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特表2023-543321放圧・緩衝保護機能を有する耐衝撃バランスシリンダー
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  • 特表-放圧・緩衝保護機能を有する耐衝撃バランスシリンダー 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-13
(54)【発明の名称】放圧・緩衝保護機能を有する耐衝撃バランスシリンダー
(51)【国際特許分類】
   F16F 9/32 20060101AFI20231005BHJP
   F16F 9/06 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
F16F9/32 U
F16F9/06
F16F9/32 H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023523259
(86)(22)【出願日】2021-04-30
(85)【翻訳文提出日】2023-04-17
(86)【国際出願番号】 CN2021091362
(87)【国際公開番号】W WO2022016949
(87)【国際公開日】2022-01-27
(31)【優先権主張番号】202011425245.0
(32)【優先日】2020-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518411338
【氏名又は名称】山東科技大学
(74)【代理人】
【識別番号】100146374
【弁理士】
【氏名又は名称】有馬 百子
(72)【発明者】
【氏名】万 麗栄
(72)【発明者】
【氏名】于 学輝
(72)【発明者】
【氏名】馬 徳建
(72)【発明者】
【氏名】王 建涛
(72)【発明者】
【氏名】辛 鳳文
(72)【発明者】
【氏名】李 兆基
(72)【発明者】
【氏名】斉 国慶
(72)【発明者】
【氏名】陳 宝龍
【テーマコード(参考)】
3J069
【Fターム(参考)】
3J069AA08
3J069AA53
3J069CC09
3J069CC37
3J069DD20
3J069EE11
(57)【要約】
【要約】
【課題】放圧・緩衝保護機能を有する耐衝撃バランスシリンダーを提供する。
【解決手段】本発明の耐衝撃バランスシリンダーは、シリンダーブロック(11)と、ピストン(13)と、ピストンロッド(14)と、シリンダーブロック(11)に対して摺動する第1のバルブコア(21)及び第2のバルブコア(51)とを含み、2つのバルブコアとシリンダーブロック(11)の対向する両端の内壁との間に、それぞれ密閉された第1のエアキャビティ(22)及び第2のエアキャビティ(52)が形成され、2つのバルブコアとピストン(13)の両端面との間に、それぞれ密閉された第1のオイルキャビティ(32)及び第2のオイルキャビティ(42)が形成され、シリンダーブロック(11)における、第1のオイルキャビティ(32)及び第2のオイルキャビティ(42)に対応する位置に、それぞれ第1のオイルキャビティオイル導入孔(33)及び第2のオイルキャビティオイル導入孔(43)が設置される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放圧・緩衝保護機能を有する耐衝撃バランスシリンダーであって、
シリンダーブロック(11)と、ピストン(13)と、ピストンロッド(14)と、シリンダーブロック(11)に対して摺動する第1のバルブコア(21)及び第2のバルブコア(51)とを含み、
前記第1のバルブコア(21)及び第2のバルブコア(51)と、シリンダーブロック(11)の対向する両端の内壁との間に、それぞれ密閉された第1のエアキャビティ(22)及び第2のエアキャビティ(52)が形成され、
第1のバルブコア(21)及び第2のバルブコア(51)と、ピストン(13)の両端面との間に、それぞれ密閉された第1のオイルキャビティ(32)及び第2のオイルキャビティ(42)が形成され、
前記シリンダーブロック(11)における、第1のオイルキャビティ(32)及び第2のオイルキャビティ(42)に対応する位置に、それぞれ第1のオイルキャビティオイル導入孔(33)及び第2のオイルキャビティオイル導入孔(43)が設置される、
ことを特徴とする放圧・緩衝保護機能を有する耐衝撃バランスシリンダー。
【請求項2】
前記シリンダーブロック(11)には、それぞれ第1のエアキャビティ(22)及び第2のエアキャビティ(52)と連通する第1のエアキャビティ逆止弁(25)及び第2のエアキャビティ逆止弁(55)が取り付けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の放圧・緩衝保護機能を有する耐衝撃バランスシリンダー。
【請求項3】
前記第1のバルブコア(21)の両側にあるシリンダーブロック(11)の内壁に、それぞれ第1のエアキャビティ位置決めボス(23)及び第1のオイルキャビティ位置決めボス(31)が設置され、
第2のバルブコア(51)の両側にあるシリンダーブロック(11)の内壁に、それぞれ第2のエアキャビティ位置決めボス(53)及び第2のオイルキャビティ位置決めボス(41)が設置され、
前記第1のエアキャビティ位置決めボス(23)及び第2のエアキャビティ位置決めボス(53)は、それぞれシリンダーブロック(11)の端面に接近して設置される、
ことを特徴とする請求項1に記載の放圧・緩衝保護機能を有する耐衝撃バランスシリンダー。
【請求項4】
前記第1のエアキャビティ位置決めボス(23)、第1のオイルキャビティ位置決めボス(31)、第2のオイルキャビティ位置決めボス(41)及び第2のエアキャビティ位置決めボス(53)は、それぞれ環状ボスであり、
且つそれぞれシリンダーブロック(11)と一体成形されている、
ことを特徴とする請求項3に記載の放圧・緩衝保護機能を有する耐衝撃バランスシリンダー。
【請求項5】
前記シリンダーブロック(11)における、第1のバルブコア(21)及び第2のバルブコア(51)に対応する位置に、それぞれ第1のオイルキャビティオイル排出孔(34)及び第2のオイルキャビティオイル排出孔(44)が設置され、
第1のバルブコア(21)及び第2のバルブコア(51)がそれぞれ第1のエアキャビティ位置決めボス(23)及び第2のエアキャビティ位置決めボス(53)と当接する時に、前記第1のオイルキャビティオイル排出孔(34)及び第2のオイルキャビティオイル排出孔(44)は、それぞれ第1のオイルキャビティ(32)及び第2のオイルキャビティ(42)と連通する、
ことを特徴とする請求項3に記載の放圧・緩衝保護機能を有する耐衝撃バランスシリンダー。
【請求項6】
前記第1のエアキャビティ(22)及び第2のエアキャビティ(52)内にそれぞれ減衰素子が設置され、
前記減衰素子は、それぞれシリンダーブロック(11)の両端の内壁に設置される、
ことを特徴とする請求項1に記載の放圧・緩衝保護機能を有する耐衝撃バランスシリンダー。
【請求項7】
前記減衰素子は、第1のエアキャビティ(22)における第1のエアキャビティ皿ばね(24)及び第2のエアキャビティ(52)における第2のエアキャビティ皿ばね(54)である、
ことを特徴とする請求項6に記載の放圧・緩衝保護機能を有する耐衝撃バランスシリンダー。
【請求項8】
前記第1のエアキャビティ皿ばね(24)の両端は、それぞれシリンダーブロック(11)の内壁及び第1のバルブコア(21)に当接し、第2のエアキャビティ皿ばね(54)の両端は、それぞれシリンダーブロック(11)の内壁及び第2のバルブコア(51)に当接する、
ことを特徴とする請求項7に記載の放圧・緩衝保護機能を有する耐衝撃バランスシリンダー。
【請求項9】
前記シリンダーブロック(11)と、第1のバルブコア(21)及び第2のバルブコア(51)との接触箇所にバルブコアシールリングが設置され、
前記ピストン(13)とシリンダーブロック(11)との接触箇所にピストンシールリングが設置され、前記ピストンロッド(14)と、第2のバルブコア(51)及びシリンダーブロック(11)との接触箇所にそれぞれピストンロッドシールリングが設置される、
ことを特徴とする請求項1に記載の放圧・緩衝保護機能を有する耐衝撃バランスシリンダー。
【請求項10】
前記シリンダーブロック(11)のピストンロッド(14)から離れた端にシリンダーブロック連結穴(12)が設置され、ピストンロッド(14)の自由端の末端にピストンロッド連結穴(15)が設置される、
ことを特徴とする請求項1に記載の放圧・緩衝保護機能を有する耐衝撃バランスシリンダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧機器の分野、特に放圧・緩衝保護機能を有する耐衝撃バランスシリンダーに関する。
【背景技術】
【0002】
バランスジャッキは、支持式油圧ブラケットがトップビームの角度、支持力、カット力を制御する重要な部材であり、バランスジャッキ配置の優劣は、ブラケットの受力状態及び作動性能に直接影響する。従来の油圧ブラケットがトッププレートの衝撃と地圧作用を受けると、バランスジャッキも一定の衝撃作用を受け、衝撃作用が大きすぎると、主に外部の安全弁による放圧により緩衝保護を実現するが、実際の使用過程において、油圧ブラケットが重荷重衝撃を受け、バランスジャッキの安全弁が適時に開かなければ、バランスジャッキ又はそれに接続されたシートに所定の損傷を与えることになり、支持式油圧ブラケットバランスジャッキのその特有の役割を失わせるだけでなく、坑内の正常な生産と鉱員の安全に直接影響する。特に超大採掘且つ複雑な衝撃地圧の作動面において、該問題は日増しに際立ち、現代化鉱山の高収量且つ高効率生産に影響を与える重要な要素の1つである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記課題を解決することを目的とし、放圧・緩衝保護機能を有する耐衝撃バランスシリンダーを提供し、その採用する技術的解決手段は、いかのとおりである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
放圧・緩衝保護機能を有する耐衝撃バランスシリンダーであって、シリンダーブロックと、ピストンと、ピストンロッドと、シリンダーブロックに対して摺動する第1のバルブコア及び第2のバルブコアとを含み、前記第1のバルブコア及び第2のバルブコアとシリンダーブロックの対向する両端の内壁との間に、それぞれ密閉された第1のエアキャビティ及び第2のエアキャビティが形成され、第1のバルブコア及び第2のバルブコアと、ピストンの両端面との間に、それぞれ密閉された第1のオイルキャビティ及び第2のオイルキャビティが形成され、前記シリンダーブロックにおける、第1のオイルキャビティ及び第2のオイルキャビティに対応する位置に、それぞれ第1のオイルキャビティオイル導入孔及び第2のオイルキャビティオイル導入孔が設置される。
【0005】
上記技術的解決手段に基づいて、前記シリンダーブロックには、それぞれ第1のエアキャビティ及び第2のエアキャビティと連通する第1のエアキャビティ逆止弁及び第2のエアキャビティ逆止弁が取り付けられている。
【0006】
好ましくは、前記第1のバルブコアの両側にあるシリンダーブロックの内壁に、それぞれ第1のエアキャビティ位置決めボス及び第1のオイルキャビティ位置決めボスが設置され、第2のバルブコアの両側にあるシリンダーブロックの内壁に、それぞれ第2のエアキャビティ位置決めボス及び第2のオイルキャビティ位置決めボスが設置され、前記第1のエアキャビティ位置決めボス及び第2のエアキャビティ位置決めボスは、それぞれシリンダーブロックの端面に接近して設置される。
【0007】
上記技術的解決手段に基づいて、前記第1のエアキャビティ位置決めボス、第1のオイルキャビティ位置決めボス、第2のオイルキャビティ位置決めボス及び第2のエアキャビティ位置決めボスは、それぞれ環状ボスであり、且つそれぞれシリンダーブロックと一体成形されている。
【0008】
好ましくは、前記シリンダーブロックにおける第1のバルブコア及び第2のバルブコアに対応する位置に、それぞれ第1のオイルキャビティオイル排出孔及び第2のオイルキャビティオイル排出孔が設置され、第1のバルブコア及び第2のバルブコアがそれぞれ第1のエアキャビティ位置決めボス及び第2のエアキャビティ位置決めボスと当接する時に、前記第1のオイルキャビティオイル排出孔及び第2のオイルキャビティオイル排出孔は、それぞれ第1のオイルキャビティ及び第2のオイルキャビティと連通する。
【0009】
好ましくは、前記第1のエアキャビティ及び第2のエアキャビティ内にそれぞれ減衰素子が設置され、前記減衰素子は、それぞれシリンダーブロックの両端の内壁に設置される。
【0010】
上記技術的解決手段に基づいて、前記減衰素子は、第1のエアキャビティにおける第1のエアキャビティ皿ばね及び第2のエアキャビティにおける第2のエアキャビティ皿ばねである。
【0011】
上記技術的解決手段に基づいて、前記第1のエアキャビティ皿ばねの両端は、それぞれシリンダーブロックの内壁及び第1のバルブコアに当接し、第2のエアキャビティ皿ばね両端は、それぞれシリンダーブロックの内壁及び第2のバルブコアに当接する。
【0012】
好ましくは、前記シリンダーブロックと、第1のバルブコア及び第2のバルブコアとの接触箇所にバルブコアシールリングが設置され、前記ピストンとシリンダーブロックとの接触箇所にピストンシールリングが設置され、前記ピストンロッドと、第2のバルブコア及びシリンダーブロックとの接触箇所にそれぞれピストンロッドシールリングが設置される。
【0013】
好ましくは、前記シリンダーブロックのピストンロッドから離れた端にシリンダーブロック連結穴が設置され、ピストンロッドの自由端の末端にピストンロッド連結穴が設置される。
【発明の効果】
【0014】
本発明の有益な効果は、以下のとおりである。
【0015】
1.本技術的解決手段は、緩衝及び放圧機能を有するバランスシリンダーを提供し、油圧ブラケットの油圧システムに緩衝装置を単独で追加する必要がなく、構造を簡略化させ。
2.シリンダーブロック内の圧力が大きすぎ且つ安全弁が開いていない時、シリンダーブロックにおけるオイル排出孔のリリーフ作用により安全かつ安定的な放圧を実現し、圧力が定格値まで低下した時に、リリーフを停止させ、オイルキャビティの圧力を保持し、バルブコアをリセットさせ、高圧エアキャビティと皿ばねの嵌合作用によりシリンダーに対して緩衝の目的を果たし、緩衝過程の安定性及び信頼性を高める。
3.油圧ブラケットにおけるバランスジャッキの代わりに動作可能であり、シリンダーブロックが重荷重衝撃を受けたり、突出する過程で引っ張りすぎたり、オイルキャビティの圧力が高すぎたり、安全弁が適時に開くことができなかったりする場合、エアキャビティにおける高圧ガス及び皿ばねにより、多段の緩衝及び迅速なリリーフアンロードの作用を果たし、緩衝効果及び緩衝力を強化させ、リリーフ弁が適時に開くことができないことに起因するピストンロッドの折れやシリンダーブロックの損傷を効果的に防止することができ、シリンダー作動の安全性を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の正面視構造の断面図である。
図2】本発明の平面視構造の断面図である。
図3】本発明の適用される油圧システムの図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面と実施例を参照して本発明をさらに説明する。
本発明において、特に明確な規定と限定がない限り、用語「取付」、「接続」、「連結」、「固定」などの用語は広義に理解されるべきであり、例えば、固定連結であってもよく、取り外し可能な連結であってもよく、または一体になっていてもよく、さらに直接的な接続であってもよく、中間媒体を介する間接的な接続であってもよく、2つの要素の内部の連通や2つの要素の相互作用関係であってもよい。当業者であれば、本発明における上記用語の具体的な意味を具体的な状況に応じて理解することができる。
【0018】
本発明の説明において、理解すべきこととして、用語「中心」、「長さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」などが示す方位または位置関係は、図面に示す方位または位置関係に基づくものであり、本発明の説明を容易にし、説明を簡略化するためのものに過ぎず、示される装置又は要素が必ずしも特定の方位を有したり、特定の方位で構成され、操作されたりしなければならないことを示す又は示唆するものではないため、本発明に対する位置決めと理解してはならない。また、用語「第1」、「第2」は説明の目的のためだけに使用され、相対的な重要性を示すまたは示唆したり、示された技術的特徴の数を暗示的に示したりすると理解してはならない。したがって、「第1」、「第2」に限定された特徴は、1つまたは複数の特徴を明示的または暗示的に含むことができる。本発明の説明において、特に説明がない限り、「複数」とは2つ以上を意味する。
【0019】
本発明において、特に明確な規定及び限定がない限り、第1の特徴が第2の特徴の「上」又は「下」にあることは、第1の特徴が第2の特徴と直接接触することを含んでもよく、第1の特徴が第2の特徴と直接接触ではなく、それらの間の他の特徴を介して接触することを含んでもよい。また、第1の特徴が第2の特徴の「上」、「上方」及び「上面」にあることは、第1の特徴が第2の特徴の真上及び斜め上にあることを含み、又は第1の特徴の水平高さが第2の特徴よりも高いことを示すにすぎない。第1の特徴が第2の特徴の「下」、「下方」及び「下面」にあることは、第1の特徴が第2の特徴の真下及び斜め下にあることを含み、又は第1の特徴の水平高さが第2の特徴よりも低いことを示すにすぎない。
【0020】
図1及び図2に示すように、放圧・緩衝保護機能を有する耐衝撃バランスシリンダーであって、シリンダーブロック11と、ピストン13と、ピストンロッド14と、シリンダーブロック11に対して摺動する第1のバルブコア21及び第2のバルブコア51とを含み、ピストン13とピストンロッド14とは、溶接などの方式を用いて固定して連結され、前記第1のバルブコア21及び第2のバルブコア51と、シリンダーブロック11の対向する両端の内壁との間に、それぞれ密閉された第1のエアキャビティ22及び第2のエアキャビティ52が形成され、シリンダーブロック11には、それぞれ第1のエアキャビティ22及び第2のエアキャビティ52と連通する、エアキャビティにガスを導入してエアキャビティの圧力を調整するための第1のエアキャビティ逆止弁25及び第2のエアキャビティ逆止弁55が取り付けられている。第1のバルブコア21及び第2のバルブコア51と、ピストン13の両端面との間に、それぞれ密閉された第1のオイルキャビティ32及び第2のオイルキャビティ42が形成され、前記シリンダーブロック11における、第1のオイルキャビティ32及び第2のオイルキャビティ42に対応する位置には、オイルを導入又は排出するための第1のオイルキャビティオイル導入孔33及び第2のオイルキャビティオイル導入孔43がそれぞれ設置される。オイルキャビティ及びエアキャビティにおける作動油及びガスの密度を調整することで、エアキャビティ内の圧力がオイルキャビティにおける圧力よりも大きくなり、通常の油圧システムの圧力下で、シリンダーがピストンロッドを正常に動作するように押すことができることを確保する。オイルキャビティ圧力が大きすぎると、移動するようにバルブコアを押し、それによりオイルキャビティの体積を増加させ、オイルキャビティ内のオイル圧力を減少させ、緩衝作用を果たす。シリンダーの緩衝作用の有効性及び信頼性を向上させるために、前記第1のエアキャビティ22及び第2のエアキャビティ52内にそれぞれ減衰素子が設置され、前記減衰素子は、それぞれシリンダーブロック11の両端の内壁に設置され、エアキャビティ内のガス圧力及び減衰素子によりバルブコアに対してバリア作用を果たす。シリンダーの内部圧力が大きいことを考慮し、前記減衰素子は、第1のエアキャビティ22における第1のエアキャビティ皿ばね24及び第2のエアキャビティ52における第2のエアキャビティ皿ばね54であり、荷重が大きくて必要な空間が小さいという皿ばねの特徴により、エアキャビティにおけるガス圧力と共同でバルブコアに作用することができる。一方で、エアキャビティの密封が故障して高圧ガスが漏れれば、バルブコアは、皿ばねの単独作用の下で緩衝作用を果たすことができる。それにより、多段緩衝の効果を果たし、緩衝力を向上させ、シリンダーに対する保護効果を強化させる。皿ばねの緩衝効果を向上させるために、第1のエアキャビティ皿ばね24の両端は、それぞれシリンダーブロック11の内壁及び第1のバルブコア21と当接し、第2のエアキャビティ皿ばね54の両端は、それぞれシリンダーブロック11の内壁及び第2のバルブコア51と当接する。
【0021】
バルブコアの変位範囲を制限するために、第1のバルブコア21の両側にあるシリンダーブロック11の内壁にそれぞれ第1のエアキャビティ位置決めボス23及び第1のオイルキャビティ位置決めボス31が設置され、第2のバルブコア51の両側にあるシリンダーブロック11の内壁にそれぞれ第2のエアキャビティ位置決めボス53及び第2のオイルキャビティ位置決めボス41が設置され、前記第1のエアキャビティ位置決めボス23及び第2のエアキャビティ位置決めボス53は、それぞれシリンダーブロック11の端面に接近して設置され、エアキャビティ逆止弁のシリンダーブロック11の端部から離れた側に設置され、バルブコアが移動する時に、逆止弁の通気を阻害することを防止し、バルブコアの移動範囲に対して剛性位置決めをする。第1のエアキャビティ位置決めボス23、第1のオイルキャビティ位置決めボス31、第2のオイルキャビティ位置決めボス41及び第2のエアキャビティ位置決めボス53は、それぞれ環状ボスであり、且つそれぞれシリンダーブロック11と一体成形されていることで、ボスのバルブコアに対する位置決め効果を向上させる。前記シリンダーブロック11における第1のバルブコア21及び第2のバルブコア51に対応する位置にそれぞれ第1のオイルキャビティオイル排出孔34及び第2のオイルキャビティオイル排出孔44が設置され、第1のバルブコア21及び第2のバルブコア51がそれぞれ第1のエアキャビティ位置決めボス23及び第2のエアキャビティ位置決めボス53と当接する時に、前記第1のオイルキャビティオイル排出孔34及び第2のオイルキャビティオイル排出孔44は、それぞれ第1のオイルキャビティ32及び第2のオイルキャビティ42と連通する。オイルキャビティにおける圧力がエアキャビティの圧力より大きい時、エアキャビティの方向へ移動するようにバルブコアを押し、第1のオイルキャビティオイル排出孔34及び第2のオイルキャビティオイル排出孔44を露出させる時、オイルキャビティ内のオイルは、オイル排出孔を介して排出され、それにより放圧の作用を果たす。
【0022】
前記シリンダーブロック11と、第1のバルブコア21及び第2のバルブコア51との接触箇所にバルブコアシールリングが設置され、前記ピストン13とシリンダーブロック11との接触箇所にピストンシールリングが設置され、ピストンロッド14とシリンダーブロック11との接触箇所にガイドリング及びピストンシールリングが設置され、第2のバルブコア51とシリンダーブロック11との接触箇所にバルブコアシールリングが設置され、シールリングを追加することで、摺動面間の接触を減少させ、摩擦を減少させるとともに、接触面間の密封性を高める。前記シリンダーブロック11のピストンロッド14から離れた端にシリンダーブロック連結穴12が設置され、ピストンロッド14の自由端の末端に、取り付けて連結するためのピストンロッド連結穴15が設置される。
【0023】
使用時、シリンダーが位置する油圧装置は、図3に示され、実際の作動需要に応じて、計算により、シリンダーにおけるエアキャビティとオイルキャビティの圧力を決定し、第1のエアキャビティ逆止弁25及び第2のエアキャビティ逆止弁55を介してそれぞれ第1のエアキャビティ22及び第2のエアキャビティ52内に所定の圧力のガスを充填する。第1のオイルキャビティ32及び第2のオイルキャビティ42は、それぞれ第1のパイロット逆止弁63及び第2のパイロット逆止弁64を介して方向切換弁65と連通し、第1のオイルキャビティオイル排出孔34及び第2のオイルキャビティオイル排出孔44は、それぞれ第1のリリーフ逆止弁61及び第2のリリーフ逆止弁62と連通する。第1のオイルキャビティ32のオイル注入を例とし、油圧ポンプ66は、作動油を第1のオイルキャビティ32にポンピングし、油圧ブラケットが衝撃作用を受け且つパイロット逆止弁に連結された安全弁が適時に開かない時、第1のバルブコア21は、第1のオイルキャビティ32における高圧油液の作用下で第1のエアキャビティ22の方向へ移動し、第1のエアキャビティ22及び第1のエアキャビティ皿ばね24を圧縮し、第1のオイルキャビティ32の体積を増加させ、迅速且つ安定な緩衝作用を果たす。第1のオイルキャビティオイル排出孔34が開くまで第1のバルブコア21が移動すると、第1のオイルキャビティ32における作動油は、第1のリリーフ逆止弁61を介してこぼれ、それにより放圧の効果を果たす。同時に、逆止弁の作用により、リリーフ過程において外部のガス又は不純物がオイルキャビティに入ることを防止する。第1のオイルキャビティ32における油圧を一定の圧力に落ち着いた後、又は安全弁が開いてオイルの排出が完了し後、第1のバルブコア21は、第1のエアキャビティ22における高圧ガス及び第1のエアキャビティ皿ばね24の作用下でピストン13の方向へ移動することで、第1のバルブコア21は、第1のオイルキャビティオイル排出孔34を完全に遮蔽し、リリーフを停止し、オイルキャビティの圧力を保持する。第2のオイルキャビティ42にオイルを注入する時、シリンダーの作動原理及び過程は、上述した過程に類似し、ここで繰り返し述べない。
【0024】
以上、例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の具体的な実施例に限定されるものではなく、本発明に基づいて行われたいかなる変更または変形も本発明が保護する範囲に属する。

図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2023-04-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放圧・緩衝保護機能を有する耐衝撃バランスシリンダーであって、
シリンダーブロック(11)と、ピストン(13)と、ピストンロッド(14)と、シリンダーブロック(11)に対して摺動する第1のバルブコア(21)及び第2のバルブコア(51)とを含み、
前記第1のバルブコア(21)及び第2のバルブコア(51)と、シリンダーブロック(11)の対向する両端の内壁との間に、それぞれ密閉された第1のエアキャビティ(22)及び第2のエアキャビティ(52)が形成され、
第1のバルブコア(21)及び第2のバルブコア(51)と、ピストン(13)の両端面との間に、それぞれ密閉された第1のオイルキャビティ(32)及び第2のオイルキャビティ(42)が形成され、
前記シリンダーブロック(11)における、第1のオイルキャビティ(32)及び第2のオイルキャビティ(42)に対応する位置に、それぞれ第1のオイルキャビティオイル導入孔(33)及び第2のオイルキャビティオイル導入孔(43)が設置され
前記第1のバルブコア(21)の両側にあるシリンダーブロック(11)の内壁に、それぞれ第1のエアキャビティ位置決めボス(23)及び第1のオイルキャビティ位置決めボス(31)が設置され、
第2のバルブコア(51)の両側にあるシリンダーブロック(11)の内壁に、それぞれ第2のエアキャビティ位置決めボス(53)及び第2のオイルキャビティ位置決めボス(41)が設置され、
前記第1のエアキャビティ位置決めボス(23)及び第2のエアキャビティ位置決めボス(53)は、それぞれシリンダーブロック(11)の端面に接近して設置され、
前記シリンダーブロック(11)における、第1のバルブコア(21)及び第2のバルブコア(51)に対応する位置に、それぞれ第1のオイルキャビティオイル排出孔(34)及び第2のオイルキャビティオイル排出孔(44)が設置され、
第1のバルブコア(21)及び第2のバルブコア(51)がそれぞれ第1のエアキャビティ位置決めボス(23)及び第2のエアキャビティ位置決めボス(53)と当接する時に、前記第1のオイルキャビティオイル排出孔(34)及び第2のオイルキャビティオイル排出孔(44)は、それぞれ第1のオイルキャビティ(32)及び第2のオイルキャビティ(42)と連通する、
ことを特徴とする放圧・緩衝保護機能を有する耐衝撃バランスシリンダー。
【請求項2】
前記シリンダーブロック(11)には、それぞれ第1のエアキャビティ(22)及び第2のエアキャビティ(52)と連通する第1のエアキャビティ逆止弁(25)及び第2のエアキャビティ逆止弁(55)が取り付けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の放圧・緩衝保護機能を有する耐衝撃バランスシリンダー。
【請求項3】
前記第1のエアキャビティ位置決めボス(23)、第1のオイルキャビティ位置決めボス(31)、第2のオイルキャビティ位置決めボス(41)及び第2のエアキャビティ位置決めボス(53)は、それぞれ環状ボスであり、
且つそれぞれシリンダーブロック(11)と一体成形されている、
ことを特徴とする請求項に記載の放圧・緩衝保護機能を有する耐衝撃バランスシリンダー。
【請求項4】
前記第1のエアキャビティ(22)及び第2のエアキャビティ(52)内にそれぞれ減衰素子が設置され、
前記減衰素子は、それぞれシリンダーブロック(11)の両端の内壁に設置される、
ことを特徴とする請求項1に記載の放圧・緩衝保護機能を有する耐衝撃バランスシリンダー。
【請求項5】
前記減衰素子は、第1のエアキャビティ(22)における第1のエアキャビティ皿ばね(24)及び第2のエアキャビティ(52)における第2のエアキャビティ皿ばね(54)である、
ことを特徴とする請求項に記載の放圧・緩衝保護機能を有する耐衝撃バランスシリンダー。
【請求項6】
前記第1のエアキャビティ皿ばね(24)の両端は、それぞれシリンダーブロック(11)の内壁及び第1のバルブコア(21)に当接し、第2のエアキャビティ皿ばね(54)の両端は、それぞれシリンダーブロック(11)の内壁及び第2のバルブコア(51)に当接する、
ことを特徴とする請求項に記載の放圧・緩衝保護機能を有する耐衝撃バランスシリンダー。
【請求項7】
前記シリンダーブロック(11)と、第1のバルブコア(21)及び第2のバルブコア(51)との接触箇所にバルブコアシールリングが設置され、
前記ピストン(13)とシリンダーブロック(11)との接触箇所にピストンシールリングが設置され、前記ピストンロッド(14)と、第2のバルブコア(51)及びシリンダーブロック(11)との接触箇所にそれぞれピストンロッドシールリングが設置される、
ことを特徴とする請求項1に記載の放圧・緩衝保護機能を有する耐衝撃バランスシリンダー。
【請求項8】
前記シリンダーブロック(11)のピストンロッド(14)から離れた端にシリンダーブロック連結穴(12)が設置され、ピストンロッド(14)の自由端の末端にピストンロッド連結穴(15)が設置される、
ことを特徴とする請求項1に記載の放圧・緩衝保護機能を有する耐衝撃バランスシリンダー。
【国際調査報告】