(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-17
(54)【発明の名称】集積化された電気駆動システム及び電動自動車
(51)【国際特許分類】
B60K 1/00 20060101AFI20231010BHJP
【FI】
B60K1/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023519846
(86)(22)【出願日】2021-09-29
(85)【翻訳文提出日】2023-05-30
(86)【国際出願番号】 CN2021121798
(87)【国際公開番号】W WO2022068892
(87)【国際公開日】2022-04-07
(31)【優先権主張番号】202011063762.8
(32)【優先日】2020-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100104329
【氏名又は名称】原田 卓治
(74)【代理人】
【識別番号】100175019
【氏名又は名称】白井 健朗
(74)【代理人】
【識別番号】100195648
【氏名又は名称】小林 悠太
(72)【発明者】
【氏名】リン、フーピン
(72)【発明者】
【氏名】ジャイ ゼェン
(72)【発明者】
【氏名】フー、レイ
(72)【発明者】
【氏名】ション、ユチャオ
【テーマコード(参考)】
3D235
【Fターム(参考)】
3D235AA02
3D235BB17
3D235BB18
3D235CC12
3D235CC13
3D235DD19
(57)【要約】
集積化された電気駆動システム及び電動自動車である。該集積化された電気駆動システムはモータ(1)、減速機(2)、コントローラ(3)及び一体化されたハウジング(4)を備え、一体化されたハウジング(4)に第1のハウジングスペース(41)が形成され、一体化されたハウジング(4)に第2のハウジングスペース(42)、及び減速機(2)を取り付けるための第3のハウジングスペース(43)が設けられ、コントローラ(3)はモータ(1)に接続され、モータ(1)の出力軸(23)は減速機(2)に接続され、予め設定された取付幅値と第1のハウジングスペース(41)の幅値との間の差の絶対値は第1の差閾値以下であり、第1のハウジングスペース(41)の長さ値と第3のハウジングスペース(43)の長さ値との間の差の絶対値は第2の差閾値以下である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積化された電気駆動システムであって、モータ、減速機、コントローラ及び一体化されたハウジングを備え、前記一体化されたハウジングに第1の開口を有し且つ前記コントローラを取り付けるための第1のハウジングスペースが凹んで形成され、前記一体化されたハウジングの前記第1の開口から背離する方向に前記モータを取り付けるための第2のハウジングスペース、及び前記減速機を取り付けるための第3のハウジングスペースが設けられ、前記コントローラは前記モータに接続され、前記モータの出力軸は前記減速機に接続され、
前記モータの出力軸に平行である方向において、予め設定された取付幅値と第1のハウジングスペースの幅値との間の差の絶対値は第1の差閾値以下であり、前記予め設定された取付幅値は前記第2のハウジングスペースの幅値と前記第3のハウジングスペースの幅値との和であり、
前記モータの出力軸に垂直で且つ水平面に平行な方向において、前記第1のハウジングスペースの長さ値と前記第3のハウジングスペースの長さ値との間の差の絶対値は第2の差閾値以下であることを特徴とする集積化された電気駆動システム。
【請求項2】
前記モータの出力軸に垂直で且つ水平面に平行な方向において、前記第1のハウジングスペースの長さ値の半分と前記第2のハウジングスペースの長さ値との間の差の絶対値は第3の差閾値以下であることを特徴とする請求項1に記載の集積化された電気駆動システム。
【請求項3】
前記第1の差閾値は零であることを特徴とする請求項2に記載の集積化された電気駆動システム。
【請求項4】
前記第2の差閾値は零であることを特徴とする請求項2に記載の集積化された電気駆動システム。
【請求項5】
前記第3の差閾値は零であることを特徴とする請求項2に記載の集積化された電気駆動システム。
【請求項6】
前記集積化された電気駆動システムはエアコン圧縮機及び前記減速機の前記第2のハウジングスペースから遠い端面に取り付けられる支持フレームをさらに備え、前記エアコン圧縮機は前記支持フレームに取り付けられて且つ前記コントローラに接続されることを特徴とする請求項1-5のいずれかに記載の集積化された電気駆動システム。
【請求項7】
前記集積化された電気駆動システムは前記支持フレームに取り付けられて且つ前記コントローラに接続されたウォーターポンプをさらに備えることを特徴とする請求項6に記載の集積化された電気駆動システム。
【請求項8】
前記支持フレームは、縦板と前記縦板の上端に接続される横板を含み、前記縦板は前記減速機の前記モータから遠い端面に取り付けられ、前記ウォーターポンプは前記横板の上方に取り付けられ、前記エアコン圧縮機は前記縦板の前記減速機から遠い一側に取り付けられ且つ前記横板の下方に位置することを特徴とする請求項7に記載の集積化された電気駆動システム。
【請求項9】
前記コントローラは、コンデンサモジュール、IGBTモジュール、三相銅バー、直流バスバー、車載充電器及び直流コンバータを備え、前記車載充電器及び直流コンバータはいずれも自動車動力電池に接続され、前記コンデンサモジュール、IGBTモジュール、三相銅バー、車載充電器及び直流コンバータはいずれも前記第1のハウジングスペース内に取り付けられ、前記コンデンサモジュールは前記一体化されたハウジングに取り付けられる前記直流バスバーを介して前記自動車動力電池に接続され、前記三相銅バーは前記モータの三相端子に接続され、
前記自動車動力電池は順次に接続された前記直流バスバー、前記コンデンサモジュール、前記IGBTモジュール及び前記三相銅バーによって前記モータの回転を駆動することを特徴とする請求項1-8のいずれかに記載の集積化された電気駆動システム。
【請求項10】
前記車載充電器及び直流コンバータは放熱モジュール、電子制御素子駆動モジュール及び発熱素子駆動モジュールを備え、前記発熱素子駆動モジュールは前記放熱モジュールに取り付けられ、前記電子制御素子駆動モジュールは前記発熱素子駆動モジュールの前記放熱モジュールから遠い一端に取り付けられることを特徴とする請求項9に記載の集積化された電気駆動システム。
【請求項11】
前記第1のハウジングスペースは、いずれも矩形状に設けられ且つ隣接する第1の内部スペース及び第2の内部スペースを含み、
前記コンデンサモジュール、IGBTモジュール及び三相銅バーはいずれも前記第1の内部スペース内に取り付けられ、前記車載充電器及び直流コンバータは前記第2の内部スペース内に取り付けられ、前記直流バスバーは前記第1の内部スペースの前記第2の内部スペースから背離する一側に位置することを特徴とする請求項9に記載の集積化された電気駆動システム。
【請求項12】
前記一体化されたハウジングは第1の冷却水路、第2の冷却水路、水路入口及び水路出口を含み、前記第1の冷却水路は前記一体化されたハウジング内の前記IGBTモジュールに対向する位置に設けられ、第2の冷却水路は前記一体化されたハウジング内の前記車載充電器及び直流コンバータに対向する位置に設けられ、
前記水路入口の一端に予め設定された給水装置が接続され、前記水路入口の他端に前記第1の冷却水路と前記第2の冷却水路が接続され、前記の水路出口は前記第1の冷却水路と前記第2の冷却水路の前記水路入口から遠い一端に接続されることを特徴とする請求項9に記載の集積化された電気駆動システム。
【請求項13】
前記モータは前記減速機に接続される外部ハウジング及び前記外部ハウジング内に挿入される内部ハウジングを含み、前記外部ハウジングの内壁と前記内部ハウジングの外壁との間に冷却スペースが形成され、前記外部ハウジングにいずれも前記冷却スペースに連通する給水口と出水口が設けられ、前記水路出口の前記第1の冷却水路から遠い一端は前記給水口に連通することを特徴とする請求項12に記載の集積化された電気駆動システム。
【請求項14】
前記内部ハウジングの外壁に前記モータの出力軸に沿って周方向に配置される複数のガイドリブ板が設けられることを特徴とする請求項13に記載の集積化された電気駆動システム。
【請求項15】
前記減速機は、主軸、中間軸、出力軸、ドライブギヤ、出力ギヤ、中間ドライブギヤ及び中間ドリブンギヤを備え、前記主軸は前記モータの出力軸に接続され、前記ドライブギヤは前記主軸に取り付けられ、前記中間ドライブギヤと前記中間ドリブンギヤはいずれも前記中間軸に取り付けられ、前記出力ギヤは前記出力軸に取り付けられ、前記中間ドライブギヤは前記ドライブギヤに噛み合い、前記中間ドリブンギヤは前記出力ギヤに噛み合い、
前記中間軸の軸線は前記主軸及び前記出力軸の軸線よりも高く、前記主軸の軸線に垂直な平面において、前記主軸の中心点と前記出力軸の中心点とを結ぶ線と水平面との間の角度は予め設定された角度以下であることを特徴とする請求項1-14のいずれかに記載の集積化された電気駆動システム。
【請求項16】
前記一体化されたハウジングの前記第1の開口から背離する端面に電池を取り付けるための電池取付スペースが設けられることを特徴とする請求項1-15のいずれかに記載の集積化された電気駆動システム。
【請求項17】
前記集積化された電気駆動システムは前記開口に適合して接続するハウジングカバーをさらに備えることを特徴とする請求項1-16のいずれかに記載の集積化された電気駆動システム。
【請求項18】
請求項1-17のいずれか1項に記載の集積化された電気駆動システムを備えることを特徴とする電動自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は電動自動車の技術分野に関し、特に集積化された電気駆動システム及び電動自動車に関する。
【背景技術】
【0002】
電気駆動システムは、電動自動車のコアとしての部材であり、新エネルギー自動車の継続的な開発に伴い、自動車駆動システムの配置要件もますます高くなっている。電気駆動システムは、駆動モータ、モータコントローラ、トランスミッション、空気圧縮機、ウォーターポンプ、車両全体コントローラ、車載充電器及び直流コンバータなどの部材を組み合わせている。従来の技術では、電気駆動システムの集積制御ハウジングは、通常、駆動モータの固定子ハウジングの頂部に取り付けられ、トランスミッションは駆動モータの出力軸端に取り付けられ、空気圧縮機は支持フレームによってトランスミッションに掛けられる。しかし、このような集積方式の電気駆動システムでは、全体重量が重く、集積度が低く、ハウジングスペースが大きく、且つ金型と材料費用が高いなどの欠点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本願は、従来の技術における電気駆動システムに存在する、集積度が低く、ハウジングスペースが大きいなどの技術的問題を解決し、集積化された電気駆動システム及び電動自動車を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
以上の問題を鑑みて、本願の実施例による集積化された電気駆動システムは、モータ、減速機、コントローラ及び一体化されたハウジングを備え、前記一体化されたハウジングに第1の開口を有し且つ前記コントローラを取り付けるための第1のハウジングスペースが凹んで形成され、前記一体化されたハウジングの前記第1の開口から背離する方向に前記モータを取り付けるための第2のハウジングスペース、及び前記減速機を取り付けるための第3のハウジングスペースが設けられ、前記コントローラは前記モータに接続され、前記モータの出力軸は前記減速機に接続され、
前記モータの出力軸に平行である方向において、予め設定された取付幅値と第1のハウジングスペースの幅値との間の差の絶対値は第1の差閾値以下であり、前記予め設定された取付幅値は前記第2のハウジングスペースの幅値と前記第3のハウジングスペースの幅値との和であり、
前記モータの出力軸に垂直で且つ水平面に平行な方向において、前記第1のハウジングスペースの長さ値と前記第3のハウジングスペースの長さ値との間の差の絶対値は第2の差閾値以下である。
【0005】
本願のいくつかの例では、前記モータの出力軸に垂直で且つ水平面に平行な方向において、前記第1のハウジングスペースの長さ値の半分と前記第2のハウジングスペースの長さ値との間の差の絶対値は第3の差閾値以下である。
【0006】
本願のいくつかの例では、前記第1の差閾値は零である。
【0007】
本願のいくつかの例では、前記第2の差閾値は零である。
【0008】
本願のいくつかの例では、前記第3の差閾値は零である。
【0009】
本願のいくつかの例では、前記集積化された電気駆動システムはエアコン圧縮機及び前記減速機の前記第2のハウジングスペースから遠い端面に取り付けられる支持フレームをさらに備え、前記エアコン圧縮機は前記支持フレームに取り付けられて且つ前記コントローラに接続される。
【0010】
本願のいくつかの例では、前記集積化された電気駆動システムは前記支持フレームに取り付けられて且つ前記コントローラに接続されたウォーターポンプをさらに備える。
【0011】
本願のいくつかの例では、前記支持フレームは、縦板と前記縦板の上端に接続される横板を含み、前記縦板は前記減速機の前記モータから遠い端面に取り付けられ、前記ウォーターポンプは前記横板の上方に取り付けられ、前記エアコン圧縮機は前記縦板の前記減速機から遠い一側に取り付けられ且つ前記横板の下方に位置する。
【0012】
本願のいくつかの例では、前記コントローラは、コンデンサモジュール、IGBTモジュール、三相銅バー、直流バスバー、車載充電器及び直流コンバータを備え、前記車載充電器及び直流コンバータはいずれも自動車動力電池に接続され、前記コンデンサモジュール、IGBTモジュール、三相銅バー、車載充電器及び直流コンバータはいずれも前記第1のハウジングスペース内に取り付けられ、前記コンデンサモジュールは前記一体化されたハウジングに取り付けられる前記直流バスバーを介して前記自動車動力電池に接続され、前記三相銅バーは前記モータの三相端子に接続され、
前記自動車動力電池は順次に接続された前記直流バスバー、前記コンデンサモジュール、前記IGBTモジュール及び前記三相銅バーによって前記モータの回転を駆動する。
【0013】
本願のいくつかの例では、前記車載充電器及び直流コンバータは放熱モジュール、電子制御素子駆動モジュール及び発熱素子駆動モジュールを備え、前記発熱素子駆動モジュールは前記放熱モジュールに取り付けられ、前記電子制御素子駆動モジュールは前記発熱素子駆動モジュールの前記放熱モジュールから遠い一端に取り付けられる。
【0014】
本願のいくつかの例では、前記第1のハウジングスペースは、いずれも矩形状に設けられ且つ隣接する第1の内部スペース及び第2の内部スペースを含み、
前記コンデンサモジュール、IGBTモジュール及び三相銅バーはいずれも前記第1の内部スペース内に取り付けられ、前記車載充電器及び直流コンバータは前記第2の内部スペース内に取り付けられ、前記直流バスバーは前記第1の内部スペースの前記第2の内部スペースから背離する一側に位置する。
【0015】
本願のいくつかの例では、前記一体化されたハウジングは第1の冷却水路、第2の冷却水路、水路入口及び水路出口を含み、前記第1の冷却水路は前記一体化されたハウジング内の前記IGBTモジュールに対向する位置に設けられ、第2の冷却水路は前記一体化されたハウジング内の前記車載充電器及び直流コンバータに対向する位置に設けられ、
前記水路入口の一端に予め設定された給水装置が接続され、前記水路入口の他端に前記第1の冷却水路と前記第2の冷却水路が接続され、前記の水路出口は前記第1の冷却水路と前記第2の冷却水路の前記水路入口から遠い一端に接続される。
【0016】
本願のいくつかの例では、前記モータは前記減速機に接続される外部ハウジング及び前記外部ハウジング内に挿入される内部ハウジングを含み、前記外部ハウジングの内壁と前記内部ハウジングの外壁との間に冷却スペースが形成され、前記外部ハウジングにいずれも前記冷却スペースに連通する給水口と出水口が設けられ、前記水路出口の前記第1の冷却水路から遠い一端は前記給水口に連通する。
【0017】
本願のいくつかの例では、前記内部ハウジングの外壁に前記モータの出力軸に沿って周方向に配置される複数のガイドリブ板が設けられる。
【0018】
本願のいくつかの例では、前記減速機は、主軸、中間軸、出力軸、ドライブギヤ、出力ギヤ、中間ドライブギヤ及び中間ドリブンギヤを備え、前記主軸は前記モータの出力軸に接続され、前記ドライブギヤは前記主軸に取り付けられ、前記中間ドライブギヤと前記中間ドリブンギヤはいずれも前記中間軸に取り付けられ、前記出力ギヤは前記出力軸に取り付けられ、前記中間ドライブギヤは前記ドライブギヤに噛み合い、前記中間ドリブンギヤは前記出力ギヤに噛み合い、
前記中間軸の軸線は前記主軸及び前記出力軸の軸線よりも高く、前記主軸の軸線に垂直な平面において、前記主軸の中心点と前記出力軸の中心点とを結ぶ線と水平面との間の角度は予め設定された角度以下である。
【0019】
本願のいくつかの例では、前記一体化されたハウジングの前記第1の開口から背離する端面に電池を取り付けるための電池取付スペースが設けられる。
【0020】
本願のいくつかの例では、前記集積化された電気駆動システムは前記開口に適合するハウジングカバーをさらに備える。
【0021】
本願では、該集積化された電気駆動システムは、前記コントローラ、前記モータ及び前記減速機が集積され、前記コントローラは前記一体化されたハウジング内の第1のハウジングスペース内に取り付けられ、且つ前記モータと前記減速機はそれぞれ前記一体化されたハウジングの下方の第2のハウジングスペースと前記第3のハウジングスペース内に取り付けられ、前記第2のハウジングスペースの幅値と前記第3のハウジングスペースの幅値との和と第1のハウジングスペースの幅値との間の差の絶対値は第1の差閾値以下であり、前記モータの出力軸に垂直で且つ水平面に平行な方向において、前記第1のハウジングスペースの長さ値と前記第3のハウジングスペースの長さ値との間の差の絶対値は第2の差閾値以下である。以上の配置方式により、該集積化された電気駆動システムは、各方向における取付スペースが比較的バランスが取れており、且つ各方向に大きなサスペンションスペースが残っていないため、一体化されたハウジングのモーダルを向上させ、自動車のNVH(Noise、Vibration、Harshness、雑音、振動、ハーシュネス)を改善し、また、該集積化された電気駆動システムは集積度が高く、自動車における取付スペースを小さくし、これにより、前記モータの増大のためにスペースを提供し、且つ集積度の高い前記集積化された電気駆動システムは各部材間の複雑なハーネス接続を省略する。
【0022】
本願の一実施例は、上記の集積化された電気駆動システムを備える電動自動車をさらに提供する。
【0023】
本願の付加的な態様と利点は以下の説明に部分的に示され、部分的に以下の説明から明らかになり、または本願の実践を通じて了解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本願の一実施例による集積化された電気駆動システムの分解構造模式図である。
【
図2】本願の一実施例による集積化された電気駆動システムの組立構造模式図である。
【
図3】本願の一実施例による集積化された電気駆動システムの第1のハウジングスペース、第2のハウジングスペース及び第3のハウジングスペースの配置模式図である。
【
図4】本願の一実施例による集積化された電気駆動システムの構造模式図である。
【
図5】本願の一実施例による集積化された電気駆動システムのコントローラの構造模式図である。
【
図6】本願の一実施例による集積化された電気駆動システムの車載充電器及び直流コンバータの構造模式図である。
【
図7】本願の一実施例による集積化された電気駆動システムの第1の冷却水路と第2の冷却水路の模式図である。
【
図8】本願の一実施例による集積化された電気駆動システムの減速機の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本願が解決しようとする技術的問題、技術的手段及び有益な効果をより明らかにするために、以下、図面及び実施例を参照して、本願を更に詳細に説明する。理解すべきであるものとして、ここで説明する具体的な実施例は本願を解釈するためにのみ使用され、本願を制限するためのものではない。
【0026】
なお、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」、「中部」など方向および位置関係を示す用語は図面に示す方向または位置関係に基づき、本願の説明をしやすくするとともに記述を簡素化するためのものにすぎず、指している装置または素子が特定の方向、特定の方向での構成及び操作を有しなければならないことを示すまたは暗に示すものではなく、本願を限定するものとみなすことはできない。
【0027】
本願において、集積化された電気駆動システムの構造及びその接続関係をよりよく示すために、本願で言う「上」は実際にルーフに向かう方向(即ち
図2に示される集積化された電気駆動システムの上方)であり、本願で言う「下」は実際に車底に向かう方向(即ち
図2に示される集積化された電気駆動システムの下方)であり、本願で言う「左」は
図2に示される集積化された電気駆動システムの左方であり、本願で言う「右」は
図2に示される集積化された電気駆動システムの右方である。
【0028】
図1~
図4に示すように、本願の一実施例による集積化された電気駆動システムは、モータ1、減速機2、コントローラ3及び一体化されたハウジング4を備え、前記一体化されたハウジング4に第1の開口を有して前記コントローラ3を取り付けるための第1のハウジングスペース41が凹んで形成され、前記一体化されたハウジング4の前記第1の開口から背離する方向に前記モータ1を取り付けるための第2のハウジングスペース42、及び前記減速機2を取り付けるための第3のハウジングスペース43が設けられ、前記コントローラ3は前記モータ1に接続され、前記モータ1的出力軸23は前記減速機2に接続され、理解できるように、前記第1のハウジングスペース41は前記一体化されたハウジング4内に位置し、前記第2のハウジングスペース42及び前記第3のハウジングスペース43はそれぞれ前記一体化されたハウジング4の下方の左右両側に位置し、前記コントローラ3はモータコントローラ、自動車動力電池コントローラ、自動車動力電池充放電機器などを備える。
【0029】
図3及び
図4に示すように、前記モータ1の出力軸23に平行な方向において、予め設定された取付幅値と第1のハウジングスペース41の幅値との間の差の絶対値は第1の差閾値以下であり、前記予め設定された取付幅値は前記第2のハウジングスペース42の幅値と前記第3のハウジングスペース43の幅値との和であり、本願のいくつかの実施例において、前記第1の差閾値は零であり、即ち前記第1のハウジングスペース41の幅値は前記第2のハウジングスペース42の幅値と前記第3のハウジングスペース43の幅値の和であり、即ち前記一体化されたハウジング4の幅方向(即ち前記モータ1の出力軸23に平行な方向において)において、前記モータ1と前記減速機2は前記一体化されたハウジング4の下方を詰める。理解できるように、前記第1の差閾値は実際の必要に応じて設定でき、例えば前記第1の差閾値の取る値範囲は0~10mm(例えば3mm、6mm、9mmなど)である。
【0030】
前記モータ1の出力軸23に垂直で且つ水平面に平行な方向において、前記第1のハウジングスペース41の長さ値と前記第3のハウジングスペース43の長さ値との間の差の絶対値は第2の差閾値以下である。本願のいくつかの実施例において、前記第2の差閾値は零であり、即ち前記第1のハウジングスペース41の長さ値は前記第3のハウジングスペース43の長さ値と等しく、即ち前記一体化されたハウジング4の長辺方向において、前記減速機2は前記一体化されたハウジング4の下方の一側を詰める。理解できるように、前記第2の差閾値は実際の必要に応じて設定でき、例えば前記第2の差閾値の取る値範囲は0~10mm(例えば3mm、6mm、9mmなど)であってもよい。
【0031】
本願において、該集積化された電気駆動システムには前記コントローラ3、前記モータ1及び前記減速機2が集積され、前記コントローラ3は前記一体化されたハウジング4内の第1のハウジングスペース41内に取り付けられ、且つ前記モータ1と前記減速機2はそれぞれ前記一体化されたハウジング4の下方の第2のハウジングスペース42と前記第3のハウジングスペース43内に取り付けられ、且つ前記第2のハウジングスペース42の幅値と前記第3のハウジングスペース43の幅値との和と第1のハウジングスペース41の幅値との間の差の絶対値は第1の差閾値以下であり、前記モータ1の出力軸23に垂直で且つ水平面に平行な方向において、前記第1のハウジングスペース41の長さ値と前記第3のハウジングスペース43の長さ値との間の差の絶対値は第2の差閾値以下である。以上の配置方式により、該集積化された電気駆動システムは、各方向における取付スペースが比較的バランスが取れており、且つ各方向に大きなサスペンションスペースが残っていないため、一体化されたハウジング4のモーダルを向上させ、自動車のNVH(Noise、Vibration、Harshness、雑音、振動、ハーシュネス)を改善し、また、該集積化された電気駆動システムは集積度が高く、自動車における取付スペースを小さくし、これにより、前記モータ1の増大のためにスペースを提供し、且つ集積度の高い前記集積化された電気駆動システムは各部材間の複雑なハーネス接続を省略する。
【0032】
一実施例において、
図2に示すように、前記モータ1の出力軸23に垂直で且つ水平面に平行な方向において、前記第1のハウジングスペース41の長さ値の半分と前記第2のハウジングスペース42の長さ値との間の差の絶対値は第3の差閾値以下である。本願のいくつかの実施例において、前記第3の差閾値は零であり、即ち前記一体化されたハウジング4の長辺方向において、前記モータ1の取付長さは前記一体化されたハウジング4の長さの半分を占め、前記第2のハウジングスペース42の長さは第1のハウジングスペース41の長さの半分のみを占めるのは、前記モータ1の形状に応じて設計されるためであり、理解できるように、前記第3の差閾値は実際の必要に応じて設定でき、例えば前記第3の差閾値の取る値範囲は0~10mm(例えば3mm、6mm、9mmなど)である。前記第2のハウジングスペース42の配置方式により、該集積化された電気駆動システムの集積度がより高くなり、そして、自動車のNVHをさらに改善する。
【0033】
一実施例において、
図1及び
図2に示すように、前記集積化された電気駆動システムはエアコン圧縮機8及び前記減速機2の前記第2のハウジングスペース42から遠い端面に取り付けられる支持フレーム5をさらに備え、前記エアコン圧縮機8は前記支持フレーム5に取り付けられて且つ前記コントローラ3に接続される。本願のいくつかの実施例において、前記支持フレーム5と前記減速機2のハウジングは一体成形された構造であり、理解できるように、前記支持フレーム5と前記エアコン圧縮機8は前記一体化されたハウジング4の側面に位置し、前記支持フレーム5によって前記エアコン圧縮機8を該集積化された電気駆動システム内に集積し、該集積化された電気駆動システムの集積度を更に向上させる。
【0034】
一実施例において、
図1及び
図2に示すように、前記集積化された電気駆動システムは前記支持フレーム5に取り付けられて且つ前記コントローラ3に接続されるウォーターポンプ6をさらに備える。理解できるように、前記ウォーターポンプ6は自動車のワイパーに水源を提供することができ、そして、前記ウォーターポンプ6の設計は、該集積化された電気駆動システムの集積度を更に向上させる。
【0035】
一実施例において、
図1及び
図2に示すように、前記支持フレーム5は縦板と前記縦板の上端に接続される横板を備え、前記縦板は前記減速機2の前記モータ1から遠い端面に取り付けられ、前記ウォーターポンプ6は前記横板の上方に取り付けられ、前記エアコン圧縮機8は前記縦板の前記減速機2から遠い一側に取り付けられて且つ前記横板の下方に位置する。理解できるように、前記ウォーターポンプ6を前記支持フレーム5の上方に配置することによって、前記ウォーターポンプ6と自動車ワイパーとの間の接続パイプラインの長さを減少することに役に立ち、且つ前記エアコン圧縮機8を前記支持フレーム5の下方に取り付けることによって、前記エアコン圧縮機8と自動車エアコンの他の部材との接続に十分なスペースを確保することができ、また、前記支持フレーム5によって前記ウォーターポンプ6と前記エアコン圧縮機8を前記集積化された電気駆動システムに集積し、これにより、該集積化された電気駆動システムの集積度を向上させる。
【0036】
一実施例において、
図5に示すように、前記コントローラ3はコンデンサモジュール31、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)モジュール32、三相銅バー33、直流バスバー34、車載充電器及び直流コンバータ35を備え、前記車載充電器及び直流コンバータ35はいずれも自動車動力電池に接続され、前記コンデンサモジュール31、IGBTモジュール32、三相銅バー33、車載充電器及び直流コンバータ35はいずれも前記第1のハウジングスペース41内に取り付けられ、前記コンデンサモジュール31は前記一体化されたハウジング4に取り付けられる前記直流バスバー34によって前記自動車動力電池に接続され、前記三相銅バー33は前記モータ1の三相端子に接続され、理解できるように、前記車載充電器及び直流コンバータ35は車載充電器と直流コンバータを一体に集める装置であり、ここで、車載充電器は、自動車動力電池を安全かつ自動的に満充電する能力を備え、該車載充電器は、充電電流と充電電圧を動的に調整し、対応する動作を実行し、自動車動力電池の充電過程を完成し、直流コンバータは自動車動力電池の高電圧を自動車における蓄電池に必要な低電圧に変換することができる。前記車載充電器及び直流コンバータ35の設計は、前記コントローラ33の集積度をさらに向上させる。
【0037】
前記自動車動力電池は順次に接続される前記直流バスバー34、前記コンデンサモジュール31、前記IGBTモジュール32及び前記三相銅バー33によって前記モータ1の回転を駆動する。理解できるように、自動車動力電池は上記の経路によって前記モータ1の回転を駆動し、前記モータ1は前記減速機2によって自動車の車輪の回転を連動し、さらに、自動車動力電池は自動車の車輪の回転を駆動する技術的効果を果たす。
【0038】
一実施例において、
図6に示すように、前記車載充電器及び直流コンバータ35は放熱モジュール351、電子制御素子駆動モジュール352及び発熱素子駆動モジュール353を備え、前記発熱素子駆動モジュール353は前記放熱モジュール351に取り付けられ、前記電子制御素子駆動モジュール352は前記発熱素子駆動モジュール353の前記放熱モジュール351から遠い一端に取り付けられる。理解できるように、前記放熱モジュール351にストレートコールドプレートなどの放熱部材が集積され、前記電子制御素子駆動モジュール352に主に前記車載充電器及び直流コンバータ35の電子制御素子(例えば、前記電子制御素子駆動モジュール352に車両全体コントローラ、前記エアコン圧縮機8のコントローラ、前記ウォーターポンプ6のコントローラ及び自動車動力電池のコントローラなどの発熱量が小さい電子制御素子が集積される)が集積され、前記発熱素子駆動モジュール353に主に前記車載充電器及び直流コンバータ35の発熱素子(例えば、前記発熱素子駆動モジュール353に車両全体コントローラ、前記エアコン圧縮機8のコントローラ、前記ウォーターポンプ6のコントローラ及び自動車動力電池のコントローラなどの発熱量の大きい発熱素子が集積される)が集積される。即ち前記車載充電器及び直流コンバータ35は3層に分けて、中間層は前記発熱素子駆動モジュール353であり、下層は前記電子制御素子駆動モジュール352であり、上層は前記放熱モジュール351であり、前記放熱モジュール351は前記一体化されたハウジング4の内部の冷却水路に接触されるため、前記車載充電器及び直流コンバータ35は層配布で設計され、該車載充電器及び直流コンバータ35の放熱効率を向上させる。
【0039】
一実施例において、
図5に示すように、前記第1のハウジングスペース41は、矩形状に設けられて且つ隣接する第1の内部スペースと第2の内部スペースを含み、理解できるように、前記第1の内部スペースと前記第2の内部スペースはそれぞれ前記一体化されたハウジング4の左右両側に位置する。
【0040】
前記コンデンサモジュール31、前記IGBTモジュール32及び前記三相銅バー33は前記第1の内部スペース内に取り付けられ、前記車載充電器及び直流コンバータ35は前記第2の内部スペース内に取り付けられ、前記直流バスバー34は前記第1の内部スペースの前記第2の内部スペースから背離する一側に位置する。本願のいくつかの実施例において、前記コンデンサモジュール31、前記IGBTモジュール32及び前記三相銅バー33は順次に前記第1の内部スペース内に配置される。理解できるように、前記コンデンサモジュール31、IGBTモジュール32、前記三相銅バー33及び前記車載充電器及び直流コンバータ35は整然として前記第1のハウジングスペース41内に取り付けられ、これにより、前記コントローラ3における各部材間の複雑なハーネス接続を省略し、該集積化された電気駆動システムのコンパクト性と信頼性を向上させ、前記コントローラ3のモーダルを改善する。
【0041】
一実施例において、
図7に示すように、前記一体化されたハウジング4は第1の冷却水路44、第2の冷却水路45、水路入口及び水路出口47を含み、前記第1の冷却水路44は前記一体化されたハウジング4内の前記IGBTモジュール32に対向する位置に設けられ、第2の冷却水路45は前記一体化されたハウジング4内の前記車載充電器及び直流コンバータ35に対向する位置に設けられる。理解できるように、前記第1の冷却水路44は主に前記IGBTモジュール32からの熱を吸収するために使用され、前記第2の冷却水路45は主に前記車載充電器及び直流コンバータ35からの熱を吸収するために使用される。具体的には、前記車載充電器及び直流コンバータ35の前記放熱モジュール351の下部に複数の突起が設けられ、前記突起は前記第2の冷却水路45に対向して設けられ、前記突起は、前記放熱モジュール351と前記第2の冷却水路45との接触面積を増大し、前記放熱モジュール351の放熱効率を向上させることができる。
【0042】
前記水路入口の一端は予め設定された給水装置が接続され、前記水路入口の他端は前記第1の冷却水路44と前記第2の冷却水路45に接続され、前記の水路出口47は前記第1の冷却水路44と前記第2の冷却水路45の前記水路入口から遠い一端に接続される。理解できるように、前記第1の冷却水路44と前記第2の冷却水路45は前記水路入口46と前記水路出口47との間に並列接続される。本願では、前記第1の冷却水路44と前記第2の冷却水路45の設計によって、前記コントローラ3の放熱効率を向上させ、さらに、該集積化された電気駆動システムの耐用年数を延ばす。
【0043】
一実施例において、
図1及び
図2に示すように、前記モータ1は前記減速機2に接続される外部ハウジング11及び前記外部ハウジング11内に挿入される内部ハウジング12を含み、前記外部ハウジング11の内壁と前記内部ハウジング12の外壁との間に冷却スペースが形成され、前記外部ハウジング11にいずれも前記冷却スペースに接続される給水口と出水口111が設けられ、前記水路出口47の前記第1の冷却水路44から遠い一端は前記給水口に連通される。理解できるように、前記冷却スペースの設計によって、前記モータ1の放熱効率を向上させ、前記モータ1の耐用年数を延ばすことができる。
【0044】
具体的には、前記水路給水口から流入する前記冷却液は、2つの経路に分けられ、1つの経路の冷却液は前記第1の冷却水路44を介して前記IGBTモジュール32の熱を吸収し、もう1つの経路の冷却液は前記第2の冷却水路45を介して前記車載充電器及び直流コンバータ35からの熱を吸収し、2つの経路の冷却液は前記水路出口47によって合流した後、前記給水口から前記冷却スペースに流入し、冷却液は前記冷却スペース内でモータ1からの熱を吸収した後、前記出水口111から流出する。本願では、前記冷却液は前記IGBTモジュール32、前記車載充電器及び直流コンバータ35及び前記モータ1を降温することができ、冷却液の利用率を向上させる。
【0045】
一実施例において、
図1及び
図2に示すように、前記内部ハウジング12の外壁に前記モータ1の出力軸23の周方向に沿って配置される複数のガイドリブ板が設けられる。理解できるように、前記ガイドリブ板は、前記冷却スペース内の冷却液を前記内部ハウジング12の周方向に流動させ、前記モータ1の冷却効率を向上させることができる。
【0046】
一実施例において、
図8に示すように、前記減速機2は主軸21、中間軸22、出力軸23、ドライブギヤ24、出力ギヤ25、中間ドライブギヤ26及び中間ドリブンギヤ27を備え、前記主軸21は前記モータ1の出力軸に接続され、前記ドライブギヤ24は前記主軸21に取り付けられ、前記中間ドライブギヤ26と前記中間ドリブンギヤ27はいずれも前記中間軸22に取り付けられ、前記出力ギヤ25は前記出力軸23に取り付けられ、前記中間ドライブギヤ26は前記ドライブギヤ24と噛み合い、前記中間ドリブンギヤ27は前記出力ギヤ25と噛み合う。理解できるように、前記モータ1の出力軸23は順次に前記主軸21、前記ドライブギヤ24、前記中間ドライブギヤ26、前記中間軸22、前記中間ドリブンギヤ27、前記出力ギヤ25、前記出力軸23を通過して、自動車の車輪の回転を連動する。
【0047】
前記中間軸22の軸線は前記主軸21及び前記出力軸23の軸線より高く、前記主軸21の軸線に垂直な平面において、前記主軸21の中心点と前記出力軸23の中心点を結ぶ線と水平面との間の角度は予め設定された角度以下である。前記予め設定された角度は設計の必要に応じて設定でき、例えば、前記予め設定された角度の取る値範囲は-10~10度であり、本願のいくつかの実施例において、前記主軸21の中心点と前記出力軸23の中心点を結ぶ線と水平面との間の角度は0度である。理解できるように、前記中間軸22は前記主軸21と前記出力軸23の上方に位置し、前記中間ドライブギヤ26、前記中間ドリブンギヤ27はいずれも前記ドライブギヤ24と前記出力ギヤ25の上方に位置し、前記減速機2の設計によって、該集積化された電気駆動システムの重心及び車両の重心を下げ、自動車の走行の安定性を向上させ、自動車の運転の楽しみが増す。
【0048】
一実施例において、
図1及び
図2に示すように、前記一体化されたハウジング4の前記第1の開口から背離する端面に電池を取り付けるための電池取付スペース48が設けられる。理解できるように、前記集積化された電気駆動システムは前記電池取付スペース48内に取り付けられる電池をさらに備える。一実施例において、
図2に示すように、前記電池取付スペース48は第2の開口を有し、且つ前記第2の開口の方向は前記第2の開口の方向に互いに垂直であり、理解できるように、前記電池取付スペース48は前記一体化されたハウジング4の下方に集積され、これにより、前記電池は前記電池取付スペース48内に取り付けられることができる。なお、前記電池は12Vの小電池であり、該小電池は、通常、自動車の低消費電力サブシステム、例えば自動車のドア開閉、自動車の起動、ライトなどに使用される。前記電池の設計によって、該集積化された電気駆動システムの集積度をさらに向上させる。
【0049】
一実施例において、
図1及び
図2に示すように、前記集積化された電気駆動システムは前記第1の開口に適合するハウジングカバー7をさらに備える。理解できるように、前記ハウジングカバー7は前記一体化されたハウジング4に接続され、これにより一体化されたハウジング4の内部のコントローラ3を保護する役割を果たす。
【0050】
以上は本願の好ましい実施例に過ぎず、本願を制限するためのものではなく、本願の精神と原則で行ったいずれの修正、等価置換及び改善などは、いずれも本願の保護範囲に含まれる。
【0051】
本願は、「比亜迪股▲ふん▼有限公司」によって2020年09月30日に提出された、名称が「集積化された電気駆動システム及び電動自動車」で、中国特許出願番号が「202011063762.8」である優先権を主張する。
【0052】
(付記)
(付記1)
集積化された電気駆動システムであって、モータ、減速機、コントローラ及び一体化されたハウジングを備え、前記一体化されたハウジングに第1の開口を有し且つ前記コントローラを取り付けるための第1のハウジングスペースが凹んで形成され、前記一体化されたハウジングの前記第1の開口から背離する方向に前記モータを取り付けるための第2のハウジングスペース、及び前記減速機を取り付けるための第3のハウジングスペースが設けられ、前記コントローラは前記モータに接続され、前記モータの出力軸は前記減速機に接続され、
前記モータの出力軸に平行である方向において、予め設定された取付幅値と第1のハウジングスペースの幅値との間の差の絶対値は第1の差閾値以下であり、前記予め設定された取付幅値は前記第2のハウジングスペースの幅値と前記第3のハウジングスペースの幅値との和であり、
前記モータの出力軸に垂直で且つ水平面に平行な方向において、前記第1のハウジングスペースの長さ値と前記第3のハウジングスペースの長さ値との間の差の絶対値は第2の差閾値以下であることを特徴とする集積化された電気駆動システム。
【0053】
(付記2)
前記モータの出力軸に垂直で且つ水平面に平行な方向において、前記第1のハウジングスペースの長さ値の半分と前記第2のハウジングスペースの長さ値との間の差の絶対値は第3の差閾値以下であることを特徴とする付記1に記載の集積化された電気駆動システム。
【0054】
(付記3)
前記第1の差閾値は零であることを特徴とする付記2に記載の集積化された電気駆動システム。
【0055】
(付記4)
前記第2の差閾値は零であることを特徴とする付記2に記載の集積化された電気駆動システム。
【0056】
(付記5)
前記第3の差閾値は零であることを特徴とする付記2に記載の集積化された電気駆動システム。
【0057】
(付記6)
前記集積化された電気駆動システムはエアコン圧縮機及び前記減速機の前記第2のハウジングスペースから遠い端面に取り付けられる支持フレームをさらに備え、前記エアコン圧縮機は前記支持フレームに取り付けられて且つ前記コントローラに接続されることを特徴とする付記1-5のいずれかに記載の集積化された電気駆動システム。
【0058】
(付記7)
前記集積化された電気駆動システムは前記支持フレームに取り付けられて且つ前記コントローラに接続されたウォーターポンプをさらに備えることを特徴とする付記6に記載の集積化された電気駆動システム。
【0059】
(付記8)
前記支持フレームは、縦板と前記縦板の上端に接続される横板を含み、前記縦板は前記減速機の前記モータから遠い端面に取り付けられ、前記ウォーターポンプは前記横板の上方に取り付けられ、前記エアコン圧縮機は前記縦板の前記減速機から遠い一側に取り付けられ且つ前記横板の下方に位置することを特徴とする付記7に記載の集積化された電気駆動システム。
【0060】
(付記9)
前記コントローラは、コンデンサモジュール、IGBTモジュール、三相銅バー、直流バスバー、車載充電器及び直流コンバータを備え、前記車載充電器及び直流コンバータはいずれも自動車動力電池に接続され、前記コンデンサモジュール、IGBTモジュール、三相銅バー、車載充電器及び直流コンバータはいずれも前記第1のハウジングスペース内に取り付けられ、前記コンデンサモジュールは前記一体化されたハウジングに取り付けられる前記直流バスバーを介して前記自動車動力電池に接続され、前記三相銅バーは前記モータの三相端子に接続され、
前記自動車動力電池は順次に接続された前記直流バスバー、前記コンデンサモジュール、前記IGBTモジュール及び前記三相銅バーによって前記モータの回転を駆動することを特徴とする付記1-8のいずれかに記載の集積化された電気駆動システム。
【0061】
(付記10)
前記車載充電器及び直流コンバータは放熱モジュール、電子制御素子駆動モジュール及び発熱素子駆動モジュールを備え、前記発熱素子駆動モジュールは前記放熱モジュールに取り付けられ、前記電子制御素子駆動モジュールは前記発熱素子駆動モジュールの前記放熱モジュールから遠い一端に取り付けられることを特徴とする付記9に記載の集積化された電気駆動システム。
【0062】
(付記11)
前記第1のハウジングスペースは、いずれも矩形状に設けられ且つ隣接する第1の内部スペース及び第2の内部スペースを含み、
前記コンデンサモジュール、IGBTモジュール及び三相銅バーはいずれも前記第1の内部スペース内に取り付けられ、前記車載充電器及び直流コンバータは前記第2の内部スペース内に取り付けられ、前記直流バスバーは前記第1の内部スペースの前記第2の内部スペースから背離する一側に位置することを特徴とする付記9に記載の集積化された電気駆動システム。
【0063】
(付記12)
前記一体化されたハウジングは第1の冷却水路、第2の冷却水路、水路入口及び水路出口を含み、前記第1の冷却水路は前記一体化されたハウジング内の前記IGBTモジュールに対向する位置に設けられ、第2の冷却水路は前記一体化されたハウジング内の前記車載充電器及び直流コンバータに対向する位置に設けられ、
前記水路入口の一端に予め設定された給水装置が接続され、前記水路入口の他端に前記第1の冷却水路と前記第2の冷却水路が接続され、前記の水路出口は前記第1の冷却水路と前記第2の冷却水路の前記水路入口から遠い一端に接続されることを特徴とする付記9に記載の集積化された電気駆動システム。
【0064】
(付記13)
前記モータは前記減速機に接続される外部ハウジング及び前記外部ハウジング内に挿入される内部ハウジングを含み、前記外部ハウジングの内壁と前記内部ハウジングの外壁との間に冷却スペースが形成され、前記外部ハウジングにいずれも前記冷却スペースに連通する給水口と出水口が設けられ、前記水路出口の前記第1の冷却水路から遠い一端は前記給水口に連通することを特徴とする付記12に記載の集積化された電気駆動システム。
【0065】
(付記14)
前記内部ハウジングの外壁に前記モータの出力軸に沿って周方向に配置される複数のガイドリブ板が設けられることを特徴とする付記13に記載の集積化された電気駆動システム。
【0066】
(付記15)
前記減速機は、主軸、中間軸、出力軸、ドライブギヤ、出力ギヤ、中間ドライブギヤ及び中間ドリブンギヤを備え、前記主軸は前記モータの出力軸に接続され、前記ドライブギヤは前記主軸に取り付けられ、前記中間ドライブギヤと前記中間ドリブンギヤはいずれも前記中間軸に取り付けられ、前記出力ギヤは前記出力軸に取り付けられ、前記中間ドライブギヤは前記ドライブギヤに噛み合い、前記中間ドリブンギヤは前記出力ギヤに噛み合い、
前記中間軸の軸線は前記主軸及び前記出力軸の軸線よりも高く、前記主軸の軸線に垂直な平面において、前記主軸の中心点と前記出力軸の中心点とを結ぶ線と水平面との間の角度は予め設定された角度以下であることを特徴とする付記1-14のいずれかに記載の集積化された電気駆動システム。
【0067】
(付記16)
前記一体化されたハウジングの前記第1の開口から背離する端面に電池を取り付けるための電池取付スペースが設けられることを特徴とする付記1-15のいずれかに記載の集積化された電気駆動システム。
【0068】
(付記17)
前記集積化された電気駆動システムは前記開口に適合して接続するハウジングカバーをさらに備えることを特徴とする付記1-16のいずれかに記載の集積化された電気駆動システム。
【0069】
(付記18)
付記1-17のいずれか1つに記載の集積化された電気駆動システムを備えることを特徴とする電動自動車。
【国際調査報告】