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特表2023-543851ドリルビットを円錐接続するための低応力キャビティ出口
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  • 特表-ドリルビットを円錐接続するための低応力キャビティ出口 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-18
(54)【発明の名称】ドリルビットを円錐接続するための低応力キャビティ出口
(51)【国際特許分類】
   E21B 6/00 20060101AFI20231011BHJP
   E21B 10/00 20060101ALI20231011BHJP
【FI】
E21B6/00
E21B10/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023519717
(86)(22)【出願日】2021-09-30
(85)【翻訳文提出日】2023-05-19
(86)【国際出願番号】 EP2021076974
(87)【国際公開番号】W WO2022069652
(87)【国際公開日】2022-04-07
(31)【優先権主張番号】20199284.9
(32)【優先日】2020-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520344785
【氏名又は名称】サンドヴィック マイニング アンド コンストラクション ツールズ アクティエボラーグ
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】クラフト, コニー
(72)【発明者】
【氏名】ヤンソン, トマス
【テーマコード(参考)】
2D129
【Fターム(参考)】
2D129AA04
2D129BA03
2D129BA08
2D129BA09
2D129EC03
2D129GA02
2D129GA21
(57)【要約】
スリーブセクションと、ビットセクションとを備え、長手方向軸を有する打撃ドリルビットであって、スリーブセクションは、ビットセクションと比較して、ドリルビットの対向する端部に軸方向端部を有し、軸方向端部から、略円錐形状の内部キャビティが円錐形状のドリルロッドを受け入れて円錐摩擦接続を形成するために延在し、内部キャビティは、ドリルビットの軸方向端部と直線テーパ領域との間に延在する移行セクションを有し、移行セクションは、第1の半径TRを有する第1の湾曲領域を有し、第1の湾曲移行セクションに沿った中心点に対するその接線TTは、軸方向端部から第1の距離TDに位置決めされることを特徴とする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スリーブセクション(4)と、ビットセクション(6)とを備え、長手方向軸(30)を有する打撃ドリルビット(2)であって、
前記スリーブセクション(4)は、前記ビットセクション(6)と比較して、前記ドリルビット(2)の対向する端部に軸方向端部(18)を有し、前記軸方向端部(18)から、略円錐形状の内部キャビティ(8)が円錐形状のドリルロッドを受け入れて円錐摩擦接続を形成するために延在し、
前記内部キャビティ(8)は、前記ドリルビット(2)の前記軸方向端部(18)と直線テーパ領域(26)との間に延在する移行セクション(32)を有し、
前記移行セクション(32)は、第1の半径(TR)を有する第1の湾曲領域(20)を有し、前記第1の湾曲移行セクション(20)に沿った中心点に対するその接線(TT)は、前記軸方向端部(18)から第1の距離(TD)に位置決めされる
ことを特徴とする、打撃ドリルビット(2)。
【請求項2】
前記移行セクション(32)は、第2の半径(TR)を有する第2の湾曲セクション(22)をさらに有し、前記第2の湾曲移行セクション(22)に沿った中心点に対するその接線(TT)は、前記軸方向端部(18)から第2の距離(TD)に位置決めされ、
TD>TD、およびTR>TRである、
請求項1に記載の打撃ドリルビット(2)。
【請求項3】
TRは、0.1~1.5である、請求項1または2に記載の打撃ドリルビット(2)。
【請求項4】
TDは、0.5~5.0mmである、請求項2に記載の打撃ドリルビット(2)。
【請求項5】
TRは、0.1~1.0mmである、請求項1~4のいずれか一項に記載の打撃ドリルビット(2)。
【請求項6】
前記第1の湾曲領域(20)は、前記第2の湾曲領域(22)に直接接続する、請求項1~5のいずれか一項に記載の打撃ドリルビット(2)。
【請求項7】
前記第1の湾曲領域(20)は、第1の直線セクション(34)を介して前記第2の湾曲領域(22)に接続する、請求項1~5のいずれか一項に記載の打撃ドリルビット(2)。
【請求項8】
前記移行セクション(32)は、第3の半径(TR)を有する第3の湾曲領域(24)をさらに備え、前記第3の湾曲移行セクション(24)に沿った中心点に対するその接線(TT)は、前記軸方向端部(18)から第3の距離(TD)に位置決めされ、TD>TD、およびTR>TRである、請求項1~7のいずれか一項に記載の打撃ドリルビット(2)。
【請求項9】
前記直線テーパ領域(26)と円筒形領域(16)との間に湾曲接続セクション(40)がさらに存在する、請求項1~8のいずれか一項に記載の打撃ドリルビット(2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、削岩機に関し、より詳細には、第1の円錐形表面を有するドリルビットを備え、このドリルビットは対応する第2の円錐形表面を有するドリルロッドに接続するように適合されている、打撃削岩に使用するための削岩機に関する。
【背景技術】
【0002】
打撃穿孔では、穿孔中、ドリルビットは、ねじ接続または円錐摩擦接続によってドリルロッドに接続される。テーパ継手としても知られる円錐摩擦接続の場合、ドリルビットは、略円錐形のキャビティを有し、キャビティ内に受け入れられるべきドリルロッドの端部は、略円錐形である。
【0003】
既知の設計では、ドリルビットの円錐形キャビティの出口は、面取り部を有する直線の形態を有する。これに伴う問題は、高い応力がドリルビットにおけるキャビティの出口に形成され、この応力が領域内のドリルビットの破損のリスクを高め、その結果、ドリルビットの寿命を短くしてしまうことである。ドリルビットが破損した場合、打撃衝撃波力はもはや岩石に伝達されなくなり得るが、代わりにドリルビットとドリルロッドとの間の堅固な接続を緩めてしまう場合があり、その結果ドリルビットが空回りしたり、ドリル穴内で外れて失われたりする可能性さえある。
【0004】
US20070175671A1、GB-658631A、およびGB-860768Aは、従来技術で知られている従来の円錐摩擦接続を示している。
【0005】
したがって、解決すべき問題は、ドリルビットの性能および寿命を向上させるために、円錐形キャビティの出口の領域におけるドリルビットの応力をどのように低減するかである。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、テーパ継手において円錐形キャビティの出口の領域におけるドリルビットの応力を低減する新規かつ改善された設計を提供することである。この目的は、スリーブセクションと、ビットセクションとを備え、長手方向軸を有する打撃ドリルビットであって、スリーブセクションは、ビットセクションと比較して、ドリルビットの対向する端部に軸方向端部を有し、軸方向端部から、略円錐形状の内部キャビティが円錐形状のドリルロッドを受け入れて円錐摩擦接続を形成するために延在し、内部キャビティは、ドリルビットの軸方向端部と直線テーパ領域との間に延在する移行セクションを有し、移行セクションは、第1の半径TRを有する第1の湾曲領域を有し、第1の湾曲移行セクションに沿った中心点に対するその接線TTは、軸方向端部から第1の距離TDに位置決めされることを特徴とする、打撃ドリルビットを提供することによって達成される。
【0007】
有利には、湾曲移行セクションを含むことにより、ドリルビットの円錐形キャビティの出口の領域における応力を低減する。これは、ドリルビットが破損しにくく、したがって摩擦接続が緩んでしまうリスクを低減することを意味する。その結果、ドリルビットの寿命が長くなり、ドリルロッドに対してビットが空回りしたり、ドリルロッドから外れたりするリスクが低減される。
【0008】
好ましくは、移行セクションは、第2の半径TRを有する第2の湾曲セクションをさらに有し、第2の湾曲移行セクションに沿った中心点に対するその接線TTは、軸方向端部から第2の距離TDに位置決めされ、TD>TD、およびTR>TRである。有利には、2つの異なる半径を含むことにより、ドリルビット内の円錐形ロッドと円錐形キャビティとの間の十分な接触を維持しながら応力を低減することが可能である。
【0009】
好ましくは、TRは、0.1~1.5である。有利には、これは、ドリルビットの円錐形ロッドと円錐形キャビティとの間の緊密な接続を提供することと、応力の低減を達成することとの間の最適なバランスを提供する。
【0010】
好ましくは、TDは、0.5~5.0mmである。有利には、これは、キャビティの出口領域における応力を低減する。
【0011】
好ましくは、TRは、0.1~1.0mmである。有利には、これは、最適な応力低減を提供する。
【0012】
任意選択で、第1の湾曲領域は、第2の湾曲領域に直接接続する。有利には、この設計は、ドリルビットの円錐形キャビティの出口の領域において低レベルの応力を有する。
【0013】
あるいは、第1の湾曲領域は、第1の直線セクションを介して第2の湾曲領域に接続する。有利には、この設計は、ドリルビットの円錐形キャビティの出口の領域において低レベルの応力を有する。
【0014】
任意選択で、移行セクションは、第3の半径TRを有する第3の湾曲領域をさらに備え、第3の湾曲移行セクションに沿った中心点に対するその接線TTは、軸方向端部から第3の距離TDに位置決めされ、TD>TD、およびTR>TRである。有利には、この設計は、ドリルビットの円錐形キャビティの出口の領域において低レベルの応力を有する。
【0015】
任意選択で、直線テーパ領域と円筒形領域との間に湾曲接続セクションがさらに存在する。有利には、これは、ドリルビットのキャビティにおけるさらなる応力低減を提供する。
【0016】
ここで、本発明の具体的な実施態様を、単なる例として、添付の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】円錐形状の内部キャビティを有するドリルビットの断面図である。
図2】移行セクションが単一の半径を有する、一実施形態による移行セクションの拡大図である。
図3】移行セクションが2つの半径を有し、第1の湾曲移行領域および第2の湾曲移行領域が直接接続されている、一実施形態による移行セクションの拡大図である。
図4】移行セクションが2つの半径を有し、移行セクションの第1の湾曲移行領域および第2の湾曲移行領域が中間直線セクションを介して接続されている、一実施形態による移行セクションの拡大図である。
図5】移行セクション内に第3の湾曲移行領域がさらに存在する、一実施形態による移行セクションの拡大図である。
図6】直線テーパ領域と円筒形領域との間に湾曲接続セクションがさらに存在する、一実施形態による移行セクションを示す図である。
図7】従来技術のドリルビットの円錐形領域の応力画像を示す図である。
図8】本発明のドリルビットの円錐形領域の応力画像を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、一体化されたスリーブセクション4およびビットセクション6を備えるドリルビット2の断面図を示す。スリーブセクション4は、略円錐形状を有し、円錐形状のドリルロッド(図示せず)を受け入れるための内部キャビティ8を有する。ドリルビット2は、長手方向軸30を有する。キャビティ8は、ビットセクション6から最も遠い、ドリルビット2の軸方向端部18から開口している。キャビティ8は、ドリルビット2の軸方向端部18において最大の断面直径を有する。キャビティ8は、開口軸方向端部18から、キャビティ8を終端し、ビットセクション6に隣接して位置決めされたカップ形状の円筒形領域16まで内向きに先細になる円錐形領域14を備える。円錐形領域14は、円筒形領域16に隣接して位置決めされた直線テーパ領域26と、ドリルビット2の軸方向端部18と直線テーパセクション26との間に位置決めされた移行セクション32とを備える。
【0019】
図2は、本発明の一実施形態による移行セクション32のエリアにおけるドリルビット2の拡大図を示す。この実施形態では、移行セクション32の内部表面10は、第1の半径TRを有する第1の湾曲移行セクション20を有し、第1の湾曲移行セクション20に沿った中心点に対するその接線TTは、ドリルビット2の軸方向端部18から第1の距離TDに位置決めされる。
【0020】
図3は、図2と同様に拡大された代替の実施形態を示し、移行セクション32の内部表面10は、第1の半径TRを有する第1の湾曲移行領域20であって、第1の湾曲移行セクション20に沿った中心点に対するその接線TTは、ドリルビット2の軸方向端部18から第1の距離TDに位置決めされる第1の湾曲移行領域20と、第2の半径TRを有する第2の湾曲移行領域22であって、第2の湾曲移行セクション22に沿った中心点に対するその接線TTは、ドリルビット2の軸方向端部18から第2の距離TDに位置決めされる第2の湾曲移行領域22とを有する。本発明では、TD>TD、およびTR>TRである。TRは、0.1~1.5mm、好ましくは0.1~1.0mmである。TRは、20~300mm、好ましくは35~200mmである。TDは、0.5~5.0mm、好ましくは1.5~2.5mmである。この実施形態では、第1の湾曲移行領域20は、第2の湾曲移行領域22に直接接続され、第2の移行領域22は、直線テーパ領域26に直接接続される。
【0021】
図4は、図2と同様に拡大された代替の実施形態を示し、第1の湾曲移行領域20は、中間直線セクション34を介して第2の湾曲移行領域22に接続される。
【0022】
図5は、図2と同様に拡大された代替の実施形態を示し、移行セクション32は、第3の湾曲移行領域24をさらに備える。第3の移行領域24は、第3の半径TRを有し、第3の湾曲移行セクション24に沿った中心点に対するその接線TTは、ドリルビット2の軸方向端部18から第3の距離TDに位置決めされ、TD>TDである。TRは、TRおよびTRとは異なり、好ましくはTR>TRである。任意選択で、移行セクション32はまた、各々が異なる半径を有する、4つ以上の湾曲移行セクションを備えることができる。湾曲移行セクションの各々は、互いに直接接続することができ、中間直線セクション34を介して互いに接続することができる。
【0023】
図6は、代替の実施形態を示し、直線テーパ領域26と円筒形領域16との間に湾曲接続セクション40がさらに存在する。
【0024】
図7は、湾曲移行領域が存在しない、従来技術のドリルビットの円錐形領域14で取られたフォンミーゼス相当応力を示す。図8は、第1および第2の湾曲移行領域を有する移行セクションが存在する、本発明のドリルビットについて円錐形領域14で取られたフォンミーゼス相当応力を示す。モデルには、1つのロッドおよび1つのビットが含まれ、モデルは軸対称である。190kNの軸方向負荷がロッドの端部に加えられ、ビット面は完全に支持されている。ヤング率206GPa、ポアソン比0.3、および体積質量密度7800kg/mの弾性材料を使用した。LS-Dyna R10の陰解法を使用してモデルを解き、フォンミーゼス相当応力の画像を最大負荷で取得し、HyperView 2019を後処理として使用した。キャビティ8のドリル出口領域の出口領域における応力は、従来技術のドリルビットと比較して、本発明のドリルビットについて低減されることが分かる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】