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特表2023-543289検体測定のためのバイオセンサ構造およびこれを利用した検体測定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-13
(54)【発明の名称】検体測定のためのバイオセンサ構造およびこれを利用した検体測定方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/30 20060101AFI20231005BHJP
   G01N 27/416 20060101ALI20231005BHJP
   G01N 27/327 20060101ALI20231005BHJP
   G01N 33/50 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
G01N27/30 F
G01N27/416 338
G01N27/327 353R
G01N33/50 G
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023519395
(86)(22)【出願日】2021-09-28
(85)【翻訳文提出日】2023-03-27
(86)【国際出願番号】 KR2021013243
(87)【国際公開番号】W WO2022065986
(87)【国際公開日】2022-03-31
(31)【優先権主張番号】10-2020-0125618
(32)【優先日】2020-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0105599
(32)【優先日】2021-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518086871
【氏名又は名称】ドンウン アナテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】クォン,ミン ス
(72)【発明者】
【氏名】ケ,ジ ウォン
(72)【発明者】
【氏名】ウ,ヒ ジェ
(72)【発明者】
【氏名】シム,ウン ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,イン ス
(72)【発明者】
【氏名】キム,ドン チョル
【テーマコード(参考)】
2G045
【Fターム(参考)】
2G045AA25
2G045BA01
2G045BB05
2G045CB07
2G045DA31
2G045FB01
2G045FB05
2G045JA07
(57)【要約】
検体測定のためのバイオセンサ構造およびこれを利用した検体測定方法を提供する。本発明の一実施形態に係るバイオセンサ電極構造は、検体測定のためのバイオセンサ電極構造であって、検体を測定するための電極である作業電極(working electrode)と基準電極(reference electrode)は検体挿入流路の長さ方向に互いに離隔して配置され、前記検体挿入流路に対応する部分では前記作業電極の突起である作業突起と前記基準電極の2つの突起である基準突起が交代に配列され、前記作業突起の面積と前記基準突起の面積の比は1以上であり、前記検体を認識するための少なくとも1つの認識電極は前記作業電極または前記基準電極に隣接して前記作業電極および前記基準電極と平行するように離隔して配置される構造を有し、前記少なくとも1つの認識電極には前記検体挿入流路に対応する部分に少なくとも1つの突起である認識突起が配置されることを特徴とする。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体測定のためのバイオセンサ電極構造であって、
検体を測定するための電極である作業電極(working electrode)と基準電極(reference electrode)は、検体挿入流路の長さ方向に互いに離隔して配置され、
前記検体挿入流路に対応する部分では前記作業電極の突起である作業突起と前記基準電極の2つの突起である基準突起が交代に配列され、前記作業突起の面積と前記基準突起の面積の比は1以上であり、
前記検体を認識するための少なくとも1つの認識電極は、前記作業電極または前記基準電極に隣接して前記作業電極および前記基準電極と平行するように離隔して配置される構造を有し、
前記少なくとも1つの認識電極は、前記検体挿入流路に対応する部分に少なくとも1つの突起である認識突起が配置される
ことを特徴とする、バイオセンサ電極構造。
【請求項2】
前記認識突起は、
前記検体挿入流路の末端部に隣接するように配置されることを特徴とする、請求項1に記載のバイオセンサ電極構造。
【請求項3】
前記少なくとも1つの認識電極は、
前記作業電極と前記基準電極に印加される検体測定信号とは独立的に印加される検体認識信号に応答して検体認識を行うことを特徴とする、請求項1に記載のバイオセンサ電極構造。
【請求項4】
前記バイオセンサの電極構造を備えるバイオセンサが測定のために測定器に挿入される瞬間を感知するためのストリップ認識電極
をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のバイオセンサ電極構造。
【請求項5】
検体測定のためのバイオセンサ構造であって、
絶縁基板に検体を測定するための電極である作業電極(working electrode)と基準電極(reference electrode)、および前記検体を認識するための少なくとも1つの認識電極が配置され、前記作業電極と前記基準電極は検体挿入流路の長さ方向に互いに離隔して配置され、前記検体挿入流路に対応する部分では前記作業電極の突起である作業突起と前記基準電極の2つの突起である基準突起が交代に配列され、前記作業突起の面積と前記基準突起の面積の比は1以上であり、前記少なくとも1つの認識電極は前記作業電極または前記基準電極に隣接して前記作業電極および前記基準電極と平行するように離隔して配置される構造を有し、前記検体挿入流路に対応する部分に少なくとも1つの突起である認識突起が配置される構造を有する下板、
前記検体挿入流路が形成され、前記検体挿入流路に酵素化合物(enzyme compound)が挿入される中板、および
絶縁基板に前記検体挿入流路に対応する部分に前記検体を挿入するための挿入口と空気を排出するための排出口が形成される上板
を含む、バイオセンサ構造。
【請求項6】
前記酵素化合物は、
前記検体が唾液である場合、前記唾液に含まれたグルコース(glucose)を選択的に反応させるための酵素(enzyme)、前記酵素を前記下板に配置された電極上にアタッチ(attach)するためのポリマ(polymer)、および前記酵素と前記グルコースの反応を促進させるための触媒(catalyst)を含み、
前記酵素は、
グルコースオキシダーゼ(glucose oxidase)、グルコース脱水素酵素(GDH:glucose dehydrogenase)のうちの少なくとも1つを1~30unit含み、
前記ポリマは、
Chitosan、PVP、Nafion、Polyethylene glycol、poly vinyl Pyrrolidone、poly vinyl alcohol、アガロース(agarose)、トレハロース(trehalose)のうちの少なくとも1つをwt0.01~1.0%含み、
前記触媒は、
フェロセン(Ferrocene)、フェロセン誘導体、キノン(Quinone)、キノン誘導体、ヘキサアミンルテニウム(III)クロライド、フェリシアン化合物(Ferricyanide)のうちの少なくとも1つを1~10%含むことを特徴とする、請求項5に記載のバイオセンサ構造。
【請求項7】
前記触媒は、
前記プロシアンブルーを0.001~5%含むことを特徴とする、請求項6に記載のバイオセンサ構造。
【請求項8】
前記少なくとも1つの認識電極は、
前記作業電極と前記基準電極に印加される検体測定信号とは独立的に印加される検体認識信号に応答して検体認識を行うことを特徴とする、請求項5に記載のバイオセンサ構造。
【請求項9】
検体を採取する採取手段と前記採取手段によって採取した検体から前記検体測定の妨げとなる干渉物質を取り除くフィルタを含む採取装置、
前記干渉物質が取り除かれた検体を測定するための電極である作業電極(working electrode)と基準電極(reference electrode)、および前記干渉物質が取り除かれた検体を認識するための少なくとも1つの認識電極が配置され、前記作業電極と前記基準電極は検体挿入流路の長さ方向に互いに離隔して配置され、前記検体挿入流路に対応する部分では前記作業電極の突起である作業突起と前記基準電極の2つの突起である基準突起が交代に配列され、前記作業突起の面積と前記基準突起の面積の比は1以上であり、前記少なくとも1つの認識電極は前記作業電極または前記基準電極に隣接して前記作業電極および前記基準電極と平行するように離隔して配置される構造を有し、前記検体挿入流路に対応する部分に少なくとも1つの突起である認識突起が配置される電極構造を有するバイオセンサ、および
前記バイオセンサのストリップが挿入された後、前記採取装置によって前記干渉物質が取り除かれた検体が前記バイオセンサに挿入されれば、前記作業電極と前記基準電極によって受信される検体測定信号に基づいて前記干渉物質が取り除かれた検体を測定する測定装置
を含む、検体測定システム。
【請求項10】
前記フィルタは、
前記検体が唾液である場合、前記唾液内に存在するサイズが大きい分子(Big molecular)と異物を取り除き、前記唾液中の糖測定の妨げとなるタンパク質、アミラーゼ、イオンを含む物質を分離することを特徴とする、請求項9に記載の検体測定システム。
【請求項11】
前記バイオセンサは、
前記電極構造を有する下板、
前記検体挿入流路が形成され、前記検体挿入流路に酵素化合物(enzyme compound)が挿入される中板、および
前記検体挿入流路に対応する部分に前記干渉物質が取り除かれた検体を挿入するための挿入口と空気を排出するための排出口が形成される上板
を含むことを特徴とする、請求項9に記載の検体測定システム。
【請求項12】
前記酵素化合物は、
前記検体が唾液である場合、前記唾液に含まれたグルコース(glucose)を選択的に反応させるための酵素(enzyme)、前記酵素を前記下板に配置された電極上にアタッチ(attach)するためのポリマ(polymer)、および前記酵素と前記グルコースの反応を促進させるための触媒(catalyst)を含み、
前記酵素は、
グルコースオキシダーゼ(glucose oxidase)、グルコース脱水素酵素(GDH:glucose dehydrogenase)のうちの少なくとも1つを1~30unit含み、
前記ポリマは、
Chitosan、PVP、Nafion、Polyethylene glycol、poly vinyl Pyrrolidone、poly vinyl alcohol、アガロース(agarose)、トレハロース(trehalose)のうちの少なくとも1つをwt0.01~1.0%含み、
前記触媒は、
フェロセン(Ferrocene)、フェロセン誘導体、キノン(Quinone)、キノン誘導体、ヘキサアミンルテニウム(III)クロライド、フェリシアン化合物(Ferricyanide)のうちの少なくとも1つを1~10%含むことを特徴とする、請求項11に記載の検体測定システム。
【請求項13】
前記触媒は、
前記プロシアンブルーを0.001~5%含むことを特徴とする、請求項12に記載の検体測定システム。
【請求項14】
採取手段を利用して検体を採取し、フィルタを利用して前記採取した検体から前記検体測定の妨げとなる干渉物質を取り除く段階、
バイオセンサに前記干渉物質が取り除かれた検体を接触させる段階、および
前記干渉物質が取り除かれた検体の接触が前記バイオセンサの少なくとも1つの認識電極によって認識されれば、前記バイオセンサの作業電極(working electrode)と基準電極(reference electrode)に検体測定信号を印加して前記干渉物質が取り除かれた検体に対する応答信号を測定する段階
を含み、
前記作業電極と前記基準電極は検体挿入流路の長さ方向に互いに離隔して配置され、前記検体挿入流路に対応する部分では前記作業電極の突起である作業突起と前記基準電極の2つの突起である基準突起が交代に配列され、前記作業突起の面積と前記基準突起の面積の比は1以上であり、前記少なくとも1つの認識電極は前記作業電極または前記基準電極に隣接して前記作業電極および前記基準電極と平行するように離隔して配置される構造を有し、前記検体挿入流路に対応する部分に少なくとも1つの突起である認識突起が配置されることを特徴とする、検体測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検体測定のためのバイオセンサ構造およびこれを利用した検体測定技術に関し、より詳細には、検体、例えば、唾液に含まれたグルコース(glucose)に対する測定正確度を高めることができる、バイオセンサ構造およびこれを利用した検体測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
生体試料(bio sample)内に存在する分析物質を定量的かつ定性的に分析することは、化学的にも臨床学的にも重要な要素となる。この代表的な例として、糖尿病患者の血液中の血糖を測定したり、成人病の要因となるコレステロールを測定したりすることが挙げられる。
【0003】
本分野で周知である、酵素の活性を利用した電気化学的バイオセンサは、生体試料(以下、「検体」とする)、例えば、唾液や血液中の特定の物質、例えば、臨床化学検査ではグルコース(Glucose)センサ、尿酸センサ、タンパク質センサ、DNAセンサ、スクロースセンサ、肝機能検査ではGOT(Glutamate-Oxaloacetate Transaminase)、GPT(Glutamate-Pyruvate Transaminase)などの酵素活性の測定において迅速性と再現性を高めることが極めて重要となる。ここで、バイオセンサは、測定対象を識別する識別部位と、電気信号に変換する変化部位で構成されている。
【0004】
識別部位には生体物質が用いられ、生体物質が測定対象を認識すれば、化学変化や物理変化が発生する。このような変化を電気信号に変換する部位が変化部位であり、識別部位と変化部位を通称してバイオセンサ(Bio sensor)電極(electrode)と呼んでいる。
【0005】
現在常用されているストリップタイプのバイオセンサの測定方式としては、製造過程でプラズマあるいは化学的界面活性処理過程によって可能となった重力よりも強い力である毛細管現象を利用してバイオセンサの検体挿入流路に検体を流入させて検体挿入流路内に検体を蓄積させた後、これを定性的あるいは定量的に測定する方式が一般的である。
【0006】
このとき、通常では、検体測定に先立って、検体が流入されて検体挿入流路内に蓄積される時点である検体流入時点を検出する段階を経るようになる。
【0007】
従来の場合には、バイオセンサの作業電極および基準電極に検体流入検出信号を印加して検体流入時点を検出し、一定時間の経過後に前記作業電極および基準電極に検体測定信号を印加して検体を測定する方式を利用していた。すなわち、作業電極と基準電極に検体が到達した時を基点にして検体が挿入されて形成した流路容積に完全に到達した時点を時間的に計算して検体流入時点を定め、任意の時間待機してから作業電極と基準電極に検体測定信号を印加して検体を測定していた。
【0008】
この場合、検体流入時点を検出するために印加された検体流入検出信号が、測定用電極として重要な作業電極と基準電極の表面で既に反応して電気二重層(EDL:Electric Double Layer)が形成されるという問題が発生する。ここで、電気二重層は、互いに異なる物質(電極、検体、あるいは溶液)の境界で現われるものであり、互いに異なる物質が隣する面に電界を加えるときに起こる。電気二重層の蓄電容量である電気二重層キャパシタンス(DLC:Double Layer Capacitance)は、微量ではあるが、前記検体検出信号の印加時に測定された電流信号に含まれることがある。したがって、バイオセンサの測定信号の歪曲をもたらし、測定結果に影響を及ぼすようになる。
【0009】
さらに、検体の流入時点から流路内の検体沖積まで時間的に計算して任意の時間待機してから測定することは、検体ごとに粘性がそれぞれ異なるため、微量ではあるが、流路内に検体が沖積される速度あるいは時間によってそれぞれ異なるようになり測定結果に影響を及ぼすようになる。したがって、時間的な制御を利用して検体測定信号の印加時点を決めることは、測定の正確度に相当な問題を発生させる余地がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の実施形態は、検体、例えば、唾液に含まれたグルコース(glucose)に対する測定正確度を高めることができる、バイオセンサ構造およびこれを利用した検体測定方法を提供する。
【0011】
本発明の実施形態は、検体を採取し、採取した検体から検体測定の妨げとなる干渉物質を取り除いた後、バイオセンサによって検体を測定することにより、検体に含まれた物質に対する測定正確度を高めることができる、検体測定システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一実施形態に係るバイオセンサ電極構造は、検体測定のためのバイオセンサ電極構造において、検体を測定するための電極である作業電極(working electrode)と基準電極(reference electrode)は検体挿入流路の長さ方向に互いに離隔して配置され、前記検体挿入流路に対応する部分では前記作業電極の突起である作業突起と前記基準電極の2つの突起である基準突起が交代に配列され、前記作業突起の面積と前記基準突起の面積の比は1以上であり、前記検体を認識するための少なくとも1つの認識電極は前記作業電極または前記基準電極に隣接して前記作業電極および前記基準電極と平行するように離隔して配置される構造を有し、前記少なくとも1つの認識電極は前記検体挿入流路に対応する部分に少なくとも1つの突起である認識突起が配置されること、を特徴とする。
【0013】
前記認識突起は、前記検体挿入流路の末端部に隣接するように配置されてよい。
【0014】
前記少なくとも1つの認識電極は、前記作業電極と前記基準電極に印加される検体測定信号とは独立的に印加される検体認識信号に応答して検体認識を行ってよい。
【0015】
また、本発明の一実施形態に係るバイオセンサ電極構造は、前記バイオセンサの電極構造を備えたバイオセンサが測定のために測定器に挿入される瞬間を感知するためのストリップ認識電極をさらに含んでよい。
【0016】
本発明の一実施形態に係るバイオセンサ構造は、検体測定のためのバイオセンサ構造において、絶縁基板に検体を測定するための電極である作業電極(working electrode)と基準電極(reference electrode)、および前記検体を認識するための少なくとも1つの認識電極が配置され、前記作業電極と前記基準電極は検体挿入流路の長さ方向に互いに離隔して配置され、前記検体挿入流路に対応する部分では前記作業電極の突起である作業突起と前記基準電極の2つの突起である基準突起が交代に配列され、前記作業突起の面積と前記基準突起の面積の比は1以上であり、前記少なくとも1つの認識電極は前記作業電極または前記基準電極に隣接して前記作業電極および前記基準電極と平行するように離隔して配置される構造を有し、前記検体挿入流路に対応する部分に少なくとも1つの突起である認識突起が配置される構造を有する下板、前記検体挿入流路が形成され、前記検体挿入流路に酵素化合物(enzyme compound)が挿入される中板、および絶縁基板に前記検体挿入流路に対応する部分に前記検体を挿入するための挿入口と空気を排出するための排出口が形成される上板を含む。
【0017】
前記酵素化合物は、前記検体が唾液である場合、前記唾液に含まれたグルコース(glucose)を選択的に反応させるための酵素(enzyme)、前記酵素を前記下板に配置された電極上にアタッチ(attach)するためのポリマ(polymer)、および前記酵素と前記グルコースの反応を促進させるための触媒(catalyst)を含み、前記酵素は、グルコースオキシダーゼ(glucose oxidase)、グルコース脱水素酵素(GDH:glucose dehydrogenase)のうちの少なくとも1つを1~30unit含み、前記ポリマは、Chitosan、PVP、Nafion、Polyethylene glycol、poly vinyl Pyrrolidone、poly vinyl alcohol、アガロース(agarose)、トレハロース(trehalose)のうちの少なくとも1つをwt0.01~1.0%含み、前記触媒は、フェロセン(Ferrocene)、フェロセン誘導体、キノン(Quinone)、キノン誘導体、ヘキサアミンルテニウム(III)クロライド、フェリシアン化合物(Ferricyanide)のうちの少なくとも1つを1~10%含んでよい。
【0018】
前記触媒は、前記プロシアンブルーを0.001~5%含んでよい。
【0019】
前記少なくとも1つの認識電極は、前記作業電極と前記基準電極に印加される検体測定信号とは独立的に印加される検体認識信号に応答して検体認識を行ってよい。
【0020】
本発明の一実施形態に係る検体測定システムは、検体を採取する採取手段、前記採取手段によって採取された検体から前記検体測定の妨げとなる干渉物質を取り除くフィルタを含む採取装置、前記干渉物質が取り除かれた検体を測定するための電極である作業電極(working electrode)と基準電極(reference electrode)、および前記干渉物質が取り除かれた検体を認識するための少なくとも1つの認識電極が配置され、前記作業電極と前記基準電極は検体挿入流路の長さ方向に互いに離隔して配置され、前記検体挿入流路に対応する部分では前記作業電極の突起である作業突起と前記基準電極の2つの突起である基準突起が交代に配列され、前記作業突起の面積と前記基準突起の面積の比は1以上であり、前記少なくとも1つの認識電極は前記作業電極または前記基準電極に隣接して前記作業電極および前記基準電極と平行するように離隔して配置される構造を有し、前記検体挿入流路に対応する部分に少なくとも1つの突起である認識突起が配置される電極構造を有するバイオセンサ、および前記バイオセンサのストリップが挿入された後、前記採取装置によって前記干渉物質が取り除かれた検体が前記バイオセンサに挿入されれば、前記作業電極と前記基準電極を通じて受信される検体測定信号に基づいて前記干渉物質が取り除かれた検体を測定する測定装置を含む。
【0021】
前記フィルタは、前記検体が唾液である場合、前記唾液内に存在するサイズが大きい分子(Big molecular)と異物を取り除き、前記唾液中の糖測定の妨げとなるタンパク質、アミラーゼ、イオンを含む物質を分離してよい。
【0022】
前記バイオセンサは、前記電極構造を有する下板、前記検体挿入流路が形成され、前記検体挿入流路に酵素化合物(enzyme compound)が挿入される中板、および前記検体挿入流路に対応する部分に前記干渉物質が取り除かれた検体を挿入するための挿入口と空気を排出するための排出口が形成される上板を含んでよい。
【0023】
前記酵素化合物は、前記検体が唾液である場合、前記唾液に含まれたグルコース(glucose)を選択的に反応させるための酵素(enzyme)、前記酵素を前記下板に配置された電極上にアタッチ(attach)するためのポリマ(polymer)、および前記酵素と前記グルコースの反応を促進させるための触媒(catalyst)を含み、前記酵素は、グルコースオキシダーゼ(glucose oxidase)、グルコース脱水素酵素(GDH:glucose dehydrogenase)のうちの少なくとも1つを1~30uni含み、前記ポリマは、Chitosan、PVP、Nafion、Polyethylene glycol、poly vinyl Pyrrolidone、poly vinyl alcohol、アガロース(agarose)、トレハロース(trehalose)のうちの少なくとも1つをwt0.01~1.0%含み、前記触媒は、フェロセン(Ferrocene)、フェロセン誘導体、キノン(Quinone)、キノン誘導体、ヘキサアミンルテニウム(III)クロライド、フェリシアン化合物(Ferricyanide)のうちの少なくとも1つを1~10%含んでよい。
【0024】
前記触媒は、前記プロシアンブルーを0.001~5%含んでよい。
【0025】
本発明の一実施形態に係る検体測定方法は、採取手段を利用して検体を採取し、フィルタを利用して前記採取した検体から前記検体測定の妨げとなる干渉物質を取り除く段階、バイオセンサに前記干渉物質が取り除かれた検体を接触させる段階、および前記干渉物質が取り除かれた検体の接触を前記バイオセンサの少なくとも1つの認識電極によって認識されれば、前記バイオセンサの作業電極(working electrode)と基準電極(reference electrode)に検体測定信号を印加して前記干渉物質が取り除かれた検体に対する応答信号を測定する段階を含み、前記作業電極と前記基準電極は検体挿入流路の長さ方向に互いに離隔して配置され、前記検体挿入流路に対応する部分では前記作業電極の突起である作業突起と前記基準電極の2つの突起である基準突起が交代に配列され、前記作業突起の面積と前記基準突起の面積の比が1以上であり、前記少なくとも1つの認識電極は前記作業電極または前記基準電極に隣接して前記作業電極および前記基準電極と平行するように離隔して配置される構造を有し、前記検体挿入流路に対応する部分に少なくとも1つの突起である認識突起が配置されてよい。
【発明の効果】
【0026】
本発明の実施形態によると、検体、例えば、唾液を採取し、採取した検体から検体測定の妨げとなる干渉物質を取り除いた後、バイオセンサによって唾液に含まれたグルコース(glucose)を測定することにより、検体に含まれた物質に対する測定正確度を高めることができる。
【0027】
本発明の実施形態によると、唾液糖測定の妨げとなる干渉物質をフィルタを利用して取り除いた後、干渉物質が取り除かれた唾液を酵素化合物が備えられたバイオセンサで測定することにより、唾液糖に対する測定正確度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の検体測定システムを説明するための例示図である。
図2図1に示した採取装置の一実施形態に対する構成を示した図である。
図3図1に示したバイオセンサ構造に対する例示図である。
図4図3に示したバイオセンサ電極構造に対する例示図である。
図5】本発明の検体測定方法を説明するための例示図である。
図6】本発明の検体測定システムによって微細糖濃度を測定した実験グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の利点および特徴、またはこれらを達成する方法は、添付の図面とともに詳しく後述する実施形態を参照すれば明確になるであろう。しかし、本発明は、以下で開示する実施形態に限定されてはらならず、互いに異なる多様な形態で実現されてよい。本実施形態は、本発明の開示が完全になるようにするために、さらに本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は特許請求の範囲によってのみ定義される。
【0030】
本明細書で使用する用語は、実施形態を説明するためのものに過ぎず、本発明を制限しようとするものではない。本明細書に記載する単数形は、文面で特別に言及しない限り複数形も含む。明細書で使用する「含む(comprises)」および/または「含む(comprising)」は、言及する構成要素、段階、動作、および/または素子に対する1つ以上の他の構成要素、段階、動作、および/または素子の存在または追加を排除しない。
【0031】
他の定義がない限り、本明細書で使用するすべての用語(技術および科学的用語を含む)は、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が共通して理解することのできる意味として使用されてよい。また、一般的に使用される辞書に定義されている用語は、明らかに特別に定義されていない限り、理想的または過度に解釈されてはならない。
【0032】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について詳しく説明する。図面における同一の構成要素に対しては同一の参照符号を使用し、同一の構成要素に関する重複する説明は省略する。
【0033】
本発明の実施形態は、検体、例えば、唾液を採取し、採取した検体から検体測定の妨げとなる干渉物質を取り除いた後、バイオセンサによって唾液に含まれたグルコース(glucose)を測定することにより、検体に含まれた物質に対する測定正確度を高めることができるバイオセンサと、これを利用した検体測定システムを提供することをその要旨とする。
【0034】
ここで、干渉物質を取り除くためのフィルタは、検体が唾液である場合、唾液中に存在するサイズが大きい分子(Big molecular)と異物を取り除き、タンパク質、アミラーゼ、イオンなどの唾液中の糖測定の妨げとなる物質を分離する。
【0035】
バイオセンサには、検体を測定するための電極である作業電極(working electrode)と基準電極(reference electrode)、および検体を認識するための少なくとも1つの認識電極が配置され、作業電極と基準電極は検体挿入流路の長さ方向に互いに離隔して配置され、検体挿入流路に対応する部分では作業電極の突起(以下、「作業突起」とする)と基準電極の2つの突起(以下、「基準突起」とする)が交代に配列され、作業突起の面積と基準突起の面積の比は1以上であり、少なくとも1つの認識電極は作業電極または基準電極に隣接して作業電極および基準電極と平行するように離隔して配置される構造を有し、検体挿入流路に対応する部分に少なくとも1つの突起(以下、「認識突起」とする)が配置される電極構造を有してよい。
【0036】
このとき、バイオセンサの電極構造は、バイオセンサが測定のために測定器に挿入される瞬間を感知するためのストリップ認識電極をさらに含んでよい。
【0037】
このようなバイオセンサは、検体挿入流路が形成される中板に酵素化合物(ezyme compound)が挿入され、酵素化合物は、酵素(enzyme)、ポリマ(polymer)、触媒(catalyst)を含んでよい。
【0038】
このとき、酵素は、検体が唾液である場合、唾液に含まれたグルコース(glucose)を選択的に反応させるためのものであり、ポリマは、酵素をバイオセンサに配置された電極上にアタッチ(attach)するためのものであり、触媒は、酵素とグルコースの反応を促進させるためのものである。
【0039】
このような本発明について、図1~6を参照しながら説明する。
【0040】
図1は、本発明の検体測定システムを説明するための例示図である。図1に示すように、本発明の一実施形態に係る検体測定システム100は、採取装置110、バイオセンサ200、および測定装置300を含む。
【0041】
採取装置100は、図2に示すように、検体を収集するための検体収集スワブ(swab)111を含む検体収集部110、フィルタ120と圧縮チューブ(compression tube)130を含む。
【0042】
このとき、検体収集部110は、検体が唾液である場合、検体収集スワブ111によって唾液を収集してよく、検体収集部110によって収集された唾液は、圧縮チューブ130内に挿入されたフィルタ120によって唾液に含まれた干渉物質を取り除いた後、圧縮チューブ130を通じて外部、すなわち、バイオセンサ200に提供されてよい。
【0043】
すなわち、採取装置100は、唾液を収集した後、圧縮チューブ130内で検体収集部110を圧縮チューブ130方向に圧縮させれば、収集した唾液に含まれた干渉物質をフィルタ120によって取り除き、唾液中に存在するサイズが大きい分子(Big molecular)と異物が取り除かれるようになり、タンパク質、アミラーゼ、イオンなどの唾液中の糖測定に妨げとなる物質を分離する。
【0044】
フィルタ120は、少なくとも1つ以上の層で構成されてよい。もちろん、本発明で説明するフィルタ120は、検体から干渉物質を取り除く程度により、上述した材料に物質が追加されたり、製造される層の厚さが異なったりしてよい。また、フィルタ120が複数の層で構成される場合、互いに異なる物質で製造された層を順に積層してフィルタが形成されてもよい。
【0045】
バイオセンサ200は、採取装置100によって採取した検体が採取装置100に挿入される場合、干渉物質が取り除かれた検体から測定しようとする情報、例えば、グルコース(glucose)をセンシングする機能を実行するものであって、測定装置300にバイオセンサストリップ200が挿入され、測定装置300から受信した検体認識信号に基づいて検体を認識し、検体認識信号とは別に印加される検体測定信号によって検体に含まれたグルコースに対する応答信号を測定装置300に提供する。
【0046】
このようなバイオセンサ200は、図3に示すように、上板230、中板220、下板210で構成されてよく、図4に示すように、下板210にはバイオセンサ電極構造が形成される。
【0047】
具体的に、中板220には検体挿入流路が形成され、検体挿入流路に酵素化合物(enzyme compound)221が挿入される。
【0048】
ここで、検体挿入流路は、本技術分野に従事する当業者にとって自明であるため、これに関する詳細な説明は省略する。
【0049】
酵素化合物221は、検体に含まれたグルコース(glucose)を選択的に反応させるための酵素(enzyme)、酵素を下板に配置された電極上にアタッチ(attach)するための(polymer)ポリマ(polymer)、および酵素とグルコースの反応を促進させるための触媒(catalyst)を含んでよい。
【0050】
このとき、触媒は、フェロセン(Ferrocene)、フェロセン誘導体、キノン(Quinone)、キノン誘導体、ヘキサアミンルテニウム(III)クロライド、フェリシアン化合物(Ferricyanide)のうちの少なくとも1つを1~10%含んでよく(プルシアンブルー(Prussian blue)が使用される場合、触媒にはプロシアンブルーが0.001~5%含まれてよい)、酵素は、グルコースオキシダーゼ(glucose oxidase)、グルコース脱水素酵素(GDH:glucose dehydrogenase)のうちの少なくとも1つを1~30unit含んでよく、ポリマは、Chitosan、PVP、Nafion、Polyethylene glycol、poly vinyl Pyrrolidone、poly vinyl alcohol、アガロース(agarose)、トレハロース(trehalose)のうちの少なくとも1つをwt0.01~1.0%含んでよい。
【0051】
上板230は中板220の上部に形成され、上板230には、絶縁基板に検体挿入流路に対応する部分に採取装置が採取した検体を挿入するための挿入口と空気を排出するための排出口が形成される。
【0052】
下板210には、絶縁基板211に検体を測定するための電極である作業電極(working electrode)211と基準電極(reference electrode)212、および検体を認識するための少なくとも1つの認識電極213が配置され、作業電極211と基準電極212は検体挿入流路の長さ方向に互いに離隔して配置され、検体挿入流路に対応する部分では作業電極211の作業突起211aと基準電極212の2つの基準突起212aが交代に配列され、作業突起211の面積と基準突起212の面積の比は1以上であり、少なくとも1つの認識電極213は作業電極211または基準電極212に隣接して作業電極211および基準電極212と平行するように離隔して配置される構造を有し、検体挿入流路に対応する部分に少なくとも1つの認識突起213aが配置される電極構造を有する。
【0053】
ここで、下板210は、このような電極構造を有する複数の金属層を重畳して形成されてよい。例えば、下板210は、絶縁基板210-1上にバイオセンサ電極構造を有する銅で形成された第1金属層210-2、ニッケルで形成された第2金属層210-3、金で形成された第3金属層210-4を重畳して形成されてよい。
【0054】
また、バイオセンサ電極構造は、図4に示すように、バイオセンサストリップが測定装置に挿入される部分に、測定装置でバイオセンサストリップの挿入状態を感知するためのストリップ認識電極214をさらに備えてよい。
【0055】
また、作業電極211と基準電極212は、検体挿入流路の長さ方向に互いに離隔して配置されながら測定装置300方向部分の電極幅が検体挿入流路部分の電極幅よりも広く形成され、1つの作業突起211aが2つの基準突起212aの間に配置されて互いに交代に配列される形態で構成されてよい。このとき、作業突起211aの面積を2つの基準突起212aの面積よりも少なくとも広く形成することによって検体に対する測定正確度を高めることができる。すなわち、唾液糖の場合は血糖よりも低く検出されるため、作業突起211aの面積を広くすることにより、唾液が接触する場合に検体測定信号による応答信号を正確に測定して唾液糖に対する測定正確度を高めることができる。
【0056】
また、認識電極213は、基準電極212と作業電極211の間に配置され、認識突起213aは検体挿入流路の末端部に形成されてよい。
【0057】
作業突起211aと基準突起212aの間隔、基準突起212aと認識突起213aの間隔、各突起の幅は、検体に対する測定正確度を考慮して決められてよく、この技術を提供する個人または事業者によって決められてよい。
【0058】
認識電極214は、測定装置300にバイオセンサストリップが挿入された場合、測定装置300から検体を認識するための検体認識信号を受信することにより、測定装置300で検体認識信号に対する応答信号によって検体を認識する。
【0059】
基準電極212と作業電極211、バイオセンサストリップ200が測定装置300に挿入された場合、測定装置300から検体を測定するための検体測定信号を受信してよい。検体測定信号は検体認識信号とは別に受信されてよく、検体測定信号を受信する時点は、バイオセンサストリップ200が測定装置300に挿入された時点であってもよいし、認識電極213が検体を認識した時点であってもよい。もちろん、測定装置300では、バイオセンサストリップ200に備えられたストリップ認識電極214を通じてバイオセンサストリップ200が挿入されたかどうかを認識することができる。
【0060】
基準電極212と作業電極211に印加される検体測定信号は、基準電極212と作業電極211に一定の電位差に該当する信号として予め設定された相異する電圧を印加することにより、基準電極と作業電極に検体測定信号を印加してよい。
【0061】
測定装置300は、バイオセンサストリップ200が挿入された場合、バイオセンサストリップ200に備えられたストリップ認識電極214を通じてバイオセンサストリップ200が挿入されたことを認識し、バイオセンサの認識電極213に検体認識信号を提供することによってバイオセンサに検体が接触したかどうかを判断した後、検体の接触が判断されれば、基準電極212と作業電極212に検体測定信号を提供することにより、測定しようとする検体の応答信号を受信して検体を測定する。
【0062】
ここで、測定装置300は、検体が唾液である場合、唾液糖を測定してよい。
【0063】
さらに、測定装置300は、ディスプレイ手段を通じて測定された唾液糖に対する結果数値を提供してよく、追加的にグルコースの程度に対する色を提供してもよい。
【0064】
図5は、本発明の検体測定方法を説明するための例示図であって、唾液糖を測定する過程について説明する。
【0065】
図5を参照しながら検体測定方法について説明すると、図5aと図5bに示すように、採取装置の検体収集部によって対象者の唾液を採取した後、フィルタが備えられた圧縮チューブに検体収集部を挿入する。
【0066】
この後、図5cと図5dに示すように、本発明のバイオセンサ電極構造を有するバイオセンサストリップを測定装置に挿入した後、採取装置を圧縮して採取収集部で収集した唾液から干渉物質をフィルタリングまたは取り除いてバイオセンサの挿入口に挿入する。
【0067】
このとき、測定装置は、バイオセンサストリップが挿入されたことを認識することにより、バイオセンサの認識電極に検体認識信号を提供し、唾液が挿入口を通じて挿入されて認識されれば、基準電極と作業電極に検体測定信号を提供する。
【0068】
検体測定信号がバイオセンサの電極に印加されれば、図5eに示すように、検体測定信号に対する応答信号を受信することにより、応答信号に対する測定結果をディスプレイ手段によって提供する。
【0069】
ここで、ディスプレイ手段によって提供される測定結果は、測定数値によって様々な段階の結果を提供してよく、唾液糖による数値範囲とその結果は、当技術分野に従事する当業者にとって自明であるため、これに関する詳細な説明は省略する。
【0070】
このように、本発明の実施形態に係るバイオセンサ、検体測定システム、および検体測定方法は、検体、例えば、唾液を採取し、採取した検体から検体測定の妨げとなる干渉物質を取り除いた後、バイオセンサによって唾液に含まれたグルコース(glucose)を測定することにより、検体に含まれた物質に対する測定正確度を高めることができる。
【0071】
さらに、本発明の実施形態に係るバイオセンサ、検体測定システム、および検体測定方法は、唾液糖測定の妨げとなる干渉物質をフィルタによって取り除いた後、干渉物質が取り除かれた唾液を酵素化合物が備えられたバイオセンサによって測定することにより、唾液糖に対する測定正確度を高めることができる。
【0072】
特に、本発明の実施形態に係るバイオセンサ、検体測定システム、および検体測定方法は、酵素化合物にグルコースオキシダーゼ(glucose oxidase)、グルコース脱水素酵素(GDH:glucosedehy drogenase)のうちの少なくとも1つが1~30unit使用される酵素、Chitosan、PVP、Nafion、Polyethylene glycol、poly vinyl Pyrrolidone、poly vinyl alcohol、アガロース(agarose)、トレハロース(trehalose)のうちの少なくとも1つがwt0.01~1.0%使用されるポリマ、フェロセン(Ferrocene)、フェロセン誘導体、キノン(Quinone)、キノン誘導体、ヘキサアミンルテニウム(III)クロライド、フェリシアン化合物(Ferricyanide)のうちの少なくとも1つが1~10%使用される触媒を含むことにより(プルシアンブルー(Prussian blue)が使用される場合、触媒にはプロシアンブルーが0.001~5%含まれてよい)、図6に示すように微細糖濃度を測定することが可能となる。
【0073】
上述した装置は、ハードウェア構成要素、ソフトウェア構成要素、および/またはハードウェア構成要素とソフトウェア構成要素との組み合わせによって実現されてよい。例えば、実施形態で説明された装置および構成要素は、例えば、プロセッサ、コントローラ、ALU(arithmetic logic unit)、デジタル信号プロセッサ、マイクロコンピュータ、FPA(field programmable array)、PLU(programmable logic unit)、マイクロプロセッサ、または命令を実行して応答することができる様々な装置のように、1つ以上の汎用コンピュータまたは特殊目的コンピュータを利用して実現されてよい。処理装置は、オペレーティングシステム(OS)およびOS上で実行される1つ以上のソフトウェアアプリケーションを実行してよい。また、処理装置は、ソフトウェアの実行に応答し、データにアクセスし、データを記録、操作、処理、および生成してもよい。理解の便宜のために、1つの処理装置が使用されるとして説明される場合もあるが、当業者であれば、処理装置が複数個の処理要素および/または複数種類の処理要素を含んでもよいことが理解できるであろう。例えば、処理装置は、複数個のプロセッサまたは1つのプロセッサおよび1つのコントローラを含んでよい。また、並列プロセッサのような、他の処理構成も可能である。
【0074】
ソフトウェアは、コンピュータプログラム、コード、命令、またはこれらのうちの1つ以上の組み合わせを含んでもよく、思うままに動作するように処理装置を構成したり、独立的または集合的に処理装置に命令したりしてよい。ソフトウェアおよび/またはデータは、処理装置に基づいて解釈されたり、処理装置に命令またはデータを提供したりするために、いかなる種類の機械、コンポーネント、物理装置、仮想装置(virtual equipmet)、コンピュータ記録媒体または装置に具現化されてよい。ソフトウェアは、ネットワークによって接続されたコンピュータシステム上に分散され、分散された状態で記録されても実行されてもよい。ソフトウェアおよびデータは、1つ以上のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてよい。
【0075】
実施形態に係る方法は、多様なコンピュータ手段によって実行可能なプログラム命令の形態で実現されてコンピュータ読み取り可能な媒体に記録されてよい。前記コンピュータで読み取り可能な媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造などを単独でまたは組み合わせて含んでよい。媒体は、コンピュータ実行可能なプログラムを継続して記録するものであっても、実行またはダウンロードのために一時記録するものであってもよい。また、媒体は、単一または複数のハードウェアが結合した形態の多様な記録手段または格納手段であってよく、あるコンピュータシステムに直接接続する媒体に限定されることはなく、ネットワーク上に分散して存在するものであってもよい。媒体の例としては、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、および磁気テープのような磁気媒体、CD-ROMおよびDVDのような光媒体、フロプティカルディスク(floptical disk)のような光磁気媒体、およびROM、RAM、フラッシュメモリなどを含み、プログラム命令が記録されるように構成されたものであってよい。また、媒体の他の例として、アプリケーションを配布するアプリケーションストアやその他の多様なソフトウェアを供給または配布するサイト、サーバなどで管理する記録媒体または格納媒体が挙げられる。プログラム命令の例は、コンパイラによって生成されるもののような機械語コードだけではなく、インタプリタなどを使用してコンピュータによって実行される高級言語コードを含む。
【0076】
以上のように、実施形態を、限定された実施形態および図面に基づいて説明したが、当業者であれば、上述した記載から多様な修正および変形が可能であろう。例えば、説明された技術が、説明された方法とは異なる順序で実行されたり、かつ/あるいは、説明されたシステム、構造、装置、回路などの構成要素が、説明された方法とは異なる形態で結合されたりまたは組み合わされたり、他の構成要素または均等物によって対置されたり置換されたとしても、適切な結果を達成することができる。
【0077】
したがって、異なる実施形態であっても、特許請求の範囲と均等なものであれば、添付される特許請求の範囲に属する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】