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特表2023-543441呼吸器ウイルスによって引き起こされる疾患を阻害する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-16
(54)【発明の名称】呼吸器ウイルスによって引き起こされる疾患を阻害する方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/137 20060101AFI20231006BHJP
   A61P 31/12 20060101ALI20231006BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20231006BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20231006BHJP
   A61K 47/10 20170101ALI20231006BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20231006BHJP
   A61P 31/14 20060101ALI20231006BHJP
   A61P 31/16 20060101ALI20231006BHJP
   A61K 9/12 20060101ALI20231006BHJP
   A61K 9/06 20060101ALI20231006BHJP
【FI】
A61K31/137
A61P31/12
A61P11/00
A61K9/08
A61K47/10
A61K47/26
A61P31/14
A61P31/16
A61K9/12
A61K9/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023518440
(86)(22)【出願日】2021-09-15
(85)【翻訳文提出日】2023-04-25
(86)【国際出願番号】 US2021050474
(87)【国際公開番号】W WO2022060847
(87)【国際公開日】2022-03-24
(31)【優先権主張番号】63/079,663
(32)【優先日】2020-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523100397
【氏名又は名称】アデュルサ・セラピューティクス・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】レオポルド・ガランド
【テーマコード(参考)】
4C076
4C206
【Fターム(参考)】
4C076AA09
4C076AA12
4C076AA24
4C076BB25
4C076CC10
4C076CC15
4C076CC35
4C076DD37
4C076DD38
4C076EE23
4C076FF11
4C206AA01
4C206FA31
4C206KA01
4C206MA02
4C206MA03
4C206MA05
4C206MA33
4C206MA37
4C206MA48
4C206MA79
4C206NA10
4C206NA14
4C206ZA34
4C206ZA59
4C206ZB33
(57)【要約】
本発明は、ウイルス性呼吸器疾患を阻害する方法であって、それを必要とする対象の鼻の粘膜に、有効量の医薬組成物をウイルスへの曝露前に適用する工程を含み、医薬組成物が、ブロムヘキシン及び溶媒を含む、方法を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウイルス性呼吸器疾患を阻害する方法であって、
それを必要とする対象の鼻の粘膜に、有効量の医薬組成物をウイルスへの曝露前に適用する工程を含み、医薬組成物が、ブロムヘキシン及び溶媒を含み、
ウイルス性呼吸器疾患が阻害される、方法。
【請求項2】
ブロムヘキシンが、ブロムヘキシン塩酸塩、塩化ブロムヘキシン、又はそれらの混合物を含み、溶媒が、アルコール及び水を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
アルコールが、キシリトール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール又はそれらの混合物を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
疾患が、コロナウイルス又はインフルエンザウイルスによって引き起こされる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
コロナウイルスが、アルファコロナウイルス、ベータコロナウイルス、MERS-CoV、SAR-CoV及びSARS-CoV-2からなる群から選択される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
疾患が、風邪、MERS、SARS及びCoViD-19からなる群から選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
ブロムヘキシンが、点鼻スプレーを介して両方の鼻孔に約0.1mgから約0.7mgの用量で適用される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
各鼻孔に適用されるブロムヘキシンの用量が、1日当たり約1.2mgである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
ブロムヘキシンが、ゲル剤を介して両方の鼻孔に約0.1mgから約0.7mgの用量で適用される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
各鼻孔に適用されるブロムヘキシンの量が、1日当たり約1.2mgである、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
コロナウイルス(CoV)は、風邪から中東呼吸器症候群(MERS)、重症急性呼吸器症候群(SARS)及びコロナウイルス疾患2019(CoViD-19)等のより重度の疾患に及ぶ疾病を引き起こすウイルスの大きなファミリーである。コロナウイルスは人獣共通感染症であり、それらが動物と人との間で、例えばSARS-CoVはジャコウネコからヒトへ、MERS-CoVはヒトコブラクダからヒトへ、伝染することを意味する。未だヒトに感染していないいくつかの公知のコロナウイルスが、動物において循環している。
【背景技術】
【0002】
コロナウイルス疾患2019(CoViD-19)は、重症急性呼吸器症候群-コロナウイルス-2(SARS-CoV-2)によって引き起こされる新型感染症である。この疾患は、2019年から世界中に広がり、2019~2020年のコロナウイルスパンデミックをもたらした。
【0003】
CoViD-19の一般的な症状は、発熱、咳、息切れ、及び味覚/嗅覚の喪失を含む。筋肉痛、喀痰産生及び咽頭痛は、あまり一般的でない症状の一部である。大多数の事例では軽度の症状をもたらすが、一部は肺炎、重症急性呼吸器症候群、多臓器不全及び更には死亡に進行する。致死率は1%から5%の間と推定されるが、年齢及び他の健康状態によって変動する。該疾患は、年齢、免疫抑制療法、精神的ストレス又は他の要因により免疫系が損なわれている人において起こる可能性が高い。
【0004】
感染症は、多くの場合、咳をしている間に生成される呼吸飛沫を介してある人から他の人へ広がる。曝露から症状の発症までの時間は、概して2日から14日の間であり、平均5日である。標準的な診断方法は、鼻咽頭スワブ又は喀痰試料からの逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(rRT-PCR)による。抗体アッセイは、血清試料を使用して実施される。感染症は、症状、リスク因子、及び肺炎の特色を示す胸部CTスキャンの組合せから診断することもできる。
【0005】
SARS-CoV-2に対するワクチンは早くても2021年までは利用可能になることが期待されていないため、CoViD-19パンデミックを管理する重要な部分は、流行曲線を平らにすることとして公知である流行のピークを減少させるための試み(すなわち、CoViD-19の伝染を予防すること)によるものである。そのような援助は、公共医療サービスが逼迫するリスクを減少させ、ワクチン及び処置を開発するためにより多くの時間を提供する。CoViD-19の伝染を予防するための推奨される対策は、頻繁な手洗い、他の人との距離を保つこと、顔に触れないこと、咳/くしゃみをする際に口/鼻を覆うこと、及びマスクの使用を含む。CoViD-19は、毎日の更新情報をさまざまな医学的助言とともに提供する世界的な健康専門家によって証明された、独特の臨床的/伝染特徴を持つほとんど理解されていない疾患である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、CoViD-19及びその症状を予防する及び/又は阻害する有効且つ安全な方法に対する緊急の必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様では、本発明は、ウイルス性呼吸器疾患を阻害する方法を提供する。方法は、それを必要とする対象の鼻の粘膜に、有効量の医薬組成物をウイルスへの曝露前に適用する工程を含む。医薬組成物は、ブロムヘキシン(例えば、ブロムヘキシン塩酸塩、塩化ブロムヘキシン、又はそれらの混合物)及び溶媒(例えば、アルコール及び/又は水)を含む。アルコールの例は、キシリトール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール又はそれらの混合物を含む。一実施形態では、呼吸器疾患は、コロナウイルス又はインフルエンザウイルスによって引き起こされる。一実施形態では、コロナウイルスは、アルファコロナウイルス、ベータコロナウイルス、MERS-CoV、SAR-CoV又はSARS-CoV-2である。一実施形態では、疾患は、風邪、MERS、SARS又はCoViD-19である。一実施形態では、ブロムヘキシンは、点鼻スプレーを介して両方の鼻孔に約0.1mgから約0.7mgの用量で適用される。一実施形態では、各鼻孔に適用されるブロムヘキシンの量は、1日当たり約1.2mgである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の方法は、呼吸器疾患に罹患することの予防的処置及び阻害を提供する。方法は、医薬組成物を、哺乳動物、典型的にはヒトの鼻の粘膜に局所的に適用する工程を含む。呼吸器疾患の例は、コロナウイルス及びインフルエンザウイルスによって引き起こされる疾患である。
【0009】
コロナウイルスの例は、SARS-CoV-2、SAR-CoV、MERS-CoV、アルファコロナウイルス(例えば、229E、NL63)及びベータコロナウイルス(例えば、OC43、HKU1)を含む。SARS-CoV-2は、コロナウイルス疾患2019(すなわち、CoViD-19)を引き起こす。SARS-CoVは、重症急性呼吸器症候群(すなわち、SARS)を引き起こす。MERS-CoVは、中東呼吸器症候群(すなわち、MERS)を引き起こす。アルファ及びベータコロナウイルスは、通常、風邪のような軽度から中等度の上気道疾病を引き起こす。
【0010】
インフルエンザウイルスの例は、豚インフルエンザウイルス(SIV)及び鳥インフルエンザウイルスを含む。公知のSIV株は、インフルエンザC並びにH1N1、H1N2、H3N1、H3N2及びH2N3として公知であるインフルエンザAのサブタイプを含む。インフルエンザAウイルスサブタイプH1N1(A/H1N1)は、2009年におけるヒトインフルエンザの最も一般的な原因であり、スペイン風邪として公知である1918年のアウトブレイクに関連する。新たに出現した鳥インフルエンザウイルスは、高病原性鳥インフルエンザAウイルスサブタイプH5N1である。1997年における最初のヒトH5N1アウトブレイク以来、HPAI H5N1の鳥からヒトへの伝染の数がますます増大してきており、臨床的に重度及び致命的なヒト感染症につながっている。
【0011】
本発明の方法は、哺乳動物、典型的にはヒトの鼻の粘膜への医薬組成物の、呼吸器ウイルスによって引き起こされる疾患を阻害するために有効な量での局所適用を含む。他の哺乳動物の例は、ペット(例えば、イヌ、ネコ等)、家畜(例えば、雌ウシ、ウシ、ブタ等)及び実験動物(例えば、げっ歯類、霊長類等)を含む。疾患の阻害は、疾患の予防、及び疾患に関連する任意の症状の阻害を含む。
【0012】
医薬組成物は、鼻の粘膜への局所適用のために製剤化されたブロムヘキシンを含む。一実施形態では、ブロムヘキシンは、ブロムヘキシン塩酸塩、塩化ブロムヘキシン、又はそれらの混合物を含む。一実施形態では、医薬組成物は、例えば、アルコール(例えば、キシリトール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン及びソルビトール)及び/又は水等の医薬担体/賦形剤を含む。ブロムヘキシンは担体/賦形剤に溶解される。例えば、ブロムヘキシンは溶媒に溶解され、この溶媒はアルコール及び水を含む。典型的には、アルコールは、溶媒の約5~25%、より典型的には溶媒の約11~20%を構成する。
【0013】
医薬組成物は、ブロムヘキシンの全身吸収を最小化する、好ましくは全身吸収を完全に回避するような方式で製剤化され、それにより、全身効果を回避する。組成物は、鼻の内側を覆っている細胞に局在化されたままとなるであろう。故に、ブロムヘキシンは肺に到達しないであろう。結果として、組成物は、系内にありうるあらゆるウイルス量に対していかなる効果も有さないであろう。そのようなあらゆる全身効果の回避は、最小用量のブロムヘキシンを提供することによって遂行される。
【0014】
一実施形態では、医薬組成物は、点鼻スプレー剤又は点鼻ミスト剤又は点鼻液滴剤として製剤化される。担体溶媒中のブロムヘキシンは、約0.5から5mg/ml、より好ましくは約1から2.5mg/ml、更に一層好ましくは約2mg/mlの濃度を有する。ブロムヘキシンの典型的な用量は、約0.1mgから約0.7mg、より典型的には約0.3mgから約0.5mg、更に一層典型的には約0.4mgである。スプレーは、典型的には、1日約1から4回、好ましくは1日3回、各鼻孔に適用される。各鼻孔に適用されるブロムヘキシンの総1日用量は、1日当たり約0.1から2.8mg、典型的には1日当たり約0.5から2.0mg、より典型的には1日当たり約0.8から1.8mg、最も典型的には1日当たり約1.2mgである。好ましくは、ブロムヘキシンは両方の鼻孔に適用される。
【0015】
一実施形態では、医薬組成物はゲル剤として製剤化される。ゲル剤担体の例は、プロピレングリコール及びグリセリンを含み、追加の増粘剤を場合により含む。担体溶媒中のブロムヘキシンは、約0.5から5mg/ml、より好ましくは約1から2.5mg/ml、更に一層好ましくは約2mg/mlの濃度を有する。ブロムヘキシンの典型的な用量は、約0.1mgから約0.7mg、より典型的には約0.3mgから約0.5mg、更に一層典型的には約0.4mgである。ゲル剤は、典型的には、1日約1から4回、好ましくは1日3回、各鼻孔に適用される。各鼻孔に適用されるブロムヘキシンの総1日用量は、1日当たり約0.1から2.8mg、典型的には1日当たり約0.5から2.0mg、より典型的には1日当たり約0.8から1.8mg、最も典型的には1日当たり約1.2mgである。好ましくは、ブロムヘキシンは両方の鼻孔に適用される。
【0016】
前述にもかかわらず、具体的な事例における医薬組成物の実際の好ましい量は、前述の手引きにより当業者には公知であろう通り、製剤化される特定の組成物、適用モード、及び処置されている対象(例えば、年齢、性別、サイズ、薬物耐性等)に従って変動するであろうことに留意されたい。
【0017】
作用機序に限定されることは望まないが、鼻の粘膜細胞(すなわち、上皮)は、体内への呼吸器ウイルスの主な侵入部位であり、鼻上皮に局所的に適用されたブロムヘキシンは、ウイルスの細胞侵入を防止すると考えられる。特に、呼吸器ウイルスは、細胞受容体(例えば、ACE2細胞受容体)と呼ばれる細胞膜中のタンパク質と結合し、セリンプロテアーゼTMPRSS2(すなわち、膜貫通プロテアーゼ、セリン2)を使用して細胞に侵入すると考えられる。本発明の組成物は、鼻の粘膜においてTMPRSS2を阻害し、それにより、呼吸器ウイルスの侵入をブロックする。故に、いずれの鼻孔からの侵入も防止されるべきであることから、本発明の組成物は両方の鼻孔に適用されることが重要である。
【0018】
本明細書において、ブロムヘキシンは、例えば、すべての薬学的に許容されるその塩、立体異性体及び/又はそれらの任意の混合物、すべての薬学的に許容される両性イオン及び/又はそれらの任意の混合物、すべての薬学的に許容される多形形態及び/又はそれらの任意の混合物、並びにすべての薬学的に許容される錯体(溶媒和物を含む)及び/又はそれらの任意の混合物を含む、そのすべての薬学的に許容されるバージョンを含む。塩は、それらのラセミ体、鏡像異性体、又はそれらの任意の混合物を含む。特に好適な塩は、アニオン性鉱物(例えば、塩化物及び塩酸塩)を含む。塩は、薬学的に許容されるキラル酸及び/若しくは塩基と形成されたすべての鏡像異性塩並びに/又はそのような塩の鏡像異性体の任意の混合物(例えば、(+)酒石酸塩、(-)酒石酸塩及び/又はラセミ混合物を含むそれらの任意の混合物)も含む。
【0019】
本発明の一実施形態では、医薬化合物は、呼吸器疾患を発病するリスクがある個体に予防的に(すなわち、ウイルスへの曝露前に)投与される。リスクがある個体は、以下の状態の1つ又は複数を有する:公共の、特に対人距離の確保が実践されていない又は実践的ではない環境(例えば、飛行機)に出かけている;高齢者(例えば、65歳超)である;心疾患を有する;肺疾患(例えば、喘息)を有する;糖尿病を有する;肥満である;喫煙者である;ストレス下にある及び/又は鬱状態である;弱体化した免疫系を有する;免疫不全である;ウイルス性呼吸器疾患に感染している又は感染している疑いのある人物と接触している。弱体化した免疫系を有する個体は、例えば、特に化学療法を受けているがん患者;移植を受けた個体;免疫応答を抑制するための医薬品(例えば、コルチコステロイド、シクロスポリン)を服用している個体;HIV又はAIDSを伴う個体;糖尿病患者;疾病、手術又は外傷から回復しつつある個体;及び栄養不足の個体を含む。医薬組成物の予防的投与は、ワクチンに耐性を示すことができない(又はそれから利益を得ることができない)又はワクチンが禁忌である個体にも適している。例えば、多くの高齢個体はワクチンに対して効率的に反応しないことが公知である。医薬組成物の予防的投与は、例えば、曝露の少なくとも数日前又は曝露直前の連日投与であることができる。
【0020】
別の実施形態では、医薬組成物は、個体が呼吸器ウイルスに曝露されたことが最初に疑われてすぐであるが疾患の症状の発症前に投与される。初期症状の例は、呼吸器症状、発熱、咳、息切れ、呼吸困難、筋肉/関節痛及び味覚/嗅覚の喪失を含む。
【0021】
本発明の医薬組成物は、ミョウバン、安定剤、緩衝剤、着色剤、香味剤等の1つ又は複数の薬学的に許容される追加の成分を更に含むことができる。
【0022】
一実施形態では、本発明は、本発明の方法において使用される医薬組成物を含む。
【0023】
一実施形態では、医薬組成物は、a)ブロムヘキシン;及びb)溶媒から本質的になる。本発明の基本的及び新規特徴に著しく影響しうる任意の他の成分は、組成物から具体的に除外される。例えば、全身投与に使用される、又は全身吸収を強化するであろう(例えば、透過促進剤)任意の成分(例えば、賦形剤又は担体)は、組成物から具体的に除外される。例えば、一部の実施形態では、以下の成分は、本発明の医薬組成物から具体的に除外されうる:メシル酸ナファモスタット、アプロチニン、バシトラシン、ダイズトリプシン阻害剤、ホスホラミドン、ロイペプチン、ベスタチン、界面活性剤(例えば、タウロコール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、グリコデオキシコール酸ナトリウム(sodium, glycodeoxycholat)、脂肪酸誘導体、リン脂質)、カチオン性ポリマー(例えば、キトサン及び誘導体)、酵素阻害剤(例えば、ヒト好中球エラスターゼ阻害剤)、シクロデキストリン、タイトジャンクションモジュレーター、安息香酸ナトリウム、香味剤、酒石酸、カルボキシメチルセルロースナトリウム、水酸化ナトリウム、充血除去剤(例えば、ナファゾリン、フェニレフリン、オキシメタゾリン及びプソイドエフェドリン)、抗ヒスタミン薬、コルチコステロイド及びクロモリン。また、例えばアレルギー応答を含む望ましくない作用/副作用を潜在的に引き起こすことができる任意の成分は、医薬組成物から具体的に除外されうる。
【国際調査報告】