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  • 特表-歯科製品を選択する方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-18
(54)【発明の名称】歯科製品を選択する方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 40/20 20180101AFI20231011BHJP
【FI】
G16H40/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023515075
(86)(22)【出願日】2021-09-08
(85)【翻訳文提出日】2023-05-08
(86)【国際出願番号】 EP2021074709
(87)【国際公開番号】W WO2022053514
(87)【国際公開日】2022-03-17
(31)【優先権主張番号】2009099
(32)【優先日】2020-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519380842
【氏名又は名称】デンタル モニタリング
(74)【代理人】
【識別番号】100118599
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100160738
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 由加里
(72)【発明者】
【氏名】ペリサール,トマ
(72)【発明者】
【氏名】サラー,フィリップ
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
(57)【要約】
対象消費者の為の少なくとも1つの歯科製品を選択する方法であって、a)獲得時点で、獲得デバイスを用いて、該対象消費者の歯列弓を少なくとも部分的に描写する少なくとも1つの像(「更新された像」(Ia)と呼ばれる)と、任意的に、第1の追加情報(Ic1)とを獲得すること、b)該更新された像を処理コンピュータによって解析して、該獲得時点での該対象消費者の歯科的状況に関する少なくとも1つの歯科的属性の値(V)を決定すること、c)該値、並びに任意的に該第1の追加情報、及び任意的に工程a)の前にデータベース(DB_Consumers)中に記憶される第2の追加情報(Ic2)に応じて、歯科製品のデータベースから少なくとも1つの歯科製品(「当該の歯科製品」(DP)と呼ばれる)を、及び、好ましくは、デンタルケア専門家のデータベースから少なくとも1人のデンタルケア専門家(「当該のデンタルケア専門家」(DCP)と呼ばれる)を該処理コンピュータによって選択すること、d)該少なくとも1つの当該の歯科製品に関する応答を、及び、好ましくは前記少なくとも1つの当該のデンタルケア専門家に関する応答を、該対象消費者に提示すること、及び/又は該少なくとも1つの当該の歯科製品を該対象消費者に渡すこと、及び/又は、該対象消費者を工程c)において選択されたデンタルケア専門家と接触させることの工程を含む前記方法。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象消費者の為の少なくとも1つの歯科製品を選択する方法であって、
a)獲得時点で、獲得デバイスを用いて、
該対象消費者の歯列弓を少なくとも部分的に描写する少なくとも1つの像(「更新された像」(Ia)と呼ばれる)と、
任意的に、第1の追加情報(Ic1)と
を獲得すること、
b)該更新された像を処理コンピュータによって解析して、該獲得時点での該対象消費者の歯科的状況に関する少なくとも1つの歯科的属性の値(V)を決定すること、
c)該値、並びに任意的に該第1の追加情報、及び任意的に工程a)の前にデータベース(DB_Consumers)中に記憶される第2の追加情報(Ic2)に応じて、
歯科製品のデータベースから少なくとも1つの歯科製品(「当該の歯科製品」(DP)と呼ばれる)を、及び、好ましくは、
デンタルケア専門家のデータベースから少なくとも1人のデンタルケア専門家(「当該のデンタルケア専門家」(DCP)と呼ばれる)を
該処理コンピュータによって選択すること、
d)該少なくとも1つの当該の歯科製品に関する応答を、及び、好ましくは前記少なくとも1つの当該のデンタルケア専門家に関する応答を、該対象消費者に提示すること、及び/又は
該少なくとも1つの当該の歯科製品を該対象消費者に渡すこと、及び/又は、
該対象消費者を工程c)において選択されたデンタルケア専門家と接触させること
の工程を含み、
ここで、工程b)において、前記歯科的属性が、
該更新された像上に描写されている歯肉、舌、1つ又は2つの唇、口周囲領域、1本の歯又は複数の歯の群の外観パラメータ、
該更新された像上に描写されている歯肉、舌、1つ又は両方の唇、口周囲領域、1本の歯若しくは歯の群又は口の状態に関係するパラメータ、
該更新された像上に描写されている歯肉、舌、1つ又は両方の唇、口周囲領域、1本の歯又は歯の群の形状に関係するパラメータ
であり、
該少なくとも1つの当該の歯科製品は、歯磨き剤、歯ブラシ、デンタルフロス、チューイングガム、歯間ブラシ、ホワイトニングキット、歯肉ケア製品、口臭を防止する為の製品及び口腔液剤、口唇再構成製品、又は皺低減製品の中から選択される
前記方法。
【請求項2】
工程a)、好ましくは工程a)及びd)、好ましくは工程a)~d)は、少なくとも部分的に、好ましくは全体が、該獲得デバイス内にロードされた専用アプリケーションによって実施され、
該獲得デバイスは、
携帯電話、又は
ミラー、カメラ又は撮像デバイス、及び獲得コンピュータを備えたデバイスであり、ここで、該ミラーは好ましくは一方向のものであり、及び該カメラは好ましくは、該ミラーの後方に隠されている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
工程a)の前に、該専用アプリケーションが該携帯電話内にダウンロードされる工程を含み、ここで、該ダウンロードは、歯科製品上に及び/又は歯科製品が配置されている通路内に配置されたパネル上に印刷されたコードを読み取ることによってトリガされる、又は、
工程a)において、該ミラーの前の該対象消費者を検出すること、及び、該対象消費者が該ミラーの前で検出されたときに該更新された像を獲得することを含む、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
工程a)において、該専用アプリケーションがプレビュー像の内容を解析し、そして、該解析の結果に応じて該対象消費者の位置付けを案内する、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
該第1及び/又は第2の追加情報が、
工程c)における選択の為に課されるべき制約又は選好を定める追加情報、及び/又は
工程c)における該提示の為に及び/又は該渡すこと及び/又は該接触の為に課されるべき制約又は選好を定める追加情報、及び/又は
該対象消費者によって達成されるべき歯科的目標を定める追加情報;及び/又は
該対象消費者に関係する追加情報
を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
制約を定める該追加情報が、
上限価格、ここで、歯科製品の価格は、該歯科製品が工程c)において選択されることができるように、該上限価格未満でなければならない、
該歯科製品が消耗品を含む場合、該消耗品の量の範囲、ここで、該歯科製品が工程c)において選択されることができるように、該歯科製品の消耗品の量は上記範囲内でなければならない;
歯科製品が工程c)において選択されることができるように、該歯科製品を渡す又は提供する為の上限期間;
歯科製品が工程c)において選択されることができるように、該歯科製品が含んではならない又は含まなければならない1以上の成分のリスト;
歯科製品が工程c)において選択されることができるように、該歯科製品が含んではならない又は含まなければならない1以上の技術的特徴のリスト;
歯科製品が工程c)において選択されることができるように、該歯科製品が製造されなければならない又は製造されてはならないところの製造国のリスト;
歯科製品が工程c)において選択されることができるように、該歯科製品が製造されなければならない又は製造されてはならないところの製造者のリスト;
歯科製品が工程c)において選択されることができるように、該歯科製品のブランドを含まなければならないブランドのリスト;
上限価格、ここで、デンタルケア専門家によるサービスの価格は、該デンタルケア専門家が工程c)において選択されることができるように、該上限価格未満でなければならない;
該デンタルケア専門家が工程c)において選択されることができるように、該デンタルケア専門家との予約を取る為の上限期間;
デンタルケア専門家が工程c)において選択されることができるように、該デンタルケア専門家が使用できなければならない1以上の備品のリスト;
デンタルケア専門家が工程c)において選択されることができるように、該デンタルケア専門家が所持していなければならない1以上の免許状又は資格のリスト;
デンタルケア専門家が工程c)において選択されることができるように、該デンタルケア専門家が堪能でなければならない1以上の言語のリスト;
工程d)で該応答を提示する為の基準;
工程d)で該1以上の当該の歯科製品を渡す為の基準;
工程d)で該当該のデンタルケア専門家に接触する為の基準
を特定し、及び/又は
該歯科的目標は、歯のホワイトニング、歯垢を減少させること、歯石を減らすこと、軟組織の炎症を減らすこと、息を改善すること、歯の並びを矯正する/改善すること、笑顔の全体的な見た目を改善すること、いびき及び/又は睡眠時無呼吸を低減すること、及び/又は唇の形を改善すること、及び/又は口周囲領域の見た目を改善することの目標の中から選択され、及び/又は
該対象消費者に関係する該追加情報は、
該対象消費者の年齢、及び/又は
該対象消費者の性別、及び/又は
該対象消費者がすでに診察を受けている若しくは定期的に診察を受けている1人以上のデンタルケア専門家、及び/又は
該対象消費者が歯科矯正器具を装着しているか否か、及び/又は
該対象消費者が或る病状を起こしやすいか及び/又は
該対象消費者が特定の歯科矯正処置を受けたか、若しくは受けているか、若しくは受けることを検討しているかどうか、及び/又は
該対象消費者が、歯科的目標を達成する為に現在歯科処置を受けている場合に、及び/又は該歯科処置との関連で以前にすでに該方法を使用したことがある場合に、該歯科処置に関する詳細事項、及び/又は、
該対象消費者が、自身の笑顔、自身の息、又は現在の自身の歯科的状況に満足しているか否か、及び/又は、
該対象消費者が、痛み、及び/又は知覚された痛みの強さ、及び/又は知覚された痛みの場所を経験しているか否か、及び/又は、
該対象消費者の1本以上の歯が熱さ及び/又は冷たさとの接触に敏感であるか否か
を特定する、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
工程a)において、該獲得された第1の追加情報は該データベース(DB_Consumers)中に記憶され、及び/又は該第2の追加情報は、該獲得デバイスの1以上の異なる追加的な情報源によって提供される、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
工程b)において、
セグメント化ニューラルネットワークを用いてセグメント化を行って、該更新された像上の少なくとも1つの歯科器官の描写を取り出すこと、
該歯科器官のうちの1つの描写が入力として提示されるのに応答して該歯科的属性の値を出力として提供するように訓練されたバロリゼーションニューラルネットワークへの入力として、該描写を与えることによって、該歯科的属性の該値を決定すること
の工程が実施される、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
該歯科的目標が歯をホワイトニングすることであり、該歯科器官は歯であり、該歯科的属性は該歯科器官の色合い、例えば白さ、であり、並びに当該の歯科製品は、歯のホワイトニング製品である;又は
該歯科的目標は歯垢を減らすことであり、該歯科器官は歯であり、該歯科的属性は歯垢の量及び/又は大きさ及び/又は色であり、並びに当該の歯科製品は、歯石防止製品及び/又は歯磨き剤及び/又は歯ブラシである、又は
該歯科的目標は軟組織の炎症を減らすことであり、該歯科器官は歯肉であり、該歯科的属性は炎症領域の色及び/又は大きさであり、並びに当該の歯科製品は歯肉炎防止製品である、又は
該歯科的目標は息を改善することであり、該歯科器官は歯であり、該歯科的属性は歯石の存在及び/又は歯垢の存在、及び/又は食べかすの存在であり、並びに当該の歯科製品は、歯石防止製品及び/又は口臭を防止する為の口腔液剤及び/又は歯磨き剤及び/又は歯ブラシである、又は
該歯科的目標は息を改善することであり、該歯科器官は舌であり、該歯科的属性は該歯科器官の色であり、並びに当該の歯科製品は、歯石防止製品若しくは口臭を防止する為の口腔液剤及び/又は歯磨き剤及び/又は歯ブラシである、又は
該歯科的目標は息を改善することであり、該歯科器官は口であり、該歯科的属性は、該口の中の唾液の量であり、並びに当該の歯科製品は、歯石防止製品若しくは口臭を防止する為の口腔液剤及び/又は歯磨き剤及び/又は歯ブラシである、又は
該歯科的目標は白っぽい沈着物を減らすことであり、該歯科器官は口であり、該歯科的属性は唾液の量であり、並びに当該の歯科製品は人工唾液である、又は
該歯科的目標は笑顔の全体的な見た目を改善することであり、該歯科器官は一方若しくは両方の唇であり、該歯科的属性は該唇の形状及び/又は厚み及び/又は色であり、並びに当該の歯科製品は該唇を再構成する為の製品である、又は
該歯科的目標は笑顔の全体的な見た目を改善することであり、該歯科器官は口周囲領域であり、該歯科的属性は、口元の皺の形状及び/又は厚み及び/又は色、及び/又はほうれい線の厚み及び/又は色、及び/又は日焼けによる皺の厚み及び/又は色であり、並びに当該の歯科製品は、皺低減製品である、
請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
工程c)において、ルールの1組が、工程b)において決定された該値に、及び任意的に該追加情報に対して適用され、ここで、該ルールの1組は、
工程b)において決定された該値に及び任意的に該追加情報に応じて、歯科製品の該データベースから歯科製品を保持する為に、及び/又はデンタルケア専門家の該データベースからデンタルケア専門家を保持する為に、好適なフィルタリングルール、並びに
工程b)において決定された該値に及び任意的に該追加情報に応じて、歯科製品の該データベースの該歯科製品に及び/又はデンタルケア専門家の該データベースの該デンタルケア専門家に重みを与える為に好適な重み付けルール
の中から選択される少なくとも1つのルールを含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
該ルールは、
工程b)において決定された該値、及び/又は
該対象消費者の制約及び/又は歯科的目標及び/又は選好及び/又は要件、及び/又は該対象消費者の固有の特徴及び/又は工程a)よりも前のイベントの特徴、及び/又は複数の歯科製品及び/又は複数のデンタルケア専門家、及び/又は該対象消費者から独立したデータ
に関与する、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
工程c)において、選択ニューラルネットワークの入力時に導入される、工程b)において決定された該値に及び任意的に該追加情報に応じて、1以上の当該の歯科製品及び/又は1以上の当該のデンタルケア専門家を出力として提供する為に、該選択ニューラルネットワークが実装される、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
工程d)において、工程c)において決定された該値に応じて、例えば齲蝕が検出された場合、又は工程c)において決定された該値が閾値より大きい若しくは小さい場合にのみ、該対象消費者とデンタルケア専門家とが接触させられる、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
歯科製品の該データベースは、該歯科的状況を改善することを専ら意図されるのでない歯科製品についての記録を更に含む、請求項1~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
工程a)における獲得、及び/又は工程d)における提示、好ましくは工程a)及び工程d)における獲得及び提示、好ましくは工程a)~d)の全てにおける獲得及び提示、が、該対象消費者の自宅で、又は該歯科製品が販売の為に提供される若しくは歯のホワイトニングが行われることができるところの店舗若しくは薬局で行われることができる、請求項1~14のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯科製品を選択する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの歯科製品、例えば歯磨き剤、が市販されている。一般的に、消費者は、全ての該歯科製品の効果、又は自身の固有の歯科的状況における望ましい効果を、必ずしも明確に知らない。それ故に、消費者はしばしば、その製品が自身の歯科的状況に最も好適なものであるかどうかを知らずに、ブランド又は価格に依存して歯科製品を選択する。
【0003】
それ故に、特に歯科又は歯科矯正処置を伴わない場合、口腔衛生の維持が最適ではない。
【0004】
それ故に、該消費者が自身の歯科的状況に最も適する歯科製品を選択できるようにする方法の必要性が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、この必要性に少なくとも部分的に対処することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、対象消費者の為の少なくとも1つの歯科製品を選択する方法を提供し、該方法は、
a)獲得時点で、獲得デバイスを用いて、
該対象消費者の歯列弓を少なくとも部分的に描写する少なくとも1つの像(image)(「更新された像」と呼ばれる)と、
任意的に、第1の追加情報と
を獲得すること、
b)該更新された像を処理コンピュータによって解析して、該獲得時点での該対象消費者の歯科的状況に関する少なくとも1つの歯科的属性の値を決定すること、
c)該値に応じて、並びに任意的に該第1の追加情報、及び任意的に工程a)の前にデータベース中に記憶される第2の追加情報に応じて、
歯科製品のデータベースから少なくとも1つの歯科製品(「当該の歯科製品」と呼ばれる)を、及び好ましくは、
デンタルケア専門家のデータベースから少なくとも1人のデンタルケア専門家(「当該のデンタルケア専門家」と呼ばれる)を
該処理コンピュータによって選択すること、
d)好ましくは該獲得デバイスの画面に、好ましくは工程a)において使用される携帯電話の画面に、メッセージを送ることにより、該少なくとも1つの当該の歯科製品に関する応答を及び/又は該少なくとも1人の当該のデンタルケア専門家に関する応答を該対象消費者に提示すること、及び/又は
該少なくとも1つの当該の歯科製品を該対象消費者に渡すこと、及び/又は、
好ましくはビデオ会議を介して、該対象消費者をデンタルケア専門家、好ましくは工程c)において選択されたデンタルケア専門家、と接触させること
の工程を含む。
【0007】
この説明の残りの部分を通じて更に詳細に分かるように、本発明に従う方法は、該対象消費者の固有の歯科的状況に適合した、歯科製品、及び好ましくはデンタルケア専門家、の簡単且つ迅速な選択を可能にする。例えば、該対象消費者は、歯磨き剤の通路の前で自分の歯の写真又は映像を撮り、自身の歯科的状況に適合した歯磨き剤、及び必要な場合には歯科医を示す応答を、直ちに受け取ることができる。該対象消費者は、代替的には、又は追加的に、この歯磨き剤を収容した小包を受け取ることもできる。
【0008】
本発明に従う方法は、以下の任意的な特徴の1以上を更に含むことができる:
該少なくとも1つの当該の歯科製品は、「一般大衆」歯科製品であり、一般大衆歯科製品は、各個人に対する特定の適合を必要とせずに、多数の個人に対して好適であることができる歯科製品であり、特に、歯科矯正器具は、例えば歯磨き剤と異なり、特定の個人の為に特定の状況に合わせて定められ、適合され、製造されることから、一般大衆歯科製品ではなく、一般大衆歯科製品は、例えば歯科矯正器具と異なり、販売の為に自由に入手可能であり、使用又は消費される為に専門的な歯科学的、歯科学、及び/又は歯科矯正学の訓練を必要としない;
該少なくとも1つの当該の歯科製品は、消耗品、例えば歯磨き剤又は液剤、を含み、
該少なくとも1つの当該の歯科製品は、自動化された製造ラインで工業的に製造され、
該少なくとも1つの当該の歯科製品は、歯磨き剤、歯ブラシ、デンタルフロス、チューイングガム、歯間ブラシ、ホワイトニングキット、歯肉ケア製品(特に炎症防止用又は過敏性低減用)、口臭を防止する為の製品及び口腔液剤の中から選択され、
該少なくとも1つの当該の歯科製品は、口唇再構成製品、皺低減製品(例えば、ヒアルロン酸若しくはボトックスキット)の中から選択され、
工程a)、好ましくは工程a)及びd)、好ましくは工程a)~d)は、少なくとも部分的に、好ましくは全体が、該獲得デバイス内にロードされた専用アプリケーションによって実施され、
該獲得デバイスは好ましくは、
携帯電話、又は
ミラー、カメラ又は撮像デバイス、獲得コンピュータ、及び好ましくは、該ミラーの前にいる人物の存在を検出するように構成された検出器と、を備えたデバイスであり、ここで、該ミラーは好ましくは一方向のものであり、及び該カメラは好ましくは、該ミラーの後方に隠されており;
該方法は、
工程a)の前に、該専用アプリケーションが該携帯電話内にダウンロードされる工程を含み、ここで、該ダウンロードは、歯科製品上に及び/又は歯科製品が配置されている通路内に配置されたパネル上に印刷されたコードを読み取ることによってトリガされる、又は、
工程a)において、該ミラーの前の該対象消費者を該検出器によって検出すること、及び、該対象消費者が該ミラーの前で検出されたときに、好ましくは所定の位置で検出されたときに、該更新された像を獲得することを含み、
工程a)において、該専用アプリケーションが、好ましくは該獲得デバイスの画面に表示された、プレビュー像の内容を解析し、そして、該解析の結果に応じて該対象消費者の位置付けを案内し;
該追加情報、すなわち、該第1及び/又は第2の追加情報、は、
工程c)における選択の為に課されるべき制約又は選好を定める追加情報、及び/又は
工程c)における該提示の為に及び/又は該渡すこと及び/又は該接触の為に課されるべき制約又は選好を定める追加情報、及び/又は
該対象消費者によって達成されるべき歯科的目標を定める追加情報;及び/又は
該対象消費者に関係する追加情報
を含み、
制約を定める該追加情報は、
上限価格、ここで、歯科製品の価格は、該歯科製品が工程c)において選択されることができるように、該上限価格未満でなければならない、
該歯科製品が消耗品、例えば歯磨き剤又は液剤、を含む場合、該消耗品の量の範囲、ここで、該歯科製品が工程c)において選択されることができるように、該歯科製品の消耗品の量は上記範囲内でなければならない;
歯科製品が工程c)において選択されることができるように、該歯科製品を渡す又は提供する為の上限期間、例えば、該対象消費者は、選択された該歯科製品が直ちに入手可能である、例えば自身が位置するスーパーマーケットで入手可能であってほしいことを示す;
歯科製品が工程c)において選択されることができるように、該歯科製品が含んではならない又は含まなければならない1以上の成分のリスト;
歯科製品が工程c)において選択されることができるように、該歯科製品が含んではならない又は含まなければならない1以上の技術的特徴のリスト、例えば、電動歯ブラシを除外する又は電動歯ブラシに限定される;
歯科製品が工程c)において選択されることができるように、該歯科製品がそこで製造されなければならない又は製造されてはならないところの製造国のリスト;
歯科製品が工程c)において選択されることができるように、該歯科製品が製造されなければならない又は製造されてはならないところの製造者のリスト;
歯科製品が工程c)において選択されることができるように、該歯科製品のブランドを含まなければならないブランドのリスト;
上限価格、ここで、デンタルケア専門家によるサービスの価格は、該デンタルケア専門家が工程c)において選択されることができるように、該上限価格未満でなければならない;
該デンタルケア専門家が工程c)において選択されることができるように、該デンタルケア専門家との予約を取る為の上限期間;
デンタルケア専門家が工程c)において選択されることができるように、該デンタルケア専門家が使用できなければならない1以上の備品のリスト;
デンタルケア専門家が工程c)において選択されることができるように、該デンタルケア専門家が所持していなければならない1以上の免許状又は資格のリスト;
デンタルケア専門家が工程c)において選択されることができるように、該デンタルケア専門家が堪能でなければならない1以上の言語のリスト;
工程d)で該応答を提示する為の、例えば選択された当該の歯科製品を価格の昇順若しくは降順で、又はブランドごとに、又は該歯科的状況に対する適切性のレベル若しくは該追加情報に応じて、分類する為の、基準;
工程d)で該1以上の当該の歯科製品を渡す為の基準、例えば、渡すモード、渡す日、支払い条件;
工程d)で該当該のデンタルケア専門家に接触する為の基準、例えば通信モード、接触日、若しくは支払い条件
を特定し、及び/又は
該歯科的目標は、歯のホワイトニング、歯石を減らすこと、息を改善すること、の目標の中から選択され、及び/又は
該対象消費者に関係する該追加情報は、
該対象消費者の年齢、及び/又は
該対象消費者の性別、及び/又は
該対象消費者がすでに診察を受けている若しくは定期的に診察を受けている1人以上のデンタルケア専門家、及び/又は
該対象消費者が歯科矯正器具を装着しているか否か、その場合、該対象消費者は、工程a)で、その歯科矯正器具の性質を明示する若しくはその歯科矯正器具を取り外すことを求められることができる、及び/又は
該対象消費者が或る病状を起こしやすいか、例えば脆弱な歯肉を有するかどうか、若しくは特定の成分に対してアレルギーがあるかどうか、及び/又は
該対象消費者が特定の歯科矯正処置を受けたか、若しくは受けているか、若しくは受けることを検討しているかどうか、その場合、該対象消費者は、その歯科矯正処置の性質及び/又はその継続期間及び/又はその歯科矯正処置をいつ受けているかを明示することを求められることができる、及び/又は
該対象消費者が、歯科的目標を達成する為に現在歯科処置を受けている場合に、及び/又は該歯科処置との関連で以前にすでに該方法を使用したことがある場合に、該歯科処置に関する詳細事項、及び/又は、
該対象消費者が、自身の笑顔、自身の息、又は現在の自身の歯科的状況に満足しているか否か、
該対象消費者が痛みを経験する場合、好ましくは痛みの強さを、例えば痛みスケールで、示すことによって、及び/又は、好ましくは1以上の歯科器官を示すことによって、該痛みの場所を示すことによって、該対象消費者が痛みを経験しているか否か、
該対象消費者の1本以上の歯が熱さ及び/又は冷たさとの接触に敏感であるか否か、好ましくは、その1本以上の歯を示すことによって、及び/又は好ましくは、敏感性の強さを、例えば強度スケールで、示すことによって、該対象消費者の1本以上の歯が熱さ及び/又は冷たさとの接触に敏感であるか否か、
を特定し、
工程a)において、該獲得された第1の追加情報は該データベース中に記憶され、及び/又は該第2の追加情報は、該対象消費者に関係し且つ該獲得デバイス(該獲得デバイスは該第1の追加情報の提供元である)とは異なる、1以上の追加的な情報源によって提供され、
工程b)において、該歯科的属性は、
該更新された像上に描写されている歯肉、舌、1つ又は2つの唇、口周囲領域、1本の歯又は歯の群の外観パラメータ、特に、半透明性指標又は、特に白色に関係する、色パラメータ、
該更新された像上に描写されている歯肉、舌、1つ又は両方の唇、口周囲領域、1本の歯若しくは歯の群又は口の状態に関係するパラメータ、例えば、炎症、歯石の存在、破損、摩耗、ひび割れ、唾液の不足、病変、例えば齲蝕、又は歯科器具、例えば歯科矯正器具、の存在に関係するパラメータ;
該更新された像上に描写されている歯肉、舌、1つ又は両方の唇、口周囲領域、1本の歯又は歯の群の形状に関係するパラメータ、例えば切縁の近心及び遠心偏位指標
であり、
工程b)において、
好ましくは「セグメント化」ニューラルネットワークを用いてセグメント化を行って、該更新された像上の少なくとも1つの歯科器官の描写を取り出すこと、
該歯科器官のうちの1つの描写が入力として提示されるのに応答して該歯科的属性の値を出力として提供するように訓練された「バロリゼーション(valorization)」ニューラルネットワークへの入力として、該描写を与えることにより、該歯科的属性の該値を決定すること
の工程が実施され、
工程c)において、ルールの1組が、工程b)において決定された該値に、及び任意的に該追加情報に対して適用され、ここで、該ルールの1組は、
工程b)において決定された該値に及び任意的に該追加情報に応じて、歯科製品の該データベースから歯科製品を保持する為に、及び/又はデンタルケア専門家の該データベースからデンタルケア専門家を保持する為に、好適なフィルタリングルール、並びに
工程b)において決定された該値に及び任意的に該追加情報に応じて、歯科製品の該データベースの該歯科製品に及び/又はデンタルケア専門家の該データベースの該デンタルケア専門家に重みを与える為に好適な重み付けルール
の中から選択される少なくとも1つのルールを含み、
該ルールは、
工程b)において決定された該値、及び/又は
該追加情報の項目、特に、該対象消費者の制約及び/又は歯科的目標及び/又は選好及び/又は要件、及び/又は該対象消費者の固有の特徴及び/又は工程a)よりも前のイベントの特徴、例えば、工程a)~d)の以前の実施の後の該対象消費者の反応に関係する、及び/又は工程a)~d)の以前の実施の結果に関係する、及び/又は工程c)において決定された該値の時間的進展に関係する、特徴、及び/又は
複数の歯科製品及び/又は複数のデンタルケア専門家、ここで、ルールは、特には他のルールの以前の適用を満たした1以上の歯科製品及び/又は複数のデンタルケア専門家に関与することが可能である、及び/又は
該対象消費者から独立したデータ
に関与し、
該第1の追加情報及び任意的に該第2の追加情報が記憶される該データベースは、該対象消費者の識別子を含むレコードを含み、工程a)において、該識別子が顔認識によって決定され、
工程c)において、選択ニューラルネットワークの入力時に導入される、工程b)において決定された該値に及び任意的に該追加情報に応じて、1以上の当該の歯科製品及び/又は1以上の当該のデンタルケア専門家を出力として提供する為に、該選択ニューラルネットワークが実装され、
工程d)において、工程c)において決定された該値に応じて、例えば齲蝕が検出された場合、又は工程c)において決定された該値が閾値より大きい若しくは小さい場合にのみ、好ましくはビデオ会議により、好ましくは即座に、該対象消費者とデンタルケア専門家とが接触させられ、
該処理コンピュータは、工程b)において、
該更新された像上で該歯科的属性の該値を測定すること、及び/又は
該更新された像をセグメント化し、該更新された像のセグメント上で該歯科的属性の該値を測定すること、
の為にプログラムされ、
該歯科的属性の該値は、該対象消費者の全般的な歯科的状況、及び/又は該更新された像上に描写されている歯科矯正器具の状態、及び/又は該更新された像上に描写されている該対象消費者の歯及び/又は歯肉の状態、及び/又は該対象消費者の口腔衛生を定性化又は定量化し、
該追加情報は、該更新された像の解析によって決定されることのできない該対象消費者に関係するデータを含み、
工程c)の前に、該処理コンピュータが、以前の工程d)後の該対象消費者の該反応を査定し、次いで工程c)で、該反応の該査定に応じて、該1以上の当該の歯科製品及び/又は該1人以上の当該のデンタルケア専門家を選択し、
工程d)の前に、少なくとも工程c)及びd)を実行するようにプログラムされた中央化コンピュータを備える会社が、好ましくは複数の対象消費者により、好ましくは各自の携帯電話を用いて、送られた、該少なくとも1つの歯科的属性の値を各々含む複数の要求から、該ルールを選択及び/又は設定し、
一つの実施態様において、該処理コンピュータが、該獲得デバイス、特に該携帯電話、に一体化され、
一つの実施態様において、該処理コンピュータが、該獲得デバイスから、特に該携帯電話から、遠隔にあり、特に該獲得デバイスが通信する査定センターにあることができ、該査定センターは好ましくは、100人超、500人超、5,000人超、10,000人超、好ましくは100,000人超の対象消費者から発される要求を演算処理する。
【0009】
本発明はまた、それぞれ工程a)及びd)、並びに工程b)、c)を実施するように構成された、獲得デバイス、好ましくは携帯電話、と、処理コンピュータと、を備えたシステムに関する。
【0010】
本発明はまた、以下に関する:
コンピュータプログラム、特に、該プログラムがコンピュータによって実行されたときに、工程a)、及び/又はb)、及び/又はc)及び/又はd)を実行する為のプログラムコード命令を備えた、携帯電話用の専用アプリケーション、
そのようなプログラムが記憶されたコンピュータ媒体、例えばコンピュータメモリ又はCD-ROM、及び
そのようなプログラムがロードされる、コンピュータ、特に携帯電話。
【0011】
定義
「対象消費者」は、その人が病気であるか否かに関わらず、本発明に従う方法が実施される対象の任意の人を意味するものと理解される。
【0012】
「歯科開業場所」は、デンタルケア専門家、特に歯科医、衛生士、又は歯科矯正若しくは歯周病学に特化した専門家、が働く任意の開業場所、或いは、消費者が、特に歯をホワイトニングしてもらうことができる、任意の店舗を包含する。
【0013】
「歯科的状況」は、ある時点における人の歯列弓に関係する特徴の1組、例えば、その時点における歯の位置、その形状、その色、歯科矯正器具の位置、炎症の存在等を定義する。
【0014】
「歯科器官」は、口の内部の要素、特には歯又は歯肉、である。
【0015】
「携帯電話」は、写真又は映像が撮影されることを可能にし、且つ携帯電話ネットワークを介して通信することのできる、任意の携帯型デバイスを意味するものと理解される。
【0016】
「像」は、2次元のデジタル描写、例えば写真又は映像から抽出された像、を意味するものと理解される。像は画素によって形成される。
【0017】
「プレビュー像」は、獲得されるのではない、すなわち記憶されているのではない、カメラ又は撮像デバイスによって捕捉される像である。該獲得をトリガすることによって、該プレビュー像が記憶される。該プレビュー像は、例えば携帯電話の画面に、表示されることも又は表示されないこともありうる。
【0018】
像の「セグメント化」は、ある基準を満たす、又は(「セグメント」)処理の結果得られた、該像のエリアが画定される為の従来の操作である。例えば、歯列弓の写真が、歯を描写しているこの像の領域又は「歯領域」を画定する為に、セグメント化されることができる。該セグメントは、例えば個々に選択されることができるという点で、独立した存在物である。
【0019】
像の「歯領域」は、実質的に歯だけを描写している、すなわち、その像上でその歯の輪郭をたどっている、該像の部分である。言い換えれば、該像上の該歯の該描写は、該歯領域の実質的に100%である。
【0020】
「角度」は、写真を獲得する際の該対象消費者に対する、カメラ又は撮像デバイスの、例えば携帯電話の、光軸の向きである。
【0021】
物体又は人、例えば歯科製品又はデンタルケア専門家、は物理的性質を有する。それらがデータベース内で参照される、又は選択若しくは重み付けされるとき、これは、参照又は選択又は重み付けされるその物体又はその人のコンピュータレコードを伴う。しかしながら、簡潔の為に、これらのレコードは、それらの物体又は人によって呼称される。例えば、該「歯科製品」データベースは、歯科製品に関係するレコードを含む。「歯科製品が重み付けされる」場合、重みがそのレコードに与えられる。該選択ニューラルネットワークが1以上の当該の歯科製品及び/又はデンタルケア専門家を出力として「提供する」場合、それは、それら歯科製品及びデンタルケア専門家に関係するレコードを提供する。文脈から、該物体又は該人の呼称が、その物体又は人を指すのか、それともその物体又は人に関係するコンピュータレコードを指すのかを判断することが可能になる。
【0022】
本発明に従う方法は、コンピュータによって実装され、好ましくは限定的にコンピュータによって実装される。
【0023】
「コンピュータ」は、コンピュータ処理能力を有する複数の機械の1組を含む、コンピュータ処理ユニットを云う。このユニットは、特には、携帯電話であることができ、又はPC型コンピュータ若しくはタブレットコンピュータであることができる。該ユニットが複数の機械を備えている場合、それらの機械は、互いとやり取りする為の通信手段を含む。該コンピュータは、該対象消費者から遠隔のサーバであることができ、例えば、「クラウド」であることができ、又は「査定センター」のサーバであることができる。
【0024】
慣用的に、コンピュータは特には、プロセッサ、メモリ、慣用的に画面を備える人間機械インターフェース、インターネットを介して、Wi-Fiを介して、Bluetooth(商標)を介して、又は電話ネットワークを介して通信する為のモジュール、を備えている。工程b)、c)及びd)を実装するように構成されたソフトウェアが好ましくは、該処理コンピュータの該メモリにロードされる。コンピュータはまた、プリンタに接続されることができる。
【0025】
「ニューラルネットワーク」又は「人工ニューラルネットワーク」は、当業者に周知のアルゴリズムの1組である。「学習データベース」は、ニューラルネットワークを訓練する為に好適なコンピュータレコードのデータベースである。
【0026】
動作可能となる為に、ニューラルネットワークは、慣用的に、学習データベースから、「深層学習」と呼ばれる学習方法によって訓練される。該学習データベースは、慣用的に、該ニューラルネットワークが一致させることを学習しなければならない2種類の物体に関する情報を含む。
【0027】
該訓練は、第1の種類の第1の物体と、対応する第2の種類の第2の物体とを各々が含むレコードからなる学習データベースから行われることができる。該第1の物体は、該ニューラルネットワークへの入力として提示され、該第2の物体は該ニューラルネットワークから出力され、それにより、該ニューラルネットワークが、該第1の種類の任意の物体から、対応する該第2の種類の物体を提供することを学習できるようにする。
【0028】
例えば、該ニューラルネットワークは、像(第1の物体)と、その像に対して選択された当該の歯科製品(第2の物体)とを各々が含むレコードの1組を提供されることができ、それにより、更新された像を入力として提示されたときに、当該の歯科製品を出力として提供するように該ニューラルネットワークを構成する。
【0029】
例えば、該学習データベースの各レコードは、歯列弓の像と、この像内における歯、又は「歯領域」の描写及び対応する歯番号を識別する説明とを含むことができる。よって、訓練された後、該ニューラルネットワークは、提示された像上で、該歯の該描写及び該対応する歯番号を識別することができる。
【0030】
該第2の物体は、像、特に該第1の物体と同一であるが、「ラベル付け」されている、すなわち、情報、特に歯科的属性の値、が、例えばグラフィック形態で、付加されている像であることができる。
【0031】
ニューラルネットワークの訓練は、意図される目的の為に好適であり、当業者に対して特段の困難を課さない。
【0032】
「~を備える」、「~を含む」、及び「~を提示する」は、別途指示されない限り、広い、非制限的な形で理解されるべきである。同様に、歯科製品又はデンタルケア専門家の選択は、幾つかの歯科製品及び/又は何人かのデンタルケア専門家の選択を排除しない。更新された像の獲得は、複数の更新された像の獲得を排除しない。
【0033】
本発明の更なる特徴及び利点は、下記の詳細な説明を読み、添付図面を参照すると、より明瞭に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1図1は、本発明に従う方法の実装を説明する。
図2図2は、歯科用開口器の使用を説明する。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明に従う方法の目的は、1以上の歯科製品の選択である。該歯科製品は好ましくは、歯磨き剤、歯ブラシ、デンタルフロス、チューイングガム、歯間ブラシ、ホワイトニングキット、歯肉ケア製品(特には炎症防止用又は過敏性低減用)、口臭を防止する為の製品及び口腔液剤の中から選択される。
【0036】
該歯科製品は、口唇再構成製品又は皺低減製品の中から選択されることができる。
【0037】
該方法は、上記で言及された工程を含む。それは、以降、工程a)の為に携帯電話が使用される、特定の非制限的事例において詳細に説明される。技術的矛盾が発生する場合を除き、この特定の事例に関して説明される特徴は、他の獲得デバイスに適用可能である。
【0038】
工程a)の前に、専用アプリケーションが該対象消費者の携帯電話にロードされる。
【0039】
該対象消費者は、該専用アプリケーションをダウンロードするように促す広告を、例えば自身の電話で、例えばソーシャルネットワーク上で、受け取ることができる。
【0040】
該消費者はまた、誰かからそのようにすることを勧められた後に該専用アプリケーションをダウンロードすることができる。
【0041】
好ましくは、該専用アプリケーションは、インターネットを通じてダウンロードされる。特に、それは、Appleストアから又はGoogleストアからダウンロードされることができる。
【0042】
好ましい実施態様において、ダウンロードは、該携帯電話を使用して、コード、好ましくはQRコード(登録商標)、を読み取ることによってトリガされる。該コードは、特には、歯科製品の包装に、及び/又は該歯科製品が配置されている通路に配置されたパネルに、印刷されることができる。
【0043】
好ましくは、該専用アプリケーションがすでに該携帯電話にロードされている場合、メッセージ、例えばSMS、が該対象消費者に送られて、本発明の該方法を実行することを該消費者に勧める。このメッセージを送ることは、特には、該方法を以前に実施した際に、該対象消費者が歯科的目標を達成したい旨を明示している場合に有用である。そして、その歯科的目標を達成する為に該方法を実行する日を提供するコーチングプログラムが設定されることができる。それに応じて、リマインダが該対象消費者に送られる。
【0044】
工程a)において、該専用アプリケーションを立ち上げた後、操作者、好ましくは該対象消費者又は該対象消費者に近い任意の人物、が該携帯電話を用いて、該対象消費者の一方の歯列弓の少なくとも一部を描写する、少なくとも1つの更新された像Ia(図1を参照)を獲得する。工程a)は好ましくは、該対象消費者によって行われる。工程a)は、有利には、任意の歯科の開業場所から遠隔で、例えば、該対象消費者の自宅で、又は歯科製品が販売の為に提供される若しくは歯のホワイトニングが行われることができるところの店舗若しくは薬局で行われることができる。
【0045】
好ましくは、該更新された像は、好ましくは現実の色が付いた、写真である。該像は、該携帯電話と同じ場所にいる操作者によって概ね見られたときの該対象消費者の口を、特に同じ色で、描写する。一つの実施態様において、該更新された像は映像から抽出される。
【0046】
該更新された像は好ましくは、好ましくは該対象消費者の該口から5cm~40cmの距離から撮られた、口腔外像である。
【0047】
一つの実施態様において、該対象消費者は、歯を見せる為に唇同士を引き離す。該対象消費者は、単に微笑むことができ、又は自身の指で自身の唇を引っ張る、又は道具、例えばスプーン、で唇を後ろに押すか、又は図2に示されているように従来の歯科用開口器を使用することができる。歯科用開口器は、開口部14の周りに延びるチャネル12を備えた周知のデバイスである。該対象消費者は、自身の唇を該チャネルの中に入れ、それによって該唇同士が引き離されることが可能になり、該開口部を通じて該歯列弓の観察を向上させる。
【0048】
好ましい実施態様において、工程a)で歯科用開口器は使用されない。該対象消費者は、有利には、自身の携帯電話があれば、いつでも該方法を実施することができる。
【0049】
一つの実施態様において、該専用アプリケーションが、いつ該携帯電話を位置付けるかを該操作者に案内する。この目的の為に、該専用アプリケーションは、該携帯電話の角度及び/又は該携帯電話と該対象消費者の口との間の距離が、工程b)において行われる解析の為に十分に適した更新された像が獲得されるのを可能にするかどうかを判定する為に、好ましくはニューラルネットワークを用いて、該携帯電話の画面に表示されたプレビュー像の内容を解析する。該当しない場合、該専用アプリケーションは、該操作者に通知し、好ましくは、該角度及び/又は該距離を修正する命令を該操作者に提供する。
【0050】
好ましくは、該専用アプリケーションは、前部カメラ、すなわち、該携帯電話の該画面と同じ側にあるカメラ、を起動する。そして、該対象消費者は、該更新された像を自身で獲得する前に該プレビュー像を観察することができ、それ故に、撮影したい歯に対して該携帯電話をより好適に位置付けることができる。
【0051】
一つの実施態様において、該対象消費者は、フラッシュと併せて後部カメラを使用する。
【0052】
工程a)において、該携帯電話はまた、追加情報を獲得することができる。該追加情報は好ましくは、該更新された像の該解析から推定されることができない、又は困難を伴ってのみそれから推定されることができる、情報である。工程a)で獲得される該追加情報は、「第1の追加情報」と称される(図1の符号「Ic1」)。
【0053】
該第1の追加情報は、工程2)を行う処理コンピュータに直接送られることができ、及び/又は、該処理コンピュータが工程c)を行う為にアクセスすることができる「DB_Consumers」データベース中に、該対象消費者若しくは該携帯電話の識別子と共に記録されることができる。
【0054】
該対象消費者の識別子は、該対象消費者によって入力されることができる。一つの実施態様において、顔認識アルゴリズムが該対象消費者を特定し、該対象消費者が自身の携帯電話と対話する必要はない。
【0055】
該「DB_Consumers」データベースを調べることは、有利には、回答が既知である後の工程a)~d)の段階の間に該対象消費者に質問をする必要性を回避する。
【0056】
該「DB_Consumers」データベースは、該携帯電話から遠隔に、例えば該携帯電話が通信する査定センターに、あることができる。
【0057】
該「DB_Consumers」データベースはまた好ましくは、他の追加情報源から、例えば、該対象消費者の以前の購入を列挙する、該対象消費者が位置している店舗のデータベースから、供給されることができる。そのような他の情報源から生じる該追加情報は、「第2の追加情報」と称される(図1の符号「Ic2」)。該第1及び第2の追加情報は、まとめて追加情報Icと称される。
【0058】
該追加情報は、該対象消費者が工程c)における選択の為に課したい特定の制約を指定することができる。
【0059】
制約は、特定の歯科製品又は特定のデンタルケア専門家の除外であることができ、例えば、以下を指定することによる:
選択される見込みのある歯科製品に関して、
上限価格;
該歯科製品が消耗品、例えば歯磨き剤又は液剤、からなる場合、消耗品の量の範囲;
上限の渡す期間、例えば該対象消費者は、選択された歯科製品が直ちに入手可能である、例えば自身が位置するスーパーマーケットで入手可能であってほしいことを示す;
選択される見込みのある該歯科製品が含まなければならない、又は含んではならない1以上の成分のリスト;
選択される見込みのある該歯科製品が含まなければならない、又は含んではならない1以上の特徴のリスト、例えば電動歯ブラシを除外する、又は電動歯ブラシに限定される;
除外されるべき又は優先されるべき製造国のリスト;
除外されるべき又は優先されるべき製造国にある製造者のリスト;
選択される見込みのあるデンタルケア専門家に関して、
受診の上限価格;
例えば工程a)の獲得時点における該対象消費者の位置に対する、物体又は人物の位置からの上限距離;
時間の都合、例えば、面会予約が、上限期間未満の期間内に可能である;
特定の機器の所有;
除外されるべき、又は工程c)の選択がそこから行われるべき、1人以上のデンタルケア専門家のリスト。
【0060】
該追加情報はまた、歯科製品が提案されることができる頻度、又は歯科製品を供給する為のサービスの為のサブスクリプション方式(例えば、3か月、6か月、若しくは1年)を指定することができる。
【0061】
該追加情報はまた、該更新された像から特定される単一の要件以外に、1以上の「歯科的」目標を指定することができる。例えば、該歯科的目標は、「歯をホワイトニングすること」又は「歯垢を減らすこと」、又は「歯石を減らすこと」、又は「軟組織の炎症を減らすこと」、又は「息を改善すること」、又は「歯の並びを矯正する/改善すること」、又は「笑顔の全体的な見た目を改善すること」、又は「いびき及び/又は睡眠時無呼吸を低減すること」又は「咀嚼を改善すること」、又は「唇の形を改善すること」、又は「口周囲領域の見た目を改善すること」であることができる。
【0062】
該追加情報は、特に該歯科製品及び/又は該デンタルケア専門家を分類する為に、該対象消費者の選好を指定することができる。例えば、該対象消費者は、手動歯ブラシよりも電動歯ブラシを好むこと、又は別のデンタルケア専門家よりもあるデンタルケア専門家を好むことを指定することができる。制約と異なり、選好は必須ではない。好ましくない歯科製品又はデンタルケア専門家が選択されることができる。
【0063】
最後に、該追加情報は、該対象消費者の特徴、例えば、
該対象消費者の年齢;
該対象消費者の性別;
該対象消費者が歯科矯正器具を装着しているか否か、その場合、該対象消費者は、その歯科矯正器具の性質を明示することを求められうる;
該対象消費者が特定の病状を起こしやすいか、例えば脆弱な歯肉を有するかどうか;
該対象消費者が特定の歯科矯正処置を受けたか、又は受けているか、又は受けることを検討しているかどうか、その場合、該対象消費者は、その歯科矯正処置の性質及び/又はその継続期間及び/又はその歯科矯正処置をいつ受けているかを明示することを求められうる;及び/又は
該対象消費者が、歯科的目標を達成する為に現在歯科処置を受けているかどうか、及び/又は該歯科処置との関連で以前にすでに該方法を使用したことがあるかどうか、該歯科処置に関する詳細事項;
該対象消費者が、痛み、特に熱さ又は冷たさに関連する痛み、を経験しているか、及び/又は知覚される痛みの尺度、及び/又は該知覚される痛みの場所、
を含むことができる。
【0064】
該追加情報は好ましくは、該携帯電話に少なくとも部分的に入力され、好ましくは選択肢又は質問のリストを、例えばチェックボックスの形態で、該対象消費者に提示することにより該携帯電話に少なくとも部分的に入力される。
【0065】
工程b)において、処理コンピュータが、該更新された像と、該携帯電話によって獲得される、又はより一般的には該DB_Consumersデータベース内で入手可能な、任意的な追加情報とを解析する。
【0066】
好ましくは、該処理コンピュータは、複数の対象消費者から発される要求の処理を一元化する、該携帯電話から遠隔にある、査定センターのコンピュータである。好ましくは、それは、1,000人超、10,000人超、好ましくは50,000人超、より好ましくは100,000人超の対象消費者から要求を受信する。
【0067】
この後者の場合、要求は、該携帯電話にロードされた該専用アプリケーションによって作成される。この要求は、工程a)で獲得された該更新された像、及び任意的に該第1の追加情報の少なくとも一部を含む。該要求は、該携帯電話によって該処理コンピュータに送信される。あらゆる既知の通信手段がこの目的に使用されることができる。特に、該送信は、該携帯電話が契約されている携帯電話ネットワークによって実施されることができる。慣用的に、該要求はまた、該要求の発信元が特定されることを可能にする情報、例えば該対象消費者の識別子、「ID_consumer」、を含む。
【0068】
一つの実施態様において、該処理コンピュータは該携帯電話であり、これは要求が送られる必要がないことを意味する。
【0069】
該処理コンピュータは、該対象消費者の歯科的状況を査定する為に、該更新された像を解析する。該対象消費者の該歯科的状況に関する属性の値、又は「歯科的属性」が、この査定が定量化されることを可能にする。好ましくは、該処理コンピュータは、該歯科的状況の該査定の質を向上させる為に、複数の歯科的属性の値を決定する。
【0070】
該歯科的属性は、特には以下のリストから選択されることができる:
該更新された像上に描写されている歯肉、舌、1つ又は2つの唇、口周囲領域、1本の歯又は複数の歯の群の外観パラメータ、特に半透明性指標又は色又はテクスチャ又は均一性パラメータ(変色の存在);
該更新された像上に描写されている舌、一方又は両方の唇、口周囲領域、歯肉、1本の歯又は歯の群の状態に関係する、例えば、炎症、退縮、歯石の存在、破損、摩耗、ひび割れ、病変、例えば齲蝕、又は歯科器具、例えば歯科矯正器具、の存在に関係する、パラメータ;
該更新された像上に描写されている歯肉、舌、唇、口周囲領域、1本の歯又は歯の群の形状に関係するパラメータ、例えば切縁の近心及び遠心偏位指標。
【0071】
該歯科的属性は絶対的であることができ、例えば、1本以上の歯の白さに関係することができる。代替的には、該歯科的属性は相対的であることができ、例えば、2本の歯同士の色の差、2つの隣り合う歯の間の間隙、又は該更新された像上に描写された該歯同士の間の平均間隙に関係することができる。
【0072】
該歯科的属性の該値を決定することはまた、該更新された像から導出されることのできない比較基準を必要とすることができる。例えば、該歯科的属性は、該対象消費者の以前の状況に関係することができる。該比較基準は、例えば、以前の工程a)~d)の段階中に査定された該歯科的属性の値であることができる。例えば、該歯科的属性は、その以前の段階以降の1本以上の歯の色又は位置の進展の査定であることができる。
【0073】
該歯科的属性は、例えば以前に測定されたデータを統計的に処理することによって決定される、標準的な歯科的状況に関することができる。例えば、該歯科的属性は、標準的モデル、例えば歯列模型(typodont)、との形状の差の査定であることができる。それは、例えば、標準的モデルとの歯の幅、特に近心口蓋幅、厚み、又は歯冠高さ、の差を測定することができる。
【0074】
該歯科的属性は一般的なものであることができる。例えば、該歯科的属性の該値は、
「一般的に許容される歯科的状況」若しくは「一般的に許容されない歯科的状況」、又は
「無傷の歯科矯正器具」若しくは「損傷した歯科矯正器具」
であることができる。
【0075】
該歯科的属性は、ブールである、すなわち2つのみの値、例えば「許容される色」又は「許容されない色」、を取ることができる。歯科的属性の値はまた、定量的であることができる。例えば、歯科的属性の値は、以前の歯科的状況と比べて、歯が移動した、摩耗した、又は外観を変えた度合いを定義することができる。
【0076】
該歯科的属性が特定の歯科器官、例えば特定の歯、に関係する場合、該解析はまた、明らかなように、その特定の歯科器官を決定しなければならない。
【0077】
該更新された像の該解析は、手作業で、好ましくはデンタルケア専門家によって、実施されることができる。好ましくは、該解析は、コンピュータ解析によって実施されることができる。当業者は、像を解析する為の適用可能な方法を知っている。
【0078】
例えば、以下の操作を実施する方法が引用されることができる:
ヒストグラムを比較する(CalcBackProjectPatch、OTSU機能);
正規化されたグレースケール像を別の像に変換する困難度を測定する(EMD機能);
像から抽出された輪郭であることのできるテンプレートを比較する(テンプレートマッチ機能);
グリーンの式を介して輪郭のモーメントを算出する;
Huの式を介して輪郭の不変モーメントを算出する;
記述子(HOG、LBP、Haar)を介してテクスチャを比較する;
該像から抽出された主要点を比較する(SIFT/SURF/FREAK/ORB/ASIFT/AGAST機能等);
フーリエ変換(DFT、FFT)を比較する。
【0079】
特に、工程b)の該解析は好ましくは、描写されている要素(又は「セグメント」)、例えば歯領域、歯肉領域、又は歯科矯正器具領域、を決定する為に、該更新された像をセグメント化することを伴う事前処理を含む。該セグメント化方法は周知である。特に、ニューラルネットワーク、又は「セグメント化ニューラルネットワーク」の使用が好ましい。
【0080】
例えば、セグメント化における専用のネットワークは以下である:
Deep Mask(オブジェクトセグメントの精緻化を学習する);
Mask-RCNN;
MaskLab(意味的機能及び方向機能によりオブジェクト検出を精緻化することによるインスタンスセグメント化);
全畳み込みインスタンス認識セマンティックセグメント化。
【0081】
好ましくは、該セグメント化ニューラルネットワークは、Mask R-CNNネットワークである。そのようなニューラルネットワークは、特に、"Mask R-CNN.CoRR", abs/1703.06870, 2017, Kaiming He, Georgia Gkioxari, Piotr Doll'ar, and Ross B.Girshickに記載されている。
【0082】
該セグメント化ニューラルネットワークを訓練する為の学習データベースは、慣用的に、過去の写真に描写されている歯の全ての描写をトレースし、特定することにより、手作業によって形成されることができる。そして、該学習データベースの各レコードは、過去の写真、及び歯の描写をカバーする該過去の写真の領域(又は「マスク」)の各々を特定するその写真の説明を含む。訓練の為に、各過去の写真が該ニューラルネットワークの入力に提供され、その説明が、該ニューラルネットワークの出力に提供される。該ニューラルネットワークは、そのようにして、入力として提示される写真上で歯領域を特定することを学習する。
【0083】
セグメント化により、セグメント化された像が得られ、次いで、セグメント上で該歯科的属性の値が測定されることができる。例えば、3番の歯の歯領域、すなわちこの歯を描写する該更新された像の表面、を特定した後、該処理コンピュータは、この歯の色(歯科的属性)を測定し、それが「正常」である(該歯科的属性の値)と判定することができる。
【0084】
該歯科的属性を決定することは、人工知能アルゴリズム、特にこの目的の為に訓練された少なくとも1つのニューラルネットワーク、を好ましくは使用する。これらのアルゴリズムは周知である。特には「バロリゼーションニューラルネットワーク」と呼ばれるニューラルネットワークは、以下の中から選択されることができる:
「CNN」(「畳み込みニューラルネットワーク」)と呼ばれる、像の分類に特化したネットワーク、例えば:
AlexNet(2012);
ZF Net(2013);
VGG Net(2014);
GoogleNet(2015);
Microsoft ResNet(2015);
Caffe:BAIR Reference CaffeNet、BAIR AlexNet;
Torch:
VGG_CNN_S、VGG_CNN_M、VGG_CNN_M_2048、VGG_CNN_M_1024、VGG_CNN_M_128、VGG_CNN_F、VGG ILSVRC-2014 16層、VGG ILSVRC-2014 19層、Network-in-Network(Imagenet & CIFAR-10);
Google:Inception(V3、V4)。
像中の物体の位置特定及び検出に特化したネットワークである、オブジェクト検出ネットワーク、例えば:
R-CNN(2013);
SSD(Single Shot MultiBox Detector:物体検出ネットワーク)、Faster R-CNN(Faster Region-based Convolutional Network方法:物体検出ネットワーク);
Faster R-CNN(2015);
SSD(2015);
OverFeat(Sermanet等)、2013;
GoogleNet(Szegedy等)、2015;
VGGNet(Simonyan及びZisserman)、2014;
R-CNN(Girshick等)、2014;
Fast R-CNN(Girshick等)、2015;
ResNet(He等)、2016;
Faster R-CNN(Ren等)、2016;
FPN(Lin等)、2016;
YOLO(Redmon等)、2016;
SSD(Liu等)、2016;
ResNet v2(He等)、2016;
R-FCN(Dai等)、2016;
ResNeXt(Lin等)、2017;
DenseNet(Huang等)、2017;
DPN(Chen等)、2017;
YOLO9000(Redmon及びFarhadi)、2017;
Hourglass(Newell等)、2016;
MobileNet(Howard等)、2017;
DCN(Dai等)、2017;
RetinaNet(Lin等)、2017;
Mask R-CNN(He等)、2017;
RefineDet(Zhang等)、2018;
Cascade RCNN(Cai等)、2018;
NASNet(Zoph等)、2019;
CornerNet(Law及びDeng)、2018;
FSAF(Zhu等)、2019;
SENet(Hu等)、2018;
ExtremeNet(Zhou等)、2019;
NAS-FPN(Ghiasi等)、2019;
Detnas(Chen等)、2019;
FCOS(Tian等)、2019;
CenterNet(Duan等)、2019;
EfficientNet(Tan及びLe)、2019;
AlexNet(Krizhevsky等)、2012。
【0085】
該のリストは制限的ではない。
【0086】
好ましくは、該バロリゼーションニューラルネットワークは、VGG Netネットワークである。
【0087】
好ましくは、該バロリゼーションニューラルネットワークは、10,000超、好ましくは50,000超、好ましくは100,000超個のレコードを典型的に含む学習データベースを使用して訓練され、各レコードは、「過去の」歯列弓の過去の像、好ましくは写真、と、1以上の歯科的属性の値を提供する「過去の」説明とを含む。
【0088】
各過去の像は、該ニューラルネットワークの該入力に提示され、該過去の説明は、該ニューラルネットワークの該出力に提示される。該ニューラルネットワークは、そのようにして、入力として提示された写真に対応する説明を判定することを学習する。
【0089】
一つの実施態様において、該解析は、該更新された像によって提供される情報のみを使用する。
【0090】
本出願人は、人工知能アルゴリズム、好ましくはニューラルネットワーク、を実施し、該対象消費者の該歯列弓の単純な更新された像、例えば自身の携帯電話で該対象消費者によって撮られた写真、から該消費者の歯科的状況が査定されることを可能にする、方法を開発した。この方法は、欧州特許出願公開第18184477号明細書に記載されている。
【0091】
それぞれの歯科的属性の該値を各々が決定する為に、複数のニューラルネットワークが訓練されることができる。例えば、該歯科的目標が、息を改善する為の少なくとも1つの製品を選択することである場合、歯石の存在、歯垢の存在、白っぽい舌の存在、唾液の不足、の歯科的属性のうち1以上の値を決定する為に、ニューラルネットワークが訓練されることができる。これらの歯科的属性の各々は、実際に口臭指標である。
【0092】
工程c)において、該処理コンピュータは、該対象消費者に関係する該歯科的状況及び追加情報に適切である、1以上の歯科製品及び/又はデンタルケア専門家を選択する。
【0093】
特に、該処理コンピュータは、工程b)において決定された歯科的属性値Vと、ルールを適用することによって該「DB_Consumers」データベースから取り出すことのできる該追加情報Icとに応じて、歯科製品のデータベース「DB_dental products」から、該1以上の当該の歯科製品を選択することができる。歯科製品がルールの1組を満たす場合、それは「適切」と指定される。
【0094】
該ルールは、歯科製品が、工程b)において決定された該1以上の歯科的属性値及び該追加情報と適合するかどうかを判定するフィルタであることができる。
【0095】
ルールは、該対象消費者の該歯科的状況、すなわち少なくとも1つの歯科的属性の値、を伴うことができる。例えば、「該歯科的属性値が『歯石の存在』であれば、以下の歯科製品を選択する:...」又は「該対象消費者が歯科矯正器具を装着していれば、以下のリストから限定的に歯科製品を選択する:...」、又は「該対象消費者が定期的に歯肉炎を経験していれば、以下のリストから限定的に歯科製品を選択する:...」である。
【0096】
ルールは、該追加情報に含まれる制約を伴うことができる。例えば、「上限価格が該制約の中に定義されていれば、価格がその上限価格未満である歯科製品を限定的に選択する」。
【0097】
ルールは、歯科的目標を伴うことができる。例えば、「該歯科的目標が『息を改善する』であれば、以下のリストから限定的に歯科製品を選択する:...」。
【0098】
ルールは、該対象消費者の選好又は要件を伴うことができる。例えば、「該対象消費者が手動歯ブラシを必要とする場合、以下のリストから限定的に歯ブラシを選択する:...」、又は「該対象消費者が500mlの量の消耗品を必要とする場合、以下のリストから限定的に歯科製品を選択する:...」。
【0099】
ルールは、該対象消費者の固有の特徴を伴うことができる。例えば、「該対象消費者が15歳未満であれば、フッ素がXXXmg未満の歯科製品を限定的に選択する。」
【0100】
ルールは、同じ工程c)の間にすでに選択された当該の歯科製品を伴うことができる。例えば、「歯科製品XXが依然として適切である可能性が高いと考えられる場合、以下の歯科製品を除外する:...」。
【0101】
ルールは、工程a)よりも前の1以上のイベントを伴うことができ、例えば、
歯科製品の選択の前に、「以前の要求に従って、歯科製品XXXが選択された場合は、以下のリストから限定的に歯科製品を選択する:...」;
本発明に従う該方法を以前に実行した際に該対象消費者に送られた応答の後の該対象消費者の反応、例えば、その時に提案された当該の歯科製品の購入又は非購入:「該方法の以前の実行に従って歯科製品YYが選択され、購入されなかった場合、以下のリストから限定的に歯科製品を選択する:...」、又は「該対象消費者が、該方法の以前の実行に従って選択された当該の歯科製品を購入しなかった場合、それらの歯科製品は歯科製品として選択されることができない」;
該対象消費者が本発明に従う該方法を実施する頻度、例えば、「該対象消費者が該方法を月に二度以上実行する場合、以下のリストから限定的に歯科製品を選択する:...」;
該対象消費者の該歯科的状況の進展、例えば、「歯科的属性AAの値が1か月当たりx%超良い方に進展している場合、以下のリストから限定的に歯科製品を選択する:...」;
【0102】
一つの実施態様において、該反応は、該更新された像を解析することによって査定されることができる。特に、以前の要求に応答して提案された当該の歯科製品を購入しなかったことは、時として、一つの更新された像又は連続した更新された像の解析から推定されることができる。
【0103】
ルールは、該対象消費者と無関係の1以上のデータ項目、又は「外部データ」、例えば1以上の参照データ項目、を伴うことができ、それは例えば以下である:
販売データ、例えば、「該対象消費者が社会階層XXXにある場合、以下のリストから限定的に歯科製品を選択する:...」;
例えば本発明に従って生成された応答に対する他の対象消費者の反応の統計的処理から導出される、統計的データ、例えば:「概して、該対象消費者の年齢範囲にあり、該対象消費者と性別が同じである他の対象消費者が、その製品が選択されたときに歯科製品XXを購入していない場合、その歯科製品を除外する」。
【0104】
外部データはまた、更新された時点に関係するデータであることができ、例えば:「該更新された時点が日D1と日D2の範囲である場合、販売促進活動と共に販売された歯科製品を限定的に選択する」。
【0105】
ルールは、幾つかの変数、例えば歯科的目標及び工程a)よりも前のイベント、を伴うことができ、例えば:「該歯科的目標が『息を改善すること』であり、且つ該方法の以前の実行に従って歯科製品YYが選択され、購入された場合、以下のリストから限定的に歯科製品を選択する:...」。
【0106】
該該のルールは、フィルタリング機能を有し、すなわち、歯科製品のデータベースからの歯科製品を適切でないものにする。「フィルタリング」ルールを排他的に適用すると、空の集合(当該の歯科製品がない)、又は幾つかの歯科製品を含む集合、又は更には過度に多い当該の歯科製品が生じることができる。
【0107】
好ましくは、該ルールは、重み付け機能をもつ1以上のルールを含む。「重み付け」ルールは、歯科製品のデータベースの1以上の歯科製品に重みを割り当てることができ、又はこの重みを修正することができ、それにより、当該の歯科製品がそれらの適切性に応じて分類されることが可能になる。
【0108】
歯科製品を除外する、例えばフィルタリングルール、の代わりに、同等の重み付けルールが、それに低い重みを割り当てる。選択を歯科製品の排他的なリストに限定する代わりに、重み付けルールが、それに高い重みを割り当てる。重み付けルールは、有利には、該歯科製品の適切性のより正確な査定を可能にする。歯科製品は、100%適切又は不適切ではなくなり、x%まで適切となり、xは0~100%である。
【0109】
重み付けルールの例は以下である:
「該歯科的属性値が『歯石の存在』である場合、次の歯科製品:(...)に重みP1を割り当て、次の歯科製品:(...)に重みP2を割り当てる」;
「上限価格が制約中に定義されている場合、歯科製品の価格と該上限価格との差に応じて決定される重みを割り当てる」;
「該歯科的目標が『息を改善すること』である場合、ミント香料の含有量に応じて増大する重みを割り当てる」;
「該対象消費者が手動歯ブラシを好む場合、手動歯ブラシに90%の重みを割り当て、電動歯ブラシには5%の重みを割り当てる」;
「該方法の以前の実行に従って歯科製品XXXが選択された場合、以下の歯科製品(...)に以下の重み(...)をそれぞれ割り当てる」;
「該方法の以前の実行に従って歯科製品YYが選択され、購入されなかった場合、x%の重みをその歯科製品に割り当てる」;
「歯科的属性AAの値が1か月当たりx%超良い方に進展している場合、以下の重み(...)を以下の歯科製品(...)にそれぞれ割り当てる」;
「該対象消費者が社会階層XXXにある場合、以下の重み(...)を以下の歯科製品(...)にそれぞれ割り当てる」;
「概して、該対象消費者の年齢範囲にあり、該対象消費者と性別が同じである他の対象消費者が、その製品が選択されたときに歯科製品XXを購入していない場合、重み...をそれに割り当てる」;
「該更新された時点が日D1と日D2との間である場合、販売促進活動と共に販売された歯科製品に重み...を割り当てる」。
【0110】
該ルールの適用により、1以上の当該の歯科製品が歯科製品の該データベースから選択されることが可能になる。
【0111】
当該の歯科製品がそこから選択される歯科製品の該データベースは好ましくは、100超、500超若しくは1,000超、5,000超若しくは10,000超個の歯科製品、及び/又は1,000,000個未満の歯科製品についてのレコードを含む。
【0112】
各レコードは、慣用的に、それぞれの歯科製品の識別子と、該ルールに関与する該変数の値の1組とを含む。
【0113】
例えば、歯科製品についてのレコードは、以下の変数の値を含むことができる:
識別子;
ブランド;
製造者;
製造国;
摩耗性;
ホワイトニング性;
例えば歯磨き剤の、消耗品の量;
例えば歯磨き剤の、該消耗品の組成;
例えば歯ブラシの、硬さ;
歯ブラシの毛の密度;
包装の性質;
価格;
販売促進活動中か否か;
入手可能性又は渡す期間;
他の不適合な歯科製品のリスト;
該歯科製品を最も多く購入する消費者の特徴;
影響を受ける市場又は地域;
規制表示。
【0114】
レコードはまた、該歯科製品に関係し、且つ該ルールに含まれない情報、例えば使用上の指示、を含むことができる、
【0115】
ルールの使用は「決定論的」手法であり、すなわち、該ルールは常に同じ形で適用される。
【0116】
代替的には、歯科製品の該データベースの該歯科製品は、「選択ニューラルネットワーク」と呼ばれるニューラルネットワークを用いてフィルタリングされ、及び/又は重み付けされることができる。この目的の為に、該選択ニューラルネットワークは、工程b)で決定される1以上の歯科的属性値を含む1組及び任意的に追加情報を入力として、並びに、好ましくは例えば該ルール及び/又は人間の専門知識によって決定されるそれぞれの重みが割り当てられた、歯科製品のそれぞれの選択を出力として、提示することにより、訓練される。該ニューラルネットワークは、そのようにして、工程a)の為に決定されたそのような値の1組に対して、歯科製品の選択を提供することを学習する。
【0117】
一つの実施態様において、該選択ニューラルネットワークは、1以上の像及び任意的に追加情報を各々が含む1組を入力として、及び、例えば該ルールによって決定されたそれぞれの重みが好ましくは割り当てられた、歯科製品のそれぞれの選択を出力として、提示することにより、訓練される。該選択ニューラルネットワークは、そのようにして、1以上の像に対して歯科製品の選択を提供することを学習する。
【0118】
該選択ニューラルネットワークは好ましくは、CNN又は全結合型の分類ニューラルネットワークの中から選択される。
【0119】
好ましくは、該専用アプリケーションは、該選択における歯科製品の上限数を定義するように構成されることができる。該ルール又は該選択ニューラルネットワークがこの上限数よりも多い数の歯科製品を生じさせた場合、最終的なフィルタが適用されて、該歯科製品の一部のみを保持することができる。該保持された歯科製品の該選択は、任意であることができる。好ましくは、該ルール又は該選択ニューラルネットワークは、該歯科製品が、該対象消費者の該歯科的状況に対するその適性及び該追加情報に応じて重み付けされることを可能にする。そして、該最終的なフィルタは、最も高い重みが割り当てられた1以上の歯科製品を保持する。
【0120】
選択ニューラルネットワークの代替として、単純な決定アルゴリズムが実装されることができる。
【0121】
デンタルケア専門家のデータベースからのデンタルケア専門家の選択は、歯科製品の該データベースからの歯科製品の選択と同様の方法で実施されることができる。
【0122】
デンタルケア専門家のレコードは、例えば以下の変数の値を含むことができる:
識別子、例えば、氏名及び名前;
専門分野/免許状;
設備機器;
住所;
話す言語;
診療時間;
性別;
年齢;
該デンタルケア専門家が提供することができる1以上の製品の識別;
例えば該デンタルケア専門家の診察を受けた対象消費者による、査定点数。
【0123】
ルール又は選択ニューラルネットワークが使用されて、上記で歯科製品の該選択に関して説明されたように、該歯科的属性の値及び/又は追加情報に応じてデンタルケア専門家を選択することができる。
【0124】
工程d)で、該対象消費者に応答が提示されて、該1以上の選択された歯科製品を該消費者に勧め、また好ましくはその使用の指示を該対象消費者に提供することができる。
【0125】
該処理コンピュータが該携帯電話に一体化されていない場合、該応答は、好ましくは携帯電話ネットワークを用いて、該処理コンピュータによって該携帯電話に送られる。該応答は好ましくは、メッセージ、例えばSMS又は電子メール、である。
【0126】
該応答は、次いで該携帯電話に表示される。有利には、それ故に、該対象消費者は、自身の歯科的状況に十分に適した自身の要求への応答を迅速に受け取る。
【0127】
好ましくは、複数の歯科製品が選択されており、それぞれの重みが割り当てられている場合、それらは好ましくは、例えば最も当該の歯科製品を該応答の冒頭に表示することにより、各自の適切性に応じて表示される。
【0128】
好ましくは、該応答は、好ましくは該1以上の当該の歯科製品に応じて、及び好ましくは該歯科的属性の該値に応じて、決定される、助言を含む。該助言は、歯科製品の該データベース内のレコードから導出されることができる。好ましくは、該助言は、当該の歯科製品の使用、及び/又は、例えば該方法を次回実行する日を推奨することにより、該方法の使用に関する情報を含む。
【0129】
該応答はまた、1人以上の当該のデンタルケア専門家に関する情報を含むことができる。
【0130】
好ましくは、特に該対象消費者が、ある歯科的目標を達成したい旨を入力した場合、該応答は、該方法の次回の実行が予定される日、及び/又は該歯科的目標に達する為の該方法の進捗の割合を、該対象消費者に通知することができる。
【0131】
一つの実施態様において、該1以上の選択された歯科製品を収容した小包が作製されて、該対象消費者に送られる。好ましくは、該小包が送られたことを該消費者に通知する為に、メッセージが該携帯電話に送られる。
【0132】
一つの実施態様において、該対象消費者は、サブスクリプションを申し込んでおり、本発明に従う方法を実施することを定期的な間隔で求められる。該対象消費者は、それにより、例えば該獲得時点における自身の歯科的状況により適した新しい歯ブラシ及び新しい歯磨き剤の入った、小包を定期的に受け取る。
【0133】
一つの実施態様において、工程b)で査定された該歯科的状況に応じて、該専用アプリケーションが、例えばビデオ会議による診察の為に、デンタルケア専門家に自動的に連絡を取ることができ、又は、好ましくは工程b)で査定された該歯科的状況及び/又は該対象消費者への地理的近接度に応じて選択される、デンタルケア専門家、好ましくは当該のデンタルケア専門家、を推薦することができる。
【0134】
ここで明らかに明瞭であるように、本発明の該方法は、対象消費者が、歯科製品を購入する為の又はデンタルケア専門家を選択する為の助言を自動的に得ることを可能にする。この助言は、該更新された像と、該対象消費者が自身の必要性を明示することを可能にする追加情報とに依存するので、有利には個人に合わせられる。
【0135】
それ故に、歯科製品の専門家であることなく、該対象消費者が、自身の状況に十分に適した歯科製品を選択することが可能となる。
【0136】
無論、本発明は、上記で説明され、表された実施態様に限定されない。
【0137】
一つの実施態様において、歯科製品の該データベースは、該歯科的状況を改善することを専ら意図される歯科製品についてのレコードのみを含む。
【0138】
別の実施態様において、歯科製品の該データベースは、該歯科的状況を改善することを専ら意図されるのでない、すなわち治療効果又は予防効果のない、歯科製品についてのレコードを更に含む。例えば、該データベースは、例えば、歯科的属性の値に応じて、及び/又は別の選択された歯科製品に応じて、及び/又は達成されるべき歯科的目標に応じて、特定の状況下で消費することが有益である食品に関係するレコードを含むことができる。
【0139】
例えば、「息を改善する」という歯科的目標が設定されている場合、特定の食品が推奨されることができる。例えば、「『息を改善する』という歯科的目標が設定されている場合、食品(...)を含む、以下の歯科製品(...)が選択される」というルールを確立することができる。食品に関係するレコードは、その食品を調製する為の指示を含むことができる。
【0140】
更に、携帯電話以外の獲得デバイスが、工程a)の為に使用されることができる。
【0141】
一つの実施態様において、該獲得デバイス、及び好ましくは該処理コンピュータ、は、好ましくは該対象消費者が、好ましくは該歯科製品の近くに、位置している店舗、例えばスーパーマーケット、内で、地面に対して固定される。
【0142】
該像獲得機器、例えばカメラ又は撮像デバイス、は、一方向ミラーの後方に配置されることができ、該一方向ミラーは、該地面に対して固定されていてもよく又は固定されていなくてもよい。好ましくは、画面が、好ましくは該ミラーと一体化された画面が、像を獲得する時に該対象消費者を案内する為の指示を提供する。好ましくは、検出器が、該ミラーの前に該対象消費者が存在することを検出し、それに応じて該専用アプリケーションを立ち上げる。
【0143】
特に、そのようなミラーは、歯科製品を収容している通路に配置されることができる。該対象消費者は、自身を該ミラーの前に位置付け、該検出器によって検出される。そして、「獲得コンピュータ」、好ましくは該処理コンピュータ、は、該対象消費者が、例えば該像獲得機器の方を向いて、頭部が左を向いた状態で、及び/又は自身の唇を十分に見つけられるようにして、所定の位置に位置付けられるように該対象消費者を案内する。好ましくは、該獲得コンピュータは、例えばニューラルネットワークを用いて、該対象消費者の位置が像を獲得する為に好適であるかどうかを判定し、その場合、好ましくは更新された像の獲得をトリガする。
【0144】
一つの実施態様において、該ミラーの該画面は、追加情報が獲得されることを可能にする。
【0145】
好ましい実施態様において、該獲得コンピュータによって実装される顔認識アルゴリズムが該対象消費者を特定し、該消費者は該ミラーと対話する必要がない。そして、該処理コンピュータに送られる識別子により、該処理コンピュータが、それを補う為に、及び/又は該対象消費者に関する追加情報を抽出する為に、該「DB_Consumers」データベースにアクセスすることが可能になる。
【0146】
顔認識は、有利には、工程d)で、該対象消費者による該獲得デバイスの以前の使用及び/又は他の追加的な情報源から生じる追加情報を考慮することにより、該対象消費者が該獲得デバイスと接触する必要なく、当該の歯科製品が渡されること、及び/又は応答が提供されること、及び/又は当該のデンタルケア専門家が推薦されることを可能にする。該対象消費者は、単に、自身を該ミラーの前に位置付ければよい。衛生状態及びエルゴノミクスが向上される。
【0147】
例えば、該「DB_Consumers」データベースが、該対象消費者が最近それによって電動歯ブラシを購入した追加情報を含む場合、該獲得デバイスは、該対象消費者がミラーを見るとすぐに、好ましくはその歯磨き剤が該歯ブラシに特に好適であることを通知することにより、その歯ブラシ専用の歯磨き剤を購入するように勧めることができる。
【0148】
そして、該獲得コンピュータは、処理コンピュータとして機能することができ、好ましくは該ミラーの該画面に、特に歯科製品を推薦する為の、該応答を表示することができる。よって、数秒の間に、単に該ミラーの前でほほ笑むことにより、該対象消費者は、該歯科製品、特に歯磨き剤又は歯ブラシ、を選択する為の推奨を受け取ることができる。
【0149】
また、該処理コンピュータは、該獲得コンピュータから遠隔であることができる。そして、このコンピュータは、該更新された像及び任意的な追加情報を含む要求を作成して、該遠隔の処理コンピュータに送信する。該要求を処理した後、該処理コンピュータは、該獲得コンピュータに応答を返し、該応答が、好ましくは該ミラーの該画面上で、該対象消費者に対して表示される。
【0150】
本発明に従う方法は、多くの異なる製品に使用されることができる。
【0151】
様々な実施態様に従って、
該歯科的目標は歯をホワイトニングすることであり、該歯科器官は歯であり、該歯科的属性は該歯科器官の色合い、例えば白さ、であり、並びに当該の歯科製品は、歯のホワイトニング製品及び/又は特定の歯磨き剤及び/又は特定の歯ブラシである、又は
該歯科的目標は歯垢を減らすことであり、該歯科器官は歯であり、該歯科的属性は歯垢の量及び/又は大きさ及び/又は色であり、並びに当該の歯科製品は、歯石防止製品及び/又は歯磨き剤及び/又は歯ブラシである、又は
該歯科的目標は軟組織の炎症を減らすことであり、該歯科器官は歯肉であり、該歯科的属性は炎症領域の色及び/又は大きさであり、並びに当該の歯科製品は歯肉炎防止製品である、又は
該歯科的目標は息を改善することであり、該歯科器官は歯であり、該歯科的属性は歯石の存在及び/又は歯垢の存在、及び/又は食べかすの存在であり、並びに当該の歯科製品は、歯石防止製品及び/又は口臭を防止する為の口腔液剤及び/又は歯磨き剤及び/又は歯ブラシである、又は
該歯科的目標は息を改善することであり、該歯科器官は舌であり、該歯科的属性は該歯科器官の色であり、並びに当該の歯科製品は、歯石防止製品若しくは口臭を防止する為の口腔液剤及び/又は歯磨き剤及び/又は歯ブラシである、又は
該歯科的目標は息を改善することであり、該歯科器官は口であり、該歯科的属性は、該口の中の唾液の量であり、並びに当該の歯科製品は、歯石防止製品若しくは口臭を防止する為の口腔液剤及び/又は歯磨き剤及び/又は歯ブラシである、又は
該歯科的目標は白っぽい沈着物を減らすことであり、該歯科器官は口であり、該歯科的属性は唾液の量であり、並びに当該の歯科製品は口腔液剤、特に人工唾液、である、又は
該歯科的目標は笑顔の全体的な見た目を改善することであり、該歯科器官は一方若しくは両方の唇であり、該歯科的属性は該唇の形状及び/又は厚み及び/又は色であり、並びに当該の歯科製品は該唇を再構成する為の製品である、又は
該歯科的目標は笑顔の全体的な見た目を改善することであり、該歯科器官は口周囲領域であり、該歯科的属性は、口元の皺の形状及び/又は厚み及び/又は色、及び/又はほうれい線の厚み及び/又は色、及び/又は日焼けによる皺の厚み及び/又は色であり、並びに当該の歯科製品は、皺低減製品である。
【0152】
本発明の代替実施態様において、本発明に従う方法は、歯科製品ではなく、歯科矯正処置又はダイエット又は歯科矯正器具又は機能装置を選択する為に使用されることができる。
【0153】
この代替実施態様の様々な実施態様に従い:
該歯科的目標は息を改善することであり、該歯科器官は歯であり、該歯科的属性は歯石の存在及び/又は歯垢の存在、及び/又は食べかすの存在であり、工程c)で、当該の歯科製品の代わりに若しくはそれに加えて、適切なダイエットが選択され、次いで工程d)で、該適切なダイエットが提示される、又は
該歯科的目標は、歯の並びを矯正する/改善することであり、該歯科器官は、1つ若しくは2つの歯弓であり、該歯科的属性は、うっ血指標及び/又は咬合クラス、及び/又は縦方向オーバーハング値、及び/又は横方向オーバーハング値であり、工程c)で、当該の歯科製品の代わりに又はそれに加えて、適切なタイプの歯科矯正処置及び/又は適切な歯科矯正処置の継続期間が選択され、次いで工程d)で、該適切なタイプの歯科矯正処置及び/又は該適切な歯科矯正処置の継続期間が提示される、又は
該歯科的目標はいびきを減らすことであり、該歯科器官は舌であり、該歯科的属性は該舌の位置であり、工程c)で、当該の歯科製品の代わりに又はそれに加えて、適切な機能装置が選択され、次いで工程d)で、該適切な機能装置が提示される、又は
当該の歯科製品が機能装置である、又は
該歯科的目標は睡眠時無呼吸を低減することであり、該歯科器官は舌であり、該歯科的属性は該舌の位置であり、工程c)で、当該の歯科製品の代わりに又はそれに加えて、適切な機能装置が選択され、次いで工程d)で、該適切な機能装置が提示される。
【0154】
本発明の応用例
対象消費者が、携帯電話で更新された像を獲得する。該更新された像は、該携帯電話であることができる、処理コンピュータによって解析される。該解析は、少なくとも1つの歯科的属性値が決定されることを可能にし、好ましくは、該解析は、1つの歯科的属性に対して複数の値が決定されることを可能にし、好ましくは、該解析は、複数の歯科的属性に対して複数の値が決定されることを可能にする。
【0155】
例えば、該解析は、以下の値のうち1以上を決定することができる:
該更新された像上に描写されている1本以上の歯の色合い値;
該更新された像上に描写されている1本以上の歯の歯垢の量及び/又は色の値;
該更新された像上に描写されている1本以上の歯肉の色及び/又は大きさ値;
該更新された像上に描写されている1本以上の歯の歯石及び/又は食べかすの存在の値;
該更新された像上に描写されている口の内部の唾液の量の値;
該更新された像上に描写されている舌の色値;
該更新された像上に描写されている一方又は両方の唇の形状及び/又は厚み及び/又は色値;
該更新された像上に描写されている口周囲領域の形状及び/又は外観及び/又は厚み及び/又は色値;
該更新された像上に描写されている舌の位置付け値。
【0156】
これらの該値は、定量的又は定性的であることができる。
【0157】
値は、
ブール;
ベクトル;
数又は数字;
であり、
例えば分類の完了時に決定される、予め決められた値の1組の中から選択されることができる。
【0158】
該値は、従来の像処理アルゴリズムによって決定されることができる。例えば、セグメント化、分類方法によって、ニューラルネットワークを使用することによって、色、輪郭、テクスチャを解析することによって、検出によって。
【0159】
該解析は、特には以下を含むことができる:
解析像上に描写されている様々な解析領域同士を区別する為に該解析像をセグメント化し、該解析領域は、歯、歯肉、舌、口の内部、唇、口周囲領域であることができ、次いで、
1以上の解析領域について、例えばニューラルネットワークを用いて、以下の1以上の歯科的属性の値を決定し:
歯については、歯垢の色合い、形状、及び量、歯垢の大きさ、歯垢の色、歯石の存在及び/又は食べかすの存在の値が、決定される歯科的属性の値であることができる;
歯肉については、色、形状、及び/又は大きさ値が、決定される歯科的属性の値であることができる;
舌については、色、特に白っぽい変色の存在、位置付け、及び/又は形状値が、決定される歯科的属性値であることができる;
口の内部については、唾液の存在、唾液の量、及び/又は食べかすの存在の値が、決定される歯科的属性の値であることができる;
唇については、色、形状及び/又は厚み値が、決定される歯科的属性の値であることができる;
口周囲領域については、口元の皺の形状、口元の皺の厚み、口元の皺の色、ほうれい線の厚み、ほうれい線の色、日焼けによる皺の厚み及び/又は日焼けによる皺の色の値が、決定される歯科的属性の値であることができる。
【0160】
該対象消費者はまた、該選択を容易にする為の追加情報を入力することができる。好ましくは、該対象消費者は、少なくとも1つの歯科的目標を追加情報として入力する。
【0161】
特に、該データベースは、該データベース中に含まれている歯科製品ごとに、該歯科製品が適切である歯科的属性値及び/又は該歯科製品が適切である追加情報を列挙するように構成される。
【0162】
よって、該更新された像を解析した時に決定される値と、任意の追加情報とに応じて、該処理コンピュータは、該対象消費者の該歯科的状況に関して1以上の当該の歯科製品を選択することができる。
【0163】
例えば、少なくとも1本の歯の色合いに対応する歯科的属性の値を決定することは、歯のホワイトニング製品が選択されることを可能にすることができる。好ましくは、少なくとも1つの歯科的目標が決定され、好ましくは、該少なくとも1つの歯科的目標は、該歯をホワイトニングすることである。
【0164】
特に、更新された像の解析に基づいて、歯の色合いに関係する値が決定されることができる。例えば該色合いが黄色っぽい場合、該処理コンピュータは、少なくとも1つの歯のホワイトニング製品を該データベースから選択することができる。代替的には、又は追加的に、当該の歯科製品は、歯磨き剤及び/又は歯ブラシであることができる。
【0165】
別の例は、歯の歯垢の量に対応する歯科的属性の値、及び/又は歯の歯垢の大きさに対応する歯科的属性の値、及び/又は歯の歯垢の色に対応する歯科的属性の値を決定することであることができる。該更新された像上に描写されている1本の歯又は歯の群の歯垢の該量が、該データベース内で予め決められている閾値を超える場合、歯石防止製品、及び/又は歯磨き剤及び/又は歯ブラシが、当該の歯科製品として選択されることができる。好ましくは、少なくとも1つの歯科的目標が決定され、好ましくは、該少なくとも1つの歯科的目標は、歯垢を減らすことである。
【0166】
別の例は、該舌の色に対応する歯科的属性の値を決定することであることができ、特に、該歯科的属性値は、該舌の上の白っぽい沈着物の存在に対応することができる。該更新された像の解析が、該舌の上の白っぽい沈着物の存在を決定した場合、当該の歯科製品は、歯石防止製品又は口臭を防止する為の口腔液剤であることができる。好ましくは、少なくとも1つの歯科的目標が決定され、好ましくは、該少なくとも1つの歯科的目標は、息を改善することである。該対象消費者によって入力される追加情報は、薬の消費であることができ、該入力された薬は、結果として、唾液の量の減少又は脱水状態を生じさせる。
【0167】
別の例は、該舌の位置付けに対応する歯科的属性の値を決定することであることができ、当該の歯科製品に加えて、又はその代わりに、睡眠時無呼吸又は該舌の位置付けの為の機能装置が選択されることができる。好ましくは、少なくとも1つの歯科的目標が決定され、好ましくは、該少なくとも1つの歯科的目標は、いびきを低減することである。代替的には、該少なくとも1つの歯科的目標は、睡眠時無呼吸を低減することである。歯の1以上の属性に対して複数の値を決定することは、複数の当該の歯科製品が選択されることを可能にすることができる。代替的には、単一の当該の歯科製品が選択されることができる。
【0168】
該1以上の選択された歯科製品は、該対象消費者に提示され、例えば該対象消費者の該携帯電話の該画面に表示される。
【0169】
該1以上の選択された歯科製品を表示した後、該消費者は、有利には、該1以上の当該の歯科製品のうち1以上を渡すことを決定することができる。
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2023-09-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象消費者の為の少なくとも1つの歯科製品を選択する方法であって、
a)獲得時点で、獲得デバイスを用いて、
該対象消費者の歯列弓を少なくとも部分的に描写する少なくとも1つの像(「更新された像」(Ia)と呼ばれる)
を獲得すること、
b)該更新された像を処理コンピュータによって解析して、該獲得時点での該対象消費者の歯科的状況に関する少なくとも1つの歯科的属性の値(V)を決定すること、
c)該値に応じて、
歯科製品のデータベースから少なくとも1つの歯科製品(「当該の歯科製品」(DP)と呼ばれる)を
該処理コンピュータによって選択すること、
d)該少なくとも1つの当該の歯科製品に関する応答を該対象消費者に提示すること、及び/又は
該少なくとも1つの当該の歯科製品を該対象消費者に渡すこと、
の工程を含み、
ここで、工程b)において、前記歯科的属性が、
該更新された像上に描写されている歯肉、舌、1つ又は2つの唇、口周囲領域、1本の歯又は複数の歯の群の外観パラメータ、
該更新された像上に描写されている歯肉、舌、1つ又は両方の唇、口周囲領域、1本の歯若しくは歯の群又は口の状態に関係するパラメータ、
該更新された像上に描写されている歯肉、舌、1つ又は両方の唇、口周囲領域、1本の歯又は歯の群の形状に関係するパラメータ
であり、
該少なくとも1つの当該の歯科製品は、歯磨き剤、歯ブラシ、デンタルフロス、チューイングガム、歯間ブラシ、ホワイトニングキット、歯肉ケア製品、口臭を防止する為の製品及び口腔液剤、口唇再構成製品、又は皺低減製品の中から選択される
前記方法。
【請求項2】
工程a)が、第1の追加情報を取得することを含み、及び工程c)において、前記選択が、前記値、及び該第1の追加情報に応じて実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
工程c)において、前記選択が、工程a)の前にデータベースに記憶される第2の追加情報に応じて更に実行される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
工程c)において、前記少なくとも1つの歯科製品に加えて、少なくとも1人のデンタルケア専門家(「当該のデンタルケア専門家」(DCP)と呼ばれる)がデンタルケア専門家のデータベースから選択され、及び工程d)が、前記少なくとも1つの関連する歯科用製品及び前記少なくとも1人の関連するデンタルケア専門家に関する応答を対象消費者に提示すること、及び/又は、
該少なくとも1つの当該の歯科製品を該対象消費者に渡すこと、及び/又は、
該対象消費者を工程c)において選択されたデンタルケア専門家と接触させること
を含む、
請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
工程a)、少なくとも部分的に該獲得デバイス内にロードされた専用アプリケーションによって実施され、
該獲得デバイスは、
携帯電話、又は
ミラー、カメラ又は撮像デバイス、及び獲得コンピュータを備えたデバイスである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
工程a)の前に、該専用アプリケーションが該携帯電話内にダウンロードされる工程を含み、ここで、該ダウンロードは、歯科製品上に及び/又は歯科製品が配置されている通路内に配置されたパネル上に印刷されたコードを読み取ることによってトリガされる、又は、
工程a)において、該ミラーの前の該対象消費者を検出すること、及び、該対象消費者が該ミラーの前で検出されたときに該更新された像を獲得することを含む、
請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
工程a)において、該専用アプリケーションがプレビュー像の内容を解析し、そして、該解析の結果に応じて該対象消費者の位置付けを案内する、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
該第1及び/又は第2の追加情報が、
工程c)における選択の為に課されるべき制約又は選好を定める追加情報、及び/又は
工程c)における該提示の為に及び/又は該渡すこと及び/又は該接触の為に課されるべき制約又は選好を定める追加情報、及び/又は
該対象消費者によって達成されるべき歯科的目標を定める追加情報;及び/又は
該対象消費者に関係する追加情報
を含む、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
制約を定める該追加情報が、
上限価格、ここで、歯科製品の価格は、該歯科製品が工程c)において選択されることができるように、該上限価格未満でなければならない、
該歯科製品が消耗品を含む場合、該消耗品の量の範囲、ここで、該歯科製品が工程c)において選択されることができるように、該歯科製品の消耗品の量は上記範囲内でなければならない;
歯科製品が工程c)において選択されることができるように、該歯科製品を渡す又は提供する為の上限期間;
歯科製品が工程c)において選択されることができるように、該歯科製品が含んではならない又は含まなければならない1以上の成分のリスト;
歯科製品が工程c)において選択されることができるように、該歯科製品が含んではならない又は含まなければならない1以上の技術的特徴のリスト;
歯科製品が工程c)において選択されることができるように、該歯科製品が製造されなければならない又は製造されてはならないところの製造国のリスト;
歯科製品が工程c)において選択されることができるように、該歯科製品が製造されなければならない又は製造されてはならないところの製造者のリスト;
歯科製品が工程c)において選択されることができるように、該歯科製品のブランドを含まなければならないブランドのリスト;
上限価格、ここで、デンタルケア専門家によるサービスの価格は、該デンタルケア専門家が工程c)において選択されることができるように、該上限価格未満でなければならない;
該デンタルケア専門家が工程c)において選択されることができるように、該デンタルケア専門家との予約を取る為の上限期間;
デンタルケア専門家が工程c)において選択されることができるように、該デンタルケア専門家が使用できなければならない1以上の備品のリスト;
デンタルケア専門家が工程c)において選択されることができるように、該デンタルケア専門家が所持していなければならない1以上の免許状又は資格のリスト;
デンタルケア専門家が工程c)において選択されることができるように、該デンタルケア専門家が堪能でなければならない1以上の言語のリスト;
工程d)で該応答を提示する為の基準;
工程d)で該1以上の当該の歯科製品を渡す為の基準;
工程d)で該当該のデンタルケア専門家に接触する為の基準
を特定し、及び/又は
該歯科的目標は、歯のホワイトニング、歯垢を減少させること、歯石を減らすこと、軟組織の炎症を減らすこと、息を改善すること、歯の並びを矯正する/改善すること、笑顔の全体的な見た目を改善すること、いびき及び/又は睡眠時無呼吸を低減すること、及び/又は唇の形を改善すること、及び/又は口周囲領域の見た目を改善することの目標の中から選択され、及び/又は
該対象消費者に関係する該追加情報は、
該対象消費者の年齢、及び/又は
該対象消費者の性別、及び/又は
該対象消費者がすでに診察を受けている若しくは定期的に診察を受けている1人以上のデンタルケア専門家、及び/又は
該対象消費者が歯科矯正器具を装着しているか否か、及び/又は
該対象消費者が或る病状を起こしやすいか及び/又は
該対象消費者が特定の歯科矯正処置を受けたか、若しくは受けているか、若しくは受けることを検討しているかどうか、及び/又は
該対象消費者が、歯科的目標を達成する為に現在歯科処置を受けている場合に、及び/又は該歯科処置との関連で以前にすでに該方法を使用したことがある場合に、該歯科処置に関する詳細事項、及び/又は、
該対象消費者が、自身の笑顔、自身の息、又は現在の自身の歯科的状況に満足しているか否か、及び/又は、
該対象消費者が、痛み、及び/又は知覚された痛みの強さ、及び/又は知覚された痛みの場所を経験しているか否か、及び/又は、
該対象消費者の1本以上の歯が熱さ及び/又は冷たさとの接触に敏感であるか否か
を特定する、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
工程a)において、該獲得された第1の追加情報は該データベース(DB_Consumers)中に記憶され、及び/又は該第2の追加情報は、該獲得デバイスの1以上の異なる追加的な情報源によって提供される、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
工程b)において、
セグメント化ニューラルネットワークを用いてセグメント化を行って、該更新された像上の少なくとも1つの歯科器官の描写を取り出すこと、
該歯科器官のうちの1つの描写が入力として提示されるのに応答して該歯科的属性の値を出力として提供するように訓練されたバロリゼーションニューラルネットワークへの入力として、該描写を与えることによって、該歯科的属性の該値を決定すること
の工程が実施される、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
該歯科的目標が歯をホワイトニングすることであり、該歯科器官は歯であり、該歯科的属性は該歯科器官の色合い、例えば白さ、であり、並びに当該の歯科製品は、歯のホワイトニング製品である;又は
該歯科的目標は歯垢を減らすことであり、該歯科器官は歯であり、該歯科的属性は歯垢の量及び/又は大きさ及び/又は色であり、並びに当該の歯科製品は、歯石防止製品及び/又は歯磨き剤及び/又は歯ブラシである、又は
該歯科的目標は軟組織の炎症を減らすことであり、該歯科器官は歯肉であり、該歯科的属性は炎症領域の色及び/又は大きさであり、並びに当該の歯科製品は歯肉炎防止製品である、又は
該歯科的目標は息を改善することであり、該歯科器官は歯であり、該歯科的属性は歯石の存在及び/又は歯垢の存在、及び/又は食べかすの存在であり、並びに当該の歯科製品は、歯石防止製品及び/又は口臭を防止する為の口腔液剤及び/又は歯磨き剤及び/又は歯ブラシである、又は
該歯科的目標は息を改善することであり、該歯科器官は舌であり、該歯科的属性は該歯科器官の色であり、並びに当該の歯科製品は、歯石防止製品若しくは口臭を防止する為の口腔液剤及び/又は歯磨き剤及び/又は歯ブラシである、又は
該歯科的目標は息を改善することであり、該歯科器官は口であり、該歯科的属性は、該口の中の唾液の量であり、並びに当該の歯科製品は、歯石防止製品若しくは口臭を防止する為の口腔液剤及び/又は歯磨き剤及び/又は歯ブラシである、又は
該歯科的目標は白っぽい沈着物を減らすことであり、該歯科器官は口であり、該歯科的属性は唾液の量であり、並びに当該の歯科製品は人工唾液である、又は
該歯科的目標は笑顔の全体的な見た目を改善することであり、該歯科器官は一方若しくは両方の唇であり、該歯科的属性は該唇の形状及び/又は厚み及び/又は色であり、並びに当該の歯科製品は該唇を再構成する為の製品である、又は
該歯科的目標は笑顔の全体的な見た目を改善することであり、該歯科器官は口周囲領域であり、該歯科的属性は、口元の皺の形状及び/又は厚み及び/又は色、及び/又はほうれい線の厚み及び/又は色、及び/又は日焼けによる皺の厚み及び/又は色であり、並びに当該の歯科製品は、皺低減製品である、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
工程c)において、ルールの1組が、工程b)において決定された該値対して適用され、ここで、該ルールの1組は、
工程b)において決定された該値応じて、歯科製品の該データベースから歯科製品を保持する為に、及び/又はデンタルケア専門家の該データベースからデンタルケア専門家を保持する為に、好適なフィルタリングルール、並びに
工程b)において決定された該値応じて、歯科製品の該データベースの該歯科製品に及び/又はデンタルケア専門家の該データベースの該デンタルケア専門家に重みを与える為に好適な重み付けルール
の中から選択される少なくとも1つのルールを含む、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
該ルールは、
工程b)において決定された該値、及び/又は
該対象消費者の制約及び/又は歯科的目標及び/又は選好及び/又は要件、及び/又は該対象消費者の固有の特徴及び/又は工程a)よりも前のイベントの特徴、及び/又は複数の歯科製品及び/又は複数のデンタルケア専門家、及び/又は該対象消費者から独立したデータ
に関与する、請求項1~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
工程c)において、選択ニューラルネットワークの入力時に導入される、工程b)において決定された該値応じて、1以上の当該の歯科製品出力として提供する為に、該選択ニューラルネットワークが実装される、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
工程c)において、前記少なくとも1つの歯科製品に加えて、少なくとも1人のデンタルケア専門家(「当該のデンタルケア専門家」(DCP)と呼ばれる)がデンタルケア専門家のデータベースから選択され、及び工程d)において、工程c)において決定された該値に応じて該対象消費者とデンタルケア専門家とが接触させられる、請求項1~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
歯科製品の該データベースは、該歯科的状況を改善することを専ら意図されるのでない歯科製品についての記録を更に含む、請求項1~16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
工程a)における獲得、及び/又は工程d)における提示、該対象消費者の自宅で、又は該歯科製品が販売の為に提供される若しくは歯のホワイトニングが行われることができるところの店舗若しくは薬局で行われることができる、請求項1~17のいずれか1項に記載の方法。
【国際調査報告】