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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-16
(54)【発明の名称】自律航海電力補給船舶
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20231006BHJP
   B63B 79/40 20200101ALI20231006BHJP
【FI】
H02J7/00 B
H02J7/00 H
B63B79/40
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022576869
(86)(22)【出願日】2022-06-10
(85)【翻訳文提出日】2023-02-08
(86)【国際出願番号】 US2022033067
(87)【国際公開番号】W WO2023033896
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】17/464,075
(32)【優先日】2021-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516326438
【氏名又は名称】エックス デベロップメント エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】ノール,マシュー アーロン
(72)【発明者】
【氏名】デイブ,ニール
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503AA04
5G503BA02
5G503BB01
5G503CA10
5G503DA07
5G503DA17
5G503GD04
5G503GD06
(57)【要約】
【課題】 自律航海電力補給船舶を制御することである。
【解決手段】 自律航海電力補給船舶を実装する方法、システム、及びコンピュータ可読媒体。例示的なシステムは、複数の海洋船と、複数の船舶と、を含み、複数の船舶の各船舶は、再充電可能な電力供給装置を含み、かつ船舶が、複数の海洋船のうちの海洋船に電気エネルギーを提供するための割り当てを待機する、第1のモードと、第2のモードであって、船舶が、割り当てられた海洋船との定位置を保持すること、及び割り当てられた海洋船に電力供給装置から電気エネルギーを提供することを含む動作を実施する、第2のモードと、船舶が、充電ステーションから電力供給装置を再充電する、第3のモードと、において動作するように構成されている。本システムは、コントローラを含み、コントローラは、第1の船舶に、第1の海洋船に電気エネルギーを提供するための、第1の船舶の割り当てを示す命令を送信することを含む動作を実施するように構成されている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
再充電可能な電力供給装置を含む船舶であって、前記船舶が、
前記船舶が海洋船に電気エネルギーを提供するための割り当てを待機する、第1のモードと、
第2のモードであって、前記船舶が、
割り当てられた海洋船との定位置を保持すること、及び
前記割り当てられた海洋船に前記電力供給装置から電気エネルギーを提供することを含む動作を実施する、第2のモードと、
前記船舶が充電ステーションから前記電力供給装置を再充電する、第3のモードと、において動作するように構成されている、船舶。
【請求項2】
前記船舶が、海洋船に電気エネルギーを提供するように、前記船舶を割り当てる命令を受信すると、前記第1のモードから前記第2のモードに移行するように構成されている、請求項1に記載の船舶。
【請求項3】
前記船舶が、前記海洋船への前記電力供給装置を放電した後に、前記第2のモードから前記第3のモードに移行するように構成されている、請求項1に記載の船舶。
【請求項4】
前記船舶が、前記充電ステーションから前記電力供給装置を再充電した後に、前記第3のモードから前記第1のモードに移行するように構成されている、請求項1に記載の船舶。
【請求項5】
前記割り当てられた海洋船に電気エネルギーを提供することが、
前記電力供給装置の放電ポートを前記海洋船の充電ポートに接続することと、
前記電力供給装置の電力レベルが第1の閾値電力レベルまで低下したと判定することと、
前記電力供給装置の前記電力レベルが前記第1の閾値電力レベルまで低下したと判定することに応答して、前記電力供給装置の前記放電ポートを前記海洋船の前記充電ポートから接続解除することと、を含む、請求項1に記載の船舶。
【請求項6】
前記充電ステーションから前記電力供給装置を再充電することが、
前記船舶を前記充電ステーションの場所まで自律的に航行させることと、
前記電力供給装置の充電ポートを前記充電ステーションの放電ポートに接続することと、
前記電力供給装置の電力レベルが第2の閾値電力レベルまで上昇したと判定することと、
前記電力供給装置の前記電力レベルが前記第2の閾値電力レベルまで上昇したと判定することに応答して、前記電力供給装置の前記充電ポートを前記充電ステーションの前記放電ポートから接続解除することと、を含む、請求項1に記載の船舶。
【請求項7】
前記船舶が、前記船舶が前記海洋船に前記電気エネルギーを提供している間に、前記船舶の第1の連結機構を前記海洋船の第2の連結機構に結合するように構成された、連結システムを含む、請求項1に記載の船舶。
【請求項8】
前記海洋船が、前記船舶が前記海洋船に前記電気エネルギーを提供している間に、前記船舶を曳航するように構成されている、請求項1に記載の船舶。
【請求項9】
前記割り当てられた海洋船との定位置を保持することが、1つ以上のセンサからのセンサデータに基づいて、前記海洋船が水域を通って移動する際に、前記船舶と前記海洋船との間の一貫した相対位置を維持することを含む、請求項1に記載の船舶。
【請求項10】
前記電力供給装置が、前記船舶に電力供給するように構成された第1のバッテリバンクと、前記割り当てられた海洋船に電気エネルギーを提供するように構成された第2のバッテリバンクと、を含む、請求項1に記載の船舶。
【請求項11】
システムであって、
複数の海洋船と、
複数の船舶であって、前記複数の船舶の各船舶が、再充電可能な電力供給装置を含み、かつ
前記船舶が前記複数の海洋船のうちの海洋船に電気エネルギーを提供するための割り当てを待機する、第1のモードと、
第2のモードであって、前記船舶が、
割り当てられた海洋船との定位置を保持すること、及び
前記割り当てられた海洋船に前記電力供給装置から電気エネルギーを提供することを含む動作を実施する、第2のモードと、
前記船舶が充電ステーションから前記電力供給装置を再充電する、第3のモードと、において動作するように構成されている、複数の船舶と、
コントローラであって、
前記複数の船舶のうちの第1の船舶に、前記複数の海洋船のうちの第1の海洋船に電気エネルギーを提供するための、前記第1の船舶の割り当てを示す命令を送信することを含む動作を実施するように構成されたコントローラと、を備える、システム。
【請求項12】
前記動作が、前記第1の船舶の前記電力供給装置の電力レベルに基づいて、前記第1の船舶を前記第1の海洋船に割り当てることを含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記動作が、
前記複数の海洋船の各々の場所を追跡することと、
各船舶の場所を追跡することと、
前記第1の船舶の現在の場所及び前記第1の海洋船の現在の場所に基づいて、前記第1の海洋船に電気エネルギーを提供するように前記第1の船舶を割り当てることと、を含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記動作が、前記第1の船舶に、前記第1の海洋船とのランデブーのための第1の場所に移動する命令を送信することを含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記動作が、前記第1の船舶が前記第1の海洋船に電気エネルギーを提供した後に、前記第1の海洋船に電気エネルギーを提供するように第2の船舶を割り当てることを含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
前記動作が、
前記第1の船舶が前記第1の海洋船に電気エネルギーを提供するための持続時間を判定することと、
前記持続時間の終わりに、前記第1の海洋船の場所を予測することと、
前記複数の船舶のうちの前記第2の船舶に、前記第1の海洋船とのランデブーのための第2の場所に移動する命令を送信することであって、前記第2の場所が、前記予測された場所に基づく、送信することと、を含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記充電ステーションが、水上太陽光発電充電ステーション、水上潮力発電充電ステーション、又は水上風力発電充電ステーションのうちの少なくとも1つを含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項18】
各船舶が、無線通信モジュールを含み、前記動作が、前記第1の船舶の前記無線通信モジュールに前記命令を送信することを含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項19】
各無線通信モジュールが、前記船舶と前記コントローラとの間の通信を可能にするように、かつ前記船舶と前記海洋船との間の通信を可能にするように構成されている、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
コンピュータ実装方法であって、前記方法が、
複数の船舶のうちの第1の船舶に、複数の海洋船のうちの第1の海洋船に電気エネルギーを提供するための前記第1の船舶の割り当てを示す命令を送信することを含み、
前記複数の船舶の各船舶が、再充電可能な電力供給装置を含み、かつ
前記船舶が前記複数の海洋船のうちの海洋船に電気エネルギーを提供するための割り当てを待機する、第1のモードと、
第2のモードであって、前記船舶が、
割り当てられた海洋船との定位置を保持すること、及び
前記割り当てられた海洋船に前記電力供給装置から電気エネルギーを提供することを含む動作を実施する、第2のモードと、
前記船舶が充電ステーションから前記電力供給装置を再充電する、第3のモードと、において動作するように構成されている、コンピュータ実装方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、航海電力補給船舶のための制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
長距離貨物船は、重大な汚染源である。貨物船によって生じる汚染は、貨物船にバッテリで電力供給することによって低減することができる。しかしながら、バッテリで貨物船に電力供給することは、海上移動を通じて貨物船に電力供給するために必要とされるであろうバッテリのサイズ及び重量が大きいために、非効率的であり得る。追加的に、バッテリは、典型的に長い再充電時間を必要とし、これは、港において再充電が実施されるときに輸送予定の遅延を引き起こす可能性がある。また、バッテリ駆動の貨物船は、熱にさらされるバッテリの熱暴走の可能性に起因して、火災及び爆発の危険性もある。
【発明の概要】
【0003】
本明細書は、自律航海電力補給船舶を制御するための技法、方法、システム、及び他の手法を記載する。自律航海電力補給船舶は、その走行航路に沿ってバッテリ駆動の貨物船を途中でとらえて、移動中に貨物船のバッテリを再充電することができる。
【0004】
自律補給船舶は、海洋船、例えば、貨物船のバッテリを充電するためのバッテリバンクを含む電力供給装置を含むことができる。自律補給船舶は、海洋船が水路を移動するときに海洋船に電力供給することができる。船舶は、例えば、自律操船用に構成されたはしけであり得る。船舶は、自己電力供給式であり、船舶の電力供給装置を再充電するために浮遊充電ステーションと自律的にドッキングすることができる。
【0005】
一実施例では、船舶は、コントローラから、海洋船の電力供給装置を充電するための割り当てを受信する。割り当てを受信した後、船舶は、自律的に海洋船の定位置につき、船舶の電力供給装置の放電ポートを海洋船の電力供給装置の充電ポートに接続する。船舶の電力供給装置は、海洋船の電力供給装置に電気エネルギーを伝達することによって海洋船を充電する。船舶は、海洋船との定位置を保持し、例えば、数分又は数時間の持続時間にわたって海洋船の電力供給装置を充電し続けることができる。いくつかの実施例では、船舶は、例えば、数海里、又は数十、数百、若しくは数千海里の走行距離の間、海洋船の電力供給装置を充電し続けることができる。
【0006】
船舶が海洋船への充電を完了すると、船舶は海洋船から接続解除することができる。いくつかの実施例では、第1の船舶が海洋船から接続解除した後、第2の船舶が海洋船に接続する。その後、第1の船舶は充電ステーションに戻り、充電ステーションから電力供給装置を再充電する。海洋船は、海航、例えば、海洋又は他の水域を横断する海航中に、一連の船舶との接続解除及び再接続を継続することができる。
【0007】
他の利点の中でもとりわけ、実装形態は、貨物船の動作効率、エネルギー効率、及び安全性を改善しながら、貨物船の環境影響を低減し得る。一連の船舶から電気エネルギーを受け取ることによって、貨物船などの海洋船は、主にバッテリからの電気を使用して海洋を横断して移動することができる。海上でバッテリを充電することにより、船舶から充電しながら海洋船が輸送航路に沿って走行し続けることができるので、動作効率を改善することができる。これは、港で必要とされる再充電及び/又は燃料補給時間を低減することができ、陸上ベースの燃料補給ステーションの可用性を高めることができる。
【0008】
場合によっては、バッテリを搭載した船舶は、太陽光発電、潮力発電、及び/又は風力発電による充電ステーションから再充電することができる。したがって、持続可能なエネルギー源を使用して船舶及び海洋船に電力供給することができ、エネルギー効率が改善され、環境への影響が低減される。
【0009】
海洋船のバッテリは、移動中に定期的に再充電することができるので、バッテリは、海航全体のために海洋船に電力供給するのに必要であろうものよりも小さくすることができる。したがって、バッテリをより軽量にすることができ、海洋船において占有する空間の体積をより小さくすることができる。より軽量かつより小さいバッテリは、海洋船がより速い速度で走行し、より多くの貨物を搬送することを可能にすることができる。また、より軽量かつより小さいバッテリを搭載することにより、熱暴走によって引き起こされる火災及び爆発の危険性が低減されるため、海洋船の安全性を改善することができる。
【0010】
電力供給装置を搭載した船舶は、輸送航路又は輸送予定への影響を最小限にして修理及び交換することができる。例えば、第1の船舶によって搭載されるバッテリバンクがその寿命の終わりに達したとき、第1の船舶は、バッテリバンクを交換することができるメンテナンス施設まで自律的に航行することができる。他の船舶は、第1の船舶がメンテナンスを受けている間、海洋船を充電し続けることができる。
【0011】
場合によっては、海洋船は、ディーゼル電気推進システムを含むことができる。ディーゼル電気推進システムは、海洋船がディーゼル電力での移動とバッテリ電力での移動とを交互に行うことを可能にすることができる。これにより、バッテリが消耗しても、海洋船は走行し続けることができる。
【0012】
概して、本明細書に記載される主題の革新的な態様は、再充電可能な供給装置を含む船舶において具現化することができ、船舶は、再充電可能な電力供給装置を含む船舶であって、船舶が、船舶が海洋船に電気エネルギーを提供するための割り当てを待機する、第1のモードと、第2のモードであって、船舶が、割り当てられた海洋船との定位置を保持すること、及び割り当てられた海洋船に電力供給装置から電気エネルギーを提供することを含む動作を実施する、第2のモードと、船舶が充電ステーションから電力供給装置を再充電する、第3のモードと、において動作するように構成されている。
【0013】
これら及び他の実装形態は、以下の特徴を単独で又は組み合わせて含むことができる。いくつかの実装形態では、船舶は、海洋船に電気エネルギーを提供するように、船舶を割り当てる命令を受信すると、第1のモードから第2のモードに移行するように構成されている。
【0014】
いくつかの実装形態では、船舶は、海洋船への電力供給装置を放電した後に、第2のモードから第3のモードに移行するように構成されている。
【0015】
いくつかの実装形態では、船舶は、充電ステーションから電力供給装置を再充電した後に、第3のモードから第1のモードに移行するように構成されている。
【0016】
いくつかの実装形態では、割り当てられた海洋船に電気エネルギーを提供することは、電力供給装置の放電ポートを海洋船の充電ポートに接続することと、電力供給装置の電力レベルが第1の閾値電力レベルまで低下したと判定することと、電力供給装置の電力レベルが第1の閾値電力レベルまで低下したと判定することに応答して、電力供給装置の放電ポートを海洋船の充電ポートから接続解除することと、を含む。
【0017】
いくつかの実装形態では、充電ステーションから電力供給装置を再充電することは、船舶を充電ステーションの場所まで自律的に航行させることと、電力供給装置の充電ポートを充電ステーションの放電ポートに接続することと、電力供給装置の電力レベルが第2の閾値電力レベルまで上昇したと判定することと、電力供給装置の電力レベルが第2の閾値電力レベルまで上昇したと判定することに応答して、電力供給装置の充電ポートを充電ステーションの放電ポートから接続解除することと、を含む。
【0018】
いくつかの実装形態では、船舶は、船舶が海洋船に電気エネルギーを提供している間に、船舶の第1の連結機構を海洋船の第2の連結機構に結合するように構成された、連結システムを含む。
【0019】
いくつかの実装形態では、海洋船は、船舶が海洋船に電気エネルギーを提供している間に、船舶を曳航するように構成されている。
【0020】
いくつかの実装形態では、割り当てられた海洋船との定位置を保持することは、1つ以上のセンサからのセンサデータに基づいて、海洋船が水域を通って移動する際に、船舶と海洋船との間の一貫した相対位置を維持することを含む。
【0021】
いくつかの実装形態では、電力供給装置は、船舶に電力供給するように構成された第1のバッテリバンクと、割り当てられた海洋船に電気エネルギーを提供するように構成された第2のバッテリバンクと、を含む。
【0022】
概して、本明細書に記載される主題の他の革新的な態様は、システムにおいて具現化することができ、システムは、複数の海洋船と、複数の船舶であって、複数の船舶の各船舶が、再充電可能な電力供給装置を含み、かつ船舶が、複数の海洋船のうちの海洋船に電気エネルギーを提供するための割り当てを待機する、第1のモードと、第2のモードであって、船舶が、割り当てられた海洋船との定位置を保持すること、及び割り当てられた海洋船に電力供給装置から電気エネルギーを提供することを含む動作を実施する、第2のモードと、船舶が、充電ステーションから電力供給装置を再充電する、第3のモードと、において動作するように構成されている、複数の船舶と、コントローラであって、複数の船舶のうちの第1の船舶に、複数の海洋船のうちの第1の海洋船に電気エネルギーを提供するための、第1の船舶の割り当てを示す命令を送信することを含む動作を実施するように構成されたコントローラと、を含む。
【0023】
これら及び他の実装形態は、以下の特徴を単独で又は組み合わせて含むことができる。いくつかの実装形態では、動作は、第1の船舶の電力供給装置の電力レベルに基づいて、第1の船舶を第1の海洋船に割り当てることを含む。
【0024】
いくつかの実装形態では、動作は、複数の海洋船の各々の場所を追跡することと、各船舶の場所を追跡することと、第1の船舶の現在の場所及び第1の海洋船の現在の場所に基づいて、第1の海洋船に電気エネルギーを提供するように第1の船舶を割り当てることと、を含む。
【0025】
いくつかの実装形態では、動作は、第1の船舶に、第1の海洋船とのランデブーのための第1の場所に移動する命令を送信することを含む。
【0026】
いくつかの実装形態では、動作は、第1の船舶が第1の海洋船に電気エネルギーを提供した後に、第1の海洋船に電気エネルギーを提供するように第2の船舶を割り当てることを含む。
【0027】
いくつかの実装形態では、動作は、第1の船舶が第1の海洋船に電気エネルギーを提供するための持続時間を判定することと、持続時間の終わりに、第1の海洋船の場所を予測することと、複数の船舶のうちの第2の船舶に、第1の海洋船とのランデブーのための第2の場所に移動する命令を送信することであって、第2の場所が、予測された場所に基づく、送信することと、を含む。
【0028】
いくつかの実装形態では、充電ステーションは、水上太陽光発電充電ステーション、水上潮力発電充電ステーション、又は水上風力発電充電ステーションのうちの少なくとも1つを含む。
【0029】
いくつかの実装形態では、各船舶は、無線通信モジュールを含み、動作は、第1の船舶の無線通信モジュールに命令を送信することを含む。
【0030】
いくつかの実装形態では、各無線通信モジュールは、船舶とコントローラとの間の通信を可能にするように、かつ船舶と海洋船との間の通信を可能にするように構成されている。
【0031】
本開示はまた、1つ以上のプロセッサに結合され命令を記憶するコンピュータ可読記憶媒体も提供し、命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されたときに、1つ以上のプロセッサに本明細書で提供される方法の実装形態による動作を実施させる。
【0032】
本開示は、本明細書で提供される方法を実装するためのシステムを更に提供する。システムは、1つ以上のプロセッサと、1つ以上のプロセッサに結合され命令を記憶するコンピュータ可読記憶媒体とを含み、命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されたときに、1つ以上のプロセッサに本明細書で提供される方法の実装形態による動作を実施させる。
【0033】
本開示による方法は、本明細書に記載の態様及び特徴の任意の組み合わせを含むことができることが理解されよう。すなわち、本開示による方法は、本明細書に具体的に記載される態様及び特徴の組み合わせに限定されず、提供される態様及び特徴の任意の組み合わせも含む。
【0034】
1つ以上の実装形態の詳細は、添付の図面及び以下の説明に記載される。本開示の他の潜在的な特徴及び利点は、説明及び図面から、並びに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】海洋船(marine vessel)に電気エネルギーを提供するように構成された船舶(watercraft)の例示的なシステムの図である。
図2】自律航海電力補給船舶のための例示的な通信及び制御システムの図である。
図3】船舶の例示的な制御システムの図である。
図4】自律航海電力補給船舶を制御するための例示的なプロセスのフロー図である。
【0036】
様々な図面における同様の参照番号及び名称は、同様の要素を示す。ここで示される構成要素、それらの接続及び関係、並びにそれらの機能は、例示的なものに過ぎず、本明細書で記載及び/又は特許請求される実装形態を限定するものではない。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1は、海洋船に電気エネルギーを提供するように構成された船舶の例示的なシステム100の図である。システム100は、船舶120、130を含み、これらは各々、海洋船110に機械的に連結し、海洋船110に電気エネルギーを提供するように構成されている。船舶120、130は、自走式の船舶であり得る。いくつかの実施例では、船舶120、130は各々、再充電可能な電力供給装置を含む。再充電可能な電力供給装置は、例えば、1つのバッテリバンク又は複数のバッテリバンクを含み得る。いくつかの実施例では、船舶120は、潜水可能であり得る。
【0038】
システム100は、海洋船110を含む。海洋船110は、複数の海洋船のうちの1隻であり得る。海洋船110は、電動式であり、自律操船用に構成され得る。海洋船110は、例えば、貨物船、コンテナ船、クルーズ船、海軍船、旅客船、及び/又は別のタイプの船であり得る。海洋船110は、航路111に沿って水域101を通って移動する。水域101は、大洋、海、湖、又は別の水域である。
【0039】
システム100は、1つ以上の充電ステーション、例えば、充電ステーション150を含む。充電ステーション150は、水上充電ステーションであり得る。いくつかの実施例では、充電ステーション150は、浮動式であり得る。いくつかの実施例では、充電ステーション150は、自走式であり得、自律操船用に構成され得る。いくつかの実施例では、充電ステーション150は、船によって曳航され得る。いくつかの実施例では、充電ステーション150は、投錨し得るか又は係留され得る。いくつかの実施例では、充電ステーション150は、陸上ベースであり得る。充電ステーション150は、例えば、太陽エネルギー、風力エネルギー、又はその両方から電力を生成することができる。充電ステーション150は、海洋船の輸送航路に沿って位置決めすることができる。例えば、充電ステーション150は、主要な輸送航路に沿って、又は海洋船110が走行する特定の航路に沿って間隔を置いて位置決めすることができる。
【0040】
船舶120、130は、複数のモードを有することができる。いくつかの実施例では、海洋船110に電気エネルギーを提供する命令を受信する前、船舶は、第1のモードであり得る。海洋船110に電気エネルギーを提供する命令を受信すると、船舶は、第1のモードから第2のモードにモードを変更することができる。海洋船110に電気エネルギーを提供した後、船舶120、130は、第2のモードから第3のモードにモードを変更することができる。異なるモードにおける船舶120の動作は、以下でより詳細に記載される。
【0041】
システム100は、空中ドローン140を含む。いくつかの実施例では、船舶120、130は、ドローン140に電気エネルギーを提供するように構成することができる。いくつかの実施例では、船舶120、130は、様々な他の電動デバイス及び構造物、例えば、電動航空機、石油プラットフォーム、海洋ファーム、シーステッド(seastead)、海上基地などに電気エネルギーを提供するように構成することができる。
【0042】
システム100の動作は、中央制御システムによって制御することができる。例えば、図2は、自律航海電力補給船舶のための例示的な中央通信及び制御システム200の図を示す。図2を参照すると、コントローラ230は、システム100の動作を制御するために、船舶120、130、海洋船110、及び充電ステーション150と通信する。
【0043】
システム200は、コントローラ230、及び自律航海電力補給船舶、例えば、船舶120を含む。いくつかの実施例では、各船舶120は、無線通信モジュールを含む。各無線通信モジュールは、船舶とコントローラ230との間の通信を可能にするように、かつ船舶と他の船舶との間の通信を可能にするように構成することができる。
【0044】
コントローラ230は、自律航海電力補給船舶の構成要素と無線で通信することができるコンピューティングシステムであり得る。いくつかの実施例では、コントローラ230は、システム200の他の構成要素から離れて位置することができる。例えば、コントローラ230は、積み出し港又は他の土地の場所に位置し得る。いくつかの実施例では、コントローラ230は、クラウドベースであり得る。
【0045】
コントローラ230は、システム200の構成要素の動きを追跡及び指示するなどの機能を実施することができる。コントローラ230はまた、システム200の構成要素の動作、例えば、船舶120を海洋船110に機械的及び/若しくは電気的に連結するための動作、船舶120充電ステーション150を機械的及び/若しくは電気的に連結するための動作、又は船舶の連結機構を係合及び係合解除することによって、船舶120を他の船舶と機械的及び/若しくは電気的に連結するための動作を指示することもできる。
【0046】
いくつかの実施例では、コントローラ230は、各船舶の初期場所、例えば、海洋船110に電気エネルギーを提供する命令を受信する前の船舶120の場所を判定することができる。各船舶120、130は、コントローラ230及び海洋船110と通信するための無線通信モジュールを含むことができる。コントローラ230は、無線通信モジュールの各々から、それぞれの船舶の場所を示すデータを受信することができる。
【0047】
例えば、コントローラ230は、各船舶120、130の無線通信モジュールから、船舶の地理的座標位置を示すデータを受信することができる。いくつかの実施例では、コントローラ230は、時々、又は例えば、1分に1回、10分に1回、1時間に1回などの時間間隔で、船舶の場所を示すデータを受信することができる。いくつかの実施例では、コントローラ230は、船舶に要求を送信することに応答して、船舶の場所を示すデータを受信することができる。例えば、海洋船110の電力供給装置210が充電される必要があると判定すると、コントローラ230はポーリング動作を実施して、各船舶120、130の現在の場所を取得するために各船舶120、130にポーリングすることができる。
【0048】
いくつかの実施例では、コントローラ230は、予測分析アルゴリズムを使用して、海洋船の航路を予測することができる。予測分析アルゴリズムは、入力として、例えば、海洋船の工学仕様、貨物重量、燃料及びエネルギー燃焼率、計画された航路に沿った気象条件などを含むデータを受信することができる。コントローラ230は、予測分析アルゴリズムを使用して、経時的に海洋船の場所を予測し、海洋船110の電力供給装置210の充電の必要性を予測することができる。例えば、コントローラ230は、海洋船110の電力供給装置210が最小閾値電力レベルに到達するであろう場所を予測することができる。コントローラ230はまた、電力供給装置210を最小閾値電力レベルから満充電まで充電するのに必要な時間量を予測し、電力供給装置210が満充電に達したときの海洋船の場所を予測することもできる。
【0049】
コントローラ230は、各船舶の電力レベルを監視又は追跡することができる。コントローラ230は、第1の船舶、例えば、船舶120に、第1の海洋船、例えば、海洋船110に電気エネルギーを提供するための船舶120の割り当てを示す命令を送信することができる。いくつかの実施例では、コントローラ230は、船舶120の電力供給装置220の電力レベルに基づいて、海洋船110に船舶120を割り当てることができる。例えば、船舶120は、90パーセントの電力レベルを有し得、船舶130は、60パーセントの電力レベルを有し得る。コントローラ230は、船舶120が船舶130よりも高い電力レベルを有することに基づいて、船舶120を、海洋船110に電気エネルギーを提供するように割り当てることができる。
【0050】
コントローラ230は、各海洋船の電力レベルを監視又は追跡することができる。いくつかの実施例では、コントローラ230は、海洋船110の電力供給装置220の電力レベルに基づいて、海洋船110に船舶120を割り当てることができる。例えば、第1の海洋船、例えば、海洋船110は、20パーセントの電力レベルを有し得、第2の海洋船(図示せず)は、50パーセントの電力レベルを有し得る。コントローラ230は、海洋船110が第2の海洋船よりも低い電力レベルを有することに基づいて、海洋船110に電気エネルギーを提供するように、船舶120を割り当てることができる。
【0051】
コントローラ230は、各船舶及び各海洋船の場所を監視又は追跡することができる。いくつかの実施例では、コントローラ230は、船舶120の場所に基づいて、海洋船110に船舶120を割り当てることができる。例えば、船舶120は、海洋船110から20海里の場所にあり得、船舶130は、海洋船110から30マイルの場所にあり得る。コントローラ230は、船舶120の方が船舶130よりも海洋船110に近接していることに基づいて、船舶120を、海洋船110に電気エネルギーを提供するように割り当てることができる。
【0052】
いくつかの実施例では、各船舶120、130は、無線通信モジュールを含む。コントローラ230は、船舶の無線通信モジュールに命令を送信することができる。いくつかの実施例では、船舶、例えば、船舶120の無線通信モジュールは、船舶120とコントローラ230との間の通信を可能にするように、かつ船舶120と海洋船110との間の通信を可能にするように構成されている。船舶120は、海洋船110に電気エネルギーを提供するための割り当てを含む命令を、無線通信モジュールを介して受信するように構成されている。
【0053】
図1を参照すると、自律航海電力補給船舶のプロセスが、段階(A)~(E)として図示されている。段階(A)~(E)は、図示された順序で発生し得、図示された順序とは異なる順序で発生し得る。例えば、いくつかの段階が同時に発生し得る。段階(B)及び(C)は、図2において更に詳細に図示される。
【0054】
図1の段階(A)では、船舶120は、充電ステーション150から電力供給装置210を充電した後、高電力レベルを有する。船舶120は、船舶120が海洋船に電気エネルギーを提供するための割り当てを待機する、第1のモードにおいて動作している。
【0055】
コントローラ230は、海洋船110の航路111を示すデータを受信することができる。コントローラ230は、例えば、物流又は輸送組織からデータを受信することができる。コントローラ230はまた、海洋船の仕様を示すデータを受信することができる。例えば、仕様は、再充電の前に海洋船110が走行することができる距離及び/又は時間を含むことができる。いくつかの実施例では、仕様は、海洋船の放電率を含むことができる。
【0056】
海洋船110の航路111を示すデータに基づいて、かつ海洋船110の仕様に基づいて、コントローラ230は、海洋船の充電要件を判定することができる。例えば、コントローラ230は、海洋船110が充電を必要とするとき、例えば、海洋船110の電力レベルが最小許容電力レベルに達するときの、海洋船110の予測された場所を推定することができる。コントローラ230はまた、海洋船110が必要とする電力量を判定することもできる。海洋船110が必要とする電力量に基づいて、コントローラ230は、海洋船110が船舶120から充電するのに必要な時間の長さ及び/又は距離の長さを判定することができる。
【0057】
海洋船110の充電要件に基づいて、コントローラ230は、海洋船110に電気エネルギーを提供するために1隻以上の船舶を選択することができる。コントローラ230は、複数の船舶を追跡し、制御し、複数の船舶と通信し得る。コントローラ230は、海洋船を充電するために船舶のうちの1隻以上を選択することができる。いくつかの実施例では、コントローラ230は、船舶の充電能力に基づいて、1隻以上の船舶を選択することができる。例えば、異なる船舶は、異なるサイズ、異なる接続タイプ、異なる放電速度、異なる走行速度、異なる走行範囲などを有することができる。コントローラ230は、海洋船110の充電要件を満たすサイズ、放電速度、接続タイプ、走行速度、及び走行範囲を有する1隻以上の船舶を選択することができる。
【0058】
いくつかの実施例では、コントローラ230は、他の海洋船に電気エネルギーを提供することよりも、いくつかの海洋船に電気エネルギーを提供することを優先することができる。例えば、コントローラ230は、乾燥した品物を運搬する第2の海洋船よりも、傷みやすい品物を運搬する第1の海洋船を充電することを優先し得る。コントローラ230は、第1の海洋船を充電するために第1の利用可能な船舶を派遣し、第2の船を充電するために第2の利用可能な船舶を派遣することによって、第1の海洋船を優先させることができる。いくつかの実施例では、コントローラ230は、第1の海洋船を充電するために、より大きい船舶、より速く放電する船舶、及び/又はより速く走行する船舶を派遣することによって、第1の海洋船を優先させることができる。コントローラは、第2の海洋船を充電するために、より小型の船舶、より低速で放電する船舶、及び/又はより低速で走行する船舶を派遣することができる。
【0059】
図1の例では、コントローラ230は、水域101内の海洋船110に電気エネルギーを提供するために、船舶120を選択する。コントローラ230は、船舶120の無線通信モジュールに、船舶120を海洋船110に割り当てる命令を送信する。命令は、船舶120を海洋船110とのランデブーのための場所、例えば、ランデブーポイント122に移動させる航行命令を含むことができる。航行命令は、航行ウェイポイント、地理的目的地、走行航路、目標到着時間、走行速度、又はこれらの任意の組み合わせを含むことができる。航行命令を受信すると、船舶120は、命令に従って自律的に水域101を通って移動することができる。
【0060】
航行命令を受信することに応答して、船舶120は、経路121に沿ってランデブーポイント122に移動する。ランデブーポイント122は、例えば、緯度及び経度によって定義される地理的位置とすることができる。船舶120は、船舶120のセンサ、例えば、全地球測位システム(global positioning system、GPS)センサを使用して、ランデブーポイントまで航行することができる。船舶120は、海洋船110に電気エネルギーを提供するように、船舶120を割り当てる命令を受信すると、第1のモードから第2のモードに移行することができる。
【0061】
図1の段階(B)では、船舶120は、第2のモードにおいて動作する。船舶120は、海洋船110とのランデブーポイント122まで航行する。船舶120は、海洋船110を自律的に識別するように構成することができる。例えば、船舶120は、画像捕捉システム及び画像分析システムを含むことができる。船舶120は、海洋船の画像を捕捉し、画像上のオブジェクト認識を実施するように構成することができる。いくつかの実施例では、船舶120は、海洋船の船体にペイントされた識別可能なマークなど、海洋船上のマークを認識するように構成された撮像システムを含むことができる。
【0062】
いくつかの実施例では、船舶120及び海洋船110は、例えば、それぞれの無線通信モジュールを介して通信することができる。例えば、海洋船110は、その現在のGPS場所、速度、及び船首方位を船舶120に通信することができる。海洋船110はまた、船舶120に、電力供給装置210の現在の電力レベル、電力供給装置210の最大電力レベル、電力供給装置210の充電ポートの場所、電力供給装置210の充電ポートのタイプ、及び/又は他の情報を示す情報を通信することができる。
【0063】
船舶120がランデブーポイント122まで航行した後、船舶120は、海洋船110との定位置につくことができる。例えば、船舶120は、指定された許容差内で、特定の範囲で海洋船110の後方に船舶120自体を位置決めすることができる。いくつかの実施例では、船舶120は、指定された許容差内で、特定の範囲で海洋船110の真横に船舶120自体を位置決めすることができる。範囲は、例えば、約30メートル、約40メートル、約50メートルなどであり得る。
【0064】
船舶120は、海洋船110との定位置につくと、海洋船110との定位置を保持することができる。海洋船110との定位置を保持することは、海洋船110が航路111に沿って水域101を通って移動する際に、船舶120と海洋船110との間の一貫した相対位置を維持することを含むことができる。船舶120は、例えば、1つ以上のセンサからのセンサデータに基づいて、海洋船110との一貫した相対位置を維持することができる。センサは、例えば、レーダ距離センサ、ライダセンサ、画像センサ、ソナーセンサなどを含むことができる。
【0065】
船舶120は、船舶の第1の連結機構を海洋船の第2の連結機構に結合するように構成された、機械的連結システムを含むことができる。いくつかの実施例では、船舶120は、海洋船110に電気エネルギーを提供する前に、海洋船に機械的に連結することができる。船舶120及び海洋船110は、船舶が海洋船に電気エネルギーを提供している間、機械的に連結されたままであることができる。いくつかの実施例では、海洋船110は、船舶120が海洋船110に電気エネルギーを提供している間に、連結システムを介して船舶120を曳航するように構成されている。いくつかの実施例では、船舶120は、連結システムを介して力がほとんど又は全く伝達されないように、海洋船110との定位置を保持することができる。
【0066】
船舶120は、海洋船110の充電ポートに接続するように構成された放電ポートを含むことができる。海洋船110を充電するために、船舶120は、電力供給装置220の放電ポートを海洋船110の充電ポートに接続する。船舶120の放電ポートが海洋船110の充電ポートに結合されると、船舶120の電力供給装置220は、海洋船110の電力供給装置210と電気的に導通する。船舶120の電力供給装置220は、海洋船の電力供給装置210を充電する。いくつかの実施例では、放電ポートは、船舶120から海洋船110まで延在するケーブル102を含むことができ、又はそれに接続することができる。いくつかの実施例では、ケーブル102は、機械的連結システムに結合することができる。
【0067】
船舶120は、船舶120の電力供給装置220から海洋船110に電気エネルギーを提供することができる。船舶120が海洋船110に電気エネルギーを提供するにつれて、電力供給装置220の電力レベルは低下する。電力供給装置210の電力レベルは、船舶120から充電している間に海洋船110によって消費されるエネルギーの量に応じて、増加し得るか、低下し得るか、又は一定に保たれ得る。船舶120は、船舶120の電力供給装置220の電力レベルを監視することができる。いくつかの実施例では、船舶120は、船舶120が海洋船110に電力を提供している間、電力供給装置220の電力レベルをコントローラ230に送信することができる。海洋船110もまた、海洋船の電力供給装置210の電力レベルをコントローラ230に送信することができる。コントローラ230は、船舶120及び海洋船110の両方の電力レベルを追跡することができる。
【0068】
いくつかの実施例では、船舶120が海洋船110に連結されている間、コントローラ230は、第1の船舶が第1の海洋船に電気エネルギーを提供した後に、第1の海洋船に電気エネルギーを提供するように第2の船舶を割り当てることができる。例えば、コントローラ230は、船舶120が海洋船110から接続解除された後に、海洋船110に電気エネルギーを提供するために、第2の船舶、例えば船舶130を選択して割り当てることができる。コントローラ230は、船舶130に、船舶130を海洋船に割り当てる命令を送信することができる。命令は、船舶130を海洋船110とのランデブーポイント132まで航行させることができる。命令を受信することに応答して、船舶130は、経路131に沿ってランデブーポイント132に移動することができる。
【0069】
コントローラ230は、様々な要因に基づいてランデブーポイント132を選択することができる。いくつかの実施例では、コントローラ230は、第1の船舶が第1の海洋船に電気エネルギーを提供するための持続時間を判定し、持続時間の終わりに、第1の海洋船の場所を予測することができる。例えば、コントローラ230は、船舶120が海洋船110を充電するための持続時間を3時間と判定することができ、3時間の終わりに、海洋船110の場所を予測することができる。コントローラ230は、船舶120及び海洋船110の初期場所に基づいて、かつ船舶120及び海洋船110の速度に基づいて、海洋船110の場所を予測することができる。コントローラ230は、予測された位置に基づいてランデブーポイント132を判定することができる。例えば、ランデブーポイント132は、予測された場所を過ぎた、海洋船の航路111に沿った場所であり得る。
【0070】
いくつかの実施例では、コントローラ230は、船舶120の電力レベル、海洋船110の電力レベル、又はその両方に基づいてランデブーポイント132を選択することができる。一実施例として、船舶120は、船舶120が最小閾値電力レベルに達するまで、又は海洋船110が最大閾値電力レベルに達するまで、又はそのいずれが最初に起こるまで、海洋船110に電気エネルギーを提供するように構成することができる。船舶120が海洋船110への電気エネルギーの提供を開始するとき、コントローラ230は、船舶120が最小電力レベルに到達するか、又は海洋船110が最大電力レベルに到達するかのどちらが最初に起こるかを予測することができる。
【0071】
船舶120の最小電力レベルは、例えば、20パーセントであり得る。場合によっては、船舶120の最小電力レベルは、海洋船110と充電ステーション150との間の距離に基づくことができる。例えば、船舶120の最小電力レベルは、少なくとも、船舶120が船舶120の現在位置から充電ステーション150の場所へ移動することを可能にする電力レベルであり得る。海洋船110の最大電力レベルは、例えば、100パーセントであり得る。
【0072】
一実施例では、コントローラ230は、船舶120からの3時間の充電後に海洋船110が最大電力レベルに達することを判定する。船舶120及び海洋船110の場所、速度、及び走行方向に基づいて、コントローラ230は、海洋船110が最大電力レベルに達するときの海洋船110及び船舶120の場所を予測することができる。コントローラ230は、海洋船110が最大電力レベルに到達するときの海洋船110及び船舶120の場所に基づいて、ランデブーポイント132を選択することができる。
【0073】
図1の段階(C)では、船舶120が海洋船110から接続解除される。いくつかの実施例では、船舶120は、電力供給装置220の電力レベルが第1の閾値電力レベル、例えば、最小電力レベルまで低下することに応答して、電力供給装置220の放電ポートを海洋船110の充電ポートから接続解除する。いくつかの実施例では、船舶120は、海洋船110の電力供給装置210が最大電力レベルに達することに応答して、海洋船110から接続解除する。いくつかの実施例では、船舶120の制御システムが、船舶120を海洋船110から接続解除することを決定することができる。いくつかの実施例では、コントローラ230は、船舶120、海洋船110、又はその両方の充電状態に基づいて、船舶120に、海洋船110から接続解除する命令を送信することができる。
【0074】
いくつかの実施例では、船舶120は、予定に基づいて海洋船110から接続解除することができる。例えば、コントローラ230は、船舶120が海洋船110から接続解除すべき予定時間を示す命令を船舶120に送信することができる。いくつかの実施例では、コントローラ230は、船舶120が海洋船110から接続解除すべき予定場所を示す命令を船舶120に送信することができる。
【0075】
いくつかの実施例では、コントローラ230は、船舶130の場所に基づいて、海洋船から接続解除する命令を船舶120に送信することができる。例えば、船舶130が海洋船110に対して特定の範囲内に、又はランデブーポイント132に対して特定の範囲内に接近するとき、コントローラ230は、船舶120に、船舶120を海洋船110から接続解除させる命令を送信することができる。
【0076】
船舶120は、海洋船への電力供給装置を放電した後に、第2のモードから第3のモードに移行することができる。第3のモードでは、船舶120は、経路121に沿って自律的に航行して充電ステーション150に戻り、充電ステーション150から電力供給装置を再充電する。いくつかの実施例では、船舶120は、同じ充電ステーション150に戻る代わりに、異なる充電ステーションに移動することができる。例えば、コントローラ230は、船舶120に、船舶120を最も近い利用可能な充電ステーション150に移動させる命令を送信することができる。
【0077】
船舶120が海洋船110から離れた後、海洋船110は、船舶120が海洋船から切り離された場所から船舶130とのランデブーポイント132まで、航路111に沿って独立して走行し得る。
【0078】
図1の段階(D)では、船舶130は、海洋船110に接続し、海洋船を充電する。ランデブーポイント132において、船舶130は、海洋船110に接近し、海洋船110との定位置につく。船舶130は、ケーブル103を介して海洋船110の充電を始める。
【0079】
図1の段階(E)では、船舶120は、充電ステーション150から再充電する。船舶120は、充電ステーション150に自律的にドッキングし、船舶120の電力供給装置220の充電ポートを充電ステーション150の放電ポートに接続することができる。電力供給装置220の充電ポートは、例えば、ケーブル104を介して、充電ステーション150の放電ポートに接続することができる。
【0080】
船舶120が充電ステーション150から充電すると、船舶120は、電力供給装置の電力レベルを監視することができる。船舶120が、電力供給装置の電力レベルが第2の閾値電力レベルまで上昇したと判定すると、船舶120は、電力供給装置の充電ポートを充電ステーションの放電ポートから接続解除することができる。
【0081】
いくつかの実施例では、船舶120は、別の船舶から再充電することができる。例えば、船舶130は、充電ステーション150から充電した後、船舶120を充電することができる。このようにして、船舶120は、充電ステーションまでずっと走行することなく再充電することができる。いくつかの実施例では、船舶130は、船舶120が充電ステーション150まで走行することを可能にする充電レベルまで、船舶120を部分的に充電することができる。船舶120が充電ステーション150に到着すると、充電ステーション150は、船舶120を完全に充電することができる。船舶120は、充電ステーション150から電力供給装置を再充電した後に、第3のモードから第1のモードに移行するように構成されている。第1のモードでは、船舶120は、海洋船に電気エネルギーを提供するための別の割り当てを待機する。
【0082】
図3は、例示的な船舶120のブロック図である。船舶120は、制御システム310と、操縦システム350と、電力供給装置220と、連結システム380とを含む。制御システム310、操縦システム350、電力供給装置220、及び連結システム380は各々、コグニティブコンピューティングインターフェース390に通信可能に接続される。インターフェース390は、制御システム310、操縦システム350、電力供給装置220、及び連結システム380の各々との間でデータを送受信するように構成されている。インターフェース390は、制御システム310、操縦システム350、電力供給装置220、及び連結システム380の各々の間の通信を容易にする。
【0083】
船舶120が水中を通って移動するとき、船舶120の制御システム310は、船舶120の操縦システム350を制御することができる。船舶120の操縦システム350は、電気モータ322、プロペラ324、空気タンク326、バラストタンク328などを含むことができる。船舶120の操縦システム350は、船舶120の走行方向、船舶120の深さなどを制御することができる。例えば、操縦システム350は、船舶120を障害物の周囲で航行させたり、船舶120を潜水及び浮上させたり、船舶120の物理的構成を変更したりするなど、制御することができる。
【0084】
制御システム310は、船舶120に関連付けられたセンサ320からデータ読み取り値を受信することができる。いくつかの実施例では、これらのデータ読み取り値は、リアルタイムで受信される。データは、船舶120の場所、水温、水塩分、水圧、障害物などの、船舶120を取り囲む環境パラメータの読み取り値を含むことができる。いくつかの実施例では、センサ320は船舶120に結合される。例えば、センサ320は、船舶120の外側に結合することができ、船舶120と共に走行することができる。いくつかの実施例では、センサ320は、船舶120に近接して位置する。例えば、センサは、船舶120の予想経路に沿って配置することができる。
【0085】
いくつかの実施例では、制御システム310は、コントローラ230から航行命令を受信することができる。いくつかの実施例では、制御システム310は、コントローラ230からの入力に基づいて、航行命令を生成することができる。例えば、コントローラ230は、目的場所を制御システム310に送信することができる。次に、制御システム310は、船舶120を現在場所から目的場所に移動させる航行命令を生成することができる。
【0086】
航行命令に基づいて、制御システム310は、船舶120の操縦システム350を制御して、航行命令に従って船舶120を航行させることができる。例えば、制御システム310は、操縦システム350を制御して、船舶120を海洋船110とのランデブーポイント122まで航行させることができる。
【0087】
制御システム310は、航行命令に従って船舶120を制御することができる。航行命令は、深さ314、船首方位316、場所318などを含むことができる。例えば、航行命令は、船舶120の新たな深さを含むことができる。制御システム310は、水柱内で船舶120を上昇又は下降させるために、新たな深さに基づいて操縦システム350を制御することができる。
【0088】
いくつかの実施例では、制御システム310は、センサ320からデータ読み取り値をリアルタイムで受信し、航行命令をリアルタイムで判定することができる。例えば、制御システム310は、雷、ハリケーン、熱帯性暴風雨、竜巻、津波などの気象条件を示すデータ読み取り値を受信し得る。気象条件を示すデータに基づいて、制御システム310は、ハリケーンから離れるように船舶120を操舵するか、又は暴風雨による船舶120への衝撃を低減する深さまで潜水するための新たな航行命令を判定することができる。
【0089】
いくつかの実施例では、センサ320からの読み取り値は、船、瓦礫、岩礁、海岸線、養殖場などの障害物を示すことができる。例えば、制御システム310は、船舶120が岩礁内に航行しようとしていることを示すデータ読み取り値をセンサ320から受信し、船舶120を岩礁から離れるように操舵するための新たな航行命令を判定することができる。
【0090】
深さ314は、船舶120の水中の深さを示す。深さ314は、水面、海底などからの深さとして測定することができる。深さ314は、制御システム310によって判定され、水中で船舶120を航行させるように操縦システム350を制御するために使用される。いくつかの実施例では、深さ314は、センサ320を使用して制御システム310によって判定される。例えば、制御システム310は、船舶の現在の船首方向とは反対の方向の強い海流の境界を判定し、船舶120が5フィートの深さで沈んだ場合に、船舶は強い海流から外れるように操舵することができるであろうと判断することができる。
【0091】
制御システム310は、機械学習モデルを使用することができる。これらのモデルは、カメラ及び/又は他のセンサによって収集されたセンサデータを入力として受け入れるモデルであり得る。機械学習モデルは、決定木、線形回帰モデル、ロジスティック回帰モデル、ニューラルネットワーク、分類器、サポートベクタマシン、帰納論理プログラミング、モデルのアンサンブル(例えば、バギング、ブースティング、ランダムフォレストなどの技法を使用する)、遺伝的アルゴリズム、ベイジアンネットワークなどの様々なモデルのうちのいずれかを使用し得、かつ深層学習、パーセプトロン、アソシエーションルール、帰納論理、クラスタリング、最大エントロピー分類、学習分類などの様々な手法を使用して訓練することができる。いくつかの実施例では、機械学習モデルは教師あり学習を使用し得る。いくつかの実施例では、機械学習モデルは教師なし学習を使用する。
【0092】
通信システムは、船舶120の場所、電力供給装置の電力レベルなどに関するデータを伝送するネットワークを含む。通信システムは、有線接続又は無線接続であり得る。例えば、通信システムは、電力供給装置の電力レベルデータを海洋船110と共有するために、セルラネットワーク又は衛星ネットワークなどの無線ネットワークを介して実装することができる。通信システムは、船舶120が、様々な船舶の電力供給レベルを監視及び予測する中央制御センターなどのシステムと通信することを可能にする。
【0093】
船首方位316は、船舶120の運動の方向を示す。船首方位316は、制御システム310によって判定することができ、水中で船舶120を航行させるように操縦システム350を制御するために使用することができる。いくつかの実施例では、船首方位316は、センサ320からのデータに基づいて制御システム310によって設定される。例えば、制御システム310は、船舶120の走行の針路に沿ったハリケーンの場所を判定し、船舶120が北に向かって3度だけ船首方位を変更した場合に、船舶がハリケーンの周りを操舵することができるであろうと判定することができる。
【0094】
場所318は、船舶120の現在場所、目的場所、又はその両方を含むことができる。場所318は、グローバル座標、住所などを含むことができる。場所318は、制御システム310によって判定され、水中で船舶120を航行させるように操縦システム350を制御するために使用することができる。いくつかの実施例では、場所318は、センサ320からのデータを使用して制御システム310によって判定される。
【0095】
インターフェース390は、制御システム310によって判定された航行命令が操縦システム350を制御するために使用されるように、制御システム310及び操縦システム350にデータを送信並びにそれらからデータを受信するように構成されている。
【0096】
制御システム310は、船舶120の垂直運動及び位置決めを指示することができる。制御システム310は、船舶120の他の動きの中でもとりわけ、水柱内の船舶120の深さ、水域101内の船舶120の速度、並びに水域101内の船舶120の上昇及び/又は降下を制御することができる。制御システム310は、操縦システム350のための制御信号を生成することによって、船舶120の運動及び位置決めを制御することができる。
【0097】
制御システム310は、船舶120を操舵するために操縦システム350を制御する。制御システム310は、操縦システム350に通信可能に結合される。いくつかの実装形態では、制御システム310は、環境的に封止された導管内の通信バスを介して操縦システム350に結合される。いくつかの実装形態では、制御システム310は、RF、音波伝送、電磁誘導などの様々な無線通信方法を介して、制御信号を操縦システム350に無線で送信する。
【0098】
制御システム310は、水を通る経路及び操縦システム350のための対応する制御信号をローカルに判定することができる。いくつかの実装形態では、制御システム310は、センサ及び通信インターフェース312に通信可能に結合され、センサ及び通信インターフェース312によって収集されたデータを使用して航行させる。いくつかの実装形態では、制御システム310は、環境的に封止された導管内の通信バスを介してセンサ及び通信インターフェース312に結合される。いくつかの実装形態では、制御システム310は、RF、音波伝送、電磁誘導などの様々な無線通信方法を介して、センサ及び通信インターフェース312からセンサデータを無線で受信する。
【0099】
いくつかの実装形態では、制御システム310は、センサ及び通信インターフェース312を介して、遠隔サーバ、例えば、コントローラ230と通信して、新たな船首方位を受信する。例えば、センサ及び通信インターフェース312は、船舶120の位置データを遠隔サーバに送信することができ、遠隔サーバは、データを処理し、新たな船首方位を制御システム310に送信する。制御システム310は、新たな船首方位を受信し、データを処理し、操縦システム350のための更新された制御信号を生成することができる。いくつかの実装形態では、制御システム310は、操縦システム350のための新たな制御信号を受信するために、センサ及び通信インターフェース312を介して遠隔サーバと通信する。
【0100】
いくつかの実装形態では、制御システム310は、遠隔サーバと通信することなく、操縦システム350のための更新された制御信号をローカルに生成することができる。例えば、制御システム310は、センサ及び通信インターフェース312からデータを受信し、新たな船首方位を判定するためにデータを処理し、操縦システム350のための更新された制御信号を生成することができる。いくつかの実装形態では、制御システム310は、GPSを使用せずに船舶120に航行信号を提供することができる。例えば、制御システム310は、センサ及び通信インターフェース312によって収集された位置データを使用して、船舶120を航行させることができる。
【0101】
操縦システム350は、制御システム310を含む複数のソースからの入力を受信する。例えば、操縦システム350は、制御システム310から制御信号を受信することができる。いくつかの実施例では、操縦システム350は、制御システム310によって判定された1つ以上の航行命令を受信し、操縦システム350の構成要素を制御する制御信号を判定することができる。いくつかの実施例では、コグニティブコンピューティングインターフェース390は、制御システム310によって判定された1つ以上の航行命令を受信し、操縦システム350のための制御信号を判定する。
【0102】
いくつかの実施例では、操縦システム350は、操縦システム350の全ての構成要素を制御するコントローラを含む。例えば、操縦システム350は、電気モータ322、プロペラ324、空気タンク326、及びバラストタンク328の各々に制御信号を送信する中央コントローラを含むことができる。いくつかの実施例では、操縦システム350は、操縦システム350の各構成要素のためのコントローラを含む。例えば、操縦システム350は、電気モータ322、プロペラ324、空気タンク326、及びバラストタンク328の各々に制御信号を送信する別個のコントローラを含むことができる。
【0103】
いくつかの実装形態では、操縦システム350は、プロペラ324のセットを含む。いくつかの実装形態では、プロペラは、船舶120が操舵されること、並びに深さを変更することを可能にする2つのオフセットプロペラ324である。プロペラ324は、船舶120の外側に位置決めすることができ、船舶120を水中で推進するように制御される。いくつかの実施例では、プロペラは、独立して制御することができる。いくつかの実施例では、プロペラは、船舶120を操舵するように操縦システム350によって制御される。プロペラは、船舶120の方向、速度などを変化させるように制御することができる。いくつかの実施例では、操縦システムは、船舶120の走行の方向を制御するための1つ以上の方向舵を含むことができる。
【0104】
プロペラ324は、制御システム310によって判定された1つ以上の航行命令に基づいて、操縦システム350によって制御することができる。例えば、コグニティブコンピューティングインターフェース390は、制御システム310によって判定された1つ以上の航行命令を受信し、プロペラ324のための制御信号を生成することができる。いくつかの実施例では、操縦システム350は、1つ以上の航行命令を受信し、プロペラ324のための制御信号を生成することができる。
【0105】
空気タンク326は、船舶120から水を噴出させるために使用される、空気で満たされたタンクであり得る。いくつかの実施例では、空気タンク326は、バラストタンク328から水を押し出す圧縮空気を収容する。空気タンク326は、船舶120のバルブを通して水を押して、船舶120の浮力を増加させることができる。いくつかの実施例では、空気タンク326は、制御システム310によって判定された1つ以上の航行命令に基づいて、操縦システム350によって制御することができる。例えば、空気タンク326は、船舶120の深さを減少させる深さの変化に基づいて、バラストタンク328から水を押し出すように制御することができる。
【0106】
バラストタンク328は、船舶に安定性を提供するために水を保持する船舶120内の1つ以上の区画を含むことができる。いくつかの実施例では、バラストタンク328は、制御システム310によって判定された1つ以上の航行命令に基づいて、操縦システム350によって制御することができる。例えば、バラストタンク328は、制御システム310によって判定された深さ314が船舶120の深さの増加を必要とする場合、船舶120の浮力を減少させるために水でポンピングすることができる。いくつかの実施例では、船舶の一部に位置するバラストは、船舶のその部分の深さを増加させるために水で満たすことができるが、船舶の他の部分は深さを変化させない場合がある。このようにして、バラストタンク328は、船舶120を傾斜又は回転させるために使用することができる。
【0107】
電力供給装置220は、バッテリバンク374を含む。バッテリバンクは、数十、数百、又は数千ものバッテリを含むことができる。バッテリは、例えば、鉛バッテリ、リチウムイオンバッテリ、燃料電池などを含むことができる。いくつかの実施例では、電力供給装置220は、船舶120の自己推進のための第1のバッテリのセットを含み、海洋船を充電するための第2のバッテリのセットを含む。いくつかの実施例では、バッテリの代わりに、又はバッテリに加えて、電力供給装置220は電気モータを含むことができる。船舶120は、バッテリを充電することに加えて、又はその代わりに、電気モータに直接電力を供給することができる。
【0108】
電力供給装置220は、冷却システム376を含む。冷却システム376は、バッテリバンク274の周りに冷却剤を循環させるシステムを含むことができる。例えば、電力供給装置220は、バッテリバンクのバッテリ間にチャネルを含むことができる。冷却剤は、チャネルを通して循環させることができる。いくつかの実施例では、冷却システム376を通って流れる冷却剤は海水である。いくつかの実施例では、冷却システム376を通って流れる冷却剤は、淡水などの流体であり、その次に海水によって冷却される。冷却剤は、例えば、循環ポンプを使用して循環させることができる。いくつかの実施例では、冷却システム376は、水域101から船舶120内に海水を汲み上げるための汲み上げシステムを含むことができる。次いで、汲み上げられた海水は、バッテリバンク374を直接又は間接的に冷却する。バッテリバンク376は、バッテリを冷却剤から保護するために保護カバー内に封入することができる。
【0109】
電力供給装置220は、再充電ポート362及び放電ポート372を含む。再充電ポート362は、それを介して、例えば、充電ステーション150によってバッテリバンク374を再充電することができるポートである。放電ポート372は、それを介してバッテリバンク274が別の船の電力供給装置に電気エネルギーを提供することができるポートである。例えば、電気エネルギーは、バッテリバンク274から放電ポート372を介して、海洋船110、船舶130、ドローン140、及び/又は別の船若しくはデバイスの電力供給装置に伝達することができる。
【0110】
いくつかの実施例では、放電ポート372は、海洋船110の充電ポートに結合することができるケーブル、例えば、ケーブル102に電気エネルギーを出力する。いくつかの実施例では、ケーブル102は、船舶120から海洋船110まで喫水線より上に延在することができる。いくつかの実施例では、ケーブル102は、耐水性を有することができ、船舶120から海洋船110まで喫水線より下に延在することができる。ケーブル102は、電力供給装置220から電力供給装置210に電気エネルギーを伝導することができる。いくつかの実施例では、ケーブル102は、船舶120から海洋船110にデータを転送するための1つ以上の導管を含むことができる。導管は、船舶120の制御システム310と海洋船110の制御システムとの間の通信のために使用することができる。
【0111】
いくつかの実施例では、ケーブル102は、連結システム380に接続され、かつ/又は連結システム380によって支持することができる。連結システム380は、連結機構382と、連結アクチュエータ384と、位置合わせセンサ386とを含む。連結システム380は、船舶120を1隻の海洋船110又は複数の海洋船110と機械的に結合するために使用することができる。連結機構382は、例えば、ピン、スロット、締結具、ラッチ、ボルト、磁石、クランプ、フック、ブーム、漏斗、プローブ、ドローグ、曳航索などの任意の組み合わせを含むことができる。連結機構382は、連結アクチュエータ384によって動作させることができる。例えば、連結アクチュエータ384は、連結機構382を海洋船110の連結機構に装着するモータを含むことができる。
【0112】
いくつかの実施例では、連結機構382は、自動ブームシステムであり得る。ブームシステムは、スタビライザを備えた剛性の入れ子式ブーム又はチューブを含むことができる。連結アクチュエータ384は、ブームを船舶120から海洋船110に延在させて、ブームを海洋船110の充電ポートに挿入することができる。いくつかの実施例では、充電ケーブルをブームに接続することができる。したがって、ブームが海洋船110に機械的に接続されると、充電ケーブル、例えば、ケーブル102は、電力供給装置210を充電するために、電力供給装置220を電力供給装置210に接続する。いくつかの実施例では、ブームは、多くの自由度を有する動的に移動するブームである。したがって、ブームは、船舶120と海洋船110との間でブームを介してほとんど又は全く力を伝達しないように、波の動きを補償するように調整することができる。
【0113】
いくつかの実施例では、連結機構382は、張力下で船舶120と海洋船110との間に懸架することができるワイヤ又は構造ケーブルを含むことができる。例えば、ワイヤは、例えば、自動索発射銃を使用して、船舶120から海洋船110に投射することができる。ワイヤが海洋船110に接続されると、連結アクチュエータ384は、ワイヤに張力を印加することができる。張られたワイヤは、船舶120が海洋船110を充電する間、海洋船110と船舶120との間に架かる電気ケーブル、例えば、ケーブル102を支持することができる。
【0114】
いくつかの実施例では、連結機構382は、曳航索を含むことができる。曳航索は、船舶120と海洋船110との間に延在することができる。場合によっては、船舶120が海洋船110を充電する間、船舶120は、曳航索を使用して船舶120の後ろで海洋船110を曳航することができる。場合によっては、船舶120が海洋船110を充電している間、海洋船110は、曳航索を使用して、船舶120を海洋船110の後ろで曳航することができる。
【0115】
いくつかの実施例では、連結機構382は、船舶120と複数の異なるタイプの船との間の機械的結合を可能にすることができる標準化された連結機構である。例えば、連結機構382は、船舶120と船舶130との間、船舶120と海洋船110との間、及び船舶120と充電ステーション150との間の機械的結合を可能にすることができる。
【0116】
いくつかの実施例では、連結アクチュエータ384は、コグニティブコンピューティングインターフェースを介して制御システム310から制御信号を受信することができる。例えば、制御システム310は、連結アクチュエータ384に制御信号を送信して、連結アクチュエータ384に、連結機構382を海洋船に向かって延在させるか又は連結機構382を海洋船110から後退させることができる。また、制御システム310は、連結アクチュエータに制御信号を送信して、連結アクチュエータ384に、連結機構382を海洋船110の対応する連結機構に接続させるか又は連結機構382を海洋船110の対応する連結機構から接続解除させることができる。いくつかの実施例では、連結アクチュエータ384は、力フィードバックループを使用して、荒海において低力接続を維持することができる。
【0117】
いくつかの実施例では、センサ320は、例えば、強風、荒海などの気象条件の変化を検出し得る。危険な気象条件を検出することに応答して、制御システム310は、連結アクチュエータ384に海洋船の連結機構から連結機構382を係合解除させる制御信号を、連結アクチュエータ384に送信することができる。いくつかの実施例では、連結機構382は、負荷制限接続である。連結機構382が許容負荷レベルを超える力又は負荷を受ける場合、連結機構382は、海洋船110から係合解除し後退することができる。
【0118】
位置合わせセンサ386は、船舶120を海洋船110と位置合わせするために使用することができる。位置合わせセンサ386によって生成されたデータは、海洋船110を検出し、船舶120と海洋船110との間の相対位置を判定するために使用することができる。例えば、位置合わせセンサは、海洋船110の存在を検出し、海洋船110の相対位置及び近接度を判定することができる1台以上のカメラ又はソナーセンサを含むことができる。
【0119】
いくつかの実施例では、制御システム310は、位置合わせセンサ386からのセンサデータに基づいて操縦システム350を制御することができる。例えば、制御システム310は、海洋船110が、連結のための閾値近接度よりも大きい船舶120からの近接度に位置決めされていることを示すセンサデータを、位置合わせセンサ386から受信することができる。制御システム310は、操縦システム350を制御して、船舶120を海洋船110のより近くに動かして、連結機構382を海洋船110の対応する連結機構と位置合わせさせることができる。位置合わせセンサ386からのデータが、海洋船110が閾値近接度内に位置決めされていること、及び連結機構が位置合わせされていることを示すとき、制御システムは、連結機構382を海洋船110の連結機構に連結させるように連結アクチュエータ384を制御することができる。
【0120】
いくつかの実施例では、制御システム310は、通信インターフェース312を使用して海洋船110と通信することができる。例えば、船舶120が海洋船110に接近すると、船舶120の制御システムは、それぞれの連結機構を位置合わせするために海洋船110と通信することができる。
【0121】
いくつかの実施例では、各船舶120のコントローラ230又は制御システム310は、船舶120の連結機構を海洋船110の連結機構と位置合わせするために、それぞれの操縦システムを制御することができる。例えば、コントローラ又は制御システム310は、位置合わせ基準に従って船舶120を海洋船110と位置合わせすることを決定することができる。
【0122】
位置合わせ基準は、例えば、船舶120と海洋船110との間の最大閾値近接度、船舶120と海洋船110との間の最大オフセット角などを含むことができる。例えば、船舶120は、船舶120が海洋船110に対して最大閾値近接度内にあること、船舶120及び海洋船110の両方が最大閾値速度未満の速度で水中を走行すること、船舶120と海洋船110との間のオフセット角が最大オフセット角未満であることなどによって、位置合わせ基準を満たし得る。
【0123】
船舶120が位置合わせ基準を満たすと、船舶の制御システムは、それぞれの連結システムを制御して、船舶120の連結機構を海洋船110の連結機構に連結させることができる。
【0124】
図4は、自律航海電力補給船舶を制御するための例示的なプロセス400のフロー図である。簡単に言えば、プロセス400は、海洋船に電気エネルギーを提供するための割り当てを待機すること(402)と、海洋船に電気エネルギーを提供するための割り当てを受信すること(404)と、海洋船との定位置を保持すること(406)と、電力供給装置から海洋船に電気エネルギーを提供すること(408)と、電力供給装置を再充電すること(410)と、を含む。
【0125】
より詳細には、プロセス400は、海洋船に電気エネルギーを提供するための割り当てを待機すること(402)を含む。例えば、図1の段階(A)では、船舶120は割り当てを待機する。船舶120は、充電ステーション150から自身の電力供給装置を充電している間、又は充電ステーション150から自身の電力供給装置を充電した後、割り当てを待機することができる。
【0126】
プロセス400は、海洋船に電気エネルギーを提供するための割り当てを受信すること(404)を含む。例えば、図1において、船舶120は、海洋船110に電気エネルギーを提供する割り当てを受信する。海洋船は、航路111に沿って走行している。割り当てを受信することに応答して、船舶120は、経路121に沿ってランデブーポイント122に移動する。
【0127】
プロセス400は、海洋船との定位置を保持すること(406)を含む。例えば、ランデブーポイント122に到着すると、船舶120は、海洋船110との定位置につき、海洋船110との定位置を保持する。船舶120は、海洋船110に対する一貫した位置を維持するために、海洋船110の針路及び速度を一致させることによって、海洋船110との定位置を保持することができる。一貫した位置とは、例えば、海洋船110の船尾又は真横の位置であり得る。
【0128】
プロセス400は、電力供給装置から海洋船に電気エネルギーを提供すること(408)を含む。例えば、船舶120は、電力供給装置220から海洋船110に電気エネルギーを提供する。船舶120は、ケーブル102を介して、電力供給装置220を海洋船110の電力供給装置210に電気的に結合することができる。船舶120は、海洋船110が最大閾値電力レベルに達するまで、又は船舶120が最小閾値電力レベルに達するまで、海洋船110を充電することができる。
【0129】
プロセス400は、電力供給装置を再充電すること(410)を含む。例えば、海洋船110を充電した後、船舶120は、経路121に沿って充電ステーション150に自律的に戻る。船舶120は、充電ステーションから電力供給装置220を充電するために、再充電ポートを充電ステーション150に接続する。船舶120は、電力供給装置が最大閾値電力レベルに達するまで、電力供給装置220を充電することができる。
【0130】
いくつかの実装形態について記載してきた。それにもかかわらず、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な修正が行われ得ることが理解されるであろう。例えば、上で示されたフローの様々な形態は、ステップが再順序付けされ、追加され、又は除去されて使用され得る。
【0131】
本明細書に記載される機能的動作は、デジタル電子回路において、又はコンピュータソフトウェア、ファームウェア、若しくは本明細書で開示された船舶及びそれらの構造的均等物を含むハードウェアにおいて、又はそれらのうちの1つ以上の組み合わせで、実装され得る。開示された技法は、1つ以上のコンピュータプログラム製品、すなわち、データ処理装置による実行又はデータ処理装置の動作を制御するためにコンピュータ可読媒体上に符号化されたコンピュータプログラム命令の1つ以上のモジュールとして実装され得る。コンピュータ可読媒体は、機械可読記憶デバイス、機械可読記憶基板、メモリデバイス、機械可読伝搬信号に影響を及ぼす組成物、又はそれらのうちの1つ若しくは複数の組み合わせであり得る。コンピュータ可読媒体は、非一時的コンピュータ可読媒体であり得る。用語「データ処理装置」は、例としてプログラマブルプロセッサ、コンピュータ、又は複数のプロセッサ若しくはコンピュータを含む、データを処理するための全ての装置、デバイス、及び機械を包含する。装置は、ハードウェアに加えて、問題のコンピュータプログラムのための実行環境を作成するコード、例えば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム、又はそれらのうちの1つ以上の組み合わせを構成するコードを含み得る。伝搬信号は、人工的に生成された信号、例えば、好適な受信機装置への送信のために情報を符号化するために生成された機械生成電気信号、光信号、又は電磁信号である。
【0132】
(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、スクリプト、又はコードとしても知られる)コンピュータプログラムは、コンパイラ型言語若しくはインタープリタ型言語を含む、任意の形態のプログラミング言語で書かれ得、スタンドアロンプログラムとして、又はモジュール、構成要素、サブルーチン、若しくはコンピューティング環境での使用に好適な他のユニットとして、を含む、任意の形態で展開され得る。コンピュータプログラムは、必ずしもファイルシステム内のファイルに対応する必要はない。プログラムは、他のプログラム若しくはデータ(例えば、マークアップ言語文書に記憶された1つ以上のスクリプト)を保持するファイルの一部分内に、問題のプログラム専用の単一ファイル内に、又は複数の調整されたファイル(例えば、1つ以上のモジュール、サブプログラム、若しくはコードの一部分を記憶するファイル)内に、記憶され得る。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上で、又は1つのサイトに位置するか若しくは複数のサイトにわたって分散され、通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータ上で実行されるように展開され得る。
【0133】
本明細書に記載されるプロセス及び論理フローは、入力データに対して動作し、出力を生成することによって機能を実施するために、1つ以上のコンピュータプログラムを実行する1つ以上のプログラマブルプロセッサによって実施され得る。プロセス及び論理フローはまた、専用論理回路、例えば、FPGA(field programmable gate array、フィールドプログラマブルゲートアレイ)又はASIC(application specific integrated circuit、特定用途向け集積回路)によって実施され得、装置はまた、専用論理回路、例えば、FPGA又はASICとして実装され得る。
【0134】
コンピュータプログラムの実行に適したプロセッサは、例として、汎用マイクロプロセッサ及び専用マイクロプロセッサの両方、並びに任意の種類のデジタルコンピュータの任意の1つ以上のプロセッサを含む。概して、プロセッサは、読み出し専用メモリ若しくはランダムアクセスメモリ又はその両方から命令及びデータを受信する。コンピュータの必須要素は、命令を実施するためのプロセッサ、並びに命令及びデータを記憶するための1つ以上のメモリデバイスである。概して、コンピュータはまた、データを記憶するための1つ以上の大容量記憶デバイス、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、又は光ディスクを含むか、又は1つ以上の大容量記憶デバイスからデータを受信するか若しくは1つ以上の大容量記憶デバイスにデータを転送するか、又はその両方を行うように動作可能に結合される。しかしながら、コンピュータは、そのようなデバイスを有する必要はない。更に、コンピュータは、別のデバイス、例えば、ほんの数例を挙げると、タブレットコンピュータ、モバイル電話、携帯情報端末(personal digital assistant、PDA)、モバイルオーディオプレーヤ、全地球測位システム(GPS)受信機に組み込まれ得る。コンピュータプログラム命令及びデータを記憶するのに適したコンピュータ可読媒体は、例として、半導体メモリデバイス、例えば、EPROM、EEPROM、及びフラッシュメモリデバイスを含む、全ての形態の不揮発性メモリ、媒体、及びメモリデバイスと、磁気ディスク、例えば、内蔵ハードディスク又はリムーバブルディスクと、光磁気ディスクと、CD-ROM及びDVD-ROMディスクと、を含む。プロセッサ及びメモリは、専用論理回路によって補完され得るか、又は専用論理回路に組み込まれ得る。
【0135】
ユーザとの対話を提供するために、開示された技法は、ユーザに情報を表示するためのディスプレイデバイス、例えば、CRT(cathode ray tube、陰極線管)又はLCD(liquid crystal display、液晶ディスプレイ)モニタ、並びにキーボード及びポインティングデバイス、例えば、ユーザがコンピュータに入力を提供し得るマウス若しくはトラックボールを有するコンピュータ上に実装され得る。他の種類のデバイスを使用して、ユーザとの対話を提供し得る。例えば、ユーザに提供されたフィードバックは、任意の形態の感覚フィードバック、例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、又は触覚フィードバックであり得、ユーザからの入力は、音響、音声、又は触覚入力を含む任意の形態で受信され得る。
【0136】
実装形態は、例えば、データサーバとしてバックエンド構成要素を含むか若しくはミドルウェア構成要素、例えば、アプリケーションサーバを含む、又はフロントエンド構成要素、例えば、グラフィカルユーザインターフェース、若しくはユーザが開示された技法の実装形態と対話し得るウェブブラウザ、又は1つ以上のそのようなバックエンド構成要素、ミドルウェア構成要素、若しくはフロントエンド構成要素の任意の組み合わせを含む、コンピューティングシステムを含み得る。システムの構成要素は、デジタルデータ通信の任意の形態又は媒体、例えば、通信ネットワークによって相互接続され得る。通信ネットワークの例は、無線通信ネットワーク、ローカルエリアネットワーク(local area network、「LAN」)及びワイドエリアネットワーク(wide area network、「WAN」)、例えば、インターネットを含む。
【0137】
コンピューティングシステムは、クライアント及びサーバを含み得る。クライアント及びサーバは概して互いに離れており、典型的には通信ネットワークを介して対話する。クライアント及びサーバの関係は、それぞれのコンピュータ上で実行され、互いにクライアント-サーバ関係を有するコンピュータプログラムによって生じる。
【0138】
本明細書は多くの詳細を包含するが、これらは限定として解釈されるべきではなく、むしろ特定の実装形態に特有の特徴の説明として解釈されるべきである。別個の実装形態の文脈において本明細書に記載されているある特定の特徴はまた、単一の実装形態において組み合わせて実装され得る。逆に、単一の実装形態の文脈で説明されている様々な特徴は、複数の実装形態で別々に、又は任意の適切な部分組み合わせで実装され得る。更に、特徴は、ある特定の組み合わせで作用するものとして上記で説明され、かつ最初にそのように特許請求されることさえあり得るが、請求された組み合わせからの1つ以上の特徴は、場合によっては、組み合わせから削除され得、特許請求された組み合わせは、部分組み合わせ又は部分組み合わせの変形を対象とし得る。
【0139】
同様に、動作は特定の順序で図面に描写されているが、これは、所望の結果を達成するために、そのような動作が示された特定の順序で若しくは連続的な順序で実行されること、又は全ての例示された動作が実行されることを必要とすると理解されるべきではない。ある特定の状況では、マルチタスキング及び並列処理が有利であり得る。更に、上述の実装形態における様々なシステム構成要素の分離は、全ての実装形態においてそのような分離を必要とすると理解されるべきではなく、説明されたプログラム構成要素及びシステムは、概して、単一のソフトウェア製品に一緒に統合され得るか、又は複数のソフトウェア製品にパッケージ化され得ることを理解されたい。
【0140】
以上、特定の実装形態について記載してきた。他の実装形態は、以下の特許請求の範囲内にある。例えば、特許請求の範囲に記載された行動は、異なる順序で実施され得、望ましい結果を依然として達成し得る。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】