(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-17
(54)【発明の名称】対向する圧潰チャネルを備えるロッカーアセンブリインサート
(51)【国際特許分類】
B62D 25/20 20060101AFI20231010BHJP
B60R 19/26 20060101ALN20231010BHJP
【FI】
B62D25/20 F
B60R19/26
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023514446
(86)(22)【出願日】2021-09-01
(85)【翻訳文提出日】2023-03-29
(86)【国際出願番号】 US2021048670
(87)【国際公開番号】W WO2023033820
(87)【国際公開日】2023-03-09
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591187162
【氏名又は名称】シェイプ・コープ
【氏名又は名称原語表記】SHAPE CORP.
【住所又は居所原語表記】1900 Hayes St., Grand Haven, Michigan 49417, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100221729
【氏名又は名称】中尾 圭介
(72)【発明者】
【氏名】カイパーズ、マシュー
(72)【発明者】
【氏名】チン、ジェフア
(72)【発明者】
【氏名】ラマムーシー、カンナン
【テーマコード(参考)】
3D203
【Fターム(参考)】
3D203AA02
3D203BB12
3D203CA25
3D203CA37
3D203CA40
3D203CA42
3D203CA43
3D203CA45
3D203CA57
3D203CB03
3D203CB07
(57)【要約】
車両ロッカーアセンブリは、外側シル部材と、内側シル部材であって、外側シル部材に沿って長手方向に取り付けられて、内側及び外側シル部材に沿って且つそれらの間に中空空間を画定する内側シル部材とを含む。管状インサートは、中空空間に沿って長手方向に延在するように中空空間内に配置される。管状インサートは、内部容積の対向する側における上壁及び下壁など、管状インサートの壁に沿って長手方向に延在する圧潰制御特徴部を有する。管状インサートは、外側シル部材における側面衝撃力に対して、圧潰制御特徴部で管状インサートを横方向に変形させてアコーディオン式の横方向の圧潰を提供して、側面衝撃力を吸収するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外側シル部材と、
内側シル部材であって、前記外側シル部材に沿って長手方向に取り付けられて、前記内側シル部材と前記外側シル部材との間に中空空間を画定する内側シル部材と、
前記中空空間内に配置され、且つ前記中空空間に沿って長手方向に延在する管状インサートであって、前記管状インサートの内部容積の対向する側の境界を定める上壁及び下壁を有する管状インサートと
を備える車両ロッカーアセンブリであって、
前記管状インサートの前記上壁又は前記下壁の少なくとも一方が、前記管状インサートに沿って長手方向に延在する圧潰チャネルを有し、
前記管状インサートが、前記外側シル部材における側面衝撃力に対して、前記圧潰チャネルにおいて前記管状インサートの横方向の変形を開始するように構成される、車両ロッカーアセンブリ。
【請求項2】
前記圧潰チャネルが前記管状インサートの前記内部容積内に突出する、請求項1に記載の車両ロッカーアセンブリ。
【請求項3】
前記上壁及び前記下壁が、前記内部容積の対向する側で前記それぞれの上壁及び下壁に沿って配置された前記圧潰チャネルをそれぞれ含む、請求項1に記載の車両ロッカーアセンブリ。
【請求項4】
前記圧潰チャネルが前記管状インサートの前記内部容積にわたって垂直方向に整列される、請求項3に記載の車両ロッカーアセンブリ。
【請求項5】
前記管状インサートの前記上壁及び下壁が互いに面が平行に整列して配置される、請求項3に記載の車両ロッカーアセンブリ。
【請求項6】
前記管状インサートが、
一緒に一体的に形成され且つ互いに横方向に隣接して配置された外側管状セクション及び内側管状セクションを備える、請求項1に記載の車両ロッカーアセンブリ。
【請求項7】
前記外側管状セクション及び前記内側管状セクションが、前記管状インサートの前記上壁及び下壁間に垂直に延在する共通の中央壁を共有する、請求項6に記載の車両ロッカーアセンブリ。
【請求項8】
前記外側管状セクションが、前記外側シル部材において取り付けられた外壁を含む、請求項6に記載の車両ロッカーアセンブリ。
【請求項9】
前記内側及び外側管状セクションが、前記内側及び外側管状セクションの前記それぞれの上壁及び下壁に沿って配置された圧潰チャネルをそれぞれ含む、請求項6に記載の車両ロッカーアセンブリ。
【請求項10】
前記管状インサートが、金属シートであって、その中に配置された外側管状セクション、内側管状セクション及び前記圧潰チャネルを有するように一体的に形成された金属シートを備える、請求項1に記載の車両ロッカーアセンブリ。
【請求項11】
内側シル部材に沿って取り付けられた外側シル部材を有するシル構造と、
前記外側シル部材と前記内側シル部材との間の中空内部に配置された補強インサートであって、一緒に一体的に形成され、且つ互いに横方向に隣接して配置された外側管状セクション及び内側管状セクションを備える補強インサートと、
前記補強インサートの壁に一体的に配置され、且つ前記補強インサートの長さに沿って長手方向に延在する圧潰制御特徴部と
を備える車両ロッカーアセンブリであって、
前記圧潰制御特徴部が、前記外側シル部材における側面衝撃力に対して、前記補強インサートをアコーディオン式の圧潰で横方向に変形させるように構成される、車両ロッカーアセンブリ。
【請求項12】
前記外側管状セクション及び前記内側管状セクションが、前記補強インサートの上壁及び下壁間に垂直に延在する、前記補強インサートの共通の中央壁を共有する、請求項11に記載の車両ロッカーアセンブリ。
【請求項13】
前記圧潰制御特徴部が、前記補強インサートの前記上壁に配置された第1の圧潰チャネルと、前記補強インサートの前記下壁に配置された第2の圧潰チャネルとを備える、請求項12に記載の車両ロッカーアセンブリ。
【請求項14】
前記第1及び第2の圧潰チャネルが前記補強インサートの内部容積にわたって鏡面配置される、請求項13に記載の車両ロッカーアセンブリ。
【請求項15】
前記補強インサートが、
金属シートであって、その中に配置された前記外側及び内側管状セクション並びに前記圧潰制御特徴部を有するように一体的に形成された金属シートを備える、請求項11に記載の車両ロッカーアセンブリ。
【請求項16】
前記管状インサートが、単一の一体部品として形成された前記外側及び内側管状セクション並びに前記圧潰制御特徴部を有するように長手方向に押し出される、請求項11に記載の車両ロッカーアセンブリ。
【請求項17】
前記管状インサートが溶接、留め具又は接着剤の少なくとも1つを介して前記シル構造の内面に固定される、請求項11に記載の車両ロッカーアセンブリ。
【請求項18】
外側シル部材と、
内側シル部材であって、前記外側シル部材に沿って長手方向に取り付けられて、前記内側シル部材と前記外側シル部材との間に中空空間を画定する内側シル部材と、
前記中空空間内に配置され、且つ前記中空空間に沿って長手方向に延在する管状インサートであって、一緒に一体的に形成され、且つ互いに横方向に隣接して配置された外側管状セクション及び内側管状セクションを備える管状インサートと
を備える車両ロッカーアセンブリであって、
前記外側管状セクション又は前記内側管状セクションの少なくとも一方が、前記それぞれの外側又は内側管状セクションの上壁及び下壁に配置された上部圧潰チャネル及び下部圧潰チャネルを含み、
前記上部及び下部圧潰チャネルが前記管状インサートに沿って長手方向に延在し、且つ前記外側シル部材における側面衝撃力に対して、前記管状インサートの横方向の変形を開始するように構成される、車両ロッカーアセンブリ。
【請求項19】
前記上部及び下部圧潰チャネルが、前記管状インサートの前記それぞれの外側及び内側管状セクション上で垂直方向に整列される、請求項18に記載の車両ロッカーアセンブリ。
【請求項20】
前記管状インサートの前記上壁及び下壁が互いに面が平行に整列して配置され、前記外側管状セクション及び前記内側管状セクションが、前記管状インサートの前記上壁及び下壁間に垂直に延在する共通の中央壁を共有する、請求項18に記載の車両ロッカーアセンブリ。
【請求項21】
外側シル部材と、
内側シル部材であって、前記外側シル部材に沿って長手方向に取り付けられて、前記内側及び外側シル部材に沿って且つそれらの間に中空空間を画定する内側シル部材と、
前記中空空間内に配置され、且つ前記中空空間に沿って長手方向に延在する管状インサートであって、前記管状インサートの内部容積の対向する側の境界を定める上壁及び下壁を有する管状インサートと
を備える車両ロッカーアセンブリであって、
前記管状インサートの前記上壁又は下壁の少なくとも一方が、前記管状インサートに沿って長手方向に延在する圧潰チャネルを有し、前記管状インサートが、前記外側シル部材における側面衝撃力に対して、前記圧潰チャネルで前記管状インサートを横方向に変形させてアコーディオン式の横方向の圧潰を提供して、前記側面衝撃力を少なくとも部分的に吸収するように構成される、車両ロッカーアセンブリ。
【請求項22】
前記圧潰チャネルが前記管状インサートの前記内部容積内に突出する、請求項21に記載の車両ロッカーアセンブリ。
【請求項23】
圧潰チャネルの対が、前記内部容積の対向する側で前記それぞれの上壁及び下壁に沿って配置される、請求項21に記載の車両ロッカーアセンブリ。
【請求項24】
前記圧潰チャネルの対が前記内部容積にわたって鏡面配置される、請求項23に記載の車両ロッカーアセンブリ。
【請求項25】
前記圧潰チャネルが前記管状インサートの前記内部容積にわたって垂直方向に整列される、請求項23に記載の車両ロッカーアセンブリ。
【請求項26】
前記管状インサートの前記圧潰チャネルが、前記外側シル部材における前記側面衝撃力下で同時に変形するように構成される、請求項21に記載の車両ロッカーアセンブリ。
【請求項27】
前記管状インサートの前記上壁及び下壁が互いに面が平行に整列して配置され、且つ前記外側及び内側シル部材から離間される、請求項23に記載の車両ロッカーアセンブリ。
【請求項28】
前記管状インサートが、一緒に一体的に形成され、且つ互いに横方向に隣接して配置された外側管状セクション及び内側管状セクションを備える、請求項21に記載の車両ロッカーアセンブリ。
【請求項29】
前記外側管状セクション及び前記内側管状セクションが、前記管状インサートの前記上壁及び下壁間に垂直に延在する共通の中央壁を共有する、請求項28に記載の車両ロッカーアセンブリ。
【請求項30】
前記管状インサートが、
前記外側シル部材に面し且つ前記管状インサートの前記上壁及び下壁間に一体的に相互接続された外壁を有する外側管状セクションを備える、請求項21に記載の車両ロッカーアセンブリ。
【請求項31】
前記外側及び内側シル部材の上部フランジ間に取り付けられたブラケットをさらに備え、
前記ブラケットが前記管状インサートに取り付けられ、且つ前記管状インサートを前記中空空間内で支持する、請求項21に記載の車両ロッカーアセンブリ。
【請求項32】
前記管状インサートが、前記外側及び内側シル部材の上部フランジ間に取り付けられるフランジを含み、
前記フランジが前記管状インサートを前記中空空間内で支持する、請求項21に記載の車両ロッカーアセンブリ。
【請求項33】
前記管状インサートが溶接、留め具又は接着剤の少なくとも1つを介して前記外側シル部材又は前記内側シル部材の内面に固定される、請求項21に記載の車両ロッカーアセンブリ。
【請求項34】
前記管状インサートが、共通の中央壁を共有する外側管状セクション及び内側管状セクションを有するように形成された金属シートを備え、
前記外側及び内側管状セクションが互いに横方向に隣接して配置される、請求項21に記載の車両ロッカーアセンブリ。
【請求項35】
前記管状インサートが、前記管状インサートの前記上壁及び下壁と一体的に相互接続する共通の壁を共有する外側管状セクション及び内側管状セクションを有するように長手方向に押し出される、請求項21に記載の車両ロッカーアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法第119条(e)の下、2020年9月1日に提出された米国仮特許出願第63/073,120号明細書に対する優先権を主張し、この先行出願の開示は、本出願の一部と見なされ、且つ参照により全体として本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、補強インサートを有するロッカー構造など、車両のためのロッカー及びシルアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
車両は、ユニボディフレームと一般に呼ばれる剛性のフレーム及びボディ構造を典型的に有する。車両フレーム及びボディ構造は、運転中に車両を支持し、保険要件並びに他の規制及び法的要件に従い、車室、トランク、エンジンルーム等への侵入距離を防止するためなど、特定のレベルの衝撃力を受け、且つ吸収するように設計される。車両のボディ又はフレームに使用される耐衝撃性補強及び構造ビームに関して、これらのビームは、剛性を高めるために内部インサートで補強され得ることが一般に知られている。ロッカーアセンブリは、ユニボディ車両フレームの下部に沿って長手方向に延在し、側面衝突の侵入を低減するためなど、剛性を高めるためにインサートを有することが知られている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、取り付けられた内側及び外側シル部材で形成された中空外部構造を含む、車両ボディフレームのためのロッカーアセンブリを提供する。補強インサートが中空外部構造の内部空間内に配置され、且つそれに沿って長手方向に延在する。補強インサートは、1つ又は複数の囲まれた管状セクションを有する管状形状を提供するためなど、ロッカーアセンブリの長さに沿って概ね一貫している断面輪郭を有する。補強インサートは、閉鎖された又は他の管状断面形状などの一貫した断面輪郭を有するようにロール成形、スタンピング又は押し出し成形され得る。側柱衝撃体など、外側シル部材に与えられる側面衝撃力からの衝撃エネルギー吸収を高めるために、補強インサートは、1つ又は複数の横方向圧潰制御特徴部を備える。圧潰制御特徴部は、側面衝撃力が管状インサートをアコーディオン式の横方向圧潰で横方向に変形させることなどにより、衝撃力を受けている間のロッカーアセンブリの横方向の圧縮及び変形を制御することを支援する。圧潰制御特徴部は、管状形状の内部容積に突出するためなど、補強インサートに沿って形成された圧潰チャネルとして提供され得る。圧潰チャネルは、側面衝撃力が圧潰チャネルで管状インサートを横方向に変形させ、アコーディオン式の横方向圧潰などの内向き又は外向き折り畳み変形を提供するために、補強インサートの囲まれた管状セクションの上壁及び下壁など、補強インサートの対向する側に配置され得る。
【0005】
本開示の一態様によれば、車両ロッカーアセンブリは、外側シル部材と、内側シル部材であって、外側シル部材に沿って長手方向に取り付けられて、内側及び外側シル部材に沿って且つそれらの間に中空空間を画定する内側シル部材とを含む。管状インサートは、中空空間に沿って長手方向に延在するように中空空間内に配置される。管状インサートは、管状インサートの内部容積の対向する側の境界を定める上壁及び下壁を有する。管状インサートの上壁及び/又は下壁は、管状インサートに沿って長手方向に延在する圧潰チャネルを有する。1つ又は複数の圧潰チャネルは、外側シル部材における側面衝撃力に対して、管状インサートを横方向に変形させてアコーディオン式の横方向の圧潰を提供して、側面衝撃力を少なくとも部分的に吸収するように構成される。
【0006】
本開示の実装形態は、以下の任意選択的な特徴の1つ又は複数を含み得る。いくつかの実装形態において、管状インサートは、一緒に一体的に形成され、且つ互いに横方向に隣接して配置された外側管状セクション及び内側管状セクションを含む。外側管状セクション及び内側管状セクションは、管状インサートの上壁及び下壁間に垂直に延在する共通の中央壁を共有し得る。いくつかの例では、外側管状セクションは、外側シル部材に面し、且つ管状インサートの上壁及び下壁間に一体的に相互接続された外壁を有する。
【0007】
いくつかの実装形態において、1つ又は複数の圧潰チャネルは、管状インサートの内部容積に突出し、2つ以上のチャネルで、内部容積の対向する側で上壁及び下壁に配置され得る。いくつかの例では、圧潰チャネルは、外側管状セクション又は内側管状セクションにおいてなど、管状インサートの内部容積にわたって鏡面配置(mirrored)され得る。他の例では、圧潰チャネルは、互いに垂直方向に互い違いに配置される。さらに、管状インサートの上壁及び下壁は、互いに面が平行に整列して配置され得るか、又はテーパ形状を有し得る。いくつかの例における圧潰チャネルは、上壁及び下壁に対して垂直など、外側管状セクションの内部容積にわたって垂直に整列される。管状インサートの圧潰チャネルは、外側シル部材における側面衝撃力下で同時に変形するように構成され得る。
【0008】
管状インサートの固定に関して、外側及び内側シル部材の上部フランジ間にブラケットを取り付けることができる。このブラケットは、中空空間内で管状インサートに取り付けられ、且つ管状インサートを支持する。いくつかの実装形態において、管状インサートは、外側及び内側シル部材の上部フランジ間に取り付けられるフランジも含む。フランジは、中空空間内で管状インサートを支持する。さらに、管状インサートは、溶接、留め具又は接着剤の少なくとも1つを介してなど、外側シル部材又は内側シル部材の内面において固定され得る。
【0009】
いくつかの例では、管状インサートは、共通の中央壁を共有する外側管状セクション及び内側管状セクションを有するように形成された金属シートを備える。外側及び内側管状セクションは、互いに横方向に隣接して配置される。代わりに、管状インサートは、管状インサートの上壁及び下壁と一体的に相互接続する共通の壁を共有する外側管状セクション及び内側管状セクションを有するように長手方向に押し出され得る。
【0010】
本開示の1つ又は複数の実装形態の詳細は、添付の図面及び以下の記載に示される。他の態様、特徴及び利点は、記載及び図面並びに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】ロッカーアセンブリの位置を概略的に示す、車両の輪郭の側面図である。
【
図2】ロッカーアセンブリ及び他の様々な構造ビームを示す、
図1の車両の上方斜視図である。
【
図4】
図3に示されるロッカーアセンブリの側面図である。
【
図4A】
図4の線A-Aで取られたロッカーアセンブリの断面図である。
【
図4B】
図4の線B-Bで取られたロッカーアセンブリの断面図である。
【
図5】ロッカーアセンブリの別の例の上面図である。
【
図6】
図5に示されたロッカーアセンブリの側面図である。
【
図6A】
図6の線A-Aで取られたロッカーアセンブリの断面図である。
【
図6B】
図6の線B-Bで取られたロッカーアセンブリの断面図である。
【
図7】ロッカーアセンブリのさらなる例の上面図である。
【
図8】
図7に示すロッカーアセンブリの側面図である。
【
図8A】
図8の線A-Aで取られたロッカーアセンブリの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
様々な図面における同様の参照符号は、同様の要素を示す。
【0013】
ここで、図面及びそれに描かれた例示的な実施形態を参照すると、
図1及び2に示されるものなどの車両100のボディ構造又はフレーム102のために、補強されたロッカーアセンブリ10が提供される。車両フレーム及び関連するロッカーアセンブリは、異なる形式及びタイプの車両向けなどの様々な設計及び構成を有し得る。例えば、
図1に示すように、車両100は、トラクションバッテリ又はバッテリモジュールなどのバッテリで車両の推進システムを少なくとも部分的に動作させ得る。このバッテリは、バッテリ重量を分散させ、車両の低重心を確立するために、車両100のアクスル間及び床付近に一般的に位置するバッテリトレイ104に支持され得る。
【0014】
例えば、
図3~4Bに示すように、車両ロッカーアセンブリ10は、ロッカーパネル又はセクションと呼ぶこともできる内側シル部材14及び外側シル部材16で形成される中空外部構造12を含む。内側シル部材14は、外側シル部材16に沿って長手方向に取り付けられ、内側及び外側シル部材14、16間に細長い中空空間18を画定する。外部構造12を形成する内側及び外側シル部材14、16は、内側及び外側シル部材14、16間の細長い中空空間18を取り囲む。補強インサート20は、外部ロッカー構造12の中空空間18内に配置され、中空空間18の少なくとも一部又は長手方向セクションに沿って長手方向に延在する。補強インサート20は、1つ又は複数の囲まれた管状部分を有する管状形状など、その長さに沿って概ね一貫している断面輪郭を有する。したがって、補強インサート20は、管状インサートと呼ばれ得る。
【0015】
補強インサート20は、側柱衝撃体によって与えられる力など、外側シル部材に与えられる側面衝撃力を受けるロッカーアセンブリ10の横方向圧縮及び変形を制御することにより、衝撃エネルギー吸収を増大させるための1つ又は複数の横方向圧潰制御特徴部を備える。例えば、
図3~4Aに示すように、圧潰チャネル22は、補強インサート20の対向する上側及び下側に沿って配置される。圧潰チャネル22は、補強インサート20がアコーディオンのように横方向に圧潰することを可能にするように配置される。このようなアコーディオン式の圧潰は、セクションがどのように圧潰するかを制御することにより、亀裂及び材料破損を制限することができる。圧潰チャネル22によって提供される制御された圧潰は、事象の後半で材料の積み重ねを追加し、全体としてより多くのエネルギー吸収にもつながる。
【0016】
開示されるロッカーアセンブリの補強インサートは、自動車及び他の車両のフレーム及び構造体など、他のタイプの構造ビームに組み込まれ得ることが企図される。補強インサートは、他の構造フレーム構成要素及びビームの様々なセクションで衝撃荷重を受け、そのような衝撃荷重を望ましい方法で吸収するように構成された衝撃エネルギー管理ビーム内で使用することもできる。例えば、
図2に示すように、車両100のフレーム102は、複数の構造ビームを有する。そのうちの1つ又は全ては、本明細書に記載するような内部補強材を備え得る。
【0017】
外部構造12を形成するために、内側シル部材14は、外側シル部材16の上部フランジ16aに沿って取り付けられた上部フランジ14aを有する。内側シル部材14は、外側シル部材16の下部フランジ16bに沿って取り付けられた内側シル部材14の下部フランジ14bも有する。このような内側及び外側シル部材14、16の取り付けは、直接接触する係合であり得るか、又は上部及び下部フランジ14a、14b、16a、16b間に挟まれたフランジ、プレート、ブラケットなどの仲介物を用いて間接的に取り付けられ得る。
図3~4Bに示すように、上部及び下部フランジ14a、14b、16a、16bは、それぞれの内側及び外側シル部材14、16の上縁及び下縁に沿って設けられる。上部及び下部フランジ14a、14b、16a、16bは、実質的に平坦でもあり、ロッカーアセンブリ10の長さのいくつかのセクションに沿って直接接触して取り付けられるために(
図4A)、また支持ブラケット62がフランジ間に配置されるいくつかの離散したセクションにおいて間接的に取り付けられるために(
図4B)など、概ね垂直方向の構成で向けられる。上部及び下部フランジ14a、14b、16a、16bは、溶接を介して一緒に取り付けられるが、ロッカーアセンブリの他の例では、溶接に加えて又はその代わりに、接着剤及び/又は機械的留め具を使用することができる。
図3に示す内側及び外側シル部材14、16は、鋼である。しかし、他の例は、鋼、アルミニウム及び/又は複合材料など、代替又は複数の材料を含み得ることが企図される。
【0018】
内側及び外側シル部材14、16の中間部分は、一般に、上部及び下部フランジ14a、14b、16a、16b間に設けられ、
図4A及び4Bに示す内側及び外側シル部材14、16の例示的なC字形断面など、概ね凹状の横断面形状を有する形状である。内側シル部材14の中間部分は、それぞれ概ね平面的な形状である上壁セクション24、最内壁セクション26及び下壁セクション28を有する。同様に、外側シル部材16の中間部分は、それぞれ概ね平面的な形状である上壁セクション30、最外壁セクション32及び下壁セクション34を有する。
図4A及び4Bに示すように、上壁セクション24、30は、対応する下壁セクション26、34に対して実質的に等しい長さを有する。また、上壁及び下壁セクション24、26、30、34は、水平方向から角度が付けられており、上壁及び下壁セクションの各組も同様に角度が付けられる。実質的に等しい長さ及び角度の結果として、
図4A及び4Bに示す上部及び下部フランジ14a、14b、16a、16bは、互いに垂直に整列する。
図8Aに示す例などの他の例では、外部構造の上部及び下部フランジは、互いにオフセットされ得る。内側及び外側パネル14、16の断面輪郭は、
図3~6に示す例に示されるものなど、ロッカーアセンブリの長さに沿って概ね一貫し得るか、
図7及び8の例に示されるように、ドアピラーの係合に対応するように長さに沿っていくつかの一貫していない特徴も有し得る。
【0019】
図3~4Bに示すように、補強インサート20は、細長い中空空間18内に配置され、内側シル部材14の全長に沿って長手方向に延在し、外側シル部材16の長さの一部に沿って延在する。他の例では、補強インサートは、外側シル部材及び内側シル部材の長さ内又はそれを越えてなど、中空外部構造の異なる長手方向範囲に沿って延在し得る。補強インサート20の圧潰制御特徴部は、補強インサート20の長さに沿って一貫して延在する圧潰チャネル22など、補強インサート20に一体的に形成され得る。
図4A及び4Bに示すように、圧潰チャネル22は、補強インサート20の両方の管状形状の内部容積36に突出する。しかしながら、1つ又は複数の圧潰チャネルが、内部容積から離れて補強インサートの上壁又は下壁に沿って外側に突出し得ることも企図される。
図4A及び4Bに示すように、圧潰チャネル22は、アコーディオン式の横方向の圧潰パターンを提供するためなど、側面衝撃力が圧潰チャネル22で補強インサート20を内側に横方向に変形するために、内部容積36の対向する側にも配置される。他の例では、単一の圧潰チャネルが提供され得るか、又は追加の圧潰チャネルが利用され得る。圧潰チャネルは、他の1つ又は複数の管状セクションに圧潰チャネルを設けることなく、外側管状セクションの上部及び下部壁に配置され得るか、又は代わりに、
図8Aに示すものなど、1つ又は複数の外側管状セクションに圧潰チャネルを設けることなく、内側管状セクションの上壁及び下壁に圧潰チャネルが配置され得る。
【0020】
いくつかの例における圧潰チャネルは、外側シル部材における側面衝撃力下で同時に変形するように構成される。例えば、
図4A及び4Bに示すように、圧潰チャネル22は、水平な側面衝撃力の向きに対して概ね垂直である整列で補強インサートの対向する側に配置される。このように、圧潰チャネル22は、水平方向の側面衝撃力の結果として最適化された圧潰のために互いに垂直方向に整列するように、外側及び内側管状セクションの内部容積にわたって鏡面配置され得る。他の例では、圧潰チャネルは、囲まれた内部容積にわたって互いに横方向に互い違いに配置されるか、又は圧潰チャネルが補強インサートの別々の管状セクションに配置された状態で互い違いに配置されるなど、互いに横方向に互い違いに配置され得る。
【0021】
補強インサート20は、補強インサート20の内部容積36の対向する側の境界を定める上壁38及び下壁40を有する。
図4A及び4Bに示すように、補強インサート20の上壁及び下壁38、40は、互いに面が平行に整列して配置される。他の例では、上壁及び下壁は、互いに向かって若しくは離れてテーパ若しくは角度が付けられ得るか、又はそれぞれの壁の幅に沿って湾曲若しくは丸みを帯びた移行部などの非平面形状を有し得る。補強インサート20の上壁及び下壁38、40は、内部容積36に突出し、内部容積36の対向する側でそれぞれの上壁及び下壁に沿って長手方向に延在する圧潰チャネル22をそれぞれ有する。再び、他の例において、1つ又は複数の圧潰チャネルは、内部容積から外側に突出し得る。
図4A及び4Bに同様に示されるように、補強インサート20は、一緒に一体的に形成され、且つ互いに横方向に隣接して配置された外側管状セクション42及び内側管状セクション44を含む。外側管状セクション42及び内側管状セクション44は、補強インサート20の上壁及び下壁38、40間に垂直に延在し、それぞれの外側及び内側管状セクション42、44の内部容積を分割する共通の中央壁46を共有する。
【0022】
図4A及び4Bにさらに示すように、補強インサート20の外側管状セクション42は、補強インサート20の上壁及び下壁38、40間に一体的に相互接続される外壁48を有する。外壁48は、外側シル部材16の最外壁セクション32に面し、最外壁セクション32に接触する。同様に、内側管状セクション44は、補強インサート20の上壁及び下壁38、40間に一体的に相互接続された内壁50を有する。内壁50は、内側シル部材14の最内壁セクション26に面し、最内壁セクション26に接触する。したがって、補強インサートは、
図4A及び4Bに示すように、内側シルと外側シルとの間の距離に密に嵌合するか又はそれを占有するようにサイズ決めされた内壁及び外壁間の横幅を有し得る。しかしながら、他の例では、補強インサートは、内側及び外側シル部材の一方のみに密に嵌合し、他方には隙間があるか、又は代わりに内側及び外側シル部材間の空間に浮かぶように両側に隙間があるように設計され得る。
図4A及び4Bに示す補強インサート20は、上壁セクション24、30及び下壁セクション28、34から離間されている。しかし、ロッカーアセンブリの外部構造内でアコーディオン形状に変形するためなど、ロッカーアセンブリの外側で横方向衝撃力を受けると内側に変形を引き起こす圧潰制御特徴部の能力に起因して、間隔が低減され得るか又は概ね排除され得ることも企図される。
【0023】
図3~4Bに示す管状インサート20を形成するために、金属シートは、共通の中央壁46を共有する、互いに横方向に隣接する外側管状セクション42及び内側管状セクション44を有するようにロール成形される。2つの隣接する管状セクションを形成する金属シートの外側セクションは、共通の中央壁46を形成する金属シートの中央セクションの対向する側から延在する。
図3~4Bにおいて向けられているように、2つの隣接する管状セクション14、16は、上壁52、54、下壁56、58、外壁48及び内壁50により、共通の中央壁46の対向する側に画定される。圧潰チャネル22は、上壁52、54及び下壁56、58において、金属シートにロール成形される。圧潰チャネル22は、対応する壁セクションの幅の約10%~40%(より好ましくは壁の幅の約20%~30%)の幅を有し、幅寸法にほぼ等しい深さを有する。
図4A及び4Bに示すように、示される圧潰チャネル20は、半円形状である。圧潰チャネルの深さ及びサイズは、所望の横方向圧潰特徴部のために浅く、より深く、より幅広く、より狭く又は他に修正され得ることも企図される。
【0024】
図4A及び4Bの補強インサートを形成するために使用される金属シートは、0.8mm~1.4mm又は約1mm~1.5mmの厚さを有する、先進高強度鋼(advanced high strength steel)(AHHS)などの鋼材である。シート12は、約800~2000MPa(すなわち約120~290ksi)の引張強度も有し得る。補強インサートは、異なる厚さを有するシートで作製され得、鋼、アルミニウム及び/又は複合材などの異なる材料の1つ又は組み合わせで作製され得ることも企図される。
【0025】
ロール成形されたシートを補強インサート20の管状形状に保持するために、シートの一方の縁60aは、中央壁46の下端に溶接を介して取り付けられ、他方の縁60bは、中央壁46の上端の近くの上壁52に溶接を介して取り付けられる。隣接する管状セクション42、44の上壁52、54及び下壁56、58は、補強インサートのそれぞれの上壁及び下壁38、40を形成するために互いに実質的に整列される。さらに、外壁及び内壁28、30は、互いに且つ共通の中央壁18と実質的に平行であり、上壁及び下壁20、22、24、26と概して垂直である。補強インサートの追加の例は、
図4A及び4Bに示されるものから様々な形状及び向きを取ることができ、インサートの異なる用途のためなど、代替的に寸法的な比率を含むことができる。
【0026】
補強インサートは、様々な方法で外部構造内に支持及び/又は取り付けられることができる。例えば、一連のブラケット62(
図4B)は、補強インサートの長さに沿って離間された外側及び内側シル部材14、16の上部及び下部フランジ14a、14b、16a、16b間に取り付けられる。
図4Bに示すように、ブラケット62は、中空空間18に補強インサート20を支持するために、上壁及び下壁38、40に取り付けられた内側部分64と、上部及び下部フランジ14a、14b、16a、16b間に溶接で取り付けられた外側部分66とを有するL字形状を有する。他の例では、補強インサートは、同様に又は代替的に、溶接、留め具及び/又は接着剤を介してなど、外側シル部材又は内側シル部材の内面に取り付けられ得る。
【0027】
図5~6Bを参照すると、補強インサート120は、中空空間118内に配置され、内側シル部材114全体に沿って長手方向に延び、外側シル部材116の一部分に沿って延在する。補強インサート120の圧潰チャネル122は、補強インサート120に一体的に形成され、補強インサート120の長さに沿って一貫して延在する。
図6A及び6Bに示すように、補強インサート120は、アルミニウム合金などで長手方向に押し出されて、補強インサート120の上壁及び下壁138、140間で一体的に相互接続する共通壁146を共有する外側管状セクション142及び内側管状セクション144を有する。補強インサート120の内部容積136の対向する側の境界を定める上壁138及び下壁140は、互いに面が平行に整列して配置される。圧潰チャネル122は、補強インサート120のそれぞれの管状形状の内部容積136内に延在するように、上壁及び下壁138、140に押し出される。
図6A及び6Bに示す圧潰チャネル122は、圧潰チャネルで補強インサートの横方向の圧潰を開始することを支援するためにV字形状を有する。圧潰チャネル122は、アコーディオン式の横方向圧潰パターンを提供するためなど、側面衝撃力が圧潰チャネル122で補強インサート120を内側に横方向に変形させるために、内部容積136の対向する側に配置される。
【0028】
図6A及び6Bに示すように、補強インサート120は、一体的に一緒に形成され、且つ互いに横方向に隣接して配置された外側管状セクション142及び内側管状セクション144を含む。圧潰チャネル122は、互いに垂直方向に整列するように、外側及び内側管状セクション142、144の内部容積136にわたって鏡面配置される。同様に
図6A及び6Bに示されるように、補強インサート120の外側管状セクション142は、補強インサート120の上壁及び下壁138、140間に一体的に相互接続される外壁148を有する。外壁148は、外側シル部材116の最外壁セクション132に面し、最外壁セクション132に接触する。同様に、内側管状セクション144は、補強インサート120の上壁及び下壁138、140間に一体的に相互接続された内壁150を有する。内壁150は、内側シル部材114の最内壁セクション126に面し、最内壁セクション126に接触する。
【0029】
外部構造112内で補強インサート120を支持するために、一連のブラケット162は、外側及び内側シル部材114、116の上部及び下部フランジ114a、114b、116a、116b間に取り付けられる。
図6Bに示すように、ブラケット162は、中空空間118に補強インサート120を支持するために、上壁及び下壁138、140に取り付けられた内側部分164と、上部及び下部フランジ114a、114b、116a、116b間に取り付けられた外側部分166とを有するL字形状を有する。ブラケットの補強インサート及び外部構造への取り付けは、ガルバニック腐食を防止する方法においてなど、溶接、留め具、接着剤及び/又は材料仲介物を用いて行うことができる。
【0030】
いくつかの実装形態では、補強インサートは、外側及び内側シル部材の上部フランジ間に取り付けられるフランジを含むこともできる。フランジは、ロッカーアセンブリの外部構造に取り付けられて、外部構造の中空空間内に管状インサートを支持する。
図8Aに示すように、補強インサート220は、圧潰可能インサート部分268から上方に一体的に延在する上部フランジ部分270と、圧潰可能インサート部分268から下方に一体的に延在する下部フランジ部分272とを含む。上部及び下部フランジ部分270、272は、パネル212、214の内側及び外側シル部材214、216の縁又はフランジのそれぞれの上部及び下部フランジ214a、214b、216a、216b間に取り付けられて、内側及び外側シル部材214、216に対して補強インサート220を固定する。例えば、フランジ部分は、第1及び第2のパネル214、216間にスポット溶接されるが、接着剤、機械的留め具又はそれらの組み合わせなど、代替の溶接方法又は異なる取り付け手段が使用され得る。他の実装形態では、補強インサートの一体型フランジは、車両フレーム又は他の構成要素部品に取り付けられるために使用され得る。
【0031】
図7~8Aをさらに参照すると、補強インサート220は、補強インサート220の長さに沿って長手方向に連続して延在するように、金属シートの一体セクションとして圧潰可能インサート部分268と、上部及び下部フランジ部分270、272とを提供するために金属シートからロール成形される。補強インサート220の上部及び下部フランジ部分270、272は、金属シートの縁部に設けられる。
図8Aに示すように、圧潰可能インサート部分268の壁セクションは、2つの隣接する管状セクション214、216を分割する共通の中央壁246、上壁252、254、下壁256、258、外壁248及び内壁250を含む。圧潰チャネル222は、上壁252、254及び下壁256、258において、金属シートにロール成形される。隣接する管状セクション242、244を囲むために上壁及び下壁に沿って溶接が形成された後、上部フランジ部分270は、上壁254から上方に延在し、下部フランジ部分272は、下壁256から下方に延在する。
【0032】
図8Aにさらに示すように、外側シル部材216の中間部分は、概して平面であり且つ垂直方向に向けられた最外壁セクション232と一体的に相互接続する、段差の付いた形状に形成される上壁セクション230を有する。最外壁セクション232は、水平の向きからわずかに角度が付けられた概ね平面の下壁セクション234と一体的に相互接続するように下方に延在する。上壁セクション230の段差の付いた形状は、内側シル部材214の上部において、内側及び外側シル部材214、216間の中空内部218にわたる距離を減少させる。
【0033】
同様に、本開示の目的のために、「上」、「下」、「右」、「左」、「後」、「前」、「垂直」、「水平」、「車内」、「車外」という用語及びそれらの派生語は、
図1に示される方向に関するものとする。しかしながら、反対に明示的に指定された場合を除き、様々な代替的な向きが提供され得ることが理解される。添付の図面に示され、本明細書に記載された特定の装置及びプロセスは、添付の特許請求の範囲で定義された発明的概念の単なる例示的な実施形態であることも理解されたい。したがって、本明細書に開示される実施形態に関する特定の寸法及び他の物理的特性は、特許請求の範囲に明示的に記載されない限り、限定的であると見なされない。
【0034】
具体的に記載された実施形態に対する変更形態及び修正形態は、特許法の原則に従って解釈される添付の請求項の範囲によってのみ限定されることが意図される本発明の原理から逸脱することなく実施され得る。本開示は、説明に役立つ方法で記載されており、使用された用語は、限定ではなく、記載の用語の性質内にあることを意図されることが理解されるであろう。本開示の多くの修正形態及び変形形態は、上記の教示に照らして可能であり、本開示は、具体的に記載された方法とは別の方法で実施され得る。
【国際調査報告】