(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-18
(54)【発明の名称】車両における乗員の安全性
(51)【国際特許分類】
B60R 21/02 20060101AFI20231011BHJP
B60R 21/00 20060101ALI20231011BHJP
B60R 21/04 20060101ALI20231011BHJP
B62D 24/00 20060101ALI20231011BHJP
B62D 21/15 20060101ALI20231011BHJP
【FI】
B60R21/02
B60R21/00 321
B60R21/04
B62D24/00
B62D21/15 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023519737
(86)(22)【出願日】2021-09-29
(85)【翻訳文提出日】2023-05-15
(86)【国際出願番号】 IB2021000676
(87)【国際公開番号】W WO2022069943
(87)【国際公開日】2022-04-07
(32)【優先日】2020-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523110536
【氏名又は名称】マウン、レイモンド ティン アウン
(74)【代理人】
【識別番号】100145241
【氏名又は名称】鈴木 康裕
(72)【発明者】
【氏名】マウン、レイモンド ティン アウン
【テーマコード(参考)】
3D203
【Fターム(参考)】
3D203AA02
3D203BC34
3D203CA04
3D203CA23
3D203CA25
3D203CA26
3D203CA29
3D203CA40
3D203DA22
3D203DA51
3D203DA55
(57)【要約】
車両フレームを有する車両において乗員の安全性を容易にするための装置は、少なくとも1人の乗員を保持するための解放可能な乗員保持器を含み、保持器は、乗員シートと、保持器支持部と、乗員シートと保持器支持部との間に結合された少なくとも1つの乗員保持器衝撃吸収部とを含む。本装置は、車両フレームに結合されるように構成された保持器取付器を含み、保持器取付器は、取付器支持部と、取付器支持部に結合され、乗員保持器の保持器支持部に解放可能に結合された少なくとも1つの解放可能コネクタとを含み、少なくとも1つの解放可能コネクタは、激しい衝突事象時に保持器支持部を解放するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両フレームを有する車両において乗員の安全性を促進するための装置であって、
少なくとも1人の乗員を保持するための解放可能な乗員保持器と、
車両フレームに結合されるように構成された保持器取付器と、
を備え、
乗員保持器は、
乗員シートと、
保持器支持部と、
乗員シートと保持器支持部の間に結合された少なくとも1つの乗員保持器衝撃吸収部と、
を有し、
保持器取付器は、
取付器支持部と、
取付器支持部に結合され、乗員保持器の保持器支持部に解放可能に結合された少なくとも一つの解放可能コネクタと、
を有し、
少なくとも一つの解放可能コネクタは、激しい衝突事象の際に保持器支持部を解放するように構成されている、
装置。
【請求項2】
激しい衝突事象の際に保持器取付器が変形可能であり、少なくとも1つの解放可能コネクタは、保持器取付器の変形時に保持器支持部を解放するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
保持器取付器の取付器支持部と保持器支持部との間に結合された1つまたは複数の張力拘束器をさらに備え、1つまたは複数の張力拘束器の各々は、
取付器支持部に結合された変形可能衝撃吸収部と、
変形可能衝撃吸収部と保持器支持部の間に結合された少なくとも1つの可撓性張力部材と、
を有し、
張力拘束器は、吸収部の変形が、少なくとも1つの可撓性張力部材の張力を解放するように構成され、保持器取付器に対する保持器支持部の移動を促進する請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
1つまたは複数の張力拘束器の変形可能衝撃吸収部の各々は、軽衝撃吸収材を含む請求項3に記載の装置。
【請求項5】
1つまたは複数の張力拘束器の変形可能衝撃吸収部の各々は、少なくとも1つのショックアブソーバを含む請求項3または4に記載の装置。
【請求項6】
1つまたは複数の張力拘束器の変形可能衝撃吸収部の各々は、少なくとも1つのバネおよび/または1つのショックアブソーバを含む請求項3乃至5のいずれかに記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明の実施形態は、乗員の安全性に関するものであり、より具体的には、車両における乗員の安全性を促進することに関する。
【背景技術】
【0002】
車両の乗員を保護するための安全装置の中には、衝突時に車両の残りの部分から分離するように設計された分離可能な安全ポッドが含まれる場合がある。しかし、そのような装置は、望ましい方法で分離を制御せず、及び/又は分離後にポッド内の乗員を十分に保護しない場合がある。
【発明の概要】
【0003】
様々な実施形態に従って、車両フレームを有する車両において乗員の安全性を促進するための装置が提供され、その装置は、少なくとも1人の乗員を保持するための解放可能な乗員保持器を含み、その保持器は、乗員シートと、保持器支持部と、乗員シートと保持器支持部との間に結合された少なくとも1つの乗員保持器衝撃吸収部とを含む。本装置は、車両フレームに結合されるように構成された保持器取付器を含み、保持器取付器は、取付器支持部と、取付器支持部に結合され、乗員保持器の保持器支持部に解放可能に結合された少なくとも1つの解放可能コネクタとを含み、少なくとも1つの解放可能コネクタは、激しい衝突事象時に保持器支持部を解放するように構成される。
【0004】
保持器取付器は、激しい衝突事象時に変形可能であってもよく、少なくとも1つの解放可能コネクタは、保持器取付器の変形時に保持器支持部を解放するように構成されていてもよい。
【0005】
本装置は、保持器取付器の取付器支持部と保持器支持部との間に結合された1つまたは複数の張力拘束器を含むことができ、1つまたは複数の張力拘束器の各々は、取付器支持部に結合された変形可能衝撃吸収部と、変形可能衝撃吸収部と保持器支持部との間に結合された少なくとも1つの可撓性張力部材とを含み、張力拘束器は、吸収部の変形が、保持器取付器に対して保持器支持部の移動を促進するように少なくとも1つの可撓性張力部材の張力を解放するよう構成される。
【0006】
1つまたは複数の張力拘束器の変形可能衝撃吸収部の各々は、軽衝撃吸収材を含むことができる。
【0007】
1つまたは複数の張力拘束器の変形可能衝撃吸収部の各々は、少なくとも1つのショックアブソーバを含むことができる。
【0008】
1つまたは複数の張力拘束器の変形可能衝撃吸収部の各々は、少なくとも1つのバネおよび/または1つのショックアブソーバを含み得る。
本発明の実施形態の他の態様および特徴は、添付の図と併せて本発明の特定の実施形態の以下の説明を検討することにより、当業者にとって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
以下は、本発明の実施形態を説明する図面である。
【
図1】
図1は、様々な実施形態による、車両における乗員の安全性を促進するための装置の概略側面図である。
【
図2】
図2は、様々な実施形態による、
図1に示す装置の概略上面図である。
【
図3】
図3は、様々な実施形態による、
図1に示す装置の概略正面図である。
【
図4】
図4は、様々な実施形態による、
図1に示す装置の一部の概略側面図である。
【
図5】
図5は、様々な実施形態による、激しい衝突事象後の
図1に示す装置の概略側面図である。
【
図6】
図6は、様々な実施形態による、軽微な衝撃を受けた後の
図1に示す装置の概略側面図である。
【
図7】
図7は、様々な実施形態による、激しい衝突事象後の
図1に示す装置の概略正面図である。
【
図8】
図8は、様々な実施形態による、極端な衝撃を受けた後の
図1に示す装置の概略側面図である。
【
図9】
図9は、様々な実施形態による、
図1に示す装置において使用され得る解放可能な乗員保持器の透視図である。
【
図10】
図10は、様々な実施形態による、
図9に示す解放可能な乗員保持器の正面図である。
【
図11】
図11は、様々な実施形態による、
図9に示す解放可能な乗員保持器の上面図である。
【
図12】
図12は、様々な実施形態による、車両における乗員の安全性を促進するための装置の概略側面図である。
【
図13】
図13は、様々な実施形態による、激しい衝突事象後の
図12に示す装置の概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1を参照すると、様々な実施形態による、車両フレーム102を有する車両100における乗員の安全性を促進するための装置10の概略図が示されている。いくつかの実施形態では、車両100は、例えば電気自動車のような軽量車両であってもよい。いくつかの実施形態では、車両100は、多くの自動車のような一つの動力エンジンを有していない場合がある。例えば、いくつかの実施形態では、動力は、例えば、数が4であってもよい電動ホイールハブ(複数可)により提供されてもよい。
【0011】
様々な実施形態において、これは、重量の大幅な減少を可能にし、および/または、1つ以上の衝撃吸収ゾーンを形成するためのスペースを提供し、いくつかの実施形態において、以下にさらに詳細に説明するように、4方向から乗員を保護するための吸収ゾーンを含むことができる。
【0012】
図1を参照すると、装置10は、車両100が衝突事象に巻き込まれていない第1の構成で側面から示されている。
【0013】
図1を参照すると、装置10は、少なくとも1人の乗員を保持するための解放可能な乗員保持器12を含む。例えば、いくつかの実施形態では、解放可能な乗員保持器12は、激しい衝突事象などの車両事故中に車両100の乗員を安全に保つための、例えば繭フレームと呼ばれることがある安全フレームを含むことがある。いくつかの実施形態では、解放可能な乗員保持器12は、前面、側面、および/または後面衝突を含むものなどの衝突時に乗員を安全に保つように構成されることができる。
【0014】
図1を参照すると、解放可能な乗員保持器12は、乗員シート14を含む。乗員シート14は、車両100の動作中に乗員15を保持するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、乗員シート14は、例えば、安全ベルトのような乗員拘束具を含むことができる。
図1を参照すると、保持器12は、保持器支持部又はフレーム16を含む。様々な実施形態において、保持器支持部又はフレーム16は、乗員シート14を保持し、乗員15を保護することができる。
【0015】
図1において、保持器支持部16は、楕円形として図式化して示されている。しかしながら、様々な実施形態において、保持器支持部16は、例えば、乗員シート14を囲む、鋼などの軽量で強度の高い材料からなるフレームを含んでもよく、これにより、激しい衝突時に保持器12が開放されたときに乗員15を保護し得る。
【0016】
様々な実施形態において、保持器支持部16は、保持器取付器60から外れた後に転がることができるような形状であってよい。例えば、いくつかの実施形態では、保持器支持部16は、卵、繭、カプセル、及び/又は転がるように構成された別の形状のものであってもよい。様々な実施形態において、保持器支持部16は、乗員15を外部衝撃から保護するための補強材を有する金属フレームを含んでもよい。いくつかの実施形態では、保持器支持部16は、本明細書に記載されるように、保持器取付器60を介して車両フレーム102に取り付けられることがある。例えば、いくつかの実施形態では、保持器支持部16は、さねはぎ継ぎの構成を使用して取り付けられてもよく、重力によって、また、保持器取付器60を歪ませるか変形させて保持器支持部16を車両フレーム102に対する位置から外すような力が十分にあるときに解放するように構成された解放可能クリップによって定位置に保持されてもよい。
【0017】
図1、
図2、及び
図3を参照すると、解放可能な乗員保持器12は、乗員シート14と保持器支持部16との間に結合された、前部乗員保持器衝撃吸収部118、後部乗員保持器衝撃吸収部218、右部乗員保持器衝撃吸収部318、左部乗員保持器衝撃吸収部418、上部乗員保持器衝撃吸収部518及び下部乗員保持器衝撃吸収部618などの乗員保持器衝撃吸収部を含む。乗員保持器衝撃吸収部の各々は、1つ以上の衝撃吸収機構を含むことができ、機械的なショックアブソーバ及びばねを含むことができる。乗員保持器衝撃吸収部の各々は、
図1、
図2及び
図3において両側矢印として図式化して示されており、
図1は側面図、
図2は上面図、
図3は正面図である。
【0018】
様々な実施形態において、乗員保持器衝撃吸収部は、機械的なショックアブソーバ及び/又はバネを含むことができる。いくつかの実施形態では、乗員保持器衝撃吸収部118、218、318、418、518及び618は、これらの2次元図では単一として示されているが、3次元(例えば、
図9~11参照)では、いずれか又は全てが少なくとも2つの衝撃吸収部又はバネを含んでいてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、下部乗員保持器衝撃吸収部618は、乗員シート14と保持器支持部16との間の乗員シート14の各コーナーに1つずつ、4つの衝撃吸収またはバネを含むことができる。
【0019】
いくつかの実施形態において、乗員保持器衝撃吸収部118及び218は、前部及び後部乗員保持器衝撃吸収部として機能し、前部及び後部衝撃又はショックに対してショック又は衝撃吸収を提供するように構成されてもよく、乗員保持器衝撃吸収部518及び618は、垂直方向乗員保持器衝撃吸収部として機能し、垂直方向ショックに対してショック又は衝撃吸収を提供するように構成されてもよく、乗員保持器衝撃吸収部318及び418は、側面乗員保持器衝撃吸収部として機能し、側面ショックに対してショック又は衝撃吸収を提供するように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、乗員保持器衝撃吸収部118及び218、318及び418、並びに518及び618は、相互に直交する方向における衝撃を吸収するように構成されてもよい。様々な実施形態において、相互に直交する衝撃吸収部の3つの組を含むことによって、あらゆる方向からの衝撃が衝撃吸収部118、218、318、418、518、及び618によって吸収されてもよい。様々な実施形態において、一緒に働くことによって、乗員保持器衝撃吸収部118、218、318、418、518および618は、あらゆる方向からの衝撃を吸収することができる。
【0020】
いくつかの実施形態において、乗員保持器衝撃吸収部118、218、318、418、518及び618は、それぞれ、例えば、ショックアブソーバ及び/又はバネを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、乗員保持器衝撃吸収部118、218、318、418、518及び618は、激しい衝突時に保持器12が解放されるときなど、衝撃又は激しい振動のような衝撃から乗員15を安全に保つのに役立つ場合がある。様々な実施形態において、乗員保持器衝撃吸収部は、乗員シート14から離れるように配置され得る。例えば、いくつかの実施形態では、乗員保持器衝撃吸収部の各々は、乗員シート14に向けられていないように整列されてもよい。様々な実施形態において、そのような構成は、乗員保持器衝撃吸収部が乗員シート14の乗員に向かって放出されることに関連する安全性の問題を回避し得る。
【0021】
図1を参照すると、装置10は、また、車両100の車両フレーム102に結合された保持器取付器60を含む。いくつかの実施形態では、保持器取付器60は、マウント(取付)システムとして機能し得る。
図4を参照すると、保持器取付器60がさらに詳細に示されている。保持器取付器60は、前部マウント支持部162と後部マウント支持部262を含む。いくつかの実施形態では、前部取付器支持部162及び後部取付器支持部262は、それらの上に載る保持器支持部16を支持するために、強く、剛性であってよい。
【0022】
様々な実施形態において、保持器取付器60は、前部及び後部取付器支持部162、262を車両フレーム102に枢動可能に結合するための前部及び後部枢動可能コネクタ166、266を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、前部および後部枢動可能コネクタ166および266は、ドアのヒンジと概ね同様に動作することができる。いくつかの実施形態では、前部および後部枢動可能コネクタ166および266はそれぞれ、激しい衝突事象の間に経験され得る閾値力またはトルクの下で枢動するように構成されたコネクタを含むことができる。様々な実施形態において、前部および後部枢動可能コネクタ166および266は、十分な応力があるときに枢動する任意のコネクタを含むことができる。
【0023】
図4を参照すると、保持器取付器60は、前部及び後部取付器支持部162及び262にそれぞれ結合され、乗員保持器12の保持器支持部16に解放可能に結合された解放可能コネクタ170及び270を含むことができる。いくつかの実施形態では、前部取付器支持部162及び後部取付器支持部262はそれぞれ、
図2に示す上面図で見ることができるように、プレートを含むことができる。いくつかの実施形態では、そのプレートは、例えば、鋼のような強力な軽量材料で作られてもよい。いくつかの実施形態では、プレートを使用することで、装置10の製造の容易性を向上させることができる。
【0024】
様々な実施形態において、解放可能コネクタ170及び270は、以下でさらに詳細に説明するように、激しい衝突事象の際に保持器支持部16を解放するように構成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、解放可能コネクタ170及び270はそれぞれ、保持器支持部16に結合された隆起部と、フロント及びリア取付器支持部162及び262(例えば、
図4に示すように)のそれぞれに結合されたそれぞれの溝部とを含むさねはぎ継ぎの構成のコネクタを含んでもよい。
【0025】
様々な実施形態において、解放可能コネクタ170および270はそれぞれ、例えば、磁気コネクタ、一致するさねはぎ継ぎのコネクタ、ある張力で破壊されるように構成されたチェーンまたはゴムもしくはプラスチックリンク、および/または閾値の力を受けたときに解放するように構成された別のコネクタなどの、追加または代替コネクタを含んでもよい。
【0026】
図3を参照すると、いくつかの実施形態では、保持器取付器60は、前部取付器支持部162及び後部取付器支持部262と概ね類似していてもよい側部取付器支持部362及び462を含み、例えば側面衝突に応答して枢動可能コネクタ366及び466上で枢動するように構成されていてもよい。保持器取付器60は、側部取付器支持部362及び462に結合された解放可能コネクタ370及び470を含んでもよい。様々な実施形態において、解放可能コネクタ170、270、370および470は、保持器取付器60の変形時に保持器支持部16を解放するように構成されてもよく、保持器取付器60は、前部、後部、および/または側部取付器支持部162、262、362および/または462の形状の変化または変形を伴ってもよい。このような変形は、車両100による激しい衝突事象が発生した際に生じる可能性がある。
【0027】
ここで
図5を参照すると、激しい衝突事象の後の車両100及び装置10の概略側面図が提供される。例えば、いくつかの実施形態では、装置10は、他の車両との、前端衝突に巻き込まれた可能性がある。
図5を参照すると、激しい衝突事象によって、前部取付器支持部162が、保持器取付器60の枢動可能コネクタ166及び解放可能コネクタ170、270、370、及び470を中心に枢動して、保持器支持部16を解放することができる。
【0028】
様々な実施形態において、保持器支持部16を解放することで、乗員を極端な力及び/又は危険から安全に保つことができる。例えば、いくつかの実施形態では、解放可能コネクタ170、270、370、及び470が保持器支持部16を解放することにより、保持器支持部16が、車両100のフレーム102に概ね固定され得る保持器取付器60に対して前方及び上方に移動できることを促進し得る。様々な実施形態において、これは、シート14の乗員に加えられる加速力を低減および/または減速させ、その結果、乗員への危害が低減される可能性がある。
【0029】
上述したように、例えば
図1~3に示される乗員保持器衝撃吸収部118、218、318、418、518及び618は、保持器支持部16から乗員15に伝達される衝撃を吸収することができる。様々な実施形態において、保持器支持部16と乗員シート14との間に乗員保持器衝撃吸収部118、218、318、418、518及び618を含むことにより、乗員15が感じる衝撃及び/又はショックが低減されうる。様々な実施形態において、乗員保持器衝撃吸収部118、218、318、418、518及び618は、解放可能な乗員保持器12が硬い表面に衝突したとき又は急に停止したときに乗員15への衝撃を軽減することができる。いくつかの実施形態では、解放可能な乗員保持器12の一般的な形状(例えば、楕円形、繭形、カプセル形、球形など)は、可撓性張力部材による車両フレーム102へのテザリング(繋留)によって制限される程度にローリングすることを可能にする場合がある。様々な実施形態において、ローリングはまた、乗員への衝撃力の一部を吸収することができる。
【0030】
図1及び
図2を参照すると、いくつかの実施形態において、装置10は、保持器取付器60の前部取付器支持部162と保持器12の保持器支持部16との間に結合された前部張力拘束器140を含むことができる。様々な実施形態において、車両100の前部は、前部張力拘束器140に含まれることがある前部バンパー120で補強されることがある。いくつかの実施形態では、前部バンパー120は、強衝撃板を含んでもよい。前部張力拘束器140は、前部取付器支持部162に結合された前部変形可能衝撃吸収部142と、前部変形可能衝撃吸収部142と保持器支持部16との間に結合された前部可撓性張力部材146とを含むことができる。いくつかの実施形態では、前部変形可能衝撃吸収部142は、ショックアブソーバ、ばね及び/又は変形可能ショックアブソーバ部材を含むことができる。いくつかの実施形態では、前部変形可能衝撃吸収部142は、4つ以上の別個のショック又は衝撃吸収部を含んでもよい。いくつかの実施形態では、前部可撓性張力部材146は、2つ以上の別個の可撓性張力部材を含んでもよい。いくつかの実施形態では、変形可能衝撃吸収部142は、衝撃または衝突の間の力を吸収するように構成された車両100または車両フレーム102の一部を含んでもよい。いくつかの実施形態では、前部可撓性張力部材146は、前部バンパー120を介して前部変形可能衝撃吸収部142に結合されてもよい。
【0031】
いくつかの実施形態では、前部可撓性張力部材146は、例えばスチールコードのような、張力下で強度があり可撓性を有する材料で作られてもよい。
図1を参照すると、いくつかの実施形態では、前部張力拘束器140は、変形可能な衝撃吸収材を含み得る前部変形可能衝撃吸収部または吸収ゾーン150などの追加の変形可能衝撃吸収部を含んでもよい。様々な実施形態において、前部変形可能衝撃吸収部142は、乗員シート14から離れるように位置決めされてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、前部変形可能衝撃吸収部142の各々は、それらが乗員シート14に向けられていないように位置合わせされてもよい。様々な実施形態において、このような構成は、前部変形可能衝撃吸収部142が乗員シート14の乗員に向かって放出されることに関連する安全上の問題を回避し得る。
【0032】
いくつかの実施形態では、
図2に示すように、衝突前の状態において、前部可撓性張力部材146は、変形可能衝撃吸収部142及び150によって高い張力で保持されて、保持器支持部16を前部取付器支持部162と接続した状態で保持するのに役立つことができる。様々な実施形態において、保持器支持部16は、重力によって、可撓性張力部材146を含む可撓性張力部材によって、及び例えば解放可能コネクタ170、270、370、及び470(例えば
図4及び
図3に示す)によって定位置に保持されてもよい。いくつかの実施形態では、変形可能衝撃吸収部142は、
図5に示すように、衝突時に変形または圧縮するように構成され得る。様々な実施形態において、前部張力拘束器140は、衝撃吸収部142及び150の変形が可撓性張力部材146の張力を解放して、保持器取付器60に対する保持器支持部16の移動を容易にするように構成されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、衝撃吸収部142及び150は、減少した長さを有するように変形するように構成されてもよく、長さの減少は、例えば
図5に示すように、可撓性張力部材146と概ね位置合わせされてもよい。
【0033】
いくつかの実施形態では、変形可能衝撃吸収部142及び150は、変形可能衝撃吸収部142及び150がその限界まで衝突中に変形又は圧縮し(変形可能衝撃吸収部142及び150は、
図5においてその限界で示されている)、その後、変形可能衝撃吸収部142及び150が力を前部取付器支持部162に伝えて、
図5に示すように、前部取付器支持部162を枢動可能コネクタ166の周りで枢動することにより保持器取付器60を変形させ得るように構成されていても良い。したがって、様々な実施形態において、変形可能衝撃吸収部142及び150は、閾値レベルの変形まで、枢動可能コネクタ166について保持器取付器60よりも剛性が低くてもよく、その後、変形可能衝撃吸収部は、保持器取付器60よりも剛性が高くてもよい。
【0034】
様々な実施形態において、衝撃吸収部142及び150と、保持器取付器60との間のこの剛性関係は、衝撃吸収部142及び150が限界レベルの変形を超えて変形した後に、解放可能乗員保持器12の解放を容易にすることができる。いくつかの実施形態では、この剛性関係は、激しい衝突事象の後に保持器12を解放することを容易にするかもしれないが、軽度の衝突事象では、変形可能衝撃吸収部142及び150は、その限界に達することなく衝撃力を吸収し、したがって、解放可能乗員保持器12が変形して外れることがない。
【0035】
例えば、いくつかの実施形態では、変形可能衝撃吸収部142および150は、最小変形長さまで変形可能または圧縮可能なばねを含むことができ、その後、ばねおよび/またはショックアブソーバに加えられる力は、概して保持器取付器60に伝達されることになる。例えば、この最小変形長さは、変形可能衝撃吸収部142及び150に含まれるばねがその最小長さの限界に達したときに到達することができる。
【0036】
図5を参照すると、保持器取付器60の変形により、解放可能コネクタ170、270、370、及び470が保持器支持部16を解放し、保持器支持部16を保持器取付器60に対して変位させている。
【0037】
様々な実施形態において、
図5に示すように、激しい衝突の後、可撓性張力部材146は、変形可能衝撃吸収部142及び150と保持器12との間に、例えば、前部バンパー120を介して結合されたままであってもよい。いくつかの実施形態では、この結合は、解放可能乗員保持器12が車両100から制御不能かつ安全でないほど離れるように保つことができる。
【0038】
図6を参照すると、前部変形可能衝撃吸収部142及び150が変形の閾値レベル(それらの限界)を超えて変形しておらず、従って保持器取付器60も変形していない、軽度の衝撃後の装置10が示されている。様々な実施形態において、そのような軽度な衝撃は、保持器取付器60から保持器12を解放することにはつながらないだろう。
【0039】
図2を参照すると、様々な実施形態において、装置10は、上述した前部張力拘束器140と概ね同様の後部張力拘束器240を含む場合がある。いくつかの実施形態では、後部張力拘束器は、車両100の後部との衝突または衝撃時に変形するように構成され得る。いくつかの実施形態では、
図5に示すように、激しい前部衝突の後、解放可能乗員保持器12の前方への勢いが、後部張力拘束器240の可撓性張力部材246を引っ張って、後部変形可能衝撃吸収部242及び250を変形させて衝撃力を吸収させ、乗員保持器12が車両100に対して前の方へ移動することができるようにすることができる。様々な実施形態において、後部変形可能衝撃吸収部242及び250のこの変形は、乗員15によって感じられる力及び衝撃を低減することができる。
【0040】
様々な実施形態において、後部張力拘束器240は、後部変形可能衝撃吸収部242及び250(ここで、後部変形可能衝撃吸収部250は衝撃吸収性材料を含むことができる)、後部バンパー240、及び後部可撓性張力部材246を含むことができる。いくつかの実施形態では、後部張力拘束器240は、後部からの衝撃から感じられる力を緩和し、前面衝突について上述したものと同様に乗員を保護することができる。
【0041】
図3を参照すると、様々な実施形態において、前部と同様に、乗員は側部衝撃から保護されることになる。装置10は、車両100の側面の衝突事象の際に、前部及び後部張力拘束器140及び240(例えば
図1及び
図2に示す)と概ね同様に作用するように構成され得る側部張力拘束器340及び440を含み得る。側部張力拘束器340および440は、衝撃吸収材を含む変形可能衝撃吸収部350および450と、変形可能衝撃吸収部342および442とをそれぞれ含み得る。側部張力拘束器340および440は、変形可能衝撃吸収部342および442と保持器支持部16との間に結合された可撓性張力部材346および446を含むことができる。
【0042】
図7を参照すると、激しい側面衝突事象の後の車両100及び装置10の概略的な正面図が示されている。例えば、いくつかの実施形態において、装置10は、例えば、側方で他の車両に衝突されるなど、側方衝突に巻き込まれる可能性がある。
図7を参照すると、激しい衝突事象は、側部取付器支持部362を保持器取付器60の枢動可能コネクタ366及び解放可能コネクタ370及び470を中心に枢動させて、保持器支持部16を解放させてもよい。
図7を参照すると、様々な実施形態において、側部張力拘束器340および440は、例えば、それぞれが少なくとも1つの強化プレートおよび/またはバーを含むことができるバンパー320および420を含むことができる。
【0043】
様々な実施形態において、バンパー120、220、320、および420は、前部、側部、または後部の衝突時の初期衝撃を受け、前部、背面、および側部の衝撃領域を活性化してより広い範囲に分散させるように配置することができる。様々な実施形態において、バンパーは、可撓性張力部材と変形可能衝撃吸収部との間に結合されることがある。
【0044】
図8を参照すると、前部変形可能衝撃吸収部142及び150が変形の閾値レベルを超えて変形し、衝撃が非常に大きかったため、後部張力拘束器240に含まれる後部変形可能衝撃吸収部242及び250も保持器12の前方への勢いによって閾値を超える変形が生じた、極度の衝撃後の装置10が示される。様々な実施形態において、このような極度な衝撃は、保持器12を保持器取付器60から解放する結果となる。いくつかの実施形態では、前部及び後部変形可能衝撃吸収部の両方のこの変形は、乗員15に加えられる力を低減し得る。
【0045】
様々な実施形態において、衝撃の力は、複数のメカニズムによって減速(吸収)され、したがって、より少ない力が乗員に加えられることができる。いくつかの実施形態では、前面衝突の場合、
1.第1の衝撃は、前部張力拘束器140によって(前部変形可能衝撃吸収部142、150によって)受け止められ、吸収されることになる。
2.第2の衝撃は、乗員保持器12の勢いが慣性によって前方に移動しているときであり、後部可撓性張力部材246の張力によって後部バンパー220を前方に引っ張り、後部変形可能衝撃吸収部242、250を作動させることになる。
3.第3の衝撃は、保持器取付器60の変形である。前部および後部衝撃吸収部の限界に達すると、取付器支持部162、262は、それぞれの枢動可能コネクタ166、266上で枢動することになる。これにより、解放可能乗員保持器12が外れる。解放可能乗員保持器12は、可撓性張力部材146、246、346、446により、車両フレーム102から遠く外れることはないだろう。解放可能乗員保持器12は、前方の障害物(例えば、木や車)や隣接する路面に衝突する可能性がある。
【0046】
様々な実施形態において、乗員は、解放可能乗員保持器12内の衝撃吸収部118、218、318、418、518及び618によってさらに保護される。前部118、後部218、側面318及び418、並びに座席の上方518及び/又は下方618の衝撃吸収部は、衝撃の発生方法に応じて作動させることができる。
【0047】
様々な実施形態において、装置10は、解放可能乗員保持器12を収容する中央部分を有してもよい。装置10の前部分は、前部バンパー120と前部変形可能衝撃吸収部142及び150とを含む前部張力拘束器140を含んでいてもよい。前部バンパー120は、衝撃をより広い範囲に分散させるように構成されたプレート、メッシュ及び/又はバーを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、前部張力拘束器140は、ハニカム材料(これは、例えば、前部変形可能衝撃吸収部150に含まれ得る)などの衝撃吸収材料、ばねおよび/または機械的ショックアブソーバ(これは、前部変形可能衝撃吸収部142に含まれ得る)を含んでいてもよい。保持器支持部16は、バンパー120と保持器支持部16との間の可撓性張力部材146によって所定の位置に保持され得る。いくつかの実施形態において、可撓性張力部材146は、例えばスチールコードのような、張力下で強度があり、かつ可撓性を有する材料で作られてもよい。様々な実施形態において、装置10は、背面及び側面のための衝撃吸収システムとして機能し得る同様の張力拘束器を含むことができる。
【0048】
図9は、
図1~8を参照して上述した解放可能乗員保持器12として使用され得る解放可能乗員保持器1012の一実施形態の3Dモデルを示す図である。本実施形態の解放可能乗員保持器1012は、乗員が乗員シート1014にいるときに乗員を保護する衝撃吸収材を含む。
図9に示す実施形態では、保持器1012は、カプセル形状である保持器支持部1016を含む。保持器1012は、前部および/または後部からの衝撃を吸収および緩和するように構成された、前部組の衝撃吸収部1118.1、1118.2、1118.3、および1118.4(この図では数で4)と、後部組の衝撃吸収部1218.1、1218.2、1218.3、および1218.4(この図では数で4)を含んでいる。保持器1012は、側面からの衝撃を緩和し得る衝撃吸収部1318.1、1318.2、1318.3、および1318.4(数は4)ならびに1418.1、1418.2、1418.3、および1418.4(数は4)の右および左組を含む。同様に、保持器1012は、上方の上部衝撃吸収部1518.1および1518.2(数で2)(
図10に示す)ならびに下方の下部衝撃吸収部1618.1および1618.2(数で2)(
図10に示す)を含み、解放可能乗員保持器1012が外れて保持器1012の垂直軸から提供される力を有するときに衝撃を緩和し得る。上述したように、様々な実施形態において、これら6組の衝撃吸収部1118.1-118.4、1218.1-1218.4、1318.1-1318.4、1418.1-1418.4、1518.1-1518.2及び1618.1-1618.2、が一緒に作用することにより全方向からの衝撃を軽減し得る。
【0049】
図9~11は、様々な実施形態による衝撃吸収部がどのように機能し得るかを示す3Dレンダリング図である。
・フロント-リアシステムである。
図11を参照すると、スライド式中間フレーム1017は、保持器支持部1016の矩形フレーム1016.1に沿って前後方向に移動することができる。前方および/または後方からの急激な衝撃が発生した場合、この前後移動は、衝撃吸収部1118.1-1118.4および1218.1-1218.4により緩和され力が吸収される。
・サイド・トゥ・サイドシステムである。
図11を参照すると、インナーフレーム1018が中間フレーム1017上で左右(右から左、左から右)に移動することがある。側面(左または右)からの急激な衝撃が発生した場合、側面から側面への移動は、衝撃吸収部1318.1~1318.4(右)および1418.1~1418.4(左)によって緩和され力が吸収される。
・アップダウン(縦軸)システムである。
図10を参照すると、乗員シート1014に接続されたシートフレーム1019は、インナーフレーム1018におけるシート1014の上下方向の移動を容易化し得る。解放可能乗員保持器1012が外れて、例えば地面、木または他の物体に衝突して衝撃が生じ、上下方向に力が与えられるとき、この方向の移動は、シートフレーム1019の上方1518.1および1518.2、下方1618.1および1618.2の衝撃吸収器によって緩和され力を吸収される。
・これらの3軸1118.1~1118.4、および1218.1~1218.4、1318.1~1318.4、および1418.1~1418.4、および1518.1~1518.2、1618.1~1618.2の衝撃吸収材により、あらゆる方向で、かつ、
図1から8に示す車両100から外された後に、解放可能乗員保持器1012が地面上で横倒しになっているときにも乗員を保護することができる。保持器1012の転がりは、解放可能乗員保持器1012を車両フレーム102にテザリング(繋留)する可撓性張力部材によって制限される場合がある。
【0050】
図10を参照すると、保持器1012は、乗員シート1014と、乗員シート1014に結合された垂直乗員保持器衝撃吸収部1518.1、1518.2、1618.1、1618.2とを含む。
【0051】
図9を参照すると、保持器1012は、矩形フレーム部分1016.1、円形フレーム部分1016.2.1、1016.2.2、及び1016.2.3、並びに半円形フレーム部分1016.3.1、1016.3.2、1016.3.3、及び1016.3.4を有する保持器支持部1016を含む。様々な実施形態において、保持器支持部1016の外側部分の凸状の湾曲は、保持器1012が
図1~8に示す保持器取付器60から外れたときに、転がることを容易にし得る。
【0052】
図10を参照すると、保持器1012は、インナーフレーム1018を含み、これに垂直乗員保持器衝撃吸収部1518.1、1518.2、1618.1、及び1618.2が結合される。
図11を参照すると、様々な実施形態において、保持器1012は、インナーフレーム1018に結合された側面又は左右の乗員保持器衝撃吸収部1318.1~1318.4(右)及び1418.1~1418.4(左)をも含む。
【0053】
図10を参照すると、保持器1012は、側部乗員保持器衝撃吸収部1318.1~1318.4(右)及び1418.1~1418.4(左)が結合される中間フレーム1017を含み、側部乗員保持器衝撃吸収部がインナーフレーム1018及び中間フレーム1017の間に結合されるようにする。いくつかの実施形態では、インナーフレーム1018は、垂直、前方、および後方支持を容易にし、中間フレーム1017に対するインナーフレーム1018の側方へのスライドを可能にするために、スライドコネクタ1017.18.1、1017.18.2、1017.18.3および1017.18.4(
図11に示す)を介して中間フレーム1017にスライド可能に結合される場合がある。いくつかの実施形態では、スライドコネクタ1017.18.1~1017.18.4は、例えば、重なり合う部分および/またはチャネルを含むことができる。
【0054】
図11を参照すると、様々な実施形態において、保持器1012は、中間フレーム1017と矩形フレーム1016.1との間に結合された前部及び後部乗員保持器衝撃吸収部1118.1~1118.4及び1218.1~1218.4を含む。いくつかの実施形態では、中間フレーム1017は、矩形フレーム1016.1に対する中間フレーム1017の垂直方向及び左右方向の支持及び前後方向のスライドを容易にするために、スライドコネクタ1016.17.1、1016.17.2、1016.17.3及び1016.17.4を介して矩形フレーム1016.1にスライド可能に結合される場合がある。いくつかの実施形態では、スライドコネクタ1016.17.1~1016.17.4は、例えば、重なり合う部分および/またはチャネルを含むことができる。
【0055】
様々な実施形態において、スライドコネクタ1017.18.1~1017.18.4および/または1016.17.1~1016.17.4を含むスライド式構成の使用は、より安定かつ/または強固な接続を容易にし得る。
【0056】
図12を参照すると、様々な実施形態による、車両フレーム2502を有する車両2504における乗員の安全性を促進するための装置2500の概略図が示されている。様々な実施形態において、装置2500は、装置2500が、
図1~8に関連して上述した保持器取付器60とは異なる保持器取付器2506を含み得ることを除いて、
図1~8に関連して上述した装置10と概して同様に機能し得る。いくつかの実施形態では、
図12に示す保持器取付器2506は、激しい衝突で変形するように構成された、変形可能なフレーム又はバーを含む取付器支持部2508を含み、乗員保持器2512の保持器支持部2510を保持器取付器2506から変位させ得る。例えば、いくつかの実施形態では、取付器支持部2508は、アルミニウムなどの強度があるが変形可能な材料で作られた変形可能なフレームまたはバーを含むことができる。様々な実施形態において、
図12に示す取付器支持部2508は、変形可能衝撃吸収部の変形の閾値レベルまでは変形可能衝撃吸収部よりも剛性が高くてもよく、その後は取付器支持部2508は剛性が低く、変形してよい。
【0057】
図13は、取付器支持部2508が変形し、乗員保持器2512が保持器取付器2506から解放された、激しい衝突事象後の装置2500を示す。
【0058】
本発明の特定の実施形態が説明および図示されたが、そのような実施形態は、本発明の例示に過ぎず、添付の請求項に従って解釈される本発明を限定するものとみなされるべきではない。
【国際調査報告】