(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-16
(54)【発明の名称】スキューに基づくテープ寸法安定性補償のためのサーボ・パターン
(51)【国際特許分類】
G11B 5/584 20060101AFI20231006BHJP
G11B 21/10 20060101ALI20231006BHJP
【FI】
G11B5/584
G11B21/10 W
G11B21/10 L
G11B21/10 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023515336
(86)(22)【出願日】2021-09-22
(85)【翻訳文提出日】2023-03-07
(86)【国際出願番号】 EP2021076039
(87)【国際公開番号】W WO2022069312
(87)【国際公開日】2022-04-07
(32)【優先日】2020-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【氏名又は名称】太佐 種一
(74)【代理人】
【識別番号】100120710
【氏名又は名称】片岡 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】ブイ、ニャン、スアン
(72)【発明者】
【氏名】ランツ、マーク、アルフレッド
(72)【発明者】
【氏名】フラー、シメオン
(72)【発明者】
【氏名】ビスケボーン、ロバート
(57)【要約】
第1のサーボ・バンドおよび第2のサーボ・バンドのタイミング・ベース・サーボ(TBS)パターンの回転に応じて、TBSパターンのサーボ・フレームのサーボ・ストライプの上部分および下部分の高さが、回転によって引き起こされるサーボ・ストライプの使用可能な高さにおける変化を補償するために調整される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気テープ・システムのための方法であって、前記方法は、
第1のサーボ・バンドおよび第2のサーボ・バンドのタイミング・ベース・サーボ(TBS)パターンの回転に応じて、TBSパターンのサーボ・フレームのサーボ・ストライプの上部分および下部分の高さを、前記回転によって引き起こされる前記サーボ・ストライプの使用可能な高さにおける変化を補償するために、調整することを含む、方法。
【請求項2】
前記方法は、
前記第1のサーボ・バンドおよび前記第2のサーボ・バンドの等価サーボ・フレーム間の角偏位を補償するために、前記TBSパターンを調整することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のサーボ・バンドおよび前記第2のサーボ・バンドは、複数のサーボ・バンドに含まれる2つの連続したサーボ・バンドである、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
TBSパターン全体は、
方位角+αで磁気テープに書き込まれるサーボ・ストライプを含む第1のパターンと、
方位角-αで前記磁気テープに書き込まれるサーボ・ストライプを含む第2のパターンとから構成され、
前記TBSパターン全体は、全TBSパターン高さbと、サーボ・サブフレーム長さLとを有し、前記第1のパターンおよび前記第2のパターンを含む前記TBSパターン全体は、前記磁気テープに対して回転角度βを有し、βは2度から17度の範囲内である、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記第2のパターンの前記サーボ・ストライプの上部の高さは、距離m1だけ増加され、前記距離m1は、
a=(L/2)-b*tan(α)の場合、m1=a sin(β)
として計算される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第2のパターンの前記サーボ・ストライプの下部の高さは、距離m2だけ減少され、前記距離m2は、
m2=a sin(β)+(b/cos(α))*cos(α-β)-b cos(β)
と、
m2=a sin(β)+(b/cos(α))*cos(α-β)-b
とのうちの一方として計算される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のパターンの前記サーボ・ストライプの下部分の高さは、距離m3だけ増加され、前記距離m3は、
m3=b cos(β)-(b/cos(α))*cos(α+β)
と、
m3=b-(b/cos(α))*cos(α+β)
とのうちの一方として計算される、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記第2のパターンの前記サーボ・ストライプの上部分の高さは、距離m1だけ増加され、前記距離m1は、a=(L/2)-b*tan(α)の場合、m1=a sin(β)として計算され、
前記第2のパターンの前記サーボ・ストライプの下部分の高さは、距離m2だけ減少され、前記距離m2は、
m2=a sin(β)+(b/cos(α))*cos(α-β)-b cos(β)
と、
m2=a sin(β)+(b/cos(α))*cos(α-β)-b
とのうちの一方として計算され、
前記第1のパターンの前記サーボ・ストライプの下部分の高さは、距離m3だけ増加され、前記距離m3は、
m3=b cos(β)-(b/cos(α))*cos(α+β)
と、
m3=b-(b/cos(α))*cos(α+β)
とのうちの一方として計算される、請求項4に記載の方法。
【請求項9】
TBSパターン全体は、第1のサーボ・バンドnと関連した第1のTBSパターンと、第2のサーボ・バンドn+1と関連した第2のTBSパターンとから構成され、前記第1のTBSパターンおよび前記第2のTBSパターンのそれぞれは、方位角+αで磁気テープに書き込まれる複数のサーボ・ストライプを含む第1のサブ・パターンと、方位角-αで前記磁気テープに書き込まれる複数のサーボ・ストライプを含む第2のサブ・パターンとを含み、前記第1のTBSパターンおよび前記第2のTBSパターンのそれぞれは、全TBSパターン高さbおよびサーボ・サブフレーム長さLを有する前記第1のサブ・パターンおよび前記第2のサブ・パターンを含み、前記第1のTBSパターンおよび前記第2のTBSパターンを含む前記TBSパターン全体は、前記磁気テープに対して回転角度βを有し、βは2~17度の範囲内であり、前記磁気テープに対し、前記第1のTBSパターンおよび前記第2のTBSパターンの等価フレーム間で角度β’が存在し、ただしβ’はβ’=β+/-2°として表される、
請求項2に記載の方法。
【請求項10】
TBSパターン全体は、
方位角α1で磁気テープに書き込まれる複数のサーボ・ストライプを含む第1のパターンと、
方位角α2で磁気テープに書き込まれる複数のサーボ・ストライプを含む第2のパターンとから構成され、前記TBSパターン全体は、全TBSパターン高さbと、サーボ・サブフレーム長さLを有する前記第1のパターンおよび前記第2のパターンを含み、前記第1のパターンは方位角+αを有し、前記第2のパターンは方位角±αを有し、α1≠α2である、請求項2に記載の方法。
【請求項11】
前記第1のパターンおよび前記第2のパターンを含む前記TBSパターン全体は、回転角度βを有し、βは2~17度の範囲内であり、
α1=α+β、α2=-α+β
である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
テープ・フォーマッティング装置であって、前記テープ・フォーマッティング装置は、
コントローラと、
前記コントローラに結合されテープ上にタイミング・ベース・サーボ(TBS)パターンを書き込むように構成されるサーボ書込みヘッドと
を備えており、
前記TBSパターンに対する調整は、前記サーボ書込みヘッドの製造中に、第1のサーボ・バンドおよび第2のサーボ・バンドの前記TBSパターンの回転に応答して、前記回転によって引き起こされる前記サーボ・ストライプの使用可能な高さにおける変化を補償するために、前記TBSパターンのサーボ・フレームのサーボ・ストライプの上部分および下部分の高さを調整することを含む動作によって行われる、テープ・フォーマッティング装置。
【請求項13】
前記TBSパターンは、前記サーボ書込みヘッドの製造中に、前記第1のサーボ・バンドおよび前記第2のサーボ・バンドの等価サーボ・フレーム間の角偏位を補償するために前記TBSパターンを調整することを含む追加動作によって調整される、請求項12に記載のテープ・フォーマッティング装置。
【請求項14】
前記第1のサーボ・バンドおよび前記第2のサーボ・バンドは、複数のサーボ・バンドに含まれる2つの連続したサーボ・バンドである、請求項13に記載のテープ・フォーマッティング装置。
【請求項15】
TBSパターン全体は、
方位角+αで磁気テープに書き込まれるサーボ・ストライプを含む第1のパターンと、
方位角-αで前記磁気テープに書き込まれるサーボ・ストライプを含む第2のパターンとから構成され、
前記TBSパターン全体は、全TBSパターン高さbと、サーボ・サブフレーム長さLとを有し、前記第1のパターンおよび前記第2のパターンを含む前記TBSパターン全体は、前記磁気テープを基準として回転角度βを有し、βは、2度から17度の範囲内である、請求項13に記載のテープ・フォーマッティング装置。
【請求項16】
前記第2のパターンの前記サーボ・ストライプの上部分の高さは、距離m1だけ増加され、前記距離m1は、
a=(L/2)-b*tan(α)の場合、m1=a sin(β)
として計算される、請求項15に記載のテープ・フォーマッティング装置。
【請求項17】
前記第2のパターンの前記サーボ・ストライプの下部分の高さは、距離m2だけ減少され、前記距離m2は、
m2=a sin(β)+(b/cos(α))*cos(α-β)-b cos(β)
と、
m2=a sin(β)+(b/cos(α))*cos(α-β)-b
とのうちの一方として計算される、請求項16に記載のテープ・フォーマッティング装置。
【請求項18】
前記第1のパターンの前記サーボ・ストライプの下部分の高さは、距離m3だけ増加され、前記距離m3は、
m3=b cos(β)-(b/cos(α))*cos(α+β)
と、
m3=b-(b/cos(α))*cos(α+β)
とのうちの一方として計算される、請求項15に記載のテープ・フォーマッティング装置。
【請求項19】
前記第2のパターンの前記サーボ・ストライプの上部分の高さは、距離m1だけ増加され、前記距離m1は、a=(L/2)-b*tan(α)の場合、m1=a sin(β)として計算され、
前記第2のパターンの前記サーボ・ストライプの下部分の高さは、距離m2だけ減少され、前記距離m2は、
m2=a sin(β)+(b/cos(α))*cos(α-β)-b cos(β)
と、
m2=a sin(β)+(b/cos(α))*cos(α-β)-b
とのうちの一方として計算され、
前記第1のパターンの前記サーボ・ストライプの下部分の高さは、距離m3だけ増加され、前記距離m3は、
m3=b cos(β)-(b/cos(α))*cos(α+β)
と、
m3=b-(b/cos(α))*cos(α+β)
とのうちの一方として計算される、請求項15に記載のテープ・フォーマッティング装置。
【請求項20】
TBSパターン全体は、第1のサーボ・バンドnと関連した第1のTBSパターンと、第2のサーボ・バンドn+1と関連した第2のTBSパターンとから構成され、前記第1のTBSパターンおよび前記第2のTBSパターンのそれぞれは、方位角+αで磁気テープに書き込まれる複数のサーボ・ストライプを含む第1のサブ・パターンと、方位角-αで前記磁気テープに書き込まれる複数のサーボ・ストライプを含む第2のサブ・パターンとを含み、前記第1のTBSパターンおよび前記第2のTBSパターンのそれぞれは、全TBSパターン高さbおよびサーボ・サブフレーム長さLを有する前記第1のサブ・パターンおよび前記第2のサブ・パターンを含み、前記第1のTBSパターンおよび前記第2のTBSパターンを含む前記TBSパターン全体は、前記磁気テープを基準として回転角度βを有し、βは2~17度の範囲内であり、前記磁気テープに対し、前記第1のTBSパターンと前記第2のTBSパターンとの等価フレーム間で角度β’が存在し、β’はβ’=β+/-2°として表される、請求項13に記載のテープ・フォーマッティング装置。
【請求項21】
TBSパターン全体は、
方位角α1で磁気テープに書き込まれる複数のサーボ・ストライプを含む第1のパターンと、
方位角α2で磁気テープに書き込まれる複数のサーボ・ストライプを含む第2のパターンとから構成され、
前記TBSパターン全体は、全TBSパターン高さbと、サーボ・サブフレーム長さLを有する前記第1のパターンおよび前記第2のパターンを含み、前記第1のパターンは方位角+αを有し、前記第2のパターンは、前記第1のパターンを基準として、方位角±αを有し、α1≠α2である、請求項13に記載のテープ・フォーマッティング装置。
【請求項22】
前記第1のパターンおよび前記第2のパターンを含む前記TBSパターン全体は、回転角度βを有し、βは2~17度の範囲内であり、
α1=α+β、α2=-α+βである、
請求項21に記載のテープ・フォーマッティング装置。
【請求項23】
コンピュータ・プログラム製品であって、前記コンピュータ・プログラム製品は、コンピュータ可読記憶媒体を備えており、前記コンピュータ可読記憶媒体は、前記コンピュータ可読記憶媒体によって具体化されるコンピュータ可読プログラム・コードを有し、前記コンピュータ可読プログラム・コードは、装置において、請求項1ないし11のいずれかに記載のステップの全てを含む動作を実行するように構成される、コンピュータ・プログラム製品。
【請求項24】
テープであって、
磁気媒体と、
サーボ書込みヘッドによって前記磁気媒体上に書き込まれる複数のサーボ・バンドとを備えており、サーボ・パターンは、前記サーボ書込みヘッドの製造中に、前記複数のサーボ・バンドの第1のサーボ・バンドおよび第2のサーボ・バンドのTBSパターンの回転に応答して、前記回転によって引き起こされる前記サーボ・ストライプの使用可能な高さにおける変化を補償するために、前記TBSパターンのサーボ・フレームのサーボ・ストライプの上部分および下部分の高さを調整することを含む動作によって調整される、テープ。
【請求項25】
テープ上にタイミング・ベース・サーボ(TBS)パターンを書き込むように構成されるサーボ書込みヘッドであって、前記TBSパターンに対する調整は、前記サーボ書込みヘッドの製造中に、
第1のサーボ・バンドおよび第2のサーボ・バンドの前記TBSパターンの回転に応答して、前記TBSパターンのサーボ・フレームのサーボ・ストライプの上部分および下部分の高さを、前記回転によって引き起こされる前記サーボ・ストライプの使用可能な高さにおける変化を補償するために調整することを含む動作によって行われる、サーボ書込みヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にテープ・ストレージ・システムに関し、より詳しくは、スキューに基づくテープ寸法安定性補償のためのサーボ・パターンに関する。
【背景技術】
【0002】
磁気媒体では、データが、通常、磁気転移として記憶され、例えば、データが磁気媒体の表面上に磁気的に記録される。記憶されたデータは、通常、データ・トラックに配置される。磁気テープなどの典型的な磁気記憶媒体は、複数のデータ・トラックを含む。トランスデューサ(読取り/書込み)ヘッドは、トラックに沿ってデータを読み出す/書き込むために、データ・トラックを基準として配置される。それに応じて、テープ・ドライブ・ヘッドは、各データ・トラックの位置を特定し、データ・トラックのパスを正確にたどる。これを実現するために、データ・トラックに対するヘッドの高精度の位置決めを可能にするサーボ技術が開発された。そのような技術の1つは、ヘッドによって追従されるサーボ・パターン、すなわち、信号のパターン、または媒体上の記録されたマークを使用する。データ・トラックのための位置基準を提供するために、サーボ・パターンがテープ上に記録される。換言すれば、サーボ・ヘッドがサーボ・パターンを読み取り、その後、読み取ったサーボ・パターンがサーボ・コントローラによって解釈されて、位置誤差信号(PES)となる。PESは、その後、サーボ・パターンを基準としてサーボ・ヘッドの距離を調整するために使用され、データ・トラックのセットに対してトランスデューサの適切な位置決めを確実にする。
【0003】
磁気テープ媒体において、サーボ・パターンは、専用トラック(サーボ・バンドと呼ばれる)上に記憶される。サーボ・バンド内に複数のパターンが定義されてもよく、複数のサーボ・バンドが、テープ上のデータを読み取るプロセスおよび書き込むプロセスによって依存されることがある。データ・トラックは、サーボ・バンド間に配置される。特定のサーボ技術は、時間または距離の変数が関連付けられ得る非平行のマークを使用するタイミング・ベース・サーボ(TBS)パターンを使用する。TBSシステムにおいて、記録されたサーボ・パターンは、2つの異なる方位角傾斜を有する遷移を含む。ヘッド横方向の位置の推定結果は、サーボ・パターンを読み取るサーボ・リーダによって生成されたパルスの相関タイミングから導出される。TBSフォーマットでは、テープにわたって分布したいくつかのバンドに予めサーボ・パターンが記録されており、ここで、予めサーボ・パターンが記録されているバンドは、サーボ・バンドと呼ばれる。データは、サーボ・バンド対の間に配置された領域のデータ・トラックに記録される。
【0004】
テープ寸法安定性(TDS)は、互いを基準としたデータ・トラック同士の互いの位置安定性の尺度であり、テープ特性と、温度、湿度、張力、クリープなどの環境影響との関数である。これらの環境要因は、テープをテープの幅にわたって横方向に膨張または収縮させ得る。したがって、テープが一環境条件で書き込まれ、その後、他の環境条件で読み取られるとき、テープ幅にわたるデータ・トラックの位置は、信号劣化または読取りエラーを引き起こす程度に変化する場合がある。
【発明の概要】
【0005】
第1のサーボ・バンドおよび第2のサーボ・バンドのタイミング・ベース・サーボ(TBS)パターンの回転に応答して、TBSパターンのサーボ・フレームのサーボ・ストライプの上部分および下部分の高さが、回転によって引き起こされるサーボ・ストライプの使用可能な高さにおける変化を補償するために調整される、方法、テープ・フォーマッティング装置、コンピュータ・プログラム製品、テープ、およびサーボ書込みヘッドが提供される。
【0006】
特定の追加の実施形態では、第1のサーボ・バンドと第2のサーボ・バンドとの等価サーボ・フレーム間の角偏位を補償するためにTBSパターンが調整される。
【0007】
さらなる実施形態では、第1のサーボ・バンドおよび第2のサーボ・バンドは、複数のサーボ・バンドに含まれる2つの連続したサーボ・バンドである。
【0008】
以下で、同様の参照番号は、図面全体を通して対応する部分を表わす、図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】特定の実施形態による、TDS補償のためにテープ上にサーボ・パターンを書き込むテープ・フォーマッティング装置を備えるコンピューティング環境と、テープ・ドライブにおけるテープの使用とのブロック図である。
【
図2】特定の実施形態による、例示的なTBSサーボ・パターンのブロック図である。
【
図3】特定の実施形態による、0度および30度回転時の例示的なTBSサーボ・パターンを示すブロック図である。
【
図4】特定の実施形態による、多バンド・サーボ書込み機構を示すブロック図である。
【
図5】特定の実施形態による、サーボ・パターンの回転を示すブロック図である。
【
図6】特定の実施形態による、サーボ・パターンの回転を補償するために行われる調整を示すブロック図である。
【
図7】特定の実施形態による、サーボ・バンドの相対的整列のために行われる調整を示すブロック図である。
【
図8】特定の実施形態による、TDS補償とともに使用されるTBSサーボ・パターンの調整を示す第1のフロー・チャートである。
【
図9】特定の実施形態による、TDS補償とともに使用されるTBSサーボ・パターンの調整を示す第2のフロー・チャートである。
【
図10】特定の実施形態による、
図1~
図9で説明されるようなコントローラ、テープ・フォーマッティング装置、テープ・ドライブ、および計算装置に含まれ得る特定の要素を示すシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の説明において、本明細書の一部をなし、いくつかの実施形態を示す添付図面を参照する。他の実施形態が利用されてもよく、構造上および動作上の変更が行われてもよいことを理解されたい。
【0011】
テープ・ドライブは、アクティブ・スキュー制御を使用して、信頼性を確実にすることを助ける書込み中の読み取りを可能とし、アクティブTDS制御を使用して、より高いトラック密度、したがって容量増加を可能とし得る。TDSとスキューとの両方は、一対のサーボ・リーダを使用して測定される。この2つのサーボ・リーダは、読取りトランスデューサおよび書込みトランスデューサの配列のそれぞれ両端に配置され、テープ・ドライブの動作中に各データ帯域を囲む2つのTBSパターンを読み取る。
【0012】
TBSサーボ・パターンは、方位角+αおよび-αで磁気テープ上に書き込まれたストライプ群を含む。サーボ・リーダがテープ駆動中にサーボ・パターンを読み取ると、各ストライプに応答して一連の「ダイビット」パルスを生成し、結果として、反復5-5-4-4パターンのダイビット・パルスのバーストが発生する。これらのダイビット(双ビットとも呼ばれる)パルスの相対的なタイミングは、YPOSと呼ばれる、ヘッドに対するテープの横方向の位置の一連の測定結果を生成するために、サーボ・チャネルによって分析される。ヘッドに対するテープのスキューは、サーボ・パターンにおける所与のストライプから上部サーボ・リーダを用いて観察されたダイビット・パルスの到着と、下部サーボ・リーダを用いて観察された対応ストライプからのパルスとの間で進行した距離を比較することによって測定される。この技術は、トップ・ボトム・スキュー(top-bottom skew)として知られる。
【0013】
TDSは、上部サーボ・リーダを用いて測定されたYPOS値と、下部サーボ・リーダによって測定されたYPOS値との間の差(サーボ・バンド差(servo band difference:SBD)と呼ばれる値)を算出することによって測定される。SBDの増加は、テープの幅の減少に対応する。
【0014】
温度、湿度、および張力の変化、ならびに長期間のクリープ効果の結果として発生するテープ幅の変化は、TDSと呼ばれる。TDSまたはテープ幅の変化は、SBDの変化によって測定され、能動的に補償され得る。特定の機構において、テープ張力は、能動的なTDS補償のために使用される。ただし、このアプローチは、範囲が限定され、さらなる問題(例えば、低張力無負荷に起因するサイクル・タイムの増加、テープ・シンチ(tape cinch)、テープ破損のリスクの増加、不定のテープ・ヘッド摩擦、不定のテープ・ヘッドの間隔など)を引き起こす。
【0015】
特定の機構は、スキューに基づくTDS補償を実現し得る。そのような機構では、テープ・ドライブは、テープに対する公称回転角度(ベータ)を有するヘッドで動作され、ここで、ベータは1~10度程度である。その後、ヘッドの実効全長は、回転角度を減少または増加させることによって、増加または減少され得る。角度が大きくなるほど、TDS補償利得が増加するが、以下で説明するように、サーボ・チャネルの性能において問題を引き起こす。
【0016】
スキューに基づくTDS補償を実施しない現在のテープ・ドライブでは、サーボ・リーダに対するサーボ・ストライプの角度の絶対値が一定である。その結果、サーボ・リーダが正の角度でストライプを読み取ることによって生成されたダイビットは、負の角度でのストライプからの読取りによって生成されたダイビットと同じである。ただし、ヘッドがテープを基準として角度ベータ(β)だけ時計回りに回転された場合、第1のストライプ・セットに対するサーボ・リーダの相対角度は、(α-β)となり、第2のストライプ・セットに対しては、(α+β)となる。例えば、α=12度、β=10度の場合、相対角度は2度および22度である。
【0017】
特定の実施形態は、(例えば、サーボ・フォーマッティング中にサーボ・ヘッドを回転する、またはサーボ・フォーマット・ヘッド上で書込みギャップの位置を回転することによって)テープ・ドライブ・ヘッドの公称回転角度ベータ(β)に等しい(またはほぼ等しい)角度だけ、サーボ・パターンを回転する動作を含む。これは、上述した問題の大部分を解決するが、サーボ・パターンの使用可能な高さ、すなわち、測定可能なYPOSの範囲を減少させる。これに対処するために、本開示は、測定範囲を増加させるようにサーボ・パターンの形状を適合させるルール・セットを提供する。最後に、特定の実施形態は、サーボ・パターンを回転することによっては完全に補償されない残留歪を減少させるためにサーボ・パターンへの追加の調整を提供する。
【0018】
図1は、特定の実施形態による、TDS補償のためにテープ104上にサーボ・パターンを書き込むテープ・フォーマッティング装置102を備えるコンピューティング環境100と、テープ・ドライブ106におけるテープ104の使用とのブロック図を示す。テープ・フォーマッティング装置102は、本開示で提供される実施形態にしたがって製造されたサーボ書込みヘッドを使用して調整されたパターンを書き込む。なお、サーボ書込みヘッドの製造中にサーボ書込みヘッドに対して調整が行われる必要があることに留意されたい。具体的には、サーボ書込みヘッドの調整は、従来のTBSパターンを書き込むために使用されるサーボ書込みヘッドの書込みギャップに対し、サーボ書込みヘッドにおける物理的書込みギャップの形状の調整を必要とする場合がある。テープ・ドライブ106のテープ・カートリッジ108に含まれるときのテープ104は、参照番号110によって付される。
【0019】
テープ・フォーマッティング装置102は、テープ104にTDS補償のために調整されたサーボ・パターンを書き込み、ここで、このサーボ・パターンは、サーボ書込みヘッド112によって書き込まれる。テープ・フォーマッティング装置102に含まれるコントローラ116は、テープ104の動きと、テープ104へのサーボ・パターンの書込みとを制御する。テープ・フォーマッティング装置102のコントローラ116は、サーボ・ストライプ(すなわち、サーボ・パターン)を書き込むために、サーボ書込みヘッド112に対して適用されるテープ速度および書込み電流パルスを制御する。サーボ書込みヘッド112の位置は、サーボ・フォーマッティング中に固定される。
【0020】
調整されたサーボ・パターンを有するテープを使用するテープ・ドライブ106は、サーボ読取りヘッド120、データ読取りヘッド122、およびデータ書込みヘッド124の動作を制御するコントローラ118を備える。調整されたサーボ・パターンを有するテープ104は、テープ・ドライブ106のテープ・カートリッジ108に挿入され、参照番号110によって示される。テープ・ドライブ106のコントローラ118は、サーボ読取りヘッド120を使用して、テープ110に書き込まれた調整されたサーボ・パターンを読み取り、その後、計算装置126から受け取った入力/出力(I/O)動作に応答して、データ読取りヘッド122を用いたテープ110からの読取り動作と、データ書込みヘッド124を用いたテープ110への書込み動作とを実行する。
【0021】
図2は、特定の実施例による、例示的なTBSサーボ・パターン200のブロック図を示す。
【0022】
TBSサーボ・パターン200は、磁気テープ104に書き込まれたストライプ群から構成される。このストライプ群は、Aバースト、Bバースト、Cバースト、およびDバースト(参照番号202、204、206、208によって示される通り)と呼ばれる。TBSサーボ・パターン200は、方位角α(参照番号210、212によって示される)、高さb214、およびサーボ・サブフレーム長L216というパラメータによって記述され得る。
【0023】
サーボ・パターンは、参照番号210、212(特定の実施形態では、α=12度)によって示されるように、方位角+αまたは-αで書き込まれる。従来のTBSにおける方位角αは、テープ進行方向に垂直な角度として定義される。テープ駆動中にサーボ・リーダがサーボ・パターンを読み取ると、サーボ・リーダは、各ストライプに応答して一連のダイビット・パルスを生成し、結果として、反復5-5-4-4パターンのダイビット・パルスのバーストが得られ、Aバースト202およびBバースト204は5-5パターンに対応し、Cバースト206およびDバースト208は4-4パターンに対応する。リニア・テープ・オープン(LTO)フォーマットおよびIBM(R)エンタープライズ・フォーマットは、上記のような5-5-4-4パターンを指定するが、代替の実施形態では、他のパターンも使用され得る。これらのダイビット・パルスの相対的タイミングは、YPOSと呼ばれる、ヘッドに対するテープの横方向の位置の一連の測定結果を生成するために、サーボ・チャネルによって分析される。ヘッドに対するテープのスキューは、サーボ・パターンにおける所与のストライプから上部サーボ・リーダを用いて観察されたダイビット・パルスの到着と、下部サーボ・リーダを用いて観察された対応ストライプからのパルスとの間で進行した距離を比較することによって測定され、この技術はトップ・ボトム・スキューと呼ばれる。
【0024】
図3は、特定の実施形態による、0度および30度回転時の例示的なTBSサーボ・パターンを示すブロック
図300を示す。
図3に示されているのは、回転なしの読取り装置(例えば、参照番号302によって示された読取り装置)と、30度の回転を有する読取り装置(例えば、参照番号308によって示された読取り装置)である。パターンの回転は、ストライプが近づく、または遠ざかる空間的変化と、時間の経過に伴うヘッド移動における時間的な変化とによって引き起こされたAバースト対Bバーストについてのダイビット・リードバック信号の違いにつながる(参照番号304によって示される通り)。
【0025】
図4は、特定の実施形態による、多バンド・サーボ書込み機構を示すブロック
図400を示す。
【0026】
サーボ書込みヘッド402が参照番号407によって示される動きの方向で移動するテープ上にTBSパターン404を書き込むサーボ書込みプロセス401が示されている。第1の書込みギャップ405は、AバーストおよびCバースト上にストライプを書き込み、第2の書込みギャップ406は、BバーストおよびDバーストにストライプを書き込む。書込み電流パルス408は、書込みギャップ405、406によるTBSパターンの書込みをトリガする。サーボ・リーダ軌道位置は、TBSパターンにおける距離から計算され得る。
【0027】
図4はまた、複数のサーボ・バンドが5つのサーボ・バンドを書き込む(参照番号416によって示される)ヘッド414を用いてテープ上に書き込まれる多バンド・サーボ・パターン書込み412のための特定の実施形態を示す。
【0028】
図5は、特定の実施形態による、サーボ・パターンの回転を示すブロック図を示す。
【0029】
未調整のサーボ・パターンが上部サーボ・パターンにおいて参照番号502によって示され、10度の角度ベータ(β)だけ回転されたサーボ・パターンが、下部サーボ・パターンにおいて参照番号504によって示される。
【0030】
回転に関して、未調整のサーボ・パターンから回転されたサーボ・パターンの偏位は、長さm1 506、m2 508、m3 510によって示される。Bバースト514およびDバースト518におけるサーボ・ストライプの上部は、長さm1 510だけ減少している。Bバースト514およびDバースト518におけるサーボ・ストライプの下部は、長さm2 508だけ増加している。Aバースト512およびCバースト516におけるサーボ・ストライプの下部は、長さm3 510だけ減少している。
【0031】
図6は、特定の実施形態による、サーボ・パターンの回転を補償するために行われる調整を示すブロック
図600を示す。
【0032】
図5から回転されたサーボ・パターン504は、
図6の上部に示されている。回転を補償するための調整がされたサーボ・パターン602は、以下の動作を実行することによって生成される。
(a)BバーストおよびDバーストにおけるサーボ・ストライプの上部の長さが増加されて、高さを距離m1だけ増加させる(参照番号604)。
(b)BバーストおよびDバーストにおけるサーボ・ストライプの下部の長さが減少されて、高さを距離m2だけ減少させる(参照番号606)。
(c)AバーストおよびCバーストにおけるサーボ・ストライプの下部の長さが増加されて、高さを距離m3だけ増加させる(参照番号608)。
【0033】
図6に示される動作の結果として、サーボ・ストライプの長さを拡大および減少させることによって、回転の特定の影響が補償され、調整されたサーボ・バンドは、参照番号602によって示される。
【0034】
図7は、特定の実施形態による、サーボ・バンド700の相関的整列のために行われる調整示すブロック図を示す。
図7に示される動作は、コントローラによって実行され得る。
【0035】
図7において、サーボ・バンドn 702およびサーボ・バンドn+1 704と呼ばれるテープ上の2つの連続したサーボ・バンドが示されている。例えば、2つのサーボ・バンドが存在する場合、テープ上で、サーボ・バンドnは上部サーボ・バンドであり、サーボ・バンドn+1が下部サーボ・バンドである。第1、第2、および第3のサーボ・バンドと呼ばれる、テープ上の上部から下部へ3つのサーボ・バンドが存在する場合、サーボ・バンドnおよびn+1は、それぞれ第1および第2のサーボ・バンドでもよく、またはそれぞれ第2および第3のサーボ・バンドでもよい。
【0036】
回転に関して、2つの連続した対応サーボ・フレームは、回転の影響を補償するために調整が必要なβ’の角偏位(参照番号706によって示される)を有する。この対応フレームは、等価フレーム(equivalent frame)とも呼ばれる場合がある。特定の実施形態では、角偏位は、サーボ・バンドをシフトすることによって補償される。
【0037】
図8は、特定の実施形態による、TDS補償とともに使用されるTBSサーボ・パターンの調整を示す第1のフロー・チャートを示す。
【0038】
制御はブロック802で開始し、第1のサーボ・バンドおよび第2のサーボ・バンドを含む2つの連続したサーボ・バンドのタイミング・ベース・サーボ(TBS)パターンの回転が行われる。2つの連続したサーボ・バンドは、複数のサーボ・バンドに含まれ得る。制御がブロック802からブロック804に進み、第1のサーボ・バンドおよび第2のサーボ・バンドを含む2つの連続したサーボ・バンドのタイミング・ベース・サーボ(TBS)パターンの回転に応答して、TBSパターンのサーボ・フレームのサーボ・ストライプの上部分および下部分の高さは、回転によって引き起こされるサーボ・ストライプの使用可能な高さにおける変化を補償するために調整される(
図6に示される通り)。
【0039】
制御がブロック804からブロック806に進み、TBSパターンが、第1のサーボ・バンドおよび第2のサーボ・バンドの等価サーボ・フレーム間の角偏位を補償するために調整される(
図7に示される通り)。
【0040】
なお、
図8に示される動作によって行われる調整は、多くの異なる実施形態によって実行され得ることに留意されたい。
【0041】
図9は、特定の実施形態による、TDS補償とともに使用されるTBSサーボ・パターンの調整を示す第2のフロー・チャートを示す。なお、
図9に示される動作は、
図8に示される動作を実施するための特定の実施形態であり、代替の実施形態が使用され得ることに留意されたい。
【0042】
特定の実施形態では、TBSパターンは、テープ・ドライブと合わせて使用される方位角α、高さb、およびサーボ・サブフレーム長Lというパラメータによって説明され、ここで、ヘッドは、公称回転角度β(テープの面におけるテープ駆動に垂直な方向を基準とする)を有する。βの典型的な値は、2から17度の範囲である。
【0043】
TBSパターンは、時計回りの回転のために、
図9のブロック902、904、906で示される動作によって調整される。特定の実施形態では、反時計回りの回転のために、対応する調整が行われ得る。
【0044】
制御はブロック902で開始し、プロセスは、(1)角度βだけサーボ・パターンを回転する(例えば、サーボ・フォーマッティング中に角度ベータだけフォーマット・ヘッドを回転することによる、またはサーボ・フォーマット・ヘッド上の書込みギャップを回転することによる)。
【0045】
制御は、ブロック902からブロック904へ進み、以下の動作が実行される。
(2)サーボ・パターンは、以下のようにさらに調整される(フォーマット・ヘッドの書込みギャップの形状を調整することによる)。
(a)a=(L/2)-b*tan(α)の場合に、高さが距離m1=a sin(β)だけ増加されるように、BバーストおよびDバーストにおいて、第2の書込みギャップの上部の長さを増加させ/サーボ・ストライプの上部を増加させる。
(b)(任意)第2の書込みギャップの下部の長さを減少させ/BバーストおよびDバーストの下部の長さを、距離m2=a sin(β)+(b/cos(α))*cos(α-β)-b cos(β)だけ、または、回転角度βを補償するためにヘッド・ピッチが拡大される場合は、距離m2=a sin(β)+(b/cos(α))*cos(α-β)-bだけ、減少させる。
(c)第1の書込みギャップの下部の長さを拡大し/AバーストおよびCバーストのサーボ・ストライプの下部の長さを、距離m3=b cos(β)-(b/cos(α))*cos(α+β)だけ、または、回転角度βを補償するためにヘッド・ピッチが拡大される場合は、距離m3=b-(b/cos(α))*cos(α+β)だけ、増加させる。
(3)以下のように、サーボ・ストライプの幅を調整する(サーボ・ライタにおける書込みギャップの幅を調整することによる)。
(a)BバーストおよびDバーストにおいて、サーボ・ストライプの幅(回転後にテープ進行方向で測定)を係数f1=cos(α-β)/cos(α+β)だけ増加させる。
または、
(b)AバーストおよびCバーストにおいて、サーボ・ストライプの幅(回転後にテープ進行方向で測定)を係数f2=cos(α+β)/cos(α-β)だけ減少させる。
または、好ましくは、
(c)BバーストおよびDバーストにおいて、サーボ・ストライプの幅(回転後にテープ進行方向で測定)を係数f3=0.5*(cos(α-β)/cos(α+β)-1)+1だけ増加させる。
さらに、AバーストおよびCバーストにおいて、サーボ・ストライプの幅(回転後にテープ進行方向で測定)を係数f4=1-0.5*(1-cos(α+β)/cos(α-β))だけ減少させる。
例えば、α=12°およびヘッド回転角度β=10°のサーボ・パターンについては、
f1=1.078、f2=0.928、f3=1.039、f4=0.964である。
【0046】
制御は、ブロック904からブロック906へ進み、以下の動作が実行される。
以下のように、サーボ・ストライプの幅を調整する(サーボ・ライタにおける書込みギャップの幅を調整することによる)。
(a)BバーストおよびDバーストにおいて、サーボ・ストライプの幅(回転後にテープ進行方向で測定)を係数f1=cos(α-β)/cos(α+β)だけ増加させる。
または、
(b)AバーストおよびCバーストにおいて、サーボ・ストライプの幅(回転後にテープ進行方向で測定)を係数f2=cos(α+β)/cos(α-β)だけ減少させる。
または、好ましくは、
(c)BバーストおよびDバーストにおいて、サーボ・ストライプの幅(回転後にテープ進行方向で測定)を係数f3=0.5*(cos(α-β)/cos(α+β)-1)+1だけ増加させる。
さらに、AバーストおよびCバーストにおいて、サーボ・ストライプの幅(回転後にテープ進行方向で測定)を係数f4=1-0.5*(1-cos(α+β)/cos(α-β))だけ減少させる。
【0047】
例えば、α=12°およびヘッド回転角度β=10°のサーボ・パターンについては、
f1=1.078、f2=0.928、f3=1.039、f4=0.964である。
【0048】
したがって、
図1~
図9に示される特定の実施形態は、テープ寸法安定性を維持するための機構を提供し、TBSパターンの回転を補償することによって、テープ・ベースのストレージ・システムの性能を改善する。そのような実施形態は、コンピュータ・システムと関連付けられたテープ・ドライブなどのデータ記憶機構を改善する機構を提供することによって、テープ・フォーマッティング装置およびコンピュータ・システムの動作を改善する。
【0049】
説明された動作は、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、またはその任意の組合せを生成するために標準的なプログラミングまたはエンジニアリング技術、あるいはその両方を使用する方法、装置、またはコンピュータ・プログラム製品として実施され得る。したがって、実施形態の態様は、全体的にハードウェアの実施形態、全体的にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、または全てが本明細書において「回路」、「モジュール」、または「システム」と全般的に呼ばれ得るソフトウェア態様およびハードウェア態様を組み合わせた実施形態の形態を有し得る。さらに、実施形態の態様は、コンピュータ・プログラム製品の形態を有し得る。このコンピュータ・プログラム製品は、プロセッサに、本実施形態の態様を実行させるためのコンピュータ可読プログラム命令を有するコンピュータ可読記憶媒体(複数可)を含み得る。
【0050】
コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行装置によって使用される命令を保持および記憶可能な有形装置であり得る。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電子記憶装置、磁気記憶装置、光学記憶装置、電磁記憶装置、半導体記憶装置、または上記の任意の適切な組合せでもよいが、それに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例の非網羅的リストは、ポータブル・コンピュータ・ディスケット、ハードディスク、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROMまたはフラッシュ・メモリ)、静的ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)、ポータブル・コンパクト・ディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)、メモリ・スティック、フロッピー(R)・ディスク、パンチ・カードまたは命令が記録された溝の隆起構造などの機械的暗号化装置、および上記の任意の適切な組合せを含む。本明細書で使用される場合、コンピュータ可読記憶媒体は、それ自体、電波または他の自由に伝搬する電磁波、導波路または他の伝送媒体(例えば、光ファイバ・ケーブルを通過する光パルス)を通って伝搬する電磁波、または電線によって伝達される電気信号などの一過性の信号であるとして解釈されるべきではない。
【0051】
本明細書で説明されるコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読記憶媒体からそれぞれの計算/処理装置へ、または例えばインターネット、ローカル・エリア・ネットワーク、ワイド・エリア・ネットワーク、またはワイヤレス・ネットワーク、あるいはその組合せのネットワークを介して外部コンピュータまたは外部記憶装置へダウンロードされ得る。このネットワークは、銅伝送ケーブル、光伝送ファイバ、無線伝送、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイ・コンピュータ、またはエッジ・サーバ、あるいはその組合せを備え得る。各計算/処理装置におけるネットワーク・アダプタ・カードまたはネットワーク・インターフェースは、ネットワークからコンピュータ可読プログラム命令を受信し、それぞれの計算/処理装置内のコンピュータ可読記憶媒体における記憶のために、そのコンピュータ可読プログラム命令を転送する。
【0052】
本実施形態の動作を実行するためのコンピュータ可読プログラム命令は、アセンブラ命令、命令セット・アーキテクチャ(ISA)命令、機械命令、機械依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、あるいは、1つまたは複数のプログラミング言語の任意の組む合わせで記述されたソース・コードまたはオブジェクト・コードのいずれかでもよく、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語と、「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語とを含む。コンピュータ可読プログラム命令は、ユーザのコンピュータにおいて全体的に、ユーザのコンピュータにおいて部分的に、スタンド・アロン・ソフトウェア・パッケージとして、ユーザのコンピュータにおいて部分的に、さらにリモート・コンピュータにおいて部分的に、またはリモート・コンピュータもしくはサーバにおいて全体的に実行されてもよい。後者のシナリオにおいて、リモート・コンピュータは、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)もしくはワイド・エリア・ネットワーク(WAN)を含む任意の種類のネットワークを介してユーザのコンピュータに接続されてもよく、またはその接続は、外部コンピュータ(例えば、インターネット・サービス・プロバイダを使用してインターネットを介する)へなされてもよい。いくつかの実施形態では、例えば、プログラマブル論理回路、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、またはプログラマブル・ロジック・アレイ(PLA)を含む電子回路は、本実施形態の態様を実行するために、コンピュータ可読プログラム命令の状態情報を利用することによって、コンピュータ可読プログラム命令を実行して電子回路をパーソナライズし得る。
【0053】
本実施形態の態様は、本発明の実施形態による方法、装置(システム)、およびコンピュータ・プログラム製品のフロー・チャートの図またはブロック図、あるいはその両方を参照して、本明細書で説明される。フロー・チャートの図またはブロック図、あるいはその両方の各ブロック、ならびにフロー・チャートの図またはブロック図、あるいはその両方のブロックの組合せは、コンピュータ可読プログラム命令によって実施可能であることを理解されるであろう。
【0054】
コンピュータまたは他のプログラマブル・データ処理装置のプロセッサを介して実行される命令がフロー・チャートまたはブロック図、あるいはその両方の1つまたは複数のブロックにおいて明示された機能/動作を実施するための手段を創出するように、これらのコンピュータ可読プログラム命令は、機械を製造するために、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または他のプログラマブル・データ処理装置のプロセッサに提供されてもよい。これらのコンピュータ可読プログラム命令は、また、命令を記憶したコンピュータ可読記憶媒体がフロー・チャートまたはブロック図、あるいはその両方の1つまたは複数のブロックに明示された機能/動作の態様を実施する命令を含む製品を備えるように、コンピュータ、プログラマブル・データ処理装置、または他の装置、あるいはその組合せに特定のやり方で機能させ得るコンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよい。
【0055】
コンピュータ、他のプログラマブル装置、または他の装置上で実行される命令が、フロー・チャートまたはブロック図、あるいはその両方の1つまたは複数のブロックにおいて明示された機能/動作を実施するように、上記のコンピュータ可読プログラム命令はまた、一連の動作ステップがコンピュータ実施プロセスを創出するようにコンピュータ、他のプログラマブル装置、または他の装置上で実行されるようにするためにコンピュータ、他のプログラマブル・データ処理装置、または他の装置にロードされてもよい。
【0056】
図面におけるフロー・チャートおよびブロック図は、本発明の様々な実施形態によるシステム、方法、およびコンピュータ・プログラム製品の可能性のある実施のアーキテクチャ、機能、および動作を示す。これに関連して、フロー・チャートまたはブロック図における各ブロックは、特化した論理機能を実施するための1つまたは複数の実行可能命令を含む命令のモジュール、セグメント、または部分を表し得る。いくつかの代替の実施例では、ブロックに記載された機能は、図面に記載の順序以外で生じ得る。例えば、連続して示される2つのブロックは、実際には、ほぼ同時に実行されてもよく、またはブロックは、場合によっては、関連する機能に応じて、逆の順序で実行されてもよい。また、ブロック図またはフロー・チャートの図、あるいはその両方の各ブロック、ならびにブロック図またはフロー・チャートの図、あるいはその両方のブロックの組合せは、特化した機能または動作を実行する、または専用ハードウェアおよびコンピュータ命令の組合せを実行する専用ハードウェア・ベースのシステムによって実施可能であることが留意されるであろう。
【0057】
図10は、特定の実施形態による、コントローラ116、118、テープ・フォーマッティング装置102、テープ・ドライブ106、または計算装置126に含まれ得る特定の要素を示すシステムのブロック図を示す。システム1000は、回路1002を備え得、特定の実施形態では、少なくともプロセッサ1004を備え得る。システム1000はまた、メモリ1006(例えば、揮発性メモリ装置)と、記憶装置1008とを備え得る。記憶装置1008は、不揮発性メモリ装置(例えば、EEPROM、ROM、PROM、フラッシュ、ファームウェア、プログラマブル・ロジックなど)、磁気ディスク・ドライブ、光ディスク・ドライブ、テープ・ドライブなどを含み得る。記憶装置1008は、内部記憶装置、取り付けられた記憶装置、またはネットワーク・アクセス可能記憶装置、あるいはその組合せを備え得る。システム1000は、メモリ1006にロードされプロセッサ1004または回路1002によって実行され得るコード1012を含むプログラム・ロジック1010を含み得る。特定の実施形態では、コード1012を含むプログラム・ロジック1010は、記憶装置1008に記憶され得る。特定の他の実施形態では、プログラム・ロジック1010は、回路1002において実施され得る。システム1000のコンポーネントのうちの1つまたは複数は、バスを介して、または他の結合もしくは接続1014を介して通信し得る。したがって、
図10が他の要素とは分離してプログラム・ロジック1010を示しているが、プログラム・ロジック1010は、メモリ1006または回路1002、あるいはその両方において実施され得る。
【0058】
特定の実施形態は、人または自動化処理を統合するコンピュータ可読コードによる計算命令を計算システムにデプロイする方法であって、計算システムと組み合わせたコードは、説明された実施形態の動作を実行可能とされる、方法に関し得る。
【0059】
「実施形態(an embodiment、embodiment、embodiments)」、「上記実施形態(the embodiment、the embodiments)」、「1つまたは複数の実施形態」、「いくつかの実施形態」、および「一実施形態」という用語は、明記しない限り、「本発明の1つまたは複数の(全てではない)実施形態」を意味する。
【0060】
「含む」、「備える」、「有する」、およびその変形の用語は、明記しない限り、「含むが限定されない」ことを意味する。
【0061】
項目の列挙されたリストは、明記しない限り、その項目のいずれか、または全てが相容れないことを暗に示すものではない。
【0062】
「a」、「an」、「the」という用語は、明記しない限り、「1つまたは複数」を意味する。
【0063】
互いに通信状態にある装置は、明記しない限り、互いに継続的に通信状態である必要はない。さらに、互いに通信状態にある装置は、直接、または1つまたは複数の中間要素を介して間接的に通信し得る。
【0064】
互いに通信状態のいくつかのコンポーネントを用いた実施形態の説明は、そのようなコンポーネントの全てが必須であることを暗に示すものではない。むしろ、本発明の多種多様な可能な実施形態を示すために、様々な任意の構成要素が説明される。
【0065】
さらに、プロセスのステップ、方法のステップ、アルゴリズムなどが順番に説明される場合があるが、そのようなプロセス、方法およびアルゴリズムは、交代の順序で動作するように構成され得る。換言すれば、説明され得るステップのあらゆる順番または順序は、必ずしも、そのステップがその順序で実行されるべきであるという必要条件を示すものではない。本明細書で説明されるプロセスのステップは、実用的な任意の順序で実行され得る。さらに、いくつかのステップは同時に実行され得る。
【0066】
単一の装置または物品が本明細書で説明されるとき、1つより多い装置/物品(それらが協働するか否かにかかわらず)が単一の装置/物品の代わりに使用され得ることは容易に理解されるであろう。同様に、1つより多い装置または物品が本明細書で説明される場合(それらが協働するか否かにかかわらず)、単一の装置/物品が、1つより多い装置または物品の代わりに使用されてもよく、もしくは異なる数の装置/物品が、示される数の装置またはプログラムの代わりに使用されてもよいことは、容易に理解されるであろう。装置の機能または特徴、あるいはその両方は、そのような機能/特徴を有すると明確に説明されていない1つまたは複数の他の装置によって代替的に具体化され得る。それによって、本発明の他の実施形態は、その装置自体を含む必要はない。
【0067】
図に示された場合がある少なくとも特定の動作は、特定の順序で生じる特定の事象を示す。代替の実施形態では、特定の動作は、異なる順序で、実行、修正、または削除され得る。さらに、上述したロジックにステップが追加されてもよく、説明した実施形態に依然として適合する。さらに、本明細書で説明される動作は、連続的に生じてもよく、または特定の動作が並列で処理されてもよい。またさらに、動作は、単一の処理ユニットによって、または分散する処理ユニットによって実行され得る。
【0068】
本発明の様々な実施形態の上記説明は、例示および説明を目的として提示されたものである。上記説明は、網羅的であること、または本発明を開示される厳密な形態に限定することは意図されていない。多くの修正および変形が、上記の教示に照らして可能である。本発明の範囲が、この詳細な説明によって限定されず、むしろ本明細書に添付の特許請求の範囲によって限定されることが意図される。上記の詳細、例、およびデータは、本発明の構成の製造および使用の完全な説明を提供する。本発明の多くの実施形態が本発明の範囲から逸脱しないでなされることが可能であるため、本発明は、以下に添付される特許請求の範囲に存在する。
【手続補正書】
【提出日】2023-07-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気テープ・システムのための方法であって、前記方法は、
第1のサーボ・バンドおよび第2のサーボ・バンドのタイミング・ベース・サーボ(TBS)パターンを回転させることと、
TBSパターンのサーボ・フレームのサーボ・ストライプの上部および下部の高さを調整して、前記回転によって引き起こされる前記サーボ・ストライプの使用可能な高さにおける変化を補償する、前記調整することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記第1のサーボ・バンドおよび前記第2のサーボ・バンドの等価サーボ・フレーム間の角偏位を補償するために、前記TBSパターンを調整することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のサーボ・バンドおよび前記第2のサーボ・バンドは、複数のサーボ・バンドに含まれる2つの連続したサーボ・バンドである、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記TBSパターンは、
方位角+αで磁気テープに書き込まれるサーボ・ストライプを含む第1のパターンと、
方位角-αで前記磁気テープに書き込まれるサーボ・ストライプを含む第2のパターンとを含み、
前記TBSパターンは、TBSパターン高さbと、サーボ・サブフレーム長さLとを有し、
前記回転することは、前記第1のパターンおよび前記第2のパターンを含む前記TBSパターンが、前記磁気テープに対して回転角度βを有し、βは2度から17度の範囲内であることを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記調整することは、前記第2のパターンの前記サーボ・ストライプの上部の高さを、距離m1だけ増加させることを含み、前記距離m1は、
a=(L/2)-b*tan(α)の場合、m1=a sin(β)
である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記調整することは、前記第2のパターンの前記サーボ・ストライプの下部の高さを、距離m2だけ減少させることを含み、前記距離m2は、
m2=a sin(β)+(b/cos(α))*cos(α-β)-b cos(β)、または、
m2=a sin(β)+(b/cos(α))*cos(α-β)-b
のいずれかである、請求項4または5に記載の方法。
【請求項7】
前記調整することは、前記第1のパターンの前記サーボ・ストライプの下部の高さは、距離m3だけ増加させることを含み、前記距離m3は、
m3=b cos(β)-(b/cos(α))*cos(α+β)、または、
m3=b-(b/cos(α))*cos(α+β)
のいずれかである、請求項4ないし6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記TBSパターンは、第1のサーボ・バンドnと関連した第1のTBSパターンと、第2のサーボ・バンドn+1と関連した第2のTBSパターンとを含み、前記第1のTBSパターンおよび前記第2のTBSパターンのそれぞれは、方位角+αで磁気テープに書き込まれる複数のサーボ・ストライプを含む第1のサブ・パターンと、方位角-αで前記磁気テープに書き込まれる複数のサーボ・ストライプを含む第2のサブ・パターンとを含み、前記第1のサブ・パターンおよび前記第2のサブ・パターンを含む前記第1のTBSパターンおよび前記第2のTBSパターンのそれぞれは、TBSパターン高さbおよびサーボ・サブフレーム長さLを有し、前記第1のTBSパターンおよび前記第2のTBSパターンを含む前記TBSパターンは、前記磁気テープに対して回転角度βを有し、βは2~17度の範囲内であり、前記磁気テープに対し、前記第1のTBSパターンおよび前記第2のTBSパターンの等価フレーム間に角度β’が存在し、β’はβ’=β+/-2°である、
請求項2に記載の方法。
【請求項9】
前記TBSパターンは、
方位角α1で磁気テープに書き込まれる複数のサーボ・ストライプを含む第1のパターンと、
方位角α2で磁気テープに書き込まれる複数のサーボ・ストライプを含む第2のパターンとを含み、
前記第1のパターンおよび前記第2のパターンを含む前記TBSパターンは、TBSパターン高さbと、サーボ・サブフレーム長さLを有し、前記第1のパターンは方位角+αを有し、前記第2のパターンは方位角±αを有し、α1≠α2である、請求項2に記載の方法。
【請求項10】
前記TBSパターンは、回転角度βを有し、βは2~17度の範囲内であり、
α1=α+β、α2=-α+β
である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
テープ・フォーマッティング装置であって、前記テープ・フォーマッティング装置は、
コントローラと、
前記コントローラに結合されテープ上にタイミング・ベース・サーボ(TBS)パターンを書き込むように構成されるサーボ書込みヘッドと
を備えており、
第1のサーボ・バンドおよび第2のサーボ・バンドのタイミング・ベース・サーボ(TBS)パターンを回転させることと、
TBSパターンのサーボ・フレームのサーボ・ストライプの上部および下部の高さを調整して、前記回転によって引き起こされる前記サーボ・ストライプの使用可能な高さにおける変化を補償する、前記調整することと
を含む動作を行う、テープ・フォーマッティング装置。
【請求項12】
前記動作は、前記サーボ書込みヘッドの製造中に、前記第1のサーボ・バンドおよび前記第2のサーボ・バンドの等価サーボ・フレーム間の角偏位を補償するために、前記TBSパターンを調整することをさらに含む、請求項11に記載のテープ・フォーマッティング装置。
【請求項13】
前記TBSパターンは、
方位角+αで磁気テープに書き込まれるサーボ・ストライプを含む第1のパターンと、
方位角-αで前記磁気テープに書き込まれるサーボ・ストライプを含む第2のパターンとを含み、
前記TBSパターンは、TBSパターン高さbと、サーボ・サブフレーム長さLとを有し、前記第1のパターンおよび前記第2のパターンを含む前記TBSパターンは、前記磁気テープを基準として回転角度βを有し、βは、2度から17度の範囲内である、請求項12に記載のテープ・フォーマッティング装置。
【請求項14】
前記第2のパターンの前記サーボ・ストライプの上部の高さは、距離m1だけ増加され、前記距離m1は、
a=(L/2)-b*tan(α)の場合、m1=a sin(β)
である、請求項13に記載のテープ・フォーマッティング装置。
【請求項15】
前記第2のパターンの前記サーボ・ストライプの下部の高さは、距離m2だけ減少され、前記距離m2は、
m2=a sin(β)+(b/cos(α))*cos(α-β)-b cos(β)、または、
m2=a sin(β)+(b/cos(α))*cos(α-β)-b
である、請求項13または14に記載のテープ・フォーマッティング装置。
【請求項16】
前記第1のパターンの前記サーボ・ストライプの下部の高さは、距離m3だけ増加され、前記距離m3は、
m3=b cos(β)-(b/cos(α))*cos(α+β)、または、
m3=b-(b/cos(α))*cos(α+β)
である、請求項13ないし15のいずれかに記載のテープ・フォーマッティング装置。
【請求項17】
前記TBSパターンは、第1のサーボ・バンドnと関連した第1のTBSパターンと、第2のサーボ・バンドn+1と関連した第2のTBSパターンとを含み、前記第1のTBSパターンおよび前記第2のTBSパターンのそれぞれは、方位角+αで磁気テープに書き込まれる複数のサーボ・ストライプを含む第1のサブ・パターンと、方位角-αで前記磁気テープに書き込まれる複数のサーボ・ストライプを含む第2のサブ・パターンとを含み、前記第1のサブ・パターンおよび前記第2のサブ・パターンを含む前記第1のTBSパターンおよび前記第2のTBSパターンのそれぞれは、TBSパターン高さbおよびサーボ・サブフレーム長さLを有し、前記第1のTBSパターンおよび前記第2のTBSパターンを含む前記TBSパターンは、前記磁気テープを基準として回転角度βを有し、βは2~17度の範囲内であり、前記磁気テープに対し、前記第1のTBSパターンと前記第2のTBSパターンとの等価フレーム間に角度β’が存在し、β’はβ’=β+/-2°である、請求項12に記載のテープ・フォーマッティング装置。
【請求項18】
前記TBSパターンは、
方位角α1で磁気テープに書き込まれる複数のサーボ・ストライプを含む第1のパターンと、
方位角α2で磁気テープに書き込まれる複数のサーボ・ストライプを含む第2のパターンとを含み、
前記TBSパターンは、TBSパターン高さbと、サーボ・サブフレーム長さLを有する前記第1のパターンおよび前記第2のパターンを含み、前記第1のパターンは方位角+αを有し、前記第2のパターンは、前記第1のパターンを基準として、方位角±αを有し、α1≠α2である、請求項12に記載のテープ・フォーマッティング装置。
【請求項19】
前記第1のパターンおよび前記第2のパターンを含む前記TBSパターンは、回転角度βを有し、βは2~17度の範囲内であり、
α1=α+β、α2=-α+βである、
請求項18に記載のテープ・フォーマッティング装置。
【請求項20】
コンピュータに、請求項1ないし10のいずれか1項に記載の方法の各ステップを実行させる、コンピュータ・プログラム。
【請求項21】
テープであって、
磁気媒体と、
サーボ書込みヘッドによって前記磁気媒体上に書き込まれる複数のサーボ・バンドとを備えており、サーボ・パターンは、前記サーボ書込みヘッドの製造中に、前記複数のサーボ・バンドの第1のサーボ・バンドおよび第2のサーボ・バンドのTBSパターンが回転され、前記回転によって引き起こされる前記サーボ・ストライプの使用可能な高さにおける変化を補償するように、前記TBSパターンのサーボ・フレームのサーボ・ストライプの上部および下部の高さが調整されている、テープ。
【請求項22】
テープ上にタイミング・ベース・サーボ(TBS)パターンを書き込むように構成されるサーボ書込みヘッドであって、
前記TBSパターンを回転させたときに、前記回転によって引き起こされる前記サーボ・ストライプの使用可能な高さにおける変化を補償するように、前記TBSパターンのサーボ・フレームのサーボ・ストライプの上部および下部の高さを調整することを含む動作を実行する、サーボ書込みヘッド。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0036】
回転に関して、2つの連続した対応サーボ・フレームは、回転の影響を補償するために調整が必要なβ’の角偏位(参照番号706によって示される)を有する。例えば、β’はβ’=β+/-2°である。この対応フレームは、等価フレーム(equivalent frame)とも呼ばれる場合がある。特定の実施形態では、角偏位は、サーボ・バンドをシフトすることによって補償される。
【国際調査報告】