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特表2023-543361NEUROD1及びDLX2ベクター
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-13
(54)【発明の名称】NEUROD1及びDLX2ベクター
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/864 20060101AFI20231005BHJP
   C12N 15/12 20060101ALI20231005BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20231005BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20231005BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20231005BHJP
   A61P 7/02 20060101ALI20231005BHJP
   A61P 19/00 20060101ALI20231005BHJP
   A61P 31/00 20060101ALI20231005BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20231005BHJP
   A61P 17/02 20060101ALI20231005BHJP
   A61P 25/08 20060101ALI20231005BHJP
   A61P 25/14 20060101ALI20231005BHJP
   A61P 21/04 20060101ALI20231005BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20231005BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20231005BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20231005BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20231005BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20231005BHJP
   A61K 35/76 20150101ALI20231005BHJP
   A61K 38/17 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
C12N15/864 100Z
C12N15/12 ZNA
A61P29/00
A61P13/12
A61P9/10
A61P7/02
A61P19/00
A61P31/00
A61P35/00
A61P17/02
A61P25/08
A61P25/14
A61P21/04
A61P25/16
A61P25/28
A61P25/00
A61P43/00 105
A61K48/00
A61K35/76
A61K38/17
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023544179
(86)(22)【出願日】2021-09-28
(85)【翻訳文提出日】2023-05-24
(86)【国際出願番号】 US2021052348
(87)【国際公開番号】W WO2022072322
(87)【国際公開日】2022-04-07
(31)【優先権主張番号】63/084,945
(32)【優先日】2020-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/247,442
(32)【優先日】2021-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
2.Alexa Fluor
(71)【出願人】
【識別番号】523113881
【氏名又は名称】ニューエクセル・セラピューティクス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】NeuExcell Therapeutics Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100138911
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻井 陽子
(74)【代理人】
【識別番号】100218268
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】シュー,ジエ
【テーマコード(参考)】
4C084
4C087
【Fターム(参考)】
4C084AA02
4C084AA13
4C084BA44
4C084DC50
4C084MA52
4C084MA56
4C084MA58
4C084MA59
4C084MA65
4C084MA66
4C084NA13
4C084NA14
4C084ZA011
4C084ZA012
4C084ZA021
4C084ZA022
4C084ZA061
4C084ZA062
4C084ZA161
4C084ZA162
4C084ZA221
4C084ZA222
4C084ZA361
4C084ZA362
4C084ZA401
4C084ZA402
4C084ZA541
4C084ZA542
4C084ZA811
4C084ZA812
4C084ZA941
4C084ZA942
4C084ZA961
4C084ZA962
4C084ZB111
4C084ZB112
4C084ZB211
4C084ZB212
4C084ZB261
4C084ZB262
4C084ZB311
4C084ZB312
4C087AA01
4C087AA02
4C087BC83
4C087MA56
4C087MA58
4C087MA59
4C087MA65
4C087MA66
4C087NA13
4C087NA14
4C087ZA01
4C087ZA02
4C087ZA06
4C087ZA16
4C087ZA22
4C087ZA36
4C087ZA40
4C087ZA54
4C087ZA81
4C087ZA94
4C087ZA96
4C087ZB11
4C087ZB21
4C087ZB26
4C087ZB31
(57)【要約】
本開示は、AAVベクターにおけるNeuroD1及びDlx2コード配列の使用によるグリア細胞のニューロンへの変換に関連するAAVベクター、組成物、及び方法に関する。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号6の核酸配列を含むヒト神経原性分化1(hNeuroD1)配列及び配列番号13の核酸配列を含むヒトdistal-lessホメオボックス2(hDlx2)配列を含むアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターであって、前記hNeuroD1配列及び前記hDlx2配列が、(i)配列番号15及び18からなる群から選択される核酸配列を含むP2Aリンカー、(ii)配列番号16及び19からなる群から選択される核酸配列を含むT2Aリンカー、又は(iii)配列番号3を含む脳心筋炎ウイルスの内部リボソーム進入部位(IRES)配列によって分離され、前記hNeuroD1配列及び前記hDlx2配列が、
(a)配列番号4、12、及び26からなる群から選択される核酸配列を含むグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターと、
(b)配列番号2の核酸配列を含むヒト伸長因子-1α(EF1-α)プロモーターからのエンハンサー又は配列番号11の核酸配列を含むサイトメガロウイルス(CMV)エンハンサーと、
(c)配列番号5及び27からなる群から選択される核酸配列を含むキメライントロンと、
(d)配列番号7及び29からなる群から選択される核酸配列を含むウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、
(e)配列番号8の核酸配列を含むSV40ポリアデニル化シグナル配列、配列番号17の核酸配列を含むhGHポリアデニル化配列、又は配列番号30の核酸配列を含むbGHポリアデニル化配列と、を含む調節エレメントに作動可能に連結される、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター。
【請求項2】
配列番号10のアミノ酸コード配列を含むヒト神経原性分化1(hNeuroD1)タンパク質をコードする核酸配列及び配列番号14のアミノ酸配列を含むヒトdistal-lessホメオボックス2(hDlx2)タンパク質をコードする核酸コード配列を含むアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターであって、前記hNeuroD1コード配列及び前記hDlx2コード配列が、(i)配列番号15及び18からなる群から選択される核酸配列を含むP2Aリンカー、(ii)配列番号16及び19からなる群から選択される核酸配列を含むT2Aリンカー、又は(iii)配列番号3を含む脳心筋炎ウイルスの内部リボソーム進入部位(IRES)配列によって分離され、前記hNeuroD1コード配列及び前記hDlx2コード配列が、
(a)配列番号4、12、及び26からなる群から選択される核酸配列を含むグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターと、
(b)配列番号2の核酸配列を含むヒト伸長因子-1α(EF1-α)プロモーターからのエンハンサー又は配列番号11の核酸配列を含むサイトメガロウイルス(CMV)エンハンサーと、
(c)配列番号5及び27からなる群から選択される核酸配列を含むキメライントロンと、
(d)配列番号7及び29からなる群から選択される核酸配列を含むウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、
(e)配列番号8の核酸配列を含むSV40ポリアデニル化シグナル配列、配列番号17の核酸配列を含むhGHポリアデニル化配列、又は配列番号30の核酸配列を含むbGHポリアデニル化配列と、を含む調節エレメントに作動可能に連結される、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター。
【請求項3】
神経原性分化1(NeuroD1)タンパク質をコードするNeuroD1核酸コード配列及びdistal-lessホメオボックス2(Dlx2)タンパク質をコードするDlx2核酸コード配列を含むアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターであって、前記NeuroD1コード配列及び前記Dlx2コード配列が、リンカー配列によって分離され、前記NeuroD1コード配列及び前記Dlx2コード配列が、
(a)グリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターと、
(b)エンハンサーと、
(c)キメライントロンと、
(d)ウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、
(e)ポリアデニル化シグナル配列と、を含む調節エレメントに作動可能に連結される、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター。
【請求項4】
ヒトにおいて、グリア細胞を機能的なニューロンに変換するためのアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを含む組成物であって、前記AAVベクターが、配列番号6の核酸配列を有するヒト神経原性分化1(hNeuroD1)配列及び配列番号13の核酸配列を有するヒトdistal-lessホメオボックス2(hDlx2)配列を含み、前記hNeuroD1配列及び前記hDlx2配列が、(i)配列番号15及び18からなる群から選択される核酸配列を含むP2Aリンカー、(ii)配列番号16及び19からなる群から選択される核酸配列を含むT2Aリンカー、又は(iii)配列番号3を含む脳心筋炎ウイルスの内部リボソーム進入部位(IRES)配列によって分離され、前記hNeuroD1配列及び前記hDlx2配列が、
(a)配列番号4、12、及び26からなる群から選択される核酸配列を含むヒトグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターと、
(b)配列番号2の核酸配列を含むヒト伸長因子-1α(EF-1α)プロモーターからのエンハンサー又は配列番号11の核酸配列を含むサイトメガロウイルス(CMV)エンハンサーと、
(c)配列番号5及び27からなる群から選択される核酸配列を含むキメライントロンと、
(d)配列番号7及び29からなる群から選択される核酸配列を含むウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、
(e)配列番号8の核酸配列を含むSV40ポリアデニル化シグナル配列、配列番号17の核酸配列を含むhGHポリアデニル化配列、又は配列番号30の核酸配列を含むbGHポリアデニル化配列と、を含む調節エレメントに作動可能に連結される、組成物。
【請求項5】
ヒトにおいて、グリア細胞を機能的なニューロンに変換するためのアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを含む組成物であって、前記AAVベクターが、配列番号10のアミノ酸配列を含むヒト神経原性分化1(hNeuroD1)タンパク質をコードする核酸コード配列及び配列番号14のアミノ酸配列を含むヒトdistal-lessホメオボックス2(hDlx2)タンパク質をコードする核酸コード配列を含み、前記hNeuroD1コード配列及び前記hDlx2コード配列が、(i)配列番号15及び18からなる群から選択される核酸配列を含むP2Aリンカー、(ii)配列番号16及び19からなる群から選択される核酸配列を含むT2Aリンカー、又は(iii)配列番号3を含む脳心筋炎ウイルスの内部リボソーム進入部位(IRES)配列によって分離され、前記hNeuroD1コード配列及び前記hDlx2コード配列が、
(a)配列番号4、12、及び26からなる群から選択される核酸配列を含むヒトグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターと、
(b)配列番号2の核酸配列を含むヒト伸長因子-1α(EF-1α)プロモーターからのエンハンサー又は配列番号11の核酸配列を含むサイトメガロウイルス(CMV)エンハンサーと、
(c)配列番号5及び27からなる群から選択される核酸配列を含むキメライントロンと、
(d)配列番号7及び29からなる群から選択される核酸配列を含むウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、
(e)配列番号8の核酸配列を含むSV40ポリアデニル化シグナル配列、配列番号17の核酸配列を含むhGHポリアデニル化配列、又は配列番号30の核酸配列を含むbGHポリアデニル化配列と、を含む調節エレメントに作動可能に連結される、組成物。
【請求項6】
治療を必要とする対象における治療のためのアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを含む組成物であって、前記AAVベクターが、神経原性分化1(NeuroD1)配列及びdistal-lessホメオボックス2(Dlx2)配列を含み、前記NeuroD1配列及び前記Dlx2配列が、リンカー配列によって分離され、前記NeuroD1配列及びDlx2配列が、
(a)グリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターと、
(b)エンハンサーと、
(c)キメライントロンと、
(d)ウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、
(e)ポリアデニル化シグナルと、を含む発現制御エレメントに作動可能に連結される、組成物。
【請求項7】
前記AAVベクターが、AAV血清型2、AAV血清型5、及びAAV血清型9からなる群から選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載のAAVベクター、又は請求項4~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記AAVベクターが、AAV血清型2である、請求項7に記載のAAVベクター又は組成物。
【請求項9】
前記AAVベクターが、AAV血清型5である、請求項7に記載のAAVベクター又は組成物。
【請求項10】
前記AAVベクターが、AAV血清型9である、請求項7に記載のAAVベクター又は組成物。
【請求項11】
前記グリア細胞が、反応性アストロサイトである、請求項4又は5に記載の組成物。
【請求項12】
前記機能的なニューロンが、グルタミン酸作動性ニューロン、GABA作動性ニューロン、ドーパミン作動性ニューロン、コリン作動性ニューロン、セロトニン作動性(seratonergic)ニューロン、エピネフリン作動性(epinephrinergic)ニューロン、運動ニューロン、及びペプチド作動性ニューロンからなる群から選択される、請求項4又は5に記載の組成物。
【請求項13】
前記ヒトが、神経学的状態を有する、請求項4又は5に記載の組成物。
【請求項14】
前記NeuroD1が、ヒトNeuroD1(hNeuroD1)である、請求項3に記載のAAVベクター、又は請求項6に記載の組成物。
【請求項15】
前記Dlx2が、ヒトDlx2(hDlx2)である、請求項3に記載のAAVベクター、又は請求項6に記載の組成物。
【請求項16】
前記NeuroD1が、チンパンジーNeuroD1、ボノボNeuroD1、オランウータンNeuroD1、ゴリラNeuroD1、マカクNeuroD1、マーモセットNeuroD1、オマキザルNeuroD1、ヒヒNeuroD1、テナガザルNeuroD1、及びキツネザルNeuroD1からなる群から選択される、請求項3に記載のAAVベクター、又は請求項6に記載の組成物。
【請求項17】
前記Dlx2が、チンパンジーDlx2、ボノボDlx2、オランウータンDlx2、ゴリラDlx2、マカクDlx2、マーモセットDlx2、オマキザルDlx2、ヒヒDlx2、テナガザルDlx2、及びキツネザルDlx2からなる群から選択される、請求項3に記載のAAVベクター、又は請求項6に記載の組成物。
【請求項18】
前記hNeuroD1が、配列番号10と少なくとも80%同一又は類似のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む、請求項14に記載のAAVベクター又は組成物。
【請求項19】
前記hDlx2が、配列番号14と少なくとも80%同一又は類似のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む、請求項15に記載のAAVベクター又は組成物。
【請求項20】
前記hNeuroD1コード配列が、配列番号6又はその相補体と少なくとも80%同一の核酸配列を含む、請求項14に記載のAAVベクター又は組成物。
【請求項21】
前記hDlx2コード配列が、配列番号13又はその相補体と少なくとも80%同一の核酸配列を含む、請求項15に記載のAAVベクター又は組成物。
【請求項22】
前記リンカーが、P2A及びT2Aからなる群から選択される、請求項3に記載のAAVベクター、又は請求項6に記載の組成物。
【請求項23】
前記リンカーが、前記P2Aである、請求項22に記載のAAVベクター又は組成物。
【請求項24】
前記リンカーが、前記T2Aである、請求項22に記載のAAVベクター又は組成物。
【請求項25】
前記P2Aリンカーが、配列番号15及び18からなる群から選択される配列又はその相補体と少なくとも80%同一の核酸配列を含む、請求項22に記載のAAVベクター又は組成物。
【請求項26】
前記T2Aリンカーが、配列番号16及び19からなる群から選択される配列又はその相補体と少なくとも80%同一の核酸配列を含む、請求項22に記載のAAVベクター又は組成物。
【請求項27】
前記GFAPプロモーターが、ヒトGFAP(hGFAP)プロモーターである、請求項3に記載のAAVベクター、又は請求項6に記載の組成物。
【請求項28】
前記GFAPプロモーターが、チンパンジーGFAPプロモーター、ボノボGFAPプロモーター、オランウータンGFAPプロモーター、ゴリラGFAPプロモーター、マカクGFAPプロモーター、マーモセットGFAPプロモーター、オマキザルGFAPプロモーター、ヒヒGFAPプロモーター、テナガザルGFAPプロモーター、及びキツネザルGFAPプロモーターからなる群から選択される、請求項3に記載のAAVベクター、又は請求項6に記載の組成物。
【請求項29】
前記IRES配列が、配列番号3又はその相補体と少なくとも80%同一の核酸配列を含む、先行請求項のいずれか一項に記載のAAVベクター又は組成物。
【請求項30】
前記hGFAPプロモーターが、配列番号4又はその相補体と少なくとも80%同一の核酸配列を含む、請求項27に記載のAAVベクター又は組成物。
【請求項31】
前記hGFAPプロモーターが、配列番号12又はその相補体と少なくとも80%同一の核酸配列を含む、請求項27に記載のAAVベクター又は組成物。
【請求項32】
前記hGFAPプロモーターが、配列番号26又はその相補体と少なくとも80%同一の核酸配列を含む、請求項27に記載のAAVベクター又は組成物。
【請求項33】
前記エンハンサーが、ヒト伸長因子-1α(EF1-α)プロモーターからのエンハンサー及びサイトメガロウイルス(CMV)エンハンサーからなる群から選択される、請求項3に記載のAAVベクター、又は請求項6に記載の組成物。
【請求項34】
前記EF1-αが、配列番号2又はその相補体と少なくとも80%同一の核酸配列を含む、請求項33に記載のAAVベクター又は組成物。
【請求項35】
前記CMVエンハンサーが、配列番号11又はその相補体と少なくとも80%同一の核酸配列を含む、請求項33に記載のAAVベクター又は組成物。
【請求項36】
前記キメライントロンが、配列番号5及び27からなる群から選択される核酸又はその相補体と少なくとも80%同一の核酸配列を含む、請求項3に記載のAAVベクター、又は請求項6に記載の組成物。
【請求項37】
前記WPREが、配列番号7及び29からなる群から選択される核酸配列又はその相補体と少なくとも80%同一の核酸配列を含む、請求項3に記載のAAVベクター、又は請求項6に記載の組成物。
【請求項38】
前記ポリアデニル化シグナルが、SV40ポリアデニル化シグナル、hGHポリアデニル化シグナル、及びbGHポリアデニル化シグナルからなる群から選択される、請求項3に記載のAAVベクター、又は請求項6に記載の組成物。
【請求項39】
前記SV40ポリアデニル化シグナルが、配列番号8又はその相補体と少なくとも80%同一の核酸配列を含む、請求項38に記載のAAVベクター又は組成物。
【請求項40】
前記hGHポリアデニル化シグナルが、配列番号17又はその相補体と少なくとも80%同一の核酸配列を含む、請求項38に記載のAAVベクター又は組成物。
【請求項41】
前記bGHポリアデニル化シグナルが、配列番号30又はその相補体と少なくとも80%同一の核酸配列を含む、請求項38に記載のAAVベクター又は組成物。
【請求項42】
前記AAVベクターが、AAVタンパク質配列をコードする核酸配列を更に含む、請求項3に記載のAAVベクター、又は請求項6に記載の組成物。
【請求項43】
前記AAVベクターが、AAV血清型2の逆位末端反復(ITR)を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のAAVベクター、又は請求項4~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項44】
前記AAVベクターが、AAV血清型5の逆位末端反復(ITR)を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のAAVベクター、又は請求項4~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項45】
前記AAVベクターが、AAV血清型9の逆位末端反復(ITR)を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のAAVベクター、又は請求項4~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項46】
前記AAVベクターが、配列番号1と少なくとも80%同一の少なくとも1つのITR核酸配列を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のAAVベクター、又は請求項4~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項47】
前記AAVベクターが、配列番号9と少なくとも80%同一の少なくとも1つのITR核酸配列を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のAAVベクター、又は請求項4~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項48】
組成物を必要とする前記対象が、哺乳動物である、請求項6に記載の組成物。
【請求項49】
前記哺乳動物が、ヒトである、請求項48に記載の組成物。
【請求項50】
前記哺乳動物が、非ヒト霊長類である、請求項48に記載の組成物。
【請求項51】
組成物を必要とする前記対象が、神経学的状態を有する、請求項6に記載の組成物。
【請求項52】
前記神経学的状態が、中枢神経系(CNS)又は末梢神経系への傷害を含む、請求項13又は51に記載の組成物。
【請求項53】
前記神経学的状態が、CNSへの傷害を含む、請求項13又は51に記載の組成物。
【請求項54】
前記神経学的状態が、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、ハンチントン病、てんかん、身体的傷害、脳卒中、脳動脈瘤、外傷性脳傷害、脳振盪、腫瘍、炎症、感染、運動失調症、脳萎縮、脊髄萎縮、多発性硬化症、外傷性脊髄傷害、虚血性又は出血性脊髄症(脊髄症)、全虚血、低酸素性虚血性脳症、塞栓症、線維軟骨塞栓症脊髄症、血栓症、腎症、慢性炎症性疾患、髄膜炎、及び脳静脈洞血栓症からなる群から選択される、請求項13又は51に記載の組成物。
【請求項55】
前記神経学的状態が、アルツハイマー病である、請求項13又は51に記載の組成物。
【請求項56】
前記神経学的状態が、パーキンソン病である、請求項13又は51に記載の組成物。
【請求項57】
前記神経学的状態が、ALSである、請求項13又は51に記載の組成物。
【請求項58】
前記神経学的状態が、ハンチントン病である、請求項13又は51に記載の組成物。
【請求項59】
前記神経学的状態が、脳卒中である、請求項13又は51に記載の組成物。
【請求項60】
前記脳卒中が、虚血性脳卒中である、請求項59に記載の組成物。
【請求項61】
前記脳卒中が、出血性脳卒中である、請求項59に記載の組成物。
【請求項62】
前記組成物が、少なくとも1つのグリア細胞をニューロンに変換することができる、請求項51に記載の組成物。
【請求項63】
前記グリア細胞が、アストロサイト及びNG2細胞からなる群から選択される、請求項62に記載の組成物。
【請求項64】
前記グリア細胞が、アストロサイトである、請求項62に記載の組成物。
【請求項65】
前記アストロサイトが、反応性アストロサイトである、請求項62に記載の組成物。
【請求項66】
前記グリア細胞が、GFAP陽性である、請求項62に記載の組成物。
【請求項67】
前記ニューロンが、機能的なニューロンである、請求項62に記載の組成物。
【請求項68】
前記機能的なニューロンが、グルタミン酸作動性ニューロン、GABA作動性ニューロン、ドーパミン作動性ニューロン、コリン作動性ニューロン、セロトニン作動性ニューロン、エピネフリン作動性ニューロン、運動ニューロン、及びペプチド作動性ニューロンからなる群から選択される、請求項62に記載の組成物。
【請求項69】
前記機能的なニューロンが、グルタミン酸作動性ニューロンである、請求項68に記載の組成物。
【請求項70】
前記組成物が、それを必要とする対象に送達されるように製剤化される、請求項6に記載の組成物。
【請求項71】
前記組成物が、局所送達用に製剤化される、請求項70に記載の組成物。
【請求項72】
前記組成物が、全身送達用に製剤化される、請求項70に記載の組成物。
【請求項73】
前記組成物が、腹腔内、筋肉内、静脈内、髄腔内、脳内、頭蓋内、側脳室内、大槽内、硝子体内、網膜下内、実質内、鼻腔内、又は経口投与を介した送達用に製剤化される、請求項70~72のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項74】
請求項6に記載の組成物を、それを必要とする前記対象に送達することを含む、方法。
【請求項75】
前記組成物が、それを必要とする対象に送達されるように製剤化される、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
前記送達が、局所投与を含む、請求項74に記載の方法。
【請求項77】
前記送達が、全身投与を含む、請求項74に記載の方法。
【請求項78】
前記送達が、腹腔内、筋肉内、静脈内、髄腔内、脳内、頭蓋内、側脳室内、大槽内、硝子体内、網膜下内、実質内、鼻腔内、又は経口投与を含む、請求項74~77のいずれか一項に記載の方法。
【請求項79】
生きているヒトの脳において、反応性アストロサイトを機能的なニューロンに変換する方法であって、アデノ随伴ウイルス(AAV)を、それを必要とする対象に注入することを含み、前記AAVが、配列番号6の核酸配列を含むヒト神経原性分化1(hNeuroD1)配列及び配列番号13の核酸配列を含むヒトdistal-lessホメオボックス2(hDlx2)配列を含むDNAベクター構築物を含み、前記hNeuroD1配列及び前記hDlx2配列が、(i)配列番号15及び18からなる群から選択される核酸配列を含むP2Aリンカー、(ii)配列番号16及び19からなる群から選択される核酸配列を含むT2Aリンカー、又は(iii)配列番号3を含む脳心筋炎ウイルスの内部リボソーム進入部位(IRES)配列によって分離され、前記hNeuroD1配列及び前記hDlx2配列が、
(a)配列番号4、12、及び26からなる群から選択される核酸配列を含むヒトグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターと、
(b)配列番号2の核酸配列を含むヒト伸長因子-1α(EF-1α)プロモーターからのエンハンサー又は配列番号11の核酸配列を含むサイトメガロウイルス(CMV)エンハンサーと、
(c)配列番号5及び27からなる群から選択される核酸配列を含むキメライントロンと、
(d)配列番号7及び29からなる群から選択される核酸配列を含むウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、
(e)配列番号8の核酸配列を含むSV40ポリアデニル化シグナル配列、配列番号17の核酸配列を含むhGHポリアデニル化配列、又は配列番号30の核酸配列を含むbGHポリアデニル化配列と、を含む調節エレメントに作動可能に連結される、方法。
【請求項80】
生きているヒトの脳において、反応性アストロサイトを機能的なニューロンに変換する方法であって、アデノ随伴ウイルス(AAV)を、それを必要とする対象に注入することを含み、前記AAVが、配列番号10のアミノ酸配列を含むヒト神経原性分化1(hNeuroD1)タンパク質をコードする核酸コード配列及び配列番号14のアミノ酸配列を含むヒトdistal-lessホメオボックス2(hDlx2)タンパク質をコードする核酸コード配列を含むDNAベクター構築物を含み、前記hNeuroD1コード配列及び前記hDlx2コード配列が、(i)配列番号15及び18からなる群から選択される核酸配列を含むP2Aリンカー、(ii)配列番号16及び19からなる群から選択される核酸配列を含むT2Aリンカー、又は(iii)配列番号3を含む脳心筋炎ウイルスの内部リボソーム進入部位(IRES)配列によって分離され、前記hNeuroD1コード配列及びhDlx2コード配列が、
(a)配列番号4、12、及び26からなる群から選択される核酸配列を含むヒトグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターと、
(b)配列番号2の核酸配列を含むヒト伸長因子-1α(EF-1α)プロモーターからのエンハンサー又は配列番号11の核酸配列を含むサイトメガロウイルス(CMV)エンハンサーと、
(c)配列番号5及び27からなる群から選択される核酸配列を含むキメライントロンと、
(d)配列番号7及び29からなる群から選択される核酸配列を含むウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、
(e)配列番号8の核酸配列を含むSV40ポリアデニル化シグナル配列、配列番号17の核酸配列を含むhGHポリアデニル化配列、又は配列番号30の核酸配列を含むbGHポリアデニル化配列と、を含む発現制御エレメントに作動可能に連結される、方法。
【請求項81】
グリア細胞をニューロンに変換することを必要とする対象において、それを行う方法であって、アデノ随伴ウイルス(AAV)を、それを必要とする前記対象に送達することを含み、前記AAVが、神経原性分化1(NeuroD1)配列及びdistal-lessホメオボックス2(Dlx2)配列を含むDNAベクター構築物を含み、前記NeuroD1配列及びDlx2配列が、リンカー配列によって分離され、前記NeuroD1配列及びDlx2配列が、
(a)グリア線維性酸タンパク質(GFAP)プロモーターと、
(b)エンハンサーと、
(c)キメライントロンと、
(d)ウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、
(e)ポリアデニル化シグナル配列と、を含む発現制御エレメントに作動可能に連結され、
前記AAVベクターが、それを必要とする前記対象において、少なくとも1つのグリア細胞をニューロンに変換することができる、方法。
【請求項82】
神経学的状態の治療を必要とする対象において、それを行う方法であって、アデノ随伴ウイルス(AAV)を、前記対象に送達することを含み、前記AAVが、神経原性分化1(NeuroD1)配列及びdistal-lessホメオボックス2(Dlx2)配列を含むDNAベクター構築物を含み、前記NeuroD1配列及びDlx2配列が、リンカー配列によって分離され、前記NeuroD1配列及び前記Dlx2配列が、
(a)グリア線維性酸タンパク質(GFAP)プロモーターと、
(b)エンハンサーと、
(c)キメライントロンと、
(d)ウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、
(e)それを必要とする前記対象へのポリアデニル化シグナルと、を含む発現制御エレメントに作動可能に連結される、方法。
【請求項83】
前記AAVが、AAV血清型2、AAV血清型5、及びAAV血清型9からなる群から選択される、請求項79~82のいずれか一項に記載の方法。
【請求項84】
前記AAVが、AAV血清型2である、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
前記AAVが、AAV血清型5である、請求項83に記載の方法。
【請求項86】
前記AAVが、AAV血清型9である、請求項83に記載の方法。
【請求項87】
前記機能的なニューロンが、グルタミン酸作動性ニューロン、GABA作動性ニューロン、ドーパミン作動性ニューロン、コリン作動性ニューロン、セロトニン作動性ニューロン、エピネフリン作動性ニューロン、運動ニューロン、及びペプチド作動性ニューロンである、請求項79又は80に記載の方法。
【請求項88】
前記NeuroD1が、ヒトNeuroD1(hNeuroD1)である、請求項81又は82に記載の方法。
【請求項89】
前記Dlx2が、ヒトDlx2(hDlx2)である、請求項81又は82に記載の方法。
【請求項90】
前記NeuroD1が、チンパンジーNeuroD1、ボノボNeuroD1、オランウータンNeuroD1、ゴリラNeuroD1、マカクNeuroD1、マーモセットNeuroD1、オマキザルNeuroD1、ヒヒNeuroD1、テナガザルNeuroD1、及びキツネザルNeuroD1からなる群から選択される、請求項81又は82に記載の方法。
【請求項91】
前記Dlx2が、チンパンジーDlx2、ボノボDlx2、オランウータンDlx2、ゴリラDlx2、マカクDlx2、マーモセットDlx2、オマキザルDlx2、ヒヒDlx2、テナガザルDlx2、及びキツネザルDlx2からなる群から選択される、請求項75又は76に記載の方法。
【請求項92】
前記hNeuroD1が、配列番号10と少なくとも80%同一又は類似のアミノ酸コード配列をコードするアミノ酸配列を含む、請求項88に記載の方法。
【請求項93】
前記hDlx2が、配列番号14と少なくとも80%同一又は類似のアミノ酸配列をコードするアミノ酸配列を含む、請求項89に記載の方法。
【請求項94】
前記hNeuroD1コード配列が、配列番号6又はその相補体と少なくとも80%同一の核酸配列を含む、請求項88に記載の方法。
【請求項95】
前記hDlx2コード配列が、配列番号13又はその相補体と少なくとも80%同一の核酸配列を含む、請求項89に記載の方法。
【請求項96】
前記GFAPプロモーターが、ヒトGFAP(hGFAP)プロモーターである、請求項81又は82に記載の方法。
【請求項97】
前記GFAPプロモーターが、チンパンジーGFAPプロモーター、ボノボGFAPプロモーター、オランウータンGFAPプロモーター、ゴリラGFAPプロモーター、マカクGFAPプロモーター、マーモセットGFAPプロモーター、オマキザルGFAPプロモーター、ヒヒGFAPプロモーター、テナガザルGFAPプロモーター、及びキツネザルGFAPプロモーターからなる群から選択される、請求項81又は82に記載の方法。
【請求項98】
前記IRES配列が、配列番号3又はその相補体と少なくとも80%同一の核酸配列を含む、請求項79~97のいずれか一項に記載の方法。
【請求項99】
前記hGFAPプロモーターが、配列番号4又はその相補体と少なくとも80%同一の核酸配列を含む、請求項96に記載の方法。
【請求項100】
前記hGFAPプロモーターが、配列番号12又はその相補体と少なくとも80%同一の核酸配列を含む、請求項96に記載の方法。
【請求項101】
前記hGFAPプロモーターが、配列番号26又はその相補体と少なくとも80%同一の核酸配列を含む、請求項96に記載の方法。
【請求項102】
前記リンカーが、P2A及びT2Aからなる群から選択される、請求項81又は82に記載の方法。
【請求項103】
前記P2Aリンカーが、配列番号15及び18からなる群から選択される配列又はその相補体と少なくとも80%同一の核酸配列を含む、請求項102に記載の方法。
【請求項104】
前記T2Aリンカーが、配列番号16及び19からなる群から選択される配列又はその相補体と少なくとも80%同一の核酸配列を含む、請求項102に記載の方法。
【請求項105】
前記エンハンサーが、ヒト伸長因子-1α(EF1-α)プロモーターからのエンハンサー及びサイトメガロウイルス(CMV)エンハンサーからなる群から選択される、請求項81又は82に記載の方法。
【請求項106】
前記EF1-αが、配列番号2又はその相補体と少なくとも80%同一の核酸配列を含む、請求項105に記載の方法。
【請求項107】
前記CMVエンハンサーが、配列番号11又はその相補体と少なくとも80%同一の核酸配列を含む、請求項105に記載の方法。
【請求項108】
前記キメライントロンが、配列番号5及び27からなる群から選択される核酸又はその相補体と少なくとも80%同一の核酸配列を含む、請求項81又は82に記載の方法。
【請求項109】
前記WPREが、配列番号7及び29からなる群から選択される核酸又はその相補体と少なくとも80%同一の核酸配列を含む、請求項81又は82に記載の方法。
【請求項110】
前記ポリアデニル化シグナルが、SV40ポリアデニル化シグナル及びhGHポリアデニル化シグナルからなる群から選択される、請求項81又は82に記載の方法
【請求項111】
前記SV40ポリアデニル化シグナルが、配列番号8又はその相補体と少なくとも80%同一の核酸配列を含む、請求項110に記載の方法。
【請求項112】
前記hGHポリアデニル化シグナルが、配列番号13又はその相補体と少なくとも80%同一の核酸配列を含む、請求項110に記載の方法。
【請求項113】
前記ベクターが、AAVタンパク質配列をコードする核酸配列を更に含む、請求項81又は82に記載の方法。
【請求項114】
前記ベクターが、AAV血清型2の逆位末端反復(ITR)を含む、請求項79~82のいずれか一項に記載の方法。
【請求項115】
前記ベクターが、AAV血清型5の逆位末端反復(ITR)を含む、請求項79~82のいずれか一項に記載の方法。
【請求項116】
前記ベクターが、AAV血清型9の逆位末端反復(ITR)を含む、請求項79~82のいずれか一項に記載の方法。
【請求項117】
前記ベクターが、配列番号1と少なくとも80%同一の少なくとも1つのITR核酸配列を含む、請求項79~82のいずれか一項に記載の方法。
【請求項118】
前記ベクターが、配列番号9と少なくとも80%同一の少なくとも1つのITR核酸配列を含む、請求項79~82のいずれか一項に記載の方法。
【請求項119】
前記変換が、中枢神経系(CNS)又は末梢神経系において生じる、請求項81に記載の方法。
【請求項120】
前記変換が、前記CNSにおいて生じる、請求項81に記載の方法。
【請求項121】
方法を必要とする前記対象が、哺乳動物である、請求項81又は82に記載の方法。
【請求項122】
前記哺乳動物が、ヒトである、請求項121に記載の方法。
【請求項123】
前記哺乳動物が、非ヒト霊長類である、請求項121に記載の方法。
【請求項124】
前記送達が、局所投与を含む、請求項81又は82に記載の方法。
【請求項125】
前記送達が、全身投与を含む、請求項81又は82に記載の方法。
【請求項126】
前記送達が、腹腔内投与、筋肉内投与、静脈内投与、髄腔内投与、脳内投与、頭蓋内、側脳室内、大槽内、硝子体内、網膜下内、実質内投与、鼻腔内投与、及び経口投与からなる群から選択される投与を含む、請求項81又は82に記載の方法。
【請求項127】
前記注入が、腹腔内注入、筋肉内注入、静脈内注入、髄腔内注入、脳内注入、頭蓋内、側脳室内、大槽内、硝子体内、網膜下内、実質内注入、鼻腔内注入、及び経口注入からなる群から選択される注入を含む、請求項79又は80に記載の方法。
【請求項128】
前記送達が、注入を含む、請求項81又は82に記載の方法。
【請求項129】
前記注入が、1010粒子/mL~1014粒子/mLの濃度で行われる、請求項79、80、又は128のいずれか一項に記載の方法。
【請求項130】
前記注入が、0.1μL/分~5.0μL/分の流量を更に含む、請求項129に記載の方法。
【請求項131】
前記少なくとも1つのグリア細胞が、少なくとも1つのアストロサイト及び少なくとも1つのNG2細胞からなる群から選択される、請求項81に記載の方法。
【請求項132】
前記少なくとも1つのグリア細胞が、少なくとも1つのアストロサイトである、請求項131に記載の方法。
【請求項133】
前記少なくとも1つのアストロサイトが、反応性アストロサイトである、請求項131又は132に記載の方法。
【請求項134】
前記ニューロンが、機能的なニューロンである、請求項81に記載の方法。
【請求項135】
前記機能的なニューロンが、グルタミン酸作動性ニューロン、GABA作動性ニューロン、ドーパミン作動性ニューロン、コリン作動性ニューロン、セロトニン作動性ニューロン、エピネフリン作動性ニューロン、運動ニューロン、及びペプチド作動性ニューロンからなる群から選択される、請求項79、80、及び134のいずれか一項に記載の方法。
【請求項136】
前記対象が、前記送達前の前記対象と比較して、少なくとも1つの神経学的状態の症状の改善を示す、請求項81に記載の方法。
【請求項137】
前記改善が、前記送達の1年以内に測定される、請求項136に記載の方法。
【請求項138】
前記方法が、前記AAVを前記対象の前記脳に直接注入することを含む、請求項79、80、又は128のいずれか一項に記載の方法。
【請求項139】
前記変換が、前記脳の線条体におけるものである、請求項79又は80に記載の方法。
【請求項140】
前記方法が、前記AAVを前記対象の脊髄に直接注入することを含む、請求項79、80、又は128のいずれか一項に記載の方法。
【請求項141】
前記神経学的状態が、中枢神経系(CNS)又は末梢神経系への傷害を含む、請求項82に記載の方法。
【請求項142】
前記神経学的状態が、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、ハンチントン病、てんかん、身体的傷害、脳卒中、脳動脈瘤、外傷性脳傷害、脳振盪、腫瘍、炎症、感染、運動失調症、脳萎縮、脊髄萎縮、多発性硬化症、外傷性脊髄傷害、虚血性又は出血性脊髄症(脊髄症)、全虚血、低酸素性虚血性脳症、塞栓症、線維軟骨塞栓症脊髄症、血栓症、腎症、慢性炎症性疾患、髄膜炎、及び脳静脈洞血栓症からなる群から選択される、請求項82に記載の方法。
【請求項143】
前記神経学的状態が、アルツハイマー病である、請求項82に記載の方法。
【請求項144】
前記神経学的状態が、パーキンソン病である、請求項82に記載の方法。
【請求項145】
前記神経学的状態が、ALSである、請求項82に記載の方法。
【請求項146】
前記神経学的状態が、ハンチントン病である、請求項82に記載の方法。
【請求項147】
前記神経学的状態が、脳卒中である、請求項82に記載の方法。
【請求項148】
前記脳卒中が、虚血性脳卒中である、請求項147に記載の方法。
【請求項149】
前記脳卒中が、出血性脳卒中である、請求項147に記載の方法。
【請求項150】
前記方法が、少なくとも1つのグリア細胞をニューロンに変換することができる、請求項82に記載の方法。
【請求項151】
前記グリア細胞が、アストロサイト及びNG2細胞からなる群から選択される、請求項150に記載の方法。
【請求項152】
前記グリア細胞が、アストロサイトである、請求項150に記載の方法。
【請求項153】
前記アストロサイトが、反応性アストロサイトである、請求項152に記載の方法。
【請求項154】
前記グリア細胞が、GFAP陽性である、請求項150に記載の方法。
【請求項155】
前記ニューロンが、機能的なニューロンである、請求項150に記載の方法。
【請求項156】
前記機能的なニューロンが、グルタミン酸作動性ニューロン、GABA作動性ニューロン、ドーパミン作動性ニューロン、コリン作動性ニューロン、セロトニン作動性ニューロン、エピネフリン作動性ニューロン、運動ニューロン、及びペプチド作動性ニューロンからなる群から選択される、請求項145に記載の方法。
【請求項157】
治療有効用量の前記AAVベクターが、前記対象に注入される、請求項79又は80に記載の方法。
【請求項158】
治療有効用量の前記AAVベクターが、前記対象に送達される、請求項81又は82に記載の方法。
【請求項159】
前記治療有効用量が、薬学的に許容される担体と共に投与される、請求項147又は148に記載の方法。
【請求項160】
(i)配列番号6の核酸配列を含むヒト神経原性分化1(hNeuroD1)配列を含むアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター及び(ii)配列番号13の核酸配列を含むヒトdistal-lessホメオボックス2(hDlx2)配列を含むアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを含む組成物であって、
前記hNeuroD1配列が、
(a)配列番号26の核酸配列を含むグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターと、
(b)配列番号2の核酸配列を含むヒト伸長因子-1α(EF1-α)プロモーターからのエンハンサーと、
(c)配列番号5又は配列番号27の核酸配列を含むキメライントロンと、
(d)配列番号29の核酸配列を含むウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、
(e)配列番号30の核酸配列を含むbGHポリアデニル化配列と、を含む調節エレメントに作動可能に連結される、組成物。
【請求項161】
(i)配列番号6の核酸配列を含むヒト神経原性分化1(hNeuroD1)配列を含むアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター及び(ii)配列番号13の核酸配列を含むヒトdistal-lessホメオボックス2(hDlx2)配列を含むアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを含む組成物であって、
前記hNeuroD1配列が、
(a)配列番号26の核酸配列を含むグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターと、
(b)配列番号11の核酸配列を含むサイトメガロウイルス(CMV)エンハンサーと、
(c)配列番号5又は配列番号27の核酸配列を含むキメライントロンと、
(d)配列番号29の核酸配列を含むウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、
(e)配列番号30の核酸配列を含むbGHポリアデニル化配列と、を含む調節エレメントに作動可能に連結される、組成物。
【請求項162】
(ii)が、
(a)配列番号26の核酸配列を含むグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターと、
(b)配列番号2の核酸配列を含むヒト伸長因子-1α(EF1-α)プロモーターからのエンハンサー又は配列番号11の核酸配列を含むサイトメガロウイルス(CMV)エンハンサーと、
(c)配列番号5及び27からなる群から選択される核酸配列を含むキメライントロンと、
(d)配列番号7及び29からなる群から選択される核酸配列を含むウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、
(e)配列番号8の核酸配列を含むSV40ポリアデニル化シグナル配列、配列番号17の核酸配列を含むhGHポリアデニル化配列、又は配列番号30の核酸配列を含むbGHポリアデニル化配列と、を含む調節エレメントに作動可能に連結された配列番号13の核酸配列を含むhDlx2配列を含むAAVベクターを含む、請求項160又は161に記載の組成物。
【請求項163】
(i)配列番号10のアミノ酸コード配列を含むヒト神経原性分化1(hNeuroD1)タンパク質をコードする核酸配列を含むアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター及び(ii)配列番号14のアミノ酸配列を含むヒトdistal-lessホメオボックス2(hDlx2)タンパク質をコードする核酸コード配列を含むアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを含む組成物であって、
hNeuroD1タンパク質をコードする核酸配列が、
(a)配列番号26の核酸配列を含むグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターと、
(b)配列番号2の核酸配列を含むヒト伸長因子-1α(EF1-α)プロモーターからのエンハンサーと、
(c)配列番号5又は配列番号27の核酸配列を含むキメライントロンと、
(d)配列番号29の核酸配列を含むウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、
(e)配列番号30の核酸配列を含むbGHポリアデニル化配列と、を含む調節エレメントに作動可能に連結される、組成物。
【請求項164】
(i)配列番号10のアミノ酸コード配列を含むヒト神経原性分化1(hNeuroD1)タンパク質をコードする核酸配列を含むアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター及び(ii)配列番号14のアミノ酸配列を含むヒトdistal-lessホメオボックス2(hDlx2)タンパク質をコードする核酸コード配列を含むアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを含む組成物であって、
hNeuroD1タンパク質をコードする核酸配列が、
(a)配列番号26の核酸配列を含むグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターと、
(b)配列番号11の核酸配列を含むサイトメガロウイルス(CMV)エンハンサーと、
(c)配列番号5又は配列番号27の核酸配列を含むキメライントロンと、
(d)配列番号29の核酸配列を含むウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、
(e)配列番号30の核酸配列を含むbGHポリアデニル化配列と、を含む調節エレメントに作動可能に連結される、組成物。
【請求項165】
(ii)が、前記hDlx2タンパク質をコードする核酸コード配列を含むAAVベクターを含み、前記核酸が、
(a)配列番号26の核酸配列を含むグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターと、
(b)配列番号2の核酸配列を含むヒト伸長因子-1α(EF1-α)プロモーターからのエンハンサー又は配列番号11の核酸配列を含むサイトメガロウイルス(CMV)エンハンサーと、
(c)配列番号5及び27からなる群から選択される核酸配列を含むキメライントロンと、
(d)配列番号7及び29からなる群から選択される核酸配列を含むウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、
(e)配列番号8の核酸配列を含むSV40ポリアデニル化シグナル配列、配列番号17の核酸配列を含むhGHポリアデニル化配列、又は配列番号30の核酸配列を含むbGHポリアデニル化配列と、を含む調節エレメントに作動可能に連結される、請求項163又は164に記載の組成物。
【請求項166】
配列番号6の核酸配列を含むヒト神経原性分化1(hNeuroD1)配列及び配列番号13の核酸配列を含むヒトdistal-lessホメオボックス2(hDlx2)配列を含むアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターであって、前記hNeuroD1配列及び前記hDlx2配列が、(i)配列番号15及び18からなる群から選択される核酸配列を含むP2Aリンカー、(ii)配列番号16及び19からなる群から選択される核酸配列を含むT2Aリンカー、又は(iii)配列番号3を含む脳心筋炎ウイルスの内部リボソーム進入部位(IRES)配列によって分離され、前記hNeuroD1配列及び前記hDlx2配列が、
(a)配列番号26の核酸配列を含むグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターと、
(b)配列番号2の核酸配列を含むヒト伸長因子-1α(EF1-α)プロモーターからのエンハンサーと、
(c)配列番号5又は配列番号5の核酸配列を含むキメライントロンと、
(d)配列番号29の核酸配列を含むウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、
(e)配列番号30の核酸配列を含むbGHポリアデニル化配列と、を含む調節エレメントに作動可能に連結される、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター。
【請求項167】
配列番号6の核酸配列を含むヒト神経原性分化1(hNeuroD1)配列及び配列番号13の核酸配列を含むヒトdistal-lessホメオボックス2(hDlx2)配列を含むアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターであって、前記hNeuroD1配列及び前記hDlx2配列が、(i)配列番号15及び18からなる群から選択される核酸配列を含むP2Aリンカー、(ii)配列番号16及び19からなる群から選択される核酸配列を含むT2Aリンカー、又は(iii)配列番号3を含む脳心筋炎ウイルスの内部リボソーム進入部位(IRES)配列によって分離され、前記hNeuroD1配列及び前記hDlx2配列が、
(a)配列番号26の核酸配列を含むグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターと、
(b)配列番号11の核酸配列を含むサイトメガロウイルス(CMV)エンハンサーと、
(c)配列番号5の核酸配列を含むキメライントロンと、
(d)配列番号29の核酸配列を含むウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、
(e)配列番号30の核酸配列を含むbGHポリアデニル化配列と、を含む調節エレメントに作動可能に連結される、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター。
【請求項168】
配列番号10のアミノ酸コード配列を含むヒト神経原性分化1(hNeuroD1)タンパク質をコードする核酸配列及び配列番号14のアミノ酸配列を含むヒトdistal-lessホメオボックス2(hDlx2)タンパク質をコードする核酸コード配列を含むアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターであって、前記hNeuroD1コード配列及び前記hDlx2コード配列が、(i)配列番号15及び18からなる群から選択される核酸配列を含むP2Aリンカー、(ii)配列番号16及び19からなる群から選択される核酸配列を含むT2Aリンカー、又は(iii)配列番号3を含む脳心筋炎ウイルスの内部リボソーム進入部位(IRES)配列によって分離され、前記hNeuroD1コード配列及び前記hDlx2コード配列が、
(a)配列番号26の核酸配列を含むグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターと、
(b)配列番号2の核酸配列を含むヒト伸長因子-1α(EF1-α)プロモーターからのエンハンサーと、
(c)配列番号5の核酸配列を含むキメライントロンと、
(d)配列番号29の核酸配列を含むウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、
(e)配列番号30の核酸配列を含むbGHポリアデニル化配列と、を含む調節エレメントに作動可能に連結される、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター。
【請求項169】
配列番号10のアミノ酸コード配列を含むヒト神経原性分化1(hNeuroD1)タンパク質をコードする核酸配列及び配列番号14のアミノ酸配列を含むヒトdistal-lessホメオボックス2(hDlx2)タンパク質をコードする核酸コード配列を含むアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターであって、前記hNeuroD1コード配列及び前記hDlx2コード配列が、(i)配列番号15及び18からなる群から選択される核酸配列を含むP2Aリンカー、(ii)配列番号16及び19からなる群から選択される核酸配列を含むT2Aリンカー、又は(iii)配列番号3を含む脳心筋炎ウイルスの内部リボソーム進入部位(IRES)配列によって分離され、前記hNeuroD1コード配列及び前記hDlx2コード配列が、
(a)配列番号26の核酸配列を含むグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターと、
(b)配列番号11の核酸配列を含むサイトメガロウイルス(CMV)エンハンサーと、
(c)配列番号5の核酸配列を含むキメライントロンと、
(d)配列番号29の核酸配列を含むウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、
(e)配列番号30の核酸配列を含むbGHポリアデニル化配列と、を含む調節エレメントに作動可能に連結される、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター。
【請求項170】
配列番号6の核酸配列を含むヒト神経原性分化1(hNeuroD1)配列及び配列番号13の核酸配列を含むヒトdistal-lessホメオボックス2(hDlx2)配列を含むアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターであって、前記hNeuroD1配列及び前記hDlx2配列が、配列番号15及び18からなる群から選択される核酸配列を含むP2Aリンカー又は配列番号3を含む脳心筋炎ウイルスの内部リボソーム進入部位(IRES)配列によって分離され、前記hNeuroD1配列及び前記hDlx2配列が、
(a)配列番号26の核酸配列を含むグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターと、
(b)配列番号11の核酸配列を含むサイトメガロウイルス(CMV)エンハンサーと、
(c)配列番号5の核酸配列を含むキメライントロンと、
(d)配列番号30の核酸配列を含むbGHポリアデニル化配列と、を含む調節エレメントに作動可能に連結される、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター。
【請求項171】
配列番号10のアミノ酸コード配列を含むヒト神経原性分化1(hNeuroD1)タンパク質をコードする核酸配列及び配列番号14のアミノ酸配列を含むヒトdistal-lessホメオボックス2(hDlx2)タンパク質をコードする核酸コード配列を含むアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターであって、前記hNeuroD1コード配列及び前記hDlx2コード配列が、配列番号15及び18からなる群から選択される核酸配列を含むP2Aリンカー又は配列番号3を含む脳心筋炎ウイルスの内部リボソーム進入部位(IRES)配列によって分離され、前記hNeuroD1コード配列及び前記hDlx2コード配列が、
(a)配列番号26の核酸配列を含むグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターと、
(b)配列番号11の核酸配列を含むサイトメガロウイルス(CMV)エンハンサーと、
(c)配列番号5の核酸配列を含むキメライントロンと、
(d)配列番号30の核酸配列を含むbGHポリアデニル化配列と、を含む調節エレメントに作動可能に連結される、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年9月29日に出願された米国仮出願第63/084,945号及び2021年9月23日に出願された米国仮特許出願第63/247,442号の優先権を主張し、それらのいずれも、参照によりそれらの全体が本明細書に援用される。
【0002】
配列表の援用
28,311バイト(MS-Windows(登録商標)で測定)であり、2021年9月27日に作成された、P34838WO00_SL.TXTという名前のファイルに含まれる配列表は、本明細書と共に電子的に提出され、その全体が参照により援用される。
【0003】
本開示は、グリア細胞をニューロンに変換させるヒトNeuroD1及びDlx2をコードする核酸配列を含むAAVベクターを使用する方法及び組成物を含む。
【背景技術】
【0004】
ニューロンは、神経学的状態を有する対象において、又は中枢神経系(CNS)若しくは末梢神経系(PNS)への傷害後、しばしば死滅するか又は損傷され、再生することができない。
【0005】
グリア細胞は、脳傷害又は神経学的状態などのCNS又はPNSへの傷害の後に反応する。
【0006】
現在、アデノ随伴ウイルス(AAV)を使用して、神経学的状態を有するヒト対象において機能的な新しいニューロンを再生するための利用可能な方法はない。
【発明の概要】
【0007】
一態様では、本開示は、配列番号6の核酸配列を含むヒト神経原性分化1(hNeuroD1)配列及び配列番号13の核酸配列を含むヒトdistal-lessホメオボックス2(hDlx2)配列を含むアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを提供し、かつこれを含み、hNeuroD1配列及びhDlx2配列が、(i)配列番号15及び18からなる群から選択される核酸配列を含むP2Aリンカー、(ii)配列番号16及び19からなる群から選択される核酸配列を含むT2Aリンカー、又は(iii)配列番号3を含む脳心筋炎ウイルスの内部リボソーム進入部位(IRES)配列によって分離され、hNeuroD1配列及びhDlx2配列が、(a)配列番号4、12、及び26からなる群から選択される核酸配列を含むグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターと、(b)配列番号2の核酸配列を含むヒト伸長因子-1α(EF1-α)プロモーターからのエンハンサー又は配列番号11の核酸配列を含むサイトメガロウイルス(CMV)エンハンサーと、(c)配列番号5及び27からなる群から選択される核酸配列を含むキメライントロンと、(d)配列番号7及び29からなる群から選択される核酸配列を含むウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、(e)配列番号8の核酸配列を含むSV40ポリアデニル化シグナル配列、配列番号17の核酸配列を含むhGHポリアデニル化配列、又は配列番号30の核酸配列を含むbGHポリアデニル化配列と、を含む調節エレメントに作動可能に連結される。
【0008】
一態様では、本開示は、配列番号10のアミノ酸コード配列を含むヒト神経原性分化1(hNeuroD1)タンパク質をコードする核酸配列及び配列番号14のアミノ酸配列を含むヒトdistal-lessホメオボックス2(hDlx2)タンパク質をコードする核酸コード配列を含むアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを提供し、かつそれを含み、hNeuroD1コード配列及びhDlx2コード配列が、(i)配列番号15及び18からなる群から選択される核酸配列を含むP2Aリンカー、(ii)配列番号16及び19からなる群から選択される核酸配列を含むT2Aリンカー、又は(iii)配列番号3を含む脳心筋炎ウイルスの内部リボソーム進入部位(IRES)配列によって分離され、hNeuroD1コード配列及びhDlx2コード配列が、(a)配列番号4、12、及び26からなる群から選択される核酸配列を含むグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターと、(b)配列番号2の核酸配列を含むヒト伸長因子-1α(EF1-α)プロモーターからのエンハンサー又は配列番号11の核酸配列を含むサイトメガロウイルス(CMV)エンハンサーと、(c)配列番号5及び27からなる群から選択される核酸配列を含むキメライントロンと、(d)配列番号7及び29からなる群から選択される核酸配列を含むウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、(e)配列番号8の核酸配列を含むSV40ポリアデニル化シグナル配列、配列番号17の核酸配列を含むhGHポリアデニル化配列、又は配列番号30の核酸配列を含むbGHポリアデニル化配列と、を含む調節エレメントに作動可能に連結される。
【0009】
一態様では、本開示は、神経原性分化1(NeuroD1)タンパク質をコードするNeuroD1核酸コード配列及びdistal-lessホメオボックス2(Dlx2)タンパク質をコードするDlx2核酸コード配列を含むアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを提供し、かつそれを含み、NeuroD1コード配列及びDlx2コード配列が、リンカー配列によって分離され、NeuroD1コード配列及びDlx2コード配列が、(a)グリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターと、(b)エンハンサーと、(c)キメライントロンと、(d)ウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、(e)ポリアデニル化シグナル配列と、を含む調節エレメントに作動可能に連結される。
【0010】
一態様では、本開示は、ヒトにおいて、グリア細胞を機能的なニューロンに変換するためのアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを含む組成物を提供し、かつそれを含み、AAVベクターが、配列番号6の核酸配列を有するヒト神経原性分化1(hNeuroD1)配列及び配列番号13の核酸配列を有するヒトdistal-lessホメオボックス2(hDlx2)配列を含み、hNeuroD1配列及びhDlx2配列が、(i)配列番号15及び18からなる群から選択される核酸配列を含むP2Aリンカー、(ii)配列番号16及び19からなる群から選択される核酸配列を含むT2Aリンカー、又は(iii)配列番号3を含む脳心筋炎ウイルスの内部リボソーム進入部位(IRES)配列によって分離され、hNeuroD1配列及びhDlx2配列が、(a)配列番号4、12、及び26からなる群から選択される核酸配列を含むヒトグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターと、(b)配列番号2の核酸配列を含むヒト伸長因子-1α(EF-1α)プロモーターからのエンハンサー又は配列番号11の核酸配列を含むサイトメガロウイルス(CMV)エンハンサーと、(c)配列番号5及び27からなる群から選択される核酸配列を含むキメライントロンと、(d)配列番号7及び29からなる群から選択される核酸配列を含むウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、(e)配列番号8の核酸配列を含むSV40ポリアデニル化シグナル配列、配列番号17の核酸配列を含むhGHポリアデニル化配列、又は配列番号30の核酸配列を含むbGHポリアデニル化配列と、を含む調節エレメントに作動可能に連結される。
【0011】
一態様では、本開示は、ヒトにおいて、グリア細胞を機能的なニューロンに変換するためのアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを含む組成物を提供し、かつそれを含み、AAVベクターが、配列番号10のアミノ酸配列を含むヒト神経原性分化1(hNeuroD1)タンパク質をコードする核酸コード配列及び配列番号14のアミノ酸配列を含むヒトdistal-lessホメオボックス2(hDlx2)タンパク質をコードする核酸コード配列を含み、hNeuroD1コード配列及びhDlx2コード配列が、(i)配列番号15及び18からなる群から選択される核酸配列を含むP2Aリンカー、(ii)配列番号16及び19からなる群から選択される核酸配列を含むT2Aリンカー、又は(iii)配列番号3を含む脳心筋炎ウイルスの内部リボソーム進入部位(IRES)配列によって分離され、hNeuroD1コード配列及びhDlx2コード配列が、(a)配列番号4、12、及び26からなる群から選択される核酸配列を含むヒトグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターと、(b)配列番号2の核酸配列を含むヒト伸長因子-1α(EF-1α)プロモーターからのエンハンサー又は配列番号11の核酸配列を含むサイトメガロウイルス(CMV)エンハンサーと、(c)配列番号5及び27からなる群から選択される核酸配列を含むキメライントロンと、(d)配列番号7及び29からなる群から選択される核酸配列を含むウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、(e)配列番号8の核酸配列を含むSV40ポリアデニル化シグナル配列、配列番号17の核酸配列を含むhGHポリアデニル化配列、又は配列番号30の核酸配列を含むbGHポリアデニル化配列と、を含む調節エレメントに作動可能に連結される。
【0012】
一態様では、本開示は、治療を必要とする対象の治療のためのアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを含む組成物を提供し、かつそれを含み、AAVベクターが、神経原性分化1(NeuroD1)配列及びdistal-lessホメオボックス2(Dlx2)配列を含み、NeuroD1配列及びDlx2配列が、リンカー配列によって分離され、NeuroD1配列及びDlx2配列が、(a)グリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターと、(b)エンハンサーと、(c)キメライントロンと、(d)ウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、(e)ポリアデニル化シグナルと、を含む発現制御エレメントに作動可能に連結される。
【0013】
一態様では、本開示は、生きているヒトの脳において、反応性アストロサイトを機能的なニューロンに変換する方法を提供し、かつそれを含み、それを必要とする対象にアデノ随伴ウイルス(AAV)を注入することを含み、当該AAVが、配列番号6の核酸配列を含むヒト神経原性分化1(hNeuroD1)配列及び配列番号13の核酸配列を含むヒトdistal-lessホメオボックス2(hDlx2)配列を含むDNAベクター構築物を含み、当該hNeuroD1配列及び当該hDlx2配列が、(i)配列番号15及び18からなる群から選択される核酸配列を含むP2Aリンカー、(ii)配列番号16及び19からなる群から選択される核酸配列を含むT2Aリンカー、又は(iii)配列番号3を含む脳心筋炎ウイルスの内部リボソーム進入部位(IRES)配列によって分離され、当該hNeuroD1配列及び当該hDlx2配列が、(a)配列番号4、12、及び26からなる群から選択される核酸配列を含むヒトグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターと、(b)配列番号2の核酸配列を含むヒト伸長因子-1α(EF-1α)プロモーターからのエンハンサー又は配列番号11の核酸配列を含むサイトメガロウイルス(CMV)エンハンサーと、(c)配列番号5及び27からなる群から選択される核酸配列を含むキメライントロンと、(d)配列番号7及び29からなる群から選択される核酸配列を含むウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、(e)配列番号8の核酸配列を含むSV40ポリアデニル化シグナル配列、配列番号17の核酸配列を含むhGHポリアデニル化配列、又は配列番号30の核酸配列を含むbGHポリアデニル化配列と、を含む調節エレメントに作動可能に連結される。
【0014】
一態様では、本開示は、生きているヒトの脳において、反応性アストロサイトを機能的なニューロンに変換する方法を提供し、かつそれを含み、それを必要とする対象にアデノ随伴ウイルス(AAV)を注入することを含み、当該AAVが、配列番号10のアミノ酸配列を含むヒト神経原性分化1(hNeuroD1)タンパク質をコードする核酸コード配列及び配列番号14のアミノ酸配列を含むヒトdistal-lessホメオボックス2(hDlx2)タンパク質をコードする核酸コード配列を含むDNAベクター構築物を含み、当該hNeuroD1コード配列及び当該hDlx2コード配列が、(i)配列番号15及び18からなる群から選択される核酸配列を含むP2Aリンカー、(ii)配列番号16及び19からなる群から選択される核酸配列を含むT2Aリンカー、又は(iii)配列番号3を含む脳心筋炎ウイルスの内部リボソーム進入部位(IRES)配列によって分離され、当該hNeuroD1コード配列及びhDlx2コード配列が、(a)配列番号4、12、及び26からなる群から選択される核酸配列を含むヒトグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターと、(b)配列番号2の核酸配列を含むヒト伸長因子-1α(EF-1α)プロモーターからのエンハンサー又は配列番号11の核酸配列を含むサイトメガロウイルス(CMV)エンハンサーと、(c)配列番号5及び27からなる群から選択される核酸配列を含むキメライントロンと、(d)配列番号7及び29からなる群から選択される核酸配列を含むウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、(e)配列番号8の核酸配列を含むSV40ポリアデニル化シグナル配列、配列番号17の核酸配列を含むhGHポリアデニル化配列、又は配列番号30の核酸配列を含むbGHポリアデニル化配列と、を含む発現制御エレメントに作動可能に連結される。
【0015】
一態様では、本開示は、グリア細胞をニューロンに変換することを必要とする対象において、それを行う方法を提供し、かつそれを含み、本方法は、アデノ随伴ウイルス(AAV)を、それを必要とする対象に送達することを含み、当該AAVが、神経原性分化1(NeuroD1)配列及びdistal-lessホメオボックス2(Dlx2)配列を含むDNAベクター構築物を含み、当該NeuroD1配列及びDlx2配列が、リンカー配列によって分離され、当該NeuroD1配列及びDlx2配列が、(a)グリア線維性酸タンパク質(GFAP)プロモーターと、(b)エンハンサーと、(c)キメライントロンと、(d)ウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、(e)ポリアデニル化シグナル配列と、を含む発現制御エレメントに作動可能に連結され、当該ベクターが、それを必要とする当該対象において、少なくとも1つのグリア細胞をニューロンに変換することができる。
【0016】
一態様では、本開示は、神経学的状態の治療を必要とする対象において、それを行う方法を提供し、かつそれを含み、本方法は、アデノ随伴ウイルス(AAV)を当該対象に送達することを含み、当該AAVが、神経原性分化1(NeuroD1)配列及びdistal-lessホメオボックス2(Dlx2)配列を含むDNAベクター構築物を含み、当該NeuroD1配列及びDlx2配列が、リンカー配列によって分離され、当該NeuroD1配列及び当該Dlx2配列が、それを必要とする当該対象への、(a)グリア線維性酸タンパク質(GFAP)プロモーターと、(b)エンハンサーと、(c)キメライントロンと、(d)ウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、(e)ポリアデニル化シグナルと、を含む発現制御エレメントに作動可能に連結される。
【0017】
一態様では、本開示は、(i)配列番号6の核酸配列を含むヒト神経原性分化1(hNeuroD1)配列を含むアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター及び(ii)配列番号13の核酸配列を含むヒトdistal-lessホメオボックス2(hDlx2)配列を含むアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを含む組成物を提供し、かつそれを含み、hNeuroD1配列が、(a)配列番号26の核酸配列を含むグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターと、(b)配列番号2の核酸配列を含むヒト伸長因子-1α(EF1-α)プロモーターからのエンハンサーと、(c)配列番号5又は配列番号27の核酸配列を含むキメライントロンと、(d)配列番号29の核酸配列を含むウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、(e)配列番号30の核酸配列を含むbGHポリアデニル化配列と、を含む調節エレメントに作動可能に連結される。
【0018】
一態様では、本開示は、(i)配列番号6の核酸配列を含むヒト神経原性分化1(hNeuroD1)配列を含むアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター及び(ii)配列番号13の核酸配列を含むヒトdistal-lessホメオボックス2(hDlx2)配列を含むアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを含む組成物を提供し、かつそれを含み、hNeuroD1配列が、(a)配列番号26の核酸配列を含むグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターと、(b)配列番号11の核酸配列を含むサイトメガロウイルス(CMV)エンハンサーと、(c)配列番号5又は配列番号27の核酸配列を含むキメライントロンと、(d)配列番号29の核酸配列を含むウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、(e)配列番号30の核酸配列を含むbGHポリアデニル化配列と、を含む調節エレメントに作動可能に連結される。
【0019】
一態様では、本開示は、(i)配列番号10のアミノ酸コード配列を含むヒト神経原性分化1(hNeuroD1)タンパク質をコードする核酸配列を含むアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター及び(ii)配列番号14のアミノ酸配列を含むヒトdistal-lessホメオボックス2(hDlx2)タンパク質をコードする核酸コード配列を含むアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを含む組成物を提供し、かつそれを含み、hNeuroD1タンパク質をコードする核酸配列が、(a)配列番号26の核酸配列を含むグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターと、(b)配列番号2の核酸配列を含むヒト伸長因子-1α(EF1-α)プロモーターからのエンハンサーと、(c)配列番号5又は配列番号27の核酸配列を含むキメライントロンと、(d)配列番号29の核酸配列を含むウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、(e)配列番号30の核酸配列を含むbGHポリアデニル化配列と、を含む調節エレメントに作動可能に連結される。
【0020】
一態様では、本開示は、(i)配列番号10のアミノ酸コード配列を含むヒト神経原性分化1(hNeuroD1)タンパク質をコードする核酸配列を含むアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター及び(ii)配列番号14のアミノ酸配列を含むヒトdistal-lessホメオボックス2(hDlx2)タンパク質をコードする核酸コード配列を含むアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを含む組成物を提供し、かつそれを含み、hNeuroD1タンパク質をコードする核酸配列が、(a)配列番号26の核酸配列を含むグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターと、(b)配列番号11の核酸配列を含むサイトメガロウイルス(CMV)エンハンサーと、(c)配列番号5又は配列番号27の核酸配列を含むキメライントロンと、(d)配列番号29の核酸配列を含むウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、(e)配列番号30の核酸配列を含むbGHポリアデニル化配列と、を含む調節エレメントに作動可能に連結される。
【0021】
一態様では、本開示は、配列番号6の核酸配列を含むヒト神経原性分化1(hNeuroD1)配列及び配列番号13の核酸配列を含むヒトdistal-lessホメオボックス2(hDlx2)配列を含むアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを提供し、かつこれを含み、当該hNeuroD1配列及び当該hDlx2配列が、(i)配列番号15及び18からなる群から選択される核酸配列を含むP2Aリンカー、(ii)配列番号16及び19からなる群から選択される核酸配列を含むT2Aリンカー、又は(iii)配列番号3を含む脳心筋炎ウイルスの内部リボソーム進入部位(IRES)配列によって分離され、当該hNeuroD1配列及び当該hDlx2配列が、(a)配列番号26の核酸配列を含むグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターと、(b)配列番号2の核酸配列を含むヒト伸長因子-1α(EF1-α)プロモーターからのエンハンサーと、(c)配列番号5又は配列番号27の核酸配列を含むキメライントロンと、(d)配列番号29の核酸配列を含むウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、(e)配列番号30の核酸配列を含むbGHポリアデニル化配列と、を含む調節エレメントに作動可能に連結される。
【0022】
一態様では、本開示は、配列番号6の核酸配列を含むヒト神経原性分化1(hNeuroD1)配列及び配列番号13の核酸配列を含むヒトdistal-lessホメオボックス2(hDlx2)配列を含むアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを提供し、かつこれを含み、当該hNeuroD1配列及び当該hDlx2配列が、(i)配列番号15及び18からなる群から選択される核酸配列を含むP2Aリンカー、(ii)配列番号16及び19からなる群から選択される核酸配列を含むT2Aリンカー、又は(iii)配列番号3を含む脳心筋炎ウイルスの内部リボソーム進入部位(IRES)配列によって分離され、当該hNeuroD1配列及び当該hDlx2配列が、(a)配列番号26の核酸配列を含むグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターと、(b)配列番号11の核酸配列を含むサイトメガロウイルス(CMV)エンハンサーと、(c)配列番号5又は配列番号27の核酸配列を含むキメライントロンと、(d)配列番号29の核酸配列を含むウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、(e)配列番号30の核酸配列を含むbGHポリアデニル化配列と、を含む調節エレメントに作動可能に連結される。
【0023】
一態様では、本開示は、配列番号10のアミノ酸コード配列を含むヒト神経原性分化1(hNeuroD1)タンパク質をコードする核酸配列及び配列番号14のアミノ酸配列を含むヒトdistal-lessホメオボックス2(hDlx2)タンパク質をコードする核酸コード配列を含むアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを提供し、かつそれを含み、当該hNeuroD1コード配列及び当該hDlx2コード配列が、(i)配列番号15及び18からなる群から選択される核酸配列を含むP2Aリンカー、(ii)配列番号16及び19からなる群から選択される核酸配列を含むT2Aリンカー、又は(iii)配列番号3を含む脳心筋炎ウイルスの内部リボソーム進入部位(IRES)配列によって分離され、当該hNeuroD1コード配列及び当該hDlx2コード配列が、(a)配列番号26の核酸配列を含むグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターと、(b)配列番号2の核酸配列を含むヒト伸長因子-1α(EF1-α)プロモーターからのエンハンサーと、(c)配列番号5又は配列番号27の核酸配列を含むキメライントロンと、(d)配列番号29の核酸配列を含むウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、(e)配列番号30の核酸配列を含むbGHポリアデニル化配列と、を含む調節エレメントに作動可能に連結される。
【0024】
一態様では、本開示は、配列番号10のアミノ酸コード配列を含むヒト神経原性分化1(hNeuroD1)タンパク質をコードする核酸配列及び配列番号14のアミノ酸配列を含むヒトdistal-lessホメオボックス2(hDlx2)タンパク質をコードする核酸コード配列を含むアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを提供し、かつそれを含み、当該hNeuroD1コード配列及び当該hDlx2コード配列が、(i)配列番号15及び18からなる群から選択される核酸配列を含むP2Aリンカー、(ii)配列番号16及び19からなる群から選択される核酸配列を含むT2Aリンカー、又は(iii)配列番号3を含む脳心筋炎ウイルスの内部リボソーム進入部位(IRES)配列によって分離され、当該hNeuroD1コード配列及び当該hDlx2コード配列が、(a)配列番号26の核酸配列を含むグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターと、(b)配列番号11の核酸配列を含むサイトメガロウイルス(CMV)エンハンサーと、(c)配列番号5又は配列番号27の核酸配列を含むキメライントロンと、(d)配列番号29の核酸配列を含むウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、(e)配列番号30の核酸配列を含むbGHポリアデニル化配列と、を含む調節エレメントに作動可能に連結される。
【0025】
一態様では、本開示は、配列番号6の核酸配列を含むヒト神経原性分化1(hNeuroD1)配列及び配列番号13の核酸配列を含むヒトdistal-lessホメオボックス2(hDlx2)配列を含むアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを提供し、かつこれを含み、当該hNeuroD1配列及び当該hDlx2配列が、配列番号15及び18からなる群から選択される核酸配列を含むP2Aリンカー又は配列番号3を含む脳心筋炎ウイルスの内部リボソーム進入部位(IRES)配列によって分離され、当該hNeuroD1配列及び当該hDlx2配列が、(a)配列番号26の核酸配列を含むグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターと、(b)配列番号11の核酸配列を含むサイトメガロウイルス(CMV)エンハンサーと、(c)配列番号5又は配列番号27の核酸配列を含むキメライントロンと、(d)配列番号30の核酸配列を含むbGHポリアデニル化配列と、を含む調節エレメントに作動可能に連結される。
【0026】
一態様では、本開示は、配列番号10のアミノ酸コード配列を含むヒト神経原性分化1(hNeuroD1)タンパク質をコードする核酸配列及び配列番号14のアミノ酸配列を含むヒトdistal-lessホメオボックス2(hDlx2)タンパク質をコードする核酸コード配列を含むアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを提供し、かつそれを含み、当該hNeuroD1コード配列及び当該hDlx2コード配列が、配列番号15及び18からなる群から選択される核酸配列を含むP2Aリンカー又は配列番号3を含む脳心筋炎ウイルスの内部リボソーム進入部位(IRES)配列によって分離され、当該hNeuroD1コード配列及び当該hDlx2コード配列が、(a)配列番号26の核酸配列を含むグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターと、(b)配列番号11の核酸配列を含むサイトメガロウイルス(CMV)エンハンサーと、(c)配列番号5又は配列番号27の核酸配列を含むキメライントロンと、(d)配列番号30の核酸配列を含むbGHポリアデニル化配列と、を含む調節エレメントに作動可能に連結される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1A】CE:Gfa681:NeuroD1:P2A:Dlx2:WPRE:SV40のマップを示す。
図1B】EF-1α:Gfa681:NeuroD1:P2A:Dlx2:WPRE:SV40のマップを示す。
図1C】CE:Gfa681:NeuroD1:P2A:Dlx2:WPRE:hGHのマップを示す。
図1D】EF-1α:Gfa681:NeuroD1:P2A:Dlx2:WPRE:hGHのマップを示す。
図2A】CE:Gfa681 NeuroD1:GSG-P2A:Dlx2:WPRE:SV40のマップを示す。
図2B】EF-1α:Gfa681 NeuroD1:GSG-P2A:Dlx2:WPRE:SV40のマップを示す。
図2C】CE:Gfa681 NeuroD1:GSG-P2A:Dlx2:WPRE:hGHのマップを示す。
図2D】EF-1α:Gfa681 NeuroD1:GSG-P2A:Dlx2:WPRE:hGHのマップを示す。
図3A】CE:Gfa681 NeuroD1:T2A:Dlx2:WPRE:SV40のマップを示す。
図3B】EF-1α:Gfa681 NeuroD1:T2A:Dlx2:WPRE:SV40のマップを示す。
図3C】CE:Gfa681 NeuroD1:T2A:Dlx2:WPRE:hGHのマップを示す。
図3D】EF-1α:Gfa681 NeuroD1:T2A:Dlx2:WPRE:hGHのマップを示す。
図4A】CE:Gfa681 NeuroD1:GSG-T2A:Dlx2:WPRE:SV40のマップを示す。
図4B】EF-1α:Gfa681 NeuroD1:GSG-T2A:Dlx2:WPRE:SV40のマップを示す。
図4C】CE:Gfa681 NeuroD1:GSG-T2A:Dlx2:WPRE:hGHのマップを示す。
図4D】EF-1α:Gfa681 NeuroD1:GSG-T2A:Dlx2:WPRE:hGHのマップを示す。
図5A】U6:shRNA:CE:Gfa681:NeuroD1:P2A:Dlx2:SV40のマップを示す。
図5B】U6:shRNA:EF-1α:Gfa681:NeuroD1:P2A:Dlx2:SV40のマップを示す。
図5C】U6:shRNA:CE:Gfa681:NeuroD1:GSG-P2A:Dlx2:SV40のマップを示す。
図5D】U6:shRNA:EF-1α:Gfa681:NeuroD1:GSG-P2A:Dlx2:SV40のマップを示す。
図6A】U6:shRNA:CE:Gfa681:NeuroD1:P2A:Dlx2:hGhのマップを示す。
図6B】U6:shRNA:EF-1α:Gfa681:NeuroD1:P2A:Dlx2:hGhのマップを示す。
図6C】U6:shRNA:CE:Gfa681:NeuroD1:GSG-P2A:Dlx2:hGhのマップを示す。
図6D】U6:shRNA:EF-1α:Gfa681:NeuroD1:GSG-P2A:Dlx2:hGhのマップを示す。
図7A】U6:shRNA:CE:Gfa681:NeuroD1:T2A:Dlx2:SV40のマップを示す。
図7B】U6:shRNA:EF-1α:Gfa681:NeuroD1:T2A:Dlx2:SV40のマップを示す。
図7C】U6:shRNA:CE:Gfa681:NeuroD1:GSG-T2A:Dlx2:SV40のマップを示す。
図7D】EF-1α:Gfa681:NeuroD1:GSG-T2A:Dlx2:SV40のマップを示す。
図8A】U6:shRNA:CE:Gfa681:NeuroD1:T2A:Dlx2:hGhのマップを示す。
図8B】U6:shRNA:EF-1α:Gfa681:NeuroD1:T2A:Dlx2:hGhのマップを示す。
図8C】U6:shRNA:CE:Gfa681:NeuroD1:GSG-T2A:Dlx2:hGhのマップを示す。
図8D】U6:shRNA:EF-1α:Gfa681:NeuroD1:GSG-T2A:Dlx2:hGhのマップを示す。
図9】P31プラスミドのAAVウイルス産生を測定する。力価分析は、目的の遺伝子(GOI)プライマー、ITR領域プライマー、及びリバースパッケージングプライマーを使用して実施される。ウイルス力価は、vg/細胞として計算される。
図10】生後3日のSprague-Dawleyラットの脳からのラットアストロサイト初代培養物の樹立を示す。左上のパネルは、GFAP染色細胞の画像を提示する。右上のパネルは、SOX9染色細胞の画像を提示する。左下のパネルは、DAPI染色細胞の画像を提示する。右下のパネルは、GFAP、SOX9、及びDAPI染色細胞の重ね合わせ画像を提示する。
図11】プラスミドのNeuroD1発現レベルの比較を示す。原発性ラットアストロサイトは、P14(CE:GfaABC1D:hNeuroD1-P2A-Dlx2:WPRE:SV40)、P31(EF-1αE:GfaABC1D:NeuroD1-P2A-Dlx2:WPRE:SV40)、及びP63(CE:GfaABC1D:NeuroD1-GSGP2A-Dlx2:WPRE:SV40)のいずれかでトランスフェクトされる。上部パネルは、細胞のNeuroD1染色を示し、中央パネルは、細胞のDlx2染色を示し、下部パネルは、細胞の重ね合わせたNeuroD1、Dlx2、及びDAPI染色を示す。
図12】AAV9-P12(pGfaABC1D:GFP)を使用して、異なる用量でのAAVウイルス粒子の形質導入の比較を示す。左上のパネルは、3×1010vg/ウェルの用量を示す。右上のパネルは、1×1010vg/ウェルの用量を示す。下のパネルは、2.5×10vg/ウェルの用量を示す。
図13A-13B】一次速度アストロサイトへのAAV粒子の形質導入の定量分析を示す。図13Aは、5×10vg/細胞、2×10vg/細胞、及び5×10vg/細胞のMOIにおけるAAV9-P12(pGfaABC1D:GFP)及びAAV5-P7(pEF-1α:GFP)の形質導入率(%)を提示する。図13Bは、2×10細胞/ウェル、1.5×10細胞/ウェル、1×10細胞/ウェル、及び5×10細胞/ウェルの一連の密度で播種され、100μlの培地中で2μl、1μl、0.5μl、0.25μl、0.125μlの1×1013vg/mlウイルスの一連の量のウイルスで感染した細胞におけるAAV9-P12(pGfaABC1D:GFP)の形質導入率(%)を示す。
図14】対照プラスミドAAV9-P21(CE-pGFA681-CI-GFP-WPRE-SV40pA)を2×1010vg/mlによる形質導入の3週間後のRCAを示す。細胞は、ニューロンマーカーNeuN及びMAP2に対する抗体、並びにDAPI(核染色)で免疫染色される。GFP蛍光は、対照プラスミドで形質導入された細胞の存在を示す。
図15】NXL-P134(CE-pGfa681-CRGI-hND1-oPRE-bGHpA)によるトランスフェクションの24時間後、抗NeuroD1(ND1)抗体及びDAPI(核染色)で免疫染色されたRCAを示す。
図16】2×1010vg/mlのAAV9-P134(CE-pGfa681-CRGI-hND1-oPRE-bGHpA)による形質導入の6日後、抗ND1抗体及びDAPI(核染色)で免疫染色されたRCAを示す。
図17】2×1010vg/mlのAAV9-P134(CE-pGfa681-CRGI-hND1-oPRE-bGHpA)による形質導入の3週間後、抗NeuN及び抗MAP2抗体並びにDAPI(核染色)で免疫染色されたRCAを示す。ND1含有ベクターによる形質導入は、アストロサイト培養物からニューロン(NeuN//MAP2+)を生成する。
図18】NXL-P138(EE-pGfa681-CRGI-hND1-oPRE-bGHpA)によるトランスフェクションの24時間後、抗抗ND1抗体及びDAPI(核染色)で免疫染色されたRCAを示す。
図19】2×1010vg/mlのAAV9-P138(EE-pGfa681-CRGI-hND1-oPRE-bGHpA)による形質導入の6日後、抗ND1抗体及びDAPI(核染色)で免疫染色されたRCAを示す)。
図20】2×1010vg/mlのAAV9-P138(EE-pGfa681-CRGI-hND1-oPRE-bGHpA)による形質導入の3週間後、抗NeuN及び抗MAP2抗体並びにDAPI(核染色)で免疫染色されたRCAを示す)。ND1含有ベクターによる形質導入は、アストロサイト培養物からニューロン(NeuN//MAP2+)を生成する。
図21】2×1010vg/mlのAAV9-P9(CE-pGfa681-CI-hND1-p2A-GFP-WPRE-SV40pA)による形質導入の6日後、抗ND1抗体及びDAPI(核染色)で免疫染色されたRCAを示す。GFP蛍光は、形質導入された細胞の存在を示す。
図22】2×1010vg/mlのAAV9-P9(CE-pGfa681-CI-hND1-p2A-GFP-WPRE-SV40pA)による形質導入の3週間後、抗NeuN及び抗MAP2抗体並びにDAPI(核染色)で免疫染色されたRCAを示す。ND1含有ベクターによる形質導入は、アストロサイト培養物からニューロン(NeuN//MAP2+)を生成する。
図23】NXL-P22(CE-pGfa681-CI-hND1-WPRE-SV40pA)によるトランスフェクションの24時間後、抗ND1抗体及びDAPI(核染色)で免疫染色されたRCAを示す。
図24】2×1010vg/mlのAAV9-P22(CE-pGfa681-CI-hND1WPRE-SV40pA)による形質導入の6日後、抗ND1抗体及びDAPI(核染色)で免疫染色されたRCAを示す。
図25】2×1010vg/mlのAAV9-P22(CE-pGfa681-CI-hND1-WPRE-SV40pA)による形質導入の3週間後、抗NeuN及び抗MAP2抗体並びにDAPI(核染色)で免疫染色されたRCAを示す。ND1含有ベクターによる形質導入は、アストロサイト培養物からニューロン(NeuN//MAP2+)を生成する。
図26】NXL-P35(EE-pGfa681-CI-hND1-WPRE-SV40pA)によるトランスフェクションの24時間後、抗ND1抗体及びDAPI(核染色)で免疫染色されたRCAを示す。
図27】2×1010vg/mlのAAV9-P35(EE-pGfa681-CI-hND1WPRE-SV40pA)による形質導入の6日後、抗ND1抗体及びDAPI(核染色)で免疫染色されたRCAを示す。
図28】2×1010vg/mlのAAV9-P35(EE-pGfa681-CI-hND1-WPRE-SV40pA)による形質導入の3週間後、抗NeuN抗体及びDAPI(核染色)で免疫染色されたRCAを示す。ND1含有ベクターによる形質導入は、アストロサイト培養物からニューロン(NeuN+)を生成する。
図29】NXL-P107(CE-pGfa681-CI-hND1-bGHpA)によるトランスフェクションの24時間後、抗ND1抗体及びDAPI(核染色)で免疫染色されたRCAを示す。
図30】NXL-P108(CE-pGfa681-CI-hND1-oPRE-bGHpA)によるトランスフェクションの24時間後、抗ND1抗体及びDAPI(核染色)で免疫染色されたRCAを示す。
図31】NXL-P109(CE-pGfa681-CRGI-hND1-bGHpA)によるトランスフェクションの24時間後、抗ND1抗体及びDAPI(核染色)で免疫染色されたRCAを示す。
図32】感染10日後のAAV9-P12(P12対照群)、AAV9-P12+AAV9-P134(P134群)、及びAAV9-P12+AAV9-P138(P138群)に感染したマウスの脳皮質組織を示す。
図33】感染(dpi)30日後のAAV9-P12+AAV9-P134(P134群)及びAAV9-P12+AAV9-P138(P138群)に感染したマウスの脳皮質組織を示す。
図34】10dpiでAAV9-P12(P12対照群)及びAAV9-P12+AAV9-P134(P134群)に感染したマウスの脳皮質組織(両側傷害モデル)を示す。
図35】P134、P130、P138、及びP21プラスミドのAAVウイルス産生の測定値のプロットである。力価分析は、目的の遺伝子(GOI)を増幅するプライマー及びプラスミドに特異的なプライマーを使用して、qPCRによって行われる。ウイルス収率は、vg/細胞として計算される。
図36】感染10日後のAAV9-P12(P12対照群)、AAV9-P12+AAV9-P134(P134群)、及びAAV9-P12+AAV9-P138(P138群)に感染したマウスの脳皮質組織を示す。細胞は、NeuroD1、GFAP、NeuNに対する抗体、及びDAPI(核染色)で免疫染色される。GFP蛍光は、対照ウイルスに感染した細胞の存在を示す。
図37】感染30日後のAAV9-P12(P12対照群)、AAV9-P12+AAV9-P134(P134群)、及びAAV9-P12+AAV9-P138(P138群)に感染したマウスの脳皮質組織を示す。細胞は、NeuroD1、GFAP、NeuNに対する抗体、及びDAPI(核染色)で免疫染色される。GFP蛍光は、対照ウイルスに感染した細胞の存在を示す。
図38】10dpiでAAV9-P12(P12対照群)及びAAV9-P12+AAV9-P134(P134群)に感染したマウスの脳皮質組織(両側傷害モデル)を示す。細胞は、NeuroD1、GFAP、NeuNに対する抗体、及びDAPI(核染色)で免疫染色される。GFP蛍光は、対照ウイルスに感染した細胞の存在を示す。
図39A-B】30dpiでAAV9-P12(P12対照群)及びAAV9-P12+AAV9-P134(P134群)に感染したマウスの脳皮質組織(両側傷害モデル)を示す。図39Aは、NeuroD1、GFAP、NeuNに対する抗体、及びDAPI(核染色)で免疫染色された細胞を示す。GFP蛍光は、対照ウイルスに感染した細胞の存在を示す。図39Bは、30dpiでのグリア細胞からニューロンへの変換率の定量化である。
図40】ND1及びDlx2構築物の2つの一般的なマップを示す。エンハンサーは、ef1aエンハンサー又はCMVエンハンサーを指す。pGfaは、2.2kb又は1.6kbのGfaプロモーターを指す。ポリ(A)シグナルは、SV40、bGH、又はhGHポリ(A)シグナルを指す。
図41】NXL-P112(CE-pGfa681-CI-hDlx2-IRES-hND1-bGHpA)によるトランスフェクションの24時間後、抗ND1抗体、抗Dlx2抗体及びDAPI(核染色)で免疫染色されたRCAを示す。
図42】2×1010vg/mlのAAV9-P112(CE-pGfa681-CI-hDlx2-IRES-hND1-bGHpA)による形質導入の6日後、抗ND1抗体、抗Dlx2抗体及びDAPI(核染色)で免疫染色されたRCAを示す。
図43】2×1010vg/mlのAAV9-P112(CE-pGfa681-CI-hDlx2-IRES-hND1-bGHpA)による形質導入の3週間後、抗NeuN抗体、抗MAP2抗体及びDAPI(核染色)で免疫染色されたRCAを示す。
図44】NXL-P122(CE-pGfa681-CI-hDlx2-P2A-hND1-bGHpA)によるトランスフェクションの24時間後、抗ND1抗体、抗Dlx2抗体、及びDAPI(核染色)で免疫染色されたRCAを示す。
図45】2×1010vg/mlのAAV9-P122(CE-pGfa681-CI-hDlx2-p2A-hND1-bGHpA)による形質導入の6日後、抗ND1抗体、抗Dlx2抗体、及びDAPI(核染色)で免疫染色されたRCAを示す。
図46】2×1010vg/mlのAAV9-P122(CE-pGfa681-CI-hDlx2-P2A-hND1-bGHpA)による形質導入の3週間後、抗NeuN抗体、抗MAP2抗体、及びDAPI(核染色)で免疫染色されたRCAを示す。
図47】NXL-P124(CE-pGfa681-CI-hND1-P2A-hDlx2-bGHpA)によるトランスフェクションの24時間後、抗ND1抗体、抗Dlx2抗体、及びDAPI(核染色)で免疫染色されたRCAを示す。
図48】2×1010vg/mlのAAV9-P124(CE-pGfa681-CI-hND1-p2A-hDlx2-bGHpA)による形質導入の6日後、抗ND1抗体、抗Dlx2抗体、及びDAPI(核染色)で免疫染色されたRCAを示す。
図49】2×1010vg/mlのAAV9-P124(CE-pGfa681-CI-hND1-P2A-hDlx2-bGHpA)による形質導入の3週間後、抗NeuN抗体、抗MAP2抗体、及びDAPI(核染色)で免疫染色されたRCAを示す。
図50】NXL-P20(CE-pGfa681-CI-hND1-P2A-hDlx2-WPRE-SV40pA)によるトランスフェクションの24時間後、抗ND1抗体、抗Dlx2抗体、及びDAPI(核染色)で免疫染色されたRCAを示す。
図51】2×1010vg/mlのAAV9-P20(CE-pGfa681-CI-hDND1-p2A-hDlx2-WPRE-SV40pA)による形質導入の6日後、抗ND1抗体、抗Dlx2抗体、及びDAPI(核染色)で免疫染色されたRCAを示す。
図52】2×1010vg/mlのAAV9-P20(CE-pGfa681-CI-hND1-P2A-hDlx2-bSV40pA)による形質導入の3週間後、抗NeuN抗体、抗MAP2抗体、及びDAPI(核染色)で免疫染色されたRCAを示す。
図53】NXL-P31(EE-pGfa681-CI-hND1-P2A-hDlx2-WPRE-SV40pA)によるトランスフェクションの24時間後、抗ND1抗体、抗Dlx2抗体、及びDAPI(核染色)で免疫染色されたRCAを示す。
図54】NXL-P123(EE-pGfa681-CI-hDlx2-p2A-hND1-bGHpA)によるトランスフェクションの24時間後、抗ND1抗体、抗Dlx2抗体、及びDAPI(核染色)で免疫染色されたRCAを示す。
図55】NXL-P113(EE-pGfa681-CI-hDlx2-IRES-hND1-bGHpA)によるトランスフェクションの24時間後、抗ND1抗体、抗Dlx2抗体及びDAPI(核染色)で免疫染色されたRCAを示す。
図56】NXL-P111(CE-pGfa681-CI-hDlx2-p2A-hND1-SV40pA)によるトランスフェクションの24時間後、抗ND1抗体、抗Dlx2抗体、及びDAPI(核染色)で免疫染色されたRCAを示す。
図57A-B】10dpi及び30dpiでAAV9-P12(ウイルス)に感染したマウスの脳の線条体組織を示す。図57Aは、GFP蛍光によって実証されるように、10dpiでのAAV-P12によるマウス線条体の広範な感染を示す。図57Bは、30dpiでのAAV9-P12によるマウスの感染を示す。細胞は、GFAP及びNeuNに対する抗体で免疫染色されている。
図58】10dpiでAAV9-P12及びAAV9-P112(P112群)に同時感染したマウスの脳の線条体組織を示す。GFP蛍光は、AAV9-P112に感染した細胞を識別する。細胞は、GFAP及びNeuNに対する抗体で免疫染色されている。
図59】30dpiでAAV9-P12及びAAV9-P112(P112群)に同時感染したマウスの脳の線条体組織を示す。GFP蛍光は、AAV9-P112に感染した細胞を識別する。細胞は、GFAP及びNeuNに対する抗体で免疫染色されている。白色の矢印は、NeuN陽性ニューロンとなったAAV9-P12及びAAV9-P112に同時感染した細胞を示す。
図60】10dpiでAAV9-P12及びAAV9-P122(P122群)に同時感染したマウスの脳の線条体組織を示す。GFP蛍光は、AAV9-P112に感染した細胞を識別する。細胞は、GFAP及びNeuNに対する抗体で免疫染色されている。
図61】30dpiでAAV9-P12及びAAV9-P122(P122群)に同時感染したマウスの脳の線条体組織を示す。GFP蛍光は、AAV9-P112に感染した細胞を識別する。細胞は、GFAP及びNeuNに対する抗体で免疫染色されている。
図62】NXL-P104(CE-pGfa681-CGRI-Dlx2-bGHpA)又はNXL-P105(CE-pGfa681-CI-Dlx2-oPRE-bGHpA)によるトランスフェクションの24時間後、抗抗Dlx2抗体及びDAPI(核染色)で免疫染色されたラット皮質アストロサイト(RCA)を示す。
図63】NXL-P133(EE-pGfa681-CGRI-Dlx2-oPRE-bGHpA)、NXL-P137(EE-pGfa681-CGRI-Dlx2-oPRE-bGHpA)、又はNXL-P131(EE-pGfa681-CI-Dlx2-oPRE-bGHpA)によるトランスフェクションの24時間後、抗Dlx2抗体及びDAPI(核染色)で免疫染色されたラット皮質アストロサイト(RCA)を示す。
図64】AAV9-P133(CE-pGfa681-CGRI-Dlx2-oPRE-bGHpA)によるトランスフェクション後、抗Dlx2抗体及びDAPI(核染色)で免疫染色されたRCAを示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
配列の簡単な説明
表1に、核酸配列及びアミノ酸配列のリストを提供する。
【表1-1】

【表1-2】

【表1-3】

【表1-4】

【表1-5】

【表1-6】

【表1-7】

【表1-8】

【表1-9】

【表1-10】

【表1-11】

【表1-12】

【表1-13】

【表1-14】
【0029】
別途定義されない限り、使用される全ての技術用語及び科学用語は、本開示が属する技術分野における当業者によって一般に理解されるものと同一の意味を有する。用語が単数形で記載される場合、本発明者らはまた、その用語の複数形によって説明される本開示の態様も企図する。参照によって組み込まれる参考文献で使用される用語及び定義に矛盾がある場合、本出願で使用される用語は、本明細書で与えられる定義を有するものとする。使用される他の専門用語は、当該技術分野専門の様々な辞書、例えば、“The American Heritage(登録商標)Science Dictionary”(Editors of the American Heritage Dictionaries,2011,Houghton Mifflin Harcourt,Boston and New York)、“McGraw-Hill Dictionary of Scientific and Technical Terms”(6th edition,2002,McGraw-Hill,New York)、又は“Oxford Dictionary of Biology”(6th edition,2008,Oxford University Press,Oxford and New York)によって例示されているような、それらが使用される技術分野における通常の意味を有する。
【0030】
例えば、全ての特許、公開された特許出願、及び非特許文献を含む、本明細書で引用される任意の参考文献は、それらの全体が参照により本明細書に援用される。
【0031】
選択肢の群化が提示される場合、その選択肢の群化を構成するメンバーの任意の組み合わせ及び全ての組み合わせが具体的に想定される。例えば、項目が、A、B、C、及びDからなる群から選択される場合、発明者らは、各代替例を個別に(例えば、A単独、B単独など)、並びにA、B、及びD、A及びC、B及びCなどの組み合わせを具体的に想定する。「及び/又は」という用語は、2つ以上の項目のリストにおいて使用される場合、それ自体で、又は他の列挙された項目のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて、列挙された項目のうちのいずれか1つを意味する。例えば、「A及び/又はB」という表現は、A及びBのいずれか又は両方、すなわち、A単独、B単独、又はA及びBの組み合わせを意味することを意図している。「A、B、及び/又はC」という表現は、A単独、B単独、C単独、A及びBの組み合わせ、A及びCの組み合わせ、B及びCの組み合わせ、又はA、B、及びCの組み合わせを意味することを意図している。
【0032】
数値の範囲が本明細書で提供される場合、範囲は、範囲の縁及び定義された範囲の縁の間の任意の数字を含むと理解される。例えば、「1~10」は、1~10の任意の数字、並びに数字1及び数字10を含む。
【0033】
数値に関して「約(about)」という用語が使用される場合、プラス又はマイナス10%を意味すると理解される。例えば、「約100」には、90~110が含まれる。
【0034】
本明細書で使用される場合、「hND1」は、ヒト神経分化(NeuroD1)遺伝子又はタンパク質を指す。
【0035】
本明細書で使用される場合、「CE」は、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーターエンハンサー配列を指す。
【0036】
本明細書で使用される場合、「EE」は、Ef1αプロモーターエンハンサー配列を指す。
【0037】
本明細書で使用される場合、「pGfa681」は、681bpサイズのヒトグリア線維性酸タンパク質(GFAP)プロモーター切断型配列を指す。本明細書で使用される場合、「pGfa681」、「Gfa681」、「GfaABC1D」、及び「pGfaABC1D」は、同義的に使用される。
【0038】
本明細書で使用される場合、「CI」は、ヒトβグロビン遺伝子の第1イントロンからの5’ドナー部位と免疫グロブリン遺伝子重鎖可変領域のイントロンからの分岐及び3’アクセプター部位とからなるキメライントロンを指す。
【0039】
本明細書で使用される場合、「CRGI」は、CAGプロモーターにおけるものと同様のウサギβグロビン(globing)及びニワトリβアクチンのキメライントロンを指す。
【0040】
本明細書で使用される場合、「GI」は、ヒトグリア線維性酸タンパク質(GFAP)第1イントロンを指す。
【0041】
本明細書で使用される場合、「WPRE」は、ウッドチャック肝炎ウイルス(WHV)転写後調節因子を指す。
【0042】
本明細書で使用される場合、「oPRE」は、WPREの最適化バージョンを指す。
【0043】
本明細書で使用される場合、「SV40pA」は、SV40ウイルスのポリAシグナルを指す。
【0044】
本明細書で使用される場合、「bGHpA」は、ウシ成長ホルモンのポリAシグナルを指す。
【0045】
本明細書で使用される場合、「vg」は、ウイルスゲノムを指す。
【0046】
本明細書で使用される場合、「hDlx2」は、ヒトdistal-lessホメオボックス2遺伝子又はタンパク質を指す。
【0047】
本明細書に提供される任意の組成物又はベクターは、本明細書に提供される任意の方法で使用するために具体的に想定される。
【0048】
一態様では、本明細書に提供される方法及び組成物は、ベクターを含む。本明細書で使用される場合、「ベクター」という用語は、染色体DNAから物理的に分離された環状の二本鎖DNA分子を指す。「ベクター」という用語は、「プラスミド」という用語と互換的に使用され得ることに留意されたい。
【0049】
一態様では、本明細書に提供されるベクターは、組換えベクターである。本明細書で使用される場合、「組換えベクター」という用語は、組換え核酸を含むベクターを指す。本明細書で使用される場合、「組換え核酸」は、限定されないが、分子クローニングなどの遺伝子組換えの実験室法によって形成される核酸分子を指す。組換えベクターは、限定されないが、分子クローニングなどの遺伝子組換えの実験室法によって形成され得る。また、限定されないが、当業者は、個々のヌクレオチドによってプラスミドを合成することによって、又は異なる既存のベクターからの核酸分子を一緒にスプライシングすることによって、組換えベクターを新規に作製することができる。
【0050】
アデノ随伴ウイルス(AAV)は、ヒト及び追加の霊長類種に感染する複製欠陥非エンベロープ型ディペンドパルボウイルスである。AAVは、いかなる種においても疾患を引き起こすことは知られていないが、軽度の免疫応答を引き起こす可能性がある。AAVは、分裂細胞及び静止細胞に感染することができる。AAVは、AAVS1遺伝子座(GenBank受託番号AC010327.8のヌクレオチド7774~11429)と呼ばれる染色体19の特定の部位でヒトゲノムに安定して組み込まれるが、ヒトゲノムの他の遺伝子座でのランダムな組み込みも可能である。
【0051】
AAVは、約4700ヌクレオチド長の一本鎖DNAを有する直鎖ゲノムを含む。AAVのゲノムはまた、ゲノムの各末端に145ヌクレオチド長の逆位末端反復(ITR)を含む。ITRは、2つのウイルス遺伝子であるrep(複製のために非構造タンパク質をコードする)及びcap(カプシドのために構造タンパク質をコードする)に隣接する。ITRには、AAVのゲノムレスキュー、複製、及びパッケージングに必要な全てのシス作用エレメントが含まれている。
【0052】
遺伝子療法アプローチで使用される場合、AAVゲノム配列のrep及びcap遺伝子は除去され、2つのAAV ITRの間に配置される目的のDNAで置き換えられる。本明細書で使用される場合、「AAVベクター構築物」は、2つのAAV ITR配列間に挿入される所望の配列を含むDNA分子を指す。本明細書で使用される場合、「AAVベクター」は、DNAベクター構築物と共にパッケージングされたAAVを指す。
【0053】
本明細書で使用される場合、「AAVベクター血清型」という用語は、主に、AAVベクターのカプシドタンパク質内のバリエーションを指す。
【0054】
一態様では、AAVベクターは、AAVベクター血清型1、AAVベクター血清型2、AAVベクター血清型3、AAVベクター血清型4、AAVベクター血清型5、AAVベクター血清型6、AAVベクター血清型7、AAVベクター血清型8、AAVベクター血清型9、AAVベクター血清型10、AAVベクター血清型11、及びAAVベクター血清型12からなる群から選択される。一態様では、AAVベクターは、AAV血清型2、AAV血清型5、及びAAV血清型9からなる群から選択される。一態様では、AAVベクターは、AAV血清型1である。一態様では、AAVベクターは、AAV血清型2である。一態様では、AAVベクターは、AAV血清型3である。一態様では、AAVベクターは、AAV血清型4である。一態様では、AAVベクターは、AAV血清型5である。一態様では、AAVベクターは、AAV血清型6である。一態様では、AAVベクターは、AAV血清型7である。一態様では、AAVベクターは、AAV血清型8である。一態様では、AAVベクターは、AAV血清型9である。一態様では、AAVベクターは、AAV血清型10である。一態様では、AAVベクターは、AAV血清型11である。一態様では、AAVベクターは、AAV血清型12である。
【0055】
一態様では、AAVベクターのITRは、AAV血清型1のITR、AAV血清型2のITR、AAV血清型3のITR、AAV血清型4のITR、AAV血清型5のITR、AAV血清型6のITR、AAV血清型7のITR、AAV血清型8のITR、AAV血清型9のITR、AAV血清型10のITR、AAV血清型11のITR、及びAAV血清型12のITRからなる群から選択される。一態様では、AAVベクターのITRは、AAV血清型1のITRである。一態様では、AAVベクターのITRは、AAV血清型2のITRである。一態様では、AAVベクターのITRは、AAV血清型3のITRである。一態様では、AAVベクターのITRは、AAV血清型4のITRである。一態様では、AAVベクターのITRは、AAV血清型5のITRである。一態様では、AAVベクターのITRは、AAV血清型6のITRである。一態様では、AAVベクターのITRは、AAV血清型7のITRである。一態様では、AAVベクターのITRは、AAV血清型8のITRである。一態様では、AAVベクターのITRは、AAV血清型9のITRである。一態様では、AAVベクターのITRは、AAV血清型10のITRである。一態様では、AAVベクターのITRは、AAV血清型11のITRである。一態様では、AAVベクターのITRは、AAV血清型12のITRである。
【0056】
一態様では、少なくとも1つのAAVベクターのITRの核酸配列は、配列番号1及び9からなる群から選択される。一態様では、少なくとも1つのAAVベクターのITRの核酸配列は、配列番号1である。一態様では、少なくとも9つのAAVベクターのITRの核酸配列は、配列番号1である。
【0057】
一態様では、AAV ITRの核酸配列は、配列番号1又はその相補体と少なくとも70%同一の配列を含む。一態様では、AAV ITRの核酸配列は、配列番号1又はその相補体と少なくとも75%同一の配列を含む。一態様では、AAV ITRの核酸配列は、配列番号1又はその相補体と少なくとも80%同一の配列を含む。一態様では、AAV ITRの核酸配列は、配列番号1又はその相補体と少なくとも85%同一の配列を含む。一態様では、AAV ITRの核酸配列は、配列番号1又はその相補体と少なくとも90%同一の配列を含む。一態様では、AAV ITRの核酸配列は、配列番号1又はその相補体と少なくとも91%同一の配列を含む。一態様では、AAV ITRの核酸配列は、配列番号1又はその相補体と少なくとも92%同一の配列を含む。一態様では、AAV ITRの核酸配列は、配列番号1又はその相補体と少なくとも93%同一の配列を含む。一態様では、AAV ITRの核酸配列は、配列番号1又はその相補体と少なくとも94%同一の配列を含む。一態様では、AAV ITRの核酸配列は、配列番号1又はその相補体と少なくとも95%同一の配列を含む。一態様では、AAV ITRの核酸配列は、配列番号1又はその相補体と少なくとも96%同一の配列を含む。一態様では、AAV ITRの核酸配列は、配列番号1又はその相補体と少なくとも97%同一の配列を含む。一態様では、AAV ITRの核酸配列は、配列番号1又はその相補体と少なくとも98%同一の配列を含む。一態様では、AAV ITRの核酸配列は、配列番号1又はその相補体と少なくとも99%同一の配列を含む。一態様では、AAV ITRの核酸配列は、配列番号1又はその相補体と少なくとも99.5%同一の配列を含む。一態様では、AAV ITRの核酸配列は、配列番号1又はその相補体と少なくとも99.8%同一の配列を含む。一態様では、AAV ITRの核酸配列は、配列番号1又はその相補体と少なくとも99.9%同一の配列を含む。一態様では、AAV ITRの核酸配列は、配列番号1又はその相補体と100%同一の配列を含む。
【0058】
一態様では、AAV ITRの核酸配列は、配列番号9又はその相補体と少なくとも70%同一の配列を含む。一態様では、AAV ITRの核酸配列は、配列番号9又はその相補体と少なくとも75%同一の配列を含む。一態様では、AAV ITRの核酸配列は、配列番号9又はその相補体と少なくとも80%同一の配列を含む。一態様では、AAV ITRの核酸配列は、配列番号9又はその相補体と少なくとも85%同一の配列を含む。一態様では、AAV ITRの核酸配列は、配列番号9又はその相補体と少なくとも90%同一の配列を含む。一態様では、AAV ITRの核酸配列は、配列番号9又はその相補体と少なくとも91%同一の配列を含む。一態様では、AAV ITRの核酸配列は、配列番号9又はその相補体と少なくとも92%同一の配列を含む。一態様では、AAV ITRの核酸配列は、配列番号9又はその相補体と少なくとも93%同一の配列を含む。一態様では、AAV ITRの核酸配列は、配列番号9又はその相補体と少なくとも94%同一の配列を含む。一態様では、AAV ITRの核酸配列は、配列番号9又はその相補体と少なくとも95%同一の配列を含む。一態様では、AAV ITRの核酸配列は、配列番号9又はその相補体と少なくとも96%同一の配列を含む。一態様では、AAV ITRの核酸配列は、配列番号9又はその相補体と少なくとも97%同一の配列を含む。一態様では、AAV ITRの核酸配列は、配列番号9又はその相補体と少なくとも98%同一の配列を含む。一態様では、AAV ITRの核酸配列は、配列番号9又はその相補体と少なくとも99%同一の配列を含む。一態様では、AAV ITRの核酸配列は、配列番号9又はその相補体と少なくとも99.5%同一の配列を含む。一態様では、AAV ITRの核酸配列は、配列番号9又はその相補体と少なくとも99.8%同一の配列を含む。一態様では、AAV ITRの核酸配列は、配列番号9又はその相補体と少なくとも99.9%同一の配列を含む。一態様では、AAV ITRの核酸配列は、配列番号9又はその相補体と100%同一の配列を含む。
【0059】
2つ以上のヌクレオチド又はアミノ酸配列に関して本明細書で使用される「パーセント同一性」又は「パーセント同一」という用語は、(i)比較のウィンドウ(「整列可能な」領域)にわたって2つの最適に整列された配列(ヌクレオチド又はアミノ酸)を比較し、(ii)両方の配列で同一の核酸塩基(ヌクレオチド配列の場合)又はアミノ酸残基(タンパク質及びポリペプチドの場合)が生じる位置の数を決定して、一致した位置の数を得、(iii)一致した位置の数を比較ウィンドウの位置の総数で割り、次いで、(iv)この商に100%を掛けて、パーセント同一性を得ることによって計算される。「パーセント同一性」が特定の比較ウィンドウを指定せずに参照配列に関連して計算されている場合、パーセント同一性は、整列領域にわたる一致した位置の数を参照配列の全長で割ることによって決定される。したがって、本出願の目的のために、2つの配列(クエリ及び対象)が最適に整列されている場合(それらの整列のギャップを考慮して)、クエリ配列の「パーセント同一性」は、2つの配列間の同一の位置の数をその長さ(又は比較ウィンドウ)にわたってクエリ配列の位置の総数で割って、それに100%を掛けたものと等しい。
【0060】
配列同一性のパーセンテージがアミノ酸に関して使用される場合、同一ではない残基位置は、保存的アミノ酸置換(アミノ酸残基が、同様の化学的特性(例えば、電荷又は疎水性)を有し、したがって、分子の機能的特性を変化させない他のアミノ酸残基で置換されている)によってしばしば異なることが認識される。配列が保存的置換で異なる場合、パーセント配列同一性を、置換の保存的性質について補正するために上向きに調整することができる。そのような保存的置換によって異なる配列は、「配列類似性」又は「類似性」を有すると言われる。
【0061】
パーセント同一性を計算するための配列の最適な整列のために、2つ以上のヌクレオチド又はアミノ酸配列間の配列同一性又は類似性を比較するために使用することができるClustalW又はBasic Local Alignment Search Tool(登録商標)(BLAST(商標))などの様々なペアワイズ又は多重配列整列アルゴリズム及びプログラムが当該技術分野で既知である。他の整列及び比較方法が、当該技術分野で既知であるが、2つの配列間の整列及びパーセント同一性(上記のパーセント同一性の範囲を含む)は、ClustalWアルゴリズムによって決定され得る。例えば、Chenna et al.,“Multiple sequence alignment with the Clustal series of programs,”Nucleic Acids Research 31:3497-3500(2003)、Thompson et al.,“Clustal W:Improving the sensitivity of progressive multiple sequence alignment through sequence weighting,position-specific gap penalties and weight matrix choice,”Nucleic Acids Research 22:4673-4680(1994)、Larkin MA et al.,“Clustal W and Clustal X version 2.0,”Bioinformatics 23:2947-48(2007)、及びAltschul et al.“Basic local alignment search tool.”J.Mol.Biol.215:403-410(1990)を参照されたい(それらの内容及び開示全体は、参照により本明細書に援用される)。
【0062】
2つのヌクレオチド配列に関して本明細書で使用される「パーセント相補性」又は「パーセント相補」という用語は、パーセント同一性の概念に類似しているが、クエリ及び対象配列が直線的に配置され、ループ、ステム、又はヘアピンなどの二次フォールディング構造なしで最適に塩基対形成された場合、対象配列をヌクレオチドに最適に塩基対形成又はハイブリダイズするクエリ配列のヌクレオチドのパーセントを指す。かかるパーセント相補性は、2つのDNA鎖、2つのRNA鎖、又はDNA鎖とRNA鎖との間であり得る。「パーセント相補性」は、(i)比較のウィンドウにわたって直線的にかつ完全に伸長した配置で2つのヌクレオチド配列を最適に塩基対形成又はハイブリダイズさせ(すなわち、フォールディング又は二次構造なしで)、(ii)比較のウィンドウにわたって2つの配列間の塩基対の位置の数を決定して、相補的な位置の数を得、(iii)相補的な位置の数を比較ウィンドウの位置の総数で割り、(iv)この商に100%を掛けて、2つの配列のパーセント相補性を得ることによって計算することができる。2つの配列の最適な塩基対形成は、水素結合を介して、G-C、A-T、及びA-Uなどのヌクレオチド塩基の既知の対形成に基づいて決定することができる。「パーセント相補性」が、特定の比較ウィンドウを指定せずに参照配列に関連して計算される場合、パーセント同一性は、2つの直線的な配列間の相補的な位置の数を参照配列の全長で割ることによって決定される。したがって、本出願の目的のために、2つの配列(クエリ及び対象)が最適に塩基形成された場合(ミスマッチ又は非塩基対形成ヌクレオチドを許容する場合)、クエリ配列の「パーセント相補性」は、2つの配列間の塩基対形成の位置の数をその長さにわたるクエリ配列の位置の総数で割って、これに100%を掛けたものと等しくなる。
【0063】
「ポリヌクレオチド」、「核酸配列」、又は「核酸分子」という用語の使用は、本開示を、デオキシリボ核酸(DNA)を含むポリヌクレオチドに限定することを意図するものではない。例えば、リボ核酸(RNA)分子も想定される。当業者であれば、ポリヌクレオチド及び核酸分子が、リボヌクレオチド並びにリボヌクレオチド及びデオキシリボヌクレオチドの組み合わせを含むことができることを認識するであろう。かかるデオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドは、天然に存在する分子及び合成類似体の両方を含む。本開示のポリヌクレオチドはまた、一本鎖形態、二本鎖形態、ヘアピン、ステム及びループ構造などを含むが、これらに限定されない配列の全ての形態を包含する。一態様では、本明細書に提供される核酸分子は、DNA分子である。一態様では、本明細書に提供される核酸分子は、RNA分子である。一態様では、本明細書に提供される核酸分子は、一本鎖である。一態様では、本明細書に提供される核酸分子は、二本鎖である。核酸分子は、ポリペプチド又は低分子RNAをコードすることができる。
【0064】
本明細書で使用される場合、「ポリペプチド」という用語は、少なくとも2つの共有結合したアミノ酸の鎖を指す。ポリペプチドは、本明細書に提供されるポリヌクレオチドによってコードされ得る。本明細書に提供されるタンパク質は、本明細書に提供される核酸分子によってコードされ得る。タンパク質は、本明細書に提供されるポリペプチドを含むことができる。本明細書で使用される場合、「タンパク質」は、細胞に構造又は酵素活性を提供することができるアミノ酸残基の鎖を指す。本明細書で使用される場合、「コード配列」は、タンパク質をコードする核酸配列を指す。
【0065】
本明細書で使用される場合、「CpG部位」又は「CG部位」という用語は、シトシン及びグアニンが1つのリン酸基によってのみ分離されているDNA配列の領域を指す。
【0066】
本明細書で使用される場合、「CG島」の「CpG島」という用語は、高頻度で発生するCpG部位を指す。
【0067】
本明細書で使用される場合、「コドン」という用語は、3つのヌクレオチドの配列を指す。
【0068】
本明細書で使用される場合、「コドン最適化」という用語は、元のアミノ酸配列を維持しながら、配列の少なくとも1つのコドンを、宿主細胞の遺伝子においてより頻繁に又は最も頻繁に使用されるコドンで置き換えることによって、目的の宿主細胞における発現の増強のために改変されるコードを指す。
【0069】
本明細書で使用される場合、「エンハンサー」という用語は、少なくとも特定の組織、発生段階、及び/又は状態において、関連する転写可能なDNA配列又はコード配列の転写及び発現を開始、支援、影響、起因、及び/又は促進するように作動するDNA配列の領域を指す。一態様では、エンハンサーは、シスエンハンサーである。一態様では、エンハンサーは、トランスエンハンサーである。
【0070】
エンハンサー配列は、当該技術分野で既知のゲノム技術を利用することによって同定することができる。非限定的な例としては、レポーター遺伝子及び次世代配列決定方法、例えば、クロマチン免疫沈降配列決定(ChIP-seq)、DNaseI過感受性配列決定(DNase-seq)、小球菌ヌクレアーゼ配列決定(MNase-seq)、調節エレメントのホルムアルデヒド支援単離配列決定(FAIRE-seq)、及びトランスポザーゼアクセス可能クロマチン配列決定のためのアッセイ(ATAC-seq)の使用が挙げられる。
【0071】
本明細書で使用される場合、「作動可能に連結された」という用語は、プロモーター又は他の調節エレメントと、関連する転写可能なDNA配列又は遺伝子(又は導入遺伝子)のコード配列との間の機能的連結を指し、そのため、プロモーターなどが、少なくとも特定の組織、発生段階、及び/又は状態において、関連する転写可能なDNA配列又はコード配列の転写及び発現を開始、支援、影響、起因、及び/又は促進するように作動する。本明細書で使用される場合、「調節エレメント」は、作動可能に連結された配列の発現を正又は負に調節する任意の配列エレメントを指す。「調節エレメント」には、細胞において遺伝子又は転写可能なDNA配列の発現を調節又は可能にするのに好適、必要、又は好ましい、プロモーター、エンハンサー、リーダー、転写開始部位(TSS)、リンカー、5’及び3’非翻訳領域(UTR)、イントロン、ポリアデニル化シグナル、及び終止領域又は配列などが含まれるが、これらに限定されない。このような追加の調節エレメントは任意選択的であり、遺伝子又は転写可能なDNA配列の発現を増強又は最適化するために使用することができる。
【0072】
本明細書で使用される場合、「プロモーター」という用語は、RNAポリメラーゼ結合部位、転写開始部位、及び/又はTATAボックスを含み、かつ会合した転写可能なポリヌクレオチド配列及び/又は遺伝子(又は導入遺伝子)の転写及び発現を支援又は促進するDNA配列を指す。プロモーターは、既知の又は天然に存在するプロモーター配列若しくは他のプロモーター配列から、合成的に産生、変化、又は誘導され得る。プロモーターは、2つ以上の異種配列の組み合わせを含むキメラプロモーターも含むことができる。したがって、本出願のプロモーターは、プロモーター配列のバリアントを含むことができ、それらは、既知の又は本明細書に提供される他のプロモーター配列と組成が類似しているが、同一ではない。
【0073】
本明細書で使用される場合、「イントロン」は、mRNA前駆体からメッセンジャーRNA(mRNA)が成熟するとRNAスプライシングによって除去される、ヌクレオチド配列を指す。
【0074】
本明細書で使用される場合、「mRNA」又は「メッセンジャーRNA」は、遺伝子の遺伝子配列に対応する一本鎖RNAを指す。
【0075】
mRNAの発現は、当該技術分野で既知の任意の好適な方法を使用して測定され得る。mRNA発現を測定する非限定的な例としては、定量的逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(qRT-PCR)、RNAブロット(例えば、ノーザンブロット)、及びRNA配列決定が挙げられる。発現の違いは、絶対定量化又は相対定量化として説明され得る。例えば、Livak and Schmittgen,Methods,25:402-408(2001)を参照されたい。
【0076】
本明細書で使用される場合、「ゲノム編集」又は「遺伝子編集」は、標的化編集技術を使用して、ゲノム内の目的のヌクレオチド配列の標的化された変異誘発、挿入、欠失、逆位、置換、又は転座を指す。目的のヌクレオチド配列は、任意の長さ、例えば、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも250、少なくとも500、少なくとも1000、少なくとも2500、少なくとも5000、少なくとも10,000、又は少なくとも25,000ヌクレオチドであり得る。遺伝子編集技術の非限定的な例は、低分子干渉RNA(siRNA)技術、低分子ヘアピンRNA(shRNA)技術、マイクロRNA(miRNA)技術、アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)技術、又はCRISPR/CAS技術である。
【0077】
本明細書で使用される場合、「ASO」又は「アンチセンスオリゴヌクレオチド」は、細胞内の標的RNA配列に結合し、遺伝子をサイレンシングさせる低分子の一本鎖核酸である。
【0078】
本明細書で使用される場合、「コード領域」、「遺伝子領域」、又は「遺伝子」は、機能ユニットを生成することができるポリヌクレオチドを指す。非限定的な例としては、タンパク質又は非コードRNA分子が挙げられる。「コード領域」、「遺伝子」、又は「遺伝子領域」は、プロモーター、エンハンサー配列、リーダー配列、転写開始部位、転写終止部位、ポリアデニル化部位、1つ以上のエキソン、1つ以上のイントロン、5’-UTR、3’-UTR、又はそれらの任意の組み合わせを含むことができる。
【0079】
一態様では、遺伝子編集は、変異体ハンチンチン(Htt)凝集体を標的とする。一態様では、遺伝子編集は、非コードRNA分子によるものである。非コードRNA分子の非限定的な例としては、マイクロRNA(miRNA)、miRNA前駆体(pre-miRNA)、低分子干渉RNA(siRNA)、低分子RNA(18~26ヌクレオチド長)及びそれをコードする前駆体、ヘテロクロマチンsiRNA(hc-siRNA)、Piwi相互作用RNA(piRNA)、ヘアピン二本鎖RNA(ヘアピンdsRNA)、トランス作用性siRNA(ta-siRNA)、天然に存在するアンチセンスsiRNA(nat-siRNA)、CRISPR RNA(crRNA)、トレーサーRNA(tracRNA)、ガイドRNA(gRNA)、シングルガイドRNA(sgRNA)が挙げられる。一態様では、shRNAは、Htt遺伝子を標的とする。一態様では、siRNAは、Htt遺伝子を標的とする。一態様では、ASOは、Htt遺伝子を標的とする。一態様では、miRNAは、Htt遺伝子を標的とする。一態様では、gRNAは、Htt遺伝子を標的とする。一態様では、pre-miRNAは、Htt遺伝子を標的とする。一態様では、低分子RNAは、Htt遺伝子を標的とする。一態様では、hc-siRNAは、Htt遺伝子を標的とする。一態様では、piRNAは、Htt遺伝子を標的とする。一態様では、ヘアピンdsRNAは、Htt遺伝子を標的とする。一態様では、ta-siRNAは、Htt遺伝子を標的とする。一態様では、nat-siRNAは、Htt遺伝子を標的とする。一態様では、crRNAは、Htt遺伝子を標的とする。一態様では、tracrRNAは、Htt遺伝子を標的とする。一態様では、sgRNAは、Htt遺伝子を標的とする。一態様では、shRNAは、配列番号23~25からなる群から選択される核酸配列を含む。一態様では、shRNAは、配列番号23の核酸配列を含む。一態様では、shRNAは、配列番号24の核酸配列を含む。一態様では、shRNAは、配列番号25の核酸配列を含む。
【0080】
本明細書で使用される場合、「ドナー分子」又は「ドナー配列」は、ゲノムへの部位特異的標的化挿入のために選択されている核酸配列として定義される。一態様では、ドナー分子は、「ドナー配列」を含む。一態様では、本明細書に提供される標的編集技術は、1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、又は5つ以上のドナー分子又はドナー配列の使用を含む。本明細書に提供されるドナー分子又はドナー配列は、任意の長さであり得る。例えば、本明細書に提供されるドナー分子又はドナー配列は、2~50,000、2~10,000、2~5000、2~1000、2~500、2~250、2~100、2~50、2~30、15~50、15~100、15~500、15~1000、15~5000、18~30、18~26、20~26、20~50、20~100、20~250、20~500、20~1000、20~5000、又は20~10,000ヌクレオチド長である。
【0081】
本明細書で使用される場合、「HTT」は、Htt特異的ガイドRNA(gRNA)及び/又はドナー配列を指す。
【0082】
一態様では、本開示は、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを含む組成物を提供し、かつそれを含み、AAVベクターが、Cas9ヌクレアーゼ遺伝子、Htt特異的gRNA、及びドナー配列を含む。一態様では、本開示は、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを含む組成物を提供し、かつそれを含み、AAVベクターが、Cas9ヌクレアーゼ遺伝子、Htt特異的gRNA、ドナー配列、及びDlx2遺伝子配列を含む。一態様では、本開示は、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを含む組成物を提供し、かつそれを含み、AAVベクターが、Cas9ヌクレアーゼ遺伝子、Htt特異的shRNA、及びドナー配列を含む。一態様では、本開示は、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを含む組成物を提供し、かつそれを含み、AAVベクターが、Cas9ヌクレアーゼ遺伝子、Htt特異的shRNA、ドナー配列、及びDlx2遺伝子配列を含む。
【0083】
本明細書に提供される部位特異的ヌクレアーゼは、標的化編集技術の一部として使用され得る。部位特異的ヌクレアーゼの非限定的な例としては、メガヌクレアーゼ、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、RNAガイドヌクレアーゼ(例えば、Cas9及びCpf1)、リコンビナーゼ(限定されないが、例えば、DNA認識モチーフに結合したセリンリコンビナーゼ、DNA認識モチーフに結合したチロシンリコンビナーゼ)、トランスポザーゼ(限定されないが、例えば、DNA結合ドメインに結合したDNAトランスポザーゼ)、又はそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0084】
部位特異的ヌクレアーゼ、例えば、メガヌクレアーゼ、ZFN、TALEN、アルゴノートタンパク質(アルゴノートタンパク質の非限定的な例としては、Thermus thermophilusアルゴノート(TtAgo)、Pyrococcus furiosusアルゴノート(PfAgo)、Natronobacterium gregoryiアルゴノート(NgAgo)、それらのホモログ、又はそれらの改変バージョンが挙げられる)、Cas9ヌクレアーゼ(RNAガイドヌクレアーゼの非限定的な例としては、Cas1、Cas1B、Cas2、Cas3、Cas4、Cas5、Cas6、Cas7、Cas8、Cas9(Csn1及びCsx12としても知られている)、Cas10、Csy1、Csy2、Csy3、Cse1、Cse2、Csc1、Csc2、Csa5、Csn2、Csm2、Csm3、Csm4、Csm5、Csm6、Cmr1、Cmr3、Cmr4、Cmr5、Cmr6、Csb1、Csb2、Csb3、Csx17、Csx14、Csx10、Csx16、CsaX、Csx3、Csx1、Csx15、Csf1、Csf2、Csf3、Csf4、Cpf1、CasX、CasY、それらのホモログ、又はそれらの改変バージョンが挙げられる)は、ゲノム配列の標的部位で二本鎖DNA切断を誘導し、その後、自然なプロセスによって修復される。次いで、配列の改変は、切断部位で起こり、これは、遺伝子破壊又は核酸配列の組み込みをもたらす逆位、欠失、又は挿入を含み得る。一態様では、本明細書に提供されるRNAガイドヌクレアーゼは、Cas1、Cas1B、Cas2、Cas3、Cas4、Cas5、Cas6、Cas7、Cas8、Cas9(Csn1及びCsx12としても知られている)、Cas10、Csy1、Csy2、Csy3、Cse1、Cse2、Csc1、Csc2、Csa5、Csn2、Csm2、Csm3、Csm4、Csm5、Csm6、Cmr1、Cmr3、Cmr4、Cmr5、Cmr6、Csb1、Csb2、Csb3、Csx17、Csx14、Csx10、Csx16、CsaX、Csx3、Csx1、Csx15、Csf1、Csf2、Csf3、Csf4、Cpf1、CasX、CasY、それらのホモログ、又はそれらの改変バージョンからなる群から選択される。
【0085】
一態様では、本明細書に記載の標的化編集技術は、RNAガイドヌクレアーゼの使用を含む。
【0086】
特定の科学理論によって限定されるものではないが、CRISPR/CASヌクレアーゼは、細菌及び古細菌の適応免疫系の一部であり、配列依存的な様式で標的DNAを切断することによってウイルスなどの侵入核酸からそれらを保護する。免疫は、侵入DNAの短い断片(スペーサーとして知られる)を、CRISPR遺伝子座(CRISPRアレイ)の近位端の約20ヌクレオチド長のCRISPR反復の間に組み込むことによって獲得される。よく記載されているCasタンパク質は、Cas9ヌクレアーゼ(Csn1としても知られている)であり、これは、Streptococcus pyogenesのクラス2、II型CRISPR/Casシステムの一部である。Makarova et al.Nature Reviews Microbiology(2015)doi:10.1038/nrmicro3569を参照されたい。Cas9は、そのアミノ末端にRuvC様ヌクレアーゼドメインと、タンパク質の中央に位置するHNH様ヌクレアーゼドメインと、を含む。Cas9タンパク質はまた、PAM相互作用(PI)ドメイン、認識ローブ(REC)、及びBHドメインも含む。別のII型系であるCpf1ヌクレアーゼは、Cas9と同様の様式で作用するが、Cpf1は、tracrRNAを必要としない。Cong et al.Science(2013)339:819-823、Zetsche et al.,Cell(2015)doi:10.1016/j.cell.2015.09.038、米国特許公開第2014/0068797号、米国特許公開第2014/0273235号、米国特許公開第2015/0067922号、米国特許第8,697,359号、米国特許第8,771,945号、米国特許第8,795,965号、米国特許第8,865,406号、米国特許第8,871,445号、米国特許第8,889,356号、米国特許第8,889,418号、米国特許第8,895,308号、及び米国特許第8,906,616号を参照されたい(それらの各々は、参照によりその全体が本明細書に援用される)。
【0087】
本明細書で使用される場合、「グリア」又は「グリア細胞」という用語は、CNS又はPNS内の非神経細胞を指す。一態様では、少なくとも1つのグリア細胞は、少なくとも1つのオリゴデンドロサイト、少なくとも1つのアストロサイト、少なくとも1つのNG2細胞、少なくとも1つの上衣細胞、及び少なくとも1つのミクログリアからなる群から選択される。一態様では、少なくとも1つのグリア細胞は、少なくとも1つのオリゴデンドロサイトである。一態様では、少なくとも1つのグリア細胞は、少なくとも1つのNG2細胞である。一態様では、少なくとも1つのグリア細胞は、少なくとも1つの上衣細胞である。一態様では、少なくとも1つのグリア細胞は、少なくとも1つのミクログリアである。一態様では、少なくとも1つのグリア細胞は、少なくとも1つの反応性アストロサイトである。一態様では、少なくとも1つのアストロサイトは、少なくとも1つの反応性アストロサイトである。
【0088】
本明細書で使用される場合、「アストロサイト」という用語は、脳の重要な構成要素であるグリア細胞を指す。アストロサイトは、シナプス形成及び可塑性、カリウム緩衝、栄養供給、神経又はグリア伝達物質の分泌及び吸収、並びに血液脳関門の維持などの神経機能のサポートに関与する。本明細書で使用される場合、「反応性アストロサイト」という用語は、傷害又は疾患後のアストロサイトの異常な状態を指す。
【0089】
本明細書で使用される場合、「NG2細胞」又は「ポリデンドロサイト」という用語は、コンドロイチン硫酸プロテオグリカン(CSPG4)及び血小板由来増殖因子のα受容体(PDGFRA)を発現するグリア細胞を指す。
【0090】
本明細書で使用される場合、「ニューロン」又は「神経細胞」という用語は、シナプスを介して他のニューロンと通信する電気的に励起の細胞を指す。一態様では、ニューロンは、単極ニューロン、双極ニューロン、擬単極ニューロン、及び多極ニューロンからなる群から選択される。一態様では、ニューロンは、単極ニューロンである。一態様では、ニューロンは、双極ニューロンである。一態様では、ニューロンは、擬単極ニューロンである。一態様では、ニューロンは、双極ニューロンである。一態様では、ニューロンは、感覚ニューロン、運動ニューロン、及び介在ニューロンからなる群から選択される。一態様では、ニューロンは、感覚ニューロンである。一態様では、ニューロンは、運動ニューロンである。一態様では、ニューロンは、介在ニューロンである。
【0091】
本明細書で使用される場合、「機能的なニューロン」という用語は、生物学的プロセスを実行することができるニューロンを指す。限定されないが、生物学的プロセスの例としては、化学シナプス及び電気シナプスを介した情報及び通信の処理及び伝達が挙げられる。
【0092】
本明細書で使用される場合、「グルタミン酸作動性ニューロン」という用語は、グルタミン酸を産生し、興奮性シナプスを確立するニューロンのサブクラスを指す。本明細書で使用される場合、「興奮性シナプス」という用語は、シナプス前ニューロンにおける活動電位が、シナプス後細胞で発生する活動電位の確率を増加させるシナプスを指す。本明細書で使用される場合、「活動電位」又は「神経インパルス」という用語は、軸索の膜を横切る電気インパルスを指す。本明細書で使用される場合、「軸索」又は「神経線維」という用語は、活動電位を伝導するニューロンを指す。本明細書で使用される場合、「GABA作動性ニューロン」という用語は、GABAを生成し、抑制性シナプスを確立するニューロンのサブセットを指す。本明細書で使用される場合、「GABA」又は「γアミノ酪酸」という用語は、イオンチャネルを開いて、負に帯電した塩化物イオンを細胞に流入させるか、又は正に帯電したカリウムイオンを細胞から流出させることを可能にする化合物を指す。本明細書で使用される場合、「抑制性シナプス」という用語は、シナプス後ニューロンの膜電位を、活動電位を生成するための閾値から遠ざけるシナプスを指す。本明細書で使用される場合、「ドーパミン作動性ニューロン」という用語は、ドーパミンを産生するニューロンのサブセットを指す。本明細書で使用される場合、「ドーパミン」という用語は、神経伝達物質を指す。本明細書で使用される場合、「神経伝達物質」という用語は、神経伝達を活性化する内因性化学物質を指す。本明細書で使用される場合、「神経伝達」という用語は、ニューロンの軸索末端によって神経伝達物質が放出されるプロセスを指す。本明細書で使用される場合、「アセチルコリン作動性ニューロン」又は「コリン作動性ニューロン」という用語は、アセチルコリンを分泌するニューロンのサブセットを指す。本明細書で使用される場合、「アセチルコリン」という用語は、神経伝達物質を指す。本明細書で使用される場合、「セロトニン作動性(seratonergic)ニューロン」という用語は、セロトニンを合成するニューロンのサブセットを指す。本明細書で使用される場合、「セロトニン」という用語は、神経伝達物質を指す。本明細書で使用される場合、「エピネフリン作動性(epinephrinergic)ニューロン」は、神経伝達物質としてエピネフリンを放出するニューロンを指す。本明細書で使用される場合、「運動ニューロン」という用語は、細胞体が運動皮質、脳幹、又は脊髄に位置し、軸索が脊髄又は脊髄の外側に投射し、筋肉及び腺を直接的又は間接的に制御する、ニューロンのサブセットを指す。本明細書で使用される場合、ペプチド作動性ニューロンという用語は、小さなペプチド分子を神経伝達物質として利用するニューロンのサブセットを指す。
【0093】
一態様では、ニューロンは、機能的なニューロンである。一態様では、機能的なニューロンは、グルタミン酸作動性ニューロン、GABA作動性ニューロン、ドーパミン作動性ニューロン、コリン作動性ニューロン、セロトニン作動性ニューロン、エピネフリン作動性ニューロン、運動ニューロン、及びペプチド作動性ニューロンからなる群から選択される。一態様では、機能的なニューロンは、グルタミン酸作動性ニューロンである。一態様では、機能的なニューロンは、GABA作動性ニューロンである。一態様では、機能的なニューロンは、ドーパミン作動性ニューロンである。一態様では、機能的なニューロンは、コリン作動性ニューロンである。一態様では、機能的なニューロンは、セロトニン作動性ニューロンである。一態様では、機能的なニューロンは、エピネフリン作動性ニューロンである。一態様では、機能的なニューロンは、運動ニューロンである。一態様では、機能的なニューロンは、ペプチド作動性ニューロンである。
【0094】
本明細書で使用される場合、「変換」又は「変換された」という用語は、その物理的形態及び/又は生物学的機能を異なる物理的形態及び/又は異なる生物学的機能に変化させる細胞型を指す。一態様では、本開示は、少なくとも1つのグリア細胞を少なくとも1つのニューロンに変換することを提供する。一態様では、少なくとも1つのグリア細胞の少なくとも1つのニューロンへの変換は、CNS又はPNSにおいて生じる。一態様では、少なくとも1つのグリア細胞の少なくとも1つのニューロンへの変換は、CNSにおいて生じる。一態様では、少なくとも1つのグリア細胞の少なくとも1つのニューロンへの変換は、PNSにおいて生じる。
【0095】
一態様では、本開示は、配列番号6の核酸配列を含むヒト神経原性分化1(hNeuroD1)配列及び配列番号13の核酸配列を含むヒトdistal-lessホメオボックス2(hDlx2)配列を含むアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを提供し、かつこれを含み、hNeuroD1配列及びhDlx2配列が、(i)配列番号15及び18からなる群から選択される核酸配列を含むP2Aリンカー、(ii)配列番号16及び19からなる群から選択される核酸配列を含むT2Aリンカー、又は(iii)配列番号3を含む脳心筋炎ウイルスの内部リボソーム進入部位(IRES)配列によって分離され、hNeuroD1配列及びhDlx2配列が、(a)配列番号4、12、及び26からなる群から選択される核酸配列を含むグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターと、(b)配列番号2の核酸配列を含むヒト伸長因子-1α(EF1-α)プロモーターからのエンハンサー又は配列番号11の核酸配列を含むサイトメガロウイルス(CMV)エンハンサーと、(c)配列番号5及び27からなる群から選択される核酸配列を含むキメライントロンと、(d)配列番号7及び29からなる群から選択される核酸配列を含むウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、(e)配列番号8の核酸配列を含むSV40ポリアデニル化シグナル配列、配列番号17の核酸配列を含むhGHポリアデニル化配列、又は配列番号30の核酸配列を含むbGHポリアデニル化配列と、を含む調節エレメントに作動可能に連結される。
【0096】
一態様では、本開示は、配列番号10のアミノ酸コード配列を含むヒト神経原性分化1(hNeuroD1)タンパク質をコードする核酸配列及び配列番号14のアミノ酸配列を含むヒトdistal-lessホメオボックス2(hDlx2)タンパク質をコードする核酸コード配列を含むアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを提供し、かつそれを含み、hNeuroD1コード配列及びhDlx2コード配列が、(i)配列番号15及び18からなる群から選択される核酸配列を含むP2Aリンカー、(ii)配列番号16及び19からなる群から選択される核酸配列を含むT2Aリンカー、又は(iii)配列番号3を含む脳心筋炎ウイルスの内部リボソーム進入部位(IRES)配列によって分離され、hNeuroD1コード配列及びhDlx2コード配列が、(a)配列番号4、12、及び28からなる群から選択される核酸配列を含むグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターと、(b)配列番号2の核酸配列を含むヒト伸長因子-1α(EF1-α)プロモーターからのエンハンサー又は配列番号11の核酸配列を含むサイトメガロウイルス(CMV)エンハンサーと、(c)配列番号5及び27からなる群から選択される核酸配列を含むキメライントロンと、(d)配列番号7及び29からなる群から選択される核酸配列を含むウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、(e)配列番号8の核酸配列を含むSV40ポリアデニル化シグナル配列、配列番号17の核酸配列を含むhGHポリアデニル化配列、又は配列番号30の核酸配列を含むbGHポリアデニル化配列と、を含む調節エレメントに作動可能に連結される。
【0097】
一態様では、本開示は、神経原性分化1(NeuroD1)タンパク質をコードするNeuroD1核酸コード配列及びdistal-lessホメオボックス2(Dlx2)タンパク質をコードするDlx2核酸コード配列を含むアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを提供し、かつそれを含み、NeuroD1コード配列及びDlx2コード配列が、リンカー配列によって分離され、NeuroD1コード配列及びDlx2コード配列が、(a)グリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターと、(b)エンハンサーと、(c)キメライントロンと、(d)ウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、(e)ポリアデニル化シグナル配列と、を含む調節エレメントに作動可能に連結される。
【0098】
一態様では、本開示は、ヒトにおいて、グリア細胞を機能的なニューロンに変換するためのアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを含む組成物を提供し、かつそれを含み、AAVベクターが、配列番号6の核酸配列を有するヒト神経原性分化1(hNeuroD1)配列及び配列番号13の核酸配列を有するヒトdistal-lessホメオボックス2(hDlx2)配列を含み、hNeuroD1配列及びhDlx2配列が、(i)配列番号15及び18からなる群から選択される核酸配列を含むP2Aリンカー、(ii)配列番号16及び19からなる群から選択される核酸配列を含むT2Aリンカー、又は(iii)配列番号3を含む脳心筋炎ウイルスの内部リボソーム進入部位(IRES)配列によって分離され、hNeuroD1配列及びhDlx2配列が、(a)配列番号4、12、及び26からなる群から選択される核酸配列を含むヒトグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターと、(b)配列番号2の核酸配列を含むヒト伸長因子-1α(EF-1α)プロモーターからのエンハンサー又は配列番号11の核酸配列を含むサイトメガロウイルス(CMV)エンハンサーと、(c)配列番号5及び27からなる群から選択される核酸配列を含むキメライントロンと、(d)配列番号7及び29からなる群から選択される核酸配列を含むウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、(e)配列番号8の核酸配列を含むSV40ポリアデニル化シグナル配列、配列番号17の核酸配列を含むhGHポリアデニル化配列、又は配列番号30の核酸配列を含むbGHポリアデニル化配列と、を含む調節エレメントに作動可能に連結される。
【0099】
一態様では、本開示は、ヒトにおいて、グリア細胞を機能的なニューロンに変換するためのアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを含む組成物を提供し、かつそれを含み、AAVベクターが、配列番号10のアミノ酸配列を含むヒト神経原性分化1(hNeuroD1)タンパク質をコードする核酸コード配列及び配列番号14のアミノ酸配列を含むヒトdistal-lessホメオボックス2(hDlx2)タンパク質をコードする核酸コード配列を含み、hNeuroD1コード配列及びhDlx2コード配列が、(i)配列番号15及び18からなる群から選択される核酸配列を含むP2Aリンカー、(ii)配列番号16及び19からなる群から選択される核酸配列を含むT2Aリンカー、又は(iii)配列番号3を含む脳心筋炎ウイルスの内部リボソーム進入部位(IRES)配列によって分離され、hNeuroD1コード配列及びhDlx2コード配列が、(a)配列番号4、12、及び26からなる群から選択される核酸配列を含むヒトグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターと、(b)配列番号2の核酸配列を含むヒト伸長因子-1α(EF-1α)プロモーターからのエンハンサー又は配列番号11の核酸配列を含むサイトメガロウイルス(CMV)エンハンサーと、(c)配列番号5及び27からなる群から選択される核酸配列を含むキメライントロンと、(d)配列番号7及び29からなる群から選択される核酸配列を含むウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、(e)配列番号8の核酸配列を含むSV40ポリアデニル化シグナル配列、配列番号17の核酸配列を含むhGHポリアデニル化配列、又は配列番号30の核酸配列を含むbGHポリアデニル化配列と、を含む調節エレメントに作動可能に連結される。
【0100】
一態様では、本開示は、治療を必要とする対象の治療のためのアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを含む組成物を提供し、かつそれを含み、AAVベクターが、神経原性分化1(NeuroD1)配列及びdistal-lessホメオボックス2(Dlx2)配列を含み、NeuroD1配列及びDlx2配列が、リンカー配列によって分離され、NeuroD1配列及びDlx2配列が、(a)グリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターと、(b)エンハンサーと、(c)キメライントロンと、(d)ウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、(e)ポリアデニル化シグナルと、を含む発現制御エレメントに作動可能に連結される。
【0101】
一態様では、AAVベクターは、AAVタンパク質をコードする核酸配列を含む。一態様では、AAVベクターは、ウイルスタンパク質をコードする核酸配列を含む。AAVタンパク質及びウイルスタンパク質の非限定的な例としては、rep及びcapタンパク質が挙げられる。
【0102】
神経原性分化1(NeuroD1;β2とも称される)は、他のbHLHタンパク質とヘテロ二量体を形成して、Eボックスとして知られているDNA配列を含む遺伝子の転写を活性化する塩基性ヘリックス・ループ・ヘリックス(bHLH)転写因子である。
【0103】
一態様では、NeuroD1配列は、ヒトNeuroD1(hNeuroD1)配列である。一態様では、NeuroD1配列は、チンパンジーNeuroD1配列、ボノボNeuroD1配列、オランウータンNeuroD1配列、ゴリラNeuroD1配列、マカクNeuroD1配列、マーモセットNeuroD1配列、オマキザルNeuroD1配列、ヒヒNeuroD1配列、テナガザルNeuroD1配列、及びキツネザルNeuroD1配列からなる群から選択される。一態様では、NeuroD1配列は、チンパンジーNeuroD1配列である。一態様では、NeuroD1配列は、ボノボNeuroD1配列である。一態様では、NeuroD1配列は、オランウータンNeuroD1配列である。一態様では、NeuroD1配列は、ゴリラNeuroD1配列である。一態様では、NeuroD1配列は、マカクNeuroD1配列である。一態様では、NeuroD1配列は、マーモセットNeuroD1配列である。一態様では、NeuroD1配列は、オマキザルNeuroD1配列である。一態様では、NeuroD1配列は、ヒヒNeuroD1配列である。一態様では、NeuroD1配列は、テナガザルNeuroD1配列である。一態様では、NeuroD1配列は、キツネザルNeuroD1配列である。
【0104】
一態様では、NeuroD1核酸配列は、配列番号6又はその相補体と少なくとも70%同一の配列を含む。一態様では、NeuroD1核酸配列は、配列番号6又はその相補体と少なくとも75%同一の配列を含む。一態様では、NeuroD1核酸配列は、配列番号6又はその相補体と少なくとも80%同一の配列を含む。一態様では、NeuroD1核酸配列は、配列番号6又はその相補体と少なくとも85%同一の配列を含む。一態様では、NeuroD1核酸配列は、配列番号6又はその相補体と少なくとも90%同一の配列を含む。一態様では、NeuroD1核酸配列は、配列番号6又はその相補体と少なくとも91%同一の配列を含む。一態様では、NeuroD1核酸配列は、配列番号6又はその相補体と少なくとも92%同一の配列を含む。一態様では、NeuroD1核酸配列は、配列番号6又はその相補体と少なくとも93%同一の配列を含む。一態様では、NeuroD1核酸配列は、配列番号6又はその相補体と少なくとも94%同一の配列を含む。一態様では、NeuroD1核酸配列は、配列番号6又はその相補体と少なくとも95%同一の配列を含む。一態様では、NeuroD1核酸配列は、配列番号6又はその相補体と少なくとも96%同一の配列を含む。一態様では、NeuroD1核酸配列は、配列番号6又はその相補体と少なくとも97%同一の配列を含む。一態様では、NeuroD1核酸配列は、配列番号6又はその相補体と少なくとも98%同一の配列を含む。一態様では、NeuroD1核酸配列は、配列番号6又はその相補体と少なくとも99%同一の配列を含む。一態様では、NeuroD1核酸配列は、配列番号6又はその相補体と少なくとも99.5%同一の配列を含む。一態様では、NeuroD1核酸配列は、配列番号6又はその相補体と少なくとも99.8%同一の配列を含む。一態様では、NeuroD1核酸配列は、配列番号6又はその相補体と少なくとも99.9%同一の配列を含む。一態様では、NeuroD1核酸配列は、配列番号6又はその相補体と100%同一の配列を含む。
【0105】
一態様では、核酸コード配列は、配列番号10と少なくとも70%同一又は類似のアミノ酸配列を含むNeuroD1タンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号10と少なくとも75%同一又は類似のアミノ酸配列を含むNeuroD1タンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号10と少なくとも80%同一又は類似のアミノ酸配列を含むNeuroD1タンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号10と少なくとも85%同一又は類似のアミノ酸配列を含むNeuroD1タンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号10と少なくとも90%同一又は類似のアミノ酸配列を含むNeuroD1タンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号10と少なくとも91%同一又は類似のアミノ酸配列を含むNeuroD1タンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号10と少なくとも92%同一又は類似のアミノ酸配列を含むNeuroD1タンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号10と少なくとも93%同一又は類似のアミノ酸配列を含むNeuroD1タンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号10と少なくとも94%同一又は類似のアミノ酸配列を含むNeuroD1タンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号10と少なくとも95%同一又は類似のアミノ酸配列を含むNeuroD1タンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号10と少なくとも96%同一又は類似のアミノ酸配列を含むNeuroD1タンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号10と少なくとも97%同一又は類似のアミノ酸配列を含むNeuroD1タンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号10と少なくとも98%同一又は類似のアミノ酸配列を含むNeuroD1タンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号10と少なくとも99%同一又は類似のアミノ酸配列を含むNeuroD1タンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号10と少なくとも99.5%同一又は類似のアミノ酸配列を含むNeuroD1タンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号10と少なくとも99.8%同一又は類似のアミノ酸配列を含むNeuroD1タンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号10と少なくとも99.9%同一又は類似のアミノ酸配列を含むNeuroD1タンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号10と100%同一又は類似のアミノ酸配列を含むNeuroD1タンパク質をコードする。
【0106】
Distal-lessホメオボックス2(Dlx2、TES1とも称される)は、Dlx遺伝子ファミリーのメンバーであり、前脳及び頭蓋顔面の発生に役割を果たすホメオボックス含有遺伝子である。
【0107】
一態様では、Dlx2配列は、ヒトDlx2(hDlx2)配列である。一態様では、Dlx2配列は、チンパンジーDlx2配列、ボノボDlx2配列、オランウータンDlx2配列、ゴリラDlx2配列、マカクDlx2配列、マーモセットDlx2配列、オマキザルDlx2配列、ヒヒDlx2配列、テナガザルDlx2配列、及びキツネザルDlx2配列からなる群から選択される。一態様では、Dlx2配列は、チンパンジーDlx2配列である。一態様では、Dlx2配列は、ボノボDlx2配列である。一態様では、Dlx2配列は、オランウータンDlx2配列である。一態様では、Dlx2配列は、ゴリラDlx2配列である。一態様では、Dlx2配列は、マカクDlx2配列である。一態様では、Dlx2配列は、マーモセットDlx2配列である。一態様では、Dlx2配列は、オマキザルDlx2配列である。一態様では、Dlx2配列は、ヒヒDlx2配列である。一態様では、Dlx2配列は、テナガザルDlx2配列である。一態様では、Dlx2配列は、キツネザルDlx2配列である。
【0108】
一態様では、Dlx2核酸配列は、配列番号13又はその相補体と少なくとも70%同一の配列を含む。一態様では、Dlx2核酸配列は、配列番号13又はその相補体と少なくとも75%同一の配列を含む。一態様では、Dlx2核酸配列は、配列番号13又はその相補体と少なくとも80%同一の配列を含む。一態様では、Dlx2核酸配列は、配列番号13又はその相補体と少なくとも85%同一の配列を含む。一態様では、Dlx2核酸配列は、配列番号13又はその相補体と少なくとも90%同一の配列を含む。一態様では、Dlx2核酸配列は、配列番号13又はその相補体と少なくとも91%同一の配列を含む。一態様では、Dlx2核酸配列は、配列番号13又はその相補体と少なくとも92%同一の配列を含む。一態様では、Dlx2核酸配列は、配列番号13又はその相補体と少なくとも93%同一の配列を含む。一態様では、Dlx2核酸配列は、配列番号13又はその相補体と少なくとも94%同一の配列を含む。一態様では、Dlx2核酸配列は、配列番号13又はその相補体と少なくとも95%同一の配列を含む。一態様では、Dlx2核酸配列は、配列番号13又はその相補体と少なくとも913%同一の配列を含む。一態様では、Dlx2核酸配列は、配列番号13又はその相補体と少なくとも97%同一の配列を含む。一態様では、Dlx2核酸配列は、配列番号13又はその相補体と少なくとも98%同一の配列を含む。一態様では、Dlx2核酸配列は、配列番号13又はその相補体と少なくとも99%同一の配列を含む。一態様では、Dlx2核酸配列は、配列番号13又はその相補体と少なくとも99.5%同一の配列を含む。一態様では、Dlx2核酸配列は、配列番号13又はその相補体と少なくとも99.8%同一の配列を含む。一態様では、Dlx2核酸配列は、配列番号13又はその相補体と少なくとも99.9%同一の配列を含む。一態様では、Dlx2核酸配列は、配列番号13又はその相補体と100%同一の配列を含む。
【0109】
一態様では、核酸コード配列は、配列番号14と少なくとも70%同一又は類似のアミノ酸配列を含むDlx2タンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号14と少なくとも75%同一又は類似のアミノ酸配列を含むDlx2タンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号14と少なくとも80%同一又は類似のアミノ酸配列を含むDlx2タンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号14と少なくとも85%同一又は類似のアミノ酸配列を含むDlx2タンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号14と少なくとも90%同一又は類似のアミノ酸配列を含むDlx2タンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号14と少なくとも91%同一又は類似のアミノ酸配列を含むDlx2タンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号14と少なくとも92%同一又は類似のアミノ酸配列を含むDlx2タンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号14と少なくとも93%同一又は類似のアミノ酸配列を含むDlx2タンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号14と少なくとも94%同一又は類似のアミノ酸配列を含むDlx2タンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号14と少なくとも95%同一又は類似のアミノ酸配列を含むDlx2タンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号14と少なくとも96%同一又は類似のアミノ酸配列を含むDlx2タンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号14と少なくとも97%同一又は類似のアミノ酸配列を含むDlx2タンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号14と少なくとも98%同一又は類似のアミノ酸配列を含むDlx2タンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号14と少なくとも99%同一又は類似のアミノ酸配列を含むDlx2タンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号14と少なくとも99.5%同一又は類似のアミノ酸配列を含むDlx2タンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号14と少なくとも99.8%同一又は類似のアミノ酸配列を含むDlx2タンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号14と少なくとも99.9%同一又は類似のアミノ酸配列を含むDlx2タンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号14と100%同一又は類似のアミノ酸配列を含むDlx2タンパク質をコードする。
【0110】
一態様では、AAVベクターは、NeuroD1配列及びDlx2配列を含む。一態様では、AAVベクターは、NeuroD1配列を含む。一態様では、AAVは、Dlx2配列を含む。
【0111】
本明細書で使用される場合、「リンカー」又は「スペーサー」は、複数のタンパク質ドメイン及びコードドメインを分離する短い配列である。リンカーは、切断可能又は切断不可能であり、単一ベクターにおける多重遺伝子の共発現を促進することができる。
【0112】
本明細書で使用される場合、「2A自己切断ペプチド」又は「2Aペプチド」は、細胞において組換えタンパク質の切断を誘導することができるリンカーのクラスである。
【0113】
本明細書で使用される場合、「P2Aリンカー」、「p2A」、又は「P2A」は、2A自己切断ペプチドのメンバーであるブタテッショウウイルス-1(P2A)リンカーを指す。
【0114】
一態様では、P2Aリンカーは、配列番号15及び18からなる群から選択される核酸配列を有する。一態様では、P2Aリンカーは、配列番号15の核酸配列を有する。一態様では、P2Aリンカーは、配列番号18の核酸配列を有する。一態様では、P2Aは、配列番号15である。一態様では、GSG-P2Aは、配列番号18である。一態様では、P2Aリンカーは、配列番号18の核酸配列を有する。一態様では、P2Aリンカータンパク質は、配列番号20の核酸コード配列を有する。
【0115】
本明細書で使用される場合、「T2Aリンカー」は、2A自己切断ペプチドのメンバーである、Thosea asignaウイルス2A(T2A)リンカーを指す。
【0116】
一態様では、T2Aリンカーは、配列番号16及び19からなる群から選択される核酸配列を有する。一態様では、T2Aリンカーは、配列番号16の核酸配列を有する。一態様では、T2Aリンカーは、配列番号19の核酸配列を有する。一態様では、T2Aリンカーは、配列番号21の核酸コード配列を有する。
【0117】
本明細書で使用される場合、「E2Aリンカー」は、2A自己切断ペプチドのメンバーであるウマ鼻炎Aウイルス(E2A)リンカーを指す。
【0118】
本明細書で使用される場合、「F2Aリンカー」は、2A自己切断ペプチドのメンバーである口蹄疫(foot and mouse)ウイルス(F2A)リンカーを指す。
【0119】
一態様では、リンカーは、P2Aリンカー、T2Aリンカー、E2Aリンカー、及びF2Aリンカーからなる群から選択される。一態様では、リンカーは、P2Aリンカーである。一態様では、リンカーは、T2Aリンカーである。一態様では、リンカーは、E2Aリンカーである。一態様では、リンカーは、F2Aリンカーである。
【0120】
一態様では、リンカー配列は、P2Aリンカーを含む。一態様では、P2Aリンカー核酸配列は、配列番号15又はその相補体と少なくとも70%同一の配列を含む。一態様では、P2Aリンカー核酸配列は、配列番号15又はその相補体と少なくとも75%同一の配列を含む。一態様では、P2Aリンカー核酸配列は、配列番号15又はその相補体と少なくとも80%同一の配列を含む。一態様では、P2Aリンカー核酸配列は、配列番号15又はその相補体と少なくとも85%同一の配列を含む。一態様では、P2Aリンカー核酸配列は、配列番号15又はその相補体と少なくとも90%同一の配列を含む。一態様では、P2Aリンカー核酸配列は、配列番号15又はその相補体と少なくとも91%同一の配列を含む。一態様では、P2Aリンカー核酸配列は、配列番号15又はその相補体と少なくとも92%同一の配列を含む。一態様では、P2Aリンカー核酸配列は、配列番号15又はその相補体と少なくとも93%同一の配列を含む。一態様では、P2Aリンカー核酸配列は、配列番号15又はその相補体と少なくとも94%同一の配列を含む。一態様では、P2Aリンカー核酸配列は、配列番号15又はその相補体と少なくとも95%同一の配列を含む。一態様では、P2Aリンカー核酸配列は、配列番号15又はその相補体と少なくとも96%同一の配列を含む。一態様では、P2Aリンカー核酸配列は、配列番号15又はその相補体と少なくとも97%同一の配列を含む。一態様では、P2Aリンカー核酸配列は、配列番号15又はその相補体と少なくとも98%同一の配列を含む。一態様では、P2Aリンカー核酸配列は、配列番号15又はその相補体と少なくとも99%同一の配列を含む。一態様では、P2Aリンカー核酸配列は、配列番号15又はその相補体と少なくとも99.5%同一の配列を含む。一態様では、P2Aリンカー核酸配列は、配列番号15又はその相補体と少なくとも99.8%同一の配列を含む。一態様では、P2Aリンカー核酸配列は、配列番号15又はその相補体と少なくとも99.9%同一の配列を含む。一態様では、P2Aリンカー核酸配列は、配列番号15又はその相補体と100%同一の配列を含む。
【0121】
一態様では、リンカー配列は、P2Aリンカーを含む。一態様では、P2Aリンカー核酸配列は、配列番号18又はその相補体と少なくとも70%同一の配列を含む。一態様では、P2Aリンカー核酸配列は、配列番号18又はその相補体と少なくとも75%同一の配列を含む。一態様では、P2Aリンカー核酸配列は、配列番号18又はその相補体と少なくとも80%同一の配列を含む。一態様では、P2Aリンカー核酸配列は、配列番号18又はその相補体と少なくとも85%同一の配列を含む。一態様では、P2Aリンカー核酸配列は、配列番号18又はその相補体と少なくとも90%同一の配列を含む。一態様では、P2Aリンカー核酸配列は、配列番号18又はその相補体と少なくとも91%同一の配列を含む。一態様では、P2Aリンカー核酸配列は、配列番号18又はその相補体と少なくとも92%同一の配列を含む。一態様では、P2Aリンカー核酸配列は、配列番号18又はその相補体と少なくとも93%同一の配列を含む。一態様では、P2Aリンカー核酸配列は、配列番号18又はその相補体と少なくとも94%同一の配列を含む。一態様では、P2Aリンカー核酸配列は、配列番号18又はその相補体と少なくとも95%同一の配列を含む。一態様では、P2Aリンカー核酸配列は、配列番号18又はその相補体と少なくとも96%同一の配列を含む。一態様では、P2Aリンカー核酸配列は、配列番号18又はその相補体と少なくとも97%同一の配列を含む。一態様では、P2Aリンカー核酸配列は、配列番号18又はその相補体と少なくとも98%同一の配列を含む。一態様では、P2Aリンカー核酸配列は、配列番号18又はその相補体と少なくとも99%同一の配列を含む。一態様では、P2Aリンカー核酸配列は、配列番号18又はその相補体と少なくとも99.5%同一の配列を含む。一態様では、P2Aリンカー核酸配列は、配列番号18又はその相補体と少なくとも99.8%同一の配列を含む。一態様では、P2Aリンカー核酸配列は、配列番号18又はその相補体と少なくとも99.9%同一の配列を含む。一態様では、P2Aリンカー核酸配列は、配列番号18又はその相補体と100%同一の配列を含む。
【0122】
一態様では、核酸コード配列は、配列番号20と少なくとも70%同一又は類似のアミノ酸配列を含むP2Aタンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号20と少なくとも75%同一又は類似のアミノ酸配列を含むP2Aタンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号20と少なくとも80%同一又は類似のアミノ酸配列を含むP2Aタンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号20と少なくとも85%同一又は類似のアミノ酸配列を含むP2Aタンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号20と少なくとも90%同一又は類似のアミノ酸配列を含むP2Aタンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号20と少なくとも91%同一又は類似のアミノ酸配列を含むP2Aタンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号20と少なくとも92%同一又は類似のアミノ酸配列を含むP2Aタンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号20と少なくとも93%同一又は類似のアミノ酸配列を含むP2Aタンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号20と少なくとも94%同一又は類似のアミノ酸配列を含むP2Aタンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号20と少なくとも95%同一又は類似のアミノ酸配列を含むP2Aタンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号20と少なくとも96%同一又は類似のアミノ酸配列を含むP2Aタンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号20と少なくとも97%同一又は類似のアミノ酸配列を含むP2Aタンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号20と少なくとも98%同一又は類似のアミノ酸配列を含むP2Aタンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号20と少なくとも99%同一又は類似のアミノ酸配列を含むP2Aタンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号20と少なくとも99.5%同一又は類似のアミノ酸配列を含むP2Aタンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号20と少なくとも99.8%同一又は類似のアミノ酸配列を含むP2Aタンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号20と少なくとも99.9%同一又は類似のアミノ酸配列を含むP2Aタンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号20と100%同一又は類似のアミノ酸配列を含むP2Aタンパク質をコードする。
【0123】
一態様では、リンカー配列は、T2Aリンカーを含む。一態様では、T2Aリンカー核酸配列は、配列番号16又はその相補体と少なくとも70%同一の配列を含む。一態様では、T2Aリンカー核酸配列は、配列番号16又はその相補体と少なくとも75%同一の配列を含む。一態様では、T2Aリンカー核酸配列は、配列番号16又はその相補体と少なくとも80%同一の配列を含む。一態様では、T2Aリンカー核酸配列は、配列番号16又はその相補体と少なくとも85%同一の配列を含む。一態様では、T2Aリンカー核酸配列は、配列番号16又はその相補体と少なくとも90%同一の配列を含む。一態様では、T2Aリンカー核酸配列は、配列番号16又はその相補体と少なくとも91%同一の配列を含む。一態様では、T2Aリンカー核酸配列は、配列番号16又はその相補体と少なくとも92%同一の配列を含む。一態様では、T2Aリンカー核酸配列は、配列番号16又はその相補体と少なくとも93%同一の配列を含む。一態様では、T2Aリンカー核酸配列は、配列番号16又はその相補体と少なくとも94%同一の配列を含む。一態様では、T2Aリンカー核酸配列は、配列番号16又はその相補体と少なくとも95%同一の配列を含む。一態様では、T2Aリンカー核酸配列は、配列番号16又はその相補体と少なくとも96%同一の配列を含む。一態様では、T2Aリンカー核酸配列は、配列番号16又はその相補体と少なくとも97%同一の配列を含む。一態様では、T2Aリンカー核酸配列は、配列番号16又はその相補体と少なくとも98%同一の配列を含む。一態様では、T2Aリンカー核酸配列は、配列番号16又はその相補体と少なくとも99%同一の配列を含む。一態様では、T2Aリンカー核酸配列は、配列番号16又はその相補体と少なくとも99.5%同一の配列を含む。一態様では、T2Aリンカー核酸配列は、配列番号16又はその相補体と少なくとも99.8%同一の配列を含む。一態様では、T2Aリンカー核酸配列は、配列番号16又はその相補体と少なくとも99.9%同一の配列を含む。一態様では、T2Aリンカー核酸配列は、配列番号16又はその相補体と100%同一の配列を含む。
【0124】
一態様では、リンカー配列は、T2Aリンカーを含む。一態様では、T2Aリンカー核酸配列は、配列番号19又はその相補体と少なくとも70%同一の配列を含む。一態様では、T2Aリンカー核酸配列は、配列番号19又はその相補体と少なくとも75%同一の配列を含む。一態様では、T2Aリンカー核酸配列は、配列番号19又はその相補体と少なくとも80%同一の配列を含む。一態様では、T2Aリンカー核酸配列は、配列番号19又はその相補体と少なくとも85%同一の配列を含む。一態様では、T2Aリンカー核酸配列は、配列番号19又はその相補体と少なくとも90%同一の配列を含む。一態様では、T2Aリンカー核酸配列は、配列番号19又はその相補体と少なくとも91%同一の配列を含む。一態様では、T2Aリンカー核酸配列は、配列番号19又はその相補体と少なくとも92%同一の配列を含む。一態様では、T2Aリンカー核酸配列は、配列番号19又はその相補体と少なくとも93%同一の配列を含む。一態様では、T2Aリンカー核酸配列は、配列番号19又はその相補体と少なくとも94%同一の配列を含む。一態様では、T2Aリンカー核酸配列は、配列番号19又はその相補体と少なくとも95%同一の配列を含む。一態様では、T2Aリンカー核酸配列は、配列番号19又はその相補体と少なくとも96%同一の配列を含む。一態様では、T2Aリンカー核酸配列は、配列番号19又はその相補体と少なくとも97%同一の配列を含む。一態様では、T2Aリンカー核酸配列は、配列番号19又はその相補体と少なくとも98%同一の配列を含む。一態様では、T2Aリンカー核酸配列は、配列番号19又はその相補体と少なくとも99%同一の配列を含む。一態様では、T2Aリンカー核酸配列は、配列番号19又はその相補体と少なくとも99.5%同一の配列を含む。一態様では、T2Aリンカー核酸配列は、配列番号19又はその相補体と少なくとも99.8%同一の配列を含む。一態様では、T2Aリンカー核酸配列は、配列番号19又はその相補体と少なくとも99.9%同一の配列を含む。一態様では、T2Aリンカー核酸配列は、配列番号19又はその相補体と100%同一の配列を含む。
【0125】
一態様では、核酸コード配列は、配列番号21と少なくとも70%同一又は類似のアミノ酸配列を含むT2Aタンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号21と少なくとも75%同一又は類似のアミノ酸配列を含むT2Aタンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号21と少なくとも80%同一又は類似のアミノ酸配列を含むT2Aタンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号21と少なくとも85%同一又は類似のアミノ酸配列を含むT2Aタンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号21と少なくとも90%同一又は類似のアミノ酸配列を含むT2Aタンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号21と少なくとも91%同一又は類似のアミノ酸配列を含むT2Aタンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号21と少なくとも92%同一又は類似のアミノ酸配列を含むT2Aタンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号21と少なくとも93%同一又は類似のアミノ酸配列を含むT2Aタンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号21と少なくとも94%同一又は類似のアミノ酸配列を含むT2Aタンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号21と少なくとも95%同一又は類似のアミノ酸配列を含むT2Aタンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号21と少なくとも96%同一又は類似のアミノ酸配列を含むT2Aタンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号21と少なくとも97%同一又は類似のアミノ酸配列を含むT2Aタンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号21と少なくとも98%同一又は類似のアミノ酸配列を含むT2Aタンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号21と少なくとも99%同一又は類似のアミノ酸配列を含むT2Aタンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号21と少なくとも99.5%同一又は類似のアミノ酸配列を含むT2Aタンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号21と少なくとも99.8%同一又は類似のアミノ酸配列を含むT2Aタンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号21と少なくとも99.9%同一又は類似のアミノ酸配列を含むT2Aタンパク質をコードする。一態様では、核酸コード配列は、配列番号21と100%同一又は類似のアミノ酸配列を含むT2Aタンパク質をコードする。
【0126】
本明細書で使用される場合、「IRES」は、脳心筋炎ウイルス(EMCV)の内部リボソーム進入部位を指す。
【0127】
一態様では、本開示のAAV又はベクターは、脳心筋炎ウイルス(IRES)配列の内部リボソーム進入部位を含む。一態様では、IRES配列は、配列番号3を含む。一態様では、IRES配列は、配列番号3又はその相補体と少なくとも70%同一の配列を含む。一態様では、IRES配列は、配列番号3又はその相補体と少なくとも75%同一の配列を含む。一態様では、IRES配列は、配列番号3又はその相補体と少なくとも80%同一の配列を含む。一態様では、IRES配列は、配列番号3又はその相補体と少なくとも85%同一の配列を含む。一態様では、IRES配列は、配列番号3又はその相補体と少なくとも90%同一の配列を含む。一態様では、IRES配列は、配列番号3又はその相補体と少なくとも91%同一の配列を含む。一態様では、IRES配列は、配列番号3又はその相補体と少なくとも92%同一の配列を含む。一態様では、IRES配列は、配列番号3又はその相補体と少なくとも93%同一の配列を含む。一態様では、IRES配列は、配列番号3又はその相補体と少なくとも94%同一の配列を含む。一態様では、IRES配列は、配列番号3又はその相補体と少なくとも95%同一の配列を含む。一態様では、IRES配列は、配列番号3又はその相補体と少なくとも96%同一の配列を含む。一態様では、IRES配列は、配列番号3又はその相補体と少なくとも97%同一の配列を含む。一態様では、IRES配列は、配列番号3又はその相補体と少なくとも98%同一の配列を含む。一態様では、IRES配列は、配列番号3又はその相補体と少なくとも99%同一の配列を含む。一態様では、IRES配列は、配列番号3又はその相補体と少なくとも99.5%同一の配列を含む。一態様では、IRES配列は、配列番号3又はその相補体と少なくとも99.8%同一の配列を含む。一態様では、IRES配列は、配列番号3又はその相補体と少なくとも99.9%同一の配列を含む。一態様では、IRES配列は、配列番号3又はその相補体と100%同一の配列を含む。
【0128】
グリア線維性酸タンパク質(GFAP)(グリア線維性酸性タンパク質とも称される)は、タンパク質のIII型中間径フィラメントファミリーのメンバーであり、中枢神経系で発現され、細胞コミュニケーション及び血液脳関門の機能において役割を果たす。
【0129】
一態様では、プロモーターは、GFAPプロモーター、Sox9プロモーター、S100bプロモーター、Aldh1l1プロモーター、リポカリン2(Lcn2)プロモーター、グルタミンシンテターゼプロモーター、アクアポリン-4(AQP4)プロモーター、オリゴデンドロサイト転写因子(Olig2)プロモーター、及びシナプシンプロモーター、NG2プロモーター、イオン化カルシウム結合アダプター分子1(Iba1)プロモーター、表面抗原分類86(CD86)プロモーター、血小板由来増殖因子受容体α(PDGFRA)プロモーター、血小板由来増殖因子受容体β(PDGFRB)プロモーター、伸長因子1-α(EF1a)プロモーター、CAGプロモーター、サイゴメウイル(CMV)プロモーター、ユビキチンプロモーターからなる群から選択される。一態様では、プロモーターは、GFAPプロモーターである。一態様では、プロモーターは、切断型GFAPプロモーターである。一態様では、プロモーターは、Sox9プロモーターである。一態様では、プロモーターは、S100bプロモーターである。一態様では、プロモーターは、Aldh1l1プロモーターである。一態様では、プロモーターは、Lcn2プロモーターである。一態様では、プロモーターは、グルタミンシンテターゼプロモーターである。一態様では、プロモーターは、AQP4プロモーターである。一態様では、プロモーターは、Olig2プロモーターである。一態様では、プロモーターは、シナプシンプロモーターである。一態様では、プロモーターは、Iba1プロモーターである。一態様では、プロモーターは、CD86プロモーターである。一態様では、プロモーターは、PDGFRAプロモーターである。一態様では、プロモーターは、PDGFRBプロモーターである。一態様では、プロモーターは、EF1aプロモーターである。一態様では、プロモーターは、CAGプロモーターである。一態様では、プロモーターは、CMVプロモーターである。一態様では、プロモーターは、ユビキチンプロモーターである。
【0130】
一態様では、ユビキチンプロモーターは、U6、H1、7SK、及びU1からなる群から選択される。一態様では、ユビキチンプロモーターは、U6である。一態様では、ユビキチンプロモーターは、H1である。一態様では、ユビキチンプロモーターは、H1である。一態様では、ユビキチンプロモーターは、7SKである。一態様では、ユビキチンプロモーターは、U1である。一態様では、U6は、配列番号22の核酸配列を含む。
【0131】
一態様では、GFAPプロモーターは、細胞におけるグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)と呼ばれるタンパク質のアストロサイト特異的発現を指示するプロモーターである。一態様では、GFAPプロモーター配列は、ヒトGFAP(hGFAP)プロモーター配列である。一態様では、GFAPプロモーターは、GfaABC1D(「pGfa681」とも呼ばれる)、Gfa1.6、及びhGFA2.2からなる群から選択される。一態様では、GFAPプロモーターは、GfaABC1D(「pGfa681」とも呼ばれる)である。一態様では、GFAPプロモーターは、Gfa1.6である。一態様では、GFAPプロモーターは、hGFA2.2である。一態様では、pGfa681は、配列番号26である。一態様では、GFAP Gfa1.6は、配列番号4である。一態様では、hGFa2.2は、配列番号12である。一態様では、GFAPプロモーターは、配列番号4、12、及び26からなる群から選択される。一態様では、GFAPプロモーターは、配列番号4である。一態様では、GFAPプロモーターは、配列番号12である。一態様では、GFAPプロモーターは、配列番号26である。
【0132】
一態様では、GFAPプロモーター配列は、チンパンジーGFAPプロモーター配列、ボノボGFAPプロモーター配列、オランウータンGFAPプロモーター配列、ゴリラGFAPプロモーター配列、マカクGFAPプロモーター配列、マーモセットGFAPプロモーター配列、オマキザルGFAPプロモーター配列、ヒヒGFAPプロモーター配列、テナガザルGFAPプロモーター配列、及びキツネザルGFAPプロモーター配列からなる群から選択される。一態様では、GFAPプロモーター配列は、チンパンジーGFAPプロモーター配列である。一態様では、GFAPプロモーター配列は、ボノボGFAPプロモーター配列である。一態様では、GFAPプロモーター配列は、オランウータンGFAPプロモーター配列である。一態様では、GFAPプロモーター配列は、ゴリラGFAPプロモーター配列である。一態様では、GFAPプロモーター配列は、マカクGFAPプロモーター配列である。一態様では、GFAPプロモーター配列は、マーモセットGFAPプロモーター配列である。一態様では、GFAPプロモーター配列は、オマキザルGFAPプロモーター配列である。一態様では、GFAPプロモーター配列は、ヒヒGFAPプロモーター配列である。一態様では、GFAPプロモーター配列は、テナガザルGFAPプロモーター配列である。一態様では、GFAPプロモーター配列は、キツネザルGFAPプロモーター配列である。
【0133】
一態様では、GFAPプロモーター配列は、少なくとも100ヌクレオチドを含む。一態様では、GFAPプロモーターは、少なくとも500ヌクレオチドを含む。更なる態様では、GFAPプロモーターは、少なくとも1000ヌクレオチドを含む。更に別の態様では、GFAPプロモーターは、少なくとも1400ヌクレオチドを含む。
【0134】
当該技術分野では、プロモーター配列の断片は、作動可能に連結された核酸分子の転写を駆動するように機能し得ることが理解される。例えば、限定されないが、1000ヌクレオチドのプロモーターが500ヌクレオチドに切断され、500ヌクレオチド断片が転写を駆動することができる場合、500ヌクレオチド断片は、「機能性断片」と称される。
【0135】
一態様では、プロモーターは少なくとも10ヌクレオチドを含む。一態様では、プロモーターは、少なくとも50ヌクレオチドを含む。一態様では、プロモーターは、少なくとも100ヌクレオチドを含む。一態様では、イントロンは、少なくとも140ヌクレオチドを含む。一態様では、プロモーターは、少なくとも200ヌクレオチドを含む。一態様では、プロモーターは、少なくとも250ヌクレオチドを含む。一態様では、プロモーターは、少なくとも300ヌクレオチドを含む。一態様では、プロモーターは、少なくとも350ヌクレオチドを含む。一態様では、プロモーターは、少なくとも400ヌクレオチドを含む。一態様では、プロモーターは、少なくとも450ヌクレオチドを含む。一態様では、プロモーターは、少なくとも500ヌクレオチドを含む。一態様では、プロモーターは、50ヌクレオチド~7500ヌクレオチドを含む。一態様では、プロモーターは、50ヌクレオチド~5000ヌクレオチドを含む。一態様では、プロモーターは、50ヌクレオチド~2500ヌクレオチドを含む。一態様では、プロモーターは、50ヌクレオチド~1000ヌクレオチドを含む。一態様では、プロモーターは、50ヌクレオチド~500ヌクレオチドを含む。一態様では、プロモーターは、10ヌクレオチド~7500ヌクレオチドを含む。一態様では、プロモーターは、10ヌクレオチド~5000ヌクレオチドを含む。一態様では、プロモーターは、10ヌクレオチド~2500ヌクレオチドを含む。一態様では、プロモーターは、10ヌクレオチド~1000ヌクレオチドを含む。一態様では、プロモーターは、10ヌクレオチド~500ヌクレオチドを含む。
【0136】
一態様では、GFAPプロモーター核酸配列は、配列番号4、12、26、及びその機能的断片からなる群から選択される配列と少なくとも70%同一の配列を含む。一態様では、GFAPプロモーター核酸配列は、配列番号4、12、26、及びその機能的断片からなる群から選択される配列と少なくとも75%同一の配列を含む。一態様では、GFAPプロモーター核酸配列は、配列番号4、12、26、及びその機能的断片からなる群から選択される配列と少なくとも80%同一の配列を含む。一態様では、GFAPプロモーター核酸配列は、配列番号4、12、26、及びその機能的断片からなる群から選択される配列と少なくとも85%同一の配列を含む。一態様では、GFAPプロモーター核酸配列は、配列番号4、12、26、及びその機能的断片からなる群から選択される配列と少なくとも90%同一の配列を含む。一態様では、GFAPプロモーター核酸配列は、配列番号4、12、26、及びその機能的断片からなる群から選択される配列と少なくとも91%同一の配列を含む。一態様では、GFAPプロモーター核酸配列は、配列番号4、12、26、及びその機能的断片からなる群から選択される配列と少なくとも92%同一の配列を含む。一態様では、GFAPプロモーター核酸配列は、配列番号4、12、26、及びその機能的断片からなる群から選択される配列と少なくとも93%同一の配列を含む。一態様では、GFAPプロモーター核酸配列は、配列番号4、12、26、及びその機能的断片からなる群から選択される配列と少なくとも94%同一の配列を含む。一態様では、GFAPプロモーター核酸配列は、配列番号4、12、26、及びその機能的断片からなる群から選択される配列と少なくとも95%同一の配列を含む。一態様では、GFAPプロモーター核酸配列は、配列番号4、12、26、及びその機能的断片からなる群から選択される配列と少なくとも96%同一の配列を含む。一態様では、GFAPプロモーター核酸配列は、配列番号4、12、26、及びその機能的断片からなる群から選択される配列と少なくとも97%同一の配列を含む。一態様では、GFAPプロモーター核酸配列は、配列番号4、12、26、及びその機能的断片からなる群から選択される配列と少なくとも98%同一の配列を含む。一態様では、GFAPプロモーター核酸配列は、配列番号4、12、26、及びその機能的断片からなる群から選択される配列と少なくとも99%同一の配列を含む。一態様では、GFAPプロモーター核酸配列は、配列番号4、12、26、及びその機能的断片からなる群から選択される配列と少なくとも99.5%同一の配列を含む。一態様では、GFAPプロモーター核酸配列は、配列番号4、12、26、及びその機能的断片からなる群から選択される配列と少なくとも99.8%同一の配列を含む。一態様では、GFAPプロモーター核酸配列は、配列番号4、12、26、及びその機能的断片からなる群から選択される配列と少なくとも99.9%同一の配列を含む。一態様では、GFAPプロモーター核酸配列は、配列番号4、12、26、及びその機能的断片からなる群から選択される配列と100%同一の配列を含む。
【0137】
一態様では、本明細書に提供される核酸配列は、コドン最適化される。
【0138】
一態様では、本明細書に提供される核酸配列は、CpG部位が枯渇している。
【0139】
本明細書で使用される場合、「脳」という用語は、神経系の中枢として機能する臓器を指す。一態様では、脳は、大脳、大脳皮質、小脳、及び/又は脳幹を含む。
【0140】
本明細書で使用される場合、「大脳皮質」という用語は、大脳の神経組織の外層を指す。
【0141】
本明細書で使用される場合、「線条体(striatum)」又は「線条体(corpus striatum)」という用語は、前脳の皮質下基底核のニューロンのクラスターを指し、腹側線条体及び背側線条体を含む。
【0142】
本明細書で使用される場合、「黒質」という用語は、中脳の皮質下基底核のニューロンのクラスターを指し、緻密部及び網様部を含む。
【0143】
本明細書で使用される場合、「前脳」という用語は、脳の最も前方の部分を指す。
【0144】
本明細書で使用される場合、「被殻」という用語は、前脳の基底の丸い構造を指し、背部線条体の構成要素である。
【0145】
本明細書で使用される場合、「尾状核」という用語は、前脳の基底の構造を指し、背部線条体の構成要素である。
【0146】
本明細書で使用される場合、「皮質下基底核」という用語は、脳の深部大脳半球におけるニューロンのクラスターを指す。
【0147】
本明細書で使用される場合、「脊髄」という用語は、運動皮質から身体への神経シグナルの伝達において機能する構造を指す。
【0148】
本明細書で使用される場合、「運動皮質」という用語は、随意運動の計画、制御、及び実行に関与する大脳皮質の前頭葉の領域を指す。
【0149】
一態様では、本明細書に提供される方法は、脳において反応性アストロサイトを機能的なニューロンに変換する。一態様では、本明細書に提供される方法は、脳の大脳皮質において反応性アストロサイトを機能的なニューロンに変換する。一態様では、本明細書に提供される方法は、脳の線条体において反応性アストロサイトを機能的なニューロンに変換する。一態様では、本明細書に提供される方法は、脳の背側線条体において反応性アストロサイトを機能的なニューロンに変換する。一態様では、本明細書に提供される方法は、脳の脊髄において反応性アストロサイトを機能的なニューロンに変換する。一態様では、本明細書に提供される方法は、脳の被殻において反応性アストロサイトを機能的なニューロンに変換する。一態様では、本明細書に提供される方法は、脳の尾状核において反応性アストロサイトを機能的なニューロンに変換する。一態様では、本明細書に提供される方法は、脳の黒質において反応性アストロサイトを機能的なニューロンに変換する。
【0150】
伸長因子1α(EF-1α;eEF1a1とも称される)は、伸長因子1複合体のαサブユニットのアイソフォームである。複合体は、アミノアシルtRNAのリボソームへの酵素的送達に関与する。EF-1αのアイソフォームは、脳、胎盤、肺、肝臓、腎臓、及び膵臓で発現する。
【0151】
一態様では、EF-1αプロモーターからのエンハンサー配列は、EF-1αプロモーターからのヒトエンハンサー配列である。一態様では、EF-1αプロモーターからのエンハンサー配列は、EF-1αプロモーターからのチンパンジーエンハンサー配列、EF-1αプロモーターからのボノボエンハンサー配列、EF-1αプロモーターからのオランウータンエンハンサー配列、EF-1αプロモーターからのゴリラエンハンサー配列、EF-1αプロモーターからのマカクエンハンサー配列、EF-1αプロモーターからのマーモセットエンハンサー配列、EF-1αプロモーターからのオマキザルハンサー配列、EF-1αプロモーターからのヒヒエンハンサー配列、EF-1αプロモーターからのテナガザルエンハンサー配列、及びEF-1αプロモーターからのキツネザルエンハンサー配列からなる群から選択される。一態様では、EF-1αプロモーターからのエンハンサー配列はEF-1αプロモーターからの、チンパンジーエンハンサー配列である。一態様では、EF-1αプロモーターからのエンハンサー配列は、EF-1αプロモーターからのボノボエンハンサー配列である。一態様では、EF-1αプロモーターからのエンハンサー配列は、EF-1αプロモーターからのオランウータンエンハンサー配列である。一態様では、EF-1αプロモーターからのエンハンサー配列は、EF-1αプロモーターからのゴリラエンハンサー配列である。一態様では、EF-1αプロモーターからのエンハンサー配列は、EF-1αプロモーターからのマカクエンハンサー配列である。一態様では、EF-1αプロモーターからのエンハンサー配列は、EF-1αプロモーターからのマーモセットエンハンサー配列である。一態様では、EF-1αプロモーターからのエンハンサー配列は、EF-1αプロモーターからのオマキザルエンハンサー配列である。一態様では、EF-1αプロモーターからのエンハンサー配列は、EF-1αプロモーターからのヒヒエンハンサー配列である。一態様では、EF-1αプロモーターからのエンハンサー配列は、EF-1αプロモーターからのテナガザルエンハンサー配列である。一態様では、EF-1αプロモーターからのエンハンサー配列は、EF-1αプロモーターからのキツネザルエンハンサー配列である。
【0152】
一態様では、EF-1αプロモーター核酸配列からのエンハンサーは、配列番号2又はその相補体と少なくとも70%同一の配列を含む。一態様では、EF-1αプロモーター核酸配列からのエンハンサーは、配列番号2又はその相補体と少なくとも75%同一の配列を含む。一態様では、EF-1αプロモーター核酸配列からのエンハンサーは、配列番号2又はその相補体と少なくとも80%同一の配列を含む。一態様では、EF-1αプロモーター核酸配列からのエンハンサーは、配列番号2又はその相補体と少なくとも85%同一の配列を含む。一態様では、EF-1αプロモーター核酸配列からのエンハンサーは、配列番号2又はその相補体と少なくとも90%同一の配列を含む。一態様では、EF-1αプロモーター核酸配列からのエンハンサーは、配列番号2又はその相補体と少なくとも91%同一の配列を含む。一態様では、EF-1αプロモーター核酸配列からのエンハンサーは、配列番号2又はその相補体と少なくとも92%同一の配列を含む。一態様では、EF-1αプロモーター核酸配列からのエンハンサーは、配列番号2又はその相補体と少なくとも93%同一の配列を含む。一態様では、EF-1αプロモーター核酸配列からのエンハンサーは、配列番号2又はその相補体と少なくとも94%同一の配列を含む。一態様では、EF-1αプロモーター核酸配列からのエンハンサーは、配列番号2又はその相補体と少なくとも95%同一の配列を含む。一態様では、EF-1αプロモーター核酸配列からのエンハンサーは、配列番号2又はその相補体と少なくとも96%同一の配列を含む。一態様では、EF-1αプロモーター核酸配列からのエンハンサーは、配列番号2又はその相補体と少なくとも97%同一の配列を含む。一態様では、EF-1αプロモーター核酸配列からのエンハンサーは、配列番号2又はその相補体と少なくとも98%同一の配列を含む。一態様では、EF-1αプロモーター核酸配列からのエンハンサーは、配列番号2又はその相補体と少なくとも99%同一の配列を含む。一態様では、EF-1αプロモーター核酸配列からのエンハンサーは、配列番号2又はその相補体と少なくとも99.5%同一の配列を含む。一態様では、EF-1αプロモーター核酸配列からのエンハンサーは、配列番号2又はその相補体と少なくとも99.8%同一の配列を含む。一態様では、EF-1αプロモーター核酸配列からのエンハンサーは、配列番号2又はその相補体と少なくとも99.9%同一の配列を含む。一態様では、EF-1αプロモーター核酸配列からのエンハンサーは、配列番号2又はその相補体と100%同一の配列を含む。
【0153】
サイトメガロウイルス(CMV)は、ヘルペスウイルス目のウイルスの属である。
【0154】
一態様では、CMVからのエンハンサー配列は、CMVからのヒトエンハンサー配列である。一態様では、CMVからのエンハンサー配列は、CMVからのチンパンジーエンハンサー配列、CMVからのボノボエンハンサー配列、CMVからのオランウータンエンハンサー配列、CMVからのゴリラエンハンサー配列、CMVからのマカクエンハンサー配列、CMVからのマーモセットエンハンサー配列、CMVからのオマキザルエンハンサー配列、CMVからのヒヒエンハンサー配列、CMVからのテナガザルエンハンサー配列、及びCMVからのキツネザルエンハンサー配列からなる群から選択される。一態様では、CMVからのエンハンサー配列は、CMVからのチンパンジーエンハンサー配列である。一態様では、CMVからのエンハンサー配列は、CMVからのボノボエンハンサー配列である。一態様では、CMVからのエンハンサー配列は、CMVからのオランウータンエンハンサー配列である。一態様では、CMVからのエンハンサー配列は、CMVからのゴリラエンハンサー配列である。一態様では、CMVからのエンハンサー配列は、CMVからのマカクエンハンサー配列である。一態様では、CMVからのエンハンサー配列は、CMVからのマーモセットエンハンサー配列である。一態様では、CMVからのエンハンサー配列は、CMVからのオマキザルエンハンサー配列である。一態様では、CMVからのエンハンサー配列は、CMVからのヒヒエンハンサー配列である。一態様では、CMVからのエンハンサー配列は、CMVからのテナガザルエンハンサー配列である。一態様では、CMVからのエンハンサー配列は、CMVからのキツネザルエンハンサー配列である。
【0155】
一態様では、CMV核酸配列からのエンハンサーは、配列番号11又はその相補体と少なくとも70%同一の配列を含む。一態様では、CMV核酸配列からのエンハンサーは、配列番号11又はその相補体と少なくとも75%同一の配列を含む。一態様では、CMV核酸配列からのエンハンサーは、配列番号11又はその相補体と少なくとも80%同一の配列を含む。一態様では、CMV核酸配列からのエンハンサーは、配列番号11又はその相補体と少なくとも85%同一の配列を含む。一態様では、CMV核酸配列からのエンハンサーは、配列番号11又はその相補体と少なくとも90%同一の配列を含む。一態様では、CMV核酸配列からのエンハンサーは、配列番号11又はその相補体と少なくとも91%同一の配列を含む。一態様では、CMV核酸配列からのエンハンサーは、配列番号11又はその相補体と少なくとも911%同一の配列を含む。一態様では、CMV核酸配列からのエンハンサーは、配列番号11又はその相補体と少なくとも93%同一の配列を含む。一態様では、CMV核酸配列からのエンハンサーは、配列番号11又はその相補体と少なくとも94%同一の配列を含む。一態様では、CMV核酸配列からのエンハンサーは、配列番号11又はその相補体と少なくとも95%同一の配列を含む。一態様では、CMV核酸配列からのエンハンサーは、配列番号11又はその相補体と少なくとも96%同一の配列を含む。一態様では、CMV核酸配列からのエンハンサーは、配列番号11又はその相補体と少なくとも97%同一の配列を含む。一態様では、CMV核酸配列からのエンハンサーは、配列番号11又はその相補体と少なくとも98%同一の配列を含む。一態様では、CMV核酸配列からのエンハンサーは、配列番号11又はその相補体と少なくとも99%同一の配列を含む。一態様では、CMV核酸配列からのエンハンサーは、配列番号11又はその相補体と少なくとも99.5%同一の配列を含む。一態様では、CMV核酸配列からのエンハンサーは、配列番号11又はその相補体と少なくとも99.8%同一の配列を含む。一態様では、CMV核酸配列からのエンハンサーは、配列番号11又はその相補体と少なくとも99.9%同一の配列を含む。一態様では、CMV核酸配列からのエンハンサーは、配列番号11又はその相補体と100%同一の配列を含む。
【0156】
一態様では、エンハンサーは、EF1-αプロモーター及びCMVエンハンサーからなるエンハンサーからなる群から選択される。一態様では、エンハンサーは、EF1-αプロモーターからのものである。一態様では、エンハンサーは、CMVエンハンサーである。
【0157】
一態様では、本開示のベクターは、キメライントロンを含む。一態様では、キメライントロンは、ヒトβグロビン遺伝子の第1イントロンからの5’ドナー部位、並びに免疫グロブリン遺伝子重鎖可変領域のイントロンからの分岐及び3’アクセプター部位からなる。一態様では、キメライントロンは、CAGプロモーターにおけるものと同様のウサギβグロビン及びニワトリβアクチンのキメライントロンである。一態様では、本開示のベクターは、グリア線維性酸タンパク質(GFAP)のイントロンを含む。一態様では、本開示のベクターは、グリア線維性酸タンパク質(GFAP)の第1イントロンを含む。
【0158】
イントロンは、スプライソソームイントロン、トランスファーRNAイントロン、グループIイントロン、グループIIイントロン、及びグループIIIイントロンを含む、少なくとも5つのクラスに分類することができる。イントロンは、既知の若しくは天然に存在するイントロン配列又は他のイントロン配列から、合成的に産生、変化、又は誘導することができる。イントロンは、2つ以上の異種配列の組み合わせを含むキメライントロンも含むことができる。したがって、本出願のイントロンは、イントロン配列のバリアントを含むことができ、既知の又は本明細書に提供される他のイントロン配列と組成が類似しているが、同一ではない。一態様では、イントロンは、少なくとも10ヌクレオチドを含む。一態様では、イントロンは、少なくとも50ヌクレオチドを含む。一態様では、イントロンは、少なくとも100ヌクレオチドを含む。一態様では、イントロンは、少なくとも140ヌクレオチドを含む。一態様では、イントロンは、少なくとも200ヌクレオチドを含む。一態様では、イントロンは、少なくとも250ヌクレオチドを含む。一態様では、イントロンは、少なくとも300ヌクレオチドを含む。一態様では、イントロンは、少なくとも350ヌクレオチドを含む。一態様では、イントロンは、少なくとも400ヌクレオチドを含む。一態様では、イントロンは、少なくとも450ヌクレオチドを含む。一態様では、イントロンは、少なくとも500ヌクレオチドを含む。一態様では、イントロンは、50ヌクレオチド~7500ヌクレオチドを含む。一態様では、イントロンは、50ヌクレオチド~5000ヌクレオチドを含む。一態様では、イントロンは、50ヌクレオチド~2500ヌクレオチドを含む。一態様では、イントロンは、50ヌクレオチド~1000ヌクレオチドを含む。一態様では、イントロンは、50ヌクレオチド~500ヌクレオチドを含む。一態様では、イントロンは、10ヌクレオチド~7500ヌクレオチドを含む。一態様では、イントロンは、10ヌクレオチド~5000ヌクレオチドを含む。一態様では、イントロンは、10ヌクレオチド~2500ヌクレオチドを含む。一態様では、イントロンは、10ヌクレオチド~1000ヌクレオチドを含む。一態様では、イントロンは、10ヌクレオチド~500ヌクレオチドを含む。
【0159】
一態様では、キメライントロンの核酸配列は、配列番号5及び27からなる群から選択される。一態様では、キメライントロンの核酸配列は、配列番号5である。一態様では、キメライントロンの核酸配列は、配列番号27である。
【0160】
一態様では、キメライントロンの核酸配列は、配列番号5又はその相補体と少なくとも70%同一の配列を含む。一態様では、キメライントロンの核酸配列は、配列番号5又はその相補体と少なくとも75%同一の配列を含む。一態様では、キメライントロンの核酸配列は、配列番号5又はその相補体と少なくとも80%同一の配列を含む。一態様では、キメライントロンの核酸配列は、配列番号5又はその相補体と少なくとも85%同一の配列を含む。一態様では、キメライントロンの核酸配列は、配列番号5又はその相補体と少なくとも90%同一の配列を含む。一態様では、キメライントロンの核酸配列は、配列番号5又はその相補体と少なくとも91%同一の配列を含む。一態様では、キメライントロンの核酸配列は、配列番号5又はその相補体と少なくとも92%同一の配列を含む。一態様では、キメライントロンの核酸配列は、配列番号5又はその相補体と少なくとも93%同一の配列を含む。一態様では、キメライントロンの核酸配列は、配列番号5又はその相補体と少なくとも94%同一の配列を含む。一態様では、キメライントロンの核酸配列は、配列番号5又はその相補体と少なくとも95%同一の配列を含む。一態様では、キメライントロンの核酸配列は、配列番号5又はその相補体と少なくとも96%同一の配列を含む。一態様では、キメライントロンの核酸配列は、配列番号5又はその相補体と少なくとも97%同一の配列を含む。一態様では、キメライントロンの核酸配列は、配列番号5又はその相補体と少なくとも98%同一の配列を含む。一態様では、キメライントロンの核酸配列は、配列番号5又はその相補体と少なくとも99%同一の配列を含む。一態様では、キメライントロンの核酸配列は、配列番号5又はその相補体と少なくとも99.5%同一の配列を含む。一態様では、キメライントロンの核酸配列は、配列番号5又はその相補体と少なくとも99.8%同一の配列を含む。一態様では、キメライントロンの核酸配列は、配列番号5又はその相補体と少なくとも99.9%同一の配列を含む。一態様では、キメライントロンの核酸配列は、配列番号5又はその相補体と100%同一の配列を含む。
【0161】
一態様では、キメライントロンの核酸配列は、配列番号27又はその相補体と少なくとも70%同一の配列を含む。一態様では、キメライントロンの核酸配列は、配列番号27又はその相補体と少なくとも75%同一の配列を含む。一態様では、キメライントロンの核酸配列は、配列番号27又はその相補体と少なくとも80%同一の配列を含む。一態様では、キメライントロンの核酸配列は、配列番号27又はその相補体と少なくとも85%同一の配列を含む。一態様では、キメライントロンの核酸配列は、配列番号27又はその相補体と少なくとも90%同一の配列を含む。一態様では、キメライントロンの核酸配列は、配列番号27又はその相補体と少なくとも91%同一の配列を含む。一態様では、キメライントロンの核酸配列は、配列番号27又はその相補体と少なくとも92%同一の配列を含む。一態様では、キメライントロンの核酸配列は、配列番号27又はその相補体と少なくとも93%同一の配列を含む。一態様では、キメライントロンの核酸配列は、配列番号27又はその相補体と少なくとも94%同一の配列を含む。一態様では、キメライントロンの核酸配列は、配列番号27又はその相補体と少なくとも95%同一の配列を含む。一態様では、キメライントロンの核酸配列は、配列番号27又はその相補体と少なくとも96%同一の配列を含む。一態様では、キメライントロンの核酸配列は、配列番号27又はその相補体と少なくとも97%同一の配列を含む。一態様では、キメライントロンの核酸配列は、配列番号27又はその相補体と少なくとも98%同一の配列を含む。一態様では、キメライントロンの核酸配列は、配列番号27又はその相補体と少なくとも99%同一の配列を含む。一態様では、キメライントロンの核酸配列は、配列番号27又はその相補体と少なくとも99.5%同一の配列を含む。一態様では、キメライントロンの核酸配列は、配列番号27又はその相補体と少なくとも99.8%同一の配列を含む。一態様では、キメライントロンの核酸配列は、配列番号27又はその相補体と少なくとも99.9%同一の配列を含む。一態様では、キメライントロンの核酸配列は、配列番号27又はその相補体と100%同一の配列を含む。
【0162】
ウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)は、ウイルスベクターで送達される遺伝子の発現を増強する三次構造を作成するDNA配列である。
【0163】
一態様では、WPREの核酸配列は、WPREの最適化バージョンである。
【0164】
一態様では、WPREの核酸配列は、配列番号7及び29からなる群から選択される。一態様では、WPREの核酸配列は、配列番号7である。一態様では、WPREの核酸配列は、配列番号29である。
【0165】
一態様では、WPREの核酸配列は、配列番号7又はその相補体と少なくとも70%同一の配列を含む。一態様では、WPREの核酸配列は、配列番号7又はその相補体と少なくとも75%同一の配列を含む。一態様では、WPREの核酸配列は、配列番号7又はその相補体と少なくとも80%同一の配列を含む。一態様では、WPREの核酸配列は、配列番号7又はその相補体と少なくとも85%同一の配列を含む。一態様では、WPREの核酸配列は、配列番号7又はその相補体と少なくとも90%同一の配列を含む。一態様では、WPREの核酸配列は、配列番号7又はその相補体と少なくとも91%同一の配列を含む。一態様では、WPREの核酸配列は、配列番号7又はその相補体と少なくとも92%同一の配列を含む。一態様では、WPREの核酸配列は、配列番号7又はその相補体と少なくとも93%同一の配列を含む。一態様では、WPREの核酸配列は、配列番号7又はその相補体と少なくとも94%同一の配列を含む。一態様では、WPREの核酸配列は、配列番号7又はその相補体と少なくとも95%同一の配列を含む。一態様では、WPREの核酸配列は、配列番号7又はその相補体と少なくとも96%同一の配列を含む。一態様では、WPREの核酸配列は、配列番号7又はその相補体と少なくとも97%同一の配列を含む。一態様では、WPREの核酸配列は、配列番号7又はその相補体と少なくとも98%同一の配列を含む。一態様では、WPREの核酸配列は、配列番号7又はその相補体と少なくとも99%同一の配列を含む。一態様では、WPREの核酸配列は、配列番号7又はその相補体と少なくとも99.5%同一の配列を含む。一態様では、WPREの核酸配列は、配列番号7又はその相補体と少なくとも99.8%同一の配列を含む。一態様では、WPREの核酸配列は、配列番号7又はその相補体と少なくとも99.9%同一の配列を含む。一態様では、WPREの核酸配列は、配列番号7又はその相補体と100%同一の配列を含む。
【0166】
一態様では、WPREの核酸配列は、配列番号29又はその相補体と少なくとも70%同一の配列を含む。一態様では、WPREの核酸配列は、配列番号29又はその相補体と少なくとも75%同一の配列を含む。一態様では、WPREの核酸配列は、配列番号29又はその相補体と少なくとも80%同一の配列を含む。一態様では、WPREの核酸配列は、配列番号29又はその相補体と少なくとも85%同一の配列を含む。一態様では、WPREの核酸配列は、配列番号29又はその相補体と少なくとも90%同一の配列を含む。一態様では、WPREの核酸配列は、配列番号29又はその相補体と少なくとも91%同一の配列を含む。一態様では、WPREの核酸配列は、配列番号29又はその相補体と少なくとも92%同一の配列を含む。一態様では、WPREの核酸配列は、配列番号29又はその相補体と少なくとも93%同一の配列を含む。一態様では、WPREの核酸配列は、配列番号29又はその相補体と少なくとも94%同一の配列を含む。一態様では、WPREの核酸配列は、配列番号29又はその相補体と少なくとも95%同一の配列を含む。一態様では、WPREの核酸配列は、配列番号29又はその相補体と少なくとも96%同一の配列を含む。一態様では、WPREの核酸配列は、配列番号29又はその相補体と少なくとも97%同一の配列を含む。一態様では、WPREの核酸配列は、配列番号29又はその相補体と少なくとも98%同一の配列を含む。一態様では、WPREの核酸配列は、配列番号29又はその相補体と少なくとも99%同一の配列を含む。一態様では、WPREの核酸配列は、配列番号29又はその相補体と少なくとも99.5%同一の配列を含む。一態様では、WPREの核酸配列は、配列番号29又はその相補体と少なくとも99.8%同一の配列を含む。一態様では、WPREの核酸配列は、配列番号29又はその相補体と少なくとも99.9%同一の配列を含む。一態様では、WPREの核酸配列は、配列番号29又はその相補体と100%同一の配列を含む。
【0167】
SV40ポリアデニル化シグナル配列(SV40ポリA、サルウイルス40ポリA、及びポリAとも称する)は、転写を終結させ、メッセンジャーRNA(mRNA)の3’末端にポリAテールを付加することができるDNA配列である。
【0168】
hGHポリアデニル化シグナル配列(hGHポリAとも称する)は、DNA配列であり、転写を終結させ、メッセンジャーRNA(mRNA)の3’末端にポリAテールを付加することができる。
【0169】
bGHポリアデニル化シグナル配列(bGHポリA又はbGHpAとも称する)は、ウシ成長ホルモンのポリAシグナル又はポリAテールを指す。
【0170】
本明細書で使用される場合、「ポリAテール」は、核酸塩基アデニンのみを含む一続きのRNAを指す。一態様では、本明細書に提供されるAAVベクター構築物から転写されるRNA分子は、ポリAテールを含む。一態様では、ポリAテールは、少なくとも2つのアデニンを含む。一態様では、ポリAテールは、少なくとも10個のアデニンを含む。一態様では、ポリAテールは、少なくとも50個のアデニンを含む。一態様では、ポリAテールは、少なくとも100個のアデニンを含む。一態様では、ポリAテールは、少なくとも140個のアデニンを含む。一態様では、ポリAテールは、少なくとも200個のアデニンを含む。一態様では、ポリAテールは、少なくとも250個のアデニンを含む。一態様では、ポリAテールは、50個のアデニン~300個のアデニンを含む。
【0171】
一態様では、SV40ポリアデニル化シグナルの核酸配列は、配列番号8又はその相補体と少なくとも70%同一の配列を含む。一態様では、SV40ポリアデニル化シグナルの核酸配列は、配列番号8又はその相補体と少なくとも75%同一の配列を含む。一態様では、SV40ポリアデニル化シグナルの核酸配列は、配列番号8又はその相補体と少なくとも80%同一の配列を含む。一態様では、SV40ポリアデニル化シグナルの核酸配列は、配列番号8又はその相補体と少なくとも85%同一の配列を含む。一態様では、SV40ポリアデニル化シグナルの核酸配列は、配列番号8又はその相補体と少なくとも90%同一の配列を含む。一態様では、SV40ポリアデニル化シグナルの核酸配列は、配列番号8又はその相補体と少なくとも91%同一の配列を含む。一態様では、SV40ポリアデニル化シグナルの核酸配列は、配列番号8又はその相補体と少なくとも92%同一の配列を含む。一態様では、SV40ポリアデニル化シグナルの核酸配列は、配列番号8又はその相補体と少なくとも93%同一の配列を含む。一態様では、SV40ポリアデニル化シグナルの核酸配列は、配列番号8又はその相補体と少なくとも94%同一の配列を含む。一態様では、SV40ポリアデニル化シグナルの核酸配列は、配列番号8又はその相補体と少なくとも95%同一の配列を含む。一態様では、SV40ポリアデニル化シグナルの核酸配列は、配列番号8又はその相補体と少なくとも96%同一の配列を含む。一態様では、SV40ポリアデニル化シグナルの核酸配列は、配列番号8又はその相補体と少なくとも97%同一の配列を含む。一態様では、SV40ポリアデニル化シグナルの核酸配列は、配列番号8又はその相補体と少なくとも98%同一の配列を含む。一態様では、SV40ポリアデニル化シグナルの核酸配列は、配列番号8又はその相補体と少なくとも99%同一の配列を含む。一態様では、SV40ポリアデニル化シグナルの核酸配列は、配列番号8又はその相補体と少なくとも99.5%同一の配列を含む。一態様では、SV40ポリアデニル化シグナルの核酸配列は、配列番号8又はその相補体と少なくとも99.8%同一の配列を含む。一態様では、SV40ポリアデニル化シグナルの核酸配列は、配列番号8又はその相補体と少なくとも99.9%同一の配列を含む。一態様では、SV40ポリアデニル化シグナルの核酸配列は、配列番号8又はその相補体と100%同一の配列を含む。
【0172】
一態様では、hGHポリアデニル化シグナルの核酸配列は、配列番号17又はその相補体と少なくとも70%同一の配列を含む。一態様では、hGHポリアデニル化シグナルの核酸配列は、配列番号17又はその相補体と少なくとも75%同一の配列を含む。一態様では、hGHポリアデニル化シグナルの核酸配列は、配列番号17又はその相補体と少なくとも80%同一の配列を含む。一態様では、hGHポリアデニル化シグナルの核酸配列は、配列番号17又はその相補体と少なくとも85%同一の配列を含む。一態様では、hGHポリアデニル化シグナルの核酸配列は、配列番号17又はその相補体と少なくとも90%同一の配列を含む。一態様では、hGHポリアデニル化シグナルの核酸配列は、配列番号17又はその相補体と少なくとも91%同一の配列を含む。一態様では、hGHポリアデニル化シグナルの核酸配列は、配列番号17又はその相補体と少なくとも92%同一の配列を含む。一態様では、hGHポリアデニル化シグナルの核酸配列は、配列番号17又はその相補体と少なくとも93%同一の配列を含む。一態様では、hGHポリアデニル化シグナルの核酸配列は、配列番号17又はその相補体と少なくとも94%同一の配列を含む。一態様では、hGHポリアデニル化シグナルの核酸配列は、配列番号17又はその相補体と少なくとも95%同一の配列を含む。一態様では、hGHポリアデニル化シグナルの核酸配列は、配列番号17又はその相補体と少なくとも96%同一の配列を含む。一態様では、hGHポリアデニル化シグナルの核酸配列は、配列番号17又はその相補体と少なくとも97%同一の配列を含む。一態様では、hGHポリアデニル化シグナルの核酸配列は、配列番号17又はその相補体と少なくとも917%同一の配列を含む。一態様では、hGHポリアデニル化シグナルの核酸配列は、配列番号17又はその相補体と少なくとも99%同一の配列を含む。一態様では、hGHポリアデニル化シグナルの核酸配列は、配列番号17又はその相補体と少なくとも99.5%同一の配列を含む。一態様では、hGHポリアデニル化シグナルの核酸配列は、配列番号17又はその相補体と少なくとも99.17%同一の配列を含む。一態様では、hGHポリアデニル化シグナルの核酸配列は、配列番号17又はその相補体と少なくとも99.9%同一の配列を含む。一態様では、hGHポリアデニル化シグナルの核酸配列は、配列番号17又はその相補体と100%同一の配列を含む。
【0173】
一態様では、bGHポリアデニル化シグナルの核酸配列は、配列番号30又はその相補体と少なくとも70%同一の配列を含む。一態様では、bGHポリアデニル化シグナルの核酸配列は、配列番号30又はその相補体と少なくとも75%同一の配列を含む。一態様では、bGHポリアデニル化シグナルの核酸配列は、配列番号30又はその相補体と少なくとも80%同一の配列を含む。一態様では、bGHポリアデニル化シグナルの核酸配列は、配列番号30又はその相補体と少なくとも85%同一の配列を含む。一態様では、bGHポリアデニル化シグナルの核酸配列は、配列番号30又はその相補体と少なくとも90%同一の配列を含む。一態様では、bGHポリアデニル化シグナルの核酸配列は、配列番号30又はその相補体と少なくとも91%同一の配列を含む。一態様では、bGHポリアデニル化シグナルの核酸配列は、配列番号30又はその相補体と少なくとも92%同一の配列を含む。一態様では、bGHポリアデニル化シグナルの核酸配列は、配列番号30又はその相補体と少なくとも93%同一の配列を含む。一態様では、bGHポリアデニル化シグナルの核酸配列は、配列番号30又はその相補体と少なくとも94%同一の配列を含む。一態様では、bGHポリアデニル化シグナルの核酸配列は、配列番号30又はその相補体と少なくとも95%同一の配列を含む。一態様では、bGHポリアデニル化シグナルの核酸配列は、配列番号30又はその相補体と少なくとも96%同一の配列を含む。一態様では、bGHポリアデニル化シグナルの核酸配列は、配列番号30又はその相補体と少なくとも97%同一の配列を含む。一態様では、bGHポリアデニル化シグナルの核酸配列は、配列番号30又はその相補体と少なくとも917%同一の配列を含む。一態様では、bGHポリアデニル化シグナルの核酸配列は、配列番号30又はその相補体と少なくとも99%同一の配列を含む。一態様では、bGHポリアデニル化シグナルの核酸配列は、配列番号30又はその相補体と少なくとも99.5%同一の配列を含む。一態様では、bGHポリアデニル化シグナルの核酸配列は、配列番号30又はその相補体と少なくとも99.17%同一の配列を含む。一態様では、bGHポリアデニル化シグナルの核酸配列は、配列番号30又はその相補体と少なくとも99.9%同一の配列を含む。一態様では、bGHポリアデニル化シグナルの核酸配列は、配列番号30又はその相補体と100%同一の配列を含む。
【0174】
本明細書で使用される場合、「中枢神経系」又は「CNS」という用語は、左右対称の動物の脳及び脊髄を指す。CNSはまた、網膜、視神経、嗅神経、及び嗅上皮を含む。
【0175】
本明細書で使用される場合、「末梢神経系」又は「PNS」という用語は、網膜、視神経、嗅神経、及び嗅上皮を除く、脳及び脊髄以外の神経及び神経節を指す。一態様では、末梢神経系は、体性神経系と自律神経系とに分けられる。
【0176】
本明細書で使用される場合、「体性神経系」という用語は、身体運動の随意制御と関連するPNSの部分を指す。
【0177】
本明細書で使用される場合、「自律神経系」という用語は、内臓の機能を調節するPNSの部分を指す。
【0178】
本明細書で使用される場合、「GFAP陽性」という用語は、当該技術分野で標準的な技術を使用して、ヒトグリア線維性酸タンパク質(GFAP)の検出可能なタンパク質蓄積又はGFAP mRNA発現の検出可能な蓄積を有する細胞を指す。一態様では、グリア細胞は、GFAP陽性である。
【0179】
本明細書で使用される場合、「検出可能な」という用語は、同定可能なタンパク質又はmRNAの蓄積を指す。
【0180】
タンパク質の蓄積は、抗体を使用して同定することができる。タンパク質蓄積を測定する非限定的な例としては、ウエスタンブロット、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、免疫沈降、及び免疫蛍光が挙げられる。本明細書に提供される抗体は、ポリクローナル抗体又はモノクローナル抗体であり得る。本明細書に提供されるタンパク質に対する特異的結合親和性を有する抗体は、当該技術分野で既知の方法を使用して作製され得る。当該技術分野で既知の方法を使用して、本明細書に提供される抗体をマイクロタイタープレートなどの固体支持体に付着させることができる。
【0181】
本明細書で使用される場合、「感染多重度(multiplicity of infection)」及び「MOI」という用語は、感染中に添加される細胞当たりのビリオンの数を指す。
【0182】
本明細書で使用される場合、「ビリオン」という用語は、宿主細胞の外側のウイルスの感染形態を指す。
【0183】
本明細書で使用される場合、「神経学的状態」という用語は、中枢神経系又は末梢神経系における障害、疾病、病気、傷害、又は疾患を指す。神経学的状態の非限定的な例は、Neurological Disorders:course and treatment,2nd Edition(2002)(Academic Press Inc.)and Christopher Goetz,Textbook of Clinical Neurology,3rd Edition(2007)(Saunders)に見出され得る。
【0184】
本明細書で使用される場合、「損傷」という用語は、中枢神経系又は末梢神経系への損傷を指す。
【0185】
一態様では、神経学的状態は、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、ハンチントン病、てんかん、身体的傷害、脳卒中、脳動脈瘤、外傷性脳傷害、脳振盪、腫瘍、炎症、感染、運動失調症、脳萎縮、脊髄萎縮、多発性硬化症、外傷性脊髄傷害、虚血性又は出血性脊髄症(脊髄症)、全虚血、低酸素性虚血性脳症、塞栓症、線維軟骨塞栓症脊髄症、血栓症、腎症、慢性炎症性疾患、髄膜炎、及び脳静脈洞血栓症からなる群から選択される。一態様では、神経学的状態は、アルツハイマー病である。一態様では、神経学的状態は、パーキンソン病である。一態様では、神経学的状態は、ALSである。一態様では、神経学的状態は、ハンチントン病である。一態様では、神経学的状態は、てんかんである。一態様では、神経学的状態は、身体的傷害である。一態様では、神経学的状態は、脳卒中である。一態様では、神経学的状態は、虚血性脳卒中である。一態様では、神経学的状態は、出血性脳卒中である。一態様では、神経学的状態は、脳動脈瘤である。一態様では、神経学的状態は、外傷性脳傷害である。一態様では、神経学的状態は、脳振盪である。一態様では、神経学的状態は、腫瘍である。一態様では、神経学的状態は、炎症である。一態様では、神経学的状態は、感染である。一態様では、神経学的状態は、運動失調症である。一態様では、神経学的状態は、脳萎縮である。一態様では、神経学的状態は、脊髄萎縮である。一態様では、神経学的状態は、多発性硬化症である。一態様では、神経学的状態は、外傷性脊髄傷害である。一態様では、神経学的状態は、虚血性又は出血性脊髄症(脊髄症)である。一態様では、神経学的状態は、全虚血である。一態様では、神経学的状態は、低酸素性虚血性脳症である。一態様では、神経学的状態は、塞栓症である。一態様では、神経学的状態は、線維軟骨塞栓症脊髄症である。一態様では、神経学的状態は、血栓症である。一態様では、神経学的状態は、腎症である。一態様では、神経学的状態は、慢性炎症性疾患である。一態様では、神経学的状態は、髄膜炎である。一態様では、神経学的状態は、脳静脈洞血栓症である。
【0186】
一態様では、神経学的状態は、CNS又はPNSへの傷害を含む。一態様では、神経学的状態は、CNSに対する傷害を含む。一態様では、神経学的状態は、PNSへの傷害を含む。
【0187】
一態様では、本開示は、生きているヒトの脳において、反応性アストロサイトを機能的なニューロンに変換する方法を提供し、かつそれを含み、それを必要とする対象にアデノ随伴ウイルス(AAV)を注入することを含み、当該AAVが、配列番号6の核酸配列を含むヒト神経原性分化1(hNeuroD1)配列及び配列番号13の核酸配列を含むヒトdistal-lessホメオボックス2(hDlx2)配列を含むDNAベクター構築物を含み、当該hNeuroD1配列及び当該hDlx2配列が、(i)配列番号15及び18からなる群から選択される核酸配列を含むP2Aリンカー、(ii)配列番号16及び19からなる群から選択される核酸配列を含むT2Aリンカー、又は(iii)配列番号3を含む脳心筋炎ウイルスの内部リボソーム進入部位(IRES)配列によって分離され、当該hNeuroD1配列及び当該hDlx2配列が、(a)配列番号4、12、及び26からなる群から選択される核酸配列を含むヒトグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターと、(b)配列番号2の核酸配列を含むヒト伸長因子-1α(EF-1α)プロモーターからのエンハンサー又は配列番号11の核酸配列を含むサイトメガロウイルス(CMV)エンハンサーと、(c)配列番号5及び27からなる群から選択される核酸配列を含むキメライントロンと、(d)配列番号7及び29からなる群から選択される核酸配列を含むウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、(e)配列番号8の核酸配列を含むSV40ポリアデニル化シグナル配列、配列番号17の核酸配列を含むhGHポリアデニル化配列、又は配列番号30の核酸配列を含むbGHポリアデニル化配列と、を含む調節エレメントに作動可能に連結される。
【0188】
一態様では、本開示は、生きているヒトの脳において、反応性アストロサイトを機能的なニューロンに変換する方法を提供し、かつそれを含み、それを必要とする対象にアデノ随伴ウイルス(AAV)を注入することを含み、当該AAVが、配列番号10のアミノ酸配列を含むヒト神経原性分化1(hNeuroD1)タンパク質をコードする核酸コード配列及び配列番号14のアミノ酸配列を含むヒトdistal-lessホメオボックス2(hDlx2)タンパク質をコードする核酸コード配列を含むDNAベクター構築物を含み、当該hNeuroD1コード配列及び当該hDlx2コード配列が、(i)配列番号15及び18からなる群から選択される核酸配列を含むP2Aリンカー、(ii)配列番号16及び19からなる群から選択される核酸配列を含むT2Aリンカー、又は(iii)配列番号3を含む脳心筋炎ウイルスの内部リボソーム進入部位(IRES)配列によって分離され、当該hNeuroD1コード配列及びhDlx2コード配列が、(a)配列番号4、12、及び26からなる群から選択される核酸配列を含むヒトグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターと、(b)配列番号2の核酸配列を含むヒト伸長因子-1α(EF-1α)プロモーターからのエンハンサー又は配列番号11の核酸配列を含むサイトメガロウイルス(CMV)エンハンサーと、(c)配列番号5及び27からなる群から選択される核酸配列を含むキメライントロンと、(d)配列番号7及び29からなる群から選択される核酸配列を含むウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、(e)配列番号8の核酸配列を含むSV40ポリアデニル化シグナル配列、配列番号17の核酸配列を含むhGHポリアデニル化配列、又は配列番号30の核酸配列を含むbGHポリアデニル化配列と、を含む発現制御エレメントに作動可能に連結される。
【0189】
一態様では、本開示は、グリア細胞をニューロンに変換することを必要とする対象において、それを行う方法を提供し、かつそれを含み、本方法は、アデノ随伴ウイルス(AAV)を、それを必要とする対象に送達することを含み、当該AAVが、神経原性分化1(NeuroD1)配列及びdistal-lessホメオボックス2(Dlx2)配列を含むDNAベクター構築物を含み、当該NeuroD1配列及びDlx2配列が、リンカー配列によって分離され、当該NeuroD1配列及びDlx2配列が、(a)グリア線維性酸タンパク質(GFAP)プロモーターと、(b)エンハンサーと、(c)キメライントロンと、(d)ウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、(e)ポリアデニル化シグナル配列と、を含む発現制御エレメントに作動可能に連結され、当該AAVベクターが、それを必要とする当該対象において、少なくとも1つのグリア細胞をニューロンに変換することができる。
【0190】
一態様では、本開示は、神経学的状態の治療を必要とする対象において、それを行う方法を提供し、かつそれを含み、本方法は、アデノ随伴ウイルス(AAV)を当該対象に送達することを含み、当該AAVが、神経原性分化1(NeuroD1)配列及びdistal-lessホメオボックス2(Dlx2)配列を含むDNAベクターを含み、当該NeuroD1配列及びDlx2配列が、リンカー配列によって分離され、当該NeuroD1配列及び当該Dlx2配列が、それを必要とする当該対象への、(a)グリア線維性酸タンパク質(GFAP)プロモーターと、(b)エンハンサーと、(c)キメライントロンと、(d)ウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、(e)ポリアデニル化シグナルと、を含む発現制御エレメントに作動可能に連結される。
【0191】
一態様では、本明細書に提供される方法は、少なくとも1つのグリア細胞をニューロンに変換することができる。一態様では、本明細書に提供される方法は、少なくとも1つのグリア細胞をニューロンに変換する。
【0192】
Achaete-scuteファミリーBHLH転写因子1(Ascl1、ASH1、HASH1、MASH-1、及びbHLHa46とも称される)は、転写因子の塩基性ヘリックス・ループ・ヘリックスファミリーのメンバーをコードし、神経コミットメント及び分化に役割を果たす遺伝子である。
【0193】
インスリン遺伝子エンハンサータンパク質(ISL1;ISL LIMホメオボックス-1及びISLET1としても知られている)は、2つのN末端LIMドメイン及び1つのC末端ホメオドメインを含む転写因子をコードする遺伝子である。コードされたタンパク質は、膵臓ランゲルハンス島の胚発生に役割を果たす。
【0194】
LIMホメオボックス3(LHX3;LIM3及びCPHD3としても知られている)遺伝子は、独自のシステインリッチ亜鉛結合ドメイン(LIMドメイン)を有するタンパク質のファミリーからのタンパク質をコードする。
【0195】
ハンチンチン(Htt;ハンチントン病遺伝子としても知られている)遺伝子はハンチンチンタンパク質をコードする。野生型は、6~35個のグルタミン残基を含み、変異型Httは、36個超のグルタミン残基を含む。
【0196】
一態様では、本明細書に提供される方法は、本開示によるNeuroD1コード配列及びDlx2コード配列を含むAAVベクターを使用する。一態様では、本明細書に提供される方法は、Dlx2コード配列を含むAAVベクターと組み合わせて、NeuroD1コード配列を含むAAVベクターを使用する。一態様では、本明細書に提供される方法は、第3の転写因子コード配列を含む第2のAAVベクターと組み合わせて、NeuroD1コード配列又はDlx2コード配列を含むAAVベクターを使用する。一態様では、第3の転写因子は、Ascl1、ISL1、及びLHX3からなる群から選択される。一態様では、第3の転写因子は、Ascl1である。一態様では、第3の転写因子は、ISL1である。一態様では、第3の転写因子は、LHX3である。一態様では、本明細書に提供される方法は、NeuroD1コード配列、Dlx2コード配列、第2のNeuroD1コード配列、及び第2のDlx2コード配列を含むAAVベクターを使用する。一態様では、本明細書に提供される方法は、NeuroD1及びDlx2コード配列を含む第2のAAVベクターと組み合わせて、NeuroD1及びDlx2コード配列を含むAAVベクターを使用する。
【0197】
一態様では、本明細書に提供される方法は、Httを標的とするshRNA配列を含むAAVベクターと組み合わせて、NeuroD1及びDlx2コード配列を含むAAVベクターを使用する。一態様では、本明細書に提供される方法は、Httを標的とするshRNA配列及びHttを標的とする第2のshRNA配列を含むAAVベクターと組み合わせて、NeuroD1及びDlx2コード配列を含むAAVベクターを使用する。一態様では、本明細書に提供される方法は、Httを標的とするshRNA配列、Httを標的とする第2のshRNA配列、及びHttを標的とする第3のshRNAを含むAAVベクターと組み合わせて、NeuroD1及びDlx2コード配列を含むAAVベクターを使用する。一態様では、本明細書に提供される方法は、NeuroD1及びDlx2コード配列、並びにHttを標的とするshRNA配列を含むAAVベクターを使用する。一態様では、本明細書に提供される方法は、NeuroD1及びDlx2コード配列、並びにHttを標的とするshRNA配列及びHttを標的とする第2のshRNA配列を含むAAVベクターを使用する。一態様では、本明細書に提供される方法は、NeuroD1及びDlx2コード配列、並びにHttを標的とするshRNA配列、Httを標的とする第2のshRNA配列、及びHttを標的とする第3のshRNAを含むAAVベクターを使用する。
【0198】
一態様では、本明細書に提供される方法は、Httを標的とするASO配列と組み合わせて、NeuroD1及びDlx2コード配列を含むAAVベクターを使用する。一態様では、本明細書に提供される方法は、Httを標的とするASO配列及びHttを標的とする第2のASO配列と組み合わせて、NeuroD1及びDlx2コード配列を含むAAVベクターを使用する。一態様では、本明細書に提供される方法は、Httを標的とするASO配列、Httを標的とする第2のASO配列、及びHttを標的とする第3のASOと組み合わせて、NeuroD1及びDlx2コード配列を含むAAVベクターを使用する。
【0199】
一態様では、本明細書に提供される方法は、Httを標的とするsiRNAと組み合わせて、NeuroD1及びDlx2コード配列を含むAAVベクターを使用する。一態様では、本明細書に提供される方法は、Httを標的とするsiRNA及びHttを標的とする第2のsiRNAと組み合わせて、NeuroD1及びDlx2コード配列を含むAAVベクターを使用する。一態様では、本明細書に提供される方法は、Httを標的とするsiRNA配列、Httを標的とする第2のsiRNA配列、及びHttを標的とする第3のsiRNAと組み合わせて、NeuroD1及びDlx2コード配列を含むAAVベクターを使用する。
【0200】
一態様では、本明細書に提供される方法は、Httを標的とするmiRNA配列を含むAAVベクターと組み合わせて、NeuroD1及びDlx2コード配列を含むAAVベクターを使用する。一態様では、本明細書に提供される方法は、Httを標的とするmiRNA配列及びHttを標的とする第2のmiRNA配列を含むAAVベクターと組み合わせて、NeuroD1及びDlx2コード配列を含むAAVベクターを使用する。一態様では、本明細書に提供される方法は、Httを標的とするmiRNA配列、Httを標的とする第2のmiRNA配列、及びHttを標的とする第3のmiRNAを含むAAVベクターと組み合わせて、NeuroD1及びDlx2コード配列を含むAAVベクターを使用する。一態様では、本明細書に提供される方法は、NeuroD1及びDlx2コード配列、並びにHttを標的とするmiRNA配列を含むAAVベクターを使用する。一態様では、本明細書に提供される方法は、NeuroD1及びDlx2コード配列、並びにHttを標的とするmiRNA配列及びHttを標的とする第2のmiRNA配列を含むAAVベクターを使用する。一態様では、本明細書に提供される方法は、NeuroD1及びDlx2コード配列、並びにHttを標的とするmiRNA配列、Httを標的とする第2のmiRNA配列、及びHttを標的とする第3のMIRNAを含むAAVベクターを使用する。
【0201】
一態様では、本明細書で提供される方法は、Httを標的とするgRNA配列及びCASヌクレアーゼを含むAAVベクターと組み合わせて、NeuroD1及びDlx2コード配列を含むAAVベクターを使用する。一態様では、本明細書に提供される方法は、NeuroD1及びDlx2コード配列、並びにHttを標的とするgRNA配列及びCASヌクレアーゼを含むAAVベクターを使用する。
【0202】
一態様では、本明細書に提供されるAAVベクターは、機能性について、NeuN、ダブルコルチン(DCX)、β3チューブリン、(ニューロフィラメント200)NF-200、(微小管関連タンパク質2)MAP2、イオン化カルシウム結合アダプター分子(Iba1)の転写レベル及びタンパク質レベルを評価することによって測定される。
【0203】
本明細書で使用される場合、「NeuN」又は「Fox-3」又は「Rbfox2」又は「ヘキサリボヌクレオチド結合タンパク質-3」という用語は、Caenorhabditis elegansにおける性決定遺伝子のタンパク質産物のホモログであり、ニューロン核抗原であるタンパク質を指す。
【0204】
本明細書で使用される場合、「DCX」又は「ダブリング」又は「リッセンセファリン-X」という用語は、胚及び成体の皮質構造の神経前駆細胞及び未熟ニューロンによって発現される微小管関連タンパク質を指す。
【0205】
本明細書で使用される場合、「β3-チューブリン」又は「クラスIIIβ-チューブリン」又は「β-チューブリンIII」という用語は、ニューロンに見られるチューブリンファミリーの微小管要素を指す。
【0206】
本明細書で使用される場合、「NF-200」という用語は、ニューロンの細胞質に見出されるIV型中間径フィラメントであるタンパク質のクラスを指す。
【0207】
本明細書で使用される場合、「MAP2」という用語は、微小管関連タンパク質ファミリーに属し、ニューロン発生中にニューロン形態を決定及び安定化する役割を果たすタンパク質を指す。
【0208】
本明細書で使用される場合、「Iba1」という用語は、ミクログリアマクロファージ特異的カルシウム結合タンパク質を指す。
【0209】
一態様では、本明細書に提供される方法は、遺伝子編集技術と組み合わせて、グリア細胞をニューロンに変換する。一態様では、遺伝子編集技術は、変異型Httを標的とする。一態様では、遺伝子編集技術は、siRNA、miRNA、ASO、及びCRISPR/CASからなる群から選択される。一態様では、遺伝子編集技術は、siRNAである。一態様では、遺伝子編集技術は、miRNAである。一態様では、遺伝子編集技術は、ASOである。一態様では、遺伝子編集技術は、CRISPR/CASである。
【0210】
一態様では、本明細書に提供される組成物は、少なくとも1つのグリア細胞をニューロンに変換することができる。一態様では、本明細書に提供される組成物は、少なくとも1つのグリア細胞をニューロンに変換する。
【0211】
本明細書で使用される場合、「哺乳動物」という用語は、哺乳綱に分類される任意の種を指す。
【0212】
本明細書で使用される場合、「ヒト」という用語は、Homo sapiensを指す。一態様では、ヒトは、神経学的障害を有する。
【0213】
本明細書で使用される場合、「生きているヒト」という用語は、心臓、呼吸、及び脳活動を有するヒトを指す。
【0214】
本明細書で使用される場合、「非ヒト霊長類」という用語は、Homo sapiensではない霊長目に分類される任意の種又は亜種を指す。非ヒト霊長類の非限定的な例としては、チンパンジー、ボノボ、オランウータン、ゴリラ、マカク、マーモセット、オマキザル、ヒヒ、テナガザル、及びキツネザルが挙げられる。
【0215】
本明細書で使用される場合、「送達すること」又は「送達」という用語は、本明細書に提供されるAAVベクター又は組成物で哺乳動物を処置することを指す。一態様では、本明細書に提供されるAAVベクター又は組成物は、それを必要とする対象に送達される。一態様では、本明細書に提供されるAAVベクター又は組成物は、それを必要とする対象に送達されるように製剤化される。一態様では、送達は、局所送達を含む。一態様では、本明細書に提供されるAAVベクター又は組成物は、局所送達用に製剤化される。一態様では、送達は、全身送達を含む。一態様では、本明細書に提供されるAAVベクター又は組成物は、全身送達用に製剤化される。一態様では、送達は、本明細書に提供されるAAVベクター又は組成物を、それを必要とする対象に注入することを含む。一態様では、送達は、腹腔内、筋肉内、静脈内、髄腔内、脳内、頭蓋内、側脳室内(intra lateral ventricle of the brain)、大槽内、硝子体内、網膜下内(intra-subretina)、実質内、鼻腔内、又は経口投与からなる群から選択される。一態様では、送達は、腹腔内送達を含む。一態様では、送達は、筋肉内送達を含む。一態様では、送達は、静脈内送達を含む。一態様では、送達は、髄腔内送達を含む。一態様では、送達は、脳内送達を含む。一態様では、送達は、頭蓋内送達を含む。一態様では、送達は、側脳室内送達を含む。一態様では、送達は、大槽内送達を含む。一態様では、送達は、硝子体内送達を含む。一態様では、送達は、網膜下内送達を含む。一態様では、送達は、実質内送達を含む。一態様では、送達は、鼻腔内送達を含む。一態様では、送達は、経口投与を含む。
【0216】
本明細書で使用される場合、「注入する」という用語は、本明細書に提供されるAAVベクター又は組成物を、圧力下及び力を用いて送達することを指す。非限定的な例として、注入は、シリンジ及び針の使用を含むことができる。
【0217】
一態様では、本明細書に提供されるAAVベクター又は組成物は、対象の脳に注入される。一態様では、AAVベクター又は組成物は、対象の大脳皮質に注入される。一態様では、本明細書に提供されるAAVベクター又は組成物は、対象の線条体に注入される。一態様では、本明細書に提供されるAAVベクター又は組成物は、脊髄又は対象に注入される。一態様では、AAVベクター又は組成物は、対象の線条体に注入される。一態様では、AAVベクター又は組成物は、対象の背側線条体に注入される。一態様では、AAVベクター又は組成物は、対象の被殻に注入される。一態様では、AAVベクター又は組成物は、対象の尾状核に注入される。一態様では、AAVベクター又は組成物は、対象の黒質に注入される。
【0218】
一態様では、本明細書に提供されるAAVベクター又は組成物は、脳の約1%~約100%に広がっている。一態様では、本明細書に提供されるAAVベクター又は組成物は、脳の約1%~約10%、1%~約20%、1%~約30%、10%~約20%、10%~約30%、約10%~約40%、約20%~約30%、約20%~約40%、約20%~約50%、約30%~約40%、約30%~約50%、約30%~約60%、約40%~約50%、約40%~約60%、約40%~約70%、約50%~約60%、約50%~約70%、約50%~約80%、約60%~約70%、約60%~約80%、約60%~約90%、約70%~約80%、約70%~約90%、約70%~約100%、約80%~約90%、約80%~約100%、又は約90%~約100%に広がっている。
【0219】
一態様では、本明細書に提供されるAAVベクター又は組成物は、大脳皮質の約1%~約100%に広がっている。一態様では、本明細書に提供されるAAVベクター又は組成物は、大脳皮質の約1%~約10%、1%~約20%、1%~約30%、10%~約20%、10%~約30%、約10%~約40%、約20%~約30%、約20%~約40%、約20%~約50%、約30%~約40%、約30%~約50%、約30%~約60%、約40%~約50%、約40%~約60%、約40%~約70%、約50%~約60%、約50%~約70%、約50%~約80%、約60%~約70%、約60%~約80%、約60%~約90%、約70%~約80%、約70%~約90%、約70%~約100%、約80%~約90%、約80%~約100%、又は約90%~約100%に広がっている。
【0220】
一態様では、本明細書に提供されるAAVベクター又は組成物は、脊髄の約1%~約100%に広がっている。一態様では、本明細書に提供されるAAVベクター又は組成物は、脊髄の約1%~約10%、1%~約20%、1%~約30%、10%~約20%、10%~約30%、約10%~約40%、約20%~約30%、約20%~約40%、約20%~約50%、約30%~約40%、約30%~約50%、約30%~約60%、約40%~約50%、約40%~約60%、約40%~約70%、約50%~約60%、約50%~約70%、約50%~約80%、約60%~約70%、約60%~約80%、約60%~約90%、約70%~約80%、約70%~約90%、約70%~約100%、約80%~約90%、約80%~約100%、又は約90%~約100%に広がっている。
【0221】
一態様では、本明細書に提供されるAAVベクター又は組成物は、線条体の約1%~約100%に広がっている。一態様では、本明細書に提供されるAAVベクター又は組成物は、線条体の約1%~約10%、1%~約20%、1%~約30%、10%~約20%、10%~約30%、約10%~約40%、約20%~約30%、約20%~約40%、約20%~約50%、約30%~約40%、約30%~約50%、約30%~約60%、約40%~約50%、約40%~約60%、約40%~約70%、約50%~約60%、約50%~約70%、約50%~約80%、約60%~約70%、約60%~約80%、約60%~約90%、約70%~約80%、約70%~約90%、約70%~約100%、約80%~約90%、約80%~約100%、又は約90%~約100%に広がっている。
【0222】
一態様では、本明細書に提供されるAAVベクター又は組成物は、背側線条体の約1%~約100%に広がっている。一態様では、本明細書に提供されるAAVベクター又は組成物は、背側線条体の約1%~約10%、1%~約20%、1%~約30%、10%~約20%、10%~約30%、約10%~約40%、約20%~約30%、約20%~約40%、約20%~約50%、約30%~約40%、約30%~約50%、約30%~約60%、約40%~約50%、約40%~約60%、約40%~約70%、約50%~約60%、約50%~約70%、約50%~約80%、約60%~約70%、約60%~約80%、約60%~約90%、約70%~約80%、約70%~約90%、約70%~約100%、約80%~約90%、約80%~約100%、又は約90%~約100%に広がっている。
【0223】
一態様では、本明細書に提供されるAAVベクター又は組成物は、被殻の約1%~約100%に広がっている。一態様では、本明細書に提供されるAAVベクター又は組成物は、被殻の約1%~約10%、1%~約20%、1%~約30%、10%~約20%、10%~約30%、約10%~約40%、約20%~約30%、約20%~約40%、約20%~約50%、約30%~約40%、約30%~約50%、約30%~約60%、約40%~約50%、約40%~約60%、約40%~約70%、約50%~約60%、約50%~約70%、約50%~約80%、約60%~約70%、約60%~約80%、約60%~約90%、約70%~約80%、約70%~約90%、約70%~約100%、約80%~約90%、約80%~約100%、又は約90%~約100%に広がっている。
【0224】
一態様では、本明細書に提供されるAAVベクター又は組成物は、尾状核の約1%~約100%に広がっている。一態様では、本明細書に提供されるAAVベクター又は組成物は、尾状核の約1%~約10%、1%~約20%、1%~約30%、10%~約20%、10%~約30%、約10%~約40%、約20%~約30%、約20%~約40%、約20%~約50%、約30%~約40%、約30%~約50%、約30%~約60%、約40%~約50%、約40%~約60%、約40%~約70%、約50%~約60%、約50%~約70%、約50%~約80%、約60%~約70%、約60%~約80%、約60%~約90%、約70%~約80%、約70%~約90%、約70%~約100%、約80%~約90%、約80%~約100%、又は約90%~約100%に広がっている。
【0225】
及び態様では、本明細書に提供されるAAVベクター又は組成物は、注入部位から約1%~約100%に広がっている。一態様では、本明細書に提供されるAAVベクター又は組成物は、注入部位から約1%~約10%、1%~約20%、1%~約30%、10%~約20%、10%~約30%、約10%~約40%、約20%~約30%、約20%~約40%、約20%~約50%、約30%~約40%、約30%~約50%、約30%~約60%、約40%~約50%、約40%~約60%、約40%~約70%、約50%~約60%、約50%~約70%、約50%~約80%、約60%~約70%、約60%~約80%、約60%~約90%、約70%~約80%、約70%~約90%、約70%~約100%、約80%~約90%、約80%~約100%、又は約90%~約100%に広がっている。
【0226】
一態様では、本明細書に提供されるAAVベクター又は組成物は、黒質の約1%~約100%に広がっている。一態様では、本明細書に提供されるAAVベクター又は組成物は、被殻の約1%~約10%、1%~約20%、1%~約30%、10%~約20%、10%~約30%、約10%~約40%、約20%~約30%、約20%~約40%、約20%~約50%、約30%~約40%、約30%~約50%、約30%~約60%、約40%~約50%、約40%~約60%、約40%~約70%、約50%~約60%、約50%~約70%、約50%~約80%、約60%~約70%、約60%~約80%、約60%~約90%、約70%~約80%、約70%~約90%、約70%~約100%、約80%~約90%、約80%~約100%、又は約90%~約100%に広がっている。
【0227】
本明細書で使用される場合、「AAV粒子」という用語は、その核酸ゲノムを細胞に伝達するAAVウイルスのパッケージングされたカプシド形態を指す。
【0228】
一態様では、本明細書に提供されるAAVベクターによってコードされるAAV粒子を含む組成物は、1010AAV粒子/mL~1014AAV粒子/mLの濃度で注入される。一態様では、本明細書に提供されるAAVベクターによってコードされるAAV粒子を含む組成物は、1010AAV粒子/mL~1011AAV粒子/mL、1010AAV粒子/mL~1012AAV粒子/mL、1010AAV粒子/mL~1013AAV粒子/mL、1011AAV粒子/mL~1012AAV粒子/mL、1011AAV粒子/mL~1013AAV粒子/mL、1011AAV粒子/mL~1014AAV粒子/mL、1012AAV粒子/mL~1013AAV粒子/mL、1012AAV粒子/mL~1014AAV粒子/mL、又は1013AAV粒子/mL~1014AAV粒子/mLの濃度で注入される。
【0229】
一態様では、本明細書に提供されるAAVベクターによってコードされるAAV粒子を含む組成物は、10μL~1000μLの体積で注入される。一態様では、本明細書に提供されるAAVベクターによってコードされるAAV粒子を含む組成物は、10μL~100μL、10μL~200μL、10μL~300μL、100μL~200μL、100μL~300μL、100μL~400μL、200μL~300μL、200μL~400μL、200μL~500μL、300μL~400μL、300μL~500μL、300μL~600μL、400μL~500μL、400μL~600μL、400μL~700μL、500μL~600μL、500μL~700μL、500μL~800μL、600μL~700μL、600μL~800μL、600μL~900μL、700μL~800μL、700μL~900μL、700μL~1000μL、800μL~900μL、800μL~1000μL、又は900μL~1000μLの体積で注入される。
【0230】
本明細書で使用される場合、「対象」という用語は、任意の動物対象を指す。動物対象の非限定的な例としては、ヒト、実験動物(例えば、霊長類、ラット、マウス)、家畜(例えば、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、シチメンチョウ、ニワトリ)、及び家庭用ペット(例えば、イヌ、ネコ、げっ歯類など)が挙げられる。
【0231】
本明細書で使用される場合、「それを必要とする対象」は、神経学的状態を有する対象を指す。一態様では、それを必要とする対象は、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、ハンチントン病、てんかん、身体的傷害、脳卒中、脳動脈瘤、外傷性脳傷害、脳振盪、腫瘍、炎症、感染、運動失調症、脳萎縮、脊髄萎縮、多発性硬化症、外傷性脊髄傷害、虚血性又は出血性脊髄症(脊髄症)、全虚血、低酸素性虚血性脳症、塞栓症、線維軟骨塞栓症脊髄症、血栓症、腎症、慢性炎症性疾患、髄膜炎、及び脳静脈洞血栓症からなる群から選択される神経疾患を有する。一態様では、それを必要とする対象は、アルツハイマー病を有する。一態様では、それを必要とする対象は、パーキンソン病を有する。一態様では、それを必要とする対象は、ALSを有する。一態様では、それを必要とする対象は、ハンチントン病を有する。一態様では、それを必要とする対象は、てんかんを有する。一態様では、それを必要とする対象は、身体的傷害を有する。一態様では、それを必要とする対象は、脳卒中を有する。一態様では、それを必要とする対象は、虚血性脳卒中を有する。一態様では、それを必要とする対象は、出血性脳卒中を有する。一態様では、それを必要とする対象は、脳動脈瘤を有する。一態様では、それを必要とする対象は、外傷性脳傷害を有する。一態様では、それを必要とする対象は、脳震盪を有する。一態様では、それを必要とする対象は、腫瘍を有する。一態様では、それを必要とする対象は、炎症を有する。一態様では、それを必要とする対象は、感染を有する。一態様では、それを必要とする対象は、運動失調症を有する。一態様では、それを必要とする対象は、脳萎縮を有する。一態様では、それを必要とする対象は、脊髄萎縮を有する。一態様では、それを必要とする対象は、多発性硬化症を有する。一態様では、それを必要とする対象は、外傷性脊髄傷害を有する。一態様では、それを必要とする対象は、虚血性又は出血性脊髄症(脊髄症)を有する。一態様では、それを必要とする対象は、全虚血を有する。一態様では、それを必要とする対象は、低酸素性虚血性脳症を有する。一態様では、それを必要とする対象は、塞栓症を有する。一態様では、それを必要とする対象は、線維軟骨塞栓症脊髄症を有する。一態様では、それを必要とする対象は、血栓症を有する。一態様では、それを必要とする対象は、腎症を有する。一態様では、それを必要とする対象は、慢性炎症性疾患を有する。一態様では、それを必要とする対象は、髄膜炎を有する。一態様では、それを必要とする対象は、脳静脈洞血栓症を有する。
【0232】
一態様では、それを必要とする対象は、哺乳動物である。一態様では、それを必要とする対象は、ヒトである。一態様では、それを必要とする対象は、非ヒト霊長類である。一態様では、それを必要とする対象は、チンパンジー、ボノボ、オランウータン、ゴリラ、マカク、マーモセット、オマキザル、ヒヒ、テナガザル、及びキツネザルからなる群から選択される。一態様では、それを必要とする対象は、チンパンジーである。一態様では、それを必要とする対象は、ボノボである。一態様では、それを必要とする対象は、オランウータンである。一態様では、それを必要とする対象は、ゴリラである。一態様では、それを必要とする対象は、マカクである。一態様では、それを必要とする対象は、マーモセットである。一態様では、それを必要とする対象は、オマキザルである。一態様では、それを必要とする対象は、ヒヒである。一態様では、それを必要とする対象は、テナガザルである。一態様では、それを必要とする対象は、キツネザルである。
【0233】
一態様では、それを必要とする対象は、雄である。一態様では、それを必要とする対象は、雌である。一態様では、それを必要とする対象は、ジェンダーニュートラルである。一態様では、それを必要とする対象は、未熟児(premature newborn)である。一態様では、未熟児は、妊娠36週以前に生まれる。一態様では、それを必要とする対象は、新生児である。一態様では、新生児(newborn)という用語は、約2ヶ月齢未満である。一態様では、それを必要とする対象は、新生児(neonate)である。一態様では、新生児は、約1ヶ月齢未満である。一態様では、それを必要とする対象は、乳児である。一態様では、乳児は、2ヶ月~24ヶ月齢である。一態様では、乳児は、2ヶ月~3ヶ月、2ヶ月~4ヶ月、2ヶ月~5ヶ月、3ヶ月~4ヶ月、3ヶ月~5ヶ月、3ヶ月~6ヶ月、4ヶ月~5ヶ月、4ヶ月~6ヶ月、4ヶ月~7ヶ月、5ヶ月~6ヶ月、5ヶ月~7ヶ月、5ヶ月~8ヶ月、6ヶ月~7ヶ月、6ヶ月~8ヶ月、6ヶ月~9ヶ月、7ヶ月~8ヶ月、7ヶ月~9ヶ月、7ヶ月~10ヶ月、8ヶ月~9ヶ月、8ヶ月~10ヶ月、8ヶ月~11ヶ月、9ヶ月~10ヶ月、9ヶ月~11ヶ月、9ヶ月~12ヶ月、10ヶ月~11ヶ月、10ヶ月~12ヶ月、10ヶ月~13ヶ月、11ヶ月~12ヶ月、11ヶ月~13ヶ月、11ヶ月~14ヶ月、12ヶ月~13ヶ月、12ヶ月~14ヶ月、12ヶ月~14ヶ月、13ヶ月~14ヶ月、13ヶ月~14ヶ月、13ヶ月~16ヶ月、14ヶ月~14ヶ月、14ヶ月~16ヶ月、14ヶ月~17ヶ月、14ヶ月~16ヶ月、14ヶ月~17ヶ月、14ヶ月~18ヶ月、16ヶ月~17ヶ月、16ヶ月~18ヶ月、16ヶ月~19ヶ月、17ヶ月~18ヶ月、17ヶ月~19ヶ月、17ヶ月~20ヶ月、18ヶ月~19ヶ月、18ヶ月~20ヶ月、18ヶ月~21ヶ月、19ヶ月~20ヶ月、19ヶ月~21ヶ月、19ヶ月~22ヶ月、20ヶ月~21ヶ月、20ヶ月~22ヶ月、20ヶ月~23ヶ月、21ヶ月~22ヶ月、21ヶ月~23ヶ月、21ヶ月~24ヶ月、22ヶ月~23ヶ月、22ヶ月~24ヶ月、及び23ヶ月~24ヶ月齢である。一態様では、それを必要とする対象は、幼児である。一態様では、幼児は、1歳~4歳齢である。一態様では、幼児は、1歳~2歳、1歳~3歳、1歳~4歳、2歳~3歳、2歳~4歳、及び3歳~4歳齢である。一態様では、それを必要とする対象は、小児である。一態様では、小児は2歳~5歳齢である。一態様では、小児は、2歳~3歳、2歳~4歳、2歳~5歳、3歳~4歳、3歳~5歳、4歳~5歳齢である。一態様では、それを必要とする対象は、子供である。一態様では、子供は、6歳~12歳齢である。一態様では、子供は、6歳~7歳、6歳~8歳、6歳~9歳、7歳~8歳、7歳~9歳、7歳~10歳、8歳~9歳、8歳~10歳、8歳~11歳、9歳~10歳、9歳~11歳、9歳~12歳、10歳~11歳、10歳~12歳、及び11歳~12歳齢である。一態様では、それを必要とする対象は、青年である。一態様では、青年は、13歳~19歳齢である。一態様では、青年は、13歳~14歳、13歳~14歳、13歳~16歳、14歳~14歳、14歳~16歳、14歳~17歳、14歳~16歳、14歳~17歳、14歳~18歳、16歳~17歳、16歳~18歳、16歳~19歳、17歳~18歳、17歳~19歳、及び18歳~19歳齢である。一態様では、それを必要とする対象は、小児対象である。一態様では、1日~18歳齢の小児対象である。一態様では、小児対象は、1日~1歳、1日~2歳、1日~3歳、1歳~2歳、1歳~3歳、1歳~4歳、2歳~3歳、2歳~4歳、2歳~5歳、3歳~4歳、3歳~5歳、3歳~6歳、4歳~5歳、4歳~6歳、4歳~7歳、5歳~6歳、5歳~7歳、5歳~8歳、6歳~7歳、6歳~8歳、6歳~9歳、7歳~8歳、7歳~9歳、7歳~10歳、8歳~9歳、8歳~10歳、8歳~11歳、9歳~10歳、9歳~11歳、9歳~12歳、10歳~11歳、10歳~12歳、10歳~13歳、11歳~12歳、11歳~13歳、11歳~14歳、12歳~13歳、12歳~14歳、12歳~14歳、13歳~14歳、13歳~14歳、13歳~16歳、14歳~14歳、14歳~16歳、14歳~17歳、14歳~16歳、14歳~17歳、14歳~18歳、16歳~17歳、16歳~18歳、及び17歳~18歳齢である。一態様では、それを必要とする対象は、高齢者対象である。一態様では、高齢者対象は、65歳~95歳以上齢である。一態様では、高齢者対象は、65歳~70歳、65歳~75歳、65歳~80歳、70歳~75歳、70歳~80歳、70歳~85歳、75歳~80歳、75歳~85歳、75歳~90歳、80歳~85歳、80歳~90歳、80歳~95歳、85歳~90歳、及び85歳~95歳齢である。一態様では、それを必要とする対象は、成人である。一態様では、成人対象は、20歳~95歳以上齢である。一態様では、成人対象は、20歳~25歳、20歳~30歳、20歳~35歳、25歳~30歳、25歳~35歳、25歳~40歳、30歳~35歳、30歳~40歳、30歳~45歳、35歳~40歳、35歳~45歳、35歳~50歳、40歳~45歳、40歳~50歳、40歳~55歳、45歳~50歳、45歳~55歳、45歳~60歳、50歳~55歳、50歳~60歳、50歳~65歳、55歳~60歳、55歳~65歳、55歳~70歳、60歳~65歳、60歳~70歳、60歳~75歳、65歳~70歳、65歳~75歳、65歳~80歳、70歳~75歳、70歳~80歳、70歳~85歳、75歳~80歳、75歳~85歳、75歳~90歳、80歳~85歳、80歳~90歳、80歳~95歳、85歳~90歳、及び85歳~95歳齢である。一態様では、それを必要とする対象は、1歳~5歳、2歳~10歳、3歳~18歳、21歳~50歳、21歳~40歳、21歳~30歳、50歳~90歳、60歳~90歳、70歳~90歳、60歳~80歳、又は65歳~75歳齢である。一態様では、それを必要とする対象は、前期高齢者(young old)対象(65~74歳齢)である。一態様では、それを必要とする対象は、中期高齢者(middle old)対象(75~84歳齢)である。一態様では、それを必要とする対象は、後期高齢者(old)対象(>85歳齢)である。
【0234】
本明細書で使用される場合、「流量」という用語は、AAVベクター又は組成物の送達速度を指す。一態様では、流量は、0.1μL/分~5.0μL/分である。一態様では、流量は、0.1μL/分~0.2μL/分、0.1μL/分~0.3μL/分、0.1μL/分~0.4μL/分、0.2μL/分~0.3μL/分、0.2μL/分~0.4μL/分、0.2μL/分~0.5μL/分、0.3μL/分~0.4μL/分、0.3μL/分~0.5μL/分、0.3μL/分~0.6μL/分、0.4μL/分~0.5μL/分、0.4μL/分~0.6μL/分、0.4μL/分~0.7μL/分、0.5μL/分~0.6μL/分、0.5μL/分~0.7μL/分、0.5μL/分~0.8μL/分、0.6μL/分~0.7μL/分、0.6μL/分~0.8μL/分、0.6μL/分~0.9μL/分、0.7μL/分~0.8μL/分、0.7μL/分~0.9μL/分、0.7μL/分~1.0μL/分、0.8μL/分~0.9μL/分、0.8μL/分~1.0μL/分、0.8μL/分~1.1μL/分、0.9μL/分~1.0μL/分、0.9μL/分~1.1μL/分、0.9μL/分~1.2μL/分、1.0μL/分~1.1μL/分、1.0μL/分~1.2μL/分、1.0μL/分~1.3μL/分、1.1μL/分~1.2μL/分、1.1μL/分~1.3μL/分、1.1μL/分~1.4μL/分、1.2μL/分~1.3μL/分、1.2μL/分~1.4μL/分、1.2μL/分~1.5μL/分、1.3μL/分~1.4μL/分、1.3μL/分~1.5μL/分、1.3μL/分~1.6μL/分、1.4μL/分~1.5μL/分、1.4μL/分~1.6μL/分、1.4μL/分~1.7μL/分、1.5μL/分~1.6μL/分、1.5μL/分~1.7μL/分、1.5μL/分~1.8μL/分、1.6μL/分~1.7μL/分、1.6μL/分~1.8μL/分、1.6μL/分~1.9μL/分、1.7μL/分~1.8μL/分、1.7μL/分~1.9μL/分、1.7μL/分~2.0μL/分、1.8μL/分~1.9μL/分、1.8μL/分~2.0μL/分、1.8μL/分~2.1μL/分、1.9μL/分~2.0μL/分、1.9μL/分~2.1μL/分、1.9μL/分~2.2μL/分、2.0μL/分~2.1μL/分、2.0μL/分~2.2μL/分、2.0μL/分~2.3μL/分、2.1μL/分~2.2μL/分、2.1μL/分~2.3μL/分、2.1μL/分~2.4μL/分、2.2μL/分~2.3μL/分、2.2μL/分~2.4μL/分、2.2μL/分~2.5μL/分、2.3μL/分~2.4μL/分、2.3μL/分~2.5μL/分、2.3μL/分~2.6μL/分、2.4μL/分~2.5μL/分、2.4μL/分~2.6μL/分、2.4μL/分~2.7μL/分、2.5μL/分~2.6μL/分、2.5μL/分~2.7μL/分、2.5μL/分~2.8μL/分、2.6μL/分~2.7μL/分、2.6μL/分~2.8μL/分、2.6μL/分~2.9μL/分、2.7μL/分~2.8μL/分、2.7μL/分~2.9μL/分、2.7μL/分~3.0μL/分、2.8μL/分~2.9μL/分、2.8μL/分~3.0μL/分、2.8μL/分~3.1μL/分、2.9μL/分~3.0μL/分、2.9μL/分~3.1μL/分、2.9μL/分~3.2μL/分、3.0μL/分~3.1μL/分、3.0μL/分~3.2μL/分、3.0μL/分~3.3μL/分、3.1μL/分~3.2μL/分、3.1μL/分~3.3μL/分、3.1μL/分~3.4μL/分、3.2μL/分~3.3μL/分、3.2μL/分~3.4μL/分、3.2μL/分~3.5μL/分、3.3μL/分~3.4μL/分、3.3μL/分~3.5μL/分、3.3μL/分~3.6μL/分、3.4μL/分~3.5μL/分、3.4μL/分~3.6μL/分、3.4μL/分~3.7μL/分、3.5μL/分~3.6μL/分、3.5μL/分~3.7μL/分、3.5μL/分~3.8μL/分、3.6μL/分~3.7μL/分、3.6μL/分~3.8μL/分、3.6μL/分~3.9μL/分、3.7μL/分~3.8μL/分、3.7μL/分~3.9μL/分、3.7μL/分~4.0μL/分、3.8μL/分~3.9μL/分、3.8μL/分~4.0μL/分、3.8μL/分~4.1μL/分、3.9μL/分~4.0μL/分、3.9μL/分~4.1μL/分、3.9μL/分~4.2μL/分、4.0μL/分~4.1μL/分、4.0μL/分~4.2μL/分、4.0μL/分~4.3μL/分、4.1μL/分~4.2μL/分、4.1μL/分~4.3μL/分、4.1μL/分~4.4μL/分、4.2μL/分~4.3μL/分、4.2μL/分~4.4μL/分、4.2μL/分~4.5μL/分、4.3μL/分~4.4μL/分、4.3μL/分~4.5μL/分、4.3μL/分~4.6μL/分、4.4μL/分~4.5μL/分、4.4μL/分~4.6μL/分、4.4μL/分~4.7μL/分、4.5μL/分~4.6μL/分、4.5μL/分~4.7μL/分、4.5μL/分~4.8μL/分、4.6μL/分~4.7μL/分、4.6μL/分~4.8μL/分、4.6μL/分~4.9μL/分、4.7μL/分~4.8μL/分、4.7μL/分~4.9μL/分、4.7μL/分~5.0μL/分,4.8μL/分~4.9μL/分、4.8μL/分~5.0μL/分、又は4.9μL/分~5.0μL/分である。
【0235】
本明細書で使用される場合、「治療有効用量(therapeutically effective dose)」又は「薬学的活性用量(pharmaceutically active dose)」という用語は、神経学的状態の治療に有効である本明細書に提供されるAAV粒子又は組成物の量を指す。一態様では、本明細書に提供されるAAV粒子又は組成物は、薬学的に許容される担体と一緒に提供され得る。本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体」は、本明細書に提供されるAAV粒子又は組成物と混合される非毒性の溶媒、分散剤、賦形剤、アジュバント、又は他の材料を指す。
【0236】
薬学的に許容される担体の非限定的な例としては、液体(例えば、生理食塩水)、ゲル、ナノ粒子、エクソソーム、脂質小胞、又は希釈剤、アジュバント、賦形剤、又は耐酸性カプセル化成分の固体形態が挙げられる。好適な希釈剤及び賦形剤の非限定的な例としては、医薬品グレードの生理食塩水、デキストロース、グリセロール、マンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウムなど、及びそれらの組み合わせが挙げられる。一態様では、治療有効用量は、補助物質、例えば、湿潤剤又は乳化剤、安定剤又はpH緩衝剤を含む。一態様では、治療有効用量の本明細書に提供されるAAV粒子又は組成物が、対象に注入される。一態様では、治療有効用量の本明細書に提供されるAAV粒子又は組成物が、対象に送達される。一態様では、治療有効用量は、少なくとも1つの薬学的に許容される担体と共に投与される。一態様では、治療有効用量は、本明細書に提供されるAAV粒子又は組成物の約1%~約5%、約5%~約10%、約10%~約14%、約14%~約20%、約20%~約25%、約25%~約30%、約30%~約35%、約40~約45%、約50%~約55%、約1%~約95%、約2%~約95%、約5%~約95%、約10%~約95%、約14%~約95%、約20%~約95%、約25%~約95%、約30%~約95%、約35%~約95%、約40%~約95%、約45%~約95%、約50%~約95%、約55%~約95%、約60%~約95%、約65%~約95%、約70%~約95%、約45%~約95%、約80%~約95%、又は約85%~約95%を含む。
【0237】
一態様では、治療有効用量は、それを必要とする対象に、少なくとも2日間又は数週間連続して、少なくとも1日1回又は少なくとも1週間に1回投与される。一態様では、治療有効用量は、それを必要とする対象に、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、若しくは14日間又は数週間連続して、少なくとも1日1回又は少なくとも1週間に1回送達される。一態様では、治療有効用量は、それを必要とする対象に、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、若しくは12週間連続して、少なくとも1日1回又は少なくとも1週間に1回送達される。一態様では、治療有効用量は、それを必要とする対象に、最大で4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、14、16、17、18、19、若しくは20日間又は数週間連続して、少なくとも1日1回又は少なくとも1週間に1回送達される。一態様では、治療有効用量は、それを必要とする対象に、最大で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、若しくは12週間又は数ヶ月間連続して、少なくとも1日1回又は少なくとも1週間に1回送達される。一態様では、治療有効用量は、それを必要とする対象に、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、若しくは12ヶ月間又は数年間連続して、慢性的に、対象の全生涯、又は無期限に、少なくとも1回投与される。一態様では、治療有効用量は、それを必要とする対象に、2年間連続して、3年間連続して、又は5年間連続して、年に1回送達される。一態様では、治療有効用量は、それを必要とする対象に、2年間連続して、年に1回送達される。一態様では、治療有効用量は、それを必要とする対象に、3年間連続して、年に1回送達される。一態様では、治療有効用量は、それを必要とする対象に、5年間連続して、年に1回送達される。
【0238】
本明細書で使用される場合、「寛解」、「治癒」、又は「解消」という用語は、それを必要とする対象の、治療有効用量に応答して治癒される割合又は神経学的状態の寛解若しくは完全な解消が得られる割合を指す。
【0239】
本明細書で使用される場合、「奏効率」という用語は、それを必要とする対象の、治療有効用量に肯定的に応答する(例えば、1つ以上の症状の重症度又は頻度が低下した)割合を指す。
【0240】
一態様では、治療有効用量は、少なくとも約50%の神経学的状態の寛解、治癒、奏効率、又は解消率を達成する。一態様では、治療有効用量は、1つ以上の神経学的状態の症状を排除、低減、減速、又は遅延させる。神経学的状態の症状の非限定的な例としては、振戦、動きの鈍化(運動緩慢)、筋肉の硬直、姿勢及び平衡の障害、自動運動の喪失、非協調運動、非制御運動、自発痙攣運動、発話の変化、しびれ、書字の変化、不随意運動(例えば、舞踏運動、制御不能な姿勢、気分の変化、及び睡眠障害)が挙げられる。一態様では、神経学的状態の症状は、運動症状である。運動症状の非限定的な例としては、不随意運動の障害又は随意運動の障害が挙げられる。一態様では、神経学的状態の症状は、認知症状である。認知症状の非限定的な例としては、微細運動能力、振戦、発作、舞踏病、ジストニア、ジスキネジア、遅い又は異常な眼球運動、歩行障害、姿勢障害、平衡障害、発話困難、嚥下困難、整理困難、優先順位付け困難、課題に集中することの困難、柔軟性の欠如、衝動制御の欠如、爆発、自分自身の行動及び/又は能力の認識の欠如、思考の処理の遅さ、新しい情報の学習の困難、物事を記憶することの困難、コミュニケーションの困難、命令に従うことの困難、課題を実行することの困難が挙げられる。
【0241】
一態様では、神経学的状態の症状は、精神医学的症状である。精神医学的症状の非限定的な例としては、うつ病、過敏性、悲しみ又は無感情、ひきこもり、不眠症、疲労、エネルギーの欠如、強迫性障害、躁病、双極性障害、及び体重減少が挙げられる。一態様では、神経学的状態の症状は、少なくとも1つの損傷した血管である。一態様では、神経学的状態の症状は、損傷した血液脳関門である。一態様では、神経学的状態の症状は、損傷した血流である。神経学的状態の症状の除去、低減、減速、又は遅延を評価するための試験の非限定的な例としては、ハンチントン病統一評価尺度(UHDRS)スコア、UHDRS総機能容量(TFC)、UHDRS機能評価、UHDRS歩行スコア、UHDRS総運動スコア(TMS)、ハミルトンうつ病尺度(HAM-D)、コロンビア自殺重症度評価尺度(C-SSRS)、モントリオール認知評価(MoCA)、改訂ランキン尺度(mRS)、国立衛生研究所脳卒中尺度(NIHSS)、及びバーセル指数(BI)、タイムアップ・アンド・ゴー検査(Timed Up and Go Test)(TUG)、チェドック上肢機能調査(Chedoke Arm and Hand Activity Inventory)(CAHAI)、記号数字モダリティー検査、制御口頭語連想課題(Controlled Oral Word Association tasks)、磁気共鳴画像診断(MRI)、機能的磁気共鳴画像診断(fMRI)、並びに陽電子放射断層撮影(PET)が挙げられる。
【0242】
一態様では、治療有効用量は、約10%~約99%又はそれ以上の神経学的状態の寛解、治癒、奏効率、又は解消率を達成する。一態様では、治療有効用量は、10%~100%、例えば、10%~14%、10%~20%、10%~25%、14%~20%、14%~25%、14%~30%、20%~25%、20%~30%、20%~35%、25%~30%、25%~35%、25%~40%、30%~35%、30%~40%、35%~45%、35%~50%、40%~45%、40%~50%、40%~55%、45%~50%、45%~55%、45%~60%、50%~55%、50%~60%、50%~65%、55%~60%、55%~65%、55%~70%、60%~65%、60%~70%、60%~75%、65%~70%、65%~75%、65%~80%、70%~75%、70%~80%、70%~85%、75%~80%、75%~85%、75%~90%、80%~85%、80%~90%、80%~95%、85%~90%、85%~95%、85%~100%、90%~95%、90%~100%、又は95%~100%の神経学的状態の寛解、治癒、奏効率、又は解消率を達成する。
【0243】
一態様では、治療有効用量は、1つ以上の神経学的状態の症状を10%~100%、例えば、10%~約14%、10%~20%、10%~25%、14%~20%、14%~25%、14%~30%、20%~25%、20%~30%、20%~35%、25~30%、25%~35%、25%~40%、30%~35%、30%~40%、35%~45%、35%~50%、40%~45%、40%~50%、40%~55%、45%~50%、45%~55%、45%~60%、50%~55%、50%~60%、50%~65%、55%~60%、55%~65%、55%~70%、60%~65%、60%~70%、60%~75%、65%~70%、65%~75%、65%~80%、70%~75%、70%~80%、70%~85%、75%~80%、75%~85%、75%~90%、80%~85%、80%~90%、80%~95%、85%~90%、85%~95%、85%~100%、90%~95%、90%~100%、又は95%~100%除去、低減、減速、又は遅延させる。
【0244】
一態様では、神経学的状態の症状は、処置当日、処置後1日、処置後3ヶ月、処置後6ヶ月、処置後1年、及びその後は毎年評価される。
【0245】
一態様では、神経学的状態の症状は、処置後1日~処置後7日に評価される。一態様では、症状は、処置後1日~処置後2日、処置後1日~処置後3日、処置後1日~処置後4日、処置後2日~処置後3日、処置後2日~処置後4日、処置後2日~処置後5日、処置後3日~処置後4日、処置後3日~処置後5日、処置後3日~処置後6日、処置後4日~処置後5日、処置後4日~処置後6日、処置後4日~処置後7日、処置後5日~処置後6日、処置後5日~処置後7日、又は処置後6日~処置後7日に評価され得る。一態様では、症状は、処置後1週~処置後4週に評価され得る。一態様では、症状は、処置後1週~処置後2週、処置後1週~処置後3週、処置後1週~処置後4週、処置後2週~処置後3週、処置後2週~処置後4週、又は処置後3週~処置後4週に評価され得る。一態様では、症状は、処置後1ヶ月~処置後12ヶ月に評価され得る。一態様では、症状は、処置後1ヶ月~処置後2ヶ月、処置後1ヶ月~処置後3ヶ月、処置後1ヶ月~処置後4ヶ月、処置後2ヶ月~処置後3ヶ月、処置後2ヶ月~処置後4ヶ月、処置後2ヶ月~処置後5ヶ月、処置後3ヶ月~処置後4ヶ月、処置後3ヶ月~処置後5ヶ月、処置後3ヶ月~処置後6ヶ月、処置後4ヶ月~処置後5ヶ月、処置後4ヶ月~処置後6ヶ月、処置後4ヶ月~処置後7ヶ月、処置後5ヶ月~処置後6ヶ月、処置後5ヶ月~処置後7ヶ月、処置後5ヶ月~処置後8ヶ月、処置後6ヶ月~処置後7ヶ月、処置後6ヶ月~処置後8ヶ月、処置後6ヶ月~処置後9ヶ月、処置後7ヶ月~処置後8ヶ月、処置後7ヶ月~処置後9ヶ月、処置後7ヶ月~処置後10ヶ月、処置後8ヶ月~処置後9ヶ月、処置後8ヶ月~処置後10ヶ月、処置後8ヶ月~処置後11ヶ月、処置後9ヶ月~処置後10ヶ月、処置後9ヶ月~処置後11ヶ月、処置後9ヶ月~処置後12ヶ月、処置後10ヶ月~処置後11ヶ月、処置後10ヶ月~処置後12ヶ月、又は処置後11ヶ月~処置後12ヶ月に評価され得る。一態様では、症状は、処置後1年~処置後約20年に評価され得る。一態様では、症状は、処置後1年~処置後5年、処置後1年~処置後10年、処置後1年~処置後14年、処置後5年~処置後10年、処置後5年~処置後14年、処置後5年~処置後20年、処置後10年~処置後14年、処置後10年~処置後20年、又は処置後14年~処置後20年に評価され得る。
【0246】
本明細書で使用される場合、「生存率」という用語は、神経学的状態の診断後の所与の期間後にまだ生きている処置群の対象のコホートを指す。
【0247】
一態様では、治療有効用量は、約10%~99%又はそれ以上の生存率の増加を達成する。一態様では、治療有効用量は、10%~100%、例えば、10%~14%、10%~20%、10%~25%、14%~20%、14%~25%、14%~30%、20%~25%、20%~30%、20%~35%、25%~30%、25%~35%、25%~40%、30%~35%、30%~40%、35%~45%、35%~50%、40%~45%、40%~50%、40%~55%、45%~50%、45%~55%、45%~60%、50%~55%、50%~60%、50%~65%、55%~60%、55%~65%、55%~70%、60%~65%、60%~70%、60%~75%、65%~70%、65%~75%、65%~80%、70%~75%、70%~80%、70%~85%、75%~80%、75%~85%、75%~90%、80%~85%、80%~90%、80%~95%、85%~90%、85%~95%、85%~100%、90%~95%、90%~100%、又は95%~100%の生存率の増加を達成する。
【0248】
本明細書で使用される場合、「平均余命」という用語は、対象が生存すると予想される期間を指す。
【0249】
一態様では、治療有効用量は、平均余命を約10%~99%以上増加させる。一態様では、治療有効用量は、平均余命を10%~100%、例えば、10%~14%、10%~20%、10%~25%、14%~20%、14%~25%、14%~30%、20%~25%、20%~30%、20%~35%、25%~30%、25%~35%、25%~40%、30%~35%、30%~40%、35%~45%、35%~50%、40%~45%、40%~50%、40%~55%、45%~50%、45%~55%、45%~60%、50%~55%、50%~60%、50%~65%、55%~60%、55%~65%、55%~70%、60%~65%、60%~70%、60%~75%、65%~70%、65%~75%、65%~80%、70%~75%、70%~80%、70%~85%、75%~80%、75%~85%、75%~90%、80%~85%、80%~90%、80%~95%、85%~90%、85%~95%、85%~100%、90%~95%、90%~100%、又は95%~100%増加させる。
【0250】
一態様では、治療有効用量は、それを必要とする対象の脳内の萎縮の量を約10%~99%以上減少させる。一態様では、治療有効用量は、それを必要とする対象の脳内の萎縮の量を10%~100%、例えば、10%~14%、10%~20%、10%~25%、14%~20%、14%~25%、14%~30%、20%~25%、20%~30%、20%~35%、25%~30%、25%~35%、25%~40%、30%~35%、30%~40%、35%~45%、35%~50%、40%~45%、40%~50%、40%~55%、45%~50%、45%~55%、45%~60%、50%~55%、50%~60%、50%~65%、55%~60%、55%~65%、55%~70%、60%~65%、60%~70%、60%~75%、65%~70%、65%~75%、65%~80%、70%~75%、70%~80%、70%~85%、75%~80%、75%~85%、75%~90%、80%~85%、80%~90%、80%~95%、85%~90%、85%~95%、85%~100%、90%~95%、90%~100%、又は95%~100%減少させる。
【0251】
一態様では、治療を必要とする対象の脳内の萎縮の量は、処置当日、処置後1日、処置後3ヶ月、処置後6ヶ月、処置後1年、及びその後は毎年評価される。
【0252】
一態様では、それを必要とする対象の脳内の萎縮の量は、処置後1日~処置後7日に評価される。一態様では、症状は、処置後1日~処置後2日、処置後1日~処置後3日、処置後1日~処置後4日、処置後2日~処置後3日、処置後2日~処置後4日、処置後2日~処置後5日、処置後3日~処置後4日、処置後3日~処置後5日、処置後3日~処置後6日、処置後4日~処置後5日、処置後4日~処置後6日、処置後4日~処置後7日、処置後5日~処置後6日、処置後5日~処置後7日、又は処置後6日~処置後7日に評価され得る。一態様では、症状は、処置後1週~処置後4週に評価され得る。一態様では、症状は、処置後1週~処置後2週、処置後1週~処置後3週、処置後1週~処置後4週、処置後2週~処置後3週、処置後2週~処置後4週、又は処置後3週~処置後4週に評価され得る。一態様では、症状は、処置後1ヶ月~処置後12ヶ月に評価され得る。一態様では、症状は、処置後1ヶ月~処置後2ヶ月、処置後1ヶ月~処置後3ヶ月、処置後1ヶ月~処置後4ヶ月、処置後2ヶ月~処置後3ヶ月、処置後2ヶ月~処置後4ヶ月、処置後2ヶ月~処置後5ヶ月、処置後3ヶ月~処置後4ヶ月、処置後3ヶ月~処置後5ヶ月、処置後3ヶ月~処置後6ヶ月、処置後4ヶ月~処置後5ヶ月、処置後4ヶ月~処置後6ヶ月、処置後4ヶ月~処置後7ヶ月、処置後5ヶ月~処置後6ヶ月、処置後5ヶ月~処置後7ヶ月、処置後5ヶ月~処置後8ヶ月、処置後6ヶ月~処置後7ヶ月、処置後6ヶ月~処置後8ヶ月、処置後6ヶ月~処置後9ヶ月、処置後7ヶ月~処置後8ヶ月、処置後7ヶ月~処置後9ヶ月、処置後7ヶ月~処置後10ヶ月、処置後8ヶ月~処置後9ヶ月、処置後8ヶ月~処置後10ヶ月、処置後8ヶ月~処置後11ヶ月、処置後9ヶ月~処置後10ヶ月、処置後9ヶ月~処置後11ヶ月、処置後9ヶ月~処置後12ヶ月、処置後10ヶ月~処置後11ヶ月、処置後10ヶ月~処置後12ヶ月、又は処置後11ヶ月~処置後12ヶ月に評価され得る。一態様では、症状は、処置後1年~処置後約20年に評価され得る。一態様では、症状は、処置後1年~処置後5年、処置後1年~処置後10年、処置後1年~処置後14年、処置後5年~処置後10年、処置後5年~処置後14年、処置後5年~処置後20年、処置後10年~処置後14年、処置後10年~処置後20年、又は処置後14年~処置後20年に評価され得る。
【0253】
それを必要とする対象の脳内の萎縮の量を評価するための検査の非限定的な例としては、Nissle染色、MRI、機能的磁気共鳴fMRI、及びPETスキャンが挙げられる。
【0254】
本開示は、好ましい実施形態を参照して説明されているが、本開示の範囲から逸脱することなく特定の状況に適応するように、様々な変更が行われ得、均等物がその要素に置き換えられ得ることが当業者によって理解されるであろう。したがって、本開示は、本開示を実施するために企図される最良の形態として開示される特定の実施形態に限定されるものではなく、本開示は、添付の特許請求の範囲の範囲及び趣旨内にある全ての実施形態を含むであろうことが意図される。
【0255】
本明細書に示される実施例は、本開示のいくつかの実施形態を例示するが、いかなる様式でも本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【実施例
【0256】
実施例1.AAVベクター構築物
48種類のAAVベクター構築物:
EF-1α:GfaABC1D:NeuroD1:P2A:Dlx2:WPRE:SV40(図1B)、
EF-1α:Gfa1.6:NeuroD1:P2A:Dlx2:WPRE:SV40、
EF-1α:GFA2.2:NeuroD1:P2A:Dlx2:WPRE:SV40、
EF-1α:GfaABC1D:NeuroD1:P2A:Dlx2:WPRE:hGH、
EF-1α:Gfa1.6:NeuroD1:P2A:Dlx2:WPRE:hGH、
EF-1α:GFA2.2:NeuroD1:P2A:Dlx2:WPRE:hGH、
CE:GfaABC1D:NeuroD1:P2A:Dlx2:WPRE:SV40(P31)(図1A)、
CE:Gfa1.6:NeuroD1:P2A:Dlx2:WPRE:SV40、
CE:GFA2.2:NeuroD1:P2A:Dlx2:WPRE:SV40、
CE:GfaABC1D:NeuroD1:P2A:Dlx2:WPRE:hGH、
CE:Gfa1.6:NeuroD1:P2A:Dlx2:WPRE:hGH、
CE:GFA2.2:NeuroD1:P2A:Dlx2:WPRE:hGH、
EF-1α:GfaABC1D:NeuroD1:T2A:Dlx2:WPRE:SV40(図3B)、
EF-1α:Gfa1.6:NeuroD1:T2A:Dlx2:WPRE:SV40、
EF-1α:GFA2.2:NeuroD1:T2A:Dlx2:WPRE:SV40、
EF-1α:GfaABC1D:NeuroD1:T2A:Dlx2:WPRE:hGH(図3D)、
EF-1α:Gfa1.6:NeuroD1:T2A:Dlx2:WPRE:hGH、
EF-1α:GFA2.2:NeuroD1:T2A:Dlx2:WPRE:hGH、
CE:GfaABC1D:NeuroD1:T2A:Dlx2:WPRE:SV40(図3A)、
CE:Gfa1.6:NeuroD1:T2A:Dlx2:WPRE:SV40、
CE:GFA2.2:NeuroD1:T2A:Dlx2:WPRE:SV40、
CE:GfaABC1D:NeuroD1:T2A:Dlx2:WPRE:hGH(図3C)、
CE:Gfa1.6:NeuroD1:T2A:Dlx2:WPRE:hGH、
CE:GFA2.2:NeuroD1:T2A:Dlx2:WPRE:hGH、
EF-1α:GfaABC1D:NeuroD1:GSG-P2A:Dlx2:WPRE:SV40(図2B)、
EF-1α:Gfa1.6:NeuroD1:GSG-P2A:Dlx2:WPRE:SV40、
EF-1α:GFA2.2:NeuroD1:GSG-P2A:Dlx2:WPRE:SV40、
EF-1α:GfaABC1D:NeuroD1:GSG-P2A:Dlx2:WPRE:hGH(図2D)、
EF-1α:Gfa1.6:NeuroD1:GSG-P2A:Dlx2:WPRE:hGH、
EF-1α:GFA2.2:NeuroD1:GSG-P2A:Dlx2:WPRE:hGH、CE:GfaABC1D:NeuroD1:GSG-P2A:Dlx2:WPRE:SV40(図2A)、CE:Gfa1.6:NeuroD1:GSG-P2A:Dlx2:WPRE:SV40、
CE:GFA2.2:NeuroD1:GSG-P2A:Dlx2:WPRE:SV40、CE:GfaABC1D:NeuroD1:GSG-P2A:Dlx2:WPRE:hGH(図2C)、
CE:Gfa1.6:NeuroD1:GSG-P2A:Dlx2:WPRE:hGH、
CE:GFA2.2:NeuroD1:GSG-P2A:Dlx2:WPRE:hGH、
EF-1α:GfaABC1D:NeuroD1:GSG-T2A:Dlx2:WPRE:SV40(図4B)、
EF-1α:Gfa1.6:NeuroD1:GSG-T2A:Dlx2:WPRE:SV40、
EF-1α:GFA2.2:NeuroD1:GSG-T2A:Dlx2:WPRE:SV40、
EF-1α:GfaABC1D:NeuroD1:GSG-T2A:Dlx2:WPRE:hGH(図4D)、
EF-1α:Gfa1.6:NeuroD1:GSG-T2A:Dlx2:WPRE:hGH、
EF-1α:GFA2.2:NeuroD1:GSG-T2A:Dlx2:WPRE:hGH、CE:GfaABC1D:NeuroD1:GSG-T2A:Dlx2:WPRE:SV40(図4A)、CE:Gfa1.6:NeuroD1:GSG-T2A:Dlx2:WPRE:SV40、
CE:GFA2.2:NeuroD1:GSG-T2A:Dlx2:WPRE:SV40、CE:GfaABC1D:NeuroD1:GSG-T2A:Dlx2:WPRE:hGH(図4C)、
CE:Gfa1.6:NeuroD1:GSG-T2A:Dlx2:WPRE:hGH、及びCE:GFA2.2:NeuroD1:GSG-T2A:Dlx2:WPRE:hGHが構築される。
【0257】
48種類のベクター構築物は全て、pHSG-299(Takara,Mountain View,CA)を利用し、これは、骨格として、複製起点、カナマイシン耐性遺伝子、及びlacZ遺伝子と共に多重クローニング部位(MSC)を含むpUCベースのベクター構築物である。
【0258】
発現カセットの5’末端は、ヒト伸長因子-1αプロモーターからのエンハンサー(EF-1αエンハンサー、配列番号2)又はサイトメガロウイルスエンハンサー(CMVエンハンサー、配列番号11)であり、758ヌクレオチドのGFAPプロモーター(GfaABC1D;配列番号26)、1667ヌクレオチドのGFAPプロモーター(Gfa1.6;配列番号4)、又は2214ヌクレオチドのGFAPプロモーター(GFA2.2配列番号12)のいずれかの5’に配置される。
【0259】
エンハンサー/GFAPプロモーターに続いて(例えば、3’に)、5’から3’方向へ、いくつかの追加の配列が発現カセットに導入され、これには、キメライントロン(配列番号5又は配列番号6)、ヒトNeuroD1コード配列(hNeuroD1;配列番号6)、ヒトDlx2コード配列(hDlx2;配列番号13)、リンカー配列(P2A;配列番号15)、(GSG-P2A;配列番号18)、(T2A;配列番号16)、又は(GSG-T2A;配列番号19)、及びウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE;配列番号7)が含まれる。これらの配列は全て、SV40ポリ(A)シグナル(配列番号8)、又はhGHポリ(A)シグナル(配列番号17)、又はbGHポリ(A)シグナル(配列番号30)に作動可能に連結される。エンハンサー、GFAPプロモーター、キメライントロン、hNeuroD1コード配列、hDlx2コード配列、リンカー、WPRE、及びポリ(A)シグナルは、2つのAAV ITR配列に隣接している。
【0260】
実施例2.AAVウイルス産生
24種類のプラスミドの各々を、ポリエチレンイミンを使用して、Rep-Capプラスミド(AAVのrep及びcap遺伝子の発現を駆動するプロモーターを含むプラスミド)及びヘルパープラスミド(アデノウイルスのE2A、E4、及びVA RNAの発現を駆動するプロモーターを含むプラスミド)と共に、293AAV細胞に共トランスフェクトして、組換えAAVウイルス粒子を産生する。
【0261】
トランスフェクションの72時間後、トランスフェクトされた細胞を掻き取り、遠心分離する。細胞ペレットを、凍結し、解凍し、ドライアイス/エタノール混合物に入れ、続いて、37℃の水浴に入れる。凍結/融解サイクルを更に3回繰り返す。AAV溶解物を、不連続イオジキサノール勾配で、350,000gで1時間超遠心分離することによって精製する(例えば、細胞破片を除去する)。ウイルス含有層を回収し、次いで、Millipore Amiconウルトラ遠心式フィルターを使用して濃縮する。次いで、ITR領域又は遺伝子/発現カセット特異的配列を増幅するプライマーを使用して、qPCRによって、ウイルス力価を決定する。
【0262】
実施例3.アストロサイト細胞培養物
ヒト皮質アストロサイト(HA1800;ScienCell Research Laboratories,Inc.,Carlsbad、California)は、それらが90%超コンフルエントである場合、継代培養する。継代培養の場合、細胞を、TrypLE(商標)Select(Invitrogen、Carlsbad、California)を使用してトリプシン処理し、200×gで5分間遠心分離し、次いで、再懸濁し、DMEM/F12(Gibco)、10%のウシ胎仔血清(Gibco)、ペニシリン/ストレプトマイシン(Gibco)、3.5mMのグルコース(Sigma-Aldrich)、B27(Gibco)、10ng/mLの上皮増殖因子(Invitrogen)、及び10ng/mLの線維芽細胞増殖因子2(Invitrogen)を含む培地にプレーティングする。アストロサイトを、24ウェルプレート(BD Biosciences)中、ポリ-D-リジン(Sigma-Aldrich)でコーティングされたカバースリップ(12mm)上で、カバースリップ当たり約20,000細胞の密度で培養する。
【0263】
(Sprague Dawleyラットの皮質又は線条体から単離された)ラット初代アストロサイトは、DMEM/F12(Gibco)、10%のウシ胎仔血清(Gibco)、ペニシリン/ストレプトマイシン(Gibco)、3.5mMのグルコース(Gibco)を含む培地中で培養される。
【0264】
全ての細胞は、5%の二酸化炭素を含む加湿空気中、37℃で維持される。
【0265】
実施例4.アストロサイト細胞培養物中でのAAVベクターの(インビトロ)試験
実施例2の方法から得られた組換えAAVを使用して、1010粒子/mL~1014粒子/mlの濃度範囲で、実施例3からのヒト皮質アストロサイト及びラット初代アストロサイトを感染させる。細胞の感染の24時間後、培地を、DMEM/F12(Gibco)、N2サプリメント(Gibco)、及び20ng/mLの脳由来神経栄養因子(Invitrogen)を含む分化培地で置き換える。4日ごとに、分化培地を細胞培養物に添加する。Song et al.,Nature,417:39-44(2002)を参照されたい。
【0266】
細胞培養物中の空きスペースは、追加のヒトアストロサイトで満たされ、アストロサイト又はラット初代アストロサイトがニューロンに変換された場合、変換されたニューロンの機能的発生をサポートする。
【0267】
実施例5.AAVベクター効力の試験
実施例2の方法から得られた組換えAAVを使用して、継代数4~7の実施例3のヒト皮質アストロサイト及びラット初代アストロサイト(又は他の脳領域又は脊髄からのアストロサイト)を、1010粒子/mL~1014粒子/mLの濃度範囲で感染させる。qPCR、酵素結合免疫吸着(ELISA)、及びウエスタンブロットを実施して、NeuroD1転写物の発現及びタンパク質レベルを決定する。
【0268】
NeuN、ダブルコルチン(DCX)、β3-チューブリン、NF-200、及びMAP2の発現を、qPCR、ELISA、ウエスタンブロット、及び免疫染色によって評価して、組換えAAVの機能的出力を決定する。
【0269】
実施例6.AAVベクターの滴定及び感染率の試験
精製したAAVベクターをDNaseIで処理して、残留プラスミドの混入を排除する。一連のAAVベクターの希釈を、100倍、500倍、2500倍、及び12500倍で実施する。AAVプラスミド骨格を希釈して、段階希釈によって標準曲線を生成する。プラスミドを10、10、10、10、及び10分子/μlに希釈する。qPCRを、希釈したAAVベクター及び希釈したAAVプラスミドに対して実施する。使用するプライマーは、ITR領域(フォワードITRプライマー、5’-GGAACCCCTAGTGATGGAGTT、リバースITRプライマー、5’-CGGCCTCAGTGAGCGA)に対するものである。qPCRミックスは、10μLのユニバーサルSYBRマスターミックス2X、2μLの5μMフォワードITRプライマー、2μLの5μMリバースITRプライマー、5μLの試験試料又は希釈した標準物質、及び1μLのHOを含む。qPCRのプログラムは、95℃で10分間、続いて、95℃で15秒間、60℃で30秒間を40サイクル、続いて、溶融曲線である。qPCRサイクラーのソフトウェアを使用して、データを分析する。AAV試料(ウイルスゲノム(vg)/ml)の物理的力価は、標準曲線に基づいて計算される。
【0270】
AAVベクターの感染率は、American Type Culture Collection(ATCC;Manassas、VA)からの標準的なプロトコルを使用して実施される50%組織培養感染用量(TCID50)アッセイを使用して試験する。
【0271】
実施例7.AAV用量範囲の試験(インビボ)
実施例2の方法から得られた組換えAAVを、運動皮質への両側頭蓋内注入により、C57/BL6マウスに注入する。各AAVは、1μLの体積で、1×1011、3×1011、1×1012、3×1012、1×1012、3×1012、1×1013ウイルスゲノム/mLの投与量で注入される。各投与量を、注入後4日、20日、及び60日で評価して、細胞及び組織レベルでの最適有効用量(OED)、最大耐容用量(MTD)、及び最小有効用量(MED)を決定する。時点ごとに3匹のマウスが存在する。OED、MTD、及びMEDは、NeuroD1、GFAP、NeuN、及びIba1の免疫染色を介して、アストロサイトからニューロンへの変換効率及び潜在的な毒性の評価によって決定される。第1の用量範囲がOED、MTD、及びMEDを決定するのに十分でない場合、第2の用量範囲は、1μLの体積で、1×1010ウイルスゲノム/mL~1×1014GC/mLで行われる。
【0272】
実施例8.ヒト細胞培養物中の様々なAAVベクター構築物から得られた組換えAAVのニューロン変換率の比較(インビトロ)
AAVベクター構築物は、NeuroD1単独又はDlx2単独のいずれかを発現するように、実施例1に記載されるように設計される。組換えAAVは、(1)NeuroD1単独を発現するAAVベクター構築物、(2)Dlx2単独を発現するAAVベクター構築物、(3)AAVベクター構築物(1)及び(2)の組み合わせ、並びに(4)NeuroD1及びDlx2を有するリンカーを発現するAAVベクター構築物について、実施例2に記載されるように得られる。得られた組換えAAVを使用して、実施例3のヒト皮質アストロサイト及びラット初代アストロサイトに感染させる。細胞の感染の24時間後、培地を、DMEM/F12(Gibco)、N2サプリメント(Gibco)、及び20ng/mLの脳由来神経栄養因子(Invitrogen)を含む分化培地で置き換える。4日ごとに、分化培地を細胞培養物に添加する。Song et al.,Nature,417:39-44(2002)を参照されたい。細胞培養物中の空きスペースは、追加のヒトアストロサイトで満たされ、アストロサイト又はミクログリア細胞がニューロンに変換された場合、変換されたニューロンの機能的発生をサポートする。各処理のニューロン変換レベルが測定され、比較される。
【0273】
実施例9.ヒト対象におけるAAVベクターの試験(インビボ)
実施例2の方法から得られた組換えAAVを使用して、インビボでヒトの脳又は脊髄のアストロサイトに感染させる。組換えAAVは、1010粒子/mL~1014粒子/mLの濃度範囲で、10μL~1mLの範囲の体積で、神経学的状態を有するヒト対象の脳又は脊髄に注入される。ヒト対象の神経学的状態の症状、MRI、PETスキャン、又はMRI及びPETの組み合わせを含む脳の画像診断、並びに行動メトリックが、注入前、注入中、及び注入後に観察される。注入後の観察は、注入後最初の月まで、週に1回行われる。注入後の最初の月の後、観察は、次の11ヶ月間、月に1回行われ、ウイルス注入後、2年まで延長され得る。
【0274】
実施例10.非ヒト霊長類における用量スケールアッセイ
実施例7からのNeuroD1を発現する脳組織の体積を、ベクターゲノムの数で割ったもの(mm/ベクターゲノム)を使用して、脳組織のウイルス感染率を決定する。非ヒト霊長類において処置される特定の脳領域の体積(mm)を計算し、ベクターゲノムの用量範囲を、実施例7で得られた感染率に従ってスケーリングする。用量範囲試験は、実施例7のように実施され、OED、MTD、及びMEDは、NeuroD1、GFAP、NeuN、及びIba1の免疫染色を介して、アストロサイトから神経細胞への変換効率及び潜在的な毒性の評価によって決定される。
【0275】
実施例11.ハンチントン病を有するそれを必要とする対象の治療(インビボ)
ハンチントン病を有する対象を、実施例2の方法から得られた組換えAAVで処置する。対象の神経学的症状には、舞踏運動などの不随意運動、制御不能な姿勢、気分の変化、睡眠障害、発話の変化、嚥下困難、並びに学習及び記憶の欠陥などの認知機能の障害が含まれる。組換えAAVは、1010粒子/mL~1014粒子/mLの濃度範囲で、10μL~1000μLの範囲の体積で、神経学的状態を有するヒト対象の線条体(被殻及び尾状核)に注入される。ヒト対象の神経学的状態の症状、MRI、PETスキャン、又はMRI及びPETの組み合わせを含む脳の画像診断、並びに行動メトリックが、注入前、注入中、及び注入後に観察される。注入後の観察は、注入後最初の月まで、週に1回行われる。注入後の最初の月の後、観察は、次の11ヶ月間、月に1回行われ、ウイルス注入後、2年まで延長され得る。
【0276】
実施例12.Htt遺伝子発現のノックダウンのためのshRNAと共役して、グリア細胞をニューロンに直接変換するための組み合わせアプローチ
Htt遺伝子に相補的である標的配列が同定される。shRNAは、Htt遺伝子を標的化するように設計される。NeuroD1、Dlx2、及び標的shRNAは、AAVベクター(hU6::Htt shRNA-hGFAP::hNeuroD1-P2A-hDlx2)(図5A~8D)にパッケージングされ、実施例2に記載されるように、組換えAAVが産生される。組換えAAVは、変異型Htt遺伝子を有するマウスの線条体に注入される。処置を受けるマウスを、キャットウォーク、オープンフィールド試験、クラスピング、マウス体重、及び握力、並びに脳画像診断(MRI、PETスキャン、又はMRI及びPETの組み合わせを含む)などの行動メトリックについて試験する。(i)処置を受けない群、(ii)実施例2からの組換えAAVを受ける群、及び(iii)組換えAAV(hU6::Htt shRNA-hGFAP::hNeuroD1-P2A-hDlx2)を受ける群間で、行動試験結果及び脳イメージングを比較する(図5A~8D)。
【0277】
代替的に、標的shRNAは、AAVベクター(hU6::hHtt shRNA)にパッケージングされ、実施例2に記載されるように、別の組換えAAVが産生される。2つの組換えAAVは、変異型Httを有するマウスの線条体に注入される。処置を受けるマウスを、キャットウォーク、オープンフィールド試験、クラスピング、マウス体重、及び握力、並びに脳画像診断(MRI、PETスキャン、又はMRI及びPETの組み合わせを含む)などの行動メトリックについて試験する。(i)処置を受けない群、(ii)実施例2から単独での組換えAAVを受ける群、及び(iii)実施例2からの組換えAAVと組み合わせて組換えAAV(hU6::hHtt shRNA)を受ける群間で、行動試験結果及び脳イメージングを比較する。
【0278】
実施例13.Htt遺伝子のCRISPR/CAS遺伝子編集と共役して、グリア細胞をニューロンに直接変換するための組み合わせアプローチ
Htt遺伝子に相補的である標的配列が同定される。ガイドRNA(gRNA)配列は、Htt遺伝子を標的化するように設計される。ドナー配列は、Htt遺伝子のCAGリピートの数を36未満に改変するように設計される。Cas9ヌクレアーゼ、Htt特異的gRNA、及びドナー配列は、AAVベクター(AAV-Cas9-HTT)にパッケージングされる。組換えAAVは、実施例2に記載されるように産生される。
【0279】
組換えAAV(AAV-Cas9-HTT)を、実施例2からの組換えAAVと同時に、変異型Httを有するマウスの線条体に注入する。処置を受けるマウスを、キャットウォーク、オープンフィールド試験、クラスピング、マウス体重、及び握力、並びに脳画像診断(MRI、PETスキャン、又はMRI及びPETの組み合わせを含む)などの行動メトリックについて試験する。(i)処置を受けない群、(ii)実施例2からの組換えAAVを受ける群、及び(iii)実施例2からの組換えAAVと共に組換えAAV-Cas9-HTTを受ける群間で、行動試験結果及び脳イメージングを比較して、変異型Httの遺伝子編集とグリアからニューロンへの変換との間の相乗効果を特定する。組換えAAV-Cas9-HTT及び実施例2からの組換えAAVは、同時に又は異なる時間に注入することができる。
【0280】
代替的に、NeuroD1、リンカー(P2A)、Dlx2、第2のリンカー(P2A)、Cas9ヌクレアーゼ、Htt特異的gRNA、及びドナー配列が、AAVベクター(AAV-hNeuroD1-P2A-hDlx2-P2A-Cas9-HTT)にパッケージングされる。組換えAAVは、実施例2に記載されるように産生される。組換えAAV(AAV-hNeuroD1-P2A-hDlx2-P2A-Cas9-HTT)は、実施例2からの組換えAAVと同時に、変異型Httを有するマウスの線条体に注入される。処置を受けるマウスを、キャットウォーク、オープンフィールド試験、クラスピング、マウス体重、及び握力、並びに脳画像診断(MRI、PETスキャン、又はMRI及びPETの組み合わせを含む)などの行動メトリックについて試験する。(i)処置を受けない群、(ii)実施例2からの組換えAAVを受ける群、及び(iii)実施例2からの組換えAAVと共に組換えAAV-hNeuroD1-P2A-hDlx2-P2A-Cas9-HTTを受ける群間で、行動試験結果及び脳イメージングを比較して、変異型Httの遺伝子編集とグリアからニューロンへの変換との間の相乗効果を特定する。
【0281】
実施例14.Htt遺伝子発現をノックダウンするアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)と共役して、グリア細胞をニューロンに直接変換するための組み合わせアプローチ
Htt遺伝子に相補的である標的配列が同定される。ASOは、Htt遺伝子発現をノックダウンするように設計及び合成される。実施例2からの組換えAAVを、Htt ASOと一緒に、変異型Httを有するマウスの線条体に注入する。処置を受けるマウスを、キャットウォーク、オープンフィールド試験、クラスピング、マウス体重、及び握力、並びに脳画像診断(MRI、PETスキャン、又はMRI及びPETの組み合わせを含む)などの行動メトリックについて試験する。(i)処置を受けない群、(ii)実施例2からの組換えAAVを受ける群、及び(iii)Htt ASOと一緒に、実施例2からの組換えAAVを受ける群間で、行動試験結果及び脳イメージングを比較する。
【0282】
実施例15.Htt遺伝子発現をノックダウンするsiRNAと共役して、グリア細胞をニューロンに直接変換するための組み合わせアプローチ
Htt遺伝子に相補的である標的配列が同定される。siRNAは、Htt遺伝子の発現をノックダウンするように設計及び合成される。実施例2からの組換えAAVを、Htt siRNAと一緒に、変異型Httを有するマウスの線条体に注入する。処置を受けるマウスを、キャットウォーク、オープンフィールド試験、クラスピング、マウス体重、及び握力、並びに脳画像診断(MRI、PETスキャン、又はMRI及びPETの組み合わせを含む)などの行動メトリックについて試験する。(i)処置を受けない群、(ii)実施例2からの組換えAAVを受ける群、及び(iii)Htt siRNAと一緒に、実施例2からの組換えAAVを受ける群間で、行動試験結果及び脳イメージングを比較する。
【0283】
実施例16.Htt遺伝子発現をノックダウンするmiRNAと共役して、グリア細胞をニューロンに直接変換するための組み合わせアプローチ
Htt遺伝子の発現を調節しているmiRNAが同定される。NeuroD1、Dlx2、及びmiRNAは、AAVベクター(CAG::Htt miRNA-hGFAP::hNeuroD1-P2A-hDlx2)にパッケージングされ、実施例2に記載されるように、組換えAAVが産生される。組換えAAVは、変異型Httを有するマウスの線条体に注入される。処置を受けるマウスを、キャットウォーク、オープンフィールド試験、クラスピング、マウス体重、及び握力、並びに脳画像診断(MRI、PETスキャン、又はMRI及びPETの組み合わせを含む)などの行動メトリックについて試験する。(i)処置を受けない群、(ii)実施例2からの組換えAAVを受ける群、及び(iii)組換えAAV(CAG::Htt miRNA-hGFAP::hNeuroD1-P2A-hDlx2)を受ける群間で、行動試験結果及び脳イメージングを比較する。
【0284】
代替的に、標的miRNAは、AAVベクター(CAG::hHtt miRNA)にパッケージングされ、実施例2に記載されるように、組換えAAVが産生される。組換えAAVは、変異型Httを有するマウスの線条体に注入される。処置を受けるマウスを、キャットウォーク、オープンフィールド試験、クラスピング、マウス体重、及び握力、並びに脳画像診断(MRI、PETスキャン、又はMRI及びPETの組み合わせを含む)などの行動メトリックについて試験する。(i)処置を受けない群、(ii)実施例2から単独での組換えAAVを受ける群、及び(iii)実施例2からの組換えAAVと組み合わせて組換えAAV(CAG::hHtt miRNA)を受ける群間で、行動試験結果及び脳イメージングを比較する。
【0285】
実施例17.P31のAAVウイルス産生
組換えAAVは、実施例2に記載されるように得られる。P31プラスミドを、血清型5カプシドタンパク質を発現するRep-Capプラスミド及びヘルパープラスミドP40Helper(P40H)又はpALD-X80(x80)と共に、AAV293細胞に共トランスフェクトして、組換えAAVウイルス粒子(P31-P40H又はP31-X80)を産生する。ウイルス収率は、目的の遺伝子(GOI)増幅するプライマー、P31プラスミド及びITR領域に特異的なプライマーを使用して、qPCRによって決定される。リバースパッケージングプライマーは、非特異的パッケージングを評価するために使用される。X80ヘルパープラスミドでは、P40Hヘルパープラスミドと比較して、ウイルス産生の増加が観察される(図9)。
【0286】
実施例18.ラットアストロサイト初代培養の樹立の成功
皮質及び線条体の組織を、生後3日のSprague-Dawleyラットの脳から単離する。組織を、パパインで処理して、単一細胞懸濁液を生成し、ポリ-D-リジンでコーティングされたフラスコに播種する。細胞を、GFAP抗体及びSOX9抗体で免疫染色する。細胞を、DAPI抗体で対比染色する。GFAP及びSOX9染色によって同定された細胞の95%超がアストロサイトである(図10)。左端のパネルは、GFAP染色細胞の画像を提示する。左中央のパネルは、SOX9染色細胞の画像を提示する。左中央のパネルは、DAPI染色細胞の画像を提示する。右端のパネルは、GFAP、SOX9、及びDAPI染色細胞の重ね合わせ画像を提示する。
【0287】
実施例19.プラスミドのトランスフェクションの比較
初代ラットアストロサイトを播種し、実施例18に記載されるように、発現ベクターであるP14(CE:GfaABC1D:hNeuroD1-P2A-Dlx2:WPRE:SV40)、P31(EF-1α:GfaABC1D:NeuroD1-P2A-Dlx2:WPRE:SV40)、及びP63(CE:GfaABC1D:NeuroD1-GSGP2A-Dlx2:WPRE:SV40)でトランスフェクションして、トランスフェクトされた細胞におけるNeuroD1及びDlx2のトランスフェクション効率を試験する。P14は、細胞のNeuroD1染色及びDlx2染色によって示されるNeuroD1及びDlx2の発現をもたらした(図11;上部パネルは、細胞のNeuroD1染色を示し、中央のパネルは、細胞のDlx2染色を示し、下部パネルは、細胞のNeuroD1、Dlx2、及びDAPI染色の重ね合わせを示す)。
【0288】
実施例20.初代ラットアストロサイトへのAAVウイルス粒子の形質導入の成功
実施例2の方法から得られた組換えAAVを、96ウェルプレートに播種された初代ラットアストロサイトに、AAV9-P12(pGfaABC1D:GFP)を、3×1010vg/ウェル、1×1010vg/ウェル、2.5×10vg/ウェルのいずれかの様々な用量で形質導入する。継代5~7のRCAを、形質導入の24時間前に、50%コンフルエントで、96ウェルプレート中のポリ-D-リジン(PDL)でコーティングされたガラスカバースリップ上に播種する。細胞は、新鮮なアストロサイト培地中で、指定された力価のウイルスで形質導入される。培地を、翌日、及び3~4日ごとに交換する。GFP陽性細胞の形質導入から6日後に取得した画像は、ウイルス力価が高い場合に形質導入率が高いことを示す(図12)。
【0289】
実施例21.初代ラットアストロサイトへのAAVウイルス粒子の形質導入の定量分析
実施例2の方法から得られた組換えAAVを、24ウェルプレート又は96ウェルプレートに播種した初代ラットアストロサイトに、ウイルス粒子AAV9-P12(pGfaABC1D:GFP)及びAAV5-P7(pEF-1α:GFP)で形質導入する。感染の7日後、細胞をトリプシン処理によって回収する。細胞を、固定し、洗浄し、PBSに懸濁する。全ての細胞と比較して、GFP陽性細胞をカウントするために、フローサイトメトリーを使用してウイルス形質導入率を分析する(図13A及び13B)。図13Aは、異なるMOIでの形質導入率(%)を示す。1×10個の細胞/ウェルで24ウェルプレートに播種された細胞を、5×10vg/細胞、2×10vg/細胞、及び5×10vg/細胞のいずれかのMOIで感染させる。ウイルス形質導入率は、MOIが減少するにつれて低下する。図13Bは、2×10細胞/ウェル、1.5×10細胞/ウェル、1×10細胞/ウェル、及び5×10細胞/ウェルの一連の密度で96ウェルプレートに播種され、100μLの培地中、一連の量のウイルス(2μL、1μL、0.5μL、0.25μL、0.125μLの1×1013vg/mlのウイルス)に感染した細胞におけるAAVウイルス粒子の形質導入率を示す。これは、それぞれ、2×1010vg、1×1010vg、5×10vg、2.5×10vg、及び1.25×10vg各ウェルに相当する。ウイルス形質導入率は、ウェル当たりの細胞数が減少しても変化しない。
【0290】
実施例22.インビトロでのNeuroD1ベクターによって誘導された導入遺伝子の発現及びアストロサイトからニューロンへの変換
材料及び方法
初代ラットアストロサイト培養:ラット皮質アストロサイト(RCA)は、生後3日のSprague Dawleyラットの皮質組織から単離される。細胞は、10%のFBS、2.5mMのグルタミン、3.5mMのグルコース、ペニシリン/ストレプトマイシンで補充されたDMEMからなるアストロサイト培地(AM)中で維持される。細胞は、残存する前駆細胞の分化を促進するために、低細胞密度で、最初の2回の継代について1:3~1:4の比率で継代培養される。その後の継代培養は、90~100%コンフルエントに達した場合、1:2又は1:3の比である。継代5~7の細胞は、トランスフェクション及び形質導入に使用される。GFAP抗体による免疫染色は、90%超の細胞がGFAP陽性アストロサイトであることを示す。培養アストロサイトは、継代6でアストロサイトのマーカーであるGFAP及びSox9で免疫染色される(図14)。
【0291】
ベクター:AAVは、選択されたベクターで生成され、ラットアストロサイトを使用してインビトロで試験される:
●NXL-P9(CE-pGfa681-CI-hND1-p2A-GFP-WPRE-SV40pA)
●NXL-P22(CE-pGfa681-CI-hND1-WRPE-SV40pA)
●NXL-P35(EE-pGfa681-CI-hND1-WRPE-SV40pA)
●NXL-P37(EE-pGfa681-CI-hND1-p2A-GFP-WPRE-SV40pA
●NXL-P107(CE-pGfa681-CI-hND1-bGHpA)
●NXL-P108(CE-pGfa681-CI-hND1-oPRE-bGHpA)
●NXL-P109(CE-pGfa681-CRGI-hND1-bGHpA)
●NXL-P130(CE-pGfa681-GI-hND1-oPRE-bGHpA)
●NXL-P134(CE-pGfa681-CRGI-hND1-oPRE-bGHpA)
●NXL-P136(EE-Gfa681-CRGI-hND1-bGHpA)
●NXL-P138(EE-Gfa681-CRGI-hND1-oPRE-bGHpA)
【0292】
ウイルスの生産:インビトロ試験に使用されるウイルスは、ポリエチレンイミン(PEI)を用いた三重トランスフェクション(GOI、ヘルパー、及びRep/Capプラスミド)によって、付着性AAV293細胞を使用して産生される。ウイルスの回収及び精製は、超遠心分離又は市販の精製キットの使用によって達成される。
【0293】
具体的には、トランスフェクションの24時間前に、AAV293細胞(Cell Biolabs、カタログ番号AAV-100)を、15cmの培養皿に播種する。70~85%コンフルエントの細胞を、ポリエチレンイミン(PEI)を使用して、1:4のDNA:PEI比で、ディッシュ当たり10ugのGOI、10ugのRep/Cap、及び14ugのpALD-X80(Aldevron)又はpHelper(Cell Biolabs)でトランスフェクトする。産生のために、必要なスケールに基づいて、複数のディッシュをトランスフェクトする。培養培地を、毎日交換する。トランスフェクションの72時間後、細胞を、回収し、溶解して、製造元のプロトコルに従ってAAVpro精製キット(Takara、カタログ番号6666、6675、6235)を使用してウイルスを採取する。
【0294】
ウイルス力価は、ITR領域のプライマー対、目的の遺伝子(GOI)を増幅するプライマー、又はベクターに特異的なプライマーを使用して、リアルタイムの定量PCRによって決定される。標準物質として、プラスミドDNAを使用する。産生収率は、約10~10vg/細胞レベルである。図35は、qPCRによって測定されるように、P134、P130、P138及びP21プラスミドの各々を、血清型9カプシドタンパク質を発現するRep-Capプラスミド及び組換えAAVウイルス粒子を産生したヘルパープラスミドpALD-X80(X80)で、AAV293細胞に共トランスフェクトした方法を示す。
【0295】
トランスフェクション及び免疫蛍光:継代5~7のラット皮質アストロサイト(RCA)を、トランスフェクションの24~48時間前に、30~50%コンフルエントで、24ウェルプレート中のポリ-D-リジン(PDL)でコーティングされたガラスカバースリップ上に播種する。細胞を、製造業者のプロトコルに従って、リポフェクタミン試薬(Thermo Fisher、カタログ番号15338)を使用して、300ngのベクターDNAでトランスフェクトする。トランスフェクションの24~48時間後、細胞を、PBS中4%のパラホルムアルデヒドで固定し、その後、洗浄し、抗NeuroD1(抗ND1)抗体(Abcam カタログ番号ab60704)で免疫染色し、続いて、蛍光色素(Invitrogen、Alexa Fluor)とコンジュゲートされた二次抗体で免疫染色する。画像は、蛍光顕微鏡(Zeiss Axiovert A1、Zen Blue)下でキャプチャされる。遺伝子発現レベルは、蛍光強度を比較することによって評価される。
【0296】
形質導入及び免疫蛍光:継代5~7のRCAを、形質導入の24~48時間前に、30~50%コンフルエントで、24ウェルプレート中のポリ-D-リジン(PDL)でコーティングされたガラスカバースリップ上に播種する。細胞を、新鮮なアストロサイト培地中2~6×1010ウイルスゲノム(vg)/mlのAAVで形質導入する。培地を、翌日、及び3~4日ごとに交換する。形質導入の3~6日後、細胞をPBS中4%のパラホルムアルデヒドで固定し、その後、洗浄し、抗ND1抗体(Abcamカタログ番号ab60704)で免疫染色し、続いて、蛍光色素(Invitrogen、Alexafluor)とコンジュゲートされた二次抗体で免疫染色し、蛍光顕微鏡(Zeiss Axiovert A1、ZenBlue)下で観察し、画像をキャプチャする。遺伝子発現レベルは、蛍光強度を比較することによって評価される。
【0297】
アストロサイトからニューロンへの変換の評価形質導入の24~48時間前、継代5~7のRCAを、30~50%コンフルエントで、24ウェルプレート中のポリ-D-リジン(PDL)でコーティングされたガラスカバースリップ上に播種する。細胞を、500ulの新鮮なアストロサイト培地(10%のFBS、2.5mMのグルタミン、3.5mMのグルコース、ペニシリン/ストレプトマイシンを補充したDMEM)中2~6×1010vg/mlのウイルスで形質導入する。形質導入の48時間後、培地を、5% FBSのアストロサイト培地に交換する。その後、100ulの変換培地(DMEM/F12+1%のFBS+B27+N2及び1uMのRock阻害剤及び10ng/mlのBDNF)を4日間毎日添加する。4日後、培地を、変換培地に完全に置き換える。
【0298】
細胞を、様々な所望の時点(3日間、形質導入の1~5週間後)で、PBS中4%のパラホルムアルデヒドで固定し、その後、洗浄し、ND1(Abcamカタログ番号ab60704)、NeuN(Millipore、カタログ番号ABN78)、Map2(Invitrogen、カタログ番号PA5-17646)に対する抗体で免疫染色し、続いて、蛍光色素(Invitrogen、Alexafluor)とコンジュゲートされた二次抗体で免疫染色し、蛍光顕微鏡(Zeiss Axiovert A1、Zen Blue)下で観察及び撮像する。
【0299】
インビトロ試験の結果:
試験したNeuroD1(ND1)プラスミドは全て、NeuroD1の発現を駆動するのに有効である(図16~31)。NeuroD1の発現レベルは、ベクターのエレメントによって影響を受ける。GFAプロモーターの3つのバージョンのうち、681bpプロモーターは、最も高いNeuroD1発現レベルを示し、1.6kbプロモーターは、最も弱いNeuroD1発現レベルを示す。プロモーターエンハンサーエレメントは、NeuroD1の発現レベルに大幅に影響を及ぼす。CMVエンハンサーは、ef1αエンハンサーよりも、NeuroD1の発現レベルを上昇させる。キメライントロン及びWPREもまた、NeuroD1の発現レベルを上昇させる。
【0300】
試験したND1含有AAVは全て、NeuN及び/又はMAP2の陽性染色によって示されるように、ND1の発現を駆動し、培養ラットアストロサイトにおいてアストロサイトからニューロンへの変換を誘導するのに有効である(図17、30、22、25、及び28)。アストロサイトがより高いND1発現を駆動するベクターによって形質導入されると、変換率がより高い。ベクターNXL-P134及びNXL-P138、並びにこれらのベクターを使用して生成されたウイルス(すなわち、それぞれAAV9-P134及びAAV9-P138)は、ND1の発現を駆動し、アストロサイトからニューロンへの変換を誘導するのに最も有効であり、AAV-P134が最も有効である(図15~20)。ND1配列を含まないプラスミドAAV9-P21(CE-pGFA681-CI-GFP-WPRE-SV40pA)を対照として使用し、これは、NeuN及び/又はMap2の陽性染色の欠如によって示されるように、アストロサイトからニューロンへの変換を誘導しない(図14)。
【0301】
NeuN/RBFOX3(ニューロン核タンパク質)は、ニューロンの核及び核周囲の細胞質を染色するニューロン分化マーカーである。MAP2(微小管関連タンパク質2)は、ニューロンの樹状突起を含む細胞質の微小管を染色する別のニューロンマーカーである。
【0302】
ND1含有AAVによる形質導入の1週間後、少数のNeuN及びMAP2陽性細胞(ニューロン)が観察される。2~3週間で、より多くのNeuN/MAP2陽性細胞が観察される。いくつかのNeuN/MAP2陽性細胞は、典型的なニューロン形態を示す。
【0303】
実施例23.インビボでのNeuroD1ウイルスベクターによって誘導された導入遺伝子の発現及びアストロサイトからニューロンへの変換
インビボ試験には、AAV9-P134及びAAV9-P138ウイルスが使用される。GFAPプロモーター下でGFP単独の発現を駆動する(ND1を含まない)AAV9-P12を、対照用に、かつGFAPを発現する細胞(アストロサイト)を同定するために使用する。
【0304】
一本鎖アデノウイルス関連ウイルス(ssAAV、略してAAV)ベクターであるNXL-P12、NXL-P134、及びNXL-P138は、AAV、血清型9(AAV9)にパッケージングされ、続いて、イオジキサノール勾配の超遠心分離及び濃縮される。精製されたAAVウイルスは、定量PCRベースの方法を使用して滴定される。本試験で使用される全てのAAVを、PBS(pH7.4)中0.001%のPluronic F-68(Poloxamer 188溶液、PFL01-100ML、Caisson Laboratories、Smithfield、UT、USA)で調製される。
【0305】
8週齢を超える正常なC57BL/6マウスに、以下のようにAAV9-P134、AAV-P138、及びAAV9-P12ウイルスを注入する。
●P12対照群:AAV9-P12 5×1011GC/ml、1μL、皮質に1回の注入(片側)(n=6)
●P134群:AAV9-P12 2.5×1011GC/ml+AAV9-P134 2.5×1011GC/ml、1μL、皮質に1回の注入(片側)(n=6)
●P138群:AAV9-P12 2.5×1011GC/ml+AAV9-P138 2.5×1011GC/ml、1μL、皮質に1回の注入(片側)(n=6)
【0306】
マウスを犠牲にし、感染後10日(dpi)及び30dpiで脳皮質組織を分析する。動物を1.25%のAvertinで麻酔し、次いで、最初に生理食塩水(0.9%のNaCl)、次いで、4%のパラホルムアルデヒド(PFA)で順次心内灌流した。脳を採取し、4%のPFA中で一晩固定し、20%及び30%のスクロースに、組織が沈むまで4℃で順次入れる。脱水された脳を、Optimal Cutting Temperature(Tissue-Tek(登録商標)O.C.T.コンパウンド、Sakura(登録商標)Finetek、Torrance、CA、USA)に包埋し、次いで、30μm厚で、クライオスタット(Thermo Scientific、Shanghai、China)で、冠状面で連続的に薄片作製した。免疫蛍光の場合、浮遊脳切片を最初にPBSで洗浄し、PBS中で調製された5%の正常ロバ血清、3%のウシ血清アルブミン、及び0.3%のTritonX-100中で、室温(RT)で1時間ブロックし、次いで、ブロッキング溶液に希釈された一次抗体と、4℃で一晩インキュベートする。0.2%のPBST(PBS中0.2%のTween-20)で更に洗浄した後、試料を、0.5μg/μLの4’,6-ジアミジノ-2-フェニルインドール(DAPI;F.Hoffmann-La Roche、Natley、NJ、USA)、Alexa Fluor555にコンジュゲートされた適切なロバ抗マウス/ウサギ二次抗体、Alexa Fluor488にコンジュゲートされたヤギ抗ニワトリ二次抗体(1:1000、Life technologies、Carlsbad、CA、USA)、及びAlexa Fluor647(1:500)にコンジュゲートされたヤギ抗ラット(Life technologies)/モルモット(Jackson immune research)二次抗体と、室温で2時間インキュベートし、続いて、PBSで十分に洗浄する。試料を、最終的に、VECTASHIELD(登録商標)封入剤(VECTOR Laboratories、Burlingame、CA、USA)で試料を封入し、マニキュアで密封する。代表的な画像は、共焦点顕微鏡(LSM880、Zeiss、Jena、Germany)で撮影される。使用した一次抗体は、以下の通りである:ラット抗GFAP(アストロサイトのマーカー、1:1000、カタログ番号13-0300、Invitrogen)、モルモット抗NeuN(ニューロンのマーカー、1:1000、カタログ番号ABN90、Millipore)、マウス抗NeuroD1(1:500、カタログ番号ab60704、Abcam)、及びニワトリ抗GFP(1:1000、カタログ番号ab13970、Abcam)。代表的な画像は、Zeiss Axioplan蛍光顕微鏡(Axio Imager Z2、Zeiss、Gottingen、Germany)又は共焦点顕微鏡(LSM880、Zeiss、Jena、Germany)のいずれかによってキャプチャされる。1匹のマウス当たり3つの脳切片(1群当たり3匹のマウス)から、4つの無作為に選択された視野(212μm×212μm、LSM880共焦点顕微鏡から400倍で取得)に基づいて定量分析を行う。データは、平均値±SEMとして示される。
【0307】
GFPレポーターのみを発現する対照ウイルスであるP12は、最初に、NeuroD1を発現するウイルスであるP134及びP138(両方とも、P12を一緒に添加して、変換されたニューロンを追跡する)と比較される。対照ウイルスP12を無傷のマウス皮質に注入する場合、感染細胞は、10dpi(注入後の日数)では、主に、NeuroD1の発現を伴わないアストロサイトである(図36)。対照的に、NeuroD1の発現は、P134及びP138の両群で明らかに検出される。10dpiでは、P138群のほとんどのNeuroD1発現細胞は、依然としてアストロサイトであるが、P134群のNeuRoD1発現細胞の一部分は既にNeuN+ニューロンであり(図36)、P134がP138よりも優れた変換能力を有し得ることを示唆している。加えて、10dpiでは、P134群のマウスの皮質脳組織の分析は、GFP陽性細胞における長い突起の存在などの形態変化によって実証されるように、アストロサイトのニューロンへの高いレベルの変換を示す(図32)。P138群は、より低いレベルの変換を示す。
【0308】
ウイルス注入の30日後、対照群(P12)の感染細胞は、アストロサイトとして残っているが、P134群のGFP陽性細胞のほとんどは、NeuNを発現するニューロンである(図37)。しかしながら、P138群の変換率は、P134群よりも低い。この段階でのP138群におけるほとんどの感染細胞は、まだアストロサイトであり、変換されたニューロンにおけるGFPシグナルは弱い(図37)。加えて、30dpiでは、P134群のマウスの皮質脳組織の分析は、GFP陽性細胞における長いプロセスの存在によって実証されるように、アストロサイトのニューロンへの更に高いレベルの変換を示す(図30)。
【0309】
AAV9-P134ウイルスはまた、両側傷害マウスモデルにおいても有効である。虚血性脳卒中は、皮質の各側に1μLのエンドフィリン1,1-31aa(1μg/μL)を注入することによって、正常なC57BL/6Jマウス(8週齢超)において誘導される。マウスを、腹腔内注入によって20mg/kgの1.25%のAvertin(12.5mg/mLの2,2,2-トリブロモエタノールと25μL/mLの2-メチル-2-ブタノール(Sigma、St.Louis、MO、USA)の混合物)で麻酔し、次いで、定位フレームに伏臥位で配置する。エンドセリン-1(ET-1)及びウイルスは、ガラスピペットを通して、座標+0.2mm前側-後側(AP、ブレブマから)、-1.5mm内側-外側(ML、ブレグマから、左側)、-0.7mm背側-外側(DV硬膜から)の運動皮質に注入される。注入速度は、80nL/分である。注入後、ピペットを約10分間そのままにした後、ゆっくりと引き抜く。エンドセリン1の注入の7日後、マウスに以下のようにAAV9-P12及びAAV9-P134ウイルスを注入する。
●P12群:AAV9-P12 5×1011GC/ml、1μL、皮質の両側に1回の注入(両側)
●P14群:AAV9-P12 2.5×1011GC/ml+AAV9-P134 2.5×1011GC/ml、1μL、皮質の両側に1回の注入(両側)
【0310】
ウイルスの注入(dpi)の10日後、マウスを犠牲にし、脳皮質組織を分析した。対照ウイルスP12をET-1損傷マウス皮質に注入する場合、感染細胞は、10dpi(注入後の日数、図38)では、主に、NeuroD1の発現を伴わないアストロサイトである。対照的に、NeuroD1の発現は、P134群で検出される(図38)。ウイルスの注入(dpi)の10日後、マウスを犠牲にし、脳皮質組織を分析した。10dpiでのP134群のマウスの皮質脳組織の分析は、長い突起の存在などのGFP陽性細胞で観察される形態変化によって実証されるように、アストロサイトのニューロンへの高いレベルの変換を示す(図34)。
【0311】
実施例24.インビトロでのNeuroD1及びDlx2の発現によって誘導された導入遺伝子の発現及びアストロサイトからニューロンへの変換
材料及び方法
ベクター:ベクターは、ラット皮質アストロサイト(RCA)のトランスフェクションを介して試験される。加えて、AAVは、選択されたベクターで産生され、形質導入を介してラットアストロサイトを使用してインビトロで試験される:
●NXL-P20(CE-pGfa681-CI-hND1-p2A-hDLX2-WPRE-SV40pA)
●NXL-P31(EE-pGfa681-CI-hND1-p2A-hDlx2-WPRE-SV40pA)
●NXL-P111(CE-pGfa1681-CI-hDlx2-IRES-hND1-SV40pA)
●NXL-P112(CE-pGfa1681-CI-hDlx2-IRES-hND1-bGHpA)
●NXL-P113(EE-pGfa1681-CI-hDlx2-IRES-hND1-bGHpA)
●NXL-P122(CE-pGfa681-CI-hDlx2-P2A-hND1-bGHpA)
●NXL-P123(EE-pGfa681-CI-hDlx2-P2A-hND1-bGHpA)
●NXL-P124(CE-pGfa681-CI-hND1-P2A-hDlx2-bGHpA)
【0312】
図40は、構築物の2つの一般的なマップを示す。
【0313】
細胞培養:継代5~7のラット皮質アストロサイト(RCA)を、形質導入の24~48時間前に、30~50%コンフルエントで、24ウェルプレート中のポリ-D-リジン(PDL)でコーティングされたガラスカバースリップ上に播種する。
【0314】
形質導入及び免疫蛍光:細胞を、500ulの新鮮なアストロサイト培地(10%のFBS、2.5mMのグルタミン、3.5mMのグルコース、ペニシリン/ストレプトマイシンを補充したDMEM)中2~6×1010vg/mlのウイルスで形質導入する。形質導入の48時間後、培地を、5% FBSのアストロサイト培地に交換する。次の4日間、100ulの変換培地(DMEM/F12+1%のFBS+B27+N2及び1uMのRock阻害剤及び10ng/mLのBDNF)を毎日添加する。次いで、培地を、変換培地に完全に置き換える。
【0315】
細胞を、様々な所望の時点(3日、形質導入の1~5週間後)で、PBS中4%のパラホルムアルデヒドで固定し、その後、洗浄し、ND1(Abcam、カタログ番号ab60704)、Dlx2(Millipore、カタログ番号AB5726)、NeuN(Millipore、カタログ番号ABN78)、Map2(Invitrogen、カタログ番号PA5-17646)に対する抗体で免疫染色し、続いて、蛍光色素(Invitrogen、Alexafluor)とコンジュゲートされた二次抗体で免疫染色する。画像は、蛍光顕微鏡(Zeiss Axiovert A1、Zen Blue)下でキャプチャされる。遺伝子発現レベルは、蛍光強度を比較することによって評価される。
【0316】
インビトロ試験の結果:
試験されたND1-Dlx2構築物は、これらの細胞におけるND1及びDlx2の陽性染色によって示されるように、培養ラットアストロサイトのトランスフェクション及び/又は形質導入によってND1及びDlx2の発現を駆動するのに有効である(図41~56)。加えて、ND1/Dlx2含有AAV(AAV9-P122、AAV-P122、AAV-P124及び AAV-P20)は、NeuN及び/又はMAP2の陽性染色によって示されるように、ND1、Dlx2の発現を駆動し、培養ラットアストロサイトにおいてアストロサイトからニューロンへの変換を誘導するのに有効である(図43、46、49、及び52)。いくつかのNeuN/MAP2陽性細胞は、典型的なニューロン形態を示す。
【0317】
実施例25.インビボでの導入遺伝子の発現並びにNeuroD1及びDlx2の発現によって誘導されたアストロサイトからニューロンへの変換
インビボ試験には、AAV9-P112及びAAV9-P122ウイルスが使用される。GFAPプロモーター下でGFP単独の発現を駆動する(ND1もDlx2も含まない)AAV9-P12を、対照用に、かつGFAPを発現する細胞(アストロサイト)を同定するために使用する。
【0318】
8週齢を超える正常なC57BL/6マウスに、以下のようにAAV-P12、AAV9-P112、及びAAV9-P122ウイルスを注入する。
●P12対照群:AAV9-P12 2.5×1011GC/ml、2μL、線条体に1回の注入(n=6)
●P112群:AAV9-P12 2.5×1011GC/ml+AAV9-P112 2.5×1011GC/ml、2μL、皮質に1回の注入(n=6)
●P122群:AAV9-P12 2.5×1011GC/ml+AAV9-P122 2.5×1011GC/ml、2μL、線条体に1回の注入(n=6)
【0319】
マウスを犠牲にし、感染後10日(dpi)及び30dpiで脳皮質組織を分析する。AAV9-P12によるマウスの線条体の感染は、GFP蛍光の存在によって10dpiで確認される。30dpiでは、AAV9-P12感染細胞は依然としてGFAP陽性のアストロサイトであり、AAV9-P12がアストロサイトの感染に特異的であることを示唆する(図57A~B)。P112群では、AAV9-P12及びAAV9-P112に同時感染した細胞の大部分は、10dpiでGFAP陽性染色アストロサイトである(図58)。ウイルス感染後30日までに、AAV9-P12及びAAV9-P112 に同時感染した多くの細胞は、NeuN陽性ニューロンになる(図59、白色の矢印)。P122群では、AAV9-P12及びAAV9-P122に同時感染した細胞の大部分は、10dpiでGFAP陽性染色アストロサイトである(図60)。ウイルス感染後30日までに、AAV9-P12及びAAV9-P122に同時感染した多くの細胞は、NeuN陽性ニューロンになる(図61、白色の矢印)。
【0320】
実施例19.インビトロでのDlx2の導入遺伝子発現
ベクター:ベクターは、ラット皮質アストロサイト(RAC)のトランスフェクションを介して試験される。加えて、AAVは、選択されたベクターで生成され、形質導入を介してインビトロで試験される:NXL-P44: EE-pGfa681-CI-Dlx2-WPRE-SV40pA
●NXL-P60: EE-pGfa681-Dlx2-WPRE-SV40pA
●NXL-P75: CE-pGfa681-CI-Dlx2-WPRE-SV40pA
●NXL-P104: CE-pGfa681-CGRI-Dlx2-bGHpA
●NXL-P105: CE-pGfa681-CI-Dlx2-oPRE-bGHpA
●NXL-P131: EE-pGfa681-CI-Dlx2-oPRE-bGHpA
●NXL-P133: CE-pGfa681-CGRI-Dlx2-oPRE-bGHpA
●NXL-P137: EE-pGfa681-CGRI-Dlx2-oPRE-bGHpA
【0321】
NXL-P104及びNXL-P105構築物は、これらの細胞における陽性Dlx2染色によって実証されるように、培養RACのトランスフェクションの24時間後、Dlx2の発現を駆動するのに有効である(図62)。NXL-P133、NXL-P137、及びNXL-P131構築物は、これらの細胞における陽性Dlx2染色によって実証されるように、培養RACのトランスフェクションの24時間後、Dlx2の発現を駆動するのに有効である(図63)。AAV9-P133(NLX-P133で産生されるAAV)は、これらの細胞における陽性Dlx2染色によって実証されるように、培養RACをこのウイルスで形質導入した後、Dlx2の発現を駆動するのに有効である(図64)。
【0322】
本開示の組成物及び方法の様々な更なる修正及び改善は、当業者には明らかであろう。以下の非限定的な実施形態が想定される。
1. 配列番号6の核酸配列を含むヒト神経原性分化1(hNeuroD1)配列及び配列番号13の核酸配列を含むヒトdistal-lessホメオボックス2(hDlx2)配列を含むアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターであって、当該hNeuroD1配列及び当該hDlx2配列が、(i)配列番号15及び18からなる群から選択される核酸配列を含むP2Aリンカー、(ii)配列番号16及び19からなる群から選択される核酸配列を含むT2Aリンカー、又は(iii)配列番号3を含む脳心筋炎ウイルスの内部リボソーム進入部位(IRES)配列によって分離され、当該hNeuroD1配列及び当該hDlx2配列が、
(a)配列番号4、12、及び26からなる群から選択される核酸配列を含むグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターと、
(b)配列番号2の核酸配列を含むヒト伸長因子-1α(EF1-α)プロモーターからのエンハンサー又は配列番号11の核酸配列を含むサイトメガロウイルス(CMV)エンハンサーと、
(c)配列番号5及び27からなる群から選択される核酸配列を含むキメライントロンと、
(d)配列番号7及び29からなる群から選択される核酸配列を含むウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、
(e)配列番号8の核酸配列を含むSV40ポリアデニル化シグナル配列、配列番号17の核酸配列を含むhGHポリアデニル化配列、又は配列番号30の核酸配列を含むbGHポリアデニル化配列と、を含む調節エレメントに作動可能に連結される、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター。
2.配列番号10のアミノ酸コード配列を含むヒト神経原性分化1(hNeuroD1)タンパク質をコードする核酸配列と、配列番号14のアミノ酸配列を含むヒトdistal-lessホメオボックス2(hDlx2)タンパク質をコードする核酸コード配列とを含むアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターであって、当該hNeuroD1コード配列及び当該hDlx2コード配列が、(i)配列番号15及び18からなる群から選択される核酸配列を含むP2Aリンカー、(ii)配列番号16及び19からなる群から選択される核酸配列を含むT2Aリンカー、又は(iii)配列番号3を含む脳心筋炎ウイルスの内部リボソーム進入部位(IRES)配列によって分離され、当該hNeuroD1コード配列及び当該hDlx2コード配列が、
(a)配列番号4、12、及び26からなる群から選択される核酸配列を含むグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターと、
(b)配列番号2の核酸配列を含むヒト伸長因子-1α(EF1-α)プロモーターからのエンハンサー又は配列番号11の核酸配列を含むサイトメガロウイルス(CMV)エンハンサーと、
(c)配列番号5及び27からなる群から選択される核酸配列を含むキメライントロンと、
(d)配列番号7及び29からなる群から選択される核酸配列を含むウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、
(e)配列番号8の核酸配列を含むSV40ポリアデニル化シグナル配列、配列番号17の核酸配列を含むhGHポリアデニル化配列、又は配列番号30の核酸配列を含むbGHポリアデニル化配列と、を含む調節エレメントに作動可能に連結される、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター。
3.神経原性分化1(NeuroD1)タンパク質をコードするNeuroD1核酸コード配列及びdistal-lessホメオボックス2(Dlx2)タンパク質をコードするDlx2核酸コード配列を含むアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターであって、当該NeuroD1コード配列及び当該Dlx2コード配列が、リンカー配列によって分離され、当該NeuroD1コード配列及び当該Dlx2コード配列が、
(a)グリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターと、
(b)エンハンサーと、
(c)キメライントロンと、
(d)ウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、
(e)ポリアデニル化シグナル配列と、を含む調節エレメントに作動可能に連結される、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター。
4.ヒトにおいて、グリア細胞を機能的なニューロンに変換するためのアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを含む組成物であって、当該AAVベクターが、配列番号6の核酸配列を有するヒト神経原性分化1(hNeuroD1)配列及び配列番号13の核酸配列を有するヒトdistal-lessホメオボックス2(hDlx2)配列を含み、当該hNeuroD1配列及び当該hDlx2配列が、(i)配列番号15及び18からなる群から選択される核酸配列を含むP2Aリンカー、(ii)配列番号16及び19からなる群から選択される核酸配列を含むT2Aリンカー、又は(iii)配列番号3を含む脳心筋炎ウイルスの内部リボソーム進入部位(IRES)配列によって分離され、当該hNeuroD1配列及び当該hDlx2配列が、
(a)配列番号4、12、及び26からなる群から選択される核酸配列を含むヒトグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターと、
(b)配列番号2の核酸配列を含むヒト伸長因子-1α(EF-1α)プロモーターからのエンハンサー又は配列番号11の核酸配列を含むサイトメガロウイルス(CMV)エンハンサーと、
(c)配列番号5及び27からなる群から選択される核酸配列を含むキメライントロンと、
(d)配列番号7及び29からなる群から選択される核酸配列を含むウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、
(e)配列番号8の核酸配列を含むSV40ポリアデニル化シグナル配列、配列番号17の核酸配列を含むhGHポリアデニル化配列、又は配列番号30の核酸配列を含むbGHポリアデニル化配列と、を含む調節エレメントに作動可能に連結される、組成物。
5.ヒトにおいて、グリア細胞を機能的なニューロンに変換するためのアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを含む組成物であって、当該AAVベクターが、配列番号10のアミノ酸配列を含むヒト神経原性分化1(hNeuroD1)タンパク質をコードする核酸コード配列及び配列番号14のアミノ酸配列を含むヒトdistal-lessホメオボックス2(hDlx2)タンパク質をコードする核酸コード配列を含み、当該hNeuroD1コード配列及び当該hDlx2コード配列が、(i)配列番号15及び18からなる群から選択される核酸配列を含むP2Aリンカー、(ii)配列番号16及び19からなる群から選択される核酸配列を含むT2Aリンカー、又は(iii)配列番号3を含む脳心筋炎ウイルスの内部リボソーム進入部位(IRES)配列によって分離され、当該hNeuroD1コード配列及び当該hDlx2コード配列が、
(a)配列番号4、12、及び26からなる群から選択される核酸配列を含むヒトグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターと、
(b)配列番号2の核酸配列を含むヒト伸長因子-1α(EF-1α)プロモーターからのエンハンサー又は配列番号11の核酸配列を含むサイトメガロウイルス(CMV)エンハンサーと、
(c)配列番号5及び27からなる群から選択される核酸配列を含むキメライントロンと、
(d)配列番号7及び29からなる群から選択される核酸配列を含むウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、
(e)配列番号8の核酸配列を含むSV40ポリアデニル化シグナル配列、配列番号17の核酸配列を含むhGHポリアデニル化配列、又は配列番号30の核酸配列を含むbGHポリアデニル化配列と、を含む調節エレメントに作動可能に連結される、組成物。
6.治療を必要とする対象における治療のためのアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを含む組成物であって、当該AAVベクターが、神経原性分化1(NeuroD1)配列及びdistal-lessホメオボックス2(Dlx2)配列を含み、当該NeuroD1配列及び当該Dlx2配列が、リンカー配列によって分離され、当該NeuroD1配列及びDlx2配列が、
(a)グリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターと、
(b)エンハンサーと、
(c)キメライントロンと、
(d)ウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、
(e)ポリアデニル化シグナルと、を含む発現制御エレメントに作動可能に連結される、組成物。
7.当該AAVベクターが、AAV血清型2、AAV血清型5、及びAAV血清型9からなる群から選択される、実施形態1~3のいずれか1つに記載のAAVベクター、又は実施形態4~6のいずれか1つに記載の組成物。
8.当該AAVベクターが、AAV血清型2である、実施形態7に記載のAAVベクター又は組成物。
9.当該AAVベクターが、AAV血清型5である、実施形態7に記載のAAVベクター又は組成物。
10.当該AAVベクターが、AAV血清型9である、実施形態7に記載のAAVベクター又は組成物。
11.当該グリア細胞が、反応性アストロサイトである、実施形態4又は5に記載の組成物。
12.当該機能的なニューロンが、グルタミン酸作動性ニューロン、GABA作動性ニューロン、ドーパミン作動性ニューロン、コリン作動性ニューロン、セロトニン作動性ニューロン、エピネフリン作動性ニューロン、運動ニューロン、及びペプチド作動性ニューロンからなる群から選択される、実施形態4又は5に記載の組成物。
13.当該ヒトが、神経学的状態を有する、実施形態4又は5に記載の組成物。
14.当該NeuroD1が、ヒトNeuroD1(hNeuroD1)である、実施形態3に記載のAAVベクター、又は実施形態6に記載の組成物。
15.当該Dlx2が、ヒトDlx2(hDlx2)である、実施形態3に記載のAAVベクター、又は実施形態6に記載の組成物。
16.当該NeuroD1が、チンパンジーNeuroD1、ボノボNeuroD1、オランウータンNeuroD1、ゴリラNeuroD1、マカクNeuroD1、マーモセットNeuroD1、オマキザルNeuroD1、ヒヒNeuroD1、テナガザルNeuroD1、及びキツネザルNeuroD1からなる群から選択される、実施形態3に記載のAAVベクター、又は実施形態6に記載の組成物。
17.当該Dlx2が、チンパンジーDlx2、ボノボDlx2、オランウータンDlx2、ゴリラDlx2、マカクDlx2、マーモセットDlx2、オマキザルDlx2、ヒヒDlx2、テナガザルDlx2、及びキツネザルDlx2からなる群から選択される、実施形態3に記載のAAVベクター、又は実施形態6に記載の組成物。
18.当該hNeuroD1が、配列番号10と少なくとも80%同一又は類似のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む、実施形態14に記載のAAVベクター又は組成物。
19.当該hDlx2が、配列番号14と少なくとも80%同一又は類似のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む、実施形態15に記載のAAVベクター又は組成物。
20.当該hNeuroD1コード配列が、配列番号6又はその相補体と少なくとも80%同一の核酸配列を含む、実施形態14に記載のAAVベクター又は組成物。
21.当該hDlx2コード配列が、配列番号13又はその相補体と少なくとも80%同一の核酸配列を含む、実施形態15に記載のAAVベクター又は組成物。
22.当該リンカーが、P2A及びT2Aからなる群から選択される、実施形態3に記載のAAVベクター、又は実施形態6に記載の組成物。
23.当該リンカーが、当該P2Aである、実施形態22に記載のAAVベクター又は組成物。
24.当該リンカーが、当該T2Aである、実施形態22に記載のAAVベクター又は組成物。
25.当該P2Aリンカーが、配列番号15及び18からなる群から選択される配列又はその相補体と少なくとも80%同一の核酸配列を含む、実施形態22に記載のAAVベクター又は組成物。
26.当該T2Aリンカーが、配列番号16及び19からなる群から選択される配列又はその相補体と少なくとも80%同一の核酸配列を含む、実施形態22に記載のAAVベクター又は組成物。
27.当該GFAPプロモーターが、ヒトGFAP(hGFAP)プロモーターである、実施形態3に記載のAAVベクター、又は実施形態6に記載の組成物。
28.当該GFAPプロモーターが、チンパンジーGFAPプロモーター、ボノボGFAPプロモーター、オランウータンGFAPプロモーター、ゴリラGFAPプロモーター、マカクGFAPプロモーター、マーモセットGFAPプロモーター、オマキザルGFAPプロモーター、ヒヒGFAPプロモーター、テナガザルGFAPプロモーター、及びキツネザルGFAPプロモーターからなる群から選択される、実施形態3に記載のAAVベクター、又は実施形態6に記載の組成物。
29.当該IRES配列が、配列番号3又はその相補体と少なくとも80%同一の核酸配列を含む、先行実施形態のいずれか一項に記載のAAVベクター又は組成物。
30.当該hGFAPプロモーターが、配列番号4又はその相補体と少なくとも80%同一の核酸配列を含む、実施形態27に記載のAAVベクター又は組成物。
31.当該hGFAPプロモーターが、配列番号12又はその相補体と少なくとも80%同一の核酸配列を含む、実施形態27に記載のAAVベクター又は組成物。
32.当該hGFAPプロモーターが、配列番号26又はその相補体と少なくとも80%同一の核酸配列を含む、実施形態27に記載のAAVベクター又は組成物。
33.当該エンハンサーが、ヒト伸長因子-1α(EF1-α)プロモーターからのエンハンサー及びサイトメガロウイルス(CMV)エンハンサーからなる群から選択される、実施形態3に記載のAAVベクター、又は実施形態6に記載の組成物。
34.当該EF1-αが、配列番号2又はその相補体と少なくとも80%同一の核酸配列を含む、実施形態33に記載のAAVベクター又は組成物。
35.当該CMVエンハンサーが、配列番号11又はその相補体と少なくとも80%同一の核酸配列を含む、実施形態33に記載のAAVベクター又は組成物。
36.当該キメライントロンが、配列番号5及び27からなる群から選択される核酸又はその相補体と少なくとも80%同一の核酸配列を含む、実施形態3に記載のAAVベクター、又は実施形態6に記載の組成物。
37.当該WPREが、配列番号7及び29からなる群から選択される核酸配列又はその相補体と少なくとも80%同一の核酸配列を含む、実施形態3に記載のAAVベクター、又は実施形態6に記載の組成物。
38.当該ポリアデニル化シグナルが、SV40ポリアデニル化シグナル、hGHポリアデニル化シグナル、及びbGHポリアデニル化シグナルからなる群から選択される、実施形態3に記載のAAVベクター、又は実施形態6に記載の組成物。
39.当該SV40ポリアデニル化シグナルが、配列番号8又はその相補体と少なくとも80%同一の核酸配列を含む、実施形態38に記載のAAVベクター又は組成物。
40.当該hGHポリアデニル化シグナルが、配列番号17又はその相補体と少なくとも80%同一の核酸配列を含む、実施形態38に記載のAAVベクター又は組成物。
41.当該bGHポリアデニル化シグナルが、配列番号30又はその相補体と少なくとも80%同一の核酸配列を含む、実施形態38に記載のAAVベクター又は組成物。
42.当該AAVベクターが、AAVタンパク質配列をコードする核酸配列を更に含む、実施形態3に記載のAAVベクター、又は実施形態6に記載の組成物。
43.当該AAVベクターが、AAV血清型2の逆位末端反復(ITR)を含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載のAAVベクター、又は実施形態4~6のいずれか1つに記載の組成物。
44.当該AAVベクターが、AAV血清型5の逆位末端反復(ITR)を含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載のAAVベクター、又は実施形態4~6のいずれか1つに記載の組成物。
45.当該AAVベクターが、AAV血清型9の逆位末端反復(ITR)を含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載のAAVベクター、又は実施形態4~6のいずれか1つに記載の組成物。
46.当該AAVベクターが、配列番号1と少なくとも80%同一の少なくとも1つのITR核酸配列を含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載のAAVベクター、又は実施形態4~6のいずれか1つに記載の組成物。
47.当該AAVベクターが、配列番号9と少なくとも80%同一の少なくとも1つのITR核酸配列を含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載のAAVベクター、又は実施形態4~6のいずれか1つに記載の組成物。
48.組成物を必要とする当該対象が、哺乳動物である、実施形態6に記載の組成物。
49.当該哺乳動物が、ヒトである、実施形態48に記載の組成物。
50.当該哺乳動物が、非ヒト霊長類である、実施形態48に記載の組成物。
51.組成物を必要とする当該対象が、神経学的状態を有する、実施形態6に記載の組成物。
52.当該神経学的状態が、中枢神経系(CNS)又は末梢神経系への傷害を含む、実施形態13又は51に記載の組成物。
53.当該神経学的状態が、CNSへの傷害を含む、実施形態13又は51に記載の組成物。
54.当該神経学的状態が、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、ハンチントン病、てんかん、身体的傷害、脳卒中、脳動脈瘤、外傷性脳傷害、脳振盪、腫瘍、炎症、感染、運動失調症、脳萎縮、脊髄萎縮、多発性硬化症、外傷性脊髄傷害、虚血性又は出血性脊髄症(脊髄症)、全虚血、低酸素性虚血性脳症、塞栓症、線維軟骨塞栓症脊髄症、血栓症、腎症、慢性炎症性疾患、髄膜炎、及び脳静脈洞血栓症からなる群から選択される、実施形態13又は51に記載の組成物。
55.当該神経学的状態が、アルツハイマー病である、実施形態13又は51に記載の組成物。
56.当該神経学的状態が、パーキンソン病である、実施形態13又は51に記載の組成物。
57.当該神経学的状態が、ALSである、実施形態13又は51に記載の組成物。
58.当該神経学的状態が、ハンチントン病である、実施形態13又は51に記載の組成物。
59.当該神経学的状態が、脳卒中である、実施形態13又は51に記載の組成物。
60.当該脳卒中が、虚血性脳卒中である、実施形態59に記載の組成物。
61.当該脳卒中が、出血性脳卒中である、実施形態59に記載の組成物。
62.当該組成物が、少なくとも1つのグリア細胞をニューロンに変換することができる、実施形態51に記載の組成物。
63.当該グリア細胞が、アストロサイト及びNG2細胞からなる群から選択される、実施形態62に記載の組成物。
64.当該グリア細胞が、アストロサイトである、実施形態62に記載の組成物。
65.当該アストロサイトが、反応性アストロサイトである、実施形態62に記載の組成物。
66.当該グリア細胞が、GFAP陽性である、実施形態62に記載の組成物。
67.当該ニューロンが、機能的なニューロンである、実施形態62に記載の組成物。
68.当該機能的なニューロンが、グルタミン酸作動性ニューロン、GABA作動性ニューロン、ドーパミン作動性ニューロン、コリン作動性ニューロン、セロトニン作動性ニューロン、エピネフリン作動性ニューロン、運動ニューロン、及びペプチド作動性ニューロンからなる群から選択される、実施形態62に記載の組成物。
69.当該機能的なニューロンが、グルタミン酸作動性ニューロンである、実施形態68に記載の組成物。
70.当該組成物が、それを必要とする対象に送達されるように製剤化される、実施形態6に記載の組成物。
71.当該組成物が、局所送達用に製剤化される、実施形態70に記載の組成物。
72.当該組成物が、全身送達用に製剤化される、実施形態70に記載の組成物。
73.当該組成物が、腹腔内、筋肉内、静脈内、髄腔内、脳内、頭蓋内、側脳室内、大槽内、硝子体内、網膜下内、実質内、鼻腔内、又は経口投与を介した送達用に製剤化される、実施形態70~72のいずれか1つに記載の組成物。
74.実施形態6に記載の組成物を、それを必要とする当該対象に送達することを含む、方法。
75.当該組成物が、それを必要とする対象に送達されるように製剤化される、実施形態74に記載の方法。
76.当該送達が、局所投与を含む、実施形態74に記載の方法。
77.当該送達が、全身投与を含む、実施形態74に記載の方法。
78.当該送達が、腹腔内、筋肉内、静脈内、髄腔内、脳内、頭蓋内、側脳室内、大槽内、硝子体内、網膜下内、実質内、鼻腔内、又は経口投与を含む、実施形態74~77のいずれか1つに記載の方法。
79.生きているヒトの脳において、反応性アストロサイトを機能的なニューロンに変換する方法であって、アデノ随伴ウイルス(AAV)を、それを必要とする対象に注入することを含み、当該AAVが、配列番号6の核酸配列を含むヒト神経原性分化1(hNeuroD1)配列及び配列番号13の核酸配列を含むヒトdistal-lessホメオボックス2(hDlx2)配列を含むDNAベクター構築物を含み、当該hNeuroD1配列及び当該hDlx2配列が、(i)配列番号15及び18からなる群から選択される核酸配列を含むP2Aリンカー、(ii)配列番号16及び19からなる群から選択される核酸配列を含むT2Aリンカー、又は(iii)配列番号3を含む脳心筋炎ウイルスの内部リボソーム進入部位(IRES)配列によって分離され、当該hNeuroD1配列及び当該hDlx2配列が、
(a)配列番号4、12、及び26からなる群から選択される核酸配列を含むヒトグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターと、
(b)配列番号2の核酸配列を含むヒト伸長因子-1α(EF-1α)プロモーターからのエンハンサー又は配列番号11の核酸配列を含むサイトメガロウイルス(CMV)エンハンサーと、
(c)配列番号5及び27からなる群から選択される核酸配列を含むキメライントロンと、
(d)配列番号7及び29からなる群から選択される核酸配列を含むウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、
(e)配列番号8の核酸配列を含むSV40ポリアデニル化シグナル配列、配列番号17の核酸配列を含むhGHポリアデニル化配列、又は配列番号30の核酸配列を含むbGHポリアデニル化配列と、を含む調節エレメントに作動可能に連結される、方法。
80.生きているヒトの脳において、反応性アストロサイトを機能的なニューロンに変換する方法であって、アデノ随伴ウイルス(AAV)を、それを必要とする対象に注入することを含み、当該AAVが、配列番号10のアミノ酸配列を含むヒト神経原性分化1(hNeuroD1)タンパク質をコードする核酸コード配列及び配列番号14のアミノ酸配列を含むヒトdistal-lessホメオボックス2(hDlx2)タンパク質をコードする核酸コード配列を含むDNAベクター構築物を含み、当該hNeuroD1コード配列及び当該hDlx2コード配列が、(i)配列番号15及び18からなる群から選択される核酸配列を含むP2Aリンカー、(ii)配列番号16及び19からなる群から選択される核酸配列を含むT2Aリンカー、又は(iii)配列番号3を含む脳心筋炎ウイルスの内部リボソーム進入部位(IRES)配列によって分離され、当該hNeuroD1コード配列及びhDlx2コード配列が、
(a)配列番号4、12、及び26からなる群から選択される核酸配列を含むヒトグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターと、
(b)配列番号2の核酸配列を含むヒト伸長因子-1α(EF-1α)プロモーターからのエンハンサー又は配列番号11の核酸配列を含むサイトメガロウイルス(CMV)エンハンサーと、
(c)配列番号5及び27からなる群から選択される核酸配列を含むキメライントロンと、
(d)配列番号7及び29からなる群から選択される核酸配列を含むウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、
(e)配列番号8の核酸配列を含むSV40ポリアデニル化シグナル配列、配列番号17の核酸配列を含むhGHポリアデニル化配列、又は配列番号30の核酸配列を含むbGHポリアデニル化配列と、を含む発現制御エレメントに作動可能に連結される、方法。
81.グリア細胞をニューロンに変換することを必要とする対象において、それを行う方法であって、アデノ随伴ウイルス(AAV)を、それを必要とする当該対象に送達することを含み、当該AAVが、神経原性分化1(NeuroD1)配列及びdistal-lessホメオボックス2(Dlx2)配列を含むDNAベクター構築物を含み、当該NeuroD1配列及びDlx2配列が、リンカー配列によって分離され、当該NeuroD1配列及びDlx2配列が、
(a)グリア線維性酸タンパク質(GFAP)プロモーターと、
(b)エンハンサーと、
(c)キメライントロンと、
(d)ウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、
(e)ポリアデニル化シグナル配列と、を含む発現制御エレメントに作動可能に連結され、
当該AAVベクターが、それを必要とする当該対象において、少なくとも1つのグリア細胞をニューロンに変換することができる、方法。
82.神経学的状態の治療を必要とする対象において、それを行う方法であって、アデノ随伴ウイルス(AAV)を、当該対象に送達することを含み、当該AAVが、神経原性分化1(NeuroD1)配列及びdistal-lessホメオボックス2(Dlx2)配列を含むDNAベクター構築物を含み、当該NeuroD1配列及びDlx2配列が、リンカー配列によって分離され、当該NeuroD1配列及びDlx2配列が、
(a)グリア線維性酸タンパク質(GFAP)プロモーターと、
(b)エンハンサーと、
(c)キメライントロンと、
(d)ウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、
(e)それを必要とする当該対象へのポリアデニル化シグナルと、を含む発現制御エレメントに作動可能に連結される、方法。
83.当該AAVが、AAV血清型2、AAV血清型5、及びAAV血清型9からなる群から選択される、実施形態79~82のいずれか1つに記載の方法。
84.当該AAVが、AAV血清型2である、実施形態83に記載の方法。
85.当該AAVが、AAV血清型5である、実施形態83に記載の方法。
86.当該AAVが、AAV血清型9である、実施形態83に記載の方法。
87.当該機能的なニューロンが、グルタミン酸作動性ニューロン、GABA作動性ニューロン、ドーパミン作動性ニューロン、コリン作動性ニューロン、セロトニン作動性ニューロン、エピネフリン作動性ニューロン、運動ニューロン、及びペプチド作動性ニューロンである、実施形態79又は80に記載の方法。
88.当該NeuroD1が、ヒトNeuroD1(hNeuroD1)である、実施形態81又は82に記載の方法。
89.当該Dlx2が、ヒトDlx2(hDlx2)である、実施形態81又は82に記載の方法。
90.当該NeuroD1が、チンパンジーNeuroD1、ボノボNeuroD1、オランウータンNeuroD1、ゴリラNeuroD1、マカクNeuroD1、マーモセットNeuroD1、オマキザルNeuroD1、ヒヒNeuroD1、テナガザルNeuroD1、及びキツネザルNeuroD1からなる群から選択される、実施形態81又は82に記載の方法。
91.当該Dlx2が、チンパンジーDlx2、ボノボDlx2、オランウータンDlx2、ゴリラDlx2、マカクDlx2、マーモセットDlx2、オマキザルDlx2、ヒヒDlx2、テナガザルDlx2、及びキツネザルDlx2からなる群から選択される、実施形態75又は76に記載の方法。
92.当該hNeuroD1が、配列番号10と少なくとも80%同一又は類似のアミノ酸コード配列をコードするアミノ酸配列を含む、実施形態88に記載の方法。
93.当該hDlx2が、配列番号14と少なくとも80%同一又は類似のアミノ酸配列をコードするアミノ酸配列を含む、実施形態89に記載の方法。
94.当該hNeuroD1コード配列が、配列番号6又はその相補体と少なくとも80%同一の核酸配列を含む、実施形態88に記載の方法。
95.当該hDlx2コード配列が、配列番号13又はその相補体と少なくとも80%同一の核酸配列を含む、実施形態89に記載の方法。
96.当該GFAPプロモーターが、ヒトGFAP(hGFAP)プロモーターである、実施形態81又は82に記載の方法。
97.当該GFAPプロモーターが、チンパンジーGFAPプロモーター、ボノボGFAPプロモーター、オランウータンGFAPプロモーター、ゴリラGFAPプロモーター、マカクGFAPプロモーター、マーモセットGFAPプロモーター、オマキザルGFAPプロモーター、ヒヒGFAPプロモーター、テナガザルGFAPプロモーター、及びキツネザルGFAPプロモーターからなる群から選択される、実施形態81又は82に記載の方法。
98.当該IRES配列が、配列番号3又はその相補体と少なくとも80%同一の核酸配列を含む、実施形態79~97のいずれか1つに記載の方法。
99.当該hGFAPプロモーターが、配列番号4又はその相補体と少なくとも80%同一の核酸配列を含む、実施形態96に記載の方法。
100.当該hGFAPプロモーターが、配列番号12又はその相補体と少なくとも80%同一の核酸配列を含む、実施形態96に記載の方法。
101.当該hGFAPプロモーターが、配列番号26又はその相補体と少なくとも80%同一の核酸配列を含む、実施形態96に記載の方法。
102.当該リンカーが、P2A及びT2Aからなる群から選択される、実施形態81又は82に記載の方法。
103.当該P2Aリンカーが、配列番号15及び18からなる群から選択される配列又はその相補体と少なくとも80%同一の核酸配列を含む、実施形態102に記載の方法。
104.当該T2Aリンカーが、配列番号16及び19からなる群から選択される配列又はその相補体と少なくとも80%同一の核酸配列を含む、実施形態102に記載の方法。
105.当該エンハンサーが、ヒト伸長因子-1α(EF1-α)プロモーターからのエンハンサー及びサイトメガロウイルス(CMV)エンハンサーからなる群から選択される、実施形態81又は82に記載の方法。
106.当該EF1-αが、配列番号2又はその相補体と少なくとも80%同一の核酸配列を含む、実施形態105に記載の方法。
107.当該CMVエンハンサーが、配列番号11又はその相補体と少なくとも80%同一の核酸配列を含む、実施形態105に記載の方法。
108.当該キメライントロンが、配列番号5及び27からなる群から選択される核酸又はその相補体と少なくとも80%同一の核酸配列を含む、実施形態81又は82に記載の方法。
109.当該WPREが、配列番号7及び29からなる群から選択される核酸又はその相補体と少なくとも80%同一の核酸配列を含む、実施形態81又は82に記載の方法。
110.当該ポリアデニル化シグナルが、SV40ポリアデニル化シグナル及びhGHポリアデニル化シグナルからなる群から選択される、実施形態81又は82に記載の方法。
111.当該SV40ポリアデニル化シグナルが、配列番号8又はその相補体と少なくとも80%同一の核酸配列を含む、実施形態110に記載の方法。
112.当該hGHポリアデニル化シグナルが、配列番号13又はその相補体と少なくとも80%同一の核酸配列を含む、実施形態110に記載の方法。
113.当該ベクターが、AAVタンパク質配列をコードする核酸配列を更に含む、実施形態81又は82に記載の方法。
114.当該ベクターが、AAV血清型2の逆位末端反復(ITR)を含む、実施形態79~82のいずれか1つに記載の方法。
115.当該ベクターが、AAV血清型5の逆位末端反復(ITR)を含む、実施形態79~82のいずれか1つに記載の方法。
116.当該ベクターが、AAV血清型9の逆位末端反復(ITR)を含む、実施形態79~82のいずれか1つに記載の方法。
117.当該ベクターが、配列番号1と少なくとも80%同一の少なくとも1つのITR核酸配列を含む、実施形態79~82のいずれか1つに記載の方法。
118.当該ベクターが、配列番号9と少なくとも80%同一の少なくとも1つのITR核酸配列を含む、実施形態79~82のいずれか1つに記載の方法。
119.当該変換が、中枢神経系(CNS)又は末梢神経系において生じる、実施形態81に記載の方法。
120.当該変換が、CNSにおいて生じる、実施形態81に記載の方法。
121.方法を必要とする当該対象が、哺乳動物である、実施形態81又は82に記載の方法。
122.当該哺乳動物が、ヒトである、実施形態121に記載の方法。
123.当該哺乳動物が、非ヒト霊長類である、実施形態121に記載の方法。
124.当該送達が、局所投与を含む、実施形態81又は82に記載の方法。
125.当該送達が、全身投与を含む、実施形態81又は82に記載の方法。
126.当該送達が、腹腔内投与、筋肉内投与、静脈内投与、髄腔内投与、脳内投与、頭蓋内、側脳室内、大槽内、硝子体内、網膜下内、実質内投与、鼻腔内投与、及び経口投与からなる群から選択される投与を含む、実施形態81又は82に記載の方法。
127.当該注入が、腹腔内注入、筋肉内注入、静脈内注入、髄腔内注入、脳内注入、頭蓋内、側脳室内、大槽内、硝子体内、網膜下内、実質内注入、鼻腔内注入、及び経口注入からなる群から選択される注入を含む、実施形態79又は80に記載の方法。
128.当該送達が、注入を含む、実施形態81又は82に記載の方法。
129.当該注入が、1010粒子/mL~1014粒子/mLの濃度で行われる、実施形態79、80、又は128のいずれか1つに記載の方法。
130.当該注入が、0.1μL/分~5.0μL/分の流量を更に含む、実施形態129に記載の方法。
131.当該少なくとも1つのグリア細胞が、少なくとも1つのアストロサイト及び少なくとも1つのNG2細胞からなる群から選択される、実施形態81に記載の方法。
132.当該少なくとも1つのグリア細胞が、少なくとも1つのアストロサイトである、実施形態131に記載の方法。
133.当該少なくとも1つのアストロサイトが、反応性アストロサイトである、実施形態131又は132に記載の方法。
134.当該ニューロンが、機能的なニューロンである、実施形態81に記載の方法。
135.当該機能的なニューロンが、グルタミン酸作動性ニューロン、GABA作動性ニューロン、ドーパミン作動性ニューロン、コリン作動性ニューロン、セロトニン作動性ニューロン、エピネフリン作動性ニューロン、運動ニューロン、及びペプチド作動性ニューロンからなる群から選択される、実施形態79、80、及び134のいずれか1つに記載の方法。
136.当該対象が、当該送達前の当該対象と比較して、少なくとも1つの神経学的状態の症状の改善を示す、実施形態81に記載の方法。
137.当該改善が、当該送達の1年以内に測定される、実施形態136に記載の方法。
138.当該方法が、当該AAVを当該対象の脳に直接注入することを含む、実施形態79、80、又は128のいずれか1つに記載の方法。
139.当該変換が、当該脳の線条体におけるものである、実施形態79又は80に記載の方法。
140.当該方法が、当該AAVを当該対象の脊髄に直接注入することを含む、実施形態79、80、又は128のいずれか1つに記載の方法。
141.当該神経学的状態が、中枢神経系(CNS)又は末梢神経系への傷害を含む、実施形態82に記載の方法。
142.当該神経学的状態が、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、ハンチントン病、てんかん、身体的傷害、脳卒中、脳動脈瘤、外傷性脳傷害、脳振盪、腫瘍、炎症、感染、運動失調症、脳萎縮、脊髄萎縮、多発性硬化症、外傷性脊髄傷害、虚血性又は出血性脊髄症(脊髄症)、全虚血、低酸素性虚血性脳症、塞栓症、線維軟骨塞栓症脊髄症、血栓症、腎症、慢性炎症性疾患、髄膜炎、及び脳静脈洞血栓症からなる群から選択される、実施形態82に記載の方法。
143.当該神経学的状態が、アルツハイマー病である、実施形態82に記載の方法。
144.当該神経学的状態が、パーキンソン病である、実施形態82に記載の方法。
145.当該神経学的状態が、ALSである、実施形態82に記載の方法。
146.当該神経学的状態が、ハンチントン病である、実施形態82に記載の方法。
147.当該神経学的状態が、脳卒中である、実施形態82に記載の方法。
148.当該脳卒中が、虚血性脳卒中である、実施形態147に記載の方法。
149.当該脳卒中が、出血性脳卒中である、実施形態147に記載の方法。
150.当該方法が、少なくとも1つのグリア細胞をニューロンに変換することができる、実施形態82に記載の方法。
151.当該グリア細胞が、アストロサイト及びNG2細胞からなる群から選択される、実施形態150に記載の方法。
152.当該グリア細胞が、アストロサイトである、実施形態150に記載の方法。
153.当該アストロサイトが、反応性アストロサイトである、実施形態152に記載の方法。
154.当該グリア細胞が、GFAP陽性である、実施形態150に記載の方法。
155.当該ニューロンが、機能的なニューロンである、実施形態150に記載の方法。
156.当該機能的なニューロンが、グルタミン酸作動性ニューロン、GABA作動性ニューロン、ドーパミン作動性ニューロン、コリン作動性ニューロン、セロトニン作動性ニューロン、エピネフリン作動性ニューロン、運動ニューロン、及びペプチド作動性ニューロンからなる群から選択される、実施形態145に記載の方法。
157.治療有効用量の当該AAVベクターが、当該対象に注入される、実施形態79又は80に記載の方法。
158.治療有効用量の当該AAVが、当該対象に送達される、実施形態81又は82に記載の方法。
159.当該治療有効用量が、薬学的に許容される担体と共に投与される、実施形態147又は148に記載の方法。
160.(i)配列番号6の核酸配列を含むヒト神経原性分化1(hNeuroD1)配列を含むアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター及び(ii)配列番号13の核酸配列を含むヒトdistal-lessホメオボックス2(hDlx2)配列を含むアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを含む組成物であって、
当該hNeuroD1配列が、
(a)配列番号26の核酸配列を含むグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターと、
(b)配列番号2の核酸配列を含むヒト伸長因子-1α(EF1-α)プロモーターからのエンハンサーと、
(c)配列番号5又は配列番号27の核酸配列を含むキメライントロンと、
(d)配列番号29の核酸配列を含むウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、
(e)配列番号30の核酸配列を含むbGHポリアデニル化配列と、を含む調節エレメントに作動可能に連結される、組成物。
161.(i)配列番号6の核酸配列を含むヒト神経原性分化1(hNeuroD1)配列を含むアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター及び(ii)配列番号13の核酸配列を含むヒトdistal-lessホメオボックス2(hDlx2)配列を含むアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを含む組成物であって、
当該hNeuroD1配列が、
(a)配列番号26の核酸配列を含むグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターと、
(b)配列番号11の核酸配列を含むサイトメガロウイルス(CMV)エンハンサーと、
(c)配列番号5又は配列番号27の核酸配列を含むキメライントロンと、
(d)配列番号29の核酸配列を含むウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、
(e)配列番号30の核酸配列を含むbGHポリアデニル化配列と、を含む調節エレメントに作動可能に連結される、組成物。
162.(ii)が、
(a)配列番号26の核酸配列を含むグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターと、
(b)配列番号2の核酸配列を含むヒト伸長因子-1α(EF1-α)プロモーターからのエンハンサー又は配列番号11の核酸配列を含むサイトメガロウイルス(CMV)エンハンサーと、
(c)配列番号5及び27からなる群から選択される核酸配列を含むキメライントロンと、
(d)配列番号7及び29からなる群から選択される核酸配列を含むウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、
(e)配列番号8の核酸配列を含むSV40ポリアデニル化シグナル配列、配列番号17の核酸配列を含むhGHポリアデニル化配列、又は配列番号30の核酸配列を含むbGHポリアデニル化配列と、を含む調節エレメントに作動可能に連結された配列番号13の核酸配列を含む当該hDlx2配列を含むAAVベクターを含む、実施形態160又は161に記載の組成物。
163.(i)配列番号10のアミノ酸コード配列を含むヒト神経原性分化1(hNeuroD1)タンパク質をコードする核酸配列を含むアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター及び(ii)配列番号14のアミノ酸配列を含むヒトdistal-lessホメオボックス2(hDlx2)タンパク質をコードする核酸コード配列を含むアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを含む組成物であって、
hNeuroD1タンパク質をコードする核酸配列が、
(a)配列番号26の核酸配列を含むグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターと、
(b)配列番号2の核酸配列を含むヒト伸長因子-1α(EF1-α)プロモーターからのエンハンサーと、
(c)配列番号5又は配列番号27の核酸配列を含むキメライントロンと、
(d)配列番号29の核酸配列を含むウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、
(e)配列番号30の核酸配列を含むbGHポリアデニル化配列と、を含む調節エレメントに作動可能に連結される、組成物。
164.(i)配列番号10のアミノ酸コード配列を含むヒト神経原性分化1(hNeuroD1)タンパク質をコードする核酸配列を含むアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター及び(ii)配列番号14のアミノ酸配列を含むヒトdistal-lessホメオボックス2(hDlx2)タンパク質をコードする核酸コード配列を含むアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを含む組成物であって、
hNeuroD1タンパク質をコードする核酸配列が、
(a)配列番号26の核酸配列を含むグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターと、
(b)配列番号11の核酸配列を含むサイトメガロウイルス(CMV)エンハンサーと、
(c)配列番号5又は配列番号27の核酸配列を含むキメライントロンと、
(d)配列番号29の核酸配列を含むウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、
(e)配列番号30の核酸配列を含むbGHポリアデニル化配列と、を含む調節エレメントに作動可能に連結される、組成物。
165.(ii)が、当該hDlx2タンパク質をコードする核酸コード配列を含むAAVベクターを含み、当該核酸が、
(a)配列番号26の核酸配列を含むグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターと、
(b)配列番号2の核酸配列を含むヒト伸長因子-1α(EF1-α)プロモーターからのエンハンサー又は配列番号11の核酸配列を含むサイトメガロウイルス(CMV)エンハンサーと、
(c)配列番号5及び27からなる群から選択される核酸配列を含むキメライントロンと、
(d)配列番号7及び29からなる群から選択される核酸配列を含むウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、
(e)配列番号8の核酸配列を含むSV40ポリアデニル化シグナル配列、配列番号17の核酸配列を含むhGHポリアデニル化配列、又は配列番号30の核酸配列を含むbGHポリアデニル化配列と、を含む調節エレメントに作動可能に連結される、実施形態163又は164に記載の組成物。
166.配列番号6の核酸配列を含むヒト神経原性分化1(hNeuroD1)配列及び配列番号13の核酸配列を含むヒトdistal-lessホメオボックス2(hDlx2)配列を含むアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターであって、当該hNeuroD1配列及び当該hDlx2配列が、(i)配列番号15及び18からなる群から選択される核酸配列を含むP2Aリンカー、(ii)配列番号16及び19からなる群から選択される核酸配列を含むT2Aリンカー、又は(iii)配列番号3を含む脳心筋炎ウイルスの内部リボソーム進入部位(IRES)配列によって分離され、当該hNeuroD1配列及び当該hDlx2配列が、
(a)配列番号26の核酸配列を含むグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターと、
(b)配列番号2の核酸配列を含むヒト伸長因子-1α(EF1-α)プロモーターからのエンハンサーと、
(c)配列番号5又は配列番号5の核酸配列を含むキメライントロンと、
(d)配列番号29の核酸配列を含むウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、
(e)配列番号30の核酸配列を含むbGHポリアデニル化配列と、を含む調節エレメントに作動可能に連結される、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター。
167.配列番号6の核酸配列を含むヒト神経原性分化1(hNeuroD1)配列及び配列番号13の核酸配列を含むヒトdistal-lessホメオボックス2(hDlx2)配列を含むアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターであって、当該hNeuroD1配列及び当該hDlx2配列が、(i)配列番号15及び18からなる群から選択される核酸配列を含むP2Aリンカー、(ii)配列番号16及び19からなる群から選択される核酸配列を含むT2Aリンカー、又は(iii)配列番号3を含む脳心筋炎ウイルスの内部リボソーム進入部位(IRES)配列によって分離され、当該hNeuroD1配列及び当該hDlx2配列が、
(a)配列番号26の核酸配列を含むグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターと、
(b)配列番号11の核酸配列を含むサイトメガロウイルス(CMV)エンハンサーと、
(c)配列番号5の核酸配列を含むキメライントロンと、
(d)配列番号29の核酸配列を含むウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、
(e)配列番号30の核酸配列を含むbGHポリアデニル化配列と、を含む調節エレメントに作動可能に連結される、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター。
168.配列番号10のアミノ酸コード配列を含むヒト神経原性分化1(hNeuroD1)タンパク質をコードする核酸配列及び配列番号14のアミノ酸配列を含むヒトdistal-lessホメオボックス2(hDlx2)タンパク質をコードする核酸コード配列を含むアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターであって、当該hNeuroD1コード配列及び当該hDlx2コード配列が、(i)配列番号15及び18からなる群から選択される核酸配列を含むP2Aリンカー、(ii)配列番号16及び19からなる群から選択される核酸配列を含むT2Aリンカー、又は(iii)配列番号3を含む脳心筋炎ウイルスの内部リボソーム進入部位(IRES)配列によって分離され、当該hNeuroD1コード配列及び当該hDlx2コード配列が、
(a)配列番号26の核酸配列を含むグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターと、
(b)配列番号2の核酸配列を含むヒト伸長因子-1α(EF1-α)プロモーターからのエンハンサーと、
(c)配列番号5の核酸配列を含むキメライントロンと、
(d)配列番号29の核酸配列を含むウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、
(e)配列番号30の核酸配列を含むbGHポリアデニル化配列と、を含む調節エレメントに作動可能に連結される、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター。
169.配列番号10のアミノ酸コード配列を含むヒト神経原性分化1(hNeuroD1)タンパク質をコードする核酸配列及び配列番号14のアミノ酸配列を含むヒトdistal-lessホメオボックス2(hDlx2)タンパク質をコードする核酸コード配列を含むアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターであって、当該hNeuroD1コード配列及び当該hDlx2コード配列が、(i)配列番号15及び18からなる群から選択される核酸配列を含むP2Aリンカー、(ii)配列番号16及び19からなる群から選択される核酸配列を含むT2Aリンカー、又は(iii)配列番号3を含む脳心筋炎ウイルスの内部リボソーム進入部位(IRES)配列によって分離され、当該hNeuroD1コード配列及び当該hDlx2コード配列が、
(a)配列番号26の核酸配列を含むグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターと、
(b)配列番号11の核酸配列を含むサイトメガロウイルス(CMV)エンハンサーと、
(c)配列番号5の核酸配列を含むキメライントロンと、
(d)配列番号29の核酸配列を含むウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)と、
(e)配列番号30の核酸配列を含むbGHポリアデニル化配列と、を含む調節エレメントに作動可能に連結される、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター。
170.配列番号6の核酸配列を含むヒト神経原性分化1(hNeuroD1)配列及び配列番号13の核酸配列を含むヒトdistal-lessホメオボックス2(hDlx2)配列を含むアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターであって、当該hNeuroD1配列及び当該hDlx2配列が、配列番号15及び18からなる群から選択される核酸配列を含むP2Aリンカー又は配列番号3を含む脳心筋炎ウイルスの内部リボソーム進入部位(IRES)配列によって分離され、当該hNeuroD1配列及び当該hDlx2配列が、
(a)配列番号26の核酸配列を含むグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターと、
(b)配列番号11の核酸配列を含むサイトメガロウイルス(CMV)エンハンサーと、
(c)配列番号5の核酸配列を含むキメライントロンと、
(d)配列番号30の核酸配列を含むbGHポリアデニル化配列と、を含む調節エレメントに作動可能に連結される、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター。
171.配列番号10のアミノ酸コード配列を含むヒト神経原性分化1(hNeuroD1)タンパク質をコードする核酸配列及び配列番号14のアミノ酸配列を含むヒトdistal-lessホメオボックス2(hDlx2)タンパク質をコードする核酸コード配列を含むアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターであって、当該hNeuroD1コード配列及び当該hDlx2コード配列が、配列番号15及び18からなる群から選択される核酸配列を含むP2Aリンカー又は配列番号3を含む脳心筋炎ウイルスの内部リボソーム進入部位(IRES)配列によって分離され、当該hNeuroD1コード配列及び当該hDlx2コード配列が、
(a)配列番号26の核酸配列を含むグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターと、
(b)配列番号11の核酸配列を含むサイトメガロウイルス(CMV)エンハンサーと、
(c)配列番号5の核酸配列を含むキメライントロンと、
(d)配列番号30の核酸配列を含むbGHポリアデニル化配列と、を含む調節エレメントに作動可能に連結される、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図7C
図7D
図8A
図8B
図8C
図8D
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39A
図39B
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47
図48
図49
図50
図51
図52
図53
図54
図55
図56
図57A
図57B
図58
図59
図60
図61
図62
図63
図64
【配列表】
2023543361000001.app
【国際調査報告】