(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-17
(54)【発明の名称】ヒータに対する電力供給を制御するエアロゾル生成装置及びその動作方法
(51)【国際特許分類】
A24F 40/50 20200101AFI20231010BHJP
A24F 40/51 20200101ALI20231010BHJP
A24F 40/53 20200101ALI20231010BHJP
A24F 40/57 20200101ALI20231010BHJP
A24F 40/60 20200101ALI20231010BHJP
【FI】
A24F40/50
A24F40/51
A24F40/53
A24F40/57
A24F40/60
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022561682
(86)(22)【出願日】2022-08-05
(85)【翻訳文提出日】2022-10-07
(86)【国際出願番号】 KR2022011690
(87)【国際公開番号】W WO2023033388
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】10-2021-0117105
(32)【優先日】2021-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イ、チェ ミン
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB12
4B162AC22
4B162AC37
4B162AD08
4B162AD18
4B162AD23
4B162AD32
(57)【要約】
一実施例によれば、エアロゾル生成装置は、エアロゾル生成物品を加熱するヒータ、エアロゾル生成物品が挿入される収容空間の静電容量変化に対応するセンシング信号を生成するセンサ、及びヒータ及びセンサと電気的に連結されるプロセッサを含み、プロセッサは、センサから獲得されたセンシング信号が既設定の範囲以内であるか否かを検出し、既設定の範囲以内であるセンシング信号に基づいてヒータに第1電力を供給することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成装置において、
エアロゾル生成物品を加熱するヒータと、
前記エアロゾル生成物品が挿入される収容空間の静電容量変化に対応するセンシング信号を生成するセンサと、
前記ヒータ及び前記センサと電気的に連結されるプロセッサと、を含み、
前記プロセッサは、
前記センサから獲得された前記センシング信号が既設定の範囲以内であるか否かを検出し、
前記既設定の範囲以内である前記センシング信号に基づいて、前記ヒータに第1電力を供給する、エアロゾル生成装置。
【請求項2】
前記第1電力は、前記ヒータ上に付着した異物が前記ヒータから分離されるように前記ヒータを既設定の温度まで加熱するための電力量である、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記センシング信号が前記既設定の範囲の最大値を超過する場合、前記ヒータに対する電力供給を遮断する、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記センシング信号が前記既設定の範囲の最小値未満である場合、前記ヒータに前記第1電力よりも低い第2電力を供給する、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項5】
前記第2電力は、前記エアロゾル生成物品を加熱する温度プロファイルに対応する電力量である、請求項4に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記センシング信号が前記既設定の範囲以内である場合、出力インターフェースを通じてお知らせを出力する、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項7】
前記お知らせは、視覚情報、触覚情報及び聴覚情報のうち、少なくとも1つを含む、請求項6に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、
前記出力されたお知らせに対応してユーザ入力が受信される場合、前記ヒータに前記第1電力を供給する、請求項6に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、
前記センシング信号が第1静電容量変化に対応する場合、前記ヒータに前記第1電力を供給し、
前記センシング信号が前記第1静電容量変化よりも小さい第2静電容量変化に対応する場合、前記ヒータに前記第1電力よりも高い第3電力を供給する、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項10】
前記センサは、金属薄膜によって形成される少なくとも1つ以上の電極を含む、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、
前記既設定の範囲以内で前記センシング信号が受信される場合、既定の時間後に前記ヒータに前記第1電力を供給する、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項12】
エアロゾル生成装置の動作方法において、
エアロゾル生成物品が挿入される収容空間の静電容量変化に対応するセンシング信号をセンサから獲得する段階と、
前記センシング信号が既設定の範囲以内であるか否かを検出する段階と、
前記既設定の範囲以内である前記センシング信号に基づいて、ヒータに第1電力を供給する段階と、を含む、方法。
【請求項13】
前記センシング信号が前記既設定の範囲の最大値を超過する場合、前記ヒータに対する電力供給を遮断する段階を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記センシング信号が前記既設定の範囲の最小値未満である場合、前記ヒータに前記第1電力よりも低い第2電力を供給する段階を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記センシング信号が第1静電容量変化に対応する場合、前記ヒータに前記第1電力を供給する段階と、
前記センシング信号が前記第1静電容量変化よりも小さい第2静電容量変化に対応する場合、前記ヒータに前記第1電力よりも高い第3電力を供給する段階を含む、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明による多様な実施例は、静電容量変化に基づいてヒータに対する電力供給を制御するエアロゾル生成装置及びその動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、一般的なシガレットの短所を克服する代替方法に係わる需要が増加している。例えば、シガレットを燃焼させてエアロゾルを生成する方法ではない、エアロゾル生成装置を用いてシガレットまたは、エアロゾル生成物質を加熱することでエアロゾルを生成するシステムに係わる需要が増加している。
【0003】
エアロゾル生成装置がエアロゾル生成物品(例えば、シガレット)を加熱する過程で異物が発生しうる。エアロゾル生成装置に異物が残っている状態で喫煙が遂行されれば、エアロゾル生成装置の性能が低下する。したがって、霧化量が減少し、エアロゾルの焦げ味が増加し、ユーザの喫煙満足感が低下しうる。これにより、ユーザは、周期的にエアロゾル生成装置を掃除しなければならない。
【0004】
ユーザは、クリーニングツール(例えば、クリーナ)を使用してエアロゾル生成装置を掃除することができる。また、ユーザは、加熱掃除方式でエアロゾル生成装置を掃除することができる。具体的に、ヒータを高温に加熱することで、ヒータに粘着されている異物を除去することができる。加熱掃除方式は、別途のクリーニングツールが不要なので、ユーザは、エアロゾル生成装置を容易に掃除することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
加熱掃除方式と係わって、ユーザは、エアロゾル生成装置を掃除するための適切な時期を知り難い。一般的に、加熱掃除方式は、ユーザの主観的な判断によって遂行されるか、エアロゾル生成装置が別途の充電装置(例えば、クレードル)に装着される場合に遂行される。すなわち、加熱掃除方式は、一般的に、エアロゾル生成装置の内部に生じた異物の量が考慮されずに遂行されうる。これにより、ユーザは、掃除状態が良好ではないエアロゾル生成装置を使用し、エアロゾル生成装置の性能は、急に低下しうる。
【0006】
本発明の実施例を通じて解決しようとする課題は、上述した課題に制限されるものではなく、言及されていない課題は、本明細書及び添付図面から実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施例におけるエアロゾル生成装置は、エアロゾル生成物品の少なくとも一部を加熱するヒータ、エアロゾル生成物品が挿入される収容空間の静電容量変化に対応するセンシング信号を生成するセンサ、並びにヒータ及びセンサと電気的に連結されるプロセッサを含み、プロセッサは、センサから獲得されたセンシング信号が既設定の範囲以内であるか否かを検出し、既設定の範囲以内であるセンシング信号に基づいてヒータに第1電力を供給する。
【0008】
一実施例におけるエアロゾル生成装置の動作方法は、エアロゾル生成物品が挿入される収容空間の静電容量変化に対応するセンシング信号をセンサから獲得する段階、センシング信号が既設定の範囲以内であるか否かを検出する段階、及び既設定の範囲以内であるセンシング信号に基づいてヒータに第1電力を供給する段階を含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明の多様な実施例によれば、静電容量変化に対応するセンシング信号に基づいて自動的にヒータに対する加熱掃除を遂行することで、エアロゾル生成装置の性能低下を防止することができる。
【0010】
また、本発明の多様な実施例によれば、ヒータがエアロゾルを生成するために高温に既に加熱された状態で掃除モードを行うことで、電力を節約し、ヒータの加熱掃除にかかる時間を縮めることができる。
【0011】
但し、実施例による効果が上述した効果に制限されるものではなく、言及されていない効果は、本明細書及び添付図面から実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】一実施例によるエアロゾル生成装置を示すブロック図である。
【
図2】一実施例によるエアロゾル生成装置が電力供給を制御する方式を示すフローチャートである。
【
図3A】一実施例によるエアロゾル生成装置の第1状態を示す例示図である。
【
図3B】
図3Aのエアロゾル生成装置がセンシング信号に基づいて電力を制御する方式を説明するための例示図である。
【
図4A】一実施例によるエアロゾル生成装置の第2状態を示す例示図である。
【
図4B】
図4Aのエアロゾル生成装置がセンシング信号に基づいて電力を制御する方式を説明するための例示図である。
【
図5】一実施例によるエアロゾル生成装置がセンシング信号に基づいて電力を制御する方式を説明するための例示図である。
【
図6】一実施例によってエアロゾル生成装置のディスプレイ状態を示す例示図である。
【
図7】他の実施例によってエアロゾル生成装置のディスプレイ状態を示す例示図である。
【
図8】他の実施例によるエアロゾル生成装置を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施例で使用される用語は、本開示の機能を考慮しながら、可能な限り、現在広く使用される一般的な用語を選択したが、これは、当分野に従事する技術者の意図または判例、新たな技術の出現などによっても異なる。また、特定の場合は、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合、当該発明の説明部分において、詳細にその意味を記載する。したがって、本発明で使用される用語は、単なる用語の名称ではない、その用語が有する意味と本発明の全般にわたる内容に基づいて定義されなければならない。
【0014】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、それは、特別に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいということを意味する。また、明細書に記載された「...部」、「...モジュール」などの用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、それは、ハードウェアまたはソフトウェアによって具現されるか、あるいはハードウェアとソフトウェアとの結合によっても具現される。
【0015】
本明細書で使用されたところのように、「少なくともいずれか1つの」のような表現が配列された構成要素の前にあるとき、配列されたそれぞれの構成ではない全体構成要素を修飾する。例えば、「a、b、及びcのうち、少なくともいずれか1つ」という表現は、a、b、c、またはaとb、aとc、bとc、またはaとbとcを含むと解釈しなければならない。
【0016】
一実施例において、エアロゾル生成装置は、内部空間に収容されるシガレットを電気的に加熱してエアロゾルを生成する装置でもある。
【0017】
エアロゾル生成装置は、ヒータを含む。一実施例において、ヒータは、電気抵抗性ヒータでもある。例えば、ヒータは、導電性トラック(track)を含み、導電性トラックに電流が流れれば、ヒータが加熱されうる。
【0018】
ヒータは、管状加熱要素、板状加熱要素、針状加熱要素または棒状加熱要素を含み、加熱要素の形状によってシガレットの内部または外部を加熱することができる。
【0019】
シガレットは、タバコロッド及びフィルタロッドを含む。タバコロッドは、シート(sheet)状にも、ストランド(strand)状にも作製され、タバコシートが細かく切られた刻みタバコによって作製されうる。また、タバコロッドは、熱伝導物質によって取り囲まれる。例えば、熱伝導物質は、アルミ箔のような金属箔でもあるが、それに制限されるものではない。
【0020】
フィルタロッドは、酢酸セルロースフィルタでもある。フィルタロッドは、少なくとも1つ以上のセグメントで構成されうる。例えば、フィルタロッドは、エアロゾルを冷却する第1セグメント及びエアロゾル内に含まれた所定の成分をフィルタリングする第2セグメントを含みうる。
【0021】
他の実施例において、エアロゾル生成装置は、エアロゾル生成物質を保有するカートリッジを用いてエアロゾルを生成する装置でもある。
【0022】
エアロゾル生成装置は、エアロゾル生成物質を保有するカートリッジ及びカートリッジを支持する本体を含む。カートリッジは、本体と着脱自在に結合されうるが、それに制限されるものではない。カートリッジは、本体と一体に形成されるか、組み立てられ、ユーザによって外されないように固定されうる。カートリッジは、内部にエアロゾル生成物質を収容した状態で本体に装着されうる。但し、それに制限されるものではなく、カートリッジが本体に結合された状態でカートリッジ内部にエアロゾル生成物質が注入されうる。
【0023】
カートリッジは、液体状態、固体状態、気体状態、ゲル(gel)状態などの多様な状態のうち、いずれか1つの状態を有するエアロゾル生成物質を保有する。エアロゾル生成物質は、液状組成物を含む。例えば、液状組成物は、揮発性タバコ香成分を含むタバコ含有物質を含む液体でもあり、非タバコ物質を含む液体でもある。
【0024】
カートリッジは、本体から伝達される電気信号または無線信号などによって作動することで、カートリッジ内部のエアロゾル生成物質の相(phase)を気相に変換してエアロゾルを発生させる機能を遂行することができる。エアロゾルは、エアロゾル生成物質から発生した蒸気化された粒子及び空気が混合された状態の気体を意味する。
【0025】
他の実施例において、エアロゾル生成装置は、液状組成物を加熱してエアロゾルを生成し、生成されたエアロゾルは、シガレットを通過してユーザに伝達されうる。すなわち、液状組成物から生成されたエアロゾルは、エアロゾル生成装置の気流通路に沿って移動し、気流通路は、エアロゾルがシガレットを通過してユーザに伝達されるように構成されうる。
【0026】
さらに他の実施例において、エアロゾル生成装置は、超音波振動方式を用いてエアロゾル生成物質からエアロゾルを生成する装置でもある。この際、超音波振動方式は、振動子によって発生する超音波振動でエアロゾル生成物質を霧化させることで、エアロゾルを発生させる方式を意味する。
【0027】
エアロゾル生成装置は、振動子を含み、振動子を通じて短周期の振動を発生させてエアロゾル生成物質を霧化させうる。振動子で発生する振動は、超音波振動でもあり、超音波振動の周波数帯域は、約100kHz~3.5MHz周波数帯域でもあるが、それに制限されるものではない。
【0028】
エアロゾル生成装置は、エアロゾル生成物質を吸収する芯をさらに含みうる。例えば、芯は、振動子の少なくとも一領域を取り囲むように配置されるか、または、振動子の少なくとも一領域と接触するように配置されうる。
【0029】
振動子に電圧(例えば、交流電圧)が印加されることにより、振動子から熱及び/または超音波振動が発生し、振動子から発生した熱及び/または超音波振動は芯に吸収されたエアロゾル生成物質に伝達されうる。芯に吸収されたエアロゾル生成物質は、振動子から伝達される熱及び/または超音波振動によって気相(phase)に変換され、その結果、エアロゾルが生成されうる。
【0030】
例えば、振動子から発生した熱によって芯に吸収されたエアロゾル生成物質の粘度が低くなり、振動子から発生した超音波振動によって粘度が低くなったエアロゾル生成物質が微粒子化されることで、エアロゾルが生成されうるが、それに制限されるものではない。
【0031】
他の実施例において、エアロゾル生成装置は、誘導加熱(induction heating)方式でエアロゾル生成装置に収容されるエアロゾル生成物品を加熱することで、エアロゾルを生成する装置でもある。
【0032】
エアロゾル生成装置は、サセプタ(susceptor)及びコイルを含む。一実施例において、コイルは、サセプタに磁場を印加することができる。エアロゾル生成装置からコイルに電力が供給されることにより、コイルの内部には、磁場が形成されうる。一実施例において、サセプタは、外部磁場によって発熱する磁性体でもある。サセプタがコイルの内部に位置し、磁場が印加されて発熱することで、エアロゾル生成物品が加熱されうる。また、選択的に、サセプタは、エアロゾル生成物品内に位置することができる。
【0033】
さらに他の実施例において、エアロゾル生成装置は、クレードル(cradle)をさらに含みうる。
【0034】
エアロゾル生成装置は、別途のクレードルと共に、システムを構成する。例えば、クレードルは、エアロゾル生成装置のバッテリを充電することができる。または、クレードルとエアロゾル生成装置とが結合された状態でヒータが加熱されうる。
【0035】
以下、添付図面に基づいて本発明の実施例について当該技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施可能なように詳細に説明する。本発明は、前述した多様な実施例のエアロゾル生成装置で具現可能な形態にも実施されるか、または様々な異なる形態にも具現されて実施されるが、ここで説明する実施例に制限されない。
【0036】
以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。
【0037】
図1は、一実施例によるエアロゾル生成装置を示すブロック図である。
【0038】
図1を参照すれば、エアロゾル生成装置100は、プロセッサ110、ヒータ120及びセンサ130を含む。一実施例によるエアロゾル生成装置100の構成要素がそれに制限されるものではなく、実施例によって他の構成要素が追加されるか、少なくとも1つの構成要素が省略されうる。
【0039】
一実施例において、ヒータ120は、エアロゾル生成物品の少なくとも一部を加熱することができる。例えば、ヒータ120は、プロセッサ110の制御下に電力が供給されることにより、エアロゾル生成物品の少なくとも一部を加熱することができる。前記エアロゾル生成物品の少なくとも一部は、エアロゾル生成物質及びタバコ物質のうち、少なくとも1つを含むタバコロッドを意味する。
【0040】
一実施例において、ヒータ120は、エアロゾル生成物品の内部に挿入されて加熱する内部加熱方式のヒータでもある。例えば、エアロゾル生成物品(例えば、シガレット)がエアロゾル生成装置100内の収容空間に挿入される場合、ヒータ120は、エアロゾル生成物品のタバコロッドを加熱するために、エアロゾル生成物品に挿入される尖っている端部を含むヒータブレード(heater blade)でもある。但し、本発明でのヒータ120は、内部加熱方式のヒータに制限されず、外部加熱方式、誘導加熱方式のような多様な方式のヒータでもある。
【0041】
一実施例において、エアロゾル生成物品に対する喫煙が終了すれば、ヒータ120の外面の少なくとも一部分には、異物が粘着されうる。この際、「異物」は、エアロゾル生成物品が加熱された後にヒータ120に付着されている有機化合物(例えば、タバコの灰)を意味する。例えば、ヒータ120が内部加熱方式のヒータブレードである場合、ヒータ120は、エアロゾル生成物品に含まれたエアロゾル生成物質及び/またはタバコ物質と隣接している間に加熱することができる。エアロゾル生成物品に含まれたタバコ物質が高温に加熱されることにより発生した異物は、加熱終了後にヒータ120の外面に粘着されうる。ヒータ120に粘着された異物の量は、エアロゾル生成物品の種類、状態、掃除周期などによって異なってもいる。
【0042】
一実施例において、センサ130は、静電容量変化を感知する静電容量センサでもある。例えば、センサ130は、エアロゾル生成物品が挿入される収容空間での静電容量変化を感知することができる。また、センサ130は、感知された静電容量変化に対応するセンシング信号を生成しうる。本発明において、「センシング信号」は、収容空間での静電容量変化に対応する電圧変化信号、周波数変化信号または充/放電時間の変化信号を意味する。
【0043】
一実施例において、プロセッサ110は、生成されたセンシング信号に基づいて多様なデータを獲得することができる。例えば、プロセッサ110は、センシング信号に基づいて、エアロゾル生成物品の除去如何に係わるデータ、収容空間内の異物有無に係わるデータ及び異物の量に係わるデータなどを獲得することができる。
【0044】
一実施例において、センサ130は、金属薄膜に形成される少なくとも1つの電極を含む。例えば、センサ130は、銅箔(copper foil)によって形成される少なくとも1つの電極を含みうる。
【0045】
一実施例において、プロセッサ110は、センサ130から獲得されたセンシング信号に基づいて、ヒータ120に電力を供給するが、これについては、後述する。
【0046】
図2は、一実施例によるエアロゾル生成装置が電力供給を制御する方式を示すフローチャートである。
【0047】
図2を参照すれば、エアロゾル生成装置(例えば、
図1のエアロゾル生成装置100)のプロセッサ(例えば、
図1のプロセッサ110)は、動作201において、センサ(例えば、
図1のセンサ130)から収容空間の静電容量変化に対応するセンシング信号を獲得する。収容空間は、エアロゾル生成物品が挿入されるように、エアロゾル生成装置100の一部に形成された空間を意味する。
【0048】
一実施例において、プロセッサ110は、センサ130から静電容量変化に対応するセンシング信号として電圧変化信号を獲得する。例えば、エアロゾル生成物品が収容空間から除去されることにより、収容空間での静電容量が第1変化量ほど減少すれば、プロセッサ110は、センサ130から前記第1変化量に対応する電圧変化信号を獲得することができる。獲得された電圧変化信号は、センサ130に対する充電電圧が減少することにより発生した電圧増加量に係わるデータを含みうる。
【0049】
他の実施例において、プロセッサ110は、センサ130から静電容量変化に対応するセンシング信号として周波数変化信号を獲得しうる。例えば、エアロゾル生成物品が収容空間から除去されることにより収容空間での静電容量が第1変化量ほど減少すれば、プロセッサ110は、センサ130から前記第1変化量に対応する周波数変化信号を獲得することができる。獲得された周波数変化信号は、センサ130と連結された発振回路で発振周波数が減少することにより発生した周波数増加量に係わるデータを含みうる。
【0050】
さらに他の実施例において、プロセッサ110は、センサ130から静電容量変化に対応するセンシング信号として、充/放電時間の変化信号を生成することができる。例えば、エアロゾル生成物品が収容空間から除去されることにより、収容空間での静電容量が第1変化量ほど減少すれば、プロセッサ110は、センサ130から前記第1変化量に対応する充/放電時間の変化信号を獲得する。獲得された充/放電時間の変化信号は、センサ130に対して充電時間が減少することによって(または、放電時間が増加することによって)発生した充/放電時間の増加量に係わるデータを含みうる。
【0051】
一実施例によれば、プロセッサ110は、動作203において、センシング信号が既設定の範囲以内であるか否かを検出する。例えば、センシング信号が電圧変化信号である場合、プロセッサ110は、センシング信号が既設定の電圧変化の範囲以内に該当するか否かを検出する。他の例として、センシング信号が周波数変化信号である場合、プロセッサ110は、センシング信号が既設定の周波数変化の範囲以内に該当するか否かを検出する。さらに他の例として、センシング信号が充/放電時間の変化信号である場合、プロセッサ110は、センシング信号が既設定の充/放電時間変化の範囲以内に該当するか否かを検出する。
【0052】
一実施例において、プロセッサ110は、メモリ(図示せず)に、センシング信号について既設定の範囲データを保存する。既設定の範囲データは、エアロゾル生成物品に対するユーザの喫煙終了後、ヒータ(例えば、
図1のヒータ120)に対する掃除モードを行うか否かの決定に用いられる。センシング信号が既設定の範囲以内に該当すれば、プロセッサ110は、ヒータ120に対する掃除モードを行うことができる。
【0053】
一実施例において、既設定の範囲データは、ヒータ120の掃除が必要な異物量に基づいて設定されうる。すなわち、既設定の範囲データは、ヒータ120の加熱掃除が必要であると判断される異物の量に基づいて、製造社によって予め設定されうる。一実施例において、プロセッサ110は、センサ130から獲得されたセンシング信号とメモリに保存された既設定の範囲データとを比較して、センシング信号が既設定の範囲以内に該当するか否かを検出することができる。
【0054】
例えば、エアロゾル生成物品が加熱された後にエアロゾル生成装置100から除去されれば、ヒータ120に粘着されている異物の量は、第1値(例えば、5g)でもある。センサ130は、エアロゾル生成物品が除去されることにより発生する収容空間の第1静電容量変化を感知する。ここで、第1静電容量変化は、収容空間にエアロゾル生成物品が存在する状態での静電容量と収容空間に第1値ほどの異物が存在する状態での静電容量との差を意味する。プロセッサ110は、センサ130から第1静電容量変化に対応する第1センシング信号を獲得することができる。プロセッサ110は、獲得された第1センシング信号とメモリに保存された既設定の範囲データとを比較して、第1センシング信号が既設定の範囲以内に該当することを検出することができる。
【0055】
他の例として、エアロゾル生成物品が加熱された後、エアロゾル生成装置100から除去されれば、ヒータ120に粘着されている異物の量は、前記第1値よりも小さい第2値(例えば、1g)でもある。センサ130は、エアロゾル生成物品が除去されることにより発生する第2静電容量変化を感知する。ここで、第2静電容量変化は、収容空間においてエアロゾル生成物品が挿入された状態での静電容量と収容空間に第2値ほどの異物が存在する状態での静電容量との差を意味する。プロセッサ110は、センサ130から第2静電容量変化に対応する第2センシング信号を獲得することができる。プロセッサ110は、獲得された第2センシング信号とメモリに保存された既設定の範囲データとを比較すれば、第2センシング信号が既設定の範囲以内に該当しないことを検出することができる。
【0056】
一実施例によれば、プロセッサ110は、動作205において、センサ130から獲得されたセンシング信号が既設定の範囲以内である場合、ヒータ120に第1電力を供給する。本発明において、「第1電力」は、ヒータ120から、ヒータ120上に付着された物質を分離することができる電力量を意味する。すなわち、「第1電力」は、ヒータ120上に付着された異物を除去するために、ヒータ120を既設定の温度(例えば、約450℃以上)に加熱するのに必要な電力量を意味する。
【0057】
図3Aは、一実施例によるエアロゾル生成装置の第1状態を示す例示図である。
【0058】
図3Aを参照すれば、エアロゾル生成装置100は、プロセッサ110、ヒータ120及びセンサ(例えば、
図1のセンサ130)を含む。センサ130は、収容空間140の静電容量変化を感知し、これにより、センシング信号を生成する2個の電極130a、130bを含む。前記2個の電極は、収容空間140の少なくとも一部分を取り囲むように配置されうる。但し、センサ130に含まれた電極の個数は、それに制限されない。例えば、センサ130は、収容空間140の少なくとも一部分を取り囲むように配置される1個の電極のみを含む。
【0059】
一実施例において、センサ130は、収容空間140の静電容量変化に対応するセンシング信号を生成しうる。例えば、エアロゾル生成物品150が収容空間140に挿入された状態である場合、2個の電極130a、130bの間には、第1静電容量C1が存在する。ここで、第1静電容量C1は、エアロゾル生成物品150の誘電率によって存在する。次いで、エアロゾル生成物品150が収容空間140から除去されれば、2個の電極130a、130bの間には、第2静電容量C2が存在する。第2静電容量C2は、エアロゾル生成物品150が除去されて残された異物152の誘電率によって存在しうる。一実施例において、センサ130は、第1静電容量C1と第2静電容量C2との差である静電容量変化Cに対応するセンシング信号を生成しうる。
【0060】
図3Aの異物152は、ヒータ120に粘着されている間に加熱されれば、エアロゾル生成装置100の性能を低下させるか、エアロゾルから焦げ味をもたらす多量の有機化合物を意味する。
【0061】
一実施例において、プロセッサ110は、センサ130から獲得されたセンシング信号に基づいてヒータ120に第1電力を供給することができる。前述したように、第1電力は、ヒータ120上に付着された物質がヒータ120から分離されるようにヒータ120に供給される電力量を意味する。
【0062】
例えば、センサ130から獲得されたセンシング信号は、2.2V減少を示す電圧変化信号でもあり、既設定の電圧変化の範囲は、約0.5V~3V範囲でもある。その場合、プロセッサ110は、センシング信号が既設定の範囲に該当するので、ヒータ120に第1電力を供給することができる。
【0063】
他の例として、センサ130から獲得されたセンシング信号は、1MHz減少を示す周波数変化信号でもあり、既設定の周波数変化の範囲は、約500KHz~2MHz範囲でもある。その場合、プロセッサ110は、センシング信号が既設定の範囲に該当するので、ヒータ120に第1電力を供給することができる。
【0064】
さらに他の例として、センサ130から獲得されたセンシング信号が1秒減少を示す充電時間変化信号(または、1秒増加を示す放電時間変化信号)でもあり、既設定の充/放電時間変化の範囲は、約0.2秒~1.5秒範囲でもある。その場合、プロセッサ110は、センシング信号が既設定の範囲に該当するので、ヒータ120に第1電力を供給することができる。
【0065】
一実施例において、ヒータ120が第1電力を供給されて高温(例えば、約450℃以上)に加熱されることにより、ヒータ120の外面に粘着された異物152は除去されうる。
【0066】
図3Bは、
図3Aのエアロゾル生成装置100がセンシング信号に基づいて電力を制御する方式を説明するための例示図である。
図3Bに係わる説明において、前述した内容と類似した内容は省略されうる。
【0067】
図3Bを参照すれば、エアロゾル生成物品(例えば、シガレット)の除去が検出(305)される前に、プロセッサ(例えば、
図3Aのプロセッサ110)は、ヒータ(例えば、
図3Aのヒータ120)に第2電力340を供給することができる。本発明において「第2電力340」は、エアロゾル生成物品を加熱する温度プロファイルに対応する電力量を意味する。例えば、センサ130から獲得されたセンシング信号310が既設定の範囲300の最小値未満である場合、プロセッサ110は、温度プロファイルによってエアロゾル生成物品(例えば、
図3Aのエアロゾル生成物品150)を加熱するために、ヒータ120に第2電力340を供給することができる。
【0068】
一実施例において、エアロゾル生成物品150の除去が検出(305)された後、プロセッサ110は、センシング信号320に基づいてヒータ120に第2電力340よりも高い第1電力330を供給することができる。本発明において、「第1電力330」は、ヒータ120上に付着された異物を除去するために、ヒータ120を既設定の温度に加熱するのに必要な電力量を意味する。例えば、センサ130から獲得されたセンシング信号320が既設定の範囲300以内に該当する場合、プロセッサ110は、ヒータ120に対する掃除モードを行うために、ヒータ120に第1電力330を供給することができる。
【0069】
図4Aは、一実施例によるエアロゾル生成装置の第2状態を示す例示図である。
図4Aに係わる説明において、類似した内容は省略されうる。
【0070】
図4Aを参照すれば、エアロゾル生成装置100は、プロセッサ110、ヒータ120及びセンサ(例えば、
図1のセンサ130)を含む。例えば、センサ130は、収容空間140の静電容量変化を感知し、これにより、センシング信号を生成する2個の電極130a、130bを含む。前記2個の電極は、収容空間140の少なくとも一部分を取り囲むように配置されうる。
【0071】
一実施例において、センサ130は、収容空間140の静電容量変化に対応するセンシング信号を生成しうる。例えば、エアロゾル生成物品150が収容空間140に挿入された状態である場合、2個の電極130a、130bの間には、第1静電容量C1が存在する。ここで、第1静電容量C1は、エアロゾル生成物品150の誘電率によって存在しうる。次いで、エアロゾル生成物品150が収容空間140から除去されれば、2個の電極130a、130bの間には、第3静電容量C3が存在する。ここで、第3静電容量C3は、エアロゾル生成物品150が除去され残された異物154の誘電率によって存在しうる。一実施例において、センサ130は、第1静電容量C1と第3静電容量C3との差である静電容量変化Cに対応するセンシング信号を生成しうる。
【0072】
図4Aの異物154は、ヒータ120に粘着されている間に加熱されても、エアロゾル生成装置100の性能を低下させるか、エアロゾルから焦げ味をもたらさないほどの少量の有機化合物でもある。
【0073】
一実施例において、プロセッサ110は、センサ130から獲得されたセンシング信号に基づいて、ヒータ120に対する電力供給を遮断することができる。
【0074】
例えば、センサ130から獲得されたセンシング信号が3.2V減少を示す電圧変化信号であり、既設定の電圧変化の範囲が約0.5V~3V範囲でもある。その場合、プロセッサ110は、センシング信号が既設定の範囲に該当しないので、ヒータ120に対する電力供給を遮断することができる。
【0075】
他の例として、センサ130から獲得されたセンシング信号が2.5MHz減少を示す周波数変化信号であり、既設定の周波数変化範囲が約500KHz~2MHz範囲でもある。その場合、プロセッサ110は、センシング信号が既設定の範囲に該当しないので、ヒータ120に対する電力供給を遮断することができる。
【0076】
さらに他の例として、センサ130から獲得されたセンシング信号が1.8秒減少を示す充電時間変化信号(または、1.8秒増加を示す放電時間変化信号)であり、既設定の充/放電時間変化の範囲が約0.2秒~1.5秒範囲でもある。その場合、プロセッサ110は、センシング信号が既設定の範囲に該当しないので、ヒータ120に対する電力供給を遮断することができる。
【0077】
図4Bは、
図4Aのエアロゾル生成装置がセンシング信号に基づいて電力を制御する方式を説明するための例示図である。
図4Bに係わる説明において、前述した内容と類似した内容は省略されうる。
【0078】
図4Bを参照すれば、エアロゾル生成物品(例えば、シガレット)の除去が検出(405)される前に、プロセッサ(例えば、
図4Aのプロセッサ110)は、ヒータ(例えば、
図4Aのヒータ120)に第2電力440を供給する。本発明において「第2電力440」は、エアロゾル生成物品を加熱する温度プロファイルに対応する電力量を意味する。例えば、センサ130から獲得されたセンシング信号410が既設定の範囲400の最小値未満である場合、プロセッサ110は、温度プロファイルによってエアロゾル生成物品(例えば、
図4Aのエアロゾル生成物品150)を加熱するために、ヒータ120に第2電力440を供給することができる。
【0079】
一実施例において、エアロゾル生成物品150の除去が検出(405)された後、プロセッサ110は、センシング信号420に基づいてヒータ120に対する電力供給を遮断することができる。例えば、センサ130から獲得されたセンシング信号420が既設定の範囲400の最大値を超過する場合、プロセッサ110は、ヒータ120の加熱動作を中断するために、ヒータ120に対する電力供給を遮断することができる。
【0080】
図5は、一実施例によるエアロゾル生成装置がセンシング信号に基づいて電力を制御する方式を説明するための例示図である。
図5に係わる説明において、前述した内容と類似した内容は省略されうる。
【0081】
図5を参照すれば、センサ(例えば、
図1のセンサ130)から獲得されたセンシング信号が既設定の範囲500以内に該当する場合、プロセッサ(例えば、
図1のプロセッサ110)は、獲得されたセンシング信号に対応する電力をヒータ(例えば、
図1のヒータ120)に供給することができる。
【0082】
一実施例において、エアロゾル生成物品(例えば、シガレット)の除去が検出(505)される前に、プロセッサ110は、ヒータ120に第2電力540を供給する。一実施例において、エアロゾル生成物品の除去が検出(505)された後、プロセッサ110は、ヒータ120に第2電力540よりも高い電力を供給することができる。
【0083】
例えば、センサ130から既設定の範囲500以内である第1センシング信号510が獲得されれば、プロセッサ110は、第1センシング信号510に対応する第1電力530をヒータ120に供給することができる。ここで、第1センシング信号510は、第1静電容量変化に対応するセンシング信号でもある。すなわち、第1センシング信号510は、収容空間においてエアロゾル生成物品が挿入された状態での静電容量と、第1値(例えば、5g)ほどの異物が存在する状態での静電容量との差である第1静電容量変化に対応するセンシング信号でもある。
【0084】
他の例として、センサ130から既設定の範囲500以内である第3センシング信号520が獲得されれば、プロセッサ110は、第3センシング信号520に対応する第3電力550をヒータ120に供給することができる。ここで、第3センシング信号520は、第3静電容量変化に対応するセンシング信号でもある。すなわち、第3センシング信号520は、収容空間においてエアロゾル生成物品が挿入された状態での静電容量と、第3値(例えば、6.5g)ほどの異物が存在する状態での静電容量との差である第3静電容量変化に対応するセンシング信号でもある。すなわち、センサ130から第3センシング信号520が獲得される場合、ヒータ120に粘着された異物の量は、第1センシング信号510が獲得される場合、ヒータ120に粘着された異物の量よりもさらに多い。したがって、第3センシング信号520に対応する第3電力550は、第1センシング信号510に対応する第1電力530よりも高い。
【0085】
図6は、一実施例によってエアロゾル生成装置のディスプレイ状態を示す例示図である。
【0086】
図6を参照すれば、エアロゾル生成装置100のプロセッサ(例えば、
図1のプロセッサ110)は、ディスプレイを介して、動作UI(user interface)を表示する。例えば、ユーザの喫煙間に、エアロゾル生成物品150がエアロゾル生成装置100で加熱されている場合、プロセッサ110は、ディスプレイを介して第1 UI画面600を表示する。第1 UI画面600は、エアロゾル生成物品150の残余パフ回数を示すUI画面でもある。
【0087】
一実施例において、エアロゾル生成物品150がエアロゾル生成装置100から除去される場合、プロセッサ110は、ディスプレイを介して第2 UI画面610を表示する。第2 UI画面610は、エアロゾル生成物品150が除去されることを示すアイコン及び/または文言(例えば、「シガレット除去」)などを含むUI画面でもある。
【0088】
一実施例において、エアロゾル生成物品150がエアロゾル生成装置100から除去された後、プロセッサ110は、センサ(例えば、
図1のセンサ130)から獲得されたセンシング信号に基づいてヒータ(例えば、
図1のヒータ120)に対する掃除モードを行うことができる。プロセッサ110は、ヒータ120に対する掃除モードを行うために、ヒータ120に第1電力を供給することができる。一実施例において、プロセッサ110は、ヒータ120に対して第1電力の供給を開始するとき、ディスプレイを介して第3 UI画面620を表示することができる。第3 UI画面620は、ヒータに対する掃除モードの開始を示すアイコンなどを含むUI画面でもある。
【0089】
一実施例において、プロセッサ110は、第2 UI画面610が表示された後、既定の時間が経過すれば、ディスプレイを介して第3 UI画面620を表示することができる。すなわち、プロセッサ110は、センサ130から既設定の範囲以内でセンシング信号が獲得されれば、既定の時間後にヒータ120に対する掃除モードを行うことができる。これを通じて、ユーザの誤りによってエアロゾル生成物品150がエアロゾル生成装置100から除去されても、所定の猶予時間を適用することで、ヒータ120に対する掃除モードの意図せぬ実行による電力消耗を防止することができる。
【0090】
図7は、他の実施例によってエアロゾル生成装置のディスプレイ状態を示す例示図である。
【0091】
図7を参照すれば、エアロゾル生成装置100のプロセッサ(例えば、
図1のプロセッサ110)は、ディスプレイを介して動作UI(user interface)を表示することができる。例えば、エアロゾル生成物品150がエアロゾル生成装置100から除去される場合、プロセッサ110は、ディスプレイを介して第4 UI画面700を表示することができる。第4 UI画面700は、
図6の第2 UI画面610と同一でもある。
【0092】
一実施例において、プロセッサ110は、センサ(例えば、
図1のセンサ130)から獲得されたセンシング信号に基づいてお知らせを出力する。例えば、プロセッサ110は、センサ130から獲得されたセンシング信号が既設定の範囲以内に該当する場合、出力インターフェース(例えば、ディスプレイ、モータ、スピーカなど)を通じてユーザにお知らせを出力する。この際、お知らせは、ディスプレイを介した視覚情報出力、モータを介した触覚情報出力及びスピーカを介した聴覚情報出力のうち、少なくとも1つを含む。
【0093】
一実施例において、プロセッサ110は、センサ130から獲得されたセンシング信号が既設定の範囲以内に該当する場合、ディスプレイを介して第5 UI画面710を表示する。第5 UI画面710は、ヒータ120の掃除が必要であることを示すアイコン及び/または文言(例えば、「ヒータ掃除必要」など)を含むUI画面でもある。第5 UI画面710は、上述した例示的なお知らせのうち、ディスプレイを介した視覚情報出力に該当する。
【0094】
一実施例において、プロセッサ110は、前記お知らせに対応してユーザ入力714を受信する。例えば、プロセッサ110は、エアロゾル生成装置100の一部に形成された物理的なボタン712を通じてユーザ入力714を受信することができる。
【0095】
一実施例において、物理的なボタン712を通じてユーザ入力714が受信される場合、プロセッサ110は、ディスプレイを介して第6 UI画面720を表示することができる。第6 UI画面720は、ヒータに対する掃除モードの開始を示すアイコンなどを含むUI画面でもある。例えば、第6 UI画面720は、
図6の第3 UI画面650と同一でもある。
【0096】
図8は、他の実施例によるエアロゾル生成装置を示すブロック図である。
【0097】
エアロゾル生成装置800は、制御部810、センシング部820、出力部830、バッテリ840、ヒータ850、ユーザ入力部860、メモリ870及び通信部880を含む。但し、エアロゾル生成装置800の内部構造は、
図8に図示されたところに制限されない。すなわち、エアロゾル生成装置800の設計によって、
図8に図示された構成のうち、一部が省略されるか、新たな構成がさらに追加されうることを本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解することができる。
【0098】
センシング部820は、エアロゾル生成装置800の状態またはエアロゾル生成装置800周辺の状態を感知し、感知された情報を制御部810に伝達する。制御部810は、前記感知された情報に基づいて、ヒータ850の動作制御、喫煙の制限、エアロゾル生成物品(例えば、シガレット、カートリッジなど)の挿入有無の判断、お知らせ表示のような多様な機能が遂行されるように、エアロゾル生成装置800を制御することができる。
【0099】
センシング部820は、温度センサ822、挿入感知センサ824及びパフセンサ826のうち、少なくとも1つを含んでもよいが、それに制限されない。
【0100】
温度センサ822は、ヒータ850(または、エアロゾル生成物質)が加熱される温度を感知する。エアロゾル生成装置800は、ヒータ850の温度を感知する別途の温度センサを含むか、ヒータ850自体が温度センサの役割を遂行することができる。または、温度センサ822は、バッテリ840の温度をモニタリングするようにバッテリ840の周囲に配置されたものでもある。
【0101】
挿入感知センサ824は、エアロゾル生成物品の挿入及び/または除去を感知する。例えば、挿入感知センサ824は、フィルムセンサ、圧力センサ、光センサ、抵抗性センサ、容量性センサ、誘導性センサ及び赤外線センサのうち、少なくとも1つを含み、エアロゾル生成物品が挿入及び/または除去されることによる信号変化を感知する。
【0102】
パフセンサ826は、気流通路または気流チャネルの多様な物理的変化に基づいてユーザのパフを感知することができる。例えば、パフセンサ826は、温度変化、流量(flow)変化、電圧変化及び圧力変化のうち、いずれか1つに基づいて、ユーザのパフを感知することができる。
【0103】
センシング部820は、前述したセンサ822~826以外に、温/湿度センサ、気圧センサ、地磁気センサ(magnetic sensor)、加速度センサ(acceleration sensor)、ジャイロスコープセンサ、位置センサ(例えば、GPS)、近接センサ、及びRGBセンサ(illuminance sensor)のうち、少なくとも1つをさらに含む。各センサの機能は、その名称から通常の技術者が直観的に推論することができるので、具体的な説明は省略されうる。
【0104】
出力部830は、エアロゾル生成装置800の状態に係わる情報を出力してユーザに提供しうる。出力部830は、ディスプレイ部832、ハプティック部834及び音響出力部836のうち、少なくとも1つを含むが、それらに制限されるものではない。ディスプレイ部832とタッチパッドがレイヤ構造をなしてタッチスクリーンで構成される場合、ディスプレイ部832は、出力装置以外に入力装置としても使用されうる。
【0105】
ディスプレイ部832は、エアロゾル生成装置800に係わる情報をユーザに視覚的に提供する。例えば、エアロゾル生成装置800に係わる情報は、エアロゾル生成装置800のバッテリ840の充/放電状態、ヒータ850の予熱状態、エアロゾル生成物品の挿入/除去状態またはエアロゾル生成装置800の使用が制限される状態(例えば、異常物品感知)などの多様な情報を意味し、ディスプレイ部832は、前記情報を外部に出力する。ディスプレイ部832は、例えば、液晶ディスプレイパネル(LCD)、有機発光ディスプレイパネル(OLED)などでもある。また、ディスプレイ部832は、LED発光素子形態でもある。
【0106】
ハプティック部834は、電気的信号を機械的な刺激または電気的な刺激に変換してエアロゾル生成装置800に係わる情報をユーザに触覚的に提供することができる。例えば、ハプティック部834は、モータ、圧電素子、または電気刺激装置を含みうる。
【0107】
音響出力部836は、エアロゾル生成装置800に係わる情報をユーザに聴覚的に提供する。例えば、音響出力部836は、電気信号を音響信号に変換して外部に出力することができる。
【0108】
バッテリ840は、エアロゾル生成装置800の動作に用いられる電力を供給することができる。バッテリ840は、ヒータ850が加熱されるように電力を供給する。また、バッテリ840は、エアロゾル生成装置800内に備えられた他の構成(例えば、センシング部820、出力部830、ユーザ入力部860、メモリ870及び通信部880)の動作に必要な電力を供給することができる。バッテリ840は、充電可能なバッテリであるか、使い捨てバッテリでもある。例えば、バッテリ840は、リチウムポリマ(LiPoly)バッテリでもあるが、それに制限されない。
【0109】
ヒータ850は、バッテリ840から電力を供給されてエアロゾル生成物質を加熱する。
図8に図示されていないが、エアロゾル生成装置800は、バッテリ840の電力を変換してヒータ850に供給する電力変換回路(例えば、DC/DCコンバータ)をさらに含む。また、エアロゾル生成装置800が誘導加熱方式でエアロゾルを生成する場合、エアロゾル生成装置800は、バッテリ840の直流電源を交流電源に変換するDC/ACコンバータをさらに含んでもよい。
【0110】
制御部810、センシング部820、出力部830、ユーザ入力部860、メモリ870及び通信部880は、バッテリ840から電力を供給されて機能を遂行する。
図8に図示されていないが、バッテリ840の電力を変換してそれぞれの構成要素に供給する電力変換回路、例えば、LDO(low dropout)回路または電圧レギュレータ回路をさらに含む。
【0111】
一実施例において、ヒータ850は、任意の適した電気抵抗性物質によって形成されうる。例えば、適した電気抵抗性物質は、チタン、ジルコニウム、タンタル、白金、ニッケル、コバルト、クロム、ハフニウム、ニオブ、モリブデン、タングステン、錫、ガリウム、マンガン、鉄、銅、ステンレス鋼、ニクロムなどを含む金属または金属合金でもあるが、それらに制限されない。また、ヒータ130は、金属熱線(wire)、導電性トラック(track)が配置された金属熱板(plate)、セラミック発熱体などによっても具現されるが、それらに制限されない。
【0112】
他の実施例において、ヒータ850は、誘導加熱方式のヒータでもある。例えば、ヒータ850は、コイルによって印加された磁場を通じて発熱して、エアロゾル生成物質を加熱するサセプタを含む。
【0113】
ユーザ入力部860は、ユーザから入力された情報を受信するか、ユーザに情報を出力する。例えば、ユーザ入力部860は、キーパッド(key pad)、ドームスイッチ(dome switch)、タッチパッド(接触式静電容量方式、圧力式抵抗膜方式、赤外線感知方式、表面超音波伝導方式、積分式張力測定方式、ピエゾ効果方式など)、ジョグホイール、ジョグスイッチなどがあり得るが、それらに制限されるものではない。また、
図8に図示されていないが、エアロゾル生成装置800は、USB(universal serial bus)インターフェースのような連結インターフェース(connection interface)をさらに含み、USBインターフェースのような連結インターフェースを通じて他の外部装置と連結して情報を送受信するか、バッテリ840を充電する。
【0114】
メモリ870は、エアロゾル生成装置800内で処理される各種データを保存するハードウェアであって、制御部810で処理されたデータ及び処理されるデータを保存することができる。メモリ870は、フラッシュメモリタイプ(flash memory type)、ハードディスクタイプ(hard disk type)、マルチメディアカードマイクロタイプ(multimedia card micro type)、カードタイプのメモリ(例えば、SDまたはXDメモリなど)、RAM( Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、ROM(Read-Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、PROM(Programmable Read-Only Memory)、磁気メモリ、磁気ディスク、光ディスクのうち、少なくとも1つのタイプの記録媒体を含む。メモリ870は、エアロゾル生成装置800の動作時間、最大パフ回数、現在パフ回数、少なくとも1つの温度プロファイル及びユーザの喫煙パターンに係わるデータなどを保存することができる。
【0115】
通信部880は、他の電子装置との通信のための少なくとも1つの構成要素を含む。例えば、通信部880は、近距離通信部882及び無線通信部884を含む。
【0116】
近距離通信部(short-range wireless communication unit)882は、ブルートゥース(登録商標)通信部、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)通信部、近距離無線通信部(Near Field Communication unit)、WLAN(Wi-Fi)通信部、ジグビー(Zigbee(登録商標))通信部、赤外線(IrDA, infrared Data Association)通信部、WFD(Wi-Fi Direct)通信部、UWB(ultra wideband)通信部、Ant+通信部などを含んでもよいが、それらに制限されない。
【0117】
無線通信部884は、セルラネットワーク通信部、インターネット通信部、コンピュータネットワーク(例えば、LANまたはWAN)通信部などを含んでもよいが、それらに制限されない。無線通信部884は、加入者情報(例えば、国際モバイル加入者識別子(IMSI)を用いて通信ネットワーク内でエアロゾル生成装置800を確認及び認証してもよい。
【0118】
制御部810は、エアロゾル生成装置800の全般的な動作を制御する。一実施例において、制御部810は、少なくとも1つのプロセッサを含む。プロセッサは多数の論理ゲートのアレイによっても具現され、汎用的なマイクロプロセッサと該マイクロプロセッサで実行されるプログラムが保存されたメモリの組合わせによっても具現される。また、他の形態のハードウェアによっても具現されるということを、本実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解することができる。
【0119】
制御部810は、バッテリ840の電力をヒータ850に供給することを制御するヒータ850の温度を制御する。例えば、制御部810は、バッテリ840とヒータ850との間のスイッチング素子のスイッチングを制御することで電力供給を制御することができる。他の例において、制御部810の制御命令によって加熱直接回路がヒータ850に対する電力供給を制御することもできる。
【0120】
制御部810は、センシング部820によって感知された結果を分析し、後続して遂行される処理を制御する。例えば、制御部810は、センシング部820によって感知された結果に基づいて、ヒータ850の動作が開始または終了されるように、ヒータ850に供給される電力を制御する。他の例として、制御部810は、センシング部820によって感知された結果に基づいて、ヒータ850が所定の温度まで加熱されるか、適切な温度を保持するように、ヒータ850に供給される電力量及び電力が供給される時間を制御することができる。
【0121】
一実施例において、制御部810は、センシング部820から静電容量変化に対応するセンシング信号を獲得し、獲得されたセンシング信号に基づいてヒータ850に供給される電力を制御する。例えば、獲得されたセンシング信号がメモリ870に既設定の範囲以内に該当する場合、制御部810は、ヒータ850に対する掃除モードを行うために第1電力を供給することができる。この際、第1電力は、ヒータ850に付着した異物を除去するために、ヒータ850を既設定の温度に加熱するのに必要な電力量を意味する。
【0122】
制御部810は、センシング部820によって感知された結果に基づいて、出力部830を制御する。例えば、パフセンサ826を通じてカウントされたパフ回数が既設定の回数に到逹すれば、制御部810は、ディスプレイ部832、ハプティック部834及び音響出力部836のうち、少なくとも1つを通じてユーザにエアロゾル生成装置800が直ぐ終了されることを予告する。
【0123】
一実施例は、コンピュータによって実行されるプログラムモジュールのようなコンピュータによって実行可能な命令語を含む記録媒体の形態にも具現されうる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータによってアクセスされる任意の可用媒体でもあり、揮発性及び不揮発性媒体、分離型及び非分離型媒体をいずれも含む。また、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記録媒体及び通信媒体をいずれも含む。コンピュータ記録媒体は、コンピュータ可読命令語、データ構造、プログラムモジュールまたはその他データのような情報の保存のための任意の方法または技術によって具現された揮発性及び不揮発性、分離型及び非分離型媒体をいずれも含む。通信媒体は、典型的にコンピュータ可読命令語、データ構造、プログラムモジュールのような変調されたデータ信号のその他データ、またはその他伝送メカニズムを含み、任意の情報伝達媒体を含む。
【0124】
上述した実施例に係わる説明は、例示的なものに過ぎず、当該技術分野で通常の知識を有する者であれば、これにより、多様な変形及び均等な他の実施例が可能であるという点を理解するであろう。したがって、発明の真の保護範囲は、請求範囲によって決定されねばならず、請求範囲に記載の内容と同等な範囲にある全ての相違点は、請求範囲によって決定される保護範囲に含まれると解釈されねばならない。
【国際調査報告】