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特表2023-543279カラー製品および携帯電話ケースを製造する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-13
(54)【発明の名称】カラー製品および携帯電話ケースを製造する方法
(51)【国際特許分類】
   C25D 11/26 20060101AFI20231005BHJP
   C25D 11/00 20060101ALI20231005BHJP
   C25D 9/06 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
C25D11/26 301
C25D11/00 302
C25D11/00 303
C25D11/00 308
C25D11/26 302
C25D11/26 303
C25D9/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023519319
(86)(22)【出願日】2021-09-24
(85)【翻訳文提出日】2023-05-24
(86)【国際出願番号】 CN2021120331
(87)【国際公開番号】W WO2022063230
(87)【国際公開日】2022-03-31
(31)【優先権主張番号】202011025357.7
(32)【優先日】2020-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523108876
【氏名又は名称】北京▲華▼宇▲創▼新科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING HUAYU CHUANGXIN TECHNOLOGIES CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】15, LEYUAN STREET, YANXI DEVELOPMENT AREA, HUAIROU DISTRICT, BEIJING 101407, CHINA
(71)【出願人】
【識別番号】523108887
【氏名又は名称】北京▲華▼宇▲創▼新▲タン▼▲デイ▼科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING HUAYU CHUANGXIN TA‐NB SCIENCE & TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】15, LEYUAN STREET, YANXI DEVELOPMENT AREA, HUAIROU DISTRICT, BEIJING 101407, CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 寓中
(57)【要約】
本発明はカラー製品、特にカラー携帯電話ケースを製造する方法に関し、それは以下の工程を含む。(1)製品基体、好ましくはケース基体を提供すること。および(2)陽極酸化法および/または溶融塩電気化学法を採用して前記製品基体、好ましくはケース基体に対して表面処理を行うこと。そのうち、前記製品基体、好ましくはケース基体はタンタル、ニオブ、タンタルニオブ合金、チタンおよびチタン合金から選択される材料から製造される。本発明はまた前記方法によって製造されたカラー製品、好ましくはカラー携帯電話ケースに関し、それは、(1)製品基体、好ましくはケース基体、および(2)製品基体、好ましくはケース基体の表面上に形成されるアモルファス酸化物層および/またはリチウム含有化合物層、を含み、そのうち、前記製品基体、好ましくはケース基体はタンタル、ニオブ、タンタルニオブ合金、チタンおよびチタン合金から選択される材料から製造される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)製品基体を提供すること、および
(2)陽極酸化法および/または溶融塩電気化学法を採用して前記製品基体に対して表面処理を行うこと、
を含み、
前記製品基体はタンタル、ニオブ、タンタルニオブ合金、チタンおよびチタン合金から選択される材料から製造される、
カラー製品を製造する方法。
【請求項2】
(1)ケース基体を提供すること、および
(2)陽極酸化法および/または溶融塩電気化学法を採用して前記ケース基体に対して表面処理を行うこと、
を含み、
前記ケース基体はタンタル、ニオブ、タンタルニオブ合金、チタンおよびチタン合金から選択される材料から製造される、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
(1)携帯電話ケース基体を提供すること、および
(2)陽極酸化法および/または溶融塩電気化学法を採用して前記携帯電話ケース基体に対して表面処理を行うこと、
を含み、
前記携帯電話ケース基体はタンタル、ニオブ、タンタルニオブ合金、チタンおよびチタン合金から選択される材料から製造される、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
工程(2)は、
意図したパターンに沿って前記基体上に陽極酸化法および/または溶融塩電気化学法によって一種のカラーパターンを形成すること、および
形成したカラーパターンに対してマスキングを行い、その後、陽極酸化法および/または溶融塩電気化学法によって他の一種のカラーパターンを形成すること、
を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
電解質溶液の温度が20℃-600℃であり、陽極電圧が1V-800Vであり、電圧一定時間が3秒-5時間、好ましくは30秒-1.5時間であり、および昇圧電流密度が1-200mA/cmである条件で前記陽極酸化法を行って、前記基体の表面上にアモルファス金属酸化物層/またはリチウム含有化合物層を形成する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記電解質溶液は、水溶液、水溶液と有機化合物の混合物、および非水溶液を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記水溶液は酸、塩基または塩の水溶液、好ましくはリン酸水溶液、を含み、前記リン酸水溶液の濃度が0.01-1重量%、好ましくは0.01-0.05重量%である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
水溶液と有機化合物の混合物において、前記水溶液は、酸、塩基または塩の水溶液を含み、および前記有機化合物は、アルコール、例えばエタノール、エチレングリコール、n-ブタノールまたはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記水溶液と有機化合物の混合物は、濃度が0.01-0.05重量%HPO水溶液とエチレングリコールの重量比が1:1~3:1、好ましくは1:1~2:1の混合物を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記非水溶液は、無水濃硫酸、溶融塩、および溶融塩と塩基類物質の混合物を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
前記溶融塩は、溶融硝酸リチウム、溶融硝酸ナトリウム、溶融硝酸カリウムおよびそれらの任意の組み合わせを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記塩基類物質は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよびそれらの任意の組み合わせを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記電解質溶液が水溶液または水溶液と有機化合物の混合物である場合、電解質溶液の温度が1-99℃であり、陽極電圧が5V-600Vであり、および電圧一定時間が90分間以内であり、好ましくは、電解質溶液の温度が室温から95℃であり、陽極電圧が10-200Vであり、および電圧一定時間が30-60分間である条件で前記陽極酸化法を行う、請求項6に記載の方法。
【請求項14】
厚さが0.01-0.3mmであるタンタル携帯電話ケースを製造し、陽極酸化法を用いて、前記タンタル携帯電話ケースを、好ましくは室温(25℃)下で0.01-0.05重量%HPO水溶液中において、72-84Vの陽極電圧を印加し、かつ、0.5-1.5時間にわたって電圧を一定にして、ゴールド色の携帯電話ケースを得る、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
厚さが0.01-0.3mmであるニオブ携帯電話ケースを製造し、陽極酸化法を用いて、前記ニオブ携帯電話ケースを、好ましくは室温(25℃)下で0.01-0.05重量%HPO水溶液中において、40-48Vの陽極電圧を印加し、かつ、0.5-1.5時間にわたって電圧を一定にして、ゴールド色の携帯電話ケースを得る、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
厚さが0.01-0.3mmであるタンタルニオブ合金携帯電話ケースを製造し、陽極酸化法を用いて、前記タンタルニオブ合金携帯電話ケースを、好ましくは室温(25℃)下で0.01-0.05重量%HPO水溶液中において、27-28Vの陽極電圧を印加し、かつ、0.5-1.5時間にわたって電圧を一定にして、スカイブルー色の携帯電話ケースを得る、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
厚さが0.01-0.3mmであるチタン携帯電話ケースを製造し、陽極酸化法を用いて、前記チタン携帯電話ケースを、好ましくは室温(25℃)下で0.01-0.05重量%HPO水溶液中において、72-84Vの陽極電圧を印加し、かつ、0.5-1.5時間にわたって電圧を一定にして、ゴールド色の携帯電話ケースを得る、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記電解質溶液が非水溶液である場合、電解質溶液の温度が電解質溶液物質の融点から500℃であり、陽極電圧が3V-66Vであり、および電圧一定時間が60分間以内であり、好ましくは、電解質溶液の温度が250-350℃であり、陽極電圧が5-40Vであり、および電圧一定時間が3-30分間である条件で前記陽極酸化法を行う、請求項6に記載の方法。
【請求項19】
チタンから製造されたケース基体に対して、460℃の硝酸リチウム中に10Vの電圧下で陽極酸化法処理を5分間行い、ゴールド色のケースを得る、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
溶融塩電気化学法は、基体を250℃-650℃の酸素含有無機リチウム塩、酸素含有無機リチウム塩と水酸化リチウムの混合溶融物、塩と水酸化リチウムの混合溶融液、またはリチウム塩と酸素含有塩の混合溶融液中に配置すること、1-66Vの陽極電圧を印加すること、および0.01-60時間にわたって電圧を一定にすること、を含み、そのうち、昇圧電流密度は1-1000mA/cmであり、ホワイト色またはオフホワイト色の携帯電話ケースを得る、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記混合溶融物または前記混合溶融液の温度は300℃-520℃であり、印加する陽極電圧は5-25Vであり、および昇圧電流密度は5-20mA/cmである、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記酸素含有無機リチウム塩はLiNOである、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
タンタルから製造されたケース基体に対して、440-650℃の硝酸リチウム中において、8-50Vの電圧下で2分間~5時間にわたって電圧を一定にして、ホワイト色のケースを得る、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
ニオブから製造されたケース基体に対して、380-550℃の重量比が1:2~2:1、好ましくは重量比が1:1の硝酸リチウム/硝酸カリウム混合物中において5-28Vの電圧下で2-30分間にわたって電圧を一定にして、ホワイト色のケースを得る、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
(1)ケース基体を提供すること、および
(2)陽極酸化法および溶融塩電気化学法を採用して前記ケース基体に対して表面処理を行うこと、
を含み、
前記ケース基体はタンタル、ニオブおよびタンタルニオブ合金から選択される材料から製造される、
請求項2または3に記載の方法。
【請求項26】
タンタルニオブ合金から製造されたケース基体に対して0.01-0.05重量%HPOの水溶液中において135-145V下で1-2時間にわたって電圧を一定にし、その後、400-585℃の重量比が1:2~2:1、好ましくは重量比が1:1の硝酸リチウム/硝酸カリウム混合物中において25-32Vの電圧下で1-3時間にわたって電圧を一定にして、ホワイト色のケースを得る、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
(1)製品基体、および
(2)前記製品基体の表面上に形成されたアモルファス金属酸化物層および/またはリチウム含有化合物層、好ましくはアモルファス金属酸化物層、
を含み、
前記製品基体は、タンタル、ニオブ、タンタルニオブ合金、チタンおよびチタン合金から選択される材料から製造され、好ましくは前記製品基体は、タンタル、ニオブ、タンタルニオブ合金およびチタンから選択される材料から製造され、より好ましくは前記製品基体は、タンタル、ニオブおよびタンタルニオブ合金から選択される材料から製造される、
請求項1~26のいずれか一項に記載の方法で製造されたカラー製品。
【請求項28】
前記アモルファス金属酸化物は、アモルファス五酸化タンタル、アモルファス五酸化ニオブ、アモルファス二酸化チタンおよびそれらの混合物を含む、請求項27に記載のカラー製品。
【請求項29】
前記リチウム含有化合物は、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウムおよびそれらの混合物を含む、請求項27または28に記載のカラー製品。
【請求項30】
前記カラー製品は、ケース、例えば携帯電話ケースおよびコンピューターケース、アクセサリー、例えば指輪、ブレスレット、ネックレスおよび腕時計のバンド、ペンダント例えば仏像、人物像および動物像、を含む、請求項27または28に記載のカラー製品。
【請求項31】
前記携帯電話ケースは、携帯電話胴体部ケース、携帯電話装飾ケースおよび携帯電話保護ケースを含む、請求項30に記載のカラー製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカラー製品を製造する方法に関し、特にカラー携帯電話ケースを製造する方法、および当該方法によって製造されたカラー製品、特にカラー携帯電話ケース、に関する。
【背景技術】
【0002】
カラー製品が好まれることが多く、特に外観色彩が美しい携帯電話は人々の注意を惹きやすい。携帯電話業界は日々進化しており、携帯電話自体もますます高性能になっている。同時に、携帯電話の外観、特に携帯電話ケースの色、もますます重視される。また、携帯電話には一定の放射線量があるため放射線防止機能付きの携帯電話ケースを製造することもますます注目を受けている。
【0003】
中国特許出願公開第106067911号明細書には、以下の工程を含む、プラスチック携帯電話ケースの製造方法が記載されている。(1)プラスチック基材、蛍光パウダーと染料を割合に従って混合し、射出成形機中に投入し、携帯電話ケース型に押し込んで成形すること、(2)プライマーとカラーペイントを順次塗布した後、真空コーティングを行うこと、(3)真空コーティング層において、前記カラーペイント層を表す必要がある領域の真空コーティングを、レーザー彫刻によって除去すること、(4)真空コーティングの後に、コーティングの表面に中間コーティング層とUVトップコート層を順次形成すること。
【0004】
該特許に記載されている方法では、加工工程が煩雑であり、かつ、プラスチック携帯電話ケースは放射線防止機能を有しない。
【0005】
中国特許出願公開第105970270号明細書には、一種のアルミニウム金属携帯電話ケース上に二種類のアルミニウム陽極酸化色を加工するプロセスが記載されている。その特徴は、それが以下の工程を含むことにある。
工程一、アルミニウム製ケースの加工-CNC切削を用いてアルミニウム製ケースを加工すること、
工程二、PPS樹脂の射出-工程一で製造したアルミニウム製ケースの対応する位置にPPS樹脂を射出すること、
工程三、第一次アルミニウム陽極酸化着色-工程二のPPS樹脂の射出を完成した後に、アルミニウム製ケースの全体に対して第一次アルミニウム陽極酸化着色を行うこと、
工程四、高光沢エッジの加工-工程三の第一次アルミニウム陽極酸化着色を完成した後、CNCを用いて、アルミニウム製ケースのエッジに等幅の高光沢エッジを切削加工すること、
工程五、感光性保護インクで高光沢エッジの一部を遮蔽すること-高光沢エッジの一部の表面に感光性保護インクを塗布し、その後、一定温度下で一定時間焼成した後に露光すること、
工程六、第二次アルミニウム陽極酸化着色-感光性保護インクで遮蔽されていない部分の高光沢エッジに対して第二次アルミニウム陽極酸化着色を行い、そのうち、前記第二次アルミニウム陽極酸化着色の色は第一次アルミニウム陽極酸化着色の色と同じであること、
工程七、感光性保護インクの洗浄-洗浄液を用いて工程五で露光後の感光性保護インクに対して洗浄を行い、よって高光沢エッジを露出すること、
工程八、第三次アルミニウム陽極酸化着色-工程七中の露光後の感光性保護インクを洗浄した後に露出した高光沢エッジに対して第三次アルミニウム陽極酸化着色を行い、そのうち、第三次アルミニウム陽極酸化着色の色は第一次アルミニウム陽極酸化着色での色とは異なり、すなわち、アルミニウム製金属携帯電話ケース上に二種類のアルミニウム陽極酸化色を加工するプロセスを完成すること。
【0006】
該特許に記載されている方法では同様に、加工工程が煩雑である。
【0007】
中国特許出願公開第107567217号明細書には、以下を工程を含む、ケースを製造する方法が記載されている。(1)金属基材を提供し、金属基材に対し硬質陽極酸化処理を行い、金属硬質陽極酸化物外殻を有する金属基体を得ること、(2)工程(1)で得た金属基体の一つの表面上に樹脂膜層を形成すること、(3)工程(2)で得た基体をアルカリエッチングし、よって基体中の樹脂膜層が形成されていない表面上の金属硬質陽極酸化物外殻を除去すること、(4)工程(3)で得た基体をアシッドエッチングし、よって基体中の残っている金属を除去すること。
【0008】
該特許において、表面に形成された穴またはエッチングは、表面の色の変化をひきおこすことがある。加えて、該特許に記載された方法は同様に加工工程が煩雑である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】中国特許出願公開第106067911号明細書
【特許文献2】中国特許出願公開第105970270号明細書
【特許文献3】中国特許出願公開第107567217号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、そのプロセスがシンプルであって、豊かな色彩を実現できるだけでなく、製造された携帯電話ケースは放射線防止機能も有する、カラー製品、特にカラー携帯電話ケースを製造する方法、を探す必要性はまだある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(発明の概要)
このため、本発明は、
(1)製品基体を提供すること、および
(2)陽極酸化法および/または溶融塩電気化学法を採用して前記製品基体に対して表面処理を行うこと、
を含み、
そのうち、前記製品基体は、タンタル、ニオブ、タンタルニオブ合金、チタンおよびチタン合金から選択される材料から製造され、好ましくは前記製品基体は、タンタル、ニオブ、タンタルニオブ合金およびチタンから選択される材料から製造され、より好ましくは、前記製品基体はタンタル、ニオブおよびタンタルニオブ合金から選択される材料から製造される、
カラー製品を製造する方法を提供する。
【0012】
本発明はまた、
(1)ケース基体を提供すること、および
(2)陽極酸化法および/または溶融塩電気化学法を採用して前記ケース基体に対して表面処理を行うこと、
を含む、
そのうち、前記ケース基体は、タンタル、ニオブ、タンタルニオブ合金、チタンおよびチタン合金から選択される材料から製造され、好ましくは前記ケース基体は、タンタル、ニオブ、タンタルニオブ合金およびチタンから選択される材料から製造され、より好ましくは前記ケース基体は、タンタル、ニオブおよびタンタルニオブ合金から選択される材料から製造される、
カラーケースを製造する方法を提供する。
【0013】
本発明はさらに、
(1)携帯電話ケース基体を提供すること、および
(2)陽極酸化法および/または溶融塩電気化学法を採用して前記携帯電話ケース基体に対して表面処理を行うこと、
を含み、
そのうち、前記携帯電話ケース基体は、タンタル、ニオブ、タンタルニオブ合金、チタンおよびチタン合金から選択される材料から製造され、好ましくは前記携帯電話ケース基体は、タンタル、ニオブ、タンタルニオブ合金およびチタンから選択される材料から製造され、より好ましくは前記携帯電話ケース基体は、タンタル、ニオブおよびタンタルニオブ合金から選択される材料から製造される、
カラー携帯電話ケースを製造する方法を提供する。
【0014】
本発明はさらに、
(1)製品基体、および
(2)製品基体の表面上に形成されたアモルファス金属酸化物層および/またはリチウム含有化合物層、
を含み、
そのうち、前記製品基体は、タンタル、ニオブ、タンタルニオブ合金、チタンおよびチタン合金から選択される材料から製造され、好ましくは前記製品基体は、タンタル、ニオブ、タンタルニオブ合金およびチタンから選択される材料から製造され、より好ましくは前記製品基体は、タンタル、ニオブおよびタンタルニオブ合金から選択される材料から製造される、
前記方法で製造されたカラー製品を提供する。
【0015】
本発明はさらに、
(1)ケース基体、および
(2)ケース基体の表面上に形成されたアモルファス金属酸化物層および/またはリチウム含有化合物層、
を含み、
そのうち、前記ケース基体は、タンタル、ニオブ、タンタルニオブ合金、チタンおよびチタン合金から選択される材料から製造され、好ましくは前記ケース基体は、タンタル、ニオブ、タンタルニオブ合金およびチタンから選択される材料から製造され、より好ましくは前記ケース基体は、タンタル、ニオブおよびタンタルニオブ合金から選択される材料から製造される、
前記方法で製造されたカラーケースを提供する。
【0016】
本発明はさらに、
(1)携帯電話ケース基体、および
(2)携帯電話ケース基体の表面上に形成されたアモルファス金属酸化物層および/またはリチウム含有化合物層、
を含み、
そのうち、前記携帯電話ケース基体は、タンタル、ニオブ、タンタルニオブ合金、チタンおよびチタン合金から選択される材料から製造され、好ましくは前記携帯電話ケース基体は、タンタル、ニオブ、タンタルニオブ合金およびチタンから選択される材料から製造され、より好ましくは前記携帯電話ケース基体は、タンタル、ニオブおよびタンタルニオブ合金から選択される材料から製造される、
前記方法で製造されたカラー携帯電話ケースを提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明のカラー製品、特に携帯電話ケースを製造する方法は、以下の一項または複数項の有利な効果を有する。(1)色彩が豊富な製品、特に携帯電話ケース、が得られる。(2)得られたカラー携帯電話ケースは携帯電話の放射線量を減少する作用を有する。(3)製造プロセスは簡単である。および(4)カラーリペアやカラーチェンジが容易である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態による、異なるプロセス条件下で製造されたカラータンタル箔である。
図2】本発明の実施形態による、異なるプロセス条件下で製造されたカラータンタル携帯電話ケースである。
図3】本発明の実施形態による、異なるプロセス条件下で製造されたカラーニオブ箔である。
図4】本発明の実施形態による、異なるプロセス条件下で製造されたカラータンタルニオブ合金箔である。
図5】本発明の実施形態による、異なるプロセス条件下で製造されたカラーチタン箔である。
図6】本発明の一つの実施形態による、異なるプロセス条件下で溶融硝酸リチウム中に製造されたカラーチタン携帯電話ケースである。
図7】本発明の他の一つの実施形態による、異なるプロセス条件下で溶融硝酸リチウム中に製造されたカラーチタン携帯電話ケースである。
図8】本発明の実施形態による、溶融硝酸リチウム中に製造されたオフホワイト色およびホワイト色のタンタル箔、ニオブ箔およびタンタルニオブ合金箔である。
図9】本発明の実施形態による、製造された多彩なパターンを有するチタン携帯電話ケースである。
図10】本発明の実施形態による、0.05重量%HPO水溶液中に製造された多彩なパターンを有するタンタル携帯電話ケースである。
図11】本発明の実施形態による、0.05重量%HPO水溶液中に製造された多彩なパターンを有するニオブ携帯電話ケースである。
図12】本発明の実施形態による、硝酸リチウム:硝酸カリウム(重量比1:1)中に製造されたカラータンタル、ニオブおよびタンタルニオブ合金箔である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明のカラー製品(例えば携帯電話ケース)を製造する方法は陽極酸化法および/または溶融塩電気化学法を採用できる。特に、タンタル、ニオブおよびタンタルニオブ合金について、単独で陽極酸化法を採用してもよく、陽極酸化法および溶融塩電気化学法の組み合わせを採用してカラー携帯電話ケースを含むカラー製品を製造してもよい。一方、チタンおよびチタン合金について、好ましくは陽極酸化法を採用してカラー製品を製造し、より好ましくは溶融塩陽極酸化法を採用してカラー携帯電話ケースを含むカラー製品を製造する。
【0020】
陽極酸化法
【0021】
酸素含有電解質溶液中に、適切な温度下で、タンタル、ニオブ、タンタルニオブ合金、チタンおよびチタン合金製品例えば携帯電話ケースを陽極とし、ニッケルまたはステンレス鋼またはその他の酸素含有電解質溶液に対して安定な金属を陰極とし、適切な陽極電圧を印加し、かつ、適切な時間にわたって電圧を一定にすることで陽極酸化を行う。
【0022】
一つの実施形態において、本発明のカラー製品を製造する方法は、
(1)製品基体を提供すること、および
(2)陽極酸化法を採用して前記製品基体に対して表面処理を行うこと、
を含み、
そのうち、前記製品基体は、タンタル、ニオブ、タンタルニオブ合金、チタンおよびチタン合金から選択される材料から製造され、好ましくは前記製品基体は、タンタル、ニオブ、タンタルニオブ合金およびチタンから選択される材料から製造され、より好ましくは前記製品基体は、タンタル、ニオブおよびタンタルニオブ合金から選択される材料から製造され、また好ましくは前記製品基体は、チタンおよびチタン合金から選択される材料から製造される。
【0023】
一つの実施形態において、本発明のカラーケースを製造する方法は、
(1)ケース基体を提供すること、および
(2)陽極酸化法を採用して前記ケース基体に対して表面処理を行うこと、
を含み、
そのうち、前記ケース基体は、タンタル、ニオブ、タンタルニオブ合金、チタンおよびチタン合金から選択される材料から製造され、好ましくは前記ケース基体は、タンタル、ニオブ、タンタルニオブ合金およびチタンから選択される材料から製造され、より好ましくは前記ケース基体は、タンタル、ニオブおよびタンタルニオブ合金から選択される材料から製造され、また好ましくは前記ケース基体は、チタンおよびチタン合金から選択される材料から製造される。
【0024】
一つの実施形態において、本発明のカラー携帯電話ケースを製造する方法は、
(1)携帯電話ケース基体を提供すること、および
(2)陽極酸化法を採用して前記携帯電話ケース基体に対して表面処理を行うこと、
を含み、
そのうち、前記携帯電話ケース基体は、タンタル、ニオブ、タンタルニオブ合金、チタンおよびチタン合金から選択される材料から製造され、好ましくは前記携帯電話ケース基体は、タンタル、ニオブ、タンタルニオブ合金およびチタンから選択される材料から製造され、より好ましくは前記携帯電話ケース基体は、タンタル、ニオブおよびタンタルニオブ合金から選択される材料から製造され、また好ましくは前記携帯電話ケース基体は、チタンおよびチタン合金から選択される材料から製造される。
【0025】
一つの好ましい実施形態において、前記基体例えばケース基体および携帯電話ケース基体はタンタルから製造される。
【0026】
一つの好ましい実施形態において、前記基体例えばケース基体および携帯電話ケース基体はニオブから製造される。
【0027】
一つの好ましい実施形態において、前記基体例えばケース基体および携帯電話ケース基体はタンタルニオブ合金から製造される。
【0028】
一つの好ましい実施形態において、前記基体例えばケース基体および携帯電話ケース基体はチタンから製造される。
【0029】
一つの好ましい実施形態において、前記基体例えばケース基体および携帯電話ケース基体はチタン合金から製造される。
【0030】
好ましくは、電解質溶液の温度が20℃-600℃であり、陽極電圧が1V-800Vであり、電圧一定時間が0.01-2時間であり、および昇圧電流密度が1-200mA/cmである条件で前記陽極酸化を行って基体例えばケース基体および携帯電話ケース基体の表面上にアモルファス金属酸化物層を形成する。
【0031】
前記電解質溶液は、水溶液、水溶液と有機化合物の混合物、および非水溶液を含む。
【0032】
一つの実施形態において、前記水溶液は酸、塩基または塩の水溶液、好ましくはリン酸水溶液を含む。好ましくは、前記リン酸水溶液の濃度は0.01-1重量%、好ましくは0.01-0.1重量%、より好ましくは0.01-0.05重量%である。
【0033】
一つの実施形態において、水溶液と有機化合物の混合物中において、前記水溶液は酸、塩基または塩の水溶液を含み、かつ、前記有機化合物はアルコール類有機化合物、例えばエタノール、エチレングリコール、n-ブタノールまたはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0034】
一つの好ましい実施形態において、前記水溶液と有機化合物の混合物は、濃度が0.01-0.05重量%のリン酸水溶液とアルコール類例えばエチレングリコールの体積比が1:1~1:3、好ましくは1:1~2:1、より好ましくは2:1である混合物を含む。好ましくは、前記水溶液と有機化合物の混合物は濃度が0.05重量%のリン酸水溶液とエチレングリコールの重量比が2:1である混合物を含む。
【0035】
好ましくは、前記非水溶液は、無水濃硫酸、溶融塩、および溶融塩と塩基類物質の混合物を含む。好ましくは、前記溶融塩は溶融硝酸リチウム、溶融硝酸ナトリウム、溶融硝酸カリウムおよびそれらの任意の組み合わせを含む。好ましくは、前記塩基類物質は水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよびそれらの任意の組み合わせを含む。
【0036】
一つの実施形態において、前記陽極酸化法は基体例えばケース基体または携帯電話ケース基体を電解質水溶液中または電解質水溶液と有機化合物の混合溶液中に配置することによって行える。好ましくは、溶液の温度は1-99℃、好ましくは10-95℃、より好ましくは室温から90℃であり、陽極電圧は5-300Vであり、電圧一定時間は0.5-1.5時間であり、および昇圧電流密度は5-25mA/cmである。
【0037】
溶液の温度は好ましくは室温から95℃に制御される。温度が高すぎると、水分の揮発速度が過剰になる。比較的に高い溶液温度、比較的に高い陽極電圧、および比較的に長い電圧一定時間はアモルファス金属酸化物層の結晶化を引き起こしやすく、結晶化した金属酸化物層は光に対して屈折、透過の作用を有さず、そのため、膜厚による色の変化が起こらない(一般的にグレー色またはオフホワイト色を呈する)。
【0038】
一つの実施形態において、前記カラー携帯電話ケースを製造する方法は、
(1)携帯電話ケース基体を提供すること、および
(2)陽極酸化法を採用して水溶液中に前記携帯電話ケース基体に対して表面処理を行うこと、
を含み、
そのうち、前記携帯電話ケース基体はタンタルから製造される。
【0039】
前記水溶液は好ましくはリン酸水溶液、より好ましくは濃度が0.01-0.05重量%のリン酸水溶液である。
【0040】
一つの好ましい実施形態において、厚さが0.01-0.3mmであるタンタル携帯電話ケースを製造し、陽極酸化法を用いて、タンタル携帯電話ケースを、好ましくは室温(25℃)下で0.01-0.05重量%HPO水溶液中において、28-32Vの陽極電圧を印加し、かつ、0.5-1.5時間にわたって電圧を一定にして、ブルー色の携帯電話ケースを得る。
【0041】
一つの好ましい実施形態において、厚さが0.01-0.3mmであるタンタル携帯電話ケースを製造し、陽極酸化法を用いて、タンタル携帯電話ケースを、好ましくは室温(25℃)下で0.01-0.05重量%HPO水溶液中において、72-84Vの陽極電圧を印加し、かつ、0.5-1.5時間にわたって電圧を一定にして、ゴールド色の携帯電話ケースを得る。
【0042】
一つの好ましい実施形態において、厚さが0.01-0.3mmであるタンタル携帯電話ケースを製造し、陽極酸化法を用いて、タンタル携帯電話ケースを、好ましくは室温(25℃)下で0.01-0.05重量%HPO水溶液中において、91-103Vの陽極電圧を印加し、かつ、0.5-1.5時間にわたって電圧を一定にして、ブルーパープル色の携帯電話ケースを得る。
【0043】
一つの好ましい実施形態において、厚さが0.01-0.3mmであるタンタル携帯電話ケースを製造し、陽極酸化法を用いて、タンタル携帯電話ケースを、好ましくは室温(25℃)下で0.01-0.05重量%HPO水溶液中において、150-160Vの陽極電圧を印加し、かつ、0.5-1.5時間にわたって電圧を一定にして、ピンク色の携帯電話ケースを得る。
【0044】
一つの好ましい実施形態において、厚さが0.01-0.3mmであるタンタル携帯電話ケースを製造し、陽極酸化法を用いて、タンタル携帯電話ケースを、好ましくは室温(25℃)下で0.01-0.05重量%HPO水溶液中において、203-210Vの陽極電圧を印加し、かつ、0.5-1.5時間にわたって電圧を一定にして、グリーン色の携帯電話ケースを得る。
【0045】
他の一つの実施形態において、前記カラー携帯電話ケースを製造する方法は、
(1)携帯電話ケース基体を提供すること、および
(2)陽極酸化法を採用して水溶液中に前記携帯電話ケース基体に対して表面処理を行うこと、
を含み、
そのうち、前記携帯電話ケース基体はニオブから製造される。
【0046】
前記水溶液は好ましくはリン酸水溶液、より好ましくは濃度が0.01-0.05重量%のリン酸水溶液である。
【0047】
一つの好ましい実施形態において、厚さが0.01-0.3mmであるニオブ携帯電話ケースを製造し、陽極酸化法を用いて、ニオブ携帯電話ケースを、好ましくは室温(25℃)下で0.01-0.05重量%HPO水溶液中において、21-29Vの陽極電圧を印加し、かつ、0.5-1.5時間にわたって電圧を一定にして、ブルー色の携帯電話ケースを得る。
【0048】
一つの好ましい実施形態において、厚さが0.01-0.3mmであるニオブ携帯電話ケースを製造し、陽極酸化法を用いて、ニオブ携帯電話ケースを、好ましくは室温(25℃)下で0.01-0.05重量%HPO水溶液中において、31-38Vの陽極電圧を印加し、かつ、0.5-1.5時間にわたって電圧を一定にして、シルバーホワイト色の携帯電話ケースを得る。
【0049】
一つの好ましい実施形態において、厚さが0.01-0.3mmであるニオブ携帯電話ケースを製造し、陽極酸化法を用いて、ニオブ携帯電話ケースを、好ましくは室温(25℃)下で0.01-0.05重量%HPO水溶液中において、40-48Vの陽極電圧を印加し、かつ、0.5-1.5時間にわたって電圧を一定にして、ゴールド色の携帯電話ケースを得る。
【0050】
一つの好ましい実施形態において、厚さが0.01-0.3mmであるニオブ携帯電話ケースを製造し、陽極酸化法を用いて、ニオブ携帯電話ケースを、好ましくは室温(25℃)下で0.01-0.05重量%HPO水溶液中において、71-78Vの陽極電圧を印加し、かつ、0.5-1.5時間にわたって電圧を一定にして、グリーン色の携帯電話ケースを得る。
【0051】
一つの好ましい実施形態において、厚さが0.01-0.3mmであるニオブ携帯電話ケースを製造し、陽極酸化法を用いて、ニオブ携帯電話ケースを、好ましくは室温(25℃)下で0.01-0.05重量%HPO水溶液中において、105-113Vの陽極電圧を印加し、かつ、0.5-1.5時間にわたって電圧を一定にして、フクシャ色の携帯電話ケースを得る。
【0052】
さらに一つの実施形態において、前記カラー携帯電話ケースを製造する方法は、
(1)携帯電話ケース基体を提供すること、および
(2)陽極酸化法を採用して水溶液中に前記携帯電話ケース基体に対して表面処理を行うこと、
を含み、
そのうち、前記携帯電話ケース基体はタンタルニオブ合金から製造される。
【0053】
前記水溶液は好ましくはリン酸水溶液、より好ましくは濃度が0.01-0.05重量%のリン酸水溶液である。
【0054】
一つの好ましい実施形態において、厚さが0.01-0.3mmであるタンタルニオブ合金携帯電話ケースを製造し、陽極酸化法を用いて、タンタルニオブ合金携帯電話ケースを、好ましくは室温(25℃)下で0.01-0.05重量%HPO水溶液中において、8-18Vの陽極電圧を印加し、かつ、0.5-1.5時間にわたって電圧を一定にして、チョコレート色の携帯電話ケースを得る。
【0055】
一つの好ましい実施形態において、厚さが0.01-0.3mmであるタンタルニオブ合金携帯電話ケースを製造し、陽極酸化法を用いて、タンタルニオブ合金携帯電話ケースを、好ましくは室温(25℃)下で0.01-0.05重量%HPO水溶液中において、27-28Vの陽極電圧を印加し、かつ、0.5-1.5時間にわたって電圧を一定にして、スカイブルー色の携帯電話ケースを得る。
【0056】
一つの好ましい実施形態において、厚さが0.01-0.3mmであるタンタルニオブ合金携帯電話ケースを製造し、陽極酸化法を用いて、タンタルニオブ合金携帯電話ケースを、好ましくは室温(25℃)下で0.01-0.05重量%HPO水溶液中において、38-46Vの陽極電圧を印加し、かつ、0.5-1.5時間にわたって電圧を一定にして、シルバーグレー色の携帯電話ケースを得る。
【0057】
一つの好ましい実施形態において、厚さが0.01-0.3mmであるタンタルニオブ合金携帯電話ケースを製造し、陽極酸化法を用いて、タンタルニオブ合金携帯電話ケースを、好ましくは室温(25℃)下で0.01-0.05重量%HPO水溶液中において、97-102Vの陽極電圧を印加し、かつ、0.5-1.5時間にわたって電圧を一定にして、マリングリーン色の携帯電話ケースを得る。
【0058】
一つの好ましい実施形態において、厚さが0.01-0.3mmであるタンタルニオブ合金携帯電話ケースを製造し、陽極酸化法を用いて、タンタルニオブ合金携帯電話ケースを、好ましくは室温(25℃)下で0.01-0.05重量%HPO水溶液中において、138-145Vの陽極電圧を印加し、かつ、0.5-1.5時間にわたって電圧を一定にして、ヴァイオレット色の携帯電話ケースを得る。
【0059】
一つの好ましい実施形態において、厚さが0.01-0.3mmであるタンタルニオブ合金携帯電話ケースを製造し、陽極酸化法を用いて、タンタルニオブ合金携帯電話ケースを、好ましくは室温(25℃)下で0.01-0.05重量%HPO水溶液中において、246-251Vの陽極電圧を印加し、かつ、0.5-1.5時間にわたって電圧を一定にして、ダークブラウン色の携帯電話ケースを得る。
【0060】
一つの実施形態において、前記カラー携帯電話ケースを製造する方法は、
(1)携帯電話ケース基体を提供すること、および
(2)陽極酸化法を採用して水溶液中に前記携帯電話ケース基体に対して表面処理を行うこと、
を含み、
そのうち、前記携帯電話ケース基体はチタンから製造される。
【0061】
前記水溶液は好ましくはリン酸水溶液、より好ましくは濃度が0.01-0.05重量%のリン酸水溶液である。
【0062】
一つの好ましい実施形態において、厚さが0.01-0.3mmであるチタン携帯電話ケースを製造し、陽極酸化法を用いて、チタン携帯電話ケースを、好ましくは室温(25℃)下で0.01-0.05重量%HPO水溶液中において、44-54Vの陽極電圧を印加し、かつ、0.5-1.5時間にわたって電圧を一定にして、ホワイトグリーン色の携帯電話ケースを得る。
【0063】
一つの好ましい実施形態において、厚さが0.01-0.3mmであるチタン携帯電話ケースを製造し、陽極酸化法を用いて、チタン携帯電話ケースを、好ましくは室温(25℃)下で0.01-0.05重量%HPO水溶液中において、72-84Vの陽極電圧を印加し、かつ、0.5-1.5時間にわたって電圧を一定にして、ゴールド色の携帯電話ケースを得る。
【0064】
一つの好ましい実施形態において、厚さが0.01-0.3mmであるチタン携帯電話ケースを製造し、陽極酸化法を用いて、チタン携帯電話ケースを、好ましくは室温(25℃)下で0.01-0.05重量%HPO水溶液中において、92-109Vの陽極電圧を印加し、かつ、0.5-1.5時間にわたって電圧を一定にして、フクシャ色の携帯電話ケースを得る。
【0065】
一つの好ましい実施形態において、厚さが0.01-0.3mmであるチタン携帯電話ケースを製造し、陽極酸化法を用いて、チタン携帯電話ケースを、好ましくは室温(25℃)下で0.01-0.05重量%HPO水溶液中において、121-133Vの陽極電圧を印加し、かつ、0.5-1.5時間にわたって電圧を一定にして、グリーン色の携帯電話ケースを得る。
【0066】
一つの好ましい実施形態において、厚さが0.01-0.3mmであるチタン携帯電話ケースを製造し、陽極酸化法を用いて、チタン携帯電話ケースを、好ましくは室温(25℃)下で0.01-0.05重量%HPO水溶液中において、159-180Vの陽極電圧を印加し、かつ、0.5-1.5時間にわたって電圧を一定にして、ブラウニッシュグレー色の携帯電話ケースを得る。
【0067】
前記陽極酸化法はまたケース基体を非水溶液電解質溶液中に配置することによって行える。電解質溶液の温度は電解質溶液物質の融点から500℃であり、陽極電圧は3V-66Vであり、および電圧一定時間は0.1-80分間である。好ましくは、電解質溶液の温度は250-380℃であり、陽極電圧は10-40Vであり、および電圧一定時間は3秒-40分間である。
【0068】
一つの実施形態において、前記カラーケース、特に携帯電話ケースを製造する方法は、
(1)ケース基体を提供すること、および
(2)陽極酸化法を採用して非水溶液中に前記ケース基体に対して表面処理を行うこと、
を含み、
そのうち、前記ケース基体はタンタル、ニオブ、タンタルニオブ合金、チタンおよびチタン合金から選択される材料から製造される。
【0069】
非水溶液中に形成される酸化膜は多孔質であり、かつ、酸化膜の形成過程中にその厚さ、すなわち色は、温度、陽極電圧に相関するのみならず、電圧一定時間にも相関する。一方水溶液中での陽極酸化については、電圧一定時間に相関しない。
【0070】
前記非水溶液は無水濃硫酸、溶融塩、および溶融塩と塩基類物質の混合物を含む。好ましくは、前記溶融塩は溶融硝酸リチウム、溶融硝酸ナトリウム、溶融硝酸カリウムおよびそれらの任意の組み合わせを含む。好ましくは、前記塩基類物質は水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよびそれらの任意の組み合わせを含む。
【0071】
前記非水溶液は好ましくは溶融塩であり、溶融硝酸カリウム、溶融硝酸ナトリウム、溶融硝酸リチウムおよびそれらの任意の組み合わせを含む。好ましくは、前記溶融塩は溶融硝酸リチウムである。
【0072】
一つの実施形態において、前記カラーケース、特に携帯電話ケースを製造する方法は、
(1)ケース基体を提供すること、および
(2)陽極酸化法を採用して非水溶液中に前記ケース基体に対して表面処理を行うこと、
を含み、
そのうち、前記ケース基体はチタンから製造される。
【0073】
図6および図7に示すように、一つの好ましい実施形態において、チタンから製造されたケース基体に対して、460℃の硝酸リチウム中に10Vの電圧下で陽極酸化法処理を5分間行い、ゴールド色のケースを得る。
【0074】
一つの好ましい実施形態において、チタンから製造されたケース基体に対して482℃の硝酸リチウム中に12Vの電圧下で陽極酸化法処理を10分間行い、パープル色のケースを得る。
【0075】
一つの好ましい実施形態において、チタンから製造されたケース基体に対して460℃の硝酸リチウム中に10Vの電圧下で陽極酸化法処理を60分間行い、ロイヤルブルー色のケースを得る。
【0076】
一つの好ましい実施形態において、チタンから製造されたケース基体に対して300-350℃の硝酸リチウム中に10Vの電圧下で陽極酸化法処理を2分間行い、スカイブルー色のケースを得る。
【0077】
一つの好ましい実施形態において、チタンから製造されたケース基体に対して、482℃の硝酸リチウム中に12Vの電圧下で陽極酸化法処理を10分間行い、パープル色のケースを得る。
【0078】
一つの実施形態において、本発明は、
(1)意図したパターンに沿って製品基体上に陽極酸化法および/または溶融塩電気化学法によって一種のカラーパターンを形成すること、および
(2)形成したカラーパターンに対してマスキングを行い、その後、陽極酸化法および/または溶融塩電気化学法によって他の一種のカラーパターンを形成すること、
を含む、
多種の色彩パターンを有するカラー製品、特にカラー携帯電話ケースを製造する方法を提供する。
【0079】
一つの好ましい実施形態において、多種の色彩パターンを有するカラー製品、特にカラー携帯電話ケースを製造する方法において、まず、特定のパターンを有する粘着テープを用いて一部分の携帯電話ケースを保護し、その後携帯電話ケースに対して陽極酸化処理を行い、よって一種の色パターンを形成し、その後粘着テープを剥がし、かつ、携帯電話ケース上に形成された色パターンに対して、他の粘着テープ用いて保護し、続いて携帯電話ケースに対してさらなる陽極酸化を行って他の一種の色パターンを得ることができる。当然に、陽極酸化時に、複数の粘着テープを採用し携帯電話ケースに対して保護し、よって多種の色を有する携帯電話ケース、例えば三種または三種以上の色を得ることができる。使用される粘着テープは通常防水粘着テープであり、同時に使用される陽極酸化条件に対して耐性を有する。
【0080】
一つの好ましい実施形態において、多種の色彩パターンを有するカラー製品、特にカラー携帯電話ケースを製造する方法は、
(1)携帯電話ケース上の金属材料および特定のパターンを確定すること、
(2)携帯電話ケース上のあらゆるパターンが採用する色を確定すること、
(3)携帯電話ケースそれぞれのパターンの色を実現する表面処理順序を確定すること、この順序は、酸化膜の厚さがだんだん減少する原則にしたがうべきであり、すなわち、先に表面処理(または陽極酸化処理)する色に対応するパターンの膜の厚さは、その後に処理する色の膜の厚さより大であるべきであり、および
(4)防水、耐酸の粘着テープを用いて、まず、先に陽極酸化処理されるパターン以外の部分を保護し、第一次酸化処理が完成した後に剥がし、さらに、最終的にはすべてのパターンが処理されるまで、当該粘着テープ保護の方法を用いて次の一つのパターンの陽極酸化処理を行うこと、
を含み、
前記防水粘着テープはさらに、用いられる陽極酸化条件の耐性、例えば温度、耐酸性など、を満たすべきである。
【0081】
溶融塩電気化学法
【0082】
一つの実施形態において、前記カラーケース、特に携帯電話ケースを製造する方法は、
(1)ケース基体を提供すること、および
(2)溶融塩電気化学法を採用して前記ケース基体に対して表面処理行うこと、
を含み、
そのうち、前記ケース基体は、タンタル、ニオブおよびタンタルニオブ合金から選択される材料から製造される。
【0083】
好ましくは、前記溶融塩電気化学法は溶融リチウム塩電気化学法である。
【0084】
好ましくは、前記溶融塩電気化学法は、ケース基体を、200℃-650℃の酸素含有無機リチウム塩、酸素含有無機リチウム塩と水酸化リチウムの混合溶融物、塩と水酸化リチウムの混合溶融液、またはリチウム塩と酸素含有塩の混合溶融液中に配置し、1-66Vの陽極電圧を印加し、3秒-60時間、例えば0.1-90分間、にわたって電圧を一定にし、そのうち、昇圧電流密度は1-1000mA/cmであり、ホワイト色またはオフホワイト色のケースを得ること、を含む。好ましくは、超音波発生器を前記混合溶融物または前記混合溶融液中に設置する。
【0085】
好ましくは、前記混合溶融物または前記混合溶融液の温度は250℃-520℃であり、印加する陽極電圧は5-25Vであり、昇圧電流密度は5-20mA/cmである。
【0086】
一つの好ましい実施形態において、酸素含有無機リチウム塩はLiNOである。
【0087】
一つの好ましい実施形態において、リチウム塩と酸素含有塩の混合溶融液はLiNOおよびKNOの混合溶融液である。
【0088】
一つの好ましい実施形態において、リチウム塩と酸素含有塩の混合溶融液は重量比が1:2~2:1、好ましくは1:1のLiNOおよびKNOの混合溶融液である。
【0089】
前記混合溶融物または前記混合溶融液、例えばLiNO、NaNOおよびKNOのような硝酸塩については、比較的に高い温度下で生成されるアモルファス金属酸化物膜(層)の厚さは陽極酸化の時間の増加にしたがって増加する。アモルファス金属酸化物膜は一定の厚さに達した後硝酸塩と電気化学反応することができ、特に比較的に高い温度および比較的に高い陽極電圧下における場合、よってホワイト色またはオフホワイト色のタンタル酸リチウム膜、ニオブ酸リチウム膜、タンタル酸リチウムおよびニオブ酸リチウム混合物の膜を生成する。
【0090】
一つの実施形態において、前記カラーケース、特に携帯電話ケースを製造する方法は、
(1)ケース基体を提供すること、および
(2)溶融塩電気化学法を採用して前記ケース基体に対して表面処理を行うこと、
を含み、
前記ケース基体はタンタルから製造される。
【0091】
一つの実施形態において、タンタルから製造されたケース基体に対して440℃-650℃の硝酸リチウム中に5-50Vの電圧下で3秒-5時間にわたって電圧を一定にして、ホワイト色のケースを得る。
【0092】
一つの好ましい実施形態において、タンタルから製造されたケース基体に対して570℃-585℃の硝酸リチウム中に8-50Vの電圧下で2分間~5時間にわたって電圧を一定にして、ホワイト色のケースを得る。
【0093】
一つの実施形態において、ニオブから製造されたケース基体に対して380℃-550℃の硝酸リチウム:硝酸カリウム(重量比が1:2~2:1、好ましくは重量比が1:1)中に5-48Vの電圧下で2秒-2時間にわたって電圧を一定にして、ホワイト色のケースを得る。
【0094】
一つの好ましい実施形態において、ニオブから製造されたケース基体に対して450℃-480℃の硝酸リチウム:硝酸カリウム(重量比が1:2~2:1、好ましくは重量比が1:1)中に5-28Vの電圧下で2-30分間にわたって電圧を一定にして、ホワイト色のケースを得る。
【0095】
一つの実施形態において、前記カラーケース、特に携帯電話ケースを製造する方法は、
(1)ケース基体を提供すること、および
(2)陽極酸化法および溶融塩電気化学法を採用して前記ケース基体に対して表面処理を行うこと、
を含み、
前記ケース基体はタンタル、ニオブおよびタンタルニオブ合金から選択される材料から製造される。
【0096】
一つの好ましい実施形態において、タンタルニオブ合金から製造されたケース基体に対して0.01-0.05重量%HPO水溶液中において、135-145V下で1-2時間にわたって電圧を一定にし、その後、460-585℃の硝酸リチウム:硝酸カリウム(重量比が1:2~2:1、好ましくは重量比が1:1)中に25-32Vの電圧下で1-3時間にわたって電圧を一定にして、ホワイト色のケースを得る。
【0097】
また、陽極酸化法および溶融塩電気化学法の組み合わせによって携帯電話ケース上にホワイト色またはその他のカラーの組み合わせパターンを形成できる。例えば、まず、タンタル、ニオブ、またはタンタルニオブ合金から製造された携帯電話ケース上において、電気化学反応の方法を用いて溶融の酸素含有リチウム塩、例えば硝酸リチウム、または硝酸リチウムと硝酸カリウムまたは硝酸ナトリウムなどの混合溶融液中において、適切な陽極電圧を加えて電気化学反応を行い、対応するホワイト色のタンタル酸リチウム膜、またはニオブ酸リチウム膜、またはタンタル酸リチウムとニオブ酸リチウムの混合物膜を生成できる。所望のパターンはホワイト色であって、対照する地色はカラフルな陽極酸化膜である場合では、機械研磨またはHF酸腐蝕の方法を用い、パターン以外のホワイト色膜を金属タンタル、ニオブ、またはタンタルニオブ合金が露出するまで除去し、その後、希水溶液の陽極酸化または溶融塩中陽極酸化を採用して設計されたカラー陽極酸化物膜を生成できる。
【0098】
本発明の方法によって製造されたカラー製品は、
(1)製品基体、および
(2)在製品基体の表面上に形成されたアモルファス金属酸化物層および/またはリチウム含有化合物層、好ましくはアモルファス金属酸化物層、
を含み、
前記製品基体は、タンタル、ニオブ、タンタルニオブ合金、チタンおよびチタン合金から選択される材料から製造され、好ましくは前記製品基体は、タンタル、ニオブ、タンタルニオブ合金およびチタンから選択される材料から製造され、好ましくは前記製品基体は、タンタル、ニオブおよびタンタルニオブ合金から選択される材料から製造される。
【0099】
本発明の方法によって製造されたカラーケースは、
(1)製品ケース基体、および
(2)在ケース基体の表面上に形成されたアモルファス金属酸化物層および/またはリチウム含有化合物層、好ましくはアモルファス金属酸化物層、
を含み、
前記ケース基体は、タンタル、ニオブ、タンタルニオブ合金、チタンおよびチタン合金から選択される材料から製造され、好ましくは前記ケース基体は、タンタル、ニオブ、タンタルニオブ合金およびチタンから選択される材料から製造され、より好ましくは前記ケース基体は、タンタル、ニオブおよびタンタルニオブ合金から選択される材料から製造される。
【0100】
本発明の方法によって製造されたカラー携帯電話ケースは、
(1)製品携帯電話ケース基体、および
(2)携帯電話ケース基体の表面上に形成されたアモルファス金属酸化物層および/またはリチウム含有化合物層、好ましくはアモルファス金属酸化物層、
を含み、
前記携帯電話ケース基体は、タンタル、ニオブ、タンタルニオブ合金、チタンおよびチタン合金から選択される材料から製造され、好ましくは前記携帯電話ケース基体は、タンタル、ニオブ、タンタルニオブ合金およびチタンから選択される材料から製造され、より好ましくは前記携帯電話ケース基体は、タンタル、ニオブおよびタンタルニオブ合金から選択される材料から製造される。
【0101】
一つの実施形態において、前記アモルファス金属酸化物はアモルファス五酸化タンタル、アモルファス五酸化ニオブ、アモルファス二酸化チタンおよびそれらの混合物を含む。
【0102】
一つの好ましい実施形態において、前記リチウム含有化合物は、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウムおよびそれらの混合物を含む。
【0103】
一つの好ましい実施形態において、前記ケース基体は0.01-0.5mm、好ましくは0.02-0.3mmの厚さを有する。
【0104】
本発明の前記ケース基体は本分野で知られている技術、例えば切削、鋳造、圧延など、によって製造でき、特に制限はない。
【0105】
本発明の文脈中に、前記携帯電話ケースは、携帯電話胴体部ケース、携帯電話装飾ケース、携帯電話保護ケースなどを含む。
【0106】
本発明の文脈中に、カラー製品は、ケース、例えば携帯電話ケースおよびコンピューターケースなど、アクセサリー、例えば指輪、ブレスレット、ネックレスおよび腕時計のバンドなど、ペンダント例えば仏像、人物像および動物像など、を含む。
【0107】
一つの実施形態において、本発明の携帯電話ケースの外面に一つの透明なプラスチックケースを加えてもよく、よって不用意にぶつけた場合に破損しないように携帯電話を保護する。本発明の携帯電話ケースを透明プラスチックケースの中に嵌め込むことで耐引っかき、耐変形との目的を達成でき、同時に透明プラスチックケースはカラー携帯電話ケースの鮮やかな色を観賞することを可能にする。加えて、透明プラスチックケースの中に嵌め込まれた携帯電話装飾ケースまたは携帯電話保護ケースを他の色に簡単に変換できる。
【0108】
他の一つの実施形態において、また、本発明の携帯電話ケース例えば携帯電話装飾ケースまたは携帯電話保護ケースをプラスチック透明ケースと一体となるように結合させることができ、例えば本発明の金属携帯電話ケースを透明プラスチックケースの中に配置し、よって携帯電話プラスチックケースを外したときに、不用意な取り扱い等が、金属携帯電話ケースに対して可能な引っかき、摩耗または変形をもたらすことがないように保証できる。
【0109】
本発明の文脈では「カラー」とは、レッド色、グリーン色、ブルー色、イエロー色、パープル色、ゴールド色、ホワイト色、シルバーホワイト色、グレー色などを含むが、これらに限定されない、と解釈されるべきである。
【0110】
特に断りのない限り、本発明における%またはパーセンテージはすべて重量に基づいて計算される。
【0111】
以下の好ましい実施形態によって、本発明は当業者により容易に理解され得るが、これらの好ましい実施形態は、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0112】
1.
(1)製品基体を提供すること、および
(2)陽極酸化法および/または溶融塩電気化学法を採用して前記製品基体に対して表面処理を行うこと、
を含み、
前記製品基体はタンタル、ニオブ、タンタルニオブ合金、チタンおよびチタン合金から選択される材料から製造される、
カラー製品を製造する方法。
【0113】
2.
(1)ケース基体を提供すること、および
(2)陽極酸化法および/または溶融塩電気化学法を採用して前記ケース基体に対して表面処理を行うこと、
を含み、
前記ケース基体はタンタル、ニオブ、タンタルニオブ合金、チタンおよびチタン合金から選択される材料から製造される、
実施形態1に記載の方法。
【0114】
3.
(1)携帯電話ケース基体を提供すること、および
(2)陽極酸化法および/または溶融塩電気化学法を採用して前記携帯電話ケース基体に対して表面処理を行うこと、
を含み、
前記携帯電話ケース基体はタンタル、ニオブ、タンタルニオブ合金、チタンおよびチタン合金から選択される材料から製造される、
実施形態2に記載の方法。
【0115】
4.工程(2)は、
-意図したパターンに沿って基体上に陽極酸化法および/または溶融塩電気化学法によって一種のカラーパターンを形成すること、および
-形成したカラーパターンに対してマスキングを行い、その後、陽極酸化法および/または溶融塩電気化学法によって他の一種のカラーパターンを形成すること、
を含む、実施形態1-3のいずれか一項に記載の方法。
【0116】
5.電解質溶液の温度が20℃-600℃であり、陽極電圧が1V-800Vであり、電圧一定時間が3秒-5時間、好ましくは30秒-1.5時間であり、および昇圧電流密度が1-200mA/cmである条件で前記陽極酸化法を行って、基体の表面上にアモルファス金属酸化物層/またはリチウム含有化合物層を形成する、実施形態1-3のいずれか一項に記載の方法。
【0117】
6.前記電解質溶液は、水溶液、水溶液と有機化合物の混合物、および非水溶液を含む、実施形態5に記載の方法。
【0118】
7.前記水溶液は、酸、塩基または塩の水溶液、好ましくはリン酸水溶液を含み、前記リン酸水溶液の濃度は0.01-1重量%、好ましくは0.01-0.05重量%である、実施形態6に記載の方法。
【0119】
8.水溶液と有機化合物の混合物において、前記水溶液は、酸、塩基または塩の水溶液を含み、および前記有機化合物は、アルコール、例えばエタノール、エチレングリコール、n-ブタノールまたはそれらの任意の組み合わせを含む、実施形態6に記載の方法。
【0120】
9.前記水溶液と有機化合物の混合物は、濃度が0.01-0.05重量%HPO水溶液とエチレングリコールの重量比が1:1~3:1、好ましくは1:1~2:1の混合物を含む、実施形態6に記載の方法。
【0121】
10.前記非水溶液は、無水濃硫酸、溶融塩、および溶融塩と塩基類物質の混合物を含む、実施形態6に記載の方法。
【0122】
11.前記溶融塩は、溶融硝酸リチウム、溶融硝酸ナトリウム、溶融硝酸カリウムおよびそれらの任意の組み合わせを含む、実施形態10に記載の方法。
【0123】
12.前記塩基類物質は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよびそれらの任意の組み合わせを含む、実施形態10に記載の方法。
【0124】
13.電解質溶液が水溶液または水溶液と有機化合物の混合物である場合、電解質溶液の温度が1-99℃であり、陽極電圧が5V-600Vであり、および電圧一定時間が90分間以内であり、好ましくは、電解質溶液の温度が室温から95℃であり、陽極電圧が10-200Vであり、および電圧一定時間が30-60分間である条件で前記陽極酸化法を行う、実施形態6に記載の方法。
【0125】
14.厚さが0.01-0.3mmであるタンタル携帯電話ケースを製造し、陽極酸化法を用いて、前記タンタル携帯電話ケースを、好ましくは室温(25℃)下で0.01-0.05重量%HPO水溶液中において、72-84Vの陽極電圧を印加し、かつ、0.5-1.5時間にわたって電圧を一定にして、ゴールド色の携帯電話ケースを得る、実施形態13に記載の方法。
【0126】
15.厚さが0.01-0.3mmであるニオブ携帯電話ケースを製造し、陽極酸化法を用いて、前記ニオブ携帯電話ケースを、好ましくは室温(25℃)下で0.01-0.05重量%HPO水溶液中において、40-48Vの陽極電圧を印加し、かつ、0.5-1.5時間にわたって電圧を一定にして、ゴールド色の携帯電話ケースを得る、実施形態13に記載の方法。
【0127】
16.厚さが0.01-0.3mmであるタンタルニオブ合金携帯電話ケースを製造し、陽極酸化法を用いて、前記タンタルニオブ合金携帯電話ケースを、好ましくは室温(25℃)下で0.01-0.05重量%HPO水溶液中において、27-28Vの陽極電圧を印加し、かつ、0.5-1.5時間にわたって電圧を一定にして、スカイブルー色の携帯電話ケースを得る、実施形態13に記載の方法。
【0128】
17.厚さが0.01-0.3mmであるチタン携帯電話ケースを製造し、陽極酸化法を用いて、前記チタン携帯電話ケースを、好ましくは室温(25℃)下で0.01-0.05重量%HPO水溶液中において、72-84Vの陽極電圧を印加し、かつ、0.5-1.5時間にわたって電圧を一定にして、ゴールド色の携帯電話ケースを得る、実施形態13に記載の方法。
【0129】
18.電解質溶液が非水溶液である場合、電解質溶液の温度が電解質溶液物質の融点から500℃であり、陽極電圧が3V-66Vであり、および電圧一定時間が60分間以内であり、好ましくは、電解質溶液の温度が250-350℃であり、陽極電圧が5-40Vであり、および電圧一定時間が3-30分間である条件で前記陽極酸化法行う、実施形態6に記載の方法。
【0130】
19.チタンから製造されたケース基体に対して、460℃の硝酸リチウム中に10Vの電圧下で陽極酸化法処理を5分間行い、ゴールド色のケースを得る、実施形態18に記載の方法。
【0131】
20.溶融塩電気化学法は、基体を、250℃-650℃の酸素含有無機リチウム塩、酸素含有無機リチウム塩と水酸化リチウムの混合溶融物、塩と水酸化リチウムの混合溶融液、またはリチウム塩と酸素含有塩の混合溶融液中に配置すること、1-66Vの陽極電圧を印加すること、および0.01-60時間にわたって電圧を一定にすること、を含み、そのうち、昇圧電流密度は1-1000mA/cmであり、ホワイト色またはオフホワイト色の携帯電話ケースを得る、実施形態1-3のいずれか一項に記載の方法。
【0132】
21.前記混合溶融物または前記混合溶融液の温度は300℃-520℃であり、印加する陽極電圧は5-25Vであり、および昇圧電流密度は5-20mA/cmである、実施形態20に記載の方法。
【0133】
22.前記酸素含有無機リチウム塩はLiNOである、実施形態20に記載の方法。
【0134】
23.タンタルから製造されたケース基体に対して、440-650℃の硝酸リチウム中に8-50Vの電圧下で2分間~5時間にわたって電圧を一定にして、ホワイト色のケースを得る、実施形態20に記載の方法。
【0135】
24.ニオブから製造されたケース基体に対して、380-550℃の重量比が1:2~2:1、好ましくは重量比が1:1の硝酸リチウム/硝酸カリウム混合物中に5-28Vの電圧下で2-30分間にわたって電圧を一定にして、ホワイト色のケースを得る、実施形態20に記載の方法。
【0136】
25.
(1)ケース基体を提供すること、および
(2)陽極酸化法および溶融塩電気化学法を採用して前記ケース基体に対して表面処理を行うこと、
を含み、
前記ケース基体はタンタル、ニオブおよびタンタルニオブ合金から選択される材料から製造される、
実施形態2または3に記載の方法。
【0137】
26.タンタルニオブ合金から製造されたケース基体に対して、0.01-0.05重量%HPOの水溶液中に135-145V下で1-2時間にわたって電圧を一定にし、その後、400-585℃の重量比が1:2~2:1、好ましくは重量比が1:1の硝酸リチウム/硝酸カリウム混合物中に25-32Vの電圧下で1-3時間にわたって電圧を一定にして、ホワイト色のケースを得る、実施形態25に記載の方法。
【0138】
27.
(1)製品基体、および
(2)在製品基体の表面上に形成されたアモルファス金属酸化物層および/またはリチウム含有化合物層、好ましくはアモルファス金属酸化物層、
を含み、
前記製品基体は、タンタル、ニオブ、タンタルニオブ合金、チタンおよびチタン合金から選択される材料から製造され、好ましくは前記製品基体は、タンタル、ニオブ、タンタルニオブ合金およびチタンから選択される材料から製造され、より好ましくは前記製品基体は、タンタル、ニオブおよびタンタルニオブ合金から選択される材料から製造される、
実施形態1-26のいずれか一項に記載の方法によって製造されたカラー製品。
【0139】
28.前記アモルファス金属酸化物は、アモルファス五酸化タンタル、アモルファス五酸化ニオブ、アモルファス二酸化チタンおよびそれらの混合物を含む、実施形態27に記載のカラー製品。
【0140】
29.前記リチウム含有化合物は、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウムおよびそれらの混合物を含む、実施形態27または28に記載のカラー製品。
【0141】
30.前記カラー製品は、ケース、例えば携帯電話ケースおよびコンピューターケース、アクセサリー、例えば指輪、ブレスレット、ネックレスおよび腕時計のバンド、ペンダント例えば仏像、人物像および動物像、を含む、実施形態27または28に記載のカラー製品。
【0142】
31.前記携帯電話ケースは、携帯電話胴体部ケース、携帯電話装飾ケースおよび携帯電話保護ケースを含む、実施形態30に記載のカラー製品。
【実施例
【0143】
特定の例示的な実施例が、添付の図面に関連して以下に説明される。当業者によって認識されるように、説明された実施例は、本発明の精神または範囲から逸脱することなく、様々な方法で変更され得る。したがって、添付の図面および説明は、本質的に限定的なものではなく、例示的なものであると考えられる。
【0144】
実施例1
厚さが0.28mmであるタンタル携帯電話ケースを製造し、陽極酸化法を用いて、タンタル携帯電話ケースを、室温下で0.05重量%HPO水溶液中において、それぞれ1-286Vの陽極電圧を印加し、かつ、40分間にわたって電圧を一定にして、カラフルなタンタル携帯電話ケースを得た。そのうち、30V下でブルー色のタンタル携帯電話ケースを得、78V下でゴールド色のタンタル携帯電話ケースを得、95V下でパープル色のタンタル携帯電話ケースを得、125V下でグリーン色のタンタル携帯電話ケースを得、142V下でイエロー色のタンタル携帯電話ケースを得、168V下でローズレッド色のタンタル携帯電話ケースを得た。図1に示す。
【0145】
実施例2
厚さが0.03mmであるタンタル携帯電話ケースを製造し、陽極酸化法を用いて、タンタル携帯電話ケースを、好ましくは室温(25℃)下で0.05重量%HPO水溶液中において、30Vの陽極電圧を印加し、かつ、40分間にわたって電圧を一定にして、ブルー色のタンタル携帯電話ケースを得た。図2に示す。
【0146】
実施例3
厚さが0.03mmであるタンタル携帯電話ケースを製造し、陽極酸化法を用いて、タンタル携帯電話ケースを、好ましくは室温(25℃)下で0.05重量%HPO水溶液中において、75Vの陽極電圧を印加し、かつ、40分間にわたって電圧を一定にして、ゴールド色のタンタル携帯電話ケースを得た。図2に示す。
【0147】
実施例4
厚さが0.02mmであるタンタル携帯電話ケースを製造し、陽極酸化法を用いて、タンタル携帯電話ケースを、好ましくは室温(25℃)下で0.05重量%HPO水溶液中において、100Vの陽極電圧を印加し、かつ、40分間にわたって電圧を一定にして、ブルーパープル色のタンタル携帯電話ケースを得た。図2に示す。
【0148】
実施例5
厚さが0.075mmであるタンタル携帯電話ケースを製造し、陽極酸化法を用いて、タンタル携帯電話ケースを、好ましくは室温(25℃)下で0.05重量%HPO水溶液中において、110Vの陽極電圧を印加し、かつ、40分間にわたって電圧を一定にして、ブルーグリーン色のタンタル携帯電話ケースを得た。図2に示す。
【0149】
実施例6
厚さが0.03mmであるタンタル携帯電話ケースを製造し、陽極酸化法を用いて、タンタル携帯電話ケースを、好ましくは室温(25℃)下で0.05重量%HPO水溶液中において、120Vの陽極電圧を印加し、かつ、40分間にわたって電圧を一定にして、ライトグリーン色のタンタル携帯電話ケースを得た。図2に示す。
【0150】
実施例7
厚さが0.05mmであるタンタル携帯電話ケースを製造し、陽極酸化法を用いて、タンタル携帯電話ケースを、好ましくは室温(25℃)下で0.05重量%HPO水溶液中において、154Vの陽極電圧を印加し、かつ、40分間にわたって電圧を一定にして、ライトピンク色のタンタル携帯電話ケースを得た。図2に示す。
【0151】
実施例8
厚さが0.1mmであるタンタル携帯電話ケースを製造し、陽極酸化法を用いて、タンタル携帯電話ケースを、好ましくは室温(25℃)下で0.05重量%HPO水溶液中において、160Vの陽極電圧を印加し、かつ、40分間にわたって電圧を一定にして、ピンク色のタンタル携帯電話ケースを得た。図2に示す。
【0152】
実施例9
厚さが0.03mmであるタンタル携帯電話ケースを製造し、陽極酸化法を用いて、タンタル携帯電話ケースを、好ましくは室温(25℃)下で0.05重量%HPO水溶液中において、178Vの陽極電圧を印加し、かつ、40分間にわたって電圧を一定にして、パープル色のタンタル携帯電話ケースを得た。図2に示す。
【0153】
実施例10
厚さが0.03mmであるタンタル携帯電話ケースを製造し、陽極酸化法を用いて、タンタル携帯電話ケースを、好ましくは室温(25℃)下で0.05重量%HPO水溶液中において、205Vの陽極電圧を印加し、かつ、40分間にわたって電圧を一定にして、グリーン色のタンタル携帯電話ケースを得た。図2に示す。
【0154】
実施例11
厚さが0.03mmであるニオブ携帯電話ケースを製造し、陽極酸化法を用いて、ニオブ携帯電話ケースを、室温下で0.05重量%HPO水溶液中において、それぞれ1-210Vの陽極電圧を印加し、かつ、40分間にわたって電圧を一定にして、カラフルなニオブ携帯電話ケースを得た。そのうち、25V下でブルー色のニオブ携帯電話ケースを得、36V下でシルバーホワイト色のニオブ携帯電話ケースを得、44V下でゴールド色のニオブ携帯電話ケースを得、73V下でジュエルグリーン色のニオブ携帯電話ケースを得、108V下でフクシャ色のニオブ携帯電話ケースを得た。図3に示す。
【0155】
実施例12
厚さが0.1mmまたは0.28mmであるタンタルニオブ合金(重量比が6:4)携帯電話ケースを製造し、陽極酸化法を用いて、タンタルニオブ合金携帯電話ケースを、好ましくは室温(25℃)下で0.05重量%HPO水溶液中において、それぞれ1-260Vの陽極電圧を印加し、かつ、40分間にわたって電圧を一定にして、カラフルなタンタルニオブ合金携帯電話ケースを得た。そのうち、0.1mmおよび28V下でスカイブルー色のタンタルニオブ合金携帯電話ケースを得、0.1mmおよび43V下でグレー色のタンタルニオブ合金携帯電話ケースを得、0.28mmおよび100V下でマリングリーン色のタンタルニオブ合金携帯電話ケースを得、0.1mmおよび141V下でヴァイオレット色のタンタルニオブ合金携帯電話ケースを得、0.28mmおよび249V下でダークブラウン色のタンタルニオブ合金携帯電話ケースを得た。図4に示す。
【0156】
実施例13
厚さが0.02mmであるチタン携帯電話ケースを製造し、陽極酸化法を用いて、チタン携帯電話ケースを、好ましくは室温(25℃)下で0.05重量%HPO水溶液中において、それぞれ1-197Vの陽極電圧を印加し、かつ、40分間にわたって電圧を一定にして、カラフルなチタン携帯電話ケースを得た。そのうち、16V下でシルバーグレー色のニオブ携帯電話ケースを得、24V下でシルバーホワイト色のニオブ携帯電話ケースを得、82V下でゴールド色のニオブ携帯電話ケースを得、98V下でローズレッド色のニオブ携帯電話ケースを得、175V下でローズブラウン色のニオブ携帯電話ケースを得た。図5に示す。
【0157】
実施例14
厚さが0.02mmであるチタン携帯電話ケースを製造し、その後、300℃の溶融硝酸リチウム溶液中にチタン携帯電話ケースに対して10Vの陽極電圧を印加し、かつ、2分間にわたって電圧を一定にして、ブルー色のチタン携帯電話ケースを得た。図6に示す。
【0158】
実施例15
厚さが0.02mmであるチタン携帯電話ケースを製造し、その後、350℃の溶融硝酸リチウム溶液中にチタン携帯電話ケースに対して10Vの陽極電圧を印加し、かつ、2分間にわたって電圧を一定にして、スカイブルー色のチタン携帯電話ケースを得た。図6に示す。
【0159】
実施例16
厚さが0.02mmであるチタン携帯電話ケースを製造し、その後、482℃の溶融硝酸リチウム溶液中にチタン携帯電話ケースに対して12Vの陽極電圧を印加し、かつ、0.5分間にわたって電圧を一定にして、ローズレッド色のチタン携帯電話ケースを得た。図6に示す。
【0160】
実施例17
厚さが0.02mmであるチタン携帯電話ケースを製造し、その後、482℃の溶融硝酸リチウム溶液中にチタン携帯電話ケースに対して12Vの陽極電圧を印加し、かつ、10分間にわたって電圧を一定にして、パープル色のチタン携帯電話ケースを得た。図6に示す。
【0161】
実施例18
厚さが0.02mmであるチタン携帯電話ケースを製造し、その後、460℃の溶融硝酸リチウム溶液中にチタン携帯電話ケースに対して10Vの陽極電圧を印加し、かつ、1分間にわたって電圧を一定にして、ライトイエロー色のチタン携帯電話ケースを得た。図7に示す。
【0162】
実施例19
厚さが0.02mmであるチタン携帯電話ケースを製造し、その後、460℃の溶融硝酸リチウム溶液中にチタン携帯電話ケースに対して10Vの陽極電圧を印加し、かつ、2分間にわたって電圧を一定にして、ライトイエロー色のチタン携帯電話ケースを得た。図7に示す。
【0163】
実施例20
厚さが0.02mmであるチタン携帯電話ケースを製造し、その後、460℃の溶融硝酸リチウム溶液中にチタン携帯電話ケースに対して10Vの陽極電圧を印加し、かつ、5分間にわたって電圧を一定にして、ゴールド色のチタン携帯電話ケースを得た。図7に示す。
【0164】
実施例21
厚さが0.02mmであるチタン携帯電話ケースを製造し、その後、460℃の溶融硝酸リチウム溶液中にチタン携帯電話ケースに対して10Vの陽極電圧を印加し、かつ、15分間にわたって電圧を一定にして、京紫色のチタン携帯電話ケースを得た。図7に示す。
【0165】
実施例22
厚さが0.02mmであるチタン携帯電話ケースを製造し、その後、460℃の溶融硝酸リチウム溶液中にチタン携帯電話ケースに対して10Vの陽極電圧を印加し、かつ、20分間にわたって電圧を一定にして、薄パープル色のチタン携帯電話ケースを得た。図7に示す。
【0166】
実施例23
厚さが0.02mmであるチタン携帯電話ケースを製造し、その後、460℃の溶融硝酸リチウム溶液中にチタン携帯電話ケースに対して10Vの陽極電圧を印加し、かつ、30分間にわたって電圧を一定にして、パープル色のチタン携帯電話ケースを得た。図7に示す。
【0167】
実施例24
厚さが0.02mmであるチタン携帯電話ケースを製造し、その後、460℃の溶融硝酸リチウム溶液中にチタン携帯電話ケースに対して10Vの陽極電圧を印加し、かつ、35分間にわたって電圧を一定にして、マルーン色のチタン携帯電話ケースを得た。図7に示す。
【0168】
実施例25
厚さが0.02mmであるチタン携帯電話ケースを製造し、その後、460℃の溶融硝酸リチウム溶液中にチタン携帯電話ケースに対して10Vの陽極電圧を印加し、かつ、60分間にわたって電圧を一定にして、ジュエルブルー色のチタン携帯電話ケースを得た。図7に示す。
【0169】
実施例26
厚さが0.05mmであるタンタル携帯電話ケースを製造し、580℃の溶融硝酸リチウム中にタンタル携帯電話ケースに対して10Vの陽極電圧を印加し、かつ、3sおよび60sにわたって電圧を一定にして反応し、オフホワイト色のタンタル携帯電話ケースを得た。図8に示す。
【0170】
実施例27
厚さが0.28mmである携帯電話ケースを製造し、580℃の溶融硝酸リチウム中にタンタル携帯電話ケースに対して10Vの陽極電圧を印加し、かつ、3s~10分間にわたって電圧を一定にして反応し、グレー色またはホワイト色のタンタル携帯電話ケースを得た。図8に示す。
【0171】
実施例28
厚さが0.05mmであるタンタルニオブ合金携帯電話ケースを製造し、まず、タンタルニオブ合金携帯電話ケースを、0.05重量%HPOの90℃水溶液中において、1.5時間にわたって一定の電圧143Vを維持し、その後、482℃の溶融硝酸リチウム:硝酸カリウム(1:1重量比)中においてタンタルニオブ合金携帯電話ケースに対して28Vの電圧を印加し、かつ、電圧一定電気化学反応を3時間行い、ホワイト色のタンタルニオブ合金携帯電話ケースを得た。図8に示す。
【0172】
実施例29
厚さが0.28mmであるタンタルニオブ合金携帯電話ケースを製造し、まず、タンタルニオブ合金携帯電話ケースを、0.05重量%HPOの90℃水溶液中において、1.5時間にわたって一定の電圧143Vを維持し、その後、482℃の溶融硝酸リチウム:硝酸カリウム(1:1重量比)中においてタンタルニオブ合金携帯電話ケースに対して28Vの電圧を印加し、かつ、電圧一定電気化学反応を3時間行い、ホワイト色のタンタルニオブ合金携帯電話ケースを得た。図8に示す。
【0173】
実施例30
厚さが0.05mmであるニオブ携帯電話ケースを製造し、460℃の溶融硝酸リチウム:硝酸カリウム(1:1重量比)中においてニオブ携帯電話ケースに対して10Vの電圧を印加し、かつ、20分間にわたって電圧を一定にして、ホワイト色のニオブ携帯電話ケースを得た。図8に示す。
【0174】
実施例31
厚さが0.28mmであるニオブ携帯電話ケースを製造し、460℃の溶融硝酸リチウム:硝酸カリウム(1:1重量比)中においてニオブ携帯電話ケースに対して10Vの電圧を印加し、かつ、20分間にわたって電圧を一定にして、ホワイト色のニオブ携帯電話ケースを得た。図8に示す。
【0175】
実施例32
厚さが0.03mmであるチタン箔を製造し、粘着テープ保護の状況下で、268℃の溶融硝酸リチウム中においてチタン箔に対して15Vの電圧を印加し、かつ、5分間にわたって電圧を一定にして、ブルー色の背景パターンを得た。粘着テープを用いて前記ストライプパターンに対して保護を行い、その後、268℃の溶融硝酸リチウム中においてチタン箔に対して10Vの電圧を印加し、かつ、5分間にわたって電圧を一定にして、パープル色のストライプパターンを得た。図9中のサンプル一に示す。
【0176】
実施例33
厚さが0.03mmであるチタン箔を製造し、粘着テープ保護の状況下で、268℃の溶融硝酸リチウム中においてチタン箔に対して10Vの電圧を印加し、かつ、5分間にわたって電圧を一定にして、パープル色の背景パターンを得た。粘着テープを用いて前記ストライプパターンに対して保護を行い、その後、268℃の溶融硝酸リチウム中においてチタン箔に対して5Vの電圧を印加し、かつ、5分間にわたって電圧を一定にして、ゴールド色のストライプパターンを得た。図9中のサンプル二に示す。
【0177】
実施例34
厚さが0.03mmであるチタン箔を製造し、粘着テープ保護の状況下で、268℃の溶融硝酸リチウム中においてチタン箔に対して15Vの電圧を印加し、かつ、5分間にわたって電圧を一定にして、ブルー色の背景パターンを得た。粘着テープを用いて前記牡牛パターンに対して保護を行い、その後、268℃の溶融硝酸リチウム中においてチタン箔に対して5Vの電圧を印加し、かつ、5分間にわたって電圧を一定にして、牡牛パターンを得た。図9中のサンプル三に示す。
【0178】
実施例35
厚さが0.05mmまたは0.075mmであるタンタル箔を製造し、粘着テープ保護の状況下で、0.05重量%HPO水溶液中において、図に示された番号の順番通りに対応する電圧下ですべての種類の色のそれぞれについて30分間にわたって電圧を一定にして、多種の色パターンを含むタンタル箔をそれぞれ得た。図10に示す。そのうち、サンプル一中、背景1はパープル色であり、ストライプ2はブルー色であり、ストライプ3はゴールド色である。サンプル二中、五角星および中国パターンはゴールド色であり、背景はパープル色である。サンプル三中、五角星およびChinaパターンはゴールド色であり、背景はブルーパープル色である。サンプル四中、牡牛パターンはゴールド色であり、背景はブルー色である。サンプル五中、牡牛パターンはゴールド色であり、背景はパープル色である。
【0179】
実施例36
厚さが0.05mmであるニオブ箔を製造し、粘着テープ保護の状況下で、0.05重量%HPO水溶液中において、図に示された番号の順番通りに対応する電圧下ですべての種類の色のそれぞれについて20分間にわたって電圧を一定にして、多種の色パターンを含むニオブ箔をそれぞれ得た。図11に示す。
【0180】
以下の表1では、測定された、本発明の携帯電話ケースを装着して通話する際の携帯電話の様々な方向への携帯電話放射線を示す。清華大学電磁試験センターで試験された。
【0181】
【表1】
表1の結果から、本発明の携帯電話ケースは、一定の放射線防護効果を有することがわかる。本発明の携帯電話ケースを装着していない携帯電話に比べ、本発明のケースを装着した携帯電話は、通話時に携帯電話の全方向の放射線が低減された。
【0182】
本発明の特定の実施形態が示され説明されているが、他の改良、代替、およびオプションが当業者に知られている。そのような改良、代替およびオプションの実施形態は、添付の特許請求の範囲によって決定される本発明の精神および範囲から逸脱することなく行われ得る。本発明の様々な特徴は、添付の特許請求の範囲に記載されている。
図1
図2
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図4
図5
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図7
図8
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図10
図11
図12
【国際調査報告】