(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-18
(54)【発明の名称】自立型ケーブルトレイ支持構造及び組み立て方法
(51)【国際特許分類】
H02G 3/04 20060101AFI20231011BHJP
【FI】
H02G3/04 056
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023518928
(86)(22)【出願日】2021-09-08
(85)【翻訳文提出日】2023-05-18
(86)【国際出願番号】 US2021049413
(87)【国際公開番号】W WO2022066411
(87)【国際公開日】2022-03-31
(32)【優先日】2020-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523105392
【氏名又は名称】エム.シー.ディーン,インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】M.C.DEAN,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】弁理士法人平田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ランペイ,ウォルター エドワード
(72)【発明者】
【氏名】グー,チャン
【テーマコード(参考)】
5G357
【Fターム(参考)】
5G357BA04
5G357BB01
5G357BC05
(57)【要約】
データセンタ内の複数のサーバラック(4)のアレイの上方で複数のケーブル(7)を支持するためのケーブルトレイ支持構造(1)、及びその組立方法を提供する。ケーブルトレイ支持構造(1)は自立型であり、アレイにおける複数のサーバラック(4)間に配置され、複数の水平支持部材(16)によって互いに結合された複数の垂直支柱(12)を含む。複数の結合アセンブリ(30)により、それぞれの垂直支柱(12)の複数の上端部が、配置された2つの水平支持部材(16)の対向する端部に結合される。複数の水平支持部材(16)は、複数の垂直支柱(12)と結合した際に、アレイの複数のサーバラック(4)間に複数の垂直支柱(12)が配置される寸法に調整される。複数の水平支持部材(16)に取り付けられた複数の支持体(18)が、ケーブルトレイ(6a、6b)を支持する。支持構造(1)は、複数のサーバラック(4)から機械的に独立しているとともに、床(2)のみにより支持されるため、データセンタに複数のサーバラック(4)のアレイが設置される前に組み立てられても後に組み立てられてもよい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物内において複数のサーバラックのアレイの上方で複数のケーブルを支持する自立型ケーブルトレイ支持構造であって、
前記アレイの複数のサーバラック間に配置され、それぞれが、前記複数のサーバラックの上方に延在する上端部と、前記複数のサーバラックを支持する床と同じ床に係合する下端部とを有する複数の垂直支柱と、
前記複数の垂直支柱の一対の列のそれぞれの前記上端部同士を相互接続する複数の水平支持部材と、
前記複数の水平支持部材のうちの少なくとも1つに取り付けられる複数のトレイ支持体と、
前記複数のトレイ支持体に支持されたサイドケーブルトレイと、を備え、
前記複数のサーバラックから機械的に独立しているとともに前記床のみにより支持される、自立型ケーブルトレイ支持構造。
【請求項2】
前記複数の垂直支柱の前記複数の下端部を前記床に固定するための複数の床取付部を更に備える、請求項1に記載の自立型ケーブルトレイ支持構造。
【請求項3】
前記複数の垂直支柱の前記複数の上端部と前記複数の水平支持部材の複数の隣接端部とを相互接続する複数の結合アセンブリを更に備える、請求項1に記載の自立型ケーブルトレイ支持構造。
【請求項4】
前記複数の水平支持部材の長さは、前記複数の結合アセンブリが前記複数のサーバラック間の空間に前記複数の垂直支柱を配置させるように選択される、請求項3に記載の自立型ケーブルトレイ支持構造。
【請求項5】
前記複数の結合アセンブリのそれぞれは、一対の相対するL字型ブラケットを含み、各L字型ブラケットは、前記複数の垂直支柱のうちの1つの前記上端部に取り付けられる第1の脚部と、前記複数の水平支持部材のうちの1つに取り付けられる第2の脚部とを有する、請求項3に記載の自立型ケーブルトレイ支持構造。
【請求項6】
前記相対するL字型ブラケットのそれぞれは、前記第1の脚部と前記第2の脚部の間に位置する補強フランジと、前記第2の脚部から延出し、前記複数の水平支持部材の複数の隣接端部の側面に固定される取付フランジと、を更に含む、請求項5に記載の自立型ケーブルトレイ支持構造。
【請求項7】
前記複数の垂直支柱は2列に配置され、前記複数の水平支持部材は2列に配置され、前記複数の水平支持部材の前記一対の列の間に亘って延び、相互接続する複数のブリッジ部材と、前記複数のブリッジ部材に支持されるブリッジケーブルトレイと、を更に含む、請求項1に記載の自立型ケーブルトレイ支持構造。
【請求項8】
前記複数のトレイ支持体は、下段サイドケーブルトレイを支持する複数のトレイ支持アームと、上段サイドケーブルトレイを支持する複数のトレイ支持ブラケットと、を含む、請求項1に記載の自立型ケーブルトレイ支持構造。
【請求項9】
前記複数の水平支持部材は、前記複数のトレイ支持体を調節可能に受け止めて固定するための複数のトレイ支持体固定部を含み、前記複数のトレイ支持体固定部の数は、前記複数のトレイ支持体の数よりも多い、請求項8に記載の自立型ケーブルトレイ支持構造。
【請求項10】
換気システムを備えた建物内において複数のサーバラックのアレイの上方で複数のケーブルを支持する自立型ケーブルトレイ支持構造であって、
前記アレイの前記複数のサーバラック間に配置され、前記複数のサーバラックの上方に延在する上端部と、前記複数のサーバラックを支持する床と同じ床に固定される下端部とをそれぞれ有する複数の垂直支柱の一対の列と、
前記複数の垂直支柱の前記一対の列のそれぞれの前記複数の上端部を相互接続する複数の水平支持部材の一対の列と、
前記複数の垂直支柱の前記複数の上端部と前記複数の水平支持部材の複数の隣接端部とを相互接続する結合アセンブリと、
前記複数の水平支持部材の列のうち少なくとも1つに取り付けられる複数のトレイ支持体と、
前記複数の水平支持部材の列のうち前記少なくとも1つに取り付けられる前記複数のトレイ支持体に支持されたサイドケーブルトレイと、を備え、
前記ケーブルトレイ支持構造は、前記複数のサーバラック及び前記換気システムから機械的に独立しているとともに前記床のみにより支持され、
前記複数の水平支持部材の長さは、前記複数の結合アセンブリが前記複数のサーバラック間の空間内に前記複数の垂直支柱を配置させるように選択される、自立型ケーブルトレイ支持構造。
【請求項11】
前記複数の水平支持部材の前記一対の列の間に亘って延び、相互接続する複数のブリッジ部材と、前記複数のブリッジ部材に支持されるブリッジケーブルトレイと、を更に含む、請求項10に記載の自立型ケーブルトレイ支持構造。
【請求項12】
前記複数のトレイ支持体は、下段サイドケーブルトレイを支持する複数のトレイ支持アームと、前記下段サイドケーブルトレイの上方において上段サイドケーブルトレイを支持する複数のトレイ支持ブラケットと、を含む、請求項11に記載の自立型ケーブルトレイ支持構造。
【請求項13】
前記複数の水平支持部材は、前記複数のトレイ支持体を調節可能に受け止めて固定するための複数のトレイ支持体固定部を含み、前記複数のトレイ支持体固定部の数は、前記複数のトレイ支持体の数よりも多い、請求項10に記載の自立型ケーブルトレイ支持構造。
【請求項14】
前記複数の結合アセンブリのそれぞれは、一対の相対するL字型ブラケットを含み、各L字型ブラケットは、前記複数の垂直支柱のうちの1つの前記上端部に取り付けられる第1の脚部と、前記複数の水平支持部材のうちの1つに取り付けられる第2の脚部と、前記第2の脚部から延出し、前記複数の水平支持部材の複数の隣接端部の側面に固定される取付フランジと、を有する、請求項10に記載の自立型ケーブルトレイ支持構造。
【請求項15】
データセンタ内で複数のサーバラックのアレイの上方で複数のケーブルを支持する自立型ケーブルトレイ支持構造の組み立て方法であって、
前記複数のサーバラックの高さよりも長い複数の垂直支柱を設ける工程と、
前記複数の垂直支柱と結合された際に、前記アレイにおける前記複数のサーバラック間の空間に前記複数の垂直支柱が配置される長さを有する複数の水平支持部材を設ける工程と、
前記複数の垂直支柱のうちの1つの上端部と、共線的に配置された前記複数の水平支持部材のうちの2つの対向する端部とをともに結合して、前記複数の垂直支柱の複数の下端部が床に係合することのみによって支えられる前記自立型ケーブルトレイ支持構造を形成する工程と、
前記自立型ケーブルトレイ支持構造の前記複数の垂直支柱の前記複数の下端部を、前記データセンタの床の所望の位置に配置する工程と、
前記複数の垂直支柱の前記複数の下端部を前記データセンタの前記床に固定する工程と、を含む、組み立て方法。
【請求項16】
前記自立型ケーブルトレイ支持構造は、前記複数のサーバラックの前記アレイから機械的に独立しており、前記床のみにより支持される、請求項15に記載の組み立て方法。
【請求項17】
前記ケーブルトレイ支持構造が組み立てられた後で、隣接する前記複数の垂直支柱の間に前記複数のサーバラックが配置される、請求項15に記載の組み立て方法。
【請求項18】
前記ケーブルトレイ支持構造が組み立てられる前に、前記データセンタの前記床に前記複数のサーバラックがアレイ状に配置される、請求項15に記載の組み立て方法。
【請求項19】
前記複数の垂直支柱のうちの前記1つの上端部と、共線的に配置された前記複数の水平支持部材のうちの2つの対向する端部をともに結合することは、前記垂直支柱の前記上端部に取り付けられる第1の脚部と、前記複数の水平支持部材のうちの1つに取り付けられる第2の脚部とをそれぞれが有する一対の相対するL字型ブラケットを含む複数の結合アセンブリを介してなされる、請求項15に記載の組み立て方法。
【請求項20】
データセンタ内で複数のサーバラックのアレイの上方で複数のケーブルを支持する自立型ケーブルトレイ支持構造の組み立て方法であって、
前記複数のサーバラックの高さよりも長い複数の垂直支柱を設ける工程と、
前記複数の垂直支柱と結合された際に、前記アレイにおける前記複数のサーバラック間に前記複数の垂直支柱が配置される長さを有する複数の水平支持部材を設ける工程と、
前記複数の垂直支柱の複数の上端部を前記複数の水平支持部材に接続して、前記複数の垂直支柱の複数の下端部が床に係合することのみによって支えられる前記自立型ケーブルトレイ支持構造を形成する工程と、
前記自立型ケーブルトレイ支持構造の前記複数の垂直支柱の前記複数の下端部を、前記データセンタの前記床の所望の位置に配置する工程と、
前記複数の垂直支柱の前記複数の下端部を前記データセンタの前記床に固定する工程と、を含み、
前記自立型ケーブルトレイ支持構造は、前記複数のサーバラックの前記アレイから機械的に独立しており、前記床のみにより支持される、組み立て方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、ケーブルトレイ支持構造及び組み立て方法に関し、特に、複数のサーバラックのアレイの上方に立設し、建物の床のみにより支持されるケーブルトレイ支持構造に関する。本組み立て方法では、複数のサーバラックのアレイを建物の床に配置する前後を問わず、支持構造を組み立てることが可能となる。
【背景技術】
【0002】
デジタル処理装置を高密度に収容するデータセンタ等の建物では、複数のコンピュータサーバやその他の機器同士を連結し、電力供給を行う多数の通信及び電源ケーブルを支持する構造が必要である。このため、このような複数の通信及び電源ケーブルは、通常、複数のケーブルトレイ支持構造によって複数のサーバラック列の上方に配置された複数のケーブルトレイに敷設される。
【0003】
このような複数のケーブルトレイ支持構造にかかる機械的負荷は非常に大きい。現代の「ミッションクリティカル」(mission-critical:業務遂行に不可欠な要素)であるデータセンタでは、デジタル処理装置に確実に途切れなく電力を供給するため、数セットの冗長電源が必要である。このような冗長電源を必要とすることが、ケーブル支持システムが支持しなければならない、銅を使用した電源ケーブル、バスウェイ、バスプラグの数を倍増させ、その結果、複数のケーブルトレイにかかる機械的負荷はリニアフィートあたり131ポンド以上ともなり得る。
【0004】
従来技術では、荷重の大きな複数のケーブルトレイを支持するために、様々なタイプの支持構造が開発されてきた。これら従来技術のシステムの中には、建物の天井に取り付けられた複数のレールから吊り下げられた複数列のケーブル支持ブラケットを含むものがある。複数列の吊り下げブラケットが、複数列のサーバラックや他のデータ処理機器の上方に取り付けられる。各ブラケットは逆T字形状であり、ステム部分が垂直支持部材に対応し、逆T字の帽子部分の両側が、垂直支持部材の両側で複数のケーブルトレイを支持する一対の両側支持アームに対応する。複数の吊り下げブラケットを設置した後、複数のケーブルトレイ部を両側支持アームに取り付け、ブラケットの各列の両側に2つの平行なケーブルトレイを形成する。
【0005】
従来技術の他のシステムでは、複数のサーバラックが複数のケーブルトレイ用の複数の支持ブラケットを含むように特別に設計されており、これにより完全に別体のケーブルトレイ支持構造が不要となっている。このようなシステムでは、複数のケーブルトレイや換気システム用の機械的支持構造を別途設ける必要性を更に低減するために、複数のサーバラックのアレイが設置されるデータセンタや他の建物の換気システムの構成部品も複数のサーバラックで支持する場合もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような従来技術のケーブルトレイ支持システムが有用であることは証明されているが、本出願人は、このようなシステムには、その有用性を制限する多くの欠点があることを確認している。例えば、天井取り付け型の支持構造では、作業員が、必要な取付穴をドリルで天井に開けたり、ブラケット支持レールを持ち上げて所定の位置にボルトで固定したりと、重力に逆らって作業を行わなければならないため、設置にかなりの労力が必要となる。このような支持構造は、複数のケーブルにより加わるリニアフィートあたり131ポンドの重さ以外に、かなりの自重を支えなければならないため、支持構造を固定するために天井に取り付ける必要のある固定ボルトの数と寸法は相当なものとなる。設置済の複数のサーバラックのアレイの周囲に複数の天井取り付け型支持レールを設置することは困難であるとともに費用がかかるため、このような天井取り付け型構造の設置は、複数のサーバラックを設置する前に行わなければならない。そのため、データセンタの建設順序に制約が生じるというデメリットがある。更には、データセンタの建物に収容されるコンピュータサーバの量と密度が増加し続けており、これによる熱負荷に対処するため、より大規模な換気システムが必要となっている。その結果、複数のサーバラックのアレイの上方に取り付けられた換気プレナムや配管と機械的に干渉することなく天井支持型の支持システムを設置することは、不可能ではないとしても、ますます困難となっている。
【0007】
前述のサーバラック一体型支持システムでは、天井取り付け型支持構造の欠点のうちのいくつかを回避してはいるが、リニアフィートあたり131ポンドの複数のケーブルの荷重も更に支持するように設計された特別仕様の複数のサーバラックが必要であり、このため、サーバラックのコストが大幅に増加してしまう。更に、特別仕様の複数のサーバラック上の複数のケーブルトレイ支持ブラケットの位置によっては複数のサーバラックのアレイの上方に取り付けられた換気プレナムや配管と干渉する可能性もある。このような特別仕様の複数のサーバラックが建物の換気システムの構成部品を支持する機能も備えている場合には、この問題は回避できるかもしれない。しかし、支持用構成部品の寸法を、換気用構成部品の寸法とこれらを取り付ける天井の高さとに合わせて調整しなければならず、これには相当数の部品の正確な定寸と、比較的時間のかかる設置プロセスが必要となる。更に、このような一体型支持システムに関わる設置プロセスは複雑性が高いため、これによってもデータセンタの建設工程の順序に制約が生じてしまう。
【0008】
したがって、建物内で頭上に取り付けられた換気冷却システムのプレナム、配管又は他の構成部品に干渉することなく、データセンタに簡単かつ安価に設置できるケーブルトレイ支持構造が求められる。このような支持構造は、建物の天井に依存したり、支持用に特別に設計されたサーバラックを必要としたりしないことが理想的である。また、建築請負業者がデータセンタの建設順序を幅広い範囲で柔軟に決めることができるように、このような支持構造の設置は、サーバラックや冷却システムの換気用構成部品の設置の前後を問わず実施可能であるとよい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明のケーブルトレイ支持構造は自立型であり、アレイにおける複数のサーバラック間に配置され、それぞれが複数のサーバラックの上方に延びる複数の上端部と、前記複数のサーバラックを支持する床と同じ床に係合する複数の下端部とを有する複数の垂直支柱の一対の列と、一対の列の複数の垂直支柱の上端部同士をそれぞれの列において相互接続する複数の水平支持部材の一対の列と、を備えて概略構成される。複数のトレイ支持体が、複数の水平支持部材の列のうち少なくとも1列に取り付けられ、複数のトレイ支持体に支持されたサイドケーブルトレイが、複数の水平支持部材の一対の列に取り付けられる。
【0010】
本発明のケーブルトレイ支持構造は床のみにより支持されており、複数のサーバラックからだけでなく、換気用構成部品からも機械的に独立している。これにより、支持用に特別に設計された複数のサーバラックを必要とせず、多岐にわたる市販の複数のサーバラックと併せて使用することができる。複数のサーバラックから機械的に独立していることと、複数の垂直支柱がアレイにおける複数のサーバラック間に配置されることから、本発明の支持構造は、複数のサーバラック設置の前後を問わず組み立てられることができ、建築請負業者が建設工程の順序を幅広い範囲で柔軟に決めることができる点で有利である。天井取り付け型の支持構造とは対照的に、建物の床から迅速かつ簡単に組み立てることができる。
【0011】
本発明のケーブルトレイ支持構造は、複数の垂直支柱の複数の下端部を床に固定するための床取付部と、複数の垂直支柱の複数の上端部と複数の水平支持部材の隣接端部とを相互接続する複数の結合アセンブリの双方を含むことが好ましい。複数の水平部材の長さは、複数の結合アセンブリが複数の垂直支柱を複数のサーバラックの間に配置させるように選択される。好適な実施形態では、複数の水平部材の長さは、2つの複数のサーバラックの間のそれぞれに複数の垂直支柱が配置される長さである。各結合アセンブリは、2つの隣接する複数の水平支持部材の端部を、複数の垂直支柱のうちの1つの上端部と重ねて取り付ける。結合アセンブリは、複数の垂直支柱のうちの1つの上端部に取り付けられる第1の脚部と、複数の水平支持部材のうちの1つに取り付けられる第2の脚部とをそれぞれが含む一対の相対する(opposing)L字型ブラケットを含む。相対するL字型ブラケットは、それぞれが、第1の脚部と第2の脚部の間に位置する補強フランジと、第2の脚部から延出し、複数の水平支持部材の隣接端部の側面に固定される取付フランジとを更に含む。
【0012】
複数の垂直支柱の下端部を床に固定する床取付部の使用により、複数の電源及び通信ケーブルを複数のケーブルトレイに敷設して引きずった際に複数の垂直支柱が真に垂直な姿勢に保たれ、これにより支持構造の耐荷力が維持される点で有利である。一対の相対するL字型ブラケットから形成される結合アセンブリを用いて複数の水平支持部材の複数の端部を複数の垂直支柱の複数の上端部に重ねて固定することで、ケーブルトレイから複数の垂直支柱に複数の水平支持部材を経て加えられる垂直荷重が効果的に複数の垂直支柱へと向かい、複数の支柱の複数の上端部の周辺のより広い領域に荷重が分散する点で有利である。
【0013】
本発明のケーブルトレイ支持構造は、複数の水平支持部材の一対の列の間に亘って延び、相互接続する複数のブリッジ部材と、複数のブリッジ部材に支持される少なくとも1つのブリッジケーブルトレイとを更に含んでもよい。複数の水平支持部材は、複数のトレイ支持体を調節可能に受け止めて固定するための複数のケーブルトレイ支持体固定部を含み、複数のケーブルトレイ支持体固定部の数は、複数のトレイ支持体の数よりも多い。
【0014】
また、本発明は、自立型ケーブルトレイ支持構造の組み立て方法を含む。本方法では、複数のサーバラックの高さよりも長い複数の垂直支柱が設けられる。そして、複数の垂直支柱と結合された際に複数のサーバラックの間に複数の垂直支柱が配置される長さを有する寸法に調整された複数の水平支持部材が設けられる。次に、複数の垂直支柱の複数の端部を複数の水平支持部材の複数の端部に結合することで、支持構造の2つの側部を建物の床の上で組み立てる。この工程では、支持構造の角部を形成する複数の垂直支柱の一方の端部は複数の水平支持部材のうちの1つの端部に結合され、また、水平支柱の2つの当接端部は支持構造の内側脚部を形成する複数の垂直支柱の一方の端部に結合される。そして、支持構造の2つの完成した側部を上昇させ、ブリッジ部材で互いに接続してテーブル状の構造体を形成する。自立型ケーブルトレイ支持構造の複数の垂直支柱の複数の下端部が、データセンタの床の所望の位置に配置される。最後に、複数の垂直支柱の複数の下端部が、データセンタの床に固定される。本発明の方法は、データセンタ又は他の建物の床の上で、複数のサーバラックの設置前(この場合、複数のサーバラックは、完成した支持構造における床に取り付けられた複数の垂直支柱の間に設置される)、又は複数のサーバラックの設置後(この場合、2つの完成した側部の複数の垂直支柱が、ブリッジ部材によって互いに接続される前に、アレイの側面を形成する支持ラックの間に配置される)のいずれに実施してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、複数のサーバラックのアレイの上方に設置された本発明のケーブルトレイ支持構造の斜視図である。
【
図2】
図2は、支持構造の主要な構成部品が見やすくなるようにサーバラック及びケーブルトレイを省略して示す、
図1のケーブルトレイ支持構造の斜視図である。
【
図4A】
図4Aは、複数の垂直支柱の1つと重なって2つの隣接する水平支持部材の当接端部が結合している様子を示す、本発明の結合アセンブリの1つを示す透視図である。
【
図4B】
図4Bは、結合アセンブリの詳細がより見やすいように2つの隣接する水平支持部材を省略して示す、
図4Aに示される結合アセンブリの反対側の斜視図である。
【
図4C】
図4Cは、本発明の床取付部のうちの1つの斜視図である。
【
図4D】
図4Dは、支持構造の複数のブリッジ部材のうちの1つの端部がどのように複数の垂直支持部材のうちの1つに取り付けられるかを示す斜視図である。
【
図4E】
図4Eは、下段サイドケーブルトレイを支持する複数のトレイ支持アームのうちの1つと、上段サイドケーブルトレイを支持する複数のトレイ支持ブラケットの斜視図である。
【
図5】
図5は、下段及び複数のブリッジケーブルトレイのみが組み付けられた状態を示す、複数のサーバラックのアレイの上方に設置された本発明のケーブルトレイ支持構造の上面図である。
【
図6】
図6は、上段サイドケーブルトレイのみが組み付けられた状態を示す、複数のサーバラックのアレイの上方に設置された本発明のケーブルトレイ支持構造の上面図である。
【
図7】
図7は、全てのケーブルトレイが組み付けられた状態を示す、複数のサーバラックのアレイの上方に設置された本発明のケーブルトレイ支持構造の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1を参照すると、本発明のケーブルトレイ支持構造1は、データセンタや他の建物の床3のみにより支持される自立型であり、サーバラックアレイ3の上方で電源及び通信ケーブルを支持する機能を有する。このようなアレイ3は、典型的には、複数の個別のサーバラック4及びワイヤダクト(wire handlers、ワイヤハンドラ)5が並んだ列が2列対向して形成される。図に示すように、各列において、複数のサーバラック4と複数のワイヤダクト5は狭い間隔で配置される。支持構造1は、複数のサーバラック4と複数のワイヤダクト5の対向する2列の上方の下段サイドケーブルトレイ6a及び上段サイドケーブルトレイ6bと、これら2列に亘って延びる複数のブリッジケーブルトレイ6cを支持する。ケーブルトレイ6a、6b及び6cは、はしご状の構造を有しており、それぞれの長手軸に沿って複数の電源及び通信ケーブル7を保持する。そして、複数のケーブル7は、複数のサーバラック4内に積み重ねられたコンピュータサーバや他の電子機器を互いに接続している。ケーブルトレイ支持構造1は、サーバラックアレイ3の構成要素のいずれにも機械的に接続されておらず、よって、複数の個別のサーバラック4やワイヤダクト5に支持を依存していない点が重要である。また、図面には特に示されていないが、どのデータセンタにも、通常、アレイ3の上方に取り付けられた換気プレナムや配管があり、支持構造1がこれら換気構成部品のいずれにも同様に機械的に接続されていない点が重要である。
【0017】
図2を参照すると、支持構造1は、複数の垂直支柱12の一対の列10a、10bと、複数の支柱12の複数の上端部を相互接続する複数の水平支持部材16の一対の列14a、14bとから形成される2つの対向する側部8a及び8bを有する。以下でより詳細に説明するが、複数の水平支持部材16の当接端部は、複数の垂直支柱12のうちの1つの上端部に重なり結合されている。複数の水平支持部材16は、それぞれの端部に結合された複数の垂直支柱12が、サーバラックアレイ3における隣接する2つのサーバラック4の間に小さな空間が設けられるように定寸される。このような定寸により、複数の垂直支柱12は、サーバラックアレイ3を形成する個々の複数のサーバラック4及びワイヤダクト5と機械的に干渉することなく下方に延び、その下端部が床3に係合することができる。支柱12、支持部材16、及び支持構造1の他の構造部材は、いずれも構造用鋼から形成されることが好ましいが、最終的に得られる支持構造1がケーブル7によって加えられるリニアフィートあたり131ポンドの予想荷重に対処できる限り、アルミニウムや非鉄合金、更には炭素複合材から形成することももちろん可能である。
【0018】
図2及び3A~3Cに示すように、複数の水平支持部材16の一対の列14a、14bには、数種類のトレイ支持体18が接続されている。これら支持体18には、複数のトレイ支持アーム20と、複数のトレイ支持ブラケット22と、ブリッジ部材24が含まれる。複数のトレイ支持アーム20は、複数の水平支持部材16の一対の列14a、14bの内側側面からカンチレバー状に設けられており、支持構造1の側部8a、8b上の下段サイドケーブルトレイ6aを支持する機能を有する。複数のトレイ支持ブラケット22は、複数の水平支持部材16の一対の列14a、14bの上面に取り付けられており、支持構造1の側部8a、8b上の上段サイドケーブルトレイ6bを支持する役割を果たす。ブリッジ部材24は、複数の水平支持部材16の一対の列14a、14bの内側側面の間に亘って接続されており、ブリッジケーブルトレイ6cを支持するだけでなく、支持構造1の側部8a、8bを互いに接続して安定した構造にするという二つの機能を発揮する。
【0019】
特に
図4Aを参照すると、結合アセンブリ30は、2つの複数の水平支持部材16の当接端部同士を、複数の垂直支柱12のうちの1つの上端部と各端部を重ねて接続している。結合アセンブリ30は、複数の垂直支柱12の互いに反対側に位置する側面に配置された一対のL字型ブラケット32a、32bを含む。
図4Bを参照すると、L字型ブラケット32a、32bは、それぞれが、ボルト穴37を貫通して延びるボルト(図示せず)を介して複数の垂直支柱12の上端部の側面に取り付けられた垂直脚部34を含む。L字型ブラケット32a、32bは、それぞれが、細長いボルト穴39を貫通して延びるボルト(図示せず)を介して複数の水平支持部材16の端部の一方に接続される水平脚部38を更に含む。垂直脚部34及び水平脚部38の間には、結合アセンブリ30の強度を高めるために、45度角の補強フランジ42が一体的に設けられている。また、L字型ブラケット32a、32bのそれぞれの水平脚部38からは取付フランジ44が上に向かって延びており、細長いボルト穴46を貫通して延びるボルト(図示せず)を介して複数の水平支持部材16の側面に接合される。各複数の水平支持部材16の少なくとも一方の側面に沿って、等間隔で一列に連なったボルト穴48(
図4Eを見ると最もよく分かる)が存在する。各複数の水平支持部材16の端部に対して、ボルト穴48間の間隔とボルト穴48の配置は同じである。ボルト穴48の間隔及び配置は、L字型ブラケット32A、32bのそれぞれの取付フランジ44のボルト穴46が、複数の水平支持部材16の端部に位置するボルト穴48と位置合わせ調節されるように選択される。
【0020】
取付フランジ44は、結合アセンブリ30によって作られた結合部を強化するだけでなく、複数の垂直支柱12の上端部上で複数の水平支持部材16の適切な位置合わせと複数の水平支持部材16の端部の適切な配置が確実に行われるようにする。結合アセンブリ30が複数の水平支持部材16の端部を複数の垂直支柱12の上端部に重ねて固定することで、ケーブルトレイ6a、6b及び6cから複数の水平支持部材16を経て加えられる垂直荷重を、接合部30自体から遠ざかるように複数の垂直支柱12へ効果的に集中させている。結合アセンブリを形成する一対の相対するL字型ブラケット32a、32bは、ケーブルトレイ6a、6b及び6cからの垂直荷重が集中する複数の水平支持部材16の対向する端部と支柱12の上端部の強度を有利に強化し、この垂直荷重をより広い領域に効果的に分散させることで局所的な応力の大きさを小さくしている。アレイ3の複数のサーバラック4間の小さな空間の間に複数の垂直支柱12が配置されるよう定寸された長さの複数の水平支持部材16を結合アセンブリ30と併せて用いることにより、支持部材16の長さを調節する機構や、2つの複数の水平支持部材を単につなぎ合わせるだけの更なる接合部を必要とすることなく、結合アセンブリ30によって形成される単一の接合部で、複数の水平支持部材16を一列に接合することと、複数の水平支持部材16を複数の垂直支柱12に接合することの両方を行うことができる。
【0021】
図4Cは、複数の垂直支柱12の下端部を床3に固定するために用いられる床取付部を示す。好適な実施形態では、これら床取付部は、支柱12の下端部に溶接される又は取り付け固定される床フランジ50の形態をとっている。フランジ50及び複数の垂直支柱12の下端部を床3に固定するため、床フランジ50は、取付ボルト(図示せず)を受け入れるためのボルト穴52を含む。好適な実施形態における床取付部は、床にボルト固定される長方形のフランジであるが、床取付部は、垂直柱12の下端を床3に効果的に固定できる工業用接着剤を含む任意の形態をとってもよい。床取付部にとっては、床自体へというよりも床3上の所望の位置に複数の垂直支柱の下端部を固定することがより重要であるため、かかる床取付部は、床3に設けられて柱12の下端部を受け入れる凹部を含んでもよい。
【0022】
図4Dは、ブリッジ部材24用の取付フランジ55を示す。取付フランジ55は、長方形の形状であることが好ましく、ブリッジ部材24の端部に溶接される。取付フランジ55は、フランジ55を複数の水平支持部材16のうちの1つに固定するための取付ボルト(図示せず)の使用が容易となるように、複数の水平支持部材16のボルト穴48との位置合わせ調節ができる細長いボルト穴57を含む。ボルト穴48は、複数の水平支持部材16の全長に沿って設けられているため、ボルト穴48が部材16に沿って一列に連なる所定の取付部となっており、これにより、支持構造1の2つの側部8a、8b間にまたがるブリッジ部材24の配置を柔軟に行える。ブリッジ部材24の好ましい構成が
図2に示されている。ここでは、等間隔に配置された3対のブリッジ部材24により支持構造1の2つの側部8a、8bが固定され、テーブル状の構造となっている。ブリッジ部材24の各対は、これにより支持されるブリッジトレイ6cの側部間の距離よりもわずかに短い距離の間隙を有している。ケーブル7がトレイ6cの一方側より他方側に多く積み重ねられた場合にブリッジトレイ6cがねじれることを回避するためである。
【0023】
図4Eは、どのようにトレイ支持アーム20とトレイ支持ブラケット22が複数の水平支持部材16に取り付けられているかを示している。各トレイ支持アーム20は、その一端に溶接された長方形の取付フランジ60を含む。前述のブリッジ部材24用の取付フランジ55と同様に、トレイ支持アームの取付フランジ60は、各複数の水平支持部材16の側面に沿って存在する一列に連なるボルト穴48との位置合わせ調節ができる一対の細長いボルト穴57を含む。ボルト(図示せず)を用い、トレイ支持アーム20の一端を複数の水平支持部材16のうちの1つの側面にカンチレバー状に取り付ける。
【0024】
ここで
図4E及び4Fの両方を参照すると、各トレイ支持ブラケット22は、上段サイドケーブルトレイ6bを直接支持する水平トレイ支持体70と、垂直方向に設けられた起立部材(riser member:ライザー部材)72を含む。水平トレイ支持体70は、一端で起立部材72に支持されるカンチレバー状になっておらず、その中間点近くで起立部材72に接続されている。上段サイドケーブルトレイ6bは下段サイドケーブルトレイ6aの約2倍の幅を有し、より多くのケーブルを支えることができるため、このように中央で支持することで、水平トレイ支持体70と起立部材72との間の接続においてモーメントアーム力(moment arm force)の釣り合が保たれる。
図4Fで最もよく分かるように、水平トレイ支持体70と起立部材72との間の接続は、中心からやや左にずれていることが好ましい。このような配置により、上段サイドケーブルトレイ6bの大部分が、複数のサーバラック4のアレイ3の内側に向かって延在される。これにより、ケーブル7が全体的にアレイ3の内側から持ち上げられて上段サイドトレイ6b内に敷設されることになるため、ケーブルを配置する際に上段サイドトレイ6bによりアクセスしやすくなる。
【0025】
起立部材72は、水平トレイ支持体70を取付フランジ74に接続している。取付フランジ74は長方形であり、一定のパターンに配置された細長いボルト穴76を含む。このボルト穴76のパターンは、各複数の水平支持部材16の上面の長さに沿って均一に離間された一連のボルト穴パターン78のうちの1つと位置合わせ調節ができる。一連のボルト穴パターン78が、複数の水平支持部材16の長さに沿った所定の複数のケーブルトレイ支持体固定部となっている。支持構造1の組み立て工が、複数の水平支持部材16に沿った多数の位置の中から自由にトレイ支持ブラケット22の配置を選択できるように、トレイ支持ブラケット22よりも多くのボルト穴パターン78が存在する。補強フランジ80a、80bが取付フランジ74と起立部材72の間に設けられており、取付フランジ74の強度を高めることでトレイ支持ブラケット22と複数の水平支持部材16のうちの1つとの間の接続強度を高めている。
【0026】
図5は、下段サイドケーブルトレイ6a及びブリッジトレイ6cのみが設置された状態を示す、複数のサーバラック4のアレイ3の上方における支持構造1の上面図である。下段サイドケーブルトレイ6aとブリッジトレイ6cは同じ高さにある。図面には特に示されていないが、複数のサーバラック4内に積み重ねられたサーバ及び他の電子機器には、アレイ3の内側からアクセス可能となっており、したがって、これら構成要素を相互接続する通信及び電源ケーブルは、アレイ3の内側側面に沿って設置される。これが、カンチレバー状の支持アーム20がアレイ3の内周に沿って下段サイドケーブルトレイ6aを支持し、ブリッジトレイ6cがアレイ3の内側を横切る理由である。ケーブル支持トレイ6a及び6cをこのように配置することにより、設置の際にケーブル7を容易に持ち上げ、トレイの中に敷設し、トレイに沿って引きずることが可能となる。
【0027】
図6は、上段サイドケーブルトレイ6bのみが設置された状態を示す、複数のサーバラック4のアレイ3の上方における支持構造1の上面図である。ブラケット22における水平トレイ支持体70と起立部材72との接続が中心からずれていることにより、どのように上段サイドケーブルトレイ6bの大部分の領域がアレイ3の内側に配置しているかに注目されたい。
図7は、ケーブルトレイ6a、6b及び6cの全てが設置された状態を示す、複数のサーバラック4のアレイ3の上方における支持構造1の上面図である。
【0028】
本発明は、ケーブルトレイ支持構造1の組み立て方法を更に含む。本方法の第1の工程では、複数のサーバラック4のアレイ3の高さよりも上方の支持構造の設置位置まで延びる上端部を有する複数の垂直支柱12が設けられる。次に、複数の水平支持部材16のうちの2つの当接端部が垂直支持部材16のうちの1つの上端部に取り付けられた際にアレイ3を形成する複数のサーバラック4の間に複数の垂直支柱12が配置される長さを有する寸法に調整された複数の水平支持部材16が複数設けられる。次の工程では、結合アセンブリ30の2つのL字型ブラケット32a、32bが、複数の垂直支柱12の上端部の両側に取り付けられる。次に、2つの複数の水平支持部材16を複数の垂直支柱12の上端部の上で結合することにより、支持構造の2つの側部8a、8bを組み立てる。この工程は、複数の垂直支柱12を建物の床3に横向きに寝かせた状態で行ってもよい。支持構造12の角部を形成する複数の垂直支柱12の上端部には、1つの複数の水平支持部材16だけが結合されることに留意されたい。そして、完成した2つの側部8a及び8bを平行な状態のまま引き上げ、複数の垂直支柱12の下端部を床に係合させる。次に、完成した2つの側部8a、8bの間にブリッジ部材24を接続する。そして、ケーブルトレイ支持体18(すなわち、トレイ支持アーム20及びトレイ支持ブラケット22)が複数の水平支持部材の2つの列14a、14bに接続される。そして、ケーブルトレイ6a、6b及び6cがトレイ支持アーム、トレイ支持ブラケット22、及びブリッジ部材24上に設置される。
【0029】
支持構造1は、設置済の複数のサーバラック4のアレイ3の上で組み立ててもよく、この場合、ブリッジ部材24の設置前に2つの側部8a、8bの複数の垂直支柱12をラック4の間にスライドさせる。また、支持構造1は、複数のサーバラックのアレイ3の設置前に組み立ててもよく、この場合、個々のラック4を複数の垂直支柱の間に配置する。いずれの場合も、複数の垂直支柱12の下端部を複数のサーバラック4間の所望の位置に配置した後、床取付フランジ50を床3にボルト固定することにより複数の垂直支柱12の下端部を所定の位置に固定する。
【0030】
支持構造1の組み立て及び複数のサーバラック4のアレイの設置を行った後、サーバラックアレイ3の内側からケーブル7を持ち上げ、ケーブルトレイ6a、6b、及び6cの所定の位置に敷設する。
【国際調査報告】