(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-17
(54)【発明の名称】抗スクレロスチン構築体及びその使用
(51)【国際特許分類】
C12N 15/13 20060101AFI20231010BHJP
C07K 16/18 20060101ALI20231010BHJP
C07K 16/46 20060101ALI20231010BHJP
C07K 16/28 20060101ALI20231010BHJP
C12N 15/62 20060101ALI20231010BHJP
C12N 15/63 20060101ALI20231010BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20231010BHJP
C12N 1/21 20060101ALI20231010BHJP
C12N 1/19 20060101ALI20231010BHJP
C12N 1/15 20060101ALI20231010BHJP
C12P 21/08 20060101ALI20231010BHJP
C12P 21/02 20060101ALI20231010BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20231010BHJP
A61K 47/68 20170101ALI20231010BHJP
A61K 38/29 20060101ALI20231010BHJP
A61K 38/18 20060101ALI20231010BHJP
A61K 38/19 20060101ALI20231010BHJP
A61K 38/23 20060101ALI20231010BHJP
A61K 31/663 20060101ALI20231010BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20231010BHJP
A61P 19/00 20060101ALI20231010BHJP
A61P 7/00 20060101ALI20231010BHJP
A61P 21/00 20060101ALI20231010BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20231010BHJP
A61P 19/10 20060101ALI20231010BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20231010BHJP
A61P 19/08 20060101ALI20231010BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20231010BHJP
A61K 31/557 20060101ALI20231010BHJP
【FI】
C12N15/13
C07K16/18 ZNA
C07K16/46
C07K16/28
C12N15/62 Z
C12N15/63 Z
C12N5/10
C12N1/21
C12N1/19
C12N1/15
C12P21/08
C12P21/02 A
A61K39/395 N
A61K47/68
A61K38/29
A61K38/18
A61K38/19
A61K38/23
A61K31/663
A61K45/00
A61P19/00
A61P7/00
A61P21/00
A61P35/00
A61P19/10
A61P19/02
A61P19/08
A61P43/00 121
A61P43/00 111
A61K31/557
A61K39/395 D
A61K39/395 C
A61K39/395 L
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023543255
(86)(22)【出願日】2021-09-26
(85)【翻訳文提出日】2023-03-28
(86)【国際出願番号】 CN2021120612
(87)【国際公開番号】W WO2022063262
(87)【国際公開日】2022-03-31
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2020/118387
(32)【優先日】2020-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523114947
【氏名又は名称】アンジティア バイオメディスンズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リウ、シアオフォン
(72)【発明者】
【氏名】リウ、クンフォン
(72)【発明者】
【氏名】ユアン、パオチー
(72)【発明者】
【氏名】リー、ムーユイ
(72)【発明者】
【氏名】コー、ホアチュー
【テーマコード(参考)】
4B064
4B065
4C076
4C084
4C085
4C086
4H045
【Fターム(参考)】
4B064AG26
4B064AG27
4B064CA19
4B064CC24
4B064DA01
4B065AA90X
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA02
4B065CA24
4B065CA25
4B065CA44
4B065CA45
4C076AA95
4C076EE41
4C076EE59
4C084AA02
4C084AA03
4C084AA17
4C084BA44
4C084DA01
4C084DB31
4C084DB32
4C084DB57
4C084MA02
4C084NA05
4C084NA06
4C084NA13
4C084ZA511
4C084ZA512
4C084ZA941
4C084ZA942
4C084ZA961
4C084ZA962
4C084ZA971
4C084ZA972
4C084ZB261
4C084ZB262
4C084ZC412
4C084ZC75
4C085AA13
4C085AA14
4C085AA21
4C085BB11
4C085BB33
4C085BB34
4C085BB35
4C085BB36
4C085BB37
4C085BB41
4C085BB42
4C085BB43
4C085CC01
4C085DD62
4C085EE01
4C085EE03
4C086AA01
4C086DA01
4C086DA34
4C086MA01
4C086MA02
4C086NA05
4C086NA06
4C086NA13
4C086ZA51
4C086ZA94
4C086ZA96
4C086ZA97
4C086ZB26
4C086ZC41
4C086ZC75
4H045AA11
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA09
4H045DA75
4H045DA76
4H045EA20
4H045EA31
4H045FA74
(57)【要約】
本願は、スクレロスチンに結合する抗スクレロスチン分子(例えば、抗スクレロスチン抗体、例えば、二重特異性抗スクレロスチン抗体)、抗スクレロスチンアミノ酸配列をコードする核酸分子、当該核酸分子を含むベクター、当該ベクターを含む宿主細胞、抗スクレロスチン構築体の調製方法、抗スクレロスチン構築体を含む薬物組成物、及び、抗スクレロスチン構築体又は組成物の使用方法を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スクレロスチンを特異的に認識する抗体部分を含む抗スクレロスチン構築体であって、前記抗体部分は、スクレロスチンのエピトープに結合し、前記エピトープは、SEQ ID NO:186に示されるアミノ酸配列を含む、抗スクレロスチン構築体。
【請求項2】
スクレロスチンを特異的に認識する抗体部分を含む抗スクレロスチン構築体であって、前記抗体部分は、重鎖可変領域(V
H)及び軽鎖可変領域(V
L)を含み、
前記V
Hは、
SEQ ID NO:1~4及び12のいずれか1項のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、
SEQ ID NO:5~8及び13のいずれか1項のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:9~11及び14のいずれか1項のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、或いは、これらHC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、並びに、
前記V
Lは、
SEQ ID NO:15-17、85及び86のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、
SEQ ID NO:18及び19のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:20及び21のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、或いは、これらLC-CDRにおいて5、4、3、2又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含む、抗スクレロスチン構築体。
【請求項3】
a)前記V
Hは、
SEQ ID NO:12のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、
SEQ ID NO:13のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:14のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、
前記V
Lは、
SEQ ID NO:15又は16のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、
SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:20のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、或いは、
b)前記V
Hは、
SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、
SEQ ID NO:5のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:9のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、
前記V
Lは、
SEQ ID NO:15のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、
SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:20のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む、請求項1又は2に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項4】
前記V
Hは、
SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、
SEQ ID NO:6のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、
前記V
Lは、
SEQ ID NO:15のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、
SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:20のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む、請求項1又は2に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項5】
前記V
Hは、
SEQ ID NO:2のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、
SEQ ID NO:7のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、
前記V
Lは、
SEQ ID NO:15のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、
SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:20のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む、請求項1又は2に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項6】
前記V
Hは、
SEQ ID NO:2のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、
SEQ ID NO:6のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、
前記V
Lは、
SEQ ID NO:15のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、
SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:20のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む、請求項1又は2に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項7】
前記V
Hは、
SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、
SEQ ID NO:5のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、
前記V
Lは、
SEQ ID NO:16のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、
SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:20のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む、請求項1又は2に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項8】
前記V
Hは、
SEQ ID NO:3のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、
SEQ ID NO:7のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、
前記V
Lは、
SEQ ID NO:15のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、
SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:20のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む、請求項1又は2に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項9】
前記V
Hは、
SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、
SEQ ID NO:5のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、
前記V
Lは、
SEQ ID NO:16のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、
SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:20のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む、請求項1又は2に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項10】
前記V
Hは、
SEQ ID NO:4のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、
SEQ ID NO:8のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:11のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、
前記V
Lは、
SEQ ID NO:17のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、
SEQ ID NO:19のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:21のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む、請求項1又は2に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項11】
前記V
Hは、
SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、
SEQ ID NO:5のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:9のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、
前記V
Lは、
SEQ ID NO:85のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、
SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:20のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む、請求項1又は2に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項12】
前記V
Hは、
SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、
SEQ ID NO:5のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:9のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、
前記V
Lは、
SEQ ID NO:86のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、
SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:20のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む、請求項1又は2に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項13】
スクレロスチンを特異的に認識する抗体部分を含む抗スクレロスチン構築体であって、前記抗体部分は、重鎖可変領域(V
H)及び軽鎖可変領域(V
L)を含み、
a)HC-CDR1、HC-CDR2及びHC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:22に示される配列を有するV
HにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、並びに、
LC-CDR1、LC-CDR2及びLC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:23に示される配列を有するV
LにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、
b)HC-CDR1、HC-CDR2及びHC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:24に示される配列を有するV
HにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、並びに、
LC-CDR1、LC-CDR2及びLC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:25に示される配列を有するV
LにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、
c)HC-CDR1、HC-CDR2及びHC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:26に示される配列を有するV
HにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有する、並びに、
LC-CDR1、LC-CDR2及びLC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:27に示される配列を有するV
LにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、
d)HC-CDR1、HC-CDR2及びHC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:28に示される配列を有するV
HにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、並びに、
LC-CDR1、LC-CDR2及びLC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:29に示される配列を有するV
LにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、
e)HC-CDR1、HC-CDR2及びHC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:30に示される配列を有するV
HにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、並びに、
LC-CDR1、LC-CDR2及びLC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:31に示される配列を有するV
LにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、
f)HC-CDR1、HC-CDR2及びHC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:32に示される配列を有するV
HにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、並びに、
LC-CDR1、LC-CDR2及びLC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:33に示される配列を有するV
LにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、
g)HC-CDR1、HC-CDR2及びHC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:34に示される配列を有するV
HにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、及び、
LC-CDR1、LC-CDR2及びLC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:35に示される配列を有するV
LにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、LC-CDR2及びLC-CDR3、
h)HC-CDR1、HC-CDR2及びHC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:36に示される配列を有するV
HにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、並びに、
LC-CDR1、LC-CDR2及びLC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:37に示される配列を有するV
LにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、
i)HC-CDR1、HC-CDR2及びHC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:38に示される配列を有するV
HにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、並びに、
LC-CDR1、LC-CDR2及びLC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:39に示される配列を有するV
LにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、
j)HC-CDR1、HC-CDR2及びHC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:40に示される配列を有するV
HにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、並びに、
LC-CDR1、LC-CDR2及びLC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:41に示される配列を有するV
LにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、
k)HC-CDR1、HC-CDR2及びHC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:87に示される配列を有するV
HにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、並びに、
LC-CDR1、LC-CDR2及びLC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:88に示される配列を有するV
LにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、
l)HC-CDR1、HC-CDR2及びHC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:87に示される配列を有するV
HにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、並びに、
LC-CDR1、LC-CDR2及びLC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:89に示される配列を有するV
LにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、或いは、
m)HC-CDR1、HC-CDR2及びHC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:87に示される配列を有するV
HにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、並びに、
LC-CDR1、LC-CDR2及びLC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:90に示される配列を有するV
LにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有する、抗スクレロスチン構築体。
【請求項14】
前記V
Hは、
SEQ ID NO:22、24、26、28、30、32、34、36、38、40及び87のいずれか1項のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、及び/又は、
前記V
Lは、
SEQ ID NO:23、25、27、29、31、33、35、37、39、41及び88~90のいずれか1項のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含む、請求項1~13のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項15】
a)前記V
Hは、SEQ ID NO:22のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、
前記V
Lは、SEQ ID NO:23のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、
b)前記V
Hは、SEQ ID NO:24のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、
前記V
Lは、SEQ ID NO:25のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、
c)前記V
Hは、SEQ ID NO:26のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、
前記V
Lは、SEQ ID NO:27のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、
d)前記V
Hは、SEQ ID NO:28のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、
前記V
Lは、SEQ ID NO:29のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、
e)前記V
Hは、SEQ ID NO:30のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、
前記V
Lは、SEQ ID NO:31のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、
f)前記V
Hは、SEQ ID NO:32のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、
前記V
Lは、SEQ ID NO:33のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、
g)前記V
Hは、SEQ ID NO:34のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、
前記V
Lは、SEQ ID NO:35のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、
h)前記V
Hは、SEQ ID NO:36のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、
前記V
Lは、SEQ ID NO:37のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、
i)前記V
Hは、SEQ ID NO:38のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、
前記V
Lは、SEQ ID NO:39のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、
j)前記V
Hは、SEQ ID NO:40のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、
前記V
Lは、SEQ ID NO:41のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、
k)前記V
Hは、SEQ ID NO:87のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、
前記V
Lは、SEQ ID NO:88のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、
l)前記V
Hは、SEQ ID NO:87のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、
前記V
Lは、SEQ ID NO:89のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、或いは、
m)前記V
Hは、SEQ ID NO:87のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、
前記V
Lは、SEQ ID NO:90のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含む、請求項14に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項16】
スクレロスチンを特異的に認識する抗体部分を含む抗スクレロスチン構築体であって、前記抗体部分は、重鎖可変領域(V
H)及び第2の軽鎖可変領域(V
L)を含む抗スクレロスチン抗体のヒト化抗体部分に由来し、
a)前記V
Hは、
SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、
SEQ ID NO:5のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び
SEQ ID NO:9のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、又は、これらHC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、
前記V
Lは、
SEQ ID NO:15のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、
SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:20のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、又は、これらLC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、
b)前記V
Hは、
SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、
SEQ ID NO:6のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、又は、これらHC-CDR中の5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、
前記V
Lは、
SEQ ID NO:15のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、
SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:20のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、又は、これらLC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、
c)前記V
Hは、
SEQ ID NO:2のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、
SEQ ID NO:7のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、又は、これらHC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、
前記V
Lは、
SEQ ID NO:15のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、
SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:20のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、又は、これらLC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、
d)前記V
Hは、
SEQ ID NO:3のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、
SEQ ID NO:6のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、又は、これらHC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、
前記V
Lは、
SEQ ID NO:15のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、
SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:20のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、又は、これらLC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、
e)前記V
Hは、
SEQ ID NO:199のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、
SEQ ID NO:5のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、又は、これらHC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、
前記V
Lは、
SEQ ID NO:16のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、
SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:20のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、又は、これらLC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、
f)前記V
Hは、
SEQ ID NO:3のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、
SEQ ID NO:200のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、又は、これらHC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、
前記V
Lは、
SEQ ID NO:15のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、
SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:20のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、又は、これらLC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、
g)前記V
Hは、
SEQ ID NO:199のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、
SEQ ID NO:5のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、又は、これらHC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、
前記V
Lは、
SEQ ID NO:16のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、
SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:20のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、又は、これらLC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、或いは、
h)前記V
Hは、
SEQ ID NO:4のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、
SEQ ID NO:8のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:11のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、又は、これらHC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、
前記V
Lは、
SEQ ID NO:17のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、
SEQ ID NO:19のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:21のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、又は、これらLC-CDRにおいて5、4、3、2、又は、1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含む、抗スクレロスチン構築体。
【請求項17】
前記抗体部分は、全長抗体、二重特異性抗体、単鎖Fv(scFv)断片、Fab断片、Fab’断片、F(ab’)
2、Fv断片、ジスルフィド結合安定化Fv断片(dsFv)、ジスルフィド結合安定化scFv(dsscFv)、(dsFv)
2、Fv-Fc融合、scFv-Fc融合、scFv-Fv融合、ダイアボディ(diabody)、トリボディ(tribody)及びテトラボディ(tetrabody)から選ばれる抗体又はその抗原結合断片である、請求項1~16のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項18】
前記構築体は、Fc断片を含む全長抗体である、請求項1~17のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項19】
前記抗体部分は、scFv断片である、請求項17に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項20】
前記スクレロスチンは、ヒトスクレロスチンである、請求項1~19のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項21】
前記抗スクレロスチン構築体は、さらに第2の部分を含む、請求項1~17及び19~20のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項22】
前記第2の部分は、抗原を特異的に認識する第2の抗体部分を含む、請求項21に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項23】
前記第2の抗体部分は、第2の重鎖可変領域(V
H-2)及び軽鎖可変領域(V
L-2)を含む、請求項22に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項24】
前記抗原は、DKK1である、請求項22又は23に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項25】
前記DKK1は、ヒトDKK1である、請求項24に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項26】
第2の抗体部分は、DKK1の結合エピトープについて第3の重鎖可変領域(V
H-3)及び第3の軽鎖可変領域(V
L-3)を含む第3の抗体部分と競合し、
a)前記V
H-3は、
SEQ ID NO:42のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、
SEQ ID NO:43のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:44のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、
前記V
L-3は、
SEQ ID NO:45のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、
SEQ ID NO:46のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:47のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、
b)前記V
H-3は、
SEQ ID NO:48のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、
SEQ ID NO:49のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:50のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、
前記V
L-3は、
SEQ ID NO:51のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、
SEQ ID NO:52のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:58のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、或いは、
c)前記V
H-3は、
SEQ ID NO:54のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、
SEQ ID NO:55のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:56のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、
前記V
L-3は、
SEQ ID NO:57のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、
SEQ ID NO:58のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:59のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む、請求項24又は25に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項27】
前記V
H-2は、
SEQ ID NO:42のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、
SEQ ID NO:43のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:44のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、
前記V
L-2は、
SEQ ID NO:45のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、
SEQ ID NO:46のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:47のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む、請求項26に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項28】
前記V
H-2は、
SEQ ID NO:48のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、
SEQ ID NO:49のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:50のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、
前記V
L-2は、
SEQ ID NO:51のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、
SEQ ID NO:52のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:58のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む、請求項26に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項29】
前記V
H-2は、
SEQ ID NO:54のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、
SEQ ID NO:55のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:56のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、
前記V
L-2は、
SEQ ID NO:57のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、
SEQ ID NO:58のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:59のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む、請求項26に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項30】
前記抗原は、RANKLである、請求項22又は23に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項31】
前記抗原は、ヒトRANKLである、請求項30に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項32】
前記第2の抗体部分は、RANKLの結合エピトープについて第3の重鎖可変領域(V
H-3)及び第3の軽鎖可変領域(V
L-3)を含む第3の抗体部分と競合し、
前記V
H-3は、
SEQ ID NO:66のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、
SEQ ID NO:67のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:68のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、
前記V
L-3は、
SEQ ID NO:69のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、
SEQ ID NO:70のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:71のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む、請求項30又は31に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項33】
前記V
H-2は、
SEQ ID NO:66のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、
SEQ ID NO:67のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:68のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、
前記V
L-2は、
SEQ ID NO:69のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、
SEQ ID NO:70のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:71のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む、請求項31に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項34】
前記第2の抗体部分は、全長抗体、Fab、Fab’、(Fab’)
2、Fv、単鎖Fv(scFv)断片、scFv-scFv、ミニチュア抗体、ダイアボディ(diabody)又はsdAbである、請求項22~33のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項35】
前記第2の抗体部分は、2本の重鎖、2本の軽鎖及びFc断片を含む全長抗体であり、前記抗スクレロスチン抗体部分は、V
Lに融合されたV
Hを含む単鎖Fv(scFv)断片である、請求項34に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項36】
前記抗スクレロスチンの抗体部分は、前記全長抗体の1本又は2本の重鎖に融合する、請求項35に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項37】
前記抗スクレロスチンの抗体部分は、前記全長抗体の1本又は2本の軽鎖に融合する、請求項34~36のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項38】
前記抗スクレロスチンの抗体部分は、全長抗体の1本又は2本の重鎖又は軽鎖のN末端に融合する、請求項36又は37に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項39】
前記抗スクレロスチンの抗体部分は、前記全長抗体の1本又は2本の重鎖又は軽鎖のC末端に融合する、請求項36~38のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項40】
前記抗スクレロスチンの抗体部分は、第1のリンカーを介して前記全長抗体に融合する、請求項36~39のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項41】
前記抗スクレロスチンの抗体部分は、リンカーを介せず前記全長抗体に融合する、請求項36~39のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項42】
前記第1のリンカーは、SEQ ID NO:74~84から選ばれるGSリンカーである、請求項40に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項43】
前記V
Hは、第2のリンカーを介して前記V
Lに融合する、請求項35~42のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項44】
前記scFv断片は、N末端からC末端までV
H、第2のリンカー及びV
Lを含む、請求項43に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項45】
前記scFv断片は、N末端からC末端までV
L、第2のリンカー、V
H、及び、任意にC末端アラニン残基を含む、請求項43に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項46】
前記第2のリンカーは、SEQ ID NO:76又は77のアミノ酸配列を含む、請求項43~45のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項47】
前記第2抗体部分は、V
H-2及びV
L-2を含むscFv断片であり、そのうち、前記抗スクレロスチンの抗体部分は、2本の重鎖、2本の軽鎖及びFc断片を含む全長抗体である、請求項23~33のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項48】
前記第2の抗体部分は、前記全長抗体の2本の重鎖に融合する、請求項46に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項49】
前記第2の抗体部分は、前記全長抗体の2本の軽鎖に融合する、請求項47又は48に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項50】
前記抗体部分は、前記全長抗体の2本の重鎖又は軽鎖のN末端に融合する、請求項48又は49に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項51】
前記抗体部分は、前記全長抗体の2本の重鎖又は軽鎖のC末端に融合する、 請求項47~50のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項52】
前記抗体部分は、第1のリンカーを介して前記全長抗体に融合する、請求項47~51のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項53】
前記抗体部分は、リンカーを介せず前記全長抗体に融合する、請求項47~51のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項54】
前記第1のリンカーは、SEQ ID NO:74~84から選ばれるGS第1のリンカーである、請求項52に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項55】
前記V
H-2は、第2のリンカーを介して前記V
L-2に融合する、請求項47~54のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項56】
前記V
H-2は、リンカーを介せず前記V
L-2に融合する、請求項47~54のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項57】
前記scFv断片は、N末端からC末端までV
H-2、第2のリンカー及びV
L-2を含む、請求項55に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項58】
前記scFv断片は、N末端からC末端までV
L-2、第2のリンカー、V
H-2、及び、任意にC末端アラニン残基を含む、請求項55に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項59】
前記第2のリンカーは、SEQ ID NO:76又は77のアミノ酸配列を含む、請求項55及び請求項57~58のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項60】
前記scFvは、ジスルフィド結合安定化scFv(「dsscFv」)である、請求項35~59のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項61】
前記dsscFvは、
a)SEQ ID NO:60の番号付けによるV
H又はV
H-2におけるG44C突然変異、及び、
b)SEQ ID NO:61の番号付けによるV
L又はV
L-2におけるG100C突然変異を含む、請求項60に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項62】
前記構築体は、
1)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:91のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:93のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
2)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:92のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:93のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
3)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:94のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:96のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
4)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:95のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:96のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
5)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:97のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:99のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
6)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:98のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:99のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
7)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:100のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:102のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
8)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:101のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:102のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
9)、各重鎖がSEQ ID NO:103のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各軽鎖がSEQ ID NO:104のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
10)各重鎖がSEQ ID NO:103のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各軽鎖がSEQ ID NO:105のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
11)各重鎖がSEQ ID NO:106のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各軽鎖がSEQ ID NO:107のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
12)各重鎖がSEQ ID NO:106のアミノ酸配列を含む重鎖、及び、前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各軽鎖がSEQ ID NO:108のアミノ酸配列を含む軽鎖、
13)各重鎖がSEQ ID NO:109のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各軽鎖がSEQ ID NO:110のアミノ酸配列を含2つのむ軽鎖、
14)各重鎖がSEQ ID NO:109のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各軽鎖がSEQ ID NO:111のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
15)各重鎖がSEQ ID NO:112のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各軽鎖がSEQ ID NO:113のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
16)各重鎖がSEQ ID NO:112のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各軽鎖がSEQ ID NO:114のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
17)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:115のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:119のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
18)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:116のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:119のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
19)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:117のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:119のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
20)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:118のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:119のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
21)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:120のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:122のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
22)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:121のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:122のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
23)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:123のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:125のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
24)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:124のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:125のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
25)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:126のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:129のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
26)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:127のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:129のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
27)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:128のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:129のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
28)各重鎖がSEQ ID NO:133のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各軽鎖がSEQ ID NO:130のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
29)各重鎖がSEQ ID NO:133のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各軽鎖がSEQ ID NO:131のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
30)各重鎖がSEQ ID NO:133のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各軽鎖がSEQ ID NO:132のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
31)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:177のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:125のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
32)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:178のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:125のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
33)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:178のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:122のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
34)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:179のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:122のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、或いは、
35)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:180のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:122のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
を含む、請求項35~61のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項63】
前記構築体は、
a)第1の軽鎖を含む第1のポリペプチドであって、前記第1の軽鎖がN末端からC末端までi)V
L、ii)第1の軽鎖定常ドメイン(「第1のCLドメイン」)を含む第1のポリペプチド、
b)第1の重鎖を含む第2のポリペプチドであって、前記第1の重鎖がN末端からC末端までi)V
H、ii)第1の重鎖定常ドメイン(「第1のCH1ドメイン」)、及び、iii)第1のFcドメインを含む第2のポリペプチド、
c)第2の重鎖を含む第3のポリペプチドであって、前記第2の重鎖がN末端からC末端までi)V
H-2、ii)第2の重鎖定常ドメイン(「第2のCH1ドメイン」)、及び、iii)第2のFcドメインを含む第3のポリペプチド、及び、
d)第2の軽鎖を含む第4のポリペプチドであって、前記第2の軽鎖がN末端からC末端までi)V
L-2、ii)第2の軽鎖定常ドメイン(「第2のCLドメイン」)を含む第4のポリペプチド、
を含み、第1のFcドメインと第2のFcドメインとはFc断片を形成している、請求項23~33のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項64】
第1のFcドメイン及び第2のFcドメインのいずれかは、T366W突然変異及び任意にS354C突然変異を含み、
他のFcドメインは、T366S突然変異、L368A突然変異、Y407V突然変異及び任意にY349C突然変異を含み、番号は、EUインデックスに基づくものである、請求項63に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項65】
i)第1のCH1ドメイン及び第1のCLドメイン、又は、ii)第2のCH1ドメイン及び第2のCLドメインは、いずれも
a)141位のアミノ酸がシステインに置換され、131位又は220位のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCH1ドメイン、及び、
116位のアミノ酸がシステインに置換され、214位のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCLドメイン、
b)168位のアミノ酸がシステインに置換され、131位又は220位のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCH1ドメイン、及び、
164位のアミノ酸がシステインに置換され、214位のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCLドメイン、
c)126位のアミノ酸がシステインに置換され、131位又は220位のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCH1ドメイン、及び、
121位のアミノ酸がシステインに置換され、214位のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCLドメイン、
d)128位のアミノ酸がシステインに置換され、131位又は220位のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCH1ドメイン、及び、
118位のアミノ酸がシステインに置換され、214位のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCLドメイン、
e)170位のアミノ酸がシステインに置換され、131位又は220位のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCH1ドメイン、及び、
176位のアミノ酸がシステインに置換され、214位のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCLドメイン、
f)171位のアミノ酸がシステインに置換され、131位又は220位のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCH1ドメイン、及び、
162位のアミノ酸がシステインに置換され、214位のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCLドメイン、
g)173位のアミノ酸がシステインに置換され、131位又は220位のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCH1ドメイン、及び、
160位のアミノ酸がシステインに置換され、214位のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCLドメイン、
から選ばれるものであり、番号は、EUインデックスに基づくものである、請求項63又は64に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項66】
1)第1のポリペプチドがSEQ ID NO:135のアミノ酸配列を含み、
第2のポリペプチドがSEQ ID NO:134のアミノ酸配列を含み、
第3のポリペプチドがSEQ ID NO:136のアミノ酸配列を含み、
第4のポリペプチドがSEQ ID NO:137のアミノ酸配列を含み、
2)第1のポリペプチドがSEQ ID NO:135のアミノ酸配列を含み、
第2のポリペプチドがSEQ ID NO:134のアミノ酸配列を含み、
第3のポリペプチドがSEQ ID NO:138のアミノ酸配列を含み、
第4のポリペプチドがSEQ ID NO:139のアミノ酸配列を含み、
3)第1のポリペプチドがSEQ ID NO:135のアミノ酸配列を含み、
第2のポリペプチドがSEQ ID NO:134のアミノ酸配列を含み、
第3のポリペプチドがSEQ ID NO:140のアミノ酸配列を含み、
第4のポリペプチドがSEQ ID NO:141のアミノ酸配列を含み、
4)第1のポリペプチドがSEQ ID NO:135のアミノ酸配列を含み、
第2のポリペプチドがSEQ ID NO:134のアミノ酸配列を含み、
第3のポリペプチドがSEQ ID NO:142のアミノ酸配列を含み、
第4のポリペプチドがSEQ ID NO:143のアミノ酸配列を含み、
5)第1のポリペプチドがSEQ ID NO:135のアミノ酸配列を含み、
第2のポリペプチドがSEQ ID NO:134のアミノ酸配列を含み、
第3のポリペプチドがSEQ ID NO:144のアミノ酸配列を含み、
第4のポリペプチドがSEQ ID NO:145のアミノ酸配列を含み、
6)第1のポリペプチドがSEQ ID NO:147のアミノ酸配列を含み、
第2のポリペプチドがSEQ ID NO:146のアミノ酸配列を含み、
第3のポリペプチドがSEQ ID NO:148のアミノ酸配列を含み、
第4のポリペプチドがSEQ ID NO:149のアミノ酸配列を含み、
7)第1のポリペプチドがSEQ ID NO:147のアミノ酸配列を含み、
第2のポリペプチドがSEQ ID NO:146のアミノ酸配列を含み、
第3のポリペプチドがSEQ ID NO:150のアミノ酸配列を含み、
第4のポリペプチドがSEQ ID NO:151のアミノ酸配列を含み、
8)第1のポリペプチドがSEQ ID NO:147のアミノ酸配列を含み、
第2のポリペプチドがSEQ ID NO:146のアミノ酸配列を含み、
第3のポリペプチドがSEQ ID NO:152のアミノ酸配列を含み、
第4のポリペプチドがSEQ ID NO:153のアミノ酸配列を含み、
9)第1のポリペプチドがSEQ ID NO:147のアミノ酸配列を含み、
第2のポリペプチドがSEQ ID NO:146のアミノ酸配列を含み、
第3のポリペプチドがSEQ ID NO:154のアミノ酸配列を含み、
第4のポリペプチドがSEQ ID NO:155のアミノ酸配列を含み、
10)第1のポリペプチドがSEQ ID NO:147のアミノ酸配列を含み、
第2のポリペプチドがSEQ ID NO:146のアミノ酸配列を含み、
第3のポリペプチドがSEQ ID NO:156のアミノ酸配列を含み、
第4のポリペプチドがSEQ ID NO:157のアミノ酸配列を含み、
11)第1のポリペプチドがSEQ ID NO:147のアミノ酸配列を含み、
第2のポリペプチドがSEQ ID NO:146のアミノ酸配列を含み、
第3のポリペプチドがSEQ ID NO:158のアミノ酸配列を含み、
第4のポリペプチドがSEQ ID NO:159のアミノ酸配列を含み、
12)第1のポリペプチドがSEQ ID NO:147のアミノ酸配列を含み、
第2のポリペプチドがSEQ ID NO:146のアミノ酸配列を含み、
第3のポリペプチドがSEQ ID NO:160のアミノ酸配列を含み、
第4のポリペプチドがSEQ ID NO:161のアミノ酸配列を含み、
13)第1のポリペプチドがSEQ ID NO:147のアミノ酸配列を含み、
第2のポリペプチドがSEQ ID NO:146のアミノ酸配列を含み、
第3のポリペプチドがSEQ ID NO:162のアミノ酸配列を含み、
第4のポリペプチドがSEQ ID NO:163のアミノ酸配列を含み、
14)第1のポリペプチドがSEQ ID NO:147のアミノ酸配列を含み、
第2のポリペプチドがSEQ ID NO:171のアミノ酸配列を含み、
第3のポリペプチドがSEQ ID NO:172のアミノ酸配列を含み、
第4のポリペプチドがSEQ ID NO:163のアミノ酸配列を含み、
15)第1のポリペプチドがSEQ ID NO:147のアミノ酸配列を含み、
第2のポリペプチドがSEQ ID NO:173のアミノ酸配列を含み、
第3のポリペプチドがSEQ ID NO:174のアミノ酸配列を含み、
第4のポリペプチドがSEQ ID NO:163のアミノ酸配列を含み、
16)第1のポリペプチドがSEQ ID NO:147のアミノ酸配列を含み、
第2のポリペプチドがSEQ ID NO:175のアミノ酸配列を含み、
第3のポリペプチドがSEQ ID NO:176のアミノ酸配列を含み、
第4のポリペプチドがSEQ ID NO:163のアミノ酸配列を含む、
請求項63~65のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項67】
前記第2の部分は、半減期延長の部分を含む、請求項21に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項68】
前記半減期延長の部分は、Fc断片である、請求項67に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項69】
前記Fc断片は、IgG、IgA、IgD、IgE、IgMのFc断片及びこれらの組み合わせ及びハイブリッドから選ばれる1種である、請求項18、35~66及び68のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項70】
前記Fc断片は、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4のFc断片及びこれらの組み合わせ及びハイブリッドから選ばれる1種である、請求項69に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項71】
前記Fc断片は、H435R突然変異及びY436F突然変異を含む、請求項69又は70に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項72】
前記Fc断片は、対応する野生型Fc断片と比較して低減されたエフェクター機能を有する、請求項69~71のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項73】
前記Fc断片は、
a)対応する野生型Fc断片と比較して増強されたエフェクター機能、及び/又は、
b)対応する野生型Fc断片と比較して増強されたFcRn結合アフィニティ、
を有する、請求項69~71のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項74】
前記構築体は、抗体-薬物コンジュゲート又は抗体融合タンパク質である、請求項21に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項75】
前記第2の部分は、薬物を含み、前記薬物は、副甲状腺ホルモン(PTH)、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)、ビスフォスフォネート、プロスタグランジンE(PGE)受容体アゴニスト、VEGF、TGFβ、成長因子(ミオスタチン)、カルシトニン及びこれらの組み合わせから選ばれる1種又は複数種である、請求項74に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項76】
請求項1~75のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体と競合してスクレロスチンに特異的に結合する、抗スクレロスチン構築体。
【請求項77】
請求項1~76のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体及び薬学的に許容される担体を含む、薬物組成物。
【請求項78】
前記組成物は、さらに薬物を含み、前記薬物は、副甲状腺ホルモン(PTH)、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)、VEGF、TGFβ、成長因子(ミオスタチン)、カルシトニン及びこれらの組み合わせから選ばれる1種又は複数種である、請求項77に記載の薬物組成物。
【請求項79】
請求項1~76のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体をコードする、単離された核酸分子。
【請求項80】
請求項79に記載の単離された核酸分子を含む、ベクター。
【請求項81】
請求項79に記載の単離された核酸分子又は請求項80に記載のベクターを含む、単離された宿主細胞。
【請求項82】
a)抗スクレロスチン構築体又はその一部を効果的に発現する条件で、請求項81に記載の単離された宿主細胞を培養すること、及び、
b)前記宿主細胞から発現された抗スクレロスチン構築体又はその一部を得ること、
を含む、抗スクレロスチン構築体を調製する方法。
【請求項83】
有効量の請求項1~76のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体及び/又は請求項77もしくは78に記載の薬物組成物を個体に投与することを含む、個体の疾患又は病状を治療及び/又は予防する方法。
【請求項84】
前記疾患又は病状は、骨関連疾患又は軟骨関連疾状、骨髄又は血液学的疾患、骨格筋系の希少疾患、筋肉関連疾患又は癌である、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
前記骨関連疾患は、骨形成不全、骨粗鬆症又は骨減少症(男性及び女性)、骨壊死、骨遅延癒合、骨折不癒合、多発性骨髄腫、多発性骨髄腫関連骨疾患、原発性骨腫瘍、及び悪性腫瘍の骨転移、炎症性又は感染性骨疾患、骨軟化症、高カルシウム血症、パジェット病、不運動による骨喪失、グルココルチコイドによる骨喪失、関節炎誘導骨喪失を含む炎症誘導骨喪失、宇宙飛行士の骨粗鬆症/骨減少症及び無重力による骨喪失、又は、a)骨量喪失又は骨質喪失又はその両方、及び/又は、b)骨構造及び骨質異常に関連する他の疾患又は病状を含む、請求項84に記載の方法。
【請求項86】
前記骨関連疾患とは、骨粗鬆症又は骨減少症を指す、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
前記骨関連疾患とは、骨形成不全を指す、請求項85に記載の方法。
【請求項88】
前記骨関連疾患とは、多発性骨髄腫及び多発性骨髄腫関連骨疾患を指す、請求項85に記載の方法。
【請求項89】
前記軟骨疾患は、軟骨腫症、軟骨異形成症、軟骨形成不全症、異形成症骨端異形成、軟骨異栄養性筋強直症、皮質傍軟骨腫、膝関節軟骨裂傷、骨線維異形成症、骨関節炎、骨形成不全、低リン酸血症性くる病又は骨軟骨異栄養症を含む、請求項84に記載の方法。
【請求項90】
前記筋肉関連疾患とは、筋肉減少症及び癌関連筋肉減少症を指す、請求項84に記載の方法。
【請求項91】
有効量の請求項1~76のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体、及び/又は、請求項77又は78に記載の薬物組成物を個体に投与することを含む、個体における骨又は関節手術後の癒合を促進するための方法。
【請求項92】
前記抗スクレロスチン構築体が、皮下注射、静脈注射、筋肉内注射、経口又は非経口投与の方式で前記個体に投与される、請求項83~91のいずれか1項に記載の方法。
【請求項93】
前記方法が、第2の薬物又は治療法を実施することをさらに含む、請求項83~92のいずれか1項に記載の方法。
【請求項94】
前記第2の薬物又は治療法は、抗DKK1抗体を含む、請求項93に記載の方法。
【請求項95】
前記第2の薬物又は治療法は、抗RANKL抗体を含む、請求項93に記載の方法。
【請求項96】
前記第2の薬物又は治療法は、副甲状腺ホルモン(PTH)、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)、ビスフォスフォネート、プロスタグランジンE(PGE)受容体アゴニスト、VEGF、TGFβ、成長因子(ミオスタチン)及びカルシトニンから選ばれる1種である薬物を含む、請求項93に記載の方法。
【請求項97】
前記個体がヒトを指す、請求項83~96のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<クロスリファレンス>
本願は、2020年9月28日出願された出願番号がPCT/CN2020/118387である国際特許出願に基づく優先権を主張するものであり、当該出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、抗スクレロスチン構築体(例えば、抗スクレロスチン抗体)及びその使用に関する。
<ASCIIテキストファイルでの配列表の提出>
【0003】
以下に提出されるASCIIテキストファイルでの内容は、その全体が、参照により本明細書に組み込まれる:コンピュータ可読形式(CRF)の配列表(ファイル名:210912000241SEQLIST.TXT、記録日:2021年9月20日、サイズ:386,061KB)。
【背景技術】
【0004】
ヒト骨形成阻害剤としてのSOST遺伝子産物であるスクレロスチン(sclerostin)の機能は、遺伝子局在化研究によって発見され、当該研究では、高骨量(HBM)骨硬化症の病原因子としてSOST遺伝子の機能不全突然変異を特定した(Balemans等,2001Hum.Mol.Genet.10,537-543;Brunkow等,2001 Am.J.Hum.Genet.68,577-589)。マウスにおいて、骨形成が増やすため、SOST遺伝子の欠失によって骨量と骨強度を増加させるが、ヒトスクレロスチントランスジェニックの過剰発現は、骨量の減少及び骨強度の低下に繋がる(Ke等,2012 Endocr.Rev.33,747-783.)。
【0005】
本明細書に引用されているすべての開示説明、特許、特許出願、及び発表された特許出願のすべての開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【0006】
以下の内容は、説明するための内容に過ぎず、いかなる形で限定されるものではない。即ち、以下の内容は、本発明に係る抗スクレロスチン構築体の新規分子の利点、有益な効果、及びその使用を紹介するためのものである。従って、以下の内容は、保護しようとする主体の基本的な技術的特徴を限定することを目的とするものではなく、保護しようとする主体の範囲を決定するためのものでもない。
【0007】
一つの態様において、本願は、スクレロスチン(例えば、ヒトスクレロスチン)を特異的に認識する抗体部分を含む抗スクレロスチン構築体であって、前記抗体部分は、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含む、抗スクレロスチン構築体を提供し、例えば、本明細書に記載の任意の抗スクレロスチン構築体を提供する。いくつかの実施形態において、前記抗体部分は、全長抗体、二重特異性抗体、単鎖Fv(scFv)断片、Fab断片、Fab’断片、F(ab’)2、Fv断片、ジスルフィド結合安定化Fv断片(dsFv)、dsscFv、(dsFv)2、Fv-Fc融合、scFv-Fc融合、scFv-Fv融合、scFv-Fv融合、ダイアボディ(diabody)、トリボディ(tribody)及びテトラボディ(tetrabody)から選ばれる抗体又はその抗原結合断片である。いくつかの実施形態において、当該構築体は、Fc断片を含む全長抗体である。いくつかの実施形態において、前記抗体部分は、scFv断片である。
【0008】
もう1つの態様において、本願は、スクレロスチン(例えば、ヒトスクレロスチン)を特異的に認識する抗体部分及び第2の部分を含む、抗スクレロスチン構築体を提供する。いくつかの実施形態において、前記第2の部分は、半減期延長部分(例えば、Fc断片)を含む。いくつかの実施形態において、前記第2の部分は、副甲状腺ホルモン(PTH)、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)、ビスフォスフォネート、プロスタグランジンE(PGE)受容体アゴニスト、血管内皮増殖因子(VEGF)、形質転換成長因子-β(TGFβ)、成長因子(ミオスタチン)及びカルシトニンから選ばれた1種である薬物を含む。
【0009】
いくつかの実施形態において、前記第2の部分は、抗原を特異的に認識する第2の抗体部分を含む。いくつかの実施形態において、スクレロスチンを特異的に認識する第1の抗体部分(本明細書に記載の抗スクレロスチン抗体部分を含むが、これらに限られない)及びDickkopf-1(DKK1)又は核因子κβリガンドの受容体活性化因子(Receptor Activator of Nuclear Factor Kappa beta Ligand、RANKL)を特異的に認識する第2の抗体部分を含む、抗スクレロスチン構築体を提供する。DKK1又はRANKLを認識する抗体部分は、任意の抗DKK1抗体部分又は抗RANKL抗体部分(本明細書に記載の抗体部分を含むが、これに限定されない)であってもよい。いくつかの実施形態において、第2の抗体部分は、全長抗体、Fab、Fab’、(Fab’)2、Fv、単鎖Fv(scFv)断片、scFv-scFv、ミニチュア抗体(nanobody)、ダイアボディ(diabody)又はシングルドメイン抗体(sdAb)である。いくつかの実施形態において、前記第2の抗体部分は、Fc断片を含む全長抗体であり、前記抗スクレロスチン抗体部分は、単鎖Fv(scFv)断片である。いくつかの実施形態において、前記第2の抗体部分は、scFv断片であり、前記抗スクレロスチン抗体部分は、Fc断片を含む全長抗体である。いくつかの実施形態において、前記scFv断片は、(リンカーを介するか、又は、リンカーを介せず)全長抗体の重鎖及び/又は軽鎖(例えば、N末端及び/又はC末端)に融合する。いくつかの実施形態において、当該構築体は、a)第1の軽鎖を有する第1のポリペプチドであって、前記第1の軽鎖がN末端からC末端までi)VL、ii)第1の軽鎖定常ドメイン(「第1のCH1ドメイン」)を含む第1のポリペプチド、b)第1の重鎖を有する第2のポリペプチドであって、N末端からC末端までi)VH、ii)第1の重鎖定常ドメイン(「第1のCH1ドメイン」)及びiii)第1のFcドメインを含む第2のポリペプチド、c)第2の重鎖を有する第3のポリペプチドであって、前記第2の重鎖がN末端からC末端までi)VH-2、ii)第2の重鎖定常ドメイン(「第2のCH1ドメイン」)及びiii)第2のFcドメインを含む第3のポリペプチド、及び、d)第2の軽鎖を有する第4のポリペプチドであって、前記第2の軽鎖がN末端からC末端までi)VL-2、ii)第2の軽鎖定常ドメイン(「第2のCLドメイン」)を含む第4のポリペプチドを含み、第1のFcドメイン及び第2のFcドメインは、Fc断片を形成している。第1のCH1又は第2のCH1及び/又は第1のFcドメイン又は第2のFcドメインは、本発明の構想から逸脱することなく、いくつかの改変又は改良を行うことができる。
【0010】
もう一つの態様において、本願は、本明細書に記載の任意の抗スクレロスチン構築体と競合してスクレロスチンに特異的に結合する抗スクレロスチン構築体を提供する。
【0011】
もう一つの態様において、本願は、本明細書に記載の任意の抗スクレロスチン構築体及び薬学的に許容される担体を含む、薬物組成物を提供する。いくつかの実施形態において、当該組成物は、副甲状腺ホルモン(PTH)、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)、VEGF、TGFβ、成長因子(ミオスタチン)及びカルシトニンから選ばれる1種である薬剤を含む。
【0012】
もう一つの態様において、本願は、本明細書に記載の任意の抗スクレロスチンの構築体又は前記抗スクレロスチン構築体の一部(例えば、その1種又は複数種のポリペプチド)をコードする、単離された核酸分子を提供する。
【0013】
もう一つの態様において、本願は、本明細書に記載の任意の単離された核酸分子のベクターを提供する。
【0014】
もう一つの態様において、本願は、本明細書に記載の任意の単離された核酸分子及び/又はベクターを含む、単離された宿主細胞を提供する。
【0015】
もう一つの態様において、本願は、a)抗スクレロスチン構築体又はその一部(例えば、その1種又は複数種のポリペプチド)を効果的に発現する条件で本明細書に記載の任意の単離された宿主細胞を培養すること、及び、b)宿主細胞から発現された抗スクレロスチン構築体又はその一部を得ることを含む、抗スクレロスチン構築体を生成する方法を提供する。
【0016】
もう一つの態様において、本願は、有効量の抗スクレロスチンの構築体、例えば、本明細書に記載の任意の抗スクレロスチン構築体又は本明細書に記載の任意の薬物組成物を個体に投与することを含む、個体の疾患又は病状を治療する方法を提供する。いくつかの実施形態において、前記疾患又は病状とは、骨関連病状を指す。いくつかの実施形態において、前記骨関連病状は、骨形成不全、骨硬化、骨粗鬆症(男性及び/又は女性)、老人性骨粗鬆症、骨遅延癒合、骨折遅延癒合又は不癒合、パジェット病、不運動による骨喪失、グルココルチコイド誘導骨粗鬆症、関節炎誘導骨喪失を含む炎症誘導骨喪失、又は、a)骨量喪失又は骨質喪失又はその両方、及び/又は、b)骨構造及び骨質異常に関連する他の疾患又は病状を含む。いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン構築体又は薬物組成物を非経口的に個体の体内に投与する。いくつかの実施形態において、当該方法は、第2の薬物又は療法(例えば、抗DKK1抗体又は抗RANKL抗体)を用いることを含む。いくつかの実施形態において、第2の薬物或療法は、副甲状腺ホルモン(PTH)、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)、ビスフォスフォネート、プロスタグランジンE(PGE)受容体アゴニスト、VEGF、TGFβ、成長因子(ミオスタチン)及びカルシトニンから得られた1種である薬物を含む。いくつかの実施形態において、個体は、ヒトを指す。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】スクレロスチンとLDL受容体関連タンパク質6(LRP6)との相互作用を説明するために、スクレロスチンの第2ループにおける「IGRGKWWR」モチーフの配列及びコンフォメーションを示す。
【
図2】スクレロスチンの第2ループにおける合成ペプチド断片を用いた、モノクローナル抗体(mAb)93B1B7のスクレロスチンエピトープへのマッピングを示す。
【
図3】ロモソズマブ(Romosozumab)がモノクローナル抗体93B1B7の結合するヒトスクレロスチンの第2のループに由来するペプチドを認識しないことを示す。
【
図4】モノクローナル抗体93B1B7及びロモソズマブが異なるスクレロスチンエピトープに結合し、互いのスクレロスチンへの結合を交差ブロックしないことを示す。
【
図5】例示的な二重特異性抗体構造の概略図を示す。
【
図6】ヒトスクレロスチン及びDKK1の二重特異性抗体への増加結合を証明する、Bio-Layer Interferometry(BLI)センサーグラムからの結果を示す。
【
図7】30mg/kgの皮下投与を受けたカニクイザルの二重特異性抗体の血清濃度を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本願は、スクレロスチンに特異的に結合する新規な抗スクレロスチン構築体(例えば、抗スクレロスチンモノクローナル抗体又は多重特異性抗体)、抗スクレロスチン構築体の調製方法及び前記構築体の使用方法(例えば、疾患又は病状を治療する方法)を提供する。本明細書に記載の例示的な抗スクレロスチン構築体は、有益な効果が得られた。例えば、ロモソズマブと比較して、例示的な抗スクレロスチン分子は、スクレロスチンに対してより高い結合親和性を示す。実施例3、5及び6(表5、表7及び表8)を参照する。
【0019】
I. 定義
【0020】
「抗体」という用語は、最も広い意味で使用され、種々の抗体構造をカバーし、所望の抗原結合活性を示す限り、モノクローナル抗体、ポリクローナル、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、全長抗体及びその抗原結合断片を含むが、これらに限定されない。「抗体部分」という用語は、全長抗体又はその抗原結合断片を指す。
【0021】
全長抗体は、2本の重鎖及び2本の軽鎖を含む。前記軽鎖及び重鎖の可変領域は、抗原との結合を担う。前記重鎖及び軽鎖の可変領域は、「VH」及び「VL」とも呼ばれ、2つの鎖における可変領域は、通常、相補性決定領域(CDRs)と呼ばれる3つの超可変ループを含む(軽鎖(LC)CDRは、LC-CDR1、LC-CDR2及びLC-CDR3を含み、重鎖(HC)CDRは、HC-CDR1、HC-CDR2及びHC-CDR3を含む)。本明細書に開示された抗体及び抗原結合断片のCDRセグメントは、Kabat、Chothia又はAl-Lazikaniの番号付け方式(Al-Lazikani 1997; Chothia 1985;Chothia 1987;Chothia 1989、Kabat 1987;Kabat 1991)で定義又は同定することができる。重鎖又は軽鎖の3つのCDRは、フレームワーク領域(FR)と呼ばれる側面セグメントの間に挿入され、前記フレームワーク領域は、CDRよりも保存性が高く、超可変ループをサポートするブラケットを形成する。重鎖及び軽鎖の定常領域は、抗原結合に関与しないが、複数のエフェクター機能を示す。抗体は、抗体重鎖定常領域のアミノ酸配列によって分類される。抗体の5つの主なクラス又は同種は、それぞれα、δ、ε、γ及びμ重鎖を有することを特徴とするIgA、IgD、IgE、IgG及びIgMであり、いくつかの主な抗体クラスは、例えば、lgG1(γ1重鎖)、lgG2(γ2重鎖)、lgG3(γ3重鎖)、lgG4(γ4重鎖)、lgA1(α1重鎖)又はIgGA2(α2重鎖)というサブクラスに分類される。
【0022】
本明細書に用いられる「抗原結合断片」という用語は、例えば、ダイアボディ(diabody)、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv断片、ジスルフィド結合安定化Fv断片(dsFv)、(dsFv)2、二重特異性dsFv(dsFv-dsFv’)、ジスルフィド結合安定化ダイアボディ(ds diabody)、単鎖Fv(scFv)、scFv二量体(bivalent diabody))、1つ又は複数のCDR含有抗体の一部からなる多重特異性抗体、ラクダ科シングルドメイン抗体、ナノ抗体、ドメイン抗体、二価ドメイン抗体又は抗原に結合するが完全な抗体構造を含まない任意の他の抗体断片を含む、抗体断片を指す。抗原結合断片は、親抗体又は親抗体断片(例えば、親scFv)に結合する抗原と同じ抗原に結合することができる。いくつかの実施形態において、抗原結合断片は、1つ又は複数の異なるヒト抗体に由来するフレームワーク領域に移植された、特定のヒト抗体に由来する1つ又は複数のCDRを含み得る。
【0023】
可変領域「Fv」は、完全な抗原認識部位及び抗原結合部位を含む最小の抗体断片である。当該断片は、緊密に非共有結合されている1つの重鎖可変領域ドメインと1つの軽鎖可変領域ドメインとの二量体からなる。これらの2つのドメインの折り畳みによって、抗原を結合するためのアミノ酸残基を含み、抗体に抗原結合特異性を与える、6つの超可変リープ(重鎖及び軽鎖のそれぞれ3つのリープ)を形成する。しかしながら、単一の可変ドメイン(又は抗原に対する特異性を有する3つのCDRのみを含む半分のFv)であっても、親和性が完全な可変ドメインより低いが、抗原を認識して結合する能力を持っている。
【0024】
「単鎖Fv」は、「sFv」又は「scFv」とも略され、単一のポリペプチド鎖に接続されたVH及びVL抗体ドメインを含む抗体断片である。いくつかの実施形態において、scFvポリペプチドは、VHドメインとVLドメインとの間のポリペプチドリンカーをさらに含み、当該ポリペプチドリンカーにより、scFvが抗原に結合するために必要な構造を形成させることが可能になる。scFvの概説については、Pluckthun in The Pharmacology of Monoclonal Antibodies,vol.113,Rosenburg and Moore eds.,Springer-Verlag,New York,pp. 269-315(1994)を参照する。
【0025】
本明細書に使用される「CDR」又は「相補性決定領域」という用語は、重鎖ポリペプチド及び軽鎖ポリペプチドの可変領域に見出される非連続抗原結合部位を指す。これらの特定の領域は、Kabat等,J.Biol.Chem.252:6609-6616(1977);Kabat等,米国保健社会福祉省,「免疫学的に意味のあるタンパク質配列」(1991); Chothia等,J.Mol.Biol.196:901-917(1987);Al-Lazikani B.等,J.Mol.Biol.,273:927-948(1997);MacCallum等,J.Mol.Biol.262:732-745(1996);Abhinandan and Martin,Mol.Immunol.,45:3832-3839(2008);Lefranc M.P.等,Dev.Comp.Immunol.,27:55-77(2003);及び、Honegger and Pluckthun, J.Mol.Biol.,309:657-670(2001)に記載されており、互いに比較した場合のアミノ酸残基の重複又はサブセットは、その定義に含まれる。しかしながら、いずれかの定義が適用された抗体又は移植抗体又はその変異体CDRは、本明細書で定義・使用される用語の範囲内にある。比較として、前述した各参考文献で定義されたCDRを含むアミノ酸残基は、下記の表1に挙げられている。CDR予測アルゴリズム及びインターフェースは、当分野では既知であり、例えば、Abhinandan and Martin,Mol.Immunol.,45:3832-3839(2008);Ehrenmann F.等,Nucleic Acids Res.,38:D301-D307(2010);及び、Adolf-Bryfogle J.等,Nucleic Acids Res.,43:D432-D438(2015)を含む。本段落に引用された参考文献の内容は、本出願で使用されるように、並びに本願の1つ又は複数の特許請求の範囲に含まれることができるように、全体として本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態において、本明細書に提供されるCDR配列は、IMGT番号付けに基づいて定義されるものである。例えば、CDR配列は、VBASE2ツール(http://www.vbase2.org/vbase2.php、又は、Retter I、Althaus HH、Munch R、Muller W:VBASE2、統合されたV遺伝子データベース、『核酸研究』2005年1月1日、33(データベースの公開):D671-4、その全内容は、参照により本明細書に組み込まれる)により特定することができる。
【0026】
本明細書に使用される「骨粗鬆症」という用語は、閉経前特発性骨粗鬆症(premenopausal idiopathic osteoporosis)、閉経後骨粗鬆症(postmenopausal osteoporosis)、閉経期骨粗鬆症(menopausal osteoporosis)、卵巣摘出術後骨粗鬆症(postoophorectomy osteoporosis)、廃用性骨粗鬆症(osteoporosis of disuse)、薬物誘発性骨粗鬆症(drug-induced osteoporosis)、吸収不良による骨粗鬆症(osteoporosis due to malabsorption)、術後吸収不良性骨粗鬆症(post-surgical malabsorption osteoporosis)及び/又は老人性骨粗鬆症(senile osteoporosis)を指す。
【0027】
本明細書に使用される「骨減少症」という用語は、閉経前特発性骨減少症(premenopausal idiopathic osteopenia)、閉経後骨減少症(postmenopausal osteopenia)、老人性骨減少症(senile osteopenia)、薬物誘発性骨減少症(drug-induced osteopenia)、廃用性骨減少症(osteopenia of disuse)、新生児骨減少症(neonatal osteopenia)及び/又は無重力による宇宙飛行士骨減少症(spaceflight osteopenia caused by reduced gravity)を指す。
【0028】
本明細書に使用される「代謝性骨疾患」という用語は、腎性骨異栄養症(renal osteodystrophy)、原発性及び続発性副甲状腺機能亢進症(primary and secondary hyperparathyroidism)、ファミリー性副甲状腺機能亢進症候群(familial hyperparathyroidism syndromes)、副甲状腺疾患(parathyroid disorders)、骨異栄養症(osteodystrophy)、骨軟骨疾患(osteochondrosis)、高ホスファターゼ症(hyperphosphatasia)を含むが、これらに限られない。
【0029】
本明細書に使用される「骨壊死」という用語は、骨の虚血性壊死(avascular necrosis of bone)、潜水による虚血性壊死(avascular necrosis secondary to diving)、顎骨の骨壊死(osteonecrosis of jaw)を指す。
【0030】
本明細書に使用される「骨喪失」という用語は、閉経後骨喪失(postmenopausal bone loss)、不運動による骨喪失(Immobilization-induced bone loss)、無重力による骨喪失(Weightlessness induced bone loss)、疾患関連の顔の骨喪失(Disease associated facial bone loss)、疾患関連頭蓋骨喪失(Disease associated cranial bone loss)、疾患関連顎骨の骨喪失(Disease associated bone loss of the jaw)、疾関連頭蓋骨の骨喪失(Disease associated bone loss of the skull)、空間旅行に起因する骨喪失(bone loss associated with space travel)、グルココルチコイド誘発性骨喪失(glucocorticoid-induced bone loss)、薬物誘発性骨喪失(Drug-induced bone loss)、臓器移植関連骨喪失(Organ transplant related bone loss)、腎移植関連骨喪失(Kidney transplant related bone loss)、HIV関連骨喪失(HIV associated bone loss)、成長ホルモン喪失関連骨喪失(bone loss associated with loss of growth hormone)、嚢胞性線維症関連骨喪失(bone loss associated with cystic fibrosis)、化学療法関連骨喪失(Chemotherapy associated bone loss)、腫瘍誘発性骨喪失(Tumor induced bone loss)、癌関連骨喪失(Cancer-related bone loss)、ホルモン喪失による骨喪失(Hormone ablative bone loss)、口腔骨喪失(Oral bone loss)、ヘパリン誘発性骨喪失(Heparin-induced bone loss)、関節炎誘発性骨喪失(arthritis-induced bone loss)を含む炎症誘発性骨喪失(Inflammation-induced bone loss)、又は、a)骨量喪失(bone loss of quantity)又は骨質喪失(bone loss of quality)又はその両方、及び/又は、b)骨構造及び骨質異常に関連する他の疾患又は病状、無重力による骨喪失(bone loss caused by reduced gravity)を指す。
【0031】
本明細書に使用される「骨不連続(nonunion)」又は「骨遅延癒合(delay bone healing)」という用語は、骨折遅延癒合(delayed bone fractures)又は不癒合(non-union bone fractures)、股関節骨折(hip fracture)、融合又は関節融合後の仮性関節炎(pseudoarthritis after fusion or arthrodesis)、骨溶解(osteolysis)、術後溶骨(postsurgical osteolysis)、脊柱融合後の骨不連続(nonunion after spinal arthrodesis)、脊柱融合の増強/加速(enhancement/acceleration of spinal fusion)、関節形成術後の慢性的な痛み(chronic pain after arthroplasty)を指す。
【0032】
本明細書に使用される「骨軟化症(osteomalacia)」という用語は、ビタミンD抵抗性骨軟化症(Vitamin-D-resistant osteomalacia)、カルシウム欠乏症(calcium deficiency)、筋減少症(sarcopenia)、癌関連筋減少症(cancer sarcopenia)、腫瘍誘導性骨軟化症(tumor-induced osteomalacia)を指す。
【0033】
本明細書に使用される「骨折」という用語は、圧縮的骨折(compression fracture)、脆性骨折(fragility fracture)、病理的骨折(pathologic fracture)、応力骨折(stress fracture)、股関節骨折(hip fracture)、大腿骨頚部骨折(fracture of femoral neck)、非典型的股関節骨折(atypical hip fracture)、大腿骨粗隆間骨折(femoral intertrochanter fracture)、腫瘍疾患に起因する骨折(fracture of bone in neoplastic disease)を含むが、これらに限定されない。
【0034】
本明細書に使用される「高カルシウム血症(hypercalcemia)」という用語は、悪性腫瘍による高カルシウム血症(hypercalcemia of malignancy)、高カルシウム血症によるミオパチー(myopathy due to hypercalcemia)、慢性腎臓疾患による高カルシウム血症(hypercalcemia in chronic kidney disease)を含む。
【0035】
本明細書に使用される「多発性骨髄腫関連骨疾患(multiple myeloma related bone disorders)」という用語は、多発性骨髄腫性骨疾患(multiple myeloma bone disease)及び多発性骨髄腫症による骨粗鬆症(osteoporosis in multiple myelomatosis)を指す。
【0036】
本明細書に使用される「原発性骨腫瘍(primary bone tumor)」という用語は、骨肉腫(osteosarcoma)、骨軟骨腫(osteochondroma)、骨芽細胞腫(osteoblastoma)、骨軟骨粘液腫(osteochondromyxoma)、破骨細胞腫(osteoclastoma)、骨腫(osteoma)、骨様骨腫(osteoid osteoma)、軟骨肉腫(chondrosarcoma)、軟骨芽細胞腫(chondroblastoma)、軟骨様線維腫(chondromyxoid fibroma)、粘液様軟骨肉腫(myxoid chondrosarcoma)、肉腫(sarcoma)、ユーイング肉腫(ewing sarcoma)、カポジ肉腫(kaposi sarcoma)、骨膜肉腫(periosteal sarcoma)、神経膠腫(glomangiosarcoma)、巨細胞腫(giant cell tumor)、巨細胞肉腫(giant cell sarcoma)、巨細胞血管線維腫(giant cell angiofibroma)、血管内皮肉腫(haemangioendothelial sarcoma)、未分化肉腫(undifferentiated sarcoma)、線維肉腫(fibrosarcoma)、骨嚢胞(bone cyst)、動脈瘤(aneurysmal bone cyst)、多発性内分泌腫瘍(multiple endocrine neoplasia)を含む。
【0037】
「悪性腫瘍骨転移」に使われる「悪性腫瘍」という用語は、乳がん、肺癌、肝臓がん、卵巣がん、膵臓がん、大腸がん、胃がん、前立腺がん、甲状腺がん、胸腺がんを含む。
【0038】
本明細書に使用される「炎症性又は感染性骨疾患(inflammatory or infectious bone disease)」という用語は、骨髄炎(osteomyelitis)、化膿性骨髄炎(pyogenic osteomyelitis)、強直性脊椎炎(ankylosing spondylitis)を指す。
【0039】
本明細書に使用される用語「骨髄又は血液学的疾患」とは、白血病、悪性リンパ腫、血液悪性腫瘍、血液疾患、骨髄疾患を指す。
【0040】
本明細書に使用される用語「筋肉骨格希少疾患(musculoskeletal rare disease)」とは、骨形成不全(Osteogenesis imperfecta)、骨硬化症(Albers-Schonberg disease)、脛骨先天性偽関節(congenital pseudarthrosis of the tibia)、内生腫瘍症(enchondromatosis)、線維異形成症(fibrous dysplasia)、ゴーシェ病(Gaucher’s Disease)、マルファン症候群(Marfan’s syndrome)、遺伝性多発外生骨疣贅(multiple hereditary exotoses)、神経線維腫症(neurofibromatosis)、骨形成不全(osteogenesis imperfecta)、骨粗鬆症(osteopetrosis)、骨斑点症(osteopoikilosis)、硬化性病変(sclerotic lesions)、偽関節病変(pseudoarthrosis)、足骨筋状肥大(melorheostosis)、若年性関節炎(Juvenile arthritides)、サラセミア(thalassemia)、ムコ多糖症(mucopolysaccharidoses)、ターナー症候群(Turner syndrome)、パウン症候群(Pown Syndrome)、クランフェルト症候群(Klinefelter Syndrome)、ハンセン病(leprosy)、ペテツ病(Perthes’ Disease)、若年性特発症性脊柱側弯症(adolescent idiopathic scoliosis)、ウィンチェスター症候群(Winchester Syndrome)、メンケス病(Menkes Disease)、虚血性骨疾患(ischemic bone disease)(例えば、小児大腿骨の虚血性壊死(Legg-Calve-Perthes disease)、限局性遊走性骨粗鬆症(regional migratory osteoporosis))、特発性乳児高カルシウム血症(Idiopathic infantile hypercalcemia)、先端巨大症(Acromegaly)、性腺機能低下症(Hypogonadism)、アルストロム症候群(Albright-McCune-Sternberg syndrome)、アルミニウム関連骨疾患(Aluminium bone disease)、進行性基幹異形成症(Camurati-Engelmann disease)、骨硬化症と乳児神経軸索ジストロフィー(Osteopetrosis and infantile neuroaxonal dystrophy)、異常骨硬化(Dysosteosclerosis)、緻密性骨形成不全症(Pycnodysostosis)、Gorham-Stout症候群(Gorham-Stout syndrome)、嚢胞性血管腫症(Cystic angiomatosis)、パジェット病(Paget’s disease)、青少年パジェット病(Juvenile Paget’s disease)、骨粗鬆症-白眼症候群(Osteoporosis-oculocutaneous-hypopigmentation syndrome)、典型的又は非典型的な嚢胞性繊維骨粗鬆症(Osteoporosis in classical or atypical cystic fibrosis)、脛骨-橈骨異常-骨折(Bowed tibiae-radial anomalies-osteopenia-fractures)、X連鎖低リン酸塩骨軟化症(X-linked hypophosphatemic osteomalacia)、ファミリー性骨異形成症(Familial expansile osteolysis)、骨斑点症(Osteopoikilosis)、メロレオストーシス(Melorheostosis)、頭蓋骨幹端異形成症(Craniometaphyseal dysplasia)、神経膠腫症候群(Osteoporosis-pseudoglioma syndrome)、頭蓋骨鎖骨異形成症(Cleidocranial dysplasia)、Hajdu-Cheney症候群(Hajdu-Cheney syndrome)、Winchester-Torg症候群(Winchester-Torg syndrome)、Cole-Carpenter症候群(Cole-Carpenter syndrome)、低リン酸塩血症(Hypophosphatasia)、遺伝性高リン酸化症(Hereditary hyperphosphatasia)、進行性骨化性線維異形成症(Fibrodysplasia ossificans progressive)、家族性低カルシウム血症(Familial hypocalciuric hypercalcemia)、仮性甲状腺機能低下症(Pseudohypoparathyroidism)、肢端骨異形成症(Acrodysostosis)、エイケン症候群(Eiken syndrome)、多発性軟骨腫症(Multiple enchondromatosis)、ビタミンDヒドロキシ欠損性くる病(Vitamin D hydroxylation-deficient rickets)、低リン酸血症性くる病(Hypophosphatemic rickets)を含む。
【0041】
本明細書に使用される「軟骨関連疾患(cartilage-related disorder)」という用語は、軟骨腫症(Chondromatosis)、軟骨異形成症(Chondrodysplasia)、軟骨栄養不良性筋強直(Chondrodystrophic myotonia)、皮質傍軟骨腫(Juxtacortical chondroma)、膝関節軟骨裂断(Tear of cartilage of knee)、骨関節炎(Osteoarthritis)、骨軟骨異栄養症(Osteochondrodystrophy)を含むが、これらに限定されない。
【0042】
本明細書に使用される用語「筋肉関連疾患(muscle-related disorder)」は、筋肉減少症(sarcopenia)及び癌関連筋肉減少症(cancer sarcopenia)を含む。
【0043】
「骨や関節の手術後の癒合の促進(facilitation of heal after bone or joint surgeries)」で使われる用語「手術(surgeries)」とは、整形外科(orthopedic procedures)、歯科手術(dental procedures)、インプラント手術(implant surgery)、関節置換(joint replacement)、関節を残す手術(joint-preserving surgery)、仮骨延長(Distraction Osteogenesis)、骨延長(bone lengthening)、骨移植(bone grafting)、骨美容手術及び骨修復(bone cosmetic surgery and bone repair)、例えば骨折癒合(fracture healing)、骨不連癒合(nonunion healing)、骨折遅延治癒(delayed union healing)、及び、頭蓋面回復(facial reconstruction)を指す。
【0044】
【0045】
「Kabatにおける可変ドメイン残基の番号付け」又は「Kabatにおけるアミノ酸位置の番号付け」及びその変異体とは、前文を参照すると、Kabatらの抗体アセンブリに使われる重鎖可変ドメイン又は軽鎖可変ドメインの番号付け方式を指す。当該番号付け方式を使用して、実際の線形アミノ酸配列は、可変ドメインのフレームワーク領域(FR)又は高可変領域(HVR)の短縮又は挿入に対応する少ない又は追加のアミノ酸を含み得る。例えば、重鎖可変ドメインは、H2の残基52以降の単一アミノ酸の挿入(Kabatに基づく残基52a)及び重鎖FR残基82以降の挿入の残基(例えば、Kabat番号付け方式に基づく残基82a、82b及び82cなど)を含み得る。所定の抗体のKabat残基の番号付けは、抗体配列の相同性領域で「標準」Kabat番号付け配列とアラインすることで決定することができる。
【0046】
本明細書で特に明記されていない限り、前文を参照すると、免疫グロブリン重鎖における残基の番号付けは、KabatらのEUインデックスの番号付けである。「KabatのEUインデックス」とは、ヒトIgG1 EU抗体の残基の番号付けを指す。
【0047】
「フレームワーク」又は「FR」残基は、本明細書に定義されるCDR残基を除く可変ドメイン残基を意味する。
【0048】
「ヒト化」形態の非ヒト(例えば、げっ歯類動物)抗体は、非ヒト抗体に由来する最小配列を含むキメラ抗体である。多くの場合、ヒト化抗体は、受容体超可変領域(HVR)に由来の残基が、例えば、理想的な抗体特異性、親和性及び能力を持つマウス、ラット、ウサギ、又は非ヒト霊長類動物のような非ヒト種(ドナー抗体)に由来の超可変領域の残基に置換されたヒト免疫グロブリン(受容体抗体)である。ある場合において、ヒト免疫グロブリンのフレームワーク領域(FR)残基は、対応する非ヒト残基で置換される。さらに、ヒト化抗体は、受容体抗体又はドナー抗体に含まれない残基を含み得る。これらの改変は、抗体の性能をさらに改善させることを目的としている。一般的に、ヒト化抗体は、可変ドメインの実質的に全て、少なくとも1つ、典型的に2つを含み、全て又は実質的に全ての超可変ループは、非ヒト免疫グロブリンの超可変ループに対応し、全て又は実質的に全てのFRは、ヒト免疫グロブリン配列である。任意に、ヒト化抗体は、免疫グロブリン定常領域(Fc)の少なくとも一部、通常にヒト免疫グロブリン定常領域(Fc)をさらに含み得る。より詳しい内容は、Jones等,Nature 321:522-525(1986);Riechmann等,Nature 332:323-329(1988);及び、Presta,Curr.Op、Struct.Biol.2:593-596(1992)を参照する。
【0049】
「ヒト抗体」は、ヒト産生抗体のアミノ酸配列に対応するアミノ酸配列を有する、及び/又は、本明細書に開示の、ヒト抗体を産生する任意の技術を使用して調製された抗体である。ヒト抗体のこの定義は、非ヒト抗原結合残基を含むヒト化抗体を明らか除く。ヒト抗体は、当分野で公知の様々な技術(ファージディスプレイライブラリーを含む)を用いて調製することができる。Hoogenboom and Winter,J.Mol.Biol.,227:381(1991);Marks等,J.Mol.Biol.,222:581(1991)がある。ヒトモノクローナル抗体の調製は、Cole等,Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy、Alan R.Liss,p77(1985);Boerner等,J.Immunol.,147(1):86-95(1991)、及び、van Dijk and van de Winkel,Curr.Opin.Pharmacol.,5:368-74(2001)を使用することができる。ヒト抗体は、ランスジェニック動物へ抗原を投与することで調製されてもよい。ランスジェニック動物は、抗原刺激に応答してこのような抗体を産生するように改変されているが、その内因性部位が無効化されている、例えば、免疫化された異種マウス(XENOMOUSETM技術について、例えば、米国特許US6,075,181及びUS6,150,584を参照する)である。ヒトB細胞ハイブリドーマ技術により生成されたヒト抗体について、例えば、Li等,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,103:3557-3562(2006)を参照する。
【0050】
本明細書に確定されたポリペプチド及び抗体配列に対する「アミノ酸配列同一性パーセント(%)」又は「相同性」は、いかなる保存的置換を配列同一性の一部として配列をアラインした後、比較されるポリペプチド配列におけるアミノ酸残基と同一である候補配列におけるアミノ酸残基のパーセントと定義される。アミノ酸配列同一性パーセントを確定するために、例えば、BLAST、BLAST-2、ALIGN、Megalign(DNASTAR)又はMUSCLEソフトウェアなどの公開された利用可能なコンピュータソフトウェアを使用し、当分野の範囲内の様々な方法でアライメントを行うことができる。当業者は、比較される配列の全長にわたって最大のアラインメントを達成するために必要な任意のアルゴリズムを含む、アラインメントを測定するための適切なパラメータを決定することができる。しかしながら、本明細書では、配列アライン用コンピュータプログラムMUSCLE(Edgar,R.C.,Nucleic Acids Research 32(5):1792-1797, 2004;Edgar,R.C.,BMC Bioinformatics 5(1):113,2004)を使用し、アミノ酸配列同一性パーセント値を生成する。
【0051】
「相同」とは、2つのポリペプチドの間又は2つの核酸分子の間の配列類似性又は配列同一性を指す。比較される2つの配列の同じ位置が同じ塩基又はアミノ酸モノマーサブユニットに占められる場合、例えば、2つのDNA分子中の同じ位置がアデニンに占められる場合、この2つの分子はその位置で相同である。2つの配列間の相同性パーセントは、2つの配列が共有するマッチした位置又は相同位置の数を比較された位置の数で割って100を掛けた関数である。例えば、2つの配列の10つの位置のうち6つがマッチする、又は、相同である場合、この2つの配列の相同性は60%である。例を挙げると、DNA配列ATTGCCとTATGGCとは、50%の相同性を有する。通常、2つの配列は、最大の相同性を得るようにアラインされた後、比較する。
【0052】
「定常ドメイン」という用語は、抗原結合部位を含有する免疫グロブリンの別の部分(可変ドメイン)に対してより保存的なアミノ酸配列を持つ免疫グロブリン分子の部分を指す。定常ドメインは、重鎖のCH1、CH2、CH3ドメイン(CHと総称される)及び、軽鎖のCHL(又はCL)ドメインを含む。
【0053】
任意の哺乳動物種の抗体(免疫グロブリン)の「軽鎖」は、その定常ドメインのアミノ酸配列によって、「κ」及び「λ」と呼ばれる、明らかに異なる2つのタイプの一つに帰属できる。
【0054】
「CH1ドメイン」(「H1」ドメインの「C1」とも呼ばれる)は、通常、約第118位アミノ酸から約第215位アミノ酸(EU番号付け方式)まで伸びている。
【0055】
「ヒンジ領域」は、通常、IgGにおける、ヒトIgG1のGlu216~Pro230に対応する領域と定義される(Burton,Molec.Immunol.22:161-206(1985))。重鎖間S-S結合を形成する最初と最後のシステイン残基を同じ位置に配置することで、他のIgG同種のヒンジ領域をIgG1配列とアラインメントすることができる。
【0056】
ヒトIgG Fc領域(「C2」ドメインとも呼ばれる)の「CH2ドメイン」は、通常、約第231位アミノ酸から約第340位アミノ酸まで伸びている。CH2ドメインは、別の一つのドメインと非緊密的にペアする点で独特である。逆に、完全な天然IgG分子の2つのCH2ドメインの間に、N-で結合された2つの分岐炭水化物鎖が挿入されている。炭水化物は、ドメイン-ドメインのペアリングに対して代わりのものを提供し、CH2ドメインの安定化に寄与する可能性があると推測されている。Burton,Molec Immunol.22:161-206(1985)。
【0057】
「CH3ドメイン」(「C3」ドメインとも呼ばれる)は、Fc領域におけるCH2ドメインC末端残基への伸びを含む(即ち、約アミノ酸残基341から抗体配列のC末端まで、通常、IgGのアミノ酸残基446又は447にある)。
【0058】
本明細書における「Fc領域」又は「断片結晶化可能領域」という用語は、天然配列Fc領域及び変異体Fc領域を含む、免疫グロブリン重鎖のC末端領域を定義するために使用される。免疫グロブリン重鎖Fc領域の境界は異なる場合があるが、ヒトIgG重鎖Fc領域は、通常、Cys226位のアミノ酸残基又はPro230からそのカルボキシル末端まで伸びると定義される。Fc領域のC末端リジン(EU番号付け方式による残基447)は、例えば、抗体の製造又は精製過程中に除去することができ、又は、抗体重鎖をコードする核酸を組換え操作することで除去することができる。従って、完全抗体の組成は、すべてのK447残基が除去された抗体集団、K447残基が除去されない抗体集団、及び、K447残基を含む抗体とK447残基を含まない抗体との混合物を有する抗体集団を含み得る。本明細書に記載の抗体に適した天然配列Fc領域は、ヒトIgG1、IgG2(IgG2A、IgG2B)、IgG3及びIgG4を含む。
【0059】
「Fc受容体」又は「FcR」は、抗体Fc領域に結合する受容体を示す。FcRは、最も好ましくは天然配列ヒトFcRである。また、FcRは、好ましくは、IgG抗体(γ受容体)に結合するFcRであり、FcγRI、FcγRII及びFcγRIIIなどのサブクラスの受容体を含み、対立遺伝子変異体及びこれらの受容体の選択的スプライス形態を含み、FcγRII受容体は、FcγRIIA(一つの「活性化受容体」)及びFcγRIIB(一つの「阻害性受容体」)を含み、これらは、類似したアミノ酸配列を有し、主にその細胞質間ドメインで異なる。活性化受容体FcγRIIAは、その細胞質ドメインにおいて免疫受容体チロシンに基づく活性化モチーフ(ITAM)を一つ含む。阻害性受容体FcγRIIBは、その細胞質ドメインにおいて免疫受容体チロシンに基づく阻害モチーフ(ITIM)を1つ含む。(M. Dae(ウムラウト付きe)ron,Annu.Rev.Immunol.15:203-234(1997)を参照する。FcRの概説は、Ravetch and Kinet,Annu. Rev.Immunol.9:457-92(1991),Capel等,Immunomethods 4:25-34(1994)、及び、de Haas等,J.Lab.Clin.Med.126:330-41(1995)を参照する。未来で決定されるFcRを含む他のFcRも、本明細書の「FcR」という用語に含まれる。)。
【0060】
本明細書に使用される「エピトープ」という用語は、抗体又は抗体部分に結合する抗原の特定の原子又はアミノ酸の基を指す。2つの抗体又は抗体部分が抗原に対して競合的な結合を示す場合、抗原内の同じエピトープに結合することができる。
【0061】
本明細書に使用されるように、第1の抗体又はその断片が等モル濃度で存在する場合、第1の抗体又はその断片がその断片の第2の抗体の標的抗原結合の少なくとも約50%(例えば、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%又は99%から選ばれる少なくとも任意の1つ)を阻害する場合、第1の抗体又はその断片は、標的抗原に「競合的に」結合し、その逆も同様である。PCT公開公報WO03/48731には、その交差競合に基づく「結合」抗体のハイスループットプロセスが記載されている。
【0062】
ここで使用される「特異的に結合する」、「特異的に認識する」及び「に対する」という用語は、標的と抗体又は抗体部分との結合など測定可能で再現可能な相互作用を指し、生体分子を含むヘテロ分子群が存在する場合に標的が存在するかどうかを決定する。例えば、標的(エピトープであり得る)を特異的に識別する抗体又は抗体部分は、より大きな親和性、アフィニティでより容易及び/又は他の標的への結合よりも長い持続時間で当該標的に結合する抗体又は抗体部分である。いくつかの実施形態において、抗体の無関係な標的への結合程度は、例えば、ラジオイムノアッセイ(RIA)によって測定された抗体の標的への結合程度よりも約10%小さい。いくつかの実施形態において、標的を特異的に結合する抗体は10-5 M以下、10-6 M以下、10-7 M以下、10-8 M以下、10-9 M以下、10-10 M以下、10-11 M以下、又は、10-12 M以下の解離定数(KD)を有する。いくつかの実施形態において、抗体は、異なる種のタンパク質中の保存的タンパク質のエピトープに特異的に結合する。いくつかの実施形態において、特異的な結合は、排他的な結合を含み得るが、必要としない。抗体又は抗原結合ドメインの結合特異性は、当分野で知られている方法によって実験的に決定することができる。このような方法は、Westernブロッティング、ELISA、RIA、ECL、IRMA、EIA、BLI、BIACORETMアッセイ及びペプチドスキャンを含むが、これらに限られない。
【0063】
「単離された」抗体(又は構築体)は、その生産される環境の組成成分から同定、単離及び/又は回収された抗体(例えば、天然的な抗体又は組換え抗体)である。好ましくは、単離されたポリペプチドは、その生産される環境からの他のすべての組成成分に結合しない。
【0064】
本明細書に記載の構築体、抗体又はその抗原結合断片をコードする「単離された」核酸分子は、少なくとも1種の汚染核酸分子から同定・単離された核酸分子であり、通常、当該汚染核酸分子とその生成される環境において関連している。好ましくは、単離された核酸は、その生成される環境に関連するすべての組成成分に結合しない。本明細書に記載のポリペプチド及び抗体をコードする単離された核酸分子の形態は、それらの自然界に見られる形態又は環境とは異なる。従って、単離された核酸分子は、本明細書に記載の細胞に自然的に存在するポリペプチド及び抗体をコードする核酸と異なる。単離された核酸は、通常、核酸分子を含有する細胞に含まれる核酸分子を含むが、核酸分子は、染色体外に存在しているか、又は、本来の染色体の位置と異なる染色体の位置に存在している。
【0065】
核酸は、他の核酸配列と機能的な関係にある場合、「作動可能に連結」されている。例えば、プレ配列又は分泌リーダー配列のDNAがポリペプチドの分泌に関与するプレプレタンパク質として発現する場合、作動可能にポリペプチドのDNAに連結されており、プロモーター又はエンハンサーが配列の転写に影響を与える場合、プロモーター又はエンハンサーは、コード配列に動作可能に連結されており、又は、リボソーム結合部位は、翻訳を容易にするように配置されている場合、コードする配列に動作可能に連結されている。通常、「作動可能に連結」とは、連結されているDNA配列が連続しており、分泌リーダー配列が存在する場合、連続して、かつ、リーディングフレームにあることを意味する。しかしながら、エンハンサーは必ずしも連結しているわけではない。連結は、好都合な制限的部位での連結によってなされる。そのような部位が存在しない場合、通常の操作プロトコールに従い、合成オリゴヌクレオチドアダプター又はリンカーを使用する。
【0066】
本明細書に使用される「ベクター」という用語は、それに連結された別の核酸を運搬することができる、核酸分子を指す。当該用語は、自己複製核酸構造としてのベクター、及び、それに導入された宿主細胞のゲノム中に組み込まれるベクターを含む。いくつかのベクターは、それに作動可能に連結された核酸の発現を指示することができる。このようなベクターは、本明細書において「発現ベクター」とも称される。
【0067】
本明細書に使用される「トランスフェクション」、「形質転換」又は「形質導入」という用語は、外因性核酸を宿主細胞に転移又は導入するプロセスを指す。「トランスフェクション」、「形質転換」又は「形質導入」された細胞は、外因性核酸にトランスフェクトされた、又は、形質転換又は形質導入された細胞である。この細胞には、初代被験者細胞及びその子孫が含まれる。
【0068】
「宿主細胞」、「宿主細胞株」及び「宿主細胞培養物」という用語は、互いに交換可能に用いられ、外因性核酸が導入された細胞(このような細胞の子孫を含む)を指す。宿主細胞は、「形質転換体」及び「形質転換細胞」を含み、初代形質転換細胞及び継代数によらずこの細胞に由来する子孫を含む。子孫は、核酸の含有量が親細胞と完全に同一でなく、突然変異を含んでいる可能性がある。本明細書において、初期の形質転換細胞からスクリーニング・選択された、同様な機能又は生物学的活性を有する変異体子孫も、含まれる。
【0069】
本明細書に使用される「治療」又は「治療」は、有益的な結果又は理想的な結果(臨床結果を含む)を得る方法である。本願において、有益的な臨床結果又は理想的な臨床結果は、疾患に引き起こされる1つ又は複数の症状の軽減、疾患の程度の軽減、疾患の安定化、疾患の伝播の防止又は遅延、疾患の再発の防止又は遅延、疾患の進行の遅延又は減速、疾患の状態の改善、疾患の緩和(部分的又は全体的に)、疾患の治療に必要な1種又は複数種の他の薬物の用量の減少、疾患の進行の遅延、生活の質の向上又は改善、体重の増加、及び/又は生存期間の延長から選ばれる1つ又は複数を含むが、これらに限られない。本願の方法では、これらの治療発想のいずれか1つ又は複数を想定している。
【0070】
用語「抑制」とは、任意の表現特徴の減少又は停止、或いはその特徴の発生率、程度又は可能性の減少又は停止を意味する。「減少」又は「抑制」とは、参考文献と比較して、活性、機能及び/又は量の低下、減少又は停止を意味する。いくつかの実施形態では、「減少」又は「阻害」によって全体の20%又は20%超えの減少を引き起こす能力を意味し、別の実施形態では、「減少」又は「阻害」によって全体の50%又は50%超えの減少を引き起こす能力を意味する。さらに別の実施形態では、「減少」又は「抑制」によって、全体の75%、85%、90%、95%又はこれら超えの減少を引き起こす能力を指す。
【0071】
本明細書で使用される「参照」とは、比較のために使用される任意のサンプル、対照、又はレベルを意味する。参照は、健常及び/又は非罹患のサンプルから得ることができる。いくつかの例において、参照は、治療を受けていないサンプルから得ることができる。いくつかの例において、参照は、個体からの非罹患サンプル又は治療を受けていないサンプルである。いくつかの例において、参照は、個体又は患者ではない1つ又は複数の健常な個体から得る。
【0072】
本明細書で使用される「病気の進行を遅延する」とは、病気の進行を延期させ、妨害し、減速させ、遅延させ、安定させ、抑制し、及び/又は遅らせることを意味する。この遅延は、病気の病歴及び/又は治療を受けている個体の状態によって異なる時間の長さを有する場合がある。当業者にとって、個体は病気を発症しないため、十分又は顕著な遅延が実際に予防を含み得ることは自明である。
【0073】
本明細書で使用される「予防」は、この病気にかかりやすい可能性があるが、まだ病気と診断されていない個体における病気の発生又は再発の予防を提供することを含む。
【0074】
本明細書で使用されるように、機能又は活性を「抑制」することは、注目の条件又はパラメータ以外、他の条件が同じである場合と比較し、又は、別の条件と比較すると、機能又は活性を低下させる。例えば、抗体が存在しない腫瘍の成長率と比較して、腫瘍の成長を阻害する抗体は、腫瘍の成長率を低下させる。
【0075】
「被験者」、「個体」及び「患者」という用語は、本明細書において、哺乳動物に交換可能に使用され、哺乳動物は、ヒト、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、げっ歯類動物又は霊長類動物を含むがこれらに限定されない。いくつかの実施形態において、個体は、ヒトを指す。
【0076】
薬物の「有效量」とは、所望の治療的結果又は予防的結果を達成するのに必要な用量及び期間で有効な量を指す。具体的な用量は、選択された特定の薬剤、従うべき投与方案、他の化合物と組み合わせて使用するか否か、投与時間、画像化される組織、及びそれを運ぶ物理的運搬システムから選ばれる1つ又は複数の状況に応じて変化する可能性があり得る。
【0077】
「医薬製剤」及び「医薬組成物」という用語は、有効成分の生物学的活性を有効にする形態で存在し、製剤を使用する個体に対して許容できない毒性を有する追加成分を含まない製剤を指す。このような製剤は無菌であってもよい。
【0078】
「薬学的に許容される担体」とは、当分野で治療薬物とともに用いられる汎用な毒性のない固体、半固体、又は、液体の充填剤、希釈剤、封入材料、製剤助剤又は担体を指し、前記薬物とともに個体に使用される「薬物組成物」を含む。薬学的に許容される担体は、レシピエントに対し、使用される用量及び濃度で非毒性であり、製剤の他の成分と相容性を有する。薬学的に許容される担体は、使用される製剤に好適である。薬学的に許容される担体又は助剤は、好ましくは、毒物学及び製造試験に必要な基準に該当するか、及び/又は、米国食品医薬品局に編集された不活性成分のガイドラインに含まれている。
【0079】
「無菌」製剤は、無菌であるか、又は、実質的に生きている微生物やその胞子がない。
【0080】
1種又は複数種のさらなる治療薬物との「併用」投与は、任意の順序で同時(合併)投与及び連続投与を含む。
【0081】
「同時」という用語は、本明細書において、2種又は複数種の治療薬物の使用を指すために使用され、少なくとも部分的な投与が時間で重複しているか、又は、一方の治療薬物の使用が、他方の治療薬物の使用に対して短時間である。例えば、2種又は複数種の治療薬を、約60分以下、例えば、約30分間以下、15分間以下、10分間以下、5分間以下、1分間以下の間隔で使用する。
【0082】
「順序」という用語は、本明細書において、1種又は複数種の薬物が、1つ又は複数の他の薬物が投与停止した後、それに引き続いて使用される、2種類又は複数種類の治療薬物の使用を指すために使用される。例えば、2種又は複数種の治療薬物を使用する間隔は、約15分間を超え、例えば、約20分間、30分間、40分間、50分間又は60分間、1日、2日、3日、1週間、2週間、1ヶ月又はそれより長い時間である。
【0083】
本明細書に使用される「結合」とは、別の治療方式に加えて、もう一つの治療方法を使用することを意味する。従って、「結合」とは、ある治療方法を個体に実施する前、中、又は後に別の治療方法を実施することを意味する。
【0084】
用語「薬品説明書」は、通常、治療製品の商業包装に含まれる説明を指し、このような治療製品の使用に関する適応症、使用、用量、投与、総合治療、禁忌症及び/又は警告の情報を含む。
【0085】
「製品」とは、少なくとも1つの試薬を含む任意の製品(例えば、包装又は容器)又はキットであり、例えば、疾患又は病状を治療するための薬物、又は本明細書に記載のバイオマーカーを特異的に検出するためのプローブである。いくつかの実施形態において、製品又はキットは、本明細書に記載の方法を実行するためのユニットとして宣伝、配布、又は販売される。
【0086】
本明細書に記載の応用される実施形態は、実施形態「からなる」及び/又は「実質的にからなる」を含むと理解すべきである。
【0087】
本明細書において、「約」の値又はパラメータへの引用(及び記載)には、その値又はパラメータ自体の変更が含まれる。例えば、「約X」に関する記載には、「X」に関する記載が含まれる。
【0088】
本明細書に使用される「約X-Y」は、「約Xから約Yまで」と同じ意味を有する。
【0089】
本明細書及び添付の特許請求の範囲に使用されるように、文脈において明確的に断らない限り、単数形「一」、「又は」及び「前記」は、複数の引用を含む。
【0090】
II. 抗スクレロスチン構築体
【0091】
本願は、抗スクレロスチン抗体部分を含む抗スクレロスチン構築体を提供し、前記抗スクレロスチン抗体部分は、本明細書に記載のスクレロスチン(SOST遺伝子発現タンパク質生成物)に特異的に結合する。
【0092】
スクレロスチンは、C末端システインノット様(CTCK)ドメインを持つ分泌型糖タンパク質であり、骨形態形成タンパク質(BMP)拮抗薬のDAN(differential screening-selected gene aberrative in neuroblastoma)ファミリーと配列類似性がある。この遺伝子の機能不全の突然変異は、進行性の骨の異常増殖を引き起こす可能な常染色体劣性遺伝性疾患である硬化症に関連する。この遺伝子下流の欠失は、van Buchem病と呼ばれるより軽い病気に関連する、スクレロスチンの発現の低下に繋がる。
【0093】
いくつかの実施形態において、スクレロスチンを特異的に認識する抗体部分を含む抗スクレロスチン構築体であって、前記抗体部分がスクレロスチンのエピトープに結合し、前記エピトープがSEQ ID NO:186に示されるアミノ酸配列を含む、抗スクレロスチン構築体を提供する。
【0094】
いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン構築体は、抗体部分を含み、前記抗体部分は、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、抗体部分は、スクレロスチンの結合エピトープについて第2の重鎖可変領域(VH-2)及び第2の軽鎖可変領域(VL-2)を含む抗体又は抗体断片と競合し、VH-2は、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:5のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:9のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、VL-2は、SEQ ID NO:15のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:20のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む。
【0095】
いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン構築体は、抗体部分を含み、前記抗体部分は、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、抗体部分は、スクレロスチンの結合エピトープについて第2の重鎖可変領域(VH-2)及び第2の軽鎖可変領域(VL-2)を含む抗体又は抗体断片と競合し、VH-2は、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:6のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、VL-2は、SEQ ID NO:15のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:20のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む。
【0096】
いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン構築体は、抗体部分を含み、前記抗体部分は、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、抗体部分は、スクレロスチンの結合エピトープについて第2の重鎖可変領域(VH-2)及び第2の軽鎖可変領域(VL-2)を含む抗体又は抗体断片と競合し、VH-2は、SEQ ID NO:2のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:7のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、VL-2は、SEQ ID NO:15のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:20のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む。
【0097】
いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン構築体は、抗体部分を含み、前記抗体部分は、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、抗体部分は、スクレロスチンの結合エピトープについて第2の重鎖可変領域(VH-2)及び第2の軽鎖可変領域(VL-2)を含む抗体又は抗体断片と競合し、VH-2は、SEQ ID NO:2のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:6のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、VL-2は、SEQ ID NO:15のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:20のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む。
【0098】
いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン構築体は、抗体部分を含み、前記抗体部分は、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、抗体部分は、スクレロスチンの結合エピトープについて第2の重鎖可変領域(VH-2)及び第2の軽鎖可変領域(VL-2)を含む抗体又は抗体断片と競合し、VH-2は、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:5のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、VL-2は、SEQ ID NO:16のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:20のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む。
【0099】
いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン構築体は、抗体部分を含み、前記抗体部分は、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、抗体部分は、スクレロスチンの結合エピトープについて第2の重鎖可変領域(VH-2)及び第2の軽鎖可変領域(VL-2)を含む抗体又は抗体断片と競合し、VH-2は、SEQ ID NO:3のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:7のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、VL-2は、SEQ ID NO:15のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:20のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む。
【0100】
いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン構築体は、抗体部分を含み、前記抗体部分は、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、抗体部分は、スクレロスチンの結合エピトープについて第2の重鎖可変領域(VH-2)及び第2の軽鎖可変領域(VL-2)を含む抗体又は抗体断片と競合し、VH-2は、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:5のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、VL-2は、SEQ ID NO:16のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:20のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む。
【0101】
いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン構築体は、抗体部分を含み、前記抗体部分は、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、抗体部分は、スクレロスチンの結合エピトープについて第2の重鎖可変領域(VH-2)及び第2の軽鎖可変領域(VL-2)を含む抗体又は抗体断片と競合し、VH-2は、SEQ ID NO:4のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:8のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:11のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、VL-2は、SEQ ID NO:17のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:19のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:21のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む。
【0102】
いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン構築体は、抗体部分を含み、前記抗体部分は、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、抗体部分は、スクレロスチンの結合エピトープについて第2の重鎖可変領域(VH-2)及び第2の軽鎖可変領域(VL-2)を含む抗体又は抗体断片と競合し、VH-2は、SEQ ID NO:2のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:6のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、VL-2は、SEQ ID NO:15のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:20のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む。
【0103】
いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン構築体は、抗体部分を含み、前記抗体部分は、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、抗体部分は、スクレロスチンの結合エピトープについて第2の重鎖可変領域(VH-2)及び第2の軽鎖可変領域(VL-2)を含む抗体又は抗体断片と競合し、VH-2は、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:5のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:9のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、VL-2は、SEQ ID NO:85のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:20のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む。
【0104】
いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン構築体は、抗体部分を含み、前記抗体部分は、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、抗体部分は、スクレロスチンの結合エピトープについて第2の重鎖可変領域(VH-2)及び第2の軽鎖可変領域(VL-2)を含む抗体又は抗体断片と競合し、VH-2は、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:5のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:9のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、VL-2は、SEQ ID NO:86のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:20のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む。
【0105】
いくつかの実施形態において、前記VHは、i)SEQ ID NO:1~4及び12のいずれか1項のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、ii)SEQ ID NO:5~8及び13のいずれか1項のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、iii)SEQ ID NO:9~11及び14のいずれか1項のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、或いは、これらHC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、前記VLは、i)SEQ ID NO:15~17のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、ii)SEQ ID NO:18及び19のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、iii)SEQ ID NO:20及び21のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、或いは、これらLC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含む。
【0106】
いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン構築体は、抗体部分を含み、前記抗体部分は、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、VHは、SEQ ID NO:12のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:13のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:14のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、VL-2は、SEQ ID NO:15又は16のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:20のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む。
【0107】
いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン構築体は、抗体部分を含み、前記抗体部分は、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、VHは、i)SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、ii)SEQ ID NO:5のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、iii)SEQ ID NO:9のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、或いは、これらLC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、VLは、i)SEQ ID NO:15のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、ii)SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、iii)SEQ ID NO:20のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、或いは、これらLC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含む。いくつかの実施形態において、前記アミノ酸置換は、本願の表2に示される「例示的な置換」に限られる。いくつかの実施形態において、アミノ酸置換は、本願の表2に示される「好ましい置換」に限られる。いくつかの実施形態において、前記VHは、i)SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、ii)SEQ ID NO:5のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、iii)SEQ ID NO:9のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、VLは、i)SEQ ID NO:15のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、ii)SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、iii)SEQ ID NO:20のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態において、前記VHは、SEQ ID NO:87のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%(例えば、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%から選ばれる少なくとも任意の1つ)配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、前記VLは、SEQ ID NO:88のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%(例えば、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%から選ばれる少なくとも任意の1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含む。いくつかの実施形態において、前記VHは、SEQ ID NO:22のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%(例えば、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%から選ばれる少なくとも任意の1つ)配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、前記VLは、SEQ ID NO:23のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%(例えば、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%から選ばれる少なくとも任意の1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含む。いくつかの実施形態において、前記VHは、SEQ ID NO:26のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%(例えば、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%から選ばれる少なくとも任意の1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、前記VLは、SEQ ID NO:27のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%(例えば、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%から選ばれる少なくとも任意の1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含む。
【0108】
いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン構築体は、抗体部分を含み、前記抗体部分は、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、VHは、i)SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、ii)SEQ ID NO:6のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、iii)SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、又は、これらLC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、VLは、i)SEQ ID NO:15のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、ii)SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、iii)SEQ ID NO:20のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、又は、これらLC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含む。いくつかの実施形態において、前記アミノ酸置換は、本願の表2に示される「例示的な置換」に限られる。いくつかの実施形態において、アミノ酸置換は、本願の表2に示される「好ましい置換」に限られる。いくつかの実施形態において、前記VHは、SEQ ID NO:24のアミノ酸配列を含み、又は、80%(例えば、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%から選ばれる少なくとも任意の1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、前記VLは、SEQ ID NO:25のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%(例えば、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%から選ばれる少なくとも任意の1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含む。いくつかの実施形態において、前記VHは、SEQ ID NO:36のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%(例えば、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%から選ばれる少なくとも任意の1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、前記VLは、SEQ ID NO:37のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%(例えば、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%から選ばれる少なくとも任意の1つ)の配列同一性のアミノ酸配列を有する変異体を含む。
【0109】
いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン構築体は、抗体部分を含み、前記抗体部分は、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、VHは、i)SEQ ID NO:2のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、ii)SEQ ID NO:7のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、iii)SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、或いは、これらLC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、VLは、i)SEQ ID NO:15のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、ii)SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、iii)SEQ ID NO:20のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、或いは、これらLC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含む。いくつかの実施形態において、前記アミノ酸置換は、本願の表2に示される「例示的な置換」に限られる。いくつかの実施形態において、アミノ酸置換は、本願の表2に示される「好ましい置換」に限られる。いくつかの実施形態において、前記VHは、SEQ ID NO:28のアミノ酸配列を含み、或いは、少なくとも約80%(例えば、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%から選ばれる少なくとも任意の1つ)配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、前記VLは、SEQ ID NO:29のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%(例えば、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%から選ばれる少なくとも任意の1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含む。
【0110】
いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン構築体は、抗体部分を含み、前記抗体部分は、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、VHは、i)SEQ ID NO:2のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、ii)SEQ ID NO:6のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、iii)SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、或いは、これらLC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、VLは、i)SEQ ID NO:15のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、ii)SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、iii)SEQ ID NO:20のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、或いは、これらLC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含む。いくつかの実施形態において、前記アミノ酸置換は、本願の表2に示される「例示的な置換」に限られる。いくつかの実施形態において、アミノ酸置換は、本願の表2に示される「好ましい置換」に限られる。いくつかの実施形態において、前記VHは、SEQ ID NO:30のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%(例えば、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%から選ばれる少なくとも任意の1つ)の配列同一性のアミノ酸配列を有する変異体を含み、前記VLは、SEQ ID NO:31のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%(例えば、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%から選ばれる少なくとも任意の1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含む。
【0111】
いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン構築体は、抗体部分を含み、前記抗体部分は、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、VHは、i)SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、ii)SEQ ID NO:5のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、iii)SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、或いは、これらLC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、VLは、i)SEQ ID NO:16のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、ii)SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、iii)SEQ ID NO:20のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、或いは、これらLC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含む。いくつかの実施形態において、前記アミノ酸置換は、本願の表2に示される「例示的な置換」に限られる。いくつかの実施形態において、アミノ酸置換は、本願の表2に示される「好ましい置換」に限られる。いくつかの実施形態において、前記VHは、SEQ ID NO:32のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%(例えば、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%から選ばれる少なくとも任意の1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、前記VLは、SEQ ID NO:33のアミノ酸配列を含み、或いは、少なくとも約80%(例えば、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%から選ばれる少なくとも任意の1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する変異体を含む。
【0112】
いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン構築体は、抗体部分を含み、前記抗体部分は、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、VHは、i)SEQ ID NO:3のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、ii)SEQ ID NO:7のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、iii)SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、或いは、これらLC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、VLは、i)SEQ ID NO:15のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、ii)SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、iii)SEQ ID NO:20のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、或いは、これらLC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含む。いくつかの実施形態において、前記アミノ酸置換は、本願の表2に示される「例示的な置換」に限られる。いくつかの実施形態において、アミノ酸置換は、本願の表2に示される「好ましい置換」に限られる。いくつかの実施形態において、前記VHは、SEQ ID NO:34のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%(例えば、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%から選ばれる少なくとも任意の1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、前記VLは、SEQ ID NO:35のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%(例えば、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%から選ばれる少なくとも任意の1つ)の配列同一性のアミノ酸配列を有する変異体を含む。
【0113】
いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン構築体は、抗体部分を含み、前記抗体部分は、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、VHは、i)SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、ii)SEQ ID NO:5のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、iii)SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、或いは、これらLC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、VLは、i)SEQ ID NO:16のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、ii)SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、iii)SEQ ID NO:20のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、或いは、これらLC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含む。いくつかの実施形態において、前記アミノ酸置換は、本願の表2に示される「例示的な置換」に限られる。いくつかの実施形態において、アミノ酸置換は、本願の表2に示される「好ましい置換」に限られる。いくつかの実施形態において、前記VHは、SEQ ID NO:38のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%(例えば、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%から選ばれる少なくとも任意の1つ)配列同一性のアミノ酸配列の変異体を含み、前記VLは、SEQ ID NO:39のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%(例えば、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%から選ばれる少なくとも任意の1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含む。
【0114】
いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン構築体は、抗体部分を含み、前記抗体部分は、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、VHは、i)SEQ ID NO:4のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、ii)SEQ ID NO:8のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、iii)SEQ ID NO:11のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、或いは、これらLC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、VLは、i)SEQ ID NO:17のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、ii)SEQ ID NO:19のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、iii)SEQ ID NO:21のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、或いは、これらLC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含む。いくつかの実施形態において、前記アミノ酸置換は、本願の表2に示される「例示的な置換」に限られる。いくつかの実施形態において、アミノ酸置換は、本願の表2に示される「好ましい置換」に限られる。いくつかの実施形態において、前記VHは、SEQ ID NO:40のアミノ酸配列を含み、或いは、少なくとも約80%(例えば、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%から選ばれる少なくとも任意の1つ)の配列同一性のアミノ酸配列の変異体を含み、前記VLは、SEQ ID NO:41のアミノ酸配列を含み、或いは、少なくとも約80%(例えば、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%から選ばれる少なくとも任意の1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含む。
【0115】
いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン構築体は、抗体部分を含み、前記抗体部分は、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、VHは、i)SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、ii)SEQ ID NO:5のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、iii)SEQ ID NO:9のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、或いは、これらLC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、VLは、i)SEQ ID NO:85のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、ii)SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、iii)SEQ ID NO:20のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、或いは、これらLC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含む。いくつかの実施形態において、前記アミノ酸置換は、本願の表2に示される「例示的な置換」に限られる。いくつかの実施形態において、アミノ酸置換は、本願の表2に示される「好ましい置換」に限られる。いくつかの実施形態において、VHは、i)SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、ii)SEQ ID NO:5のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、iii)SEQ ID NO:9のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、VLは、i)SEQ ID NO:85のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、ii)SEQ ID NO:18アミノ酸配列のLC-CDR2、及び、iii)SEQ ID NO:20のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態において、前記VHは、SEQ ID NO:87のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%(例えば、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%から選ばれる少なくとも任意の1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、前記VLは、SEQ ID NO:89のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%(例えば、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%から選ばれる少なくとも任意の1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含む。
【0116】
いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン構築体は、抗体部分を含み、前記抗体部分は、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、VHは、i)SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、ii)SEQ ID NO:5のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、iii)SEQ ID NO:9のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、或いは、これらLC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、VLは、i)SEQ ID NO:86のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、ii)SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、iii)SEQ ID NO:20のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、或いは、これらLC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含む。いくつかの実施形態において、前記アミノ酸置換は、本願の表2に示される「例示的な置換」に限られる。いくつかの実施形態において、アミノ酸置換は、本願の表2に示される「好ましい置換」に限られる。いくつかの実施形態において、VHは、i)SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、ii)SEQ ID NO:5のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、iii)SEQ ID NO:9のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、VLは、i)SEQ ID NO:86のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、ii)SEQ ID NO:18アミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、iii)SEQ ID NO:20のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態において、前記VHは、SEQ ID NO:87のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%(例えば、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%から選ばれる少なくとも任意の1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、前記VLは、SEQ ID NO:90のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%(例えば、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%から選ばれる少なくとも任意の1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含む。
【0117】
いくつかの実施形態において、スクレロスチンを特異的に認識する抗体部分を含む抗スクレロスチン構築体であって、前記抗体部分は、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、
a)HC-CDR1、HC-CDR2及びHC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:22に示される配列を有するVHにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を含み、並びに、LC-CDR1、LC-CDR2及びLC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:23に示される配列を有するVLにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を含み、
b)HC-CDR1、HC-CDR2及びHC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:24に示される配列を有するVHにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を含み、並びに、LC-CDR1、LC-CDR2及びLC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:25に示される配列を有するVLにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を含み、
c)HC-CDR1、HC-CDR2及びHC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:26に示される配列を有するVHにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を含み、並びに、LC-CDR1、LC-CDR2及びLC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:27に示される配列を有するVLにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を含み、
d)HC-CDR1、HC-CDR2及びHC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:28に示される配列を有するVHにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を含み、並びに、LC-CDR1、LC-CDR2及びLC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:29に示される配列を有するVLにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を含み、
e)HC-CDR1、HC-CDR2及びHC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:30に示される配列を有するVHにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を含み、並びに、LC-CDR1、LC-CDR2及びLC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:31に示される配列を有するVLにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を含み、
f)HC-CDR1、HC-CDR2及びHC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:32に示される配列を有するVHにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を含み、並びに、LC-CDR1、LC-CDR2及びLC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:33に示される配列を有するVLにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を含み、
g)HC-CDR1、HC-CDR2及びHC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:34に示される配列を有するVHにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を含み、並びに、LC-CDR1、LC-CDR2及びLC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:35に示される配列を有するVLにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を含み、
h)HC-CDR1、HC-CDR2及びHC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:36に示される配列を有するVHにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を含み、並びに、LC-CDR1、LC-CDR2及びLC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:37に示される配列を有するVLにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を含み、
i)HC-CDR1、HC-CDR2及びHC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:38に示される配列を有するVHにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を含み、並びに、LC-CDR1、LC-CDR2及びLC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:39に示される配列を有するVLにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を含み、
j)HC-CDR1、HC-CDR2及びHC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:40に示される配列を有するVHにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を含み、並びに、LC-CDR1、LC-CDR2及びLC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:41に示される配列を有するVLにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を含み、
k)HC-CDR1、HC-CDR2及びHC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:87に示される配列を有するVHにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を含み、並びに、LC-CDR1、LC-CDR2及びLC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:88に示される配列を有するVLにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を含み、
l)HC-CDR1、HC-CDR2及びHC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:87に示される配列を有するVHにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を含み、並びに、LC-CDR1、LC-CDR2及びLC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:89に示される配列を有するVLにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を含み、或いは、
m)HC-CDR1、HC-CDR2及びHC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:87に示される配列を有するVHにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を含み、並びに、LC-CDR1、LC-CDR2及びLC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:90に示される配列を有するVLにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を含む、抗スクレロスチン構築体を提供する。
【0118】
いくつかの実施形態において、当該構築体は、全長抗体、二重特異性抗体、単鎖Fv(scFv)断片、Fab断片、Fab’断片、F(ab’)2、Fv断片、ジスルフィド結合安定化Fv断片(dsFv)、dsscFv、(dsFv)2、VHH、Fv-Fc融合、scFv-Fc融合、scFv-Fv融合、ダイアボディ(diabody)、トリボディ(tribody)及びテトラボディ(tetrabody)から選ばれる抗体又はその抗原結合断片を含み、或いは、この抗体又はその抗原結合断片である。
【0119】
いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン抗体部分は、全長抗体である。
【0120】
いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン抗体部分は、scFv又はdsscFvである。
【0121】
いくつかの実施形態において、前記抗スクレロスチン抗体部分は、IgG、IgA、IgD、IgE、IgM及びこれらの組み合わせ及びハイブリッドから選ばれる免疫グロブリンのFc断片を含む。いくつかの実施形態において、前記抗スクレロスチン抗体部分又は全長抗体は、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4及びこれらの組み合わせ及びハイブリッドから選ばれる免疫グロブリンのFc断片を含む。いくつかの実施形態において、前記Fc断片は、対応する野生型Fc断片と比較して低減されたエフェクター機能を有する。いくつかの実施形態において、前記Fc断片は、対応する野生型Fc断片と比較して増強されたエフェクター機能を有する。
【0122】
いくつかの実施形態において、抗体部分は、本明細書に記載のいずれかの抗体部分のヒト化抗体を含む。
【0123】
いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン構築体は、抗スクレロスチン融合タンパク質を含むか、或いは、抗スクレロスチン融合タンパク質である。
【0124】
いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン構築体は、多重特異性抗スクレロスチン構築体(例えば、二重特異性抗体)を含むか、又は、多重特異性抗スクレロスチン構築体(例えば、二重特異性抗体)である。
【0125】
いくつかの実施形態において、スクレロスチンは、ヒトスクレロスチンである。
【0126】
a)抗体親和性
【0127】
抗体部分の結合特異性は、当分野で知られている方法によって試験して決定することができる。このような方法は、Westernブロッティング、ELISA、RIA、ECL、IRMA、EIA、BLI、BIACORETMアッセイ及びペプチドスキャンを含むが、これらに限られない。
【0128】
いくつかの実施形態において、抗体部分とスクレロスチンとの間の結合のKDは、約10-7M~約10-12M、約10-7M~約10-8M、約10-8M~約10-9M、約10-9M~約10-10M,約10-10M~約10-11M、約10-11M~約10-12M、約10-7M~約10-12M、約10-8M~約10-12M、約10-9M~約10-12M、約10-10M~約10-12M,約10-7M~約10-11M、約10-8M~約10-11M、約10-9M~約10-11M、約10-7M~約10-10M、約10-8M~約10-10M、又は、約10-7M~約10-9Mである。いくつかの実施形態において、抗体部分とスクレロスチンとの間の結合のKDは、約10-7M、約10-8M、約10-9M、約10-10M、約10-11M、又は、約10-12Mのいずれかより高い。いくつかの実施形態において、スクレロスチンは、ヒトスクレロスチンである。いくつかの実施形態において、スクレロスチンは、カニクイザルスクレロスチンである。
【0129】
いくつかの実施形態において、抗体部分とスクレロスチンとの間の結合のKonは、約103M-1s-1~約108M-1s-1、約103M-1s-1~約104M-1s-1、約104M-1s-1~約105M-1s-1、約105M-1s-1~約106M-1s-1、約106M-1s-1~約107M-1s-1、又は、約107M-1s-1~約108M-1s-1である。いくつかの実施形態において、抗体部分とスクレロスチンとの間の結合のKonは、約103M-1s-1~約105M-1s-1、約104M-1s-1~約106M-1s-1、約105M-1s-1~約107M-1s-1、約106M-1s-1~約108M-1s-1、約104M-1s-1~約107M-1s-1、又は、約105M-1s-1~約108M-1s-1である。いくつかの実施形態において、抗体部分とスクレロスチンとの間の結合のKonは、103M-1s-1、104M-1s-1、105M-1s-1、106M-1s-1、107M-1s-1又は、108M-1s-1のいずれか以下。いくつかの実施形態において、スクレロスチンは、ヒトスクレロスチンである。いくつかの実施形態において、スクレロスチンは、カニクイザルスクレロスチンである。
【0130】
いくつかの実施形態において、抗体部分とスクレロスチンとの間の結合のKoffは、約1s-1~約10-6s-1、約1s-1~約10-2s-1、約10-2s-1~約10-3s-1、約10-3s-1~約10-4s-1、約10-4s-1~約10-5s-1、約10-5s-1~約10-6s-1、約1s-1~約10-5s-1、約10-2s-1~約10-6s-1、約10-3s-1~約10-6s-1、約10-4s-1~約10-6s-1、約10-2s-1~約10-5s-1、又は、約10-3s-1~約10-5s-1である。いくつかの実施形態において、抗体部分とスクレロスチンとの間の結合のKoffは、約1s-1、約10-2s-1、約10-3s-1、約10-4s-1、約10-5s-1又は約10-6s-1から選ばれる少なくとも1つである。いくつかの実施形態において、スクレロスチンは、ヒトスクレロスチンである。いくつかの実施形態において、スクレロスチンは、カニクイザルスクレロスチンである。
【0131】
いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン抗体部分又は抗スクレロスチン構築体の結合親和性は、(例えば、小さいKD値を有する)従来の抗スクレロスチン抗体(例えば、ロモソズマブ)より高い。
【0132】
b)キメラ抗体又はヒト化抗体
【0133】
いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン構築体(例えば、抗スクレロスチン抗体部分)は、キメラ抗体である。いくつかのキメラ抗体は、例えば、米国特許US4,816,567,及び、Morrison等,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,81:6851-6855(1984)に記載されている。いくつかの実施形態において、キメラ抗体は、非ヒト可変領域(例えば、マウス由来の可変領域)及びヒト定常領域を含む。いくつかの実施形態において、キメラ抗体は、前記クラス又はサブクラスが親抗体に比較して変化した「クラス切り替え」の抗体である。キメラ抗体は、その抗原結合断片を含む。
【0134】
いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン構築体(例えば、抗スクレロスチン抗体部分)は、ヒト化抗体である。通常、非ヒト抗体に対して、ヒトに対する免疫原性を低下させるために、ヒト化されているが、親の非ヒト抗体の特異性及び親和性は、保存されている。通常、ヒト化抗体は、1つ又は複数の可変ドメインを含み、HVR、例えば、CDR(又はその一部)は、非ヒト抗体に由来し、FR(又はその一部)は、ヒト抗体配列に由来する。ヒト化抗体は、任意にヒト定常領域の少なくとも一部をさらに含む。いくつかの実施形態において、ヒト化抗体におけるいくつかのFR残基は、例えば、抗体の特異性又は親和性を回復・向上させるために、非ヒト抗体からの対応する残基(例えば、HVR残基を誘導する抗体)で置換されている。
【0135】
ヒト化抗体及びその調製方法の概説は、例えば、Almagro and Fransson,Front.Biosci.13:1619-1633(2008)を参照され、そのさらなる説明については、例えば、Riechmann等,Nature 332:323-329(1988); Queen等,Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 86:10029-10033 (1989);米国特許US5,821,337、US7,527,791、US6,982,321、以及、US7,087,409;Kashmiri等,Methods 36:25-34(2005)(SDR(a-CDR)移植の説明);Padlan,Mol.Immunol.28:489-498(1991)(「再表面処理」の説明);Dall’Acqua等,Methods 36:43-60(2005)(「FRシャッフリング」の説明;及び、Osbourn等,Methods 36:61-68 (2005)及びKlimka等,Br.J.Cancer,83:252-260(2000)(FRシャッフリングの「誘導選択」方法の説明)を参照する。
【0136】
ヒト化に用いられるヒトフレームワーク領域は、「最適なフィッティング」方法を用いて選択されたフレームワーク領域(例えば、Sims等,J.Immunol.151:2296(1993)を参照)、軽鎖又は重鎖可変領域の特定のサブグループに由来するヒト抗体の共通配列のフレームワーク領域(例えば、Carter等,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,89:4285(1992);及び、Presta等,J.Immunol.,151:2623(1993)を参照)、ヒト成熟(体細胞の突然変異)フレームワーク領域又はヒト生殖系フレームワーク領域(例えば、Almagro and Fransson,Front.Biosci.13:1619-1633(2008)を参照)、及び、スクリーニングFRライブラリーに由来するフレームワーク領域(例えば、Baca等,J.Biol.Chem.272:10678-10684(1997)、及び、Rosok等,J.Biol.Chem.271:22611-22618(1996)を参照)を含むが、これらに限られない。
【0137】
マウス由来抗体のヒト化は、公知的な、通常に使用されている技術であることが理解されるべきである。従って、配列表に開示の抗スクレロスチン抗体のヒト化形態のいずれか及びすべては、前臨床又は臨床環境に使用可能であることが理解されるべきである。このような前臨床又は臨床環境において、引用された抗スクレロスチン抗体又はその抗原結合領域のヒト化形態のいずれかを使用する場合、その時点のヒト化形態は、元の非ヒト化形態と同様又は類似の生物学的活性及び特徴を有すると予想される。
【0138】
c)ヒト抗体
【0139】
いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン構築体(例えば、抗スクレロスチン抗体部分)は、ヒト抗体(ヒトドメイン抗体又はヒトdAbと称される)である。ヒト抗体は、当分野で知られている様々な技術を使用して生成することができる。ヒト抗体の説明について、通常、van Dijk and van de Winkel,Curr.Opin.Pharmacol.5:368-74(2001),Lonberg,Curr,Opin.Immunol.20:450-459(2008)、及び、Chen,MolImmunol.47(4):912-21(2010)を参照する。完全ヒトシングルドメイン抗体(又はsdAb)を産生することができるトランスジェニックマウス又はラットは、当分野で知られているものである。例えば、US20090307787A1、米国特許US8,754,287、US20150289489A1、US20100122358A1、及び、WO2004049794を参照する。
【0140】
ヒト抗体(例えば、ヒトdAbs)は、抗原誘発に対して完全なヒト抗体又はヒト可変領域を有する完全な抗体を産生するように、改変されたトランスジェニック動物に免疫原を投与することで調製することができる。これらの動物は、通常、ヒト免疫グロブリン部位の全部又は一部を含有し、内因性免疫グロブリン部位を置換するか、染色外部に存在するか、又は、動物染色体にランダムに組み込まれている。このようなランスジェニックマウスにおいて、内因性免疫グロブリン部位は、通常、不活化される。ランスジェニック動物からヒト抗体を得る方法についての概説は,Lonberg,Nat.Biotech.23:1117-1125(2005)を参照する。また、例えば、XENOMOUSETMという技術が記載された米国特許US6,075,181及びUS6,150,584、HuMab(登録商標)という技術が記載された米国特許US5,770,429、K-M MOUSE(登録商標)という技術が記載された米国特許US7,041,870、及び、VelociMouse(登録商標)という技術が記載された米国特許出願の公開公報US2007/0061900を参照する)。このような動物に産生された完全な抗体に由来するヒト可変領域は、例えば、異なるヒト定常領域に結合することで、さらに改変することができる。
【0141】
ヒト抗体(例えば、ヒトdAbs)は、ハイブリドーマによる方法によって調製することができる。ヒトモノクローナル抗体を産生するためのヒト骨髄腫及びマウス-ヒト異種骨髄腫細胞株が記載されている(例えば、Kozbor J.Immunol.,133:3001(1984)、Brodeur等,Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications,pp.51-63(Marcel Dekker,Inc.,New York,1987)、及び、Boerner等,J.Immunol.,147:86(1991)を参照する)。ヒトB細胞ハイブリドーマ技術によって産生されたヒト抗体の記載について、Li等,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,103:3557-3562(2006)も参照してもよい。他の方法は、例えば、米国特許US7,189,826(ハイブリドーマ細胞株を利用するヒトモノクローナルIgM抗体の産生の記述)及びNi,Xiandai Mianyixue,26(4):265-268(2006)(ヒト-ヒトハイブリドーマが記載される)に記載されている方法も参照してもよい。ヒトハイブリドーマ技術(Trioma技術)の記載は、Vollmers and Brandlein,Histology and Histopathology,20(3):927-937(2005)、及び、Vollmers and Brandlein、Methods and Findings in Experimental and Clinical Pharmacology,27(3):185-91(2005)も参照してもよい。
【0142】
ヒト抗体(例えば、ヒトdAbs)は、また、ヒトのファージディスプレイライブラリーから選択されるFvクローン可変ドメイン配列を単離することで生成され得る。その後、このような可変ドメイン配列を、理想的なヒト定常ドメインと組み合わせることができる。抗体ライブラリーからヒト抗体を選択する技術は、以下のとおりである。
【0143】
d)ライブラリー由来抗体
【0144】
本明細書に記載の抗スクレロスチン抗体部分は、コンビナトリアルライブラリーをスクリーニングすることで、所望の活性又は活性を有する抗体を単離することができる。例えば、理想的な結合特性を有する抗体を得るためにファージディスプレイライブラリーを作製し、このようなライブラリーをスクリーニングする様々な方法は。当分野で知られているものである。このような方法の概説は、例えば、Hoogenboom等.Methods in Molecular Biology 178:1-37(O’Brien等,ed.,Human Press、Totowa、NJ,2001)を参照し、更なる記載は、例えば、McCafferty等,Nature 348:552-554、Clackson等,Nature 352:624-628(1991);Marks等,J.Mol.Biol.222:581-597(1992);Marks and Bradbury,Methods in Molecular Biology 248:161-175(Lo,ed.,Human Press、Totowa,NJ,2003);Sidhu等,J.Mol.Biol.338(2):299-310(2004);Lee等,J.Mol.Biol.340(5):1073-1093(2004);Fellouse、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 101(34):12467-12472(2004);及び、Lee等,J.Immunol.Methods 284(1-2):119-132(2004)を参照する。シングルドメイン抗体ライブラリーを構築する方法は、既に記載されており、例えば、米国特許US7371849を参照する。
【0145】
いくつかのファージディスプレイ方法において、例えば、Winter等,Ann.Rev.Immunol.,12:433-455(1994)に記載されるように、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によってVH及びVL遺伝子ライブラリーをそれぞれクローニングし、ファージライブラリーにおいてランダムに組換え、次いで、抗原結合ファージをスクリーニングする。ファージは、通常、scFv断片又はFab断片の態様で抗体断片をディスプレイする。免疫由来ライブラリーは、ハイブリドーマの構築を必要とせず、免疫原に対する親和性の高い抗体を提供する。或いは、例えば、Griffiths等,EMBO J,12:725-734(1993)に記載されるように、いかなる免疫を行わず、天然ライブラリー(例えば、ヒト)をクローニングし、広い範囲にある非自己抗原及び自己抗原に対する単一由来の抗体を提供する。最後に、例えば、Hoogenboom and Winter,J.Mol.Biol.,227:381-388(1992)に記載されるように、天然ライブラリーは、幹細胞から再配列されていないV遺伝子断片をクローニングし、ランダム配列を含むPCR引物を用い、超可変CDR3区域をコードし、インビトロで再配列を完了することで合成することができる。ヒト抗体ファージライブラリーが記載された特許公開明細書は、例えば、米国特許US5,750,373及び米国特許公開明細書US2005/0079574、US2005/0119455、US2005/0266000、US2007/0117126、US2007/0160598、US2007/0237764、US2007/0292936及びUS2009/0002360を含む。
【0146】
ヒト抗体ライブラリーから単離された抗体又は抗体断片は、本明細書におけるヒト抗体又はヒト抗体断片であると見なされる。
【0147】
e)置換、挿入、欠失及び変異体
【0148】
いくつかの実施形態において、1つ又は複数のアミノ酸置換を有する抗体変異体を提供する。注目すべき置換変異部位は、HVR(又はCDR)及びFRを含む。保存的置換は、表2の「好ましい置換」の項に見られる。より実質的な変化は、表2の「例示的な置換」の項に提供され、以下、アミノ酸側鎖の種類を参照しながら詳しく説明する。アミノ酸置換を標的抗体に導入し、生成物に対して、理想的な活性のスクリーニング、例えば、抗原結合の保持/改善、免疫原性の低減、又は、ADCC或いはCDCの改善を行うことができる。
【0149】
【0150】
アミノ酸は、一般的な側鎖の性質に応じて下記の群に分けられる。(1)疎水性:ノルロイシン、Met、Ala、Val、Leu、Ile;(2)中性親水性:Cys、Ser、Thr、Asn、Gln;(3)酸性:Asp、Glu;(4)塩基性:His、Lys、Arg;(5)主鎖のコンフォメーションに影響を及ぼす残基:Gly、Pro;(6)芳香族:Trp、Tyr、Phe。
【0151】
非保存的置換は、1クラスにおける1つのメンバーを別のクラスに置き換えることを必要とする。
【0152】
1つのタイプの置換変異体は、親抗体の1つ又は複数の超可変領域残基(例えば、ヒト化抗体又はヒト抗体)の置換に関する。通常、さらなる研究のために選択され、得られた変異体は、親抗体に対してある生物学的特性(例えば、親和性の増加、免疫原性の低下)を改変(例えば、改善)させ、及び/又は、親抗体のある生物学的特性を実質的に保持させた。例示的な置換変異体は、例えば、本明細書に記載のファージディスプレイに基づく親和性成熟技術を使用して生成しやすい、親和性成熟抗体である。要するに、1つ又は複数のHVR残基が突然変異し、ファージにディスプレイされ、並びに、特定の生物学的活性(例えば、結合親和性)に対して選択された変異体抗体である。
【0153】
改変(例えば、置換)は、HVRにおいて行ってもよく、例えば、抗体親和性を向上させることができる。このような改変は、HVR「ホットスポット」、即ち、体細胞成熟過程中に高頻度で突然変異を生じるコドンにコードされる残基(例えば、Chowdhury,Methods Mol.Biol.207:179-196(2008)を参照する)、及び/又は、SDR(a-CDR)において行ってもよく、得られた変異体VH又はVLの結合親和性を検出する。二次ライブラリーを構築し、このライブラリーから再選択することで親和性成熟を獲得することに関する記載は、例えば、Hoogenboom等,Methods in Molecular Biology 178:1-37 (O’Brien等,ed.,Human Press,Totowa,NJ,(2001)を参照する)。親和性成熟のいくつかの実施形態において、様々な方法(例えば、エラープローンPCR、チェーンシャッフリング、又は、オリゴヌクレオチド特異的突然変異誘発)のいずれかによって多様性を成熟のために選択された可変遺伝子に導入する。そして、二次ライブラリーを構築する。その後、二次ライブラリーをスクリーニングし、理想的な親和性を有する任意の抗体変異体を同定する。多様性を導入するためのもう1つの方法は、幾つかのHVR残基 (例えば、4~6個の残基ごと)がランダムに群に分けられる、HVR配合法に関する。抗原結合に関与するHVR残基は、例えば、アラニンスキャニング突然変異誘発又はモデリングを用いて、特異的に同定され得る。特に、CDR-H3及びCDR-L3は、通常、標的化されている。
【0154】
いくつかの実施形態において、置換、挿入又は欠失は、このような改変が抗体の抗原結合能力を著しく低下させない限り、1つ又は複数のHVRにおいて生じ得る。例えば、保存的改変(例えば、本明細書に提供される保存的置換)は、結合親和性を著しく低下させず、HVRにおいて行うことができる。このような改変は、HVR「ホットスポット」又はCDRの外部にある可能性がある。
【0155】
突然変異誘発を標的とする可能性のある抗体残基又は領域を同定する1つの有用な方法は、「アラニンスキャニング突然変異誘発」と称され、例えば、Cunningham and Wells(1989)Science,244:1081-1085に記載されている。当該方法において、1つの残基又は1セットの標的残基(例えば、Arg、Asp、His、Lys及びGluなどの荷電残基)が同定され、中性又は負帯電のアミノ酸(例えば、アラニン又はポリアラニン)に置換され、これにより、抗体と抗原との相互作用に影響を与えるかどうかを決定する。アミノ酸位置に更なる置換を導入し、最初の置換に対する機能的感受性を実証する。あるいは、又は、さらに、抗体と抗原との接触点を決定するために、抗原抗体複合体の結晶構造。これら接触残基及び隣接残基は、置換の候補として標的化され、又は、除去され得る。複数の変異体をスクリーニングして、これらが所望の特性を有するかどうかを決定することができる。
【0156】
アミノ酸配列挿入は、長さが1つの残基から100つ又は複数の残基を含むポリペプチドまでのアミノ末端及び/又はカルボキシル末端の融合、及び、単一の又は複数のアミノ酸残基の配列内への挿入を含む。末端挿入の例としては、N末端メチオニル残基を有する抗体を含む。抗体分子の他の挿入変異体は、抗体と酵素のN末端又はC末端(例えば、ADEPTに対する)との融合、又は、抗体血清半減期を増加させるポリペプチドを含む。
【0157】
f)グリコシル化変異体
【0158】
いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン構築体(例えば、抗スクレロスチン抗体部分)が、構造的グリコシル化の程度を増加又は減少させるように変化される。アミノ酸配列を変化させて1つ又は複数のグリコシル化部位を作成又は削除させることで、抗体グリコシル化部位の付加又は削除の実現を容易にすることができる。
【0159】
抗体部分がFc領域を含む場合、これに付着される炭水化物を変化させることができる。哺乳動物細胞から産生される天然抗体は、通常、分岐した二分岐のオリゴ糖を1つ含み、当該オリゴ糖は、通常、N-結合によってFc領域CH2ドメインのAsn297に付着される。例えば、Wright等.TIBTECH 15:26-32(1997)を参照する。オリゴ糖は、様々な炭水化物、例えば、マンノース、N-アセチルグルコサミン(GlcNAc)、ガラクトース及びシアル酸、及び二分岐のオリゴ糖構造における「ステム」に付着されるGlcNAcのフコースを含んでもよい。いくつかの実施形態において、改善されたある特性を有する抗体変異体を産生するために、抗体部分におけるオリゴ糖を改変させることができる。
【0160】
いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン構築体(例えば、抗スクレロスチン抗体部分)は、Fc領域に(直接的又は間接的に)付着されたフコースを欠く炭水化物構造を有する。例えば、このような抗体におけるフコースの量は1%~80%、1%~65%、5%~65%又は20%~40%であってもよい。例えば、WO2008/077546に記載されるように、MALDI-TOF質量分析法によって測定されたAsn297に付着されたすべての糖構造の総計(例えば、複合体、ヘテロ複合体及びハイマンノース構造)に対するAsn297糖鎖におけるフコースの平均量を計算することで、フコースの量を測定する。Asn297とは、Fc領域の約297位に位置するアスパラギン残基(Fc領域における残基のEU番号付け)を指し、しかしながら、Asn297は、297位の上流又は下流の約±3つのアミノ酸の箇所に位置する可能性もあり、即ち、抗体の軽微な配列変動のため、294位と300位の間にある。このようなフコシル化変異体は、改善されるADCC機能を有する可能性がある。米国特許公開公報US 2003/0157108(Presta,L.);US2004/0093621(Kyowa Hakko Kogyo Co.,Ltd)を参照する。「脱フコシル化」又は、「フコース欠損」抗体変異体に関する公開公報の例として、US2003/0157108;WO2000/61739;WO2001/29246;US2003/0115614;US2002/0164328;US2004/0093621;US2004/0132140;US2004/0110704;US2004/0110282;US2004/0109865;WO2003/085119;WO2003/084570;WO2005/035586;WO2005/0357778;WO2005/053742;WO2002/031140;Okazaki等,J.Mol.Biol.336:1239-1249(2004);Yamane-Ohnuki等,Biotech.Bioeng.87:614(2004)がある。脱フコシル化抗体を産生できる細胞株の例として、タンパク質フコシル化欠損Lec13 CHO細胞(Ripka等,Arch.Biochem.Biophys.249:533-545(1986);米国特許出願US2003/0157108A1;Presta、L及びWO2004/056312A1;Adams等,特に例11)において、及びノックアウト細胞株、例えば、α-1,6-フコシルトランスフェラーゼ遺伝子、FUT8、-ノックアウトCHO細胞(例えば、Yamane-Ohnuki等, Biotech.Bioeng.87:614(2004); Kanda、Y.等, Biotechnol.Bioeng, 94(4):680-688(2006)及びWO2003/085107を参照する)がある。
【0161】
いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン構築体(例えば、抗スクレロスチン抗体部分)は、二分したオリゴ糖を有し、例えば、抗体のFc領域に付着された二分岐のオリゴ糖がGlcNAcに二分されている。このような抗体変異体は、低下されたフコシル化及び/又は改善されたADCC機能を有し得る。このような抗体変異体の例示的な記載は、例えば、WO2003/011878(Jean-Mairet等)、米国特許US6,602,684(Umana等)及びUS2005/0123546(Umana等)を参照する。さらにFc領域に付着されたオリゴ糖に少なくとも1つのガラクトース残基を有する抗体変異体を提供する。このような抗体変異体は、改善されたCDC機能を備える可能性がある。このような抗体変異体の記述は、例えば、WO1997/30087(Patel等)、WO1998/58964(Raju,S.)及びWO1999/22764(Raju,S.)を参照する。
【0162】
g)Fc領域変異体及び軽鎖定常領域変異体
いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン構築体(例えば、抗スクレロスチン抗体部分)は、Fc断片を含む。
【0163】
「Fc領域」、「Fcドメイン」、「Fc断片」又は「Fc」という用語は、定常領域の少なくとも一部を含む免疫グロブリン重鎖のC末端非抗原結合領域を指す。当該用語は、天然Fc領域及び変異体Fc領域を含む。いくつかの実施形態において、ヒトIgG重鎖Fc領域は、Cys226から重鎖のカルボキシル末端まで伸びる。しかしながら、Fc領域のC末端リジン(Lys447)は、Fc領域の構造又は安定性に影響を与えず、存在しても存在しなくてもよい。本明細書で特に断らない限り、IgG又はFc領域におけるアミノ酸残基の番号付けは、Kabat等,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health, Bethesda,MD, 1991に記載の、EUインデックスとも呼ばれる抗体のEU番号付け方式に基づくものである。
【0164】
いくつかの実施形態において、Fc断片は、IgG、IgA、IgD、IgE、IgMのFc断片及びこれらの組み合わせ及びハイブリッドから選ばれる1種である免疫グロブリンに由来する。いくつかの実施形態において、Fc断片は、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4及びこれらの組み合わせ及びハイブリッドから選ばれる1種である免疫グロブリンに由来する。
【0165】
いくつかの実施形態において、前記Fc断片は、対応する野生型Fc断片と比較して低減されたエフェクター機能を有する。(例えば、抗体依存性細胞傷害(ADCC)レベルによって測定される、少なくとも約30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%又は95%の低減したエフェクター機能)。
【0166】
いくつかの実施形態において、Fc断片とは、IgG1 Fc断片を指す。いくつかの実施形態において、IgG1 Fc断片は、L234A突然変異及び/又はL235A突然変異を含む。いくつかの実施形態において、Fc断片とは、IgG2又はIgG4 Fc断片を指す。いくつかの実施形態において、Fc断片とは、S228P、F234A及び/又はL235A突然変異を含むIgG4Fc断片を指す。いくつかの実施形態において、Fc断片は、N297A突然変異を含む。いくつかの実施形態において、Fc断片は、N297G突然変異を含む。
【0167】
いくつかの実施形態において、Fc領域変異体を産生させるように、1種又は複数種のアミノ酸改変を抗体部分のFc領域に導入してもよい。Fc領域変異体は、1つ又は複数のアミノ酸位置の1つアミノ酸改変(例えば、置換)を含むヒトFc領域配列(例えば、ヒトIgG1、IgG2、IgG3又はIgG4 Fc領域)を含んでもよい。いくつかの実施形態において、Fc断片は、ラットFc領域配列(例えば、ラットIgG2 Fc)又はマウスFc領域配列(例えば、マウスIgG1 Fc)に由来する。
【0168】
いくつかの実施形態において、Fc断片は、ヒトIgG2 Fc領域を含む。
【0169】
いくつかの実施形態において、Fc断片は、ヒトIgG4 Fc領域を含む。いくつかの実施形態において、Fc断片は、S228P、T366W、及び、任意にH435、及び、任意にY436Fから選ばれる1つ又は複数(例えば、2つ、3つ又は4つ)の置換を含む改変ヒトIgG4重鎖Fc領域を含む。特に断らない限り、本明細書に記載の改変の番号付けは、EUインデックスに基づくものである。いくつかの実施形態において、Fc断片は、S228P、T366W、及び、任意にH435R、及び、任意にY436Fを含む改変ヒトIgG4重鎖Fc領域を含む。いくつかの実施形態において、Fc断片は、F126C、L128C、C131S、F170C、P161C、V173C、S228P、T366S、L368A、及び、Y407V、及び、任意にH435、及び、任意にY436Fから選ばれる1つ又は複数(例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、又は、6つ)の置換を含む改変ヒトIgG4重鎖Fc領域を含む。いくつかの実施形態において、前記Fc断片は、a)C131S、S228P、T366S、L368A、及びY407V、b)F126C、L128C、F170C、P161C及びV173Cから選ばれる1つの置換、及び、c)任意にH435R、及び、任意にY436Fを含む改変ヒトIgG4重鎖Fc領域を含む。いくつかの実施形態において、Fc断片は、F126C、C131S、S228P、T366S、L368A及びY407V、及び、任意にH435R、及び、任意にY436Fから選ばれる1つ又は複数(例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、又は、6つ)の置換を含む改変ヒトIgG4重鎖Fc領域を含む。いくつかの実施形態において、Fc断片は、F126C、C131S、S228P、T366S、L368A、及びY407V、及び、任意にH435R、及び、任意にY436Fを含む改変ヒトIgG4重鎖Fc領域を含む。いくつかの実施形態において、前記Fc断片は、L128C、C131S、S228P、T366S、L368A及びY407V、及び、任意にH435R、及び、任意にY436Fを含む改変ヒトIgG4重鎖Fc領域を含む。いくつかの実施形態において、Fc断片は、C131S、F170C、S228P、T366S、L368A及びY407V、及び、任意にH435R、及び、任意にY436Fを含む改変ヒトIgG4重鎖Fc領域を含む。いくつかの実施形態において、Fc断片は、C131S、V173C、S228P、T366S、L368A、Y407V及び、任意にH435R、及び、任意にY436Fを含む改変ヒトIgG4重鎖Fc領域を含む。いくつかの実施形態において、前記Fc断片は、C131S、P171C、S228P、T366S、L368A、及びY407V、及び、任意にH435R、及び、任意にY436Fを含む改変ヒトIgG4重鎖Fc領域を含む。
【0170】
いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン構築体は、Fc断片を含み、前記Fc断片は、a)S228P、T366Wを含む第1の改変したヒトIgG4重鎖Fc領域、b)第2の改変したヒトIgG4重鎖Fc領域、を含み、前記第2の改変したヒトIgG4重鎖Fc領域は、a)C131S、S228P、T366S、L368A、Y407V、及び、任意にH435R、及び、任意にY436F、及びb)F126C、L128C、F170C、P161C及びV173Cから選ばれる一つの置換を含む。
【0171】
いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン構築体は、Fc断片を含み、前記Fc断片は、a)第1の改変したヒトIgG4重鎖Fc領域、及びb)第2の改変したヒトIgG4重鎖Fc領域を含み、前記第1の改変したヒトIgG4重鎖Fc領域は、S228P、T366Wを含み、前記第2の改変したヒトIgG4重鎖Fc領域は、F126C、C131S、S228P、T366S、L368A、Y407V、H435R及びY436Fを含む。
【0172】
いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン構築体は、Fc断片を含み、前記Fc断片は、a)第1の改変したヒトIgG4重鎖Fc領域、及び、b)第2の改変したヒトIgG4重鎖Fc領域を含み、前記第1の改変したヒトIgG4重鎖Fc領域は、S228P、T366Wを含み、前記第2の改変したヒトIgG4重鎖Fc領域は、L128C、C131S、S228P、T366S、L368A、Y407V、H435R及びY436Fを含む。
【0173】
いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン構築体は、Fc断片を含み、前記Fc断片は、a)第1の改変したヒトIgG4重鎖Fc領域、及び、b)第2の改変したヒトIgG4重鎖Fc領域を含み、前記第1の改変したヒトIgG4重鎖Fc領域は、S228P、T366Wを含み、前記第2の改変したヒトIgG4重鎖Fc領域は、C131S、F170C、S228P、T366S、L368A、Y407V、H435R及びY436Fを含む。
【0174】
いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン構築体は、Fc断片を含み、前記Fc断片は、a)第1の改変したヒトIgG4重鎖Fc領域、及び、b)第2の改変したヒトIgG4重鎖Fc領域を含み、前記第1の改変したヒトIgG4重鎖Fc領域は、S228P、T366Wを含み、前記第2の改変したヒトIgG4重鎖Fc領域は、C131S、V173C、S228P、T366S、L368A、Y407V、H435R及びY436Fを含む。
【0175】
いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン構築体は、Fc断片を含み、前記Fc断片は、a)第1の改変したヒトIgG4重鎖Fc領域、及び、b)第2の改変したヒトIgG4重鎖Fc領域を含み、前記第1の改変したヒトIgG4重鎖Fc領域は、S228P、T366Wを含み、前記第2の改変したヒトIgG4重鎖Fc領域は、C131S、F171C、S228P、T366S、L368A、Y407V、H435R及びY436Fを含む。
【0176】
いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン構築体は、ヒトIgκ軽鎖定常領域を含む。いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン構築体は、F118C、S121C、Q160C、S162C、S176C及び/又はC214Sを有する改変したヒトIgκ軽鎖定常領域を含む。いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン構築体は、S121C及びC214Sを有する改変したヒトIgκ軽鎖定常領域を含む。いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン構築体は、F118C及びC214Sを有する改変したヒトIgκ軽鎖定常領域を含む。いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン構築体は、S176C及びC214Sを有する改変したヒトIgκ軽鎖定常領域を含む。いくつかの実施形態において、前記抗スクレロスチン構築体は、Q160C及びC214Sを有する改変したヒトIgκ軽鎖定常領域を含む。いくつかの実施形態において、前記抗スクレロスチン構築体は、S162C及びC214Sを有する改変したヒトIgκ軽鎖定常領域を含む。
【0177】
いくつかの実施形態において、Fc断片は、エフェクター機能の一部を保有しているが、エフェクター機能の全てを保有せず、これにより、いくつかの適用において、望ましい候補になる。これら適用において、抗体部分のインビボでの半減期が重要であるが、いくつかのエフェクター機能(例えば、補体及びADCC)が不要であるか、又は、有害である。CDC及び/又はADCC活性の低下/枯渇を確認するために、インビトロ及び/又はインビボでの細胞毒性アッセイを実施することができる。例えば、抗体のFcγR結合を欠く(従って、ADCC活性を欠くおそれがある)が、FcRn結合能を保持することを確保するために、Fc受容体(FcR)結合アッセイを実施することができる。ADCCを媒介するための初代細胞であるNK細胞は、FcγRIIIのみを発現するが、単球は、FcγRI、FcγRII及びFcγRIIIを発現する。造血細胞におけるFcR発現は、表2にまとめる(Ravetch and Kinet,Annu Rev.Immunol.9:457-492(1991)464ページ。標的分子のADCC活性を評価するためのインビトロアッセイの例は、米国特許第5,500,362号(例えば、Hellstrom,I.等, Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 83:7059-7063(1986)を参照する)及びHellstrom,I等,Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 82:1499-1502(1985)、5,821,337(Bruggemann,M.等,J.Exp.Med.166:1351-1361(1987)を参照する)に記載されているが、これらに限定されない。又は、非放射性アッセイ方法(例えば、フローサイトメトリーのACTITMによる非放射性細胞傷害アッセイ(Cell Technology,Inc.Mountain View,CA、及び、CytoTox96(登録商標)による非放射性細胞傷害アッセイ(Promega,Madison,WI)を採用してもよい。このようなアッセイに使用されるエフェクター細胞は、末梢血単球(PBMC)及びナチュラルキラー(NK)細胞を含む。あるいは、又は、さらに、標的分子のADCC活性をインビボで、例えば、Clynes等, Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 95:652-656(1998)に開示される動物モデルにおいて、評価することができる。さらに、抗体がC1qに結合することができないこと、及び、これによるCDC活性の欠如を確認するために、C1q結合アッセイを実施することもできる。例えば、WO2006/029879及びWO2005/100402におけるC1q及びC3cとELISAとの結合を参照する。補体活性化を評価するために、CDCアッセイを行うことができる(例えば、Gazzano-Santoro等,J.Immunol.Methods 202:163(1996)、Cragg,M.S.等, Blood 101:1045-1052(2003)、及び、Cragg,M.S. and M.J. Glennie,Blood 103:2738-2743(2004)を参照する)。FcRn結合及びインビボでのクリアランス/半減期の測定は、当分野で知られている方法を使用して実施することもできる(例えば、Petkova,S.B.等,Int’l.Immunol.18(12):1759-1769(2006)を参照する)。
【0178】
エフェクター機能の低下された抗体は、Fc領域における残基238、265、269、270、297、327及び329中の1つ又は複数が置換された抗体(米国特許US第6,737,056号)を含む。このようなFc突変異体は、アミノ酸265位、269位、270位、297位及び327位中の2つ又は複数が置換されたFc突変異体を含み、残基265及び297がアラニンに置換された、いわゆる「DANA」Fc突変異体(米国特許US 7,332,581)を含む。いくつかの実施形態において、Fc断片は、N297A突然変異を含む。いくつかの実施形態において、Fc断片は、N297G突然変異を含む。
【0179】
FcRに対する結合の改善又は減少された特定の抗体変異体が記載されている(例えば、米国特許6,737,056、WO2004/056312、及び、Shields等,J.Biol.Chem.9(2):6591-6604(2001).を参照する)。
【0180】
いくつかの実施形態において、Fc断片とは、IgG1Fc断片を指す。いくつかの実施形態において、IgG1Fc断片は、L234A突然変異及び/又はL235A突然変異を含む。いくつかの実施形態において、Fc断片とは、IgG2又はIgG4Fc断片を指す。いくつかの実施形態において、Fc断片は、S228P、F234A及び/又はL235A突然変異を含むIgG4Fc断片である。
【0181】
いくつかの実施形態において、抗体部分は、ADCCが改善された1つ又は複数アミノ酸置換を有するFc領域、例えば、Fc領域における298位、333位及び/又は334位の置換(残基のEU番号付け)を含む。
【0182】
いくつかの実施形態において、例えば、米国特許US6,194,551、WO99/51642及びIdusogie等, J.Immunol.164:4178-4184(2000)に記載されているように、Fc領域において、C1q結合及び/又は補体依存性細胞毒性(CDC)の改変(即ち、改善又は低減)を行う。
【0183】
いくつかの実施形態において、前記抗体部分変異体は、変異体Fc領域を含み、前記変異体Fc領域は、半減期を改変するアミノ酸置換、及び/又は、新生児Fc受容体(FcRn)への結合を改変するアミノ酸置換を含む。半減期を増加させ、新生児Fc受容体(FcRn)への結合を改善させた抗体は、US2005/0014934A1(Hinton等)に記載されており、前記新生児Fc受容体は、母体のIgGを胎児に転移することを担う(Guyer等,J.Immunol.117:587 (1976)及びKim等,J.Immunol.24:249(1994))。これら抗体は、Fc領域とFcRnとの結合を変化させた、1つ又は複数の置換を有するFc領域を含む。このようなFc変異体は、250位、252位、254位、256位、307位、308位、428位、434位(米国特許US7,371,826)の1つ又は複数のFc領域残基の箇所に置換を有する変異体を含み、M428L及びN434Sを有する、いわゆる「LS」Fc突変異体(WO2009/086320)を含み、並びに、M252Y、S254T及びT256Eを有する、いわゆる「YTE」Fc突変異体(WO 2002/060919)を含む。
【0184】
また、Duncan & Winter,Nature 322:738-40 (1988)、米国特許US5,648,260、米国特許US5,624,821、及び、Fc領域変異体に関する他の例であるWO94/29351を参照する。
【0185】
h)システイン操作抗体変異体
【0186】
いくつかの実施形態において、システイン操作抗体部分、例えば、抗体の1つ又は複数の残基がシステイン残基に置換された「thioMAbs」を産生する必要がある。具体的な実施形態において、置換される残基は、抗体の接近可能部位に位置する。システインでこれらの残基を置換することで、反応性チオール基は、抗体の接近可能部位に位置つけられさせ、本明細書にさらに記載するように、抗体-薬物コンジュゲートを生成するように、抗体を他の部分(例えば、薬物部分又はリンカー薬物部分)にカップリングすることができる。いくつかの実施形態において、重鎖のA118(EU番号付け)、及び、重鎖Fc領域のS400(EU番号付け)という残基中の1つ又は複数は、システインに置換される。システイン操作抗体部分は、例えば、米国特許US7,521,541に記載されるように生成される。
【0187】
i)抗体誘導体
【0188】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の抗体部分は、当分野で公知であり、容易に入手可能な他の非タンパク質部分を含むように、さらに改変されてもよい。抗体誘導体化に適した部分は、水溶性ポリマーを含むが、これらに限定されない。水溶性ポリマーの非限定的な例として、ポリエチレングリコール(PEG)、エチレングリコール/プロピレングリコールのコポリマー、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ-1,3-ジオキソラン、ポリ-1,3,6-トリオキサン、エチレン/無水マレイン酸コポリマー、ポリアミノ酸(ホモポリマー又はランダムコポリマー)、デキストラン又はポリ(N-ビニルピロリドン)ポリエチレングリコール、プロピレングリコールホモポリマー、プロピレングリコール/プロピレンオキシド/エチレンオキシドコポリマー、ポリオキシエチル化ポリオール(例えば、グリセロール)、ポリビニルアルコール及びその混合物を含むが、これらに限定されない。ポリエチレングリコールプロピオンアルデヒドは、水における安定性のために、製造において利点を有し得る。ポリマーは、任意の分子量を有し得、分枝状又は非分枝状であってもよい。抗体に付着されるポリマーの数は、変わってもよく、1種以上のポリマーが付着されると、同一の分子であっても異なる分子であってもよい。一般的に、誘導体化に使用されるポリマーの数及び/又は種類は、以下の基準に基づいて決定されてもよく、例えば、改善されるべき抗体の具体的な特性又は機能、抗体誘導体が規定の条件で診断に使用されるかどうかなどを含むが、これらに限定されない。
【0189】
いくつかの実施形態において、抗体部分は、1種又は複数の、生物学的活性を有するタンパク質、ポリペプチド又はその断片を含むように、さらに改変されてもよい。本明細書で互換的に使用される「生物学的活性」又は「生物学的活性な」とは、具体的な機能を実行するためにインビボで生物学的活性を発見することを指す。例えば、特定の生体分子、例えば、タンパク質、DNAなどに組み合わせ、このような生体分子の活性を促進又は阻害することを指す。いくつかの実施形態において、生物学的活性を有するタンパク質又はその断片は、活性を有する原薬として、疾患又は病状を予防又は治療をするために患者に投与されるタンパク質及びポリペプチド、及び診断をするためのタンパク質及びポリペプチド、例えば、診断・検査又はインビトロでの検出に用いられる酵素、及び、疾患の予防をするための患者に投与されるタンパク質及びポリペプチド(例えば、ワクチン)を含む。
【0190】
●多重特異性抗スクレロスチン構築体
【0191】
いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン構築体は、本明細書に係る抗スクレロスチン抗体部分によれば、抗スクレロスチン抗体部分のいずれか及び第2の抗原を特異的に認識する第2の結合部分(例えば、第2の抗体部分)を含む多重特異性(例えば、二重特異性)抗スクレロスチン構築体を含む。いくつかの実施形態において、前記多重特異性抗スクレロスチン分子は、抗スクレロスチン抗体部分及び第2の抗原を特異的に認識する第2の抗体部分を含む。いくつかの実施形態において、第2の抗原は、免疫チェックポイント分子である。いくつかの実施形態において、第2の抗原は、DKK1(Dickkopf Wntシグナル経路阻害剤1)又はRANKL(NF-κB受容体活性化因子リガンド)である。
【0192】
●スクレロスチン及びRANKLを標的とする多重特異性構築体
【0193】
本願は、スクレロスチン及びRANKLを標的とする多重特異性構築体を提供する。いくつかの実施形態において、スクレロスチンを特異的に認識する第1の抗体部分及びRANKLを特異的に認識する第2の抗体部分を含む多重特異性構築体を提供する。いくつかの実施形態において、スクレロスチンとは、ヒトスクレロスチンを指す。いくつかの実施形態において、RANKLとは、ヒトRANKLを指す。
【0194】
RANKL(NF-κB受容体活性化因子リガンド)は、腫瘍壊死因子リガンドスーパーファミリーメンバー11(TNFSF11)とも称される、オステオプロテゲリンのリガンドであり、破骨細胞分化及び活性化の肝心な因子とする。このタンパク質は、T細胞依存性免疫応答の調節に関与する樹状細胞生存因子であると証明されている。T細胞活性化は、当該遺伝子の発現を誘導し、破骨細胞の産生及び骨喪失の増加を招致することが報告されている。このタンパク質は、SRCキナーゼ及び腫瘍壊死因子受容体関連因子(TRAF6)に関与するシグナル複合体により抗アポトーシスキナーゼAKT/PKBを活性化し、当該タンパク質が、アポトーシスの調節において役割を果たすことを示す。マウス関連遺伝子の標的化破壊は、重度の骨硬化及び破骨細胞の欠如を招致する。欠損マウスは、Tリンパ球及びBリンパ球の早期分化欠損を示し、妊娠期間中、小葉腺胞乳房構(lobulo-alveolar mammary structures)を形成できなかった。
【0195】
●例示的な抗RANKL抗体部分
【0196】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の多重特異性抗スクレロスチン構築体に使用される抗RANKL抗体部分(例えば、scFv)は、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を有する抗体部分を含み、抗体部分は、RANKLの結合エピトープについて第2の重鎖可変領域(VH-2)及び第2の軽鎖可変領域(VL-2)を含む抗体又は抗体断片と競合し、VH-2は、SEQ ID NO:66のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:67のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:68のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、VL-2は、SEQ ID NO:69のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:70のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:71のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む。
【0197】
いくつかの実施形態において、多重特異性抗スクレロスチン構築体に使用される抗RANKL抗体部分(例えば、scFv)は、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を有する抗体部分を含み、VHは、SEQ ID NO:66のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:67のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:68のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、VLは、SEQ ID NO:69のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:70のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:71のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態において、前記VHは、SEQ ID NO:72のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%(例えば、約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%から選ばれる少なくとも任意の1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、前記VLは、SEQ ID NO:73のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%(例えば、約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%から選ばれる少なくとも任意の1つ)配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含む。
【0198】
いくつかの実施形態において、抗RANKL部分は、HC-CDR1、HC-CDR2及びHC-CDR3を含み、それぞれVH鎖領域におけるSEQ ID NO:72に示される配列を有するCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を含み、並びに、それぞれVL鎖領域におけるSEQ ID NO:73に示される配列を有するCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を含む。
【0199】
いくつかの実施形態において、RANKLを特異的に認識する第1の抗体部分及びスクレロスチンを特異的に認識する第2の抗体部分を含む多重特異性構築体であって、前記第1の抗体部分は、抗RANKLシングルドメイン抗体(sdAb)部分を含み、前記第2の抗体部分は、重鎖可変領域(VH)、第2の軽鎖可変領域(VL)及びFc断片を含む全長抗体を含む、多重特異性構築体を提供する。いくつかの実施形態において、抗RANKLsdAbは、Fc断片を含む全長抗体の2本の重鎖に融合する。いくつかの実施形態において、抗RANKLsdAbは、全長抗体の2本の軽鎖に融合する。いくつかの実施形態において、抗RANKLsdAbは、全長抗体の重鎖又は軽鎖のN末端に融合する。いくつかの実施形態において、抗RANKLsdAbは、全長抗体の重鎖又は軽鎖のC末端に融合する。いくつかの実施形態において、抗RANKLsdAbは、リンカー(例えば、本明細書に記載のいずれかのリンカー)を介して全長抗体に融合する。いくつかの実施形態において、抗RANKLsdAbは、リンカーを介せず、全長抗体に融合する。
【0200】
いくつかの実施形態において、RANKLを特異的に認識する第1の抗体部分及びスクレロスチンを特異的に認識する第2の抗体部分を含む多重特異性構築体であって、前記第1の抗体部分は、抗RANKLシングルドメイン抗体(sdAb)部分を含み、前記第2の抗体部分は、重鎖可変領域(VH)及び第2の軽鎖可変領域(VL)を含み、前記構築体は、a)各キメラ重鎖がN末端からC末端までi)VH、ii)第1の重鎖定常ドメイン(「CH1ドメイン」)、iii)抗RANKLsdAb、及び、iv)Fcドメインを含む2つのキメラ重鎖であって、前記2つのFcドメインがFc断片を形成している2つのキメラ重鎖、b)VL及び軽鎖定常ドメイン(「CLドメイン」)を含む2本の軽鎖を含む、多重特異性構築体を提供する。いくつかの実施形態において、抗RANKLsdAbは、第1のリンカーを介してFcドメインに融合する。いくつかの実施形態において、抗RANKLsdAbは、第2のリンカーを介してVHに融合する。
【0201】
いくつかの実施形態において、RANKLを特異的に認識する第1の抗体部分及びスクレロスチンを特異的に認識する第2の抗体部分を含む多重特異性構築体であって、前記第1の抗体部分は、抗RANKLシングルドメイン抗体(sdAb)部分を含み、前記第2の抗体部分は、重鎖可変領域(VH)及び第2の軽鎖可変領域(VL)を含み、a)N末端からC末端までi)抗RANKLsdAb、及びii)第1のFcドメインを含む第1の重鎖、b)N末端からC末端までi)VH、ii)第1の重鎖定常ドメイン(「CH1ドメイン」)及びiii)第2のFcドメインを含む第2の重鎖、及び、c)VL及び軽鎖定常ドメイン(「CLドメイン」)を含む軽鎖を含み、前記第1のFcドメイン及び第2のFcドメインは、Fc断片を形成している、多重特異性構築体を提供する。
【0202】
いくつかの実施形態において、第1のFcドメイン及び第2のFcドメインの一方は、T366W突然変異及び任意にS354C突然変異を含み、他方のFcドメインは、T366S突然変異、L368A突然変異、Y407V突然変異及び任意にY349C突然変異を含む。
【0203】
いくつかの実施形態において、前記第2の抗体部分は、RANKLの結合エピトープについて第2の重鎖可変領域(VH-2)及び第2の軽鎖可変領域(VL-2)を含む第3の抗体部分と競合し、VH-2は、SEQ ID NO:66のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:67のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:68のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、VL-2は、SEQ ID NO:69のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:70のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:71のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態において、前記VHは、SEQ ID NO:66のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:67のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:68のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、前記VLは、SEQ ID NO:69のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:70のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:71のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む。
【0204】
いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン構築体は、a)本明細書によれば、抗スクレロスチン抗体部分のいずれかに記載の抗スクレロスチン抗体部分、b)RANKLを特異的に認識する第2の抗体部分(抗RANKL抗体部分、例えば、本明細書に記載の抗RANKL抗体部分のいずれか)を含む多重特異性(例えば、二重特異性)抗スクレロスチン構築体である。いくつかの実施形態において、前記抗スクレロスチンVHは、i)SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、ii)SEQ ID NO:5のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、iii)SEQ ID NO:9のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、又は、これらLC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、前記抗スクレロスチンVLは、i)SEQ ID NO:15のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、ii)SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、iii)SEQ ID NO:20のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、又は、これらLC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含む。
【0205】
いくつかの実施形態において、前記抗スクレロスチンVHは、i)SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、ii)SEQ ID NO:5のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、iii)SEQ ID NO:9のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、又は、これらLC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、前記抗スクレロスチンVLは、i)SEQ ID NO:85のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、ii)SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、iii)SEQ ID NO:20のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、又は、これらLC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含む。
【0206】
いくつかの実施形態において、前記アミノ酸置換は、本願の表2に示される「例示的な置換」に限られる。いくつかの実施形態において、アミノ酸置換は、本願の表2に示される「好ましい置換」に限られる。
【0207】
いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン構築体は、a)2本の重鎖及び2本の軽鎖を有する抗スクレロスチン全長抗体であって、各重鎖が重鎖可変領域(VH)を含み、各軽鎖が軽鎖可変領域(VL)を含む、抗スクレロスチン全長抗体、b)抗スクレロスチン全長抗体の少なくとも2本の重鎖に融合する抗RANKL抗体部分(例えば、本明細書に記載の抗体部分のいずれか)を含む多重特異性(例えば、二重特異性)抗スクレロスチン構築体である。いくつかの実施形態において、抗RANKL抗体部分は、2本の重鎖のN末端に融合する。いくつかの実施形態において、抗RANKL抗体部分は、2本の重鎖のC末端に融合する。
【0208】
いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン構築体は、a)2本の重鎖及び2本の軽鎖を有する全長抗体を含む抗RANKL抗体部分であって、各重鎖が重鎖可変領域(VH)を含み、各軽鎖が軽鎖可変領域(VL)を含む、抗RANKL抗体部分、b)抗RANKL全長抗体の少なくとも1本又は2本の重鎖に融合する抗スクレロスチン抗体部分(例えば、本明細書に記載の抗スクレロスチン抗体部分のいずれか)を含む多重特異性(例えば、二重特異性)抗スクレロスチン構築体である。いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン抗体部分は、2本の重鎖のN末端に融合する。いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン抗体部分は、2本の重鎖のC末端に融合する。
【0209】
いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン構築体は、a)2本の重鎖及び2本の軽鎖を有する抗スクレロスチン全長抗体であって、各重鎖が重鎖可変領域(VH)を含み、各軽鎖が軽鎖可変領域(VL)を含む、抗スクレロスチン全長抗体、b)抗スクレロスチン全長抗体の少なくとも2本の軽鎖に融合する抗RANKL抗体部分(例えば、本明細書に記載の抗体部分のいずれか)を含む、多重特異性(例えば、二重特異性)抗スクレロスチン構築体である。いくつかの実施形態において、抗RANKL抗体部分は、2本の軽鎖のN末端に融合さする。いくつかの実施形態において、抗RANKL抗体部分は、2本の軽鎖のC末端に融合する。
【0210】
いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン構築体は、a)2本の重鎖及び2本の軽鎖を含む抗スクレロスチン全長抗体であって、各重鎖が重鎖可変領域(VH)を含み、各軽鎖が軽鎖可変領域(VL)を含む抗スクレロスチン全長抗体、b)抗RANKL全長抗体の少なくとも2本の軽鎖に融合する抗スクレロスチン抗体部分(例えば、本明細書に記載の抗体部分のいずれか)を含む、多重特異性(例えば、二重特異性)抗スクレロスチン構築体である。いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン抗体部分は、2本の軽鎖のN末端に融合する。いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン抗体部分は、2本の軽鎖のC末端に融合する。
【0211】
いくつかの実施形態において、スクレロスチンを特異的に認識する第1の抗体部分、及び、RANKLを特異的に認識する第2の抗体部分を含む多重特異性構築体であって、前記第1の抗体部分は、第1の重鎖可変領域(VH-1)及び第1の軽鎖可変領域(VL-1)を含む単鎖Fv断片(scFv)を含み、前記第2の抗体部分は、第2の重鎖可変領域(VH-2)、第2の軽鎖可変領域(VL-2)及びFc断片を含む全長抗体である、多重特異性構築体を提供する。いくつかの実施形態において、第1の抗体部分は、全長抗体の1本又は2本の重鎖に融合する。いくつかの実施形態において、第1の抗体部分は、全長抗体の1本又は2本の軽鎖に融合する。いくつかの実施形態において、第1の抗体部分は、全長抗体の1本又は2本の重鎖又は軽鎖のN末端に融合する。いくつかの実施形態において、第1の抗体部分は、全長抗体の1本又は2本の重鎖又は軽鎖のC末端に融合する。いくつかの実施形態において、第1の抗体部分は、第1のリンカー(例えば、本明細書に記載のいずれかのリンカー)を介して全長抗体に融合する。いくつかの実施形態において、第1の抗体部分は、リンカーを介せず、全長抗体に融合する。いくつかの実施形態において、VH-1は、第2のリンカー(例えば、本明細書に記載のいずれかのリンカー)を介してVL-1に融合する。
【0212】
いくつかの実施形態において、スクレロスチンを特異的に認識する第1の抗体部分及びRANKLを特異的に認識する第2の抗体部分を含む多重特異性構築体であって、前記第1の抗体部分は、第1の重鎖可変領域(VH-1)、第1の軽鎖可変領域(VL-1)及びFc断片を含む全長抗体であり、前記第2の抗体部分は、第2の重鎖可変領域(VH-2)及び第2の軽鎖可変領域(VL-2)を含む単鎖Fv断片(scFv)を含む、多重特異性構築体を提供する。いくつかの実施形態において、第2の抗体部分は、全長抗体の2本の重鎖に融合する。いくつかの実施形態において、第2の抗体部分は、全長抗体の2本の軽鎖に融合する。いくつかの実施形態において、第2の抗体部分は、全長抗体の重鎖又は軽鎖のN末端に融合する。いくつかの実施形態において、第2の抗体部分は、全長抗体の重鎖又は軽鎖の2者のC末端に融合する。いくつかの実施形態において、第2の抗体部分は、第1のリンカー(例えば、本明細書に記載のいずれかのリンカー)を介して全長抗体に融合する。いくつかの実施形態において、第2の抗体部分は、全長抗体に融合する。いくつかの実施形態において、VH-2は、scFvを正しく組み立てるように第2のリンカー(例えば、本明細書に記載のいずれかのリンカー)を介してVL-2に融合する。いくつかの実施形態において、VH-2は、リンカーを介せず、VL-2に融合する。
【0213】
いくつかの実施形態において、第1の抗体部分及び第2の抗体部分を含む、クレロスチン及びRANKLを特異的に認識するス多重特異性構築体であって、前記第1の抗体部分は、第1の重鎖可変領域(VH-1)及び第1の軽鎖可変領域(VL-1)を含み、前記第2の抗体部分は、第2の重鎖可変領域(VH-2)及び第2の軽鎖可変領域(VL-2)を含み、前記構築体は、a)N末端からC末端までi)VL-1、ii)第1の軽鎖定常ドメイン(「第1のCH1ドメイン」)を含む第1の軽鎖を有する第1のポリペプチド、b)N末端からC末端までi)VH-1、ii)第1の重鎖定常ドメイン(「第1のCH1ドメイン」)及びiii)第1のFcドメインを含む第1の重鎖を有する第2のポリペプチド、c)N末端からC末端までi)VH-2、ii)第2の重鎖定常ドメイン(「第2のCH1ドメイン」)及びiii)第2のFcドメインを含む第2の重鎖を有する第3のポリペプチド、及び、d)N末端からC末端までi)VL-2、ii)第2の軽鎖定常ドメイン(「第2のCLドメイン」)を含む第2の軽鎖を有する第4のポリペプチドを含み、第1のFcドメイン及び第2のFcドメインは、Fc断片を形成している、多重特異性構築体を提供する。いくつかの実施形態において、第1の抗体部分は、スクレロスチンを特異的に認識し、第2の抗体部分は、RANKLを特異的に認識する。いくつかの実施形態において、第1の抗体部分は、RANKLを特異的に認識し、第2の抗体部分は、スクレロスチンを特異的に認識する。
【0214】
いくつかの実施形態において、第1のFcドメイン及び第2のFcドメインの一方は、T366W突然変異及び任意にS354C突然変異を含み、他方のFcドメインは、T366S突然変異、L368A突然変異、Y407V突然変異及び任意にY349C突然変異を含み、ここで、番号付けは、EUインデックスに基づく。
【0215】
いくつかの実施形態において、i)第1のCH1ドメイン及び第1のCLドメイン、又は、ii)第2のCH1ドメイン及び第2のCLドメインは、いずれも、a)141位のアミノ酸がシステインに置換され、131位(例えば、IgG2又はIgG4において)又は220位(例えば、IgG1において)のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCH1ドメイン、及び、116位のアミノ酸がシステインに置換され、214位のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCLドメイン、b)168位のアミノ酸がシステインに置換され、131位(例えば、IgG2又はIgG4において)又は220位(例えば、IgG1において)のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCH1ドメイン、及び、164位のアミノ酸がシステインに置換され、214位のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCLドメイン、c)126位のアミノ酸がシステインに置換され、131位(例えば、IgG2又はIgG4中)又は220位(例えば、IgG1において)のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCH1ドメイン、及び、121位のアミノ酸がシステインに置換され、214位のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCLドメイン、d)128位のアミノ酸がシステインに置換され、131位(例えば、IgG2又はIgG4において)又は220位(例えば、IgG1において)のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCH1ドメイン、及び、118位のアミノ酸がシステインに置換され、214位のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCLドメイン、e)170位のアミノ酸がシステインに置換され、131位(例えば、IgG2又はIgG4において)又は220位(例えば、IgG1において)のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCH1ドメイン、及び、176位のアミノ酸がシステインに置換され、214位のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCLドメイン、f)171位のアミノ酸がシステインに置換され、131位(例えば、IgG2又はIgG4において)又は220位(例えば、IgG1において)のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCH1ドメイン、及び、162位のアミノ酸がシステインに置換され、214位のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCLドメイン、g)173位のアミノ酸がシステインに置換され、131位(例えば、IgG2又はIgG4において)又は220位(例えば、IgG1において)のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCH1ドメイン、及び、160位のアミノ酸がシステインに置換され、214位のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCLドメイン、から選ばれるものであり、ここで、番号付けは、EUインデックスに基づく。
【0216】
いくつかの実施形態において、スクレロスチンを特異的に認識する第1の抗体部分及びRANKLを特異的に認識する第2の抗体部分を含む多重特異性構築体であって、前記第1の抗体部分は、各重鎖が第1の重鎖可変領域(VH-1)を含み、各軽鎖が第1の軽鎖可変領域(VL-1)を含む2本の重鎖及び2本の軽鎖を含む抗スクレロスチン全長抗体であり、前記第2の抗体部分は、第2の重鎖可変領域(VH-2)及び第2の軽鎖可変領域(VL-2)を含む抗RANKL単鎖Fv断片(scFv)を含み、前記第2の抗体部分は、抗スクレロスチン全長抗体の2本の重鎖のC末端に融合する、多重特異性構築体を提供する。いくつかの実施形態において、前記VH-1は、SEQ ID NO:22のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%(例えば、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%から選ばれる少なくとも任意の1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、前記VL-1は、SEQ ID NO:23のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%(例えば、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%から選ばれる少なくとも任意の1つ)配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含む。いくつかの実施形態において、前記VH-2は、SEQ ID NO:66のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:67のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:68のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、前記VL-2は、SEQ ID NO:69のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:70のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:71のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態において、前記VH-2は、SEQ ID NO:72のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%(例えば、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%から選ばれる少なくとも任意の1つ)配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、前記VL-2は、SEQ ID NO:73のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%(例えば、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%から選ばれる少なくとも任意の1つ)配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含む。
【0217】
いくつかの実施形態において、第1の抗体部分和第2の抗体部分を含み、スクレロスチン及びRANKLを特異的に認識する多重特異性構築体であって、前記第1の抗体部分は、第1の重鎖可変領域(VH-1)及び第1の軽鎖可変領域(VL-1)を含み、前記第2の抗体部分は、第2の重鎖可変領域(VH-2)及び第2の軽鎖可変領域(VL-2)を含み、前記構築体は、a)N末端からC末端までi)VL-1、ii)第1の軽鎖定常ドメイン(「第1のCH1ドメイン」)を含む第1の軽鎖を有する第1のポリペプチド、b)N末端からC末端までi)VH-1、ii)第1の重鎖定常ドメイン(「第1のCH1ドメイン」)、及び、iii)第1のFcドメインを含む第1の重鎖を有する第2のポリペプチド,c)N末端からC末端までi)VH-2、ii)第2の重鎖定常ドメイン(「第2のCH1ドメイン」)、及び、iii)第2のFcドメインを含む第2の重鎖を有する第3のポリペプチド、及び、d)N末端からC末端までi)VL-2、ii)第2の軽鎖定常ドメイン(「第2のCLドメイン」)を含む第2の軽鎖を有する第4のポリペプチドを含み、ここで、第1のFcドメイン及び第2のFcドメインは、Fc断片を形成しており、第1の抗体部分は、スクレロスチンを特異的に認識し、第2の抗体部分は、RANKLを特異的に認識する、多重特異性構築体を提供する。いくつかの実施形態において、前記VH-1は、SEQ ID NO:22のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%(例えば、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%から選ばれる少なくとも任意の1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、前記VL-1は、SEQ ID NO:23のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%(例えば、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%から選ばれる少なくとも任意の1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含む。いくつかの実施形態において、前記VH-2は、SEQ ID NO:66のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:67のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:68のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、前記VL-2は、SEQ ID NO:69のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:70のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:71のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態において、前記VH-2は、SEQ ID NO:72のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%(例えば、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%から選ばれる少なくとも任意の1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、前記VL-2は、SEQ ID NO:73のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%(例えば、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%から選ばれる少なくとも任意の1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含む。
【0218】
いくつかの実施形態において、a)第1の可変重鎖可変領域(VH-1)及び第1の重鎖定常領域を有する第1の重鎖であって、SEQ ID NO:134のアミノ酸配列を有する第1の重鎖、b)第1の軽鎖可変領域(VL-1)及び第1の軽鎖定常領域を有する第1の軽鎖であって、SEQ ID NO:135のアミノ酸配列を含む第1の軽鎖、c)第2の可変重鎖可変領域(VH-2)及び第2の重鎖定常領域を有する第2の重鎖であって、SEQ ID NO:156のアミノ酸配列を含む第2の重鎖、及び、d)第2の軽鎖可変領域(VL-2)及び第2の軽鎖定常領域を有する第2の軽鎖であって、SEQ ID NO:157のアミノ酸配列を含む第2の軽鎖、を含む多重特異性(例えば、二重特異性)構築体であって、VH-1及びVL-1は、スクレロスチンを特異的に認識する第1の抗体部分を含み、VH-2及びVL-2は、RANKLを特異的に認識する第2の抗体部分を含む、多重特異性(例えば、二重特異性)構築体を提供する。
【0219】
いくつかの実施形態において、a)第1の可変重鎖可変領域(VH-1)及び第1の重鎖定常領域を有する第1の重鎖であって、SEQ ID NO:134のアミノ酸配列を含む第1の重鎖、b)第1の軽鎖可変領域(VL-1)及び第1の軽鎖定常領域を有する第1の軽鎖であって、SEQ ID NO:135のアミノ酸配列を含む第1の軽鎖、c)第2の可変重鎖可変領域(VH-2)及び第2の重鎖定常領域を有する第2の重鎖であって、SEQ ID NO:158のアミノ酸配列を含む前記第2の重鎖、及び、d)第2の軽鎖可変領域(VL-2)及び第2の軽鎖定常領域を有する第2の軽鎖であって、SEQ ID NO:159のアミノ酸配列を含む第2の軽鎖、を含む多重特異性(例えば、二重特異性)構築体であって、VH-1及びVL-1は、スクレロスチンを特異的に認識する第1の抗体部分を含み、VH-2及びVL-2は、RANKLを特異的に認識する第2の抗体部分を含む、多重特異性(例えば、二重特異性)構築体を提供する。いくつかの実施形態において、前記VH-1は、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:5のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:9のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、前記VL-1は、SEQ ID NO:15のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:20のいずれかのアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む。
【0220】
いくつかの実施形態において、a)第1の可変重鎖可変領域(VH-1)及び第1の重鎖定常領域を有する第1の重鎖であって、がSEQ ID NO:134のアミノ酸配列を含む前記第1の重鎖、b)第1の軽鎖可変領域(VL-1)及び第1の軽鎖定常領域を有する第1の軽鎖であって、SEQ ID NO:135のアミノ酸配列を含む前記第1の軽鎖、c)第2の可変重鎖可変領域(VH-2)及び第2の重鎖定常領域を有する第2の重鎖であって、SEQ ID NO:160のアミノ酸配列を含む第2の重鎖、及び、d)第2の軽鎖可変領域(VL-2)及び第2の軽鎖定常領域を有する第2の軽鎖であって、SEQ ID NO:161のアミノ酸配列を含む第2の軽鎖、を含む多重特異性(例えば、二重特異性)構築体であって、VH-1及びVL-1は、スクレロスチンを特異的に認識する第1の抗体部分を含み、VH-2及びVL-2は、RANKLを特異的に認識する第2の抗体部分を含む、多重特異性(例えば、二重特異性)構築体を提供する。
【0221】
いくつかの実施形態において、a)第1の可変重鎖可変領域(VH-1)及び第1の重鎖定常領域を有する第1の重鎖であって、SEQ ID NO:134のアミノ酸配列を含む第1の重鎖、b)第1の軽鎖可変領域(VL-1)及び第1の軽鎖定常領域を有する第1の軽鎖であって、SEQ ID NO:135のアミノ酸配列を含む第1の軽鎖、c)第2の可変重鎖可変領域(VH-2)及び第2の重鎖定常領域を有する第2の重鎖であって、SEQ ID NO:162のアミノ酸配列を含む第2の重鎖、及び、d)第2の軽鎖可変領域(VL-2)及び第2の軽鎖定常領域を有する第2の軽鎖であって、SEQ ID NO:163のアミノ酸配列を含む第2の軽鎖、を含む多重特異性(例えば、二重特異性)構築体であって、VH-1及びVL-1は、スクレロスチンを特異的に認識する第1の抗体部分を含み、VH-2及びVL-2は、RANKLを特異的に認識する第2の抗体部分を含む、多重特異性(例えば、二重特異性)構築体を提供する。
【0222】
いくつかの実施形態において、a)第1の重鎖可変領域(VH-1)及び第1の軽鎖可変領域(VL-1)を含む、スクレロスチンを特異的に認識する第1の抗体部分であって、前記VH-1は、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:5のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:9のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、前記VL-1は、SEQ ID NO:15のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:20のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む第1の抗体部分、及び、b)第2の重鎖可変領域(VH-2)及び第2の軽鎖可変領域(VL-2)を有する、RANKLを特異的に認識する第2の抗体部分であって、前記VH-2は、SEQ ID NO:66のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:67のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:68のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み、前記VL-2は、SEQ ID NO:69のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:70のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:71のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む第2の抗体部分を含む、多重特異性(例えば、二重特異性)抗スクレロスチン構築体を提供する。いくつかの実施形態において、前記VH-1は、SEQ ID NO:22のアミノ酸配列を含み、前記VL-1は、SEQ ID NO:23のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記VH-1は、SEQ ID NO:87又は168のアミノ酸配列を含み、前記VL-1は、SEQ ID NO:88又は169のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記VH-1は、SEQ ID NO:87のアミノ酸配列を含み、前記VL-1は、SEQ ID NO:88のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記VH-1は、SEQ ID NO:168のアミノ酸配列を含み、前記VL-1は、SEQ ID NO:169のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記VH-2は、SEQ ID NO:72のアミノ酸配列を含み、前記VL-2は、SEQ ID NO:73のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、第1の抗体部分は、2本の重鎖及び2本の軽鎖を含む全長抗体であり、第2の抗体部分は、VH-2及びVL-2を含むscFvである。いくつかの実施形態において、前記VH-2は、前記VL-2のN末端に融合する。いくつかの実施形態において、前記VH-2は、任意にVH-2的C末端に付着された単一のアラニンアミノ酸とともにVL-2のC末端に融合する。いくつかの実施形態において、前記VH-2及び前記VL-2は、リンカー(例えば、GSリンカー、例えば、(GGGGS)4)を介して融合している。いくつかの実施形態において、前記VH-1及び前記VL-1は、リンカーを介せず、融合している。いくつかの実施形態において、前記scFvは、dsscFvであり、a)SEQ ID NO:60番号付けによるVH又はVH-2におけるG44C突然変異、及び、b)SEQ ID NO:61番号付けによるVL又はVL-2におけるG100C突然変異を任意に含む。いくつかの実施形態において、第2の抗体部分は、全長抗体の2本の重鎖のN末端に融合する。いくつかの実施形態において、第2の抗体部分は、全長抗体の2本の重鎖のC末端に融合する。いくつかの実施形態において、第2の抗体部分は、全長抗体の2本の軽鎖のN末端に融合する。いくつかの実施形態において、第2の抗体部分は、全長抗体の2本の軽鎖的C末端に融合する。いくつかの実施形態において、第2の抗体部分は、2本の重鎖及び2本の軽鎖を含む全長抗体であり、第1の抗体部分は、VH-1及びVL-1を含むscFvである。いくつかの実施形態において、前記VH-1は、前記VL-1のN末端に融合する。いくつかの実施形態において、前記VH-1は、任意にVH-1のC末端に付着された単一のアラニンアミノ酸とともにVL-1のC末端に融合する。いくつかの実施形態において、前記VH-1及び前記VL-1は、リンカー(例えば、GSリンカー,例えば、(GGGGS)4)を介して融合している。いくつかの実施形態において、前記scFvは、dsscFvであり、a)SEQ ID NO:60番号付けによるVH又はVH-2におけるG44C突然変異、及び、b)SEQ ID NO:61番号付けによるVL又はVL-2におけるG100C突然変異を任意に含む。いくつかの実施形態において、第1の抗体部分は、全長抗体の1本又は2本の重鎖のN末端に融合する。いくつかの実施形態において、第1の抗体部分は、全長抗体の1本又は2本の重鎖のC末端に融合する。いくつかの実施形態において、第1の抗体部分は、全長抗体の1本又は2本の軽鎖のN末端に融合する。いくつかの実施形態において、第1の抗体部分は、全長抗体の1本又は2本の軽鎖のC末端に融合する。いくつかの実施形態において、第1の抗体部分及び第2の抗体部分は、リンカー(例えば、GSリンカー,例えば、(GGGGS)4)を介して融合している。いくつかの実施形態において、第1の抗体部分及び第2の抗体部分は、リンカーを介せず融合している。
【0223】
いくつかの実施形態において、スクレロスチンを特異的に認識する第1の抗体部分及びRANKLを特異的に認識する第2の抗体部分を含む多重特異性(例えば、二重特異性)構築体であって、各重鎖がSEQ ID NO:126のアミノ酸配列を含む2本の重鎖と、各軽鎖がSEQ ID NO:129のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖とを含む、多重特異性(例えば、二重特異性)構築体を提供する。
【0224】
いくつかの実施形態において、スクレロスチンを特異的に認識する第1の抗体部分及びRANKLを特異的に認識する第2の抗体部分を含む多重特異性(例えば、二重特異性)構築体であって、各重鎖がSEQ ID NO:127のアミノ酸配列を含む2本の重鎖と、各軽鎖がSEQ ID NO:129のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖とを含む、多重特異性(例えば、二重特異性)構築体を提供する。
【0225】
いくつかの実施形態において、スクレロスチンを特異的に認識する第1の抗体部分及びRANKLを特異的に認識する第2の抗体部分を含む多重特異性(例えば、二重特異性)構築体であって、各重鎖がSEQ ID NO:128のアミノ酸配列を含む2本の重鎖と、各軽鎖がSEQ ID NO:129のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖とを含む、多重特異性(例えば、二重特異性)構築体を提供する。
【0226】
いくつかの実施形態において、スクレロスチンを特異的に認識する第1の抗体部分及びRANKLを特異的に認識する第2の抗体部分を含む多重特異性(例えば、二重特異性)構築体であって、各重鎖がSEQ ID NO:133のアミノ酸配列を含む2本の重鎖と、各軽鎖がSEQ ID NO:130のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖とを含む、多重特異性(例えば、二重特異性)構築体を提供する。
【0227】
いくつかの実施形態において、スクレロスチンを特異的に認識する第1の抗体部分及びRANKLを特異的に認識する第2の抗体部分を含む多重特異性(例えば、二重特異性)構築体であって、各重鎖がSEQ ID NO:133のアミノ酸配列を含む2本の重鎖と、各軽鎖がSEQ ID NO:131のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖とを含む、多重特異性(例えば、二重特異性)構築体を提供する。
【0228】
いくつかの実施形態において、スクレロスチンを特異的に認識する第1の抗体部分及びRANKLを特異的に認識する第2の抗体部分を含む多重特異性(例えば、二重特異性)構築体であって、各重鎖がSEQ ID NO:133のアミノ酸配列を含む2本の重鎖と、各軽鎖がSEQ ID NO:132のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖とを含む、多重特異性構築体を提供する。
【0229】
いくつかの実施形態において、a)第1の重鎖可変領域(VH-1)及び第1の軽鎖可変領域(VL-1)を含む、スクレロスチンを特異的に認識する第1の抗体部分であって、前記VH-1は、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:5のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:9のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、前記VL-1は、SEQ ID NO:85のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:20のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む第1の抗体部分、及び、b)第2の重鎖可変領域(VH-2)及び第2の軽鎖可変領域(VL-2)を含む、RANKLを特異的に認識する第2の抗体部分であって、前記VH-2は、SEQ ID NO:66のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:67のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:68のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、前記VL-2は、SEQ ID NO:69のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:70のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:71のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む第2の抗体部分を含む、多重特異性(例えば、二重特異性)抗スクレロスチン構築体を提供する。いくつかの実施形態において、前記VH-1は、SEQ ID NO:87又は168のアミノ酸配列を含み、前記VL-1は、SEQ ID NO:89又は170のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記VH-1は、SEQ ID NO:87のアミノ酸配列を含み、前記VL-1は、SEQ ID NO:89のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記VH-1は、SEQ ID NO:168のアミノ酸配列を含み、前記VL-1は、SEQ ID NO:170のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記VH-2は、SEQ ID NO:72のアミノ酸配列を含み、前記VL-2は、SEQ ID NO:73のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、第1の抗体部分は、2本の重鎖及び2本の軽鎖を含む全長抗体であり、第2の抗体部分は、VH-2及びVL-2を含むscFvである。いくつかの実施形態において、前記VH-2は、前記VL-2のN末端に融合する。いくつかの実施形態において、前記VH-2は、任意にVH-2のC末端に付着された単一のアラニンアミノ酸とともにVL-2のC末端に融合する。いくつかの実施形態において、前記VH-2及び前記VL-2は、リンカー(例えば、GSリンカー、例えば、(GGGGS)4)を介して融合している。いくつかの実施形態において、前記VH-1及び前記VL-1は、リンカーを介せず融合している。いくつかの実施形態において、scFvは、VH-2におけるG44C突然変異及びVL-2におけるG100C突然変異からなるH44-L100ジスルフィド結合を有するdsscFvに変換した。いくつかの実施形態において、第2の抗体部分は、全長抗体の2本の重鎖のN末端に融合する。いくつかの実施形態において、第2の抗体部分は、全長抗体の2本の重鎖のC末端に融合する。いくつかの実施形態において、第2の抗体部分は、全長抗体の2本の軽鎖のN末端に融合する。いくつかの実施形態において、第2の抗体部分は、全長抗体の2本の軽鎖のC末端に融合する。いくつかの実施形態において、第2の抗体部分は、2本の重鎖及び2本の軽鎖を含む全長抗体であり、第1の抗体部分は、VH-1及びVL-1を含むscFvである。いくつかの実施形態において、前記VH-1は、前記VL-1のN末端に融合する。いくつかの実施形態において、前記VH-1は、任意にVH-1のC末端に付着された単一のアラニンアミノ酸とともにVL-1のC末端に融合する。いくつかの実施形態において、前記VH-1及び前記VL-1は、リンカー(例えば、GSリンカー、例えば、(GGGGS)4)を介して融合している。いくつかの実施形態において、前記VH-1及び前記VL-1は、リンカーを介しするか、或いは、リンカーを介せず融合している。前記scFvは、dsscFvであり、a)SEQ ID NO:60番号付けによるVH又はVH-2におけるG44C突然変異、及び、b)SEQ ID NO:61番号付けによるVL又はVL-2におけるG100C突然変異を任意に含む。いくつかの実施形態において、第1の抗体部分は、全長抗体の1本又は2本の重鎖のN末端に融合する。いくつかの実施形態において、第1の抗体部分は、全長抗体の1本又は2本の重鎖のC末端に融合する。いくつかの実施形態において、第1の抗体部分は、全長抗体の1本又は2本の軽鎖のN末端に融合する。いくつかの実施形態において、第1の抗体部分は、全長抗体の1本又は2本の軽鎖のC末端に融合する。いくつかの実施形態において、第1の抗体部分及び第2の抗体部分は、リンカー(例えば、GSリンカー、例えば、(GGGGS)3)を介して融合している。いくつかの実施形態において、第1の抗体部分及び第2の抗体部分は、リンカーを介せず、融合している。
【0230】
いくつかの実施形態において、抗RANKL抗体部分及び抗スクレロスチン抗体部分は、リンカー(例えば、本明細書に記載の任意のリンカーのいずれか)を介して、結合部分の適切な役割を果たす可能な任意の作動可能な形態で互いに融合する。
【0231】
●スクレロスチン及びDKK1を標的とする多重特異性構築体
【0232】
いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン構築体は、a)本明細書に記載の抗スクレロスチン抗体部分のいずれかの抗スクレロスチン抗体部分、b)DKK1を特異的に認識する第2の抗体部分(抗DKK1抗体部分)を含む、多重特異性(例えば、二重特異性)抗スクレロスチン構築体である。
【0233】
DKK1(Dickkopf関連タンパク質1)は、dickkopfタンパク質ファミリーの一つである。このファミリーのメンバーは、タンパク質-タンパク質相互作用を媒介する2つのシステインリッチドメインを特徴とする分泌タンパク質である。DKK1は、LRP6共受容体に結合し、β-カテニン依存的なWntシグナル伝達を阻害する。この遺伝子は、胚の発達に役割を果たし、成人の骨形成に重要な役割を果たす可能性がある。
【0234】
●例示的な抗DKK1抗体部分
【0235】
いくつかの実施形態において、多重特異性抗スクレロスチン構築体に使用される抗DKK1抗体部分(例えば、scFv)は、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を有する抗体部分を含み、抗体部分は、DKK1の結合エピトープについて第2の重鎖可変領域(VH-2)及び第2の軽鎖可変領域(VL-2)を含む抗体又は抗体断片と競合し、VH-2は、SEQ ID NO:42のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:43のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:44のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、VL-2は、SEQ ID NO:45のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:46のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:47のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む。
【0236】
いくつかの実施形態において、多重特異性抗スクレロスチン構築体に使用される抗DKK1抗体部分(例えば、scFv)は、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を有する抗体部分を含み、抗体部分は、DKK1の結合エピトープについて第2の重鎖可変領域(VH-2)及び第2の軽鎖可変領域(VL-2)を含む抗体又は抗体断片と競合し、VH-2は、SEQ ID NO:48のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:49のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:50のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、VL-2は、SEQ ID NO:51のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:52のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:58のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む。
【0237】
いくつかの実施形態において、多重特異性抗スクレロスチン構築体に使用される抗DKK1抗体部分(例えばscFv)は、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を有する抗体部分を含み、抗体部分は、DKK1の結合エピトープについて第2の重鎖可変領域(VH-2)及び第2の軽鎖可変領域(VL-2)を含む抗体又は抗体断片と競合し、VH-2は、SEQ ID NO:54のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:55のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:56のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、VL-2は、SEQ ID NO:57のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:58のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:59のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む。
【0238】
いくつかの実施形態において、多重特異性抗スクレロスチン構築体に使用される抗DKK1抗体部分(例えば、scFv)は、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を有する抗体部分を含み、VHは、SEQ ID NO:42のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:43のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:44のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、VLは、SEQ ID NO:45のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:46のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:47のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態において、前記VHは、SEQ ID NO:60のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%(例えば、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%から選ばれる少なくとも任意の1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、前記VLは、SEQ ID NO:61のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%(例えば、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%から選ばれる少なくとも任意の1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含む。
【0239】
いくつかの実施形態において、多重特異性抗スクレロスチン構築体に使用される抗DKK1抗体部分(例えば、scFv)は、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を有する抗体部分を含み、VHは、SEQ ID NO:48のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:49のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:50のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、VLは、SEQ ID NO:51のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:52のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:58のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態において、前記VHは、SEQ ID NO:62のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%(例えば、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%から選ばれる少なくとも任意の1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、前記VLは、SEQ ID NO:63のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%(例えば、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%から選ばれる少なくとも任意の1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含む。
【0240】
いくつかの実施形態において、多重特異性抗スクレロスチン構築体に使用される抗DKK1抗体部分(例えば、scFv)は、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を有する抗体部分を含み、VHは、SEQ ID NO:54のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:55のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:56のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み、VLは、SEQ ID NO:57のアミノ酸配列を有するC-CDR1、SEQ ID NO:58のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:59のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態において、前記VHは、SEQ ID NO:64のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%(例えば、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%から選ばれる少なくとも任意の1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、前記VLは、SEQ ID NO:65のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%(例えば、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%から選ばれる少なくとも任意の1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含む。
【0241】
いくつかの実施形態において、抗DKK1部分は、それぞれVH鎖領域におけるSEQ ID NO:60、62又は64に示される配列を有するCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、HC-CDR2及びHC-CDR3、及び、それぞれVL鎖領域におけるSEQ ID NO:61、63又は65に示される配列を有するCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、LC-CDR2及びLC-CDR3を含む。
【0242】
いくつかの実施形態において、a)2本の重鎖及び2本の軽鎖を含む抗スクレロスチン全長抗体であって、各重鎖が重鎖可変領域(VH)を含み、各軽鎖が軽鎖可変領域(VL)を含む、抗スクレロスチン全長抗体、及び、b)抗スクレロスチン全長抗体の少なくとも2本の重鎖に融合する抗DKK1抗体部分(例えば、本明細書に記載の抗体部分のいずれか)を含む、多重特異性(例えば、二重特異性)抗スクレロスチン構築体を提供する。いくつかの実施形態において、抗DKK1抗体部分は、2本の重鎖のN末端に融合する。いくつかの実施形態において、抗DKK1抗体部分は、2本の重鎖のC末端に融合する。
【0243】
いくつかの実施形態において、a)2本の重鎖及び2本の軽鎖を有する全長抗体を含む抗DKK1抗体部分であって、各重鎖が重鎖可変領域(VH)を含み、各軽鎖が軽鎖可変領域(VL)を含む、抗DKK1抗体部分、b)抗DKK1全長抗体の少なくとも1本又は2本の重鎖に融合する抗スクレロスチン抗体部分(例えば、本明細書に記載の抗スクレロスチン抗体部分のいずれか)を含む、多重特異性(例えば、二重特異性)抗スクレロスチン構築体を提供する。いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン抗体部分は、2本の重鎖のN末端に融合する。いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン抗体部分は、2本の重鎖のC末端に融合する。
【0244】
いくつかの実施形態において、a)2本の重鎖及び2本の軽鎖を含む抗スクレロスチン全長抗体であって、各重鎖が重鎖可変領域(VH)を含み、各軽鎖が軽鎖可変領域(VL)を含む抗スクレロスチン全長抗体、b)抗スクレロスチン全長抗体の少なくとも2つの重軽鎖に融合する抗DKK1抗体部分(例えば、本明細書に記載の抗体部分のいずれか)を含む、多重特異性(例えば、二重特異性)抗スクレロスチン構築体を提供する。いくつかの実施形態において、抗DKK1抗体部分は、2本の軽鎖のN末端に融合する。いくつかの実施形態において、抗DKK1抗体部分は、2本の軽鎖的C末端に融合する。
【0245】
いくつかの実施形態において、a)2本の重鎖及び2本の軽鎖を有する全長抗体を含む抗DKK1抗体部分であって、各重鎖が重鎖可変領域(VH)を含み、各軽鎖が軽鎖可変領域(VL)を含む抗DKK1抗体部分、b)抗DKK1全長抗体の少なくとも1本又は2本の軽鎖に融合する抗スクレロスチン抗体部分(例えば、本明細書に記載の抗体部分のいずれか)を含む、多重特異性(例えば、二重特異性)抗スクレロスチン構築体を提供する。いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン抗体部分は、2本の軽鎖のN末端に融合する。いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン抗体部分は、2本の軽鎖のC末端に融合する。
【0246】
いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン抗体部分及び抗DKK1抗体部分は、リンカー(例えば、本明細書に記載のいずれかのリンカー)を介して、結合部分の適切な役割を果たす可能な任意の作動可能な形態で互いに融合する。いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン抗体部分及び抗DKK1抗体部分は、リンカーを介せず融合する。
【0247】
いくつかの実施形態において、a)第1の重鎖可変領域(VH-1)及び第1の軽鎖可変領域(VL-1)を含む、スクレロスチンを特異的に認識する第1の抗体部分であって、前記VH-1は、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:5のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:9のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、前記VL-1は、SEQ ID NO:15のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:20のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む第1の抗体部分、及び、b)第2の重鎖可変領域(VH-2)及び第2の軽鎖可変領域(VL-2)を含む、DKK1を特異的に認識する第2の抗体部分であって、前記VH-2は、SEQ ID NO:42のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:43のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:44のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、前記VL-2は、SEQ ID NO:45のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:46のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:47のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む第2の抗体部分を含む、多重特異性(例えば、二重特異性)抗スクレロスチン構築体を提供する。いくつかの実施形態において、VH-1は、SEQ ID NO:22のアミノ酸配列を含み、VL-1は、SEQ ID NO:23のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記VH-1は、SEQ ID NO:87又は168のアミノ酸配列を含み、前記VL-1は、SEQ ID NO:88又は169のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記VH-1は、SEQ ID NO:87のアミノ酸配列を含み、前記VL-1は、SEQ ID NO:88のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記VH-1は、SEQ ID NO:168のアミノ酸配列を含み、前記VL-1は、SEQ ID NO:169のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記VH-2は、SEQ ID NO:60、164又は166のアミノ酸配列を含み、前記VL-2は、SEQ ID NO:61、165又は167のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記VH-2は、SEQ ID NO:164のアミノ酸配列を含み、前記VL-2は、SEQ ID NO:165のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記VH-2は、SEQ ID NO:166のアミノ酸配列を含み、前記VL-2は、SEQ ID NO:167のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記VH-2は、SEQ ID NO:61のアミノ酸配列を含み、前記VL-2は、SEQ ID NO:167のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、第1の抗体部分は、2本の重鎖及び2本の軽鎖を含む全長抗体であり、第2の抗体部分は、VH-2及びVL-2を含むscFvである。いくつかの実施形態において、前記VH-2は、任意にVH-2のC末端に付着された単一のアラニンアミノ酸とともにVL-2のN末端に融合する。いくつかの実施形態において、前記VH-2は、前記VL-2のC末端に融合する。いくつかの実施形態において、前記VH-2及び前記VL-2は、リンカー(例えば、GSリンカー、例えば、(GGGGS)4)を介して融合する。いくつかの実施形態において、前記VH-1及び前記VL-1は、リンカーを介せず、融合する。いくつかの実施形態において、前記scFvは、dsscFvであり、a)SEQ ID NO:60番号付けによるVH、VH-2におけるG44C突然変異、及び、b)SEQ ID NO:61番号付けによるVL又はVL-2におけるG100C突然変異を任意に含む。いくつかの実施形態において、第2の抗体部分は、全長抗体の2本の重鎖のN末端に融合する。いくつかの実施形態において、第2の抗体部分は、全長抗体の2本の重鎖のC末端に融合する。いくつかの実施形態において、第2の抗体部分は、全長抗体の2本の軽鎖のN末端に融合する。いくつかの実施形態において、第2の抗体部分は、全長抗体の2本の軽鎖のC末端に融合する。いくつかの実施形態において、第2の抗体部分は、2本の重鎖及び2本の軽鎖を含む全長抗体であり、第1の抗体部分は、VH-1及びVL-1を含むscFvである。いくつかの実施形態において、前記VH-1は、前記VL-1のN末端に融合する。いくつかの実施形態において、前記VH-1は、任意にVH-1のC末端に付着された単一のアラニンアミノ酸とともにVL-1のC末端に融合する。いくつかの実施形態において、前記VH-1及び前記VL-1は、リンカー(例えば、GSリンカー、例えば、(GGGGS)4)を介して融合する。いくつかの実施形態において、前記VH-1及び前記VL-1は、リンカーを介せず、融合する。前記scFvは、dsscFvであり、a)SEQ ID NO:60番号付けによるVH又はVH-2におけるG44C突然変異、及び、b)SEQ ID NO:61番号付けによるVL又はVL-2におけるG100C突然変異を任意に含む。いくつかの実施形態において、第1の抗体部分は、全長抗体の1本又は2本の重鎖のN末端に融合する。いくつかの実施形態において、第1の抗体部分は、全長抗体の1本又は2本の重鎖のC末端に融合する。いくつかの実施形態において、第1の抗体部分は、全長抗体の1本又は2本の軽鎖のN末端に融合する。いくつかの実施形態において、第1の抗体部分は、全長抗体の1本又は2本の軽鎖のC末端に融合する。いくつかの実施形態において、第1の抗体部分及び第2の抗体部分は、リンカー(例えば、GSリンカー、例えば、(GGGGS)3)を介して融合する。いくつかの実施形態において、第1の抗体部分及び第2の抗体部分は、リンカーを介せず、融合する。
【0248】
いくつかの実施形態において、スクレロスチンを特異的に認識する第1の抗体部分、及び、DKK1を特異的に認識する第2の抗体部分を含む多重特異性(例えば、二重特異性)構築体であって、各重鎖がSEQ ID NO:91のアミノ酸配列を含む2本の重鎖と、各軽鎖がSEQ ID NO:93のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖とを含む、多重特異性(例えば、二重特異性)構築体を提供する。
【0249】
いくつかの実施形態において、スクレロスチンを特異的に認識する第1の抗体部分、及び、DKK1を特異的に認識する第2の抗体部分を含む多重特異性(例えば、二重特異性)構築体であって、各重鎖がSEQ ID NO:92のアミノ酸配列を含む2本の重鎖と、各軽鎖がSEQ ID NO:93のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖とを含む、多重特異性(例えば、二重特異性)構築体を提供する。
【0250】
いくつかの実施形態において、スクレロスチンを特異的に認識する第1の抗体部分、及び、DKK1を特異的に認識する第2の抗体部分を含む多重特異性(例えば、二重特異性)構築体であって、各重鎖がSEQ ID NO:94のアミノ酸配列を含む2本の重鎖と、各軽鎖がSEQ ID NO:96のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖とを含む、多重特異性(例えば、二重特異性)構築体を提供する。
【0251】
いくつかの実施形態において、スクレロスチンを特異的に認識する第1の抗体部分、及び、DKK1を特異的に認識する第2の抗体部分を含む多重特異性(例えば、二重特異性)構築体であって、各重鎖がSEQ ID NO:95のアミノ酸配列を含む2本の重鎖と、各軽鎖がSEQ ID NO:96のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖とを含む、多重特異性(例えば、二重特異性)構築体を提供する。
【0252】
いくつかの実施形態において、スクレロスチンを特異的に認識する第1の抗体部分、及び、DKK1を特異的に認識する第2の抗体部分を含む多重特異性(例えば、二重特異性)構築体であって、各重鎖がSEQ ID NO:97のアミノ酸配列を含む2本の重鎖と、各軽鎖がSEQ ID NO:99のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖とを含む、多重特異性(例えば、二重特異性)構築体を提供する。
【0253】
いくつかの実施形態において、スクレロスチンを特異的に認識する第1の抗体部分、及び、DKK1を特異的に認識する第2の抗体部分を含む多重特異性(例えば、二重特異性)構築体であって、各重鎖がSEQ ID NO:98のアミノ酸配列を含む2本の重鎖と、各軽鎖がSEQ ID NO:99のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖とを含む、多重特異性(例えば、二重特異性)構築体を提供する。
【0254】
いくつかの実施形態において、スクレロスチンを特異的に認識する第1の抗体部分、及び、DKK1を特異的に認識する第2の抗体部分を含む多重特異性(例えば、二重特異性)構築体であって、各重鎖がSEQ ID NO:100のアミノ酸配列を含む2本の重鎖と、各軽鎖がSEQ ID NO:102のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖とを含む、多重特異性(例えば、二重特異性)構築体を提供する。
【0255】
いくつかの実施形態において、スクレロスチンを特異的に認識する第1の抗体部分、及び、DKK1を特異的に認識する第2の抗体部分を含む多重特異性(例えば、二重特異性)構築体であって、各重鎖がSEQ ID NO:101のアミノ酸配列を含む2本の重鎖と、各軽鎖がSEQ ID NO:102のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖とを含む、多重特異性(例えば、二重特異性)構築体を提供する。
【0256】
いくつかの実施形態において、スクレロスチンを特異的に認識する第1の抗体部分、及び、DKK1を特異的に認識する第2の抗体部分を含む多重特異性(例えば、二重特異性)構築体であって、各重鎖がSEQ ID NO:103のアミノ酸配列を含む2本の重鎖と、各軽鎖がSEQ ID NO:104のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖とを含む、多重特異性(例えば、二重特異性)構築体を提供する。
【0257】
いくつかの実施形態において、スクレロスチンを特異的に認識する第1の抗体部分、及び、DKK1を特異的に認識する第2の抗体部分を含む多重特異性(例えば、二重特異性)構築体であって、各重鎖がSEQ ID NO:103のアミノ酸配列を含む2本の重鎖と、各軽鎖がSEQ ID NO:105のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖とを含む、多重特異性(例えば、二重特異性)構築体を提供する。
【0258】
いくつかの実施形態において、スクレロスチンを特異的に認識する第1の抗体部分、及び、DKK1を特異的に認識する第2の抗体部分を含む多重特異性(例えば、二重特異性)構築体であって、各重鎖がSEQ ID NO:106のアミノ酸配列を含む2本の重鎖と、各軽鎖がSEQ ID NO:107のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖とを含む、多重特異性(例えば、二重特異性)構築体を提供する。
【0259】
いくつかの実施形態において、スクレロスチンを特異的に認識する第1の抗体部分、及び、DKK1を特異的に認識する第2の抗体部分を含む多重特異性(例えば、二重特異性)構築体であって、各重鎖がSEQ ID NO:106のアミノ酸配列を含む2本の重鎖と、各軽鎖がSEQ ID NO:108のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖とを含む、多重特異性(例えば、二重特異性)構築体を提供する。
【0260】
いくつかの実施形態において、スクレロスチンを特異的に認識する第1の抗体部分、及び、DKK1を特異的に認識する第2の抗体部分を含む多重特異性(例えば、二重特異性)構築体であって、各重鎖がSEQ ID NO:109のアミノ酸配列を含む2本の重鎖と、各軽鎖がSEQ ID NO:110のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖とを含む、多重特異性(例えば、二重特異性)構築体を提供する。
【0261】
いくつかの実施形態において、スクレロスチンを特異的に認識する第1の抗体部分、及び、DKK1を特異的に認識する第2の抗体部分を含む多重特異性(例えば、二重特異性)構築体であって、各重鎖がSEQ ID NO:109のアミノ酸配列を含む2本の重鎖と、各軽鎖がSEQ ID NO:111のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖とを含む、多重特異性(例えば、二重特異性)構築体を提供する。
【0262】
いくつかの実施形態において、スクレロスチンを特異的に認識する第1の抗体部分、及び、DKK1を特異的に認識する第2の抗体部分を含む多重特異性(例えば、二重特異性)構築体であって、各重鎖がSEQ ID NO:112のアミノ酸配列を含む2本の重鎖と、各軽鎖がSEQ ID NO:113のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖とを含む、多重特異性(例えば、二重特異性)構築体を提供する。
【0263】
いくつかの実施形態において、スクレロスチンを特異的に認識する第1の抗体部分、及び、DKK1を特異的に認識する第2の抗体部分を含む多重特異性(例えば、二重特異性)構築体であって、各重鎖がSEQ ID NO:112のアミノ酸配列を含む2本の重鎖と、各軽鎖がSEQ ID NO:114のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖とを含む、多重特異性(例えば、二重特異性)構築体を提供する。
【0264】
いくつかの実施形態において、スクレロスチンを特異的に認識する第1の抗体部分、及び、DKK1を特異的に認識する第2の抗体部分を含む多重特異性(例えば、二重特異性)構築体であって、各重鎖がSEQ ID NO:117のアミノ酸配列を含む2本の重鎖と、各軽鎖がSEQ ID NO:119のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖とを含む、多重特異性(例えば、二重特異性)構築体を提供する。
【0265】
いくつかの実施形態において、スクレロスチンを特異的に認識する第1の抗体部分、及び、DKK1を特異的に認識する第2の抗体部分を含む多重特異性(例えば、二重特異性)構築体であって、各重鎖がSEQ ID NO:118のアミノ酸配列を含む2本の重鎖と、各軽鎖がSEQ ID NO:119のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖とを含む、多重特異性(例えば、二重特異性)構築体を提供する。
【0266】
いくつかの実施形態において、スクレロスチンを特異的に認識する第1の抗体部分、及び、DKK1を特異的に認識する第2の抗体部分を含む多重特異性(例えば、二重特異性)構築体であって、各重鎖がSEQ ID NO:123のアミノ酸配列を含む2本の重鎖と、各軽鎖がSEQ ID NO:125のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖とを含む、多重特異性(例えば、二重特異性)構築体を提供する。
【0267】
いくつかの実施形態において、スクレロスチンを特異的に認識する第1の抗体部分、及び、DKK1を特異的に認識する第2の抗体部分を含む多重特異性(例えば、二重特異性)構築体であって、各重鎖がSEQ ID NO:124のアミノ酸配列を含む2本の重鎖と、各軽鎖がSEQ ID NO:125のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖とを含む、多重特異性(例えば、二重特異性)構築体を提供する。
【0268】
いくつかの実施形態において、a)第1の重鎖可変領域(VH-1)及び第1の軽鎖可変領域(VL-1)を含む、スクレロスチンを特異的に認識する第1の抗体部分であって、前記VH-1は、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:5のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:9のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、前記VL-1は、SEQ ID NO:85のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:20のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む第1の抗体部分、及び、b)第2の重鎖可変領域(VH-2)及び第2の軽鎖可変領域(VL-2)を含む、DKK1を特異的に認識する第2の抗体部分であって、前記VH-2は、SEQ ID NO:42のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:43のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:44のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、前記VL-2は、SEQ ID NO:45のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:46のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:47のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む第2の抗体部分を含む、多重特異性(例えば、二重特異性)抗スクレロスチン構築体を提供する。いくつかの実施形態において、VH-1は、SEQ ID NO:87又は168のアミノ酸配列を含み、VL-1は、SEQ ID NO:89又は170のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記VH-1は、SEQ ID NO:87のアミノ酸配列を含み、前記VL-1は、SEQ ID NO:89のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記VH-1は、SEQ ID NO:168のアミノ酸配列を含み、前記VL-1は、SEQ ID NO:170のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記VH-2は、SEQ ID NO:60、164又は166のアミノ酸配列を含み、前記VL-2は、SEQ ID NO:61、165又は167のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記VH-2は、SEQ ID NO:164のアミノ酸配列を含み、前記VL-2は、SEQ ID NO:165のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記VH-2は、SEQ ID NO:166のアミノ酸配列を含み、前記VL-2は、SEQ ID NO:167のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記VH-2は、SEQ ID NO:61のアミノ酸配列を含み、前記VL-2は、SEQ ID NO:167のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、第1の抗体部分は、2本の重鎖及び2本の軽鎖を含む全長抗体であり、第2の抗体部分は、VH-2及びVL-2を含むscFvである。いくつかの実施形態において、前記VH-2は、前記VL-2のN末端に融合する。いくつかの実施形態において、前記VH-2は、任意にVH-2のC末端に付着された単一のアラニンアミノ酸とともにVL-2のC末端に融合する。いくつかの実施形態において、前記VH-2及び前記VL-2は、リンカー(例えば、GSリンカー、例えば、(GGGGS)4)を介して融合する。いくつかの実施形態において、前記VH-1及び前記VL-1は、リンカーを介せず融合する。いくつかの実施形態において、前記scFvは、dsscFvであり、a)SEQ ID NO:60番号付けによるVH又はVH-2におけるG44C突然変異、及び、b)SEQ ID NO:61番号付けによるVL又はVL-2におけるG100C突然変異を任意に含む。いくつかの実施形態において、第2の抗体部分は、全長抗体の2本の重鎖のN末端に融合する。いくつかの実施形態において、第2の抗体部分は、全長抗体の2本の重鎖のC末端に融合する。いくつかの実施形態において、第2の抗体部分は、全長抗体の2本の軽鎖のN末端に融合する。いくつかの実施形態において、第2の抗体部分は、全長抗体の2本の軽鎖のC末端に融合する。いくつかの実施形態において、第2の抗体部分は、2本の重鎖及び2本の軽鎖を含む全長抗体であり、第1の抗体部分は、VH-1及びVL-1を含むscFvである。いくつかの実施形態において、前記VH-1は、前記VL-1のN末端に融合する。いくつかの実施形態において、前記VH-1は、任意にVH-1のC末端に付着された単一のアラニンアミノ酸とともにVL-1のC末端に融合する。いくつかの実施形態において、前記VH-1及び前記VL-1は、リンカー(例えば、GSリンカー、例えば、(GGGGS)4)を介して融合する。いくつかの実施形態において、前記VH-1及び前記VL-1は、リンカーを介せず融合する。いくつかの実施形態において、scFvは、VH-1におけるG44C突然変異及びVL-1におけるG100C突然変異からなるH44-L100ジスルフィド結合を有するdsscFvに変換した。いくつかの実施形態において、第1の抗体部分は、全長抗体の1本又は2本の重鎖のN末端に融合する。いくつかの実施形態において、第1の抗体部分は、全長抗体の1本又は2本の重鎖のC末端に融合する。いくつかの実施形態において、第1の抗体部分は、全長抗体の1本又は2本の軽鎖のN末端に融合する。いくつかの実施形態において、第1の抗体部分は、全長抗体の1本又は2本の軽鎖のC末端に融合する。いくつかの実施形態において、第1の抗体部分及び第2の抗体部分は、リンカー(例えば、GSリンカー、例えば、(GGGGS)3)を介して融合する。いくつかの実施形態において、第1の抗体部分及び第2の抗体部分は、リンカーを介せず融合する。
【0269】
いくつかの実施形態において、スクレロスチンを特異的に認識する第1の抗体部分、及び、DKK1を特異的に認識する第2の抗体部分を含む多重特異性(例えば、二重特異性)構築体であって、各重鎖がSEQ ID NO:115のアミノ酸配列を含む2本の重鎖と、各軽鎖がSEQ ID NO:119のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖とを含む、多重特異性(例えば、二重特異性)構築体を提供する。
【0270】
いくつかの実施形態において、スクレロスチンを特異的に認識する第1の抗体部分、及び、DKK1を特異的に認識する第2の抗体部分を含む多重特異性(例えば、二重特異性)構築体であって、各重鎖がSEQ ID NO:116のアミノ酸配列を含む2本の重鎖と、各軽鎖がSEQ ID NO:119のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖とを含む、多重特異性(例えば、二重特異性)構築体を提供する。
【0271】
いくつかの実施形態において、スクレロスチンを特異的に認識する第1の抗体部分、及び、DKK1を特異的に認識する第2の抗体部分を含む多重特異性(例えば、二重特異性)構築体であって、各重鎖がSEQ ID NO:120のアミノ酸配列を含む2本の重鎖と、各軽鎖がSEQ ID NO:122のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖とを含む、多重特異性(例えば、二重特異性)構築体を提供する。
【0272】
いくつかの実施形態において、スクレロスチンを特異的に認識する第1の抗体部分、及び、DKK1を特異的に認識する第2の抗体部分を含む多重特異性(例えば、二重特異性)構築体であって、各重鎖がSEQ ID NO:121のアミノ酸配列を含む2本の重鎖と、各軽鎖がSEQ ID NO:122のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖とを含む、多重特異性(例えば、二重特異性)構築体を提供する。
【0273】
いくつかの実施形態において、a)第1の重鎖可変領域(VH-1)及び第1の軽鎖可変領域(VL-1)を含み、スクレロスチンを特異的に認識する第1の抗体部分であって、前記VH-1は、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:5のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:9のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、前記VL-1は、SEQ ID NO:85のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、SEQ ID NO:20のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む前記第1の抗体部分、及び、b)第2の重鎖可変領域(VH-2)及び第2の軽鎖可変領域(VL-2)を含み、DKK1を特異的に認識する第2の抗体部分であって、前記VH-2は、SEQ ID NO:48のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:49のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:50のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、前記VL-2は、SEQ ID NO:51のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:52のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:58のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む前記第2の抗体部分を含む、多重特異性(例えば、二重特異性)抗スクレロスチン構築体を提供する。いくつかの実施形態において、VH-1は、SEQ ID NO:87又は168のアミノ酸配列を含み、VL-1は、SEQ ID NO:89又は170のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記VH-1は、SEQ ID NO:87のアミノ酸配列を含み、前記VL-1は、SEQ ID NO:89のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記VH-1は、SEQ ID NO:168のアミノ酸配列を含み、前記VL-1は、SEQ ID NO:170のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記VH-2は、SEQ ID NO:62のアミノ酸配列を含み、前記VL-2は、SEQ ID NO:63のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、第1の抗体部分は、2本の重鎖及び2本の軽鎖を含む全長抗体であり、第2の抗体部分は、VH-2及びVL-2を含むscFvである。いくつかの実施形態において、前記VH-2は、任意にVH-2のC末端に付着された単一のアラニンアミノ酸とともにVL-2のN末端に融合する。いくつかの実施形態において、前記VH-2は、前記VL-2のC末端に融合する。いくつかの実施形態において、前記VH-2及び前記VL-2は、リンカー(例えば、GSリンカー、例えば、(GGGGS)4)を介して融合する。いくつかの実施形態において、前記VH-1及び前記VL-1は、リンカーを介せず融合する。いくつかの実施形態において、前記scFvは、dsscFvであり、a)SEQ ID NO:60番号付けによるVH又はVH-2におけるG44C突然変異、及び、b)SEQ ID NO:61番号付けによるVL又はVL-2におけるG100C突然変異を任意に含む。いくつかの実施形態において、第2の抗体部分は、全長抗体の2本の重鎖のN末端に融合する。いくつかの実施形態において、第2の抗体部分は、全長抗体の2本の重鎖のC末端に融合する。いくつかの実施形態において、第2の抗体部分は、全長抗体の2本の軽鎖のN末端に融合する。いくつかの実施形態において、第2の抗体部分は、全長抗体の2本の軽鎖のC末端に融合する。いくつかの実施形態において、第2の抗体部分は、2本の重鎖及び2本の軽鎖を含む全長抗体であり、第1の抗体部分は、VH-1及びVL-1を含むscFvである。いくつかの実施形態において、前記VH-1は、前記VL-1のN末端に融合する。いくつかの実施形態において、前記VH-1は、任意にVH-1のC末端に付着された単一のアラニンアミノ酸とともにVL-1のC末端に融合する。いくつかの実施形態において、VH-1及びVL-1は、リンカー(例えば、GSリンカー、例えば、(GGGGS)4)を介して融合する。いくつかの実施形態において、前記VH-1及び前記VL-1は、リンカーを介せず融合する。前記scFvは、dsscFvであり、a)SEQ ID NO:60番号付けによるVH又はVH-2におけるG44C突然変異、及び、b)SEQ ID NO:61番号付けによるVL又はVL-2におけるG100C突然変異を任意に含む。いくつかの実施形態において、第1の抗体部分は、全長抗体の1本又は2本の重鎖のN末端に融合する。いくつかの実施形態において、第1の抗体部分は、全長抗体の1本又は2本の重鎖のC末端に融合する。いくつかの実施形態において、第1の抗体部分は、全長抗体の1本又は2本の軽鎖のN末端に融合する。いくつかの実施形態において、第1の抗体部分は、全長抗体の1本又は2本の軽鎖のC末端に融合する。いくつかの実施形態において、第1の抗体部分及び第2の抗体部分は、リンカー(例えば、GSリンカー、例えば、(GGGGS)3)を介して融合する。いくつかの実施形態において、第1の抗体部分及び第2の抗体部分は、リンカーを介せず融合する。
【0274】
いくつかの実施形態において、a)第1の重鎖可変領域(VH-1)及び第1の軽鎖可変領域(VL-1)を含み、スクレロスチンを特異的に認識する第1の抗体部分であって、前記VH-1は、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:5のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:9のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、前記VL-1は、SEQ ID NO:85のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:20のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む前記第1の抗体部分、及び、b)第2の重鎖可変領域(VH-2)及び第2の軽鎖可変領域(VL-2)を含み、DKK1を特異的に認識する第2の抗体部分であって、前記VH-2は、SEQ ID NO:54のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:55のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:56のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、前記VL-2は、SEQ ID NO:57のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:58のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:59のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む前記第2の抗体部分を含む、多重特異性(例えば、二重特異性)抗スクレロスチン構築体を提供する。いくつかの実施形態において、前記VH-1は、SEQ ID NO:87又は168のアミノ酸配列を含み、前記VL-1は、SEQ ID NO:89又は170のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記VH-1は、SEQ ID NO:87のアミノ酸配列を含み、前記VL-1は、SEQ ID NO:89のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記VH-1は、SEQ ID NO:168のアミノ酸配列を含み、前記VL-1は、SEQ ID NO:170のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記VH-1は、SEQ ID NO:64のアミノ酸配列を含み、前記VL-1は、SEQ ID NO:65のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、第1の抗体部分は、2本の重鎖及び2本の軽鎖を含む全長抗体であり、第2の抗体部分は、VH-2及びVL-2を含むscFvである。いくつかの実施形態において、前記VH-2は、前記VL-2のN末端に融合する。いくつかの実施形態において、前記VH-2は、任意にVH-2のC末端に付着された単一のアラニンアミノ酸とともにVL-2のC末端に融合する。いくつかの実施形態において、前記VH-2及び前記VL-2は、リンカー(例えば、GSリンカー、例えば、(GGGGS)4)を介して融合する。いくつかの実施形態において、前記VH-1及び前記VL-1は、リンカーを介せず、融合する。いくつかの実施形態において、前記scFvは、dsscFvであり、a)SEQ ID NO:60番号付けによるVH又はVH-2におけるG44C突然変異、及び、b)SEQ ID NO:61番号付けによるVL又はVL-2におけるG100C突然変異を任意に含む。いくつかの実施形態において、第2の抗体部分は、全長抗体の2本の重鎖のN末端に融合する。いくつかの実施形態において、第2の抗体部分は、全長抗体の2本の重鎖のC末端に融合する。いくつかの実施形態において、第2の抗体部分は、全長抗体の2本の軽鎖のN末端に融合する。いくつかの実施形態において、第2の抗体部分は、全長抗体の2本の軽鎖のC末端に融合する。いくつかの実施形態において、第2の抗体部分は、2本の重鎖及び2本の軽鎖を含む全長抗体であり、第1の抗体部分は、VH-1及びVL-1を含むscFvである。いくつかの実施形態において、前記VH-1は、前記VL-1のN末端に融合する。いくつかの実施形態において、前記VH-1は、任意にVH-2のC末端に付着された単一のアラニンアミノ酸とともにVL-1のC末端に融合する。いくつかの実施形態において、前記VH-1及び前記VL-1は、リンカー(例えば、GSリンカー、例えば、(GGGGS)4)を介して融合する。いくつかの実施形態において、前記VH-1及び前記VL-1は、リンカーを介せず、融合する。前記scFvは、dsscFvであり、a)SEQ ID NO:60番号付けによるVH又はVH-2におけるG44C突然変異、及び、b)SEQ ID NO:61番号付けによるVL又はVL-2におけるG100C突然変異を任意に含む。いくつかの実施形態において、第1の抗体部分は、全長抗体の1本又は2本の重鎖のN末端に融合する。いくつかの実施形態において、第1の抗体部分は、全長抗体の1本又は2本の重鎖のC末端に融合する。いくつかの実施形態において、第1の抗体部分は、全長抗体の1本又は2本の軽鎖のN末端に融合する。いくつかの実施形態において、第1の抗体部分は、全長抗体の1本又は2本の軽鎖のC末端に融合する。いくつかの実施形態において、第1の抗体部分及び第2の抗体部分は、リンカー(例えば、GSリンカー、例えば、(GGGGS)3)を介して融合する。いくつかの実施形態において、第1の抗体部分と第2の抗体部分は、リンカーを介せず、融合する。
【0275】
いくつかの実施形態において、a)第1の重鎖可変領域(VH-1)及び第1の軽鎖可変領域(VL-1)を含み、スクレロスチンを特異的に認識する第1の抗体部分であって、前記VH-1は、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:5のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:9のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、前記VL-1は、SEQ ID NO:15のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:20のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む前記第1の抗体部分、b)第2の重鎖可変領域(VH-2)及び第2の軽鎖可変領域(VL-2)を含み、DKK1を特異的に認識する第2の抗体部分であって、前記VH-2は、SEQ ID NO:48のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:49のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:50のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、前記VL-2は、SEQ ID NO:51のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:52のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:58のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む前記第2の抗体部分を含む、多重特異性(例えば、二重特異性)抗スクレロスチン構築体を提供する。いくつかの実施形態において、前記VH-1は、SEQ ID NO:22のアミノ酸配列を含み、前記VL-1は、SEQ ID NO:23のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記VH-1は、SEQ ID NO:87又は168のアミノ酸配列を含み、前記VL-1は、SEQ ID NO:88又は169のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記VH-1は、SEQ ID NO:87のアミノ酸配列を含み、前記VL-1は、SEQ ID NO:88のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記VH-1は、SEQ ID NO:168のアミノ酸配列を含み、前記VL-1は、SEQ ID NO:169のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記VH-2は、SEQ ID NO:62のアミノ酸配列を含み、前記VL-2は、SEQ ID NO:63のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、第1の抗体部分は、2本の重鎖及び2本の軽鎖を含む全長抗体であり、第2の抗体部分は、VH-2及びVL-2を含むscFvである。いくつかの実施形態において、前記VH-2は、前記VL-2のN末端に融合する。いくつかの実施形態において、前記VH-2は、任意にVH-2のC末端に付着された単一のアラニンアミノ酸とともにVL-2のC末端に融合する。いくつかの実施形態において、前記VH-2及び前記VL-2は、リンカー(例えば、GSリンカー、例えば、(GGGGS)4)を介して融合する。いくつかの実施形態において、前記VH-1及び前記VL-1は、リンカーを介せず、融合する。いくつかの実施形態において、前記scFvは、dsscFvであり、a)SEQ ID NO:60番号付けによるVH又はVH-2におけるG44C突然変異、及び、b)SEQ ID NO:61番号付けによるVL又はVL-2におけるG100C突然変異を任意に含む。いくつかの実施形態において、第2の抗体部分は、全長抗体の2本の重鎖のN末端に融合する。いくつかの実施形態において、第2の抗体部分は、全長抗体の2本の重鎖のC末端に融合する。いくつかの実施形態において、第2の抗体部分は、全長抗体の2本の軽鎖のN末端に融合する。いくつかの実施形態において、第2の抗体部分は、全長抗体の2本の軽鎖のC末端に融合する。いくつかの実施形態において、第2の抗体部分は、2本の重鎖及び2本の軽鎖を含む全長抗体であり、第1の抗体部分は、VH-1及びVL-1を含むscFvである。いくつかの実施形態において、前記VH-1は、前記VL-1のN末端に融合する。いくつかの実施形態において、前記VH-1は、任意にVH-1のC末端に付着された単一のアラニンアミノ酸とともにVL-1のC末端に融合する。いくつかの実施形態において、前記VH-1及び前記VL-1は、リンカー(例えば、GSリンカー、例えば、(GGGGS)4)を介して融合する。いくつかの実施形態において、前記VH-1及び前記VL-1は、リンカーを介せず、融合する。前記scFvは、dsscFvであり、a)SEQ ID NO:60番号付けによるVH又はVH-2におけるG44C突然変異、及び、b)SEQ ID NO:61番号付けによるVL又はVL-2におけるG100C突然変異を任意に含む。いくつかの実施形態において、第1の抗体部分は、全長抗体の1本又は2本の重鎖のN末端に融合する。いくつかの実施形態において、第1の抗体部分は、全長抗体の1本又は2本の重鎖のC末端に融合する。いくつかの実施形態において、第1の抗体部分は、全長抗体の1本又は2本の軽鎖のN末端に融合する。いくつかの実施形態において、第1の抗体部分は、全長抗体の1本又は2本の軽鎖のC末端に融合する。いくつかの実施形態において、第1の抗体部分及び第2の抗体部分は、リンカー(例えば、GSリンカー、例えば、(GGGGS)3)を介して融合する。いくつかの実施形態において、第1の抗体部分及び第2の抗体部分は、リンカーを介せず、融合する。
【0276】
いくつかの実施形態において、a)第1の重鎖可変領域(VH-1)及び第1の軽鎖可変領域(VL-1)を含み、スクレロスチンを特異的に認識する第1の抗体部分であって、前記VH-1は、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:5のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:9のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、前記VL-1は、SEQ ID NO:15のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:20のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む第1の抗体部分、及び、b)第2の重鎖可変領域(VH-2)及び第2の軽鎖可変領域(VL-2)を含み、DKK1を特異的に認識する第2の抗体部分であって、前記VH-2は、SEQ ID NO:54のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:55のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:56のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、前記VL-2は、SEQ ID NO:57のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:58のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:59のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む第2の抗体部分を含む、多重特異性(例えば、二重特異性)抗スクレロスチン構築体を提供する。いくつかの実施形態において、前記VH-1は、SEQ ID NO:22のアミノ酸配列を含み、前記VL-1は、SEQ ID NO:23のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記VH-1は、SEQ ID NO:87又は168のアミノ酸配列を含み、前記VL-1は、SEQ ID NO:88又は169のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記VH-1は、SEQ ID NO:87のアミノ酸配列を含み、前記VL-1は、SEQ ID NO:88のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記VH-1は、SEQ ID NO:168のアミノ酸配列を含み、前記VL-1は、SEQ ID NO:169のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記VH-2は、SEQ ID NO:64のアミノ酸配列を含み、前記VL-2は、SEQ ID NO:65のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、第1の抗体部分は、2本の重鎖及び2本の軽鎖を含む全長抗体であり、第2の抗体部分は、VH-2及びVL-2を含むscFvである。いくつかの実施形態において、前記VH-2は、前記VL-2のN末端に融合する。いくつかの実施形態において、前記VH-2は、任意に、VH-2のC末端に付着された単一のアラニンアミノ酸とともにVL-2のC末端に融合する。いくつかの実施形態において、前記VH-2及び前記VL-2は、リンカー(例えば、GSリンカー、例えば、(GGGGS)4)を介して融合する。いくつかの実施形態において、前記VH-1及び前記VL-1は、リンカーを介せず、融合する。いくつかの実施形態において、前記scFvは、dsscFvであり、a)SEQ ID NO:60番号付けによるVH又はVH-2におけるG44C突然変異、及び、b)SEQ ID NO:61番号付けによるVL又はVL-2におけるG100C突然変異を任意に含む。いくつかの実施形態において、第2の抗体部分は、全長抗体の2本の重鎖のN末端に融合する。いくつかの実施形態において、第2の抗体部分は、全長抗体の2本の重鎖のC末端に融合する。いくつかの実施形態において、第2の抗体部分は、全長抗体の2本の軽鎖のN末端に融合する。いくつかの実施形態において、第2の抗体部分は、全長抗体の2本の軽鎖のC末端に融合する。いくつかの実施形態において、第2の抗体部分は、2本の重鎖及び2本の軽鎖を含む全長抗体であり、第1の抗体部分は、VH-1及びVL-1を含むscFvである。いくつかの実施形態において、前記VH-1は、前記VL-1のN末端に融合する。いくつかの実施形態において、前記VH-1は、任意にVH-1のC末端に付着された単一のアラニンアミノ酸とともにVL-1のC末端に融合する。いくつかの実施形態において、前記VH-1及び前記VL-1は、リンカー(例えば、GSリンカー、例えば、(GGGGS)4)を介して融合する。いくつかの実施形態において、前記VH-1及び前記VL-1は、リンカーを介せず、融合する。前記scFvは、dsscFvであり、a)SEQ ID NO:60番号付けによるVH又はVH-2におけるG44C突然変異、及び、b)SEQ ID NO:61番号付けによるVL又はVL-2におけるG100C突然変異を任意に含む。いくつかの実施形態において、第1の抗体部分は、全長抗体の1本又は2本の重鎖のN末端に融合する。いくつかの実施形態において、第1の抗体部分は、全長抗体の1本又は2本の重鎖のC末端に融合する。いくつかの実施形態において、第1の抗体部分は、全長抗体の1本又は2本の軽鎖のN末端に融合する。いくつかの実施形態において、第1の抗体部分は、全長抗体の1本又は2本の軽鎖のC末端に融合する。いくつかの実施形態において、第1の抗体部分及び第2の抗体部分は、リンカー(例えば、GSリンカー、例えば、(GGGGS)4)を介して融合する。いくつかの実施形態において、第1の抗体部分及び第2の抗体部分は、リンカーを介せず、融合する。
【0277】
いくつかの実施形態において、第1の抗体部分及び第2の抗体部分を含み、スクレロスチンとDKK1を特異的に認識する多重特異性構築体であって、前記第1の抗体部分は、第1の重鎖可変領域(VH-1)及び第1の軽鎖可変領域(VL-1)を含み、前記第2の抗体部分は、第2の重鎖可変領域(VH-2)及び第2の軽鎖可変領域(VL-2)を含み,前記構築体は、a)N末端からC末端までi)VL-1、ii)第1の軽鎖定常ドメイン(「第1のCH1ドメイン」)を含む第1の軽鎖を有する第1のポリペプチド、b)N末端からC末端までi)VH-1、ii)第1の重鎖定常ドメイン(「第1のCH1ドメイン」)、及び、iii)第1のFcドメインを含む第1の重鎖を有する第2のポリペプチド、c)N末端からC末端までi)VH-2、ii)第2の重鎖定常ドメイン(「第2のCH1ドメイン」)、及び、iii)第2のFcドメインを含む第2の重鎖を有する第3のポリペプチド、及び、d)N末端からC末端までi)VL-2、ii)第2の軽鎖定常ドメイン(「第2のCLドメイン」)を含む第2の軽鎖を有する第4のポリペプチド、を含み、第1のFcドメイン及び第2のFcドメインは、Fc断片を形成している、多重特異性構築体を提供する。いくつかの実施形態において、第1の抗体部分は、スクレロスチンを特異的に認識し、第2の抗体部分は、DKK1を特異的に認識する。いくつかの実施形態において、第1の抗体部分は、DKK1を特異的に認識し、第2の抗体部分は、スクレロスチンを特異的に認識する。
【0278】
いくつかの実施形態において、第1のFcドメイン及び第2のFcドメインの一方は、T366W突然変異及び任意にS354C突然変異を含み、他方のFcドメインは、T366S突然変異、L368A突然変異、Y407V突然変異、及び、任意にY349C突然変異を含み、番号付けは、EUインデックスに基づく。
【0279】
いくつかの実施形態において、i)第1のCH1ドメイン及び第1のCLドメイン、又は、ii)第2のCH1ドメイン及び第2のCLドメインは、いずれも、a)141位のアミノ酸がシステインに置換され、131位(例えば、IgG2又はIgG4において)又は220位(例えば、IgG1において)のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCH1ドメイン、及び、116位のアミノ酸がシステインに置換され、214位のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCLドメイン、b)168位のアミノ酸がシステインに置換され、131位(例えば、IgG2又はIgG4において)又は220位(例えば、IgG1において)のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCH1ドメイン、及び、164位のアミノ酸がシステインに置換され、214位のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCLドメイン、c)126位のアミノ酸がシステインに置換され、220位のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCH1ドメイン、及び、121位のアミノ酸がシステインに置換され、214位のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCLドメイン、d)128位のアミノ酸がシステインに置換され、131位(例えば、IgG2又はIgG4において)又は220位(例えば、IgG1において)のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCH1ドメイン、及び、118位のアミノ酸がシステインに置換され、214位のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCLドメイン、e)170位のアミノ酸がシステインに置換され、131位(例えば、IgG2又はIgG4において)又は220位(例えば、IgG1において)のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCH1ドメイン、及び、176位のアミノ酸がシステインに置換され、214位のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCLドメイン、f)171位のアミノ酸がシステインに置換され、131位(例えば、IgG2又はIgG4において)又は220位(例えば、IgG1において)のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCH1ドメイン、及び、162位のアミノ酸がシステインに置換され、214位のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCLドメイン、g)173位のアミノ酸がシステインに置換され、131位(例えば、IgG2又はIgG4において)又は220位(例えば、IgG1において)のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCH1ドメイン、及び、160位のアミノ酸がシステインに置換され、214位のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCLドメイン、から選ばれるものであり、番号付けは、EUインデックスに基づく。
【0280】
いくつかの実施形態において、第1の重鎖は、S228P、T366W、H435R及びY436Fを有する改変したヒトIgG4重鎖Fc領域を含み、第2の重鎖は、F126C、C131S、S228P、T366S、L368A及びY407Vを有する改変したヒトIgG4重鎖Fc領域を含み、第2の軽鎖は、S121C及びC214Sを有する改変したヒトIgκ軽鎖定常領域を含む。
【0281】
いくつかの実施形態において、第1の重鎖は、S228P、T366S、L368A及びY407Vを有する改変したヒトIgG4重鎖Fc領域を含み、第2の重鎖は、F126C、C131S、S228P、T366W、H435R及びY436Fを有する改変したヒトIgG4重鎖Fc領域を含み、第2の軽鎖は、S121C及びC214Sを有する改変したヒトIgκ軽鎖定常領域を含む。
【0282】
いくつかの実施形態において、第1の重鎖は、S228P、T366W、H435R及びY436Fを有する改変したヒトIgG4重鎖Fc領域を含み、第2の重鎖は、L128C、C131S、S228P、T366S、L368A及びY407Vを有する改変したヒトIgG4重鎖Fc領域を含み、第2の軽鎖は、F118C及びC214Sを有する改変したヒトIgκ軽鎖定常領域を含む。
【0283】
いくつかの実施形態において、第1の重鎖は、S228P、T366S、L368A及びY407Vを有する改変したヒトIgG4重鎖Fc領域を含み、第2の重鎖は、L128C、C131S、S228P、T366W及びH435Rを有する改変したヒトIgG4重鎖Fc領域を含み、第2の軽鎖は、F118C及びC214Sを有する改変したヒトIgκ軽鎖定常領域を含む。
【0284】
いくつかの実施形態において、第1の重鎖は、S228P、T366S、L368A及びY407Vを有する改変したヒトIgG4重鎖Fc領域を含み、第2の重鎖は、F170C、C131S、S228P、T366W、H435R及びY436Fを有する改変したヒトIgG4重鎖Fc領域を含み、第2の軽鎖は、S176C及びC214Sを有する改変したヒトIgκ軽鎖定常領域を含む。
【0285】
いくつかの実施形態において、第1の重鎖は、S228P、T366S、L368A及びY407Vを有する改変したヒトIgG4重鎖Fc領域を含み、第2の重鎖は、V173C、C131S、S228P、T366W、H435R及びY436Fを有する改変したヒトIgG4重鎖Fc領域を含み、第2の軽鎖は、Q160C及びC214Sを有する改変したヒトIgκ軽鎖定常領域を含む。
【0286】
いくつかの実施形態において、第1の抗体部分は、スクレロスチンを特異的に認識し、第2の抗体部分は、DKK1を特異的に認識する。いくつかの実施形態において、前記VH-1は、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:5のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:9のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、前記VL-1は、SEQ ID NO:15又は85のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:20のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態において、前記VH-1は、SEQ ID NO:22のアミノ酸配列を含み、前記VL-1は、SEQ ID NO:23のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記VH-1は、SEQ ID NO:87又は168のアミノ酸配列を含み、前記VL-1は、SEQ ID NO:88又は169のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記VH-1は、SEQ ID NO:87のアミノ酸配列を含み、前記VL-1は、SEQ ID NO:88のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記VH-1は、SEQ ID NO:168のアミノ酸配列を含み、前記VL-1は、SEQ ID NO:169のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記VH-1は、SEQ ID NO:87又は168のアミノ酸配列を含み、前記VL-1は、SEQ ID NO:89又は160のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記VH-1は、SEQ ID NO:87のアミノ酸配列を含み、前記VL-1は、SEQ ID NO:89のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記VH-1は、SEQ ID NO:168のアミノ酸配列を含み、前記VL-1は、SEQ ID NO:170のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、a)前記VH-2は、SEQ ID NO:42のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:43のアミノ酸配列のHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:44のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、前記VL-2は、SEQ ID NO:45のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:46のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:47のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、b)前記VH-2は、SEQ ID NO:48のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:49のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:50のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、前記VL-2は、SEQ ID NO:51のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:52のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:58のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、或いは、c)前記VH-2は、SEQ ID NO:54のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:55のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:56のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、前記VL-2は、SEQ ID NO:57のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:58のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:59のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む。
【0287】
いくつかの実施形態において、第1の抗体部分は、DKK1を特異的に認識し、第2の抗体部分は、スクレロスチンを特異的に認識する。いくつかの実施形態において、前記VH-2は、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:5のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:9のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、前記VL-2は、SEQ ID NO:15又は85のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:20のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態において、前記VH-2は、SEQ ID NO:22のアミノ酸配列を有し、前記VL-2は、SEQ ID NO:23のアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態において、前記VH-2は、SEQ ID NO:87又は168のアミノ酸配列を含み、前記VL-2は、SEQ ID NO:88又は169のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記VH-2は、SEQ ID NO:87のアミノ酸配列を含み、前記VL-2は、SEQ ID NO:88のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記VH-2は、SEQ ID NO:168のアミノ酸配列を含み、前記VL-2は、SEQ ID NO:169のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記VH-2は、SEQ ID NO:87又は169のアミノ酸配列を含み、前記VL-2は、SEQ ID NO:89又は170のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記VH-2は、SEQ ID NO:87のアミノ酸配列を含み、前記VL-2は、SEQ ID NO:89のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記VH-2は、SEQ ID NO:168のアミノ酸配列を含み、前記VL-2は、SEQ ID NO:170のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、a)前記VH-1は、SEQ ID NO:42のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:43のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:44のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、前記VL-1は、SEQ ID NO:45のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:46のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:47のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、b)前記VH-1は、SEQ ID NO:48のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:49のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:50のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、前記VL-1は、SEQ ID NO:51のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:52のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:58のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、或いは、c)前記VH-1は、SEQ ID NO:54のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:55のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:56のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、前記VL-1は、SEQ ID NO:57のアミノ酸配列を有するLC-CDR1,SEQ ID NO:58のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:59のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む。
【0288】
いくつかの実施形態において、スクレロスチンを特異的に認識する第1の抗体部分及びDKK1を特異的に認識する第2の抗体部分を含む多重特異性構築体であって、前記第1の抗体部分は、各重鎖が第1の重鎖可変領域(VH-1)を含み、各軽鎖が第1の軽鎖可変領域(VL-1)を含む2本の重鎖及び2本の軽鎖を含む抗スクレロスチン全長抗体であり、前記第2の抗体部分は、第2の重鎖可変領域(VH-2)及び第2の軽鎖可変領域(VL-2)を含む抗DKK1単鎖Fv断片(scFv)を含み、前記第2の抗体部分は、抗スクレロスチン全長抗体の2本の重鎖のC末端に融合する。いくつかの実施形態において、前記VH-1は、SEQ ID NO:22のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%(例えば、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%から選ばれる少なくとも任意の1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、前記VL-1は、SEQ ID NO:23のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%(例えば、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%から選ばれる少なくとも任意の1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含む。いくつかの実施形態において、前記VH-2は、SEQ ID NO:42のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:43のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:44のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、前記VL-2は、SEQ ID NO:45のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:46アミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:47のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態において、前記VH-2は、SEQ ID NO:60のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%(例えば、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%から選ばれる少なくとも任意の1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、又は、前記VL-2は、SEQ ID NO:61のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%(例えば、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%から選ばれる少なくとも任意の1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含む。
【0289】
いくつかの実施形態において、第1の抗体部分及び第2の抗体部分を含み、スクレロスチン及びDKK1を特異的に認識する多重特異性構築体であって、前記第1の抗体部分は、第1の重鎖可変領域(VH-1)及び第1の軽鎖可変領域(VL-1)を含み、前記第2の抗体部分は、第2の重鎖可変領域(VH-2)及び第2の軽鎖可変領域(VL-2)を含み、a)N末端からC末端までi)VL-1、ii)第1の軽鎖定常ドメイン(「第1のCH1ドメイン」)を含む第1の軽鎖を有する第1のポリペプチド、b)N末端からC末端までi)VH-1、ii)第1の重鎖定常ドメイン(「第1のCH1ドメイン」)、及び、iii)第1のFcドメインを含む第1の重鎖を有する第2のポリペプチド、c)N末端からC末端までi)VH-2、ii)第2の重鎖定常ドメイン(「第2のCH1ドメイン」)、及び、iii)第2のFcドメインを含む第2の重鎖を有する第3のポリペプチド、及び、d)N末端からC末端までi)VL-2、ii)第2の軽鎖定常ドメイン(「第2のCLドメイン」)を含む第2の軽鎖を有する第4のポリペプチドを含み、第1のFcドメイン及び第2のFcドメインは、Fc断片を形成しており、第1の抗体部分は、スクレロスチンを特異的に認識し、第2の抗体部分は、DKK1を特異的に認識する、多重特異性構築体を提供する。いくつかの実施形態において、前記VH-1は、SEQ ID NO:22のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%(例えば、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%から選ばれる少なくとも任意の1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、前記VL-1は、SEQ ID NO:23のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%(例えば、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%から選ばれる少なくとも任意の1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含む。いくつかの実施形態において、前記VH-2は、SEQ ID NO:42のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:43のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:44のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、前記VL-2は、SEQ ID NO:45のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:46のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:47のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態において、前記VH-2は、SEQ ID NO:60のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%(例えば、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%から選ばれる少なくとも任意の1つ)の配列同一性のアミノ酸配列の変異体を含み、前記VL-2は、SEQ ID NO:61のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%(例えば、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%から選ばれる少なくとも任意の1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含む。
【0290】
いくつかの実施形態において、a)第1の可変重鎖可変領域(VH-1)及び第1の重鎖定常領域を有する第1の重鎖であって、SEQ ID NO:134のアミノ酸配列を含む第1の重鎖、b)第1の軽鎖可変領域(VL-1)及び第1の軽鎖定常領域を有する第1の軽鎖であって、SEQ ID NO:135のアミノ酸配列を含む第1の軽鎖、c)第2の可変重鎖可変領域(VH-2)及び第2の重鎖定常領域を有する第2の重鎖であって、SEQ ID NO:136のアミノ酸配列を含む第2の重鎖、及び、d)第2の軽鎖可変領域(VL-2)及び第2の軽鎖定常領域を有する第2の軽鎖であって、SEQ ID NO:137のアミノ酸配列を含む第2の軽鎖を含む、多重特異性(例えば、二重特異性)構築体であって、VH-1及びVL-1は、スクレロスチンを特異的に認識する第1の抗体部分を含み、VH-2及びVL-2は、DKK1を特異的に認識する第2の抗体部分を含む、多重特異性(例えば、二重特異性)構築体を提供する。
【0291】
いくつかの実施形態において、a)第1の可変重鎖可変領域(VH-1)及び第1の重鎖定常領域を有する第1の重鎖であって、SEQ ID NO:134のアミノ酸配列を含む第1の重鎖、b)第1の軽鎖可変領域(VL-1)及び第1の軽鎖定常領域を有する第1の軽鎖であって、SEQ ID NO:135のアミノ酸配列を含む第1の軽鎖、c)第2の可変重鎖可変領域(VH-2)及び第2の重鎖定常領域を含む第2の重鎖であって、SEQ ID NO:138のアミノ酸配列を含む第2の重鎖、及び、d)第2の軽鎖可変領域(VL-2)及び第2の軽鎖定常領域を有する第2の軽鎖であって、SEQ ID NO:139のアミノ酸配列を含む第2の軽鎖を含む、多重特異性(例えば、二重特異性)構築体であって、VH-1及びVL-1は、スクレロスチンを特異的に認識する第1の抗体部分を含み、VH-2及びVL-2はDKK1を特異的に認識する第2の抗体部分を含む、多重特異性(例えば、二重特異性)構築体を提供する。
【0292】
いくつかの実施形態において、a)第1の可変重鎖可変領域(VH-1)及び第1の重鎖定常領域を有する第1の重鎖であって、SEQ ID NO:134のアミノ酸配列を含む第1の重鎖、b)第1の軽鎖可変領域(VL-1)及び第1の軽鎖定常領域を有する第1の軽鎖であって、SEQ ID NO:135のアミノ酸配列を含む第1の軽鎖、c)第2の可変重鎖可変領域(VH-2)及び第2の重鎖定常領域を有する第2の重鎖であって、SEQ ID NO:140のアミノ酸配列を含む第2の重鎖、及び、d)第2の軽鎖可変領域(VL-2)及び第2の軽鎖定常領域を有する第2の軽鎖であって、SEQ ID NO:141のアミノ酸配列を含む第2の軽鎖を含む、多重特異性(例えば、二重特異性)構築体であって、VH-1及びVL-1は、スクレロスチンを特異的に認識する第1の抗体部分を含み、VH-2及びVL-2は、DKK1を特異的に認識する第2の抗体部分を含む、多重特異性(例えば、二重特異性)構築体を提供する。
【0293】
いくつかの実施形態において、a)第1の可変重鎖可変領域(VH-1)及び第1の重鎖定常領域を有する第1の重鎖であって、SEQ ID NO:134のアミノ酸配列を含む第1の重鎖、b)第1の軽鎖可変領域(VL-1)及び第1の軽鎖定常領域を有する第1の軽鎖であって、SEQ ID NO:135のアミノ酸配列を含む第1の軽鎖、c)第2の可変重鎖可変領域(VH-2)及び第2の重鎖定常領域を有する第2の重鎖であって、SEQ ID NO:142のアミノ酸配列を含む第2の重鎖、及び、d)第2の軽鎖可変領域(VL-2)及び第2の軽鎖定常領域を有する第2の軽鎖であって、SEQ ID NO:143のアミノ酸配列を含む第2の軽鎖を含む、多重特異性(例えば、二重特異性)構築体であって、VH-1及びVL-1は、スクレロスチンを特異的に認識する第1の抗体部分を含み、VH-2及びVL-2は、DKK1を特異的に認識する第2の抗体部分を含む、多重特異性(例えば、二重特異性)構築体を提供する。
【0294】
いくつかの実施形態において、a)第1の可変重鎖可変領域(VH-1)及び第1の重鎖定常領域を有する第1の重鎖であって、SEQ ID NO:134のアミノ酸配列を含む第1の重鎖、b)第1の軽鎖可変領域(VL-1)及び第1の軽鎖定常領域を有する第1の軽鎖であって、SEQ ID NO:135のアミノ酸配列を含む第1の軽鎖、c)第2の可変重鎖可変領域(VH-2)及び第2の重鎖定常領域を有する第2の重鎖であって、SEQ ID NO:144のアミノ酸配列を含む第2の重鎖、及び、d)第2の軽鎖可変領域(VL-2)及び第2の軽鎖定常領域を有する第2の軽鎖であって、SEQ ID NO:145のアミノ酸配列を含む第2の軽鎖を含む、多重特異性(例えば、二重特異性)構築体であって、VH-1及びVL-1は、スクレロスチンを特異的に認識する第1の抗体部分を含み、VH-2及びVL-2は、DKK1を特異的に認識する第2の抗体部分を含む、多重特異性(例えば、二重特異性)構築体を提供する。
【0295】
いくつかの実施形態において、a)第1の可変重鎖可変領域(VH-1)及び第1の重鎖定常領域を有する第1の重鎖であって、SEQ ID NO:146のアミノ酸配列を含む第1の重鎖、b)第1の軽鎖可変領域(VL-1)及び第1の軽鎖定常領域を有する第1の軽鎖であって、SEQ ID NO:147のアミノ酸配列を含む第1の軽鎖、c)第2の可変重鎖可変領域(VH-2)及び第2の重鎖定常領域を有する第2の重鎖であって、SEQ ID NO:148のアミノ酸配列を含む第2の重鎖、及び、d)第2の軽鎖可変領域(VL-2)及び第2の軽鎖定常領域を有する第2の軽鎖であって、SEQ ID NO:149のアミノ酸配列を含む第2の軽鎖を含む、多重特異性(例えば、二重特異性)構築体であって、VH-1及びVL-1は、スクレロスチンを特異的に認識する第1の抗体部分を含み、VH-2及びVL-2は、DKK1を特異的に認識する第2の抗体部分を含む、多重特異性(例えば、二重特異性)構築体を提供する。
【0296】
いくつかの実施形態において、a)第1の可変重鎖可変領域(VH-1)及び第1の重鎖定常領域を有する第1の重鎖であって、SEQ ID NO:146のアミノ酸配列を含む第1の重鎖、b)第1の軽鎖可変領域(VL-1)及び第1の軽鎖定常領域を有する第1の軽鎖であって、SEQ ID NO:147のアミノ酸配列を含む第1の軽鎖、c)第2の可変重鎖可変領域(VH-2)及び第2の重鎖定常領域を有する第2の重鎖であって、SEQ ID NO:150のアミノ酸配列を含む第2の重鎖、及び、d)第2の軽鎖可変領域(VL-2)及び第2の軽鎖定常領域を有する第2の軽鎖であって、SEQ ID NO:151のアミノ酸配列を含む第2の軽鎖を含む、多重特異性(例えば、二重特異性)構築体であって、VH-1及びVL-1は、スクレロスチンを特異的に認識する第1の抗体部分を含み、VH-2及びVL-2は、DKK1を特異的に認識する第2の抗体部分を含む、多重特異性(例えば、二重特異性)構築体を提供する。
【0297】
いくつかの実施形態において、a)第1の可変重鎖可変領域(VH-1)及び第1の重鎖定常領域を有する第1の重鎖であって、SEQ ID NO:146のアミノ酸配列を含む第1の重鎖、b)第1の軽鎖可変領域(VL-1)及び第1の軽鎖定常領域を有する第1の軽鎖であって、SEQ ID NO:147のアミノ酸配列を含む第1の軽鎖、c)第2の可変重鎖可変領域(VH-2)及び第2の重鎖定常領域を有する第2の重鎖であって、SEQ ID NO:152のアミノ酸配列を含む第2の重鎖、及び、d)第2の軽鎖可変領域(VL-2)及び第2の軽鎖定常領域を有する第2の軽鎖であって、SEQ ID NO:153のアミノ酸配列を含む第2の軽鎖を含む、多重特異性(例えば、二重特異性)構築体であって、VH-1及びVL-1は、スクレロスチンを特異的に認識する第1の抗体部分を含み、VH-2及びVL-2は、DKK1を特異的に認識する第2の抗体部分を含む、多重特異性(例えば、二重特異性)構築体を提供する。
【0298】
いくつかの実施形態において、a)第1の可変重鎖可変領域(VH-1)及び第1の重鎖定常領域を有する第1の重鎖であって、SEQ ID NO:146のアミノ酸配列を含む第1の重鎖、b)第1の軽鎖可変領域(VL-1)及び第1の軽鎖定常領域を有する第1の軽鎖であって、SEQ ID NO:147のアミノ酸配列を含む第1の軽鎖、c)第2の可変重鎖可変領域(VH-2)及び第2の重鎖定常領域を有する第2の重鎖であって、SEQ ID NO:154のアミノ酸配列を含む第2の重鎖、及び、d)第2の軽鎖可変領域(VL-2)及び第2の軽鎖定常領域を有する第2の軽鎖であって、SEQ ID NO:155のアミノ酸配列を含む第2の軽鎖を含む、多重特異性(例えば、二重特異性)構築体であって、VH-1及びVL-1は、スクレロスチンを特異的に認識する第1の抗体部分を含み、VH-2及びVL-2は、DKK1を特異的に認識する第2の抗体部分を含む、多重特異性(例えば、二重特異性)構築体を提供する。
【0299】
いくつかの実施形態において、a)第1の可変重鎖可変領域(VH-1)及び第1の重鎖定常領域を有する第1の重鎖であって、SEQ ID NO:146のアミノ酸配列を含む第1の重鎖、b)第1の軽鎖可変領域(VL-1)及び第1の軽鎖定常領域を有する第1の軽鎖であって、SEQ ID NO:147のアミノ酸配列を含む第1の軽鎖、c)第2の可変重鎖可変領域(VH-2)及び第2の重鎖定常領域を有する第2の重鎖であって、SEQ ID NO:156のアミノ酸配列を含む第2の重鎖、及び、d)第2の軽鎖可変領域(VL-2)及び第2の軽鎖定常領域を有する第2の軽鎖であって、SEQ ID NO:157のアミノ酸配列を含む第2の軽鎖を含む、多重特異性(例えば、二重特異性)構築体であって、VH-1及びVL-1は、スクレロスチンを特異的に認識する第1の抗体部分を含み、VH-2及びVL-2は、DKK1を特異的に認識する第2の抗体部分を含む、多重特異性(例えば、二重特異性)構築体を提供する。
【0300】
いくつかの実施形態において、a)第1の可変重鎖可変領域(VH-1)及び第1の重鎖定常領域を有する第1の重鎖であって、SEQ ID NO:146のアミノ酸配列を含む第1の重鎖、b)第1の軽鎖可変領域(VL-1)及び第1の軽鎖定常領域を有する第1の軽鎖であって、SEQ ID NO:147のアミノ酸配列を含む第1の軽鎖、c)第2の可変重鎖可変領域(VH-2)及び第2の重鎖定常領域を有する第2の重鎖であって、SEQ ID NO:158のアミノ酸配列を含む第2の重鎖、及び、d)第2の軽鎖可変領域(VL-2)及び第2の軽鎖定常領域を有する第2の軽鎖であって、SEQ ID NO:159のアミノ酸配列を含む第2の軽鎖を含む、多重特異性(例えば、二重特異性)構築体であって、VH-1及びVL-1は、スクレロスチンを特異的に認識する第1の抗体部分を含み、VH-2及びVL-2は、DKK1を特異的に認識する第2の抗体部分を含む、多重特異性(例えば、二重特異性)構築体を提供する。
【0301】
いくつかの実施形態において、a)第1の可変重鎖可変領域(VH-1)及び第1の重鎖定常領域を有する第1の重鎖であって、SEQ ID NO:146のアミノ酸配列を含む前記第1の重鎖、b)第1の軽鎖可変領域(VL-1)及び第1の軽鎖定常領域を有する第1の軽鎖であって、SEQ ID NO:147のアミノ酸配列を含む第1の軽鎖、c)第2の可変重鎖可変領域(VH-2)及び第2の重鎖定常領域を有する第2の重鎖であって、SEQ ID NO:160のアミノ酸配列を含む第2の重鎖、及び、d)第2の軽鎖可変領域(VL-2)及び第2の軽鎖定常領域を有する第2の軽鎖であって、SEQ ID NO:161のアミノ酸配列を含む第2の軽鎖を含む、多重特異性(例えば、二重特異性)構築体であって、VH-1及びVL-1は、スクレロスチンを特異的に認識する第1の抗体部分を含み、VH-2及びVL-2は、DKK1を特異的に認識する第2の抗体部分を含む、多重特異性(例えば、二重特異性)構築体を提供する。
【0302】
いくつかの実施形態において、a)第1の可変重鎖可変領域(VH-1)及び第1の重鎖定常領域を有する第1の重鎖であって、SEQ ID NO:146のアミノ酸配列を含む第1の重鎖、b)第1の軽鎖可変領域(VL-1)及び第1の軽鎖定常領域を有する第1の軽鎖であって、SEQ ID NO:147のアミノ酸配列を含む第1の軽鎖、c)第2の可変重鎖可変領域(VH-2)及び第2の重鎖定常領域を有する第2の重鎖であって、SEQ ID NO:162のアミノ酸配列を含む第2の重鎖、及び、d)第2の軽鎖可変領域(VL-2)及び第2の軽鎖定常領域を有する第2の軽鎖であって、SEQ ID NO:163のアミノ酸配列を含む第2の軽鎖を含む、多重特異性(例えば、二重特異性)構築体であって、VH-1及びVL-1は、スクレロスチンを特異的に認識する第1の抗体部分を含み、VH-2及びVL-2は、DKK1を特異的に認識する第2の抗体部分を含む、多重特異性(例えば、二重特異性)構築体を提供する。
【0303】
●抗スクレロスチン融合タンパク質又は抗体薬物コンジュゲート
【0304】
いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン構築体は、抗スクレロスチン抗体部分(例えば、抗スクレロスチンscFv)及び第2の部分を含む融合タンパク質又は抗体薬物コンジュゲートである。
【0305】
いくつかの実施形態において、第2の部分は、半減期延長部分を含む。いくつかの実施形態において、半減期延長部分は、アルブミン結合部分(例えば、アルブミン結合抗体部分)である。
【0306】
いくつかの実施形態において、第2の部分は、副甲状腺ホルモン(PTH)、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)、ビスフォスフォネート、プロスタグランジンE(PGE)受容体アゴニスト、VEGF、TGFβ、成長因子(ミオスタチン)、及び、カルシトニンから選ばれる1種である薬物を含む。
【0307】
いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン抗体部分おいび第2の部分は、リンカー(例えば、「リンカー」一欄に記載のいずれかのリンカー)を介して融合する。いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン抗体部分及び第2の部分は、リンカーを介せず、融合する。
【0308】
●リンカー
【0309】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の抗スクレロスチン構築体は、2つの部分(例えば、前述した多重特異性構築体における、抗スクレロスチン抗体部分及び半減期延長部分、抗スクレロスチン抗体部分及び第2の結合部分)の間の1つ又は複数のリンカーを含む。抗スクレロスチン構築体に使用されるリンカーの長さ、柔軟性程度及び/又は他の特性は、特性にある程度の影響を及ぼす。親和性、1種又は複数種の特定抗原又はエピトープに対する特異性又は親和性を含むが、これらに限られない。例えば、2つの隣接するドメインが空間的に互いに干渉しないことを確保するために、長いリンカーを選択することができる。いくつかの実施形態では、リンカー(例えば、ペプチドリンカー)は、隣接するドメインが互いに自由に移動できるように、フレキシブル残基(例えば、グリシン及びセリン)を含む。例えば、グリシン-セリンビスコンジュゲートは、適切なペプチドリンカーであり得る。いくつかの実施形態において、リンカーは、非ペプチドリンカーである。いくつかの実施形態において、リンカーは、ペプチドリンカーである。いくつかの実施形態において、リンカーは、非開裂性リンカーである。いくつかの実施形態において、リンカーは、開裂性リンカーである。
【0310】
リンカーの他の注意すべき因子は、例えば、溶解度、親油性、親水性、疎水性、安定性(多少の安定度及び予定分解)、剛性、柔軟性、免疫原性、抗体結合への調節、ミセル又はリポソームに組み込む能力など、得られる化合物の物理的又は薬物動態学的特性に対する影響を含む。
【0311】
●ペプチドリンカー
【0312】
ペプチドリンカーは、天然的に存在する配列又は非天然的に存在する配列を有することができる。例えば、重鎖抗体のヒンジ領域のみに由来する配列をリンカーとして使用することができる(例えば、WO1996/34103号を参照する)。
【0313】
ペプチドリンカーは、任意の適切な長さを有し得る。いくつかの実施形態において、ペプチドリンカーは、長さが1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、50、75、100、又は、より多いアミノ酸である。いくつかの実施形態において、ペプチドリンカーの長さは、100以下、75以下、50以下、40以下、35以下、30以下、25以下、20以下、19以下、18以下、17以下、16以下、15以下、14以下、13以下、12以下、11以下、10以下、9以下、8以下、7以下、6以下、5以下、又は、より少ないアミノ酸である。いくつかの実施形態において、ペプチドリンカーの長さは、約1つのアミノ酸~約10つのアミノ酸、約1つのアミノ酸~約20つのアミノ酸、約1つのアミノ酸~約30つのアミノ酸、約5つのアミノ酸~約15つのアミノ酸、約10つのアミノ酸~約25つのアミノ酸中、約5つのアミノ酸~約30つのアミノ酸、約10つのアミノ酸~約30つのアミノ酸、約30つのアミノ酸~約50つのアミノ酸、約50つのアミノ酸~約100つのアミノ酸、及び、約1つのアミノ酸~約100つのアミノ酸から選ばれるいずれかである。
【0314】
このようなペプチドリンカーの基本的な技術的特徴の1つは、前記ペプチドリンカーがいかなる重合活性を含まないことである。当分野において公知であり、例えば、Dall’Acqua等(Biochem.(1998)37,9266-9273)、Cheadle等(Mol Immunol(1992)29,21-30)、及び、Raag and Whitlow(FASEB(1995)9(1),73-80)に記載されているように、ペプチドリンカーの特徴は、二次構造を促進しないことを含む。「ペプチドリンカー」において、特に好ましいアミノ酸は、Glyである。また、好ましくは、いかなる二次構造も促進しないペプチドリンカーである。前記ドメインの相互の連結は、例えば、実施例に記載される遺伝子操作によって提供することができる。融合され作動可能に連結された二重特異性一本鎖の構築体を調製し、それらを哺乳動物細胞又は細菌において発現させる方法は、当該技術分野でよく知られている(例えば、WO99/54440,Ausubel,Current Protocols in Molecular Biology,Green Publishing Associates and Wiley Interscience,N.Y.1989 and 1994 又は Sambrook等,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.,2001)。
【0315】
ペプチドリンカーは、プロテアーゼ、特にマトリックスメタロプロテアーゼ(MMPs)に開裂されない、安定なリンカーである。
【0316】
リンカーは、フレキシブルリンカーであってもよい。例示的なフレキシブルリンカーは、グリシンポリマー(G)n(SEQ ID NO:78)、グリシン-セリンポリマー(例えば、(GS)n(SEQ ID NO:79)、(GSGGS)n(SEQ ID NO:80)、(GGGGS)n(SEQ ID NO:81)、及び、(GGGS)n(SEQ ID NO:82)を含み、各配列におけるnは、1以上の整数である)、グリシン-アラニンポリマー、アラニン-セリンポリマー、及び、当分野で知られている他のフレキシブルリンカーを含む。グリシン及びグリシン-セリンポリマーは、比較的構造不定であるため、構成成分間の中性テザーとして機能することができる。グリシンは、アラニンに比べて、より多くのphi-psi空間に入ることができ、側鎖が長い残基に比べて、制限がはるかに小さい(Scheraga, Rev.Computational Chem.11 173-142(1992)を参照する)。当業者に知られているように、抗体融合タンパク質の設計は、全体的又は部分的なフレキシブルリンカーを含み、その結果、必要な抗体融合タンパク質構造を提供するように、リンカーは、フレキシブルリンカーの一部、及び、弱いフレキシブル構造を与える1つ又は複数の部分を含む。
【0317】
また、例示的なリンカーは、更に、例えば、(GGGGS)n(SEQ ID NO:81)のアミノ酸配列(nは、1~8の整数である)、例えば、(GGGGS)3(SEQ ID NO:76)、(GGGGS)4(SEQ ID NO:77)或(GGGGS)6(SEQ ID NO:83)を含む。いくつかの実施形態において、ペプチドリンカーは、(STSGSGKPGSGEGS)n(SEQ ID NO:84)のアミノ酸配列(nは、1~3の整数である)を含む。
【0318】
●非ペプチドリンカー
【0319】
2つの部分のカップリングは、2つの部分がそれぞれの活性を保持する限り、即ち、当該抗スクレロスチン多重特異性抗体の2つの部分がそれぞれスクレロスチン及び第2の抗原に結合することができる限り、2つの分子を結合する任意の化学反応によって達成することができる。当該リンカーは、多くの化学的機構、例えば、共有結合、親和性結合、インターカレーション、配位結合及び複合体形成を含む。いくつかの実施形態において、結合とは、共有結合を指す。共有結合は、従来の側鎖の直接縮合または外部架橋分子の組み込みのいずれかによって達成することができる。この場合、多くの二価又は多価のリンカーは、タンパク質分子をカップリングすることに用いられる。例えば、代表的なカップリング剤としては、例えば、チオエステル、カルボジイミド、スクシンイミジルエステル、ジイソシアネート、グルタルアルデヒド、ジアゾベンゼン、ヘキサメチレンジアミンなどの有機化合物を含む。このリストは、当分野で知られている様々な種類のカップリング剤を網羅的に記載することを意図するものではなく、むしろより一般的なカップリング剤を表すものである。(Killen and Lindstrom,Jour.Immun.133:1335-2549(1984)、Jansen等,Immunological Reviews 62:185-216(1982)、及び、Vitetta等,Science 238:1098(1987)を参照する)。
【0320】
本願に用いられるリンカーは、参考文献の記載を参照する(例えば、Ramakrishnan,S.等,Cancer Res.44:201-208(1984)において、MBS(M-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステルの使用が記載されている)。いくつかの実施形態において、本明細書に使用される非ペプチドリンカーは、(i)EDC(1-エチル-3-(3-ジメチルアミノ-プロピル)カルボジイミド塩酸塩、(ii)SMPT(4-スクシンイミジルオキシ-α-メチル-α-(2-ピリミジニル-ジチオ)-トルエン(Pierce Chem.Co.,Cat.(21558G)、(iii)SPDP(スクシンイミジル-6[3-(2-ピリジルジチオ)プロピオンアミド]ヘキサン酸エステル(Pierce Chem.Co.,Cat #21651G)、(iv)スルホ-LC-SPDP(スルホスクシンイミジル-6[3-(2-ピリジル基ジチオ)-プロピオンアミド]ヘキサン酸エステル(Pierce Chem.Co.Cat.#2165-G)、及び、(v)EDCとカップリングされたスルホ-NHS(N-ヒドロキシスルホ-スクシンイミド:Pierce Chem. Co.,Cat.#24510)を含む。
【0321】
前記リンカーは、異なる特性を有する成分を含有し、従って、異なる物理化学的特性を有する結合体をもたらす。例えば、アルキルカルボキシレートのスルホ-NHSエステルは、芳香族カルボキシレートのスルホ-NHSエステルよりも安定である。NHS-エステル含有リンカーは、スルホ-NHSエステルよりも可溶性が低い。さらに、リンカーSMPTは、立体障害ジスルフィド結合を含み、安定性が増加した抗体融合タンパク質を形成することができる。ジスルフィド結合は、他の結合よりも安定性が低いことは、ジスルフィド結合がインビトロで切断され、利用可能な抗体融合タンパク質が少なくなるためである。特にスルホ-NHSは、カルボジイミドカップリングの安定性を高めることができる。カルボジイミドカップリング(EDCなど)は、スルホ-NHSと共に使用される場合、カルボジイミドカップリング反応のみよりも加水分解に対してより耐性であるエステルを形成する。
【0322】
III.調製方法
【0323】
いくつかの実施形態において、スクレロスチンを特異的に結合する抗スクレロスチン構築体又は抗体部分、及び、抗スクレロスチン構築体又は抗体部分を調製する際に生成された組成物、例えば、ポリヌクレオチド、核酸構築体、ベクター、宿主細胞又は培地の調製方法を提供する。本明細書に記載の抗スクレロスチン構築体又は抗体部分或いは組成物は、以下に一般的に説明され、かつ、例示においてより詳しく説明された様々な方法で調製される。
【0324】
●抗体の発現及び産生
【0325】
本明細書に記載の抗体(抗スクレロスチンモノクローナル抗体、抗スクレロスチン二重特異性抗体及び抗スクレロスチン抗体部分を含む)は、以下及び例示で説明する方法を含む、当分野で知られている任意の方法を使用して調製することができる。
【0326】
●モノクローナル抗体
【0327】
モノクローナル抗体は、基本的に同一な抗体集団から得られ、即ち、抗体集団を構成する個々の抗体は、少量の天然に生じ得る突然変異及び/又は翻訳後改変(例えば、異性化、アミド化)以外、同一である。従って、「モノクローナル」という修飾語は、抗体の特徴が離散抗体の混合物ではないと示している。例えば、モノクローナル抗体は、初めてKohler等,Nature,256:495(1975)に記載されたハイブリドーマ法により調製されてもよく、また、組換えDNA方法(米国特許US4,816,567)により調製されてもよい。ハイブリドーマ法において、前記のように、マウス、又は、ハムスター或いはラクダなどの他の適切な宿主動物を免疫して、免疫化に用いられるタンパク質に特異的に結合する抗体を産生すること又は産生することができるリンパ球を誘導する。又は、リンパ球はインビトロで免疫化されてもよい。その後、好適な融合剤(例えば、ポリエチレングリコール)でリンパ球を骨髄腫細胞に融合させ、ハイブリドーマ細胞を形成する(Goding,Monoclonal Antibodies:Principles and Practice,pp.59-103(Academic Press,1986))。ラクダの免疫化について、例示1を参照する。
【0328】
免疫剤は、通常に抗原タンパク質又はその融合変異体を含む。免疫剤は、精製された全長又は切断したスクレロスチンポリペプチド或いはその変異体又は断片(即ち、ペプチド)からなる。このようなペプチドは、より大きいポリペプチドのタンパク質分解切断、分子組換え法により産生されてもよく、又は、本明細書に記載の方法及び当分野で知られている方法により化学的に合成されてもよい。ヒトスクレロスチンとLRP6との複合体の結晶構造(Kim,J.2020,Nat Commun 11:5357-5357)に基づいて、「IGRGKWWR」モチーフ(SEQ ID NO:186)を含有する第2のループ先端がスクレロスチンのLRP6の第1のプロペラドメインに対する結合の主な結合决定簇であると見出される。免疫剤として使用されるペプチドは、通常、本明細書に記載されるように、第2のループにおける「IGRGKWWR」モチーフを覆うスクレロスチンアミノ酸配列に由来する少なくとも7つの連続したアミノ酸からなるアミノ酸配列を有してもよく、好ましくは、少なくとも8、9、10、11、12、14、15、16、18、19、20、21、22、23又は24つの連続したアミノ酸を有し、前記連続したアミノ酸は、「IGRGKWWR」モチーフを含む。他の好ましいペプチド製剤は、「IGRGKWWR」モチーフを覆うスクレロスチン配列における8つ以上且つ12つ以下の連続したアミノ酸、又はより多い連続したアミノ酸を含み、しかも、他の好ましいペプチド製剤は、第2のループスクレロスチンポリペプチドにおける24つの連続したアミノ酸を含む。他の好ましいペプチド製剤は、その第2のループにおける「IGRGKWWR」モチーフを覆う8~24つの連続したアミノ酸の間のいずれかの整数のアミノ酸を含み、又は、全長スクレロスチン配列のポリペプチドを含む。一つの実施形態において、免疫剤は、全長ヒトスクレロスチであり、又は、好ましくは、その第2のループの一部であり、例えば、本明細書に記載されるように、スクレロスチンの第2のループにおける「IGRGKWWR」モチーフを特異的に認識する抗体を産生させるように、第2のループにおいて、アミノ酸110~133、又は、好ましくは119~130、又は、より好ましくは116~126、又は、より好ましくは118~125を覆うペプチドを合成する。一般的に、ヒト由来細胞が必要な場合、末梢血リンパ球(「PBLs」)が使用され、非ヒト哺乳動物由来が必要な場合、脾臓細胞又はリンパ節細胞が使用される。その後、適切な融合剤(例えば、ポリエチレングリコール)でリンパ球を不死化細胞株に融合させ、ハイブリドーマ細胞を形成する。Goding,Monoclonal Antibodies:Principles and Practice,Academic Press(1986),pp.59-103。
【0329】
不死化細胞株は、通常、形質転換した哺乳動物細胞であり、特にげっ歯類動物、ウシ及びヒト由来骨髄腫細胞である。通常、ラット又はマウス骨髄腫細胞株を用いる。このようにして調製されたハイブリドーマ細胞を、好適な培地に播種し、増殖させる。好ましくは、前記培地は、非融合親骨髄腫細胞の増殖又は生存を阻害する1種又は複数種の物質を含む。例えば、親骨髄腫細胞がヒポキサンチン-グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRT又はHPRT)を欠くと、ハイブリドーマの培地において、通常、HGPRT欠損細胞の増殖を阻害する物質であるヒポキサンチン、アミノプテリン及びチミジン(HAT培地)を含む。
【0330】
不死化骨髄腫細胞は、好ましくは、効果的に融合し、選択される抗体生成細胞が安定して高レベルで抗体を産生することを維持し、培地(例えば、HAT培地)に感受性がある細胞である。ここで、好ましくは、マウス骨髄腫細胞株、例えば、MOPC-21及びMPC-11マウス腫瘍に由来する細胞株であり、Salk Institute Cell Distribution Center(San Diego,Calif.USA)から入手可能であり、SP-2細胞(及びその誘導体、例えばX63-Ag8-653)は、American Type Culture Collection(Manassas,Va.USA)から入手可能である。ヒト骨髄腫及びマウス-ヒト異種骨髄腫細胞株も、ヒトモノクローナル抗体の生成に用いられることが記載されている。(Kozbor,J.Immunol.,133:3001(1984)、Brodeur等,Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications,pp.51-63(Marcel Dekker,Inc.,New York,1987))。
【0331】
当該抗原に対するモノクローナル抗体を生成するために、ハイブリドーマ細胞の増殖した培地を分析する。好ましくは、免疫沈降又はインビトロ結合アッセイ(例えば、ラジオイムノアッセイ(RIA)又は酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)によりハイブリドーマ細胞に産生されたモノクローナル抗体の結合特異性を決定する。
【0332】
ハイブリドーマ細胞を培養する培地において、所望の抗原に対するモノクローナル抗体を存在するかどうかを分析してもよい。好ましくは、モノクローナル抗体の結合親和性及び特異性は、免疫沈降又はインビトロ結合アッセイ(例えば、ラジオイムノアッセイ(RIA)又は酵素結合アッセイ(ELISA))により決定される。このような技術及び試験は、当分野で知られているものである。例えば、結合親和性は、Munson等,Anal.Biochem.,107:220(1980)におけるScatchard分析により決定される。Wnt活性を阻害するスクレロスチンの能力を特異的に中和するモノクローナル抗体を選択するために、得られたハイブリドーマをスクリーニングし、ELISA又はBLI法により全長ヒトスクレロスチン及び「IGRGKWWR」モチーフを含有する第2のループからのポリペプチドと反応する抗体の存在するかどうかを決定することができる。好ましくは、例3及び例4に記載されるように、全長スクレロスチン及びその「IGRGKWWR」モチーフを含有するペプチドに特異的に結合するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマである。例7に記載されるように、HEK293/TCF/LEF/Wnt1レポーター遺伝子分析(Hannoush RN.,2008,PLoS ONE,3:e3498)により、全長ヒトスクレロスチンの、低密度リポタンパク質受容体関連タンパク質ファミリーメンバー、例えば、LRP5又はLRP6への結合を遮断、損傷又は阻害することができるモノクローナル抗体を選択する。
【0333】
所望の特異性、親和性及び/又は活性を備える抗体を産生するハイブリドーマ細胞を同定した後、クローンを限定希釈法によりサブクローニングし、標準的な方法(Goding、前記の内容を参照する)により増殖させる。このために、適用される培地は、例えば、D-MEM又はRPMI-1640培地を含む。また、ハイブリドーマ細胞は、哺乳動物の体内で腫瘍として増殖させる。
【0334】
通常の免疫グロブリン精製工程、例えば、タンパク質A-アガロース、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析、又は親和性クロマトグラフィーによって、培地、腹水、又は血清から、サブクローンに分泌されたモノクローナル抗体を適切に分離する。
【0335】
モノクローナル抗体も、前記に示さるように、組換えDNA法、例えば、米国特許US4,816,567に記載の方法で調製される。通常の工程でモノクローナル抗体をコードするDNA(例えば、マウス抗体重鎖及び軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合するオリゴヌクレオチドプローブを使用することにより)を容易に単離することができる。ハイブリドーマ細胞は、このようなDNAの好ましい供給源である。DNAを単離すると、それをベクターに導入し、そして、宿主細胞、例えば、大腸菌細胞、サルCOS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞又は骨髄腫細胞にトランスフェクトし、これら細胞は、他の方式で免疫グロブリンを産生しないため、このような組換え宿主細胞にモノクローナル抗体を合成することを可能にする。抗体をコードするDNAの細菌における組換え・発現に関する概説は、Skerra 等,Curr.Opinion in Immunol.,5:256-262(1993)及びPluckthun,Immunol.Revs.130:151-188(1992)を含む。
【0336】
もう一つの実施形態において、McCafferty等,Nature,348:552-554 (1990)に記載の技術で、生成された抗体ファージライブラリーから抗体を単離することができる。Clackson等,Nature,352:624-628(1991)及びMarks等,J.Mol.Biol.,222:581-597(1991)において、ファージライブラリーを用い、それぞれマウス抗体、ヒト抗体を単離することが記載されている。これに続いた開示には、チェーンシャフリングによる高親和性(nM範囲)を有するヒト抗体の生成(Marks等,Bio/Technology,10:779-783(1992))、並びに、極めて大きなファージライブラリーを構築するための戦略としてのコンビナトリアル感染及びインビボ組換え(Waterhouse等,Nucl.Acids Res., 21:2265-2266 (1993))が記載されている。従って、これら技術は、モノクローナル抗体を単離する伝統的なモノクローナル抗体ハイブリドーマ技術の可能な代替手段である。
【0337】
例えば、同種マウス配列の代わり、ヒト重鎖及び軽鎖定常ドメインのコード配列を用い、DNAを変化させ(米国特許US4,816,567;Morrison等,Proc.Natl Acad.Sci.USA,81:6851(1984))、又は、免疫グロブリンコード配列に共有結合した非免疫グロブリンポリペプチドのコード配列のすべて又は一部により、DNAを変化させてもよい。通常、このような非免疫グロブリンポリペプチドは、抗原に対して特異性を有する1つの抗原結合部位、及び、異なる抗原に特異性を有するもう1つの抗原結合部位を有するキメラ二価抗体を産生するように、抗体の定常ドメインを置換するか、又は、抗体の1つの抗原結合部位の可変ドメインを置換する。
【0338】
本明細書に記載のモノクローナル抗体は、一価であってもよく、その調製方法は、当分野に知られるものである。例えば、免疫グロブリン軽鎖及び変化した重鎖の組換え・発現に関する方法がある。重鎖は、通常、重鎖の架橋を防止するためにFc領域の任意の部位で切断される。或いは、関連するシステイン残基は、架橋を防止するために、もう1つのアミノ酸残基で置換されるか、又は、欠失される。インビトロ法も一価抗体の調製にも適用される。抗体の断片、特にFab断片を生成するための消化は、当分野で知られている従来技術を用い、行うことができる。
【0339】
キメラ又はハイブリッド抗体は、架橋剤を使用する方法を含む、合成タンパク質化学における公知の方法によりインビトロで調製されてもよく、例えば、免疫毒素は、ジスルフィド交換反応によって構築されるか、又は、チオエーテル結合を形成することによって構築され得る。この目的に適した試薬の例は、イミノチオレート塩及び4-メルカプトブチルピリミジンメチルを含む。
【0340】
抗体部分をコードする核酸分子
【0341】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の抗スクレロスチン構築体又は抗体部分のいずれか1種をコードするポリヌクレオチドを提供する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法のいずれか1種を使用して調製されたポリヌクレオチドを提供する。いくつかの実施形態において、核酸分子は、抗体部分(例えば、抗スクレロスチン抗体部分)の重鎖又は軽鎖をコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、核酸分子は、抗体部分(例えば、抗スクレロスチン抗体部分)の重鎖をコードするポリヌクレオチド及び軽鎖をコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、第1の核酸分子は、重鎖をコードする第1のポリヌクレオチドを含み、第2の核酸分子は、軽鎖をコードする第2のポリヌクレオチドを含む。
【0342】
いくつかの実施形態において、重鎖及び軽鎖は、1つの核酸分子又は2つの単独の核酸分子によって2つの単独のポリペプチドに発現される。いくつかの実施形態において、例えば、抗体がscFvである場合、単一のポリヌクレオチドは、連結している重鎖及び軽鎖を含む単一のポリペプチドをコードする。
【0343】
いくつかの実施形態において、抗体部分(例えば、抗スクレロスチン抗体部分)の重鎖又は軽鎖をコードするポリヌクレオチドは、リーダー配列をコードするヌクレオチド配列を含み、翻訳する場合、リーダー配列は、重鎖又は軽鎖のN末端に位置する。前述したように、リーダー配列は、天然的な重鎖又は軽鎖のリーダー配列であってもよく、或は、別の異種リーダー配列であってもよい。
【0344】
いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドとは、DNAを指す。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドとは、RNAを指す。いくつかの実施形態において、RNAとは、mRNAを指す。
【0345】
当分野で汎用な組換えDNA技術で核酸分子を構築することができる。いくつかの実施形態では、核酸分子は、選択された宿主細胞における発現に適した発現ベクターである。
【0346】
核酸構築体
【0347】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載のポリヌクレオチドのいずれか1種を含む核酸構築体を提供する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載のいずれか方法で調製された核酸構築体を提供する。
【0348】
いくつかの実施形態において、前記核酸構築体は、さらに前記ポリヌクレオチドに動作可能に連結されたプロモーターを含む。いくつかの実施形態において、前記ポリヌクレオチドは、遺伝子に対応しており、前記プロモーターは、前記遺伝子の野生型プロモーターである。
【0349】
ベクター
【0350】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の抗体部分(例えば、抗スクレロスチン抗体部分)のいずれか重鎖及び/又は軽鎖をコードする任意のポリヌクレオチド、又は、本明細書に記載の核酸構築体を含む、ベクターを提供する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載のいずれか方法で調製されたベクターを提供する。ベクターは、抗スクレロスチン構築体のいずれか1種をコードするポリヌクレオチド,例えば、抗体、scFvs、融合タンパク質、或いは、本明細書に記載の他の形態の構築体(例えば、抗スクレロスチンscFv)を含む。このようなベクターは、DNAベクター、ファージベクター、ウイルスベクター、レトロウイルスベクターなどを含むが、これらに限られない。いくつかの実施形態において、ベクターは、重鎖をコードする第1のポリヌクレオチド配列、及び、軽鎖をコードする第2のポリヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、重鎖及び軽鎖は、ベクターから2つの単独のポリペプチドに発現される。いくつかの実施形態において、例えば、抗体がscFvである場合、重鎖及び軽鎖は、単一のポリペプチドの一部に発現される。
【0351】
いくつかの実施形態において、第1のベクターは、重鎖をコードするポリヌクレオチドを含み、第2のベクターは、軽鎖をコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、第1のベクター及び第2のベクターを、類似の量(例えば、類似のモル量又は類似の質量)で宿主細胞にトランスフェクトする。いくつかの実施形態において、モル比又は質量比が5:1~1:5の間にある第1のベクター及び第2のベクターを宿主細胞にトランスフェクトする。いくつかの実施形態において、重鎖をコードするベクター及び軽鎖をコードするベクターを1:1~1:5の質量比で使用する。いくつかの実施形態において、重鎖をコードするベクター及び軽鎖をコードするベクターを1:2の質量比で使用する。
【0352】
いくつかの実施形態において、CHO又はCHO由来の細胞、又はNS0細胞におけるポリペプチドの発現のために最適化されたベクターを選択する。例示的なこのようなベクターの例示的な記載は、例えば、Running Deer等,Biotechnol.Prog.20:880-889(2004)に記載されている。
【0353】
●宿主細胞
【0354】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載のいずれかポリペプチド、核酸構築体及び/又はベクターを含む宿主細胞を提供する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載のいずれか方法で調製された宿主細胞を提供する。いくつかの実施形態において、宿主細胞は、発酵の条件で本明細書に記載の抗体部分のいずれかを産生することができる。
【0355】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の抗体部分(例えば、抗スクレロスチン抗体部分)は、原核細胞(例えば、細菌細胞)に発現され、又は、真核細胞、例えば、真菌細胞(例えば、酵母)、植物細胞、昆虫細胞及び哺乳動物細胞に発現される。このような発現は、当分野で知られている工程に従い、行うことができる。ポリペプチドを発現するための例示的な真核細胞は、COS7細胞を含むCOS細胞、293-6E細胞を含む293細胞、CHO-S、DG44.Lec13 CHO細胞及びFUT8 CHO細胞を含むCHO細胞、PER.C6(登録商標)細胞(Crucell)、及び、NS0細胞を含むが、これらに限られない。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の抗体部分(例えば、抗スクレロスチン抗体部分)は、酵母で発現される。例えば、米国公開公報US2006/0270045A1を参照する。いくつかの実施形態において、具体的な真核宿主細胞は、その抗体部分の重鎖及び/又は軽鎖に対して所望の翻訳をした後、修飾を行う能力に基づいて選択される。例えば、いくつかの実施形態において、CHO細胞に産生されたポリペプチドは、293細胞に産生された同様なポリペプチドに比べて、より高いレベルのシアル酸化を有する。
【0356】
任意の方法で1種又は複数種の核酸を所望の宿主細胞に導入することができる。リン酸カルシウムトランスフェクト、DEAE-デキストラン媒介性トランスフェクト、カチオン性脂質媒介性トランスフェクト、エレクトロポレーション、形質導入、感染などを含むが、これらに限られない。非限定的な例示的な方法の説明は、例えば、Sambrook等,Molecular Cloning,A Laboratory Manual,3rd ed.Cold Spring Harbor Laboratory Press(2001)を参照する。任意の適切な方法によれば、核酸は、所望の宿主細胞に一過性又は安定的にトランスフェクトされる。
【0357】
本願は、本明細書に記載のポリヌクレオチド又はベクターのいずれか1種を含む宿主細胞をさらに提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、抗スクレロスチン抗体を含む宿主細胞を提供する。異種DNAを過剰発現できる任意の宿主細胞は、いずれも標的抗体、ポリペプチド又はタンパク質をコードする遺伝子の単離に使用される。哺乳動物の宿主細胞の非限定的な示例は、COS、HeLa及びCHO細胞を含むが、これらに限られない。また、PCT公開公報WO87/04462も参照する。好適な非哺乳動物の宿主細胞は、原核生物(例えば、大腸菌(E.coli)又は枯草菌(B.subtillis))及び酵母(例えば、サッカロミセス・セレビシエ(S.cerevisae,)、サッカロマイセスポンベ(S.pombe)、又は、乳酸菌(K.lactis))を含む。
【0358】
いくつかの実施形態において、抗体部分は、無細胞システムに産生された。非限定的な例示的な無細胞システムの説明は、例えば、Sitaraman等,Methods Mol.Biol.498:229-44(2009)、Spirin,Trends Biotechnol.22:538-45(2004)、Endo等, Biotechnol.Adv.21:695-713(2003)を参照する。
【0359】
●培地
【0360】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載のいずれかの抗体部分、ポリヌクレオチド、核酸構築体、ベクター及び/又は宿主細胞を含む培地を提供する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載のいずれかの方法で調製された培地を提供する。
【0361】
いくつかの実施形態において、培地は、ヒポキサンチン、アミノプテリン及び/又はチミジン(例えば、HAT培地)を含む。いくつかの実施形態において、培地は、血清を含まない。いくつかの実施形態において、培地は、血清を含む。いくつかの実施形態において、培地とは、D-MEM又はRPMI-1640培地を指す。Romo
【0362】
抗体部分の精製
【0363】
抗スクレロスチン構築体(例えば、抗スクレロスチンモノクローナル抗体又は多重特異性抗体)は、任意の適切な方法で精製される。このような方法は、親和性マトリックス又は疎水相互作用クロマトグラフィーの使用を含むが、これらに限られない。適切な親和性リガンドは、ROR1胞外ドメイン及び抗体定常領域に結合するリガンドを含む。例えば、タンパク質A、タンパク質G、タンパク質A/G又は抗体親和性カラムは、定常領域に結合し、Fc断片を含む抗スクレロスチン構築体を精製することに用いられる。疎水相互作用クロマトグラフィー、例えば、ブチルカラムやフェニルカラムは、いくつかのポリペプチド、例えば、抗体を精製することに適用される。イオン交換クロマトグラフィー(例えば、アニオン交換クロマトグラフィー及び/又はカチオン交換クロマトグラフィー)は、いくつかのポリペプチド、例えば、抗体の精製にも適用される。混合モデルクロマトグラフィー(例えば、逆相/アニオン交換、逆相/カチオン交換、親水相互作用/アニオン交換、親水相互作用/カチオン交換等)も、いくつかのポリペプチド、例えば、抗体の精製に適用される。ポリペプチドを精製する多くの方法は、当分野で知られているものである。
【0364】
IV. 治療方法
【0365】
いくつかの実施形態において、個体に有效量の本明細書に記載の抗スクレロスチン構築体又は薬物組成物を投与することを含む、個体の疾患又は病状を治療する方法を提供する。いくつかの実施形態において、前記疾患又は病状は、骨関連疾患又は軟骨関連疾患、骨髄又は血液学的疾患、骨格筋系の希少疾患、筋肉関連疾患又は癌である。
【0366】
本明細書に記載の方法は、任意の骨関連疾患又は病状に適用される。いくつかの実施形態において、骨形成不全、骨粗鬆症又は骨減少症(男性及び女性)、骨壊死、骨遅延癒合、骨折不癒合、多発性骨髄腫、多発性骨髄腫関連骨疾患、原発性骨腫瘍、悪性腫瘍の骨転移、炎症性又は感染性骨疾患、骨軟化症、高カルシウム血症、パジェット病、不運動による骨喪失、グルココルチコイドによる骨喪失、関節炎誘導骨喪失を含む炎症誘導骨喪失、宇宙飛行士の骨粗鬆症/骨減少症及び無重力による骨喪失、又は、a)骨量喪失又は骨質喪失又はその両方、及び/又は、b)骨構造及び骨質異常に関連する他の疾患又は病状を含む。いくつかの実施形態において、骨関連疾患とは、骨粗鬆症又は骨減少症を指す。いくつかの実施形態において、骨関連病状とは、骨形成不全を指す。いくつかの実施形態において、骨関連病状とは、多発性骨髄腫及び多発性骨髄腫関連骨疾患を指す。
【0367】
いくつかの実施形態において、疾患又は病状とは、軟骨疾状を指す。いくつかの実施形態において、軟骨病状は、軟骨腫症、軟骨異形成症(chondrodysplasia)、軟骨形成不全症(achondroplasia)、異形成症骨端異形成、軟骨異栄養性筋強直症、皮質傍軟骨腫、膝関節軟骨裂傷、骨線維異形成症、骨関節炎、骨形成不全、低リン酸血症性くる病又は骨軟骨異栄養症を含む。
【0368】
いくつかの実施形態において、疾患又は病状とは、肌肉関連疾患を指す。いくつかの実施形態において、筋肉関連疾患とは、筋肉減少症及び癌症関連筋肉減少症を指す。
【0369】
いくつかの実施形態において、疾患又は病状とは、癌(例えば、血液悪性腫瘍,例えば、多発性骨髄腫)を指す。
【0370】
いくつかの実施形態において、有効量の抗スクレロスチン構築体(例えば、本明細書に記載の抗スクレロスチン構築体のいずれか)を個体に投与することを含む、個体の骨又は関節手術後の癒合を促進するための方法を提供する。
【0371】
いくつかの実施形態において、前記個体に効果的に組み立てる抗スクレロスチン構築体を投与することを含む、個体の疾患又は病状(例えば、骨関連疾患)を治療する方法であって、前記抗スクレロスチン構築体は、抗体部分を含み、前記抗体部分は、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、VHは、i)SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、ii)SEQ ID NO:5のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、iii)SEQ ID NO:9のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、又は、これらLC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、VLは、i)SEQ ID NO:15又は85のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、ii)SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、iii)SEQ ID NO:20のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、又は、これらLC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含む、方法を提供する。
【0372】
いくつかの実施形態において、個体に有效量の多重特異性構築体を投与することを含む、個体の疾患又は病状(例えば、骨関連疾患)を治療する方法であって、前記多重特異性構築体は、スクレロスチンを特異的に認識する第1の抗体部分、及び、RANKLを特異的に認識する第2の抗体部分を含む、方法を提供する。いくつかの実施形態において、前記第1の抗体部分は、第1の重鎖可変領域(VH-1)及び第1の軽鎖可変領域(VL-1)を含み、VH-1は、i)SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、ii)SEQ ID NO:5のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、iii)SEQ ID NO:9のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、又は、これらLC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、VL-1は、i)SEQ ID NO:15又は85のアミノ酸配列を有するLC-CDR1,ii)SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、iii)SEQ ID NO:20のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、又は、これらLC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含む。いくつかの実施形態において、前記第2の抗体部分は、第2の重鎖可変領域(VH-2)及び第2の軽鎖可変領域(VL-2)を含み、VH-2は、SEQ ID NO:66のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:67のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:68のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、VL-2は、SEQ ID NO:69のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:70のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:71のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む。
【0373】
いくつかの実施形態において、個体に有效量の多重特異性構築体を投与することを含む、前記個体の疾患又は病状(例えば、骨関連疾患)を治療する方法であって、前記多重特異性構築体は、スクレロスチンを特異的に認識する第1の抗体部分及びDKK1を特異的に認識する第2の抗体部分を含む、方法を提供する。いくつかの実施形態において、前記第1の抗体部分は、第1の重鎖可変領域(VH-1)及び第1の軽鎖可変領域(VL-1)を含み、VH-1は、i)SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、ii)SEQ ID NO:5のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、iii)SEQ ID NO:9のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、又は、これらLC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、VL-1は、i)SEQ ID NO:15又は85のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、ii)SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、iii)SEQ ID NO:20のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、又は、これらLC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含む。いくつかの実施形態において、前記第2の抗体部分は、第2の重鎖可変領域(V-H-2)及び第2の軽鎖可変領域(VL-2)を含み、a)前記VH-2は、SEQ ID NO:42のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:43のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:44のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、前記VL-2は、SEQ ID NO:45のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:46のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:47のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、b)前記VH-2は、SEQ ID NO:48のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:49のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:50のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、前記VL-2は、SEQ ID NO:51のアミノ酸配列を有するLC-CDR1,SEQ ID NO:52のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:58のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、或は、c)前記VH-2は、SEQ ID NO:54のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:55のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:56のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、前記VL-2は、SEQ ID NO:57のアミノ酸配列を有するLC-CDR1,SEQ ID NO:58のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:59のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む。
【0374】
いくつかの実施形態において、被験者は、哺乳動物(例えば、ヒト)である。
【0375】
抗スクレロスチン構築体の投与量と投与方法
【0376】
本明細書に記載の疾患又は病状を治療するための抗スクレロスチン構築体を個体に投与する投与レジメン(例えば、特定の用量及び頻度)は、具体的な抗スクレロスチン構築体(例えば、抗スクレロスチンモノクローナル抗体又は多重特異性抗体、例えば、抗スクレロスチン融合タンパク質)、投与方式及び治療されている疾患又は病状のタイプに応じて異なる。
【0377】
前述したいずれか点におけるいくつかの実施形態において、抗スクレロスチン構築体(例えば、抗スクレロスチンモノクローナル抗体又は多重特異性抗体)の有效量は、約0.001μg/kg~約500mg/kg総体重の範囲内であり、例えば、約0.005μg/kg~約100mg/kg、約0.01μg/kg~約50mg/kg、又は、約0.01μg/kg~約5mg/kgである。
【0378】
いくつかの実施形態において、治療は、複数回の抗スクレロスチン構築体の投与(例えば、約2、3、4、5、6、7、8、9又は10回の抗スクレロスチン構築体の投与)を含む。いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン構築体は、約日ごと、週こと、週ごとに2回、月ごとに1回、3ヶ月ごとに1回、6ヶ月ごとに1回、又は1年ごとに1回の頻度で投与する。
【0379】
抗スクレロスチン構築体は、様々な経路、例えば、静脈内、関節内、動脈内、腹腔内、肺内、経口、吸入、嚢内、筋肉内、気管内、皮下、眼内、髄腔内、経粘膜及び経皮によって個体(例えば、ヒト)に投与され得る。いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン構築体は、薬物組成物に含まれ、これとともに個体に投与される。いくつかの実施形態において、組成物の徐放性製剤を使用してもよい。いくつかの実施形態において、前記組成物は、静脈内に注射される。いくつかの実施形態において、前記組成物は、腹腔内に注射された。いくつかの実施形態において、前記組成物は、静脈内に注射される。いくつかの実施形態において、前記組成物は、腹腔内に注射された。いくつかの実施形態において、前記組成物は、筋肉内に注射される。いくつかの実施形態において、前記組成物は、皮下に注射される。いくつかの実施形態において、前記組成物は、静脈内に注射される。いくつかの実施形態において、前記組成物は、経口投与される。
【0380】
併用治療
【0381】
本願は、第2の薬物又は療法を実施することを含む、疾患又は病状(例えば、骨関連疾患)を治療するための抗スクレロスチン構築体を個体に投与する方法をさらに提供する。いくつかの実施形態において、第2の薬物又は療法は、疾患又は病状を治療するための標準的又は一般的な薬物又は療法である。
【0382】
いくつかの実施形態において、個体にa)有效量の抗スクレロスチン構築体(例えば、本明細書に記載の抗スクレロスチン構築体のいずれか)、及び、b)第2の療法又は薬物を実施することを含む、個体の疾患又は病状(例えば、骨関連疾患)を治療する方法を提供する。いくつかの実施形態において、第2の療法又は薬物は、抗DKK1抗体又は抗RANKL抗体である。いくつかの実施形態において、第2の薬物又は療法は、副甲状腺ホルモン(PTH)、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)、ビスフォスフォネート、プロスタグランジンE(PGE)受容体アゴニスト、VEGF、TGFβ、成長因子(ミオスタチン)及びカルシトニンから選ばれる1種である薬物を含む。
【0383】
いくつかの実施形態において、個体にa)有效量の抗スクレロスチン構築体(例えば、本明細書に記載の抗スクレロスチン構築体のいずれか)、及び、b)抗DKK1抗体を投与することを含む、個体の疾患又は病状(例えば、骨関連疾患)を治療する方法を提供する。いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン構築体は、抗体部分を含み、前記抗体部分は、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、VHは、i)SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、ii)SEQ ID NO:5のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、iii)SEQ ID NO:9のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、又は、これらLC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、VLは、i)SEQ ID NO:15又は85のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、ii)SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、iii)SEQ ID NO:20のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、又は、これらLC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含む。いくつかの実施形態において、前記抗DKK1抗体は、第2の重鎖可変領域(VH-2)及び第2の軽鎖可変領域(VL-2)を含み、VH-2は、SEQ ID NO:66のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:67のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:68のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、VL-2は、SEQ ID NO:69のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:70のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:71のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む。
【0384】
いくつかの実施形態において、個体にa)有效量の抗スクレロスチン構築体(例えば、本明細書に記載の抗スクレロスチン構築体のいずれか)、及び、b)抗RANKL抗体を投与することを含む、個体の疾患又は病状(例えば、骨関連疾患)を治療する方法を提供する。いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン構築体は、抗体部分を含み、前記抗体部分は、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、VHは、i)SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、ii)SEQ ID NO:5のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、iii)SEQ ID NO:9のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、又は、これらLC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、VLは、i)SEQ ID NO:15又は85のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、ii)SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、iii)SEQ ID NO:20のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、又は、これらLC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含む。いくつかの実施形態において、前記抗RANKL抗体は、第2の重鎖可変領域(V-H-2)及び第2の軽鎖可変領域(VL-2)を含み、a)前記VH-2は、SEQ ID NO:42のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:43のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:44のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、前記VL-2は、SEQ ID NO:45のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:46のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:47のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、b)前記VH-2は、SEQ ID NO:48のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:49のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:50のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、前記VL-2は、SEQ ID NO:51のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:52のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:58のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、又は、c)前記VH-2は、SEQ ID NO:54のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:55のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:56のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、又は、前記VL-2は、SEQ ID NO:57のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:58のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:59のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む。
【0385】
いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン構築体は、第2の薬物又は療法とともに実施される。いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン構築体は、第2の薬物又は療法とともにに実施される。いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン構築体は、第2の薬物又は療法と順に実施される。
【0386】
V.成分、キット及び製品
【0387】
本願は、さらに、本明細書に記載の抗スクレロスチン構築体又は抗スクレロスチン抗体部分、抗体部分をコードする核酸、抗体部分をコードする核酸のベクター、或いは、核酸又はベクターを含む宿主細胞を含む組成物(例えば、製剤、例えば、薬物組成物)を提供する。
【0388】
いくつかの実施形態において、抗スクレロスチン構築体(例えば、本明細書に記載の抗スクレロスチン構築体のいずれか)及び薬学的に許容される担体を含む、薬物組成物を提供する。いくつかの実施形態において、当該組成物は、副甲状腺ホルモン(PTH)、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)、VEGF、TGFβ、成長因子(ミオスタチン)及びカルシトニンから選ばれる1種である薬物をさらに含む。
【0389】
本明細書に記載の抗スクレロスチン構築体の適切な製剤は、所望の純度を有する抗スクレロスチン構築体又は抗スクレロスチン抗体部分と、任意に選択される薬学的に許容される担体、賦形剤、又は安定剤とを混合することで得られ、凍結乾燥製剤又は水溶液の形態で存在する(Remington’s Pharmaceutical Sciences 16th edition,Osol,A.Ed.(1980))。許容される担体、補助剤、又は安定剤は、使用される用量及び濃度で被験体にとって無毒であり、以下のものを含む:リン酸塩、クエン酸塩、および他の有機酸などの緩衝液;アスコルビン酸およびメチオニンを含む抗酸化剤;保存料(例えば、オクタデシルジメチルベンジル塩化アンモニウム;塩化ヘキサメトニウム;塩化ベンザルコニウム;塩化ベンゼトニウム;フェノール、ブチル又はベンジルアルコール;メチルまたはプロピルパラベンなどのアルキルパラベン;カテコール;レソルシノール;シクロヘキサノール;3-ペンタノール;及びm-クレゾールなど);低分子量(約10残基未満)のポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチン、又は免疫グロブリンなどのタンパク質;ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン又はリジンなどのアミノ酸;グルコース、マンノース又はデキストリンを含む、単糖、二糖及び他の炭水化物;EDTAなどのキレート剤;スクロース、マンニトール、トレハロース、ソルビトールなどの糖類;ナトリウムなどの塩形成対イオン類;金属錯体(例えば、Zn-タンパク質錯体);及び/又は、例えばTWEENTM、PLURONICSTM又はポリエチレングリコール(PEG)などの非イオン性界面活性剤がある。皮下注射に適した凍結乾燥製剤は、例えば、WO97/04801に記載されている。このような凍結乾燥製剤は、適切な希釈剤で高タンパク質濃度まで再溶解させることができ、再溶解製剤は、画像化、診断、又は治療される個体に皮下注射することができる。
【0390】
体内投与のための製剤は、無菌でなければならない。これは、例えば、除菌濾過膜による濾過で容易に達成される。
【0391】
本明細書に記載の抗スクレロスチン構築体又は抗スクレロスチン抗体部分のいずれかを含むキットを提供する。当該キットは、本明細書に記載の調節用細胞組成物又は治療のいずれかの方法に用いられる。
【0392】
いくつかの実施形態において、スクレロスチンに特異的に結合する抗スクレロスチン構築体を含むキットを提供する。
【0393】
いくつかの実施形態において、当該キットは、抗スクレロスチン構築体を個体の体内に送達することができるデバイスをさらに含む。非経口送達などの用途のための装置は、組成物を被験者体内に注射するためのシリンジである。吸入デバイスも、特定の用途に使用されてもよい。
【0394】
いくつかの実施形態において、当該キットは、例えば、骨形成不全、骨硬化、又は、骨喪失関連疾患又は病状などの骨関連疾患のような、疾患又は病状を治療するための治療薬物をさらに含む。
【0395】
本願に係るキットは、適切な包装を採用する。適切な包装として、バイアル、ボトル、ジャー、可撓性の包装(例えば、密封マイラー又はプラスチックバッグ)等を含むが、これらに限られない。キットは、緩衝液や解釈情報などの他の構成要素を提供するように選択され得る。
【0396】
従って、本願は、さらに製品を提供する。前記製品は、容器と、容器上又は容器関連のラベル又は添付文書を含む。好適な容器は、バイアル(密封バイアル)、一般的なボトル、ジャー、可撓性の包装材などを含む。通常、容器は組成物を収容し、無菌の入口を有し得る(例えば、容器は、静脈内注射用溶液バッグ、又は皮下注射針で穿刺可能なストッパを有するバイアルであってもよい)。ラベル又は医薬品の添付文書は、組成物が、個体の具体的な病状を画像化、診断、又は治療するために使用されることを示す。ラベル又は医薬品の添付文書は、組成物を個体に適用するため、及び、個人を画像化するための説明も含む。ラベルは、再溶解及び/又は使用するための説明を含み得る。組成物を収容する容器は、再溶解製剤の繰り返し投与(例えば、2~6回の投与)を可能にする多用途バイアルであってもよい。医薬品の添付文書とは、通常に、市販された診断用製品の包装に含まれる添付文書を指し、このような診断用製品の使用に関する適応症、用法、用量、投与、禁忌症及び/又は警告情報を含む。さらに、前記製品は、薬学的に許容される緩衝液(例えば、滅菌注射用水(BWFI)、リン酸緩衝生理食塩水、リンゲル液、及び、グルコース溶液)を含む第2の容器も含んでもよい。商業的及び使用者の観点から、他の緩衝液、希釈剤、フィルタ、針、及びシリンジを含む、望ましい他の材料も含んでもよい。
【0397】
前記キット又は製品は、組成物の様々な単位用量及び添付文書を含んでもよく、薬局(例えば、病院薬局及び製剤薬局)での保存及び使用に十分な量で包装される。
【0398】
当業者は、本発明の発想の範囲内で、多くの実施形態が存在する可能性があると知っている。以下の非限定的な例を参照しながら、本発明をより詳しく説明する。以下の具体的な実施形態及び実施例は、本発明をさらに説明するが、本発明の範囲をいかなる方式においても限定するものと解釈されるべきではないと理解される。
【0399】
詳細な説明
【0400】
実施形態1:スクレロスチンを特異的に認識する抗体部分を含む抗スクレロスチン構築体であって、前記抗体部分は、スクレロスチンのエピトープに結合し、前記エピトープは、SEQ ID NO:186に示されるアミノ酸配列を含む、抗スクレロスチン構築体。
【0401】
実施形態2:スクレロスチンを特異的に認識する抗体部分を含む抗スクレロスチン構築体であって、前記抗体部分は、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、
前記VHは、SEQ ID NO:1~4及び12のいずれか1項のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:5~8及び13のいずれか1項のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:9~11及び14のいずれか1項のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、或いは、これらHC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、並びに、
前記VLは、SEQ ID NO:15-17、85及び86のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:18及び19のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:20及び21のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、或いは、これらLC-CDRにおいて5、4、3、2又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含む、抗スクレロスチン構築体。
【0402】
実施形態3:a)前記VHは、SEQ ID NO:12のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:13のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:14のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、前記VLは、SEQ ID NO:15又は16のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:20のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、或いは、
b)前記VHは、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:5のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:9のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、前記VLは、SEQ ID NO:15のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:20のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む、実施形態1又は2に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0403】
実施形態4:前記VHは、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:6のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、前記VLは、SEQ ID NO:15のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:20のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む、実施形態1又は2に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0404】
実施形態5:前記VHは、SEQ ID NO:2のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:7のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、前記VLは、SEQ ID NO:15のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:20のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む、実施形態1又は2に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0405】
実施形態6:前記VHは、SEQ ID NO:2のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:6のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、前記VLは、SEQ ID NO:15のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:20のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む、実施形態1又は2に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0406】
実施形態7:前記VHは、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:5のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、前記VLは、SEQ ID NO:16のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:20のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む、実施形態1又は2に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0407】
実施形態8:前記VHは、SEQ ID NO:3のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:7のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、前記VLは、SEQ ID NO:15のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:20のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む、実施形態1又は2に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0408】
実施形態9:前記VHは、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:5のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、前記VLは、SEQ ID NO:16のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:20のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む、実施形態1又は2に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0409】
実施形態10:前記VHは、SEQ ID NO:4のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:8のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:11のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、前記VLは、SEQ ID NO:17のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:19のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:21のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む、実施形態1又は2に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0410】
実施形態11:前記VHは、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:5のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:9のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、前記VLは、SEQ ID NO:85のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:20のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む、実施形態1又は2に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0411】
実施形態12:前記VHは、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:5のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:9のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、前記VLは、SEQ ID NO:86のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:20のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む、実施形態1又は2に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0412】
実施形態13:スクレロスチンを特異的に認識する抗体部分を含む抗スクレロスチン構築体であって、前記抗体部分は、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、
a)HC-CDR1、HC-CDR2及びHC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:22に示される配列を有するVHにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、並びに、LC-CDR1、LC-CDR2及びLC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:23に示される配列を有するVLにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、
b)HC-CDR1、HC-CDR2及びHC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:24に示される配列を有するVHにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、並びに、LC-CDR1、LC-CDR2及びLC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:25に示される配列を有するVLにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、
c)HC-CDR1、HC-CDR2及びHC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:26に示される配列を有するVHにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有する、並びに、LC-CDR1、LC-CDR2及びLC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:27に示される配列を有するVLにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、
d)HC-CDR1、HC-CDR2及びHC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:28に示される配列を有するVHにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、並びに、LC-CDR1、LC-CDR2及びLC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:29に示される配列を有するVLにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、
e)HC-CDR1、HC-CDR2及びHC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:30に示される配列を有するVHにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、並びに、LC-CDR1、LC-CDR2及びLC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:31に示される配列を有するVLにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、
f)HC-CDR1、HC-CDR2及びHC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:32に示される配列を有するVHにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、並びに、LC-CDR1、LC-CDR2及びLC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:33に示される配列を有するVLにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、
g)HC-CDR1、HC-CDR2及びHC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:34に示される配列を有するVHにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、及び、LC-CDR1、LC-CDR2及びLC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:35に示される配列を有するVLにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、LC-CDR2及びLC-CDR3、
h)HC-CDR1、HC-CDR2及びHC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:36に示される配列を有するVHにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、並びに、LC-CDR1、LC-CDR2及びLC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:37に示される配列を有するVLにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、
i)HC-CDR1、HC-CDR2及びHC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:38に示される配列を有するVHにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、並びに、LC-CDR1、LC-CDR2及びLC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:39に示される配列を有するVLにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、
j)HC-CDR1、HC-CDR2及びHC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:40に示される配列を有するVHにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、並びに、LC-CDR1、LC-CDR2及びLC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:41に示される配列を有するVLにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、
k)HC-CDR1、HC-CDR2及びHC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:87に示される配列を有するVHにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、並びに、LC-CDR1、LC-CDR2及びLC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:88に示される配列を有するVLにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、
l)HC-CDR1、HC-CDR2及びHC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:87に示される配列を有するVHにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、並びに、LC-CDR1、LC-CDR2及びLC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:89に示される配列を有するVLにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、或いは、
m)HC-CDR1、HC-CDR2及びHC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:87に示される配列を有するVHにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、並びに、LC-CDR1、LC-CDR2及びLC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:90に示される配列を有するVLにおけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有する、抗スクレロスチン構築体。
【0413】
実施形態14:前記VHは、SEQ ID NO:22、24、26、28、30、32、34、36、38、40及び87のいずれか1項のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、及び/又は、前記VLは、SEQ ID NO:23、25、27、29、31、33、35、37、39、41及び88~90のいずれか1項のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含む、実施形態1~13のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0414】
実施形態15:a)前記VHは、SEQ ID NO:22のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、前記VLは、SEQ ID NO:23のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、
b)前記VHは、SEQ ID NO:24のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、前記VLは、SEQ ID NO:25のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、
c)前記VHは、SEQ ID NO:26のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、前記VLは、SEQ ID NO:27のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、
d)前記VHは、SEQ ID NO:28のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、前記VLは、SEQ ID NO:29のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、
e)前記VHは、SEQ ID NO:30のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、前記VLは、SEQ ID NO:31のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、
f)前記VHは、SEQ ID NO:32のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、前記VLは、SEQ ID NO:33のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、
g)前記VHは、SEQ ID NO:34のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、前記VLは、SEQ ID NO:35のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、
h)前記VHは、SEQ ID NO:36のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、前記VLは、SEQ ID NO:37のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、
i)前記VHは、SEQ ID NO:38のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、前記VLは、SEQ ID NO:39のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、
j)前記VHは、SEQ ID NO:40のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、前記VLは、SEQ ID NO:41のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、
k)前記VHは、SEQ ID NO:87のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、前記VLは、SEQ ID NO:88のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、
l)前記VHは、SEQ ID NO:87のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、前記VLは、SEQ ID NO:89のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、或いは、
m)前記VHは、SEQ ID NO:87のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、前記VLは、SEQ ID NO:90のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含む、実施形態14に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0415】
実施形態16:スクレロスチンを特異的に認識する抗体部分を含む抗スクレロスチン構築体であって、前記抗体部分は、重鎖可変領域(VH)及び第2の軽鎖可変領域(VL)を含む抗スクレロスチン抗体のヒト化抗体部分に由来し、
a)前記VHは、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:5のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及びSEQ ID NO:9のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、又は、これらHC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、
前記VLは、SEQ ID NO:15のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:20のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、又は、これらLC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、
b)前記VHは、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:6のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、又は、これらHC-CDR中の5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、
前記VLは、SEQ ID NO:15のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:20のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、又は、これらLC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、
c)前記VHは、SEQ ID NO:2のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:7のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、又は、これらHC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、
前記VLは、SEQ ID NO:15のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:20のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、又は、これらLC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、
d)前記VHは、SEQ ID NO:3のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:6のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、又は、これらHC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、
前記VLは、SEQ ID NO:15のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:20のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、又は、これらLC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、
e)前記VHは、SEQ ID NO:199のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:5のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、又は、これらHC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、
前記VLは、SEQ ID NO:16のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:20のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、又は、これらLC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、
f)前記VHは、SEQ ID NO:3のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:200のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、又は、これらHC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、
前記VLは、SEQ ID NO:15のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:20のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、又は、これらLC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、
g)前記VHは、SEQ ID NO:199のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:5のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、又は、これらHC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、
前記VLは、SEQ ID NO:16のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:20のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、又は、これらLC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、或いは、
h)前記VHは、SEQ ID NO:4のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:8のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:11のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、又は、これらHC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、
前記VLは、SEQ ID NO:17のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:19のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:21のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、又は、これらLC-CDRにおいて5、4、3、2、又は、1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含む、抗スクレロスチン構築体。
【0416】
実施形態17:前記抗体部分は、全長抗体、二重特異性抗体、単鎖Fv(scFv)断片、Fab断片、Fab’断片、F(ab’)2、Fv断片、ジスルフィド結合安定化Fv断片(dsFv)、ジスルフィド結合安定化scFv(dsscFv)、(dsFv)2、Fv-Fc融合、scFv-Fc融合、scFv-Fv融合、ダイアボディ(diabody)、トリボディ(tribody)及びテトラボディ(tetrabody)から選ばれる抗体又はその抗原結合断片である、実施形態1~16のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0417】
実施形態18:前記構築体は、Fc断片を含む全長抗体である、実施形態1~17のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0418】
実施形態19:前記抗体部分は、scFv断片である、実施形態17に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0419】
実施形態20:前記スクレロスチンは、ヒトスクレロスチンである、実施形態1~19のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0420】
実施形態21:前記抗スクレロスチン構築体は、さらに第2の部分を含む、実施形態1~17及び19~20のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0421】
実施形態22:前記第2の部分は、抗原を特異的に認識する第2の抗体部分を含む、実施形態21に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0422】
実施形態23:前記第2の抗体部分は、第2の重鎖可変領域(VH-2)及び軽鎖可変領域(VL-2)を含む、実施形態22に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0423】
実施形態24:前記抗原は、DKK1である、実施形態22又は23に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0424】
実施形態25:前記DKK1は、ヒトDKK1である、実施形態24に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0425】
実施形態26:第2の抗体部分は、DKK1の結合エピトープについて第3の重鎖可変領域(VH-3)及び第3の軽鎖可変領域(VL-3)を含む第3の抗体部分と競合し、
a)前記VH-3は、SEQ ID NO:42のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:43のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:44のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、
前記VL-3は、SEQ ID NO:45のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:46のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:47のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、
b)前記VH-3は、SEQ ID NO:48のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:49のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:50のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、
前記VL-3は、SEQ ID NO:51のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:52のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:58のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、或いは、
c)前記VH-3は、SEQ ID NO:54のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:55のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:56のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、
前記VL-3は、SEQ ID NO:57のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:58のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:59のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む、実施形態24又は25に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0426】
実施形態27:前記VH-2は、SEQ ID NO:42のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:43のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:44のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、
前記VL-2は、SEQ ID NO:45のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:46のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:47のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む、実施形態26に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0427】
実施形態28:前記VH-2は、SEQ ID NO:48のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:49のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:50のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、
前記VL-2は、SEQ ID NO:51のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:52のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:58のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む、実施形態26に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0428】
実施形態29:前記VH-2は、SEQ ID NO:54のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:55のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:56のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、
前記VL-2は、SEQ ID NO:57のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:58のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:59のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む、実施形態26に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0429】
実施形態30:前記抗原は、RANKLである、実施形態22又は23に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0430】
実施形態31:前記抗原は、ヒトRANKLである、実施形態30に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0431】
実施形態32:前記第2の抗体部分は、RANKLの結合エピトープについて第3の重鎖可変領域(VH-3)及び第3の軽鎖可変領域(VL-3)を含む第3の抗体部分と競合し、
前記VH-3は、SEQ ID NO:66のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:67のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:68のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、
前記VL-3は、SEQ ID NO:69のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:70のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:71のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む、実施形態30又は31に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0432】
実施形態33:前記VH-2は、SEQ ID NO:66のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:67のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:68のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、
前記VL-2は、SEQ ID NO:69のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:70のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:71のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む、実施形態31に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0433】
実施形態34:前記第2の抗体部分は、全長抗体、Fab、Fab’、(Fab’)2、Fv、単鎖Fv(scFv)断片、scFv-scFv、ミニチュア抗体、ダイアボディ(diabody)又はsdAbである、実施形態22~33のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0434】
実施形態35:前記第2の抗体部分は、2本の重鎖、2本の軽鎖及びFc断片を含む全長抗体であり、前記抗スクレロスチン抗体部分は、VLに融合されたVHを含む単鎖Fv(scFv)断片である、実施形態34に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0435】
実施形態36:前記抗スクレロスチンの抗体部分は、前記全長抗体の1本又は2本の重鎖に融合する、実施形態35に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0436】
実施形態37:前記抗スクレロスチンの抗体部分は、前記全長抗体の1本又は2本の軽鎖に融合する、実施形態34~36のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0437】
実施形態38:前記抗スクレロスチンの抗体部分は、全長抗体の1本又は2本の重鎖又は軽鎖のN末端に融合する、実施形態36又は37に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0438】
実施形態39:前記抗スクレロスチンの抗体部分は、前記全長抗体の1本又は2本の重鎖又は軽鎖のC末端に融合する、実施形態36~38のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0439】
実施形態40:前記抗スクレロスチンの抗体部分は、第1のリンカーを介して前記全長抗体に融合する、実施形態36~39のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0440】
実施形態41:前記抗スクレロスチンの抗体部分は、リンカーを介せず、前記全長抗体にと融合する、実施形態36~39のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0441】
実施形態42:前記第1のリンカーは、SEQ ID NO:74~84から選ばれるGSリンカーである、実施形態40に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0442】
実施形態43:前記VHは、第2のリンカーを介して前記VLに融合する、実施形態35~42のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0443】
実施形態44:前記scFv断片は、N末端からC末端までVH、第2のリンカー及びVLを含む、実施形態43に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0444】
実施形態45:前記scFv断片は、N末端からC末端までVL、第2のリンカー、VH、及び、任意にC末端アラニン残基を含む、実施形態43に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0445】
実施形態46:前記第2のリンカーは、SEQ ID NO:76又は77のアミノ酸配列を含む、実施形態43~45のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0446】
実施形態47:前記第2抗体部分は、VH-2及びVL-2を含むscFv断片であり、前記抗スクレロスチンの抗体部分は、2本の重鎖、2本の軽鎖及びFc断片を含む全長抗体である、実施形態23~33のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0447】
実施形態48:前記第2の抗体部分は、前記全長抗体の2本の重鎖に融合する、実施形態46に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0448】
実施形態49:前記第2の抗体部分は、前記全長抗体の2本の軽鎖に融合する、実施形態47又は48に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0449】
実施形態50:前記抗体部分は、前記全長抗体の2本の重鎖又は軽鎖のN末端に融合する、実施形態48又は49に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0450】
実施形態51:前記抗体部分は、前記全長抗体の2本の重鎖又は軽鎖のC末端に融合する、実施形態47~50のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0451】
実施形態52:前記抗体部分は、第1のリンカーを介して前記全長抗体に融合する、実施形態47~51のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0452】
実施形態53:前記抗体部分は、リンカーを介せず、前記全長抗体に融合する、実施形態47~51のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0453】
実施形態54:前記第1のリンカーは、SEQ ID NO:74~84から選ばれるGS第1のリンカーである、実施形態52に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0454】
実施形態55:前記VH-2は、第2のリンカーを介して前記VL-2に融合する、実施形態47~54のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0455】
実施形態56:前記VH-2は、リンカーを介せず、前記VL-2に融合する、実施形態47~54のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0456】
実施形態57:前記scFv断片は、N末端からC末端までVH-2、第2のリンカー及びVL-2を含む、実施形態55に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0457】
実施形態58:前記scFv断片は、N末端からC末端までVL-2、第2のリンカー、VH-2、及び、任意にC末端アラニン残基を含む、実施形態55に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0458】
実施形態59:前記第2のリンカーは、SEQ ID NO:76又は77のアミノ酸配列を含む、実施形態55及び57~58のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0459】
実施形態60:前記scFvは、ジスルフィド結合安定化scFv(「dsscFv」)である、実施形態35~59のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0460】
実施形態61:前記dsscFvは、a)SEQ ID NO:60の番号付けによるVH又はVH-2におけるG44C突然変異、及び、b)SEQ ID NO:61の番号付けによるVL又はVL-2におけるG100C突然変異を含む、実施形態60に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0461】
実施形態62:前記構築体は、
1)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:91のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:93のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
2)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:92のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:93のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
3)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:94のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:96のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
4)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:95のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:96のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
5)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:97のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:99のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
6)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:98のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:99のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
7)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:100のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:102のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
8)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:101のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:102のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
9)各重鎖がSEQ ID NO:103のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各軽鎖がSEQ ID NO:104のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
10)各重鎖がSEQ ID NO:103のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各軽鎖がSEQ ID NO:105のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
11)各重鎖がSEQ ID NO:106のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各軽鎖がSEQ ID NO:107のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
12)各重鎖がSEQ ID NO:106のアミノ酸配列を含む重鎖、及び、前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各軽鎖がSEQ ID NO:108のアミノ酸配列を含む軽鎖、
13)各重鎖がSEQ ID NO:109のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各軽鎖がSEQ ID NO:110のアミノ酸配列を含2つのむ軽鎖、
14)各重鎖がSEQ ID NO:109のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各軽鎖がSEQ ID NO:111のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
15)各重鎖がSEQ ID NO:112のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各軽鎖がSEQ ID NO:113のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
16)各重鎖がSEQ ID NO:112のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各軽鎖がSEQ ID NO:114のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
17)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:115のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:119のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
18)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:116のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:119のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
19)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:117のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:119のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
20)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:118のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:119のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
21)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:120のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:122のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
22)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:121のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:122のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
23)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:123のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:125のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
24)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:124のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:125のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
25)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:126のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:129のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
26)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:127のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:129のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
27)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:128のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:129のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
28)各重鎖がSEQ ID NO:133のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各軽鎖がSEQ ID NO:130のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
29)各重鎖がSEQ ID NO:133のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各軽鎖がSEQ ID NO:131のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
30)各重鎖がSEQ ID NO:133のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各軽鎖がSEQ ID NO:132のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
31)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:177のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:125のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
32)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:178のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:125のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
33)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:178のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:122のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
34)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:179のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:122のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、或いは、
35)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:180のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:122のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
を含む、実施形態35~61のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0462】
実施形態63:前記構築体は、
a)第1の軽鎖を含む第1のポリペプチドであって、前記第1の軽鎖がN末端からC末端までi)VL、ii)第1の軽鎖定常ドメイン(「第1のCLドメイン」)を含む第1のポリペプチド、
b)第1の重鎖を含む第2のポリペプチドであって、前記第1の重鎖がN末端からC末端までi)VH、ii)第1の重鎖定常ドメイン(「第1のCH1ドメイン」)、及び、iii)第1のFcドメインを含む第2のポリペプチド、
c)第2の重鎖を含む第3のポリペプチドであって、前記第2の重鎖がN末端からC末端までi)VH-2、ii)第2の重鎖定常ドメイン(「第2のCH1ドメイン」)、及び、iii)第2のFcドメインを含む第3のポリペプチド、及び、
d)第2の軽鎖を含む第4のポリペプチドであって、前記第2の軽鎖がN末端からC末端までi)VL-2、ii)第2の軽鎖定常ドメイン(「第2のCLドメイン」)を含む第4のポリペプチド、
を含み、第1のFcドメイン及び第2のFcドメインは、Fc断片を形成している、実施形態23~33のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0463】
実施形態64:第1のFcドメイン及び第2のFcドメインのいずれかは、T366W突然変異及び任意のS354C突然変異を含み、他のFcドメインは、T366S突然変異、L368A突然変異、Y407V突然変異及び任意にY349C突然変異を含み、番号は、EUインデックスに基づくものである、実施形態63に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0464】
実施形態65:i)第1のCH1ドメイン及び第1のCLドメイン、又は、ii)第2のCH1ドメイン及び第2のCLドメインは、いずれも
a)141位のアミノ酸がシステインに置換され、131位(例えば、IgG2又はIgG4において)又は220位(例えば、IgG1において)のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCH1ドメイン、及び、116位のアミノ酸がシステインに置換され、214位のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCLドメイン、
b)168位のアミノ酸がシステインに置換され、131位(例えば、IgG2又はIgG4において)又は220位(例えば、IgG1において)のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCH1ドメイン、及び、164位のアミノ酸がシステインに置換され、214位のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCLドメイン、
c)126位のアミノ酸がシステインに置換され、131位(例えば、IgG2又はIgG4において)又は220位(例えば、IgG1において)のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCH1ドメイン、及び、121位のアミノ酸がシステインに置換され、214位のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCLドメイン、
d)128位のアミノ酸がシステインに置換され、131位(例えば、IgG2又はIgG4において)又は220位(例えば、IgG1において)のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCH1ドメイン、及び、118位のアミノ酸がシステインに置換され、214位のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCLドメイン、
e)170位のアミノ酸がシステインに置換され、131位(例えば、IgG2又はIgG4において)又は220位(例えば、IgG1において)のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCH1ドメイン、及び、176位のアミノ酸がシステインに置換され、214位のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCLドメイン、
f)171位のアミノ酸がシステインに置換され、131位(例えば、IgG2又はIgG4において)又は220位(例えば、IgG1において)のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCH1ドメイン、及び、162位のアミノ酸がシステインに置換され、214位のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCLドメイン、
g)173位のアミノ酸がシステインに置換され、131位(例えば、IgG2又はIgG4において)又は220位(例えば、IgG1において)のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCH1ドメイン、及び、160位のアミノ酸がシステインに置換され、214位のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCLドメイン、から選ばれるものであり、番号付けは、EUインデックスに基づくものである、実施形態63又は64に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0465】
実施形態66:1)第1のポリペプチドがSEQ ID NO:135のアミノ酸配列を含み、第2のポリペプチドがSEQ ID NO:134のアミノ酸配列を含み、第3のポリペプチドがSEQ ID NO:136のアミノ酸配列を含み、第4のポリペプチドがSEQ ID NO:137のアミノ酸配列を含み、
2)第1のポリペプチドがSEQ ID NO:135のアミノ酸配列を含み、第2のポリペプチドがSEQ ID NO:134のアミノ酸配列を含み、第3のポリペプチドがSEQ ID NO:138のアミノ酸配列を含み、第4のポリペプチドがSEQ ID NO:139のアミノ酸配列を含み、
3)第1のポリペプチドがSEQ ID NO:135のアミノ酸配列を含み、第2のポリペプチドがSEQ ID NO:134のアミノ酸配列を含み、第3のポリペプチドがSEQ ID NO:140のアミノ酸配列を含み、第4のポリペプチドがSEQ ID NO:141のアミノ酸配列を含み、
4)第1のポリペプチドがSEQ ID NO:135のアミノ酸配列を含み、第2のポリペプチドがSEQ ID NO:134のアミノ酸配列を含み、第3のポリペプチドがSEQ ID NO:142のアミノ酸配列を含み、第4のポリペプチドがSEQ ID NO:143のアミノ酸配列を含み、
5)第1のポリペプチドがSEQ ID NO:135のアミノ酸配列を含み、第2のポリペプチドがSEQ ID NO:134のアミノ酸配列を含み、第3のポリペプチドがSEQ ID NO:144のアミノ酸配列を含み、第4のポリペプチドがSEQ ID NO:145のアミノ酸配列を含み、
6)第1のポリペプチドがSEQ ID NO:147のアミノ酸配列を含み、第2のポリペプチドがSEQ ID NO:146のアミノ酸配列を含み、第3のポリペプチドがSEQ ID NO:148のアミノ酸配列を含み、第4のポリペプチドがSEQ ID NO:149のアミノ酸配列を含み、
7)第1のポリペプチドがSEQ ID NO:147のアミノ酸配列を含み、第2のポリペプチドがSEQ ID NO:146のアミノ酸配列を含み、第3のポリペプチドがSEQ ID NO:150のアミノ酸配列を含み、第4のポリペプチドがSEQ ID NO:151のアミノ酸配列を含み、
8)第1のポリペプチドがSEQ ID NO:147のアミノ酸配列を含み、第2のポリペプチドがSEQ ID NO:146のアミノ酸配列を含み、第3のポリペプチドがSEQ ID NO:152のアミノ酸配列を含み、第4のポリペプチドがSEQ ID NO:153のアミノ酸配列を含み、
9)第1のポリペプチドがSEQ ID NO:147のアミノ酸配列を含み、第2のポリペプチドがSEQ ID NO:146のアミノ酸配列を含み、第3のポリペプチドがSEQ ID NO:154のアミノ酸配列を含み、第4のポリペプチドがSEQ ID NO:155のアミノ酸配列を含み、
10)第1のポリペプチドがSEQ ID NO:147のアミノ酸配列を含み、第2のポリペプチドがSEQ ID NO:146のアミノ酸配列を含み、第3のポリペプチドがSEQ ID NO:156のアミノ酸配列を含み、第4のポリペプチドがSEQ ID NO:157のアミノ酸配列を含み、
11)第1のポリペプチドがSEQ ID NO:147のアミノ酸配列を含み、第2のポリペプチドがSEQ ID NO:146のアミノ酸配列を含み、第3のポリペプチドがSEQ ID NO:158のアミノ酸配列を含み、第4のポリペプチドがSEQ ID NO:159のアミノ酸配列を含み、
12)第1のポリペプチドがSEQ ID NO:147のアミノ酸配列を含み、第2のポリペプチドがSEQ ID NO:146のアミノ酸配列を含み、第3のポリペプチドがSEQ ID NO:160のアミノ酸配列を含み、第4のポリペプチドがSEQ ID NO:161のアミノ酸配列を含み、
13)第1のポリペプチドがSEQ ID NO:147のアミノ酸配列を含み、第2のポリペプチドがSEQ ID NO:146のアミノ酸配列を含み、第3のポリペプチドがSEQ ID NO:162のアミノ酸配列を含み、第4のポリペプチドがSEQ ID NO:163のアミノ酸配列を含み、
14)第1のポリペプチドがSEQ ID NO:147のアミノ酸配列を含み、第2のポリペプチドがSEQ ID NO:171のアミノ酸配列を含み、第3のポリペプチドがSEQ ID NO:172のアミノ酸配列を含み、第4のポリペプチドがSEQ ID NO:163のアミノ酸配列を含み、
15)第1のポリペプチドがSEQ ID NO:147のアミノ酸配列を含み、第2のポリペプチドがSEQ ID NO:173のアミノ酸配列を含み、第3のポリペプチドがSEQ ID NO:174のアミノ酸配列を含み、第4のポリペプチドがSEQ ID NO:163のアミノ酸配列を含み、
16)第1のポリペプチドがSEQ ID NO:147のアミノ酸配列を含み、
第2のポリペプチドがSEQ ID NO:175のアミノ酸配列を含み、第3のポリペプチドがSEQ ID NO:176のアミノ酸配列を含み、第4のポリペプチドがSEQ ID NO:163のアミノ酸配列を含む、実施形態63~65のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0466】
実施形態67:前記第2の部分は、半減期延長の部分を含む、実施形態21に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0467】
実施形態68:前記半減期延長の部分は、Fc断片を指す、実施形態67に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0468】
実施形態69:前記Fc断片は、IgG、IgA、IgD、IgE、IgMのFc断片及びこれらの組み合わせ及びハイブリッドから選ばれる1種である、実施形態18、35~66及び68のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0469】
実施形態70:前記Fc断片は、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4のFc断片及びこれらの組み合わせ及びハイブリッドから選ばれる1種である、実施形態69に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0470】
実施形態71:前記Fc断片は、H435R突然変異及びY436F突然変異を含む、実施形態69又は70に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0471】
実施形態72:前記Fc断片は、対応する野生型Fc断片と比較して低減されたエフェクター機能を有する、実施形態69~71のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0472】
実施形態73:前記Fc断片は、a)対応する野生型Fc断片と比較して増強されたエフェクター機能、及び/又は、b)対応する野生型Fc断片と比較して増強されたFcRn結合アフィニティ、を有する、実施形態69~71のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0473】
実施形態74:前記構築体は、抗体-薬物コンジュゲート又は抗体融合タンパク質である、実施形態21に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0474】
実施形態75:前記第2の部分は、薬物を含み、前記薬物は、副甲状腺ホルモン(PTH)、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)、ビスフォスフォネート、プロスタグランジンE(PGE)受容体アゴニスト、VEGF、TGFβ、成長因子(ミオスタチン)、カルシトニン及びこれらの組み合わせから選ばれる1種又は複数種である、実施形態74に記載の抗スクレロスチン構築体。
【0475】
実施形態76:実施形態1~75のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体と競合してスクレロスチンに特異的に結合する、抗スクレロスチン構築体。
【0476】
実施形態77:実施形態1~76のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体及び薬学的に許容される担体を含む、薬物組成物。
【0477】
実施形態78:前記組成物は、さらに薬物を含み、前記薬物は、副甲状腺ホルモン(PTH)、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)、VEGF、TGFβ、成長因子(ミオスタチン)、カルシトニン及びこれらの組み合わせから選ばれる1種又は複数種である、実施形態77に記載の薬物組成物。
【0478】
実施形態79:実施形態1~76のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体をコードする、単離された核酸分子。
【0479】
実施形態80:実施形態79に記載の単離された核酸分子を含む、ベクター。
【0480】
実施形態81:実施形態79に記載の単離された核酸分子又は実施形態80に記載のベクターを含む、単離された宿主細胞。
【0481】
実施形態82:a)抗スクレロスチン構築体又はその一部を効果的に発現する条件で、実施形態81に記載の単離された宿主細胞を培養すること、及び、b)前記宿主細胞から発現された抗スクレロスチン構築体又はその一部を得ること、を含む、抗スクレロスチン構築体を調製する方法。
【0482】
実施形態83:有効量の実施形態1~76のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体、及び/又は、実施形態77又は78に記載の薬物組成物を個体に投与することを含む、個体の疾患又は病状を治療及び/又は予防する方法。
【0483】
実施形態84:前記疾患又は病状は、骨関連疾患又は軟骨関連疾状、骨髄又は血液学的疾患、骨格筋系の希少疾患、筋肉関連疾患又は癌である、実施形態83に記載の方法。
【0484】
実施形態85:前記骨関連疾患は、骨形成不全、骨粗鬆症又は骨減少症(男性及び女性)、骨壊死、骨遅延癒合、骨折不癒合、多発性骨髄腫、多発性骨髄腫関連骨疾患、原発性骨腫瘍、悪性腫瘍の骨転移、炎症性又は感染性骨疾患、骨軟化症、高カルシウム血症、パジェット病、不運動による骨喪失、グルココルチコイドによる骨喪失、関節炎誘導骨喪失を含む炎症誘導骨喪失、宇宙飛行士の骨粗鬆症/骨減少症及び無重力による骨喪失、又は、a)骨量喪失又は骨質喪失又はその両方、及び/又は、b)骨構造及び骨質異常に関連する他の疾患又は病状を含む、実施形態84に記載の方法。
【0485】
実施形態86:前記骨関連疾患とは、骨粗鬆症又は骨減少症を指す、実施形態85に記載の方法。
【0486】
実施形態87:前記骨関連疾患とは、骨形成不全を指す、実施形態85に記載の方法。
【0487】
実施形態88:前記骨関連疾患とは、多発性骨髄腫及び多発性骨髄腫関連骨疾患を指す、実施形態85に記載の方法。
【0488】
実施形態89:前記軟骨疾患は、軟骨腫症、軟骨異形成症、軟骨形成不全症、骨端異形成、軟骨異栄養性筋強直症、皮質傍軟骨腫、膝関節軟骨裂傷、骨線維異形成症、骨関節炎、骨形成不全、低リン酸血症性くる病又は骨軟骨異栄養症を含む、実施形態84に記載の方法。
【0489】
実施形態90:前記筋肉関連疾患とは、筋肉減少症及び癌関連筋肉減少症を指す、実施形態84に記載の方法。
【0490】
実施形態91:有効量の実施形態1~76のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体、及び/又は、実施形態77又は78に記載の薬物組成物を個体に投与することを含む、個体における骨又は関節手術後の癒合を促進するための方法。
【0491】
実施形態92:前記抗スクレロスチン構築体が、皮下注射、静脈注射、筋肉内注射、経口又は非経口投与の方式で前記個体に投与される、実施形態83~91のいずれか1項に記載の方法。
【0492】
実施形態93:前記方法が、第2の薬物又は治療法を実施することをさらに含む、実施形態83~92のいずれか1項に記載の方法。
【0493】
実施形態94:前記第2の薬物又は治療法は、抗DKK1抗体を含む、実施形態93に記載の方法。
【0494】
実施形態95:前記第2の薬物又は治療法は、抗RANKL抗体を含む、実施形態93に記載の方法。
【0495】
実施形態96:前記第2の薬物又は治療法は、副甲状腺ホルモン(PTH)、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)、ビスフォスフォネート、プロスタグランジンE(PGE)受容体アゴニスト、VEGF、TGFβ、成長因子(ミオスタチン)及びカルシトニンから選ばれる1種である薬物を含む、実施形態93に記載の方法。
【0496】
実施形態96:前記個体がヒトを指す、実施形態83~96のいずれか1項に記載の方法。
【0497】
実施例
【0498】
以下、実施例は、すべて適用の例示であり、従って、適用をいかなる方式で制限するものと考えられない。以下の実施例及び詳細な記載は、例示のためのものであり、限定するものではない。
【0499】
実施例1.抗スクレロスチンモノクローナル抗体の調製
【0500】
抗ヒトSOSTモノクローナル抗体は、免疫マウスにより産生されたものであった。試験用BALB/cマウス(18~20g、7~8週齢、Beijing Vital River Laboratory Animal Technology Co., Ltd.)及びC57マウス(18~20g、7~8週齢、Beijing Vital River Laboratory Animal Technology Co., Ltd.)を用いた。これらの動物は、SPF級実験室で12/12時間の明暗サイクル、温度20~25°C、湿度40%~60%で1週間飼育した。
【0501】
Hisタグ(HST-H5245,Acro Biosystems)付きヒトSOST組換えタンパク質を免疫原として用いた。専用アジュバント(ロッド番号20200120)で乳化させ、そして抗原に総体積300μlになるように等体積のアジュバントを添加した。抗原/アジュバント溶液を電気ミキサ―で乳化させ、多次元スピナーで混合した。75%エタノールで消毒した後、抗原/アジュバント溶液を皮下注射した。抗原を乳化させ、0日目、14日目、28日目に播種した。脾臓細胞の融合する3日前に、生理食塩水で調製した抗原溶液50μgを各マウス腹腔(IP)に注射して免疫増強を行った。22日目、36日目及び45日目に血液の滴度を測定した。3回目の免疫後、最も血液力価の高い2匹のプラトー傾向があるマウスを選択して脾臓細胞融合を行った。脾臓細胞を、電気細胞操作装置(BTX、ECM2001)を用いて汎用な融合工程で骨髄腫Sp2/0細胞に融合させてハイブリドーマ細胞を得た。実施例3に記載のELISA法でマウス血清とヒトスクレロスチンとの結合活性を決定し、インビトロでの結合活性の良好なモノクローナルハイブリドーマ細胞株を選択した。結果を表5に示す。
【0502】
実施例2.抗スクレロスチンモノクローナル抗体のクローニング及びシーケンシング
【0503】
ハイブリドーマのシーケンシングは、以下のように行った。TRIzol(登録商標)の試薬技術マニュアルに従い、ハイブリドーマ細胞から全RNAを単離した。そして、PrimeScriptTM第1鎖cDNA合成キットの技術マニュアルに従い、アイソタイプ特異的アンチセンスプライマー又はユニバーサルプライマーを使用して、全RNAをcDNAに逆転写した。cDNA末端高速増幅(RACE)標準手順(SOP)に従い、重鎖及び軽鎖の抗体断片を増幅した。増幅された抗体断片をそれぞれ標準的なクローニングベクターにクローニングした。コロニーPCRを行い、適当なサイズのインサート断片のクローンをスクリーニングした。最終的にコンセンサス配列(consensus sequence)を提供する。
【0504】
配列分析
【0505】
すべての構築体のDNA配列データを分析し、重鎖及び軽鎖のコンセンサス配列を確定した。各種の抗体のVH及びVLCDR及びコンセンサス配列を表3及び表4に示す。
【0506】
【0507】
【0508】
実施例3.ELISA法による抗スクレロスチン抗体のスクレロスチンへの結合の決定
【0509】
スクレロスチンに特異的に結合する抗体の能力をELISA捕捉アッセイによって測定した。マウスHisタグ付きヒトスクレロスチン(NCBI参照番号:NP_079513.1)[0.5μg/mg]のコーティング緩衝液(PBS、pH 7.4)で96ウェルの半面積に100μl/ウェルでプレートをコーティングし、室温で1時間、或いは、4°Cで一晩インキュベートした。100μl/ウェルの洗浄液(TWEEN20 0.2%を含むPBS、BIO-RAD)でプレートを1回洗浄した。そして、プレートをブロッキング液(BSA1%、ヤギ血清1%及びTWEEN 20 0.5%を含むPBS、100μl/ウェル)において室温(RT)で1時間インキュベートした。そして、異なる濃度(1000、333.3、111.1、37.0、12.3、4.1、1.4、0.5、0.15、0.05 ng/ml)の抗スクレロスチン抗体、陽性対照抗体であるロモソズマブ又は非スクレロスチン関連IgG(ヒト又はマウスIgG、陰性対照)を20μl/ウェルのブロッキング液として各ウェルに添加し、プレートを室温で1時間インキュベートした。各ウェル(20ml/ウェル)にブロッキング液で(1:50,000希釈)希釈したNeutrAvidin HRP(Pierce、カタログ番号31001)を加え、プレートを室温で1時間インキュベートし、そして100ml/ウェルの洗浄液で3回洗浄した。プレートにSuperSignal ELISA Femto(ThermoFisher Scientific、カタログ番号37074)作動溶液(20ml/ウェル)を加えた。光度計を使用して425nmにおけるシングルを読み取った。
【0510】
下記の表5に示されるように、検出された抗スクレロスチン抗体は、ロモソズマブと比較して、同等又はより優れたEC50値を示した。具体的に、93B1B7は、ロモソズマブと比較して、より優れたEC50値を示した。
【0511】
【0512】
実施例4. 抗スクレロスチン抗体結合エピトープの同定
【0513】
正確的なエピトープを標的とすることは、所望の作用機序を達成するためにモノクローナル抗体を選択する重要な工程である(Wilson,PC,2012,Nat. Rev.Immunol.12,709-719)。抗B細胞エピトープに対して、合成のペプチドベースによる抗体の産生は、周知の技術分野において様々な疾患のための治療用抗体及びワクチンの開発に広く用いられており(Ben-Yedidia T., 1997,Curr Opin Bio technol 8:442-448;Bijker MS,2007,Expert Rev Vaccines 6:591-603)、得られた抗体の特異性の利点は、ただ特定のエピトープに限定された。NMR及び結晶学的構造は、スクレロスチンにおける第2のループが低密度リポタンパク質受容体関連タンパク質ファミリーメンバー(例えば、LRP5又はLRP6)と直接に相互作用し、LRPsとWntファミリーメンバーとの間の相互作用を遮断することを実証した。ヒトスクレロスチンとLRP6との複合体の結晶構造(Kim,J.2020,Nat.Commun.11:5357-5357)によれば、
図1に示される「IGRGKWWR」モチーフ(SEQ ID NO:186)を含むループ先端は、スクレロスチンのLRP6の第1のプロペラドメインに結合する主な結合決定基であることが見出された。
【0514】
バイオフィルム干渉(Gator,Probe Life)で化学的に合成されたペプチドへの抗体93B1B7の結合を検出し、前記ペプチドは、
図2に示されるヒト及びマウスのスクレロスチン第2のループに由来する配列を含む。ペプチドをビオチン化し(NHS-ビオチン試薬、Thermo、#21343)、0.5μg/ml溶液を用い、トレプトアビジン・バイオセンサーに固定した。分析物として5μg/ml mAb 93B1B7の動態緩衝液(PBS、pH7.4、TWEEN-20 0.05%、BSA0.2%)を用い、結合センサーグラムを
図2に示す。93B1B7は、高親和性でヒトスクレロスチンにおける同じ「IGRGKWWR」(SEQ ID NO:186)モチーフを有するpep1(SEQ ID NO:185)、pep5(SEQ ID NO:187)及びpep6(SEQ ID NO:188)を認識する。逆に、
図3に示したように、ロモソズマブは、これらのペプチドを認識できなかった。
【0515】
93B1B7の結合エピトープがロモソズマブの結合エピトープと全く異なることを実証するために、ロモソズマブ5μg/mlを抗HFCプローブに固定し、分析物としてヒトスクレロスチン2μg/ml及び93B1B7 5μg/mlの動態緩衝液(PBS、pH 7.4、0.05%のTWEEN-20、0.2%のBSA)を順に添加した。結合センサーグラムを
図4に示し、ロモソズマブ及び93B1B7は、異なる結合部位を占有することでスクレロスチンに同時に結合できるため、互いに交差ブロックしないことを示す。従って、当該結合エピトープ(「IGRGKWWR」モチーフ、SEQ ID NO:186)は、本発明の抗体の特有なものであり、ロモソズマブの結合エピトープと重複しない。
【0516】
本明細書で見出される多くの抗スクレロスチン抗体は、非常に類似した結合活性及びCDR配列を有し(表3及び表4を参照する)、従って、これら抗体は同じ特異性及び結合エピトープを有すると考えられる。従って、本明細書で見出されるこれら抗体が「IGRGKWWR」モチーフ(SEQ ID NO:186)を有するスクレロスチンにおける特異性エピトープに結合することが実証された。これにより、これら抗体は、スクレロスチンとLRP6との結合を完全に防ぐことを可能にし、他の抗スクレロスチン抗体(例えばロモソズマブ)よりも強いスクレロスチン中和を得る。これは、以下の例に記載されているように、本明細書に開示の抗体は、スクレロスチン結合及び中和活性の点でロモソズマブよりも優れるという観察の結果と一致する。
【0517】
実施例5. 抗スクレロスチン抗体のヒト化
【0518】
抗体93B1B7は、相補性決定領域(CDR)をヒト生殖系フレームワークに移植することでヒト化された。選択される軽鎖生殖系受容体配列は、ヒトVK2 A19V領域、VK1 O12V領域、及び、JK4 J領域である(V-BASE,https://www2.mrc-lmb.cam.ac.uk/vbase/alignments2.php)であった。選択される重鎖生殖系受容体配列は、ヒトVH1 1-18 V領域及びJH4 J領域(V BASE,https://www2.mrc-lmb.cam.ac.uk/vbase/alignments2.php)である。ドナーから受容体配列へのCDR移植は、Kabat(Kabat等、1987)の定義に従うが、Chothia/Kabatの定義を組み合わせるCDR-H1及びH2の使用を除いた。初期V領域配列を含む全長IgG4P抗体をコードする遺伝子は、自動合成法(Vanzyme lnc.)により構築され、オリゴヌクレオチド特異的変異誘発により最終的な移植バージョンを生成した。完全な活性及び高い熱安定性を維持するために、ヒト化重鎖(Kabat番号付け)93位(チロシン)及び94位(セリン)のドナー残基を保持し、かつ、43位の受容体残基(グルタミン)をリジンに変更したのは、リジンが当該位置でより多く現れるためである。同様に、ヒト化軽鎖(Kabat番号付け)46位(アルギニン)のドナー残基を維持した。また、軽鎖CDR L1における1つの潜在的なアスパラギン酸異性化部位を除去するために、30位のグリシン残基をセリンに突然変異させた。ヒト化抗スクレロスチン抗体hAb-1、hAb-2及びhAb-3を生成し、これらCDR、VH及びVL配列を表6に示す。
【0519】
【0520】
実施例6. バイオフィルム干渉(BLI)でヒト及びカニクイザルのスクレロスチンへのヒト化抗スクレロスチン抗体の結合動態の検出
【0521】
Gator装置(Probe Life)でバイオフィルム干渉を採用し、ヒト及びカニクイザルのスクレロスチンに対するヒト化抗スクレロスチン抗体の結合親和性を検出した。5μg溶液で抗体を抗HFCバイオセンサーに固定した。分析物として、動態緩衝液(PBS、pH7.4、TWEEN-20 0.05%、BSA0.2%、ビオチン10μM)でヒトスクレロスチン及びカニクイザルスクレロスチンを4μg/mlになるように連続的に2倍希釈した。Gatorソフトウェアを使用し、データのグローバルフィット(1:1)に基づき、親和性(KD)及び動態的パラメータ(Kon及びKoff)を計算した。
【0522】
結果を下記の表7に示す。対照品であるロモソズマブに比べて、ヒト化抗体hAb-1及びhAb-2は、ヒト及びカニクイザルのスクレロスチンに対する親和性がより高い。
【0523】
【0524】
実施例7.HEK293/TCF/LEF/Wnt1細胞における抗スクレロスチン抗体のスクレロスチン中和活性
【0525】
HEK293によるアッセイによれば、抗体がスクレロスチンを中和し、Wnt1によるTCF/LEFルシフェラーゼの活性を抑制することができると検出する。
【0526】
Wntタンパク質は、分泌型糖タンパク質ファミリーであり、マウス及びヒトの骨芽細胞の分化及び活性の重要な調節因子である。Wntシグナルは、Frizzled(Fzd)ファミリーの7チャネル膜貫通のGタンパク質共役受容体ファミリー及びArrow/LRPファミリーの共受容体、例えば、LRP5及びLRP6、又はRYK又はROR膜貫通チロシンキナーゼに伝導される。既知のWntのFzd受容体及び補助受容体に対する結合は、古典的なβ-カテニン依存性経路及び非古典的なβ-カテニン非依存性経路に歴史的に分けられる、複数の異なる細胞内シングルカスケード反応を活性化させた。β-カテニンは、Wntシグナル伝達過程中の遺伝子転写を調節できる、重要な転写共活性化因子である。WntとFzd受容体との複合体の結合は、LRP5/6複合体のリン酸化を招致し、続いて細胞質におけるβ-カテニンを安定化させた。そして、安定化したβ-カテニンを核に転位させ、高移動度ファミリー(HMG)型転写因子とリンバ淋巴増強因子/Tサイトカイン(LEF/TCF)ファミリーと相互作用し、標的遺伝子の発現を刺激した。
【0527】
Wntシグナル経路拮抗薬及びその抗体遮断剤の研究において、細胞株HEK293/TCF/LEF/Wnt1は、Askgene(Askgene、CA)に由来する。TCF/LEFホタルルシフェラーゼレポート遺伝子を発現するHEK293細胞株を用い、Wntシグナル拮抗薬(例えば、スクレロスチン及びDKK1)の阻害活性を解析した。スクレロスチン又はDKK1を添加し、Wnt1シグナルを拮抗し、ルシフェラーゼ活性を低下させることができる。逆に、スクレロスチン又はDKK1抗体を添加し、シグナルの低下を遮断し、ルシフェラーゼ活性を回復させることができる。入手してから、細胞をウシ胎児血清(FBS)10%、非必須アミノ酸、ピルビン酸ナトリウム、2-メルカプトエタノール、ペニシリン/ストレプトマイシン1%、G418 400μg/ml 及びピューロマイシン2μg/mlを含むL-グルタミン(Life Technologies,CA)でRPMI1640培地に培養した。細胞を回収し、30,000細胞/ウェルの濃度で白色96ウェアプレートに播種した。
【0528】
拮抗薬の阻害作用を検出する場合、培地を除去し、各ウェルにLiCl 10mMを含むアッセイ培地(G418、ピューロマイシンを含まない培地)50μlを添加した。検出されたスクレロスチン及びDKK1タンパク質を連続的に希釈し、アッセイプレートに等量の拮抗薬を添加し、37°C、5%CO2で6時間培養した。その後、One-Stepホタルルシフェラーゼ(Pierce,CA)試薬を100μl/ウェルで添加し、BioTek Gen5発光マイクロプレートリーダー(Winooski、VT)でルシフェラーゼ活性を検出した。抗体の中和活性を検出する際に、アッセイ培地において検出ための抗体及び対照抗体を連続的に希釈した。特定量のスクレロスチン又はDKK1タンパク質を添加し、15分間インキュベートした。次に、培地50μlをアッセイプレートに移し、37°C、5%CO2で6時間インキュベートし、BioTek Gen5発光マイクロプレートリーダーで解析した。
【0529】
結果を下記の表8に示す。表8に示されているように、65B12C9以外、すべてのマウス抗スクレロスチン抗体は、ロモソズマブ比較して、同等又はより優れたEC50値を示す。hAb-1、hAb-2及びhAb-3という3つのヒト化抗体は、ロモソズマブと比較して、より優れたEC50値を示した。
【0530】
【0531】
実施例8. ヒト化抗スクレロスチン抗体の溶解度及び安定性
【0532】
本発明に記載のヒト化抗SOST抗体hAb-1、hAb-2及び対照抗体であるロモソズマブについて、順に濃度を増加させながら沈殿の形成について評価した。pH7.4のPBS緩衝液において、初期濃度は、10mg/mlであった。4°Cで細胞を限外ろ過濃縮チューブ(Millipore)に入れ、4000rpmで遠心分離し、抗体濃度が30mg/ml及び90mg/mlに達するまで、5~10分間ごとに遠心分離を停止し、抗体濃度をサンプリングした。サンプルを4°Cで14日間保存し、沈殿を目視で観察した。本発明に記載の抗体は、90mg/mlに逹しでも清澄溶液を維持したが、対照抗体であるロモソズマブは、この濃度で沈殿を形成して濁っていることは、hAb-1及びhAb-2がpH7.4のPBS緩衝液においてロモソズマブより安定で、より溶解しやすいことを示す。この結果は、本発明に記載の抗体が高濃度製剤(例えば90mg/ml)において安定化を維持することができることを示す。
【0533】
【0534】
実施例9. 二重特異性抗体の調製
【0535】
本発明は、スクレロスチン、及び、DKK1又はRANKLを標的とする二重特異性抗体を調製した。DKK1又はRANKLを標的とする例示的な抗体の配列を、表9及び表10に示す。
【0536】
【0537】
【0538】
具体的に、下記のスクレロスチン/DKK1及びスクレロスチン/RANKLの対は、hAb-1×11H10-VH44VL32、hAb-2×11H10-VH44VL32、hAb-1×Denosumab、hAb-2×Denosumabから調製された。
【0539】
一つの実施形態(
図5(A)を参照する)において、抗DKK1 11H10-V
H44V
L32(又は抗RANKL Denosumab)のFvドメインは、(GGGGS)
4リンカーを介して連結されるV
H及びV
Lの2種の異なる配向を有するscFvに変換され、(GGGGS)
4リンカーにより連結されている。例えば、V
HにおいてG100C突然変異、並びに、V
LにおいてG44C突然変異は、存在し、これにより、scFvsの正確的な組み立てを促進することができる。2つの抗DKK1(又は抗RANKL)のscFvは、1つのGGGGSGGGGSGGGGS(SEQ ID NO:76)リンカーを介して、それぞれヒト化抗スクレロスチン抗体の2つのIgG重鎖のC末端に連結し、二重特異性IgG-scFvを形成した。
【0540】
もう1つの実施例(
図5(B)を参照する)において、抗スクレロスチン抗体及び抗DKK1 11H10-V
H44V
L32(又は抗RANKL Denosumab)は、非対称IgG構造である「ノブ・イン・ホール」(「Knob-into-Hole」)を有する二重特異性抗体に変換された。抗DKK1 11H10-V
H44V
L32(又は抗RANKL Denosumab)のCLドメインは、S176C及びC214S突然変異を含み、CH1ドメインは、F170C及びC131Sなどの突然変異を含み、直交したCH
1-CKジスルフィド結合を形成し、軽鎖の正確な対形成を可能にする。
【0541】
各種の抗スクレロスチン二重特異性抗体の形態及び配列を下記の表11に示す。
【0542】
【表12】
【表13】
【表14】
【表15】
【表16】
【表17】
【0543】
96ウェルプレートにおいて、接着適応293 6E細胞に二重特異性分子を一過性に発現させる。トランスフェクトの24時間前に、ポリ-D-リジンでコーティングされた96ウェル組織培養プレートにおいて、25μg/ml及び5%FBSの無血清KOP293培地(ZHUHAI KAIRUI BIOTECH.LTD.#K03252)に、1ウェル当たり5E4細胞で接着293 6E細胞を播種し、37°C、5%CO2で一晩培養した。トランスフェクトの当日、各結合分子の相当する重鎖及び軽鎖DNA100ng(40ng/μl)を一緒に混合した。DNA混合物に無血清培地KOP293 25μl/ウェルを添加した。室温で15-30分間インキュベートした後、このトランスフェクト混合物を、前日に播種した培養プレートに添加し、穏やかに振とうして混合した。培養プレートを37°C、5%CO2のインキュベーターに戻して一晩置いた。翌日、培地及びトランスフェクト混合物を吸引し取り出し、トリプトン0.5%を含む無血清培地130μlに置換した。プレートをさらに6日インキュベートした。トランスフェクトした後の7日目に馴化培地(CM)を回収した。プレートを1000rpmで5分間遠心分離して、すべての細胞残屑を沈殿させた。上清を慎重に滅菌ポリプロピレンブロックに移す。
【0544】
タンパク質A親和性クロマトグラフィーにより抗体を精製し、PBS(pH7.2)において緩衝液を交換した。理論的に測定した当該タンパク質の消光係数を使用し、280nmにおける吸光度を読み取ることで、精製抗体の濃度を決定した。
【0545】
実施例10. 抗スクレロスチン×抗DKK1及び抗スクレロスチン×抗RANKL二重特異性抗体の結合動態及び親和性
【0546】
Gator(Probe Life)バイオフィルム干渉(BLI)で抗スクレロスチン×抗DKK1及び抗スクレロスチン×抗RANKL二重特異性抗体の結合動態及び親和性を測定した。溶液5μg/mlで抗体を抗HFCバイオセンサーに固定した。分析物として、動態緩衝液(PBS、pH 7.4、TWEEN-20 0.05%、BSA0.2%)でスクレロスチン(1μg/ml)、DKK1(2μg/ml)又はRANKL(4μg/ml)を連続的に2倍希釈した。Gatorソフトウェアを使用してデートのグローバルフィット(1:1)に基づき、親和性(KD)及び動態的パラメータ(Kon及びKoff)を算出した。結果を表12にまとめた。
【0547】
【0548】
実施例11.二重特異性抗体がヒトスクレロスチン及びDKK1と同時に結合できることが実証された
【0549】
BLIでヒトスクレロスチン及びDKK1が二重特異性抗体に同時に結合できることを実証した。二重特異性抗体構築体(5μg/ml)がHFCプローブに捕捉され、次に、動態緩衝液(PBS、pH 7.4、TWEEN-20 0.05%、BSA0.2%)にヒトスクレロスチン(2μg/ml)及びDKK1(2μg/ml)を順に添加した。
図6に示されるように、4種の二重特異性抗体において、2種の抗原の増加結合反応が観察されたが、ブラック緩衝液又は抗スクレロスチンモノクローナル抗体では増加結合反応が観察されず、二重特異性抗体は、スクレロスチン及びDKK1に同時に結合でき、一方の標的タンパク質への結合が他方の標的タンパク質への結合をブロックしないことを示す。
【0550】
実施例12.HEK293/TCF/LEF/Wnt1細胞における二重特異性抗体のスクレロスチン/DKK1中和活性
【0551】
例7に示されるように、WNTシグナル遮断アッセイを行い、それぞれヒトスクレロスチン及びDKK1を1μg/ml添加した。二重特異性抗体は、いずれもスクレロスチン及びDKK1からのWNT拮抗作用を用量依存的な方式で完全に中和することができる。EC50活性を表13に示す。
【0552】
【0553】
実施例13.二重特異性抗体の薬物動態学的研究
【0554】
投与されていない雄のカニクイザルは、Guangzhou Huazhen Laboratory Animal Co.,Ltdから購入する。動物の体重は、2.7kg~3.5kgであり、投与開始時は、3~5歳である。動物を、4つの用量群(各群において、n=3)にランダムに分配した。投与当日、抗体30mg/kgを皮下注射した。1日目(投与前、投与後12時間及び24時間)、投与後2、3、5、7、10、14、18、21、28日目に血液サンプルを採取する。本研究で使用されたPKサンプリングレジメンは、カニクイザルにおける他のヒトIgG治療性モノクローナル抗体の公知のPKプロファイルに基づいて設計されたものである。
【0555】
カニクイザル血清におけるbsAbの検出方法は、確認された適切なサンドイッチELISA法を採用する。高結合力の96ウェルポリスチレンマイクロプレート(Corning)が特異的なヒトIgG重鎖及び軽鎖を有するサル吸着抗体でコーティングされた。標準品、品質管理用サンプル及び未知のサンプルをウェルに注入し、存在するヒト抗体のいずれも固定化抗体に結合する。すべての未結合物質を洗浄した後、ウェルにELISAに用いられる特異的なヒトIgG重鎖及び軽鎖を有するサル吸着抗体コンジュゲートHRP及びTMB基質溶液を添加した。捕捉抗体及び検出抗体に結合するヒト二重特異性を有するサンプルのみは、450nmにおいて吸収シグナルを生じる。生じたシグナルは、ヒト二重特異性抗体の存在量に比例する。サンプルにおける抗体の最低定量可能濃度(LLOQ)は、0.1μg/mlである。
【0556】
カニクイザル二重特異性抗体の血清濃度を
図7に示す。データは、平均値±標準偏差で表され、n=3であった。算出された半減期範囲は、17~286時間である。
【0557】
実施例14. 二重特異性抗体の薬力学研究
【0558】
骨形成バイオマーカーであるタイプ1プロコラーゲンのN末端プロペプチド(P1NP)及び骨吸収バイオマーカーであるタイプ1コラーゲンのC末端ペプチド(CTX-1)は、広く認められる2つの特異的な骨恒常性の指標である。二重特異性抗体の薬力学的効果を検出するために、正常な雄カニクイザルに上記の異なる二重特異性抗体を30mg/kgの用量で皮下注射した。注射した後の3日目に血液サンプルを採取した。その後、血清サンプルを遠心分離した。血清P1NP及びCTX-1レベルを、それぞれP1NPキット(PC-007、Guangzhou Phicon Biotech Co.,Ltd、中国広州)及びSerum CrossLaps ELISAキット(AC-021F1R,Immunodiagnostic Systems、UK)を使用し、メーカーの添付文書に従い、測定した。その結果、二重特異性抗体の投与が、ただ注射後の3日間という時刻で血清P1NPレベルが顕著に増加することを示す。投与前のベースラインに比べて、異なる二重特異性抗体の3日目の血清P1NPレベルの増加範囲は、104.50±8.5%~212.75±20.6%の範囲(表14)である。また、二重特異性抗体を注射してから3日後、ベースラインに比べて、異なる二重特異性抗体の血清CTX-1レベルの低下範囲は、46.73±2.5%~90.11±6.8%の範囲(表14)である。その結果、二重特異性抗体は、骨形成を顕著に増加させると共に骨吸収を低下させることができ、男性及び女性の骨量の低下又は骨粗鬆症、骨形成不全、多発性骨髄腫骨疾患等の骨量の低下又は骨質の劣りに関連する疾患又は病状を治療することに特異な治療効果を有することを示す。データを表14に示す。
【0559】
【0560】
また、偽手術(Sham)又は長期卵巣摘出(OVX)が行われた雌カニクイザル(試験に実証された良好な閉経後骨粗鬆症動物モデル)に対して、二重特異性抗体で治療する場合、1回の10mg/kgの二重特異性抗体を注射すると、血清P1NPの顕著な増加及び血清CTX-1レベルの減少を誘導することができる。投与前のベースラインに比べて、投与してから14日、それぞれ、OVXサルの血清P1NPレベルは、241.36±60.9%増加し、偽手術サルの血清P1NPラベルは、182.67±60.1%増加する。また、投与してから14日、それぞれ、OVXサルの血清CTX-1は、-52.12±5.9%低下し、偽手術サルの血清CTX-1は、-17.43±8.5%低下する。これらデータは、年齢関連又は閉経後骨粗鬆症において、本発明に係る抗体による骨形成の増加及び骨吸収の減少という治療效果をさらに実証する。
【0561】
実施例15. 骨形成不全(OI)に罹る患者の骨折に対する二重特異性抗体の予防可能な効果
【0562】
骨の多重スケール階層構造(multiscale hierarchical structure)は、自然的に最適化されたものであるため、骨折に耐えることができる。骨形成の増強及び骨吸収の低減は、骨強度及び健康を維持する2つの重要なプロセスである。骨形成不全(OI)又は脆性骨疾患では、遺伝子突然変異は、コラーゲンの質量及び/又は数量に影響を及ぼし、骨折のリスクを顕著に増加させる。臨床的に、疾患の兆候は、低骨量及び低強度、極度の骨軟化症及び骨変形、並びに頻繁な骨折である。OIの骨折発生率を低下させる治療は、臨床的改善の最終目標である。従って、I型コラーゲンのpro-a2鎖の自然突然変異が骨量の悪化や骨量の低下を招致し、最終的に頻繁な脆性骨折を招致する、骨形成不全(OI)マウスモデル(oim/oim)における二重特異性抗体の効能を研究した。4週間齢の場合、ホモ接合型oim/oimマウスの長骨が骨折を開始した。モノクローナル抗体又は二重特異性抗体の単独(25mg/kg、各抗体は週1回)での皮下注射から6週間後、10週齢の場合、抗体投与群の動物は溶媒投与動物に比べて、新たな骨折を発症する数量が顕著に少なくなった。溶媒投与対照群では、X線画像によれば4週齢から10週齢(6週間観察期)まで、群内の各マウスの骨折の数量は、平均2.27±0.7の箇所増加した。溶媒投与対照群に比べて、スクレロスチン抗体又はDKK1抗体の単独投与は、マウスあたりの平均骨折数の減少(それぞれ0.75±0.2箇所及び1.44±0.4箇所)を引き起こす。より注意すべきなことは、二重特異性抗体で治療されたoim/oimマウスは、新たに生じる骨折(4週間から10週間まで、各マウスにおける0.00±0.5箇所の新たな骨折)を完全に予防することができ、任意の単剤療法に比べて、はるかに優れた。これらの結果は、二重特異性抗体がスクレロスチン及びDKK1を同時に中和することでさらなる骨折を防ぎ、相乗的な骨合成代謝の効果を達成することを示す。スクレロスチン及びDKK1のWnt受容体LRP5/6に結合し、拮抗薬としてシグナル経路合成代謝を遮断する特性に鑑み、例えば、骨粗鬆症患者は、抗スクレロスチン抗体で治療された後、DKK1のアップレギュレーション(Holdsworth G,2018 Bone 107,93-103)が観察されたことに示されるように、特異性抗体で結合部位の1つを遮断すると、代償機構を介して他の拮抗薬のアップレギュレーションが引き起こされることは、注目すべきである。従って、本研究の前述した結果は、骨骼に対する相乗的な作用が更なる骨折を防ぐことができることを示す。この満足すべきな結果は、二重特異性抗体がOI患者の満たされていないニーズを低減させ、繰り返し骨折の負担を低減できることを明らかに示す。
【0563】
実施例16.二重特異性抗体によるRPMI8226多発性骨髄腫細胞のインビトロでの増殖への抑制
【0564】
本発明は、さらにRPMI8226ヒト多発性骨髄腫(MM)細胞において、二重特異性抗体の腫瘍細胞増殖を抑制する活性について、評価する。多くの科学的報告に示されるように、多発性骨髄腫患者は、DKK1の発現レベルが上昇し、疾患の重症度に相関する(Fulciniti M.等,Blood,2009;114(2):371-379.,Feng Y等,Cancer Biomarkers.2018;1:1-7)。また、研究において、約80%~90%のMM患者は、MM関連骨疾患(MMBD)を発症することが示される。MMBDの主な臨床的兆候は、骨吸収活性の増加、及び、骨形成の阻害による骨溶性病変及び骨折である。従って、二重特異性抗体の性質は、骨吸収の阻害及びDKK1発現の阻害を提供することで、骨形成を増加させ、MMBD患者に利益をもたらす。本発明者らの初期研究は、この分子作用を経ったMM細胞(RPMI 8226)のインビトロでの細胞培養において細胞表面マーカーであるCD138のレベルの低下を示し、細胞がアポトーシス工程を受ける可能性が高いことを示す。また、CCK8腫瘍成長解析は、腫瘍細胞数が用量依存的に減少することを示す。RPMI8226 MM細胞に対して、二重特異性抗体100μg/mlを投与してから48時間後、生きる細胞数が約28%減少した。これは、二重特異性抗体がRPMI8226MM細胞のアポトーシスを引き起こし、腫瘍細胞の増殖を抑制することができると示す。その結果、このような治療適用は、骨病状の予防(例えば、実施例14及び15におけるデータに示されるように)のみならず、腫瘍成長を直接に阻害することでMMBD及び腫瘍転移に関連する骨病状を治療することを示す。
【0565】
【0566】
【0567】
【0568】
【0569】
【0570】
【0571】
【0572】
【0573】
【0574】
【0575】
【0576】
【0577】
【0578】
【0579】
【0580】
【0581】
【0582】
【0583】
【0584】
【0585】
【0586】
【0587】
【0588】
【0589】
【0590】
【0591】
【0592】
【0593】
【配列表】
【手続補正書】
【提出日】2023-04-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スクレロスチンを特異的に認識する抗体部分を含む抗スクレロスチン構築体であって、前記抗体部分は、スクレロスチンのエピトープに結合し、前記エピトープは、SEQ ID NO:186に示されるアミノ酸配列を含む、抗スクレロスチン構築体。
【請求項2】
スクレロスチンを特異的に認識する抗体部分を含む抗スクレロスチン構築体であって、前記抗体部分は、重鎖可変領域(V
H)及び軽鎖可変領域(V
L)を含み、
前記V
Hは、
SEQ ID NO:1~4及び12のいずれか1項のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、
SEQ ID NO:5~8及び13のいずれか1項のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:9~11及び14のいずれか1項のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、或いは、これらHC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、並びに、
前記V
Lは、
SEQ ID NO:15-17、85及び86のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、
SEQ ID NO:18及び19のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:20及び21のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、或いは、これらLC-CDRにおいて5、4、3、2又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、
好ましくは、
a)前記V
H
は、SEQ ID NO:12のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:13のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:14のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、
前記V
L
は、SEQ ID NO:15又は16のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:20のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、或いは、
b)前記V
H
は、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:5のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:9のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、
前記V
L
は、SEQ ID NO:15のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:20のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、
好ましくは、
前記V
H
は、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:6のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、
前記V
L
は、SEQ ID NO:15のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:20のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、
好ましくは、
前記V
H
は、SEQ ID NO:2のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:7のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、
前記V
L
は、SEQ ID NO:15のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:20のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、
好ましくは、
前記V
H
は、SEQ ID NO:2のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:6のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、
前記V
L
は、SEQ ID NO:15のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:20のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、
好ましくは、
前記V
H
は、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:5のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、
前記V
L
は、SEQ ID NO:16のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:20のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、
好ましくは、
前記V
H
は、SEQ ID NO:3のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:7のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、
前記V
L
は、SEQ ID NO:15のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:20のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、
好ましくは、
前記V
H
は、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:5のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、
前記V
L
は、SEQ ID NO:16のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:20のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、
好ましくは、
前記V
H
は、SEQ ID NO:4のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:8のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:11のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、
前記V
L
は、SEQ ID NO:17のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:19のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:21のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、
好ましくは、
前記V
H
は、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:5のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:9のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、
前記V
L
は、SEQ ID NO:85のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:20のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、
好ましくは、
前記V
H
は、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:5のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:9のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、
前記V
L
は、SEQ ID NO:86のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、
SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:20のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、
好ましくは、
前記抗体部分は、重鎖可変領域(V
H
)及び軽鎖可変領域(V
L
)を含み、
a)HC-CDR1、HC-CDR2及びHC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:22に示される配列を有するV
H
におけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、並びに、
LC-CDR1、LC-CDR2及びLC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:23に示される配列を有するV
L
におけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、
b)HC-CDR1、HC-CDR2及びHC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:24に示される配列を有するV
H
におけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、並びに、
LC-CDR1、LC-CDR2及びLC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:25に示される配列を有するV
L
におけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、
c)HC-CDR1、HC-CDR2及びHC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:26に示される配列を有するV
H
におけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有する、並びに、
LC-CDR1、LC-CDR2及びLC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:27に示される配列を有するV
L
におけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、
d)HC-CDR1、HC-CDR2及びHC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:28に示される配列を有するV
H
におけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、並びに、
LC-CDR1、LC-CDR2及びLC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:29に示される配列を有するV
L
におけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、
e)HC-CDR1、HC-CDR2及びHC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:30に示される配列を有するV
H
におけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、並びに、
LC-CDR1、LC-CDR2及びLC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:31に示される配列を有するV
L
におけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、
f)HC-CDR1、HC-CDR2及びHC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:32に示される配列を有するV
H
におけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、並びに、
LC-CDR1、LC-CDR2及びLC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:33に示される配列を有するV
L
におけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、
g)HC-CDR1、HC-CDR2及びHC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:34に示される配列を有するV
H
におけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、及び、
LC-CDR1、LC-CDR2及びLC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:35に示される配列を有するV
L
におけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、LC-CDR2及びLC-CDR3、
h)HC-CDR1、HC-CDR2及びHC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:36に示される配列を有するV
H
におけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、並びに、
LC-CDR1、LC-CDR2及びLC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:37に示される配列を有するV
L
におけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、
i)HC-CDR1、HC-CDR2及びHC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:38に示される配列を有するV
H
におけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、並びに、
LC-CDR1、LC-CDR2及びLC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:39に示される配列を有するV
L
におけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、
j)HC-CDR1、HC-CDR2及びHC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:40に示される配列を有するV
H
におけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、並びに、
LC-CDR1、LC-CDR2及びLC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:41に示される配列を有するV
L
におけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、
k)HC-CDR1、HC-CDR2及びHC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:87に示される配列を有するV
H
におけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、並びに、
LC-CDR1、LC-CDR2及びLC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:88に示される配列を有するV
L
におけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、
l)HC-CDR1、HC-CDR2及びHC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:87に示される配列を有するV
H
におけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、並びに、
LC-CDR1、LC-CDR2及びLC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:89に示される配列を有するV
L
におけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、或いは、
m)HC-CDR1、HC-CDR2及びHC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:87に示される配列を有するV
H
におけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有し、並びに、
LC-CDR1、LC-CDR2及びLC-CDR3は、それぞれSEQ ID NO:90に示される配列を有するV
L
におけるCDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列を有する、抗スクレロスチン構築体。
【請求項3】
前記V
Hは、
SEQ ID NO:22、24、26、28、30、32、34、36、38、40及び87のいずれか1項のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、及び/又は、
前記V
Lは、
SEQ ID NO:23、25、27、29、31、33、35、37、39、41及び88~90のいずれか1項のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、
好ましくは、
a)前記V
H
は、SEQ ID NO:22のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、
前記V
L
は、SEQ ID NO:23のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、
b)前記V
H
は、SEQ ID NO:24のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、
前記V
L
は、SEQ ID NO:25のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、
c)前記V
H
は、SEQ ID NO:26のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、
前記V
L
は、SEQ ID NO:27のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、
d)前記V
H
は、SEQ ID NO:28のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、
前記V
L
は、SEQ ID NO:29のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、
e)前記V
H
は、SEQ ID NO:30のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、
前記V
L
は、SEQ ID NO:31のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、
f)前記V
H
は、SEQ ID NO:32のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、
前記V
L
は、SEQ ID NO:33のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、
g)前記V
H
は、SEQ ID NO:34のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、
前記V
L
は、SEQ ID NO:35のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、
h)前記V
H
は、SEQ ID NO:36のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、
前記V
L
は、SEQ ID NO:37のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、
i)前記V
H
は、SEQ ID NO:38のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、
前記V
L
は、SEQ ID NO:39のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、
j)前記V
H
は、SEQ ID NO:40のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、
前記V
L
は、SEQ ID NO:41のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、
k)前記V
H
は、SEQ ID NO:87のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、
前記V
L
は、SEQ ID NO:88のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、
l)前記V
H
は、SEQ ID NO:87のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、
前記V
L
は、SEQ ID NO:89のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、或いは、
m)前記V
H
は、SEQ ID NO:87のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含み、
前記V
L
は、SEQ ID NO:90のアミノ酸配列を含み、又は、少なくとも約80%配列同一性を有するアミノ酸配列の変異体を含む、請求項
1又は2に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項4】
前記抗体部分は、重鎖可変領域(V
H)及び第2の軽鎖可変領域(V
L)を含む抗スクレロスチン抗体のヒト化抗体部分に由来し、
a)前記V
Hは、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、
SEQ ID NO:5のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び
SEQ ID NO:9のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、又は、これらHC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、
前記V
Lは、
SEQ ID NO:15のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、
SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:20のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、又は、これらLC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、
b)前記V
Hは、
SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、
SEQ ID NO:6のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、又は、これらHC-CDR中の5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、
前記V
Lは、
SEQ ID NO:15のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、
SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:20のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、又は、これらLC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、
c)前記V
Hは、
SEQ ID NO:2のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、
SEQ ID NO:7のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、又は、これらHC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、
前記V
Lは、
SEQ ID NO:15のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、
SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:20のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、又は、これらLC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、
d)前記V
Hは、
SEQ ID NO:3のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、
SEQ ID NO:6のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、又は、これらHC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、
前記V
Lは、
SEQ ID NO:15のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、
SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:20のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、又は、これらLC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、
e)前記V
Hは、
SEQ ID NO:199のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、
SEQ ID NO:5のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、又は、これらHC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、
前記V
Lは、
SEQ ID NO:16のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、
SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:20のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、又は、これらLC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、
f)前記V
Hは、
SEQ ID NO:3のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、
SEQ ID NO:200のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、又は、これらHC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、
前記V
Lは、
SEQ ID NO:15のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、
SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:20のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、又は、これらLC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、
g)前記V
Hは、
SEQ ID NO:199のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、
SEQ ID NO:5のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、又は、これらHC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、
前記V
Lは、
SEQ ID NO:16のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、
SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:20のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、又は、これらLC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、或いは、
h)前記V
Hは、
SEQ ID NO:4のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、
SEQ ID NO:8のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:11のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、又は、これらHC-CDRにおいて5、4、3、2、又は1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含み、
前記V
Lは、
SEQ ID NO:17のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、
SEQ ID NO:19のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、
SEQ ID NO:21のいずれか1項のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、又は、これらLC-CDRにおいて5、4、3、2、又は、1個までのアミノ酸置換を有する変異体を含む、
請求項1~3のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項5】
前記抗体部分は、全長抗体、二重特異性抗体、単鎖Fv(scFv)断片、Fab断片、Fab’断片、F(ab’)
2、Fv断片、ジスルフィド結合安定化Fv断片(dsFv)、ジスルフィド結合安定化scFv(dsscFv)、(dsFv)
2、Fv-Fc融合、scFv-Fc融合、scFv-Fv融合、ダイアボディ(diabody)、トリボディ(tribody)及びテトラボディ(tetrabody)から選ばれる抗体又はその抗原結合断片であり、
好ましくは、前記構築体は、Fc断片を含む全長抗体であり、
好ましくは、前記抗体部分は、scFv断片であり、
好ましくは、前記スクレロスチンは、ヒトスクレロスチンである、請求項
2~4のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項6】
前記抗スクレロスチン構築体は、さらに第2の部分を含み、
好ましくは、前記第2の部分は、抗原を特異的に認識する第2の抗体部分を含み、
好ましくは、前記第2の抗体部分は、第2の重鎖可変領域(VH-2)及び軽鎖可変領域(VL-2)を含む、請求項
1~5のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項7】
前記抗原は、DKK1であり、
好ましくは、前記DKK1は、ヒトDKK1であり、
好ましくは、
第2の抗体部分は、DKK1の結合エピトープについて第3の重鎖可変領域(V
H-3
)及び第3の軽鎖可変領域(V
L-3
)を含む第3の抗体部分と競合し、
a)前記V
H-3
は、SEQ ID NO:42のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:43のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:44のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、
前記V
L-3
は、SEQ ID NO:45のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:46のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:47のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、
b)前記V
H-3
は、SEQ ID NO:48のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:49のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:50のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、
前記V
L-3
は、SEQ ID NO:51のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:52のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:58のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、或いは、
c)前記V
H-3
は、SEQ ID NO:54のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:55のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:56のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、
前記V
L-3
は、SEQ ID NO:57のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:58のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:59のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、
好ましくは、
前記V
H-2
は、SEQ ID NO:42のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:43のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:44のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、
前記V
L-2
は、SEQ ID NO:45のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:46のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:47のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、
好ましくは、
前記V
H-2
は、SEQ ID NO:48のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:49のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:50のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、
前記V
L-2
は、SEQ ID NO:51のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:52のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:58のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、
好ましくは、
前記V
H-2
は、SEQ ID NO:54のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:55のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:56のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、
前記V
L-2
は、SEQ ID NO:57のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:58のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:59のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む、請求項
6に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項8】
前記抗原は、RANKLであり、
好ましくは、前記抗原は、ヒトRANKLであり、
好ましくは、
前記第2の抗体部分は、RANKLの結合エピトープについて第3の重鎖可変領域(V
H-3
)及び第3の軽鎖可変領域(V
L-3
)を含む第3の抗体部分と競合し、
前記V
H-3
は、SEQ ID NO:66のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:67のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:68のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、
前記V
L-3
は、SEQ ID NO:69のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:70のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:71のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含み、
好ましくは、
前記V
H-2
は、SEQ ID NO:66のアミノ酸配列を有するHC-CDR1、SEQ ID NO:67のアミノ酸配列を有するHC-CDR2、及び、SEQ ID NO:68のアミノ酸配列を有するHC-CDR3を含み、
前記V
L-2
は、SEQ ID NO:69のアミノ酸配列を有するLC-CDR1、SEQ ID NO:70のアミノ酸配列を有するLC-CDR2、及び、SEQ ID NO:71のアミノ酸配列を有するLC-CDR3を含む、請求項
6に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項9】
前記第2の抗体部分は、全長抗体、Fab、Fab’、(Fab’)
2、Fv、単鎖Fv(scFv)断片、scFv-scFv、ミニチュア抗体、ダイアボディ(diabody)又はsdAbであり、
好ましくは、
前記第2の抗体部分は、2本の重鎖、2本の軽鎖及びFc断片を含む全長抗体であり、前記抗スクレロスチン抗体部分は、V
L
に融合されたV
H
を含む単鎖Fv(scFv)断片であり、
好ましくは、
前記抗スクレロスチンの抗体部分は、前記全長抗体の1本又は2本の重鎖に融合し、
好ましくは、
前記抗スクレロスチンの抗体部分は、前記全長抗体の1本又は2本の軽鎖に融合し、
好ましくは、
前記抗スクレロスチンの抗体部分は、全長抗体の1本又は2本の重鎖又は軽鎖のN末端に融合し、
好ましくは、
前記抗スクレロスチンの抗体部分は、前記全長抗体の1本又は2本の重鎖又は軽鎖のC末端に融合し、
好ましくは、
前記抗スクレロスチンの抗体部分は、第1のリンカーを介して前記全長抗体に融合し、
好ましくは、
前記抗スクレロスチンの抗体部分は、リンカーを介せず前記全長抗体に融合し、
好ましくは、
前記第1のリンカーは、SEQ ID NO:74~84から選ばれるGSリンカーであり、
好ましくは、
前記V
H
は、第2のリンカーを介して前記V
L
に融合し、
好ましくは、
前記scFv断片は、N末端からC末端までV
H
、第2のリンカー及びV
L
を含み、
好ましくは、
前記scFv断片は、N末端からC末端までV
L
、第2のリンカー、V
H、
及び、任意にC末端アラニン残基を含み、
好ましくは、
前記第2のリンカーは、SEQ ID NO:76又は77のアミノ酸配列を含む、請求項
6~8のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項10】
前記第2抗体部分は、V
H-2及びV
L-2を含むscFv断片であり、そのうち、前記抗スクレロスチンの抗体部分は、2本の重鎖、2本の軽鎖及びFc断片を含む全長抗体であり、
好ましくは、
前記第2の抗体部分は、前記全長抗体の2本の重鎖に融合し、
好ましくは、
前記第2の抗体部分は、前記全長抗体の2本の軽鎖に融合し、
好ましくは、
前記第2の抗体部分は、前記全長抗体の2本の重鎖又は軽鎖のN末端に融合し、
好ましくは、
前記第2の抗体部分は、前記全長抗体の2本の重鎖又は軽鎖のC末端に融合し、
好ましくは、
前記第2の抗体部分は、第1のリンカーを介して前記全長抗体に融合し、
好ましくは、
前記第2の抗体部分は、リンカーを介せず前記全長抗体に融合し、
好ましくは、
前記第1のリンカーは、SEQ ID NO:74~84から選ばれるGS第1のリンカーであり、
好ましくは、
前記V
H-2
は、第2のリンカーを介して前記V
L-2
に融合し、
好ましくは、
前記V
H-2
は、リンカーを介せず前記V
L-2
に融合し、
好ましくは、
前記scFv断片は、N末端からC末端までV
H-2
、第2のリンカー及びV
L-2
を含み、
前記scFv断片は、N末端からC末端までV
L-2
、第2のリンカー、V
H-2
、及び、任意にC末端アラニン残基を含み、
好ましくは、
前記第2のリンカーは、SEQ ID NO:76又は77のアミノ酸配列を含む、請求項
6~8のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項11】
前記scFvは、ジスルフィド結合安定化scFv(「dsscFv」)であり、
好ましくは、
前記dsscFvは、a)SEQ ID NO:60の番号付けによるV
H
又はV
H-2
におけるG44C突然変異、及び、b)SEQ ID NO:61の番号付けによるV
L
又はV
L-2
におけるG100C突然変異を含む、請求項
9又は10に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項12】
前記構築体は、
1)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:91のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:93のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
2)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:92のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:93のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
3)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:94のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:96のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
4)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:95のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:96のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
5)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:97のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:99のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
6)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:98のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:99のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
7)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:100のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:102のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
8)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:101のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:102のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
9)、各重鎖がSEQ ID NO:103のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各軽鎖がSEQ ID NO:104のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
10)各重鎖がSEQ ID NO:103のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各軽鎖がSEQ ID NO:105のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
11)各重鎖がSEQ ID NO:106のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各軽鎖がSEQ ID NO:107のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
12)各重鎖がSEQ ID NO:106のアミノ酸配列を含む重鎖、及び、前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各軽鎖がSEQ ID NO:108のアミノ酸配列を含む軽鎖、
13)各重鎖がSEQ ID NO:109のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各軽鎖がSEQ ID NO:110のアミノ酸配列を含2つのむ軽鎖、
14)各重鎖がSEQ ID NO:109のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各軽鎖がSEQ ID NO:111のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
15)各重鎖がSEQ ID NO:112のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各軽鎖がSEQ ID NO:113のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
16)各重鎖がSEQ ID NO:112のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各軽鎖がSEQ ID NO:114のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
17)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:115のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:119のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
18)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:116のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:119のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
19)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:117のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:119のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
20)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:118のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:119のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
21)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:120のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:122のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
22)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:121のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:122のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
23)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:123のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:125のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
24)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:124のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:125のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
25)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:126のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:129のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
26)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:127のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:129のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
27)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:128のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:129のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
28)各重鎖がSEQ ID NO:133のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各軽鎖がSEQ ID NO:130のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
29)各重鎖がSEQ ID NO:133のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各軽鎖がSEQ ID NO:131のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
30)各重鎖がSEQ ID NO:133のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各軽鎖がSEQ ID NO:132のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
31)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:177のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:125のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
32)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:178のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:125のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
33)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:178のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:122のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
34)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:179のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:122のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、或いは、
35)前記抗スクレロスチンの抗体部分又は第2の抗体部分に融合し、各重鎖がSEQ ID NO:180のアミノ酸配列を含む2本の重鎖、及び、各軽鎖がSEQ ID NO:122のアミノ酸配列を含む2本の軽鎖、
を含む、請求項
9~11のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項13】
前記構築体は、a)第1の軽鎖を含む第1のポリペプチドであって、前記第1の軽鎖がN末端からC末端までi)V
L、ii)第1の軽鎖定常ドメイン(「第1のCLドメイン」)を含む第1のポリペプチド、
b)第1の重鎖を含む第2のポリペプチドであって、前記第1の重鎖がN末端からC末端までi)V
H、ii)第1の重鎖定常ドメイン(「第1のCH1ドメイン」)、及び、iii)第1のFcドメインを含む第2のポリペプチド、
c)第2の重鎖を含む第3のポリペプチドであって、前記第2の重鎖がN末端からC末端までi)V
H-2、ii)第2の重鎖定常ドメイン(「第2のCH1ドメイン」)、及び、iii)第2のFcドメインを含む第3のポリペプチド、及び、
d)第2の軽鎖を含む第4のポリペプチドであって、前記第2の軽鎖がN末端からC末端までi)V
L-2、ii)第2の軽鎖定常ドメイン(「第2のCLドメイン」)を含む第4のポリペプチド、
を含み、第1のFcドメインと第2のFcドメインとはFc断片を形成し、
好ましくは、
第1のFcドメイン及び第2のFcドメインのいずれかは、T366W突然変異及び任意にS354C突然変異を含み、
他のFcドメインは、T366S突然変異、L368A突然変異、Y407V突然変異及び任意にY349C突然変異を含み、番号は、EUインデックスに基づくものであり、
好ましくは、
i)第1のCH1ドメイン及び第1のCLドメイン、又は、ii)第2のCH1ドメイン及び第2のCLドメインは、いずれも
a)141位のアミノ酸がシステインに置換され、131位又は220位のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCH1ドメイン、及び、
116位のアミノ酸がシステインに置換され、214位のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCLドメイン、
b)168位のアミノ酸がシステインに置換され、131位又は220位のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCH1ドメイン、及び、
164位のアミノ酸がシステインに置換され、214位のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCLドメイン、
c)126位のアミノ酸がシステインに置換され、131位又は220位のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCH1ドメイン、及び、
121位のアミノ酸がシステインに置換され、214位のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCLドメイン、
d)128位のアミノ酸がシステインに置換され、131位又は220位のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCH1ドメイン、及び、
118位のアミノ酸がシステインに置換され、214位のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCLドメイン、
e)170位のアミノ酸がシステインに置換され、131位又は220位のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCH1ドメイン、及び、
176位のアミノ酸がシステインに置換され、214位のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCLドメイン、
f)171位のアミノ酸がシステインに置換され、131位又は220位のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCH1ドメイン、及び、
162位のアミノ酸がシステインに置換され、214位のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCLドメイン、
g)173位のアミノ酸がシステインに置換され、131位又は220位のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCH1ドメイン、及び、
160位のアミノ酸がシステインに置換され、214位のシステインが非システインアミノ酸に置換されたCLドメイン、
から選ばれるものであり、番号は、EUインデックスに基づくものであり、
好ましくは、
1)第1のポリペプチドがSEQ ID NO:135のアミノ酸配列を含み、
第2のポリペプチドがSEQ ID NO:134のアミノ酸配列を含み、
第3のポリペプチドがSEQ ID NO:136のアミノ酸配列を含み、
第4のポリペプチドがSEQ ID NO:137のアミノ酸配列を含み、
2)第1のポリペプチドがSEQ ID NO:135のアミノ酸配列を含み、
第2のポリペプチドがSEQ ID NO:134のアミノ酸配列を含み、
第3のポリペプチドがSEQ ID NO:138のアミノ酸配列を含み、
第4のポリペプチドがSEQ ID NO:139のアミノ酸配列を含み、
3)第1のポリペプチドがSEQ ID NO:135のアミノ酸配列を含み、
第2のポリペプチドがSEQ ID NO:134のアミノ酸配列を含み、
第3のポリペプチドがSEQ ID NO:140のアミノ酸配列を含み、
第4のポリペプチドがSEQ ID NO:141のアミノ酸配列を含み、
4)第1のポリペプチドがSEQ ID NO:135のアミノ酸配列を含み、
第2のポリペプチドがSEQ ID NO:134のアミノ酸配列を含み、
第3のポリペプチドがSEQ ID NO:142のアミノ酸配列を含み、
第4のポリペプチドがSEQ ID NO:143のアミノ酸配列を含み、
5)第1のポリペプチドがSEQ ID NO:135のアミノ酸配列を含み、
第2のポリペプチドがSEQ ID NO:134のアミノ酸配列を含み、
第3のポリペプチドがSEQ ID NO:144のアミノ酸配列を含み、
第4のポリペプチドがSEQ ID NO:145のアミノ酸配列を含み、
6)第1のポリペプチドがSEQ ID NO:147のアミノ酸配列を含み、
第2のポリペプチドがSEQ ID NO:146のアミノ酸配列を含み、
第3のポリペプチドがSEQ ID NO:148のアミノ酸配列を含み、
第4のポリペプチドがSEQ ID NO:149のアミノ酸配列を含み、
7)第1のポリペプチドがSEQ ID NO:147のアミノ酸配列を含み、
第2のポリペプチドがSEQ ID NO:146のアミノ酸配列を含み、
第3のポリペプチドがSEQ ID NO:150のアミノ酸配列を含み、
第4のポリペプチドがSEQ ID NO:151のアミノ酸配列を含み、
8)第1のポリペプチドがSEQ ID NO:147のアミノ酸配列を含み、
第2のポリペプチドがSEQ ID NO:146のアミノ酸配列を含み、
第3のポリペプチドがSEQ ID NO:152のアミノ酸配列を含み、
第4のポリペプチドがSEQ ID NO:153のアミノ酸配列を含み、
9)第1のポリペプチドがSEQ ID NO:147のアミノ酸配列を含み、
第2のポリペプチドがSEQ ID NO:146のアミノ酸配列を含み、
第3のポリペプチドがSEQ ID NO:154のアミノ酸配列を含み、
第4のポリペプチドがSEQ ID NO:155のアミノ酸配列を含み、
10)第1のポリペプチドがSEQ ID NO:147のアミノ酸配列を含み、
第2のポリペプチドがSEQ ID NO:146のアミノ酸配列を含み、
第3のポリペプチドがSEQ ID NO:156のアミノ酸配列を含み、
第4のポリペプチドがSEQ ID NO:157のアミノ酸配列を含み、
11)第1のポリペプチドがSEQ ID NO:147のアミノ酸配列を含み、
第2のポリペプチドがSEQ ID NO:146のアミノ酸配列を含み、
第3のポリペプチドがSEQ ID NO:158のアミノ酸配列を含み、
第4のポリペプチドがSEQ ID NO:159のアミノ酸配列を含み、
12)第1のポリペプチドがSEQ ID NO:147のアミノ酸配列を含み、
第2のポリペプチドがSEQ ID NO:146のアミノ酸配列を含み、
第3のポリペプチドがSEQ ID NO:160のアミノ酸配列を含み、
第4のポリペプチドがSEQ ID NO:161のアミノ酸配列を含み、
13)第1のポリペプチドがSEQ ID NO:147のアミノ酸配列を含み、
第2のポリペプチドがSEQ ID NO:146のアミノ酸配列を含み、
第3のポリペプチドがSEQ ID NO:162のアミノ酸配列を含み、
第4のポリペプチドがSEQ ID NO:163のアミノ酸配列を含み、
14)第1のポリペプチドがSEQ ID NO:147のアミノ酸配列を含み、
第2のポリペプチドがSEQ ID NO:171のアミノ酸配列を含み、
第3のポリペプチドがSEQ ID NO:172のアミノ酸配列を含み、
第4のポリペプチドがSEQ ID NO:163のアミノ酸配列を含み、
15)第1のポリペプチドがSEQ ID NO:147のアミノ酸配列を含み、
第2のポリペプチドがSEQ ID NO:173のアミノ酸配列を含み、
第3のポリペプチドがSEQ ID NO:174のアミノ酸配列を含み、
第4のポリペプチドがSEQ ID NO:163のアミノ酸配列を含み、
16)第1のポリペプチドがSEQ ID NO:147のアミノ酸配列を含み、
第2のポリペプチドがSEQ ID NO:175のアミノ酸配列を含み、
第3のポリペプチドがSEQ ID NO:176のアミノ酸配列を含み、
第4のポリペプチドがSEQ ID NO:163のアミノ酸配列を含む、
請求項
6~8のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項14】
前記第2の部分は、半減期延長の部分を含み、
好ましくは、前記半減期延長の部分は、Fc断片である、
請求項
6に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項15】
前記Fc断片は、IgG、IgA、IgD、IgE、IgMのFc断片及びこれらの組み合わせ及びハイブリッドから選ばれる1種であり、
好ましくは、
前記Fc断片は、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4のFc断片及びこれらの組み合わせ及びハイブリッドから選ばれる1種であり、
好ましくは、
前記Fc断片は、H435R突然変異及びY436F突然変異を含み、
好ましくは、
前記Fc断片は、対応する野生型Fc断片と比較して低減されたエフェクター機能を有し、
好ましくは、
前記Fc断片は、
a)対応する野生型Fc断片と比較して増強されたエフェクター機能、及び/又は、
b)対応する野生型Fc断片と比較して増強されたFcRn結合アフィニティ、
を有する、請求項
5、9~13のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項16】
前記構築体は、抗体-薬物コンジュゲート又は抗体融合タンパク質であり、
好ましくは、前記第2の部分は、薬物を含み、前記薬物は、副甲状腺ホルモン(PTH)、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)、ビスフォスフォネート、プロスタグランジンE(PGE)受容体アゴニスト、VEGF、TGFβ、成長因子(ミオスタチン)、カルシトニン及びこれらの組み合わせから選ばれる1種又は複数種である、請求項
6に記載の抗スクレロスチン構築体。
【請求項17】
請求項
1~16のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体と競合してスクレロスチンに特異的に結合する、抗スクレロスチン構築体。
【請求項18】
請求項
1~17のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体及び薬学的に許容される担体を含む組成物であって、
好ましくは、前記組成物は、さらに薬物を含み、前記薬物は、副甲状腺ホルモン(PTH)、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)、VEGF、TGFβ、成長因子(ミオスタチン)、カルシトニン及びこれらの組み合わせから選ばれる1種又は複数種である、薬物組成物。
【請求項19】
請求項
1~17のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体をコードする、単離された核酸分子。
【請求項20】
請求項
19に記載の単離された核酸分子を含む、ベクター。
【請求項21】
請求項
19に記載の単離された核酸分子又は請求項
20に記載のベクターを含む、単離された宿主細胞。
【請求項22】
a)抗スクレロスチン構築体又はその一部を効果的に発現する条件で、請求項
21に記載の単離された宿主細胞を培養すること、及び、
b)前記宿主細胞から発現された抗スクレロスチン構築体又はその一部を得ること、
を含む、抗スクレロスチン構築体を調製する方法。
【請求項23】
有効量の請求項
1~17のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体及び/又は請求項
18に記載の薬物組成物
の、個体の疾患又は病状を治療及び/又は予防する医薬品の調製における使用であって、
有効量の請求項
1~17のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体及び/又は請求項
18に記載の薬物組成物を個体に投与することを含み、
好ましくは、
前記疾患又は病状は、骨関連疾患又は軟骨関連疾状、骨髄又は血液学的疾患、骨格筋系の希少疾患、筋肉関連疾患又は癌であり、
好ましくは、
前記骨関連疾患は、骨形成不全、骨粗鬆症又は骨減少症(男性及び女性)、骨壊死、骨遅延癒合、骨折不癒合、多発性骨髄腫、多発性骨髄腫関連骨疾患、原発性骨腫瘍、及び悪性腫瘍の骨転移、炎症性又は感染性骨疾患、骨軟化症、高カルシウム血症、パジェット病、不運動による骨喪失、グルココルチコイドによる骨喪失、関節炎誘導骨喪失を含む炎症誘導骨喪失、宇宙飛行士の骨粗鬆症/骨減少症及び無重力による骨喪失、又は、a)骨量喪失又は骨質喪失又はその両方、及び/又は、b)骨構造及び骨質異常に関連する他の疾患又は病状を含み、
好ましくは、
前記骨関連疾患とは、骨粗鬆症又は骨減少症を指し、
好ましくは、
前記骨関連疾患とは、骨形成不全を指し、
好ましくは、
前記骨関連疾患とは、多発性骨髄腫及び多発性骨髄腫関連骨疾患を指し、
好ましくは、
前記軟骨疾患は、軟骨腫症、軟骨異形成症、軟骨形成不全症、異形成症骨端異形成、軟骨異栄養性筋強直症、皮質傍軟骨腫、膝関節軟骨裂傷、骨線維異形成症、骨関節炎、骨形成不全、低リン酸血症性くる病又は骨軟骨異栄養症を含み、
好ましくは、
前記筋肉関連疾患とは、筋肉減少症及び癌関連筋肉減少症を指す、使用。
【請求項24】
有効量の請求項
1~17のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体及び/又は請求項
18に記載の薬物組成物
の、個体における骨又は関節手術後の癒合を促進する医薬品の調製における使用であって、
有効量の請求項
1~17のいずれか1項に記載の抗スクレロスチン構築体、及び/又は、請求項
18に記載の薬物組成物を個体に投与することを含む、
使用。
【請求項25】
前記抗スクレロスチン構築体が、皮下注射、静脈注射、筋肉内注射、経口又は非経口投与の方式で前記個体に投与される、請求項
23又は24に記載の
使用。
【請求項26】
前記
使用が、第2の薬物又は治療法を実施することをさらに含む、
好ましくは、
前記第2の薬物又は治療法は、抗DKK1抗体を含み、
好ましくは、
前記第2の薬物又は治療法は、抗RANKL抗体を含み、
好ましくは、
前記第2の薬物又は治療法は、副甲状腺ホルモン(PTH)、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)、ビスフォスフォネート、プロスタグランジンE(PGE)受容体アゴニスト、VEGF、TGFβ、成長因子(ミオスタチン)及びカルシトニンから選ばれる1種である薬物を含む、請求項
23~25のいずれか1項に記載の
使用。
【請求項27】
前記個体がヒトを指す、請求項
23~26のいずれか1項に記載の
使用。
【国際調査報告】