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特表2023-543829害虫制御のためのミュー-ジゲトキシン-Dc1aバリアントポリペプチド
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-18
(54)【発明の名称】害虫制御のためのミュー-ジゲトキシン-Dc1aバリアントポリペプチド
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/12 20060101AFI20231011BHJP
   C07K 14/435 20060101ALI20231011BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20231011BHJP
   C07K 19/00 20060101ALI20231011BHJP
   C12P 21/02 20060101ALI20231011BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20231011BHJP
   C12N 15/113 20100101ALI20231011BHJP
   A01P 7/04 20060101ALI20231011BHJP
   A01N 63/50 20200101ALI20231011BHJP
【FI】
C12N15/12
C07K14/435 ZNA
C12N1/19
C07K19/00
C12P21/02 A
C12N15/63 Z
C12N15/113 Z
A01P7/04
A01N63/50
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023519531
(86)(22)【出願日】2021-09-27
(85)【翻訳文提出日】2023-05-25
(86)【国際出願番号】 US2021052259
(87)【国際公開番号】W WO2022067214
(87)【国際公開日】2022-03-31
(31)【優先権主張番号】63/084,339
(32)【優先日】2020-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】522410008
【氏名又は名称】ヴェスタロン・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】カイル・シュナイダー
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンドラ・ハーゼ
(72)【発明者】
【氏名】ブレック・デイヴィス
【テーマコード(参考)】
4B064
4B065
4H011
4H045
【Fターム(参考)】
4B064AG30
4B064CA19
4B064CC24
4B064DA12
4B065AA72X
4B065AA76X
4B065AA77X
4B065AA79X
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA02
4B065CA24
4B065CA48
4H011AC01
4H011BB06
4H011BB19
4H011DH11
4H045AA10
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA09
4H045CA51
4H045DA83
4H045EA06
4H045FA74
(57)【要約】
新しい殺虫ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、及びヌクレオチド;培養及び植物におけるそれらの発現;そのペプチド、ポリペプチド、タンパク質、及びヌクレオチドを産生する方法;新しいプロセス;新しい産生技術;新しい製剤;並びに新しい生物が開示される。本開示はまた、アメリカ砂漠クモ(Diguetia canities)から単離されたペプチド、ミュー-ジゲトキシン-Dc1aの天然に存在しない修飾形態である、Dc1a-バリアントポリペプチド(DVP)と名づけられた新規の種のペプチドに関する。本明細書では、DVPをコードする遺伝子、遺伝子及びペプチドの両方の様々な製剤及び組み合わせ、並びに昆虫の制御に有用であるそれを使用するための方法について説明する。更に、本発明は、4つ以上のジスルフィド結合を有するポリペプチドから1つ以上のジスルフィド結合を除去することによって作製された、シスチンノット(CK)構造を有する新規組換えシステインリッチタンパク質(CRP)に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の昆虫種に対して殺虫活性を有するジゲトキシン(diguetoxin)バリアントポリペプチド(DVP)であって、前記DVPが、式(I):A-X-D-G-D-V-E-G-P-A-G-C-K-K-Y-D-X-E-C-X-X-G-E-C-C-Q-K-Q-Y-L-X-X-K-W-R-X-L-X-C-R-X-X10-K-S-G-F-F-S-S-K-X11-X12-C-R-D-Vに記載のアミノ酸配列と少なくとも80%、85%、90%、又は少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含み、前記ポリペプチドが、配列番号2に示されるジゲトキシンの野生型配列と比較して、少なくとも1つのアミノ酸置換を含み、式中、Xが、K又はLであり、Xが、V、A、又はEであり、Xが、D、Y、又はAであり、Xが、S又はAであり、Xが、W、A、Fであり、Xが、Y、A、S、H、又はKであり、Xが、P又はAであり、Xが、D、A、K、S、T、又はMであり、Xが、C、G、T、A、S、M、又はVであり、X10が、L、A、N、V、S、E、I、又はQであり、X11が、C、F、A、T、S、M、又はVであり、X12が、V、A、又はTである、ジゲトキシンバリアントポリペプチド(DVP)、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
が、G、T、A、S、M、若しくはVであるか、又はX11が、F、A、T、S、M、若しくはVである場合、ジスルフィド結合が除去される、請求項1に記載のDVP。
【請求項3】
前記DVPが、配列番号6~43、45~51、53、128、130、136、139~140、144、146~147、187~191、202~215、若しくは217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ配列、又はそれらの薬学的に許容される塩を含む、請求項1に記載のDVP。
【請求項4】
前記DVPが、配列番号6~11、15~16、20~22、24~26、29、35、45~48、53、128、136、139~140、144、146~147、187~191、207、210~215、若しくは217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ配列、又はそれらの薬学的に許容される塩を含む、請求項3に記載のDVP。
【請求項5】
前記DVPが、配列番号47、53、136、139~140、144、146~147、187~191、210~215、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ配列、又はそれらの薬学的に許容される塩を含む、請求項4に記載のDVP。
【請求項6】
前記DVPが、2つ以上のDVPのホモポリマー又はヘテロポリマーであり、各DVPの前記アミノ酸配列が、同じであるか、又は異なる、請求項1に記載のDVP。
【請求項7】
前記DVPが、切断可能又は切断不能リンカーによって分離された2つ以上のDVPを含む融合タンパク質であり、各DVPの前記アミノ酸配列が、同じである場合も異なる場合もある、請求項1に記載のDVP。
【請求項8】
前記切断可能なリンカーが、昆虫の腸内又は血液リンパ内で切断可能である、請求項7に記載のDVP。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載のDVP又はそれらの組み合わせと、賦形剤と、を含む、組成物。
【請求項10】
DVPをコードするように動作可能なポリヌクレオチドであって、前記DVPが、式(I):A-X-D-G-D-V-E-G-P-A-G-C-K-K-Y-D-X-E-C-X-X-G-E-C-C-Q-K-Q-Y-L-X-X-K-W-R-X-L-X-C-R-X-X10-K-S-G-F-F-S-S-K-X11-X12-C-R-D-Vに記載のアミノ酸配列と少なくとも80%、85%、90%、又は少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含み、ポリペプチドが、配列番号2に示されるジゲトキシンの野生型配列と比較して、少なくとも1つのアミノ酸置換を含み、式中、Xが、K又はLであり、Xが、V、A、又はEであり、Xが、D、Y、又はAであり、Xが、S又はAであり、Xが、W、A、Fであり、Xが、Y、A、S、H、又はKであり、Xが、P又はAであり、Xが、D、A、K、S、T、又はMであり、Xが、C、G、T、A、S、M、又はVであり、X10が、L、A、N、V、S、E、I、又はQであり、X11が、C、F、A、T、S、M、又はVであり、X12が、V、A、又はTである、ポリヌクレオチド、又はその相補的ヌクレオチド配列。
【請求項11】
前記ポリヌクレオチドが、DVPをコードする場合、Xが、G、T、A、S、M、若しくはVであるか、又はX11が、F、A、T、S、M、若しくはVである場合、ジスルフィド結合が除去される、請求項10に記載のポリヌクレオチド。
【請求項12】
前記ポリヌクレオチドが、配列番号6~43、45~51、53、128、130、136、139~140、144、146~147、187~191、202~215、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ配列を有するDVPをコードする、請求項10に記載のポリヌクレオチド。
【請求項13】
前記ポリヌクレオチドが、配列番号6~11、15~16、20~22、24~26、29、35、45~48、53、128、136、139~140、144、146~147、187~191、207、210~215、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ配列を有するDVPをコードする、請求項12に記載のポリヌクレオチド。
【請求項14】
前記ポリヌクレオチドが、配列番号47、53、136、139~140、144、146~147、187~191、210~215、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ配列を有するDVPをコードする、請求項13に記載のポリヌクレオチド。
【請求項15】
DVPを産生する方法であって、
(a)DVPをコードするように動作可能なポリヌクレオチド又はその相補的ヌクレオチド配列を含む第1の発現カセットを含むベクターを調製することであって、前記DVPが、式(I):A-X-D-G-D-V-E-G-P-A-G-C-K-K-Y-D-X-E-C-X-X-G-E-C-C-Q-K-Q-Y-L-X-X-K-W-R-X-L-X-C-R-X-X10-K-S-G-F-F-S-S-K-X11-X12-C-R-D-Vに記載のアミノ酸配列と少なくとも80%、85%、90%、又は少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含み、ポリペプチドが、配列番号2に示されるジゲトキシンの野生型配列と比較して、少なくとも1つのアミノ酸置換を含み、式中、Xが、K又はLであり、Xが、V、A、又はEであり、Xが、D、Y、又はAであり、Xが、S又はAであり、Xが、W、A、Fであり、Xが、Y、A、S、H、又はKであり、Xが、P又はAであり、Xが、D、A、K、S、T、又はMであり、Xが、C、G、T、A、S、M、又はVであり、X10が、L、A、N、V、S、E、I、又はQであり、X11が、C、F、A、T、S、M、又はVであり、X12が、V、A、又はTである、調製することと、
(b)前記ベクターを酵母細胞に導入することと、
(c)前記DVPの発現及び増殖培地への分泌を可能にするように動作可能な条件下で、前記増殖培地中で前記酵母細胞を増殖することと、を含む、方法。
【請求項16】
が、G、T、A、S、M、若しくはVであるか、又はX11が、F、A、T、S、M、若しくはVである場合、ジスルフィド結合が除去される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記DVPが、配列番号6~43、45~51、53、128、130、136、139~140、144、146~147、187~191、202~215、若しくは217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ配列、又はそれらの薬学的に許容される塩を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記DVPが、配列番号6~11、15~16、20~22、24~26、29、35、45~48、53、128、136、139~140、144、146~147、187~191、207、210~215、若しくは217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ配列、又はそれらの薬学的に許容される塩を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記DVPが、配列番号47、53、136、139~140、144、146~147、187~191、210~215、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ配列、又はそれらの薬学的に許容される塩を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記DVPが、2つ以上のDVPのホモポリマー又はヘテロポリマーであり、各DVPの前記アミノ酸配列が、同じであるか、又は異なる、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
前記DVPが、切断可能又は切断不能リンカーによって分離された2つ以上のDVPを含む融合タンパク質であり、各DVPの前記アミノ酸配列が、同じである場合も異なる場合もある、請求項15に記載の方法。
【請求項22】
前記切断可能なリンカーが、昆虫の腸内又は血液リンパ内で切断可能である、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記ベクターが、アルファ-MFシグナルを含むプラスミドである、請求項15に記載の方法。
【請求項24】
前記ベクターが、酵母細胞中に形質転換される、請求項15に記載の方法。
【請求項25】
前記酵母細胞が、Saccharomyces属、Pichia属、Kluyveromyces属、Hansenula属、Yarrowia属、又はSchizosaccharomyces属の任意の種から選択される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記酵母細胞が、Kluyveromyces lactis、Kluyveromyces marxianus、Saccharomyces cerevisiae、及びPichia pastorisからなる群から選択される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記酵母細胞が、Kluyveromyces lactisである、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記DVPが、前記増殖培地中に分泌される、請求項15に記載の方法。
【請求項29】
前記DVPの発現が、酵母培養培地1リットル当たり、少なくとも70mg/L、少なくとも80mg/L、少なくとも90mg/L、少なくとも100mg/L、少なくとも110mg/L、少なくとも120mg/L、少なくとも130mg/L、少なくとも140mg/L、少なくとも150mg/L、少なくとも160mg/L、少なくとも170mg/L、少なくとも180mg/L、少なくとも190mg/L 200mg/L、少なくとも500mg/L、少なくとも750mg/L、少なくとも1,000mg/L、少なくとも1,250mg/L、少なくとも1,500mg/L、少なくとも1,750mg/L、少なくとも2,000mg/L、少なくとも2,500mg/L、少なくとも3,000mg/L、少なくとも3,500mg/L、少なくとも4,000mg/L、少なくとも4,500mg/L、少なくとも5,000mg/L、少なくとも5,500mg/L、少なくとも少なくとも6,000mg/L、少なくとも6,500mg/L、少なくとも7,000mg/L、少なくとも7,500mg/L、少なくとも8,000mg/L、少なくとも8,500mg/L、少なくとも9,000mg/L、少なくとも9,500mg/L、少なくとも10,000mg/L、少なくとも11,000mg/L、少なくとも12,000mg/L、少なくとも12,500mg/L、少なくとも13,000mg/L、少なくとも14,000mg/L、少なくとも15,000mg/L、少なくとも16,000mg/L、少なくとも17,000mg/L、少なくとも17,500mg/L、少なくとも18,000mg/L、少なくとも19,000mg/L、少なくとも20,000mg/L、少なくとも25,000mg/L、少なくとも30,000mg/L、少なくとも40,000mg/L、少なくとも50,000mg/L、少なくとも60,000mg/L、少なくとも70,000mg/L、少なくとも80,000mg/L、少なくとも90,000mg/L、又は少なくとも100,000mg/LのDVPの収量を提供する、請求項15に記載の方法。
【請求項30】
前記培地中の前記DVPの発現が、前記培地中の単一のDVPの前記発現をもたらす、請求項15に記載の方法。
【請求項31】
前記培地中の前記DVPの発現が、前記培地中の2つ以上のDVPポリペプチドを含むDVPポリマーの前記発現をもたらす、請求項15に記載の方法。
【請求項32】
前記ベクターが、2つ又は3つの発現カセットを含み、各発現カセットが、前記第1の発現カセットの前記DVPをコードするように動作可能である、請求項15に記載の方法。
【請求項33】
前記ベクターが、2つ又は3つの発現カセットを含み、各発現カセットが、前記第1の発現カセットの前記DVP、又は異なる発現カセットのDVPをコードするように動作可能である、請求項15に記載の方法。
【請求項34】
前記発現カセットが、配列番号6~43、45~51、53、128、130、136、139~140、144、146~147、187~191、202~215、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有するDVPをコードするように動作可能である、請求項15に記載の方法。
【請求項35】
前記発現カセットが、配列番号6~11、15~16、20~22、24~26、29、35、45~48、53、128、136、139~140、144、146~147、187~191、207、210~215、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有するDVPをコードするように動作可能である、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記発現カセットが、配列番号47、53、136、139~140、144、146~147、187~191、210~215、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有するDVPをコードするように動作可能である、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
害虫を駆除、制御、又は阻害する方法であって、農薬有効量の請求項9に記載の組成物を、前記害虫の遺伝子座に、又は前記害虫による攻撃を受けやすい植物若しくは動物に適用することを含む、方法。
【請求項38】
前記害虫が、アヒマスフィンクスモス(ホーンワーム)(Eumorpha achemon)、アルファルファキャタピラー(Colias eurytheme)、アーモンドモス(Caudra cautella)、アモルビアモス(Amorbia humerosana)、アーミーワーム(Spodoptera spp.、例えば、exigua、frugiperda、littoralis、Pseudaletia unipuncta)、アーティチョークプルームモス(Platyptilia carduidactyla)、アゼリアキャタピラー(Datana major)、バッグワーム(Thyridopteryx)、ephemeraeformis)、バナナモス(Hypercompe scribonia)、バナナスキッパー(Erionota thrax)、ブラックヘディッドバドワーム(Acleris gloverana)、カルフォルニアオークワーム(Phryganidia californica)、スプリングキャンカーワーム(Paleacrita merriccata)、チェリーフルーツワーム(Grapholita packardi)、チャイナマークモス(Nymphula stagnata)、シトラスカットワーム(Xylomyges curialis)、コドリングモス(Cydia pomonella)、クランベリーフルーツワーム(Acrobasis vaccinii)、クロスストライプドキャベッジワーム(Evergestis rimosalis)、カットワーム(Noctuid種、Agrotis ipsilon)、ダグラスファータソックモス(Orgyia pseudotsugata)、エルロモス(ホーンワーム)(Erinnyis ello)、エルムスパンワーム(Ennomos subsignaria)、ヨーロピアングレープヴァインモス(Lobesia botrana)、ヨーロピアンスキッパー(Thymelicus lineola)、エセックススキッパー、フォールウェブワーム(Melissopus latiferreanus))、フィルバートリーフローラー(Archips rosanus))、フルーツツリーリーフローラー(Archips argyrospilia))、グレープベリーモス(Paralobesia viteana))、グレープリーフローラー(Platynota stultana))、グレープリーフスケルトナイザー(Harrisina americana)、グリーンクローバーワーム(Plathypena scabra))、グリーンストライプドメープルワーム(Dryocampa rubicunda))、Gummosos-Batrachedra comosae(ホッジズ)、ジプシーモス(Lymantria dispar)、ヘムロックルーパー(Lambdina fiscellaria)、ホーンワーム(Manduca spp.)、インポーテッドキャベッジワーム(Pieris rapae)、アイオモス(Automeris io)、ジャックパインバドワーム(Choristoneura pinus)、ライトブラウンアップルモス(Epiphyas postvittana)、メロンワーム(Diaphania hyalinata)、ミモザウェブワーム(Homadaula anisocentra)、オブリークバンディッドリーフローラー(Choristoneura rosaceana)、オリアンダーモス(Syntomeida epilais)、オムニバラスリーフローラー(Playnota stultana)、オムニバラスルーパー(Sabulodes aegrotata)、オレンジドッグ(Papilio cresphontes)、オレンジトートリクス(Argyrotaenia citrana)、オリエンタルフルーツモス(Grapholita molesta)、ピーチツイグボーア(Anarsia lineatella)、パインバタフライ(Neophasia menapia)、ポッドワーム、レッドバンディッドリーフローラー(Argyrotaenia velutinana)、レッドハンプトキャタピラー(Schizura concinna)、リンドワームコンプレックス(Various Leps.)、サドルバックキャタピラー(Sibine stimulea)、サドルプロミネントキャタピラー(Heterocampa guttivitta)、ソルトマーシュキャタピラー(Estigmene acrea)、ソッドウェブワーム(Crambus spp.)、スパンワーム(Ennomos subsignaria)、フォールキャンカーワーム(Alsophila pometaria)、スプルースバドワーム(Choristoneura fumiferana)、テントキャタピラー(Various Lasiocampidae)、Thecla-Thecla Basilides(Geyr)(Thecla basilides)、タバコホーンワーム(Manduca sexta)、タバコモス(Ephestia elutella)、タフテッドアップルバドモス(Platynota idaeusalis)、トゥイグボーア(Anarsia lineatella)、ベアリアゲイティドカットワーム(Peridroma saucia)、ベアリアゲイティドリーフローラー(Platynota flavedana)、ベルベットビーンキャタピラー(Anticarsia gemmatalis)、ウォルナットキャタピラー(Datana integerrima)、ウェブワーム(Hyphantria cunea)、ウエスタンタソックモス(Orgyia vetusta)、サザンコーンストークボーア(Diatraea crambidoides)、コーンイアワーム、スイートポテトウィービル、ペッパーウィービル、シトラスルートウィービル、ストロベリールートウィービル、ピーカンウィービル)、フィルバートウィービル、ライスウォーターウィービル、アルファルファウィービル、クローバーウィービル、ティーショット-ホールボーア、ルートウィービル、シュガーケインビートル、コーヒーベリーボーア、アニュアルブルーグラスウィービル(Listronotus maculicollis)、アジアティックガーデンビートル(Maladera castanea)、ヨーロピアンチェ-ファー(Rhizotroqus majalis)、グリーンジューンビートル(Cotinis nitida)、ジャパニーズビートル(Popillia japonica)、メイオアジューンビートル(Phyllophaga sp.)、ノーザンマスクドチェ-ファー(Cyclocephala borealis)、オリエンタルビートル(Anomala orientalis)、サザンマスクドチェ-ファー(Cyclocephala lurida)、ビルバグ(Curculionoidea)、Aedes aegypti、Busseola fusca、Chilo suppressalis、Culex pipiens、Culex quinquefasciatus、Diabrotica virgifera、Diatraea saccharalis、Helicoverpa armigera、Helicoverpa zea、Heliothis virescens、Leptinotarsa decemlineata、Ostrinia furnacalis、Ostrinia nubilalis、Pectinophora gossypiella、Plodia interpunctella、Plutella xylostella、Pseudoplusia includens、Spodoptera exigua、Spodoptera frugiperda、Spodoptera littoralis、Trichoplusia ni、及びXanthogaleruca luteolaからなる群からなる群から選択される、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記害虫が、Aedes aegypti、Busseola fusca、Chilo suppressalis、Culex pipiens、Culex quinquefasciatus、Diabrotica virgifera、Diatraea saccharalis、Helicoverpa armigera、Helicoverpa zea、Heliothis virescens、Leptinotarsa decemlineata、Ostrinia furnacalis、Ostrinia nubilalis、Pectinophora gossypiella、Plodia interpunctella、Plutella xylostella、Pseudoplusia includens、Spodoptera exigua、Spodoptera frugiperda、Spodoptera littoralis、Trichoplusia ni、及びXanthogaleruca luteolaからなる群から選択される、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
配列番号6~43、45~51、53、128、130、136、139~140、144、146~147、187~191、202~215、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列と少なくとも80%、85%、90%、又は少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を有するDVPをコードするように動作可能なポリヌクレオチドを含む、ベクター。
【請求項41】
前記ポリヌクレオチドが、配列番号6~11、15~16、20~22、24~26、29、35、45~48、53、128、136、139~140、144、146~147、187~191、207、210~215、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列と少なくとも80%、85%、90%、又は少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を有するDVPをコードするように動作可能である、請求項40に記載のベクター。
【請求項42】
前記ポリヌクレオチドが、配列番号47、53、136、139~140、144、146~147、187~191、210~215、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列と少なくとも80%、85%、90%、又は少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を有するDVPをコードするように動作可能である、請求項41に記載のベクター。
【請求項43】
酵母細胞であって、
(a)DVPをコードするように動作可能なポリヌクレオチドを含む第1の発現カセットであって、前記DVPが、式(I):A-X-D-G-D-V-E-G-P-A-G-C-K-K-Y-D-X-E-C-X-X-G-E-C-C-Q-K-Q-Y-L-X-X-K-W-R-X-L-X-C-R-X-X10-K-S-G-F-F-S-S-K-X11-X12-C-R-D-Vに記載のアミノ酸配列と少なくとも80%、85%、90%、又は少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含み、ポリペプチドが、配列番号2に示されるジゲトキシンの野生型配列と比較して、少なくとも1つのアミノ酸置換を含み、式中、Xが、K又はLであり、Xが、V、A、又はEであり、Xが、D、Y、又はAであり、Xが、S又はAであり、Xが、W、A、Fであり、Xが、Y、A、S、H、又はKであり、Xが、P又はAであり、Xが、D、A、K、S、T、又はMであり、Xが、C、G、T、A、S、M、又はVであり、X10が、L、A、N、V、S、E、I、又はQであり、X11が、C、F、A、T、S、M、又はVであり、X12が、V、A、又はTである、第1の発現カセット、又はその相補的ヌクレオチド配列を含む、酵母細胞。
【請求項44】
が、G、T、A、S、M、若しくはVであるか、又はX11が、F、A、T、S、M、若しくはVである場合、ジスルフィド結合が除去される、請求項43に記載の酵母細胞。
【請求項45】
前記DVPが、配列番号6~43、45~51、53、128、130、136、139~140、144、146~147、187~191、202~215、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ配列を含む、請求項43に記載の酵母細胞。
【請求項46】
前記DVPが、配列番号6~11、15~16、20~22、24~26、29、35、45~48、53、128、136、139~140、144、146~147、187~191、207、210~215、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ配列を含む、請求項45に記載の酵母細胞。
【請求項47】
前記DVPが、配列番号47、53、136、139~140、144、146~147、187~191、210~215、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ配列を含む、請求項46に記載の酵母細胞。
【請求項48】
前記酵母細胞が、Saccharomyces属、Pichia属、Kluyveromyces属、Hansenula属、Yarrowia属、又はSchizosaccharomyces属の任意の種から選択される、請求項43に記載の酵母細胞。
【請求項49】
前記酵母細胞が、Kluyveromyces lactis、Kluyveromyces marxianus、Saccharomyces cerevisiae、及びPichia pastorisからなる群から選択される、請求項48に記載の酵母細胞。
【請求項50】
前記酵母細胞が、Kluyveromyces lactis又はKluyveromyces marxianusである、請求項49に記載の酵母細胞。
【請求項51】
組換えシステインリッチタンパク質(CRP)であって、前記組換えCRPが、式(II)に記載のシスチンノット(CK)構造を含み、
【化1】
式中、C~CVIが、システイン残基であり、
システイン残基C及びCIVが、第1のジスルフィド結合によって接続されており、CII及びCが、第2のジスルフィド結合によって接続されており、CIII及びCVIが、第3のジスルフィド結合によって接続されており、
前記第1のジスルフィド結合、前記第2のジスルフィド結合、及び前記第3のジスルフィド結合が、シスチンノットモチーフを形成するジスルフィド結合トポロジーを有し、
前記第1のジスルフィド結合、第2のジスルフィド結合、及び第3のジスルフィド結合が、前記シスチンノットモチーフを形成する唯一のジスルフィド結合であり、
式中、N、L、L、L、L、L、及びCが、1~13個のアミノ酸残基の長さを有するアミノ酸配列を含むペプチドサブユニットであり、
、L、C、又はそれらの組み合わせが、任意選択で、存在せず、
前記組換えCRPが、1つ以上の非CKジスルフィド結合を有する修飾可能なCRPを修飾することによって作製されており、前記1つ以上の非CKジスルフィド結合が、前記第1のジスルフィド結合でも、前記第2のジスルフィド結合でも、前記第3のジスルフィド結合でもなく、前記1つ以上の非CKジスルフィド結合が、前記CKモチーフを形成せず、
前記修飾可能なCRPが、1つ以上の非CKジスルフィド結合を有する修飾可能なCRPから1つ以上の非CKジスルフィド結合を除去することによって修飾されており、
1つ以上の非CKジスルフィド結合を有する前記修飾可能なCRPから前記1つ以上のジスルフィド結合を除去することが、前記式(II)に記載のCK構造を有する前記組換えCRPをもたらし、
前記式(II)に記載のCK構造を有する前記組換えCRPが、前記式(II)に記載のCK構造を有しない修飾可能なCRPの発現レベルと比較して、増加した発現レベルを有する、組換えシステインリッチタンパク質。
【請求項52】
前記ジスルフィド結合トポロジーが、以下のシスチンノットモチーフ:阻害剤シスチンノット(ICK)モチーフ、成長因子シスチンノット(GFCK)モチーフ、又は環状シスチンノット(CCK)モチーフのうちの1つを形成する、請求項51に記載の組換えCRP。
【請求項53】
前記ジスルフィド結合トポロジーが、ICKモチーフを形成する、請求項52に記載の組換えCRP。
【請求項54】
前記修飾可能なCRPが、野生型μ-DGTX-Dc1a、DVP、カッパ-ACTX、ApsIII、又はそれらのバリアントである、請求項51に記載の組換えCRP。
【請求項55】
前記修飾可能なCRPが、配列番号1~2、193、195、又は198のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列を含む、請求項54に記載の組換えCRP。
【請求項56】
前記組換えCRPが、配列番号6~14、197、199、又は201のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列を含む、請求項55に記載の組換えCRP。
【請求項57】
式(II)に記載のシスチンノット(CK)構造を含む、組換えシステインリッチタンパク質(CRP)を作製する方法であって、
【化2】
式中、C~CVIが、システイン残基であり、
システイン残基C及びCIVが、第1のジスルフィド結合によって接続されており、CII及びCが、第2のジスルフィド結合によって接続されており、CIII及びCVIが、第3のジスルフィド結合によって接続されており、
前記第1のジスルフィド結合、前記第2のジスルフィド結合、及び前記第3のジスルフィド結合が、シスチンノットモチーフを形成するジスルフィド結合トポロジーを有し、
前記第1のジスルフィド結合、第2のジスルフィド結合、及び第3のジスルフィド結合が、前記シスチンノットモチーフを形成する唯一のジスルフィド結合であり、
式中、N、L、L、L、L、L、及びCが、1~13個のアミノ酸残基の長さを有するアミノ酸配列を含むペプチドサブユニットであり、
、L、C、又はそれらの組み合わせが、任意選択で、存在せず、
前記方法が、
(a)1つ以上の非CKジスルフィド結合を有する修飾可能なCRPを提供することであって、前記1つ以上の非CKジスルフィド結合が、前記第1のジスルフィド結合でも、前記第2のジスルフィド結合でも、前記第3のジスルフィド結合でもなく、前記1つ以上の非CKジスルフィド結合が、前記CKモチーフを形成しない、提供することと、
(b)1つ以上の非CKジスルフィド結合を有する修飾可能なCRPから1つ以上の非CKジスルフィド結合を除去することによって前記修飾可能なCRPを修飾することと、を含み、
1つ以上の非CKジスルフィド結合を有する前記修飾可能なCRPから前記1つ以上のジスルフィド結合を除去することが、前記式(II)に記載のCK構造を有する前記組換えCRPをもたらし、
前記式(II)に記載のCK構造を有する前記組換えCRPが、前記式(II)に記載のCK構造を有しない修飾可能なCRPの発現レベルと比較して、増加した発現レベルを有する、方法。
【請求項58】
前記ジスルフィド結合トポロジーが、以下のシスチンノットモチーフ:阻害剤シスチンノット(ICK)モチーフ、成長因子シスチンノット(GFCK)モチーフ、又は環状シスチンノット(CCK)モチーフのうちの1つを形成する、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記ジスルフィド結合トポロジーが、ICKモチーフを形成する、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記修飾可能なCRPが、野生型μ-DGTX-Dc1a、DVP、カッパ-ACTX、ApsIII、又はそれらのバリアントである、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記修飾可能なCRPが、配列番号1~2、193、195、又は198のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列を含む、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記組換えCRPが、配列番号6~14、197、199、又は201のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列を含む、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
組換えシステインリッチタンパク質(CRP)の収量を増加させる方法であって、前記方法が、
(a)式(II)に記載のシスチンノット(CK)構造を有する組換えCRPを作製することであって、
【化3】
式中、C~CVIが、システイン残基であり、
システイン残基C及びCIVが、第1のジスルフィド結合によって接続されており、CII及びCが、第2のジスルフィド結合によって接続されており、CIII及びCVIが、第3のジスルフィド結合によって接続されており、
前記第1のジスルフィド結合、前記第2のジスルフィド結合、及び前記第3のジスルフィド結合が、シスチンノットモチーフを形成するジスルフィド結合トポロジーを有し、
前記第1のジスルフィド結合、第2のジスルフィド結合、及び第3のジスルフィド結合が、前記シスチンノットモチーフを形成する唯一のジスルフィド結合であり、
式中、N、L、L、L、L、L、及びCが、1~13個のアミノ酸残基の長さを有するアミノ酸配列を含むペプチドサブユニットであり、
、L、C、又はそれらの任意の組み合わせが、任意選択で、存在せず、
前記組換えCRPが、以下のプロセスに従って作製される、作製すること、
(b)1つ以上の非CKジスルフィド結合を有する修飾可能なCRPを提供することであって、前記1つ以上の非CKジスルフィド結合が、前記第1のジスルフィド結合でも、前記第2のジスルフィド結合でも、前記第3のジスルフィド結合でもなく、前記1つ以上の非CKジスルフィド結合が、前記CKモチーフを形成しない、提供すること、
(c)1つ以上の非CKジスルフィド結合を有する修飾可能なCRPから1つ以上の非CKジスルフィド結合を除去することによって前記修飾可能なCRPを修飾すること、を含み、
1つ以上の非CKジスルフィド結合を有する前記修飾可能なCRPから前記1つ以上のジスルフィド結合を除去することが、前記式(II)に記載のCK構造を有する前記組換えCRPをもたらし、
前記式(II)に記載のCK構造を有する前記組換えCRPが、前記式(II)に記載のCK構造を有しない修飾可能なCRPの発現レベルと比較して、増加した発現レベルを有する、方法。
【請求項64】
前記ジスルフィド結合トポロジーが、以下のシスチンノットモチーフ:阻害剤シスチンノット(ICK)モチーフ、成長因子シスチンノット(GFCK)モチーフ、又は環状シスチンノット(CCK)モチーフのうちの1つを形成する、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記ジスルフィド結合トポロジーが、ICKモチーフを形成する、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記修飾可能なCRPが、野生型μ-DGTX-Dc1a、DVP、カッパ-ACTX、ApsIII、又はそれらのバリアントである、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記修飾可能なCRPが、配列番号1~2、193、195、又は198のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列を含む、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記組換えCRPが、配列番号6~14、197、199、又は201のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列を含む、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
1つ以上の昆虫種に対して殺虫活性を有するジゲトキシンバリアントポリペプチド(DVP)であって、前記DVPが、配列番号6~43、45~51、53、128、130、136、139~140、144、146~147、187~191、202~215、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列と少なくとも80%、85%、90%、又は少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む、ジゲトキシンバリアントポリペプチド又はその薬学的に許容される塩。
【請求項70】
1つ以上の昆虫種に対して殺虫活性を有するジゲトキシンバリアントポリペプチド(DVP)であって、前記DVPが、配列番号6~43、45~51、53、128、130、136、139~140、144、146~147、187~191、202~215、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列と少なくとも80%、85%、90%、又は少なくとも95%同一であるアミノ酸配列からなる、ジゲトキシンバリアントポリペプチド又はその薬学的に許容される塩。
【請求項71】
1つ以上の昆虫種に対して殺虫活性を有するジゲトキシンバリアントポリペプチド(DVP)であって、前記DVPが、配列番号6~43、45~51、53、128、130、136、139~140、144、146~147、187~191、202~215、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸からなる、ジゲトキシンバリアントポリペプチド又はその薬学的に許容される塩。
【請求項72】
1つ以上の昆虫種に対して殺虫活性を有するジゲトキシンバリアントポリペプチド(DVP)であって、前記DVPが、配列番号6~11、15~16、20~22、24~26、29、35、45~48、53、128、136、139~140、144、146~147、187~191、207、210~215、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列と少なくとも80%、85%、90%、又は少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む、ジゲトキシンバリアントポリペプチド又はその薬学的に許容される塩。
【請求項73】
1つ以上の昆虫種に対して殺虫活性を有するジゲトキシンバリアントポリペプチド(DVP)であって、前記DVPが、配列番号6~11、15~16、20~22、24~26、29、35、45~48、53、128、136、139~140、144、146~147、187~191、207、210~215、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列と少なくとも80%、85%、90%、又は少なくとも95%同一であるアミノ酸配列からなる、ジゲトキシンバリアントポリペプチド又はその薬学的に許容される塩。
【請求項74】
1つ以上の昆虫種に対して殺虫活性を有するジゲトキシンバリアントポリペプチド(DVP)であって、前記DVPが、配列番号6~11、15~16、20~22、24~26、29、35、45~48、53、128、136、139~140、144、146~147、187~191、207、210~215、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸からなる、ジゲトキシンバリアントポリペプチド又はその薬学的に許容される塩。
【請求項75】
1つ以上の昆虫種に対して殺虫活性を有するジゲトキシンバリアントポリペプチド(DVP)であって、前記DVPが、配列番号47、53、136、139~140、144、146~147、187~191、210~215、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列と少なくとも80%、85%、90%、又は少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む、ジゲトキシンバリアントポリペプチド又はその薬学的に許容される塩。
【請求項76】
1つ以上の昆虫種に対して殺虫活性を有するジゲトキシンバリアントポリペプチド(DVP)であって、前記DVPが、配列番号47、53、136、139~140、144、146~147、187~191、210~215、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列と少なくとも80%、85%、90%、又は少なくとも95%同一であるアミノ酸配列からなる、ジゲトキシンバリアントポリペプチド又はその薬学的に許容される塩。
【請求項77】
1つ以上の昆虫種に対して殺虫活性を有するジゲトキシンバリアントポリペプチド(DVP)であって、前記DVPが、配列番号47、53、136、139~140、144、146~147、187~191、210~215、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸からなる、ジゲトキシンバリアントポリペプチド又はその薬学的に許容される塩。
【請求項78】
1つ以上の昆虫種に対して殺虫活性を有するジゲトキシンバリアントポリペプチド(DVP)であって、前記DVPが、配列番号213、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列と少なくとも80%、85%、90%、又は少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む、ジゲトキシンバリアントポリペプチド又はその薬学的に許容される塩。
【請求項79】
1つ以上の昆虫種に対して殺虫活性を有するジゲトキシンバリアントポリペプチド(DVP)であって、前記DVPが、配列番号213、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列と少なくとも80%、85%、90%、又は少なくとも95%同一であるアミノ酸配列からなる、ジゲトキシンバリアントポリペプチド又はその薬学的に許容される塩。
【請求項80】
1つ以上の昆虫種に対して殺虫活性を有するジゲトキシンバリアントポリペプチド(DVP)であって、前記DVPが、配列番号213、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸からなる、ジゲトキシンバリアントポリペプチド又はその薬学的に許容される塩。
【請求項81】
1つ以上の昆虫種に対して殺虫活性を有するジゲトキシンバリアントポリペプチド(DVP)であって、前記DVPが、配列番号213に示されるアミノ酸を含む、ジゲトキシンバリアントポリペプチド又はその薬学的に許容される塩。
【請求項82】
1つ以上の昆虫種に対して殺虫活性を有するジゲトキシンバリアントポリペプチド(DVP)であって、前記DVPが、配列番号213に示されるアミノ酸からなる、ジゲトキシンバリアントポリペプチド又はその薬学的に許容される塩。
【請求項83】
1つ以上の昆虫種に対して殺虫活性を有するジゲトキシンバリアントポリペプチド(DVP)であって、前記DVPが、配列番号217に示されるアミノ酸を含む、ジゲトキシンバリアントポリペプチド又はその薬学的に許容される塩。
【請求項84】
1つ以上の昆虫種に対して殺虫活性を有するジゲトキシンバリアントポリペプチド(DVP)であって、前記DVPが、配列番号217に示されるアミノ酸からなる、ジゲトキシンバリアントポリペプチド又はその薬学的に許容される塩。
【請求項85】
1つ以上の昆虫種に対して殺虫活性を有するジゲトキシンバリアントポリペプチド(DVP)であって、前記DVPが、配列番号218に示されるアミノ酸を含む、ジゲトキシンバリアントポリペプチド又はその薬学的に許容される塩。
【請求項86】
1つ以上の昆虫種に対して殺虫活性を有するジゲトキシンバリアントポリペプチド(DVP)であって、前記DVPが、配列番号218に示されるアミノ酸からなる、ジゲトキシンバリアントポリペプチド又はその薬学的に許容される塩。
【請求項87】
1つ以上の昆虫種に対して殺虫活性を有するジゲトキシンバリアントポリペプチド(DVP)であって、前記DVPが、配列番号219に示されるアミノ酸を含む、ジゲトキシンバリアントポリペプチド又はその薬学的に許容される塩。
【請求項88】
1つ以上の昆虫種に対して殺虫活性を有するジゲトキシンバリアントポリペプチド(DVP)であって、前記DVPが、配列番号219に示されるアミノ酸からなる、ジゲトキシンバリアントポリペプチド又はその薬学的に許容される塩。
【請求項89】
アルファ接合因子(アルファ-MF)ペプチドに動作可能に連結された1つ以上のDVPを含む融合タンパク質であって、前記1つ以上のDVPが、式(I):A-X-D-G-D-V-E-G-P-A-G-C-K-K-Y-D-X-E-C-X-X-G-E-C-C-Q-K-Q-Y-L-X-X-K-W-R-X-L-X-C-R-X-X10-K-S-G-F-F-S-S-K-X11-X12-C-R-D-Vに記載のアミノ酸配列と少なくとも80%、85%、90%、又は少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を有し、前記DVPが、配列番号2に示されるジゲトキシンの野生型配列と比較して、少なくとも1つのアミノ酸置換を含み、式中、Xが、K又はLであり、Xが、V、A、又はEであり、Xが、D、Y、又はAであり、Xが、S又はAであり、Xが、W、A、Fであり、Xが、Y、A、S、H、又はKであり、Xが、P又はAであり、Xが、D、A、K、S、T、又はMであり、Xが、C、G、T、A、S、M、又はVであり、X10が、L、A、N、V、S、E、I、又はQであり、X11が、C、F、A、T、S、M、又はVであり、X12が、V、A、又はTである、融合タンパク質、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項90】
が、G、T、A、S、M、若しくはVであるか、又はX11が、F、A、T、S、M、若しくはVである場合、ジスルフィド結合が除去される、請求項89に記載の融合タンパク質。
【請求項91】
前記1つ以上のDVPが、配列番号6~43、45~51、53、128、130、136、139~140、144、146~147、187~191、202~215、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ配列を含む、請求項89に記載の融合タンパク質。
【請求項92】
前記1つ以上のDVPが、配列番号6~11、15~16、20~22、24~26、29、35、45~48、53、128、136、139~140、144、146~147、187~191、207、210~215、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ配列を含む、請求項91に記載の融合タンパク質。
【請求項93】
前記1つ以上のDVPが、配列番号47、53、136、139~140、144、146~147、187~191、210~215、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ配列を含む、請求項92に記載の融合タンパク質。
【請求項94】
前記1つ以上のDVPが、2つ以上のDVPのホモポリマー又はヘテロポリマーであり、各DVPの前記アミノ酸配列が、同じであるか、又は異なる、請求項89に記載の融合タンパク質。
【請求項95】
前記1つ以上のDVP、前記アルファ-MF、又はそれらの組み合わせが、切断可能又は切断不能リンカーによって分離されている、請求項89に記載の融合タンパク質。
【請求項96】
前記切断可能なリンカーが、昆虫の腸内又は血液リンパ内で切断可能である、請求項95に記載の融合タンパク質。
【請求項97】
前記アルファ-MFペプチドが、酵母種由来のアルファ-MFペプチドである、請求項89に記載の融合タンパク質。
【請求項98】
前記酵母種が、Saccharomyces属、Pichia属、Kluyveromyces属、Hansenula属、Yarrowia属、又はSchizosaccharomyces属の任意の種から選択される、請求項97に記載の融合タンパク質。
【請求項99】
前記酵母種が、Kluyveromyces lactis、Kluyveromyces marxianus、Saccharomyces cerevisiae、及びPichia pastorisからなる群から選択される、請求項98に記載の融合タンパク質。
【請求項100】
前記酵母種が、Kluyveromyces lactis又はKluyveromyces marxianusである、請求項99に記載の融合タンパク質。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年9月28日に出願された米国仮出願第63/084,339号の利益及び優先権を主張する。前述の出願の全内容は、本明細書に援用される。
【0002】
配列表
本出願は、2021年9月27日午後6:32に作成され、126KBであり、本明細書とともに電子的に出願された、「225312-497884_ST25.txt」(126キロバイト)と題された配列表全体を参照により組み込む。
【0003】
本開示は、殺虫タンパク質、ヌクレオチド、ペプチド、植物におけるそれらの発現、ペプチドを産生する方法、新しい製剤、及び昆虫の制御のための方法を提供する。
【背景技術】
【0004】
有害な昆虫は、ヒトの健康及び食料安全性に対して世界的な脅威を表している。昆虫は病気の媒介生物であるため、ヒトの健康を脅かす。病気の最も悪名高い昆虫媒介生物の1つは蚊である。Anopheles属の蚊は、ジカウイルス、チクングニアウイルス、及びTrypanosoma属の原虫によって引き起こされる疾患であるマラリアの主な媒介生物である。別の蚊である、Aedes aegyptiは、黄熱病及びデング熱を引き起こすウイルスの主な媒介生物である。Aedes spp.の蚊は様々な種類の脳炎の原因となるウイルスの媒介生物でもある。フィラリア症を引き起こす寄生性回虫であるWuchereria bancrofti及びBrugia malayiは、通常、Culex、Mansonia、及びAnopheles属の蚊によって広がる。
【0005】
蚊と同様に、Dipteraの他のメンバーも、同様に太古の昔から人類を悩ませてきた。痛みのある咬傷を生じることに加えて、ウマバエ(horseflies)及びメクラアブ(deerflies)は、野兎病(Pasteurella tularensis)及び炭疽菌(Bacillus anthracis)の細菌病原体、並びに熱帯アフリカでロア糸状虫症を引き起こす寄生性回虫(Loa loa)を伝播する。
【0006】
クロバエ(Chrysomya megacephala)及びイエバエ(Musca domestica)は、一瞬で腐敗及び糞便から飛び立ち、次の瞬間に私たちの家に降り立ち、私たちの食糧に赤痢、腸チフス、コレラ、灰白髄炎、イチゴ腫、ハンセン病、及び結核を広げる。
【0007】
Hippelates属のEye gnatsは、イチゴ腫(Treponema pertenue)を引き起こすスピロヘータ病原体を運ぶことができ、結膜炎(はやり目)も広げる可能性がある。Glossina属のツェツェバエは、アフリカ睡眠病を引き起こす原虫病原体(Trypanosoma gambiense及びT.rhodesiense)を伝染させる。Phlebotomus属のサンドフライは、南アメリカでカリオン病(オロヨ熱(Oroyo fever))を引き起こす細菌(Bartonella bacilliformis)の媒介生物である。アジア及び北アフリカの一部では、それらは、スナバエ熱(パパタチ熱)を引き起こすウイルス病原体、並びにリーシュマニア症を引き起こす原虫病原体(Leishmania spp.)を伝播する。
【0008】
ヒトの食料安全性も昆虫によって脅かされている。害虫は、商業目的及び個人的使用の両方に指定された食用作物を無差別に標的にしており、実際、害虫によって引き起こされる被害は、単なる不便から、前者では経済的破綻、後者では栄養失調又は飢餓などの極端なものまで全域に及ぶ可能性がある。害虫はまた、家畜にストレス及び病気を引き起こす。かつては地理的及び気候の境界によって制限されていた害虫は、世界的な旅行及び気候変動によりその範囲を拡大した。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示は、1つ以上の昆虫種に対して殺虫活性を有するジゲトキシンバリアントポリペプチド(DVP)を記載する。本明細書では、DVPは、式(I):A-X-D-G-D-V-E-G-P-A-G-C-K-K-Y-D-X-E-C-X-X-G-E-C-C-Q-K-Q-Y-L-X-X-K-W-R-X-L-X-C-R-X-X10-K-S-G-F-F-S-S-K-X11-X12-C-R-D-Vに記載のアミノ酸配列と少なくとも80%、85%、90%、又は少なくとも95%同一であるアミノ酸配列であって、ポリペプチドが、配列番号2に示されるジゲトキシンの野生型配列と比較して、少なくとも1つのアミノ酸置換を含み、式中、Xが、K又はLであり、Xが、V、A、又はEであり、Xが、D、Y、又はAであり、Xが、S又はAであり、Xが、W、A、Fであり、Xが、Y、A、S、H、又はKであり、Xが、P又はAであり、Xが、D、A、K、S、T、又はMであり、Xが、C、G、T、A、S、M、又はVであり、X10が、L、A、N、V、S、E、I、又はQであり、X11が、C、F、A、T、S、M、又はVであり、X12が、V、A、又はTである、アミノ酸配列、又はその薬学的に許容される塩を含む。
【0010】
加えて、本開示は、DVP、DVP-殺虫タンパク質、又はそれらの組み合わせと、賦形剤とからなる組成物を記載する。
【0011】
本開示は、DVPをコードするように動作可能なポリヌクレオチドであって、DVPが、式(I):A-X-D-G-D-V-E-G-P-A-G-C-K-K-Y-D-X-E-C-X-X-G-E-C-C-Q-K-Q-Y-L-X-X-K-W-R-X-L-X-C-R-X-X10-K-S-G-F-F-S-S-K-X11-X12-C-R-D-Vに記載のアミノ酸配列と少なくとも80%、85%、90%、又は少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含み、ポリペプチドが、配列番号2に示されるジゲトキシンの野生型配列と比較して、少なくとも1つのアミノ酸置換を含み、式中、Xが、K又はLであり、Xが、V、A、又はEであり、Xが、D、Y、又はAであり、Xが、S又はAであり、Xが、W、A、Fであり、Xが、Y、A、S、H、又はKであり、Xが、P又はAであり、Xが、D、A、K、S、T、又はMであり、Xが、C、G、T、A、S、M、又はVであり、X10が、L、A、N、V、S、E、I、又はQであり、X11が、C、F、A、T、S、M、又はVであり、X12が、V、A、又はTである、ポリヌクレオチド、又はその相補的ヌクレオチド配列を記載する。
【0012】
加えて、本開示は、DVPを生成する方法を記載し、本方法は、DVPをコードするように動作可能なポリヌクレオチド、及び/又はその相補的ヌクレオチド配列を含む第1の発現カセットを含むベクターを調製することであって、当該DVPが、式(I):A-X-D-G-D-V-E-G-P-A-G-C-K-K-Y-D-X-E-C-X-X-G-E-C-C-Q-K-Q-Y-L-X-X-K-W-R-X-L-X-C-R-X-X10-K-S-G-F-F-S-S-K-X11-X12-C-R-D-Vに記載のアミノ酸配列と少なくとも80%、85%、90%、又は少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含み、ポリペプチドが、配列番号2に示されるジゲトキシンの野生型配列と比較して、少なくとも1つのアミノ酸置換を含み、式中、Xが、K又はLであり、Xが、V、A、又はEであり、Xが、D、Y、又はAであり、Xが、S又はAであり、Xが、W、A、Fであり、Xが、Y、A、S、H、又はKであり、Xが、P又はAであり、Xが、D、A、K、S、T、又はMであり、Xが、C、G、T、A、S、M、又はVであり、X10が、L、A、N、V、S、E、I、又はQであり、X11が、C、F、A、T、S、M、又はVであり、X12が、V、A、又はTである、調製することと、ベクターを酵母細胞に導入することと、DVPの発現及び増殖培地への分泌を可能にするように動作可能な条件下で、増殖培地中で酵母細胞を増殖することと、を含む。
【0013】
本開示は、DVP、DVP-殺虫タンパク質、又はそれらの組み合わせと、賦形剤とからなる組成物の農薬有効量を害虫の遺伝子座に、又は害虫による攻撃を受けやすい植物若しくは動物に適用することを含む、害虫を駆除、制御、又は阻害する方法を記載する。
【0014】
加えて、本開示は、配列番号6~43、45~51、53、128、130、136、139~140、144、146~147、187~191、202~215、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列と少なくとも80%、85%、90%、又は少なくとも95%同一であるアミノ配列を有するDVPをコードするように動作可能なポリヌクレオチドを含むベクターを記載する。
【0015】
本開示はまた、DVPをコードするように動作可能なポリヌクレオチドを含む第1の発現カセットを含む酵母株であって、当該DVPが、式(I):A-X-D-G-D-V-E-G-P-A-G-C-K-K-Y-D-X-E-C-X-X-G-E-C-C-Q-K-Q-Y-L-X-X-K-W-R-X-L-X-C-R-X-X10-K-S-G-F-F-S-S-K-X11-X12-C-R-D-Vに記載のアミノ酸配列と少なくとも80%、85%、90%、又は少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含み、ポリペプチドが、配列番号2に示されるジゲトキシンの野生型配列と比較して、少なくとも1つのアミノ酸置換を含み、式中、Xが、K又はLであり、Xが、V、A、又はEであり、Xが、D、Y、又はAであり、Xが、S又はAであり、Xが、W、A、Fであり、Xが、Y、A、S、H、又はKであり、Xが、P又はAであり、Xが、D、A、K、S、T、又はMであり、Xが、C、G、T、A、S、M、又はVであり、X10が、L、A、N、V、S、E、I、又はQであり、X11が、C、F、A、T、S、M、又はVであり、X12が、V、A、又はTである、酵母株を記載する。
【0016】
加えて、本開示は、式(II)に記載のシスチンノット(CK)構造を含むか、本質的にそれからなるか、又はそれからなる組換えCRPであって、
【化1】
式中、C~CVIが、システイン残基であり、システイン残基C及びCIVが、第1のジスルフィド結合によって接続されており、CII及びCが、第2のジスルフィド結合によって接続されており、CIII及びCVIが、第3のジスルフィド結合によって接続されており、第1のジスルフィド結合、第2のジスルフィド結合、及び第3のジスルフィド結合が、シスチンノットモチーフを形成するジスルフィド結合トポロジーを有し、第1のジスルフィド結合、第2のジスルフィド結合、及び第3のジスルフィド結合が、シスチンノットモチーフを形成する唯一のジスルフィド結合であり、N、L、L、L、L、L、及びCが、1~13個のアミノ酸残基の長さを有するアミノ酸配列を含むペプチドサブユニットであり、N、L、C、又はそれらの任意の組み合わせが、任意選択で、存在せず、当該組換えCRPが、1つ以上の非CKジスルフィド結合を有する修飾可能なCRPを修飾することによって作製されており、1つ以上の非CKジスルフィド結合が、第1のジスルフィド結合でも、第2のジスルフィド結合でも、第3のジスルフィド結合でもなく、1つ以上の非CKジスルフィド結合が、CKモチーフを形成せず、修飾可能なCRPが、1つ以上の非CKジスルフィド結合を有する修飾可能なCRPから1つ以上の非CKジスルフィド結合を除去することによって修飾されており、1つ以上の非CKジスルフィド結合を有する修飾可能なCRPから1つ以上のジスルフィド結合を除去することが、式(II)に記載のCK構造を有する組換えCRPをもたらし、式(II)に記載のCK構造を有する組換えCRPが、式(II)に記載のCK構造を有しない修飾可能なCRPの発現レベルと比較して、増加した発現レベルを有する、組換えCRPを提供する。
【0017】
加えて、本開示は、式(II)に記載のシスチンノット(CK)構造を含む、組換えシステインリッチタンパク質(CRP)を作製する方法であって、
【化2】
式中、C~CVIが、システイン残基であり、システイン残基C及びCIVが、第1のジスルフィド結合によって接続されており、CII及びCが、第2のジスルフィド結合によって接続されており、CIII及びCVIが、第3のジスルフィド結合によって接続されており、第1のジスルフィド結合、第2のジスルフィド結合、及び第3のジスルフィド結合が、シスチンノットモチーフを形成するジスルフィド結合トポロジーを有し、第1のジスルフィド結合、第2のジスルフィド結合、及び第3のジスルフィド結合が、シスチンノットモチーフを形成する唯一のジスルフィド結合であり、N、L、L、L、L、L、及びCが、1~13個のアミノ酸残基の長さを有するアミノ酸配列を含むペプチドサブユニットであり、N、L、C、又はそれらの任意の組み合わせが、任意選択で、存在せず、当該方法が、(a)1つ以上の非CKジスルフィド結合を有する修飾可能なCRPを提供することであって、1つ以上の非CKジスルフィド結合が、第1のジスルフィド結合でも、第2のジスルフィド結合でも、第3のジスルフィド結合でもなく、1つ以上の非CKジスルフィド結合が、CKモチーフを形成しない、提供することと、(b)1つ以上の非CKジスルフィド結合を有する修飾可能なCRPから1つ以上の非CKジスルフィド結合を除去することによって、修飾可能なCRPを修飾することと、を含み、1つ以上の非CKジスルフィド結合を有する修飾可能なCRPから1つ以上のジスルフィド結合を除去することが、式(II)に記載のCK構造を有する組換えCRPをもたらし、式(II)に記載のCK構造を有する組換えCRPが、式(II)に記載のCK構造を有しない修飾可能なCRPの発現レベルと比較して、増加した発現レベルを有する、方法を記載する。
【0018】
本開示はまた、組換えシステインリッチタンパク質(CRP)の収量を増加させる方法であって、当該方法が、(a)式(II)に記載のシスチンノット(CK)構造を有する組換えCRPを作製することであって、
【化3】
式中、C~CVIが、システイン残基であり、システイン残基C及びCIVが、第1のジスルフィド結合によって接続されており、CII及びCが、第2のジスルフィド結合によって接続されており、CIII及びCVIが、第3のジスルフィド結合によって接続されており、第1のジスルフィド結合、第2のジスルフィド結合、及び第3のジスルフィド結合が、シスチンノットモチーフを形成するジスルフィド結合トポロジーを有し、第1のジスルフィド結合、第2のジスルフィド結合、及び第3のジスルフィド結合が、シスチンノットモチーフを形成する唯一のジスルフィド結合であり、N、L、L、L、L、L、及びCが、1~13個のアミノ酸残基の長さを有するアミノ酸配列を含むペプチドサブユニットであり、N、L、C、又はそれらの任意の組み合わせが、任意選択で、存在せず、当該組換えCRPが、以下のプロセスに従って作製される、作製すること、(b)1つ以上の非CKジスルフィド結合を有する修飾可能なCRPを提供することであって、1つ以上の非CKジスルフィド結合が、第1のジスルフィド結合でも、第2のジスルフィド結合でも、第3のジスルフィド結合でもなく、1つ以上の非CKジスルフィド結合が、CKモチーフを形成しない、提供すること、(c)1つ以上の非CKジスルフィド結合を有する修飾可能なCRPから1つ以上の非CKジスルフィド結合を除去することによって、修飾可能なCRPを修飾すること、を含み、1つ以上の非CKジスルフィド結合を有する修飾可能なCRPから1つ以上のジスルフィド結合を除去することが、式(II)に記載のCK構造を有する組換えCRPをもたらし、式(II)に記載のCK構造を有する組換えCRPが、式(II)に記載のCK構造を有しない修飾可能なCRPの発現レベルと比較して、増加した発現レベルを有する、方法を記載する。
【0019】
加えて、本開示は、1つ以上の昆虫種に対して殺虫活性を有するジゲトキシンバリアントポリペプチド(DVP)であって、当該DVPが、配列番号6~43、45~51、53、128、130、136、139~140、144、146~147、187~191、202~215、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列と少なくとも80%、85%、90%、又は少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む、ジゲトキシンバリアントポリペプチド又はその薬学的に許容される塩を記載する。
【0020】
加えて、本開示は、1つ以上の昆虫種に対して殺虫活性を有するジゲトキシンバリアントポリペプチド(DVP)であって、当該DVPが、配列番号6~43、45~51、53、128、130、136、139~140、144、146~147、187~191、202~215、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列と少なくとも80%、85%、90%、又は少なくとも95%同一であるアミノ酸配列からなる、ジゲトキシンバリアントポリペプチド又はその薬学的に許容される塩を記載する。
【0021】
加えて、本開示は、1つ以上の昆虫種に対して殺虫活性を有するジゲトキシンバリアントポリペプチド(DVP)であって、当該DVPが、配列番号6~43、45~51、53、128、130、136、139~140、144、146~147、187~191、202~215、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸からなる、ジゲトキシンバリアントポリペプチド又はその薬学的に許容される塩を記載する。
【0022】
加えて、本開示は、1つ以上の昆虫種に対して殺虫活性を有するジゲトキシンバリアントポリペプチド(DVP)であって、当該DVPが、配列番号6~11、15~16、20~22、24~26、29、35、45~48、53、128、136、139~140、144、146~147、187~191、207、210~215、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列と少なくとも80%、85%、90%、又は少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む、ジゲトキシンバリアントポリペプチド又はその薬学的に許容される塩を記載する。
【0023】
加えて、本開示は、1つ以上の昆虫種に対して殺虫活性を有するジゲトキシンバリアントポリペプチド(DVP)であって、当該DVPが、配列番号6~11、15~16、20~22、24~26、29、35、45~48、53、128、136、139~140、144、146~147、187~191、207、210~215、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列と少なくとも80%、85%、90%、又は少なくとも95%同一であるアミノ酸配列からなる、ジゲトキシンバリアントポリペプチド又はその薬学的に許容される塩を記載する。
【0024】
加えて、本開示は、1つ以上の昆虫種に対して殺虫活性を有するジゲトキシンバリアントポリペプチド(DVP)であって、当該DVPが、配列番号6~11、15~16、20~22、24~26、29、35、45~48、53、128、136、139~140、144、146~147、187~191、207、210~215、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸からなる、ジゲトキシンバリアントポリペプチド又はその薬学的に許容される塩を記載する。
【0025】
加えて、本開示は、1つ以上の昆虫種に対して殺虫活性を有するジゲトキシンバリアントポリペプチド(DVP)であって、当該DVPが、配列番号47、53、136、139~140、144、146~147、187~191、210~215、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列と少なくとも80%、85%、90%、又は少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む、ジゲトキシンバリアントポリペプチド又はその薬学的に許容される塩を記載する。
【0026】
加えて、本開示は、1つ以上の昆虫種に対して殺虫活性を有するジゲトキシンバリアントポリペプチド(DVP)であって、当該DVPが、配列番号47、53、136、139~140、144、146~147、187~191、210~215、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列と少なくとも80%、85%、90%、又は少なくとも95%同一であるアミノ酸配列からなる、ジゲトキシンバリアントポリペプチド又はその薬学的に許容される塩を記載する。
【0027】
加えて、本開示は、1つ以上の昆虫種に対して殺虫活性を有するジゲトキシンバリアントポリペプチド(DVP)であって、当該DVPが、配列番号47、53、136、139~140、144、146~147、187~191、210~215、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸からなる、ジゲトキシンバリアントポリペプチド又はその薬学的に許容される塩を記載する。
【0028】
加えて、本開示は、1つ以上の昆虫種に対して殺虫活性を有するジゲトキシンバリアントポリペプチド(DVP)であって、当該DVPが、配列番号213、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列と少なくとも80%、85%、90%、又は少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む、ジゲトキシンバリアントポリペプチド又はその薬学的に許容される塩を記載する。
【0029】
加えて、本開示は、1つ以上の昆虫種に対して殺虫活性を有するジゲトキシンバリアントポリペプチド(DVP)であって、当該DVPが、配列番号213、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列と少なくとも80%、85%、90%、又は少なくとも95%同一であるアミノ酸配列からなる、ジゲトキシンバリアントポリペプチド又はその薬学的に許容される塩を記載する。
【0030】
加えて、本開示は、1つ以上の昆虫種に対して殺虫活性を有するジゲトキシンバリアントポリペプチド(DVP)であって、当該DVPが、配列番号213、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸からなる、ジゲトキシンバリアントポリペプチド又はその薬学的に許容される塩を記載する。
【0031】
加えて、本開示は、1つ以上の昆虫種に対して殺虫活性を有するジゲトキシンバリアントポリペプチド(DVP)であって、当該DVPが、配列番号213に示されるアミノ酸を含む、ジゲトキシンバリアントポリペプチド又はその薬学的に許容される塩を記載する。
【0032】
加えて、本開示は、1つ以上の昆虫種に対して殺虫活性を有するジゲトキシンバリアントポリペプチド(DVP)であって、当該DVPが、配列番号213に示されるアミノ酸からなる、ジゲトキシンバリアントポリペプチド又はその薬学的に許容される塩を記載する。
【0033】
加えて、本開示は、1つ以上の昆虫種に対して殺虫活性を有するジゲトキシンバリアントポリペプチド(DVP)であって、当該DVPが、配列番号217に示されるアミノ酸を含む、ジゲトキシンバリアントポリペプチド又はその薬学的に許容される塩を記載する。
【0034】
加えて、本開示は、1つ以上の昆虫種に対して殺虫活性を有するジゲトキシンバリアントポリペプチド(DVP)であって、当該DVPが、配列番号217に示されるアミノ酸からなる、ジゲトキシンバリアントポリペプチド又はその薬学的に許容される塩を記載する。
【0035】
加えて、本開示は、1つ以上の昆虫種に対して殺虫活性を有するジゲトキシンバリアントポリペプチド(DVP)であって、当該DVPが、配列番号218に示されるアミノ酸を含む、ジゲトキシンバリアントポリペプチド又はその薬学的に許容される塩を記載する。
【0036】
加えて、本開示は、1つ以上の昆虫種に対して殺虫活性を有するジゲトキシンバリアントポリペプチド(DVP)であって、当該DVPが、配列番号218に示されるアミノ酸からなる、ジゲトキシンバリアントポリペプチド又はその薬学的に許容される塩を記載する。
【0037】
加えて、本開示は、1つ以上の昆虫種に対して殺虫活性を有するジゲトキシンバリアントポリペプチド(DVP)であって、当該DVPが、配列番号219に示されるアミノ酸を含む、ジゲトキシンバリアントポリペプチド又はその薬学的に許容される塩を記載する。
【0038】
加えて、本開示は、1つ以上の昆虫種に対して殺虫活性を有するジゲトキシンバリアントポリペプチド(DVP)であって、当該DVPが、配列番号219に示されるアミノ酸からなる、ジゲトキシンバリアントポリペプチド又はその薬学的に許容される塩を記載する。
【0039】
加えて、本開示は、アルファ接合因子(アルファ-MF)ペプチドに動作可能に連結された1つ以上のDVPを含む融合タンパク質であって、当該1つ以上のDVPが、式(I):A-X-D-G-D-V-E-G-P-A-G-C-K-K-Y-D-X-E-C-X-X-G-E-C-C-Q-K-Q-Y-L-X-X-K-W-R-X-L-X-C-R-X-X10-K-S-G-F-F-S-S-K-X11-X12-C-R-D-Vに記載のアミノ酸配列と少なくとも80%、85%、90%、又は少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を有し、DVPが、配列番号2に示されるジゲトキシンの野生型配列と比較して、少なくとも1つのアミノ酸置換を含み、式中、Xが、K又はLであり、Xが、V、A、又はEであり、Xが、D、Y、又はAであり、Xが、S又はAであり、Xが、W、A、Fであり、Xが、Y、A、S、H、又はKであり、Xが、P又はAであり、Xが、D、A、K、S、T、又はMであり、Xが、C、G、T、A、S、M、又はVであり、X10が、L、A、N、V、S、E、I、又はQであり、X11が、C、F、A、T、S、M、又はVであり、X12が、V、A、又はTである、融合タンパク質、又はその薬学的に許容される塩を記載する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】野生型(WT)Dc1aの高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)標準曲線を示す。
図2】純粋なWT Dc1aのHPLCクロマトグラムを示す。
図3】DVP C41T/C51A及びC41T/C51A/W31F/Y32S/P36Aの相対収量を示すグラフを示す。DVP C41T/C51A/W31F/Y32S/P36Aは、C41T/C51Aと比較して発現が69%増加した。
図4】C41T/C51Aのクロマトグラムを示す。バックグラウンド、折り畳み、誤って折り畳まれたバリアントを示すピークが括弧内に示される。
図5】C41T/C51A/D38A/L42Vのクロマトグラムを示す。バックグラウンド、及び折り畳まれたバリアントを示すピークはラベルで示される。
図6】活性を失うことなく発現の増加を示す、DVPの相対的発現の要約を示すグラフを示す。WT-Dc1a、及び以下のDVPを分析した。(1)C41T/C51A、(2)C41T/C51A/D38A、(3)C41T/C51A/D38A/L42V、及び(4)C41S/C51S/D38A/L42V。
図7】WT-Dc1a及び以下のDVPの効果を評価するハエノックダウン実験の結果を示す。(1)C41T/C51A、(2)C41T/C51A/D38A、及び(3)C41S/C51S/D38A/L42V。用量反応曲線は、24時間でのノックダウンパーセント(すなわち、歩行不能)(24時間でのノックダウン%)についてハエを評価することによって生成された。
図8】野生型(三角形)、並びにDVP:(1)24時間時点でのC41T/C51A/D38A(配列番号29)(菱形)及びC41S/C51S/D38A/L42V(配列番号53)(正方形)のノックダウンパーセントを示すグラフを示す。
図9】DVP-殺虫タンパク質の概略図を示す。ここでは、構成要素は、以下のように定義される。「ERSP」は、小胞体シグナルペプチドを指し、「UBI」は、ユビキチンモノマーを指し、「DVP」は、ミュー-ジゲトキシンバリアントポリペプチドを指し、「L」は、介在リンカーペプチドを指し、「HIS」は、ヒスチジンタグを指す。
図10】WT Dc1a及びDVP-殺虫タンパク質を発現した植物のHis-Tagウエスタンブロットを示す。各レーンは、変性タンパク質ゲル条件下で実行され、標準的なウエスタンブロット技術で視覚化された粗植物抽出物を表す。ウエスタンブロットで試験した試料の短縮名は、発現の評価システムとともに画像の上に列挙されている。記号(-)は、ブロット上にタンパク質が検出されていないことを示し、タンパク質が検出される場合、記号(+)から(+++)は検出された量を示す。「ラダー」と示されたレーンは、分子量マーカーを示す。レーン「植物NEG」は、陰性対照(すなわち、GFP発現タバコタンパク質抽出物)を示す。「M番号」でラベル付けされたレーンは、評価されたDVP-殺虫タンパク質の短縮名を示す。レーン「WT」は、WTミュー-ジゲトキシン-Dc1aタンパク質を有する殺虫タンパク質を示す。
図11】バックグラウンドDVPと比較した高収量DVPの収量を示すグラフを示す。ここでは、以下の変異を有するバックグラウンドDVP上で点変異を作製した:D38A、C41S、及びC51S。バックグラウンドDVPへの変異は以下のとおりである:L42I、K2L、Y32S、K2L+Y32S、D38T、D38S、及びD38M。収量をrpHPLCを介して評価し、バックグラウンドDVPに対して正規化した。追加の変異L42I、K2L、Y32S、K2L+Y32S、D38T、及びD38Sを有するDVP、全てが、C41S/C51S/D38A DVPバックグラウンド(配列番号47)対照と比較して改善された収量を有していた。
図12】K2L、Y32S、及びL42I変異の結果を示すグラフを示す。ここでは、DVP:(1)K2L/Y32S/L42I(配列番号217)、及び(2)K2L/Y32S/D38A/L42I/C41S/C51S(配列番号218)の収量を、WT Dc1a(配列番号2)の収量と比較した。K2L、Y32S、及びL42Iの変異を組み合わせは、発現レベルの劇的な増加をもたらした。
図13】シスチンノット(CK)構造を有する組換えシステインリッチタンパク質(CRP)を記載する式(II)を示す概略図を示す。ここでは、C~CVIは、システイン残基であり、システイン残基C及びCIVは、第1のジスルフィド結合によって接続されており、CII及びCは、第2のジスルフィド結合によって接続されており、CIII及びCVIは、第3のジスルフィド結合によって接続されている(ジスルフィド結合は、システイン残基を接続する線によって示される)。第1のジスルフィド結合、第2のジスルフィド結合、及び第3のジスルフィド結合は、シスチンノットモチーフを形成するジスルフィド結合トポロジーを有し、第1のジスルフィド結合、第2のジスルフィド結合、及び第3のジスルフィド結合は、シスチンノットモチーフを形成する唯一のジスルフィド結合である。N、L、L、L、L、L、及びCは、各々、1~13個のアミノ酸残基の長さを有するアミノ酸配列を含むペプチドサブユニットである。一部の実施形態では、N、L、C、又はそれらの任意の組み合わせは、任意選択で、存在しない。
図14】HPLCによって決定されたWT ApsIII及びApsIIIシステイン欠失(dCys)の相対収量を示す。(n=8)。破線は、中央値を示し、点線は四分位範囲の境界を示す。
【発明を実施するための形態】
【0041】
定義
「5’末端」及び「3’末端」という用語は、方向性、すなわち、ヌクレオチドポリマー(例えば、DNA)の末端から末端への配向を指す。ポリヌクレオチドの5’末端は、5位炭素を有するポリヌクレオチドの末端である。
【0042】
「5’及び3’ホモロジーアーム」又は「5’及び3’アーム」又は「左右のアーム」は、宿主生物の染色体遺伝子座の遺伝子修飾を成功させるために、宿主生物における目的の標的ゲノム配列及び/又は内因性遺伝子と相同に組換える、ベクター及び/又は標的化ベクター中のポリヌクレオチド配列を指す。
【0043】
「ACTX」又は「ACTXペプチド」又は「アトラコトキシン」は、Atracinae科に属するクモから単離された殺虫ICKペプチドのファミリーを指す。そのようなクモの1つは、オーストラリアブルーマウンテンファネルウェブスパイダー(Australian Blue Mountains Funnel-web Spider)として知られており、これはHadronyche versutaという学名を有する。Atracinae科種に由来するACTXペプチドの例は、オメガ-ACTX、カッパ-ACTX、及びU-ACTXペプチドである。
【0044】
「ADN1プロモーター」は、Schizosaccharomyces pombe接着欠陥タンパク質1遺伝子に由来するプロモーター配列からなるDNAセグメントを指す。
【0045】
「影響を及ぼす」とは、何かが別のものにどのように影響するか、例えば、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、薬物、又は化学物質が昆虫、例えば害虫にどのように影響するかを指す。
【0046】
「整列」は、2つ以上の配列(例えば、ヌクレオチド、ポリヌクレオチド、アミノ酸、ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質配列)の互いの関係を決定する目的で比較する方法を指す。整列は、典型的には、様々なアルゴリズムを適用するコンピュータプログラムによって実行されるが、しかしながら、手動で整列を実行することも可能である。整列プログラムは、典型的には、配列の潜在的な整列を反復し、置換テーブルを使用して整列をスコアリングし、様々な戦略を用いて、潜在的な最適整列スコアに到達する。一般に使用される整列アルゴリズムとしては、CLUSTALW(Thompson J.D.,Higgins D.G.,Gibson T.J.,CLUSTAL W:improving the sensitivity of progressive multiple sequence alignment through sequence weighting,position-specific gap penalties and weight matrix choice,Nucleic Acids Research 22:4673-4680,1994を参照)、CLUSTALV(Larkin M.A.,et al.,CLUSTALW2,ClustalW and ClustalX version 2,Bioinformatics 23(21):2947-2948,2007を参照)、Mafft、Kalign、ProbCons、及びT-Coffee(Notredame et al.,T-Coffee:A novel method for multiple sequence alignments,Journal of Molecular Biology 302:205-217,2000を参照)が挙げられるが、これらに限定されない。前述のアルゴリズムのうちの1つ以上を実装する例示的なプログラムとしては、DNAStarからのMegAlign(DNAStar,Inc.3801 Regent St.Madison,Wis.53705)、MUSCLE、T-Coffee、CLUSTALX、CLUSTALV、JalView、Phylip、及びAccelrysからのDiscovery Studio(Accelrys,Inc.,10188 Telesis Ct,Suite 100,San Diego,Calif.92121)が含まれるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、整列は、2つの配列間の類似性を最大化するために、比較される配列の一方又は両方に「位相シフト」及び/又は「ギャップ」を導入することになり、スコアリングは、整列した配列の関連性を定量的に発現するプロセスを指す。
【0047】
「アルファ接合因子(アルファ-MF)ペプチド」又は「アルファ-MFシグナル」又は「アルファ-MF」又は「アルファ接合因子分泌シグナル」又は「αMF分泌シグナル」(全て互換的に使用される)は、アルファ-MFペプチドが目的の組換えペプチド(例えば、DVP)に動作可能に連結されている場合、組換え発現系において分泌発現を可能にするシグナルペプチドを指す。アルファ-MFペプチドは、新生組換えポリペプチドを組換え発現系(例えば、酵母組換え発現系)の分泌経路へ指示する。
【0048】
「薬剤」は、1つ以上の化学物質、分子、ヌクレオチド、ポリヌクレオチド、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、毒物、殺虫剤、農薬、有機化合物、無機化合物、原核生物、又は真核生物、及びそれらから産生される薬剤を指す。
【0049】
「農業的に許容される担体」は、農薬製剤技術において通常使用される全てのアジュバント、不活性成分、分散剤、界面活性剤、粘着剤、結合剤などを包含し、これらは、農薬製剤の当業者によく知られている。
【0050】
「アグロインフェクション」とは、Agrobacteria A.tumefaciens又はA.rhizogenesを使用することによって、DNAが植物細胞に導入される植物形質転換方法を意味する。
【0051】
「BAAS」は、オオムギアルファアミラーゼシグナルペプチドを意味し、ERSPの一例である。BAASの一例は、配列番号60のアミノ酸配列を有するBAAS(NCBI受託番号AAA32925.1)である。
【0052】
「バイオマス」は、任意の測定された植物性産物を指す。
【0053】
「バイナリベクター」又は「バイナリ発現ベクター」とは、E.coli株及びアグロバクテリウム株の両方でそれ自体を複製することができる発現ベクターを意味する。また、ベクターは、アグロバクテリウムによってコピーされ、植物細胞内に送達されるように、病原性遺伝子によって認識される、左右の境界配列によって括弧付けされたDNA(しばしばt-DNAと称される)の領域を含有する。
【0054】
「bp」又は「塩基対」は、互いに結合してaを形成する2つの化学塩基を含む分子を指す。例えば、DNA分子は、2本のらせん鎖からなり、各鎖は、交互になるデオキシリボース基及びリン酸基から作られる骨格を有する。各デオキシリボースには、4つの塩基、すなわち、アデニン(A)、シトシン(C)、グアニン(G)、又はチミン(T)のうちの1つが結合し、アデニンは、チミンと塩基対を形成し、シトシンは、グアニンと塩基対を形成する。
【0055】
「C末端」は、ポリペプチドの末端に位置する遊離カルボキシル基(すなわち、-COOH)を指す。
【0056】
「C」は、式(II)に記載のCK構造におけるシスチンノットモチーフのジスルフィド結合形成に関与する第6のシステイン残基(すなわち、CVI)に動作可能に連結されたN末端を有するペプチドサブユニットを指す。
【0057】
本明細書で使用される場合、上付きローマ数字を伴う文字「C」、すなわち、「C」、「CII」、「CIII」、「CIV」、「C」、及び「CVI」は、ジスルフィド結合形成に関与するシステイン残基を指し、システイン残基C及びCIVは、第1のジスルフィド結合によって接続されており、CII及びCは、第2のジスルフィド結合によって接続されており、CIII及びCVIは、第3のジスルフィド結合によって接続されており、第1のジスルフィド結合、第2のジスルフィド結合、及び第3のジスルフィド結合は、シスチンノットモチーフを形成するジスルフィド結合トポロジーを有し、第1のジスルフィド結合、第2のジスルフィド結合、及び第3のジスルフィド結合は、シスチンノットモチーフを形成する唯一のジスルフィド結合である。したがって、修飾可能なCRPは、1つ以上の非CKジスルフィド結合を形成するように動作可能である1つ以上のシステイン残基を有することができ、1つ以上の非CKジスルフィド結合は、第1のジスルフィド結合でも、第2のジスルフィド結合でも、第3のジスルフィド結合でもなく、1つ以上の非CKジスルフィド結合は、CKモチーフを形成しない。したがって、上付きローマ数字I、II、III、IV、V、及びVIは、それぞれジスルフィド結合形成に関与する第1、第2、第3、第4、第5、及び第6のシステイン残基である所与のシステイン残基を示し、これらのジスルフィド結合は、シスチンノットモチーフを形成する前述の第1のジスルフィド結合、第2のジスルフィド結合、及び第3のジスルフィド結合であり、「C」、「CII」、「CIII」、「CIV」、「C」、及び「CVI」とラベル付けされたシステイン残基、及び/又は上付きローマ数字I、II、III、IV、V、及びVIは、他のシステイン残基が非CKジスルフィド結合を形成するかどうかに関係なく、他のシステイン残基が修飾可能なCRPに存在する可能性があるため、アミノ酸配列の第1、第2、第3、第4、第5、及び第6のシステイン残基として示すことを意図したものではなく、そのように解釈されるべきではない。例えば、修飾可能なCRPは、C残基の前のアミノ酸配列に存在するそのアミノ酸配列(N末端からC末端への読み取り)に存在する1つ以上のシステイン残基を有してもよい。同様に、1つ以上のシステイン残基は、非CKジスルフィド結合を形成し得るか、又は形成し得ないペプチドサブユニットに存在し得る。
【0058】
「cDNA」又は「コピーDNA」又は「相補的DNA」は、RNAの分子に相補的である分子を指す。一部の実施形態では、cDNAは、一本鎖又は二本鎖のいずれかであり得る。一部の実施形態では、cDNAは、逆転写酵素によって触媒される反応において一本鎖RNA鋳型から合成された二本鎖DNAであり得る。更に他の実施形態では、「cDNA」とは、天然の成熟mRNA種において見出される配列要素の配置を共有する全ての核酸を指し、配列要素は、エキソン並びに3’及び5’非コード領域である。通常、mRNA種は、連続したエキソンを有し、介在するイントロンは、タンパク質をコードする連続したオープンリーディングフレームを生成するために、核内RNAスプライシングによって除去される。一部の実施形態では、「cDNA」は、mRNA鋳型に相補的であり、それに由来するDNAを指す。
【0059】
「CEW」は、コーンイアワーム(Corn earworm)(オオタバコガ)を指す。
【0060】
「CK構造」又は「シスチンノット構造」は、例えば、3つのジスルフィド結合を含む、CKモチーフを有するペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質間の共有構造的類似性を指し、システインC及びCIV、CII及びC、並びにCIII及びCVIは、ジスルフィド結合によって接続される。一部の実施形態では、「共有構造的類似性」は、共有構造的特徴の存在、例えば、特定の位置での特定のアミノ酸の存在及び/又は同一性を指す。更に他の実施形態では、「共有構造的類似性」という用語は、構造要素(例えば、ループ、シート、ヘリックス、H結合ドナー、H結合アクセプター、グリコシル化パターン、塩架橋、及びジスルフィド結合)の存在及び/又は同一性を指す。一部の実施形態では、「共有構造的類似性」という用語は、互いと比較した原子又は部分の三次元置及び/又は配向(例えば、目的の薬剤と参照薬剤との間、それらの間又はその中の距離及び/又は角度)を指す。一部の実施形態では、CK構造は、以下の足場、フレームワーク、構造、及び/又は骨格:N-C-L-CII-L-CIII-L-CIV-L-C-L-CVI-Cを含み、式中、C~CVIは、システイン残基であり、システイン残基C及びCIVは、第1のジスルフィド結合によって接続されており、CII及びCは、第2のジスルフィド結合によって接続されており、CIII及びCVIは、第3のジスルフィド結合によって接続されており、第1のジスルフィド結合、第2のジスルフィド結合、及び第3のジスルフィド結合が、シスチンノットモチーフを形成するジスルフィド結合トポロジーを有し、第1のジスルフィド結合、第2のジスルフィド結合、及び第3のジスルフィド結合が、シスチンノットモチーフを形成する唯一のジスルフィド結合であり、N、L、L、L、L、L、及びCは、1~13個のアミノ酸残基の長さを有するアミノ酸配列を含むペプチドサブユニットであり、N、L、C、又はそれらの任意の組み合わせは、任意選択で、存在しない。
【0061】
「切断可能なリンカー」については、リンカーを参照されたい。
【0062】
「クローニング」とは、ある供給源からのDNAセグメント(例えば、通常は目的の遺伝子、例えば、dvp)の挿入、及びそれを別の供給源からのDNAセグメント(例えば、通常はベクター、例えば、プラスミド)と組換えて、通常は組換えDNAを細菌又は酵母宿主に形質転換することによって、組換えられたDNA、又は「組換えDNA」を複製するように指示することに関するプロセス及び/又は方法を指す。
【0063】
「コード配列」又は「CDS」は、適切な調節配列の制御下に置かれ、かつ必要な転写及び/又は翻訳分子因子の存在下に置かれた場合に、転写(例えば、DNAの場合)又は翻訳(例えば、mRNAの場合)されてペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質になり得る、ポリヌクレオチド又は核酸配列を指す。コード配列の境界は、5’(アミノ)末端の翻訳開始コドン及び3’(カルボキシ)末端の翻訳終止コドンによって決定される。転写終結配列は、通常、コード配列の3’側に位置するであろう。一部の実施形態では、コード配列は、非翻訳領域によって5’末端及び/又は3’末端に隣接され得る。一部の実施形態では、コード配列を使用して、ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質産物を産生することができる。一部の実施形態では、コード配列は、別のコード配列又は局在化シグナル(例えば、核局在化シグナル)に融合されても、融合されなくてもよい。一部の実施形態では、コード配列は、ベクター又は発現構築物にクローニングされてもよく、ゲノムに組み込まれてもよく、又はDNA断片として存在してもよい。
【0064】
「コドン最適化」は、1つ以上の内因性、天然、及び/又は野生型コドンが、最終的には依然として同じアミノ酸をコードするが、対応する宿主において好ましいコドンで置き換えられる遺伝子の産生を指す。
【0065】
「相補的」とは、当業者に理解されるように、2つのポリヌクレオチドの相互作用表面のトポロジー的な適合性又は互いの一致を指す。したがって、2つの配列は、互いにハイブリダイズして、安定した逆平行二本鎖核酸構造を形成することができる場合、互いに「相補的である」。第1のポリヌクレオチドのヌクレオチド配列が、第2のポリヌクレオチドのポリヌクレオチド結合パートナーのヌクレオチド配列と実質的に同一である場合、又は第1のポリヌクレオチドが、厳密なハイブリダイズ条件下で第2のポリヌクレオチドにハイブリダイズすることができる場合、第1のポリヌクレオチドは、第2のポリヌクレオチドに相補的である。したがって、配列が5’-TATAC-3’であるポリヌクレオチドは、配列が5’-GTATA-3’であるポリヌクレオチドに相補的である。
【0066】
「条件培地」とは、細胞によって使用され、かつ細胞由来物質が濃縮されているが細胞を含まない、細胞培養培地を意味する。
【0067】
「コピー数」は、宿主細胞内にいつでも存在する、ベクター、発現カセット、増幅ユニット、遺伝子、又は実際には任意の定義されたヌクレオチド配列の同一のコピーの数を指す。例えば、一部の実施形態では、遺伝子又は別の定義された染色体ヌクレオチド配列は、染色体上に1つ、2つ、又はそれ以上のコピーで存在することができる。自律複製ベクターは、1つの宿主細胞当たり1つ又は数百のコピーで存在することができる。
【0068】
「培養」又は「細胞培養」は、人工的なインビトロ環境における細胞の維持を指す。
【0069】
「培養」は、様々な種類の培地上又は様々な種類の培地中での生物の増殖を指す。例えば、「培養」という用語は、液体培地又は固体培地における、好適な条件下での細胞集団の増殖を意味することができる。一部の実施形態では、培養とは、目的の異種ポリペプチド及び/又は他の所望の最終産物(典型的には、容器又はリアクター内での)発酵性組換え産生を指す。
【0070】
「シスチン」とは、酸化されたシステイン二量体を指す。シスチンは、2つのシステイン分子の酸化を介して得られる硫黄含有アミノ酸であり、ジスルフィド結合で連結される。
【0071】
「シスチンノットモチーフ」又は「CKモチーフ」は、3つのジスルフィド結合を含むタンパク質構造モチーフを指す。本明細書で使用される「シスチンノットモチーフ」という用語は、3つのジスルフィド結合:第1のジスルフィド結合、第2のジスルフィド結合、及び第3のジスルフィド結合を含有する構造モチーフを指し、ジスルフィド結合のうちの2つの間に生じるペプチドのセクションは、第3のジスルフィド結合が通過するループを形成し、ロタキサン基底構造を形成する。第1のジスルフィド結合は、システイン残基CとCIVとの間に生じ、第2のジスルフィド結合は、システイン残基CIIとCとの間に生じ、第3のジスルフィド結合は、システイン残基CIIIとCVIとの間に生じ、第1のジスルフィド結合、第2のジスルフィド結合、及び第3のジスルフィド結合は、シスチンノットモチーフを形成するジスルフィド結合トポロジーを有し、第1のジスルフィド結合、第2のジスルフィド結合、及び第3のジスルフィド結合は、シスチンノットモチーフを形成する唯一のジスルフィド結合である。一部の実施形態では、ジスルフィド結合トポロジーは、以下のシスチンノットモチーフ:阻害剤シスチンノット(ICK)モチーフ、成長因子シスチンノット(GFCK)モチーフ、又は環状シスチンノット(CCK)モチーフのうちの1つを形成する。
【0072】
「Dc1a」又は「ミュー-ジゲトキシン-Dc1a」は、「砂漠茂みクモ」としても知られる、アメリカ砂漠クモ(Diguetia canities)から単離されたポリペプチドを指す。野生型ミュー-ジゲトキシン-Dc1aの一例は、配列番号1のアミノ酸配列を有するポリペプチド(NCBI受託番号P49126.1)である。
【0073】
「規定培地」とは、既知の化学成分で構成されるが、粗製タンパク質性抽出物又は酵母抽出物若しくはペプトンなどの副産物を含まない培地を意味する。
【0074】
「縮重」又は「コドン縮重」は、1つのアミノ酸が異なるヌクレオチドコドンによってコードされ得る現象を指す。したがって、タンパク質又はポリペプチドをコードする核酸分子の核酸配列は、縮重により変化し得る。遺伝コードの縮重の結果として、多くの核酸配列は、特定の活性を有する所与のポリペプチドをコードすることができ、そのような機能的に等価なバリアントが本明細書に企図される。
【0075】
「ジスルフィド結合」又は「ジスルフィド架橋」は、側鎖上の2つのチオール基のカップリングによって誘導される2つのシステインアミノ酸間の共有結合を指す。一部の実施形態では、ジスルフィド結合は、ポリペプチド、例えば、CRIP中に存在する2つの異なるチオール基(-SH)の酸化折り畳みを介して生じる。一部の実施形態では、ポリペプチドは、少なくとも6つの異なるチオール基(すなわち、各々チオール基を含有する6つのシステイン残基)を含み得、したがって、一部の実施形態では、ポリペプチドは、3つ以上の分子内ジスルフィド結合を形成し得る。
【0076】
「ジスルフィド結合トポロジー」又は「ジスルフィド結合連結パターン」又は「ジスルフィド結合接続性」は、ジスルフィド結合及びシステイン残基の連結パターンを指す。一部の実施形態では、式(II)のCK構造を有するCRIPは、以下のジスルフィド結合接続性を有する3つのジスルフィド結合を形成する6つの保存されたシステイン残基(番号I~VI)を含む:C及びCIV、CII及びC、並びにCIII及びCVI。一部の実施形態では、ジスルフィド結合接続性は、トポロジー的に一定であり、ジスルフィド結合が、酸化還元条件を使用するなど、1つ以上のジスルフィドを分離することによってのみ変更され得ることを意味する。
【0077】
「二重発現カセット」は、同じベクター上に含有される2つのDVP発現カセットを指す。
【0078】
「二重導入遺伝子ペプチド発現ベクター」又は「二重導入遺伝子発現ベクター」は、DVP発現カセットの2つのコピーを含む酵母発現ベクターを意味する。
【0079】
「DNA」は、デオキシリボ核酸を指し、一本鎖又は二本鎖形態で配置することができる、1つ以上のデオキシリボヌクレオチド又はヌクレオチド(すなわち、アデニン[A]、グアニン[G]、チミン[T]、又はシトシン[C])のポリマーを含む。例えば、1つ以上のヌクレオチドが、ポリヌクレオチドを生成する。
【0080】
「dNTP」は、DNA及びRNAを構成するヌクレオシド三リン酸を指す。
【0081】
「dvp」又は「ミュー-ジゲトキシン-Dc1aバリアントポリヌクレオチド」又は「Dc1aバリアントポリヌクレオチド」又は「バリアントミュー-ジゲトキシン-Dc1aポリヌクレオチド」は、DVPをコードするように動作可能なポリヌクレオチド配列を指す。「ミュー-ジゲトキシン-Dc1aバリアントポリヌクレオチド」という用語は、DVP ORFに含有されるミュー-ジゲトキシン-Dc1aバリアントポリヌクレオチド配列を記載するために使用される場合、それがベクターに含まれる場合、及び/又は殺虫タンパク質をコードするポリヌクレオチドを記載する場合、「dvp」及び/又は「Dvp」として記載される。
【0082】
「DVP」又は「ミュー-ジゲトキシン-Dc1aバリアントポリペプチド」は、野生型成熟ミュー-ジゲトキシン-Dc1a(配列番号2)と何らかが異なるペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質変異体若しくはバリアントを指し、例えば、一部の実施形態では、このバリアントは、野生型ミュー-ジゲトキシン-Dc1aをコードするように動作可能なポリヌクレオチドへのアミノ酸置換、アミノ酸欠失/挿入、及び/又は変異若しくは相違であり得る。このバリエーションの結果は、野生型ミュー-ジゲトキシン-Dc1aと比較して、1つ以上の昆虫種に対する増強された殺虫活性を有する、天然に存在しないポリペプチド及び/又はそれをコードするポリヌクレオチド配列である。
【0083】
「DVP発現カセット」とは、プロモーター、エンハンサーエレメント、mRNA安定化ポリアデニル化シグナル、内部リボソーム侵入部位(IRES)、イントロン、転写後調節エレメント、及びDVPをコードするように動作可能なポリヌクレオチド、例えば、DVP ORFなどの1つ以上の調節エレメントを指す。例えば、DVP発現カセットの一例は、DVPを発現するように動作可能なポリヌクレオチドセグメント、ADH1プロモーター、LAC4ターミネーター、及びアルファ-MF分泌シグナルを含有するDNAの1つ以上のセグメントである。DVP発現カセットは、DVP又はDVP-殺虫タンパク質をコードするのに必要な核酸の全てを含む。
【0084】
「DVP ORF」は、DVP、又はDVP-殺虫タンパク質をコードするように動作可能なポリヌクレオチドを指す。
【0085】
「DVP ORFダイアグラム」は、ダイアグラム又は式形式で記載される1つ以上のDVP ORFの組成物を指す。例えば、「DVP ORFダイアグラム」は、発現ORF内に含まれるDNAセグメントに対する頭文字又は略称を使用して記載され得る。したがって、一実施例では、「DVP ORFダイアグラム」は、それぞれ、DNAセグメントを、「ersp」(すなわち、ERSPポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列)、「リンカー」又は「L」(すなわち、LINKERポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列)、「sta」(すなわち、STAポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列)、及び「dvp」(すなわち、DVPをコードするポリヌクレオチド配列)として、式形式で図示することによって、ERSP、LINKER、STA、及びDVPをコードするポリヌクレオチドセグメントを記載し得る。DVP ORFダイアグラムの例は、「ersp-sta-(リンカー-dvp」、又は「ersp-(dvp-リンカー-sta」、及び/又はそれらのDNAセグメントの任意の組み合わせである。
【0086】
「DVP-殺虫タンパク質」は、以下からなる任意のタンパク質、ペプチド、ポリペプチド、アミノ酸配列、構成、又は配置を指す:(1)少なくとも1つのDVP又は2つ以上のDVP(当該2つ以上のDVPは、同じであってもよく、又は異なってもよい)、及び(2)追加の非毒素ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質、当該追加の非毒素ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質は、例えば、一部の実施形態では、以下のうちの1つ以上を行う能力を有する:昆虫がDVP-殺虫タンパク質に曝露される場合、DVP単独と比較して、昆虫の死亡率を増加させ、及び/若しくは成長を阻害する;当該DVP-殺虫タンパク質の発現を、例えば、宿主細胞若しくは発現システムにおいて、増加させる;並びに/又はDVP-殺虫タンパク質の翻訳後プロセシングに影響を与える(例えば、DVP-殺虫性タンパク質の分泌発現を可能にする)。一部の実施形態では、DVP-殺虫タンパク質は、2つ以上のDVPを含むポリマーであり得る。一部の実施形態では、DVP-殺虫タンパク質は、2つ以上のDVPを含むポリマーであり得、DVPが、リンカーペプチド、例えば、切断可能及び/又は切断不能リンカーを介して動作可能に連結されている。一部の実施形態では、DVP-殺虫タンパク質は、安定化ドメイン(STA)、小胞体シグナル伝達タンパク質(ERSP)、昆虫切断可能若しくは昆虫切断不能リンカー(L)、及び/又はそれらの任意の他の組み合わせなどの1つ以上のタンパク質と動作可能に連結された1つ以上のDVPを指し得る。一部の実施形態では、DVP-殺虫タンパク質は、(1)野生型Dc1aタンパク質、及び(2)追加の非毒素ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質、例えば、ERSP、リンカー、STA、UBI、又はヒスチジンタグ若しくは同様のマーカーを含む天然に存在しないタンパク質であり得る。一部の実施形態では、DVP-殺虫タンパク質は、(1)DVP、及び(2)アルファ接合因子ペプチドを含み得る。例えば、一部の実施形態では、DVP-殺虫タンパク質は、(1)DVP、及び(2)アルファ接合因子(アルファ-MF)又はα接合因子(α-MF)分泌ドメイン(分泌発現用)を含み得る。一部の実施形態では、DVP-殺虫タンパク質は、(1)DVP、及び(2)K.lactisα接合因子(α-MF)分泌ドメイン(分泌発現用)を含み得る。一部の実施形態では、DVP-殺虫タンパク質は、(1)2つ以上のDVPであって、DVPが、リンカーペプチド、例えば、切断可能及び/又は切断不能リンカーを介して動作可能に連結され、DVPは、同じであるか、又は異なる、2つ以上のDVPと、(2)アルファ-MF、例えば、K.lactisα接合因子(α-MF)分泌ドメイン(分泌発現用)と、を含み得る。
【0087】
「DVP構築物」は、動作可能に連結されたポリペプチドセグメント(例えば、DVP-殺虫タンパク質)のペプチド、ポリペプチド、及び/又はモチーフの三次元配置/配向を指す。例えば、DVP ORFは、以下の構成要素又はモチーフ:DVP、小胞体シグナルペプチド(ERSP)、リンカーペプチド(L)、翻訳安定化タンパク質(STA)、又はそれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上を含み得る。本明細書で使用される場合、「DVP構築物」という用語は、構造モチーフの指定及び/又は配向を説明するために使用される。言い換えれば、DVP構築物は、所与のDVP ORF内に含有される構成要素又はモチーフの配置及び配向を記載する。例えば、一部の実施形態では、DVP構築物は、限定されないが、以下のDVP-殺虫タンパク質のうちの1つの配向を記載する:ERSP-DVP、ERSP-(DVP)、ERSP-DVP-L、ERSP-(DVP)-L、ERSP-(DVP-L)、ERSP-L-DVP、ERSP-L-(DVP)、ERSP-(L-DVP)、ERSP-STA-DVP、ERSP-STA-(DVP)、ERSP-DVP-STA、ERSP-(DVP)-STA、ERSP-(STA-DVP)、ERSP-(DVP-STA)、ERSP-L-DVP-STA、ERSP-L-STA-DVP、ERSP-L-(DVP-STA)、ERSP-L-(STA-DVP)、ERSP-L-(DVP)-STA、ERSP-(L-DVP)-STA、ERSP-(L-STA-DVP)、ERSP-(L-DVP-STA)、ERSP-(L-STA)-DVP、ERSP-(L-DVP)-STA、ERSP-STA-L-DVP、ERSP-STA-DVP-L、ERSP-STA-L-(DVP)、ERSP-(STA-L)-DVP、ERSP-STA-(L-DVP)、ERSP-(STA-L-DVP)、ERSP-STA-(DVP)-L、ERSP-STA-(DVP-L)、ERSP-(STA-DVP)-L、ERSP-(STA-DVP-L)、ERSP-DVP-L-STA、ERSP-DVP-STA-L、ERSP-(DVP)-STA-L ERSP-(DVP-L)-STA、ERSP-(DVP-STA)-L、ERSP-(DVP-L-STA)、又はERSP-(DVP-STA-L)(式中、Nは、1~200の範囲の整数である)。
【0088】
「ELISA」又は「iELISA」は、試料がプレートの表面に固定され、次いで、以下のように検出されるアッセイプロトコルを意味する:一次抗体が適用され、続いて、無色の基質を、試料にわたって検出及び定量化され得る着色された基質に変換する酵素にコンジュゲートされた二次抗体が適用される。プロトコル中、抗体は、そのエピトープに結合するもののみが検出のために残るように洗い流される。発明者らの手にある試料は主にタンパク質であり、ELISAは回収されたタンパク質の量の定量化を可能にする。
【0089】
「内因性」は、天然に存在する、及び/又は生物に存在するポリヌクレオチド、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、又はプロセス、例えば、特定の遺伝子操作の前に宿主細胞に既に存在する分子又は活性を指す。
【0090】
「エンハンサーエレメント」は、プロモーターに動作可能に連結されたDNA配列を指し、これは、エンハンサーエレメントの不在下でプロモーターから生じる転写活性と比較して、プロモーター上で増加した転写活性を発揮することができる。
【0091】
「ER」又は「小胞体」は、いくつかの翻訳後修飾プロセスが生じる、全ての真核生物に共通の細胞内小器官である。
【0092】
「ERSP」又は「小胞体シグナルペプチド」は、DVPをコードするmRNA分子のタンパク質翻訳中に、宿主細胞のシグナル認識粒子によって認識及び結合されるアミノ酸のN末端配列であり、これは、タンパク質翻訳のリボソーム/mRNA複合体を細胞質内のERに移動させる。結果として、タンパク質翻訳が、それがERとドッキングするまで休止し、そこで、それが続き、得られたタンパク質がERに注入される。
【0093】
「ersp」は、ペプチドERSPをコードするポリヌクレオチドを指す。
【0094】
「ER輸送」とは、翻訳後修飾、選別及び輸送のために、細胞で発現されたタンパク質のERへの輸送を意味する。
【0095】
「発現カセット」は、組換え発現系において、導入遺伝子又は異種ポリヌクレオチド、例えば、DVPをコードするように動作可能なポリヌクレオチドの転写を完了するために必要な全てのDNAエレメントを指す。したがって、一部の実施形態では、「発現カセット」とは、(1)目的のDNA配列(例えば、DVPをコードするように動作可能な異種ポリヌクレオチド)、及び以下のうちの1つ以上を指す:(2)プロモーター、ターミネーター、及び/若しくはエンハンサーエレメント、(3)適切なmRNA安定化ポリアデニル化シグナル、(4)内部リボソーム侵入部位(IRES)、(5)イントロン、並びに/又は(6)転写後調節エレメント。(1)と、(2)~(6)のうちの少なくとも1つとの組み合わせは、「発現カセット」と称される。
【0096】
例えば、一部の実施形態では、発現カセットは、(1)DVPをコードするように動作可能な異種ポリヌクレオチドであり得、更に1つ以上の以下を含む:(2)プロモーター、ターミネーター、及び/若しくはエンハンサーエレメント、(3)適切なmRNA安定化ポリアデニル化シグナル、(4)内部リボソーム侵入部位(IRES)、(5)イントロン、並びに/又は(6)転写後調節エレメント。
【0097】
一部の実施形態では、発現カセットは、(1)DVPをコードするように動作可能な1つ以上の異種ポリヌクレオチドであり得、更に1つ以上の(2)プロモーター、ターミネーター、及び/若しくはエンハンサーエレメント、(3)適切なmRNA安定化ポリアデニル化シグナル、(4)内部リボソーム侵入部位(IRES)、(5)イントロン、並びに/又は(6)転写後調節エレメントを含み、DVPをコードするように動作可能な1つ以上の異種ポリヌクレオチドの各々は、(2)~(6)のうちの1つ以上を更に含み、DVPは、同じであっても異なってもよい。
【0098】
例えば、一部の実施形態では、発現カセットは、(1)DVPをコードするように動作可能な第1の異種ポリヌクレオチド、及びDVPをコードするように動作可能な1つ以上の追加の異種ポリヌクレオチドを指し得、更に、(2)プロモーター、ターミネーター、及び/若しくはエンハンサーエレメント、(3)適切なmRNA安定化ポリアデニル化シグナル、(4)内部リボソーム侵入部位(IRES)、(5)イントロン、並びに/又は(6)転写後調節エレメントのうちの1つ以上を含み、DVPをコードするように動作可能な第1の異種ポリヌクレオチド、及びDVPをコードするように動作可能な1つ以上の追加の異種ポリヌクレオチドのいずれかは、(2)~(6)のうちの1つ以上を更に含むか、又は、DVPをコードするように動作可能な第1の異種ポリヌクレオチドの各々、及びDVPをコードするように動作可能な1つ以上の追加の異種ポリヌクレオチドの各々が、各々個別に、(2)~(6)のうちの1つ以上を更に含み、DVPは、同じであっても異なってもよい。
【0099】
代替的な実施形態では、2つの発現カセットがあり、各発現カセットは、DVPをコードするように動作可能な異種ポリヌクレオチドを含み(すなわち、二重発現カセット)、DVPは、同じであっても異なってもよい。
【0100】
他の実施形態では、3つの発現カセットがあり、各発現カセットは、DVPをコードするように動作可能な異種ポリヌクレオチドを含み(すなわち、三重発現カセット)、DVPは、同じであっても異なってもよい。
【0101】
一部の実施形態では、二重発現カセットは、第2の発現カセットを、第1の発現カセットを含有するベクターにサブクローニングすることによって生成され得る。一部の実施形態では、三重発現カセットは、第3の発現カセットを、第1の発現カセット及び第2の発現カセットを含むベクターにサブクローニングすることによって生成され得る。発現カセット及びクローニング技術に関する方法は、当該技術分野で周知であり、本明細書に記載されている。
【0102】
「FECT」は、コーティングタンパク質遺伝子及び三重遺伝子ブロックを排除したフォックステールモザイクウイルスを使用した一過性植物発現システムを意味する。
【0103】
「GFP」は、クラゲ、Aequorea victoriaからの緑色蛍光タンパク質を意味する。
【0104】
「増殖培地」は、インビトロで細胞を増殖させるために使用される栄養培地を指す。
【0105】
本明細書で使用される「腸」は、腸を含む任意の臓器、構造、組織、細胞、細胞外マトリックス、及び/又は空間、例えば、前腸、例えば、口、咽頭、食道、素嚢、前胃、若しくは素嚢;中腸、例えば、中腸盲腸、胃;後腸、例えば、ピロルム(pylorum)、回腸、直腸、若しくは肛門;囲食膜;微絨毛;基底膜;筋層;マルピーギ管;又は直腸膨大部を指し得る。
【0106】
「相同」とは、2つのポリペプチド間又は2つの核酸分子間の配列類似性又は配列同一性を指す相同を指す。2つの比較される配列の両方における位置が、同じ塩基又はアミノ酸モノマーサブユニットによって占められている場合(例えば、2つのDNA分子の各々における位置が、アデニンによって占められている場合)、これらの分子は、その位置において相同である。2つの配列間の相同性のパーセントは、2つの配列によって共有される一致する又は相同の位置の数を、比較した位置の数で割って100を掛けた関数である。相同とは、2つのポリペプチド分子間、又は2つの核酸分子間の配列類似性を指す。2つの比較される配列の両方における位置が、同じ塩基又はアミノ酸モノマーサブユニットによって占められている場合(例えば、2つのDNA分子の各々における位置が、アデニンによって占められている場合)、これらの分子は、その位置において相同である。2つの配列間の相同性は、2つの配列によって共有される一致する又は相同の位置の数の関数である。例えば、2つの配列において、10個の位置のうちの6個が一致するか又は相同である場合、2つの配列は60%相同である。例として、DNA配列ATTGCC及びTATGGCは、50%の相同性を共有する。
【0107】
核酸に関して使用される場合、「相同性」という用語は、相補性の程度を指す。部分的な相同性又は完全な相同性(したがって、同一)が存在し得る。「配列同一性」は、2つ以上の核酸の間の関連性の尺度を指し、全比較長を参照して、パーセンテージとして与えられる。同一性の計算は、それぞれのより大きな配列において、同一であり、同じ相対位置にあるそれらのヌクレオチド残基を考慮に入れる。
【0108】
「ICKモチーフ」又は「ICKモチーフタンパク質」は、3つのジスルフィド架橋を有する少なくとも6つのハーフシスチンコアアミノ酸を有する16~60個のアミノ酸ペプチドを指す。一部の実施形態では、3つのジスルフィド架橋は、共有結合であり、6つのハーフシスチン残基のものであり、共有ジスルフィド結合は、N末端アミノ酸から始まる6つのコアハーフシスチンアミノ酸の第1及び第4、第2及び第5、並びに第3及び第6のハーフシスチンの間にある。一部の実施形態では、このモチーフを有するペプチドは、通常、モチーフの第4のコアハーフシスチンと第6のコアハーフシスチンとの間に位置する残基で構成されるベータヘアピン二次構造を含み、ヘアピンが、モチーフの3つのジスルフィド結合によって提供される構造的架橋によって安定化される。一部の実施形態では、追加のシステイン/シスチン又はハーフシスチンアミノ酸が、阻害剤シスチンノットモチーフ内に存在し得る。
【0109】
「同一性」とは、2つ以上のポリペプチド配列間又は2つ以上のポリヌクレオチド配列間の関係を指し、当該配列を比較することによって決定される。「同一性」という用語はまた、場合によっては、かかる配列のストリング間の一致によって決定される、ポリペプチド配列間又はポリヌクレオチド配列間の配列関連性の程度を意味する。「同一性」及び「類似性」は、限定されないが、以下に記載される当業者に既知の無数の方法のうちのいずれか1つによって、容易に計算することができ、Computational Molecular Biology,Lesk,A.M.,ed.,Oxford University Press,New York,1988、Biocomputing:Informatics and Genome Projects,Smith,D.W.,ed.,Academic Press,New York,1993、Computer Analysis of Sequence Data,Part 1,Griffin,A.M.,and Griffin,H.G.,eds.,Humana Press,New Jersey,1994、Sequence Analysis in Molecular Biology,von Heinje,G.,Academic Press,1987、及びSequence Analysis Primer,Gribskov,M.and Devereux,J.,eds.,M Stockton Press,New York,1991、並びにCarillo,H.,and Lipman,D.,SIAM J.Applied Math.,48:1073(1988)が含まれるが、これらに限定されない(これらの開示は、それらの全体が参照により本明細書に援用される)。更に、同一性及び類似性を決定する方法は、公開されているコンピュータプログラムに成文化されている。例えば、一部の実施形態では、2つの配列間の同一性及び類似性を決定する方法には、GCGプログラムパッケージ(Devereux,J.,et al.,Nucleic Acids Research 12(1):387(1984))、BLASTP、BLASTN、及びFASTA(Altschul,S.F.et al.,J.Molec.Biol.215:403-410(1990)が含まれるが、これらに限定されない。BLAST Xプログラムは、NCBI及び他のソース(BLAST Manual,Altschul,S.,et al.,NCBI NLM NIH Bethesda,Md.20894;Altschul,S.,et al.,J.Mol.Biol.215:403-410(1990)から公開されている(これらの開示は、それらの全体が参照により本明細書に援用される)。
【0110】
「インビボ」とは、天然環境(例えば、動物又は細胞)、及び天然環境内で生じるプロセス又は反応を指す。
【0111】
「不活性」とは、何かが使用状態にない、例えば、休眠状態である、及び/又は機能していない状態を指す。例えば、遺伝子の文脈で使用される場合、又は遺伝子に関して言及される場合、不活性という用語は、当該遺伝子が、もはや遺伝子産物を能動的に合成しないか、当該遺伝子産物をタンパク質に翻訳しないか、又はその他、遺伝子にその正常な機能を行なわせないことを意味する。例えば、一部の実施形態では、不活性という用語は、遺伝子がRNAを転写することの失敗、RNAプロセシングの失敗(例えば、プレmRNAプロセシング、RNAスプライシング、若しくは他の転写後修飾)、非コードRNA成熟化への干渉、RNA輸送への干渉(例えば、核から細胞質へ)、翻訳への干渉、タンパク質折りたたみ、転座、タンパク質輸送、並びに/又は分子ポリヌクレオチド、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、転写因子、調節因子、阻害因子、若しくは前述のプロセスのうちのいずれかに寄与する他の因子のうちのいずれかへの阻害及び/若しくは干渉を指すことができる。
【0112】
「増加すること(Increasing)」又は「増加する(increase)」又は「増加した(increased)」又は「増加(increases)」は、何か(例えば、ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質の発現)をサイズ、量、強度、又は程度で大きくすることを指す。例えば、一部の実施形態では、式(II)に記載のCK構造を有しない修飾可能なCRPからの1つ以上のジスルフィド結合の除去が、式(II)に記載のCK構造を有する組換えCRPの作製をもたらすことができ、式(II)に記載のCK構造を有することは、式(II)に記載のCK構造を有しない修飾可能なCRPと比較して、以下の効果:組換えCRPの発現レベルの増加、及び/又は組換えCRPの収量の増加をもたらす。
【0113】
したがって、一部の実施形態では、式(II)に記載のCK構造を有する組換えCRPにおける「増加した発現レベル」又は「発現レベルの増加」又は「増加した収量」又は「収量の増加」という用語は、式(II)に記載のCK構造を有しない修飾可能なCRPにおけるタンパク質の量、タンパク質の発現レベル、及び/又はタンパク質の収量と比較して、式(II)に記載のCK構造を有する組換えCRPにおけるタンパク質の量、タンパク質の発現レベル、及び/又はタンパク質の収量の、少なくとも約0.1%、少なくとも約0.2%、少なくとも約0.3%、少なくとも約0.4%、少なくとも約0.5%、少なくとも約0.6%、少なくとも約0.7%、少なくとも約0.8%、少なくとも約0.9%、少なくとも約1%、少なくとも約1.25%、少なくとも約1.5%、少なくとも約1.75%、少なくとも約2%、少なくとも約2.25%、少なくとも約2.5%、少なくとも約2.75%、少なくとも約3%、少なくとも約3.25%、少なくとも約3.5%、少なくとも約3.75%、少なくとも約4%、少なくとも約4.25%、少なくとも約4.5%、少なくとも約4.75%、少なくとも約5%、少なくとも約5.25%、少なくとも約5.5%、少なくとも約5.75%、少なくとも約6%、少なくとも約6.25%、少なくとも約6.5%、少なくとも約6.75%、少なくとも約7%、少なくとも約7.25%、少なくとも約7.5%、少なくとも約7.75%、少なくとも約8%、少なくとも約8.25%、少なくとも約8.5%、少なくとも約8.75%、少なくとも約9%、少なくとも約9.25%、少なくとも約9.5%、少なくとも約9.75%、少なくとも約10%、少なくとも約11%、少なくとも約12%、少なくとも約13%、少なくとも約14%、少なくとも約15%、少なくとも約16%、少なくとも約17%、少なくとも約18%、少なくとも約19%、少なくとも約20%、少なくとも約21%、少なくとも約22%、少なくとも約23%、少なくとも約24%、少なくとも約25%、少なくとも約26%、少なくとも約27%、少なくとも約28%、少なくとも約29%、少なくとも約30%、少なくとも約31%、少なくとも約32%、少なくとも約33%、少なくとも約34%、少なくとも約35%、少なくとも約36%、少なくとも約37%、少なくとも約38%、少なくとも約39%、少なくとも約40%、少なくとも約41%、少なくとも約42%、少なくとも約43%、少なくとも約44%、少なくとも約45%、少なくとも約46%、少なくとも約47%、少なくとも約48%、少なくとも約49%、少なくとも約50%、少なくとも約50%、少なくとも約51%、少なくとも約52%、少なくとも約53%、少なくとも約54%、少なくとも約55%、少なくとも約56%、少なくとも約57%、少なくとも約58%、少なくとも約59%、少なくとも約60%、少なくとも約61%、少なくとも約62%、少なくとも約63%、少なくとも約64%、少なくとも約65%、少なくとも約66%、少なくとも約67%、少なくとも約68%、少なくとも約69%、少なくとも約70%、少なくとも約71%、少なくとも約72%、少なくとも約73%、少なくとも約74%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約100%、又は100%超である増加を指す。
【0114】
「動作不能」とは、機能していない、機能不全、又はもはや機能することができない状態を指す。例えば、遺伝子の文脈で使用される場合、又は遺伝子を指す場合、動作不能という用語は、当該遺伝子が、永続的又は一過的にのいずれかで、もはやいつものように動作することができないことを意味する。例えば、一部の実施形態では、「動作不能」とは、遺伝子が、もはや遺伝子産物を合成することができないか、当該遺伝子産物をタンパク質に翻訳しないか、又はその他、遺伝子がその正常な機能を行うことができないことを意味する。例えば、一部の実施形態では、動作不能という用語は、遺伝子がRNAを転写することの失敗、RNAプロセシングの失敗(例えば、プレmRNAプロセシング、RNAスプライシング、若しくは他の転写後修飾)、非コードRNA成熟化への干渉、RNA輸送への干渉(例えば、核から細胞質へ)、翻訳への干渉、タンパク質折りたたみ、転座、タンパク質輸送、並びに/又は分子ポリヌクレオチド、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、転写因子、調節因子、阻害因子、若しくは前述のプロセスのうちのいずれかに寄与する他の因子のうちのいずれかへの阻害及び/若しくは干渉を指すことができる。
【0115】
「昆虫」には、「昆虫綱」綱の全ての生物が含まれる。「前成虫(pre-adult)」という用語は、成虫期以前の生物の任意の形態を指し、例えば、卵、幼虫、及び若虫が含まれる。本明細書で使用される場合、「昆虫」という用語は、ダニを含むいずれの節足動物及び線形動物、並びに全ての作物、野菜、及び木に蔓延することが知られている昆虫を指し、林業、園芸、及び農業の分野において害虫とみなされる昆虫を含む。本明細書に開示される方法で保護され得る特定の作物の例は、ダイズ、トウモロコシ、ワタ、アルファルファ、及び野菜作物である。特定の作物及び昆虫のリストを、ここに示す。
【0116】
「昆虫腸内環境」又は「腸内環境」とは、昆虫又は昆虫の幼虫の前腸、中腸、又は後腸内で見出される特定のpH及びプロテイナーゼ条件を意味する。
【0117】
「昆虫血リンパ環境」とは、昆虫又は昆虫の幼虫内で見出される特定のpH及びプロテイナーゼ条件を意味する。
【0118】
本明細書で使用される場合、「殺虫」という用語は、概して、本明細書で使用されるポリペプチド又はタンパク質の、昆虫の死亡率を増加させるか、又は昆虫の成長速度を阻害する能力を指すために使用される。本明細書で使用される場合、「殺線虫性」という用語は、本明細書で使用されるポリペプチド又はタンパク質が、線虫の死亡率を増加させるか、又は線虫の成長速度を阻害する能力を指す。概して、「線虫」という用語は、当該生物の卵、幼虫、幼体、及び成熟形態を含む。
【0119】
「殺虫活性」とは、昆虫を、化合物、薬剤、又はペプチドに曝露した際又は後、昆虫が、死に、その動きを停止若しくは遅延させる;その摂食を停止若しくは遅延させる;その成長を停止若しくは遅延させる;混乱する(例えば、ナビゲーション、食べ物の位置決定、睡眠行動、及び/又は交配に関して);蛹化に失敗する;繁殖を妨げる;かつ/又は昆虫が子孫を産むことを妨げ、及び/若しくは昆虫が稔性の子孫を産むことを妨げるいずれかとなることを意味する。
【0120】
「組み込み発現ベクター」又は「組み込みベクター」とは、それ自体を酵母細胞ゲノムの特定の遺伝子座に挿入し、安定して酵母ゲノムの一部となり得る酵母発現ベクターを意味する。
【0121】
「介在リンカー」は、タンパク質の異なる部分を分離するタンパク質中の短いペプチド配列、又は上流及び下流のDNA配列を分離するためのORF中のリーディングフレームに配置される短いDNA配列を指す。例えば、一部の実施形態では、介在リンカーを使用して、タンパク質が、翻訳中に、独立した二次構造及び三次構造の形成を達成することを可能にすることができる。一部の実施形態では、介在リンカーは、植物細胞環境、昆虫及び/又はLepidopteran腸内環境、並びに昆虫血リンパ及びLepidopteran血リンパ環境において、切断に耐性又は感受性のいずれかであり得る。
【0122】
「単離された」とは、物及び/又は成分をその天然環境から分離することを指し、例えば、所与の属又は種から単離された毒素は、毒素がその天然環境から分離される(例えば、野生型生物から取り出される)ことを意味する。
【0123】
「カッパ-ACTXペプチド」又は「κ-ACTX」(全て互換的に使用される)は、Atracinaeサブファミリーに属するオーストラリアファネルウェブスパイダーから単離された殺虫阻害剤シスチンノット(ICK)ペプチドのファミリーに属するペプチドを指す。そのような1つのクモは、オーストラリアブルーマウンテンファネルウェブスパイダーとして知られており、これはHaydronyche versutaという学名を有する。例示的な野生型カッパ-ACTXペプチドが本明細書に提供され、アミノ酸配列:「AICTGADRPCAACCPCCPGTSCKAESNGVSYCRKDEP」(配列番号198)(UniProtKB/Swiss-Prot番号P82228.1)を有する。
【0124】
「kb」は、キロ塩基(すなわち、1000塩基)を指す。本明細書で使用される場合、「kb」という用語は、核酸分子の長さを意味する。例えば、1kbは、1000ヌクレオチド長である核酸分子を指す。1kb長である二本鎖DNAの長さは、2,000ヌクレオチドを含有する(すなわち、各鎖に1,000ヌクレオチド)。代替的に、1kb長の一本鎖RNAの長さは、1,000ヌクレオチドを含有する。
【0125】
「kDa」は、キロダルトン、1,000ダルトンに等しい単位を指し、「ダルトン」又は「Da」は、分子量(MW)の単位である。
【0126】
「ノックイン(knock in)」又は「ノックイン(knock-in)」又は「ノックイン(knocks-in)」又は「ノックイン(knocking-in)」は、内因性遺伝子を、外因性若しくは異種遺伝子又はその一部で置き換えることを指す。例えば、一部の実施形態では、「ノックイン」という用語は、相同組換えによって標的遺伝子座に所望のタンパク質をコードする核酸配列を導入し、それによって、所望のタンパク質を発現させることを指す。一部の実施形態では、「ノックイン」変異は、遺伝子配列を修飾して、機能喪失変異又は機能獲得変異を作製することができる。「ノックイン」という用語は、外来性若しくは異種ポリヌクレオチド配列若しくはそれらの断片がゲノムに導入される手順(例えば、「彼らがノックインを行った」、又は「彼らが異種遺伝子をノックインした」)、又は得られた細胞及び/若しくは生物(例えば、「細胞がノックインである」、又は「動物がノックインである」)を指すことができる。
【0127】
「ノックアウト(Knock out)」又は「ノックアウト(knockout)」又は「ノックアウト(knock-out)」又は「ノックアウト」又は「ノックアウト(knocks-out)」又は「ノックアウト(knocking-out)」は、細胞の内因性DNA配列によってコードされるタンパク質の発現遺伝子産物(例えば、mRNA)の部分的又は完全な抑制を指す。一部の実施形態では、「ノックアウト」は、全遺伝子、又はペプチド、ポリペプチド、若しくはタンパク質をコードする遺伝子の一部の標的化された欠失によって達成され得る。結果として、欠失は、遺伝子を不活性に、部分的に不活性に、動作不能に、部分的に動作不能にすることができるか、又はその他、遺伝子が正常に発現する生物全体及び/若しくは細胞の任意の細胞における遺伝子若しくはその産物の発現を減少させることができる。「ノックアウト」という用語は、内因性遺伝子が完全に又は部分的に不活性又は動作不能にされる手順(例えば、「彼らがノックアウトを行った」、又は「彼らが内因性遺伝子をノックアウトした」)、あるいは得られた細胞及び/若しくは生物(例えば、「細胞がノックアウトである」、又は「動物がノックアウトである」)を指すことができる。
【0128】
「ノックダウン用量50」又は「KD50」は、集団(例えば、Musca domestica(イエバエ)及び/又はAedes aegypti(蚊)の集団)の50%で麻痺又は運動の停止を引き起こすのに必要な用量中央値を指す。
【0129】
「l」又は「リンカー」は、介在リンカーペプチドをコードするヌクレオチドを指す。
【0130】
「L」は、式(II)に記載のCK構造におけるシスチンノットモチーフのジスルフィド結合形成に関与する第1のシステイン残基と第2のシステイン残基と(すなわち、C及びCII)の間に位置するペプチドサブユニットを指す。
【0131】
「L」は、式(II)に記載のCK構造におけるシスチンノットモチーフのジスルフィド結合形成に関与する第2のシステイン残基と第3のシステイン残基と(すなわち、CII及びCIII)の間に位置するペプチドサブユニットを指す。
【0132】
「L」は、式(II)に記載のCK構造におけるシスチンノットモチーフのジスルフィド結合形成に関与する第3のシステイン残基と第4のシステイン残基と(すなわち、CIII及びCIV)の間に位置するペプチドサブユニットを指す。
【0133】
「L」は、式(II)に記載のCK構造におけるシスチンノットモチーフのジスルフィド結合形成に関与する第4のシステイン残基と第5のシステイン残基と(すなわち、CIV及びC)の間に位置するペプチドサブユニットを指す。
【0134】
「L」は、式(II)に記載のCK構造におけるシスチンノットモチーフのジスルフィド結合形成に関与する第5のシステイン残基と第6のシステイン残基と(すなわち、C及びCVI)の間に位置するペプチドサブユニットを指す。
【0135】
適切な文脈では、「L」は、翻訳安定化タンパク質(STA)を、追加のポリペプチド、例えば、DVP及び/又は複数のDVPと連結する介在リンカーペプチドを指す。アミノ酸に言及する場合、「L」はまた、ロイシンを意味し得る。
【0136】
「LAC4プロモーター」又は「Lac4プロモーター」又は「pLac4」は、K.lactis β-ガラクトシダーゼ遺伝子に由来するプロモーター配列からなるDNAセグメントを指す。LAC4プロモーターは、強力で誘導性のレポーターであり、酵母に形質転換された外因性遺伝子の発現を駆動するために使用される。
【0137】
「LAC4ターミネーター」又は「Lac4ターミネーター」は、K.lactis β-ガラクトシダーゼ遺伝子に由来する転写ターミネーター配列からなるDNAセグメントを指す。
【0138】
「Lepidopteran腸内環境」とは、Lepidopteranの昆虫又は幼虫の前腸、中腸、又は後腸内で見出された特定のpH及びプロテイナーゼ条件を意味する。
【0139】
「Lepidopteran血リンパ環境」とは、Lepidopteranの昆虫又は幼虫内で見られる特定のpH及びプロテイナーゼ条件を意味する。
【0140】
「LD20」は、集団の20%を死滅させるのに必要な用量を指す。
【0141】
「LD50」は、集団の50%を死滅させるのに必要な用量を意味する致死量50を指す。
【0142】
「リンカー(Linker)」又は「リンカー(LINKER)」又は「ペプチドリンカー」又は「L」又は「介在リンカー」は、2つのペプチドを一緒に連結するように動作可能な短いペプチド配列を指す。リンカーは、上流及び下流のDNA配列を分離するためにORFのリーディングフレーム内に配置される短いDNA配列を指し得る。一部の実施形態では、リンカーは、昆虫プロテアーゼによって切断可能であり得る。一部の実施形態では、リンカーは、タンパク質が、翻訳中に、独立した二次構造及び三次構造の形成を達成することを可能にすることができる。一部の実施形態では、リンカーは、植物細胞環境、昆虫及び/若しくはLepidopteran腸内環境、並びに/又は昆虫血リンパ及びLepidopteran血リンパ環境において、切断に耐性又は感受性のいずれかであり得る。一部の実施形態では、リンカーは、プロテアーゼによって切断され得る。例えば、一部の実施形態では、リンカーは、植物プロテアーゼ(例えば、パパイン、ブロメラン、フィシン、アクチニジン、ジンギバイン、及び/又はカルドシン)、昆虫プロテアーゼ、真菌プロテアーゼ、脊椎動物プロテアーゼ、無脊椎動物プロテアーゼ、細菌プロテアーゼ、哺乳類プロテアーゼ、爬虫類プロテアーゼ、又は鳥類プロテアーゼによって切断され得る。一部の実施形態では、リンカーは、切断可能又は切断不能であり得る。一部の実施形態では、リンカーは、二次領域又は三次領域を含み、各領域は、少なくとも2つの種類のプロテアーゼによって切断可能であり、そのうちの1つが昆虫及び/又は線虫プロテアーゼであり、そのうちのもう1つがヒトプロテアーゼである。一部の実施形態では、リンカーは、(少なくとも)3つの役割(昆虫腸内環境で切断される、植物細胞で切断される、又は意図的に切断されないように設計される)のうちの1つを有することができる。
【0143】
「培地(medium)」(複数形「培地(media)」)は、細胞培養で細胞を培養するための栄養液を指す。
【0144】
「MOA」は、作用メカニズムを指す。
【0145】
「修飾可能なCRP」は、シスチンノットモチーフを形成するジスルフィド結合トポロジーを有する第1のジスルフィド結合、第2のジスルフィド結合、及び第3のジスルフィド結合に加えて、1つ以上の非CKジスルフィド結合を有するシステインリッチタンパク質を指し、1つ以上の非CKジスルフィド結合は、第1のジスルフィド結合でも、第2のジスルフィド結合でも、第3のジスルフィド結合でもなく、1つ以上の非CKジスルフィド結合は、CKモチーフを形成しない。修飾可能なCRPの例としては、「CNSKGTPCTNADECCGGKCAYNVWNCIGGGCSKTCGY」(配列番号193、NCBI受託番号P49268.1)のアミノ酸配列を有するApsIIIタンパク質、アミノ酸配列:「AICTGADRPCAACCPCCPGTSCKAESNGVSYCRKDEP」(配列番号198、UniProtKB/Swiss-Prot番号P82228.1)を有する野生型カッパ-ACTXペプチド、及び又は配列番号1~2若しくは195のうちのいずれか1つが挙げられる。
【0146】
「分子量(MW)」は、分子の質量又は重量を指し、典型的には、「ダルトン(Da)」又は「キロダルトン(kDa)」で測定される。一部の実施形態では、MWは、ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)、分析用超遠心分離、又は光散乱を使用して計算することができる。一部の実施形態では、SDS-PAGE法は、以下のとおりである:目的の試料が、一組の分子量標準を用いてゲル上で分離される。試料を泳動し、次いで、ゲルを所望の染色で処理し、続いて、約2~14時間脱色する。次のステップは、標準及び目的のタンパク質の相対的移動距離(Rf)を決定することである。移行距離は、以下の式を使用して決定することができる。
【数1】
【0147】
次に、MWの対数は、標準におけるバンドについて得られた値に基づいて決定することができ、例えば、一部の実施形態では、SDS変性ポリペプチドの分子量の対数及びその相対移動距離(Rf)をグラフにプロットする。グラフをプロットした後、導出された値を補間すると、未知のタンパク質バンドの分子量が得られるであろう。
【0148】
「モチーフ」は、何らかの生物学的有意性を有することに関与し、かつ/又は何らかの効果を発揮するか、又は何らかの生物学的プロセスに関与する、ポリヌクレオチド配列又はポリペプチド配列を指す。
【0149】
「多重クローニング部位」又は「MCS」は、目的のDNA配列が挿入され得る多数の制限部位を含む、ベクター上に見出されるDNAのセグメントを指す。
【0150】
「変異体」とは、当該生物及び/又は配列を、天然に存在する、又は野生型の生物及び/又は配列とは異なるものにする(例えば、DNA配列中の)変化を有する、生物、DNA配列、ペプチド配列、又はポリペプチド配列を指す。例えば、野生型ミュー-ジゲトキシン-Dc1aポリペプチドは、天然に存在しないDVPをもたらすように改変され得る。
【0151】
「N」は、式(II)に記載のCK構造におけるシスチンノットモチーフのジスルフィド結合形成に関与する第1のシステイン残基(すなわち、C)に動作可能に連結されたC末端を有するペプチドサブユニットを指す。
【0152】
「N末端」は、ポリペプチドの始まり又は開始に位置する遊離アミン基(すなわち、-NH)を指す。
【0153】
「NCBI」は、国立バイオテクノロジー情報センターを指す。
【0154】
「nm」は、ナノメートルを指す。
【0155】
「非極性アミノ酸」は、弱疎水性であり、グリシン、アラニン、プロリン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、及びメチオニンを含むアミノ酸である。グリシン又はglyは、本発明のジペプチドに最も好ましい非極性アミノ酸である。
【0156】
「正規化ペプチド収量」とは、条件培地中のペプチド収量を、ペプチド収量を測定した時点での対応する細胞密度で割ったものを意味する。ペプチド収量は、単位体積における産生されたペプチドの質量(例えば、mg/リットル若しくはmg/L)で、又はHPLCクロマトグラフにおける産生されたペプチドの紫外線吸光度ピーク面積(例えば、mAu.sec)で表すことができる。細胞密度は、600nm(OD600)の波長での培養の可視光吸光度で表すことができる。
【0157】
「OD」は、光学密度を指す。典型的には、分光光度計を使用してODが測定される。
【0158】
「OD660nm」又は「OD660nm」は、660ナノメートル(nm)での光学密度を指す。
【0159】
「1文字コード」とは、タンパク質の一次構造における様々なアミノ酸を区別するために、その1文字コードに列挙されるペプチド配列を意味する:アラニン=A、アルギニン=R、アスパラギン=N、アスパラギン酸=D、アスパラギン又はアスパラギン酸=B、システイン=C、グルタミン酸=E、グルタミン=Q、グルタミン又はグルタミン酸=Z、グリシン=G、ヒスチジン=H、イソロイシン=I、ロイシン=L、リジン=K、メチオニン=M、フェニルアラニン=F、プロリン=P、セリン=S、スレオニン=T、トリプトファン=W、チロシン=Y、及びバリン=V。
【0160】
「動作可能」とは、使用される能力、何らかを行う能力、及び/又は何らかの機能若しくは結果を達成する能力を指す。例えば、一部の実施形態では、「動作可能な」とは、ポリヌクレオチド、DNA配列、RNA配列、又は他のヌクレオチド配列若しくは遺伝子が、ペプチド、ポリペプチド、及び/又はタンパク質をコードする能力を指す。例えば、一部の実施形態では、ポリヌクレオチドは、タンパク質をコードするように動作可能であってもよく、これは、ポリヌクレオチドが、タンパク質を生成する能力とともにそれを埋め込まれる情報を含むことを意味する(例えば、結果としてタンパク質に翻訳されるmRNAを転写することによって)。
【0161】
「動作可能に連結された」とは、このように記載された構成要素が、それらが意図された様式で機能することを可能にする関係にある並置を指す。例えば、一部の実施形態では、動作可能に連結されたは、2つ以上のDNA、ペプチド、又はポリペプチド配列を指すことができる。他の実施形態では、動作可能に連結されたとは、一方のDNA配列の転写活性化が他方のDNA配列に作用することができるように、2つの隣接するDNA配列が一緒に配置されることを意味し得る。更に他の実施形態では、「動作可能に連結された」という用語は、2つ以上のペプチド及び/又はポリペプチドを指すことができ、当該2つ以上のペプチド及び/又はポリペプチドは、単一のポリペプチド鎖を生成するような方法で連結されており、代替的に、動作可能に連結されたという用語は、一方のペプチドが他方に対して何らかの効果を及ぼすような方法で連結されている2つ以上のペプチドを指すことができる。更に他の実施形態では、動作可能に連結されたDNA配列は、一方の転写活性化が他方に作用することができるように、2つの隣接DNA配列が一緒に配置されることを指すことができる。
【0162】
「ORF」又は「オープンリーディングフレーム」は、翻訳開始シグナル(例えば、それぞれ、AUG又はATG)と、1つ以上のポリペプチド配列をコードする既知の終止コドンのうちのいずれか1つ以上との間の、一続きのRNA又はDNA配列を指す。換言すると、ORFは、リボソームが終止コドンに遭遇していないために読み取りを継続する(すなわち、新生タンパク質にアミノ酸を付加する)ことができる限り、RNAコードを翻訳するリボソームの観点から見た参照のフレームを記載する。したがって、「オープンリーディングフレーム」又は「ORF」は、コード配列の翻訳開始コドンと終止コドンとの間のコードされたアミノ酸配列を指す。ここで、「開始コドン」及び「終止コドン」という用語は、それぞれ、タンパク質合成(mRNA翻訳)の開始及び鎖終止を指定するコード配列の3つの隣接するヌクレオチド(すなわち、コドン)の単位を指す。
【0163】
一部の実施形態では、ORFは、開始コドン(通常、DNAではATG、及びRNAではAUG)で始まり、終止コドン(通常、UAA、UAG、又はUGA)で終わる連続した一繋がりのコドンである。他の実施形態では、ORFは、翻訳開始シグナル(例えば、AUG又はATG)と既知の終止コドンのうちのいずれか1つ以上との間の一続きのRNA配列又はDNA配列であり得、当該一続きのRNA配列又はDNA配列は、1つ以上のポリペプチド配列をコードする。一部の他の実施形態では、ORFは、ATG開始コドンで始まり、TGA、TAA、又はTAG終止コドンで終わるタンパク質をコードするDNA配列であり得る。ORFはまた、DNAがコードする翻訳されたタンパク質を意味し得る。一般に、当業者は、「オープンリーディングフレーム」の最も広い定義が、停止コドンを含まない一連のコドンを単純に企図するという事実に基づいて、「オープンリーディングフレーム」及び「ORF」という用語を「コード配列」という用語と区別する。したがって、ORFは、イントロンを含有し得るが、コード配列は、リボソーム翻訳機構によって実際にアミノ酸に翻訳されるコドンに分割され得るそれらのヌクレオチド(例えば、連結されたエキソン)を指すことによって区別される(すなわち、コード配列がイントロンを含まない)。しかしながら、本明細書で使用される場合、「コード配列」、「CDS」、「オープンリーディングフレーム」、及び「ORF」という用語は、互換的に使用される。
【0164】
「除去組換えの(out-recombined)」又は「除去組換え(out-recombination)」とは、インビボ相同組換え中の、2つの部位特異的組換え部位(例えば、標的ベクターのホモロジーアームに相同である標的遺伝子の5’及び3’ヌクレオチド配列)に隣接した遺伝子及び/又はポリヌクレオチド配列(例えば、内因性遺伝子)の除去を指す。「ノックアウト」を参照されたい。
【0165】
「ペプチド発現ベクター」とは、異種ペプチド導入遺伝子を含む宿主生物の発現ベクターを意味する。
【0166】
「ペプチド発現酵母株」、「ペプチド発現株」又は「ペプチド産生株」は、異種ペプチドを産生することができる酵母株を意味する。
【0167】
「ペプチドリンカー」は、リンカーを参照されたい。
【0168】
「ペプチドサブユニット」は、ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質中の上流、下流、及び/又は1つ以上のシステイン残基間のアミノ酸配列を指す。一部の実施形態では、ペプチドサブユニットは、式(II)に記載のCK構造を有する組換えCRPにおける上流、下流、及び/又はシステイン残基間にある。一部の実施形態では、ペプチドサブユニットは、1~13個のアミノ酸残基の長さを有し得る。更に他の実施形態では、ペプチドサブユニットは、13個以上のアミノ酸残基の長さを有し得る。一部の実施形態では、式(II)に記載のCK構造を含む組換えCRPにおけるペプチドサブユニットは、N、L、L、L、L、L、及びCとして示される。
【0169】
「ペプチド導入遺伝子」又は「殺虫ペプチド導入遺伝子」又は「殺虫タンパク質導入遺伝子」又は「ミュー-ジゲトキシン-Dc1aバリアント導入遺伝子」とは、DVPをコードし、生物学的発現システムにおいて翻訳され得るDNA配列を指す。
【0170】
「ペプチド収量」とは、ペプチド発現酵母株の細胞から産生される、条件培地中の殺虫ペプチドの濃度を意味する。これは、単位体積における産生されたペプチドの質量(例えば、mg/リットル若しくはmg/L)で、又はHPLCクロマトグラフにおける産生されたペプチドの紫外線吸光度ピーク面積(例えば、mAu.sec)で表すことができる。
【0171】
「害虫」には、昆虫、真菌、細菌、線虫、ダニ、マダニなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0172】
「農薬有効量(pesticidally-effective amount)」とは、少なくとも1つの害虫に死をもたらすことができるか、又は害虫の成長、摂食、又は正常な生理学的発生を顕著に低減することができる農薬の量を指す。この量は、例えば、制御される特定の標的害虫、処理される特定の環境、場所、植物、作物、又は農業用地、環境条件、並びに農薬的に有効なポリペプチド組成物の適用の方法、速度、濃度、安定性、及び量などの要因に応じて変化するであろう。製剤はまた、気候条件、環境考慮事項、及び/又は適用の頻度、及び/又は害虫蔓延の重症度に関して変化し得る。
【0173】
「薬学的に許容される塩」は、その酸塩又は塩基塩を作製することによって修飾されている化合物を指す。
【0174】
「植物」は、植物全体、植物組織、植物細胞、植物部分、植物器官(例えば、葉、茎、根など)、種子、むかご、胚、及びそれらの子孫を意味するものとする。植物細胞は、分化又は未分化であり得る(例えば、カルス、懸濁培養細胞、原形質細胞、葉細胞、根細胞、師部細胞、及び花粉)。
【0175】
「植物導入遺伝子タンパク質」とは、それをコードするDNA又はRNAが1つ以上の植物細胞に送達された後に植物において発現される異種由来のタンパク質を意味する。
【0176】
「植物に組み込まれた保護剤」又は「PIP」は、トランスジェニック植物によって産生される殺虫タンパク質、及び植物がそのタンパク質を産生するのに必要な遺伝物質を意味する。
【0177】
「植物切断可能リンカー」とは、植物プロテアーゼ認識部位を含み、かつ植物細胞におけるタンパク質発現プロセス中に切断され得る、切断可能なリンカーペプチド、又は切断可能なリンカーペプチドをコードするヌクレオチドを意味する。
【0178】
「植物再生培地」とは、植物成長に必要な要素及びビタミン並びに組織培養に由来する小植物を発芽及び生成することができる胚への細胞の再生を促進するために必要な植物ホルモンを含有する任意の培地を意味する。多くの場合、培地は、トランスジェニック細胞が、薬剤に対する耐性を付与する選択遺伝子を発現する選択薬剤を含有する。
【0179】
「プラスミド」は、目的の遺伝子(例えば、dvp)の担体として機能し、生物に形質転換又はトランスフェクトされた場合、宿主生物とは独立してプラスミド内に含有されるDNA配列を複製及び発現することができるDNAセグメントを指す。プラスミドは、ベクターの一種であり、「クローニングベクター」(すなわち、DNA断片をクローニングするために、及び/又は何らかの選択を介してプラスミドを担持する宿主集団を選択するために使用される単純なプラスミド)又は「発現プラスミド」(すなわち、大量のポリヌクレオチド及び/又はポリペプチドを産生するために使用されるプラスミド)であり得る。
【0180】
「極性アミノ酸」は、極性であり、セリン、スレオニン、システイン、アスパラギン、グルタミン、ヒスチジン、トリプトファン、及びチロシンを含むアミノ酸であり、好ましい極性アミノ酸は、セリン、スレオニン、システイン、アスパラギン、及びグルタミンであり、セリンが最も好ましい。
【0181】
「ポリヌクレオチド」は、任意の長さのヌクレオチド(例えば、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド、又はその類似体)のポリマー形態(例えば、2つ以上のリボヌクレオチド又はデオキシリボヌクレオチドの配列)を指す。本明細書で使用される場合、「ポリヌクレオチド」という用語には、二本鎖及び一本鎖DNA、並びに二本鎖及び一本鎖RNAが含まれ、ポリヌクレオチドの修飾形態及び非修飾形態も含まれる(ポリヌクレオチドに対する修飾及びポリヌクレオチドの修飾は、例えば、メチル化、リン酸化、及び/又はキャッピングを含み得る)。一部の実施形態では、ポリヌクレオチドは、遺伝子又は遺伝子断片(例えば、プローブ、プライマー、EST、又はSAGEタグ)、ゲノムDNA、ゲノムDNA断片、エキソン、イントロン、メッセンジャーRNA(mRNA)、トランスファーRNA、リボソームRNA、リボザイム、cDNA、組換えポリヌクレオチド、分岐ポリヌクレオチド、プラスミド、ベクター、任意の配列の単離DNA、任意の配列の単離RNA、核酸プローブ、前述のいずれかのプライマー又は増幅コピーのうちの1つであり得る。
【0182】
更に他の実施形態では、ポリヌクレオチドは、遺伝子のオープンリーディングフレームをコードするように動作可能なヌクレオチドのポリマー形態を指すことができる。
【0183】
一部の実施形態では、ポリヌクレオチドは、cDNAを指すことができる。
【0184】
一部の実施形態では、ポリヌクレオチドは、任意の三次元構造を有することができ、既知又は未知の任意の機能を行うことができる。ポリヌクレオチドの構造は、ポリヌクレオチドの方向性を示す、その5’末端若しくは3’末端又は末端によって参照され得る。ポリヌクレオチドの一本鎖中の隣接ヌクレオチドは、典型的には、それらの3’及び5’炭素間のホスホジエステル結合によって連結される。しかしながら、異なるヌクレオチドの結合、例えば、メチレン、ホスホロアミデート結合などを含む結合を使用することもできる。これは、それぞれの5’炭素及び3’炭素が、ポリヌクレオチドのいずれかの末端(これらは5’末端及び3’末端又は末端と呼ばれ得る)で曝露され得ることを意味する。5’末端及び3’末端は、それぞれの末端に結合した化学基のために、ホスホリル(PO)末端及びヒドロキシル(OH)末端と呼ぶこともできる。また、ポリヌクレオチドという用語は、二本鎖分子及び一本鎖分子の両方を指す。別段の指定又は要求がない限り、ポリヌクレオチドを作製又は使用する任意の実施形態は、二本鎖形態と、二本鎖形態を構成することが既知である又は予想される2つの相補的な一本鎖形態の各々との両方を包含する。
【0185】
一部の実施形態では、ポリヌクレオチドは、メチル化ヌクレオチド及びヌクレオチド類似体などの修飾ヌクレオチド(非天然塩基を有するヌクレオチド、アザプリン又はデアザプリンなどの修飾天然塩基を有するヌクレオチドを含む)を含むことができる。存在する場合、ヌクレオチド構造に対する修飾は、ポリヌクレオチドのアセンブリ前又は後に付与され得る。
【0186】
一部の実施形態では、ポリヌクレオチドはまた、例えば、標識化成分とのコンジュゲーションなどによって、重合後にも、更に修飾され得る。更に、ポリヌクレオチド中のヌクレオチドの配列は、非ヌクレオチド成分によって中断されてもよい。ポリヌクレオチドの1つ以上の末端は、特定の方法でその末端が他のポリヌクレオチドと相互作用する(例えば、共有結合を形成する)ことを防ぐように保護され得るか、又はその他、修飾され得る。
【0187】
一部の実施形態では、ポリヌクレオチドは、4つのヌクレオチド塩基:アデニン(A)、シトシン(C)、グアニン(G)、及びチミン(T)の特定の配列で構成され得る。また、ウラシル(U)は、例えば、ポリヌクレオチドがRNAである場合、チミンの自然な置換として存在することもできる。ウラシルは、DNAにも使用され得る。したがって、「配列」という用語は、天然及び非天然塩基を含む、ポリヌクレオチド又は任意の核酸分子のアルファベット表記を指す。
【0188】
「RNA分子」又はリボ核酸分子という用語は、ピリミジン塩基のうちの1つとして、デオキシリボース糖ではなくリボース糖を有し、典型的には、チミンではなくウラシルを有するポリヌクレオチドを指す。本発明のRNA分子は、一般に、一本鎖であるが、二本鎖であってもよい。RNA試料由来のRNA分子の文脈において、RNA分子は、細胞核、ミトコンドリア、又は葉緑体中のDNAから転写された一本鎖分子を含むことができ、これらは、それが転写されるDNA鎖に相補的なヌクレオチド塩基の直鎖配列を有する。
【0189】
一部の実施形態では、ポリヌクレオチドは、1つ以上の異種調節エレメントを更に含むことができる。例えば、一部の実施形態では、調節エレメントは、1つ以上のプロモーター、エンハンサー、サイレンサー、オペレーター、スプライシングシグナル、ポリアデニル化シグナル、終止シグナル、RNA輸送エレメント、内部リボソーム進入部位(IRES)、ポリU配列、又はそれらの組み合わせである。
【0190】
「転写後調節エレメント」は、それが転写された後のmRNAに影響を及ぼすDNAセグメント及び/又はメカニズムである。転写後メカニズムのメカニズムとしては、スプライシング事象、キャッピング、ポリ(A)テールの付加、及び当業者に既知の他のメカニズムが挙げられる。
【0191】
「プロモーター」は、RNAポリメラーゼが遺伝子の転写に結合し、転写を開始するDNAの領域を指す。
【0192】
「タンパク質」は、本文書において、「ペプチド」及び/又は「ポリペプチド」と同じ意味を有する。
【0193】
「比率」は、2つの量又は2つの物体の間の定量的関係を指し、これは、2つ以上の量又は2つ以上の物体の間の関係(量(amount)又は量(quantity))を示す。したがって、一部の実施形態では、比率は、第1の値が、第2を含む、又は第2の値内に含まれる回数を示す。
【0194】
「リーディングフレーム」は、二本鎖DNA分子の6つの(各方向に3つの)可能なリーディングフレームのうちの1つを指す。使用されるリーディングフレームは、どのコドンがDNA分子のコード配列内のアミノ酸をコードするために使用されるかを決定する。一部の実施形態では、リーディングフレームは、ポリヌクレオチド及び/又は核酸(例えば、DNA又はRNA)中のヌクレオチドの配列を、連続した重複していないトリプレットのセットに分割する方法である。
【0195】
「組換えCRP」は、式(II)に記載のシスチンノット(CK)構造を有しない修飾可能なCRPに由来する、式(II)に記載のシスチンノット(CK)構造を含む天然に存在しない組換えペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質を指す。本明細書で使用される場合、「組換え」という用語は、例えば、その天然に存在する対応物と比較して、又は式(II)に記載のシスチンノット(CK)構造を有しないしない天然に存在しないタンパク質(例えば、非天然の修飾可能なCRP)と比較して、付加、欠失、及び/又は置換を含む1つ以上の変化を含むポリペプチドを包含し、かかる変化は、例えば、組換えDNA技術によって導入された。「組換え」という用語はまた、ヒトによって生成されるアミノ酸配列;人工ペプチド、ポリペプチド、若しくはタンパク質;融合タンパク質;及び/又はキメラポリペプチドを含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなるペプチド、ポリペプチド、若しくはタンパク質;ヒトによって生成されるヌクレオチド配列;人工ヌクレオチド、ポリヌクレオチド、DNA、RNA、若しくは遺伝子;融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド;及び/又はキメラポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを包含する。発現されると、組換えペプチド、ポリペプチド、及び/又はタンパク質は、例えば、硫酸アンモニウム沈殿、親和性カラム、カラムクロマトグラフィー、ゲル電気泳動などが含まれるが、これらに限定されない、当業者に既知の標準的な手順に従って精製され得る。一部の実施形態では、組換えタンパク質は、例えば、ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質合成を含む任意の手段によって産生され得る。
【0196】
「組換えDNA」又は「rDNA」は、2つ以上の異なるDNAセグメントからなるDNAを指す。
【0197】
「組換えベクター」は、外来DNAが挿入されたDNAプラスミドベクターを意味する。
【0198】
「調節エレメント」は、核酸配列の発現及び/又はプロセシングの一部の態様を制御する遺伝子エレメントを指す。例えば、一部の実施形態では、調節エレメントは、転写レベル及び転写後レベルで見出すことができる。調節エレメントは、シス調節エレメント(CRE)、又はトランス調節エレメント(TRE)であり得る。一部の実施形態では、調節エレメントは、1つ以上のプロモーター、エンハンサー、サイレンサー、オペレーター、スプライシングシグナル、ポリアデニル化シグナル、終止シグナル、RNA輸送エレメント、内部リボソーム進入部位(IRES)、ポリU配列、及び/又は遺伝子発現に影響を及ぼす(例えば、組織特異的、時間依存的な様式で、発現を増加させるか若しくは減少させ、かつ/又は構成的発現を引き起こす)他のエレメントであり得る。
【0199】
「制限酵素」又は「制限エンドヌクレアーゼ」は、指定された制限部位でDNAを切断する酵素を指す。例えば、制限酵素は、EcoRI、SacII、又はBstXI制限部位でプラスミドを切断して、プラスミドを直鎖状にすることができ、目的のDNAをライゲーションすることができる。
【0200】
「制限部位」は、4~8ヌクレオチドの配列を含み、その配列が特定の制限酵素によって認識される、DNA上の位置を指す。
【0201】
「選択遺伝子」とは、遺伝子修飾生物が選択圧下で増殖するための利点を付与する遺伝子を意味する。
【0202】
「血清型(serovar)」又は「血清型(serotype)」は、抗原の特徴的なセットによって区別される密接に関連する微生物の群を指す。一部の実施形態では、血清型は、抗原的に及び血清学的に異なる様々な微生物である。
【0203】
「sp.」は、種を指す。
【0204】
「ssp.」又は「subsp.」は、亜種を指す。
【0205】
「サブクローニング」又は「サブクローニングされた」とは、DNAをあるベクターから別のベクターに、通常有利なベクターに移すプロセスを指す。例えば、変異体DVPをコードするポリヌクレオチドを、pLB102プラスミドにサブクローニングし、その後、pKLAC1プラスミドで形質転換された酵母コロニーを選択することができる。
【0206】
「SSI」は、文脈依存的である頭文字である。これは、いくつかの文脈では、「部位特異的組み込み」を指すことができ、インビボでの相同組換えが、宿主生物のゲノム内の特定の部位で生じることを可能にする配列を指すように使用される。したがって、一部の実施形態では、「部位特異的組み込み」という用語は、導入遺伝子を宿主生物のゲノム内の標的部位に導くプロセスを指し、目的の遺伝子を宿主生物の予め選択されたゲノム位置に組み込むことを可能にする。しかしながら、他の文脈では、SSIは、「室内表面噴霧(surface spraying indoors)」を指すことができ、これは、壁、窓、床、及び天井などの媒介生物が生息する表面に可変量の殺虫剤を適用する技術である。
【0207】
「STA」又は「翻訳安定化タンパク質」又は「安定化ドメイン」又は「安定化タンパク質」(本明細書で互換的に使用される)は、タンパク質分解の細胞プロセスによって標的化されることなく細胞内に蓄積することができる十分な三次構造を有するペプチド又はタンパク質を意味する。タンパク質は、5~50アミノ酸長であり得る。翻訳安定化タンパク質は、ORFの殺虫タンパク質又はDVPをコードする配列と動作可能に連結されるタンパク質のDNA配列によってコードされる。動作可能に連結されたSTAは、DVPの上流又は下流のいずれかであり得、介在配列がいずれかのDNA配列のフレームシフトをもたらさない限り、2つの配列(STA及びDVP)間に任意の介在配列を有することができる。翻訳安定化タンパク質はまた、腸壁を横断して昆虫の血リンパへのDVPの送達を増加させる活性を有してもよい。STAの例としては、GFP(緑色蛍光タンパク質、配列番号57、NCBI受託番号P42212)、GNA(配列番号58、NCBI受託番号AAL07474.1)、又はJun a 3(Juniperus ashei、配列番号59、NCBI受託番号P81295.1)を含む、本明細書によって記載又は教示される翻訳安定化タンパク質のうちのいずれかが挙げられるが、これらに限定されない。
【0208】
「sta」は、翻訳安定化タンパク質をコードするヌクレオチドを意味する。
【0209】
「株」とは、同一の種の他のメンバーのものとは異なる、同一の系統に属する表現型及び/又は遺伝子型形質を示す、遺伝子バリアント、単離株、亜型、その群、又はその培養物を指す。例えば、一部の実施形態では、「株」という用語は、それらの種の他の酵母細胞と比較して、何らかの形でそれらを異なるようにする1つ以上の特性を有する1つ以上の酵母細胞を指すことができ、当該他の酵母細胞は1つ以上の特性を有しない。
【0210】
「構造モチーフ」は、ペプチド及び/又はポリペプチドの三次元配置、及び/又は動作可能に連結されたポリペプチドセグメントの配置を指す。例えば、ERSP-STA-L-DVPを含むポリペプチドは、ERSPモチーフ、STAモチーフ、LINKERモチーフ、及びDVPポリペプチドモチーフを有する。
【0211】
「毒素」は、毒液及び/又は毒、特に、特定の動物、高等植物、及び病原性細菌によって産生されるタンパク質又はコンジュゲートタンパク質を指す。一般に、「毒素」という用語は、天然物、例えば、サソリ、クモ、ヘビ、毒キノコなどで見出される分子及びペプチドを保持するが、「毒物」という用語は、人工物(man-made products)及び/又は人工物(artificial products)、例えば、人工化学農薬を保持する。しかしながら、本明細書で使用される場合、「毒素」及び「毒性物質」という用語は、同義的に使用される。
【0212】
「トランスフェクション」及び「形質転換」は、いずれも、宿主生物(例えば、原核生物又は真核生物)に外因性及び/又は異種のDNA又はRNA(例えば、DVPをコードするポリヌクレオチドを含むベクター)を導入するプロセスを指す。一般に、当業者は、細菌細胞に外因性及び/若しくは異種のDNA又はRNAを導入するプロセスを記載するために「形質転換」という用語を留保することがあり、真核細胞への外因性及び/若しくは異種のDNA又はRNAの導入を記載するプロセスのために「トランスフェクション」という用語を留保することがある。しかしながら、本明細書で使用される場合、「形質転換」及び「トランスフェクション」という用語は、プロセスが、原核生物(例えば、細菌)又は真核生物(例えば、酵母、植物、若しくは動物)への外因性及び/若しくは異種のDNA又はRNAの導入を記載するかどうかに関係なく、同義的に使用される。
【0213】
「導入遺伝子」は、植物に形質転換されるタンパク質をコードする異種及び/又は外因性DNA配列を意味する。
【0214】
「トランスジェニック宿主細胞」又は「宿主細胞」とは、遺伝子で形質転換され、追加の選択遺伝子を介してそのトランスジェニック状態について選択された細胞を意味する。
【0215】
「トランスジェニック植物」とは、植物の全ての細胞がその導入遺伝子を含むように、外来のDNAで形質転換された単一の細胞に由来する植物を意味する。
【0216】
「一過性発現システム」とは、Agrobacterium tumefaciensベースのシステムを意味し、これは、武装解除植物ウイルスをコードするDNAを、それが発現される植物細胞に送達する。植物ウイルスは、TSPの最大40%の高濃度で目的のタンパク質を発現するように操作されている。
【0217】
「三重発現カセット」は、同じベクター上に含有される3つのDVP発現カセットを指す。
【0218】
「TRBO」とは、ウイルスコーティングタンパク質遺伝子が除去されたタバコモザイクウイルスを使用した一過性植物発現システムを意味する。
【0219】
「トリプシン切断」とは、プロテアーゼ酵素トリプシン(露出したリジン及びアルギニンアミノ酸残基を認識する)を使用して、その切断部位で切断可能リンカーを分離するインビトロアッセイを意味する。それはまた、トリプシン酵素がその部位を切断する行為を意味する。
【0220】
「TSP」又は「全可溶性タンパク質」とは、植物組織試料から抽出され、抽出緩衝液中に可溶化され得るタンパク質の総量を意味する。
【0221】
「UBI」は、ユビキチンを指す。例えば、一部の実施形態では、UBIは、Zea maysから単離されたユビキチンモノマーを指すことができる。
【0222】
「var.」は、変種又は品種を指す。「var.」という用語は、種レベル及び/又は亜種(存在する場合)以下にランク付けされる分類学的カテゴリーを示すために使用される。一部の実施形態では、「var.」という用語は、軽微ではあるが永続的又は遺伝的な特徴において、同じ亜種又は種の他のメンバーとは異なるメンバーを表す。
【0223】
「バリアント」又は「バリアント配列」又は「バリアントペプチド」とは、1つ以上の保存的アミノ酸置換又は保存的修飾を有するアミノ酸配列を指す。「バリアント」における保存的アミノ酸置換は、その非バリアント形態との関連において、バリアントの活性を実質的に減少させない。例えば、一部の実施形態では、「バリアント」は、配列番号によって示される、開示される配列及び/又は特許請求される配列を有するペプチドと比較した場合、1つ以上の保存的アミノ酸置換を有する。
【0224】
「ベクター」は、目的の異種ポリヌクレオチド(例えば、dvp)を受け入れるDNAセグメントを指す。目的の異種ポリヌクレオチドは、「挿入物」又は「導入遺伝子」として知られている。
【0225】
「野生型」又は「WT」は、生物、ポリヌクレオチド配列、及び/又はポリペプチド配列が、その天然に存在する状態又は条件で見出され、かつ/又は観察される場合の、生物、ポリヌクレオチド配列、及び/又はポリペプチド配列の表現型及び/又は遺伝子型(すなわち、外観又は配列)を指す。
【0226】
「酵母発現ベクター」又は「発現ベクター」又は「ベクター」とは、酵母細胞に転写及び翻訳される異種遺伝子及び/又は発現カセットを導入することができるプラスミドを意味する。
【0227】
「収量」は、ペプチドの産生を指し、収量の増加は、産生量の増加、産生速度の増加、及び収量の平均値又は中央値の増加、及びより高い収量の頻度の増加を意味し得る。「収量」という用語は、「植物の収量」と同様に、植物作物の成長及び/又は生産に関連して使用される場合、植物によって産生されるバイオマスの質及び/又は量を指す。
【0228】
本明細書全体を通して、特に別段の定めがない限り、又は文脈上別段の定めが必要でない限り、単一のステップ、物質の組成物、一群のステップ、又は一群の物質の組成物は、それらのステップ、物質の組成物、一群のステップ、又は一群の物質の組成物のうちの1つ及び複数(すなわち、1つ以上)を包含するものとみなされなければならない。
【0229】
本開示は、別段の指示がない限り、分子生物学、微生物学、ウイルス学、組換えDNA技術、固相及び液体核酸合成、溶液中のペプチド合成、固相ペプチド合成、免疫学、細胞培養、及び製剤の従来の技法を使用して、過度の実験なしで実施される。かかる手順は、例えば、Sambrook,Fritsch & Maniatis,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratories,New York,Second Edition(1989),Vols.I,II,and III全て、DNA Cloning:A Practical Approach,Vols.I and II(D.N.Glover,ed.,1985),IRL Press,Oxford,全てのテキスト、Oligonucleotide Synthesis:A Practical Approach(M.J.Gait,ed,1984)IRL Press,Oxford,全てのテキスト、及び、特に、そこにあるGait,pp1-22、Atkinson et al,pp35-81、Sproat et al,pp 83-115、及びWu et al,pp 135-151による論文、4.Nucleic Acid Hybridization:A Practical Approach(B.D.Hames & S.J.Higgins,eds.,1985)IRL Press,Oxford,全てのテキスト、Immobilized Cells and Enzymes:A Practical Approach(1986)IRL Press,Oxford,全てのテキスト、Perbal,B.,A Practical Guide to Molecular Cloning(1984)、Methods In Enzymology(S.Colowick and N.Kaplan,eds.,Academic Press,Inc.),全てのシリーズ、J.F.Ramalho Ortigao,“The Chemistry of Peptide Synthesis”In:Knowledge database of Access to Virtual Laboratory website(Interactiva,Germany)、Sakakibara,D.,Teichman,J.,Lien,E.Land Fenichel,R.L.(1976).Biochem.Biophys.Res.Commun.73 336-342、Merrifield,R.B.(1963).J.Am.Chem.Soc.85,2149-2154、Barany,G.and Merrifield,R.B.(1979)in The Peptides(Gross,E.and Meienhofer,3.eds.),vol.2,pp.1-284,Academic Press,New York.12.Wiinsch,E.,ed.(1974)Synthese von Peptiden in Houben-Weyls Metoden der Organischen Chemie(Muler,E.,ed.),vol.15,4th ed.,Parts 1 and 2,Thieme,Stuttgart、Bodanszky,M.(1984)Principles of Peptide Synthesis,Springer-Verlag,Heidelberg、Bodanszky,M.& Bodanszky,A.(1984)The Practice of Peptide Synthesis,Springer-Verlag,Heidelberg、Bodanszky,M.(1985)Int.J.Peptide Protein Res.25,449-474、Handbook of Experimental Immunology,Vols.I-IV(D.M.Weir and C.C.Blackwell,eds.,1986,Blackwell Scientific Publications)、並びにAnimal Cell Culture:Practical Approach,Third Edition(John R.W.Masters,ed.,2000)に記載されている(これらの参考文献の各々は、それらの全体が参照により本明細書に援用される)。
【0230】
本明細書全体を通して、文脈上別段の定めが必要でない限り、「含む(comprise)」、又は「含む(comprises)」若しくは「含む(comprising)」などの変形例は、記載されたステップ若しくは要素若しくは整数、又は一群のステップ若しくは要素若しくは整数の包含を意味するが、任意の他のステップ若しくは要素若しくは整数、又は一群の要素若しくは整数の除外を意味するものではないことが理解されるであろう。
【0231】
本明細書で言及される全ての特許出願、特許、及び刊行物は、各個々の刊行物、特許、又は特許出願が、その全体が参照により援用されることが具体的かつ個別に示されるのと同じ程度に、それらの全体が参照により援用される。また、本明細書で引用される全ての特許出願、特許、及び刊行物は、任意の定義、主題の免責事項、又は否認を除いて、かつ援用された資料が本明細書の開示と矛盾する場合を除いて(その場合は、本開示の文言が支配する)、参照によりその全体が本明細書に援用される。
【0232】
野生型ジゲトキシン及びDVP
アメリカ砂漠クモ(Diguetia canities)は、アメリカ合衆国の砂漠及び半砂漠の生息地で見られるコーンウェブクモの一種である。Diguetia canitiesは、哺乳類に影響を及ぼさないが、殺虫効果を有することが示されている毒素を産生する。Bende et al.,A distinct sodium channel voltage-sensor locus determines insect selectivity of the spider toxin Dc1a.Nat Commun.2014 Jul 11;5:4350を参照されたい。
【0233】
Diguetia canitiesが産生する毒素のうちの1つは、とりわけ、ミュー-ジゲトキシン-Dc1a(μ-DGTX-Dc1a、又は単に「Dc1a」としても知られている)である。配列番号1(NCBI受託番号P49126.1)のアミノ酸配列を有する、Diguetia canities由来の例示的な野生型ミュー-ジゲトキシン-Dc1aポリペプチド配列が本明細書に提供される。
【0234】
配列番号1に例示される野生型Dc1aポリペプチドは、シグナルペプチド領域及びプロペプチド領域を含む。ポリペプチド処理後、成熟野生型Dc1aポリペプチドは、「AKDGDVEGPAGCKKYDVECDSGECCQKQYLWYKWRPLDCRCLKSGFFSSKCVCRDV」(配列番号2)のアミノ酸配列を有する。Dc1aは、伸長されたN末端セグメントに由来する3本鎖βシート及び残基C25とC39との間の大きなシスチン間ループとともに、阻害剤シスチンノット(ICK)モチーフを有する。Dc1aは、C12及びC25、C19及びC39、C24及びC53、並びにC41及びC51でシステイン間のジスルフィド結合接合性を有する。
【0235】
ミュー-ジゲトキシン-Dc1aバリアントポリペプチド(DVP)、又はその薬学的に許容される塩は、野生型成熟ミュー-ジゲトキシン-Dc1a(配列番号2)とは異なる変異体又はバリアントであり、例えば、一部の実施形態では、この変異は、アミノ酸置換、アミノ酸欠失/挿入、又は野生型ミュー-ジゲトキシン-Dc1aをコードするポリヌクレオチドの変化であり得る。このバリエーションの結果は、野生型ミュー-ジゲトキシン-Dc1aと比較して、1つ以上の昆虫種に対する増強された殺虫活性を有する、天然に存在しないポリペプチド及び/又はそれをコードするポリヌクレオチド配列である。
【0236】
一部の実施形態では、DVPは、式(I)に記載のアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、又は100%同一であるアミノ酸配列であって、式(I):A-X-D-G-D-V-E-G-P-A-G-C-K-K-Y-D-X-E-C-X-X-G-E-C-C-Q-K-Q-Y-L-X-X-K-W-R-X-L-X-C-R-X-X10-K-S-G-F-F-S-S-K-X11-X12-C-R-D-V、ポリペプチドが、配列番号2に示されるジゲトキシンの野生型配列と比較して、少なくとも1つのアミノ酸置換を含み、式中、Xが、K又はLであり、Xが、V、A、又はEであり、Xが、D、Y、又はAであり、Xが、S又はAであり、Xが、W、A、Fであり、Xが、Y、A、S、H、又はKであり、Xが、P又はAであり、Xが、D、A、K、S、T、又はMであり、Xが、C、G、T、A、S、M、又はVであり、X10が、L、A、N、V、S、E、I、又はQであり、X11が、C、F、A、T、S、M、又はVであり、X12が、V、A、又はTである、アミノ酸配列、又はその薬学的に許容される塩を含み得る。
【0237】
一部の実施形態では、DVPは、配列番号6~43、45~51、53、128、130、136、139~140、144、146~147、187~191、202~215、若しくは217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、若しくは100%同一であるアミノ酸配列、又はその薬学的に許容される塩を含む。
【0238】
一部の実施形態では、DVPは、配列番号6~11、15~16、20~22、24~26、29、35、45~48、53、128、136、139~140、144、146~147、187~191、207、210~215、若しくは217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、若しくは100%同一であるアミノ酸配列、又はその薬学的に許容される塩を含む。
【0239】
一部の実施形態では、DVPは、配列番号47、53、136、139~140、144、146~147、187~191、210~215、若しくは217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、若しくは100%同一であるアミノ酸配列、又はその薬学的に許容される塩を含む。
【0240】
一部の実施形態では、DVPは、配列番号213、若しくは217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、若しくは100%同一であるアミノ酸配列、又はその薬学的に許容される塩を含む。
【0241】
一部の実施形態では、DVPは、2つ以上のDVPのホモポリマー又はヘテロポリマーであり得、各DVPのアミノ酸配列は、同じであるか、又は異なる。
【0242】
一部の実施形態では、DVPは、切断可能又は切断不能リンカーによって分離された2つ以上のDVPを含む融合タンパク質であり得、各DVPのアミノ酸配列は、同じである場合も異なる場合もある。一部の実施形態では、リンカーは、昆虫の腸内又は血液リンパ内で切断可能である。
【0243】
一部の実施形態では、DVPは、1つ以上の追加のペプチド及び/又は産物と組み合わされ得る。例えば、DVPは、本明細書に記載されるDVP、及び賦形剤を含む組成物の一部であり得る。
【0244】
一部の実施形態では、DVPは、ポリヌクレオチドによってコードされ得る。例えば、DVPをコードするように動作可能なポリヌクレオチドであって、当該DVPが、式(I)に記載のアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、又は100%同一であるアミノ酸配列であって、式(I):A-X-D-G-D-V-E-G-P-A-G-C-K-K-Y-D-X-E-C-X-X-G-E-C-C-Q-K-Q-Y-L-X-X-K-W-R-X-L-X-C-R-X-X10-K-S-G-F-F-S-S-K-X11-X12-C-R-D-Vである、アミノ酸配列を含み、ポリペプチドが、配列番号2に示されるジゲトキシンの野生型配列と比較して、少なくとも1つのアミノ酸置換を含み、式中、Xが、K又はLであり、Xが、V、A、又はEであり、Xが、D、Y、又はAであり、Xが、S又はAであり、Xが、W、A、Fであり、Xが、Y、A、S、H、又はKであり、Xが、P又はAであり、Xが、D、A、K、S、T、又はMであり、Xが、C、G、T、A、S、M、又はVであり、X10が、L、A、N、V、S、E、I、又はQであり、X11が、C、F、A、T、S、M、又はVであり、X12が、V、A、又はTである、ポリヌクレオチド、又はその相補的ヌクレオチド配列。他の実施形態では、ポリヌクレオチドが、DVPをコードする場合、Xが、G、T、A、S、M、若しくはV、又はX11が、F、A、T、S、M又はVである場合、ジスルフィド結合が除去される。
【0245】
更に他の実施形態では、ポリヌクレオチドは、配列番号6~43、45~51、53、128、130、136、139~140、144、146~147、187~191、202~215、若しくは217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、若しくは100%同一であるアミノ酸配列、又はその相補的ヌクレオチド配列を有するDVPをコードする。
【0246】
更に他の実施形態では、ポリヌクレオチドは、配列番号6~11、15~16、20~22、24~26、29、35、45~48、53、128、136、139~140、144、146~147、187~191、207、210~215、若しくは217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、若しくは100%同一であるアミノ酸配列、又はその相補的ヌクレオチド配列を有するDVPをコードする。
【0247】
更に他の実施形態では、ポリヌクレオチドは、配列番号47、53、136、139~140、144、146~147、187~191、210~215、若しくは217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、若しくは100%同一であるアミノ酸配列、又はその相補的ヌクレオチド配列を有するDVPをコードする。
【0248】
更に他の実施形態では、ポリヌクレオチドは、配列番号213、若しくは217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、若しくは100%同一であるアミノ酸配列、又はその相補的ヌクレオチド配列を有するDVPをコードする。
【0249】
一部の実施形態では、植物、植物組織、植物細胞、植物種子、又はその一部は、本明細書に記載の1つ以上のDVP、又は本明細書に記載のDVPをコードするポリヌクレオチドを含み得る。
【0250】
一部の実施形態では、DVPは、(a)DVPを発現するように動作可能なポリヌクレオチド、又はその相補的ヌクレオチド配列を含む第1の発現カセットを含むベクターを調製することであって、当該DVPが、式(I)のアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、又は100%同一であるアミノ酸配列であって、式(I):A-X-D-G-D-V-E-G-P-A-G-C-K-K-Y-D-X-E-C-X-X-G-E-C-C-Q-K-Q-Y-L-X-X-K-W-R-X-L-X-C-R-X-X10-K-S-G-F-F-S-S-K-X11-X12-C-R-D-V、ポリペプチドが、配列番号2に示されるジゲトキシンの野生型配列と比較して、少なくとも1つのアミノ酸置換を含み、式中、Xが、K又はLであり、Xが、V、A、又はEであり、Xが、D、Y、又はAであり、Xが、S又はAであり、Xが、W、A、Fであり、Xが、Y、A、S、H、又はKであり、Xが、P又はAであり、Xが、D、A、K、S、T、又はMであり、Xが、C、G、T、A、S、M、又はVであり、X10が、L、A、N、V、S、E、I、又はQであり、X11が、C、F、A、T、S、M、又はVであり、X12が、V、A、又はTである、アミノ酸配列又はその薬学的に許容される塩又はその薬学的に許容される塩を含む、調製することと、(b)ベクターを酵母細胞に導入することと、(c)DVPの発現及び増殖培地への分泌を可能にするように動作可能な条件下で、増殖培地中で酵母細胞を増殖することと、を含む、方法によって産生され得る。一部の実施形態では、Xが、G、T、A、S、M、若しくはVであるか、又はX11が、F、A、T、S、M、若しくはVである場合、ジスルフィド結合が除去される。
【0251】
一部の実施形態では、ベクターは、アルファ-MFシグナルを含むプラスミドである。他の実施形態では、ベクターは、酵母株に形質転換される。例えば、一部の実施形態では、酵母株は、Saccharomyces属、Pichia属、Kluyveromyces属、Hansenula属、Yarrowia属、又はSchizosaccharomyces属の任意の種から選択される。一部の実施形態では、酵母株は、Kluyveromyces lactis、Kluyveromyces marxianus、Saccharomyces cerevisiae、及びPichia pastorisからなる群から選択される。例えば、一部の実施形態では、酵母株は、Kluyveromyces lactisである。
【0252】
一部の実施形態では、DVPの発現が、培地1リットル当たり、少なくとも70mg/L、少なくとも80mg/L、少なくとも90mg/L、少なくとも100mg/L、少なくとも110mg/L、少なくとも120mg/L、少なくとも130mg/L、少なくとも140mg/L、少なくとも150mg/L、少なくとも160mg/L、少なくとも170mg/L、少なくとも180mg/L、少なくとも190mg/L 200mg/L、少なくとも500mg/L、少なくとも750mg/L、少なくとも1,000mg/L、少なくとも1,250mg/L、少なくとも1,500mg/L、少なくとも1,750mg/L、少なくとも2,000mg/L、少なくとも2,500mg/L、少なくとも3,000mg/L、少なくとも3,500mg/L、少なくとも4,000mg/L、少なくとも4,500mg/L、少なくとも5,000mg/L、少なくとも5,500mg/L、少なくとも少なくとも6,000mg/L、少なくとも6,500mg/L、少なくとも7,000mg/L、少なくとも7,500mg/L、少なくとも8,000mg/L、少なくとも8,500mg/L、少なくとも9,000mg/L、少なくとも9,500mg/L、少なくとも10,000mg/L、少なくとも11,000mg/L、少なくとも12,000mg/L、少なくとも12,500mg/L、少なくとも13,000mg/L、少なくとも14,000mg/L、少なくとも15,000mg/L、少なくとも16,000mg/L、少なくとも17,000mg/L、少なくとも17,500mg/L、少なくとも18,000mg/L、少なくとも19,000mg/L、少なくとも20,000mg/L、少なくとも25,000mg/L、少なくとも30,000mg/L、少なくとも40,000mg/L、少なくとも50,000mg/L、少なくとも60,000mg/L、少なくとも70,000mg/L、少なくとも80,000mg/L、少なくとも90,000mg/L、又は少なくとも100,000mg/LのDVPの収量を提供する。例えば、一部の実施形態では、DVPの発現は、培地1リットル当たり少なくとも100mg/LのDVPの収量を提供する。
【0253】
一部の実施形態では、培地中のDVPの発現は、培地中の単一のDVPの発現をもたらす。
【0254】
一部の実施形態では、培地中のDVPの発現は、培地中の2つ以上のDVPポリペプチドを含むDVPポリマーの発現をもたらす。
【0255】
一部の実施形態では、ベクターは、2つ又は3つの発現カセットを含み、各発現カセットは、第1の発現カセットのDVPをコードするように動作可能である。一部の実施形態では、ベクターは、2つ又は3つの発現カセットを含み、各発現カセットは、第1の発現カセットのDVP、又は異なる発現カセットのDVPをコードするように動作可能である。一部の実施形態では、発現カセットは、配列番号6~43、45~51、53、128、130、136、139~140、144、146~147、187~191、202~215、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるDVPをコードするように動作可能である。
【0256】
本発明の例示的なDVPは、以下の表1に提供される。
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
【表1-7】
【0257】
一部の実施形態では、DVPは、ジスルフィド欠失を有し得る。例えば、一部の実施形態では、DVPは、ジスルフィド結合の欠失をもたらす、残基C41及びC51にアミノ酸置換を有し得る。一部の実施形態では、ジスルフィド欠失を有するDVPは、配列番号2と比較して、C51G、C51F、及び/又はそれらの両方のアミノ酸置換を有し得る。一部の実施形態では、ジスルフィド欠失を有するDVPは、配列番号5のアミノ酸配列を有し得る。一部の実施形態では、「ジスルフィド欠失」という用語は、配列番号2と比較して、C51G、C51F、及び/又はそれらの両方のアミノ酸置換を有するそれらの実施形態を指す。
【0258】
一部の実施形態では、DVPは、配列番号2と比較して、C41T及びC51Aのアミノ酸置換を有し得る。例えば、一部の実施形態では、DVPは、配列番号6のアミノ酸配列を有し得る。一部の実施形態では、「C41T/C51A」という用語は、配列番号2と比較して、C51G、C51F、及び/又はそれらの両方のアミノ酸置換を有するそれらの実施形態を指す。
【0259】
一部の実施形態では、DVPは、配列番号2と比較して、C41A及びC51Aのアミノ酸置換を有し得る。例えば、一部の実施形態では、DVPは、配列番号7のアミノ酸配列を有し得る。一部の実施形態では、「C41A/C51A」という用語は、配列番号2と比較して、C41A及びC51Aのアミノ酸置換を有するそれらの実施形態を指す。
【0260】
一部の実施形態では、DVPは、配列番号2と比較して、C41S及びC51Aのアミノ酸置換を有し得る。例えば、一部の実施形態では、DVPは、配列番号8のアミノ酸配列を有し得る。一部の実施形態では、「C41S/C51A」という用語は、配列番号2と比較して、C41S及びC51Aのアミノ酸置換を有するそれらの実施形態を指す。
【0261】
一部の実施形態では、DVPは、配列番号2と比較して、C41V及びC51Aのアミノ酸置換を有し得る。例えば、一部の実施形態では、DVPは、配列番号9のアミノ酸配列を有し得る。一部の実施形態では、「C41V/C51A」という用語は、配列番号2と比較して、C41V及びC51Aのアミノ酸置換を有するそれらの実施形態を指す。
【0262】
一部の実施形態では、DVPは、配列番号2と比較して、C41A及びC51Tのアミノ酸置換を有し得る。例えば、一部の実施形態では、DVPは、配列番号10のアミノ酸配列を有し得る。一部の実施形態では、「C41A/C51T」という用語は、配列番号2と比較して、C41A及びC51Tのアミノ酸置換を有するそれらの実施形態を指す。
【0263】
一部の実施形態では、DVPは、配列番号2と比較して、C41A及びC51Sのアミノ酸置換を有し得る。例えば、一部の実施形態では、DVPは、配列番号11のアミノ酸配列を有し得る。一部の実施形態では、「C41A/C51S」という用語は、配列番号2と比較して、C41A及びC51Sのアミノ酸置換を有するそれらの実施形態を指す。
【0264】
一部の実施形態では、DVPは、配列番号2と比較して、C41A及びC51Vのアミノ酸置換を有し得る。例えば、一部の実施形態では、DVPは、配列番号12のアミノ酸配列を有し得る。一部の実施形態では、「C41A/C51V」という用語は、配列番号2と比較して、C41A及びC51Vのアミノ酸置換を有するそれらの実施形態を指す。
【0265】
一部の実施形態では、DVPは、配列番号2と比較して、C41T及びC51Sのアミノ酸置換を有し得る。例えば、一部の実施形態では、DVPは、配列番号13のアミノ酸配列を有し得る。一部の実施形態では、「C41T/C51S」という用語は、配列番号2と比較して、C41T及びC51Sのアミノ酸置換を有するそれらの実施形態を指す。
【0266】
一部の実施形態では、DVPは、配列番号2と比較して、C41S及びC51Sのアミノ酸置換を有し得る。例えば、一部の実施形態では、DVPは、配列番号14のアミノ酸配列を有し得る。一部の実施形態では、「C41S/C51S」という用語は、配列番号2と比較して、C41S及びC51Sのアミノ酸置換を有するそれらの実施形態を指す。
【0267】
一部の実施形態では、DVPは、配列番号2と比較して、C41T、C51A、及びV17Aのアミノ酸置換を有し得る。例えば、一部の実施形態では、DVPは、配列番号15のアミノ酸配列を有し得る。一部の実施形態では、「C41T/C51A/V17A」という用語は、配列番号2と比較して、C41T、C51A、及びV17Aのアミノ酸置換を有するそれらの実施形態を指す。
【0268】
一部の実施形態では、DVPは、配列番号2と比較して、C41T、C51A、及びD20Aのアミノ酸置換を有し得る。例えば、一部の実施形態では、DVPは、配列番号16のアミノ酸配列を有し得る。一部の実施形態では、「C41T/C51A/D20A」という用語は、配列番号2と比較して、C41T、C51A、及びD20Aのアミノ酸置換を有するそれらの実施形態を指す。
【0269】
一部の実施形態では、DVPは、配列番号2と比較して、C41T、C51A、及びS21Aのアミノ酸置換を有し得る。例えば、一部の実施形態では、DVPは、配列番号17のアミノ酸配列を有し得る。一部の実施形態では、「C41T/C51A/S21A」という用語は、配列番号2と比較して、C41T、C51A、及びS21Aのアミノ酸置換を有するそれらの実施形態を指す。
【0270】
一部の実施形態では、DVPは、配列番号2と比較して、C41T、C51A、及びW31Aのアミノ酸置換を有し得る。例えば、一部の実施形態では、DVPは、配列番号18のアミノ酸配列を有し得る。一部の実施形態では、「C41T/C51A/W31A」という用語は、配列番号2と比較して、C41T、C51A、及びW31Aのアミノ酸置換を有するそれらの実施形態を指す。
【0271】
一部の実施形態では、DVPは、配列番号2と比較して、C41T、C51A、及びY32Aのアミノ酸置換を有し得る。例えば、一部の実施形態では、DVPは、配列番号19のアミノ酸配列を有し得る。一部の実施形態では、「C41T/C51A/Y32A」という用語は、配列番号2と比較して、C41T、C51A、及びY32Aのアミノ酸置換を有するそれらの実施形態を指す。
【0272】
一部の実施形態では、DVPは、配列番号2と比較して、C41T、C51A、及びP36Aのアミノ酸置換を有し得る。例えば、一部の実施形態では、DVPは、配列番号20のアミノ酸配列を有し得る。一部の実施形態では、「C41T/C51A/P36A」という用語は、配列番号2と比較して、C41T、C51A、及びP36Aのアミノ酸置換を有するそれらの実施形態を指す。
【0273】
一部の実施形態では、DVPは、配列番号2と比較して、C41T、C51A、及びD38Aのアミノ酸置換を有し得る。例えば、一部の実施形態では、DVPは、配列番号21のアミノ酸配列を有し得る。一部の実施形態では、「C41T/C51A/D38A」という用語は、配列番号2と比較して、C41T、C51A、及びD38Aのアミノ酸置換を有するそれらの実施形態を指す。
【0274】
一部の実施形態では、DVPは、配列番号2と比較して、C41T、C51A、及びL42Aのアミノ酸置換を有し得る。例えば、一部の実施形態では、DVPは、配列番号22のアミノ酸配列を有し得る。一部の実施形態では、「C41T/C51A/L42A」という用語は、配列番号2と比較して、C41T、C51A、及びL42Aのアミノ酸置換を有するそれらの実施形態を指す。
【0275】
一部の実施形態では、DVPは、配列番号2と比較して、C41T、C51A、及びV52Aのアミノ酸置換を有し得る。例えば、一部の実施形態では、DVPは、配列番号23のアミノ酸配列を有し得る。一部の実施形態では、「C41T/C51A/V52A」という用語は、配列番号2と比較して、C41T、C51A、及びV52Aのアミノ酸置換を有するそれらの実施形態を指す。
【0276】
一部の実施形態では、DVPは、配列番号2と比較して、C41T、C51A、及びW31Fのアミノ酸置換を有し得る。例えば、一部の実施形態では、DVPは、配列番号24のアミノ酸配列を有し得る。一部の実施形態では、「C41T/C51A/W31F」という用語は、配列番号2と比較して、C41T、C51A、及びW31Fのアミノ酸置換を有するそれらの実施形態を指す。
【0277】
一部の実施形態では、DVPは、配列番号2と比較して、C41T、C51A、及びY32Sのアミノ酸置換を有し得る。例えば、一部の実施形態では、DVPは、配列番号25のアミノ酸配列を有し得る。一部の実施形態では、「C41T/C51A/Y32S」という用語は、配列番号2と比較して、C41T、C51A、及びY32Sのアミノ酸置換を有するそれらの実施形態を指す。
【0278】
一部の実施形態では、DVPは、配列番号2と比較して、C41T、C51A、W31F、Y32S、及びP36Aのアミノ酸置換を有し得る。例えば、一部の実施形態では、DVPは、配列番号26のアミノ酸配列を有し得る。一部の実施形態では、「C41T/C51A/W31F/Y32S/P36A」という用語は、配列番号2と比較して、C41T、C51A、W31F、Y32S、及びP36Aのアミノ酸置換を有するそれらの実施形態を指す。
【0279】
一部の実施形態では、DVPは、配列番号2と比較して、C41T、C51A、D20A、及びL42Nのアミノ酸置換を有し得る。例えば、一部の実施形態では、DVPは、配列番号27のアミノ酸配列を有し得る。一部の実施形態では、「C41T/C51A/D20A/L42N」という用語は、配列番号2と比較して、C41T、C51A、D20A、及びL42Nのアミノ酸置換を有するそれらの実施形態を指す。
【0280】
一部の実施形態では、DVPは、配列番号2と比較して、C41T、C51A、D20A、及びL42Vのアミノ酸置換を有し得る。例えば、一部の実施形態では、DVPは、配列番号28のアミノ酸配列を有し得る。一部の実施形態では、「C41T/C51A/D20A/L42V」という用語は、配列番号2と比較して、C41T、C51A、D20A、及びL42Vのアミノ酸置換を有するそれらの実施形態を指す。
【0281】
一部の実施形態では、DVPは、配列番号2と比較して、C41T、C51A、及びD38Aのアミノ酸置換を有し得る。例えば、一部の実施形態では、DVPは、配列番号29のアミノ酸配列を有し得る。一部の実施形態では、「C41T/C51A/D38A」という用語は、配列番号2と比較して、C41T、C51A、及びD38Aのアミノ酸置換を有するそれらの実施形態を指す。
【0282】
一部の実施形態では、DVPは、配列番号2と比較して、C41T、C51A、及びD38Kのアミノ酸置換を有し得る。例えば、一部の実施形態では、DVPは、配列番号30のアミノ酸配列を有し得る。一部の実施形態では、「C41T/C51A/D38K」という用語は、配列番号2と比較して、C41T、C51A、及びD38Kのアミノ酸置換を有するそれらの実施形態を指す。
【0283】
一部の実施形態では、DVPは、配列番号2と比較して、C41T、C51A、及びD38Sのアミノ酸置換を有し得る。例えば、一部の実施形態では、DVPは、配列番号31のアミノ酸配列を有し得る。一部の実施形態では、「C41T/C51A/D38S」という用語は、配列番号2と比較して、C41T、C51A、及びD38Sのアミノ酸置換を有するそれらの実施形態を指す。
【0284】
一部の実施形態では、DVPは、配列番号2と比較して、C41T、C51A、D38A、及びV52Tのアミノ酸置換を有し得る。例えば、一部の実施形態では、DVPは、配列番号32のアミノ酸配列を有し得る。一部の実施形態では、「C41T/C51A/D38A/V52T」という用語は、配列番号2と比較して、C41T、C51A、D38A、及びV52Tのアミノ酸置換を有するそれらの実施形態を指す。
【0285】
一部の実施形態では、DVPは、配列番号2と比較して、C41T、C51A、D38A、及びV52Aのアミノ酸置換を有し得る。例えば、一部の実施形態では、DVPは、配列番号33のアミノ酸配列を有し得る。一部の実施形態では、「C41T/C51A/D38A/V52A」という用語は、配列番号2と比較して、C41T、C51A、D38A、及びV52Aのアミノ酸置換を有するそれらの実施形態を指す。
【0286】
一部の実施形態では、DVPは、配列番号2と比較して、C41T、C51A、D38A、及びV17Eのアミノ酸置換を有し得る。例えば、一部の実施形態では、DVPは、配列番号34のアミノ酸配列を有し得る。一部の実施形態では、「C41T/C51A/D38A/V17E」という用語は、配列番号2と比較して、C41T、C51A、D38A、及びV17Eのアミノ酸置換を有するそれらの実施形態を指す。
【0287】
一部の実施形態では、DVPは、配列番号2と比較して、C41T、C51A、D38A、及びL42Vのアミノ酸置換を有し得る。例えば、一部の実施形態では、DVPは、配列番号35のアミノ酸配列を有し得る。一部の実施形態では、「C41T/C51A/D38A/L42V」という用語は、配列番号2と比較して、C41T、C51A、D38A、及びL42Vのアミノ酸置換を有するそれらの実施形態を指す。
【0288】
一部の実施形態では、DVPは、配列番号2と比較して、C41T、C51A、D38A、及びL42Sのアミノ酸置換を有し得る。例えば、一部の実施形態では、DVPは、配列番号36のアミノ酸配列を有し得る。一部の実施形態では、「C41T/C51A/D38A/L42S」という用語は、配列番号2と比較して、C41T、C51A、D38A、及びL42Sのアミノ酸置換を有するそれらの実施形態を指す。
【0289】
一部の実施形態では、DVPは、配列番号2と比較して、C41T、C51A、D38A、及びL42Eのアミノ酸置換を有し得る。例えば、一部の実施形態では、DVPは、配列番号37のアミノ酸配列を有し得る。一部の実施形態では、「C41T/C51A/D38A/L42E」という用語は、配列番号2と比較して、C41T、C51A、D38A、及びL42Eのアミノ酸置換を有するそれらの実施形態を指す。
【0290】
一部の実施形態では、DVPは、配列番号2と比較して、C41T、C51A、D38A、及びL42Qのアミノ酸置換を有し得る。例えば、一部の実施形態では、DVPは、配列番号38のアミノ酸配列を有し得る。一部の実施形態では、「C41T/C51A/D38A/L42Q」という用語は、配列番号2と比較して、C41T、C51A、D38A、及びL42Qのアミノ酸置換を有するそれらの実施形態を指す。
【0291】
一部の実施形態では、DVPは、配列番号2と比較して、C41T、C51A、D38A、及びD20Aのアミノ酸置換を有し得る。例えば、一部の実施形態では、DVPは、配列番号39のアミノ酸配列を有し得る。一部の実施形態では、「C41T/C51A/D38A/D20A」という用語は、配列番号2と比較して、C41T、C51A、D38A、及びD20Aのアミノ酸置換を有するそれらの実施形態を指す。
【0292】
一部の実施形態では、DVPは、配列番号2と比較して、C41T、C51A、D20A、及びY32Sのアミノ酸置換を有し得る。例えば、一部の実施形態では、DVPは、配列番号40のアミノ酸配列を有し得る。一部の実施形態では、「C41T/C51A/D20A/Y32S」という用語は、配列番号2と比較して、C41T、C51A、D20A、及びY32Sのアミノ酸置換を有するそれらの実施形態を指す。
【0293】
一部の実施形態では、DVPは、配列番号2と比較して、C41T、C51A、D38A、及びY32Sのアミノ酸置換を有し得る。例えば、一部の実施形態では、DVPは、配列番号41のアミノ酸配列を有し得る。一部の実施形態では、「C41T/C51A/D38A/Y32S」という用語は、配列番号2と比較して、C41T、C51A、D38A、及びY32Sのアミノ酸置換を有するそれらの実施形態を指す。
【0294】
一部の実施形態では、DVPは、配列番号2と比較して、C41T、C51A、D20A、D38A、及びY32Sのアミノ酸置換を有し得る。例えば、一部の実施形態では、DVPは、配列番号42のアミノ酸配列を有し得る。一部の実施形態では、「C41T/C51A/D20A/D38A/Y32S」という用語は、配列番号2と比較して、C41T、C51A、D20A、D38A、及びY32Sのアミノ酸置換を有するそれらの実施形態を指す。
【0295】
一部の実施形態では、DVPは、配列番号2と比較して、C41T、C51A、D20A、W31F、Y32S、及びP36Aのアミノ酸置換を有し得る。例えば、一部の実施形態では、DVPは、配列番号43のアミノ酸配列を有し得る。一部の実施形態では、「C41T/C51A/D20A/W31F/Y32S/P36A」という用語は、配列番号2と比較して、C41T、C51A、D20A、W31F、Y32S、及びP36Aのアミノ酸置換を有する実施形態を指す。
【0296】
一部の実施形態では、DVPは、配列番号2と比較して、D38Aのアミノ酸置換を有し得る。例えば、一部の実施形態では、DVPは、配列番号44のアミノ酸配列を有し得る。一部の実施形態では、「D38A」という用語は、配列番号2と比較して、D38Aのアミノ酸置換を有する実施形態を指す。
【0297】
一部の実施形態では、DVPは、配列番号2と比較して、C41S、C51T、及びD38Aのアミノ酸置換を有し得る。例えば、一部の実施形態では、DVPは、配列番号45のアミノ酸配列を有し得る。一部の実施形態では、「C41S/C51T/D38A」という用語は、配列番号2と比較して、C41S、C51T、及びD38Aのアミノ酸置換を有するそれらの実施形態を指す。
【0298】
一部の実施形態では、DVPは、配列番号2と比較して、C41T、C51T、及びD38Aのアミノ酸置換を有し得る。例えば、一部の実施形態では、DVPは、配列番号46のアミノ酸配列を有し得る。一部の実施形態では、「C41T/C51T/D38A」という用語は、配列番号2と比較して、C41T、C51T、及びD38Aのアミノ酸置換を有するそれらの実施形態を指す。
【0299】
一部の実施形態では、DVPは、配列番号2と比較して、C41S、C51S、及びD38Aのアミノ酸置換を有し得る。例えば、一部の実施形態では、DVPは、配列番号47のアミノ酸配列を有し得る。一部の実施形態では、「C41S/C51S/D38A」という用語は、配列番号2と比較して、C41S、C51S、及びD38Aのアミノ酸置換を有するそれらの実施形態を指す。
【0300】
一部の実施形態では、DVPは、配列番号2と比較して、C41T、C51S、及びD38Aのアミノ酸置換を有し得る。例えば、一部の実施形態では、DVPは、配列番号48のアミノ酸配列を有し得る。一部の実施形態では、「C41T/C51S/D38A」という用語は、配列番号2と比較して、C41T、C51S、及びD38Aのアミノ酸置換を有するそれらの実施形態を指す。
【0301】
一部の実施形態では、DVPは、配列番号2と比較して、C41V、C51T、及びD38Aのアミノ酸置換を有し得る。例えば、一部の実施形態では、DVPは、配列番号49のアミノ酸配列を有し得る。一部の実施形態では、「C41V/C51T/D38A」という用語は、配列番号2と比較して、C41V、C51T、及びD38Aのアミノ酸置換を有するそれらの実施形態を指す。
【0302】
一部の実施形態では、DVPは、配列番号2と比較して、C41T、C51V、及びD38Aのアミノ酸置換を有し得る。例えば、一部の実施形態では、DVPは、配列番号50のアミノ酸配列を有し得る。一部の実施形態では、「C41T/C51V/D38A」という用語は、配列番号2と比較して、C41T、C51V、及びD38Aのアミノ酸置換を有するそれらの実施形態を指す。
【0303】
一部の実施形態では、DVPは、配列番号2と比較して、C41S、C51V、及びD38Aのアミノ酸置換を有し得る。例えば、一部の実施形態では、DVPは、配列番号51のアミノ酸配列を有し得る。一部の実施形態では、「C41S/C51V/D38A」という用語は、配列番号2と比較して、C41S、C51V、及びD38Aのアミノ酸置換を有するそれらの実施形態を指す。
【0304】
一部の実施形態では、DVPは、配列番号2と比較して、C41V、C51S、及びD38Aのアミノ酸置換を有し得る。例えば、一部の実施形態では、DVPは、配列番号52のアミノ酸配列を有し得る。一部の実施形態では、「C41V/C51S/D38A」という用語は、配列番号2と比較して、C41V、C51S、及びD38Aのアミノ酸置換を有するそれらの実施形態を指す。
【0305】
一部の実施形態では、DVPは、配列番号2と比較して、C41S、C51S、D38A、及びL42Vのアミノ酸置換を有し得る。例えば、一部の実施形態では、DVPは、配列番号53のアミノ酸配列を有し得る。一部の実施形態では、「C41S/C51S/D38A/L42V」という用語は、配列番号2と比較して、C41S、C51S、D38A、及びL42Vのアミノ酸置換を有するそれらの実施形態を指す。
【0306】
一部の実施形態では、DVPは、配列番号2と比較して、C41S、C51S、D38A、及びL42Vのアミノ酸置換を有し得る。例えば、一部の実施形態では、DVPは、配列番号53のアミノ酸配列を有し得る。一部の実施形態では、「C41S/C51S/D38A/L42V」という用語は、配列番号2と比較して、C41S、C51S、D38A、及びL42Vのアミノ酸置換を有するそれらの実施形態を指す。
【0307】
一部の実施形態では、DVPは、配列番号2と比較して、D38A、L42I、C41S、及びC51Sのアミノ酸置換を有し得る。例えば、一部の実施形態では、DVPは、配列番号210のアミノ酸配列を有し得る。一部の実施形態では、「D38A/L42I/C41S/C51S」という用語は、配列番号2と比較して、D38A、L42I、C41S、及びC51Sのアミノ酸置換を有するそれらの実施形態を指す。
【0308】
一部の実施形態では、DVPは、配列番号2と比較して、K2L、D38A、C41S、及びC51Sのアミノ酸置換を有し得る。例えば、一部の実施形態では、DVPは、配列番号211のアミノ酸配列を有し得る。一部の実施形態では、「K2L/D38A/C41S/C51S」という用語は、配列番号2と比較して、K2L、D38A、C41S、及びC51Sのアミノ酸置換を有するそれらの実施形態を指し得る。
【0309】
一部の実施形態では、DVPは、配列番号2と比較して、Y32S、D38A、C41S、及びC51Sのアミノ酸置換を有し得る。例えば、一部の実施形態では、DVPは、配列番号212のアミノ酸配列を有し得る。一部の実施形態では、「Y32S/D38A/C41S/C51S」という用語は、配列番号2と比較して、Y32S、D38A、C41S、及びC51Sのアミノ酸置換を有するそれらの実施形態を指し得る。
【0310】
一部の実施形態では、DVPは、配列番号2と比較して、K2L、Y32S、D38A、C41S、及びC51Sのアミノ酸置換を有し得る。例えば、一部の実施形態では、DVPは、配列番号213のアミノ酸配列を有し得る。一部の実施形態では、「K2L/Y32S/D38A/C41S/C51S」という用語は、配列番号2と比較して、K2L、Y32S、D38A、C41S、及びC51Sのアミノ酸置換を有するそれらの実施形態を指し得る。
【0311】
一部の実施形態では、DVPは、配列番号2と比較して、D38T、C41S、及びC51Sのアミノ酸置換を有し得る。例えば、一部の実施形態では、DVPは、配列番号214のアミノ酸配列を有し得る。一部の実施形態では、「D38T/C41S/C51S」という用語は、配列番号2と比較して、D38T、C41S、及びC51Sのアミノ酸置換を有するそれらの実施形態を指し得る。
【0312】
一部の実施形態では、DVPは、配列番号2と比較して、D38S、C41S、及びC51Sのアミノ酸置換を有し得る。例えば、一部の実施形態では、DVPは、配列番号215のアミノ酸配列を有し得る。一部の実施形態では、「D38S/C41S/C51S」という用語は、配列番号2と比較して、D38S、C41S、及びC51Sのアミノ酸置換を有するそれらの実施形態を指し得る。
【0313】
一部の実施形態では、DVPは、配列番号2と比較して、K2L、Y32S、及びL42Iのアミノ酸置換を有し得る。例えば、一部の実施形態では、DVPは、配列番号217のアミノ酸配列を有し得る。一部の実施形態では、「K2L/Y32S/L42I」という用語は、配列番号2と比較して、K2L、Y32S、及びL42Iのアミノ酸置換を有するそれらの実施形態を指し得る。
【0314】
一部の実施形態では、DVPは、配列番号2と比較して、K2L、Y32S、L42I、C41S、及びC51Sのアミノ酸置換を有し得る。例えば、一部の実施形態では、DVPは、配列番号217のアミノ酸配列を有し得る。一部の実施形態では、「K2L/Y32S/L42I/C41S/C51S」という用語は、配列番号2と比較して、K2L、Y32S、L42I、C41S、及びC51Sのアミノ酸置換を有するそれらの実施形態を指し得る。
【0315】
様々な実施形態では、DVPをコードするポリヌクレオチドを使用して、植物細胞、酵母細胞、又は細菌細胞を形質転換し得る。一部の実施形態では、殺虫DVPトランスジェニックタンパク質は、当業者に既知の任意の様式で、植物又はその一部の表面に噴霧するか、又はその他、適用することができる組成物に製剤化され得る。したがって、宿主細胞、例えば植物細胞における適切な条件下で1つ以上のDVPをコードするように動作可能なDNA構築物が本明細書に提供される。植物細胞の寄生性昆虫による害虫感染を制御するための方法は、本明細書に記載されるDVPをコードするポリヌクレオチドを、組換え技術によって、植物、植物組織、又は植物細胞に投与又は導入することと、当該組換えにより改変された植物、植物組織、又は植物細胞を、害虫に曝露された野外で育てることと、を含む。代替的に、DVPは、DVP及び賦形剤からなる噴霧用組成物に製剤化され得、感染性昆虫によるDVPの摂取時に有害な効果をもたらすように直接適用によって、感受性の植物に直接適用され得る。
【0316】
一部の実施形態では、DVPは、配列番号6~43、45~51、53、128、130、136、139~140、144、146~147、187~191、202~215、若しくは217~219に示されるアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、若しくは100%同一であるアミノ酸配列、又はその薬学的に許容される塩を含み得る。
【0317】
一部の実施形態では、DVPは、配列番号6~11、15~16、20~22、24~26、29、35、45~48、53、128、136、139~140、144、146~147、187~191、207、210~215、若しくは217~219に示されるアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、若しくは100%同一であるアミノ酸配列、又はその薬学的に許容される塩を含み得る。
【0318】
一部の実施形態では、DVPは、配列番号47、53、136、139~140、144、146~147、187~191、210~215、若しくは217~219に示されるアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、若しくは100%同一であるアミノ酸配列、又はその薬学的に許容される塩を含み得る。
【0319】
一部の実施形態では、DVPは、配列番号213、若しくは217~219に示されるアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、若しくは100%同一であるアミノ酸配列、又はその薬学的に許容される塩を含み得る。
【0320】
一部の実施形態では、DVPは、配列番号128、若しくは147に示されるアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、若しくは100%同一であるアミノ酸配列、又はその薬学的に許容される塩を含み得る。
【0321】
一部の実施形態では、DVPをコードするように動作可能なポリヌクレオチドは、配列番号77~114、116~122、124、156、158、164、167~168、172、174~175、220~225、又は227~219のうちのいずれか1つの核酸配列を有し得る。一部の実施形態では、DVPをコードするように動作可能なポリヌクレオチドは、配列番号77~114、116~122、124、156、158、164、167~168、172、174~175、220~225、又は227~219のものと、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、少なくとも99.6%、少なくとも99.7%、少なくとも99.8%、少なくとも99.9%、又は100%のヌクレオチド配列同一性を有する核酸配列を含み得る。
【0322】
一部の実施形態では、DVPをコードするように動作可能なポリヌクレオチドは、配列番号77~114、116~122、124、156、158、164、167~168、172、174~175、220~225、又は227~219に示されるアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、又は100%同一である核酸配列を含み得る。
【0323】
一部の実施形態では、DVPをコードするポリヌクレオチドは、配列番号6~43、45~51、53、128、130、136、139~140、144、146~147、187~191、202~215、又は217~219に示されるアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、若しくは100%同一であるアミノ酸配列を有するDVPをコードし得る。
【0324】
一部の実施形態では、本発明のポリヌクレオチドは、配列番号6~11、15~16、20~22、24~26、29、35、45~48、53、128、136、139~140、144、146~147、187~191、207、210~215、若しくは217~219に示されるアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、若しくは100%同一であるアミノ酸配列を有するDVPをコードするように動作可能なポリヌクレオチド、又はその相補的配列を含む。
【0325】
一部の実施形態では、本発明のポリヌクレオチドは、配列番号47、53、136、139~140、144、146~147、187~191、210~215、若しくは217~219に示されるアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、若しくは100%同一であるアミノ酸配列を有するDVPをコードするように動作可能なポリヌクレオチド、又はその相補的配列を含む。
【0326】
一部の実施形態では、本発明のポリヌクレオチドは、配列番号213、若しくは217~219に示されるアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、若しくは100%同一であるアミノ酸配列を有するDVPをコードするように動作可能なポリヌクレオチド、又はその相補的配列を含む。
【0327】
一部の実施形態では、本発明のポリヌクレオチドは、配列番号6~43、45~51、53、128、130、136、139~140、144、146~147、187~191、202~215、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ配列を有するDVPをコードするように動作可能なポリヌクレオチド、又はその相補的配列を含む。
【0328】
一部の実施形態では、本発明のポリヌクレオチドは、配列番号6~11、15~16、20~22、24~26、29、35、45~48、53、128、136、139~140、144、146~147、187~191、207、210~215、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ配列を有するDVPをコードするように動作可能なポリヌクレオチド、又はその相補的配列を含む。
【0329】
一部の実施形態では、本発明のポリヌクレオチドは、配列番号47、53、136、139~140、144、146~147、187~191、210~215、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ配列を有するDVPをコードするように動作可能なポリヌクレオチド、又はその相補的配列を含む。
【0330】
一部の実施形態では、本発明のポリヌクレオチドは、配列番号213、又は217~218のうちのいずれか1つに示されるアミノ配列を有するDVP、又はその相補的配列をコードするように動作可能なポリヌクレオチドを含む。
【0331】
DVP-殺虫タンパク質
一部の実施形態では、DVP-殺虫タンパク質は、任意のタンパク質、ペプチド、ポリペプチド、アミノ酸配列、構成、構築物又は配置であり得、以下を含む:(1)少なくとも1つのDVP、又は2つ以上のDVP、及び(2)追加の非毒性ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質。例えば、一部の実施形態では、これらの追加のペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質は、DVP単独と比較して、DVP-殺虫タンパク質に曝露された昆虫の死亡率を増加させ、及び/又は成長を阻害する能力;例えば、宿主細胞内で、DVP-殺虫タンパク質の発現を増加させ、及び/又はDVP-殺虫タンパク質の翻訳後処理に影響を及ぼす能力を有し得る。
【0332】
一部の実施形態では、DVP-殺虫タンパク質は、2つ以上のDVPを含むポリマーであり得る。更に他の実施形態では、DVP-殺虫タンパク質は、2つ以上のDVPを含むポリマーであり得、DVPが、リンカーペプチド、例えば、切断可能及び/又は切断不能リンカーを介して動作可能に連結されている。
【0333】
一部の実施形態では、DVP-殺虫タンパク質は、安定化ドメイン(STA)、小胞体シグナル伝達タンパク質(ERSP)、昆虫切断可能若しくは昆虫切断不能リンカー(L)、及び/又はそれらの任意の他の組み合わせなどの1つ以上のタンパク質と動作可能に連結された1つ以上のDVPを指し得る。
【0334】
一部の実施形態では、DVP-殺虫タンパク質は、適切に折り畳まれた場合、又はその最も自然な熱力学的状態において、1種類以上の昆虫に対して殺虫活性を発揮するアミノ酸のポリマーであり得る。例えば、一部の実施形態では、DVP-殺虫タンパク質は、異なる2つ以上のDVPを含むポリマーであり得る。他の実施形態では、殺虫タンパク質は、同じである2つ以上のDVPのポリマーであり得る。
【0335】
更に他の実施形態では、DVP-殺虫タンパク質は、1つ以上のDVPと、DVP-殺虫タンパク質の折り畳みを補助し得る1つ以上のペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質と、を含み得る。
【0336】
一部の実施形態では、DVP-殺虫タンパク質は、1つ以上のDVPと、1つ以上のペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質と、を含み得、1つ以上のペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質は、安定性又は溶解性を助けるタンパク質タグである。他の実施形態では、ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質は、親和性精製を助けるタンパク質タグであり得る。
【0337】
一部の実施形態では、DVP-殺虫タンパク質は、安定化ドメイン(STA)、小胞体シグナル伝達タンパク質(ERSP)、昆虫切断可能又は昆虫切断不能リンカー、1つ以上の異種ペプチド、1つ以上の追加のポリペプチド、及び/又はそれらの任意の他の組み合わせなどの1つ以上のタンパク質と動作可能に連結された1つ以上のDVPを指し得る。一部の実施形態では、殺虫タンパク質は、本明細書に開示される1つ以上のDVPを含み得る。
【0338】
一部の実施形態では、DVP-殺虫タンパク質は、DVPホモポリマー、例えば、同じDVPである2つ以上のDVPモノマーを含み得る。一部の実施形態では、殺虫タンパク質は、DVPヘテロポリマー(例えば、DVPモノマーが異なる、2つ以上のDVPモノマー)を含むことができる。
【0339】
一部の実施形態では、DVP-殺虫タンパク質は、配列番号6~43、45~51、53、128、130、136、139~140、144、146~147、187~191、202~215、若しくは217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、若しくは100%同一であるアミノ酸配列を有するDVP、又はその薬学的に許容される塩を含み得る。
【0340】
一部の実施形態では、DVP-殺虫タンパク質は、配列番号6~43、45~51、53、128、130、136、139~140、144、146~147、187~191、202~215、若しくは217~219に示されるアミノ酸配列を有する1つ以上のDVP、又はその薬学的に許容される塩を含み得る。
【0341】
一部の実施形態では、DVP-殺虫タンパク質は、配列番号6~11、15~16、20~22、24~26、29、35、45~48、53、128、136、139~140、144、146~147、187~191、207、210~215、若しくは217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、若しくは100%同一であるアミノ酸配列を有するDVP、又はその薬学的に許容される塩を含み得る。
【0342】
一部の実施形態では、DVP-殺虫タンパク質は、配列番号47、53、136、139~140、144、146~147、187~191、210~215、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、若しくは100%同一であるアミノ酸配列を有するDVP、又はその薬学的に許容される塩を含み得る。
【0343】
一部の実施形態では、DVP-殺虫タンパク質は、配列番号6~43、45~51、53、128、130、136、139~140、144、146~147、187~191、202~215、若しくは217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、若しくは100%同一であるアミノ酸配列を有する1つ以上のDVP、又はその薬学的に許容される塩を含み得る。
【0344】
一部の実施形態では、DVP-殺虫タンパク質は、配列番号6~43、45~51、53、128、130、136、139~140、144、146~147、187~191、202~215、若しくは217~219に示されるアミノ酸配列を有する1つ以上のDVP、又はその薬学的に許容される塩を含み得る。
【0345】
一部の実施形態では、DVP-殺虫タンパク質は、1つ以上のDVPを含み得、DVPは、同じであるか又は異なる。
【0346】
切断可能及び切断不能リンカーの生成のための例示的な方法は、米国特許出願第15/727,277号、及び国際出願PCT/US2013/030042号に見出すことができる(それらの開示は、それらの全体が参照により本明細書に援用される)。
【0347】
一部の実施形態では、DVP-殺虫タンパク質は、本明細書に記載の1つ以上のDVPを含み、アルファ接合因子(アルファ-MF)ペプチドに動作可能に連結された、融合タンパク質であり得る。
【0348】
「アルファ接合因子(アルファ-MF)ペプチド」又は「アルファ-MFシグナル」又は「アルファ-MF」又は「アルファ接合因子分泌シグナル」又は「αMF分泌シグナル」(全て互換的に使用される)は、アルファ-MFペプチドが目的の組換えペプチド(例えば、DVP)に動作可能に連結されている場合、組換え発現系において分泌発現を可能にするシグナルペプチドを指す。アルファ-MFペプチドは、新生組換えポリペプチドを組換え発現系(例えば、酵母組換え発現系の分泌経路へ方向付ける。
【0349】
アルファ-MFペプチドは、当技術分野で周知である。例示的なアルファ-MFペプチドが、本明細書に提供され、pKLAC1ベクターのKluyveromyces lactisアルファ接合因子プレプロ分泌リーダー(配列番号246)、NCBI受託番号XP_454814(配列番号247)、Mf(アルファ)1/Mf(アルファ)2(配列番号248、NCBI受託番号QEU61411.1)、接合因子アルファ前駆体N末端(配列番号249、NCBI受託番号KAG0674310)などが含まれるが、これらに限定されない。
【0350】
一部の実施形態では、融合タンパク質は、アルファ接合因子(アルファ-MF)ペプチドに動作可能に連結された1つ以上のDVPであって、当該1つ以上のDVPは、式(I):A-X-D-G-D-V-E-G-P-A-G-C-K-K-Y-D-X-E-C-X-X-G-E-C-C-Q-K-Q-Y-L-X-X-K-W-R-X-L-X-C-R-X-X10-K-S-G-F-F-S-S-K-X11-X12-C-R-D-Vに記載のアミノ酸配列と少なくとも80%、85%、90%、又は少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を有し、DVPが、配列番号2に示されるジゲトキシンの野生型配列と比較して、少なくとも1つのアミノ酸置換を含み、式中、Xが、K又はLであり、Xが、V、A、又はEであり、Xが、D、Y、又はAであり、Xが、S又はAであり、Xが、W、A、Fであり、Xが、Y、A、S、H、又はKであり、Xが、P又はAであり、Xが、D、A、K、S、T、又はMであり、Xが、C、G、T、A、S、M、又はVであり、X10が、L、A、N、V、S、E、I、又はQであり、X11が、C、F、A、T、S、M、又はVであり、X12が、V、A、又はTである、1つ以上のDVP、又はその薬学的に許容される塩を含み得る。
【0351】
一部の実施形態では、融合タンパク質は、アルファ接合因子(アルファ-MF)ペプチドに動作可能に連結された1つ以上のDVPであって、当該1つ以上のDVPが、式(I)に記載のアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、又は100%同一であり、式(I):A-X-D-G-D-V-E-G-P-A-G-C-K-K-Y-D-X-E-C-X-X-G-E-C-C-Q-K-Q-Y-L-X-X-K-W-R-X-L-X-C-R-X-X10-K-S-G-F-F-S-S-K-X11-X12-C-R-D-V、DVPが、配列番号2に示されるジゲトキシンの野生型配列と比較して、少なくとも1つのアミノ酸置換を含み、式中、Xが、K又はLであり、Xが、V、A、又はEであり、Xが、D、Y、又はAであり、Xが、S又はAであり、Xが、W、A、Fであり、Xが、Y、A、S、H、又はKであり、Xが、P又はAであり、Xが、D、A、K、S、T、又はMであり、Xが、C、G、T、A、S、M、又はVであり、X10が、L、A、N、V、S、E、I、又はQであり、X11が、C、F、A、T、S、M、又はVであり、X12が、V、A、又はTであり、Xが、G、T、A、S、M、若しくはVであるか、又はX11が、F、A、T、S、M、若しくはVである場合、次いで、ジスルフィド結合が除去される、1つ以上のDVP又はその薬学的に許容される塩を含み得る。
【0352】
一部の実施形態では、融合タンパク質は、アルファ接合因子(アルファ-MF)ペプチドに動作可能に連結された1つ以上のDVPを含み得、1つ以上のDVPは、配列番号6~43、45~51、53、128、130、136、139~140、144、146~147、187~191、202~215、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ配列を含む。
【0353】
一部の実施形態では、融合タンパク質は、アルファ接合因子(アルファ-MF)ペプチドに動作可能に連結された1つ以上のDVPを含み得、1つ以上のDVPは、配列番号6~11、15~16、20~22、24~26、29、35、45~48、53、128、136、139~140、144、146~147、187~191、207、210~215、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ配列を含む。
【0354】
一部の実施形態では、融合タンパク質は、アルファ接合因子(アルファ-MF)ペプチドに動作可能に連結された1つ以上のDVPを含み得、1つ以上のDVPは、配列番号47、53、136、139~140、144、146~147、187~191、210~215、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ配列を含む。
【0355】
一部の実施形態では、融合タンパク質は、アルファ接合因子(アルファ-MF)ペプチドに動作可能に連結された1つ以上のDVPを含み得、1つ以上のDVPは、2つ以上のDVPのホモポリマー又はヘテロポリマーであり、各DVPのアミノ酸配列は、同じであるか、又は異なる。
【0356】
一部の実施形態では、融合タンパク質は、アルファ接合因子(アルファ-MF)ペプチドに動作可能に連結された1つ以上のDVPを含み得、1つ以上のDVP、アルファ-MF、又はそれらの組み合わせは、切断可能又は切断不能リンカーによって分離される。
【0357】
一部の実施形態では、融合タンパク質は、アルファ接合因子(アルファ-MF)ペプチドに動作可能に連結された1つ以上のDVPを含み得、切断可能なリンカーは、昆虫の腸内又は血液リンパ内で切断可能である。
【0358】
一部の実施形態では、融合タンパク質は、アルファ接合因子(アルファ-MF)ペプチドに動作可能に連結された1つ以上のDVPを含み得、アルファ-MFペプチドは、酵母種に由来するアルファ-MFペプチドである。
【0359】
一部の実施形態では、融合タンパク質は、アルファ接合因子(アルファ-MF)ペプチドに動作可能に連結された1つ以上のDVPを含み得、アルファ-MFペプチドは、Saccharomyces属、Pichia属、Kluyveromyces属、Hansenula属、Yarrowia属、又はSchizosaccharomyces属の任意の種から選択される酵母種に由来する。
【0360】
一部の実施形態では、融合タンパク質は、アルファ接合因子(アルファ-MF)ペプチドに動作可能に連結された1つ以上のDVPを含み得、アルファ-MFペプチドは、Kluyveromyces lactis、Kluyveromyces marxianus、Saccharomyces cerevisiae、及びPichia pastorisからなる群から選択される酵母種に由来する。
【0361】
一部の実施形態では、融合タンパク質は、アルファ接合因子(アルファ-MF)ペプチドに動作可能に連結された1つ以上のDVPを含み得、アルファ-MFペプチドは、Kluyveromyces lactis又はKluyveromyces marxianusに由来する。
【0362】
一部の実施形態では、アルファ-MFペプチドは、Kluyveromyces lactisに由来するアルファ-MFペプチドであり得る。
【0363】
一部の実施形態では、アルファ-MFペプチドは、K.lactisα接合因子(α-MF)分泌ドメイン(分泌発現用)であり得る。
【0364】
一部の実施形態では、アルファ-MFペプチドは、配列番号246~249のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、若しくは100%同一であるアミノ酸配列を有し得る。
【0365】
一部の実施形態では、アルファ-MFペプチドは、配列番号246に示されるアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、若しくは100%同一であるアミノ酸配列を有し得る。
【0366】
一部の実施形態では、アルファ-MFペプチドは、配列番号246~249のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有し得る。
【0367】
一部の実施形態では、アルファ-MFペプチドは、配列番号246に示されるアミノ酸配列を有し得る。
【0368】
一部の実施形態では、融合タンパク質は、配列番号6~43、45~51、53、128、130、136、139~140、144、146~147、187~191、202~215、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、又は100%同一であるアミノ配列を有する1つ以上のDVPを含み得、1つ以上のDVPが、配列番号246~249のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、又は100%同一であるアミノ酸配列を有するアルファ-MFペプチドに動作可能に連結されている。
【0369】
一部の実施形態では、融合タンパク質は、配列番号6~43、45~51、53、128、130、136、139~140、144、146~147、187~191、202~215、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、又は100%同一であるアミノ配列を有する1つ以上のDVPを含み得、1つ以上のDVPが、配列番号246~249のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、又は100%同一であるアミノ酸配列を有するアルファ-MFペプチドに動作可能に連結されており、追加の非毒素ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質を更に含み、例えば、一部の実施形態では、当該追加の非毒素ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質は、以下のうちの1つ以上を行う能力を有する:昆虫がDVP-殺虫タンパク質に曝露される場合、DVP単独と比較して、昆虫の死亡率を増加させ、及び/若しくは成長を阻害する;当該DVP-殺虫タンパク質の発現を、例えば、宿主細胞若しくは発現システムにおいて、増加させる;並びに/又はDVP-殺虫タンパク質の翻訳後プロセシングに影響を与える(例えば、DVP-殺虫性タンパク質の分泌発現を可能にする)。
【0370】
一部の実施形態では、融合タンパク質は、アルファ接合因子(アルファ-MF)ペプチドに動作可能に連結された1つ以上のDVPを含み得、2つ以上のDVPが、存在する。
【0371】
一部の実施形態では、融合タンパク質は、アルファ接合因子(アルファ-MF)ペプチドに動作可能に連結された1つ以上のDVPを含むことができ、2つ以上のDVPが、存在し、DVP及び/又はアルファ-MFペプチドは、リンカーペプチド、例えば、切断可能及び/又は切断不能リンカーを介して動作可能に連結されている。
【0372】
一部の実施形態では、DVP-殺虫タンパク質は、アルファ接合因子(アルファ-MF)ペプチドに動作可能に連結された1つ以上のDVPを含む融合タンパク質であり得、更に、安定化ドメイン(STA)、小胞体シグナル伝達タンパク質(ERSP)、昆虫切断可能若しくは昆虫切断不能リンカー(L)、及び/又はそれらの任意の他の組み合わせなどの1つ以上のタンパク質と動作可能に連結されている。
【0373】
本明細書に記載されるDVPのうちのいずれかは、アルファ接合因子(アルファ-MF)ペプチドに動作可能に連結された1つ以上のDVPを含む融合タンパク質を産生するために使用され得る。本明細書に記載されるDVPのうちのいずれかは、アルファ接合因子(アルファ-MF)ペプチドに動作可能に連結された1つ以上のDVPを含む融合タンパク質を産生するために使用され得、例えば、1つ以上のDVPは、同様に本明細書に記載される配列番号6~43、45~51、53、128、130、136、139~140、144、146~147、187~191、202~215、若しくは217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、若しくは100%同一であるアミノ配列を有する。
【0374】
例示的なDVP及びDVP-殺虫タンパク質
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質は、以下のアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、又は100%同一であるアミノ酸配列:「AKDGDVEGPAGCKKYDVECDSGECCQKQYLWYKWRPLACRSLKSGFFSSKSVCRDV」(配列番号47)、又はその薬学的に許容される塩を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。
【0375】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質は、アミノ酸配列:「AKDGDVEGPAGCKKYDVECDSGECCQKQYLWYKWRPLACRSLKSGFFSSKSVCRDV」(配列番号47)、又はその薬学的に許容される塩を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。
【0376】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質は、以下のアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、又は100%同一であるアミノ酸配列:「AKDGDVEGPAGCKKYDVECDSGECCQKQYLWYKWRPLACRSVKSGFFSSKSVCRDV」(配列番号53)、又はその薬学的に許容される塩を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。
【0377】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質は、アミノ酸配列:「AKDGDVEGPAGCKKYDVECDSGECCQKQYLWYKWRPLACRSVKSGFFSSKSVCRDV」(配列番号53)、又はその薬学的に許容される塩を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。
【0378】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質は、以下のアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、又は100%同一であるアミノ酸配列:「AKDGDVEGPAGCKKYDVECDSGECCQKQYLWYKWRPLACRTVKSGFFSSKMVCRDV」(配列番号136)、又はその薬学的に許容される塩を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。
【0379】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質は、アミノ酸配列:「AKDGDVEGPAGCKKYDVECDSGECCQKQYLWYKWRPLACRTVKSGFFSSKMVCRDV」(配列番号136)、又はその薬学的に許容される塩を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。
【0380】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質は、以下のアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、又は100%同一であるアミノ酸配列:「AKDGDVEGPAGCKKYDVECDSGECCQKQYLWYKWRPLACRDVKSGFFSSKEVCRDV」(配列番号139)、又はその薬学的に許容される塩を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。
【0381】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質は、アミノ酸配列:「AKDGDVEGPAGCKKYDVECDSGECCQKQYLWYKWRPLACRDVKSGFFSSKEVCRDV」(配列番号139)、又はその薬学的に許容される塩を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。
【0382】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質は、以下のアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、又は100%同一であるアミノ酸配列:「AKDGDVEGPAGCKKYDVECDSGECCQKQYLWYKWRPLACREVKSGFFSSKKVCRDV」(配列番号140)、又はその薬学的に許容される塩を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。
【0383】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質は、アミノ酸配列:「AKDGDVEGPAGCKKYDVECDSGECCQKQYLWYKWRPLACREVKSGFFSSKKVCRDV」(配列番号140)、又はその薬学的に許容される塩を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。
【0384】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質は、以下のアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、又は100%同一であるアミノ酸配列:「AKDGDVEGPAGCKKYDVECESGECCQKQYLWYKWRPLACRTVKSGFFSSKAVCRDV」(配列番号144)、又はその薬学的に許容される塩を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。
【0385】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質は、アミノ酸配列:「AKDGDVEGPAGCKKYDVECESGECCQKQYLWYKWRPLACRTVKSGFFSSKAVCRDV」(配列番号144)、又はその薬学的に許容される塩を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。
【0386】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質は、以下のアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、又は100%同一であるアミノ酸配列:「AKDGDVEGPAGCKKYDVECNSGECCQKQYLWYKWRPLACRTVKSGFFSSKAVCRDV」(配列番号146)、又はその薬学的に許容される塩を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。
【0387】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質は、アミノ酸配列:「AKDGDVEGPAGCKKYDVECNSGECCQKQYLWYKWRPLACRTVKSGFFSSKAVCRDV」(配列番号146)、又はその薬学的に許容される塩を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。
【0388】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質は、以下のアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、又は100%同一であるアミノ酸配列:「AKDGDVEGPAGCKKYDVECYSGECCQKQYLWYKWRPLACRTVKSGFFSSKAVCRDV」(配列番号147)、又はその薬学的に許容される塩を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。
【0389】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質は、アミノ酸配列:「AKDGDVEGPAGCKKYDVECYSGECCQKQYLWYKWRPLACRTVKSGFFSSKAVCRDV」(配列番号147)、又はその薬学的に許容される塩を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。
【0390】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質は、以下のアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、又は100%同一であるアミノ酸配列:「AKDGDVEGPAGCKKYDVECDSGECCQKQYLWSKWRALDCRCLKSGFFSSKCVCRDV」(配列番号187)、又はその薬学的に許容される塩を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。
【0391】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質は、アミノ酸配列:「AKDGDVEGPAGCKKYDVECDSGECCQKQYLWSKWRALDCRCLKSGFFSSKCVCRDV」(配列番号187)、又はその薬学的に許容される塩を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。
【0392】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質は、以下のアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、又は100%同一であるアミノ酸配列:「AKDGDVEGPAGCKKYDVECDSGECCQKQYLWKKWRALDCRCLKSGFFSSKCVCRDV」(配列番号188)、又はその薬学的に許容される塩を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。
【0393】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質は、アミノ酸配列:「AKDGDVEGPAGCKKYDVECDSGECCQKQYLWKKWRALDCRCLKSGFFSSKCVCRDV」(配列番号188)、又はその薬学的に許容される塩を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。
【0394】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質は、以下のアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、又は100%同一であるアミノ酸配列:「AKDGDVEGPAGCKKYDVECDSGECCQKQYLWHKWRALDCRCLKSGFFSSKCVCRDV」(配列番号189)、又はその薬学的に許容される塩を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。
【0395】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質は、アミノ酸配列:「AKDGDVEGPAGCKKYDVECDSGECCQKQYLWHKWRALDCRCLKSGFFSSKCVCRDV」(配列番号189)、又はその薬学的に許容される塩を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。
【0396】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質は、以下のアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、又は100%同一であるアミノ酸配列:「AKDGDVEGPAGCKKYDVECDSGECCQKQYLFSKWRPLDCRCLKSGFFSSKCVCRDV」(配列番号190)、又はその薬学的に許容される塩を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。
【0397】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質は、アミノ酸配列:「AKDGDVEGPAGCKKYDVECDSGECCQKQYLFSKWRPLDCRCLKSGFFSSKCVCRDV」(配列番号190)、又はその薬学的に許容される塩を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。
【0398】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質は、以下のアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、又は100%同一であるアミノ酸配列:「AKDGDVEGPAGCKKYDVECDSGECCQKQYLFSKWRALDCRCLKSGFFSSKCVCRDV」(配列番号191)、又はその薬学的に許容される塩を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。
【0399】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質は、アミノ酸配列:「AKDGDVEGPAGCKKYDVECDSGECCQKQYLFSKWRALDCRCLKSGFFSSKCVCRDV」(配列番号191)、又はその薬学的に許容される塩を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。
【0400】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質は、以下のアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、又は100%同一であるアミノ酸配列:「AKDGDVEGPAGCKKYDVECDSGECCQKQYLWSKWRPLACRSIKSGFFSSKSVCRDV」(配列番号209)、又はその薬学的に許容される塩を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。
【0401】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質は、アミノ酸配列:「AKDGDVEGPAGCKKYDVECDSGECCQKQYLWSKWRPLACRSIKSGFFSSKSVCRDV」(配列番号209)、又はその薬学的に許容される塩を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。
【0402】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質は、以下のアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、又は100%同一であるアミノ酸配列:「AKDGDVEGPAGCKKYDVECDSGECCQKQYLWYKWRPLACRSIKSGFFSSKSVCRDV」(配列番号210)、又はその薬学的に許容される塩を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。
【0403】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質は、アミノ酸配列:「AKDGDVEGPAGCKKYDVECDSGECCQKQYLWYKWRPLACRSIKSGFFSSKSVCRDV」(配列番号210)、又はその薬学的に許容される塩を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。
【0404】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質は、以下のアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、又は100%同一であるアミノ酸配列:「ALDGDVEGPAGCKKYDVECDSGECCQKQYLWYKWRPLACRSLKSGFFSSKSVCRDV」(配列番号211)、又はその薬学的に許容される塩を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。
【0405】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質は、アミノ酸配列:「ALDGDVEGPAGCKKYDVECDSGECCQKQYLWYKWRPLACRSLKSGFFSSKSVCRDV」(配列番号211)、又はその薬学的に許容される塩を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。
【0406】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質は、以下のアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、又は100%同一であるアミノ酸配列:「AKDGDVEGPAGCKKYDVECDSGECCQKQYLWSKWRPLACRSLKSGFFSSKSVCRDV」(配列番号212)、又はその薬学的に許容される塩を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。
【0407】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質は、アミノ酸配列:「AKDGDVEGPAGCKKYDVECDSGECCQKQYLWSKWRPLACRSLKSGFFSSKSVCRDV」(配列番号212)、又はその薬学的に許容される塩を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。
【0408】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質は、以下のアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、又は100%同一であるアミノ酸配列:「ALDGDVEGPAGCKKYDVECDSGECCQKQYLWSKWRPLACRSLKSGFFSSKSVCRDV」(配列番号213)、又はその薬学的に許容される塩を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。
【0409】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質は、アミノ酸配列:「ALDGDVEGPAGCKKYDVECDSGECCQKQYLWSKWRPLACRSLKSGFFSSKSVCRDV」(配列番号213)、又はその薬学的に許容される塩を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。
【0410】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質は、以下のアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、又は100%同一であるアミノ酸配列:「AKDGDVEGPAGCKKYDVECDSGECCQKQYLWYKWRPLTCRSLKSGFFSSKSVCRDV」(配列番号214)、又はその薬学的に許容される塩を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。
【0411】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質は、アミノ酸配列:「AKDGDVEGPAGCKKYDVECDSGECCQKQYLWYKWRPLTCRSLKSGFFSSKSVCRDV」(配列番号214)、又はその薬学的に許容される塩を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。
【0412】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質は、以下のアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、又は100%同一であるアミノ酸配列:「AKDGDVEGPAGCKKYDVECDSGECCQKQYLWYKWRPLSCRSLKSGFFSSKSVCRDV」(配列番号215)、又はその薬学的に許容される塩。
【0413】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質は、アミノ酸配列:「AKDGDVEGPAGCKKYDVECDSGECCQKQYLWYKWRPLSCRSLKSGFFSSKSVCRDV」(配列番号215)、又はその薬学的に許容される塩。
【0414】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質は、以下のアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、又は100%同一であるアミノ酸配列:「ALDGDVEGPAGCKKYDVECDSGECCQKQYLWSKWRPLDCRCIKSGFFSSKCVCRDV」(配列番号217)、又はその薬学的に許容される塩。
【0415】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質は、アミノ酸配列:「ALDGDVEGPAGCKKYDVECDSGECCQKQYLWSKWRPLDCRCIKSGFFSSKCVCRDV」(配列番号217)、又はその薬学的に許容される塩。
【0416】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質は、以下のアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、又は100%同一であるアミノ酸配列:「ALDGDVEGPAGCKKYDVECDSGECCQKQYLWSKWRPLACRSIKSGFFSSKSVCRDV」(配列番号218)、又はその薬学的に許容される塩。
【0417】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質は、アミノ酸配列:「ALDGDVEGPAGCKKYDVECDSGECCQKQYLWSKWRPLACRSIKSGFFSSKSVCRDV」(配列番号218)、又はその薬学的に許容される塩。
【0418】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質は、以下のアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、又は100%同一であるアミノ酸配列:「ALDGDVEGPAGCKKYDVECDSGECCQKQYLWYKWRPLACRSIKSGFFSSKSVCRDV」(配列番号219)、又はその薬学的に許容される塩。
【0419】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質は、アミノ酸配列:「ALDGDVEGPAGCKKYDVECDSGECCQKQYLWYKWRPLACRSIKSGFFSSKSVCRDV」(配列番号219)、又はその薬学的に許容される塩。
【0420】
DVPを産生するための方法
タンパク質を産生する方法は当該技術分野において周知であり、様々な技術が利用可能である。例えば、一部の実施形態では、タンパク質は、組換え法を使用して産生され得るか、又は化学的に合成され得る。
【0421】
一部の実施形態では、本発明のDVPは、タンパク質を産生するための任意の既知の方法を使用して作製することができる。例えば、一部の実施形態では、DVPは、限定されないが、酵母発現システム又は細菌発現システムなどの組換え発現システムを使用して作製することができる。しかしながら、当業者であれば、他のタンパク質産生の方法が利用可能であることを認識するであろう。
【0422】
一部の実施形態では、本発明は、組換え発現システムを使用して、DVPを産生する方法を提供する。
【0423】
一部の実施形態では、本発明は、DVPを産生する方法を含むか、本質的にそれからなるか、又はそれからなり、当該方法は、(a)DVPをコードするように動作可能なポリヌクレオチド、又はその相補的ヌクレオチド配列を含むか、本質的にそれからなるか、又はそれからなる第1の発現カセットを含むベクターを調製することと、(b)ベクターを宿主細胞(例えば、細菌若しくは酵母、又は昆虫、又は植物細胞、又は動物細胞)に導入することと、(c)DVPの発現及びその増殖培地への分泌を可能にするように動作可能な条件下で、酵母株を増殖培地で増殖させることと、を含む。一部の関連する実施形態では、宿主細胞は、酵母細胞である。
【0424】
本発明は、多種多様な宿主細胞において実施可能である(以下の宿主細胞のセクションを参照されたい)。実際、本発明のエンドユーザーは、自身が選択する任意の宿主細胞において、その教示を実践することができる。したがって、一部の実施形態では、宿主細胞は、エンドユーザーの要件を満たす任意の宿主細胞であってもよく、すなわち、一部の実施形態では、DVPの発現は、様々な宿主細胞を使用して、かつ本明細書の教示に基づいて達成され得る。例えば、一部の実施形態では、ユーザーは、ある特定の種類の宿主細胞(例えば、酵母細胞又は細菌細胞)を、別のものとは対照的に使用することを望む場合があり、所与の宿主細胞の好みは、可用性からコストまでの範囲であり得る。
【0425】
例えば、一部の実施形態では、一部の実施形態では、本発明は、DVPを産生する方法を含むか、本質的にそれからなるか、又はそれからなり、当該方法は、(a)DVPをコードするように動作可能なポリヌクレオチド、又はその相補的ヌクレオチド配列を含むか、本質的にそれからなるか、又はそれからなる第1の発現カセットを含むベクターを調製することと、(b)ベクターを宿主細胞(例えば、細菌若しくは酵母、又は昆虫、又は植物細胞、又は動物細胞)に導入することと、(c)DVPの発現及びその増殖培地への分泌を可能にするように動作可能な条件下で、酵母株を増殖培地で増殖させることと、を含む。一部の関連する実施形態では、宿主細胞は、酵母細胞である。
【0426】
野生型ミュー-ジゲトキシン-Dc1aの単離及び変異化
様々な例示的な実施形態では、DVPは、野生型ミュー-ジゲトキシン-Dc1aポリヌクレオチド配列に変異を作製することと、そのミュー-ジゲトキシン-Dc1aバリアントポリヌクレオチド(dvp)配列を適切なベクターに挿入することと、DVPをコードするポリヌクレオチドが発現するような方法で宿主生物を形質転換することと、宿主生物を培養して所望の量のDVPを生成することと、次いで、宿主生物中及び/又はその周辺からDVPを精製することと、によって得られ得る。
【0427】
野生型ミュー-ジゲトキシン-Dc1a毒素は、当業者に既知の技術のいずれかを使用して、毒液から単離することができ、毒液は、次いで、クモ、例えばDiguetia canitiesの毒腺から単離することができる。例えば、一部の実施形態では、毒液は、米国特許第5,688,764号に記載されている方法に従って、単離することができる(その開示は、参照によりその全体が本明細書に援用される)。
【0428】
野生型ミュー-ジゲトキシン-Dc1aポリヌクレオチド配列は、ミュー-ジゲトキシン-Dc1aポリヌクレオチド配列に方向付けられるプライマープローブを使用して、ゲノムライブラリーをスクリーニングすることによって得られ得る。代替的に、野生型ミュー-ジゲトキシン-Dc1aポリヌクレオチド配列及び/又はDVPポリヌクレオチド配列は化学的に合成され得る。例えば、野生型ミュー-ジゲトキシン-Dc1aポリヌクレオチド配列及び/又はDVPポリヌクレオチド配列は、ホスホラミダイト、トリエステル、ホスファイト、又はH-ホスホネート法などのオリゴヌクレオチド合成方法を使用して生成され得る(Engels,J.W.and Uhlmann,E.(1989),Gene Synthesis[New Synthetic Methods(77)].Angew.Chem.Int.Ed.Engl.,28:716-734を参照されたい(その開示は、参照によりその全体が本明細書に援用される))。
【0429】
野生型ミュー-ジゲトキシン-Dc1aポリヌクレオチド配列における変異の産生は、当業者に周知の様々な手段によって達成され得る。変異誘発の方法としては、クンケル法、カセット変異誘発、PCR部位特異的変異誘発、「完全殺人(perfect murder)」技術(delitto perfetto)、PCR及び1個のリサイクル可能なマーカーを用いた直接遺伝子欠失及び部位特異的変異誘発、長い相同領域を用いたPCR及び1個のリサイクル可能なマーカーを用いた直接遺伝子欠失及び部位特異的変異誘発、「ポップインポップアウト」法、並びにCRISPR-Cas 9が挙げられる。部位特異的変異誘発の例示的な方法は、Ruvkun & Ausubel,A general method for site-directed mutagenesis in prokaryotes.Nature.1981 Jan 1;289(5793):85-8、Wallace et al.,Oligonucleotide directed mutagenesis of the human beta-globin gene:a general method for producing specific point mutations in cloned DNA.Nucleic Acids Res.1981 Aug 11;9(15):3647-56、Dalbadie-McFarland et al.,Oligonucleotide-directed mutagenesis as a general and powerful method for studies of protein function.Proc Natl Acad Sci U S A.1982 Nov;79(21):6409-13、Bachman.Site-directed mutagenesis.Methods Enzymol.2013;529:241-8、Carey et al.,PCR-mediated site-directed mutagenesis.Cold Spring Harb Protoc.2013 Aug 1;2013(8):738-42、及びCong et al.,Multiplex genome engineering using CRISPR/Cas systems.Science.2013 Feb 15;339(6121):819-23に見出すことができる(前述の参考文献の全ての開示は、それらの全体が参照により本明細書に援用される)。
【0430】
DVPポリヌクレオチドの化学合成
一部の実施形態では、DVPをコードするポリヌクレオチド配列は、Genewiz(登録商標)(例えば、TurboGENE(商標)、PriorityGENE、及びFragmentGENE)、又はSigma-Aldrich(登録商標)(例えば、Custom DNA and RNA Oligos Design及びOrder Custom DNA Oligos)によって提供されるものなど市販のポリヌクレオチド合成サービスを使用して、化学的に合成され得る。DNA及び/又はカスタムの化学的に合成されたポリヌクレオチドを生成するための例示的な方法は、当該技術分野において周知であり、1995年2月13日に出願された米国特許第5,736,135号(第08/389,615号)に例示的に提供される(その開示は、参照によりその全体が本明細書に援用される)。また、Agarwal,et al.,Chemical synthesis of polynucleotides.Angew Chem Int Ed Engl.1972 Jun;11(6):451-9、Ohtsuka et al.,Recent developments in the chemical synthesis of polynucleotides.Nucleic Acids Res.1982 Nov 11;10(21):6553-6570、Sondek & Shortle.A general strategy for random insertion and substitution mutagenesis:substoichiometric coupling of trinucleotide phosphoramidites.Proc Natl Acad Sci U S A.1992 Apr 15;89(8):3581-3585、Beaucage S.L.,et al.,Advances in the Synthesis of Oligonucleotides by the Phosphoramidite Approach.Tetrahedron,Elsevier Science Publishers,Amsterdam,NL,vol.48,No.12,1992,pp.2223-2311、Agrawal(1993)Protocols for Oligonucleotides and Analogs:Synthesis and Properties;Methods in Molecular Biology Vol.20も参照されたい(その開示は、参照によりその全体が本明細書に援用される)。
【0431】
化学合成ポリヌクレオチドは、当該配列内のヌクレオチドの配置(すなわち、シトシン[C]、グアニン[G]、アデニン[A]、又はチミン[T]分子の配置)に基づいて、所望のポリペプチドを生成するように調整されたDNA配列を生成することを可能にし、化学合成されたDNAポリヌクレオチドから転写されるmRNA配列は、mRNA配列のコドンに対応する各アミノ酸のアミノ酸配列に翻訳され得る。したがって、mRNA配列から翻訳されるポリペプチド鎖のアミノ酸組成物は、20個のアミノ酸のうちのどのアミノ酸が伸長するポリペプチドに付加されるかを決定する基礎となるコドンを変更することによって変化させることができる。したがって、挿入、置換、欠失、及びフレームシフトなどのDNAにおける変異が、基礎となるコドンに応じて、アミノ酸の挿入、置換、又は欠失を引き起こし得る。
【0432】
一部の実施形態では、ポリヌクレオチドは化学的に合成され得、当該ポリヌクレオチドは、1つ以上の変異を有する。一部の実施形態では、mRNAは、鋳型DNA配列から作製され得る。更に他の実施形態では、mRNAをクローニングし、コンピテント細胞に形質転換し得る。
【0433】
ベクター及び形質転換
本発明のベクターは、1つ以上の異種ポリヌクレオチドを宿主細胞(例えば、酵母細胞)に導入するための手段を指す。当業者に既知の様々な利用可能なベクター及びクローニング戦略が存在する。
【0434】
本明細書で使用される場合、「ベクター」という用語は、ポリヌクレオチドが、細胞に導入(例えば、形質転換)するために挿入され得、それが複製され得る、キャリア核酸分子を指す。一部の実施形態では、ベクターは、「ベクターエレメント」、例えば、限定されないが、複製起点(ORI)、選択を可能にする遺伝子又はヌクレオチド配列(例えば、抗生物質耐性を付与する遺伝子又は定義された培地での成長を可能にするヌクレオチド配列)、複数のクローニング部位、プロモーター領域、プライマー結合部位、及び/又はそれらの組み合わせを含み得る。
【0435】
一部の実施形態では、ベクターに挿入されるポリヌクレオチド又はヌクレオチド配列のいくつかは、「異種」又は「外因性」であり得、これは、ベクターが導入される細胞に対して外来性であること、又は配列が、細胞における配列に相同であるが、配列が通常見出されない宿主細胞の核酸内の位置にあることを意味する。例えば、一部の実施形態では、組換え酵母細胞は、内因性ヌクレオチド配列を含む異種ポリヌクレオチドを含むベクターで形質転換され得るが、内因性ヌクレオチド配列が通常見出されない宿主細胞核酸内の位置にある。
【0436】
ベクターは、本発明の異種ポリヌクレオチドを調製する手段として、又は組換え酵母細胞を生成するために使用される細胞を最終的に形質転換する手段として、及び/又は異種ポリペプチドの発現を増加させる方法としてその両方で使用され得る。
【0437】
一部の実施形態では、ベクターには、プラスミド、コスミド、ウイルス(バクテリオファージ、動物ウイルス、及び植物ウイルス)、及び人工染色体(例えば、YAC)が含まれる。例えば、一部の実施形態では、ベクターは、異種ポリヌクレオチド及び/又は発現カセットを転写及び翻訳されるように宿主細胞に導入することができるプラスミドであり得る。
【0438】
当業者は、Sambrookら、1989及びAusubelら、1996(これらはともに、参照によりその全体が本明細書に援用される)に記載されている標準的な組換え技術を介してベクターを構築するための十分な装備があるであろう。
【0439】
一部の実施形態では、異種ポリヌクレオチドをコードすることに加えて、ベクターはまた、標的分子をコードし得る。標的分子は、所望のポリヌクレオチドを特定の組織、細胞、又は他の位置に方向付けるものである。
【0440】
一部の実施形態では、DVPをコードするように動作可能な異種ポリヌクレオチドは、任意の好適なベクター、例えば、増幅のためのプラスミド、バクテリオファージ、又はウイルスベクターに挿入され得、それによって、Molecular Cloning A Laboratory Manual,2nd Ed.,Sambrook,Fritsch and Maniatis編(Cold Spring Harbor Laboratory Press:1989)(その開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)において記載されるものなどの当該技術分野で既知の方法を使用して、増殖され得る。
【0441】
化学的に合成されたDNAポリヌクレオチド配列及び/又は変異誘発を介して改変された野生型DNAポリヌクレオチド配列からDVPを得ることは、そのDNA配列を適切なベクターにクローニングすることによって達成され得る。利用可能な様々な発現ベクター、宿主生物、及び当業者に既知のクローニング戦略が存在する。例えば、ベクターは、プラスミドであってもよく、転写及び翻訳される異種遺伝子及び/又は発現カセットを、酵母細胞に導入することができる。「ベクター」という用語は、担体核酸分子を指すように使用され、それに核酸配列を挿入して、それが複製され得る細胞に導入することができる。ベクターは、複製起点(ORI)、選択を可能にする抗生物質耐性を付与する遺伝子、複数のクローニング部位、プロモーター領域、非細菌トランスフェクションのための選択マーカー、及びプライマー結合部位などの「ベクターエレメント」を含み得る。核酸配列は、「外因性」であり得、これは、ベクターが導入される細胞に対して外来性であること、又は配列が、細胞における配列に相同であるが、配列が通常見出されない宿主細胞の核酸内の位置にあることを意味する。ベクターには、プラスミド、コスミド、ウイルス(バクテリオファージ、動物ウイルス、及び植物ウイルス)、及び人工染色体(例えば、YAC)が含まれる。当業者は、Sambrook et al.,1989及びAusubel et al.,1996(これらはともに、参照により本明細書に援用される)に記載されている標準的な組換え技術を通してベクターを構築するための十分な装備があるであろう。Dc1aバリアントポリヌクレオチドをコードすることに加えて、ベクターは、標的分子をコードし得る。標的化分子は、所望の核酸を特定の組織、細胞、又は他の位置に方向付けるものである。
【0442】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質をコードするように動作可能なポリヌクレオチドは、宿主細胞に形質転換され得る。
【0443】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質をコードするように動作可能なポリヌクレオチドは、ベクターにクローニングされ、宿主細胞に形質転換され得る。
【0444】
一部の実施形態では、DVP ORFは、宿主細胞に形質転換され得る。
【0445】
DVP(例えば、DVP ORF)又はDVP-殺虫タンパク質をコードするように動作可能なポリヌクレオチド配列に加えて、調節エレメントとして知られている既知の追加のDNAセグメントを、外来のDNA又は導入遺伝子の発現の増強を可能にするベクターにクローニングすることができ、かかる追加のDNAセグメントの例としては、(1)プロモーター、ターミネーター、及び/又はエンハンサーエレメント、(2)適切なmRNA安定化ポリアデニル化シグナル、(3)内部リボソーム侵入部位(IRES)、(4)イントロン、並びに(5)転写後調節エレメントが挙げられる。目的のDNAセグメント(例えば、dvp)と、前述のシス作用性エレメントのうちのいずれか1つとの組み合わせは、「発現カセット」と呼ばれる。
【0446】
一部の実施形態では、発現カセット又はDVP発現カセットは、1つ以上のDVP、及び/又は1つ以上のDVP-殺虫タンパク質を含有し得る。
【0447】
一部の実施形態では、発現カセット又はDVP発現カセットは、1つ以上のDVP、及び/又は1つ以上のDVP-殺虫タンパク質と、(1)プロモーター、ターミネーター、及び/若しくはエンハンサーエレメント、(2)適切なmRNA安定化ポリアデニル化シグナル、(3)内部リボソーム侵入部位(IRES)、(4)イントロン、並びに(5)転写後調節エレメントなどの1つ以上の追加の調節エレメントと、を含有し得る。
【0448】
一部の実施形態では、単一発現カセットは、前述の調節エレメントのうちの1つ以上と、DVPを発現するように動作可能なポリヌクレオチドと、を含有し得る。例えば、一部の実施形態では、DVP発現カセットは、DVPを発現するように動作可能なポリヌクレオチドと、α-MFシグナル、Kex2部位、LAC4ターミネーター、ADN1プロモーター、並びに5’末端及び3’末端上のLAC4プロモーターに隣接するアセトアミダーゼ(amdS)選択マーカーと、を含み得る。
【0449】
一部の実施形態では、ベクターにクローニングされた多数の発現カセットが存在し得る。例えば、一部の実施形態では、DVPを発現するように動作可能なポリヌクレオチドを含む第1の発現カセットが存在し得る。代替的な実施形態では、DVPをコードするように動作可能な2つの発現カセット(すなわち、二重発現カセット)が存在する。他の実施形態では、DVPをコードするように動作可能な3つの発現カセット(すなわち、三重発現カセット)が存在する。
【0450】
一部の実施形態では、二重発現カセットは、第1のDVP発現カセットを含有するベクターに第2のDVP発現カセットをサブクローニングすることによって生成され得る。
【0451】
一部の実施形態では、三重発現カセットは、第1及び第2のDVP発現カセットを含むベクターに第3のDVP発現カセットをサブクローニングすることによって生成され得る。
【0452】
一部の実施形態では、DVPポリヌクレオチドは、様々なクローニング戦略、並びに当業者に容易に入手可能な市販のクローニングキット及び材料を使用して、ベクターにクローニングされ得る。例えば、DVPポリヌクレオチドは、戦略(例えば、SnapFast、Gateway、TOPO、Gibson、LIC、InFusionHD、又はElectra戦略)を使用して、ベクターにクローニングされ得る。DVPを産生するために使用され得る多数の市販のベクターが存在する。例えば、DVPポリヌクレオチドを、5分間、室温で、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)と、pCR(商標)II-TOPOベクター又はPCR(商標)2.1-TOPO(登録商標)ベクター(InvitrogenからのTOPO(登録商標)TA Cloning(登録商標)キットとして市販されている)を組み合わせて使用して生成することができ、次いで、TOPO(登録商標)反応物を、コンピテント細胞に形質転換することができ、その後、色の変化に基づいて選択することができる(Janke et al.,A versatile toolbox for PCR-based tagging of yeast genes:new fluorescent proteins,more markers and promoter substitution cassettes.Yeast.2004 Aug;21(11):947-62を参照のこと。また、Adams et al.Methods in Yeast Genetics.Cold Spring Harbor,NY,1997も参照されたい。この開示は、参照によりその全体が本明細書に援用される)。
【0453】
一部の実施形態では、DVPをコードするポリヌクレオチドは、プラスミド、コスミド、ウイルス(バクテリオファージ、動物ウイルス、及び植物ウイルス)、及び/又は人工染色体(例えば、YAC)などのベクターにクローニングされ得る。
【0454】
一部の実施形態では、以下を行うことによって、DVPをコードするポリヌクレオチドを、宿主としてE.coliを使用して、ベクター(例えば、プラスミドベクター)に挿入することができる:目的のDNAセグメントを挿入できるようにするために、必要な制限酵素を使用して、約2~5μgのベクターDNAを消化し、続いて、一晩インキュベーションして完全な消化を達成し(自己ライゲーション/再環化を回避するために、アルカリホスファターゼを使用して、5’末端を脱リン酸化する場合がある)、消化されたベクターを、ゲル精製する。次に、PCRを介して、目的のDNAセグメント、例えば、DVPをコードするポリヌクレオチドを増幅し、当業者に既知の技術を使用して(例えば、PCRクリーンアップキットを使用することによって)、PCR反応物から、任意の過剰の酵素、プライマー、取り込まれていないdNTP、短い失敗したPCR産物、及び/又は塩を除去する。約20ngのベクター、約100~1,000ng又は目的のDNAセグメント、2μLの10×緩衝液(すなわち、30mMのTris-HCl、4mMのMgCl、26μMのNAD、1mMのDTT、50μg/mlのBSA、pH8;25℃で保存)、1μLのT4 DNAリガーゼを含む混合物を作製し、HOを添加して全て総体積を20μLにすることによって、目的のDNAセグメントを、ベクターにライゲーションする。次いで、ライゲーション反応混合物を、室温で2時間、又は16℃で一晩インキュベートすることができる。次いで、ライゲーション反応物(すなわち、約1μL)を、例えば、エレクトロポレーション又は化学的方法を使用することによって、コンピテント細胞に形質転換することができる。次いで、コロニーPCRを実施して、目的のDNAセグメントを含むベクターを特定することができる。
【0455】
一部の実施形態では、他のDNAセグメントとともに、DVP発現カセットを構成する、DVP(例えば、DVP ORF)をコードするポリヌクレオチドは、宿主酵母細胞からの分泌用に設計され得る。DVP発現カセットを設計する例示的な方法は、以下のとおりである:カセットは、シグナルペプチド配列から始まり、続いて、Kex2切断部位(リジン-アルギニン)をコードするDNA配列、続いて、DVPポリヌクレオチド導入遺伝子(DVP ORF)であり得、5’末端にグリシン-セリンコドン、最後に、3’末端に終止コドンが付加される。次いで、これらの全てのエレメントを、単一のオープンリーディングフレーム(ORF)として、酵母細胞において融合ペプチドに発現させる。α接合因子(αMF)シグナル配列は、組換え酵母の内因性分泌経路を介した組換え殺虫ペプチドの代謝プロセスを促進するために最も頻繁に使用され、すなわち、発現された融合ペプチドは、典型的には、小胞体内に入り、α接合因子シグナル配列が、シグナルペプチダーゼ活性によって除去され、次いで、得られた殺虫プロペプチドが、ゴルジ装置に輸送され、上述のリジン-アルギニンジペプチドが、Kex2エンドプロテアーゼによって完全に除去され、その後、成熟ポリペプチド(すなわち、DVP)が、細胞から分泌される。
【0456】
一部の実施形態では、組換え酵母細胞におけるポリペプチド発現レベルは、特定の宿主酵母種に基づいてコドンを最適化することによって増強され得る。所与の宿主生物の内因性オープンリーディングフレームで観察される自然に発生するコドンの頻度は、必ずしも高効率発現のために最適化する必要はない。更に、異なる酵母種(例えば、Kluyveromyces lactis、Pichia pastoris、Saccharomyces cerevisiaeなど)は、高効率発現のために異なる最適コドンを有する。したがって、シグナル配列、Kex2切断部位、及びDVPをコードする配列エレメントを含むDVP発現カセットについては、それらが組換え酵母細胞において1つの融合ペプチドとして最初に翻訳されるため、コドン最適化が考慮される必要がある。
【0457】
一部の実施形態では、コドン最適化されたDVP発現カセットは、酵母発現用の酵母特異的発現ベクターにライゲーションされ得る。エピソームベクター及び組み込みベクターを含む、酵母発現用に利用可能な多くの発現ベクターがあり、これらは通常、特定の酵母株のために設計されている。ペプチド産生に使用される特定の酵母発現システムを考慮して、適切な発現ベクターを慎重に選択する必要がある。一部の実施形態では、組み込みベクターを使用することができ、これは、形質転換された酵母細胞の染色体に組み込まれ、細胞の分裂及び増殖のサイクルを通して安定に維持される。組み込みDNA配列は、形質転換された酵母種における標的化されたゲノムDNA遺伝子座と相同であり、かかる組み込み配列としては、pLAC4、25S rDNA、pAOX1、及びTRP2などが挙げられる。殺虫ペプチド導入遺伝子の位置は、組み込みDNA配列(挿入ベクター)に隣接していてもよく、又は組み込みDNA配列(置換ベクター)内であってもよい。
【0458】
一部の実施形態では、発現ベクター又はクローニングベクターは、E.coliにおけるDNA調製のためのE.coliエレメント、例えば、E.coli複製起点、抗生物質選択マーカーなどを含み得る。一部の実施形態では、ベクターは、目的の導入遺伝子の発現に必要な一連の配列エレメント、例えば、転写プロモーター、ターミネーター、酵母選択マーカー、宿主酵母DNAに相同な組み込みDNA配列などを含み得る。天然及び操作されたプロモーター、例えば、pLAC4、pAOX1、pUPP、pADH1、pTEF、pGal1などの酵母プロモーター及びその他を含む、多くの好適な酵母プロモーターがあり、一部の実施形態で使用され得る。
【0459】
一部の実施形態では、アセトアミドプロトトロフィー選択、ゼオシン耐性選択、ジェネティシン耐性選択、ノウルセオトリシン耐性選択、ウラシル欠失選択、及び/又は他の選択方法などの選択方法を使用してもよい。例えば、一部の実施形態では、Aspergillus nidulansのamdS遺伝子を、選択マーカーとして使用することができる。選択マーカーを使用するための例示的な方法は、米国特許第6,548,285号(1997年4月3日出願)、同第6,165,715号(1998年6月22日出願)、及び同第6,110,707号(1997年1月17日出願)に見出すことができる(それらの開示は、参照によりその全体が本明細書に援用される)。
【0460】
一部の実施形態では、DVPをコードするポリヌクレオチドは、pKLAC1ベクターに挿入され得る。pKLAC1は、New England Biolabs(登録商標)Inc.(アイテム番号(NEB#E1000)から市販されている。pKLAC1は、酵母Kluyveromyces lactisにおける組換えタンパク質(例えば、DVP)の高レベル発現を達成するように設計される。pKLAC1プラスミドは、単独で、又はK.lactisタンパク質発現キットの一部として注文することができる。pKLAC1プラスミドは、SacII又はBstXI制限酵素を使用して、線状化することができ、αMF分泌シグナルの下流にMCSを有する。αMF分泌シグナルは、組換えタンパク質を分泌経路へ方向付け、次いで、Kex2により切断され、目的のペプチド、例えば、DVPがもたらされる。Kex2は、カルシウム依存性セリンプロテアーゼであり、分泌経路のプロタンパク質の活性化に関与し、市販されている(PeproTech(登録商標);アイテム番号450-45)。
【0461】
一部の実施形態では、DVPをコードするポリヌクレオチドでライゲーションされたpKLAC1プラスミドで形質転換された酵母コロニーの選択の後に、DVPをコードするポリヌクレオチドを、pLB102プラスミドに挿入するか、又はpLB102プラスミドにサブクローニングすることができる。DVPをコードするポリヌクレオチドでライゲーションされたpKLAC1プラスミドで形質転換された酵母、例えば、K.lactisは、形質転換された酵母細胞が、その唯一の窒素源としてアセトアミドを含有するYCB培地で増殖することを可能にするアセトアミダーゼ(amdS)に基づいて選択され得る。一度、DVPをコードするポリヌクレオチドでライゲーションされたpKLAC1プラスミドで形質転換された陽性の酵母コロニーを特定する。
【0462】
一部の実施形態では、DVPをコードするポリヌクレオチドを、当業者が容易に入手することができる他の市販のプラスミド及び/又はベクターに挿入することができ、例えば、プラスミドは、Addgene(非営利プラスミドレポジトリ)、GenScript(登録商標)、Takara(登録商標)、Qiagen(登録商標)、及びPromega(商標)から入手可能である。
【0463】
一部の実施形態では、1つ以上のDVP発現カセットで形質転換された酵母細胞は、酵母培養物においてDVPを、培地1リットル当たり、少なくとも70mg/L、少なくとも80mg/L、少なくとも90mg/L、少なくとも100mg/L、少なくとも110mg/L、少なくとも120mg/L、少なくとも130mg/L、少なくとも140mg/L、少なくとも150mg/L、少なくとも160mg/L、少なくとも170mg/L、少なくとも180mg/L、少なくとも190mg/L 200mg/L、少なくとも500mg/L、少なくとも750mg/L、少なくとも1,000mg/L、少なくとも1,250mg/L、少なくとも1,500mg/L、少なくとも1,750mg/L、少なくとも2,000mg/L、少なくとも2,500mg/L、少なくとも3,000mg/L、少なくとも3,500mg/L、少なくとも4,000mg/L、少なくとも4,500mg/L、少なくとも5,000mg/L、少なくとも5,500mg/L、少なくとも少なくとも6,000mg/L、少なくとも6,500mg/L、少なくとも7,000mg/L、少なくとも7,500mg/L、少なくとも8,000mg/L、少なくとも8,500mg/L、少なくとも9,000mg/L、少なくとも9,500mg/L、少なくとも10,000mg/L、少なくとも11,000mg/L、少なくとも12,000mg/L、少なくとも12,500mg/L、少なくとも13,000mg/L、少なくとも14,000mg/L、少なくとも15,000mg/L、少なくとも16,000mg/L、少なくとも17,000mg/L、少なくとも17,500mg/L、少なくとも18,000mg/L、少なくとも19,000mg/L、少なくとも20,000mg/L、少なくとも25,000mg/L、少なくとも30,000mg/L、少なくとも40,000mg/L、少なくとも50,000mg/L、少なくとも60,000mg/L、少なくとも70,000mg/L、少なくとも80,000mg/L、少なくとも90,000mg/L、又は少なくとも100,000mg/LのDVPの収量で産生し得る。
【0464】
一部の実施形態では、1つ以上のDVP発現カセットで形質転換されたK.lactisの培養物は、酵母培養物においてDVPを、以下を含有する増殖培地1リットル当たり、少なくとも70mg/L、少なくとも80mg/L、少なくとも90mg/L、少なくとも100mg/L、少なくとも110mg/L、少なくとも120mg/L、少なくとも130mg/L、少なくとも140mg/L、少なくとも150mg/L、少なくとも160mg/L、少なくとも170mg/L、少なくとも180mg/L、少なくとも190mg/L 200mg/L、少なくとも500mg/L、少なくとも750mg/L、少なくとも1,000mg/L、少なくとも1,250mg/L、少なくとも1,500mg/L、少なくとも1,750mg/L、少なくとも2,000mg/L、少なくとも2,500mg/L、少なくとも3,000mg/L、少なくとも3,500mg/L、少なくとも4,000mg/L、少なくとも4,500mg/L、少なくとも5,000mg/L、少なくとも5,500mg/L、少なくとも少なくとも6,000mg/L、少なくとも6,500mg/L、少なくとも7,000mg/L、少なくとも7,500mg/L、少なくとも8,000mg/L、少なくとも8,500mg/L、少なくとも9,000mg/L、少なくとも9,500mg/L、少なくとも10,000mg/L、少なくとも11,000mg/L、少なくとも12,000mg/L、少なくとも12,500mg/L、少なくとも13,000mg/L、少なくとも14,000mg/L、少なくとも15,000mg/L、少なくとも16,000mg/L、少なくとも17,000mg/L、少なくとも17,500mg/L、少なくとも18,000mg/L、少なくとも19,000mg/L、少なくとも20,000mg/L、少なくとも25,000mg/L、少なくとも30,000mg/L、少なくとも40,000mg/L、少なくとも50,000mg/L、少なくとも60,000mg/L、少なくとも70,000mg/L、少なくとも80,000mg/L、少なくとも90,000mg/L、又は少なくとも100,000mg/LのDVPの収量で産生し得る:(1)MSM培地レシピ:2g/Lのクエン酸ナトリウム二水和物、1g/Lの硫酸カルシウム二水和物(0.79g/Lの無水硫酸カルシウム)、42.9g/Lのリン酸一カリウム、5.17g/Lの硫酸アンモニウム、14.33g/Lの硫酸カリウム、11.7g/Lの硫酸マグネシウム七水和物、2mL/LのPTM1微量塩溶液、0.4ppmのビオチン(500×、200ppmストックから)、1~2%の純粋なグリセロール又は他の炭素源。(2)PTM1微量塩溶液:硫酸銅-5H2O 6.0g、ヨウ化ナトリウム 0.08g、硫酸マンガン-H2O 3.0g、モリブデン酸ナトリウム-2HO 0.2g、ホウ酸 0.02g、塩化コバルト 0.5g、塩化亜鉛 20.0g、硫酸鉄-7HO 65.0g、ビオチン 0.2g、硫酸 5.0ml、水を添加し最終体積を1リットルにする。K.lactis規定培地(DMSor)の例示的な組成物は、以下のとおりである。11.83g/LのKHPO、2.299g/LのKHPO、20g/Lの発酵性糖、例えば、ガラクトース、マルトース、ラトトリオース、スクロース、フルクトース、若しくはグルコース、及び/又は糖アルコール、例えば、エリスリトール、水素化デンプン加水分解物、イソマルト、ラクチトール、マルチトール、マンニトール、及びキシリトール、1g/LのMgSO.7HO、10g/Lの(NH)SO、0.33g/LのCaCl.2HO、1g/LのNaCl、1g/LのKCl、5mg/LのCuSO.5HO、30mg/LのMnSO.HO、10mg/LのZnCl、1mg/LのKI、2mg/LのCoCl.6HO、8mg/LのNaMoO.2HO、0.4mg/LのHBO、15mg/LのFeCl.6HO、0.8mg/Lのビオチン、20mg/Lのパントテン酸カルシウム、15mg/Lのチアミン、16mg/Lのミオイノシトール、10mg/Lのニコチン酸、及び4mg/Lのピリドキシン、選択マーカー、並びに適切な発現を可能にする条件下の培養。
【0465】
一部の実施形態では、DVPを発現するように動作可能なポリヌクレオチドを含む1つ以上の発現カセットを、ベクターに挿入して、約100mg/LのDVP(酵母発酵液の上清)の収量をもたらし得る。例えば、一部の実施形態では、DVPを発現するように動作可能なポリヌクレオチドを含む2つの発現カセットを、ベクター、例えば、pKS022プラスミドに挿入して、約2g/LのDVP(酵母発酵液の上清)の収量をもたらし得る。代替的に、一部の実施形態では、DVPを発現するように動作可能なポリヌクレオチドを含む3つの発現カセットを、ベクター、例えば、pLB103bTプラスミドに挿入し得る。
【0466】
一部の実施形態では、K.lactisゲノムへの最適化されたDVP導入遺伝子の1つ以上のコピーの組み込みを可能にするために、複数のDVP発現カセットを、酵母にトランスフェクトし得る。複数のDVP発現カセットをK.lactisゲノムに導入する例示的な方法は、以下のとおりである:インタクトのLAC4プロモーターエレメント、コドン最適化DVP ORFエレメント、及びpLAC4ターミネーターエレメントを含む、DVP発現カセットDNA配列を合成する;インタクトの発現カセットを、pLB10V5のpLAC4ターミネーターの下流にある、pLB103bベクターのSal IとKpn I制限部位との間にライゲーションして、二重導入遺伝子DVP発現ベクター、pKS022を得る;次いで、二重導入遺伝子ベクター、pKS022を、Sac II制限エンドヌクレアーゼを使用して線状化し、エレクトロポレーションによって、K.lactisのYCT306株に形質転換する。次いで、得られた酵母コロニーを、5mMのアセトアミドを補充したYCB寒天プレート上で増殖させる(アセトアミダーゼ発現細胞のみが、アセトアミドを窒素の代謝源として効率的に使用することができる)。酵母コロニーを評価するために、pKS022酵母プレートから、約100~400個のコロニーを採取してもよい。コロニーからの接種物を、炭素源として2%の糖アルコールを添加した2.2mLのK.lactis規定培地で各々培養する。培養物を、23.5℃で、280rpmで振盪しながら、6日間インキュベートし、この時点で、培養物中の細胞密度は、600nmでの光吸光度(OD600)によって示されるように、最大レベルに達する。次いで、細胞を、4,000rpmで10分間遠心分離することによって培養物から除去し、得られた上清(条件培地)を、HPLC収量分析用に、0.2μM膜を通して濾過する。
【0467】
発現カセット
DVP又はDVP-殺虫タンパク質をコードするように動作可能な異種ポリヌクレオチドに加えて、調節エレメントとして知られる追加のDNAセグメントを、異種ポリヌクレオチドの発現の増強を可能にするベクターにクローニングし得る。かかる調節エレメントの例としては、(1)プロモーター、ターミネーター、及び/若しくはエンハンサーエレメント、(2)適切なmRNA安定化ポリアデニル化シグナル、(3)内部リボソーム侵入部位(IRES)、(4)イントロン、並びに/又は(5)転写後調節エレメントが挙げられる。
【0468】
上述したように、目的のDNAセグメント(例えば、DVP又はDVP-殺虫タンパク質をコードするように動作可能な異種ポリヌクレオチド)と、前述のシス作用エレメントのうちのいずれか1つとの組み合わせは、「発現カセット」と呼ばれる。
【0469】
したがって、一部の実施形態では、調節エレメントとして知られるこれらの追加のDNAセグメントは、DVP又はDVP-殺虫タンパク質をコードするように動作可能な異種ポリヌクレオチドに関して、動作可能に、任意の方向で連結され得る。
【0470】
例えば、一部の実施形態では、ベクターは、発現カセットを含み得、発現カセットは、1つ以上の(1)プロモーター、ターミネーター、及び/又はエンハンサーエレメント、(2)適切なmRNA安定化ポリアデニル化シグナル、(3)内部リボソーム侵入部位(IRES)、(4)イントロン、並びに(5)転写後調節エレメントを含み、これは、DVP又はDVP-殺虫タンパク質をコードするように動作可能な異種ポリヌク質の発現の増強を可能にする。
【0471】
一部の実施形態では、ベクターは、DVP又はDVP-殺虫タンパク質をコードするように動作可能な複数の異種ポリヌクレオチドを含み得、DVP又はDVP-殺虫タンパク質をコードするように動作可能な個々の異種ポリヌクレオチドの各々は、1つ以上の(1)プロモーター、ターミネーター、及び/又はエンハンサーエレメント、(2)適切なmRNA安定化ポリアデニル化シグナル、(3)内部リボソーム侵入部位(IRES)、(4)イントロン、並びに(5)転写後調節エレメントを含む独自の発現カセットを有し、それぞれ、DVP又はDVP-殺虫タンパク質をコードするように動作可能な異種ポリヌクレオチドの各々の発現の増強を可能にする。
【0472】
一部の実施形態では、異種ポリヌクレオチドは、1つ以上の発現カセットを含み得る。
【0473】
一部の実施形態では、ベクターは、1つ以上の発現カセットを含み得る。
【0474】
クローニング戦略
適切なポリヌクレオチドのベクターへの挿入は、様々な手順によって行われ得る。
【0475】
概して、DNA配列は、適切な制限エンドヌクレアーゼでの挿入物及びベクターの消化後に、ベクターの所望の位置にライゲーションされる。代替的に、挿入物及びベクターの両方の平滑端部をライゲーションし得る。様々なクローニング技術が、Ausubel et al.Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons,Inc.1997及びSambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual 2nd Ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989)(それらの開示は、その全体が参照により本明細書に援用される)において開示されている。かかる手順及び他は、当業者の範囲内であるとみなされる。
【0476】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質をコードするように動作可能な異種ポリヌクレオチドを、当業者が容易に入手することができる他の市販のプラスミド及び/又はベクターに挿入することができ、例えば、プラスミドは、Addgene(非営利プラスミドレポジトリ)、GenScript(登録商標)、Takara(登録商標)、Qiagen(登録商標)、及びPromega(商標)から入手可能である。
【0477】
一部の実施形態では、ベクターは、例えば、プラスミド、ウイルス粒子、又はファージの形態であり得る。他の実施形態では、ベクターは、染色体、非染色体、及び合成DNA配列、SV40の誘導体、細菌プラスミド、ファージDNA、バキュロウイルス、酵母プラスミド、プラスミド及びファージDNAの組み合わせに由来するベクター、ワクシニア、アデノウイルス、鶏痘ウイルス、及び仮性狂犬病などのウイルスDNAを含み得る。
【0478】
一部の実施形態では、脊椎動物細胞などの真核細胞と適合するベクターが使用され得る。真核細胞ベクターは、当該技術分野で周知であり、商業的供給源から入手可能である。企図されるベクターは、(細菌内でのベクターの増殖を促進するために)原核配列と、非細菌細胞内で機能的である1つ以上の真核転写単位の両方を含有し得る。典型的には、かかるベクターは、所望の組換えDNA分子の挿入のための便利な制限部位を提供する。pcDNAI、pSV2、pSVK、pMSG、pSVL、pPVV-1/PML2d、及びpTDT1(ATCC番号31255)由来のベクターは、非ヒト細胞のトランスフェクションに好適な哺乳類ベクターの例である。一部の実施形態では、前述のベクターのいくつかは、原核細胞及び真核細胞の両方における複製及び薬剤耐性選択を容易にするために、pBR322などの細菌プラスミドからの配列で修飾され得る。代替的に、ウシパピローマウイルス(BPV-1)、又はエプスタインバーウイルス(pHEBo、pREP由来及びp205)などのウイルスの誘導体を、ブタ細胞におけるタンパク質の発現に使用し得る。プラスミドの調製及び宿主細胞の形質転換に用いられる様々な方法は、当該技術分野で周知である。
【0479】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質をコードするように動作可能な異種ポリヌクレオチドに加えて、ベクターは、膜又は分泌を標的にするためのシグナル配列又はリーダー配列、並びにプロモーター、オペレーター、開始コドン、終止コドン、ポリアデニル化シグナル、及び/又はエンハンサーなどの発現調節エレメントを含み得、その目的に応じて様々な形態で構築され得る。開始コドン及び終止コドンは、概して、標的タンパク質をコードするヌクレオチド配列の一部であると考えられ、遺伝子構築物が投与された対象において機能的である必要があり、コード配列とインフレームである必要がある。
【0480】
一部の実施形態では、ベクターのプロモーターは、構成的又は誘導性であり得る。加えて、発現ベクターには、ベクターを含有する宿主細胞の選択を可能にする選択可能マーカーを含み得、複製可能な発現ベクターには、複製起点を含み得る。ベクターは、自己複製可能であってもよく、又は宿主DNAに組み込まれてもよい。
【0481】
転写活性遺伝子が標的とされる場合には、構築物の設計が、内因性プロモーターによって指示されるように転写されるマーカーをもたらす場合、プロモーターの使用は必要とされない場合がある。かかる標的化された修飾を実施するための例示的な構築物及びベクターが本明細書に記載される。しかしながら、かかるアプローチで使用され得る他のベクターは、当該技術分野で既知であり、本発明での使用に容易に適合され得る。
【0482】
一部の実施形態では、標的化ベクターを使用し得る。塩基性標的化ベクターは、部位特異的組み込み(SSI)配列、例えば、標的化されている内因性DNAセグメントに相同である配列の5’及び3’ホモロジーアームを含む。
【0483】
一部の実施形態では、標的化ベクターは、1つ以上の陽性及び/又は陰性選択マーカーを任意選択で含み得る。一部の実施形態では、選択マーカーを使用して、遺伝子機能を破壊し、及び/又は形質転換後に統合された標的化ベクターヌクレオチド配列を有する細胞を同定することができる。
【0484】
一部の実施形態では、標的化ベクターの使用は、内因性遺伝子と区別可能な制限パターンを作製するために、1つ以上の変異を含む異種ポリヌクレオチドを利用し得る(導入遺伝子及び内因性遺伝子が類似している場合)。
【0485】
ホモロジーアーム
当業者であれば、標的化された遺伝子修飾には、ベクターのゲノムへの組み込みが促進され得るように、標的化された遺伝子との相同性領域(又はその隣接領域)を含む核酸分子ベクターの使用が必要であることを認識するであろう。したがって、標的化ベクターは、概して、以下の3つの主要領域を含有するように設計される:(1)標的化される遺伝子座に相同である第1の領域、(2)標的遺伝子座に挿入され、及び/又は標的化された遺伝子座の一部分を特異的に置き換える異種ポリヌクレオチド配列(例えば、目的のタンパク質をコードするように動作可能なポリヌクレオチドを含み、及び/又は抗生物質耐性タンパク質などの選択マーカーをコードする)である第2の領域、並びに(3)第1の領域と同様に、標的化された遺伝子座に相同であるが、典型的にはゲノムの第1の領域と隣接していない第3の領域。
【0486】
標的化ベクターと標的化された内因性又は野生型遺伝子座との間の相同組換えは、標的化ベクターに表される相同性の2つの領域間の任意の遺伝子座配列の欠失、並びにその配列の、例えば、目的のポリヌクレオチド及び任意選択で1つ以上の追加の調節エレメントをコードする異種配列での置換、又はその配列への挿入をもたらす。
【0487】
相同組換えを容易にするために、標的化ベクターの第1及び第3の領域(上記を参照)は、標的化される遺伝子(又は隣接領域)に対して実質的な同一性を示す配列を含む。「実質的に同一」とは、別の配列のものと少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、更により好ましくは少なくとも98%、更により好ましくは100%同一である配列を有することを意味する。配列同一性は、典型的には、BLAST(登録商標)(基本局所アライメント検索ツール)又はBLAST(登録商標)2を使用して、そこで指定された既定パラメータで測定される(Altschul et al.,J.Mol.Biol.215:403-410,1990、Tatiana et al.,FEMS Microbiol.Lett.174:247-250,1999を参照されたい)。これらのソフトウェアプログラムは、様々な置換、欠失、及び他の修正に相同性の程度を割り当てることによって、類似の配列を一致させる。したがって、標的化された遺伝子座と少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、更により好ましくは少なくとも98%、更により好ましくは100%配列同一性を有する配列を本発明で使用して、相同組換えを容易にし得る。
【0488】
相同性の2つの領域(すなわち、上記の第1及び第3の領域)の合計サイズは、例えば、約1~25キロベース(kb)(例えば、約2~20kb、約5~15kb、又は約6~10kb)であり得、標的化された遺伝子座の一部分を置き換える第2の領域のサイズは、例えば、約0.5~5kb(例えば、約1~4kb、約1~3kb、約1~2kb、又は約3~4kb)であり得る。
【0489】
一部の実施形態では、標的化ベクターは、概して、選択マーカー及び部位特異的組み込み(SSI)配列を含み得る。SSI配列は、目的の導入遺伝子、例えば、DVP又はDVP-殺虫タンパク質をコードするように動作可能な異種ポリヌクレオチドを含み得、これは、「5’及び3’ホモロジーアーム」又は「5’及び3’アーム」又は「左及び右アーム」又は「ホモロジーアーム」と呼ばれる2つのゲノムDNA断片に隣接する。これらのホモロジーアームは、宿主生物の染色体遺伝子座の成功裏の遺伝子修飾を達成するために、宿主生物における標的ゲノム配列及び/又は目的の内因性遺伝子と組換える。
【0490】
標的化ベクターのホモロジーアームを設計する場合、5’及び3’アームの両方は、効率的な配列のインビボ対合、及びクロスオーバー形成を生じさせるために、標的化される内因性配列との十分な配列相同性を有する必要がある。ホモロジーアームの長さは可変であるが、両アームの合計で少なくとも5~8kbをカバーする相同性(短いアームの長さは1kb以上)は、組換えを成功させるために従うことができる一般的なガイドラインである。
【0491】
一部の実施形態では、5’及び/又は3’ホモロジーアームは、変化し得る。例えば、一部の実施形態では、異なる遺伝子座は、5’及び/又は3’ホモロジーアーム、例えば、本明細書に記載のホモロジーアームの上流及び/又は下流のいずれかによって標的化され、異なる位置で目的の配列を交換し得る。
【0492】
ベクター設計及びインビボ相同組換えの更なる例示的な方法は、「Positive-negative selection methods and vectors」と題された米国特許第5,464,764号(1993年2月4日出願、譲受人University of Utah Research Foundation、Salt Lake City,UT)、「Protein production and protein delivery」と題された米国特許第5,733,761号(1995年5月26日出願、譲受人Transkaryotic Therapies,Inc.、Cambridge,MA)、「Gene targeting in animal cells using isogenic DNA constructs」と題された米国特許第5,789,215号(1997年8月7日出願、譲受人GenPharm International、San Jose,CA)、「Efficient construction of gene targeting vectors」と題された米国特許第6,090,554号(1997年10月31日出願、譲受人Amgen,Inc.、Thousand Oaks,CA)、「Procedure for specific replacement of a copy of a gene present in the recipient genome by the integration of a gene different from that where the integration is made」と題された米国特許第6,528,314号(1995年6月6日出願、譲受人Institut,Pasteur)、「Targeted introduction of DNA into primary or secondary cells and their use for gene therapy and protein production」と題された米国特許第6,537,542号(2000年4月14日出願、譲受人Transkaryotic Therapies,Inc.、Cambridge,MA)、「Method of producing functional protein domains」と題された米国特許第8,048,645号(2001年8月1日出願、譲受人Merck Serono SA)、及び「Systems and methods for protein production」と題された米国特許第8,173,394号(2009年4月6日出願、譲受人Wyeth LLC、Madison,NJ)に見出すことができる(それらの開示内容は、参照によりその全体が本明細書に援用される)。
【0493】
選択マーカーに関する例示的な説明及び方法は、Wigler et al.,Cell 11:223(1977)、Szybalska & Szybalski,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 48:202(1992)、Lowy et al.,Cell 22:817(1980)、Wigler et al.,Natl.Acad.Sci.USA 77:357(1980)、O’Hare et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 78:1527(1981)、Mulligan & Berg,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 78:2072(1981)、Wu and Wu,Biotherapy 3:87-95(1991)、Tolstoshev,Ann.Rev.Pharmacol.Toxicol.32:573-596(1993)、Mulligan,Science 260:926-932(1993)、Morgan and Anderson,Ann.Rev.Biochem.62:191-217(1993)、Santerre et al.,Gene 30:147(1984)、Ausubel et al.(eds.),Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons,N Y(1993)、Kriegler,Gene Transfer and Expression,A Laboratory Manual,Stockton Press,N Y(1990);in Chapters 12 and 13、Dracopoli et al.(eds),Current Protocols in Human Genetics,John Wiley & Sons,N Y(1994)、Colberre-Garapin et al.,J.Mol.Biol.150:1(1981)、米国特許第6,548,285号(1997年4月3日出願)、同第6,165,715号(1998年6月22日出願)、及び同第6,110,707号(1997年1月17日出願)(これらの開示は、参照によりそれらの全体が本明細書に援用される)において提供されている。
【0494】
例示的なベクター
一部の実施形態では、本発明は、(a)異種ポリヌクレオチド、又はその相補的ヌクレオチド配列であって、(i)DVP又はDVP-殺虫タンパク質をコードするように動作可能なヌクレオチド配列を含む、異種ポリヌクレオチド、又はその相補的ヌクレオチド配列、(b)5’ホモロジーアーム、及び3’ホモロジーアームを含む、ベクターを含むか、それらから本質的になるか、又はそれらからなり、当該5’ホモロジーアーム及び当該3’ホモロジーアームが、異種ポリヌクレオチドの上流及び下流にそれぞれ位置し、当該ベクターが、異種ポリヌクレオチドの内因性宿主細胞遺伝子座への相同組換え媒介性組み込みを可能にするように動作可能であり、当該相同組換え媒介性組み込みが、内因性宿主細胞DNAセグメントの異種ポリヌクレオチドとの置換をもたらす。
【0495】
一部の実施形態では、異種ポリヌクレオチド、又はその相補的ヌクレオチド配列は、(i)DVP又はDVP-殺虫タンパク質をコードするように動作可能なヌクレオチド配列を、ベクター(例えば、プラスミド)にクローニング又は挿入し得ることを含む。他の実施形態では、異種ポリヌクレオチド、又はその相補的ヌクレオチド配列の成分、すなわち(i)DVP又はDVP-殺虫タンパク質をコードするように動作可能なヌクレオチド配列のうちのいずれかを、クローニング又はベクターに挿入し得る。
【0496】
一部の実施形態では、組換え宿主細胞は、DVP又はDVP-殺虫タンパク質をコードするように動作可能な異種ポリヌクレオチド、又はその相補的ヌクレオチド配列を含むか、本質的にそれからなるか、又はそれからなるベクターで形質転換され、当該異種ポリヌクレオチドは、以下のヌクレオチド配列を含み、動作可能に任意の方向で連結される:(i)DVP又はDVP-殺虫タンパク質をコードするように動作可能な少なくとも1つのヌクレオチド配列。
【0497】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質をコードするように動作可能な異種ポリヌクレオチドは、様々なクローニング戦略、並びに当業者に容易に入手可能な市販のクローニングキット及び材料を使用して、ベクターにクローニングされ得る。
【0498】
例えば、DVP又はDVP-殺虫タンパク質をコードするように動作可能な異種ポリヌクレオチド及び/又はヌクレオチド配列は、SnapFast、Gateway、TOPO、Gibson、LIC、InFusionHD、又はElectra戦略などの戦略を使用してベクターにクローニングされ得る。
【0499】
本発明のベクターを産生するために使用され得る多数の市販のベクターが存在する。例えば、DVP又はDVP-殺虫タンパク質をコードするように動作可能な異種ポリヌクレオチドを、5分間、室温で、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)と、pCR(商標)II-TOPOベクター又はPCR(商標)2.1-TOPO(登録商標)ベクター(InvitrogenからのTOPO(登録商標)TA Cloning(登録商標)キットとして市販されている)を組み合わせて使用して生成することができ、次いで、TOPO(登録商標)反応物を、コンピテント細胞に形質転換することができ、その後、色の変化に基づいて選択することができる(Janke et al.,A versatile toolbox for PCR-based tagging of yeast genes:new fluorescent proteins,more markers and promoter substitution cassettes.Yeast.2004 Aug;21(11):947-62を参照のこと。また、Adams et al.Methods in Yeast Genetics.Cold Spring Harbor,NY,1997も参照されたい。この開示は、参照によりその全体が本明細書に援用される)。
【0500】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質をコードするように動作可能な異種ポリヌクレオチドは、プラスミド、コスミド、ウイルス(バクテリオファージ、動物ウイルス、及び植物ウイルス)、及び/又は人工染色体(例えば、YAC)などのベクターにクローニングされ得る。
【0501】
一部の実施形態では、以下を行うことによって、DVP又はDVP-殺虫タンパク質をコードするように動作可能な異種ポリヌクレオチドを、宿主としてE.coliを使用して、ベクター(例えば、プラスミドベクター)に挿入することができる:目的のDNAセグメントを挿入できるようにするために、必要な制限酵素を使用して、約2~5μgのベクターDNAを消化し、続いて、一晩インキュベーションして完全な消化を達成し(自己ライゲーション/再環化を回避するために、アルカリホスファターゼを使用して、5’末端を脱リン酸化する場合がある)、消化されたベクターを、ゲル精製する。次に、PCRを介して、目的のDNAセグメント、例えば、DVP又はDVP-殺虫タンパク質をコードするように動作可能な異種ポリヌクレオチドを増幅し、当業者に既知の技術を使用して(例えば、PCRクリーンアップキットを使用することによって)、PCR反応物から、任意の過剰の酵素、プライマー、取り込まれていないdNTP、短い失敗したPCR産物、及び/又は塩を除去する。約20ngのベクター、約100~1,000ng又は目的のDNAセグメント、2μLの10×緩衝液(すなわち、30mMのTris-HCl、4mMのMgCl、26μMのNAD、1mMのDTT、50μg/mlのBSA、pH8;25℃で保存)、1μLのT4 DNAリガーゼを含む混合物を作製し、HOを添加して全て総体積を20μLにすることによって、目的のDNAセグメントを、ベクターにライゲーションする。次いで、ライゲーション反応混合物を、室温で2時間、又は16℃で一晩インキュベートすることができる。次いで、ライゲーション反応物(すなわち、約1μL)を、例えば、エレクトロポレーション又は化学的方法を使用することによって、コンピテント細胞に形質転換することができる。次いで、コロニーPCRを実施して、目的のDNAセグメントを含むベクターを特定することができる。
【0502】
一部の実施形態では、他のDNAセグメントとともに、発現ORFを構成する、DVP又はDVP-殺虫タンパク質をコードするように動作可能な異種ポリヌクレオチドは、宿主酵母細胞からの分泌用に設計され得る。発現ORFを設計する例示的な方法は、以下のとおりである:ORFは、シグナルペプチド配列から始まり、続いて、Kex2切断部位(リジン-アルギニン)をコードするDNA配列、続いて、異種ポリヌクレオチド導入遺伝子であり得、5’末端にグリシン-セリンコドン、最後に、3’末端に終止コドンが付加される。次いで、これらの全てのエレメントを、単一のオープンリーディングフレーム(ORF)として、酵母細胞において融合ペプチドに発現させる。α接合因子(αMF)シグナル配列は、組換え酵母の内因性分泌経路を介した組換え殺虫ペプチドの代謝プロセスを促進するために最も頻繁に使用され、すなわち、発現された融合ペプチドは、典型的には、小胞体内に入り、α接合因子シグナル配列が、シグナルペプチダーゼ活性によって除去され、次いで、得られた殺虫プロペプチドが、ゴルジ装置に輸送され、上述のリジン-アルギニンジペプチドが、Kex2エンドプロテアーゼによって完全に除去され、その後、成熟DVP又はDVP-殺虫タンパク質が、細胞から分泌される。
【0503】
一部の実施形態では、組換え細胞におけるポリペプチド発現レベルは、特定の宿主酵母種に基づいてコドンを最適化することによって増強され得る。所与の宿主生物の内因性オープンリーディングフレームで観察される自然に発生するコドンの頻度は、必ずしも高効率発現のために最適化する必要はない。更に、異なる酵母種(例えば、Kluyveromyces lactis、Pichia pastoris、Saccharomyces cerevisiaeなど)は、高効率発現のために異なる最適コドンを有する。したがって、シグナル配列、Kex2切断部位、及び異種ポリペプチドをコードする配列エレメントを含む発現ORFについては、それらが組換え酵母細胞において1つの融合ペプチドとして最初に翻訳されるため、コドン最適化が考慮される必要がある。
【0504】
一部の実施形態では、コドン最適化された発現ORFは、酵母発現用の酵母特異的発現ベクターにライゲーションされ得る。エピソームベクター及び組み込みベクターを含む、酵母発現用に利用可能な多くの発現ベクターがあり、これらは通常、特定の酵母細胞のために設計されている。ペプチド産生に使用される特定の酵母発現システムを考慮して、適切な発現ベクターを慎重に選択する必要がある。一部の実施形態では、組み込みベクターを使用することができ、これは、形質転換された酵母細胞の染色体に組み込まれ、細胞の分裂及び増殖のサイクルを通して安定に維持される。組み込みDNA配列は、形質転換された酵母種における標的化されたゲノムDNA遺伝子座と相同であり、かかる組み込み配列としては、pLAC4、25S rDNA、pAOX1、及びTRP2などが挙げられる。殺虫ペプチド導入遺伝子の位置は、組み込みDNA配列(挿入ベクター)に隣接していてもよく、又は組み込みDNA配列(置換ベクター)内であってもよい。
【0505】
一部の実施形態では、発現ベクターは、E.coliにおけるDNA調製のためのE.coliエレメント(例えば、E.coli複製起点、抗生物質選択マーカーなど)を含み得る。一部の実施形態では、ベクターは、目的の導入遺伝子の発現に必要な一連の配列エレメント(例えば、転写プロモーター、ターミネーター、酵母選択マーカー、宿主酵母DNAに相同な組み込みDNA配列など)を含み得る。天然及び操作されたプロモーター(例えば、pLAC4、pAOX1、pUPP、pADH1、pTEF、pGal1などの酵母プロモーター及びその他)を含む、多くの好適な酵母プロモーターがあり、一部の実施形態で使用することができる。
【0506】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質をコードするように動作可能な異種ポリヌクレオチドを、当業者が容易に入手することができる他の市販のプラスミド及び/又はベクターに挿入することができ、例えば、プラスミドは、Addgene(非営利プラスミドレポジトリ)、GenScript(登録商標)、Takara(登録商標)、Qiagen(登録商標)、及びPromega(商標)から入手可能である。
【0507】
DVP又はDVP-殺虫タンパク質をコードするように動作可能な異種ポリヌクレオチドを含むベクターの調製に続いて、ベクターを酵母細胞に形質転換して、本発明の組換え酵母細胞を産生する。
【0508】
一部の実施形態では、本発明のベクターは、(a)異種ポリヌクレオチド、又はその相補的ヌクレオチド配列であって、(i)DVP又はDVP-殺虫タンパク質をコードするように動作可能な異種ポリヌクレオチドを含む、異種ポリヌクレオチド、又はその相補的ヌクレオチド配列、(b)5’ホモロジーアーム、及び3’ホモロジーアームを含み、当該5’ホモロジーアーム及び当該3’ホモロジーアームが、異種ポリヌクレオチドの上流及び下流にそれぞれ位置し、当該ベクターが、異種ポリヌクレオチドの内因酵母性宿主細胞遺伝子座への相同組換え媒介性組み込みを可能にするように動作可能であり、当該相同組換え媒介性組み込みが、内因性宿主細胞DNAセグメントの異種ポリヌクレオチドとの置換をもたらす。
【0509】
一部の実施形態では、ベクターは、DVPをコードするように動作可能なポリヌクレオチド、又はその相補的配列を含み得る。
【0510】
一部の実施形態では、ベクターは、配列番号6~43、45~51、53、128、130、136、139~140、144、146~147、187~191、202~215、若しくは217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、若しくは100%同一であるアミノ配列を有するDVPをコードするように動作可能なポリヌクレオチド、又はその相補的配列を含み得る。
【0511】
一部の実施形態では、ベクターは、配列番号6~11、15~16、20~22、24~26、29、35、45~48、53、128、136、139~140、144、146~147、187~191、207、210~215、若しくは217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、若しくは100%同一であるアミノ配列を有するDVPをコードするように動作可能なポリヌクレオチド、又はその相補的配列を含み得る。
【0512】
一部の実施形態では、ベクターは、配列番号47、53、136、139~140、144、146~147、187~191、210~215、若しくは217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、若しくは100%同一であるDVPアミノ配列をコードするように動作可能なポリヌクレオチド、又はその相補的配列を含み得る。
【0513】
一部の実施形態では、ベクターは、配列番号213、若しくは217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、若しくは100%同一であるDVPアミノ配列をコードするように動作可能なポリヌクレオチド、又はその相補的配列を含み得る。
【0514】
形質転換及び細胞培養方法
「形質転換」及び「トランスフェクション」という用語は、ともに、宿主生物に外因性及び/又は異種のDNA又はRNAを導入するプロセスを記載する。一般に、当業者は、細菌細胞に外因性及び/若しくは異種のDNA又はRNAを導入するプロセスを記載するために「形質転換」という用語を留保することがあり、真核細胞への外因性及び/若しくは異種のDNA又はRNAの導入を記載するプロセスのために「トランスフェクション」という用語を留保することがある。しかしながら、本明細書で使用される場合、「形質転換」及び「トランスフェクション」という用語は、プロセスが、原核生物(例えば、細菌)又は真核生物(例えば、酵母、植物、若しくは動物)への外因性及び/若しくは異種のDNA又はRNAの導入を記載するかどうかに関係なく、同義的に使用される。
【0515】
一部の実施形態では、宿主細胞を、DVPをコードするように動作可能なポリヌクレオチドで形質転換し得る。
【0516】
一部の実施形態では、DVP発現カセットを含有するベクターを発現プラスミドにクローニングし、宿主細胞に形質転換し得る。一部の実施形態では、酵母細胞は、本明細書に記載されるそれらの酵母細胞のうちのいずれか1つであり得る。
【0517】
一部の実施形態では、宿主細胞は、以下の方法を使用して形質転換され得る:エレクトロポレーション、細胞圧搾、マイクロインジェクション、インペイルフェクション、静水圧の使用、ソノポレーション、光学トランスフェクション、継続注入、リポフェクション、ウイルスの使用による(例えば、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、レンチウイルス、単純ヘルペスウイルス、及びレトロウイルス)、化学ホスフェート法、DEAE-デキストラン又はポリエチレンイミン(PEI)を介したエンドサイトーシス、プロトプラスト融合、流体力学的送達、マグネトフェクション、ヌクレオインフェクション、及び/又はその他の方法。トランスフェクション及び/又は形質転換技術に関する例示的な方法は、Makrides(2003),Gene Transfer and Expression in Mammalian Cells,Elvesier、Wong,TK & Neumann,E.Electric field mediated gene transfer.Biochem.Biophys.Res.Commun.107,584-587(1982)、Potter & Heller,Transfection by Electroporation.Curr Protoc Mol Biol.2003 May;CHAPTER:Unit-9.3、Kim & Eberwine,Mammalian cell transfection:the present and the future.Anal Bioanal Chem.2010 Aug;397(8):3173-3178に見出すことができる(これらの参考文献の各々は、参照によりそれらの全体が本明細書に援用される)。
【0518】
一部の実施形態では、エレクトロポレーションを使用して、1つ以上のDVP発現カセットで細胞を形質転換し得、それは、酵母培養物においてDVPを、培地1リットル当たり、少なくとも70mg/L、少なくとも80mg/L、少なくとも90mg/L、少なくとも100mg/L、少なくとも110mg/L、少なくとも120mg/L、少なくとも130mg/L、少なくとも140mg/L、少なくとも150mg/L、少なくとも160mg/L、少なくとも170mg/L、少なくとも180mg/L、少なくとも190mg/L 200mg/L、少なくとも500mg/L、少なくとも750mg/L、少なくとも1,000mg/L、少なくとも1,250mg/L、少なくとも1,500mg/L、少なくとも1,750mg/L、少なくとも2,000mg/L、少なくとも2,500mg/L、少なくとも3,000mg/L、少なくとも3,500mg/L、少なくとも4,000mg/L、少なくとも4,500mg/L、少なくとも5,000mg/L、少なくとも5,500mg/L、少なくとも少なくとも6,000mg/L、少なくとも6,500mg/L、少なくとも7,000mg/L、少なくとも7,500mg/L、少なくとも8,000mg/L、少なくとも8,500mg/L、少なくとも9,000mg/L、少なくとも9,500mg/L、少なくとも10,000mg/L、少なくとも11,000mg/L、少なくとも12,000mg/L、少なくとも12,500mg/L、少なくとも13,000mg/L、少なくとも14,000mg/L、少なくとも15,000mg/L、少なくとも16,000mg/L、少なくとも17,000mg/L、少なくとも17,500mg/L、少なくとも18,000mg/L、少なくとも19,000mg/L、少なくとも20,000mg/L、少なくとも25,000mg/L、少なくとも30,000mg/L、少なくとも40,000mg/L、少なくとも50,000mg/L、少なくとも60,000mg/L、少なくとも70,000mg/L、少なくとも80,000mg/L、少なくとも90,000mg/L、又は少なくとも100,000mg/LのDVPの収量で産生し得る。
【0519】
エレクトロポレーションは、細胞に電気を印加し、細胞膜を透過性にして、その結果、細胞に外因性DNAを導入することが可能になる技術である。エレクトロポレーションは、当業者に容易に知られており、エレクトロポレーションを達成するために必要なツール及びデバイスが市販されている(例えば、Gene Pulser Xcell(商標)エレクトロポレーションシステム、Bio-Rad(登録商標)、Neon(登録商標)エレクトロポレーション用トランスフェクションシステム、Thermo-Fisher Scientific、及び他のツール及び/又はデバイス)。エレクトロポレーションの例示的な方法は、Potter & Heller,Transfection by Electroporation.Curr Protoc Mol Biol.2003 May;CHAPTER:Unit-9.3、Saito(2015)Electroporation Methods in Neuroscience.Springer press、Pakhomov et al.,(2017)Advanced Electroporation Techniques in Biology and Medicine.Taylor & Francisに示されている(これらの開示は、参照によりその全体が本明細書に援用される)。
【0520】
一部の実施形態では、エレクトロポレーションを使用して、DVPをコードするポリヌクレオチドを含有するベクターを酵母に導入し得、例えば、一部の実施形態では、プラスミドにクローニングされ、エレクトロポレーションを介して酵母細胞に形質転換されたDVP発現カセット。
【0521】
一部の実施形態では、プラスミドにクローニングされ、エレクトロポレーションを介して酵母細胞に形質転換されたDVP発現カセットは、以下を行うことによって達成され得る。約10~200mLの酵母抽出物ペプトンデキストロース(YEPD)に好適な酵母種、例えば、Kluyveromyces lactis、Kluyveromyces marxianus、Saccharomyces cerevisiae、Pichia pastorisなどを接種し、30℃のシェーカー上で、酵母培養の初期の対数増殖期(例えば、約0.6~2×10細胞/mL)までインキュベーションする;酵母を、滅菌遠心チューブに回収し、4℃で、3000rpmで5分間遠心分離し(注記:手順中に細胞を冷したままにする)、細胞を、40mLの氷冷滅菌脱イオン水で洗浄し、細胞を、23,000rpmで5分間ペレット化する;洗浄ステップを繰り返し、細胞を、20mLの1Mの発酵性糖(例えば、ガラクトース、マルトース、ラトトリオース(latotriose)、スクロース、フルクトース、若しくはグルコース)及び/又は糖アルコール(例えば、エリスリトール、水素化デンプン加水分解物、イソマルト、ラクチトール、マルチトール、マンニトール、及びキシリトール)に再懸濁し、続いて、3,000rpmで5分間スピンダウンする;細胞を、適量の氷冷1Mの発酵性糖(例えば、ガラクトース、マルトース、ラトトリオース、スクロース、フルクトース、若しくはグルコース)及び/又は糖アルコール(例えば、エリスリトール、水素化デンプン加水分解物、イソマルト、ラクチトール、マルチトール、マンニトール、及びキシリトール)で再懸濁して、最終細胞密度を3×10細胞/mLにする(1.5×10細胞/mL~6×10細胞/mLが許容可能な細胞密度);40μlの酵母懸濁液を、予冷した0.2cmのエレクトロポレーションキュベット(注記:試料がアルミニウムキュベットの両側に接触していることを確認する)中にDVPをコードする線状ポリヌクレオチド(約1μg)を含む約1~4μl(100~300ng/μlの濃度)のベクターと混合する;RC回路の最適な時定数(5ms)で、2000Vの単一のパルスを提供し、次いで、細胞を、0.5mLのYED及び0.5mLの1Mの発酵性糖(例えば、ガラクトース、マルトース、ラトトリオース、スクロース、フルクトース、若しくはグルコース)及び/又は糖アルコール(例えば、エリスリトール、水素化デンプン加水分解物、イソマルト、ラクチトール、マルチトール、マンニトール、及びキシリトール)混合液中で回復させ、次いで、選択プレート上に広げる。
【0522】
一部の実施形態では、エレクトロポレーションを使用して、DVPをコードするポリヌクレオチドを含むベクターを酵母に導入することができ、例えば、プラスミドにクローニングされ、エレクトロポレーションを介してK.lactis細胞に形質転換されたDVPは、以下を行うことによって達成され得る。約10~200mLの酵母抽出物ペプトンデキストロース(YEPD)を接種し、30℃のシェーカー上で、酵母培養の初期の対数増殖期(例えば、約0.6~2×10細胞/mL)までインキュベーションする;酵母を、滅菌遠心チューブに回収し、4℃で、3000rpmで5分間遠心分離し(注記:手順中に細胞を冷したままにする)、細胞を、40mLの氷冷滅菌脱イオン水で洗浄し、細胞を、23,000rpmで5分間ペレット化する;洗浄ステップを繰り返し、細胞を、20mLの1Mの発酵性糖(例えば、ガラクトース、マルトース、ラトトリオース(latotriose)、スクロース、フルクトース、若しくはグルコース)及び/又は糖アルコール(例えば、エリスリトール、水素化デンプン加水分解物、イソマルト、ラクチトール、マルチトール、マンニトール、及びキシリトール)に再懸濁し、続いて、3,000rpmで5分間スピンダウンする;細胞を、適量の氷冷1Mの発酵性糖(例えば、ガラクトース、マルトース、ラトトリオース、スクロース、フルクトース、若しくはグルコース)及び/又は糖アルコール(例えば、エリスリトール、水素化デンプン加水分解物、イソマルト、ラクチトール、マルチトール、マンニトール、及びキシリトール)で再懸濁して、最終細胞密度を3×10細胞/mLにする;40μlの酵母懸濁液を、予冷した0.2cmのエレクトロポレーションキュベット(注記:試料がアルミニウムキュベットの両側に接触していることを確認する)中にDVPをコードする線状ポリヌクレオチド(約1μg)を含む約1~4μlのベクターと混合する;RC回路の最適な時定数(5ms)で、2000Vの単一のパルスを提供し、次いで、細胞を、0.5mLのYED及び0.5mLの1Mの発酵性糖(例えば、ガラクトース、マルトース、ラトトリオース、スクロース、フルクトース、若しくはグルコース)及び/又は糖アルコール(例えば、エリスリトール、水素化デンプン加水分解物、イソマルト、ラクチトール、マルチトール、マンニトール、及びキシリトール)混合液中で回復させ、次いで、選択プレート上に広げる。
【0523】
一部の実施形態では、本明細書に記載の例示される方法、すなわち、酵母を利用する本発明のベクター、並びに方法形質転換及び発酵の使用は、培地1リットル当たり、少なくとも70mg/L、少なくとも80mg/L、少なくとも90mg/L、少なくとも100mg/L、少なくとも110mg/L、少なくとも120mg/L、少なくとも130mg/L、少なくとも140mg/L、少なくとも150mg/L、少なくとも160mg/L、少なくとも170mg/L、少なくとも180mg/L、少なくとも190mg/L 200mg/L、少なくとも500mg/L、少なくとも750mg/L、少なくとも1,000mg/L、少なくとも1,250mg/L、少なくとも1,500mg/L、少なくとも1,750mg/L、少なくとも2,000mg/L、少なくとも2,500mg/L、少なくとも3,000mg/L、少なくとも3,500mg/L、少なくとも4,000mg/L、少なくとも4,500mg/L、少なくとも5,000mg/L、少なくとも5,500mg/L、少なくとも少なくとも6,000mg/L、少なくとも6,500mg/L、少なくとも7,000mg/L、少なくとも7,500mg/L、少なくとも8,000mg/L、少なくとも8,500mg/L、少なくとも9,000mg/L、少なくとも9,500mg/L、少なくとも10,000mg/L、少なくとも11,000mg/L、少なくとも12,000mg/L、少なくとも12,500mg/L、少なくとも13,000mg/L、少なくとも14,000mg/L、少なくとも15,000mg/L、少なくとも16,000mg/L、少なくとも17,000mg/L、少なくとも17,500mg/L、少なくとも18,000mg/L、少なくとも19,000mg/L、少なくとも20,000mg/L、少なくとも25,000mg/L、少なくとも30,000mg/L、少なくとも40,000mg/L、少なくとも50,000mg/L、少なくとも60,000mg/L、少なくとも70,000mg/L、少なくとも80,000mg/L、少なくとも90,000mg/L、又は少なくとも100,000mg/LのDVPの量でのDVPの産生をもたらし得る。
【0524】
一部の実施形態では、エレクトロポレーションを使用して、DVPをコードするポリヌクレオチドを含むベクターを、以下によって植物プロトプラストに導入することができる:植物プロトプラスト溶液(例えば、約8mLの10mMの2-[N-モルホリノ]エタンスルホン酸(MES)(pH5.5)、0.01%(w/v)のペクチラーゼ、1%(w/v)のマセロザイム、40mMのCaCl、及び0.4Mのマンニトール)中の滅菌植物材料をインキュベートし、混合物を、ロータリーシェーカーに約3~6時間、30℃で添加して、プロトプラストを生成する;80μmメッシュのナイロンスクリーン濾過によりデブリを除去する;約4mlの植物エレクトロポレーション緩衝液(例えば、5mMのCaCl、0.4Mのマンニトール、及びPBS)でスクリーンをリンスする;滅菌15mLコニカル遠心チューブ中でプロトプラストを合わせ、次いで、約300×gで約5分間遠心分離する;遠心分離後、上清を廃棄し、5mLの植物エレクトロポレーション緩衝液で洗浄する;プロトプラストを、植物エレクトロポレーション緩衝液中に、1mLの液体当たり約1.5×10~2×10mLのプロトプラストで再懸濁さする;約0.5mLのプロトプラスト懸濁液を、1つ以上のエレクトロポレーションキューブに移し、氷上にセットし、ベクターを添加する(注記:安定した形質転換のために、ベクターは、上記の制限方法のいずれかを使用して線状化され、約1~10μgのベクターが使用される;一過性発現の場合、ベクターは、そのスーパーコイル状態で保持されてもよく、約10~40μgのベクターが使用され得る);ベクターとプロトプラスト懸濁液を混合する;キュベットをエレクトロポレーション装置に配置し、約1~2kVで1回以上電撃を与える(最初に、反応を最適化しながら、3~25μFの容量を使用してもよい);キュベットを氷に戻し、形質転換された細胞を、完全培地中に20倍希釈する;約48時間後、プロトプラストを回収する。
【0525】
異種ポリヌクレオチド組み込み分析
DVP又はDVP-殺虫タンパク質をコードするように動作可能な異種ポリヌクレオチドの組み込みは、当該技術分野で既知の方法によって分析され得る。例えば、一部の実施形態では、定量的PCR(qPCR)及びパラログ比試験(PRT)を使用して、異種ポリヌクレオチドが組み込まれているかどうかを決定し得る。一部の実施形態では、qPCRを使用して、組換え宿主細胞への、DVP又はDVP-殺虫タンパク質をコードするように動作可能な異種ポリヌクレオチドの組み込みを確認する。
【0526】
定量的PCR(qPCR)は、リアルタイムPCRによる遺伝子発現の分析及びコピー数変動の定量化のために利用されてきた。qPCRは、未知のコピー数を有する試験遺伝子座及び既知のコピー数を有する参照遺伝子座の増幅を伴う。アッセイには、蛍光色素及び挿入色素の2つのアプローチがある。いずれのアプローチにおいても、蛍光は、PCRの各サイクルで倍増し、開始鋳型の量は、蛍光の特定の閾値レベルを達成するために必要なサイクルの数から決定され得る。実際のqPCR実験は、試料調製後半日かかる。qPCRデータ解析に一般的に用いられる方法は、PCRシグナルを標準曲線に関連付けることによる絶対定量化と、ある群における標的転写物のPCRシグナルを別の群に関連付ける相対定量化である。
【0527】
DNAコピー数を測定するために、アンプリコンは、その遺伝子に固有の配列を有するエキソン又はイントロン内のいずれかに配置される必要がある。2つのコピーを有する対照遺伝子も含める必要がある。全ての成分を含むマスターミックスを調製し、96又は384ウェルプレート分配する。各反応に鋳型及び/又はプライマーを添加する。アッセイは、qPCR機上で実施され、データは、リアルタイムで収集される。
【0528】
DVPの化学的合成
ペプチド合成又は化学合成又はペプチド及び/又はポリペプチドを使用して、DVPを生成し得る。これらの方法は、当業者によって、及び/又は商業ベンダー(例えば、GenScript(登録商標)、Piscataway,New Jersey)の使用を通して実施され得る。例えば、一部の実施形態では、化学的ペプチド合成は、液相ペプチド合成(LPPS)、又は固相ペプチド合成(SPPS)を使用して達成され得る。
【0529】
一部の実施形態では、ペプチド合成は、後続アミノ酸のカルボキシル基を先行アミノ酸のN末端にカップリングすることで、新生ポリペプチド鎖が生成される戦略(自然界で見られるポリペプチド合成の種類とは反対のプロセス)を使用することによって、一般に達成され得る。
【0530】
ペプチドの脱保護は、ポリペプチドの化学合成における重要な最初のステップである。ペプチドの脱保護は、アミノ酸の官能基が望ましくない若しくは非特異的な反応又は副反応に関与するのを防ぐために、化学物質を使用することによって当該アミノ酸の反応性基をブロックするプロセスであり、言い換えれば、アミノ酸が、これらの望ましくない反応に関与することから「保護される」。
【0531】
ペプチド鎖を合成する前に、アミノ酸を「脱保護」して、鎖が形成される(すなわち、アミノ酸が結合する)ことを可能にしなければならない。N末端を保護するために使用される化学物質としては、9-フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)、及びtert-ブトキシカルボニル(Boc)が挙げられ、それらの各々は、それぞれ、穏和な塩基(例えば、ピペリジン)及び適度に強い酸(例えば、トリフルオロ酢酸(TFA))の使用を介して除去することができる。
【0532】
必要なC末端保護剤は、使用される化学ペプチド合成戦略の種類に依存する。例えば、LPPSは、C末端アミノ酸の保護を必要とするが、SPPSは、保護基として作用する固体支持体を必要としない。側鎖アミノ酸は、個々のペプチド配列及びN末端保護戦略に基づいて変化するいくつかの異なる保護基の使用を必要とする。しかしながら、典型的には、側鎖アミノ酸に使用される保護基は、tert-ブチル(tBu)又はベンジル(Bzl)保護基に基づく。
【0533】
ペプチド合成手順の次のステップは、アミノ酸のカップリングである。アミノ酸のカップリングを実現するには、入ってくるアミノ酸のC末端カルボン酸を活性化しなければならない。これは、入ってくるアミノ酸のカルボキシル基と反応してO-アシルイソ尿素中間体を形成する、ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)又はジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)などのカルボジイミドを使用して達成することができる。その後、O-アシルイソ尿素中間体は、伸長するペプチド鎖のN末端上の一級アミノ基を介する求核攻撃によって置換される。カルボジイミドによって生成された反応性中間体は、アミノ酸のラセミ化をもたらすことができる。アミノ酸のラセミ化を回避するために、O-アシルイソ尿素中間体と反応するために、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)などの試薬を添加する。使用され得る他のカップル剤としては、追加の活性化塩基を有する2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)、及びベンゾトリアゾール-1-イル-オキシ-トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP)が挙げられる。最後に、アミノ酸の脱保護及びカップリングがそれに続く。
【0534】
合成プロセスの終了時に、ポリペプチドからの保護基の除去(通常、酸分解を介して起こるプロセス)が行われなければならない。どの試薬がペプチド切断に必要なのかを決定することは、使用する保護スキームと全体的な合成方法との関係による。例えば、一部の実施形態では、臭化水素(HBr)、フッ化水素(HF)、又はトリフルオロメタンスルホン酸(TFMSA)を使用して、Bzl基及びBoc基を切断することができる。代替的に、他の実施形態では、TFAなどのそれほど強くない酸により、tBut基及びFmoc基の酸分解がもたらされ得る。最後に、ペプチドは、ペプチドの生理化学的特徴(例えば、電荷、サイズ、疎水性など)に基づいて精製することができる。ペプチドを精製するために使用することができる技術としては、逆相クロマトグラフィー(RPC)、サイズ排除クロマトグラフィー、分配クロマトグラフィー、高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)、及びイオン交換クロマトグラフィー(IEC)を含む精製技術が挙げられる。
【0535】
ペプチド合成の例示的な方法は、Anderson G.W.and McGregor A.C.(1957)T-butyloxycarbonylamino acids and their use in peptide synthesis.Journal of the American Chemical Society.79,6180-3、Carpino L.A.(1957)Oxidative reactions of hydrazines.Iv.Elimination of nitrogen from 1,1-disubstituted-2-arenesulfonhydrazides1-4.Journal of the American Chemical Society.79,4427-31、McKay F.C.and Albertson N.F.(1957)New amine-masking groups for peptide synthesis.Journal of the American Chemical Society.79,4686-90、Merrifield R.B.(1963)Solid phase peptide synthesis.I.The synthesis of a tetrapeptide.Journal of the American Chemical Society.85,2149-54、Carpino L.A.and Han G.Y.(1972)9-fluorenylmethoxycarbonyl amino-protecting group.The Journal of Organic Chemistry.37,3404-9、及びA Lloyd-Williams P.et al.(1997)Chemical approaches to the synthesis of peptides and proteins.Boca Raton:CRC Press.278、米国特許第3,714,140号(1971年3月16日出願)、同第4,411,994号(1978年6月8日出願)、同第7,785,832号(2006年1月20日出願)、同第8,314,208号(2006年2月10日出願)、及び同第10,442,834号(2015年10月2日出願)、並びに米国特許出願第2005/0165215号(2004年12月23日出願)に見出すことができる(それらの開示は、それらの全体が参照により本明細書に援用される)。
【0536】
細胞培養及び発酵技術
細胞培養技術は、当該技術分野で周知である。一部の実施形態では、培養方法及び/又は材料は、選択された宿主細胞に基づいて適応を必要とするであろう(例えば、pH、温度、培地含有量などを修正する)。一部の実施形態では、培地培養物は、唯一の炭素源(例えば、ソルビトール)を含有する。一部の実施形態では、本発明の組換え酵母細胞を産生するために、任意の既知の培養技術を用いてもよい。
【0537】
例示的な培養方法は、米国特許第3,933,590号、同第3,946,780号、同第4,988,623号、同第5,153,131号、同第5,153,133号、同第5,155,034号、同第5,316,905号、同第5,330,908号、同第6,159,724号、同第7,419,801号、同第9,320,816号、同第9,714,408号、及び同第10,563,169号に提供されている(それらの開示は、参照によりそれらの全体が本明細書に援用される)。
【0538】
宿主細胞
本発明の方法、組成物、DVP及びDVP-殺虫タンパク質は、任意の細胞型、例えば、真核細胞又は原核細胞において実施され得る。
【0539】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質を産生するために使用される宿主細胞は、原核生物である。例えば、一部の実施形態では、宿主細胞は、グラム陰性又はグラム陽性生物などの古細菌又は真正細菌であり得る。有用な細菌の例としては、大腸菌属(例えば、E.coli)、バチルス属(例えば、B.subtilis)、腸内細菌、シュードモナス属種(例えば、P.aeruginosa)、Salmonella typhimurium、Serratia marcescans、クレブシエラ属、プロテウス属、シゲラ属、根粒菌属、ビトレオシラ属、又はパラコッカス属が挙げられる。
【0540】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質を産生するために使用される宿主細胞は、単細胞性の細胞であり得る。例えば、一部の実施形態では、宿主細胞は、グラム陽性細菌などの細菌細胞であり得る。
【0541】
一部の実施形態では、宿主細胞は、以下からなる属から選択される細菌であり得る:Candidatus Chloracidobacterium、Arthrobacter、Corynebacterium、Frankia、Micrococcus、Mycobacterium、Propionibacterium、Streptomyces、Aquifex Bacteroides、Porphyromonas、Bacteroides、Porphyromonas、Flavobacterium、Chlamydia、Prosthecobacter、Verrucomicrobium、Chloroflexus、Chroococcus、Merismopedia、Synechococcus、Anabaena、Nostoc、Spirulina、Trichodesmium、Pleurocapsa、Prochlorococcus、Prochloron、Bacillus、Listeria、Staphylococcus、Clostridium、Dehalobacter、Epulopiscium、Ruminococcus、Enterococcus、Lactobacillus、Streptococcus、Erysipelothrix、Mycoplasma、Leptospirillum、Nitrospira、Thermodesulfobacterium、Gemmata、Pirellula、Planctomyces、Caulobacter、Agrobacterium、Bradyrhizobium、Brucella、Methylobacterium、Prosthecomicrobium、Rhizobium、Rhodopseudomonas、Sinorhizobium、Rhodobacter、Roseobacter、Acetobacter、Rhodospirillum、Rickettsia、Rickettsia conorii、Mitochondria、Wolbachia、Erythrobacter、Erythromicrobium、Sphingomonas、Alcaligenes、Burkholderia、Leptothrix、Sphaerotilus、Thiobacillus、Neisseria、Nitrosomonas、Gallionella、Spirillum、Azoarcus、Aeromonas、Succinomonas、Succinivibrio、Ruminobacter、Nitrosococcus、Thiocapsa、Enterobacter、Escherichia、Klebsiella、Salmonella、Shigella、Wigglesworthia、Yersinia、Coxiella、Legionella、Halomonas、Pasteurella、Acinetobacter、Azotobacter、Pseudomonas、Psychrobacter、Beggiatoa、Thiomargarita、Vibrio、Xanthomonas、Bdellovibrio、Campylobacter、Helicobacter、Myxococcus、Desulfosarcina、Geobacter、Desulfuromonas、Borrelia、Leptospira、Treponema、Petrotoga、Thermotoga、Deinococcus、又はThermus。
【0542】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質を産生するために使用される宿主細胞は、以下の細菌種のうちの1つから選択され得る:Bacillus alkalophilus、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus brevis、Bacillus circulans、Bacillus coagulans、Bacillus lautus、Bacillus lentus、Bacillus licheniformis、Bacillus megaterium、Bacillus stearothermophilus、Bacillus subtilis、Bacillus thuringiensis、Streptomyces lividans、Streptomyces murinus、Streptomyces coelicolor、Streptomyces albicans、Streptomyces griseus、Streptomyces plicatosporus、Escherichia albertii、Escherichia blattae、Escherichia coli、Escherichia fergusonii、Escherichia hermannii、Escherichia senegalensis、Escherichia vulneris、Pseudomonas abietaniphila、Pseudomonas agarici、Pseudomonas agarolyticus、Pseudomonas alcaliphila、Pseudomonas alginovora、Pseudomonas andersonii、Pseudomonas antarctica、Pseudomonas asplenii、Pseudomonas azelaica、Pseudomonas batumici、Pseudomonas borealis、Pseudomonas brassicacearum、Pseudomonas chloritidismutans、Pseudomonas cremoricolorata、Pseudomonas diterpeniphila、Pseudomonas filiscindens、Pseudomonas frederiksbergensis、Pseudomonas gingeri、Pseudomonas graminis、Pseudomonas grimontii、Pseudomonas halodenitrificans、Pseudomonas halophila、Pseudomonas hibiscicola、Pseudomonas hydrogenovora、Pseudomonas indica、Pseudomonas japonica、Pseudomonas jessenii、Pseudomonas kilonensis、Pseudomonas koreensis、Pseudomonas lini、Pseudomonas lurida、Pseudomonas lutea、Pseudomonas marginata、Pseudomonas meridiana、Pseudomonas mesoacidophila、Pseudomonas pachastrellae、Pseudomonas palleroniana、Pseudomonas parafulva、Pseudomonas pavonanceae、Pseudomonas proteolyica、Pseudomonas psychrophila、Pseudomonas psychrotolerans、Pseudomonas pudica、Pseudomonas rathonis、Pseudomonas reactans、Pseudomonas rhizosphaerae、Pseudomonas salmononii、Pseudomonas thermaerum、Pseudomonas thermocarboxydovorans、Pseudomonas thermotolerans、Pseudomonas thivervalensis、Pseudomonas umsongensis、Pseudomonas vancouverensis、Pseudomonas wisconsinensis、Pseudomonas xanthomarina Pseudomonas xiamenensis、Pseudomonas aeruginosa、Pseudomonas alcaligenes、Pseudomonas anguilliseptica、Pseudomonas citronellolis、Pseudomonas flavescens、Pseudomonas jinjuensis、Pseudomonas mendocina、Pseudomonas nitroreducens、Pseudomonas oleovorans、Pseudomonas pseudoalcaligenes、Pseudomonas resinovorans、Pseudomonas straminae、Pseudomonas aurantiaca、Pseudomonas chlororaphis、Pseudomonas fragi、Pseudomonas lundensis、Pseudomonas taetrolens Pseudomonas azotoformans、Pseudomonas brenneri、Pseudomonas cedrina、Pseudomonas congelans、Pseudomonas corrugata、Pseudomonas costantinii、Pseudomonas extremorientalis、Pseudomonas fluorescens、Pseudomonas fulgida、Pseudomonas gessardii、Pseudomonas libanensis、Pseudomonas mandelii、Pseudomonas marginalis、Pseudomonas mediterranea、Pseudomonas migulae、Pseudomonas mucidolens、Pseudomonas orientalis、Pseudomonas poae、Pseudomonas rhodesiae、Pseudomonas synxantha、Pseudomonas tolaasii、Pseudomonas trivialis、Pseudomonas veronii Pseudomonas denitrificans、Pseudomonas pertucinogena、Pseudomonas fulva、Pseudomonas monteilii、Pseudomonas mosselii、Pseudomonas oryzihabitans、Pseudomonas plecoglossicida、Pseudomonas putida、Pseudomonas balearica、Pseudomonas luteola、又はPseudomonas stutzeri。Pseudomonas avellanae、Pseudomonas cannabina、Pseudomonas caricapapyae、Pseudomonas cichorii、Pseudomonas coronafaciens、Pseudomonas fuscovaginae、Pseudomonas tremae、又はPseudomonas viridiflava
【0543】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質を産生するために使用される宿主細胞は、真核生物であり得る。
【0544】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質を産生するために使用される宿主細胞は、以下のクレードに属する細胞であり得る:オピストコンタ、緑色植物(例えば、藻類及び植物)、アメーボゾア、ケルコゾア、アルベオラータ、鞭毛虫、ヘテロコンタ、ディシクリスタータ、又はエクスカバータ。
【0545】
一部の実施形態では、本明細書に記載の手順及び方法は、例えば、後生動物、襟鞭毛虫、又は真菌である宿主細胞を使用して達成することができる。
【0546】
一部の実施形態では、本明細書に記載の手順及び方法は、真菌である宿主細胞を使用して達成することができる。例えば、一部の実施形態では、宿主細胞は、以下の真核生物門に属する細胞であり得る:子嚢菌門、担子菌門、ツボカビ門、微胞子虫門、又は接合菌門。
【0547】
一部の実施形態では、本明細書に記載の手順及び方法は、以下の属のうちの1つに属する真菌である宿主細胞を使用して達成することができる:Aspergillus、Cladosporium、Magnaporthe、Morchella、Neurospora、Penicillium、Saccharomyces、Cryptococcus、又はUstilago。
【0548】
一部の実施形態では、本明細書に記載の手順及び方法は、以下の種のうちの1つに属する真菌である宿主細胞を使用して達成することができる:Saccharomyces cerevisiae、Saccharomyces boulardi、Saccharomyces uvarum;Aspergillus flavus、A.terreus、A.awamori;Cladosporium elatum、Cladosporium Herbarum、Cladosporium Sphaerospermum、及びCladosporium Cladosporioides;Magnaporthe grise、Magnaporthe oryzae、Magnaporthe rhizophila;Morchella deliciosa、Morchella esculenta、Morchella conica;Neurospora crassa、Neurospora intermedia、Neurospora tetrasperma;Penicillium notatum、Penicillium chrysogenum、Penicillium roquefortii、又はPenicillium simplicissimum。
【0549】
一部の実施形態では、本明細書に記載の手順及び方法は、Kluyveromyces lactis、Kluyveromyces marxianus、Saccharomyces cerevisiae、又はPichia pastorisである宿主細胞を使用して達成することができる。
【0550】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質を産生するために使用される宿主細胞は、以下の属のうちの1つに属する真菌であり得る:Aspergillus、Cladosporium、Magnaporthe、Morchella、Neurospora、Penicillium、Saccharomyces、Cryptococcus、又はUstilago。
【0551】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質を産生するために使用される宿主細胞は、Saccharomycetaceae科のメンバーであり得る。例えば、一部の実施形態では、宿主細胞は、以下のSaccharomycetaceae科内の属のうちの1つであり得る:Brettanomyces、Candida、Citeromyces、Cyniclomyces、Debaryomyces、Issatchenkia、Kazachstania、Kluyveromyces、Komagataella、Kuraishia、Lachancea、Lodderomyces、Nakaseomyces、Pachysolen、Pichia、Saccharomyces、Spathaspora、Tetrapisispora、Vanderwaltozyma、Torulaspora、Williopsis、Zygosaccharomyces、又はZygotorulaspora。
【0552】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質を産生するために使用される宿主細胞は、以下のうちの1つであり得る:Aspergillus flavus、Aspergillus terreus、Aspergillus awamori、Cladosporium elatum、Cladosporium Herbarum、Cladosporium Sphaerospermum、Cladosporium cladosporioides、Magnaporthe grisea、Magnaporthe oryzae、Magnaporthe rhizophila、Morchella deliciosa、Morchella esculenta、Morchella conica、Neurospora crassa、Neurospora intermedia、Neurospora tetrasperma、Penicillium notatum、Penicillium chrysogenum、Penicillium roquefortii、又はPenicillium simplicissimum。
【0553】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質を産生するために使用される宿主細胞は、Candida属内の種であり得る。例えば、宿主細胞は、以下のうちの1つであり得る:Candida albicans、Candida ascalaphidarum、Candida amphixiae、Candida antarctica、Candida argentea、Candida atlantica、Candida atmosphaerica、Candida auris、Candida blankii、Candida blattae、Candida bracarensis、Candida bromeliacearum、Candida carpophila、Candida carvajalis、Candida cerambycidarum、Candida chauliodes、Candida corydalis、Candida dosseyi、Candida dubliniensis、Candida ergatensis、Candida fructus、Candida glabrata、Candida fermentati、Candida guilliermondii、Candida haemulonii、Candida humilis、Candida insectamens、Candida insectorum、Candida intermedia、Candida jeffresii、又はCandida kefyr。
【0554】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質を産生するために使用される宿主細胞は、Kluyveromyces属内の種であり得る。例えば、宿主細胞は、以下のうちの1つであり得る:Kluyveromyces aestuarii、Kluyveromyces dobzhanskii、Kluyveromyces lactis、Kluyveromyces marxianus、Kluyveromyces nonfermentans、又はKluyveromyces wickerhamii。
【0555】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質を産生するために使用される宿主細胞は、Pichia属内の種であり得る。例えば、宿主細胞は、以下のうちの1つであり得る:Pichia farinose、Pichia anomala、Pichia heedii、Pichia guilliermondii、Pichia kluyveri、Pichia membranifaciens、Pichia norvegensis、Pichia ohmeri、Pichia pastoris、Pichia methanolica、又はPichia subpelliculosa。
【0556】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質を産生するために使用される宿主細胞は、Saccharomyces属内の種であり得る。例えば、宿主細胞は、以下のうちの1つであり得る:Saccharomyces arboricolus、Saccharomyces bayanus、Saccharomyces bulderi、Saccharomyces cariocanus、Saccharomyces cariocus、Saccharomyces cerevisiae、Saccharomyces cerevisiae var boulardii、Saccharomyces chevalieri、Saccharomyces dairenensis、Saccharomyces ellipsoideus、Saccharomyces eubayanus、Saccharomyces exiguous、Saccharomyces florentinus、Saccharomyces fragilis、Saccharomyces kudriavzevii、Saccharomyces martiniae、Saccharomyces mikatae、Saccharomyces monacensis、Saccharomyces norbensis、Saccharomyces paradoxus、Saccharomyces pastorianus、Saccharomyces spencerorum、Saccharomyces turicensis、Saccharomyces unisporus、Saccharomyces uvarum、又はSaccharomyces zonatus。
【0557】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質を産生するために使用される宿主細胞は、以下のうちの1つであり得る:Saccharomyces cerevisiae、Pichia pastoris、Pichia methanolica、Schizosaccharomyces pombe、又はHansenula anomala。
【0558】
組換えDVPを生成するための宿主生物としての酵母細胞の使用は、当業者に周知の例外的な方法である。一部の実施形態では、本明細書に記載の方法及び組成物は、酵母の任意の種(Saccharomyces、Pichia、Kluyveromyces、Hansenula、Yarrowia、又はSchizosaccharomyces属の任意の種を含むが、これらに限定されない)を用いて実施することができ、Saccharomyces種には、Saccharomycesの任意の種が含まれ、例えば、Saccharomyces cerevisiae種は、以下の株から選択される:INVSc1、YNN27、S150-2B、W303-1B、CG25、W3124、JRY188、BJ5464、AH22、GRF18、W303-1A、及びBJ3505。一部の実施形態では、ピキア属種のメンバーには、ピキア属の任意の種が含まれ(例えば、ピキア属種Pichia pastoris)、例えば、Pichia pastorisは、以下の株から選択される:Bg08、Y-11430、X-33、GS115、GS190、JC220、JC254、GS200、JC227、JC300、JC301、JC302、JC303、JC304、JC305、JC306、JC307、JC308、YJN165、KM71、MC100-3、SMD1163、SMD1165、SMD1168、GS241、MS105、任意のpep4ノックアウト株及び任意のprb1ノックアウト株、並びに以下の株から選択されるPichia pastoris:Bg08、X-33、SMD1168、及びKM71。一部の実施形態では、任意のKluyveromyces種を使用して、本明細書に記載の方法を達成することができ、Kluyveromycesの任意の種(例えば、Kluyveromyces lactis)が含まれ、本発明者らの教示として、Kluyveromyces lactisの染色は、以下の株であり得るが、必ずしもこれらから選択する必要はない:GG799、YCT306、YCT284、YCT389、YCT390、YCT569、YCT598、NRRL Y-1140、MW98-8C、MS1、CBS293.91、Y721、MD2/1、PM6-7A、WM37、K6、K7、22AR1、22A295-1、SD11、MG1/2、MSK110、JA6、CMK5、HP101、HP108、及びPM6-3C、加えて、Kluyveromyces lactis種は、GG799、YCT306、及びNRRL Y-1140から選択される。
【0559】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質を産生するために使用される宿主細胞は、Aspergillus oryzaeであり得る。
【0560】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質を産生するために使用される宿主細胞は、Aspergillus japonicasであり得る。
【0561】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質を産生するために使用される宿主細胞は、Aspergillus nigerであり得る。
【0562】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質を産生するために使用される宿主細胞は、Bacillus licheniformisであり得る。
【0563】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質を産生するために使用される宿主細胞は、Bacillus subtilisであり得る。
【0564】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質を産生するために使用される宿主細胞は、Trichoderma reeseiであり得る。
【0565】
一部の実施形態では、本明細書に記載の手順及び方法は、酵母の任意の種で達成することができ、Hansenulaの任意の種及び好ましくはHansenula polymorphaを含むHansenulaの種の任意の種を含むが、これらに限定されない。一部の実施形態では、本明細書に記載の手順及び方法は、酵母の任意の種で達成することができ、Yarrowiaの任意の種、例えば、Yarrowia lipolyticaが含まれるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、本明細書に記載の手順及び方法は、酵母の任意の種で達成することができ、Schizosaccharomycesの任意の種を含むが、これらに限定されず、Schizosaccharomycesの任意の種、及び好ましくはSchizosaccharomyces pombeが含まれる。
【0566】
一部の実施形態では、酵母種、例えば、Kluyveromyces lactis、Saccharomyces cerevisiae、Pichia pastoris、及びその他を、宿主生物として使用することができる。酵母細胞培養技術は、当業者に周知である。酵母細胞培養の例示的な方法は、Evans,Yeast Protocols.Springer(1996)、Bill,Recombinant Protein Production in Yeast.Springer(2012)、Hagan et al.,Fission Yeast:A Laboratory Manual,CSH Press(2016)、Konishi et al.,Improvement of the transformation efficiency of Saccharomyces cerevisiae by altering carbon sources in pre-culture.Biosci Biotechnol Biochem.2014;78(6):1090-3、Dymond,Saccharomyces cerevisiae growth media.Methods Enzymol.2013;533:191-204、Looke et al.,Extraction of genomic DNA from yeasts for PCR-based applications.Biotechniques.2011 May;50(5):325-8、及びRomanos et al.,Culture of yeast for the production of heterologous proteins.Curr Protoc Cell Biol.2014 Sep 2;64:20.9.1-16に見出すことができる(その開示は、参照によりその全体が本明細書に援用される)。
【0567】
酵母細胞発酵培地及びストックのレシピは、以下のように記載される:(1)MSM培地レシピ:2g/Lのクエン酸ナトリウム二水和物、1g/Lの硫酸カルシウム二水和物(0.79g/Lの無水硫酸カルシウム)、42.9g/Lのリン酸一カリウム、5.17g/Lの硫酸アンモニウム、14.33g/Lの硫酸カリウム、11.7g/Lの硫酸マグネシウム七水和物、2mL/LのPTM1微量塩溶液、0.4ppmのビオチン(500×、200ppmストックから)、1~2%の純粋なグリセロール又は他の炭素源。(2)PTM1微量塩溶液:硫酸銅-5H2O 6.0g、ヨウ化ナトリウム 0.08g、硫酸マンガン-H2O 3.0g、モリブデン酸ナトリウム-2HO 0.2g、ホウ酸 0.02g、塩化コバルト 0.5g、塩化亜鉛 20.0g、硫酸鉄-7HO 65.0g、ビオチン 0.2g、硫酸 5.0ml、水を添加し最終体積を1リットルにする。K.lactis規定培地(DMSor)の例示的な組成物は、以下のとおりである。11.83g/LのKHPO、2.299g/LのKHPO、20g/Lの発酵性糖、例えば、ガラクトース、マルトース、ラトトリオース、スクロース、フルクトース、若しくはグルコース、及び/又は糖アルコール、例えば、エリスリトール、水素化デンプン加水分解物、イソマルト、ラクチトール、マルチトール、マンニトール、及びキシリトール、1g/LのMgSO.7HO、10g/Lの(NH)SO、0.33g/LのCaCl.2HO、1g/LのNaCl、1g/LのKCl、5mg/LのCuSO.5HO、30mg/LのMnSO.HO、10mg/LのZnCl、1mg/LのKI、2mg/LのCoCl.6HO、8mg/LのNaMoO.2HO、0.4mg/LのHBO、15mg/LのFeCl.6HO、0.8mg/Lのビオチン、20mg/Lのパントテン酸カルシウム、15mg/Lのチアミン、16mg/Lのミオイノシトール、10mg/Lのニコチン酸、及び4mg/Lのピリドキシン。
【0568】
酵母細胞は、48ウェルのディープウェルプレートで培養することができる(接種後、滅菌透気性カバーで密封する)。プレート上で培養された酵母(例えば、K.lactis)のコロニーを採取し、ウェル当たり2.2mLの培地(DMSorで構成される)を含むディープウェルプレートに接種することができる。接種されたディープウェルプレートは、冷蔵インキュベーターシェーカー内で280rpmで振盪しながら、23.5℃で6日間増殖され得る。接種後6日目に、条件培地を、4000rpmで10分間の遠心分離によって回収する必要がある。続いて、0.22μM膜を備えた濾過プレートを使用して濾過し、濾過された培地をHPLC分析にかける。
【0569】
一部の実施形態では、酵母細胞は、(a)DVPを発現するように動作可能なポリヌクレオチド、又はその相補的ヌクレオチド配列を含む第1の発現カセットを含むベクターを調製することであって、当該DVPが、式(I)のアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、又は100%同一であるアミノ酸配列であって、式(I):A-X-D-G-D-V-E-G-P-A-G-C-K-K-Y-D-X-E-C-X-X-G-E-C-C-Q-K-Q-Y-L-X-X-K-W-R-X-L-X-C-R-X-X10-K-S-G-F-F-S-S-K-X11-X12-C-R-D-V、ポリペプチドが、配列番号2に示されるジゲトキシンの野生型配列と比較して、少なくとも1つのアミノ酸置換を含み、式中、Xが、K又はLであり、Xが、V、A、又はEであり、Xが、D、Y、又はAであり、Xが、S又はAであり、Xが、W、A、Fであり、Xが、Y、A、S、H、又はKであり、Xが、P又はAであり、Xが、D、A、K、S、T、又はMであり、Xが、C、G、T、A、S、M、又はVであり、X10が、L、A、N、V、S、E、I、又はQであり、X11が、C、F、A、T、S、M、又はVであり、X12が、V、A、又はTである、アミノ酸配列又はその薬学的に許容される塩を含む、調製すること、(b)ベクターを酵母細胞に導入すること、及び(c)DVPの発現及び増殖培地への分泌を可能にするように動作可能な条件下で、増殖培地中で酵母細胞を増殖することによって産生され得る。
【0570】
一部の実施形態では、酵母細胞は、(a)DVPを発現するように動作可能なポリヌクレオチド、又はその相補的ヌクレオチド配列を含む第1の発現カセットを含むベクターを調製することであって、当該DVPが、式(I)のアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、又は100%同一であるアミノ酸配列であって、式(I):A-X-D-G-D-V-E-G-P-A-G-C-K-K-Y-D-X-E-C-X-X-G-E-C-C-Q-K-Q-Y-L-X-X-K-W-R-X-L-X-C-R-X-X10-K-S-G-F-F-S-S-K-X11-X12-C-R-D-V、ポリペプチドが、配列番号2に示されるジゲトキシンの野生型配列と比較して、少なくとも1つのアミノ酸置換を含み、式中、Xが、K又はLであり、Xが、V、A、又はEであり、Xが、D、Y、又はAであり、Xが、S又はAであり、Xが、W、A、Fであり、Xが、Y、A、S、H、又はKであり、Xが、P又はAであり、Xが、D、A、K、S、T、又はMであり、Xが、C、G、T、A、S、M、又はVであり、X10が、L、A、N、V、S、E、I、又はQであり、X11が、C、F、A、T、S、M、又はVであり、X12が、V、A、又はTである、アミノ酸配列又はその薬学的に許容される塩を含む、調製すること、(b)ベクターを酵母細胞に導入すること、及び(c)DVPの発現及び増殖培地への分泌を可能にするように動作可能な条件下で、増殖培地中で酵母細胞を増殖することによって産生され得、Xが、G、T、A、S、M若しくはVであるか、又はX11が、F、A、T、S、M若しくはVである場合、ジスルフィド結合が、除去される。
【0571】
一部の実施形態では、酵母細胞は、(a)DVPを発現するように動作可能なポリヌクレオチド、又はその相補的ヌクレオチド配列を含む第1の発現カセットを含むベクターを調製することであって、当該DVPが、式(I)のアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、又は100%同一であるアミノ酸配列であって、式(I):A-X-D-G-D-V-E-G-P-A-G-C-K-K-Y-D-X-E-C-X-X-G-E-C-C-Q-K-Q-Y-L-X-X-K-W-R-X-L-X-C-R-X-X10-K-S-G-F-F-S-S-K-X11-X12-C-R-D-V、ポリペプチドが、配列番号2に示されるジゲトキシンの野生型配列と比較して、少なくとも1つのアミノ酸置換を含み、式中、Xが、K又はLであり、Xが、V、A、又はEであり、Xが、D、Y、又はAであり、Xが、S又はAであり、Xが、W、A、Fであり、Xが、Y、A、S、H、又はKであり、Xが、P又はAであり、Xが、D、A、K、S、T、又はMであり、Xが、C、G、T、A、S、M、又はVであり、X10が、L、A、N、V、S、E、I、又はQであり、X11が、C、F、A、T、S、M、又はVであり、X12が、V、A、又はTである、アミノ酸配列又はその薬学的に許容される塩を含む、調製すること、(b)ベクターを酵母細胞に導入すること、及び(c)DVPの発現及び増殖培地への分泌を可能にするように動作可能な条件下で、増殖培地中で酵母細胞を増殖することによって産生され得、Xが、G、T、A、S、M若しくはVであるか、又はX11が、F、A、T、S、M若しくはVである場合、ジスルフィド結合が、除去される。
【0572】
一部の実施形態では、酵母細胞は、DVP又はDVP-殺虫性タンパク質を発現するように動作可能であり得、DVPは、配列番号6~43、45~51、53、128、130、136、139~140、144、146~147、187~191、202~215、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、又は100%同一であるアミノ配列を含む。
【0573】
一部の実施形態では、酵母細胞は、DVP又はDVP-殺虫性タンパク質を発現するように動作可能であり得、DVPは、配列番号6~43、45~51、53、128、130、136、139~140、144、146~147、187~191、202~215、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ配列を含む。
【0574】
一部の実施形態では、酵母細胞は、DVP又はDVP-殺虫性タンパク質を発現するように動作可能であり得、DVPは、配列番号6~11、15~16、20~22、24~26、29、35、45~48、53、128、136、139~140、144、146~147、187~191、207、210~215、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、又は100%同一であるアミノ配列を含む。
【0575】
一部の実施形態では、酵母細胞は、DVP又はDVP-殺虫性タンパク質を発現するように動作可能であり得、DVPは、配列番号6~11、15~16、20~22、24~26、29、35、45~48、53、128、136、139~140、144、146~147、187~191、207、210~215、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ配列を含む。
【0576】
一部の実施形態では、酵母細胞は、DVP又はDVP-殺虫性タンパク質を発現するように動作可能であり得、DVPは、配列番号47、53、136、139~140、144、146~147、187~191、210~215、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、又は100%同一であるアミノ配列を含む。
【0577】
一部の実施形態では、酵母細胞は、DVP又はDVP-殺虫性タンパク質を発現するように動作可能であり得、DVPは、配列番号47、53、136、139~140、144、146~147、187~191、210~215、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ配列を含む。
【0578】
一部の実施形態では、酵母細胞は、DVP又はDVP-殺虫性タンパク質を発現するように動作可能であり得、DVPは、配列番号213、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、又は100%同一であるアミノ配列を含む。
【0579】
一部の実施形態では、酵母細胞は、DVP又はDVP-殺虫性タンパク質を発現するように動作可能であり得、DVPは、配列番号213、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ配列を含む。
【0580】
一部の実施形態では、酵母細胞は、DVP又はDVP-殺虫性タンパク質を発現するように動作可能であり得、DVPは、2つ以上のDVPのホモポリマー又はヘテロポリマーであり得、各DVPのアミノ酸配列は、同じであるか、又は異なる。
【0581】
一部の実施形態では、酵母細胞は、DVP又はDVP-殺虫性タンパク質を発現するように動作可能であり得、DVPは、切断可能又は切断不能リンカーによって分離された2つ以上のDVPを含む融合タンパク質であり得、各DVPのアミノ酸配列は、同じである場合も異なる場合もある。
【0582】
一部の実施形態では、酵母細胞は、DVP又はDVP-殺虫性タンパク質を発現するように動作可能であり得、リンカーは、昆虫の腸内又は血液リンパ内で切断可能である。
【0583】
一部の実施形態では、酵母細胞は、DVP又はDVP-殺虫性タンパク質を発現するように動作可能であり得、ベクターは、アルファ-MFシグナルを含むプラスミドである。
【0584】
一部の実施形態では、酵母細胞は、DVP又はDVP-殺虫性タンパク質を発現するように動作可能であり得、ベクターは、酵母細胞に形質転換される。
【0585】
一部の実施形態では、酵母細胞は、DVP又はDVP-殺虫性タンパク質を発現するように動作可能であり得、酵母細胞は、Saccharomyces属、Pichia属、Kluyveromyces属、Hansenula属、Yarrowia属、又はSchizosaccharomyces属の任意の種から選択される。
【0586】
一部の実施形態では、酵母細胞は、DVP又はDVP-殺虫性タンパク質を発現するように動作可能であり得、酵母細胞は、Kluyveromyces lactis、Kluyveromyces marxianus、Saccharomyces cerevisiae、及びPichia pastorisからなる群から選択される。
【0587】
一部の実施形態では、酵母細胞は、DVP又はDVP-殺虫性タンパク質を発現するように動作可能であり得、酵母細胞は、Kluyveromyces lactisである。
【0588】
一部の実施形態では、酵母細胞は、DVP又はDVP-殺虫タンパク質を発現するように動作可能であり得、DVPの発現は、培地1リットル当たり、少なくとも70mg/L、80mg/L、90mg/L、100mg/L、110mg/L、120mg/L、130mg/L、140mg/L、150mg/L、160mg/L、170mg/L、180mg/L、190mg/L、200mg/L、500mg/L、750mg/L、1,000mg/L、1,250mg/L、1,500mg/L、1,750mg/L、又は少なくとも20,000mg/LのDVPの収量を提供する。
【0589】
一部の実施形態では、酵母細胞は、DVP又はDVP-殺虫タンパク質を発現するように動作可能であり得、DVPの発現は、培地1リットル当たり、少なくとも100mg/LのDVPの収量を提供する。
【0590】
一部の実施形態では、酵母細胞は、DVP又はDVP-殺虫タンパク質を発現するように動作可能であり得、培地中のDVPの発現は、培地中の単一のDVPの発現をもたらす。
【0591】
一部の実施形態では、酵母細胞は、DVP又はDVP-殺虫タンパク質を発現するように動作可能であり得、培地中のDVPの発現は、培地中の2つ以上のDVPポリペプチドを含むDVPポリマーの発現をもたらす。
【0592】
一部の実施形態では、酵母細胞は、DVP又はDVP-殺虫タンパク質を発現するように動作可能であり得、ベクターは、2つ又は3つの発現カセットを含み、各発現カセットは、第1の発現カセットのDVPをコードするように動作可能である。
【0593】
一部の実施形態では、酵母細胞は、DVP又はDVP-殺虫タンパク質を発現するように動作可能であり得、ベクターは、2つ又は3つの発現カセットを含み、各発現カセットは、第1の発現カセットのDVP、又は異なる発現カセットのDVPをコードするように動作可能である。
【0594】
一部の実施形態では、酵母細胞は、DVP又はDVP-殺虫性タンパク質を発現するように動作可能であり得、発現カセットは、配列番号6~43、45~51、53、128、130、136、139~140、144、146~147、187~191、202~215、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、又は100%同一であるDVPアミノ配列をコードするように動作可能である。
【0595】
前述の方法のうちのいずれか、及び/又は本明細書に記載される方法のうちのいずれかを使用して、本明細書に記載されるDVP又はDVP-殺虫タンパク質のうちの1つ以上を産生し得る。例えば、本明細書に記載の方法のいずれかを使用して、本開示に記載のDVPのうちの1つ以上、例えば、同様に本明細書に記載される配列番号6~43、45~51、53、128、130、136、139~140、144、146~147、187~191、202~215、若しくは217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、若しくは100%同一であるDVPアミノ配列を産生し得る。
【0596】
酵母形質転換、DVP精製、及び分析
酵母形質転換の例示的な方法は、以下のとおりである:DVP ORFを担持する発現ベクターを、酵母細胞に形質転換する。まず、発現ベクターは、通常、相同組換えを介した染色体への組み込みを促進するために、特異的な制限酵素切断によって線状化される。次いで、線状発現ベクターは、形質転換の化学的方法又はエレクトロポレーション法によって酵母細胞に形質転換され、相同組換えにより酵母ゲノムの標的化された遺伝子座に組み込まれる。組み込みは、同じ染色体遺伝子座で複数回行われ得る。したがって、形質転換された酵母細胞のゲノムは、DVP発現カセットを複数のコピー含み得る。正常に形質転換された酵母細胞は、発現ベクターに操作され、DVP ORFが酵母染色体にともに組み込まれる選択的マーカーを有利にする増殖条件を使用して同定され得る。かかるマーカーの例としては、アセトアミドプロトトロフィー、ゼオシン耐性、ジェネティシン耐性、ノウルセオトリシン耐性、及びウラシルプロトトロフィーが挙げられるが、これらに限定されない。
【0597】
遺伝子及び遺伝子ネットワークのエピジェネティック修飾、並びに形質転換手順を受ける集団の個々の細胞で生じる組み込み事象の数の変動などの予測不可能で可変的な要因の影響により、所与の形質転換プロセスの個々の酵母コロニーは、DVP ORFを産生する能力が異なるであろう。したがって、DVP導入遺伝子を担持するトランスジェニック酵母コロニーは、高収量株についてスクリーニングされる必要がある。かかるスクリーニングのための2つの有効な方法は(各々、その後の分析のための条件培地試料を提供するトランスジェニック酵母の小規模培養の増殖に依存する)、逆相HPLC又はイエバエ注射手順を使用して、陽性トランスジェニック酵母コロニーからの条件培地試料を分析する。
【0598】
トランスジェニック酵母培養は、各チューブに5~10mLの規定培地を添加した14mL丸底ポリプロピレン培養チューブを使用して行うか、又は各ウェルに2.2mLの規定培地を添加した48ウェルのディープウェル培養プレートで行うことができる。粗製タンパク質性抽出物又は副産物(例えば、酵母抽出物若しくはペプトン)を含まない規定培地を培養に使用して、その後のスクリーニングステップのために回収された条件培地中のタンパク質のバックグラウンドを減らす。培養は、最大細胞密度に達するまで、約5~6日間、最適な温度(例えば、K.lactisの場合は23.5℃)で実施される。ここで、DVPが、形質転換酵母細胞によって産生され、細胞から増殖培地に分泌されるであろう。スクリーニングのための試料を調製するために、細胞を遠心分離によって培養物から除去し、上清を条件培地として回収し、次いで、0.22μmフィルター膜を通して濾過することによって浄化し、次いで、株スクリーニングの準備をする。
【0599】
一部の実施形態では、DVPで形質転換された陽性酵母コロニーは、推定酵母コロニーの逆相HPLC(rpHPLC)スクリーニングを介してスクリーニングされ得る。このスクリーニング方法では、C18の結合相を有するHPLC分析用カラムを使用することができる。移動相溶媒としてアセトニトリル及び水を使用し、ペプチド検出には220nmに設定された紫外線吸光度検出器を使用する。適量の条件培地試料をrpHPLCシステムにロードし、移動相溶媒の線形勾配で溶出する。HPLCクロマトグラフにおける殺虫ペプチドの対応するピーク面積を使用して、条件培地中のDVP濃度を定量化する。既知の量の純粋なDVPを、同じHPLCプロトコルで、同じrpHPLCカラムを通して実行して、ペプチドの保持時間を確認し、定量化のための標準的なペプチドHPLC曲線を生成する。
【0600】
陽性K.lactis細胞の例示的な逆相HPLCスクリーニングプロセスは、以下のとおりである:DVP ORFを発現ベクターpKLAC1に挿入し、New England Biolabs,Ipswich,MA,USAからのK.lactis株YCT306に形質転換することができる。pKLAC1ベクターは、組み込み発現ベクターである。DVP導入遺伝子がpKLAC1にクローニングされ、YCT306に形質転換されたら、それらの発現を、LAC4プロモーターによって制御した。得られた形質転換コロニーは、α接合因子シグナルペプチド、Kex2切断部位、及び成熟DVPを含むプレプロペプチドを産生した。α接合因子シグナルペプチドは、プレプロペプチドを内因性分泌経路に入るように誘導し、成熟DVPが、増殖培地に放出される。
【0601】
一部の実施形態では、DVP発現のためのコドン最適化は、2ラウンドで行われ得、例えば、第1のラウンドでは、高発現DNA配列のいくつかの共通の特徴に基づいて、α接合因子シグナルペプチド、Kex2切断部位、及びDVPを発現するDVP ORFの複数のバリアントが設計され、それらの発現レベルが、K.lactisのYCT306株で評価され、初期K.lactis発現アルゴリズムをもたらされる。最適化の第2のラウンドでは、追加のバリアントDVP ORFが、初期K.lactis発現アルゴリズムに基づいて設計され、K.lactis発現アルゴリズムが更に微調整され、K.lactisにおけるDVP発現のための最良のORFが特定され得る。一部の実施形態では、前述の最適化から得られたDNA配列は、α-MFシグナルペプチド、Kex2切断部位、及びDVPをコードするオープンリーディングフレームを有することができ、これらを、Hind III及びNot I制限部位を使用してpKLAC1ベクターにクローニングして、DVP発現ベクターを得ることができる。
【0602】
一部の実施形態では、酵母、Pichia pastorisは、DVP発現カセットで形質転換され得る。P.pastorisを形質転換するための例示的な方法は、以下のとおりである:酵母ベクターを使用して、DVP発現カセットをP.pastorisに形質転換することができる。ベクターは、当業者に既知の商業ベンダーから入手することができる。一部の実施形態では、ベクターは、組み込みベクターであり、ウラシルホスホリボシルトランスフェラーゼプロモーター(pUPP)を使用して、異種導入遺伝子の発現を増強する。一部の実施形態では、ベクターは、異なる選択戦略を提供してもよく、例えば、一部の実施形態では、ベクター間の唯一の違いは、一方のベクターが宿主酵母にG418耐性を提供してもよく、他方のベクターがゼオシン耐性を提供してもよいことであり得る。一部の実施形態では、DVPをコードする相補的オリゴヌクレオチドの対を、2つの酵母発現ベクターへのサブクローニング用に設計及び合成し得る。ハイブリダイゼーション反応は、対応する相補的オリゴヌクレオチドを、30mMのNaCl、10mMのTris-Cl(pH8)(全て最終濃度)中で、20μMの最終濃度に混合し、次いで、95℃で20分間インキュベートし、続いて、92℃から始めて17℃で終わり、温度が20分毎に3℃の低下するように9時間インキュベートすることによって実施され得る。ハイブリダイゼーション反応により、DVPをコードするDNA断片がもたらされる。2つのP.pastorisベクターを、BsaI-HF制限酵素で消化し得、次いで、この反応の二本鎖DNA産物を、標準的な手順を使用して線状化P.pastorisベクターにサブクローニングする。サブクローンの配列の検証後、プラスミドのアリコートを、P.pastoris株(例えば、Bg08)へのエレクトロポレーションによってトランスフェクトし得る。得られた形質転換酵母は、ベクターに操作されたエレメントによって付与された耐性(例えば、この例では、ゼオシン又はG418に対する)に基づいて選択され得る。
【0603】
ペプチド収量のスクリーニング及び評価
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質の収量は、Onyxモノリシック4.5×100mm C18逆相分析用HPLCカラム及びオートインジェクターを備えたAgilent 1100 HPLCシステムを使用して評価され得る。Onyxモノリシック4.5×100mm C18逆相分析用HPLCカラム及びオートインジェクターを備えたAgilent 1100 HPLCシステムの例示的な使用は、以下のとおりである:形質転換K.lactis細胞由来の濾過した条件培地試料を、Onyxモノリシック4.5×100mm C18逆相分析用HPLCカラム及び自動注入器を備えたAgilent 1100 HPLCシステムを使用して、HPLC分析に使用される2つの移動相溶媒を構成するHPLCグレードの水と0.1%のトリフルオロ酢酸を含むアセトニトリルとを分析することによって分析する;DVP又はDvp-殺虫タンパク質の両方のピーク面積を、HPLCクロマトグラフを使用して分析し、次いで、条件培地中のペプチド濃度を計算するために使用し、正規化されたペプチド収量としての(OD600の測定によって決定される)対応する最終細胞密度に更に正規化することができる。
【0604】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質で形質転換された陽性酵母コロニーは、イエバエ注射アッセイを使用してスクリーニングされ得る。DVP又はDVP-殺虫タンパク質は、測定された用量で背側胸部の体壁を通して注射した場合、イエバエを麻痺/殺傷することができる。DVP又はDVP-殺虫タンパク質の有効性は、ペプチドの麻痺/致死用量の中央値(PD50/LD50)によって定義され得、これは、それぞれ、注射されたイエバエの50%のノックダウン率又は死亡率をもたらす。純粋なDVP又はDVP-殺虫タンパク質は、通常、イエバエ注射アッセイで使用され、PD50/LD50値が決定され得る標準的な用量反応曲線を生成する。純粋なDVP又はDVP-殺虫タンパク質の標準用量反応曲線の分析からのPD50/LD50値を使用して、形質転換酵母によって産生されたDVP又はDVP-殺虫タンパク質の定量化は、対応する条件培地の段階希釈液を用いたイエバエ注射アッセイを使用して達成され得る。
【0605】
例示的なイエバエ注射バイオアッセイは、以下のとおりである:条件培地を段階希釈して、イエバエ注射バイオアッセイから完全な用量反応曲線を生成する。注射前に、成体イエバエ(Musca domestica)をCOで固定化し、注射用に12~18mgのイエバエを選択する。1ccシリンジと30ゲージ針を装填したマイクロアプリケーターを使用して、ハエ1匹当たり0.5μLの段階希釈した条件培地試料を、背側胸部の体壁を通してイエバエに注射する。注射したイエバエを、蓋の上に湿らせた濾紙及び呼吸孔を備えた密閉容器に配置し、それらを、注射24時間後に、ノックダウン率又は死亡率のスコアリングによって調べる。正規化した収量を算出する。ペプチド収量は、条件培地中のmg/Lの単位のペプチド濃度を意味する。しかしながら、ペプチド収量は、株の産生速度を正確に比較するには必ずしも十分ではない。個々の株は、異なる増殖速度を有し得る。したがって、培養物を回収すると、異なる培養物は、細胞密度が異なり得る。より高い産生速度を有する別の株よりも、株のペプチド産生速度が低い場合でさえ、高い細胞密度を有する培養物は、培地中により高い濃度のペプチドを産生し得る。したがって、「正規化された収量」という用語は、ペプチド収量を、対応する培養物の細胞密度で割ることによって作成され、これにより、株間のペプチド産生速度のより良い比較が可能になる。細胞密度は、600nmの光の吸光度によって、「A」(吸光度単位)の単位で表される。
【0606】
DVP又はDVP-殺虫タンパク質での形質転換を経た酵母コロニーをスクリーニングすることで、数百の潜在的なコロニーから高収量の酵母株を特定することができる。本明細書に記載の最適化された発酵培地及び発酵条件を使用した場合、これらの株をバイオリアクターで発酵させると、少なくとも最大4g/L、又は少なくとも最大3g/L、又は少なくとも最大2g/LのDVP又はDVP-殺虫タンパク質の収量が達成され得る。より高い産生速度(mg/Lで表示)は、約100mg/L~約100,000mg/L、若しくは約100mg/L~約90,000mg/L、若しくは約100mg/L~約80,000mg/L、若しくは約100mg/L~約70,000mg/L、若しくは約100mg/L~約60,000mg/L、若しくは約100mg/L~約50,000mg/L、若しくは約100mg/L~約40,000mg/L、若しくは約100mg/L~約30,000mg/L、若しくは約100mg/L~約20,000mg/L、若しくは約100mg/L~約17,500mg/L、若しくは約100mg/L~約15,000mg/L、若しくは約100mg/L~約12,500mg/L、若しくは約100mg/L~約10,000mg/L、若しくは約100mg/L~約9,000mg/L、若しくは約100mg/L~約8,000mg/L、若しくは約100mg/L~約7,000mg/L、若しくは約100mg/L~約6,000mg/L、若しくは約100mg/L~約5,000mg/L、若しくは約100mg/L~約3,000mg/L、若しくは約100mg/L~2,000mg/L、若しくは約100mg/L~1,500mg/L、若しくは約100mg/L~1,000mg/L、若しくは約100mg/L~750mg/L、若しくは約100mg/L~500mg/L、若しくは約150mg/L~100,000mg/L、若しくは約200mg/L~100,000mg/L、若しくは約300mg/L~100,000mg/L、若しくは約400mg/L~100,000mg/L、若しくは約500mg/L~100,000mg/L、若しくは約750mg/L~100,000mg/L、若しくは約1,000mg/L~100,000mg/L、若しくは約1,250mg/L~100,000mg/L、若しくは約1,500mg/L~100,000mg/L、若しくは約2,000mg/L~100,000mg/L、若しくは約2,500mg/L~100,000mg/L、若しくは約3,000mg/L~100,000mg/L、若しくは約3,500mg/L~100,000mg/L、若しくは約4,000mg/L~100,000mg/L、若しくは約4,500mg/L~100,000mg/L、若しくは約5,000mg/L~100,000mg/L、若しくは約6,000mg/L~100,000mg/L、若しくは約7,000mg/L~100,000mg/L、若しくは約8,000mg/L~100,000mg/L、若しくは約9,000mg/L~100,000mg/L、若しくは約10,000mg/L~100,000mg/L、若しくは約12,500mg/L~100,000mg/L、若しくは約15,000mg/L~100,000mg/L、若しくは約17,500mg/L~100,000mg/L、若しくは約20,000mg/L~100,000mg/L、若しくは約30,000mg/L~100,000mg/L、若しくは約40,000mg/L~100,000mg/L、若しくは約50,000mg/L~100,000mg/L、若しくは約60,000mg/L~100,000mg/L、若しくは約70,000mg/L~100,000mg/L、若しくは約80,000mg/L~100,000mg/L、若しくは約90,000mg/L~100,000mg/L程度、又は提供された任意の値のいずれかの範囲、あるいは変換前にペプチドを産生するために使用した同じ若しくは類似の産生方法を使用して変換前のペプチドで達成され得る収量よりも更に高い収量であり得る。
【0607】
薬学的に許容される塩
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される塩」及び「農業的に許容される塩」という用語は、同義である。一部の実施形態では、適用可能な場合、本明細書に記載のDVPの薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、結晶形態、並びに個々の異性体、鏡像異性体、互変異性体、ジアステレオマー、及びプロドラッグを利用することができる。
【0608】
一部の実施形態では、本発明の薬学的に許容される塩は、親化合物の所望の薬理活性を有する。かかる塩には、無機酸で形成される酸付加塩、有機酸で形成される酸付加塩、又は親化合物中に存在する酸性プロトンが金属イオン(例えば、アルカリ金属イオン、アルミニウムイオン)によって置き換えられるときに形成される塩、又は有機塩基(例えば、エタノールアミン)との配位が含まれる。
【0609】
一部の実施形態では、薬学的に許容される塩は、従来の毒性又は非毒性の塩を含む。例えば、一部の実施形態では、従来の非毒性塩には、フマル酸塩、リン酸塩、クエン酸塩、塩酸塩などのものが含まれる。一部の実施形態では、本発明の薬学的に許容される塩は、従来の化学的方法によって親化合物から合成することができる。一部の実施形態では、かかる塩は、これらの化合物の遊離酸形態又は遊離塩基形態を、水中若しくは有機溶媒中若しくはこれら2つの混合物中で、化学量論的な量の適切な塩基又は酸と反応させることによって調製することができる。一部の実施形態では、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、又はアセトニトリルのような非水性媒体が好ましい。好適な塩のリストは、Remington’s Pharmaceutical Sciences,17th ed.,Mack Publishing Company,Easton,Pa.,1985,p.1418に見出される(その開示は、参照によりその全体が本明細書に援用される)。
【0610】
一部の実施形態では、薬学的に許容される塩は、塩酸塩、ナトリウム、硫酸塩、酢酸塩、リン酸塩又は二リン酸塩、塩化物、カリウム、マレイン酸塩、カルシウム、クエン酸塩、メシル酸塩、硝酸塩、酒石酸塩、アルミニウム、又はグルコン酸塩のうちの1つであり得る。
【0611】
一部の実施形態では、塩を形成するために使用することができる薬学的に許容される酸のリストは、グリコール酸、馬尿酸、臭化水素酸、塩酸、イソ酪酸、乳酸(DL)、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、リンゴ酸(-L)、マロン酸、マンデル酸(DL)、メタンスルホン酸、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、リン酸、プロプリオン酸(proprionic acid)、ピログルタミン酸(-L)、サリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸(+L)、チオシアン酸、トルエンスルホン酸(p)、ウンデシレン酸、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、2,2-ジクロロ酢酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、2-オキソグルタル酸、4-アセトアミド安息香酸、4-アミノサリチル酸、酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸(L)、アスパラギン酸(L)、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、樟脳酸(+)、樟脳-10-スルホン酸(+)、カプリン酸(デカン酸)、カプロン酸(ヘキサン酸)、カプリン酸(オクタン酸)、炭酸、桂皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン-1,2-ジスルホン酸、エタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチジン酸、グルコヘプトン酸(D)、グルコン酸(D)、グルクロン酸(D)、グルタミン酸、グルタル酸、又はグリセロリン酸を含む。
【0612】
一部の実施形態では、薬学的に許容される塩は、任意の有機付加塩又は無機付加塩であり得る。
【0613】
一部の実施形態では、塩は、遊離酸として無機酸及び有機酸を使用することができる。無機酸は、塩酸、臭素酸、硝酸、硫酸、過塩素酸、リン酸などであってもよい。有機酸は、クエン酸、酢酸、乳酸、マレイン酸、フマル酸、グルコン酸、メタンスルホン酸、グルコン酸、コハク酸、酒石酸、ガラクツロン酸、エンボン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、シュウ酸、(D)又は(L)リンゴ酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、4-トルエンスルホン酸、サリチル酸、クエン酸、安息香酸、マロン酸などであってもよい。
【0614】
一部の実施形態では、塩は、アルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩など)及びアルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩など)を含む。例えば、酸付加塩としては、酢酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、重炭酸塩/炭酸水素塩、重硫酸塩/硫酸塩、ホウ酸塩、カンシル酸塩、クエン酸塩、エジシル酸塩、エシル酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、グルクロン酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ヒベンズ酸塩、塩酸塩/塩化物、臭化水素塩/臭化物、ヨウ化水素酸塩/ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、ナフタレン酸塩、2-ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オロト酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、リン酸塩/リン酸水素塩/リン酸二水素塩、サッカリン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩、トリフルオロ酢酸塩、アルミニウム、アルギニン、ベンザチン、カルシウム、コリン、ジエチルアミン、ジオラミン、グリシン、リジン、マグネシウム、メグルミン、オラミン、カリウム、ナトリウム、トロメタミン、亜鉛塩などが挙げられ、なかでも、塩酸塩、トリフルオロ酢酸塩などが使用され得る。
【0615】
更に他の実施形態では、薬学的に許容される塩は、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ギ酸、トリフルオロ酢酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、ステアリン酸、コハク酸、エチルコハク酸、ラクトビオン酸、グルコン酸、グルコヘプトン酸、安息香酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ラウリル硫酸、リンゴ酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、アジピン酸、システイン、N-アセチルシステイン、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、ヨウ化水素酸、ニコチン酸、シュウ酸、ピクリン酸、チオシアン酸、ウンデカン酸、ポリアクリル酸、又はカルボキシルビニルポリマーなどの酸との塩であり得る。
【0616】
一部の実施形態では、薬学的に許容される塩は、無機塩基又は有機塩基のいずれかから調製され得る。無機塩基に由来する塩には、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、第一鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウム、第二鉄、マンガン塩などが含まれるが、これらに限定されない。好ましい無機塩は、アンモニウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、及びマグネシウム塩である。有機塩基に由来する塩には、限定されないが、一級、二級、及び三級アミン、天然に存在する置換アミンを含む置換アミン、並びに環状アミンを含み、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、2-ジメチルアミノエタノール、トロメタミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、グルコサミン、N-アルキルグルカミン、テオブロミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、N-エチルピペリジンなどが挙げられる。好ましい有機塩基は、イソプロピルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、ピペリジン、トロメタミン、及びコリンである。
【0617】
一部の実施形態では、薬学的に許容される塩は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などを伴わずに、ヒト及び下等動物の組織と接触させて使用するのに好適であり、合理的な利益/リスク比に見合った塩を指す。薬学的に許容される塩は、当該技術分野で周知である。例えば、薬学的に許容される塩は、S.M.BergeらのJ.Pharmaceutical Sciences,66:1-19(1977)に詳細に記載されている(その開示は、参照によりその全体が本明細書に援用される)。
【0618】
一部の実施形態では、本発明の化合物の最終的な単離及び精製中に、又は遊離塩基の官能基を好適な有機酸と別々に反応させることによって、本発明の塩をインサイツで調製することができる。薬学的に許容される非毒性の酸付加塩の例は、アミノ基の塩であり、無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、及び過塩素酸)、又は有機酸(例えば、酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、若しくはマロン酸)と形成されるか、又はイオン交換などの当該技術分野で使用される他の方法を使用することによって形成される。他の薬学的に許容される塩としては、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルピオロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピルビン酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが挙げられる。代表的なアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩には、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどが含まれる。更なる薬学的に許容される塩としては、適切な場合、非毒性のアンモニウム、四級アンモニウム、及びアミンカチオン(ハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、低級アルキルスルホン酸塩、及びアリールスルホン酸塩などの対イオンを使用して形成される)が挙げられる。
【0619】
薬学的に許容される塩の例示的な記載は、P.H.Stahl and C.G.Wermuth,(editors),Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection and Use,John Wiley & Sons,Aug 23,(2002)に提供されている(その開示は、参照によりその全体が本明細書に援用される)。
【0620】
植物又はその一部へのDVPの組み込み
本明細書に記載のDVP、及び/又は本明細書に記載の少なくとも1つのDVPを含む殺虫タンパク質は、DVP又はDVP-殺虫タンパク質及び/又はそれをコードするポリヌクレオチド配列の安定した発現又は一過性発現のいずれかのために、植物、植物組織、植物細胞、植物種子、及び/又はその植物部分に組み込まれ得る。
【0621】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質は、当該技術分野で既知の組換え技術を使用して、植物に組み込まれ得る。一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質は、1つ以上のDVPモノマーを含み得る殺虫タンパク質の形態であり得る。
【0622】
本明細書で使用される場合、トランスジェニック植物、植物組織、植物細胞、及び植物種子に関して、「DVP」という用語は、DVP-殺虫タンパク質も包含し、「DVPポリヌクレオチド」は、同様に、1つ以上のDVPを含む殺虫タンパク質を発現及び/又はコードするように動作可能なポリヌクレオチド又はポリヌクレオチドの群を包含するようにも使用される。
【0623】
植物にDVPを組み込む目的は、昆虫によって摂取される植物組織で発現するトランスジェニックDVPの昆虫の摂取を介して、DVP及び/又はDVP-殺虫タンパク質を害虫に送達することである。昆虫がその食物からDVPを摂取すると(例えば、DVPで形質転換されたトランスジェニック植物に対する昆虫の接触を介して)、摂取されたDVPは、成長を阻害し、動きを損なわせ、又は更に昆虫を死滅させる能力を有し得る。したがって、DVPのポリヌクレオチド及び/又はDVPのポリペプチドを発現するトランスジェニック植物は、表皮(例えば、葉肉)、周皮、篩部、木部、柔組織、厚角組織、一次分裂組織、二次分裂組織が含まれるが、これらに限定されない様々な植物組織において、当該DVPのポリヌクレオチド/ポリペプチドを発現し得る。例えば、一部の実施形態では、DVPをコードするポリヌクレオチド配列は、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼプロモーターを含む調節領域に動作可能に連結され得、植物の葉肉組織におけるDVPの発現をもたらす。
【0624】
DVP及び/又はDVPを発現するように動作可能なポリヌクレオチドを発現するトランスジェニック植物は、当業者に周知の様々な方法及びプロトコルのうちのいずれか1つによって生成され得、本発明のかかる方法は、ヌクレオチド構築物を植物に導入するための特定の方法を使用する必要はなく、ヌクレオチド構築物が植物の少なくとも1つの細胞の内部にアクセスすることができることのみを必要とする。ヌクレオチド構築物を植物に導入するための方法は、当該技術分野で既知であり、安定的形質転換方法、一過性形質転換方法、及びウイルス媒介性方法が含まれるが、これらに限定されない。「トランスジェニック植物」又は「形質転換植物」又は「安定的に形質転換した」植物、若しくは細胞、若しくは組織は、外因性核酸配列又はDNA断片が植物細胞に取り込まれた、又は組み込まれた植物を指す。これらの核酸配列には、外因性であるか、又は非形質転換植物細胞に存在しない配列、並びに内因性であるか、又は非形質転換植物細胞に存在し得る配列が含まれる。「異種」とは、概して、細胞又はそれらが存在する天然ゲノムの一部に対して内在性ではなく、感染、トランスフェクション、マイクロインジェクション、エレクトロポレーション、マイクロプロジェクションなどによって細胞に付加された核酸配列を指す。
【0625】
植物細胞の形質転換は、当該技術分野で既知のいくつかの技術のうちの1つによって達成することができる。典型的には、目的の外因性又は異種のペプチド若しくはポリペプチド(例えば、DVP)を発現する構築物は、遺伝子の転写を駆動するプロモーター、並びに転写終結及びポリアデニル化を可能にする3’非翻訳領域を含有するであろう。そのような構築物の設計及び構成は、当該技術分野で周知である。一部の実施形態では、遺伝子は、得られるペプチドが分泌されるように操作され得るか、又はその他、植物細胞内の特定の領域及び/又はオルガネラに標的化され得る。例えば、遺伝子は、ペプチドの小胞体への移行を促進するために、シグナルペプチドを含むように操作され得る。イントロンのmRNAプロセシングが発現に必要とされるように、イントロンを含むように植物発現カセットを操作することも好ましい場合がある。
【0626】
典型的には、植物発現カセットを、植物形質転換ベクターに挿入することができる。この植物形質転換ベクターは、植物の形質転換を達成するために必要な1つ以上のDNAベクターを含み得る。例えば、2つ以上の連続したDNAセグメントからなる植物形質転換ベクターを利用することは、当該技術分野で一般的な方法である。これらのベクターは、当該技術分野において「バイナリベクター」と称されることが多い。バイナリベクター、並びにヘルパープラスミドを伴うベクターは、最も多くの場合、アグロバクテリウム媒介性形質転換に使用され、効率的な形質転換を達成するために必要なDNAセグメントのサイズ及び複雑性はかなり大きく、機能を別々のDNA分子上に分けることが有利である。バイナリベクターは、典型的には、プラスミドベクターを含み、これには、T-DNA導入に必要なシス作用性配列(例えば、左縁及び右縁)である、植物細胞で発現され得るように操作される選択マーカーと、「目的の遺伝子」(トランスジェニック植物の生成が望まれる植物細胞で発現され得るように操作される遺伝子)と、が含まれる。このプラスミドベクター上にも、細菌の複製に必要な配列が存在する。シス作用性配列は、植物細胞への効率的な導入及びそこでの発現を可能にする様式で配置される。例えば、選択マーカー遺伝子及びDVPは、左縁と右縁との間に位置する。多くの場合、第2のプラスミドベクターは、アグロバクテリウムから植物細胞へのT-DNA導入を媒介するトランス作用性因子を含む。このプラスミドは、多くの場合、当該技術分野で理解されているように、アグロバクテリウムによる植物細胞の感染、及び境界配列での切断によるDNAの導入、及びウイルス媒介性DNA導入を可能にする病原性機能(Vir遺伝子)を含む(Hellens and Mullineaux(2000)Trends in Plant Science 5:446-451)。いくつかの種類のアグロバクテリウム株(例えば、LBA4404、GV3101、EHA101、EHA105など)を植物の形質転換に使用することができる。第2のプラスミドベクターは、他の方法(例えば、マイクロプロジェクション、マイクロインジェクション、エレクトロポレーション、ポリエチレングリコール)によって植物を形質転換するのに必要ではない。
【0627】
一般に、植物形質転換方法は、異種DNAを標的植物細胞(例えば、未熟又は成熟胚、浮遊培養物、未分化カルス、プロトプラストなど)に導入し、続いて、(選択マーカー遺伝子に応じて)適切に選択された最大閾値レベルを適用して、形質転換された植物細胞を未形質転換細胞集団の群から回収することを含む。外植片は、通常、新鮮に供給される同じ培地に移され、いつものように培養される。続いて、形質転換された細胞を、最大閾値レベルの選択剤を補充した再生培地上に置いた後、苗条に分化させる。次いで、苗条は、根付いた苗条又は小植物を回収するための選択発根培地に移される。次いで、トランスジェニック小植物は、成熟植物に成長し、稔性種子を産生する(例えば、Hiei et al.(1994)The Plant Journal 6:271-282、Ishida et al.(1996)Nature Biotechnology 14:745-750)。外植片は、通常、新鮮に供給される同じ培地に移され、いつものように培養される。トランスジェニック植物を生成するための技術及び方法の一般的な記載は、Ayres and Park(1994)Critical Reviews in Plant Science 13:219-239、及びBommineni and Jauhar(1997)Maydica 42:107-120に見出される。形質転換された材料は多くの細胞を含むため、形質転換細胞及び非形質転換細胞の両方が、対象となる標的カルス、組織、又は細胞群の任意の部分に存在する。非形質転換細胞を死滅させ、形質転換細胞の増殖を可能にする能力により、形質転換された植物培養物がもたらされる。多くの場合、形質転換された植物細胞を迅速に回収し、トランスジェニック植物の生成を成功させるには、非形質転換細胞を除去する能力が制約となる。
【0628】
形質転換プロトコル、並びにヌクレオチド配列を植物に導入するためのプロトコルは、形質転換の標的となる植物又は植物細胞の種類(すなわち、単子葉植物又は双子葉植物)に応じて異なる場合がある。トランスジェニック植物の生成は、これらに限定されないが、マイクロインジェクション、エレクトロポレーション、直接遺伝子導入、アグロバクテリウムによる植物細胞への異種DNAの導入(アグロバクテリウム媒介性形質転換)、粒子に付着させた異種外来DNAによる植物細胞の衝撃、弾道粒子加速、エアロゾルビーム形質転換、Lec1形質転換、及びDNAを導入するための様々な他の非粒子直接媒介性方法を含むいくつかの方法のうちの1つによって行われ得る。例示的な形質転換プロトコルは、米国出願公開第2001/0026941号、米国特許第4,945,050号、国際公開第91/00915号、及び米国出願公開第2002/015066号に開示されている(それらの開示は、参照によりそれらの全体が本明細書に援用される)。
【0629】
葉緑体はまた、容易に形質転換され得、葉緑体の形質転換に関する方法が、当該技術分野で既知である。例えば、Svab et al.(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:8526-8530、Svab and Maliga(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:913-917、Svab and Maliga(1993)EMBO J.12:601-606を参照されたい(その開示は、参照によりその全体が本明細書に援用される)。葉緑体形質転換の方法は、選択マーカーを含むDNAの粒子銃送達及び相同組換えによるプラスチドゲノムへのDNAの標的化に依存する。加えて、プラスチド形質転換は、核コード及びプラスチド指向性RNAポリメラーゼの組織特異的発現によるサイレントプラスチド媒介性導入遺伝子のトランス活性化によって達成され得る。かかるシステムは、McBride et al.(1994)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:7301-7305に報告されている。
【0630】
異種外来DNAを植物細胞に組み込んだ後、当業者は次いで、培地中に最大閾値レベルの適切な選択化学物質/試薬(例えば、抗生物質)を適用し、非形質転換細胞を死滅させ、当該生存細胞を定期的に新鮮な培地に移すことによって、この選択処理から生き残る推定上の形質転換細胞を分離し、増殖させることができる。連続的な継代及び適切な選択による負荷によって、当業者は、プラスミドベクターで形質転換された細胞を特定し、増殖させる。次いで、分子及び生化学的方法を使用して、トランスジェニック植物のゲノムに組み込まれた目的の異種遺伝子の存在を確認することができる。
【0631】
形質転換された細胞を、当業者に既知の従来の方法に従って、植物へと成長させることができる。例えば、McCormick et al.(1986)Plant Cell Reports 5:81-84を参照されたい(その開示は、参照によりその全体が本明細書に援用される)。次いで、これらの植物を成長させ、同じ形質転換株又は異なる株のいずれかで受粉させ、得られたハイブリッドは、特定された所望の表現型特徴の構成的発現を有する。2世代以上を増殖させて、所望の表現型特徴の発現が安定に維持され、遺伝することを確実にし、次いで、所望の表現型特徴の発現が確実に達成されるように種子を採取することができる。このようにして、本開示は、本発明のヌクレオチド構築物(例えば、それらのゲノムに安定して組み込まれた本発明の発現カセット)を有する形質転換種子(「トランスジェニック種子」とも称される)を提供する。
【0632】
様々な実施形態では、本開示は、上記のように、昆虫プロテアーゼ、プロテアーゼ、及びペプチダーゼ(本明細書では「プロテアーゼ」と総称する)の基質として作用する、DVP-殺虫タンパク質を提供する。
【0633】
一部の実施形態では、DVPの発現を受容し得るトランスジェニック植物若しくはその部分には、アルファルファ、バナナ、オオムギ、マメ、ブロッコリー、キャベツ、キャノーラ、ニンジン、キャッサバ、トウゴマ、カリフラワー、セロリ、ヒヨコマメ、ハクサイ、柑橘類、ココナッツ、コーヒー、トウモロコシ、クローバー、ワタ、カボチャ、キュウリ、ベイマツ、ナス、ユーカリ、アマ、ニンニク、ブドウ、ホップ、ニラ、レタス、タエダマツ、アワ、メロン、ナッツ、カラスムギ、オリーブ、タマネギ、観賞植物、ヤシ、牧草、エンドウ豆、ピーナッツ、コショウ、キマメ、マツ、ジャガイモ、ポプラ、カボチャ、ラジアータパイン、ダイコン、ナタネ、イネ、台木、ライムギ、ベニバナ、灌木、モロコシ、サザンパイン、ダイズ、ホウレンソウ、カボチャ、イチゴ、サトウダイコン、サトウキビ、ヒマワリ、スイートコーン、モミジバフウスイートガム、サツマイモ、スイッチグラス、チャ、タバコ、トマト、ライコムギ、芝草、スイカ、コムギ植物が含まれ得る。
【0634】
一部の実施形態では、トランスジェニック植物は、本明細書に記載のDNA構築物で最初に形質転換された細胞から成長し得る。他の実施形態では、トランスジェニック植物は、特定の組織又は植物部分、例えば、葉、茎、花、萼片、果実、根、若しくは種子、又はそれらの組み合わせにおいて、コードされたDVPを発現し得る。
【0635】
一部の実施形態では、植物、植物組織、植物細胞、又は植物種子を、DVPで形質転換することができ、DVPは、本発明のDVPのいずれかのアミノ酸配列(例えば、本明細書に記載の1つ以上のDVP)、又はそれをコードするポリヌクレオチドを有する。
【0636】
一部の実施形態では、植物、植物組織、植物細胞、又は植物種子を、配列番号187~191のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、若しくは100%同一であるアミノ配列を有するDVPで形質転換し得る。
【0637】
一部の実施形態では、植物、植物組織、植物細胞、又は植物種子を、DVPで形質転換することができ、DVPは、2つ以上のDVPポリペプチドのホモポリマー又はヘテロポリマーであり、各DVPのアミノ酸配列は、同じあるか、又は異なるか、又は同じをコードするポリヌクレオチドである。
【0638】
物へのポリヌクレオチド組み込み、そこから発現されるタンパク質
トランスジェニック植物における異種ポリペプチドの発現に関する課題は、宿主生物における発現時に導入されたポリペプチドの所望の効果(例えば、殺虫活性)を維持することである。かかる効果を維持する1つの方法は、動作可能に連結された小胞体シグナルペプチド(ERSP)の使用を通して、適切なタンパク質折り畳みの可能性を高めることである。トランスジェニックタンパク質の効果を維持する別の方法は、翻訳安定化タンパク質(STA)を組み込むことである。
【0639】
植物を、上記のトランスフェクション方法のいずれかを使用して、DVP又は1つ以上のDVPを含むDVP-殺虫タンパク質をコードするDNA配列で一過性又は安定的にトランスフェクトし得る。代替的に、植物を、DVPをコードするポリヌクレオチドでトランスフェクトし得、当該DVPは、小胞体シグナルペプチド(ERSP)、リンカー、翻訳安定化タンパク質(STA)、又はそれらの組み合わせをコードするように動作可能なポリヌクレオチドに動作可能に連結され得る。例えば、一部の実施形態では、トランスジェニック植物又は植物ゲノムを、小胞体シグナルペプチド(ERSP)、DVP、及び/又は介在リンカーペプチド(LINKER、L)をコードするポリヌクレオチド配列でトランスフェクトし得、したがって、異種DNAから転写されたmRNAが形質転換植物で発現され、続いて、当該mRNAがペプチドに翻訳される。
【0640】
胞体シグナルペプチド(ERSP)
組換えタンパク質のERへの細胞内標的化は、当該組換えタンパク質に動作可能に連結されたERSPの使用を通して達成することができ、これにより、かかるタンパク質の正しいアセンブリ及び/又は折り畳み、並びに植物におけるこれらの組換えタンパク質の高レベルの蓄積を可能にする。宿主タンパク質の細胞内貯蔵への区画化に関する例示的な方法は、McCormick et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 96(2):703-708,1999、Staub et al.,Nature Biotechnology 18:333-338,2000、Conrad et al.,Plant Mol.Biol.38:101-109,1998、及び Stoger et al.,Plant Mol.Biol.42:583-590,2000に記載されている(それらの開示は、参照によりそれらの全体が本明細書に援用される)。したがって、組換えタンパク質の正しいアセンブリ及び/又は折り畳みを達成する1つの方法は、目的の組換えタンパク質に小胞体シグナルペプチド(ERSP)を動作可能に連結することである。
【0641】
一部の実施形態では、小胞体シグナルペプチド(ERSP)を含むペプチドは、DVPに動作可能に連結され得(ERSP-DVPと称される)、当該ERSPは、当該ペプチドのN末端である。一部の実施形態では、ERSPペプチドは、長さが3~60個のアミノ酸、長さが5~50個のアミノ酸、長さが20~30個のアミノ酸である。
【0642】
一部の実施形態では、DVP ORFは、その5’末端のerspから始まる。DVPが、トランスジェニック植物から発現される場合、適切に折り畳まれ、機能するためには、DVPをコードするポリヌクレオチドとインフレームで融合されたerspヌクレオチドを有する必要がある。細胞翻訳プロセス中、翻訳されたERSPは、シグナル認識粒子と呼ばれる細胞成分と結合することによって、翻訳されているDVPを植物細胞の小胞体膜(ER)に挿入するように指示することができる。ER内で、ERSPペプチドは、シグナルペプチダーゼによって切断され、DVPは、ERに放出され、DVPが、翻訳後修飾プロセス(例えば、ジスルフィド結合の形成)中に適切に折り畳まれる。追加の保持タンパク質シグナルなしで、タンパク質は、ERを介してゴルジ装置に輸送され、そこで最終的には、形質膜の外側に、アポプラスト空間に分泌される。DVPは、アポプラスト空間に効率的に蓄積して、植物における殺虫用量に到達することができる。
【0643】
ERSPペプチドは、植物翻訳DVP複合体のN末端領域にあり、ERSP部分は、約3~60個のアミノ酸で構成される。一部の実施形態では、それは、5~50個のアミノ酸である。一部の実施形態では、それは、10~40個のアミノ酸であるが、ほとんどの場合、15~20、20~25、又は25~30個のアミノ酸で構成される。ERSPは、これがタンパク質の輸送を指示することから、いわゆるシグナルペプチドである。シグナルペプチドはまた、標的化シグナル、シグナル配列、輸送ペプチド、又は局在化シグナルとも呼ばれることがある。ER輸送のためのシグナルペプチドは、多くの場合、15~30個のアミノ酸残基長であり、正に荷電したアミノ末端、それに隣接する疎水性残基のコア、及び極性であるが無荷電のカルボキシ末端領域からなる三者構成を有する。(Zimmermann,et al,“Protein translocation across the ER membrane,”Biochimica et Biohysica Acta,2011,1808:912-924)。
【0644】
多くのERSPが知られている。ERSPは、植物ERSPに由来するものである必要はなく、非植物ERSPが、本明細書に記載される手順で機能する。しかしながら、多くの植物ERSPがよく知られており、ここでは、いくつかの植物由来ERSPについて記載する。例えば、一部の実施形態では、ERSPは、オオムギアルファアミラーゼシグナルペプチド(BAAS)であり得、これは、植物Hordeum vulgareに由来し、以下のようなアミノ酸配列を有する:「MANKHLSLSLFLVLLGLSASLASG」(配列番号60)。
【0645】
植物ERSPは、植物のアポプラスト空間に発現及び放出されることが既知のタンパク質のゲノム配列から選択され、これには、BAAS、ニンジンエクステンシン、及びタバコPR1などの例が含まれる。以下の参考文献は、更なる記載を提供する(参照によりその全体が本明細書に援用される)。De Loose,M.et al.“The extensin signal peptide allows secretion of a heterologous protein from protoplasts”Gene,99(1991)95-100(De Loose,M.らは、Nicotiana plumbaginifoliaからのエクステンションコード遺伝子の構造解析を記載し、その配列は、タンパク質の小胞体への移行のための典型的なシグナルペプチドを含む)、Chen,M.H.et al.“Signal peptide-dependent targeting of a rice alpha-amylase and cargo proteins to plastids and extracellular compartments of plant cells”Plant Physiology,2004 Jul;135(3):1367-77.Epub 2004 Jul 2.(Chen,M.H.らは、トランスジェニックタバコにおいて、シグナルペプチドの有無でα-アミラーゼの発現を分析することによって、植物細胞におけるα-アミラーゼの細胞内局在を研究した)。これらの参考文献及び他の文献は、本明細書に記載の方法、手順、並びにペプチド、タンパク質、及びヌクレオチド複合体、及び構築物において使用され得るシグナルペプチドを教示及び開示する。
【0646】
一部の実施形態では、ERSPは、以下、BAAS、タバコエクステンシンシグナルペプチド、修飾タバコエクステンシンシグナルペプチド、又はJuniperus ashei由来のJun a 3シグナルペプチドのうちの1つを含むことができるが、これらに限定されない。例えば、一部の実施形態では、植物は、小胞体シグナルペプチド(ERSP)及び/又はDVPとして本明細書に記載されるペプチドのうちのいずれかをコードするヌクレオチドで形質転換され得る。
【0647】
タバコエクステンシンシグナルペプチドモチーフは、別の例示的な種類のERSPである。Memelink et al,the Plant Journal,1993,V4:1011-1022、Pogue GP et al,Plant Biotechnology Journal,2010,V8:638-654を参照されたい(これらの開示は、参照によりそれらの全体が本明細書に援用される)。
【0648】
一部の実施形態では、DVP ORFは、タバコエクステンシンのシグナルペプチドモチーフをコードするように動作可能なヌクレオチド配列を有し得る。一実施形態では、DVP ORFは、配列番号61によるエクステンシンモチーフをコードし得る。別の実施形態では、DVP ORFは、配列番号62に記載のエクステンシンモチーフをコードし得る。
【0649】
エクステンシンのシグナルモチーフを有する実施形態を生成する方法の例示的な実施例は、以下のとおりである。エクステンシンモチーフをコードするDNA配列は、4つの合成DNAプライマーを有するオリゴ伸長PCRを使用して設計され(例えば、配列番号63又は配列番号64に示されるDNA配列)、制限部位(例えば、5’末端のPac I制限部位、及び3’末端のGFP配列の5’末端)の末端部位は、鋳型として機能するエクステンシンDNA配列を用いたPCRにより付加され、断片が得られ、断片は、フォワードPCRプライマーとして使用され、DVP ORF(例えば、pFECTベクターに含まれる「gfp-l-dvp」)をコードするDNA配列を増幅し、したがって、ERSPがエクステンシンである「ERSP-GFP-L-DVP」をコードする(N’端末からC’端末へ)DVP ORFを産生する。次いで、得られたDNA配列を、FECTベクターのPac I及びAvr II制限部位にクローニングして、GFP融合DVPの一過性植物発現のためのpFECT-DVPベクターを生成することができる。
【0650】
一部の実施形態では、例示的な発現システムは、DVP ORFを含むFECT発現ベクターを、アグロバクテリウムGV3101に形質転換し、形質転換されたGV3101を、DVP ORFの一過性発現のためにタバコ葉に注射することを含み得る。
【0651】
翻訳安定化タンパク質(STA)
翻訳安定化タンパク質(STA)は、植物組織において、DVPの量を増加させることができる。DVP ORFのうちの1つであるERSP-DVPは、トランスフェクトされた植物において適切に折り畳まれたDVPを発現するのに十分であるが、一部の実施形態では、害虫の被害から植物を効果的に保護するには、植物で発現されたDVPが蓄積することが必要であり得る。適切に構築されたDVP ORFのトランスフェクションにより、トランスジェニック植物は、より多くの量の正しく折り畳まれたDVPを発現及び蓄積することができる。植物がより多くの量の適切に折り畳まれたDVPを蓄積するとき、植物は、植物を攻撃及び摂食する害虫に対して、より容易に抵抗、阻害、及び/又は殺傷することができる。トランスジェニック組織におけるポリペプチドの蓄積を増加させる1つの方法は、翻訳安定化タンパク質(STA)の使用によるものである。翻訳安定化タンパク質を使用して、植物組織中のDVPの蓄積を有意に増加させ、したがって、害虫耐性に関してDVPでトランスフェクトされた植物の有効性を増加させることができる。翻訳安定化タンパク質は、タンパク質分解の細胞プロセスによって標的化されることなく、細胞内に蓄積することができる十分な三次構造を有するタンパク質である。
【0652】
一部の実施形態では、翻訳安定化タンパク質は、別のタンパク質のドメインであり得るか、又はタンパク質配列全体を含み得る。一部の実施形態では、翻訳安定化タンパク質は、5~50個のアミノ酸、50~250個のアミノ酸(例えば、GNA)、250~750個のアミノ酸(例えば、キチナーゼ)、及び750~1500個のアミノ酸(例えば、エンハンシン)であり得る。
【0653】
翻訳安定化タンパク質の一実施形態は、少なくとも1つのDVPを含む融合タンパク質のポリマーであり得る。翻訳安定化タンパク質の使用を例示するために、翻訳安定化タンパク質の具体的な例が本明細書に提供される。この例は、本開示又は特許請求の範囲を限定することを何ら意図するものではない。有用な翻訳安定化タンパク質は当該技術分野において周知であり、この種類の任意のタンパク質を本明細書に開示されるように使用することができる。ペプチドの産生を評価及び試験するための手順は、当該技術分野で既知であり、本明細書に記載される。1つの翻訳安定化タンパク質の一例は、緑色蛍光タンパク質(GFP)(配列番号57;NCBI受託番号P42212.1)である。
【0654】
一部の実施形態では、小胞体シグナルペプチド(ERSP)を含むタンパク質は、DVPに動作可能に連結され得、これが次に、翻訳安定化タンパク質(STA)に動作可能に連結され得る。ここで、この構成は、ERSP-STA-DVP又はERSP-DVP-STAと称され、当該ERSPは、当該タンパク質のN末端であり、当該STAは、DVPのN末端側(上流)又はDVPのC末端側(下流)のいずれかにあり得る。一部の実施形態では、ERSP-STA-DVP又はERSP-DVP-STAと称されるタンパク質は、本明細書に記載のERSP又はDVPのうちのいずれかを含み、STAに動作可能に連結され得、STAは、例えば、本文書に記載又は教示される翻訳安定化タンパク質のうちのいずれかであり、GFP(緑色蛍光タンパク質、配列番号57、NCBI受託番号P42212)、又はJun a 3(Juniperus ashei、配列番号59、NCBI受託番号P81295.1)が含まれる。
【0655】
翻訳安定化タンパク質の更なる例は、以下の参考文献に見出すことができる(それらの開示は、参照によりそれらの全体が本明細書に援用される):Kramer,K.J.et al.“Sequence of a cDNA and expression of the gene encoding epidermal and gut chitinases of Manduca sexta”Insect Biochemistry and Molecular Biology,Vol.23,Issue 6,September 1993,pp.691-701.(Kramer,K.J.らは、タバコスズメガManduca sextaからキチナーゼをコードするcDNAを単離し、配列決定した)、Hashimoto,Y.et al.“Location and nucleotide sequence of the gene encoding the viral enhancing factor of the Trichoplusia ni granulosis virus”Journal of General Virology,(1991),72,2645-2651.これらの参考文献及び他の文献は、本明細書に記載の方法、手順、並びにペプチド、タンパク質、及びヌクレオチド複合体、及び構築物において使用され得る翻訳安定化タンパク質を教示及び開示する。
【0656】
一部の実施形態では、DVP ORFは、STAを含有するDVP ORFを使用して、植物、例えば、タバコ植物Nicotiana benthamianaに形質転換され得る。例えば、一部の実施形態では、STAは、Jun a 3であり得る。成熟Jun a 3は、約30kDaの植物防御タンパク質であり、一部の人々に対してアレルゲンでもある。Jun a 3は、Juniperus ashei樹によって産生され、一部の実施形態では、翻訳安定化タンパク質(STA)として使用され得る。一部の実施形態では、Jun a 3のアミノ酸配列は、配列番号65に示される配列であり得る。他の実施形態では、Jun a 3アミノ酸配列は、配列番号59に示される配列であり得る。
【0657】
リンカー
リンカータンパク質は、DVP ORFを構成する異なるモチーフの適切な折り畳みを補助する。本発明に記載のDVP ORFはまた、DVP(dvp)をコードするポリヌクレオチド配列と翻訳安定化タンパク質(sta)をコードするポリヌクレオチド配列との間、又は発現ORFが複数のDVPドメイン発現を含む場合、DVPをコードする複数のポリヌクレオチド配列をコードするポリヌクレオチド配列の間、すなわち、(l-dvp)若しくは(dvp-l)に介在リンカーペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を組み込む。介在リンカーペプチド(LINKERS又はL)は、発現したDVP構築物の異なる部分を分離し、発現プロセス中の複合体の異なる部分の適切な折り畳みを助ける。発現されたDVP構築物において、異なる機能性ドメインを分離するために、異なる介在リンカーペプチドが関与し得る。一部の実施形態では、LINKERは、DVPに結合され、この二価基は、保護される植物において、適切に折り畳まれたDVPの蓄積を促進するために、最大10回(N=1~10)、場合によっては10回超(例えば、N=200)繰り返すことができる。
【0658】
一部の実施形態では、介在リンカーペプチドは、1~30アミノ酸長であり得る。しかしながら、必ずしも植物で発現されたDVPに必須な成分ではない。
【0659】
一部の実施形態では、DVP-殺虫タンパク質は、切断可能ペプチドに動作可能に連結された少なくとも1つのDVPを含む。他の実施形態では、DVP-殺虫タンパク質は、切断不能ペプチドに動作可能に連結された少なくとも1つのDVPを含む。
【0660】
切断可能なリンカーペプチドを、DVP ORFに設計して、形質転換された植物で発現されたDVP複合体から適切なDVPが放出され、害虫の被害に関してDVPが植物に与える保護を改善することができる。ある種類の介在リンカーペプチドは、植物切断可能リンカーペプチドである。この種類のリンカーペプチドは、植物の翻訳後修飾中に発現されたDVP ORF複合体から完全に除去することができる。したがって、一部の実施形態では、この種類の介在リンカーペプチドによって連結された適切に折り畳まれたDVPは、植物において翻訳後修飾中に発現されたDVP ORF複合体から、植物細胞に放出され得る。
【0661】
別の種類の切断可能な介在リンカーペプチドは、植物において発現プロセス中に切断可能ではない。しかしながら、セリンプロテアーゼ、スレオニンプロテアーゼ、システインプロテアーゼ、アスパラギン酸プロテアーゼ、又は金属プロテアーゼに特異的なプロテアーゼ切断部位を有する。切断可能なリンカーペプチドの種類は、昆虫及びLepidopteranの腸内環境並びに/又は昆虫及びLepidopteranの血リンパ環境で見出されるプロテアーゼによって消化されて、昆虫の腸内又は血リンパ中にDVPを放出することができる。本開示によって教示される情報を使用して、本発明で有用であろうLINKERの他の例を作製又は見出すことは、当業者にとって日常的なことであるはずである。
【0662】
一部の実施形態では、DVP ORFは、「IGER」(配列番号54)のアミノ酸コードを有する、切断可能な種類の介在リンカー(例えば、配列番号54に列挙されるもの)を含むことができる。この介在リンカー又はLINKERの分子量は、473.53ダルトンである。他の実施形態では、介在リンカーペプチド(LINKER)は、任意の種類のプロテアーゼ切断部位、すなわち、切断不能な介在リンカーペプチド、例えば、リンカー「ETMFKHGL」(配列番号56)を含まないものであってもよい。
【0663】
一部の実施形態では、DVP-殺虫タンパク質は、2つ以上の切断可能なペプチドを有することができ、殺虫タンパク質は、昆虫切断可能リンカー(L)を含み、昆虫切断可能リンカーが、(DVP-L)(式中、「n」は、1~200、又は1~100、又は1~10の範囲の整数である)を含む構築物とインフレームで融合される。別の実施形態では、本明細書に記載されるDVP-殺虫タンパク質は、昆虫切断可能リンカー(L)及び/又はリピート構築物(L-DVP)若しくは(DVP-L)(式中、「n」は、1~200、又は1~100、又は1~10の範囲の整数である)と動作可能に連結されているDVPと動作可能に連結された小胞体シグナルペプチド(ERSP)を含む。
【0664】
一部の実施形態では、小胞体シグナルペプチド(ERSP)を含むタンパク質は、DVP及び介在リンカーペプチド(L又はリンカー)に動作可能に連結され得る(かかる構築物は、ERSP-L-DVP又はERSP-DVP-Lと称される)。ここで、当該ERSPは、当該タンパク質のN末端であり、当該L又はリンカーは、DVPのN末端側(上流)又はDVPのC末端側(下流)のいずれかにあり得る。本明細書に記載のERSP又はDVPのうちのいずれかを含む、ERSP-L-DVP、又はERSP-DVP-Lと称されるタンパク質は、切断不能リンカーペプチド又は切断可能リンカーペプチドであり得るリンカー「L」を有し得、これはタンパク質発現プロセス中に植物細胞内で切断可能であり得るか、又は昆虫腸内環境及び/若しくは血リンパ環境で切断可能であり得る。
【0665】
一部の実施形態では、DVP-殺虫タンパク質は、本明細書に記載される、又は本明細書によって教示される介在リンカーペプチド(リンカー又はL)のいずれかを含むことができ、これには以下の配列が含まれるが、これらに限定されない:IGER(配列番号54)、EEKKN(配列番号55)、及びETMFKHGL(配列番号56)、又はそれらの組み合わせ。
【0666】
様々な実施形態では、例示的な殺虫タンパク質は、(ERSP)-(DVP-L)、(ERSP)-(L)-(DVP-L)、(ERSP)-(L-DVP)、(ERSP)-(L-DVP)-(L)である(式中、「n」は、1~200、又は1~100、又は1~10の範囲の整数である)。上述の様々な関連する実施形態では、DVPは、前述のミュー-ジゲトキシン-Dc1aバリアントポリペプチドであり、Lは、切断不能又は切断可能ペプチドであり、nは、1~200の範囲の整数、好ましくは、1~100の範囲の整数、より好ましくは、1~10の範囲の整数である。一部の実施形態では、DVP-殺虫タンパク質は、同じか、又は異なるDVPペプチド、及び同じか、又は異なる昆虫切断可能ペプチドを含み得る。一部の実施形態では、C末端DVPは、昆虫腸管環境において切断されるように動作可能である切断可能ペプチドと、そのC末端で動作可能に連結されている。一部の実施形態では、N末端DVPは、昆虫腸管環境において切断されるように動作可能である切断可能ペプチドと、そのN末端で動作可能に連結されている。
【0667】
昆虫腸内環境で見出される利用可能なプロテアーゼ及びペプチダーゼのうちのいくつかは、これらの酵素がしばしば空間的及び時間的に発現されるため、昆虫の生活環に依存する。昆虫の消化器系は、消化管及びそれに関連する腺で構成される。食物が口に入り、分泌物と混合される(消化プロテアーゼ及びペプチダーゼが含まれる場合と含まれない場合がある)。前腸及び後腸は、外胚葉起源である。前腸は、概して、生食(raw food)の貯蔵庫としての役割を果たす。前腸からは、食物の個別のボーラスが中腸(midgut)(中腸(mesenteron)又は胃)に入る。中腸は、食物栄養素の消化及び吸収の部位である。概して、中腸における特定のプロテアーゼ及びペプチダーゼの存在は、腸のpHに従う。ヒトの胃腸系における特定のプロテアーゼ及びペプチダーゼには、ペプシン、トリプシン、キモトリプシン、エラスターゼ、カルボキシペプチダーゼ、アミノペプチダーゼ、及びジペプチダーゼが含まれ得る。
【0668】
昆虫の腸内環境は、ペプチド及びタンパク質が消化中に分解される草食動物種における消化器系の領域を含む。昆虫の腸内環境で見出される利用可能なプロテアーゼ及びペプチダーゼのうちのいくつかは、以下を含み得る:(1)セリンプロテアーゼ、(2)システインプロテアーゼ、(3)アスパラギン酸プロテアーゼ、及び(4)メタロプロテアーゼ。
【0669】
植物食性昆虫の消化器系における2つの主なプロテアーゼのクラスは、セリンプロテアーゼ及びシステインプロテアーゼである。Murdockら(1987)は、Coleopteraに属する様々な害虫の中腸酵素の詳細な研究を行った。Srinivasanら(2008)は、Lepidopteraに属する様々な害虫の中腸酵素に関して報告している。セリンプロテアーゼは、幼虫の腸内環境を支配し、Lepidopteraにおいて、総消化活性の約95%に寄与するが、Coleoptera種では、システインプロテアーゼを含むより広範囲の主な腸内プロテアーゼを有することが知られている。
【0670】
パパインファミリーは、多種多様な活性を有するペプチダーゼを含み、広い特異性を有するエンドペプチダーゼ(例えば、パパイン)、非常に狭い特異性を有するエンドペプチダーゼ(例えば、グリシルエンドペプチダーゼ)、アミノペプチダーゼ、ジペプチジルペプチダーゼ、並びにエンドペプチダーゼ及びエキソペプチダーゼの両方の活性を有するペプチダーゼ(例えば、カテプシンB及びH)が含まれる。様々な昆虫の中腸に見出される他の例示的なプロテアーゼとしては、トリプシン様酵素、例えば、トリプシン及びキモトリプシン、ペプシン、カルボキシペプチダーゼ-B及びアミノトリペプチダーゼが挙げられる。
【0671】
セリンプロテアーゼは、ほぼ全ての動物及び微生物に広く分布している(Joanitti et al.,2006)。高等生物では、2%近くの遺伝子がこれらの酵素をコードしている(Barrette-Ng et al.,2003)。セリンプロテアーゼは、宿主生物の維持及び生存に本質的に不可欠であり、多くの生物学的プロセスにおいて重要な役割を果たす。セリンプロテアーゼは、従来、それらの基質特異性によって、特に、P1の残基が:トリプシン様(P1で好ましくはLys/Arg)、キモトリプシン様(P1でPhe/Tyr/Leuなどの大きな疎水性残基)、又はエラスターゼ様(P1でAla/Valなどの小さな疎水性残基)であるかによって(Tyndall et.al.,2005による改訂)、分類されている。セリンプロテアーゼは、タンパク質分解酵素の1つのクラスであり、その中心的な触媒機構が、3つの不変残基、アスパラギン酸、ヒスチジン、及び特有の反応性セリン(後に「触媒三残基(catalytic triad)」という名前が生まれた)で構成される。Asp-His-Ser三残基は、少なくとも4つの異なる構造的文脈で見出すことができる(Hedstrom,2002)。これら4つのクランのセリンプロテアーゼは、キモトリプシン、スブチリシン、カルボキシペプチダーゼY、及びClpプロテアーゼに代表される。キモトリプシン様クランの3つのセリンプロテアーゼは、キモトリプシン、トリプシン、及びエラスターゼであり、最も詳細に研究されている。より最近では、Ser-His-Glu、Ser-Lys/His、His-Ser-His、及びN末端Serを含む、消化におけるそれらの役割に対して、新規の触媒三残基及び二残基を有するセリンプロテアーゼが発見されている。
【0672】
昆虫の腸内環境で見出される、よく研究された消化酵素のクラスの1つは、システインプロテアーゼのクラスである。「システインプロテアーゼ」という用語は、酵素の触媒部位にシステイン残基の高反応性チオール基を有するプロテアーゼを記載することが意図される。多くの植物食性昆虫及び植物寄生線虫が、少なくとも一部、タンパク質消化のために中腸システインプロテアーゼに依存しているという証拠がある。これらには、Hemiptera、特に、スカッシュバグ(squash bug)(Anasa tristis)、グリーンスティンクバグ(green stink bug)(Acrosternum hilare)、Riptortus clavatus、及びこれまでに調べられたほぼ全てのColeoptera、特に、コロラドポテトビートル(Colorado potato beetle)(Leptinotarsa deaemlineata)、スリーラインドポテトビートル(three-lined potato beetle)(Lema trilineata)、アスパラガスビートル(asparagus beetle)(Crioceris asparagi)、メキシカンビーンビートル(Mexican bean beetle)(Epilachna varivestis)、レッドフラワービートル(red flour beetle)(Triolium castaneum)、コンフーズドフラワービートル(confused flour beetle)(Tribolium confusum)、フリービートル(flea beetle)(Chaetocnema spp.、Haltica spp.、及びEpitrix spp.)、コーンルートワーム(corn rootworm)(Diabrotica Spp.)、カウピーウィービル(cowpea weevil)(Callosobruchus aculatue)、ボールウィービル(boll weevil)(Antonomus grandis)、ライスウィービル(rice weevil)(Sitophilus oryza)、メイズウィービル(maize weevil)(Sitophilus zeamais)、グレイニイウィービル(granary weevil)(Sitophilus granarius)、エジプシャンアルファルファウィービル(Egyptian alfalfa weevil)(Hypera postica)、ビーンウィービル(bean weevil)(Acanthoseelides obtectus)、レッサーグレインボーア(lesser grain borer)(Rhyzopertha dominica)、イエローミールワーム(yellow meal worm)(Tenebrio molitor)、Thysanoptera、特に、ウエスタンフラワートリプ(western flower thrip)(Franklini ella occidentalis)、Diptera、特に、leafminer spp.(Liriomyza trifolii)、植物寄生性線虫、特に、ポテトシスト線虫(potato cyst nematode)(Globodera spp.)、ビートシスト線虫(beet cyst nematode)(Heterodera schachtii)、及びルートノット線虫(root knot nematode)(Meloidogyne spp.)が含まれるが、これらに限定されない。
【0673】
消化酵素の別のクラスは、アスパラギン酸プロテアーゼである。「アスパラギン酸プロテアーゼ」という用語は、酵素の触媒部位に2つの反応性の高いアスパラギン酸残基を保有し、ほとんどの場合、ペプスタチン(ほぼ全ての既知のアスパラギン酸プロテアーゼの低分子量阻害剤)によるその特異的阻害を特徴とするプロテアーゼを記載することを意図している。多くの植物食性昆虫は、タンパク質消化のために、部分的には中腸のアスパラギン酸プロテアーゼに依存しているという証拠がある(ほとんどの場合、システインプロテアーゼとともに)。これらには、Hemiptera、特に、(Rhodnius prolixus)、及びトコジラミ(bedbug)(Cimex spp.)、及びPhymatidae、Pentatomidae、Lygaeidae、及びBelostomatidae科のメンバー、Coleoptera(Meloidae、Chrysomelidae、Coccinelidae、及びBruchidaeの科で、全てCucujiformiaシリーズに属する)、特に、コロラドポテトビートル(Colorado potato beetle)(Leptinotarsa decemlineata)、スリーラインドポテトビートル(three-lined potato beetle)(Lematri lineata)、サザン及びウエスタンコーンルートワーム(southern and western corn rootworm)(Diabrotica undecimpunctata及びD.virgifera)、ボールウィービル(boll weevil)(Anthonomus grandis)、スカッシュバグ(squash bug)(Anasatristis)、フリービートル(flea beetle)(Phyllotreta crucifera)、ブルーチッドビートル(bruchid beetle)(Callosobruchus maculatus)、メキシカンビーンビートル(Mexican bean beetle)(Epilachna varivestis)、ソイビーンリーフマイナー(soybean leafminer)(Odontota horni)、マージンドブリスタービートル(margined blister beetle)(Epicauta pestifera)、及びレッドフラワービートル(red flour beetle)(Triolium castaneum)、Diptera、特に、イエバエ(Musca domestica)が含まれるが、これらに限定されない。Terra and Ferreira(1994)Comn.Biochem.Physiol.109B:1-62、Wolfson and Murdock(1990)J.Chem.Ecol.16:1089-1102を参照されたい。
【0674】
介在リンカーペプチドの他の例は、参照によりその全体が本明細書に援用される以下の参考文献に見出すことができる:植物で発現されるセリンプロテイナーゼ阻害剤前駆体は、Heath et al.“Characterization of the protease processing sites in a multidomain proteinase inhibitor precursor from Nicotiana alata”European Journal of Biochemistry,1995;230:250-257において開示される、6つの同じリンカーペプチドによって分離された5つの同種タンパク質インヒビターを含むことが見出された。6つの異なるリンカーによる緑色蛍光タンパク質の折り畳み挙動の比較は、Chang,H.C.et al.“De novo folding of GFP fusion proteins:high efficiency in eukaryotes but not in bacteria”Journal of Molecular Biology,2005 Oct 21;353(2):397-409において調査されている。ヒトGalNAc-TsファミリーのアイソフォームであるGalNAc-T2は、N.benthamiana plants by Daskalova,S.M.et al.“Engineering of N.benthamiana L.plants for production of N-acetylgalactosamine-glycosylated proteins”BMC Biotechnology,2010 Aug 24;10:62において、発現時に、その局在及び機能が保持されることが示された。内因性プラスチドタンパク質がストロミュールを通って移動する能力は、Kwok,E.Y.et al.“GFP-labelled Rubisco and aspartate aminotransferase are present in plastid stromules and traffic between plastids”Journal of Experimental Botany,2004 Mar;55(397):595-604.Epub 2004 Jan 30に示されている。タバコモザイクウイルス(TMV)ビリオンの表面の操作に関する報告は、蚊のデカペプチドホルモンであるトリプシン調節性卵形性阻害因子(TMOF)を用いて、Borovsky,D.et al.“Expression of Aedes trypsin-modulating oostatic factor on the virion of TMV:A potential larvicide”Proc Natl Acad Sci,2006 December 12;103(50):18963-18968によって作製された。これらの参考文献及び他の文献は、本明細書に記載の方法、手順、並びにペプチド、タンパク質、及びヌクレオチド複合体、及び構築物において使用され得る介在リンカーを教示及び開示する。
【0675】
DVP ORF及びDVP構築物
「DVP ORF」は、DVP、及び/又は1つ以上の安定化タンパク質、分泌シグナル、又は標的指向性シグナル、例えば、ERSP又はSTAをコードするヌクレオチドを指し、翻訳される能力を有するORFのヌクレオチドとして定義される。したがって、「DVP ORFダイアグラム」は、ダイアグラム又は式形式で記載される1つ以上のDVP ORFの組成物を指す。例えば、「DVP ORFダイアグラム」は、発現ORF内に含まれるDNAセグメントに対する頭文字又は略称を使用して記載され得る。したがって、一実施例では、「DVP ORFダイアグラム」は、それぞれ、DNAセグメントを、「ersp」(すなわち、ERSPポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列)、「リンカー」又は「L」(すなわち、LINKERポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列)、「sta」(すなわち、STAポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列)、及び「dvp」(すなわち、DVPをコードするポリヌクレオチド配列)として、式形式で図示することによって、ERSP、LINKER、STA、及びDVPをコードするポリヌクレオチドセグメントを記載し得る。DVP ORFダイアグラムの例は、「ersp-sta-(リンカー-dvp」、又は「ersp-(dvp-リンカー-sta」、及び/又はそれらのDNAセグメントの任意の組み合わせである。
【0676】
以下の式は、ERSP、STA、リンカー、及びDVPをコードするDVP ORFの2つの例を記載する:
ersp-sta-l-dvp又はersp-dvp-l-sta
【0677】
一部の実施形態では、本明細書に記載のDVP発現オープンリーディングフレーム(ORF)は、ポリヌクレオチド配列であり、植物がmRNAを発現することを可能にし、それが次に、ペプチドに翻訳され、発現され、適切に折り畳まれ、並びに/又は、当該タンパク質が1つ以上の害虫を阻害及び/若しくは死滅させるのに十分な用量を提供する程度に蓄積されるであろう。一実施形態では、タンパク質DVP ORFの例は、ミュー-ジゲトキシン-Dc1aバリアントポリヌクレオチド(dvp)をコードするポリヌクレオチド、「ersp」(すなわち、ERSPポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列)、「リンカー」(すなわち、LINKERポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列)、「sta」(すなわち、STAポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列)、又はこれらの任意の組み合わせであり得、以下の式形式で記載することができる:
ersp-sta-(リンカー-dvp、又はersp-(dvp-リンカー-sta
【0678】
ポリヌクレオチド式の前述の例示的な実施形態は、以下のタンパク質複合体をもたらすであろう:ERSP-STA-(LINKER-DVP(4つの可能なペプチド成分が含まれ、各成分がダッシュ符号で区切られている)。erspのヌクレオチド成分は、植物小胞体輸送シグナルペプチド(ERSP)をコードするポリヌクレオチドセグメントである。staの成分は、翻訳安定化タンパク質(STA)をコードするポリヌクレオチドセグメントであり、これは、植物において発現されるDVPの蓄積を助けるが、一部の実施形態では、staの包含は、DVP ORFに必要ではない場合がある。リンカーの成分は、介在リンカーペプチド(L又はLINKER)をコードするポリヌクレオチドセグメントであり、ORFに含まれる他の成分及び翻訳安定化タンパク質からDVPを分ける。下付き文字「i」は、一部の実施形態では、異なる種類のリンカーペプチドが、DVP ORFに使用され得ることを示す。構成要素「dvp」は、DVPをコードするポリヌクレオチドセグメント(ミュー-ジゲトキシン-Dc1aバリアントポリヌクレオチド配列としても知られる)を示す。下付き文字「j」は、異なるミュー-ジゲトキシン-Dc1aバリアントポリヌクレオチドが、DVP ORFに含まれ得ることを示す。例えば、一部の実施形態では、ミュー-ジゲトキシン-Dc1aバリアントポリヌクレオチド配列は、アミノ酸置換又はアミノ酸欠失を有するDVPをコードし得る。「(リンカー-dvp」に示される下付き文字「n」は、介在リンカーペプチド及びDVPをコードするヌクレオチドの構造が、同じDVP ORFの同じオープンリーディングフレーム内で「n」回繰り返され得ることを示し、「n」は、1~10の任意の整数であり得、「n」は、1~10であり得、具体的には、「n」は、1、2、3、4、又は5であり得、一部の実施形態では、「n」は、6、7、8、9、又は10である。繰り返しは、異なる介在リンカー(LINKER)及び異なるDVPをコードするポリヌクレオチドセグメントを含有し得る。同じDVP ORF内の繰り返しを含む異なるポリヌクレオチドセグメントは、全て同じ翻訳フレーム内にある。一部の実施形態では、DVP ORFにstaポリヌクレオチドを含めることは必要ではない場合がある。例えば、erspポリヌクレオチド配列は、リンカーなしでDVPバリアントポリヌクレオチドをコードするポリヌクレオチドに直接連結され得る。
【0679】
前述の例示的な式において、ポリペプチド「DVP」をコードするポリヌクレオチド「dvp」は、本明細書に記載される任意のDVPをコードするポリヌクレオチド配列であり得る。
【0680】
前述の例示的な式では、ポリペプチド「DVP」をコードするポリヌクレオチド「dvp」は、本明細書に記載の任意のDVP、例えば、配列番号187~191のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、若しくは100%同一であるアミノ酸配列を含むDVPをコードするポリヌクレオチド配列であり得る。
【0681】
前述の方法のうちのいずれか、及び/又は本明細書に記載の方法のうちのいずれかを使用して、本明細書に記載のDVP又はDVP-殺虫タンパク質のうちのいずれか1つ以上を発現するように動作可能な1つ以上のポリヌクレオチドを植物又はその植物部分に組み込むことができる。
【0682】
一部の実施形態では、ポリヌクレオチドは、以下のDVP構築物の配向及び/又は配置を有するDVP-殺虫タンパク質をコードするように動作可能である:ERSP-DVP、ERSP-(DVP)、ERSP-DVP-L、ERSP-(DVP)-L、ERSP-(DVP-L)、ERSP-L-DVP、ERSP-L-(DVP)、ERSP-(L-DVP)、ERSP-STA-DVP、ERSP-STA-(DVP)、ERSP-DVP-STA、ERSP-(DVP)-STA、ERSP-(STA-DVP)、ERSP-(DVP-STA)、ERSP-L-DVP-STA、ERSP-L-STA-DVP、ERSP-L-(DVP-STA)、ERSP-L-(STA-DVP)、ERSP-L-(DVP)-STA、ERSP-(L-DVP)-STA、ERSP-(L-STA-DVP)、ERSP-(L-DVP-STA)、ERSP-(L-STA)-DVP、ERSP-(L-DVP)-STA、ERSP-STA-L-DVP、ERSP-STA-DVP-L、ERSP-STA-L-(DVP)、ERSP-(STA-L)-DVP、ERSP-STA-(L-DVP)、ERSP-(STA-L-DVP)、ERSP-STA-(DVP)-L、ERSP-STA-(DVP-L)、ERSP-(STA-DVP)-L、ERSP-(STA-DVP-L)、ERSP-DVP-L-STA、ERSP-DVP-STA-L、ERSP-(DVP)-STA-L ERSP-(DVP-L)-STA、ERSP-(DVP-STA)-L、ERSP-(DVP-L-STA)、又はERSP-(DVP-STA-L)(式中、Nは、1~200の範囲の整数である)。
【0683】
本開示は、任意の植物種の形質転換に使用され得、単子葉植物及び双子葉植物を含むが、これらに限定されない。トランスジェニックアプローチ又はPEPが特に有用であろう作物としては、アルファルファ、ワタ、トマト、トウモロコシ、コムギ、トウモロコシ、スイートコーン、ルーサン、ダイズ、モロコシ、エンドウ、アマニ、ベニバナ、ナタネ、セイヨウアブラナ、イネ、ダイズ、オオムギ、ヒマワリ、木(針葉樹及び落葉樹を含む)、花(商業的に栽培されるもの、温室で栽培されるものを含む)、ハウチワマメ、スイッチグラス、サトウキビ、ジャガイモ、トマト、タバコ、ジュウジバナ、ピーマン、サトウダイコン、オオムギ、及びセイヨウアブラナ、アブラナ属種、ライムギ、アワ、ピーナッツ、サツマイモ、キャッサヤ、コーヒー、ココナッツ、パイナップル、柑橘類、カカオ、チャ、バナナ、アボカド、イチジク、グアバ、マンゴー、オリーブ、カセイ、パパイア、カシュー、マカダミア、アーモンド、カラスムギ、野菜、観賞植物又は針葉樹が挙げられるが、これらに限定されない。
【0684】
ポリヌクレオチドによる植物の形質転換
一部の実施形態では、上記及び本明細書に記載のDVP ORF及びDVP構築物は、DVPが植物において一過的又は安定的に発現されるように、任意の植物発現ベクターにクローニングされ得る。
【0685】
一過性植物発現システムを使用して、いくつかの成分の必要性、いくつかの成分のコドン最適化、各成分の順序の最適化などを含む、植物におけるいくつかの特定のDVP発現のためのDVP ORFの構造を速やかに最適化することができる。一過性植物発現ベクターは、多くの場合、植物ウイルスゲノムに由来する。植物ウイルスベクターは、植物ウイルスの感染性により、植物における外来遺伝子の発現が迅速かつ高レベルであるという利点を提供する。植物ウイルスゲノムの全長をベクターとして使用することができるが、多くの場合、ウイルス成分(例えば、コートタンパク質)を欠失させ、その場所に、トランスジェニックORFがサブクローニングされる。かかる部位にDVP ORFをサブクローニングして、ウイルスベクターを作製することができる。これらのウイルスベクターは、それ自体が感染性であるため、例えば、植物の創傷、噴霧などを介して、機械的に植物に導入することができる。また、アグロインフェクション、クラウンゴール細菌Agrobacterium tumefaciens又は毛状根細菌Agrobacterium rhizogenesのT-DNAにウイルスベクターをクローニングすることによって、植物にトランスフェクトすることもできる。このベクターにおけるDVPの発現は、RNAウイルスの複製によって制御され、複製のためのmRNAへのウイルスの翻訳は、強力なウイルスプロモーター(例えば、カリフラワーモザイクウイルス由来の35Sプロモーター)によって制御される。DVP ORFを有するウイルスベクターは、通常、E.coli株及びアグロバクテリウム株の両方でそれ自体を複製することができるバイナリベクターにおいて、T-DNA領域にクローニングされる。植物の一過性トランスフェクションは、DVP発現用のウイルスベクターを含むアグロバクテリウム細胞を植物の葉に浸潤させることによって行うことができる。一時的な形質転換植物では、転写後遺伝子サイレンシング(PTGS)により、短期間で外来タンパク質の発現が停止することが一般的である。時に、PTGS抑制タンパク質遺伝子は、DVP ORFとともに、発現を駆動する同じ種類のウイルスベクターで、一過的に、植物に共形質転換される必要がある。これにより、植物におけるDVPの発現が改善され、長続きする。最も一般的に使用されているPTGS抑制タンパク質は、トマトブッシースタントウイルス(TBSV)から発見されたP19タンパク質である。
【0686】
一部の実施形態では、植物の一過性トランスフェクションは、DVPをコードするポリヌクレオチドを、容易に入手可能なベクターのうちのいずれか1つと組換えることによって達成することができ(本明細書上記参照)、マーカー又はシグナルを使用して確認することができる(例えば、GFP発光)。一部の実施形態では、一過的にトランスフェクトされた植物は、DVPをコードするポリヌクレオチドを、ベクターのGFP-ハイブリッド融合タンパク質をコードするDNAと組換え、標的化された発現用に設計された異なるFECTベクターを使用して、当該ベクターを植物(例えば、タバコ)にトランスフェクションすることによって作製され得る。一部の実施形態では、DVPをコードするポリヌクレオチドは、APO蓄積(アポプラスト局在)のためのpFECTベクター、CYTO蓄積(細胞質局在)のためのpFECTベクター、又はER蓄積(小胞体体局在)のためのerspベクターとともにpFECTベクターを用いて組換えることができる。
【0687】
例示的な一過性植物形質転換戦略は、その高効率性、容易性、及び低コストにより、植物ウイルスベクターを使用したアグロインフェクションである。一部の実施形態では、タバコモザイクウイルス過剰発現システムを使用して、DVPで植物を一過性に形質転換し得る。TRBO,Lindbo JA,Plant Physiology,2007,V145:1232-1240を参照されたい(その開示は、参照によりその全体が本明細書に援用される)。
【0688】
TRBO DNAベクターは、アグロインフェクションのためのT-DNA領域を有し、これは、CaMV 35Sプロモーターを含み、ウイルスコーティングタンパク質をコードする遺伝子を用いずに、タバコモザイクウイルスRNAの発現を駆動する。更に、このシステムは、「非武装(disarmed)」ウイルスゲノムを使用し、したがって、植物から植物へのウイルスの伝播を効果的に防ぐことができる。
【0689】
別の実施形態では、FECTウイルス一過性植物発現システムを使用して、植物をDVPで一過的に形質転換し得る。Liu Z & Kearney CM,BMC Biotechnology,2010,10:88を参照されたい(その開示は、参照によりその全体が本明細書に援用される)。FECTベクターは、アグロインフェクションのためのT-DNA領域を含み、これは、CaMV 35Sプロモーターを含み、ウイルスコーティングタンパク質及びトリプル遺伝子ブロックをコードする遺伝子を用いずに、フォックステールモザイクウイルスRNAの発現を駆動する。更に、このシステムは、「非武装(disarmed)」ウイルスゲノムを使用し、したがって、植物から植物へのウイルスの伝播を効果的に防ぐことができる。導入された異種遺伝子を効率的に発現させるために、FECT発現システムは、導入されたT-DNAの転写後遺伝子サイレンシング(PTGS)を防ぐために、トマトブッシースタントウイルス由来のRNAサイレンシングサプレッサータンパク質であるP19を更に共発現させる必要がある(TRBO発現系は、P19の共発現を必要としない)。
【0690】
一部の実施形態では、DVP ORFは、一連の翻訳的に融合された構造モチーフをコードするように設計することができ、以下のように記載することができる:N’-ERSP-STA-L-DVP-C’(式中、「N’」及び「C’」は、それぞれN末端アミノ酸及びC末端アミノ酸を示し、ERSPモチーフは、オオムギアルファアミラーゼシグナルペプチド(BAAS)(配列番号60)であり得、安定化タンパク質(STA)は、GFP(配列番号57)であり得、リンカーペプチド「L」は、IGER(配列番号54)であり得る)。一部の実施形態では、ersp-sta-l-dvp ORFは、制限部位(例えば、5’末端のPac I制限部位、及び3’末端のAvr II制限部位)を含むように化学的に合成され得る。一部の実施形態では、DVP ORFをFECT発現ベクター(pFECT)のPac I及びAvr II制限部位にクローニングして、FECT一過性植物発現システム(pFECT-DVP)のためのミュー-ジゲトキシン-Dc1aバリアント発現ベクターを生成することができる。FECT発現システムにおける発現を最大化するために、一部の実施形態は、共形質転換のために生成されたRNAサイレンシングサプレッサータンパク質P19(pFECT-P19)を発現するFECTベクターを有し得る。
【0691】
一部の実施形態では、ミュー-ジゲトキシン-Dc1aバリアント発現ベクターは、TRBO一過性植物発現システムで使用するために、例えば、日常的なPCR手順を実施し、上記のDVP ORFの3’末端にNot I制限部位を付加し、次いで、DVP ORFをTRBO発現ベクターのPac I及びNot I制限部位にクローニングすることによって組換えることができる(pTRBO-DVP)。
【0692】
一部の実施形態では、Agrobacterium tumefaciens株(例えば、市販のGV3101細胞)は、1つ以上の一過性発現システム(例えば、FECT及びTRBO発現システム)を使用して、植物組織(例えば、タバコ葉)におけるDVP ORFの一過性発現のために使用することができる。このような一過性トランスフェクションプロトコルの例示的な実施例としては、以下が挙げられる:GV3101の一晩培養を使用して、200mLのLuria-Bertani(LB)培地を接種することができる。細胞を、OD600が0.5~0.8の対数増殖期まで増殖させ、次いで、細胞を、4℃で、5000rpmで10分間遠心分離することによってペレット化することができる。次いで、細胞を、10mLの予冷したTE緩衝液(10mMのTris-HCl、1mMのEDTA、pH8.0)で1回洗浄し、次いで、20mLのLB培地に再懸濁することができる。次いで、GV3101の細胞再懸濁液を、250μL画分で1.5mLのマイクロチューブにアリコートすることができる。次いで、アリコートを、液体窒素中で急速凍結し、将来の形質転換用に-80℃で保存することができる。次いで、pFECT-DVP及びpTRBO-DVPベクターは、以下のように、凍結融解法を使用して、コンピテントGV3101細胞に形質転換することができる:保存されたコンピテントGV3101細胞を氷上で解凍し、1~5μgの純粋なDNA(pFECT-DVP又はpTRBO-DVPベクター)と混合する。細胞-DNA混合物を、氷上で5分間保持し、-80℃に5分間移し、37℃の水浴中で5分間インキュベートする。次いで、凍結融解処理された細胞を、1mLのLB培地に希釈し、揺動台上で、室温で、2~4時間振盪する。次いで、細胞-DNA混合物の200μLのアリコートを、適切な抗生物質(10μg/mLのリファンピシン、25μg/mLのゲンタマイシン、及び50μg/mLのカナマイシンを、pFECT-DVP形質転換及びpTRBO-DVP形質転換の両方に使用することができる)を含むLB寒天プレート上に広げ、28℃で2日間インキュベートする。次いで、得られた形質転換コロニーを採取し、形質転換DNAを分析するための適切な抗生物質を含む6mLのLB培地のアリコート中で培養し、形質転換GV3101細胞のグリセロールストックを作製する。
【0693】
一部の実施形態では、植物組織(例えば、タバコ葉)の一過性形質転換は、針なしの3mL注射器を用いて葉注射を使用して実行され得る。例示的な一実施例では、形質転換GV3101細胞を、(上記のように)適切な抗生物質とともにLBプレート上に画線し、28℃で2日間インキュベートする。形質転換GV3101細胞のコロニーを、5mlのLB-MESA培地(10mMのMES、及び20μMのアセトシリンゴン、並びに上記の同じ抗生物質を補充したLB培地)に接種し、28℃で一晩増殖させる。一晩培養した細胞を、5000rpmで10分間遠心分離することによって回収し、最終OD600が1.0で、誘導培地(10mMのMES、10mMのMgCl、100μMのアセトシリンゴン)に再懸濁する。次いで、細胞を誘導培地中で2時間、室温で一晩インキュベートすることで、タバコ葉の一過性形質転換の準備が整う。処理された細胞は、針が装着されていない3mLシリンジを使用した注射によって、Nicotiana benthamiana植物についている葉の下側に浸潤させることができる。
【0694】
一部の実施形態では、一過性形質転換は、GV3101細胞の1つの集団をpFECT-DVP又はpTRBO-DVPでトランスフェクトし、別の集団をpFECT-P19でトランスフェクトし、2つの細胞集団を、3mL注射器を用いた注射によって、タバコ葉の浸潤のために、等量で一緒に混合することによって達成され得る。
【0695】
DVPをコードするように動作可能なポリヌクレオチドの安定した組み込みは、本開示でも可能であり、例えば、DVP ORFは、安定した植物形質転換技術を使用して植物ゲノムに組み込むこともでき、したがって、DVPは、植物において安定して発現され、形質転換された植物を世代から世代へと保護することができる。植物の安定した形質転換のために、DVP発現ベクターは、環状又は線状であり得る。DVP ORF、DVP発現カセット、及び/又は安定した植物形質転換のためのDVPをコードするポリヌクレオチドを有するベクターは、当業者に既知であるものに基づいて、並びに/又はGene Designer 2.0(Atum Bio)、VectorBuilder(Cyagen)、SnapGene(登録商標)ビューア、GeneArt(商標)プラスミド構築サービス(Thermo-Fisher Scientific)、及び/若しくは他の市販のプラスミド設計サービスなどの予測ベクター設計ツールを使用することによって、植物における最適な発現のために慎重に設計されるべきである。Tolmachov,Designing plasmid vectors.Methods Mol Biol.2009;542:117-29を参照されたい。DVPの発現は、通常、トランスジェニック植物の一部又は全ての細胞における転写を促進するプロモーターによって制御される。プロモーターは、強力な植物ウイルスプロモーター、例えば、カリフラワーモザイクウイルス(CaMV)由来の構成的35Sプロモーターであり得る。また、プロモーターは、強力な植物プロモーター、例えば、Arabidopsis thaliana由来のヒドロペルオキシドリアーゼプロモーター(pHPL)、ダイズ由来のGlycine maxポリユビキチン(Gmubi)プロモーター、異なる植物種(イネ、トウモロコシ、ジャガイモなど)由来のユビキチンプロモーターなどであり得る。植物転写ターミネーターは、多くの場合、RNAポリメラーゼ及びmRNAの転写を停止させるために、ORFの終止コドンの後にあるが多い。DVPの発現を評価するために、レポーター遺伝子(例えば、GUSストレイニングアッセイのためのβ-グルクロニダーゼ遺伝子(GUS)、紫外線下で緑色蛍光を検出するための緑色蛍光タンパク質(GFP)遺伝子)をDVP発現ベクターに含めることができる。形質転換植物を選択するために、DVP発現ベクターには、通常、選択マーカー遺伝子が含まれる。一部の実施形態では、マーカー遺伝子発現産物は、特定の抗生物質(例えば、カナマイシン、ハイグロマイシン)又は特定の除草剤(例えば、グリホサートなど)に対する耐性を、形質転換植物に提供することができる。植物形質転換にアグロインフェクション技術を採用する場合、T-DNA部分を植物に輸送するために、T-DNAの左縁及び右縁の配列もDVP発現ベクターに含まれる。
【0696】
構築されたDVP発現ベクターは、多くのトランスフェクション技術を使用して、植物細胞又は組織にトランスフェクションすることができる。アグロインフェクションは、Agrobacterium tumefaciens株又はAgrobacterium rhizogenes系統を使用して、植物を形質転換する非常に人気のある方法である。粒子衝撃(遺伝子銃又は微粒子銃とも呼ばれる)技術は、植物トランスフェクションの非常に一般的な方法でもある。他のあまり一般的ではないトランスフェクション方法としては、組織エレクトロポレーション、炭化ケイ素ウィスカー、DNAの直接注入などが挙げられる。トランスフェクション後、トランスフェクトされた植物細胞又は組織を、植物再生培地に配置し、トランスフェクトされた植物細胞又は組織を、トランスジェニック植物に再生させる。
【0697】
形質転換植物の評価は、DNAレベル、RNAレベル、及びタンパク質レベルで達成することができる。安定して形質転換された植物は、これらの全てのレベルで評価することができ、一過的に形質転換された植物は、通常、タンパク質レベルでのみ評価される。DVP ORFが、安定して形質転換された植物のゲノムに組み込まれていることを確実にするために、ゲノムDNAを、安定して形質転換された植物組織から抽出し、PCR又はサザンブロットを使用して分析することができる。安定して形質転換された植物におけるDVPの発現は、例えば、ノーザンブロット又はRT-PCRを使用して、形質転換された植物組織から抽出された総mRNAを分析することによって、RNAレベルで評価することができる。形質転換された植物におけるDVPの発現は、タンパク質レベルで直接評価することもできる。形質転換植物におけるDVPの発現を評価するための多くの方法がある。DVP ORFにレポーター遺伝子が含まれる場合、レポーター遺伝子アッセイを行うことができる。例えば、一部の実施形態では、GUSレポーター遺伝子発現用のGUSストレイニングアッセイ、GFPレポーター遺伝子発現用の緑色蛍光検出アッセイ、ルシフェラーゼレポーター遺伝子発現用のルシフェラーゼアッセイ、及び/又は他のレポーター技術を用いてもよい。
【0698】
一部の実施形態では、総タンパク質は、Bradfordアッセイを使用してDVPの発現を直接評価し、試料中の総タンパク質レベルを評価するために、形質転換された植物組織から抽出することができる。
【0699】
一部の実施形態では、分析用HPLCクロマトグラフィー技術、ウエスタンブロット技術、又はiELISAアッセイを採用して、形質転換された植物組織から抽出された総タンパク質試料中のDVPを定性的又は定量的に評価することができる。DVP発現はまた、形質転換された植物組織から抽出された総タンパク質試料を、昆虫バイオアッセイで使用することによって評価することもできる。例えば、一部の実施形態では、形質転換された植物組織又は形質転換された植物自体全体を、昆虫バイオアッセイで使用して、DVPの発現及びそれが植物を保護する能力を評価することができる。
【0700】
一部の実施形態では、本発明の植物、植物組織、植物細胞、植物種子、又はその一部は、1つ以上のDVP又はそれをコードするポリヌクレオチドを含むことができ、当該DVPは、少なくともであるアミノ酸配列を含む。
【0701】
変換成功の確認
植物細胞への異種外来DNAの導入後、植物ゲノムにおける異種遺伝子の形質転換又は組み込みは、組み込まれた遺伝子と関連する核酸、タンパク質、及び代謝産物の分析などの様々な方法によって確認される。
【0702】
PCR分析は、土壌に移植する前の初期段階で組み込まれた遺伝子の存在について、形質転換された細胞、組織、又は苗条をスクリーニングする迅速な方法である(Sambrook and Russell(2001)Molecular Cloning:A Laboratory Manual.Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.)。PCRは、目的の遺伝子又はアグロバクテリウムベクターバックグラウンドなどに特異的なオリゴヌクレオチドプライマーを使用して行われる。
【0703】
植物の形質転換は、ゲノムDNAのサザンブロット分析によって確認することができる(Sambrook and Russell,2001、上記)。一般に、全DNAは、形質転換された植物から抽出され、適切な制限酵素で消化され、アガロースゲル中で分画され、ニトロセルロース又はナイロン膜に移される。次いで、膜又は「ブロット」を、例えば、放射標識32P標的DNA断片でプローブして、標準的な技術に従って、植物ゲノムに導入された遺伝子の組み込みを確認する(Sambrook and Russell,2001、上記)。
【0704】
ノーザンブロット分析では、RNAを形質転換植物の特定の組織から単離し、ホルムアルデヒドアガロースゲル中で分画し、当該技術分野で日常的に使用される標準的な手順に従って、ナイロンフィルター上にブロットする(Sambrook and Russell,2001、上記)。次いで、DVPをコードするポリヌクレオチドによってコードされるRNAの発現は、当該技術分野で既知の方法(Sambrook and Russell,2001、上記)によって、フィルターをDVPに由来する放射性プローブにハイブリダイゼーションすることによって試験する。
【0705】
トランスジェニック植物について、ウエスタンブロット、生化学的アッセイなどを行って、DVP上に存在する1つ以上のエピトープに結合する抗体を使用して、標準的な手順によって(Sambrook and Russell,2001、上記)、DVP遺伝子によってコードされるタンパク質の存在を確認してもよい。
【0706】
植物形質転換の成功を決定するために、例えば、クロラムフェニコールに対する耐性、アミノグリコシドG418、ハイグロマイシンなどのいくつかのマーカーが開発されている。葉緑体代謝に関与する産物をコードする他の遺伝子も、選択マーカーとして使用することができる。例えば、グリホサート、ブロモキシニル、又はイミダゾリノンなどの植物除草剤に耐性を提供する遺伝子は、特定の用途を見出すことができる。かかる遺伝子が報告されている(Stalker et al.(1985)J.Biol.Chem.263:6310-6314(ブロモキシニル耐性ニトリラーゼ遺伝子)、及びSathasivan et al.(1990)Nucl.Acids Res.18:2188(AHASイミダゾリノン耐性遺伝子))。更に、本明細書に開示される遺伝子は、細菌、酵母、又は植物細胞の形質転換を評価するためのマーカーとして有用である。植物、植物器官(例えば、葉、茎、根など)、種子、植物細胞、むかご、胚、又はその子孫における導入遺伝子の存在を検出するための方法は、当該技術分野で周知である。一実施形態では、導入遺伝子の存在は、農薬活性を試験することによって検出される。
【0707】
DVP及び/又はミュー-ジゲトキシン-Dc1aバリアントポリヌクレオチドを発現する稔性植物は、農薬活性について試験され得、植物は、更なる育種のために選択される最適な活性を示す。害虫活性をアッセイする方法は、当該技術分野で利用可能である。一般に、タンパク質は混合され、摂食アッセイで使用される。例えば、Marrone et al.(1985)J.of Economic Entomology 78:290-293を参照されたい。
【0708】
一部の実施形態では、一過性トランスフェクション手順の成功を評価することは、レポーター遺伝子(例えば、GFP)の発現に基づいて決定することができる。一部の実施形態では、GFPは、FECT及び/又はTRBOベクターで形質転換されたタバコ葉において、UV光下で検出され得る。
【0709】
一部の実施形態では、DVP発現は、植物(例えば、タバコ)において定量的に評価され得る。タバコ植物におけるDVP定量を例示する例示的な手順は、以下のとおりである。形質転換された葉組織の100mgのディスクを、1000μLのピペット先端の大きな開口部で葉を打ち抜くことによって収集する。採取した葉組織を、直径5/32インチのステンレス鋼研削球を含む2mLマイクロチューブに入れ、-80℃で1時間凍結し、Troemner-Talboysハイスループットホモジナイザーを使用してホモジナイズする。次に、750μLの氷冷TSP-SE1抽出溶液(50mMのリン酸ナトリウム溶液、1:100希釈プロテアーゼ阻害剤カクテル、1mMのEDTA、10mMのDIECA、8%のPVPP、pH7.0)をチューブに添加し、ボルテックスする。次いで、マイクロチューブを、室温で15分間静置し、次いで、4℃で、16,000gで15分間遠心分離する。得られた上清を100μLを採取し、底部に空の受け皿Costarマイクロタイタープレートを備えた0.45μm Millipore MultiScreenフィルターマイクロタイタープレート中のSephadex G-50充填済みカラムにロードする。次いで、マイクロタイタープレートを、4℃で、800gで2分間遠心分離する。次いで、得られた濾液(タバコ葉の総可溶性タンパク質抽出物(TSP抽出物)と呼ぶ)は、定量分析の準備が整う。
【0710】
一部の実施形態では、TSP抽出物の総可溶性タンパク質濃度は、Pierce Coomassie Plusタンパク質アッセイを使用して推定することができる。既知の濃度のBSAタンパク質標準を使用して、タンパク質定量化の標準曲線を作成することができる。例えば、2μLの各TSP抽出物を、Coomassie Plusタンパク質アッセイキットの200μLの発色試薬(CPPA試薬)に混合し、10分間インキュベートすることができる。次いで、制御ソフトウェアとしてSoftMax Proを使用して、SpectroMax-M2プレートリーダーを使用して、OD595を読み取ることによって発色反応を評価することができる。総可溶性タンパク質の濃度は、FECT及びTRBOを介して形質転換された植物からのTSP抽出物中で、それぞれ約0.788±0.20μg/μL又は約0.533±0.03μg/μLであり得、その結果を使用して、iELISAアッセイについて、TSP(%TSP)中の発現されたミュー-ジゲトキシン-Dc1aバリアントペプチドのパーセンテージを計算することができる。
【0711】
一部の実施形態では、間接ELISA(iELISA)アッセイを使用して、FECT及び/又はTRBO発現システムで一過的に形質転換されたタバコ葉におけるDVP含有量を定量的に評価することができる。DVPを定量化するためにiELISAを使用する例示的な例は、以下のとおりである。5μLの葉TSP抽出物を、Immulon 2HD 96ウェルプレートのウェル内で、95μLのCB2溶液(Immunochemistry Technologies)で希釈し、必要に応じて、段階希釈を行う。次いで、抽出試料から得られた葉タンパク質を、暗所で、室温で3時間ウェル壁をコーティングし、次いでその後、CB2溶液を除去する。各ウェルを、200μLのPBS(Gibco)で2回洗浄する。150μLのブロッキング溶液(5%の脱脂粉乳を含むPBS中のBlock BSA)を各ウェルに添加し、暗所で、室温で1時間インキュベートする。ブロッキング溶液を除去した後、ウェルのPBS洗浄、100μLのDVPに対する一次抗体(カスタム抗体はProMab Biotechnologies,Inc.から市販されている;GenScript(登録商標);又は当業者に容易に入手可能な知識を使用して調製される)。ブロッキング溶液中に1:250希釈で希釈された抗体を各ウェルに添加し、暗所で、室温で1時間インキュベートする。一次抗体を除去し、各ウェルをPBSで4回洗浄する。100μLのHRPコンジュゲート二次抗体(すなわち、一次抗体を生成するために使用した宿主種に対する抗体;ブロッキング溶液中で1:1000希釈で使用される)を各ウェルに添加し、暗所で1時間室温でインキュベートする。二次抗体を除去し、ウェルを100μLのPBSで洗浄する。基質溶液(ABTSペルオキシダーゼ基質溶液Aと溶液Bとの1:1混合物、KPL)を各ウェルに添加し、十分な発色が明らかになるまで発色反応を進める。100μLのペルオキシダーゼ停止溶液を各ウェルに添加して、反応を停止させる。プレート内の各反応混合物の光吸光度を、SpectroMax-M2プレートリーダーを使用して405nmで読み取り、SoftMax Proを対照ソフトウェアとして使用する。純粋なDVP試料の既知の濃度を段階希釈し、iELISAアッセイで上述したのと同じ方法で処理して、定量分析のための質量-吸光度標準曲線を生成することができる。発現されたDVPは、FECT形質転換タバコからの葉TSP抽出物では約3.09±1.83ng/μLで、及びTRBO形質転換タバコからの葉TSP抽出物では約3.56±0.74ng/μLで、iELISAによって検出することができる。代替的に、発現されたDVPは、FECT形質転換植物では、約0.40%の総可溶性タンパク質(%TSP)であり、TRBO形質転換植物では、約0.67%のTSPであり得る。
【0712】
混合物、組成物及び製剤
本明細書で使用される場合、「組成物」及び「製剤」という用語は、互換的に使用される。
【0713】
本明細書で使用される場合、「v/v」又は「% v/v」又は「体積当たりの体積」は、溶液の体積濃度を指す(「v/v」は体積当たりの体積を表す)。ここで、v/vは、溶液の両方の成分が液体である場合に使用することができる。例えば、50mLの成分Xを50mLの水で希釈すると、100mLの総体積に50mLの成分Xが存在することになり、したがって、これは、「50% v/vの成分X」として表すことができる。体積当たりの体積パーセント(% v/v)は、以下のように計算される。(溶質の体積(mL)/溶液の体積(100mL));例えば、% v/v=mLの溶質/100mLの溶液。
【0714】
本明細書で使用される場合、「w/w」又は「% w/w」又は「重量/重量」は、溶液の重量濃度、すなわち、重量/重量パーセント(「w/w」は、重量当たりの重量を表す)を指す。ここで、w/wは、100gの溶液又は混合物中の構成成分のグラム数(g)を表す。例えば、30gの成分X、及び70gの水からなる混合物は、「30% w/wの成分X」として表される。重量当たりの重量パーセント(% w/w)は、以下のように計算される:(溶質の重量(g)/溶液の重量(g))×100、又は(溶質の質量(g)/溶液の質量(g))×100。
【0715】
本明細書で使用される場合、「w/v」又は「% w/v」又は「体積当たりの重量」は、溶液の質量濃度、すなわち、重量/体積パーセントを指す(「w/v」は体積当たりの重量を表す)。ここで、w/vは、100mLの溶液中の構成成分のグラム(g)の数を表す。例えば、1gの成分Xを使用して、100mLの総体積を構成する場合、「成分Xの1% w/v溶液」が作られている。体積当たりの重量パーセント(% w/v)は、以下のように計算される:(溶質の質量(g)/溶液の体積(mL))×100。
【0716】
本明細書に記載されるDVP又はDVP-殺虫タンパク質(例えば、配列番号6~43、45~51、53、128、130、136、139~140、144、146~147、187~191、202~215、又は217~219に示されるアミノ酸配列を有するDVP、又はその薬学的に許容される塩)のうちのいずれかを使用して、混合物及び/又は組成物を作製することができ、当該混合物及び/又は組成物は少なくとも1つのDVPからなる。
【0717】
組成物、生成物、ポリペプチド、及び/又はDVPを発現するように動作可能なポリヌクレオチドで形質転換され、本明細書に記載される植物のいずれも、害虫、その成長、及び/又はそれらの作用、特に植物へのそれらの損傷によって引き起こされる損傷を制御するために使用され得る。
【0718】
DVP、DVP-殺虫タンパク質、又はそれらの薬学的に許容される塩を含む組成物、例えば、農薬組成物は、エアロゾル及び/又はエアロゾル化生成物、例えば、噴霧、燻蒸剤、粉末、粉塵、及び/又はガス;種子粉衣;経口調製物(例えば、昆虫の餌など);DVP、DVP-殺虫タンパク質、及び/又はDVP ORFを(一過的及び/又は安定的のいずれか)発現及び/又は産生するトランスジェニック生物、例えば、植物又は動物を含むことができるが、これらに限定されない。
【0719】
組成物は、粉末、粉塵、ペレット、顆粒、噴霧、エマルション、コロイド、溶液などとして製剤化することができ、ポリペプチドを含む細胞培養物の乾燥、凍結乾燥、均質化、抽出、濾過、遠心分離、沈降、又は濃縮などの従来の手段によって調製することができる。少なくとも1つのかかる農薬ポリペプチドを含有する全てのかかる組成物では、ポリペプチドが、約1重量%~約99重量%の濃度で存在し得る。
【0720】
一部の実施形態では、本明細書に記載の農薬組成物は、DVP、DVP-殺虫タンパク質、又はその薬学的に許容される塩のいずれかを、所望の農業的に許容される担体とともに、製剤化することによって作製することができる。組成物は、投与前、凍結乾燥(lyophilized)、凍結乾燥(freeze-dried)、乾燥、又は水性担体、培地、又は好適な希釈剤(例えば、生理食塩水及び/若しくは他の緩衝液)などの適切な手段で製剤化され得る。一部の実施形態では、製剤化された組成物は、粉塵材料若しくは粒状材料、又は油(植物油若しくはミネラルオイル)エマルション、若しくは水エマルション、若しくは油/水エマルション中の懸濁液、又は水和剤、又は農業用途に好適な任意の他の担体材料と組み合わせた形態であり得る。好適な農業的担体は、固体又は液体であり得、当該技術分野において周知である。一部の実施形態では、製剤は、1つ以上の固体又は液体アジュバントと混合され得、様々な手段によって、例えば、従来の製剤技術を使用して、農薬組成物を好適なアジュバントと均一に混合、ブレンド、及び/又は粉砕することによって調製され得る。好適な製剤化及び適用方法は、米国特許第6,468,523号に記載されている(その開示は、参照によりその全体が本明細書に援用される)。
【0721】
一部の実施形態では、組成物は、DVP及び賦形剤を含み得るか、それから本質的になり得るか、又はそれからなり得る。
【0722】
一部の実施形態では、組成物は、DVP-殺虫タンパク質及び賦形剤を含み得るか、それから本質的になり得るか、又はそれからなり得る。
【0723】
一部の実施形態では、組成物は、DVP、DVP-殺虫タンパク質、又はそれらの薬学的に許容される塩と、賦形剤と、を含み得るか、それから本質的になり得るか、又はそれからなり得る。
【0724】
噴霧用組成物
本発明の噴霧産物の例としては、農業用途のフィールド噴霧用製剤及び居住空間又は商業空間の内部空間で使用するための屋内噴霧が挙げられ得る。一部の実施形態では、DVP、DVP-殺虫タンパク質、又はそれらの薬学的に許容される塩を含む残留噴霧又は空間噴霧を使用して、内部空間の害虫を減少させるか、又は除去することができる。
【0725】
室内表面噴霧(surface spraying indoors)(SSI)は、壁、窓、床、天井などの媒介生物がいる室内表面に、可変量の噴霧可能な量の殺虫剤を適用する技術である。可変量の噴霧可能な量の主な目標は、害虫(例えば、ハエ、ノミ、ダニ、又は蚊の媒介生物)の寿命を減少させ、それによって、病気の伝染を軽減又は阻止することである。二次的な影響は、処理領域内の害虫の密度を減少させることである。SSIは、ライム病、サルモネラ、チングニアウイルス、ジカウイルス、及びマラリアなどの媒介害虫疾患を制御するための方法として使用することができ、また、リーシュマニア症及びシャーガス病などの媒介昆虫によって運ばれる寄生虫の管理にも使用することができる。ジカウイルス、チングニアウイルス、マラリアを保有する多くの媒介蚊には、血液を吸った後に家の中にいる内向性(endophilic)の媒介蚊が含まれる。これらの蚊は、特に、DVP、DVP-殺虫タンパク質、又はそれらの薬学的に許容される塩と、賦形剤と、を含む噴霧可能な組成物を用いて、室内での表面噴霧(SSI)を介して制御されやすい。その名が示すように、SSIは、残留殺虫剤による家の壁及び他の表面に組成物を適用することを伴う。
【0726】
一実施形態では、DVP、DVP-殺虫タンパク質、又はそれらの薬学的に許容される塩を含む組成物であって、賦形剤は、これらの表面に接触する昆虫害虫をノックダウンするであろう。SSIは、人が蚊に噛まれるのを直接防ぐものではない。むしろ、SSIは、通常、蚊が血液を吸った後、噴霧された表面にいる場合、害虫を制御する。したがって、SSIは、他の人への感染の伝播を防止する。効果を発揮するには、ある地域の非常に高い割合(通常、40~80パーセント超)の世帯に、SSIを適用する必要がある。したがって、良好な残留有効性及び許容可能な臭気を有する本発明による噴霧は、一体化された媒介害虫を管理又は制御する溶液の成分として特に好適である。
【0727】
活性DVP又はDVP-殺虫タンパク質が、塗料のように住居の表面(例えば、壁又は天井)に結合することを必要とするSSIとは対照的に、例えば、本発明の空間噴霧生成物は、所与の期間にわたって空気中に散布されることが意図された多数の小さな殺虫液滴の生成に依存する。これらの液滴が標的害虫に影響を及ぼす場合、それらは、害虫を制御するのに有効なノックダウン有効用量のDVP又はDVP-殺虫タンパク質を送達する。空間噴霧を生成するための従来の方法は、熱霧化(それによって、DVP、DVP-殺虫タンパク質、又はそれらの薬学的に許容される塩を含む組成物の濃い雲が、厚い霧の外観を与えて産生される)及び超低体積(ULV)を含み、それによって、液滴が、低温の機械的エアロゾル生成機械によって産生される。エアゾル缶などのすぐに使用できるエアゾルも使用され得る。
【0728】
広い地域を一度に処理可能であるため、前述の方法は、特定の地域における飛来害虫の個体数を迅速に減少させるための非常に効果的な方法である。また、適用からの残存活性が非常に限られているため、完全に有効にするには、5~7日間隔で繰り返す必要がある。この方法は、害虫の数を迅速に減少させる必要がある流行状況において、特に効果的であり得る。そのため、都市部のデング熱対策キャンペーンで使用することができる。
【0729】
効果的な空間散布は、一般に、以下の特定の原理に依存する。標的昆虫は、通常、噴霧雲を飛翔している(又は、露出した表面にいる間に影響を受けることがある)。したがって、噴霧液滴と標的昆虫との間の接触の効率が重要である。これは、噴霧液滴が最適な期間空気中に残り、適切な用量の殺虫剤を含むことを確実にすることによって達成される。これら2つの問題は、主に、液滴サイズを最適化することによって対処される。液滴が大きすぎると、急速に地面に落ち、適用中に遭遇した植生又は他の障害物に浸透しない(適用の有効面積を制限する)。これらの大きな液滴の1つが個々の昆虫に影響を与える場合、個々の昆虫ごとに高用量が送達されるため、それは「オーバーキル」でもある。液滴が小さすぎると、空気力学により標的昆虫に付着しないか(衝突しない)、対流によって大気中に上へと運ばれ得る。空間散布を適用するための液滴の最適なサイズは、体積中央径(VMD)が10~25ミクロンの液滴である。
【0730】
一部の実施形態では、噴霧可能な組成物は、約0.005重量%~約99重量%の範囲の量のDVP、又はその薬学的に許容される塩を含有し得る。
【0731】
一部の実施形態では、噴霧可能な組成物は、約0.005重量%~約99重量%の範囲の量のDVP-殺虫タンパク質、又はその薬学的に許容される塩を含有し得る。
【0732】
フォーム
DVP、DVP-殺虫タンパク質、又はそれらの薬学的に許容される塩と、賦形剤とを含む本発明の活性組成物は、エアロゾル化フォーム用途を含む、エアロゾルベースの用途として噴霧製品で利用可能にしてもよい。加圧缶は、エアロゾルを形成するための典型的なビヒクルである。使用されるDVP又はDVP-殺虫タンパク質と適合性のあるエアロゾル噴射剤。好ましくは、液化ガス式噴射剤が使用される。
【0733】
好適な噴射剤としては、圧縮空気、二酸化炭素、ブタン、及び窒素が挙げられる。活性化合物組成物中の噴射剤の濃度は、ピリジン組成物の約5重量パーセント~約40重量パーセント、好ましくは、DVP、DVP-殺虫タンパク質、又はそれらの薬学的に許容される塩と、賦形剤とを含むものの約15重量パーセント~約30重量パーセントである。
【0734】
一実施形態では、DVP、DVP-殺虫タンパク質、又はそれらの薬学的に許容される塩を含む製剤はまた、1つ以上の発泡剤を含み得る。使用され得る発泡剤としては、ラウレス硫酸ナトリウム、コカミドDEA、及びコカミドプロピルベタインが挙げられる。好ましくは、ラウレス硫酸ナトリウム、コカミドDEA、及びコカミドプロピルが、組み合わせて使用される。活性化合物組成物中の発泡剤の濃度は、組成物の約10重量パーセント~約25重量パーセント、より好ましくは、15重量パーセント~20重量パーセントである。
【0735】
かかる製剤が発泡剤を含まないエアゾル用途で使用される場合、使用する前に直接混合する必要がなく、本発明の活性組成物を使用することができる。しかしながら、発泡剤を含むエアロゾル製剤は、使用直前に混合(すなわち、振盪)する必要がない。加えて、発泡剤を含む製剤を長期間使用する場合、それらは、使用中に定期的に追加の混合を必要とする場合がある。
【0736】
一部の実施形態では、エアロゾル化フォームは、約0.005重量%~約99重量%の範囲の量のDVP、又はその薬学的に許容される塩を含有し得る。
【0737】
一部の実施形態では、エアロゾル化フォームは、約0.005重量%~約99重量%の範囲の量のDVP-殺虫タンパク質、又はその薬学的に許容される塩を含有し得る。
【0738】
燃焼製剤
一部の実施形態では、居住地域はまた、ロウソク、スモークコイル、若しくは香片含有組成物などの燃焼製剤(burning formulation)を使用することによって、活性DVP又はDVP-殺虫タンパク質で処理されてもよい。例えば、組成物は、「加熱式」芳香剤(air freshener)などの家庭用品に製剤化され得、殺虫性組成物が(例えば、電気的に又は燃焼によって)加熱時に放出される。DVP、DVP-殺虫タンパク質、又はそれらの薬学的に許容される塩を含む本発明の活性化合物組成物は、エアロゾル、蚊取りコイル、及び/又は気化器又は霧化器として噴霧製品中で利用可能であってもよい。
【0739】
一部の実施形態では、燃焼製剤は、約0.005重量%~約99重量%の範囲の量のDVP、又はその薬学的に許容される塩を含有し得る。
【0740】
一部の実施形態では、燃焼製剤は、約0.005重量%~約99重量%の範囲の量のDVP-殺虫タンパク質、又はその薬学的に許容される塩を含有し得る。
【0741】
生地処理
一部の実施形態では、DVP、DVP-殺虫タンパク質、又はそれらの薬学的に許容される塩と、賦形剤とを含む殺虫有効組成物を含有する布地及び衣服が作製され得る。一部の実施形態では、本明細書に記載の高分子材料、繊維、糸、織物、網物、又は基質中のDVP又はDVP-殺虫タンパク質の濃度は、例えば、0.05~15重量パーセント、好ましくは0.2~10重量パーセント、より好ましくは0.4~8重量パーセント、特に0.5~5重量パーセント、例えば、1~3重量パーセントの比較的広い濃度範囲内で変化させることができる。
【0742】
同様に、DVP、DVP-殺虫タンパク質、又はそれらの薬学的に許容される塩と、賦形剤とを含む組成物の濃度(表面を処理するための、又は繊維、糸、網物、織物をコーティングするための)は、例えば、0.1~70重量パーセント、例えば、0.5~50重量パーセント、好ましくは、1~40重量パーセント、より好ましくは、5~30重量パーセント、特に、10~20重量パーセントの比較的広い濃度範囲内で変化させることができる。
【0743】
DVP又はDVP-殺虫タンパク質の濃度は、ノックダウン有効性、耐久性、及び毒性に関する要件が満たされるように、適用分野に応じて選択することができる。材料の特性を適応させることもでき、このようにしてカスタマイズされた織物生地を入手することができる。
【0744】
したがって、DVP、DVP-殺虫タンパク質、又はそれらの薬学的に許容される塩の有効量は、特定の使用パターン、制御が最も望まれる害虫、及びDVP又はDVP-殺虫タンパク質が使用されるであろう環境に依存し得る。したがって、DVP、DVP-殺虫タンパク質、又はそれらの薬学的に許容される塩の有効量は、害虫の制御が達成されるのに十分である。
【0745】
一部の実施形態では、生地処理は、約0.005重量%~約99重量%の範囲の量のDVP、又はその薬学的に許容される塩を含有し得る。
【0746】
一部の実施形態では、布地処理は、約0.005重量%~約99重量%の範囲の量のDVP-殺虫タンパク質、又はその薬学的に許容される塩を含有し得る。
【0747】
表面処理組成物
一部の実施形態では、本開示は、建物の内部の壁、床及び天井をコーティングするため、並びに基材又は非生物材料をコーティングするための、DVP及び賦形剤を含むか、又はDVP-殺虫タンパク質及び賦形剤を含む組成物又は製剤を提供する。DVP、DVP-殺虫タンパク質、又はそれらの薬学的に許容される塩と、賦形剤とを含む本発明の組成物は、念頭に置いた目的のために既知の技術を使用して調製され得る。DVP-殺虫タンパク質及び賦形剤を含む組成物の調製物は、化合物の表面又は他の基質への結合を容易にするための結合剤も含有するように製剤化され得る。結合に有用な薬剤は当該技術分野で既知であり、形態がポリマーである傾向がある。特定の多孔性及び/又は結合特性を有する壁面に適用される組成物に好適な結合剤の種類は、繊維、糸、織物、又は網物と比較して異なり、したがって、当業者は、既知の教示に基づいて、所望の表面及び/又は基質に基づいて好適な結合剤を選択するであろう。
【0748】
典型的な結合剤は、ポリビニルアルコール、修飾デンプン、ポリビニルアクリレート、ポリアクリル、ポリ酢酸ビニルコポリマー、ポリウレタン、及び修飾植物油である。好適な結合剤は、多種多様なポリマー及びコポリマー、並びにそれらの組み合わせに由来するラテックス分散体を含むことができる。本発明の組成物中の結合剤として使用するのに好適なラテックスは、スチレン、アルキルスチレン、イソプレン、ブタジエン、アクリロニトリル、低級アルキルアクリレート、塩化ビニル、塩化ビニリデン、低級カルボン酸、及びα、β-エチレン性不飽和カルボン酸のポリマー及びコポリマーを含み、それらの中で共重合した3つ以上の異なるモノマー種を含むポリマー、並びにシリコーン又はポリウレタンの分散後懸濁液を含む。活性成分を他の表面に結合するためのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ポリマーもまた好適であり得る。
【0749】
一部の実施形態では、表面処理組成物は、約0.005重量%~約99重量%の範囲の量のDVP、又はその薬学的に許容される塩を含有し得る。
【0750】
一部の実施形態では、表面処理組成物は、約0.005重量%~約99重量%の範囲の量のDVP-殺虫タンパク質、又はその薬学的に許容される塩を含有し得る。
【0751】
分散剤
一部の例示的な実施形態では、本開示による殺虫剤製剤は、DVP、DVP殺虫性タンパク質、若しくは薬学的に許容されるその塩、及び賦形剤、希釈剤若しくは担体(例えば、水など)、高分子結合剤、及び/又は分散剤、重合剤、乳化剤、増粘剤、アルコール、香料、若しくは当該技術分野で既知の噴霧可能な殺虫剤の調製に使用される任意の他の不活性賦形剤などの追加の成分からなり得る。
【0752】
一部の実施形態では、DVP、DVP-殺虫タンパク質、又はそれらの薬学的に許容される塩と、賦形剤とを含む組成物は、懸濁液又はカプセル懸濁液などのいくつかの異なる形態又は製剤タイプで調製され得る。また、当業者は、特定のDVP又はDVP-殺虫タンパク質の特性、その使用、及びその適用タイプに基づいて、関連する組成物を調製することができる。例えば、本開示の方法、実施形態、及び他の態様では、使用されるDVP又はDVP-殺虫タンパク質は、懸濁液製剤又はカプセル懸濁液製剤に封入され得る。封入されたDVP又はDVP-殺虫タンパク質は、改善された洗浄堅牢性を提供することができ、またより長期間の活性を提供することができる。製剤は、有機系又は水性(好ましくは、水性)であり得る。
【0753】
一部の実施形態では、分散剤は、約0.005重量%~約99重量%の範囲の量のDVP、又はその薬学的に許容される塩を含有し得る。
【0754】
一部の実施形態では、分散剤は、約0.005重量%~約99重量%の範囲の量のDVP-殺虫タンパク質、又はその薬学的に許容される塩を含有し得る。
【0755】
マイクロカプセル化
本開示による組成物及び方法で使用するのに好適なマイクロカプセル化DVP又はDVP-殺虫タンパク質は、当該技術分野で既知の任意の好適な技術を用いて調製され得る。例えば、材料をマイクロカプセル化するための様々なプロセスがこれまで開発されてきた。これらのプロセスは、3つのカテゴリー:物理的方法、相分離、及び界面反応に分類することができる。物理的方法のカテゴリーでは、マイクロカプセル壁材料及びコア粒子が物理的に合わされ、壁材料がコア粒子の周りを流れてマイクロカプセルを形成する。相分離のカテゴリーでは、マイクロカプセルは、壁材料が溶解され、(例えば、コアセルベーションによって)連続相から物理的に分離され、コア粒子の周囲に堆積される不混和連続相中でコア材料を乳化又は分散させることによって形成される。界面反応のカテゴリーでは、マイクロカプセルは、不混和連続相でコア材料を乳化又は分散させることによって形成され、次いで、界面重合反応がコア粒子の表面で起こるようにされる。マイクロカプセル中に存在するDVP又はDVP-殺虫タンパク質の濃度は、マイクロカプセルの0.1~60重量%で変化し得る。
【0756】
一部の実施形態では、マイクロカプセル化は、約0.005重量%~約99重量%の範囲の量のDVP、又はその薬学的に許容される塩を含有し得る。
【0757】
一部の実施形態では、マイクロカプセル化は、約0.005重量%~約99重量%の範囲の量のDVP-殺虫タンパク質、又はその薬学的に許容される塩を含有し得る。
【0758】
キット、製剤、分散剤、及びそれらの成分
本開示による組成物(DVP、DVP-殺虫タンパク質、又はそれらの薬学的に許容される塩と、賦形剤とを含む)、方法、実施形態、及び他の態様で使用される製剤は、全ての成分を水と一緒に混合することによって形成され得、任意選択で、好適な混合及び/又は分散凝集体を使用し得る。概して、かかる製剤は、10~70℃、好ましくは、15~50℃、より好ましくは、20~40℃の温度で形成される。概して、(A)、(B)、(C)、及び/又は(D)のうちの1つ以上を含む製剤が可能であり、DVP、DVP-殺虫タンパク質、又はそれらの薬学的に許容される塩(農薬として)(A)、固体ポリマー(B)、任意選択的な追加の添加剤(D)を使用して、それらを水性成分(C)中に分散させることが可能である。結合剤が本発明の組成物中(DVP、DVP-殺虫タンパク質、又はそれらの薬学的に許容される塩と、賦形剤とを含む)に存在する場合、水中の高分子結合剤(B)の分散液、及び事前に別々に調製された水中のDVP又はDVP-殺虫タンパク質(A)の水性製剤を使用することが好ましい。かかる別個の製剤は、それぞれの製剤に(A)及び/又は(B)を安定化するための追加の添加剤が含まれていてもよい(それらは市販されている)。第2のプロセスステップでは、かかる生製剤及び任意選択的に追加の水(成分(C))を添加する。また、前述のスキームに基づく上記成分の組み合わせも同様に、例えば、(A)及び/又は(B)の予め形成された分散液を使用し、それを固体(A)及び/又は(B)と混合することによって可能である。高分子結合剤(B)の分散液は、化学物質製造業者によって既に作製された既製の分散液であってもよい。
【0759】
更に、「手作りの」分散液、すなわち、エンドユーザーによって小規模に作製された分散液を使用することも、本発明の範囲内である。かかる分散液は、水中に約20パーセントの結合剤(B)の混合物を提供し、混合物を90℃~100℃の温度に加熱し、混合物を数時間集中的に撹拌することによって作製され得る。本発明によるプロセスのためにエンドユーザーが容易に使用できるように、最終製品として製剤を製造することが可能である。また、当然、濃縮物を製造することも同様に可能であり、これは、エンドユーザーによって、使用のための所望の濃度に、追加の水(C)で希釈され得る。
【0760】
一実施形態では、SSI用途に好適な組成物(DVP、DVP-殺虫タンパク質、又はそれらの薬学的に許容される塩と、賦形剤とを含む)、又はコーティング製剤(DVP、DVP-殺虫タンパク質、又はそれらの薬学的に許容される塩と、賦形剤とを含む)は、活性成分及び水などの担体を含有し、分散剤、湿潤剤、不凍剤、増粘剤、防腐剤、乳化剤、及び結合剤又はステッカーから選択される1つ以上の共形成剤であり得る。
【0761】
一部の実施形態では、DVP、DVP-殺虫タンパク質、又はそれらの薬学的に許容される塩の例示的な固形製剤は、概して、粒径分布d(0.5)が、概して3~20μm、好ましくは5~15μm、特に7~12μmであるなどの所望の粒径に粉砕される。
【0762】
更に、製剤を、DVP、DVP-殺虫タンパク質、又はそれらの薬学的に許容される塩(A)を含む少なくとも第1の成分と、少なくとも1つのポリマー結合剤(B)を含む第2の成分と、を含むキットとして、エンドユーザーに出荷することが可能であり得る。更なる添加剤(D)が、キットの第3の別個の成分であってもよく、又は成分(A)及び/又は(B)と既に混合されていてもよい。エンドユーザーは、キットの成分に水(C)を添加し、混合するだけで、使用のための製剤を調製することができる。キットの成分は、水中の製剤であってもよい。当然、成分のうちの1つの水性製剤を、他の成分の乾燥製剤と組み合わせることが可能である。例として、キットは、DVP、DVP-殺虫タンパク質、又はそれらの薬学的に許容される塩の1つの製剤(A)及び任意選択で水(C)と、少なくとも1つのポリマー結合剤(B)、成分としての水(C)及び任意選択で成分としての水(D)の第2の別個の製剤とからなり得る。
【0763】
成分(A)、(B)、(C)、及び任意選択的に(D)の濃度は、コーティング/処理に使用される技術に応じて、当業者によって選択される。概して、DVP、DVP-殺虫タンパク質、又はそれらの薬学的に許容される塩(A)の量は、組成物の重量に基づいて、最大50、10~40、特に15~30重量パーセントなど好ましくは1~50重量パーセントであり得る。ポリマー結合剤(B)の量は、組成物の重量に基づいて、0.01~30重量パーセント、好ましくは0.5~15重量パーセント、より好ましくは1~10重量パーセント、特に1~5重量パーセントの範囲であり得る。追加の成分(D)の量は、存在する場合、一般に、組成物の重量に基づいて、0.1~20重量パーセント、好ましくは0.5~15重量パーセントである。好適な量の顔料及び/又は染料及び/又は香料は、存在する場合、一般に、組成物の重量に基づいて、0.01~5重量パーセント、好ましくは0.1~3重量パーセント、より好ましくは0.2~2重量パーセントである。すぐに使用できる典型的な製剤は、0.1~40パーセント、好ましくは1~30パーセントの成分(A)、(B)、及び任意選択的に(D)を含み、残りの量は水(C)である。エンドユーザーによって希釈される濃縮物の典型的な濃度は、5~70パーセント、好ましくは10~60パーセントの成分(A)、(B)、及び任意選択的に(D)を含み得、残りの量は水(C)である。
【0764】
例示的な混合物、組成物、産物、及びトランスジェニック生物
本開示は、1つ以上のDVP、又は1つ以上のDVP-殺虫タンパク質を含有する、又はトランスジェニック生物の場合、発現する、又はそうでなければ産生する混合物、組成物、生成物、及びトランスジェニック生物を企図する。
【0765】
一部の実施形態では、例示的混合物は、(1)DVP、若しくはDVP-殺虫タンパク質、又はそれらの薬学的に許容される塩、及び(2)賦形剤(例えば、本明細書に記載の賦形剤のいずれか)からなる。
【0766】
一部の実施形態では、本発明の混合物は、(1)1つ以上のDVP、若しくは1つ以上のDVP-殺虫タンパク質、又はそれらの薬学的に許容される塩及び(2)1つ以上の賦形剤(例えば、本明細書に記載の賦形剤のいずれか)からなる。
【0767】
一部の実施形態では、本発明の混合物は、(1)1つ以上のDVP、若しくは1つ以上のDVP-殺虫タンパク質、又はそれらの薬学的に許容される塩及び(2)1つ以上の賦形剤(例えば、本明細書に記載の賦形剤のいずれか)からなり、前述の(1)又は(2)のいずかを同時に、又は連続で使用し得る。
【0768】
DVP、又はDVP-殺虫タンパク質(本明細書に記載される)を利用する組み合わせ、混合物、生成物、ポリペプチド、及び/又は植物のいずれも、害虫、その成長、及び/又はそれらの作用、特に植物へのそれらの損傷によって引き起こされる損傷を制御するために使用され得る。
【0769】
DVP、DVP-殺虫タンパク質、又はそれらの薬学的に許容される塩と、賦形剤とを含む組成物は、農薬組成物を含み得る。例えば、一部の実施形態では、農薬組成物は、エアロゾル及び/又はエアロゾル化生成物(例えば、噴霧、燻蒸剤、粉末、粉塵、及び/又はガス)、種子粉衣、経口調製物(例えば、昆虫食品など)、又は一過性及び/若しくは安定的のいずれかで、DVP若しくはDVP-殺虫タンパク質を発現及び/若しくは産生するトランスジェニック生物(例えば、細胞、植物、又は動物)を含むことができるが、これらに限定されない。
【0770】
一部の実施形態では、本開示の活性成分は、組成物の形態で適用することができ、他の非活性化合物と同時に又は順次処理される作物領域又は植物に適用することができる。これこれらの化合物は、肥料、除草剤、凍結保護剤、界面活性剤、洗剤、石鹸、休眠油、ポリマー、及び/又は製剤の単回適用後の標的領域の長期投薬を可能にする徐放性若しくは生分解性の担体製剤であり得る。これらの非活性化合物のうちの1つ以上は、所望により、製剤化技術分野において通常用いられる更なる農業的に許容される担体、界面活性剤又は塗布促進アジュバントとともに調製され得る。好適な担体及びアジュバントは、固体又は液体であり得、製剤技術において通常用いられる物質(例えば、天然又は再生ミネラル物質、溶媒、分散剤、湿潤剤、粘着剤、結合剤、又は肥料)に相当する。同様に、製剤は、農薬製剤の標的害虫による摂食又は摂取を可能にするために、食用の「ベイト」に調製され得るか、又は害虫の「トラップ」に加工され得る。
【0771】
本開示の有効成分、又は本開示の本明細書に記載の方法によって産生されるDVP若しくはDVP-殺虫タンパク質若しくはその薬学的に許容される塩と賦形剤とからなる本開示の農薬組成物を適用する方法には、葉の適用、種子コーティング、及び土壌の適用が含まれる。一部の実施形態では、適用の数及び適用の速度は、対応する害虫による蔓延の強度に依存する。
【0772】
DVP、DVP-殺虫タンパク質、又はそれらの薬学的に許容される塩と、賦形剤とを含む組成物は、粉末、粉塵、ペレット、顆粒、噴霧、エマルション、コロイド、溶液などとして製剤化することができ、ポリペプチドを含む細胞培養物の乾燥、凍結乾燥、均質化、抽出、濾過、遠心分離、沈降、又は濃縮などの従来の手段によって調製することができる。少なくとも1つのかかる農薬ポリペプチドを含有する全てのかかる組成物では、ポリペプチドが、約1重量%~約99重量%の濃度で存在し得る。
【0773】
一部の実施形態では、DVP又はDVP-殺虫タンパク質(又はそれらの薬学的に許容される塩)を含有する組成物は、環境地域に予防的に適用されて、本発明の方法によって所与の地域で死滅する又は数が減少し得る、感受性の害虫、例えば、Lepidopteran及び/又はColeoptera害虫による蔓延を防止し得る。一部の実施形態では、害虫は、農薬有効量のポリペプチドを摂取するか、又はそれに接触する。
【0774】
一部の実施形態では、本明細書に記載の農薬組成物は、DVP若しくはDVP-殺虫タンパク質又はそれらの薬学的に許容される塩を形質転換された細菌、酵母、又は他の細胞、結晶及び/若しくは胞子懸濁液、又は単離されたタンパク質成分のいずれかを、所望の農業的に許容される担体とともに製剤化することによって作製され得る。組成物は、投与前、凍結乾燥(lyophilized)、凍結乾燥(freeze-dried)、乾燥、又は水性担体、培地、又は好適な希釈剤(例えば、生理食塩水及び/若しくは他の緩衝液)などの適切な手段で製剤化され得る。一部の実施形態では、製剤化された組成物は、粉塵材料若しくは粒状材料、又は油(植物油若しくはミネラルオイル)エマルション、若しくは水エマルション、若しくは油/水エマルション中の懸濁液、又は水和剤、又は農業用途に好適な任意の他の担体材料と組み合わせた形態であり得る。好適な農業的担体は、固体又は液体であり得、当該技術分野において周知である。一部の実施形態では、製剤は、1つ以上の固体又は液体アジュバントと混合され得、様々な手段によって、例えば、従来の製剤技術を使用して、農薬組成物を好適なアジュバントと均一に混合、ブレンド、及び/又は粉砕することによって調製され得る。好適な製剤化及び適用方法は、米国特許第6,468,523号に記載されている(その開示は、参照によりその全体が本明細書に援用される)。
【0775】
本発明の使用方法
植物、植物部分、及び種子を保護するための方法
一部の実施形態では、本発明は、DVP又はそれをコードするポリヌクレオチドを発現する植物を提供することを含む、昆虫から植物を保護する方法を提供する。
【0776】
一部の実施形態では、本発明は、DVP又はそれをコードするポリヌクレオチドを発現する植物を提供することを含む、昆虫から植物を保護する方法を提供し、当該DVPは、本明細書に記載されるDVPである。
【0777】
一部の実施形態では、本発明は、DVP又はそれをコードするポリヌクレオチドを発現する植物を提供することを含む、昆虫から植物を保護する方法を提供し、DVPは、配列番号187~191のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、若しくは100%同一であるアミノ配列を有する。
【0778】
一部の実施形態では、本発明は、DVP又はそれをコードするポリヌクレオチドを発現する植物を提供することを含む、昆虫から植物を保護する方法を提供し、DVPは、配列番号187~191のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有する。
【0779】
一部の実施形態では、本発明は、DVP又はそれをコードするポリヌクレオチドを発現する植物を提供することを含む、昆虫から植物を保護する方法を提供し、DVPは、2つ以上のDVPのホモポリマー又はヘテロポリマーを更に含み、各DVPのアミノ酸配列は、同じであるか、又は異なる。
【0780】
一部の実施形態では、本発明は、DVP又はそれをコードするポリヌクレオチドを発現する植物を提供することを含む、昆虫から植物を保護する方法を提供し、DVPは、切断可能又は切断不能リンカーによって分離された2つ以上のDVPを含む融合タンパク質であり得、各DVPのアミノ酸配列は、同じである場合も異なる場合もある。
【0781】
一部の実施形態では、本発明は、DVP又はそれをコードするポリヌクレオチドを発現する植物を提供することを含む、昆虫から植物を保護する方法を提供し、リンカーは、昆虫の腸内又は血液リンパ内で切断可能である。
【0782】
一部の実施形態では、本発明は、昆虫を制御するための方法であって、そのゲノムに安定的に組み込まれた発現カセットを含むトランスジェニック植物を当該昆虫に提供することを含み、当該安定的に組み込まれた発現カセットは、DVPをコードするように動作可能なポリヌクレオチドを含む、方法を提供する。
【0783】
一部の実施形態では、本開示は、農学的及び/又は非農学的用途において有害無脊椎動物(invertebrate pest)を制御するための方法であって、有害無脊椎動物又その環境、植物表面若しくはその一部を含む固体表面を、生物学的有効量の本発明のDVPのうちの1つ以上、又はDVP-殺虫タンパク質若しくはその薬学的に許容可能な塩と、接触することを含む、方法を提供する。
【0784】
一部の実施形態では、本開示は、農学的及び/又は非農学的用途において有害無脊椎動物(invertebrate pest)を制御するための方法であって、有害無脊椎動物又その環境、植物表面若しくはその一部を含む固体表面を、本発明の少なくとも1つDVPと、賦形剤を含む組成物の生物学的有効量と、接触することを含む、方法を提供する。
【0785】
有害無脊椎動物を制御するための方法
一部の実施形態では、本開示は、農学的及び/又は非農学的用途において有害無脊椎動物(invertebrate pest)を制御するための方法であって、有害無脊椎動物又その環境、植物表面若しくはその一部を含む固体表面を、本発明の少なくとも1つDVP-殺虫タンパク質と、賦形剤を含む組成物の生物学的有効量と、接触することを含む、方法を提供する。
【0786】
以下を含む好適な組成物の例:(1)本発明の少なくとも1つのDVP、本発明のDVPのうちの2つ以上、DVP-殺虫タンパク質、2つ以上のDVP-殺虫タンパク質、又はそれらの薬学的に許容される塩、及び(2)液体溶液、乳剤、粉末、顆粒、ナノ粒子、微小粒子、又はそれらの組み合わせの形態で送達される不活性成分を獲るように製剤化された当該組成物を含む、賦形剤。
【0787】
一部の実施形態では、有害無脊椎動物から畑作物を保護するための本発明の化合物、混合物、又は組成物との接触を達成するために、化合物又は組成物は、典型的には、作物を植える前の作物の種子、作物植物の葉(例えば、葉、茎、花、果実)、又は作物が植えられる前若しくは植えられた後の土壌若しくは他の増殖培地に適用される。
【0788】
接触方法の一実施形態は、噴霧による方法である。代替的に、DVP、DVP-殺虫タンパク質、又はそれらの薬学的に許容される塩と、賦形剤とを含む粒状組成物を植物の葉又は土壌に適用することができる。本発明の化合物はまた、植物を本発明の化合物を含む組成物と接触させることによって、植物の取り込みを通して効果的に送達され得、組成物が、液体製剤の土壌ドレンチ(soil drench)、土壌への顆粒製剤、育苗箱(nursery box)処理、又は移植ディップ(dip of transplant)として適用される。注目すべきは、土壌ドレンチ液体製剤の形態の本開示の組成物である。また、注目すべきは、有害無脊椎動物を制御するための方法であり、有害無脊椎動物又はその環境を生物学的有効量のDVP又はDVP-殺虫タンパク質と接触させることを含む。更に注目すべきは、一部の例示的な実施形態では、例示的な方法は、土壌環境を企図し、組成物が土壌ドレンチ製剤として土壌に適用される。更に、DVP、DVP-殺虫タンパク質、又はそれらの薬学的に許容される塩も、侵入の遺伝子座に局所的に適用することによって有効であることに留意されたい。他の接触方法としては、直接及び残留噴霧、空中散布、ゲル、シードコーティング、マイクロカプセル化、浸透性摂取、ベイト、耳タグ、ボーラス、噴霧器、燻蒸剤、エアロゾル、粉塵、及び多くの他のものによる本発明の化合物又は組成物の適用が挙げられる。接触方法の一実施形態は、本発明の化合物又は組成物を含む寸法的に安定な肥料顆粒、スティック、又は錠剤である。本発明の化合物は、無脊椎動物制御デバイス(例えば、防虫ネット、衣類への適用、ロウソク製剤への適用など)を製造するための材料に含浸させることもできる。
【0789】
一部の実施形態では、DVP、DVP-殺虫タンパク質、又はそれらの薬学的に許容される塩は、有害無脊椎動物から種子を保護するための種子処理においても有用である。本開示及び特許請求の範囲の文脈において、種子を処置することは、種子を、典型的には本発明の組成物として製剤化される、生物学的有効量のDVP、DVP-殺虫タンパク質、又はそれらの薬学的に許容される塩と接触させることを意味する。この種子処理は、無脊椎動物の土壌害虫から種子を保護し、一般に、発芽する種子から発生する苗の、土壌と接触する根及び他の植物部分も保護することができる。種子処理はまた、発育中の植物内のDVP又はDVP-殺虫タンパク質の移動によって葉の保護を提供してもよい。種子処理は、全ての種類の種子に適用することができ、特殊な形質を発現するように遺伝的に形質転換された植物が発芽するであろう種子が含まれる。加えて、DVP又はDVP-殺虫タンパク質は、既に形質転換されている植物又はその一部、例えば、植物細胞又は植物種子、例えば、グリホサートに対する耐性を提供するグリホサートアセチルトランスフェラーゼなどの除草剤耐性を発現するものに形質転換され得る。
【0790】
種子処理の1つの方法は、種子を播種する前に、DVP、DVP-殺虫タンパク質、又はそれらの薬学的に許容される塩(すなわち、DVP、DVP-殺虫タンパク質、又はそれらの薬学的に許容される塩と賦形剤とを含む配合された組成物又は混合物として)で種子を噴霧又は粉砕することである。種子処理のために製剤化される組成物は、概して、DVP、DVP-殺虫タンパク質、又はそれらの薬学的に許容される塩と、フィルム形成剤又は接着剤からなる。したがって、典型的には、本開示の種子コーティング組成物は、生物学的有効量のDVP、DVP-殺虫タンパク質、又はそれらの薬学的に許容される塩と、フィルム形成剤又は接着剤からなる。種子は、流動性懸濁液濃縮物を直接種子の転動床に噴霧し、次いで、種子を乾燥させることによってコーティングすることができる。代替的に、他の製剤タイプ(例えば、湿潤粉末、溶液、サスポエマルション、乳化可能な濃縮物、及び水中のエマルション)を種子に噴霧することができる。このプロセスは、種子にフィルムコーティングを適用するために特に有用である。様々なコーティング機及びプロセスが、当業者に利用可能である。好適なプロセスとしては、P.Kosters et al.,Seed Treatment:Progress and Prospects,1994 BCPC Monograph No.57に列挙されているものが挙げられる(それに列挙されている参考文献及びその開示は、参照によりそれらの全体が本明細書に援用される)。
【0791】
処理された種子は、典型的には、100kgの種子当たり約0.01g~1kgの範囲の量(すなわち、処理前の種子の約0.00001~1重量%)のDVP、DVP-殺虫タンパク質、又はそれらの薬学的に許容される塩を含む。種子処理のために製剤化される流動性懸濁液は、典型的には、約0.5~約70%の活性成分、約0.5~約30%の被膜形成接着剤、約0.5~約20%の分散剤、0~約5%の増粘剤、0~約5%の顔料及び/又は色素、0~約2%の消泡剤、0~約1%の防腐剤、並びに0~約75%の揮発性液体希釈剤を含む。
【0792】
組成物を使用する方法
一部の実施形態では、本発明は、昆虫を制御するために、(1)DVP、DVP-殺虫タンパク質、又はそれらの薬学的に許容される塩と、(2)賦形剤とを含む混合物を使用する方法であって、DVPは、本明細書に記載のDVPのうちの1つ又は任意の組み合わせ、例えば、1つ以上の昆虫種に対する殺虫活性を有するDVPから選択され、当該DVPは、式(I):A-X-D-G-D-V-E-G-P-A-G-C-K-K-Y-D-X-E-C-X-X-G-E-C-C-Q-K-Q-Y-L-X-X-K-W-R-X-L-X-C-R-X-X10-K-S-G-F-F-S-S-K-X11-X12-C-R-D-Vに記載のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列であって、ポリペプチドが、配列番号2に示されるジゲトキシンの野生型配列と比較して、少なくとも1つのアミノ酸置換を含み、式中、Xが、K又はLであり、Xが、V、A、又はEであり、Xが、D、Y、又はAであり、Xが、S又はAであり、Xが、W、A、Fであり、Xが、Y、A、S、H、又はKであり、Xが、P又はAであり、Xが、D、A、K、S、T、又はMであり、Xが、C、G、T、A、S、M、又はVであり、X10が、L、A、N、V、S、E、I、又はQであり、X11が、C、F、A、T、S、M、又はVであり、X12が、V、A、又はTである、アミノ酸配列、又はその薬学的に許容される塩を含み、当該方法は、混合物を調製し、次いで当該混合物を昆虫の遺伝子座に適用することを含む。
【0793】
一部の実施形態では、本発明は、昆虫を制御するための混合物を使用する方法を提供し、当該混合物は、(1)DVP、DVP-殺虫タンパク質、又はそれらの薬学的に許容される塩と、(2)賦形剤とを含み、昆虫は以下からなる群から選択される:アヒマスフィンクスモス(ホーンワーム)(Eumorpha achemon)、アルファルファキャタピラー(Colias eurytheme)、アーモンドモス(Caudra cautella)、アモルビアモス(Amorbia humerosana)、アーミーワーム(Spodoptera spp.(例えば、exigua、frugiperda、littoralis)、Pseudaletia unipuncta)、アーティチョークプルームモス(Platyptilia carduidactyla)、アゼリアキャタピラー(Datana major)、バッグワーム(Thyridopteryx)、ephemeraeformis)、バナナモス(Hypercompe scribonia)、バナナスキッパー(Erionota thrax)、ブラックヘディッドバドワーム(Acleris gloverana)、カルフォルニアオークワーム(Phryganidia californica)、スプリングキャンカーワーム(Paleacrita merriccata)、チェリーフルーツワーム(Grapholita packardi)、チャイナマークモス(Nymphula stagnata)、シトラスカットワーム(Xylomyges curialis)、コドリングモス(Cydia pomonella)、クランベリーフルーツワーム(Acrobasis vaccinii)、クロスストライプドキャベッジワーム(Evergestis rimosalis)、カットワーム(Noctuid種、Agrotis ipsilon)、ダグラスファータソックモス(Orgyia pseudotsugata)、エルロモス(ホーンワーム)(Erinnyis ello)、エルムスパンワーム(Ennomos subsignaria)、ヨーロピアングレープヴァインモス(Lobesia botrana)、ヨーロピアンスキッパー(Thymelicus lineola、エセックススキッパー、フォールウェブワーム(Melissopus latiferreanus))、フィルバートリーフローラー(Archips rosanus))、フルーツツリーリーフローラー(Archips argyrospilia))、グレープベリーモス(Paralobesia viteana))、グレープリーフローラー(Platynota stultana))、グレープリーフスケルトナイザー(Harrisina americana)(地面のみ)、グリーンクローバーワーム(Plathypena scabra))、グリーンストライプドメープルワーム(Dryocampa rubicunda))、Gummosos-Batrachedra comosae(ホッジズ)、ジプシーモス(Lymantria dispar)、ヘムロックルーパー(Lambdina fiscellaria)、ホーンワーム(Manduca spp.)、インポーテッドキャベッジワーム(Pieris rapae)、アイオモス(Automeris io)、ジャックパインバドワーム(Choristoneura pinus)、ライトブラウンアップルモス(Epiphyas postvittana)、メロンワーム(Diaphania hyalinata)、ミモザウェブワーム(Homadaula anisocentra)、オブリークバンディッドリーフローラー(Choristoneura rosaceana)、オリアンダーモス(Syntomeida epilais)、オムニバラスリーフローラー(Playnota stultana)、オムニバラスルーパー(Sabulodes aegrotata)、オレンジドッグ(Papilio cresphontes)、オレンジトートリクス(Argyrotaenia citrana)、オリエンタルフルーツモス(Grapholita molesta)、ピーチツイグボーア(Anarsia lineatella)、パインバタフライ(Neophasia menapia)、ポッドワーム、レッドバンディッドリーフローラー(Argyrotaenia velutinana)、レッドハンプトキャタピラー(Schizura concinna)、リンドワームコンプレックス、サドルバックキャタピラー(Sibine stimulea)、サドルプロミネントキャタピラー(Heterocampa guttivitta)、ソルトマーシュキャタピラー(Estigmene acrea)、ソッドウェブワーム(Crambus spp.)、スパンワーム(Ennomos subsignaria)、フォールキャンカーワーム(Alsophila pometaria)、スプルースバドワーム(Choristoneura fumiferana)、テントキャタピラー(Various Lasiocampidae)、Thecla-Thecla Basilides(Geyr)(Thecla basilides)、タバコホーンワーム(Manduca sexta)、タバコモス(Ephestia elutella)、タフテッドアップルバドモス(Platynota idaeusalis)、トゥイグボーア(Anarsia lineatella)、ベアリアゲイティドカットワーム(Peridroma saucia)、ベアリアゲイティドリーフローラー(Platynota flavedana)、ベルベットビーンキャタピラー(Anticarsia gemmatalis)、ウォルナットキャタピラー(Datana integerrima)、ウェブワーム(Hyphantria cunea)、ウエスタンタソックモス(Orgyia vetusta)、サザンコーンストークボーア(Diatraea crambidoides)、コーンイアワーム、スイートポテトウィービル、ペッパーウィービル、シトラスルートウィービル、ストロベリールートウィービル、ピーカンウィービル)、フィルバートウィービル、ライスウォーターウィービル、アルファルファウィービル、クローバーウィービル、ティーショット-ホールボーア、ルートウィービル、シュガーケインビートル、コーヒーベリーボーア、アニュアルブルーグラスウィービル(Listronotus maculicollis)、アジアティックガーデンビートル(Maladera castanea)、ヨーロピアンチェ-ファー(Rhizotroqus majalis)、グリーンジューンビートル(Cotinis nitida)、ジャパニーズビートル(Popillia japonica)、メイオアジューンビートル(Phyllophaga sp.)、ノーザンマスクドチェ-ファー(Cyclocephala borealis)、オリエンタルビートル(Anomala orientalis)、サザンマスクドチェ-ファー(Cyclocephala lurida)、ビルバグ(Curculionoidea)、Aedes aegypti、Busseola fusca、Chilo suppressalis、Culex pipiens、Culex quinquefasciatus、Diabrotica virgifera、Diatraea saccharalis、Helicoverpa armigera、Helicoverpa zea、Heliothis virescens、Leptinotarsa decemlineata、Ostrinia furnacalis、Ostrinia nubilalis、Pectinophora gossypiella、Plodia interpunctella、Plutella xylostella、Pseudoplusia includens、Spodoptera exigua、Spodoptera frugiperda、Spodoptera littoralis、Trichoplusia ni、及び/又はXanthogaleruca luteola。
【0794】
一部の実施形態では、本発明は、昆虫から植物を保護する方法を提供し、1つ以上のDVP又はそれをコードするポリヌクレオチドを発現する植物を提供することを含む。
【0795】
一部の実施形態では、本発明は、害虫を駆除、制御、又は阻害する方法を提供し、農薬有効量の(1)DVP、DVP-殺虫タンパク質、又はそれらの薬学的に許容される塩と、(2)賦形剤とを含む混合物を適用することを含み、DVPは、本明細書に記載のDVPのうちの1つ又は任意の組み合わせ、例えば、殺虫ミュー-ジゲトキシン-Dc1aバリアントポリペプチド(DVP)から選択され、当該DVPは、式(I)に記載のアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、又は100%同一であるアミノ酸配列であって、式(i):A-X-D-G-D-V-E-G-P-A-G-C-K-K-Y-D-X-E-C-X-X-G-E-C-C-Q-K-Q-Y-L-X-X-K-W-R-X-L-X-C-R-X-X10-K-S-G-F-F-S-S-K-X11-X12-C-R-D-V、ポリペプチドが、配列番号2に示されるジゲトキシンの野生型配列と比較して、少なくとも1つのアミノ酸置換を含み、式中、Xが、K又はLであり、Xが、V、A、又はEであり、Xが、D、Y、又はAであり、Xが、S又はAであり、Xが、W、A、Fであり、Xが、Y、A、S、H、又はKであり、Xが、P又はAであり、Xが、D、A、K、S、T、又はMであり、Xが、C、G、T、A、S、M、又はVであり、X10が、L、A、N、V、S、E、I、又はQであり、X11が、C、F、A、T、S、M、又はVであり、X12が、V、A、又はTである、アミノ酸配列、又はその薬学的に許容される塩を含み、混合物は、害虫の遺伝子座、又は害虫による攻撃を受けやすい植物若しくは動物に適用される。
【0796】
一部の実施形態では、本発明は、害虫を駆除、制御、又は阻害する方法を提供し、農薬有効量の(1)DVP、DVP-殺虫タンパク質、又はそれらの薬学的に許容される塩と、(2)賦形剤とを含む混合物を適用することを含み、DVPは、式(I)に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、又は100%同一であるアミノ配列を有し、式(I):A-X-D-G-D-V-E-G-P-A-G-C-K-K-Y-D-X-E-C-X-X-G-E-C-C-Q-K-Q-Y-L-X-X-K-W-R-X-L-X-C-R-X-X10-K-S-G-F-F-S-S-K-X11-X12-C-R-D-V、ポリペプチドが、配列番号2に示されるジゲトキシンの野生型配列と比較して、少なくとも1つのアミノ酸置換を含み、式中、Xが、K又はLであり、Xが、V、A、又はEであり、Xが、D、Y、又はAであり、Xが、S又はAであり、Xが、W、A、Fであり、Xが、Y、A、S、H、又はKであり、Xが、P又はAであり、Xが、D、A、K、S、T、又はMであり、Xが、C、G、T、A、S、M、又はVであり、X10が、L、A、N、V、S、E、I、又はQであり、X11が、C、F、A、T、S、M、又はVであり、X12が、V、A、又はTであり、Xが、G、T、A、S、M、若しくはVであるか、又はX11が、F、A、T、S、M、若しくはVである場合、次いで、ジスルフィド結合が除去される。
【0797】
一部の実施形態では、本発明は、害虫を駆除、制御、又は阻害する方法を提供し、農薬有効量の(1)DVP、DVP-殺虫タンパク質、又はそれらの薬学的に許容される塩と、(2)賦形剤とを含む混合物を適用することを含み、DVPは、配列番号6~43、45~51、53、128、130、136、139~140、144、146~147、187~191、202~215、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、又は100%同一であるアミノ配列を有する。
【0798】
一部の実施形態では、本発明は、害虫を駆除、制御、又は阻害する方法を提供し、農薬有効量の(1)DVP、DVP-殺虫タンパク質、又はそれらの薬学的に許容される塩と、(2)賦形剤とを含む混合物を適用することを含み、DVPは、配列番号6~43、45~51、53、128、130、136、139~140、144、146~147、187~191、202~215、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有する。
【0799】
一部の実施形態では、本発明は、害虫を駆除、制御、又は阻害する方法を提供し、農薬有効量の(1)DVP、DVP-殺虫タンパク質、又はそれらの薬学的に許容される塩と、(2)賦形剤とを含む混合物を適用することを含み、DVPは、配列番号6~11、15~16、20~22、24~26、29、35、45~48、53、128、136、139~140、144、146~147、187~191、207、210~215、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、又は100%同一であるアミノ配列を有する。
【0800】
一部の実施形態では、本発明は、害虫を駆除、制御、又は阻害する方法を提供し、農薬有効量の(1)DVP、DVP-殺虫タンパク質、又はそれらの薬学的に許容される塩と、(2)賦形剤とを含む混合物を適用することを含み、DVPは、配列番号6~11、15~16、20~22、24~26、29、35、45~48、53、128、136、139~140、144、146~147、187~191、207、210~215、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ配列有する。
【0801】
一部の実施形態では、本発明は、害虫を駆除、制御、又は阻害する方法を提供し、農薬有効量の(1)DVP、DVP-殺虫タンパク質、又はそれらの薬学的に許容される塩と、(2)賦形剤とを含む混合物を適用することを含み、DVPは、配列番号47、53、136、139~140、144、146~147、187~191、210~215、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、又は100%同一であるアミノ配列を有する。
【0802】
一部の実施形態では、本発明は、害虫を駆除、制御、又は阻害する方法を提供し、農薬有効量の(1)DVP、DVP-殺虫タンパク質、又はそれらの薬学的に許容される塩と、(2)賦形剤とを含む混合物を適用することを含み、DVPは、配列番号47、53、136、139~140、144、146~147、187~191、210~215、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有する。
【0803】
一部の実施形態では、本発明は、害虫を駆除、制御、又は阻害する方法を提供し、農薬有効量の(1)DVP、DVP-殺虫タンパク質、又はそれらの薬学的に許容される塩と、(2)賦形剤とを含む混合物を適用することを含み、DVPは、配列番号213、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、又は100%同一であるアミノ配列を有する。
【0804】
一部の実施形態では、本発明は、害虫を駆除、制御、又は阻害する方法を提供し、農薬有効量の(1)DVP、DVP-殺虫タンパク質、又はそれらの薬学的に許容される塩と、(2)賦形剤とを含む混合物を適用することを含み、DVPは、配列番号213、又は217~219のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有する。
【0805】
一部の実施形態では、本発明は、害虫を駆除、制御、又は阻害する方法を提供し、害虫の部位への農薬有効量の(1)DVP、DVP-殺虫タンパク質、又はそれらの薬学的に許容される塩と、(2)賦形剤とを含む混合物を適用することを含み、害虫は、以下からなる群から選択される:アヒマスフィンクスモス(ホーンワーム)(Eumorpha achemon)、アルファルファキャタピラー(Colias eurytheme)、アーモンドモス(Caudra cautella)、アモルビアモス(Amorbia humerosana)、アーミーワーム(Spodoptera spp.(例えば、exigua、frugiperda、littoralis)、Pseudaletia unipuncta)、アーティチョークプルームモス(Platyptilia carduidactyla)、アゼリアキャタピラー(Datana major)、バッグワーム(Thyridopteryx)、ephemeraeformis)、バナナモス(Hypercompe scribonia)、バナナスキッパー(Erionota thrax)、ブラックヘディッドバドワーム(Acleris gloverana)、カルフォルニアオークワーム(Phryganidia californica)、スプリングキャンカーワーム(Paleacrita merriccata)、チェリーフルーツワーム(Grapholita packardi)、チャイナマークモス(Nymphula stagnata)、シトラスカットワーム(Xylomyges curialis)、コドリングモス(Cydia pomonella)、クランベリーフルーツワーム(Acrobasis vaccinii)、クロスストライプドキャベッジワーム(Evergestis rimosalis)、カットワーム(Noctuid種、Agrotis ipsilon)、ダグラスファータソックモス(Orgyia pseudotsugata)、エルロモス(ホーンワーム)(Erinnyis ello)、エルムスパンワーム(Ennomos subsignaria)、ヨーロピアングレープヴァインモス(Lobesia botrana)、ヨーロピアンスキッパー(Thymelicus lineola、エセックススキッパー、フォールウェブワーム(Melissopus latiferreanus))、フィルバートリーフローラー(Archips rosanus))、フルーツツリーリーフローラー(Archips argyrospilia))、グレープベリーモス(Paralobesia viteana))、グレープリーフローラー(Platynota stultana))、グレープリーフスケルトナイザー(Harrisina americana)(地面のみ)、グリーンクローバーワーム(Plathypena scabra))、グリーンストライプドメープルワーム(Dryocampa rubicunda))、Gummosos-Batrachedra comosae(ホッジズ)、ジプシーモス(Lymantria dispar)、ヘムロックルーパー(Lambdina fiscellaria)、ホーンワーム(Manduca spp.)、インポーテッドキャベッジワーム(Pieris rapae)、アイオモス(Automeris io)、ジャックパインバドワーム(Choristoneura pinus)、ライトブラウンアップルモス(Epiphyas postvittana)、メロンワーム(Diaphania hyalinata)、ミモザウェブワーム(Homadaula anisocentra)、オブリークバンディッドリーフローラー(Choristoneura rosaceana)、オリアンダーモス(Syntomeida epilais)、オムニバラスリーフローラー(Playnota stultana)、オムニバラスルーパー(Sabulodes aegrotata)、オレンジドッグ(Papilio cresphontes)、オレンジトートリクス(Argyrotaenia citrana)、オリエンタルフルーツモス(Grapholita molesta)、ピーチツイグボーア(Anarsia lineatella)、パインバタフライ(Neophasia menapia)、ポッドワーム、レッドバンディッドリーフローラー(Argyrotaenia velutinana)、レッドハンプトキャタピラー(Schizura concinna)、リンドワームコンプレックス、サドルバックキャタピラー(Sibine stimulea)、サドルプロミネントキャタピラー(Heterocampa guttivitta)、ソルトマーシュキャタピラー(Estigmene acrea)、ソッドウェブワーム(Crambus spp.)、スパンワーム(Ennomos subsignaria)、フォールキャンカーワーム(Alsophila pometaria)、スプルースバドワーム(Choristoneura fumiferana)、テントキャタピラー(Various Lasiocampidae)、Thecla-Thecla Basilides(Geyr)(Thecla basilides)、タバコホーンワーム(Manduca sexta)、タバコモス(Ephestia elutella)、タフテッドアップルバドモス(Platynota idaeusalis)、トゥイグボーア(Anarsia lineatella)、ベアリアゲイティドカットワーム(Peridroma saucia)、ベアリアゲイティドリーフローラー(Platynota flavedana)、ベルベットビーンキャタピラー(Anticarsia gemmatalis)、ウォルナットキャタピラー(Datana integerrima)、ウェブワーム(Hyphantria cunea)、ウエスタンタソックモス(Orgyia vetusta)、サザンコーンストークボーア(Diatraea crambidoides)、コーンイアワーム、スイートポテトウィービル、ペッパーウィービル、シトラスルートウィービル、ストロベリールートウィービル、ピーカンウィービル)、フィルバートウィービル、ライスウォーターウィービル、アルファルファウィービル、クローバーウィービル、ティーショット-ホールボーア、ルートウィービル、シュガーケインビートル、コーヒーベリーボーア、アニュアルブルーグラスウィービル(Listronotus maculicollis)、アジアティックガーデンビートル(Maladera castanea)、ヨーロピアンチェ-ファー(Rhizotroqus majalis)、グリーンジューンビートル(Cotinis nitida)、ジャパニーズビートル(Popillia japonica)、メイオアジューンビートル(Phyllophaga sp.)、ノーザンマスクドチェ-ファー(Cyclocephala borealis)、オリエンタルビートル(Anomala orientalis)、サザンマスクドチェ-ファー(Cyclocephala lurida)、ビルバグ(Curculionoidea)、Aedes aegypti、Busseola fusca、Chilo suppressalis、Culex pipiens、Culex quinquefasciatus、Diabrotica virgifera、Diatraea saccharalis、Helicoverpa armigera、Helicoverpa zea、Heliothis virescens、Leptinotarsa decemlineata、Ostrinia furnacalis、Ostrinia nubilalis、Pectinophora gossypiella、Plodia interpunctella、Plutella xylostella、Pseudoplusia includens、Spodoptera exigua、Spodoptera frugiperda、Spodoptera littoralis、Trichoplusia ni、及び/又はXanthogaleruca luteola。
【0806】
農作物及び害虫
これらの方法によって制御され得る特定の作物害虫及び昆虫には、以下が含まれる:Dictyoptera(ゴキブリ)、Isoptera(シロアリ)、Orthoptera(ワタリバッタ、バッタ、コオロギ)、Diptera(イエバエ、カ、ツェツェバエ、ガガンボ、ショウジョウバエ)、Hymenoptera(アリ、スズメバチ、ミツバチ、ハバチ、ヒメバチ、及びタマバチ)、Anoplura(ハジラミ及びシラミ)、Siphonaptera(ノミ)、及びHemiptera(虫及びアブラムシ)、並びにAcari(ダニ及びダニ)などのクモ類、及びこれらの生物の各々が保有する寄生虫。
【0807】
「害虫」には、昆虫、真菌、細菌、線虫、ダニ、マダニなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0808】
害虫としては、Coleoptera、Diptera、Hymenoptera、Lepidoptera、Mallophaga、Homoptera、Hemiptera、Orthroptera、Thysanoptera、Dermaptera、Isoptera、Anoplura、Siphonaptera、Trichopteraなどの目から選択される昆虫が挙げられるが、これらに限定されない。より具体的には、害虫としては、Coleoptera、Lepidoptera、及びDipteraが挙げられる。
【0809】
殺虫性ポリペプチドによる処理に好適な農業的、家庭的及び/又は医学的/獣医学的重要性を有する昆虫には、以下のクラス及び命令のメンバーが含まれるが、これらに限定されない。
【0810】
Coleopteraには、Adephaga及びPolyphagaが含まれる。Adephagaには、Caraboidea及びGyrinoideaのスーパーファミリーが含まれる。Polyphagaには、Hydrophiloidea、Staphylinoidea、Cantharoidea、Cleroidea、Elateroidea、Dascilloidea、Dryopoidea、Byrrhoidea、Cucujoidea、Meloidea、Mordelloidea、Tenebrionoidea、Bostrichoidea、Scarabaeoidea、Cerambycoidea、Chrysomeloidea、及びCurculionoideaのスーパーファミリーが含まれる。Caraboideaスーパーファミリーには、Cicindelidae、Carabidae、及びDytiscidaeが含まれる。Gyrinoideaスーパーファミリーには、Gyrinidaeが含まれる。スーパーファミリーHydrophiloideaには、Hydrophilidaeが含まれる。スーパーファミリーStaphylinoideaには、Silphidae及びStaphylinidaeが含まれる。スーパーファミリーCantharoideaには、Cantharidae及びLampyridaeが含まれる。スーパーファミリーCleroideaには、Cleridae及びDermestidaeが含まれる。スーパーファミリーElateroideaには、Elateridae及びBuprestidaeが含まれる。スーパーファミリーCucujoideaには、Coccinellidaeが含まれる。スーパーファミリーMeloideaには、Meloidaeが含まれる。スーパーファミリーTenebrionoideaには、Tenebrionidaeが含まれる。スーパーファミリーScarabaeoideaには、Passalidae及びScarabaeidaeが含まれる。スーパーファミリーCerambycoideaには、Cerambycidaeが含まれる。スーパーファミリーChrysomeloideaには、Chrysomelidaeが含まれる。スーパーファミリーCurculionoideaには、Curculionidae及びScolytidaeが含まれる。
【0811】
Coleopteraの例としては、アメリカンビーンウィービル(American bean weevil)Acanthoscelides obtectus、リーフビートル(leaf beetle)Agelastica alni、クリックビートル(click beetle)(Agriotes lineatus、Agriotes obscurus、Agriotes bicolor)、グレインビートル(grain beetle)Ahasverus advena、サマーシェーファー(summer schafer)Amphimallon solstitialis、ファーニチャービートル(furniture beetle)Anobium punctatum、Anthonomus spp.(ウィービル(weevil))、ピグミーマンゴールドビートル(Pygmy mangold beetle)Atomaria linearis、カーペットビートル(carpet beetle)(Anthrenus spp、Attagenus spp)、カウピーウィービル(cowpea weevil)Callosobruchus maculates、フライドフルーツビートル(fried fruit beetle)Carpophilus hemipterus、キャベッジシードポッドウィービル(cabbage seedpod weevil)Ceutorhynchus assimilis、レイプウィンターステムウィービル(rape winter stem weevil)Ceutorhynchus picitarsis、ワイアワーム(wireworm)Conoderus vespertinus及びConoderus falli、バナナウィービル(banana weevil)Cosmopolites sordidus、ニュージーランドグラスグラブ(New Zealand grass grub)Costelytra zealandica、ジューンビートル(June beetle)Cotinis nitida、サンフラワーステムウィービル(sunflower stem weevil)Cylindrocopturus adspersus、ラーダービートル(larder beetle)Dermestes lardarius、コーンルートワーム(corn rootworm)Diabrotica virgifera、Diabrotica virgifera virgifera、及びDiabrotica barberi、メキシカンビーンビートル(Mexican bean beetle)Epilachna varivestis、オールドハウスボーア(old house borer)Hylotropes bajulus、ルーサンウィービル(lucerne weevil)Hypera postica、シャイニースパイダービートル(shiny spider beetle)Gibbium psylloides、シガレットビートル(cigarette beetle)Lasioderma serricorne、コロラドポテトビートル(Colorado potato beetle)Leptinotarsa decemlineata、リクタスビートル(Lyctus beetle)(Lyctus spp)、ポレンビートル(pollen beetle)Meligethes aeneus、コモンコックスシェーファー(common cockshafer)Melolontha melolontha、アメリカンスパイダービートル(American spider beetle)Mezium americanum、ゴールデンスパイダービートル(golden spider beetle)Niptus hololeucus、グレインビートル(grain beetle)Oryzaephilus surinamensis及びOryzaephilus mercator、ブラックヴァインウィービル(black vine weevil)Otiorhynchus sulcatus、マスタードビートル(mustard beetle)Phaedon cochleariae、クルーシファーフリービートル(crucifer flea beetle)Phyllotreta cruciferae、ストライプドフリービートル(striped flea beetle)Phyllotreta striolata、キャベッジステムフリービートル(cabbage steam flea beetle)Psylliodes chrysocephala、Ptinus spp(スパイダービートル(spider beetle))、レッサーグレインボーア(lesser grain borer)Rhizopertha dominica、ピーウィービル及びビーンウィービル(pea and been weevil)Sitona lineatus、ライスビートル及びグラナリービートル(rice and granary beetle)Sitophilus oryzae及びSitophilus granaries、レッドサンフラワーシードウィービル(red sunflower seed weevil)Smicronyx fulvus、ドラッグストアビートル(drugstore beetle)Stegobium paniceum、イエローミールワームビートル(yellow mealworm beetle)Tenebrio molitor、フラワービートル(flour beetle)Tribolium castaneum及びTribolium confusum、ウェアハウスビートル及びキャビネットビートル(warehouse and cabinet beetle)(Trogoderma spp)、及びサンフラワービートル(sunflower beetle)Zygogramma exclamationisが挙げられるが、これらに限定されない。
【0812】
Dermaptera(イアーウィグ)の例としては、ヨーロピアンイアーウィッグ(European earwig)Forficula auricularia、及びストライプドイアウィッグ(European earwig)Labidura ripariaが挙げられるが、これらに限定されない。
【0813】
Dictvonteraの例としては、オリエンタルコックローチ(oriental cockroach)Blatta orientalis、ジャーマンコックローチ(German cockroach)Blatella germanica、マデイラコックローチ(Madeira cockroach)Leucophaea maderae、アメリカンコックローチ(American cockroach)Periplaneta americana、及びスモーキーブラウンコックローチ(smokybrown cockroach)Periplaneta fuliginosaが挙げられるが、これらに限定されない。
【0814】
Diplonodaの例としては、スポッテッドスネークミリピード(spotted snake millipede)Blaniulus guttulatus、フラットバックミリピード(flat-back millipede)Brachydesmus superus、及びグリーンハウスミリピード(greenhouse millipede)Oxidus gracilisが挙げられるが、これらに限定されない。
【0815】
Diptera目には、Nematocera、Brachycera、及びCyclorrhapha亜目が含まれる。Nematocera亜目には、Tipulidae、Psychodidae、Culicidae、Ceratopogonidae、Chironomidae、Simuliidae科が含まれる。Brachycera亜目には、Stratiomyidae、Tabanidae、Therevidae、Asilidae、Mydidae、Bombyliidae、及びDolichopodidae科が含まれる。Cyclorrhapha亜目には、Aschiza及びAschiza門が含まれる。Aschiza門には、Phoridae、Syrphidae、及びConopidae科が含まれる。Aschiza門には、Acalyptratae及びCalyptratae節が含まれる。Acalyptratae節には、Otitidae、Tephritidae、Agromyzidae、及びDrosophilidae科が含まれる。Calyptratae節には、Hippoboscidae、Oestridae、Tachinidae、Anthomyiidae、Muscidae、Calliphoridae、及びSarcophagidae科が含まれる。
【0816】
Dipteraの例には、以下が挙げられるが、これらに限定されない:イエバエ(house fly)(Musca domestica)、アフリカンタンブフライ(African tumbu fly)(Cordylobia anthropophaga)、バイティングミッジ(biting midge)(Culicoides spp.)、ビーラウス(bee louse)(Braula spp.)、ビートフライ(beet fly)Pegomyia betae、ブラックフライ(black fly)(Cnephia spp.、Eusimulium spp.、Simulium spp.)、ボットフライ(bot fly)(Cuterebra spp.、Gastrophilus spp.、Oestrus spp.)、クレーンフライ(crane fly)(Tipula spp.)、アイナット(eye gnat)(Hippelates spp.)、フィルスブリーディングフライ(filth-breeding fly)(Calliphora spp.、Fannia spp.、Hermetia spp.、Lucilia spp.、Musca spp.、Muscina spp.、Phaenicia spp.、Phormia spp.)、フレッシュフライ(flesh fly)(Sarcophaga spp.、Wohlfahrtia spp.)、フリットフライ(flit fly)Oscinella frit、ショウジョウバエ(frit,fruitfly)(Dacus spp.、Drosophila spp.)、ヘッド及びキャノンフライ(head and canon fly)(Hydrotea spp.)、ヘシアンフライ(hessian fly)Mayetiola destructor、ホーン及びバッファローフライ(horn and buffalo fly)(Haematobia spp.)、ホース及びディアフライ(horse and deer fly)(Chrysops spp.、Haematopota spp.、Tabanus spp.)、ラウスフライ(louse fly)(Lipoptena spp.、Lynchia spp.、及びPseudolynchia spp.)、メドフライ(medfly)(Ceratitus spp.)、蚊(Aedes spp.、Anopheles spp.、Culex spp.、Psorophora spp.)、サンドフライ(sandfly)(Phlebotomus spp.、Lutzomyiaspp.)、スクリューワームフライ(screw-worm fly)(Chtysomya bezziana及びCochliomyia hominivorax)、シープケッド(sheep ked)(Melophagus spp.)、ステーブルフライ(stable fly)(Stomoxys spp.)、ツェツェバエ(tsetse fly)(Glossina spp.)、及びワーブルフライ(warble fly)(Hypoderma spp.)。
【0817】
Isontera(シロアリ)の例としては、Hodotennitidae、Kalotermitidae、Mastotermitidae、Rhinotennitidae、Serritermitidae、Termitidae、及びTermopsidae科の種が挙げられるが、これらに限定されない。
【0818】
Heteropteraの例としては、ベッドバグ(bed bug)Cimex lectularius、コットンステイナー(cotton stainer)Dysdercus intermedius、サンペスト(Sunn pest)Eurygaster integriceps、ターニッシュドプラントバグ(tarnished plant bug)Lygus lineolaris、グリーンスティンクバグ(green stink bug)Nezara antennata、サザングリーンスティンクバグ(southern green stink bug)Nezara viridula、及びトリアトミドバグ(triatomid bug)Panstrogylus megistus、Rhodnius ecuadoriensis、Rhodnius pallescans、Rhodnius prolixus、Rhodnius robustus、Triatoma dimidiata、Triatoma infestans、及びTriatoma sordidaが挙げられるが、これらに限定されない。
【0819】
Homopteraの例としては、カリフォルニアレッドスケール(California red scale)Aonidiella aurantii、ブラックビーンエイフィド(black bean aphid)Aphis fabae、コットンエイフィド又はメロンエイフィド(cotton or melon aphid)Aphis gossypii、グリーンアップルエイフィド(green apple aphid)Aphis pomi、シトラススパイニーホワイトフライ(citrus spiny whitefly)Aleurocanthus spiniferus、オリアンダースケール(oleander scale)Aspidiotus hederae、スイートポテトホワイトフライ(sweet potato whitefly)Bemesia tabaci、キャベッジエイフィド(cabbage aphid)Brevicoryne brassicae、ペアシラ(pear psylla)Cacopsylla pyricola、カーラントエイフィド(currant aphid)Cryptomyzus ribis、グレープフィロキセラ(grape phylloxera)Daktulosphaira vitifoliae、シトラスシラ(citrus psylla)Diaphorina citri、ポテトリーフホッパー(potato leafhopper)Empoasca fabae、ビーンリーフホッパー(bean leafhopper)Empoasca solana、ヴァインリーフホッパー(vine leafhopper)Empoasca vitis、ウーリーエイフィド(woolly aphid)Eriosoma lanigerum、ヨーロピアンフルーツスケール(European fruit scale)Eulecanium corni、ミーリープラムエイフィド(mealy plum aphid)Hyalopterus arundinis、スモールブラウンプラントホッパー(small brown planthopper)Laodelphax striatellus、ポテトエイフィド(potato aphid)Macrosiphum euphorbiae、グリーンピーエイフィド(green peach aphid)Myzus persicae、グリーンライスリーフホッパー(green rice leafhopper)Nephotettix cinticeps、ブラウンプラントホッパー(brown planthopper)Nilaparvata lugens、ゴールフォーミングエイフィド(gall-forming aphid)(Pemphigus spp.)、ホップエイフィド(hop aphid)Phorodon humuli、バードチェリーエイフィド(bird-cherry aphid)Rhopalosiphum padi、ブラックスケール(black scale)Saissetia oleae、グリーンバグ(greenbug)Schizaphis graminum、グレインエイフィド(grain aphid)Sitobion avenae、及びグリーンハウスホワイトフライ(greenhouse whitefly)Trialeurodes vaporariorumが挙げられるが、これらに限定されない。
【0820】
Isopodaの例としては、限定されないが、コモンピルバグ(common pillbug)Armadillidium vulgare及びコモンウッドラウス(common woodlouse)Oniscus asellusが挙げられるが、これらに限定されない。
【0821】
Lepidoptera目には、Papilionidae、Pieridae、Lycaenidae、Nymphalidae、Danaidae、Satyridae、Hesperiidae、Sphingidae、Saturniidae、Geometridae、Arctiidae、Noctuidae、Lymantriidae、Sesiidae、及びTineidae科が含まれる。
【0822】
Lepidopteraの例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:Adoxophyes orana(サマーフルーツトートリクスモス(summer fruit tortrix moth))、Agrotis ipsolon(ブラックカットワーム(black cutworm))、Archips podana(フルーツツリートートリクスモス(fruit tree tortrix moth))、Bucculatrix pyrivorella(ペアリーフマイナー(pear leafminer))、Bucculatrix thurberiella(コットンリーフパーフォレーター(cotton leaf perforator))、Bupalus piniarius(パインルーパー(pine looper))、Carpocapsa pomonella(コドリングモス(codling moth))、Chilo suppressalis(ストライプドライスボーア(striped rice borer))、Choristoneura fumiferana(イースタンスプルースバドワーム(eastern spruce budworm))、Cochylis hospes(バンディッドサンフラワーモス(banded sunflower moth))、Diatraea grandiosella(サウスウエスタンコーンボーア(southwestern corn borer))、Earls insulana(エジプシャンボールワーム(Egyptian bollworm))、Euphestia kuehniella(メディタレイニアンフラワーモス(Mediterranean flour moth))、Eupoecilia ambiguella(ヨーロピアングレープベリーモス(European grape berry moth))、Euproctis chrysorrhoea(ブラウンテイルモス(brown-tail moth))、Euproctis subflava(オリエンタルツソックモス(oriental tussock moth))、Galleria mellonella(グレーターワックスモス(greater wax moth))、Helicoverpa armigera(コットンボールワーム(cotton bollworm))、Helicoverpa zea(コットンボールワーム)、Heliothis virescens(タバコバドワーム(tobacco budworm))、Hofmannophila pseudopretella(ブラウンハウスモス(brown house moth))、Homeosoma electellum(サンフラワーモス(sunflower moth))、Homona magnanima(オリエンタルティーツリートートリクスモス(oriental tea tree tortrix moth))、Lithocolletis blancardella(スポッテッドテンティフォームリーフマイナー(spotted tentiform leafminer))、Lymantria dispar(ジプシーモス(gypsy moth))、Malacosoma neustria(テントキャタピラー(tent caterpillar))、Mamestra brassicae(キャベッジアーミーワーム(cabbage armyworm))、Mamestra configurata(バーサアーミーワーム(Bertha armyworm))、ホーンワーム(hornworm)Manduca sexta及びManuduca quinquemaculata、Operophtera brumata(ウィンターモス(winter moth))、Ostrinia nubilalis(ヨーロピアンコーンボーア(European corn borer))、Panolis flammea(パインビューティーモス(pine beauty moth))、Pectinophora gossypiella(ピンクボールワーム(pink bollworm))、Phyllocnistis citrella(シトラスリーフマイナー(citrus leafminer))、Pieris brassicae(キャベッジホワイトバタフライ(cabbage white butterfly))、Plutella xylostella(ダイアモンドバックモス(diamondback moth))、Rachiplusia ni(ソイビーンルーパー(soybean looper))、Spilosoma virginica(イエローベアモス(yellow bear moth))、Spodoptera exigua(ビートアーミー(beet armyworm))、Spodoptera frugiperda(フォールアーミーワーム(fall armyworm))、Spodoptera littoralis(コットンリーフワーム(cotton leafworin))、Spodoptera litura(コモンカットワーム(common cutworm))、Spodoptera praefica(イエローストライプドアーミーワーム(yellowstriped armyworm))、Sylepta derogata(コットンリーフローラー(cotton leaf roller))、Tineola bisselliella(ウェビングクローズモス(webbing clothes moth))、Tineola pellionella(ケースメイキングクローズモス(case-making clothes moth))、Tortrix viridana(ヨーロピアンオークリーフローラー(European oak leafroller))、Trichoplusia ni(キャベッジルーパー(cabbage looper))、及びYponomeuta padella(スモールエルミンモス(small ermine moth))。
【0823】
Orthopteraの例としては、コモンクリケット(common cricket)Acheta domesticus、ツリーローカスト(tree locust)(Anacridium spp.)、マイグラトリローカスト(migratory locust)Locusta migratoria、ツーストライプドグラスホッパー(twostriped grasshopper)Melanoplus bivittatus、ディファレンシャルグラスホッパー(differential grasshopper)Melanoplus dfferentialis、レッドレッグドグラスホッパー(redlegged grasshopper)Melanoplus femurrubrum、マイグラトリグラスホッパー(migratory grasshopper)Melanoplus sanguinipes、ノーザンモールクリケット(northern mole cricket)Neocurtilla hexadectyla、レッドローカスト(red locust)Nomadacris septemfasciata、ショートウィングドモールクリケット(shortwinged mole cricket)Scapteriscus abbreviatus、サザンモールクリケット(southern mole cricket)Scapteriscus borellii、タウニーモールクリケット(tawny mole cricket)Scapteriscus vicinus、及びデザートローカスト(desert locust)Schistocerca gregariaが挙げられるが、これらに限定されない。
【0824】
Phthirapteraの例としては、キャトルバイティングラウス(cattle biting louse)Bovicola bovis、biting lice(Damalinia spp.)、キャットラウス(cat louse)Felicola subrostrata、ショートノーズドキャトルラウス(shortnosed cattle louse)Haematopinus eloysternus、テイルスイッチラウス(tail-switch louse)Haematopinus quadriperiussus、ホッグラウス(hog louse)Haematopinus suis、フェースラウス(face louse)Linognathus ovillus、フットラウス(foot louse)Linognathus pedalis、ドッグサッキングラウス(dog sucking louse)Linognathus setosus、ロングノーズドキャトルラウス(long-nosed cattle louse)Linognathus vituli、チキンボディラウス(chicken body louse)Menacanthus stramineus、ポールトリシャフトラウス(poultry shaft louse)Menopon gallinae、ヒューマンボディラウス(human body louse)Pediculus humanus、ピュビックラウス(pubic louse)Phthirus pubis、リトルブルーキャトルラウス(little blue cattle louse)Solenopotes capillatus、及びドッグバイティングラウス(dog biting louse)Trichodectes canisが挙げられるが、これらに限定されない。
【0825】
Psocopteraの例としては、ブックライス(booklice)Liposcelis bostrychophila、Liposcelis decolor、Liposcelis entomophila、及びTrogium pulsatoriumが挙げられるが、これらに限定されない。Siphonapteraの例としては、トリノミ(bird flea)Ceratophyllus gallinae、イヌノミ(dog flea)Ctenocephalides canis、ネコノミ(cat flea)Ctenocephalides fells、ヒトノミ(human flea)Pulex irritans、及びケオプスネズミノミ(oriental rat flea)Xenopsylla cheopisが挙げられるが、これらに限定されない。
【0826】
Symphylaの例としては、ガーデンシンフィラン(garden symphylan)Scutigerella immaculateが挙げられるが、これに限定されない。
【0827】
Thysanuraの例としては、グレイシルバーフィッシュ(gray silverfish)Ctenolepisma longicaudata、フォーラインドシルバーフィッシュ(four-lined silverfish)Ctenolepisma quadriseriata、コモンシルバーフィッシュ(common silverfish)Lepisma saccharina、及びファイアブラット(firebrat)Thennobia domesticaが挙げられるが、これらに限定されない。
【0828】
Thysanopteraの例としては、タバコトリプ(tobacco thrip)Frankliniella fusca、フラワートリプ(flower thrip)Frankliniella intonsa、ウエスタンフラワートリプ(western flower thrip)Frankliniella occidentalis、コットンバドトリプ(cotton bud thrip)Frankliniella schultzei、バンディッドグリーンハウストリプ(banded greenhouse thrip)Hercinothrips femoralis、ソイビーントリプ(soybean thrip)Neohydatothrips variabilis、ケリーズシトラストリプ(Kelly’s citrus thrip)Pezothrips kellyanus、アボガドトリプ(avocado thrip)Scirtothrips perseae、メロントリプ(melon thrip)Thrips palmi、及びオニオントリプ(onion thrip)、Thrips tabaciが挙げられるが、これらに限定されない。
【0829】
Nematodeの例としては、限定されないが、ネコブ線虫(root-knot nematode)、シスト線虫(cyst nematode)、及びネグサレ線虫(lesion nematode)などの寄生線虫が挙げられ、Heterodera spp.、Meloidogyne spp.、及びGlobodera spp.が含まれる。特に、以下のシスト線虫のメンバーが含まれるが、これらに限定されない:Heterodera glycines(ダイズシスト線虫(soybean cyst nematode))、Heterodera schachtii(ビートシスト線虫(beet cyst nematode))、Heterodera avenae(穀類シスト線虫(cereal cyst nematode))、及びGlobodera rostochiensis及びGlobodera pailida(ポテトシスト線虫(potato cyst nematode))。ネグサレ線虫には、以下が含まれるが、これらに限定されない:Pratylenchus種。
【0830】
本発明の影響を受けやすい他の昆虫種には、例えば、蚊、例えば、Aedes、Anopheles、及びCulex属由来の蚊、ダニ、ノミ、及びハエなどの公衆衛生及び動物衛生上の懸念を引き起こす有害節足動物が含まれる。
【0831】
一実施形態では、DVP、DVP-殺虫タンパク質、又はそれらの薬学的に許容される塩を使用して、外部寄生虫を処理することができる。外部寄生虫には、ノミ(fleas)、ダニ(ticks)、マンジ(mange)、コダニ(mites)、蚊、厄介なハエ(nuisance flies)及びアブ(biting flies)、シラミ(lice)、並びに前述の外部寄生虫のうちの1つ以上を含む組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。「ノミ」という用語は、Siphonaptera目の寄生ノミの通常種又は偶生種、特に、Ctenocephalides種特に、C.fells及びC.cams、ネズミノミ(rat flea)(Xenopsylla cheopis)、及びヒトノミ(human flea)(Pulex irritans)を含む。
【0832】
本発明は、主要な作物の害虫を制御、阻害、及び/又は殺すために使用され得、例えば、一部の実施形態では、主要な作物及び対応する害虫は、以下を含むが、これらに限定されない:トウモロコシ:Ostrinia nubilalis ヨーロピアンコーンボーア(corn borer)、Agrotis ipsilon ブラックカットワーム(black cutworm)、Helicoverpa zea コーンイアワーム(corn earworm)、Spodoptera frugiperda フォールアーミーワーム(fall armyworm)、Diatraea grandiosella サウスウエスタンコーンボーア(southwestern corn borer)、Elasmopalpus lignosellus レッサーコーンストークボーア(lesser cornstalk borer)、Diatraea saccharalis シュガーケインボーア(surgarcane borer)、Diabrotica virgifera ウエスタンコーンルートワーム(western corn rootworm)、Diabrotica longicornis barberi ノーザンコーンルートワーム(northern corn rootworm)、Diabrotica undecimpunctata howardi サザンコーンルートワーム(southern corn rootworm)、Melanotus spp.ワイヤワーム(wireworm)、Cyclocephala borealis ノーザンマスクドチェイファー(northern masked chafer)(ホワイトグラブ(white grub))、Cyclocephala immaculata サザンマスクドチェイファー(southern masked chafer)(ホワイトグラブ(white grub))、Popillia japonica ジャパニーズビートル(Japanese beetle)、Chaetocnema pulicaria コーンフリービートル(corn flea beetle)、Sphenophorus maidis メイズビルバグ(maize billbug)、Rhopalosiphum maidis コーンリーフエイフィド(corn leaf aphid)、Anuraphis maidiradicis コーンルートエイフィド(corn root aphid)、Blissus leucopterus leucopterus チンチバグ(chinch bug)、Melanoplus femurrubrum レッドレッグドグラスホッパー(redlegged grasshopper)、Melanoplus sanguinipes マイグラトリグラスホッパー(migratory grasshopper)、Hylemya platura シードコーンマゴット(seedcorn maggot)、Agromyza parvicornis コーンブロットリーフマイナー(corn blot leafminer)、Anaphothrips obscrurus グラストリップス(grass thrip)、Solenopsis milesta スィーフアント(thief ant)、Tetranychus urticae ツースポッテッドスパイダーマイト(twospotted spider mite)。モロコシ:Chilo partellus ソルガムボーア(sorghum borer)、Spodoptera frugiperda フォールアーミーワーム(fall armyworm)、Helicoverpa zea コーンイアワーム(corn earworm)、Elasmopalpus lignosellus レッサーコーンストークボーア(lesser cornstalk borer)、Feltia subterranea グラニュレイトカットワーム(granulate cutworm)、Phyllophaga crinita ホワイトグラブ(white grub)、Eleodes Conoderus and Aeolus spp.ワイアワーム(wireworm)、Oulema melanopus シリアルリーフビートル(cereal leaf beetle)、Chaetocnema pulicaria コーンフリービートル(corn flea beetle)、Sphenophorus maidis メイズビルバグ(maize billbug)、Rhopalosiphum maidis コーンリーフエイフィド(corn leaf aphid)、Sipha flava イエローシュガーケインエイフィド(yellow sugarcane aphid)、Blissus leucopterus leucopterus チンチバグ(chinch bug)、Contarinia sorghicola ソルガムミッジ(sorghum midge)、Tetranychus cinnabarinus カーミンスパイダーマイト(carmine spider mite)、Tetranychus urticae ツースポッテッドスパイダーマイト(twospotted spider mite)。コムギ:Pseudaletia unipunctata アーミーワーム(army worm)、Spodoptera frugiperda フォールアーミーワーム(fall armyworm)、Elasmopalpus lignosellus レッサーコーンストークボーア(lesser cornstalk borer)、Agrotis orthogonia ウエスタンカットワーム(western cutworm)、Elasmopalpus lignosellus レッサーコーンストークボーア(lesser cornstalk borer)、Oulema melanopus シリアルリーフビートル(cereal leaf beetle)、Hypera punctata クローバーリーフウィービル(clover leaf weevil)、Diabrotica undecimpunctata howardi サザンコーンルートワーム(southern corn rootworm)、ロシアンウィートエイフィィド(Russian wheat aphid)、Schizaphis graminum グリーンバグ(greenbug)、Macrosiphum avenae イングリッシュグレインエイフィド(English grain aphid)、Melanoplus femurrubrum レッドレッグドグラスホッパー(redlegged grasshopper)、Melanoplus differentialis ディファレンシャルグラスホッパー(differential grasshopper)、Melanoplus sanguinipes マイグラトリグラスホッパー(migratory grasshopper)、Mayetiola destructor ヘシアンフライ(Hessian fly)、Sitodiplosis mosellana ウィートミッジ(wheat midge)、Meromyza americana ウィートステムマゴット(wheat stem maggot)、Hylemya coarctata ウィートバルブフライ(wheat bulb fly)、Frankliniella fusca タバコスリップス(tobacco thrip)、Cephus cinctus ウィートステムソーフライ(wheat stem sawfly)、Aceria tulipae ウィートカールマイト(wheat curl mite)。ヒマワリ:Suleima helianthana サンフラワーバドモス(sunflower bud moth)、Homoeosoma electellum サンフラワーモス(sunflower moth)、Zygogramma exclamationis サンフラワービートル(sunflower beetle)、Bothyrus gibbosus キャロットビートル(carrot beetle)、Neolasioptera murtfeldtiana サンフラワーシードミッジ(sunflower seed midge)。ワタ:Heliothis virescens コットンバドワーム(cotton budworm)、Helicoverpa zea コットンボールワーム(cotton bollworm)、Spodoptera exigua ビートアーミーワーム(beet armyworm)、Pectinophora gossypiella ピンクボールワーム(pink bollworm)、Anthonomus grandis ボールウィービル(boll weevil)、Aphis gossypii コットンエイフィド(cotton aphid)、Pseudatomoscelis seriatus コットンフリーホッパー(cotton fleahopper)、Trialeurodes abutilonea バンディッドウィングドホワイトフライ(banded winged whitefly)、Lygus lineolaris ターニシュドプラントバグ(tarnished plant bug)、Melanoplus femurrubrum レッドレッグドグラスホッパー(redlegged grasshopper)、Melanoplus differentialis ディファレンシャルグラスホッパー(differential grasshopper)、Thrips tabaci オニオントリプ(onion thrip)、Franklinkiella fusca タバコトリプ(tobacco thrip)、Tetranychus cinnabarinus カーミンスパイダーマイト(carmine spider mite)、Tetranychus urticae ツースポッテッドスパイダーマイト(twospotted spider mite)。イネ:Diatraea saccharalis シュガーケインボーア(sugarcane borer)、Spodoptera frugiperda フォールアーミーワーム(fall armyworm)、Helicoverpa zea コーンイアワーム(corn earworm)、Colaspis brunnea グレープコラスピス(grape colaspis)、Lissorhoptrus oryzophilus ライスウォーターウィービル(rice water weevil)、Sitophilus oryzae ライスウィービル(rice weevil)、Nephotettix nigropictus ライスリーフホッパー(rice leafhopper)、Blissus leucopterus チンチバグ(chinch bug)、Acrosternum hilare グリーンスティンクバグ(green stink bug)。ダイズ:Pseudoplusia includens ソイビーンルーパー(soybean looper)、Anticarsia gemmatalis ベルベットビーンキャタピラー(velvet bean caterpillar)、Plathypena scabra グリーンクローバーワーム(green clover worm)、Ostrinia nubilalis ヨーロピアンコーンボーア(European corn borer)、Agrotis ipsilon ブラックカットワーム(black cutworm)、Spodoptera exigua ビートアーミーワーム(beet ar
myworm)、Heliothis virescens コットンバドワーム(cotton budworm)、Helicoverpa zea コットンボールワーム(cotton bollworm)、Epilachna varivestis メキシカンビーンビートル(Mexican bean beetle)、Myzus persicae グリーンビーチエイフィド(green peach aphid)、Empoasca fabae ボテトリーフホッパー(potato leafhopper)、Acrosternum hilare グリーンスティンクバグ(green stink bug)、Melanoplus femurrubrum レッドレッグドグラスホッパー(redlegged grasshopper)、Melanoplus differentialis ディファレンシャルグラスホッパー(differential grasshopper)、Hylemya platura シードコーンマゴット(seedcorn maggot)、Sericothrips variabilis ソイビーントリプ(soybean thrip)、Thrips tabaci オニオントリプ(onion thrip)、Tetranychus turkestani ストロベリースパイダーマイト(strawberry spider mite)、Tetranychus urticae ツースポッテッドスパイダーマイト(twospotted spider mite)。オオムギ:Ostrinia nubilalis ヨーロピアンコーンボーア(European corn borer)、Agrotis ipsilon ブラックカットワーム(black cutworm)、Schizaphis graminum グリーンバグ(greenbug)、Blissus leucopterus leucopterus チンチバグ(chinch bug)、Acrosternum hilare グリーンスティンクバグ(green stink bug)、Euschistus servus ブラウンスティンクバグ(brown stink bug)、Delia platura シードコーンマゴット(seedcorn maggot)、Mayetiola destructor ヘシアンフライ(Hessian fly)、Petrobia latens ブラウンウィートマイト(brown wheat mite)。セイヨウアブラナ:Brevicoryne brassicae キャベッジエイフィド(cabbage aphid)、Phyllotreta cruciferae フリービートル(Flea beetle)、Mamestra configurata バーサアーミーワーム(Bertha armyworm)、Plutella xylostella ダイアモンドバックモス(Diamond-back moth)、Delia ssp.ルートマゴット(Root maggot)。
【0833】
一部の実施形態では、DVP、DVP-殺虫タンパク質、又はそれらの薬学的に許容される塩を用いて、前述の昆虫のうちのいずれか1つ以上を処理することができる。
【0834】
本発明の影響を受けやすい昆虫としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定されない。Blattaria、Coleoptera、Collembola、Diptera、Echinostomida、Hemiptera、Hymenoptera、Isoptera、Lepidoptera、Neuroptera、Orthoptera、Rhabditida、Siphonoptera、及びThysanoptera。属種は以下のように示される:Actebia fennica、Agrotis ipsilon、A.segetum、Anticarsia gemmatalis、Argyrotaenia citrana、Artogeia rapae、Bombyx mori、Busseola fusca、Cacyreus marshall、Chilo suppressalis、Christoneura fumiferana、C.occidentalis、C.pinus pinus、C.rosacena、Cnaphalocrocis medinalis、Conopomorpha cramerella、Ctenopsuestis obliquana、Cydia pomonella、Danaus plexippus、Diatraea saccharallis、D.grandiosella、Earias vittella、Elasmolpalpus lignoselius、Eldana saccharina、Ephestia kuehniella、Epinotia aporema、Epiphyas postvittana、Galleria mellonella、Genus-Species、Helicoverpa zea、H.punctigera、H.armigera、Heliothis virescens、Hyphantria cunea、Lambdina fiscellaria、Leguminivora glycinivorella、Lobesia botrana、Lymantria dispar、Malacosoma disstria、Mamestra brassicae、M.configurata、Manduca sexta、Marasmia patnalis、Maruca vitrata、Orgyia leucostigma、Ostrinia nubilalis、O.furnacalis、Pandemis pyrusana、Pectinophora gossypiella、Perileucoptera coffeella、Phthorimaea opercullela、Pianotortrix octo、Piatynota stultana、Pieris brassicae、Plodia interpunctala、Plutella xylostella、Pseudoplusia includens、Rachiplusia nu、Sciropophaga incertulas、Sesamia calamistis、Spilosoma virginica、Spodoptera exigua、Spodoptera frugiperda、Spodoptera littoralis、Spodoptera exempta、Spodoptera litura、Tecia solanivora、Thaumetopoea pityocampa、Trichoplusia ni、Wiseana cervinata、Wiseana copularis、Wiseana jocosa、Blattaria blattella、Collembola xenylla、Collembola folsomia、Folsomia candida、Echinostomida fasciola、Hemiptera oncopeltrus、Hemiptera bemisia、Hemiptera macrosiphum、Hemiptera rhopalosiphum、Hemiptera myzus、Hymenoptera diprion、Hymenoptera apis、Hymenoptera Macrocentrus、Hymenoptera Meteorus、Hymenoptera Nasonia、Hymenoptera Solenopsis、Isopoda porcellio、Isoptera reticulitermes、Orthoptera Achta、Prostigmata tetranychus、Rhabitida acrobeloides、Rhabitida caenorhabditis、Rhabitida distolabrellus、Rhabitida panagrellus、Rhabitida pristionchus、Rhabitida pratylenchus、Rhabitida ancylostoma、Rhabitida nippostrongylus、Rhabitida panagrellus、Rhabitida haemonchus、Rhabitida meloidogyne、及びSiphonaptera ctenocephalides。
【0835】
本開示は、植物形質転換のための方法を提供し、これは、任意の植物種(単子葉植物及び双子葉植物を含むが、これらに限定されない)の形質転換のために使用され得る。トランスジェニックアプローチが特に有用であろう作物としては、アルファルファ、ワタ、トマト、トウモロコシ、コムギ、トウモロコシ、スイートコーン、ルーサン、ダイズ、モロコシ、エンドウ、アマニ、ベニバナ、ナタネ、セイヨウアブラナ、イネ、ダイズ、オオムギ、ヒマワリ、木(針葉樹及び落葉樹を含む)、花(商業的に栽培されるもの、温室で栽培されるものを含む)、ハウチワマメ、スイッチグラス、サトウキビ、ジャガイモ、トマト、タバコ、ジュウジバナ、ピーマン、サトウダイコン、オオムギ、及びセイヨウアブラナ、アブラナ属種、ライムギ、アワ、ピーナッツ、サツマイモ、キャッサヤ、コーヒー、ココナッツ、パイナップル、柑橘類、カカオ、チャ、バナナ、アボカド、イチジク、グアバ、マンゴー、オリーブ、カセイ、パパイア、カシュー、マカダミア、アーモンド、カラスムギ、野菜、観賞植物又は針葉樹が挙げられるが、これらに限定されない。
【0836】
本開示は、植物形質転換のための方法を提供し、これは、任意の植物種(単子葉植物及び双子葉植物を含むが、これらに限定されない)の形質転換のために使用され得る。トランスジェニックアプローチ又は植物に組み込まれた保護剤(PIP)が特に有用であろう作物としては、アルファルファ、ワタ、トマト、トウモロコシ、コムギ、トウモロコシ、スイートコーン、ルーサン、ダイズ、モロコシ、エンドウ、アマニ、ベニバナ、ナタネ、セイヨウアブラナ、イネ、ダイズ、オオムギ、ヒマワリ、木(針葉樹及び落葉樹を含む)、花(商業的に栽培されるもの、温室で栽培されるものを含む)、ハウチワマメ、スイッチグラス、サトウキビ、ジャガイモ、トマト、タバコ、ジュウジバナ、ピーマン、サトウダイコン、オオムギ、及びセイヨウアブラナ、アブラナ属種、ライムギ、アワ、ピーナッツ、サツマイモ、キャッサヤ、コーヒー、ココナッツ、パイナップル、柑橘類、カカオ、チャ、バナナ、アボカド、イチジク、グアバ、マンゴー、オリーブ、カセイ、パパイア、カシュー、マカダミア、アーモンド、カラスムギ、野菜、観賞植物又は針葉樹が挙げられるが、これらに限定されない。
【0837】
一部の実施形態では、本発明の組成物、混合物、及び/又は方法は、以下からなる群から選択される昆虫及び/又は害虫の遺伝子座に適用され得る:ルーパー、オムニバラスリーフローラー、ホーンワーム、インポーテッドキャベッジワーム、ダイアモンドバックモス、グリーンクローバーワーム、ウェブワーム、ソルトマーシュキャタピラー、アーミーワーム、カットワーム、クロスストライプドキャベッジワーム、ポッドワーム、ベルベットビーンキャタピラー、ソイビーンルーパー、トマトフルーツワーム、ベアリアゲイティドカットワーム、メロンワーム、リンドワームコンプレックス、フルーツツリーリーフローラー、シトラスカットワーム、ヘリオティス、オレンジドッグ、シトラスカットワーム、レッドハンプドキャタピラー、テントキャタピラー、フォールウェブワーム、ウォールナッツキャタピラー、カンカーワーム、ジプシーモス、ベアリアゲイティドリーフローラー、レッドバンディッドリーフローラー、タフテッドアップルバドモス、オリエンタルフルーツモス)、フィルバートリーフローラー、オブリークバンディッドリーフローラー、コドリングモス、トゥイグボーア、グレープリーフスケルトナイザー、グレープリーフローラー、アキーマスフィンクスモス(ホーンワーム)、オレンジトートリクス、タバコバドワーム、グレープベリーモス、スパンワーム、アルファルファキャタピラー、コットンボールワーム、ヘッドモス、アもビアモス、オムニバラスルーパー、エローモス(ホーンワーム)、イオモス、オリアンダーモス、アゼリアキャタピラー、ホーンワーム、リーフローラー、バナナスキッパー、Batrachedra comosae(ホッジ)、テクラモス、アーティチョークプルームモス、シスルバタフライ、バッグワーム、スプリング&フォールカンカーワーム、エルムスパンワーム、カルフォルニアオーク、パインバタフライ 、スプルースバドワーム、サドルプロミネントキャタピラー、ダグラスファアタソックモス、ウエスタンタソックモス、ブラックヘディッドバドワーム、ミモザウェブワーム、ジャックパインバドワーム、サドルバックキャタピラー、グリーンストライプドメープルワーム、又はヘムロックルーパー。
【0838】
一部の実施形態では、本発明の組成物、混合物、及び/又は方法は、以下からなる群から選択される昆虫及び/又は害虫の遺伝子座に適用され得る:アヒマスフィンクスモス(ホーンワーム)(Eumorpha achemon)、アルファルファキャタピラー(Colias eurytheme)、アーモンドモス(Caudra cautella)、アモルビアモス(Amorbia humerosana)、アーミーワーム(Spodoptera spp.(例えば、exigua、frugiperda、littoralis)、Pseudaletia unipuncta)、アーティチョークプルームモス(Platyptilia carduidactyla)、アゼリアキャタピラー(Datana major)、バッグワーム(Thyridopteryx)、ephemeraeformis)、バナナモス(Hypercompe scribonia)、バナナスキッパー(Erionota thrax)、ブラックヘディッドバドワーム(Acleris gloverana)、カルフォルニアオークワーム(Phryganidia californica)、スプリングキャンカーワーム(Paleacrita merriccata)、チェリーフルーツワーム(Grapholita packardi)、チャイナマークモス(Nymphula stagnata)、シトラスカットワーム(Xylomyges curialis)、コドリングモス(Cydia pomonella)、クランベリーフルーツワーム(Acrobasis vaccinii)、クロスストライプドキャベッジワーム(Evergestis rimosalis)、カットワーム(Noctuid種、Agrotis ipsilon)、ダグラスファータソックモス(Orgyia pseudotsugata)、エルロモス(ホーンワーム)(Erinnyis ello)、エルムスパンワーム(Ennomos subsignaria)、ヨーロピアングレープヴァインモス(Lobesia botrana)、ヨーロピアンスキッパー(Thymelicus lineola)(エセックススキッパー)、フォールウェブワーム(Melissopus latiferreanus)、フィルバートリーフローラー(Archips rosanus)、フルーツツリーリーフローラー(Archips argyrospilia)、グレープベリーモス(Paralobesia viteana)、グレープリーフローラー(Platynota stultana)、グレープリーフスケルトナイザー(Harrisina americana)(地面のみ)、グリーンクローバーワーム(Plathypena scabra)、グリーンストライプドメープルワーム(Dryocampa rubicunda)、Gummosos-Batrachedra comosae(ホッジズ)、ジプシーモス(Lymantria dispar)、ヘムロックルーパー(Lambdina fiscellaria)、ホーンワーム(Manduca spp.)、インポーテッドキャベッジワーム(Pieris rapae)、アイオモス(Automeris io)、ジャックパインバドワーム(Choristoneura pinus)、ライトブラウンアップルモス(Epiphyas postvittana)、メロンワーム(Diaphania hyalinata)、ミモザウェブワーム(Homadaula anisocentra)、オブリークバンディッドリーフローラー(Choristoneura rosaceana)、オリアンダーモス(Syntomeida epilais)、オムニバラスリーフローラー(Playnota stultana)、オムニバラスルーパー(Sabulodes aegrotata)、オレンジドッグ(Papilio cresphontes)、オレンジトートリクス(Argyrotaenia citrana)、オリエンタルフルーツモス(Grapholita molesta)、ピーチツイグボーア(Anarsia lineatella)、パインバタフライ(Neophasia menapia)、レッドバンディッドリーフローラー(Argyrotaenia velutinana)、レッドハンプトキャタピラー(Schizura concinna)、リンドワームコンプレックス(Various Leps.)、サドルバックキャタピラー(Sibine stimulea)、サドルプロミネントキャタピラー(Heterocampa guttivitta)、ソルトマーシュキャタピラー(Estigmene acrea)、ソッドウェブワーム(Crambus spp.)、スパンワーム(Ennomos subsignaria)、フォールキャンカーワーム(Alsophila pometaria)、スプルースバドワーム(Choristoneura fumiferana)、テントキャタピラー(Various Lasiocampidae)、Thecla-Thecla Basilides(Geyr)(Thecla basilides)、タバコホーンワーム(Manduca sexta)、タバコモス(Ephestia elutella)、タフテッドアップルバドモス(Platynota idaeusalis)、トゥイグボーア(Anarsia lineatella)、ベアリアゲイティドカットワーム(Peridroma saucia)、ベアリアゲイティドリーフローラー(Platynota flavedana)、ベルベットビーンキャタピラー(Anticarsia gemmatalis)、ウォルナットキャタピラー(Datana integerrima)、ウェブワーム(Hyphantria cunea)、ウエスタンタソックモス(Orgyia vetusta)、サザンコーンストークボーア(Diatraea crambidoides)、コーンイアワーム、スイートポテトウィービル、ペッパーウィービル、シトラスルートウィービル、ストロベリールートウィービル、ピーカンウィービル)、フィルバートウィービル、ライスウォーターウィービル、アルファルファウィービル、クローバーウィービル、ティーショット-ホールボーア、ルートウィービル、シュガーケインビートル、コーヒーベリーボーア、アニュアルブルーグラスウィービル(Listronotus maculicollis)、アジアティックガーデンビートル(Maladera castanea)、ヨーロピアンチェ-ファー(Rhizotroqus majalis)、グリーンジューンビートル(Cotinis nitida)、ジャパニーズビートル(Popillia japonica)、メイオアジューンビートル(Phyllophaga sp.)、ノーザンマスクドチェ-ファー(Cyclocephala borealis)、オリエンタルビートル(Anomala orientalis)、サザンマスクドチェ-ファー(Cyclocephala lurida)、ビルバグ(Curculionoidea)、Aedes aegypti、Busseola fusca、Chilo suppressalis、Culex pipiens、Culex quinquefasciatus、Diabrotica virgifera、Diatraea saccharalis、Helicoverpa armigera、Helicoverpa zea、Heliothis virescens、Leptinotarsa decemlineata、Ostrinia furnacalis、Ostrinia nubilalis、Pectinophora gossypiella、Plodia interpunctella、Plutella xylostella、Pseudoplusia includens、Spodoptera exigua、Spodoptera frugiperda、Spodoptera littoralis、Trichoplusia ni、及び/又はXanthogaleruca luteola。
【0839】
一部の実施形態では、本発明の組成物、混合物、及び/又は方法は、以下からなる群から選択される成虫の遺伝子座に適用され得る:アジアティックガーデンビートル(Maladera castanea)、ゴールドスポッテッドオークボーア(Agrilus coxalis auroguttatus)、グリーンジューンビートル(Cotinis nitida)、ジャパニーズビートル(Popillia japonica)、メイ又はジューンビートル(Phyllophaga sp.)、オリエンタルビートル(Anomala orientalis)、及び/又はソープベリーボーア(Agrilus prionurus)。
【0840】
一部の実施形態では、本発明の組成物、組み合わせ、及び/又は方法は、以下からなる群から選択される幼虫(一年地虫)である昆虫及び/又は害虫の遺伝子座に適用され得る:アニュアルブルーグラスウィービル(Listronotus maculicollis)、アジアティックガーデンビートル(Maladera castanea)、ヨーロピアンチェ-ファー(Rhizotroqus majalis)、グリーンジューンビートル(Cotinis nitida)、ジャパニーズビートル(Popillia japonica)、メイ又はジューンビートル(Phyllophaga sp.)、ノーザンマスクドチェ-ファー(Cyclocephala borealis)、オリエンタルビートル(Anomala orientalis)、サザンマスクドチェ-ファー(Cyclocephala lurida)、及びビルバグ(Curculionoidea)。
【0841】
シスチンノット構造
システインリッチタンパク質(CRP)は、システイン残基に富むペプチドであり、一部の実施形態では、かかるシステイン残基間にジスルフィド結合を形成するように動作可能である。一部の実施形態では、CRPは、4、5、6、7、8、9、10個、又はそれ以上のシステインアミノ酸を含有する。一部の実施形態では、CRP中に存在するシステイン残基は、3つ以上のジスルフィド結合を形成し得る。一部の実施形態では、ジスルフィド結合は、殺虫ペプチドの折り畳み、三次元構造、及び活性に寄与する。
【0842】
CRPは、それらのシステイン-システインジスルフィド結合の効力により、環境に曝露されたときに顕著な安定性を有し得る。一部の実施形態では、CRPは、殺虫特性を有し得る。例えば、一部の実施形態では、CRPは、システインリッチ殺虫タンパク質(CRIP)であり得る。一部の実施形態では、システイン-システインジスルフィド結合、及びそれらから形成される三次元構造は、これらのタンパク質の殺虫性質において重要な役割を果たす。
【0843】
一部の実施形態では、CRP中に存在する3つのジスルフィド結合は、シスチンノット(CK)モチーフを形成するジスルフィド結合トポロジーを有し得る。シスチンノット(CK)モチーフは、少なくとも3つのジスルフィド架橋又は結合(システイン分子の対の間に形成される)を含むタンパク質構造モチーフである。シスチンノットは、構造内の内部リングを形成する、2つのジスルフィド結合及びそれらの接続する骨格セグメントから構築され、それは、第3のジスルフィド結合によってねじ切られインターロック及び交差分岐構造を形成し、ロタキサン基質を形成する。
【0844】
一部の実施形態では、3つのジスルフィド結合は、以下のCKモチーフ:阻害剤シスチンノット(ICK)モチーフ、成長因子シスチンノット(GFCK)モチーフ、又は環状シスチンノット(CCK)モチーフのうちの1つを作製するジスルフィド結合トポロジーを有する。
【0845】
阻害剤シスチンノット(ICK)、又は「ノッチン(knottin)」は、少なくとも3つのジスルフィド結合を含有するタンパク質構造モチーフである。結合間のペプチドサブユニットとともに、2つのジスルフィド(それぞれ、第1及び第4のシステイン及並びに第2及び第5のシステインを連結する)は、第3のジスルフィド結合(配列中の第3及び第6のシステインを連結する)が通過するループを形成し、ノットを形成する。モチーフは、クモ科及び軟体動物などの無脊椎動物毒素に一般的である。モチーフは、植物に見られるいくつかの阻害タンパク質にも見出される。
【0846】
ICKモチーフを含むタンパク質は、16~60個のアミノ酸長であり得、少なくとも6個のハーフシスチンコアアミノ酸は少なくとも3つのジスルフィド架橋を有し、3個のジスルフィド架橋は共有結合であり、6個のハーフシスチン残基のうち、共有ジスルフィド結合は、N末端アミノ酸から始まる6個のコアハーフシスチンアミノ酸の第1の(C)及び第4の(CIV)、第2の(CII)及び第5の(C)、並びに第3の(CIII)及び第6の(CVI)ハーフシスチン間にある。概して、この種類のタンパク質は、通常、モチーフの第4のコアハーフシスチンと第6のコアハーフシスチンとの間に位置する残基で構成されるベータヘアピン二次構造を含み、ヘアピンが、モチーフの3つのジスルフィド結合によって提供される構造的架橋によって安定化される。追加のシステイン/シスチン又はハーフシスチンアミノ酸が、阻害剤シスチンノットモチーフ内に存在し得ることに留意されたい。
【0847】
環状シスチンノット(CCK)又はシクロチドはICKに類似しているが、CCKペプチドは環化されている。CCKは、2つの主要な構造サブファミリーに分類される:メビウスシクロチドは、2つの中ではあまり一般的ではないが、ループ5にシスプロリンを含み、局所的な180°骨格ねじれを誘導する。トリプシン阻害剤シクロチドは、配列変動及び自然活性に基づいて独自のファミリーに分類される。トリプシン阻害剤シクロチドは、他のシクロチドよりも、ノット又は阻害剤シスチンノットとして知られるカボチャ植物由来の非環状トリプシン阻害剤のファミリーにより相同である。ここで、「環状」又は「環化された」とは、遊離アミノ末端及びカルボキシ末端を含まないアミノ酸残基又はその類似体の配列を含む分子を指す。一部の実施形態では、環化されたペプチドは、アミド(ペプチド)結合を介してペプチド内の全てのアミノ酸間の結合を含むが、他の化学リンカーも可能である。
【0848】
成長因子シスチンノット(GFCK)も同様に、ICKペプチドと同様のモチーフを有するが、そのトポロジーは、CとCIVとの間の結合がループ(それぞれ、CII及びCシステインとCIII及びCVIシステインとの間に形成される)を通るようなものである。
【0849】
結合を除去することにより式(II)のCK構造に到達する
本発明は、式(II)に記載のシスチンノット(CK)構造を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる組換えCRPを操作する方法であって、
【化4】
式中、C~CVIが、システイン残基であり、システイン残基C及びCIVが、第1のジスルフィド結合によって接続されており、CII及びCが、第2のジスルフィド結合によって接続されており、CIII及びCVIが、第3のジスルフィド結合によって接続されており、第1のジスルフィド結合、第2のジスルフィド結合、及び第3のジスルフィド結合が、シスチンノットモチーフを形成するジスルフィド結合トポロジーを有し、第1のジスルフィド結合、第2のジスルフィド結合、及び第3のジスルフィド結合が、シスチンノットモチーフを形成する唯一のジスルフィド結合であり、N、L、L、L、L、L、及びCが、1~13個のアミノ酸残基の長さを有するアミノ酸配列を含むペプチドサブユニットであり、N、L、C、又はそれらの任意の組み合わせが、任意選択で、存在せず、当該組換えCRPが、1つ以上の非CKジスルフィド結合を有する修飾可能なCRPを修飾することによって作製されており、1つ以上の非CKジスルフィド結合が、第1のジスルフィド結合でも、第2のジスルフィド結合でも、第3のジスルフィド結合でもなく、1つ以上の非CKジスルフィド結合が、CKモチーフを形成せず、修飾可能なCRPが、1つ以上の非CKジスルフィド結合を有する修飾可能なCRPから1つ以上の非CKジスルフィド結合を除去することによって修飾されており、1つ以上の非CKジスルフィド結合を有する修飾可能なCRPから1つ以上のジスルフィド結合を除去することが、式(II)に記載のCK構造を有する組換えCRPをもたらし、式(II)に記載のCK構造を有する組換えCRPが、式(II)に記載のCK構造を有しない修飾可能なCRPの発現レベルと比較して、増加した発現レベルを有する、方法を企図し、教示する。
【0850】
一部の実施形態では、式(II)に記載のCK構造を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなるCRIPは、以下のプロセス:7つ以上のシステインアミノ酸残基を有するポリペプチドから1つ以上のシステインアミノ酸残基を除去することに従って作製され、ポリペプチドは、式(II)に記載のCK構造を有しない。
【0851】
一部の実施形態では、式(II)に記載のCK構造を有しない修飾可能なCRPから1つ以上のシステインアミノ酸残基を除去することにより、修飾可能なCRPからの1つ以上のジスルフィド結合の除去がもたらされる。
【0852】
一部の実施形態では、式(II)に記載のCK構造を有しない修飾可能なCRPから1つ以上のジスルフィド結合を除去することにより、式(II)に記載のCK構造を有する組換えCRPがもたらされ、以下の効果がもたらされる:式(II)に記載のCK構造を有しないポリペプチドと比較して、例えば、組換えタンパク質発現系における組換えCRPの発現の増加。
【0853】
当業者に既知のペプチド収量を測定するための様々な方法がある。一部の実施形態では、ペプチド収量は、「正規化ペプチド収量」であり得、これは、条件培地中のペプチド収量を、ペプチド収量を測定した時点での対応する細胞密度で割ったものを意味する。ペプチド収量は、単位体積における産生されたペプチドの質量(例えば、mg/リットル若しくはmg/L)で、又はHPLCクロマトグラフにおける産生されたペプチドの紫外線吸光度ピーク面積(例えば、mAu.sec)で表すことができる。細胞密度は、600nm(OD600)の波長での培養の可視光吸光度で表すことができる。「OD」は、光学密度を指す。典型的には、分光光度計を使用してODが測定される。細胞集団の経時的な増殖を測定する場合、紫外線分光法よりもOD600が好ましい。これは、過剰な紫外線光の下では細胞が損傷を受けることから、600nmの波長で、そうならないようにするためである。「OD660nm」又は「OD660nm」は、660ナノメートル(nm)での光学密度を指す。
【0854】
一部の実施形態では、本発明の組換えCRPは、式(II)に記載のCK構造を有するタンパク質を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。式(II)に記載のCK構造は、システイン及びジスルフィド結合トポロジーの構成を指し、式(II)に記載のCK構造を有するタンパク質は、共通の構造的類似性を有する。ここで、式(II)に記載のCK構造は、3つのジスルフィド結合によって連結された6つのシステイン残基を含むか、それらから本質的になるか、又はそれらからなり、ジスルフィド結合は、システインCとCIVとの間、CIIとCとの間、及びCIIIとCVIとの間に接続される。
【0855】
一部の実施形態では、式(II)に記載のCK構造を有する組換えCRPは、式(II)に記載のCK構造を有しない修飾可能なCRPの発現レベルと比較して、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%、又は100%超と等しい又はそれより多い発現レベルの増加を有する。
【0856】
一部の実施形態では、本発明の組換えCRPは、ジスルフィド結合トポロジーを有し、ジスルフィド結合トポロジーは、以下のシスチンノットモチーフ:阻害剤シスチンノット(ICK)モチーフ、成長因子シスチンノット(GFCK)モチーフ、又は環状シスチンノット(CCK)モチーフのうちの1つを形成する。
【0857】
一部の実施形態では、本発明の組換えCRPは、ジスルフィド結合トポロジーを有し、ジスルフィド結合トポロジーは、ICKモチーフを形成する。
【0858】
一部の実施形態では、修飾可能なCRPは、1つ以上の非CKジスルフィド結合を有する修飾可能なCRPであり、1つ以上の非CKジスルフィド結合は、第1のジスルフィド結合でも、第2のジスルフィド結合でも、第3のジスルフィド結合でもなく、1つ以上の非CKジスルフィド結合は、CKモチーフを形成しない。
【0859】
したがって、一部の実施形態では、1つ以上の非CKジスルフィド結合は、第1のジスルフィド結合、第2のジスルフィド結合、及び/又は第3のジスルフィド結合ではない任意の追加のジスルフィド結合であり、第1のジスルフィド結合、第2のジスルフィド結合、及び第3のジスルフィド結合は、シスチンノットモチーフを形成する唯一のジスルフィド結合である。言い換えれば、第1のジスルフィド結合、第2のジスルフィド結合、及び/若しくは第3のジスルフィド結合ではない追加のジスルフィド結合が存在する、並びに/又はそれらの接続する骨格セグメントと協調して、構造内のリングを形成する2つのジスルフィド結合、及び/若しくはこの環をねじ切ってインターロッキング及びクロスブレース構造を形成する第3のジスルフィド結合のうちの1つではない場合、したがって、かかる追加のジスルフィド結合は、非CKジスルフィド結合である。
【0860】
一部の実施形態では、修飾可能なCRPは、1つ以上の非CKジスルフィド結合を有する修飾可能なCRPであり、1つ以上の非CKジスルフィド結合は、第1のジスルフィド結合でも、第2のジスルフィド結合でも、第3のジスルフィド結合でもなく、1つ以上の非CKジスルフィド結合は、CKモチーフを形成せず、1つ以上の非CKジスルフィド結合を有する修飾可能なCRPから1つ以上の非CKジスルフィド結合を除去することによって修飾され得る。
【0861】
一部の実施形態では、1つ以上の非CKジスルフィド結合を有する修飾可能なCRPから1つ以上のジスルフィド結合を除去することが、式(II)に記載のCK構造を有する組換えCRPをもたらす。
【0862】
一部の実施形態では、1つ以上の非CKジスルフィド結合を有する修飾CRPから1つ以上のジスルフィド結合を除去することにより、式(II)に記載のCK構造を有する組換えCRPがもたらされ、式(II)に記載のCK構造を有する組換えCRPは、式(II)に記載のCK構造を有しない修飾CRPの発現レベルと比較して、増加した発現レベルを有する。
【0863】
一部の実施形態では、式(II)に記載のCK構造を有しない修飾可能なCRPの発現レベルと比較した式(II)に記載のCK構造を有する組換えCRPの発現レベルの増加は、式(II)に記載のCK構造を有しない修飾可能なCRPの発現レベルと比較して、少なくとも約0.1%、少なくとも約0.2%、少なくとも約0.3%、少なくとも約0.4%、少なくとも約0.5%、少なくとも約0.6%、少なくとも約0.7%、少なくとも約0.8%、少なくとも約0.9%、少なくとも約1%、少なくとも約1.25%、少なくとも約1.5%、少なくとも約1.75%、少なくとも約2%、少なくとも約2.25%、少なくとも約2.5%、少なくとも約2.75%、少なくとも約3%、少なくとも約3.25%、少なくとも約3.5%、少なくとも約3.75%、少なくとも約4%、少なくとも約4.25%、少なくとも約4.5%、少なくとも約4.75%、少なくとも約5%、少なくとも約5.25%、少なくとも約5.5%、少なくとも約5.75%、少なくとも約6%、少なくとも約6.25%、少なくとも約6.5%、少なくとも約6.75%、少なくとも約7%、少なくとも約7.25%、少なくとも約7.5%、少なくとも約7.75%、少なくとも約8%、少なくとも約8.25%、少なくとも約8.5%、少なくとも約8.75%、少なくとも約9%、少なくとも約9.25%、少なくとも約9.5%、少なくとも約9.75%、少なくとも約10%、少なくとも約11%、少なくとも約12%、少なくとも約13%、少なくとも約14%、少なくとも約15%、少なくとも約16%、少なくとも約17%、少なくとも約18%、少なくとも約19%、少なくとも約20%、少なくとも約21%、少なくとも約22%、少なくとも約23%、少なくとも約24%、少なくとも約25%、少なくとも約26%、少なくとも約27%、少なくとも約28%、少なくとも約29%、少なくとも約30%、少なくとも約31%、少なくとも約32%、少なくとも約33%、少なくとも約34%、少なくとも約35%、少なくとも約36%、少なくとも約37%、少なくとも約38%、少なくとも約39%、少なくとも約40%、少なくとも約41%、少なくとも約42%、少なくとも約43%、少なくとも約44%、少なくとも約45%、少なくとも約46%、少なくとも約47%、少なくとも約48%、少なくとも約49%、少なくとも約50%、少なくとも約50%、少なくとも約51%、少なくとも約52%、少なくとも約53%、少なくとも約54%、少なくとも約55%、少なくとも約56%、少なくとも約57%、少なくとも約58%、少なくとも約59%、少なくとも約60%、少なくとも約61%、少なくとも約62%、少なくとも約63%、少なくとも約64%、少なくとも約65%、少なくとも約66%、少なくとも約67%、少なくとも約68%、少なくとも約69%、少なくとも約70%、少なくとも約71%、少なくとも約72%、少なくとも約73%、少なくとも約74%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約100%、又は100%超からの範囲の組換えCRPの発現レべルの増加であり得る。
【0864】
一部の実施形態では、式(II)に記載のCK構造を有しない修飾可能なCRPの発現レベルと比較した式(II)に記載のCK構造を有する組換えCRPの発現レベルの増加は、式(II)に記載のCK構造を有しない修飾可能なCRPの発現レベルより、約0.01%から、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、99.9%、100%、110%、120%、130%、140%、150%、160%、170%、180%、190%、200%、210%、220%、230%、240%、250%、260%、270%、280%、290%、300%、310%、320%、330%、340%、350%、360%、370%、380%、390%、400%、410%、420%、430%、440%、450%、460%、470%、480%、490%、500%、510%、520%、530%、540%、550%、560%、570%、580%、590%、600%、610%、620%、630%、640%、650%、660%、670%、680%、690%、700%、710%、720%、730%、740%、750%、760%、770%、780%、790%、800%、810%、820%、830%、840%、850%、860%、870%、880%、890%、900%、910%、920%、930%、940%、950%、960%、970%、980%、990%、約1000%超までの範囲の増加であり得る。
【0865】
一部の実施形態では、修飾可能なCRPは、1つ以上の非CKジスルフィド結合を有する修飾可能なCRPから1つ以上の非CKジスルフィド結合を除去することによって修飾される。
【0866】
一部の実施形態では、修飾可能なCRPは、野生型μ-DGTX-Dc1a、DVP、カッパ-ACTX、ApsIII、又はそれらのバリアントである。
【0867】
一部の実施形態では、修飾可能なCRPは、配列番号1~2、193、195又は198のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、又は100%同一であるアミノ酸配列を含む。
【0868】
一部の実施形態では、修飾可能なCRPは、配列番号1~2、193、195又は198のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列からなる。
【0869】
一部の実施形態では、組換えCRPは、配列番号6~14、197、199又は201のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、又は100%同一であるアミノ酸配列を含む。
【0870】
一部の実施形態では、組換えCRPは、配列番号6~14、197、199又は201のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列からなる。
【0871】
式(II)に記載のCK構造を含む組換えCRPを作製する方法
一部の実施形態では、本発明は、式(II)に記載のシスチンノット(CK)構造を含む組換えシステインリッチタンパク質(CRP)を作製する方法であって、
【化5】
式中、C~CVIが、システイン残基であり、システイン残基C及びCIVが、第1のジスルフィド結合によって接続されており、CII及びCが、第2のジスルフィド結合によって接続されており、CIII及びCVIが、第3のジスルフィド結合によって接続されており、第1のジスルフィド結合、第2のジスルフィド結合、及び第3のジスルフィド結合が、シスチンノットモチーフを形成するジスルフィド結合トポロジーを有し、第1のジスルフィド結合、第2のジスルフィド結合、及び第3のジスルフィド結合が、シスチンノットモチーフを形成する唯一のジスルフィド結合であり、N、L、L、L、L、L、及びCが、1~13個のアミノ酸残基の長さを有するアミノ酸配列を含むペプチドサブユニットであり、N、C、L、又はそれらの任意の組み合わせが、任意選択で、存在せず、当該方法が、(a)1つ以上の非CKジスルフィド結合を有する修飾可能なCRPを提供することであって、1つ以上の非CKジスルフィド結合が、第1のジスルフィド結合でも、第2のジスルフィド結合でも、第3のジスルフィド結合でもなく、1つ以上の非CKジスルフィド結合が、CKモチーフを形成しない、提供することと、(b)1つ以上の非CKジスルフィド結合を有する修飾可能なCRPから1つ以上の非CKジスルフィド結合を除去することによって、修飾可能なCRPを修飾することと、を含み、1つ以上の非CKジスルフィド結合を有する修飾可能なCRPから1つ以上のジスルフィド結合を除去することが、式(II)に記載のCK構造を有する組換えCRPをもたらし、式(II)に記載のCK構造を有する組換えCRPが、式(II)に記載のCK構造を有しない修飾可能なCRPの発現レベルと比較して、増加した発現レベルを有する、方法を提供する。
【0872】
一部の実施形態では、本方法は、ジスルフィド結合トポロジーを有する組換えCRPを提供し、ジスルフィド結合トポロジーは、以下のシスチンノットモチーフ:阻害剤シスチンノット(ICK)モチーフ、成長因子シスチンノット(GFCK)モチーフ、又は環状シスチンノット(CCK)モチーフのうちの1つを形成する。
【0873】
一部の実施形態では、本方法は、ジスルフィド結合トポロジーを有する組換えCRPを提供し、ジスルフィド結合トポロジーは、ICKモチーフを形成する。
【0874】
一部の実施形態では、本方法は、1つ以上の非CKジスルフィド結合を有する修飾可能なCRPである修飾可能なCRPを提供し、1つ以上の非CKジスルフィド結合は、第1のジスルフィド結合でも、第2のジスルフィド結合でも、第3のジスルフィド結合でもなく、1つ以上の非CKジスルフィド結合は、CKモチーフを形成しない。したがって、一部の実施形態では、1つ以上の非CKジスルフィド結合は、第1のジスルフィド結合、第2のジスルフィド結合、及び/又は第3のジスルフィド結合ではない任意の追加のジスルフィド結合であり、第1のジスルフィド結合、第2のジスルフィド結合、及び第3のジスルフィド結合は、シスチンノットモチーフを形成する唯一のジスルフィド結合である。言い換えれば、第1のジスルフィド結合、第2のジスルフィド結合、及び/若しくは第3のジスルフィド結合ではない追加のジスルフィド結合が存在する、並びに/又はそれらの接続する骨格セグメントと協調して、構造内のリングを形成する2つのジスルフィド結合、及び/若しくはこの環をねじ切ってインターロッキング及びクロスブレース構造を形成する第3のジスルフィド結合のうちの1つではない場合、したがって、かかる追加のジスルフィド結合は、非CKジスルフィド結合である。
【0875】
一部の実施形態では、本方法は、1つ以上の非CKジスルフィド結合を有する修飾可能なCRPを提供し、1つ以上の非CKジスルフィド結合は、第1のジスルフィド結合でも、第2のジスルフィド結合でも、第3のジスルフィド結合でもなく、1つ以上の非CKジスルフィド結合は、CKモチーフを形成せず、1つ以上の非CKジスルフィド結合を有する修飾可能なCRPから1つ以上の非CKジスルフィド結合を除去することによって修飾され得る。
【0876】
一部の実施形態では、1つ以上の非CKジスルフィド結合を有する修飾CRPから1つ以上のジスルフィド結合を除去することにより、式(II)に記載のCK構造を有する組換えCRPがもたらされ、式(II)に記載のCK構造を有する組換えCRPは、式(II)に記載のCK構造を有しない修飾CRPの発現レベルと比較して、増加した発現レベルを有する。
【0877】
一部の実施形態では、式(II)に記載のCK構造を有しない修飾可能なCRPの発現レベルと比較した式(II)に記載のCK構造を有する組換えCRPの発現レベルの増加は、式(II)に記載のCK構造を有しない修飾可能なCRPの発現レベルと比較して、少なくとも約0.1%、少なくとも約0.2%、少なくとも約0.3%、少なくとも約0.4%、少なくとも約0.5%、少なくとも約0.6%、少なくとも約0.7%、少なくとも約0.8%、少なくとも約0.9%、少なくとも約1%、少なくとも約1.25%、少なくとも約1.5%、少なくとも約1.75%、少なくとも約2%、少なくとも約2.25%、少なくとも約2.5%、少なくとも約2.75%、少なくとも約3%、少なくとも約3.25%、少なくとも約3.5%、少なくとも約3.75%、少なくとも約4%、少なくとも約4.25%、少なくとも約4.5%、少なくとも約4.75%、少なくとも約5%、少なくとも約5.25%、少なくとも約5.5%、少なくとも約5.75%、少なくとも約6%、少なくとも約6.25%、少なくとも約6.5%、少なくとも約6.75%、少なくとも約7%、少なくとも約7.25%、少なくとも約7.5%、少なくとも約7.75%、少なくとも約8%、少なくとも約8.25%、少なくとも約8.5%、少なくとも約8.75%、少なくとも約9%、少なくとも約9.25%、少なくとも約9.5%、少なくとも約9.75%、少なくとも約10%、少なくとも約11%、少なくとも約12%、少なくとも約13%、少なくとも約14%、少なくとも約15%、少なくとも約16%、少なくとも約17%、少なくとも約18%、少なくとも約19%、少なくとも約20%、少なくとも約21%、少なくとも約22%、少なくとも約23%、少なくとも約24%、少なくとも約25%、少なくとも約26%、少なくとも約27%、少なくとも約28%、少なくとも約29%、少なくとも約30%、少なくとも約31%、少なくとも約32%、少なくとも約33%、少なくとも約34%、少なくとも約35%、少なくとも約36%、少なくとも約37%、少なくとも約38%、少なくとも約39%、少なくとも約40%、少なくとも約41%、少なくとも約42%、少なくとも約43%、少なくとも約44%、少なくとも約45%、少なくとも約46%、少なくとも約47%、少なくとも約48%、少なくとも約49%、少なくとも約50%、少なくとも約50%、少なくとも約51%、少なくとも約52%、少なくとも約53%、少なくとも約54%、少なくとも約55%、少なくとも約56%、少なくとも約57%、少なくとも約58%、少なくとも約59%、少なくとも約60%、少なくとも約61%、少なくとも約62%、少なくとも約63%、少なくとも約64%、少なくとも約65%、少なくとも約66%、少なくとも約67%、少なくとも約68%、少なくとも約69%、少なくとも約70%、少なくとも約71%、少なくとも約72%、少なくとも約73%、少なくとも約74%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約100%、又は100%超からの範囲の組換えCRPの発現レべルの増加であり得る。
【0878】
一部の実施形態では、式(II)に記載のCK構造を有しない修飾可能なCRPの発現レベルと比較した式(II)に記載のCK構造を有する組換えCRPの発現レベルの増加は、式(II)に記載のCK構造を有しない修飾可能なCRPの発現レベルより、約0.01%から、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、99.9%、100%、110%、120%、130%、140%、150%、160%、170%、180%、190%、200%、210%、220%、230%、240%、250%、260%、270%、280%、290%、300%、310%、320%、330%、340%、350%、360%、370%、380%、390%、400%、410%、420%、430%、440%、450%、460%、470%、480%、490%、500%、510%、520%、530%、540%、550%、560%、570%、580%、590%、600%、610%、620%、630%、640%、650%、660%、670%、680%、690%、700%、710%、720%、730%、740%、750%、760%、770%、780%、790%、800%、810%、820%、830%、840%、850%、860%、870%、880%、890%、900%、910%、920%、930%、940%、950%、960%、970%、980%、990%、約1000%超までの範囲の増加であり得る。
【0879】
一部の実施形態では、修飾可能なCRPは、1つ以上の非CKジスルフィド結合を有する修飾可能なCRPから1つ以上の非CKジスルフィド結合を除去することによって修飾される。
【0880】
一部の実施形態では、修飾可能なCRPは、野生型μ-DGTX-Dc1a、DVP、カッパ-ACTX、ApsIII、又はそれらのバリアントである。
【0881】
一部の実施形態では、修飾可能なCRPを提供する方法ステップは、配列番号1~2、193、195又は198のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有するタンパク質を提供することを含む。
【0882】
一部の実施形態では、組換えCRPの作製は、配列番号6~14、197、199又は201のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列を含む組換えCRPの作製をもたらす。
【0883】
一部の実施形態では、本方法は、以下のシスチンノットモチーフ:阻害剤シスチンノット(ICK)モチーフ、成長因子シスチンノット(GFCK)モチーフ、又は環状シスチンノット(CCK)モチーフのうちの1つを形成するジスルフィド結合トポロジーを有する組換えCRPをもたらす。
【0884】
一部の実施形態では、本方法は、ICKモチーフを形成するジスルフィド結合トポロジーを有する組換えCRPを提供する。
【0885】
一部の実施形態では、本方法は、修飾可能なCRPを提供し、修飾可能なCRPは、野生型μ-DGTX-Dc1a、DVP、カッパ-ACTX、ApsIII、又はそれらのバリアントである。
【0886】
一部の実施形態では、本方法は、配列番号1~2、193、195又は198のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、又は100%同一であるアミノ酸配列を含む修飾可能なCRPを提供する。
【0887】
一部の実施形態では、本方法は、配列番号1~2、193、195又は198のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列からなる修飾可能なCRPを提供する。
【0888】
一部の実施形態では、本方法は、配列番号6~14、197、199又は201のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、又は100%同一であるアミノ酸配列を含む組換えCRPを作製する。
【0889】
一部の実施形態では、本方法は、配列番号6~14、197、199又は201のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列からなる組換えCRPを作製する。
【0890】
組換えCRPの収量を増加させる方法
一部の実施形態では、本発明は、組換えシステインリッチタンパク質(CRP)の収量を増加させる方法を提供し、当該方法は、(a)式(II)に記載のシスチンノット(CK)構造を有する組換えCRPを作製することであって、
【化6】
式中、C~CVIが、システイン残基であり、システイン残基C及びCIVが、第1のジスルフィド結合によって接続されており、CII及びCが、第2のジスルフィド結合によって接続されており、CIII及びCVIが、第3のジスルフィド結合によって接続されており、第1のジスルフィド結合、第2のジスルフィド結合、及び第3のジスルフィド結合が、シスチンノットモチーフを形成するジスルフィド結合トポロジーを有し、第1のジスルフィド結合、第2のジスルフィド結合、及び第3のジスルフィド結合が、シスチンノットモチーフを形成する唯一のジスルフィド結合であり、N、L、L、L、L、L、及びCが、1~13個のアミノ酸残基の長さを有するアミノ酸配列を含むペプチドサブユニットであり、N、L、C、又はそれらの任意の組み合わせが、任意選択で、存在せず、当該組換えCRPが、以下のプロセスに従って作製される、作製することと、(b)1つ以上の非CKジスルフィド結合を有する修飾可能なCRPを提供することであって、1つ以上の非CKジスルフィド結合が、第1のジスルフィド結合でも、第2のジスルフィド結合でも、第3のジスルフィド結合でもなく、1つ以上の非CKジスルフィド結合が、CKモチーフを形成しない、提供することと、(c)1つ以上の非CKジスルフィド結合を有する修飾可能なCRPから1つ以上の非CKジスルフィド結合を除去することによって、修飾可能なCRPを修飾することと、を含み、1つ以上の非CKジスルフィド結合を有する修飾可能なCRPから1つ以上のジスルフィド結合を除去することが、式(II)に記載のCK構造を有する組換えCRPをもたらし、式(II)に記載のCK構造を有する組換えCRPが、式(II)に記載のCK構造を有しない修飾可能なCRPの発現レベルと比較して、増加した発現レベルを有する。
【0891】
一部の実施形態では、収量を増加させる方法は、ジスルフィド結合トポロジーを有する組換えCRPを提供し、ジスルフィド結合トポロジーは、以下のシスチンノットモチーフ:阻害剤シスチンノット(ICK)モチーフ、成長因子シスチンノット(GFCK)モチーフ、又は環状シスチンノット(CCK)モチーフのうちの1つを形成する。
【0892】
一部の実施形態では、収量を増加させる方法は、ジスルフィド結合トポロジーを有する組換えCRPを提供し、ジスルフィド結合トポロジーは、ICKモチーフを形成する。
【0893】
一部の実施形態では、収量を増加させる方法は、1つ以上の非CKジスルフィド結合を有する修飾可能なCRPである修飾可能なCRPを提供し、1つ以上の非CKジスルフィド結合は、第1のジスルフィド結合でも、第2のジスルフィド結合でも、第3のジスルフィド結合でもなく、1つ以上の非CKジスルフィド結合は、CKモチーフを形成しない。したがって、一部の実施形態では、1つ以上の非CKジスルフィド結合は、第1のジスルフィド結合、第2のジスルフィド結合、及び/又は第3のジスルフィド結合ではない任意の追加のジスルフィド結合であり、第1のジスルフィド結合、第2のジスルフィド結合、及び第3のジスルフィド結合は、シスチンノットモチーフを形成する唯一のジスルフィド結合である。言い換えれば、第1のジスルフィド結合、第2のジスルフィド結合、及び/若しくは第3のジスルフィド結合ではない追加のジスルフィド結合が存在する、並びに/又はそれらの接続する骨格セグメントと協調して、構造内のリングを形成する2つのジスルフィド結合、及び/若しくはこの環をねじ切ってインターロッキング及びクロスブレース構造を形成する第3のジスルフィド結合のうちの1つではない場合、したがって、かかる追加のジスルフィド結合は、非CKジスルフィド結合である。
【0894】
一部の実施形態では、収量を増加させる方法は、1つ以上の非CKジスルフィド結合を有する修飾可能なCRPを提供し、1つ以上の非CKジスルフィド結合は、第1のジスルフィド結合でも、第2のジスルフィド結合でも、第3のジスルフィド結合でもなく、1つ以上の非CKジスルフィド結合は、CKモチーフを形成せず、1つ以上の非CKジスルフィド結合を有する修飾可能なCRPから1つ以上の非CKジスルフィド結合を除去することによって修飾され得る。
【0895】
一部の実施形態では、1つ以上の非CKジスルフィド結合を有する修飾CRPから1つ以上のジスルフィド結合を除去することにより、式(II)に記載のCK構造を有する組換えCRPがもたらされ、式(II)に記載のCK構造を有する組換えCRPは、式(II)に記載のCK構造を有しない修飾CRPのタンパク質の収量又はタンパク質の発現レベルと比較して、増加したタンパク質の発現レベル又は増加したタンパク質の収量を有する。
【0896】
一部の実施形態では、式(II)に記載のCK構造を有しない修飾可能なCRPの発現レベルと比較した式(II)に記載のCK構造を有する組換えCRPの発現レベルの増加は、式(II)に記載のCK構造を有しない修飾可能なCRPの発現レベルと比較して、少なくとも約0.1%、少なくとも約0.2%、少なくとも約0.3%、少なくとも約0.4%、少なくとも約0.5%、少なくとも約0.6%、少なくとも約0.7%、少なくとも約0.8%、少なくとも約0.9%、少なくとも約1%、少なくとも約1.25%、少なくとも約1.5%、少なくとも約1.75%、少なくとも約2%、少なくとも約2.25%、少なくとも約2.5%、少なくとも約2.75%、少なくとも約3%、少なくとも約3.25%、少なくとも約3.5%、少なくとも約3.75%、少なくとも約4%、少なくとも約4.25%、少なくとも約4.5%、少なくとも約4.75%、少なくとも約5%、少なくとも約5.25%、少なくとも約5.5%、少なくとも約5.75%、少なくとも約6%、少なくとも約6.25%、少なくとも約6.5%、少なくとも約6.75%、少なくとも約7%、少なくとも約7.25%、少なくとも約7.5%、少なくとも約7.75%、少なくとも約8%、少なくとも約8.25%、少なくとも約8.5%、少なくとも約8.75%、少なくとも約9%、少なくとも約9.25%、少なくとも約9.5%、少なくとも約9.75%、少なくとも約10%、少なくとも約11%、少なくとも約12%、少なくとも約13%、少なくとも約14%、少なくとも約15%、少なくとも約16%、少なくとも約17%、少なくとも約18%、少なくとも約19%、少なくとも約20%、少なくとも約21%、少なくとも約22%、少なくとも約23%、少なくとも約24%、少なくとも約25%、少なくとも約26%、少なくとも約27%、少なくとも約28%、少なくとも約29%、少なくとも約30%、少なくとも約31%、少なくとも約32%、少なくとも約33%、少なくとも約34%、少なくとも約35%、少なくとも約36%、少なくとも約37%、少なくとも約38%、少なくとも約39%、少なくとも約40%、少なくとも約41%、少なくとも約42%、少なくとも約43%、少なくとも約44%、少なくとも約45%、少なくとも約46%、少なくとも約47%、少なくとも約48%、少なくとも約49%、少なくとも約50%、少なくとも約50%、少なくとも約51%、少なくとも約52%、少なくとも約53%、少なくとも約54%、少なくとも約55%、少なくとも約56%、少なくとも約57%、少なくとも約58%、少なくとも約59%、少なくとも約60%、少なくとも約61%、少なくとも約62%、少なくとも約63%、少なくとも約64%、少なくとも約65%、少なくとも約66%、少なくとも約67%、少なくとも約68%、少なくとも約69%、少なくとも約70%、少なくとも約71%、少なくとも約72%、少なくとも約73%、少なくとも約74%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約100%、又は100%超からの範囲の組換えCRPの発現レべルの増加であり得る。
【0897】
一部の実施形態では、式(II)に記載のCK構造を有しない修飾可能なCRPの発現レベルと比較した式(II)に記載のCK構造を有する組換えCRPの発現の収量レベルの増加は、式(II)に記載のCK構造を有しない修飾可能なCRPの発現レベルより、約0.01%から、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、99.9%、100%、110%、120%、130%、140%、150%、160%、170%、180%、190%、200%、210%、220%、230%、240%、250%、260%、270%、280%、290%、300%、310%、320%、330%、340%、350%、360%、370%、380%、390%、400%、410%、420%、430%、440%、450%、460%、470%、480%、490%、500%、510%、520%、530%、540%、550%、560%、570%、580%、590%、600%、610%、620%、630%、640%、650%、660%、670%、680%、690%、700%、710%、720%、730%、740%、750%、760%、770%、780%、790%、800%、810%、820%、830%、840%、850%、860%、870%、880%、890%、900%、910%、920%、930%、940%、950%、960%、970%、980%、990%、約1000%超までの範囲の増加であり得る。
【0898】
一部の実施形態では、収量を増加させる方法は、1つ以上の非CKジスルフィド結合を有する修飾可能なCRPから1つ以上の非CKジスルフィド結合を除去することによって修飾される修飾可能なCRPを提供する。
【0899】
一部の実施形態では、収量を増加させる方法は、野生型μ-DGTX-Dc1a、DVP、カッパ-ACTX、ApsIII、又はそれらのバリアントである修飾可能なCRPを提供する。
【0900】
一部の実施形態では、修飾可能なCRPを提供する収量ステップを増加させる方法は、配列番号1~2、193、195又は198のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有するタンパク質を提供することを含む。
【0901】
一部の実施形態では、収量を増加させる方法は、組換えCRPの作製をもたらし、当該組換えCRPは、配列番号6~14、197、199又は201のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列を含む。
【0902】
一部の実施形態では、収量を増加させる方法は、以下のシスチンノットモチーフ:阻害剤シスチンノット(ICK)モチーフ、成長因子シスチンノット(GFCK)モチーフ、又は環状シスチンノット(CCK)モチーフのうちの1つを形成するジスルフィド結合トポロジーを有する組換えCRPをもたらす。
【0903】
一部の実施形態では、収量を増加させる方法は、ICKモチーフを形成するジスルフィド結合トポロジーを有する組換えCRPを提供する。
【0904】
一部の実施形態では、収量を増加させる方法は、修飾可能なCRPを提供し、修飾可能なCRPは、野生型μ-DGTX-Dc1a、DVP、カッパ-ACTX、ApsIII、又はそれらのバリアントである。
【0905】
一部の実施形態では、収量を増加させる方法は、配列番号1~2、193、195又は198のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、又は100%同一であるアミノ酸配列を含む修飾可能なCRPを提供する。
【0906】
一部の実施形態では、収量を増加させる方法は、配列番号1~2、193、195又は198のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列からなる修飾可能なCRPを提供する。
【0907】
一部の実施形態では、収量を増加させる方法は、配列番号6~14、197、199又は201のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、又は100%同一であるアミノ酸配列を含む組換えCRPを作製する。
【0908】
一部の実施形態では、収量を増加させる方法は、配列番号6~14、197、199又は201のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列からなる組換えCRPを作製する。
【0909】
一部の実施形態では、本発明は、式(II)に記載のシスチンノット(CK)構造を含むか、本質的にそれからなるか、又はそれからなる組換えCRPを提供し、
【化7】
式中、C~CVIが、システイン残基であり、システイン残基C及びCIVが、第1のジスルフィド結合によって接続されており、CII及びCが、第2のジスルフィド結合によって接続されており、CIII及びCVIが、第3のジスルフィド結合によって接続されており、第1のジスルフィド結合、第2のジスルフィド結合、及び第3のジスルフィド結合が、シスチンノットモチーフを形成するジスルフィド結合トポロジーを有し、第1のジスルフィド結合、第2のジスルフィド結合、及び第3のジスルフィド結合が、シスチンノットモチーフを形成する唯一のジスルフィド結合であり、N、L、L、L、L、L、及びCが、1~13個のアミノ酸残基の長さを有するアミノ酸配列を含むペプチドサブユニットであり、N、L、C、又はそれらの任意の組み合わせが、任意選択で、存在せず、当該組換えCRPが、以下のプロセス:1つ以上の非CKジスルフィド結合を有する修飾可能なCRPから1つ以上の非CKジスルフィド結合を除去することに従って、野生型μ-DGTX-Dc1a、DVP、カッパ-ACTX、ApsIII、又はそれらのバリアントを修飾することによって作製されており、1つ以上の非CKジスルフィド結合を有する修飾可能なCRPから1つ以上のジスルフィド結合を除去することにより、式(II)に記載のCK構造を有する組換えCRPがもたらされ、式(II)に記載のCK構造を有する組換えCRPは、式(II)に記載のCK構造を有しない野生型μ-DGTX-Dc1a、DVP、カッパ-ACTX、ApsIII、又はそれらのバリアントの発現レベルと比較して、増加した発現レベルを有する。
【0910】
一部の実施形態では、修飾可能なCRPは、1つ以上の非CKジスルフィド結合を有する修飾可能なCRPから1つ以上の非CKジスルフィド結合を除去することによって修飾される。
【0911】
一部の実施形態では、修飾可能なCRPは、野生型μ-DGTX-Dc1a、DVP、カッパ-ACTX、ApsIII、又はそれらのバリアントである。
【0912】
一部の実施形態では、修飾可能なCRPは、配列番号1~2、193、195又は198のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、又は100%同一であるアミノ酸配列を含む。
【0913】
一部の実施形態では、組換えCRPは、配列番号6~14、197、199又は201のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、又は100%同一であるアミノ酸配列を含む。
【0914】
例示的なシスチンノット構造の実施形態
一部の実施形態では、ポリペプチドは、システイン及び/又はジスルフィド結合を有し得るが、本発明の式(II)に記載のCK構造を有し得ない。例えば、一部の実施形態では、ポリペプチドは、7つ以上のシステインアミノ酸残基を有し得る。一部の実施形態では、ポリペプチドは、4つ以上のジスルフィド結合を有し得る。
【0915】
ここで、本発明者らは、式(II)のCK構造に到達するために、修飾可能なCRPに由来する組換えCRP、及びそれに関する方法を提供する。例えば、一部の実施形態では、本発明は、1つのシステイン残基の除去を含むように修飾された7つのシステイン残基を有する修飾可能なCRPを含むか、それから本質的になるか、又はそれからなり、1つのシステイン残基の除去は、式(II)のCK構造を有するポリペプチドをもたらす。
【0916】
一部の実施形態では、本発明は、2つのシステイン残基の除去を含むように修飾された8つのシステイン残基を有する修飾可能なCRPを含むか、それから本質的になるか、又はそれからなり、2つのシステイン残基の除去は、式(II)のCK構造を有する組換えCRPをもたらす。
【0917】
一部の実施形態では、本発明は、3つのシステイン残基の除去を含むように修飾された9つのシステイン残基を有する修飾可能なCRPを含むか、それから本質的になるか、又はそれからなり、3つのシステイン残基の除去は、式(II)のCK構造を有する組換えCRPをもたらす。
【0918】
一部の実施形態では、本発明は、4つのシステイン残基の除去を含むように修飾された10個のシステイン残基を有する修飾可能なCRPを含むか、それから本質的になるか、又はそれからなり、4つのシステイン残基の除去は、式(II)のCK構造を有する組換えCRPをもたらす。
【0919】
一部の実施形態では、本発明は4つ以上のジスルフィド結合を有する修飾可能なCRPを含むか、それから本質的になるか、又はそれからなり、修飾可能なCRPは、1、2、3、4、5個以上のジスルフィド結合を除去することによって、3つのジスルフィド結合を有するように修飾されている。
【0920】
一部の実施形態では、本発明の修飾可能なCRPは、7つ以上のシステインアミノ酸残基を有する修飾可能なCRPから1つ以上のシステインアミノ酸残基を除去することによって修飾され得、修飾可能なCRPは、式(II)に記載のCK構造を有しず、1つ以上のシステインアミノ酸残基をポリペプチドから除去することは、修飾可能なCRPから1つ以上の非CKジスルフィド結合を除去することをもたらす。
【0921】
一部の実施形態では、本発明は、4つのジスルフィド結合を有する有するポリペプチドを含むか、それから本質的になるか、又はそれからなり、1つのジスルフィド結合を除去して、式(II)のCK構造を作製し、ジスルフィド結合は、システイン残基:C及びCIV、CII及びC、並びにCIII及びCVIの間で形成され、例えば、1~4、2~5、3~6ジスルフィド結合接続合性を有するシスチンノットである。
【0922】
一部の実施形態では、本発明は、8つのシステインを有するポリペプチドを含むか、それから本質的になるか、又はそれからなり、2つのシステインを除去して、式(II)のCK構造を作製し、ジスルフィド結合は、システイン残基:C及びCIV、CII及びC、並びにCIII及びCVIの間で形成され、例えば、1~4、2~5、3~6ジスルフィド結合接続合性を有するシスチンノットである。
【0923】
一部の実施形態では、本発明は、ポリペプチドの発現を増加させる方法を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなり、当該方法は、1つ以上のシステインを除去することによって生じ、本方法は、以下のステップのうちの1つ以上を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる:(a)修飾可能なCRPの3D構造を取得及び/又は作成すること、(b)修飾可能なCRPの3D構造に基づいて1つ以上のシステインを除去するための1つ以上の部位を予測すること、並びに(c)予測される部位のうちの1つ以上で1つ以上のシステインを除去することによって修飾可能なCRPを修飾すること、当該1つ以上のシステインの除去は、少なくとも1つの非CKジスルフィド結合の除去を可能にする。
【0924】
一部の実施形態では、本発明は、天然の単一遺伝子の産物であり、1つ以上のシステイン残基を除去することによって変異されたポリペプチドを含むか、それから本質的になるか、又はそれからなり、当該システイン残基の除去は、当該除去されたシステインを含有しない修飾可能なCRPと比較して、組換えCRPの発現を増加させる1つ以上の非CKジスルフィド結合の除去を可能にする。
【0925】
一部の実施形態では、本発明は、組換えシステインリッチタンパク質(CRP)を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなり、当該CRPは、式(II)に記載のシスチンノット構造を含み、
【化8】
式中、C~CVIが、システイン残基であり、システイン残基C及びCIVが、第1のジスルフィド結合によって接続されており、CII及びCが、第2のジスルフィド結合によって接続されており、CIII及びCVIが、第3のジスルフィド結合によって接続されており、第1のジスルフィド結合、第2のジスルフィド結合、及び第3のジスルフィド結合が、シスチンノットモチーフを形成するジスルフィド結合トポロジーを有し、第1のジスルフィド結合、第2のジスルフィド結合、及び第3のジスルフィド結合が、シスチンノットモチーフを形成する唯一のジスルフィド結合であり、N、L、L、L、L、L、及びCが、1~13個のアミノ酸残基の長さを有するアミノ酸配列を含むペプチドサブユニットであり、N、L、C、又はそれらの任意の組み合わせが、任意選択で、存在せず、当該組換えCRPが、1つ以上の非CKジスルフィド結合を有する修飾可能なCRPを修飾することによって作製されており、1つ以上の非CKジスルフィド結合が、第1のジスルフィド結合でも、第2のジスルフィド結合でも、第3のジスルフィド結合でもなく、1つ以上の非CKジスルフィド結合が、CKモチーフを形成せず、修飾可能なCRPが、1つ以上の非CKジスルフィド結合を有する修飾可能なCRPから1つ以上の非CKジスルフィド結合を除去することによって修飾されており、1つ以上の非CKジスルフィド結合を有する修飾可能なCRPから1つ以上のジスルフィド結合を除去することが、式(II)に記載のCK構造を有する組換えCRPをもたらし、式(II)に記載のCK構造を有する組換えCRPが、式(II)に記載のCK構造を有しない修飾可能なCRPの発現レベルと比較して、増加した発現レベルを有し、N、L、L、L、L、L、及びCペプチドサブユニットの各アミノ酸配列は、以下のアミノ酸配列の群と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、又は100%同一を有し:Nは、AKDGDVEGPAGであり、Lは、KKYDVEであり、Lは、DSGEであり、Lは、存在せず、Lは、QKQYLWYKWRPLDであり、Lは、RGLKSGFFSSKFVであり、Cは、RDVである。
【0926】
一部の実施形態では、本発明は、組換えシステインリッチタンパク質(CRP)を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなり、当該CRPは、式(II)に記載のCK構造を含み、かつ、以下のアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、又は100%同一であるアミノ酸配列を有する:AKDGDVEGPAGCKKYDVECDSGECCQKQYLWYKWRPLDCRGLKSGFFSSKFVCRDV(配列番号5)。
【0927】
一部の実施形態では、本発明は、組換えシステインリッチタンパク質(CRP)を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなり、当該CRPは、式(II)に記載のCK構造を含み、かつ、以下であるアミノ酸配列を有する:AKDGDVEGPAGCKKYDVECDSGECCQKQYLWYKWRPLDCRGLKSGFFSSKFVCRDV(配列番号5)。
【0928】
一部の実施形態では、本発明は、組換えシステインリッチタンパク質(CRP)を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなり、当該CRPは、式(II)に記載のCK構造を含み、かつ、以下のアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、又は100%同一であるアミノ酸配列を有する:AICTGADRPCAAACPCCPGTSCKAESNGVSYCRKDEP(配列番号199)。
【0929】
一部の実施形態では、本発明は、組換えシステインリッチタンパク質(CRP)を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなり、当該CRPは、式(II)に記載のCK構造を含み、かつ、以下であるアミノ酸配列を有する:AICTGADRPCAAACPCCPGTSCKAESNGVSYCRKDEP(配列番号199)。
【0930】
一部の実施形態では、本発明は、組換えシステインリッチタンパク質(CRP)を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなり、当該CRPは、式(II)に記載のCK構造を含み、かつ、以下のアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、又は100%同一であるアミノ酸配列を有する:AICTGADRPCAAAAPCCPGTSCKAESNGVSYCRKDEP(配列番号201)。
【0931】
一部の実施形態では、本発明は、組換えシステインリッチタンパク質(CRP)を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなり、当該CRPは、式(II)に記載のCK構造を含み、かつ、以下であるアミノ酸配列を有する:AICTGADRPCAAAAPCCPGTSCKAESNGVSYCRKDEP(配列番号201)。
【0932】
一部の実施形態では、本発明は、組換えシステインリッチタンパク質(CRP)を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなり、当該CRPは、式(II)に記載のCK構造を含み、かつ、以下のアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、又は100%同一であるアミノ酸配列を有する:GSCNSKGTPCTNADECCGGKCAYNVWNAIGGGASKTCGY(配列番号197)。
【0933】
一部の実施形態では、本発明は、組換えシステインリッチタンパク質(CRP)を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなり、当該CRPは、式(II)に記載のCK構造を含み、かつ、以下であるアミノ酸配列を有する:GSCNSKGTPCTNADECCGGKCAYNVWNAIGGGASKTCGY(配列番号197)。
【0934】
一部の実施形態では、本発明は、組換えシステインリッチタンパク質(CRP)をコードするように動作可能なポリヌクレオチドを含むか、それから本質的になるか、又はそれからなり、当該CRPは、式(II)に記載のCK構造を含み、かつ、以下のアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、又は100%同一であるアミノ酸配列を有する:AKDGDVEGPAGCKKYDVECDSGECCQKQYLWYKWRPLDCRGLKSGFFSSKFVCRDV(配列番号5)、又はその相補的ヌクレオチド配列。
【0935】
一部の実施形態では、本発明は、組換えシステインリッチタンパク質(CRP)をコードするように動作可能なポリヌクレオチドを含むか、それから本質的になるか、又はそれからなり、当該CRPは、式(II)に記載のCK構造を含み、かつ、以下であるアミノ酸配列を有する:AKDGDVEGPAGCKKYDVECDSGECCQKQYLWYKWRPLDCRGLKSGFFSSKFVCRDV(配列番号5)、又はその相補的ヌクレオチド配列。
【0936】
一部の実施形態では、本発明は、組換えシステインリッチタンパク質(CRP)をコードするように動作可能なポリヌクレオチドを含むか、それから本質的になるか、又はそれからなり、当該CRPは、式(II)に記載のCK構造を含み、かつ、以下のアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、又は100%同一であるアミノ酸配列を有する:AICTGADRPCAAACPCCPGTSCKAESNGVSYCRKDEP(配列番号199)、又はその相補的ヌクレオチド配列。
【0937】
一部の実施形態では、本発明は、組換えシステインリッチタンパク質(CRP)をコードするように動作可能なポリヌクレオチドを含むか、それから本質的になるか、又はそれからなり、当該CRPは、式(II)に記載のCK構造を含み、かつ、以下であるアミノ酸配列を有する:AICTGADRPCAAACPCCPGTSCKAESNGVSYCRKDEP(配列番号199)、又はその相補的ヌクレオチド配列。
【0938】
一部の実施形態では、本発明は、組換えシステインリッチタンパク質(CRP)をコードするように動作可能なポリヌクレオチドを含むか、それから本質的になるか、又はそれからなり、当該CRPは、式(II)に記載のCK構造を含み、かつ、以下のアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、又は100%同一であるアミノ酸配列を有する:AICTGADRPCAAAAPCCPGTSCKAESNGVSYCRKDEP(配列番号201)、又はその相補的ヌクレオチド配列。
【0939】
一部の実施形態では、本発明は、組換えシステインリッチタンパク質(CRP)をコードするように動作可能なポリヌクレオチドを含むか、それから本質的になるか、又はそれからなり、当該CRPは、式(II)に記載のCK構造を含み、かつ、以下であるアミノ酸配列を有する:AICTGADRPCAAAAPCCPGTSCKAESNGVSYCRKDEP(配列番号201)、又はその相補的ヌクレオチド配列。
【0940】
一部の実施形態では、本発明は、組換えシステインリッチタンパク質(CRP)をコードするように動作可能なポリヌクレオチドを含むか、それから本質的になるか、又はそれからなり、当該CRPは、式(II)に記載のCK構造を含み、かつ、以下のアミノ酸配列と、少なくとも50%同一、少なくとも55%同一、少なくとも60%同一、少なくとも65%同一、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも81%同一、少なくとも82%同一、少なくとも83%同一、少なくとも84%同一、少なくとも85%同一、少なくとも86%同一、少なくとも87%同一、少なくとも88%同一、少なくとも89%同一、少なくとも90%同一、少なくとも91%同一、少なくとも92%同一、少なくとも93%同一、少なくとも94%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、少なくとも99.5%同一、少なくとも99.6%同一、少なくとも99.7%同一、少なくとも99.8%同一、少なくとも99.9%同一、又は100%同一であるアミノ酸配列を有する:GSCNSKGTPCTNADECCGGKCAYNVWNAIGGGASKTCGY(配列番号197)、又はその相補的ヌクレオチド配列を含む。
【0941】
一部の実施形態では、本発明は、組換えシステインリッチタンパク質(CRP)をコードするように動作可能なポリヌクレオチドを含むか、それから本質的になるか、又はそれからなり、当該CRPは、式(II)に記載のCK構造を含み、かつ、以下であるアミノ酸配列を有する:GSCNSKGTPCTNADECCGGKCAYNVWNAIGGGASKTCGY(配列番号197)、又はその相補的ヌクレオチド配列を含む。
【実施例
【0942】
本明細書の実施例は、本発明を限定することを意図するものではなく、また本発明を限定するために使用されるべきではなく、それらは本発明を例示するために提供されているに過ぎない。倍率発現の以下のカテゴリは次のとおりである。減少=<0.9、類似=0.9~1.1、わずかに増加=1.1~2.9、増加=3.0~10.0及び大きく増加=>10。倍率活性の以下のカテゴリは次のとおりである。減少=>1.5、及び類似=0.7~1.4。
【0943】
実施例1.酵母形質転換
酵母形質転換
個々のORFは、野生型Dc1aをコードするように動作可能なポリヌクレオチド、又は所与のDVPをコードするように動作可能なポリヌクレオチドのいずれか、及びアルファ接合因子分泌シグナルの配列を含有するように構築した。次いで、これらのORFをpKlac1ベクターに挿入した(カタログ番号N3740、New England Biolabs(登録商標)、240 County Road,Ipswich,MA 01938-2723)。pKlac1ベクターは、Kluyveromyces lactisPLAC4-PBIプロモーター(1)、K.lactisα接合因子(α-MF)分泌ドメインをコードするDNA(分泌発現のための)、多重クローニング部位(MCS)、Kluyveromyces lactis LAC4転写ターミネーター(TT)、及び酵母ADH2プロモーター(PADH2)から発現される真菌アセトアミダーゼ選択可能マーカー遺伝子(AMDS)を含有する。加えて、E.coliにおけるpKLAC1の増殖のために、E.coli複製起点(ORI)及びアンピシリン耐性遺伝子(Ap)が存在する。
【0944】
次いで、得られたベクター、すなわち、pKlac1-WT-Dc1a、及び様々なpKlac1-DVPベクターを線形化し、LAC4遺伝子座でのKluyveromyces lactis宿主ゲノムへの線形化されたベクターの複数のコピーの安定した組み込みために、電気有能なKluyveromyces lactis宿主細胞に形質転換した。
【0945】
次いで、形質転換されたKluyveromyces lactisを、唯一の窒素源としてアセトアミドを含有する選択寒天上に配置して、発現カセットの複数の挿入及びそのアセトアミダーゼ選択を含有する株を同定した。
【0946】
実施例2.収量分析
収量分析
次いで、WT Dc1a及びDVPコロニーを、2%のソルビトール及び0.2%のコーンスティープリカーを含む最小培地中で、23.5℃で6日間培養した。折り畳まれたWT Dc1a及びDVPの発現を、Chromololith C18カラム(EMD)でのHPLC分離及び15~35%のアセトニトリルの溶出勾配によって評価した。折り畳まれたWT Dc1a及びDVPピークを定量化し、対照と比較した(n=4の最小値)。野生型Dc1aは、クロマトグラム上に可視的な折り畳まれたピークを有しなかったため、産生された総Dc1aを、SDS-PAGE クマシー染色を減少させることによって推定し、イオン交換クロマトグラフィー後に様々なDc1a種を定量化することによって折り畳まれたDc1aと折り畳まれていないDc1aとの比率を推定した。
【0947】
実施例3.イオン交換クロマトグラフィー
イオン交換クロマトグラフィー
SP-Sephadex C-25(GE Healthcare)を使用して、WT Dc1a及びDVPをカチオン交換により精製した。樹脂を30mMの酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.0)中で平衡化した。Dc1aを含有する使用済み上清を、pHが3.0未満のビーズに直接適用した。ビーズを洗浄し、(1)30mMの酢酸ナトリウム(pH4.0)、(2)30mMの2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)(pH6.0)、(3)30mMのMES(pH6.0)、100mMの塩化ナトリウム、及び(4)30mMのMES(pH6.0)、200mMの塩化ナトリウムの2~3カラム体積(CV)で段階的に溶出した。
【0948】
正味正電荷を増加させる変異を含まない野生型Dc1a及びDVPの場合、折り畳まれたWT Dc1a及びDVPは、溶出緩衝液(3)中で鋭いピークとして溶出され、一方、Dc1aの誤った折り畳みバージョンは、より高い塩濃度の緩衝液(4)で溶出された。予想どおり、Dc1aの全体的な電荷を増加させた変異体は、より高い塩濃度で溶出した。折り畳まれたDc1aを含有する画分をプールし、水に対して繰り返し透析して、塩及び緩衝液を除去した。精製した材料は、活性を失わずに-80℃で無期限に、又は活性を失わずに4℃で6ヶ月を超えて保管することがでた。
【0949】
実施例4.HPLC標準曲線
HPLC標準曲線
1~2ミリグラムのWT Dc1aを、Chromolith C18カラム(EMD)でのHPLC分画を使用して、99%超の純度まで更に精製した。凍結乾燥後、Dc1aを、16180M-1cm-1の吸光係数(ε)を用いてA280吸光度によって定量した。5~100μgの濃度の範囲を用いてHPLC標準曲線を設定し、勾配を用いて未知の試料の定量化を行った。図1及び2。
【0950】
簡潔に述べると、HPLC標準曲線を以下のように行った。水中の精製されたDc1aの連続希釈液をChromolith C18カラム(4.6x100mm)に注入し、8分間にわたって2mL分-1の流量及び18~36%のアセトニトリルの勾配で溶出した。6つの試料からのDc1aピーク面積を濃度に対してプロットし、線形関係の勾配を使用して、未知の試料の濃度を定量した。1吸光度単位の高さに達した試料は、HPLC検出器の線形範囲外であると仮定したため、計算から落とした。
【0951】
実施例5.残基Cys41及びCys51における第4のジスルフィド結合の除去
残基Cys41及びCys51における第4のジスルフィド結合の除去
Dc1aの残基Cys41及びCys51における変異(すなわち、第4のジスルフィドが接続する残基)が活性に影響を与えることなく発現を増加させることができるかどうかを試験するために、各システインに対して集中変異スキャンを実施した。ここで、野生型アミノ酸配列システイン残基を同様に小さいアミノ酸で置き換えることは、ペプチド活性に対して無視できる影響であると仮定された。集中変異スキャンは、Dc1aの野生型システインをアラニン、スレオニン、セリン、又はバリンに変異させることによって進行した。集中突然変異スキャンの結果は、全ての変異が、Dc1aの全体的な発現及び適切な折り畳みを改善することをもたらしたことを明らかにした。表2.
【0952】
Dc1aの集中変異解析の結果、変異体「T/A」(又は「C41T/C51A」)は、発現及び活性の最良の組み合わせを示したことが明らかになった。したがって、C41T/C51Aバリアントは、後続の実験で実施されたアラニンスキャンのバックグラウンドとして使用された。
【表2】
【0953】
実施例6.Dc1aのアラニンスキャン
Dc1aのアラニンスキャン
どの残基が発現及び/又は活性の増加のいずれかに関与している可能性があるかを決定するために、C41T/C51A DVPに対してアラニンスキャンを行った。
【0954】
Dc1aのアラニンスキャンは、全ての位置で単一のアラニンポイント変異体を設計することによって実施した。設計された構築物を、Twist Biosciences(https://www.twistbioscience.com/;681 Gateway Blvd South San Francisco,CA 94080)によって合成し、クローン化した。次に、4~8個の変換体を、2%のソルビトール及び0.2%のコーンスティープリカーを含む最小培地中で、23.5℃で6日間培養し、それらの発現をHPLC定量によって評価した。発現を平均化し、対照(C41T/C51A)に対して正規化し、改善された発現を有する変異体を、イエバエに対する生物活性について評価した。
【0955】
アラニンスキャンは、いくつかの残基の変異が発現の観察可能な増加をもたらしたことを実証した。表3、強調表示されたグレーを参照されたい。これらの位置を、変異誘発スクリーニングを用いて、発現、折り畳み、及び活性について更に分析した。
【表3-1】
【表3-2】
【0956】
実施例7.残基A10、W31、Y32、K33、及びP36の変異誘発スキャン
残基A10、W31、Y32、K33、及びP36の変異誘発スキャン
発現及び/又は活性に影響を及ぼす追加の位置を更に解明するために、残基A10、W31、Y32、K33、及びP36の変異誘発スキャンを行った。
【0957】
変異体を、Twist Biosciences(https://www.twistbioscience.com/;681 Gateway Blvd South San Francisco,CA 94080)によって合成し、クローン化した。ここで、4~8個の変換体を、2%のソルビトール及び0.2%のコーンスティープリカーを含む最小培地中で、23.5℃で6日間培養し、それらの発現をHPLC定量によって評価した。発現を平均化し、対照(C41T/C51A)に対して正規化し、改善された発現を有する変異体を、イエバエに対する生物活性について評価した。
【0958】
変異誘発スキャンの結果を以下の表4に示す。W31位は、アラニンに変異した場合、活性が低下していたが、フェニルアラニンとの置換は、収量ブーストをもたらし、活性の損失をもたらさなかった。Y32位は、アラニンに変異したときに同様の収量ブースト及び活性低下を有したが、セリンに変異した場合、良好な活性及び増加した発現を示した。アラニンへのP36の変異は、他の変異よりも優れていた。各変異を一緒に組み合わせると(W31F、Y32S、P36A)、非修飾バージョンよりも発現が69%増加した。図3
【表4】
【0959】
実施例8.残基V17、D20、及びS21の変異誘発スキャン
残基V17、D20、及びS21の変異誘発スキャン
発現及び/又は活性に影響を及ぼす追加の位置を更に解明するために、残基V17、D20、及びS21の変異誘発スキャンを行った。変異体を合成し、上述のようにクローニングした。
【0960】
変異誘発スキャンの結果を以下の表5に示す。D20位は、活性の喪失を伴わずに良好な発現を示し、興味深いことに、アラニンのみが、その位置での野生型残基よりも優れた性能を示した。D20Aを、V17又はL42位での他の変形と組み合わせると、発現の減少をもたらした。S21位は、アラニンに変異した場合、発現の増加を示したが、活性が低下した。S21の他の変異は、同じ増加した発現を示すことができなかったため、それ以上追求しなかった。
【表5】
【0961】
実施例9.D38位の評価
D38位の評価
発現及び/又は活性に影響を及ぼす追加の位置を更に解明するために、残基D38の変異誘発スキャンを行った。
【0962】
アラニンに変異したときに大きな発現ブーストを与えたため、変異スキャンによってD38位をスクリーニングした。次いで、発現のための変異体の最適な組み合わせを同定するために、D38Aを、L42又はV52変異体と組み合わせて、並びにW31F、Y32S、及びP36Aからなる、以前に同定された最適化された変異体の有無にかかわらず、D20Aと組み合わせて評価した。変異体を合成し、上述の方法に従ってクローニングした。発現を平均化し、対照(C41T/C51A)に対して正規化し、改善された発現を有する変異体を、イエバエに対する生物活性について評価した。
【0963】
変異誘発スキャンの結果を以下の表6に示す。D38A位は、活性の損失なしに発現の大幅な増加を示し、HPLC上のDc1aピークの数が減少した。図4及び5を参照されたい。他の突然変異体は、同様の特性の組み合わせを示さなかった。次に、L42及びV52変異体の組み合わせをD38Aで評価した。V52変異体は、発現を減少させたが、いくつかのL42変異体は、D38Aと組み合わせた場合に発現を増加させ、L42Vは最も強い結果を示した。
【表6】
【0964】
実施例10.システイン変異体の更なる最適化
システイン変異体の更なる最適化
41位及び51位のシステイン残基(すなわち、第4のジスルフィド結合の接続性を提供する残基)の再最適化を、D38A DVPに対して行った。除去された第4のジスルフィドの近くで、2つの追加の変異(すなわち、D38A及びL42V)が最適であることが見出されたため、C41及びC51の変異を再最適化し、D38Aが存在する場合、これらの位置での変異体の最良の組み合わせを見出した。変異体を合成し、上述の方法に従ってクローニングした。
【0965】
再最適化の結果を以下の表7に示す。D38Aの再最適化スキャンの結果に基づいて、C41S/C51Sは、D38A及びL42Vと組み合わせるのに最適なジスルフィド変異体のセットとして選択された。図5及び6.
【表7】
【0966】
したがって、個体及び組み合わせた変異を、ヘッドトゥーヘッドアッセイにおいて発現及び活性について比較した。本明細書で探索した4つの変異、すなわち、C41S/C51S/D38A/L42Vの組み合わせを有し、「AKDGDVEGPAGCKKYDVECDSGECCQKQYLWYKWRPLACRSVKSGFFSSKSVCRDV」(配列番号53)のアミノ酸配列を有し、イエバエの生体活性を失うことなく、WTに対して約200倍の発現を増加させたDVP。図6
【0967】
実施例11.イエバエ注射
イエバエ注射
14~20mgの体重の成体イエバエ(Musca domestica)をCOを使用して麻酔し、胸腔内に0.5μLのWT Dc1a及び以下のDVPを注射した:(1)C41T/C51A、(2)C41T/C51A/D38A、及び(3)C41S/C51S/D38A/L42V。結果を図7に示す。
【0968】
用量反応曲線は、24時間でのノックダウンパーセント(すなわち、歩行不能)(24時間でのノックダウン%)についてハエを評価することによって生成された。CO制御下で、ハエは数分後に歩く能力を取り戻し、その後すぐに飛行する能力を取り戻した。中間レベルのDc1aを投薬されたハエは、立って歩く能力を取り戻したが、これらのハエは飛行能力を取り戻すことができなかった。注射後15~30分後、ハエは、痙攣性麻痺の短いエピソードによって散在する弛緩性麻痺を示し始め、1時間後に強度が頂点に達し、立つことができなくなった。まだ麻痺していたが24時間で死んでいないハエは、弛緩性麻痺を示し、脱水による死亡が発生した注射後72時間まで回復しなかった。図7
【0969】
図7に示すように、DVP C41T/C51A/D38A及びC41S/C51S/D38A/L42Vは、WT-Dc1aと比較して優れたノックダウン能力を示した。24時間で50%ノックダウンを達成するために、C41T/C51A/D38Aは、11.3pmol/gの用量を必要とし、C41S/C51S/D38A/L42Vは、13.5pmol/gの用量を必要とし、代替的に、WT-Dc1aは、15.6pmol/gの用量を必要とした。
【0970】
実施例12.コーンイアワーム(CEW)注射
コーンイアワーム(CEW)注射
CEWに注入されたDVPを評価するアッセイを、以下のように実施した。コーンイアワーム(Helicoverpa zea)幼虫に4齢で注射した。H.zeaの卵を購入し(Benzon、Carlisle,PA)、汎用鱗翅目食餌(Frontier Agricultural Science、Newark,DE)で4齢まで育てた。注射前に、pmol/g用量を計算するために、幼虫を秤量した。注射量は、1μLであり、30ゲージの針及びガラス製シリンジで、手動マイクロアプリケータ(Burkard、Rickmansworth,Herts,England)で行った。注射後、幼虫を汎用鱗翅目食餌の新しい囲いに入れ、注射後24時間のその状態(死亡率、亜致死的効果、及び行動を含む)を評価した。
【0971】
ここでは、野生型Dc1a及びC41T/C51A/D38A(配列番号29)及びC41S/C51S/D38A/L42V(配列番号53)をCEWに注射し、24時間でノックダウンパーセントを評価した。
【0972】
図8に示されるように、システイン除去変異体の注射は、CEW死亡率の数桁減少をもたらした。活性の喪失は、C41A/C51A変異体が2500pmol/gの高用量で活性を有しなかったため、シスチン結合位置(C41及びC51)に局在しているようにであった。イエバエ及びCEWノックダウンを比較した表を以下に示す。
【表8】
【0973】
実施例13.CEW殺虫活性を改善する変異
CEW殺虫活性を改善する変異
Dc1aの変異を作製して、CEW活性の回復をスクリーニングした。ここで、変異体を合成し、上述の方法に従ってクローニングした。簡潔に述べると、4つの個々の形質転換体を、2%のソルビトール及び0.2%のコーンスティープリカーを含む最小培地中で、23.5℃で6日間培養した。上清を混合し、3000Da分子量カットオフを有する遠心濾過カセット(Pall)を使用して10倍濃縮した。次いで、濃縮物をコーンイアワーム(Helicoverpa zea)に注射した。
【0974】
コーンイアワーム(CEW)幼虫に4齢で注射した。H.zeaの卵を購入し(Benzon Research、7 Kuhn Dr,Carlisle,PA,17015)、汎用鱗翅目食餌(Frontier Agricultural Science、Newark,DE)で4齢まで育てた。注射前に、pmol/g用量を計算するために、幼虫を秤量した。注射量は、1μLであり、30ゲージの針及びガラス製シリンジで、手動マイクロアプリケータ(Burkard、Rickmansworth,Herts,England)で行った。注射部位は最も後ろの腿の1つの基部の近くであった。注射後、幼虫を汎用鱗翅目食餌の新しい囲いに入れ、注射後24時間のその状態(死亡率、亜致死的効果、及び行動を含む)を評価する。
【表9-1】
【表9-2】
【表10】
【0975】
特徴付けの後、C41位のバリン又はメチオニンは、WTと同様のより高い活性をもたらすことが示されたが、バリンは収量を低下させた。D20のチロシンへの変異はまた、変異体がC41T/C51Aであっても、WT様活性を回復することができた。
【0976】
実施例14.植物におけるDVP-殺虫タンパク質の発現
植物におけるDVP-殺虫タンパク質の発現
植物、植物組織、植物細胞、植物種子、又はその一部におけるDVP-殺虫タンパク質の発現を評価した。ここで、DVP-殺虫タンパク質のクローニング及び発現は、FECT(Liu Z & Kearney CM,BMC Biotechnology,2010,10:88、その全体が参照により本明細書に援用される)と称されるタバコ一過性発現システム技術を使用して実施した。
【0977】
簡潔に述べると、FECTベクターは、アグロインフェクションのためのT-DNA領域を含有し、これは、CaMV 35Sプロモーターを含有し、ウイルスコーティングタンパク質及びトリプル遺伝子ブロックをコードする遺伝子を用いずに、フォックステールモザイクウイルスRNAの発現を駆動する。コーティングタンパク質及びトリプルブロックの代わりに、高レベルの一過性ウイルス発現のために、DVP ORFをPacI部位に続いてN’からC’にサブクローニングすることを可能にする一対のサブクローニング部位(PacI及びAvrII)がある。この「非武装」ウイルスゲノムは、植物から植物への伝播を防ぐ。DVPを発現するためにサブクローニングされたFECTベクターに加えて、導入されたT-DNAの転写後遺伝子サイレンシング(PTGS)を防止するために、トマトブッシースタントウイルス由来のRNAサイレンシング抑制タンパク質であるP19をコードする第2のFECTベクターが共発現される。一過性植物発現系を含むアグロバクテリウムを、以下に記載されるように、タバコ(Nicotiana benthamiana)の葉に注射した。
【0978】
ここで、調査したDVP-殺虫タンパク質は、以下の成分、小胞体シグナルペプチド(ERSP)、ユビキチンモノマー、介在リンカーペプチド、及びヒスチジンタグを含んだ。
【0979】
使用されたERSPモチーフは、以下のアミノ酸配列を有する24個のアミノ酸ペプチドであるオオムギアルファアミラーゼシグナルペプチド(BAAS)であった(N’からC’、1文字コード):MANKHLSLSLFLVLLGLSASLASG(配列番号60)。
【0980】
使用したZea maysユビキチンモノマーは、以下のアミノ酸配列(N’からC’、1文字コード)を有する75個のアミノ酸ペプチドであった:QIFVKTLTGKTITLEVESSDTIDNVKAKIQDKEGIPPDQQRLIFAGKQLEDGRTLADYNIQKESTLHLVLRLRGG(配列番号183)(NCBI受託番号XP_020404049.1)。
【0981】
DVP-殺虫タンパク質で使用されるDVP ORFをコードするように動作可能なポリヌクレオチドは、以下の表11に見出される。
【0982】
使用した介在連結ペプチドは、以下のアミノ酸配列(N’からC’、1文字コード)を有した:ALKFLV(配列番号184)又はIGER(配列番号54)。
【0983】
使用したヒスチジンタグは、以下のアミノ酸配列(N’からC’、1文字コード)を有した:HHHHHH(配列番号185)。
【0984】
したがって、この実施例で使用される例示的なDVP-殺虫タンパク質は、以下の要素及び配向を有する構築物を有する:
ERSP-UBI-L-DVP-HIS
【0985】
DVP-殺虫タンパク質の完全なアミノ酸配列の例は、以下のとおりである。
MANKHLSLSLFLVLLGLSASLASGQIFVKTLTGKTITLEVESSDTIDNVKAKIQDKEGIPPDQQRLIFAGKQLEDGRTLADYNIQKESTLHLVLRLRGGALKFLVAKDGDVEGPAGCKKYDVECDSGECCQKQYLWYKWRPLDCRCLKSGFFSSKCVCRDVHHHHHH(配列番号186)
【0986】
DVP-殺虫タンパク質の一般的な概略図を図9に示す。ここで、前述の構築物は、以下のように定義される構成要素を有する。「ERSP」は、小胞体シグナルペプチドを指し、「UBI」は、ユビキチンモノマーを指し、「DVP」は、ミュー-ジゲトキシン-Dc1a毒素又はDVPを指し、「L」は、介在リンカーペプチドを指し、「HIS」は、ヒスチジンタグを指す。
【0987】
次に、DVP-殺虫タンパク質、すなわち、以下のORFを有するDNAをコードするように動作可能なポリヌクレオチド:「BAAS:UBI:L:DVP:hIS」又は「baas-ubi-l-dvp-his」(BAASは、ERSPであり、UBIは、ユビキチンであり、Lは、ペプチドを連結している)を、FECT発現ベクターのPacI及びAvrII制限部位にクローニングして、一過性ベクターを作製した。次いで、これらの一過性ベクターを、以下のとおり、凍結融解法を使用してAgrobacterium tumefaciens株、GV3101細胞に形質転換した。保管されたコンピテントGV3101細胞を氷上で解凍し、次いで、1~5μgの純粋な一過性ベクターDNAと混合した。次いで細胞-DNA混合物を、氷上で5分間保持し、-80℃に5分間移し、37℃の水浴中で5分間インキュベートした。次いで、凍結融解処理された細胞を、1mLのLB培地に希釈し、揺動台上で、室温で、2~4時間振盪した。次いで、細胞-LB混合物を、5,000rcfで2分間スピンダウンしてペレット細胞にし、次いで、800μLのLB上清を除去した。次いで、細胞を残りの液体中に再懸濁し、形質転換された細胞-LB混合物の全体積(約200μL)を、適切な抗生物質(すなわち、10μg/mLのリファンピシン、25μg/mLのゲンタマイシン、及び50μg/mLのカナマイシン)を含むLB寒天プレート上に広げ、2日間、28℃でインキュベートした。次いで、得られた形質転換コロニーを採取し、形質転換DNAを分析に必要な適切な抗生物質を含むLB培地の6mLのアリコート中で培養し、形質転換GV3101細胞のグリセロールストックを作製した。
【0988】
次いで、形質転換されたGV3101細胞を、以前に作製されたグリセロールストックからの適切な抗生物質(上記のように)を含むLBプレート上に画線し、28℃で2日間インキュベートした。形質転換GV3101細胞のコロニーを使用して、5mLのLB-MESA培地(10mMのMES、20μMのアセトシリンゴンを補充したLB培地)、及び上述の同じ抗生物質を接種した。次いで、コロニーを28℃で一晩増殖させ、次いで、5000rpmで10分間の遠心分離によって細胞を採取し、最終的なOD600で1.0の誘導培地(10mMのMES、10mMのMgCl2、100μMのアセトシリンゴン)中に再懸濁した。次いで、細胞を、室温で、誘導培地中で2時間~一晩インキュベートした。この時点で、細胞はタバコの葉の一過性形質転換の準備ができていた。
【0989】
FECTは、P19発現及び目的遺伝子の発現の混合物を用いるため、pFECT-P19形質転換GV3101細胞の細胞培養及び目的遺伝子培養を等量に混合してタバコの葉を浸潤させた後、植物の葉に注射した。処理された細胞は、針が装着されていない3mLシリンジを使用した注射によって、Nicotiana benthamiana植物についている葉の下側に浸潤させた。タバコの葉におけるタンパク質の発現を、浸潤後6~8日で評価した。
【0990】
全長のDVP-殺虫タンパク質を、手動抽出技術を使用してタバコから精製した。葉組織を、浸潤領域から直径30mmのパンチを介して得、巻き上げ、2つの直径5/32インチのステンレス鋼研削ボールを有する2mLの円錐底管の中に入れ、液体窒素中で凍結させた。次いで、Troemner-Talboys High Throughput Homogenizerを使用して試料を均質化した。次いで、750μLの氷冷全可溶性タンパク質(TSP)抽出液(リン酸ナトリウム溶液50mM、EDTA1mM、pH7.0)をチューブに添加し、ボルテックスした。次いで、マイクロチューブを、室温で15分間インキュベートし続け、次いで、4℃で、16,000×gで15分間遠心分離した。次いで、100μLの得られた上清を採取し、底部に空の受け皿Costarマイクロタイタープレートを備えた0.45μm Millipore MultiScreenフィルターマイクロタイタープレート中のSephadex G-50充填済みカラムにロードした。次いで、マイクロタイタープレートを、4℃で、800gで2分間遠心分離した。次いで、タバコの葉の得られた濾液(以下、「総可溶性タンパク質抽出物」又は「TSP抽出物」と呼ぶ)は、下流の分析の準備をした。
【0991】
次いで、試料を、標準的なウエスタンブロッティング技術を使用して分析した。タンパク質試料10μLを9μLのInvitrogen 2X SDSローディングバッファー及び2μLのNovex 10X還元剤と混合し、試料を85℃で5分間加熱することにより、タンパク質ゲル用の試料を調製した。次いで、試料をロードし、上部タンク中の0.1%のチオグリコール酸ナトリウム及びInvitrogen SeeBlue Plus 2 MWMを含む1xInvitrogen Tricineランニング緩衝液中のNovex Precast、16%のTricineゲル上で実行した。ゲルを150Vで75分間実行した。次いで、iBLOTシステムでの7分間の移送プログラムを使用して、ゲルを新規PVDF膜に移した。転写が完了したら、ブロット膜を容器に移し、緩衝液A(Quality Biologicalの10xTBS(0.25Mのトリス塩基、1.37MのNaCl、0.03MのKCL、pH7.4)から作製した1xTBS)で、室温で穏やかに揺動することによって5分間洗浄した。次いで、緩衝液B(1%BSAを有する緩衝液A)を使用して、1時間、遮断ステップを行った。次いで、ブロットを、5分間の緩衝液C(0.05%Tween20を有する緩衝液B)の洗浄で3回すすいだ。これに続いて、緩衝液C中の1:10000希釈のMaine Biotech抗His抗体を1時間行った。次いで、ブロットを、緩衝液Cで各5分間、3回すすいだ。これに続いて、緩衝液C中の1:3000希釈のBioRadヤギ抗マウスAPコンジュゲート抗体(二次抗体)を1時間行った。次いで、ブロットを、緩衝液Cで各5分間を2回、緩衝液Aで5分間を1回、すすいだ。その後、ブロットはBioRadAPデベロッパーとともに現像され、水ですすぐことによって停止される。
【0992】
図10は、dc1a及び変異体を発現した植物のHis-Tagウエスタンブロットを示す。各ウェルは、変性タンパク質ゲル条件下で実行され、標準的なウエスタンブロット技術で視覚化された粗植物抽出物を表す。ウエスタンブロットで試験した試料の短縮名は、発現の評価システムとともに画像の上に列挙されている。記号(-)は、ブロット上にタンパク質が検出されていないことを示し、タンパク質が検出される場合、記号(+)から(+++)は目視検査によって検出された相対量を示す。「ラダー」と示されたレーンは、分子量マーカーを示す。レーン「植物NEG」は、陰性対照(すなわち、GFP発現タバコタンパク質抽出物)を示す。「M番号」でラベル付けされたレーンは、評価されたDVP-殺虫タンパク質の短縮名を示し、以下の表中に見ることができる。レーン「WT」は、WTミュー-ジゲトキシン-Dc1aタンパク質を有するDVP-殺虫タンパク質を示す。
【表11】
【0993】
実施例15.植物発現タンパク質を用いたイエバエ注射アッセイ
植物発現タンパク質を用いたイエバエ注射アッセイ
イエバエに、上述の植物抽出プロセスから得られたTSP抽出物を注射した。注射の前に、成体イエバエ(Musca domestica)をCOで固定し、体重(12~20mg)に基づいて注射のために選択した。1cc注射器及び30ゲージの針を充填したマイクロアプリケータを使用して、1匹のハエ当たり、0.5μLの所与の処置(陰性対照又は天然に存在しないミュー-ジゲトキシン-Dc1a殺虫タンパク質)を、背部胸部の体壁を介してハエに注射した。注射したイエバエを、蓋の上に湿らせた濾紙及び呼吸孔を備えた密閉容器に配置し、それらを、注射後2時間に、影響を受けたスコアリングに基づいて評価した。影響を受けるスコアには、ノックダウン及び死亡が含まれる。
【0994】
イエバエ注射アッセイの結果を以下に示す。
【表12】
【0995】
実施例16.高収量DVP
C41S、C51S、及びD38Aのアミノ酸置換を有するDVP、すなわち「AKDGDVEGPAGCKKYDVECDSGECCQKQYLWYKWRPLACRSLKSGFFSSKSVCRDV」(C41S/C51S/D38A;配列番号47)を更に評価して、配列番号47への点変異が改善された発現をもたらし得るかどうかを決定した。このC41S/C51S/D38A DVPバックグラウンドに対して、以下の追加の変異が作製された。L42I、K2L、Y32S、K2L+Y32S、D38T、D38S、及びD38M。
【0996】
ポリヌクレオチド構築物を合成し、クローニングし、上述のように発現させ、収量をC41S/C51S/D38A DVP(配列番号47)の平均収量に対して正規化した。以下の表に示される、DVPをオードするように動作可能であった構築物が作成された。
【表13】
【0997】
表13のDVPをコードするように動作可能なポリヌクレオチド構築物を、上述のようにpKlac1ベクター(カタログ番号N3740、New England Biolabs(登録商標)、240 County Road,Ipswich,MA 01938-2723)に挿入した(実施例1を参照されたい)。次いで、得られたベクターを線形化し、LAC4遺伝子座でのKluyveromyces lactis宿主ゲノムへの線形化されたベクターの複数のコピーの安定した組み込みために、電気有能なKluyveromyces lactis宿主細胞に形質転換した。次いで、形質転換されたKluyveromyces lactisを、唯一の窒素源としてアセトアミドを含有する選択寒天上に配置して、発現カセットの複数の挿入及びそのアセトアミダーゼ選択を含有する株を同定した。
【0998】
次いで、コロニーを、2%のソルビトール及び0.2%のコーンスティープリカーを含む最小培地中で、23.5℃で6日間培養した。DVPの発現を、Chromololith C18カラム(EMD)でのHPLC分離及び15~35%のアセトニトリルの溶出勾配によって評価した。1~2mgのWT ApsIIIを、Chromolith C18カラム(EMD)上でのHPLC分画を使用して、99%超の純度まで更に精製した。凍結乾燥後、WT ApsIIIを、16180M-1cm-1の吸光係数(ε)を用いてA280吸光度によって定量した。5~100μgの濃度の範囲を用いてHPLC標準曲線を設定し、勾配を用いて未知の試料の定量化を行った。
【0999】
配列番号210~219のDVPの収量を、配列番号47のDVPの収量と比較した。収量を、rpHPLCピーク面積に基づいて決定し、次いで、総組み込み遺伝子コピーに対して正規化した。遺伝子コピー測定を決定するために、酵母gDNA抽出キット(ThermoFisherScientific)を使用してgDNAを抽出し、デルタデルタCt(ΔΔCt)法を使用したqPCR分析によってコピー数を決定した。ピーク領域を、C41S/C51S/D38A DVPバックグラウンド(配列番号47)に対して正規化した。
【1000】
図11に示されるように、C41S/C51S/D38A DVPバックグラウンドへの追加の変異、すなわち、L42I、K2L、Y32S、K2L+Y32S、D38T、及びD38Sは、全て、C41S/C51S/D38A DVPバックグラウンド(配列番号47)対照と比較して改善された収量を有していた。
【1001】
実施例17.高収量DVPを改善する変異
実施例16で同定したDVPを更に評価した。ここで、以下のDVPを野生型Dc1a(配列番号2)と比較した。(1)アミノ酸配列:「ALDGDVEGPAGCKKYDVECDSGECCQKQYLWSKWRPLDCRCIKSGFFSSKCVCRDV」(配列番号217)を有するK2L/Y32S/L42I DVP、及び(2)アミノ酸配列:「ALDGDVEGPAGCKKYDVECDSGECCQKQYLWSKWRPLACRSIKSGFFSSKSVCRDV」(配列番号218)を有するK2L/Y32S/D38A/L42I/C41S/C51S DVP。
【1002】
前述のDVPを、実施例16に記載の方法に従って合成し、クローニングした。発現を、実施例16に記載されるように、rpHPLCによって決定した。ピーク領域を野生型Dc1a(配列番号2)に対して正規化した。以下の表は、DVPの要約及びその発現の倍率改善を示している。
【表14】
【1003】
図12及び表14に示されるように、変異K2L、Y32S、及びL42I(配列番号217)を組み合わせると、野生型Dc1aと比較して収量が劇的に改善された(19倍の改善)。更に、ジスルフィド結合欠失(すなわち、C41S/C41S)を含むC41S/C51S/D38A DVPバックグラウンド変異体におけるK2L、Y32S、及びL42I変異を組み合わせは、発現の更なる大きな増加をもたらした(63倍の改善)。図12
【1004】
実施例18.シスチンノット構造:概要
シスチンノット構造
本発明は、式(II)に記載のシスチンノット(CK)構造を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる組換えCRPを操作する方法であって、
【化9】
【1005】
式中、C~CVIが、システイン残基であり、システイン残基C及びCIVが、第1のジスルフィド結合によって接続されており、CII及びCが、第2のジスルフィド結合によって接続されており、CIII及びCVIが、第3のジスルフィド結合によって接続されており、第1のジスルフィド結合、第2のジスルフィド結合、及び第3のジスルフィド結合が、シスチンノットモチーフを形成するジスルフィド結合トポロジーを有し、第1のジスルフィド結合、第2のジスルフィド結合、及び第3のジスルフィド結合が、シスチンノットモチーフを形成する唯一のジスルフィド結合であり、N、L、L、L、L、L、及びCが、1~13個のアミノ酸残基の長さを有するアミノ酸配列を含むペプチドサブユニットであり、N、L、C、又はそれらの任意の組み合わせが、任意選択で、存在せず、当該組換えCRPが、1つ以上の非CKジスルフィド結合を有する修飾可能なCRPを修飾することによって作製されており、1つ以上の非CKジスルフィド結合が、第1のジスルフィド結合でも、第2のジスルフィド結合でも、第3のジスルフィド結合でもなく、1つ以上の非CKジスルフィド結合が、CKモチーフを形成せず、修飾可能なCRPが、1つ以上の非CKジスルフィド結合を有する修飾可能なCRPから1つ以上の非CKジスルフィド結合を除去することによって修飾されており、1つ以上の非CKジスルフィド結合を有する修飾可能なCRPから1つ以上のジスルフィド結合を除去することが、式(II)に記載のCK構造を有する組換えCRPをもたらし、式(II)に記載のCK構造を有する組換えCRPが、式(II)に記載のCK構造を有しない修飾可能なCRPの発現レベルと比較して、増加した発現レベルを有する、方法を企図し、教示する。
【1006】
図13は、シスチンノット(CK)構造を有する組換えシステインリッチタンパク質(CRP)を記載する式(II)を示す概略図を示す。ここでは、C~CVIは、システイン残基であり、システイン残基C及びCIVは、第1のジスルフィド結合によって接続されており、CII及びCは、第2のジスルフィド結合によって接続されており、CIII及びCVIは、第3のジスルフィド結合によって接続されている(ジスルフィド結合は、システイン残基を接続する線によって示される)。第1のジスルフィド結合、第2のジスルフィド結合、及び第3のジスルフィド結合は、シスチンノットモチーフを形成するジスルフィド結合トポロジーを有し、第1のジスルフィド結合、第2のジスルフィド結合、及び第3のジスルフィド結合は、シスチンノットモチーフを形成する唯一のジスルフィド結合である。N、L、L、L、L、L、及びCは、各々、1~13個のアミノ酸残基の長さを有するアミノ酸配列を含むペプチドサブユニットである。一部の実施形態では、N、L、C、又はそれらの任意の組み合わせは、任意選択で、存在しない。
【1007】
実施例19.式(II)のCK構造に到達する:ApsIII
タンパク質ミュー-シルトタウキシン-As1a(「ApsIII」又は「Aps-3」としても知られる)は、式(II)に記載のCK構造を有するように修飾された修飾可能なCRPである。ApsIIIは、トラップドアスパイダーであるApomastus schlingeriに見出される殺虫タンパク質である。「CNSKGTPCTNADECCGGKCAYNVWNCIGGGCSKTCGY」配列番号193のアミノ酸配列を有する例示的な野生型ApsIIIタンパク質が本明細書に提供される(NCBI受託番号P49268.1)。
【1008】
野生型ApsIIIタンパク質は、1~15位、8~19位、14~35位、及び26~31位に4つのジスルフィド結合を有する。1~15位、8~19位、14~35位のジスルフィド結合は、シスチンノットモチーフを形成するジスルフィド結合トポロジーを有し、26~31位のジスルフィド結合は、非CKジスルフィド結合、すなわち、シスチンノットモチーフの作製に関与しないジスルフィド結合を表す。したがって、非CKジスルフィド結合スパニング26~31位を除去して、式(II)に記載のCK構造を有する組換えApsIIIを作製した。
【1009】
ポリヌクレオチド構築物を合成し、クローニングし、上述のように発現させ、収量を野生型ApsIIIの平均に対して正規化した。結果は、余分な非コアICKジスルフィドが除去された場合、収量のほぼ50%の改善を示す。
【1010】
簡潔に述べると、以下の構築物が作製された:組換え野生型ApsIII(配列番号195)をコードするように動作可能なポリヌクレオチド(配列番号194)及びApsIII dCys変異体(配列番号197)をコードするように動作可能なポリヌクレオチド(配列番号196)。ここで、ApsIII dCys変異体は、配列番号193に示されるWT ApsIII配列と比較して、C26A及びC31A変異を有する。C26A及びC31A変異は、第4のジスルフィド結合を除去する。
【1011】
これらのポリヌクレオチド構築物を、上述のように、pKlac1ベクター(カタログ番号N3740、New England Biolabs(登録商標)、240 County Road,Ipswich,MA 01938-2723)に挿入した(実施例1を参照されたい)。次いで、得られたベクターを線形化し、LAC4遺伝子座でのKluyveromyces lactis宿主ゲノムへの線形化されたベクターの複数のコピーの安定した組み込みために、電気有能なKluyveromyces lactis宿主細胞に形質転換した。次いで、形質転換されたKluyveromyces lactisを、唯一の窒素源としてアセトアミドを含有する選択寒天上に配置して、発現カセットの複数の挿入及びそのアセトアミダーゼ選択を含有する株を同定した。
【1012】
次いで、コロニーを、2%のソルビトール及び0.2%のコーンスティープリカーを含む最小培地中で、23.5℃で6日間培養した。WT ApsIII及びApsIII dCysの発現を、Chromololith C18カラム(EMD)でのHPLC分離及び15~35%のアセトニトリルの溶出勾配によって評価した。1~2mgのWT ApsIIIを、Chromolith C18カラム(EMD)上でのHPLC分画を使用して、99%超の純度まで更に精製した。凍結乾燥後、WT ApsIIIを、16180M-1cm-1の吸光係数(ε)を用いてA280吸光度によって定量した。5~100μgの濃度の範囲を用いてHPLC標準曲線を設定し、勾配を用いて未知の試料の定量化を行った。
【1013】
WT ApsIII及びApsIII dCy(各n=8)の収量を、rpHPLCピーク面積に基づいて決定し、次いで、総組み込み遺伝子コピーに対して正規化した。遺伝子コピー測定を決定するために、酵母gDNA抽出キット(ThermoFisherScientific)を使用してgDNAを抽出し、デルタデルタCt(ΔΔCt)法を使用したqPCR分析によってコピー数を決定した。Graphpad Prism ver.9.2.0を用いて、相対収量を示すヴァイオリンプロットを生成した。図14.結果は、余分な非CKジスルフィドが除去された場合、収量の50.2%の改善を示す。
【1014】
実施例20.式(II)のCK構造に到達する:K-ACTXペプチド
修飾可能なCRPであるカッパ-ACTXペプチド(別名「カッパ-ACTX」又は「κ-ACTX」)を、式(II)に記載のCK構造を有するように修飾した。
【1015】
カッパ-ACTXは、Atracinaeサブファミリーに属するオーストラリアファネルウェブスパイダーから単離された殺虫阻害剤シスチンノット(ICK)ペプチドのメンバーである。そのようなクモの1つは、オーストラリアブルーマウンテンファネルウェブスパイダー(Australian Blue Mountains Funnel-web Spider)として知られており、これはHaydronyche versutaという学名を有する。例示的な野生型カッパ-ACTXペプチドが本明細書に提供され、アミノ酸配列:「AICTGADRPCAACCPCCPGTSCKAESNGVSYCRKDEP」(配列番号198)(UniProtKB/Swiss-Prot番号P82228.1)を有する。
【1016】
野生型カッパ-ACTXタンパク質は、3~17位、10~22位、13~14位、及び16~32位に4つのジスルフィド結合を有する。3~17位、10~22位、及び16~32位のジスルフィド結合は、シスチンノットモチーフを形成するジスルフィド結合であり、ジスルフィド結合トポロジーは、ICKを形成する。ジスルフィド結合スパニング13~14位は、非CKジスルフィド結合、すなわち、シスチンノットモチーフ(すなわち、ICK)の作製に関与しないジスルフィド結合を表す。したがって、非CKジスルフィド結合スパニング13~14位を除去して、式(II)に記載のCK構造を有する組換えカッパ-ACTXを作製した。
【1017】
カッパ-ACTX ORFをコードするポリヌクレオチド構築物を、Twist Biosciences(https://www.twistbioscience.com/;681 Gateway Blvd South San Francisco,CA 94080)によって合成し、クローン化した。カッパ-ACTX ORFは、以下のタンパク質をコードした:WT カッパ-ACTX(配列番号198)、C13A変異を有するカッパ-ACTX変異体(配列番号199)、C14A変異を有するカッパ-ACTX変異体(配列番号200)、及びC13A及びC14A変異を有するカッパ-ACTX変異体(配列番号201)。
【1018】
構築物をコドン最適化し、Kluyveromyces lactisアルファ接合因子プレ/プロ配列(αMF)との融合として合成し、pKlac1のNotI及びHindIII制限部位にライゲーションした(カタログ番号N3740、New England Biolabs(登録商標)、240 County Road,Ipswich,MA 01938-2723)。pKlac1ベクターは、Kluyveromyces lactisPLAC4-PBIプロモーター(1)、K.lactisα接合因子(α-MF)分泌ドメインをコードするDNA(分泌発現のための)、多重クローニング部位(MCS)、Kluyveromyces lactis LAC4転写ターミネーター(TT)、及び酵母ADH2プロモーター(PADH2)から発現される真菌アセトアミダーゼ選択可能マーカー遺伝子(AMDS)を含有する。加えて、E.coliにおけるpKLAC1の増殖のために、E.coli複製起点(ORI)及びアンピシリン耐性遺伝子(Ap)が存在する。
【1019】
ベクターをSacIIで消化し、線状化し、細菌Ori及び選択マーカーを除去し、次いで、Kluyveromyces lactisのエレクトロコンピテント細胞にエレクトロポレーションした。次いで、コロニーを、2%のソルビトール及び0.2%のコーンスティープリカーを含む最小培地中で、23.5℃で6日間培養した。唯一の窒素源としてアセトアミドを含む選択プレート上で、複数の遺伝子コピー形質転換体を選択した。
【1020】
収量の比較は、上述のHPLC手順で決定されたピーク面積(mAU)に基づいた。簡潔に述べると、タンパク質を発現するクローンを、Chromolith C18カラム(4.6×100mm)でのHPLCによって評価し、2mL分-1の流量で、5分間にわたる5~30%のアセトニトリルの勾配で溶出した。
【1021】
以下の表は、式(II)に記載のCK構造に到達するために、カッパ-ACTXから近接ジスルフィド結合を除去した結果を示す。
【表15】
【1022】
上記の表14に示されるように、式(II)に記載のCK構造を有するようにカッパ-ACTXを修正すると、収量が増加した。
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【配列表】
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【国際調査報告】