(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-16
(54)【発明の名称】検体採取スティック
(51)【国際特許分類】
G01N 1/04 20060101AFI20231006BHJP
【FI】
G01N1/04 V
G01N1/04 G
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023516844
(86)(22)【出願日】2021-09-15
(85)【翻訳文提出日】2023-03-14
(86)【国際出願番号】 KR2021012558
(87)【国際公開番号】W WO2022060069
(87)【国際公開日】2022-03-24
(31)【優先権主張番号】10-2020-0119514
(32)【優先日】2020-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0017056
(32)【優先日】2021-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0017061
(32)【優先日】2021-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0057681
(32)【優先日】2021-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522136957
【氏名又は名称】ビオンライフサイエンス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100115200
【氏名又は名称】山口 修之
(72)【発明者】
【氏名】高 昌 郁
(72)【発明者】
【氏名】鄭 仲 煥
(72)【発明者】
【氏名】金 奉 胤
【テーマコード(参考)】
2G052
【Fターム(参考)】
2G052AA29
2G052AD06
2G052AD26
2G052BA19
2G052JA07
2G052JA08
(57)【要約】
本発明は検体採取スティックに関するものであり、本発明によれば、任意の長さを有する支持部と、前記支持部の前端に位置し、体内で接触する検体を採集する検体採取部とを含むので、被検査者から採取される検体の採取量を増大させることができ、採取された検体が検体採取スティックから試薬または溶液に溶解または分散する量を増大させることができる技術が開示される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
任意の長さを有するロッドまたはバーの形態の支持部と、
前記支持部の前端に位置し、被検査者の体内で接触する検体を採集し、前記支持部の長手方向に配列された多数の採取ディスクを含む検体採取部と、を含むことを特徴とする、検体採取スティック。
【請求項2】
前記検体採取部は、
前記支持部の前方部分が内側に挿入される方式で前記支持部と結合され、前記多数の採取ディスクを支持するハブを含むことを特徴とする、請求項1に記載の検体採取スティック。
【請求項3】
前記採取ディスクは、少なくとも一側面が曲面または平面になったプレートの形態を有し、外周が円形または楕円形の形態を成すことを特徴とする、請求項2に記載の検体採取スティック。
【請求項4】
前記ハブが多数の前記採取ディスクの中心部位を貫通する形態を有し、前記ハブに多数の前記採取ディスクが結合または形成されており、互いに隣り合う前記採取ディスクの間には前記検体が残存することができるように所定の離隔した間隔が設けられていることを特徴とする、請求項3に記載の検体採取スティック。
【請求項5】
前記ハブの内側には、前記支持部の前方部分が挿入されることで前記ハブと前記支持部の前方部分とが結合できるように、結合溝または結合ホールが形成されていることを特徴とする、請求項4に記載の検体採取スティック。
【請求項6】
前記ハブは、前記結合溝または前記結合ホールと連通する支持部締結溝または支持部締結ホールが前記ハブの外面上に形成されており、前記支持部の前方部分が前記結合溝または前記結合ホールに挿入されることによって前記支持部締結溝または前記支持部締結ホールに挿入結合されるハブ締結段またはハブ締結突起が前記前方部分の外面上に形成されていることを特徴とする、請求項5に記載の検体採取スティック。
【請求項7】
多数の前記採取ディスクのうちの少なくとも一部の前記採取ディスクにおいて、互いに隣り合う前記採取ディスクの直径または長半径が互いに異なることを特徴とする、請求項4に記載の検体採取スティック。
【請求項8】
前記支持部の後端に連結され、検査者の手または指によって把持できるように、一定の長さを有する取っ手部をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の検体採取スティック。
【請求項9】
前記取っ手部及び前記支持部の間には、前記取っ手部と前記支持部とが分離できるように、分節溝が設けられていることを特徴とする、請求項8に記載の検体採取スティック。
【請求項10】
前記検体採取部を内側に収容する検体容器の蓋に固定結合できるように、前記支持部の外周面には突出した形態の結合段または結合突起が形成されているかまたは蓋締結溝が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の検体採取スティック。
【請求項11】
任意の長さを有するロッドまたはバーの形態の支持部と、
前記支持部の前端に位置し、被検査者の体内で接触する検体を採集し、長手方向中心軸に対して回転対称または軸対称を成す形態に配置された多数の採取ブレードを含む検体採取部と、を含むことを特徴とする、検体採取スティック。
【請求項12】
前記検体採取部は、
前記支持部の前方部分が内側に挿入される方式で前記支持部と結合され、前記多数の採取ブレードを支持するハブを含むことを特徴とする、請求項11に記載の検体採取スティック。
【請求項13】
前記採取ブレードは、少なくとも一側面が曲面または平面になったプレートの形態を有することを特徴とする、請求項12に記載の検体採取スティック。
【請求項14】
前記採取ブレードは、前記ハブに結合されて接している内側辺の長さが外側辺の長さと同じかまたは外側辺の長さよい小さく形成されていることを特徴とする、請求項13に記載の検体採取スティック。
【請求項15】
前記ハブの外周面において同じ円周上に配列された多数の前記採取ブレードは一つのブレードグループ(blade group)を成し、互いに隣り合う多数の前記ブレードグループのそれぞれは隣接した他の前記ブレードグループに対して任意の間隔で離隔して前記ハブの外周面上に配置されていることを特徴とする、請求項12に記載の検体採取スティック。
【請求項16】
前記支持部の後端に連結され、検査者の手または指によって把持できるように、一定の長さを有する取っ手部をさらに含むことを特徴とする、請求項11に記載の検体採取スティック。
【請求項17】
前記取っ手部及び前記支持部の間には、前記取っ手部と前記支持部とが分離できるように、分節溝が設けられていることを特徴とする、請求項16に記載の検体採取スティック。
【請求項18】
前記検体採取部を内側に収容する検体容器の蓋に固定結合できるように、前記支持部の外周面には突出した形態の結合段または結合突起が形成されているかまたは蓋締結溝が形成されていることを特徴とする、請求項11に記載の検体採取スティック。
【請求項19】
前記採取ブレードまたは前記ハブは柔軟性または弾力性を有する材質からなることを特徴とする、請求項12に記載の検体採取スティック。
【請求項20】
任意の長さを有するロッドまたはバーの形態の支持部と、
前記支持部の前端に位置し、被検査者の体内で接触する検体を採集する検体採取部と、を含み、
前記検体採取部は、
プレートの形態を有しており、接触する前記検体の離脱の抑制する採取ブレードと、
前記支持部の前方部分が内側に挿入される方式で前記支持部と結合され、外周面上に配置された多数の前記採取ブレードを支持するハブと、を含み、
前記ハブの外周面上に配置された多数の前記採取ブレードは、前記ハブまたは前記支持部の長手方向中心軸に対して非対称を成す形態に配置されていることを特徴とする、検体採取スティック。
【請求項21】
任意の長さを有するロッドまたはバーの形態の支持部と、
前記支持部の前端に位置し、被検査者の体内で接触する検体を採集し、長手方向中心軸を中心に回転する螺糸山の形態に形成されたスクリューブレードを含む検体採取部と、を含むことを特徴とする、検体採取スティック。
【請求項22】
前記検体採取部は、
前記支持部の前方部分が内側に挿入される方式で前記支持部と結合され、外周面上に配置された前記スクリューブレードを支持するハブを含むことを特徴とする、請求項21に記載の検体採取スティック。
【請求項23】
前記スクリューブレードの外周縁には多数の採取溝が形成されていることを特徴とする、請求項22に記載の検体採取スティック。
【請求項24】
多数の前記採取溝のうちの少なくとも一部の採取溝は、前記ハブまたは前記支持部の長手方向中心軸に対して垂直な方向に形成されていることを特徴とする、請求項23に記載の検体採取スティック。
【請求項25】
多数の前記採取溝のうちの少なくとも一部は、互いに隣り合う採取溝が一定の誤差範囲内で平行な方向に形成されていることを特徴とする、請求項23に記載の検体採取スティック。
【請求項26】
前記スクリューブレードの少なくとも一部分は、互いに対して少なくとも一部分が離隔した多数のスクリューブレード部分に分割されていることを特徴とする、請求項22に記載の検体採取スティック。
【請求項27】
前記スクリューブレードまたは前記ハブは柔軟性または弾力性を有する材質からなることを特徴とする、請求項22に記載の検体採取スティック。
【請求項28】
前記支持部の後端に連結され、検査者の手または指によって把持できるように、一定の長さを有する取っ手部をさらに含むことを特徴とする、請求項21に記載の検体採取スティック。
【請求項29】
前記取っ手部及び前記支持部の間には、前記取っ手部と前記支持部とが分離できるように、分節溝が設けられていることを特徴とする、請求項28に記載の検体採取スティック。
【請求項30】
前記検体採取部を内側に収容する検体容器の蓋に固定結合できるように、前記支持部の外周面には突出した形態の結合段または結合突起が形成されているかまたは蓋締結溝が形成されていることを特徴とする、請求項21に記載の検体採取スティック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は検体採取スティックに関するものであり、より詳しくは被検査者の口腔または鼻腔内の唾液などの検体を採取するために被検査者の口腔及び鼻腔の唾液などを掻き出して検体を採取することができる検体採取用スティックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
微生物学的検査とは、検体が疾病を引き起こすことができる病源菌に汚染されているかを判断する検査である。すなわち、疾病の原因が微生物であると思われるとき、その診断、治療、予防法を確立するために行う検査である。微生物学的検査は、被検査者が大膓菌、腸チフス菌、ブドウ状球菌、シュードモナス菌など、疾病を引き起こすことができる病源菌に汚染されているかを判断するためのものある。
【0003】
一般的に、微生物学的検査のために、被検査者の体内から検体を採取する。採取された検体は検査のための試薬または溶液に混合された後、病源菌の存在有無を検査する。
【0004】
被検査者の唾液や体液または身体組職から検体を採取するとき、検体採取用スティック、ブラシまたはスワブ(swab)と呼ばれる器具が使用される。すなわち、検体採取用スワブを被検査者の体内に進入させ、スワブに検体をつけて引き出す方式で検体を採取することになる。
【0005】
既存の検体採取用スワブの場合、棒状のスワブの末端に円形の採取部が形成されていた。スワブの採取部には小さなサイズの微細繊維が付着されて形成された繊維層が設けられていた。このように、従来のスワブの採取部に形成された繊維層に検体が染みこむようにし、被検査者からスワブの採取部を引き出すことで検体を採取することになる。
【0006】
このように、従来は検体の採取のために使用される検体採取用スワブは、繊維層に唾液などが染みこむようにするために一定の時間以上に被検査者の口腔及び鼻腔内に挿入された状態を維持しなければならないので、被検査者の不便が大きい。なによりも、検体採取用スワブに設けられた繊維層で一部の繊維層がスワブの採取部から分離及び離脱して被検査者の体内に残ることになる問題が発生することもあった。繊維層のような異物が被検査者の体内に残ることは医学的に深刻な問題に違いない。また、従来のスワブを用いて採取される採取量が不十分であって検査の正確性が低下する場合がたびたび発生するという問題点もあった。
【0007】
したがって、このような問題点を解決することができる技術が要望されていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は前述したような従来の問題点を解決するためのことであり、検体採取の際、採取される検体の採取量を増大させることができ、検体採取にかかる時間を減らすことができ、従来のスワブの繊維層を構成する繊維部分がスワブから分離されない問題が発生しない検体採取スティックを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記のような目的を達成するための本発明の第1実施例による検体採取スティックは、任意の長さを有するロッドまたはバーの形態の支持部と、前記支持部の前端に位置し、被検査者の体内で接触する検体を採集し、前記支持部の長手方向に配列された多数の採取ディスクを含む検体採取部とを含むことを一特徴とすることができる。
【0010】
ここで、前記検体採取部は、前記支持部の前方部分が内側に挿入される方式で前記支持部と結合され、前記多数の採取ディスクを支持するハブを含むことを他の一特徴とすることができる。
【0011】
ここで、前記採取ディスクは、少なくとも一側面が曲面または平面になったプレートの形態を有し、外周が円形または楕円形の形態を成すことをさらに他の一特徴とすることができる。
【0012】
ここで、前記ハブが多数の前記採取ディスクの中心部位を貫通する形態を有し、前記ハブに多数の前記採取ディスクが結合または形成されており、互いに隣り合う前記採取ディスクの間には前記検体が残存することができるように所定の離隔した間隔が設けられていることをさらに他の一特徴とすることができる。
【0013】
ここで、前記ハブの内側には、前記支持部の前方部分が挿入されることで前記ハブと前記支持部の前方部分とが結合できるように、結合溝または結合ホールが形成されているさらに他の一特徴とすることができる。
【0014】
ここで、前記ハブは、前記結合溝または前記結合ホールと連通する支持部締結溝または支持部締結ホールが前記ハブの外面上に形成されており、前記支持部の前方部分が前記結合溝または前記結合ホールに挿入されることによって前記支持部締結溝または前記支持部締結ホールに挿入結合されるハブ締結段またはハブ締結突起が前記前方部分の外面上に形成されているさらに他の一特徴とすることができる。
【0015】
ここで、多数の前記採取ディスクのうちの少なくとも一部の前記採取ディスクにおいて、互いに隣り合う前記採取ディスクの直径または長半径が互いに異なることをさらに他の一特徴とすることができる。
【0016】
ここで、前記支持部の後端に連結され、検査者の手または指によって把持できるように、一定の長さを有する取っ手部をさらに含むことをさらに他の一特徴とすることができる。
【0017】
ここで、前記取っ手部及び前記支持部の間には、前記取っ手部と前記支持部とが分離できるように、分節溝が設けられていることをさらに他の一特徴とすることができる。
【0018】
ここで、前記検体採取部を内側に収容する検体容器の蓋に固定結合できるように、前記支持部の外周面には突出した形態の結合段または結合突起が形成されているかまたは蓋締結溝が形成されていることをさらに他の一特徴とすることができる。
【0019】
前記のような目的を達成するための本発明の第2実施例による検体採取スティックは、任意の長さを有するロッドまたはバーの形態の支持部と、前記支持部の前端に位置し、被検査者の体内で接触する検体を採集し、長手方向中心軸に対して回転対称または軸対称を成す形態に配置された多数の採取ブレードを含む検体採取部とを含むことを一特徴とすることができる。
【0020】
ここで、前記検体採取部は、前記支持部の前方部分が内側に挿入される方式で前記支持部と結合され、前記多数の採取ブレードを支持するハブを含むことを他の一特徴とすることができる。
【0021】
ここで、前記採取ブレードは、少なくとも一側面が曲面または平面になったプレートの形態を有することをさらに他の一特徴とすることができる。
【0022】
ここで、前記採取ブレードは、前記ハブに結合されて接している内側辺の長さが外側辺の長さと同じかまたは外側辺の長さよい小さく形成されていることをさらに他の一特徴とすることができる。
【0023】
ここで、前記ハブの外周面において同じ円周上に配列された多数の前記採取ブレードは一つのブレードグループ(blade group)を成し、互いに隣り合う多数の前記ブレードグループのそれぞれは隣接した他の前記ブレードグループに対して任意の間隔で離隔して前記ハブの外周面上に配置されていることをさらに他の一特徴とすることができる。
【0024】
ここで、前記支持部の後端に連結され、検査者の手または指によって把持できるように、一定の長さを有する取っ手部をさらに含むことをさらに他の一特徴とすることができる。
【0025】
ここで、前記取っ手部及び前記支持部の間には、前記取っ手部と前記支持部とが分離できるように、分節溝が設けられていることをさらに他の一特徴とすることができる。
【0026】
ここで、前記検体採取部を内側に収容する検体容器の蓋に固定結合できるように、前記支持部の外周面には突出した形態の結合段または結合突起が形成されているかまたは蓋締結溝が形成されていることをさらに他の一特徴とすることができる。
【0027】
ここで、前記採取ブレードまたは前記ハブは柔軟性または弾力性を有する材質からなることをさらに他の一特徴とすることができる。
【0028】
前記のような目的を達成するための本発明の他の実施例による検体採取スティックは、任意の長さを有するロッドまたはバーの形態の支持部と、前記支持部の前端に位置し、被検査者の体内で接触する検体を採集する検体採取部とを含み、前記検体採取部は、プレートの形態を有しており、接触する前記検体の離脱の抑制する採取ブレードと、前記支持部の前方部分が内側に挿入される方式で前記支持部と結合され、外周面上に配置された多数の前記採取ブレードを支持するハブとを含み、前記ハブの外周面上に配置された多数の前記採取ブレードは、前記ハブまたは前記支持部の長手方向中心軸に対して非対称を成す形態に配置されていることを特徴とすることができる。
【0029】
前記のような問題を解決するための本発明の第3実施例による検体採取スティックは、任意の長さを有するロッドまたはバーの形態の支持部と、前記支持部の前端に位置し、被検査者の体内で接触する検体を採集し、長手方向中心軸を中心に回転する螺糸山の形態に形成されたスクリューブレードを含む検体採取部と、を含むことを特徴とすることができる。
【0030】
ここで、前記検体採取部は、前記支持部の前方部分が内側に挿入される方式で前記支持部と結合され、外周面上に配置された前記スクリューブレードを支持するハブを含むことを他の一特徴とすることができる。
【0031】
ここで、前記スクリューブレードの外周縁には多数の採取溝が形成されていることをさらに他の一特徴とすることができる。
【0032】
ここで、多数の前記採取溝のうちの少なくとも一部の採取溝は、前記ハブまたは前記支持部の長手方向中心軸に対して垂直な方向に形成されていることをさらに他の一特徴とすることができる。
【0033】
ここで、多数の前記採取溝のうちの少なくとも一部は、互いに隣り合う採取溝が一定の誤差範囲内で平行な方向に形成されていることをさらに他の一特徴とすることができる。
【0034】
ここで、前記スクリューブレードの少なくとも一部分は、互いに対して少なくとも一部分が離隔した多数のスクリューブレード部分に分割されていることをさらに他の一特徴とすることができる。
【0035】
ここで、前記スクリューブレードまたは前記ハブは柔軟性または弾力性を有する材質からなることをさらに他の一特徴とすることができる。
【0036】
ここで、前記支持部の後端に連結され、検査者の手または指によって把持できるように、一定の長さを有する取っ手部をさらに含むことをさらに他の一特徴とすることができる。
【0037】
ここで、前記取っ手部及び前記支持部の間には、前記取っ手部と前記支持部とが分離できるように、分節溝が設けられていることをさらに他の一特徴とすることができる。
【0038】
ここで、前記検体採取部を内側に収容する検体容器の蓋に固定結合できるように、前記支持部の外周面には突出した形態の結合段または結合突起が形成されているかまたは蓋締結溝が形成されていることをさらに他の一特徴とすることができる。
【発明の効果】
【0039】
本発明による検体採取スティックは、既存の検体採取用スワブの製造過程で要求されるフロッキング(flocking)工程が不要であるので、検体採取スティックの製造コストを節減することができ、検体採取スティックに繊維層がないので、既存の検体採取用スワブのように、繊維層部分が取れて被検査者の体内に残ることになる問題が発生するおそれがなく、検査の安全性を向上させる効果がある。
【0040】
また、本発明による検体採取スティックは、被検査者の体内から採取される検体の採取量を増大させ、さらに従来のスワブのように繊維層に検体が染みこむのにかかる吸収時間が不要であるので、検体採取にかかる時間を減らす。よって、検体採取にかかる時間を短縮することができ、検体採取の際、被検査者の不便さを軽減することができ、検体の採取量の増大によって検査の正確度を向上させることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】本発明の第1実施例による検体採取スティックを概略的に示す斜視図である。
【
図2】本発明の第1実施例による検体採取スティックにおいて検体採取部部分を概略的に示す側面図である。
【
図3】本発明の第1実施例による検体採取スティックにおいて検体採取部と支持部との間の締結を側面から概略的に示す図である。
【
図4】本発明の第1実施例による検体採取スティックにおいて支持部及び変形検体採取部の形態を概略的に示す図である。
【
図5】本発明の第1実施例による検体採取スティックにおいて検体採取部と支持部との間の変形結合形態を概略的に示す図である。
【
図6】本発明の第2実施例による検体採取スティックの側面を概略的に示す側面図である。
【
図7】本発明の第2実施例による検体採取スティックにおいて検体採取部を概略的に示す側面図である。
【
図8】本発明の第2実施例による検体採取スティックの正面を概略的に示す図である。
【
図9】本発明の第2実施例による検体採取スティックにおいて検体採取部を概略的に示す斜視図である。
【
図10】本発明の第2実施例による検体採取スティックの正面を概略的に示す図である。
【
図11】本発明の第2実施例による検体採取スティックの側面を概略的に示す側面図である。
【
図12】本発明の第2実施例による検体採取スティックの検体採取部を概略的に示す斜視図である。
【
図13】本発明の第2実施例による検体採取スティックにおいて検体採取部の一部を概略的に示す概念図である。
【
図14】本発明の第2実施例による検体採取スティックにおいて検体採取部の一部を概略的に示す概念図である。
【
図15】本発明の第2実施例による検体採取スティックにおいて検体採取部の一部を概略的に示す概念図である。
【
図16】本発明の第2実施例による検体採取スティックにおいて検体採取部を平面形態に広げたものを概略的に示す概念図である。
【
図17】本発明の第2実施例による検体採取スティックにおいて検体採取部を平面形態に広げたものを概略的に示す概念図である。
【
図18】本発明の第2実施例による検体採取スティックにおいて検体採取部の切開された側面を概略的に示す側断面図である。
【
図19】本発明の第3実施例による検体採取スティックの側面を概略的に示す斜視図である。
【
図20】本発明の第3実施例による検体採取スティックにおいて検体採取部を概略的に示す側面図である。
【
図21】本発明の第3実施例による検体採取スティックにおいて検体採取部を概略的に示す斜視図である。
【
図22】本発明の第3実施例による検体採取スティックにおいて変形検体採取部の正面を概略的に示す図である。
【
図23】本発明の第3実施例による検体採取スティックにおいて変形検体採取部を概略的に示す斜視図である。
【
図24】本発明の第3実施例による検体採取スティックにおいて応用形態の検体採取部の正面を概略的に示す図である。
【
図25】本発明の第3実施例による検体採取スティックにおいて応用形態の検体採取部を概略的に示す斜視図である。
【
図26】本発明の第3実施例による検体採取スティックにおいて他の変形形態の検体採取部の正面を概略的に示す図である。
【
図27】本発明の第3実施例による検体採取スティックにおいて他の変形形態の検体採取部を概略的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本発明は多様な変換を加えることができ、さまざまな実施例を有することができるが、特定の実施例を図面に例示しながら詳細に説明しようとする。しかし、これは本発明を特定の実施形態に限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるすべての変換、均等物や代替物を含むものと理解しなければならない。本実施例は本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に本発明をより詳細に説明するために提供するものである。したがって、図面に示す各要素の形状はより明らかな説明を強調するために誇張されていることがあり、本発明の説明において、関連した公知の技術についての具体的な説明が本発明の要旨をあいまいにする可能性があると判断される場合、その詳細な説明を省略することができる。
【0043】
第1、第2などの用語は多様な構成要素を説明するのに使用することができるが、構成要素はその用語によって限定されてはいけない。用語は一構成要素を他の構成要素と区別して説明し、理解する目的で使用する。
【0044】
本発明で使用する用語は単に特定の実施例を説明するために使用したものであり、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明白に指示しない限り、複数の表現を含む。
【0045】
本発明で、「含む」または「有する」などの用語は明細書上に記載した特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらの組合せが存在することを指定しようとするものであり、一つまたはそれ以上の他の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらの組合せなどの存在または付加の可能性を予め排除しないものと理解しなければならない。
【0046】
以下、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施することができるように本発明の実施例について添付図面を参照して詳細に説明する。しかし、本発明はさまざまな相異なる形態に具現可能であり、ここで説明する実施例に限定されない。明細書全般にわたって類似の部分に対しては同じ図面符号を使うこともできる。
【0047】
以下、図面を参照して本発明の実施例による検体採取スティックについて説明する。
【0048】
図1は本発明の第1実施例による検体採取スティックを概略的に示す斜視図であり、
図2は本発明の第2一実施例による検体採取スティックにおいて検体採取部部分を概略的に示す側面図である。
【0049】
図1及び
図2を参照すると、本発明の第1実施例による検体採取スティックは、支持部200及び検体採取部300を含み、取っ手部をさらに含むことができる。
【0050】
まず、支持部200はロッド(rod)またはバー(bar)の形態を有し、図面で参照できるように、任意の長さを有している。支持部200の前端には検体採取部300が結合されて位置している。支持部200は検体採取部300を支持する。支持部200の後側には取っ手部100が連結されている。支持部200は、検体採取部300が被検査者の体内に進入することができるように支持する。
【0051】
支持部200は検体採取部300が被検査者の体内に進入して検体を採取することができるように支持することができれば十分であり、特定の形態に限定されるものではない。
【0052】
また、支持部200は、伝達される力によって柔軟に変形できるとともに元の形態に戻ることができるように柔軟性及び弾力性を有する高分子素材からなることが好ましい。
【0053】
一方、検体容器(図示せず)に保管された検体採取スティック10の検体採取部300及び支持部200を引き出すとき、ピンセットのような道具を用いて取り出す場合、事前にピンセットを洗浄し、検体採取スティック10の支持部200をピンセットでつまんで検体容器から取り出した後、検査者が意図する位置に検体採取スティック10の検体採取部300及び支持部200が置かれれば、使用したピンセットをまた洗浄しなければならない。
【0054】
このように、検体容器から検体採取スティックを引き出す過程で使用したピンセットを毎度洗浄しなければならないので、検体に対する検査作業の効率を低下させる要因として作用することもある。よって、ピンセットを用いなくても検体容器から検体採取スティック10の検体採取部300及び支持部200を引き出すことができるように、次のような構成を備えることもできる。
【0055】
すなわち、支持部200の外面に検体容器のカバーまたは蓋が固定結合できるように、外面から突出した形態の結合段または結合突起210が形成される形態が可能である。
【0056】
検体容器(図示せず)のカバーまたは蓋(図示せず)の内側には、検体採取スティックの支持部200が検体容器のカバーまたは蓋(図示せず)に固定できるように、固定溝または嵌合段(図示せず)が設けられることができる。検体容器のカバーまたは蓋の内側に設けられた固定溝または嵌合段に、支持部の結合段または結合突起210と噛み合うか結合される方式で結合できる。
【0057】
このように、検体容器のカバーまたは蓋に支持部200が固定できるので、ピンセットのような器具を用いなくても、検体容器のカバーまたは蓋をオープンさせると、検体容器の蓋またはカバーとともに支持部200を検体容器から容易に取り出すことができるので好ましい。
【0058】
図1では、このような結合段または結合突起210の例示的な形態として、支持部200の外側面上に円周方向に沿って形成されたリング状の結合段または結合突起210を示した。
図1で参照できるように、支持部200の後側にリングの形態に形成された一つまたは多数の結合段または結合突起210が支持部200の外側面上に設けられることも好ましい。
【0059】
このように、検体容器のカバーに支持部200が結合できれば、利用上の便宜性が増大することができるので好ましい。
【0060】
前述したように、支持部200の後側には取っ手部100が位置している。すなわち、支持部200の後端が取っ手部100と連結されている。
【0061】
取っ手部100は支持部200の後端に連結され、検査者の手または指によって把持できるように、一定の長さを有している。
【0062】
図面で参照できるように、取っ手部100は一定の長さを有するロッドまたはバーの形態を有している。このような取っ手部100は検査者の手または指によって把持される。検査者は取っ手部100を用いて検体採取部300を被検査者の体内に進入または挿入させるコントロールを行うことができる。
【0063】
したがって、取っ手部100を用いた検査者のコントロールにより、検体採取部300は被検査者の口腔や鼻腔などを通して体内に進入または挿入できる。
【0064】
図面で参照できるように、取っ手部100と支持部200の後端との間には、取っ手部100と支持部200とを区別することができる分節のような分節溝120が設けられていることが好ましい。すなわち、取っ手部100及び支持部200の間には、取っ手部100と支持部200とが分離できるように、分節溝120が設けられていることが好ましい。
【0065】
使用者である検査者の意図に応じて被検査者の体内から検体採取部300が引き出されると、検体容器に検体採取部300及び支持部200を収容させる。
【0066】
ここで、敢えて取っ手部100を検体容器に収容させる必要がないので、支持部200から取っ手部100を分離することが好ましい。よって、支持部200と取っ手部100とが検査者の必要に応じて分離できるように、図面で参照できるように、支持部200と取っ手部100との間に分節または分節溝120が設けられていることが好ましい。
【0067】
支持部200と取っ手部100とが分離された後、前述したように、支持部200が検体容器のカバーまたは蓋に結合できる。検体採取部を内側に収容する検体容器のカバーまたは蓋に固定結合できるように、前記支持部の外周面には突出した形態の結合段または結合突起210が形成されているかまたは蓋締結溝が形成されていることが好ましい。
【0068】
検体採取部300は被検査者の体内に挿入または進入されて検体と接触する部分であり、検体を採取する部分である。
【0069】
検体採取部300は支持部200の前端に位置し、被検査者の体内で接触する検体を採集または採取する。このような検体採取部300は、支持部200の長手方向に配列された多数の採取ディスク340を含む。
【0070】
そして、検体採取部300は支持部200の前方部分が内側に挿入される方式で支持部200と結合し、多数の採取ディスク340を支持するハブ310をさらに含むことができる。
【0071】
採取ディスク340は、少なくとも一側面が曲面または平面になったプレートの形態を有している。そして、採取ディスク340の縁部が円形または楕円形を成している。採取ディスク340が円盤の形態を有している言うこともできる。
【0072】
ここで、図面で参照できるように、ハブ310が多数の採取ディスク340の中心部位を貫通する方式で、ハブに多数の採取ディスクが結合または形成されている。
【0073】
そして、検体採取部300が被検査者の体外に引き出されるとき、互いに隣り合う採取ディスク340の間に検体が残存することができるように、所定の離隔した間隔が設けられていることが好ましい。
【0074】
多数の採取ディスク340のそれぞれは柔軟性及び弾力性を有する。したがって、多数の採取ディスク340のそれぞれは被検査者の体内で身体組職と接するようになる。検査者が取っ手部100を介して検体採取部300を被検査者の体内で掻き回すかまたは掻き出す行動を行うことで、採取ディスク340は検体がある身体組職部分に接して掻き出すようになり、その結果、検体が採取ディスク340の表面に付くかまたは互いに隣り合う採取ディスク340の間の間隔にホールディングされる。
【0075】
すなわち、検体採取部300が被検査者の体内に挿入された状態で、採取ディスク340の表面とこれに隣接した採取ディスク340との間に離隔した間隔に検体が付くかまたはホールディングされることで、検体採取部300が被検査者の体外に引き出されるとき、検体が検体採取部340に残存するようになる。このように互いに隣り合う採取ディスク340の間隔340を採取空間または採取間隔とも言える。
【0076】
そして、多数の採取ディスク340のうちの少なくとも一部の採取ディスク340において、互いに隣り合う採取ディスク340の直径または長半径が互いに異なることも好ましい。もちろん、多数の採取ディスク340が共に同じサイズの直径または長半径を有することも充分に可能である。
【0077】
採取ディスク340の直径またはサイズは、鼻腔、口腔、肛門または子宮頸部のように、挿入される被検査者の体内の部位によって設定されたサイズに成形されて製造されることが好ましい。そして、採取ディスク340及びハブ310を含む検体採取部300は柔軟性及び弾力性を有する高分子材質またはエラストマーから形成できる。
【0078】
【0079】
図3は本発明の一実施例による検体採取スティックにおいて、検体採取部と支持部との間の締結を側面から概略的に示す図である。
【0080】
図3をもっと参照すると、ハブ310の内側には、支持部200の前方部分が挿入されることで、ハブ310と支持部200の前方部分220、221、222とが結合できるように、結合溝または結合ホール313が形成されていることが好ましい。
【0081】
そして、支持部200の前方部分には、
図3で参照できるように、ハブ締結段またはハブ締結突起221が支持部200の前方部分の外面上に形成されていることが好ましい。
【0082】
支持部200のハブ締結段またはハブ締結突起221が設けられていれば、支持部200の前端に結合される検体採取部300が支持部200の前端から分離されず、締結できる。
【0083】
そして、ハブ310の前端には、支持部の前方部分220、221、222がハブ310の結合溝または結合ホール313に挿入されるとき、内部の空圧を解消させることができる空気排出口314が設けられることができる。空気排出口314がなければ、ハブ310の結合溝または結合ホール313内に挿入される支持部200の前方部分220、221、222によって密閉されるとともにハブ310の結合溝または結合ホール313内の内部空圧が上昇してハブ310と支持部200との間の締結を妨げる力として作用する。したがって、ハブ310の前端に空気排出口314が設けられていれば、ハブ310と支持部220とが締結されるのに伴ってハブ310の結合溝または結合ホール313内の空気が空気排出口314を通して排気されるので、ハブ310と支持部200との間の締結に役立つ。
【0084】
そして、支持部の前端222の外径より空気排出口314の内径が小さいかまたは内径と同じサイズを有することが好ましい。また、支持部の前端222も末端に行くほど段々外径が減少する形態になるように、図面で参照できるように、テーパー状を有することが好ましい。
【0085】
ハブ310と支持部220とが締結されるのに伴い、空気排出口314に支持部の前端222が挿入されて空気排出口314を塞げることになり、空気排出口314を通して外部の空気が流入することを遮断する。
【0086】
したがって、ハブ310の結合溝または結合ホール313と支持部200の前方部分220、221、222との間の空間の圧力が外部の圧力より低い状態になるので、ハブ310が支持部200から分離されることを抑制することに役立つ。
【0087】
また、支持部200の前方部分220は、図面で参照できるように、テーパー状に形成されることで、ハブ310の結合溝または結合ホール313を密封させることができることが好ましい。
【0088】
一方、
図3に示した形態から変形された形態として、
図4または
図5で参照できるように、支持部と変形形態の検体採取部とが互いに締結される形態も充分に可能である。
【0089】
【0090】
図4は本発明の一実施例による検体採取スティックにおいて、支持部及び変形検体採取部の形態を概略的に示す図であり、
図5は本発明の一実施例による検体採取スティックにおいて、検体採取部と支持部との間の変形結合形態を概略的に示す図である。
【0091】
図4及び
図5で参照できるように、検体採取部300のハブ310には、結合溝または結合ホール313と連通する支持部締結溝または支持部締結ホール315がハブ310の外面上に形成されている。もちろん、前述したように、多数の採取ディスク340も設けられており、多数の採取ディスク340によって検体を採取することは前述した通りである。
【0092】
支持部200の前方部分220、221が結合溝または結合ホール313に挿入されるのに伴って支持部締結溝または支持部締結ホール315に挿入結合されるハブ締結段またはハブ締結突起221がハブ310の前方部分の外面上に形成されていることが好ましい。
【0093】
このように、ハブ310に形成された支持部締結溝または支持部締結ホール315に支持部200のハブ締結段またはハブ締結突起221が、
図5に概略的に示すように、挿入締結されるので、ハブ310と支持部200とが分離されない締結をなすことができる。
【0094】
このように、本発明の第1実施例による検体採取スティックは、検体採取部に含まれた多数の採取ディスクと採取ディスクとの間に離隔した間隔によって採取される検体の量が従来の検体採取用スワブよりも相対的に多くなる。
【0095】
このように、被検査者から採取される検体の採取量を増大させることができ、採取された検体が検体採取スティックから試薬または溶液に溶解または分散する量を増大させることができる。
【0096】
次に、本発明の第2実施例による検体採取スティックについて
図6~
図9を参照して説明する。
【0097】
図6は本発明の第2実施例による検体採取スティックの側面を概略的に示す側面図であり、
図7は本発明の第2実施例による検体採取スティックにおいて検体採取部を概略的に示す側面図であり、
図8は本発明の第2実施例による検体採取スティックの正面を概略的に示す図であり、
図9は本発明の第2実施例による検体採取スティックにおいて検体採取部を概略的に示す斜視図である。
【0098】
図6~
図9を参照すると、本発明の第2実施例による検体採取スティック10は、支持部200及び検体採取部300を含み、取っ手部100をさらに含むこともできる。
【0099】
まず、支持部200はロッド(rod)またはバー(bar)の形態を有し、図面で参照できるように、任意の長さを有している。支持部200の前側には検体採取部300が位置しており、支持部200は検体採取部300を支持する。支持部200の後側には取っ手部100が連結されている。支持部200は、検体採取部300が被検査者の体内に進入することができるように支持する。
【0100】
支持部200の前側と検体採取部300とが高分子材質またはエラストマー材質の単一の素材からなることも可能である。もしくは、支持部200と検体採取部300とが互いに異なる素材からなり、支持部200と検体採取部300とが結合される形態も可能である。ここで、支持部200の前側に検体採取部300を融着して成形することも充分に可能である。
【0101】
支持部200は検体採取部300が被検査者の体内に進入して検体を採取するように支持することができれば十分であり、特定の形態に限定されるものではない。
【0102】
また、支持部200は伝達される力によって柔軟に変形されることができるとともに元の形態に戻ることができるように柔軟性及び弾力性を有する高分子素材からなることが好ましい。
【0103】
一方、検体容器(図示せず)に保管された検体採取スティック10の検体採取部300及び支持部200を引き出すとき、ピンセットのような道具を用いて取り出す場合、事前にピンセットを洗浄し、検体容器から検体採取スティック10の支持部200をピンセットでつまんで取り出した後、検査者が意図する位置に検体採取スティック10の検体採取部300及び支持部200が置かれれば、用いたピンセットをまた洗浄しなければならない。
【0104】
このように、検体容器から検体採取スティック10を引き出す過程で使用するピンセットを毎度洗浄しなければならないので、検体検査作業の効率を低下させる要因として作用することもある。よって、ピンセットを用いなくても検体容器から検体採取スティック10の検体採取部300及び支持部200を引き出すことができるように、次のような構成を有することもできる。
【0105】
すなわち、支持部200の外面に検体容器のカバーまたは蓋が固定結合できるように、外面から突出した形態の結合段または結合突起210が形成されることも充分に可能である。
【0106】
検体容器(図示せず)のカバーまたは蓋(図示せず)の内側には、検体採取スティックの支持部200が検体容器カバーに固定できるように、固定溝または嵌合段(図示せず)が設けられることができる。検体容器のカバーの内側に設けられた固定溝または嵌合段に支持部の結合段または結合突起210が噛み合うか結合される方式で結合できる。
【0107】
このように、検体容器の蓋またはカバーに支持部200が固定できるので、ピンセットのような器具を用いなくても、検体容器の蓋またはカバーをオープンさせると、検体容器の蓋またはカバーとともに支持部200を検体容器から容易に取り出すことができるので好ましい。
【0108】
図6では、このような結合段または結合突起210の例示的な形態として、支持部200の外側面上に円周方向に沿って形成されたリングの形態を有する結合段または結合突起210を示した。
図6で参照できるように、リングの形態に形成された一つまたは多数の結合段または結合突起が支持部200の外側面上に設けられることも好ましい。
【0109】
このように、検体容器のカバーに支持部200が結合できれば利用上の便宜が向上することができるので好ましい。
【0110】
前述したように、支持部200の後側には取っ手部100が位置している。すなわち、支持部200の後端が取っ手部100と連結されている。
【0111】
取っ手部100は支持部200の後端に連結され、検査者の手または指によって把持できるように一定の長さを有している。
【0112】
図面で参照できるように、取っ手部100は一定の長さを有するロッドまたはバーの形態を有している。このような取っ手部100は検査者の手または指によって把持される。検査者は取っ手部100を用いて検体採取部300を被検査者の体内に進入または挿入させるコントロールを行うことができる。
【0113】
したがって、取っ手部100を用いた検査者のコントロールにより、検体採取部300は被検査者の口腔や鼻腔などを通して体内に進入または挿入できる。
【0114】
図面で参照できるように、取っ手部100と支持部200の後端との間には、取っ手部100と支持部200とを区別することができる分節のような分節溝120が設けられていることが好ましい。すなわち、取っ手部100及び支持部200の間には、取っ手部100と支持部200とが分離できるように、分節溝120が設けられていることが好ましい。
【0115】
使用者である検査者の意図に応じて被検査者の体内から検体採取部300が引き出されると、検体容器に検体採取部300及び支持部200を収容させる。
【0116】
ここで、取っ手部100を検体容器に収容させる必要がないので、支持部200から取っ手部100を分離することが好ましい。よって、支持部200と取っ手部100とが検査者の必要に応じて分離できるように、図面で参照できるように、支持部200と取っ手部100との間に分節または分節溝120が設けられていることが好ましい。
【0117】
支持部200と取っ手部100とが分離された後、前述したように、支持部200が検体容器のカバーに結合できる。検体採取部300を内側に収容する検体容器のカバーまたは蓋に固定結合できるように、前記支持部の外周面には突出した形態の結合段または結合突起210が形成されているかまたは蓋締結溝が形成されていることが好ましい。
【0118】
図7~
図9でより具体的に参照できるように、検体採取部300は被検査者の体内に挿入または進入されて検体と接触する部分であり、検体を採取する部分である。
【0119】
検体採取部300は前記支持部200の前端に位置し、被検査者の体内で接触する検体を採集する。このような検体採取部300は、長手方向の中心軸に対して回転対称または軸対称を成す形態に配列または配置された多数の採取ブレード320を含む。
【0120】
すなわち、検体採取部300は、接触する検体が付くかホールディングされて被検査者の体外に引き出されることができるように、少なくとも一つ以上の採取ブレード320を含む。
【0121】
そして、支持部200の前側で支持部200と結合され、外表面上に多数の採取ブレード320を支持するハブ310をさらに含むことができる。すなわち、ハブ310は、前記支持部200の前方部分が内側に挿入される方式で、支持部200と結合または形成され、多数の採取ブレード320を支持する。
【0122】
検体採取部300の多数の採取ブレード320が支持部200の前端に直接連結されて形成される形態も充分に可能である。
【0123】
また、
図7~
図9で参照できるように、多数の採取ブレード320の一部分がハブ310に結合されるように形成されている。このように形成された多数の採取ブレード320はハブ310によって支持される。すなわち、採取ブレード320は一部分がハブ310の外面上に連結されるように形成され、ハブ310によって支持される。このように、ハブ310の外側面には採取ブレード320が設けられている。
【0124】
採取ブレード320またはハブ310は柔軟性または弾力性を有する材質からなることが好ましい。すなわち、柔軟性及び弾力性を有する高分子素材またはエラストマー材質から形成できる。
【0125】
採取ブレード320を支持するハブ310は支持部200の前方部分と結合される。そして、ハブ310は支持部200によって支持される。ハブ310の長手方向中心軸は支持部200の長手方向中心軸と一致することが好ましい。
【0126】
採取ブレード320は、検体と接触することができるように、ハブ310または支持部200の中心軸から外側方向に、すなわち、遠心方向に任意のサイズに突出するように形成されている。
【0127】
採取ブレード320は、少なくとも一側面が曲面または平面になったプレートの形態を有することが好ましい。また、扇形またはプレート形を有する採取ブレードの外縁の角部分が丸く曲線または曲面の形態になることも好ましい。
【0128】
扇形またはプレート形を有する採取ブレードの外縁角部分が丸い曲線または曲面の形態に形成されれば、採取過程で体内に傷が発生する可能性を抑制させることができるので好ましい。
【0129】
採取ブレード320は、ハブ310に接して結合される内側辺の長さが外側辺の長さと同じかまたは外側辺より小さく形成できる。
【0130】
このように、ハブ310及び多数の採取ブレード320を備えるので、従来のスワブに比べて、図面で参照できるように、検体採取部300の表面積が増大する。
【0131】
多数の採取ブレード320のそれぞれは柔軟性及び弾力性を有する。したがって、多数の採取ブレード320のそれぞれは被検査者の体内で身体組職と接するようになる。検査者が取っ手部100を介して検体採取部300を被検査者の体内で掻き回すかまたは掻き出す動きを実施することで、採取ブレード320は検体がある身体組職部分に接して掻き出すようになり、その結果、検体が採取ブレード320の表面に付くかまたは互いに隣り合う採取ブレード320の間の間隔にホールディングされる。
【0132】
すなわち、検体採取部300が被検査者の体内に挿入された状態で、採取ブレード320の表面とこれに隣接した採取ブレード320との間に離隔した間隔に検体が付くかまたはホールディングされることで、検体採取部300が被検査者の体外に引き出されるとき、検体が検体採取部300に残存するようになる。このように、互いに隣り合う採取ブレード320の間隔を採取空間または採取間隔とも言える。
【0133】
ハブ310は中心軸方向に対する縦断面の形態が円形であり得る。もちろん、四角形または多角形の形態も可能であり、図面ではハブ310の縦断面の形態が円形であるものを例として示している。
【0134】
採取ブレード320のサイズは、鼻腔、口腔、肛門または子宮頸部のように被検査者の体内に挿入される部位によって設定されたサイズに成形製造されることが好ましい。そして、採取ブレード320及びハブ310を含む検体採取部300は柔軟性及び弾力性を有する高分子材質またはエラストマーから形成できる。
【0135】
図面で参照できるように、このようなハブ310の外周面の一つの同じ円周上に多数の採取ブレード320が配置または配列される。
図3で参照できるように、一つの同じ円周上に6個の採取ブレード320が配置された形態を例として示したが、採取ブレード320の個数は特に限定されるものではない。
【0136】
このように、ハブ310の一つの同じ外周面上に配置または配列される多数の採取ブレード320は、一つのブレード組(crew)またはブレードグループ(blade group)を成すと言える。
【0137】
そして、このようなブレードグループは、
図7または
図9で参照できるように、ハブ310の中心軸方向に離隔して多数が配置される。
【0138】
多数のブレードグループはハブ310の長手方向の中心軸に沿って順次配列される形態を有していると言える。
【0139】
互いに隣り合う多数のブレードグループのそれぞれは隣接した他のブレードグループに対して任意の間隔で離隔してハブ310の外周面上に配置されることが好ましい。もちろん、各ブレードグループの間の間隔が一定した形態も好ましい。
【0140】
図7で参照できるように、互いに隣り合うブレードグループは離隔している。離隔したブレードグループの間の空間に流入または進入する検体が採取ブレード320またはハブ310の表面に接触するかまたは付くようになる。よって、検体周辺の採取ブレード320及びハブ310の表面によってホールディングされる効果が現れる。
【0141】
さらに、
図10~
図12で参照されるような応用実施形態も充分に可能である。
【0142】
図10は本発明の第2実施例による検体採取スティックの正面を概略的に示す図であり、
図11は本発明の第2実施例による検体採取スティックの側面を概略的に示す側面図であり、
図12は本発明の第2実施例による検体採取スティックの検体採取部を概略的に示す斜視図である。
【0143】
図10~
図12で参照できるように、一つのブレードグループにおいて採取ブレード320が配置された位置は一つのブレードグループに隣接したブレードグループにおいて採取ブレード320が配置された位置と異なるように形成されている。
【0144】
すなわち、前述した
図9では、いずれか一つのブレードグループの採取ブレード320と隣接したブレードグループの採取ブレード320とは一列を成すように整列されているが、
図10~
図12では、採取ブレード320が整列されず、ハブ310の長手方向中心軸を中心に任意の角度だけ回転した配置形態を有している。
【0145】
このように、ブレードグループごとに採取ブレード320が形成された位置が異なるように形成される形態も充分に可能であり、かつ好ましい。
【0146】
ここで、
図11で参照できるように、図面符号aが指示するブレードグループの採取ブレード320と図面符号bが指示するブレードグループの採取ブレード320とはハブ310の長手方向中心軸を中心に任意の角度だけ回転すれば互いに整列される軸対称または回転対称を成している。
【0147】
そして、図面符号aが指示するブレードグループと図面符号bが指示するブレードグループとは、
図11及び
図12で参照できるように、互いに交互に現れるように配置される。このように、多数の採取ブレード320がハブ310に結合された方向が互いに異なるように配置されているブレードグループがハブ320の軸方向に沿って交互に現れる形態に構成されたものも検体の採取効率を向上させるのに役立ち、かつ好ましい。
【0148】
次に、
図13~
図15を参照して採取ブレードがハブに結合される形態を説明する。
【0149】
図13~
図15は本発明の実施例による検体採取スティックにおいて検体採取部の一部分、すなわち、ハブ310に採取ブレード320が結合される形態を概略的に示す概念図である。
【0150】
理解及び説明の便宜のために、
図13~
図15ではハブ310に結合された一つの採取ブレード320のみを示したことを明かしておく。
【0151】
図13で参照できるように、ハブ310の長手方向中心軸に対して採取ブレード320の水平方向中心軸が互いに直交する形態に結合されることも可能である。
【0152】
また、多数の採取ブレードの水平方向中心軸がハブの長手方向中心軸に対して任意の角度をなすように傾いて形成されることも充分に可能であり、かつ好ましい。
【0153】
図14で参照できるように、採取ブレード320の水平方向中心軸がハブ310の長手方向中心軸に対して任意の角度(θ)だけ右上方に傾くように採取ブレード320がハブ310の表面に形成される形態も好ましく、
図15で参照できるように、採取ブレード320の水平方向中心軸がハブ310の長手方向中心軸に対して任意の角度(θ)だけ右下方に傾くように採取ブレード320がハブ310の表面に形成される形態も好ましい。
【0154】
このように、採取ブレード320の水平軸または水平面がハブ310の長手方向中心軸に対して任意の角度だけ傾くように多数の採取ブレード320が結合される形態も好ましい。
【0155】
図16及び
図17は本発明の実施例による検体採取スティックにおいて検体採取部を平面形態に広げたものを概略的に示す概念図である。
【0156】
理解及び説明の便宜のために、同じ行(row)に6個の採取ブレード320が配置されて一つのブレードグループを成し、このようなブレードグループが4個配置された例示的な形態を概略的に示すものであり、縦断面が円形であるハブ310の外表面を平面的に広げた場合に見える平面的形状を概略的に示すものである。
【0157】
ここで、図面符号Aはハブ310の表面上の任意の一点を示すものであり、
図11の左側のA点と右側のA点とが触れ合うように曲げれば、前述したようなハブの形態になると言える。
【0158】
まず、
図16で参照できるように、第1行row1に属する6個の採取ブレード320は一つのブレードグループを構成する。そして、第2行row2、第3行row3及び第4行row4もそれぞれ6個の採取ブレードが一つのブレードグループを構成する。
【0159】
第1行row1に属する6個の採取ブレード320と第3行row3に属する6個の採取ブレード320とは、先に
図9で説明したように、ハブ310の中心軸に対してそれぞれの採取ブレード320が任意の角度に右上方に傾くように結合されたものである。
【0160】
そして、第2行row2に属する6個の採取ブレード320と第4行row4に属する6個の採取ブレード320とは、先に
図10で説明したように、ハブ310の中心軸に対してそれぞれの採取ブレード320が任意の角度に右下方に傾くように結合されたものである。
【0161】
このように、
図16で参照できるように、一つのブレードグループに属する採取ブレード320が傾くように結合された方向と、隣接した他のブレードグループに属する採取ブレード320が傾くように結合された方向とが互いに異なるようにそれぞれの採取ブレード320をハブ310の表面上に配置した形態が可能であり、かつ好ましい。
【0162】
このように、いずれか一つのブレードグループに属する採取ブレード320の勾配角が隣接した他のブレードグループに属する採取ブレード320の勾配角とは異なる角度を有するように形成されることも好ましい。
【0163】
そして、
図16で参照できるように、それぞれの採取ブレード320は一つの列にすべてが共通して属している。すなわち、採取ブレード320がハブ310の中心軸の長手方向に整列された状態に配置されている。
【0164】
図16の応用形態として、
図17で参照できるように、第1行row1に属する6個の採取ブレード320と第3行row3に属する6個の採取ブレード320とは、先に
図9で説明したように、ハブ310の中心軸に対してそれぞれの採取ブレード320が任意の角度に右上方に傾くように結合されたものである。
【0165】
そして、図面符号Col1が指示する列のように、第1行row1に属する採取ブレード320と第3行row3に属する採取ブレード320とが一列に整列されている。
【0166】
そして、第2行row2に属する6個の採取ブレード320と第4行row4に属する6個の採取ブレード320とは、先に
図10で説明したように、ハブ310の中心軸に対してそれぞれの採取ブレード320が任意の角度に右下方に傾くように結合されたものである。ここで、図面符号Col2が指示する列のように、第2行row2に属する採取ブレード320と第4行row4に属する採取ブレード320とが一列に整列されている。
【0167】
そして、第1行row1に属する採取ブレード320と第2行row2に属する採取ブレード320とは整列されていない配置を示す。このように採取ブレード320が配列される形態も充分に可能であり、かつ好ましい。
【0168】
図18は本発明の実施例による検体採取スティックにおいて検体採取部の切開された側面を概略的に示す側断面図である。
【0169】
図18で参照できるように、ハブ310の中心軸の長手方向に互いに隣り合うように配置された多数の採取ブレード320a、320bにおいて、中心軸AXからそれぞれの採取ブレード320a、320bの外側方向、すなわち、遠心方向の長さRA、RBが互いに異なるように形成されることも好ましい。
【0170】
さらに、
図18で参照できるように、中心軸AXから採取ブレード320の遠心方向の長さが互いに異なる形態が交互に現れるように、ハブ310の中心軸方向に沿って多数の採取ブレード320が配置されることも好ましい。
【0171】
一方、次のような変形実施形態の検体採取スティックも充分に可能である。
【0172】
任意の長さを有するロッドまたはバーの形態の支持部と、支持部の前端に位置し、被検査者の体内で接触する検体を採集する検体採取部とを含み、前記検体採取部は、プレートの形態を有しており、接触する検体の離脱を抑制する採取ブレードと、支持部の前方部分が内側に挿入されるように支持部と結合され、外周面上に配置された多数の前記採取ブレードを支持するハブとを含み、ハブの外周面上に配置された多数の採取ブレードはハブまたは支持部の長手方向中心軸に対して非対称を成すように配置された検体採取スティックも可能である。より具体的には、ハブの外周面上に配置された多数の採取ブレードはハブまたは支持部の長手方向中心軸を中心とする円周上に非対称に配列されたものと言える。
【0173】
ここで、支持部、及び検体採取部のハブは前述したものと同一であるが、多数の採取ブレードがハブまたは支持部の長手方向中心軸を中心とする円周上に非対称を成すように配置されているという点で変形形態と言える。
【0174】
例えば、ハブの中心軸を中心に置いて見ると、左側の採取ブレードの個数と右側の採取ブレードの個数とが異なるように配置される形態が可能である。具体的な例として、ハブの中心軸に対して左右に区分して見ると、左側には採取ブレードが3個配置されている一方で、右側には採取ブレードが2個または4個が配置されている形態も充分に可能である。
【0175】
また、ハブの中心軸を中心に置いて見ると、多数の採取ブレードのうちの一部の採取ブレードは残りの少なくとも一部の採取ブレードとサイズが異なるように形成される形態も充分に可能である。
【0176】
具体的な例として、ハブの中心軸を取り囲む形態に配置される採取ブレードのうちの一部のサイズが残りの採取ブレードのサイズより小さく形成されたものを挙げることができる。ここで、互いに異なるサイズを有する採取ブレードがハブの中心軸に対して取り囲むように配置されるとともに交互に配置された応用形態も充分に可能である。
【0177】
このように、多数の採取ブレードがハブまたは支持部の長手方向中心軸に対して非対称を成している形態に配置されることも検体の採取及び残存量を増大させることができる形態であり、充分に可能であり、かつ好ましいと言える。
【0178】
このように、本発明の第2実施例による検体採取スティックは、検体採取部300に含まれた多数の採取ブレード320によって採取される検体の量が従来の検体採取用スワブよりも相対的に多くなる。
【0179】
したがって、被検査者から採取される検体の採取量を増大させることができ、採取された検体が検体採取スティックから試薬または溶液に溶解または分散する量を増大させることができる。
【0180】
次に、本発明の第3実施例による検体採取スティックについて
図19~
図25を参照して説明する。
【0181】
まず、
図19は本発明の第3実施例による検体採取スティックの側面を概略的に示す斜視図であり、
図20は本発明の第3実施例による検体採取スティックにおいて検体採取部を概略的に示す側面図であり、
図21は本発明の第3実施例による検体採取スティックにおいて検体採取部を概略的に示す斜視図である。
【0182】
図19~
図21を参照すると、本発明の第3実施例による検体採取スティック10は、支持部200及び検体採取部300を含み、取っ手部100をさらに含むこともできる。
【0183】
まず、支持部200はロッド(rod)またはバー(bar)の形態を有し、任意の長さを有している。支持部200の前側には検体採取部300が位置し、支持部は検体採取部300を支持する。支持部200の後側には取っ手部100が連結されている。支持部200は検体採取部300が被検査者の体内に進入することができるように支持する。
【0184】
支持部200の前側と検体採取部300とが高分子材質またはエラストマー材質の単一の素材からなることも可能である。もしくは、支持部200と検体採取部300とが互いに異なる素材からなり、支持部200と検体採取部300とが結合される形態も可能である。ここで、支持部200の前側に検体採取部300が融着して成形されることも充分に可能である。
【0185】
支持部200は検体採取部300が被検査者の体内に進入して検体を採取するように支持することができれば十分であり、特定の形態に限定されるものではない。
【0186】
さらに、支持部200は伝達される力によって柔軟に変形されることができるとともに元の形態に戻ることができるように柔軟性及び弾力性を有する高分子素材からなることが好ましい。
【0187】
一方、検体容器(図示せず)に保管された検体採取スティック10の検体採取部300及び支持部200を引き出すとき、ピンセットのような道具を用いて取り出す場合、事前にピンセットを洗浄し、検体容器から検体採取スティック10の支持部200をピンセットでつまんで取り出した後、検査者が意図する位置に検体採取スティック10の検体採取部300及び支持部200が置かれれば、用いたピンセットをまた洗浄しなければならない。
【0188】
このように、検体容器から検体採取スティック10を引き出す過程で使用したピンセットを毎度洗浄しなければならないので、検体検査作業の効率を低下させる要因として作用することもある。よって、ピンセットを用いなくても検体容器から検体採取スティック10の検体採取部300及び支持部200を引き出すことができるように次のような構成を有することもできる。
【0189】
すなわち、支持部200の外面に検体容器のカバーまたは蓋に固定結合できるように外面から突出した形態の結合段または結合突起210が形成されることも充分に可能である。
【0190】
検体容器(図示せず)のカバーまたは蓋(図示せず)の内側には、検体採取スティック10の支持部200が検体容器カバーに固定できるように、固定溝または嵌合段(図示せず)が設けられることができる。検体容器のカバーの内側に設けられた固定溝または嵌合段に支持部の結合段または結合突起210が噛み合うか嵌合されるように結合できる。
【0191】
このように、検体容器の蓋またはカバーに支持部200が固定できるので、ピンセットのような器具を用いなくても、検体容器の蓋またはカバーをオープンさせると、検体容器の蓋またはカバーとともに支持部200を検体容器から容易に取り出すことができるので好ましい。
【0192】
図19では、このような結合段または結合突起210の例示的な形態として、支持部200の外側面上に円周方向に沿って形成されたリング形態の結合段または結合突起210を示す。
図19で参照できるように、リングの形態に形成された一つまたは多数の結合段または結合突起が支持部200の外側面上に設けられることも好ましい。
【0193】
このように、検体容器のカバーに支持部200が結合できれば利用上の便宜が向上することができるので好ましい。
【0194】
前述したように、支持部200の後側には取っ手部100が位置している。すなわち、支持部200の後端が取っ手部100と連結されている。
【0195】
取っ手部100は支持部200の後端に連結され、検査者の手または指によって把持できるように一定の長さを有している。
【0196】
図面で参照できるように、取っ手部100は一定の長さを有するロッドまたはバーの形態を有している。このような取っ手部100は検査者の手または指によって把持される。検査者は取っ手部100を用いて検体採取部300を被検査者の体内に進入または挿入させるコントロールを行うことができる。
【0197】
したがって、取っ手部100を用いた検査者のコントロールによって、検体採取部300は被検査者の口腔や鼻腔などを通して体内に進入または挿入できる。
【0198】
図面で参照できるように、取っ手部100と支持部200の後端との間には、取っ手部100と支持部200とを区別することができる分節のような分節溝120が設けられていることが好ましい。すなわち、前記取っ手部及び前記支持部の間には、取っ手部100と支持部200とが分離できるように、分節溝120が設けられていることが好ましい。
【0199】
使用者である検査者の意図に応じて被検査者の体内から検体採取部300が引き出されると、検体容器に検体採取部300及び支持部200を収容させる。
【0200】
ここで、取っ手部100を検体容器に収容させる必要がないので、支持部200から取っ手部100を分離することが好ましい。よって、支持部200と取っ手部100とが検査者の必要に応じて分離できるように、図面で参照できるように、支持部200と取っ手部100との間に分節または分節溝120が設けられていることが好ましい。
【0201】
支持部200と取っ手部100とが分離された後、前述したように、支持部200が検体容器のカバーに結合できる。検体採取部を内側に収容する検体容器のカバーまたは蓋に固定結合できるように、前記支持部の外周面には突出した形態の結合段または結合突起210が形成されているかまたは蓋締結溝が形成されていることが好ましい。
【0202】
検体採取部300は被検査者の体内に挿入または進入されて検体と接触する部分であり、検体を採取する部分である。
【0203】
検体採取部300は前記支持部の前端に位置し、被検査者の体内で接触する検体を採集する。このような検体採取部300は、支持部200の長手方向中心軸を中心に回転する螺糸山の形態に形成されたスクリューブレード320を含む。
【0204】
すなわち、検体採取部300は、接触する検体が付くかホールディングされて被検査者の体外に引き出されることができるように形成されたスクリューブレード320を含むものである。
【0205】
そして、支持部200の前側で、支持部200と結合され、外表面上に結合または形成されたスクリューブレード320を支持するハブ310をさらに含むことができる。言い替えれば、ハブ310は支持部200の前方部分が内側に挿入されるように支持部200と結合され、ハブ310の外周面上に配置されたスクリューブレード320を支持すると言える。参考までに、ここで、ハブ310なしにスクリューブレード320が支持部200の前方部分に結合される形態も充分に可能であることを明かしておく。
【0206】
図面で参照できるように、スクリューブレード320においてハブ310の中心軸側の少なくとも一部分がハブ310に結合されるように形成されている。ハブ310を中心としてハブ310の外周面上にスクリューブレード320が形成されていると言える。このように形成されたスクリューブレード320はハブ310によって支持される。
【0207】
このような検体採取部300は支持部200の前側に連結または結合され、支持部200によって支持される。検体採取部300は、接触する検体が付くかホールディングされて被検査者の体外に引き出されることができるように、少なくとも一つ以上のスクリューブレード320及びこのスクリューブレード320を支持するハブ310を含むことが好ましい。
【0208】
スクリューブレード320が検体採取部300に設けられると、検体採取部300において検体と接触する表面積が増加する。スクリューブレード320を支持するハブ310は支持部200の前方部分と結合される。したがって、ハブ310は支持部200によって支持され、スクリューブレード320を支持する。
【0209】
検体採取部300において、螺糸山の形態を有するスクリューブレード320のピッチとピッチとの間の部分であるギャップ(gap)部分330が設けられている。このようなギャップ部分330は被検査者の体内で検体と接触するようになる。
【0210】
スクリューブレード320のそれぞれは柔軟性及び弾力性を有する。したがって、多数のスクリューブレード320のそれぞれは被検査者の体内で身体組職と接するようになる。検査者が取っ手部100を介して検体採取部300を被検査者の体内で掻き回すかまたは掻き出す動きを実施することで、スクリューブレード320は検体がある身体組職部分に接して掻き出すようになり、その結果、検体がスクリューブレード320の表面に付くかまたは互いに隣り合うスクリューブレード320の間のピッチに相当する間隔にホールディングされる。
【0211】
すなわち、検体採取部300が被検査者の体内に挿入された状態でスクリューブレード320の表面に検体が付くかまたはスクリューブレード320において互いに隣り合う部分の間のピッチに相当する間隔に検体がホールディングされることで、検体採取部300が被検査者の体外に引き出されるとき、検体が検体採取部300に残存するようになる。このように、互いに隣り合う採取ブレード320の間隔を採取空間または採取間隔とも言える。
【0212】
検体採取部300においてスクリューブレード320またはハブ310に接触する検体はスクリューブレード320によってホールディングされた状態または検体が付いた状態を維持することができる。
【0213】
このように、ハブ310を中心とする螺旋形のスクリューブレード320は接触するかまたは付く検体が漏れることを抑制しながらスクリューブレード320の間でホールディングされた状態を維持させることができるので、検体の採取量が従来よりも多く増大することができる。
【0214】
スクリューブレード320のサイズは、鼻腔、口腔、肛門または子宮頸部のように、被検査者の体内に挿入される部位によって設定されたサイズに成形されて製造されることが好ましい。そして、スクリューブレード320及びハブ310を含む検体採取部300は柔軟性及び弾力性を有する高分子材質またはエラストマーから形成できる。
【0215】
ここで、
図22及び
図23で参照されるような変形形態も充分に可能である。
【0216】
図22は本発明の第3実施例による検体採取スティックにおいて変形検体採取部の正面を概略的に示す図であり、
図23は本発明の第3実施例による検体採取スティックにおいて変形検体採取部を概略的に示す斜視図である。
【0217】
図22及び
図23をもっと参照すると、
図22に示したように、スクリューブレード320の外周縁に凹部及び凸部321、323が形成された形態を有することも好ましい。言い換えれば、スクリューブレード320の外周縁には多数の採取溝323が形成されたものも好ましいと言える。ここで、凹部及び凸部321、323の形態または採取溝323の形態は多様な形態が可能であり、特定の形態に限定されるものではない。
【0218】
このように、スクリューブレード320に多数の採取溝323または凹部及び凸部321、凹部及び凸部321が形成されていれば、スクリューブレード320の外周縁部分の表面積が増大するので、検体の採取量を増大させるのに役立つ。
【0219】
スクリューブレード320の凹部及び凸部321、凹部及び凸部321において、凹形に形成された部分323である採取溝323に検体がホールディングできる。ここで、検体の粘性と柔軟なスクリューブレード320の弾力性、及び検体とスクリューブレード320とが接触する表面積の増加によって、検体がホールディングされると言える。
【0220】
図22及び
図23では、外周縁部分に角がある凹凸の形態を例示的に示したが、このような形態に限定されるものではない。例えば、スクリューブレード320の外周縁部分が曲線形に凹形と凸形とが交互に形成された波(wave)の形態に形成されることも充分に可能であり、これも好ましい。
【0221】
参考までに、図面符号AXは支持部200またはハブ310の中心軸を指示する。
【0222】
図24は本発明の第3実施例による検体採取スティックにおいて応用形態の検体採取部の正面を概略的に示す図であり、
図25は本発明の第3実施例による検体採取スティックにおいて応用形態の検体採取部を概略的に示す斜視図である。
【0223】
図24及び
図25で参照できるように、スクリューブレードが部分的に間隔323を置いて分割321された形態も可能である。すなわち、互いに対して少なくとも一部分が離隔した多数のスクリューブレード部分321に分割されることも好ましい。
【0224】
ここで、互いに対して離隔して多数の片に分割されたスクリューブレードの部分321は柔軟性及び弾力性を有するので、体内で接触する検体を採集するのに役立つ。
【0225】
すなわち、分割されたスクリューブレードの部分321は柔軟性及び弾力性を有するので、多数のスクリューブレード部分321の間の空間に検体が集まるのに有利になる。したがって、検体の採集に役立つ。
【0226】
このように、スクリューブレード321が部分的に間隔を置いて分割された場合、分割されて離隔した部分323に検体がホールディングできる。ここで、検体の粘性と柔軟なスクリューブレード321の弾力性、及び検体とスクリューブレード320とが接触する表面積の増加によって検体がホールディングされると言える。
【0227】
参考までに、図面符号AXは支持部200またはハブ310の中心軸を示したものであることを明かしておく。
【0228】
そして、次のように、スクリューブレードに採取溝が形成される形態も好ましい。
【0229】
図26は本発明の第3実施例による検体採取スティックにおいて他の変形形態の検体採取部の正面を概略的に示す図であり、
図27は本発明の第3実施例による検体採取スティックにおいて他の変形形態の検体採取部を概略的に示す斜視図である。
【0230】
図26及び
図27で参照できるように、スクリューブレードの外周縁には多数の採取溝323が形成されている。そして、スクリューブレード320の少なくとも一部分321は、互いに対して少なくとも一部分321が離隔した多数のスクリューブレード部分に分割される形態に形成されることも好ましい。もしくは、多数の採取溝323のうちの少なくとも一部の採取溝323はハブ310または支持部200の長手方向中心軸に対して垂直な方向に形成できる。
【0231】
ここで、多数の採取溝323のうちの少なくとも一部は、互いに隣り合う採取溝323が一定の誤差範囲内で並んでいる方向、すなわち互いに平行な方向に形成できる。言い替えれば、形成された採取溝323の長手方向が互いに平行を成すことができる。
【0232】
このように、多数の採取溝323がスクリューブレード320に形成された場合にも、前述したように、被検査者の体内で採取される検体の採取量を増大させる。
【0233】
このように、多数の採取溝323が形成された形態も充分に可能であり、これも好ましい形態と言える。
【0234】
このように、本発明の第3実施例による検体採取スティックは、検体採取部300に含まれたスクリューブレード320によって採取される検体の量が従来の検体採取用スワブよりも相対的に多くなる。
【0235】
したがって、被検査者から採取される検体の採取量を増大させることができ、採取された検体が検体採取スティックから試薬または溶液に溶解または分散する量を増大させることができる。
【0236】
以上で説明したように、本発明の第1実施例による検体採取スティックは、検体採取部に含まれた多数の採取ディスクと採取ディスクとの間に離隔した間隔によって採取される検体の量が従来の検体採取用スワブよりも相対的に大きく増加する。
【0237】
また、本発明の第2実施例による検体採取スティックは、検体採取部に含まれた多数の採取ブレードと、互いに隣り合う採取ブレードの間に離隔した間隔とによって採取される検体の量が従来の検体採取用スワブよりも大きく増加する。
【0238】
さらに、本発明の第3実施例による検体採取スティックは、検体採取部に含まれた検体採取によって採取される検体の量が従来の検体採取用スワブよりも相対的に大きく増加する。
【0239】
このように、本発明による検体採取スティックは、既存の検体採取用スワブの製造過程で要求されるフロッキング(flocking)工程が不要であるので、検体採取スティックの製造コストを節減することができ、検体採取スティックに繊維層がないので、既存の検体採取用スワブのように繊維層部分が取れて被検査者の体内に残ることになる問題が発生するおそれがないという利点がある。
【0240】
また、本発明による検体採取スティックは、従来のスワブに比べて被検査者から採取される検体の採取量を増大させることができ、採取された検体が検体採取スティックから試薬または溶液に溶解または分散する量を増大させることができるという利点があり、検体の採取量が増大することによって検査の正確度を向上させることができる利点がある。
【0241】
さらに、本発明による検体採取スティックは、検体採取にかかる時間を減らすことができ、検体採取の際、被検査者の不便さを軽減することができる。そして、被検査者の口腔または鼻腔に挿入される検体採取部が柔軟性及び弾力性を有する高分子材質またはエラストマー素材から形成されるので、使用者の不便さを減少させることができる利点もある。
【0242】
以上で説明したように、本発明についての具体的な説明は添付図面を参照する実施例に基づいて開示したが、上述した実施例は本発明の好適な実施例を例として説明しただけであるので、本発明が前記実施例にのみ限定されるものと理解してはいけなく、本発明の権利範囲は後述する特許請求の範囲及びその等価概念によって理解されなければならない。
【符号の説明】
【0243】
100 取っ手部
200 支持部
300 検体採取部
310 ハブ
320 採取ブレード、スクリューブレード
【国際調査報告】