IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アジレント・テクノロジーズ・インクの特許一覧

<>
  • 特表-ガス漏れ検出器カートリッジ 図1
  • 特表-ガス漏れ検出器カートリッジ 図2
  • 特表-ガス漏れ検出器カートリッジ 図3
  • 特表-ガス漏れ検出器カートリッジ 図4
  • 特表-ガス漏れ検出器カートリッジ 図5
  • 特表-ガス漏れ検出器カートリッジ 図6
  • 特表-ガス漏れ検出器カートリッジ 図7
  • 特表-ガス漏れ検出器カートリッジ 図8
  • 特表-ガス漏れ検出器カートリッジ 図9
  • 特表-ガス漏れ検出器カートリッジ 図10
  • 特表-ガス漏れ検出器カートリッジ 図11
  • 特表-ガス漏れ検出器カートリッジ 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-13
(54)【発明の名称】ガス漏れ検出器カートリッジ
(51)【国際特許分類】
   G01M 3/00 20060101AFI20231005BHJP
   G01M 3/04 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
G01M3/00 D
G01M3/04 M
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023519506
(86)(22)【出願日】2021-09-22
(85)【翻訳文提出日】2023-03-28
(86)【国際出願番号】 US2021051546
(87)【国際公開番号】W WO2022066764
(87)【国際公開日】2022-03-31
(31)【優先権主張番号】17/034,071
(32)【優先日】2020-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】399117121
【氏名又は名称】アジレント・テクノロジーズ・インク
【氏名又は名称原語表記】AGILENT TECHNOLOGIES, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 充司
(74)【代理人】
【識別番号】100169018
【弁理士】
【氏名又は名称】網屋 美湖
(72)【発明者】
【氏名】コー,チンソン
(72)【発明者】
【氏名】タン,ジョンウェン
(72)【発明者】
【氏名】リン,ヘンダル
【テーマコード(参考)】
2G067
【Fターム(参考)】
2G067AA14
2G067BB02
2G067BB03
2G067BB12
2G067BB26
2G067CC04
2G067DD23
2G067EE08
(57)【要約】
ガス漏れ検出器カートリッジは、携帯型装置に取り外し可能に取り付けられるカートリッジハウジングを含む。カートリッジハウジングはセンサを含み、センサは試料ガス中の汚染物質の存在を検出し、プリント回路基板に接続されている。カートリッジハウジングには、マニホールド内に配置され、センサに試料ガスを導入するポンプも含まれる。センサは、ポンプを含むマニホールドに少なくとも部分的に挿入されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス漏れ検出器カートリッジであって、
携帯型装置に取り外し可能に取り付けられるカートリッジハウジングを備え、
前記カートリッジハウジングが、
前記カートリッジハウジング内に配置されているセンサであって、試料ガス中の汚染物質の存在を検出し、プリント回路基板に電気的に接続されている、センサと、
マニホールド内に配置され、前記試料ガスを前記センサに導入するポンプと、
を備え、
前記センサが、前記ポンプを含む前記マニホールドに少なくとも部分的に挿入されている、ガス漏れ検出器カートリッジ。
【請求項2】
前記センサが、前記加熱抵抗器の抵抗値の変化に起因する電圧変化を測定することによって、前記試料ガス中の前記汚染物質の存在を検出し、前記抵抗値の変化が、加熱抵抗器と前記汚染物質を有する前記試料ガスとの間の熱交換によって生じる、請求項1に記載のガス漏れ検出器カートリッジ。
【請求項3】
前記ポンプと流体連通する、基準ガス入口を有さないガス漏れスニファプローブを更に備えている、請求項1に記載のガス漏れ検出器カートリッジ。
【請求項4】
前記ガス漏れスニファプローブが、複製可能なフィルタを備えている、請求項3に記載のガス漏れ検出器カートリッジ。
【請求項5】
前記ガス漏れスニファプローブが、押し込み式保持リングを備えている、請求項3に記載のガス漏れ検出器カートリッジ。
【請求項6】
前記ガス漏れスニファプローブが、保護外側管及び内側管を備えている、請求項3に記載のガス漏れ検出器カートリッジ。
【請求項7】
前記保護外側管が少なくともポリウレタンを含み、前記内側管が少なくともフッ素化エチレンプロピレンを含む、請求項6に記載のガス漏れ検出器カートリッジ。
【請求項8】
前記ポンプと流体連通している単一のガス入口を更に備えている、請求項1に記載のガス漏れ検出器カートリッジ。
【請求項9】
請求項1に記載の前記ガス漏れ検出器カートリッジを取り外し可能に受け入れるレセプタクルを備えている、変換可能な携帯型装置。
【請求項10】
変換可能な携帯型装置であって、
(i)カートリッジを取り外し可能に受け入れるレセプタクルと、(ii)前記受け入れた取り外し可能なカートリッジが純正の取り外し可能なカートリッジであるかどうかを判定するために、前記受け入れた取り外し可能なカートリッジからコードを受信するコード受信機と、
を備えている、変換可能な携帯型装置。
【請求項11】
前記取り外し可能なカートリッジが第1の電気コネクタを備えており、前記携帯型装置が第2の電気コネクタを備えており、前記取り外し可能なカートリッジが前記レセプタクルに挿入されたとき、前記第1の電気コネクタが前記第2の電気コネクタに電気的に接続され、前記携帯型装置が、前記取り外し可能なカートリッジに、前記コードを提供するように要求する、請求項10に記載の変換可能な携帯型装置。
【請求項12】
前記取り外し可能なカートリッジが、コードを有する電気的消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM)を含み、前記携帯型装置が、前記取り外し可能なカートリッジを認証するためのEEPROMコードリーダを含む、請求項10に記載の変換可能な携帯型装置。
【請求項13】
前記携帯型装置が、
前記取り外し可能なカートリッジから信号を受信する、少なくともプロセッサ及びメモリを備えた電子回路と、
前記電子回路に入力を提供するユーザ操作可能ボタンと、
前記携帯型装置内に配置された電力源と、
前記取り外し可能なカートリッジによって生成されて受信されたデータを示すディスプレイ画面と、
を更に備えている、請求項10に記載の変換可能な携帯型装置。
【請求項14】
前記取り外し可能なカートリッジが、流量計、ガス漏れ検出器、温度センサ、圧力センサ、pH計、又は化学物質センサである、請求項10に記載の変換可能な携帯型装置。
【請求項15】
前記コードが、前記携帯型装置に対して、前記取り外し可能なカートリッジの機能を更に提供する、請求項10に記載の変換可能な携帯型装置。
【請求項16】
試料ガス中の汚染物質を検出する方法であって、
前記汚染物質を含まない試料ガスにセンサを接触させることと、
前記汚染物質を含まない試料ガスを前記センサに接触させることによって生じる熱伝導率に起因して前記センサによって生成される基準電圧を測定することと、
前記基準電圧をメモリに記憶することと、
前記汚染物質を含む試料ガスを前記センサに接触させることと、
前記汚染物質を含む試料ガスを前記センサに接触させることによって生じる熱伝導率の変化に起因して前記センサによって生成される測定電圧を求めることと、
前記基準電圧と前記測定電圧を比較して前記汚染物質の存在を検出することと、
を含む、方法。
【請求項17】
前記基準電圧と前記測定電圧との差をEEPROMに送り、漏れている前記汚染物質の流量を求めることを更に含む、請求項16に記載の試料ガス中の汚染物質を検出する方法。
【請求項18】
前記EEPROMが、濃度ルックアップテーブルを含む、請求項17に記載の試料ガス中の汚染物質を検出する方法。
【請求項19】
前記汚染物質を含まない試料ガスと、前記汚染物質を含む可能性のある試料ガスとが、同程度の流量で前記センサに接触する、請求項16に記載の試料ガス中の汚染物質を検出する方法。
【請求項20】
前記流量が、7mL/分~15mL/分である、請求項19に記載の試料ガス中の汚染物質を検出する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、携帯型装置に挿入して携帯型装置をガス漏れ検出器に変換することのできる取り外し可能なガス漏れ検出器カートリッジに関する。1つの態様において、本開示は、ガス漏れ検出器の或る特定の構成要素を含むカートリッジが、別の種類の検出器カートリッジと交換可能である、ガス漏れ検出器カートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
ガス供給パイプラインから延びる流路からのガス漏れは、材料の損失につながる場合があり、安全上の問題を引き起こす可能性がある。したがって、ガス漏れ検出器を使用したガス漏れ検査を定期的に実施する必要がある。現在、ユーザが流量計とガス漏れ検出器とを必要とする場合、ユーザは、流量計と、ガス漏れを検知できる別個の装置とを購入する必要がある。したがって、流量計等の1つの種類の検出器から、ガス漏れ検出器等の別の種類の検出器に変換することのできる単一の携帯型装置を有するニーズが存在する。
【発明の概要】
【0003】
一態様において、ガス漏れ検出器カートリッジは、携帯型装置に取り外し可能に取り付けられているカートリッジハウジングを含む。カートリッジハウジングは、試料ガス中の汚染物質の存在を検出する、内部に配置されたセンサを含むことができ、センサは、プリント回路基板に電気的に接続されている。カートリッジハウジングは、試料ガスをセンサに導入するポンプも含み、センサは、ポンプを含むマニホールドに少なくとも部分的に挿入されている。
【0004】
別の態様において、ガス漏れ検出器カートリッジのセンサは、加熱抵抗器と汚染物質を有する試料ガスとの間の熱交換によって生じる加熱抵抗器の抵抗値の変化に起因する電圧変化を測定することによって、試料ガス中の汚染物質の存在を検出する。
【0005】
更なる態様において、ガス漏れ検出器カートリッジは、ポンプと流体連通する、基準ガス入口を有さないガス漏れスニファプローブを更に備えている。
【0006】
更に別の態様において、ガス漏れスニファプローブは、交換可能なメッシュフィルタを備えている。
【0007】
一態様において、ガス漏れスニファプローブは、押し込み式保持リングを備えている。
【0008】
別の態様において、ガス漏れスニファプローブは、保護外側管及び内側管を備えている。
【0009】
更なる態様において、保護外側管は少なくともポリウレタンを含み、内側管は少なくともフッ素化エチレンプロピレンを含む。
【0010】
更に別の態様において、ポンプはマイクロブロワである。
【0011】
別の態様において、ガス漏れ検出器は、ポンプと流体連通している単一のガス入口を備えている。
【0012】
一態様において、変換可能な携帯型装置は、ガス漏れ検出器カートリッジを取り外し可能に受け入れるレセプタクルを備えている。
【0013】
別の態様において、変換可能な携帯型装置は、(i)カートリッジを取り外し可能に受け入れるレセプタクルと、(ii)受け入れた取り外し可能なカートリッジが純正の取り外し可能なカートリッジであるかどうかを判定するために、受け入れた取り外し可能なカートリッジからコードを受信するコード受信機とを備えている。
【0014】
更なる態様において、カートリッジは第1の電気コネクタを備えており、携帯型装置は第2の電気コネクタを備えており、取り外し可能なカートリッジがレセプタクルに挿入されたとき、第1の電気コネクタは第2の電気コネクタに電気的に接続し、携帯型装置は、取り外し可能なカートリッジに、コードを提供するように要求する。
【0015】
更に別の態様において、取り外し可能なカートリッジは、識別/認証コードを有する電気的消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM)を含み、携帯型装置は、取り外し可能なカートリッジを認証するためのEEPROMコードリーダを含む。
【0016】
一態様において、携帯型装置は、カートリッジから信号を受信する、少なくともプロセッサ及びメモリを備えた電子回路を更に含む。携帯型装置は、電子回路に入力を提供するユーザ操作可能ボタンを含む。携帯型装置は、携帯型装置内に配置される電源を含む。携帯型装置は、カートリッジによって生成されて受信されたデータを示すディスプレイ画面も含む。
【0017】
別の態様において、カートリッジは、流量計、ガス漏れ検出器、温度センサ、圧力センサ、pH計、又は化学物質センサである。
【0018】
更なる態様において、コードは、携帯型装置にカートリッジの機能を更に提供する。
【0019】
更に別の態様において、最初に、汚染物質を含まない試料ガスをセンサに接触させることによって生じる熱伝導率に起因してセンサによって生成される基準電圧を測定し、基準電圧をメモリに記憶し、汚染物質が含まれる可能性のある試料ガスをセンサに接触させ、汚染物質が含まれる可能性のある試料ガスをセンサに接触させることによって生じる熱伝導率に起因してセンサによって生成される測定電圧を求め、基準電圧と測定電圧(試料ガス+汚染物質)を比較して汚染物質が存在するかを検出することによって、試料ガス中の汚染物質を検出する方法。
【0020】
一態様において、試料ガス中の汚染物質を検出する方法は、基準電圧と測定電圧との差をEEPROMに送り、漏れている汚染物質の流量を求めることを更に含む。
【0021】
別の態様において、EEPROMは、濃度ルックアップテーブルを含む。
【0022】
更なる態様において、汚染物質を含まない試料ガスと、汚染物質を含む可能性のある試料ガスとは、実質的に同程度の流量でセンサに接触する。
【0023】
更に別の態様において、流量は、約7mL/分~約15mL/分である。
【0024】
様々な実施形態の更なる特徴及び利点については、以下の説明において一部が示されるとともに、説明から一部が明らかとなるであろう、又は様々な実施形態の実施によって知ることができる。様々な実施形態の目的及び他の利点は、本明細書における説明で具体的に指摘される構成要素及び組み合わせによって実現及び達成されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】一例によるガス漏れ検出器カートリッジの分解斜視図である。
図2】一例による、図1のガス漏れ検出器カートリッジの前面斜視図である。
図3】一例による、マニホールド及びガス漏れスニファプローブの一部の正面図である。
図4】一例による、図3の断面図である。
図5】一例によるガスセンサを示す図である。
図6】一例による、ガス漏れ検出器カートリッジ内のPCBの電子アーキテクチャのブロック図である。
図7】一例による、ガス漏れ検出器を使用して漏れたガスを検出するためのプロセスを示したフローチャートである。
図8】一例による、ガス漏れ検出器カートリッジが挿入された携帯型装置の前面斜視図である。
図9】一例による、ガス漏れ検出器カートリッジが携帯型装置のレセプタクルから取り外された(取り出された)状態を示す、図8の携帯型装置の別の前面斜視図である。
図10】一例による、ガス漏れ検出器カートリッジが存在しない状態の、携帯型装置の上面図である。
図11】一例による、携帯型装置の内部アセンブリの前面斜視図である。
図12】一例による、図11に示した内部アセンブリの後方斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
全ての図を通じて、同じ部品番号は同一又は類似する部品を示す。
【0027】
図1は、一例によるガス漏れ検出器カートリッジ100の分解斜視図である。図1に示したように、ガス漏れ検出器カートリッジ100は、携帯型装置226(図9に示す)のレセプタクル208(同じく図9に示す)に挿入することのできる形状及び寸法を含むことができる。ガス漏れ検出器カートリッジ100は、カートリッジ蓋104A及びカートリッジ基部104Bを有するカートリッジハウジング102を含む。カートリッジ蓋104A及びカートリッジ基部104Bは、当業者に知られている任意の方法及び装置によって互いに固定することができる。例えば、カートリッジ蓋104A及びカートリッジ基部104Bは、接着剤、1つ以上の固定具、例えばクリップ、又は図1に示したようにねじ106によって、互いに固定することができる。カートリッジハウジング102は、少なくとも1つ以上のカートリッジ構成要素を含むことができ、以下にその例について説明する。例えば、カートリッジハウジング102は、プリント回路基板(PCB)108と、マニホールド114と、ガス漏れスニファプローブ120の少なくとも一部とを含むことができ、PCB108は、長方形のプレートで形成することができ、その下面の特定の位置にセンサ144(図4に示す)が取り付けられている。PCB108は、PCB108の一端に配置されている第1の電気コネクタ110を含むことができる。PCB108は、マニホールド114の上に取り付けることができ、センサOリング118Aを使用してシールすることができる。一例では、マニホールド114は、上部マニホールドカバー114A及び下部マニホールドカバー114Bを含むクラムシェル(clam shell)の形態とすることができる。マニホールド114は、負圧を発生させることによってカートリッジハウジング102内に試料ガスを導入するマイクロブロワ116等のポンプを含むことができる。マニホールド114は、試料空気を吸引してカートリッジハウジング102内に導入するためにマイクロブロワ116によって使用されるガス漏れスニファプローブ120の一部又は端部と、PCB108から外に又は離れる方向に延在するセンサ144の少なくとも一部とを更に含むことができる。
【0028】
図1に示したように、ガス漏れスニファプローブ120は、試料空気を吸引してセンサ144に導入するために、マイクロブロワ116と流体連通している。ガス漏れスニファプローブ120は、雌部分122と、雄部分124と、ガス漏れスニファプローブ120に導入される試料ガス中の粒子又は塵を濾過する、雌部分122と雄部分124との間に配置されたメッシュフィルタ132等の取り外し可能/交換可能/保守可能なフィルタとを含むことができる。雄部分124の一端は、雌部分122に取り外し可能に取り付けることができるように、ねじ切りされていてもよい。ガス漏れスニファプローブ120は、保護外側管126及び内側管130も含むことができる。内側管130は、保護外側管126の長さにわたり延在するのに十分な長さである。スニファOリング118Bは、内側管130に周囲に嵌まり、ガス漏れスニファプローブ120とカートリッジハウジング102内のマニホールド114との間の接続をシールするために使用される。フェルール管保持器128は、内側管130を保護外側管126と共に所定の位置に固定するように配置されている。さらに、押し込み式保持リング127は、引張力を向上させ、ガス漏れスニファプローブ120をマニホールド114に更に固定するために使用される。雄部分124の内側に配置されたマイクロOリング125は、保護外側管126と内側管130との間のシールを維持するために使用される。保護外側管126は、プラスチック材料、例えばポリウレタンで作製することができ、内側管130も、プラスチック材料、例えばフッ素化エチレンプロピレン共重合体で作製することができる。ガス漏れスニファプローブ120は、可撓性、半剛性、又は剛性であり得ることが容易に理解されるであろう。
【0029】
一例では、図1及び図2に示したように、カートリッジ基部104Bは、1つ以上のガイド部材112と、ユーザがガス漏れ検出器カートリッジ100を携帯型装置226(図8に示す)に固定することを可能にする1つ以上の固定具とを含むことができる。図1に示したように、固定具の各々は、ガス漏れ検出器カートリッジ100を携帯型装置226に取り外し可能に係合又は結合させるためのワッシャ142及び対応する蝶ねじ140を含むことができる。蝶ねじ140の各々は、ヘッド部材212a及び係合部材212bを更に含むことができる。
【0030】
図2は、一例による、図1のガス漏れ検出器カートリッジ100の前面斜視図である。一例では、第1の電気コネクタ110は、PCB108の一端に配置することができ、ガス漏れ検出器カートリッジ100の開口部を介してアクセス可能である。内部カートリッジの様々な構成要素は、PCB108に取り付けられるか、又は少なくともPCB108と通信することができる。上述したように、ガス漏れ検出器カートリッジ100は、携帯型装置226(図9に示す)の1つ以上の第2の係合部材(図示せず)に取り外し可能に係合又は結合するための1つ以上の蝶ねじ140を含むことができる。取り付け及び取り外し時にガス漏れ検出器カートリッジ100を取り扱うことを支援するために、ガス漏れ検出器カートリッジ100は、ユーザの指又は親指が接触するように構成された(すなわち適切なサイズを有し位置決めされている)1つ以上の接触部222を含むことができる。いくつかの例では、ガス漏れ検出器カートリッジ100を所定の位置にロックするために、例えば、ねじ等の固定具を使用することができる。
【0031】
図3及び図4を参照すると、一例によれば、マニホールド114は、マイクロブロワ116(図4に示す)、PCB108、及びセンサ144を含むことができる。センサ144は、上部マニホールドカバー114A上に配置されており、センサ144と上部マニホールドカバー114Aとの間の接続をシールするためにセンサOリング118Aを使用することができる。センサ144は、PCB108に電気的に接続される少なくとも4つのセンサコネクタ146を含むことができる。センサ144は、PCB108の下側に取り付けることができ、マニホールド114の凹部内に少なくとも部分的に挿入される。スニファOリング118Bは、ガス漏れスニファプローブ120とマニホールド114との間の、漏れのない直接的な接続を提供する。動作中、マイクロブロワ116は、試料ガスをガス漏れスニファプローブ120を通じてマニホールド114の中に移動させることができ、したがって試料ガスは、外に排出される前にセンサ144の少なくとも一部分に接触することができる。マイクロブロワ116は、平たい箱のような形状とすることができ、マイクロブロワ116が動作中に漏れなく安全であるように、マニホールド114とマイクロブロワ116との間にシール118Cを使用することができる。本例のマイクロブロワ116は、圧電型のダイヤフラムポンプであり、圧電素子によりダイヤフラムを高周波で振動させてポンプ動作を作動させ、それによって試料ガスをマイクロブロワ116に吸入し、マイクロブロワ116から排出させる。一例では、マイクロブロワ116は、圧電駆動ポンプである。直流モータ駆動ポンプの代わりに圧電駆動ポンプを使用することによって、マイクロブロワ116のサイズ及び重量を低減することができると同時に、その寿命を延ばすことができる。マイクロブロワ116がマニホールド114によってセンサ144の近傍に一体的に配置される場合、カートリッジハウジング102の寸法及び重量が、それに応じて減少することが期待され得る。動作中、マイクロブロワ116の負圧によって流体流れが生じ、マイクロブロワ116は、少なくとも2本のワイヤ148を使用してカートリッジハウジング102内のPCB108に電気的に接続されている。マイクロブロワ116は、低流量マイクロブロワであってよく、少量の流体がマイクロブロワ116を通って流れるのみでよい。例えば、マイクロブロワ116を通過する流体の体積は、約1mL/分~約30mL/分、例えば約7mL/分~約15mL/分、例えば11mL/分とすることができる。流量が少ないと、空気に比例して汚染物質の濃度が高くなることにより、検出器の感度が高まる。さらに、内側管130の直径が小さいため、試料ガス及び汚染物質(存在時)がセンサ144に到達するまでの時間が短縮され得る。この時間短縮の結果として、検出器はより速い応答時間を有し得る。
【0032】
図5は、一例による、米国カリフォルニア州所在のPosifa Technologies社から購入可能なガスセンサ144の構造を示している。ガスセンサ144と接触する試料ガス中の汚染物質を検出するために、プロセッサは、加熱素子から試料ガス及び潜在的な汚染物質への熱伝達による温度変化に起因する加熱素子の抵抗値の微小な変化によって引き起こされる電圧差を測定する。電圧差を検出するために、センサ144は、平坦な底面及び任意の平面形状を有する微細加工された空洞160を含むことができる。空洞160は、シリコン基板162に形成することができ、ただし他の種類の基板が使用されてもよい。センサ144は、加熱抵抗器152の形態の加熱素子も含むことができ、これは白金薄膜抵抗器とすることができる。センサ144はまた、周囲温度補償のために、加熱抵抗器152と同じ熱抵抗係数(Thermal Coefficient of Resistance)の基準抵抗器154を含む。ボンディングパッド156は、シリコン基板162の片面に配置されており、より効率的なパッケージングを可能としている。加熱抵抗器152は、熱絶縁膜158の上に配置することができる。熱絶縁膜158は、熱絶縁膜158と平行な底面を有する空洞160の上に懸架することができる。熱絶縁膜158は、基準抵抗器154と比較して、汚染物質を有する試料ガスが通過することによる熱伝達に起因する温度変化(例えば温度低下)に対する独立した応答を保証する。測定されるガスの体積(すなわち空洞内の体積)が微小であるため、センサ144は、超低消費電力及び高速応答時間を実現することができる。汚染物質を有する試料ガスがセンサ144に接触すると、それに応じてガスの熱伝導率が変化する。熱伝導率の変化により、加熱抵抗器152の温度が基準抵抗器154とは異なる速度で変化し(例えば加熱抵抗器152が冷える)、それによってプロセッサが電圧差を検出する。この電圧差は、汚染物質が試料ガス中に存在することを意味する。この電圧差によって、試料ガス中の汚染物質(漏れ)の量を定性的に検出することができる。例えば、変換可能な漏れ検出器200(図8に示す)は、レベル1~レベル8を含むことができ、レベル1は、約0.003mL/分以下の漏れ等の小さな漏れに対応することができ、レベル8は、約0.03mL/分以上の漏れ等の大きな漏れに対応することができる。
【0033】
図6は、一例による、ガス漏れ検出器カートリッジ100内のPCB108の電子アーキテクチャのブロック図である。ガス漏れ検出器カートリッジ100は、5つの主要機能、すなわち、ブザー、圧電ポンプコントローラ、センサ回路、アナログ-デジタル変換器(ADC)、及び電気的消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM)を含む。汚染物質(すなわち漏れたガス)の量が一定値以上である場合、ブザーが可聴アラーム音を発生させる。ユーザはモード設定ページでブザー機能のオン/オフを切り替えることができる。圧電ポンプは、5V~20Vの幅広い動作電圧を有する。流量を一定にするために、較正時に圧電ポンプの流量を9.0mL/分から10.0mL/分に手動で微調整するためのデジタルポテンショメータが追加されている。微調整プロセスは較正時のみ行われる。センサ144に接続されているセンサ回路は時間の経過とともにドリフトするため、測定電圧がADCの検出範囲から外れることがある。したがって、デジタルポテンショメータからの一対の抵抗器RDAC1及びRDAC2を、PCB108上に配置されたディスクリート抵抗器R1、R2に並列に付加し、これにより総等価抵抗の微調整を可能にすることができる。RDAC1及びRDAC2の微調整は、測定電圧が検出範囲内に収まるように、電源投入サイクルのたびにI2Cデジタルインタフェースを介して自動的に実行することができる。センサ回路からのアナログ電圧をアナログフィルタに接続して、高周波信号を除去することができる。この信号をADCに入力し、アナログ電圧からデジタル信号への変換を行うことができる。変換後、ADCは、ガス漏れ検出器カートリッジ100の第1の電気コネクタ110と携帯型装置226(図8に示す)の第2の電気コネクタ354(図12に示す)との間の接続を通じて、I2Cデジタルインタフェースを介して一連のデジタル信号を携帯型装置226(図8に示す)に送出することができる。EEPROMは、一連の情報、例えば、ガス漏れ検出器の濃度テーブル、認証コード等のコード、カートリッジのシリアル番号、カートリッジの部品番号、起動日、スニファプローブフィルタの交換日、ユーザ設定機能、ガス漏れ検出器カートリッジ100の製造業者(すなわちガス漏れ検出器カートリッジ100が模造品でないことの確認)等を記憶するために使用することができる。
【0034】
図7は、一例による、ガス漏れ検出器カートリッジ100と携帯型装置226(図8に示す)の組み合わせである変換可能な検出器200を使用して、漏れたガスのレベルを計算するためのプロセスを示すフローチャートである。最初に、センサ回路の出力を、I2C通信インタフェース等の通信インタフェースを介してADC集積回路から定期的に取り込む。次いで、入力されるノイズを低減するために、以下に示す計算式で移動平均を計算する。
【数1】
【0035】
一例では、移動平均を求めた後、以下に示した傾き検出アルゴリズムを使用して、以下に示したようにセンサの電圧出力から、時間の経過に伴う電圧差である変化率を求めることができる。
【数2】
【0036】
1つの例では、センサ電圧出力の差は、0秒から250秒とすることができる。この期間中に、ガス漏れスニファプローブ120を、0.03mL/分のヘリウム漏れ源に16回出し入れすることができる。出力電圧は、ガス漏れスニファプローブ120をガス漏れ源に入れたときと、ガス漏れ源から取り出したときとの電圧差とすることができる。この250秒の間に、センサ出力が0.014Vから-0.01Vまでドリフトする可能性がある。時間の経過に伴ってドリフトを発生させるセンサ144からの熱を補償するために、傾き検出を計算することができる。負のピークはガス漏れを示し、ピークの大きさはガス漏れ速度の尺度である。
【0037】
図7に示したように、一例では、変換可能な検出器200がオンになっている時間が所定時間未満であるとき、ウォームアップアルゴリズムを実施することができる。例えば、変換可能な検出器200が、500秒未満、例えば300秒未満、例えば200秒未満、又は150秒未満の間、オンになっている場合である。ウォームアップアルゴリズムは、センサの整定時間を短縮し、この所定期間中のガス漏れ検出の精度を向上させる。ウォームアップアルゴリズムは、一般に、以下のように示すことができる。
ウォームアップアルゴリズム(t)=傾き検出(t)-[補正係数]
ここでt1は、0秒から所定の時間(秒)まで
【0038】
さらに、ドリフトした出力の電圧差を読み出すために、傾き検出のそれぞれの下の面積の和を計算するハイブリッドDCレベル検出法を利用してもよい。
【0039】
一例では、2つの閾値限界値がハイブリッドDC値の計算のトリガとなり得る、すなわち、傾き検出が-0.00X未満のときの下限値と、傾き検出が+0.00Xよりも大きいときの上限値である。ガス漏れスニファプローブ120をガス漏れ源に入れたとき、傾き検出曲線は-0.00X未満である。ハイブリッドDC値は、以下のように計算することができる。
【数3】
【0040】
【数4】
【0041】
【数5】
【0042】
工場での較正プロセスは、レベル1、レベル3、及びレベル5において個別に達成することができる。1つの例では、レベル+1、レベル-1、レベル+3、レベル-3、レベル+5、及びレベル-5のハイブリッドDC値が、それぞれ記録される。
【0043】
次に、レベル+1、レベル-1、レベル+3、レベル-3、レベル+5、及びレベル-5に基づくカーブフィッティング二次多項式を生成し、それぞれ正のレベル及び負のレベルにおける較正曲線の方程式の定数を求める。方程式の定数を求めた後、レベル閾値に基づき較正レベルルックアップテーブルを作成する。
【0044】
較正レベルルックアップテーブルをEEPROMにプログラムすることができ、データは暗号化される。電源投入サイクル毎に、変換可能な検出器200は、較正レベルルックアップテーブルをロードすることができ、これにより携帯型装置226(図8に示す)が、正確な値でメモリをリフラッシュすることを保証することができる。通常の動作時、変換可能な検出器200は、携帯型装置226(図8及び図9に示す)のディスプレイ画面234(図8に示す)にガス漏れレベルを表示する。
【0045】
図8は、一例による、ガス漏れ検出器カートリッジ100が挿入された、変換可能な検出器200の前面斜視図である。変換可能な検出器200は、携帯型装置226と、携帯型装置226に取り外し可能に取り付けるためのガス漏れ検出器カートリッジ100とを含むことができる。図8は、携帯型装置226に取り付けられて動作位置にあるガス漏れ検出器カートリッジ100を示している。図9は、変換可能な検出器200の別の前面斜視図であり、携帯型装置226から取り外された(取り出された)ガス漏れ検出器カートリッジ100を示している。本例では、携帯型装置226は、ガス漏れ検出器カートリッジ100を受け入れるためのレセプタクル208を含む。変換可能な検出器200のモジュラ構成により、ユーザは、ガス漏れ検出器カートリッジ100を、モジュラ流量検出器等の別のタイプのモジュラ検出器カートリッジと交換することができる。取り外し可能なカートリッジは、流量計、ガス漏れ検出器、温度センサ、圧力センサ、pH計、化学物質センサ等を含む群から選択することができるが、これらに限定されない。ガス漏れ検出器カートリッジ100は、EEPROMからのコードを含むことができ、携帯型装置226は、受け入れたガス漏れ検出器カートリッジ100が純正カートリッジであることを判定又は認証するためのEEPROMコードリーダを更に含むことができる。一例では、携帯型装置226のEEPROMコードリーダは、ガス漏れ検出器カートリッジ100に、認証コードを提供するように要求することができる。別の例では、ガス漏れ検出器カートリッジ100が、携帯型装置226のEEPROMコードリーダにEEPROMコードを提供する。
【0046】
携帯型装置226及びガス漏れ検出器カートリッジ100は、ガス漏れ検出器カートリッジ100が携帯型装置226のレセプタクル208内に、固定又はロックされるが依然として取り外し可能又は解放可能である方法で保持されるように、構成することができる。この目的のために、ガス漏れ検出器カートリッジ100は、携帯型装置226の1つ以上の第2の係合部材(図示せず)と取り外し可能に係合又は結合するための1つ以上の係合部材212b(図9に示す)を含むことができる。ガス漏れ検出器カートリッジ100は、係合部材212bが携帯型装置226の第2の係合部材(図示せず)に係合するまでガス漏れ検出器カートリッジ100をレセプタクル208内に移動又はスライドさせることによって、携帯型装置226に取り付けられる。取り付け及び取り外し時のガス漏れ検出器カートリッジ100の取り扱いを支援するために、ガス漏れ検出器カートリッジ100は、ユーザの指又は親指が接触するように構成された(すなわち適切なサイズを有し位置決めされた)1つ以上の接触部222を含むことができる。いくつかの例では、ガス漏れ検出器カートリッジ100は、携帯型装置226の1つ以上の第2のガイド部材(図示せず)に取り外し可能に係合するように構成された1つ以上のガイド部材112を更に含むことができる。いくつかの実施形態では、ガス漏れ検出器カートリッジ100を所定の位置にロックするために、例えばねじ等の固定具を使用することができる。
【0047】
図8及び図9にも示したように、携帯型装置226は、本明細書に記載されているように、第1のセクション228及び第2のセクション230を含むハウジングを含むことができる。携帯型装置226は、取り外し可能なガス漏れ検出器カートリッジ100によって生成されて受信されたデータを示すディスプレイ画面234と、本明細書に記載されているように電気回路に入力を提供するユーザ操作ボタン252とを更に含む。ディスプレイ画面234は、第1のセクション228に形成された開口部238によって縁取られている、又は囲まれていてもよい。ディスプレイ画面234は、開口部238と同一平面上であってもよいし、開口部238内に凹んでいてもよい。ディスプレイ画面234は、受け入れたカートリッジ100の種類を示すことができる。
【0048】
ガス漏れ検出器カートリッジ100は、カートリッジハウジング102を含むことができる。ガス漏れ検出器カートリッジ100は、流体入口(又はカートリッジ入口)246(図8に示す)及び流体出口(又はカートリッジ出口)248(図4に示す)を更に含み、流体入口246は、ガス漏れスニファプローブ120と結合するように構成することができる。試料ガスは、ガス漏れスニファプローブ120を通じて流体入口246に導入され、流体出口248から排出され、これにより検出器の動作時の流れの経路が形成される。
【0049】
以下では、変換可能な検出器200を動作させる方法の1つの例について説明する。この例は本明細書に開示される主題の最も広い態様を制限しないことを理解されたい。本方法は、カートリッジの第1の電気コネクタが携帯型装置の第2の電気コネクタに結合されるように、携帯型装置226にカートリッジを取り付けて、携帯型装置226をガス漏れ検出器として動作させることを含む。カートリッジ及び携帯型装置は、本明細書に開示されている例のいずれかに従って構成することができる。いくつかの例では、本方法は、本明細書に記載されているように、カートリッジを携帯型装置のレセプタクル内に移動させることによってカートリッジを取り付けることを含む。いくつかの例では、本方法は、本明細書に記載されているように、ロック又は固定される方法等、カートリッジを携帯型装置内の適切な取り付け位置に保持することを支援する方法で、カートリッジを携帯型装置と係合させることを含む。いくつかの例では、本方法は、本明細書に記載されているように、携帯型装置から1つの種類の検出器カートリッジを取り外して、携帯型装置に別の種類の検出器カートリッジを取り付けることを含む。
【0050】
変換可能な検出器200を動作させる方法の別の例は、カートリッジを携帯型装置のレセプタクル内に移動させ、カートリッジの第1の電気コネクタを携帯型装置の第2の電気コネクタと結合させることによって、携帯型装置226にカートリッジを取り付けて、携帯型装置をガス漏れ検出器として動作させることを含む。汚染物質を含まない試料ガス(すなわち基準ガス)を、カートリッジ入口を通じてガスセンサ144に導入する。プロセッサは、基準抵抗器154と汚染されていない試料ガスとの間の熱交換に基づく基準電圧を測定する。基準電圧は、メモリに記憶することができる。汚染物質を含む試料ガスがカートリッジ入口を通じてセンサに導入された場合、プロセッサは、加熱抵抗器152と、汚染物質を含む可能性のある試料ガスとの間の熱交換によって生じる温度変化(すなわち冷却効果)に起因する加熱抵抗器152の抵抗値の変化により生じる電圧を測定する。次いでプロセッサは、基準電圧と測定された電圧との間の電圧差を求めることができる。電圧差は、存在する場合、試料ガス中に汚染物質が存在することを意味する。さらに電圧差を、濃度テーブルを含み得るEEPROMに送り、漏れ速度を定性的に検出することができる。この漏れ速度を、ディスプレイ画面234にレベル1~レベル8の形で表示することができる。
【0051】
図10は、一例による、携帯型装置226の上面図、すなわちレセプタクル208の中を見下ろした図である。携帯型装置226は、ガス漏れ検出器カートリッジ100(図1に示す)の第1の電気コネクタ110(同じく図1に示す)と取り外し可能に結合する第2の電気コネクタ354を含む。第1の電気コネクタ110は、ガス漏れ検出器カートリッジ100が取り付け位置(図8に示す)にあるときには第2の電気コネクタ354に結合されており、ガス漏れ検出器カートリッジ100が取り外された位置(図9に示す)にあるときには第2の電気コネクタ354から切り離されるか又は結合が解除されている。第2の電気コネクタ354は、レセプタクル208に配置する、又はレセプタクル208の近傍に配置することができる。一般に、第1の電気コネクタ110及び第2の電気コネクタ354は、図1に関連して上述したように、互いに結合されたときに電気的相互接続を提供するのに適した任意の構造を有することができる。
【0052】
図10にも示したように、携帯型装置226は、レセプタクル208と携帯型装置の内部(例えばメインハウジングの第2のセクション230によって囲まれた内部)との間に配置された内壁356を含むことができる。内壁356は、レセプタクル208の底面又は床面として機能する。第2の電気コネクタ354は、内壁356に配置する、又は内壁356の近傍に配置することができる。内壁356は、レセプタクル208と携帯型装置内部との間を仕切る、又は間の境界を提供することができる。上述したように、この境界は、流体密であってもよいし、流体密でなくてもよい。図10はまた、携帯型装置226の上部、かつメインハウジングの第1のセクション228(図8及び図9に示す)の外壁の内側における1つ以上の空間又は開口部372を示している。上述したガス漏れ検出器カートリッジ100の係合部材212b(図9に示す)を、空間(複数の場合もある)372に挿入し、空間(複数の場合もある)372内に配置されている対応する第2の係合部材(複数の場合もある)(図示せず)と係合させることができる。
【0053】
図11は、一例による、携帯型装置226に含まれ得る携帯型装置226の内部アセンブリ400の前面斜視図である。図12は、内部アセンブリ400の後方斜視図である。図示した例では、内部アセンブリ400は、支持構造458(レセプタクル208を少なくとも部分的に画成している)に取り付けられたディスプレイ画面234と、メインPCB460(又はメインボード、又は第1の回路基板)に取り付けられた、又はメインPCB460と通信する第2の電気コネクタ354と、メインPCB460に取り付けられた、又はメインPCB460と通信する電源462(例えば図示したように1つ以上の電池、及び/又は電源接続部)と、メインPCB460に取り付けられた、又はメインPCB460と通信する電子回路464とを含むことができる。電池が利用されるときには、携帯型装置のハウジングは、電池の交換を容易にするための、開閉可能又は取り外し可能なアクセスパネル(図示せず)を含むことができる。上述したように、電子回路464は、メインプロセッサ466、1つ以上のメモリ468等、様々な電子機能を実行するための1つ以上の構成要素を含むことができる。電子回路464は、メインPCB460に取り付けられるか又はメインPCB460と通信する制御PCB470(又は制御基板、又は第2の回路基板)等の別の回路基板を含む、又は別の回路基板上に形成することができる。携帯型装置226内に設けられる回路基板(複数の場合もある)(例えばメインPCB460及び制御基板470)は、第2の電気コネクタ354と様々な電子構成要素(例えば電源462、電子回路464等)との間の信号通信を提供するために必要に応じて構成することができる。
【0054】
図11及び図12は、携帯型装置226に含まれ得る携帯型装置の構成要素の構成の単なる1つの例を示しており、他の多くの構成が可能であることが理解されるであろう。携帯型装置内の構成要素の特定の種類、及び携帯型装置226内のそれらの配置又はレイアウトは、例ごとに異なっていてよい。さらに、携帯型装置の構成要素は、当業者に一般的に知られているタイプのものであってよく、したがって、それらの構造、機能、及び動作については、本明細書で詳細に説明する必要はない。
【0055】
上述した例は、ガス漏れ検出器カートリッジを交換することにより、ガス漏れ検出器の機能を変換可能な携帯型装置に拡張することを可能にするという利点を有する。したがって、ユーザは、流量、ガス漏れ、温度、圧力、pH値、化学物質等の測定を含むがこれらに限定されない、複数の種類の測定のために、単一の携帯型装置を操作することができる。
【0056】
上記の例では、ガス漏れ検出器カートリッジの寸法及び重量を減らすために、小型かつ(マニホールドによって)一体化されたマイクロブロワ及びセンサを説明している。また、このようなガス漏れ検出器の製造に関連する時間及びコストも削減することができる。マイクロブロワは少量の流体流れを必要とするのみであるため、輸送中に導入される試料ガスの拡散、及び応答遅れを低減することができる。したがって、検出の感度及び安定性を向上させることができる。
【0057】
さらに、上述した例は、メンテナンスの問題に関して有利である。カートリッジと携帯型装置が着脱可能であるのみならず、スニファプローブも、損傷した場合には工場で取り外して交換することができる。本開示の構成要素の多くはモジュール式であるため、任意の1つの構成要素の交換が比較的容易である。したがって、本開示は、より信頼性が高く、費用対効果の高い変換可能な携帯型装置を提供する。
【0058】
本開示は広範に解釈されるものとする。本開示は、本明細書に開示されている装置、動作、及び機械的作用を達成するための等価物、手段、システム、及び方法を開示することを意図している。開示されている各装置、物品、方法、手段、機械的要素、又は機構について、本開示は、本明細書に開示されている多くの態様、機構、及び装置を実施するための等価物、手段、システム、及び方法もその開示において包含し、教示することを意図している。さらに、本開示は、本明細書に開示されている動作及び機能の説明及び趣旨と矛盾しない装置及び/又は製品の使用及びその多くの側面の等価物、手段、システム、及び方法を包含することを意図している。本願の請求項は、同様に、広く解釈されるものとする。
【0059】
本明細書における本発明の多くの実施形態の説明は、単に例示的なものであり、したがって、本発明の要旨から逸脱しない変形形態が、本発明の範囲に含まれることが意図される。そのような変形形態は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱するものとはみなされない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】