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特表2023-543376クイックロックチェンジアセンブリ及びそれを用いたロック装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-16
(54)【発明の名称】クイックロックチェンジアセンブリ及びそれを用いたロック装置
(51)【国際特許分類】
   B60K 1/04 20190101AFI20231006BHJP
【FI】
B60K1/04 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023501833
(86)(22)【出願日】2021-09-17
(85)【翻訳文提出日】2023-01-12
(86)【国際出願番号】 CN2021119184
(87)【国際公開番号】W WO2023039864
(87)【国際公開日】2023-03-23
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 文▲輝▼
(72)【発明者】
【氏名】游 ▲書▼兵
(72)【発明者】
【氏名】黄 ▲海▼▲華▼
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 元和
【テーマコード(参考)】
3D235
【Fターム(参考)】
3D235AA01
3D235BB17
3D235BB24
3D235CC15
(57)【要約】
本願は、外ケースと、クイックチェンジボルトと、ボルト駆動ピンと、弾性部材と、ロック機構と、を含み、外ケースは、内部に中空のキャビティが形成され、クイックチェンジボルトはキャビティ内に配置され、軸方向に移動してキャビティから突出するか又はキャビティに収容され、且つ内部には軸方向に貫通孔が形成され、ボルト駆動ピンは、ボルト嵌合段と、フランジ部と、工具嵌合段と、を含み、ボルト嵌合段は貫通孔にスライド可能に挿入され、且つ貫通孔と嵌合してクイックチェンジボルトをボルト駆動ピンに伴って回転させることができ、フランジ部のクイックチェンジボルトに対向する第1側面は、クイックチェンジボルトを押して軸方向に移動させることができ、弾性部材の両端はそれぞれ外ケースの内側天壁及びフランジ部の第1側面に当接し、ロック機構は外ケースに固定され且つフランジ部の第2側面に当接し、ロック機構に工具嵌合段が延出するための開口が開設され、第2側面と第1側面は反対し、第2側面に第1緩み止め歯が設置され、ロック機構に、第1緩み止め歯と噛み合わせてロック又は分離アンロックすることに適する第2緩み止め歯が設置される、クイックロックチェンジアセンブリを提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外ケースと、クイックチェンジボルトと、ボルト駆動ピンと、弾性部材と、ロック機構と、を含み、
前記外ケースは、内部に中空のキャビティが形成され、
前記クイックチェンジボルトは前記キャビティ内に配置され、且つ内部には軸方向に貫通孔が形成され、前記クイックチェンジボルトが軸方向に移動して前記キャビティから突出するか又は前記キャビティに収容され、
前記ボルト駆動ピンは、ボルト嵌合段と、フランジ部と、工具嵌合段と、を含み、前記ボルト嵌合段は前記貫通孔にスライド可能に挿入するように構成され、且つ前記貫通孔と嵌合して前記クイックチェンジボルトを前記ボルト駆動ピンに伴って回転させることができ、前記フランジ部の前記クイックチェンジボルトに対向する第1側面は、前記クイックチェンジボルトを押して軸方向に移動させるように構成され、
前記弾性部材の両端はそれぞれ前記外ケースの内側天壁及び前記フランジ部の前記第1側面に当接し、
前記ロック機構は前記外ケースに固定され、前記ロック機構は前記フランジ部の第2側面に当接し、前記ロック機構に前記工具嵌合段が延出するための開口が開設され、前記第2側面は前記第1側面の反対側に位置し、
前記フランジ部の前記第2側面に第1緩み止め歯が設置され、前記ロック機構に、前記第1緩み止め歯と噛み合わせてロック又は分離アンロックすることに適する第2緩み止め歯が設置される、クイックロックチェンジアセンブリ。
【請求項2】
前記第1緩み止め歯及び前記第2緩み止め歯は斜形の歯状構造である、請求項1に記載のクイックロックチェンジアセンブリ。
【請求項3】
前記第1緩み止め歯及び前記第2緩み止め歯の傾斜角度は30°~60°である、請求項2に記載のクイックロックチェンジアセンブリ。
【請求項4】
前記クイックチェンジボルトに台形ねじ山が設けられる、請求項1に記載のクイックロックチェンジアセンブリ。
【請求項5】
前記貫通孔は第1貫通孔段及び第2貫通孔段を含み、前記第1貫通孔段の断面は前記第2貫通孔段の断面より小さく、
前記ボルト嵌合段はガイド部及び駆動部を含み、前記ガイド部は前記第1貫通孔段に挿入されて、前記ボルト駆動ピンの挿入をガイドするように構成され、前記駆動部は前記第2貫通孔段に挿入され、前記第2貫通孔段と嵌合するように構成され、前記クイックチェンジボルトを前記ボルト駆動ピンに伴って回転させることができる、請求項1に記載のクイックロックチェンジアセンブリ。
【請求項6】
前記駆動部及び前記第2貫通孔段の断面は多角形であり、又は前記駆動部と前記第2貫通孔段との間はスプライン嵌合である、請求項5に記載のクイックロックチェンジアセンブリ。
【請求項7】
前記外ケースの最上部にボスが形成され、前記ボスの外輪は歯状構造を有する、請求項1に記載のクイックロックチェンジアセンブリ。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載のクイックロックチェンジアセンブリと、ナットアセンブリと、を含み、
前記ナットアセンブリはクイックチェンジナットを含み、前記クイックチェンジナットはナット本体を含み、前記ナット本体内に前記クイックチェンジボルトと嵌合して貫通するねじ孔が開設されるロック装置。
【請求項9】
前記ナットアセンブリは、カバープレートと、ベースと、をさらに含み、
前記カバープレートは前記ベースに固定接続され、前記カバープレートと前記ベースとの間に収容空間が形成され、
前記クイックチェンジナットはさらに前記ナット本体に接続された台面部を含み、前記台面部は収容空間内に配置され、前記ベースに前記ナット本体が延出するための開口が開設され、
前記収容空間は前記クイックチェンジナットが所定の範囲内で移動することを許容するように構成される、請求項8に記載のロック装置。
【請求項10】
前記ベース及び/又は前記カバープレートにフランジが設けられ、前記フランジは前記クイックチェンジナットが前記ベース及び/又は前記カバープレートに対して回転することを制限するために用いられる、請求項9に記載のロック装置。
【請求項11】
前記カバープレートに前記クイックチェンジボルトが延出するための開口が開設される、請求項9に記載のロック装置。
【請求項12】
孔が開設される電池パックビームと、
凹溝が開設される車体ビームと、
請求項8~11のいずれか一項に記載のロック装置と、
を含み、
前記ナットアセンブリは前記車体ビームの凹溝内に固定され、前記クイックロックチェンジアセンブリは前記電池パックビームの孔内に固定される車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、ロック技術分野に関し、より具体的には、電池用クイックロックチェンジアセンブリ及びそれを用いたロック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、新エネルギー自動車の急速な発展に伴い、新エネルギー自動車は世界的に販売台数が増加し続けている。しかしながら、新エネルギー自動車の動力電池は充電時間が長く、一般的には動力電池を迅速に交換する方式を用いて該課題を解決する。このような電池交換モードは、新エネルギー自動車の電池パックをそのまま交換することによってそれに電力供給する目的を達成し、電気エネルギーの迅速な補充を実現することができ、同時に電池のメンテナンス及び耐用年数の延長に役立つ。
【0003】
しかし、現在、電池パックを車体にロックするためのロック装置は、必要とされるスペースが大きい。このため、必要とされるスペースが小さく、優れた締結性能を実現しつつ、信頼性の高い緩み止め構造を備えたロック装置が望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願は、クイックロックチェンジアセンブリ及びそれを用いたロック装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1態様によれば、外ケースと、クイックチェンジボルトと、ボルト駆動ピンと、弾性部材と、ロック機構と、を含み、前記外ケースは、内部に中空のキャビティが形成され、前記クイックチェンジボルトは前記キャビティ内に配置され、且つ内部には軸方向に貫通孔が形成され、前記クイックチェンジボルトが軸方向に移動して前記キャビティから突出するか又は前記キャビティに収容され、前記ボルト駆動ピンはボルト嵌合段と、フランジ部と、工具嵌合段と、を含み、ここで、前記ボルト嵌合段は前記貫通孔にスライド可能に挿入するように構成され、且つ前記貫通孔と嵌合して前記クイックチェンジボルトを前記ボルト駆動ピンに伴って回転させることができ、前記フランジ部の前記クイックチェンジボルトに対向する第1側面は、前記クイックチェンジボルトを押して軸方向に移動させるように構成され、前記弾性部材の両端はそれぞれ前記外ケースの内側天壁及び前記フランジ部の前記第1側面に当接し、前記ロック機構は前記外ケースに固定され、前記ロック機構は前記フランジ部の第2側面に当接し、前記ロック機構に前記工具嵌合段が延出するための開口が開設され、前記第2側面は前記第1側面の反対側に位置し、前記フランジ部の前記第2側面に第1緩み止め歯が設置され、前記ロック機構に、前記第1緩み止め歯と噛み合わせてロック又は分離アンロックすることに適する第2緩み止め歯が設置される、クイックロックチェンジアセンブリを提供する。本願のクイックロックチェンジアセンブリの構造によれば、ロック装置に必要とされる取り付けスペースを大幅に小さくしつつ、優れた締結性能と、信頼性が高い緩みや回転の防止を実現することができる。
【0006】
いくつかの実施例において、前記第1緩み止め歯及び前記第2緩み止め歯は斜形の歯状構造である。斜形の歯状構造の緩み止め歯を用いることにより、クイックチェンジボルトの緩みをより良好に防止することができる。
【0007】
いくつかの実施例において、前記第1緩み止め歯及び前記第2緩み止め歯の傾斜角度は30°~60°である。緩み止め歯の傾斜角度を30°~60°の間に設定することで、緩みや回転を防止する効果を最大限に実現することができる。
【0008】
いくつかの実施例において、前記クイックチェンジボルトに台形ねじ山が設けられる。このような構成により、クイックチェンジボルトの耐用年数を延長することができる。
【0009】
いくつかの実施例において、前記貫通孔は第1貫通孔段及び第2貫通孔段を含み、前記第1貫通孔段の断面は前記第2貫通孔段の断面より小さく、前記ボルト嵌合段はガイド部及び駆動部を含み、前記ガイド部は前記第1貫通孔段に挿入されて、前記ボルト駆動ピンの挿入をガイドするように構成され、前記駆動部は前記第2貫通孔段に挿入され、前記第2貫通孔段と嵌合するように構成され、前記クイックチェンジボルトを前記ボルト駆動ピンに伴って回転させることができる。このような構造により、第1貫通孔段を第2貫通孔段よりも細く開設することができるため、クイックチェンジボルトの剛性を高めることができる。
【0010】
いくつかの実施例において、前記駆動部及び前記第2貫通孔段の断面は多角形であり、又は前記駆動部と前記第2貫通孔段との間はスプライン嵌合である。このような構成により、ボルト駆動ピンによるクイックチェンジボルトの駆動を簡単な方法で実現することができる。
【0011】
いくつかの実施例において、前記外ケースの最上部にボスが形成され、前記ボスの外輪は歯状構造を有する。歯状構造による締まり嵌めを介して、クイックロックチェンジアセンブリの外ケースを電池パックビーム内に圧入して、クイックロックチェンジアセンブリと電池パックビームの迅速な取り付けを実現することができる。
【0012】
第2態様によれば、前記クイックロックチェンジアセンブリと、ナットアセンブリと、を含み、前記ナットアセンブリはクイックチェンジナットを含み、前記クイックチェンジナットはナット本体を含み、前記ナット本体内に前記クイックチェンジボルトと嵌合して貫通するねじ孔が開設されるロック装置を提供する。本願のクイックロックチェンジアセンブリを使用することにより、ロック装置に必要とされる取り付けスペースを大幅に小さくしつつ、優れた締結性能、信頼性が高い緩みや回転の防止を実現することができる。
【0013】
いくつかの実施例において、前記ナットアセンブリはさらにカバープレートと、ベースと、を含み、前記カバープレートは前記ベースに固定接続され、前記カバープレートと前記ベースとの間に収容空間が形成され、前記クイックチェンジナットはさらに前記ナット本体に接続された台面部を含み、前記台面部は収容空間内に配置され、前記ベースに前記ナット本体が延出するための開口が開設され、前記収容空間は前記クイックチェンジナットが所定の範囲内で移動することを許容するように構成される。このような構成により、クイックチェンジボルトの軸線とクイックチェンジナットの軸線が一直線上にない場合、クイックチェンジボルトとクイックチェンジナットをより良好にセンタリングすることができる。
【0014】
いくつかの実施例において、前記ベース及び/又は前記カバープレートにフランジが設けられ、前記フランジは前記クイックチェンジナットが前記ベース及び/又は前記カバープレートに対して回転することを制限するために用いられる。フランジを設けることにより、クイックチェンジボルトとクイックチェンジナットを締め付ける時に、クイックチェンジナットがベース及び/又はカバープレートに対して回転することを防止することができる。
【0015】
いくつかの実施例において、前記カバープレートに前記クイックチェンジボルトが延出するための開口が開設される。このような開口部を設けることにより、ナットアセンブリを異なる長さのクイックチェンジボルトに適合させることを許容することができる。
【0016】
第3態様によれば、電池パックビームと、車体ビームと、前記ロック装置と、を含み、前記電池パックビームは、孔が開設され、前記車体ビームは、凹溝が開設され、前記ナットアセンブリは前記車体ビームの凹溝内に固定され、前記クイックロックチェンジアセンブリは前記電池パックビームの孔内に固定される車両を提供する。このような構成により、ロック装置に必要とされる取り付けスペースをより削減することができる。
【0017】
本願のロック装置によれば、特に、本願のクイックロックチェンジアセンブリによって、クイックロックチェンジに必要とされる取り付けスペースの問題を解決でき、簡便な組み立てと交換を実現し、且つ組み立てと位置合わせが簡単であり、組み立て効率が高い。
【図面の簡単な説明】
【0018】
ここで説明される図面は本願に対する更なる理解を提供するために用いられ、本願の一部を構成し、本願の例示的な実施例及びその説明は本願を解釈するために用いられ、本願に対する不当な限定を構成するものではない。
【0019】
図1】本願のいくつかの実施例に係るロック装置におけるクイックロックチェンジアセンブリの概略分解図である。
図2】本願のいくつかの実施例に係るロック装置におけるナットアセンブリの概略分解図である。
図3】本願のいくつかの実施例に係るクイックロックチェンジアセンブリとナットアセンブリを含むロック装置の断面図である。
図4】本願のいくつかの実施例に係るロック装置のクイックロックチェンジアセンブリとナットアセンブリを、それぞれ電池パックビーム及び車体ビームに取り付ける時の状態を示す概略図である。
図5】クイックロックチェンジアセンブリをナットアセンブリに取り付ける前の状態の断面図である。
図6】本願のいくつかの実施例に係るロック装置を用いて電池パックビームを車体ビームにロックした後の状態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本願の実施例の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下に本願の実施例における図面を参照しながら、本願の実施例における技術的解決手段を明確に説明し、明らかに、説明される実施例は本願の一部の実施例であり、全ての実施例ではない。本願の実施例に基づき、当業者が創造的な労力を要することなく取得した全ての他の実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0021】
別途定義されない限り、本願で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本願の当業者が一般的に理解するものと同じ意味を有する。本願の明細書で使用される用語は、単に具体的な実施例を説明することが目的であり、本願を限定することを意図したものではない。本願の明細書と特許請求の範囲及び上記図面の説明における「含む」及び「有する」という用語及びそれらの任意の類語は、排他的ではないものを意図している。本願の明細書と特許請求の範囲又は上記図面における「第1」、「第2」等の用語は異なる対象を区別するために用いられ、特定の順序又は主従関係を説明するために用いられるものではない。
【0022】
本願における「実施例」への言及は、実施例に関連して説明される特定の特徴、構造又は特性が、本願の少なくとも1つの実施例に含まれ得ることを意味する。本明細書の各所にこの語が出現しても、必ずしも全てが同じ実施例を指すわけではなく、他の実施例と相互に排他的で独立した又は代替的な実施例を指すものでもない。当業者は、本明細書に記載の実施例は他の実施例と組み合わせることができることを明示的かつ暗示的に理解する。
【0023】
本願の記載において説明すべきことは、特に明確に規定及び限定しない限り、「取り付ける」、「つながっている」、「接続」、「取り付け」という用語は広義に理解すべきであり、例えば、固定接続であってもよく、取り外し可能な接続であってもよく、又は一体接続であってもよい。直接つながっていてもよく、中間媒体を介して間接的につながっていてもよく、又は2つの素子内部の連通であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて上記用語の本願における具体的な意味を理解することができる。
【0024】
本願における「及び/又は」という用語は、単に関連対象の関連関係を説明しているに過ぎず、3種類の関係が存在可能であることを示し、例として、A及び/又はBは、Aが単独で存在する、AとBが同時に存在する、Bが単独で存在する、という3つの状況を示すことができる。なお、本願において記号「/」は、一般的に前後の関連対象が「又は」の関係であることを示す。
【0025】
本願に出現する「複数」は2つ以上(2つを含む)を指し、同様に、「複数組」は2組以上(2組を含む)を指し、「複数枚」は2枚以上(2枚を含む)を指す。
【0026】
本願の実施例で言及される電池は、より高い電圧及び容量を提供するために複数の電池セルを含む単一の物理的モジュールを指す。例えば、本願で言及される電池は、電池モジュール又は電池パックなどを含むことができる。
【0027】
本願は、必要とされるスペースが小さく、優れた締結性能を実現しつつ、信頼性の高い緩み止め構造を備えたクイックロックチェンジアセンブリ及びそれを用いたロック装置を提供する。
【0028】
以下に本発明の実施例を、図面を参照しながら、詳細に説明する。
【0029】
本願のロック装置300は、クイックロックチェンジアセンブリ100及びナットアセンブリ200を含む。
【0030】
図1は本願のいくつかの実施例に係るロック装置におけるクイックロックチェンジアセンブリの概略分解図である。図2は本願のいくつかの実施例に係るロック装置におけるナットアセンブリの概略分解図である。図3は本願のいくつかの実施例に係るクイックロックチェンジアセンブリとナットアセンブリを含むロック装置の断面図である。図4は本願のいくつかの実施例に係るロック装置のクイックロックチェンジアセンブリとナットアセンブリを、それぞれ電池パックビーム及び車体ビームに取り付ける時の状態を示す概略図である。図5はクイックロックチェンジアセンブリをナットアセンブリに取り付ける前の状態の断面図である。図6は本願のいくつかの実施例に係るロック装置を用いて電池パックビームを車体ビームにロックした後の状態を示す概略図である。
【0031】
まず、図1及び図3を参照しながら、本願のロック装置300のクイックロックチェンジアセンブリ100の構造について説明する。
【0032】
図1及び図3に示すように、クイックロックチェンジアセンブリ100は外ケース101、クイックチェンジボルト103、弾性部材105、ボルト駆動ピン107及びロック機構109を含む。外ケース101は略円筒形構造をなし、内部に中空のキャビティが形成され、且つ天壁に開口111が形成される。いくつかの実施例において、外ケース101の上部にはさらにボス113が形成され、ボス113の外輪は、後述するように、締まり嵌めによって外ケース101を新エネルギー自動車の電池パックビーム404内に圧入するための歯状構造を有する。
【0033】
クイックチェンジボルト103は該キャビティ内に配置され、開口111を介してキャビティから突出するか又はキャビティ内に収容されるように、軸方向に移動可能に構成される。換言すれば、クイックチェンジボルト103は外ケース101と隙間嵌めを形成する。クイックチェンジボルト103の内部には軸方向に貫通孔301が形成され、後述するボルト駆動ピン107のボルト嵌合段115と嵌合するために用いられる。いくつかの実施例において、クイックチェンジボルト103に台形ねじ山が設けられてもよく、それによってボルトの耐用年数を延長することができる。
【0034】
ボルト駆動ピン107はボルト嵌合段115、フランジ部117、及び工具嵌合段119を含む。ボルト嵌合段115は貫通孔301にスライド可能に挿入され、且つ貫通孔301と嵌合してクイックチェンジボルト103をボルト駆動ピン107に伴って回転させることができるように構成される。フランジ部117のクイックチェンジボルト103に対向する第1側面(図1における上面)は、クイックチェンジボルト103の底部に当接させることができ、これによりクイックチェンジボルト103を取り付ける時に、クイックチェンジボルト103を押して軸方向に移動させることができる。工具嵌合段119は工具と嵌合するように構成され、電池をロックし又は取り外す時に、工具は工具嵌合段119の回転を駆動し、上記ボルト嵌合段115を介してクイックチェンジボルト103の回転を駆動することにより、クイックチェンジボルト103の締め付け又は取り外しを実現する。図示しないが、当業者には理解されるように、例えば、工具嵌合段119は内部に多角形貫通孔が形成されてもよく、工具の先端はそれと嵌合する多角柱形であってもよく、それにより工具は工具嵌合段119の回転を駆動することができる。
【0035】
いくつかの実施例において、図1に示すように、ボルト嵌合段115は、ガイド部121及び駆動部123を含む。ガイド部121は丸棒状に形成され、駆動部123は多角柱状に形成されてもよい。対応して、図3に示すように、貫通孔301は第1貫通孔段303及び第2貫通孔段305を含む。第1貫通孔段303の断面は第2貫通孔段305の断面より小さくてもよい。第1貫通孔段303はガイド部121に対応する形状を有し、断面が円形の貫通孔として形成されてもよい。ガイド部121は第1貫通孔段303に挿入され、ボルト駆動ピン107の挿入をガイドするように構成される。第2貫通孔段305は、駆動部123に対応する形状の多角形の貫通孔として形成されてもよい。駆動部123は第2貫通孔段305に挿入され、第2貫通孔段305と嵌合して、クイックチェンジボルト103をボルト駆動ピン107に伴って回転させることができるように構成される。代替的に、他の実施例において、駆動部123と第2貫通孔段305との間は、スプライン嵌合であってもよい。なお、貫通孔301が第1貫通孔段303及び第2貫通孔段305を含む実施例においては、クイックチェンジボルト103にクイックチェンジナットを締め付け、ボルト駆動ピン107を復帰させた後に、駆動部123が第2貫通孔段305から外れないように、第2貫通孔段305の長さを適切に選択する必要がある。
【0036】
弾性部材105の両端はそれぞれ外ケース101の内側天壁及びフランジ部117の第1側面に当接する。従って、弾性部材105が圧縮されてから復帰すると、弾性部材105は、フランジ部117を外ケース101の内側天壁から離れる方向に押す。いくつかの実施例において、弾性部材105はばねであってもよい。これらの実施例において、ばねはクイックチェンジボルト103の外側に嵌設することができる。
【0037】
ロック機構109は外ケース101に対応する円形形状を有し、外ケース101に固定される。いくつかの実施例において、ロック機構109はねじ接続によって外ケース101にロックすることができる。いくつかの実施例において、ロック機構109は内側にくぼんだ形態に形成され、ボルト駆動ピン107のフランジ部117を収容するために用いられてもよい。なお、ロック機構109を外ケース101に固定する時、弾性部材105は圧縮状態になっている。このため、この時に、フランジ部117は弾性部材105によって押されて、ロック機構109はフランジ部117の第1側面の反対側に位置する第2側面に当接する。ロック機構109には、工具嵌合段119が延出するための開口125が開設される。フランジ部117の第2側面に第1緩み止め歯127が設置され、ロック機構109のフランジ部117に当接する側に第2緩み止め歯129が設置され、第2緩み止め歯129は第1緩み止め歯127と噛み合わせてロック又は分離アンロックすることに適する。
【0038】
いくつかの実施例において、第1緩み止め歯127及び第2緩み止め歯129は斜形の歯状構造である。これらの実施例において、第1緩み止め歯127及び第2緩み止め歯129の傾斜角度は、好ましくは30°~60°である。
【0039】
次に、図2及び図3を参照しながら、本願のロック装置のナットアッセンブリ200の構造について説明する。
【0040】
ナットアセンブリ200は、カバープレート201、クイックチェンジナット203及びベース205を含む。クイックチェンジナット203は、ナット本体207と、ナット本体207に接続された台面部209とを有する。ナット本体207内には、クイックチェンジボルト103と係合する貫通したねじ孔が開設される。カバープレート201とベース205との間に収容空間が形成される。いくつかの実施例において、カバープレート201は中間が突出した略矩形板状に形成されてもよく、ベース205は略矩形板状に形成されてもよく、それによりカバープレート201とベース205との間に上記収容空間を形成することができる。いくつかの実施例において、カバープレート201の4つのコーナーにねじ孔211を開設し、ベース205の上記ねじ孔211に対応する位置に貫通孔213を開設してもよく、それにより、後述するように、例えば図4に示すボルト406によって新エネルギー自動車の車体ビーム402に固定接続することができる。クイックチェンジナット203の台面部209は上記収容空間内に配置さる。収容空間は、クイックチェンジナット203が所定の範囲内で移動することを許容するように構成され、それによりクイックチェンジナット203とクイックロックチェンジアセンブリ100との位置合わせを確保することができる。ベース205には、ナット本体207が延出するための開口215が開設される。開口215の直径は、ナット本体207の外輪の直径よりも大きく、これにより、上述したように、クイックチェンジナット203が所定の範囲で移動することを許容する。
【0041】
いくつかの実施例において、ベース205には、ベース205に対するクイックチェンジナット203の回転を制限するためのフランジ217が設けられる。代替的に、他の実施例において、フランジ217はカバープレート201の側に配置されてもよい。又は、ベース205とカバープレート201の両方にフランジ217を設けてもよい。
【0042】
いくつかの実施例において、カバープレート201にはクイックチェンジボルト103が延出するための開口219が開設される。これにより、異なる長さのクイックチェンジボルト103を適合させることができる。
【0043】
次に、図4を参照しながら、本願のクイックロックチェンジアセンブリ100及びナットアセンブリ200を用いて電池パックを新エネルギー自動車の車体にロックする実施例を説明する。
【0044】
図4に示すように、新エネルギー自動車の電池パックビーム404には、クイックロックチェンジアセンブリ100の外ケース101の形状に対応した略円形孔414が開設される。取り付け時に、外ケース101のボス113と該円形孔414を位置合わせし、歯形構造による締まり嵌めを介して、クイックロックチェンジアセンブリ100の外ケース101を電池パックビーム404内に圧入しリベット締めで固定して、クイックロックチェンジアセンブリ100と電池パックビーム404の迅速な取り付けを実現する。
【0045】
他方では、新エネルギー自動車の車体ビーム402には、ナットアッセンブリ200の外形に対応した略矩形状の凹溝408が開設され、ナットアッセンブリ200は凹溝408内に配置され且つ凹溝408に支持される。凹溝408の、ナットアセンブリ200のねじ孔211に対応する位置に貫通孔410が開設され、ボルト406が貫通孔410に挿入され且つねじ孔211と係合することにより、ナットアセンブリ200を車体ビーム402の凹溝408内に固定する。凹溝408の、ナットアセンブリ200のナット本体207に対応する位置に開口412が開設され、ナット本体207は該開口412を貫通し、それによりクイックロックチェンジアセンブリ100のクイックチェンジボルト103と係合して、ロックを実現する。
【0046】
取り付け時、図5に示すように、工具を使用してボルト駆動ピン107の工具嵌合段119を介してボルト駆動ピン107を駆動して回転させ、それにより、クイックチェンジボルト103にクイックチェンジナット203がねじ接続で締め付けられるまで、ボルト駆動ピン107はボルト嵌合段115を介してクイックチェンジボルト103も駆動して回転させる。この過程において、弾性部材105の両端はそれぞれ外ケース101の内側天壁及びフランジ部117の第1側面に当接するため、弾性部材105はさらに圧縮される。クイックチェンジボルト103を締め付けた後、工具を外し、この時、ボルト駆動ピン107は弾性部材105によって復帰する。前述のように、ロック機構109が外ケース101に固定される時、即ちクイックチェンジボルト103の回転を開始する前に、弾性部材105はすでに圧縮状態にあるため、ボルト駆動ピン107が復帰しても、弾性部材105は依然としてボルト駆動ピン107を押し、これによりボルト駆動ピン107はロック機構109に当接し、ボルト駆動ピン107のフランジ部117の第1側面に設置された第1緩み止め歯127とロック機構109に設置された第2緩み止め歯129とが噛み合わされる。緩み止め歯が噛み合わされることで、クイックチェンジボルト103が緩むことを防止できる。
【0047】
図6は、上記ロック装置を用いて電池パックビームを車体ビームにロックした後の状態を示す概略図である。本願のロック装置によれば、特に、本願の一体型クイックロックチェンジアセンブリによって、ロック装置の迅速な組み立てを実現でき、同時に緩みや回転を防止する効果を果たす。
【0048】
なお、上記では新エネルギー自動車の動力電池と組み合わせてロック装置を説明したが、該ロック装置は動力電池のみに適用されることに限定されず、他のロックすべき状況にも適用することができる。
【0049】
最後に説明すべきことは、以上の各実施例は本願の技術的解決手段を説明するためのものに過ぎず、それを制限するものではない。前述の実施例を参照して本願を詳細に説明したが、当業者は以下のことを理解すべきである。当業者は依然として前記各実施例に記載の技術的解決手段を修正し、又はそのうち一部の技術的特徴を等価置換することができるが、これらの修正又は置換は、対応する技術的解決手段の実質を本願の各実施例の技術的解決手段の主旨及び範囲から逸脱させるものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】