(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-18
(54)【発明の名称】空気質測定装置および方法
(51)【国際特許分類】
F24F 7/007 20060101AFI20231011BHJP
G01N 33/00 20060101ALI20231011BHJP
G08C 17/00 20060101ALI20231011BHJP
G08C 15/00 20060101ALI20231011BHJP
【FI】
F24F7/007 B
G01N33/00 C
G08C17/00 Z
G08C15/00 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023518917
(86)(22)【出願日】2021-09-22
(85)【翻訳文提出日】2023-05-02
(86)【国際出願番号】 SG2021050573
(87)【国際公開番号】W WO2022066099
(87)【国際公開日】2022-03-31
(31)【優先権主張番号】10202009307Y
(32)【優先日】2020-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SG
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523104764
【氏名又は名称】ユーエイチオーオー プライベート リミテッド
【氏名又は名称原語表記】UHOO PTE LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オンハンセン、ダスティン ジェファーソン エス.
(72)【発明者】
【氏名】リン、チュン ライ ブライアン
【テーマコード(参考)】
2F073
3L056
【Fターム(参考)】
2F073AA02
2F073AA11
2F073AA19
2F073AA25
2F073AA40
2F073AB01
2F073AB04
2F073BB01
2F073BB04
2F073BB07
2F073BC02
2F073CC03
2F073CC12
2F073CD11
2F073DD02
2F073DE02
2F073DE13
2F073EE01
2F073EE03
2F073EF09
2F073FF01
2F073FF12
2F073FG01
2F073FG02
2F073GG01
2F073GG04
2F073GG05
3L056BD01
(57)【要約】
【課題】空気質測定装置および方法を提供すること。
【解決手段】空気質測定ユニットは、空気流を受容する吸気口、および該空気流を排出する排気口を備える筐体と、該筐体内に配置され、センサのアレイを形成する複数のセンサであって、各センサが、空気流の一部分を受容するセンサ吸気口、および空気流の該部分を排出するセンサ排気口を備える、複数のセンサとを具備し、各センサは、空気質パラメータを測定するよう構成され、該センサは、センサ吸気口が吸気口に隣接して位置するように配置される。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気流を受容する吸気口、および該空気流を排出する排気口を備える筐体と、
該筐体内に配置され、センサのアレイを形成する複数のセンサであり、各センサが、該空気流の一部分を受容するセンサ吸気口、および空気流の該部分を排出するセンサ排気口を備える、複数のセンサと
を具備する空気質測定ユニットであって、
各センサが、空気質パラメータを測定するよう構成され、
該センサが、該センサ吸気口が該吸気口に隣接して位置するように配置される、空気質測定ユニット。
【請求項2】
前記筐体内に位置し、前記排気口に隣接するファンをさらに備え、該ファンが、前記空気流を前記吸気口に引き込むよう構成される請求項1に記載の空気質測定ユニット。
【請求項3】
前記吸気口の内面に配置されたフィルタをさらに備え、該フィルタが、前記空気流で、1mmを超える粒子を遮断するよう構成される請求項1または2に記載の空気質測定ユニット。
【請求項4】
少なくとも1つのセンサが、前記吸気口に隣接するセンサ排気口を備える請求項1から3のいずれか一項に記載の空気質測定ユニット。
【請求項5】
前記全体的な空気質の視覚的インジケータをさらに備える請求項1から4のいずれか一項に記載の空気質測定ユニット。
【請求項6】
空気流を受容する吸気口、および該空気流を排出する排気口を備える筐体であり、
該筐体が、センサ・モジュールを取外し可能に受容するよう構成された、少なくとも1つのポートを備え、
該センサ・モジュールが、空気質パラメータを測定するよう構成される、筐体と、
センサ・モジュールが存在するかどうかを判断するために、該ポートから情報を得るよう構成される、制御システムと
を備える空気質測定ユニットであって、該制御システムがさらに、存在する該センサ・モジュールの種類を識別し、該センサ・モジュールからデータを受信するよう構成される空気質測定ユニット。
【請求項7】
前記制御システムがさらに、交換されたセンサ・モジュールを検出するよう構成される請求項6に記載の空気質測定ユニット。
【請求項8】
前記制御システムが前記受信したデータを較正するよう構成され、
該較正が、
センサ・モジュールの前記種類に対応するルックアップ・テーブルから較正係数を取得すること、生データを較正セルからのデータと比較すること、または外部情報源から較正情報を受信すること
のうちの1つまたはこれらの組合せに基づく請求項6または7に記載の空気質測定ユニット。
【請求項9】
前記少なくとも1つのセンサ・モジュールが、複数の空気質パラメータを測定するよう構成される請求項6から8のいずれか一項に記載の空気質測定ユニット。
【請求項10】
前記筐体が、それぞれが少なくとも1つのセンサ・モジュールを受容するよう構成された、複数のポートを備える請求項6から9のいずれか一項に記載の空気質測定ユニット。
【請求項11】
前記筐体が、少なくとも1つの取外し不可能なセンサ・モジュールを備える請求項6から10のいずれか一項に記載の空気質測定ユニット。
【請求項12】
選択的に取外し可能な試験セルをさらに備え、該試験セルが、前記センサ・モジュールに対応する既知の濃度の汚染物質を収め、該汚染物質が、前記ユニットに注入されるよう構成され、前記制御システムが、前記センサ・モジュールから生データを受信し、該既知の汚染物質の濃度に基づいて、前記センサ・モジュールの較正係数を判断するよう構成される請求項6から11のいずれか一項に記載の空気質測定ユニット。
【請求項13】
遠隔データ記憶ユニットと、
該遠隔データ記憶ユニットに無線で接続された、少なくとも1つの空気質測定ユニットと
を備える、空気質測定システムであって、該少なくとも1つの空気質測定ユニットによって収集されたデータが、該遠隔データ記憶ユニットに伝達されるよう構成され、
該受信したデータが、該遠隔データ記憶ユニットによって較正され、較正する係数が、該それぞれの空気質測定ユニットに送信されるよう構成される空気質測定システム。
【請求項14】
前記遠隔データ記憶ユニットが、前記較正されたデータを使用して、前記少なくとも1つの空気質測定ユニットに対応する機器を動作させ、環境条件を調整するよう構成される請求項13に記載の空気質測定システム。
【請求項15】
前記遠隔データ記憶ユニットが、複数の空気質測定ユニットに無線で接続され、前記遠隔データ記憶ユニットが、各空気質測定ユニットから受信したデータを較正して記憶するよう構成される請求項13または14に記載の空気質測定システム。
【請求項16】
前記遠隔データ記憶ユニットが、各空気質測定ユニットに対応する機器を動作させるよう構成される請求項15に記載の空気質測定システム。
【請求項17】
各センサが空気質パラメータを測定するよう構成された、複数のセンサと、
各センサからデータを受信する、制御システムと
を備える、空気質測定ユニットであって、該制御システムが、少なくとも2つのセンサからのデータを組み合わせるよう構成され、
該制御システムが、該組み合わせたデータに対応する指標を判断するよう構成される空気質測定ユニット。
【請求項18】
前記制御システムがさらに、前記指標を、前記空気質測定ユニットに対応する前記指標の閾値と比較するよう構成され、
これにより前記制御システムが、前記対応する指標を満たすように環境条件を調整するため、外部機器を動作させるよう構成される請求項17に記載の空気質測定システム。
【請求項19】
複数の環境制御デバイス
を備えるビル制御システムであって、該環境制御デバイスが、制御システムに接続され、該制御システムから制御データを受信するよう構成され、
該制御システムが、1つまたは複数のセンサからセンサ・データを受信し、該センサ・データに対応する環境指標を判断するよう構成され、
該制御データが、該環境指標を含み、これにより該環境制御デバイスが、該環境指標の関数である環境出力を調整するビル制御システム。
【請求項20】
前記環境デバイスが、前記センサ・データおよび前記環境出力の調整値のうちのいずれか一方、またはこれらの組合せに基づいて前記指標を調整するために、前記環境出力の前記調整を前記制御システムに伝達するよう構成される請求項19に記載のビル制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気質パラメータの測定に関する。本発明は、詳細には、該パラメータを測定するセンサのアレイを備えるユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
商業施設および産業施設は、複雑な空気質測定システムを備えている場合があるが、これらは業界標準を満たすために専用の情報ネットワークを備え、限られた数、通常は僅か3つまでの空気質パラメータしか測定できない、高価な資本材である。1つの特定の空気質パラメータを測定する、他の独立型の産業機器は、かさばり/サイズが大きく、リアルタイムで長期的な推移および分析を提供できない、高価な資本材である。
【0003】
しかし、家庭用の空気質測定デバイスは、限定された数の測定可能なパラメータを提供することに制限されており、本質的に動作の基本は、観測者に該パラメータを直接伝達するためだけのものである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、第1の態様において、空気質測定ユニットを提供し、空気質測定ユニットは、空気流を受容する吸気口、および該空気流を排出する排気口を備える筐体と、該筐体内に配置され、センサのアレイを形成する複数のセンサであって、各センサが、空気流の一部分を受容するセンサ吸気口、および空気流の該部分を排出するセンサ排気口を備える、複数のセンサとを具備し、各センサは、空気質パラメータを測定するよう構成され、該センサは、センサ吸気口が吸気口に隣接して位置するように配置される。
【0005】
本発明は、第2の態様において、空気質測定ユニットを提供し、空気質測定ユニットは、空気流を受容する吸気口、および該空気流を排出する排気口を備える筐体であって、該筐体が、センサ・モジュールを取外し可能に受容するよう構成されたポートを備え、センサ・モジュールが、空気質パラメータを測定するよう構成される、筐体と、センサ・モジュールが存在するかどうかを判断するために、該ポートから情報を得るよう構成される、制御システムとを備え、該制御システムはさらに、存在するセンサ・モジュールの種類を識別し、センサ・モジュールからデータを受信するよう構成される。
【0006】
本発明は、第3の態様において、空気質測定システムを提供し、空気質測定システムは、遠隔データ記憶ユニットと、該遠隔データ記憶ユニットに無線で接続された、少なくとも1つの空気質測定ユニットとを備え、少なくとも1つの空気質測定ユニットによって収集されたデータは、遠隔データ記憶ユニットに伝達されるよう構成され、該受信したデータは、遠隔データ記憶ユニットによって較正され、較正する係数は、それぞれの空気質測定ユニットに送信されるよう構成される。
【0007】
本発明は、第4の態様において、空気質測定ユニットを提供し、空気質測定ユニットは、各センサが空気質パラメータを測定するよう構成された、複数のセンサと、各センサからデータを受信する、制御システムとを備え、該制御システムは、少なくとも2つのセンサからのデータを組み合わせるよう構成され、制御システムは、該組み合わせたデータに対応する指標を判断するよう構成される。
【0008】
本発明は、第5の態様において、ビル制御システムを提供し、ビル制御システムは、複数の環境制御デバイスを備え、該環境制御デバイスは、制御システムに接続され、該制御システムから制御データを受信するよう構成され、該制御システムは、1つまたは複数のセンサからセンサ・データを受信し、該センサ・データに対応する環境指標を判断するよう構成され、該制御データは、該環境指標を含み、これにより環境制御デバイスは、該環境指標の関数である環境出力を調整する。
【0009】
したがって、一態様において、ユニットは、空気流がユニットに入るときに空気流を最大化して、センサの検出能力を最適化するように、センサを配置するよう構成される。重要なことは、フィルタを導入して1mmを超える大きな粒子を除去し、センサおよび本体の内部に埃が詰まることでセンサの精度に影響を与えるのを、防止できることである。
【0010】
さらに、ユニットを通過する空気を駆動するために、ファンを使用して空気流を増加させることができ、さらに、ファンを排気口に近接して配置し、該空気流をより有効に利用することができる。
【0011】
第2の態様において、センサは、ユニット内のポートに差し込まれ、ポートから取外されるよう構成された、センサ・モジュールの形態で提供することができる。ユニット内の制御システムは、ポートから継続的に情報を得て、最初にセンサ・モジュールが接続されているかどうかを検出し、次にどの種類のセンサが作動しているかを判断することができる。これにより、結果を伝達するために、センサから受信したデータが、制御システムが識別したデータの種類と共に、制御システムによってプロセッサに送られる。
【0012】
第3の態様において、本発明は、複数の前記ユニットを備えるシステムを含むことができ、前記ユニットのすべてが、クラウド構成などの集中型サーバに無線で接続され得る。ユニット内で処理されているか、またはクラウド内で処理されることになる生データである、それぞれのユニットからのデータが、クラウドに伝達され得る。この目的のために、センサの較正は、ユニット内またはクラウド内で行うことができる。較正は、既知のセンサから受信した生データを、仮想較正セルと比較して、データが収集されたユニット、ユニットの場所、およびもちろんセンサの種類を含む、いずれか1つまたは複数の判定基準に従って生データを較正することにより、実現することができる。
【0013】
第4の態様において、本発明は、クラウドの段階またはユニットの段階のいずれかで、環境条件を分類するための指標を制御システムに提供することができる。かかる指標は、2つ以上の空気質パラメータが含まれることで、より複雑な環境条件を提示することができる。該指標はまた、所定の閾値を超えるそれぞれの指標で表される、上昇した環境条件の影響を低減するよう構成された補助機器を、動作させるためにも使用することができる。
【0014】
本発明の可能な構成を示す添付図面に関連して、本発明をさらに説明することは好都合であろう。本発明の他の構成も可能であり、したがって、添付図面の特殊性は、本発明の前述の説明の一般性に取って代わるものと理解されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1A】本発明の一実施形態による、空気質測定ユニットの様々な図である。
【
図1B】本発明の一実施形態による、空気質測定ユニットの様々な図である。
【
図2】
図1Aの空気質測定ユニットの断面図である。
【
図3A】本発明の一実施形態による、空気質測定システムの概略図である。
【
図3B】本発明のさらなる実施形態による、空気質測定システムの概略図である。
【
図4】本発明のさらなる実施形態による、空気質測定システムおよび汚染物質セルの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明による空気質測定ユニットは、空気質を連続的に監視するよう構成される。ユニットの配備は、用途によって異なる可能性があるが、商用使用の場合、ユニットには、自立型ユニット、または場合によっては壁装着型が含まれるであろう。空気質測定ユニットは、ユニットに入る空気流から継続的に読取り値を取得するなど、空気質を継続的に監視するよう構成される。
【0017】
本発明の様々な態様によるユニットは、屋内または屋外での使用に適合できるが、それでもなお広範な発明の範囲に包含されることが理解されよう。たとえば、屋内使用のユニットは、壁装着型であってもよく、またはテーブル、ベンチなどに置く、自立型であってもよい。以下の説明は、概して、様々な点で屋内ユニットに言及することがあるが、これは、屋外使用を包含する実施形態を除外するものと読むべきではない。
【0018】
たとえば屋外使用への適合形態にも、壁装着型が含まれるか、または自立型であり得る。さらに、本発明の屋外の実施形態は、自然な空気流を最適化するユニットの配置を可能にすることができ、地面に自立することが含まれ得る。さらに、または代替的に、ユニットは、より大きい内部ファンを使用して、駆動される空気流を増やすことができる。なおかつ、ユニットは、空気流をユニットの吸気口内へ向けるための空気流収集器を備えるか、または空気流収集器と協働するよう適合され得る。
【0019】
本発明の一態様では、センサのアレイは、ユニット内のポートに挿入されるよう構成された、選択的に挿入可能なセンサ・モジュールを備える。好ましい実施形態では、ユニットは、最大15個の選択的に挿入可能なセンサ・モジュールを受容するよう構成され得る。本発明の個別化された特徴は、新しいセンサ・モジュールを利用可能なポートに挿入するか、または不要なセンサを取外して新しいセンサ・モジュールと交換するなど、その時々に様々なセンサ・モジュールを選択することにより、操作者がユニットを再構成できるようにしたことである。
【0020】
さらなる態様では、ユニットは、外部ノードに接続してデータを伝達し、また入力を受信することもでき、該接続は、有線または無線である。たとえば、一実施形態では、ユニットは、分散動作のために、クラウドに無線で接続することができる。その動作には、センサ読取り値の記憶、センサ・モジュールの較正、生データの処理などの機能が含まれ得る。
【0021】
クラウドは、ユニットに常駐する制御システムを定期的に更新することができる。制御システムは、センサ・モジュールを動作させ、生データを処理するか、またはデータをクラウドなどの外部ノードに伝達するよう構成され得る。さらに、制御システムは、処理されたセンサ・データを、ユニット上の視覚ディスプレイまたは遠隔視覚ディスプレイに、視覚的に表示するよう構成され得る。
【0022】
この目的のために、空気質測定ユニット5の一実施形態が
図1Aおよび
図1Bに示されている。ここで、ユニット5は、この場合、3つのポート22Aから22Cを備える筐体10を具備する。これらのポート22Aから22Cには、吸気口15から、モジュール吸気口23Aから23Cへの流入を直接受けるよう配置された、様々なセンサ・モジュール20Aから20Cが挿入される。吸気口15は、空気流から大きな微粒子物質を除去するよう構成されたフィルタを備える。たとえば、フィルタ17を使用して、1mmを超える特定の物質がセンサ・アレイに入るのを確実に防止する、IP43侵入保護等級(ingress protecting rating)をデバイスにもたらすことができる。筐体は、筐体内で恒久的に動作可能な、少なくとも1つの取外し不可能なセンサ・モジュールを備えることができることが理解されよう。
【0023】
図2は、センサ・モジュール20Aから20Cが配置された、ユニット5の断面図を示している。この実施形態では、取り付けられたセンサ・モジュールには、微粒子物質センサ・モジュール20A、5つの機能が一体となったセンサ・モジュール20B(温度+湿度+気圧+TVOC+CO
2)、ならびにNO
2およびオゾンセンサ20Cが含まれる。各センサは、それぞれのポートに摺動して出入りさせるための、ばね加重式のラッチ12を係合することで、取外すことができる。
【0024】
様々なポートは、必要なセンサ・モジュールの種類に応じて、そのポートが特定の種類のモジュール専用になり得るように変更することができる。たとえば、この実施形態では、ポート22Aは、別個の吸気口および排気口を必要とするセンサ・モジュール用に構成される。したがって、
図2に示されているように、微粒子物質センサ・モジュール20Aは、別個の流入25および流出30を有するよう構成される。これは、センサ・モジュール20B、20Cを通過する従来の流入35、40および流出45を有する、他のセンサ・ポートとは別のものである。吸気口15に近接して空気流を受容するよう構成されたセンサ・モジュールを備えることにより、測定特性を最適化することは、特に有利である。
【0025】
図3Aおよび
図3Bは、本発明のさらなる態様の様々な実施形態を示している。
図3Aの第1の実施形態では、システム52は、制御システム60にデータを伝達するセンサ50のアレイを備える。センサ・アレイ50および制御システム60は、ユニット53内に存在し、ユニット53の制御システム60は、ユニット53から外部にデータを伝達する65ための、有線または無線接続能力を有する。
図3Aの実施形態では、補助デバイスのアレイ70に、データが伝達される65。この実施形態では、制御システムは、センサ・アレイ50からのデータを処理しており、1つまたは複数の環境条件の指標を計算する。ユニット53が存在する環境条件を改善するために、指標を使用して、制御データが、様々な外部デバイスに伝達される65。
【0026】
たとえば、微粒子物質センサ・モジュールは、空気中の2.5ミクロンの粒子の濃度の増加を感知することができる。密閉された環境では、2.5ミクロンの粒子の増加を検出した制御システムは、空調ユニットの吸気口などのデバイスを動作させ、ルーバを閉じ、これにより外部からの空気の流入を減らすことができる。別法として、制御システムは、環境空間に入る前に粒子を除去するために、選択的に動作可能なフィルタを使用することができる。
【0027】
さらなる実施形態において、センサ・アレイ50には、温度センサおよび湿度センサからのデータに基づいて、環境内での顕熱の指標を計算するための、湿度センサおよび温度センサが含まれ得る。前記動作に必要な、快適レベルの範囲内に顕熱の指標を下げるために、エア・ハンドリング・ユニット(AHU:air handling unit)システムを変更することで、湿度および/または温度を下げることができる。
【0028】
したがって、この実施形態によるシステム52により、計算された指標を使用して環境条件を修正することが可能となり得る。
【0029】
図3Bは、制御システム60にデータを伝達する55、センサ・アレイ50を備える同様のシステム54を示している。ただし、この実施形態では、制御システム60は、クラウドベースの記憶装置80などの遠隔データ記憶ユニットに伝達する75ことができる。このシステム54のクラウドベースの記憶装置80は、次いで、
図3Aの実施形態に関連して論じられたのと同様のやり方で、外部デバイスのアレイ85を制御する役割を担う。したがって、
図3Bのシステム54は、複数のユニット53から入力を受信し75、たとえば、オフィスビル内の環境条件を制御する能力を有し、これにより個々のオフィスが、僅かに相異なる環境条件を有し、したがってクラウドベースの記憶装置80は、個々のオフィスごとに最適な環境条件を提供するために、複数のデータを受信し、複数の様々な外部デバイスを制御する。
【0030】
図4は、試験セルまたは汚染物質セル100が、取外しできるように装着可能である105、さらなる実施形態を示している。試験セル100は、次いで、試験セル100の排気口102と、本発明による空気質測定ユニット90の吸気口95とに、協働的に装着することができる。この場合、ユニット90は、1つまたは複数のセンサ・モジュール(図示せず)を備える。
【0031】
試験セル100は、既知の濃度を有する汚染物質を流し込むことによって形成でき、汚染物質は、試験または較正されるべきセンサ・モジュールに対応する。汚染物質発生器は、汚染物質の種類によって異なり、たとえば、ガス汚染物質(CO2、NO2など)の場合、汚染物質発生器は、試験セルの吸気口に連結可能なガスのボトルであり得る。汚染物質発生器は、微粒子汚染物質の場合、粒子が試験セル内に供給されるのと同じかまたは別の、試験セルの吸気口に連結可能な容器であり得る。
【0032】
微粒子汚染物質の場合、必要な濃度を実現させるために、試験セルの中身全部を試験セルに注入する必要があり得ることが理解されよう。
【0033】
他の汚染物質については、噴霧、汚染物質ガスのガス注入、不活性ガス(窒素など)のガス注入など、様々な注入方法を採用して、注入中に汚染物質を浮遊させることができることが、さらに理解されよう。この目的のために、試験セルは、汚染物質特有のものであり得る。
【0034】
さらなる実施形態では、試験セルは、いくつかのセンサ・モジュールの同時試験または較正に向けた、いくつかの汚染物質を収めることができる。
【0035】
ユニット90または被試験デバイス(DUT:Device under Test)は、単一センサ・モジュールまたはマルチセンサ・モジュールであり得る。自動試験機器(ATE:automated test equipment)は、各DUTを収容する複数の試験用ソケットを内蔵することができる。この目的のために、DUTを試験チャンバ内に装着して、外部で試験/制御システムに接続することができる。
【0036】
制御システムの基準測定値を提示するために、基準機器を試験チャンバ内に配置することができる。例として、NO2メータ、オゾン・メータ、ホルムアルデヒド・メータなどが含まれ得る。
【0037】
DUTに組み込まれた制御システムは、DUTを、較正モードにすることができる。制御システムは、以下の非限定的な方法のいずれかによって、試験セルから既知の汚染物質濃度を受信する。
i)QRコード(登録商標)、
ii)ユニット内のRFIDリーダによって読み取られるべき、試験セル上のRFIDチップ、
iii)操作者による手作業での入力、または
iv)他の好適な手段。
【0038】
ユニットは、初期化を開始し、制御システムは、収集した生データおよび既知の汚染物質濃度から、較正を判断する。制御システムは、これによりセンサごとの較正係数を判断し、次いで較正係数をセンサ・モジュールの対応する不揮発性メモリにプログラムする。
【0039】
較正係数は、汚染物質を表すデジタル・フットプリントの形態であり、クラウド・サーバ115に記憶され得る110。操作者は、次いで、較正モードを開始することができ、較正モードには、ユニットが、クラウドからデジタル・フットプリントをダウンロードすること110、および制御システムが、デジタル・フットプリントから較正係数を受信すること、または較正係数を判断することが含まれることになる。
【0040】
ユニット内のセンサ・モジュールが特有のものであり、デジタル・フットプリントがより汎用化されている場合、制御システムが、クラウドからのデータを適合させる必要があるかどうかを、判断するステップが必要となり得る。
【国際調査報告】