(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-16
(54)【発明の名称】補綴インプラント、送達システム及び送達装置
(51)【国際特許分類】
A61F 2/24 20060101AFI20231006BHJP
A61F 2/966 20130101ALI20231006BHJP
【FI】
A61F2/24
A61F2/966
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023519259
(86)(22)【出願日】2021-09-10
(85)【翻訳文提出日】2023-05-23
(86)【国際出願番号】 SG2021050547
(87)【国際公開番号】W WO2022066097
(87)【国際公開日】2022-03-31
(32)【優先日】2020-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】10202100895W
(32)【優先日】2021-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SG
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518411280
【氏名又は名称】シンガポール ヘルス サービシズ ピーティーイー. リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SINGAPORE HEALTH SERVICES PTE. LTD.
(71)【出願人】
【識別番号】521077152
【氏名又は名称】アパレント エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】APPARENT LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ワトソン, ジェームズ アール.
(72)【発明者】
【氏名】ポピー, カール エイチ.
【テーマコード(参考)】
4C097
4C267
【Fターム(参考)】
4C097AA27
4C097BB01
4C097BB04
4C097BB09
4C097CC05
4C097MM09
4C097SB10
4C267AA05
4C267AA56
4C267BB02
4C267BB04
4C267BB10
4C267BB26
4C267CC19
(57)【要約】
アンカー部材と、アンカー部材から延びる少なくとも1つの弾性テザリングストラットと、少なくとも1つの弾性テザリングストラットの端部に結合される接合構造と、アンカー部材と接合構造との間で延在する張力付与ユニットとを含む補綴インプラント。張力付与ユニットは、可撓性中空管と、可撓性中空管を通じて延びる張力付与ワイヤであって、張力付与の第1の端部が可撓性中空管の第1の端部と接合構造との間の接合部に固定され、張力付与の第2の端部が可撓性中空管の第2の端部から延出する、張力付与ワイヤとを含む。張力付与ワイヤの第2の端部は、可撓性中空管及び少なくとも1つの弾性テザリングストラットを屈曲させて接合構造をアンカー部材に対して移動させるために可撓性中空管の第2の端部から引き離すことができる。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フェース
アンカー部材と、
前記アンカー部材から延びる少なくとも1つの弾性テザリングストラットと、
前記アンカー部材から離れた前記少なくとも1つの弾性テザリングストラットの端部に結合される接合構造と、
前記アンカー部材と前記接合構造との間で延在する張力付与ユニットと
を備える補綴インプラントであって、
前記張力付与ユニットが、
前記アンカー部材と前記接合構造との間で延在する可撓性中空管と、
前記可撓性中空管を通じて延びる張力付与ワイヤであって、張力付与ワイヤの第1の端部が前記可撓性中空管の第1の端部と前記接合構造との間の接合部に固定され、張力付与ワイヤの第2の端部が前記可撓性中空管の第2の端部から延出する、張力付与ワイヤと
を備え、
前記張力付与ワイヤの前記第2の端部が、前記可撓性中空管の前記第2の端部から引き離されて、前記可撓性中空管を屈曲させ、対応して前記少なくとも1つの弾性テザリングストラットを屈曲させることにより前記接合構造を前記アンカー部材に対して移動させるように、前記可撓性中空管に対して延伸可能である、補綴インプラント。
【請求項2】
前記接合構造を前記少なくとも1つの弾性テザリングストラットの前記端部に結合するカプラを更に備え、
前記カプラが、前記接合構造を受けるための第1の接続端部と、前記少なくとも1つの弾性テザリングストラットの前記端部を受けるための第2の接続端部とを有し、
前記カプラの主軸線が、前記第1の接続端部と前記第2の接続端部との間で延在し、
前記接合構造が、前記カプラの前記主軸線の周りの回転遊び及び前記カプラの前記主軸線に対して垂直な横軸線の周りの回動遊びを伴って前記カプラの前記第1の接続端部に嵌合される、請求項1に記載の補綴インプラント。
【請求項3】
前記接合構造が、互いに反対方向を指す足部を有する一対のL字形接続脚を備え、
前記カプラが、前記第1の接続端部に第1の開口部を備える中空カプラ本体と、前記中空カプラ本体の対向する壁部分にある一対の側孔とを備え、前記一対の側孔が前記横軸線と同軸であり、前記主軸線及び前記横軸線に垂直な高さ方向における前記第1の開口部の高さが、前記一対のL字形接続脚の厚さよりも大きく、
前記接合構造の前記一対のL字形接続脚が、前記一対のL字形接続脚の前記足部が前記一対の側孔にそれぞれ嵌合された状態で、前記カプラの前記第1の接続端部の前記第1の開口部に挿入される、請求項2に記載の補綴インプラント。
【請求項4】
前記一対の側孔のそれぞれが、前記第1の接続端部の前記第1の開口部の前記高さ方向と平行なスロットである、請求項3に記載の補綴インプラント。
【請求項5】
前記少なくとも1つの弾性テザリングストラットの前記端部がピン孔又はキー孔を備え、
前記カプラの前記中空カプラ本体が、前記第2の接続端部にある第2の開口部と、前記中空カプラ本体の壁部分にある対応するピン孔又はキー孔とを備え、
前記少なくとも1つの弾性テザリングストラットの前記端部が、前記カプラの前記第2の接続端部で前記第2の開口部に挿入され、ロックピン又はキーが、前記カプラの前記中空カプラ本体の前記対応するピン孔又はキー孔に挿通されるとともに、前記少なくとも1つの弾性テザリングストラットの前記端部の前記ピン孔又はキー孔に挿入されて、前記少なくとも1つの弾性テザリングストラットを前記カプラにロックする、請求項3又は4に記載の補綴インプラント。
【請求項6】
前記ロックピン又はキーが、前記一対のL字形接続脚を離したままにして前記中空カプラ本体の前記一対の側孔にそれぞれ嵌合された前記一対のL字形接続脚の前記足部を保持するために、前記接合構造の前記一対のL字形接続脚間に挿入されたスペーサ部分を有する、請求項5に記載の補綴インプラント。
【請求項7】
前記張力付与ユニットの前記可撓性中空管の前記第1の端部が、前記少なくとも1つの弾性テザリングストラットの前記端部に結合され、前記張力付与ユニットの前記可撓性中空管の前記第2の端部が、前記アンカー部材に結合される、請求項1~6のいずれか一項に記載の補綴インプラント。
【請求項8】
前記張力付与ユニットが、前記張力付与ワイヤの前記第2の端部に固定されたロック部品を更に備え、前記ロック部品が、前記張力付与ワイヤの前記第2の端部を前記可撓性中空管の前記第2の端部から引き離すために、前記張力付与ワイヤの前記第2の端部を前記可撓性中空管に対して引き込むように前記アンカー部材に対して移動可能であり、
前記ロック部品が、前記可撓性中空管の曲率、前記少なくとも1つの弾性テザリングストラットの曲率、及び前記アンカー部材に対する前記接合構造の相対的な配置が固定されるように、前記可撓性中空管の前記第2の端部からの所望の変位に達するときに、前記張力付与ワイヤの前記第2の端部を固定するように前記アンカー部材にロック可能である、請求項1~7のいずれか一項に記載の補綴インプラント。
【請求項9】
前記アンカー部材がスライダストラットを備え、前記ロック部品が前記スライダストラットと摺動係合するように前記スライダストラットを嵌挿するための隙間を間に有するスライダブラケットを有するロックハウジングを前記ロック部品が備える、請求項8に記載の補綴インプラント。
【請求項10】
前記アンカー部材の前記スライダストラットが、前記スライダストラットに沿って長手方向に一定の間隔で並んだ複数のロック孔を備え、前記ロック部品が、前記スライダストラットに対して垂直に向けられたばね付勢式ロックピンを備え、前記ロック部品が、前記ロック部品を前記スライダストラットに対して摺動させるために前記ロックハウジング内で前記ばね付勢式ロックピンを後退位置に保持するように動作可能であるとともに、前記ロック部品を前記アンカー部材の前記スライダストラットにロックするために前記複数のロック孔のうちの少なくとも1つと係合するための突出位置に前記ばね付勢式ロックピンを前記ロックハウジングから突出するように解放するべく動作可能である、請求項9に記載の補綴インプラント。
【請求項11】
前記ばね付勢式ロックピンがピンと板ばねとを備え、前記ピンが前記板ばねの自由端に結合され、前記板ばねの他端が前記ロック部品の前記ロックハウジングに固定して結合される、請求項10に記載の補綴インプラント。
【請求項12】
突出位置において、前記ばね付勢式ロックピンが、前記ロックハウジングから前記スライダブラケットと前記ロックハウジングとの間の前記隙間に突出する、請求項9又は10に記載の補綴インプラント。
【請求項13】
前記可撓性中空管が、スロット付き管、リブ付き管、波形蛇腹管、インターロック管、メッシュ管又は編組管を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の補綴インプラント。
【請求項14】
前記可撓性中空管が方向性可撓性を有する、請求項1~13のいずれか一項に記載の補綴インプラント。
【請求項15】
前記可撓性中空管が、前記可撓性中空管の前記第1の端部から前記可撓性中空管の前記第2の端部まで連続的に延びてスパイン部分を形成する第1のセクタと、前記可撓性中空管の前記第1の端部から前記可撓性中空管の前記第2の端部まで規則的な間隔で複数の離間したリブが並んでリブ付き部分を形成する第2のセクタとを備える、請求項14に記載の補綴インプラント。
【請求項16】
前記複数の離間したリブが、前記可撓性中空管の第2のセクタに沿った複数の平行な横方向切断部によって形成される、請求項15に記載の補綴インプラント。
【請求項17】
前記複数の横方向切断部のそれぞれが、V字形又はU字形のカットセグメントを有する、請求項16に記載の補綴インプラント。
【請求項18】
前記アンカー部材がステントを備え、前記接合構造が弁尖プロテーゼを備える、請求項1~17のいずれか一項に記載の補綴インプラント。
【請求項19】
請求項1~18のいずれか一項に記載の補綴インプラントと、
送達装置と
を備える補綴インプラント送達システムであって、
前記送達装置が、
外側シースであって、該外側シースの第1の端部内で前記補綴インプラントが圧縮及び拘束される、外側シースと、
前記外側シース内に封入され、前記補綴インプラントの前記張力付与ユニットの前記張力付与ワイヤの前記第2の端部に取り外し可能に結合される第1の端部を有する、張力付与ロッドと、
前記外側シースの第2の端部にある制御ハンドルと
を備え、
前記制御ハンドルが、
前記外側シースの前記第2の端部と関連付けられるとともに、前記補綴インプラントを展開するために前記外側シースを後退させるように動作可能な第1の制御インタフェースと、
前記張力付与ロッドの第2の端部と関連付けられるとともに、前記制御ハンドルに対して前記張力付与ロッドを後退又は伸長させて前記張力付与ワイヤの前記第2の端部を前記可撓性中空管に対して移動させることにより、前記可撓性中空管の前記第2の端部からの前記張力付与ワイヤの前記第2の端部の変位を調整し、対応して、前記アンカー部材に対して前記接合構造を位置決めするための前記可撓性中空管の曲げの程度及び前記少なくとも1つの弾性テザリングストラットの曲げの程度を調整するように動作可能な第2の制御インタフェースと、
前記張力付与ロッドの第2の端部と関連付けられるとともに、前記補綴インプラントの前記張力付与ユニットの前記張力付与ワイヤの前記第2の端部から前記張力付与ロッドの前記第1の端部を切り離すように動作可能な第3の制御インタフェースと
を備える、補綴インプラント送達システム。
【請求項20】
前記補綴インプラントが、請求項10と組み合わされる、請求項10、11、12又は13~18のいずれか一項に記載のものである場合、前記張力付与ロッドの前記第1の端部が、前記ばね付勢式ロックピンを前記後退位置に保持するために、前記ロック部品の前記ばね付勢式ロックピンと係合する保持要素を備え、前記保持要素が、前記スライダストラットと係合するために前記ばね付勢式ロックピンを解放するべく、前記ロック部品の前記ばね付勢式ロックピンから係合解除するように引き抜き可能である、請求項19に記載の補綴インプラント送達システム。
【請求項21】
前記張力付与ロッドの前記第1の端部が、前記張力付与ロッドの前記第1の端部を前記ロック部品に取り外し可能に結合するために前記ロック部品と係合する結合要素を備える、請求項20に記載の補綴インプラント送達システム。
【請求項22】
前記保持要素が挿入先端部を備え、前記挿入先端部が、前記ばね付勢式ロックピンを前記後退位置に保持するために前記ばね付勢式ロックピンに対して垂直に挿入され、前記挿入先端部が、前記スライダストラットと係合するために前記ばね付勢式ロックピンを解放するべく引き抜き可能である、請求項20又は21に記載の補綴インプラント送達システム。
【請求項23】
前記結合要素が、前記挿入先端部に隣接するねじ付きステム部を備え、前記ねじ付きステム部が、前記後退位置において前記ばね付勢式ロックピンに対して前記挿入先端部が垂直に挿入された状態で前記ロック部品の前記ロックハウジングにねじ込まれ、前記ねじ付きステム部が、前記ばね付勢式ロックピンを解放するように前記ばね付勢式ロックピンから前記挿入先端部を引き抜くために前記ロック部品の前記ロックハウジングに対して部分的にねじを緩めることができるとともに、前記ロック部品から前記張力付与ロッドの前記第1の端部を切り離すために前記ロック部品の前記ロックハウジングから完全にねじを緩めることができる、請求項22に記載の補綴インプラント送達システム。
【請求項24】
前記第2の制御インタフェースが回転可能なダイヤルを備え、前記回転可能なダイヤルが前記制御ハンドルの長手方向軸線の周りで回転可能であり、
前記制御ハンドルが、前記回転可能なダイヤルと前記張力付与ロッドとを相互接続して前記回転可能なダイヤルの回転動作を前記張力付与ロッドの直線並進動作に変換する回転-直線動作機構を備える、請求項19~23のいずれか一項に記載の補綴インプラント送達システム。
【請求項25】
前記回転可能なダイヤルが雌ねじを備え、
前記回転-直線動作機構が、前記回転可能なダイヤルが前記制御ハンドルの前記長手方向軸線を中心に回転されるときに前記制御ハンドルの前記長手方向軸線に沿って直線的に並進するように、前記回転可能なダイヤルの前記雌ねじと係合する雄ねじを有するリードスクリューを備え、
前記張力付与ロッドが前記リードスクリューと共に直線的に並進可能であるように前記張力付与ロッドの前記第2の端部が前記リードスクリューに結合される、請求項24に記載の補綴インプラント送達システム。
【請求項26】
前記制御ハンドルが、前記リードスクリューに結合固定されたインジケータプレートと、前記リードスクリューが前記制御ハンドルの前記長手方向軸線に沿って直線的に並進するときに前記インジケータプレートを見るために前記制御ハンドルに対して長手方向に位置合わせされる細長い窓とを備える、請求項25に記載の補綴インプラント送達システム。
【請求項27】
前記第3の制御インタフェースが、前記制御ハンドル内で長手方向に延びる伝達シャフトを回転させるためのノブを備え、前記伝達シャフトの第1の端部が前記ノブに結合され、前記伝達シャフトの第2の端部が、前記張力付与ロッドのロッド軸線を中心に前記張力付与ロッドを回転させるための前記シャフトの回転を付与するように、前記張力付与ロッドの前記第2の端部に結合される、請求項25又は26に記載の補綴インプラント送達システム。
【請求項28】
前記リードスクリューが、それを長手方向で貫通して延びる貫通チャネルを伴う中空であり、
前記制御ハンドルが、前記リードスクリューの前記貫通チャネルを介して前記伝達シャフトの前記第2の端部と前記張力付与ロッドの前記第2の端部とを相互接続するシャフトカップリングを備え、
前記シャフトカップリングが長尺本体を備え、前記長尺本体が、前記長尺本体の第1の端部から前記長尺本体内に長手方向で延びる孔と、前記孔の壁に沿った長手方向スロットとを有し、前記伝達シャフトの前記第2の端部が、前記伝達シャフトの前記第2の端部から前記長手方向スロット内に垂直にピンが突出する状態で前記孔に挿入されて、摺動可能なピン-スロットジョイントを形成し、
前記張力付与ロッドの前記第2の端部が、前記シャフトカップリングの前記長尺本体の第2の端部に結合固定され、
前記制御ハンドルが、前記リードスクリューの内壁面に固定されたシャフトカップリング支持ブラケットを備え、前記シャフトカップリングが、前記ロッド軸線を中心に前記張力付与ロッドを回転させるために前記シャフトカップリングの長手方向軸線を中心に回転可能であるとともに、前記張力付与ロッドが前記リードスクリューと一緒に直線的に並進可能であるように前記リードスクリューに対して前記シャフトカップリングの前記長手方向軸線に沿って移動不能であるように、前記シャフトカップリングが前記シャフトカップリング支持ブラケットを貫通して取り付けられる、請求項27に記載の補綴インプラント送達システム。
【請求項29】
請求項1~18のいずれか一項に記載の補綴インプラントのための送達装置であって、
外側シースであって、該外側シースの第1の端部内で前記補綴インプラントが圧縮及び拘束される、外側シースと、
前記外側シース内に封入され、前記補綴インプラントの前記張力付与ユニットの前記張力付与ワイヤの前記第2の端部に取り外し可能に結合できる第1の端部を有する、張力付与ロッドと、
前記外側シースの第2の端部にある制御ハンドルと
を備え、
前記制御ハンドルが、
前記外側シースの前記第2の端部と関連付けられるとともに、前記補綴インプラントを展開するために前記外側シースを後退させるように動作可能な第1の制御インタフェースと、
前記張力付与ロッドの第2の端部と関連付けられるとともに、前記制御ハンドルに対して前記張力付与ロッドを後退又は伸長させて前記張力付与ワイヤの前記第2の端部を前記可撓性中空管に対して移動させることにより、前記可撓性中空管の前記第2の端部からの前記張力付与ワイヤの前記第2の端部の変位を調整し、対応して、前記アンカー部材に対して前記接合構造を位置決めするための前記可撓性中空管の曲げの程度及び前記少なくとも1つの弾性テザリングストラットの曲げの程度を調整するように動作可能な第2の制御インタフェースと、
前記張力付与ロッドの第2の端部と関連付けられるとともに、前記補綴インプラントの前記張力付与ユニットの前記張力付与ワイヤの前記第2の端部から前記張力付与ロッドの前記第1の端部を切り離すように動作可能な第3の制御インタフェースと
を備える、送達装置。
【請求項30】
前記補綴インプラントが、請求項10と組み合わせされる、請求項10、11、12又は13~18のいずれか一項に記載のものである場合、前記張力付与ロッドの前記第1の端部が、前記ばね付勢式ロックピンを前記後退位置に保持するために、前記補綴インプラントの前記ロック部品の前記ばね付勢式ロックピンと係合する保持要素を備え、前記保持要素が、前記スライダストラットと係合するために前記ばね付勢式ロックピンを解放するべく、前記ロック部品の前記ばね付勢式ロックピンから係合解除するように引き抜き可能である、請求項29に記載の送達装置。
【請求項31】
前記張力付与ロッドの前記第1の端部が、前記張力付与ロッドの前記第1の端部を前記ロック部品に取り外し可能に結合するために前記ロック部品と係合する結合要素を備える、請求項30に記載の送達装置。
【請求項32】
前記保持要素が挿入先端部を備え、前記挿入先端部が、前記ばね付勢式ロックピンを前記後退位置に保持するために前記ばね付勢式ロックピンに対して垂直に挿入され、前記挿入先端部が、前記スライダストラットと係合するために前記ばね付勢式ロックピンを解放するべく引き抜き可能である、請求項30又は31に記載の送達装置。
【請求項33】
前記結合要素が、前記挿入先端部に隣接するねじ付きステム部を備え、前記ねじ付きステム部が、前記後退位置において前記ばね付勢式ロックピンに対して前記挿入先端部が垂直に挿入された状態で前記ロック部品の前記ロックハウジングにねじ込み可能であり、前記ねじ付きステム部が、前記ばね付勢式ロックピンを解放するように前記ばね付勢式ロックピンから前記挿入先端部を引き抜くために前記ロック部品の前記ロックハウジングに対して部分的にねじを緩めることができるとともに、前記ロック部品から前記張力付与ロッドの前記第1の端部を切り離すために前記ロック部品の前記ロックハウジングから完全にねじを緩めることができる、請求項32に記載の送達装置。
【請求項34】
前記第2の制御インタフェースが回転可能なダイヤルを備え、前記回転可能なダイヤルが前記制御ハンドルの長手方向軸線の周りで回転可能であり、
前記制御ハンドルが、前記回転可能なダイヤルと前記張力付与ロッドとを相互接続して前記回転可能なダイヤルの回転動作を前記張力付与ロッドの直線並進動作に変換する回転-直線動作機構を備える、請求項29~33のいずれか一項に記載の送達装置。
【請求項35】
前記回転可能なダイヤルが雌ねじを備え、
前記回転-直線動作機構が、前記回転可能なダイヤルが前記制御ハンドルの前記長手方向軸線を中心に回転されるときに前記制御ハンドルの前記長手方向軸線に沿って直線的に並進するように、前記回転可能なダイヤルの前記雌ねじと係合する雄ねじを有するリードスクリューを備え、
前記張力付与ロッドが前記リードスクリューと共に直線的に並進可能であるように前記張力付与ロッドの前記第2の端部が前記リードスクリューに結合される、請求項34に記載の送達装置。
【請求項36】
前記制御ハンドルが、前記リードスクリューに結合固定されたインジケータプレートと、前記リードスクリューが前記制御ハンドルの前記長手方向軸線に沿って直線的に並進するときに前記インジケータプレートを見るために前記制御ハンドルに対して長手方向に位置合わせされる細長い窓とを備える、請求項35に記載の送達装置。
【請求項37】
前記第3の制御インタフェースが、前記制御ハンドル内で長手方向に延びる伝達シャフトを回転させるためのノブを備え、前記伝達シャフトの第1の端部が前記ノブに結合され、前記伝達シャフトの第2の端部が、前記張力付与ロッドのロッド軸線を中心に前記張力付与ロッドを回転させるための前記シャフトの回転を付与するように、前記張力付与ロッドの前記第2の端部に結合される、請求項35又は36に記載の送達装置。
【請求項38】
前記リードスクリューが、それを長手方向で貫通して延びる貫通チャネルを伴う中空であり、
前記制御ハンドルが、前記リードスクリューの前記貫通チャネルを介して前記伝達シャフトの前記第2の端部と前記張力付与ロッドの前記第2の端部とを相互接続するシャフトカップリングを備え、
前記シャフトカップリングが長尺本体を備え、前記長尺本体が、前記長尺本体の第1の端部から前記長尺本体内に長手方向で延びる孔と、前記孔の壁に沿った長手方向スロットとを有し、前記伝達シャフトの前記第2の端部が、前記伝達シャフトの前記第2の端部から前記長手方向スロット内に垂直にピンが突出する状態で前記孔に挿入されて、摺動可能なピン-スロットジョイントを形成し、
前記張力付与ロッドの前記第2の端部が、前記シャフトカップリングの前記長尺本体の第2の端部に結合固定され、
前記制御ハンドルが、前記リードスクリューの内壁面に固定されたシャフトカップリング支持ブラケットを備え、前記シャフトカップリングが、前記ロッド軸線を中心に前記張力付与ロッドを回転させるために前記シャフトカップリングの長手方向軸線を中心に回転可能であるとともに、前記張力付与ロッドが前記リードスクリューと一緒に直線的に並進可能であるように前記リードスクリューに対して前記シャフトカップリングの前記長手方向軸線に沿って移動不能であるように、前記シャフトカップリングが前記シャフトカップリング支持ブラケットを貫通して取り付けられる、請求項37に記載の送達装置。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
[0001]本出願は、2020年9月28日に出願された米国仮特許出願第US63/084,477号及び2021年1月27日に出願されたシンガポール特許出願第10202100895W号の利益を主張し、これらの出願の内容全体は、あらゆる目的のために参照により本願に組み入れられる。
【技術分野】
【0002】
[0002]様々な実施形態は、一般に、補綴インプラント(prosthetic implant)、補綴インプラントのための送達システム、及び補綴インプラントのための送達装置に関する。特に、様々な実施形態は、一般に、人工弁インプラント、人工弁インプラントのための送達システム、及び人工弁インプラントのための送達装置に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]歴史的に、三尖弁逆流(TR)などの弁閉鎖不全は、開心術を使用して修復された。全身麻酔下で行われるこれらの高リスク処置は、一般に、患者の心臓が手術中に停止されるときに、人工心肺装置によって循環支援を提供することを伴う。リスクは重大であり、回復は痛みを伴い、困難である。
【0004】
[0004]したがって、TRのための好ましい弁修復処置は、これらの処置が開心術のリスクを劇的に低下させるので、著しく低侵襲の経皮経管的弁置換処置を使用して益々行われている。原則として、置換弁は、弁尖を含む、置換される疾患弁とほぼ同様に機能するように構成される。したがって、機械的置換弁を使用する場合、この処置は、患者特有の適合のために置換弁を寸法付けすることを含む。
【0005】
[0005]三尖弁などの置換弁の送達は、圧縮構成のオンザワイヤ又はオーバーザワイヤカテーテルなどの送達装置に弁を装填し、それを病変領域に経皮的に通過させ、それを位置決めして固定し、次いで送達装置を取り外して展開を完了することを伴う。次いで、置換弁を所定の位置に固定するために縫合することができる。
【0006】
[0006]したがって、心臓弁置換のためのより単純でより容易な解決策が必要とされている。
【発明の概要】
【0007】
[0007]様々な実施形態によれば、補綴インプラント(又は人工弁インプラント)が提供される。補綴インプラントは、アンカー部材を含むことができる。補綴インプラントは、アンカー部材から延びる少なくとも1つの弾性テザリングストラット(resilient tethering strut)を含むことができる。補綴インプラントは、アンカー部材から離れた少なくとも1つの弾性テザリングストラットの端部に結合される接合構造を含むことができる。補綴インプラントは、アンカー部材と接合構造との間で延びる張力付与ユニットを含むことができる。張力付与ユニットは、アンカー部材と接合構造との間で延びる可撓性中空管と、可撓性中空管を通じて延びる張力付与ワイヤであって、張力付与ワイヤの第1の端部が可撓性中空管の第1の端部と接合構造との間の接合部に固定され、張力付与ワイヤの第2の端部が可撓性中空管の第2の端部から延出する、張力付与ワイヤとを含んでもよい。張力付与ワイヤの第2の端部は、可撓性中空管の第2の端部から引き離されて、可撓性中空管を屈曲させ、それに対応して少なくとも1つの弾性テザリングストラットを屈曲させることにより接合構造をアンカー部材に対して移動させるように、可撓性中空管に対して延伸可能であってもよい。
【0008】
[0008]様々な実施形態によれば、補綴インプラント送達システムが提供される。補綴インプラント送達システムは、本明細書に記載の補綴インプラント及び送達装置を含むことができる。送達装置は、その第1の端部内で補綴インプラントが圧縮及び拘束される外側シースを含むことができる。送達装置は、外側シース内に封入された張力付与ロッドを含むことができる。張力付与ロッドは、補綴インプラントの張力付与ユニットの張力付与ワイヤの第2の端部に取り外し可能に結合された第1の端部を有することができる。送達装置は、外側シースの第2の端部に制御ハンドルを含むことができる。制御ハンドルは、外側シースの第2の端部と関連付けられるとともに、補綴インプラントを展開するために外側シースを後退させるように動作可能な第1の制御インタフェースを含むことができる。制御ハンドルは、張力付与ロッドの第2の端部と関連付けられるとともに、制御ハンドルに対して張力付与ロッドを後退又は伸長させて張力付与ワイヤの第2の端部を可撓性中空管に対して移動させることにより、可撓性中空管の第2の端部からの張力付与ワイヤの第2の端部の変位を調整し、それに対応して、アンカー部材に対して接合構造を位置決めするための可撓性中空管の曲げの程度及び少なくとも1つの弾性テザリングストラットの曲げの程度を調整するように動作可能な第2の制御インタフェースを含むことができる。制御ハンドルは、張力付与ロッドの第2の端部と関連付けられるとともに、補綴インプラントの張力付与ユニットの張力付与ワイヤの第2の端部から張力付与ロッドの第1の端部を切り離すように動作可能な第3の制御インタフェースを含むことができる。
【0009】
[0009]様々な実施形態によれば、本明細書に記載の補綴インプラントのための送達装置が提供される。送達装置は、その第1の端部に補綴インプラントを圧縮して拘束するための外側シースを含むことができる。送達装置は、外側シース内に封入された張力付与ロッドを含むことができる。張力付与ロッドは、補綴インプラントの張力付与ユニットの張力付与ワイヤの第2の端部に取り外し可能に連結可能な第1の端部を有することができる。送達装置は、外側シースの第2の端部に制御ハンドルを含むことができる。制御ハンドルは、外側シースの第2の端部と関連付けられるとともに、補綴インプラントを展開するために外側シースを後退させるように動作可能な第1の制御インタフェースを含むことができる。制御ハンドルは、張力付与ロッドの第2の端部と関連付けられるとともに、制御ハンドルに対して張力付与ロッドを後退又は伸長させて張力付与ワイヤの第2の端部を可撓性中空管に対して移動させることにより、可撓性中空管の第2の端部からの張力付与ワイヤの第2の端部の変位を調整し、それに対応して、アンカー部材に対して接合構造を位置決めするための可撓性中空管の曲げの程度及び少なくとも1つの弾性テザリングストラットの曲げの程度を調整するように動作可能な第2の制御インタフェースを含むことができる。制御ハンドルは、張力付与ロッドの第2の端部と関連付けられるとともに、補綴インプラントの張力付与ユニットの張力付与ワイヤの第2の端部から張力付与ロッドの第1の端部を切り離すように動作可能な第3の制御インタフェースを含むことができる。
【0010】
[0010]図面において、同様の参照符号は、一般に、異なる図を通して同じ部分を指す。図面は必ずしも原寸に比例しておらず、代わりに、一般に本発明の原理を説明することに重点が置かれている。以下の説明では、以下の図面を参照して様々な実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1A】様々な実施形態に係る補綴インプラント(又は人工弁インプラントもしくは弁インプラント)の概略図を示す。
【
図1B】様々な実施形態に係る接合構造がアンカー部材に対して移動された
図1Aの補綴インプラントの概略図を示す。
【
図2】様々な実施形態に係る
図1Aの補綴インプラントの一例としての人工弁インプラントを示す。
【
図3A】様々な実施形態に係る張力付与ユニットを拡大した
図2の人工弁インプラントを示す。
【
図3B】様々な実施形態に係る
図3Aの張力付与ユニットの一例を示す。
【
図3C】様々な実施形態に係る
図3Aの張力付与ユニットの別の例を示す。
【
図4】様々な実施形態に係る様々な曲率量を有する3つの張力付与ユニットを示す。
【
図5A】様々な実施形態に係る
図2の弁尖プロテーゼ、カプラ、少なくとも1つの弾性テザリングストラット、及び人工弁インプラントの張力付与ユニットの組立図を示す。
【
図5C】様々な実施形態に係るカプラの拡大図を示す。
【
図6A】様々な実施形態に係る
図2の人工弁インプラントの張力付与ユニットとステントとの間の接続部の拡大図を示す。
【
図6B】様々な実施形態に係る張力付与ユニットのロック部品の動作のある段階を示す
図6Aの断面図を示す。
【
図6C】様々な実施形態に係る張力付与ユニットのロック部品の動作の異なる段階を示す
図6Aの断面図を示す。
【
図6D】様々な実施形態に係る張力付与ユニットのロック部品の動作の更に異なる段階を示す
図6Aの断面図を示す。
【
図6E】様々な実施形態に係る張力付与ユニットのロック部品の動作の更にまた異なる段階を示す
図6Aの断面図を示す。
【
図6F】様々な実施形態に係る
図2の人工弁インプラントのステントの斜視図を示す。
【
図6G】様々な実施形態に係るロック部品を示すための
図6Fのステントの切断図を示す。
【
図8A】様々な実施形態に係る
図7の送達装置の張力付与機構を示すための張力付与ロッドを有する制御ハンドルの側面図を示す。
【
図8C】様々な実施形態に係る
図8Bの円Aでマークされた機構の詳細を示す。
【
図8D】様々な実施形態に係る
図8Aの円Bでマークされた機構の透視図を示す。
【
図8E】様々な実施形態に係る
図8Bの円Cでマークされた張力付与ロッドの第1の端部の詳細を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0030]装置に関連して以下に説明する実施形態は、それぞれの方法に対して同様に有効であり、逆もまた同様である。更に、以下に説明する実施形態は組み合わせてもよく、例えば、ある実施形態の一部を別の実施形態の一部と組み合わせてもよいことが理解され得る。
【0013】
[0031]以下の説明で使用される場合、「上(on)」、「上方(over)」、「上端(top)」、「下端(bottom)」、「下方(down)」、「側(side)」、「後(back)」、「左(left)」、「右(right)」、「前(front)」、「横(lateral)」、「側(side)」、「上側(up)」、「下側(down)」などの用語は、便宜上、及び相対的な位置又は方向の理解を助けるために使用され、任意のデバイス、又は構造、或いは任意のデバイス又は構造の任意の部分の向きを限定することを意図するものではないことを理解すべきである。加えて、単数形の用語「1つ(a)」、「1つ(an)」、及び「その(the)」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、複数の言及を含む。同様に、「又は」という単語は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、「及び」を含むことを意図している。
【0014】
[0032]様々な実施形態は、一般に、補綴インプラント、補綴インプラントのための送達システム、及び補綴インプラントのための送達装置に関する。特に、様々な実施形態は、一般に、人工弁インプラント、人工弁インプラントのための送達システム、及び人工弁インプラントのための送達装置に関する。様々な実施形態によれば、補綴インプラントは、人工弁インプラント又は弁インプラントであり得る。様々な実施形態によれば、人工弁インプラント又は弁インプラントは、例えば、心臓内の疾患のある弁を置換する際に使用される置換弁として機能することができる。様々な実施形態によれば、人工弁インプラント又は弁インプラントは、三尖弁逆流(TR)のための弁置換処置に使用することができる。様々な実施形態によれば、送達システムは、補綴インプラント(又は人工弁インプラントもしくは弁インプラント)を患者の体内、例えば、罹患弁を置換するための患者の心臓内に経皮的に送達するように構成され得る。様々な実施形態によれば、送達装置は、補綴インプラント(又は人工弁インプラントもしくは弁インプラント)の展開及び/又は位置決め及び/又は配向を制御するように構成されてもよい。様々な実施形態はまた、それぞれの方法にも関連し得る。例えば、様々な実施形態はまた、補綴インプラント(又は人工弁インプラントもしくは弁インプラント)を展開及び/又は位置決め及び/又は配向する方法、補綴インプラント(又は人工弁インプラントもしくは弁インプラント)をインプラントするように送達装置を動作させる方法、又は送達システムを用いて補綴インプラント(又は人工弁インプラントもしくは弁インプラント)をインプラントする方法にも関連し得る。
【0015】
[0033]様々な実施形態によれば、補綴インプラント(又は人工弁インプラントもしくは弁インプラント)は、少なくとも1つの生来の弁尖と接合するための及び/又は少なくとも1つの生来の弁尖が接合し得る表面をもたらす接合構造と、補綴インプラント(又は前記人工弁インプラントもしくは前記弁インプラント)を1つ以上の組織部位に固定又は取り付けるためのアンカー部材と、接合構造とアンカー部材との間で延在する張力付与ユニットとを含むことができ、アンカー部材に対する接合構造の相対的な位置及び/又は配向は、張力付与ユニットの張力を調整することによって調整され得る。例えば、張力付与ユニットは、接合構造を位置決め及び/又は配向するために接合構造をアンカー部材に対して移動させるように、可撓性チューブ内の張力付与ワイヤの張力を調整するために引張力を加えると屈曲又は屈曲することができる可撓性チューブを含むことができる。したがって、張力付与ユニットは、移植中に接合構造の所望の又は最適な配置又は配置を達成するために、接合構造の位置及び/又は配向の精密な制御又は調整のための単純で効率的かつ効果的な解決策を提供することができる。
【0016】
[0034]様々な実施形態によれば、送達装置は、張力付与機構を含んでもよく、補綴インプラント(又は人工弁インプラントもしくは弁インプラント)は、送達装置の張力付与機構に接続可能であってもよい。更に、送達装置は、張力付与機構を介して補綴インプラント(又は人工弁インプラントもしくは弁インプラント)の張力付与ユニットの張力付与ワイヤの張力を調整するための調整可能なユーザ入力要素又は制御インタフェース(例えば、テンションダイヤル)と、送達装置の張力付与機構を補綴インプラント(又は人工弁インプラントもしくは弁インプラント)から切断するための別の調整可能なユーザ入力要素又は制御インタフェース(例えば、解放ノブ)とを含むことができる。
【0017】
[0035]様々な実施形態によれば、送達システムは、様々な実施形態の補綴インプラント(又は人工弁インプラントもしくは弁インプラント)及び様々な実施形態の送達装置を含むことができる。
【0018】
[0036]以下の実施例は、様々な実施形態に関する。
【0019】
[0037]様々な実施形態によれば、補綴インプラント(又は人工弁インプラント)が提供される。補綴インプラントは、アンカー部材を含むことができる。補綴インプラントは、アンカー部材から延びる少なくとも1つの弾性テザリングストラットを含むことができる。補綴インプラントは、アンカー部材から離れた少なくとも1つの弾性テザリングストラットの端部に結合される接合構造を含むことができる。補綴インプラントは、アンカー部材と接合構造との間で延びる張力付与ユニットを含むことができる。張力付与ユニットは、アンカー部材と接合構造との間で延びる可撓性中空管と、可撓性中空管を通じて延びる張力付与ワイヤであって、張力付与ワイヤの第1の端部が可撓性中空管の第1の端部と接合構造との間の接合部に固定され、張力付与ワイヤの第2の端部が可撓性中空管の第2の端部から延出する、張力付与ワイヤとを含んでもよい。張力付与ワイヤの第2の端部は、可撓性中空管の第2の端部から引き離されて、可撓性中空管を屈曲させ、それに対応して少なくとも1つの弾性テザリングストラットを屈曲させることにより接合構造をアンカー部材に対して移動させるように、可撓性中空管に対して延伸可能であってもよい。
【0020】
[0038]様々な実施形態によれば、上記の段落で説明した補綴インプラントは、接合構造を少なくとも1つの弾性テザリングストラットの端部に結合するカプラを任意に含んでもよい。カプラは、接合構造を受け入れるための第1の接続端部と、少なくとも1つの弾性テザリングストラットの端部を受け入れるための第2の接続端部とを有することができる。カプラの主軸線は、第1の接続端部と第2の接続端部との間に延在してもよい。接合構造は、カプラの主軸線の周りの回転遊び及びカプラの主軸線に垂直な横軸線の周りの回動遊びを用いて、カプラの第1の接続端部に嵌合することができる。
【0021】
[0039]様々な実施形態によれば、上記の段落で説明した補綴インプラントは、接合構造が、互いに反対方向を指す足部を有する一対のL字形接続脚を含み得ることを任意選択的に含み得る。カプラは、第1の接続端部に第1の開口部を備える中空カプラ本体と、中空カプラ本体の対向する壁部分に一対の側孔とを含むことができる。一対の側孔は、横軸線と同軸であってもよい。主軸線及び横軸線に垂直な高さ方向における第1の開口部の高さは、一対のL字形接続脚の厚みよりも大きくてもよい。接合構造の一対のL字形接続脚は、一対のL字形接続脚の足部が一対の側孔にそれぞれ嵌合された状態で、カプラの第1接続端部の第1の開口部に挿入されてもよい。
【0022】
[0040]様々な実施形態によれば、上記の段落で説明した補綴インプラントは、任意選択的に、一対の側孔のそれぞれが、第1の接続端部の第1の開口部の高さ方向に平行なスロットであってもよいことを含んでもよい。
【0023】
[0041]様々な実施形態によれば、上記の2つの前の段落のいずれか1つに記載の補綴インプラントは、少なくとも1つの弾性テザリングストラットの端部がピン孔又はキー孔を含み得ることを任意選択的に含み得る。カプラの中空カプラ本体は、第2の接続端部に第2の開口部と、中空カプラ本体の壁部分に対応するピン孔又はキー孔とを含むことができる。少なくとも1つの弾性テザリングストラットの端部は、カプラの第2の接続端部の第2の開口部に挿入されてもよく、ロックピン又はキーは、カプラの中空カプラ本体の対応するピン孔又はキー孔を通って、少なくとも1つの弾性テザリングストラットの端部のピン孔又はキー孔に挿入されて、少なくとも1つの弾性テザリングストラットをカプラにロックすることができる。
【0024】
[0042]様々な実施形態によれば、上記の段落で説明したような補綴インプラントは、任意選択的に、ロックピン又はキーが、一対のL字形接続脚を離したままにして、中空カプラ本体の一対の側孔にそれぞれ嵌合された一対のL字形接続脚の足部を保持するために、接合構造の一対のL字形接続脚の間に挿入されたスペーサ部分を有し得ることを含んでもよい。
【0025】
[0043]様々な実施形態によれば、上記の6つの前の段落のいずれか1つに記載の補綴インプラントは、任意選択的に、張力付与ユニットの可撓性中空管の第1の端部が少なくとも1つの弾性テザリングストラットの端部に結合されてもよく、張力付与ユニットの可撓性中空管の第2の端部がアンカー部材に結合されることを含んでもよい。
【0026】
[0044]様々な実施形態によれば、上記の7つの前の段落のいずれか1つに記載された補綴インプラントは、任意選択的に、張力付与ユニットが、張力付与ワイヤの第2の端部に固定されたロック部品を更に含み得ることを含んでもよい。ロック部品は、張力付与ワイヤの第2の端部を可撓性中空管の第2の端部から引き離すために、張力付与ワイヤの第2の端部を可撓性中空管に対して引っ張るようにアンカー部材に対して移動可能であってもよい。ロック部品は、可撓性中空管の曲率、少なくとも1つの弾性テザリングストラットの曲率、及びアンカー部材に対する接合構造の相対的な配置が固定され得るように、可撓性中空管の第2の端部からの所望の変位に達すると、張力付与ワイヤの第2の端部を固定するようにアンカー部材にロック可能であり得る。
【0027】
[0045]様々な実施形態によれば、上記の段落で説明した補綴インプラントは、任意選択的に、アンカー部材がスライダストラットを含むことができ、ロック部品は、ロック部品がスライダストラットと摺動係合するように、スライダストラットを嵌合するための隙間を間に有するスライダブラケットを有するロックハウジングを含むことができることを含んでもよい。
【0028】
[0046]様々な実施形態によれば、上記の段落で説明した補綴インプラントは、任意選択的に、アンカー部材のスライダストラットが、スライダストラットに沿って長手方向に一定の間隔で並んだ複数のロック孔を含み得ることを含んでもよい。ロック部品は、スライダストラットに対して垂直に向けられたばね付勢式ロックピンを含むことができる。ロック部品は、ロック部品をスライダストラットに対して摺動させるために、ばね付勢式ロックピンをロックハウジング内の後退位置に保持するように動作可能であり、ロック部品をアンカー部材のスライダストラットにロックするために、ばね付勢式ロックピンを解放して、複数のロック孔のうちの少なくとも1つと係合するための突出位置にロックハウジングから突出させるように動作可能であってもよい。
【0029】
[0047]様々な実施形態によれば、上記の段落で説明した補綴インプラントは、任意選択的に、ばね付勢式ロックピンがピン及び板ばねを含み得ることを含んでもよい。ピンは、板ばねの自由端に結合されてもよく、板ばねの他端は、ロック部品のロックハウジングに結合固定されてもよい。
【0030】
[0048]様々な実施形態によれば、上記の2つの段落のいずれか1つに記載の補綴インプラントは、突出位置において、ばね付勢式ロックピンがロックハウジングからスライダブラケットとロックハウジングとの間の隙間に突出することができることを任意選択的に含んでもよい。
【0031】
[0049]様々な実施形態によれば、上記の12段落のいずれか1つに記載されているような補綴インプラントは、可撓性中空管がスロット付き管、リブ付き管、波形蛇腹管、インターロック管、メッシュ管又は編組管を含み得ることを任意選択的に含んでもよい。
【0032】
[0050]様々な実施形態によれば、上記の13段落のいずれか一項に記載されている補綴インプラントは、任意選択的に、可撓性中空管が方向性可撓性を有し得ることを含んでもよい。
【0033】
[0051]様々な実施形態によれば、真上の段落に記載されている補綴インプラントは、任意選択的に、可撓性中空管が、可撓性中空管の第1の端部から可撓性中空管の第2の端部まで連続的に延在してスパイン部分を形成する第1のセクタと、複数の離間したリブが可撓性中空管の第1の端部から可撓性中空管の第2の端部まで規則的な間隔で並んでリブ付き部分を形成する第2のセクタとを含んでもよいことを含んでもよい。
【0034】
[0052]様々な実施形態によれば、上記の段落で説明した補綴インプラントは、複数の離間したリブが、可撓性中空管の第2のセクタに沿った複数の平行な横方向切断部によって形成され得ることを任意選択的に含んでもよい。
【0035】
[0053]様々な実施形態によれば、上記の段落で説明した補綴インプラントは、複数の横方向切断部のそれぞれがV字形又はU字形のカットセグメントを有し得ることを任意選択的に含んでもよい。
【0036】
[0054]様々な実施形態によれば、上記の17段落のいずれか1つに記載されているような補綴インプラントは、アンカー部材がステントを含んでもよく、接合構造が弁尖プロテーゼを含んでもよいことを任意に含んでもよい。
【0037】
[0055]様々な実施形態によれば、補綴インプラント送達システムが提供される。補綴インプラント送達システムは、上記の18段落のいずれかに記載の補綴インプラント及び送達装置を含み得る。送達装置は、その第1の端部内で補綴インプラントが圧縮及び拘束される外側シースを含むことができる。送達装置は、外側シース内に封入された張力付与ロッドを含むことができる。張力付与ロッドは、補綴インプラントの張力付与ユニットの張力付与ワイヤの第2の端部に取り外し可能に結合された第1の端部を有することができる。送達装置は、外側シースの第2の端部に制御ハンドルを含むことができる。制御ハンドルは、外側シースの第2の端部と関連付けられるとともに、補綴インプラントを展開するために外側シースを後退させるように動作可能な第1の制御インタフェースを含むことができる。制御ハンドルは、張力付与ロッドの第2の端部と関連付けられるとともに、制御ハンドルに対して張力付与ロッドを後退又は伸長させて張力付与ワイヤの第2の端部を可撓性中空管に対して移動させることにより、可撓性中空管の第2の端部からの張力付与ワイヤの第2の端部の変位を調整し、それに対応して、アンカー部材に対して接合構造を位置決めするための可撓性中空管の曲げの程度及び少なくとも1つの弾性テザリングストラットの曲げの程度を調整するように動作可能な第2の制御インタフェースを含むことができる。制御ハンドルは、張力付与ロッドの第2の端部と関連付けられるとともに、補綴インプラントの張力付与ユニットの張力付与ワイヤの第2の端部から張力付与ロッドの第1の端部を切り離すように動作可能な第3の制御インタフェースを含むことができる。
【0038】
[0056]様々な実施形態によれば、上記の段落で説明した補綴インプラント送達システムは、任意選択的に、補綴インプラントがばね付勢式ロックピン及びロックハウジングを含む場合、張力付与ロッドの第1の端部は、ばね付勢式ロックピンを後退位置に保持するために、ロック部品のばね付勢式ロックピンと係合する保持要素を含むことができる。保持要素は、スライダストラットと係合するためにばね付勢式ロックピンを解放するように、ロック部品のばね付勢式ロックピンから係合解除するべく引き抜き可能であってもよい。
【0039】
[0057]様々な実施形態によれば、真上の段落に記載されている補綴インプラント送達システムは、任意選択的に、張力付与ロッドの第1の端部が、張力付与ロッドの第1の端部をロック部品に取り外し可能に連結するために、ロック部品と係合する結合要素を含み得ることを含んでもよい。
【0040】
[0058]様々な実施形態によれば、上記の2つの前の段落のいずれか1つに記載の補綴インプラント送達システムは、保持要素が挿入先端部を含んでもよいことを任意選択的に含んでもよい。挿入先端部は、ばね付勢式ロックピンに対して垂直に挿入されて、ばね付勢式ロックピンを後退位置に保持することができる。挿入先端部は、スライダストラットと係合するためにばね付勢式ロックピンを解放するために引き抜き可能であってもよい。
【0041】
[0059]様々な実施形態によれば、上記の段落で説明した補綴インプラント送達システムは、任意選択的に、結合要素が挿入先端部に隣接するねじ付きステム部を含んでもよいことを含んでもよい。ねじ付きステム部は、挿入先端部が後退位置においてばね付勢式ロックピンに対して垂直に挿入された状態でロック部品のロックハウジングにねじ込まれてもよい。ねじ付きステム部は、ロック部品のロックハウジングに対して部分的にねじを緩めて挿入先端部をばね付勢式ロックピンから引き抜き、それによってばね付勢式ロックピンを解放し、ロック部品のロックハウジングから完全にねじを外して、張力付与ロッドの第1の端部をロック部品から切り離すことができる。
【0042】
[0060]様々な実施形態によれば、上記の5つの前の段落のいずれか1つに記載された補綴インプラント送達システムは、任意選択的に、第2の制御インタフェースが回転可能なダイヤルを含んでもよいことを含んでもよい。回転可能なダイヤルは、制御ハンドルの長手方向軸線を中心に回転可能であってもよい。制御ハンドルは、回転可能なダイヤルと張力付与ロッドとを相互接続して回転可能なダイヤルの回転動作を張力付与ロッドの直線並進動作に変換する回転-直線動作機構を含むことができる。
【0043】
[0061]様々な実施形態によれば、上記の段落で説明した補綴インプラント送達システムは、任意選択的に、回転可能なダイヤルが雌ねじを含むことができることを含んでもよい。回転-直線動作機構は、回転可能なダイヤルが制御ハンドルの長手方向軸線を中心に回転されるときに制御ハンドルの長手方向軸線に沿って直線的に並進するように、回転可能なダイヤルの雌ねじと係合する雄ねじを有するリードスクリューを含むことができる。張力付与ロッドの第2の端部は、張力付与ロッドがリードスクリューと共に直線的に並進可能であり得るように、リードスクリューに結合されてもよい。
【0044】
[0062]様々な実施形態によれば、上記の段落で説明した補綴インプラント送達システムは、任意選択的に、制御ハンドルが、リードスクリューに結合固定されたインジケータプレートと、リードスクリューが制御ハンドルの長手方向軸線に沿って直線的に並進するときにインジケータプレートを見るために制御ハンドルに対して長手方向に位置合わせされた細長い窓とを含み得ることを含んでもよい。
【0045】
[0063]様々な実施形態によれば、上記の2つの前の段落のいずれか1つに記載の補綴インプラント送達システムは、任意選択的に、第3の制御インタフェースが、制御ハンドル内で長手方向に延びる伝達シャフトを回転させるためのノブを含み得ることを含んでもよい。伝達シャフトの第1の端部はノブに結合されてもよく、伝達シャフトの第2の端部は、シャフトの回転を付与して、張力付与ロッドのロッド軸線を中心に張力付与ロッドを回転させるように、張力付与ロッドの第2の端部に結合されてもよい。
【0046】
[0064]様々な実施形態によれば、真上の段落に記載されている補綴インプラント送達システムは、任意選択的に、リードスクリューが中空であり、貫通チャネルが長手方向に貫通してもよいことを含んでもよい。制御ハンドルは、リードスクリューの貫通チャネルを介して伝達シャフトの第2の端部と張力付与ロッドの第2の端部とを相互接続するシャフトカップリングを含むことができる。シャフトカップリングは、長尺本体の第1の端部から長尺本体内に長手方向に延びる孔と、孔の壁に沿った長手方向スロットとを有する長尺本体を含んでもよい。伝達シャフトの第2の端部は、ピンが伝達シャフトの第2の端部から長手方向スロット内に垂直に突出する状態で孔に挿入されて、摺動可能なピン-スロットジョイントを形成することができる。張力付与ロッドの第2の端部は、シャフトカップリングの長尺本体の第2の端部に結合固定されてもよい。制御ハンドルは、リードスクリューの内壁面に固定されたシャフトカップリング支持ブラケットを含んでもよい。シャフトカップリングは、ロッド軸線を中心に張力付与ロッドを回転させるためにシャフトカップリングの長手方向軸線を中心にしてシャフトカップリングが回転可能であってもよく、張力付与ロッドがリードスクリューと共に直線的に並進可能であってもよいように、リードスクリューに対してシャフトカップリングの長手方向軸線に沿って移動不能であってもよいように、シャフトカップリング支持ブラケットを介して嵌合されてもよい。
【0047】
[0065]様々な実施形態によれば、段落[0030]~[0047]のいずれか1つに記載されている補綴インプラントのための送達装置が提供される。送達装置は、その第1の端部に補綴インプラントを圧縮して拘束するための外側シースを含むことができる。送達装置は、外側シース内に封入された張力付与ロッドを含むことができる。張力付与ロッドは、補綴インプラントの張力付与ユニットの張力付与ワイヤの第2の端部に取り外し可能に連結可能な第1の端部を有することができる。送達装置は、外側シースの第2の端部に制御ハンドルを含むことができる。制御ハンドルは、外側シースの第2の端部と関連付けられるとともに、補綴インプラントを展開するために外側シースを後退させるように動作可能な第1の制御インタフェースを含むことができる。制御ハンドルは、張力付与ロッドの第2の端部と関連付けられるとともに、制御ハンドルに対して張力付与ロッドを後退又は伸長させて張力付与ワイヤの第2の端部を可撓性中空管に対して移動させることにより、可撓性中空管の第2の端部からの張力付与ワイヤの第2の端部の変位を調整し、それに対応して、アンカー部材に対して接合構造を位置決めするための可撓性中空管の曲げの程度及び少なくとも1つの弾性テザリングストラットの曲げの程度を調整するように動作可能な第2の制御インタフェースを含むことができる。制御ハンドルは、張力付与ロッドの第2の端部と関連付けられるとともに、補綴インプラントの張力付与ユニットの張力付与ワイヤの第2の端部から張力付与ロッドの第1の端部を切り離すように動作可能な第3の制御インタフェースを含むことができる。
【0048】
[0066]様々な実施形態によれば、上記の段落で説明した送達装置は、任意選択的に、補綴インプラントがばね付勢式ロックピン及びロックハウジングを含む場合、張力付与ロッドの第1の端部は、補綴インプラントのロック部品のばね付勢式ロックピンと係合して、ばね付勢式ロックピンを後退位置に保持するための保持要素を含み得ることを含んでもよい。保持要素は、補綴インプラントのスライダストラットと係合するためにばね付勢式ロックピンを解放するように、ロック部品のばね付勢式ピンから係合解除するように引き抜き可能であってもよい。
【0049】
[0067]様々な実施形態によれば、上記の段落で説明した送達装置は、任意選択的に、張力付与ロッドの第1の端部が、補綴インプラントのロック部品と係合して、張力付与ロッドの第1の端部をロック部品に取り外し可能に結合するための結合要素を含み得ることを含んでもよい。
【0050】
[0068]様々な実施形態によれば、上記の2つの前の段落のいずれか1つに記載の送達装置は、保持要素が挿入先端部を含んでもよいことを任意選択的に含んでもよい。挿入先端部は、補綴インプラントのロック部品のばね付勢式ロックピンに対して垂直に挿入可能であり、ばね付勢式ロックピンを後退位置に保持することができる。挿入先端部は、スライダストラットと係合するためにばね付勢式ロックピンを解放するために引き抜き可能であってもよい。
【0051】
[0069]様々な実施形態によれば、上記の段落で説明した送達装置は、結合要素が挿入先端部に隣接するねじ付きステム部を含んでもよいことを任意選択的に含んでもよい。ねじ付きステム部は、挿入先端部が後退位置においてばね付勢式ロックピンに対して垂直に挿入された状態でロック部品のロックハウジングにねじ込むことができる。ねじ付きステム部は、ロック部品のロックハウジングに対して部分的にねじを緩めて挿入先端部をばね付勢式ロックピンから引き抜き、それによってばね付勢式ロックピンを解放し、ロック部品のロックハウジングから完全にねじを外して、張力付与ロッドの第1の端部をロック部品から切り離すことができる。
【0052】
[0070]様々な実施形態によれば、上記の2つの前の段落のいずれか1つに記載された送達装置は、任意選択的に、第2の制御インタフェースが回転可能なダイヤルを含んでもよいことを含んでもよい。回転可能なダイヤルは、制御ハンドルの長手方向軸線を中心に回転可能であってもよい。制御ハンドルは、回転可能なダイヤルと張力付与ロッドとを相互接続して回転可能なダイヤルの回転動作を張力付与ロッドの直線並進動作に変換する回転-直線動作機構を含むことができる。
【0053】
[0071]様々な実施形態によれば、上記の段落で説明した送達装置は、任意選択的に、回転可能なダイヤルが雌ねじを含んでもよいことを含んでもよい。回転-直線動作機構は、回転可能なダイヤルが制御ハンドルの長手方向軸線を中心に回転されるときに制御ハンドルの長手方向軸線に沿って直線的に並進するように、回転可能なダイヤルの雌ねじと係合する雄ねじを有するリードスクリューを含むことができる。張力付与ロッドの第2の端部は、張力付与ロッドがリードスクリューと共に直線的に並進可能であり得るように、リードスクリューに結合されてもよい。
【0054】
[0072]様々な実施形態によれば、真上の段落に記載された送達装置は、任意選択的に、制御ハンドルが、リードスクリューに結合固定されたインジケータプレートと、リードスクリューが制御ハンドルの長手方向軸線に沿って直線的に並進するときにインジケータプレートを見るために制御ハンドルに対して長手方向に位置合わせされた細長い窓とを含むことができることを含んでもよい。
【0055】
[0073]様々な実施形態によれば、上記の2つの前の段落のいずれか1つに記載の送達装置は、任意選択的に、第3の制御インタフェースが、制御ハンドル内で長手方向に延びる伝達シャフトを回転させるためのノブを含むことができることを含んでもよい。伝達シャフトの第1の端部はノブに結合されてもよく、伝達シャフトの第2の端部は、シャフトの回転を付与して、張力付与ロッドのロッド軸線を中心に張力付与ロッドを回転させるように、張力付与ロッドの第2の端部に結合されてもよい。
【0056】
[0074]様々な実施形態によれば、上記の段落で説明した送達装置は、任意選択的に、リードスクリューが中空であり、貫通チャネルが長手方向に貫通して延びてもよいことを含んでもよい。制御ハンドルは、リードスクリューの貫通チャネルを介して伝達シャフトの第2の端部と張力付与ロッドの第2の端部とを相互接続するシャフトカップリングを含むことができる。シャフトカップリングは、長尺本体の第1の端部から長尺本体内に長手方向に延びる孔と、孔の壁に沿った長手方向スロットとを有する長尺本体を含んでもよい。伝達シャフトの第2の端部は、ピンが伝達シャフトの第2の端部から長手方向スロット内に垂直に突出する状態で孔に挿入されて、摺動可能なピン-スロットジョイントを形成することができる。張力付与ロッドの第2の端部は、シャフトカップリングの長尺本体の第2の端部に結合固定されてもよい。制御ハンドルは、リードスクリューの内壁面に固定されたシャフトカップリング支持ブラケットを含んでもよい。シャフトカップリングは、ロッド軸線を中心に張力付与ロッドを回転させるためにシャフトカップリングの長手方向軸線を中心にしてシャフトカップリングが回転可能であってもよく、張力付与ロッドがリードスクリューと共に直線的に並進可能であってもよいように、リードスクリューに対してシャフトカップリングの長手方向軸線に沿って移動不能であってもよいように、シャフトカップリング支持ブラケットを介して嵌合されてもよい。
【0057】
[0075]
図1Aは、様々な実施形態に係る補綴インプラント100(又は人工弁インプラントもしくは弁インプラント)の概略図を示す。様々な実施形態によれば、補綴インプラント100は、アンカー部材110を含むことができる。様々な実施形態によれば、アンカー部材110は、1つ以上の組織部位に固定又は固定されるように構成されてもよい。様々な実施形態によれば、アンカー部材110は、ステント、クランプ、フック、固定リング、ねじ、尖叉、又は返しを含むことができるが、これらに限定されない。
【0058】
[0076]様々な実施形態によれば、補綴インプラント100は、アンカー部材110から延びる少なくとも1つの弾性テザリングストラット120を含むことができる。したがって、1つ以上の弾性テザリングストラット120は、アンカー部材110を越えて延伸又は到達するように、アンカー部材110から突出していてもよい。様々な実施形態によれば、少なくとも1つの弾性テザリングストラット120は、支持体として使用されるある長さの材料の細長い構造部材であってもよい。したがって、少なくとも1つの弾性テザリングストラット120は、弾性材料のストリップ、又はストライプ、又はバー、又はビーム、又はスティック、又はスポーク、又はポール、又はスパー、又はロッドの形態であってもよい。様々な実施形態によれば、少なくとも1つの弾性テザリングストラット120は直線状であってもよく、曲げられた後又は曲げられた後に直線状に戻る自然な傾向を有してもよい。様々な実施形態によれば、少なくとも1つの弾性テザリングストラット120は、アンカー部材110と一体であってもよい。したがって、少なくとも1つの弾性テザリングストラット120は、一体成形されてもよく、一体的に印刷されてもよく、一体的に鋳造されてもよく、又は単一の一体部品としてアンカー部材110と一体的に形成されてもよい。様々な実施形態によれば、少なくとも1つの弾性テザリングストラット120及びアンカー部材110は、互いに結合された、又は接合された、又は取り付けられた、又は固定された、又は嵌合された、又は結合された別個のピースであってもよい。
【0059】
[0077]様々な実施形態によれば、補綴インプラント100は、接合構造130を含むことができる。様々な実施形態によれば、接合構造130は、少なくとも1つの生来の弁尖と接合するように、及び/又は少なくとも1つの生来の弁尖が接合することができる表面を提供するように構成することができる。様々な実施形態によれば、接合構造130は、弁尖プロテーゼ、新弁尖、フラップ、膜、バルーン、閉塞部材、又はブロッカーを含むことができるが、これらに限定されない。様々な実施形態によれば、接合構造130は、アンカー部材110から離れた少なくとも1つの弾性テザリングストラット120の端部120aに結合されてもよい。したがって、少なくとも1つの弾性テザリングストラット120は、アンカー部材110が少なくとも1つの弾性テザリングストラット120の一端120bにあってもよく、接合構造130が少なくとも1つの弾性テザリングストラット120の反対側の端部120aにあってもよいように、アンカー部材110と接合構造130とを相互接続してもよい。したがって、アンカー部材110及び接合構造130は、少なくとも1つの弾性テザリングストラット120の2つの端部120b、120aにそれぞれあってもよい。
【0060】
[0078]様々な実施形態によれば、少なくとも1つの弾性テザリングストラット120を曲げる又は屈曲させることにより、接合構造130をアンカー部材110に対して移動させて、アンカー部材110に対する接合構造130の位置及び/又は配向及び/又は配置を変更又は調整又は変更することができる。様々な実施形態によれば、少なくとも1つの弾性テザリングストラット120は、接合構造130とアンカー部材110との間の相対移動の範囲を制限し得る。
【0061】
[0079]様々な実施形態によれば、補綴インプラント100は、張力付与ユニット140を含むことができる。様々な実施形態によれば、張力付与ユニット140は、アンカー部材110と接合構造130との間に延在してもよい。したがって、アンカー部材110は、張力付与ユニット140の一端にあってもよく、接合構造130は、張力付与ユニット140の反対側の端部にあってもよい。したがって、アンカー部材110及び接合構造130は、それぞれ張力付与ユニット140の2つの端部にあってもよい。
【0062】
[0080]様々な実施形態によれば、張力付与ユニット140に引張力又は引張力を加えることによって、張力付与ユニット140は、少なくとも1つの弾性テザリングストラット120を対応して曲げるように曲げられて、アンカー部材110に対して接合構造130を位置決め及び/又は配向するために接合構造130をアンカー部材110に対して移動させることができる。様々な実施形態によれば、少なくとも1つの弾性テザリングストラット120及び張力付与ユニット140は、アンカー部材110に対して接合構造130を移動させるための対抗対として機能することができる。したがって、張力付与ユニット140は、アンカー部材110に対して接合構造130を移動させるために引張り力又は張力を加えることによって曲げられてもよく、引張り力又は張力の一部又は全部を張力付与ユニット140に解放すると、少なくとも1つの弾性テザリングストラット120は、それぞれ、動きを部分的又は完全に逆転させるか、又は接合構造130を初期位置及び/又は向きに部分的又は完全に戻すための対抗力を提供することができる。
【0063】
[0081]様々な実施形態によれば、張力付与ユニット140は、可撓性中空管142を含むことができる。様々な実施形態によれば、可撓性中空管142は、アンカー部材110と接合構造130との間に延在してもよい。したがって、可撓性中空管142は、アンカー部材110から接合構造130まで延伸していてもよい。したがって、アンカー部材110は、可撓性中空管142の一端142bにあってもよく、接合構造130は、可撓性中空管142の反対側の端部142aにあってもよい。したがって、アンカー部材110及び接合構造130は、それぞれ可撓性中空管142の2つの端部142b、142aにあってもよい。
【0064】
[0082]様々な実施形態によれば、張力付与ユニット140は、張力付与ワイヤ144を含むことができる。様々な実施形態によれば、張力付与ワイヤ144は、可撓性中空管142を通って延在してもよい。したがって、可撓性中空管142は、張力付与ワイヤ144が可撓性中空管を通って延びるか、又は可撓性中空管142内で延伸するために、アンカー部材110と接合構造130との間のトランキング又は導管又はダクトとして機能することができる。したがって、張力付与ワイヤ144の長さは、可撓性中空管142によって取り囲まれ又は封入されてもよい。
【0065】
[0083]様々な実施形態によれば、張力付与ワイヤ144の第1の端部144aは、可撓性中空管142の第1の端部142aと接合構造130との間の接合部132に固定されてもよい。したがって、張力付与ワイヤ144の第1の端部144aは、点又はノードにしっかりと取り付け又は固定されてもよく、それによって可撓性中空管142の第1の端部142a及び接合構造130は、出会うか、収束するか、又は一緒になる。したがって、張力付与ワイヤ144の第1の端部144aは、可撓性中空管142の第1の端部142aに対して固定された配置とすることができる。様々な実施形態によれば、張力付与ワイヤ144は、可撓性中空管142の第1の端部144aと接合構造130との間の接合部132で張力付与ワイヤ144の第1の端部142aを固定するように、可撓性中空管142を通って通されるか、通過されるか、又は挿入されてもよい。
【0066】
[0084]様々な実施形態によれば、張力付与ワイヤ144の第2の端部144bは、可撓性中空管142の第2の端部142bから延出することができる。したがって、張力付与ワイヤ144は、張力付与ワイヤ144の第2の端部144bに向かう張力付与ワイヤ144のセグメントが可撓性中空管142の外側で可撓性中空管142の第2の端部142bを越えて延伸することができるように、可撓性中空管142よりも長くてもよい。したがって、張力付与ワイヤ144の第2の端部144bは、可撓性中空管142の第2の端部142bから、可撓性中空管142に対する張力付与ワイヤ144の追加の長さと同等の程度だけ突出してもよい。様々な実施形態によれば、張力付与ワイヤ144の第2の端部144bは、アンカー部材110に沿っていてもよい。
【0067】
[0085]
図1Bは、様々な実施形態に係る、接合構造130がアンカー部材110に対して移動した
図1Aの補綴インプラント100の概略図を示す。様々な実施形態によれば、張力付与ワイヤ144の第2の端部144bは、少なくとも1つの弾性テザリングストラット120を対応して屈曲させて接合構造130をアンカー部材110に対して移動させるように、可撓性中空管142を屈曲させるように、可撓性中空管142の第2の端部142bから引き離されるように可撓性中空管142に対して引き出すことができる。したがって、張力付与ワイヤ144の第2の端部144bは、可撓性中空管142の第2の端部142bから離れる方向に引っ張られることが可能であってもよい。したがって、引張り力又は引張り力が張力付与ワイヤ144の第2の端部144bに加えられて、張力付与ワイヤ144に沿って張力を発生させてもよい。張力付与ワイヤ144の第1の端部144aは固定されているので、張力付与ワイヤ144の張力は、可撓性中空管142を曲げる又は屈曲させることができる。可撓性中空管142の曲げ又は屈曲は、それに対応して、少なくとも1つの弾性テザリングストラット120を曲げる又は屈曲させることができる。可撓性中空管142及び少なくとも1つの弾性テザリングストラット120が曲げられる又は屈曲されると、可撓性中空管142の第2の端部142b及び少なくとも1つの弾性テザリングストラット120の端部120bにある接合構造130は、アンカー部材110に対して移動することができる。
【0068】
[0086]様々な実施形態によれば、引張力又は張力が部分的に又は完全に緩和されると、張力付与ワイヤ144の張力はそれぞれ低減又は解放され得る。したがって、少なくとも1つの弾性テザリングストラット120は、少なくとも1つの弾性テザリングストラット120の曲げ又は屈曲を部分的又は完全に反転させて直線に部分的又は完全に戻るように対抗力を提供することができる。少なくとも1つの弾性テザリングストラット120を曲げ解除又は屈曲解除させると、可撓性中空管142も曲げ解除又は屈曲解除され得る。可撓性中空管142及び少なくとも1つの弾性テザリングストラット120が曲げられていない又は屈曲されていない状態で、可撓性中空管142の第2の端部142b及び少なくとも1つの弾性テザリングストラット120の端部120bにある接合構造130は、初期位置及び/又は向きを部分的又は完全に戻すことができる。
【0069】
[0087]様々な実施形態によれば、可撓性中空管142は、スロット付き管、リブ付き管、波形蛇腹管、インターロック管、メッシュ管、又は編組管を含むことができるが、これらに限定されない。したがって、可撓性中空管142は、引張り力又は引張り力を張力付与ワイヤ144に加えることによって可撓性中空管142を屈曲又は屈曲させることができるように、必要な可撓性を有することができる。
【0070】
[0088]様々な実施形態によれば、可撓性中空管142は、方向性可撓性を有することができる。したがって、可撓性中空管142は、特定の方向に可撓性があってもよい。様々な実施形態によれば、可撓性中空管142は、引張り力又は引張り力を張力付与ワイヤ144に加えることにより、可撓性中空管142を常に所定の方向に曲げ又は屈曲させることができるように、所定の方向に可撓性があってもよい。
【0071】
[0089]様々な実施形態によれば、可撓性中空管142は、可撓性中空管142の第1の端部142aから可撓性中空管142の第2の端部142bまで連続的に延在してスパイン部分を形成する第1のセクタ(例えば、
図4の242cを参照されたい)を含むことができる。したがって、可撓性中空管142の第1のセクタに沿った第1の長手方向壁部分は、可撓性中空管142の第1の端部142aから可撓性中空管142の第2の端部142bまで延在する連続した長手方向壁を形成するように、中断することなく連続していてもよい。連続した長手方向壁は、可撓性中空管142のバックボーン又はスパインとして機能することができる。
【0072】
[0090]様々な実施形態によれば、可撓性中空管142は、複数の離間したリブが可撓性中空管142の第1の端部142aから可撓性中空管142の第2の端部142bまで規則的な間隔で並んで離間したリブ付き部分を形成する第2のセクタ(例えば、
図4の242dを参照されたい)を含むことができる。したがって、第2のセクタに沿った可撓性中空管142の第2の長手方向壁部分は、複数の離間したリブで構成されてもよく、それによって、各リブは、可撓性中空管142に対して横方向に配向されてもよく、複数の離間したリブは、互いに平行であってもよい。したがって、各リブは、連続した長手方向壁を有する可撓性中空管142の第1のセクタの2つの長手方向側面にそれぞれ接合又は固定又は取り付け又は接続された2つの端部を有するC字形リンクに似ていてもよい。
【0073】
[0091]様々な実施形態によれば、第1のセクタに沿った連続した長手方向壁及び第2のセクタに沿った複数の離間したリブを有する可撓性中空管142は、方向性可撓性を示すことができる。様々な実施形態によれば、引張力又は張力が張力付与ワイヤ144に加えられると、第2のセクタに沿って離間した複数のリブが互いに向かって折り畳まれ、第1のセクタに沿った連続的な長手方向壁を第2のセクタに向かって曲げる又は屈曲させることができる。したがって、可撓性中空管142は、複数の離間したリブを有する第2のセクタに向かって常に屈曲してもよい。
【0074】
[0092]様々な実施形態によれば、可撓性中空管142の複数の離間したリブは、可撓性中空管142の第2のセクタに沿った複数の平行な横方向切断部又はスロットによって形成されてもよい。したがって、残りの切断されていない横方向部分は、それらの間に空きスペース又は隙間を有する複数の離間したリブを形成することができる。したがって、引張り力又は引張り力が張力付与ワイヤ144に加えられると、複数の離間したリブを形成する切断されていない横方向部分が一緒に折り畳まれ得る。
【0075】
[0093]様々な実施形態によれば、可撓性中空管142の複数の離間したリブは、可撓性中空管142の第2のセクタに沿って、山部と根元部とが交互になった一連の波形ベローズによって形成されてもよい。したがって、波形ベローズの山部は、複数の離間したリブを形成することができる。したがって、引張り力又は引張り力が張力付与ワイヤ144に加えられると、山部が一緒に倒れ込むように根元部が折り畳まれてもよい。
【0076】
[0094]様々な実施形態によれば、可撓性中空管142の複数の離間したリブは、より厚い材料の横方向ストリップとより薄い材料の横方向ストリップとを交互に繰り返すことによって形成されてもよい。より薄い材料の横方向ストリップは、薄いシート又はフィルム又は膜の形態であってもよい。したがって、より厚い材料の横方向ストリップは、複数の離間したリブを形成することができる。したがって、引張り力又は張力が張力付与ワイヤ144に加えられると、より薄い材料の横方向ストリップは、より厚い材料の横方向ストリップが一緒に折り畳まれ得るように折り畳まれ得る。
【0077】
[0095]様々な実施形態によれば、可撓性中空管142は、一連の連動リングによって形成されてもよい。各リングの第1のセクタの軸方向幅は、各リングの第2のセクタの軸方向幅よりも大きくてもよい。したがって、一連の連動リングは、一連のリングの第1のセクタに沿って連動又は相互接続されて、可撓性中空管142を形成することができる。したがって、可撓性中空管142の第1のセクタは、連続的に連動又は相互接続された一連の連動リングの第1のセクタから構成されてもよい。次いで、一連の連動リングの第2のセクタは、可撓性中空管142の第2のセクタに沿ってそれらの間に隙間又は空きスペースを有して互いに離間されてもよい。したがって、可撓性中空管142の複数の離間したリブは、一連の連動リングの第2のセクタによって形成されてもよい。引張り力又は張力が張力付与ワイヤ144に加えられると、一連の連動リングの第2のセクタは共に崩壊することができる。
【0078】
[0096]
図2~
図8Dを参照すると、
図1A及び
図1Bの補綴インプラント100の一例としての人工弁インプラント200(又は弁インプラント又は三尖インプラント)及び送達装置260(又は送達システムハンドル)が示されている。様々な実施形態によれば、人工弁インプラント200は、
図1A及び
図1Bの補綴インプラント100の全ての特徴及び制限を含むことができ、以下では、全体を通して同じ/共通の部分を参照する同様の参照符号を用いて説明する。示される人工弁インプラント200の更なる詳細はまた、以下に記載される。
【0079】
[0097]様々な実施形態によれば、人工弁インプラント200は、心臓内の疾患のある弁を置き換えるために使用され得る。様々な実施形態によれば、送達装置260は、疾患のある弁を置換するために、心臓内に人工弁インプラント200を経皮的に送達するために使用されてもよい。
【0080】
[0098]様々な実施形態は、張力付与システムを介した三尖弁逆流(TR)の治療における心臓の三尖弁(TV)内に位置決めされる人工弁インプラント200の態様及び/又は能力に関する。張力付与システムは、人工弁インプラント200の張力付与ユニット240(又はテンショナ)及び送達装置260の張力付与機構261を含み得る。
【0081】
[0099]
図2は、様々な実施形態による人工弁インプラント200を示す。様々な実施形態によれば、人工弁インプラント200は、
図1A及び
図1Bの人工弁インプラント200のアンカー部材110と同様に、補綴インプラント100のアンカー部材として機能するステント210を含むことができる。様々な実施形態によれば、ステント210は、下大静脈(IVC)ステントであってもよい。様々な実施形態によれば、ステント210は、ニチノールから作製されてもよい。人工弁インプラント200が心臓内に展開されると、ステント210は、右心房(RA)とIVCとの接合部付近のIVC内に配置され得る。したがって、ステント210は、人工弁インプラント200をIVCに固定又は固定することができる。
【0082】
[0100]様々な実施形態によれば、人工弁インプラント200は、
図1A及び
図1Bの人工弁インプラント200の接合構造130と同様に、補綴インプラント100の接合構造として機能する弁尖プロテーゼ230(又は新弁尖又は帆)を含むことができる。様々な実施形態によれば、弁尖プロテーゼ230は、支持フレーム234(又は弁尖フレーム又は帆フレーム)と、人工弁尖又は帆を形成するように支持フレーム234を覆うか、支持されるか、取り付けられるか、固定される弁尖ブレードパネル236(又は布又は布パネル)とを含むことができる。例えば、弁尖プロテーゼ230の支持フレーム234はニチノールフレームであってもよく、弁尖ブレードパネル236は、支持フレーム234に縫い付けられた、又は取り付けられた、又は固定された医療グレードの外科用ファブリックであってもよい。更に、ポリエステル縫合糸を使用して、弁尖ブレードパネル236を支持フレーム234(又はニチノールフレーム)に取り付けることができる。様々な実施形態によれば、弁尖プロテーゼ230は、ステント210に接続されてもよい。例えば、弁尖プロテーゼ230の支持フレーム234は、ステント210に恒久的に取り付けられてもよい。人工弁インプラント200がIVC内のステント210と共に心臓内に展開されると、弁尖ブレードパネル236が支持フレーム234(又は帆フレームを覆う布)を覆う弁尖プロテーゼ230が三尖弁(TV)内に延びて、生来のTV弁尖の接合構造として機能することができる。
【0083】
[0101]様々な実施形態によれば、人工弁インプラント200は、ステント210と弁尖プロテーゼ230とを接続するカプラ250を含むことができる。様々な実施形態によれば、カプラ250は、右心房から右心室への血液の「流入」を可能にし、TVからの「流出」(逆流)に抵抗するように、カプラ250に対する弁尖プロテーゼ230の制限された多回転動作を可能にするように構成され得る。
【0084】
[0102]様々な実施形態によれば、人工弁インプラント200は、張力付与ユニット240(又はテンショナ)を含み得る。張力付与ユニット240は、内部構造を締めるとカプラ250をTVに向かって移動させて、生来のTV弁輪内に弁尖プロテーゼ230を位置決めするのを助けることができる調整可能な構成要素であってもよい。張力付与ユニット240のロック部品246(又は引張アンカー)は、カプラ250に接続されてもよく、ステント210のストラットに沿って摺動してもよい。張力付与ユニット240のロック部品246の移動は、送達装置260の内部の張力付与機構261によって制御されてもよい。張力付与ユニット240のロック部品246は、移植処置中にステント210上の所定の位置にしっかりとロックされてもよく、送達装置260の張力付与機構261は、人工弁インプラント200の送達を完了するために切断されてもよい。
【0085】
[0103]
図3Aは、様々な実施形態に係る、張力付与ユニット240にズームインされた人工弁インプラント200を示す。
図3B及び
図3Cは、様々な実施形態による張力付与ユニット240の一例を示す。様々な実施形態によれば、張力付与ユニットは、弁尖プロテーゼ230をTV内に位置決めして、生来のTV弁尖との弁尖プロテーゼ230の接合を促進し、最終的にTRを減少させるための手段を提供するのに役立つ。様々な実施形態によれば、張力付与ユニット240は、可撓性中空管242及び張力付与ワイヤ244を含むことができる。様々な実施形態によれば、可撓性中空管242は、金属又はプラスチックで作られてもよい。様々な実施形態によれば、張力付与ワイヤ244は、張力ワイヤ又は縫合糸であってもよい。様々な実施形態によれば、張力付与ワイヤ244は、可撓性中空管242の内側に配置されてもよい。様々な実施形態によれば、張力付与ワイヤ244は、カプラ250を張力付与ユニット240のロック部品246に接続することができる。様々な実施形態によれば、可撓性中空管242は、張力付与ユニット240のロック部品246がステント210の軸線に沿って引っ張られたときにそれが優先的に屈曲することを可能にするレーザ切断パターン(
図3B参照)を管壁内に有することができる。この張力付与作用は、可撓性中空管242を曲げ又は屈曲させ、弁尖プロテーゼ230を心臓の右心房からTVに向かって及びTV内に再配置することができる。様々な実施形態によれば、張力付与ワイヤ244は、摩擦力を低減し、弁尖プロテーゼ230の再位置決め応答時間を改善するために、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)チューブに封入されてもよい。
【0086】
[0104]
図4は、様々な実施形態に係る様々な曲率量を有する3つの張力付与ユニット240を示す。様々な実施形態によれば、張力付与ワイヤ244に加えられる張力の量に応じて、様々な湾曲量が可能であり得る。
【0087】
[0105]様々な実施形態によれば、人工弁インプラント200は、ステント210から延びる少なくとも1つの弾性テザリングストラット220を含むことができる。したがって、1つ以上の弾性テザリングストラット220は、ステント210から突出して、ステント210を越えて延伸又は到達することができる。様々な実施形態によれば、ステント210は、円筒形状であってもよく、複数のステントストラット212によって形成されてもよい。様々な実施形態によれば、少なくとも1つの弾性テザリングストラット220は、ステント210の長手方向端部から延びていてもよい。様々な実施形態によれば、少なくとも1つの弾性テザリングストラット220は、支持体として使用されるある長さの材料の細長い構造部材であってもよい。したがって、少なくとも1つの弾性テザリングストラット220は、弾性材料のストリップ、又はストライプ、又はバー、又はビーム、又はスティック、又はスポーク、又はポール、又はスパー、又はロッドの形態であってもよい。様々な実施形態によれば、少なくとも1つの弾性テザリングストラット220は直線状であってもよく、曲げられた後又は曲げられた後に直線状に戻る自然な傾向を有してもよい。様々な実施形態によれば、少なくとも1つの弾性テザリングストラット220は、ステント210と一体であってもよい。例えば、少なくとも1つの弾性テザリングストラット220は、ステント210から延びるステント210のステントストラット212のうちの1つであってもよい。したがって、少なくとも1つの弾性テザリングストラット220は、単一の一体部品としてステント210と一体的に成形されてもよく、一体的に印刷されてもよく、一体的に鋳造されてもよく、又は一体的に形成されてもよい。様々な実施形態によれば、人工弁インプラント200は、ステント210から延びる2つの弾性テザリングストラット220を含むことができる。
【0088】
[0106]様々な実施形態によれば、人工弁インプラント200の弁尖プロテーゼ230は、ステント210から離れた少なくとも1つの弾性テザリングストラット220(又は2つの弾性テザリングストラット220のそれぞれ)の端部220aに結合されてもよい。様々な実施形態によれば、少なくとも1つの弾性テザリングストラット220の端部220a(又は2つの弾性テザリングストラット220のそれぞれ)は、カプラ250を介して弁尖プロテーゼ230に結合されてもよい。したがって、少なくとも1つの弾性テザリングストラット220(又は2つの弾性テザリングストラット220)は、ステント210が少なくとも1つの弾性テザリングストラット220の一端220b(又は2つの弾性テザリングストラット220のそれぞれ)にあってもよく、弁尖プロテーゼ230が少なくとも1つの弾性テザリングストラット220の反対側の端部220a(又は2つの弾性テザリングストラット220のそれぞれ)にあってもよいように、ステント210と弁尖プロテーゼ230とを相互接続することができる。したがって、ステント210及び弁尖プロテーゼ230はそれぞれ、少なくとも1つの弾性テザリングストラット220の2つの端部220b、220a(又は2つの弾性テザリングストラット220のそれぞれ)にあってもよい。
【0089】
[0107]様々な実施形態によれば、少なくとも1つの弾性テザリングストラット220(又は2つの弾性テザリングストラット220)を曲げる又は屈曲させることにより、ステント210に対する弁尖プロテーゼ230の位置及び/又は向き及び/又は配置を変える又は調整する又は変更する又は変化させるように、ステント210に対して弁尖プロテーゼ230を移動させることができる。様々な実施形態によれば、少なくとも1つの弾性テザリングストラット120(又は2つの弾性テザリングストラット220)は、弁尖プロテーゼ230とステント210との間の相対動作の範囲を制限することができる。
【0090】
[0108]様々な実施形態によれば、人工弁インプラント200の張力付与ユニット240は、ステント210と弁尖プロテーゼ230との間に延在してもよい。したがって、ステント210は、張力付与ユニット240の一端にあってもよく、弁尖プロテーゼ230は、張力付与ユニット240の反対側の端部にあってもよい。したがって、ステント210及び弁尖プロテーゼ230は、それぞれ張力付与ユニット240の2つの端部にあってもよい。
【0091】
[0109]様々な実施形態によれば、張力付与ユニット240に引張力又は張力を加えることによって、張力付与ユニット240は、少なくとも1つの弾性テザリングストラット220(又は2つの弾性テザリングストラット220)を対応して曲げるように曲げられて、ステント210に対して弁尖プロテーゼ230を位置決め及び/又は配向するためにステント210に対して弁尖プロテーゼ230を移動させることができる。様々な実施形態によれば、少なくとも1つの弾性テザリングストラット220(又は2つの弾性テザリングストラット220)及び張力付与ユニット240は、弁尖プロテーゼ230をステント210に対して移動させるための対抗対として機能することができる。したがって、張力付与ユニット240は、ステント210に対して弁尖プロテーゼ230を移動させるために引張り力又は張力を加えることによって曲げられてもよく、引張り力又は張力の一部又は全部を張力付与ユニット240に解放すると、少なくとも1つの弾性テザリングストラット120(又は2つの弾性テザリングストラット220)は、それぞれ、動きを部分的又は完全に逆転させるか、又は弁尖プロテーゼ230を初期位置及び/又は向きに部分的又は完全に戻すための対抗力を提供することができる。
【0092】
[0110]様々な実施形態によれば、人工弁インプラント200の張力付与ユニット240の可撓性中空管242は、ステント210と弁尖プロテーゼ230との間に延在してもよい。したがって、可撓性中空管242は、ステント210から弁尖プロテーゼ230まで延伸していてもよい。したがって、ステント210は、可撓性中空管242の一端242bにあってもよく、弁尖プロテーゼ230は、可撓性中空管242の反対側の端部242aにあってもよい。したがって、ステント210及び弁尖プロテーゼ230は、それぞれ可撓性中空管242の2つの端部242b、242aにあってもよい。様々な実施形態によれば、可撓性中空管242の端部242bは、ステント210に連結されてもよい。様々な実施形態によれば、可撓性中空管242の端部242aは、カプラ250を介して人工弁インプラント200に接続されてもよい。
【0093】
[0111]様々な実施形態によれば、人工弁インプラント200の張力付与ユニット240の張力付与ワイヤ244は、可撓性中空管242を通って延在してもよい。したがって、可撓性中空管242は、張力付与ワイヤ244が可撓性中空管242内を通って延びるか又は延伸するために、ステント210と弁尖プロテーゼ230との間のトランキング又は導管又はダクトとして機能することができる。したがって、張力付与ワイヤ244の長さは、可撓性中空管242によって取り囲まれ又は封入されてもよい。
【0094】
[0112]様々な実施形態によれば、張力付与ワイヤ244の第1の端部244aは、可撓性中空管242の第1の端部242aと弁尖プロテーゼ230との間の接合部に固定されてもよい。したがって、張力付与ワイヤ244の第1の端部244aは、点又はノードにしっかりと取り付け又は固定されてもよく、それによって可撓性中空管242の第1の端部242a及び弁尖プロテーゼ230は、出会うか、収束するか、又は一緒になる。したがって、張力付与ワイヤ244の第1の端部244aは、可撓性中空管242の第1の端部242aに対して固定された配置とすることができる。様々な実施形態によれば、可撓性中空管242の第1の端部242aと弁尖プロテーゼ230との間の接合部は、カプラ250であってもよい。様々な実施形態によれば、張力付与ワイヤ244は、可撓性中空管242の第1の端部244aと弁尖プロテーゼ230との間で張力付与ワイヤ244の第1の端部242aをカプラ250に対して固定するように、可撓性中空管242に通されるか、通過されるか、挿入され得る。したがって、張力付与ワイヤ244の第1の端部244aは、カプラ250に、又はカプラ250に接続された可撓性中空管242の第1の端部242aに、又はカプラ250に接続された少なくとも1つの弾性テザリングストラット220の端部220a(又は2つの弾性テザリングストラット220のそれぞれ)に、又はカプラ250に接続された弁尖プロテーゼ230の一部に固定されてもよい。
【0095】
[0113]様々な実施形態によれば、張力付与ワイヤ244の第2の端部244bは、可撓性中空管242の第2の端部242bから延出することができる。したがって、張力付与ワイヤ244は、張力付与ワイヤ244の第2の端部244bに向かう張力付与ワイヤ244のセグメントが可撓性中空管242の外側で可撓性中空管242の第2の端部242bを越えて延伸することができるように、可撓性中空管242よりも長くてもよい。したがって、張力付与ワイヤ244の第2の端部244bは、可撓性中空管242の第2の端部242bから、可撓性中空管242に対する張力付与ワイヤ244の追加の長さと同等の程度だけ突出してもよい。様々な実施形態によれば、張力付与ワイヤ244の第2の端部244bは、ステント210に沿っていてもよい。様々な実施形態によれば、張力付与ワイヤ244の第2の端部244bは、張力付与ユニット240のロック部品246に結合されてもよい。様々な実施形態によれば、張力付与ユニット240のロック部品246は、ステント210に沿っていてもよい。
【0096】
[0114]様々な実施形態によれば、張力付与ワイヤ244の第2の端部244b(又はロック部品246)は、少なくとも1つの弾性テザリングストラット220(又は2つの弾性テザリングストラット220)を対応して屈曲させて弁尖プロテーゼ230をステント210に対して移動させるために、可撓性中空管242を屈曲させるべく可撓性中空管242の第2の端部242bから引き離されるように可撓性中空管242に対して引き抜き可能であってもよい。したがって、張力付与ワイヤ244の第2の端部244b(又はロック部品246)は、可撓性中空管242の第2の端部242bから離れる方向に引っ張られ得る。したがって、引張り力又は引張り力は、張力付与ワイヤ244に沿って張力を発生させるように張力付与ワイヤ244(又はロック部品246)の第2の端部244bに加えられてもよい。張力付与ワイヤ244の第1の端部244aはカプラ250に対して固定されているので、張力付与ワイヤ244の張力は可撓性中空管242を曲げる又は屈曲させることができる。可撓性中空管242の曲げ又は屈曲は、それに対応して、少なくとも1つの弾性テザリングストラット220(又は2つの弾性テザリングストラット220)を曲げる又は屈曲させることができる。可撓性中空管242及び少なくとも1つの弾性テザリングストラット220(又は2つの弾性テザリングストラット220)が曲げられた又は屈曲された状態で、可撓性中空管242の第2の端部242b及び少なくとも1つの弾性テザリングストラット220の端部220b(又は2つの弾性テザリングストラット220のそれぞれ)にカプラ250を介して接続された弁尖プロテーゼ230をステント210に対して移動させることができる。
【0097】
[0115]様々な実施形態によれば、引張力又は張力が部分的に又は完全に緩和されると、張力付与ワイヤ244の張力はそれぞれ低減又は解放され得る。したがって、少なくとも1つの弾性テザリングストラット220(又は2つの弾性テザリングストラット220)は、少なくとも1つの弾性テザリングストラット220(又は2つの弾性テザリングストラット220)の曲げ又は屈曲を部分的又は完全に反転させて直線に部分的又は完全に戻るように対抗力を提供することができる。少なくとも1つの弾性テザリングストラット220(又は2つの弾性テザリングストラット220)を曲げ解除又は屈曲解除させると、可撓性中空管242も曲げ解除又は屈曲解除され得る。可撓性中空管242及び少なくとも1つの弾性テザリングストラット220(又は2つの弾性テザリングストラット220)が曲げられていない又は屈曲されていない状態で、可撓性中空管242の第2の端部242b及び少なくとも1つの弾性テザリングストラット220の端部220bにカプラ250を介して接続された弁尖プロテーゼ230は、初期位置及び/又は向きを部分的又は完全に戻すことができる。様々な実施形態によれば、人工弁インプラント200を再配置又は回収するために、引張力又は張力の軽減又は解放が必要とされ得る。したがって、対抗力を提供する少なくとも1つの弾性テザリングストラット220(又は2つの弾性テザリングストラット220)を用いて、人工弁インプラント200の再配置及び/又は回収を可能にすることができる。
【0098】
[0116]様々な実施形態によれば、可撓性中空管242は、張力付与ワイヤ244に引張力又は張力を加えると可撓性中空管242が曲がる又は屈曲することができるように、必要な可撓性を提供するべく、図示のように、スロット付き管又はリブ付き管であってもよい。
【0099】
[0117]様々な実施形態によれば、可撓性中空管242は、方向性可撓性を有することができる。したがって、可撓性中空管242は、特定の方向に可撓性があってもよい。様々な実施形態によれば、可撓性中空管242は、引張り力又は引張り力を張力付与ワイヤ244に加えることにより、可撓性中空管242を常に所定の方向に曲げ又は屈曲させることができるように、所定の方向に可撓性があってもよい。
【0100】
[0118]様々な実施形態によれば、可撓性中空管242は、スパイン部分を形成するために、可撓性中空管242の第1の端部242aから可撓性中空管242の第2の端部242bまで連続的に延在する第1のセクタ242cを含むことができる。したがって、可撓性中空管242の第1のセクタ242cに沿った第1の長手方向壁部分は、可撓性中空管242の第1の端部242aから可撓性中空管242の第2の端部242bまで延在する連続した長手方向壁を形成するように、中断することなく連続していてもよい。連続した長手方向壁は、可撓性中空管242のバックボーン又はスパインとして機能することができる。
【0101】
[0119]様々な実施形態によれば、可撓性中空管242は、複数の離間したリブ242eが可撓性中空管242の第1の端部242aから可撓性中空管242の第2の端部242bまで規則的な間隔で並んで離間したリブ付き部分を形成する第2のセクタ242dを含むことができる。したがって、第2のセクタに沿った可撓性中空管242の第2の長手方向壁部分は、複数の離間したリブ242eから構成されてもよく、それによって、各リブ242eは、可撓性中空管242に対して横方向に配向されてもよく、複数の離間したリブ242eは、互いに平行であってもよい。したがって、各リブ242eは、連続した長手方向壁を有する可撓性中空管242の第1のセクタ242cの2つの長手方向側面にそれぞれ接合又は固定又は取り付け又は接続された2つの端部を有するC字形リンクに似ていてもよい。
【0102】
[0120]様々な実施形態によれば、第1のセクタ242cに沿った連続した長手方向壁及び第2のセクタ242dに沿った複数の離間したリブ242eを有する可撓性中空管242は、方向性可撓性を示し得る。様々な実施形態によれば、引張り力又は引張り力が張力付与ワイヤ244に加えられると、第2のセクタ242dに沿って離間された複数のリブ242eが互いに向かって潰れて、第1のセクタ242cに沿った連続的な長手方向壁を第2のセクタ242dに向かって屈曲又は屈曲させることができる。したがって、可撓性中空管242は、複数の離間したリブ242eを有する第2のセクタ242dに向かって常に曲がることができる。
【0103】
[0121]様々な実施形態によれば、可撓性中空管242の複数の離間したリブ242eは、可撓性中空管242の第2のセクタ242dに沿った複数の平行な横方向切断部又はスロットによって形成されてもよい。したがって、残りの切断されていない横方向部分は、それらの間に空きスペース又は隙間を有する複数の離間したリブ242eを形成することができる。したがって、引張り力又は張力が張力付与ワイヤ244に加えられると、複数の離間したリブ242eを形成する切断されていない横方向部分が一緒に倒れ得る。様々な実施形態によれば、複数の横方向切断部のそれぞれは、V字形又はU字形のカットセグメント242gを有することができる。
【0104】
[0122]
図5Aは、様々な実施形態による弁尖プロテーゼ230、カプラ250、少なくとも1つの弾性テザリングストラット220(又は2つの弾性テザリングストラット220)、及び張力付与ユニット240の組立図を示す。
図5Bは、様々な実施形態に係る
図5Aの分解図を示す。
図5Cは、様々な実施形態に係るカプラ250の拡大図を示す。様々な実施形態によれば、カプラ250は、ステント210を弁尖プロテーゼ230に接続し、弁尖プロテーゼ230の所定の又は所定の自由な動きを提供することができる。したがって、カプラ250は、ステント210から延伸している少なくとも1つの弾性テザリングストラット220(又は2つの弾性テザリングストラット220)を弁尖プロテーゼ230に接続することができる。
【0105】
[0123]様々な実施形態によれば、カプラ250は、ロックピン252(又はロックキー又はカプラピン)を含むことができる。様々な実施形態によれば、少なくとも1つの弾性テザリングストラット220の端部220aは、ピン孔222(又はキー孔もしくは孔)を含んでもよい。したがって、ロックピン252は、少なくとも1つの弾性テザリングストラット220の端部220aがカプラ250に挿入されたときに、少なくとも1つの弾性テザリングストラット220の端部220aのピン孔222にカプラ250を通じて挿入され得る。様々な実施形態によれば、ロックピン252は、少なくとも1つの弾性テザリングストラット220の端部220aでピン孔222との締まり嵌めを有してもよい。様々な実施形態によれば、弁尖プロテーゼ230の支持フレーム234は、一対のL字形接続脚236(又は傾斜脚)を含むことができる。様々な実施形態によれば、カプラ250のロックピン252は、弁尖プロテーゼ230の一対のL字形接続脚236がカプラ250に挿入されるときに、一対のL字形接続脚236の間に挿入され得るスペーサ部分252bを有することができる。したがって、カプラ250のロックピン252は、弁尖プロテーゼ230の一対のL字形接続脚236をカプラ250の2つの対向する側孔254にロックすることができる。
【0106】
[0124]様々な実施形態によれば、ロックピン252の形状又は構成は、構成要素、すなわちカプラ250、少なくとも1つの弾性テザリングストラット220の端部220a、及び弁尖プロテーゼ230の一対のL字形接続脚236の間の関係を、弁尖プロテーゼ230の動きのいくらかの自由度を可能にするように維持することができる。様々な実施形態によれば、弁尖プロテーゼ230の一対のL字形接続脚236が挿入されるカプラ250の第1の開口部251a及び側孔254のサイズ及び/又は寸法及び/又は位置を変えることによって、カプラ250の主軸線(又は長手方向軸線)を中心とした回転遊び(ねじれ遊び)と側孔254の孔軸線を中心とした回動遊びとの様々な組み合わせを達成することができる。
【0107】
[0125]様々な実施形態によれば、弁尖プロテーゼ230の支持フレーム234は、平坦なシートカッティングから作製されてもよく、又は円形断面を有するワイヤから作製されてもよい。様々な実施形態によれば、弁尖プロテーゼ230及び/又はカプラ250の支持フレーム234及び/又は少なくとも1つの弾性テザリングストラット220(又は2つの弾性テザリングストラット220)及び/又は張力付与ユニット240は、腐食及び早期摩耗を最小限に抑えることができるように金属間接触を防止するためにプラスチック材料で作られてもよい。
【0108】
[0126]様々な実施形態によれば、カプラ250は、弁尖プロテーゼ230を少なくとも1つの弾性テザリングストラット220の端部220aに結合することができる。様々な実施形態によれば、カプラ250は、弁尖プロテーゼ230を受け入れるための第1の接続端部250aと、少なくとも1つの弾性テザリングストラット220の端部220aを受け入れるための第2の接続端部250bとを含んでもよい。したがって、弁尖プロテーゼ230は、カプラ250の第1の接続端部250aに接続又は嵌合されてもよく、少なくとも1つの弾性テザリングストラット220の端部220aは、カプラ250の第2の接続端部250bに接続又は嵌合されてもよい。様々な実施形態によれば、カプラ250の主軸線は、第1の接続端部250aと第2の接続端部250bとの間に延びてもよい。様々な実施形態によれば、カプラ250は細長い形状であってもよく、第1の長手方向端部は第1の接続端部250であってもよく、第2の長手方向端部は第2の接続端部250bであってもよく、長手方向軸線はカプラ250の主軸線であってもよい。
【0109】
[0127]様々な実施形態によれば、弁尖プロテーゼ230は、カプラ250の主軸線の周りの回転遊び(又はねじれ遊び)及びカプラ250の主軸線に垂直な横軸線の周りの回動遊びを伴って、カプラ250の第1の接続端部250aに接続又は嵌合することができる。したがって、弁尖プロテーゼ230は、カプラ250の主軸線及びカプラ250の主軸線に垂直な横軸線を含む、カプラ250の2つの直交軸線の周りの回転及び/又は回動動作のためのいくらかの余裕を持って、カプラ250の第1の接続端部250aに接続又は嵌合することができる。したがって、弁尖プロテーゼ230は、カプラ250に対してある程度の回転及び/又は回動動作を有することができる。
【0110】
[0128]様々な実施形態によれば、弁尖プロテーゼ230の支持フレーム234は、互いに反対方向を指す足部236aを有する一対のL字形接続脚236を含むことができる。したがって、一対のL字形接続脚236は、足部236aをそれぞれ外側に向けた状態で互いに鏡像であってもよい。
【0111】
[0129]様々な実施形態によれば、カプラ250は、中空カプラ本体251を含むことができる。様々な実施形態によれば、中空カプラ本体251は、細長い形状であってもよい。様々な実施形態によれば、中空カプラ本体251は、第1の接続端部250aに第1の開口部251aを含んでもよい。弁尖プロテーゼ230は、一対のL字形接続脚236が第1の接続端部250aで第1の開口部251aに挿入された状態で、カプラ250に接続又は嵌合することができる。様々な実施形態によれば、中空カプラ本体251は、中空カプラ本体251の対向する壁部分に一対の側孔254を含むことができる。したがって、一対の側孔254は、互いに位置合わせされてもよい。様々な実施形態によれば、一対の側孔は、2つの貫通孔であってもよい。様々な実施形態によれば、一対の側孔254は、カプラ250の主軸線に垂直な横軸線と同軸であってもよい。したがって、一対の側孔254は、カプラ250の横軸線に整列されてもよい。
【0112】
[0130]様々な実施形態によれば、カプラ250の主軸線及び横軸線に垂直な高さ方向における第1の開口部251aの高さは、一対のL字形接続脚236の厚みよりも大きくてもよい。カプラ250の高さ方向と、カプラ250の主軸線と、カプラ250の横軸線とは、互いに直交していてもよい。したがって、第1の開口部251aの高さが一対のL字形接続脚236の厚さよりも大きいことにより、弁尖プロテーゼ230の一対のL字形接続脚236とカプラ250の第1の開口部251aとの間にある程度の遊びを設けることができる。
【0113】
[0131]様々な実施形態によれば、弁尖プロテーゼ230の一対のL字形接続脚236は、一対のL字形接続脚236の足部236aがカプラ250の一対の側孔254にそれぞれ嵌合された状態で、カプラ250の第1の接続端部250aの第1の開口部251aに挿入され得る。したがって、弁尖プロテーゼ230の一対のL字形接続脚236を第1の開口部251aに挿入し、一対のL字形接続脚236の足部236aを一対の側孔254に挿入して、弁尖プロテーゼ230弁尖プロテーゼ230をカプラ250に接続することができる。したがって、第1の開口部251aの高さが一対のL字形接続脚236の厚さよりも大きい場合、弁尖プロテーゼ230は、一対のL字形接続脚236(又は一対の側孔254)の足部236aの周りに回動遊びを有することができる。
【0114】
[0132]様々な実施形態によれば、一対の側孔254のそれぞれは、カプラ250の第1の接続端部250aにおける第1の開口部251aの高さ方向に平行なスロットであってもよい。したがって、スロットは、カプラ250の主軸線及び横軸線を含む平面に対して垂直に延在してもよい。一対の側孔254が垂直スロットである場合、弁尖プロテーゼ230は、カプラ250の主軸線の周りに回転遊び(又はねじれ遊び)を有することができる。
【0115】
[0133]様々な実施形態によれば、カプラ250の中空カプラ本体251は、第2の接続端部250bに第2の開口部251bを含んでもよい。少なくとも1つの弾性テザリングストラットは、少なくとも1つの弾性テザリングストラット220の端部220aが第2の接続端部250aで第2の開口部251aに挿入された状態でカプラ250に接続又は嵌合されてもよい。様々な実施形態によれば、カプラ250の中空カプラ本体251は、中空カプラ本体251の壁部分にピン孔252a(又はキー孔)を含むことができる。中空カプラ本体251の壁部分のピン孔252aは、少なくとも1つの弾性テザリングストラット220の端部220aのピン孔222に対応してもよく、ロックピン252に対応してもよい。したがって、ロックピン252は、少なくとも1つの弾性テザリングストラット220の端部220aがカプラ250内に挿入されるときに、中空カプラ本体251の壁部分のピン孔252aを通って少なくとも1つの弾性テザリングストラット220の端部220aのピン孔222内に挿入され得る。したがって、ロックピン252は、少なくとも1つの弾性テザリングストラット220をカプラ250にロックするために、カプラ250の中空カプラ本体251の対応するピン孔252aを通って、少なくとも1つの弾性テザリングストラット220の端部220aのピン孔222に挿入され得る。
【0116】
[0134]様々な実施形態によれば、ロックピン252は、スペーサ部分252bを有することができる。様々な実施形態によれば、ロックピン252のスペーサ部分252bは、弁尖プロテーゼ230の一対のL字形接続脚236の間に挿入されて、一対のL字形接続脚を離したままにして、カプラ250のカプラ本体251の一対の側孔254にそれぞれ嵌合された一対のL字形接続脚236の足部236aを保持することができる。様々な実施形態によれば、弁尖プロテーゼ230の一対のL字形接続脚236が中空カプラ本体251の第1の接続端部250aの第1の開口部251aに挿入され、少なくとも1つの弾性テザリングストラット220の端部220aが第2の接続端部250aの第2の開口部251aに挿入されると、一対のL字形接続脚236の足部236aは、中空カプラ本体251内の少なくとも1つの弾性テザリングストラット220の端部220aに当接し得る。したがって、ロックピン252が中空カプラ本体251内に挿入されると、ロックピン252の一部は、少なくとも1つの弾性テザリングストラット220の端部220aのピン孔222内に挿入されてもよく、ロックピン252のスペーサ部分252bは、弁尖プロテーゼ230の一対のL字形接続脚236の間に挿入されてもよい。
【0117】
[0135]様々な実施形態によれば、張力付与ユニット240の可撓性中空管242の第1の端部242aは、少なくとも1つの弾性テザリングストラット220の端部220aに結合されてもよい。様々な実施形態によれば、可撓性中空管242は、少なくとも1つの弾性テザリングストラット220の端部220aからステント210まで少なくとも1つの弾性テザリングストラット220に沿って延びていてもよい。様々な実施形態によれば、張力付与ユニット240の可撓性中空管242の第2の端部242bは、ステント210に連結されてもよい。様々な実施形態によれば、張力付与ユニット240の張力付与ワイヤ244の第1の端部244aは、少なくとも1つの弾性テザリングストラット220の端部220aに固定されてもよい。様々な実施形態によれば、張力付与ユニット240の張力付与ワイヤ244の第1の端部244aは、限定はしないが、結び目、結束、接合、又は溶接を含む様々な締結方法によって固定することができる。
【0118】
[0136]
図6Aは、様々な実施形態に係る、
図2の張力付与ユニット240の可撓性中空管242と人工弁インプラント200のステント210との間の接続を拡大して示す。
図6B~
図6Eは、様々な実施形態による張力付与ユニット240のロック部品246の動作の異なる段階を示す
図6Aの断面図を示す。
図6Fは、様々な実施形態に係るステント210の斜視図を示す。
図6Gは、様々な実施形態によるロック部品246を示すための
図6Fのステント210の切断図を示す。様々な実施形態によれば、張力付与ユニット250のロック部品246は、弁尖プロテーゼ230が配置され、ステント210が完全に展開された(又は解放された)後に、ステント210にロックし、張力付与ワイヤ244の張力の量を維持するように機能する。様々な実施形態によれば、ロック部品246及び可撓性中空管242は、
図6A~
図6Eに示されるようにステント210に取り付けられてもよい。
【0119】
[0137]図示のように、可撓性中空管242は、管支持体242f及び管コネクタ242gを介してステント210に取り付けられてもよい。また図示のように、ロック部品246は、ばね付勢式ロックピン246a、ロックハウジング246b、及びばね246cを含むことができる。様々な実施形態によれば、送達装置260の張力付与ロッド269は、ロック部品246に取り外し可能に結合されてもよい。
【0120】
[0138]
図6Aに示すように、段階Iでは、人工弁インプラント200及び送達装置260は、製造中に予め組み立てられてもよい。更に、
図6B~
図6Eの段階II~Vは、断面図によってステント210に沿った異なる位置にあるロック部品246を示している。
【0121】
[0139]
図6Bに示すように、段階IIでは、張力付与ロッド269は、ロックハウジング246bにねじ込まれ、ばね246cによって所定の位置に保持されたばね付勢式ロックピン246aに挿入されてもよい。ばね246cは、板ばねであってもよい。ばね246cは、
図6Bの段階IIで屈曲して示されていないことに留意されたい。しかしながら、実際の実装では、ばね246cは屈曲される。様々な実施形態によれば、この構成では、張力付与ロッド269及びロック部品246は、ステント210に沿って(又はステント210の軸線に平行な方向に)並進可能であってもよく(矢印602を参照)、張力付与ユニット240の可撓性中空管242の曲率の量を変更する。
【0122】
[0140]
図6Cに示されるように、段階IIIにおいて、張力付与ロッド269及びロック部品246は、張力付与ユニット240の可撓性中空管242の湾曲量を変更するために可撓性中空管242の第2の端部242bから離れるようにステント210に沿って並進されてもよい。
【0123】
[0141]
図6Dに示されるように、段階IVにおいて、張力付与ユニット240が所望の位置及び/又は向きにあると(すなわち、弁尖プロテーゼ230はTV内に配置されている)、張力付与ロッド269は、ばね付勢式ロックピン246aが張力付与ユニット240の張力を維持しながらステント210のスライダストラット214の孔214aと係合することを可能にするように部分的にねじが切られていてもよい。様々な実施形態によれば、張力付与ロッド269をロック部品246から切り離すために進む前に、ロック部品246が所定の位置にロックされているかどうかを確認するために、張力付与ロッド269に追加のテンション力又は引張力を加えることができる。
【0124】
[0142]
図6Eに示すように、段階Vでは、張力付与ロッド269をロック部品246から完全に外すことによって完全に切断することができる。様々な実施形態によれば、これにより、ステント210を人工弁インプラント200と共に完全に展開させ、送達装置260を取り外すことができる。様々な実施形態によれば、ばね246cは、ばね付勢式ロックピン246aをステント210のスライダストラット214と係合させたままにしてもよい。
【0125】
[0143]様々な実施形態によれば、ステント210は、スライダストラット214を含むことができ、張力付与ユニット240のロック部品246は、それらの間に隙間を有するスライダブラケット246dを有するロックハウジング246bを含むことができる。したがって、スライダストラット214は、ロック部品246がステント210のスライダストラット214と摺動係合することができるように、ロックハウジング246bとロック部品246のスライダブラケット246dとの間の隙間を通じて嵌合されるか、又は隙間を通じて挿入されてもよい。したがって、ロック部品246のロックハウジング246b及びスライダブラケット246dは、ステント210のスライダストラット214に沿って摺動可能であるように、ステント210のスライダストラット214を取り囲んでもよい。
【0126】
[0144]様々な実施形態によれば、ステント210のスライダストラット214は、複数のロック孔214aを含んでもよい。様々な実施形態によれば、スライダストラット214の複数のロック孔214aは、スライダストラット214に沿って長手方向に一定の間隔で並んでいてもよい。したがって、複数のロック孔214aは、スライダストラット214に沿って長手方向に直線列からなってもよい。様々な実施形態によれば、張力付与ユニット240のロック部品246のばね付勢式ロックピン246aは、スライダストラット214に対して垂直に向けられてもよい。したがって、ばね付勢式ロックピン246aの荷重方向は、スライダストラット214に対して垂直であってもよい。様々な実施形態によれば、ロック部品246は、ロック部品246をスライダストラット214に対して摺動させるために、ばね付勢式ロックピン246aをロックハウジング246b内の後退位置に保持するように動作可能であり得る。したがって、ばね付勢式ロックピン246aが後退位置にあるとき、ばね付勢式ロックピン246aは、ロック部品246がスライダストラット214に沿って摺動可能であり得るように、ロックハウジング240b内に完全に封入され得る。様々な実施形態によれば、ロック部品246は、ロック部品246をステント210のスライダストラット214にロックするために、ばね付勢式ロックピン246aを解放して、ロックハウジング246bから、スライダストラット214の複数のロック孔214aのうちの少なくとも1つと係合するための突出位置に突出させるように動作可能であってもよい。したがって、ばね付勢式ロックピン246aが突出位置にあるとき、ばね付勢式ロックピン246aの先端部は、ステント210のスライダストラット214に対する摺動に対してロック部品246をロックするために、スライダストラット214の複数のロック孔214aのうちの少なくとも1つに係合するか又は挿入されるように、ロックハウジング246bから突出していてもよい。
【0127】
[0145]様々な実施形態によれば、ばね付勢式ロックピン246aは、板ばねの形態のピン246e及びばね246cを含むことができ、ピン246eは、ばね246cの自由端に結合することができ、ばね246cの他端は、ロック部品246のロックハウジング246bに固定して結合することができる。したがって、ばね246cは、ピン246eを後退位置から突出位置に向かって押すための付勢力を提供することができる。したがって、ばね246cは、ステント210のスライダストラット214に垂直な方向にピン246eを付勢することができる。
【0128】
[0146]様々な実施形態によれば、突出位置では、ばね付勢式ロックピン246aは、ロックハウジング246bからスライダブラケット246dとロックハウジング246bとの間の隙間に突出することができる。したがって、ばね付勢式ロックピン246aは、ばね付勢式ロックピン246aが突出位置にあるときに、ばね付勢式ロックピン246aがロックハウジング246bから突出し、ロックハウジング246bとスライダブラケット246dとの間に延びるように、スライダブラケット246dと位置合わせされてもよい。したがって、ばね付勢式ロックピン246aは、スライダブラケット246dとロックハウジング246bとの間の隙間を横切って延在してもよい。したがって、ばね付勢式ロックピン246aは、ロック部品246をステント210のスライダストラット214にロックするために、ロックハウジング246bとスライダブラケット246dとの間のスライダストラット214の複数のロック孔214aのうちの1つを通って挿入又は嵌合されてもよい。
【0129】
[0147]
図7は、様々な実施形態に係る送達装置260(又は送達システムハンドル)を示す。様々な実施形態によれば、送達装置260は、人工弁インプラント200の準備及び移植中に複数の機能を提供することができ、必要に応じて回収を可能にする制御された移植を提供することができる。様々な実施形態によれば、送達装置260は、ノーズコーン262を含むことができる。ノーズコーン262は、人工弁インプラント200の所定の位置への送達を、例えばガイドワイヤを介してRA内に案内することができる。様々な実施形態によれば、送達装置260は、外側シース264を含んでもよい。外側シース264は、人工弁インプラント200を拘束することができ、内側カテーテル(図示せず)を囲むことができる。様々な実施形態によれば、送達装置260は、洗浄ポート266を含むことができる。洗浄ポート266は、送達装置260を生理食塩水で洗浄して、内側カテーテル及び人工弁インプラント200から全ての空気を除去することを可能にすることができる。様々な実施形態によれば、送達装置260は、制御ハンドル270(又はハンドル本体)を含むことができる。制御ハンドル270は、使用中に支持を提供することができる。様々な実施形態によれば、制御ハンドル270は、例えばダイヤル(又はシースダイヤル)の形態のシース制御インタフェース272(又はシース用のユーザ調整可能入力要素)を含むことができる。ダイヤルの形態のシース制御インタフェース272は、回転時に外側シース264を後退させ、人工弁インプラント200をゆっくりと露出させることができる。様々な実施形態によれば、制御ハンドル270は、例えば解放ボタンの形態の制限制御インタフェース274(又は制限を除去するためのユーザ調整可能入力要素)を含むことができる。制限制御インタフェース274が作動していないとき、外側シース264が完全に後退するのを制限又は防止することによって、人工弁インプラント200の偶発的な放出を防止することができる。制限制御インタフェース274を作動させる(又は解放ボタンを押す)ときにのみ、制限を解除することができ、外側シース264を完全に後退させて人工弁インプラント200を露出させることができる。様々な実施形態によれば、制御ハンドル270は、張力付与ユニット240に存在する張力の量の表示として視覚的指示又は表示を提供するための細長い窓275(又は張力窓)を含むことができる。様々な実施形態によれば、制御ハンドル270は、例えば張力付与ダイヤルの形態の張力制御インタフェース276(又は張力を制御するためのユーザ調整可能入力要素)を含むことができる。様々な実施形態によれば、張力制御インタフェース276は、回転時に張力付与ユニット240の張力の量を調整することができる。様々な実施形態によれば、制御ハンドル270は、解放ノブの形態の分離制御インタフェース278(又は送達装置260を分離するためのユーザ調整可能入力要素)を含むことができる。様々な実施形態によれば、分離制御インタフェース278は、人工弁インプラント200の張力付与ユニット240のロック部品246から送達装置260を分離することができる。様々な実施形態によれば、送達装置260は、ガイドワイヤ内腔内の空気のフラッシングを可能にするために、例えば制御ハンドル270にガイドワイヤルアー268を含んでもよい。
【0130】
[0148]
図8Aは、様々な実施形態に係る送達装置260の張力付与機構261を示すために張力付与ロッド269を有する制御ハンドル270の側面図を示す。
図8Bは、様々な実施形態に係る
図8Aの上面図を示す。
図8Cは、様々な実施形態に係る、
図8Bの円Aでマークされた機構の詳細を示す。
図8Dは、様々な実施形態に係る、
図8Aの円Bでマークされた機構の透視図を示す。
図8Eは、様々な実施形態に係る、
図8Bの円Cでマークされた張力付与ロッド269の第1の端部269aの詳細を示す。様々な実施形態によれば、張力付与機構261は、正確な量の張力を張力付与ロッド269に加え、ロック部品246を張力付与ロッド269から安全に切り離す方法を提供するように機能する。様々な実施形態によれば、張力付与機構261は、人工弁インプラント200の移植中及び移植後に弁尖プロテーゼ230の位置を維持する移植処置を容易にすることができる。
【0131】
[0149]様々な実施形態によれば、張力付与機構261は、送達装置260内に収容されてもよい。様々な実施形態によれば、張力付与機構261は、第1の端部269a(又は遠位端)及び第2の端部269b(又は近位端)を有する張力付与ロッド269と、張力付与ロッド管269cと、インジケータプレート263と、シャフトカップリング支持ブラケット284(又は張力板)と、リードスクリュー282(又は張力ドライバ)と、張力制御インタフェース276(又は張力ダイヤル)と、シャフトカップリング286(又は張力インタフェース)と、伝達シャフト288(又はギヤシャフト)と、解放ギヤアセンブリ290(又は解放ギヤ)と、分離制御インタフェース278(又は解放ノブ)とを含んでもよい。
【0132】
[0150]様々な実施形態によれば、張力付与ロッドサブアセンブリは、第1の端部269a(又は遠位端)及び第2の端部269b(又は近位端)を有する張力付与ロッド269と、張力付与ロッド管269cと、シャフトカップリング286(又は引張インタフェース)と、伝達シャフト288(又はギヤシャフト)と、解放ギヤアセンブリ290(又は解放ギヤ)と、分離制御インタフェース278(又は解放ノブ)とを含んでもよい。様々な実施形態によれば、伝達シャフト288は、シャフトカップリング286のスロット286e内で軸方向に摺動するピン288cを含むことができる。したがって、分離制御インタフェース278が回転すると、回転は張力付与ロッドサブアセンブリの全ての接続された構成要素を介して伝達される。したがって、張力付与ロッド269の第1の端部269aは、ロック部品246からねじ込まれていてもよく、又はねじ込まれていなくてもよい。
【0133】
[0151]様々な実施形態によれば、シャフトカップリング支持ブラケット284は、リードスクリュー282に取り付けられてもよい。更に、シャフトカップリング支持ブラケット284は、張力付与ロッド269の第2の端部269bに結合されてもよく、シャフトカップリング286が自由に回転できるようにしてもよい。したがって、張力制御インタフェース276が回転すると、リードスクリュー282は、張力付与ユニット240の張力を調整するために張力付与ロッド269のロッド軸線に沿って張力付与ロッド269を並進させるように、制御ハンドル270に沿って並進させることができる。
【0134】
[0152]様々な実施形態によれば、送達装置260の外側シース264は、外側シース264の第1の端部264a(又は遠位部分)内で人工弁インプラント200を圧縮して拘束することができる。したがって、人工弁インプラント200は、圧縮状態又は圧縮状態で送達装置260の外側シース264に嵌合して挿入され、外側シース264の第1の端部264a(又は遠位部分)に配置され得る。外側シース264の第1の端部264a(又は遠位部)は、患者に挿入されてもよい。
【0135】
[0153]様々な実施形態によれば、送達装置260の張力付与ロッド269は、外側シース264内に封入されてもよい。更に、張力付与ロッド269は、人工弁インプラント200の張力付与ユニット240の張力付与ワイヤ244の第2の端部244bに取り外し可能に結合された第1の端部269aを有することができる。例えば、張力付与ロッド269の第1の端部269aは、ロック部品246を介して張力付与ユニット240の張力付与ワイヤ244の第2の端部244bに連結されてもよい。したがって、張力付与ロッド269の第1の端部269aは、取り外し可能であるように、張力付与ユニット240のロック部品246及び張力付与ワイヤ244の第2の端部244bに接続されてもよい。
【0136】
[0154]様々な実施形態によれば、送達装置260は、外側シース264の第2の端部264b(又は近位部分)に制御ハンドル270を含むことができる。したがって、外側シース264の第2の端部264bは、制御ハンドル270に連結されてもよい。例えば、外側シース264の第2の端部264bは、制御ハンドル270内のシース後退機構に接続されてもよい。したがって、制御ハンドル270のシース後退機構は、制御ハンドル270に対して外側シース264を後退させることができる。
【0137】
[0155]様々な実施形態によれば、制御ハンドル270は、外側シース264の第2の端部264bに関連するシース制御インタフェース272を含むことができる。シース制御インタフェース272は、人工弁インプラント200を展開するために外側シース264を後退させるように動作可能であり得る。したがって、シース制御インタフェース272は、制御ハンドル270に対して外側シース264を後退させるために、外側シース264の第2の端部264bを制御ハンドル270内に更に移動させるように動作され得る。
【0138】
[0156]様々な実施形態によれば、制御ハンドル270は、張力付与ロッド269の第2の端部269bに関連付けられた張力制御インタフェース276を含むことができる。張力制御インタフェース276は、制御ハンドル270に対して張力付与ロッド269を後退又は伸長させるように動作可能であり得る。したがって、張力制御インタフェース276は、制御ハンドル270に対して張力付与ロッド269を後退又は伸長させるように、張力付与ロッド269の第2の端部269bを移動させるように動作され得る。様々な実施形態によれば、張力付与ロッド269の第1の端部269aがロック部品246を介して張力付与ワイヤ244の第2の端部244bに連結されているので、張力付与ロッド269を移動させることにより、張力付与ユニット240の可撓性中空管242に対する張力付与ワイヤ244の第2の端部244bを移動させて、可撓性中空管242の第2の端部242bからの張力付与ワイヤ244の第2の端部244bの変位を調整し、それに応じて可撓性中空管242の曲げの程度及び弁尖プロテーゼ230をステント210に対して位置決めするための少なくとも1つの弾性テザリングストラット220の曲げの程度を調整することができる。したがって、張力制御インタフェース276を動作させることにより、送達装置260の張力付与ロッド269を動かすことができ、これにより、次に人工弁インプラント200の張力付与ワイヤ244を動かして、張力付与ユニット240の可撓性中空管242及び少なくとも1つの弾性テザリングストラット220を曲げ又は屈曲させて、ステント210に対して弁尖プロテーゼ230を位置決めすることができる。
【0139】
[0157]様々な実施形態によれば、制御ハンドル270は、張力付与ロッド269の第2の端部269bに関連付けられた分離制御インタフェース278を含むことができる。分離制御インタフェース278は、人工弁インプラント200の張力付与ユニット240の張力付与ワイヤ244の第2の端部244bから張力付与ロッド269の第1の端部269aを分離又は取り外し又は切断するように動作可能であり得る。したがって、分離制御インタフェース278は、張力付与ロッド269の第1の端部269aが、張力付与ユニット240の張力付与ワイヤ244の第2の端部244bに固定されたロック部品246から分離又は取り外し又は切断することができるように動作されてもよい。
【0140】
[0158]様々な実施形態によれば、ばね付勢式ロックピン246a及びロックハウジング246bを有するロック部品246において、張力付与ロッド269の第1の端部269aは、ロック部品246のばね付勢式ロックピン246aと係合する保持要素269dを含むことができる。したがって、保持要素269dがロック部品246のばね付勢式ロックピン246aと係合すると、張力付与ロッド269の保持要素269dは、ばね付勢式ロックピン246aを後退位置に保持することができる。後退位置では、ばね付勢式ロックピン246aは、完全にロックハウジング246b内にあってもよい。様々な実施形態によれば、保持要素269dは、スライダストラット214と係合するためにばね付勢式ロックピン246aを解放するべく、ロック部品246のばね付勢式ロックピン246aから係合解除するように引き抜き可能であってもよい。したがって、保持要素269dは、ロック部品246をスライダストラット214にロックするためにスライダストラット214に係合するべく、ロック部品246のばね付勢式ロックピン246aが後退位置から突出位置に移動することができるように、ロック部品246のばね付勢式ロックピン246aから取り外すことができる。
【0141】
[0159]様々な実施形態によれば、張力付与ロッド269の第1の端部269aは、保持要素269dとして機能する挿入先端部269eを含むことができる。様々な実施形態によれば、保持要素269dは、挿入先端部269eの形態であってもよい。様々な実施形態によれば、挿入先端部269eは、ばね付勢式ロックピン246aを後退位置に保持するために、ばね付勢式ロックピン246aに対して垂直に挿入されてもよい。したがって、ばね付勢式ロックピン246aのピン246eは、横方向孔を含むことができる。張力付与ロッド269の挿入先端部269eは、ばね付勢式ロックピン246aが後退位置にあるときに、ばね付勢式ロックピン246aを後退位置に維持又は保持するように、ばね付勢式ロックピン246aのピン246eの横孔に挿入されてもよい。様々な実施形態によれば、張力付与ロッド269の挿入先端部269eは、スライダストラット214と係合するためにばね付勢式ロックピン246aを解放するために引き抜き可能であってもよい。したがって、張力付与ロッド269の挿入先端部269eは、ロック部品246をスライダストラット214にロックするためにスライダストラット214に係合するべく、ロック部品246のばね付勢式ロックピン246aのピン246eが後退位置から突出位置に移動することができるように、ロック部品246のばね付勢式ロックピン246aのピン246eの横孔から取り外すことができる。
【0142】
[0160]様々な実施形態によれば、張力付与ロッド269の第1の端部269aは、張力付与ロッド269の第1の端部269aをロック部品246に取り外し可能に連結するために、ロック部品246と係合する結合要素269fを含むことができる。様々な実施形態によれば、張力付与ロッド269の結合要素269fは、ロック部品246と取り外し可能に連結するように構成されてもよい。様々な実施形態によれば、張力付与ロッド269の第1の端部269aは、結合要素269fとして機能するねじ付きステム部269gを含むことができる。様々な実施形態によれば、ねじ付きステム部269gは、挿入先端部269eに隣接していてもよい。したがって、ねじ付きステム部269gは、張力付与ロッド269の第1の端部269aに沿って挿入先端部269eの隣にあってもよく、又はすぐ隣にあってもよい。様々な実施形態によれば、ねじ付きステム部269gは、張力付与ロッド269をロック部品246に取り外し可能に連結するように、ロック部品246のロックハウジング246bにねじ込まれてもよい。様々な実施形態によれば、ねじ付きステム部269gがロックハウジング246bにねじ込まれると、張力付与ロッド269の挿入先端部269eは、後退位置においてばね付勢式ロックピン246aに対して垂直に挿入され得る。したがって、ねじ付きステム部269gがロックハウジング246bにねじ込まれた状態で、張力付与ロッド269の挿入先端部269eを、ばね付勢式ロックピン246aのピン246eの横孔に挿入することができる。
【0143】
[0161]様々な実施形態によれば、ねじ付きステム部269gは、ロック部品246のロックハウジング246bに対して部分的にねじを緩めて、挿入先端部269eをばね付勢式ロックピン246aから引き抜き、ばね付勢式ロックピンを解放することができる。したがって、ねじ付きステム部269gがロック部品246のロックハウジング246bから部分的に緩められると、挿入先端部269eは、ばね付勢式ロックピン246aのピン246eが、ロック部品246をスライダストラット214にロックするためにスライダストラット214と係合するために後退位置から突出位置に移動され得るように、ばね付勢式ロックピン246aのピン246eの横孔から完全に引き抜かれ得る。ねじ付きステム部269gの一部がロックハウジング246bにねじ止めされたままであり、ねじ付きステム部269gの一部がロックハウジング246bにねじ止め又は係合していないとき、ねじ付きステム部269gは部分的にねじ止めされない。例えば、ねじ付きステム部269gの約半分がロックハウジング246bにねじ止めされたままであり、ねじ付きステム部269gの半分がロックハウジング246bにねじ止めされていないか又は外側にあるとき、ねじ付きステム部269gは部分的にねじを緩められてもよい。
【0144】
[0162]様々な実施形態によれば、ねじ付きステム部269gは、張力付与ロッド269の第1の端部269aをロック部品246から切り離すために、ロック部品246のロックハウジング246bから完全にねじを緩めることができる。ねじ付きステム部269gがロックハウジング246bから完全に緩められると、張力付与ロッド269は、それらがもはや互いに接触しないように、ロック部品246から完全に切り離され又は取り外され又は分離され得る。したがって、ねじ付きステム部269gがロック部品246のロックハウジング246bから完全に緩められると、ねじ付きステム部269gは、ロック部品246のロックハウジング246bの完全に外側にあり得る。
【0145】
[0163]様々な実施形態によれば、送達装置160の制御ハンドル270の張力制御インタフェース276は、回転可能なダイヤル276aであってもよい。回転可能なダイヤル276aは、制御ハンドル270を中心に回転可能であってもよい。様々な実施形態によれば、制御ハンドル270は、細長い形状であってもよい。したがって、回転可能なダイヤル276aは、制御ハンドル270の長手方向軸線を中心に回転可能であってもよい。様々な実施形態によれば、制御ハンドル270は、回転可能なダイヤル276aの回転動作を張力付与ロッド269の直線並進動作に変換するために、回転可能なダイヤル276aと張力付与ロッド269とを相互接続する回転-直線機構280を含むことができる。様々な実施形態によれば、回転-直線機構280は、回転可能なダイヤル276aを張力付与ロッド269の第2の端部269bに接続することができる。したがって、回転/直線機構280は、回転可能なダイヤル276aから回転入力を受け取ると、張力付与ロッド269の第2の端部269bを直線的に並進又は移動させることができる。
【0146】
[0164]様々な実施形態によれば、制御ハンドル270の張力制御インタフェース276として機能する回転可能なダイヤル276aは、雌ねじを含むことができる。したがって、雌ねじは、回転可能なダイヤル276aの内壁に沿っていてもよい。様々な実施形態によれば、回転-直線機構280は、雄ねじ山を有するリードスクリュー282を含むことができる。したがって、リードスクリュー282の雄ねじ山は、回転可能なダイヤル276aの雌ねじ山と係合することができる。様々な実施形態によれば、リードスクリュー282の雄ねじ山と回転可能なダイヤル276aの雌ねじ山との間の係合により、回転可能なダイヤル276aが制御ハンドル270の長手方向軸線の周りを回転すると、リードスクリュー282は制御ハンドル270の長手方向軸線に沿って並進又は直線的に移動することができる。したがって、回転可能なダイヤル276aの回転動作は、回転可能なダイヤル276aとリードスクリュー282との間のねじ係合によってリードスクリュー282の直線並進動作に変換され得る。様々な実施形態によれば、張力付与ロッド269の第2の端部269bは、張力付与ロッド269がリードスクリュー282と共に直線的に並進可能であり得るように、リードスクリュー282に結合されてもよい。したがって、張力付与ロッド269の第2の端部269bがリードスクリュー282に結合された状態で、リードスクリュー282の直線並進動作が張力付与ロッド269に付与され得る。
【0147】
[0165]様々な実施形態によれば、制御ハンドル270のインジケータプレート263は、回転-直線機構280のリードスクリュー282に固定して結合することができる。様々な実施形態によれば、制御ハンドル270の細長い窓275は、制御ハンドル270に対して長手方向に位置合わせされてもよい。様々な実施形態によれば、インジケータプレート263は、細長い窓275の下に配置されてもよい。したがって、リードスクリュー282が制御ハンドル270に沿って直線的に並進すると、インジケータプレート263は細長い窓275に沿って移動することができる。したがって、細長い窓275は、リードスクリュー282が制御ハンドル270の長手方向軸線に沿って直線的に並進するときにインジケータプレート263を見るためのものであってもよい。したがって、リードスクリュー282の直線移動は、細長い窓275を通るインジケータプレート263の動きを見ることによって観察することができる。張力付与ロッド269がロック部品246に連結され、回転可能なダイヤル276aが回転してリードスクリュー282を移動させて張力付与ロッド269を移動させて張力付与ユニット240に張力を付与すると、インジケータプレート263及び細長い窓275は、張力付与ユニット240に存在する張力の量の表示として視覚的表示又はディスプレイを提供することができる。
【0148】
[0166]様々な実施形態によれば、制御ハンドル270の分離制御インタフェース278は、ノブ278aであってもよい。ノブ278aは、制御ハンドル270内で長手方向に延びる伝達シャフト288に結合されてもよい。したがって、ノブ278aは、伝達シャフト288を回転させるように回転可能であってもよい。様々な実施形態によれば、伝達シャフト288の第1の端部288aはノブ278aに結合されてもよく、伝達シャフト288の第2の端部288bは張力付与ロッド269の第2の端部269bに結合されてもよい。したがって、伝達シャフト288の回転は、張力付与ロッド269のロッド軸線を中心に張力付与ロッド269を回転させるために、張力付与ロッド269に付与され得る。様々な実施形態によれば、張力付与ロッド269の第2の端部269bは、伝達シャフト288の第2の端部288bに同軸に結合されてもよい。様々な実施形態によれば、ノブ278aは、解放ギヤアセンブリ290を介して伝達シャフト288の第1の端部288aに結合されてもよい。様々な実施形態によれば、解放ギヤアセンブリ290は、2つ以上のギヤを含むことができる。例えば、解放ギヤアセンブリ290は、平行な回転軸線と並んで配置された少なくとも2つのギヤを含むことができる。
【0149】
[0167]様々な実施形態によれば、回転-直線機構280のリードスクリュー282は中空であってもよい。したがって、リードスクリュー282は、それを通って長手方向に延びる貫通チャネル282aを含むことができる。したがって、貫通チャネル282aは、長手方向端部から長手方向他端部までリードスクリュー282を長手方向に完全に貫通することができる。様々な実施形態によれば、制御ハンドル270は、シャフトカップリング286を含むことができる。シャフトカップリング286は、リードスクリュー282に囲まれるように配置されてもよい。したがって、シャフトカップリング286は、リードスクリュー282の貫通チャネル282aに導入することができる。したがって、シャフトカップリング286は、リードスクリュー282の貫通チャネル282a内へ延在する又は貫通チャネル282a内で延びることができる。様々な実施形態によれば、シャフトカップリング286は、リードスクリュー282の貫通チャネル282aを介して伝達シャフト288の第2の端部288bと張力付与ロッド269の第2の端部269bとを相互接続することができる。したがって、張力付与ロッド269、シャフトカップリング286、及び伝達シャフト288は、リードスクリュー282の貫通チャネル282aを通って延びるように互いに接続されてもよい。したがって、張力付与ロッド269、シャフトカップリング286及び伝達シャフト288が互いに連結されると、リードスクリュー282は、それらの連結の少なくとも一部を囲むことができる。
【0150】
[0168]様々な実施形態によれば、シャフトカップリング286は、第1の端部286a及び第2の端部286bを有する長尺本体286cを含むことができる。様々な実施形態によれば、シャフトカップリング186の長尺本体286cは、長尺本体286cの第1の端部286aから長尺本体286c内に長手方向に延びる孔286dを含むことができる。様々な実施形態によれば、シャフトカップリング186の長尺本体286cは、孔286dの壁286fに沿った長手方向スロット286eを含むことができる。したがって、長手方向スロット286dは、孔286dに平行であってもよく、孔286dの長さに沿って孔286dへのアクセスを提供することができる。様々な実施形態によれば、伝達シャフト288の第2の端部288bは、長尺本体286cの第1の端部286aから孔286dに挿入されてもよい。様々な実施形態によれば、伝達シャフト288の第2の端部288bは、伝達シャフト288の第2の端部288bから垂直に突出するピン288cを含んでもよい。様々な実施形態によれば、ピン288cは、摺動可能なピン-スロットジョイントを形成するために、長手方向スロット286eに突出又は嵌合又は挿入されてもよい。したがって、シャフトカップリング286と伝達シャフト288とは、互いに摺動可能に接続されてもよい。
【0151】
[0169]様々な実施形態によれば、張力付与ロッド269の第2の端部269bは、シャフトカップリング286の長尺本体286cの第2の端部286bに結合固定されてもよい。したがって、張力付与ロッド269は、シャフトカップリング286にしっかりと取り付けられるか、又はしっかりと締結され得る。したがって、シャフトカップリング286及び張力付与ロッド269を一緒に移動させることができる。
【0152】
[0170]様々な実施形態によれば、制御ハンドル270のシャフトカップリング支持ブラケット284は、リードスクリュー282の内壁面に固定されてもよい。したがって、リードスクリュー282とシャフトカップリング支持ブラケット284とをしっかりと取り付けるか、又はしっかりと締結することができる。様々な実施形態によれば、シャフトカップリング286は、シャフトカップリング286がロッド軸線を中心に張力付与ロッド269を回転させるためにシャフトカップリング286の長手方向軸線を中心に回転可能であるとともに、張力付与ロッド269がリードスクリュー282と共に直線的に並進可能であるように、リードスクリュー282に対してシャフトカップリング286の長手方向軸線に沿って移動不能であるように、シャフトカップリング支持ブラケット284を貫通して嵌合することができる。したがって、シャフトカップリング286は、シャフトカップリング286がその長手方向軸線を中心に回転可能であるが、シャフトカップリング支持ブラケット284に対してその長手方向軸線に沿って並進不能であるように、シャフトカップリング支持ブラケット284に結合される。
【0153】
[0171]様々な実施形態によれば、シャフトカップリング186の長尺本体286cは、より小さい直径のネック部286f又は周方向溝を含むことができる。シャフトカップリング支持ブラケット284は、シャフトカップリング186がシャフトカップリング支持ブラケット284の破断部又は開口部内でその長手方向軸線を中心に回転可能であるように、ネック部286f又は周方向溝の周りを回るべく、ネック部286f又はシャフトカップリング186の周方向溝に嵌合される破断部又は開口部を含むことができる。更に、シャフトカップリング支持ブラケット284の側面がシャフトカップリング186のネック部又は周方向溝の側壁に当接してもよいため、シャフトカップリング186は、シャフトカップリング支持ブラケット284に対してその長手方向軸線に沿って並進不能であってもよい。
【0154】
[0172]様々な実施形態によれば、人工弁インプラント200及び送達装置260を含む補綴インプラント送達システムが提供される。
【0155】
[0173]様々な実施形態では、送達システムは、弁尖プロテーゼをTVに対して調整し、弁尖プロテーゼの動きを制御してTRの減少を最大化し、また送達装置の取り外し時に弁尖プロテーゼの位置を維持する安全で制御された方法を提供する能力を備える。
【0156】
[0174]上記の開示は、当業者が本発明を実施できるようにする。本開示は、本発明の実施形態の開示を提供する。しかしながら、実施形態は、本発明を図示及び説明された正にその構造、寸法関係、及び動作に限定するものではない。当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく、修正、代替の構造、変更及び均等物を容易に想到し、適切に使用することができる。したがって、上記の説明及び例示は、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。したがって、本発明の範囲は、添付の記述によって示され、したがって、記述の等価の意味及び範囲内にある全ての変更が包含されることが意図される。
【国際調査報告】