IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ レニショウ パブリック リミテッド カンパニーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-17
(54)【発明の名称】回転エンコーダ
(51)【国際特許分類】
   G01D 5/245 20060101AFI20231010BHJP
   G01D 5/244 20060101ALI20231010BHJP
【FI】
G01D5/245 110J
G01D5/244 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023521021
(86)(22)【出願日】2021-10-04
(85)【翻訳文提出日】2023-06-05
(86)【国際出願番号】 GB2021052562
(87)【国際公開番号】W WO2022074371
(87)【国際公開日】2022-04-14
(31)【優先権主張番号】2015773.1
(32)【優先日】2020-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】21275014.5
(32)【優先日】2021-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391002306
【氏名又は名称】レニショウ パブリック リミテッド カンパニー
【氏名又は名称原語表記】RENISHAW PUBLIC LIMITED COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ レイノルズ ヘンショウ
(72)【発明者】
【氏名】マシュー ダミアン ハリソン
(72)【発明者】
【氏名】フィンレイ ジョナサン エヴァンス
【テーマコード(参考)】
2F077
【Fターム(参考)】
2F077AA46
2F077AA47
2F077CC02
2F077NN02
2F077NN11
2F077NN14
2F077NN24
2F077NN27
2F077NN28
2F077NN30
2F077PP01
2F077PP05
2F077PP19
2F077PP21
2F077QQ01
2F077QQ17
2F077VV11
2F077VV33
(57)【要約】
回転スケール部材を(例えば、関節式ジョイントの)部品に取り付ける方法であって、回転スケール部材は、スケールを画定する一連の位置特徴が提供される本体と、部品と係合するように構成された少なくとも1つの取り付け屈曲部とを備え、回転スケール部材と部品を圧力嵌めすることであって、少なくとも1つの屈曲部が部品によって変位され、回転スケール部材の本体が部品に対して初期のデフォルトの半径方向位置で自己位置決めされるように、部品と摩擦嵌合するように半径方向の力を介して部品と係合するように促されることと、本体の初期のデフォルトの半径方向位置から離れた部品に対する半径方向位置を新しい半径方向位置に微調整することとを含む、方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転スケール部材を部品に取り付ける方法であって、前記回転スケール部材は、スケールを画定する一連の位置特徴が提供される本体と、少なくとも1つの屈曲部とを備え、
前記方法は、
前記回転スケール部材と前記部品とを一緒に圧力嵌めすることで、少なくとも1つの前記屈曲部が変位し、それにより、前記回転スケール部材が前記部品に対して初期のデフォルトの半径方向位置に自己位置するように前記部品と摩擦嵌合を形成するために、半径方向の反力を介して前記回転スケール部材を前記部品と係合するように促すことと、
前記部品に対する前記本体の前記半径方向の位置を、その初期のデフォルトの半径方向の位置から新しい半径方向の位置に微調整することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記本体が平面ディスクを含み、少なくとも1つの前記屈曲部は、実質的に、前記平面ディスクの平面に設けられる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも1つの前記屈曲部は、半径方向および接線方向の両方に適合するように構成される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記回転スケール部材が、少なくとも2つ、特に少なくとも3つの前記屈曲部を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
少なくとも2つの前記屈曲部は、環状に離間されている、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記半径方向の位置を微調整することは、少なくとも1つの半径方向調整デバイスを操作することを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記半径方向の位置を微調整することは、前記回転スケール部材上の半径方向調整力を制御するために少なくとも1つの回転可能な半径方向調整デバイスを回転させることを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記回転可能な半径方向調整デバイスは、前記回転スケール部材に直接係合する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記半径方向調整力は、前記回転可能な半径方向調整デバイスと前記回転スケール部材との間に位置する中間部材を介して前記回転スケール部材に印加される、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記中間部材は、1つまたは複数の所定の構成で前記回転スケール部材に適合するように構成された仮設治具部材を含み、前記方法は、
前記回転スケール部材に対して前記仮設治具部材を取り付けることと、
前記少なくとも1つの前記屈曲部に対し、所定の方向に沿って前記仮設治具部材によって前記回転スケール部材に加えられる前記半径方向調整力を制御する少なくとも1つの半径方向調整デバイスを操作することにより、前記本体の半径方向の位置を微調整することと、
前記本体をその調整された半径方向の位置に固定することと、
前記仮設治具部材を取り外すことと、を含む請求項9に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも1つの前記屈曲部が、前記スケールの半径方向内側に位置する、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも1つの前記屈曲部が前記本体上に一体的に形成される、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つの屈曲部は、半径方向調整屈曲部材を含み、前記半径方向調整屈曲部材は、少なくとも1つの接線方向に適合する支持体によって前記本体に接続される、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記スケール特徴が前記回転スケール部材上に形成される前記軸に垂直な平面内で少なくとも1つの屈曲部が半径方向に偏向可能であり、
半径方向調整デバイスは、少なくとも1つの前記屈曲部に作用して、前記平面内の前記屈曲部の歪みの程度を変化させ、それによって、それが取り付けられている前記部品に対する前記回転スケール部材の前記半径方向の位置の調整を容易にし、及び、
i)前記スケール特徴が前記回転スケール部材上に形成される前記軸に垂直な前記平面内の相互作用点における前記平面内の前記屈曲部の変位の程度に対する前記半径方向調整デバイスの影響と、
ii)前記屈曲部が前記回転スケール部材の本体上に有する結果として生じる半径方向変位の程度との間に、1対1未満の関係が存在する、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記本体が環状本体を備える、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
スケールを画定する一連の位置特徴が提供される本体と、少なくとも1つの半径方向および接線方向に適合する屈曲部と、を備える、回転スケール部材。
【請求項17】
少なくとも1つの前記半径方向および接線方向に適合する前記屈曲部のうちの少なくとも1つが、それが取り付けられている部品と係合するように構成された脚部を含み、前記屈曲部は、前記脚部が前記本体に対して半径方向および接線方向の両方に適合するように構成される、請求項16に記載の回転スケール部材。
【請求項18】
前記脚部は、1つ以上の脚部によって前記本体に取り付けられている、請求項17に記載の回転スケール部材。
【請求項19】
前記脚部は、半径方向に適合しており、1つまたは複数の前記脚部が接線方向の適合を提供する、請求項18に記載の回転スケール部材。
【請求項20】
i)スケールを画定する一連の位置特徴が提供される本体と、少なくとも1つの屈曲部とを備える回転スケール部材と、
ii)前記回転スケール部材が取り付けられている部品に関して前記本体の半径方向位置の変化をもたらすように操作することができる少なくとも1つの半径方向調整デバイスとを備える装置であって、
少なくとも1つの前記半径方向調整デバイスは、前記部品から少なくとも部分的に分離されている、装置。
【請求項21】
前記分離は、前記半径方向調整デバイスの少なくとも一部が、前記半径方向調整デバイスによって引き起こされる本体の半径方向位置の変化に従うことを可能にする、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記半径方向調整デバイスは、前記回転スケール部材によって画定される空隙内に受容され、前記空隙の中心点が、前記本体の半径方向位置の変化と共にシフトし、前記分離は、前記半径方向調整デバイスの少なくとも一部が前記回転スケール部材が前記空隙の中心点に従うように係合することを可能にする、請求項20または21に記載の装置。
【請求項23】
前記回転スケール部材が取り付けられている前記部品に対して前記本体の半径方向の位置の変化をもたらすことが、少なくとも1つの前記屈曲部のうちの1つまたは複数の前記屈曲部の状態の変化を引き起こすように構成される、請求項20から22のいずれか一項に記載の装置。
【請求項24】
前記半径方向調整デバイスは、前記回転スケール部材が取り付けられている前記部品に設けられた対応するねじ付き部分と係合するように構成されたねじ付き部品と、前記回転スケール部材と係合するように構成されたテーパ部とを備える、請求項20から23のいずれか一項に記載の装置。
【請求項25】
前記半径方向調整デバイスは、軸を中心とした回転が、前記回転スケール部材に対する前記テーパ部の前記軸方向位置の変化を引き起こし、それが次に、前記半径方向調整デバイスが前記本体の半径方向位置に及ぼす影響を変化させるように構成される、請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記半径方向調整デバイスの軸は、前記回転スケール部材の半径に平行でない、請求項24または25に記載の装置。
【請求項27】
前記半径方向調整デバイスは、少なくともそのテーパ部において、前記回転スケール部材が前記半径方向に取り付けられている前記部品に対して移動することができるように構成される、請求項24から26のいずれか一項に記載の装置。
【請求項28】
前記半径方向調整デバイスの前記ねじ付き部分と前記部品の前記ねじ付き部材とが、前記半径方向調整デバイスの前記テーパ部品の遠位点でのみ係合し、前記半径方向調整デバイスは、前記テーパ部品が、それが受け入れられる空隙の中心点の任意の変化に従うことができるように傾斜することができるように構成される、請求項24から27のいずれか一項に記載の装置。
【請求項29】
少なくとも1つの前記屈曲部のうちの少なくとも1つが、半径方向かつ接線方向に適合している、請求項24から28のいずれか一項に記載の装置。
【請求項30】
i)軸の周りに延在するスケールを画定する一連の位置特徴を有する本体を含む回転スケール部材と、
ii)少なくとも1つの半径方向調整デバイスと、
iii)少なくとも1つの前記半径方向調整デバイスが係合する少なくとも1つの中間部材であって、前記半径方向調整デバイスが調整されるにつれて前記半径方向調整デバイスによって変位されるように構成され、次に前記本体の半径方向位置の調整を引き起こす、前記少なくとも1つの中間部材と、を備える、装置。
【請求項31】
前記半径方向調整デバイスは、ねじ付き部材を備える、請求項30に記載の装置。
【請求項32】
前記中間部材が、少なくとも1つの前記半径方向調整デバイスのための半径方向調整治具部材を備える、請求項30に記載の装置。
【請求項33】
i)前記半径方向調整デバイスによって引き起こされる前記中間部材の前記変位と、ii)前記本体の前記半径方向変位と、の比が1:1未満である、請求項30に記載の装置。
【請求項34】
i)スケールを画定する一連の位置特徴が提供される本体と、回転スケール部材を部品に取り付けて位置決めするように前記部品と係合するように構成された少なくとも1つの屈曲部とを備える回転スケール部材と、
ii)前記回転スケール部材の前記本体の半径方向調整を実施するための1つ以上の回転可能な半径方向調整デバイスのための半径方向調整治具部材と、を備える、装置。
【請求項35】
前記半径方向調整治具部材および前記回転スケール部材は、それらが1つまたは複数の所定の構成で一時的に一緒に取り付けられることを可能にする協働特徴を備える、請求項34に記載の装置。
【請求項36】
前記半径方向調整治具部材および前記回転スケール部材は、回転可能な半径方向調整部材の回転が、少なくとも1つの前記屈曲部に対して所定の方向に沿って前記回転スケール部材に半径方向調整力を伝達させるように構成される、請求項34または35に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転エンコーダの取付け方法に関し、回転スケール、及び、回転スケールと回転スケールを読み取るための読み取りヘッドとを備えるエンコーダ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
計測スケールは、互いに相対的に移動することができる機械の部品の位置測定に使用される。計測スケールは、典型的には、読み取りヘッドによって読み取ることができる一連の特徴を有し、読み取りヘッドは、スケールに沿って又はスケールの周りで、その位置の測定を提供し得る。計測スケールは、機械の一部に取り付けられてもよく、機械の別の部品に取り付けられた適切な読み取りヘッドにより読み取られる。計測スケールの種類には、磁気スケール(スケール特徴が特定の磁気特性を有する特徴によって提供される)、静電容量スケール(スケール特徴が特定の静電容量特性を有する特徴によって提供される)、誘導スケール(スケール特徴が特定の誘導特性を有する特徴によって提供される)、及び、光学スケール(スケール特徴が特定の光学特性を有する特徴によって提供される)が含まれる。光学スケールは、透過性または反射性であってもよい。光学スケール構成の例は、特許文献1及び特許文献2にも開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】欧州特許0207121
【特許文献2】米国特許4926566公報
【発明の概要】
【0004】
回転変位を測定するために、そのようなスケールは、読み取りヘッドに関するシャフトまたは他の回転部品と共に使用して回転する部材上に設けられてもよい。特に、スケール特徴を有し、シャフトと共に使用中に回転する部材は、ディスクまたはリングの形態の環状本体であってもよい。
【0005】
回転スケール部材は、それが取付けされるシャフトの中心に自身を置く能力を有することが望ましい場合がある。本発明者が取り組んでいる分野では、シャフト上の回転スケール部材の偏心率が非常に低く、典型的には10μm未満(典型的な人間の髪の毛の幅よりもはるかに小さい)であることを保証することが要求される。米国特許第6255644号明細書及び米国特許第6293021号明細書に記載されているような自己中心回転式エンコーダを製造する試みが多く存在し得る。しかし、本発明者は、特に非常に薄い/平面な/コンパクトな回転エンコーダ、およびスケール部材の自己中心性能に対する高い要求がある場合に、既存のソリューションが不十分であることを見出した。
【0006】
したがって、本開示は、回転エンコーダの改良された取付け方法及び改良された回転スケール部材に関する。特に、本発明は、スケールを画定する一連の位置特徴が提供される本体(例えば環状本体)を含み、1つまたは複数の屈曲部を有し、それが取り付けられる部品に対して回転スケール部材の半径方向位置の微調整を可能にするように構成される(特に、スケールが提供される本体の少なくとも一部の著しい歪みなしに)回転スケール部材に関する。
【0007】
本発明の第1の態様によれば、回転スケール部材を部品(例えば関節接合部の)に取り付ける方法が提供され、回転スケール部材は、スケールを規定する一連の位置特徴が設けられている本体と、少なくとも1つの(例えば「取り付け」)屈曲部(例えば、部品に係合するように構成される)を含み、方法は、回転スケール部材と部品を一緒に押し込み嵌め/圧力嵌めすることで、少なくとも1つの屈曲部が部品によって変位し、それによって回転スケール部材を(半径方向の反力を介して)部品と係合するように促し、回転スケール部材の本体が部品に対して初期のデフォルト/所定の半径方向の位置に自己位置決めするように部品と摩擦嵌合を形成すること、及び部品に対する本体の半径方向の位置を初期のデフォルト/所定の半径方向の位置から新たな半径方向の位置に微調整(換言すると「調節」、または「微調整」)することを含む。
【0008】
本発明では、押し込み嵌め/圧力嵌め(または言い換えれば、「プレス」または「干渉」フィッティング)の動作によって、少なくとも1つの屈曲部をそのデフォルト/休止/緩和された構成から変位/変形させ、それによって回転スケール部材を部品(例えば、シャフト)に押し付け、これにより、今度は屈曲部が、それが取り付けられている部品に対して(回転スケール部材の)本体を初期のデフォルト/所定の位置に保持する。しかしながら、本発明者らは、回転スケール部材の自己位置決め/センタリング能力が充分ではない可能性があること、及び/またはそれが取り付けられている部品が回転軸上で中心にない可能性があることを認識しており、回転スケール部材の自己位置決め/センタリング能力のみに依存することから逸脱し、それによって身体の半径方向の位置を改善するために、意図的に本体がその初期のデフォルト/所定の半径方向の位置から離れる工程をとっている。望ましい半径方向調整の量は信じられないほど小さい(例えば、50μm未満であり、数ミクロン程度の小ささであってもよい)。このような微小な半径方向調整を一貫して確実に行うことは特に困難であるが、これを達成すると、エンコーダの性能を微調整/最適化し、優れたエンコーダセットアップを提供することに役に立つ。
【0009】
このような変形は、回転スケール部材の計量性能に悪影響を及ぼし得るため、一連の位置特徴がある本体の少なくとも一部の著しい変形を避けることが望ましい。したがって、好ましくは、スケールが提供される本体の少なくとも一部の形状およびサイズは、半径方向位置の前述の微調整によって実質的に変化しない。むしろ、好ましくは、そのような微調整は、主に、少なくとも1つの屈曲部(複数可)のうちの1つ以上の屈曲の状態の変化を引き起こす。例えば、微調整は、少なくとも1つの屈曲部(複数可)のうちの少なくとも1つの変位または変形の程度をその静止位置/構成から変更し得て、それによって、微調整によって引き起こされるいずれの変形からもスケールを実質的に隔離し得る。好ましくは、半径方向位置のそのような微調整を容易にするために、少なくとも1つの屈曲部は、半径方向に適合/偏向可能である(例えば、屈曲によって)。理解されるように、好ましくは、少なくとも1つの屈曲部は、回転スケール部材の本体が部品に対して初期のデフォルト/所定の半径方向位置に自己位置決めされるように、部品と前述の摩擦嵌合を形成するように、充分な弾性がある(すなわち、それらの自然な静止状態から離れて変形されることに反応して、充分に高い半径方向の反力を提供する)。
【0010】
好ましくは、回転スケール部材は、少なくとも2つの屈曲部、例えば、少なくとも3つの屈曲部(回転スケール部材と部品とを一緒に圧力嵌めフォースフィッティングする動作により、変位され、それによって、回転スケール部材の本体が部品に対して初期のデフォルトの半径方向の位置に自己位置決めするように、半径方向の反力を介して回転スケール部材を部品と係合するように促す)を含む。任意選択で、少なくとも2つ(例えば、少なくとも3つ)の屈曲部は、環状に離間されている。任意選択で、少なくとも2つ(例えば、少なくとも3つ)の屈曲部は等角度に配置される。
【0011】
部品に取り付けられたときに、少なくとも1つの屈曲部のうちの少なくとも1つ、および任意選択で、少なくとも1つの屈曲部のすべてが、部品と(例えば、直接)係合するように構成されてもよい。
【0012】
少なくとも1つの屈曲部は、回転スケール部材が屈曲部(複数可)を介して部品に取付けし得るという点で、「取付け」屈曲部と称され得る。
【0013】
回転スケール部材の本体は、環状本体を含んでもよい。本体、例えば環状本体は、平面ディスクを含み得る。一連の位置特徴は、平面ディスクの平面上に提供され得る(リングスケール/エンコーダにより一般的に関連付けられる周辺縁部とは反対に)。したがって、回転スケール部材は、例えばディスクエンコーダのためのディスクスケール部材であってもよい。任意選択で、平面ディスクは、5mm以下の厚さ、例えば、3 mm以下の厚さ、例えば、約1 mmの厚さである。好ましくは、少なくとも1つの環状に配置された屈曲部は、平面ディスクと実質的に平面内に提供される。これは、特にコンパクトな回転/ディスクスケール部材を提供する。
【0014】
少なくとも1つの屈曲部は、回転スケール部材の本体とは別個に形成されるが、回転スケール部材の本体に取り付けられる部材(例えば、ハブ)上に提供され得る。しかしながら、好ましくは、少なくとも1つの屈曲部は、本体上に一体的に形成される。例えば、スケールトラックが提供されている本体、及び少なくとも1つの屈曲部は、単一の材料から形成し得る。繰り返すが、これは、特にコンパクトな回転スケール部材を提供することを助け、半径方向の反力が本体の平面に含まれることを確実にするのを助ける。例えば、本体及び少なくとも1つの屈曲部は、単一のシートまたは材料(例えば、金属材料)のプレートから形成(例えば、カット)し得る。
【0015】
好ましくは、本体は金属材料を含むが、理解されるように、他の材料を使用してもよい。しかしながら、金属材料は、少なくとも1つの屈曲部が本体上に一体的に形成されるときに特に好ましい。
【0016】
任意選択で、少なくとも1つの屈曲部(複数可)のうちの少なくとも1つ(及び任意選択で全て)は、半径方向及び接線方向の両方に適合するように構成される。例えば、少なくとも1つの屈曲部(複数可)のうちの少なくとも1つ(及び任意選択で全て)は、それが取り付けられている部品と係合するように構成された足部を備えることができ、屈曲部は、そのような足部が(回転スケール部材の)本体に対して半径方向及び接線方向の両方に適合するように構成される。例えば、足部は、1つ以上の脚/脚部によって本体に取り付けられてもよい。例えば、足部は、自身の半径方向に適合してもよく、1つまたは複数の足は、接線方向の適合を提供してもよい。半径方向及び/または接線方向の適合は、関連する部品を屈曲することによって(例えば、その長さに沿って足を曲げることによって、またはその(それらの)長さに沿って脚を曲げることによって)提供され得る。例えば、回転スケール部材は、4つの半径方向及び接線方向に適合した、等角間隔の屈曲部を含んでもよい。
【0017】
任意選択で、屈曲部は、半径方向調整屈曲部材を含み、半径方向調整屈曲部材は、少なくとも1つの接線方向に適合する支持体によって(例えば、1つ以上の「脚」を介して)本体に接続される。半径方向調整屈曲部材は、本体の半径方向の調整をもたらすために、半径方向調整デバイス(以下により詳細に説明される)に対して押し付けられ得る少なくとも1つの特徴(例えば、側面)を備えてもよい。半径方向調整用屈曲部材は、半径方向調整装置が配置され、半径方向調整装置が押し付けられ得る前側と後側を含んで、本体の半径方向調整効果を得てもよい。
【0018】
微調整は、少なくとも1つの屈曲部の全ての半径方向の反力に対して実質的に直角でない方向に、半径方向の調整力(または変位)を回転スケール部材(例えば本体)に適用することを含んでもよい。いくつかの実施形態及び実施に関し、これは、例えば、屈曲部が接線方向の適合をほとんど、またはまったく持たないときに、半径方向位置の調整に対する予測可能で正確な制御を容易にするのに役立つことが分かっている。
【0019】
例えば、微調整は、少なくとも1つの屈曲部(複数可)の各々について、調整力(または変位)がシャフトに反する方向(例えば調整力が適用される方向)と、環状に間隔を置かれた屈曲部の半径方向の反力に垂直に延びる線との間の角度が、屈曲部とそれが取り付けられる部品(例えば、シャフト/ハブ)との間の摩擦係数のtangentの逆関数より大きくなるように半径方向の調整力(または変位)を適用することを含んでもよい。
【0020】
例えば、微調整は、少なくとも1つの屈曲部の各々について、半径方向の調整力(または変位)がシャフトに反する方向(例えば、調整力が適用される方向)と、環状に間隔を置かれた屈曲部の半径方向の反力に垂直に延びる線との間の角度が、5°以上、より好ましくは10°以上、さらにより好ましくは15°以上、例えば25°以上であるように、回転スケール部材(例えば、本体)に半径方向の調整力(または変位)を適用することを含んでもよい。例えば、3つの等角間隔の屈曲部が存在する場合、微調整は、3つの環状間隔の屈曲部のうちの1つの半径方向の反力の方向に平行であり、したがって、他の2つの屈曲部の半径方向の反力に垂直に延びる線に対して30°の角度である方向に沿って(例えば、本体に)回転スケール部材に半径方向の調整力(または変位)を加えることを含んでもよい。
【0021】
少なくとも1つの屈曲部は、スケールを画定する一連の位置特徴の半径方向の外側に配置されてもよい。例えば、屈曲部(複数可)は、(回転スケール部材の)本体の外周上に、または本体の外側の周辺向かって配置されてもよい。好ましくは、屈曲部(複数可)は、スケールを画定する一連の位置特徴の半径方向の内側に配置される。
【0022】
回転スケール部材は、4つの等角間隔(すなわち、90°で)の屈曲部を含んでもよい。そのような場合、微調整は、屈曲部のうちの2つの屈曲部の半径方向の反力に平行であり、他の2つの屈曲部に垂直な方向に半径方向の調整力を適用することを含んでもよい。特に、回転スケール部材は、4つの半径方向および接線方向に適合した、等角間隔の屈曲を含んでもよく、前述の微調整は、2つの屈曲部の半径方向の反力に平行であり、他の2つの屈曲部に垂直である方向に半径方向の調整力を適用することを含む。そのような構成は、本体の半径方向の位置の直感的な調整を提供し得る。
【0023】
本体(例えば、平面ディスク)は、それが取り付けられている前述の部品を受け入れるための孔を含んでもよい。孔は、本体(例えば、平面ディスク)内の実質的な中心に配置されてもよい。少なくとも1つの屈曲部(複数可)は、孔の端部/周囲/境界/周囲の周りに設けられてもよい。したがって、少なくとも1つの屈曲部は、孔の中心に向かって半径方向の内側に面することができ、部品に取り付けられたときに半径方向外側に屈曲するように構成されてもよい。少なくとも1つの屈曲部は、孔を画定し得る。
【0024】
半径方向の位置を微調整すること(例えば手動で)は、少なくとも1つの半径方向調整デバイス(または「要素」)を操作することを含んでもよい。したがって、少なくとも1つの半径方向調整デバイスを操作することは、回転スケール部材(特に、本体)に作用する半径方向の調整力(または「変位」)を制御することに使用され得る。
【0025】
半径方向調整デバイスは、回転可能な半径方向調整デバイスを備えてもよい。したがって、半径方向の位置を微調整することは、少なくとも1つの回転可能な半径方向調整デバイスを回転させて、回転スケール部材上の半径方向の調整力(または「変位」)を制御することを含んでもよい。少なくとも1つの半径方向調整デバイスを操作することは、半径方向調整デバイスを軸の周りに回転させることを含む。回転可能な半径方向調整デバイスは、ねじ付き部材、例えばボルトまたはネジを備えてもよい。ねじ付き部材のねじ部品は、回転スケール部材が取り付けられている部品に対応するねじ部材(例えば、ねじ孔)と係合するように構成されてもよい。半径方向調整デバイスを軸の周りに回転させると、半径方向調整デバイスが軸に沿って移動し得る。軸は、回転スケール部材の軸(すなわち、その周りに回転するように構成されている軸)に実質的に平行に延びてもよい。例えば、半径方向調整デバイスを軸の周りに回転させることは、半径方向調整デバイスが軸に沿って移動し、回転スケール部材が取り付けられている部品のねじ孔にさらに入ることを起こし得る。部品がシャフトである場合、ねじ孔は、例えば、シャフトに取り付けられ得る半径方向に延びる突出部(例えば、棚またはフランジ)に提供されてもよい。
【0026】
本発明の方法で使用される装置は、回転スケールデバイスと係合する半径方向調整デバイスの少なくとも一部(例えば、屈曲部)が、回転スケール部材が取り付けられている部品から少なくとも部分的に(例えば、少なくとも半径方向に)分離され得るように構成されてもよい。このように分離することは、半径方向調整デバイスの少なくとも一部が、半径方向調整デバイスによって引き起こされる本体(例えば、回転スケール部材の)の横方向(例えば、半径方向)位置の変化に「従う」または「追従する」ことを可能にし、例えば、それ自体が横方向(例えば、半径方向)の位置のそのような変化に抵抗しない。例えば、半径方向調整デバイスは、回転スケール部材(例えば、屈曲部)によって画定される空隙に受け入れられてもよく、その空隙の中心点は、本体の半径方向の位置の変化に伴って移動し得てもよく、このような分離は、回転スケール部材と係合する半径方向調整デバイスの少なくとも一部が、例えば、そのデフォルト/中心位置から少なくとも±100μmまで、任意選択で少なくとも±150μmまで、好ましくは少なくとも±200μmまで、例えば少なくとも±400μmまで、前記空隙の中心点に従うか、または「追跡」することを許容し得る。たとえ、はるかに小さな調整が必要な場合であっても(例えば、数ミクロンまたは数十ミクロンのオーダーで)、有意に大きな動作範囲を提供することは、そのような小さな調整を容易にするのに有用である。
【0027】
例えば、装置は、半径方向調整デバイスが回転スケール部材が取り付けられている部品及び回転スケール部材と係合している半径方向調整デバイス(例えば、屈曲部)と係合するとき、回転スケール部材と係合している半径方向調整デバイスの部品は、回転スケール部材と係合している半径方向調整デバイスの部品が、そのデフォルト/中央横方向/半径方向位置から横方向/半径方向に自由に(例えば、半径方向調整デバイスの歪みなしに)移動可能であるように、例えば、少なくとも±150μm、好ましくは少なくとも±200μm、例えば、少なくとも±400μm、回転スケール部材と係合している半径方向調整デバイスの部品から十分に分離されるように、構成されてもよい。
【0028】
例えば、半径方向調整デバイスが、回転スケール部材が取り付けられている部品上のねじ付き部材と係合するためのねじ付き部品と、回転スケール部材(例えば、屈曲部)と係合するためのテーパ部品(例えば、半径方向調整デバイスが調整ねじまたはボルトを含む)とを備える場合、ねじ付き部材は、半径方向調整デバイスの傾斜を可能にするように構成され得て、その結果、テーパ部品は、部品上のねじ付き部材に対して半径方向に移動されてもよい。例えば、装置は、半径方向調整デバイスのねじ部が、回転スケール部材が取り付けられた部品のねじ部材に係合したとき、回転スケール部材が取り付けられた部品のねじ部に係合するように、そして、回転方向調整デバイスのテーパ部が回転スケール部材に係合した状態(例えば屈曲部)にあるとき、テーパ部は、回転スケール部材が取り付けられた部品において、半径方向調整装置がねじ部材に対して自由に傾くことができるように部品から十分に切り離され、テーパ部は、デフォルト/中央横方向/半径方向に変位可能であり、半径方向調整デバイスのねじ部の直径(例えば、その外側、ねじ径)の少なくとも5%だけ横方向/半径方向に自由に(例えば、半径方向調整デバイスの歪みなく)、例えば、半径方向調整デバイスのねじ部の直径の少なくとも10%の変位が可能であるように構成されてもよい。
【0029】
少なくとも1つの半径方向調整デバイスは、回転スケール部材、例えば、本体及び/または屈曲部の少なくとも1つに直接係合してもよい。例えば、半径方向調整デバイスは、屈曲部の背後に位置する空隙に受け入れられてもよく、そして、屈曲部の背面、例えば屈曲部の背面及びび本体に倒して押し付けるように構成されてもよい。
【0030】
半径方向調整デバイスは、回転スケール部材(例えば、屈曲部)と係合するテーパ部品(例えば、テーパヘッド)を含んでもよく、半径方向調整デバイスの回転は、回転スケール部材(例えば、屈曲部)によって画定される空隙内のテーパ部の深さを制御し、したがって、回転スケール部材(例えば、屈曲部)が半径方向調整デバイスにより押される程度を制御する。そのような構成は、半径方向調整に対して非常に微細な程度の制御を提供するために有利であることが見出されている。
【0031】
理解されるように、オペレータは、半径方向調整デバイスを操作することに、ドライバー、または六角または「アレン」レンチの工具を使用してもよい。
【0032】
半径方向調整デバイスが回転スケール部材に直接係合するのではなく、半径方向調整デバイスは、代わりに、回転可能な半径方向調整デバイスと回転スケール部材との間に位置する中間部材に作用してもよい。換言すれば、任意選択で、半径方向調整力は、回転可能な半径方向調整デバイスと回転スケール部材との間に配置された中間部材を介して回転スケール部材に適用される。
【0033】
中間部材は、例えば、半径方向調整デバイスが挿入されることが可能であり、かつ半径方向調整デバイスがプラグ内にさらに押し込まれるときに拡張するように構成されるOリングまたはプラグを含む。中間部材は、剛性部材/ブロック、例えば、一時部材/ブロック、例えば、「ナッジ」ブロック/部材の形態であってもよく、これは、ネジ等の半径方向調整デバイスを受け入れるように構成されてもよく、半径方向調整デバイスの操作上の本体の位置をナッジ/微調整するために使用されてもよい。例えば、剛性部材/ブロックは、その上に半径方向の力を与えることができるように回転スケール部材の本体に当接するように構成された当接機構と、半径方向の調整ガイド機構(例えば、ねじ付きボア)とを含んでもよい。例えば、剛性部材/ブロックは、前述の当接機構で構成された剛性部材/ブロックと共に本体に対して使用するとき、半径方向調整デバイスが、回転スケール部材が取り付けられている部品に対して押し付けるように誘導され、それによって反力を介し、前述の調整機構を回転スケール部材の本体に対して押し付けるように構成されてもよい。
【0034】
一時的な治具部材の形をした中間部材が設けられていることが好ましいことがある。治具または剛性/「ナッジ」ブロック/部材は、設置中に回転スケール部材に「一時的に」取り付けられるだけであるため、「仮設」であってもよい。仮設治具部材は、半径方向の調整力の方向を制御するのに役立つように構成されてもよい。例えば、仮設治具は、前述の回転可能な半径方向調整デバイスのうちの1つまたは複数を誘導するように構成されてもよい。仮設治具は、1つ以上の所定の構成で回転スケール部材と適合するように構成されてもよい。例えば、それらは、(例えば、1つまたは複数の所定の構成、例えば、回転スケール部材の回転軸周りの1つまたは複数の所定の回転位置で)一緒に適合するために構成された相互の(言い換えれば、「協働する」または「対応する」)特徴を含んでもよい。この方法は、回転スケール部材に対して一時的な治具部材を取り付けることを含んでもよい(例えば、それらを一緒に「差し込む」ことができる)。次いで、この方法は、屈曲部に対して所定の沿う仮設治具部材によって回転スケール部材に適用される回転方向の調整力を制御する少なくとも1つの半径方向調整デバイス操作する(例えば回転させる)ことによって本体の半径方向を微調整することを含んでもよい。所定の方向は、屈曲部の半径方向の反力に非垂直であってもよい。次いで、この方法は、本体を調整された半径方向の位置に留めること、及び仮設治具部材を取り外すことを含んでもよい。
【0035】
理解されるように、本体は、その新規の/微調整された半径方向の位置において、固定/留め/維持されてもよい。したがって、この方法は、その新規の/微調整された半径方向位置において、本体を固定/留めることを含んでもよい。したがって、この方法は、例えば、1つまたは複数の機械的締結具及び/または接着剤を介する固定手段を介し、その新しい半径方向の位置における部品に対する本体の半径方向位置を固定/留めることを含んでもよい。例えば、その新規な半径方向における部品に対する本体の半径方向の位置は、1つまたは複数の半径方向調整デバイス(または「要素」)によって維持されてもよい。任意選択で、この方法は、半径方向調整デバイス以外の手段を介して、その新しい半径方向の位置における部品に対する本体の半径方向の位置を固定すること/留めることを含んでもよい。例えば、半径方向調整デバイス以外の物質(接着剤のような)または機械式締結具を用いてもよい。この場合、1つまたは複数の半径方向調整デバイスを取り外すか、または所定の位置に残してもよい。
【0036】
少なくとも1つの屈曲部は、単一の屈曲部として、または一般的に作用する屈曲部のクラスタ、例えば一対の屈曲部として提供されてもよい。したがって、2つ以上の環状に間隔を置かれた屈曲部が存在する実施形態において、それらは、単一の屈曲部として、または一般的に作用する屈曲部のクラスタ、例えば、屈曲部の対として提供されてもよい。好ましくは、屈曲クラスタまたは屈曲対における各屈曲部の半径方向の反力の方向及び大きさは、実質的に/名目上同じである。
【0037】
したがって、少なくとも2つ(例えば3つ)の環状に間隔が置かれた屈曲部に関する上記の参照例は、少なくとも2つ(3つ)のクラスタまたは環状に間隔が置かれた屈曲部の少なくとも2(3)組に関する上記の参照例を含む。
【0038】
屈曲部(複数可)は、片持ち屈曲部/ばね部材であってもよい。これは、屈曲部がペアで提供される場合に特に好ましいことがある。対の屈曲部材の各々は、それらの自由端が互いに近位であり、それらの固定された(または「付け根」の)端が互いに遠位であるように構成されてもよい。
【0039】
環状に間隔を空けられた(例えば、対の)屈曲部は、実質的に等角に間隔を空けられてもよい。例えば、1つの好ましい実施形態では、回転スケール部材は、互いに実質的に120°離れた位置にある、3つの(または3対の)環状に間隔が空けられた屈曲部を含む。
【0040】
好ましくは、スケールを画定する一連の位置特徴は、本体上に一体的に形成される。これは、本体に取り付けられた別の基板上に形成されるスケールを定義する一連の位置特徴とは対照的である。
【0041】
好ましくは、少なくとも2つ(例えば3つ)の環状に間隔を空けた屈曲部の全ては、それらによって提供される半径方向の反力の大きさが名目上同じであるように、互いに実質的に同一である。環状に間隔を空けられた屈曲部が対の場合、好ましくは、対の各屈曲部材は、構成が実質的に同一である。
【0042】
屈曲部(複数可)は、スケール特徴が回転スケール部材/本体上に形成される軸に垂直な平面内で(半径方向及び任意選択で接線方向にも)適合性/偏向性(例えば、屈曲によって)であってもよい。
【0043】
半径方向調整デバイス(例えば、手動で操作可能な)は、屈曲部(複数可)に作用して、平面内の屈曲部(複数可)の歪みの程度を変化させ、それによって、それが取り付けられている部品に対する回転スケール部材の半径方向の位置の調整を容易にするように構成されてもよい。
【0044】
装置は、i)半径方向調整デバイスが、回転スケール部材上でスケール特徴が形成される軸に垂直な平面におけるそれらの相互作用点において、前述の平面における屈曲部(複数可)の変位の程度に対して有する効果と、ii)回転スケール部材の本体上に生じる屈曲部の半径方向の変位の程度との間に1対1よりも小さい関係が存在するように構成されてもよい。そのような構成は、回転スケール部材に加えられる調整力をさらに正確に制御するのに役立つレバー比効果を提供し得る。
【0045】
本発明の別の態様によれば、i)スケールを画定する一連の位置特徴が提供される本体(例えば環状本体)を含む回転スケール部材と、少なくとも1つの(例えば取り付けられた)屈曲部(例えば、回転スケール部材を部品に取り付け、位置決めして部品に係合するように構成されている)と、ii)回転スケール部材が取り付けられている部品に関して本体の半径方向位置の変化に作用する操作可能な少なくとも1つの半径方向調整デバイスとを含む装置が提供され、少なくとも1つの半径方向調整デバイスは、部品から少なくとも部分的に分離される。そのような分離は、半径方向調整デバイスの少なくとも一部が、半径方向調整デバイスによって引き起こされる本体の半径方向位置の変化に適合するか、または「追跡する」ことを可能にし、すなわち、それ自体が半径方向位置のそのような変化に抵抗しないようにする。例えば、半径方向調整デバイスは、回転スケール部材によって画定された空隙内に受け入れられてもよく、その空隙の中心点は、本体の半径方向位置の変化に伴って移動してもよく、そのような分離は、回転スケール部材に適合するか、または前述の空隙の中心点を「追跡」するように係合する半径方向調整デバイスの少なくとも一部を受け入れてもよい。注目されるように、本発明のこの態様は、装置が取り付けられるべき部品に回転スケール部材の圧力嵌め力嵌合を必要とするように装置を構成することを必要としない。したがって、本発明のこの態様に関しては、回転スケール部材とそれを取り付ける部品との間に初期の締り嵌めが必要ない。例えば、回転スケール部材が孔を含み、この孔がデフォルトの内周直径を画定する少なくとも3つの屈曲部を有する場合、屈曲部(複数可)によって画定される孔のデフォルトの内周直径は、それが取り付けられる回転可能な部材の部品(例えば、シャフト/ハブ)の直径よりも小さい必要はない。しかしながら、上述したように、部品実装方法において回転スケール部材を配置するステップが、回転スケール部材と部品を共に圧力嵌めすることを含み、屈曲部(複数可)が部品によって変位され、それによって、回転スケール部材の本体が部品に対して初期のデフォルトの半径方向位置に自己位置決めするように部品と摩擦嵌合を形成するように、半径方向の反力を介して部品と係合するように、装置が構成されることが有利であり得る。特に、それはその後の半径方向の微調整を単純化し、スピードアップし得る。
【0046】
上述の実施形態によれば、好ましくは、装置は、回転スケール部材が取り付けられている部品に関して本体の半径方向の位置の変化をもたらすことが、少なくとも1つの屈曲部のうちの1つ以上の屈曲部の状態の変化を引き起こすように構成される。特に、装置は、本体の半径方向位置の変化をもたらすことによって、少なくとも1つの屈曲部のうちの少なくとも1つの変位または変形の程度がその静止位置から変化し、それによってスケールを任意の変形から実質的に隔離するように構成されてもよい。
【0047】
任意選択で、半径方向調整デバイスは、回転スケール部材が取り付けられている部品に設けられた対応するねじ付き部材と係合するように構成されたねじ付き部品を含み、また、回転スケール部材と係合するように構成されたテーパ部品(例えば、屈曲部)を含む。半径方向調整デバイスは、軸を中心とした回転が、回転スケール部材に対するテーパ部の「深さ」または「軸方向位置」の変化を引き起こし、次いで、半径方向調整デバイスが本体の半径方向位置に及ぼす影響を変化させるように構成されてもよい。上述のように、半径方向調整デバイスの軸は、回転スケール部材の半径に対して非平行であってもよい(例えば、回転スケール部材の半径に対して実質的に垂直であってもよい)。したがって、半径方向調整デバイスは、少なくともそのテーパ部において、回転スケール部材が半径方向に取り付けられている部品に対して移動することができるように構成されてもよい。例えば、装置は、半径方向調整デバイスのねじ付き部品と部品上のねじ付き部材とが、半径方向調整デバイスのテーパ部品の遠位点でのみ係合し、半径方向調整デバイスが傾斜して、テーパ部品が受け入れられる空隙の中心点の任意の変化に適合し得るように構成されてもよい。
【0048】
本発明の別の態様によれば、i)スケールを画定する一連の位置特徴が提供される本体(例えば、環状本体)を備える回転スケール部材と、その部品に回転スケール部材を取り付けて位置決めするための部品(例えば、関節接合部の)と係合するように構成された少なくとも1つの(例えば、「取り付け」)屈曲部と、ii)回転スケール部材の本体の半径方向調整を行うための1つ以上の回転可能な半径方向調整デバイスの半径方向調整
【0049】
好ましくは、半径方向調整治具部材及び回転スケール部材は、回転可能部材の回転により、少なくとも1つの屈曲部に対して所定の方向に沿って半径方向調整力が回転スケール部材に伝達されるように構成される。注目されるように、本発明のこの態様は、装置が取り付けられるべき部品に回転スケール部材の圧力嵌めを必要とするように装置を構成することを必要としない。
【0050】
したがって、本発明のこの態様に関しては、回転スケール部材とそれを取り付ける部品との間に初期の締り嵌めが必要ない。例えば、回転スケール部材が孔を含み、この孔がデフォルトの内周直径を画定する少なくとも3つの屈曲部を有する場合、屈曲部(複数可)によって画定される孔のデフォルトの内周直径は、それが取り付けられる回転可能な部材の部品(1例えば1、シャフト/ハブ)の直径よりも小さい必要はない。しかしながら、上述したように、部品実装方法において回転スケール部材を配置するステップが、回転スケール部材と部品を共に圧力嵌めすることを含み、屈曲部(複数可)が部品によって変位され、それによって、回転スケール部材の本体が部品に対して初期のデフォルトの半径方向位置に自己位置決めするように部品と摩擦嵌合を形成するように、半径方向の反力を介して部品と係合するように、装置が構成されることが有利であり得る。特に、それはその後の半径方向の微調整を単純化及びスピードアップし得る。
【0051】
本発明の他の態様に関連して上記および下記に説明される特徴は、本発明のこの態様に等しく適用可能であり、その逆も同様である。特に、装置は、例えば、本体の半径方向位置の変化をもたらすことによって、少なくとも1つの屈曲部のうちの少なくとも1つの変位または変形の程度がその静止位置から変化し、それによってスケールを任意の変形から実質的に隔離するように構成されてもよい。
【0052】
本発明の別の態様によれば、スケールを画定する一連の位置特徴が提供される本体(例えば、環状本体)と、少なくとも1つの屈曲部が半径方向かつ接線方向に適合している部品(例えば、関節屈曲ジョイントの)と係合するように構成された少なくとも1つの(例えば、「取り付け」)屈曲部を含む回転スケール部材が提供される。注目されるように、本発明のこの態様は、装置が取り付けられるべき部品に回転スケール部材の圧力嵌めを必要とするように装置を構成することを必要としない。したがって、本発明のこの態様に関しては、回転スケール部材とそれを取り付ける部品との間に初期の締り嵌めが必要ない。しかしながら、上述したように、部品実装方法において回転スケール部材を配置するステップが、回転スケール部材と部品を共に圧力嵌めすることを含み、屈曲部(複数可)が部品によって変位され、それによって、回転スケール部材の本体が部品に対して初期のデフォルトの半径方向位置に自己位置決めするように部品と摩擦嵌合を形成するように、半径方向の反力を介して部品と係合するように、装置が構成されることが有利であり得る。特に、それはその後の半径方向の微調整を単純化し、スピードアップし得る。
【0053】
任意選択で、少なくとも1つの屈曲部(例えば、少なくとも2つ、例えば、少なくとも3つの環状に離間された屈曲部)は、本体上に一体的に形成される。任意選択で、少なくとも1つの屈曲部は、半径方向調整デバイスが配置され、屈曲部(複数可)の半径方向の歪みの程度を制御するために使用され得る空隙を含む。任意選択で、少なくとも1つの屈曲部は、半径方向調整デバイスが係合し、押して前記本体の半径方向調整をもたらすことができる特徴を備える半径方向調整屈曲部材を含み、半径方向調整屈曲部材は、少なくとも1つの接線方向に適合する支持体によって本体に接続される。
【0054】
本発明の他の態様に関連して上記および下記に説明される特徴は、本発明のこの態様に等しく適用可能であり、その逆も同様である。特に、例えば、回転スケール部材は、本体の半径方向位置の変化をもたらすことが、屈曲部(複数可)のうちの少なくとも1つの変位または変形の程度をその(それらの)静止位置から変化させ、それによってスケールを任意の変形から実質的に隔離するように構成されてもよい。
【0055】
本発明の別の態様によれば、軸を中心に回転可能な部材と、スケールを形成する環状に延びる一連の特徴を有する回転スケール部材とを含む装置が提供され、回転スケール部材は、回転可能な部材の一部(例えば、シャフト/ハブ)を受け入れるための孔(例えば、部品が回転軸と実質的に同軸である)と、回転可能な部材の一部と孔の境界に設けられた少なくとも1つの(例えば、一体型の)屈曲部とを含み、回転可能な部材の一部が孔内に位置すると、屈曲部がその静止位置から変位され、回転可能な部材がその部品に対して半径方向にバイアスされ、それによって回転可能な部材が回転可能な部材に対して(例えば、初期半径方向の位置で)位置決めされる。
【0056】
したがって、少なくとも1つの(例えば、一体型)屈曲部は、それが取り付けられる回転可能部材の部品(例えば、シャフト/ハブ)の直径よりも小さい孔のデフォルトの内周直径を画定する。
【0057】
好ましくは、回転スケール部材は、(薄い)平面ディスクを含み、スケールを形成する一連の特徴は、平面ディスクの平面上に提供される。
【0058】
平面ディスクスケール部材上のスケールの半径方向位置を調整できるように、少なくとも1つの半径方向調整デバイスを提供することができる。好ましくは、装置は、少なくとも1つの屈曲部が、少なくとも1つの半径方向調整デバイスの状態に関係なく、部品を保持するように、部品と摩擦嵌合を形成するように、半径方向反力を介して部品と係合することが十分に促されるように、少なくとも1つの屈曲部が回転可能部材と係合する(例えば、グリップする)ことが確実になるように構成される。
【0059】
好ましくは、少なくとも2つ(または2対の)屈曲部、及び任意選択で少なくとも3つ(または3対の)屈曲部は、孔の境界に設けられ、孔の周りに(例えば等角に)環状に離間されている。
【0060】
本発明の他の態様に関連して上記および下記に説明される特徴は、本発明のこの態様に等しく適用可能であり、その逆も同様である。特に、装置は、例えば、本体の半径方向位置の変化をもたらすことによって、少なくとも1つの屈曲部のうちの少なくとも1つの変位または変形の程度がその静止位置から変化し、それによってスケールを任意の変形から実質的に隔離するように構成されてもよい。
【0061】
本発明の他の態様によれば、ディスクスケール部材を部品に取り付ける方法が提供され、ディスクは、平面本体の平面上にスケールを画定する一連の位置特徴を有する平面本体(例えば、環状平面本体)と、(例えば、部品と係合するように構成され、それによって)半径方向の反力を提供するように構成された1つまたは複数の屈曲部とを含み、方法は、ディスクスケール部材を部品上に配置し、その後、1つまたは複数の半径方向の調整部材を使用して、部品に対して平面本体の半径方向の位置を微調整することを含み、1つまたは複数の屈曲部が半径方向に変位される範囲は、前述の微調整によって変更される。注目されるように、本発明のこの態様は、部品上のディスクスケール部材の締まり嵌めを必要としない。したがって、本発明のこの態様に関しては、部品と回転スケール部材との間に初期の締まり嵌めを必要としない。例えば、ディスクスケール部材が孔を含み、この孔がデフォルトの内周直径を画定する少なくとも3つの屈曲部を有する場合、屈曲部(複数可)によって画定される孔のデフォルトの内周直径は、それが取り付けられる回転可能な部材の部品(例えば、シャフト/ハブ)の直径よりも小さい必要はない。しかしながら、スケールディスク部材を部品上に配置する方法のステップが、回転スケール部材と部品とを一緒に圧力嵌めすることを含むように装置が構成されることが有利であり得る。特に、それはその後の半径方向の微調整を単純化し、スピードアップし得る。
【0062】
本発明の他の態様に関連して上記および下記に説明される特徴は、本発明のこの態様に等しく適用可能であり、その逆も同様である。特に、装置は、例えば、本体の半径方向位置の変化をもたらすことによって、少なくとも1つの屈曲部のうちの少なくとも1つの変位または変形の程度がその静止位置から変化し、それによってディスクスケール部材を任意の変形から実質的に隔離するように構成されてもよい。
【0063】
本発明の別の態様によれば、i)部品に取り付けられた回転スケール部材であって、軸の周りの回転位置の測定値を提供するためにスケールを画定する一連の位置特徴が提供される本体(例えば、環状本体)と、その中に形成された軸に対して垂直な平面内で偏向可能な(例えば、「取り付け」)屈曲部とを含む回転スケール部材と、ii)屈曲部に作用するように構成された(例えば、手動で操作可能な)半径方向調整デバイスであって、平面内の屈曲の歪みの程度を変化させるように操作可能であり、それによって、部品に対する回転スケール部材の半径方向位置の調整を容易にする、半径方向調整デバイスとを備える装置が提供される。装置は、a)半径方向調整デバイスが相互作用点における平面内の屈曲部の変位の程度に及ぼす影響と、b)屈曲が回転スケール部材の本体に及ぼす結果として生じる半径方向変位の程度との間に1対1よりも小さい関係があるように構成されてもよい。注目されるように、本発明のこの態様は、装置が取り付けられるべき部品に回転スケール部材の圧力嵌めを必要とするように装置を構成することを必要としない。したがって、本発明のこの態様に関しては、部品と回転スケール部材との間に初期の締まり嵌めを必要としない。例えば、回転スケール部材が孔を含み、この孔がデフォルトの内周直径を画定する少なくとも3つの屈曲部を有する場合、屈曲部(複数可)によって画定される孔のデフォルトの内周直径は、それが取り付けられる回転可能な部材の部品(例えば、シャフト/ハブ)の直径よりも小さい必要はない。しかしながら、上述したように、部品実装方法において回転スケール部材を配置するステップが、回転スケール部材と部品を共に締まり嵌めすることを含み、屈曲部(複数可)が部品によって変位され、それによって、回転スケール部材の本体が部品に対して初期のデフォルトの半径方向位置に自己位置決めするように部品と摩擦嵌合を形成するように、半径方向の反力を介して部品と係合するように、装置が構成されることが有利であり得る。特に、それはその後の半径方向の微調整を単純化し、スピードアップし得る。
【0064】
本発明の他の態様に関連して上記および下記に説明される特徴は、本発明のこの態様に等しく適用可能であり、その逆も同様である。特に、例えば、装置は、本体の半径方向の位置の変化をもたらすことで、屈曲部(複数可)のその(それらの)静止位置からの変位又は変形の程度が変化し、それによって、スケールをいかなる変形からも実質的に隔離するように構成されてもよい。
【0065】
本発明の別の態様によれば、i)軸の周りに延びるスケールを画定する一連の位置特徴を有する本体(例えば、環状本体)を含む回転スケール部材、ii)(例えば、手動で操作可能な)半径方向調整デバイス(任意選択でねじ付き部材を含み、任意選択でテーパヘッドを有する)、およびiii)半径方向調整デバイス(例えば、テーパヘッド)が係合する中間部材であって、半径方向調整デバイス(例えば、ねじ付き部材)の(例えば軸上の)位置が調整されると、半径方向調整デバイス(例えば、テーパヘッド)によって移動されるように構成され、次に、本体の半径方向位置の調整を引き起こす、中間部材を含む、装置が提供される。好ましくは、i)半径方向調整デバイス(例えば、テーパヘッド)によって引き起こされる中間部材の変位、及びii)本体の半径方向の変位の比は、1:1未満である。注目されるように、本発明のこの態様は、部品上のディスクの締まり嵌めを必要としない。したがって、本発明のこの態様に関しては、部品とディスクスケール部材との間に初期の締まり嵌めは必要でない。例えば、ディスクスケール部材が孔を含み、この孔がデフォルトの内周直径を画定する少なくとも3つの屈曲部を有する場合、屈曲部(複数可)によって画定される孔のデフォルトの内周直径は、それが取り付けられる回転可能な部材の部品(例えば、シャフト/ハブ)の直径よりも小さい必要はない。
【0066】
本発明の他の態様に関連して上記および下記に説明される特徴は、本発明のこの態様に等しく適用可能であり、その逆も同様である。特に、例えば、特に、例えば、装置は、本体の半径方向の位置の変化をもたらすことで、屈曲部(複数可)のその(それらの)静止位置からの変位又は変形の程度が変化し、それによって、スケールをいかなる変形からも実質的に隔離するように構成されてもよい。
【0067】
本発明の別の態様によれば、機械の一部と、部品に取り付けられた回転スケール部材であって、スケールを画定する一連の位置特徴が提供される本体(例えば、環状本体)と、少なくとも1つの屈曲部とを備える回転スケール部材と、回転スケール部材が取り付けられた部品に対して本体の半径方向位置の変化をもたらすように操作できる少なくとも1つの半径方向調整デバイスとを備え、少なくとも1つの半径方向調整デバイスは、半径方向調整デバイスの少なくとも一部が、半径方向調整デバイスによって引き起こされる本体の半径方向位置の変化に適合するように構成される部品から少なくとも部分的に分離される装置が提供される。本発明の他の態様に関連して上記および下記に説明される特徴は、本発明のこの態様に等しく適用可能であり、その逆も同様である。
【図面の簡単な説明】
【0068】
次に、本発明の実施形態は、以下の図面を参照して、一例としてのみ説明される。
図1】スケールを読み取るように配置された読取ヘッドを備えた、シャフトに取り付けられ本発明によるディスクスケール部材の等軸測視図である。
図2図1の配置の平面図である。
図3図1の配置の側面図である。
図4】単独で示される図1のディスクスケール部材の平面図である。
図5図4のスケールディスク部材の領域Mの詳細図である。
図6】シャフトに取り付けられたスケールディスク部材の図2の線I-Iに沿う断面図である。
図7】本発明の図1から図6のスケールディスク部材を設置するステップを模式的に示す図である。
図8図8は、発開示に従って取り付けられるように適合されたスケールディスク部材の代替実施形態を示す図である。
図9図8のスケールディスク部材の半径方向の位置を調整するためのスケールディスク調整工具を示す図である。
図10図9のスケールディスク部材の上部に取り付けられ、順次機械のシャフトに取り付けられるスケールディスク調整工具の平面図を示す図である。
図11図9のスケールディスク調整工具の断面図を示すである。
図12図10のスケールディスク調整工具、スケールディスク部材、及びシャフトの線IIに沿う断面図を示す図である。
図13】本発明の、図9の工具を使用して、図8のスケールディスク部材を設置するステップを模式的に示す図である。
図14】本発明に従って取り付けられるように適合されたスケールディスク部材の代替実施形態を示す図である。
図15】本発明に従って取り付けられるように適合されたスケールディスク部材の代替実施形態を示す図である。
図16】本発明に従って取り付けられるように適合されたスケールディスク部材の代替実施形態を示す図である。
図17】本発明に従って取り付けられるように適合されたスケールディスク部材の代替実施形態を示す図である。
図18】本発明に従って取り付けられるように適合されたスケールディスク部材の代替実施形態を示す図である。
図19a】本発明に従って取り付けられるように適合されたスケールディスク部材の代替実施形態を示す図である。
図19b】本発明に従って取り付けられるように適合されたスケールディスク部材の代替実施形態を示す図である。
図20】本発明に従って取り付けられるように適合されたスケールディスク部材の代替実施形態を示す図である。
図21】本発明に従って取り付けられるように適合されたスケールディスク部材の代替実施形態を示す図である。
図22a】本発明に従って取り付けられるように適合されたスケールディスク部材の代替実施形態を示す図である。
図22b】本発明に従って取り付けられるように適合されたスケールディスク部材の代替実施形態を示す図である。
図23】スケールディスク部材が取り付けられている部品から部分的に分離された半径方向調整デバイスを介した、本発明によるスケールディスク部材の半径方向の調整を模式的に示す図である。
図24a】スケールディスク部材が取り付けられている部品から部分的に分離された半径方向調整デバイスを介した、本発明によるスケールディスク部材の半径方向の調整を模式的に示す図である。
図24b】スケールディスク部材が取り付けられている部品から部分的に分離された半径方向調整デバイスを介した、本発明によるスケールディスク部材の半径方向の調整を模式的に示す図である。
図25a】スケールディスク部材が取り付けられている部品から部分的に分離された半径方向調整デバイスを介した、本発明によるスケールディスク部材の半径方向の調整を模式的に示す図である。
図25b】スケールディスク部材が取り付けられている部品から部分的に分離された半径方向調整デバイスを介した、本発明によるスケールディスク部材の半径方向の調整を模式的に示す図である。
図26a】ディスクスケールの半径方向位置の調整に使用される複数のナッジブロックと共に、本発明に従って取り付けられるように適合されたスケールディスク部材の別の代替実施形態を示すである。
図26b】ディスクスケールの半径方向位置の調整に使用される複数のナッジブロックと共に、本発明に従って取り付けられるように適合されたスケールディスク部材の別の代替実施形態を示すである。
図27】屈曲部が平面本体の外縁部に設けられる、別の代替の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0069】
図1から図3および図6を参照すると、機械に取り付けられたエンコーダ装置2、すなわち、回転可能なシャフト6および機械のコンポーネント12(図示せず)に取り付けられたエンコーダ装置2が示されている。図1から図3(及び図6)は、以下により詳細に説明される本発明のプロセスに従って取り付けられた後のエンコーダ装置を示す。図4及び5は、スケールディスク部材4を単独で示す。
【0070】
示されるように、この実施形態では、エンコーダ装置は、構成が平面であり、機械のシャフト6に取り付けられたスケールディスク部材4を含む。
【0071】
スケールディスク部材4は、その平面の1つにスケールトラック8が設けられた本体5(この実施形態では、平面環状本体5)と、シャフト6と係合するように構成された複数の屈曲部16a、16b、16c、16dとを含む。本実施形態では、スケールトラック8上に設けられた本体5、および複数の屈曲部16は、単一の材料から形成される。これは、スケールディスクのコンパクトさを確保するのに役立つとともに、屈曲部16が環状本体と同じ平面内に含まれることを確実にするのに役立つため、特に薄い平面スケールディスクに有利であり得る。特に、スケールディスク部材4(すなわち、環状本体および屈曲部)は、この実施形態では、厚さ約1mmのステンレス鋼材料の薄いシートから形成される。文脈上、本実施形態におけるディスクスケール部材4の直径は、約55mmである。理解されるように、本発明は、そのようなサイズのディスクに限定されず、そのような寸法は、単にディスクの例として与えられている。また、ディスクは、アルミニウムなどの他の金属材料から作られてもよい。理解されるように、ディスクは、非金属材料から作製されてもよく、または異なる材料から作製された2つ以上の別個の部品(例えば、屈曲部を含む金属ハブに取り付けられたガラスディスク)を含んでもよい。しかしながら、本発明は、(本発明の出現まで)部品にそれらを取り付け、著しい偏心誤差を回避することができるという重大な課題があった、単一ピースの薄い平面ディスク(特に金属ディスク)に特に関係している。
【0072】
図1に示されるように、スケールトラック8は、スケールディスク部材4の周りに完全に環状に延在する。図1には詳しく示されていないが、スケールトラック8は、スケールディスク4と読み取りヘッド10の相対位置/運動を決定するために読み取りヘッド10が読み取り得る一連の特徴を含む。
【0073】
読み取りヘッド10は、円筒形シャフト6が軸Aに対して回転可能に固定された機械の構成要素12に取り付けられる。
【0074】
説明した実施形態では、エンコーダ装置2は光学式エンコーダ装置であるが、必ずしもそうである必要はない。例えば、エンコーダ装置は、磁気エンコーダ装置、誘導エンコーダ装置、または静電容量エンコーダ装置であり得る。さらに、本実施形態の説明では、エンコーダ装置2は反射型光学エンコーダ装置である(読み取りヘッドからの光がスケールにより反射されて読み取りヘッドに戻り、読み取りヘッドの照明とスケール検出部がスケールの同じ側にある)。しかしながら、必ずしもそうである必要はなく、エンコーダ装置は透過型光学エンコーダであってもよい。
【0075】
実施形態では、エンコーダ装置2はインクリメンタルエンコーダ装置である。従って、本実施形態では、スケールディスク4はインクリメンタルスケールディスクであり、スケールトラック8は、スケールディスク4と読み取りヘッド10の相対的な位置/動きのカウントを提供するために読み取りヘッド10が読み取り得る一連の周期的に配置された特徴を備える。インクリメンタルエンコーダ装置の分野で一般的であるように、スケールディスク装置4は、読み取りヘッドが読み取りヘッドを通過することによって読み取られ得る1つ又は複数の基準マークを含むことができ、それにより読み取りヘッドは、ディスクスケール部材上の基準位置を識別してもよい。参照標識15の例は図4に示される。この場合、参照標識15は、インクリメンタルスケールトラック8と別のトラック17に示されるが、必ずしもそうである必要はない。参照標識15は、インクリメンタルスケールトラック8内に埋め込まれてもよい。もちろん、エンコーダ装置は、インクリメンタルエンコーダ装置に代えて、絶対エンコーダ装置であってもよい。従って、スケールディスク4は、絶対スケールディスクであってもよく、スケールディスク4上のスケールトラック(複数可)は、スケールディスク及び読み取りヘッドの絶対位置が起動時にディスクスケール部材及び読み取りヘッドの相対運動を必要とせずに決定され得るように、一連の固有の絶対位置を定義する特徴を含む。
【0076】
図4に最も明確に示されるように、スケールディスク部材4は、その中央を通る孔14を含み、スケールディスク部材4が円筒シャフト6に取り付けられたときに円筒シャフト6がそれを通って延びることができる。スケールディスク部材4は、平面ディスクと共に平面に設けられ、孔14の周りに等角に離間されている4つの屈曲部16を含む。屈曲部16は、孔14の実効直径Dが、それが取り付けられるシャフト6のディスク受容部の直径D’よりも20μm~40μm、わずかに小さいように成形され、サイズが決められる。屈曲部16は、半径方向(スケールディスク部材4に関して)に弾性的に対応している。したがって、屈曲部16は、「半径方向ばね部材」と称され得る。孔14の実効直径Dは、それが取り付けられるシャフト6の直径D’よりもわずかに小さいため、スケールディスク部材4は、シャフト6に圧力嵌めさせなければならない。したがって、スケールディスク部材4がシャフト6上に押し込まれると、それらの間に自然/デフォルト/自動的な絞り嵌めが存在する。これは、スケールディスク部材4をシャフト6に取り付ける力のプロセスが、屈曲部16を半径方向に偏向させ、屈曲部16の材料の弾性がシャフト6に反力を引き起こすためである。これにより、それらは、半径方向に沿ってシャフト6に付勢され、それによって、(所定の/デフォルトの半径方向の位置で)シャフト6に係合し、スケールディスク4を半径方向に配置する。
【0077】
4つの屈曲部16が名目上同一であると仮定して、それらは、スケールディスク部材4が名目上シャフト6の中心にあることを確実にすべきである-言い換えれば、スケールディスク部材4をシャフト6に取り付ける力の作用は、スケールディスク部材をシャフト6の「自己中心」にさせるべきである。しかしながら、スケールディスク部材の自己中心化能力に依存するだけでは十分ではなく、次にエンコーダの性能を最適化することができる最適化された半径方向の位置を達成するために(特に偏心誤差を低減するために)スケールディスク部材の半径方向の位置を常にわずかに微調整することができることが有利である。
【0078】
発明者のディスクが使用される可能性が高い適用および装置では、50μmを超える調整が必要になる可能性は低く、調整の範囲は数ミクロンほど小さい可能性がある。微小な調整が必要な範囲だけでなく、設置者が予測可能で一貫した方法でそのような調整を行うことができる必要があることを念頭に置く必要がある。予測可能で一貫した方法でこのような調整を行うことができるということは、設置者が試行錯誤ベースで作業する必要がなく、非常に時間がかかり、セットアップを悪化させる可能性があることを意味する。
【0079】
本発明者らは、屈曲部16とシャフト6との間の摩擦および歪みの影響が、予測可能な方法でそのような小さな調整をもたらそうとするときの重要な問題であることを見出した。例えば、屈曲部とシャフトとの間のスティクションは、すべての屈曲部に対して完全に等しいわけではない可能性がある。したがって、スケールディスク部材を特定の方向に押したり引っ張ったりしようとすると、屈曲部/シャフトの境界面は、屈曲部のうちのあるものでは折れ/滑るが、別のものではそうならず、スケールディスク部材全体を予測不能に回転させる可能性がある。
【0080】
この問題に対処するために、発明者らは、新しいスケールディスク部材とスケールディスク部材を取り付ける新しい方法を開示した。
【0081】
例えば、図1から6の例示的な実施形態では、(例えば、図5の方向「R」に沿って)半径方向に対応している屈曲部16と同様に、それらはまた、(例えば、図5の方向「T」に沿って)接線に対応して構成される。以下でより詳細に説明されるように、半径方向および接線方向の両方に対応することは、環状本体5の半径方向の位置が予測可能で一貫した方法で調整されることを確実にするのに役に立つ。
【0082】
現在記載されている実施形態では、接線対応は、特殊形状の屈曲部を提供することによって達成される。特に、屈曲部16は、シャフト6と係合するように構成された「シート」または「足」部分18を含む。足部18は、一対の細長い屈曲脚20の間に延在し、それ自体が環状本体5から孔14内に延在する。足部18および屈曲脚20は、環状本体5と同じ材料から形成され、屈曲空隙22を画定する。図5に示されるように、第1の接触面24は、屈曲足18の空隙側に設けられ、第2の接触面26は、第1の接触面24に面する空隙の反対側に設けられる。図6および7に関連して以下でより詳細に説明されるように、調整ボルト28は、調整ボルト28のテーパヘッド31が接触面24、26に係合し、押し付けられ、それらの分離距離Lを調整できるように、屈曲ボルト22を通って配置されてもよい。
【0083】
足部18は、ディスクの平面内でその長さに沿って曲がることができることにより、半径方向Rに弾性的に対応しており、脚部18は、一対の屈曲脚20がその長さに沿って曲がることができることにより、ディスクの平面内で接線方向Tに弾性的に対応している。
【0084】
屈曲部16、特に、屈曲足部18および細長い屈曲脚20(および屈曲空隙22)は、例えば、環状本体5をエッチングおよび/または機械加工(例えば、レーザー切断)することによって形成してもよい。任意選択で、環状本体5は、その屈曲部16と共に、成形、鋳造及び/または添加剤プロセスによって形成される。
【0085】
次に、図7を参照して、図1から図6のスケールディスク部材4を取り付ける方法について説明する。方法は、図7のステップ(A)、(B)に模式的に示すように、設置者の圧力嵌めによって開始する。この意味は、ユーザがスケールディスク部材4をシャフト6と実質的に同軸になるようにほぼ整列させ、次に、シャフト6がスケールディスク部材4の孔14を通って突出するように、軸方向に実質的に沿って力「AF」を加えることによってスケールディスク部材4をシャフトに押し付けることを含む。この実施形態では、設置者は、図7のステップ(B)に示されるように、スケールディスク部材4の下面がシャフト上の棚7上に静止するまで、スケールディスク部材4をシャフト6に沿って押し続けている。
【0086】
上述したように、孔14の内径Dは、シャフト6のディスク受容部の直径D’よりもわずかに小さい。したがって、スケールディスク部材4は、単に緩やかにフィットしてシャフト6を自身で滑り落ちることはない。むしろ、設置者は、屈曲部16がそれらの自然な静止位置から偏向して孔14を開き、それによってシャフトを収容するようにし、また、屈曲部16とシャフト6との間の摩擦を克服して、スケールディスク部材4をシャフトの軸に沿ってシャフト6上の所望の軸方向の位置に移動させるように、それらを一緒に強制的に取り付ける必要がある。
【0087】
スケールディスク部材4がシャフト6上の所望の軸方向位置にあるとき、設置者は、ステップ(B)でスケールディスク部材4の半径方向位置を確認し得る。これは、例えば、回転しているディスクの外縁にあるダイヤルテストインジケータ(DTI)を使用して、機械的に達成し得る。任意選択で、光学的方法を使用してもよい。例えば、顕微鏡を使用してスケールラインの端を見てもよい。別の例として、一対の読み取りヘッドは、スケール特徴を読み取るように構成されてもよく、それらの間のカウント差は、偏心の尺度を提供し得る。半径方向の位置が十分でない場合、設置者はステップ(C)でスケールディスク部材4の半径方向の位置を微調整してもよい。この実施形態において、これは、1つ以上の調整ボルト28の使用によって達成される。図6により詳細に示されるように、調整ボルト28は、ねじ部29およびテーパヘッド31を含む。図6に示されるように、調整ボルトは、調整ボルトのねじ部29がシャフト6の棚7のねじ孔32内に受け入れられるように、第1の屈曲部16aの屈曲空隙22を通して受け入れることができる。通常のねじ部材のように、調整ボルト28を、その軸方向位置を変更するように回転させてもよい。図6は、調整ボルト28がねじ孔32内に配置され、その軸方向の位置がテーパヘッド31のテーパ側が第1の屈曲部16aの第1の接触面24および第2の接触面26(図5に関連して上述した)にのみ接触するようになるまで回転されている構成を示す。図5に戻って参照すると、第1の接触面24と第2の接触面26との間の距離Lは、屈曲空隙の幅Wよりも小さく、したがって、テーパヘッド31が、屈曲脚20の内側ではなく、第1の接触面24および第2の接触面26と係合することが確実になることに留意されたい。したがって、調整ボルト28がさらに回転してねじ孔32内をさらに貫通すると、テーパヘッド31は、第1の接触面24および第2の接触面26に対して力を増加させて押し付けられ、それによって、第1の接触面24と第2の接触面26との間の距離Lが増加する。屈曲部の足部18がシャフト6に突き当てられていることを考慮すると、屈曲部の足部18は所定の位置に固定され、動くことができない。したがって、第1の接触面24と第2の接触面26との間の距離Lの任意の増加は、環状本体5全体を移動させる(この例ではY次元)。
【0088】
環状本体5のそのような半径方向の動きは、他の屈曲部16b、16c、16dの屈曲のために予測可能な方法が容易にされる。特に、第1の屈曲部に対向する屈曲部16cの屈曲足部18は、Y次元における環状本体4の半径方向位置の変化に対応するために、前述の屈曲部16cの距離Lが減少するように屈曲する。また、他の2つの屈曲部16b、16cは、Y次元における環状本体5の半径方向位置の変化に対応するために(Y次元において)横方向に屈曲/歪曲する(特に、他の2つの屈曲部16b、16cの屈曲脚20は、スケールディスク部材の平面内でそれらの長さに沿って曲がる)。屈曲部16のこのような屈曲は、シャフト6と屈曲部16の足部18との間のスティクションを克服する必要なしに、シャフト6に対する環状本体5の半径方向の位置を調整することができることを意味する。
【0089】
環状本体5が所望の半径方向の位置にある場合、図7のステップ(D)に示されるように、調整ボルト28は、環状本体5を所定の位置に保持するように、所定の位置に残してもよい。また、この場合、図(C)および(D)に示されるように、他の屈曲部(16C、16D)の空隙22内にさらなるボルト28A(調整ボルト28と同一であってもよい)を配置し、それらは環状本体5を所定の位置にクランプするのを助けることを有利にし得る。そうである場合、屈曲(16a、16b、16c、16d)は互いに抗し合い、及び/または環状本体を歪ませることになるため、それらが過度に締め付けられないことが望ましい。加えて(または代替的に)、環状本体5の半径方向位置は、接着剤および/または異なる機械的ファスナなどの他の手段によって所定の位置に固定されてもよい。例えば、1つまたは複数の補足的なファスナ孔9(図4を参照)を環状本体5に設け、クランプボルトなどのファスナを通過させ、シャフトに固定してもよく(例えば、棚7の孔を介して)、環状本体5を所定の位置にクランプしてもよい。次に、ボルト28(a)は取り外してもよい。
【0090】
上述の実施形態では、半径方向および接線方向の両方に対応する屈曲部の使用により、半径方向位置の予測不可能な調整を引き起こす歪みに関連する問題が克服されている。スティクション問題を軽減することが見出されている本発明の別の実施形態は、図8から図13を参照して説明される。
【0091】
図8は、図1から図7に関連して上述したスケールディスク部材104の例を示す。これは、スケールトラック108がその平面の1つに設けられた平面環状本体105と、その中央を通る孔114とを含み、スケールディスク部材104が円筒形シャフト6に取り付けられたときに円筒形シャフト6が延びるようにしてもよい。スケールディスク部材104は、複数の屈曲部116を含むが、この実施形態では、それらはいかなる接線方向の適合も有しない。むしろ、スケールディスク部材104は、半径方向に対応しているが、接線方向に対応していない4対の片持ち式の屈曲部(または「ばね部材」)116a、116b、116c、116dを含む。片持ちばね部材116a、116b、116c、116dの各対は、平面スケールディスク部材104と共に平面内に設けられ、孔114の縁の周りに間隔を置かれる。また、片持ちばね部材116a、116b、116c、116dの各対は、それらの自由端が互いに近位であり、それらの固定端が互いに遠位であるように構成される。言い換えれば、片持ち式ばね部材の各対116a、116b、116cは、互いに離れるのではなく、互いに向き合う。
【0092】
図8に示されるように、各片持ち式ばね部材116は、その自由端に向かって狭くなるようにテーパにされている。従って、片持ち式ばね部材の幅は、その固定端において、その自由端における幅よりも大きい。理解されるように、片持ち式ばね部材の正確な所望の寸法は、材料、ディスクのサイズ、及び所望のばね力を含むいくつかの要因に依存することになる。発明者らは、対の各屈曲部の良好な所望のばね力が約20ニュートンであることを発見し、これは、十分な自己位置特定能力を提供することと、シャフトを過度に把持しないこととの間の良好なバランスを提供する。
【0093】
説明した実施形態では、各片持ちばね部材116は、環状本体104と同じ材料の部品/シートに、スロット122(片持ちばね部材116の後ろに位置する)およびギャップ(片持ちばね部材の自由端の間に位置する)を形成することによって形成される。スロット122及びギャップは、片持ち式ばね部材がその長さに沿ってスロット122内で屈曲することを可能にする。そのようなスロット122およびギャップは、例えば、環状本体105をエッチングおよび/または機械加工(例えば、レーザー切断)することによって形成してもよい。任意選択で、環状本体105は、その片持ち式ばね部材と共に、成形、鋳造及び/または添加プロセスによって形成される。
【0094】
スケールディスク部材104がシャフト6(片持ち式ばね部材116a、116b、116c、116dの対の間の空間よりわずかに大きい)に押し込まれると、シャフト6は、孔114の中央に面する片持ち式ばね部材116のそれぞれの側面と係合し、それらのそれぞれをスロット122内にわずかに屈曲させる。片持ち式ばね部材116の材料の弾性は、シャフト6に反力を引き起こす。好ましくは、各片持ち式ばね部材116によって提供される反力は、環状本体105がシャフト6上で実質的に自己中心になることと実質的に同一である。そのような名目上同一の反力は、片持ち式ばね部材116を、それらが名目上同一の形状およびサイズになるように構成することによって達成してもよい。
【0095】
片持ち式屈曲部の対を提供する利点に関するさらなる詳細を含む、そのような屈曲部のさらなる詳細は、共同出願中の英国特許出願GB1918002.5に記載されている。
【0096】
図1から図7の実施形態と同様に、スケールディスク部材の自己中心化能力に頼るだけでは十分でない場合があり、スケールディスク部材の半径方向の位置を微調整して、最適な半径方向の位置を達成し、エンコーダの性能を最適化し得る(特に偏心誤差を低減できる)ことが有利になる場合がある。
【0097】
上述したように、本発明者らは、接線対応の屈曲部なしに、そのようなスケールディスク部材の半径方向位置を、信頼性が高く予測可能な方法で、そのような少量で調整することが非常に困難であることを見出した。しかしながら、彼らは、スケールに適用される半径方向調整力と屈曲部との関係に応じて、半径方向位置の調整の制御レベル(特に予測可能性)が著しく変化することを見出した。特に、本発明者らは、半径方向位置を調整するためにシャフトが屈曲に対してスライドしなければならない場合、シャフトがいつ、どのように動き始めるのかが正確には不明であることを特定している。
【0098】
本発明者らは、接線対応のない屈曲部を有するスケールディスク部材がより決定的であることを見出し、半径方向調整力がそのような屈曲部に対してある角度で印加されることを確実にすることによって(言い換えれば、半径方向調整力がシャフトおよび任意のそのような屈曲部の界面に対して接線方向または平行に印加されないことを確実にすることによって、または、例えば、半径方向調整力が屈曲力の方向に垂直に印加されないことを確実にすることによって)、正確な半径方向調整を達成することができることを見出した。特に、環状に間隔を空けた取り付け屈曲部(または取付屈曲部対)の各々について、力(または変位)が加えられる方向と、環状に間隔を空けた取り付け屈曲部(または取付屈曲部の対)の半径方向の反力に垂直に伸びる線との間の角度が、屈曲部と部品(例えばシャフト/ハブ)(例えば関節式接続)との間の摩擦係数の逆tanより大きいように、スケールディスク部材に半径方向の調整力(または変位)を加えることが好ましいことが見出されている。
【0099】
例えば、図8の実施形態では、設置者が環状本体105の半径方向位置をY次元の新しい位置に調整したい状況を想像すると、設置者の論理的なステップは、Y次元方向に沿って平行な力Fを加えることになる。しかしながら、より決定的で正確な調整は、X次元及びY次元の両方で半径方向の位置を調整する第1の力F’を適用し、次にY次元における環状本体105の半径方向の位置をさらに調整し、環状本体の半径方向の位置をX次元における元の位置に戻す第2の力F’’を適用することによって達成し得ることが見出された。示されるように、第1の力F’及び第2の力F’’の方向は、接線方向に剛性のある屈曲部に対してある角度にある(及び屈曲部/半径方向の反力に対して垂直ではない)。
【0100】
図9から図12は、図8のスケールディスク部材104の半径方向の位置が、上述の原理に従って屈曲部に角度を付けて適用される力/変位によって調整されることを確実にするために使用され得る例示的な治具部材200を示す。治具200は、スケールディスク部材104がシャフト6に強制的に取り付けられ、スケールディスク部材104の半径方向の位置の調整が完了すると取り外された後、スケールディスク部材104の上に一時的に座るように構成されたリング状の本体202を備える。本実施形態では、リング状の本体202は、シャフト6を受け入れるための孔204を備える。孔の直径は、シャフト6よりもわずかに小さいように構成され、その上にぴったりとフィットするように構成されている。特に、治具200は、4つの屈曲アーム216a、216b、216c、216dを含み、その自由端は、シャフト6と係合するように構成され、治具がシャフト6に取り付けられるときに半径方向に弾性的に偏向する。治具200はまた、複数の屈曲性調整アーム218a、218b、218c、218dを含む。この実施形態では、各屈曲アームに関連付けられた1つの屈曲性調整アームがある。各調整アーム218は、そこを通って延びるねじ付きチャネル220と、その下側から突出するラグ222とを含む(例えば、図11を参照)。また、チャネル224a、224b、224c、224dは、各調整アームチャネル220と同軸で、治具の本体202に設けられている。これは、そこを通るグラブねじ230の挿入を容易にし、そのねじは、調整アームのチャネル220上のねじと係合してもよい。グラブねじ230の端部が屈曲アーム216(剛性シャフト6に対して突き上げられている)と係合すると、グラブねじ230が締められ、屈曲性調整アーム220と治具200の環状本体202との間の小さなギャップ内に、屈曲性調整アーム220が半径方向外側に押される。
【0101】
図8に示されるように、スケールディスク部材104は、4つのラグ受容機構130a、130b、130c、130dを含む。本実施形態では、各ラグ受容機構130は、スケールディスク部材の環状本体105の孔114の内側縁部に平坦な面を含む。一緒に組み立てられる場合、ラグ222は、スケールディスク部材の孔114内に受容され、各ラグ222は、対応するラグ受容機構に隣接して配置される(例えば、対応するラグ受容機構130b、130dに隣接して配置されるラグ222b、222dを示す図12を参照されたい)。
【0102】
図13を参照して、スケールディスク部材104を取り付け、その半径方向位置を調整する方法について説明する。図13のステップ(A)および(B)に模式的に示されるように、方法は、スケールディスク部材4をシャフト6に圧力嵌めする設置者によって開始する。これは、ユーザがスケールディスク部材4をシャフト6と実質的に同軸になるようにほぼ整列させ、次に、シャフト6がスケールディスク部材4の孔14を通って突出するように、軸方向に実質的に沿って力AFを加えることによってスケールディスク部材4をシャフトに押し付けることを含む。本実施形態では、設置者は、図7のステップ(B)に示されるように、スケールディスク部材4の下面がシャフト上の棚7上に静止するまで、スケールディスク部材4をシャフト6に沿って押し続けている。
【0103】
上述したように、孔14の内径Dは、シャフト6のディスク受容部の直径D’よりもわずかに小さい。したがって、スケールディスク部材4は、単に緩やかにフィットしてシャフト6を自身で滑り落ちることはない。むしろ、設置者は、屈曲部16がそれらの自然な静止位置から偏向して孔14を開き、それによってシャフトを収容するようにし、また、屈曲部16とシャフト6との間の摩擦を克服して、スケールディスク部材4をシャフトの軸に沿ってシャフト6上の所望の軸方向の位置に移動させるように、それらを一緒に強制的に取り付ける必要がある。
【0104】
スケールディスク部材104がシャフト6上の所望の軸方向位置にあると、設置者は、ステップ(B)でスケールディスク部材104の半径方向位置を確認してもよく、例えば、ディスクが回転しているときにディスクの外縁にDTIを使用することによって、ビアで確認してもよい。半径方向の位置が十分でない場合、設置者はステップ(C)でスケールディスク部材104の半径方向の位置を微調整してもよい。
【0105】
ステップ(C)では、設置者は、ラグ222が対応するラグ受容機構130に隣接するまで、精密調整工具200をシャフト6上に押し下げ、シャフト6に沿って下方に押してもよい。説明された実施形態では、治具はスケールディスク部材104上に座る/接触するが、必ずしもそうである必要はない。スケールディスク部材104の環状本体105の半径方向位置を調整するために(例えば、図8の力矢印F’’によって示される方向に沿って)、グラブスクリュー230(例えば、グラブスクリュー230d)は、そのねじが対応する屈曲性調整アーム(例えば、屈曲性調整アーム218dのねじ付きチャネル220d-図1および12を参照)のねじ付きチャネル220のねじ部に係合するまで、適切なチャネル224(例えば、チャネル224d-図11を参照)を介して挿入することができる。この時点で、グラブスクリュー230は、その端部が対応する屈曲アーム216(例えば、屈曲アーム216d)と係合するまで、グラブスクリュー(例えば、230d)を屈曲性調整アームのチャネル(例えば、220d)を通って軸方向に進行させるように回転させてもよい。この時点で、グラブスクリュー(例えば、230d)の任意のさらなる回転は、屈曲性調整アーム(例えば、218d)を半径方向外向き/後向きに強制させる。これが起こると、対応するラグ222(例えば、ラグ222d)は、スケールディスク部材の本体105上の対応するラグ受容機構(例えば、ラグ受容機構130d)に係合し、それによって、グラブねじおよびチャネルの軸に平行な方向(例えば、この場合、図8に示される矢印F’’の方向に沿って)に力を加える。必要に応じて、設置者は、別のグラブスクリューを使用して、スケールディスク部材の本体105の半径方向の位置をさらに調整してもよい。例えば、ステップ(C)に示されるように、第2のグラブスクリュー230aを使用して、図8に示される矢印F’の方向に環状本体105を引いてもよい。
【0106】
設置者は、環状本体105の半径方向の位置に満足すると、環状本体を所定の位置に固定してもよい。ステップ(D)に示されるように、本実施形態では、これは、工具200内のボルト孔250を通って通過することができる1つ以上のボルト240の使用によって達成され、その結果、環状本体105は、工具200がまだ所定の位置にある状態で固定されてもよい。標準ボルトにより、ボルト240は、ねじ部および頭部を有してもよい。ねじ部は、工具200のボルト孔250および環状本体105のボルト孔160を通過して、シャフト6上の棚7のねじ孔(図示せず)と係合し、頭部の下側は、スケールディスク部材の環状本体105の上面と係合して、環状本体105を棚7にクランプする。
【0107】
固定されると、グラブネジ240を取り外すことができ、次いで、ステップ(E)に示されるように、工具200をシャフト6から持ち上げてもよい。示されるように、環状本体105の半径方向の位置は、ボルト240によって所定の位置に保持される。理解されるように、接着剤を介して環状本体を所定の位置に保持する代替の方法が利用可能であり、この場合、接着剤が硬化するまで工具200は所定の位置に留まる。
【0108】
図14は、上記の原理に従って屈曲部に角度を付けて加えられる力によってその半径方向の位置が調整可能であることを確実にするように構成された代替の調整可能なスケールディスク部材304を示す。上記の他の実施形態と同様に、スケールディスク部材304は、その平面の1つにスケールトラック308が設けられた丸型、平面型、環状本体305と、その中央を通る孔314とを含み、スケールディスク304が円筒形シャフト6に取り付けられたときに、円筒形シャフト6がそれを通って延びてもよい。スケールディスク部材304は、3対の屈曲部(または「ばね部材」)316を含むが、本実施形態では、それらは接線対応を有しない。むしろ、スケールディスク部材304は、半径方向に対応しているが接線方向に適合していない3組の片持ち式ばね部材316a、316b、316cを含む。示されるように、片持ち式ばね部材316a、316b、31 6 cは、ディスクに対して実質的に「接線」または「円周」方向に(例えば、実質的に半径方向とは対照的に)延在する。片持ちばね部材316a、316b、316cの各対は、平面スケールディスク304と共に平面に設けられ、孔314の縁の周りに等間隔に配置される。また、片持ちばね部材116a、116b、116c、116dの各対は、それらの自由端が互いに近位であり、それらの固定端が互いに遠位であるように構成される。言い換えれば、片持ち式ばね部材の各対116a、116b、116cは、互いに離れるのではなく、互いに向き合う。屈曲空隙318a、318b、318cは、片持ちばね部材316a、316b、316cの各対の後ろに直接設けられる。
【0109】
上記の他の実施形態と同様に、屈曲対316は、孔314の有効直径が、それが取り付けられるシャフト6のディスク受容部品の直径よりもわずかに小さいように成形され、サイズが決められている。したがって、スケールディスク部材304は、シャフト6に強制的に取り付けられなければならない。スケールディスク部材304がシャフト6に強制的に取り付けられると、それらの間に自然/デフォルト/自動的なタイトフィットが存在する。
【0110】
図1から図6の実施形態と同様に、屈曲空隙318は、調整ボルト28(ねじ部29およびテーパヘッド31を有する)を受け入れるように構成される。スケールディスク304がシャフトに強制的に取り付けられた後、図6に関連して上述したものと同じ方法で調整ボルト28を使用して、屈曲部対316の背面とその屈曲空隙38の背面壁との間の距離の増加をもたらすことができる(例えば、図14に示される距離「D」)。例えば、図14Aの第1の屈曲部対316Aの屈曲空隙318Aに調整ボルト28を使用すると、図14の矢印Aに沿って環状本体305の半径方向位置が移動する。このようなシフトは、他の2組の片持ちばね部材316b、316cの半径方向の歪みによって促進される。しかしながら、図8から図13の実施形態と同様に、片持ちばね部材316a、316b、316cは、接線方向に適合していない。したがって、他の2組の片持ちばね部材316b、316cとシャフト6との間のスティクション要素を克服する必要がある。予測不可能な半径方向調整を引き起こす上述のスティクションの問題の影響を低減するために、スケールディスク304は、調整ボルト28によって加えられる半径方向調整力が屈曲部にある角度で加えられることを確実にするように構成される(言い換えれば、半径方向調整力がシャフトおよびそのような屈曲部の界面に接してまたは平行に加えられないことを確実にするように構成される)。
【0111】
さらなる代替の調整可能なスケールディスク部材もまた、図15から22に示され、以下に簡潔に説明される。
【0112】
図15の調節可能なスケールディスク部材400は、屈曲部416が接線方向の適合なしで構成されることを除いて、図1から図7の実施形態と同様である。この設計には接線方向の適合の利点はないが、図1から図7よりも設計が簡単である。また、この設計は、図14の設計よりも有益であり得ることが見出されており、特に、屈曲部が互いにより隔離されているため、ディスクがより小さく、および/または屈曲部が互いに近い。図7及び図14から図19の実施形態と同様に、屈曲部の調整は、屈曲空隙に挿入され、屈曲部を拡大するように(すなわち、屈曲空隙の幅「w」を増加させるように)締め付けられ、それによってディスクを横方向に変位させることができる半径方向調整デバイス(図示せず)(テーパヘッドを有するネジなど)を使用することによって行ってもよい。
【0113】
図16の調節可能なスケールディスク部材500は、4つの屈曲部、516a、516b、516c、及び516dを含み、そのうちの2つのみが直接調節可能であるように構成される。他の設計によれば、屈曲部は、取り付けられる部品6の直径よりも小さいデフォルトの内周直径を画定する。また、図1から図7および図14から図19の実施形態と同様に、屈曲部の調整は、屈曲空隙530に挿入され、屈曲部を拡大するように締め付けることができる調整デバイス528(テーパヘッドを有するネジなど)を使用することによって行ってもよい。
【0114】
図17の調節可能なスケールディスク部材600は、接線/円周方向に延びる4つの片持ち式屈曲部616を含む。片持ち式屈曲部616は、それぞれ、ディスクを通して孔に挿入された部品/シャフトと係合するように構成された足部618を有し、これは、それが取り付けられる部品6の直径よりも小さいデフォルトの内周直径を画定する。本実施形態では、半径方向調整デバイス628は、足部618から接線/円周方向に遠い点で動作するように構成される。言い換えれば、半径方向調整デバイス628は、それらが脚部の後ろに直接半径方向に配置されるのではなく、むしろ足部618よりも片持ち屈曲部の根から遠い点に配置されるように構成される。これは、レバー比効果を提供することを助け、ディスクに印加される調整力をさらに正確に制御することを助ける。したがって、そのような構成は、i)手動で操作可能な半径方向調整デバイス628が、回転軸に垂直な平面内の相互作用点における平面内の調整屈曲部618の変位の程度に及ぼす影響と、ii)調整屈曲部が回転スケール部材の環状本体に及ぼす結果として生じる半径方向の変位の程度との間の1対1未満の関係を提供し得る。
【0115】
同様のレバー比効果は、図18に示されるような他の設計を介して達成してもよく、図18の調節可能なスケールディスク部材700は、3つの半径方向に延びる片持ち式屈曲部716を含み、その自由端は、ディスクの孔を通して挿入された部品/シャフト6と係合する。この設計では、テーパヘッドを有する調整ネジの締め付けにより、半径方向に延びる片持ち式屈曲部716が横方向に(例えば、実質的に接線方向に)偏向する。半径方向に延びる片持ち式屈曲部716の自由端の端面は、屈曲部が横方向に押されると、ディスクの横方向の変位(それに応答して他の屈曲部が屈曲する)に影響するように、それらに対してわずかな角度を有する。理解されるように、屈曲部の横方向の変位の任意の所与の単位によってディスクが横方向に変位する程度は、半径方向に延びる片持ち式屈曲部716の端面の角度に依存する。したがって、半径方向に延びる片持ち式屈曲部716の端面の角度は、所望のレバー比効果を提供するために、設計および製造段階で選択してもよい。
【0116】
図19a及び図19bの調整可能なスケールディスク部材800は、それぞれが自然に曲がった形状を有し、調整ネジ828を受け入れるための孔817を通る複数の半径方向に延びる片持ち式屈曲部816を備える(図19bを参照)。半径方向に延びる屈曲部の自由端は、それが取り付けられる部品6の直径よりも小さいデフォルトの内周直径を画定する。したがって、ディスク部材800が部品6に圧力嵌めされると、ディスク部材を偏向させ、部品上の半径方向に自己位置決めする。屈曲の程度を変更するように調整ネジ828を使用することによって変更することができ、それによってディスクの横方向の位置を制御する。
【0117】
図20の調節可能なスケールディスク部材900は、それが取り付けられる部品6の直径よりも小さいデフォルトの内周直径を画定する4つの屈曲部916を備える。図1から図7の実施形態と同様に、屈曲部916は、半径方向及び接線方向の適合の両方で構成される。しかしながら、この実施形態(及び以下に記載される図21の実施形態)では、接線方向の適合は、半径方向調整デバイス928から隔離/独立した方法で提供される。特に、図1から図7の実施形態では、半径方向調整デバイス28が屈曲空隙22の1つに配置されると、半径方向調整デバイス28が別の方向へのディスクの半径方向調整の性能に影響を与えるという懸念がある。例えば、上記の図1から図7の実施形態は、Y次元におけるディスクの半径方向位置の調整に関連して説明された。X次元で半径方向位置のさらなる調整が望まれる場合、X次元における半径方向位置の変化をもたらすために、第2の調整ネジを第2の16Bまたは第4の16Dのいずれかの屈曲部空隙に挿入し、適切に締め付ける必要がある。しかしながら、第1の屈曲部16bの屈曲空隙22に配置された調整ネジの存在が、半径方向の調整を妨げる可能性があり、特に、第1の屈曲部16aが接線方向に的屈曲する能力に影響を与える可能性があるという懸念がある。
【0118】
図20の実施形態では、屈曲部916の半径方向の適合は、屈曲部の細長いシート部品918によって提供され、接線方向の適合は、脚部920によって提供される。脚部920の接線方向の適合は、調整ネジ928の存在によって影響されない。したがって、第1の調整ネジ928aを第1の屈曲部916aの屈曲空隙に使用して、Y次元で半径方向の調整を行うことができる(これにより、第1の屈曲部916aの屈曲空隙が膨張し、第1の屈曲部916aの真向かいにある第3の屈曲部916cの屈曲空隙が収縮し、第2の屈曲部916bおよび第4の屈曲部916dの脚部920がその長さに沿って曲がる)。続いて、第2の調整ネジ928bを第4の屈曲部916dの屈曲空隙に使用して、X次元の半径方向調整をもたらすことができる(これにより、第4の屈曲部916dの屈曲空隙が膨張し、第4の屈曲部916dの真向かいにある第2の屈曲部916bの屈曲空隙が収縮し、第1の屈曲部916aおよび第3の屈曲部916cの脚部920がその長さに沿って曲がる)。
【0119】
図20の実施形態と同様に、図21の調節可能なスケールディスク部材1000の屈曲部1016はまた、それらが半径方向及び接線方向の適合の両方を提供するように構成され、接線方向の適合は、屈曲部の別の1つを制御するために使用される半径方向調整デバイス928の存在によって影響を受けない。特に、屈曲部1016の細長いシート部品1018によって提供される半径方向の適合および接線方向の適合は、それらの長さに沿って曲がり得る一対の脚1020によって提供される。
【0120】
したがって、図20及び21の実施形態では、屈曲部は、半径方向調整デバイスがディスクの半径方向の調整をもたらすように係合し、押すことができる側面(例えば、前部及び背部)を含む半径方向調整屈曲部材を含み、半径方向調整屈曲部材は、少なくとも1つの接線方向に適合した支持体(例えば、脚)によってディスク部材の本体に接続される。
【0121】
図22は、代替の調整可能なスケールディスク部材1100を示す。このディスク部材1100は、シート材料から作られた平面ディスクではないという点で、上記の他のディスク部材と実質的に異なる。むしろ、ディスク部材は、スケール特徴(図示せず)が提供されるディスク部材の面1104から突出するハブ1102を備える。この場合、ハブは、4つの接線/円周方向に延びる片持ち式屈曲部1116を含み、各々は、デフォルトの内周直径(それが取り付けられるべき部品/シャフトの直径よりも小さいことが意図されている)を画定する足部1118を有する。脚部1118によって画定される孔を通って延びるシャフトに取り付けられると、ディスク部材の面1104の半径方向の位置は、片持ち式屈曲部1116の自由端を押すようにハブ内の孔1120を通過し得る1つ以上の半径方向調整デバイス(図示せず)(例えば、グラブネジ)によって調整してもよい。図17の実施形態と同様に、半径方向調整デバイスが係合し、片持ち式屈曲部116に対して押し付ける点は、足部618から接線方向に/円周方向に遠い。言い換えれば、半径方向調整デバイスは、片持ち式屈曲部1116を、足部の後ろに直接半径方向の点で係合さず、むしろ、その足部1118よりも片持ち式屈曲部の根元から遠い点で係合させる。これは、レバー比効果を提供することを助け、ディスクに印加される調整力をさらに正確に制御することを助ける。
【0122】
図1から図7および図14から図21の実施形態の全ての性能は、ディスクの本体の半径方向の位置の変化と戦う半径方向調整デバイスを回避/低減するために、少なくとも部分的に半径方向調整デバイスをディスクが取り付けられている部品から切り離す半径方向調整デバイスを使用することによって大幅に向上させることができることが見いだされている。特に、スケールが設けられるディスクの部品(例えば、ディスクの「本体」または「環状本体」)の歪みを最小限に抑えながら、ディスクの半径方向の位置を調整することができる「程度」または「範囲」は、少なくとも半径方向に、ディスクが設置される部品から少なくとも部分的に分離された半径方向調整デバイスを使用することによって増加させてもよい。これは、図23から図25を参照してより詳細に説明される。図23は、シャフト6に取り付けられた図1から図7のスケールディスク部材4の概略平面図である。図23では、スケールディスク部材4は、スケールディスク部材4がシャフト6に圧力嵌めされたことによって引き起こされた屈曲部16a、16b、16c、及び16dの半径方向の歪みによって制御される、デフォルトの半径方向の位置にある。
【0123】
図24aは、調整ボルト28(図6による)が第4の屈曲部16dの屈曲空隙22に挿入され、そのテーパヘッドが屈曲部16dの空隙22の前後の接触面に係合するように締め付けられた後の、同じスケールディスク部材4の概略平面図を示す(および図5および6に関連して上記でより詳細に説明されているように)。調整ボルト28がさらに回転してねじ孔32内にさらに貫通されると、テーパヘッド31は、屈曲部16dの空隙22の前後の接触面(図24bに概略的に示されるように)に対して力を増加させて押し付け、それによってそれらの間の距離を増加させる。足部18がシャフト6に突き当てられていることを考慮すると、屈曲部の足部18は所定の位置に固定され、動くことができない。したがって、屈曲部16dの空隙22の前面と背面との接触面との間の距離の任意の増加は、図24aに示されるように(この例ではY次元で)環状本体5全体を移動させる(点線は環状本体の5の初期/デフォルト位置を示す)。
【0124】
図24b(及び図25b)に示されるように、図6の実施形態と同様に、調整ボルト28は、シャフト6の棚7の孔32’内に受け入れられる。しかしながら、図6の実施形態とは対照的に、調整ボルト28のねじ山は、(その全長に沿って実質的、相対的に)テーパヘッドの遠位端でのみ孔32’のねじ山部分に係合する。図25bに示されるように、これは、調整ボルト28がその長さに沿って傾斜(言い換えれば、「旋回」または「カント」)および/または曲がることができることを意味する(図25bの点線は、調整ボルト28の符号の無い配置を示す)。言い換えれば、このような構成は、図6に示される構成と比較して、調整ボルト28がより「ぐらつく」、またはそのテーパヘッドの端部でより多くの「遊び」を有することを意味する。特に、説明される実施形態では、調整ボルト28のテーパヘッドは、そのデフォルト/中央位置から最大200μmまで自由に移動する。理解されるように、軸方向の「遊び」はほとんどまたはまったく存在せず、むしろ放射状の「遊び」のみが存在する。したがって、図23から図25の実施形態では、調整ボルトのテーパヘッドの半径方向の位置(スケールディスク部材4に関して)は、シャフト6および棚7から分離される。これは、調整ボルトがシャフト6および棚7に対して傾き得て、それによって、テーパヘッド部が、屈曲部16の長さ「L」が増加するにつれて、屈曲空隙22の中心点の半径方向の位置の変化に従うことを可能にすることを意味する(図5を参照)。(屈曲空隙22の中心点の半径方向の位置は、屈曲部16の長さ「L」に応じて変化するが、これは、足部18の半径方向の位置が、固定されたシャフト6に押し付けられたために固定されるためである)。
【0125】
これは、環状本体5の増加した半径方向の調整を達成し得ることを意味するため、有利であることが見出されている。例えば、図25aおよび図25bに示されるように、調整ボルト28のさらなる軸方向駆動は、調整ボルトのテーパヘッドを第4の調整屈曲部16dの屈曲空隙22に引き込む。(図6の実施形態による)調整ボルト28の半径方向の位置が調整屈曲部26dとの接触点(すなわち、そのテーパヘッド)に固定された場合、調整ボルト28のそのようなさらなる軸方向の貫通を容易にするために、屈曲部16dの足部18および/または調整ボルトのテーパヘッドの実質的な機械的歪みが必要となる。
【0126】
対照的に、本発明では、調整ボルト28のテーパヘッドは、シャフト6および棚7に対して半径方向に自由に移動する。したがって、屈曲部16dの足部18の著しい機械的歪みを引き起こすのではなく、調整ボルト28は、調整ボルト28のテーパヘッドが半径方向外向きにシフトし得るように自由に傾斜し、これにより、ディスク本体5が半径方向外向きに押し出され、初期のデフォルト半径方向の位置(図25aの点線によって示される)からさらにさらなる半径方向の変位がもたらされる。
【0127】
理解されるように、そのような構成はまた、アセンブリの様々な部品の製造公差が、依然として放射状調整の十分な範囲および制御を可能にしながら、それほどタイトである必要はないことを意味する。
【0128】
上記の解決策は、調整ボルト28のねじ山がテーパヘッド(実質的にその全長に沿って)の端部でのみ孔32’のねじ山部分と係合するように、大きな、または長いさら孔部分を有するねじ孔32’に依存する。理解されるように、大きな/長いさら孔部分の代わりに、孔32’は、均一な直径を有することができるが、その遠位/底端に向かってねじ込まれるだけである。別の代替の実施形態では、孔32’は、均一な直径を有し、その全長に沿ってねじ込まれることができるが、調整ボルト28は、それがそのテーパヘッドの遠位の端に向かってねじ込まれた部品のみを有するように構成されてもよい。別の解決策は、孔32’が均一な直径を有し、その全長に沿ってねじ込まれ、調整ボルト28がその全長に沿ってねじ込まれるが、孔32’は、調整ボルト28が、調整ボルト28が図24bに示される位置(すなわち、テーパヘッドが取り付け屈曲部と係合した状態で)に完全に係合されている場合でも、テーパヘッドがそのデフォルト/中央位置から最大100μm自由に変位することが可能なように、実質的に緩いフィットであるようにオーバーサイズである。
【0129】
半径方向調整デバイスをディスクが取り付けられている部品(例えば、シャフト6)から半径方向に分離する別の方法は、調整ボルト28のテーパヘッドと屈曲部16dとの間にプラスチックまたはゴムOリングなどの変形可能な部材を使用することである。このような場合、調整ボルト28に傾斜を設ける必要はない。別の方法は、部品(例えば、シャフト6または棚7)と係合しない半径方向調整デバイスを使用することである。例えば、カム要素は、屈曲空隙22内に配置されてもよく、屈曲空隙内のその向きは、それが屈曲空隙を膨張させる量を制御するように操作されてもよい。しかしながら、上述の調整ボルト28などのテーパヘッドを有するねじ付き部材の形態の半径方向調整デバイスは、半径方向の微調整のより細かい制御を提供し得るため、そのようなカムデバイスよりも有利であることが見出されている。
【0130】
上述の実施形態は、より多くの屈曲部のうちの3つを含む。ただし、理解されるように、これは必ずしもそうである必要はない。例えば、回転スケール部材は、回転スケール部材の環状本体の横方向/半径方向位置の調整を容易にする、1つまたは2つの屈曲部のみを含むことが可能である。例えば、少なくとも1つ(または2つ)の屈曲部は、少なくとも1つの次元における環状本体の横方向/半径方向の位置を達成し得て、例えば、2つの直交次元において達成することができるように構成されてもよい。例えば、両方とも半径方向及び接線方向の対応を有する2つの対向する屈曲部は、2つの直交次元における環状本体の側方/半径方向の位置の調整を提供してもよい。代替の実施形態では、そのような2つの対向する屈曲部は、半径方向の適合(または接線方向の適合)のみを有することができ、それによって、一次元における横方向/半径方向の調整を容易にする。さらに、別の実施形態では、回転スケール部材は、1つの屈曲部材のみを有してもよい。例えば、回転スケール部材は、シャフト(例えば、絞り嵌めリング)の上に押し込まれ、半径方向および接線方向の適合のうちの少なくとも1つを提供する単一の屈曲部を介して回転スケール部材の環状本体に取り付けられるクランプ部品を含んでもよい。しかしながら、3つ以上の(例えば、対の)屈曲部を提供する上記の実施形態は、予測可能で反復可能な調整を提供する好ましい解決策であることが見出されている。さらに、3つ以上の屈曲部を伴う溶液は、製造が容易であり、屈曲部および/または回転スケール部材のコンパクトさを維持することを容易にし得る。
【0131】
上記の実施形態では、スケールディスク部材は、取り付け屈曲部によって画定される孔の直径が、それらが取り付けられているシャフトの直径よりもわずかに小さいため、シャフトに圧力嵌めする必要があるように構成される。しかしながら、理解されるように、上述の特徴は、スケールディスク部材がシャフトに圧力嵌めを必要としない装置にも有用である。例えば、図23から図25に関連して説明される「ぐらつく」調整ボルトの特徴は、スケールディスクの孔径(例えば、取り付け屈曲部によって定義される)が、それらが取り付けられているシャフトの直径よりもわずかに大きい装置と共に使用されてもよい。また、スケールディスク部材に半径方向および接線方向の対応の両方を有する取り付け屈曲部を提供するという概念は、スケールディスク部材がシャフトに圧力嵌めされていない状況(例えば、取り付け屈曲部によって画定される孔の直径が、それらが取り付けられているシャフトの直径よりもわずかに大きい状況)においても有用であり得る。さらに、レバー比効果を有する調整機構を提供するという概念は、取り付け屈曲部によって定義されるスケールディスクの孔径が、それらが取り付けられているシャフトの直径よりもわずかに大きい装置でも有用であり得る。
【0132】
図26Aおよび図26Bは、代替の実施形態を示す。上述した他の実施形態と同様に、本実施形態のスケールディスク部材1300は、平面上の一方の面にスケールトラック1304が設けられた平面状、環状の本体1302と、その中央部に設けられ、スケールディスク1300が円筒軸6に取り付けられた際に円筒軸6が延び得る孔1306とを含む。図14の実施形態と同様に、スケールディスク部材1300は、平面スケールディスク1300と共に平面に設けられ、孔1306の縁の周りに等間隔に配置された3対の半径方向に適合した片持ち式ばね部材1308a、1308b、1308cを含む。屈曲空隙1310a、1310b、1310cは、片持ち式ばね部材1308a、1308b、1308cの各対の直後に設けられる。
【0133】
上記の他の実施形態と同様に、屈曲部対1308は、孔1306の有効直径が、それが取り付けられるシャフト6のディスク受容部品の直径よりもわずかに小さいように成形され、サイズが決められている。したがって、スケールディスク部材1300は、シャフト6に強制的に取り付けられなければならず、それによって、屈曲部1308がそれぞれの屈曲空隙1310に偏向するようにさせる。スケールディスク部材1300がシャフト6に圧力嵌めされると、それらの間に自然/デフォルト/自動的な絞り嵌めが生じる。
【0134】
図14の実施形態とは対照的に、屈曲空隙1310は、ディスクの半径方向の位置の調整を介して調整ボルトを受け入れるように構成されていない。対照的に、図26aに示される実施形態には、1つ以上のナッジブロック1320a、1320bが設けられている。これらは、そこを通って延びるねじ孔1322と、スケールディスク部材1300の孔1306の内縁との間の隙間に収まるのに十分に小さい厚さを有するリップ1324の形態の当接構造とを有する剛性ブロックである。スケールディスク部材1300の位置を調整するために、そのリップ1324がシャフト6とスケールディスク部材1300の孔1306の内縁との間の隙間に受け入れられるように、ナッジブロック1320が配置され、次いで、グラブスクリュー1326がねじ孔1322に挿入され、シャフト6と係合するまで工具1328を介して締め付けられる。その時点で、工具を介してグラブスクリュー1326をさらに締めると、ナッジブロックが半径方向外側に押され、リップ1324がスケールディスク部材1300を半径方向外側に押す。理解されるように、示される実施形態では、2つのナッジブロック1320a、1320bは、スケールディスク部材1320およびシャフト6と所定の位置に/係合して示される。第3のナッジブロック1320cは、スケールディスク部材1320およびシャフト6との係合から外れて示され、その様々な部品およびグラブスクリュー1326および工具1328を例示する。所望の半径方向調整を提供するために必要なナッジブロックは1つだけである可能性がある。任意選択で、必要に応じて3つのナッジブロックを使用してもよい。
【0135】
図27は、別の実施形態を示す。本実施形態のスケールディスク部材1400は、その面の1つにスケールトラック1404を設け得る平面本体1402を有するという点で、上述の実施形態と同様の特徴を有する。上述の実施形態とは対照的に、屈曲部1406a、1406b、1406cは、平面本体の外縁1410上に設けられ、すなわち、スケールトラック1404の半径方向外側に設けられる。また、上述の実施形態とは対照的に、平面本体1402は、それを通って延びる中心孔を有していないが、必ずしもそうである必要はない。
【0136】
本実施形態では、エンコーダスケールディスクは、エンコーダスケールディスク1000を部品2000内に配置し、維持するために使用される3つの屈曲部アレンジメント1406a、1406b、1406cを含む。図示するように、部品2000は、スケールディスク部材1400の3つの屈曲部1406に対応する3つの取り付け空間2010を含む。
【0137】
本実施形態では、屈曲部アレンジメント1406は、部品2000の空間2010内に位置するとき、第1の部材1420が部品2000にスケールディスク部材1400の外縁1410に対して実質的に接線方向の力を及ぼし(例えば矢印Cの方向)、第2の部材1430が部品2000にスケールディスク部材1400の外縁1410に対して接線成分と半径成分の両方を有する力を及ぼし(例えば矢印Dの方向)得るように配置した第1の部材1420と第2の部材1430を有する。屈曲部1406の第1の部材1420および第2の部材1430は、それらが受容される部品2000の空間2010内にぴったりと適合するように形作られ、サイズが決められ、それによって、スケールディスク部材1400及び部品2000が、スケールディスク部材1400と部品2000との間に摩擦適合を形成するように力を合わせる必要があり、その結果、平面本体1402は、部品に対して初期のデフォルト半径方向位置に自己位置決めされる。平面本体1402の半径方向の位置は、例えば、図26に関連して上述したナッジブロック1320の使用を介して、上述の実施形態に沿って変更することができ、リップ1324は、スケールディスク部材1400の平面本体1402の部品2000と外縁1410との間のギャップ1440に挿入してもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19a
図19b
図20
図21
図22a
図22b
図23
図24a
図24b
図25a
図25b
図26a
図26b
図27
【国際調査報告】