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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-16
(54)【発明の名称】高スループット光学計測
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/66 20060101AFI20231006BHJP
   G01B 11/00 20060101ALI20231006BHJP
   G01N 21/00 20060101ALI20231006BHJP
   G01N 21/27 20060101ALI20231006BHJP
   G01N 21/01 20060101ALI20231006BHJP
   H01L 21/677 20060101ALI20231006BHJP
   G01N 21/21 20060101ALN20231006BHJP
【FI】
H01L21/66 J
G01B11/00 A
G01N21/00 B
G01N21/27 B
G01N21/01 D
H01L21/68 A
G01N21/21 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023513607
(86)(22)【出願日】2021-08-27
(85)【翻訳文提出日】2023-04-17
(86)【国際出願番号】 IB2021057862
(87)【国際公開番号】W WO2022043935
(87)【国際公開日】2022-03-03
(31)【優先権主張番号】63/071,343
(32)【優先日】2020-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515037896
【氏名又は名称】ノヴァ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】NOVA LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110001830
【氏名又は名称】弁理士法人東京UIT国際特許
(72)【発明者】
【氏名】トゥロヴェツ・イゴール
(72)【発明者】
【氏名】ヤロフ・シモン
(72)【発明者】
【氏名】シヒトマン・アレックス
(72)【発明者】
【氏名】マトゥソフスキー・ミシャ
(72)【発明者】
【氏名】パズ・シャハル
【テーマコード(参考)】
2F065
2G059
4M106
5F131
【Fターム(参考)】
2F065AA01
2F065AA12
2F065AA21
2F065AA30
2F065BB15
2F065CC19
2F065CC31
2F065DD06
2F065FF04
2F065FF44
2F065GG21
2F065GG23
2F065GG24
2F065JJ26
2F065LL04
2F065LL59
2F065MM02
2F065QQ24
2F065RR06
2G059AA02
2G059BB08
2G059BB10
2G059EE02
2G059EE12
2G059GG02
2G059HH02
2G059JJ02
2G059KK04
2G059MM09
2G059MM10
4M106BA04
4M106CA38
4M106CA47
4M106CA48
4M106DB04
4M106DB11
4M106DB19
5F131AA02
5F131BA39
5F131CA18
5F131CA31
5F131DA22
5F131DA32
5F131DA33
5F131DA42
5F131DB52
5F131DB72
5F131EA02
5F131EA22
5F131EA23
5F131EA24
5F131GA03
5F131KA12
5F131KA14
5F131KA54
5F131KB05
5F131KB53
(57)【要約】
サンプルの光学計測方法であって、上記方法は、サンプルの可変速度の移動中に、異なる波長のパルスのセットによってサンプルの領域を照明し、上記照明の結果として上記サンプルから反射される光を収集して、各セットのフレームが上記異なる波長に関連付けられた部分的にオーバーラップするフレームを含む、そのようなフレームのセットを提供し、上記フレームを処理して、上記サンプルの領域の要素の一または複数の評価パラメータを示す光学測定結果を提供し、上記処理が、上記フレームのセットと上記照明および上記収集によって得られるスペクトル分解能よりも高いスペクトル分解能を示す他の光学計測プロセスによって得られる基準測定値との間のマッピングに基づくものであることを含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプルの可変速度の移動中に、異なる波長のパルスのセットによってサンプルの領域を照明し、
上記照明の結果として上記サンプルから反射される光を収集して、各セットのフレームが上記異なる波長に関連付けられた部分的にオーバーラップするフレームを含む、そのようなフレームのセットを提供し、
上記フレームを処理することによって、上記サンプルの領域の要素の一または複数の評価パラメータを示す光学測定結果を提供し、上記処理が、上記フレームのセットと上記照明および上記収集によって得られるスペクトル分解能よりも高いスペクトル分解能を示す他の光学計測プロセスによって得られる基準測定値との間のマッピングに基づくものである、
サンプルの光学計測方法。
【請求項2】
上記他の計測プロセスが、統合計測ツールによって実行される統合計測プロセスである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
上記異なる波長が離散波長である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
上記サンプルが加工前ウェハであり、上記方法が照明および収集中に上記加工前ウェハのエッジの少なくとも一部の位置を検出することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
上記エッジの少なくとも一部の位置に基づいて上記領域の位置を決定する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
上記処理が、特定の波長に関連するフレームおよび上記フレームに関連する領域の位置に基づいて、異なる波長のうちの特定の波長での上記加工前ウェハのマップの生成を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
同じ波長に関連付けられ、かつ異なるフレームセットに属するフレームが部分的にオーバーラップする、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
上記マッピングが機械学習処理によって提供される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
機械学習プロセスが、(a)他の光学計測プロセスおよび情報によって取得された一または複数の試験サンプルの試験測定値、および(b)上記光学計測方法によって得られた一または複数の試験サンプルの追加の試験測定値を機械学習処理に与えることを含むトレーニング処理によってトレーニングされる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
上記サンプルがロボットによってチャンバからカセットに移動される間に上記照明および収集が実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
上記サンプルがロボットによって一のチャンバから別のチャンバに移動される間に上記照明および収集が実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
上記サンプルがロボットによって統合計測ツールから移動される間に上記照明および収集が実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
上記サンプルがロボットによって統合計測ツールに向けて移動される間に上記照明および収集が実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
上記サンプルがロボットによって統合計測ツールと装置フロントエンドモジュール(EFEM)の間を移動される間に上記照明および収集が実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
上記サンプルがロボットによって統合計測ツールと処理ツールの装置フロントエンドモジュール(EFEM)の間を移動される間に上記照明および収集が実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
異なる波長の数が4から30の間である、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
異なる波長の数が10から40の間である、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
上記他の計測プロセスがスペクトル反射率測定である、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
上記照明または収集の少なくとも一つがコンタクトイメージセンサ(CIS)を利用するものである、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
上記照明または収集の少なくとも一つがテレセントリック対物レンズを利用するものである、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
上記照明または収集の少なくともいずれか一つが非テレセントリック対物レンズを利用するものである、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
上記異なる波長が、評価パラメータの値の変化に対する上記光計測プロセスの感度のモデルベースの分析に基づいて選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
上記異なる波長が、上記ウェハを照明する照明システムが出射可能な多数の波長のなかから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
ウェハの移動中に、少なくとも一つの照明ラインを備える第1のシステムの照明モジュールによってウェハをスキャンし、
計測デバイスと別のデバイスとの間のウェハの移動中に、第1のシステムによって、第1のスペクトル分解能で、第1のスループットで、ウェハに関する光学情報を取得し、上記第1のスペクトル分解能が第2のシステムの第2のスペクトル分解能よりも粗く、上記第1のスループットが上記第2のシステムの第2のスループットを超えており、
上記第1のシステムによって上記ウェハの造作を測定する、
統合計測方法。
【請求項25】
上記第1のシステムが、機械的インターフェースによって上記第2のシステムに機械的に結合されている、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
上記スキャンが、上記ウェハの移動中に少なくとも一つの照明ラインを用いて実行される、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
上記スキャンが、上記ウェハの移動中に照明周波数が互いに異なる様々な照明ラインを用いて実行され、上記様々な照明ラインが、様々かつ重複しない照明ピリオドでウェハ上に形成される、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
各照明ラインが上記ウェハの移動の方向に対して垂直である、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
上記照明が上記ウェハに対して垂直である、請求項24に記載の方法。
【請求項30】
処理回路によってウェハに関連する光学情報を取得し、第1のシステムによってイメージが生成されかつそれが第1のスペクトル分解能のものであり、上記光学情報の取得が第2のシステムと別のデバイスとの間のウェハの移動中に第1のスループットにおいて実行され、
上記処理回路によって上記ウェハの一または複数の領域に関連する第2のシステムの結果を取得し、計測結果が、上記ウェハの領域中の造作の測定を、上記第1のスペクトル分解能よりも細かい第2のスペクトル分解能において、かつ上記第1のスループットよりも低めることが可能な第2のスループットにおいて実行するように構成可能な第2のシステムによって生成され、
(a)第1のシステムの結果および第2のシステムの結果の間のマッピング、(b)第1のシステムの結果、ならびに(c)第2のシステムの結果に基づいて上記ウェハの一または複数の追加領域に関連する計測結果を推定する、
統合計測方法。
【請求項31】
サンプルの可変速度の移動中に、異なる波長のパルスのセットによってサンプルの領域を照明し、
上記照明の結果として上記サンプルから反射される光を収集して、各セットのフレームが上記異なる波長に関連付けられた部分的にオーバーラップするフレームを含む、そのようなフレームのセットを提供し、
上記フレームを処理することによって、上記サンプルの領域の要素の一または複数の評価パラメータを示す光学測定結果を提供し、上記処理が、上記フレームのセットと上記照明および上記収集によって得られるスペクトル分解能よりも高いスペクトル分解能を示す他の光学計測プロセスによって得られる基準測定値との間のマッピングに基づくものである、
命令を格納する非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項32】
ウェハの移動中に少なくとも一つの照明ラインを備える第1のシステムの照明モジュールによってウェハをスキャンし、
計測デバイスと別のデバイスとの間のウェハの移動中に、第1のシステムによって、第1のスペクトル分解能で、第1のスループットで、ウェハに関する光学情報を取得し、上記第1のスペクトル分解能が第2のシステムの第2のスペクトル分解能よりも粗く、上記第1のスループットが上記第2のシステムの第2のスループットを超えており、
上記第1のシステムによって上記ウェハの造作を測定する、
命令を格納する非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項33】
処理回路によってウェハに関連する光学情報を取得し、第1のシステムによってイメージが生成され、かつそれが第1のスペクトル分解能のものであり、上記光学情報の取得が第2のシステムと別のデバイスとの間のウェハの移動中に第1のスループットにおいて実行され、
上記処理回路によって上記ウェハの一または複数の領域に関連する第2のシステムの結果を取得し、計測結果が、上記ウェハの領域中の造作の測定を、上記第1のスペクトル分解能よりも細かい第2のスペクトル分解能において、かつ上記第1のスループットよりも低めることが可能な第2のスループットにおいて実行するように構成可能な第2のシステムによって生成され、
(a)第1のシステムの結果および第2のシステムの結果の間のマッピング、(b)第1のシステムの結果、ならびに(c)第2のシステムの結果に基づいて上記ウェハの一または複数の追加領域に関連する計測結果を推定する、
命令を格納する非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項34】
サンプルの可変速度の移動中に、異なる波長のパルスのセットによってサンプルの領域を照明し、
上記照明の結果として上記サンプルから反射される光を収集して、各セットのフレームが上記異なる波長に関連付けられた部分的にオーバーラップするフレームを含む、そのようなフレームのセットを提供し、
上記フレームを処理することによって、上記サンプルの領域の要素の一または複数の評価パラメータを示す光学測定結果を提供し、上記処理が、上記フレームのセットと上記照明および上記収集によって得られるスペクトル分解能よりも高いスペクトル分解能を示す他の光学計測プロセスによって得られる基準測定値との間のマッピングに基づくものである、
第1のシステム、
を備えている一または複数の計測用システム。
【請求項35】
上記他の計測プロセスが統合計測ツールによって実行される統合計測プロセスである、請求項34の一または複数のシステム。
【請求項36】
上記異なる波長が離散波長である、請求項34の一または複数のシステム。
【請求項37】
上記サンプルが加工前ウェハであり、上記方法が照明および収集中に上記加工前ウェハのエッジの少なくとも一部の位置を検出することを含む、請求項34の一または複数のシステム。
【請求項38】
上記エッジの少なくとも一部の位置に基づいて上記領域の位置を決定する、請求項37の一または複数のシステム。
【請求項39】
上記処理が、特定の波長に関連するフレームおよび上記フレームに関連する領域の位置に基づいて、異なる波長のうちの特定の波長での上記加工前ウェハのマップの生成を含む、請求項38の一または複数のシステム。
【請求項40】
同じ波長に関連付けられ、かつ異なるフレームセットに属するフレームが部分的にオーバーラップする、請求項34の一または複数のシステム。
【請求項41】
上記マッピングが機械学習処理によって提供される、請求項34の一または複数のシステム。
【請求項42】
機械学習プロセスが、(a)他の光学計測プロセスおよび情報によって取得された一または複数の試験サンプルの試験測定値、および(b)上記光学計測方法によって得られた一または複数の試験サンプルの追加の試験測定値を機械学習処理に与えることを含むトレーニング処理によってトレーニングされる、請求項41の一または複数のシステム。
【請求項43】
上記サンプルがロボットによってチャンバからカセットに移動される間に上記照明および収集が実行される、請求項34の一または複数のシステム。
【請求項44】
上記サンプルがロボットによって一のチャンバから他のチャンバに移動される間に上記照明および収集が実行される、請求項34の一または複数のシステム。
【請求項45】
上記サンプルがロボットによって統合計測ツールから移動される間に上記照明および収集が実行される、請求項34の一または複数のシステム。
【請求項46】
上記サンプルがロボットによって統合計測ツールに向けて移動される間に上記照明および収集が実行される、請求項34の一または複数のシステム。
【請求項47】
上記サンプルがロボットによって統合計測ツールと装置フロントエンドモジュール(EFEM)の間を移動される間に上記照明および収集が実行される、請求項34の一または複数のシステム。
【請求項48】
上記サンプルがロボットによって統合計測ツールと処理ツールの装置フロントエンドモジュール(EFEM)の間を移動される間に上記照明および収集が実行される、請求項34の一または複数のシステム。
【請求項49】
異なる波長の数が3から30の間である、請求項34の一または複数のシステム。
【請求項50】
異なる波長の数が10から40の間である、請求項34の一または複数のシステム。
【請求項51】
上記他の計測プロセスがスペクトル反射率測定である、請求項34の一または複数のシステム。
【請求項52】
上記照明または収集の少なくとも一つがコンタクトイメージセンサ(CIS)を利用するものである、請求項34の一または複数のシステム。
【請求項53】
上記照明および収集の少なくも一つがテレセントリック対物レンズを利用するものである、請求項34の一または複数のシステム。
【請求項54】
上記照明または収集の少なくともいずれか一つが非テレセントリック対物レンズを利用するものである、請求項34の一または複数のシステム。
【請求項55】
上記異なる波長が、評価パラメータの値の変化に対する上記光計測プロセスの感度のモデルベースの分析に基づいて選択される、請求項34の一または複数のシステム。
【請求項56】
上記異なる波長が、上記ウェハを照明する照明システムが出射可能な多数の波長のなかから選択される、請求項34の一または複数のシステム。
【請求項57】
ウェハの移動中に少なくとも一つの照明ラインを備える照明モジュールによってウェハをスキャンし、
測定デバイスおよび別のデバイスの間の上記ウェハの移動中に、第1のスペクトル分解能で、第1のスループットで、ウェハについての光学情報を取得し、上記第1のスペクトル分解能が第2のシステムの第2のスペクトル分解能よりも粗く、上記第1のスループットが上記第2のシステムの第2のスループットを超えており、
上記ウェハの造作を測定する、
第1のシステム、
を備えている一または複数のシステム。
【請求項58】
ウェハに関連する光学情報を取得し、第1のシステムによってイメージが生成され、かつそれが第1のスペクトル分解能のものであり、上記光学情報の取得が第2のシステムと別のデバイスとの間のウェハの移動中に第1のスループットにおいて実行され、
上記ウェハの一または複数の領域に関連する第2のシステムの結果を取得し、計測結果が、上記ウェハの領域中の造作の測定を、上記第1のスペクトル分解能よりも細かい第2のスペクトル分解能において、かつ上記第1のスループットよりも低めることが可能な第2のスループットにおいて実行するように構成可能な第2のシステムによって生成され、
(a)第1のシステムの結果および第2のシステムの結果の間のマッピング、(b)第1のシステムの結果、ならびに(c)第2のシステムの結果に基づいて上記ウェハの一または複数の追加領域に関連する計測結果を推定する、
処理回路、
を備えている計測用コンピュータシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
半導体デバイス用光学計測(Optical metrology for semiconductor devices)は、半導体製造プロセスにおける高い歩留まりを促進するために半導体ウェハ上の重要な寸法を測定する標準的な方法である。スペクトル反射率測定(spectral reflectometry)、スキャトロメトリ(scatterometry)(光波散乱計測、散乱計測)、エリプソメトリ(ellipsometry)(偏光解析)、スペクトルエリプソメトリといった多くの光学計測ベースの技術が、半導体ウェハの重要な寸法、膜厚、組成およびその他のパラメータを製造中に検出するために一般的に使用されている。
【0002】
白色光反射率測定、スキャトロメトリおよびエリプソメトリは、数百、さらには数千の波長においてスペクトル情報を取得しその情報を処理する必要があるので、比較的時間を要する技術である。これが、上記測定が、上記ウェハの無視できる部分を形成する選択される箇所(サイト)において(on selected sites, which may form a negligible part of the wafer)実行される理由である。
【0003】
これらの技術の測定箇所のサイズは典型的には100μm未満であり、上記測定が箇所ごとに順次行われ、非常に限られたポイントのみの測定を、上記計測システムのスループット(一定時間内に処理できる検査数)に重大な影響を与えることなく実行することができる。
【0004】
ハイパースペクトル・イメージング(Hyperspectral imaging)は既知の光学測定法である。テスト・ウェハが広帯域光スペクトル(a broad light spectrum)によって照明(照射)され、生成されるイメージデータ(画像データ)はテスト・ウェハから反射されたまたは散乱された光の強度を表す。検出されたイメージの画素(ピクセル)が、さまざまなスペクトル範囲について個別に分析される。ハイパースペクトル・イメージングは高価かつ複雑である。ハイパースペクトル・データを分析するには、高速なコンピュータ、高感度の検出器、および大容量のデータストレージリソースが必要である。
【0005】
スキャトロメトリ・ツール(散乱測定ツール)が半導体製造のプロセス制御において広く使用されている。スキャトリメトリ・ツールは、通常、特定のテスト箇所、および/またはメモリアレイ、および/またはその他の所定のダイ内の場所(predefined in-die locations)において反射スペクトルを測定する。測定されるサンプル上の領域(検出すべき光を戻す(反射する)領域)のサイズ、またはスポットサイズは通常小さく、直径約10~50ミクロンの範囲である。
【0006】
スキャトロメトリ・ツールは高速であり、MAM時間(MAM time)(移動/イメージ取り込み/測定時間)(Move Acquire Measure: MAM)は秒をはるかに下回り、標準的なサンプリング・プランにおいて、通常、TPT時間(TPT time)は100w/時を超える。サンプリング・プランが増えるとより多くの箇所を測定する必要があるが、いずれにしても、WIDおよび/またはWIWの均一性のため、および/または空間ウェーハマップまたは極端なウェハ・エッジ性能が対象である場合に、大きな領域の小さなスポットサイズ測定では問題が生じる可能性がある。
【0007】
完全なウェハイメージ/マップを提供する既知のいくつかの方法、たとえばウェハ全体の「ワンショット」イメージングによるもの(たとえばスパーク・ナンダ・テクノロジー(Spark Nanda technology)、ラーク・マークウォーその外(Lars Markwort et al.)の「高速パターニング・プロセスのエクスカーション制御のための完全ウェハ・マクロCDイメージング」(Full wafer macro-CD imaging for excursion control of fast patterning processes)(Proc、SPIE Vol. 7638、2010 年)、またはスキャンによるもの(米国特許出願US2019/0244374 Al)がある。これらのツールは、スペクトル・フィルタまたはRGBカメラを用いて、DOEウェハに基づいてウェハイメージを分析し、イメージと対象のパラメータとの間の相関関係を定義するために事前に特別に準備されるものである。スキャン・ツールは研磨装置の一部として使用することが提案され、ウェハイメージを上記処理に近づけることができる。
【0008】
統合計測(Integrate Metrology)(IM)の概念はノヴァの米国特許6752689、9184102などに詳細に説明されている。上記IMの測定ユニット(Measurement unit)(MU)は、通常、プロセス・ツールの装置フロントエンドモジュール(Equipment Front End Modules)(EFEM)(プロセス装置へウェハの受け渡しを行う装置)に取り付けられ、ウェハは測定のためにEFEMのロボットによってIMシステムに送られる。標準的な測定シーケンスは、ノヴァの米国特許特許5682242、6752689などに記載されているように、イメージングシステムを使用して行われるウェハのグローバルおよびファインアライメントを含むことができる。
【0009】
光学計測システムは、有害なスループットの影響なしに完全なウェハ計測のソリューションを提供することが非常に望ましい。
【発明の概要】
【0010】
この発明の主題は、この明細書の最後の部分において特に指摘され、かつ明確に請求される。もっとも、この発明は、構成および操作方法の両方に関して、その目的、特徴、および利点とともに、添付図面を用いて読まれると、以下の詳細な説明を参照することによって最もよく理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】フレームの例を示す。
図2】照明素子の一例を示す。
図3】光学計測システムおよびその環境の一例を示す。
図4】光学計測システムおよびその環境の一例を示す。
図5】光学計測システムおよびその環境の複数の例を示す。
図6】光学計測システムの構成要素の一例を示す。
図7】ウェハ、カメラおよびカメラの視野の有効領域の一例を示す。
図8】ウェハ、カメラおよびカメラの視野の有効領域の一例を示す。
図9】光学計測システムおよびフレームの構成要素の一例を示す。
図10】光学計測システムの構成要素の一例を示す。
図11】方法の一例を示す。
図12】システムの少なくとも一部を示す。
図13】システムの少なくとも一部を示す。
図14】イメージを示す。
図15】システムの少なくとも一部を示す。
【実施例
【0012】
以下の詳細な説明において、この発明の完全な理解を提供するために多くの特定の詳細が記載される。しかしながら、これらの特定の詳細をもたなくてもこの発明を実施できることを当業者であれば理解しよう。別の態様、周知方法、手順および構成要素はこの発明を不明瞭にしないようにするために詳細には説明されていない。
【0013】
説明を簡単かつ明確にするために、図面に示される要素は必ずしも一定の縮尺において描かれていないことを理解されたい。たとえば、一部の要素の寸法が、明確化のために他の要素に対して強調されることがある。さらに、適切と考えられる場合には、対応する要素または類似の要素を示すために図面間において参照符号が繰り返される場合がある。
【0014】
この発明の例示する実施形態は、その大部分を当業者に知られている電子部品および回路を使用して実施することができるので、理解のために上で例示されたように必要であると考えられる以上の詳細は説明されない。この発明の根底にある概念を理解し、この発明の教示を曖昧にしたり、注意をそらしたりしないようにするためである。
【0015】
明細書における方法に対する言及は、準用して、その方法を実行可能なシステムに適用すべきであり、上記方法の実行において計算結果によっていったん実行される指示を記憶する非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体に準用して適用すべきである。
【0016】
明細書におけるシステムに対する言及は、準用して、そのシステムによって実行可能な方法に適用すべきであり、上記方法の実行において計算結果によっていったん実行される指示を記憶する非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体に準用して適用すべきである。
【0017】
以下の記述ではウェハについて述べる。ウェハ、特に半導体ウェハはサンプルの一例にすぎない。
【0018】
以下の記述において完全ウェハ・スキャン(full wafer scan)について述べる。完全スキャンに対する言及は、準用して、ウェハの一または複数の部分のみのスキャンに適用できることに留意されたい。
【0019】
以下の記述において光出射ダイオード(LED)について述べる。これは照明(照射)光源の一例にすぎない。
【0020】
以下の記述において波長について述べる。波長に対する言及は、準用して、波長の範囲に適用すべきである。これに加えてまたは代えて、波長に対する言及は、準用して照明および/または収集(集光)、たとえば偏光、照明または/および集光ビームの角度内容などに適用することができる。
【0021】
以下の記述において、有効視野(effective field of view)(FOV)に言及する。有効FOVは、上記計測(metrology)中に考慮されるFOVである。上記有効FOVは、領域スキャンカメラの全体のFOVまたは上記FOVの一部とすることができる。たとえば、カメラ画素の一部のみが計測のために処理される関心領域(注目領域)(a region of interest)を形成する場合には、有効FOVは上記画素の一部に限定される。
【0022】
提供される超高速(たとえば0.5、1または2秒内)の全体ウェハスキャン計測システムは以下を含むことができる。
a.LEDのような照明素子のパルスを用いてウェハの関心領域と呼ばれる領域を照明可能な照明モジュール。上記パルスは(次々に)異なる波長となるもので、各波長がセット中および計測セッション中に、対応するROIを照明する。
b.狭くかつ細長い複数の有効視野(FOVs)を有する一または複数のエリアスキャンカメラ。上記一または複数のエリアスキャンカメラは、サンプルに関する低解像度のスペクトル情報を提供する。上記スペクトル情報が照明波長に制限されるからである。
c.一または複数の追加の光学素子。たとえば、レンズ、対物レンズ、光ガイド、ビーム・スプリッタなどである。
【0023】
異なる波長によって(異なる時点において)関連するウェハ領域が照明されてフレーム(frames)が取得される。
【0024】
上記照明は、チャンバ(MU)の外で、および/またはウェハが一のチャンバおよび/またはツールから別のチャンバおよび/またはツールに移動するときに実行することができる。このような移動の例には、CMP研磨機のような処理ツールから計測ツールへの、または計測ツールから研磨機へのウェハの移動、カセットからまたはカセットへのウェハの移動などを含むことができる。
【0025】
上記ウェハはEFEMのロボットによってまたは他の手段によって移動させることができる。
【0026】
上記ロボットの移動によって、一定速度のステージの移動とは対照的に、速度変動を提示することができる。ロボットの移動は光学計測システムによって制御されなくてもよい。上記ウェハの最大移動速度は既知であるかまたは推定されなければならない。
【0027】
上記有効FOVは狭くかつ細長である。画素行の数(幅、有効FOVの狭い寸法)は、計測セッションにおいて使用することができる波長の数(たとえば、少なくとも5、8、10、15、20、25、30、35)と反射光の強度との間においてトレードオフの関係にある。有効FOVを大きくするにはウェハのより広い領域を照明する必要があり、照明エネルギー密度が低下することがあるからである。
【0028】
異なる波長の連続するフレームがオーバーラップ(重畳)され、これによって異なるスキャン波長のいずれかにおいて完全なウェハイメージをカバーすることができる。上記オーバーラップによって、上記方法はウェハの任意の関心点の視覚情報を取得することができる。
【0029】
任意の光学パラメータ、たとえば、波長、偏光などを選択することができる。
【0030】
上記光学パラメータは、評価すべき(ウェハまたはその任意の部分の)計測パラメータに基づいて選択することができる。上記計測パラメータは一または複数の構造要素(たとえば、一または複数のサブ・ミクロンの構造要素、一または複数のナノメートル範囲の構造要素、加工前ウェハ(ベアウェハ)(bare wafer)の一または複数のサブ・ミクロンの領域)を参照することができ、一または複数の構造要素の一または複数の特性(たとえば限界寸法、フィルム厚、組成など)を参照することができる。
【0031】
一または複数の光学パラメータは、一または複数の構造要素に適用されたときのサンプルの照明(照射)、サンプルからの放射の収集、検出信号の生成の光学プロセスのモデルベースのシミュレーションに基づいて選択される。上記モデルベースのシミュレーションは、一度適用された一または複数の光学パラメータが一または複数のテストされた計測パラメータに対して敏感な(たとえば最も敏感である)結果(たとえば検出信号)を提供することを明らかにする。
【0032】
光学パラメータ(たとえば波長)は、システムによって提供可能な多数のパラメータのセットの中から選択することができる。
【0033】
上記光学計測方法は、LEDによる照明の場合、限られた数の波長による照明から生じる信号を測定しかつ各波長が狭いスペクトル範囲を表すので、スペクトル反射率測定法(spectral reflectometry)よりもスペクトル分解能(spectral resolution)が粗いことに留意すべきである。
【0034】
上記光学パラメータは、6つのLEDの一または複数セットから放出可能な6つの異なる波長を含むものとする。
【0035】
図1を参照して、図1は7つのフレーム91~97を示している。最初の6つのフレーム91~96が、6つの異なる照明波長を用いてウェハを照明した結果として得られる6つのフレーム91~96を含むフレームのセットを形成する。7番目のフレーム97は次のセットの6つのフレームの開始を表しており、6つの異なる照明波長のセットの第1番目の波長を用いてウェハを照明した結果として得られるものである。
【0036】
LEDパルスが順次タイミング調整される(sequentially timed)ことでオーバーラップするフレームが提供される。図1は一定かつ最大速度(スキャン速度)のロボットにおいて得られたオーバーラップを示していることに留意すべきであり、実際には時間の経過によって計測セッション中に速度が変化することがある。速度が遅ければ遅いほどフレーム間のオーバーラップは大きくなる。
【0037】
図1において、パルス間の距離はあらかじめ定めることができ、たとえば、FOV(スキャン方向視野)(field of view in scan direction)の1/8を最大スキャン速度で割った値とすることができる。
【0038】
図2はLEDを用いることができる照明素子(複数)112のリニアアレイを示している。図2はまたそれぞれが6つのLED(6つの異なる波長を出射する)からなる4セットのものを示している。図2はまたそれぞれが8つのLED(8つの異なる波長を出射する)からなる3セットのものを示している。LEDの任意の配列が提供可能であるに留意されたい。
【0039】
6回の発光(ストロボ)後において、第1の波長がウェハを照射するときにLEDが再びオンになり、フレーム91と97の間のオーバーラップが2/8FOVになる(スキャン速度が一定で最大スキャン速度である場合)。
【0040】
ロボットの速度の変動に起因して関連するフレーム間のオーバーラップが変化し、そのような関連するフレーム間のオーバーラップの変化を補償する必要がある。フレームは同じ波長の照明を使用して取得される場合に関連付けられる。
【0041】
(関連するフレームのグループごとの)ウェハ全体のマップ(map)を生成する必要があり、照明波長ごとのマップを提供するには関連するフレームを結合(ステッチ)(combining (stitching) related frames)する必要がある。
【0042】
上記結合では、各フレームによって撮像されたウェハの領域の場所(location)を決定する必要がある。
【0043】
加工前ウェハ(ベアウェハ)のフレームのスティッチングは、パターン化されたウェハのフレームのスティッチングよりも難しい。ウェハパターンはアンカー(anchors)を含むことができ、これを各フレームの位置を決定するために使用することができる。アンカーがないベアウェハの場合、各フレームの領域の位置を検出するためにウェハのエッジを使用することができる。上記エッジの位置は光学計測システムの一または複数のカメラによって感知することができる。これに加えてまたは代えて、他のセンサをエッジ検出に用いてもよく、および/またはウェハの動きを追うために、たとえば視覚または非視覚センサを用いてロボット位置をトラッキングしてもよい。
【0044】
一例ではカメラの全FOVよりも小さい有効FOVが提供され、これはROI選択を持つCMOSエリアセンサを使用することを含むことができる。このようなエリアセンサを使用することによってイメージを取得するために制限された数(a limited number)の行を選択することができ、フレームレートはフルフレームの場合に比べてはるかに高くなる。たとえば、Basler a2A1920-160umBAS カメラ(1920×1200ピクセル、160フレーム/秒(fps))は、1920×40ピクセル(20μ秒露出)のROIモードで使用すると2717fpsで動作する。
【0045】
ウェハが0.5m/sの一定速度で移動するものとする。ウェハ上の画素サイズ(pixel size)は50マイクロメートルである。複数のLEDを備える照明システムは、長さ300mmおよび幅2mmの範囲にわたって均一な照明を提供することができる。
【0046】
300mmの長さ全体をオーバーラップするために4つのカメラが設けられ、それぞれは長さ96mmの範囲(1920画素のBasler a2A1920-160umBAS カメラの場合)を撮像し、オーバーラップなしでカメラごとに75mmのオーバーラップをもつ。40画素で幅は2mmになる。0.5m/sの速度で300mmをスキャンする場合0.6秒かかる。
【0047】
Basler a2A1920-160umBAS カメラの最大フレーム数は0.6秒間で1630フレームである。
【0048】
別の観点では、0.5mmのオーバーラップを得るためにLEDの各色について約200フレームが必要とされる(300mm/1.5mm=200フレーム、2mm-1.5mm=0.5mm)。
【0049】
これは、完全ウェハ・マッピングのスキャン速度を低下させることなく、マルチエリアマルチストロボLED撮像システムを用いて、8つの異なる波長(色あたり1600フレーム/200フレーム=8)を用いることができることを意味する。
【0050】
図3および図4は計測システム40およびその環境の一例を示すもので、たとえば図4において符号70で示す処理装置(CMP研磨機)のEFEM30と統合されたIMツール31である。他の環境、たとえばIMツール31を含まない別の環境を提供することもできる。
【0051】
上記環境はまた、ロボット60(保持しているウェハ99を示す)およびロボット60からウェハを受け取り、高解像度スペクトル反射処理を実行しその後にウェハをロボットに戻すように構成されるチャンバ35を有するIMツール31(または任意の他の高解像度光学計測処理。高とは光学計測システム40によって実行される処理よりも高いことを意味)を含む。
【0052】
上記ロボットはウェハをEFEM30の一または複数のカセット(FOUP’s)62、63および64に配置し、および/またはウェハを研磨機74などの別のツールに提供することができる。
【0053】
ロボット60はEFEMの一部であってもよく、その内部を移動してもよい。上記カセットおよびIMツールはポート/開口(ports/openings)を通じてEFEMに接続することができる。上記IMツールは通常、6本のボルト・アタッチメントを介して接続され、カセットはそれをサポートするいわゆるロードポート上に乗る。IMツール31とEFEMとの間に計測システム40が組み立てられる。計測システム40は、ロボットのアームのZ位置にしたがってZ軸によって位置合わせすることができる(たとえば、ロボットのアーム上のウェハのZ位置にしたがって、設置中に部分的または全体的に調整可能に構成することができる)。
【0054】
ウェハがロボット60によってIMツール31にロードされるとき、および/またはウェハがIMツール31からアンロードされるときに、光学計測システム40が計測を実行するように配置される。
【0055】
上記光学計測システム40はアドオン・システムであってもよく、その場合にはその環境の他の構造要素のサイズ制約に基づいて形状とサイズを決定する必要がある(たとえば、EFEMとIMツール31の間に挿入可能に構成される)。
【0056】
計測システム40は、上部に光学系/照明を備える開口/ポートの周りに「フレーム状」に構成することができ、EFEMへのIMツールの接続が少なくとも部分的に密閉(シール)される。計測システム40は、IMツール31の制御ユニット/コンピュータに接続可能であるか、または計測システム40の追加の別体制御ユニット/コンピューティングをIMツール内または外に収容することができる。
【0057】
図5は、計測システム40、スペクトル反射測定ツール31およびそのチャンバ35の正面図および側面図を示している。上記計測システム40はコンパクトであり、寸法(幅および/または高さおよび/または深さ、および/またはスペクトル反射率測定ツールの外側に広がる寸法)は1メートルよりはるかに小さい。たとえば、上記計測システム40はスペクトル反射測定ツールの外側に5~15センチメートル(またはそれ以上)延ばすことができ、約25~45センチメートルの幅および高さなどを有することができる。図4に例示するいくつかの例では、計測システム40の少なくとも一部がスペクトル反射測定ツール31内に配置される。
【0058】
スペクトル反射率測定ツール31は、様々な目的、たとえば、較正、検証、評価されるべき場所(計測システム40の結果が、問題の存在、仕様からの逸脱などを示し得る場合)の選択のために、計測システム40の結果をさらに処理することができる。
【0059】
図6は光学計測システム40のいくつかの構成要素の一例を示している。
【0060】
上記構成要素は、LEDベースの照明システム44、ビーム・スプリッタ43、テレセントリック対物レンズ42、およびラインスキャンカメラまたはエリアスキャンカメラといった一または複数のカメラ41を含む。
【0061】
テレセントリック対物レンズは水平部分と垂直部分を持つ。
【0062】
LED(複数)およびビーム・スプリッタは同軸照明システムを形成する。ビーム・スプリッタは約4センチメートルの幅と長さを有することができる。
【0063】
LED41からの光はビーム・スプリッタ42によって(たとえば垂直入射角度で)ウェハ99に向けられ、上記光がウェハ99から反射されてテレセントリック対物レンズ43の垂直部分に向かい、テレセントリック対物レンズ43の水平部分から出力されてカメラ44に向かう。
【0064】
図6の例はテレセントリック対物レンズを参照しているが、非テレセントリック対物レンズ(たとえば非テレセントリックマクロレンズ)を使用することができることに留意されたい。これは、非テレセントリック対物レンズを使用することによって生じる照明角度の不均一性を補償する必要が生じる場合がある。
【0065】
図7および図8はウェハ99の全長を「カバーする」、狭く細長い有効FOV42(1)-42(5)をそれぞれが有している、5つのカメラ41(1)-41(5)のシーケンスを示している。図8はまた、ウェアのエッジを検出する専用エッジセンサ68を示している。上記エッジセンサ68はリニア(線形)のもので、ウェハの半径を超える長さを有し、ロボットによるウェハの移動軸に対して(たとえば垂直に)配向される視野を持つ。上記エッジセンサはウェハの下(below the wafer)に位置させることができ、メイン・システムの照明に用いることができる。
【0066】
図9は光学計測システム40のいくつかの構成要素の一例を示している。上記構成要素は、LED55、ビーム・スプリッタ53、および出力FOVよりも入力FOVが大きい対物レンズ52を含む。対物レンズ52は、ウェハ99の全幅に沿って伸びる複数の照射セグメント54(1)、54(2)および54(3)から光を収集し、収集光を上記ウェハの幅よりもはるかに狭いカメラ51に向ける。
【0067】
図9はまた4つのフレーム81(1)-81(4)のセットと次のセットのフレームの中の第1のフレーム81(5)を示している。
【0068】
計測システム40は、ウェハに非常に近接して配置され、ウェハにもう少しで接触するコンタクトイメージセンサ(CIS)を使用してもよいことに留意されたい。使用可能なCISセンサの例としては、たとえば、Tichawa Vision GmbHのVTCISまたはVDCISセンサが挙げられる。
【0069】
ウェハ自体が完全に平坦でないことがあり、ウェハは、純粋な水平経路から逸脱する経路でロボットによって移動されることがある。ウェハとCIS(または計測システム40の他の光学素子)の間の物理的な接触を防止するために、上記計測システム40をウェハから安全距離に配置してもよく、および/または上記システムをウェハの計測移動およびウェハの平坦性にしたがって移動可能としてもよい。
【0070】
図10は光学計測システム40のいくつかの構成要素の一例を示している。上記構成要素は、(第1のボード104上に配置される)照明素子105、レンズ106、ビーム・スプリッタ107、光ガイド103、第2のボード101上に配置されるカメラ102を含む。
【0071】
上記計測システム40は複数の画素を備える複数のカメラを持つことができる。カメラ画素は、ミクロン範囲(たとえば、20、40、60ミクロン)の幅/長さを有するウェハの範囲を「カバー」し、行ごとに多数の画素を含むことができる(たとえば、300mmウェハのフルスキャンで20ミクロンの画素幅の場合、行ごとに15000画素がある)。
【0072】
計測パラメータは、ウェハの単一スキャン中に変化することがあることに留意すべきである。たとえば、異なる計測パラメータをウェハの異なる部分に適用することができ、たとえばメモリ領域をロジック領域とは異なる方法でスキャンすることができる。
【0073】
さらに、上記計測パラメータを複数回にわたって評価して変更することができ、たとえば評価されたパラメータの値の変化における計測プロセスの感度を高めることができる。
【0074】
図11はサンプルの光学計測のための方法200の一例を示している。
【0075】
方法200はステップ210、220および230を含む。
【0076】
ステップ210は、サンプルの可変速度の移動中、異なる波長のパルスのセット(sets of pulses of different wavelengths)によってサンプルの領域を照明(照射)することを含む。
【0077】
ステップ220は、上記照明の結果として上記サンプルから反射される光を集光することを含み、各セットのフレームが部分的にオーバーラップする異なる波長に関連するフレームを含む、そのようなフレームのセット(sets of frames)が提供される。
【0078】
ステップ230は、上記フレームを処理して、サンプルの領域の要素(elements of the areas of the sample)の一または複数の評価パラメータを示す光学計測結果を提供することを含み、ここで上記処理は、上記フレームのセットと、上記照明および上記収集によって得られるスペクトル分解能よりも高いスペクトル分解能を示す他の光学(または他の基準)計測プロセスによって得られる基準測定値(reference measurements)の間のマッピング(mapping)に基づく。
【0079】
上記処理は、計測システム40に配置された、IMツール31に配置された、計測システム40と通信する、IMツールと通信する、コンピュータシステムによって実行することができる。
【0080】
2つのシステム(ユニット、モジュール、デバイスまたはツールともいう)が提供される。
a.第1システムは第1のスペクトル分解能(たとえば第1の数の波長の放射を処理または検出する)および第1のスループットを有している。マクロスケール情報を提供することができる。
b.第2のシステムは第2のスペクトル分解能(たとえば第2の数の波長の放射を処理または検出する)および第2のスループットを有している。マクロスケール情報を提供することができる。
【0081】
上記第1のスペクトル分解能は上記第2のスペクトル分解能よりも低い。
【0082】
たとえば、上記第1のシステムは、8、10、15、20および数十まで(たとえば、30または40まで)の波長に関連する光情報を取得および処理することができるのに対して、第2のシステムは、100さらには数百の波長に関連する光情報を取得および処理することができる。
【0083】
第1のスループットは第2のスループットを超える。たとえば、少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90または100倍(さらにより大きい)である(by at least 10,20,30,40,50,60,70,80,90, or 100 (and even more))。
【0084】
上記IMツールは上記第2のシステムの一例である。上記計測システム40は上記第1のシステムの一例である。
【0085】
上記第1のシステムはウェハ全体のマップ(a map of the entire wafer)を提供するために用いることができる。上記第2のシステムは、上記ウェハの選択された場所(selected sites)の測定値(measurements of selected sites of the wafer)を提供するために用いることができる。図12は、第1のシステム(図面左側、スキャン・モジュール)および第2のシステム(図面右側、IM OCD測定ユニット)を示している。
【0086】
第1のシステムはスキャン・モジュールとすることができ、第2のシステムは単一ショット光学モジュール(single shot optical module)とすることができる。
【0087】
上記第1および第2のシステムは互いに補完することができ、第1のシステムおよび第2のシステムからの情報を一緒に処理することができる。第1のシステムからの情報は場所(サイト)の選択に役立つ。一のシステムからの情報が第2のシステムの運用方法に影響を与える。一のシステムからの情報を使用して他方のシステムの情報を検証することができる。
【0088】
第1のシステムによって、EFEMからIMツールへのまたはIMツールからEFEMへのウェハ移動中に、ウェハ全体を含むウェハの広い部分の高速スキャンをすることができ、上記第1のスペクトル分解能を、関心のある一または複数の計測パラメータを見つけるために十分なものとすることができ、たとえばWIW変動(WIW variations)を捕捉することができる。
【0089】
上記第2のシステムは、垂直入射反射光(normal incidence reflected light)および/または回折光(diffracted light)を捕捉することができ、CMP、堆積およびパターニングを含む半導体製造の様々な分野のための複数の計測および検査アプリケーションの柔軟性および適用を可能にする。
【0090】
両システムは、一または複数の波長のLEDの任意の組合わせを使用することが可能なLEDの組み合わせによる照明に基づくことができ、上記第2のシステムは、たとえばUVからIRの間、265から960nmの間、190から1000nmの間など、集約された適用範囲(aggregated coverage)を提供するLEDを使用して広いスペクトル範囲にわたる適用範囲を提供することができる。上記第1のシステムは限定された数の波長または狭い波長範囲を使用する(狭い波長範囲は完全に単色ではない単色LEDといったLEDによって放出される範囲とされる)。
【0091】
第1および第2のシステムの両方によって、明視野BFおよび暗視野DFを含む、異なるレジームにおける動作のために、入射光および収集光の両方の(完全なまたは部分的な)偏光制御(polarization control)が可能になる。
【0092】
上記第1のシステムは、処理装置のEFEMからIMツールへのウェハ路の上(above the wafer pass)に配置することができ、IMツールの方向に移動しているとき、または処理装置に送り返されているときに、ウェハの「イメージ」を捕捉する。可能な実装の一つでは、(光源からサンプルに向かう光)照明と垂直入射における(反射光)の収集(集光)の両方が垂直入射(normal incidence(NI))である場合、スキャン・モジュールが垂直入射構成で用いられる。反射光はレンズによって集光され、高速のラインカメラ(高速測定に必要な約50から150kHzのサンプリングレートを持つもの)によって測定される。ラインカメラは5-10pmの画素サイズを持つ10-20k画素を備えることができ、、ロードまたはアンロード中に全ウェハ測定を行うことができる。NIマクロ光学モジュールの光学スキームが図15に示されている。
【0093】
第1のシステムにおいて利用可能な体積(ボリューム)は限られているので(IM設置面積(フットプリント)に起因する)、ウェハの完全イメージに最適なシステムは垂直入射ラインスキャンコンセプトであり、これはパルスLED照明、ラインまたはエリア検出器(スキャンカメラ)、およびラインFOV用に最適化された光学イメージング(撮像)システムに基づく。図16に示すように単一スキャン中に300mmウェハの全体について光学情報を取得することができ、上記ウェハの1/2、150mmであればダブルスキャン(インおよびアウトの方向で)することができる。この場合、複数のLEDを備えた照明システムおよびNラインを有するカメラを用いて多波長センシングを実装することができる。このようなセンシングの時間図(time diagram)は、ウェハ面における画素サイズに相当する長さにわたるウェハの動きに相当する単一のLEDタイプの露光時間に基づくことができる。ウェハ速度、LEDスイッチ、および多数ラインのライナー検出器の捕捉レートの同期によって、解像度の損失を最小限に抑えながら、複数の色でウェハ全体の複数のフレームを取得することができる(図5)。
【0094】
別の実装では、上記第1のシステムが回折光または散乱光を測定するように設計される。この実装では、サンプルの照明角度と収集角度が異なり、収集角度は垂直入射とされ、照明は斜角とされる。
【0095】
上記第1のシステムの光学モジュールのサイズはロードポートの取り付けに適合することができ、最小の厚さ(ウェハの移動方向)と既存の寸法によって規定される高さおよび幅においてIMツールの設置面積(フットプリント)と統合(たとえば6ボルト)の両方が影響を受けない。
【0096】
IMツール
【0097】
上記IMツールの光学部分は可動光学系を含むことができ(ウェハ上におけるナビゲートは可動ウェハステージ(X、Y、Rシータ、またはそれらの組み合わせ)によっても実装できる)、小さい設置面積およびFOUPsのサイズへの束縛(confinement)を可能にする(研磨機への標準的な統合はFEボルト結合あり、そこでIMツールは標準ポートの一つとして配置される)。可動光学系は、スペクトル:対象のターゲットのスペクトル測定を可能にすること、および撮像(vision): パターン認識、ベストフォーカス、ローカルおよびグローバルアライメントなどを含む複数の目的に使用されるイメージのキャプチャを可能にすること、の2つの機能のうちの少なくとも一つを可能にする。カメラ(モノクロ、RGB、またはハイパースペクトルのもの)が備える撮像システム(vision system)および専用光源(フィルタ、LEDのセットなどを用いて広い波長範囲に対応可能なもの)を、ウェハ上の所定位置における高解像度のイメージを捕捉するためのマイクロ光学モジュールとして用いることができる(図14参照)。
【0098】
上記第2のシステムは、以下を含むことができる。
a.標準的な測定シーケンススペクトルにおいて収集されるビジョンチャネル(Vision Channel)の「マイクロ」イメージを使用して、スペクトル測定スポット(スキャトロメトリスポットサイズは40ミクロン未満)周辺の領域においてプロファイルの幾何学的パラメータの変動を予測すること(図14参照)。
b.イメージ取得条件およびシーケンスを変更および最適化して、ダイマップの予測用のイメージ(images for prediction of the die maps)を収集し、スキャン・モジュールの完全なウェーハマップイメージおよび/またはスキャトロメトリデータによって規定されるウェハ上の問題のある領域を検査できるようにすること。
【0099】
提案されるすべてのイメージングソリューションは、SAスキャトロメトリ・ツール(SA scatterometry tools)にも適用することができる。
【0100】
ウェハ搬送
【0101】
可能な限り最小の画素サイズで高品質のイメージを取得するには、スキャンシステムにおけるウェハの動きを制御する必要がある。
【0102】
生じ得るウェハの動きの不確実性は、次の3つのカテゴリに分けることができ、それは光学システムがHW追加なしで説明できる不確実性(1)(uncertainties that that optical system is capable to account for without any HW additions (1))、光学系が適応するのに十分柔軟でなければならないという不確実性(2)(uncertainties that optical system has to be flexible enough to accommodate for (2))、およびウェハの動き自体を説明しやすい不確実性(3)(uncertainties that are easy to account on the wafer movement itself (3))である。
【0103】
光学システムは、X,Y位置の不確実性を修正なしで説明できる必要があり、ウェハの動きの不確実性はほとんどない。これに加えて、焦点は単純なオートフォーカスシステムによって説明することも、ウェハのZ位置の仕様を設定することによって固定したままにすることもできる。
【0104】
ウェハのZ平均位置が所望レベルに固定できるとしても、ウェハの反りがイメージングに影響を与える可能性があるため、考慮する必要がある(現在のウェハの大半は、反りは通常+/-250ミクロン未満であるが、最大500~800ミクロンになることがあり、極端な3D NANDの場合には+/-1mmになることもある。ウェハごとに異なる可能性がある反りに対応するために、光学システムは大きなNA値(平坦なウェハの場合は0.1~0.2以上)から非常に小さいNA値(+/-1mmの極端な反りを測定する場合には0.02以下)まで、さまざまなNAを有している。この場合の妥協点は、分解能のわずかな低下と測定時間の増加である。いずれにしても、イメージングのレシピは反りのあるウェハ用に最適化することができ、NAおよび最適ウェハ速度を含む。
【0105】
移動システム(図16に示すスキーム)は、動的な傾斜(dynamic tilts)と動的な焦点変化(dynamic focus changes)(両方とも50~100ミクロン未満)なく、最適なウェハイメージングのレシピによって規定されるウェハ速度を、制御可能かつ一定にできる必要がある。これらの要件はすべてロボットによって満たすことができ、または、既存の雰囲気中のポイントツーポイントロボットの仕様(specs of existing atmospheric point to point robots)が要件に一致しない場合は、イメージングシステムの前でロボットからウェハを取得する特別な格納式レール引出しを設計することによって解決することができ、イメージングシステムの下のウェハを、目的の速度で制御可能にスキャンすることができ、最終的にOCD測定のためにウェハをIMモジュールに搬送することができる。実際、このレール引出しまたは格納式セミバッファーによって、MUの外部でウェハを交換できるはずである。引き出しは常にIMの内側にあり、ウェハをピックアップする/戻すためだけに外側に出るので、EFEM内のロボットの動きを妨げることがない。
【0106】
イメージング計測
【0107】
イメージング計測の目標は、イメージを全体イメージ上における関心あるパラメータのマップ(the map of parameter of interest on the entire image)に、好ましくはマルチスペクトルイメージ(multi-spectral image)に変換することである。提案されるアプローチを実証するために用いることができる操作のシーケンスは、メモリアレイ内の残留物の厚さの測定の例において提示される。このアプローチは、静的光学モジュールおよび可動光学モジュールの両方において用いることができる。
【0108】
イメージング計測レシピ設定
【0109】
ステップ1.イメージング条件
【0110】
標準的なOCDレシピは、関心ある造作(フィーチャ)(メモリアレイ)上に収集されるスペクトル情報(spectral information collected on the feature of interest (memory array))に基づいて作成される。解釈結果(Interpretation results)を関心あるすべてのパラメータを含むプロファイル情報を含み、イメージ収集設定に使用することができる。OCDによって測定される関心あるパラメータをスペクトル情報とともに使用して、イメージ収集のための最適な構成を規定し、関心あるターゲットパラメータの最高のパフォーマンスを得るために、イメージコレクションの最適な構成(イメージ収集の波長の組み合わせの数)を規定する。イメージ収集構成はOCDレシピとともにすべての造作測定に用いることができる。
【0111】
ステップ2.イメージ処理レシピ
【0112】
画質向上のための前処理の後、(パターン認識としても規定することができる)イメージ処理レシピが作成され、これによって自動的に、関心あるパラメータの測定が要望される関心領域を識別し、かつ必要とされる画素を選択することができる(すべての波長の組み合わせをもつ捕捉されるすべてのイメージについて)。その結果、関心領域のイメージが作成され、一例としてはメモリアレイのイメージが取得される。関心領域中の画素に追加処理を行うことができ、これには平均化処理、および/またはノイズ低減処理、および/またはより安定した計測パフォーマンスのための他の計算処理が含まれる。平均化処理は単一アレイ、ダイの一部、およびダイ全体に対して行うことができ、すべての様々な平均化処理スキームを使用して、要件に基づいて、さまざまな変動スケールに焦点を当てることができる。
【0113】
ステップ3.イメージパラメータ用機械学習(ML)レシピ
【0114】
次に、このようなアレイのX、Y座標がOCD測定の座標に一致させられ、これによってイメージパラメータとOCD基準測定値を直接相関させることができ、イメージパラメータを関心ある計測パラメータに変換することができるMLレシピを作成することができる。MLレシピに対して標準的なトレーニング、テスト、および検証が行われる。
【0115】
ステップ4.オプション 極端なエッジのための微調整
【0116】
極端なエッジ(extreme edge)のために特別な処理が必要とされることがある。追加のOCD測定およびまたは追加のOCDレシピ(微調整)が最適な極端なエッジ記述(best extreme edge description)を得るために必要とされることがある。
【0117】
イメージング計測測定(Imaging metrology measurements)
【0118】
すべてのウェハについて標準のOCDレシピがあらかじめ規定された位置(ウェハあたり12~100点)において関心あるパラメータを測定する。イメージが必要な条件において収集されかつ処理される。同一位置におけるOCDの結果(関心あるすべてのパラメータ)およびイメージパラメータが一緒に使用され、各ウェハにおける正確なイメージ計測を行うことができる。
【0119】
パラメータマップへのイメージの解釈(interpretation of the image into parameter maps)は、インスタントMLアプローチ(instant ML approach)を含む複数の方法で行うことができ、このアプローチは現在のウェハ、および/または特別に準備されたDOEウェハ、および/またはウェハおよびその処理についての既存知識におけるイメージ位置(標準スキャトリメトリ)の一つで測定されるプロファイルパラメータにおいて構築される。
【0120】
撮像(イメージング)装置が提供され、この撮像装置は、第1のスペクトル分解能で、第1のスループットで、計測装置および別の装置の間のウェハの移動中にウェハを撮像するように構成された撮像装置を含み、ここで上記第1のスペクトル分解能は、上記計測装置の第2のスペクトル分解能よりも粗く、第1のスループットは計測装置の第2のスループットを超えており、上記撮像装置は、撮像装置を計測装置に機械的に結合するための機械的インターフェース(mechanical interface)を備えている。
【0121】
上記撮像装置はウェハの造作を計測するように構成することができる。
【0122】
上記撮像装置は、ウェハの移動中に少なくとも一つの照明ラインを用いてウェハをスキャンするように構成可能な照明モジュールを含んでもよい。
【0123】
上記撮像装置は、ウェハの移動中に、照明周波数が互いに異なる、様々な照明ラインを用いて上記ウェハをスキャンするように構成可能な照明モジュールを備えることができ、上記様々な照明ラインがウェハ上に様々な重複しない照明ピリオドにおいて(at differed and non-overlapping illumination periods)形成される。
【0124】
照明ラインのそれぞれは上記ウェハの移動方向に垂直にすることができる。
【0125】
上記照明を上記ウェハに垂直にすることができる。
【0126】
上記撮像装置は上記ウェハに垂直にすることができる光軸を有する収集モジュール(collection module that has an optical axis that may be normal to the wafer)を含んでもよい。
【0127】
上記照明モジュールは、円形断面の入射放射ビームをライン放射に変換するように構成される光学ユニットを含んでもよい。
【0128】
図17は方法300を示している。
【0129】
方法300は、計測システムおよび別の装置の間のウェアの移動中に、ウェハについて、第1のシステムによって、第1のスペクトル解像度で、第1のスループットで、光学情報を取得するステップ310を含み、ここで上記第1のスペクトル分解能(解像度)は第2のシステムの第2のスペクトル解像度よりも粗く、上記第1のスループットは上記第2のシステムの第2のスループットを超えており、上記第1のシステムは、機械的インターフェースによって、上記第2のシステムに機械的に結合されている。上記第1のシステムは撮像システムであっても、または非撮像システムであってもよい。上記第2のシステムは計測装置、IMツール等とすることができる。
【0130】
ステップ310に続くステップ320では、第1のシステムによってウェハの造作(features of the wafer)を測定する。これは計測パラメータとすることができる。
【0131】
ステップ310は、第1のシステムの照明モジュールによるステップ305のウェハのスキャン中に、ウェハの移動中における少なくとも一つの照明ラインを用いて実行することができる。複数ラインとすることができるが、ラインの数はラインごとの画素数よりも少ない。5-10ライン、10-20ライン、20-40ライン、15-50ライン等とすることができる。
【0132】
ステップ305は、ウェハの移動中に、照明周波数が互いに異なる様々な照明ラインを用いて、上記第1のシステムの照明モジュールによってウェハをスキャンすることを含むことができ、様々かつ非オーバーラップの照明ピリオド期間において上記様々な照明ラインがウェハ上に形成される。
【0133】
各照明ラインは上記ウェハの移動方向に垂直であってもよい。
【0134】
上記照明は上記ウェハに垂直であってもよい。
【0135】
上記第1のシステムは、上記ウェハに垂直な光軸を有する収集モジュールを含んでもよい。
【0136】
ステップ310は、第1のシステムの光学ユニットによって、断面円形の入射放射ビームをライン放射に変換することを含んでもよい。
【0137】
図18は方法400を示している。
【0138】
方法400は、処理回路によってウェハに関連する光学情報を取得するステップ410を含むことができ、第1のシステムによってイメージが生成され、これが第1のスペクトル分解能のものであり、上記光学情報の取得が、第2のシステムおよび別の装置の間のウェハの移動中に第1のスループットにおいて実行される。
【0139】
方法400は、処理回路によって、ウェハの一または複数の領域に関連する第2のシステムの結果を取得するステップ420を含むことができ、上記計測結果が、上記第1のスペクトル分解能よりも精緻な(細かい)第2のスペクトル分解能で、上記第1のスループットよりも低い第2のスループットで、上記ウェハの領域内の造作の測定を実行するように構成された第2のシステムによって生成される。
【0140】
ステップ410および420に続くステップ430では、ウェハの一または複数の追加領域に関連する計測結果を、(a)第1のシステム結果および第2のシステム結果の間のマッピング、(b)第1のシステムの結果ならびに(c)第2のシステムの結果に基づいて推定し、ここで上記一または複数の追加領域はステップ420の一または複数の領域に含まれないものである。
【0141】
この出願は、従来技術に比べて大幅な技術的改善、特にコンピュータ・サイエンスの改善を提供する。
【0142】
「含む」(comprising)または「有する」(having)という用語への言及は、「本質的にからなる」(essentially consisting of)の「からなる」(consisting)も言及すると解釈されるべきである。たとえば、特定のステップを含む方法は追加のステップを含むことができ、特定のステップに限定することができ、または方法の基本的および新規な特性に実質的に影響を与えない追加のステップをそれぞれ含むことができる。
【0143】
この発明はまた、コンピュータシステム上で実行されるコンピュータ・プログラム中に実装することができ、コンピュータシステムなどのプログラム可能な装置上で実行されるときに、またはプログラム可能な装置がこの発明による装置またはシステムの機能を実行可能なときにこの発明による方法を実行するコード部分を少なくとも含む。コンピュータ・プログラムによって、ストレージシステムはディスクドライブをディスクドライブグループに割り当てることができる。
【0144】
コンピュータ・プログラムは特定の適用プログラムおよび/またはオペレーティング・システムのような指示のリストである。コンピュータ・プログラムは、たとえば、サブルーチン、関数、手順、オブジェクトメソッド、オブジェクト実装、実行可能アプリケーション、アプレット、サーブレット、ソースコード、オブジェクトコード、共有ライブラリ/ダイナミックロードライブラリ、および/またはコンピュータシステム上での実行のために設計されたその他の一連の命令のうちの一つまたは複数を含むことができる。
【0145】
上記コンピュータ・プログラムは、非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体などのコンピュータ・プログラム製品に内部的に格納することができる。コンピュータ・プログラムの全部または一部は、永続的に、取り外し可能に、コンピュータ読み取り可能な媒体で提供されてもよいし、または情報処理システムに結合されて遠隔的に提供されてもよい。コンピュータ読み取り可能な媒体は、たとえば、限定はされないが、ディスクおよびテープ記憶媒体を含む磁気記憶媒体、コンパクトディスクメディア(CD-ROM、CD-Rなど)やデジタルビデオディスクストレージメディアなどの光ストレージメディア、フラッシュメモリ、EEPROM、EPROM、ROMなどの半導体ベースのメモリユニットを含む不揮発性メモリ記憶媒体、強磁性デジタルメモリ、MRAM、レジスタ、バッファまたはキャッシュ、メインメモリ、RAMなどを含む揮発性記憶媒体のいくつかであってもよい。コンピュータ処理は典型的には実行(稼動)プログラム、またはプログラムの部分、現在のプログラム値、ステート情報、処理の実行を管理するオペレーティング・システムによって用いられるリソースを含む。オペレーティング・システム(OS)はコンピュータのリソースの共有を管理し、プログラマーにこれらのリソースをアクセスするために用いられるインターフェースを提供するソフトウェアである。オペレーティング・システムは、システムデータとユーザ入力を処理し、システムのユーザおよびプログラムへのサービスとして、タスクおよび内部システムリソースを割り当てて管理することによって応答する。コンピュータシステムは、たとえば、少なくとも一つの処理ユニット、関連するメモリ、および多数の入出力(I/O)デバイスを含むことができる。コンピュータ・プログラムを実行するとき、コンピュータシステムは、コンピュータ・プログラムにしたがって情報を処理し、I/Oデバイスを介した結果としての出力情報を生成する。
【0146】
上述の明細書において、発明は、発明の実施形態の特定の例を参照して説明した。しかしながら、添付の特許請求の範囲に記載のこの発明のより広い精神および範囲から逸脱することなく、様々な修正および変更を行うことができることは明らかであろう。
【0147】
さらに、明細書および請求項における「前」(front)、「後」(back)、「上」(top)、「下」(bottom)、「超える」(over)、「下方」(under)などの用語は、説明目的で使用されているものであって、必ずしも永続的な相対位置を説明するものではない。このように使用される用語は、適切な状況下で交換可能であり、この明細書に記載のこの発明の実施形態は、たとえば、この明細書に図示または記載されたもの以外の向きで動作できることが理解される。
【0148】
当業者は、論理ブロック間の境界は単なる例示であって、代替実施形態においては、論理ブロックまたは回路要素を併合するか、またはさまざまな論理ブロックまたは回路要素に機能の代替分解を課すことができることを当業者は認識するであろう。すなわち、この明細書に示したアーキテクチャは単なる例示であって、実際には、同じ機能を実現する他の多くのアーキテクチャを実装できることを理解されたい。
【0149】
同じ機能を達成するための構成要素の任意の配置は、所望の機能が達成されるように効果的に「関連付けられる」。したがって、特定の機能を実現するためにこの明細書で組み合わされた任意の2つのコンポーネントは、アーキテクチャまたは中間コンポーネントに関係なく、所望の機能が実現されるように互いに「関連付けられている」とみなすことができる。同様に、そのように関連付けられた任意の2つのコンポーネントは、所望の機能を実現するために、互いに「動作可能に接続」または「動作可能に結合」されているとみなすこともできる。
【0150】
さらに、当業者は、上述の動作間の境界が単なる例示であることを認識するであろう。複数の操作を組み合わせて単一の操作にすることができ、単一の操作を追加の操作に分散させることができ、操作を少なくとも部分的に重複して実行することができる。さらに、代替実施形態では、特定の操作の複数のインスタンスを含むことができ、操作の順序は、さまざまな他の実施形態において変更することができる。
【0151】
また、たとえば、一実施形態では、図示された実施例は、単一の集積回路上または同じデバイス内に配置された回路として実装することができる。これに代えて、これらの例は、適切な方法で互いに相互接続された任意の数の別個の集積回路または別個のデバイスとして実装することができる。
【0152】
また、たとえば、実施例またはその一部は、適切なタイプのハードウェア記述言語などで、物理回路または物理回路に変換可能な論理表現のソフトまたはコード表現として実装することができる。
【0153】
また、この発明は、プログラム不可能なハードウェアに実装される物理的なデバイスまたはユニットに限定されずに、メインフレーム、ミニコンピュータ、サーバ、ワークステーション、パーソナルコンピュータ、ノートパッド、携帯情報端末、電子ゲーム、自動車およびその他の組み込みシステム、携帯電話、およびその他のさまざまなワイヤレスデバイスであって、この出願では一般に「コンピュータシステム」と呼ばれる、適切なプログラムコードにしたがって動作することによって所望のデバイス機能を実行可能なプログラム可能なデバイスまたはユニットに適用することができる。
【0154】
もっとも、他の修正、変形、および代替も可能である。したがって、この明細書および図面は、限定的な意味ではなく、例示的なものとみなされるべきである。
【0155】
特許請求の範囲において、括弧の間に置かれた参照記号は、特許請求の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。「含む」という言葉は、クレームに記載されているもの以外の要素またはステップの存在を排除するものではない。さらに、用語「a」または「an」は、この明細書で使用される場合、一または複数として定義される。また、請求項における「少なくとも一つ」や「一または複数」などの導入句の使用は、不定冠詞「a」または「an」による別のクレーム要素の導入が特定の同じクレームが「一または複数の」または「少なくとも一つの」という導入句および「a」または「an」などの不定冠詞を含む場合でも、そのような導入されたクレーム要素を含むクレームを、そのような要素を一つだけ含む発明に適用される。定冠詞の用法についても同様である。別段の記載がない限り、「第1」および「第2」などの用語は、そのような用語が説明する要素を任意に区別するために使用される。したがって、これらの用語は、そのような要素の時間的またはその他の優先順位付けを必ずしも示すことを意図したものではない。相互に異なる請求項に記載されていることは、これらの手段の組み合わせが有利に使用できないことを示すものではない。
【0156】
この発明の特定の特徴が図示されかつ記載されているが、他方において多くの修正、置換、変更、および等価物が当業者に思い浮かぶであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、この発明の真の精神に含まれるすべての修正および変更をカバーすることを意図していることを理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【国際調査報告】