蔵層12aを画定し、第2の仕切り板13は、一時貯蔵層13aを画定している。
【0057】
例示的には、第1の仕切り板12は、垂直方向に沿って間隔を隔てて複数設置され、かつ第1の仕切り板12の上方空間は貯蔵層12aを形成し、第2の仕切り板13は複数の第1の仕切り板12の下方に位置し、第2の仕切り板13の上方空間は一時貯蔵層13aを形成してもよい。ロボット200は、貯蔵層12a(すなわち第1の仕切り板12に置かれる)に置かれた貨物箱を一時貯蔵層13a(すなわち第2の仕切り板13)に搬送し、又は一時貯蔵層13aに置かれた貨物箱を貯蔵層12aに搬送するための貨物箱搬送ロボットであってもよい。また、倉庫貯蔵システム1に、入庫された貨物箱を一時貯蔵層13aに搬送し、又は出庫された貨物箱を一時貯蔵層13aから搬送するための貨物箱搬送ロボット300が更に設置されてもよい。
【0058】
次に、図5図10を参照して、本願の実施例に係るロボット200について説明する。本願の実施例に係るロボット200は、棚装置100の通路10aに沿って移動可能である。
【0059】
図5及び図6に示すように、ロボット200は、移動シャーシ30及びブラケット40を備える。具体的には、移動シャーシ30は、棚装置100の通路10aに沿って移動可能である。ブラケット40は、移動シャーシ30に設置され、ブラケット40の頂部に軌道20aに位置規制的に係合するスライド組立体50が設置されている。
【0060】
例示的には、図6に示すように、ロボット200は、棚10の貯蔵層12aの貨物箱を一時貯蔵層13aに搬送し、又は一時貯蔵層13aにおける貨物を貯蔵層12aに搬送するための貨物箱搬送ロボットであってもよい。
【0061】
スライド組立体50は、ブラケット40の頂部に設けられ、かつスライド組立体50は棚装置100の軌道組立体20と位置規制的に係合しており、かつスライド組立体50はロボット200の移動過程において軌道組立体20の軌道20aとスライド係合している。
【0062】
好ましくは、ロボット200が通路10aに沿って移動する過程において、スライド組立体50は常に軌道20aと位置規制的に係合したままである。
【0063】
一つの実施形態において、ロボット200は、ブラケット40に設置された搬送部60を更に備え、かつ搬送部60はブラケット40に対して垂直方向に沿って移動可能であり、これにより搬送部60は、異なる貯蔵層12aに対応する高さまで移動可能である。ここで、搬送部60は貨物箱を出し入れするための伸縮アーム装置であってもよい。ブラケット40の高さは、棚10の高さとほぼ同じであり、これにより搬送部60は、棚10の最上層に位置する貯蔵層12aまで上向きに移動することができる。
【0064】
本願の実施例に係るロボット200は、ブラケット40の頂部にスライド組立体50が設置され、かつスライド組立体50が棚装置100の軌道組立体20の軌道20aと位置規制的に係合することで、ロボット200が通路10aに沿って移動する過程において揺れる又は横方向に倒れる確率を低減させ、ロボット200が貨物箱を出し入れする成功率を向上させると共に、ロボット200が倒れることにより棚10がロボット200と共に倒れる確率を低減させることができる。したがって、ロボット200が通路10aに沿って移動する安定性及び貨物箱を出し入れする成功率を向上させることに有利である。
【0065】
一つの実施形態において、図6図8に示すように、スライド組立体50に滑車522が設置され、2つの滑車522は、軌道20aの2つの軌道壁212aに対しそれぞれ転動的に係合している。
【0066】
例示的には、2つの滑車522は、通路10aの幅方向において対向して設置され、すなわち2つの滑車522は、それぞれ2つの軌道壁212aに対応して設置されている。ここで、滑車522の回転軸線は、垂直方向に沿って設置されることにより、滑車522はロボット200の移動過程において軌道壁212aに対して転動する。これにより、スライド組立体50と軌道壁212aとの間の摩擦を低減し、スライド組立体50と2つの軌道壁212aとの係合効果を向上させ、これによりロボット200が通路10aに沿ってよりスムーズに移動することができる。
【0067】
好ましくは、図7及び図8に示すように、スライド組立体50は、固定部51及びスライド部52を備える。具体的には、固定部51は、2つの固定ラグ511を備え、2つの固定ラグ511は、それぞれブラケット40の頂部の対向する両側に接続されている。2つのスライド部52は、それぞれ固定部51の対向する両側に設置されている。スライド部52は取付座521及び滑車522を備え、滑車522は取付座521に回転可能に設置されている。
【0068】
例示的には、固定部51の2つの固定ラグ511は、垂直方向に沿って延在する平板状に構成され、かつ2つの固定ラグ511は、それぞれブラケット40の頂部の2つの対向する側面と貼り合わせて設置され、固定ラグ511とブラケット40の頂部とはネジにより締め付けられて接続されている。2つの取付座521は、それぞれ固定部51の対向する両側に設置され、取付座521には、垂直方向に沿って設置された固定軸が設置され、滑車522は固定軸に回転可能に取り付けられ、これにより滑車522の回転軸線は垂直方向に沿って設置されている。
【0069】
これにより、スライド組立体50と軌道壁212aとの間の摩擦を低減させ、スライド組立体50と2つの軌道壁212aとの係合効果を向上させ、これによりロボット200が通路10aに沿ってよりスムーズに移動することができる。
【0070】
好ましくは、図7及び図8に示すように、2つのスライド部52と固定部51との間にいずれも弾性復帰部53が設けられることにより、スライド部52は固定部51に対して伸縮可能である。
【0071】
理解できるように、スライド部52は、固定部51に対して伸縮可能であるとは、スライド部52は通路10aの幅方向において固定部51に対して移動可能であり、かつ弾性復帰部53は固定部51に対して緩衝及び復帰の作用を果たすことが可能であることをいう。これにより、ロボット200が傾斜する場合、弾性復帰部53はスライド部52と位置規制壁との間に緩衝作用を果たし、位置規制壁が受けたスライド部52により印加された作用力を緩衝し、軌道組立体20及び棚10が倒れる確率を低減させることができる。
【0072】
一例において、図7及び図8に示すように、弾性復帰部53は、軸固定部材531、スライド軸532及び弾性部材533を備える。具体的には、軸固定部材531は、固定部51側に位置する。スライド軸532は、軸固定部材531に固定され、取付座521はスライド軸532に摺動可能に設けられている。弾性部材533は、スライド軸532に嵌設され、弾性部材533の第1の端は取付座521に当接され、弾性部材533の第2の端は軸固定部材531に当接されている。
【0073】
より具体的には、スライド軸532は、軸固定部材531に穿設され、スライド軸532の一端は軸固定部材531側から伸び出し、かつ固定部51の固定ラグ511に締結接続されている。スライド軸532の他端は、軸固定部材531の他側から伸び出し、取付座521はスライド軸532の固定部材の他側から伸び出した部分に嵌設され、かつスライド軸532に対して摺動可能である。弾性部材533は、バネであってもよく、バネはスライド軸532の固定部材の他側から伸び出した部分に嵌設され、かつスライド軸532の両端はそれぞれ取付座521と軸固定部材531に当接されている。
【0074】
一つの実施形態において、図9に示すように、スライド組立体50は、一つであってもよく、かつブラケット40の頂部の長さ方向における中央に設置されることにより、ブラケット40へのスライド組立体50の取り付けの安定性を向上させる。
【0075】
別の実施形態において、スライド組立体50は、ブラケット40の長手方向において間隔を隔てて複数設置されてもよく、これによりスライド組立体50と軌道組立体20の軌道20aとの係合効果を向上させる。例えば、図10に示す例において、スライド組立体50は2つであってもよく、かつそれぞれブラケット40の頂部の長手方向の両端に隣接して設置されている。
【0076】
次に、図11を参照して、本願の実施例に係る倉庫貯蔵システム1について説明する。
【0077】
図11に示すように、倉庫貯蔵システム1は、本願の上記実施例に係る棚装置100及び/又は本願の上記実施例に係るロボット200を備える。
【0078】
例示的には、図11に示すように、棚装置100は、複数並設されてもよく、かつ複数の棚装置100の通路10aが順に接続されることにより、複数の通路10aを接合して完全な通路を形成している。それに応じて、複数の棚装置100の軌道組立体20の軌道20aは順に接続されている。これにより、ロボット200は、複数の通路10aを接合して形成された完全な通路に沿って移動可能であり、かつロボット200の移動過程において、ロボット200の頂部は、複数の軌道20aと位置規制的に係合可能である。
【0079】
更に、倉庫貯蔵システム1は、出庫作業において一時貯蔵層13aに一時貯蔵された貨物箱を搬送し、又は入庫作業において貨物箱を一時貯蔵層13aに搬送するための貨物箱搬送ロボット300を更に備えてもよい。
【0080】
本願の実施例に係る倉庫貯蔵システム1は、2つの棚10の頂部に通路10aの上方に位置する軌道組立体20を設置することにより、軌道組立体20と2つの棚10とが一体構造を形成し、一方では棚装置100の全体構造の安定性を向上させ、棚10が変形する効率を低減させ、ロボット200が貨物箱を出し入れする安定性及び成功率を向上させることができる。他方では、棚10が外力作用を受ける時に棚10と地面との固定領域のモーメントを低減させ、棚10が倒れる確率を低減させ、棚装置100の安全性を確保することができる。更に、倒れ確率に対する棚10の高さの影響をある程度低減させるため、棚10の高さを制限する必要とせず、棚10の貯蔵量を向上させることに有利である。
【0081】
次に、棚10の頂部を倉庫の天井に対し固定する必要とせず、棚10の安定性を向上させ、倉庫での棚装置100の取り付け難易度を低減させ、かつ棚10は、様々な高さの倉庫に適用され、棚装置100の適用範囲を向上させることができる。
【0082】
更に、ブラケット40の頂部に、棚装置100の軌道組立体20の軌道20aと位置規制的に係合することに適するスライド組立体50を設置することで、ロボット200が通路10aに沿って移動する過程において揺れる又は側方向に倒れる確率を低減させ、ロボット200が貨物箱を出し入れする成功率を向上させ、かつロボット200が倒れることにより棚10がロボット200と共に倒れる確率を低減させ、したがって、ロボット200が通路10aに沿って移動する安定性及び貨物箱を出し入れする成功率を向上させることに有利である。
【0083】
したがって、本願の実施例に係る倉庫貯蔵システムの棚装置100は、構造が安定し、棚10及びロボット200が倒れる確率が低く、取り付け難易度が小さく、適用範囲が広いなどの利点を有する。
【0084】
上記実施例に係る倉庫貯蔵システム1の他の構成は、当業者に現在及び将来知られる様々な技術案を採用可能であるが、ここで詳細に説明しない。
【0085】
本明細書の説明において、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」等の用語で指示された方位又は位置関係は図面に基づいて示された方位又は位置関係であり、本願の説明及び説明の簡略化を容易にするためのものであり、その指定された装置又は素子が特定の方位を有し、特定の方位で構造し操作することを指示するか又は示唆するものではなく、したがって本願を限定するものであると理解すべきではない。
【0086】
また、「第1」、「第2」という用語は、単に説明を容易にするためのものであり、相対的な重要性を指示するか又は暗示するか又は指示された技術的特徴の数量を暗黙的に示すと理解されるべきではない。これにより、「第1」、「第2」が限定された特徴は、一つ又は複数の該特徴を明示的又は暗黙的に含むことができる。本願の説明において、特に明確で具体的な限定がない限り、「複数」の意味は2つ又は2つ以上である。
【0087】
本願において、特に明確な規定及び限定がない限り、「取付」、「接続」、「連結」、「固定」等の用語は、広義に理解すべきであり、例えば、固定接続であってもよく、取り外し可能な接続であってもよく、又は一体であってもよい。機械的な接続であってもよく、電気的な接続であってもよく、通信であってもよい。直接接続であってもよく、中間媒体を介して間接的に接続されてもよく、2つの素子内部の連通又は2つの素子の相互作用関係であってもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて本願における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0088】
本願において、特に明確な規定及び限定がない限り、第1の特徴が第2の特徴の「上」又は「下」にあることは第1及び第2の特徴が直接接触することを含んでもよく、第1の及び第2の特徴が直接接触せずにそれらの間の他の特徴により接触することを含んでもよい。かつ、第1の特徴が第2の特徴の「上」、「上方」及び「上部」にあることは、第1の特徴が第2の特徴の直上及び斜め上方にあることを含み、又は第1の特徴の水平高さが第2の特徴よりも高いことのみを示す。第1の特徴が第2の特徴の「下」、「下方」及び「下部」にあることは、第1の特徴が第2の特徴の直下及び斜め下方にあることを含み、又は第1の特徴の水平高さが第2の特徴よりも小さいことのみを示す。
【0089】
以上の開示は、多くの異なる実施形態又は例を提供して本願の異なる構造を実現する。本願の開示を簡略化するために、上記は特定の例の部材及び設置を説明する。当然のことながら、それらは単なる例示であり、かつ本願を限定することを目的としない。また、本願は異なる例において参照数字及び/又は参照アルファベットを繰り返してもよく、このような繰り返しは、簡略化及び明確化の目的であり、それ自体は様々な実施形態及び/又は設定の間の関係を示さない。
【0090】
前記のように、本願の具体的な実施形態に過ぎず、本願の保護範囲はこれらに限定されず、当業者は、本願に開示された技術的範囲内で、その様々な変更又は置換を容易に想到することができるが、これらはいずれも本願の保護範囲内に含まれるべきである。したがって、本願の保護範囲は、特許請求の範囲を基準とすべきである。
【符号の説明】
【0091】
1 倉庫貯蔵システム
100 棚装置
10 棚
10a 通路
11 支持ロッド
12 第1の仕切り板
12a 貯蔵層
13 第2の仕切り板
13a 一時貯蔵層
14 位置規制部材
20 軌道組立体
20a 軌道
21 横ロッド
211 第1の折り曲げ部
212 第2の折り曲げ部
212a 軌道壁
22 垂直ロッド
23 縦ロッド
200 ロボット
30 移動シャーシ
40 ブラケット
50 スライド組立体
51 固定部
511 固定ラグ
52 スライド部
521 取付座
522 滑車
53 弾性復帰部
531 軸固定部材
532 スライド軸
533 弾性部材
60 搬送部
300 貨物箱搬送ロボット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】