IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヴィーカ アレクサンダー ヴィーガント ソシエタス ヨーロピア ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフトの特許一覧

特表2023-543674無線センサモジュールおよび無線センサモジュールを形成するためのモジュラーシステム
<>
  • 特表-無線センサモジュールおよび無線センサモジュールを形成するためのモジュラーシステム 図1
  • 特表-無線センサモジュールおよび無線センサモジュールを形成するためのモジュラーシステム 図2
  • 特表-無線センサモジュールおよび無線センサモジュールを形成するためのモジュラーシステム 図3A
  • 特表-無線センサモジュールおよび無線センサモジュールを形成するためのモジュラーシステム 図3B
  • 特表-無線センサモジュールおよび無線センサモジュールを形成するためのモジュラーシステム 図4A
  • 特表-無線センサモジュールおよび無線センサモジュールを形成するためのモジュラーシステム 図4B
  • 特表-無線センサモジュールおよび無線センサモジュールを形成するためのモジュラーシステム 図5
  • 特表-無線センサモジュールおよび無線センサモジュールを形成するためのモジュラーシステム 図6A
  • 特表-無線センサモジュールおよび無線センサモジュールを形成するためのモジュラーシステム 図6B
  • 特表-無線センサモジュールおよび無線センサモジュールを形成するためのモジュラーシステム 図7
  • 特表-無線センサモジュールおよび無線センサモジュールを形成するためのモジュラーシステム 図8
  • 特表-無線センサモジュールおよび無線センサモジュールを形成するためのモジュラーシステム 図9A
  • 特表-無線センサモジュールおよび無線センサモジュールを形成するためのモジュラーシステム 図9B
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-18
(54)【発明の名称】無線センサモジュールおよび無線センサモジュールを形成するためのモジュラーシステム
(51)【国際特許分類】
   G01D 11/24 20060101AFI20231011BHJP
【FI】
G01D11/24 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023514962
(86)(22)【出願日】2021-07-21
(85)【翻訳文提出日】2023-04-21
(86)【国際出願番号】 EP2021070349
(87)【国際公開番号】W WO2022058071
(87)【国際公開日】2022-03-24
(31)【優先権主張番号】102020124535.1
(32)【優先日】2020-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVASCRIPT
(71)【出願人】
【識別番号】316012511
【氏名又は名称】ヴィーカ アレクサンダー ヴィーガント ソシエタス ヨーロピア ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】WIKA Alexander Wiegand SE & Co.KG
【住所又は居所原語表記】Alexander-Wiegand-Strasse 30,D-63911 Klingenberg,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110000475
【氏名又は名称】弁理士法人みのり特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エック,ヨハネス
(72)【発明者】
【氏名】クルーク,アルノ
(72)【発明者】
【氏名】バッハマン,ガブリエル
(72)【発明者】
【氏名】ミュースィヒ,クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ハイダー,ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】フロマーダー,クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】グッチュ,ゼバスティアン
(72)【発明者】
【氏名】アイフェルト,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ヴィール,クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ゲットル,ラース
(72)【発明者】
【氏名】ケルン,ハイコ
(57)【要約】
本発明は無線センサモジュール(FSM)に関する。無線センサモジュールは、少なくとも1つの、センサ(S、S2)を有するセンサ基板(SP)、および/または無線センサモジュールの外部のセンサとの接続のための接続部を備えたセンサ基本モジュールと、プロセス接続部(PA)および/または拡張されたセンサ接続部と、センサ基本モジュールおよびセンサ基板を収容するハウジング部と、構造支持部(TT)を有する無線センサユニットを備える。構造支持部は、内部に無線基板(FP)と、無線基板に電気エネルギーを供給するエネルギー貯蔵デバイス(ES、ES1、ES2、ES-K、ES-L)とを支持し、エネルギー貯蔵デバイスは、電気的に並列接続された電池(BA)およびコンデンサ(K)を有する。本発明は、さらに、かかる無線センサモジュール(FSM)を形成するためのモジュラーシステムに関する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの、センサ(S、S2)を有するセンサ基板(SP)、および/または無線センサモジュールの外部のセンサとの接続のための接続部を備えたセンサ基本モジュールと、
プロセス接続部(PA)および/または拡張されたセンサ接続部と、
前記センサ基本モジュールおよび前記センサ基板(SP)を収容するハウジング部と、
構造支持部(TT)を有する無線センサユニットと、を備え、
前記構造支持部(TT)は、内部に無線基板(FP)と、前記無線基板(FP)に電気エネルギーを供給するエネルギー貯蔵デバイス(ES、ES1、ES2、ES-K、ES-L)とを支持し、前記エネルギー貯蔵デバイス(ES、ES1、ES2、ES-K、ES-L)は、電気的に並列接続された電池(BA)およびコンデンサ(K)を有するものであることを特徴とする無線センサモジュール、特に、圧力、温度、流量またはレベルの測定によって得られた測定データの伝送のための無線センサモジュール(FSM)。
【請求項2】
前記電池(BA)は、リチウム電池、特に、リチウム-塩化チオニルベースで給電を行うリチウム電池であり、前記コンデンサ(K)は、リチウムインターカレーションベースの電極および/または構造を有する電気二重層コンデンサであることを特徴とする請求項1に記載の無線センサモジュール(FSM)。
【請求項3】
前記電池(BA)の容量が5Wh~15Whであり、前記コンデンサ(K)の容量が90Ws~220Wsであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の無線センサモジュール(FSM)。
【請求項4】
前記コンデンサ(K)は前記電池(BA)によって電圧を印加されていることを特徴とする請求項1~請求項3のいずれかに記載の無線センサモジュール(FSM)。
【請求項5】
前記エネルギー貯蔵デバイス(ES、ES1、ES2、ES-K、ES-L)と前記無線基板(FP)が前記無線センサユニット内において互いに交差するように配置され、前記無線センサユニットの軸方向に見た表面と前記エネルギー貯蔵デバイス(ES、ES1、ES2、ES-K、ES-L)の軸方向に見た表面の間の交差角度(α)が0度よりも大きく、2つの前記軸方向に見た表面の延長が外部で交差し、前記2つの軸方向に見た表面が前記ハウジング部の中心軸に対して実質上直角にのび、または前記エネルギー貯蔵デバイス(ES、ES1、ES2、ES-K、ES-L)および前記無線基板(FP)が、それぞれの前記軸方向に見た表面が互いに平行になるように配置されていることを特徴とする請求項1~請求項4のいずれかに記載の無線センサモジュール(FSM)。
【請求項6】
前記エネルギー貯蔵デバイス(ES、ES1、ES2、ES-K、ES-L)および前記無線基板(FP)が、前記無線センサユニットの中心軸を取り巻いて配置され、または前記エネルギー貯蔵デバイス(ES、ES1、ES2、ES-K、ES-L)および前記無線基板(FP)が、前記無線センサユニットの前記中心軸に沿って配置されていることを特徴とする請求項1~請求項5のいずれかに記載の無線センサモジュール(FSM)。
【請求項7】
前記無線基板が上部および下部を有し、前記上部において、アンテナ(A)が前記無線基板(FP)上に取り付けられ、前記アンテナの下側には、前記エネルギー貯蔵デバイス(ES、ES1、ES2、ES-K、ES-L)に結合されたコネクタ(SV1~SV4)が配置されていることを特徴とする請求項1~請求項6のいずれかに記載の無線センサモジュール(FSM)。
【請求項8】
前記無線センサユニットが、前記構造支持部(TT)に、または前記センサ基本モジュールと前記無線センサユニットの間に配置された中間リング(ZR)に機械的に結合されたハウジングキャップ(KG、KG1)を有していることを特徴とする請求項1~請求項7のいずれかに記載の無線センサモジュール(FSM)。
【請求項9】
前記ハウジングキャップ(KG、KG1)および前記構造支持部(TT)間、または前記ハウジングキャップ(KG、KG1)および前記中間リング(ZR)間にOリング(OR)が配置されていることを特徴とする請求項8に記載の無線センサモジュール(FSM)。
【請求項10】
前記ハウジングキャップ(KG、KG1)および前記構造支持部(TT)、または前記ハウジングキャップ(KG、KG1)および前記中間リング(ZR)が、バヨネット式接続部(BJ)の形成のための接続エレメントを有していることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の無線センサモジュール(FSM)。
【請求項11】
前記ハウジングキャップ(KG、KG1)が内側当接部(AS)および/または内側段差部を有し、前記当接部(AS)および/または前記段差部によって、前記エネルギー貯蔵デバイス(ES、ES1、ES2、ES-K、ES-L)が軸方向に固定され、および/または前記エネルギー貯蔵デバイス(ES、ES1、ES2、ES-K、ES-L)が少なくとも1つのバネエレメント(FE)によって固定されまたは振動が減衰するように支持されていることを特徴とする請求項8~請求項10のいずれかに記載の無線センサモジュール(FSM)。
【請求項12】
前記ハウジングキャップ(KG、KG1)がプラスチックから形成され、前記センサ基本モジュールおよび前記センサ基板(SP)を受け入れる前記ハウジング部が特殊鋼から形成され、前記ハウジングキャップ(KG、KG1)および前記ハウジング部が、前記構造支持部(TT)または前記中間リング(ZR)を介して互いに接続されていることを特徴とする請求項8~請求項11のいずれかに記載の無線センサモジュール(FSM)。
【請求項13】
前記構造支持部(TT)は、前記エネルギー貯蔵デバイス(ES、ES1、ES2、ES-K、ES-L)および前記無線基板(FP)に対する成形された受け部を有し、前記受け部は、特にガイド部として形成され、前記エネルギー貯蔵デバイス(ES、ES1、ES2、ES-K、ES-L)および前記無線基板(FP)をとぎれとぎれに取り囲み、および/またはU字および/または円形の部分を支持することを特徴とする請求項1~請求項12のいずれかに記載の無線センサモジュール(FSM)。
【請求項14】
前記センサ基本モジュールを作動させるように形成された金属酸化物半導体電界効果トランジスタまたはマイクロコントローラを備え、前記センサ基本モジュールは、作動状態において、センサ(S、S2)によって得られた少なくとも1つの測定値を処理し、前記金属酸化物半導体電界効果トランジスタまたは前記マイクロコントローラは、前記センサ基板を、前記測定値の処理の後、特に当該処理の後50ms~500ms、特に200ms経過後に作動停止させるように構成されていることを特徴とする請求項1~請求項13のいずれかに記載の無線センサモジュール(FSM)。
【請求項15】
前記金属酸化物半導体電界効果トランジスタおよびマイクロコントローラは、前記少なくとも1つのセンサ(S、S2)および/または前記無線センサモジュールの外部のセンサとの接続のための前記接続部を備えた前記センサ基本モジュールを、スタンバイモードに待機させ、前記無線センサ基本モジュールおよび前記少なくとも1つの対応するセンサ(S、S2)は、前記スタンバイモードにおいて、例えば1μAの消費電力を有し、前記金属酸化物半導体電界効果トランジスタまたは前記マイクロコントローラは、前記少なくとも1つのセンサ(S、S2)および/または前記無線センサモジュールの外部のセンサとの接続のための前記接続部を備えた前記センサ基本モジュールを、割り込みを通じて測定値の要求があったときに前記スタンバイモードから起動させることを特徴とする請求項14に記載の無線センサモジュール(FSM)。
【請求項16】
前記センサ(S、S2)は、圧電センサ、セラミック圧膜センサ、薄膜センサ、熱流量センサまたは光学的レベルセンサであることを特徴とする請求項1~請求項15のいずれかに記載の無線センサモジュール(FSM)。
【請求項17】
前記無線基板(FP)は、少なくとも2つの異なる無線規格を備えたデータ伝送のための伝送ユニットを有し、前記無線規格は、Bluetooth(登録商標)および/またはワイヤレスHARTおよび/またはチャープスペクトラム拡散の変調技術に基づく固有の伝送技術を含み、前記無線基板(FP)は、少なくとも1本の、チップアンテナとして形成されたアンテナ(A)を有していることを特徴とする請求項1~請求項16のいずれかに記載の無線センサモジュール(FSM)。
【請求項18】
前記無線センサユニットは、少なくとも1つの通信インターフェースを有し、前記通信インターフェースは、前記センサ(S、S2)および/または少なくとも1つの、無線センサモジュールの外部のセンサとデータ通信を行うように形成されていることを特徴とする請求項1~請求項17のいずれかに記載の無線センサモジュール(FSM)。
【請求項19】
前記無線センサユニットは、電気的接続部を備えたモジュール連結部を有し、前記センサ基本モジュールは、電気的接続部を備えたモジュール連結部を有し、前記無線センサユニットおよび前記センサ基本モジュールの前記モジュール連結部の前記電気的接続部同士の連結方向が、前記無線センサユニットの前記無線基板(FP)および前記エネルギー貯蔵デバイス(ES、ES1、ES2、ES-K、ES-L)の取付方向と同じ方向であることを特徴とする請求項1~請求項18のいずれかに記載の無線センサモジュール(FSM)。
【請求項20】
前記プロセス接続部(PA)または前記拡張されたセンサ接続部の開口が、前記電気的な前記モジュール連結部の連結方向と同じ方向を向いていることを特徴とする請求項19に記載の無線センサモジュール(FSM)。
【請求項21】
少なくとも1つの前記モジュール連結部が、繋がれた、特に前記無線センサユニットに固定された固定リング(SOSI)を有し、および/または両方の前記モジュール連結部が協働して結合すべくバヨネット式接続部(BJ)を形成するための相補的な接続エレメントを有し、および/または両方の前記モジュール連結部が、協働して結合すべく前記バヨネット式接続部(BJ)を形成するために、相補的なネジ(G1A、G2A)、特にM12-ネジを有していることを特徴とする請求項19または請求項20に記載の無線センサモジュール(FSM)。
【請求項22】
一方の前記モジュール連結部の前記電気的接続部がソケット接触子(BU)として形成され、他方の前記モジュール連結部の前記電気的接続部が、前記ソケット接触子(BU)と対をなすピン接触子(ST)として形成されていることを特徴とする請求項19~請求項21のいずれかに記載の無線センサモジュール(FSM)。
【請求項23】
前記プロセス接続部(PA)は、前記無線センサモジュール(FSM)を相補的な接続部に対し機械的にのみ位置決めしかつ保持するように形成されていることを特徴とする請求項1~請求項22のいずれかに記載の無線センサモジュール(FSM)。
【請求項24】
モバイル端末(MBT)の、データベース(DB)に予め格納された無線センサに対する位置データ上の接近を、前記モバイル端末(MBT)の実際の位置を前記データベース(DB)の前記位置データを照会しつつ検出する検出ユニットを有していることを特徴とする請求項1~請求項23のいずれかに記載の無線センサモジュール(FSM)。
【請求項25】
前記センサ基本モジュールは下部センサモジュール(USM)を形成し、前記無線センサユニットは上部センサモジュール(OSM)を形成し、前記無線基板(FP)および前記センサ基板(SP)間にEMV基板(EMV)が配置され、前記下部センサモジュール(USM)および前記上部センサモジュール(OSM)間の全体にわたる電気的接続が、前記EMV基板(EMV)によってなされることを特徴とする無線センサモジュール(FSM)。
【請求項26】
前記センサ基板(SP)、前記無線基板(FP)および前記EMV基板(EMV)間の全体にわたる電気的接続が、前記センサ基板(SP)、前記無線基板(FP)および前記EMV基板(EMV)のプリント回路基板に固定されたコネクタ(SV1~SV4)によって形成され、前記EMV基板(EMV)が前記無線センサユニットおよび前記センサ基本モジュール間のシール部分を形成していることを特徴とする請求項25に記載の無線センサモジュール(FSM)。
【請求項27】
前記コネクタ(SV1~SV4)は、少なくとも1つの、少なくとも六角形状のプラグソケット接続を形成し、内部データプロトコルとして、UARTプロトコルまたはI2Cプロトコルが備えられていることを特徴とする請求項26に記載の無線センサモジュール(FSM)。
【請求項28】
前記EMV基板(EMV)は、前記下部センサモジュール(USM)のハウジングの一部、または前記構造支持部(TT)、または前記中間リング(ZR)にシールされた状態で結合されていること、および/または前記EMV基板(EMV)は前記ハウジング内、または前記構造支持部(TT)内、または前記中間リング(ZR)内にシールされた状態で案内されていることを特徴とする請求項25または請求項26に記載の無線センサモジュール(FSM)。
【請求項29】
前記EMV基板(EMV)は、前記無線センサユニットの前記モジュール結合部に結合されていること、および/または前記EMV基板(EMV)は前記プラグソケット接続によって前記センサ基板に結合されていることを特徴とする請求項25~請求項28のいずれかに記載の無線センサモジュール。
【請求項30】
少なくとも1つの、センサ(S、S2)を有するセンサ基板(SP)および/または前記無線センサモジュールの外部のセンサと接続するための接続部を備えたセンサ基本モジュールと、
プロセス接続部(PA)および/または拡張されたセンサ接続部と、
前記センサ基本モジュールおよび前記センサ基板(SP)を収容するハウジング部と、
構造支持部(TT)を有する少なくとも1つの無線センサユニットと、を備え、
前記構造支持部(TT)は、異なるサイズの無線基板(FP)および前記無線基板(FP)に電気を供給すべく備えられた異なるサイズのエネルギー貯蔵デバイス(ES、ES1、ES2、ES-K、ES-L)を収容するとともに、前記無線基板(FP)および前記エネルギー貯蔵デバイス(ES、ES1、ES2、ES-K、ES-L)を損傷を受けないように着脱するための取付け構造を有し、さらに、
複数の異なる無線基板(FP)と、
複数の異なるサイズのエネルギー貯蔵デバイス(ES、ES1、ES2、ES-K、ES-L)、特に、それぞれ、電気的に並列接続された電池(BA)およびコンデンサ(K)を有する複数の異なるサイズのエネルギー貯蔵デバイス(ES、ES1、ES2、ES-K、ES-L)と、
構造支持部(TT)と機械的に結合し得る異なるサイズのハウジングキャップ(KG、KG1)と、を備え、
前記ハウジングキャップ(KG、KG1)における前記支持部(TT)との結合のための結合構造から対向端までの長さは、前記複数のエネルギー貯蔵デバイス(ES、ES1、ES2、ES-K、ES-L)および/または前記複数の無線基板(FP)のそれぞれの異なるサイズに対応していることを特徴とする請求項1~請求項19のいずれかに記載の無線センサモジュール(FSM)を形成するためのモジュラーシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線センサモジュールよび無線センサモジュールを形成するためのモジュラーシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来技術においては、測定値を伝送するための無線センサモジュールが知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、新規な無線センサモジュールと、当該無線センサモジュールを形成するための新規なモジュラーシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題は、本発明により、請求項1の特徴部分に記載された構成を有する無線センサモジュールと、請求項30の特徴部分に記載された構成を有するモジュラーシステムによって解決される。
【0005】
請求項1の従属請求項の要旨は、本発明の可能な実施例をなしている。
【0006】
本発明による無線センサモジュールは、特に、圧力、温度、流量またはレベルの測定によって得られた測定データを伝送するように形成されている。無線センサモジュールは、少なくとも1つの、センサを有するセンサ基板、および/または無線センサモジュールの外部のセンサと接続するための接続部を備えたセンサ基本モジュールを備えている。無線センサモジュールは、さらに、プロセス接続部および/または拡張されたセンサ接続部と、センサ基本モジュールおよびセンサ基板を収容するハウジング部と、構造支持部を有する無線センサユニットとを備えている。構造支持部は、内部に無線基板と、無線基板に電気エネルギーを供給するエネルギー貯蔵デバイスとを支持し、エネルギー貯蔵デバイスは、電気的に並列接続された電池およびコンデンサを有している。
【0007】
電池は、連続運転中の無線センサモジュールにエネルギー供給を行う。並列接続されたコンデンサは、バッファーとして備えられ、特に、電流スパイクが発生したときおよび/または無線センサモジュールの起動時電流フェーズの間の電力供給を請け負いまたは支援する。特に、コンデンサは、電池が長い作動停止時間の後、再び起動され、初めに、電池の化学反応開始の際の電圧降下が生じた場合に、電池の電圧を支援する。
【0008】
無線センサモジュールの1実施例において、電池は、リチウム電池、特に、リチウム-塩化チオニルベースで給電を行うリチウム電池である。さらに、コンデンサは、リチウムインターカレーションベースの電極および/または構造を有する電気二重層コンデンサである。かかる構造は、レイヤードクリスタルの結晶格子面間における原子、イオンまたは微小分子の蓄積を可能にする。この場合、かかる構成の電池およびコンデンサは、内部抵抗が小さく、高い電流パルスを供給する。純粋な塩化チオニル構造(SOCl2)の代替物として、これはまた、例えば、塩化チオニルおよびリチウム(Li)と組み合わされた塩化スルフリル(SO2Cl2)のような、より最適化された混合物において使用され得る。
【0009】
例えば、リチウム電池は、質量分率10%~30%のリチウム-コバルト-ニッケル酸化物、および質量分率10%~20%のグラファイトまたはカーボン(C6)、および質量分率15%~50%の前述のリチウム-塩化チオニルを含むことによって特徴づけられる。例えば、リチウム電池の電解液は、基本的に、塩化チオニル中にテトラクロロアルミ酸塩を溶解させたものを含んでいる。電気化学的反応に基づけば、塩化チオニルはアクティブな脱分極剤である。それ故、塩化チオニルはしばしば陰極液または液状陰極と呼ばれる。陰極は、例えば、テフロン(登録商標)バインダーを含む高度な多孔性のアセチレンブラックから形成されている。残りのコンポーネントは、ニッケルメッキされた金属接点およびハウジングである。しかしながら、これらのコンポーネントは、例えば17グラム~20グラムの重量を有している。例えば、電圧が3ボルト~4ボルトのとき、公称出力は2.2Ah~3.0Ahである。例えば、リチウム電池に対する平均持続放電電流は、サイクルに依存して約100mAであり、それ故、短時間の電流スパイクのバッファーのためのコンデンサとの組み合わせは、最適の補助手段である。
【0010】
例えば、コンデンサのパルス電流キャパシティーは、重量が3.0グラム~5.0グラムのとき、0.5アンペア、0.75アンペアまたは1アンペアまでである。例えば、電圧が3ボルト~4ボルトのとき、公称出力は0.05Wh~0.10Whである。そのため、ハイブリッド層コンデンサが用いられる。
【0011】
無線センサモジュールの別の可能な実施例において、電池の容量は5Wh~15Whであり、コンデンサの容量は90Ws~220Wsである。このような数値は、無線センサモジュールにおいて使用に特に適したものとして知られている。
【0012】
無線センサモジュールの別の可能な実施例において、コンデンサは、特に通常運転の間に電池によって電気的に充電され得る。それによって、コンデンサは常にバッファーとして動作するために充電されている。
【0013】
無線センサモジュールの別の可能な実施例において、エネルギー貯蔵デバイスおよび無線基板は、互いに交差した状態で無線センサユニット内に配置されている。それによって、エネルギー貯蔵デバイスおよび無線基板のコンパクトな配置が実現される。
【0014】
無線センサモジュールの別の可能な実施例において、無線センサユニットの軸方向に見た表面とエネルギー貯蔵デバイスの軸方向に見た表面の間の交差角度が0度よりも大きく、2つの軸方向に見た表面の延長が外部で交差している。それによって、エネルギー貯蔵デバイスおよび無線基板の特にコンパクトな配置が実現される。
【0015】
無線センサモジュールの別の可能な実施例において、2つの軸方向に見た表面がハウジング部の中心軸に対して実質上直角にのび、またはエネルギー貯蔵デバイスおよび無線基板が、それぞれの軸方向に見た表面が互いに平行になるように配置されている。
【0016】
無線センサモジュールの別の可能な実施例において、エネルギー貯蔵デバイスおよび無線基板が、無線センサユニットの中心軸を取り巻いて配置され、またはエネルギー貯蔵デバイスおよび無線基板が、無線センサユニットの中心軸に沿って配置されている。それによって、より良好な空間利用が実現される。
【0017】
無線センサモジュールの別の可能な実施例において、無線基板が上部および下部を有し、上部において、アンテナが無線基板上に取り付けられ、アンテナの下側には、エネルギー貯蔵デバイスに結合されたコネクタが配置されている。それによって、アンテナおよびコネクタの省スペースの配置、および無線基板との簡単な結合が実現される。
【0018】
無線センサモジュールの別の可能な実施例において、無線センサユニットが、構造支持部に、またはセンサ基本モジュールと無線センサユニットの間に配置された中間リングに機械的に結合されたハウジングキャップを有している。ハウジングキャップは、特に、エネルギー貯蔵デバイスおよび無線基板をシールされた状態で包囲し、それらを外的な影響から保護する。
【0019】
無線センサモジュールの別の可能な実施例において、ハウジングキャップおよび構造支持部間、またはハウジングキャップおよび中間リング間にOリングが配置されている。それによって、安価で、確かなシールが実現される。
【0020】
無線センサモジュールの別の可能な実施例において、ハウジングキャップおよび構造支持部、またはハウジングキャップおよび中間リングが、バヨネット式接続部の形成のための接続エレメントを有している。バヨネット式接続部によって、簡単かつ安定した接続と、簡単な接続解除が実現される。
【0021】
無線センサモジュールの別の可能な実施例において、ハウジングキャップが内側当接部および/または内側段差部を有し、当該当接部および/または当該段差部によって、エネルギー貯蔵デバイスが軸方向に固定されている。選択的にまたは付加的に、エネルギー貯蔵デバイスが少なくとも1つのバネエレメントによって固定されまたは振動を減衰されるように支持されている。それによって、エネルギー貯蔵デバイスの簡単で確かな支持および固定、並びにエネルギー貯蔵デバイスの衝撃に対する保護が実現される。
【0022】
無線センサモジュールの別の可能な実施例において、ハウジングキャップは、プラスチックから形成されていて、軽量であり、低コストで製造可能で、無線通信を妨げることもない。
【0023】
無線センサモジュールの別の可能な実施例において、センサ基本モジュールおよびセンサ基板を受け入れるハウジング部が特殊鋼から形成されている。それによって、高い機械的安定性と、処理媒体および環境的影響に対する高い化学的耐性がもたらされる。
【0024】
無線センサモジュールの別の可能な実施例において、ハウジングキャップおよびハウジング部が、構造支持部または中間リングを介して互いに接続されており、それによって、特に簡単に、かつ追加のパーツなしにハウジングキャップおよびハウジング部が互いに接続される。
【0025】
無線センサモジュールの別の可能な実施例において、構造支持部は、エネルギー貯蔵デバイスおよび無線基板に対する成形された受け部を有し、受け部は、特にガイド部として形成され、エネルギー貯蔵デバイスおよび無線基板をとぎれとぎれに取り囲み、および/またはU字および/または円形の部分を支持する。それによって、エネルギー貯蔵デバイスおよび無線基板が、追加の保持エレメントを用いずに、簡単かつ確実に保持され得る。
【0026】
無線センサモジュールの別の可能な実施例において、構造支持部は、普遍的に適用可能な導体プレートホルダーとして形成され、それによって、内側受け部または内部シャフトが種々の形状の導体プレートおよび/または種々のタイプのエネルギー貯蔵デバイスと結合され、外部から種々のハウジングキャップによって閉じられて、密封され、エネルギー貯蔵デバイスの交換の際に再び開放される。
【0027】
無線センサモジュールの別の可能な実施例において、センサ基本モジュールを作動させるように形成された金属酸化物半導体電界効果トランジスタまたはマイクロコントローラが備えられる。
【0028】
無線センサモジュールの別の可能な実施例において、センサ基本モジュールは、作動状態において、センサによって得られた少なくとも1つの測定値を処理し、金属酸化物半導体電界効果トランジスタまたはマイクロコントローラは、センサ基板を、測定値の処理の後、特に当該処理の後50ms~500ms、特に200ms経過後に作動停止させるように構成されている。それによって、無線センサモジュールのエネルギー消費が低減され得る。
【0029】
これによって、センサ基本モジュールを、割り込みによって起動させて、測定値を要求すること、またはスイッチエレメントによって所定時間スイッチオン状態にすることが可能になる。これは、選択に応じて周期的に可能となる。この場合、測定値の要求のサイクルは、ユーザーによって外部から、特に、モバイル端末装置のアプリとの無線インターフェースを通じて、あるいは、例えば、UARTまたはI2Cプロトコルを用いたユニバーサル無線センサインターフェース等の別のインターフェースを通じて設定可能である。
【0030】
無線センサモジュールの別の可能な実施例において、金属酸化物半導体電界効果トランジスタおよびマイクロコントローラは、少なくとも1つのセンサおよび/または無線センサモジュールの外部のセンサとの接続のための接続部を備えたセンサ基本モジュールを、スタンバイモードに待機させる。それによって、エネルギー消費が低減される。
【0031】
無線センサモジュールの別の可能な実施例において、金属酸化物半導体電界効果トランジスタまたはマイクロコントローラは、測定値が要求されるとき、少なくとも1つのセンサおよび/または無線センサモジュールの外部のセンサとの接続のための接続部を備えたセンサ基本モジュールを、割り込みによってスタンバイモードから起動させる。それによって、センサ基本モジュールは、低エネルギー消費のスタンバイモードで最大限の時間作動する一方、測定値の取得および送信が要求されたときは、最小限の時間アクティブに動作することができる。それによって、無線センサモジュールの特に低エネルギー消費の作動が可能になる。
【0032】
無線センサモジュールの別の可能な実施例において、センサ基本モジュールおよび少なくとも1つの対応するセンサは、スタンバイモードにおいて、例えば1μAの消費電力を有している。
【0033】
無線センサモジュールの別の可能な実施例において、センサは、圧電センサ、セラミック圧膜センサ、薄膜センサ、熱流量センサまたは光学的レベルセンサである。この種のセンサは対応する測定値を特に高い信頼度で取得する。
【0034】
無線センサモジュールの別の可能な実施例において、無線基板は、少なくとも2つの異なる無線規格を備えたデータ伝送のための伝送ユニットを有し、無線規格は、Bluetooth(登録商標)および/またはワイヤレスHARTおよび/またはチャープスペクトラム拡散の変調技術に基づく固有の伝送技術を含んでいる。選択的にまたは付加的に、無線基板は、少なくとも1本の、チップアンテナとして形成されたアンテナを有している。それによって、異なる無線規格を備えた別の装置とのデータ送信が可能になる。
【0035】
無線センサモジュールの別の可能な実施例において、無線基板は、Bluetooth規格またはワイヤレスHARTに準拠した通信を行うように形成されたとき、2番目に可能な無線基板よりも小型化され、特に、空間拡張方向において短くなる。
【0036】
無線センサモジュールの別の可能な実施例において、無線基板は、いわゆるLora規格に準拠した通信を行うべく形成され、この場合、無線基板のサイズは大きくなり、通信のための回路基板アンテナを使用する。
【0037】
無線センサモジュールの別の可能な実施例において、無線基板は、Lora規格およびBluetooth規格に準拠した通信を行うべく形成され、この場合、無線基板は、Bluetooth規格に準拠した通信専用に形成されたものよりも大きい。この場合の保持の構造は、特に、プリント回路基板が無線基板の長さとは無関係に同一の受け部内に保持されるという事実によって決定され、Lora規格に準拠した通信用のプリント回路基板アンテナおよびBluetooth規格に準拠した通信用のチップ型内部アンテナの両方が使用される。
【0038】
無線センサモジュールと、センサそれ自体および/または無線センサモジュール外部のセンサとの通信を容易にするため、無線センサモジュールの別の可能な実施例において、無線センサユニットは、少なくとも1つの通信インターフェースを有し、通信インターフェースは、センサおよび/または少なくとも1つの、無線センサモジュールの外部のセンサとデータ通信を行うように形成されている。
【0039】
無線センサモジュールの別の可能な実施例において、無線センサユニットは、電気的接続部を備えたモジュール連結部を有し、センサ基本モジュールは、電気的接続部を備えたモジュール連結部を有している。この場合、電気的接続は、センサ信号の伝送とエネルギーの伝送を可能にする。さらに、無線センサユニットおよびセンサ基本モジュールのモジュール連結部の電気的接続部同士の連結方向が、無線センサユニットの無線基板およびエネルギー貯蔵デバイスの取付方向と同じ方向になっている。それによって、無線基板およびエネルギー貯蔵デバイスの組立の間に、電気的接続部の連結を簡単に行うことができる。
【0040】
無線センサモジュールの別の可能な実施例において、プロセス接続部または拡張されたセンサ接続部の開口が、電気的なモジュール連結部の連結方向と同じ方向を向いており、それによって、無線センサモジュールおよびそのコンポーネントの組立が簡単に行える。
【0041】
無線センサモジュールの別の可能な実施例において、少なくとも1つのモジュール連結部が、繋がれた、特に無線センサユニットに固定された固定リングを有している。固定リングは、モジュール連結部の連結の固定を可能にし、この場合、繋がれた構成によってモジュール連結部の取扱いが容易になる。
【0042】
無線センサモジュールの別の可能な実施例において、両方のモジュール連結部が協働して結合すべくバヨネット式接続部を形成するための相補的な接続エレメントを有している。バヨネット式接続部によって、無線センサユニットおよびセンサ基本モジュールの、簡単かつ安定した接続、および当該接続の簡単な解除が可能になる。
【0043】
無線センサモジュールの別の可能な実施例において、両方のモジュール連結部が、協働して結合すべくバヨネット式接続部を形成するために、相補的なネジ、特にM12-ネジを有し、この場合、ネジは特に強固な接続を可能にする。
【0044】
無線センサモジュールの別の可能な実施例において、一方のモジュール連結部の電気的接続部がソケット接触子として形成され、他方のモジュール連結部の電気的接続部が、ソケット接触子と対をなすピン接触子として形成されている。それによって、簡単で、確実で、安定的でかつ耐久性を有する接続が可能になる。
【0045】
この場合、モジュール連結部は、例えば、無線センサユニットおよびセンサ基本モジュールの強固な結合コネクタを形成し、さらなる固定装置は必要とされない。例えば、結合コネクタは、電気的なソケット接触子だけが無線センサユニットに形成される一方、強固で耐久性を有するピン接触子がセンサ基本モジュールに形成されるように設計される。例えば、結合コネクタは4~5個の接触子を有している。
【0046】
無線センサモジュールの別の可能な実施例において、結合コネクタはケーブルを有し、それによって、無線センサユニットは、改善された送受信条件が存在する位置において、センサ基本ユニットから離れて配置され得る。
【0047】
無線センサモジュールの別の可能な実施例において、プロセス接続部が無線センサモジュールを相補的な接続部に対し機械的にのみ位置決めしかつ保持するように形成されている。それによって、追加の位置決めおよび保持手段が不要となる。
【0048】
無線センサモジュールの別の可能な実施例において、無線センサモジュールは、モバイル端末の、データベースに予め格納された無線センサに対する位置データ上の接近を、モバイル端末の実際の位置をデータベースの位置データを照会しつつ検出する検出ユニットを有している。このことから、モバイル端末の無線センサモジュールへの接近時、例えば、その位置的な空間および/または半径に達しないとき、モバイル端末に関する通知が出力される可能性が生じる。この場合、無線センサの通知および測定値は、一定距離を下回る位置的接近だけでなく、測定の間にそれが越えられた場合には、モバイル端末および/または無線センサモジュールに格納されたしきい値によってもトリガされ得る。
【0049】
接近はまた、モバイル端末に基づく衛星対応の位置確定システムによって検出され得る。この場合、まず配置の際に、少なくとも1つの無線センサの1つまたは2つ以上の位置が検出され、配置の間に関係するモバイル端末によって、無線センサに対する位置の解析のためにデータベースに格納される。特に、各無線センサがそれ自体の衛星対応の位置確定システムを使用せずとも、利用可能な半径内のすべての装置は、要求に応じて、かかるデータベースへの照会を行い得る。
【0050】
無線センサモジュールの別の可能な実施例において、無線センサユニットは、測定値の解析および表示のために第1の接続プロトコルを通じて受信局と接続され、第2の接続プロトコルを通じて利用者のモバイル端末と接続される。モバイル端末は、特に、位置の確定と、利用者がそれを通じて音声および口述サービスによる測定値の要求ができる音声インターフェースとを有している。無線センサユニットに近づくとき、たとえ位置的な空間および/または半径に達しなくても、通知が利用可能な装置を通じて出力され得る。このために、第2の接続プロトコル、特に、モバイルネットワーク、インターネットまたはGSMサービスを通じてモバイル端末との通信が行われる。他方、第1の接続プロトコルは、例えば、いわゆるJSON(JSON=JavaScript Object Notation)ファイルの形式のhttpsプッシュサービスとして実行され得る。
【0051】
無線センサモジュールの別の可能な実施例において、センサ基本モジュールは下部センサモジュールを形成し、無線センサユニットは上部センサモジュールを形成する。無線基板およびセンサ基板間にEMV基板が配置され、下部センサモジュールおよび上部センサモジュール間の全体にわたる電気的接続が、EMV基板によってなされる。この場合、用語「下部センサモジュール」、「上部センサモジュール」、「上部および下部」は、それぞれ、無線センサモジュールの通常の使用目的、および添付図面に関係づけられている。もちろん、実際の使用において、無線センサモジュールの天井取付けまたはその他の取付け方向への実際の適用において、上下が異なり得ることは自明である。可能な1実施例において、用語「下部」は、処理媒体に対する接続部または外部コネクタが備えられる無線センサモジュールの側部を意味するものと理解される。この場合、EMV基板は、簡単な方法で、上部センサモジュールおよび下部センサモジュール間の結合面を形成する。さらに、EMV基板は、電磁気的な互換性を制御するためのすべての手段を1枚の基板上に統合し、常時、下位の標準コンポーネントとして設計され得る。
【0052】
無線センサモジュールの別の可能な実施例において、センサ基板、無線基板およびEMV基板間の全体にわたる電気的接続が、センサ基板、無線基板およびEMV基板のプリント回路基板に固定されたコネクタによって形成され、EMV基板が無線センサユニットおよびセンサ基本モジュール間のシール部分を形成している。コネクタの形成によって、センサ基板、無線基板およびEMV基板の簡単な電気的接続が実現される。EMV基板によるシール部分の形成によって、追加のシール要素を用いずに、無線センサユニットとセンサ基本モジュールとの間の簡単なシールが実現される。
【0053】
無線センサモジュールの別の可能な実施例において、コネクタは、少なくとも1つの、少なくとも六角形状のプラグソケット接続を形成し、内部データプロトコルとして、UARTプロトコルまたはI2Cプロトコルが備えられている。このような構成は、簡単に、かつ低コストで実現され得る。
【0054】
無線センサモジュールの別の好ましい実施例において、EMV基板は、下部センサモジュールのハウジングの一部、または構造支持部、または中間リングにシールされた状態で結合されており、および/またはEMV基板はハウジング内、または構造支持部内、または中間リング内にシールされた状態で案内されている。この構成によって、追加のパッキンエレメントを用いない無線センサユニットおよびセンサ基本モジュール間のシール、および無線センサモジュールの組立および分解の際のすべてのコンポーネントの簡単な取扱いを、極めて容易に実現することができる。
【0055】
無線センサモジュールの別の好ましい実施例において、EMV基板は、無線センサユニットのモジュール結合部に簡単かつ確実に結合されており、および/またはEMV基板はプラグソケット接続によってセンサ基板に結合されている。
【0056】
無線センサモジュールの別の好ましい実施例において、無線センサモジュールの外部のセンサとの結合のための別のセンサ接続部が形成される。この場合、無線センサモジュールのプロセス接続部は省略され得る。
【0057】
無線センサモジュールの別の可能な実施例において、知的なおよび/または変更可能なソフトウェアが備えられ、このソフトウェアは、制御室、ルーターまたはオペレータによる要望およびまたは要求に応じて、またはエネルギー貯蔵デバイスのチャージ状態に依存して、センサのデータの送信のタイミングを制御し得る。同時に、学習過程または初期設定またはライブラリーからの選択によって、特定の作動パターンが保存され、実行され得る。
【0058】
上述の無線センサモジュールを形成するための本発明によるモジュラーシステムは、少なくとも1つの、センサを有するセンサ基板および/または無線センサモジュールの外部のセンサと接続するための接続部を備えたセンサ基本モジュールを備えている。モジュラーシステムは、プロセス接続部および/または拡張されたセンサ接続部と、センサ基本モジュールおよびセンサ基板を収容するハウジング部と、構造支持部を有する少なくとも1つの無線センサユニットと、を備えている。構造支持部は、異なるサイズの無線基板および無線基板に電気を供給すべく備えられた異なるサイズのエネルギー貯蔵デバイスを収容するとともに、無線基板およびエネルギー貯蔵デバイスを損傷を受けないように着脱するための取付け構造を有している。モジュラーシステムは、さらに、複数の異なる無線基板と、複数の異なるサイズのエネルギー貯蔵デバイス、特に、それぞれ、電気的に並列接続された電池およびコンデンサを有する複数の異なるサイズのエネルギー貯蔵デバイスを備えている。モジュラーシステムは、さらに、構造支持部と機械的に結合し得る異なるサイズのハウジングキャップを備え、ハウジングキャップにおける支持部との結合のための結合構造から対向端までの長さは、複数のエネルギー貯蔵デバイスおよび/または複数の無線基板のそれぞれの異なるサイズに対応している。
【0059】
モジュラーシステムは、異なる無線コンポーネント、センサセルまたはセンサエレメントと、異なるエネルギー貯蔵デバイスとの結合を可能にする、無線センサモジュールのモジュール構造を実現する。この場合、エネルギー貯蔵デバイスは、構造的な変更を加えることなく、異なる大きさの支持構造およびそれに適合したハウジングキャップ内に収容され得る。
【0060】
さらに、モジュラーシステムは、無線センサユニットが、インターフェースを通じて、選択的に、無線センサモジュールのセンサ、無線センサモジュールの外部のセンサまたはエネルギー貯蔵デバイスと接続されることを可能にする。
【0061】
モジュラーシステムは、さらに、異なるセンサ基本モジュールが異なる無線センサユニットと結合されることを可能にする。こうして、一方において、下部センサモジュールが、圧力、温度、流量またはレベルセンサを有し得る構成とすることが可能となる。他方において、無線センサユニットにセンサ基本モジュールを付加して、センサ・シグナル処理モジュールとして動作させ、異なるプロトコル、例えば、4mA~20mAの電流を伴ったプロトコル、いわゆるHARTプロトコル、プロフィバス(Profibus)プロトコルまたはその他のプロトコルに基づき、ケーブルを用いて無線センサモジュールの外部のセンサに接続することができる。
【0062】
このモジュール的アプローチによって、異なるセンサ技術に基づく既存の異なるセンサを、無線センサユニットに接続することが可能になる。
【0063】
このモジュール性は、特に、無線センサユニットおよびセンサ基本モジュール間、またはセンサ・シグナル処理モジュール側の、センサの大きさに依存しないセンサインターフェースを可能にする。
【0064】
電池の軸または電池収容部の異なる軸長を有する異なるエネルギー貯蔵デバイスに対する異なる設置スペースによって実現される、拡張性のあるエネルギー供給のコンセプトに加えて、使用される無線規格に関するモジュール性が備えられる。この場合、異なる無線基板が嵌め込まれ、コネクタに接続され、この場合、無線基板は、特に、同じ回路基板の形状および接続構造を有し、特に、軸、例えば長さ方向の延長部分だけが異なっている。
【0065】
こうして、モジュラーシステムによって、まず、プラットフォームベースで、異なるエネルギー貯蔵デバイスを無線センサユニットの異なる無線基板および無線規格と結合させること、他方では、異なるタイプまたはセンササイズのセンサ基本モジュール、または既存の標準のセンサと結合させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
図1】従来技術による組み込み型のアンテナを備えた無線センサの概略図である。
図2】従来技術による取付け型のアンテナを備えた無線センサの概略図である。
図3A】無線センサモジュールの概略的な断面図である。
図3B図3Aの無線センサモジュールの別の概略的な断面図である。
図4A】無線センサモジュールの概略的な断面図である。
図4B図4Aの無線センサモジュールの別の概略的な断面図である。
図5】無線センサモジュールの概略的な断面図である。
図6A】部分的に分解された、第1の構成の無線センサモジュールの概略的な斜視図である。
図6B】部分的に分解された、第2の構成の無線センサモジュールの概略的な斜視図である。
図7】異なる形態の下部センサモジュールを備えた無線センサモジュールが分解された状態を概略的に示した断面図である。
図8】上部センサモジュールおよび下部センサモジュールを結合するための結合コネクタを備えた無線センサモジュールの分解された状態の概略的な断面図である。
図9A】無線センサモジュールの実際の使用例の概略図である。
図9B】無線センサモジュールの実際の別の使用例の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0067】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の構成が好ましい実施例に基づいて説明される。
全図面において、互いに対応する構成要素には同一番号が付されている。
【0068】
図1には、従来技術による無線センサFSの可能な実施例が示されている。
無線センサFSは、組み込まれ、無線基板FPに結合されたアンテナAと、センサ基板SPに属するセンサSとを有している。この場合、アンテナAは、ハウジングキャップKG内に1つのコンポーネントとして組み込まれている。
【0069】
センサ基板SPは、アンテナAを通じてセンサデータを送信し、そのために、例えば、蓄電池または電池のような単体のエネルギー貯蔵デバイスESから電気エネルギーを得る。送信に加えて、センサ基板SPはセンサSによって取得されたセンサデータの評価および処理を行うように形成されている。
【0070】
図2には、従来技術による無線センサFSの別の可能な実施例が示されている。
図1に示された実施例とは異なり、アンテナAがハウジングキャップKGの外側に取り付けられている。
【0071】
図3Aは、本発明による無線センサモジュールFSMの可能な実施例の断面図である。
無線センサモジュールFSMは、上部センサモジュールOSMと、これに結合された下部センサモジュールUSMとを有している。
【0072】
図示された実施例において、圧力センサまたは温度センサとして形成されたセンサSは、センサ基板SPに属し、共に下部センサモジュールUSM内に配置されている。
【0073】
センサ基板SPは、EMV基板EMVを介して、無線基板FPに結合され、上部センサモジュールOSMと下部センサモジュールUSMとの間のインターフェースを形成している。
【0074】
上部センサモジュールOSM内には、無線アンテナとして形成されたアンテナAが、無線基板FP上に搭載されている。
【0075】
無線基板FPおよびセンサ基板SPは、図4Aから明らかなように、エネルギー供給のためにエネルギー貯蔵デバイスESと結合され、エネルギー貯蔵デバイスESは、蓄電池として形成された電池BAおよびコンデンサKを有している。この場合、ハウジングキャップKGは、エネルギー貯蔵デバイスESおよび無線基板FP、すなわち、少なくとも本質的に上部センサモジュールOSMをシールされた状態で包囲している。
【0076】
図3Bは、無線センサモジュールFSMの、図3Aの平面SAにおける別の断面図であり、無線基板FPの位置における電池BAおよびコンデンサKの配置を明らかにしている。
【0077】
電池BAおよびコンデンサKの両方が、無線センサユニット内の上部センサモジュールOSMの内部に収容され、図4Aに詳細に示された構造支持部TTまたは支持部によって、互いに対して予め決定された向きに保持されている。この場合、構造支持部TTは、1つまたは異なる無線基板FP、すなわち無線回路基板を収容するように形成されている。
【0078】
コンパクトな構成にするため、無線基板FPの基板面の軸G1が、電池BAおよびコンデンサKからなる組み合わされたエネルギー貯蔵デバイスの中間面の軸G2と交差し、それら2つの面の交差部SCPが、5°~35°または10°~60°の角度αを有している。
【0079】
この場合、電池BAおよびコンデンサKは、互いに、電気的に並列接続されている。このような内部構成とすることによって、異なる形状の回路基板および異なる型式の電池を互いに組み合わせることができる。これについては、以下の実施例で詳細に説明される。
【0080】
図4Aは、本発明による無線センサモジュールFSMの別の可能な実施例の断面図、特に、図3Aおよび3Bの無線センサモジュールFSMのより詳細な原理図である。
【0081】
ここで、無線センサユニットは、上部センサモジュールOSMとして下部センサモジュールUSM上に配置されている。
【0082】
また、センサSが、下部センサモジュールUSM内に配置されて、センサデータの評価および増幅のためにセンサ基板SPと結合されている。
【0083】
センサSは、収容下部AUTによって取り囲まれ、収容下部AUTはセンサSおよびセンサ基板SPを、特にシールされた状態で収容する。収容下部AUTは、ネジが形成された下部プロセス接続部PAとの接続部を形成する。
【0084】
さらに、収容下部AUTは、その外側に装置接続面GAを備えている。利用者は、工具を用いて、収容下部AUTを装置接続面GAを通じて、プロセスに結合させること、特に、プロセスにシールされた状態で固定することができる。
【0085】
例えば、収容下部AUTは、桶(ボウル)状に形成され、図示されるように、プロセス接続部PAを取り囲んでいる。プロセス接続部PAは収容下部AUTに溶接され、または予め形成されている。実施例では詳細に示されないが、プロセス接続部PAは、収容下部AUTの構成要素ではない。
【0086】
上部センサモジュールOSMは、構造支持部TTまたは支持部を有している。構造支持部TTまたは支持部は、電池BAおよびコンデンサKを備えたエネルギー貯蔵デバイスを、組み込まれたアンテナAを備えた無線基板FPとともに収容する。
【0087】
電池BAおよびコンデンサKは、コネクタSV1を通じて無線基板FPと結合され、上部センサモジュールOSMのすべての基板からの要求に応じて電気エネルギーを供給する。
【0088】
バネエレメントFEが、電池BAおよびコンデンサKを弾性付勢力によって構造支持部TT内に固定し、エネルギー貯蔵デバイスESに対して外部から及ぼされる振動を緩和する。
【0089】
無線基板FPは、組み込まれた導電トラックとして、またはオンボードで取り付けられる構成要素として形成されたアンテナAを有している。
【0090】
無線基板FPは、第2のコネクタSV2を通じて、EMV基板EMVに結合されている。EMV基板EMVは、上部センサモジュールOSMおよび下部センサモジュールUSM間のインターフェースを形成する。
【0091】
EMV基板EMVは、別のコネクタSV3を通じてセンサ基板SPに結合されている。この場合、電気的なコネクタSV3は、センサデータとエネルギーの両方を伝送するが、さらに、複数のピン接触子を備えるように形成され、それによって、別の下部センサモジュールUSMが結合され得る。
【0092】
特に、この接続部SV3は、この位置に汎用無線通信コネクタUFSVがもたらされるように形成される。
【0093】
こうして形成されたインターフェースは、また、この位置に接続されたセンサSまたはセンサ基板SPが、測定値に対する個々の問い合わせに関する時間窓内で短時間スイッチオンされることによって特徴づけられる。これは、例えば、無線基板FPの要求および制御に応じて、MOSFETを通じてまたは開始値を超えて電流を流すことによってなされる。こうして、下部センサモジュールUSMのスイッチのON/OFFが、ソフトウェアまたはメモリにおいて決定された、または利用者によるモバイル通信端末を用いた無線制御によって設定された時間にまたはタイミングで実行される。
【0094】
これは、例えば、無線規格Bluetoothを通じてアプリによって実行され、あるいは、例えば、いわゆるMIOTYプロトコルまたはLORAWANプロトコルのような別の無線プロトコルに準拠した遠隔アクセスによって実行される。この場合、無線基板FP上の、例えば発光ダイオードLED等の組み込まれたライトが、利用者に現在の状態を伝達する。ライトは、例えば、ハウジングキャップKGの開口OEを通して視認される。
【0095】
ハウジングキャップKGは、バヨネット接続部BJによって構造支持部TTに案内され、工具を用いることなく取り外され得る。さらに、ハウジングキャップKGは、内側に、エネルギー貯蔵デバイスを軸方向に案内し、かつ運動を規制するための当接部ASを有し、当接部ASは、成形された段差としてプラスチック部分に設けられている。
【0096】
ハウジングキャップKGは、また、OリングORを介して中央の中間リングZRにシールされ、EMV基板EMVをシールされた状態で収容し、溶接結合SWによって、シールされた状態で収容下部AUTに、それを取り囲む配置で取り付けられている。
【0097】
図4Bは、無線センサモジュールFSMの別の断面図であり、エネルギー貯蔵デバイスの構造支持部TT内における配置を示している。
【0098】
この図では、主として、電池BA、コンデンサKおよび無線基板FPを収容する構造支持部TTが示されている。電池BAおよび無線基板FPは、成形されたガイドリブANによってハウジングキャップKG内に交換可能に案内されている。
【0099】
図3Bに示されるように、コンパクトな構成にするため、無線基板FPの基板面の軸G1が、電池BAおよびコンデンサKからなる組み合わされたエネルギー貯蔵デバイスの中間面の軸G2と交差し、それら2つの面または軸G1、G2の交差部SCPが、5°~35°または10°~60°の角度αを有している。
【0100】
この場合、特、2つの面の交差部SCPは、ハウジングキャップKGの外側に位置している。特に、電池BAおよびコンデンサKは、温度超過または過負荷が発生した場合に、それらを自動的に無線基板FPから電気的に切り離す集積回路を介して接続されている。
【0101】
図5は、本発明の無線センサモジュールFSMの別の可能な実施例の断面図である。
【0102】
ここで、また、中間リングZRは、上部センサモジュールOSMおよび下部センサモジュールUSM間のインターフェースとしてのEMV基板EMVを収容し、中間リングZRは、選択的に構造支持部TTまたは収容下部AUTと強固に結合されている。
【0103】
ハウジングキャップGKは、回転せしめられた後、方向(1)に取り外され得る。その後、構造支持部TTの竪穴から、無線基板FPが方向(2)に、あるいは短いエネルギー貯蔵デバイスES-Kが方向(3)に、すなわちそれぞれ垂直上向きに引き出され、または交換される。このようにして、エネルギー貯蔵デバイスES-Kの交換と、無線基板FPの交換の両方が可能になる。
【0104】
異なる無線基板FPが使用可能であるから、こうして、無線規格または通信型式の変更を簡単に行うことができる。これは、特に、EMV基板EMV上に設けられた第2のコネクタSV2の垂直方向の動きに支えられている。
【0105】
また、ここで、バネエレメントFEは、エネルギー貯蔵デバイスESを、その長さと無関係に、上部センサモジュールOSMの内側に振動を減衰させつつ固定および/または支持する。
【0106】
破線は、より大きな、特により長いエネルギー貯蔵デバイスES-Lを備えた別の装置を表している。同様に、アンテナAを備えたより長い無線基板FPの使用が破線で描かれ、オプションとして表されている。
【0107】
エネルギー貯蔵デバイスES、ES-K、ES-Lの実施例に応じて、異なるハウジングキャップGKが取り付けられ、それらのハウジングキャップGKは、特に異なる長さによって特徴づけられ、無線センサモジュールFSMの延長方向の長さ、すなわち、プロセス接続部PAに対向する方向の高さが異なっている。
【0108】
さらに、図示された無線センサモジュールFSMの構成は、特に、図4Aおよび4Bに示された実施例に対応している。
【0109】
図6Aは、本発明による、第1の構成を備えた、無線センサモジュールFSMの別の可能な実施例、すなわち第1の装置変形例の一部分解斜視図である。
【0110】
この場合、構造支持部TTは、短い、小型のエネルギー貯蔵デバイスES-Kを備え、このエネルギー貯蔵デバイスES-Kは、構造支持部TTから高さB1だけ突出している。
【0111】
無線基板FPは、構造支持部TTから上方に突出する高さFP1の短い型式のものであり、この場合、コネクタSV1は上部センサモジュールOSMの高さ(X)の位置において構造支持部TTまたは中間リングZRに向けられている。
【0112】
バヨネット経路BJBが構造支持部TT上に形成され、バヨネット経路BJBには、ハウジングキャップKGが装着されるとき、ハウジングキャップKGのノブBNが係合し、回転によって固定される。
【0113】
そのほか、図示された無線センサモジュールFSMの構成は、特に、図4Aおよび4Bに示された実施例に対応している。
【0114】
図6Bは、本発明による、第2の構成を備えた、無線センサモジュールの別の可能な実施例、すなわち第2の装置変形例の一部分解斜視図である。
【0115】
この場合、構造支持部TTは、長い、大型のエネルギー貯蔵デバイスES-Lを備え、このエネルギー貯蔵デバイスES-Lは、構造支持部TTから高さB2だけ突出している。高さB2は、図6Aに示された無線センサモジュールFSMの実施例の高さB1よりも高い。
【0116】
無線基板FPは、構造支持部TTから上方に突出する高さFP2の長い型式のものであり、この場合、コネクタSV1は、図6Aに示された実施例と同様に、上部センサモジュールOSMの高さ(X)の位置において構造支持部TTまたは中間リングZRに向けられている。
【0117】
すべての構成において、エネルギー貯蔵デバイスES、ES-K、ES-Lに対するコネクタSV1は、特に、ケーブルの延長や短縮をすることなく、すべての組み合わせを実現可能にするため、同一の高さ(X)に設けられている。
【0118】
そのほか、図示された無線センサモジュールFSMの構成は、特に、図4Aおよび4Bに示された実施例に対応している。
【0119】
図7は、本発明による無線センサモジュールFSMの可能な別の実施例であって、それぞれ可能なコネクタを有する異なる形態の下部センサモジュールUSMを備えたものを断面で示した分解図である。
【0120】
この場合、上部センサモジュールOSMは、無線基板FPおよびエネルギー貯蔵デバイスESを収容するハウジングキャップKGを有している。
【0121】
EMV基板EMVが、汎用無線通信コネクタUFSV2を介して上部センサモジュールOSMに結合され、中間リングZRにシールされた状態で取り付けられている。中間リングZRは、また、ハウジングキャップKGに対してシールされた状態で固定されている。
【0122】
EMV基板EMVは、上部センサモジュールOSMの終端として、汎用無線通信コネクタUFSV3を有している。汎用無線通信コネクタUFSV3を通じて、複数の異なる下部センサモジュールUSM1、USM2、USM3が結合されて、作動せしめられ得る。
【0123】
例えば、既に図5に示された、組み込まれたセンサSを備えた下部センサモジュールUSM1は、これらのうちの1つであり、プロセス接続部PAに結合され、収容下部AUT内において関係するセンサ基板SPとともに配置されている。
【0124】
しかしながら、基板PL2を備えた別の下部センサモジュールUSM2を収容下部AUT2内に配置することも可能であり、この場合、プロセス接続部PAの代わりに、コネクタSV4が下向きに基板PL2と結合せしめられる。コネクタSV4は、それによって従来のセンサS2がケーブルKAを通じて接続されるインターフェースを提供する。
【0125】
ここで、センサS2は、圧力センサまたは別のセンサとして構成され、4mA~20mA規格、またはいわゆるHART規格またはプロフィバス規格に従って作動し得る。また、センサS2は別のセンサプロトコルに従って作動し得る。さらに、センサS2は割り込みによって作動し得る、あるいはMOSFETによってシーケンシャルに作動せしめられ、または起動される。
【0126】
また、別の下部センサモジュールUSM3を収容下部AUT3内において基板PL3とともに、上部センサモジュールOSMに接触させて配置することもでき、この場合、下向きに配置されたコネクタSV4に、従来のセンサS3と並んで、別の外部エネルギー貯蔵デバイスPBとしてのパワー・バンクがYケーブルYKを用いて接続され得る。こうして、上部センサモジュールOSMは、より多くのエネルギーを用いて、より長時間通信を行うことができ、および/またはより短い時間間隔で測定データを送信することができる。
【0127】
そのほか、図示された無線センサモジュールFSMの構成は、特に、図4Aおよび4Bに示された実施例に対応している。
【0128】
図8は、本発明による無線センサモジュールFSMの可能な別の実施例であって、上部センサモジュールOSMと、別のセンサSおよびセンサ基板SPを有する下部センサモジュールUSMとを結合するための結合コネクタKV1を備えたものを断面で示した分解図である。
【0129】
この実施例の無線センサモジュールFSMは、電気的なモジュール接続部としての結合コネクタKV1のほかに、プロセスPに関係する汎用無線通信コネクタUFSV3を有している。
【0130】
そのため、上部センサモジュールOSMおよび下部センサモジュールUSMは、互いに、特に、固定された結合コネクタKV1を通じて、上部センサモジュールUSM側のピン接触子STと、下部センサモジュールUSM側のソケット接触子BUを取り囲んで結合されている。この場合、下部センサモジュールUSMは、そのプロセス接続部PAを通じてプロセスP上に取り付けられ、それによって、追加の固定装置は全く必要とされない。
【0131】
特に、汎用無線通信コネクタUFSV3は、上部センサモジュールOSM上に、錫メッキされたソケット接続子BUのみが取り付けられ、他方、下部センサモジュールUSM上には、頑丈で、耐用年数が長く、丸みを帯びたピン接触子STが取り付けられるように構成されている。
【0132】
結合コネクタKV1は、さらに、特に、4個、多くとも5個の接触子を有し、非常にコンパクトに形成され、ネジG1Aを備えた固定リングSOSIを有している。ネジG1Aは、例えばM12ネジとして形成され、上部センサモジュールOSMの雌型コネクタの内周面に設けられている。
【0133】
上側のネジG1Aは、下部センサモジュールUSMのコネクタ部STAのネジG2Aと係合する。
【0134】
選択的に、上部センサモジュールOSMおよび下部センサモジュールUSMは、この中間のモジュールインターフェースにおいて分離可能であり、ケーブルを備えた結合コネクタKVと結合され得る。それによって、上部センサモジュールOSMは、良好な通信条件が存在する場所に配置され得る。さらに、結合コネクタKVは、特に、4個のみの、または最大5個の接触子を有し、ネジG2Bを備えた汎用の固定リングSOSIを備えている。ネジG2Bは、例えばM12ネジとして形成され、下部センサモジュールUSMのコネクタ部STAのネジG2Aと係合するようになっている。さらに、結合コネクタKVは、ネジG1Bを備えたコネクタ部STA1を有し、ネジGB1は、上部センサモジュールOSMのネジG1Aと係合するようになっている。
【0135】
特に、利用者は、ハウジングキャップKGを緩めることによって、エネルギー貯蔵デバイスES1を、別のエネルギー貯蔵デバイスES2、特に別の電池BAと交換することができる。このエネルギー貯蔵デバイスES2はまた、追加のコンデンサZKを有し、そのため長さが長くなっている。
【0136】
さらに、無線基板FP、よって無線規格が、測定場所、または上部センサモジュールOSM、または下部センサモジュールUSMとともに無線センサモジュールの全体が変更されることなく、あるいはプロセスPから切り離されることなく交換され得る。
【0137】
図9Aは、本発明による無線センサモジュールFSMの可能な実施例であって、測定値の送信または通信のための2つの接続プロトコルP1、P2を用いるアプリケーション環境に置かれたものを示している。
【0138】
ここで、上部センサモジュールOSMは、第1の接続プロトコルP1に従って、測定値を評価するとともに、端末装置TM上にディスプレイ表示する受信局GW1に接続されている。それによって、通信経路UP1が形成される。さらに、上部センサモジュールOSMは、第2の接続プロトコルP2に従って、利用者USのモバイル端末MBTに接続されている。それによって、別の通信経路UP2が形成される。
【0139】
モバイル端末MBTは、測位システムおよび音声インターフェースを有している。音声インターフェースを通じて、利用者USは、例えば音声および口述サービスを用いて測定値を要求することができる。
【0140】
無線センサFSに近づくとき、その位置的な空間および/または半径に達しない場合にもまた、通知が利用可能な装置を通じてなされ得る。
【0141】
そのため、第2の接続プロトコルP2、特に、モバイルネットワークまたはインターネットINまたはGSMサービスを通じて、モバイル端末MBTと第2の受信局GW2および/またはβベースDBとの通信が行われる。第1の接続プロトコルP1が、また、例えば、いわゆるJSONファイル形式でHttpsプッシュサービスとして実施され得る。
【0142】
こうして、通信経路UP1、UP2が形成され、それらの通信経路を通じて、特に、異なる通信型式で、センサデータが異なる受信機に重複して送信される。
【0143】
図9Bは、本発明による無線センサモジュールFSMの別の可能な実施例であって、建物G内のアプリケーション環境に置かれたものを示した図である。
【0144】
この場合、無線センサFSの通知および測定値は、一方において、位置的な接近および/または一定距離範囲内への到達によって、他方において、無線センサモジュールFSMに格納されたしきい値が測定の間に超えられることによって発出され得る。
【0145】
モバイル端末MBTの無線センサモジュールFSMへの接近は、また、衛星に基づく測位GPSを用いて実行される。この場合、まず、設置の際に、無線センサFSまたはセンサSの1つまたは2つ以上の位置が測定され、次いで、設置の際に、関係するモバイル端末MBTの1つまたは2つ以上の位置が測定されて、それらが無線センサFSまたはセンサSの位置の測定のためにデータベースDBに格納される。特に、これによって、利用可能な半径内に位置するすべての装置は、各無線センサFSがそれ自体の衛星に基づく測位GPSを有していなくても、要求に応じて、このデータベースDBへの照会を行うことができる。
【0146】
本発明は、上述の詳細な実施例に限定されることがない。添付の特許請求の範囲に記載された構成の範囲内での変形例の案出が可能である。同様に、引用形式請求項に記載された個々の特徴が互いに組み合わされ得る。
【符号の説明】
【0147】
(1) 方向
(2) 方向
(3) 方向
(x) 高さ
A アンテナ
AN ガイドリブ
AS 当接部
AUT 収容下部
B1、B2 高さ
BA 電池
BJ バヨネット式接続部
BJB バヨネット経路
BN ノブ
BU ソケット接触子
DB データベース
EMV EMV基板
ES、ES1、ES2、ES-K、ES-L エネルギー貯蔵デバイス
FE バネエレメント
FP 無線基板
FP1、FP2 高さ
FS 無線センサ
FSM 無線センサモジュール
G 建物
G1、G2 軸
G1A、G2A、G1B、G2B ネジ
GA 装置接続面
GPS 衛星に基づく測位
GW1、GW2 受信局
IN インターネット
K コンデンサ
KA ケーブル
KV、KV1 結合コネクタ
KG、KG1 ハウジングキャップ
MBT モバイル端末
OE 開口
OR Oリング
OSM 上部センサモジュール
P プロセス
P1、P2 接続プロトコル
PA プロセス接続部
PB 外部エネルギー貯蔵デバイス
PL2、PL3 基板
S、S2 センサ
SA 平面
SCP 交差部
SOSI 固定リング
SP センサ基板
ST ピン接触子
STA、STA1 コネクタ部
SV1~SV4 コネクタ
SW 溶接結合
TM 端末装置
TT 構造支持部
UFSV、UFSV2、UFSV3 汎用無線通信コネクタ
UP1、UP2 通信経路
US 利用者
USM、USM1、USM2、USM3 下部センサモジュール
YK Yケーブル
ZK 追加のコンデンサ
ZR 中間リング
α 角度
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9A
図9B
【国際調査報告】