(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-17
(54)【発明の名称】空気イオン化接地を用いた航空静電噴霧装置
(51)【国際特許分類】
B05B 17/04 20060101AFI20231010BHJP
B05B 5/025 20060101ALI20231010BHJP
B05B 5/08 20060101ALI20231010BHJP
B05B 3/02 20060101ALI20231010BHJP
B05B 1/20 20060101ALI20231010BHJP
A01M 7/00 20060101ALI20231010BHJP
【FI】
B05B17/04
B05B5/025 F
B05B5/08 B
B05B3/02 G
B05B1/20
A01M7/00 H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023543253
(86)(22)【出願日】2021-05-25
(85)【翻訳文提出日】2023-03-28
(86)【国際出願番号】 CN2021095638
(87)【国際公開番号】W WO2022246622
(87)【国際公開日】2022-12-01
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522215997
【氏名又は名称】太倉市金港植保器械科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Taicang Jingang Plant Protection Machinery Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】No. 12, Dongting North Road, Taicang Economic Development Zone, Suzhou City, Jiangsu Province, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】瀋為国
【テーマコード(参考)】
2B121
4D074
4F033
4F034
【Fターム(参考)】
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(57)【要約】
【課題】空気イオン化接地を用いた航空静電噴霧装置を提供する。
【解決手段】本発明は、空気イオン化接地を用いた航空静電噴霧装置を提供し、静電噴霧の技術分野に関し、航空機及び航空機に取り付けられた液体貯蔵タンク、蓄電池、水ポンプ、高電圧静電気発生器、充電電極、空気イオン化接地電極、スプレーロッド、スプレーヘッド、ノズル及び電気制御スイッチを含む。本発明では、航空静電噴霧装置は、噴霧された液滴の植物の表裏面への付着率を効果的に向上させ、吸着効果を向上させ、ドリフトを減少でき、これにより環境汚染を減少させ、薬害の発生を制御できる。空気イオン化接地を用いると、異なる極性の帯電液滴が空中で互いに交差して絡み合うことによる静電荷が互いに相殺する現象を効果的に解消でき、導線を接地せずに飛行機上の1つの極性の静電荷を地面にあるターゲット物に無線で伝導でき、航空静電噴霧の良好な包み込み吸着効果を確保できる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機及び航空機に取り付けられた液体貯蔵タンク、蓄電池、水ポンプ、高電圧静電気発生器、充電電極、空気イオン化接地電極、スプレーロッド、スプレーヘッド、ノズル及び電気制御スイッチを含む空気イオン化接地を用いた航空静電噴霧装置であって、
前記液体貯蔵タンクは消毒液を収容するために用いられ、前記水ポンプはパイプを介して液体貯蔵タンク及びスプレーロッドに接続され、前記スプレーロッドに前記スプレーヘッドが取り付けられ、前記スプレーヘッドに前記ノズルが取り付けられ、前記高電圧静電気発生器は消毒液を充電するために用いられ、前記充電電極はケーブルを介して高電圧静電気発生器の正電圧出力柱と負電圧出力柱の一方に電気的に接続され、前記充電電極は液体貯蔵タンク内に設置され、かつ消毒液の液面下に位置し、前記空気イオン化接地電極はケーブルを介して高電圧静電気発生器の正電圧出力柱と負電圧出力柱の他方に電気的に接続されることを特徴とする空気イオン化接地を用いた航空静電噴霧装置。
【請求項2】
前記液体貯蔵タンクはブロー成形された一体構造であり、航空機のブラケットに取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の空気イオン化接地を用いた航空静電噴霧装置。
【請求項3】
前記蓄電池、水ポンプ、高電圧静電気発生器は液体貯蔵タンクの片側のブラケットに取り付けられ、各部品の間に絶縁分離部品が設けられ、又は、前記蓄電池、水ポンプ、高電圧静電気発生器は絶縁材料で作られた絶縁ボックス内に取り付けられ、前記絶縁ボックスは液体貯蔵タンクの片側のブラケットに取り付けられ、前記絶縁ボックスと前記航空機は絶縁接続部品によって接続され、前記絶縁ボックスに航空機部品を避けた宙吊り位置に排出孔又は排出管が設けられ、絶縁ボックス中の溜まった流体を排出できることを特徴とする請求項1に記載の空気イオン化接地を用いた航空静電噴霧装置。
【請求項4】
さらに絶縁ハウジングを含み、前記絶縁ハウジングにキャビティが設置され、前記高電圧静電気発生器は前記絶縁ハウジングのキャビティ内に設置され、前記高電圧静電気発生器と絶縁ハウジングとの間にエポキシ樹脂が充填され、密封されることを特徴とする請求項3に記載の空気イオン化接地を用いた航空静電噴霧装置。
【請求項5】
前記充電電極は緊密に嵌合して継ぎ合わせた真鍮材料で作られた細長い真鍮円筒及びステンレス鋼材料で作られた細長いステンレス鋼円筒であり、前記充電電極の細長い真鍮円筒の外面にゴム被覆層が設けられ、露出した細長いステンレス鋼円筒は液体貯蔵タンクの底部に挿入され、前記細長い真鍮円筒の一端は耐高電圧導線に電気的に接続され、前記耐高電圧導線の他端は高電圧静電気発生器の高電圧出力端の1つの極に電気的に接続されることを特徴とする請求項1に記載の空気イオン化接地を用いた航空静電噴霧装置。
【請求項6】
前記液体貯蔵タンク内にさらに静電エネルギー貯蔵装置が設けられ、前記静電エネルギー貯蔵装置は、容量性エネルギー貯蔵機能を有するように、液体貯蔵タンクの内壁に金属塗料を塗布し、又は金属薄片を接着することによって構成されることを特徴とする請求項1に記載の空気イオン化接地を用いた航空静電噴霧装置。
【請求項7】
前記空気イオン化接地電極は自動誘導伸縮可能な調整装置を含み、前記空気イオン化接地電極の自由端は先端であり、先端は下向き又は上向きであり、前記空気イオン化接地電極は航空機の頭部に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の空気イオン化接地を用いた航空静電噴霧装置。
【請求項8】
前記水ポンプは絶縁分離型の逆流ダイアフラムポンプであり、ハウジングは完全に密封されたプラスチックハウジングであることを特徴とする請求項1に記載の空気イオン化接地を用いた航空静電噴霧装置。
【請求項9】
前記スプレーロッドは前記航空機の尾端に設置され、前記航空機の長さ方向に沿って尾端に向かって延び、前記スプレーヘッドは複数設置され、前記スプレーロッドの底部に均等に分布し、各前記スプレーヘッドにノズルが設置され、前記ノズルは油圧式ノズル又は遠心式ノズルであることを特徴とする請求項1に記載の空気イオン化接地を用いた航空静電噴霧装置。
【請求項10】
電気制御スイッチは手動スイッチ及び/又は遠隔制御スイッチであることを特徴とする請求項1に記載の空気イオン化接地を用いた航空静電噴霧装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電噴霧の技術分野に関し、より具体的には、空気イオン化接地を用いた航空静電噴霧装置に関する。
【背景技術】
【0002】
航空噴霧は節水、省薬品、高効率等の一連の利点を有し、農業植物保護の分野で積極的な役割を果たすことができる。しかし、一般的な航空噴霧にも、液滴のドリフトが深刻で、環境を汚染し、液滴の植物の裏面への付着率が低く、吸着効果が理想的ではない等の多くの欠陥や不足があり、これにより航空噴霧の防除効果にも影響を与え、したがって、改善及び向上が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、従来技術の欠点に対して、液滴のドリフトを効果的に減少させ、液滴のターゲット物への付着率を向上させ、防除効果を向上させ、薬害や環境汚染を低減させることができる、空気イオン化接地を用いた航空静電噴霧装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の上記技術的目的は以下の技術的解決手段によって達成される。
【0005】
航空機及び航空機に取り付けられた液体貯蔵タンク、蓄電池、水ポンプ、高電圧静電気発生器、充電電極、空気イオン化接地電極、スプレーロッド、スプレーヘッド、ノズル及び電気制御スイッチを含む空気イオン化接地を用いた航空静電噴霧装置であって、
前記液体貯蔵タンクは消毒液を収容するために用いられ、前記水ポンプはパイプを介して液体貯蔵タンク及びスプレーロッドに接続され、前記スプレーロッドに前記スプレーヘッドが取り付けられ、前記スプレーヘッドに前記ノズルが取り付けられ、前記高電圧静電気発生器は消毒液を充電するために用いられ、前記充電電極はケーブルを介して高電圧静電気発生器の正電圧出力柱と負電圧出力柱の一方に電気的に接続され、前記充電電極は液体貯蔵タンク内に設置され、かつ消毒液の液面下に位置し、前記空気イオン化接地電極はケーブルを介して高電圧静電気発生器の正電圧出力柱と負電圧出力柱の他方に電気的に接続される。
【0006】
好ましくは、前記液体貯蔵タンクはブロー成形された一体構造であり、航空機のブラケットに取り付けられる。
【0007】
好ましくは、前記蓄電池、水ポンプ、高電圧静電気発生器は液体貯蔵タンクの片側のブラケットに取り付けられ、各部品の間に絶縁分離部品が設けられ、又は、前記蓄電池、水ポンプ、高電圧静電気発生器は絶縁材料で作られた絶縁ボックス内に取り付けられ、前記絶縁ボックスは液体貯蔵タンクの片側のブラケットに取り付けられ、前記絶縁ボックスと前記航空機は絶縁接続部品によって接続され、前記絶縁ボックスに航空機部品を避けた宙吊り位置に排出孔又は排出管が設けられ、絶縁ボックス中の溜まった液体を排出できる。
【0008】
好ましくは、さらに絶縁ハウジングを含み、前記絶縁ハウジングにキャビティが設置され、前記高電圧静電気発生器は前記絶縁ハウジングのキャビティ内に設置され、前記高電圧静電気発生器と絶縁ハウジングとの間にエポキシ樹脂が充填され、密封される。
【0009】
好ましくは、前記充電電極は、緊密に嵌合して継ぎ合わせた真鍮材料で作られた細長い真鍮円筒及びステンレス鋼材料で作られた細長いステンレス鋼円筒であり、前記充電電極の細長い真鍮円筒の外面にゴム被覆層が設けられ、露出した細長いステンレス鋼円筒は液体貯蔵タンクの底部に挿入され、前記細長い真鍮円筒の一端は耐高電圧導線に電気的に接続され、前記耐高電圧導線の他端は高電圧静電気発生器の高電圧出力端の1つの極に電気的に接続される。
【0010】
好ましくは、前記液体貯蔵タンク内にさらに静電エネルギー貯蔵装置が設けられ、前記静電エネルギー貯蔵装置は、容量性エネルギー貯蔵機能を有するように、液体貯蔵タンクの内壁に金属塗料を塗布し、又は金属薄片を接着することによって構成される。
【0011】
好ましくは、前記空気イオン化接地電極は自動誘導伸縮可能な調整装置を含み、前記空気イオン化接地電極の自由端は先端であり、前記先端は下向き又は上向きであり、前記空気イオン化接地電極は航空機の頭部に取り付けられる。
【0012】
好ましくは、前記水ポンプは絶縁分離型の逆流ダイアフラムポンプであり、ハウジングは完全に密封されたプラスチックハウジングである。
【0013】
好ましくは、前記スプレーロッドは前記航空機の尾端に設置され、前記航空機の長さ方向に沿って尾端に向かって延び、前記スプレーヘッドは複数設置され、前記スプレーロッドの底部に均等に分布し、各前記スプレーヘッドにノズルが設置され、前記ノズルは油圧式ノズル又は遠心式ノズルである。
【0014】
好ましくは、電気制御スイッチは手動スイッチ及び/又は遠隔制御スイッチである。
【0015】
好ましくは、前記蓄電池は、飛行制御と静電噴霧との間の相互影響を効果的に解消するために、独立した専用電池を用い、又は完全に分離された変換装置を介して航空機上の飛行制御部分と一組の電源を共有する。
【発明の効果】
【0016】
要約すると、本発明は以下の有益な効果を有する。
【0017】
本発明が提供する空気イオン化接地を用いた航空静電噴霧装置は、噴霧された液滴の植物の表裏面への付着率を効果的に向上させ、吸着効果を向上させ、ドリフトを減少でき、これにより環境汚染を減少させ、薬害の発生を制御できる。空気イオン化接地を用いると、異なる極性の帯電液滴が空中で互いに交差して絡み合うことによる静電荷が互いに相殺する現象を効果的に解消し、1つの極性の静電荷を地面にあるターゲット物にスムーズに伝導することにより、航空静電噴霧の良好な包み込み吸着効果を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明の実施例又は従来技術における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下に実施例で使用する必要のある図面を簡単に説明し、明らかに、以下の説明における図面は本発明の一部の実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な労働をすることなく、さらにこれらの図面に基づいて他の図面を取得することができる。
【0019】
【
図1】本発明における空気イオン化接地を用いた航空静電噴霧装置の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施例における図面を参照して、本発明の実施例における技術的解決手段を明確かつ完全に説明し、明らかに、説明した実施例は本発明の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではない。本発明の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働をせずに取得した全ての他の実施例は、本発明の技術的範囲に属する。
【0021】
本発明は、従来技術の問題を解決するために、空気イオン化接地を用いた航空静電噴霧装置を提供することを目的とする。
【0022】
本発明の上記目的、特徴及び利点をより明らかで分かりやすくするために、以下、図面及び具体的な実施形態を参照して、本発明をさらに詳しく説明する。
【0023】
図1に示すように、航空機1及び航空機1に取り付けられた液体貯蔵タンク2、蓄電池3、水ポンプ4、高電圧静電気発生器5、充電電極6、空気イオン化接地電極7、スプレーロッド8、スプレーヘッド9、ノズル10、電気制御スイッチ11を含み、
そのうち、液体貯蔵タンク2は消毒液を収容するために用いられ、水ポンプ4はパイプを介して液体貯蔵タンク2及びスプレーロッド8に接続され、スプレーロッド8にスプレーヘッド9が取り付けられ、スプレーヘッド9にノズル10が取り付けられ、高電圧静電気発生器5は消毒液を充電するために用いられ、充電電極6はケーブルを介して高電圧静電気発生器5の正電圧出力柱と負電圧出力柱の一方に電気的に接続され、充電電極6は液体貯蔵タンク2内に設置され、かつ消毒液の液面下に位置し、空気イオン化接地電極はケーブルを介して高電圧静電気発生器5の正電圧出力柱と負電圧出力柱の他方に電気的に接続される。
【0024】
本具体的な実施例では、液体貯蔵タンク2はブロー成形された一体構造であり、航空機1のブラケットに取り付けられる。一体成形された液体貯蔵タンク2はより高い密封性及び絶縁性を有し、システムの安全性を向上させる。
【0025】
本具体的な実施例では、蓄電池3、水ポンプ4、高電圧静電気発生器5は液体貯蔵タンク2の片側のブラケットに取り付けられ、各部品の間に絶縁分離部品が設けられ、絶縁部品は各部品同士、及び各部品と航空機の間を効果的に絶縁分離し、漏電を防止し、薬液の静電気充電効果を、システムの安全性を向上させることができる。蓄電池3、水ポンプ4、高電圧静電気発生器5はさらに絶縁材料で作られた絶縁ボックス又は絶縁ビンに取り付けられてもよく、絶縁ボックス又は絶縁ビンは液体貯蔵タンクの片側のブラケットに取り付けられ、上記部品はいずれも該絶縁ビンに取り付けられ、絶縁ビンと航空機も絶縁接続部品によって接続され、さらに、絶縁ビンに航空機部品を避けた宙吊り位置に排出孔又は排出管が設けられ、絶縁ビン中の溜まった液体を排出でき、航空機を汚染することはない。絶縁ビンの設置により、全体的な絶縁安全性をさらに向上させ、液体貯蔵タンクの偶発的な破損及び静電気漏洩による潜在的な危険を防止することができる。
【0026】
本具体的な実施例では、高電圧静電気発生器6を保護し、安全保護レベルを向上させるために、さらに絶縁ハウジングを含み、絶縁ハウジングにキャビティが設置され、高電圧静電気発生器6は絶縁ハウジングのキャビティ内に設置され、高電圧静電気発生器6の安全・防水レベルをさらに向上させるために、高電圧静電気発生器6と絶縁ハウジングとの間にエポキシ樹脂が充填され、密封される。
【0027】
本具体的な実施例では、充電電極6は緊密に嵌合して継ぎ合わせた真鍮及びステンレス鋼材料で作られた細長い円筒(以下、ステンレス鋼円筒及び真鍮円筒と略称する)である。例えば、ステンレス鋼円筒と真鍮円筒の互いに接続された一端にカウンタボア及びカウンタボアに干渉はまりする円筒突起をそれぞれ加工し、次に両者を干渉はまりに組み立て、又は、ねじ穴とねじ棒で接続し、ロックナット及びスプリングワッシャーを増設してロックし、目的は、ステンレス鋼円筒と真鍮円筒が良好な全体として電気的に接続されることである。
【0028】
さらに、充電電極6の細長い真鍮円筒の外面にゴム被覆層が設けられ、露出した細長いステンレス鋼円筒は液体貯蔵タンクの底部に挿入され、細長い真鍮円筒の一端は耐高電圧導線に電気的に接続され、耐高電圧導線の他端は高電圧静電気発生器の高電圧出力端の1つの極に電気的に接続される。ステンレス鋼は耐腐食性を有し、薬液と接触しても長期間にわたって正常に導電動作でき、その真鍮の一端は耐高電圧導線にはんだ接続され、耐高電圧導線の他端は高電圧静電気発生器5の高電圧出力端の1つの極に電気的に接続される。
【0029】
本実施例では、静電気充電効率及び効果を向上させるために、液体貯蔵タンク内にさらに静電エネルギー貯蔵装置12が設けられ、前記静電エネルギー貯蔵装置は、容量性エネルギー貯蔵の機能を有するように、液体貯蔵タンクの内壁に金属塗料を塗布し、又は金属薄片を接着することによって構成され、このように静電気充電効率及び効果をさらに向上させることもできる。
【0030】
本具体的な実施例では、空気イオン化接地電極7は自動誘導伸縮可能な調整装置を含み、自動誘導伸縮可能な調整装置は従来の電動伸縮原理を用い、先端は赤外線距離測定を用い、距離は制御システムによって設定され、赤外線距離測定、電動伸縮によりターゲット物からの距離を調整し、空気イオン化接地電極7の自由端は先端であり、先端は下向き又は上向きであるため、空気イオン化接地電極7の放電先端はターゲット物に最大限に近接し、噴霧された帯電液滴を避け、空気イオン化放電接地の効果を向上させる。空気イオン化接地電極7は、その自由端が地面又はターゲット物(薬液をスプレーする必要がある植物)に接近するように地面に向かって延び、その自由端は先端又は傘の骨状であってもよい。高電圧を使用して、地面又はターゲット物と空気イオン化接地電極7との間の空気をイオン化し、地面との電気的接続を実現し、最終的に空気イオン化接地電極7、大地、帯電した霧化薬液、充電電極6、高電圧静電気発生器5の間に電流回路が形成される。
【0031】
具体的には、空気イオン化接地電極7は航空機1の頭部に取り付けられ、その方向を下向きまたは上向きに変更・調整することができる。帯電した霧化薬液が空気イオン化接地電極7に接触して電荷が中和されないように、航空機の上部に取り付けてもよい。
【0032】
本具体的な実施例では、水ポンプ4は絶縁分離型の逆流ダイヤフラムポンプであり、ハウジングは完全に密封されたプラスチックハウジングである。静電高電圧の漏洩を避けるために、ハウジングは全てプラスチックで密封される。
【0033】
本具体的な実施例では、スプレーロッド8は航空機1の下部の尾端に設置され、航空機1の長さ方向に沿って尾端に向かって延び、スプレーヘッド9は複数設置され、スプレーロッド8の底部に均等に分布し、各スプレーヘッド9にノズル10が設置され、ノズル10は、異なる噴霧環境のニーズに適応するために、油圧式ノズル又は遠心式ノズルである。
【0034】
さらに、電気制御スイッチ11は手動スイッチ及び/又は遠隔制御スイッチである。電気制御スイッチ11は、様々な異なる飛行機の制御ニーズに適応するために、手動及び遠隔制御の二重機能を用いるように設計される。
【0035】
さらに、蓄電池3は、飛行制御と静電噴霧との間の相互影響を効果的に解消するために、独立した専用電池を用い、又は完全に分離された変換装置を介して航空機1上の飛行制御部分と一組の電源を共有する。
【0036】
具体的な実施において、航空機1が作業位置に離陸すると、電気制御スイッチ11を起動し、蓄電池3は水ポンプ4及び高電圧静電気発生器5に給電し始める。高電圧静電気発生器5が動作した後、高電圧出力端から正高電圧静電気と負高電圧静電気をそれぞれ出力し、耐高電圧導線を介してそれぞれ液体が直接接触する充電電極8及び空気イオン化接地電極7に正高電圧静電気と負高電圧静電気を輸送する。これにより、液体が直接接触する充電電極8は、液体貯蔵タンク内の液体に1つの極性の静電荷を帯電させる。空気イオン化接地電極7は空気に放電することにより、局所の空気イオン化は別の極性の静電荷を帯電させ、さらに空気伝導により、近くの地面にあるターゲット物はこの極性の静電荷を同時に帯電させる。水ポンプ4が動作した後、給液ホースを介して液体貯蔵タンク2内の帯電液体をポンプ室に吸引して加圧した後、排液ホースを介してノズル10から押し出し、又は遠心霧化して噴霧する。噴霧された帯電液滴が外力プッシュ、地球引力及び電場力の複数の作用下で、別の極性の静電荷を帯電させたターゲット物の近くに沈降すると、異種電荷が互いに吸引する作用下で、噴霧された帯電液滴がターゲット物の上下左右にしっかりと吸着され、その静電噴霧の良好な包み込み吸着効果を実現し、これにより液滴のドリフトを効果的に減少させ、液滴のターゲット物への付着率を向上させ、防除効果を向上させ、薬害及び環境汚染を低下させることができる。
【0037】
本発明では、具体的な例を用いて本発明の原理及び実施形態を説明したが、以上の実施例の説明は本発明の方法及びその核心思想を理解するのを助けるためのものに過ぎない。また、当業者にとって、本発明の思想に基づいて、具体的な実施形態及び応用範囲のいずれも変化できる。要約すると、本明細書の内容は本発明を限定するものとして理解されるべきではない。
【符号の説明】
【0038】
図中:1 航空機、2 液体貯蔵タンク、3 蓄電池、4 水ポンプ、5 高電圧静電気発生器、6 充電電極、7 空気イオン化接地電極、8 スプレーロッド、9 スプレーヘッド、10 ノズル、11 電気制御スイッチ、12 静電エネルギー貯蔵装置。
【手続補正書】
【提出日】2023-03-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0026】
本具体的な実施例では、高電圧静電気発生器5を保護し、安全保護レベルを向上させるために、さらに絶縁ハウジングを含み、絶縁ハウジングにキャビティが設置され、高電圧静電気発生器5は絶縁ハウジングのキャビティ内に設置され、高電圧静電気発生器5の安全・防水レベルをさらに向上させるために、高電圧静電気発生器5と絶縁ハウジングとの間にエポキシ樹脂が充填され、密封される。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0036】
具体的な実施において、航空機1が作業位置に離陸すると、電気制御スイッチ11を起動し、蓄電池3は水ポンプ4及び高電圧静電気発生器5に給電し始める。高電圧静電気発生器5が動作した後、高電圧出力端から正高電圧静電気と負高電圧静電気をそれぞれ出力し、耐高電圧導線を介してそれぞれ液体が直接接触する充電電極6及び空気イオン化接地電極7に正高電圧静電気と負高電圧静電気を輸送する。これにより、液体が直接接触する充電電極6は、液体貯蔵タンク内の液体に1つの極性の静電荷を帯電させる。空気イオン化接地電極7は空気に放電することにより、局所の空気イオン化は別の極性の静電荷を帯電させ、さらに空気伝導により、近くの地面にあるターゲット物はこの極性の静電荷を同時に帯電させる。水ポンプ4が動作した後、給液ホースを介して液体貯蔵タンク2内の帯電液体をポンプ室に吸引して加圧した後、排液ホースを介してノズル10から押し出し、又は遠心霧化して噴霧する。噴霧された帯電液滴が外力プッシュ、地球引力及び電場力の複数の作用下で、別の極性の静電荷を帯電させたターゲット物の近くに沈降すると、異種電荷が互いに吸引する作用下で、噴霧された帯電液滴がターゲット物の上下左右にしっかりと吸着され、その静電噴霧の良好な包み込み吸着効果を実現し、これにより液滴のドリフトを効果的に減少させ、液滴のターゲット物への付着率を向上させ、防除効果を向上させ、薬害及び環境汚染を低下させることができる。
【国際調査報告】