(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-13
(54)【発明の名称】不正開封明示バンドを有するパッケージおよびクロージャ
(51)【国際特許分類】
B65D 41/34 20060101AFI20231005BHJP
【FI】
B65D41/34 114
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023519501
(86)(22)【出願日】2021-09-20
(85)【翻訳文提出日】2023-05-26
(86)【国際出願番号】 US2021051039
(87)【国際公開番号】W WO2022066555
(87)【国際公開日】2022-03-31
(32)【優先日】2020-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517319813
【氏名又は名称】クロージャー・システムズ・インターナショナル・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】CLOSURE SYSTEMS INTERNATIONAL INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100101683
【氏名又は名称】奥田 誠司
(74)【代理人】
【識別番号】100155000
【氏名又は名称】喜多 修市
(74)【代理人】
【識別番号】100188813
【氏名又は名称】川喜田 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100202197
【氏名又は名称】村瀬 成康
(72)【発明者】
【氏名】デシュパンデ,リシ
(72)【発明者】
【氏名】コンガー,ライアン
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA12
3E084AB01
3E084BA01
3E084CA01
3E084CC03
3E084DA01
3E084DB02
3E084DB12
3E084DC03
3E084FB01
3E084GA04
3E084GB04
3E084GB08
3E084HB02
3E084HC03
3E084HD01
3E084HD03
3E084HD04
3E084KA13
3E084KB01
3E084LD01
(57)【要約】
クロージャは第1および第2のクロージャ部を有する。前記第1のクロージャ部は上壁部と、雌ねじ形成部を含む環状スカート部とを含む。前記第2のクロージャ部は、壊れやすい接続部によって前記スカート部に対し少なくとも部分的に取り外し可能に接続された不正開封明示バンドを含む。前記不正開封明示バンドは、曲げ領域を介して接続された第1および第2の部分を含む。前記第2の部分は前記曲げ領域から概ね上向きに前記上部に向かって延び、前記バンドの第1の部分から内向きに位置する。前記バンドの第2の部分はタブ部および延長部を含む。前記延長部は前記タブ部よりも前記曲げ領域からさらに遠くに位置する。前記タブ部の平均厚さは前記延長部の平均厚さよりも大きい。前記延長部は前記クロージャの内周全体にわたって連続的に延びる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマー製上壁部と、
ポリマー製上壁部から下方に延びているポリマー製環状スカート部であって、前記環状スカート部は外面および内面を有し、前記環状スカート部の内面は容器の雄ねじ形成部と嵌合するための雌ねじ形成部を含む、ポリマー製環状スカート部と、
を含む第1のクロージャ部と、
前記ポリマー製環状スカート部から下方に延び、かつ、壊れやすい接続部によって前記ポリマー製環状スカート部に対し少なくとも部分的に取り外し可能に接続されたポリマー製不正開封明示バンドであって、前記ポリマー製不正開封明示バンドは曲げ領域を介して接続された第1の部分および第2の部分を含み、前記第2の部分は前記曲げ領域から概ね上向きに前記ポリマー製上部に向かって延びかつ前記ポリマー製不正開封明示バンドの前記第1の部分から内向きに位置しており、前記不正開封明示バンドの前記第2の部分はタブ部および延長部を含み、前記延長部は前記タブ部よりも前記曲げ領域からさらに遠くに位置し、前記タブ部の平均厚さは前記延長部の平均厚さよりも大きく、前記延長部は前記クロージャの内周全体にわたって連続的に延びる、ポリマー製不正開封明示バンド、
を含む第2のクロージャ部と、
を備える、クロージャ。
【請求項2】
前記タブ部と前記延長部とは実質的に垂直である、請求項1に記載のクロージャ。
【請求項3】
前記タブ部と前記延長部とは垂直である、請求項1に記載のクロージャ。
【請求項4】
前記不正開封明示バンドの前記延長部は0から約35度の角度である、請求項1に記載のクロージャ。
【請求項5】
前記不正開封明示バンドの前記延長部は10から約20度の角度である、請求項4に記載のクロージャ。
【請求項6】
前記タブ部の平均厚さは前記延長部の平均厚さより約2から約8倍大きい、請求項1に記載のクロージャ。
【請求項7】
前記タブ部の平均厚さは前記延長部の平均厚さより約3から約6倍大きい、請求項6に記載のクロージャ。
【請求項8】
前記タブ部の長さは前記延長部の長さより約0.75から約3倍大きい、請求項1に記載のクロージャ。
【請求項9】
前記タブ部の長さは前記延長部の長さより約1から約2倍大きい、請求項8に記載のクロージャ。
【請求項10】
前記クロージャは一体型のクロージャである、請求項1に記載のクロージャ。
【請求項11】
前記クロージャはポリオレフィン類を含む、請求項1に記載のクロージャ。
【請求項12】
前記第1のクロージャ部は前記ポリマー製上壁部から下方に延びるポリマー製連続プラグシールをさらに含み、前記連続プラグシールは前記ポリマー製環状スカート部の内面から離れている、請求項1に記載のクロージャ。
【請求項13】
前記第1のクロージャ部は前記ポリマー製上壁部から下方に延びるポリマー製外シールをさらに含む、請求項12に記載のクロージャ。
【請求項14】
ポリマー製上壁部と、
ポリマー製上壁部から下方に延びているポリマー製環状スカート部であって、前記環状スカート部は外面および内面を有し、前記環状スカート部の内面は容器の雄ねじ形成部と嵌合するための雌ねじ形成部を含む、ポリマー製環状スカート部と、
を含む、
第1のクロージャ部と、
前記ポリマー製環状スカート部から下方に延び、かつ、壊れやすい接続部によって前記ポリマー製環状スカート部に対し少なくとも部分的に取り外し可能に接続されたポリマー製不正開封明示バンドであって、前記ポリマー製不正開封明示バンドは第1の部分および曲げ領域を介して前記ポリマー製上壁部に向かって接続された第2の部分を含み、前記第2の部分は前記曲げ領域から概ね上向きに延びかつ前記ポリマー製不正開封明示バンドの前記第1の部分から内向きに位置しており、前記不正開封明示バンドの前記第2の部分はタブ部および延長部を含み、前記延長部は前記タブ部よりも前記曲げ領域からさらに遠くに位置し、前記タブ部の平均厚さは前記延長部の平均厚さよりも大きく、前記延長部は前記クロージャの内周全体にわたって実質的に連続的に延びる、ポリマー製不正開封明示バンド、
を含む、
第2のクロージャ部と、
を備える、クロージャ。
【請求項15】
前記前記延長部は前記クロージャの内周の約75%から約99%にわたって延びている、請求項14に記載のクロージャ。
【請求項16】
前記前記延長部は前記クロージャの内周の約80%から約99%にわたって延びている、請求項15に記載のクロージャ。
【請求項17】
前記前記延長部は前記クロージャの内周の約90%から約99%にわたって延びている、請求項16に記載のクロージャ。
【請求項18】
前記前記延長部は前記クロージャの内周の約95%から約99%にわたって延びている、請求項17に記載のクロージャ。
【請求項19】
前記タブ部および前記延長部は実質的に垂直である、請求項14に記載のクロージャ。
【請求項20】
前記不正開封明示バンドの前記延長部は10から約20度の角度である、請求項14に記載のクロージャ。
【請求項21】
前記タブ部の平均厚さは前記延長部の平均厚さより約3から約6倍大きい、請求項14に記載のクロージャ。
【請求項22】
前記タブ部の長さは前記延長部の長さより約0.75から約3倍大きい、請求項14に記載のクロージャ。
【請求項23】
開口部を規定するネック部を有する容器であって、前記ネック部上にある雄ねじ形成部とAカラーとを有する、容器と、
前記容器の前記ネック部に取り付けられて前記開口部を閉じるように構成されたクロージャであって、前記クロージャは第1のクロージャ部および第2のクロージャ部を備え、前記第1のクロージャ部は、ポリマー製上壁部と、ポリマー製上壁部から下方に延びているポリマー製環状スカート部であって、前記環状スカート部は外面および内面を有し、前記環状スカート部の内面は前記容器の雄ねじ形成部と嵌合するための雌ねじ形成部を含む、ポリマー製環状スカート部とを含み、前記第2のクロージャ部は、前記ポリマー製環状スカート部から下方に延び、かつ、壊れやすい接続部によって前記ポリマー製環状スカート部に対し少なくとも部分的に取り外し可能に接続されたポリマー製不正開封明示バンドであって、前記ポリマー製不正開封明示バンドは曲げ領域を介して接続された第1の部分および第2の部分を含み、前記第2の部分は前記曲げ領域から概ね上向きに前記ポリマー製上部に向かって延びかつ前記ポリマー製不正開封明示バンドの前記第1の部分から内向きに位置しており、前記不正開封明示バンドの前記第2の部分はタブ部および延長部を含み、前記延長部は前記タブ部よりも前記曲げ領域からさらに遠くに位置し、前記タブ部の平均厚さは前記延長部の平均厚さよりも大きく、前記延長部は前記クロージャの内周全体にわたって連続的に延びる、ポリマー製不正開封明示バンドを含む、クロージャと、
を備える、パッケージであって、
前記延長部は、前記容器の前記Aカラーの外面と当接する、
パッケージ。
【請求項24】
前記延長部は前記クロージャの内周全体にわたって連続的に延びる、請求項23に記載のパッケージ。
【請求項25】
前記不正開封明示バンドの前記延長部の直径は、前記Aカラーの直径未満である請求項23に記載のパッケージ。
【請求項26】
前記不正開封明示バンドの前記延長部は、前記ポリマー製壁部の内面に当接し、前記Aカラーの外面に当接する、請求項23に記載のパッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2020年9月28日に出願された米国特許出願第17/034,456号に基づく優先権を主張するものであり、その全体を参考のため本明細書中に援用する。
【0002】
発明の分野
本発明は概してパッケージ用ポリマー製クロージャに関する。より具体的には、本発明は、不正開封明示バンドを有するポリマー製クロージャおよびそれを用いたパッケージに関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
ポリマー製クロージャは長年に亘って多くの用途で容器に用いられてきた。ポリマー製クロージャは、容器にねじ式に着脱されるように構成される。多くのポリマー製クロージャはまた、不正開封明示バンドなどの不正開封明示要素を含む。不正開封明示バンドは、適切に設計され配置されている場合、容器が開封されたことをユーザに示す。この表示は例えば、開封後に、容器の周囲にクロージャの第2の部分を残しながらクロージャの第1の部分が容器から除去されていることにより達成することができる。容器に対するポリマー製クロージャの載置は、クロージャの取り外しと不正開封明示バンドの有効性にとって重要である。
【0004】
ポリマー製クロージャを容器に載置する際の問題の一つは、開封プロセス時において、不正開封明示バンドの一部が容器のAカラーまたはA直径に対して適切に位置決めされていない場合に生じる。不正開封明示バンドが適切に位置決めされていない場合、ユーザは、クロージャが2つに分離して不正開封を明示することなく、容器を開封してしまう可能性がある。あるいは、不正開封明示バンドが容器の外壁の中へ内向きに回転したり、展開したときに、壊れやすい接続部をユーザが破壊することが困難になる可能性もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような上記のような状況に対処し、回避し、なおかつクロージャの他の望ましい特性を実行するパッケージ用クロージャを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
要約
一実施形態において、クロージャは第1のクロージャ部および第2のクロージャ部を有する。前記第1のクロージャ部はポリマー製上壁部と、ポリマー製上壁部から下方に延びるポリマー製環状スカート部とを含む。前記環状スカート部は外面および内面を有する。前記環状スカート部の内面は容器の雄ねじ形成部と嵌合するための雌ねじ形成部を含む。前記第2のクロージャ部は、前記ポリマー製環状スカート部から下方に延び、かつ壊れやすい接続部によって前記ポリマー製環状スカート部に対し少なくとも部分的に取り外し可能に接続された、ポリマー製不正開封明示バンドを含む。前記ポリマー製不正開封明示バンドは、曲げ領域を介して接続された第1の部分および第2の部分を含む。前記第2の部分は前記曲げ領域から概ね上向きに前記ポリマー製上部に向かって延び、前記ポリマー製不正開封明示バンドの第1の部分から内向きに位置する。前記不正開封明示バンドの第2の部分はタブ部および延長部を含む。前記延長部は前記タブ部よりも前記曲げ領域からさらに遠くに位置する。前記タブ部の平均厚さは前記延長部の平均厚さよりも大きい。前記延長部は前記クロージャの内周全体にわたって連続的に延びる。
【0007】
別の実施形態において、クロージャは第1のクロージャ部および第2のクロージャ部を有する。前記第1のクロージャ部はポリマー製上壁部と、ポリマー製上壁部から下方に延びるポリマー製環状スカート部とを含む。前記環状スカート部は外面および内面を有する。前記環状スカート部の内面は容器の雄ねじ形成部と嵌合するための雌ねじ形成部を含む。前記第2のクロージャ部は、前記ポリマー製環状スカート部から下方に延び、かつ壊れやすい接続部によって前記ポリマー製環状スカート部に対し少なくとも部分的に取り外し可能に接続された、ポリマー製不正開封明示バンドを含む。前記ポリマー製不正開封明示バンドは、第1の部分および曲げ領域を介して前記ポリマー製上壁部に向かって接続された第2の部分を含む。前記第2の部分は前記曲げ領域から概ね上向きに延び、前記ポリマー製不正開封明示バンドの第1の部分から内向きに位置する。前記不正開封明示バンドの第2の部分はタブ部および延長部を含む。前記延長部は前記タブ部よりも前記曲げ領域からさらに遠くに位置する。前記タブ部の平均厚さは前記延長部の平均厚さよりも大きい。前記延長部は前記クロージャの内周全体にわたって実質的に連続的に延びる。
【0008】
さらなる実施形態において、パッケージは、容器およびクロージャを有する。前記容器は、開口部を規定するネック部を有する。前記容器は、前記ネック部上にある雄ねじ形成部とAカラーとを有する。前記クロージャは、前記容器の前記ネック部に取り付けられて前記開口部を閉じるように構成されている。クロージャは第1のクロージャ部および第2のクロージャ部を備える。前記第1のクロージャ部は、ポリマー製上壁部と、前記ポリマー製上壁部から下方に延びるポリマー製環状スカート部とを含む。前記環状スカート部は外面および内面を有する。前記環状スカート部の内面は、前記容器の雄ねじ形成部と嵌合するための雌ねじ形成部を含む。前記第2のクロージャ部は、前記ポリマー製環状スカート部から下方に延び、かつ、壊れやすい接続部によって前記ポリマー製環状スカート部に対し少なくとも部分的に取り外し可能に接続されたポリマー製不正開封明示バンドを含む。前記ポリマー製不正開封明示バンドは、曲げ領域を介して接続された第1の部分および第2の部分を含む。前記第2の部分は、前記曲げ領域から概ね上向きに前記ポリマー製上部に向かって延びかつ前記ポリマー製不正開封明示バンドの前記第1の部分から内向きに位置している。前記不正開封明示バンドの前記第2の部分はタブ部および延長部を含む。前記延長部は前記タブ部よりも前記曲げ領域からさらに遠くに位置する。前記タブ部の平均厚さは前記延長部の平均厚さよりも大きい。前記延長部は前記クロージャの内周全体にわたって連続的に延びる。前記延長部は、前記容器の前記Aカラーの外面と当接する。
【0009】
上記要約は本発明の各実施形態を表したり全ての局面を表したりすることを意図したものではない。本発明のさらなる特徴および利点は以下の詳細な説明および図面から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明のその他の利点は以下の詳細な説明を読み図面を参照することによって明らかとなる。
【0011】
図1Aは、一実施形態によるクロージャの横から見た斜視図である。
【0012】
【0013】
図2Aは、
図1Bの2A-2A線に概して沿った、クロージャの断面図(ハッチング無し)である。
【0014】
【0015】
図3Aは、容器と
図1A、1Bのクロージャとを含むパッケージの横から見た斜視図である。
【0016】
【0017】
図4Aは、
図3Bの4A-4A線に概して沿った、パッケージの正面断面図である。
【0018】
【0019】
図4Cは、
図4A中の略円形領域4Bの拡大図であり、不正開封明示バンドの第2の部分の元の位置を鎖線でさらに示している。
【0020】
本発明は様々な改変および変更をすることができるが、特定の実施形態を図面に示す例によって示し、本明細書に詳細に説明する。但し本発明を本明細書に開示する特定の形態に限定する意図はなく、むしろ本発明は添付の請求の範囲に規定する本発明の思想および範囲に含まれるすべての改変、均等物および変更を含むことを意図していると理解されたい。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1A、1Bは、本発明の一実施形態によるポリマー製クロージャ10を示す。クロージャは、製品を収容する容器またはボトル上に載置されるように構成されている。製品は典型的には液体製品であるが、固体製品または液体と固体製品との組み合わせであってもよい。
図1A、1Bのポリマー製クロージャ10は概して円筒形状を有している。
図1A、1Bのポリマー製クロージャ10は、一体型(one-piece)のクロージャアセンブリである。クロージャが2分割型クロージャであってもよいと考えられる。クロージャが他の形状および寸法であってもよいと考えられる。
【0022】
図1A、1Bおよび2Aを参照して、ポリマー製クロージャ10は、ポリマー製上壁部12と、ポリマー製環状スカート部14と、ポリマー製連続プラグシール16(
図2A)と、外シール18(
図2A)と、上シール20(
図2A)と、ポリマー製不正開封明示バンド30とを含む。ポリマー製環状スカート部14は、ポリマー製上壁部12から下方に延びる。
【0023】
再び
図1A、1Bを参照して、ポリマー製環状スカート部14の外表面14bは複数のリッジ14cを含み得る。複数のリッジ14cは、ユーザがクロージャ10を把持することを補助する輪郭形状を有する。
【0024】
図2Aに示すように、ポリマー製連続プラグシール16は、ポリマー製上壁部12から下方に延び、密封機構を提供する。外シール18は、ポリマー製上壁部12から下方に延び、やはり密封機構を提供する。上係止部20は、容器の口部に対してクロージャを位置決めするのを補助する。上係止部20はまた、クロージャにいくつかの密封態様を提供するのを補助し得る。連続プラグシール16、外シール18および上係止部20は、
図2Aに示すように、ポリマー製環状スカート部14の内面14aから離れている。外シールは、別の実施形態において、上壁部ではなくポリマー製環状スカート部の内面から延び得ると考えられる。
【0025】
別の実施形態において、クロージャは、他の密封機構を含むことができる。例えば、クロージャは、クロージャを密封するポリマー製ライニング材を含むことができる。これは、2分割型クロージャとなる。ポリマー製ライナーおよびポリマー製ディスクを含むクロージャの非限定的な例は、米国特許公開公報第2018/0099795号に見出すことができ、この全体を参考のため本明細書中に援用する。この実施形態では、クロージャは、別個の構成要素から形成されることになるが、異なる密封機構を有すること以外は、上述の一体型クロージャとして機能するはずである。別の実施形態において、クロージャは、ポリマー製外シールまたは連続プラグシールのいずれかを含むことができる。クロージャが他の密封機構を含むことが考えられる。
【0026】
例えば
図1A、1B、2Aおよび2Bに示すように、ポリマー製不正開封明示バンド30は、ポリマー製環状スカート部14から下方に延び、かつ、壊れやすい接続部50によってポリマー製環状スカート部14に対し少なくとも部分的に取り外し可能に接続されされる。クロージャが初期の閉位置(例えば、
図2Aを参照)から開位置に移動すると、ポリマー製不正開封明示バンド30は、望ましくは、ポリマー製環状スカート部14から完全に切り離される。不正開封明示バンド30は、容器と協動して、容器の中味がアクセスされた可能性があることをユーザに示す。より具体的には、不正開封明示バンド30は、ユーザがねじ係合を外しクロージャを取り外すことによってパッケージを開封し容器にアクセスした場合、環状スカート部14から少なくとも部分的に分離するように設計されている。一実施形態において、壊れやすい接続部50は、ブリッジ(bridges)、刻み目をつけることまたは刻み線(scoring or scored lines)、切り欠き(notches)、破線(leaders)、切れ目(nicks)またはその他の脆弱な線を用いて形成され得る。
【0027】
ポリマー製不正開封明示バンド30は、曲げ領域36を介して接続された第1の部分32および第2の部分34を含む。第1の部分32、第2の部分34および曲げ領域36は、典型的には一体的に接続されている。第2の部分34は、
図2A、2Bに示すように、ポリマー製上壁部12に向かって、内向きかつ上方(
図2A、2Bの矢印A)に折り畳まれる。第2の部分34は、曲げ領域36から概ね上向きに延び、ポリマー製不正開封明示バンド30の第1の部分32から内向きに位置する。
【0028】
クロージャを製造するとき、第2の部分34は、最初は矢印Aの概ね反対方向に下向きに(
図2A、2Bの矢印B)延びることに留意されたい。具体的には、不正開封明示バンド30の第2の部分34は、製造プロセスにおいて曲げ領域36を介して内向きに折り畳み重ねられて
図2A、2Bに示す位置になる前に、第1の部分32に対し実質的に軸方向に位置決めされる。
【0029】
不正開封明示バンド30の第2の部分34は、タブ部38と延長部40を含む。延長部40は、開封プロセス中にタブ部38の位置を最初に位置決めし維持することを、補助する。延長部40は、
図2A、2Bに示すように、タブ部38よりも曲げ領域36からさらに遠くに位置している。
図2A、2Bに示すように、タブ部38および延長部40は、概ね垂直である。これは、例えば、
図2A、2Bにおいて、矢印Aの方向によって示されている。タブ部および延長部は、別の実施形態において、実質的に垂直または垂直であってもよい。
【0030】
タブ部38が容器またはボトル口部の外壁に向かって内向きに回転すること、または展開することを防止もしくは抑制するために、タブ部38および延長部40が垂直または実質的に垂直であることが好ましい。タブ部38および延長部40は、ポリマー製環状スカート部14の内面14bに対して鋭く位置しすぎることを防止または抑制するために、実質的に垂直であることが望ましい。
【0031】
タブ部38が内向きに回転したり展開したりしないようにすることで、ユーザによる開封プロセスにおける問題を回避または抑制することを補助する。具体的には、ユーザがクロージャを開く際に垂直方向および軸方向の力を加える場合、これらの力は、タブ部38を動かす(すなわち、回転または展開する)ことにエネルギーを伝達するのではなく、実質的に壊れやすい接続部を破壊するために加えられることが望ましい。タブ部が概ね定位置に留まっている場合、ユーザからの垂直方向および軸方向の力は、壊れやすい接続部を開けること(例えば、ブリッジの破断)にのみ、または実質的にのみ伝達される。
【0032】
一実施形態において、タブ部38および延長部40が垂直になるのを防止または抑制することを補助するために、第1の部分32は、内向きに延びるビード46を含んでよい。ビード46は、タブ部38および延長部40が、ポリマー製環状スカート部14の内面14aに対して鋭く折り畳まれすぎることを防止または抑制する。
【0033】
タブ部38および延長部40をより垂直にすることが望ましい場合には、内向きに延びるビードを
図2Bの内向きに延びるビード46よりも小さくするか、または完全に無くしてもよい。
【0034】
タブ部がボトル口部の外壁に向かって内向きに移動したり、タブ部が展開したりすると、望ましくない結果を招くことがある。例えば、タブ部を動かすことにエネルギーが伝達されるために壊れやすい接続部におけるブリッジのあるパーセンテージが(典型的には片側で)壊れてくれない場合、ユーザが容器を開けて中味にアクセスすることが困難となる可能性がある。具体的には、ブリッジの一部が破壊されずに残っている場合、これは、繋がれたような状態(tether-like)またはぶら下がりバンド(hinged-band)の状態につながる可能性がある。これは、クロージャがぶら下がり位置または動けない位置になることにつながる可能性がある。ブリッジが破壊されずに残っている場合、クロージャはより緩くなり動き回る能力や自由度が増すため、望ましくない動きをする可能性がある。例えば、クロージャの横方向の動きは、ユーザーがクロージャをうっかり片側に引っ張ってしまい、クロージャを中心から外れた状態にする可能性がある。
【0035】
すべてのブリッジが破損していないと、いくつかの状況が発生する可能性がある。ある状況下においては、不正開封明示バンド全体が口部のAカラーまたはA直径の下に入り、クロージャを開封することが難しくなる可能性がある。別の状況下においては、不正開封明示バンドの一部が口部のAカラーを越えて部分的に持ち上がり、バンドが盛り上がってしまい、クロージャを開けることが困難になることがある。さらに別の状況では、タブ部の位置関係により、不正開封明示バンドが口部のAカラー上に完全に乗り、容器を開けるときにクロージャの残りの部分と一緒に外れてしまう可能性がある。これはいくつかの理由から望ましくない。すなわち、容器の開封をより困難にしてしまうことや、不正開封明示バンドはクロージャのねじ係合を外した後も容器と一緒に残るべきであるためパッケージの不正開封明示性を損なうことなどである。
【0036】
タブ部38は、容器の口部のAカラーの底面の下方に隣接して残るように望ましくは位置決めされる。上述したようなタブ部38は、望ましくは容器口部の外壁から離れている。タブ部38は、張り出し38aを含む。張り出し38aは、望ましくは、口部のAカラーの下で封止を行う。
【0037】
図2Aを参照し、延長部40は、一実施形態において、内周全体にわたって連続的に延びている。クロージャ10の外周は、ポリマー製環状スカート部14によって形成される。クロージャの内周は、不正開封明示バンド30の第2の部分34によって形成される。
【0038】
別の実施形態において、延長部は、クロージャの内周全体にわたって実質的に連続的に延びている。この実施形態はまた、延長部をAカラーの外面に隣接かつ当接するように載置し、位置決めすることを補助する。一実施形態において、延長部は、クロージャの内周の約75%から約99%にわたって延びている。別の実施形態において、延長部は、クロージャの内周の約80%から約99%にわたって延びている。別の実施形態において、延長部は、クロージャの内周の約90%から約99%にわたって延びている。さらなる実施形態において、延長部は、クロージャの内周の約95から約99%にわたって延びている。延長部が、クロージャの内周全体にわたって少なくとも実質的に連続的に延びていない場合、開封プロセス中に延長部が口部のAカラー下に移動してしまうことの防止または抑制を、望ましくかつ一貫的には補助しないことになる。
【0039】
より好ましい実施形態における延長部はクロージャの内周全体にわたって延び、延長部がAカラー下に移動することなしに、Aカラーの外面に隣接かつ当接している位置を維持する。延長部がAカラーの外面に当接しており、Aカラー下にないことによって、容器を開封するのが困難であったり、不正開封明示性質が破られたりするなどの上述した問題が、実質的にまたは完全に回避される。
【0040】
図4Cに最もよく示されるように、延長部40は、ポリマー製壁部14の内面14aとAカラーまたはA直径106との間に位置決めされる。延長部40は、クロージャの内周全体にわたって連続的に容器のAカラー106に適合するかまたは若干適合することが望ましい。この具体的な実施形態では、延長部40は、ポリマー製壁部14の内面14aとAカラー106との間に押し込まれる。その間に隙間を有さないまたはあまり隙間を有さないことによって、タブ部38は、容器口部の外壁に向かって内向きに回転すること、またはAカラーからさらに離れるように展開することを防止または抑制される。しかしながら、延長部がポリマー製壁部の内面とAカラーとの間に押し込まれるまたは挟まれるような公差を維持することは、困難であり得る。
【0041】
不正開封明示バンド30の延長部40は、Aカラー106の外面106aに適合しかつ当接する。延長部40は、望ましくは、Aカラー106の外面106aとのシールを形成する。張り出し38aは、望ましくは、Aカラー106の下で、かつ口部の側壁から離れた位置にある。
図4Bに示すように、延長部40は、タブ部38の垂直方向(矢印AおよびB)または水平方向(矢印CおよびD)の移動を防止または抑制する。
【0042】
Aカラー106とより良く適合しかつ当接するように、延長部40はAカラー106よりも小さい直径を有する。これは
図4Cに示されており、図において容器に載置される前における延長部40の第1の位置82を鎖線で示し、容器に載置された後にAカラー106によって外向きに動かされた後における延長部40の第2の位置84を示している。延長部40の厚さが変化しないにもかかわらず、延長部40を含む第2の部分34が垂直ではなく角度が付けられている(第1の位置82を参照)ため、延長部40の直径が変化することに留意されたい。したがって、延長部40の上端40aは、延長部40の下端40bよりも小さい直径を有する。同様に、タブ部38の直径は、角度が付けられている状態から変化する。
【0043】
Aカラー106が延長部40に当接しこれを移動させるように、延長部40は最初に角度Aで角度付けされていることが望ましい。関連する工作機械類からクロージャを取り外す製造プロセスを補助するために、この角度をより減少させることが望ましい。
図2Bを参照して、延長部40は、概ね約3度から約35度の角度Aにある。より具体的には、延長部40は、概ね約5度から約30度の角度A、または約5度から約25度の角度Aにある。延長部40は、概ね約10度から約25度の角度A、または約10度から約20度の角度Aにある。
【0044】
延長部40の直径は、Aカラー106の直径よりも小さい。延長部40の直径がAカラー106の直径よりも小さいため、延長部は、ポリマー製環状スカート部14に向かって外向きに(
図4Dの矢印Dの方向に)移動される。延長部40とAカラー106との相対的な直径は、不正開封明示バンド30の第2の部分34の位置決めも補助する。
【0045】
延長部40を形成するために用いられる厚さおよび材料は、容器の口部にクロージャを載置する間に、
図2Aの位置から
図4A~4Cの位置まで移動させることを可能にする。
図4Bにおける延長部40の角度Bは、概ね約-5度から約35度である。延長部40の角度Bは、典型的には約0から約35度であり、より具体的には約0から約25度である。より具体的には、延長部40の角度Bは、約0度から約15度であり、より具体的には0度から約10度である。したがって、容器の口部に載置された後、角度Bは、負の角度(垂直を過ぎ、内面14aに向かって角度が付けられている状態)であってもよいと考えられる。角度Bは0度であると、垂直な位置にある。
【0046】
図2B、
図4Bおよび
図4Cに示すように、角度Aは角度Bよりも大きい。概ね角度Aは角度Bより0から約20度大きい。典型的には、角度Aは角度Bより0から約10度または約15度大きい。
【0047】
タブ部の平均厚さは、延長部の平均厚さよりも大きい。
図2Bに示すように、タブ部38の平均厚さT1は、延長部40の平均厚さT2より概ね約2倍から約8倍大きい。タブ部38の平均厚さT1は、延長部40の平均厚さT2より概ね約2倍から約6倍大きい。タブ部38の平均厚さT1は、延長部40の平均厚さT2より概ね約3倍から約6倍大きい。
【0048】
図2Bの不正開封明示バンド30のタブ部38の平均厚さT1は、概ね約0.03から約0.075インチである。より具体的には、タブ部38の平均厚さT1は、約0.03から約0.06インチである。
【0049】
図2Bの不正開封明示バンド30のタブ部38の長さL1は、概ね約0.05から約0.175インチである。より具体的には、タブ部38の長さL1は、約0.06から約0.16インチ、または約0.075から約0.15インチである。
【0050】
図2Bの不正開封明示バンド30の延長部40の平均厚さT2は、概ね約0.005インチから約0.025インチである。より具体的には、延長部40の平均厚さT2は、約0.01インチから約0.025インチ、または約0.01インチから約0.02インチである。
【0051】
図2Bの不正開封明示バンド30の延長部40の長さL2は、概ね約0.05インチから約0.15インチである。より具体的には、延長部40の長さL2は、約0.075インチから約0.12インチ、または約0.08インチから約0.10インチである。
【0052】
タブ部の長さは、典型的には延長部の長さよりも大きい。
図2Bに示すように、タブ部38の長さL1は、延長部40の長さL2より概ね約0.75倍から約3倍大きい。タブ部38の長さL1は、延長部40の長さL2より概ね約1倍から約3倍大きい。タブ部38の長さL1は、延長部40の長さL2より概ね約1倍から約2倍大きい。
【0053】
ポリマー製環状スカート部は、容器の雄ねじ形成部と嵌合するための雌ねじ形成部を含む。具体的には、
図2Aのポリマー製環状スカート部14は、容器の雄ねじ形成部と嵌合係合するための雌ねじ形成部60を含む。雌ねじ形成部60は、第1のクロージャリード62および第2のクロージャリード64を含む。ねじ形成(thread development)は、典型的には不連続である。ポリマー製環状スカート部14の最初から最後までのねじセグメントは、この実施形態では螺旋状である。
【0054】
第1のクロージャリード62は、ポリマー製上壁部12の近くにおいて第1の位置(
図2Aには示されていない)で始まり、不正開封明示バンド30により近い第2の位置まで螺旋状に延びる。同様に、第2のクロージャリード64は、ポリマー製上壁部12の近くにおいて第1の位置(
図2Aには示されていない)で始まり、不正開封明示バンド30により近い第2の位置(
図2Aには示されていない)まで螺旋状に延びる。第1および第2のクロージャリード62、64は、併せて二重リードクロージャねじと総称される。第1および第2のクロージャリード62、64のそれぞれは、連続的である。第1および第2のクロージャリード62、64の第1の位置は、互いにほぼ180度離れて位置しており、したがって、クロージャ10の概ね互いに反対の側において始まる。
【0055】
第1および第2のクロージャリードが不連続であってもよいと考えられる。また、クロージャの雌ねじ形成部は、螺旋状のねじ形成部とは異なっていてもよいと考えられる。また、他の雌ねじ形成部がクロージャに使用されてもよいと考えられる。
【0056】
クロージャに複数のねじセグメントが存在しない用途もあり得るが、それらは典型的には45psi未満を保持するパッケージに使用される。特に45psi未満を有するパッケージを用いたそれらの用途において、ねじクロージャのターンが連続的であってもよいと考えられる。また、クロージャの雌ねじ形成部が、螺旋状のねじ形成部とは異なっていてもよいと考えられる。また、他の雌ねじ形成部がクロージャに使用され得ると考えられる。
【0057】
壊れやすい接続部50は、一実施形態において、橋状成形(molded-in-bridges)モールドインブリッジによって形成されてもよい。橋状成形は、典型的には、成形の要素を用いて形成される。別の実施形態において、壊れやすい接続部は、刻み目をつけることまたは刻み線(scoring or scored lines)、切り欠き(notches)、破線(leaders)、切れ目(nicks)またはその他の脆弱な線を用いて形成され得る。
【0058】
本発明のクロージャ10は、
図3A、3Bのパッケージ100を形成するために使用される容器108と共に使用することができる。
図4A、4Bは、開口部を画定するネック部102とクロージャ10とを含む、容器108の一部の概略断面図である。容器108のネック部102は、雄ねじ形成部140と、連続外リング110とを含む。雄ねじ形成部140は、第1の口部リード142と第2の口部リード144とを含む。雄ねじ形成部140(第1の口部リード142および第2の口部リード144)は、対応する雌ねじ形成部60(第1および第2のクロージャリード62、64)と係合してパッケージ100を封止する。
【0059】
第1の口部リード142は、容器108の開口端近傍から始まり、容器の閉端により近い第2の位置まで螺旋状に延びている。同様に第2の口部リードは、容器108の開口端により近い位置から始まり、容器の閉端により近い第2の位置まで螺旋状に延びている。第1および第2の口部リードの各々は連続している。第1および第2の口部リードのそれぞれの第1の位置は典型的には互いにほぼ180度離れており、したがって第1および第2の口部リードは、容器108のネック部102の互いに反対の側から始まる。容器108の開封時に、第1のクロージャリード62は第1の口部リード142に接していることが望ましく、第2のクロージャリード64は第2の口部リード144に接していることが望ましい。容器の雄ねじ形成部は不連続なリードを有していてもよいと考えられる。
【0060】
容器の雄ねじ形成部は、容器108に関して開示されたものと異なっていてもよいと考えられる。
【0061】
クロージャは酸素捕捉剤を含み得る。酸素捕捉剤はクロージャ内全体に分布していてもよいし、別の層であってもよい。酸素捕捉剤は、容器の中味にほとんどまたは全く影響を与えることなく容器内の酸素を除去する補助となるものであれば、いかなる材料であってもよい。
【0062】
クロージャは、上記の材料に代えてまたは上記の材料に加えて酸素バリア剤を含んでもよい。酸素バリア剤は別の層として加えられてもよいし、クロージャ自体と一体化されてもよい。酸素バリア剤は、酸素がクロージャを介して容器内に入ることを防止または抑制する補助となる。これらの材料はエチレンビニルアルコール(EVOH)を含み得るが、これに限られない。他の酸素バリア剤をクロージャ内で用いてもよいと考えられる。
【0063】
さらに、上記のクロージャ内には不正開封明示バンド以外の要素が含まれてもよいと考えられる。たとえば米国特許公開公報第2018/009979号、米国特許公開公報第2017/0349336号、米国特許第9,126,726号、米国特許第9,085,385号、米国特許第8,763,830号、米国特許第8,485,374号、米国特許公開公報第2009/0045158号および米国特許第6,123,212号はすべて、本発明のクロージャに組み込まれ得るそのような要素を含む。これらの文献はその全体を参考のため本明細書中に援用する。
【0064】
上壁部12、環状スカート部14、および不正開封明示バンド30はポリマー材料により形成される。上壁部12、環状スカート部14、および不正開封明示バンド30は典型的にはオレフィン(たとえばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP))、ポリエチレンテレフタレート(PET)またはこれらの混合物により形成される。使用可能なポリエチレンの一例は高密度ポリエチレン(HDPE)である。上壁部、環状スカート部、不正開封明示バンドは他のポリマー材料で形成されてもよいと考えられる。不正開封明示バンド30は典型的には上壁部12および環状スカート部14と同じ材料により形成される。
【0065】
クロージャは典型的には、射出成形、圧縮成形、押出成形またはこれらの組み合わせなどのプロセスによって形成される。
【0066】
容器108は典型的にはポリマー材料により形成される。ポリマー製容器の形成に用いられる材料であって本発明を限定しない材料の例は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)またはこれらの混合物である。容器は他のポリマー材料またはコポリマー材料により形成されてもよいと考えられる。さらに容器はガラスにより形成されてもよいと考えられる。容器108は典型的には、密閉された酸素バリア層またはこれに組み込まれた酸素バリア剤を有する。
【0067】
容器108を開けてその中の製品にアクセスするために、容器108に対してクロージャ10を回転させることによって、クロージャ10のねじ係合を外す。クロージャがねじ係合を外された後、クロージャ10を容器108から取り外すことができる。この方法を使用する場合、不正開封明示バンド30は、望ましくは、壊れやすい接続部50を介してクロージャ10の残りから完全に分離され、これにより、クロージャ10が容器108に対してねじ係合を外されたことを示す。
【0068】
容器108のネック部102は、雄ねじ形成部104と、Aカラー106と、連続外リング110とを含む。連続外リング110は、壊れやすい接続部50の破壊によって環状スカート部14が容器108のネック部102からねじ係合を外されたときに、不正開封明示バンド30を位置決めすることを補助する。連続外リング110はまた、製造プロセス中に容器の形成および充填を行う際の容器の取り扱いを単純化することを補助する。
【0069】
本発明のポリマー製クロージャは低温での用途にも高温での用途にも望ましい。ポリマー製クロージャは室温充填または低温充填などの低温での用途に用いられ得る。これらの用途は、典型的には炭酸ソフトドリンクなどの加圧製品を含む。クロージャは、水、スポーツドリンクなどの他の用途、および乳製品などの無菌用途に用いてもよいと考えられる。本発明のポリマー製クロージャは他の低温の用途に用いてもよいと考えられる。
【0070】
本発明のポリマー製クロージャは、高温充填、殺菌およびレトルト用途などの高温用途に供してもよい。高温充填用途は概ね華氏185度前後の温度で行われ、殺菌を伴う高温充填は概ね華氏205度前後の温度で行われる。レトルト用途は典型的には華氏250度より高い温度で行われる。本発明のポリマー製クロージャは他の高温用途に用いることもできると考えられる。
【国際調査報告】