(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-18
(54)【発明の名称】電池、電力消費装置、電池の製造方法及び製造機器
(51)【国際特許分類】
H01M 50/505 20210101AFI20231011BHJP
H01M 50/284 20210101ALI20231011BHJP
H01M 50/519 20210101ALI20231011BHJP
H01M 50/296 20210101ALI20231011BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20231011BHJP
【FI】
H01M50/505
H01M50/284
H01M50/519
H01M50/296
H01M10/48 301
H01M10/48 P
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023516217
(86)(22)【出願日】2021-08-06
(85)【翻訳文提出日】2023-03-10
(86)【国際出願番号】 CN2021111129
(87)【国際公開番号】W WO2023010510
(87)【国際公開日】2023-02-09
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522010668
【氏名又は名称】ジアンス・コンテンポラリー・アンプレックス・テクノロジー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100159329
【氏名又は名称】三縄 隆
(72)【発明者】
【氏名】黄 ▲愛▼芳
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 其▲鋒▼
【テーマコード(参考)】
5H030
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H030AA10
5H030AS08
5H030FF22
5H030FF43
5H030FF44
5H040AA03
5H040AS07
5H040DD03
5H040DD08
5H040DD26
5H043AA01
(57)【要約】
本出願は、電池、電力消費装置、電池の製造方法及び製造機器に関し、電池製造技術分野に属する。本出願は電池を提供し、該電池は、電池セルと、電池セルの電圧又は温度を収集するためのサンプリング端子と、電池セルと電気的に接続するためのバスバー部品であって、サンプリング端子をバスバー部品に接続するように第1の方向に沿って挿入するために用いられるように構成され、且つサンプリング端子をバスバー部品から脱離するように第1の方向と交差する第2の方向に沿って抜き出すことを許容するように構成される挿着構造を含むバスバー部品とを含む。サンプリング端子の挿入方向と抜き出し方向が異なるため、バスバー部品の抜き出し方向に沿う一方側の空間を利用してサンプリング端子を取り外すことが許容され、それによってサンプリング端子の取り外しと交換を容易にする。本出願は、上記電池を含む電力消費装置をさらに提供する。本出願は、上記電池を製造するための電池の製造方法及び製造機器をさらに提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池であって、
電池セルと、
前記電池セルの電圧又は温度を収集するためのサンプリング端子と、
前記電池セルと電気的に接続するためのバスバー部品であって、前記サンプリング端子を前記バスバー部品に接続するように第1の方向に沿って挿入するために用いられるように構成され、且つ前記サンプリング端子を前記バスバー部品から脱離するように前記第1の方向と交差する第2の方向に沿って抜き出すことを許容するように構成される挿着構造を含むバスバー部品と、
を含む、電池。
【請求項2】
前記バスバー部品は、本体をさらに含み、前記本体は、前記電池セルから離反する第1の表面を含み、前記挿着構造は、前記第1の表面に設けられる第1の突起と第2の突起を含み、前記第1の突起と前記第2の突起は、第3の方向に沿って間隔を置いて設置され、前記第3の方向は、前記第1の方向に垂直であり、且つ前記第2の方向と交差し、前記サンプリング端子は、前記第1の突起と前記第2の突起との間に挿入されるように構成される、請求項1に記載の電池。
【請求項3】
前記第1の突起は第1の規制部を有し、前記第2の突起は第2の規制部を有し、前記第1の規制部と前記第2の規制部は、前記サンプリング端子と当接して、前記サンプリング端子が前記第2の方向に沿って移動することを制限するためのものである、請求項2に記載の電池。
【請求項4】
前記第1の突起は、前記第1の方向に沿って間隔を置いて設置される二つの第1の当接部を有し、前記第2の突起は、前記第1の方向に沿って間隔を置いて設置される二つの第2の当接部を有し、前記二つの第1の当接部と前記二つの第2の当接部は、前記サンプリング端子と当接して、前記サンプリング端子が前記第3の方向に沿って移動することを制限するためのものである、請求項3に記載の電池。
【請求項5】
前記第1の突起は、第1の頂壁と二つの第1の側壁とを含み、前記二つの第1の側壁は、前記第1の方向に沿って対向して設置され、各前記第1の側壁の両端は、それぞれ前記本体と前記第1の頂壁に繋がり、前記第1の頂壁の少なくとも一部は前記第1の規制部に構成され、各前記第1の側壁の、前記第3の方向に沿って前記第2の突起に近接する側は、前記第1の当接部に構成され、
前記第2の突起は、第2の頂壁と二つの第2の側壁とを含み、前記二つの第2の側壁は、前記第1の方向に沿って対向して設置され、各前記第2の側壁の両端は、それぞれ前記本体と前記第2の頂壁に繋がり、前記第2の頂壁の少なくとも一部は前記第2の規制部に構成され、各前記第2の側壁の、前記第3の方向に沿って前記第1の突起に近接する側は、前記第2の当接部に構成される、請求項4に記載の電池。
【請求項6】
前記第1の突起は、第3の側壁をさらに含み、前記第3の側壁は、前記第1の突起の、前記第3の方向に沿って前記第2の突起から離れる側に位置し、前記第3の側壁は、それぞれ前記本体、前記第1の頂壁と前記二つの第1の側壁に繋がり、前記第1の頂壁、前記二つの第1の側壁と前記第3の側壁は囲んで第1の空洞を構成し、
前記第2の突起は、第4の側壁をさらに含み、前記第4の側壁は、前記第2の突起の、前記第3の方向に沿って前記第1の突起から離れる側に位置し、前記第4の側壁は、それぞれ前記本体、前記第2の頂壁と前記二つの第2の側壁に繋がり、前記第2の頂壁、前記二つの第2の側壁と前記第4の側壁は囲んで第2の空洞を構成する、請求項5に記載の電池。
【請求項7】
前記サンプリング端子は、前記第3の方向に沿って対向する第1の外側面と第2の外側面を含み、前記第1の外側面は、前記二つの前記第1の当接部と当接するように構成され、前記第2の外側面は、前記二つの第2の当接部と当接するように構成され、前記第1の外側面は、前記第1の突起に向かって隆起する弧面であり、前記第2の外側面は、前記第2の突起に向かって隆起する弧面である、請求項4~6のいずれか一項に記載の電池。
【請求項8】
前記本体には貫通孔が設けられており、前記第1の突起と前記第2の突起は前記貫通孔のエッジに設置される、請求項2~7のいずれか一項に記載の電池。
【請求項9】
前記サンプリング端子は、前記第1の突起と前記第2の突起との間に挿入され且つ前記第1の突起と前記第2の突起に押圧されるように構成される弾性サンプリング部を含む、請求項2~7のいずれか一項に記載の電池。
【請求項10】
前記弾性サンプリング部上には一対の挿脱孔が設けられており、前記一対の挿脱孔は、前記第3の方向に沿って間隔を置いて設置され、前記一対の挿脱孔は、工具を挿入して、前記弾性サンプリング部を前記第1の突起と前記第2の突起との間から前記第2の方向に沿って抜き出すためのものである、請求項9に記載の電池。
【請求項11】
前記弾性サンプリング部は、第1のアームと第2のアームとを含み、前記第1のアームの一端は前記第2のアームの一端に繋がり、前記第3の方向に沿って、前記第1のアームと前記第2のアームとの間に隙間があり、前記第1のアームは、前記第1の突起と当接するためのものであり、前記第2のアームは、前記第2の突起と当接するためのものである、請求項9又は10に記載の電池。
【請求項12】
前記第1のアームの他端と前記第2のアームの他端とが繋がり、前記第1のアームと前記第2のアームは囲んで前記隙間を構成する、請求項11に記載の電池。
【請求項13】
前記第1のアームの他端と前記第2のアームの他端は、前記隙間と連通する開口を形成するように離間して設置される、請求項11に記載の電池。
【請求項14】
前記第1のアーム上には、前記第1の突起と当接して、前記第1のアームが前記第1の方向に沿って移動することを制限するための第1のストッパー部が設けられており、及び/又は、
前記第2のアーム上には、前記第2の突起と当接して、前記第2のアームが前記第1の方向に沿って移動することを制限するための第2のストッパー部が設けられている、請求項11~13のいずれか一項に記載の電池。
【請求項15】
前記挿着構造は、前記第1の表面に設けられる第3の突起をさらに含み、前記第3の突起は、前記第1の突起、前記第2の突起といずれも離間して設置され、前記第1のアームと前記第2のアームは前記第3の突起をクランプするように構成される、請求項11~14のいずれか一項に記載の電池。
【請求項16】
前記第3の突起は、二つの第3の規制部を有し、二つの前記第3の規制部は、それぞれ前記第1のアーム及び前記第2のアームと当接して、前記第1のアームと前記第2のアームが前記第2の方向に沿って移動することを制限するためのものである、請求項15に記載の電池。
【請求項17】
前記電池は、前記サンプリング端子と電気的に接続するための回路基板をさらに含み、前記回路基板は、本体と接続部とを含み、前記接続部は一端が前記本体に繋がるカンチレバー構造であり、前記サンプリング端子は前記接続部に接続される、請求項1~16のいずれか一項に記載の電池。
【請求項18】
電力消費装置であって、請求項1~17のいずれか一項に記載の電池を含み、前記電池は、電気エネルギーを提供するためのものである、電力消費装置。
【請求項19】
電池の製造方法であって、
電池セルを提供することと、
電池セルの電圧又は温度を収集するためのサンプリング端子を提供することと、
前記電池セルと電気的に接続するためのバスバー部品を提供することであって、前記バスバー部品は、前記サンプリング端子を前記バスバー部品に接続するように第1の方向に沿って挿入するために用いられるように構成され、且つ前記サンプリング端子を前記バスバー部品から脱離するように前記第1の方向と交差する第2の方向に沿って抜き出すことを許容するように構成される挿着構造を含むことと、
前記サンプリング端子を前記挿着構造に挿入することと、
を含む、電池の製造方法。
【請求項20】
電池の製造機器であって、
電池セルを提供するための第1の提供装置と、
電池セルの電圧又は温度を収集するためのサンプリング端子を提供するための第2の提供装置と、
前記電池セルと電気的に接続するためのバスバー部品を提供するための第3の提供装置であって、前記バスバー部品は、前記サンプリング端子を前記バスバー部品に接続するように第1の方向に沿って挿入するために用いられるように構成され、且つ前記サンプリング端子を前記バスバー部品から脱離するように前記第1の方向と交差する第2の方向に沿って抜き出すことを許容するように構成される挿着構造を含む第3の提供装置と、
前記サンプリング端子を前記挿着構造に挿入するための取り付けモジュールと、
を含む、電池の製造機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、電池製造技術分野に関し、具体的には、電池、電力消費装置、電池の製造方法及び製造機器に関する。
【背景技術】
【0002】
電池の内部では、一般的には、バスバー部品で複数の電池セルの電極端子を接続し、それによって電池セルの間の電気的な接続を実現する。電池セルの作動状態を評価するために、一般的には、バスバー部品上に、電池セルの情報、例えば、電圧又は温度などを収集するためのサンプリング端子が接続される。電池を長時間使用した後、サンプリング端子が劣化又は破損する可能性があり、電池セルの情報を効果的に収集できなくなる。そのため、サンプリング端子が劣化又は破損した後、サンプリング端子を取り外し、且つ新たなサンプリング端子に交換する必要がある。
【0003】
しかしながら、サンプリング端子を取り外す時、電池がすでに組み立てられて成形されているため、サンプリング端子の取り外し過程が非常に困難である。
【発明の概要】
【0004】
そのため、本出願は、サンプリング端子の取り外しと交換が容易な電池、電力消費装置、電池の製造方法及び製造機器を提供する。
【0005】
本出願の第1の態様の実施例は、電池を提供し、該電池は、電池セルと、前記電池セルの電圧又は温度を収集するためのサンプリング端子と、前記電池セルと電気的に接続するためのバスバー部品であって、前記サンプリング端子を前記バスバー部品に接続するように第1の方向に沿って挿入するために用いられるように構成され、且つ前記サンプリング端子を前記バスバー部品から脱離するように前記第1の方向と交差する第2の方向に沿って抜き出すことを許容するように構成される挿着構造を含むバスバー部品とを含む。
【0006】
サンプリング端子の挿入方向と抜き出し方向が異なるため、バスバー部品の抜き出し方向に沿う一方側の空間を利用してサンプリング端子を取り外すことが許容され、それによってサンプリング端子の取り外しと交換を容易にする。
【0007】
本出願のいくつかの実施例によれば、前記バスバー部品は、本体をさらに含み、前記本体は、前記電池セルから離反する第1の表面を含み、前記挿着構造は、前記第1の表面に設けられる第1の突起と第2の突起を含み、前記第1の突起と前記第2の突起は、第3の方向に沿って間隔を置いて設置され、前記第3の方向は、前記第1の方向に垂直であり、且つ前記第2の方向と交差し、前記サンプリング端子は、前記第1の突起と前記第2の突起との間に挿入されるように構成される。
【0008】
第1の突起と第2の突起を使用して、サンプリング端子を共同で規制し、サンプリング端子を本体の第1の表面において第1の方向に沿って第1の突起と第2の突起との間に挿入させることができる。
【0009】
本出願のいくつかの実施例によれば、前記第1の突起は第1の規制部を有し、前記第2の突起は第2の規制部を有し、前記第1の規制部と前記第2の規制部は、前記サンプリング端子と当接して、前記サンプリング端子が前記第2の方向に沿って移動することを制限するためのものである。
【0010】
第1の規制部と第2の規制部がサンプリング端子と当接することによって、サンプリング端子がサンプリング状態で第2の方向に沿って挿着構造から脱離しないようにすることができる。
【0011】
本出願のいくつかの実施例によれば、前記第1の突起は、前記第1の方向に沿って間隔を置いて設置される二つの第1の当接部を有し、前記第2の突起は、前記第1の方向に沿って間隔を置いて設置される二つの第2の当接部を有し、前記二つの第1の当接部と前記二つの第2の当接部は、前記サンプリング端子と当接して、前記サンプリング端子が前記第3の方向に沿って移動することを制限するためのものである。
【0012】
二つの第1の当接部と二つの第2の当接部が共同でサンプリング端子に当接することによって、サンプリング端子が第3の方向で変位しないように、サンプリング端子を係止することができる。
【0013】
本出願のいくつかの実施例によれば、前記第1の突起は、第1の頂壁と二つの第1の側壁とを含み、前記二つの第1の側壁は、前記第1の方向に沿って対向して設置され、各前記第1の側壁の両端は、それぞれ前記本体と前記第1の頂壁に繋がり、前記第1の頂壁の少なくとも一部は前記第1の規制部に構成され、各前記第1の側壁の、前記第3の方向に沿って前記第2の突起に近接する側は、前記第1の当接部に構成され、前記第2の突起は、第2の頂壁と二つの第2の側壁とを含み、前記二つの第2の側壁は、前記第1の方向に沿って対向して設置され、各前記第2の側壁の両端は、それぞれ前記本体と前記第2の頂壁に繋がり、前記第2の頂壁の少なくとも一部は前記第2の規制部に構成され、各前記第2の側壁の、前記第3の方向に沿って前記第1の突起に近接する側は、前記第2の当接部に構成される。
【0014】
第1の突起と第2の突起はそれぞれ本体に形成される凸包構造であり、各凸包構造の両側にそれぞれ一つの開口があり、対応する規制部と当接部を形成できるだけでなく、加工成形が容易である。
【0015】
本出願のいくつかの実施例によれば、前記第1の突起は、第3の側壁をさらに含み、前記第3の側壁は、前記第1の突起の、前記第3の方向に沿って前記第2の突起から離れる側に位置し、前記第3の側壁は、それぞれ前記本体、前記第1の頂壁と前記二つの第1の側壁に繋がり、前記第1の頂壁、前記二つの第1の側壁と前記第3の側壁は囲んで第1の空洞を構成し、前記第2の突起は、第4の側壁をさらに含み、前記第4の側壁は、前記第2の突起の、前記第3の方向に沿って前記第1の突起から離れる側に位置し、前記第4の側壁は、それぞれ前記本体、前記第2の頂壁と前記二つの第2の側壁に繋がり、前記第2の頂壁、前記二つの第2の側壁と前記第4の側壁は囲んで第2の空洞を構成する。
【0016】
第1の突起と第2の突起はそれぞれ本体に形成される凸包構造であり、各凸包構造の片側に開口があり、対応する規制部と当接部を形成することができるだけではなく、加工成形も容易である。
【0017】
本出願のいくつかの実施例によれば、前記サンプリング端子は、前記第3の方向に沿って対向する第1の外側面と第2の外側面を含み、前記第1の外側面は、前記二つの前記第1の当接部と当接するように構成され、前記第2の外側面は、前記二つの第2の当接部と当接するように構成され、前記第1の外側面は、前記第1の突起に向かって隆起する弧面であり、前記第2の外側面は、前記第2の突起に向かって隆起する弧面である。
【0018】
サンプリング端子の第1の外側面と第2の外側面は互いに離れている一対の弧面であり、第1の外側面は二つの第1の当接部と当接し、第2の外側面は二つの第2の当接部と当接し、サンプリング端子の構造を簡略化することができ、さらにサンプリング端子が第3の方向と第1の方向に沿っていずれも挿着構造に固定されるように制限することができる。
【0019】
本出願のいくつかの実施例によれば、前記本体には貫通孔が設けられており、前記第1の突起と前記第2の突起は前記貫通孔のエッジに設置される。
【0020】
第1の突起と第2の突起との間には、第1の突起と第2の突起を成形するための貫通孔が設置されている。
【0021】
本出願のいくつかの実施例によれば、前記サンプリング端子は、前記第1の突起と前記第2の突起との間に挿入され且つ前記第1の突起と前記第2の突起に押圧されるように構成される弾性サンプリング部を含む。
【0022】
サンプリング端子は、弾性サンプリング部が第1の突起と第2の突起との間に挿入されることによって、バスバー部品に対して情報サンプリングを行う。
【0023】
本出願のいくつかの実施例によれば、前記弾性サンプリング部上には一対の挿脱孔が設けられており、前記一対の挿脱孔は、前記第3の方向に沿って間隔を置いて設置され、前記一対の挿脱孔は、工具を挿入して、前記弾性サンプリング部を前記第1の突起と前記第2の突起との間から前記第2の方向に沿って抜き出すためのものである。
【0024】
弾性サンプリング部上に一対の挿脱孔を設置することによって、工具を挿入して、弾性サンプリング部を第3の方向で変形させて第1の突起と第2の突起から抜き出すことができる。
【0025】
本出願のいくつかの実施例によれば、前記弾性サンプリング部は、第1のアームと第2のアームとを含み、前記第1のアームの一端は前記第2のアームの一端に繋がり、前記第3の方向に沿って、前記第1のアームと前記第2のアームとの間に隙間があり、前記第1のアームは、前記第1の突起と当接するためのものであり、前記第2のアームは、前記第2の突起と当接するためのものである。
【0026】
弾性サンプリング部は、第1のアーム及び第2のアームを介して第1の突起及び第2の突起と当接し、第1のアームと第2のアームとの間の隙間によってその第3の方向での外寸が小さくなることを許容し、構造がシンプルであり、実現しやすい。
【0027】
本出願のいくつかの実施例によれば、前記第1のアームの他端と前記第2のアームの他端とが繋がり、前記第1のアームと前記第2のアームは囲んで前記隙間を構成する。
【0028】
弾性サンプリング部は、閉じたリング状を呈し、リング状の弾性サンプリング部の自体の弾性復元力を利用して第1の突起と第2の突起との間に係合して、第1の方向と第3の方向で挿着構造に固定することができ、構造がシンプルであり、且つ長時間使用された後に依然として良い弾性を維持することができる。
【0029】
本出願のいくつかの実施例によれば、前記第1のアームの他端と前記第2のアームの他端は、前記隙間と連通する開口を形成するように離間して設置される。
【0030】
弾性サンプリング部の第1のアームと第2のアームとの間に開口が形成され、開口は隙間と連通し、第1のアームと第2のアームが第3の方向で変形する場合、開口は、第3の方向で小さくなって、第1のアームと第2のアームの第3の方向での外寸が小さくなる程度を大きくすることができ、さらに他の突起を開口から第1のアームと第2のアームとの間に挿入して、第1のアームと第2のアームを第1の突起と第2の突起と確実に当接させることができる。
【0031】
本出願のいくつかの実施例によれば、前記第1のアーム上には、前記第1の突起と当接して、前記第1のアームが前記第1の方向に沿って移動することを制限するための第1のストッパー部が設けられており、及び/又は、
前記第2のアーム上には、前記第2の突起と当接して、前記第2のアームが前記第1の方向に沿って移動することを制限するための第2のストッパー部が設けられている。
【0032】
第1のストッパー部と第2のストッパー部によって、サンプリング端子が第1の方向に沿って挿着構造に挿入される位置を制限し、サンプリング端子が第1の方向に沿って過度に挿入されて挿着構造と分離することを防止することができる。
【0033】
本出願のいくつかの実施例によれば、前記挿着構造は、前記第1の表面に設けられる第3の突起をさらに含み、前記第3の突起は、前記第1の突起、前記第2の突起といずれも離間して設置され、前記第1のアームと前記第2のアームは前記第3の突起をクランプするように構成される。
【0034】
第3の突起が第1のアームと第2のアームとの間に当接することによって、第1のアームを第1の突起と確実に当接させ、第2のアームを第2の突起と確実に当接させて、サンプリングの確実性を向上させることができる。
【0035】
本出願のいくつかの実施例によれば、前記第3の突起は、二つの第3の規制部を有し、二つの前記第3の規制部は、それぞれ前記第1のアーム及び前記第2のアームと当接して、前記第1のアームと前記第2のアームが前記第2の方向に沿って移動することを制限するためのものである。
【0036】
二つの第3の規制部がそれぞれ第1のアーム及び第2のアームと当接することによって、サンプリング端子がサンプリング状態で第2の方向に沿って挿着構造から脱離しないようにすることができる。
【0037】
本出願のいくつかの実施例によれば、前記電池は、前記サンプリング端子と電気的に接続するための回路基板をさらに含み、前記回路基板は、本体と接続部とを含み、前記接続部は一端が前記本体に繋がるカンチレバー構造であり、前記サンプリング端子は前記接続部に接続される。
【0038】
サンプリング端子がカンチレバー構造を介して回路基板の本体に接続されることにより、サンプリング端子の回路基板に対する相対的な移動を許容し、第2の方向に沿ってサンプリング端子を抜き出す時に回路基板の本体に損傷を与えることを回避することができる。
【0039】
本出願の第2の態様の実施例は、電力消費装置を提供し、該電力消費装置は、本出願の第1の態様の実施例の電池を含み、前記電池は、電気エネルギーを提供するためのものである。
【0040】
本出願の第3の態様の実施例は、電池の製造方法を提供し、該方法は、
電池セルを提供することと、
電池セルの電圧又は温度を収集するためのサンプリング端子を提供することと、
前記電池セルと電気的に接続するためのバスバー部品を提供することであって、前記バスバー部品は、前記サンプリング端子を前記バスバー部品に接続するように第1の方向に沿って挿入するために用いられるように構成され、且つ前記サンプリング端子を前記バスバー部品から脱離するように前記第1の方向と交差する第2の方向に沿って抜き出すことを許容するように構成される挿着構造を含むことと、
前記サンプリング端子を前記挿着構造に挿入することとを含む。
【0041】
本出願の第4の態様の実施例は、電池の製造機器を提供し、該機器は、
電池セルを提供するための第1の提供装置と、
電池セルの電圧又は温度を収集するためのサンプリング端子を提供するための第2の提供装置と、
前記電池セルと電気的に接続するためのバスバー部品を提供するための第3の提供装置であって、前記バスバー部品は、前記サンプリング端子を前記バスバー部品に接続するように第1の方向に沿って挿入するために用いられるように構成され、且つ前記サンプリング端子を前記バスバー部品から脱離するように前記第1の方向と交差する第2の方向に沿って抜き出すことを許容するように構成される挿着構造を含む第3の提供装置と、
前記サンプリング端子を前記挿着構造に挿入するための取り付けモジュールとを含む。
【0042】
本出願の付加的な態様と利点は、一部は以下の説明に記載され、一部は以下の説明から明らかになり、又は本出願を実施することにより理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
本出願の実施例の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下では、実施例で使用する必要がある図面を簡単に説明するが、理解すべきこととして、以下の図面は、本出願のいくつかの実施例を示すことに過ぎず、範囲に対する限定と見なされるべきではなく、当業者にとっては、創造的な労力を支払うことなく、図面に基づいて他の関連する図面を入手することができる。
【
図1】本出願の一実施例における車両の簡単な概略図である。
【
図2】
図1における車両の電池の構造概略図である。
【
図4】
図3におけるB-B断面図(一形態のサンプリング端子を示す)である。
【
図7】別の形式のバスバー部品の構造概略図である。
【
図8】本出願のいくつかの実施例における一形態のサンプリング端子の構造概略図である。
【
図9】本出願のいくつかの実施例における別の形態のサンプリング端子の構造概略図である。
【
図10】本出願のいくつかの実施例における第3種の形態のサンプリング端子の構造概略図である。
【
図11】
図10におけるサンプリング端子と嵌合される一形態のバスバー部品の構造概略図である。
【
図12】
図10に示されるサンプリング端子と
図11に示されるバスバー部品とが嵌合される概略図である。
【
図13】
図10に示されるサンプリング端子と嵌合される別の形式のバスバー部品の構造概略図である。
【
図14】
図10におけるサンプリング端子と
図13におけるバスバー部品と嵌合される概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
本出願の実施例の目的、技術案、及び利点をより明確にするために、以下、本出願の実施例の図面を結び付けながら、本出願の実施例における技術案を明確に説明する。説明される実施例は、本出願の実施例の一部に過ぎず、すべての実施例ではないことは明らかである。本出願における実施例に基づき、当業者が創造的な労力を払わない前提で得られたすべての他の実施例は、いずれも本出願の保護範囲に属する。
【0045】
特に定義されない限り、本出願で使用される全ての科学技術用語は、当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本出願において、出願の明細書で使用される用語は、具体的な実施例を説明するためにのみ用いられ、本出願を制限することを意図するものではない。本出願の明細書と特許請求の範囲及び上記図面の説明における「含む」、「有する」という用語及びそれらの任意の変形は、非排他的な「含む」を意図的にカバーするものである。本出願の明細書と特許請求の範囲又は上記の図面における用語である「第1の」、「第2の」などは、異なる対象を区別するためのものであり、特定の順序又は主副関係を説明するためのものではない。
【0046】
本出願において「実施例」と言及する場合、実施例と合わせて説明された特定の特徴、構造又は特性が本出願の少なくとも1つの実施例に含まれてもよいことを意味する。明細書における各箇所に記載された該語句は、必ずしも全てが同じ実施例を指すものではなく、他の実施例と相互排他する独立した又は代替的な実施例でもない。当業者は、本出願に説明された実施例が他の実施例と組み合わされてもよいことを明示的かつ暗示的に理解できる。
【0047】
本出願の記述において、さらに説明すべきこととして、特に明記し、限定する場合を除き、「取り付け」、「繋がり」、「接続」、「付設」という用語は、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続であってもよく、取り外し可能な接続、又は一体的な接続であってもよく、直接に接続してもよく、中間媒体を介して間接に接続してもよく、2つの素子の内部を連通させてもよい。当業者は、具体的な状況に応じて、上記用語の本出願における具体的な意味を理解することができる。
【0048】
本出願における「複数」とは、二つ以上(二つを含む)のことを言う。
【0049】
本出願において、電池セルは、リチウムイオン二次電池、リチウムイオン一次電池、リチウム硫黄電池、ナトリウムリチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池又はマグネシウムイオン電池などを含んでもよいが、本出願の実施例では、それを限定しない。電池セルは、円柱体、扁平体、長方体、又はその他の形状などを有してもよく、本出願の実施例ではこれについても限定しない。電池セルは、パッケージングの形態によって、一般的には、円柱電池セル、四角形電池セルとパウチ電池セルの3つの種類に分けられる。
【0050】
本出願の実施例で言及した電池は、より高い電圧と容量を提供するために1つ又は複数の電池セルを含む単一の物理的モジュールを指す。例えば、本出願に言及される電池には、電池モジュール又は電池パックなどが含まれてもよい。電池は、一般的には、一つ又は複数の電池セルをパッケージングするための筐体を含み、筐体は、液体又は他の異物が電池セルの充電又は放電に影響を及ぼすことを回避することができる。
【0051】
電池セルは電極アセンブリと電解液とを含み、電極アセンブリは正極板、負極板とセパレータによって構成される。電池セルは、主に金属イオンが正極板と負極板との間で移動することにより動作する。正極板は、正極集電体と正極活物質層とを含み、正極活物質層は、正極集電体の表面に塗布されており、正極活物質層が塗布されていない正極集電体は、正極活物質層が塗布された正極集電体から突出しており、正極活物質層が塗布されていない正極集電体は、正極タブとされる。リチウムイオン電池を例にして、正極集電体の材料はアルミニウムであってもよく、正極活物質は、コバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム、三元リチウム又はマンガン酸リチウムなどであってもよい。負極板は、負極集電体と負極活物質層とを含み、負極活物質層は、負極集電体の表面に塗布されており、負極活物質層が塗布されていない負極集電体は、負極活物質層が塗布された負極集電体から突出しており、負極活物質層が塗布されていない負極集電体は、負極タブとされる。負極集電体の材料は銅であってもよく、負極活物質は、炭素又はシリコンなどであってもよい。大電流を流しても溶断が生じないように、正極タブの数は複数で積層されており、負極タブの数は複数で積層されている。セパレータの材質は、PP(polypropylene、ポリプロピレン)又はPE(polyethylene、ポリエチレン)などであってもよい。また、電極アセンブリは、捲回型構造であってもよいし、積層型構造であってもよく、本出願の実施例はこれに限定されるものではない。
【0052】
電池セルは集電部品をさらに含み、集電部品は、電池セルのタブと電極端子を電気的に接続して、電気エネルギーを電極アセンブリから電極端子に伝送し、電極端子を介して電池セルの外部に伝送するためのものであり、複数の電池セルの間はバスバー部品を介して電気的な接続を実現し、それによって複数の電池セルの直列接続、並列接続又は直並列接続を実現する。
【0053】
電池は、サンプリング端子と電池管理システムとをさらに含み、サンプリング端子は、バスバー部品に接続され、電池セルの情報、例えば、電圧又は温度などを収集するためのものである。サンプリング端子は、収集した電池セルの情報を電池管理システムに伝達し、電池管理システムは、電池セルの情報が正常な範囲を超えると検出する場合、電池の出力パワーを制限して安全防護を実現する。
【0054】
関連技術において、サンプリング端子は、一般的には、バスバー部品の表面に沿ってバスバー部品に挿入され、抜き出し方向が挿入方向に平行し且つそれと逆であり、つまり、サンプリング端子の挿入経路と抜き出し経路が同じである。電池を長時間使用した後、サンプリング端子が劣化又は破損する可能性があり、電池セルの情報を効果的に収集できなくなる。そのため、サンプリング端子が劣化又は破損した後、取り外し工具によってサンプリング端子を取り外し、且つ新なサンプリング端子に交換する必要がある。電池の組み立てが完了した後、構造がコンパクトであり、利用可能な空間が限られ、特にサンプリング端子の後方に回路基板が接続されており、回路基板がすでに他の部品によって固定されたため、サンプリング端子の元の挿入経路がすでに失効し、サンプリング端子を元の挿入経路に沿って抜き出して交換することができなくなる。サンプリング端子を元の経路で力を加えて強引に抜き出すと、サンプリング端子の後方に接続される回路基板が破損するおそれがある。
【0055】
本発明者が検討したところ、従来の電池構造において、バスバー部品が電池セルの電極端子に接続され、バスバー部品の電池セルから離れる側に十分な空間があり、サンプリング端子の取り外しと交換に用いることができることを発見した。
【0056】
上記考え方に基づき、本出願の発明者は、バスバー部品の、電池セルから離れる側の空間を利用してサンプリング端子を取り外し、サンプリング端子の取り外しと交換を容易にする技術案を提供した。
【0057】
理解できるように、本出願の実施例に記述された電池セルは、電力消費装置に直接に給電してもよいし、並列接続又は直列接続の方式で電池を形成し、電池の形式で様々な電力消費装置に給電してもよい。
【0058】
理解できるように、本出願の実施例に記述された、電池セルを使用し又は電池が適用する電力消費装置は、様々な形式、例えば、携帯電話、携帯型機器、ノートパソコン、電気バイク、電気自動車、汽船、宇宙航空機、電動玩具及び電動工具などであってもよく、例えば、宇宙航空機は、飛行機、ロケット、スペースシャトル及び宇宙船などを含み、電動玩具は、据置式又は移動式の電動玩具、例えば、ゲーム機、電気自動車玩具、電気汽船玩具及び電気飛行機玩具などを含み、電動工具は、金属切削電動工具、研削電動工具、組立用電動工具及び鉄道用電動工具、例えば、電気ドリル、電気グラインダ、電気レンチ、電気ドライバ、電気ハンマ、電気インパクトドリル、コンクリートバイブレータ、電気フライスなどを含む。
【0059】
本出願の実施例に記述された電池セル及び電池は、上記で記述された電力消費装置のみに適用できるというわけではなく、さらに電池セル及び電池を使用するすべての電力消費装置に適用できる。しかし、説明を簡潔にするために、下記の実施例では、いずれも電気自動車を例にして説明する。
【0060】
図1は、本出願一実施例における車両の簡単な概略図を示し、
図2は、
図1における車両の電池の構造概略図を示し、
図3は、
図2におけるA箇所の部分拡大図であり、
図4は、
図3におけるB-B断面図である。
【0061】
図1に示すように、車両1000の内部に電池100、コントローラ200とモータ300が設置され、例えば、車両1000の底部又は先頭又は後尾に電池100を設置してもよい。車両1000は、燃料油自動車、ガス自動車、又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は、純粋な電気自動車、ハイブリッド自動車、又はレンジエクステンダー自動車などであってもよい。
【0062】
本出願のいくつかの実施例において、電池100は、車両1000への給電に用いられてもよい。例えば、電池100を車両1000の操作電源とすることができる。コントローラ200は、電池100がモータ300に給電し、例えば、車両1000の始動、ナビゲーション及び走行時の作動電力需要に用いるように制御するためのものである。
【0063】
別の実施例では、電池100は、車両1000の操作電源として用いることができるだけでなく、車両1000の駆動電源として、燃料油又は天然ガスの代わりに、又はその一部の代わりに車両1000に駆動動力を提供することもできる。
【0064】
ここで、本出願の実施例で言及した電池100は、より高い電圧と容量を提供するために一つ又は複数の電池セルを含む単一の物理的モジュールを指す。例えば、電池100は、複数の電池セル10で直列接続又は並列接続して構成される。
【0065】
図2に示すように、電池100は、複数の電池セル10、バスバー部品20、サンプリング端子30、回路基板40及び筐体(図示せず)を含み、複数の電池セル10は、互いに並列接続又は直列接続又は直並列接続して組み合わせた後に高圧出力を実現し、複数の電池セル10、バスバー部品20、サンプリング端子30、回路基板40は、組み立てられた後に筐体の内部に配置される。
【0066】
各電池セル10は、ハウジング11と、蓋体12と、二つの電極端子(図示せず)と、電極アセンブリ(図示せず)とを含む。ハウジング11は、六面体形状であってもよいし、他の形状であってもよく、且つ該ハウジング11の内部に電極アセンブリと電解液を収容するための収容キャビティが形成される。ハウジング11の一端に開口があり、それによって該開口を介して電極アセンブリをハウジング11の内部に配置することができる。ハウジング11は、アルミニウム、アルミニウム合金又はニッケルめっき鋼などの金属材料で製造されてもよい。電極アセンブリはハウジング11の内部に設置される。蓋体12上には二つの電極引き出し孔が設置されており、二つの電極端子は蓋体12の二つの電極引き出し孔に設置される。二つの電極端子において、一つは正極電極端子であり、もう一つは負極電極端子である。電極アセンブリは二つのタブを含み、そのうちの一つは正極タブであり、もう一つは負極タブである。正極電極端子は電極アセンブリの正極タブに接続され、負極電極端子は電極アセンブリの負極タブに接続される。
【0067】
本出願のいくつかの実施例において、ハウジング11は長方体であり、ハウジング11のZ方向に沿う側には開口が設けられており、蓋体12はハウジング11のZ方向側で開口を密閉し、二つの電極端子は、いずれも蓋体12に設置され、即ち電池セル10のZ方向に沿う同じ側に位置する。
【0068】
他の実施例において、ハウジング11は、円柱体などの他の形状であってもよい。
【0069】
バスバー部品20は、電池セル10と電気的に接続するためのものである。具体的には、バスバー部品20の厚さはZ方向に沿って延伸し、バスバー部品20は、隣接して設置される二つの電池セル10の互いに逆極性の二つの電極端子に接続され、それによって二つの電池セル10の直列接続を実現し、又はバスバー部品20は、隣接して設置される二つの電池セル10の同極性の電極端子に接続され、それによって二つの電池セル10の並列接続を実現し、又はバスバー部品20は、出力端に位置する電極端子に接続され、それによって電池100と外部出力インターフェースとの接続を実現する。
【0070】
バスバー部品20上の電圧及び温度などの情報は、それに接続される電池セル10の作動状態を確実に反映することができ、バスバー部品20をサンプリングして、電池セル10の作動状態を確実にモニタリングすることができる。サンプリング端子30は、バスバー部品20の表面と当接して電池セル10の電圧又は温度を収集する。回路基板40の本体41は、サンプリング端子30により収集された、電圧又は温度を代表する電気信号を受信し且つ電池管理システム(図示せず)に伝達して、電池管理システムにより電池セル10が正常な作動状態にあるか否かを分析し判定するためのものである。
【0071】
図3に示すように、回路基板40は、本体41と接続部42とを含み、接続部42は、一端が本体41に接続され、他端がサンプリング端子30に電気的に接続される。
【0072】
本出願のいくつかの実施例において、接続部42は、一端が本体41に繋がるカンチレバー構造であり、カンチレバー構造の両端がそれぞれ本体41とサンプリング端子30に電気的に接続され、それによってサンプリング端子30の本体41に対する移動を許容し、第2の方向Zに沿ってサンプリング端子30を抜き出す時に本体41に損傷を与えることを回避する。
【0073】
図3に示すように、バスバー部品20は本体21と挿着構造22とを含み、挿着構造22は本体21に設置され、挿着構造22は、サンプリング端子30をバスバー部品20に接続するように第1の方向Xに沿って挿入するために用いられるように構成され、且つ挿着構造22は、サンプリング端子30をバスバー部品20から脱離するように第2の方向Zに沿って抜き出すことを許容するように構成され、第1の方向Xと第2の方向Zとは交差する。
【0074】
サンプリング端子30が挿着構造22に挿入される方向と挿着構造22から抜き出される方向が異なるため、サンプリング端子30を取り外す時に、元の挿入方向の逆方向に抜き出す必要がなく、バスバー部品20の周囲の大きい空間を利用して、挿入方向と異なる方向にサンプリング端子30を抜き出すことを許容し、サンプリング端子30の取り外しと交換を容易にする。
【0075】
図3に示すように、本出願のいくつかの実施例において、電池セル10の長手方向が第1の方向Xに沿って延伸し、幅方向が第3の方向Yに沿って延伸し、高さ方向及び本体21の厚さ方向がいずれも第2の方向Zに沿って延伸し、第1の方向X、第2の方向Zと第3の方向Yは互いに垂直である。
【0076】
他の実施例において、第3の方向Yと第1の方向Xは垂直であり、第1の方向Xと第2の方向Zは垂直であってもよいし、垂直でなくてもよく、且つ第2の方向Zは、本体21の厚さ方向と一致しなくてもよい。
【0077】
例えば、第2の方向Zは第1の方向Xに垂直に設置され、且つ第2の方向Zと第3の方向Yとの間は45°のなす角をなすように設置され、さらに例えば、第2の方向Zと第1の方向Xとの間は45°のなす角をなすように設置され、且つ第2の方向Zと第3の方向Yとの間は垂直に設置される。
【0078】
本体21の厚さ方向はZ方向に沿って延伸し、本体21は、電池セル10の、電極端子が配置されている側に設置され、それによって電池セル10の電極端子と電気的に接続される。
【0079】
図3と
図4に示すように、本体21のZ方向に沿う両側は、それぞれ第1の表面211と第2の表面212であり、ここで、第1の表面211は電池セル10から離反する表面であり、第2の表面212は電池セル10に対向する表面である。
【0080】
挿着構造22は、第1の表面211に設置される第1の突起221と第2の突起222を含み、第1の突起221と第2の突起222は第3の方向Yに沿って間隔を置いて設置され、サンプリング端子30は第1の突起221と第2の突起222との間に挿入されるように構成され、第3の方向Yは、第1の方向Xに垂直であり、且つ第2の方向Zと交差する。
【0081】
サンプリング端子30は、基部31と弾性サンプリング部32とを含み、基部31の第1の方向Xに沿う一端は、回路基板40の接続部42に接続され、他端は弾性サンプリング部32に接続され、弾性サンプリング部32は、第1の突起221と第2の突起222との間に挿入され且つ第1の突起221と第2の突起222に押圧されるように構成される。
【0082】
図5は、一形態のバスバー部品の構造概略図を示し、
図6は、
図5におけるC箇所の部分拡大図であり、
図7は、別の形式のバスバー部品の構造概略図を示す。
【0083】
挿着構造22において、第1の突起221と第2の突起222は、第3の方向Yに沿って対向して設置され、第2の突起222と第1の突起221の構造は同じであり、以下は、第1の突起221の構造のみを例として挿着構造22の構造を説明する。
【0084】
図5と
図6に示すように、本出願のいくつかの実施例において、第1の突起221は第1の頂壁2211と二つの第1の側壁2212とを含み、二つの第1の側壁2212は、第1の方向Xに沿って対向して設置され、各第1の側壁2212の両端は、それぞれ本体21と第1の頂壁2211に繋がり、第1の頂壁2211の少なくとも一部は第1の規制部22111に構成され、各第1の側壁2212の、第3の方向Yに沿って第2の突起222に近接する側は第1の当接部22121に構成される。第1の突起221は、第3の側壁2213をさらに含み、第3の側壁2213は、第1の突起221の、第3の方向Yに沿って第2の突起222から離れる側に位置し、第3の側壁2213は、それぞれ本体21、第1の頂壁2211と二つの第1の側壁2212に繋がり、第1の頂壁2211、二つの第1の側壁2212と第3の側壁2213は囲んで第1の空洞2214を構成する。
【0085】
同様に、第2の突起222は、第2の頂壁(図示せず)と二つの第2の側壁(図示せず)とを含み、二つの第2の側壁は、第1の方向Xに沿って対向して設置され、各第2の側壁の両端は、それぞれ本体21と第2の頂壁に繋がり、第2の頂壁の少なくとも一部は第2の規制部(図示せず)に構成され、各第2の側壁の、第3の方向Yに沿って第1の突起に近接する側は、第2の当接部(図示せず)に構成される。第2の突起222は、第4の側壁(図示せず)をさらに含み、第4の側壁は、第2の突起222の、第3の方向Yに沿って第1の突起221から離れる側に位置し、第4の側壁は、それぞれ本体21、第2の頂壁と二つの第2の側壁に繋がり、第2の頂壁、二つの第2の側壁と第4の側壁は囲んで第2の空洞(図示せず)を構成する。
【0086】
上記構造によって、第1の突起221と第2の突起222は、それぞれ本体21の第1の表面211に形成され、且つ一つの開口が設置される凸包構造であり、第1の突起221の開口と第2の突起222の開口は、第3の方向Yに沿って対向して設置される。このような構造形式によって、対応する第1の規制部22111と第1の当接部22121を形成することができるだけではなく、加工成形が容易である。
【0087】
本出願の別のいくつかの実施例において、第1の突起221は第3の側壁2213を含まなくてもよく、第2の突起222は第4の側壁を含まなくてもよい。つまり、第1の突起221と第2の突起222は、それぞれ本体21の第1の表面211に形成される凸包構造であり、第1の突起221の第3の方向Yに沿う両側にはそれぞれ一つの開口が設置されており、第2の突起222の第3の方向Yに沿う両側にはそれぞれ一つの開口が設置されている。このような構造形式によって、対応する第1の規制部22111と第1の当接部22121を形成することができるだけでなく、加工成形が容易である。
【0088】
上記態様では、本体21の第1の表面211に第1の突起221と第2の突起222を形成するプロセスは様々であってもよい。
【0089】
本出願のいくつかの実施例において、バスバー部品20は板金部材であり、第1の突起221と第2の突起222は、いずれもプレスプロセスで形成され、構造がシンプルであり、実現が容易である。
【0090】
図6に示すように、いくつかの実施例において、本体21には第1の貫通孔213が設けられており、第1の突起221と第2の突起222は、第3の方向Yに沿って第1の貫通孔213のエッジに設置され、第1の貫通孔213は、第1の突起221と第2の突起222のプレス成形を容易にするプロセス孔である。
【0091】
図7に示すように、別のいくつかの実施例において、本体21には第2の貫通孔214と第3の貫通孔215が設けられており、第2の貫通孔214と第3の貫通孔215は、第3の方向Yに沿って間隔を置いて配置され、本体21は、第2の貫通孔214と第3の貫通孔215との間に位置する中間セグメント216を有する。第1の突起221は、第2の貫通孔214の第3の貫通孔215から離れるエッジに位置し、第2の突起222は、第3の貫通孔215の第2の貫通孔214から離れるエッジに位置する。
【0092】
他の実施例において、他の方式で第1の突起221と第2の突起222を成形してもよい。例えば、第1の突起221と第2の突起222は、第1の表面211に溶接又はねじ部材によって接続された、独立した部品であってもよい。
【0093】
上記態様では、第1の突起221は、第1の方向Xに沿って間隔を置いて配置される二つの第1の当接部22121を含み、第2の突起222は、第1の方向Xに沿って間隔を置いて配置される二つの第2の当接部を含み、二つの第1の当接部22121と二つの第2の当接部は、共に弾性サンプリング部32と当接して弾性サンプリング部32の第3の方向Yに沿う移動を制限することによって、第3の方向Yの両端において弾性サンプリング部32を挿着構造22と確実に当接させる。第1の突起221は第1の規制部22111を含み、第2の突起222は第2の規制部を含み、第1の規制部22111と第2の規制部は、共に弾性サンプリング部32と当接して弾性サンプリング部32の第2の方向Zに沿う移動を制限することによって、弾性サンプリング部32が外部の揺れ、振動、衝撃などの作動状態で第2の方向Zに沿って挿着構造22から脱離することを回避する。
【0094】
本出願の別のいくつかの実施例において、二つの第1の当接部22121と二つの第2の当接部の構造を形成する形式も様々であり、第1の規制部22111と第2の規制部の構造を形成する形式も様々である。
【0095】
例えば、第1の突起221の代わりに二つの第4の突起を使用してもよく、二つの第4の突起は、第1の方向Xに沿って間隔を置いて配置され、各第4の突起には、一つ第1の当接部22121が設けられており、第2の突起222の代わりに二つの第5の突起を使用し、二つの第5の突起は、第1の方向Xに沿って間隔を置いて配置され、各第5の突起には一つの第2の当接部が設けられている。
【0096】
図8は、本出願のいくつかの実施例における一形態のサンプリング端子の構造概略図である。
【0097】
上記挿着構造22の構造に基づき、第1の突起221と第2の突起222との間に挿入される弾性サンプリング部32の構造も、様々な形式を取ってもよい。
【0098】
図7と
図8に示すように、弾性サンプリング部32は第1のアーム321と第2のアーム322とを含み、第1のアーム321の一端は第2のアーム322の一端に繋がる。第3の方向Yに沿って、第1のアーム321と第2のアーム322との間に隙間33があり、第1のアーム321は第1の突起221の第1の当接部22121と当接するためのものであり、第2のアーム322は第2の突起222の第2の当接部と当接するためのものである。
【0099】
弾性サンプリング部32が第1の方向Xに沿って第1の突起221と第2の突起222との間に挿入される場合、二つの第1の当接部22121と二つの第2の当接部は、共に第3の方向Yに沿って弾性サンプリング部32を押圧し、弾性サンプリング部32は、隙間33が狭くなることによって、その第3の方向Yでの外寸が小さくなることを許容し、第1の突起221と第2の突起222との間に弾性的に当接する。
【0100】
上記態様では、弾性サンプリング部32は、弾性サンプリング部32が第1の突起221と第2の突起222との間に押圧されるサンプリング状態、及び工具でそれを挟み取る時にその第3の方向Yでの外寸を狭くする取り出し状態を有する。
【0101】
具体的には、サンプリング端子30の弾性サンプリング部32は、第3の方向Yに沿って対向する第1の外側面3211と第2の外側面3221を含む。第1の外側面3211は、第1のアーム321の、第3の方向Yに沿って第2のアーム322から離れる側面であり、第2の外側面3221は、第2のアーム322の、第3の方向Yに沿って第1のアーム321から離れる側面である。第1の外側面3211は二つの第1の当接部22121と当接するように構成され、第2の外側面3221は二つの第2の当接部と当接するように構成され、弾性サンプリング部32の第3の方向Yに沿う移動を制限することによって、弾性サンプリング部32がサンプリング状態にある時に挿着構造22と確実に当接することを確保する。
【0102】
さらに、第1の外側面3211は、第1の突起221に向かって隆起する弧面であり、第2の外側面3221は、第2の突起222に向かって隆起する弧面である。
【0103】
上記構造によって、第1の外側面3211の弧面の中段は二つの第1の当接部22121の間に引っ掛かり、第2の外側面3221の弧面の中段は二つの第2の当接部の間に引っ掛かり、弾性サンプリング部32が第3の方向Yに沿って移動することを制限するとともに、弾性サンプリング部32の第1の方向Xにおける位置をさらに限定し、弾性サンプリング部32が所定の位置に挿入された後に第1の方向Xに沿って揺れないことを確保することができる。
【0104】
サンプリング状態では、弾性サンプリング部32は、第1のアーム321が第1の突起221の第1の規制部22111と当接し、第2のアーム322が第2の突起222の第2の規制部と当接することによって、第2の方向Zに沿って挿着構造22から脱離することを回避し、工具でそれを挟み取る時に、弾性サンプリング部32は、第2の方向Zに沿って第1の突起221と第2の突起222との間から取り外されるように、サンプリング状態から取り出し状態に変形することができる。
【0105】
図8に示すように、本出願のいくつかの実施例において、弾性サンプリング部32上には一対の挿脱孔34が設けられており、一対の挿脱孔34は、第3の方向Yに沿って間隔を置いて設置され、前記一対の挿脱孔34は、工具を挿入して、弾性サンプリング部32を第1の突起221と第2の突起222との間から第2の方向Zに沿って抜き出すためのものである。
【0106】
具体的には、第1のアーム321と第2のアーム322にはそれぞれ一つの挿脱孔34が設けられており、二つの挿脱孔34は、第3の方向Yに沿って間隔を置いて配置され、各挿脱孔34の軸線方向は第2の方向Zに沿って延伸する。弾性サンプリング部32上に一対の挿脱孔34を設置することによって、工具を挿入して、工具を操作して弾性サンプリング部32を第3の方向Yで変形させて第1の突起221と第2の突起222から抜き出すことができる。ここで、工具は、ラジオペンチであってもよいし、ピンセットなどであってもよい。
【0107】
他の実施例において、第1のアーム321の第1の外側面3211と第2のアーム322の第2の外側面3221上にそれぞれ一つの凹部を設置してもよく、一対の凹部は、工具を挿入して、弾性サンプリング部32を第1の突起221と第2の突起222との間から第2の方向Zに沿って抜き出すためのものである。
【0108】
上記態様では、第1のアーム321と第2のアーム322の基部31から離れる端は、繋がってもよいし、繋がらなくてもよい。
【0109】
図8に示すように、本出願のいくつかの実施例において、第1のアーム321の他端と第2のアーム322の他端とが繋がり、第1のアーム321と第2のアーム322は囲んで隙間33を構成する。
【0110】
つまり、弾性サンプリング部32は、閉じたリング状を呈し、リング状の弾性サンプリング部32の自体の弾性復元力を利用して第1の突起221と第2の突起222との間に係合して、第1の方向Xと第3の方向Yで挿着構造22に固定することができ、構造がシンプルであり、且つ長時間使用された後に依然として良い弾性を維持することができる。
【0111】
上記態様に基づき、挿脱孔34は、第1の方向Xに沿って隙間33が最大である箇所に設置され、それによって弾性サンプリング部32の第3の方向Yに沿う外寸を著しく縮小させ、それが第1の規制部22111と第2の規制部との間隔より小さいまで縮小することを容易にして、第2の方向Zに沿って挿着構造22から脱離させることができる。
【0112】
図9は、本出願のいくつかの実施例における別の形態のサンプリング端子の構造概略図を示す。
【0113】
図9に示すように、本出願の別のいくつかの実施例において、第1のアーム321の他端と第2のアーム322の他端は、隙間33と連通する開口323を形成するように離間して設置される。
【0114】
図9に示すように、弾性サンプリング部32の第1のアーム321と第2のアーム322との間に開口323が形成され、開口323は隙間33と連通し、第1のアーム321と第2のアーム322が第3の方向Yで変形する場合、開口323は、第3の方向Yで小さくなって、第1のアーム321と第2のアーム322の第3の方向Yでの外寸が小さくなる程度を大きくすることができ、さらに他の突起(例えば、下記の第3の突起223)を開口323から第1のアーム321と第2のアーム322との間に挿入して、第1のアーム321と第2のアーム322を第1の突起221と第2の突起222と弾性的に当接させることができる。
【0115】
上記態様では、第1のアーム321の他端と第2のアーム322の他端は繋がってもよく、又は繋がらなくてもよく、弧状の第1の外側面3211と第2の外側面3221によって、第1の方向Xにおいて、弾性サンプリング部32の挿着構造22に対する挿入位置を実現する。
【0116】
他の実施例において、第1の外側面3211と第2の外側面3221の輪郭形状を制限せず、弾性サンプリング部32上にいくつかのストッパー部を設置して挿着構造22と第1の方向Xで当接させることによって、第1の方向Xにおいて、弾性サンプリング部32の挿着構造22に対する挿入位置を制限することができる。
【0117】
図10は、本出願のいくつかの実施例における第3種の形態のサンプリング端子の構造概略図を示し、
図11は、
図10におけるサンプリング端子と嵌合される一形態のバスバー部品の構造概略図を示し、
図12は、
図10に示されるサンプリング端子と
図11に示されるバスバー部品と嵌合される概略図を示す。
【0118】
図10、
図11、及び
図12に示すように、本出願のいくつかの実施例において、第1のアーム321には、第1の突起221と当接して、第1のアーム321が第1の方向Xに沿って移動することを制限するための第1のストッパー部3212が設けられている。第2のアーム322には、第2の突起222と当接して、第2のアーム322が第1の方向Xに沿って移動することを制限するための第2のストッパー部3222が設けられている。
【0119】
第1のストッパー部3212と第2のストッパー部3222によって、サンプリング端子30が第1の方向Xに沿って挿着構造22に挿入される位置を制限し、サンプリング端子30が第1の方向Xに沿って過度に挿入されて挿着構造22と分離することを防止することができる。
【0120】
他の実施例において、第1のストッパー部3212と第2のストッパー部3222のうちの一つによってサンプリング端子30が第1の方向Xに沿って移動することを制限してもよい。
【0121】
上記構造のサンプリング端子30に基づき、挿脱孔34は、第1の方向Xに沿って中央に設置されてもよく、弾性サンプリング部32の中段から力を加えて挟み取ることを容易にし、第1のアーム321と第2のアーム322の他端を広げ、それによって下記の第3の突起223と分離させ、さらに第2の方向Zに沿って挿着構造22から脱離することを容易にする。
【0122】
上記態様では、第1のアーム321の他端と第2のアーム322の他端との間に開口323が形成される場合、挿着構造22は、他の構造をさらに有してもよく、弾性サンプリング部32と挿着構造22との間の当接力を向上させることによって、サンプリング端子30とバスバー部品20との圧接を確保し、バスバー部品20の温度又は電圧を確実にサンプリングすることができる。
【0123】
図11と
図12に示すように、本出願のいくつかの実施例において、挿着構造22は、第1の表面211に設けられる第3の突起223をさらに含み、第3の突起223は、第1の突起221、第2の突起222といずれも離間して設置され、第1のアーム321と第2のアーム322は第3の突起223をクランプするように構成される。
【0124】
第3の突起223が第1のアーム321と第2のアーム322との間に当接することによって、第1のアーム321に第1の突起221に向かう作用力を加え、第2のアーム322に第2の突起222に向かう作用力を加えることによって、第1のアーム321を第1の突起221と確実に当接させ、第2のアーム322を第2の突起222と確実に当接させて、サンプリングの確実性を向上させることができる。
【0125】
具体的には、第3の突起223は、二つの第3の当接部2231を有し、二つの第3の当接部2231は、それぞれ第1のアーム321及び第2のアーム322と当接して、第3の方向Yにおいて第1のアーム321と第2のアーム322を広げるためのものである。
【0126】
上記の挿着構造22の具体的な構造に基づき、第1の突起221に一つのみの第1の当接部22121が設けられてもよく、第2の突起222に一つのみの第2の当接部が設けられてもよく、一つの第1の当接部22121と一つの第2の当接部は、第3の方向Yにおいて、サンプリング端子30を押圧して第3の方向Yでのサンプリング端子30の変位を制限する。
【0127】
上記構造の挿着構造22に基づき、第3の突起223を形成する方式は様々であってもよい。
【0128】
図11に示すように、本出願のいくつかの実施例において、本体21の第2の貫通孔214と第3の貫通孔215との間の中間セグメント216は、第1の表面211に向かって突起して第3の突起223を形成する。
【0129】
図13は、
図10に示されるサンプリング端子と嵌合される別の形式のバスバー部品の構造概略図を示し、
図14は、
図10におけるサンプリング端子と
図13におけるバスバー部品とが嵌合される概略図を示す。
【0130】
図13に示すように、本出願の別のいくつかの実施例において、第3の突起223は、単独の凸包構造又はバーリング構造であってもよい。
【0131】
上記態様では、第3の突起223は、弾性サンプリング部32が第2の方向Zに沿って挿着構造22から脱離することを防止する規制部も有する。
【0132】
図13と
図14に示すように、本出願のいくつかの実施例において、第3の突起223は、二つの第3の規制部2232を有し、二つの第3の規制部2232は、それぞれ第1のアーム321及び第2のアーム322と当接して、第1のアーム321と第2のアーム322が第2の方向Zに沿って移動することを制限するためのものである。
【0133】
二つの第3の規制部2232がそれぞれ第1のアーム321及び第2のアーム322と当接することによって、サンプリング端子30がサンプリング状態で第2の方向Zに沿って挿着構造22から脱離しないようにすることができる。
【0134】
上記態様では、第1の突起221と第2の突起222は、プレスして形成された凸包構造であり、第3の突起223は、中間セグメント216を使用して形成されたものであり、又はバーリング構造である。第3の突起223は、第1の方向Xに沿って、第1の突起221と第2の突起222の基部31から離れる側に位置する。
【0135】
他の実施例において、第3の突起223は、第3の方向Yに沿って第1の突起221と第2の突起222との間に設置されてもよく、第1の突起221、第2の突起222と第3の突起223はいずれもバーリング構造である。
【0136】
理解すべきこととして、上記様々な形式の挿着構造22において、別の突起上に規制部を単独で形成して、第1のアーム321と第2のアーム322が第2の方向Zに沿って移動することを制限してもよく、規制部の形成位置は、第1の突起221、第2の突起222と第3の突起223に限定されるものではない。
【0137】
本出願のいくつかの実施例は、電池の製造方法を提供し、前記方法は、
電池セル10を提供することと、
電池セル10の電圧又は温度を収集するためのサンプリング端子30を提供することと、
電池セル10と電気的に接続するためのバスバー部品20を提供することであって、バスバー部品20は、サンプリング端子30をバスバー部品20に接続するように第1の方向Xに沿って挿入するために用いられるように構成され、且つサンプリング端子30をバスバー部品20から脱離するように第1の方向Xと交差する第2の方向Zに沿って抜き出すことを許容するように構成される挿着構造22を含むことと、
サンプリング端子30を挿着構造22に挿入することとを含む。
【0138】
本出願のいくつかの実施例は、電池100の製造機器をさらに提供し、該機器は、
電池セル10を提供するための第1の提供装置と、
電池セル10の電圧又は温度を収集するためのサンプリング端子30を提供するための第2の提供装置と、
電池セル10と電気的に接続するためのバスバー部品20を提供するための第3の提供装置であって、バスバー部品20は、サンプリング端子30をバスバー部品20に接続するように第1の方向Xに沿って挿入するために用いられるように構成され、且つサンプリング端子30をバスバー部品20から脱離するように第1の方向Xと交差する第2の方向Zに沿って抜き出すことを許容するように構成される挿着構造22を含む第3の提供装置と、
サンプリング端子30を挿着構造22に挿入するための取り付けモジュールとを含む。
【0139】
説明すべきこととして、矛盾しない場合、本出願の実施例における特徴は相互に結合されてもよい。
【0140】
上記したのは、本出願の好適な実施例に過ぎず、本出願を制限するためのものではなく、当業者にとって、本出願は、種々な変更や変形が有り得る。本出願の精神及び原則内で行われる全ての修正、同等の置き換え、改善などは、いずれも本出願の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0141】
1000 車両
100 電池
10 電池セル
11 ハウジング
12 蓋体
20 バスバー部品
21 本体
211 第1の表面
212 第2表面
213 第1の貫通孔
214 第2の貫通孔
215 第3の貫通孔
216 中間セグメント
22 挿着構造
221 第1の突起
2211 第1の頂壁
22111 第1の規制部
2212 第1の側壁
22121 第1の当接部
2213 第3の側壁
2214 第1の空洞
222 第2の突起
223 第3の突起
2231 第3の当接部
2232 第3の規制部
30 サンプリング端子
31 基部
32 弾性サンプリング部
321 第1のアーム
3211 第1の外側面
3212 第1のストッパー部
322 第2のアーム
3221 第2の外側面
3222 第2のストッパー部
323 開口
33 隙間
34 挿脱孔
40 回路基板
41 本体
42 接続部
200 コントローラ
300 モータ
X 第1の方向
Z 第2の方向
Y 第3の方向
【国際調査報告】