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  • 特表-医薬組成物 図1a
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-18
(54)【発明の名称】医薬組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/506 20060101AFI20231011BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20231011BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20231011BHJP
   A61K 47/24 20060101ALI20231011BHJP
   A61K 47/34 20170101ALI20231011BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20231011BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20231011BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20231011BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20231011BHJP
   A61K 47/40 20060101ALI20231011BHJP
   A61K 47/04 20060101ALI20231011BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20231011BHJP
   A61K 47/20 20060101ALI20231011BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20231011BHJP
   A61K 47/18 20170101ALI20231011BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20231011BHJP
   A61P 7/00 20060101ALI20231011BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20231011BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20231011BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20231011BHJP
   A61K 47/10 20170101ALI20231011BHJP
【FI】
A61K31/506
A61K9/48
A61K9/20
A61K47/24
A61K47/34
A61K47/26
A61K47/32
A61K47/36
A61K47/38
A61K47/40
A61K47/04
A61K47/12
A61K47/20
A61K47/02
A61K47/18
A61P35/00
A61P7/00
A61P35/02
A61P43/00 121
A61K45/00
A61K47/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023519417
(86)(22)【出願日】2021-09-29
(85)【翻訳文提出日】2023-05-29
(86)【国際出願番号】 CN2021121695
(87)【国際公開番号】W WO2022068876
(87)【国際公開日】2022-04-07
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2020/118608
(32)【優先日】2020-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
2.LABRASOL
3.KOLLIPHOR
4.ARLASOLVE
(71)【出願人】
【識別番号】518341459
【氏名又は名称】シェンチェン ファーマシン シーオー.,エルティーディー.
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ゼレン
(72)【発明者】
【氏名】チェン,シュン
(72)【発明者】
【氏名】ポン,ジァチエン
(72)【発明者】
【氏名】スゥェン,ロンウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ヅァオ,イェンシン
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA36
4C076AA53
4C076BB01
4C076CC27
4C076DD07
4C076DD21
4C076DD25
4C076DD27
4C076DD28
4C076DD29
4C076DD37
4C076DD38
4C076DD42
4C076DD43
4C076DD51
4C076DD57
4C076DD59
4C076DD59F
4C076DD63
4C076DD63F
4C076DD67
4C076DD67F
4C076DD68
4C076DD68F
4C076EE06
4C076EE07
4C076EE13
4C076EE16
4C076EE16E
4C076EE23
4C076EE23F
4C076EE30
4C076EE32
4C076EE33
4C076EE39
4C076FF01
4C076FF36
4C076FF43
4C084AA17
4C084AA19
4C084MA02
4C084NA03
4C084NA05
4C084NA11
4C084ZA511
4C084ZA512
4C084ZB261
4C084ZB262
4C084ZB271
4C084ZB272
4C084ZC75
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC42
4C086GA07
4C086GA08
4C086MA03
4C086MA05
4C086MA35
4C086MA37
4C086MA52
4C086NA03
4C086NA11
4C086ZA51
4C086ZB26
4C086ZB27
(57)【要約】
【解決手段】ニロチニブなどの親油性医薬品有効成分、親水性ポリマー、1つ以上の界面活性剤、および任意選択で、吸着剤の混合物を含む医薬組成物が提供される。そのような医薬組成物を調製および使用するための方法も記載されている。1つの態様において、医薬品有効成分を含む非晶質固体分散体が本明細書に開示されている。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医薬組成物であって、前記医薬組成物は、
a)非晶質固体分散体であって、
i.ニロチニブ遊離塩基またはその薬学的に許容可能な塩である、医薬品有効成分またはその薬学的に許容可能な塩、
ii.1つ以上の非イオン性界面活性剤、1つ以上のリン脂質、またはそれらの任意の組み合わせを含む、1つ以上の界面活性剤、
iii.非イオン性親水性ポリマー、および、
iv.任意選択で、吸着剤、
を含む、非晶質固体分散体と、
b)薬学的に許容可能な担体または賦形剤と、
を含む、医薬組成物。
【請求項2】
前記医薬組成物は錠剤またはカプセルの形態である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記ニロチニブ遊離塩基またはその薬学的に許容可能な塩は、ニロチニブの塩である、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
ニロチニブの塩は、ニロチニブ塩酸塩、ニロチニブ硫酸塩、ニロチニブフマル酸塩、ニロチニブ2-クロロマンデル酸塩、ニロチニブコハク酸塩、ニロチニブアジピン酸塩、ニロチニブl-酒石酸塩、ニロチニブグルタル酸塩、ニロチニブp-トルエンスルホン酸塩、ニロチニブ樟脳スルホン酸塩、ニロチニブグルタミン酸塩、ニロチニブパルミチン酸塩、ニロチニブキナ塩酸塩、ニロチニブクエン酸塩、ニロチニブマレイン酸塩、ニロチニブ酢酸塩、ニロチニブl-リンゴ酸塩、ニロチニブl-アスパラギン酸塩、ニロチニブギ酸塩、ニロチニブ臭化水素酸塩、ニロチニブシュウ酸塩、およびニロチニブマロン酸塩から選択される、請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記ニロチニブの塩はニロチニブ塩酸塩である、請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記ニロチニブ遊離塩基またはその薬学的に許容可能な塩は、約10mg~約500mgの量で医薬組成物中に存在する、請求項1~5のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記ニロチニブ遊離塩基またはその薬学的に許容可能な塩は、約50mg~約125mgの遊離塩基の量で、あるいは薬学的に許容可能なニロチニブの塩の同等の量で、医薬組成物中に存在する、請求項1~5のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記ニロチニブ遊離塩基またはその薬学的に許容可能な塩は、約10重量%~約35重量%の量で医薬組成物中に存在する、請求項1~5のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記1つ以上の界面活性剤は、約10mg~約500mgの量で医薬組成物中に存在する、請求項1~8のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記1つ以上の界面活性剤は、約25mg~約125mgの量で医薬組成物中に存在する、請求項1~8のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記1つ以上の界面活性剤は、約10重量%~40重量%の量で医薬組成物中に存在する、請求項1~8のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記1つ以上の界面活性剤は、レシチンを含む、請求項1~11のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項13】
前記1つ以上の界面活性剤は、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールのブロックコポリマーを含む、請求項1~12のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項14】
前記1つ以上の界面活性剤は、ポリソルベート、トコフェロールポリエチレングリコールスクシネート(TPGS)、ポリエチレングリコールヒマシ油、オレイン酸ソルビタン、またはそれらの組み合わせを含む、請求項1~13のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項15】
前記非イオン性親水性ポリマーは、ポリビニルアルコール(PVA)、オリゴ糖、多糖類、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCまたはヒプロメロース)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ポリエチレンオキシド、ヒドロキシプロピルβシクロデキストリン(HP-β-CD)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMCAS)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ酢酸ビニルとポリビニルカプロラクタムベースのグラフトコポリマー(PVAc-PVCap-PEG)、ポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコール(PCL-PVAc-PEG)、あるいはそれらの組み合わせである、請求項1~14のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項16】
前記非イオン性親水性ポリマーは、約10mg~約500mgの量で医薬組成物中に存在する、請求項1~15のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項17】
前記非イオン性親水性ポリマーは、約10mg~約200mgの量で医薬組成物中に存在する、請求項16に記載の医薬組成物。
【請求項18】
前記非イオン性親水性ポリマーは、約1重量%~約80重量%の量で非晶質固体分散体中に存在する、請求項1~15のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項19】
前記非晶質固体分散体は約10重量%~約35重量%の量で二酸化ケイ素粉末を含む、請求項1~18のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項20】
前記医薬組成物は有機酸を含まない、請求項1~19のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項21】
前記薬学的に許容可能な担体または賦形剤は外部酸を含む、請求項1~19のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項22】
前記外部酸は非晶質固体分散体中には存在しない、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項23】
前記外部酸は、酸粒子と中性塩層とを含む表面修飾酸である、請求項21~22のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項24】
前記中性塩層は、薬学的に許容可能な塩基と粉末状または顆粒状の酸との間の反応によって形成される、請求項23に記載の医薬組成物。
【請求項25】
前記表面修飾酸は、粉末状または顆粒状である、請求項23または24に記載の医薬組成物。
【請求項26】
前記外部酸は、表面修飾された有機酸である、請求項23~25のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項27】
前記外部酸は、酒石酸、フマル酸、コハク酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、マレイン酸、ベンゼンスルホン酸、およびp-トルエンスルホン酸から選択される表面修飾酸である、請求項23~26のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項28】
前記外部酸は、酒石酸、フマル酸、コハク酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、およびマレイン酸から選択される表面修飾酸である、請求項23~26のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項29】
前記外部酸は、酒石酸およびコハク酸から選択される表面修飾酸である、請求項28に記載の医薬組成物。
【請求項30】
前記薬学的に許容可能な塩基は、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、リジン、アルギニン、およびヒスチジンから選択される、請求項24~29のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項31】
前記薬学的に許容可能な塩基は、炭酸ナトリウムである、請求項30に記載の医薬組成物。
【請求項32】
前記薬学的に許容可能な塩基対酸粒子の重量比は、約2%~約20%である、請求項24~31のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項33】
前記外部酸は、約50mg~約300mgの量で医薬組成物中に存在する、請求項21~32のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項34】
前記外部酸は、約5重量%~約35重量%の量で医薬組成物中に存在する、請求項21~32のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項35】
前記医薬組成物は、
a)非晶質固体分散体であって、
i.約10mg~約200mgの量のニロチニブ遊離塩基またはニロチニブHCl、
ii.約10mg~約500mgの量の1つ以上の界面活性剤であって、レシチン、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールのブロックコポリマー、TPGS、またはそれらの組み合わせを含む、界面活性剤、
iii.約10mg~約500mgの量の非イオン性親水性ポリマーであって、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、またはヒドロキシプロピルβシクロデキストリン(HP-β-CD)を含む、非イオン性親水性ポリマー、および、
iv.任意選択で、約10mg~300mgの量の二酸化ケイ素、
を含む、非晶質固体分散体と、
b)薬学的に許容可能な担体または賦形剤と、
を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項36】
前記医薬組成物は、
a)非晶質固体分散体であって、
i.約50mg~約125mgの量のニロチニブ遊離塩基またはニロチニブHCl、
ii.約10mg~約500mgの量の1つ以上の界面活性剤であって、レシチンを含む、界面活性剤、
iii.約10mg~約200mgの量の非イオン性親水性ポリマーであって、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、またはヒドロキシプロピルβシクロデキストリン(HP-β-CD)を含む、非イオン性親水性ポリマー、および、
iv.任意選択で、約50mg~150mgの量の二酸化ケイ素、
を含む、非晶質固体分散体と、
b)約50mg~約300mgの量の外部酸であって、表面修飾酸である、外部酸と、
を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項37】
医薬組成物であって、前記医薬組成物は、
a)非晶質固体分散体(ASD)であって、
i.ASDの約5重量%~約35重量%の量のニロチニブ遊離塩基またはニロチニブHCl、
ii.ASDの約5重量%~約50重量%の量の1つ以上の界面活性剤であって、レシチン、1つ以上の非イオン性界面活性剤、またはそれらの組み合わせを含む、界面活性剤、
iii.ASDの約1重量%~約80重量%の量の非イオン性親水性ポリマーであって、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、またはヒドロキシプロピルβシクロデキストリン(HP-β-CD)を含む、非イオン性親水性ポリマー、および、
iv.任意選択で、ASDの約10重量%~40重量%の量の二酸化ケイ素、
を含む、非晶質固体分散体と、
b)薬学的に許容可能な担体または賦形剤と、
を含む、医薬組成物。
【請求項38】
医薬組成物であって、前記医薬組成物は、
a)非晶質固体分散体(ASD)であって、
i.ASDの約5重量%~約35重量%の量のニロチニブ遊離塩基またはニロチニブHCl、
ii.ASDの約5重量%~約50重量%の量の1つ以上の界面活性剤であって、レシチン、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールのブロックコポリマー、TPGS、またはそれらの組み合わせを含む、界面活性剤、
iii.ASDの約1重量%~約80重量%の量の非イオン性親水性ポリマーであって、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、またはヒドロキシプロピルβシクロデキストリン(HP-β-CD)を含む、非イオン性親水性ポリマー、および、
iv.任意選択で、ASDの約10重量%~40重量%の量の二酸化ケイ素、
を含む、非晶質固体分散体と、
b)薬学的に許容可能な担体または賦形剤と、
を含む、医薬組成物。
【請求項39】
前記医薬組成物は、
a)非晶質固体分散体であって、
i.ASDの約15重量%~約30重量%の量のニロチニブ遊離塩基またはニロチニブHCl、
ii.ASDの約10重量%~約40重量%の量の1つ以上の界面活性剤であって、レシチン、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールのブロックコポリマー、TPGS、またはそれらの組み合わせを含む、界面活性剤、
iii.ASDの約15重量%~約60重量%の量の非イオン性親水性ポリマーであって、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、またはヒドロキシプロピルβシクロデキストリン(HP-β-CD)を含む、非イオン性親水性ポリマー、および、
iv.任意選択で、ASDの約15重量%~35重量%の量の二酸化ケイ素、
を含む、非晶質固体分散体と、
b)薬学的に許容可能な担体または賦形剤と、
を含む、請求項37または38に記載の医薬組成物。
【請求項40】
前記医薬組成物は、
a)非晶質固体分散体であって、
i.ASDの約15重量%~約30重量%の量のニロチニブ遊離塩基またはニロチニブHCl、
ii.ASDの約10重量%~約40重量%の量の1つ以上の界面活性剤であって、レシチン、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールのブロックコポリマー、TPGS、またはそれらの組み合わせを含む、界面活性剤、
iii.ASDの約15重量%~約60重量%の量の非イオン性親水性ポリマーであって、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、またはヒドロキシプロピルβシクロデキストリン(HP-β-CD)を含む、非イオン性親水性ポリマー、および、
iv.任意選択で、ASDの約15重量%~35重量%の量の二酸化ケイ素、
を含む、非晶質固体分散体と、
b)前記医薬組成物の約5重量%~35重量%の量の外部酸と、
を含む、請求項37~39のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項41】
前記医薬組成物は、75℃/75%RHで少なくとも2週間保存安定性であり、保存安定性の医薬組成物は、保存期間の終了時に100ppm未満の不純物Aを有する、請求項1~40のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項42】
前記医薬組成物は、40℃/75%RHで少なくとも6ヶ月間保存安定性であり、保存安定性の医薬組成物は、保存期間の終了時に100ppm未満の不純物Aを有する、請求項1~40のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項43】
前記医薬組成物は、40℃/75%RHで少なくとも2週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月、または24ヶ月間保存安定性であり、保存安定性の医薬組成物は、保存期間の終了時に100ppm未満の不純物Aを有する、請求項1~40のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項44】
前記医薬組成物は、経口投与後の全曲線下面積(AUC)として測定される場合、または経口投与後にCmaxとして測定される場合、結晶形態のニロチニブ遊離塩基またはその薬学的に許容可能な塩を含む対応する製剤のバイオアベイラビリティよりも少なくとも2倍高いバイオアベイラビリティを示す、請求項1~43のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項45】
前記医薬組成物は、経口投与後の全曲線下面積(AUC)として測定される場合、または経口投与後にCmaxとして測定される場合、ニロチニブHClを含む参照医薬組成物のバイオアベイラビリティよりも少なくとも2倍高いバイオアベイラビリティを示し、前記参照医薬組成物は非晶質固体分散体を含まない、請求項1~43のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項46】
前記バイオアベイラビリティは、絶食状態または摂食状態のイヌモデルにおいて測定される、請求項44または45に記載の医薬組成物。
【請求項47】
前記医薬組成物のバイオアベイラビリティは、経口投与後の全曲線下面積(AUC)として測定される場合、または経口投与後のCmaxとして測定される場合、絶食状態で投与されたバイオアベイラビリティと比較して、摂食状態で経口投与した際、50%を超えて変化することはない、請求項1~46のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項48】
医薬組成物であって、前記医薬組成物は、
a)非晶質固体分散体であって、
i.医薬品有効成分またはその薬学的に許容可能な塩であって、医薬品有効成分が、オクタノール-水において2.0以上のlog Pを有する、医薬品有効成分またはその薬学的に許容可能な塩、
ii.非イオン性界面活性剤、リン脂質、またはそれらの任意の組み合わせを含む、1つ以上の界面活性剤、
iii.非イオン性親水性ポリマー、および、
iv.任意選択で、吸着剤、を含む、非晶質固体分散体と、
b)薬学的に許容可能な担体または賦形剤と、
を含む、医薬組成物。
【請求項49】
前記医薬組成物は錠剤またはカプセルの形態である、請求項48に記載の医薬組成物。
【請求項50】
前記医薬品有効成分またはその薬学的に許容可能な塩は、ニロチニブ、酢酸アビラテロン、セレコキシブ、フルラゼパム、アトルバスタチン、インドメタシン、ノルトリプチリン、ロラタジン、フルオキセチン、ジクロフェナク、クロピドグレル、デュロキセチン、マプロチリン、イミプラミン、アミトリプチリン、シプロヘプタジン、セルトラリン、フルフェナム酸、クロルプロマジン、ミコナゾール、リモナバント、クロファジミン、エンザルタミド、ラパチニブ、パゾパニブ、エルロチニブ、ダサチニブ、ゲフィチニブ、ソラフェニブ、アキシチニブ、クリゾチニブ、ベムラフェニブ、テロトリスタットエチル、イバカフトル、ニンテダニブ、イブルチニブ、アレクチニブ、ボスチニブ、レンバチニブ、ミドスタウリン、アバプリチニブ、ペキシダルチニブ、アレクチニブ、ネラチニブ、エンザルタミド、それらの対応する遊離塩基、およびそれらの薬学的に許容可能な塩から選択される、請求項48または49に記載の医薬組成物。
【請求項51】
前記医薬品有効成分が、オクタノール-水において3.0以上のlog Pを有する、請求項48~50のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項52】
前記医薬品有効成分は、式(I)の化合物、あるいはそのN-オキシドまたは薬学的に許容可能な塩であり、
【化1】
式中、
は水素、C-Cアルキル、またはハロゲンであり、
は水素、C-Cアルキル、C1-6アルコキシ-C1-6アルキル、アシルオキシ-C1-6アルキル、カルボキシ-C1-6アルキル、C1-6アルコキシカルボニル-C1-6アルキル、またはフェニル-C1-6アルキルであり、
は水素、任意選択かつ独立して、1つ以上のR10、シクロアルキル、ベンズシクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール基、あるいは0、1、2、または3つの環窒素原子と0または1つの酸素原子および0または1つの硫黄原子を含む単環式または二環式のヘテロアリール基によって置換されたC-Cアルキルであり、それぞれの場合の基は非置換であるか、あるいは一置換または多置換であり、
10はヒドロキシ、C-Cアルコキシ、アシルオキシ、カルボキシ、C1-6アルコキシカルボニル、カルバモイル、N-一置換またはN,N-二置換カルバモイル、アミノ、一置換または二置換のアミノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール基、あるいは0、1、2、または3つの環窒素原子と0または1つの酸素原子と0または1つの硫黄原子を含む単環式または二環式のヘテロアリール基を表し、それぞれの場合の基は非置換であるか、あるいは一置換または多置換であり、あるいは、
とRは一体となって、C-Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、フェニル、ヒドロキシ、C-Cアルコキシ、アミノ、一置換または二置換のアミノ、オキソ、ピリジル、ピラジニル、またはピリミジニルによって任意選択で一置換または二置換されたC-Cアルキレン、4つまたは5つの炭素原子を有するベンズアルキレン、1つの酸素および3つまたは4つの炭素原子を有するオキサアルキレン、あるいは、1つの窒素および3つまたは4つの炭素原子を有するアザアルキレンを形成し、窒素は非置換であるか、C-Cアルキル、フェニル-C-Cアルキル、C1-6アルコキシカルボニル-C1-6アルキル、カルボキシ-C1-6アルキル、カルバモイル-C1-6アルキル、N-一置換またはN,N-二置換カルバモイル-C1-6アルキル、シクロアルキル、C1-6アルコキシカルボニル、カルボキシ、フェニル、置換されたフェニル、ピリジニル、ピリミジニル、またはピラジニルによって置換される、請求項48~50のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項53】
前記医薬品有効成分またはその薬学的に許容可能な塩は、約10mg~約500mgの量で単位剤形の医薬組成物中に存在する、請求項48~52のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項54】
前記1つ以上の界面活性剤は、約10mg~約500mgの量で単位剤形の医薬組成物中に存在する、請求項48~53のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項55】
前記1つ以上の界面活性剤はポロクサマー188、レシチン、TPGS、またはそれらの組み合わせである、請求項48~54のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項56】
前記非イオン性親水性ポリマーは、ポリビニルアルコール(PVA)、オリゴ糖、多糖類、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCまたはヒプロメロース)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ポリエチレンオキシド、ヒドロキシプロピルβシクロデキストリン(HP-β-CD)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMCAS)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ酢酸ビニルとポリビニルカプロラクタムベースのグラフトコポリマー(PVAc-PVCap-PEG)、ポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコール(PCL-PVAc-PEG)、あるいはそれらの組み合わせである、請求項48~55のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項57】
前記非イオン性親水性ポリマーは、約10mg~約500mgの量で医薬組成物中に存在する、請求項48~56のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項58】
吸着剤を含み、前記吸着剤は二酸化ケイ素、活性炭、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、珪藻土、微結晶性セルロース(MCC)、ケイ化微結晶性セルロース(SMCC)、タルク、架橋ポビドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デンプンカルボキシメチルナトリウム、ならびに糖類あるいは糖アルコール、例えば、ソルビトール、マンニトール、ラクトース、シクロデキストリン、およびマルトデキストリンから選択される、請求項48~57のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項59】
前記吸着剤は二酸化ケイ素である、請求項58に記載の医薬組成物。
【請求項60】
前記吸着剤は約10wt%~約35wt%の量で非晶質固体分散体中に存在する、請求項58または59に記載の医薬組成物。
【請求項61】
前記薬学的に許容可能な担体または賦形剤は外部酸を含む、請求項48~60のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項62】
前記外部酸は、酸粒子と中性塩層とを含む表面修飾酸である、請求項61に記載の医薬組成物。
【請求項63】
前記中性塩層は、薬学的に許容可能な塩基と粉末状または顆粒状の酸との間の反応によって形成される、請求項62に記載の医薬組成物。
【請求項64】
前記表面修飾酸は、粉末状または顆粒状である、請求項62または63に記載の医薬組成物。
【請求項65】
前記外部酸は、表面修飾された有機酸である、請求項61~64のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項66】
前記外部酸は、酒石酸、フマル酸、コハク酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、マレイン酸、ベンゼンスルホン酸、およびp-トルエンスルホン酸から選択される表面修飾酸である、請求項61~64のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項67】
前記外部酸は、酒石酸およびコハク酸から選択される表面修飾酸である、請求項66に記載の医薬組成物。
【請求項68】
前記薬学的に許容可能な塩基は、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、リジン、アルギニン、およびヒスチジンから選択される、請求項63~67のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項69】
前記薬学的に許容可能な塩基は、炭酸ナトリウムである、請求項68に記載の医薬組成物。
【請求項70】
前記外部酸の重量パーセントは約2%~約35%である、請求項63~69のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項71】
前記外部酸は、約50mg~約300mgの量で医薬組成物中に存在する、請求項61~70のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項72】
前記医薬組成物は、経口投与後の全曲線下面積(AUC)として測定される場合、または経口投与後にCmaxとして測定される場合、結晶形態の医薬品有効成分またはその薬学的に許容可能な塩を含む対応する製剤のバイオアベイラビリティよりも少なくとも2倍高いバイオアベイラビリティを示す、請求項48~71のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項73】
前記医薬組成物は、経口投与後の全曲線下面積(AUC)として測定される場合、または経口投与後にCmaxとして測定される場合、医薬品有効成分またはその薬学的に許容可能な塩を含む参照医薬組成物のバイオアベイラビリティよりも少なくとも2倍高いバイオアベイラビリティを示し、前記参照医薬組成物は非晶質固体分散体を含まない、請求項48~71のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項74】
前記バイオアベイラビリティは、絶食状態または摂食状態のイヌモデルにおいて測定される、請求項72または73に記載の医薬組成物。
【請求項75】
前記医薬組成物のバイオアベイラビリティは、経口投与後の全曲線下面積(AUC)として測定される場合、または経口投与後のCmaxとして測定される場合、絶食状態で投与されたバイオアベイラビリティと比較して、摂食状態で経口投与した場合に50%を超えて変化することはない、請求項48~74のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項76】
前記非晶質固体分散体はさらに無機酸または有機酸を含む、請求項48~75のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項77】
前記酸は、酒石酸、フマル酸、コハク酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、イセチオン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、塩酸、硫酸、およびリン酸からなる群から選択される、請求項76に記載の医薬組成物。
【請求項78】
前記医薬組成物は、40℃/75%RHで少なくとも2週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月、または24ヶ月間保存安定性であり、保存安定性の医薬組成物は、医薬品有効成分の100ppm未満の分解産物を有する、請求項48~77のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項79】
前記非晶質固体分散体は抗酸化剤をさらに含む、請求項1~78のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項80】
非晶質固体分散体であって、前記非晶質固体分散体は、
a)親油性の医薬品有効成分またはその薬学的に許容可能な塩であって、医薬品有効成分が、オクタノール-水において2.0以上のlog Pを有する、医薬品有効成分またはその薬学的に許容可能な塩、
b)非イオン性界面活性剤、リン脂質、またはそれらの任意の組み合わせを含む、1つ以上の界面活性剤、
c)非イオン性親水性ポリマー、および、
d)任意選択で、吸着剤、
を含む、非晶質固体分散体。
【請求項81】
前記医薬品有効成分またはその薬学的に許容可能な塩は、ニロチニブ、酢酸アビラテロン、セレコキシブ、フルラゼパム、アトルバスタチン、インドメタシン、ノルトリプチリン、ロラタジン、フルオキセチン、ジクロフェナク、クロピドグレル、デュロキセチン、マプロチリン、イミプラミン、アミトリプチリン、シプロヘプタジン、セルトラリン、フルフェナム酸、クロルプロマジン、ミコナゾール、リモナバント、クロファジミン、エンザルタミド、ラパチニブ、パゾパニブ、エルロチニブ、ダサチニブ、ゲフィチニブ、ソラフェニブ、アキシチニブ、クリゾチニブ、ベムラフェニブ、テロトリスタットエチル、イバカフトル、ニンテダニブ、イブルチニブ、アレクチニブ、ボスチニブ、レンバチニブ、ミドスタウリン、アバプリチニブ、ペキシダルチニブ、アレクチニブ、ネラチニブ、エンザルタミド、それらの対応する遊離塩基、およびそれらの薬学的に許容可能な塩から選択される、請求項80に記載の非晶質固体分散体。
【請求項82】
前記医薬品有効成分は、式(I)の化合物、あるいはそのN-オキシドまたは薬学的に許容可能な塩であり、
【化2】
式中、
は水素、C-Cアルキル、またはハロゲンであり、
は水素、C-Cアルキル、C1-6アルコキシ-C1-6アルキル、アシルオキシ-C1-6アルキル、カルボキシ-C1-6アルキル、C1-6アルコキシカルボニル-C1-6アルキル、またはフェニル-C1-6アルキルであり、
は水素、任意選択かつ独立して、1つ以上のR10、シクロアルキル、ベンズシクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール基、あるいは0、1、2、または3つの環窒素原子と0または1つの酸素原子および0または1つの硫黄原子を含む単環式または二環式のヘテロアリール基によって置換されたC-Cアルキルであり、それぞれの場合の基は非置換であるか、あるいは一置換または多置換であり、
10はヒドロキシ、C-Cアルコキシ、アシルオキシ、カルボキシ、C1-6アルコキシカルボニル、カルバモイル、N-一置換またはN,N-二置換カルバモイル、アミノ、一置換または二置換のアミノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール基、あるいは0、1、2、または3つの環窒素原子と0または1つの酸素原子と0または1つの硫黄原子を含む単環式または二環式のヘテロアリール基を表し、それぞれの場合の基は非置換であるか、あるいは一置換または多置換であり、あるいは、
とRは一体となって、C-Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、フェニル、ヒドロキシ、C-Cアルコキシ、アミノ、一置換または二置換のアミノ、オキソ、ピリジル、ピラジニル、またはピリミジニルによって任意選択で一置換または二置換されたC-Cアルキレン、4つまたは5つの炭素原子を有するベンズアルキレン、1つの酸素および3つまたは4つの炭素原子を有するオキサアルキレン、あるいは、1つの窒素および3つまたは4つの炭素原子を有するアザアルキレンを形成し、窒素は非置換であるか、C-Cアルキル、フェニル-C-Cアルキル、C1-6アルコキシカルボニル-C1-6アルキル、カルボキシ-C1-6アルキル、カルバモイル-C1-6アルキル、N-一置換またはN,N-二置換カルバモイル-C1-6アルキル、シクロアルキル、C1-6アルコキシカルボニル、カルボキシ、フェニル、置換されたフェニル、ピリジニル、ピリミジニル、またはピラジニルによって置換される、請求項80に記載の非晶質固体分散体。
【請求項83】
前記医薬品有効成分またはその薬学的に許容可能な塩は、ニロチニブまたはその薬学的に許容可能な塩である、請求項80~82のいずれか1つに記載の非晶質固体分散体。
【請求項84】
前記医薬品有効成分またはその薬学的に許容可能な塩は、ニロチニブ塩酸塩である、請求項83に記載の非晶質固体分散体。
【請求項85】
前記医薬品有効成分またはその薬学的に許容可能な塩は、固形物に基づいて約5wt%~約70wt%の量で非晶質固体分散体中に存在する、請求項80~84のいずれか1つに記載の非晶質固体分散体。
【請求項86】
前記1つ以上の界面活性剤は、ポリマー性非イオン性界面活性剤である、請求項80~85のいずれか1つに記載の非晶質固体分散体。
【請求項87】
前記ポリマー性非イオン性界面活性剤はポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールのブロックコポリマーを含む、請求項86に記載の非晶質固体分散体。
【請求項88】
前記ポリマー性非イオン性界面活性剤はポロクサマー188である、請求項86または87に記載の非晶質固体分散体。
【請求項89】
前記1つ以上の界面活性剤は、1つ以上のリン脂質を含む、請求項80~85のいずれか1つに記載の非晶質固体分散体。
【請求項90】
前記界面活性剤はレシチンを含む、請求項89に記載の非晶質固体分散体。
【請求項91】
前記界面活性剤は固形物に基づいて約5wt%~約70wt%の量で非晶質固体分散体中に存在する、請求項80~90のいずれか1つに記載の非晶質固体分散体。
【請求項92】
前記医薬品有効成分またはその薬学的に許容可能な塩対1つ以上の界面活性剤の重量比は、約10:1~約1:10である、請求項80~91のいずれか1つに記載の非晶質固体分散体。
【請求項93】
前記非イオン性親水性ポリマーは、ポリビニルアルコール(PVA)、オリゴ糖、多糖類、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCまたはヒプロメロース)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ポリエチレンオキシド、ヒドロキシプロピルβシクロデキストリン(HP-β-CD)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMCAS)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ酢酸ビニルとポリビニルカプロラクタムベースのグラフトコポリマー(PVAc-PVCap-PEG)、ポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコール(PCL-PVAc-PEG)、あるいはそれらの組み合わせを含む、請求項80~92のいずれか1つに記載の非晶質固体分散体。
【請求項94】
前記非イオン性親水性ポリマーは、HPMC、PVP、HP-β-CD、PVA、HPMCAS、またはPCL-PVAc-PEGである、請求項93に記載の非晶質固体分散体。
【請求項95】
前記非イオン性親水性ポリマーは固形物に基づいて約5wt%~約70wt%の量で非晶質固体分散体中に存在する、請求項80~94のいずれか1つに記載の非晶質固体分散体。
【請求項96】
前記医薬品有効成分またはその薬学的に許容可能な塩対非イオン性親水性ポリマーの重量比は、約10:1~約1:10である、請求項80~95のいずれか1つに記載の非晶質固体分散体。
【請求項97】
前記吸着剤は二酸化ケイ素、活性炭、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、珪藻土、微結晶性セルロース(MCC)、ケイ化微結晶性セルロース(SMCC)、タルク、架橋ポビドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デンプンカルボキシメチルナトリウム、ならびに糖類あるいは糖アルコール、例えば、ソルビトール、マンニトール、ラクトース、シクロデキストリン、およびマルトデキストリンから選択される、請求項80~96のいずれか1つに記載の非晶質固体分散体。
【請求項98】
前記吸着剤は二酸化ケイ素である、請求項97に記載の非晶質固体分散体。
【請求項99】
前記吸着剤は約10wt%~約35wt%の量で非晶質固体分散体中に存在する、請求項80~98のいずれか1つに記載の非晶質固体分散体。
【請求項100】
前記非晶質固体分散体の平均粒径は1μm~1000μmである、請求項80~99のいずれか1つに記載の非晶質固体分散体。
【請求項101】
前記非晶質固体分散体の平均粒度は、粒径の観点から、約10μm~約150μmである、請求項80~99のいずれか1つに記載の非晶質固体分散体。
【請求項102】
前記非晶質固体分散体はさらに無機酸または有機酸を含む、請求項80~101のいずれか1つに記載の非晶質固体分散体。
【請求項103】
前記酸は、酒石酸、フマル酸、コハク酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、イセチオン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、塩酸、硫酸、およびリン酸からなる群から選択される、請求項102に記載の非晶質固体分散体。
【請求項104】
非晶質固体分散体であって、前記非晶質固体分散体は、
a)約5重量%~約35重量%の量の親油性の医薬品有効成分またはその薬学的に許容可能な塩であって、前記医薬品有効成分が、オクタノール-水において2.0以上のlog Pを有する、親油性の医薬品有効成分またはその薬学的に許容可能な塩、
b)約5重量%~約50重量%の量の1つ以上の界面活性剤であって、非イオン性界面活性剤、リン脂質、またはそれらの組み合わせを含む、界面活性剤、
c)約1重量%~約80重量%の量の非イオン性親水性ポリマー、および、
(d)任意選択で、約10重量%~40重量%の量の吸着剤、
を含む、非晶質固体分散体。
【請求項105】
非晶質固体分散体であって、
a)約5重量%~約35重量%の量のニロチニブ遊離塩基またはニロチニブHCl、
b)約5重量%~約50重量%の量の1つ以上の界面活性剤であって、レシチン、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールのブロックコポリマー、TPGS、またはそれらの組み合わせを含む、界面活性剤、c)約1重量%~約80重量%の量の非イオン性親水性ポリマーであって、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、またはヒドロキシプロピルβシクロデキストリン(HP-β-CD)を含む、非イオン性親水性ポリマー、および、(d)任意選択で、約10重量%~40重量%の量の二酸化ケイ素、を含む、非晶質固体分散体。
【請求項106】
前記非晶質固体分散体は、
a)約15重量%~約30重量%の量のニロチニブ遊離塩基またはニロチニブHCl、
b)約10重量%~約40重量%の量の1つ以上の界面活性剤であって、レシチン、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールのブロックコポリマー、TPGS、またはそれらの組み合わせを含む、界面活性剤、
c)約15重量%~約60重量%の量の非イオン性親水性ポリマーであって、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、またはヒドロキシプロピルβシクロデキストリン(HP-β-CD)を含む、非イオン性親水性ポリマー、および、
d)任意選択で、約15重量%~35重量%の量の二酸化ケイ素、を含む、請求項105に記載の非晶質固体分散体。
【請求項107】
前記非晶質固体分散体は、
a)約15重量%~約30重量%の量のニロチニブ遊離塩基またはニロチニブHCl、
b)約10重量%~約40重量%の量の1つ以上の界面活性剤であって、レシチン、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールのブロックコポリマー、TPGS、またはそれらの組み合わせを含む、界面活性剤、
c)約15重量%~約60重量%の量の非イオン性親水性ポリマーであって、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、またはヒドロキシプロピルβシクロデキストリン(HP-β-CD)を含む、非イオン性親水性ポリマー、および、
d)任意選択で、約15重量%~35重量%の量の二酸化ケイ素、
を含む、請求項105に記載の非晶質固体分散体。
【請求項108】
非晶質固体分散体を調製するための方法であって、
a)(i)医薬品有効成分またはその薬学的に許容可能な塩、(ii)非イオン性界面活性剤、リン脂質、およびそれらの任意の組み合わせを含む、1つ以上の界面活性剤、(iii)非イオン性親水性ポリマー、(iv)任意選択で、吸着剤などの添加剤、および、(v)溶媒を組み合わせる工程であって、それによって、液体の混合物または溶液を生成する、工程と、
b)前記混合物から溶媒を取り除く工程であって、それによって、非晶質固体分散体を生成する、工程と、
を含む、方法。
【請求項109】
前記溶媒は有機溶媒または有機溶媒の混合物である、請求項108に記載の方法。
【請求項110】
前記溶媒はアルコールであるか、またはアルコールを含む、請求項108に記載の方法。
【請求項111】
前記組み合わせる工程は、医薬品有効成分またはその薬学的に許容可能な塩、1つ以上の界面活性剤、および非イオン性親水性ポリマーを溶媒に溶解させることを含む、請求項108~110のいずれか1つに記載の方法。
【請求項112】
前記取り除く工程は、噴霧乾燥またはローター蒸発を含む、請求項108~111のいずれか1つに記載の方法。
【請求項113】
前記取り除く工程は、吸着剤に溶液を噴霧することと、流動床装置で乾燥させることを含む、請求項108~111の1つに記載の方法。
【請求項114】
疾患または疾病を処置する方法であって、請求項1~103のいずれか1つに記載の医薬組成物または非晶質固体分散体を、処置を必要としている対象に投与する工程を含む、方法。
【請求項115】
癌を処置する方法であって、請求項1~47のいずれか1つに記載の医薬組成物を、処置を必要としている対象に投与する工程を含む、方法。
【請求項116】
前記癌は血液癌である、請求項115に記載の方法。
【請求項117】
前記血液癌は慢性骨髄性白血病(CML)である、請求項116に記載の方法。
【請求項118】
前記癌は固形腫瘍である、請求項115に記載の方法。
【請求項119】
BCR-ABLチロシンキナーゼを阻害する方法であって、請求項1~47のいずれか1つに記載の医薬組成物を、阻害を必要としている対象に投与する工程を含む、方法。
【請求項120】
前記対象はイマチニブに耐性があるか、不耐性である、請求項115~119のいずれか1つに記載の方法。
【請求項121】
化学療法剤を投与する工程をさらに含む、請求項115~120のいずれか1つに記載の方法。
【請求項122】
エリスロポエチンまたはG-CSFなどの造血成長因子を投与する工程をさらに含む、請求項115~121のいずれか1つに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ニロチニブ遊離塩基の化学名は、4-メチル-N-[3-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-{[4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イル]アミノ}ベンズアミドである。ニロチニブ塩酸塩はTASIGNAという商標名の下で慢性骨髄性白血病(CML)の処置のために承認されている。ニロチニブ遊離塩基の構造は下に描かれている。
【0002】
【化1】
【0003】
ニロチニブ
ニロチニブはcLogP=5.8の親油性の化合物であり、水にはほとんど溶けない。TASIGNAは、食事と一緒に投与された場合、曝露の増加と非常に変化しやすい曝露の可能性があることが知られている。ニロチニブを食物および/または強力なCYP3A4阻害剤および/またはQTを延長する可能性が知られている医薬品と一緒に不適切に摂取されると、QT間隔の著しい延長が起こる可能性がある。したがって、食品との同時投与は避けなければならず、また、強力なCYP3A4阻害剤および/またはQTを延長する可能性が知られている医薬品との併用は避けなければならない。5,661人の患者の臨床試験においてTASIGNAで処置したCML患者の0.3%で突然死が報告されている。TASIGNAの開始に関連するこれらの死亡例の一部が比較的早期に発生したことから、心室再分極異常がその発生に寄与している可能性が示唆されている。
【0004】
経口バイオアベイラビリティが改善され、低用量の投与を可能にし、食物摂取によって引き起こされる吸収の変動を低減し、インビトロでの対象間の吸収の変動を低減するニロチニブ組成物が必要とされている。より一般的には、経口バイオアベイラビリティが改善し、低用量を投与の投与を可能にし、食物摂取によって引き起こされる吸収の変動を低減し、インビボでの対象間の吸収の変動を低減する、高度に親油性の活性な医薬成分の改善された製剤が必要とされている。
【0005】
引用による組み込み
本明細書で言及されるすべての出版物と特許出願は、個々の出版物または特許出願がそれぞれ引用によって組み込まれるよう特別に個別に指示があった場合のように、引用によって本明細書に組み込まれるものである。
【発明の概要】
【0006】
医薬組成物が本明細書で開示され、医薬組成物は、a)非晶質固体分散体であって、i.ニロチニブ遊離塩基またはその薬学的に許容可能な塩である、医薬品有効成分またはその薬学的に許容可能な塩、ii.1つ以上のポリマー性非イオン性界面活性剤、および1つ以上のリン脂質、またはそれらの任意の組み合わせから選択される、1つ以上の界面活性剤、iii.非イオン性親水性ポリマー、および、iv.任意選択で、吸着剤、を含む、非晶質固体分散体と、b)薬学的に許容可能な担体または賦形剤と、を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は錠剤またはカプセルの形態である。いくつかの実施形態では、ニロチニブ遊離塩基またはその薬学的に許容可能な塩は、ニロチニブの塩である。いくつかの実施形態では、ニロチニブの塩は、ニロチニブ塩酸塩、ニロチニブ硫酸塩、ニロチニブフマル酸塩、ニロチニブ2-クロロマンデル酸塩、ニロチニブコハク酸塩、ニロチニブアジピン酸塩、ニロチニブl-酒石酸塩、ニロチニブグルタル酸塩、ニロチニブp-トルエンスルホン酸塩、ニロチニブ樟脳スルホン酸塩、ニロチニブグルタミン酸塩、ニロチニブパルミチン酸塩、ニロチニブキナ塩酸塩、ニロチニブクエン酸塩、ニロチニブマレイン酸塩、ニロチニブ酢酸塩、ニロチニブl-リンゴ酸塩、ニロチニブl-アスパラギン酸塩、ニロチニブギ酸塩、ニロチニブ臭化水素酸塩、ニロチニブシュウ酸塩、およびニロチニブマロン酸塩から選択される。いくつかの実施形態では、ニロチニブの塩はニロチニブ塩酸塩である。いくつかの実施形態では、ニロチニブ遊離塩基またはその薬学的に許容可能な塩は、約10mg~約500mgの量で医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、ニロチニブ遊離塩基またはその薬学的に許容可能な塩は、約50mg~約125mgの遊離塩基の量で、あるいは薬学的に許容可能なニロチニブの塩の同等の量で、医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、ニロチニブ遊離塩基またはその薬学的に許容可能な塩は、約10重量%~約30重量%の量で医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、1つ以上の界面活性剤は、約10mg~約500mgの量で医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、1つ以上の界面活性剤は、約25mg~約125mgの量で医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、1つ以上の界面活性剤は、約10重量%~40重量%の量で医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、1つ以上の界面活性剤はレシチンである。いくつかの実施形態では、1つ以上の界面活性剤はポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールのブロックコポリマーである。いくつかの実施形態では、非イオン性親水性ポリマーは、ポリビニルアルコール(PVA)、オリゴ糖、多糖類、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCまたはヒプロメロース)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ポリエチレンオキシド、ヒドロキシプロピルβシクロデキストリン(HP-β-CD)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMCAS)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ酢酸ビニルとポリビニルカプロラクタムベースのグラフトコポリマー(PVAc-PVCap-PEG)、ポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコール(PCL-PVAc-PEG)、あるいはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、非イオン性親水性ポリマーは、約10mg~約500mgの量で医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、非イオン性親水性ポリマーは、約10mg~約200mgの量で医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、非イオン性親水性ポリマーは、約1重量%~約80重量%の量で非晶質固体分散体中に存在する。いくつかの実施形態では、非晶質固体分散体は約10重量%~約35重量%の量で二酸化ケイ素粉末を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は有機酸を含まない。いくつかの実施形態では、薬学的に許容可能な担体または賦形剤は外部酸を含む。いくつかの実施形態では、外部酸は非晶質固体分散体中には存在しない。いくつかの実施形態では、外部酸は、酸粒子と中性塩層とを含む表面修飾酸である。いくつかの実施形態では、中性塩層は、薬学的に許容可能な塩基と粉末状または顆粒状の酸との間の反応によって形成される。いくつかの実施形態では、表面修飾酸は、粉末状または顆粒状である。いくつかの実施形態では、外部酸は、表面修飾された有機酸である。いくつかの実施形態では、外部酸は、酒石酸、フマル酸、コハク酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、マレイン酸、ベンゼンスルホン酸、およびp-トルエンスルホン酸から選択される表面修飾酸である。いくつかの実施形態では、外部酸は、酒石酸、フマル酸、コハク酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、およびマレイン酸から選択される表面修飾酸である。いくつかの実施形態では、外部酸は、酒石酸およびコハク酸から選択される表面修飾酸である。いくつかの実施形態では、薬学的に許容可能な塩基は、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、リジン、アルギニン、およびヒスチジンから選択される。いくつかの実施形態では、薬学的に許容可能な塩基は、炭酸ナトリウムである。いくつかの実施形態では、薬学的に許容可能な塩基対酸粒子の重量比は、約2%~約20%である。いくつかの実施形態では、外部酸は、約50mg~約300mgの量で医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、外部酸は、約5重量%~約35重量%の量で医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、a)非晶質固体分散体であって、i.約10mg~約200mgの量のニロチニブ遊離塩基またはニロチニブHCl、ii.約10mg~約500mgの量の1つ以上の界面活性剤であって、レシチン、あるいはポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールのブロックコポリマー、トコフェロールポリエチレングリコールスクシネート(TPGSまたはビタミンE TPGS)、またはそれらの組み合わせを含む、界面活性剤、iii.約10mg~約500mgの量の非イオン性親水性ポリマーであって、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、またはヒドロキシプロピルβシクロデキストリン(HP-β-CD)を含む、非イオン性親水性ポリマー、および、iv.任意選択で、約10mg~300mgの量の二酸化ケイ素、を含む、非晶質固体分散体と、b)薬学的に許容可能な担体または賦形剤と、を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、a)非晶質固体分散体であって、i.約50mg~約125mgの量のニロチニブ遊離塩基またはニロチニブHCl、ii.約10mg~約500mgの量の1つ以上の界面活性剤であって、レシチンを含む、界面活性剤、iii.約10mg~約200mgの量の非イオン性親水性ポリマーであって、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、またはヒドロキシプロピルβシクロデキストリン(HP-β-CD)を含む、非イオン性親水性ポリマー、および、iv.任意選択で、約50mg~150mgの量の二酸化ケイ素、を含む、非晶質固体分散体と、b)約50mg~約300mgの量の外部酸であって、表面修飾酸である、外部酸と、を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、a)非晶質固体分散体(ASD)であって、i.ASDの約5重量%~約35重量%の量のニロチニブ遊離塩基またはニロチニブHCl、ii.ASDの約5重量%~約50重量%の量の1つ以上の界面活性剤であって、1つ以上のリン脂質、1つ以上の非イオン性界面活性剤、またはそれらの任意の組み合わせを含む、界面活性剤、iii.ASDの約1重量%~約80重量%の量の非イオン性親水性ポリマーであって、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、またはヒドロキシプロピルβシクロデキストリン(HP-β-CD)を含む、非イオン性親水性ポリマー、および、iv.任意選択で、ASDの約10重量%~40重量%の量の二酸化ケイ素、を含む、非晶質固体分散体と、b)薬学的に許容可能な担体または賦形剤と、を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、a)非晶質固体分散体(ASD)であって、i.ASDの約5重量%~約35重量%の量のニロチニブ遊離塩基またはニロチニブHCl、ii.ASDの約5重量%~約50重量%の量の1つ以上の界面活性剤であって、レシチン、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールのブロックコポリマー、TPGS、またはそれらの組み合わせを含む、界面活性剤、iii.ASDの約1重量%~約80重量%の量の非イオン性親水性ポリマーであって、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、またはヒドロキシプロピルβシクロデキストリン(HP-β-CD)を含む、非イオン性親水性ポリマー、および、iv.任意選択で、ASDの約10重量%~40重量%の量の二酸化ケイ素、を含む、非晶質固体分散体と、b)薬学的に許容可能な担体または賦形剤と、を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、a)非晶質固体分散体であって、i.ASDの約15重量%~約30重量%の量のニロチニブ遊離塩基またはニロチニブHCl、ii.ASDの約10重量%~約40重量%の量の1つ以上の界面活性剤であって、レシチン、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールのブロックコポリマー、TPGS、またはそれらの組み合わせを含む、界面活性剤、iii.ASDの約15重量%~約60重量%の量の非イオン性親水性ポリマーであって、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、またはヒドロキシプロピルβシクロデキストリン(HP-β-CD)を含む、非イオン性親水性ポリマー、および、iv.任意選択で、ASDの約15重量%~35重量%の量の二酸化ケイ素、を含む、非晶質固体分散体と、b)薬学的に許容可能な担体または賦形剤と、を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、a)非晶質固体分散体であって、i.ASDの約15重量%~約30重量%の量のニロチニブ遊離塩基またはニロチニブHCl、ii.ASDの約10重量%~約40重量%の量の1つ以上の界面活性剤であって、レシチン、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールのブロックコポリマー、TPGS、またはそれらの組み合わせを含む、界面活性剤、iii.ASDの約15重量%~約60重量%の量の非イオン性親水性ポリマーであって、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、またはヒドロキシプロピルβシクロデキストリン(HP-β-CD)を含む、非イオン性親水性ポリマー、および、iv.任意選択で、ASDの約15重量%~35重量%の量の二酸化ケイ素、を含む、非晶質固体分散体と、医薬組成物の約5重量%~35重量%の量の外部酸と、を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、75℃/75%RHで少なくとも2週間保存安定性であり、保存安定性の医薬組成物は、保存期間の終了時に100ppm未満の不純物Aを有する。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、40℃/75%RHで少なくとも6ヶ月間保存安定性であり、保存安定性の医薬組成物は、保存期間の終了時に100ppm未満の不純物Aを有する。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、40℃/75%RHで少なくとも2週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月、または24ヶ月間保存安定性であり、保存安定性の医薬組成物は、保存期間の終了時に100ppm未満の不純物Aを有する。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、経口投与後の全曲線下面積(
AUC)として測定される場合、または経口投与後にCmaxとして測定される場合、結晶形態のニロチニブ遊離塩基またはその薬学的に許容可能な塩を含む対応する製剤のバイオアベイラビリティよりも少なくとも2倍高いバイオアベイラビリティを示す。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、経口投与後の全曲線下面積(AUC)として測定されたとき、または経口投与後にCmaxとして測定されたとき、ニロチニブHClを含む参照医薬組成物のバイオアベイラビリティよりも少なくとも2倍高いバイオアベイラビリティを示し、参照医薬組成物は非晶質固体分散体を含まない。いくつかの実施形態では、バイオアベイラビリティは、絶食状態または摂食状態の犬モデルにおいて測定される。いくつかの実施形態では、医薬組成物のバイオアベイラビリティは、経口投与後の全曲線下面積(AUC)として測定される場合、または経口投与後のCmaxとして測定される場合、絶食状態で投与されたバイオアベイラビリティと比較して、摂食状態で経口投与した場合に50%を超えて変化することはない。
【0007】
医薬組成物が本明細書で開示され、医薬組成物は、a)非晶質固体分散体であって、i.医薬品有効成分またはその薬学的に許容可能な塩であって、医薬品有効成分が、オクタノール-水において2.0以上のlog Pを有する、医薬品有効成分またはその薬学的に許容可能な塩、ii.ポリマー性非イオン性界面活性剤、およびリン脂質、またはそれらの任意の組み合わせから選択される、1つ以上の界面活性剤、iii.非イオン性親水性ポリマー、および、iv.任意選択で、吸着剤、を含む、非晶質固体分散体と、b)薬学的に許容可能な担体または賦形剤と、を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は錠剤またはカプセルの形態である。いくつかの実施形態では、医薬品有効成分またはその薬学的に許容可能な塩は、ニロチニブ、酢酸アビラテロン、セレコキシブ、フルラゼパム、アトルバスタチン、インドメタシン、ノルトリプチリン、ロラタジン、フルオキセチン、ジクロフェナク、クロピドグレル、デュロキセチン、マプロチリン、イミプラミン、アミトリプチリン、シプロヘプタジン、セルトラリン、フルフェナム酸、クロルプロマジン、ミコナゾール、リモナバント、クロファジミン、エンザルタミド、ラパチニブ、パゾパニブ、エルロチニブ、ダサチニブ、ゲフィチニブ、ソラフェニブ、アキシチニブ、クリゾチニブ、ベムラフェニブ、テロトリスタットエチル、イバカフトル、ニンテダニブ、イブルチニブ、アレクチニブ、ボスチニブ、レンバチニブ、ミドスタウリン、アバプリチニブ、ペキシダルチニブ、アレクチニブ、ネラチニブ、エンザルタミド、それらの対応する遊離塩基、およびそれらの薬学的に許容可能な塩から選択される。いくつかの実施形態では、医薬品有効成分は、オクタノール-水において3.0以上のlog Pを有する。いくつかの実施形態では、医薬品有効成分は、式(I)の化合物、あるいはそのN-オキシドまたは薬学的に許容可能な塩であり、
【0008】
【化2】
式中、
は水素、C-Cアルキル、またはハロゲンであり、
は水素、C-Cアルキル、C1-6アルコキシ-C1-6アルキル、アシルオキシ-C1-6アルキル、カルボキシ-C1-6アルキル、C1-6アルコキシカルボニル-C1-6アルキル、またはフェニル-C1-6アルキルであり、
は水素、任意選択かつ独立して、1つ以上のR10、シクロアルキル、ベンズシクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール基、あるいは0、1、2、または3つの環窒素原子と0または1つの酸素原子および0または1つの硫黄原子を含む単環式または二環式のヘテロアリール基によって置換されたC-Cアルキルであり、それぞれの場合の基は非置換であるか、あるいは一置換または多置換であり、
10はヒドロキシ、C-Cアルコキシ、アシルオキシ、カルボキシ、C1-6アルコキシカルボニル、カルバモイル、N-一置換またはN,N-二置換カルバモイル、アミノ、一置換または二置換のアミノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール基、あるいは0、1、2、または3つの環窒素原子と0または1つの酸素原子と0または1つの硫黄原子を含む単環式または二環式のヘテロアリール基を表し、それぞれの場合の基は非置換であるか、あるいは一置換または多置換であり、あるいは、
とRは一体となって、C-Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、フェニル、ヒドロキシ、C-Cアルコキシ、アミノ、一置換または二置換のアミノ、オキソ、ピリジル、ピラジニル、またはピリミジニルによって任意選択で一置換または二置換されたC-Cアルキレン、4つまたは5つの炭素原子を有するベンズアルキレン、1つの酸素および3つまたは4つの炭素原子を有するオキサアルキレン、あるいは、1つの窒素および3つまたは4つの炭素原子を有するアザアルキレンを形成し、窒素は非置換であるか、C-Cアルキル、フェニル-C-Cアルキル、C1-6アルコキシカルボニル-C1-6アルキル、カルボキシ-C1-6アルキル、カルバモイル-C1-6アルキル、N-一置換またはN,N-二置換カルバモイル-C1-6アルキル、シクロアルキル、C1-6アルコキシカルボニル、カルボキシ、フェニル、置換されたフェニル、ピリジニル、ピリミジニル、またはピラジニルによって置換される。
いくつかの実施形態では、医薬品有効成分またはその薬学的に許容可能な塩は、約10mg~約500mgの量で単位剤形の医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、1つ以上の界面活性剤は、約10mg~約500mgの量で単位剤形の医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、1つ以上の界面活性剤はポロクサマー188、レシチン、TPGS、またはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、非イオン性親水性ポリマーは、ポリビニルアルコール(PVA)、オリゴ糖、多糖類、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCまたはヒプロメロース)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ポリエチレンオキシド、ヒドロキシプロピルβシクロデキストリン(HP-β-CD)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMCAS)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ酢酸ビニルとポリビニルカプロラクタムベースのグラフトコポリマー(PVAc-PVCap-PEG)、ポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコール(PCL-PVAc-PEG)、あるいはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、非イオン性親水性ポリマーは、約10mg~約500mgの量で医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、組成物は吸着剤を含み、吸着剤は二酸化ケイ素、活性炭、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、珪藻土、微結晶性セルロース(MCC)、ケイ化微結晶性セルロース(SMCC)、タルク、架橋ポビドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デンプンカルボキシメチルナトリウム、ならびに糖類あるいは糖アルコール、例えば、ソルビトール、マンニトール、ラクトース、シクロデキストリン、およびマルトデキストリンから選択される。いくつかの実施形態では、吸着剤は二酸化ケイ素である。いくつかの実施形態では、吸着剤は約10重量%~約35重量%の量で非晶質固体分散体中に存在する。いくつかの実施形態では、薬学的に許容可能な担体または賦形剤は外部酸を含む。いくつかの実施形態では、外部酸は、酸粒子と中性塩層とを含む表面修飾酸である。いくつかの実施形態では、中性塩層は、薬学的に許容可能な塩基と粉末状または顆粒状の酸との間の反応によって形成される。いくつかの実施形態では、表面修飾酸は、粉末状または顆粒状である。いくつかの実施形態では、外部酸は、表面修飾された有機酸である。いくつかの実施形態では、外部酸は、酒石酸、フマル酸、コハク酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、マレイン酸、ベンゼンスルホン酸、およびp-トルエンスルホン酸から選択される表面修飾酸である。いくつかの実施形態では、外部酸は、酒石酸およびコハク酸から選択される表面修飾酸である。いくつかの実施形態では、薬学的に許容可能な塩基は、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、リジン、アルギニン、およびヒスチジンから選択される。いくつかの実施形態では、薬学的に許容可能な塩基は、炭酸ナトリウムである。いくつかの実施形態では、外部酸の重量パーセントは約2%~約35%である。いくつかの実施形態では、外部酸は、約50mg~約300mgの量で医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、経口投与後の全曲線下面積(AUC)として測定される場合、または経口投与後にCmaxとして測定される場合、結晶形態の医薬品有効成分またはその薬学的に許容可能な塩を含む対応する製剤のバイオアベイラビリティよりも少なくとも2倍高いバイオアベイラビリティを示す。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、経口投与後の全曲線下面積(AUC)として測定される場合、または経口投与後にCmaxとして測定される場合、医薬品有効成分またはその薬学的に許容可能な塩を含む参照医薬組成物のバイオアベイラビリティよりも少なくとも2倍高いバイオアベイラビリティを示し、参照医薬組成物は非晶質固体分散体を含まない。いくつかの実施形態では、バイオアベイラビリティは、絶食状態または摂食状態の犬モデルにおいて測定される。いくつかの実施形態では、医薬組成物のバイオアベイラビリティは、経口投与後の全曲線下面積(AUC)として測定される場合、または経口投与後のCmaxとして測定される場合、絶食状態で投与されたバイオアベイラビリティと比較して、摂食状態で経口投与した場合に50%を超えて変化することはない。いくつかの実施形態では、非晶質固体分散体はさらに無機酸または有機酸を含む。いくつかの実施形態では、酸は、酒石酸、フマル酸、コハク酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、イセチオン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、塩酸、硫酸、およびリン酸からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、40℃/75%RHで少なくとも2週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月、または24ヶ月間保存安定性であり、保存安定性の医薬組成物は、医薬品有効成分の100ppm未満の分解産物を有する。
【0009】
非晶質固体分散体が本明細書に開示され、非晶質固体分散体は、a)親油性の医薬品有効成分またはその薬学的に許容可能な塩であって、医薬品有効成分が、オクタノール-水において2.0以上のlog Pを有する、医薬品有効成分またはその薬学的に許容可能な塩、b)ポリマー性非イオン性界面活性剤、およびリン脂質、TPGS、ならびにそれらの任意の組み合わせから選択される、1つ以上の界面活性剤、c)非イオン性親水性ポリマー、および、d)任意選択で、吸着剤、を含む。非晶質固体分散体が本明細書に開示され、非晶質固体分散体は、a)親油性の医薬品有効成分またはその薬学的に許容可能な塩であって、医薬品有効成分が、オクタノール-水において2.0以上のlog Pを有する、医薬品有効成分またはその薬学的に許容可能な塩、b)1つ以上の非イオン性界面活性剤、1つ以上のリン脂質、またはそれらの任意の組み合わせを含む、1つ以上の界面活性剤、c)非イオン性親水性ポリマー、および、d)任意選択で、吸着剤、を含む。いくつかの実施形態では、医薬品有効成分またはその薬学的に許容可能な塩は、ニロチニブ、酢酸アビラテロン、セレコキシブ、フルラゼパム、アトルバスタチン、インドメタシン、ノルトリプチリン、ロラタジン、フルオキセチン、ジクロフェナク、クロピドグレル、デュロキセチン、マプロチリン、イミプラミン、アミトリプチリン、シプロヘプタジン、セルトラリン、フルフェナム酸、クロルプロマジン、ミコナゾール、リモナバント、クロファジミン、エンザルタミド、ラパチニブ、パゾパニブ、エルロチニブ、ダサチニブ、ゲフィチニブ、ソラフェニブ、アキシチニブ、クリゾチニブ、ベムラフェニブ、テロトリスタットエチル、イバカフトル、ニンテダニブ、イブルチニブ、アレクチニブ、ボスチニブ、レンバチニブ、ミドスタウリン、アバプリチニブ、ペキシダルチニブ、アレクチニブ、ネラチニブ、エンザルタミド、それらの対応する遊離塩基、およびそれらの薬学的に許容可能な塩から選択される。いくつかの実施形態では、医薬品有効成分は、式(I)の化合物、あるいはそのN-オキシドまたは薬学的に許容可能な塩であり、
【0010】
【化3】
式中、
は水素、C-Cアルキル、またはハロゲンであり、
は水素、C-Cアルキル、C1-6アルコキシ-C1-6アルキル、アシルオキシ-C1-6アルキル、カルボキシ-C1-6アルキル、C1-6アルコキシカルボニル-C1-6アルキル、またはフェニル-C1-6アルキルであり、
は水素、任意選択かつ独立して、1つ以上のR10、シクロアルキル、ベンズシクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール基、あるいは0、1、2、または3つの環窒素原子と0または1つの酸素原子および0または1つの硫黄原子を含む単環式または二環式のヘテロアリール基によって置換されたC-Cアルキルであり、それぞれの場合の基は非置換であるか、あるいは一置換または多置換であり、
10はヒドロキシ、C-Cアルコキシ、アシルオキシ、カルボキシ、C1-6アルコキシカルボニル、カルバモイル、N-一置換またはN,N-二置換カルバモイル、アミノ、一置換または二置換のアミノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール基、あるいは0、1、2、または3つの環窒素原子と0または1つの酸素原子と0または1つの硫黄原子を含む単環式または二環式のヘテロアリール基を表し、それぞれの場合の基は非置換であるか、あるいは一置換または多置換であり、あるいは、
とRは一体となって、C-Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、フェニル、ヒドロキシ、C-Cアルコキシ、アミノ、一置換または二置換のアミノ、オキソ、ピリジル、ピラジニル、またはピリミジニルによって任意選択で一置換または二置換されたC-Cアルキレン、4つまたは5つの炭素原子を有するベンズアルキレン、1つの酸素および3つまたは4つの炭素原子を有するオキサアルキレン、あるいは、1つの窒素および3つまたは4つの炭素原子を有するアザアルキレンを形成し、窒素は非置換であるか、C-Cアルキル、フェニル-C-Cアルキル、C1-6アルコキシカルボニル-C1-6アルキル、カルボキシ-C1-6アルキル、カルバモイル-C1-6アルキル、N-一置換またはN,N-二置換カルバモイル-C1-6アルキル、シクロアルキル、C1-6アルコキシカルボニル、カルボキシ、フェニル、置換されたフェニル、ピリジニル、ピリミジニル、またはピラジニルによって置換される。いくつかの実施形態では、医薬品有効成分またはその薬学的に許容可能な塩は、ニロチニブまたはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、医薬品有効成分またはその薬学的に許容可能な塩は、ニロチニブ塩酸塩である。いくつかの実施形態では、医薬品有効成分またはその薬学的に許容可能な塩は、固形物に基づいて約5wt%~約70wt%の量で非晶質固体分散体中に存在する。いくつかの実施形態では、1つ以上の界面活性剤は、ポリマー性非イオン性界面活性剤である。いくつかの実施形態では、ポリマー性非イオン性界面活性剤はポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールのブロックコポリマーを含む。いくつかの実施形態では、ポリマー性非イオン性界面活性剤はポロクサマー188である。いくつかの実施形態では、1つ以上の界面活性剤は、1つ以上のリン脂質を含む。いくつかの実施形態では、界面活性剤はレシチンを含む。いくつかの実施形態では、界面活性剤は固形物に基づいて約5wt%~約70wt%の量で非晶質固体分散体中に存在する。いくつかの実施形態では、医薬品有効成分またはその薬学的に許容可能な塩対1つ以上の界面活性剤の重量比は、約10:1~約1:10である。いくつかの実施形態では、非イオン性親水性ポリマーは、ポリビニルアルコール(PVA)、オリゴ糖、多糖類、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCまたはヒプロメロース)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ポリエチレンオキシド、ヒドロキシプロピルβシクロデキストリン(HP-β-CD)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMCAS)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ酢酸ビニルとポリビニルカプロラクタムベースのグラフトコポリマー(PVAc-PVCap-PEG)、ポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコール(PCL-PVAc-PEG)、あるいはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、非イオン性親水性ポリマーは、HPMC、PVP、HP-β-CD、PVA、HPMCAS、またはPCL-PVAc-PEGである。いくつかの実施形態では、非イオン性親水性ポリマーは固形物に基づいて約5wt%~約70wt%の量で非晶質固体分散体中に存在する。いくつかの実施形態では、医薬品有効成分またはその薬学的に許容可能な塩対非イオン性親水性ポリマーの重量比は、約10:1~約1:10である。いくつかの実施形態では、吸着剤は二酸化ケイ素、活性炭、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、珪藻土、微結晶性セルロース(MCC)、ケイ化微結晶性セルロース(SMCC)、タルク、架橋ポビドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デンプンカルボキシメチルナトリウム、ならびに糖類あるいは糖アルコール、例えば、ソルビトール、マンニトール、ラクトース、シクロデキストリン、およびマルトデキストリンから選択される。いくつかの実施形態では、吸着剤は二酸化ケイ素である。いくつかの実施形態では、吸着剤は約10wt%~約35wt%の量で非晶質固体分散体中に存在する。いくつかの実施形態では、非晶質固体分散体の平均粒径は1μm~1000μmである。いくつかの実施形態では、非晶質固体分散体の平均粒度は、粒径の観点から、約10μm~約150μmである。いくつかの実施形態では、非晶質固体分散体はさらに無機酸または有機酸を含む。いくつかの実施形態では、酸は、酒石酸、フマル酸、コハク酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、イセチオン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、塩酸、硫酸、およびリン酸からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、非晶質固体分散体は、a)約5重量%~約35重量%の量のニロチニブ遊離塩基またはニロチニブHCl、b)約5重量%~約50重量%の量の1つ以上の界面活性剤であって、レシチン、1つ以上の非イオン性界面活性剤、またはそれらの組み合わせを含む、界面活性剤、c)約1重量%~約80重量%の量の非イオン性親水性ポリマーであって、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、またはヒドロキシプロピルβシクロデキストリン(HP-β-CD)を含む、非イオン性親水性ポリマー、および、(d)任意選択で、約10重量%~40重量%の量の吸着剤を含む。いくつかの実施形態では、非晶質固体分散体は、a)約5重量%~約35重量%の量のニロチニブ遊離塩基またはニロチニブHCl、b)約5重量%~約50重量%の量の1つ以上の界面活性剤であって、レシチン、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールのブロックコポリマー、TPGS、またはそれらの組み合わせを含む、界面活性剤、c)約1重量%~約80重量%の量の非イオン性親水性ポリマーであって、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、またはヒドロキシプロピルβシクロデキストリン(HP-β-CD)を含む、非イオン性親水性ポリマー、および、(d)任意選択で、約10重量%~40重量%の量の二酸化ケイ素を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、a)約15重量%~約30重量%の量のニロチニブ遊離塩基またはニロチニブHCl、b)約10重量%~約40重量%の量の1つ以上の界面活性剤であって、レシチン、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールのブロックコポリマー、TPGS、またはそれらの組み合わせを含む、界面活性剤、c)約15重量%~約60重量%の量の非イオン性親水性ポリマーであって、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、またはヒドロキシプロピルβシクロデキストリン(HP-β-CD)を含む、非イオン性親水性ポリマー、および、d)任意選択で、約15重量%~35重量%の量の二酸化ケイ素を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、a)約15重量%~約30重量%の量のニロチニブ遊離塩基またはニロチニブHCl、b)約10重量%~約40重量%の量の1つ以上の界面活性剤であって、レシチン、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールのブロックコポリマー、TPGS、またはそれらの組み合わせを含む、界面活性剤、c)約15重量%~約60重量%の量の非イオン性親水性ポリマーであって、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、またはヒドロキシプロピルβシクロデキストリン(HP-β-CD)を含む、非イオン性親水性ポリマー、および、d)任意選択で、約15重量%~35重量%の量の二酸化ケイ素を含む。
【0011】
非晶質固体分散体を調製するための方法が本明細書で開示され、上記方法は、a)(i)医薬品有効成分またはその薬学的に許容可能な塩、(ii)1つ以上のリン脂質、1つ以上の非イオン性界面活性剤、またはそれらの任意の組み合わせを含む、1つ以上の界面活性剤、(iii)非イオン性親水性ポリマー、(iv)任意選択で、吸着剤などの添加剤、および、(v)溶媒を組み合わせる工程であって、それによって、液体の混合物または溶液を生成する、工程と、b)前記混合物から溶媒を取り除く工程であって、それによって、非晶質固体分散体を生成する、工程と、を含む。いくつかの実施形態では、溶媒は有機溶媒または有機溶媒の混合物である。いくつかの実施形態では、1つ以上の界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、TPGS、リン脂質、およびそれらの任意の組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、溶媒はアルコールであるか、またはアルコールを含む。いくつかの実施形態では、組み合わせる工程は、医薬品有効成分またはその薬学的に許容可能な塩、1つ以上の界面活性剤、および非イオン性親水性ポリマーを溶媒に溶解させることを含む。いくつかの実施形態では、取り除く工程は、噴霧乾燥またはローター蒸発(rotor evaporation)を含む。いくつかの実施形態では、取り除く工程は、吸着剤に溶液を噴霧することと流動床装置で乾燥させることを含む。
【0012】
疾患または疾病を処置する方法であって、処置を必要としている対象に、本明細書で開示される医薬組成物または非晶質固体分散体を投与する工程を含む、方法が本明細書で開示されている。
【0013】
癌を処置する方法であって、処置を必要としている対象に、本明細書で開示される医薬組成物を投与する工程を含む、方法が本明細書で開示されている。いくつかの実施形態では、癌は血液癌である。いくつかの実施形態では、血液癌は慢性骨髄性白血病(CML)である。いくつかの実施形態では、癌は固形腫瘍である。
【0014】
BCR-ABLチロシンキナーゼを阻害する方法であって、処置を必要としている対象に、本明細書で開示される医薬組成物を投与する工程を含む、方法が本明細書で開示されている。いくつかの実施形態では、対象はイマチニブに耐性があるか、不耐性である。いくつかの実施形態では、方法はさらに、化学療法剤を投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、方法はさらに、エリスロポエチンまたはG-CSFなどの造血成長因子を投与する工程を含む。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本発明の新規な特徴は、添付の特許請求の範囲内に特に明記されている。本発明の特徴と利点をより良く理解するには、本発明の原理が用いられる例示的な実施形態を説明する以下の詳細な説明と添付図面とを参照されたい。
図1a】製剤1、2a、2b、3a、3b、4、5、6、7、8、9、および結晶性のニロチニブ塩酸塩の非晶質固体分散体に関するX線粉末回折試験を示す。
図1b】製剤1、2a、2b、3a、3b、4、5、6、7、8、9、および結晶性のニロチニブ塩酸塩の非晶質固体分散体に関するX線粉末回折試験を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は一般に、本明細書にさらに記載されるように、処置を必要としている対象における1つ以上の状態を緩和、軽減、または除去する治療薬として有用な薬学的活性剤を含む組成物を対象としている。特に、医薬組成物、それらの合成および使用が本明細書に記載されており、医薬組成物は、親油性API、親水性ポリマー、および界面活性剤を、APIがAPI単独と比較して改善されたバイオアベイラビリティを有するような組み合わせで含んでいる。いくつかの実施形態では、親油性API、親水性ポリマー、および界面活性剤は、非晶質固体分散体中にある。
【0017】
定義
別段の定めのない限り、または文脈から明らかでない限り、本明細書で使用されるように、数または数の範囲に関連して「約」という用語は、明示された数とその+/-10%の数、あるいはある範囲の列挙された値について列挙された下限の10%以下かつ列挙された上限の10%以上を意味するものと理解されたい。
【0018】
単数形「a」、「an」、および、「the」は、文脈で別段の定めのない限り、複数の指示物を含んでいる。したがって、例えば、「界面活性剤」に対する言及は、1つ以上の具体的な界面活性剤に対する言及を含み、「抗酸化剤」に対する言及はそのような添加剤の1つ以上に対する言及を含む。
【0019】
本明細書で使用される「対象」という用語は、哺乳動物(例えば、ヒト、マウス、ラット、モルモット、犬、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、あるいは、非ヒトの霊長類、例えば、サル、チンパンジー、またはヒヒ)を指す。
【0020】
本明細書で使用される「AUC」は、ゼロ時間から無限大まで外挿した血漿薬物濃度対時間曲線下の面積を指す。本明細書で使用される「Cmax」は、薬物の血管外投与後に血漿中で観察される最高薬物濃度を指す。本明細書で使用される「Tmax」は、最大血漿濃度に到達する薬物投与後の時間を指す。
【0021】
「有効量」および「十分量」は、互換的に使用することができ、意図された目的または目標を達成するのに十分な物質の量を指す。
【0022】
本明細書に記載される医薬組成物に関連して使用される場合の「治療有効量」とは、それを必要とする対象において治療結果をもたらすのに十分な1つ以上の薬学的活性剤の量を指す。
【0023】
本明細書に記載される医薬組成物に関連して使用される場合の「治療上同等」とは、薬学的活性剤の遊離塩基またはアルコールの治療有効量と同等の薬学的活性剤の薬学的に許容可能な塩またはエステルの量または数量を指す。
【0024】
非晶質固体分散体
本開示は、医薬組成物、および医薬組成物を投与する方法に関し、医薬組成物は、親油性API、親水性ポリマー、および界面活性剤を含む非晶質固体分散体を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される非晶質固体分散体は、1つ以上の吸着剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される非晶質固体分散体は、1つ以上の他の添加剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、他の添加剤は、有機酸および無機酸を含む。いくつかの実施形態では、固体分散体は、API(またはAPI塩)および親水性ポリマーがそれぞれ溶質および溶媒として作用する固体状態の溶液である。固体分散体は、組成およびサンプル処理履歴に応じて複数の構造を形成することができる。API負荷が親水性ポリマーにおけるAPIの平衡溶解度よりも低い場合、薬物はポリマーマトリックス内に分子的に分散し、熱力学的に安定した均質な溶液を形成する。均質な溶液は多くの場合、非常に低いAPI負荷および/または高温でのみ達成可能である。高ローディングの場合、混合物は過飽和溶液となり、薬物は析出する。その結果、親水性ポリマーマトリックス中に結晶性のAPI粒子が分散し、その温度で薬物濃度が平衡溶解度に対応するようになることがある。代替的に、APIの結晶化は遅いプロセスであるため、非結晶性の非晶質状態のAPIを含む親水性ポリマーマトリックスに非晶質API凝集体が分散している中間のメタ安定構造が形成され得る。このような非晶質固体分散体は、結晶性APIと比較して、優れた溶解特性を提供することができる。
【0025】
本明細書に記載される非晶質固体分散体はAPI、親水性ポリマー、および界面活性剤を含み得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される非晶質固体分散体は、1つ以上の吸着剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される非晶質固体分散体は、1つ以上の他の添加剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、他の添加剤は、有機酸および無機酸を含む。いくつかの実施形態では、他の添加剤は抗酸化剤を含む。いくつかの実施形態では、記載される非晶質固体分散体は、均質な非晶質固体分散体である。いくつかの実施形態では、非晶質の分散体の成分は溶媒中で混合および加熱され、溶媒は非晶質固体分散体を形成するために取り除かれる。いくつかの実施形態では、溶媒は水である。いくつかの実施形態では、溶媒は極性有機溶媒である。いくつかの実施形態では、溶媒は無極性有機溶媒である。いくつかの実施形態では、溶媒は水、n-ブタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、ギ酸、ニトロメタン、エタノール、メタノール、酢酸、N-メチルピロリドン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、酢酸メチル、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジクロロメタン(DCM)、アセトン、テトラヒドロフラン(THF)、およびそれらの任意の組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、溶媒は水、n-ブタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、ギ酸、ニトロメタン、エタノール、メタノール、酢酸、およびそれらの任意の組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、溶媒は水、メタノール、エタノール、およびイソプロパノールから選択される。いくつかの実施形態では、溶媒はジクロロメタン、メタノール、THF、およびアセトンから選択される。いくつかの実施形態では、溶媒はこれらの溶媒の混合物から選択される。
【0026】
本明細書に記載される非晶質固体分散体はAPI、親水性ポリマー、界面活性剤、および、任意選択で吸着剤を含み得る。いくつかの実施形態では、非晶質分散体の成分、例えば、API、親水性ポリマー、および界面活性剤を混合し、加熱の有無にかかわらず溶媒中に可溶化させて、溶液を形成する。いくつかの実施形態では、吸着剤を溶液中にさらに添加して均質な懸濁液を形成し、溶媒を除去して非晶質固体分散体を形成する。いくつかの実施形態では、溶液を吸着剤に噴霧し、溶媒を除去して、非晶質固体分散体を形成する。いくつかの実施形態では、吸着剤は、二酸化ケイ素(シリカとも呼ばれる)、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム(ノイシリン)、微結晶性セルロース(MCC)、ケイ化微結晶性セルロース(SMCC)、タルク、架橋ポビドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルデンプンナトリウム、糖類、および糖アルコールから選択される。いくつかの実施形態では、糖類および糖アルコールは、ソルビトール、マンニトール、ラクトース、シクロデキストリン、およびマルトデキストリンを含む。いくつかの実施形態では、吸着剤は二酸化ケイ素である。
【0027】
医薬品有効成分(API)
本明細書に記載される様々な実施形態は、有効量の活性医薬品(API)を含む組成物を対象としている。「活性医薬品」、「API」、「薬剤」、「薬学的活性剤」、「生物活性剤」、「治療剤」、および「活性剤」などは、互換的に使用されてよく、有効量で投与されると、疾患または障害の処置における治療効果などの身体に対する測定可能な有益な生理効果を有する化学化合物または複合体などの物質を指す。さらに、これらの用語が使用される場合、または特定の活性剤が名称またはカテゴリーによって具体的に特定される場合、このような言及は、活性剤それ自体、および、その薬学的に許容可能な、薬学的に活性な誘導体、または、限定されないが、塩、薬学的に許容可能な塩、N-酸化物、プロドラッグ、活性代謝物、異性体、フラグメント、アナログ、溶媒和物、放射性同位体などを含む、それに有意に関連する化合物を含むことを意図することが理解される。
【0028】
本明細書で参照される分配係数(P)は、平衡状態における2つの非混和性溶媒相間の化合物の濃度の比である。最も一般的には、溶媒の一方は水であり、他方は疎水性であり、典型的には1-オクタノールである。この比の対数は、以下に示すようにlog Pである(従来は親油性相が分子であり、親水性相が分母である)。
【0029】
【数1】
【0030】
log Pは、親油性または疎水性の尺度である。疎水性は、薬物の吸収、バイオアベイラビリティ、疎水性の薬物-受容体相互作用、分子の代謝、および毒性に影響を与える。親水性化合物は、水(「水を好む」)や極性溶媒に溶けやすい。親油性化合物は、水および極性溶媒には溶けにくい(「水を嫌う」または疎水性)が、有機溶媒にはよく溶ける。したがって、
親水性が低い=親油性が高い=log Pが高い=水への溶解性が低い=吸収性が低い。
親水性が高い=親油性が低い=log Pが低い=良好な水溶性=良好な吸収性。
【0031】
分配係数は、実験的に測定することができるか、または計算によって推定することができる。log Pを計算(または予測)するための様々な方法が開発されており、典型的には、数千の分子のトレーニングセット(主に薬物様)について、計算されたlog P値を実験的に測定されたlog P値と適合させることによって、計算される。Log Pの計算は非常にロバストであるとみなされており、多くの有機分子を正確に処理する。例えば、50%超の分子のlog Pは、0.25未満の誤差で予測され、80%超は0.5未満の誤差で予測される。3.5%未満の構造が1.0を超える誤差で予測される。測定されたログPと区別するために、計算されたログPをしばしばclog Pと表記することがある。特に断りのない限り、本明細書で使用する「log P」は、実験的なlog P値を指す。
【0032】
いくつかの実施形態では、APIは親油性である。そのlog Pまたは計算されたlog Pが2.0以上である場合、APIは親油性であるとみなされる。2.0以上のlog Pは、APIの溶解性が水中よりも親油性溶媒中で100倍以上高いことを示す。いくつかの実施形態では、APIは極性溶媒に不溶性である。いくつかの実施形態では、APIは水性培地に不溶性である。いくつかの実施形態では、APIは水に不溶性である。
【0033】
いくつかの実施形態では、親油性APIのlog Pは、少なくとも2.0、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、または7.0である。例示的な低分子の親油性APIは、限定されないが、表1に表記されるものを含む。
【0034】
【表1-1】
【0035】
【表1-2】
【0036】
【表1-3】
【0037】
酸解離定数Ka(または酸性度定数)は、溶液、典型的には水における酸または塩基の強さの尺度である。これは、酸および塩基の化学的解離の平衡定数である。水溶液中では、酸の解離の平衡は以下のように書かれる。
【0038】
【数2】
ここで、HAは酸A、(酸の共役塩基)と水素イオン(水分子と組み合わさってヒドロニウムイオン、Hを作る)に解離する酸である。解離定数は、HOを除いて書くこともできる。
【0039】
【数3】
塩基の共役酸の解離の平衡は以下のように書かれる。
【0040】
【数4】
ここで、BH(塩基の共役酸)はB(遊離塩基)と水素イオンに解離し、水分子と組み合わさってヒドロニウムイオン、Hを形成する。解離定数は、HOを除いて書くこともできる。
【0041】
【数5】
【0042】
の対数値であるpKは、酸の強/弱または塩基の共役酸を表すためによく使用される。
【0043】
【数6】
pKの値がプラスになるほど、解離の程度が小さくなり、酸が弱くなる。一般に、酸の場合、
pK=-2~12→弱酸(水中ではほとんど解離しないか、部分的にしか解離しない)pK<-2→強酸(水中では完全にまたはほぼ解離する)、
一方で、塩基の場合、
pK<12→弱塩基(水中ではほとんど解離しないか、部分的にしか解離しない)
pK≧12→強塩基(水中では完全にまたはほぼ解離する)
【0044】
いくつかの実施形態では、APIは弱塩基である。
【0045】
いくつかの実施形態では、APIは、弱塩基性官能基を含む。
【0046】
いくつかの実施形態では、APIは3.0以上のpKaを有する。いくつかの実施形態では、APIは3.5以上のpKaを有する。いくつかの実施形態では、APIは4.0以上のpKaを有する。いくつかの実施形態では、APIは4.5以上のpKaを有する。いくつかの実施形態では、APIは5.0以上のpKaを有する。
【0047】
いくつかの実施形態では、APIは遊離塩基の形態で存在する。いくつかの実施形態では、APIは薬学的に許容可能な塩の形態で存在する。本明細書で使用されるように、薬学的に許容可能な塩は、限定されないが、金属塩、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、およびリチウム塩、アルカリ土類金属、カルシウム塩、マグネシウム塩など、有機アミン塩、例えば、トリエチルアミン塩、ピリジン塩、ピコリン塩、エタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン塩など、無機酸塩、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩など、有機酸塩、例えば、ギ酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩など、スルホン酸塩、例えば、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩など、および、アミノ酸塩、例えば、アルギニン酸塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩などを含む。いくつかの実施形態では、APIはニロチニブあるいはその薬学的に許容可能な塩またはエステルである。いくつかの実施形態では、APIはニロチニブである。いくつかの実施形態では、APIはニロチニブの薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、APIは親油性APIである。いくつかの実施形態では、親油性APIは、表1に表記されるもの、またはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、親油性API、親水性ポリマー、および界面活性剤は、非晶質固体分散体として製剤化される。いくつかの実施形態では、非晶質固体分散体は、親油性API、親水性ポリマー、および界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される非晶質固体分散体は、1つ以上の吸着剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される非晶質固体分散体は、1つ以上の他の添加剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、他の添加剤は、有機酸および無機酸を含む。いくつかの実施形態では、他の添加剤は抗酸化剤を含む。
【0048】
薬学的に許容可能な塩は、酒石酸水素塩、酒石酸水素塩水和物、塩酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、リン酸塩、硫酸塩、トリフルオロ酢酸塩、酒石酸水素ヘミペンタ水和物(bitartrate hemipentahydrat)、ペンタフルオロプロピオン酸塩、臭化水素酸塩、ムチン酸塩、オレイン酸塩、ニ塩基性リン酸塩、一塩基性リン酸塩、酢酸塩三水和物、ビス(ヘプタフルオロ酪酸塩)、ビス(ペンタフルオロプロピオン酸塩)、ビス(ピリジンカルボン酸塩)、ビス(トリフルオロ酢酸塩)、塩化水素(chlorhydrate)、および硫酸塩五水和物を含む。他の代表的な薬学的に許容可能な塩は、例えば、水溶性および不水溶性の塩、例えば、酢酸塩、アムソネート(amsonate)(4,4-ジアミノスチルベン-2,2-二スルホン酸塩)、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、酒石酸水素塩、ホウ酸塩、酪酸塩、エデト酸カルシウム、樟脳スルホン酸塩、カンシル酸塩、炭酸塩、クエン酸塩、クラブラン酸塩、二塩化水素化物、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストレート、エシレート、フィウナレート(fiunarate)、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニレート(glycollylarsanilate)、ヘキサフルオロリン酸塩、ヘキシルレソルシネート(hexylresorcinate)、ヒドラバミン、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物、ヒドロキシアパタイト(ydroxyapat)、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、臭化メチル、硝酸メチル、硫酸メチル、ムチン酸塩、ナプシル酸塩、硝酸塩、N-メチルグルカミンアンモニウム塩、3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩(1,1-メチレン-ビス-2-ヒドロキシ-3-ナフトエ酸塩、エンボン酸塩)、パントテン酸、リン酸塩/二リン酸塩、ピクリン酸塩、ポリガラクツロ酸塩、プロピオン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、スルホサリチル酸、スラメート(suramate)、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トシル酸塩、トリエチオダイド、および吉草酸塩を含む。水和物は薬学的に許容可能な塩の別の例である。いくつかの実施形態では、APIはニロチニブまたはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、APIはニロチニブである。いくつかの実施形態では、APIはニロチニブの薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、APIは親油性APIである。いくつかの実施形態では、親油性APIは、表1に表記されるもの、またはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、親油性APIは2.0以上のlog Pを有する。いくつかの実施形態では、非晶質固体分散体は、親油性API、親水性ポリマー、および界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される非晶質固体分散体は、1つ以上の吸着剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される非晶質固体分散体は、1つ以上の他の添加剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、他の添加剤は、有機酸および無機酸を含む。いくつかの実施形態では、他の添加剤は抗酸化剤を含む。
【0049】
いくつかの実施形態では、APIは、約6~8のpHで低い溶解度を有する。いくつかの実施形態では、APIは、約6~8の間のpHを有する溶液において10mg/ml未満の溶解度を有する。いくつかの実施形態では、APIは、約6~8の間のpHを有する溶液において1.0mg/ml未満の溶解度を有する。いくつかの実施形態では、APIは、約6~8の間のpHを有する溶液において0.5mg/ml未満の溶解度を有する。いくつかの実施形態では、APIは、約6~8の間のpHを有する溶液において0.1mg/ml未満の溶解度を有する。いくつかの実施形態では、APIは、約6~8の間のpHを有する溶液において0.05mg/ml未満の溶解度を有する。いくつかの実施形態では、APIは、約6~8の間のpHを有する溶液において0.04mg/ml未満の溶解度を有する。いくつかの実施形態では、APIは、約6~8の間のpHを有する溶液において0.03mg/ml未満の溶解度を有する。いくつかの実施形態では、APIは、約6~8の間のpHを有する溶液において0.02mg/ml未満の溶解度を有する。いくつかの実施形態では、APIは、約6~8の間のpHを有する溶液において0.01mg/ml未満の溶解度を有する。いくつかの実施形態では、APIは、約6~8の間のpHを有する溶液において0.001mg/ml未満の溶解度を有する。いくつかの実施形態では、APIは、約4~8のpHで低い溶解度を有する。いくつかの実施形態では、APIは、約4~8の間のpHを有する溶液において10mg/ml未満の溶解度を有する。いくつかの実施形態では、APIは、約4~8の間のpHを有する溶液において1.0mg/ml未満の溶解度を有する。いくつかの実施形態では、APIは、約4~8の間のpHを有する溶液において0.5mg/ml未満の溶解度を有する。いくつかの実施形態では、APIは、約4~8の間のpHを有する溶液において0.1mg/ml未満の溶解度を有する。いくつかの実施形態では、APIは、約4~8の間のpHを有する溶液において0.05mg/ml未満の溶解度を有する。いくつかの実施形態では、APIは、約4~8の間のpHを有する溶液において0.04mg/ml未満の溶解度を有する。いくつかの実施形態では、APIは、約4~8の間のpHを有する溶液において0.03mg/ml未満の溶解度を有する。いくつかの実施形態では、APIは、約4~8の間のpHを有する溶液において0.02mg/ml未満の溶解度を有する。いくつかの実施形態では、APIは、約4~8の間のpHを有する溶液において0.01mg/ml未満の溶解度を有する。いくつかの実施形態では、APIは、約4~8の間のpHを有する溶液において0.001mg/ml未満の溶解度を有する。いくつかの実施形態では、APIは、約6~10のpHで低い溶解度を有する。いくつかの実施形態では、APIは、約6~10の間のpHを有する溶液において10mg/ml未満の溶解度を有する。いくつかの実施形態では、APIは、約6~10の間のpHを有する溶液において1.0mg/ml未満の溶解度を有する。いくつかの実施形態では、APIは、約6~10の間のpHを有する溶液において0.5mg/ml未満の溶解度を有する。いくつかの実施形態では、APIは、約6~10の間のpHを有する溶液において0.1mg/ml未満の溶解度を有する。いくつかの実施形態では、APIは、約6~10の間のpHを有する溶液において0.05mg/ml未満の溶解度を有する。いくつかの実施形態では、APIは、約6~10の間のpHを有する溶液において0.04mg/ml未満の溶解度を有する。いくつかの実施形態では、APIは、約6~10の間のpHを有する溶液において0.03mg/ml未満の溶解度を有する。いくつかの実施形態では、APIは、約6~10の間のpHを有する溶液において0.02mg/ml未満の溶解度を有する。いくつかの実施形態では、APIは、約6~10の間のpHを有する溶液において0.01mg/ml未満の溶解度を有する。いくつかの実施形態では、APIは、約6~10の間のpHを有する溶液において0.001mg/ml未満の溶解度を有する。いくつかの実施形態では、APIはニロチニブまたはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、APIは親油性APIである。いくつかの実施形態では、親油性APIは、表1に表記されるもの、またはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、親油性APIは2.0以上のlog Pを有する。いくつかの実施形態では、非晶質固体分散体は、親油性API、親水性ポリマー、および界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される非晶質固体分散体は、1つ以上の吸着剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される非晶質固体分散体は、1つ以上の他の添加剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、他の添加剤は、有機酸および無機酸を含む。いくつかの実施形態では、他の添加剤は抗酸化剤を含む。
【0050】
APIを含む医薬組成物が本明細書に開示されている。いくつかの実施形態では、APIは、少なくとも10mg、20mg、25mg、30mg、40mg、50mg、60mg、70mg、75mg、80mg、90mg、100mg、110mg、120mg、125mg、130mg、140mg、150mg、160mg、170mg、175mg、180mg、190mg、または200mgの量で医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、APIは、約10mg、20mg、25mg、30mg、40mg、50mg、60mg、70mg、75mg、80mg、90mg、100mg、110mg、120mg、125mg、130mg、140mg、150mg、160mg、170mg、175mg、180mg、190mg、または200mgの量で医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、APIは、1000mg、750mg、500mg、400mg、300mg、250mg、225mg、200mg、175mg、150mg、125mg、100mg、90mg、80mg、75mg、60mg、55mg、または50mg以下の量で医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、APIはニロチニブまたはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、APIは親油性APIである。いくつかの実施形態では、親油性APIは、表1に表記されるもの、またはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、親油性APIは2.0以上のlog Pを有する。いくつかの実施形態では、非晶質固体分散体は、親油性API、親水性ポリマー、および界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される非晶質固体分散体は、1つ以上の吸着剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される非晶質固体分散体は、1つ以上の他の添加剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、他の添加剤は、有機酸および無機酸を含む。いくつかの実施形態では、他の添加剤は抗酸化剤を含む。
【0051】
APIを含む医薬組成物が本明細書に開示されている。いくつかの実施形態では、APIは、10mg~1000mgの量で医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、APIは、20mg~500mgの量で存在する。いくつかの実施形態では、APIは、20mg~400mgの量で存在する。いくつかの実施形態では、APIは、20mg~300mgの量で存在する。いくつかの実施形態では、APIは、25mg~250mgの量で存在する。いくつかの実施形態では、APIは、30mg~200mgの量で存在する。いくつかの実施形態では、APIは、約50mg、約100mg、または約150mgの量で存在する。いくつかの実施形態では、APIは、50mg、100mg、または150mgの量で存在する。いくつかの実施形態では、APIはニロチニブまたはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、APIは親油性APIである。いくつかの実施形態では、親油性APIは、表1に表記されるもの、またはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、親油性APIは2.0以上のlog Pを有する。いくつかの実施形態では、非晶質固体分散体は、親油性API、親水性ポリマー、および界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される非晶質固体分散体は、1つ以上の吸着剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される非晶質固体分散体は、1つ以上の他の添加剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、他の添加剤は、有機酸および無機酸を含む。いくつかの実施形態では、他の添加剤は抗酸化剤を含む。
【0052】
いくつかの実施形態では、限定されないが、約1.0mg、1.5mg、2.5mg、3.0mg、4.0mg、5.0mg、6.0mg、6.5mg、7.0mg、7.5mg、8.0mg、8.5mg、9.0mg、9.5mg、10.0、10.5mg、11.0mg、12.0mg、12.5mg、13.0mg、13.5mg、14.0mg、14.5mg、15.0mg、15.5mg、16mg、16.5mg、17mg、17.5mg、18mg、18.5mg、19mg、19.5mg、20mg、20.5mg、21mg、21.5mg、22mg、22.5mg、23mg、23.5mg、24mg、24.5mg、25mg、25.5mg、26mg、26.5mg、27mg、27.5mg、28mg、28.5mg、29mg、29.5mg、30mg、30.5mg、31mg、31.5mg、32mg、32.5mg、33mg、33.5mg、36mg、36.5mg、37mg、37.5mg、38mg、38.5mg、39mg、39.5mg、40mg、40.5mg、41mg、41.5mg、42mg、42.5mg、43mg、43.5mg、44mg、44.5mg、45mg、45.5mg、46mg、46.5mg、47mg、47.5mg、48mg、48.5mg、49mg、49.5mg、50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、100mg、105mg、110mg、115mg、120mg、125mg、130mg、135mg、140mg、145mg、150mg、155mg、160mg、165mg、170mg、175mg、180mg、185mg、190mg、200mg、205mg、210mg、215mg、220mg、225mg、230mg、235mg、240mg、245mg、250mg、255mg、260mg、265mg、270mg、275mg、280mg、285mg、290mg、295mg、300mg、305mg、310mg、315mg、320mg、325mg、326mg、326.5mg、327mg、327.5mg、328mg、328.5mg、329mg、329.5mg、330mg、330.5mg、331mg、331.5mg、332mg、332.5mg、333mg、333.5mg、334mg、334.5mg、335mg、335.5mg、336mg、336.5mg、337mg、337.5mg、338mg、338.5mg、339mg、339.5mg、340mg、340.5mg、341mg、341.5mg、342mg、342.5mg、343mg、343.5mg、344mg、344.5mg、345mg、345.5mg、346mg、346.5mg、347mg、347.5mg、348mg、348.5mg、349mg、349.5mg、350mg、350.5mg、351mg、351.5mg、352mg、352.5mg、353mg、353.5mg、354mg、354.5mg、355mg、355.5mg、356mg、356.5mg、357mg、357.5mg、358mg、358.5mg、359mg、359.5mg、360mg、360.5mg、361mg、361.5mg、362mg、362.5mg、363mg、363.5mg、364mg、364.5mg、365mg、365.5mg、366mg、366.5mg、367mg、367.5mg、368mg、369.5mg、370mg、370.5mg、371mg、371.5mg、372mg、372.5mg、373mg、373.5mg、374mg、374.5mg、375mg、375.5mg、376mg、376.5mg、377mg、377.5mg、378mg、378.5mg、379mg、379.5mg、380mg、380.5mg、381mg、381.5mg、382mg、382.5mg、383mg、383.5mg、384mg、384.5mg、385mg、385.5mg、386mg、386.5mg、387mg、387.5mg、388mg、388.5mg、389mg、389.5mg、390mg、390.5mg、391mg、391.5mg、392mg、392.5mg、393mg、393.5mg、394mg、394.5mg、395mg、395.5mg、396mg、396.5mg、397mg、397.5mg、398mg、398.5mg、399mg、399.5mg、400mg、405mg、410mg、415mg、420mg、425mg、430mg、435mg、440mg、445mg、450mg、455mg、460mg、465mg、470mg、475mg、480mg、485mg、490mg、495mg、500mg、505mg、510mg、515mg、520mg、525mg、530mg、535mg、540mg、545mg、550mg、555mg、560mg、565mg、570mg、575mg、580mg、585mg、590mg、595mg、600mg、605mg、610mg、615mg、620mg、625mg、630mg、635mg、640mg、645mg、650mg、655mg、660mg、665mg、675mg、680mg、685mg、690mg、695mg、700mg、705mg、710mg、715mg、720mg、725mg、730mg、735mg、740mg、745mg、750mg、755mg、760mg、765mg、770mg、775mg、780mg、785mg、790mg、795mg、800mg、805mg、810mg、815mg、820mg、825mg、830mg、835mg、840mg、845mg、850mg、855mg、860mg、865mg、870mg、875mg、880mg、885mg、890mg、895mg、900mg、905mg、910mg、915mg、920mg、925mg、930mg、935mg、940mg、945mg、950mg、955mg、960mg、965mg、970mg、975mg、980mg、985mg、990mg、995mg、または1000mgを含む、約1.0mg~約1000mgの用量で存在する医薬品有効成分を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、APIは親油性APIである。いくつかの実施形態では、親油性APIは、表1に表記されるもの、またはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、親油性APIは2.0以上のlog Pを有する。いくつかの実施形態では、非晶質固体分散体は、親油性API、親水性ポリマー、および界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される非晶質固体分散体は、1つ以上の吸着剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される非晶質固体分散体は、1つ以上の他の添加剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、他の添加剤は、有機酸および無機酸を含む。いくつかの実施形態では、他の添加剤は抗酸化剤を含む。
【0053】
いくつかの実施形態では、限定されないが、約1.0mg、1.5mg、2.5mg、3.0mg、4.0mg、5.0mg、6.0mg、6.5mg、7.0mg、7.5mg、8.0mg、8.5mg、9.0mg、9.5mg、10.0、10.5mg、11.0mg、12.0mg、12.5mg、13.0mg、13.5mg、14.0mg、14.5mg、15.0mg、15.5mg、16mg、16.5mg、17mg、17.5mg、18mg、18.5mg、19mg、19.5mg、20mg、20.5mg、21mg、21.5mg、22mg、22.5mg、23mg、23.5mg、24mg、24.5mg、25mg、25.5mg、26mg、26.5mg、27mg、27.5mg、28mg、28.5mg、29mg、29.5mg、30mg、30.5mg、31mg、31.5mg、32mg、32.5mg、33mg、33.5mg、36mg、36.5mg、37mg、37.5mg、38mg、38.5mg、39mg、39.5mg、40mg、40.5mg、41mg、41.5mg、42mg、42.5mg、43mg、43.5mg、44mg、44.5mg、45mg、45.5mg、46mg、46.5mg、47mg、47.5mg、48mg、48.5mg、49mg、49.5mg、50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、100mg、105mg、110mg、115mg、120mg、125mg、130mg、135mg、140mg、145mg、150mg、155mg、160mg、165mg、170mg、175mg、180mg、185mg、190mg、200mg、205mg、210mg、215mg、220mg、225mg、230mg、235mg、240mg、245mg、250mg、255mg、260mg、265mg、270mg、275mg、280mg、285mg、290mg、295mg、300mg、305mg、310mg、315mg、320mg、325mg、326mg、326.5mg、327mg、327.5mg、328mg、328.5mg、329mg、329.5mg、330mg、330.5mg、331mg、331.5mg、332mg、332.5mg、333mg、333.5mg、334mg、334.5mg、335mg、335.5mg、336mg、336.5mg、337mg、337.5mg、338mg、338.5mg、339mg、339.5mg、340mg、340.5mg、341mg、341.5mg、342mg、342.5mg、343mg、343.5mg、344mg、344.5mg、345mg、345.5mg、346mg、346.5mg、347mg、347.5mg、348mg、348.5mg、349mg、349.5mg、350mg、350.5mg、351mg、351.5mg、352mg、352.5mg、353mg、353.5mg、354mg、354.5mg、355mg、355.5mg、356mg、356.5mg、357mg、357.5mg、358mg、358.5mg、359mg、359.5mg、360mg、360.5mg、361mg、361.5mg、362mg、362.5mg、363mg、363.5mg、364mg、364.5mg、365mg、365.5mg、366mg、366.5mg、367mg、367.5mg、368mg、369.5mg、370mg、370.5mg、371mg、371.5mg、372mg、372.5mg、373mg、373.5mg、374mg、374.5mg、375mg、375.5mg、376mg、376.5mg、377mg、377.5mg、378mg、378.5mg、379mg、379.5mg、380mg、380.5mg、381mg、381.5mg、382mg、382.5mg、383mg、383.5mg、384mg、384.5mg、385mg、385.5mg、386mg、386.5mg、387mg、387.5mg、388mg、388.5mg、389mg、389.5mg、390mg、390.5mg、391mg、391.5mg、392mg、392.5mg、393mg、393.5mg、394mg、394.5mg、395mg、395.5mg、396mg、396.5mg、397mg、397.5mg、398mg、398.5mg、399mg、399.5mg、400mg、405mg、410mg、415mg、420mg、425mg、430mg、435mg、440mg、445mg、450mg、455mg、460mg、465mg、470mg、475mg、480mg、485mg、490mg、495mg、500mg、505mg、510mg、515mg、520mg、525mg、530mg、535mg、540mg、545mg、550mg、555mg、560mg、565mg、570mg、575mg、580mg、585mg、590mg、595mg、600mg、605mg、610mg、615mg、620mg、625mg、630mg、635mg、640mg、645mg、650mg、655mg、660mg、665mg、675mg、680mg、685mg、690mg、695mg、700mg、705mg、710mg、715mg、720mg、725mg、730mg、735mg、740mg、745mg、750mg、755mg、760mg、765mg、770mg、775mg、780mg、785mg、790mg、795mg、800mg、805mg、810mg、815mg、820mg、825mg、830mg、835mg、840mg、845mg、850mg、855mg、860mg、865mg、870mg、875mg、880mg、885mg、890mg、895mg、900mg、905mg、910mg、915mg、920mg、925mg、930mg、935mg、940mg、945mg、950mg、955mg、960mg、965mg、970mg、975mg、980mg、985mg、990mg、995mg、または1000mgを含む、約1.0mg~約1000mgの用量で存在するニロチニブまたはその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、非晶質固体分散体は、ニロチニブまたはその薬学的に許容可能な塩、親水性ポリマー、および界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される非晶質固体分散体は、1つ以上の吸着剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される非晶質固体分散体は、1つ以上の他の添加剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、他の添加剤は、有機酸および無機酸を含む。いくつかの実施形態では、他の添加剤は抗酸化剤を含む。
【0054】
いくつかの実施形態では、約1mg~約500mgのAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約10mg~約400mgのAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約25mg~約200mgのAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約50mg~約150mgのAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約75mg~約125mgのAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約75mg~約100mgのAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約100mg~約125mgのAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、APIはニロチニブまたはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、APIは親油性APIである。いくつかの実施形態では、親油性APIは、表1に表記されるもの、またはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、親油性APIは2.0以上のlog Pを有する。いくつかの実施形態では、非晶質固体分散体は、親油性API、親水性ポリマー、および界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される非晶質固体分散体は、1つ以上の吸着剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される非晶質固体分散体は、1つ以上の他の添加剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、他の添加剤は、有機酸および無機酸を含む。いくつかの実施形態では、他の添加剤は抗酸化剤を含む。
【0055】
いくつかの実施形態では、約50mg~約150mgのAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約55mg~約150mgのAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約60mg~約150mgのAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約65mg~約150mgのAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約70mg~約150mgのAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約75mg~約150mgのAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約80mg~約150mgのAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約85mg~約150mgのAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約90mg~約150mgのAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約95mg~約150mgのAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約100mg~約150mgのAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約105mg~約150mgのAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約110mg~約150mgのAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約115mg~約150mgのAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約120mg~約150mgのAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約125mg~約150mgのAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約130mg~約150mgのAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約135mg~約150mgのAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約140mg~約150mgのAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約145mg~約150mgのAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約1mg~約50mgのAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約5mg~約40mgのAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約10mg~約30mgのAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約5mg~約25mgのAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約25mg~約50mgのAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約20mg~約40mgのAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約10mg~約25mgのAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約5mg~約20mgのAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約1mg~約10mgのAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約1mg~約20mgのAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、APIはニロチニブまたはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、APIは親油性APIである。いくつかの実施形態では、親油性APIは、表1に表記されるもの、またはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、親油性APIは2.0以上のlog Pを有する。いくつかの実施形態では、非晶質固体分散体は、親油性API、親水性ポリマー、および界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される非晶質固体分散体は、1つ以上の吸着剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される非晶質固体分散体は、1つ以上の他の添加剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、他の添加剤は、有機酸および無機酸を含む。いくつかの実施形態では、他の添加剤は抗酸化剤を含む。
【0056】
いくつかの実施形態では、約50mg~約145mgのAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約50mg~約140mgのAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約50mg~約135mgのAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約50mg~約130mgのAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約50mg~約125mgのAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約50mg~約120mgのAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約50mg~約115mgのAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約50mg~約110mgのAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約50mg~約105mgのAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約50mg~約100mgのAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約50mg~約95mgのAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約50mg~約90mgのAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約50mg~約85mgのAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約50mg~約80mgのAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約50mg~約75mgのAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約50mg~約70mgのAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約50mg~約65mgのAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約50mg~約60mgのAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約50mg~約55mgのAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約25mg~約50mgのAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約40mg~約80mgのAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約75mg~約125mgのAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約25mg~約200mgの量のAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、APIはニロチニブまたはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、APIはニロチニブHClである。いくつかの実施形態では、APIは親油性APIである。いくつかの実施形態では、親油性APIは、表1に表記されるもの、またはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、親油性APIは2.0以上のlog Pを有する。いくつかの実施形態では、非晶質固体分散体は、親油性API、親水性ポリマー、および界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される非晶質固体分散体は、1つ以上の吸着剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される非晶質固体分散体は、1つ以上の他の添加剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、他の添加剤は、有機酸および無機酸を含む。いくつかの実施形態では、他の添加剤は抗酸化剤を含む。
【0057】
いくつかの実施形態では、APIは、組成物の総重量の約5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、または50%を含む。いくつかの実施形態では、APIはニロチニブまたはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、APIは親油性APIである。いくつかの実施形態では、親油性APIは、表1に表記されるもの、またはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、親油性APIは2.0以上のlog Pを有する。いくつかの実施形態では、非晶質固体分散体は、親油性API、親水性ポリマー、および界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される非晶質固体分散体は、1つ以上の吸着剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される非晶質固体分散体は、1つ以上の他の添加剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、他の添加剤は、有機酸および無機酸を含む。いくつかの実施形態では、他の添加剤は抗酸化剤を含む。
【0058】
いくつかの実施形態では、約0.1重量%~約99重量%のAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約0.1重量%~約80重量%のAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約0.1重量%~約60重量%のAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約0.1重量%~約40重量%のAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約0.1重量%~約20重量%のAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約0.1重量%~約10重量%のAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約0.1重量%~約1重量%のAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約20重量%~約99重量%のAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約20重量%~約80重量%のAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約20重量%~約60重量%のAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約20重量%~約40重量%のAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約30重量%~約99重量%のAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約30重量%~約80重量%のAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約30重量%~約60重量%のAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約30重量%~約40重量%のAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約40重量%~約99重量%のAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約40重量%~約80重量%のAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約40重量%~約60重量%のAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約5重量%~約70重量%のAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約5%~約35%の重量パーセントのAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約5%~約10%、約5%~約15%、約5%~約18%、約5%~約19%、約5%~約20%、約5%~約21%、約5%~約22%、約5%~約24%、約5%~約25%、約5%~約30%、約5%~約35%、約10%~約15%、約10%~約18%、約10%~約19%、約10%~約20%、約10%~約21%、約10%~約22%、約10%~約24%、約10%~約25%、約10%~約30%、約10%~約35%、約15%~約18%、約15%~約19%、約15%~約20%、約15%~約21%、約15%~約22%、約15%~約24%、約15%~約25%、約15%~約30%、約15%~約35%、約18%~約19%、約18%~約20%、約18%~約21%、約18%~約22%、約18%~約24%、約18%~約25%、約18%~約30%、約18%~約35%、約19%~約20%、約19%~約21%、約19%~約22%、約19%~約24%、約19%~約25%、約19%~約30%、約19%~約35%、約20%~約21%、約20%~約22%、約20%~約24%、約20%~約25%、約20%~約30%、約20%~約35%、約21%~約22%、約21%~約24%、約21%~約25%、約21%~約30%、約21%~約35%、約22%~約24%、約22%~約25%、約22%~約30%、約22%~約35%、約24%~約25%、約24%~約30%、約24%~約35%、約25%~約30%、約25%~約35%、または約30%~約35%の重量パーセントのAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約5%、約10%、約15%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約24%、約25%、約30%、または約35%の重量パーセントのAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、少なくとも約5%、約10%、約15%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約24%、約25%、または約30%の重量パーセントのAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、最大で約10%、約15%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約24%、約25%、約30%、または約35%の重量パーセントのAPIを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、APIはニロチニブまたはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、APIは親油性APIである。いくつかの実施形態では、親油性APIは、表1に表記されるもの、またはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、親油性APIは2.0以上のlog Pを有する。いくつかの実施形態では、非晶質固体分散体は、親油性API、親水性ポリマー、および界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される非晶質固体分散体は、1つ以上の吸着剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される非晶質固体分散体は、1つ以上の他の添加剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、他の添加剤は、有機酸および無機酸を含む。いくつかの実施形態では、他の添加剤は抗酸化剤を含む。
【0059】
非晶質固体分散体の形成には、APIの所定の粒径が必要な場合がある。いくつかの実施形態では、APIの粒径は、約1nm~1mmである。いくつかの実施形態では、APIの粒径は、約0.01~1000μmである。いくつかの実施形態では、APIの粒径は、約0.01μm~約1,000μmである。いくつかの実施形態では、APIの粒径は、少なくとも約0.01μmからである。いくつかの実施形態では、APIの粒径は、最大で約1,000μmからである。いくつかの実施形態では、APIの粒径は、約1μm~約50μmである。いくつかの実施形態では、APIの粒径は、少なくとも約1μmからである。いくつかの実施形態では、APIの粒径は、最大で約50μmからである。いくつかの実施形態では、APIの粒径は、約1μm~約3μm、約1μm~約7μm、約1μm~約10μm、約1μm~約13μm、約1μm~約17μm、約1μm~約20μm、約1μm~約23μm、約1μm~約27μm、約1μm~約30μm、約1μm~約40μm、約1μm~約50μm、約10μm~約13μm、約10μm~約17μm、約10μm~約20μm、約10μm~約23μm、約10μm~約27μm、約10μm~約30μm、約10μm~約40μm、約10μm~約50μm、約20μm~約27μm、約20μm~約30μm、約20μm~約40μm、約20μm~約50μm、約30μm~約40μm、約30μm~約50μm、または約40μm~約50μmである。いくつかの実施形態では、APIの粒径は、約1μm~約100μmである。いくつかの実施形態では、APIの粒径は、少なくとも約1μmからである。いくつかの実施形態では、APIの粒径は、約0.1、1、3、5、7、10、13、17、20、23、25、27、30、33、35、37、40、43、45、47、50、60、70、80、90、または100μm以下である。いくつかの実施形態では、APIの粒径は、約20μm以下である。いくつかの実施形態では、APIはニロチニブまたはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、APIは親油性APIである。いくつかの実施形態では、親油性APIは、表1に表記されるもの、またはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、親油性APIは2.0以上のlog Pを有する。いくつかの実施形態では、非晶質固体分散体は、親油性API、親水性ポリマー、および界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される非晶質固体分散体は、1つ以上の吸着剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される非晶質固体分散体は、1つ以上の他の添加剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、他の添加剤は、有機酸および無機酸を含む。いくつかの実施形態では、他の添加剤は抗酸化剤を含む。
【0060】
いくつかの実施形態では、ニロチニブ遊離塩基またはその薬学的に許容可能な塩などのAPIを含む非晶質固体分散体が本明細書に記載されている。いくつかの実施形態では、非晶質固体分散体は、非晶質粉末X線回折パターンを提供することによって特徴付けられる。いくつかの実施形態では、ニロチニブ遊離塩基またはその薬学的に許容可能な塩は、固形物に基づいて約5wt%~約70wt%の量で非晶質固体分散体中に存在する。いくつかの実施形態では、ニロチニブ遊離塩基またはその薬学的に許容可能な塩は、固形物に基づいて約10wt%~約50wt%の量で非晶質固体分散体中に存在する。いくつかの実施形態では、ニロチニブ遊離塩基またはその薬学的に許容可能な塩は、固形物に基づいて約20wt%~約40wt%の量で非晶質固体分散体中に存在する。いくつかの実施形態では、ニロチニブ遊離塩基またはその薬学的に許容可能な塩は、固形物に基づいて約10wt%~約30wt%の量で非晶質固体分散体中に存在する。
【0061】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される非晶質固体分散体は、界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、界面活性剤はポリマー性非イオン性界面活性剤およびリン脂質から選択される。いくつかの実施形態では、界面活性剤はポリマー性非イオン性界面活性剤である。いくつかの実施形態では、ポリマー性非イオン性界面活性剤はポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールのブロックコポリマーを含む。いくつかの実施形態では、ポリマー性非イオン性界面活性剤は、約7,000Da~約10,000Daの数平均分子量を有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される非晶質固体分散体は、界面活性剤ポロクサマー188を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される非晶質固体分散体は、1つ以上のリン脂質を含む界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルセリン、プラズマローゲン、スフィンゴミエリン、およびホスファチジン酸のうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のリン脂質は、50重量%、60重量%、70重量%、80重量%、または90重量%を超えるホスファチジルコリンを含む。いくつかの実施形態では、界面活性剤はレシチンを含む。いくつかの実施形態では、界面活性剤は固形物に基づいて約5wt%~約70wt%の量で非晶質固体分散体中に存在する。いくつかの実施形態では、界面活性剤は固形物に基づいて約20wt%~約60wt%の量で非晶質固体分散体中に存在する。いくつかの実施形態では、界面活性剤は固形物に基づいて約10wt%~約30wt%の量で非晶質固体分散体中に存在する。いくつかの実施形態では、ニロチニブ遊離塩基またはその薬学的に許容可能な塩対界面活性剤の重量比は、約10:1~約1:10またはその間の任意の範囲である。いくつかの実施形態では、ニロチニブ遊離塩基またはその薬学的に許容可能な塩対界面活性剤の重量比は、約5:1~約1:4である。いくつかの実施形態では、ニロチニブ遊離塩基またはその薬学的に許容可能な塩対界面活性剤の重量比は、約2:1~約1:2である。いくつかの実施形態では、ニロチニブ遊離塩基またはその薬学的に許容可能な塩対界面活性剤の重量比は、約1:1~約1:2である。いくつかの実施形態では、ニロチニブ遊離塩基またはその薬学的に許容可能な塩対界面活性剤の重量比は、約1:1~約1:1.5である。いくつかの実施形態では、ニロチニブ遊離塩基またはその薬学的に許容可能な塩対界面活性剤の重量比は、約0.5:1~約1:3である。いくつかの実施形態では、ニロチニブ遊離塩基またはその薬学的に許容可能な塩対界面活性剤の重量比は、約1:1~約1:3である。
【0062】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は、医薬品有効成分またはその塩、例えば、ニロチニブ遊離塩基またはその薬学的に許容可能な塩、界面活性剤、および非イオン性親水性ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、ニロチニブ遊離塩基またはその薬学的に許容可能な塩は、約10mg~約500mgの量で医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、ニロチニブ遊離塩基またはその薬学的に許容可能な塩は、約20mg~約200mgの量で医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、ニロチニブ遊離塩基またはその薬学的に許容可能な塩は、約25mg、約50mg、約100mg、約150mg、または約200mgの量で医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、約10mg~約500mgの量で医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、約20mg~約200mgの量で医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、非イオン性親水性ポリマーは、約10mg~約500mgの量で医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、非イオン性親水性ポリマーは、約20mg~約200mgの量で医薬組成物中に存在する。
【0063】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される非晶質固体分散体は、非イオン性親水性ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、非イオン性親水性ポリマーは、ポリビニルアルコール(PVA)、オリゴ糖、多糖類、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCまたはヒプロメロース)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMCAS)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ酢酸ビニルとポリビニルカプロラクタムベースのグラフトコポリマー(PVAc-PVCap-PEG)、またはポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコール(PCL-PVAc-PEG、Soluplus(登録商標)とも呼ばれる)、ポリエチレンオキシド、ヒドロキシプロピルβシクロデキストリン(HP-β-CD)、もしくはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、非イオン性親水性ポリマーは、HPMC、PVP、HP-β-CD、またはPVAである。
【0064】
いくつかの実施形態では、非イオン性親水性ポリマーは、約5%~約70%の量で非晶質固体分散体中に存在する。いくつかの実施形態では、非イオン性親水性ポリマーは、約5%~約10%、約5%~約20%、約5%~約25%、約5%~約30%、約5%~約35%、約5%~約40%、約5%~約45%、約5%~約50%、約5%~約55%、約5%~約60%、約5%~約70%、約10%~約20%、約10%~約25%、約10%~約30%、約10%~約35%、約10%~約40%、約10%~約45%、約10%~約50%、約10%~約55%、約10%~約60%、約10%~約70%、約20%~約25%、約20%~約30%、約20%~約35%、約20%~約40%、約20%~約45%、約20%~約50%、約20%~約55%、約20%~約60%、約20%~約70%、約25%~約30%、約25%~約35%、約25%~約40%、約25%~約45%、約25%~約50%、約25%~約55%、約25%~約60%、約25%~約70%、約30%~約35%、約30%~約40%、約30%~約45%、約30%~約50%、約30%~約55%、約30%~約60%、約30%~約70%、約35%~約40%、約35%~約45%、約35%~約50%、約35%~約55%、約35%~約60%、約35%~約70%、約40%~約45%、約40%~約50%、約40%~約55%、約40%~約60%、約40%~約70%、約45%~約50%、約45%~約55%、約45%~約60%、約45%~約70%、約50%~約55%、約50%~約60%、約50%~約70%、約55%~約60%、約55%~約70%、または約60%~約70%の量で非晶質固体分散体中に存在する。いくつかの実施形態では、非イオン性親水性ポリマーは、約5%、約10%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、または約70%の量で非晶質固体分散体中に存在する。いくつかの実施形態では、非イオン性親水性ポリマーは、少なくとも約5%、約10%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、または約60%の量で非晶質固体分散体中に存在する。いくつかの実施形態では、非イオン性親水性ポリマーは、最大で約10%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、または約70%の量で非晶質固体分散体中に存在する。
【0065】
いくつかの実施形態では、ニロチニブ遊離塩基またはその薬学的に許容可能な塩対非イオン性親水性ポリマーの重量比は、約1:1~約1:10である。いくつかの実施形態では、ニロチニブ遊離塩基またはその薬学的に許容可能な塩対非イオン性親水性ポリマーの重量比は、約10:1~約8:1、約10:1~約6:1、約10:1~約4:1、約10:1~約2:1、約10:1~約1:1、約10:1~約1:2、約10:1~約1:4、約10:1~約1:6、約10:1~約1:8、約10:1~約1:10、約8:1~約6:1、約8:1~約4:1、約8:1~約2:1、約8:1~約1:1、約8:1~約1:2、約8:1~約1:4、約8:1~約1:6、約8:1~約1:8、約8:1~約1:10、約6:1~約4:1、約6:1~約2:1、約6:1~約1:1、約6:1~約1:2、約6:1~約1:4、約6:1~約1:6、約6:1~約1:8、約6:1~約1:10、約4:1~約2:1、約4:1~約1:1、約4:1~約1:2、約4:1~約1:4、約4:1~約1:6、約4:1~約1:8、約4:1~約1:10、約2:1~約1:1、約2:1~約1:2、約2:1~約1:4、約2:1~約1:6、約2:1~約1:8、約2:1~約1:10、約1:1~約1:2、約1:1~約1:4、約1:1~約1:6、約1:1~約1:8、約1:1~約1:10、約1:2~約1:4、約1:2~約1:6、約1:2~約1:8、約1:2~約1:10、約1:4~約1:6、約1:4~約1:8、約1:4~約1:10、約1:6~約1:8、約1:6~約1:10、または約1:8~約1:10である。いくつかの実施形態では、ニロチニブ遊離塩基またはその薬学的に許容可能な塩対非イオン性親水性ポリマーの重量比は、約10:1、約8:1、約6:1、約4:1、約2:1、約1:1、約1:2、約1:4、約1:6、約1:8、または約1:10である。いくつかの実施形態では、ニロチニブ遊離塩基またはその薬学的に許容可能な塩対非イオン性親水性ポリマーの重量比は、少なくとも約10:1、約8:1、約6:1、約4:1、約2:1、約1:1、約1:2、約1:4、約1:6、または約1:8である。いくつかの実施形態では、ニロチニブ遊離塩基またはその薬学的に許容可能な塩対非イオン性親水性ポリマーの重量比は、最大で約8:1、約6:1、約4:1、約2:1、約1:1、約1:2、約1:4、約1:6、約1:8、または約1:10である。
【0066】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される非晶質固体分散体および/または医薬組成物は有機酸を含まない。いくつかの実施形態では、非晶質固体分散体および/または医薬組成物は、いかなる酸も含まない。
【0067】
本明細書に記載された非晶質固体分散体は粒度分布を有することができる。いくつかの実施形態では、非晶質固体分散体の平均粒度は、粒径の観点から、約1μm~約500μmである。いくつかの実施形態では、非晶質固体分散体の平均粒度は、粒径の観点から、約1μm~約300μmである。いくつかの実施形態では、非晶質固体分散体の平均粒度は、粒径の観点から、約1μm~約20μmである。いくつかの実施形態では、非晶質固体分散体の平均粒度は、粒径の観点から、約5μm~約15μmである。
【0068】
いくつかの実施形態では、非晶質固体分散体の粒度分布が得られる。いくつかの実施形態では、D10、D50、およびD90という用語が、粒度分布を説明するために使用される。D10直径は、粒子の10パーセントより小さく、90パーセントより大きい。D50は、粒子の全質量の50%が大きく、50%が小さい中位径である。D90は、分布の90%が粒子径が小さく、10%が粒子径が大きい直径を定義する。
【0069】
いくつかの実施形態では、誤差範囲が含まれている。「全誤差範囲(total error band)」という用語は、95%の信頼レベルで計算されたサンプリングおよびサンプル調製を含む全ての原因を特定するために使用される。一例としては、サイズに関して±5%の全誤差範囲のD50 100μmである。粒度分布を記述するために、他の統計がしばしば使用される。最も一般的な計算は、標準偏差と分散である。標準偏差(St Dev.)の指定は、全集団の約68.27%が±1 St Dev内にあり、95.45%が±2 St Dev内にある直径を定義する。
【0070】
いくつかの実施形態では、非晶質固体分散体の粒度分布が得られる。いくつかの実施形態では、D10、D50、およびD90という用語が、粒度分布を説明するために使用される。いくつかの実施形態では、D90粒度は、約1,000μm、950μm、900μm、800μm、700μm、600μm、500μm、400μm、300μm、200μm、100μm、75μm、65μm、50μm、25μm、20μm、15μm、または10μm以下である。いくつかの実施形態では、D50粒度は、約500μm、400μm、300μm、200μm、100μm、50μm、35μm、25μm、20μm、15μm、10μm、または5μm以下である。いくつかの実施形態では、D10粒度は、約200μm、100μm、50μm、45μm、40μm、35μm、30μm、25μm、20μm、15μm、10μm、9μm、8μm、7μm、6μm、5μm、4μm、3μm、2μm、または1μm以下である。
【0071】
いくつかの実施形態では、非晶質固体分散体の粒度分布が得られる。いくつかの実施形態では、D10、D50、およびD90という用語が、粒度分布を説明するために使用される。いくつかの実施形態では、D90粒度は約10μm~約1000μmである。いくつかの実施形態では、D90粒度は、約10μm~約20μm、約10μm~約30μm、約10μm~約50μm、約10μm~約100μm、約10μm~約150μm、約10μm~約200μm、約10μm~約300μm、約10μm~約400μm、約10μm~約500μm、約10μm~約750μm、約10μm~約1,000μm、約20μm~約30μm、約20μm~約50μm、約20μm~約100μm、約20μm~約150μm、約20μm~約200μm、約20μm~約300μm、約20μm~約400μm、約20μm~約500μm、約20μm~約750μm、約20μm~約1,000μm、約30μm~約50μm、約30μm~約100μm、約30μm~約150μm、約30μm~約200μm、約30μm~約300μm、約30μm~約400μm、約30μm~約500μm、約30μm~約750μm、約30μm~約1,000μm、約50μm~約100μm、約50μm~約150μm、約50μm~約200μm、約50μm~約300μm、約50μm~約400μm、約50μm~約500μm、約50μm~約750μm、約50μm~約1,000μm、約100μm~約150μm、約100μm~約200μm、約100μm~約300μm、約100μm~約400μm、約100μm~約500μm、約100μm~約750μm、約100μm~約1,000μm、約150μm~約200μm、約150μm~約300μm、約150μm~約400μm、約150μm~約500μm、約150μm~約750μm、約150μm~約1,000μm、約200μm~約300μm、約200μm~約400μm、約200μm~約500μm、約200μm~約750μm、約200μm~約1,000μm、約300μm~約400μm、約300μm~約500μm、約300μm~約750μm、約300μm~約1,000μm、約400μm~約500μm、約400μm~約750μm、約400μm~約1,000μm、約500μm~約750μm、約500μm~約1,000μm、または約750μm~約1,000μmである。いくつかの実施形態では、D90粒度は、約10μm、約20μm、約30μm、約50μm、約100μm、約150μm、約200μm、約300μm、約400μm、約500μm、約750μm、または約1,000μmである。いくつかの実施形態では、D90粒度は、少なくとも約10μm、約20μm、約30μm、約50μm、約100μm、約150μm、約200μm、約300μm、約400μm、約500μm、または約750μmである。いくつかの実施形態では、D90粒度は、最大で約20μm、約30μm、約50μm、約100μm、約150μm、約200μm、約300μm、約400μm、約500μm、約750μm、または約1,000μmである。
【0072】
いくつかの実施形態では、非晶質固体分散体の粒度分布が得られる。いくつかの実施形態では、D10、D50、およびD90という用語が、粒度分布を説明するために使用される。いくつかの実施形態では、D50粒度は約5μm~約100μmである。いくつかの実施形態では、D50粒度は、約5μm~約10μm、約5μm~約15μm、約5μm~約20μm、約5μm~約25μm、約5μm~約30μm、約5μm~約40μm、約5μm~約50μm、約5μm~約60μm、約5μm~約75μm、約5μm~約100μm、約10μm~約15μm、約10μm~約20μm、約10μm~約25μm、約10μm~約30μm、約10μm~約40μm、約10μm~約50μm、約10μm~約60μm、約10μm~約75μm、約10μm~約100μm、約15μm~約20μm、約15μm~約25μm、約15μm~約30μm、約15μm~約40μm、約15μm~約50μm、約15μm~約60μm、約15μm~約75μm、約15μm~約100μm、約20μm~約25μm、約20μm~約30μm、約20μm~約40μm、約20μm~約50μm、約20μm~約60μm、約20μm~約75μm、約20μm~約100μm、約25μm~約30μm、約25μm~約40μm、約25μm~約50μm、約25μm~約60μm、約25μm~約75μm、約25μm~約100μm、約30μm~約40μm、約30μm~約50μm、約30μm~約60μm、約30μm~約75μm、約30μm~約100μm、約40μm~約50μm、約40μm~約60μm、約40μm~約75μm、約40μm~約100μm、約50μm~約60μm、約50μm~約75μm、約50μm~約100μm、約60μm~約75μm、約60μm~約100μm、または約75μm~約100μmである。いくつかの実施形態では、D50粒度は、約5μm、約10μm、約15μm、約20μm、約25μm、約30μm、約40μm、約50μm、約60μm、約75μm、または約100μmである。いくつかの実施形態では、D50粒度は、少なくとも約5μm、約10μm、約15μm、約20μm、約25μm、約30μm、約40μm、約50μm、約60μm、または約75μmである。いくつかの実施形態では、D50粒度は、最大で約10μm、約15μm、約20μm、約25μm、約30μm、約40μm、約50μm、約60μm、約75μm、または約100μmである。
【0073】
いくつかの実施形態では、非晶質固体分散体の粒度分布が得られる。いくつかの実施形態では、D10、D50、およびD90という用語が、粒度分布を説明するために使用される。いくつかの実施形態では、D10粒度は約0.1μm~約50μmである。いくつかの実施形態では、D10粒度は、約0.1μm~約1μm、約0.1μm~約2μm、約0.1μm~約3μm、約0.1μm~約4μm、約0.1μm~約5μm、約0.1μm~約7μm、約0.1μm~約10μm、約0.1μm~約20μm、約0.1μm~約30μm、約0.1μm~約40μm、約0.1μm~約50μm、約1μm~約2μm、約1μm~約3μm、約1μm~約4μm、約1μm~約5μm、約1μm~約7μm、約1μm~約10μm、約1μm~約20μm、約1μm~約30μm、約1μm~約40μm、約1μm~約50μm、約2μm~約3μm、約2μm~約4μm、約2μm~約5μm、約2μm~約7μm、約2μm~約10μm、約2μm~約20μm、約2μm~約30μm、約2μm~約40μm、約2μm~約50μm、約3μm~約4μm、約3μm~約5μm、約3μm~約7μm、約3μm~約10μm、約3μm~約20μm、約3μm~約30μm、約3μm~約40μm、約3μm~約50μm、約4μm~約5μm、約4μm~約7μm、約4μm~約10μm、約4μm~約20μm、約4μm~約30μm、約4μm~約40μm、約4μm~約50μm、約5μm~約7μm、約5μm~約10μm、約5μm~約20μm、約5μm~約30μm、約5μm~約40μm、約5μm~約50μm、約7μm~約10μm、約7μm~約20μm、約7μm~約30μm、約7μm~約40μm、約7μm~約50μm、約10μm~約20μm、約10μm~約30μm、約10μm~約40μm、約10μm~約50μm、約20μm~約30μm、約20μm~約40μm、約20μm~約50μm、約30μm~約40μm、約30μm~約50μm、または約40μm~約50μmである。いくつかの実施形態では、D10粒度は、約0.1μm、約1μm、約2μm、約3μm、約4μm、約5μm、約7μm、約10μm、約20μm、約30μm、約40μm、または約50μmである。いくつかの実施形態では、D10粒度は、少なくとも約0.1μm、約1μm、約2μm、約3μm、約4μm、約5μm、約7μm、約10μm、約20μm、約30μm、または約40μmである。いくつかの実施形態では、D10粒度は、最大で約1μm、約2μm、約3μm、約4μm、約5μm、約7μm、約10μm、約20μm、約30μm、約40μm、または約50μmである。
【0074】
いくつかの実施形態では、非晶質固体分散体の粒度分布が得られる。いくつかの実施形態では、D10、D50、およびD90という用語が、粒度分布を説明するために使用される。いくつかの実施形態では、D10は約0.1~約50μmの粒度範囲を有し、D50は約5~約100μmの粒度範囲を有し、D90は約10~約600μmの粒度範囲を有する。いくつかの実施形態では、D10は約2~約10μmの粒度範囲を有し、D50は約5~約60μmの粒度範囲を有し、D90は約20~約250μmの粒度範囲を有する。いくつかの実施形態では、D10は約2~約4μmの粒度範囲を有し、D50は約5~約20μmの粒度範囲を有し、D90は約100~約300μmの粒度範囲を有する。いくつかの実施形態では、D10は約2~約4μmの粒度範囲を有し、D50は約5~約20μmの粒度範囲を有し、D90は約20~約50μmの粒度範囲を有する。いくつかの実施形態では、D10は約0.1~約5μmの粒度範囲を有し、D50は約2~約10μmの粒度範囲を有し、D90は約10~約35μmの粒度範囲を有する。
【0075】
ニロチニブ
いくつかの実施形態では、APIは、ニロチニブまたはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、APIはニロチニブ塩酸塩である。
【0076】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は許容可能な保存安定性を有する。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、75℃/75%RHで少なくとも2週間保存安定性であり、保存安定性の医薬組成物は、保存期間の終了時に100ppm未満の不純物Aを有する。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、40℃/75%RHで少なくとも6ヶ月間保存安定性であり、保存安定性の医薬組成物は、保存期間の終了時に100ppm未満の不純物Aを有する。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、40℃/75%RHで少なくとも2週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月、または24ヶ月間保存安定性であり、保存安定性の医薬組成物は、保存期間の終了時に100ppm未満の不純物Aを有する。
【0077】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は、優れたバイオアベイラビリティを有する。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、経口投与後の全曲線下面積(AUC)として測定される場合、結晶ニロチニブを含む対応する製剤のバイオアベイラビリティよりも少なくとも1.1倍、1.2倍、1.3倍、1.4倍、1.5倍、1.6倍、1.7倍、1.8倍、1.9倍、2倍、2.5倍、3倍、3.5倍、4倍、4.5倍、5倍、5.5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、または10倍高いバイオアベイラビリティを呈する。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、経口投与後のCmaxとして測定される場合、結晶ニロチニブを含む対応する製剤のバイオアベイラビリティよりも少なくとも1.1倍、1.2倍、1.3倍、1.4倍、1.5倍、1.6倍、1.7倍、1.8倍、1.9倍、2倍、2.5倍、3倍、3.5倍、4倍、4.5倍、5倍、5.5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、または10倍高いバイオアベイラビリティを呈する。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、経口投与後の全曲線下面積(AUC)として測定される場合、ニロチニブHClを含むTASIGNAカプセルのバイオアベイラビリティよりも少なくとも1.1倍、1.2倍、1.3倍、1.4倍、1.5倍、1.6倍、1.7倍、1.8倍、1.9倍、2倍、2.5倍、3倍、3.5倍、4倍、4.5倍、5倍、5.5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、または10倍高いバイオアベイラビリティを呈する。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、経口投与後のCmaxとして測定される場合、ニロチニブHClを含むTASIGNAカプセルのバイオアベイラビリティよりも少なくとも1.1倍、1.2倍、1.3倍、1.4倍、1.5倍、1.6倍、1.7倍、1.8倍、1.9倍、2倍、2.5倍、3倍、3.5倍、4倍、4.5倍、5倍、5.5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、または10倍高いバイオアベイラビリティを呈する。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、経口投与後のCmaxとして測定される場合、TASIGNAのバイオアベイラビリティよりも高いバイオアベイラビリティを呈する。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、TASIGNAのバイオアベイラビリティよりも、約1.1倍~約2倍、約1.1倍~約3倍、約1.1倍~約4倍、約1.1倍~約5倍、約1.1倍~約6倍、約1.1倍~約7倍、約1.1倍~約8倍、約1.1倍~約10倍、約1.5倍~約2倍、約1.5倍~約3倍、約1.5倍~約4倍、約1.5倍~約5倍、約1.5倍~約6倍、約1.5倍~約7倍、約1.5倍~約8倍、約1.5倍~約10倍、約2倍~約4倍、約2倍~約5倍、約2倍~約6倍、約2倍~約7倍、約2倍~約8倍、約2倍~約10倍、約3倍~約4倍、約3倍~約5倍、約3倍~約6倍、約3倍~約7倍、約3倍~約8倍、約3倍~約10倍、約4倍~約5倍、約4倍~約6倍、約4倍~約7倍、約4倍~約8倍、約4倍~約10倍、約5倍~約6倍、約5倍~約7倍、約5倍~約8倍、約5倍~約10倍、約6倍~約7倍、約6倍~約8倍、約6倍~約10倍、約7倍~約8倍、約7倍~約10倍、または約8倍~約10倍高いバイオアベイラビリティを呈する。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、TASIGNAのバイオアベイラビリティよりも、少なくとも約1.1倍、約1.3倍、約1.5倍、約1.8倍、約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、約6倍、約7倍、または約8倍高いバイオアベイラビリティを呈する。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、TASIGNAのバイオアベイラビリティよりも、少なくとも約2倍高いバイオアベイラビリティを呈する。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、TASIGNAのバイオアベイラビリティよりも、少なくとも約4倍高いバイオアベイラビリティを呈する。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、TASIGNAのバイオアベイラビリティよりも、最大で約1.3倍、約1.5倍、約1.8倍、約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、約6倍、約7倍、約8倍、または約10倍高いバイオアベイラビリティを呈する。いくつかの実施形態では、バイオアベイラビリティは、絶食状態の犬モデルにおいて測定される。いくつかの実施形態では、バイオアベイラビリティは、摂食状態の犬モデルにおいて測定される。いくつかの実施形態では、医薬組成物のバイオアベイラビリティは、経口投与後の全曲線下面積(AUC)として測定される場合、絶食状態で投与された場合と比較して、摂食状態で投与された場合に、50%、40%、30%、20%、15%、または10%を超えて変化することはない。いくつかの実施形態では、医薬組成物のバイオアベイラビリティは、経口投与後のCmaxとして測定される場合、絶食状態で投与された場合と比較して、摂食状態で投与された場合に、50%、40%、30%、20%、15%、または10%を超えて変化することはない。いくつかの実施形態では、医薬組成物のバイオアベイラビリティは、絶食状態で投与された場合と比較して、摂食状態で経口投与された場合、50%を超えて変化することはない。いくつかの実施形態では、医薬組成物のバイオアベイラビリティは、絶食状態で投与された場合と比較して、摂食状態で経口投与された場合、40%を超えて変化することはない。いくつかの実施形態では、医薬組成物のバイオアベイラビリティは、絶食状態で投与された場合と比較して、摂食状態で経口投与された場合、20%を超えて変化することはない。
【0078】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載された医薬組成物は、非晶質固体分散体を含む。いくつかの実施形態では、非晶質固体分散体はAPIを含む。いくつかの実施形態では、APIはニロチニブまたはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、APIはニロチニブ塩酸塩である。いくつかの実施形態では、APIは、式(I)の化合物、あるいはそのN-オキシドまたは薬学的に許容可能な塩であり、
【0079】
【化4】
式中、
は水素、C-Cアルキル、またはハロゲンであり、
は水素、C-Cアルキル、C1-6アルコキシ-C1-6アルキル、アシルオキシ-C1-6アルキル、カルボキシ-C1-6アルキル、C1-6アルコキシカルボニル-C1-6アルキル、またはフェニル-C1-6アルキルであり、
は水素、任意選択かつ独立して、1つ以上のR10、シクロアルキル、ベンズシクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール基、あるいは0、1、2、または3つの環窒素原子と0または1つの酸素原子および0または1つの硫黄原子を含む単環式または二環式のヘテロアリール基によって置換されたC-Cアルキルであり、それぞれの場合の基は非置換であるか、あるいは一置換または多置換であり、
10はヒドロキシ、C-Cアルコキシ、アシルオキシ、カルボキシ、C1-6アルコキシカルボニル、カルバモイル、N-一置換またはN,N-二置換カルバモイル、アミノ、一置換または二置換のアミノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール基、あるいは0、1、2、または3つの環窒素原子と0または1つの酸素原子と0または1つの硫黄原子を含む単環式または二環式のヘテロアリール基を表し、それぞれの場合の基は非置換であるか、あるいは一置換または多置換であり、あるいは、
とRは一体となって、C-Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、フェニル、ヒドロキシ、C-Cアルコキシ、アミノ、一置換または二置換のアミノ、オキソ、ピリジル、ピラジニル、またはピリミジニルによって任意選択で一置換または二置換されたC-Cアルキレン、4つまたは5つの炭素原子を有するベンズアルキレン、1つの酸素および3つまたは4つの炭素原子を有するオキサアルキレン、あるいは、1つの窒素および3つまたは4つの炭素原子を有するアザアルキレンを形成し、窒素は非置換であるか、C-Cアルキル、フェニル-C-Cアルキル、C1-6アルコキシカルボニル-C1-6アルキル、カルボキシ-C1-6アルキル、カルバモイル-C1-6アルキル、N-一置換またはN,N-二置換カルバモイル-C1-6アルキル、シクロアルキル、C1-6アルコキシカルボニル、カルボキシ、フェニル、置換されたフェニル、ピリジニル、ピリミジニル、またはピラジニルによって置換される。
【0080】
いくつかの実施形態では、APIは、式(I)の化合物、あるいはそのN-オキシドまたは薬学的に許容可能な塩であり、
は水素、C-Cアルキル、またはハロゲンであり、
は水素、C-Cアルキル、C1-6アルコキシ-C1-6アルキル、またはベンジルであり、
はC-Cアルキル、トリフルオロ-C1-6アルキル、ヒドロキシ-C1-6アルキル、アミノ-C1-6アルキル、C1-6アルキルアミノ-C1-6アルキル、ジ-C1-6アルキルアミノ-C1-6アルキル、N-シクロヘキシル-N-1-6アルキルアミノ-C1-6アルキル、C1-6アルコキシカルボニルピペリジノ-C1-6アルキル、N-C1-6アルキルピペラジノ-C1-6アルキル、C1-6アルコキシカルボニル-C1-6アルキル、ヒドロキシ、C-Cアルコキシ、トリフルオロ-C1-6アルコキシ、1H-イミダゾリル-C1-6アルコキシ、C1-6アルカノイルオキシ、ベンゾイルオキシ、カルボキシ、C1-6アルコキシカルボニル、カルバモイル、C1-6アルキルカルバモイル、アミノ、C1-6アルカノイルアミノ、ベンゾイルアミノ、C-Cアルキルによって、ヒドロキシ-C1-6アルキルによって、またはC1-6アルコキシ-C1-6アルキルによって一置換または二置換されたアミノ、1H-イミダゾリル、C1-6アルキル-1H-イミダゾリル、カルボキシ-1H-イミダゾリル、C1-6アルキル-エステルカルボキシ-1H-イミダゾリル、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、N-C1-6アルキルピペラジノ、モルホリノ、スルファモイル、C1-6アルキルスルホニル、フェニル、ピリジル、ハロゲニル、またはベンゾイルからなる群から選択される1つまたは2つの置換基によって置換されたフェニルである。
【0081】
いくつかの実施形態では、APIは、式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩であり、
式中、
はメチルであり、
は水素であり、
は、トリフルオロメチル、ならびに、任意選択でヒドロキシ-C1-6アルキル、C1-6アルキルアミノ、ヒドロキシ-C1-6アルキルアミノ、ジ-C1-6アルキルアミノ、1H-イミダゾリル、C1-6アルキル-1H-イミダゾリル、カルバモイル、C1-6アルキルカルバモイル、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、C1-6アルキルピペラジノ、モルホリノ、C-Cアルコキシ、トリフルオロ-C1-6アルコキシ、フェニル、ピリジル、およびハロゲニルからなる群から選択されたさらなる置換基によって置換されたフェニルである。
【0082】
いくつかの実施形態では、APIは、式(I)の化合物、あるいはそのN-オキシドまたは薬学的に許容可能な塩であり、
はメチルであり、
は水素であり、
は、5-トリフルオロメチル、ならびに、任意選択で2-メチル-1H-イミダゾリル、4-メチル-1H-イミダゾリル、2,4-ジメチル-1H-イミダゾリル、5-メチル-1H-イミダゾリル、2-メトキシメチルアミノ、プロポキシ、エトキシ、メチルアミノカルボニル、ベンゾイル、4-メトキシ-2-メチル、アセチルアミノ、2,4-ジメチル-1H-イミダゾリル、酢酸エチルエステル、ピペリジンカルボン酸エチルエステルからなる群から選択されたさらなる置換基によって置換されたフェニルである。
【0083】
この前後で使用される一般的な用語は好ましくは、本開示の文脈内で、特に指示しない限り、以下の意味を有する。
【0084】
接頭辞「下」は、最大で7個、特に最大で4個の炭素原子を含むるラジカルを示し、当該ラジカルは、単一または複数の分岐を有する直鎖状または分岐状のいずれかである。
【0085】
化合物、塩などに対して複数形が使用される場合、これは単一の化合物、塩などをも意味すると解釈される。
【0086】
任意の不斉炭素原子は、(R)-、(S)-、または(R,S)-構成で、好ましくは(R)-または(S)-構成で存在することができる。したがって、化合物は、異性体の混合物として、または純粋な異性体として、好ましくはエナンチオマー純粋なジアステレオマーとして存在することができる。
【0087】
本開示は、式(I)の化合物の可能な互変異性体にも関する。
【0088】
低級アルキルは好ましくは、1から最大で6まで、好ましくは1から4までを含むアルキルであり、直鎖状または分岐状であり、好ましくは、低級アルキルは、ブチル、例えば、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、プロピル、例えば、n-プロピルまたはイソプロピル、エチル、もしくはメチルである。好ましくは、低級アルキルはメチル、プロピル、またはtert-ブチルである。
【0089】
低級アシルは好ましくは、ホルミルまたは低級アルキルカルボニル、特にアセチルである。
【0090】
アリール基は、ラジカルの芳香族環炭素原子に位置する結合を介して分子に結合する芳香族ラジカルである。好ましい実施形態では、アリールは、6~14個の炭素原子を有する芳香族ラジカル、特にフェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、フルオレニル、またはフェナントレニルであり、非置換であるか、あるいは、アミノ、一置換アミノまたは二置換アミノ、ハロゲン、低級アルキル、置換低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、フェニル、ヒドロキシ、エーテル化またはエステル化ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、エステル化カルボキシ、アルカノイル、ベンゾイル、カルバモイル、N-一置換またはN,N-二置換のカルバモイル、アミジノ、グアニジノ、ウレイド、メルカプト、スルホ、低級アルキルチオ、フェニルチオ、フェニル-低級アルキルチオ、低級アルキルフェニルチオ、低級アルキルスルフィニル、フェニルスルフィニル、フェニル-低級アルキルスルフィニル、低級アルキルフェニルスルフィニル、低級アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、フェニル-低級アルキルスルホニル、低級アルキルフェニルスルホニル、ハロゲン-低級アルキルメルカプト、ハロゲン-低級アルキルスルホニル、例えば、特に、トリフルオロメタンスルホニル、ジヒドロキシボラ(-B(OH)2)、ヘテロシクリル、単環式または二環式ヘテロアリール基、および環の隣接C原子で結合した低級アルキレンジオキシ、例えば、メチレンジオキシから選択された1つ以上、好ましくは最大で3つの、特に1つまたは2つの置換基で置換されている。アリールは、より好ましくは、フェニル、ナフチル、またはテトラヒドロナフチルであり、これらは、それぞれの場合、非置換であるか、または、ハロゲン、特にフッ素、塩素、または臭素、ヒドロキシ、低級アルキルによって、例えば、メチルによって、ハロゲン-低級アルキル、例えば、トリフルオロメチルによって、またはフェニルによってエーテル化されたヒドロキシ、2つの隣接するC-原子に結合した低級アルキレンジオキシ、例えば、メチレンジオキシ、低級アルキル、例えば、メチルまたはプロピル、ハロゲン-低級アルキル、例えば、トリフルオロメチル、ヒドロキシ-低級アルキル、例えば、ヒドロキシメチルまたは2-ヒドロキシ-2-プロピル、低級アルコキシ-低級アルキル、例えば、メトキシメチルまたは2-メトキシエチル、低級アルコキシカルボニル-低級アルキル、例えば、メトキシ-カルボニルメチル、低級アルキニル、例えば、1-プロピニル、エステル化カルボキシ、特に低級アルコキシカルボニル、例えば、メトキシカルボニル、n-プロポキシカルボニル、またはイソ-プロポキシカルボニル、N-一置換カルバモイル、特に低級アルキル、例えば、メチル、n-プロピル、またはイソ-プロピルによって一置換されたカルバモイル、アミノ、低級アルキルアミノ、例えば、メチルアミノ、ジ-低級アルキルアミノ、例えば、ジメチルアミノまたはジエチルアミノ、低級アルキレンアミノ、例えば、ピロリジノまたはピペリジノ、低級オキサアルキレン-アミノ、例えば、モルホリノ、低級アザアルキレン-アミノ、例えば、ピペラジノ、アシルアミノ、例えば、アセチルアミノまたはベンゾイルアミノ、低級アルキルスルホニル、例えば、メチルスルホニル、スルファモイル、あるいは、フェニルスルホニルからなる群から選択される1つまたは2つの置換基によって独立して置換されている。
【0091】
シクロアルキル基は好ましくは、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、またはシクロヘプチルであり、非置換であるか、あるいは、アリールの置換基として上で定義した群から選択される1つ以上の、特に1つまたは2つの置換基によって、最も好ましくは、低級アルキル、例えば、メチル、低級アルコキシ、例えば、メトキシまたはエトキシ、またはヒドロキシ、さらには、オキソによって置換されてもよく、あるいは、ベンズシクロペンチルまたはベンズシクロヘキシルなどのベンゾ環に融合されてもよい。
【0092】
置換アルキルは、最後に定義したようなアルキル、特に低級アルキル、好ましくはメチルであり、ここで、1つ以上の、特に最大で3つの置換基が存在してもよく、主にハロゲン、特にフッ素、アミノ、N-低級アルキルアミノ、N,N-ジ-低級アルキルアミノ、N-低級アルカノイルアミノ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、およびフェニル-低級アルコキシカルボニルから選択される群からのものであり得る。特にトリフルオロメチルが好ましい。
【0093】
一置換または二置換アミノは特に、低級アルキル、例えば、メチル、ヒドロキシ低級アルキル、例えば、2-ヒドロキシエチル、低級アルコキシ低級アルキル、例えば、メトキシエチル、フェニル-低級アルキル、例えば、ベンジルまたは2-フェニルエチル、低級アルカノイル、例えば、アセチル、ベンゾイル、置換ベンゾイル(ここで、フェニルラジカルは、特に、ニトロ、アミノ、ハロゲン、N-低級アルキルアミノ、N,N-ジ-低級アルキルアミノ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、低級アルカノイル、およびカルバモイルから選択される1つ以上の、好ましくは1つまたは2つの置換基によって置換される)、および、フェニル-低級アルコキシカルボニル(ここで、フェニルラジカルは非置換であるか、あるいは、ニトロ、アミノ、ハロゲン、N-低級アルキルアミノ、N,N-ジ-低級アルキルアミノ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、低級アルカノイル、およびカルバモイルから選択される1つ以上、好ましくは1つまたは2つの置換基によって置換される)から互いに独立して選択される1つまたは2つのラジカルによって置換されたアミノであり、好ましくは、N-低級アルキルアミノ、例えば、N-メチルアミノ、ヒドロキシ低級アルキル、例えば、2-ヒドロキシエチルアミノまたは2-ヒドロキシプロピル、低級アルコキシ低級アルキル、例えば、メトキシエチル、フェニル-低級アルキルアミノ、例えば、ベンジルアミノ、N,N-ジ-低級アルキルアミノ、N-フェニル-低級アルキル-N-低級アルキルアミノ、N,N-ジ-低級アルキルフェニルアミノ、低級アルカノイルアミノ、例えば、アセチルアミノ、あるいはベンゾイルアミノおよびフェニル-低級アルコキシカルボニルアミノを含む群から選択される置換基である(ここで、フェニルラジカルは、それぞれの場合において、非置換であるか、あるいは、特にニトロもしくはアミノによって置換されているか、またはハロゲン、アミノ、N-低級アルキルアミノ、N,N-ジ-低級アルキルアミノ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、低級アルカノイル、カルバモイル、もしくはアミノカルボニルアミノによっても置換されている)。
【0094】
二置換アミノはさらに、低級アルキレン-アミノ、例えば、ピロリジノ、2-オキソピロリジノ、またはピペリジノ、低級オキサアルキレン-アミノ、例えば、モルホリノ、あるいは低級アザアルキレン-アミノ、例えば、ピペラジノ、あるいはN-置換ピペラジノ、例えば、N-メチルピペラジノ、またはN-メトキシカルボニルピペラジノである。
【0095】
ハロゲンは、特にフッ素、塩素、臭素、またはヨウ素、特にフッ素、塩素、または臭素である。
【0096】
エーテル化ヒドロキシは、特にC8-C20アルキルオキシ、例えば、n-デシルオキシ、低級アルコキシ(好ましい)、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、またはtert-ブチルオキシ、フェニル-低級アルコキシ、例えば、ベンジルオキシ、フェニルオキシ、ハロゲン-低級アルコキシ、例えば、トリフルオロメトキシ、2,2,2-トリフルオロエトキシ、または1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ、あるいは1つまたは2つの窒素原子を含む単環式または二環式のヘテロ-アリールによって置換される低級アルコキシ、好ましくは、イミダゾリル、例えば、1H-イミダゾール-1-イル、ピロリル、ベンズイミダゾリル、例えば、1-ベンズイミダゾリル、ピリジル、特に2-ピリジル、3-ピリジル、または4-ピリジル、ピリミジニル、特に2-ピリミジニル、ピラジニル、イソキノリニル、特に3-イソキノリル、キノリル、インドリル、またはチアゾリルによって置換される低級アルコキシである。
【0097】
エステル化ヒドロキシは、特に低級アルカノイルオキシ、ベンゾイルオキシ、低級アルコキシカルボニルオキシ、例えば、tert-ブトキシカルボニルオキシ、またはフェニル-低級アルコキシカルボニルオキシ、例えば、ベンジルオキシカルボニルオキシである。
【0098】
エステル化カルボキシは、特に低級アルコキシカルボニル、例えば、tert-ブトキシカルボニル、イソ-プロポキシカルボニル、メトキシカルボニルまたはエトキシカルボニル、フェニル-低級アルコキシカルボニル、あるいはフェニルオキシカルボニルである。
【0099】
アルカノイルは、主としてアルキルカルボニル、特に低級アルカノイル、例えば、アセチルである。
【0100】
N-一置換-またはN,N-二置換カルバモイルは、特に、低級アルキル、フェニル-低級アルキル、およびヒドロキシ-低級アルキル、あるいは、末端窒素原子で任意選択で置換された低級アルキレン、オキサ-低級アルキレン、またはアザ-低級アルキレンから独立して選択される1つまたは2つの置換基によって置換されている。
【0101】
0、1、2、または3個の環窒素原子と、0または1個の酸素原子と、0または1個の硫黄原子とを含む単環式または二環式のヘテロアリール基は、それぞれの場合、非置換であるか、または一置換もしくは多置換であり、上記ヘテロアリール基は、式Iにおいて、ヘテロアリールラジカルを分子の残りに結合する環において不飽和である複素環部分を指し、かつ、好ましくは環であり、ここで、結合環において、しかしながら任意選択では任意のアニーリングされた環においても、少なくとも1つの炭素原子が、窒素、酸素、および硫黄からなる群から選択されるヘテロ原子に置き換えられており、ここで、結合環は、好ましくは5~12個、より好ましくは5または6個の環原子を有し、これは、非置換であるか、あるいはアリールの置換基として上記で定義した群から選択される1つ以上の、特に1つまたは2つの置換基によって、最も好ましくはメチルなどの低級アルキル、メトキシまたはエトキシなどの低級アルコキシ、またはヒドロキシによって置換されてもよい。好ましくは、単環式または二環式のヘテロアリール基は、2H-ピロリル、ピロリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、ピラゾリル、インダゾリル、プリニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、4H-キノリジニル、イソキノリル、キノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリル、キナゾリニル、キノリニル、プテリジニル、インドリジニル、3H-インドリル、インドリル、イソインドリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、フラザニル、ベンゾ[d]ピラゾリル、チエニル、およびフラニルから選択される。より好ましくは、単環式または二環式のヘテロアリール基は、ピロリル、イミダゾリル、例えば、1H-イミダゾール-1-イル、ベンズイミダゾリル、例えば、1-ベンズイミダゾリル、インダゾリル、特に5-インダゾリル、ピリジル、特に2-ピリジル、3-ピリジル、または4-ピリジル、ピリミジニル、特に2-ピリミジニル、ピラジニル、イソキノリニル、特に3-イソキノリニル、キノリニル、特に4-キノリニルまたは8-キノリニル、インドリル、特に3-インドリル、チアゾリル、ベンゾ[d]ピラゾリル、チエニル、およびフラニルからなる群から選択される。本発明の好ましい一実施形態では、ピリジルラジカルは、窒素原子に対してオルト位でヒドロキシにより置換されており、したがって、少なくとも部分的には、ピリジン-(1H)2-オンである対応する互変異性体の形態で存在している。別の好ましい実施形態では、ピリミジニルラジカルは、2位と4位の両方でヒドロキシによって置換されており、したがって、例えば、ピリミジン-(1H,3H)2,4-ジオンとして複数の互変異性体の形態で存在している。
【0102】
ヘテロシクリルは、特に、窒素、酸素、および硫黄を含む群から選択される1つまたは2つのヘテロ原子を有する5員、6員、または7員の複素環系であり、不飽和であるか、あるいは完全にまたは部分的に飽和であってもよく、非置換であるか、あるいは特に低級アルキル、例えば、メチル、フェニル-低級アルキル、例えば、ベンジル、オキソ、またはヘテロアリール、例えば、2-ピペラジニルによって置換され、ヘテロシクリルは、特に2-ピロリジニルまたは3-ピロリジニル、2-オキソ-5-ピロリジニル、ピペリジニル、N-ベンジル-4-ピペリジニル、N-低級アルキル-4-ピペリジニル、N-低級アルキル-ピペラジニル、モルホリニル、例えば、2-モルホリニルまたは3-モルホリニル、2-オキソ-1H-アゼピン-3-イル、2-テトラヒドロフラニル、または2-メチル-1,3-ジオキソラン-2-イルである。
【0103】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物の塩は、例えば、酸付加塩(例えば、有機的または無機酸を有する)として、塩基性窒素原子(例えば薬学的に許容可能な塩)と式(I)の化合物とから形成される。適切な無機酸は、例えば、塩酸、硫酸、またはリン酸などのハロゲン酸である。適切な有機酸は、例えば、カルボン酸、ホスホン酸、スルホン酸またはスルファミン酸、酢酸、プロピオン酸、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、グリコール酸、乳酸、フマル酸、コハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アミノ酸、例えば、グルタミン酸またはアスパラギン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、メチルマレイン酸、シクロヘキサンカルボン酸、アダマンタンカルボン酸、安息香酸、サリチル酸、4-アミノサリチル酸、フタル酸、フェニル酢酸、マンデル酸、桂皮酸、メタンスルホン酸またはエタンスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、エタン-1,2-ジスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、1,5-ナフタレン-ジスルホン酸、2-メチルベンゼンスルホン酸、3-メチルベンゼンスルホン酸、または4-メチルベンゼンスルホン酸、メチル硫酸、エチル硫酸、ドデシル硫酸、N-シクロヘキシルスルファミン酸、N-メチルスルファミン酸、N-エチルスルファミン酸、またはN-プロピルスルファミン酸、あるいはアスコルビン酸などの他の有機的なプロトン酸である。
【0104】
カルボキシまたはスルホなどの負に荷電したラジカルの存在下では、塩はさらに、塩基、例えば、金属塩またはアンモニウム塩、例えば、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩またはカルシウム塩、もしくはアンモニアまたは適切な有機アミン、例えば、三級モノアミン、例えば、トリエチルアミンまたはトリ(2-ヒドロキシエチル)アミンを有するアンモニウム塩、あるいは、複素環塩基、例えば、N-エチル-ピペリジンまたはN,N’-ジメチルピペラジンで形成されてもよい。
【0105】
塩基性基と酸基が同じ分子中に存在する場合、式Iの化合物は内部塩を形成することもできる。
【0106】
単離または精製目的のために、薬学的に許容できない塩、例えば、ピクリン酸塩または過塩素酸塩を使用することも可能である。治療的使用のためには、薬学的に許容可能な塩または遊離化合物のみが採用され(医薬調合物の形態で適用可能な場合)、したがって、これらが好まれる。
【0107】
界面活性剤
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は、親油性API、親水性ポリマー、および界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は、親油性API、親水性ポリマー、および1つ以上の界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は、親油性API、親水性ポリマー、および界面活性剤を含む非晶質固体分散体を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は、親油性API、親水性ポリマー、および1つ以上の界面活性剤を含む非晶質固体分散体を含む。いくつかの実施形態では、APIは、表1のAPI、またはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、化合物、または、疎水基(通常は炭化水素鎖)および親水基を含む化合物の混合物である。界面活性剤は、溶解性エンハンサー、バイオアベイラビリティエンハンサー、安定性エンハンサー、抗酸化剤、および乳剤(emulsifying agent)を含む1つ以上の役割を果たすことがある。界面活性剤に関する当技術分野の他の用語は、乳化剤、乳剤、界面活性剤(surface-active agent)、湿潤剤、懸濁化剤などを含む。界面活性剤の例としては、限定されないが、リン脂質、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリン酸ポリオキシル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシル40硬化ヒマシ油、ヒドロキシステアリン酸マクロゴールグリセリン油(macrogolglycerol hydroxystearate oil)、PEG-40ヒマシ油、Kolliphor RH40、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、セスキオレイン酸ソルビタン、ソルビタントリオレエート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノパルミタート、ソルビタンモノラウレート、ポリソルベート、モノステアリン酸グリセリン、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ラウロマクロゴールArlasolve、ポロクサマー、Labrafil、Labrasol、Tween 80、トコフェロールポリエチレングリコール1000スクシネート(単にTPGSまたはビタミンE TPGS)などが挙げられる。いくつかの実施形態では、APIはニロチニブまたはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、APIはニロチニブである。いくつかの実施形態では、APIはニロチニブの薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、親油性APIは計算されたlog Pまたは少なくとも2.0のlog Pを有する。いくつかの実施形態では、親油性APIは、表1に表記されるもの、またはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、親油性API、親水性ポリマー、および界面活性剤は、非晶質固体分散体として製剤化される。本開示で使用される界面活性剤は、1つ以上の非イオン性界面活性剤、1つ以上のイオン性界面活性剤、またはそれらの混合物であり得る。いくつかの実施形態では、非イオン性界面活性剤は、その頭部に荷電基を有していない。例示的な非イオン性界面活性剤としては、限定されないが、脂肪族アルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、およびオレイルアルコールが挙げられる。例示的な非イオン性界面活性剤としては、限定されないが、ポリエチレングリコールアルキルエーテル(オクタエチレングリコールモノドデシルエーテル、ペンタエチレングリコールモノドデシルエーテルなど)、ポリプロピレングリコールアルキルエーテル、グルコシドアルキルエーテル(デシルグルコシド、ラウリルグルコシド、オクチルグルコシドなど)、ポリエチレングリコールオクチルフェニルエーテル(トリトンX-100など)、ポリエチレングリコールアルキルフェニルエーテル(ノノキシノール-9など)、グリセロールアルキルエステル(ラウリン酸グリセリルなど)、ポリオキシエチレングリコールソルビタンアルキルエステル(ポリソルベートなど)、ソルビタンアルキルエステル(Spansなど)、コカミド(cocamide)MEA、コカミド(cocamide)DEA、ドデシルジメチルアミンオキシド、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールのブロックコポリマー(ポロクサマーなど)、ポリエトキシル化獣脂アミン(POEA)、およびトコフェロールポリエチレングリコール1000スクシネート(単にTPGSまたはビタミンE TPGS)が挙げられる。いくつかの実施形態では、非イオン性界面活性剤は、脂肪族アルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、およびオレイルアルコールの1つ以上を含む。例示的な非イオン性界面活性剤としては、限定されないが、ポリエチレングリコールアルキルエーテル(オクタエチレングリコールモノドデシルエーテル、ペンタエチレングリコールモノドデシルエーテルなど)、ポリプロピレングリコールアルキルエーテル、グルコシドアルキルエーテル(デシルグルコシド、ラウリルグルコシド、オクチルグルコシドなど)、ポリエチレングリコールオクチルフェニルエーテル(トリトンX-100など)、ポリエチレングリコールアルキルフェニルエーテル(ノノキシノール-9など)、グリセロールアルキルエステル(ラウリン酸グリセリルなど)、ポリオキシエチレングリコールソルビタンアルキルエステル(ポリソルベートなど)、ソルビタンアルキルエステル(Spansなど)、コカミド(cocamide)MEA、コカミド(cocamide)DEA、ドデシルジメチルアミンオキシド、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールのブロックコポリマー(ポロクサマーなど)、ポリエトキシル化獣脂アミン(POEA)、およびトコフェロールポリエチレングリコール1000スクシネート(単にTPGSまたはビタミンE TPGS)が挙げられる。いくつかの実施形態では、非イオン性界面活性剤は、ビタミンE、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールのブロックコポリマー、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、ポリオキシアルキレン単位などの2つ以上の反復単位を含む。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、ポリエチレングリコールを含む非イオン性界面活性剤である。いくつかの実施形態では、ポリマー性非イオン性界面活性剤は、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールのブロックコポリマーである。いくつかの実施形態では、医薬組成物または非晶質固体分散体は、ポリソルベート(例えば、ポリソルベート20、ポリソルベート80)を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物または非晶質固体分散体は、トコフェリルポリエチレングリコールスクシネート(TPGS)を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物または非晶質固体分散体は、ポリエチレングリコールヒマシ油、例えば、PEG-40ヒマシ油を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物または非晶質固体分散体は、オレイン酸ソルビタンを含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物または非晶質固体分散体は、2つの界面活性剤を含む。
【0108】
いくつかの実施形態では、イオン性界面活性剤は、その頭部に荷電基を有する。いくつかの実施形態では、イオン性界面活性剤は、アニオン性頭部基またはカチオン性頭部基を有する。いくつかの実施形態では、例示的なイオン性界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、オレイン酸カルシウム、オレイン酸トリエタノールアミン、ドクセル酸ナトリウム、塩化ベンザルコニウム、および塩化セチルピリジニウムを含む。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、1つ以上の非イオン性界面活性剤と1つ以上のイオン性界面活性剤との混合物である。
【0109】
いくつかの実施形態では、非イオン性界面活性剤は、約1000~約100,000Da、2000~約20,000Da、約4000~約15,000Da、約6000~約12,000Da、または約7000~約10,000Daの数平均分子量を有する。いくつかの実施形態では、非イオン性界面活性剤は、約7,000~約10,000Daの数平均分子量を有する。いくつかの実施形態では、非イオン性界面活性剤は、約30wt%~約99wt%、約50wt%~約95wt%、約60wt%~約95wt%、約75wt%~約90wt%、または約80wt%~約85wt%のエチレングリコール含量を有する。いくつかの実施形態では、非イオン性界面活性剤は約80wt%~約85wt%のエチレングリコール含量を有する。
【0110】
いくつかの実施形態では、界面活性剤は、脂肪酸、リン脂質、スフィンゴ脂質、糖脂質、ポリケチド、ステロール脂質、プレノール脂質などから選択される。いくつかの実施形態では、リン脂質は、リン酸基が結合したグリセロールと、2つの脂肪酸で構成される。リン脂質に関する当該技術分野における他の用語としては、グリセロリン脂質、ホスホグリセリド、ジアシルグリセリドなどが挙げられる。リン酸基は、修飾されていないか(すなわち、以下のR=Hの構造)、あるいは、限定されないが、コリン、エタノールアミン、またはセリンなどの単純な有機分子への結合によって修飾され得る(すなわち、以下のR≠Hの構造)。リン脂質は、炭化水素鎖について1つ以上に置換することによってさらに修飾され得る。
【0111】
【化5】
【0112】
本明細書に記載される医薬組成物および非晶質固体分散体は、リン脂質を含み得る。いくつかの実施形態では、リン脂質は、グリセロリン脂質、スフィンゴ脂質、および/またはリン脂質誘導体から選択される。いくつかの実施形態では、グリセロリン脂質としては、限定されないが、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、ジホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、およびこれらの混合物が挙げられる。本発明のリン脂質誘導体としては、限定されないが、ジオレオイルホスファチジルコリン、ジミリストイルホスファチジルコリン、ジペンタデアノイルホスファチジルコリン、ジラウロイルホスファチジルコリン(dilauroylphosphatidylchoine)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、ジアラキドニルホスファチジルコリン(diarachidonyiphosphatidylcholine)(DAPC)、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(DPPE)、ジステアロイルホスファチジルエタノールアミン(DSPE)、ジステアロイルホスファチジルグリセロール(DSPG)、ホスファチジルイノシトール、ジパルミトイルホスファチジン酸(DPPA)、ジステアロイルホスファチジン酸(DSPA)など、およびこれらの混合物が挙げられる。いくつかの実施形態では、リン脂質は、少なくとも40重量%、50重量%、60重量%、70重量%、80重量%、90重量%、または95重量%のホスファチジルコリンを含む。いくつかの実施形態では、リン脂質は、80%を超えるホスファチジルコリンを含む。
【0113】
いくつかの実施形態では、リン脂質は約25mg~約200mgの量で医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、リン脂質は約50mg~150mgの量で存在する。いくつかの実施形態では、リン脂質は医薬組成物の総重量の2.5%~20%を含む。いくつかの実施形態では、リン脂質は医薬組成物の総重量の5%~17%を含む。いくつかの実施形態では、リン脂質は、80%を超えるホスファチジルコリンを含む。
【0114】
いくつかの実施形態では、ホスファチジルコリンは、コリン基(MeCH-CH-O-)がリン酸基に結合しているリン脂質である。
【0115】
【化6】
【0116】
本明細書に記載される医薬組成物および非晶質固体分散体は、ホスファチジルコリンを含み得る。ホスファチジルコリンの非限定的な例は、以下に示すように、1-オレオイル-2-パルミトイル-ホスファチジルコリンである。
【0117】
【化7】
【0118】
いくつかの実施形態では、界面活性剤はレシチンである。レシチンのUSP40の定義は、「粗植物油源から分離された、トリグリセリド、脂肪酸、および炭水化物などの様々な量の他の物質と一緒に存在する、主にホファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチリノシトール、およびホスファチジン酸からなるアセトン不溶性のリン脂質の複合体混合物」である。いくつかの実施形態では、レシチンはリン脂質の混合物である。レシチンは、限定されないが、卵、大豆、牛乳、海洋資源、菜種、綿実、およびヒマワリを含む様々な供給源から単離され得る。いくつかの実施形態では、開示された非晶質固体分散体および/または医薬組成物に使用されるレシチンは、卵黄から単離される。
【0119】
いくつかの実施形態では、界面活性剤はリン脂質である。いくつかの実施形態では、リン脂質はホスファチジルコリンである。いくつかの実施形態では、リン脂質はホスファチジルコリンを含む混合物である。いくつかの実施形態では、界面活性剤はレシチンである。いくつかの実施形態では、レシチンはリン脂質の混合物である。いくつかの実施形態では、レシチンはホスファチジルコリンで構成される。いくつかの実施形態では、レシチンは25%超のホスファチジルコリンを含む。いくつかの実施形態では、レシチンは80%超のホスファチジルコリンを含む。いくつかの実施形態では、ホスファチジルコリンは卵起源に由来する。いくつかの実施形態では、ホスファチジルコリンは大豆起原に由来する。
【0120】
いくつかの実施形態では、界面活性剤は、約25mg~約125mgの量で、本明細書に開示される非晶質固体分散体中または医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、約50mg~約100mgの量で、本明細書に開示される非晶質固体分散体中または医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、約25mg、約50mg、約60mg、約70mg、約75mg、約80mg、約90mg、約100mg、約110mg、約120mg、または約125mgの量で、本明細書に開示される非晶質固体分散体中または医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、少なくとも約25mg、約50mg、約60mg、約70mg、約75mg、約80mg、約90mg、約100mg、約110mg、または約120mgの量で、本明細書に開示される非晶質固体分散体中または医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、最大で約50mg、約60mg、約70mg、約75mg、約80mg、約90mg、約100mg、約110mg、約120mg、または約125mgの量で、本明細書に開示される非晶質固体分散体中または医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、レシチンは50mg~500mgの量で存在する。いくつかの実施形態では、レシチンは75mg~300mgの量で存在する。いくつかの実施形態では、レシチンは100mg~200mgの量で存在する。いくつかの実施形態では、レシチンは125mg~175mgの量で存在する。いくつかの実施形態では、レシチンは約50、75、100、125、150、175、200、225、250、300、350、400、450、または500mgの量で存在する。いくつかの実施形態では、界面活性剤はリン脂質であるか、リン脂質を含む。いくつかの実施形態では、リン脂質はレシチンであるか、レシチンを含む。いくつかの実施形態では、界面活性剤はポロクサマーであるか、ポロクサマーを含む。いくつかの実施形態では、界面活性剤はTPGSであるか、TPGSを含む。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、例えば、ポリソルベート(例えば、ポリソルベート20、ポリソルベート80)、トコフェロールポリエチレングリコールスクシネート(TPGS)、ポリエチレングリコールヒマシ油(例えば、PEG-40ヒマシ油)、および/またはオレイン酸ソルビタンであるか、上記を含む。
【0121】
いくつかの実施形態では、API対界面活性剤の重量比は、約2:1~約1:10である。いくつかの実施形態では、API対界面活性剤の重量比は、約1:0.5~約1:6である。いくつかの実施形態では、API対界面活性剤の重量比は、約1:0.8~約1:5である。いくつかの実施形態では、API対界面活性剤の重量比は、約1:0.8~約1:3である。いくつかの実施形態では、API対界面活性剤の重量比は、約1:1~約1:3である。いくつかの実施形態では、API対界面活性剤の重量比は、約1:0.8~約1:2.8である。いくつかの実施形態では、API対界面活性剤の重量比は、約1:0.8~約1:2.5である。いくつかの実施形態では、API対界面活性剤の重量比は、約1:1~約1:2.5である。いくつかの実施形態では、API対界面活性剤の重量比は、約1:1~約1:2である。いくつかの実施形態では、API対界面活性剤の重量比は、約1:1~約1:1.5である。いくつかの実施形態では、API対界面活性剤の重量比は、約1:1~約1:4である。いくつかの実施形態では、API対界面活性剤の重量比は、約1:1~約1:3.5である。いくつかの実施形態では、界面活性剤はリン脂質である。いくつかの実施形態では、リン脂質はレシチンである。いくつかの実施形態では、界面活性剤はポロクサマーである。いくつかの実施形態では、界面活性剤はTPGSである。
【0122】
いくつかの実施形態では、界面活性剤は、約10%~約40%の重量パーセントで非晶質固体分散体中に存在する。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、約15%~約30%の重量パーセントで非晶質固体分散体中に存在する。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、約10%、約13%、約14m%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約25%、約30%、または約40%の重量パーセントで非晶質固体分散体中に存在する。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、少なくとも約10%、約13%、約14m%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約25%、約30%、または約40%の重量パーセントで非晶質固体分散体中に存在する。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、最大で約10%、約13%、約14m%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約25%、約30%、または約40%の重量パーセントで非晶質固体分散体中に存在する。いくつかの実施形態では、界面活性剤はリン脂質である。いくつかの実施形態では、リン脂質はレシチンである。いくつかの実施形態では、界面活性剤はポロクサマーである。
【0123】
いくつかの実施形態では、レシチンは、5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、40mg、50mg、60mg、70mg、75mg、80mg、90mg、100mg、110mg、120mg、125mg、130mg、140mg、150mg、160mg、170mg、175mg、180mg、190mg、200mg、225mg、または250mg以上の量で本明細書に開示される非晶質固体分散体中または医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、レシチンは、約5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、40mg、50mg、60mg、70mg、75mg、80mg、90mg、100mg、110mg、120mg、125mg、130mg、140mg、150mg、160mg、170mg、175mg、180mg、190mg、200mg、225mg、または250mgの量で本明細書に開示される非晶質固体分散体中または医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、APIはニロチニブまたはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、APIはニロチニブである。いくつかの実施形態では、APIはニロチニブの薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、APIは親油性APIである。いくつかの実施形態では、親油性APIは、表1に表記されるもの、またはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、親油性APIは2.0以上のlog Pを有する。いくつかの実施形態では、非晶質固体分散体は、親油性API、親水性ポリマー、および界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される非晶質固体分散体は、1つ以上の吸着剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される非晶質固体分散体は、1つ以上の他の添加剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、他の添加剤は、有機酸および無機酸を含む。いくつかの実施形態では、他の添加剤は抗酸化剤を含む。
【0124】
いくつかの実施形態では、リン脂質は、50mg~500mgの量で、本明細書に開示される非晶質固体分散体中または医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、リン脂質は75mg~300mgの量で存在する。いくつかの実施形態では、リン脂質は100mg~200mgの量で存在する。いくつかの実施形態では、リン脂質は125mg~175mgの量で存在する。いくつかの実施形態では、リン脂質は約50、75、100、125、150、175、200、225、250、300、350、400、450、または500mgの量で存在する。いくつかの実施形態では、リン脂質は、25mg、30mg、40mg、50mg、60mg、70mg、75mg、80mg、90mg、100mg、110mg、120mg、125mg、130mg、140mg、150mg、160mg、170mg、175mg、180mg、190mg、200mg、225mg、250mg、300mg、または500mg以下の量で、本明細書に開示される非晶質固体分散体中または医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、リン脂質は、5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、40mg、50mg、60mg、70mg、75mg、80mg、90mg、100mg、110mg、120mg、125mg、130mg、140mg、150mg、160mg、170mg、175mg、180mg、190mg、200mg、225mg、250mgの量で本明細書に開示される非晶質固体分散体中または医薬組成物中に存在する。
【0125】
いくつかの実施形態では、リン脂質は本明細書に記載される組成物の総重量の0.1%~50%を含む。いくつかの実施形態では、組成物は非晶質固体分散体である。いくつかの実施形態では、組成物は医薬組成物である。いくつかの実施形態では、リン脂質は医薬組成物の総重量の1%~30%を含む。いくつかの実施形態では、組成物は医薬組成物である。いくつかの実施形態では、リン脂質は医薬組成物の総重量の5%~20%を含む。いくつかの実施形態では、リン脂質は医薬組成物の総重量の10%~17%を含む。いくつかの実施形態では、リン脂質は医薬組成物の総重量の約15%を含む。いくつかの実施形態では、リン脂質は医薬組成物の総重量の約16%を含む。いくつかの実施形態では、リン脂質は医薬組成物の総重量の約17%を含む。いくつかの実施形態では、親水性ポリマー対レシチンの重量比は0.75より大きい。いくつかの実施形態では、親水性ポリマー対レシチンの重量比は1.0より大きい。いくつかの実施形態では、親水性ポリマー対レシチンの重量比は1.1より大きい。いくつかの実施形態では、親水性ポリマー対レシチンの重量比は1.2より大きい。いくつかの実施形態では、親水性ポリマー対レシチンの重量比は1.3より大きい。いくつかの実施形態では、親水性ポリマー対レシチンの重量比は1.4より大きい。いくつかの実施形態では、親水性ポリマー対レシチンの重量比は1.5より大きい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は、親油性API、親水性ポリマー、および界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は、親油性API、親水性ポリマー、およびリン脂質またはポロクサマーを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は、親油性API、親水性ポリマー、およびレシチンを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は、親油性API、非イオン性親水性ポリマー、およびレシチンを含む。いくつかの実施形態では、APIはニロチニブまたはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、APIはニロチニブである。いくつかの実施形態では、APIはニロチニブの薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、APIは親油性APIである。いくつかの実施形態では、親油性APIは、表1に表記されるもの、またはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、親油性APIは2.0以上のlog Pを有する。いくつかの実施形態では、非晶質固体分散体は、親油性API、親水性ポリマー、および界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される非晶質固体分散体は、1つ以上の吸着剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される非晶質固体分散体は、1つ以上の他の添加剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、他の添加剤は、有機酸および無機酸を含む。いくつかの実施形態では、他の添加剤は抗酸化剤を含む。
【0126】
親水性ポリマー
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は、親油性API、親水性ポリマー、界面活性剤、および任意選択で二酸化ケイ素を含む。いくつかの実施形態では、APIは、表1のAPI、またはその薬学的に許容可能な塩である。
【0127】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は親水性ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、親水性ポリマーは、ポビドン、HPMC、PVP、ポリビニルポリピロリドン(PVPP)、コリドンVA64 HP-b-CDおよびPVA、ヒドロプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMCAS)、およびポリエチレングリコール、ポリ酢酸ビニル、およびポリビニルカプロラクタムベースのグラフトコポリマー(PVAc-PVCap-PEG)またはポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコール(PCL-PVAc-PEG。Soluplus(登録商標)とも呼ばれる)の少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、PVPはPVP K30を含む。いくつかの実施形態では、HMPCはHPMC E5とHMPC E50を含む。
【0128】
いくつかの実施形態では、親水性ポリマーは、少なくとも10mg、20mg、25mg、30mg、40mg、50mg、60mg、70mg、75mg、80mg、90mg、100mg、110mg、120mg、125mg、130mg、140mg、150mg、160mg、170mg、175mg、180mg、190mg、または200mgの量で本明細書に記載される非晶質固体分散体中または医薬組成物中に存在する。特定の実施形態では、親水性ポリマーは、ポリビニルピロリドンK30である。特定の実施形態では、親水性ポリマーは、架橋ポリビニルピロリドンである。いくつかの実施形態では、親水性ポリマーは、約10mg、20mg、25mg、30mg、40mg、50mg、60mg、70mg、75mg、80mg、90mg、100mg、110mg、120mg、125mg、130mg、140mg、150mg、160mg、170mg、175mg、180mg、190mg、200mg、225mg、または250mgの量で本明細書に記載される非晶質固体分散体中または医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、親水性ポリマーは、1000mg、750mg、500mg、400mg、300mg、250mg、225mg、200mg、175mg、150mg、125mg、100mg、90mg、80mg、75mg、60mg、55mg、または50mg以下の量で本明細書に記載される非晶質固体分散体中または医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、親水性ポリマーはポリビニルピロリドン(PVP)またはヒドロキシプロピルメチルセルロースHMPCである。特定の実施形態では、親水性ポリマーは、ポリビニルピロリドンである。特定の実施形態では、親水性ポリマーは、ポリビニルピロリドンK30である。特定の実施形態では、親水性ポリマーは、ポリビニルピロリドンVA64である。特定の実施形態では、親水性ポリマーは、ポリビニルピロリドンHPMCである。特定の実施形態では、親水性ポリマーは、ポリビニルピロリドンHPMC E5である。特定の実施形態では、親水性ポリマーは、ポリビニルピロリドンHPMC E50である。
【0129】
いくつかの実施形態では、親水性ポリマーは、10mg~1000mgの量で、本明細書に記載される非晶質固体分散体中または医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、親水性ポリマーは、20mg~500mgの量で存在する。いくつかの実施形態では、親水性ポリマーは、20mg~400mgの量で存在する。いくつかの実施形態では、親水性ポリマーは、20mg~300mgの量で存在する。いくつかの実施形態では、親水性ポリマーは、25mg~250mgの量で存在する。いくつかの実施形態では、親水性ポリマーは、30mg~200mgの量で存在する。いくつかの実施形態では、親水性ポリマーは、約50mg、約100mg、または約150mgの量で存在する。いくつかの実施形態では、親水性ポリマーは、50mg、100mg、または150mgの量で存在する。いくつかの実施形態では、親水性ポリマーは、約25mg~約200mgの量で存在する。いくつかの実施形態では、親水性ポリマーは、約10mg~約400mgの量で存在する。いくつかの実施形態では、親水性ポリマーはポリビニルピロリドン(PVP)またはヒドロキシプロピルメチルセルロースHMPCである。特定の実施形態では、親水性ポリマーは、ポリビニルピロリドンである。特定の実施形態では、親水性ポリマーは、ポリビニルピロリドンK30である。特定の実施形態では、親水性ポリマーは、ポリビニルピロリドンVA64である。特定の実施形態では、親水性ポリマーは、ポリビニルピロリドンHPMCである。特定の実施形態では、親水性ポリマーは、ポリビニルピロリドンHPMC E5である。特定の実施形態では、親水性ポリマーは、ポリビニルピロリドンHPMC E50である。
【0130】
いくつかの実施形態では、限定されないが、約1.0mg、1.5mg、2.5mg、3.0mg、4.0mg、5.0mg、6.0mg、6.5mg、7.0mg、7.5mg、8.0mg、8.5mg、9.0mg、9.5mg、10.0、10.5mg、11.0mg、12.0mg、12.5mg、13.0mg、13.5mg、14.0mg、14.5mg、15.0mg、15.5mg、16mg、16.5mg、17mg、17.5mg、18mg、18.5mg、19mg、19.5mg、20mg、20.5mg、21mg、21.5mg、22mg、22.5mg、23mg、23.5mg、24mg、24.5mg、25mg、25.5mg、26mg、26.5mg、27mg、27.5mg、28mg、28.5mg、29mg、29.5mg、30mg、30.5mg、31mg、31.5mg、32mg、32.5mg、33mg、33.5mg、36mg、36.5mg、37mg、37.5mg、38mg、38.5mg、39mg、39.5mg、40mg、40.5mg、41mg、41.5mg、42mg、42.5mg、43mg、43.5mg、44mg、44.5mg、45mg、45.5mg、46mg、46.5mg、47mg、47.5mg、48mg、48.5mg、49mg、49.5mg、50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、100mg、105mg、110mg、115mg、120mg、125mg、130mg、135mg、140mg、145mg、150mg、155mg、160mg、165mg、170mg、175mg、180mg、185mg、190mg、200mg、205mg、210mg、215mg、220mg、225mg、230mg、235mg、240mg、245mg、250mg、255mg、260mg、265mg、270mg、275mg、280mg、285mg、290mg、295mg、300mg、305mg、310mg、315mg、320mg、325mg、326mg、326.5mg、327mg、327.5mg、328mg、328.5mg、329mg、329.5mg、330mg、330.5mg、331mg、331.5mg、332mg、332.5mg、333mg、333.5mg、334mg、334.5mg、335mg、335.5mg、336mg、336.5mg、337mg、337.5mg、338mg、338.5mg、339mg、339.5mg、340mg、340.5mg、341mg、341.5mg、342mg、342.5mg、343mg、343.5mg、344mg、344.5mg、345mg、345.5mg、346mg、346.5mg、347mg、347.5mg、348mg、348.5mg、349mg、349.5mg、350mg、350.5mg、351mg、351.5mg、352mg、352.5mg、353mg、353.5mg、354mg、354.5mg、355mg、355.5mg、356mg、356.5mg、357mg、357.5mg、358mg、358.5mg、359mg、359.5mg、360mg、360.5mg、361mg、361.5mg、362mg、362.5mg、363mg、363.5mg、364mg、364.5mg、365mg、365.5mg、366mg、366.5mg、367mg、367.5mg、368mg、369.5mg、370mg、370.5mg、371mg、371.5mg、372mg、372.5mg、373mg、373.5mg、374mg、374.5mg、375mg、375.5mg、376mg、376.5mg、377mg、377.5mg、378mg、378.5mg、379mg、379.5mg、380mg、380.5mg、381mg、381.5mg、382mg、382.5mg、383mg、383.5mg、384mg、384.5mg、385mg、385.5mg、386mg、386.5mg、387mg、387.5mg、388mg、388.5mg、389mg、389.5mg、390mg、390.5mg、391mg、391.5mg、392mg、392.5mg、393mg、393.5mg、394mg、394.5mg、395mg、395.5mg、396mg、396.5mg、397mg、397.5mg、398mg、398.5mg、399mg、399.5mg、400mg、405mg、410mg、415mg、420mg、425mg、430mg、435mg、440mg、445mg、450mg、455mg、460mg、465mg、470mg、475mg、480mg、485mg、490mg、495mg、500mg、505mg、510mg、515mg、520mg、525mg、530mg、535mg、540mg、545mg、550mg、555mg、560mg、565mg、570mg、575mg、580mg、585mg、590mg、595mg、600mg、605mg、610mg、615mg、620mg、625mg、630mg、635mg、640mg、645mg、650mg、655mg、660mg、665mg、675mg、680mg、685mg、690mg、695mg、700mg、705mg、710mg、715mg、720mg、725mg、730mg、735mg、740mg、745mg、750mg、755mg、760mg、765mg、770mg、775mg、780mg、785mg、790mg、795mg、800mg、805mg、810mg、815mg、820mg、825mg、830mg、835mg、840mg、845mg、850mg、855mg、860mg、865mg、870mg、875mg、880mg、885mg、890mg、895mg、900mg、905mg、910mg、915mg、920mg、925mg、930mg、935mg、940mg、945mg、950mg、955mg、960mg、965mg、970mg、975mg、980mg、985mg、990mg、995mg、または1000mgを含む、約1.0mg~約1000mgの量で存在する親水性ポリマーを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、組成物は非晶質固体分散体である。特定の実施形態では、親水性ポリマーは、ポリビニルピロリドンまたはHPMCである。いくつかの実施形態では、親水性ポリマーは、PVP K30、PVP VA64、HMPC E5、またはHMC E50である。
【0131】
いくつかの実施形態では、約1mg~約500mgの親水性ポリマーを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約10mg~約400mgの親水性ポリマーを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約25mg~約200mgの親水性ポリマーを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約50mg~約150mgの親水性ポリマーを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約75mg~約125mgの親水性ポリマーを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約75mg~約100mgの親水性ポリマーを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約100mg~約125mgの親水性ポリマーを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、親水性ポリマーはポリビニルピロリドン(PVP)またはヒドロキシプロピルメチルセルロースHMPCである。特定の実施形態では、親水性ポリマーは、ポリビニルピロリドンである。特定の実施形態では、親水性ポリマーは、ポリビニルピロリドンK30である。特定の実施形態では、親水性ポリマーは、ポリビニルピロリドンVA64である。特定の実施形態では、親水性ポリマーは、ポリビニルピロリドンHPMCである。特定の実施形態では、親水性ポリマーは、ポリビニルピロリドンHPMC E5である。特定の実施形態では、親水性ポリマーは、ポリビニルピロリドンHPMC E50である。いくつかの実施形態では、組成物は非晶質固体分散体である。
【0132】
いくつかの実施形態では、約50mg~約150mgの親水性ポリマーを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約55mg~約150mgの親水性ポリマーを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約60mg~約150mgの親水性ポリマーを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約65mg~約150mgの親水性ポリマーを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約70mg~約150mgの親水性ポリマーを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約75mg~約150mgの親水性ポリマーを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約80mg~約150mgの親水性ポリマーを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約85mg~約150mgの親水性ポリマーを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約90mg~約150mgの親水性ポリマーを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約95mg~約150mgの親水性ポリマーを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約100mg~約150mgの親水性ポリマーを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約105mg~約150mgの親水性ポリマーを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約110mg~約150mgの親水性ポリマーを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約115mg~約150mgの親水性ポリマーを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約120mg~約150mgの親水性ポリマーを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約125mg~約150mgの親水性ポリマーを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約130mg~約150mgの親水性ポリマーを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約135mg~約150mgの親水性ポリマーを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約140mg~約150mgの親水性ポリマーを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約145mg~約150mgの親水性ポリマーを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、親水性ポリマーはポリビニルピロリドン(PVP)またはヒドロキシプロピルメチルセルロースHMPCである。特定の実施形態では、親水性ポリマーは、ポリビニルピロリドンである。特定の実施形態では、親水性ポリマーは、ポリビニルピロリドンK30である。特定の実施形態では、親水性ポリマーは、ポリビニルピロリドンVA64である。特定の実施形態では、親水性ポリマーは、ポリビニルピロリドンHPMCである。特定の実施形態では、親水性ポリマーは、ポリビニルピロリドンHPMC E5である。特定の実施形態では、親水性ポリマーは、ポリビニルピロリドンHPMC E50である。いくつかの実施形態では、組成物は非晶質固体分散体である。
【0133】
いくつかの実施形態では、親水性ポリマーは医薬組成物の総重量の約5%を含む。いくつかの実施形態では、親水性ポリマーは医薬組成物の総重量の約10%を含む。いくつかの実施形態では、親水性ポリマーは医薬組成物の総重量の約15%を含む。いくつかの実施形態では、親水性ポリマーは医薬組成物の総重量の約20%を含む。いくつかの実施形態では、親水性ポリマーは医薬組成物の総重量の約25%を含む。いくつかの実施形態では、親水性ポリマーは医薬組成物の総重量の約30%を含む。いくつかの実施形態では、親水性ポリマーは医薬組成物の総重量の約40%を含む。いくつかの実施形態では、親水性ポリマーは医薬組成物の総重量の約50%を含む。いくつかの実施形態では、親水性ポリマーはポリビニルピロリドン(PVP)またはヒドロキシプロピルメチルセルロースHMPCである。特定の実施形態では、親水性ポリマーは、ポリビニルピロリドンである。特定の実施形態では、親水性ポリマーは、ポリビニルピロリドンK30である。特定の実施形態では、親水性ポリマーは、ポリビニルピロリドンVA64である。特定の実施形態では、親水性ポリマーは、ポリビニルピロリドンHPMCである。特定の実施形態では、親水性ポリマーは、ポリビニルピロリドンHPMC E5である。特定の実施形態では、親水性ポリマーは、ポリビニルピロリドンHPMC E50である。いくつかの実施形態では、組成物は非晶質固体分散体である。
【0134】
いくつかの実施形態では、約0.1重量%~約99重量%の親水性ポリマーを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約0.1重量%~約80重量%の親水性ポリマーを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約0.1重量%~約60重量%の親水性ポリマーを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約0.1重量%~約40重量%の親水性ポリマーを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約0.1重量%~約20重量%の親水性ポリマーを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約0.1重量%~約10重量%の親水性ポリマーを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約0.1重量%~約1重量%の親水性ポリマーを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約20重量%~約99重量%の親水性ポリマーを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約20重量%~約80重量%の親水性ポリマーを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約20重量%~約60重量%の親水性ポリマーを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約20重量%~約40重量%の親水性ポリマーを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約30重量%~約99重量%の親水性ポリマーを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約30重量%~約80重量%の親水性ポリマーを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約30重量%~約60重量%の親水性ポリマーを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約30重量%~約40重量%の親水性ポリマーを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約40重量%~約99重量%の親水性ポリマーを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約40重量%~約80重量%の親水性ポリマーを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約40重量%~約60重量%の親水性ポリマーを含む医薬組成物が提供される。特定の実施形態では、親水性ポリマーは、ポリビニルピロリドンである。いくつかの実施形態では、組成物は本明細書に記載される非晶質固体分散体である。いくつかの実施形態では、組成物は本明細書に記載される医薬組成物である。
【0135】
非晶質固体分散体の形成には、親水性ポリマーの所定の粒度が必要な場合がある。いくつかの実施形態では、親水性ポリマーの粒子の大きさは、約1nm~1mmである。いくつかの実施形態では、親水性ポリマーの粒子の大きさは、約0.01~1000μmである。いくつかの実施形態では、親水性ポリマーの粒子の大きさは、約0.01μm~1000μmである。いくつかの実施形態では、親水性ポリマーの粒子の大きさは、少なくとも約0.01μmからである。いくつかの実施形態では、親水性ポリマーの粒子の大きさは、最大で約1,000μmからである。いくつかの実施形態では、親水性ポリマーの粒子の大きさは、約1μm~50μmである。いくつかの実施形態では、親水性ポリマーの粒子の大きさは、少なくとも約1μmからである。いくつかの実施形態では、親水性ポリマーの粒子の大きさは、最大で約50μmからである。いくつかの実施形態では、親水性ポリマーの粒子の大きさは、約1μm~約3μm、約1μm~約7μm、約1μm~約10μm、約1μm~約13μm、約1μm~約17μm、約1μm~約20μm、約1μm~約23μm、約1μm~約27μm、約1μm~約30μm、約1μm~約40μm、約1μm~約50μm、約10μm~約13μm、約10μm~約17μm、約10μm~約20μm、約10μm~約23μm、約10μm~約27μm、約10μm~約30μm、約10μm~約40μm、約10μm~約50μm、約20μm~約27μm、約20μm~約30μm、約20μm~約40μm、約20μm~約50μm、約30μm~約40μm、約30μm~約50μm、または約40μm~約50μmである。いくつかの実施形態では、親水性ポリマーの粒子の大きさは、約1μm~100μmである。いくつかの実施形態では、親水性ポリマーの粒子の大きさは、少なくとも約1μmからである。いくつかの実施形態では、親水性ポリマーの粒子の大きさは、約0.1、1、3、5、7、10、13、17、20、23、25、27、30、33、35、37、40、43、45、47、50、60、70、80、90、または100μm以下である。いくつかの実施形態では、親水性ポリマーの粒子の大きさは、約20μm以下である。いくつかの実施形態では、親水性ポリマーはポリビニルピロリドン(PVP)またはヒドロキシプロピルメチルセルロースHMPCである。特定の実施形態では、親水性ポリマーは、ポリビニルピロリドンである。特定の実施形態では、親水性ポリマーは、ポリビニルピロリドンK30である。特定の実施形態では、親水性ポリマーは、ポリビニルピロリドンVA64である。特定の実施形態では、親水性ポリマーは、ポリビニルピロリドンHPMCである。特定の実施形態では、親水性ポリマーは、ポリビニルピロリドンHPMC E5である。特定の実施形態では、親水性ポリマーは、ポリビニルピロリドンHPMC E50である。
【0136】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、非晶質固体分散体を含む。いくつかの実施形態では、非晶質固体分散体は、約1%~約90%の重量パーセントの親水性ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、非晶質固体分散体は、約1%~約80%の重量パーセントの親水性ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、非晶質固体分散体は、約10%~約60%の重量パーセントの親水性ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、非晶質固体分散体は、約20%~約50%の重量パーセントの親水性ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、非晶質固体分散体は、約1%、約10%、約20%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約80%、または約90%の重量パーセントの親水性ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、非晶質固体分散体は、少なくとも約1%、約10%、約20%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、または約80%の重量パーセントの親水性ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、非晶質固体分散体は、最大で約10%、約20%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約80%、または約90%の重量パーセントの親水性ポリマーを含む。
【0137】
吸着剤
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は、親油性API、親水性ポリマー、界面活性剤、および任意選択で吸着剤を含む。いくつかの実施形態では、APIは、表1のAPI、またはその薬学的に許容可能な塩である。多くの吸着剤は、固体、多孔質、または超多孔質の吸着材料である。吸着剤は、その構造内に多数のマイクロ孔またはナノ孔を有し、結果として、例えば、500m2/gを超えるような非常に大きな表面積を有する。例示的な吸着剤としては、限定されないが、二酸化ケイ素、活性炭、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、珪藻土、微結晶性セルロース(MCC)、ケイ化微結晶性セルロース(SMCC)、タルク、架橋ポビドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デンプンカルボキシメチルナトリウム、ならびに糖類または糖アルコール、例えば、ソルビトール、マンニトール、ラクトース、シクロデキストリン、およびマルトデキストリンが挙げられる。いくつかの実施形態では、吸着剤は二酸化ケイ素である。
【0138】
いくつかの実施形態では、二酸化ケイ素などの吸着剤は、少なくとも10mg、20mg、25mg、30mg、40mg、50mg、60mg、70mg、75mg、80mg、90mg、100mg、110mg、120mg、125mg、130mg、140mg、150mg、160mg、170mg、175mg、180mg、190mg、または200mgの量で本明細書に記載される医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、二酸化ケイ素は、約10mg、20mg、25mg、30mg、40mg、50mg、60mg、70mg、75mg、80mg、90mg、100mg、110mg、120mg、125mg、130mg、140mg、150mg、160mg、170mg、175mg、180mg、190mg、200mg、225mg、または250mgの量で存在する。いくつかの実施形態では、二酸化ケイ素は、1000mg、750mg、500mg、400mg、300mg、250mg、225mg、200mg、175mg、150mg、125mg、100mg、90mg、80mg、75mg、60mg、55mg、50mg、または25mg以下の量で存在する。いくつかの実施形態では、二酸化ケイ素は非晶質固体分散体中に存在する。
【0139】
いくつかの実施形態では、二酸化ケイ素などの吸着剤は、限定されないが、約1.0mg、1.5mg、2.5mg、3.0mg、4.0mg、5.0mg、6.0mg、6.5mg、7.0mg、7.5mg、8.0mg、8.5mg、9.0mg、9.5mg、10.0、10.5mg、11.0mg、12.0mg、12.5mg、13.0mg、13.5mg、14.0mg、14.5mg、15.0mg、15.5mg、16mg、16.5mg、17mg、17.5mg、18mg、18.5mg、19mg、19.5mg、20mg、20.5mg、21mg、21.5mg、22mg、22.5mg、23mg、23.5mg、24mg、24.5mg、25mg、25.5mg、26mg、26.5mg、27mg、27.5mg、28mg、28.5mg、29mg、29.5mg、30mg、30.5mg、31mg、31.5mg、32mg、32.5mg、33mg、33.5mg、36mg、36.5mg、37mg、37.5mg、38mg、38.5mg、39mg、39.5mg、40mg、40.5mg、41mg、41.5mg、42mg、42.5mg、43mg、43.5mg、44mg、44.5mg、45mg、45.5mg、46mg、46.5mg、47mg、47.5mg、48mg、48.5mg、49mg、49.5mg、50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、100mg、105mg、110mg、115mg、120mg、125mg、130mg、135mg、140mg、145mg、150mg、155mg、160mg、165mg、170mg、175mg、180mg、185mg、190mg、200mg、205mg、210mg、215mg、220mg、225mg、230mg、235mg、240mg、245mg、250mg、255mg、260mg、265mg、270mg、275mg、280mg、285mg、290mg、295mg、または300mgを含む、約1.0mg~約1000mgの量で本明細書に記載される医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、二酸化ケイ素は非晶質固体分散体中に存在する。
【0140】
いくつかの実施形態では、約1mg~約500mgの吸着剤、例えば、二酸化ケイ素を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約10mg~約400mgの吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約25mg~約200mgの吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約50mg~約150mgの吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約75mg~約125mgの吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約75mg~約100mgの吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約100mg~約125mgの吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約1mg~約200mgの吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約25mg~約200mgの吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約50mg~約200mgの吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約50mg~約150mgの吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約75mg~約125mgの吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約75mg~約100mgの吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約100mg~約125mgの吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約50mg~約150mgの吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約55mg~約150mgの吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約60mg~約150mgの吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約65mg~約150mgの吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約70mg~約150mgの吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約75mg~約150mgの吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約80mg~約150mgの吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約85mg~約150mgの吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約90mg~約150mgの吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約95mg~約150mgの吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約100mg~約150mgの吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約105mg~約150mgの吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約110mg~約150mgの吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約115mg~約150mgの吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約120mg~約150mgの吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約125mg~約150mgの吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約130mg~約150mgの吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約135mg~約150mgの吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約140mg~約150mgの吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約145mg~約150mgの吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約50mg~約145mgの吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約50mg~約140mgの吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約50mg~約135mgの吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約50mg~約130mgの吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約50mg~約125mgの吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約50mg~約120mgの吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約50mg~約115mgの吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約50mg~約110mgの吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約50mg~約105mgの吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約50mg~約100mgの吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約50mg~約95mgの吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約50mg~約90mgの吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約50mg~約85mgの吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約50mg~約80mgの吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約50mg~約75mgの吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約50mg~約70mgの吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約50mg~約65mgの吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約50mg~約60mgの吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約50mg~約55mgの吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、吸着剤は医薬組成物の総重量の約5%を含む。いくつかの実施形態では、吸着剤は医薬組成物の総重量の約10%を含む。いくつかの実施形態では、吸着剤は医薬組成物の総重量の約15%を含む。いくつかの実施形態では、吸着剤は医薬組成物の総重量の約20%を含む。いくつかの実施形態では、吸着剤は医薬組成物の総重量の約25%を含む。いくつかの実施形態では、吸着剤は医薬組成物の総重量の約30%を含む。いくつかの実施形態では、吸着剤は医薬組成物の総重量の約40%を含む。いくつかの実施形態では、吸着剤は医薬組成物の総重量の約50%を含む。いくつかの実施形態では、吸着剤は非晶質固体分散体中に存在する。いくつかの実施形態では、二酸化ケイ素は医薬組成物の総重量の約5%を含む。いくつかの実施形態では、二酸化ケイ素は医薬組成物の総重量の約10%を含む。いくつかの実施形態では、二酸化ケイ素は医薬組成物の総重量の約15%を含む。いくつかの実施形態では、二酸化ケイ素は医薬組成物の総重量の約20%を含む。いくつかの実施形態では、二酸化ケイ素は医薬組成物の総重量の約25%を含む。いくつかの実施形態では、二酸化ケイ素は医薬組成物の総重量の約30%を含む。いくつかの実施形態では、二酸化ケイ素は医薬組成物の総重量の約40%を含む。いくつかの実施形態では、二酸化ケイ素は医薬組成物の総重量の約50%を含む。いくつかの実施形態では、二酸化ケイ素は非晶質固体分散体中に存在する。
【0141】
いくつかの実施形態では、約0.1重量%~約99重量%の吸着剤、例えば、二酸化ケイ素を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約0.1重量%~約80重量%の吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約0.1重量%~約60重量%の吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約0.1重量%~約40重量%の吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約0.1重量%~約20重量%の吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約0.1重量%~約10重量%の吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約0.1重量%~約1重量%の吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約20重量%~約99重量%の吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約20重量%~約80重量%の吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約20重量%~約60重量%の吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約20重量%~約40重量%の吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約30重量%~約99重量%の吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約30重量%~約80重量%の吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約30重量%~約60重量%の吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約30重量%~約40重量%の吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約40重量%~約99重量%の吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約40重量%~約80重量%の吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約40重量%~約60重量%の吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約15重量%~約45重量%の吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約25重量%~約40重量%の吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約20重量%~約35重量%の吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約25重量%~約40重量%の吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約15重量%~約35重量%の吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約15重量%~約50重量%の吸着剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、吸着剤は非晶質固体分散体中に存在する。
【0142】
いくつかの実施形態では、吸着剤は医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される吸着剤粉末は、1~1000nmの平均直径を有する。いくつかの実施形態では、吸着剤の粒子の大きさは、約0.01~1000ナノメートルである。いくつかの実施形態では、吸着剤の粒子の大きさは、約0.01ナノメートル~約1000ナノメートルである。いくつかの実施形態では、吸着剤の粒子の大きさは、少なくとも約0.01ナノメートルからである。いくつかの実施形態では、吸着剤の粒子の大きさは、最大で約1,000ナノメートルからである。いくつかの実施形態では、吸着剤の粒子の大きさは、約1ナノメートル~約500ナノメートルである。いくつかの実施形態では、吸着剤の粒子の大きさは、少なくとも約1ナノメートルからである。いくつかの実施形態では、吸着剤の粒子の大きさは、最大で約500ナノメートルからである。いくつかの実施形態では、吸着剤の粒子の大きさは、約1ナノメートル~約300ナノメートル、約1ナノメートル~約700ナノメートル、約1ナノメートル~約100ナノメートル、約1ナノメートル~約130ナノメートル、約1ナノメートル~約170ナノメートル、約1ナノメートル~約200ナノメートル、約1ナノメートル~約230ナノメートル、約1ナノメートル~約270ナノメートル、約1ナノメートル~約30ナノメートル、約1ナノメートル~約400ナノメートル、約1ナノメートル~約500ナノメートル、約10ナノメートル~約130ナノメートル、約10ナノメートル~約170ナノメートル、約100ナノメートル~約200ナノメートル、約100ナノメートル~約230ナノメートル、約100ナノメートル~約270ナノメートル、約100ナノメートル~約300ナノメートル、約100ナノメートル~約400ナノメートル、約100ナノメートル~約500ナノメートル、約200ナノメートル~約270ナノメートル、約200ナノメートル~約300ナノメートル、約200ナノメートル~約400ナノメートル、約200ナノメートル~約500ナノメートル、約300ナノメートル~約400ナノメートル、約300ナノメートル~約500ナノメートル、または約400ナノメートル~約500ナノメートルである。いくつかの実施形態では、吸着剤の粒子の大きさは、約1ナノメートル~約100ナノメートルである。いくつかの実施形態では、吸着剤の粒子の大きさは、少なくとも約1ナノメートルからである。いくつかの実施形態では、吸着剤の粒子の大きさは、約0.1、1、30、50、70、100、130、170、200、230、250、270、300、330、350、370、400、430、450、470、500、600、700、800、900、または1000ナノメートル以下である。いくつかの実施形態では、吸着剤は1~1000nmの平均直径を有する二酸化ケイ素粉末である。いくつかの実施形態では、二酸化ケイ素の粒子の大きさは、約0.01~1000ナノメートルである。いくつかの実施形態では、二酸化ケイ素の粒子の大きさは、約0.01ナノメートル~約1000ナノメートルである。いくつかの実施形態では、二酸化ケイ素の粒子の大きさは、少なくとも約0.01ナノメートルからである。いくつかの実施形態では、二酸化ケイ素の粒子の大きさは、最大で約1,000ナノメートルからである。いくつかの実施形態では、二酸化ケイ素の粒子の大きさは、約1ナノメートル~約500ナノメートルである。いくつかの実施形態では、二酸化ケイ素の粒子の大きさは、少なくとも約1ナノメートルからである。いくつかの実施形態では、二酸化ケイ素の粒子の大きさは、最大で約500ナノメートルからである。いくつかの実施形態では、二酸化ケイ素の粒子の大きさは、約1ナノメートル~約300ナノメートル、約1ナノメートル~約700ナノメートル、約1ナノメートル~約100ナノメートル、約1ナノメートル~約130ナノメートル、約1ナノメートル~約170ナノメートル、約1ナノメートル~約200ナノメートル、約1ナノメートル~約230ナノメートル、約1ナノメートル~約270ナノメートル、約1ナノメートル~約30ナノメートル、約1ナノメートル~約400ナノメートル、約1ナノメートル~約500ナノメートル、約10ナノメートル~約130ナノメートル、約10ナノメートル~約170ナノメートル、約100ナノメートル~約200ナノメートル、約100ナノメートル~約230ナノメートル、約100ナノメートル~約270ナノメートル、約100ナノメートル~約300ナノメートル、約100ナノメートル~約400ナノメートル、約100ナノメートル~約500ナノメートル、約200ナノメートル~約270ナノメートル、約200ナノメートル~約300ナノメートル、約200ナノメートル~約400ナノメートル、約200ナノメートル~約500ナノメートル、約300ナノメートル~約400ナノメートル、約300ナノメートル~約500ナノメートル、または約400ナノメートル~約500ナノメートルである。いくつかの実施形態では、二酸化ケイ素の粒子の大きさは、約1ナノメートル~約100ナノメートルである。いくつかの実施形態では、二酸化ケイ素の粒子の大きさは、少なくとも約1ナノメートルからである。いくつかの実施形態では、二酸化ケイ素の粒子の大きさは、約0.1、1、30、50、70、100、130、170、200、230、250、270、300、330、350、370、400、430、450、470、500、600、700、800、900、または1000ナノメートル以下である。
【0143】
いくつかの実施形態では、二酸化ケイ素は非晶質固体分散体中に存在する。いくつかの実施形態では、非晶質固体分散体は、顆粒化され、余分な顆粒状の添加剤を有する医薬組成物に組み込まれる。いくつかの実施形態では、二酸化ケイ素は、余分な顆粒状の添加剤として非晶質固体分散体の外側に存在する。いくつかの実施形態では、二酸化ケイ素は、非晶質固体分散体中に存在すると同時に、余分な顆粒状の添加剤である。
【0144】
他の添加剤
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は、親油性API、親水性ポリマー、界面活性剤、任意選択で吸着剤、および、任意選択でさらなる添加剤または複数の添加剤を含む。いくつかの実施形態では、APIは、表1のAPI、またはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、薬学的に許容可能な有機酸または無機酸または酸は、内部添加剤として、したがって固体分散体の一部として含まれる。いくつかの実施形態では、薬学的に許容可能な有機酸または無機酸または酸は、固体分散体の一部ではない外部添加剤として含まれる。薬学的に許容可能な有機酸は、酒石酸、フマル酸、コハク酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、脂肪族スルホン酸(例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、イセチオン酸など)、および芳香族スルホン酸(例えば、ベンゼンスルホン酸、pトルエンスルホン酸など)からなる群から選択され、薬学的に許容可能な無機酸は、塩酸、硫酸、リン酸などからなる群から選択される。
【0145】
いくつかの実施形態では、有機酸または無機酸は、少なくとも10mg、20mg、25mg、30mg、40mg、50mg、60mg、70mg、75mg、80mg、90mg、100mg、110mg、120mg、125mg、130mg、140mg、150mg、160mg、170mg、175mg、180mg、190mg、または200mgの量で本明細書に記載される医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、有機酸または無機酸は、約10mg、20mg、25mg、30mg、40mg、50mg、60mg、70mg、75mg、80mg、90mg、100mg、110mg、120mg、125mg、130mg、140mg、150mg、160mg、170mg、175mg、180mg、190mg、200mg、225mg、または250mgの量で存在する。いくつかの実施形態では、有機酸または無機酸は、1000mg、750mg、500mg、400mg、300mg、250mg、225mg、200mg、175mg、150mg、125mg、100mg、90mg、80mg、75mg、60mg、55mg、50mg、または25mg以下の量で存在する。いくつかの実施形態では、有機酸または無機酸は非晶質固体分散体中に存在する。
【0146】
いくつかの実施形態では、有機酸または無機酸は、限定されないが、約1.0mg、1.5mg、2.5mg、3.0mg、4.0mg、5.0mg、6.0mg、6.5mg、7.0mg、7.5mg、8.0mg、8.5mg、9.0mg、9.5mg、10.0、10.5mg、11.0mg、12.0mg、12.5mg、13.0mg、13.5mg、14.0mg、14.5mg、15.0mg、15.5mg、16mg、16.5mg、17mg、17.5mg、18mg、18.5mg、19mg、19.5mg、20mg、20.5mg、21mg、21.5mg、22mg、22.5mg、23mg、23.5mg、24mg、24.5mg、25mg、25.5mg、26mg、26.5mg、27mg、27.5mg、28mg、28.5mg、29mg、29.5mg、30mg、30.5mg、31mg、31.5mg、32mg、32.5mg、33mg、33.5mg、36mg、36.5mg、37mg、37.5mg、38mg、38.5mg、39mg、39.5mg、40mg、40.5mg、41mg、41.5mg、42mg、42.5mg、43mg、43.5mg、44mg、44.5mg、45mg、45.5mg、46mg、46.5mg、47mg、47.5mg、48mg、48.5mg、49mg、49.5mg、50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、100mg、105mg、110mg、115mg、120mg、125mg、130mg、135mg、140mg、145mg、150mg、155mg、160mg、165mg、170mg、175mg、180mg、185mg、190mg、200mg、205mg、210mg、215mg、220mg、225mg、230mg、235mg、240mg、245mg、250mg、255mg、260mg、265mg、270mg、275mg、280mg、285mg、290mg、295mg、または300mgを含む、約1.0mg~約1000mgの量で本明細書に記載される医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、有機酸または無機酸は非晶質固体分散体中に存在する。
【0147】
いくつかの実施形態では、約1mg~約500mgの有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約10mg~約400mgの有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約25mg~約200mgの有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約50mg~約150mgの有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約75mg~約125mgの有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約75mg~約100mgの有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約100mg~約125mgの有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約1mg~約200mgの有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約25mg~約200mgの有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約50mg~約200mgの有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約50mg~約150mgの有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約75mg~約125mgの有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約75mg~約100mgの有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約100mg~約125mgの有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約50mg~約150mgの有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約55mg~約150mgの有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約60mg~約150mgの有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約65mg~約150mgの有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約70mg~約150mgの有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約75mg~約150mgの有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約80mg~約150mgの有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約85mg~約150mgの有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約90mg~約150mgの有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約95mg~約150mgの有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約100mg~約150mgの有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約105mg~約150mgの有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約110mg~約150mgの有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約115mg~約150mgの有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約120mg~約150mgの有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約125mg~約150mgの有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約130mg~約150mgの有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約135mg~約150mgの有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約140mg~約150mgの有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約145mg~約150mgの有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約50mg~約145mgの有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約50mg~約140mgの有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約50mg~約135mgの有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約50mg~約130mgの有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約50mg~約125mgの有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約50mg~約120mgの有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約50mg~約115mgの有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約50mg~約110mgの有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約50mg~約105mgの有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約50mg~約100mgの有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約50mg~約95mgの有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約50mg~約90mgの有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約50mg~約85mgの有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約50mg~約80mgの有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約50mg~約75mgの有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約50mg~約70mgの有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約50mg~約65mgの有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約50mg~約60mgの有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約50mg~約55mgの有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、有機酸または無機酸は医薬組成物の総重量の約5%を含む。いくつかの実施形態では、有機酸または無機酸は医薬組成物の総重量の約10%を含む。いくつかの実施形態では、有機酸または無機酸は医薬組成物の総重量の約15%を含む。いくつかの実施形態では、有機酸または無機酸は医薬組成物の総重量の約20%を含む。いくつかの実施形態では、有機酸または無機酸は医薬組成物の総重量の約25%を含む。いくつかの実施形態では、有機酸または無機酸は医薬組成物の総重量の約30%を含む。いくつかの実施形態では、有機酸または無機酸は医薬組成物の総重量の約40%を含む。いくつかの実施形態では、有機酸または無機酸は医薬組成物の総重量の約50%を含む。いくつかの実施形態では、有機酸または無機酸は非晶質固体分散体中に存在する。
【0148】
いくつかの実施形態では、約0.1重量%~約99重量%の有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約0.1重量%~約80重量%の有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約0.1重量%~約60重量%の有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約0.1重量%~約40重量%の有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約0.1重量%~約20重量%の有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約0.1重量%~約10重量%の有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約0.1重量%~約1重量%の有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約20重量%~約99重量%の有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約20重量%~約80重量%の有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約20重量%~約60重量%の有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約20重量%~約40重量%の有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約30重量%~約99重量%の有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約30重量%~約80重量%の有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約30重量%~約60重量%の有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約30重量%~約40重量%の有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約40重量%~約99重量%の有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約40重量%~約80重量%の有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、約40重量%~約60重量%の有機酸または無機酸を含む医薬組成物が提供される。
【0149】
本明細書に記載される非晶質固体分散体組成物または医薬組成物は、1つ以上の防腐剤を含むことができる。防腐剤は、抗菌薬、抗酸化剤、および無菌状態を増強する薬剤を含むことができる。典型的な防腐剤としては、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、没食子酸プロピル、クエン酸、EDTAおよびその塩、エリソルビン酸、フマル酸、リンゴ酸、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、パラベン(メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、およびそれらの塩など)、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、バニリンなどが挙げられる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載された非晶質固体分散体組成物あるいは医薬組成物は、抗酸化剤を含む。いくつかの実施形態では、抗酸化剤としては、酢酸αトコフェロール、アセトン重亜硫酸ナトリウム、アセチルシステイン、アスコルビン酸、ビタミンE、パルミチン酸アスコルビル、BHA、BHT、システイン、塩酸システイン、d-αトコフェロール(天然または合成)、ジチオトレイトール、モノチオグリセロール、ノルジヒドログアヤレト酸、没食子酸プロピル、亜硫酸ナトリウム、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、チオ尿素、またはトコフェロールが挙げられる。
【0150】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は、親油性API、親水性ポリマー、界面活性剤、任意選択で吸着剤、および、任意選択でさらなる添加剤または複数の添加剤を含む。いくつかの実施形態では、抗酸化剤または抗酸化剤の混合物は、内部添加剤として、したがって固体分散体の一部として含まれる。いくつかの実施形態では、抗酸化剤または抗酸化剤の混合物は、外部添加剤として含まれる。例示的な抗酸化剤としては、限定されないが、BHT、BHA、没食子酸、没食子酸プロピル、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、4ヒドロキシメチル-2,6-ジ-tert-ブチルフェノール、およびトコフェロールが挙げられる。
【0151】
いくつかの実施形態では、抗酸化剤は、少なくとも1mg、2mg、2.5mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、7.5mg、8mg、9mg、10mg、11mg、12mg、12.5mg、13mg、14mg、1.5mg、16mg、17mg、17.5mg、18mg、19mg、または20mgの量で本明細書に記載される医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、抗酸化剤は、約1mg、2mg、2.5mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、7.5mg、8mg、9mg、10mg、11mg、12mg、12.5mg、13mg、14mg、1.5mg、16mg、17mg、17.5mg、18mg、19mg、20mg、22.5mg、または2.5mgの量で存在する。いくつかの実施形態では、抗酸化剤は、100mg、7.5mg、50mg、40mg、30mg、2.5mg、22.5mg、20mg、17.5mg、1.5mg、12.5mg、10mg、9mg、8mg、7.5mg、6mg、5.5mg、5mg、または2.5mg以下の量で存在する。いくつかの実施形態では、抗酸化剤は非晶質固体分散体中に存在する。
【0152】
いくつかの実施形態では、抗酸化剤は、限定されないが、約1.0mg、1.5mg、2.5mg、3.0mg、4.0mg、5.0mg、6.0mg、6.5mg、7.0mg、7.5mg、8.0mg、8.5mg、9.0mg、9.5mg、10.0、10.5mg、11.0mg、12.0mg、12.5mg、13.0mg、13.5mg、14.0mg、14.5mg、15.0mg、15.5mg、16mg、16.5mg、17mg、17.5mg、18mg、18.5mg、19mg、19.5mg、20mg、20.5mg、21mg、21.5mg、22mg、22.5mg、23mg、23.5mg、24mg、24.5mg、25mg、25.5mg、26mg、26.5mg、27mg、27.5mg、28mg、28.5mg、29mg、29.5mg、30mg、30.5mg、31mg、31.5mg、32mg、32.5mg、33mg、33.5mg、36mg、36.5mg、37mg、37.5mg、38mg、38.5mg、39mg、39.5mg、40mg、40.5mg、41mg、41.5mg、42mg、42.5mg、43mg、43.5mg、44mg、44.5mg、45mg、45.5mg、46mg、46.5mg、47mg、47.5mg、48mg、48.5mg、49mg、49.5mg、50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、または100mgを含む、約1.0mg~約100mgの量で本明細書に記載される医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、抗酸化剤は非晶質固体分散体中に存在する。
【0153】
いくつかの実施形態では、約0.01mg~約100mgの抗酸化剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、抗酸化剤の量は約0.01mg~約100mgである。いくつかの実施形態では、抗酸化剤の量は、約0.01mg~約0.1mg、約0.01mg~約1mg、約0.01mg~約3mg、約0.01mg~約5mg、約0.01mg~約7mg、約0.01mg~約10mg、約0.01mg~約15mg、約0.01mg~約20mg、約0.01mg~約25mg、約0.01mg~約50mg、約0.01mg~約100mg、約0.1mg~約1mg、約0.1mg~約3mg、約0.1mg~約5mg、約0.1mg~約7mg、約0.1mg~約10mg、約0.1mg~約15mg、約0.1mg~約20mg、約0.1mg~約25mg、約0.1mg~約50mg、約0.1mg~約100mg、約1mg~約3mg、約1mg~約5mg、約1mg~約7mg、約1mg~約10mg、約1mg~約15mg、約1mg~約20mg、約1mg~約25mg、約1mg~約50mg、約1mg~約100mg、約3mg~約5mg、約3mg~約7mg、約3mg~約10mg、約3mg~約15mg、約3mg~約20mg、約3mg~約25mg、約3mg~約50mg、約3mg~約100mg、約5mg~約7mg、約5mg~約10mg、約5mg~約15mg、約5mg~約20mg、約5mg~約25mg、約5mg~約50mg、約5mg~約100mg、約7mg~約10mg、約7mg~約15mg、約7mg~約20mg、約7mg~約25mg、約7mg~約50mg、約7mg~約100mg、約10mg~約15mg、約10mg~約20mg、約10mg~約25mg、約10mg~約50mg、約10mg~約100mg、約15mg~約20mg、約15mg~約25mg、約15mg~約50mg、約15mg~約100mg、約20mg~約25mg、約20mg~約50mg、約20mg~約100mg、約25mg~約50mg、約25mg~約100mg、または約50mg~約100mgである。いくつかの実施形態では、抗酸化剤の量は、約0.01mg、約0.1mg、約1mg、約3mg、約5mg、約7mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約50mg、または約100mgからである。いくつかの実施形態では、抗酸化剤の量は、少なくとも約0.01mg、約0.1mg、約1mg、約3mg、約5mg、約7mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、または約50mgからである。いくつかの実施形態では、抗酸化剤の量は、最大で約0.1mg、約1mg、約3mg、約5mg、約7mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約50mg、または約100mgからである。いくつかの実施形態では、抗酸化剤は医薬組成物の総重量の約0.001%を含む。いくつかの実施形態では、抗酸化剤は医薬組成物の総重量の約0.01%を含む。いくつかの実施形態では、抗酸化剤は医薬組成物の総重量の約0.1%を含む。いくつかの実施形態では、抗酸化剤は医薬組成物の総重量の約1%を含む。いくつかの実施形態では、抗酸化剤は医薬組成物の総重量の約2%を含む。いくつかの実施形態では、抗酸化剤は医薬組成物の総重量の約3%を含む。いくつかの実施形態では、抗酸化剤は医薬組成物の総重量の約4%を含む。いくつかの実施形態では、抗酸化剤は医薬組成物の総重量の約5%を含む。いくつかの実施形態では、抗酸化剤は医薬組成物の総重量の約6%を含む。いくつかの実施形態では、抗酸化剤は医薬組成物の総重量の約7%を含む。いくつかの実施形態では、抗酸化剤は医薬組成物の総重量の約8%を含む。いくつかの実施形態では、抗酸化剤は医薬組成物の総重量の約9%を含む。いくつかの実施形態では、抗酸化剤は医薬組成物の総重量の約10%を含む。いくつかの実施形態では、抗酸化剤は非晶質固体分散体中に存在する。
【0154】
いくつかの実施形態では、約0.001重量%~約10重量%の抗酸化剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、抗酸化剤のパーセント重量は、約0.001%~約0.01%、約0.001%~約0.1%、約0.001%~約1%、約0.001%~約2%、約0.001%~約3%、約0.001%~約4%、約0.001%~約5%、約0.001%~約6%、約0.001%~約7%、約0.001%~約8%、約0.001%~約10%、約0.01%~約0.1%、約0.01%~約1%、約0.01%~約2%、約0.01%~約3%、約0.01%~約4%、約0.01%~約5%、約0.01%~約6%、約0.01%~約7%、約0.01%~約8%、約0.01%~約10%、約0.1%~約1%、約0.1%~約2%、約0.1%~約3%、約0.1%~約4%、約0.1%~約5%、約0.1%~約6%、約0.1%~約7%、約0.1%~約8%、約0.1%~約10%、約1%~約2%、約1%~約3%、約1%~約4%、約1%~約5%、約1%~約6%、約1%~約7%、約1%~約8%、約1%~約10%、約2%~約3%、約2%~約4%、約2%~約5%、約2%~約6%、約2%~約7%、約2%~約8%、約2%~約10%、約3%~約4%、約3%~約5%、約3%~約6%、約3%~約7%、約3%~約8%、約3%~約10%、約4%~約5%、約4%~約6%、約4%~約7%、約4%~約8%、約4%~約10%、約5%~約6%、約5%~約7%、約5%~約8%、約5%~約10%、約6%~約7%、約6%~約8%、約6%~約10%、約7%~約8%、約7%~約10%、または約8%~約10%である。いくつかの実施形態では、抗酸化剤のパーセント重量は、約0.001%、約0.01%、約0.1%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、または約10%からである。いくつかの実施形態では、抗酸化剤のパーセント重量は、少なくとも約0.001%、約0.01%、約0.1%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、または約8%からである。いくつかの実施形態では、抗酸化剤のパーセント重量は、最大で約0.01%、約0.1%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、または約10%からである。
【0155】
上記の様々な内部添加剤は、単独で、または一緒に使用することができる。
【0156】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は滑剤を含む。いくつかの実施形態では、滑剤は二酸化ケイ素粉末である。いくつかの実施形態では、二酸化ケイ素は非晶質固体分散体中に存在する。いくつかの実施形態では、二酸化ケイ素は非晶質固体分散体中には存在しないが、医薬製剤に含まれている。いくつかの実施形態では、二酸化ケイ素は非晶質固体分散体中に存在するとともに、非晶質固体分散体の外部の医薬組成物の成分である。
【0157】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は、親油性API、親水性ポリマー、界面活性剤、任意選択で吸着剤、任意選択で内部添加剤、および、任意選択で外部添加剤を含む。いくつかの実施形態では、親油性APIは計算されたlog Pまたは少なくとも2.0のlog Pを有する。いくつかの実施形態では、APIはニロチニブまたはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、APIはニロチニブである。いくつかの実施形態では、APIはニロチニブの薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、APIは親油性APIである。いくつかの実施形態では、親油性APIは、表1に表記されるもの、またはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、医薬組成物と慣例通りに混合された他の外部添加剤を含むことができ、これらの添加剤は当技術分野で周知である。そのような添加剤としては、限定されないが、付着防止剤(粘着防止剤、滑剤、流動促進剤、潤滑剤)(例えば、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ヒュームドシリカ(Carbosil, Aerosil)、微粉化シリカ(Syloid No.FP 244、Grace U.S.A.)、ポリエチレングリコール、界面活性剤、ワックス、ステアリン酸、ステアリン酸塩、ステアリン酸誘導体、デンプン、水素化植物油、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、二酸化ケイ素、ロイシン、PEG-4000およびラウリル硫酸マグネシウム)、抗凝固剤(例えば、アセチル化モノグリセリド)、消泡剤(例えば、長鎖アルコールおよびシリコーン誘導体)、抗酸化剤(例えば、BHT、BHA、没食子酸、没食子酸プロピル、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、4ヒドロキシメチル-2,6-ジ-tert-ブチルフェノール、トコフェロールなど)、結合剤(接着剤)、すなわち、粒子と粒子の結合を介して粉末材料に粘着特性を付与する薬剤(例えば、マトリックスバインダー(乾燥デンプン、乾燥糖類)、フィルムバインダー(デンプンペースト、セルロース、ベントナイト、スクロース))、化学バインダー(例えば、カルボキシメチルセルロースなどの高分子セルロース誘導体、糖シロップ、コーンシロップ、水溶性多糖類(例えば、アカシア、トラガカント、グアー、アルギン酸など)、ゼラチン、ゼラチン加水分解物、寒天、スクロース、デキストロース、非セルロース性結合剤(例えばPEG、α化デンプン、ソルビトール、グルコースなど)、緩衝剤(ここで、酸は、薬学的に許容可能な酸、(例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、ホウ酸、リン酸、酢酸、アクリル酸、アジピン酸、アルギン酸、アルカンスルホン酸、アミノ酸、アスコルビン酸、安息香酸、ホウ酸、酪酸、炭酸、クエン酸、脂肪酸、ギ酸、フマル酸、グルコン酸、ヒドロキノスルホン酸、イソアスコルビン酸、乳酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、パラ-ブロモフェニルスルホン酸、プロピオン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、タンニン酸、酒石酸、チオグリコール酸、トルエンスルホン酸、尿酸)であり、ここで、塩基は薬学的に許容可能な塩基、(例えば、アミノ酸、アミノ酸エステル、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロサルタイト、マグネシウム水酸化アルミニウム、ジイソプロピルエチルアミン、エタノールアミン、エチレンジアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、トリイソプロパノールアミン、あるいは、酢酸、アクリル酸、アジピン酸、アルギン酸、アルカンスルホン酸、アミノ酸、アスコルビン酸、安息香酸、ホウ酸、酪酸、炭酸、クエン酸、脂肪酸、ギ酸、フマル酸、グルコン酸、ヒドロキノスルホン酸、イソアスコルビン酸、乳酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、パラブロモフェニルスルホン酸、プロピオン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、タンニン酸、酒石酸、チオグリコール酸、トルエンスルホン酸、および尿酸の薬学的に許容可能な塩である)、キレート化剤(例えば、EDTAおよびEDTA塩)、血液凝固薬(例えば、アルギン酸)着色料または不透明化剤(opaquants)、(例えば、二酸化チタン、食用色素、レーキ、天然植物着色料、酸化鉄、ケイ酸、硫酸、水酸化マグネシウム、および水酸化アルミニウム)、冷却剤、(例えば、ハロゲン化炭化水素(例えば、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、ジクロロメタン、フルオロトリクロロメタン)、ジエチルエーテル、および液体窒素)、凍結保護物質(例えば、トレヘロース、リン酸塩、クエン酸、酒石酸、ゼラチン、デキストラン、マンニトールなど)、希釈剤または充填剤、(例えば、ラクトース、マンニトール、タルク、ステアリン酸マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、クエン酸、噴霧乾燥ラクトース、加水分解デンプン、直接圧縮デンプン、微結晶性セルロース、セルロース由来のもの(cellulosics)、ソルビトール、スクロース、スクロース系材料、硫酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、およびデキストロース崩壊剤または超崩壊剤(例えば、クロサルメロースナトリウム、デンプン、デンプン誘導体、粘土、ガム、セルロース、セルロース誘導体、アルギン酸塩、デンプングリコール酸ナトリウム、微結晶性セルロース)、水素結合剤、(例えば、酸化マグネシウム)、旨味成分(flavorant)または減感剤、(例えば、噴霧乾燥香料、精油、およびエチルバニリン)、イオン交換樹脂(例えば、スチレン/ジビニルベンゼンコポリマー、および4級アンモニウム化合物)、可塑剤(例えば、ポリエチレングリコール、クエン酸エステル(例えば、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル)、アセチル化モノグリセリド、グリセリン、トリアセチン、プロピレングリコール、フタル酸エステル(例えば、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル)、ヒマシ油、ソルビトール、およびジブチルセッケート(dibutyl seccate)、防腐剤(例えば、アスコルビン酸、ホウ酸、ソルビン酸、安息香酸、およびその塩、パラベン、フェノール、ベンジルアルコール、4級アンモニウム化合物)、溶媒(例えば、アルコール、ケトン、エステル、塩素化炭化水素、および水)、天然甘味料(例えば、マルトース、スクロース、グルコース、ソルビトール、グリセリン、およびデキストリン)と人工甘味料(例えば、アスパルテーム、サッカリン、およびサッカリン塩)を含む甘味料、ならびに増粘剤(粘度調整剤、増粘化剤)、(例えば、糖、セルロース由来のもの、ポリマー、およびアルギン酸)が挙げられる。
【0158】
添加剤はさらに、タンパク質(例えば、コラーゲン、ゼラチン、ゼイン、グルテン、ムール貝タンパク質、リポタンパク質)、炭水化物(例えば、アルギン酸、カラギーナン、セルロース誘導体、ペクチン、デンプン、キトサン)、ゴム(例えば、キサンタンガム、アラビアゴム)、鯨蝋、天然または合成のワックス、カルナバワックス、脂肪酸(例えば、ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸)、脂肪族アルコール、糖類、シェラック、例えば、糖(例えば、ラクトース、スクロース、デキストロース)、またはデンプン、多糖類ベースのポリマー(例えば、マルトデキストリンおよびマルトデキストリン誘導体、デキストレート、シクロデキストリンおよびシクロデキストリン誘導体)、セルロースベースのポリマー(例えば、微結晶性セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸セルロース、硝酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸セルロース、トリメリト酸、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート)、無機物、(例えば、リン酸二カルシウム、ヒドロキシアパタイト、リン酸三カルシウム、タルク、およびチタニア)、ポリオール(例えば、マンニトール、キシリトール、およびソルビトールポリエチレングリコールエステル)、ならびに、ポリマー(例えば、アルギン酸、ポリ(ラクチドコグリコリド)、ゼラチン、架橋ゼラチン、および寒天)などの材料であり得る。
【0159】
表面修飾酸
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は、親油性API、親水性ポリマー、界面活性剤、任意選択で吸着剤、任意選択で内部添加剤、および、任意選択で外部添加剤を含む。いくつかの実施形態では、親油性API、親水性ポリマー、界面活性剤、任意選択で吸着剤、および、任意選択で外部添加剤が、非晶質固体分散体を構成する。いくつかの実施形態では、APIは、表1のAPI、またはその薬学的に許容可能な塩である。外部添加剤は、外部添加剤が非晶質固体分散体に取り込まれないという点で、内部添加剤とは異なる。いくつかの実施形態では、外部添加剤は、非晶質固体分散体に含まれない外部酸である。いくつかの実施形態では、外部酸は有機酸またはアミノ酸である。いくつかの実施形態では、有機酸は酒石酸、フマル酸、コハク酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、マレイン酸、ベンゼンスルホン酸、またはp-トルエンスルホン酸である。いくつかの実施形態では、アミノ酸はグルタミン酸、アスパラギン酸、あるいはグリシン、アラニン、またはセリンの酸性の塩である。いくつかの実施形態では、外部酸は表面修飾酸である。いくつかの実施形態では、表面修飾酸は粉末状または顆粒状の酸を含み、中性塩層が粉末状または顆粒状の酸の外側を少なくとも部分的にコーティングしている。いくつかの実施形態では、表面修飾酸は酒石酸、フマル酸、コハク酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、マレイン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、およびグリシン、アラニン、またはセリンの酸性塩から選択される粉末状または顆粒状の酸を含む。いくつかの実施形態では、表面修飾酸は酒石酸、フマル酸、コハク酸、クエン酸、乳酸、およびリンゴ酸から選択される粉末状または顆粒状の酸を含む。いくつかの実施形態では、表面修飾酸は酒石酸から選択される粉末状または顆粒状の酸を含む。
【0160】
いくつかの実施形態では、中性塩層は、活性成分などの製剤の他の成分との酸の反応性を低下させる。ニロチニブなどの多くの有効成分は、酸の存在下では溶解度の改善を示すが(表39および表40を参照)、経時的に分解して有毒な不純物を形成する(実施例5を参照)。いくつかの実施形態では、表面修飾酸を有する製剤は、有効成分の安定性を維持しながら溶解度の増加をもたらす。
【0161】
いくつかの実施形態では、表面修飾酸は、塩基性溶液を酸粒子(例えば、粉末状または顆粒状の酸)と反応させて、酸の表面に中性塩層を形成することによって調製される。いくつかの実施形態では、中性塩層は、酸からのアニオンと塩基からのカチオンとを含む。いくつかの実施形態では、塩基性溶液は、薬学的に許容可能な塩基を含む。いくつかの実施形態では、薬学的に許容可能な塩基は、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、リジン、アルギニン、およびヒスチジンから選択される。いくつかの実施形態では、薬学的に許容可能な塩基は、炭酸塩塩基である。
【0162】
いくつかの実施形態では、表面修飾酸は、塩基性溶液を、粉末状または顆粒状の酸)と反応させて、酸の表面に中性塩層を形成することによって調製される。いくつかの実施形態では、塩基性溶液の重量濃度は約1%~約30%である。いくつかの実施形態では、塩基性溶液の重量濃度は約5%~約15%である。いくつかの実施形態では、塩基性溶液の重量濃度は、約1%~約2.5%、約1%~約5%、約1%~約7.5%、約1%~約10%、約1%~約12.5%、約1%~約15%、約1%~約20%、約1%~約25%、約1%~約30%、約2.5%~約5%、約2.5%~約7.5%、約2.5%~約10%、約2.5%~約12.5%、約2.5%~約15%、約2.5%~約20%、約2.5%~約25%、約2.5%~約30%、約5%~約7.5%、約5%~約10%、約5%~約12.5%、約5%~約15%、約5%~約20%、約5%~約25%、約5%~約30%、約7.5%~約10%、約7.5%~約12.5%、約7.5%~約15%、約7.5%~約20%、約7.5%~約25%、約7.5%~約30%、約10%~約12.5%、約10%~約15%、約10%~約20%、約10%~約25%、約10%~約30%、約12.5%~約15%、約12.5%~約20%、約12.5%~約25%、約12.5%~約30%、約15%~約20%、約15%~約25%、約15%~約30%、約20%~約25%、約20%~約30%、または約25%~約30%である。いくつかの実施形態では、塩基性溶液の重量濃度は、約1%、約2.5%、約5%、約7.5%、約10%、約12.5%、約15%、約20%、約25%、または約30%である。いくつかの実施形態では、塩基性溶液の重量濃度は、少なくとも約1%、約2.5%、約5%、約7.5%、約10%、約12.5%、約15%、約20%、または約25%である。いくつかの実施形態では、塩基性溶液の重量濃度は、最大で約2.5%、約5%、約7.5%、約10%、約12.5%、約15%、約20%、約25%、または約30%である。いくつかの実施形態では、塩基対酸の重量比は、約1%~約20%である。いくつかの実施形態では、塩基対酸の重量比は、約1%~約2%、約1%~約3%、約1%~約4%、約1%~約5%、約1%~約6%、約1%~約7%、約1%~約8%、約1%~約9%、約1%~約10%、約1%~約15%、約1%~約20%、約2%~約3%、約2%~約4%、約2%~約5%、約2%~約6%、約2%~約7%、約2%~約8%、約2%~約9%、約2%~約10%、約2%~約15%、約2%~約20%、約3%~約4%、約3%~約5%、約3%~約6%、約3%~約7%、約3%~約8%、約3%~約9%、約3%~約10%、約3%~約15%、約3%~約20%、約4%~約5%、約4%~約6%、約4%~約7%、約4%~約8%、約4%~約9%、約4%~約10%、約4%~約15%、約4%~約20%、約5%~約6%、約5%~約7%、約5%~約8%、約5%~約9%、約5%~約10%、約5%~約15%、約5%~約20%、約6%~約7%、約6%~約8%、約6%~約9%、約6%~約10%、約6%~約15%、約6%~約20%、約7%~約8%、約7%~約9%、約7%~約10%、約7%~約15%、約7%~約20%、約8%~約9%、約8%~約10%、約8%~約15%、約8%~約20%、約9%~約10%、約9%~約15%、約9%~約20%、約10%~約15%、約10%~約20%、または約15%~約20%である。いくつかの実施形態では、塩基対酸の重量比は、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約15%、または約20%である。いくつかの実施形態では、塩基対酸の重量比は、少なくとも約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、または約15%である。いくつかの実施形態では、塩基対酸の重量比は、最大で約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約15%、または約20%である。
【0163】
いくつかの実施形態では、外部酸は約25mg~約500mgの量で医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、外部酸は約50mg~約400mgの量で医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、外部酸は約100mg~約300mgの量で医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、外部酸は約200mg~約400mgの量で医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、外部酸は約50mg~約500mgの量で医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、外部酸は、約50mg~約75mg、約50mg~約100mg、約50mg~約125mg、約50mg~約150mg、約50mg~約200mg、約50mg~約250mg、約50mg~約275mg、約50mg~約300mg、約50mg~約350mg、約50mg~約400mg、約50mg~約500mg、約75mg~約100mg、約75mg~約125mg、約75mg~約150mg、約75mg~約200mg、約75mg~約250mg、約75mg~約275mg、約75mg~約300mg、約75mg~約350mg、約75mg~約400mg、約75mg~約500mg、約100mg~約125mg、約100mg~約150mg、約100mg~約200mg、約100mg~約250mg、約100mg~約275mg、約100mg~約300mg、約100mg~約350mg、約100mg~約400mg、約100mg~約500mg、約125mg~約150mg、約125mg~約200mg、約125mg~約250mg、約125mg~約275mg、約125mg~約300mg、約125mg~約350mg、約125mg~約400mg、約125mg~約500mg、約150mg~約200mg、約150mg~約250mg、約150mg~約275mg、約150mg~約300mg、約150mg~約350mg、約150mg~約400mg、約150mg~約500mg、約200mg~約250mg、約200mg~約275mg、約200mg~約300mg、約200mg~約350mg、約200mg~約400mg、約200mg~約500mg、約250mg~約275mg、約250mg~約300mg、約250mg~約350mg、約250mg~約400mg、約250mg~約500mg、約275mg~約300mg、約275mg~約350mg、約275mg~約400mg、約275mg~約500mg、約300mg~約350mg、約300mg~約400mg、約300mg~約500mg、約350mg~約400mg、約350mg~約500mg、または約400mg~約500mgの量で医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、外部酸は約50mg、約75mg、約100mg、約125mg、約150mg、約200mg、約250mg、約275mg、約300mg、約350mg、約400mg、または約500mgの量で医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、外部酸は少なくとも約50mg、約75mg、約100mg、約125mg、約150mg、約200mg、約250mg、約275mg、約300mg、約350mg、または約400mgの量で医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、外部酸は最大で約75mg、約100mg、約125mg、約150mg、約200mg、約250mg、約275mg、約300mg、約350mg、約400mg、または約500mgの量で医薬組成物中に存在する。
【0164】
いくつかの実施形態では、外部酸は約1%~約50%の重量パーセントで医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、外部酸は約5%~約30%の重量パーセントで医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、外部酸は約10%~約30%の重量パーセントで医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、外部酸は約5%~約15%の重量パーセントで医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、外部酸は約20%~約40%の重量パーセントで医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、外部酸は約10%~約60%の重量パーセントで医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、外部酸は約1%~約5%、約1%~約10%、約1%~約15%、約1%~約20%、約1%~約25%、約1%~約30%、約1%~約35%、約1%~約40%、約1%~約45%、約1%~約50%、約5%~約10%、約5%~約15%、約5%~約20%、約5%~約25%、約5%~約30%、約5%~約35%、約5%~約40%、約5%~約45%、約5%~約50%、約10%~約15%、約10%~約20%、約10%~約25%、約10%~約30%、約10%~約35%、約10%~約40%、約10%~約45%、約10%~約50%、約15%~約20%、約15%~約25%、約15%~約30%、約15%~約35%、約15%~約40%、約15%~約45%、約15%~約50%、約20%~約25%、約20%~約30%、約20%~約35%、約20%~約40%、約20%~約45%、約20%~約50%、約25%~約30%、約25%~約35%、約25%~約40%、約25%~約45%、約25%~約50%、約30%~約35%、約30%~約40%、約30%~約45%、約30%~約50%、約35%~約40%、約35%~約45%、約35%~約50%、約40%~約45%、約40%~約50%、または約45%~約50%の重量パーセントで医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、外部酸は、約1%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、または約50%の重量パーセントで医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、外部酸は、少なくとも約1%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、または約45%の重量パーセントで医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、外部酸は、最大で約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、または約50%の重量パーセントで医薬組成物中に存在する。
【0165】
例示的な実施形態では、表面修飾酸は、炭酸ナトリウムの塩基性溶液を粉末状の酒石酸と反応させて、酒石酸に中性塩層を形成させることによって、調製される。いくつかの実施形態では、炭酸ナトリウム水溶液は、約5~30%の濃度で製剤化される。炭酸ナトリウムの量は、酒石酸に対する重量比で約1~10%である。次に、製剤化された炭酸ナトリウム水溶液を、約40~60メッシュの粒子の大きさを有する酒石酸粉末粒子に添加する。攪拌後、酒石酸粉末粒子を乾燥炉または流動床で乾燥させ、修飾された酒石酸粉末粒子を得る。
【0166】
経口剤形
本発明の医薬組成物は、溶液、懸濁液、エマルジョン、錠剤、丸剤、ペレット、カプセル、液体を含有するカプセル、粉末、坐剤、エマルジョン、懸濁液の形態、または使用に適した他の任意の形態をとることができる。好ましい医薬組成物は、経口送達のために製剤化される。いくつかの実施形態では、薬学的に許容可能なビヒクルはカプセルである。カプセルは、ハードカプセルまたはソフトカプセル、ゼラチン製の押し出し型カプセル、ならびにゼラチン製のソフトな密封カプセル、および可塑剤(例えば、グリセロールまたはソルビトール)であり得る。いくつかの実施形態では、カプセルは約1000mgの医薬組成物を含有する。いくつかの実施形態では、カプセルは1000mg未満の医薬組成物を含有する。カプセルは任意の大きさであり得る。標準的なサイズの例としては、限定されないが、表2に記載されているもの(#000、#00、#0、#1、#2、#3、#4、および#5)が挙げられる。いくつかの実施形態では、医薬組成物はハードカプセルに充填された液体の剤形である。いくつかの実施形態では、医薬組成物はソフトカプセルに充填された液体の剤形である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は錠剤の剤形である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は非晶質固体分散体を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は錠剤の剤形の非晶質固体分散体を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は多層錠剤の剤形である。いくつかの実施形態では、錠剤は1層、2層、3層、4層、またはそれ以上の層を有する。いくつかの実施形態では、錠剤は内側コアおよび外側コアを有する。
【0167】
【表2】
例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Remingto’s Pharmaceutical Sciences, page 1658-1659 (Alfonso Gennaro ed., Mack Publishing Company, Easton Pa., 18th ed., 1990)を参照。いくつかの実施形態では、本明細書に使用されるカプセルはサイズ#00または#0である。
【0168】
投与方法
本明細書に記載される医薬組成物は、疾患の処置または予防のために投与することができる。疾患または障害を処置または予防するために使用される場合、医薬組成物は単独で、または他の薬剤と組み合わせて、投与または適用することができる。医薬組成物は単独で、または他の薬学的に活性な薬剤と組み合わせて、投与または適用することができる。治療有効量の本発明の医薬組成物のそのような処置を必要としている対象への投与による治療および予防の方法が本明細書に提供される。対象は、動物、例えば、ヒトなどの哺乳動物であり得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は、親油性API、親水性ポリマー、および界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は、親油性API、親水性ポリマー、およびリン脂質またはポロクサマーを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は、親油性API、親水性ポリマー、およびレシチンを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は、親油性API、非イオン性親水性ポリマー、およびレシチンを含む。いくつかの実施形態では、APIはニロチニブまたはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、APIはニロチニブである。いくつかの実施形態では、APIはニロチニブの薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、APIは親油性APIである。いくつかの実施形態では、親油性APIは、表1に表記されるもの、またはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、親油性API、親水性ポリマー、および界面活性剤は、非晶質固体分散体として製剤化される。
【0169】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、経口投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、経口液体、半液体、または半固体剤形で投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、固体経口剤形として投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、液体経口剤形として投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、丸剤、錠剤、咀嚼錠、特殊錠、バッカル錠、舌下錠、経口崩壊錠、カプセル、ゲルカプセル、ソフトゲルカプセル、ハードゲルカプセル、特殊カプセル、バッカルカプセル、舌下カプセル、経口崩壊カプセル、粉末、顆粒、結晶、または経口分散フィルムとして投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は液体またはカプセルとして投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物はソフトゲルカプセルとして投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物はハードゲルカプセルとして投与される。
【0170】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は経口投与のために製剤化される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は1日1回の投与のために製剤化される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は1日2回の投与のために製剤化される。
【0171】
疾病
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、Bcr-Ablチロシンキナーゼを阻害するために/Bcr-Ablチロシンキナーゼを阻害する必要がある対象で使用され得る。いくつかの実施形態では、対象はチロシンキナーゼに関連する疾患または疾病を有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は、親油性API、親水性ポリマー、および界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は、親油性API、親水性ポリマー、および界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、APIはニロチニブまたはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、APIは親油性APIである。いくつかの実施形態では、親油性APIは、表1に表記されるもの、またはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、親油性API、親水性ポリマー、および界面活性剤は、非晶質固体分散体として製剤化される。
【0172】
1つの態様では、対象の疾患または疾病を処置する方法が本明細書に記載される。疾患または疾病は癌であり得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は、癌を処置または予防するために使用され得る。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、前立腺癌、乳癌、卵巣癌、子宮内膜癌、膀胱癌、膵臓癌、肝細胞癌、腎臓癌、肝臓癌、唾液腺癌、脱毛、ざ瘡、多毛症、卵巣嚢胞、多嚢胞性卵巣疾患、思春期早発症、球脊髄性筋萎縮症、または加齢黄斑変性を処置または予防するために使用することができる。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、前立腺癌を処置または予防するために使用され得る。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、白血病、フィラデルフィア染色体(Ph+)陽性慢性骨髄性白血病、消化管間質腫瘍、パーキンソン病、去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢抵抗性前立腺癌、去勢再発前立腺癌、高リスク去勢感受性前立腺癌、転移性高リスク去勢感受性前立腺癌、ホルモン耐性前立腺癌、ホルモン抵抗性前立腺癌、アンドロゲン非依存前立腺癌、アンドロゲン遮断抵抗性前立腺癌、アンドロゲンアブレーション抵抗性前立腺癌、アンドロゲン除去非依存性前立腺癌、抗アンドロゲン性再発前立腺癌、ドセタキセルを含む化学療法を既に受けたことのある患者における転移性去勢抵抗性前立腺癌、新たに診断された高リスク転移性ホルモン感受性前立腺癌(mHSPC)、化学療法がまだ臨床的に必要ではないアンドロゲン遮断療法失敗後の無症状、軽症の患者における転移性去勢抵抗性前立腺癌、ドセタキセルをベースとした化学療法レジメン時またはその後に疾患が進行した患者の転移性去勢抵抗性前立腺癌の1つ以上を処置または予防するために使用することができる。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、慢性期のフィラデルフィア染色体陽性慢性骨髄性白血病(Ph+CML)を有する新たに診断された成人患者を処置するために使用される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、慢性期(CP)のフィラデルフィア染色体-陽性(Ph+)慢性骨髄性白血病(CML)を有する新たに診断された小児を処置するために使用される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、イマチニブを含む先行療法に抵抗性または不耐性の成人患者における慢性期(CP)および加速期(AP)のPh+CMLを処置するために使用される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は、親油性API、親水性ポリマー、および界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は、親油性API、親水性ポリマー、およびリン脂質またはポロクサマーを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は、親油性API、親水性ポリマー、およびレシチンを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は、親油性API、非イオン性親水性ポリマー、およびレシチンを含む。いくつかの実施形態では、APIはニロチニブまたはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、APIはニロチニブである。いくつかの実施形態では、APIはニロチニブの薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、APIは親油性APIである。いくつかの実施形態では、親油性APIは、表1に表記されるもの、またはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、親油性API、親水性ポリマー、および界面活性剤は、非晶質固体分散体として製剤化される。いくつかの実施形態では、対象は成人である。いくつかの実施形態では、対象は小児である。いくつかの実施形態では、対象は少なくとも1歳である。いくつかの実施形態では、対象は1歳未満である。いくつかの実施形態では、対象は1~12歳である。いくつかの実施形態では、対象は1~18歳である。いくつかの実施形態では、対象は12~18歳である。いくつかの実施形態では、対象は少なくとも18歳である。いくつかの実施形態では、対象は少なくとも24歳である。いくつかの実施形態では、対象は1~90歳である。1つの態様において、BCR-ABLを標的とするチロシンキナーゼを阻害する方法が本明細書に記載される。いくつかの実施形態では、方法は、ニロチニブまたはその塩を含む医薬組成物または非晶質固体分散体を投与する工程を含む。
【0173】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は乳癌からなる群から選択される癌を処置するために使用され、癌は急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、副腎皮質癌、エイズ関連癌、エイズ関連リンパ腫、肛門癌、虫垂癌、星細胞腫、基底細胞癌、胆管癌、膀胱癌、骨癌、脳腫瘍、例えば、小脳星細胞腫、大脳星細胞腫/悪性神経膠腫、上衣腫、髄芽腫、テント上原始神経外胚葉腫瘍、視覚路および視床下部の神経膠腫、気管支腺腫、バーキットリンパ腫、原発不明癌、中枢神経系リンパ腫、小脳星細胞腫、子宮頸癌、小児癌、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性骨髄性増殖性疾患、結腸癌、皮膚T細胞リンパ腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、子宮内膜癌、上衣腫、食道癌、ユーイング肉腫、胚細胞性腫瘍、胆嚢癌、胃癌、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍、神経膠腫、ヘアリーセル白血病、頭頸部癌、心臓癌、肝細胞(肝臓)癌、ホジキンリンパ腫、下咽頭癌、眼球内黒色腫、膵島細胞癌、カポジ肉腫、腎癌、喉頭癌、口唇癌および口腔癌、脂肪肉腫、肝臓癌、肺癌、例えば、非小細胞肺癌および小細胞肺癌、リンパ腫、白血病、マクログロブリン血症、骨の悪性線維性組織球腫/骨肉腫、髄芽腫、黒色腫、中皮腫、原発不明の転移性頸部扁平上皮癌、口腔癌、多発性内分泌腫瘍症候群、骨髄異形成症候群、骨髄性白血病、鼻腔癌および副鼻腔癌、上咽頭癌、神経芽細胞腫、非ホジキンリンパ腫、非小細胞肺癌、口腔癌、中咽頭癌、骨の骨肉腫/悪性線維性組織球腫、卵巣胚細胞腫瘍、卵巣上皮癌、卵巣胚細胞腫瘍、膵臓癌、膵島細胞癌、副鼻腔癌および鼻腔癌、副甲状腺癌、陰茎癌、咽頭癌、褐色細胞腫、松果体星細胞腫、松果体胚腫、下垂体腺腫、胸膜肺芽腫、形質細胞新生物、原発性中枢神経系リンパ腫、前立腺癌、直腸癌、腎細胞癌、腎盂および尿管移行細胞癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺癌、肉腫、皮膚癌、皮膚癌メルケル細胞、小腸癌、軟部組織肉腫、扁平上皮癌、胃癌、T細胞リンパ腫、咽頭癌、胸腺腫、胸腺癌、甲状腺癌、絨毛性腫瘍(妊娠性)、原発不明部位の癌、尿道癌、子宮肉腫、膣癌、外陰癌、ワルデンストレーム高ガンマグロブリン血症、およびウィルムス腫瘍からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、疾患または疾病はチロシンキナーゼに関連する。
【0174】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は、少なくとも1つの他の治療剤との併用療法で使用することができる。医薬組成物および治療剤は、相加的に作用するか、より好ましくは、相乗的に作用することができる。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、別の治療剤の投与と同時に投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、別の治療薬の投与の前後に投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、オマセタキシン、イマチニブ、セルメチニブ、ルキソリチニブ、アシミニブ、ペグ化インターフェロンα-2B、セツキシマブ、パクリタキセル、またはダサチニブと組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は、親油性API、親水性ポリマー、および界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は、親油性API、親水性ポリマー、およびリン脂質またはポロクサマーを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は、親油性API、親水性ポリマー、およびレシチンを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は、親油性API、非イオン性親水性ポリマー、およびレシチンを含む。いくつかの実施形態では、APIはニロチニブまたはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、APIはニロチニブである。いくつかの実施形態では、APIはニロチニブの薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、APIは親油性APIである。いくつかの実施形態では、親油性APIは、表1に表記されるもの、またはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、親油性API、親水性ポリマー、および界面活性剤は、非晶質固体分散体として製剤化される。
【0175】
製造方法
非晶質固体分散体を調製するための方法が本明細書で開示され、上記方法は、(a)(i)医薬品有効成分またはその薬学的に許容可能な塩、(ii)1つ以上の界面活性剤(例えば、ポリマー性非イオン性界面活性剤およびリン脂質)、(iii)親水性ポリマー(例えば、非イオン性親水性ポリマー)、(iv)任意選択で、吸着剤または複数の吸着剤、(v)任意選択で、他の追加の添加剤、および、(vi)溶媒または溶媒混合物を組み合わせる工程であって、それによって、液体混合物(溶液または懸濁液)を生成する、工程と、(b)前記混合物から溶媒をすべてまたは一部取り除く工程であって、それによって、非晶質固体分散体を生成する、工程と、を含む。いくつかの実施形態では、溶媒は有機溶媒と水から選択される。いくつかの実施形態では、有機溶媒は酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、またはメタノール、n-ブタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、ギ酸、ニトロメタン、エタノール、酢酸、N-メチルピロリドン、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸メチル、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジクロロメタン(DCM)、アセトン、およびそれらの任意の組み合わせである。いくつかの実施形態では、溶媒はアルコールである。いくつかの実施形態では、アルコールはエタノールである。いくつかの実施形態では、溶媒はジクロロメタン、メタノール、テトラヒドロフラン、およびアセトンから選択される。いくつかの実施形態では、溶媒はこれらの溶媒の混合物から選択される。いくつかの実施形態では、組み合わせる工程は、医薬品有効成分またはその薬学的に許容可能な塩、界面活性剤、非イオン性親水性ポリマー、および任意選択で吸着剤および/または追加の添加剤を溶媒に溶解させることを含む。いくつかの実施形態では、吸着剤は溶媒に懸濁される。いくつかの実施形態では、溶媒を取り除く工程は、噴霧乾燥またはローター蒸発(rotor evaporation)を含む。いくつかの実施形態では、APIは、表1のAPI、またはその薬学的に許容可能な塩である。
【0176】
いくつかの実施形態では、非晶質固体分散体を調製するための方法は、(a)液体混合物または溶液を生成するために、(i)医薬品有効成分またはその薬学的に許容可能な塩、(ii)1つ以上の界面活性剤(例えば、ポリマー性非イオン性界面活性剤およびリン脂質)、(iii)親水性ポリマー(例えば、非イオン性親水性ポリマー)、(iv)任意選択で、他の追加の添加剤、および、(v)溶媒または溶媒混合物を組み合わせる工程と、(b)吸着剤または複数の吸着剤上に液体混合物または溶液を噴霧する工程と、(c)非晶質固体分散体を生成するために、液体混合物または溶液から溶媒をすべてまたは一部取り除く工程と、を含む。いくつかの実施形態では、溶媒は有機溶媒と水から選択される。いくつかの実施形態では、有機溶媒は酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、またはメタノール、n-ブタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、ギ酸、ニトロメタン、エタノール、酢酸、N-メチルピロリドン、テトラヒドロフラン、酢酸メチル、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジクロロメタン(DCM)、アセトン、およびそれらの任意の組み合わせである。いくつかの実施形態では、溶媒はアルコールである。いくつかの実施形態では、アルコールはエタノールである。いくつかの実施形態では、溶媒はジクロロメタン、テトラヒドロフラン、メタノール、およびアセトンから選択される。いくつかの実施形態では、溶媒はこれらの溶媒の混合物から選択される。いくつかの実施形態では、組み合わせる工程は、医薬品有効成分またはその薬学的に許容可能な塩、界面活性剤、非イオン性親水性ポリマー、および任意選択で追加の添加剤を溶媒に溶解させることを含む。いくつかの実施形態では、非晶質固体分散体は流動層噴霧および乾燥プロセスにより生成される。いくつかの実施形態では、非晶質固体分散体はローター蒸発によって生成される。
【0177】
例示的な製造ワークフローでは、非晶質固体分散体はまず、溶媒または水中で室温でまたは加熱して、API、親水性ポリマー、界面活性剤、および任意選択で添加剤または複数の添加剤によって形成されることで、透明な溶液が形成される。次に、この透明な溶液を噴霧乾燥することで非晶質固体分散体を形成する。さらに、非晶質固体分散体は最初に、溶媒または水において室温でまたは加熱して、API、親水性ポリマー、界面活性剤、および任意選択で添加剤または複数の添加剤によって形成されることで、透明な溶液が形成される。吸着剤または吸着剤の混合物をさらに室温で添加するか、加熱することで、均質な懸濁液が形成される。この均質な懸濁液を噴霧乾燥することで、非晶質固体分散体が形成される。非晶質固体分散体の形成後、非晶質固体分散体は、製剤に使用される他の添加剤および賦形剤と混合される。その後、この混合物を圧搾して錠剤にするか、カプセルに充填する。
【0178】
典型的な噴霧乾燥器は、乾燥チャンバー、サイクロンチャンバー、およびサンプル収集チャンバーの3つのチャンバーを含む。噴霧乾燥プロセスの間、噴霧乾燥された分散固形物は、サンプル収集チャンバーに収集される。しかしながら、固形物は乾燥チャンバーおよびサイクロンチャンバーの表面にも存在することがあり、したがって、低い生産収率(サンプル収集チャンバー内の固形物の量が少ない)を引き起こす。いくつかの実施形態では、API、親水性ポリマー、および界面活性剤を含む非晶質固体分散体は、生産収率が低い。吸着剤がこれらの非晶質固体分散体に組み込まれると、生産収率を大幅に向上させることができる。いくつかの実施形態では、吸着剤を有する非晶質固体分散体の生産収率は、吸着剤を有していない固体分散体と比較して、少なくとも10%増加する。明確にするために、パーセントの用語は、収率の絶対的な差であることを意味する。例えば、吸着剤のない非晶質固体分散体の生産収率が10%であり、吸着剤を有する非晶質固体分散体の生産収率が20%である場合、収率の増加は、これら2つの収率の差、すなわち、10%である。いくつかの実施形態では、吸着剤を有する非晶質固体分散体の生産収率は、吸着剤を有していない固体分散体と比較して、少なくとも20%増加する。いくつかの実施形態では、吸着剤を有する非晶質固体分散体の生産収率は、吸着剤を有していない固体分散体と比較して、少なくとも30%増加する。いくつかの実施形態では、吸着剤を有する非晶質固体分散体の生産収率は、吸着剤を有していない固体分散体と比較して、少なくとも40%増加する。いくつかの実施形態では、吸着剤を有する非晶質固体分散体の生産収率は、吸着剤を有していない固体分散体と比較して、少なくとも50%増加する。いくつかの実施形態では、吸着剤を有する非晶質固体分散体の生産収率は、吸着剤を有していない固体分散体と比較して、少なくとも60%増加する。いくつかの実施形態では、吸着剤を有する非晶質固体分散体の生産収率は、吸着剤を有していない固体分散体と比較して、少なくとも70%増加する。いくつかの実施形態では、吸着剤を有する非晶質固体分散体の生産収率は、吸着剤を有していない固体分散体と比較して、少なくとも80%増加する。いくつかの実施形態では、吸着剤を有する非晶質固体分散体の生産収率は、吸着剤を有していない固体分散体と比較して、少なくとも90%増加する。
【実施例
【0179】
実施例1:噴霧乾燥によって生成された親油性APIの非晶質固体分散製剤の組成と調製手順
【0180】
親油性APIの噴霧乾燥させた非晶質固体分散体の組成
以下の表の表3~表13は、噴霧乾燥によって調製された非晶質固体分散体のいくつかの組成を列挙している。
【0181】
【表3】
【0182】
【表4】
【0183】
【表5】
【0184】
【表6】
【0185】
【表7】
【0186】
【表8】
【0187】
【表9】
【0188】
【表10】
【0189】
【表11】
【0190】
【表12】
【0191】
【表13】
【0192】
【表14】
【0193】
【表15】
【0194】
噴霧乾燥による非晶質固体分散体の一般的な調製
医薬品有効成分、ポリマー、ならびに任意選択で任意の界面活性剤および/または添加剤を、室温および最大80℃までの溶媒または溶媒混合物に溶解させることで、透明な溶液が形成された。溶液中に添加される固形物の総量は約5%~15%である。吸着剤を添加した場合には、ホモジナイズ懸濁液が形成された。ベンチトップ型の噴霧乾燥機を、定常状態になるまで予熱した。次に、溶液を、供給速度約3~5rpm、入口乾燥ガス温度約50~150℃と出口温度約40~45℃、および圧力約2~3バールで、フラッシュ噴霧により噴霧乾燥機に導入した。回収後、粒子を30℃以上で作動させた対流式トレー乾燥機に入れた。
【0195】
具体的には、表3~表8の表の製剤に対する噴霧乾燥プロセスの処理パラメータを表16と表17に列挙している。
【0196】
【表16】
【0197】
【表17】
【0198】
これらの非晶質固体分散体の粒子の大きさの分布を、2バールの分散圧力の乾燥粉末法を用いて、Malvern Particle Size Analyzer 3000により測定し、結果を表18と表19に示す。
【0199】
【表18】
【0200】
【表19】
【0201】
XRPDは、これらの製剤が非晶質であり、検出可能な結晶性がないことを示した(図1aと図1b)。
【0202】
実施例2:吸着剤を含む非晶質固体分散体と吸着剤を含まない非晶質固体分散体の生産収率の違い
【0203】
(吸着剤として)二酸化ケイ素を有する非晶質固体分散体と二酸化ケイ素を有していない非晶質固体分散体について、これらのASDの生産収率を以下の表20に示す。
【0204】
【表20】
【0205】
表20の結果は、吸着剤を有するいくつかの非晶質固体分散体について、噴霧乾燥プロセスの生産収率を著しく改善できることを示す。
【0206】
実施例3:親油性APIの非晶質固体分散体製剤の錠剤またはカプセルの組成および調製手順
【0207】
カプセル製剤
製剤1から製剤3bについては、表21に示すように、単回用量の非晶質固体分散体粉末をサイズ0またはサイズ00のゼラチンカプセルに充填してさらなる試験に使用した。
【0208】
【表21】
【0209】
製剤4、5、および6を表22に基づいて調製し、カプセルに充填した。
【0210】
【表22】
【0211】
相対量の非晶質固体分散体を他の賦形剤と混合して乾式造粒することにより、製剤を調製した。乾式造粒をスラッギング、ミリング、およびスクリーニングによって行うことで、乾燥した顆粒が形成された。追加の賦形剤を乾燥した顆粒と混合し、サイズ0のカプセルに充填した。
【0212】
錠剤製剤
製剤8aと8bを以下の表に基づいて調製し、錠剤に圧縮した。
【0213】
【表23】
【0214】
相対量の非晶質固体分散体を他の賦形剤と混合して乾式造粒することにより、製剤を調製した。乾式造粒をスラッギング、ミリング、およびスクリーニングによって行うことで、乾燥した顆粒が形成された。追加の賦形剤を乾燥した顆粒と混合し、錠剤に圧縮した。
【0215】
製剤8bについて、10%炭酸ナトリウム水溶液(水溶液270g中に30gのNaCO)を300g、粉末床中の酒石酸500gに噴霧することによって、表面修飾酒石酸を調製し、その後、流動床装置で乾燥させた。酒石酸をベースとした約6重量%の炭酸ナトリウムを、酒石酸表面に噴霧した。炭酸ナトリウム溶液は酒石酸粉末と反応して中性塩層を形成し、表面修飾酸を生成する。表面修飾酸は、酸を少なくとも部分的に絶縁し、有効成分などの製剤中の他の化合物との相互作用を減らす保護中性層が存在するという点で、未修飾の酸とは異なる。
【0216】
製剤10を、製剤10のASD(表8に示す)を追加の賦形剤と混合することによって調製し、その後、表24に基づいて、錠剤に圧縮した。
【0217】
【表24】
【0218】
表25~表31に示す錠剤製剤を、製剤11~製剤23のASD組成物(表9~表15に示す)を追加の賦形剤と混合することによって調製し、その後、錠剤に圧縮した。
【0219】
【表25】
【0220】
【表26】
【0221】
【表27】
【0222】
表26と表27において、製剤12b、製剤13、および製剤14の2%表面修飾酒石酸を、酒石酸粉床2000gに10%炭酸ナトリウム水溶液400g(水溶液360g中の40gのNaCO)を噴霧することによって調製し、その後、流動床装置で乾燥させた。約2重量%の炭酸ナトリウムを酒石酸表面に噴霧した。表26において、表23に示す製剤8bに基づいて、製剤12c中の6%表面修飾酒石酸を調製した。
【0223】
【表28】
【0224】
【表29】
【0225】
【表30】
【0226】
【表31】
【0227】
【表32】
【0228】
表26と表27に示す製剤12b、製剤13、および製剤14と同様に、表31および表32に示す製剤20a、20b、21、22、および23に使用される2%表面修飾酒石酸は、約2重量%の炭酸ナトリウムを酒石酸表面に噴霧することによって、調製された。
【0229】
本明細書に記載される特定の実施形態が本明細書に示され、記載されているが、そのような実施形態はほんの一例として提供される。当業者であれば、多くの変更、変化、および置換が、本発明から逸脱することなく思いつくだろう。本明細書に記載される実施形態の様々な代替案が、本発明を実行する際に利用され得ることを理解されたい。以下の請求項は範囲を定義するものであり、この請求項とその同等物の範囲内の方法と構造体がそれによって包含されるものであるということが意図されている。
【0230】
実施例4:犬におけるASD製剤の経口バイオアベイラビリティ
【0231】
ニロチニブ組成物のインビボ薬物動態特性(Tmax、Cmax、AUC)を、以下に記載するように、ビーグル犬にこのような組成物を投与することによって調べた。
【0232】
犬におけるASD製剤のバイオアベイラビリティとTASIGNAのバイオアベイラビリティとの比較
ビーグル犬(オス3頭とメス3頭)を投与前に12時間絶食させた。試験製剤は、投与時に水50mLとともに各犬に経口投与された。投与後0.25、0.5、1、1.5、2、3、4、8、12、24時間目に血液サンプルを採取し、血漿中のニロチニブ濃度を測定した。これらの測定値から、Cmax、Tmax、およびAUCを算出し、以下の表33~表35に提示する。
【0233】
表33は、様々な物理的状態を有する医薬製剤を比較している。製剤1は、界面活性剤を有しておらず、かつ、酸を有する非晶質固体分散体(ASD)製剤である。ニロチニブHClは55mgの用量(ニロチニブ50mgに相当、ニロチニブHClとニロチニブの比は1.1)で存在するが、バイオアベイラビリティは、列挙された医薬品TASIGNAの220mg用量(ニロチニブ200mgに同等、ニロチニブHClとニロチニブの比は1.1)に匹敵する。犬の試験は、表33に列挙される製剤についてクロスオーバーデザインによって実施された。医薬品「TASIGNA」は、ニロチニブ遊離塩基50mg、150mg、および200mgの同等用量の3つの剤形のニロチニブHClで市販されている。剤形はハードカプセルとして製剤化され、以下の賦形剤、ラクトース一水和物、クロスポビドン、ポロクサマー、コロイド状シリカ、無水/コロイド状二酸化ケイ素、およびステアリン酸マグネシウムを含む。TASIGNA製剤中のニロチニブ塩酸塩は、非晶質固体分散体に組み込まれることは知られていない。TASIGNA製剤のAPIは結晶状態であり、製剤1のAPIは非晶質固体分散体(ASD)の一部である。
【0234】
表33は、APIを運ぶために非晶質固体分散体を使用することの利点を示す。製剤1のCmaxおよびAUCは、TASIGNAが4倍の量のAPIを有するにもかかわらず、TASIGNAのそれと類似している。
【0235】
【表33】
【0236】
表34は、55mgのニロチニブHCl(50mgのニロチニブ遊離塩基と同等)と様々なポリマー、界面活性剤、および酸を含む非晶質固体分散体を有する製剤(製剤2aおよび2b)を、220mg用量(200mgニロチニブと同等)の列挙した医薬品TASIGNAと比較した。犬の試験はクロスオーバーデザインで実施された。表34は、ニロチニブHClとポリマーとを含む非晶質固体分散体に、レシチンまたはポラクサマー188を組み込むことの予想外の利点を強調している。ニロチニブHClの1/4しか使用していないにもかかわらず、APIのバイオアベイラビリティは市販の医薬品の2倍である。バイオアベイラビリティを維持しながらAPIの負荷を減らすことで、望ましくない副作用の低減につなげることができる。
【0237】
【表34】
【0238】
表35は、55mgのニロチニブHCl(50mgのニロチニブと同等)と様々なポリマー、界面活性剤、および酸を含む無酸性の非晶質固体分散体(製剤3aおよび3b)を、220mg用量(200mgのニロチニブと同等)の列挙した医薬品TASIGNAと比較した。
【0239】
クロスオーバーデザインの犬の試験において、製剤3aと3bは、2つの理由で特に注目される。第1に、製剤3aと3bの用量は、列挙した医薬品TASIGNAの用量のおよそ1/4であるが、バイオアベイラビリティの結果は同等である。第2に、製剤3aまたは3bにはいかなる未修飾の有機酸も使用されていないため、保存中に形成される有毒な不純物の形成が防止される(以下の実施例5を参照)。加えて、製剤3aのCmaxおよびAUCの結果は、製剤3bの結果よりもわずかに優れていることが観察される。
【0240】
【表35】
【0241】
摂食および絶食の犬におけるASD製剤のバイオアベイラビリティの比較
ビーグル犬(オス3頭、メス3頭)をランダムに3つの群に分けた。3期間のクロスオーバー実験デザインを採用した。犬は実験前に12時間絶食させた。群1には、絶食条件で製剤3aが投与された。群2には、摂食条件で製剤3aが投与された。摂食条件について、犬にはドッグフード(Shoobree、中国)にバター(Anchor、ニュージーランド)を100g:16.4gの割合、500カロリーで混ぜたものを与えた。群3には、絶食条件下でTASIGNAが投与された。試験製剤は、投与時に水50mLとともに各犬に経口投与された。投与後0.25、0.5、1、1.5、2、3、4、8、12、24時間目に血液サンプルを採取し、血漿中のニロチニブ濃度を測定した。これらの測定値から、Cmax、Tmax、およびAUCのパラメータを算出し、以下の表36に提示する。
【0242】
市販の医薬品TASIGNAの1つの制限は、絶食条件下での投与の必要性である。群1と群2は、摂食状態と絶食状態の両方において、同様のCmaxおよびAUCを示す。製剤3aは、絶食状態のみでの投与という要件をなくすことで、現行技術よりも改善されていることを示す。製剤3aの用量が市販の医薬品の4分の1であるにもかかわらず、群3に投与された市販薬よりもバイオアベイラビリティが高い。
【0243】
【表36】
【0244】
犬における製剤4の経口吸収が絶食/摂食条件で調査された。ビーグル犬(オス3頭、メス3頭)をランダムに3つの群に分けた。上記の製剤3aについて実施された試験と同様に、3期間のクロスオーバー実験デザインが採用された。Cmax、Tmax、およびAUCの薬物動態パラメータを算出し、以下の表37に提示する。
【0245】
【表37】
【0246】
製剤4は、上記の表37において、摂食状態と絶食状態の両方において有効であることが示されている。このことは、絶食状態のみでの投与の必要性をなくすことによって、現行技術を上回る改善を構成する。群1と群2は、摂食状態と絶食状態の両方において、類似するCmaxおよびAUCを示す。バイオアベイラビリティは、製剤4の用量が少ないにもかかわらず、群3に投与された市販品よりも高い。犬におけるASDの錠剤製剤の経口吸収も、表36および表37について記載したのと同様の試験デザインで評価したが、唯一の違いは、摂食条件で異なる食餌を使用したことである。これらの試験において、犬に、25グラムのドッグフード、150mLの全脂肪乳、および60グラムのベーコンで構成される食餌を経口経管栄養によって与えた。
【0247】
表38は、3つの異なる投与条件下でのTASIGNA錠剤の犬におけるインビボ曝露を示す。この実験では、絶食条件下で投与された犬に、ペンタガストリンの6μg/kgのIM注射も行う。生成物を高脂肪食後に投与した場合、曝露はCmaxで3倍、AUCで4倍増加する。加えて、抗酸薬物(IM注射によって犬1頭あたり50mgのラニチジン)との同時投与により、曝露は著しく減少する。
【0248】
【表38】
【0249】
表39と表40は、製剤11aと製剤11bの錠剤製剤(組成については表25を参照)の犬におけるインビボ曝露を示す。製剤11aと11bは、11bが外部顆粒材料中に100mgの酒石酸をさらに含んでいるという点で異なる。表39と表40の結果は2つの結果を示している。第1に、この結果は、食餌効果が著しく低下しており、用量を4倍に減らすことができること、すなわち、製剤11aと製剤11bの50mg用量のインビボ曝露は、TASIGNAの200mg用量とほぼ同等であることを示唆している。第2に、この結果は、外部顆粒材料に追加の酸を含めることで、CmaxとAUCが増加することを示している。
【0250】
【表39】
【0251】
【表40】
【0252】
表41~表43は、食餌とともに、および、食餌を伴わずに投与した製剤12~製剤14の錠剤製剤の犬におけるインビボ曝露を示している。食餌効果は、APIと界面活性剤成分の比率が増加するにつれてやや増加するが、TASIGNAの食餌効果よりも依然として有意に低く、非晶質固体分散体製剤が投与量の範囲にわたって食餌効果を減少させることを示唆している。
【0253】
【表41】
【0254】
【表42】
【0255】
【表43】
【0256】
犬におけるASDの錠剤製剤の経口吸収も、表36および表37について記載したのと類似する試験デザインで評価したが、唯一の違いは、摂食条件で異なる食餌を使用したことである。これらの試験において、犬に、25グラムのドッグフード、150mLの全脂肪乳、および60グラムのベーコンで構成される食餌を経口経管栄養によって与えた。
【0257】
胃のpHを調節した絶食中の犬におけるASD製剤のバイオアベイラビリティの比較
ビーグル犬(オス3頭、メス3頭)をランダムに3つの群に分けた。3期間のクロスオーバー実験デザインを採用した。犬は実験前に12時間絶食させた。3つの群すべてに、絶食条件で製剤3aが投与された。試験製剤は、投与時に水50mLとともに各犬に経口投与された。群1では、経口投与の45分前にペンタペプチドガストリン6μg/kgを各犬の筋肉に注射した。群2では、経口投与の1時間前にラニチジン50mgを静脈内注射した。群3は対照群であった。投与後0.25、0.5、1、1.5、2、3、4、8、12、24時間目に血液サンプルを採取し、血漿中のニロチニブ濃度を測定した。これらの測定値から、Cmax、Tmax、およびAUCの薬物動態パラメータを算出し、以下の表44に提示する。
【0258】
試験は、高い胃のpHと低い胃のpHの犬における製剤3aの有効性を測定する。ペンタペプチドガストリンは胃での酸の放出を刺激することができ、ラニチジンは胃での酸の放出を抑制することができる。このモデルは、酸を抑える薬剤の影響下での患者の胃をシミュレートしている。市販品のTASIGNAは、プロトンポンプ阻害剤(PPI)などの抗酸薬物を服用している患者の生インビボ吸収を低下させることが知られている。
【0259】
【表44】
【0260】
表44で見られるように、群1と2との間のCmaxおよびAUCの薬物動態パラメータは約30%の違いしかなく、群2と3との間のパラメータは最小限の差しかないが、TASIGNAは、表38に示すように、抗酸薬物(IM注射による犬一頭あたりラニチジン50mg)の同時投与後にインビボ曝露の著しい減少を有する。これらのデータは、本明細書に記載される製剤が、抗酸薬物を服用している患者に投与され得ることを示唆している。
【0261】
実施例5:ニロチニブおよび酸の非晶質固体分散体における遺伝毒性不純物の形成
【0262】
実施例4の製剤2aと2bは、ニロチニブの非晶質固体分散体と酸性の賦形剤が、圧倒的に優れたバイオアベイラビリティをもたらし得ることを示す(表39と表40を参照)。しかしながら、ニロチニブHClは、酸性賦形剤を有する非晶質固体分散体において、しばしば遺伝毒性不純物を生成する。酸性条件下では、ニロチニブは加水分解して、以下に示すように、3-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)-5-(トリフルオロメチル)アニリン(以下、「不純物A」と称する)を形成する。
【0263】
【化8】
【0264】
異なる組成物の安定性を比較するために、非晶質固体分散体製剤、製剤A、製剤B、および製剤Cを用いて分解試験を実施した。製剤Aは、55mgのニロチニブHCl、100mgのクエン酸、100mgのレシチン、および100mgのPVP K30の非晶質固体分散体として製剤化された。製剤Bは、55mgのニロチニブHCl、100mgのレシチン、および100mgのPVP K30の非晶質固体分散体として製剤化された。製剤Cは、55mgのニロチニブHCl、75mgのクエン酸、および100mgのPVP K30の非晶質固体分散体として製剤化した。製剤粉末を40℃/RH75%および75℃/RH75%の条件下で2週間静置した。製剤Cは、55mgのニロチニブHCl、75mgのクエン酸、および100mgのPVP K30の非晶質固体分散体として製剤化した。製剤粉末を40℃/RH75%および75℃/RH75%の条件下で2週間静置した。遺伝毒性不純物AをHPLC-MS法によって測定し、その結果を表45で以下に示す。遺伝毒性不純物Aの濃度は、製剤Aと製剤Cで高く、製剤Bで低いことがわかった。分解試験のパラメータは、欧州薬局方9.8;07/2019:2993に準拠しており、これはニロチニブ塩酸塩一水和物のサンプルの純度を評価するための詳細なパラメータを提供する。
【0265】
【表45】
【0266】
加えて、製剤12aと製剤12cの錠剤を、2グラムの乾燥剤とともにHDPEボトルに入れ、その後、40℃/75%RHで最大で6ヶ月間保存した。製剤12のASD粉末(表9に示す)は、アルミニウムパウチに入れて密封し、その後、同じ保存条件(40℃/75%RH)で保存もした。
【0267】
HPLC-MS法により不純物Aのレベルを測定し、その結果を以下の表46に示す。製剤12のASDが酸成分を有しておらず、不純物Aのレベルが最も低いことに留意する。製剤12のASDと6%の表面修飾酒石酸とを有する製剤12cは、同様のレベルの不純物Aを有する。しかしながら、製剤12のASDと表面修飾されていない酒石酸の成分を有する製剤12aは、不純物Aのレベルが有意に増加している。この結果は、表面修飾は不純物の形成を抑え、APIの保存時の安定性を改善することができることが示唆している。
【0268】
【表46】
【0269】
実施例6:ヒトにおけるASD錠剤製剤のインビボ曝露
【0270】
ヒトにおけるインビボ曝露について錠剤製剤(製剤11a)を試験した。この試験は、3方向クロスオーバーデザインにより、18名の健康なボランティアで実施された。製剤11aは、一晩絶食状態下で、高脂肪・高カロリー食(タンパク質、炭水化物、および脂肪からそれぞれ150、250、および500~600キロカロリーで、約800~1000キロカロリー)を摂取後に、30分以内に投与された。加えて、一晩絶食状態下で投与したTASIGNA錠剤製剤も比較のために試験された。投与後0、0.5、1、1.5、2、3、4、6、8、12、および24時間目に血液サンプルを採取し、血漿中のニロチニブの濃度をHPLC方法によって測定した。これらの測定値から、Cmax、Tmax、およびAUCのパラメータをWinnonlin8.3.1で算出し、以下の表47に提示する。
【0271】
【表47】
【0272】
この結果は、表39の結果と比較して、本錠剤製剤に適用された非晶質固体分散技術が食餌効果を著しく減少させたことを示唆している。50mgの強度での製剤のインビボ曝露は、TASIGNA(200mgの強度)の曝露よりもわずかに低い。しかしながら、動物実験の結果を考慮すると、同じ投与強度(200mg)で比較した場合、製剤11aはTASIGNAよりも高いことが予想される。ヒトにおけるインビボ曝露も、外部顆粒材料に酸を添加することにより増加すると予想される。
【0273】
外部顆粒材料に酸を含む錠剤製剤(例えば、製剤11b、12a、12b、12c、13、14、20a、20b、21、22、および23など)は、犬およびヒトにおけるインビボ曝露について試験されるであろう。この試験は、3方向クロスオーバーデザインにより、健康なボランティアで実施される。製剤は、一晩絶食状態下で、高脂肪・高カロリー食(タンパク質、炭水化物、および脂肪からそれぞれ150、250、および500~600キロカロリーで、約800~1000キロカロリー)を摂取後に、30分以内に投与される。加えて、比較のためにTASIGNA錠剤製剤が一晩絶食状態下で投与される。投与後0、0.5、1、1.5、2、3、4、6、8、12、および24時間目に血液サンプルを採取し、血漿中のニロチニブの濃度をHPLC方法によって測定する。これらの測定のために、Cmax、Tmax、およびAUCのパラメータをWinnonlin8.3.1で算出する。
【0274】
実施例7:さらなる組成物
【0275】
表1に開示されるAPIを有する非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。クロルジアゼポキシドを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。ナリンゲニンを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。クロフィブリン酸(Clibric acid)を含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。ヘスペレチンを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。シンコニジンを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。キニーネを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。トラマドールを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。ロルメタゼパムを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。トラゾドンを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。ジルチアゼムを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。ブロムフェニラミンを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。アルプレノロールを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。プロプラノロールを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。ジアゼパムを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。アピゲニンを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。ベンラファキシンを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。ロシグリタゾンを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。ピリラミンを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。クエチアピンを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。ケトプロフェン(Ketopren)を含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。クロルフェナミンを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。フェンブフェンを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。ナプロキセンを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。ワルファリンを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。ジフェンヒドラミンを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。ブピバカインを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。クロチアゼパムを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。クリシンを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。バルサルタンを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。ハロペリドールを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。フルルビプロフェン(Flurbipren)を含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。プロゲステロンを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。セレコキシブを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。フルラゼパムを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。グリメピリドを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。イブプロフェン(Ibupren)を含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。アトルバスタチンを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。インドメタシンを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。ノルトリプチリンを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。ロラタジンを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。フルオキセチンを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。ジクロフェナク(Diclenac)を含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。クロピドグレルを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。デュロキセチンを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。ペンブトロールを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。マプロチリンを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。イミプラミンを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。アミトリプチリンを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。シプロヘプタジンを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。セルトラリンを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。フルフェナム酸を含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。クロルプロマジンを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。ミコナゾールを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。リモナバントを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。クロファジミンを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。エンザルタミドを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。ラパチニブを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。パゾパニブを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。エルロチニブを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。ダサチニブを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。ゲフィチニブを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。ソラフェニブを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。アキシチニブを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。クリゾチニブを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。ベムラフェニブを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。テロトリスタットエチルを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調
製および評価される。イバカフトルを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。ニンテダニブを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。イブルチニブを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。アレクチニブを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。ボスチニブを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。レンバチニブを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。ミドスタウリンを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。リボシクリブを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。アバプリチニブを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。ペキシダルチニブを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。ネラチニブを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。エンザルタミドを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。ルラシドンを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。ビラゾドンを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。エヌトレクチニブを含む非晶質固体分散体を含む医薬組成物は、実施例1~6で使用されるAPIを代用することで、実施例1~6の手順に従って調製および評価される。
【0276】
所定の成分はしばしば、当該分野の異なる実務者によって異なるように分類され、またはいくつかの異なる機能のいずれかに共通して使用され、または組成物中のレベルに応じて異なる機能を有することがあるため、一般的に使用される上記の列挙された成分の間にかなりの重複があることを理解されたい。したがって、上記の列挙された成分は、本発明の組成物に含まれ得る成分のタイプの単なる例示に過ぎず、限定的なものではないと解釈されなければならない。
【0277】
追加の実施形態
非晶質固体分散体が本明細書に開示され、非晶質固体分散体は、a)親油性の医薬品有効成分またはその薬学的に許容可能な塩であって、医薬品有効成分が、オクタノール-水において2.0以上のlog Pを有する、医薬品有効成分またはその薬学的に許容可能な塩、b)界面活性剤であって、界面活性剤はポリマー性非イオン性界面活性剤およびリン脂質から選択される、界面活性剤、c)非イオン性親水性ポリマー、および、d)任意選択で、吸着剤、を含む。いくつかの実施形態では、医薬品有効成分またはその薬学的に許容可能な塩は、ニロチニブ、酢酸アビラテロン、セレコキシブ、フルラゼパム、アトルバスタチン、インドメタシン、ノルトリプチリン、ロラタジン、フルオキセチン、ジクロフェナク、クロピドグレル、デュロキセチン、マプロチリン、イミプラミン、アミトリプチリン、シプロヘプタジン、セルトラリン、フルフェナム酸、クロルプロマジン、ミコナゾール、リモナバント、クロファジミン、エンザルタミド、ラパチニブ、パゾパニブ、エルロチニブ、ダサチニブ、ゲフィチニブ、ソラフェニブ、アキシチニブ、クリゾチニブ、ベムラフェニブ、テロトリスタットエチル、イバカフトル、ニンテダニブ、イブルチニブ、アレクチニブ、ボスチニブ、レンバチニブ、ミドスタウリン、アバプリチニブ、ペキシダルチニブ、アレクチニブ、ネラチニブ、エンザルタミド、それらの対応する遊離塩基、およびそれらの薬学的に許容可能な塩から選択される。いくつかの実施形態では、医薬品有効成分またはその薬学的に許容可能な塩は、固形物に基づいて約5wt%~約70wt%の量で非晶質固体分散体中に存在する。いくつかの実施形態では、界面活性剤はポリマー性非イオン性界面活性剤である。いくつかの実施形態では、ポリマー性非イオン性界面活性剤はポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールのブロックコポリマーを含む。いくつかの実施形態では、ポリマー性非イオン性界面活性剤はポロクサマー188である。いくつかの実施形態では、界面活性剤は1つ以上のリン脂質を含む。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルセリン、プラズマローゲン、スフィンゴミエリン、およびホスファチジン酸のうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、界面活性剤はレシチンを含む。いくつかの実施形態では、界面活性剤は固形物に基づいて約5wt%~約70wt%の量で非晶質固体分散体中に存在する。いくつかの実施形態では、医薬品有効成分またはその薬学的に許容可能な塩対界面活性剤の重量比は、約10:1~約1:10である。いくつかの実施形態では、非イオン性親水性ポリマーは、ポリビニルアルコール(PVA)、オリゴ糖、多糖類、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCまたはヒプロメロース)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ポリエチレンオキシド、ヒドロキシプロピルβシクロデキストリン(HP-β-CD)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMCAS)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ酢酸ビニルとポリビニルカプロラクタムベースのグラフトコポリマー(PVAc-PVCap-PEG)、ポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコール(PCL-PVAc-PEG)、あるいはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、非イオン性親水性ポリマーは、HPMC、PVP、HP-β-CD、PVA、HPMCAS、またはPCL-PVAc-PEGである。いくつかの実施形態では、非イオン性親水性ポリマーは固形物に基づいて約5wt%~約70wt%の量で非晶質固体分散体中に存在する。いくつかの実施形態では、医薬品有効成分またはその薬学的に許容可能な塩対非イオン性親水性ポリマーの重量比は、約10:1~約1:10である。いくつかの実施形態では、吸着剤は二酸化ケイ素、活性炭、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、珪藻土、微結晶性セルロース(MCC)、ケイ化微結晶性セルロース(SMCC)、タルク、架橋ポビドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デンプンカルボキシメチルナトリウム、ならびに糖類あるいは糖アルコール、例えば、ソルビトール、マンニトール、ラクトース、シクロデキストリン、およびマルトデキストリンから選択される。いくつかの実施形態では、吸着剤は二酸化ケイ素である。いくつかの実施形態では、吸着剤は約10wt%~約35wt%の量で非晶質固体分散体中に存在する。いくつかの実施形態では、非晶質固体分散体の平均粒径は1μm~1000μmである。いくつかの実施形態では、非晶質固体分散体の平均粒度は、粒径の観点から、約10μm~約150μmである。いくつかの実施形態では、非晶質固体分散体はさらに無機酸または有機酸を含む。いくつかの実施形態では、有機酸は、酒石酸、フマル酸、コハク酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、イセチオン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、無機酸は、塩酸、硫酸、およびリン酸からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、APIは、表1のAPI、またはその薬学的に許容可能な塩である。
【0278】
医薬組成物が本明細書で開示され、医薬組成物は、a)非晶質固体分散体であって、i.医薬品有効成分またはその薬学的に許容可能な塩であって、医薬品有効成分が、オクタノール-水において2.0以上のlog Pを有する、医薬品有効成分またはその薬学的に許容可能な塩、ii.界面活性剤であって、界面活性剤はポリマー性非イオン性界面活性剤およびリン脂質から選択される、界面活性剤、iii.非イオン性親水性ポリマー、および、iv.任意選択で、吸着剤、を含む、非晶質固体分散体と、b)薬学的に許容可能な担体または賦形剤と、を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は錠剤またはカプセルの形態である。いくつかの実施形態では、医薬品有効成分またはその薬学的に許容可能な塩は、ニロチニブ、酢酸アビラテロン、セレコキシブ、フルラゼパム、アトルバスタチン、インドメタシン、ノルトリプチリン、ロラタジン、フルオキセチン、ジクロフェナク、クロピドグレル、デュロキセチン、マプロチリン、イミプラミン、アミトリプチリン、シプロヘプタジン、セルトラリン、フルフェナム酸、クロルプロマジン、ミコナゾール、リモナバント、クロファジミン、エンザルタミド、ラパチニブ、パゾパニブ、エルロチニブ、ダサチニブ、ゲフィチニブ、ソラフェニブ、アキシチニブ、クリゾチニブ、ベムラフェニブ、テロトリスタットエチル、イバカフトル、ニンテダニブ、イブルチニブ、アレクチニブ、ボスチニブ、レンバチニブ、ミドスタウリン、アバプリチニブ、ペキシダルチニブ、アレクチニブ、ネラチニブ、エンザルタミド、それらの対応する遊離塩基、およびそれらの薬学的に許容可能な塩から選択される。いくつかの実施形態では、医薬品有効成分は、オクタノール-水において3.0以上のlog Pを有する。いくつかの実施形態では、医薬品有効成分またはその薬学的に許容可能な塩は、約10mg~約500mgの量で単位剤形の医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、約10mg~約500mgの量で単位剤形の医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、非イオン性親水性ポリマーは、ポリビニルアルコール(PVA)、オリゴ糖、多糖類、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCまたはヒプロメロース)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ポリエチレンオキシド、ヒドロキシプロピルβシクロデキストリン(HP-β-CD)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMCAS)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ酢酸ビニルとポリビニルカプロラクタムベースのグラフトコポリマー(PVAc-PVCap-PEG)、ポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコール(PCL-PVAc-PEG)、あるいはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、非イオン性親水性ポリマーは、約10mg~約500mgの量で医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、二酸化ケイ素は約10wt%~約35wt%の量で非晶質固体分散体中に存在する。いくつかの実施形態では、非晶質固体分散体の平均直径は1μm~1000μmである。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、経口投与後の全曲線下面積(AUC)として測定される場合、または経口投与後にCmaxとして測定される場合、結晶形態の医薬品有効成分またはその薬学的に許容可能な塩を含む対応する製剤のバイオアベイラビリティよりも少なくとも2倍高いバイオアベイラビリティを示す。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、経口投与後の全曲線下面積(AUC)として測定される場合、または経口投与後にCmaxとして測定される場合、医薬品有効成分またはその薬学的に許容可能な塩を含む参照医薬組成物のバイオアベイラビリティよりも少なくとも2倍高いバイオアベイラビリティを示し、参照医薬組成物は非晶質固体分散体を含まない。いくつかの実施形態では、バイオアベイラビリティは、絶食状態または摂食状態の犬モデルにおいて測定される。いくつかの実施形態では、医薬組成物のバイオアベイラビリティは、経口投与後の全曲線下面積(AUC)として測定される場合、または経口投与後のCmaxとして測定される場合、絶食状態で投与されたバイオアベイラビリティと比較して、摂食状態で経口投与した場合に50%を超えて変化することはない。いくつかの実施形態では、非晶質固体分散体はさらに無機酸または有機酸を含む。いくつかの実施形態では、有機酸は、酒石酸、フマル酸、コハク酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、イセチオン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、無機酸は、塩酸、硫酸、およびリン酸からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、吸着剤は二酸化ケイ素、活性炭、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、珪藻土、微結晶性セルロース(MCC)、ケイ化微結晶性セルロース(SMCC)、タルク、架橋ポビドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デンプンカルボキシメチルナトリウム、ならびに糖類あるいは糖アルコール、例えば、ソルビトール、マンニトール、ラクトース、シクロデキストリン、およびマルトデキストリンから選択される。いくつかの実施形態では、吸着剤は二酸化ケイ素である。
【0279】
非晶質固体分散体が本明細書に開示され、非晶質固体分散体は、
i.式(I)
【0280】
【化9】
の化合物、あるいはそのN-オキシドまたは薬学的に許容可能な塩
(式中、
は水素、C-Cアルキル、またはハロゲンであり、
は水素、C-Cアルキル、C1-6アルコキシ-C1-6アルキル、アシルオキシ-C1-6アルキル、カルボキシ-C1-6アルキル、C1-6アルコキシカルボニル-C1-6アルキル、またはフェニル-C1-6アルキルであり、
は水素、任意選択かつ独立して、1つ以上のR10、シクロアルキル、ベンズシクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール基、あるいは0、1、2、または3つの環窒素原子と0または1つの酸素原子および0または1つの硫黄原子を含む単環式または二環式のヘテロアリール基によって置換されたC-Cアルキルであり、それぞれの場合の基は非置換であるか、あるいは一置換または多置換であり、
10はヒドロキシ、C-Cアルコキシ、アシルオキシ、カルボキシ、C1-6アルコキシカルボニル、カルバモイル、N-一置換またはN,N-二置換カルバモイル、アミノ、一置換または二置換のアミノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール基、あるいは0、1、2、または3つの環窒素原子と0または1つの酸素原子と0または1つの硫黄原子を含む単環式または二環式のヘテロアリール基を表し、それぞれの場合の基は非置換であるか、あるいは一置換または多置換であり、あるいは、
とRは一体となって、C-Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、フェニル、ヒドロキシ、C-Cアルコキシ、アミノ、一置換または二置換のアミノ、オキソ、ピリジル、ピラジニル、またはピリミジニルによって任意選択で一置換または二置換されたC-Cアルキレン、4つまたは5つの炭素原子を有するベンズアルキレン、1つの酸素および3つまたは4つの炭素原子を有するオキサアルキレン、あるいは、1つの窒素および3つまたは4つの炭素原子を有するアザアルキレンを形成し、窒素は非置換であるか、C-Cアルキル、フェニル-C-Cアルキル、C1-6アルコキシカルボニル-C1-6アルキル、カルボキシ-C1-6アルキル、カルバモイル-C1-6アルキル、N-一置換またはN,N-二置換カルバモイル-C1-6アルキル、シクロアルキル、C1-6アルコキシカルボニル、カルボキシ、フェニル、置換されたフェニル、ピリジニル、ピリミジニル、またはピラジニルによって置換される)、
ii.界面活性剤であって、界面活性剤はポリマー性非イオン性界面活性剤およびリン脂質から選択される、界面活性剤、
iii.非イオン性親水性ポリマー、および、
iv.任意選択で、吸着剤、を含む。
【0281】
いくつかの実施形態では、非晶質固体分散体は、式(I)の化合物、あるいはそのN-オキシドまたは薬学的に許容可能な塩を含み、
式中、
は水素、C-Cアルキル、またはハロゲンであり、
は水素、C-Cアルキル、C1-6アルコキシ-C1-6アルキル、またはベンジルであり、
はC-Cアルキル、トリフルオロ-C1-6アルキル、ヒドロキシ-C1-6アルキル、アミノ-C1-6アルキル、C1-6アルキルアミノ-C1-6アルキル、ジ-C1-6アルキルアミノ-C1-6アルキル、N-シクロヘキシル-N-1-6アルキルアミノ-C1-6アルキル、C1-6アルコキシカルボニルピペリジノ-C1-6アルキル、N-C1-6アルキルピペラジノ-C1-6アルキル、C1-6アルコキシカルボニル-C1-6アルキル、ヒドロキシ、C-Cアルコキシ、トリフルオロ-C1-6アルコキシ、1H-イミダゾリル-C1-6アルコキシ、C1-6アルカノイルオキシ、ベンゾイルオキシ、カルボキシ、C1-6アルコキシカルボニル、カルバモイル、C1-6アルキルカルバモイル、アミノ、C1-6アルカノイルアミノ、ベンゾイルアミノ、C-Cアルキルによって、ヒドロキシ-C1-6アルキルによって、またはC1-6アルコキシ-C1-6アルキルによって一置換または二置換されたアミノ、1H-イミダゾリル、C1-6アルキル-1H-イミダゾリル、カルボキシ-1H-イミダゾリル、C1-6アルキル-エステルカルボキシ-1H-イミダゾリル、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、N-C1-6アルキルピペラジノ、モルホリノ、スルファモイル、C1-6アルキルスルホニル、フェニル、ピリジル、ハロゲニル、またはベンゾイルからなる群から選択される1つまたは2つの置換基によって置換されたフェニルである。
【0282】
いくつかの実施形態では、非晶質固体分散体は、式(I)の化合物、あるいはそのN-オキシドまたは薬学的に許容可能な塩を含み、式中、
はメチルであり、
は水素であり、
は、トリフルオロメチル、ならびに、任意選択でヒドロキシ-C1-6アルキル、C1-6アルキルアミノ、ヒドロキシ-C1-6アルキルアミノ、ジ-C1-6アルキルアミノ、1H-イミダゾリル、C1-6アルキル-1H-イミダゾリル、カルバモイル、C1-6アルキルカルバモイル、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、C1-6アルキルピペラジノ、モルホリノ、C-Cアルコキシ、トリフルオロ-C1-6アルコキシ、フェニル、ピリジル、およびハロゲニルからなる群から選択されたさらなる置換基によって置換されたフェニルである。
【0283】
いくつかの実施形態では、非晶質固体分散体は、式(I)の化合物、あるいはそのN-オキシドまたは薬学的に許容可能な塩であり、
はメチルであり、
は水素であり、
は、5-トリフルオロメチル、ならびに、任意選択で2-メチル-1H-イミダゾリル、4-メチル-1H-イミダゾリル、2,4-ジメチル-1H-イミダゾリル、5-メチル-1H-イミダゾリル、2-メトキシメチルアミノ、プロポキシ、エトキシ、メチルアミノカルボニル、ベンゾイル、4-メトキシ-2-メチル、アセチルアミノ、2,4-ジメチル-1H-イミダゾリル、酢酸エチルエステル、ピペリジンカルボン酸エチルエステルからなる群から選択されたさらなる置換基によって置換されたフェニルである。
【0284】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいはそのN-オキシドまたは薬学的に許容可能な塩は、約10mg~約500mgの量で医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、ポロクサマー188またはレシチンである。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、約10mg~約500mgの量で医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、非イオン性親水性ポリマーは、ポリビニルアルコール(PVA)、オリゴ糖、多糖類、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCまたはヒプロメロース)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ポリエチレンオキシド、ヒドロキシプロピルβシクロデキストリン(HP-β-CD)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMCAS)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ酢酸ビニルとポリビニルカプロラクタムベースのグラフトコポリマー(PVAc-PVCap-PEG)、ポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコール(PCL-PVAc-PEG)、あるいはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、非イオン性親水性ポリマーは、約10mg~約500mgの量で医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、非晶質固体分散体は約10重量%~約35重量%の量で二酸化ケイ素粉末を含む。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいはそのN-オキシドまたは薬学的に許容可能な塩は、ニロチニブまたはその薬学的に可能な塩である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいはそのN-オキシドまたは薬学的に可能な塩は、ニロチニブ塩酸塩である。
【0285】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、
b)非晶質固体分散体であって、
i.式(I)
【0286】
【化10】
の化合物、あるいはそのN-オキシドまたは薬学的に許容可能な塩
(式中、
は水素、C-Cアルキル、またはハロゲンであり、
は水素、C-Cアルキル、C1-6アルコキシ-C1-6アルキル、アシルオキシ-C1-6アルキル、カルボキシ-C1-6アルキル、C1-6アルコキシカルボニル-C1-6アルキル、またはフェニル-C1-6アルキルであり、
は水素、任意選択かつ独立して、1つ以上のR10、シクロアルキル、ベンズシクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール基、あるいは0、1、2、または3つの環窒素原子と0または1つの酸素原子および0または1つの硫黄原子を含む単環式または二環式のヘテロアリール基によって置換されたC-Cアルキルであり、それぞれの場合の基は非置換であるか、あるいは一置換または多置換であり、
10はヒドロキシ、C-Cアルコキシ、アシルオキシ、カルボキシ、C1-6アルコキシカルボニル、カルバモイル、N-一置換またはN,N-二置換カルバモイル、アミノ、一置換または二置換のアミノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール基、あるいは0、1、2、または3つの環窒素原子と0または1つの酸素原子と0または1つの硫黄原子を含む単環式または二環式のヘテロアリール基を表し、それぞれの場合の基は非置換であるか、あるいは一置換または多置換であり、あるいは、
とRは一体となって、C-Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、フェニル、ヒドロキシ、C-Cアルコキシ、アミノ、一置換または二置換のアミノ、オキソ、ピリジル、ピラジニル、またはピリミジニルによって任意選択で一置換または二置換されたC-Cアルキレン、4つまたは5つの炭素原子を有するベンズアルキレン、1つの酸素および3つまたは4つの炭素原子を有するオキサアルキレン、あるいは、1つの窒素および3つまたは4つの炭素原子を有するアザアルキレンを形成し、窒素は非置換であるか、C-Cアルキル、フェニル-C-Cアルキル、C1-6アルコキシカルボニル-C1-6アルキル、カルボキシ-C1-6アルキル、カルバモイル-C1-6アルキル、N-一置換またはN,N-二置換カルバモイル-C1-6アルキル、シクロアルキル、C1-6アルコキシカルボニル、カルボキシ、フェニル、置換されたフェニル、ピリジニル、ピリミジニル、またはピラジニルによって置換される)、
ii.界面活性剤であって、界面活性剤はポリマー性非イオン性界面活性剤およびリン脂質から選択される、界面活性剤、
iii.非イオン性親水性ポリマー、および、
iv.任意選択で、吸着剤、を含む、
非晶質固体分散体と、
c)薬学的に許容可能な担体または賦形剤と、を含む。
【0287】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、非晶質固体分散体を含み、非晶質固体分散体では、
は水素、C-Cアルキル、またはハロゲンであり、
は水素、C-Cアルキル、C1-6アルコキシ-C1-6アルキル、またはベンジルであり、
はC-Cアルキル、トリフルオロ-C1-6アルキル、ヒドロキシ-C1-6アルキル、アミノ-C1-6アルキル、C1-6アルキルアミノ-C1-6アルキル、ジ-C1-6アルキルアミノ-C1-6アルキル、N-シクロヘキシル-N-1-6アルキルアミノ-C1-6アルキル、C1-6アルコキシカルボニルピペリジノ-C1-6アルキル、N-C1-6アルキルピペラジノ-C1-6アルキル、C1-6アルコキシカルボニル-C1-6アルキル、ヒドロキシ、C-Cアルコキシ、トリフルオロ-C1-6アルコキシ、1H-イミダゾリル-C1-6アルコキシ、C1-6アルカノイルオキシ、ベンゾイルオキシ、カルボキシ、C1-6アルコキシカルボニル、カルバモイル、C1-6アルキルカルバモイル、アミノ、C1-6アルカノイルアミノ、ベンゾイルアミノ、C-Cアルキルによって、ヒドロキシ-C1-6アルキルによって、またはC1-6アルコキシ-C1-6アルキルによって一置換または二置換されたアミノ、1H-イミダゾリル、C1-6アルキル-1H-イミダゾリル、カルボキシ-1H-イミダゾリル、C1-6アルキル-エステルカルボキシ-1H-イミダゾリル、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、N-C1-6アルキルピペラジノ、モルホリノ、スルファモイル、C1-6アルキルスルホニル、フェニル、ピリジル、ハロゲニル、またはベンゾイルからなる群から選択される1つまたは2つの置換基によって置換されたフェニルである。
【0288】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、非晶質固体分散体を含み、非晶質固体分散体では、
はメチルであり、
は水素であり、
は、トリフルオロメチル、ならびに、任意選択でヒドロキシ-C1-6アルキル、C1-6アルキルアミノ、ヒドロキシ-C1-6アルキルアミノ、ジ-C1-6アルキルアミノ、1H-イミダゾリル、C1-6アルキル-1H-イミダゾリル、カルバモイル、C1-6アルキルカルバモイル、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、C1-6アルキルピペラジノ、モルホリノ、C-Cアルコキシ、トリフルオロ-C1-6アルコキシ、フェニル、ピリジル、およびハロゲニルからなる群から選択されたさらなる置換基によって置換されたフェニルである。
【0289】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、非晶質固体分散体を含み、非晶質固体分散体では、
はメチルであり、
は水素であり、
は、5-トリフルオロメチル、ならびに、任意選択で2-メチル-1H-イミダゾリル、4-メチル-1H-イミダゾリル、2,4-ジメチル-1H-イミダゾリル、5-メチル-1H-イミダゾリル、2-メトキシメチルアミノ、プロポキシ、エトキシ、メチルアミノカルボニル、ベンゾイル、4-メトキシ-2-メチル、アセチルアミノ、2,4-ジメチル-1H-イミダゾリル、酢酸エチルエステル、ピペリジンカルボン酸エチルエステルからなる群から選択されたさらなる置換基によって置換されたフェニルである。
【0290】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいはそのN-オキシドまたは薬学的に許容可能な塩は、約10mg~約500mgの量で医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、ポロクサマー188またはレシチンである。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、約10mg~約500mgの量で医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、非イオン性親水性ポリマーは、ポリビニルアルコール(PVA)、オリゴ糖、多糖類、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCまたはヒプロメロース)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ポリエチレンオキシド、ヒドロキシプロピルβシクロデキストリン(HP-β-CD)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMCAS)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ酢酸ビニルとポリビニルカプロラクタムベースのグラフトコポリマー(PVAc-PVCap-PEG)、ポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコール(PCL-PVAc-PEG)、あるいはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、非イオン性親水性ポリマーは、約10mg~約500mgの量で医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、非晶質固体分散体は約10重量%~約35重量%の量で二酸化ケイ素粉末を含む。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいはそのN-オキシドまたは薬学的に可能な塩は、ニロチニブ塩酸塩である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、経口投与後の全曲線下面積(AUC)として測定されたとき、または経口投与後にCmaxとして測定されたとき、結晶性ニロチニブ塩酸塩を含む対応する製剤のバイオアベイラビリティよりも少なくとも2倍高いバイオアベイラビリティを示す。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、経口投与後の全曲線下面積(AUC)として測定されたとき、または経口投与後にCmaxとして測定されたとき、ニロチニブ塩酸塩を含む参照医薬組成物のバイオアベイラビリティよりも少なくとも2倍高いバイオアベイラビリティを示し、参照医薬組成物は非晶質固体分散体を含まない。いくつかの実施形態では、バイオアベイラビリティは、絶食状態または摂食状態の犬モデルにおいて測定される。
【0291】
非晶質固体分散体が本明細書に開示され、非晶質固体分散体は、a)ニロチニブ遊離塩基またはその薬学的に許容可能な塩、b)レシチンである界面活性剤、c)非イオン性親水性ポリマー、および、d)任意選択で、吸着剤、を含む。いくつかの実施形態では、ニロチニブ遊離塩基またはその薬学的に許容可能な塩は、ニロチニブの塩である。いくつかの実施形態では、ニロチニブの塩は、ニロチニブ塩酸塩、ニロチニブ硫酸塩、ニロチニブフマル酸塩、ニロチニブ2-クロロマンデル酸塩、ニロチニブコハク酸塩、ニロチニブアジピン酸塩、ニロチニブl-酒石酸塩、ニロチニブグルタル酸塩、ニロチニブp-トルエンスルホン酸塩、ニロチニブ樟脳スルホン酸塩、ニロチニブグルタミン酸塩、ニロチニブパルミチン酸塩、ニロチニブキナ塩酸塩、ニロチニブクエン酸塩、ニロチニブマレイン酸塩、ニロチニブ酢酸塩、ニロチニブl-リンゴ酸塩、ニロチニブl-アスパラギン酸塩、ニロチニブギ酸塩、ニロチニブ臭化水素酸塩、ニロチニブシュウ酸塩、およびニロチニブマロン酸塩から選択される。いくつかの実施形態では、ニロチニブ遊離塩基またはその薬学的に許容可能な塩は、固形物に基づいて約5wt%~約70wt%の量で非晶質固体分散体中に存在する。いくつかの実施形態では、界面活性剤は固形物に基づいて約5wt%~約70wt%の量で非晶質固体分散体中に存在する。いくつかの実施形態では、ニロチニブ遊離塩基またはその薬学的に許容可能な塩対界面活性剤の重量比は、約10:1~約1:10である。いくつかの実施形態では、非イオン性親水性ポリマーは、ポリビニルアルコール(PVA)、オリゴ糖、多糖類、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCまたはヒプロメロース)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ポリエチレンオキシド、ヒドロキシプロピルβシクロデキストリン(HP-β-CD)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMCAS)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ酢酸ビニルとポリビニルカプロラクタムベースのグラフトコポリマー(PVAc-PVCap-PEG)、ポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコール(PCL-PVAc-PEG)、あるいはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、非イオン性親水性ポリマーは、HPMC、PVP、HP-β-CD、またはPVA、PCL-PVAc-PEG、またはPCL-PVAc-PEGである。いくつかの実施形態では、非イオン性親水性ポリマーは固形物に基づいて約5wt%~約70wt%の量で非晶質固体分散体中に存在する。いくつかの実施形態では、ニロチニブ遊離塩基またはその薬学的に許容可能な塩対非イオン性親水性ポリマーの重量比は、約10:1~約1:10である。いくつかの実施形態では、非晶質固体分散体の平均粒度は、粒径の観点から、約1μm~約150μmである。
【0292】
医薬組成物が本明細書で開示され、医薬組成物は、a)非晶質固体分散体であって、i.ニロチニブ遊離塩基またはその薬学的に許容可能な塩、ii.レシチンである界面活性剤、iii.非イオン性親水性ポリマー、および、iv.任意選択で、二酸化ケイ素、を含む、非晶質固体分散体と、b)薬学的に許容可能な担体または賦形剤と、を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は錠剤またはカプセルの形態である。いくつかの実施形態では、ニロチニブ遊離塩基またはその薬学的に許容可能な塩は、ニロチニブの塩である。いくつかの実施形態では、ニロチニブの塩は、ニロチニブ塩酸塩、ニロチニブ硫酸塩、ニロチニブフマル酸塩、ニロチニブ2-クロロマンデル酸塩、ニロチニブコハク酸塩、ニロチニブアジピン酸塩、ニロチニブl-酒石酸塩、ニロチニブグルタル酸塩、ニロチニブp-トルエンスルホン酸塩、ニロチニブ樟脳スルホン酸塩、ニロチニブグルタミン酸塩、ニロチニブパルミチン酸塩、ニロチニブキナ塩酸塩、ニロチニブクエン酸塩、ニロチニブマレイン酸塩、ニロチニブ酢酸塩、ニロチニブl-リンゴ酸塩、ニロチニブl-アスパラギン酸塩、ニロチニブギ酸塩、ニロチニブ臭化水素酸塩、ニロチニブシュウ酸塩、およびニロチニブマロン酸塩から選択される。いくつかの実施形態では、ニロチニブ遊離塩基またはその薬学的に許容可能な塩は、約10mg~約500mgの量で医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、約10mg~約500mgの量で医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、非イオン性親水性ポリマーは、ポリビニルアルコール(PVA)、オリゴ糖、多糖類、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCまたはヒプロメロース)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ポリエチレンオキシド、ヒドロキシプロピルβシクロデキストリン(HP-β-CD)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMCAS)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ酢酸ビニルとポリビニルカプロラクタムベースのグラフトコポリマー(PVAc-PVCap-PEG)、ポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコール(PCL-PVAc-PEG)、あるいはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、非イオン性親水性ポリマーは、約10mg~約500mgの量で医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、非晶質固体分散体は約10重量%~約35重量%の量で二酸化ケイ素粉末を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は有機酸を含まない。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、75℃/75%RHで少なくとも2週間保存安定性であり、保存安定性の医薬組成物は、保存期間の終了時に100ppm未満の不純物Aを有する。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、経口投与後の全曲線下面積(AUC)として測定される場合、または経口投与後にCmaxとして測定される場合、結晶形態のニロチニブ遊離塩基またはその薬学的に許容可能な塩を含む対応する製剤のバイオアベイラビリティよりも少なくとも2倍高いバイオアベイラビリティを示す。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、経口投与後の全曲線下面積(AUC)として測定されたとき、または経口投与後にCmaxとして測定されたとき、ニロチニブHClを含む参照医薬組成物のバイオアベイラビリティよりも少なくとも2倍高いバイオアベイラビリティを示し、参照医薬組成物は非晶質固体分散体を含まない。いくつかの実施形態では、バイオアベイラビリティは、絶食状態または摂食状態の犬モデルにおいて測定される。いくつかの実施形態では、医薬組成物のバイオアベイラビリティは、経口投与後の全曲線下面積(AUC)として測定される場合、または経口投与後のCmaxとして測定される場合、絶食状態で投与されたバイオアベイラビリティと比較して、摂食状態で経口投与した場合に50%を超えて変化することはない。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、a)非晶質固体分散体であって、i.約20mg~約200mgの量のニロチニブ遊離塩基またはニロチニブHCl、ii.約10mg~約500mgの量の界面活性剤であって、レシチン、またはポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールのブロックコポリマーを含む、界面活性剤、iii.約10mg~約500mgの量の非イオン性親水性ポリマーであって、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、またはヒドロキシプロピルβシクロデキストリン(HP-β-CD)を含む、非イオン性親水性ポリマー、および、iv.任意選択で、約10mg~300mgの量の二酸化ケイ素、を含む、非晶質固体分散体と、b)薬学的に許容可能な担体または賦形剤と、を含む。いくつかの実施形態では、非晶質固体分散体は、a)ニロチニブ遊離塩基、b)界面活性剤であって、界面活性剤はポリマー性非イオン性界面活性剤およびリン脂質から選択される、界面活性剤、c)非イオン性親水性ポリマー、および、d)任意選択で、二酸化ケイ素、を含む。いくつかの実施形態では、ニロチニブ遊離塩基は固形物に基づいて約5wt%~約70wt%の量で非晶質固体分散体中に存在する。いくつかの実施形態では、界面活性剤はポリマー性非イオン性界面活性剤である。いくつかの実施形態では、ポリマー性非イオン性界面活性剤はポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールのブロックコポリマーを含む。いくつかの実施形態では、ポリマー性非イオン性界面活性剤はポロクサマー188である。いくつかの実施形態では、界面活性剤は1つ以上のリン脂質を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のリン脂質は、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルセリン、プラズマローゲン、スフィンゴミエリン、およびホスファチジン酸を含む。いくつかの実施形態では、界面活性剤はレシチンまたはポロクサマー188を含む。いくつかの実施形態では、界面活性剤は固形物に基づいて約5wt%~約70wt%の量で非晶質固体分散体中に存在する。いくつかの実施形態では、ニロチニブ遊離塩基対界面活性剤の重量比は、約10:1~約1:10である。いくつかの実施形態では、非イオン性親水性ポリマーは、ポリビニルアルコール(PVA)、オリゴ糖、多糖類、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCまたはヒプロメロース)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ポリエチレンオキシド、ヒドロキシプロピルβシクロデキストリン(HP-β-CD)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMCAS)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ酢酸ビニルとポリビニルカプロラクタムベースのグラフトコポリマー(PVAc-PVCap-PEG)、ポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコール(PCL-PVAc-PEG)、あるいはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、非イオン性親水性ポリマーは、HPMC、PVP、HP-β-CD、PVA、またはPCL-PVAc-PEGである。いくつかの実施形態では、非イオン性親水性ポリマーは固形物に基づいて約5wt%~約70wt%の量で非晶質固体分散体中に存在する。いくつかの実施形態では、ニロチニブ遊離塩基対非イオン性親水性ポリマーの重量比は、約10:1~約1:10である。いくつかの実施形態では、非晶質固体分散体の平均粒度は、粒径の観点から、約1μm~約150μmである。いくつかの実施形態では、非晶質固体分散体の平均粒度は、粒径の観点から、約1μm~約1000μmである。
【0293】
医薬組成物が本明細書で開示され、医薬組成物は、a)非晶質固体分散体であって、i.ニロチニブ遊離塩基、ii.界面活性剤であって、界面活性剤はポリマー性非イオン性界面活性剤およびリン脂質から選択される、界面活性剤、iii.非イオン性親水性ポリマー、および、iv.任意選択で、二酸化ケイ素、を含む、非晶質固体分散体と、b)薬学的に許容可能な担体または賦形剤と、を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は錠剤またはカプセルの形態である。いくつかの実施形態では、ニロチニブ遊離塩基は、約10mg~約500mgの量で医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、ポロクサマー188またはレシチンである。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、約10mg~約500mgの量で医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、非イオン性親水性ポリマーは、ポリビニルアルコール(PVA)、オリゴ糖、多糖類、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCまたはヒプロメロース)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ポリエチレンオキシド、ヒドロキシプロピルβシクロデキストリン(HP-β-CD)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMCAS)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ酢酸ビニルとポリビニルカプロラクタムベースのグラフトコポリマー(PVAc-PVCap-PEG)、ポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコール(PCL-PVAc-PEG)、あるいはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、非イオン性親水性ポリマーは、約10mg~約500mgの量で医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、非晶質固体分散体は約10重量%~約35重量%の量で二酸化ケイ素粉末を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は有機酸を含まない。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、75℃/75%RHで少なくとも2週間保存安定性であり、保存安定性の医薬組成物は、保存期間の終了時に100ppm未満の不純物Aを有する。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、経口投与後の全曲線下面積(AUC)として測定されたとき、または経口投与後にCmaxとして測定されたとき、結晶性ニロチニブを含む対応する製剤のバイオアベイラビリティよりも少なくとも2倍高いバイオアベイラビリティを示す。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、経口投与後の全曲線下面積(AUC)として測定されたとき、または経口投与後にCmaxとして測定されたとき、ニロチニブHClを含む参照医薬組成物のバイオアベイラビリティよりも少なくとも2倍高いバイオアベイラビリティを示し、参照医薬組成物は非晶質固体分散体を含まない。いくつかの実施形態では、バイオアベイラビリティは、絶食状態または摂食状態の犬モデルにおいて測定される。いくつかの実施形態では、医薬組成物のバイオアベイラビリティは、経口投与後の全曲線下面積(AUC)として測定される場合、または経口投与後のCmaxとして測定される場合、絶食状態で投与されたバイオアベイラビリティと比較して、摂食状態で経口投与した場合に50%を超えて変化することはない。
【0294】
非晶質固体分散体を調製するための方法が本明細書で開示され、上記方法は、(a)(i)医薬品有効成分またはその薬学的に許容可能な塩、(ii)界面活性剤であって、界面活性剤はポリマー性非イオン性界面活性剤およびリン脂質から選択される、界面活性剤、(iii)非イオン性親水性ポリマー、(iv)任意選択で、添加剤、および、(v)溶媒を組み合わせる工程であって、それによって、液体の混合物または溶液を生成する、工程と、b)前記混合物から溶媒を取り除く工程であって、それによって、非晶質固体分散体を生成する、工程と、を含む。いくつかの実施形態では、溶媒は有機溶媒または有機溶媒の混合物である。いくつかの実施形態では、溶媒はアルコールであるか、またはアルコールを含む。いくつかの実施形態では、組み合わせる工程は、医薬品有効成分またはその薬学的に許容可能な塩、界面活性剤、および非イオン性親水性ポリマーを溶媒に溶解させることを含む。いくつかの実施形態では、取り除く工程は、噴霧乾燥またはローター蒸発(rotor evaporation)を含む。いくつかの実施形態では、取り除く工程は、吸着剤に溶液を噴霧することと流動床装置で乾燥させることを含む。
【0295】
癌を処置する方法が本明細書で開示され、上記方法は、本明細書で開示される実施形態のいずれか1つの非晶質固体分散体または医薬組成物を、処置を必要としている対象に投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、癌は血液癌である。いくつかの実施形態では、血液癌は慢性骨髄性白血病(CML)である。いくつかの実施形態では、癌は固形腫瘍である。
【0296】
BCR-ABLチロシンキナーゼを阻害する方法が本明細書で開示され、上記方法は、本明細書で開示される実施形態のいずれか1つの非晶質固体分散体または医薬組成物を、処置を必要としている対象に投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、対象はイマチニブに耐性があるか、不耐性である。いくつかの実施形態では、方法はさらに、化学療法剤を投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、方法はさらに、エリスロポエチンまたはG-CSFなどの造血成長因子を投与する工程を含む。
図1a
図1b
【国際調査報告】