(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-17
(54)【発明の名称】多方向ドアロック
(51)【国際特許分類】
E05F 7/00 20060101AFI20231010BHJP
E05B 47/00 20060101ALI20231010BHJP
E06B 7/28 20060101ALI20231010BHJP
【FI】
E05F7/00 F
E05B47/00 G
E06B7/28 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023519116
(86)(22)【出願日】2021-09-14
(85)【翻訳文提出日】2023-05-22
(86)【国際出願番号】 US2021050235
(87)【国際公開番号】W WO2022066469
(87)【国際公開日】2022-03-31
(32)【優先日】2020-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523097204
【氏名又は名称】アッサ・アブロイ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ラミ・アブエシュシェイク
(72)【発明者】
【氏名】シャノン・ペティ
(72)【発明者】
【氏名】アーロン・トレガー
(57)【要約】
いくつかの実施形態では、ドアが開いているか否かを決定する方法は、ドアのドアロックの向きを決定するステップと、ドアロックの向きに基づいて、ドアロックの2つ以上の近接センサのうちの少なくとも1つからの少なくとも1つの信号を分析するステップとを含むことができる。本方法は、少なくとも1つの信号の分析結果に少なくとも部分的に基づいて、ドアが開いているか否かを決定するステップを更に含むことができる。いくつかの実施形態では、ドア状態を決定する方法は、ドアのドアロック内に配置された第1の磁力計から第1の信号を受信するステップと、ドアのドアロック内に配置された第2の磁力計から第2の信号を受信するステップと、第1の信号と第2の信号の両方の評価の結果に基づいて、ドアに対する起こり得る攻撃を検出するステップとを含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアが開いているか否かを決定する方法であって、
前記ドアのドアロックの向きを決定するステップと、
前記ドアロックの向きに基づいて、前記ドアロックの2つ以上の近接センサのうちの少なくとも1つからの少なくとも1つの信号を分析するステップと、
前記少なくとも1つの信号の前記分析の結果に少なくとも部分的に基づいて、前記ドアが開いているか否かを決定するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記ドアロックの向きを決定するステップは、前記ドアロックの加速度計を用いて前記ドアロックの向きを決定するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ドアロックの向きを決定するステップは、ユーザインタフェースを介して受信され、前記ドアロックの向きに関連付けられた情報に従って決定するステップを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記ユーザインタフェースを介して受信され、前記向きに関連付けられた情報を、前記ドアロックとは別のコンピューティングデバイスから無線で受信するステップを更に含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ドアロックの前記向きに少なくとも部分的に基づいて前記少なくとも1つの信号を分析するステップは、前記ドアロックの前記向き及び前記2つ以上の信号の相対強度に少なくとも部分的に基づいて、前記2つ以上の近接センサから受信した2つ以上の信号を分析するステップを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記ドアロックの前記2つ以上の近接センサのうちの前記少なくとも1つからの前記少なくとも1つの信号を分析するステップは、前記ドアロックの2つ以上の磁気センサのうちの少なくとも1つからの少なくとも1つの信号を分析するステップを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記ドアロックの前記2つ以上の近接センサは、第1の近接センサと第2の近接センサとを備え
前記ドアロックの前記向きに基づいて前記少なくとも1つの信号を分析するステップは、前記ドアロックの前記2つ以上の近接センサによって出力される少なくとも2つの信号から第1の信号を選択するステップを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
実行されると、少なくとも1つのプロセッサに、ドアが開いているか否かを決定する方法を実行させる、符号化された実行可能命令を有する少なくとも1つの非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であって、前記方法は、
前記ドアのドアロックの向きを決定するステップと、
前記ドアロックの向きに基づいて、前記ドアロックの2つ以上の近接センサのうちの少なくとも1つからの少なくとも1つの信号を分析するステップと、
前記少なくとも1つの信号の前記分析の結果に少なくとも部分的に基づいて、前記ドアが開いているか否かを決定するステップと、
を含む、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項9】
前記ドアロックの向きを決定するステップは、前記ドアロックの加速度計を用いて前記ドアロックの向きを決定するステップを含む、請求項8に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項10】
前記ドアロックの向きを決定するステップは、ユーザインタフェースを介して受信され、前記ドアロックの向きに関連付けられた情報に従って決定するステップを含む、請求項8または9に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項11】
前記方法が、前記ユーザインタフェースを介して受信され、前記向きに関連付けられた情報を、前記ドアロックとは別のコンピューティングデバイスから無線で受信するステップを更に含む、請求項10に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項12】
前記ドアロックの前記向きに少なくとも部分的に基づいて前記少なくとも1つの信号を分析するステップは、前記ドアロックの前記向き及び前記2つ以上の信号の相対強度に少なくとも部分的に基づいて、前記2つ以上の近接センサから受信した2つ以上の信号を分析するステップを含む、請求項8~11のいずれか一項に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項13】
前記ドアロックの前記2つ以上の近接センサのうちの前記少なくとも1つからの前記少なくとも1つの信号を分析するステップは、前記ドアロックの2つ以上の磁気センサのうちの少なくとも1つからの少なくとも1つの信号を分析するステップを含む、請求項8~12のいずれか一項に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項14】
前記ドアロックの前記2つ以上の近接センサは、第1の近接センサと第2の近接センサとを備え、
前記ドアロックの前記向きに基づいて前記少なくとも1つの信号を分析するステップは、前記ドアロックの前記2つ以上の近接センサによって出力される少なくとも2つの信号から第1の信号を選択するステップを含む、請求項8~13のいずれか一項に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項15】
装置であって、
ドアのドアロックのボルトをロック位置及び/またはロック解除位置に駆動するアクチュエータと、
前記ドアに取り付けられるように構成されたハウジングであって、前記アクチュエータは、少なくとも部分的に前記ハウジング内に配置されており、前記ハウジングは、主軸と、前記主軸に垂直な副軸とを備え、前記ハウジングは、前記副軸に沿った第2の寸法よりも前記主軸に沿った第1の寸法の方が長く、前記ハウジングは、第1の端部と、前記主軸に沿って前記第1の端部の反対側に位置する第2の端部とを備え、前記アクチュエータは、前記ハウジングの前記第1の端部に近接して配置されたインタフェースを介して前記ボルトを駆動するように、前記ハウジング内に構成された、ハウジングと、
前記ハウジングの前記第1の端部に近接して配置された第1のセンサと、
前記ハウジングの前記第2の端部に近接して配置された第2のセンサと、
前記ハウジング内に配置された少なくとも1つのプロセッサと、
前記ハウジング内に配置され、符号化された実行可能命令を有する少なくとも1つの記憶媒体であって、実行時に前記少なくとも1つのプロセッサに方法を実行させる記憶媒体と、を備え、
前記方法は、
- ドア上の前記装置の向きを決定するステップと、
- ドア上の前記装置の向きと、第1のセンサ及び第2のセンサの一方または両方から受信した1つまたは複数の信号とに少なくとも部分的に基づいて、ドアが開いているか否かを決定するステップと、
を含み、
前記装置は、少なくとも4つの向きのいずれかで前記ドアに取り付けられるように構成されており、
- 前記少なくとも4つの向きのうちの第1の向きで前記ドアに取り付けられたときに、前記ハウジングの前記主軸が前記ドアの高さ軸と位置合わせされ、前記ハウジングの前記第1の端部が前記第2の端部よりも前記ドアの上部に近接して配置されるように構成され、
- 前記少なくとも4つの向きのうちの第2の向きで前記ドアに取り付けられたときに、前記ハウジングの前記主軸が前記ドアの前記高さ軸と位置合わせされ、前記ハウジングの前記第2の端部が前記第1の端部よりも前記ドアの上部に近接して配置されるように構成され、
- 前記少なくとも4つの向きのうちの第3の向きで前記ドアに取り付けられたときに、前記ハウジングの前記主軸が前記ドアの幅軸と位置合わせされ、前記第1の端部が前記第2の端部の右側に配置されるように構成され、
- 前記少なくとも4つの向きのうちの第4の向きで前記ドアに取り付けられたときに、前記ハウジングの前記主軸が前記ドアの前記幅軸と位置合わせされ、前記第1の端部が前記第2の端部の左側に配置されるように構成されている、
装置。
【請求項16】
前記第1のセンサ及び前記第2のセンサの各々が近接センサである、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記第1のセンサ及び前記第2のセンサのそれぞれが磁気センサである、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
加速度計を更に含み、
前記装置の向きを決定するステップは、前記加速度計を用いて前記向きを決定するステップを含む、請求項15~17のいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
前記装置の向きに関連する情報を受信するように構成されたユーザインタフェースを更に含み、
前記装置の向きを決定するステップは、前記ユーザインタフェースを介して受信された情報に基づいて向きを決定するステップを含む、請求項15~18のいずれか一項に記載の装置。
【請求項20】
前記ハウジングとは別のコンピューティングデバイスを更に含み、該コンピューティングデバイスは、前記ユーザインタフェースと、少なくとも1つの無線通信回路とを備え、前記コンピューティングデバイスは、前記向きを決定する際に前記少なくとも1つのプロセッサによって使用される前記装置の向きに関連付けられた情報を無線で送信するように構成された、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
ドアに関連付けられたドア枠に取り付けられる構成部品を更に含み、
前記第1のセンサ及び前記第2のセンサのそれぞれは、前記ドア枠に取り付けられた前記構成部品を感知するように構成されている、請求項15~20のいずれか一項に記載の装置。
【請求項22】
ドアに関連付けられたドア枠に取付けられる磁石を更に含み、
前記第1のセンサ及び前記第2のセンサのそれぞれは、前記ドア枠に取り付けられた前記磁石を感知するように構成されている、請求項17に記載の装置。
【請求項23】
取付プレートであって、前記ドアの前記ドアロックに固定するための少なくとも1つのねじを受け入れるように構成された複数の穴を備えた、取付プレートを更に含み、
前記複数の穴のうちの少なくとも1つの穴は、前記少なくとも4つの向きのうちの少なくとも1つで前記少なくとも1つのねじを受容するように構成されており、
前記複数の穴のうちの前記少なくとも1つの穴は、前記少なくとも4つの向きのうちの少なくとも1つの他の向きで前記少なくとも1つのねじを受け入れない、請求項15~22のいずれか一項に記載の装置。
【請求項24】
前記ドアの平面を越えて突出する前記ドアロックのロックシリンダを受け入れるように構成された少なくとも1つの穴を備えた取付プレートであって、該取付プレートは、少なくとも1つの止めねじを用いて突出する前記ロックシリンダと係合するように構成されている、取付プレートを更に含む、請求項15~22のいずれか一項に記載の装置。
【請求項25】
前記ドアに接着剤を用いて接着される取付板を更に含む、請求項15~22のいずれか一項に記載の装置。
【請求項26】
請求項15に記載の装置と、
前記ドアに請求項15に記載の装置を異なる向きで装着するための複数の装着プレートであって、前記複数の装着プレートの各々は、前記装置の前記ハウジングを複数の向きで受け入れるように構成されている、複数の装着プレートと、を含む、キット。
【請求項27】
前記ドアに関連付けられたドア枠に取り付けられるように構成された磁石を更に含み、
前記第1のセンサ及び前記第2のセンサのそれぞれは、前記磁石を感知するように構成されている、請求項26に記載のキット。
【請求項28】
少なくとも4つの向きのオプションのうちの選択された1つにおいて、取付プレートをドアのドアロックに固定するステップと、
少なくとも4つの向きのオプションのうちの選択された1つにおいて、ハウジングを前記取付プレートに取り付けるステップであって、前記ハウジングは、前記ドアロックのボルトをロック位置及び/またはロック解除位置に駆動するように構成されたアクチュエータを内部に配置している、ステップと、を含む方法。
【請求項29】
前記取付プレートを前記ドアロックに固定するステップは、少なくとも1つのねじで前記取付プレートを前記ドアロックに固定するステップを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記取付プレートを前記ドアロックに固定するステップは、接着剤を用いて前記取付プレートを前記ドアロックに固定するステップを含む、請求項28または29に記載の方法。
【請求項31】
前記ドアロックに対するドアハンドルの位置に少なくとも部分的に基づいて、前記ドアロックに固定されるべき複数の取付プレートのうちの1つを選択するステップを更に含む、請求項28~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
ユーザインタフェースを介して前記ハウジングの向きを手動で選択するステップを更に含む、請求項28~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記ハウジング内に配置されたプロセッサに前記向きを無線送信するステップを更に含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記ドアに関連付けられたドア枠に磁石を固定するステップを更に含む、請求項28~33のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2020年9月25日に出願された米国仮特許出願第63/083,727号の優先権を主張し、その出願の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
伝統的に、ドアは、しばしば、引き込まれた(例えば、ロック解除された)位置で少なくとも部分的にドア内に配置され、伸長された(例えば、ロックされた)位置でドアから、例えば、ドアフレームのドア枠(door jamb)内に延在しているボルトを含むデッドボルトロック(deadbolt lock、単にデッドボルトとも呼ばれる)を使用している。ドアの内側からドア枠内に延在しているボルトが物理的に存在することにより、ドアがドアフレームの外にスイングされるのを阻止することによって、ドアが開くのを阻止している。このようなデッドボルトロックは、ロックのボルトを伸長位置(extended position)及び/又は後退位置(retracted position)の間で移動させるアクチュエータを含むことができる。
【0003】
本発明者らは、関連するデッドボルトのための電気機械的な駆動能力を含み且つ付加するドアロックを有することが望ましいと考えており、これはまた、既存のロックセットに後付け可能(retrofittable)であり、従って、遠隔作動能力または自動作動能力を望む消費者は、既存のドアを大幅に変更すること無く、そのような能力を付加することができる。このようなドアロックの一例が、特許文献1に記載されている。このようなドアロックは、多くの場合、ボルトを直接駆動するために手動で作動させることができるが、ボルトの非手動作動のためのアクチュエータ及びクラッチ機構も含む。このようなロックアクチュエータは、ロックのボルトを伸長位置と後退位置との間で移動させるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第9528296号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2017/0198496号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2017/0002586号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2013/0340491号明細書
【特許文献5】米国特許第6032500号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ドアロックは、様々な設計のいずれかを含むことができ、様々な異なるデッドボルトスタイルを含むことができる。これらの相違は、電気機械式アクチュエータがロックセットにどのように適合され得るか、及び/またはロックセットのデッドボルトロックを駆動するためにどのように使用され得るかの相違を提示し得る。例えば、いくつかのロックセットは、ロックセットの異なる構成要素を一緒に保持するためのねじが装着される、異なるビンディングポストバレル(binding post barrel)のような内部ねじ受け(internal screw receiver)を含むことができる。後付けの場合、ロックセットのボルトを駆動するための電気機械式アクチュエータを含むドアロックドライバ(door lock driver)のハウジングは、これらの既存のねじ受け(例えば、ビンディングポストバレル)を使用してロックセットに取付けられ得る。しかしながら、これらの既存のねじ受けを使用してドアロックを取付けることは、ねじ受けが異なるロックセット内の異なる場所にあるか、又は異なるサイズであっても良いので、ドアロックドライバの設計を複雑にしている。更に、いくつかのロックセット設計は、そのようなねじ受けを含まないか、またはねじ受けが、ドアロックドライバを取り付けるためにアクセス可能であるようにロック内に配置されない場案がある。例えば、いくつかのロックセットは、デッドボルトをロック位置とロック解除位置との間で駆動することができる駆動軸を含み、駆動軸は、通常、ドアの片側のサムターン(thumb turn)に接続されても良い。いくつかの後付けの場合では、ドアロックドライバは、既存のロックセットのサムターン及び他の外部構成要素を除去することによって、そのような駆動軸に接続可能であり、駆動することができる。しかし、他のロックセットは、ドアの一方の側にそのような駆動軸またはサムターンを含まなくても良く、代わりに、デッドボルトを駆動するためのキーを受け入れるキースロットをドアの両側に有しても良い。このような場合には、内部ねじ受けが露出せず、異なるスタイルのドアロックドライバの取付けが必要となる。
【0006】
更に、既存のロックセットを駆動するために、ドアロックドライバをドアに取り付けることが複雑になる可能性がある。ドアが異なれば、ドアの構成要素の配置も異なる場合がある。例えば、いくつかのドアは、ドアハンドルの上に配置されたデッドボルトを有することができ、他のドアは、ドアハンドルの下に配置されたデッドボルトを有することができる。更に、いくつかのドアは、デッドボルトの近くに一体化されたドアベルのような追加の構成要素を含むことができる。デッドボルトを囲むドアの構成要素の数、サイズ、及び配置は全て、デッドボルトに電気機械的な駆動能力を後付けするときに関連する考慮事項であり得る。いくつかの構成部品の配置は、所与の設計のドアロックドライバの設置を可能にすることができるが、他の構成部品の配置は、そのドアロックドライバの設置を可能にせず、異なる設計を必要とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
無許可の立ち入り(unauthorized entry)を防止するために、ドアを固定するためのデッドボルトロックを使用しても良い。いくつかのデッドボルトロックは、ドアの固定された側に取り付けられたノブ、サムターン、または他のハンドル、及びドアの固定されていない側のキーによって、手動で操作することができる。このようなデッドボルトロックでは、ハンドルを回転させることにより、デッドボルトをドアの中または外に伸長または後退させる。いくつかのデッドボルトは、手動で作動可能であることに加えて、電気機械的に作動可能であっても良い。このような電気機械的なデッドボルトは、ボルトを伸長または後退させることができるモータを含んでいて良い。
【0008】
いくつかの実施形態では、ドアが開いているか否かを決定する方法は、ドアのドアロックの向き(orientation)を決定するステップと、ドアロックの向きに基づいて、ドアロックの2つ以上の近接センサのうちの少なくとも1つからの少なくとも1つの信号を分析するステップとを含む。本方法は、少なくとも1つの信号の分析結果に少なくとも部分的に基づいて、ドアが開いているか否かを決定するステップを更に含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの非一時的なコンピュータ可読記憶媒体(non-transitory computer-readable storage medium)は、実行されると、少なくとも1つのプロセッサに、ドアが開いているか否かを決定する方法を実行させる実行可能命令が符号化されている。この方法は、ドアのドアロックの向きを決定するステップと、ドアロックの向きに基づいて、ドアロックの2つ以上の近接センサのうちの少なくとも1つからの少なくとも1つの信号を分析するステップとを含む。本方法は、少なくとも1つの信号の分析の結果に少なくとも部分的に基づいて、ドアが開いているか否かを決定するステップを更に含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、装置は、ドアのドアロックのボルトをロック位置及び/またはロック解除位置に駆動するアクチュエータと、ドアに取り付けられるように構成されたハウジングとを備えている。アクチュエータは、少なくとも部分的にハウジング内に配置されている。ハウジングは、主軸(primary axis)と、主軸に垂直な副軸(secondary axis)とを備えている。ハウジングは、主軸に沿った第1の寸法が、副軸に沿った第2の寸法よりも長い。ハウジングは、第1の端部と、主軸に沿って第1の端部の反対側に位置する第2の端部とを備えている。アクチュエータは、ハウジングの第1の端部に近接して配置されたインタフェースを介してボルトを駆動するように、ハウジング内で構成されている。この装置は更に、ハウジングの第1の端部に近接して配置された第1のセンサと、ハウジングの第2の端部に近接して配置された第2のセンサと、ハウジング内に配置された少なくとも1つのプロセッサと、ハウジング内に配置され、実行時に少なくとも1つのプロセッサに方法を実行させる実行可能命令が符号化された少なくとも1つの記憶媒体とを備えている。この方法は、ドア上の装置の向きを決定するステップと、ドア上の装置の向きと、第1のセンサ及び第2のセンサの一方又は両方から受信した1つ又は複数の信号とに少なくとも部分的に基づいて、ドアが開いているか否かを決定するステップとを含む。装置は、少なくとも4つの向きのいずれかでドアに取り付けられるように構成されている。この装置は、少なくとも4つの向きのうちの第1の向きでドアに取り付けられたときに、ハウジングの主軸がドアの高さ軸(height axis)と位置合わせされ、ハウジングの第1の端部が第2の端部よりもドアの上部に近接して配置されるように構成されている。装置は、少なくとも4つの向きのうちの第2の向きでドアに取り付けられたときに、ハウジングの主軸がドアの高さ軸と位置合わせされ、ハウジングの第2の端部が第1の端部よりもドアの上部に近接して配置されるように構成されている。装置は、少なくとも4つの向きのうちの第3の向きでドアに取り付けられたときに、ハウジングの主軸がドアの幅軸(width axis)と位置合わせされ、第1の端部が第2の端部の右側に配置されるように構成されている。この装置は、少なくとも4つの向きのうちの第4の向きでドアに取り付けられたときに、ハウジングの主軸がドアの幅軸と位置合わせされ、第1の端部が第2の端部の左側に位置するように構成されている。
【0011】
いくつかの実施形態では、方法は、少なくとも4つの向きのオプションのうちの選択された1つにおいて、取付プレートをドアのドアロックに固定するステップと、少なくとも4つの向きのオプションのうちの選択された1つにおいて、ハウジングを取付プレートに取り付けるステップとを含み、ハウジングは、ドアロックのボルトをロック位置及び/またはロック解除位置に駆動するように構成されたアクチュエータを内部に配置している。
【0012】
いくつかの実施形態では、ドア状態を決定する方法は、ドアのドアロック内に配置された第1の磁力計(magnetometer)から第1の信号を受信するステップと、ドアのドアロック内に配置された第2の磁力計から第2の信号を受信するステップと、第1の信号と第2の信号の両方の評価の結果に基づいて、ドアに対する起こり得る攻撃(possible attack)を検出するステップとを含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、符号化された実行可能命令を有し、実行されると、少なくとも1つのプロセッサにドア状態を決定する方法を実行させる。この方法は、ドアのドアロック内に配置された第1の磁力計から第1の信号を受信するステップと、ドアのドアロック内に配置された第2の磁力計から第2の信号を受信するステップと、第1の信号と第2の信号の両方の評価の結果に基づいて、ドアに対する起こり得る攻撃を検出するステップとを含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、装置は、ドアのドアロックのボルトをロック位置及び/またはロック解除位置に駆動するアクチュエータと、ドアに取り付けられるように構成されたハウジングと、少なくとも一部がハウジング内に配置されたアクチュエータと、少なくとも一部がハウジング内に配置された第1の磁力計と、少なくとも一部がハウジング内に配置された第2の磁力計と、ハウジング内に配置された少なくとも1つのプロセッサと、ハウジング内に配置され、実行時に少なくとも1つのプロセッサに方法を実行させる実行可能命令が符号化された少なくとも1つの記憶媒体とを備えている。この方法は、第1の磁力計から第1の信号を受信するステップと、第2の磁力計から第2の信号を受信するステップと、第1の信号及び第2の信号並びに1つ又は複数の基準信号に少なくとも部分的に基づいて、予期しないセンサ状態を検出するステップとを含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、ドア状態を決定する方法は、ドアロック内に配置された第1の磁力計から第1の信号を受信するステップと、ドアロック内に配置された第2の磁力計から第2の信号を受信するステップと、第1の信号と第2の信号の両方の評価に基づいてドア状態を決定するステップとを含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、符号化された実行可能命令を有し、実行されると、少なくとも1つのプロセッサに、ドア状態を決定する方法を実行させる。この方法は、ドアロック内に配置された第1の磁力計から第1の信号を受信するステップと、ドアロック内に配置された第2の磁力計から第2の信号を受信するステップと、第1の信号と第2の信号の両方の評価に基づいてドア状態を決定するステップとを含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、装置は、ドアのドアロックのボルトをロック位置及び/またはロック解除位置に駆動するアクチュエータと、ドアに取り付けられるように構成されたハウジングと、少なくとも一部がハウジング内に配置されたアクチュエータと、少なくとも一部がハウジング内に配置された第1の磁力計と、少なくとも一部がハウジング内に配置された第2の磁力計と、ハウジング内に配置された少なくとも1つのプロセッサと、ハウジング内に配置され、実行時に少なくとも1つのプロセッサに方法を実行させる実行可能命令が符号化された少なくとも1つの記憶媒体とを備えている。この方法は、第1の磁力計から第1の信号を受信するステップと、第2の磁力計から第2の信号を受信するステップと、第1の信号及び第2の信号と1つまたは複数の基準信号とに少なくとも部分的に基づいて、ドア状態を決定するステップとを含む。
【0018】
従って、既存のロックセット及びドアの構成要素の異なる配置に対して様々な異なる設計選択があり、一連のドアロックシナリオ(door lock scenario)につながる。一部のシナリオは、他のシナリオよりも一般的である。例えば、ドアに取り付けられたドアベルを有する特定の地域(geographic area)では、デッドボルトは一般に親指の回転によって駆動されるので、駆動軸を使用して電気機械的に駆動することができる。別の例として、デッドボルトが鍵によってドアの両側で駆動される特定の地域において、デッドボルトは、ドアハンドルの下に配置されても良い。後付け装置を設計する場合、当然の解決策は、異なる共通シナリオに対して異なる後付け装置設計を有することであろう。
【0019】
しかしながら、本明細書では、様々なドアロック及びドアシナリオに使用することができるドアロックのいくつかの実施形態を説明している。これらの異なるシナリオに適合するように、ドアロックは、複数の異なる向きでドアに取り付けられるように構成されている。ドアの構成要素の配置に応じて、軸対称でないドアロックは、以下でより詳細に説明するように、既存のデッドボルトに、ある向きでは取り付けられるが、別の向きでは取り付けられないようにすることができる。従って、これらの実施形態のドアロックの設置中に、ユーザは、既存のドアの構成要素の配置及び/またはドアのデッドボルト領域に関連する他の空間的制約に基づいて、ドアロックの適切な向きを選択することができる。更に、いくつかの実施形態では、ドアロックは、ねじの異なる位置または配置(ねじ受けの異なる位置に対して)を使用すること、接着剤を使用すること、または他の取り付け技術を使用すること等、複数の異なる技術を使用して、これらの異なる向きでドアに取り付け可能である。更に、いくつかの実施形態では、ドアロックは、駆動軸を駆動することによってデッドボルトを駆動し、他の実施形態では、ドアロックは、既存のロックセットのシリンダ内に配置されたキーを駆動することによってデッドボルトを駆動している。
【0020】
いくつかの実施形態では、取付プレートを使用して、ドアロックをドアに取り付けることができる。ロックセット内またはドア上の構成要素の異なる配置は、上述したように、異なる取付技術及び向きを必要とし、これらの実施形態では、異なる取付プレートを使用して部分的に対処することができる。いくつかのそのような実施形態では、多方向ドアロック(multi-orientation door lock)は、任意の複数の向きで所与の取付プレートに取り付けることができる。
【0021】
本発明者らは、多方向ドアロックが特定の利点と関連し得ることを認識したが、多方向ドアロックは、単一方向ドアロック(single-orientation door lock)では生じない更なる課題に直面することも認識した。例えば、電気機械式アクチュエータを備えたドアロックのプロセッサは、ドアロックの向きに基づいて特定の動作を行うことができる。例えば、ドアロックがある向きで装着された場合、モータの出力軸を時計回りに回転させると、デッドボルトが伸長することができ、一方、ドアロックが別の向きで装着された場合、モータの出力軸を時計回りに回転させると、デッドボルトが後退することができる。このように、多方向ドアロックの正常な機能は、ドアロックがドアに取り付けられる向きを了知しているプロセッサと関連付けられ得る。
【0022】
別の例として、ドアが開いているか閉じているかを検出するための1つまたは複数のセンサを含むか、または1つまたは複数のセンサに関連付けられるドアロックに利点があり得る。これは、ドアが固定されている(例えば、閉じられ、ロックされている)か否かを決定するのに役立つ可能性があり、これは、デッドボルトの位置のみに基づいては決定できない可能性がある(例えば、デッドボルトがロック位置にある場合であっても、ドアが半開である可能性があるので、ドアは固定されていない可能性がある)。近接センサを使用して、ドアロック上またはドアロック内に配置された(またはドアに配置された)感知コンポーネント(sensed component)が、ドア枠に配置された感知コンポーネントまでの距離を感知することができるようにすることができる。例えば、ドアロックの磁力計(または他の磁気センサ)は、ドア枠に配置された磁石の磁場の強度を感知するように構成されても良い。ドアが開閉するにつれて、磁力計と磁石との間の距離は、ドアが開閉するにつれて感知される磁場の強度が変化するように、それぞれ増加または減少し得る。ドアが磁石に向かって、または磁石から離れるようにスイングするとき、磁力計からの信号出力は、ドア状態に基づいて予測可能な方法で変化し得る。従って、磁力計からの信号出力を使用して、ドアが開いているか閉じているか等、ドア状態を決定することができる。
【0023】
しかしながら、このような磁力計を備えたドアロックは、それが複数の向きで設置される場合には、特定の課題に直面する。異なる向きでドアロックを取り付けると、プロセッサによるセンサ信号の解釈が複雑になる可能性がある。例えば、ドアロックの向きによっては、磁力計の位置が、正確な読み取りのためには、ドア枠に取り付けられた磁石から遠すぎる場合がある。ある向きでは、磁力計は、ドアの縁の近くに配置され、従って、ドア枠に配置された磁石の磁界を感知するのに十分に近くなり得るが、別の向きでは、磁力計は、磁石から遠く離れ、磁界を確実に感知することができない可能性がある。
【0024】
そのような課題の別の例として、いくつかのドアロックは、ドア枠に取り付けられた磁石の磁界を正確に感知する磁力計の能力に影響を及ぼす可能性のある磁性材料を含み、感知された磁界に基づくドア状態の信頼性の高い決定を妨げる。例えば、上述のように、いくつかのデッドボルトは、ロックセットのシリンダ内のキーを用いてドアの両側で操作される。これらのデッドボルト及びロックセットは、キーがシリンダ内に挿入されている間に、デッドボルト上に電気機械式ドアロックを取り付けることによって後付けすることができる。デッドボルトをロックまたはロック解除するために、ドアロック内のアクチュエータがキーを適切な方向に回転させる。これは、磁力計を含むことに対する挑戦を提示している。多くの場合、デッドボルトキーは磁気式であっても良い。磁力計の近くに磁性材料が存在することは、磁力計によって感知される磁界に影響を与え得る。従って、ドアロック内に配置された磁力計は、ドア枠上の磁石の存在を確実に感知することができず、従って、磁力計を使用してドアが開いているか閉じているかを確実に感知することができない。
【0025】
更に、場合によっては、電気機械的な駆動能力を含む磁力計を備えたドアロックは、無許可のユーザからの攻撃を受けやすい可能性がある。ドアロックのプロセッサは、上述のように磁力計を使用して、ドアが「開いた」または「閉じた」状態のいずれかであることを決定することができ、また、ドアロックが「ロックされた」または「ロック解除された」状態のいずれかであることを決定することもできる。いくつかのロックでは、例えば、ドアが「開いた」状態であると決定されたときに、ドアロックが「ロックされた」状態であると決定された場合(ドアロックは、ドアが「閉じた」状態であるときにのみ「ロックされた」状態であることが一般的であるため、エラーまたは望ましくない状態を表すことがある)、ドアロックのプロセッサは、ドアをロック解除するためのプロセスを自動的に開始することができる。これは、ドアを閉じて適切にロックできるようにするために行うことができる。しかし、攻撃者が、実際には「ロックされた、閉じた」状態にあるドアロックのプロセッサをだまして、ドアロックが「ロックされた、開いた」状態にあると思わせることができる場合、プロセッサは、ドアをロック解除するための自動動作を誤って実行し、攻撃者にアクセスを許可する可能性がある。上述したように、ドアロックは、ドアロックの磁力計(または他のセンサ)によって出力される信号を分析することによって、ドアが開いているか閉じているかを決定することができる。外部磁石(すなわち、ドア枠に配置された磁石以外の磁石)を備えた攻撃者は、外部磁石をドアロックの磁力計に接近させ、それによって、ドア枠に対する磁石の磁場の影響を無効にすることができる。このようにして、攻撃者は、プロセッサが、閉じられたドアが開いていると不適切に決定し、その結果、ロックをロック解除するように磁力計信号を操作する場合がある。
【0026】
従って、複数の向きに設置されるように構成されたドアロックドライバに関して生じる様々な課題が存在し、それは、ドアロックドライバの設計者が、複数の向きに構成され得るドアロックを設計しないように、または磁力計を含まないドアロックを設計しないように動揺させるになる。しかしながら、上述したように、本明細書では、複数の異なる向きに取り付けられて作動するように構成され、様々なタイプのロックセットを(例えば、駆動軸を介して、またはキーを駆動することによって)駆動することができるドアロックドライバの実施形態を説明している。更に、本明細書には、2つ以上の磁力計を含む実施形態が記載されている。
【0027】
いくつかの実施形態では、複数の異なる向きで取り付けられるように構成されたドアロックは、加速度計を含むことができ、ドアロックが取り付けられた向きを自動的に決定するために加速度計を使用することができる。加えてまたは代替的に、向きの情報は、ドアロックのユーザインタフェースを介してドアロックの所有者によって手動で入力され、プロセッサによって受信されても良い。ドアロックは、向きの情報を使用して、ロックの様々な動作をどのように実行するかを決定するように構成することができる。例えば、いくつかの実施形態では、ドアロックは、デッドボルトをロック解除位置に移動させるためにモータを駆動する方向(例えば、時計回りまたは反時計回り)を決定することができる。いくつかの実施形態では、別の例として、ドアロックは、向きに基づいて1つまたは複数の磁力計を動作させる方法を決定することができる。
【0028】
上記に鑑みて、本発明者らは、ドアの状態決定のための少なくとも2つの磁力計を備えたドアロックの利点を認識した。2つ(またはそれ以上)の磁力計は、ドアロック上またはドアロック内の異なる位置に配置されても良い。ドアロックの向きにより、一方の磁力計は、他方の磁力計よりも正確な読み取り値を提供することができる。向きを検出することによって、ドアロックは、主磁力計(primary magnetometer)を指定することができる。例えば、ドアロック内の1つの位置にある第1の磁力計から出力される信号が、ドアロックの向きまたは構成が与えられると、近くの磁性材料(デッドボルト内に配置された磁気キー等)によって悪影響を受ける場合、磁性材料からより遠くに配置された第2の磁力計からの信号が代わりに分析されても良く、ドアロックは、第2の磁力計を主磁力計に指定しても良い。別の例として、ドアの縁の近くに配置され、従って、ドアが閉じられたときにドア枠に配置された磁石の近くに配置された磁力計は、主磁力計として指定され得、ドアの縁から離れて配置され、従って、ドアが閉じられたときにドア枠に配置された磁石から離れて配置された磁力計は、副磁力計(secondary magnetometer)として指定され得る。主磁力計は、加速度計の読みによって決定されるドアロックの向きに基づいて自動的に選択されても良く、及び/または主磁力計は、ユーザ入力によって決定されるドアロックの向きに基づいて手動で選択されても良い。磁力計信号がプロセッサによって受信されるとき、主磁力計からの情報は、この情報がドアの真の状態をより良く表すことができるので、より多くの重みを与えることができる。
【0029】
本発明者らはまた、少なくとも2つの磁力計を備えたドアロックが、攻撃が成功してしまうリスクを軽減し得ることを認識した。攻撃者は、場合によっては、外部磁石を用いて単一の磁力計の信号を操作して、プロセッサを騙して不適切なドア状態を決定することができるが、複数の磁力計の信号を同時に操作することは、実質的により困難であり、攻撃者が外部磁石を用いてドアロックをロック解除しようと試みることは非現実的であり得る。
【0030】
いくつかの実施形態において、ドアロックは、ドアのロックセットのボルトをロック位置及び/またはロック解除位置に駆動するためのアクチュエータを含む。アクチュエータは、モータ、ソレノイド、またはボルトの位置を調整するように構成された任意の他の適切なアクチュエータを含んでも良い。アクチュエータは、少なくとも部分的にハウジング内に配置することができる。ハウジングは、ドアに取り付けられるように構成されても良い。いくつかの実施形態において、ドアロックのハウジングは、以下により詳細に説明するように、取付プレートを介してドアに取り付けられても良い。
【0031】
本開示は、いかなる特定の形状のドアロック及び/またはハウジングに限定されないが、記載されるいくつかのドアロックは、非軸対称ハウジング(non-axisymmetric housing)を含み得る。いくつかの実施形態では、ハウジングは、主軸と、主軸に垂直な副軸とを備えている。ハウジングは、主軸に沿った第1の寸法が、副軸に沿った第2の寸法よりも長くても良い。すなわち、ドアロックのハウジングは、ある寸法が別の寸法よりも長くても良い。例えば、ハウジングは、ある寸法が別の寸法よりも少なくとも50%長くても良い。いくつかの実施形態では、ハウジングは楕円形であっても良く、湾曲した端部の間に1つまたは複数の直線状エッジを含んでも良い。いくつかのハウジングは非軸対称または細長いものであっても良いが、軸対称ハウジングも考えられ、開示はこの点に関して限定されないことを理解されたい。いくつかの実施形態では、ハウジングは、第1の端部と、主軸に沿って第1の端部と対向する第2の端部とを備えている。アクチュエータは、ハウジングの第1の端部に近接して配置されたインタフェースを介してボルトを駆動するように、ハウジング内に構成することができる。例えば、デッドボルトの手動操作を可能にするように構成されたドアロックのハンドルは、ハウジングの第1の端部に近接していても良い。
【0032】
ドアロックは、近接センサ及び/または加速度計等の1つまたは複数のセンサを含んでも良い。本開示は、磁力計及び磁石に言及することが多いが、本開示は感知様式に関して限定されないので、任意の適切な感知構成要素及び感知される構成要素が含まれても良いことを理解されたい。いくつかの実施形態において、第1の磁力計は、ハウジングの第1の端部に近接して配置され、第2の磁力計は、ハウジングの第2の端部に近接して配置されている。
【0033】
いくつかの実施形態において、ドアロックは、ボルトに連結可能な駆動軸を駆動するように構成されている。いくつかの実施形態では、ドアロックは、ボルト用のアクチュエータを含むロックシステムの導入前にドアに配置されていた既存のデッドボルトロックに後付けするように構成することができる。駆動軸は、既存のデッドボルトロックセットの一部であっても良く、既存のデッドボルトロックセットのボルトを駆動している。このような場合、既存のデッドボルトロックの特定の外部要素を取り外して駆動軸を露出させることができ、アクチュエータが駆動軸を駆動できるようにドアロックの構成要素を配置することができる。しかしながら、実施形態は、後付けの文脈に限定されず、駆動軸及びボルトは、既存のデッドボルトロックの構成要素でなくても良いことを理解されたい。
【0034】
本明細書に記載する例示的な実施形態によれば、ドアロックは、ドアロックの1つまたは複数の機能を調整するように構成された1つまたは複数のプロセッサを含んでも良い。プロセッサは、ドアロック上のコンピュータ可読記憶装置に格納されたコンピュータ実行可能命令の1つまたは複数のセットを実行するように構成することができる。記憶装置は、不揮発性メモリ等の1つまたは複数の揮発性及び/または不揮発性記憶装置として実装されても良い。プロセッサは、ドアロックの磁力計及び/または加速度計からの信号を含む、ドアロックの1つまたは複数のセンサから情報を受信するように構成されても良い。プロセッサはまた、ドアロックの1つまたは複数のアクチュエータに命令するように構成されても良い。例えば、プロセッサは、アクチュエータ(例えばモータ)に対して、ドアロックの駆動軸を自動的に移動させるように命令することができる。プロセッサはまた、1つまたは複数の他のデバイスと通信するように構成されても良い。例えば、プロセッサは、ドアロックの1つまたは複数の無線送信機を制御して、情報/コマンドを遠隔装置に送信し、または遠隔装置から受信することができる。ドアロックは、プロセッサ及び関連する構成要素に電力を供給するように構成された電源を含むことができる。いくつかの実施形態において、電源は、1つまたは複数の電池であっても良い。
【0035】
本開示はこの点に限定されないので、前述の概念、及び以下に議論される追加の概念は、任意の適切な組み合わせで構成され得ることが理解されるべきである。更に、本開示の他の利点及び新規な特徴は、添付の図面と共に考慮される場合、種々の非限定的な実施形態の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1A】ドア枠に近接する開いたドアに取り付けられたドアロックの一実施形態の前方斜視図である。
【
図1B】
図1Aのドアロックの部分分解前面斜視図であり、ドアに取り付けられた取付プレートの一実施形態である。
【
図1C】ドアに取り付けられた取付プレートの
図1A及び別の実施形態からのドアロックの部分分解前面斜視図である。
【
図2A】第1の向きでドアに取り付けられたドアロックの一実施形態の正面図である。
【
図2B】第2の向きでドアに取り付けられたドアロックの一実施形態の正面図である。
【
図2C】第3の向きでドアに取り付けられたドアロックの一実施形態の正面図である。
【
図2D】第4の向きでドアに取り付けられたドアロックの一実施形態の正面図である。
【
図3】本明細書に記載するいくつかの例示的な実施形態による、ドアロックを取り付ける方法のフローチャートである。
【
図4】本明細書に記載するいくつかの例示的な実施形態による、ドアが開いているか否かを決定する方法のフローチャートである。
【
図5】本明細書に記載するいくつかの例示的な実施形態による、ドア状態を決定する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
添付の図面は,一定の縮尺で描かれることを意図していない。図面において、様々な図に示された同一またはほぼ同一の各構成要素は、同様の数字によって表される場合がある。明確にするために、全ての構成部品が全ての図面においてラベル付けされているわけではない。
【0038】
図面を参照すると、特定の非限定的な実施形態が更に詳細に記載されている。これらの実施形態に関連して記載された様々なシステム、構成要素、特徴、及び方法は、開示が本明細書に記載された特定の実施形態のみに限定されないため、個別に、及び/または任意の所望の組み合わせで使用され得ることが理解されるべきである。
【0039】
図1Aは、ドア10に関連付けられたドア枠12に近接して開いたドア10に取り付けられたドアロック100の一実施形態の正面斜視図である。ドアロック100は、ワイヤレストランシーバ、1つまたは複数のプロセッサ、電源、アクチュエータ、トランスミッション、駆動軸及び/または追加の内部構成要素を囲むハウジング102を備えている。ドアロック100は、ハウジング102を関連するドア10に取り付けることができるように構成された取付プレート104を更に備えている。取付プレート104は、ハウジング102が1つまたは複数の締結具(例えば、ねじ)を用いて、または工具無しで(例えば、1つまたは複数のラッチを用いて)取り付けられることを可能にし得る。いくつかの実施形態では、取付プレートは、ドア内の既存のデッドボルトロックハードウェアに取り付けることができる。もちろん、本開示はそれに限定されないので、ハウジング102をドアに取り付けるために、任意の適切な構成を採用することができる。
【0040】
ドアロック100は、それに対応してドアロック100の駆動軸を回転させるためにユーザによって回転され得るハンドル106を更に含む。駆動軸は、デッドボルトのボルトに接続可能であり、駆動軸の回転運動をボルトの直線運動に変換するように構成されている。ハンドル106は、ボルトが動くたびにハンドル106がそれに応じて動くように、駆動軸に連続的に連結されても良い。もちろん、いくつかの実施形態では、ハンドル106は、本開示がそのように限定されないように、ドアロックの駆動軸に選択的に連結可能であっても良い。
【0041】
ドアロック100は更に、第1の磁力計120と、第2の磁力計122と、加速度計130とを備えている。第1の磁力計120、第2の磁力計122、及び加速度計130は、
図1Aではハウジング102の外面に配置されているように示されているが、他の実施形態では、開示がこの点に関して限定されないため、これらの構成要素のいずれかまたは全てが、ドアロック100の内部または任意の他の適切な位置に配置されても良いことを理解されたい。ドア枠12には磁石150が配置されている。ドア10がその開状態と閉状態との間でスイングすると、磁石150と2つの磁力計120、122との間の距離が変化する。理論に束縛されることを望むものではないが、磁石に関連する磁界の検出または感知された強度は、磁石からの距離に関連し得る。このように、磁力計は磁場の強度を感知することができるので、ドアロック100のプロセッサは、磁力計の信号から感知された磁場の強度を決定することができ、従って、ドアロック100が磁石150に近接していること、及びドア10が開いているか閉じているかを決定することができる。
【0042】
図1Bは、ドアロック、及びドア10に取り付けられた第1の取付プレート104aの一実施形態の部分分解前面斜視図である。この実施形態では、ドアロックのハウジング102(1つまたは複数の磁力計、1つまたは複数の加速度計、無線トランシーバ、1つまたは複数のプロセッサ、電源、アクチュエータ、トランスミッション、駆動軸及び/または追加の構成要素を含む、及び/または囲む)は、第1の取付プレート104aに取り付けられるように構成されている。
【0043】
第1の取付プレート104aは、ドア10内に設置されるデッドボルトの既存のハードウェアに取り付けられるように構成されている。この実施形態では、ボルト(図示せず)がデッドボルトハウジング14内に保持されている。デッドボルトハウジングからは、2つの取付ロッド16が延びている。第1の取付プレート104aは、デッドボルトの既存のハードウェアと係合することによってドア10に取り付けられるように構成されている。この実施形態では、取付ロッド16は、第1の取付プレート104aの対応する取付穴160を通って延在している。第1の取付プレート104aは、取付ロッド16が少なくとも4つの向きのいずれかで複数の取付穴160の少なくともいくつかによって受容され得るように、取付穴パターンを含む。すなわち、第1の取付プレート104aは、少なくとも4つの向きのいずれかでデッドボルトの既存のハードウェアに取り付けられるように構成されている。1つまたは複数のねじ付きファスナ(ねじまたはボルトを含む)を使用して、1つまたは複数のねじ付きファスナを1つまたは複数の取付ロッド16に連結することによって、プレート104aをドア10に取り付けることができる。取付ロッド16は、例えば、ビンディングポストバレルとして、またはねじを切ったファスナをねじ込むことができるねじを切ったキャビティを含む同様のハードウェアとして具体化することができる。
【0044】
第1の取付プレート104aは、更に、駆動軸168が貫通するように構成された中央穴166を含む。駆動軸168は、ドアロックのアクチュエータの出力を、デッドボルトの既存のハードウェアに(任意で、トランスミッション及び/または任意の適切な数のアダプタを介して)連結することができ、アクチュエータを係合させることによって、ボルトを伸長及び/または後退させる。アクチュエータ(またはトランスミッション)をデッドボルトの異なる駆動軸に連結するために異なるアダプタを使用することができ、それによって、単一のドアロックを異なるデッドボルト設計に適合させることができることを理解されたい。
【0045】
図1Cは、ドアロックと、ドア10に取り付けられた第2の取付プレート104bとの一実施形態の部分分解前面斜視図である。この実施形態では、ドア10は、ドアの平面を越えて突出するロックシリンダ18を含む。第2の取付プレート104bは、ロックシリンダ18を受容する中央穴166によって突出するロックシリンダ18と嵌合するように構成されている。第2の取付プレート104bは、中央穴166の周囲の周りに複数の止めネジ穴(set screw holes)162を含む。止めねじ穴162は、取り付け時に中央穴166内に延びるロックシリンダ18と係合する止めねじを受容するように構成されている。その結果、止めねじとロックシリンダ18との間の摩擦接触により、ドア10に対する第2取付プレート104bの位置及び向きが固定されている。いくつかの実施形態において、取り付けロッドは、第2の取り付けプレート104bの対応する取り付け穴の中に更に延在しても良く、及び/または接着材164を使用して、第2の取り付けプレート104bをドア10に接着しても良い。これらの取付機構のいずれかまたは全ては、取付プレートをドアに取り付けるために単独でまたは組み合わせて使用されても良いことが理解されるべきである。なぜなら、1つの取付機構の使用は、他の取付機構の使用を必要とせず、暗示しないからである。
【0046】
図1Cの実施形態では、ハウジング102(及び密閉された構成要素)が第2の取付プレート104bに取り付けられるときに、キー20がロックシリンダ18内に挿入されている。従って、アクチュエータの出力及び/またはドアロックのトランスミッションは、キー20と係合するように構成されたアダプタを含むことができる。このようなアダプタは、例えば、ハウジングがキーの上に嵌合されるときにキーが挿入されるスロットまたはポケットを含むことができる。このようにして、ドアロックのアクチュエータの回転は、デッドボルトのボルトを伸長及び/または後退させるためにキー20を回転させ、それによってドアをロックまたはロック解除することができる。
【0047】
また、いくつかの実施形態では、
図1Cのプレート104bは、ドア10に接触するプレート104bの表面上に接着材164を含むことができる。場合によっては、ロックのロックシリンダ18は、ドア10の表面と同一平面にあり、またはドア10の表面と十分に同一平面にあり、止めねじが、信頼性のあるマウントを形成するようにシリンダ18に固定されるのを妨げる。このような場合には、止めねじ及び止めねじ穴162を使用するのではなく、接着材164を使用してプレート104bをドア10に取り付けることができる。いくつかの場合において、接着材164は、ワックス紙または他の適切な材料のような、任意の適切な除去可能な材料で作製されたカバーで覆われ得る。なお、接着材164を取付けに用いない場合には、接着材164の上にカバーが残ることがある。接着材164を使用する場合には、カバーを取り外すことにより接着材164を露出させることができる。
【0048】
いくつかの実施形態において、ロック102(及びその構成要素)並びにプレート104a及び104b、並びに駆動軸及び/またはキーを駆動するための適切なアダプタを含むキットが提供されても良い。
【0049】
図2A~
図2Dは、異なる向きでドア20に取り付けられたドアロック200の正面図である。いくつかの実施形態において、ドアロックは、少なくとも4つの向きのいずれかで取り付けられるように構成されても良い。
【0050】
図2Aは、第1の向きでドア20に取り付けられたドアロック200を示している。この実施形態では、ドア20のドアハンドル24は、ドア20のデッドボルトの真下に配置されている。対応して、ドアロック200は、ドアロック200がデッドボルトから離れて上方に伸長するように、垂直な向きに取り付けられ、ドアロック200は、ドアロック200のアクチュエータ及びサムターンまたはハンドルが既存のロックセットのキーまたは駆動軸の上に取り付けられるように、ドアに配置される(上記の
図1B~
図1Cの説明を参照)。この向きでは、ハウジングの主軸は、ドアの高さ軸と位置合わせされ、ハウジングの第2の端部は、第1の端部よりもドアの上部の近くに配置されている。
【0051】
図2Bは、第2の向きでドア20に取り付けられたドアロック200を示している。この実施形態では、ドア20のドアハンドル24は、ドア20のデッドボルトの真上に配置されている。これに対応して、ドアロック200は、ドアロック200がデッドボルトから離れて下方に延びるように、垂直な向きに取り付けられ、ドアロック200は、ドアロック200のアクチュエータ及びサムターンまたはハンドルが既存のロックセットのキーまたは駆動軸の上に取り付けられるように、ドアに配置される(上記の
図1B~
図1Cの説明を参照)。この向きでは、ハウジングの主軸は、ドアの高さ軸と位置合わせされ、ハウジングの第1の端部は、第2の端部よりもドアの上部に近い位置に配置されている。
【0052】
図2Cは、第3の向きでドア20に取り付けられたドアロック200を示している。この実施形態では、ドア20のドアハンドル24は、ドア20のデッドボルトの真下に配置されている。更に、ドアベル26または他のドア取付部品が、デッドボルトの真上に配置されている。これに対応して、ドアロック200は、ドアロック200がドアの縁から離れて左に延びるように水平な向きに取り付けられ、ドアロック200は、ドアロック200のアクチュエータ及びサムターンまたはハンドルが既存のロックセットのキーまたは駆動軸の上に取り付けられるようにドアに配置される(上記の
図1B~
図1Cの説明を参照)。この向きにおいて、ハウジングの主軸は、ドアの幅軸と位置合わせされ、第1の端部は、第2の端部の右側に配置されている。
【0053】
図2Dは、第4の向きでドア20に取り付けられたドアロック200を示している。この実施形態では、ドア20のドアハンドル24は、ドア20のデッドボルトの真下に配置されている。更に、ドアベル26または他の構成要素が、デッドボルトの真上に配置されている。しかし、
図2Cとは対照的に、
図2Dのドアは反対の内容となっている。すなわち、
図2Cのドア20がドアの左側に向かうヒンジ22とドアの右側に向かうハンドル24とを含むのに対して、
図2Dのドア20はドアの右側に向かうヒンジ22とドアの左側に向かうハンドル24とを含む。これに対応して、ドアロック200は、ドアロック200がドアのエッジから離れて右に延びるように水平な向きに取り付けられ、ドアロック200は、ドアロック200のアクチュエータ及びサムターンまたはハンドルが既存のロックセットのキーまたは駆動軸の上に取り付けられるようにドアに配置される(上記の
図1B~
図1Cの説明を参照)。この向きにおいて、ハウジングの主軸は、ドアの幅軸と位置合わせされ、第1の端部は、第2の端部の左側に配置されている。
【0054】
ドアのハンドルに対するドアロックの位置は、限定されないことを理解されたい。例えば、ドアロックは、ハンドルの上または下の位置に水平左または水平右の向きで取り付けることができ、あるいは、ドアロックは、ハンドルの上または下の位置に垂直上または垂直下の向きで取り付けることができる(もちろん、邪魔になる他のドアの構成要素がドアに取り付けられないと仮定する)。ドアロックの向き(例えば、垂直上、垂直下、水平左、水平右、またはその他)は、他のドアの構成要素(例えば、ドアハンドルの上、下、左、または右)に対するドアロックの位置に関連する必要は無い。また、本開示はそのように限定するものではないので、ドアロックは、任意の向き(すなわち、ドアヒンジが右にあるか左にあるか)のドアのいずれかの側に任意の向きで取り付けることができることを理解されたい。
【0055】
図3は、本明細書に記載するいくつかの例示的な実施形態による、ドアロックを取り付ける方法のフローチャートである。ブロック302において、ドアロックの所望の向きが選択される。上述したように、ドアロックの向きは、少なくとも部分的に、他のドアの構成要素の位置及び向き、ユーザの好み、または他の要因に基づいて選択することができる。ブロック304において、適切な取付プレートが選択される。取付プレートの選択は、後付けされるデッドボルトのスタイル及び/または設計、またはドアハンドル等の他のドアの構成要素の位置及び向きを含むがこれらに限定されない他の要因に加えて、ドアロックの選択された向きに少なくとも部分的に依存しても良い。ブロック306において、選択された取付プレートに対して適切な取付技術が選択される。上述したように、取付技術は、既存のデッドボルトハードウェアと係合するねじ、ロックシリンダと係合する止めねじ、及びデッドボルトまたはドアの表面に接着する接着剤を含むことができる(ただし、これらに限定されない)。ブロック308において、取付プレートがドアに取り付けられ、これは、取付プレートをドアのデッドボルトに取り付けることを含むことができる。いくつかの実施形態において、取付プレートは、少なくとも4つの向きのうちの1つでドアに固定されても良い。
【0056】
ブロック310において、ハウジングは取付プレートに対して位置決めされている。取付プレートに対するハウジングの位置は、取付プレートの向きだけでなく、ドアロックの所望の向きに少なくとも部分的に依存し得る。いくつかの実施形態では、取付プレートに対してハウジングを位置決めすることは、ハウジング内に配置されたアクチュエータ及び/またはトランスミッションを、ドアの既存のデッドボルトの駆動軸及び/または他の構成要素と係合させることを含むことができる。アクチュエータは、デッドボルトのボルトを、トランスミッション及び/または駆動軸を介してロック位置及び/またはロック解除位置に駆動するように構成されても良い。ブロック312において、ドアロックのラッチが閉じられ、ドアロックのハウジングが取付プレートに固定されている。ブロック314では、2つ(またはそれ以上)の近接センサが較正される。近接センサの較正は、ドアの開閉、及び近接センサによって生成された信号の記録を含むことができる。例えば、ドアが閉じられている間、ユーザは、ユーザインタフェースを介して、プロセッサに対して、ドアが閉じられたことを示すことができ、プロセッサは、近接センサからの対応する信号を、ドアが閉じられたことを示すものとして記録することができる。ドアが開いているとき、またはドアが開いている複数の異なる状態で、同様の手順を繰り返すことができる。もちろん、近接センサは、複数の異なる方法のいずれかで較正しても良く、本開示は、近接センサを較正する方法に限定されないことを理解されたい。
【0057】
いくつかの実施形態において、ドアロックを取り付けるステップは、ユーザインタフェースを介してハウジングの向きを手動で選択するステップを更に含むことができる。このようなユーザインタフェースは、いくつかの実施形態において、ドアロックのハウジングと一体化されても良く、そのような場合、実施形態はこの点に限定されないので、任意の適切な形態をとっても良い。例えば、スイッチまたはボタンを用いて向きを入力しても良い。他の実施形態では、ユーザインタフェースは、ハウジングと一体化されなくても良く、代わりに、別の装置上に配置されても良い。例えば、ユーザのコンピューティングデバイス(例えば、スマートフォン、スマートウォッチまたはスマートグラス等のウェアラブルコンピューティングデバイス、タブレットコンピューティングデバイス、ラップトップまたはデスクトップパーソナルコンピュータ、携帯情報端末(PDA)、または他のデバイス)は、アプリ等のソフトウェアを実行することができ、そのソフトウェアを介して、ユーザにユーザインタフェースを提示することができる。ユーザは、ユーザインタフェースを操作して、ユーザインタフェースに向きを入力することができる。次いで、ソフトウェア及び装置は、ハウジング内に配置されたプロセッサに向きを無線で通信することができ、プロセッサは、受信時に向き情報を記憶することができる。
【0058】
近接センサが磁力計(または他の磁気センサ)である実施形態では、ドアロックを取り付けるステップは、磁石または磁性材料をドアに関連付けられたドア枠に固定するステップを更に含むことができる。近接センサが他の材料または装置を感知するための他のセンサとして実施される場合、設置は、かかる他の材料または装置をドア枠に固定することを含むことができる。
【0059】
図4は、本明細書に記載するいくつかの例示的な実施形態による、ドアが開いているか否かを決定する方法のフローチャートである。
図4の方法は、ドアロックの1つまたは複数の記憶装置(例えば、メモリ)に格納され、ドアロックのプロセッサによって実行される実行可能命令を介してドアロックによって実施されても良く、そうでなければ制御回路によって実施されても良い。
【0060】
ドアのその状況または状態に関して本明細書で使用されるように、用語「開」及び「半開き」は、「閉じていない」ことを意味するために同義的に使用されることを理解されたい。
【0061】
ブロック402において、ドアロックは、ドアに取り付けられた向きを決定している。いくつかの実施形態において、ドアロックは、ドアロックの加速度計(または他のセンサ)の信号を分析することによって、自動的に向きを決定しても良い。いくつかの実施形態では、ドアロックは、情報を手動で入力するユーザからユーザインタフェースを介して受信した情報に従って向きを決定することができる。ドアロックは、ドアロックと一体化されたユーザインタフェースまたは別のユーザインタフェースを含む任意の適切なユーザインタフェースを介して情報を取得することができ、いくつかの実施形態では、関連付けられたアプリケーションを実行するユーザのスマートフォン等、ドアロックとは別のコンピューティングデバイスから無線で向きの情報を受信することができる。
【0062】
ブロック404において、ドアロックは、ドアロックの複数の磁力計のうちの1つを主磁力計として選択している。主磁力計は、決定されたドアロックの向きに少なくとも部分的に基づいて選択することができる。例えば、ドアロックは、ドアロック内の各磁力計の位置に関する情報を用いて構成されても良く、ドアロックは、ドアが閉じられたときにドア枠に最も近い位置にある磁力計を選択しても良い。いくつかの実施形態において、ドアロックは、ロックが特定の向きにあるときに、特定の磁力計を主磁力計として選択するように構成されても良い。
【0063】
ブロック406において、選択された磁力計からの信号が得られる。ブロック408において、ドアロックは、ドア状態(例えば、閉鎖または半開き)を決定する一部として、磁力計信号を分析している。いくつかの実施形態では、信号を分析するために、ドアロックは、較正ルーチン中に生成された信号等の基準信号と信号を比較している。そのような基準信号は、ドアが閉じられたときの磁力計信号の期待値に対応することができる。磁力計からの信号がある時点で基準信号と一致する場合、例えば、基準信号と等しい場合、及び/または基準信号の閾値内にある場合、ドアを閉じることができる。しかし、磁力計信号が基準信号と一致しない場合、ドアは開いている可能性がある。ドアロックは、この決定を行うために、基準信号に関して磁力計信号を分析することができる。
【0064】
ブロック410において、信号の分析の結果に少なくとも部分的に基づいて、ドアが開いているか否かに関する決定が行われる。その後、
図4のプロセスは終了する。プロセスに続いて、ブロック410の決定は、任意の適切な方法で使用され得る。例えば、ドアが開いている/開いていないと決定された場合、いくつかの実施形態では、ドアが開いているという通知をユーザに送信することができる。これは、ドアが開いていることをユーザに通知することができるユーザのコンピューティングデバイスまたは別のデバイス(例えば、サーバ)に、ドアロックから直接通知を無線で送信することを含むことができる。
図4のプロセスが、ドア状態に関する情報を要求するユーザまたは他のエンティティによって開始された場合、プロセスに続いて、ドアロックは、決定されたドア状態(例えば、閉鎖または開放/半開き(ajar))を示す要求に対する応答を送信することができる。
【0065】
図4の方法は、1つの磁力計からの1つの信号の使用に関連して説明された。しかしながら、実施形態はそれに限定されないことを理解されたい。いくつかの実施形態では、1つの磁力計が主磁力計として扱われ、ドア状態を決定するために主に使用されても良いが、他の実施形態では、1つまたは複数の副磁力計が、ドア状態を決定するために更に使用されても良い。いくつかのそのような実施形態では、主磁力計の信号を分析した結果は、ドア状態の決定を行う際に最も重み付けされても良く、一方、副磁力計からの信号を分析した結果は、重み付けされなくても良い。複数の磁力計からの信号が分析される実施形態において、信号は、いくつかの実施形態において、同様の方法で分析されても良い。例えば、分析が、較正からのような、信号を基準値と比較することを含む場合、磁力計信号の各々は、各々が較正中に得られた対応する基準信号とそれぞれ比較され得る。全ての信号が基準信号と一致し、従って全ての信号が、ドアが閉じていることを示す場合、ドアが閉じていると決定することができる。主磁力計の比較結果がドアは閉じていることを示し、副磁力計の比較結果がドアは開いていることを示す場合、主磁力計からの比較結果を結果として使用することができる。または、2つの結果が異なる場合、ドアロックは、ドア状態が不確実であると決定しても良く、または、ドアが1つの状態にある可能性があるが、別の磁力計がドアは別の状態にある可能性があることを示す状態の決定を出力しても良い。
【0066】
図4の方法は、磁力計を参照して説明されるが、本開示はそのように限定されないので、任意の適切な近接センサが使用されても良いことが理解されるべきである。
【0067】
図5は、本明細書に記載するいくつかの例示的な実施形態による、ドア状態を決定する別の方法のフローチャートである。
図5の方法は、いくつかの実施形態では、攻撃者が外部磁石を使用してドアロックの磁力計に誤った値を出力させ、ドアロックにドア状態に関する誤った結論に到達させようとするシナリオ等において、ドアが攻撃を受けているかどうかを決定するために使用されても良い。
図4の方法は、ドアロックの1つまたは複数の記憶装置(例えば、メモリ)に格納され、ドアロックのプロセッサによって実行される実行可能命令を介してドアロックによって実施されても良く、そうでなければ制御回路によって実施されても良い。
【0068】
ドア状態は、当該ドアの状態を単に確認すること、またはドアをロック解除する要求に応答してドアをロック解除するか否かを決定することを含むが、これらに限定されない、任意の適切な理由のために決定され得ることが理解されるべきである。
【0069】
ブロック502において、ドアロックは、ドアロックの主磁力計から第1の信号を受信している。上述のように、ドアロックは、上述の技術を使用することを含め、ドアロックの向きに少なくとも部分的に基づいて主磁力計を選択することができる。ブロック504において、ドアロックは、ドアロックの副磁力計から第2の信号を受信している。
【0070】
ブロック506において、ドアロックは、第1の信号及び第2の信号を分析している。信号を分析することは、第1の信号を第1の基準信号と比較し、第2の信号を第2の基準信号と比較することを含むことができる。上述のように、基準信号は、較正ルーチン中に生成することができる。
【0071】
いくつかの実施形態では、ブロック506において、ドアロックはまた、第1の信号と第2の信号とが互いに一致するかどうかを決定することができる。例えば、第1の信号が対応する基準値と一致し、第2の信号が一致しない場合(またはその逆の場合)、ドアロックは、2つの信号が互いに矛盾していると決定することができる。別の例として、いくつかの実施形態では、ドアロックは、第1の基準信号の所与の値に対して、第2の信号の値が第2の信号の期待値に一致するかどうかを決定することができる。これは、通常の状況下(すなわち、攻撃を受けている間ではない)では、2つの磁力計が、予測可能な方法で、且つ予測可能に変化する方法で信号を出力することができるために行われ得る。これは、ヒンジ式ドアの場合、磁力計は、磁力計がドア枠に配置された磁石から更に離れるかまたはそれに近づくにつれて、ドアのスイング経路(swing path)に沿って変化する信号を出力することができ、ドアがスイングされるたびに同じ信号(または許容差の閾値差内の信号)を出力することができるからである。それを仮定すると、両方の磁力計に対して予測可能な値が存在する可能性があり、一方の磁力計によって出力される値は、スイング経路に沿ったドアの特定の位置に対応する可能性があり、そのドア位置で他方の磁力計によって出力される値は、決定可能である可能性がある。このように、ドアロックは、ブロック502で磁力計に対して得られた所与の値に対して、他の磁力計に対する信号の値が、その磁力計に対する期待値/予測値と一致するかどうかを決定することができる。
【0072】
別の例として、ドアロックは、磁力計によって出力された第1の信号及び第2の信号の値の最近の変化が一致しているか否かを決定することができる。例えば、第2の信号が一定のままである間に第1の信号が大きく変化することは、両方とも同じドアに取り付けられ、従って一緒に変化または一定に保持されるはずである磁力計によって出力される信号と矛盾する可能性があり、攻撃を示す可能性がある。
【0073】
ブロック508において、ドアロックは、ブロック506における第1の信号及び第2の信号の分析結果に基づいてドア状態を決定している。いくつかの実施形態では、ドア状態を決定することは、第1の信号及び第2の信号が、ドアが開いているかまたは閉じているかのいずれかであることを示すことの決定を含むことができる。いくつかの実施形態において、ドアロックはまた、いくつかの場合において、信号が予期しない状態を示すことを決定しても良い。これは、磁力計信号の予期しない状態である可能性があり、ドア状態が不確定または予期できないことを示している。
【0074】
予期しない状態は、攻撃(例えば、進行中の侵入の試み)を示す場合もあれば、エラーを示す場合もある。いくつかの実施形態では、予期しない状態を検出することは、第1の信号及び第2の信号の両方が同じドア状態を示さないか、または互いに矛盾していると決定することを含むことができる。もちろん、予期しない状態は、他の方法で第1の信号及び第2の信号に基づいて検出されても良く、本開示は、予期される状態がどのように検出されるかに関して限定されないことが理解されるべきである。
【0075】
ブロック510において、ドアロックはドア状態を出力している。ドア状態を出力することは、予期しない状態が決定された場合(これは、攻撃を示し得る)に、ドアロックから、ドアロックの所有者または法執行機関等のドアロックの外部の受信者に、無線で警報を送信することを含み得る。従って、これらの実施形態では、起こり得る攻撃が検出された場合、ロックの所有者及び/または法執行機関に通知することができる。しかし、他の実施形態では、可能性のある状態を検出するのではなく、ドアロックエラーを検出することができ、ロックの所有者のみに通知し、法執行機関には通知しないことができる。
【0076】
いくつかの実施形態において、本方法はまた、ドアに対する起こり得る攻撃の検出に応答してドアロックをロック解除することを控えるようにドアロックを構成することを含み得る。前述したように、ドアに対する攻撃が成功してしまうと、ドアロックが自動的にロック解除される場合がある。従って、いくつかの実施形態では、ドアロックは、住宅所有者またはロックの別の有効なユーザから受信されることを意図するロック解除要求に応答しても、しばらくの間ロック解除されない場合がある。これにより、ドアに侵入しようとする試みが進行中であることをドアロックが検出した場合に、ドアが開くのを防ぐことができる。いくつかのそのような実施形態では、ドアロックは、特定の期間だけロック解除を控えるように構成することができる。例えば、適切な時間は、5分、10分、1時間、または他の適切な時間であっても良い。
【0077】
本明細書に記載される技術の上述の実施形態は、多数の方法のいずれかで実施することができる。例えば、実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせを使用して実装されても良い。ソフトウェアで実装される場合、ソフトウェアコードは、単一のコンピュータで提供されるか、または複数のコンピュータに分散されるかに拘わらず、任意の適切なプロセッサまたはプロセッサの集合で実行する場合がある。このようなプロセッサは、CPUチップ、GPUチップ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、またはコプロセッサ等の名称で、当技術分野で知られている市販の集積回路コンポーネントを含む、集積回路コンポーネント内の1つまたは複数のプロセッサを有する集積回路として実装する場合がある。あるいは、プロセッサは、ASIC等のカスタム回路、またはプログラマブルロジックデバイスを構成することから得られるセミカスタム回路に実装されても良い。更に別の代替として、プロセッサは、市販されているか、セミカスタムであるか、カスタムであるかに拘わらず、より大きな回路または半導体デバイスの一部であっても良い。特定の例として、いくつかの市販のマイクロプロセッサは、それらのコアの1つまたはサブセットがプロセッサを構成し得るように、複数のコアを有している。しかし、プロセッサは、任意の適切なフォーマットの回路を使用して実装されても良い。
【0078】
このようなプロセッサは、ローカルエリアネットワークまたは企業ネットワークやインターネット等のワイドエリアネットワークを含む、任意の適切な形態の1つまたは複数のネットワークによって相互接続することができる。このようなネットワークは、任意の適切な技術に基づくことができ、任意の適切なプロトコルに従って動作することができ、無線ネットワーク、有線ネットワーク、または光ファイバネットワークを含む場合がある。
【0079】
また、本明細書で概説される様々な方法またはプロセスは、様々なオペレーティングシステムまたはプラットフォームのいずれか1つを採用する1つまたは複数のプロセッサ上で実行可能なソフトウェアとしてコード化されても良い。更に、このようなソフトウェアは、多数の適切なプログラミング言語及び/またはプログラミングツール若しくはスクリプティングツールのいずれかを使用して書かれても良く、実行可能なマシン言語コードまたはフレームワーク若しくは仮想マシン上で実行される中間コードとしてコンパイルされても良い。
【0080】
この点に関して、本明細書に記載される実施形態は、1つまたは複数のコンピュータまたは他のプロセッサ上で実行されると、上述の様々な実施形態を実装する方法を実行する1つまたは複数のプログラムで符号化されたコンピュータ読取り可能記憶媒体(または複数のコンピュータ読取り可能媒体)(例えば、コンピュータメモリ、1つまたは複数のフロッピーディスク、コンパクトディスク(CD)、光ディスク、デジタルビデオディスク(DVD)、磁気テープ、フラッシュメモリ、フィールドプログラマブルゲートアレイまたは他の半導体デバイス内の回路構成、または他の有形のコンピュータ記憶媒体)として具現化され得る。前述の例から明らかなように、コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータ実行可能命令(computer-executable instruction)を非一時的な形式で提供するのに十分な時間、情報を保持することができる。そのようなコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、その上に格納されたプログラムが、1つまたは複数の異なるコンピュータまたは他のプロセッサ上にロードされて、上述のように本開示の様々な態様を実施することができるように、移動可能であり得る。本明細書で使用される場合、用語「コンピュータ可読記憶媒体」は、製造業者(すなわち、製品)または機械であるとみなすことができる非一時的なコンピュータ読取り可能媒体のみを包含している。代替的または追加的に、本開示は、伝搬信号等、コンピュータ可読記憶媒体以外のコンピュータ読取り可能媒体として実施する場合がある。
【0081】
「プログラム」または「ソフトウェア」という用語は、本明細書では、一般的な意味で使用され、上述したように、本開示の様々な態様を実施するためにコンピュータまたは他のプロセッサをプログラムするために使用することができる任意のタイプのコンピュータコードまたはコンピュータ実行可能命令のセットを指している。更に、この実施形態の1つの態様によれば、実行されたときに本開示の方法を実行する1つまたは複数のコンピュータプログラムは、単一のコンピュータまたはプロセッサ上に存在する必要は無く、本開示の様々な態様を実装するために、多数の異なるコンピュータまたはプロセッサの間で、モジュール方式で分散されても良いことが理解されるべきである。
【0082】
コンピュータ実行可能命令は、1つまたは複数のコンピュータまたは他のデバイスによって実行される、プログラムモジュール等の多くの形式であり得る。一般に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行するか、または特定の抽象データ型を実装するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造等を含む。典型的には、プログラムモジュールの機能性は、様々な実施形態において所望されるように、組み合わされ得るか、または分散され得る。
【0083】
また、データ構造は、任意の適切な形態でコンピュータ読取り可能媒体に格納することができる。説明を簡単にするために、データ構造は、データ構造内の位置によって関連付けられるフィールドを有するように示され得る。このような関係は、同様に、フィールド間の関係を伝達するコンピュータ読取り可能媒体内の位置を有するフィールドのための記憶装置を割り当てることによって達成することができる。しかし、ポインタ、タグ、またはデータ要素間の関係を確立する他の機構の使用を含む、任意の適切な機構を使用して、データ構造のフィールド内の情報間の関係を確立することができる。
【0084】
本開示の様々な態様は、単独で、組み合わせて、または前述の実施形態で具体的に説明されていない様々な配置で使用することができ、従って、その適用は、前述の説明または図面に示された構成要素の詳細及び配置に限定されない。例えば、一実施形態に記載された態様は、他の実施形態に記載された態様と任意の方法で組み合わせることができる。
【0085】
また、ここに記載される実施形態は、例が提供された方法として具体化されても良い。方法の一部として実行される行為は、任意の適切な方法で命令することができる。従って、例示的な実施形態では連続的な動作として示されているが、いくつかの動作を同時に実行することを含む場合がある、図示された順序とは異なる順序で動作が実行される実施形態を構築することができる。
【0086】
更に、いくつかのアクションは、「ユーザ」によって行われるものとして記述されている。「ユーザ」は、単一の個人である必要は無く、いくつかの実施形態では、「ユーザ」に起因するアクションは、個人のチーム及び/またはコンピュータ支援ツールまたは他の機構と組み合わせた個人によって実行され得ることを理解されたい。
【0087】
本教示は、様々な実施形態及び実施例に関連して説明されてきたが、本教示がそのような実施形態または実施例に限定されることは意図されない。反対に、本教示は、当業者によって理解されるように、種々の代替物、改変物、及び等価物を包含している。従って、前述の説明及び図面は、例としてのみである。
【国際調査報告】