(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-16
(54)【発明の名称】牽引ボール位置検出システム及び方法
(51)【国際特許分類】
H04N 7/18 20060101AFI20231006BHJP
B62D 53/00 20060101ALI20231006BHJP
G06T 7/70 20170101ALI20231006BHJP
G06V 10/70 20220101ALI20231006BHJP
【FI】
H04N7/18 J
B62D53/00 G
H04N7/18 K
G06T7/70 A
G06V10/70
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023516135
(86)(22)【出願日】2021-09-09
(85)【翻訳文提出日】2023-03-10
(86)【国際出願番号】 US2021071401
(87)【国際公開番号】W WO2022056532
(87)【国際公開日】2022-03-17
(32)【優先日】2020-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522165131
【氏名又は名称】コンチネンタル オートノマス モビリティ ユーエス,エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Continental Autonomous Mobility US, LLC
【住所又は居所原語表記】One Continental Drive, Auburn Hills, MI 48326, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ホルスト ダニエル ディースナー
(72)【発明者】
【氏名】ニザール アハメド
(72)【発明者】
【氏名】アカシュ マヘシュワリ
【テーマコード(参考)】
5C054
5L096
【Fターム(参考)】
5C054CA04
5C054CC02
5C054CE11
5C054FC12
5C054HA30
5L096BA04
5L096CA04
5L096FA12
5L096JA11
(57)【要約】
牽引ボールを有する車両に対してトレーラ操作を行うための方法及びシステムが開示される。本方法は、第1の位置において車両の後方部分に沿って配設されるリアカメラから第1の画像を受信することと、第1の画像における牽引ボールの表現のピクセル位置を検出することとを含む。リアカメラが車両の後方部分に沿って第1の位置から第2の位置に移動されることに続いて、本方法は、リアカメラから第2の画像を受信することを含む。本方法はまた、第2の画像における牽引ボールの表現の第2のピクセル位置を検出することと、リアカメラの第1及び第2の位置と、第1及び第2の画像における牽引ボールの表現の検出されたピクセル位置とに基づいて、車両に対する牽引ボールの位置を推定することとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それに取り付けられる牽引ボールを有する車両に対してトレーラ操作を行うための方法であって、
データ処理ハードウェアによって、第1の位置において前記車両の後方部分に沿って配設されるリアカメラから第1の画像を受信することと、
前記データ処理ハードウェアによって、前記第1の画像における前記牽引ボールの表現のピクセル位置を検出することと、
前記リアカメラが前記車両の前記後方部分に沿って前記第1の位置から第2の位置に移動されることに続いて、前記データ処理ハードウェアによって、前記リアカメラから第2の画像を受信することと、
前記データ処理ハードウェアによって、前記第2の画像における前記牽引ボールの表現の第2のピクセル位置を検出することと、
前記データ処理ハードウェアによって、前記リアカメラの前記第1及び第2の位置と、前記第1及び第2の画像における前記牽引ボールの前記表現の前記検出されたピクセル位置とに基づいて、前記車両に対する前記牽引ボールの位置を推定することと、を含む、
方法。
【請求項2】
更に、前記データ処理ハードウェアによって、前記第1の位置と前記第2の位置との間の世界座標における前記リアカメラの位置の変化を特定することを含み、前記牽引ボールの前記位置は、前記リアカメラの前記位置の変化に基づいて推定される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記リアカメラの前記位置の変化を特定することは、部分的に、前記リアカメラが取り付けられる前記車両のテールゲート、リフトゲート、又はトランクの、前記車両に対する角度位置の変化に基づく、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
更に、前記第1の画像を受信した後に、前記データ処理ハードウェアによって、前記リアカメラが取り付けられる前記牽引車両のテールゲート、リフトゲート、又はトランクを、前記リアカメラの前記第1の位置に対応する第1のコンポーネント位置から、前記リアカメラの前記第2の位置に対応する第2のコンポーネント位置に移動させる命令を送信することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記牽引車両の前記テールゲート、リフトゲート、又はトランクを移動させる前記命令は、
前記テールゲート、前記リフトゲート、又は前記トランクを手動で移動させるよう牽引車両ユーザを促すディスプレイ、又は、
ユーザの介入なしに前記テールゲート、前記リフトゲート、又は前記トランクを移動させるようコンポーネント位置決めシステム、のうちの1つに送信される、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
更に、前記データ処理ハードウェアによって、前記第1の画像における前記牽引ボール表現の前記ピクセル位置と前記第2の画像における前記牽引ボール表現の前記ピクセル位置との間のピクセル座標の変化を特定することを含み、前記牽引ボールの前記位置は、前記ピクセル座標の変化に基づいて推定される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
更に、前記第1の画像を受信する前に、前記リアカメラが取り付けられるテールゲート、リフトゲート、又はトランクを、前記リアカメラの前記第1の位置に対応する第1のコンポーネント位置に移動させる命令を送信することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
更に、
前記第1の位置又は前記第2の位置にある間に前記リアカメラから第3の画像を受信することと、
前記第3の画像における前記牽引ボールの表現を識別することと、
前記第3の画像における前記牽引ボールの前記表現のピクセル位置を特定することと、
前記第3の画像における前記牽引ボールの前記表現の前記特定したピクセル位置を前記牽引ボールの前記推定した位置と比較又は相関させることと、
前記比較又は相関に基づいて、トレーラアシスト機能において前記推定した牽引ボール位置を用いるかどうかを特定することと、を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
更に、
前記第1の位置又は前記第2の位置にある間に前記リアカメラから第3の画像を受信することと、
前記第3の画像及び前記リアカメラが前記第1又は第2の位置にあることに基づいて、牽引ボール表現が前記第3の画像内にないと特定することと、
前記牽引ボール表現が前記第3の画像内にないと特定することに応答して、トレーラアシスト操作を一時的に無効にするよう、命令を前記車両の1つ以上の車両システムに送信することと、を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第2の位置は、既知の位置座標を有する所定の位置であるか、又は位置座標が特定される位置である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
それに取り付けられる牽引ボールを有する車両に対してトレーラ操作を行うためのシステムであって、
データ処理ハードウェアと、
前記データ処理ハードウェアと通信する非一時的メモリハードウェアであって、前記データ処理ハードウェア上で実行される場合、前記データ処理ハードウェアに、
第1の位置において前記車両の後方部分に沿って配設されるリアカメラから第1の画像を受信することと、
前記第1の画像における前記牽引ボールの表現のピクセル位置を検出することと、
前記リアカメラが前記車両の前記後方部分に沿って前記第1の位置から第2の位置に移動されることに続いて、前記リアカメラから第2の画像を受信することと、
前記第2の画像における前記牽引ボールの表現の第2のピクセル位置を検出することと、
前記リアカメラの前記第1及び第2の位置と、前記第1及び第2の画像における前記牽引ボールの前記表現の前記検出されたピクセル位置とに基づいて、前記車両に対する前記牽引ボールの位置を推定することと、を含む方法を実行させる命令を格納するメモリハードウェアと、を備える、
システム。
【請求項12】
前記データ処理ハードウェアによって実行される前記方法は、更に、前記リアカメラが取り付けられる前記車両のテールゲート、リフトゲート、又はトランクの角度位置の変化に基づいて、前記車両に対する前記リアカメラの位置の変化を特定することを含み、前記牽引ボールの前記位置は、前記リアカメラの前記位置の変化に基づいて推定される、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記データ処理ハードウェアによって実行される前記方法は、更に、
前記第1の画像を受信する前に、較正シーケンスを開始するよう前記車両のユーザからの命令を受信することと、
前記第1の画像を受信した後に、前記車両のインターフェースに命令を送信して、前記リアカメラが取り付けられる前記牽引車両の可動コンポーネントを、前記第1の位置に対応する第1のコンポーネント位置から前記第2の位置に対応する第2のコンポーネント位置に移動させるよう、前記車両の前記ユーザに命令することと、を含む、
請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記データ処理ハードウェアによって実行される前記方法は、更に、
前記第1の位置又は前記第2の位置にある間に前記リアカメラから第3の画像を受信することと、
前記第3の画像における前記牽引ボールの表現を識別することと、
前記第3の画像における前記牽引ボールの前記表現のピクセル位置を特定することと、
前記第3の画像における前記牽引ボールの前記表現の前記特定したピクセル位置を前記牽引ボールの前記推定した位置と比較又は相関させることと、
前記比較又は相関に基づいて、トレーラアシスト操作において前記推定した牽引ボール位置を用いるかどうかを特定することと、を含む、
請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記データ処理ハードウェアによって実行される前記方法は、更に、
前記第1の位置又は前記第2の位置にある間に前記リアカメラから第3の画像を受信することと、
前記第3の画像及び前記リアカメラが前記第1又は第2の位置にあることに基づいて、牽引ボール表現が前記第3の画像内にないと特定することと、
前記牽引ボール表現が前記第3の画像内にないと特定することに応答して、トレーラアシスト操作を一時的に無効にするよう、命令を前記車両の1つ以上の車両システムに送信することと、を含む、
請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
前記データ処理ハードウェアによって実行される前記方法は、更に、前記第1の画像における前記牽引ボール表現の前記第1のピクセル位置と前記第2の画像における前記牽引ボール表現の前記第2のピクセル位置との間のピクセル座標の変化を特定することを含み、前記牽引ボールの前記位置は、前記牽引ボール表現の前記第1及び第2のピクセル位置間の前記変化に基づいて推定される、請求項11に記載のシステム。
【請求項17】
前記第2の位置は、既知の位置座標を有する所定の位置であるか、又は前記データ処理ハードウェアによって位置座標が特定される位置である、請求項11に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2020年9月11日出願の米国仮特許出願第63/077,261号明細書に対する優先権を主張し、本明細書中に引用して組み込む。
【0002】
本開示は、牽引車両によって支持される牽引ボールの牽引ボール位置検出システムに関する。
【背景技術】
【0003】
トレーラは、通常、動力付牽引車両によって牽引される無動力車両である。トレーラは、とりわけ、ユーティリティトレーラ、ポップアップキャンパー、トラベルトレーラ、家畜用トレーラ、フラットベッドトレーラ、密閉型自動車輸送車、及びボートトレーラであってもよい。牽引車両は、自動車、クロスオーバー、トラック、バン、スポーツユーティリティビークル(SUV)、レクリエーショナルビークル(RV)、又はトレーラに取り付けられ、トレーラを牽引するよう構成される任意の他の車両であってもよい。トレーラは、トレーラヒッチを用いて動力付車両に取り付けられてもよい。レシーバヒッチは、牽引車両に取り付けられ、トレーラヒッチに接続して接続部を形成する。トレーラヒッチは、ボール及びソケット、フィフスホイール及びグースネック、又はトレーラジャッキであってもよい。
【0004】
牽引ボール(ヒッチボールとも称する)の位置は、幾つかの自動トレーラアシスト機能にとって重要であり、牽引ボール位置の正確な認識は、かかる機能を実現するものである。
【0005】
例えば、トレーラヒッチアシストシステムは、車両を適切なヒッチ位置に制御するよう、連結器位置と共に牽引ボール位置の情報を用いる。しかし、牽引ボール、又は牽引ボールを車両上のヒッチに取り付けるために用いられるマウントの標準的なサイズは存在しない。その上、牽引ボールの高さはまた、多くの場合、調整可能である。結果として、牽引車両のための正確な牽引ボール位置推定機能に対するニーズが存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
例示的な実施形態は、それに取り付けられる牽引ボールを有する車両に対してトレーラ操作を行うための方法及びシステムに向けられる。本方法は、データ処理ハードウェアによって、第1の位置において車両の後方部分に沿って配設されるリアカメラから第1の画像を受信することを含む。第1の画像における牽引ボールの表現のピクセル位置は、データ処理ハードウェアによって検出される。リアカメラが車両の後方部分に沿って第1の位置から第2の位置に移動されることに続いて、本方法は、データ処理ハードウェアによって、リアカメラから第2の画像を受信することと、データ処理ハードウェアによって、第2の画像における牽引ボールの表現の第2のピクセル位置を検出することとを含む。データ処理ハードウェアは、リアカメラの第1及び第2の位置と、第1及び第2の画像における牽引ボールの表現の検出されたピクセル位置とに基づいて、車両に対する牽引ボールの位置を推定する。
【0007】
本方法はまた、データ処理ハードウェアによって、第1の位置と第2の位置との間の世界座標におけるリアカメラの位置の変化を特定してもよく、牽引ボールの位置は、リアカメラの位置の変化に基づいて推定される。リアカメラの位置の変化は、部分的に、リアカメラが取り付けられる車両のテールゲート、リフトゲート、又はトランクの、車両に対する角度位置の変化に基づいてもよい。
【0008】
本方法は、更に、第1の画像を受信した後に、データ処理ハードウェアによって、リアカメラが取り付けられる牽引車両のテールゲート、リフトゲート、又はトランクを、リアカメラの第1の位置に対応する第1のコンポーネント位置から、リアカメラの第2の位置に対応する第2のコンポーネント位置に移動させる命令を送信することを含んでいてもよい。牽引車両のテールゲート、リフトゲート、又はトランクを移動させる命令は、テールゲート、リフトゲート、又はトランクを手動で移動させるよう牽引車両ユーザを促すディスプレイ、又は、ユーザの介入なしにテールゲート、リフトゲート、又はトランクを移動させるようコンポーネント位置決めシステムのうちの1つに送信されてもよい。
【0009】
本方法は、更に、データ処理ハードウェアによって、第1の画像における牽引ボール表現のピクセル位置と第2の画像における牽引ボール表現のピクセル位置との間のピクセル座標の変化を特定することを含み、牽引ボールの位置は、ピクセル座標の変化に基づいて推定される。
【0010】
本方法は、更に、第1の画像を受信する前に、リアカメラが取り付けられるテールゲート、リフトゲート、又はトランクを、リアカメラの第1の位置に対応する第1のコンポーネント位置に移動させる命令を送信することを含んでいてもよい。
【0011】
一態様において、本方法は、第1の位置又は第2の位置にある間にリアカメラから第3の画像を受信することと、第3の画像における牽引ボールの表現を識別することと、第3の画像における牽引ボールの表現のピクセル位置を特定することとを含む。本方法は、第3の画像における牽引ボールの表現の特定したピクセル位置を牽引ボールの推定した位置と比較又は相関させてもよい。比較又は相関に基づいて、本方法は、トレーラアシスト機能において推定した牽引ボール位置を用いるかどうかを特定する。
【0012】
本方法は、第1の位置又は第2の位置にある間にリアカメラから第3の画像を受信することを含んでいてもよい。第3の画像及びリアカメラが第1又は第2の位置にあることに基づいて、本方法は、牽引ボール表現が第3の画像内にないと特定してもよい。本方法は、トレーラアシスト操作を一時的に無効にするよう、命令を車両の1つ以上の車両システムに送信する。
【0013】
幾つかの態様において、第2の位置は、既知の位置座標を有する所定の位置であるか、又は位置座標が特定される位置である。
【0014】
例示的な実施形態において、それに取り付けられる牽引ボールを有する車両に対してトレーラ操作を行うためのシステムは、データ処理ハードウェアと、データ処理ハードウェアと通信する非一時的メモリハードウェアとを含む。メモリハードウェアは、データ処理ハードウェア上で実行される場合、データ処理ハードウェアに上で説明したような方法を実行させる命令を格納する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】牽引車両の後方に位置決めされるトレーラを有する例示的な牽引車両の平面図である。
【
図3】
図1に示す例示的な牽引車両の閉じたテールゲートの図である。
【
図4】
図3に示す牽引車両のテールゲート上に位置決めされるカメラによって取り込まれる画像である。
【
図5】
図1に示す例示的な牽引車両の開放されたテールゲートの斜視図である。
【
図6】
図5に示す牽引車両のテールゲート上に位置決めされるカメラによって取り込まれる画像の斜視図である。
【
図7】世界座標における牽引ボール位置を特定する例示的な三角測量法の略図であり、方法は、現実世界におけるカメラ位置の変化を画像座標におけるターゲットのピクセル位置の変化とどのように組み合わせて、現実世界におけるターゲットの位置を見出すことができるかを示す。
【
図8】例示的な実施形態による、牽引ボール位置推定を伴う動作を説明するフロー図である。
【
図9】例示的な実施形態による、牽引ボール位置推定を伴う動作を説明するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
種々の図面における同様の符号は同様の構成要素を示す。
【0017】
これらに限定しないが、自動車、クロスオーバー、トラック、バン、スポーツユーティリティビークル(SUV)、及びレクリエーショナルビークル(RV)等の牽引車両は、トレーラを牽引するよう構成されてもよい。牽引車両は、トレーラヒッチを用いてトレーラに接続する。車両トレーラシステムを後方に運転するのは困難である場合がある。
【0018】
図1及び2を参照すると、幾つかの実装において、車両トレーラシステム100は、トレーラ106に取り付けることが可能な牽引車両102を含んでいる。牽引車両102は、車両ヒッチバー105によって支持される車両牽引ボール104(ヒッチボールとも称する)を含んでいる。車両牽引ボール104は、車両とトレーラとが連結される場合、トレーラ106のトレーラヒッチバー109によって支持されるトレーラヒッチカプラー108によって、トレーラ106に結合されてもよい。牽引車両102は、例えば、x、y、及びz成分を有する駆動コマンドに基づいて路面上で牽引車両102を操縦する駆動システム110を含んでいてもよい。図示のように、駆動システム110は、右前輪112、112aと、左前輪112、112bと、右後輪112、112cと、左後輪112、112dとを含んでいる。駆動システム110は、同様に、他の車輪構成を含んでいてもよい。駆動システム110はまた、各車輪112、112a~dに関連するブレーキを含むブレーキシステム(図示せず)と、牽引車両102の速度及び方向を調整するよう構成される加速システム(図示せず)とを含んでいてもよい。更に、駆動システム110は、各ホイール112、112a~dに関連するタイヤ、タイヤ空気、ばね、ショックアブソーバ、及び牽引車両102をそのホイール112、112a~dに接続し、牽引車両102とホイール112、112a~dとの間の相対運動を可能にするリンク機構を含むサスペンションシステム(図示せず)を含んでいてもよい。
【0019】
牽引車両102は、牽引車両102によって画成される3つの互いに垂直な軸、即ち、横軸XV、前後軸YV、及び中心垂直軸ZVに対する移動の様々な組み合わせによって路面上を移動してもよい。横軸XVは、牽引車両102の右側と左側との間に延在する。前後軸YVに沿った前方駆動方向を、FVとして示し、前方運動とも称する。加えて、前後方向YVに沿った後部又は後方駆動方向を、RVとして示し、後方運動とも称する。幾つかの実施例において、牽引車両102は、調整した場合に牽引車両102をXV軸及び/又はYV軸を中心として傾斜させるか、又は中心垂直軸ZVに沿って移動させるサスペンションシステム(図示せず)を含んでいる。
【0020】
牽引車両102は、ユーザインターフェース120を含んでいてもよい。ユーザインターフェース120は、入力機構として用いられるディスプレイ122、ノブ、及びボタンを含んでいてもよい。幾つかの実施例において、ディスプレイ122は、ノブ及びボタンを示してもよい一方で、他の実施例において、ノブ及びボタンは、ノブボタンの組み合わせである。幾つかの実施例において、ユーザインターフェース120は、1つ以上の入力機構又はタッチスクリーンディスプレイ122を介して運転者から1つ以上の運転者コマンドを受信するか、及び/又は運転者に1つ以上の通知を表示する。ユーザインターフェース120は、コントローラ140と通信する。幾つかの実施例において、ディスプレイ122は、牽引車両102の周囲状況の画像133を表示する。ディスプレイ122は、牽引車両102の一部であってもよいか、又はハンドヘルド電子デバイスのディスプレイ等、牽引車両102とは別のものであってもよい。
【0021】
牽引車両102は、信頼でき、ロバストな運転を提供するようセンサシステム130を含んでいてもよい。センサシステム130は、センサシステム130によって検出される物体及び障害物に基づいてインテリジェントな決定を行う際に、牽引車両102が駆動し、運転者を支援するために用いられる牽引車両102及びトレーラ106の周囲状況の認識を作成するために別々に又は共に用いられてもよい異なる種類のセンサを含んでいてもよい。センサシステム130は、車両トレーラシステム100によって支持される1つ以上のカメラ132、132a~dを含んでいてもよい。幾つかの実装において、牽引車両102は、牽引車両102のための後方運転経路の視界を提供するよう取り付けられる後方車両カメラ132a(即ち、第1のカメラ)を含み、又は言い換えれば、後方車両カメラ132aは、牽引車両102の後方周囲状況の画像133を取り込む。後方車両カメラ132aは、牽引車両102のテールゲートに位置決めされてもよい。
【0022】
幾つかの実装において、後方車両カメラ132aは、広いパノラマ又は半球画像を作成するよう意図される強い視覚的歪みを生じる超広角レンズを有する魚眼レンズを含んでいてもよい。魚眼カメラは、極めて広い画角を有する画像を取り込む。その上、魚眼カメラによって取り込まれる画像は、特徴的な凸状の非直線的な外観を有する。他の種類のカメラもまた、画像133を取り込むために用いられてもよい。
【0023】
センサシステム130はまた、車両の動き、即ち、速度、角速度、位置等を検出する他のセンサ134を含んでいてもよい。他のセンサ134は、車両の直線加速度(1つ以上の加速度計を用いて)及び回転速度(1つ以上のジャイロスコープを用いて)を測定するよう構成される慣性測定ユニット(IMU)を含んでいてもよい。幾つかの実施例において、IMUはまた、牽引車両102の向首方位基準を特定する。従って、IMUは、牽引車両102のピッチ、ロール、及びヨーを特定する。他のセンサ134はまた、これらに限定はしないが、レーダー、ソナー、LIDAR(散乱光の特性を測定して遠隔ターゲットの範囲及び/又は他の情報を見つける光学遠隔検知を伴うことができる光検出及び測距)、LADAR(レーザ検出及び測距)、超音波、HFL(高解像度3DフラッシュLIDAR)等を含んでいてもよい。幾つかの実装において、センサシステム130は、V2X通信又は他の任意の通信等によって、他のシステム又は車両から受信する外部センサデータを提供してもよい。更に他のセンサ130は、以下でより詳細に説明するように、牽引車両102の可動コンポーネントの位置を検知する少なくとも1つの位置センサを含んでいてもよい。
【0024】
例示的な実施形態において、リアカメラ132aは、牽引車両102の可動コンポーネントに取り付けられる。牽引車両102のかかる可動コンポーネントは、牽引車両の残りの部分に対して可動である。一実施例において、牽引車両102はピックアップトラックであり、可動コンポーネントはトラックのテールゲート160であり、リアカメラ132aはテールゲートに沿って取り付けられる。別の実施例において、牽引車両102はセダンであり、可動コンポーネントはトランクであり、リアカメラ132aはトランクに沿って取り付けられる。更に別の実施形態において、牽引車両はスポーツユーティリティビークル(SUV)であり、可動コンポーネントはSUVのリフトゲートであり、リアカメラ132aはリフトゲートに沿って取り付けられる。全ての実施例において、可動コンポーネントは、少なくとも2つの位置の間で移動されてもよく、各位置において、リアカメラ132aは、そこに描写される牽引ボール104を有する画像を取り込むことが可能である。
【0025】
コントローラ140は、コンピューティングプロセッサ142上で実行可能な命令を格納することが可能な非一時的メモリ144(例えば、ハードディスク、フラッシュメモリ、ランダムアクセスメモリ)と通信するコンピューティングデバイス(又はプロセッサ)142(例えば、1つ以上のコンピューティングプロセッサを有する中央処理装置)を含んでいる。コントローラ140は、牽引車両102、トレーラ106、並びに牽引車両102及びトレーラ106の両方によって支持されてもよい。幾つかの実施例において、コントローラ140は、牽引車両102の運転者にトレーラ106の背後の周囲状況のパノラマビュー152を提供する牽引ボール位置検出システム150を実行する。
【0026】
例示的な実施形態において、牽引車両102は、コントローラ140に電子的に結合されるコンポーネント位置決めシステム170(
図2)を含む。コンポーネント位置決めシステム170は、牽引車両102に対して上で説明した可動車両コンポーネントを選択的に位置決めする。牽引車両102がピックアップトラックである実施形態において、コンポーネント位置決めシステム170は、テールゲートを開閉するためにトラックのテールゲート160と動作可能に関連付けられる。牽引車両102がセダンである実施形態において、コンポーネント位置決めシステム170は、トランクを開閉するためにセダンのトランクと動作可能に関連付けられる。牽引車両102がSUVである実施形態において、コンポーネント位置決めシステム170は、SUVのリフトゲートを開閉するためにそれと動作可能に関連付けられる。コンポーネント位置決めシステム170は、それ自体、可動車両コンポーネントの開位置を制御又は設定するために、それに通信可能に結合されるモータ及びコントローラ(図示せず)を含んでいてもよい。コンポーネント位置決めシステム170は、コントローラ140が、可動車両コンポーネントを選択的に位置決めするよう命令をコンポーネント位置決めシステム170に送信してもよいように、コントローラ140に通信可能に結合される。少なくとも1つのセンサ134はまた、可動車両コンポーネント(テールゲート160、トランク、リフトゲート等)の位置を検知し、検知された位置データ135をコントローラ140及び/又はコンポーネント位置決めシステム170に提供する位置センサを形成してもよい。
【0027】
例示的な実施形態によれば、牽引車両102は、牽引ボール104の位置を推定及び/又は特定する牽引ボール位置検出システム150を含む。システム150は、例えば、較正シーケンスの一部として、牽引ボール104の位置を検出、推定、又は別の方法で特定する。較正シーケンスは、例えば、牽引車両102の動作のパワーアップシーケンス中に、又はトレーラアシスト機能若しくは操作の開始時に実行されてもよい。検出されると、牽引ボール104の位置は、牽引車両102のトレーラアシスト機能の一部として用いられてもよい。牽引ボール位置検出システム150は、少なくとも2つの位置の間で移動可能な移動可能車両コンポーネントに取り付けられ、各位置が牽引ボール104の表現を含む画像を取り込む背面カメラ132aと共に用いられてもよい。牽引ボール位置検出システム150を、例示の目的のためにテールゲート160を有する牽引車両102に関して以下で説明するが、牽引ボール位置検出システム150は、リアカメラ132aが取り付けられる任意の他のかかる可動車両部分に用いられてもよいと理解されている。例示的な実施形態において、テールゲート160は、
図3に示すような第1の閉位置(即ち、第1のコンポーネント位置)と、
図5に示すような第2の全開位置(即ち、第2のコンポーネント位置)との間で移動させてもよい。例示的な実施形態において、リアカメラ132aは、閉じたテールゲート160の上部中央部分に沿って固定して取り付けられる。
【0028】
例示的な実施形態によれば、牽引ボール位置検出システム150は、リアカメラ132aによって取り込まれる牽引ボールの少なくとも2つの画像を用いて牽引ボール104の位置を推定し、各画像は、牽引車両102に対して異なる位置にある間にリアカメラ132aによって取り込まれる。牽引ボール推定は、第1の画像と第2の画像との間の世界座標におけるリアカメラの位置の変化、並びに第1及び第2の画像における牽引ボール104の表現のピクセル位置の変化に基づいている。較正動作において推定されるような牽引ボール104の位置は、次いで、後続のトレーラアシスト操作において用いられてもよい。
【0029】
図8は、少なくとも1つの例示的な実施形態による牽引ボール位置を決定及び/又は推定するための方法800を示している。動作シーケンスは、本明細書中に提示される順序とは異なる順序で行われてもよいと理解されている。最初に、802において、較正動作を開始するリクエストを受信する。幾つかの態様において、リクエストは、ディスプレイ122を介してプロセッサ140によって提供されるプロンプトに応答して、牽引車両102のユーザから受信する。リクエストは、牽引車両が始動又は電源投入される際の始動シーケンス等、牽引車両102の他のシステムから受信してもよいと理解されている。受信したリクエストに応答して、牽引ボール位置検出システム150は、804において較正シーケンスを開始する。
【0030】
幾つかの例示的な実施形態において、牽引ボール位置検出システム150は、806において、ディスプレイ122を介して牽引車両ユーザに、又はコンポーネント位置決めシステム170に、可動牽引車両コンポーネントを第1のコンポーネント位置に移動させる命令を送信することによって、較正を開始する。リアカメラ132aが可動車両コンポーネントに取り付けられているため、可動牽引車両コンポーネントの第1のコンポーネント位置への移動は、リアカメラ132aが第1の位置に移動することに対応する。この説明の目的のために、第1のコンポーネント位置は、テールゲート160、トランク、又はリフトゲートの閉位置であると考えられるが、第1の位置は、代替として、テールゲート160、トランク、又はリフトゲートの開位置であってもよいと理解されている。
【0031】
代替の実装において、牽引ボール位置検出システム150は、位置センサを介して、又は取り込んだ画像の物体認識を用いて、可動牽引車両コンポーネントの現在位置を検出し、可動牽引車両コンポーネントが開位置にある(この実施形態においては、閉位置が第1のコンポーネント位置と見なされる)場合にのみ命令を送信してもよい。更に別の代替実装において、牽引ボール位置検出システム150は、可動牽引車両コンポーネントの現在位置を検出し、検出した現在位置にある可動牽引車両コンポーネントにより較正を開始してもよい。言い換えれば、コントローラ140は、検出した現在位置を較正動作の第1のコンポーネント位置として割り当てる。
【0032】
コントローラ140は、808において、第1の位置にある間にリアカメラ132aによって取り込まれる牽引車両102の後方周囲状況の第1の画像を受信する。第1の画像は、牽引ボール104の表現104’を含んで、
図4に示されている。第1の画像における牽引ボール104の表現104’のピクセル位置は、810において、特定されるか、又は別の方法で検出される。牽引ボール表現のピクセル位置は、幾つかのアプローチのうちの任意の1つによって行われてもよい。例えば、コントローラ140は、ディスプレイ122に命令を送信して、第1の画像を表示し、タッチスクリーンディスプレイ122の一部に触れることによって牽引ボール表現を選択するよう、牽引車両102のユーザに促してもよい。牽引車両ユーザによって選択される牽引ボール表現により、コントローラ140は、ユーザによって触れられるタッチスクリーンディスプレイ122の一部内の特定のピクセル位置を検出してもよい。代替として、牽引ボール位置検出システム150は、コンピュータビジョン、人工知能、及び/又はニューラルネットワークによる物体認識を用いて、第1の画像内の牽引ボール表現を自動的に検出してもよい。牽引ボール表現を検出するための1つのコンピュータビジョンベースのアプローチは、画像内の円を検出するためのハフ変換である。
【0033】
812において、コントローラ140は、リアカメラ132aを第2の位置に移動させるように命令を送信する。一実施形態において、命令はディスプレイ122に送信されて、第2の位置にあるリアカメラ132aに対応する第2のコンポーネント位置に可動車両コンポーネントを手動で移動させるよう牽引車両ユーザに促す。別の実施形態において、命令は、同じことを行うようコンポーネント位置決めシステム170に送信される。第1のコンポーネント位置が閉位置にあるテールゲート160である状態で、第2のコンポーネント位置は、全開位置にあるテールゲート160であってもよい。較正シーケンスが牽引車両102の操作中に実行される代替実装において、牽引ボール位置検出システム150は、可動車両コンポーネントをコンポーネント位置に移動させるための命令を提供せず、代わりに、運転者又は他の牽引車両ユーザによって開始されるように、可動車両コンポーネントが移動されることを待機する。この場合、較正シーケンスは、可動車両コンポーネントが移動されるまで続行されない。この実装において、較正シーケンスは、運転者又は他の牽引車両ユーザを関与させることなく自動的に実行される。
【0034】
第2の位置にある間にリアカメラ132aによって取り込まれる第2の画像が、814においてコントローラ140によって受信される。第2の画像を
図6に示す。第2の画像内の牽引ボール104の表現140’のピクセル位置は、816において、ブロック810に関連して上で説明したアプローチを用いて検出される。
【0035】
818において、牽引ボール位置検出システム150は、世界座標において、第1の位置から第2の位置へのリアカメラ132aの位置の変化を特定する。この特定は、テールゲート160が第1のコンポーネント(閉)位置から第2のコンポーネント(全開)位置に移動したこと等の、既知の固定変化量に基づいてもよい。追加として又は代替として、この特定は、リアカメラ132aが取り付けられる可動車両コンポーネントに関連付けられる位置センサからのセンサデータに基づいてもよい。可動コンポーネントの動きによる、牽引車両102に対するリアカメラ位置のこの変化は、結果として、牽引ボール104の異なる視野角をもたらし、それによって、マシンビジョンを用いる牽引ボール位置推定を可能にする。
【0036】
820において、牽引ボール位置検出システム150は、第1の画像における牽引ボール104の表現104’及び第2の画像における表現104’のピクセル位置の変化を特定する。世界座標におけるリアカメラ132aの位置の変化と、ピクセル座標における牽引ボール104’の表現104’の位置の変化とに基づいて、牽引ボール位置検出システム150は、822において、世界座標における牽引ボール104の位置を特定する。この特定は、三角法又は線形代数を利用して、牽引ボール104の位置を推定してもよい。
図7は、牽引ボール104がリアカメラ132aによって2つの画像及び/又は画像平面内に取り込まれ、それぞれが、結果として画像/画像平面内の異なる場所にある牽引ボール表現104’をもたらす、三角測量を示している。
【0037】
特定される牽引ボール104の位置により、推定された牽引ボール位置は、牽引車両102の車両アシストシステムによって用いられてもよい。幾つかの実施形態において、世界座標における牽引ボール位置を決定するための較正シーケンスは、この時点で終了する。
【0038】
幾つかの実施例において、牽引ボール位置検出システム150は、可動車両コンポーネント(テールゲート16、トランク、又はリフトゲート)の2つを超える異なる角度の画像内の牽引ボール位置を記録し、この追加情報を用いて、牽引ボール位置をより高い精度で更に推定する。
【0039】
更に、牽引ボール位置検出システム150は、以前の較正動作において推定及び/又は検出されたような牽引ボール104の位置が、トレーラアシスト操作又は機能において用いるために有効なままであることを検証する。詳細には、システムは、リアカメラ132aによって最近取り込まれた画像内の牽引ボール表現104’を検出し、牽引ボール104の以前に推定された位置を画像内の牽引ボール104の表現104’と比較し、最近取り込まれた画像内の牽引ボール表現104’が画像内の予期した位置にあることを検証する。この検証は、前の較正対象となった牽引ボール104及び/又はヒッチバー105が、最後の較正が行われてから交換されなかったことを確認することに役立つ。
【0040】
図9は、例示的な実施形態による、以前の較正シーケンスがトレーラアシスト操作において用いるために有効なままであることを検証するための方法を説明するフロー
図900を示している。902において、コントローラ140は、テールゲート160が閉位置又は開位置にある状態等、リアカメラが既知の位置にある状態で、リアカメラ132aによって最近取り込まれた第3の画像を受信する。牽引ボール104の表現104’のピクセル位置は、904において検出される。牽引ボール表現104’のピクセル座標における位置は、ブロック810に関して上で説明したアプローチのいずれかを利用してもよい。第3の画像における牽引ボール表現104’のピクセル位置は、906において処理され、先の較正シーケンスからの牽引ボール104の位置の推定と相関させる。相関が達成されないか、又はそうでなければ、908において、最近の画像における牽引ボール表現104’が牽引ボール104の以前に推定された位置に対応しないことを示し、それによって、異なる牽引ボールが現在用いられていることを示唆する場合、牽引ボール位置検出システム150は、910において、新しい較正シーケンスが行われることを要求するか、又はディスプレイ122に命令を送信して、牽引車両ユーザに再較正を要求するよう促す。
【0041】
図8のブロック810及び816又は
図9のブロック904のいずれかのブロックにおいて、牽引ボール位置検出システム150が対応するカメラ画像における牽引ボール表現104’を識別することができない場合、牽引ボール位置検出システム150は、牽引ボールが牽引車両102に取り付けられていないと仮定する。この情報は、トレーラヒッチアシスト機能等のある特定のトレーラアシスト機能の作動を抑止するために用いられてもよい。
【0042】
本発明は、較正プロセスを自動化し、人為的ミスの可能性を排除するか、そうでなければ低減する。
【0043】
本明細書中に説明したシステム及び技術の種々の実装は、デジタル電子回路、集積回路、特別設計のASIC(特定用途向け集積回路)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、及び/又はそれらの組み合わせにおいて実現できる。これらの種々の実装は、記憶システム、少なくとも1つの入力デバイス、及び少なくとも1つの出力デバイスからデータ及び命令を受信し、それらへデータ及び命令を送信するよう結合される、特殊用途又は汎用であってもよい、少なくとも1つのプログラマブルプロセッサを含むプログラマブルシステム上で実行可能及び/又は解釈可能な1つ以上のコンピュータプログラムにおける実装を含んでいてもよい。
【0044】
これらのコンピュータプログラム(またプログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション又はコードとしても公知である)は、プログラマブルプロセッサに対する機械語命令を含み、高級手続き言語及び/又はオブジェクト指向プログラミング言語において、及び/又は、アセンブリ言語/機械語において実装できる。本明細書中で用いたように、用語「機械読取可能媒体」及び「コンピュータ読取可能媒体」とは、機械読取可能信号として機械語命令を受信する機械読取可能媒体を含む、プログラマブルプロセッサに機械語命令及び/又はデータを提供するよう用いられる、いずれかのコンピュータプログラム製品、装置、及び/又はデバイス(例えば、磁気ディスク、光学ディスク、メモリ、プログラマブル論理デバイス(PLD))を指す。用語「機械読取可能信号」とは、プログラマブルプロセッサに機械語命令及び/又はデータを提供するよう用いられるいずれかの信号を指す。
【0045】
本明細書において説明する主題及び機能的動作の実装は、本明細書において開示する構造及びそれらの構造的等価物を含む、デジタル電子回路において、或いはコンピュータソフトウェア、ファームウェア、若しくはハードウェアにおいて、又はそれらのうちの1つ以上の組み合わせにおいて実装することができる。その上、本明細書において説明する主題は、1つ以上のコンピュータプログラム製品、即ち、データ処理装置による実行のために、又はその動作を制御するよう、コンピュータ読取可能媒体上に符号化されるコンピュータプログラム命令の1つ以上のモジュールとして実装することができる。コンピュータ読取可能媒体は、機械読取可能格納デバイス、機械読取可能格納基板、メモリデバイス、機械読取可能伝搬信号をもたらす組成物、又はそれらのうちの1つ以上の組み合わせとすることができる。用語「データ処理装置」、「コンピューティングデバイス」、及び「コンピューティングプロセッサ」は、例として、プログラマブルプロセッサ、コンピュータ、又は複数のプロセッサ若しくはコンピュータを含む、データを処理するための全ての装置、デバイス、及び機械を包含する。装置は、ハードウェアに加えて、問題のコンピュータプログラムのための実行環境を作成するコード、例えば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム、又はそれらのうちの1つ以上の組み合わせを構成するコードを含むことができる。伝搬信号は、人工的に生成される信号、例えば、適切な受信機装置への送信のための情報を符号化するよう生成される、機械によって生成される電気、光、又は電磁信号である。
【0046】
同様に、動作を特定の順序で図面に示しているが、これは、所望の結果を達成するよう、かかる動作が示した特定の順序で若しくは逐次的な順序で実行されること、又は全ての図示した動作が実行されることを必要とすると理解すべきではない。ある特定の状況において、マルチタスキング及び並列処理が有利である可能性がある。その上、上で説明した実施形態における種々のシステムコンポーネントの分離は、全ての実施形態においてかかる分離を必要とするものとして理解すべきではなく、説明したプログラムコンポーネント及びシステムは、一般に、単一のソフトウェア製品に共に統合されるか、又は複数のソフトウェア製品にパッケージ化することができることを理解されたい。
【0047】
多数の実施形態を説明してきた。しかしながら、種々の変更が、本開示の精神及び適用範囲から逸脱することなく、行われてもよいことは理解されよう。従って、他の実装も、以下の特許請求の範囲の適用範囲内にある。
【国際調査報告】