(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-18
(54)【発明の名称】回路基板の製造方法、およびこの方法に使用する成形部品
(51)【国際特許分類】
H05K 3/00 20060101AFI20231011BHJP
H05K 1/02 20060101ALI20231011BHJP
H01L 23/12 20060101ALN20231011BHJP
【FI】
H05K3/00 X
H05K1/02 G
H01L23/12 F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023519031
(86)(22)【出願日】2021-09-13
(85)【翻訳文提出日】2023-05-02
(86)【国際出願番号】 EP2021075095
(87)【国際公開番号】W WO2022063618
(87)【国際公開日】2022-03-31
(31)【優先権主張番号】102020125140.8
(32)【優先日】2020-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507248321
【氏名又は名称】ユマテック ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【氏名又は名称】小川 護晃
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【氏名又は名称】関谷 充司
(74)【代理人】
【識別番号】100217076
【氏名又は名称】宅間 邦俊
(74)【代理人】
【識別番号】100218604
【氏名又は名称】池本 理絵
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルフェル,フィリップ
【テーマコード(参考)】
5E338
【Fターム(参考)】
5E338AA03
5E338AA16
5E338BB31
5E338CD11
5E338EE01
5E338EE32
(57)【要約】
本発明は、回路基板の製造方法、およびこの方法に使用する成形部品に関する。
回路基板の製造を単純にし、絶縁材料を節約し、また、それにより回路基板の高さを同じく低くして熱管理を効果的にするために、回路基板を製造する本発明による方法は、材料のウェブ(M)のみで一体に接続される少なくとも2つのセグメント(2a~g)を有する導電性成形部品(1)を提供するステップAと、絶縁材料の中にセグメント(2a~g)を埋め込んで、少なくとも1つの回路基板サブストレート(LS)を形成するステップBと、導体構造(4a、4b)を回路基板サブストレート(LS)に適用して、回路基板(LP)を形成するステップCと、材料のウェブ(M)を破壊することによってセグメント(2a~g)の一体接続を解放するステップDとを含む。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板(LP)を製造する方法であって、
材料のウェブ(M)によって一体に接続される少なくとも2つのセグメント(2a~i)を有する導電性成形部品(1)を提供するステップAと、
前記セグメント(2a~i)を絶縁材料(3)に埋め込んで、少なくとも1つの回路基板サブストレート(LS)を形成するステップBと、
導体構造(4a、4b)を前記回路基板サブストレート(LS)に適用して回路基板(LP)を形成するステップCと、
前記材料のウェブ(M)を切断することによって、前記セグメント(2a~i)の一体接続を解放するステップDと
を備える方法。
【請求項2】
前記ステップAが、
銅であることが好ましく、200μmから1000μmの範囲の厚さを有していることが特に好ましい金属でできた、好ましくは平らな表面要素として前記導電性成形部品(1)を提供するサブステップA-1、
前記成形部品(1)の上に少なくとも1つの基準マーク(R)を取り付け、または形成するサブステップA-2、
少なくとも1つの基準マーク(R)を使用して前記成形部品(1)を整列させるサブステップA-3、
好ましくは前記成形部品(1)の少なくとも1つの基準マーク(R)の関数として、前記少なくとも2つのセグメント(2a~i)を有する少なくとも1つの回路基板セクション(2)を形成するために、少なくとも1つの穿孔ライン(P)に沿って前記成形部品(1)を穿孔するサブステップA-4であって、好ましくは、
前記穿孔ライン(P)内の回路基板セクション(2)が前記穿孔ライン(P)の外側の周囲の縁領域に、隔離された材料のウェブ(M)のみを介して一体に接続されるよう、前記回路基板セクション(2)の周りに自己完結穿孔ライン(P)を形成するサブステップであって、前記自己完結穿孔ライン(P)は多角形の形を有することが好ましい、サブステップA-4-1、
前記回路基板セクション(2)を前記セグメント(2a~i)に分割するための少なくとも1つの好ましくは開穿孔ライン(P)または閉穿孔ライン(P)を形成するサブステップであって、この開穿孔ライン(P)または閉穿孔ライン(P)は、前記回路基板セクション(2)の縁で始まり、および/または終わることが好ましく、前記回路基板セクション(2)を取り囲んでいる穿孔ライン(P)で始まり、および/または終わることが特に好ましい、サブステップA-4-2、
200μmから2000μmまでの範囲の幅であることが好ましい一様な幅を有する少なくとも1つの穿孔ライン(P)を形成するサブステップであって、前記穿孔ライン(P)に沿ったスロットの形の穿孔が前記材料のウェブ(M)によって互いに間隔を隔てるように形成することが好ましい、サブステップA-4-3、
好ましくは90%、95%または99%を超える前記成形部品(1)の材料が前記穿孔ライン(P)に沿って除去されるよう、好ましくはレーザ放射またはエッチングによって材料を除去することによって前記成形部品(1)を穿孔するサブステップであって、残りの材料が材料のウェブ(M)として残される、サブステップA-4-4、
好ましくは前記回路基板セクション(2)が行列の形で前記成形部品(1)全体にわたって行および列に分散されるように、複数の全く同じ、または異なる回路基板セクション(2)を前記成形部品(1)の中に形成するサブステップA-4-5、
のうちの少なくとも1つを含むサブステップA-4、
前記成形部品(1)の中、好ましくは自己完結仕切り線(T)内の好ましくは前記セグメント(2a)のうちの少なくとも1つの領域に、少なくとも1つの開口(2k、2j)を形成するサブステップA-5、
好ましくは前記絶縁材料(3)の表面と前記成形部品(1)の表面が同じ高さになる方法で、前記成形部品(1)の前記少なくとも1つの開口(2k、2j)に絶縁材料(3)を充填するサブステップA-6、
好ましくは化学的または機械的処理によって前記成形部品(1)を粗面化するサブステップA-7、
のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ステップBが、
好ましくは可撓表面要素として、好ましくは樹脂含侵繊維マット(プリプレグ)として、前記成形部品(1)と大きさが一致していることが特に好ましい前記絶縁材料(3)を成形可能な状態で提供するサブステップB-1、
好ましくは前記絶縁材料(3)が積層によって前記成形部品(1)のそれぞれの面を好ましくは一様な層厚さでコーティングするよう、前記絶縁材料(3)を前記成形部品(1)の片面または両面に加えるサブステップB-2、
好ましくは前記セグメント(2a)同士の間の空間を前記絶縁材料(3)が部分的に、または完全に充填する方法で、特に好ましくは前記成形部品(1)の両面に配置された絶縁材料(3)の層が前記絶縁材料(3)によって一体に接続される方法で、好ましくは前記絶縁材料(3)を前記成形部品(1)の上にプレスすることによって前記セグメント(2a)同士の間に前記絶縁材料(3)を導入するサブステップB-3、
前記材料のウェブ(M)を除く前記回路基板セグメント(2)のすべての面が絶縁材料(3)によって完全に取り囲まれるよう、個々の回路基板セグメント(2)を絶縁材料(3)の中に埋め込むサブステップB-4、
前記絶縁材料(3)を硬化させるサブステップB-5、
のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記ステップCが、
金属であることが好ましく、銅であることが好ましい導電表面要素(4)を、特に好ましくは箔として、極めて特別に好ましくは前記成形部品(1)と一致する大きさで提供するサブステップC-1、
好ましくは前記導電表面要素(4)が積層によって前記回路基板サブストレート(LS)のそれぞれの面を好ましくは一様な層厚さでコーティングするよう、導電表面要素(4)を前記回路基板サブストレート(LS)の片面または両面に加えるサブステップC-2、
好ましくは前記導体構造(4a、4b)が、前記成形部品(1)の拡張平面に突出した場合に、前記材料のウェブ(M)からオフセットして配置され、前記材料のウェブ(M)を覆わないように、ストリップ導体(4a)および/または接続点(4b)を有していることが好ましい前記導体構造(4a、4b)を前記成形部品(1)の少なくとも1つの基準マーク(R)の関数として前記回路基板サブストレート(LS)の上に配置するサブステップC-3、
好ましくは材料を除去することによって、好ましくはエッチングによって、電子構成要素のためのストリップ導体(4a)および/または接続点(4b)を有していることが好ましい前記導体構造(4a、4b)を前記導電表面要素(4)から作り出すサブステップC-4、
好ましくはコンタクト(5)によって、好ましくは貫通接続によって前記導体構造(4a、4b)を少なくとも1つの回路基板セグメント(2a、2b)に接続するサブステップC-5、
のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記ステップDが、
前記材料のウェブ(M)を切断するためのツールを提供するサブステップD-1、
前記成形部品(1)上の少なくとも1つの基準マーク(R)の関数として、前記材料のウェブ(M)を切断するための前記ツールを前記回路基板に整列させるサブステップD-2、
好ましくは前記成形部品(1)の前記拡張平面に対して直角に、好ましくはドリリングまたはミリングによって材料を除去することによって前記材料のウェブ(M)を切断するサブステップD-3、
好ましくは前記セグメント(2a、2b)の間の接合部が絶縁材料(3)で完全に充填されるように、前記材料のウェブ(M)の分離点に絶縁材料(3)を充填するサブステップD-4、
のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
材料のウェブ(M)を介して一体に接続される少なくとも2つのセグメント(2a~i)を備える、好ましくは請求項1から5のいずれか1項に記載の方法によって回路基板(LP)を製造するための成形部品(1)。
【請求項7】
前記成形部品(1)がスロットの形をした穿孔を穿孔ライン(P)に沿って有し、それらが前記材料のウェブ(M)によって遮断される、請求項6に記載の成形部品(1)。
【請求項8】
請求項6または7に記載された、少なくとも2つの回路基板(LP)と少なくとも1つの成形部品(1)とを備える回路基板構造であって、前記成形部品(1)の各セグメント(2a~i)が、前記少なくとも2つの回路基板(LP)に接続され、前記成形部品(1)の前記セグメント(2a~i)が前記材料のウェブ(M)を切断することによって互いに電気的に絶縁される、回路基板構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板の製造方法、およびこの方法に使用する成形部品に関する。
【背景技術】
【0002】
回路基板の製造では、特に大電流用途向けに、通電部品が導体または導体要素として絶縁材料に埋め込まれ、電子部品を回路基板に接続するための導体構造に接続される。対応する回路基板および製造方法は、特許文献1および特許文献2で知られている。
【0003】
公知の製造方法では、導体または導体要素を銅箔上に配置して溶接し、絶縁材料でプレスしてから、ストリップ導体と接続点を有する導体構造を銅箔から加工する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許第1842402号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第102011102484号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の従来技術に基づいて、本発明の基礎となる問題は、回路基板、特に複数のセグメントを有する回路基板の製造を単純化し、絶縁材料を節約し、それにより回路基板の高さも低減し、特に回路基板上の熱管理を著しく効率化することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の課題は、請求項1に記載されている方法、および請求項6に記載されている成形部品によって解決される。
【0007】
本発明による回路基板の製造方法は、以下のステップを含む。
・ステップA:材料のウェブ(webs of material)によって一体に接続される(接合部に沿って)、少なくとも2つのセグメントを有する導電性成形部品を提供する。
・ステップB:少なくとも1つの回路基板サブストレートを形成するために、絶縁材料の中にセグメントを埋め込む。
・ステップC:回路基板を形成するために、導体構造を回路基板サブストレートに適用する。
・ステップD:材料のウェブを切断することによって、セグメントの一体接続を解放する。
【0008】
セグメントを形成し、必要に応じて異なる回路基板セクションを形成するために、例えばスロット形状の穿孔が穿孔ラインに沿って成形部品に導入される。セグメントは、例えば特許文献1による導体、および/または特許文献2による成形部品に対応し、これらの特許出願の内容は、参照により本明細書に含まれている。基本的には、セグメント化が増加すると、必要な処理時間も長くなる可能性があるため、セグメントを形成している間、少量の材料が除去されることが意図されている。成形部品のセグメント化には、回路基板の最終状態において絶縁材料が完全に充填されることが好ましい接合部を生成することが意図されている。しかしながら、導体構造が取り付けられた後でのみ、個々のセグメントを互いに分離すると、セグメントに対する導体構造の位置決めが著しく単純になるため、そのようにすることが有利であることが分かっている。セグメント間の接合部は、適用される絶縁材料による接合部を介した電気的破壊を防止する少なくとも広さでなければならない。この観点から、最小幅は約200μmが有利であることが分かっている。しかしながら、成形部品が絶縁材料の中に埋め込まれる際に、除去された材料に絶縁材料を充填しなければならないため、接合部は広くなりすぎないようにする。絶縁材料は、絶縁マット(プリプレグ=樹脂含浸繊維マット)などとして層状に適用するのが好ましいので、接合部では対応する絶縁材料が不足する。対応する接合部が小さい場合は、材料不足を容易に補うことができる。接合部がより大きい場合、恐らく回路基板の表面の接合部に沿って溝状の窪みが形成され、層間剥離をもたらすことになり、これは可能な限り回避しなければならない。穿孔ラインまたは接合部の最大幅は約2000μmが妥当であるように思われる。成形部品を絶縁材料の中に埋め込んだ後の中間製品は、本発明の範囲内で回路基板サブストレートと呼ばれる。次に、電子構成要素を接続するための導体構造がこの回路基板サブストレートに取り付けられる。そのために、回路基板サブストレートが、例えば銅箔でコーティングされ、引き続いて例えばエッチングプロセスを使用して、この銅箔からストリップ導体および接続点が加工される。しかしながら、事前に製造済みの導体およびパッドを、導体構造として回路基板サブストレートに取り付けることも可能である。本発明によれば、導体構造の取り付け後に、材料のウェブを切断することによってセグメントの一体接続が解放される。この解放により、導体構造を埋め込まれたセグメントに対して特に正確に配置することができる。絶縁材料の中に埋め込むことにより、材料のウェブを切断後においても、互いに対するセグメントの位置が固定され、また、整列した状態を維持する。複数形の「材料のウェブ」という表現は、単数形の「素材のウェブ」を含むことが同じく意図されている。
【0009】
その結果、本発明は、回路基板の製造に使用される絶縁材料の量を最少化するのにも有利であり、絶縁材料の量を最少化することによって、一度にいくつかの利点が得られる。一方では材料コストが節約され、また、他方では回路基板の厚さ、すなわち全体の高さが低くなる。使用される絶縁材料が少ないほど回路基板が薄くなる。接合部が薄いほど、接合部を充填するために必要な絶縁材料(または樹脂)が少なくなる。さらに、絶縁材料は電気的に絶縁性であるだけでなく、同じく熱絶縁性でもあり、したがって絶縁材料の量が少なくなることは、回路基板の熱管理にも同じく有利に働く。
【0010】
ステップAからDは、必須ではないが、示されているシーケンスで実施されることが好ましいことは本発明の範囲内である。以下で示されるように、方法のステップおよびサブステップは、少なくとも部分的に、修正された順序で実施することも可能である。
【0011】
本発明の好ましい他の実施形態は従属請求項の主題である。
【0012】
ステップAが以下のサブステップのうちの少なくとも1つを含むと合理的な場合があり、それらのサブステップは、必須ではないが、示されている順序で実施されることが好ましい。
・A-1:銅であることが好ましく、200μmから1000μmの範囲の厚さを有していることが特に好ましい金属でできた、好ましくは平らな表面要素として導電性成形部品を提供する。
・A-2:成形部品の上に少なくとも1つの基準マークを取り付け、または形成する。この基準マークは、例えば文字、記号、十字または成形部品中の開口であってもよい。この基準マークは明確に画定されることが重要である。最終的には基準マークは、この基準マークを使用して成形部品の位置を明確に決定することができるよう、成形部品上の座標系を決定するように働く。これは、後続する導体構造をセグメントに対して位置決めし、また、後で材料のウェブを切断するために特に好ましい。成形部品が絶縁材料の中に埋め込まれると、通常、材料の接合部またはウェブが絶縁材料で覆われ、見えなくなる。したがって、材料のウェブの位置は、ウェブを介して、目的とする方法で切断することができるようにするために正確に分からなければならない。基準マークにより、回路基板の導体構造を位置精度で画定し、または形成することができ、したがって後で切断するための適切なツールにアクセスすることができなければならない材料のウェブは、導体構造によって覆われないか、または他のどのような方法でもアクセスすることができないようになされる。基準マークは機械可読であることが好ましく、あるいは光学デバイスを使用して光学的に認識することができることが好ましい。
・A-3:成形部品上の少なくとも1つの基準マークを使用して成形部品を(例えばプレスアセンブリに対して)整列させる。これは、後続する処理ステップにおける成形部品の処理を単純にする。
・A-4:好ましくは成形部品の少なくとも1つの基準マークの関数として、少なくとも2つのセグメントを有する少なくとも1つの回路基板セクションを形成するために、好ましくは以下のサブステップのうちの少なくとも1つを含む、少なくとも1つの穿孔ラインに沿って成形部品を穿孔する。
・A-4-1:穿孔ライン内の回路基板セクションが、穿孔ラインの外側の周囲の縁領域に材料の隔離されたウェブのみを介して一体に接続されるように、回路基板セクションの周りに自己完結穿孔ラインを形成し、自己完結穿孔ラインは多角形の形を有することが好ましい。回路基板セクションは、好ましくは回路基板が完成した後に、自己完結穿孔ラインに沿って容易に成形部品から分離することができる。多角形の形は周囲の材料からの回路基板セクションの分離を容易にする。
・A-4-2:回路基板セクションをセグメントに分割するための少なくとも1つの開穿孔ライン(すなわち閉じていない)または閉穿孔ラインを形成し、この開穿孔ラインまたは閉穿孔ラインは、回路基板セクションの縁で始まり、および/または終わることが好ましく、回路基板セクションを取り囲んでいる穿孔ラインで始まり、および/または終わることが特に好ましい。これらの穿孔ラインにより、任意のセグメントを回路基板セクション内に形成することができる。自己完結穿孔ラインにより、別の回路基板セグメント内に回路基板セグメントを形成することが同じく可能である。
・A-4-3:好ましくは均一な幅を有し、幅の範囲は200μmから2000μmまでであることが好ましい少なくとも1つの穿孔ラインを形成し、その穿孔ラインに沿ったスロットの形の穿孔が材料のウェブによって互いに間隔を隔てるように形成することが好ましい。穿孔ラインは、セグメント同士の間に後続する接合部を形成し、その接合部は、回路基板の完成した状態において、絶縁材料で完全に理想的に充填される。
・A-4-4:好ましくは90%、95%または99%を超える成形部品の材料が穿孔ラインに沿って除去されるよう、好ましくはレーザ放射またはエッチングで材料を除去することによって成形部品を穿孔し、残りの材料が材料のウェブとして残される。例示的な実施形態では、穿孔ラインに沿って測定した材料のウェブの幅は、例えば約500μmすなわち0.5mmである。穿孔ラインに沿った材料の2つのウェブの間の距離は、例えば約50mm、すなわち材料のウェブの幅の100倍である。この例では、成形部品の材料の約99%が穿孔ラインに沿って除去されている。
・A-4-5:好ましくは回路基板セクションが、行列の形で成形部品全体にわたって行および列に分散されるように、複数の全く同じ、または異なる回路基板セクションを成形部品の中に形成する。そのようにすることにより、成形部品の面積を理想的に利用して、可能な最大数の回路基板セクションを形成することができる。
・A-5:成形部品の中、好ましくは自己完結仕切り線内の好ましくは少なくとも1つの回路基板セグメントの領域に、少なくとも1つの開口を形成する。そのようにすることにより、非導電すなわち絶縁セグメントを形成することができる。
・A-6:好ましくは絶縁材料の表面と成形部品の表面と面一になるように、成形部品の少なくとも1つの開口に絶縁材料を充填する。この措置により、後続する絶縁材料との成形部品のプレスが容易になる。
・A-7:好ましくは化学的または機械的処理によって成形部品を粗面化する。これにより、絶縁材料と成形部品の間の後続する接続を改善することができる。対応する技法は独国特許出願公開第102012216926号明細書に開示されており、その内容は、参照により本明細書に含まれている。
【0013】
ステップBは、以下のサブステップのうちの少なくとも1つを含むと有用な場合があり、それらのサブステップは、必須ではないが、示されている順序で実施されることが好ましい。
・B-1:好ましくは可撓表面要素として、好ましくはプリプレグ(樹脂含侵繊維マット)として、成形部品と大きさが一致していることが特に好ましい絶縁材料を成形可能な状態で提供する。絶縁マットは、対応する基準マークを持つことができ、この基準マークは、例えば、形状部品の基準マークと一致させるために適用される。これにより、絶縁マットが成形部品に対して最適な位置に配置されるようになる。
・B-2:好ましくは絶縁材料が積層によって、成形部品のそれぞれの面を、好ましくは一様な層厚さでコーティングするよう、絶縁材料を成形部品の片面または両面に適用する。この技法により、特に単純な方法で成形部品を絶縁材料の中に埋め込むことができる。
・B-3:好ましくは(材料のウェブおよび/または)セグメント同士の間の空間を絶縁材料が部分的に、または完全に充填する方法で、特に好ましくは成形部品の両面に配置された絶縁材料層が絶縁材料によって一体に接続される方法で、好ましくは絶縁材料を成形部品の上にプレスすることによって成形部品のセグメント同士の間に絶縁材料を導入する。これは、接合部に沿ったセグメントの広範囲にわたる電気絶縁を既に保証しており、その一方で電気的破壊の危険を最小にし、かつ、接合部中の空気溜まりを回避する。
・B-4:材料のウェブを除くセグメントのすべての面が絶縁材料によって完全に取り囲まれるよう、個々のセグメントを絶縁材料の中に埋め込む。そのようにすることにより、互いに対するセグメントの位置および配向が画定され、それによりセグメントに対する導体構造の正確な取り付けが特に容易になる。理想的には、材料のウェブを除く回路基板セクションのすべての面が絶縁材料によって完全に取り囲まれるよう、個々の回路基板セクションが絶縁材料の中に同じく埋め込まれる。そのようにすることにより、互いに対する複数の回路基板セクションの位置および配向が画定され、それにより成形部品から複数の回路基板を製造する後続処理が容易になる。
・B-5:絶縁材料を硬化させるサブステップ。この方法によれば、すべての回路基板セクションおよびセグメントが互いに対してそれらの所定の位置および配向で永久的に固定され、セグメントのこれらの相対位置および配向は、材料のウェブが切断され、また、回路基板が回路基板サブストレートから解放された後でも維持される。
【0014】
ステップCは、以下のサブステップのうちの少なくとも1つを含むと都合が良い場合があり、それらのサブステップは、必須ではないが、示されている順序で実施されることが好ましい。
・C-1:金属であることが好ましく、銅であることが好ましい導電表面要素を、特に好ましくは箔として、極めて特別に好ましくは成形部品と一致する大きさで提供する。例えば銅箔は、15μmから110μmまでの範囲の厚さを有する。
・C-2:好ましくは導電表面要素が積層によって回路基板サブストレートのそれぞれの面を、好ましくは一様な層厚さでコーティングするよう、導電表面要素を回路基板サブストレートの片面または両面に適用する。このサブステップは、例えばステップC3の間に、ステップCと関連して予め実施することができる。
・C-3:好ましくは導体構造が、成形部品の拡張平面に突出した場合に、材料のウェブからオフセットして配置され、材料のウェブを覆わないように、ストリップ導体および/または接続点を有していることが好ましい導体構造を成形部品の少なくとも1つの基準マークの関数として回路基板サブストレートの上に配置する。複数形の表現における「ストリップ導体」および/または「接続点」および/または「材料のウェブ」という語句には、単一のストリップ導体、接続点または材料のウェブを含むことが同じく意図されている。ストリップ導体および接続点は必ずしも銅箔からエッチング除去する必要はない。事前に製造済みの構成要素からのストリップ導体および接続点を、回路基板サブストレートの上に適用することも同じく可能である。これらの構成要素は、基準マークによって容易に位置決めすることができる。
・C-4:好ましくは材料を除去することによって、好ましくはエッチングによって、電子構成要素のためのストリップ導体および/または接続点を有していることが好ましい導体構造を、導電表面要素から加工する。ここでも、ストリップ導体および/または接続点の位置は、基準マークに対して画定されることが好ましい。
・C-5:好ましくはコンタクトによって、好ましくは貫通接続によって導体構造を少なくとも1つの回路基板セグメントに接続する。後で挿入されるコネクタも、導体構造への接続なしに回路基板セグメントへの接続を同じく保証することができる。
【0015】
ステップDは、以下のサブステップのうちの少なくとも1つを含むと有利な場合があり、それらのサブステップは、強制的ではないが、示されている順序で実施されることが好ましい。
・D-1:材料のウェブを切断するためのツールを提供する。
・D-2:成形部品上の少なくとも1つの基準マークの関数として、材料のウェブを切断するためのツールを回路基板に整列させる。例えば材料のウェブが絶縁材料によって覆われている場合、材料のウェブの位置は裸眼では見ることができないため、他の方法で決定しなければならない。材料のウェブの位置は基準マークによって正確に決定することができる。基準マークを読み取り、その情報をツールコントローラに引き渡すことにより、セグメント同士の間の一体接続を目的とする方法で解放するために、切断されるべき材料のウェブの位置へツールを正確に導くことができる。
・D-3:好ましくは成形部品の拡張平面に対して直角に、好ましくは穴あけ(drilling)またはフライス加工(milling)で材料を除去することによって、材料のウェブを切断する。理想的には、切断中に材料のウェブ全体が除去され、これによって先行する材料のウェブの位置における電気的破壊の危険が最小化される。このプロセスでは、材料のウェブによって既に分離されているスロットの形の2つの穿孔(絶縁材料が充填されている)が同様に接続されて、連続する接合部を形成する。
・D-4:好ましくはセグメント同士の間の接合部が絶縁材料で完全に充填されるように、材料のウェブの分離点に絶縁材料を充填する。これにより、接合部全体にわたるセグメント同士の間の電気的破壊の危険が最小化される。
【0016】
この方法によれば、いくつかの平面からなる回路基板を同じく製造することができる。2つ以上の成形部品をこのような回路基板の中に同じく存在させることができ、あるいは2つ以上の回路基板を成形部品によって接続して、詳細には三次元回路基板構造を形成することができる。成形部品は互いに並列に配置することができる。導体構造は、いくつかの平面にわたっても拡張することができる。
【0017】
本発明の別の態様は、材料の隔離されたウェブのみを介して一体に接続される2つのセグメントを備える、好ましくは先行する実施形態のうちの1つの方法による回路基板を製造するための成形部品に関している。この成形部品は、大量生産される構成要素として事前に製造することができ、また、シリーズ生産における複数の回路基板を生産するために提供することができる。
【0018】
成形部品は、スロットの形をした穿孔を穿孔ラインに沿って有していることが場合によって有用であり、それらは材料のウェブによって遮断される。
【0019】
本発明の別の態様は、2つの先行する実施形態のうちの1つによる少なくとも2つの回路基板および少なくとも1つの成形部品を備える回路基板構造に関しており、成形部品の個々のセグメントは少なくとも2つの回路基板に接続され、また、成形部品のセグメントは、材料のウェブを切断することによって互いに電気的に絶縁される。そのようにすることにより、回路基板同士の間の明確な、あるいは角度が付いた、さらには導電性の接続をこれらのセグメントによって特に単純な方法で生成することができる。
【0020】
本発明の他の好ましい実施形態は、発明の詳細な説明、特許請求の範囲および図面で開示される特徴の任意の組合せによって得られる。
【0021】
[用語および定義]
<成形部品>
本発明の文脈では、「成形部品」という用語は、金属、特に銅などの導電性固体材料でできた層状で板状の部品を意味すると理解される。成形部品は、その輪郭内に不規則性すなわち中断を有していないことが好ましい。
【0022】
<穿孔>
穿孔中、成形部品の中に、セグメントを容易に切断することができる穿孔ラインに沿ってスロットまたは穴が製造される。
【0023】
<導体構造>
「導体構造」という用語は、絶縁材料を貫通して少なくとも1つのセグメントに導電接続を実施することができるすべてのものを意味するべく理解される。導体構造は、ストリップ導体、接続点、パッド、導体、コンタクト、ビア、貫通コンタクトの要素のうちの少なくとも1つを有していることが好ましい。導体構造は、これらの要素のうちのいくつか、恐らくはこれらの要素のうちのいくつかの異なる要素を備える構造であることが好ましい。
【0024】
<電子構成要素>
本発明の文脈では、電子構成要素は、例えば、プロセッサ、メモリ、トランジスタ、抵抗、ジェネレータ、ダイオード、特にLEDなどの電流発生または電流消費構成要素として理解され、あるいはそれらと結合した構成要素、例えば光構成要素、例えばレンズなどの構成要素として理解されるが、例えばプラグ、端子、等々などの接続構成要素としても理解される。
【0025】
他に特に示されていない限り、複数による表現が本発明の文脈において使用されているが、これは、単数表現および複数表現に従った言語学的により複雑な区別を回避するためという実際的な理由によるものである。本明細書における複数による表現(例えば「複数の材料のウェブ」)は、単数表現(「材料の1つのウェブ」)および複数表現(「材料のいくつかのウェブ」)の両方を含むことは本発明の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の方法に使用するための、第1の実施形態に係る成形部品の上面を示す概略図であり、成形部品は、材料の隔離されたウェブのみを介して、穿孔ラインに沿って一体に接続されている2つのセグメントを有する回路基板セクションを有している。
【
図2】本発明の方法による回路基板を製造するための回路基板サブストレートの構成要素の概略分解図であり、回路基板サブストレートを層複合物で形成するために、
図1による成形部品の上面および下面の両方に、いずれの場合においても最初に電気絶縁層が配置され、次に導電層が配置される。
【
図3】
図2に示されている構成要素から形成された回路基板サブストレートを、上面の導電層および下面の導電層と共に示す概略側面図である。
【
図4】上面側導体構造および下面側導体構造を形成し、かつ、それらをセグメントに接続した後の
図3による回路基板サブストレートから形成された回路基板の概略側面図である。
【
図5】第2の実施形態に係る成形部品の概略上面図であり、多角形の輪郭を有し、それぞれ複数のセグメントを有する、全部で4つの仮想的に全く同じ回路基板セクションが、成形部品全体にわたって分散された2行および2列の行列の形態で配置され、それぞれのセグメントは、材料の隔離されたウェブのみを介して、穿孔ラインに沿って一体に接続され、後続する導体構造はダッシュ線で引かれている。
【
図6】
図5による成形部品を使用して製造される、本発明による回路基板の概略上面図であり、導体構造は回路基板の上に形成され、また、材料のウェブを切断した後にセグメントの一体接続が解放される。
【
図7】(a)図は、第3の実施形態に係る成形部品のブランクの概略上面図であり、また、(b)図は、第3の実施形態に係る成形部品から製造された成形部品の上面図であり、いくつかのセグメントが材料の隔離されたウェブを介して一体に接続されている。
【
図8】いくつかの回路基板サブストレートが
図7による成形部品を介して接続された構造の概略上面図である。
【
図9】
図8に示されている構造の概略上面図であり、回路基板サブストレートは導体構造を備えている。
【
図10】
図9に示されている構造の概略上面図であり、セグメント同士の間の材料のウェブはセグメントを電気的に絶縁するために切断されている。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の好ましい実施形態について、添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0028】
[第1の実施形態(
図1~
図4)]
図1~
図4を参照して以下で説明される本発明の第1の実施形態では、回路基板LPは、例えば200μm~1000μmの範囲の厚さを有する長方形の銅板の形態の導電性成形部品1から始まる層状構造で製造される。
【0029】
本発明による方法のステップAで、後続する処理のために成形部品1が提供される。このプロセスで、対応する穿孔ラインPを成形部品1の中に導入することにより、回路基板セクション2の2つのセグメント2a、2bが形成される。この実施形態では、回路基板セクション2は、8つの隅を有する多角形の自己完結穿孔ラインP内に形成されている。穿孔中、材料を適切に除去することにより、好ましくは約200μmから2000μmまでの範囲の一定の幅を有する長いスロットの形の開口が穿孔ラインPに沿って成形部品1の中に導入され、したがってセグメント2a、2bは、隔離された材料のウェブMのみによって一体に接続された状態を維持する。回路基板セクション2全体は、自己完結穿孔ラインPを介して成形部品1の周囲の縁領域に接続されており、この縁領域に基準マークRが配置されている。この基準マークRを使用して成形部品1の表面上の位置が決定され、また、この基準マークRは例えば開口であり、この開口を使用して成形部品1がピンの上に置かれる。いくつかの基準マークRを成形部品1の上に提供することができる。
【0030】
セグメント2a、2bが形成された後、本発明による方法のステップBにおいて、絶縁材料3の中の少なくともセクションに成形部品1が埋め込まれる。それによって得られる中間製品は回路基板サブストレートLSと呼ばれる。理想的には成形部品1と一致する形および大きさの2つの樹脂含侵繊維マット(プリプレグ)3が成形部品1の上面および下面に適用される。これらの樹脂含侵繊維マット3は、流動性樹脂が穿孔ラインPに沿って穿孔の中に浸入し、かつ、材料のウェブM同士の間の空間を完全に透過する方法で成形部品1と共にプレスされる。このステップで、プレスすることによって絶縁材料に同時に接続することが同じく可能であり、ステップCでこの導電表面要素4から導体構造が作り出される。このプロセスで、例えば、
図3に示されている、成形部品1、2つの絶縁マット3および2つの銅箔4からなるサンドイッチ様の層複合物がまとめてプレスされる。絶縁材料3を硬化させることにより、セグメント2a、2bの互いに対する位置および配向が固定され、したがってそれらは、材料のウェブMが切断された後でも、互いに対する位置および配向を維持する。
【0031】
本発明による方法のステップCで、導体構造4a、4bが回路基板サブストレートLSに取り付けられる。このステップは、サブステップとして、導電表面要素として少なくとも1つの銅箔4を回路基板サブストレートLSに加え、例えば回路基板サブストレートLSの上面および下面の両方にそれぞれ1つの銅箔4を加えるステップを含む。これは、ステップBで既に実施されていることが好ましく、それにより銅箔4が成形部品1およびいずれの場合においても銅箔4と成形部品1の間に配置された絶縁材料3と共にプレスされ、層複合物または材料複合物を形成する。ステップDで、次に、例えばエッチングプロセスを使用して、ストリップ導体4aおよび接続点4bを有する導体構造がこの銅箔4から形成される。接続点4bで、ストリップ導体4aがコンタクト5(例えばビアまたはレーザビア(左側)または貫通コンタクト(右側))を介してセグメント2a、2bに接続される。
【0032】
回路基板サブストレートLSの上に導体構造4a、4bが形成されると、材料を除去することにより、セグメント2a、2bを一体に接続している材料のウェブMが切断される。これは、例えば基準マークRによって材料のウェブMの対応する位置へ導かれるドリルを使用して達成される。材料のウェブMを切断する場合、現在は接合部を形成している先行する穿孔ラインPの幅に対応する長さ全体にわたって材料のウェブMのすべての材料が除去されることが好ましい。必要に応じて分離点に絶縁材料3が充填され、それによりセグメント2aと2bの間、特に先行する材料のウェブMの点における電気的破壊の危険が最小化される。分離点に絶縁材料3が充填されるか否かは、主として回路基板または絶縁材料の絶縁耐力の関数として決定することができる。
【0033】
次に、完成した回路基板LPが回路基板セクション2およびセグメント2a、2bを取り囲んでいる自己完結穿孔ラインPに沿って周囲の領域から分離される。
【0034】
[第2の実施形態(
図5および
図6)]
図5および
図6を参照して以下で説明される本発明の第2の実施形態は、実質的に第1の実施形態に基づいている。全く同じ特徴は全く同じ参照符号によって示されており、以下では関連する相違が説明される。
【0035】
第2の実施形態では、長方形の銅板として構成されている成形部品1は、全部で4つのほぼ全く同じ回路基板セクション2を備えており、それらは、成形部品1の表面全体にわたって分散された2列および2行の行列の形態で配置されている。
【0036】
八角形の自己完結穿孔ラインPは4つの回路基板セクション2の各々を取り囲んでいる。円周穿孔ラインP内の個々の回路基板セクション2は成形部品1の周囲の縁領域に一体に接続されており、この縁領域に様々な基準マークRが隔離された材料のウェブMによって配置されている。個々の回路基板セクション2内に複数のセグメント2a~iが他の穿孔ラインPによって形成されている。例証を目的として、接続点4bおよびストリップ導体4aを有する後続する導体構造4a、4bは、個々の回路基板セクション2の中にダッシュ線によって引かれており、接続点4bおよびストリップ導体4aは導体構造4a、4bの間を展開している。ここでは、成形部品1の拡張平面に突出した場合に、導体構造4a、4bは材料のウェブMを覆わないことが分かる。したがって材料のウェブMは後の処理のためにアクセスが可能である。
【0037】
セグメント2a~iおよび穿孔ラインPは、
図5の左側半分の2つの回路基板セクション2に示されているように、それぞれの回路基板セクション2を表面方向に完全に満たすことが好ましい。しかしながら回路基板セクション2または少なくとも1つの回路基板セグメント2a~iは、
図5の右側半分の2つの回路基板セクション2に示されているように、少なくとも1つの開口2j、2kを有することも同じく可能である。
【0038】
図5の左側半分の2つの回路基板セクション2から逸脱しても、
図5の右側半分の2つの回路基板セクション2は、セグメント2h、2iの代わりに、回路基板セグメント2aの中に2つの開口2j、2kを有している。したがって開口2j、2kの領域に対応する成形部品1の材料は、ステップBで、個々の場合において、自己完結仕切り線Tに沿って成形部品1から完全に分離され、かつ、除去される。ステップCで、またはそれ以前に、理想的には開口2j、2kを完全に充填するために、また、後で非導電回路基板セグメントを形成するために、硬化した絶縁材料3が個々の開口2j、2kの中に導入されることが好ましい。成形部品1が引き続いて樹脂含侵繊維マット(プリプレグ)の形態の絶縁材料と共にプレスされる場合、限られた範囲で利用可能である、すなわち流動性であるのは絶縁材料3の自由樹脂のみであり、また、絶縁材料3の自由樹脂が穿孔ラインPに沿って穿孔を充填するために主として使用されるため、硬化した絶縁材料3を開口2j、2kに充填することは有用である。開口2j、2kの中に導入される絶縁材料プレートの高さは、成形部品1の高さに対してほぼ等しいことが好ましく、それにより絶縁材料3の上面および下面の高さが、成形部品1の上面および下面の高さと同じになる。
【0039】
第1の実施形態の場合と同様、この成形部品1(単に例証を目的として引かれた導体構造はやはり存在していない)が絶縁材料3の中に埋め込まれ、次に、対応する導体構造4a、4bが
図5に示されている位置に提供される。導体構造4a、4bが形成されると、材料のウェブMが穿孔ラインPに沿って切断され、結果として得られるドリル孔に必要に応じて絶縁材料3が充填される。最後に、個々の回路基板LPが、回路基板セクション2を取り囲んでいる外部穿孔ラインPに沿って材料複合物から分離される。
【0040】
PCBセクション2およびセグメント2a~iならびに基準マークRの数および形は、必要に応じて変えることができる。
【0041】
[第3の実施形態(
図7~
図10)]
図7~
図10を参照して以下で説明される本発明の第3の実施形態は、実質的に第1の実施形態および第2の実施形態に基づいている。全く同じ特徴は全く同じ参照符号によって示されており、以下では関連する相違が説明される。
【0042】
ここでは、成形部品1は三次元回路基板構造を製造するために使用され、詳細には、2つ以上の回路基板LPの間の明確な、あるいは角度が付いた接続を形成するために使用される。先行する実施形態から逸脱しても、個々のセグメント2a、2b、2cは2つの回路基板サブストレートLSまたは回路基板LPに接続されており、したがってそれぞれのセグメント2a、2b、2cは、2つ以上の回路基板LPの間、または回路基板サブストレートLS同士の間の明確な、あるいは角度が付いた接続を形成している。
【0043】
成形部品は、ここでは、本発明による方法のステップAで平らな長方形の銅板(
図7(a))から加工される、概ね導体の形の要素である。
図7(b)で水平方向に展開しているセクションはセグメント2a、2b、2cに対応しており、セグメント2a、2b、2cを接続している垂直方向に展開しているセクションは、材料のウェブMに対応している。
【0044】
ステップBで、回路基板サブストレートLSを形成するために絶縁材料3の中に成形部品1が埋め込まれる。このプロセスで、個々のセグメント2a、2bは、その長さのほぼ半分が第1の回路基板サブストレートLSの中で展開し、また、その長さのほぼ半分が第2の回路基板サブストレートLSの中で展開する。
【0045】
ステップCで、回路基板LPを形成するために導体構造がこれらの回路基板サブストレートLSのうちの1つ以上の上に生成される。そのために、独国特許出願公開第102018203715号明細書で知られているように、成形部品1が銅箔などの導電表面要素に接続され、あるいは接続手段セクションを介して接続される。次に、例えばエッチングによって、セグメント2a、2b、2cを接触させるためのストリップ導体4aならびに接続点4bがこの導電表面要素から作り出される。
【0046】
ステップDで材料のウェブMが切断され、したがって並列セグメント2a、2b、2cの間の一体接続が解放される。
【符号の説明】
【0047】
1 成形部品
2 回路基板セクション
2a~i セグメント
2j~k 開口
3 絶縁材料
4 導電表面要素(銅箔)
4a ストリップ導体
4b 接続点
LS 回路基板サブストレート
LP 回路基板
M 材料のウェブ
P1、P2 穿孔ライン
R 基準マーク
T 仕切り線
【国際調査報告】