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特表2023-543845少なくとも3つの空間方向で本体に作用する力を決定するための装置及び方法、ならびに本体の動きを制御するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-18
(54)【発明の名称】少なくとも3つの空間方向で本体に作用する力を決定するための装置及び方法、ならびに本体の動きを制御するための方法
(51)【国際特許分類】
   G01L 5/16 20200101AFI20231011BHJP
   B25J 13/08 20060101ALI20231011BHJP
【FI】
G01L5/16
B25J13/08 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023519699
(86)(22)【出願日】2021-09-15
(85)【翻訳文提出日】2023-04-25
(86)【国際出願番号】 EP2021075307
(87)【国際公開番号】W WO2022069224
(87)【国際公開日】2022-04-07
(31)【優先権主張番号】102020125583.7
(32)【優先日】2020-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522224955
【氏名又は名称】ニューラ ロボティクス ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】NEURA ROBOTICS GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ズゼミール、ヘンドリック
(72)【発明者】
【氏名】レーガー、ダーヴィト
(72)【発明者】
【氏名】ドイトマルク、ケビン
(72)【発明者】
【氏名】シュタウデ、ティル
【テーマコード(参考)】
2F051
3C707
【Fターム(参考)】
2F051AA10
2F051DA03
2F051DB03
3C707JT09
3C707KS33
3C707KW03
3C707KX05
3C707LS02
3C707LU06
3C707MS01
3C707MS08
3C707MS16
3C707MS29
(57)【要約】
本発明は、少なくとも3つの空間方向で本体(3)、特にマニピュレータに作用する力(Fx、Fy、Fz、Mx、My、Mz)を決定するための装置であって、本体(3)の表面(3.1)上に取り付けるための、少なくとも1つのセンサ要素(1、2)であって、少なくとも1つのセンサ要素(1、2)は、少なくとも3つの個別センサ要素(1.3)を含み、各個別センサ要素(1.3)は、1つの方向の個々の力を決定するように構成されているか、または少なくとも1つのセンサ要素(1、2)は、3つの空間方向の個々の力を決定するように構成されている少なくとも1つの個別センサ要素(1.3)を含む、少なくとも1つのセンサ要素(1、2)と、評価/制御部(6)であって、評価/制御部(6)は、各個別センサ要素(1.3)によって決定される個々の力を検出し、評価/制御部(6)は、個々の力を前記センサ要素(1、2)の仮想点(1.2、2.2)に投影することによって、少なくとも3つの空間方向でセンサ要素(1、2)に作用する力(Fx、Fy、Fz、Mx、My、Mz)を計算するように構成されている、評価/制御部(6)とを備える、装置に関する。さらに、本発明は、少なくとも3つの空間方向で本体(3)に作用する力を決定するための方法、及び本体(3)の動きを制御するための方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも3つの空間方向で本体(3)、特にマニピュレータに作用する力(Fx、Fy、Fz、Mx、My、Mz)を決定するための装置であって、
前記本体(3)の表面(3.1)上に取り付けるための、少なくとも1つのセンサ要素(1、2)であって、前記少なくとも1つのセンサ要素(1、2)は、少なくとも3つの個別センサ要素(1.3)を含み、各個別センサ要素(1.3)は、1つの方向の個々の力を決定するように構成されているか、または前記少なくとも1つのセンサ要素(1、2)は、3つの空間方向の個々の力を決定するように構成されている少なくとも1つの個別センサ要素(1.3)を含む、少なくとも1つのセンサ要素(1、2)と、
評価/制御部(6)であって、前記評価/制御部(6)は、前記各個別センサ要素(1.3)によって決定される個々の力を検出し、前記評価/制御部(6)は、前記個々の力を前記センサ要素(1、2)の仮想点(1.2、2.2)に投影することによって、少なくとも3つの空間方向で前記センサ要素(1、2)に作用する力(Fx、Fy、Fz、Mx、My、Mz)を計算するように構成されている、評価/制御部(6)と
を備える装置。
【請求項2】
各センサ要素(1、2)は、複数、好適には少なくとも15個、特に好ましくは少なくとも20個の個別センサ要素(1.3)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記個別センサ要素(1.3)は、格子状または極配置で配置されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
各センサ要素(1、2)の前記個別センサ要素(1.3)は、互いに独立して評価可能な、少なくとも2つの群の個別センサ要素(1.3′、1.3″)を有することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
各群の前記個別センサ要素(1.3′、1.3″)は、それぞれ格子状または極配置で配置されており、好適には、前記格子状または前記極配置は、互いにかみ合うように配置されている、例えば、チェス盤状に構成されていることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記装置は、少なくとも2つのセンサ要素(1、2)を含み、前記少なくとも2つのセンサ要素(1、2)は、好適には互いに距離(A)を置いて、特に好ましくは前記本体(3)の前記表面(3.1)の対向する両側に配置されていることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記センサ要素(1、2)は、互いに独立して評価可能であることを特徴とする、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記センサ要素(1)は、前記センサ要素(1)に対して自由に動くように取り付けられたカバー(1.4)を有することを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記センサ要素(1、2)は、特に皮膚のように前記本体(3)上に適用可能な可撓性材料で作製されていることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記評価/制御部(6)は、コントローラ(5)を有し、前記本体(3)に作用する力を実際値(5.1)として前記コントローラ(5)に導入可能であることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載の装置(10)を有する本体(3)、特にマニピュレータ、好適には産業用ロボットまたはコボットであって、前記少なくとも1つのセンサ要素(1、2)、好適には前記少なくとも2つのセンサ要素(1、2)は、前記本体(3)の前記表面(3.1)上に配置されている、本体(3)。
【請求項12】
多数のセンサ要素(1、2)は、前記本体(3)の前記表面(3.1)上に配置され、前記多数のセンサ要素(1、2)は、特に前記表面(3.1)の大部分、好適には前記表面(3.1)全体を覆い、好適には、前記センサ要素(1、2)は、特に皮膚のように前記本体(3)上に適用可能な可撓性材料で作製されていることを特徴とする、請求項11に記載の本体。
【請求項13】
少なくとも3つの空間方向で本体(3)、特にマニピュレータに作用する力(Fx、Fy、Fz、Mx、My、Mz)を決定するための方法であって、前記本体(3)の表面(3.1)上に取り付けられた少なくとも1つのセンサ要素(1、2)であって、前記少なくとも1つのセンサ要素(1、2)は、少なくとも3つの個別センサ要素(1.3)を含み、各個別センサ要素(1.3)は、1つの方向の個々の力を決定するように構成されているか、または前記少なくとも1つのセンサ要素(1、2)は、3つの空間方向の個々の力を決定するように構成されている少なくとも1つの個別センサ要素(1.3)を含む、少なくとも1つのセンサ要素(1、2)と、
評価/制御部(6)と
を用い、
各個別センサ要素(1.3)に作用する各個々の力を決定するステップと、
前記個々の力を前記センサ要素(1、2)の仮想点(1.2、2.2)に投影することによって、少なくとも3つの空間方向で前記センサ要素(1、2)に作用する力(Fx、Fy、Fz、Mx、My、Mz)を計算するステップと
を含む方法。
【請求項14】
少なくとも2つのセンサ要素(1、2)は、前記本体(3)の前記表面(3.1)上に互いに距離(A)を置いて配置されており、
各センサ要素(1、2)について各個別センサ要素(1.3)に作用する各個々の力を決定するステップと、
前記個々の力を前記センサ要素(1、2)の仮想点(1.2、2.2)に投影することによって、少なくとも3つの空間方向で前記センサ要素(1、2)に作用する力(Fx、Fy、Fz、Mx、My、Mz)を計算するステップと、
前記センサ要素(1、2)に作用する力を、特に前記センサ要素(1、2)に対して離間された空間にある前記本体(3)の仮想点(4)に投影することによって、前記本体(3)に作用する力(Fx、Fy、Fz)及びトルク(Mx、My、Mz)を計算するステップと、
が実施されることを特徴とする、請求項13に記載の本体に作用する力を決定するための方法。
【請求項15】
前記本体(3)に作用する前記力を前記決定することは、個別センサ要素(1.3′、1.3″)の2つの群を使用して互いに独立して行われることを特徴とする、請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
本体(3)、特にマニピュレータの動きを制御するための方法であって、
請求項13から15のいずれか一項に記載の方法を用いて、前記本体(3)に作用する力を決定するステップと、
前記本体(3)に作用する前記力を実際値(5.1)としてコントローラ(5)に導入するステップと、
前記実際値(5.1)を前記コントローラ(5)の目標値(5.6)と比較するステップと、
前記目標値(5.6)に到達するように動作制御のための操作変数(5.2)を決定するステップと
を含む方法。
【請求項17】
前記コントローラ(5)において、外乱変数(5.5)が考慮されることを特徴とする、請求項16に記載の本体の動きを制御するための方法。
【請求項18】
本体(3)、特にマニピュレータを制御するための方法であって、
請求項13から15のいずれか一項に記載の方法を用いて、前記本体(3)に作用する力を決定するステップと、
前記決定された力(F)を所定の最小力値(G1)および/または最大力値(G2)と比較するステップと、
前記決定された力(F)が前記最小力値(G1)より大きい、かつ/または前記最大力値(G2)より小さい場合、前記本体(3)の動きを許可するステップと
を含む方法。
【請求項19】
本体(3)、特にマニピュレータを制御するための方法であって、
時間の関数として、請求項13から15のいずれか一項に記載の方法を用いて、前記本体(3)に作用する力を決定するステップと、
入力コマンドおよび/または制御コマンドのために前記本体(3)に作用する前記力のパターンを認識するステップと
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも3つの空間方向で本体に作用する力を決定するための装置及び方法、ならびに本体の動きを制御するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本体、特に産業用ロボットやコボットなどのマニピュレータをプログラムして調整操作するには、本体自体または本体上の対応する入力デバイスに力を加えることによって、この本体を手動で動かす必要がある。その場合、多くの用途では、動きを実行するためのそれぞれの入力デバイスの感度または鋭敏度が制限要因である。さらに、現在の解決策は、力を検知するための測定原理によって、本体の位置に依存する感度を有する。
【0003】
マニピュレータは、多くの場合、多様な自由度を有するため、6つの自由度(X、Y、Z、Ry、Ry、Rz)すべてで補間された直交座標運動でこれらすべての軸を同時に制御することは、プログラミングプロセスを高速かつ直感的に作成するために非常に重要である。現在の解決策では、これまでこれを回避することはできない。
【0004】
本体、特にマニピュレータの個々の軸を動かすのに必要なモータ電流を測定し、これから軸にかかっている各トルクを計算することが現在知られている。必要な保持トルクを差し引くことで、軸にかかる力によって生じる変化を計算し、次の動きに変換することができる。ただしその場合、本体に加えられる力が間接的にしか測定されないことが欠点である。本体、特にマニピュレータの位置に応じて、様々な大きさのてこ作用が発生する可能性があり、てこ作用は、作業空間全体で解決策の感度を分散させる。
【0005】
あるいは、各軸でのトルクを軸に設置されたトルクセンサによって直接測定し、軸に加えられた力によって生じるトルクの変化を次の動きに変換することもまた知られている。ただし同様に、この方法では、本体に加えられる力が間接的にしか測定されず、本体、特にマニピュレータの位置に応じて、様々な大きさのてこ作用が発生する可能性があることが欠点である。さらに、各軸にトルクセンサを取り付ける必要があり、これによりコストが高くなりすぎるおそれがある。
【0006】
さらに、自由度が限定された動きを実行することができるようにするために、3Dジョイスティックを本体に取り付けることもまた知られている。ただしその場合、同時に制御できるのは個々の直交方向のみであり、これにより移動の選択肢が大幅に制限される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の課題は、少なくとも3つの空間方向で本体に作用する力を決定するための装置及び方法、ならびに特にそれらに基づいて、本体を制御する方法を提供することであり、本方法を使用して、本体に加えられる力を、本体のティーチインプロセスまたはプログラミングプロセスが簡単な方法で可能になるように検知することができる。
【0008】
本発明の課題は、特許請求項1の特徴を有する少なくとも3つの空間方向で本体に作用する力を決定するための装置と、特許請求項13の特徴を有する少なくとも3つの空間方向で本体に作用する力を決定するための方法と、特許請求項15の特徴を有する本体の動きを制御する方法と、によって解決される。
【0009】
本発明の有利な実施形態及び発展形態は、従属請求項に提示されている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
少なくとも3つの空間方向で本体、特に、例えば、産業用ロボットまたはコボットなどのマニピュレータに作用する力を決定するための本発明による装置は、本体の表面上に取り付けるための少なくとも1つのセンサ要素を有し、少なくとも1つのセンサ要素は、少なくとも3つの個別センサ要素を含み、各個別センサ要素は、1つの方向の個々の力を決定するように構成されているか、または少なくとも1つのセンサ要素は、3つの空間方向の個々の力を決定するように構成されている少なくとも1つの個別センサ要素を含み、評価/制御部をさらに含み、評価/制御部は、個別センサ要素によって決定された個々の力を検知し、評価/制御部は、個々の力をセンサ要素の仮想点に投影することによって、少なくとも3つの空間方向でセンサ要素に作用する力を計算するように構成されている。センサ要素が本体の表面上に取り付けるように構成され、かつそのために適合されていることにより、本体にかかる力の直接測定は、特に力がかかる位置で直接可能になる。本体の表面上にセンサ要素が正確に1つ配置されている場合、センサ要素に作用する力は、本体に作用する力に相当する。
【0011】
3つの空間方向の個々の力を決定するように構成された個別センサ要素を使用する場合、単一の個別センサ要素で既に十分である。1つの方向の個々の力を決定するように構成された個別センサ要素を使用する場合、少なくとも3つの個別センサ要素が1つのセンサ要素に配置され、好適には、3つの個別センサ要素が個々の力を決定する方向は、それぞれ互いに垂直に配置されており、簡単な方法で3つの空間方向で力を決定することができる。
【0012】
好適には、各センサ要素は、複数の、好適には少なくとも15個、特に好ましくは少なくとも20個の個別センサ要素を含み、これによって、センサ要素に作用する力を特定する精度を高めることができる。
【0013】
有利には、個別センサ要素は、格子状または極配置で配置されており、これによりセンサ要素に作用する力の特定を簡略化することができる。その場合、特に、個別センサ要素の相対的な幾何学的配置が互いに既知であることが重要である。
【0014】
本発明の有利な発展形態では、各センサ要素の個別センサ要素が、互いに独立して評価可能な個別センサ要素の少なくとも2つの群を有することを企図している。これにより、安全要件を満たすために冗長評価が可能になる。
【0015】
好適には、各群の個別センサ要素は、格子状または極配置で配置され、好適には、格子または極配置は、互いにかみ合うように配置されている、例えば、チェス盤状に構成されている。これにより、特に良好な冗長性を達成することができる。
【0016】
本発明の特に有利な実施形態によれば、装置は、好適には互いに距離を置いて、特に好ましくは本体の表面の対向する両側に配置されている、少なくとも2つのセンサ要素を含む。複数のセンサ要素を使用することにより、少なくとも3つの空間方向でセンサ要素に作用する決定された力を組み合わせることにより、6つの空間方向で本体に作用する力、すなわち作用する力及びトルクを特定することが可能になる。
【0017】
好適には、センサ要素は、互いに独立して評価可能であり、それによって、さらなる冗長性を達成することができる。
本発明の有利な発展形態によれば、センサ要素は、センサ要素に対して自由に動くように取り付けられたカバーを有する。このようなカバーは、6つの空間方向でセンサ要素に作用する力を特定することを可能にすることができる。
【0018】
好適には、センサ要素は、特に皮膚のように本体に適用可能な可撓性材料で作製されている。可撓性素材により、センサ要素を複雑な本体形状にも取り付けることが可能である。皮膚のように適用することは、センサ要素を省スペースで配置することができ、加えて、操作及び取り扱いを簡略化することができるという利点を有する。人工の触覚皮膚のようなセンサ要素の構成により、直感的かつ迅速なプログラミングプロセス、設定プロセス、またはティーチインプロセスが可能になる。
【0019】
有利には、評価/制御部は、コントローラを含み、本体に作用する力を実際値としてコントローラに導入可能である。コントローラは、加えられた力を、本体の対応する次の動きに可能な限り最適に変換することを可能にする。
【0020】
本発明による本体、特にマニピュレータ、好適には産業用ロボットまたはコボットは、本発明による装置を有し、少なくとも1つのセンサ要素、好適には少なくとも2つのセンサ要素は、本体の表面上に配置されている。センサ要素を本体の表面上に取り付けることで、加えられた力を直接特定することが可能になる。その場合、本体に接触して、本体自体に力を加えることで所望の方向に変位させることにより、プログラミングのため、または動作の設定もしくはティーチインのために、簡単な方法で本体を手動で動かすことができる。
【0021】
本発明の好ましい発展形態によれば、多数のセンサ要素は、本体の表面上に配置されており、これらは、特に本体の表面の大部分、好適には表面全体を覆い、好適には、センサ要素は、特に皮膚のように本体上に適用可能な可撓性材料で作製されている。本体の表面がセンサ要素で広く覆われている場合、取り扱いが簡略化され、特に直感的に形成することができる。
【0022】
少なくとも3つの空間方向で本体、特にマニピュレータ、例えば、産業用ロボットまたはコボットに作用する力を決定するための本発明による方法は、本体の表面上に取り付けられた少なくとも1つのセンサ要素であって、その少なくとも1つのセンサ要素は、少なくとも3つの個別センサ要素を含み、各個別センサ要素は、1つの方向の個々の力を決定するように構成されているか、または少なくとも1つのセンサ要素は、3つの空間方向の個々の力を決定するように構成されている少なくとも1つの個別センサ要素を含む、少なくとも1つのセンサ要素と、評価/制御部と、を用い、
各個別センサ要素に作用する各個々の力を決定するステップと、
センサ要素の仮想点に個々の力を投影することによって、少なくとも3つの空間方向でセンサ要素に作用する力を計算するステップと
を有する。
【0023】
そのような方法によって、少なくとも3つの空間方向で、特に力が加えられる位置で直接、本体に加えられる力の直接測定が可能になる。
本方法の有利な発展形態によれば、少なくとも2つのセンサ要素が互いに距離を置いて本体の表面上に配置されており、以下の、
各センサ要素について個別センサ要素に作用する個々の力を決定するステップと、
各センサ要素について個々の力をセンサ要素の仮想点に投影することによって、少なくとも3つの空間方向でセンサ要素に作用する力を計算するステップと、
特にセンサ要素に対して、特にセンサ要素の測定面に対して離間された空間にある本体の仮想点に、センサ要素に作用する力を投影することによって、本体に作用する力及びトルクを計算するステップが実施される。
【0024】
このような方法によって、6つの空間方向で本体にかかる力、すなわち力X、Y、Z及びトルクRx、Ry、Rzを、特に力がかかる位置で直接測定することが可能になる。
有利には、本体に作用する力の決定は、個別センサ要素の2つの群を使用して互いに独立して行われる。これにより、安全機能である冗長性が可能になる。
【0025】
好適には、本発明による方法は、本体、特にマニピュレータ、例えば、産業用ロボットまたはコボットの動きを制御するための方法へとさらに発展し、
本発明による方法を用いて本体に作用する力を決定するステップと、
本体に作用する力を実際値としてコントローラに導入するステップと、
実際値をコントローラの目標値と比較するステップと、
目標値に到達するように動作制御のための操作変数を決定するステップと
を有する。
【0026】
このようなコントローラを使用して、力の実際値を力の目標値からの偏位を生じさせる作用力に基づいて、特に作用力の方向に、本体の次の動きを実行することを可能にする。
有利には、外乱変数は、コントローラで考慮され、それによって、外乱が影響する場合であっても所望の動作を実行することができる。
【0027】
好適には、本発明による方法は、本体、特にマニピュレータ、例えば、産業用ロボットまたはコボットの動きを制御するための方法へとさらに発展し、
本発明による方法を用いて本体に作用する力を決定するステップと、
決定された力を所定の最小力値および/または最大力値と比較するステップと、
決定された力が最小力値よりも大きい、かつ/または最大力値よりも小さい場合、本体の動きを許可するステップと
を有する。
【0028】
このような方法は、特定の条件が満たされている場合にのみ本体の動きが実行されるような安全機能を可能にする。特に、このようにして、デッドマンスイッチまたは確認スイッチなどの安全関連許可スイッチを実現することができる。
【0029】
好適には、本発明による方法は、本体、特にマニピュレータ、例えば、産業用ロボットまたはコボットの動きを制御するための方法へとさらに発展し、
時間の関数として、本発明による方法を用いて本体に作用する力を決定するステップと、
入力コマンドおよび/または制御コマンドのために本体に作用する力のパターンを認識するステップと
を有する。
【0030】
このような方法により、入力コマンドおよび/または制御コマンドを評価/制御部に入力することが可能になる。パターンは、指定された時間内に2回タップするなど、任意の力プロファイルを有してもよく、評価/制御部に記憶された事前プログラムされたコマンド、例えば、本体、特にマニピュレータの現在の位置の保存をもたらしてもよいか、または本体に取り付けられたアクセサリ、入力キーボードまたはコントロールパネルの操作を許可してもよい。
【0031】
以下の図に示される実施例を参照して、本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】2つのセンサ要素を有する本発明による装置の一実施形態の概略斜視図である。
図2図1による装置のコントローラの概略図である。
図3図1による装置の許可スイッチング段階の概略図である。
図4】センサ要素を有する本発明による装置の代替実施形態の概略斜視図である。
図5】制御コマンドに対して本体3に作用する力のパターンの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1は、本体3の表面3.1上に取り付けるための、少なくとも1つの、本実施例では2つのセンサ要素1、2と、評価/制御部6と、を備える、少なくとも3つの空間方向で本体3に作用する力FであるFx、Fy、Fzを決定するための本発明による装置10の実施例の概略斜視図を示す。
【0034】
図示した本体3は、例えば、マニピュレータ、例えば、産業用ロボットまたはコボットのアームまたはアームの区分などの部分セグメントであり得る。本体3は、考えられるあらゆる形状を有してもよく、さらに当然ながら、互いに対して移動可能な構成要素を有してもよい。本体7は、駆動ユニット7を含み、駆動ユニット7を使用して、本体7は、他の構成要素に対して、または地面に対してのいずれかで移動可能である。例えば、駆動ユニット7を使用して、マニピュレータのアームの部分セグメントとして構成された本体3を、マニピュレータのアームのさらなる部分セグメントに対して回転させる、かつ/または傾斜させることができる。駆動ユニット7の制御は、評価/制御部6を使用して行うことができ、評価/制御部6は、本体3の中または上のいずれかに配置することができるか、または別個のユニットとして構成することができる。
【0035】
センサ要素1、2は、それぞれ測定面1.1、2.1を有し、センサ要素1について例として示すように、測定面1.1、2.1は、個別センサ要素1.3を含む。個別センサ要素1.3は、個別センサ要素1.3の表面に対して通常垂直な1つの方向の個々の力を決定するように、または3つの空間方向の個々の力を決定するようにのいずれかで構成されている。3つの空間方向の個々の力を決定するように構成された個別センサ要素1.3を使用する場合、センサ要素1、2はそれぞれ、個別センサ要素1.3のうちの少なくとも1つ、好適には複数の個別センサ要素1.3を有する。1つの方向の個々の力を決定するように構成された個別センサ要素1.3を使用する場合、センサ要素1、2はそれぞれ、個別センサ要素1.3のうちの少なくとも3つ、好適には複数の個別センサ要素1.3を有する。
【0036】
好ましい任意選択の実施形態では、センサ要素1、2は、少なくとも15個、例えば、4×4格子状に配置された16個、特に好ましくは少なくとも20個、本実施例では24個の個別センサ要素1.3を有する。個別センサ要素1.3が1つまたは3つの空間方向の力を決定するかどうかとは無関係に、より多数の個別センサ要素1.3は、解像度を改善することができる。
【0037】
個別センサ要素1.3は、好適には、例えば、図に示されているように、同じ格子寸法の行及び列で、格子状または極配置で配置されている。特に、個別センサ要素1.3の互いに対する相対的な配向を知ることは、評価にとって本質的である。
【0038】
各センサ要素1、2について、3つの空間方向でセンサ要素1、2に作用する力Fx、Fy、Fzは、特に評価/制御部6を使用して、センサ要素1、2の仮想点1.2、2.2上への個別センサ要素1.3に作用する力の投影が行われるように決定することができる。その場合、仮想点1.2、2.2は、特に測定面1.1、2.1の上、例えば、中央にある。仮想点1.2、2.2に対する個別センサ要素1.3の個々の位置を考慮し、個別センサ要素1.3に作用する個々の力の絶対値を評価することによって、3つの空間方向でセンサ要素1、2に、特に仮想点1.2、2.2において作用する力、すなわち特に3つの力成分Fx、Fy、Fzを特定することができる。
【0039】
上述の2つのセンサ要素1、2のいずれも、3つの空間方向でセンサ要素1、2に、ひいては本体3にも作用する力を決定することを可能にする。
少なくとも3つの空間方向で本体3、特にマニピュレータに作用する力を、決定する方法では、本体3の表面3.1上に取り付けられた正確に1つのセンサ要素1、2であって、センサ要素1、2は、少なくとも3つの個別センサ要素3.1を含み、各個別センサ要素1.3は、1つの方向の個々の力を決定するように構成されているか、またはセンサ要素1、2は、3つの空間方向の個々の力を決定するように構成された少なくとも1つの個別センサ要素1.3を含む、センサ要素1、2と、評価/制御部6と、を備え、次いで、以下のステップを実行することができる。最初に、各個別センサ要素1.3に作用する各個々の力が決定される。次に、3つの空間方向でセンサ要素1、2に作用する力Fx、Fy、Fzは、センサ要素1、2の仮想点1.2、2.2に個々の力を投影することによって計算される。
【0040】
例えば、図1に示すように、本体3の表面3.1の対向する両側に配置することができる2つのセンサ要素1、2を組み合わせて評価することによって、簡単な方法で、3つの方向だけではなく6つの方向で本体3に作用する力、すなわち作用力Fx、Fy、Fz及び作用トルクMx、My、Mzを決定することができる。センサ要素1、2は、互いに距離Aを置いて配置してもよく、センサ要素1は、本体3の仮想点4に対して距離aを有してもよく、センサ要素2は、本体3の仮想点4に対して距離bを有してもよい。好適には、距離Aは、距離aと距離bとの和に相当する。6つの空間方向で本体3に作用する力を決定するために、センサ要素1、2に作用する力は、特に評価/制御部6を使用して本体3の仮想点4に投影される。仮想点4は、センサ要素1、2の測定面1.1、2.1内ではなく、測定面から離れているため、仮想点4に対する個別センサ要素1.3の位置を考慮し、個別センサ要素1.3に作用する個々の力の絶対値を評価することによって、3つの空間方向で作用する力Fx、Fy、Fzに加えて、軸の周りに作用するトルクMx、My、Mzもまた特定することができる。
【0041】
少なくとも3つ、好適には6つの空間方向で本体3、特にマニピュレータに作用する力を決定するための方法では、本体3の表面3.1上に互いに離間して取り付けられた少なくとも2つのセンサ要素1、2であって、センサ要素1、2はそれぞれ、少なくとも1つの個別センサ要素1.3を含み、各センサ要素1.3は、1つの方向の個々の力を決定するように構成されているか、またはセンサ要素1、2はそれぞれ、3つの空間方向で個々の力を決定するように構成されている少なくとも1つのセンサ要素1.3を含む、センサ要素1、2と、評価/制御部6と、を備え、次いで、以下のステップを実行することができる。最初に、センサ要素1、2について、各個別センサ要素1.3に作用する各個々の力が決定される。次に、3つの空間方向でセンサ要素1、2に作用する力は、センサ要素1、2の仮想点1.2、2.2に個々の力を投影することによって計算される。最後に、本体3に作用する力Fx、Fy、Fz及びトルクMx、My、Mzは、センサ要素1、2に作用する力を、特にセンサ要素1、2に対して離間されている本体3の仮想点4に投影することによって計算される。
【0042】
3つの空間方向だけでなく6つの空間方向で本体3に作用する力を決定するための代替的または追加の選択肢を、図4を参照して説明する。図4に図示されたセンサ要素1は、特に測定面1.2と平行に配置されている、センサ要素1に対して自由に動くように取り付けられたカバー1.4を有するという点で、図1に図示されたセンサ要素1とは異なる。カバー1.4は、例えば、本体の表面1.3に固定して配置していてもよいが、センサ要素1に対して、特に測定面1.2に対して移動可能であってもよい。したがって、使用者は、カバー1.4の外面を掴むが、カバー1.4は、個別センサ要素1.3に接続されているので、カバー1.4に加えられた力は、カバー1.4の背面を介して個別センサ要素1.3に伝達される。仮想点1.2は、測定面1.2においてカバー1.4の外面から離れており、これによって、3つの空間方向における3つの力成分Fx、Fy、Fzだけでなく、作用トルクMx、My、Mzの決定も追加して可能になる。
【0043】
少なくとも3つの空間方向で本体3、特にマニピュレータに作用する力を決定する方法では、特に図4による、本体3の表面3.1上に取り付けられたセンサ要素1であって、センサ要素1は、少なくとも3つの空間方向の個々の力を決定するように構成されている少なくとも1つの個別センサ要素1.3、または1つの方向の個々の力を決定するように構成されている少なくとも3つの個別センサ要素、及びセンサ要素1に対して自由に動くように取り付けられたカバー1.4を含む、センサ要素1と、評価/制御部6と、を有し、次いで、以下のステップを実行することができる。最初に、各個別センサ要素1.3に作用する各個々の力が決定される。次に、3つの空間方向でセンサ要素1、2に作用する力は、センサ要素1、2の仮想点1.2に個々の力を投影することによって計算され、カバー1.4と測定面1.1との間の距離が考慮される。
【0044】
図1は、センサ要素1、2を平面センサ要素1、2として示しており、平面センサ要素1、2は、図示を簡略化するために非現実的な方法で本体3の凸状表面3.1に対して接線方向に図示されている。センサ要素1、2は、本体3の表面3.1に適合することが好ましい。特に有利には、センサ要素1、2は、可撓性材料で作製されていてもよい。有利には、センサ要素1、2は、人工の触覚皮膚のように本体3に適用可能である。その場合、多数のセンサ要素1、2を本体3の表面3.1上に配置することができ、特に本体3の表面3.1の大部分、好適には表面3.1全体を覆うことができる。
【0045】
本体3の動きを制御するために、好適には、本体に作用する力に基づいて、操作変数が決定され、駆動ユニット7は、その操作変数を、作用する力の方向での本体3の対応する動きに変換する。好適には、この目的のために、特に評価/制御部6内に、図2に概略的に図示されているコントローラ5が設けられている。コントローラ5は、本体3の力のバランスの変化に基づいて、力の不均衡の方向に本体3の次の動きを実行するように企図されている。この目的のために、コントローラ5は、制御ループ5.3及び制御装置5.4を含んでもよく、制御装置5.4では入力値として、コンパレータ5.7において実際値5.1及び目標値5.6から生じる制御偏差5.8を受け取る。実際値5.1は、特にセンサ要素1、2を使用して決定された、本体3に作用する力に対応する。目標値5.6は、例えば、力のバランスによって定義されていてもよい。制御ループ5.3は、結果として、制御変数5.2を提供し、制御変数5.2は、駆動ユニット7用の操作変数を規定してもよい。制御ループ5.3では、外乱変数5.5を考慮することができる。次に実行される本体の動きは、例えば、直線運動または回転運動であり得る。運動の中心点は、運動学的変換によって本体3の任意の点、例えば、仮想点4に置かれてもよいが、他の点に置かれてもよい。その場合、評価/制御部6及び駆動ユニット7は、1つ以上の空間方向を決定することを可能にし、その結果、特定の動きを所望の空間方向で実行することができる。
【0046】
したがって、本体3に作用する力を決定するために説明した各方法に続いて、本体に作用する力は次いで、例えば、実際値5.1としてコントローラ5に導入することができ、本体3の動きを制御する方法を提供するために、実際値5.1は、目標値5.6と比較され、目標値5.6に到達するように動作制御のための操作変数が決定される。本体3の動きを制御するためのこの方法では、特に制御ループ5.3において外乱変数5.5もまた、コントローラ5において考慮することができる。
【0047】
すべてのコンポーネント間のデータ伝送及び信号伝送は、有線または無線で行うことができる。
説明した計算のそれぞれにおいて、すべての個別センサ要素1.3を評価のために考慮することができる。個別センサ要素1.3を個別センサ要素1.3′、1.3″の2つの群に分割する選択肢もあり、図1では説明のためにハッチングなしで図示されている個別センサ要素1.3′の群は、図1にハッチング付きで図示されている個別センサ要素の群1.3″とは無関係に、例えば、冗長評価を可能にするために評価することができる。各群の個別センサ要素1.3′、1.3″は、好適にはそれぞれ、格子状または極配置で配置されており、特に、格子または極配置は、互いにかみ合うように、例えば、チェス盤状に配置されている(図1または図4を参照)。複数のセンサ要素1、2の場合、各センサ要素1、2の個別の評価および/または独立した評価も可能であり、追加の妥当性チェックを実行することができる、例えば、センサ要素1、2のそれぞれに力をかけるかどうかを検証する、かつ/またはさらなる冗長性を可能にする。
【0048】
したがって、本体3に作用する力を決定するために説明した方法のそれぞれでは、本体に作用する力は、個別センサ要素1.3′の2つの群を使用して互いに独立して決定することができる。1.3″を行う。
【0049】
センサ要素1、2、特に個別センサ1.3に作用する個々の力を適切に評価することによって、さらなる安全関連機能を実現することができる。例えば、デッドマンスイッチまたは確認スイッチなどの、本体3の動きのための一般的な安全関連許可スイッチは、3つのスイッチング段階、すなわち、スイッチが作動していないスイッチング段階S1と、本体3の動きについて許可されるスイッチング段階S2と、緊急停止が行われるスイッチング段階S3と、を有することができる。この目的のために、最小力値G1及び最大力値G2を下限スイッチング閾値及び上限スイッチング閾値として定義することができ、スイッチング段階S1は、最小力値G1未満の力の場合であり、スイッチング段階S2は、最小力値G1と最大力値G2との間の力の場合であり、スイッチング段階S3は、最大力値G2を超える力の場合である(時間tの関数として、センサ要素1、2に作用する力の大きさFの例がプロットされている図3を参照)。例えば、センサ要素1、2のうちの1つについて、センサ要素1、2に作用する力の大きさFがスイッチング段階S2の範囲内にある場合、本体3の動きを許可することができる。図3に図示したように、両方のセンサ要素1、2について、センサ要素1、2に作用する力の大きさFがスイッチング段階S2の範囲内にあるときに、本体3の動きが許可される場合、安全機能は改善される。本体3を制御するための方法の一例では、最初に、本体3に作用する力は、センサ要素1、2を使用して決定することができ、続いて、決定された力、特に平均化された力の大きさFは、所定の最小力値G1および/または最大力値G2と比較され、決定された力または決定された力の大きさFが最小力値G1よりも大きい、かつ/または最大力値G2よりも小さい場合、本体3の動きが許可される。
【0050】
評価/制御部6には、本発明の一実施形態では、本体3に作用する力のパターンを制御コマンドのために記憶することができ、このパターンは、力プロファイルを時間tの関数として表す。時間tの関数として本体3に作用する力、特に時間tの関数として本体3に作用する力の大きさFは、記憶されたパターンと比較されて、そのようなパターンを認識し、その認識に続いて対応する制御コマンドに変換される。図5は、センサ要素1が2回タップされた力プロファイルの例を示す。力の最大値は、時間t1及びt2で生じる。例えば、時間間隔t2-t1が記憶されたパターンにおいて所定の時間差よりも短く、力の最大値が記憶されたパターンにおいて所定の最小限界値G1を超える場合、パターンが認識されて、そのパターンとリンクされ、評価/制御部に記憶されている対応する制御コマンドを実行することができる、例えば、本体3、例えば、マニピュレータのアームの現在位置を保存することができるか、または、例えば、入力フィールドなどの本体3に固定されたアクセサリの操作を許可することができる。
【0051】
したがって、本体3、特にマニピュレータを制御するための方法では、本体3に作用する力、特に本体3に作用する力の大きさFを時間tの関数として決定した後、入力コマンドおよび/または制御コマンドのために本体3に作用する力のパターンの認識が行われる。
【符号の説明】
【0052】
1 センサ要素
1.1 測定面
1.2 仮想点
1.3 個別センサ要素
1.3′ 個別センサ要素
1.3″ 個別センサ要素
1.4 カバー
2 センサ要素
1.1 測定面
2.1 仮想点
3 本体
3.1 表面
4 仮想点
5 コントローラ
5.1 実際値
5.2 制御変数
5.3 制御ループ
5.4 制御装置
5.5 外乱変数
5.6 目標値
5.7 コンパレータ
5.8 制御偏差
6 評価/制御部
7 駆動ユニット
10 装置
A 距離
a 距離
b 距離
F 力
Fx 力
Fy 力
Fz 力
Mx トルク
My トルク
Mz トルク
t 時間
S1 スイッチング段階
S2 スイッチング段階
S3 スイッチング段階
G1 最小力値
G2 最大力値
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】