(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-18
(54)【発明の名称】広ビーム測位のための動的アンテナアレイ角度位相偏差補償
(51)【国際特許分類】
H04B 7/06 20060101AFI20231011BHJP
H04W 8/22 20090101ALI20231011BHJP
H04W 64/00 20090101ALI20231011BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20231011BHJP
【FI】
H04B7/06 982
H04W8/22
H04W64/00 140
H04W64/00 130
H04W16/28
H04B7/06 984
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023519809
(86)(22)【出願日】2021-09-10
(85)【翻訳文提出日】2023-05-29
(86)【国際出願番号】 EP2021074884
(87)【国際公開番号】W WO2022069184
(87)【国際公開日】2022-04-07
(32)【優先日】2020-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515076873
【氏名又は名称】ノキア テクノロジーズ オサケユイチア
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【氏名又は名称】岡部 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100209808
【氏名又は名称】三宅 高志
(72)【発明者】
【氏名】ハレベク,ヨハネス
(72)【発明者】
【氏名】キーティング,ライアン
(72)【発明者】
【氏名】バルブ,オアナ-エレナ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァイルガード,ベニー
(72)【発明者】
【氏名】スヴェンセン,シモン
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067DD25
5K067DD30
5K067EE02
5K067EE08
5K067EE10
5K067JJ51
5K067KK03
(57)【要約】
広ビーム測位のための動的アンテナアレイ角度位相偏差補償のためのシステム、方法、装置、およびコンピュータプログラム製品。たとえば、いくつかの実施形態は、ユーザ機器(UE)がサービングgNBおよび/またはロケーション管理機能(LMF)に出発時間(TOD)補償値を報告し得る、マルチラウンドトリップ時間(multi-RTT)測位を提供し得る。LMFは、受信されたTOD補償値を用いてRTT計算を較正することができる。別の例として、いくつかの実施形態は、アップリンク到着時間差(UL-TDOA)測位を提供し得、ここで、LMFは、計算された支援情報をUEにシグナリングして、出発時間TOD補償値を要求し得る。UEは、TOD補償値をロケーション管理機能(LMF)に報告することができ、LMFは、TOD補償値を使用して初期相対到着時間(RTOA)推定値を補償することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ機器によって、1つ以上の参照信号に対する1つ以上の出発時間補償値を報告する能力の指示を送信するステップであって、前記1つ以上の出発時間補償値は、測位手順に関連付けられるステップと、
前記1つ以上の参照信号に対する前記1つ以上の出発時間補償値を決定するステップと、
前記1つ以上の参照信号についての前記1つ以上の出発時間補償値を含む報告を送信するステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記1つ以上の参照信号は、1つ以上のサウンディング参照信号を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記指示は、1つ以上の出発時間推定精度値を報告する能力の指示をさらに含むことを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記1つ以上の出発時間補償値を決定することに関連して、前記1つ以上の参照信号の前記1つ以上の出発時間推定精度値を決定するステップをさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記1つ以上の出発時間補償値および前記1つ以上の出発時間推定精度値を決定するステップは、
1つ以上の到来角値、1つ以上の角度位相偏差値、および1つ以上の複数の角度位相偏差推定精度値に基づいて、前記1つ以上の出発時間推定精度値を決定するステップをさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記報告はさらに、前記1つ以上の角度位相偏差値または前記1つ以上の角度位相偏差推定精度値を含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記報告はさらに、前記1つ以上の出発時間推定精度値を含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項8】
支援情報および前記1つ以上の出発時間補償値の要求を受信するステップをさらに含み、
前記1つ以上の出発時間補償値を決定するステップは、
前記支援情報に基づいて前記1つ以上の出発時間補償値を決定するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記支援情報は、前記ユーザ機器が方位を認識しているときの前記ユーザ機器と1つ以上のターゲットネットワークノードとの間の角度を含み、
前記支援情報は、前記ユーザ機器の初期の修正されていない位置と、前記ユーザ機器が方位を認識していないときの1つ以上のネットワークノードの位置とを含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ユーザ機器が方位を認識していないとき、1つ以上のダウンリンク信号に基づいてサービングネットワークノードからの到来角を計算し、計算された前記到来角に基づいて1つ以上の他のネットワークノードの相対出発角を計算するステップをさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
1つ以上の参照信号に対する1つ以上の出発時間補償値を報告するユーザ機器の能力の指示をネットワークノードによって受信するステップであって、前記1つ以上の出発時間補償値は、測位計算を決定することに関連付けられるステップと、
前記1つ以上の参照信号に対する前記1つ以上の出発時間補償値を含む報告を受信するステップと、
少なくとも前記1つ以上の出発時間補償値に基づいて前記測位計算を決定するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項12】
前記1つ以上の参照信号は、1つ以上のサウンディング参照信号を含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記指示は、前記1つ以上の参照信号についての1つ以上の出発時間推定精度値を報告する能力の指示をさらに含むことを特徴とする請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
前記報告はさらに、前記1つ以上の出発時間推定精度値を含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記測位計算を決定することは、前記1つ以上の出発時間補償値に基づいて前記測位計算を決定するステップをさらに含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。。
【請求項16】
前記測位計算を決定することは、前記1つ以上の出発時間補償値および前記1つ以上の出発時間推定精度値を用いて前記測位計算を補償することによって前記測位計算を決定するステップをさらに含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。。
【請求項17】
前記測位計算を決定することは、前記1つ以上の出発時間補償値で前記測位計算を補償することによって前記測位計算を決定するステップをさらに含むことを特徴とする請求項11~16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記1つ以上の出発時間補償値に基づいて測位評価を実行するステップをさらに含むことを特徴とする請求項11~17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記測位評価を実行するステップは、
1つ以上の出発時間推定精度値に基づいて前記測位評価を実行するステップをさらに含むことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記報告は、1つ以上の出発時間推定精度値と関連付けられた1つ以上のインデックス付き角度位相偏差推定精度値をさらに含み、または、
前記報告は、前記1つ以上の出発時間補償値に関連する1つ以上のインデックス付き角度位相偏差値をさらに含むことを特徴とする請求項11~19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記測位計算を決定することは、前記1つ以上のインデックス付き角度位相偏差推定精度値または前記1つ以上のインデックス付き角度位相偏差値に基づいて前記測位計算を決定するステップをさらに含むことを特徴とする請求項20に記載の方法。。
【請求項22】
支援情報および前記1つ以上の出発時間補償値の要求を送信するステップをさらに含み、
前記報告を受信するステップは、前記支援情報を送信した後に前記報告を受信するステップをさらに含む請求項11~21のいずれか1項に記載の方法。。
【請求項23】
前記支援情報は、前記ユーザ機器が方位を認識しているときの前記ユーザ機器と1つ以上のターゲットネットワークノードとの間の角度を含み、
前記支援情報は、前記ユーザ機器の初期の修正されていない位置と、前記ユーザ機器が方位を認識していないときの1つ以上のネットワークノードの位置とを含むことを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
少なくとも1つのプロセッサと、
コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを含む装置であって、
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記装置に少なくとも請求項1~23に記載の方法を実行させることを特徴とする装置。
【請求項25】
請求項1~23に記載の方法を実行するための手段を含むことを特徴とする装置。
【請求項26】
請求項1~23に記載の方法を実行するように構成された回路を含むことを特徴とする装置。
【請求項27】
請求項1~23に記載の方法を実行するためのプログラム命令を格納したコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
いくつかの例示的な実施形態は、概して、モバイルまたはワイヤレス電気通信システムに関し、ロングタームエボリューション(LTE)もしくは第5世代(5G)無線アクセス技術もしくは新規無線(NR)アクセス技術、または他の通信システムなどに関する。たとえば、いくつかの実施形態は、広ビーム測位のための動的アンテナアレイ角度位相偏差補償のためのシステムおよび/または方法に関連し得る。
【背景技術】
【0002】
モバイルまたはワイヤレス電気通信システムの例は、Universal Mobile Telecommunications System(UMTS)Terrestrial radio access Network(UTRAN)、Long Term Evolution(LTE)Evolved UTRAN(E-UTRAN)、LTE-Advanced(LTE-A)、MulteFire、LTE-A Pro、および/または第5世代(5G)無線アクセス技術もしくは新無線(NR)アクセス技術を含み得る。5G無線システムは、次世代(NG)の無線システムおよびネットワークアーキテクチャを指す。5Gはほとんどが新無線(NR)上に構築されるが、5G(またはNG)ネットワークはE-UTRA無線上に構築することもできる。NRは、10~20Gbit/s以上のオーダーのビットレートを提供し得、少なくとも拡張モバイルブロードバンド(eMBB)および超信頼性低レイテンシ通信(URLLC)ならびに大規模マシンタイプ通信(mMTC)をサポートし得ると推定される。NRは、モノのインターネット(IoT:Internet of Things)をサポートするために、極端なブロードバンドおよび超ロバスト、低レイテンシの接続性および大規模ネットワーキングを送達することが期待される。IoTおよびマシンツーマシン(M2M)通信がより広く普及するにつれて、より低い電力、低いデータレート、および長いバッテリ寿命の必要性を満たすネットワークの必要性が高まるであろう。5Gでは、ユーザ機器に無線アクセス機能を提供することができるノード(すなわち、UTRANにおけるノードBまたはLTEにおけるeNBに類似する)は、NR無線上で構築されるとき、gNBと名付けられ得、E-UTRA無線上で構築されるとき、NG-eNBと名付けられ得ることに留意されたい。
【発明の概要】
【0003】
第1の実施形態によれば、方法は、1つ以上の参照信号についての1つ以上の出発時間補償値を報告する能力の指示を送信することを含み得る。1つ以上の出発時間補償値は、測位手順に関連付けられ得る。本方法は、1つ以上の参照信号についての1つ以上の出発時間補償値を決定することを含み得る。本方法は、1つ以上の参照信号についての1つ以上の出発時間補償値を備える報告を送信することを含み得る。
【0004】
変形形態では、1つまたは複数の参照信号は、1つ以上のサウンディング参照信号を含み得る。変形形態では、指示は、1つ以上の出発時間推定精度値を報告する能力の指示をさらに含むことができる。変形形態では、方法は、1つ以上の出発時間補償値を決定することに関連して、1つ以上の参照信号についての1つ以上の出発時間推定精度値を決定することを含み得る。変形形態では、1つ以上の出発時間補償値および1つ以上の出発時間推定精度値を決定することは、1つ以上の到来角値、1つ以上の角度位相偏差値、および1つ以上の角度位相偏差推定精度値に基づいて1つ以上の出発時間推定精度値を決定することを含み得る。
【0005】
変形形態では、報告はさらに、1つ以上の角度位相偏差値または1つ以上の角度位相偏差推定精度値を含んでもよい。変形形態では、報告は、1つ以上の出発時間推定精度値をさらに含むことができる。変形形態では、本方法は、支援情報と、1つ以上の出発時間補償値を求める要求とを受信することを含み得る。変形形態では、1つ以上の出発時間補償値を決定することは、支援情報に基づいて1つ以上の出発時間補償値を決定することを含み得る。
【0006】
変形形態では、支援情報は、ユーザ機器が方位を認識しているときのユーザ機器と1つ以上のターゲットネットワークノードとの間の角度を含むことができ、または支援情報は、ユーザ機器が方位を認識していないときのユーザ機器の初期の修正されていない位置および1つ以上のネットワークノードの位置を含むことができる。変形形態では、本方法は、ユーザ機器が方位を認識していないとき、1つ以上のダウンリンク信号に基づいてサービングネットワークノードからの到来角を計算することと、計算された到来角に基づいて1つ以上の他のネットワークノードの相対的な出発角を計算することとを含み得る。
【0007】
第2の実施形態によれば、方法は、1つ以上の参照信号についての1つ以上の出発時間補償値を報告するユーザ機器の能力の指示を受信することを含み得る。1つ以上の出発時間補償値は、測位計算を決定することに関連付けられ得る。本方法は、1つ以上の参照信号についての1つ以上の出発時間補償値を含む報告を受信することを含み得る。本方法は、少なくとも1つ以上の出発時間補償値に基づいて測位計算を決定することを含み得る。
【0008】
変形形態では、1つ以上の参照信号は、1つ以上のサウンディング参照信号を含み得る。変形形態では、指示は、1つ以上の参照信号についての1つ以上の出発時間推定精度値を報告する能力の指示をさらに含むことができる。変形形態では、報告は、1つ以上の出発時間推定精度値をさらに含むことができる。
【0009】
変形形態では、測位計算を決定することは、1つ以上の出発時間補償値に基づいて測位計算を決定することを含み得る。変形形態では、測位計算を決定することは、1つ以上の出発時間補償値および1つ以上の出発時間推定精度値を用いて測位計算を補償することによって測位計算を決定することを含み得る。変形形態では、測位計算を決定することは、1つ以上の出発時間補償値を用いて測位計算を補償することによって測位計算を決定することを含み得る。
【0010】
変形形態では、本方法は、1つ以上の出発時間補償値に基づいて測位評価を実行することを含み得る。変形形態では、測位評価を実行することは、1つ以上の出発時間推定精度値に基づいて測位評価を実行することを含み得る。変形形態では、報告は、1つ以上の出発時間推定精度値に関連する1つ以上のインデックス付き角度位相偏差推定精度値をさらに含んでもよく、または報告は、1つ以上の出発時間補償値に関連する1つ以上のインデックス付き角度位相偏差値をさらに含んでもよい。
【0011】
変形形態では、測位計算を決定することは、1つ以上のインデックス付き角度位相偏差推定精度値または1つ以上のインデックス付き角度位相偏差値に基づいて測位計算を決定することをさらに含むことができる。変形形態では、本方法は、支援情報および1つ以上の出発時間補償値の要求を送信することを含むことができ、報告を受信することは、支援情報を送信した後に報告を受信することをさらに含むことができる。変形形態では、支援情報は、ユーザ機器が方位を認識しているときのユーザ機器と1つ以上のターゲットネットワークノードとの間の角度を含むことができ、または支援情報は、ユーザ機器が方位を認識していないときのユーザ機器の初期の修正されていない位置および1つ以上のネットワークノードの位置を含むことができる。
【0012】
第3の実施形態は、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを備える少なくとも1つのメモリとを含む装置を対象とすることができる。少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、装置に、少なくとも第1の実施形態もしくは第2の実施形態、または上記で説明した変形形態のいずれかによる方法を実行させるように構成され得る。
【0013】
第4の実施形態は、第1の実施形態もしくは第2の実施形態、または上記で説明した変形形態のいずれかによる方法を実行するように構成された回路を含み得る装置を対象とし得る。
【0014】
第5の実施形態は、第1の実施形態もしくは第2の実施形態、または上述の変形形態のいずれかによる方法を実行するための手段を含み得る装置を対象とし得る。手段の例は、動作の実行を引き起こすための1つ以上のプロセッサ、メモリ、および/またはコンピュータプログラムコードを含み得る。
【0015】
第6の実施形態は、少なくとも第1の実施形態もしくは第2の実施形態、または上述の変形のいずれかによる方法を実行するためのプログラム命令を格納したコンピュータ可読媒体を対象とすることができる。
【0016】
第7の実施形態は、少なくとも第1の実施形態もしくは第2の実施形態による方法、または上記で説明した変形形態のいずれかを実行するための命令を符号化するコンピュータプログラム製品を対象とすることができる。
例示的な実施形態の適切な理解のために、添付の図面が参照されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】いくつかの実施形態による、UEミリ波(mmWave)アンテナアレイの角度位相偏差(APD)の例を示す図である。
【
図2】いくつかの実施形態による、マルチラウンドトリップ時間(multi-RTT)測位のための例示的な信号図である。
【
図3】いくつかの実施形態による、アップリンク到着時間差(UL-TDOA)測位のための例示的な信号図である。
【
図4】いくつかの実施形態による方法の例示的な流れ図を示す。
【
図5】いくつかの実施形態による方法の例示的な流れ図を示す。
【
図6】いくつかの実施形態による方法の例示的な流れ図を示す。
【
図7】いくつかの実施形態による方法の例示的な流れ図を示す。
【
図8】一実施形態による装置の例示的なブロック図および別の実施形態による装置の例示的なブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本明細書で概して説明され、図に図示されるような、ある例示的実施形態の構成要素は、多種多様な異なる構成で配列および設計され得ることが容易に理解されるであろう。したがって、広ビーム測位のための動的アンテナアレイ角度位相偏差補償のためのシステム、方法、装置、およびコンピュータプログラム製品のいくつかの例示的実施形態の以下の詳細な説明は、ある実施形態の範囲を限定することを意図しておらず、選択された例示的実施形態を表す。
【0019】
本明細書を通して説明される例示的実施形態の特徴、構造、または特性は、1つ以上の例示的実施形態において任意の好適な様式で組み合わせられてもよい。例えば、本明細書全体を通して、「ある実施形態」、「いくつかの実施形態」、または他の類似の言語という語句の使用は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が少なくとも1つの実施形態に含まれ得るという事実を指す。したがって、本明細書全体を通して、「ある実施形態では」、「いくつかの実施形態では」、「他の実施形態では」という語句または他の同様の言語の出現は、必ずしもすべてが実施形態の同じグループを指すとは限らず、説明される特徴、構造、または特性は、1つ以上の例示的な実施形態において任意の好適な様式で組み合わせられ得る。さらに、「セット(set of)」という語句は、参照されるセットメンバーのうちの1つ以上を含むセットを指す。したがって、語句「セット(set of)」、「1つ以上(one or more)」、および「少なくとも1つ(at least one of)」、または同等の語句は、交換可能に使用され得る。さらに、「または」は、特に明記しない限り、「および/または」を意味することが意図される。
【0020】
さらに、望むならば、以下で論じる異なる機能または動作は、異なる順序でおよび/または互いに同時に実行することができる。さらに、望むならば、記載された機能または動作の1つ以上は、任意選択であってもよく、または組み合わされてもよい。したがって、以下の説明は、いくつかの例示的な実施形態の原理および教示の単なる例示と見なされるべきであり、それらを限定するものではない。
【0021】
NRは、無線アクセス技術(RAT)依存(周波数範囲1(FR1)および周波数範囲2(FR2)の両方に対して)およびRAT非依存測位技法を提供することができる。ダウンリンク(DL)では、測位参照信号(PRS)が導入され、アップリンク(UL)では、測位のためのサウンディング参照信号(SRS)(SRS-P)が導入された。一般的な位置精度のために、サブメートル範囲は、NRにおけるターゲットであり得、産業用IoT(IIoT)ケースのための特定のターゲットは、センチメートル精度にさらに低減され得る。
【0022】
マルチRTTは、UL測定値/信号とDL測定値/信号の両方を使用することができる測位のための1つの技法である。高いレベルでは、方法は、UEにDL PRSを送信し、次いでUEがネットワークノードにSRS-Pを送信する複数のネットワークノード(gNB)で動作し得る。UEは、各セルに対するUE受信-送信(Rx-Tx)時間差を測定することができ、各ネットワークノードは、UEに対するネットワークノードRx-Tx時間差を測定する。測定値は、ロケーション管理機能(LMF)に報告され得、LMFは、次いで、UEから各ネットワークノードへのRTTを推定することができ、UEの位置を推定することができる。
【0023】
マルチRTTに加えて、UL-TDOAは、UEによって送信され、相対到着時間(RTOA)を測定する複数のネットワークノードにおいて受信されるSRS-Pに依存するUL技法であり得る。次いで、RTOAはLMFに報告され得、LMFはUEのロケーション推定値を計算することができる。
【0024】
マルチセルRTTは、同期エラーの欠如および利用可能な広い帯域幅(より良好なタイミング測定精度)により高い精度を提供し得る1つのNR測位技法である。FR2であって、UEは、DL送信とUL送信の両方をビームフォーミングすることができ、リンクバジェットを閉じる/高い経路損失をもたらすために近隣セルに向けて送信電力制御(TPC)を実行することができる。しかしながら、リンクバジェットが許すときはいつでも、UEはまた、これらのDLおよびUL送信のために広ビーム構成を使用することができ、それによって、1つのビーム内でより多くのgNBをカバーする。UEにおいて、ビームフォーミングされたDL PRS到着時間(TOA)およびビームフォーミングされたUL SRS出発時間(TOD)の評価が、正確なマルチセルRTT測位測定値を取得するために使用され得る。さらに、正確なTOA/TOD測定値を得るために、mmWaveアンテナアレイを介して受信または送信される信号の物理位相基準位置の正確な測定値を有することが重要であり得る。
【0025】
アンテナアレイ位相中心は、物理アンテナ基準点(ARP)と整合しないことがあるが、オフセットに位置し得る。UEアンテナアレイ位相中心ロケーションは、動的であり得、以下を含むいくつかの要因に敏感であり得る:1)実際のUE形状因子設計(部品、材料などの実装近接度などの物理的寸法によって影響される電流の流れを含む);2)アンテナアレイカバー(例えば、ポリカルボネート/アクリロニトリルブタジエンスチレン(PC-ABS)、ガラスなどである。);3)広ビーム構成のための到来角(AOA)および偏波;4)アンテナアレイビームステアリング角;5)1次元アンテナアレイのための湾曲形状ビームパターン上のAOA;6)使用されるビームステアリング角における偏波。
【0026】
アンテナアレイ位相中心は、数センチメートルだけ動的に変動し得、補償されないまま放置される場合、IIoTのようなセンチメートル精度用途のための位置推定精度を有意に低下させることによって障害を引き起こし得る。特徴付けによって、位相中心オフセットは、ビーム幅、AOA、および偏波にわたってアンテナパネルおよびサポートされるビーム構成についてUEに知られ得る。DLでは、狭ビーム受信と広ビーム受信の両方について、UEは、AOAをローカルに導出することができ、位相中心オフセットについてPRS TOAを補償することができる。ULでは、ビーム対応を仮定すると、UEはまた、狭ビーム構成のためのローカルSRS TOD補償を実行し得る。しかしながら、広ビームUL構成の場合、すべてのネットワークノードの方向における位相オフセットを補償することが可能でないことがあり、単一の値補償が精度を損なうことがある。このことから、最適化されたUL測位測定精度のために広ビーム動的アンテナアレイ位相中心ロケーションを補償するネットワーク支援手順が必要であることが理解され得る。
【0027】
1:8のmmWaveアンテナアレイを有するUEの例の文脈では、信号の受信/送信のための基準点は、アンテナアレイの位相中心であり得、物理アンテナ基準点(ARP)に位置し得る。位相中心が動的であり、常にARPに位置するとは限らない場合、最大化された測位推定精度のために、TOA/TOD UE基準点をARP(またはUE上の任意の他の事前定義された物理ロケーション)に戻すために、信号送信/到着時間の補償が存在しなければならないことがある。特に、狭ビーム構成において上部に取り付けられた1:8アンテナアレイを有するUEの放射位相-ファクタは、双方の偏波についてボアサイトおよび+/-50度のステアリング角、偏波およびステアリング角にわたる位相変化、ならびに各ステアリング角について湾曲形状にわたる位相変化について重要であり得る。この有意な位相変動挙動は、ステアリング角、AOA、および偏波にわたってかなりの位相中心オフセット変動をもたらし得る。位相中心オフセット変動は、数センチメートルであり得、ステアリング角、AOA、および偏波の両方に依存し得る。
【0028】
狭ビームおよび広ビーム構成の両方についてであって、アンテナアレイの位相中心位置安定性は、電流の流れが物理的設計寸法、使用される材料、および構成要素の実装近接度によって影響を受けるUE形状因子によって影響を受ける可能性がある。したがって、理想的なスタンドアロンアンテナアレイは、位相中心オフセット補償を使用する必要がない場合があるが、そのようなアンテナアレイをコーティング材料などを有するUE形状因子に実装することは、依然として、センチメートル範囲の測位精度を達成するための補償の必要性をもたらし得る。加えて、マルチアンテナパネルUEの場合、UEフォームファクタ上のパネル固有の物理的配置に起因して、パネル固有の補償が必要とされ得る。
【0029】
本明細書で説明されるいくつかの実施形態は、広ビーム測位のための動的アンテナアレイ角度位相偏差補償を提供し得る。たとえば、いくつかの実施形態は、UEがTOD補償値をサービングgNBおよび/またはLMF(また、いくつかの実施形態では、出発時間推定精度(TOD-EA)値(例えば、TOD補償値の精度の尺度)を報告することもできる)に報告し得るマルチRTT測位を提供し得る。LMFは、受信されたTOD補償値(及び/又は利用可能な場合に受信されたTOD-EA値)を用いてRTT計算を較正することができる。LMFは、受信されたTOD-EA情報に基づいて全体的な測位精度評価を実行することができる。
【0030】
別の例として、いくつかの実施形態は、LMFがTOD補償値(および/またはいくつかの実施形態では、TOD-EA値)を要求するために計算された支援情報をUEにシグナリングし得るUL-TDOA測位を提供し得る。UEは、TODおよび/またはTOD-EA値をLMFに報告することができ、LMFは、TOD補償値および/またはTOD-EA値を使用して初期RTOA推定値を補償することができる。マルチRTT測位またはUL-TDOA測位のいずれかを実行する前に、UEは、TOD補償値を報告する能力をサービングgNBにシグナリングすることができる。加えて、UEは、いくつかの実施形態では、割り当てられたSRSのためのTOD-EA値および/またはTOD補償値を報告するための能力をシグナリングし得る。UL-TDOA手順およびマルチRTT手順は、本明細書で説明するように、測位計算(たとえば、RTTまたはRTOA)を決定することに基づき得る測位手順の2つの例であり得る。
【0031】
このようにして、本明細書で説明するいくつかの実施形態は、最適化されたUL測位測定精度のために広ビーム動的アンテナアレイ位相中心ロケーションを補償するネットワーク支援手順を提供することができる。これは、UEのより正確な測位を提供し得、これは、正確な測位推定に依存するUEおよび/またはネットワークノード特徴の性能を改善する。
【0032】
図1は、いくつかの実施形態による、UEmmWaveアンテナアレイのためのAPDの例100を示す。例100は、アンテナアレイ102(例えば、mmWaveアンテナアレイ)を示す。アンテナアレイ102に関して、
図1はさらに、所与のエリアウィンドウ内で測定される所与の角度における位相中心オフセットのためのAPDを図示する。APD推定精度(APD-EA)パラメータは、APD(たとえば、APDおよびAPD-EAは、信号AOA/AODの定義されたエリアウィンドウ内で定義され得る)に関連付けられ得る。狭ビーム構成の場合、または広ビーム構成の場合の評価角度の周りの狭測定ウィンドウにおいて、位相は平坦であり得、APD-EAはゼロまたはほぼゼロであり得る。たとえば、AOAについてのAPDおよびAPD-EA値は、各UEアンテナアレイについて特徴付けられ得る。特徴付けが高分解能で行われる場合、所与のAOAについて、APD-EAは、関連付けられたAPD値についてゼロに近づき得る。限界値は、無限に高い分解能に対してゼロであり得るが、特徴付け負担と目標精度との間のトレードオフが生じ得る。したがって、より正確にAOA/AODを推定することができるほど、より正確に位相オフセットを補償することができる。
【0033】
上述したように、
図1は例として提供される。いくつかの実施形態によれば、他の例も可能である。
【0034】
図2は、いくつかの実施形態による、マルチRTT測位のための例示的な信号
図200を示す。
図2の例は、UE、サービングgNB、近隣gNB、およびLMFを示す。
【0035】
202に示すように、UEはUE報告能力を送信することができ、サービングgNBはUE能力報告を受信することができる。たとえば、UEは、サービングgNBに、TOD補償値を報告するその能力をシグナリングすることができる。いくつかの実施形態では、UEはさらに、割り当てられたSRSに対するTOD推定精度(TOD-EA)値および/またはTOD補償値をシグナリングし得る。サービングgNBは、この報告をLMFに送信することができる。204に示すように、LMFは、マルチRTT測位要求をx個のセルに送信することができ、gNBは、x個のセルにマルチRTT測位要求を受信することができ、xはセルのセットを表すことができる。たとえば、LMFは、マルチRTT測位要求をx個のセルに発行することができる。サービングgNBは、マルチRTT要求をUEに送信することができる。
【0036】
206に示すように、サービングgNBは、x個のセルのためのSRSリソース構成を送信し得、UEは、SRSリソース構成を受信し得る。例えば、シグナリングは、x個のSRSリソースでUEを構成し得る。追加または代替として、DL PRS送信はx個のセルから開始され得る。208に示すように、サービングgNBは、UEに提供されたSRS構成を含む情報を送信し得、LMFはそれを受信し得る。210に示すように、LMFは、SRS構成を備える情報を送信してよく、近隣のgNBは、SRS構成を備える情報を受信してよい。212に示すように、サービングgNBはDL PRSを送信することができ、UEはDL PRSを受信することができる。同様に、214において、近隣gNBはDL PRSを送信することができ、UEはDL PRSを受信することができる。
【0037】
216に示すように、UEは、gNB(たとえば、サービングgNBおよび近隣gNB)のDL AOAを測定することができる。いくつかの実施形態では、UEは、DL AOAについて関連するAPDをルックアップし得、ルックアップの結果に基づいてPRS TOAを補償し得る。たとえば、UEは、広ビームRxのために構成され得、x個のセルのためのDL AOAを推定し得る。UEは、セルのための関連付けられたAPDのルックアップテーブル(LUT)および/またはセルのためのAPD-EA値におけるルックアップを実行し得る。前の例を続けると、ルックアップの結果に基づいて、UEは、セルのためのPRS TOAを補償し得る。DLチャネルは多入力多出力(MIMO)であり得るので、UEはデュアル偏波受信を補償し得る。たとえば、UEは、DL偏波をキャプチャし得、各偏波を独立して補償し得る。加えて、または代替として、UEは、DL偏波をキャプチャし得、最高エネルギー偏波のためのオフセットを用いてDL偏波を補償し得る。追加または代替として、UEは、(リンクバジェットが許すとき)DL PRS測定のためにシーケンシャルシングル入力シングル出力(SISO)を使用し得る。
【0038】
218に示すように、UEは、UL偏波を選択し得る。いくつかの実施形態では、UEは、セルのための測定されたDL AOAを使用して、関連付けられたAPDをルックアップし得る。いくつかの実施形態では、UEは、セルからのSRSに対するTOD補償値を計算し得る。たとえば、UEは、広ビームTx用に構成され得る。前の例を続けると、UEは、UL偏波を選択し得、TODのための補償値を計算し得る。いくつかの実施形態では、UEはさらに、DL AOA値を使用してLUTからの関連付けられたAPD値およびAPD-EA値をインデックス付けすることによって、セルのTOD-EA値を計算し得る。
【0039】
220に示すように、UEはSRSを送信することができ、サービングgNBはSRSを受信することができる。たとえば、UEは、APDタイミング補償を適用することなくSRSを送信し得る。222に示すように、サービングgNBは、gNB Rx-Tx遅延を計算することができ、この遅延をLMFに報告することができる。たとえば、gNB Rx-Tx遅延は、gNBがSRSを受信してからPRSを送信するまでの時間であり得る。224および226において示される動作は、220および222において説明されるものと同様の様式で実行され得る。
【0040】
228に示すように、UEは、セルについてのUE Rx-Tx遅延を含む報告を送信することができ、サービングgNBは、報告を受信することができる。UE Rx-Tx遅延は、UEがPRSを受信することとSRSを送信することとの間の時間であり得る。UE Rx-TxからgNB Rx-Txを減算することは、往復時間(RTT)を与え得る。サービングgNBは、UE Rx-Tx遅延のこの報告を提供し得、LMFはそれを受信し得る。
【0041】
230に示すように、UEは、サービングgNBに、gNBのUL TOD補償値および/またはx個のセルのTOD補償値を報告することができる。いくつかの実施形態では、UEはさらに、x個のセルについてのTOD-EA値を報告し得る。サービングgNBは、この報告をLMFに提供することができる。232に示すように、LMFは、受信されたUL TOD補償値およびTOD-EA値を用いてRTT計算を補償することができる。いくつかの実施形態では、LMFは、UEによって報告されたTOD-EA値に基づいて測位精度評価を実行し得る。
【0042】
上述したように、
図2は例として提供される。いくつかの実施形態によれば、他の例も可能である。
【0043】
図3は、いくつかの実施形態による、アップリンク到着時間差(UL-TDOA)測位のための例示的な信号図である。
図3の例は、UE、サービングgNB、近隣gNB、およびLMFを示す。
【0044】
302に示すように、UEはUE能力報告を送信することができ、サービングgNBはUE能力報告を受信することができる。たとえば、UEは、サービングgNBに、TOD補償値を報告するその能力をシグナリングすることができる。いくつかの実施形態では、UEはさらに、割り当てられたSRSのTOD推定精度(TOD-EA)値をシグナリングし得る。サービングgNBは、この報告をLMFに送信することができる。304に示すように、LMFは、x個のセルにUL-TDOA測位要求を送信することができ、gNBは、UL-TDOA測位要求を受信することができ、xはセルのセットを表すことができる。たとえば、LMFは、x個のセルにUL-TDOA測位要求を発行し得る。サービングgNBは、UL-TDOA要求をUEに送信することができる。
【0045】
306に示すように、サービングgNBは、x個のセルのためのSRSリソースの構成を送信し得、UEは、SRSリソースの構成を受信し得る。例えば、シグナリングは、x個のSRSリソースでUEを構成し得る。308に示すように、サービングgNBは、UEに提供されたSRS構成を含む情報を送信することができ、LMFはそれを受信することができる。310に示すように、LMFは、SRS構成を含む情報を送信してよく、近隣のgNBは、SRS構成を含む情報を受信してよい。
【0046】
312に示すように、UEは、UL偏波を選択することができる。たとえば、UEは、広ビームTxで構成され得、UL偏波を選択し得る。314に示すように、UEはSRSを送信することができ、サービングgNBはSRSを受信することができる。例えば、UEは、APDタイミング補償を適用することなく、x個のセルにSRSを送信することができる。316に示すように、サービングgNBは、RTOAを計算することができ、計算されたRTOAをLMFに報告することができる。たとえば、x個のセルと関連付けられるgNBは、RTOAを計算することができ、計算されたRTOAをLMFに報告することができる。318および320における動作は、314および316における動作と同様の方法で実行され得る。
【0047】
322で示されるように、LMFは、初期UEロケーション(たとえば、UEの初期位置推定値)を計算することができる。いくつかの実施形態では、LMFは支援情報を計算し得る。324に示すように、LMFは送信することができ、UEはTOD補償値の要求を含む支援情報を受信することができる。たとえば、LMFは、x個のセルのためのTOD補償値を要求するために、計算された支援情報をUEにシグナリングし得る。いくつかの実施形態では、LMFは、x個のセルのためのTOD-EA値についてUEに要求し得る。UEが方位を認識している場合、この支援情報は、UEとターゲットgNBとの間の角度を含むことができる。UEが方位を認識していない場合、この支援情報は、初期の修正されていないUEロケーション(たとえば、UEの正確なロケーションがまだ知られていないことがある)およびgNBロケーションを含み得る。いくつかの実施形態では、UEは、DL信号(たとえば、同期信号ブロック(SSB))に基づいてサービングgNBからAOAを別々に計算し得る。この情報に基づいて、UEは、他のセルの相対AODを計算することができる。
【0048】
326に示すように、UEは、支援情報を使用して関連するAPD値をルックアップすることができる。たとえば、UEは、x個のセルに対するTODの補償値を計算し得る。いくつかの実施形態では、UEは、LUT中のx個のセルのための関連付けられたAPD値およびx個のセルのためのAPD-EA値をインデックス付けすることによって、x個のセルのためのTOD-EA値を計算し得る。328に示すように、UEは、UL TOD補償値を報告することができる。いくつかの実施形態では、UEはさらに、TOD補償値およびTOD-EA値を報告し得る。いくつかの実施形態では、UEは、x個のセルのAPD値を報告することができ、いくつかの実施形態では、x個のセルのAPD-EA値を報告することができる。330に示すように、LMFは、RTOA計算をTOD UL補償値およびTOD-EA値で補償することができる。たとえば、LMFは、x個のセルについての受信されたTODおよび/またはTOD-EA値を使用して、316および320からの初期RTOA推定値を補償し得る。
【0049】
上述したように、
図3は例として提供される。いくつかの実施形態によれば、他の例も可能である。
【0050】
図4は、いくつかの実施形態による、方法400の例示的なフロー図を示す。たとえば、
図4は、ネットワークノード(たとえば、
図8に示され、
図8に関して説明される装置10)の例示的な動作を示す。たとえば、ネットワークノードはLMFを含み得る。
図4に示される動作のいくつかは、
図1および
図2に示され、それらに関して説明されるいくつかの動作と同様であり得る。
【0051】
一実施形態では、方法は、402において、たとえば、
図2の202において説明された方法と同様の方法で、1つ以上の参照信号についての1つ以上の出発時間補償値を報告するユーザ機器の能力の指示を受信することを含み得る。1つ以上の出発時間補償値は、往復時間計算を決定することに関連付けられ得る。往復時間計算は測位計算の一例であり得、本明細書で説明する実施形態は、様々な測位計算および/または様々な測位計算を決定するために使用される測位手順に適用され得る。本方法は、404において、たとえば、
図2の230において説明された方法と同様の方法で、1つ以上の参照信号についての1つ以上の出発時間補償値を含む報告を受信することを含み得る。本方法は、406において、例えば、
図2の232において説明される方法と同様の方法で、少なくとも1つ以上の出発時間補償値に基づいて往復時間計算を決定することを含み得る。
【0052】
ネットワークノードは、
図4に示す方法に関連して1つ以上の他の動作を実行することができる。いくつかの実施形態では、1つ以上の参照信号は、1つ以上のサウンディング参照信号を含み得る。いくつかの実施形態では、指示は、1つ以上の参照信号についての1つ以上の出発時間推定精度値を報告する能力の指示をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、報告はさらに、1つ以上の出発時間推定精度値を含んでもよい。いくつかの実施形態では、406で決定することは、1つ以上の出発時間補償値に基づいて往復時間計算を決定することを含み得る。いくつかの実施形態では、406で決定することは、1つ以上の出発時間補償値および1つ以上の出発時間推定精度値を用いて往復時間計算を補償することによって往復時間計算を決定することを含み得る。
【0053】
いくつかの実施形態では、406における決定は、往復時間計算を1つ以上の出発時間補償値で補償することによって往復時間計算を決定することを含み得る。いくつかの実施形態では、406で実行するステップは、1つ以上の出発時間推定精度値に基づいて測位評価を実行するステップを含み得る。
【0054】
いくつかの実施形態では、報告は、1つ以上の出発時間推定精度値に関連する1つ以上のインデックス付き角度位相偏差推定精度値を更に含んでもよく、又は報告は、1つ以上の出発時間補償値に関連する1つ以上のインデックス付き角度位相偏差値を更に含んでもよい。いくつかの実施形態では、406で決定することは、1つ以上のインデックス付き角度位相偏差推定精度値または1つ以上のインデックス付き角度位相偏差値に基づいて往復時間計算を決定することを含み得る。
【0055】
上述したように、
図4は例として提供される。いくつかの実施形態によれば、他の例が可能である。
【0056】
図5は、いくつかの実施形態による方法500の例示的な流れ図を示す。たとえば、
図5は、UE(たとえば、
図8に示され、
図8に関して説明される装置20)の例示的な動作を示す。
図5に示される動作のいくつかは、
図1および
図2に示され、それらに関して説明されるいくつかの動作と同様であり得る。
【0057】
一実施形態では、方法は、502において、たとえば、
図2の202において説明された方法と同様の方法で、1つ以上の参照信号についての1つ以上の出発時間補償値を報告する能力の指示を送信することを含み得る。1つ以上の出発時間補償値は、往復時間手順に関連付けられ得る。本方法は、504において、たとえば、
図2の218において説明された方法と同様の方法で、1つ以上の参照信号についての1つ以上の出発時間補償値を決定することを含み得る。本方法は、506において、たとえば、
図2の230において説明された方法と同様の方法で、1つ以上の参照信号についての1つ以上の出発時間補償値を含む報告を送信することを含み得る。
【0058】
UEは、
図5に示す方法に関連して1つ以上の他の動作を実行することができる。いくつかの実施形態では、1つ以上の参照信号は、1つ以上のサウンディング参照信号を含み得る。いくつかの実施形態では、指示は、1つ以上の出発時間推定精度値を報告する能力の指示をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、UEは、1つ以上の出発時間補償値を決定することに関連して、1つ以上の参照信号についての1つ以上の出発時間推定精度値を決定することができる。
【0059】
いくつかの実施形態では、UEは、1つ以上の到来角値、1つ以上の角度位相偏差値、および1つ以上の角度位相偏差推定精度値に基づいて、1つ以上の出発時間推定精度値を決定することができる。いくつかの実施形態では、報告はさらに、1つ以上の角度位相偏差値または1つ以上の角度位相偏差推定精度値を含んでもよい。いくつかの実施形態では、報告はさらに、1つ以上の出発時間推定精度値を含んでもよい。
【0060】
上述したように、
図5は例として提供される。いくつかの実施形態によれば、他の例が可能である。
【0061】
図6は、いくつかの実施形態による方法600の例示的なフロー図を示す。たとえば、
図6は、ネットワークノード(たとえば、
図8に示され、
図8に関して説明される装置10)の例示的な動作を示す。たとえば、ネットワークノードはLMFを含み得る。
図6に示される動作のいくつかは、
図1および
図3に示され、それらに関して説明されるいくつかの動作と同様であり得る。
【0062】
一実施形態では、方法は、602において、たとえば、
図3の302において説明された方法と同様の方法で、1つ以上の参照信号についての1つ以上の出発時間補償値を報告するユーザ機器の能力の指示を受信することを含み得る。1つ以上の出発時間補償値は、相対到着時間計算を決定することに関連付けられ得る。相対到着時間計算は測位計算の一例であり得、本明細書で説明する実施形態は、様々な測位計算および/または様々な測位計算を決定するために使用される測位手順に適用され得る。本方法は、604において、たとえば、
図3の328において説明された方法と同様の方法で、1つ以上の参照信号についての1つ以上の出発時間補償値を含む報告を受信することを含み得る。本方法は、606において、例えば、
図3の330において説明されるのと同様の方法で、少なくとも1つ以上の出発時間補償値に基づいて相対到着時間計算を決定することを含み得る。
【0063】
ネットワークノードは、
図6に示す方法に関連して1つ以上の他の動作を実行することができる。いくつかの実施形態では、1つ以上の参照信号は、1つ以上のサウンディング参照信号を含み得る。いくつかの実施形態では、指示は、1つ以上の参照信号についての1つ以上の出発時間推定精度値を報告する能力の指示をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、報告はさらに、1つ以上の出発時間推定精度値を含んでもよい。
【0064】
いくつかの実施形態では、606における決定は、1つ以上の出発時間推定精度値に基づいて相対到着時間計算を決定することを含み得る。いくつかの実施形態では、606で決定することは、相対到着時間計算を1つ以上の出発時間推定精度値で補償することによって相対到着時間計算を決定することを含み得る。いくつかの実施形態では、606で決定することは、相対到着時間計算を1つ以上の出発時間補償値で補償することによって相対到着時間計算を決定することを含み得る。
【0065】
いくつかの実施形態では、報告は、1つ以上の出発時間推定精度値に関連する1つ以上のインデックス付き角度位相偏差推定精度値を更に含んでもよく、又は報告は、1つ以上の出発時間補償値に関連する1つ以上のインデックス付き角度位相偏差値を更に含んでもよい。いくつかの実施形態では、606で決定することは、1つ以上のインデックス付き角度位相偏差推定精度値または1つ以上のインデックス付き角度位相偏差値に基づいて相対到着時間計算を決定することを含み得る。
【0066】
いくつかの実施形態では、ネットワークノードは、支援情報および1つ以上の出発時間補償値の要求を送信することができ(たとえば、
図3の324における方法と同様の方法で)、604の受信は、支援情報を送信した後で報告を受信することを含み得る。いくつかの実施形態では、支援情報は、ユーザ機器が方位を認識しているときのユーザ機器と1つ以上のターゲットネットワークノードとの間の角度を含むことができ、または支援情報は、ユーザ機器が方位を認識していないときのユーザ機器の初期の修正されていない位置および1つ以上のネットワークノードの位置を含むことができる。
【0067】
上述したように、
図6は例として提供される。いくつかの実施形態によれば、他の例が可能である。
【0068】
図7は、いくつかの実施形態による方法700の例示的なフロー図を示す。たとえば、
図7は、UE(たとえば、
図8に示され、
図8に関して説明される装置20)の例示的な動作を示す。
図7に示される動作のいくつかは、
図1および
図3に示され、それらに関して説明されるいくつかの動作と同様であり得る。
【0069】
一実施形態では、本方法は、702において、たとえば、
図3の302において説明したのと同様の方法で、1つ以上の参照信号についての1つ以上の出発時間補償値を報告する能力の指示を送信することを含み得る。1つ以上の出発時間補償値は、相対到着時間手順に関連付けられ得る。本方法は、704において、たとえば、
図3の326において説明された方法と同様の方法で、1つ以上の参照信号についての1つ以上の出発時間補償値を決定することを含み得る。本方法は、706において、1つ以上の参照信号についての1つ以上の出発時間補償値を含む報告を送信することを含み得る。
【0070】
UEは、
図7に示す方法に関連して1つ以上の他の動作を実行することができる。いくつかの実施形態では、1つ以上の参照信号は、1つ以上のサウンディング参照信号を含み得る。いくつかの実施形態では、指示は、1つ以上の出発時間推定精度値を報告する能力の指示をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、本方法は、1つ以上の参照信号についての1つ以上の出発時間推定精度値を決定することをさらに含み得る。いくつかの実施形態では、UEは、1つ以上の到来角値、1つ以上の角度位相偏差値、および1つ以上の角度位相偏差推定精度値に基づいて、1つ以上の出発時間推定精度値を決定することができる。いくつかの実施形態では、報告はさらに、1つ以上の角度位相偏差値または1つ以上の角度位相偏差推定精度値を含んでもよい。
【0071】
いくつかの実施形態では、本方法は、(たとえば、
図3の324における方法と同様の方法で)支援情報および1つ以上の出発時間補償値の要求を受信することを含み得、704の決定は、支援情報に基づいて1つ以上の出発時間補償値を決定することを含み得る。いくつかの実施形態では、支援情報は、ユーザ機器が方位を認識しているときのユーザ機器と1つ以上のターゲットネットワークノードとの間の角度を含むことができ、または支援情報は、ユーザ機器が方位を認識していないときのユーザ機器の初期の修正されていない位置および1つ以上のネットワークノードのロケーションを含むことができる。
【0072】
いくつかの実施形態では、ユーザ機器が方位を認識していないとき、UEは、1つ以上のダウンリンク信号に基づいてサービングネットワークノードからの到来角を計算することができ、計算された到来角に基づいて1つ以上の他のネットワークノードの相対出発角を計算することができる。
【0073】
上述したように、
図7は例として提供される。いくつかの実施形態によれば、他の例が可能である。
【0074】
図8は、一実施形態による装置10の一例を示す。ある実施形態では、装置10は、通信ネットワーク内の、またはそのようなネットワークにサービスを提供するノード、ホスト、またはサーバであり得る。たとえば、装置10は、LTEネットワーク、5GまたはNRなどの無線アクセスネットワークに関連する、ネットワークノード、LMF、衛星、基地局、ノードB、発展型ノードB(eNB)、5GノードBまたはアクセスポイント、次世代ノードB(NG-NBまたはgNB)、および/またはWLANアクセスポイントであり得る。いくつかの例示的な実施形態では、装置10は、LTEにおけるeNBまたは5GにおけるgNBであり得る。
【0075】
いくつかの例示的実施形態では、装置10は、分散コンピューティングシステムとしてのエッジクラウドサーバから成ってもよく、サーバおよび無線ノードは、無線経路を介して、または有線接続を介して、相互に通信する独立型装置であってもよく、あるいは有線接続を介して通信する同じエンティティ内に位置してもよいことを理解されたい。たとえば、装置10がgNBを表すいくつかの例示的な実施形態では、それは、gNB機能を分割する中央ユニット(CU)および分散ユニット(DU)アーキテクチャにおいて構成され得る。そのようなアーキテクチャでは、CUは、ユーザデータの転送、モビリティ制御、無線アクセスネットワーク共有、測位、および/またはセッション管理などのgNB機能を含む論理ノードであり得る。CUは、フロントホールインターフェースを介してDUの動作を制御し得る。DUは、機能分割オプションに応じて、gNB機能のサブセットを含む論理ノードであり得る。当業者は、装置10が
図8に示されていない構成要素または特徴を含み得ることを理解するであろうことに留意されたい。
【0076】
図8の例に示されるように、装置10は、情報を処理し、命令または動作を実行するためのプロセッサ12を含み得る。プロセッサ12は、任意のタイプの汎用または特定用途プロセッサであり得る。実際、プロセッサ12は、例として、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、およびマルチコアプロセッサアーキテクチャに基づくプロセッサのうちの1つ以上を含み得る。
図8には単一のプロセッサ12が示されているが、他の実施形態によれば複数のプロセッサが利用されてもよい。たとえば、いくつかの実施形態では、装置10は、マルチ処理をサポートし得るマルチプロセッサシステムを形成し得る(たとえば、この場合、プロセッサ12はマルチプロセッサを表し得る)2つ以上のプロセッサを含み得ることを理解されたい。いくつかの実施形態では、マルチプロセッサシステムは、(たとえば、コンピュータクラスタを形成するために)密結合または疎結合され得る。
【0077】
プロセッサ12は、たとえば、アンテナ利得/位相パラメータのプリコーディング、通信メッセージを形成する個々のビットの符号化および復号、情報のフォーマット、ならびに通信または通信リソースの管理に関連するプロセスを含む装置10の全体的な制御を含み得る、装置10の動作に関連する機能を実行し得る。
【0078】
装置10は、プロセッサ12によって実行され得る情報および命令を記憶するための、プロセッサ12に結合され得るメモリ14(内部または外部)をさらに含むか、またはそれに結合され得る。メモリ14は、1つ以上のメモリであってよく、ローカルアプリケーション環境に適した任意のタイプのメモリであってよく、半導体ベースのメモリデバイス、磁気メモリデバイスおよびシステム、光メモリデバイスおよびシステム、固定メモリ、および/またはリムーバブルメモリなど、任意の適切な揮発性または不揮発性のデータ記憶技術を使用して実装されてよい。例えば、メモリ14は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、磁気もしくは光ディスクなどの静的ストレージ、ハードディスクドライブ(HDD)、または任意の他のタイプの持続性マシンもしくはコンピュータ可読媒体の任意の組合せで構成され得る。メモリ14に記憶された命令は、プロセッサ12によって実行されると、装置10が本明細書で説明するタスクを実行することを可能にするプログラム命令またはコンピュータプログラムコードを含み得る。
【0079】
ある実施形態では、装置10はさらに、光ディスク、USBドライブ、フラッシュドライブ、または任意の他の記憶媒体等の外部コンピュータ可読記憶媒体を受容および読み取るように構成される、ドライブまたはポート(内部または外部)を含むか、またはそれに連結されてもよい。例えば、外部コンピュータ可読記憶媒体は、プロセッサ12および/または装置10による実行のためのコンピュータプログラムまたはソフトウェアを記憶することができる。
【0080】
いくつかの実施形態では、装置10はまた、装置10との間で信号および/またはデータを送信および受信するための1つ以上のアンテナ15を含むか、またはそれに結合され得る。装置10は、情報を送信および受信するように構成されたトランシーバ18をさらに含むか、またはそれに結合され得る。トランシーバ18は、たとえば、アンテナ15に結合され得る複数の無線インターフェースを含み得る。無線インターフェースは、GSM(登録商標)、NB-IoT、LTE、5G、WLAN、Bluetooth(登録商標)、BT-LE、NFC、無線周波数識別子(RFID)、超広帯域(UWB)、MulteFireなどのうちの1つ以上を含む複数の無線アクセス技術に対応し得る。無線インターフェースは、1つ以上のダウンリンクを介した送信のためのシンボルを生成し、(たとえば、アップリンクを介して)シンボルを受信するために、フィルタ、コンバータ(例えば、デジタル/アナログ変換器などである)、マッパ、高速フーリエ変換(FFT)モジュールなどの構成要素を含み得る。
【0081】
したがって、トランシーバ18は、アンテナ15による送信のために情報を搬送波波形に変調し、装置10の他の要素によるさらなる処理のためにアンテナ15を介して受信された情報を復調するように構成され得る。他の実施形態では、トランシーバ18は、信号またはデータを直接送信および受信することが可能であり得る。追加または代替として、いくつかの実施形態では、装置10は、入力および/または出力デバイス(I/Oデバイス)を含み得る。
【0082】
ある実施形態では、メモリ14は、プロセッサ12によって実行されると機能を提供するソフトウェアモジュールを記憶し得る。モジュールは、例えば、装置10のためのオペレーティングシステム機能を提供するオペレーティングシステムを含んでもよい。メモリはまた、装置10に追加の機能を提供するために、アプリケーションまたはプログラムなどの1つ以上の機能モジュールを記憶することができる。装置10の構成要素は、ハードウェアで、またはハードウェアとソフトウェアとの任意の適切な組合せとして実装され得る。
【0083】
いくつかの実施形態によれば、プロセッサ12およびメモリ14は、処理回路または制御回路に含まれ得るか、またはその一部を形成し得る。さらに、いくつかの実施形態では、トランシーバ18は、トランシーバ回路に含まれ得るか、またはトランシーバ回路の一部を形成し得る。
【0084】
本明細書で使用する「回路」という用語は、ハードウェア専用回路実装形態(例えば、アナログおよび/またはデジタル回路である)、ハードウェア回路とソフトウェアとの組み合わせ、アナログおよび/またはデジタルハードウェア回路とソフトウェア/ファームウェアとの組み合わせ、協働して装置(たとえば、装置10)に様々な機能を実行させるソフトウェア(デジタル信号プロセッサを含む)を有するハードウェアプロセッサの任意の部分及び/又は動作のためにソフトウェアを使用するハードウェア回路及び/若しくはプロセッサ、又はそれらの部分であって、ソフトウェアが動作のために必要とされないときに存在しない場合がある、ハードウェア回路及び/若しくはプロセッサ、又はそれらの部分を指し得る。さらなる例として、本明細書で使用する「回路」という用語はまた、単にハードウェア回路もしくはプロセッサ(または複数のプロセッサ)、またはハードウェア回路もしくはプロセッサの一部、ならびにそれに付随するソフトウェアおよび/またはファームウェアの実装形態を包含し得る。回路という用語はまた、たとえば、サーバ、セルラーネットワークノードもしくはデバイス、または他のコンピューティングもしくはネットワークデバイス内のベースバンド集積回路を包含し得る。
【0085】
上記で紹介したように、いくつかの実施形態では、装置10は、基地局、アクセスポイント、ノードB、eNB、gNB、WLANアクセスポイント、LMFなどのネットワークノードまたはRANノードであり得る。
【0086】
特定の実施形態によれば、装置10は、メモリ14およびプロセッサ12によって制御されて、
図1~
図4および
図6に示されているか、またはそれらに関して説明されているいくつかの動作など、本明細書で説明されている実施形態のいずれかに関連する機能を実行することができる。たとえば、装置10は、
図4および
図6の方法を実行するためにメモリ14およびプロセッサ12によって制御され得る。
【0087】
図8は、別の実施形態による装置20の例をさらに示す。ある実施形態では、装置20は、UE、モバイル機器(ME)、移動局、モバイルデバイス、固定デバイス、IoTデバイス、または他のデバイスなど、通信ネットワーク内の、またはそのようなネットワークに関連するノードまたは要素であり得る。本明細書で説明するように、UEは、代替的に、たとえば、移動局、モバイル機器、モバイルユニット、モバイルデバイス、ユーザデバイス、加入者局、ワイヤレス端末、タブレット、スマートフォン、IoTデバイス、センサまたはNB-IoTデバイス、時計または他のウェアラブル、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)、車両、ドローンと呼ばれることがある、医療デバイスおよびその用途(例えば、遠隔手術)、産業用デバイスおよびその用途(例えば、産業用および/または自動処理チェーンコンテキストで動作するロボットおよび/または他の無線デバイス)、家庭用電子機器、商業用および/または産業用無線ネットワーク上で動作するデバイス、または同等物。一例として、装置20は、たとえば、ワイヤレスハンドヘルドデバイス、ワイヤレスプラグインアクセサリなどにおいて実装され得る。
【0088】
いくつかの例示的な実施形態では、装置20は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体(たとえば、メモリ、ストレージなど)、1つ以上の無線アクセス構成要素(たとえば、モデム、トランシーバなど)、および/またはユーザインターフェースを含み得る。いくつかの実施形態では、装置20は、GSM(登録商標)、LTE、LTE-A、NR、5G、WLAN、WiFi、NB-IoT、Bluetooth(登録商標)、NFC、MulteFire、および/または任意の他の無線アクセス技術など、1つ以上の無線アクセス技術を使用して動作するように構成され得る。当業者は、装置20が
図8に示されていない構成要素または特徴を含み得ることを理解するであろうことに留意されたい。
【0089】
図8の例に示されるように、装置20は、情報を処理し、命令または動作を実行するためのプロセッサ22を含むか、またはそれに結合され得る。プロセッサ22は、任意のタイプの汎用または特定用途プロセッサであり得る。実際、プロセッサ22は、例として、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、およびマルチコアプロセッサアーキテクチャに基づくプロセッサのうちの1つ以上を含み得る。
図8には単一のプロセッサ22が示されているが、他の実施形態によれば複数のプロセッサが利用されてもよい。たとえば、いくつかの実施形態では、装置20は、マルチ処理をサポートし得るマルチプロセッサシステムを形成し得る(たとえば、この場合、プロセッサ22はマルチプロセッサを表し得る)2つ以上のプロセッサを含み得ることを理解されたい。いくつかの実施形態では、マルチプロセッサシステムは、(たとえば、コンピュータクラスタを形成するために)密結合または疎結合され得る。
【0090】
プロセッサ22は、いくつかの例として、アンテナ利得/位相パラメータのプリコーディング、通信メッセージを形成する個々のビットの符号化および復号、情報のフォーマット化、ならびに通信リソースの管理に関連するプロセスを含む装置20の全体的な制御を含む、装置20の動作に関連する機能を実行し得る。
【0091】
装置20は、プロセッサ22によって実行され得る情報および命令を記憶するための、プロセッサ22に結合され得るメモリ24(内部または外部)をさらに含むか、またはそれに結合され得る。メモリ24は、1つ以上のメモリであってよく、ローカルアプリケーション環境に適した任意のタイプのメモリであってよく、半導体ベースのメモリデバイス、磁気メモリデバイスおよびシステム、光メモリデバイスおよびシステム、固定メモリ、および/またはリムーバブルメモリなど、任意の適切な揮発性または不揮発性のデータ記憶技術を使用して実装されてよい。例えば、メモリ24は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、磁気もしくは光ディスクなどの静的ストレージ、ハードディスクドライブ(HDD)、または任意の他のタイプの持続性マシンもしくはコンピュータ可読媒体の任意の組合せで構成され得る。メモリ24に記憶された命令は、プロセッサ22によって実行されると、装置20が本明細書で説明するタスクを実行することを可能にするプログラム命令またはコンピュータプログラムコードを含み得る。
【0092】
ある実施形態では、装置20はさらに、光ディスク、USBドライブ、フラッシュドライブ、または任意の他の記憶媒体等の外部コンピュータ可読記憶媒体を受容および読み取るように構成される、ドライブまたはポート(内部または外部)を含むか、またはそれに連結されてもよい。たとえば、外部コンピュータ可読記憶媒体は、プロセッサ22および/または装置20によって実行するためのコンピュータプログラムまたはソフトウェアを記憶することができる。
【0093】
いくつかの実施形態では、装置20はまた、装置20からダウンリンク信号を受信し、アップリンクを介して送信するための1つ以上のアンテナ25を含むか、またはそれに結合され得る。装置20は、情報を送信および受信するように構成されたトランシーバ28をさらに含み得る。トランシーバ28はまた、アンテナ25に結合された無線インターフェース(たとえば、モデム)を含み得る。無線インターフェースは、GSM(登録商標)、LTE、LTE-A、5G、NR、WLAN、NB-IoT、Bluetooth(登録商標)、BT-LE、NFC、RFID、UWBなどのうちの1つ以上を含む複数の無線アクセス技術に対応し得る。無線インターフェースは、ダウンリンクまたはアップリンクによって搬送されるOFDMAシンボルなどのシンボルを処理するために、フィルタ、コンバータ(例えば、デジタル/アナログ変換器などである)、シンボルデマッパ、信号整形構成要素、逆高速フーリエ変換(IFFT)モジュールなどの他の構成要素を含み得る。
【0094】
たとえば、トランシーバ28は、アンテナ25による送信のためにキャリア波形に関する情報を変調し、装置20の他の要素によるさらなる処理のためにアンテナ25を介して受信された情報を復調するように構成され得る。他の実施形態では、トランシーバ28は、信号またはデータを直接送信および受信することが可能であり得る。追加または代替として、いくつかの実施形態では、装置20は、入力および/または出力デバイス(I/Oデバイス)を含み得る。ある実施形態では、装置20はさらに、グラフィカルユーザインターフェースまたはタッチスクリーン等のユーザインターフェースを含んでもよい。
【0095】
ある実施形態では、メモリ24は、プロセッサ22によって実行されると機能を提供するソフトウェアモジュールを記憶する。モジュールは、例えば、装置20にオペレーティングシステム機能を提供するオペレーティングシステムを含むことができる。メモリはまた、装置20に追加の機能を提供するために、アプリケーションまたはプログラムなどの1つ以上の機能モジュールを記憶することができる。装置20の構成要素は、ハードウェアで、またはハードウェアとソフトウェアとの任意の適切な組合せとして実装され得る。例示的な実施形態によれば、装置20は、任意選択で、NRなどの任意の無線アクセス技術に従ってワイヤレスまたは有線通信リンク70を介して装置10と通信するように構成され得る。
【0096】
いくつかの実施形態によれば、プロセッサ22およびメモリ24は、処理回路または制御回路に含まれ得るか、またはその一部を形成し得る。さらに、いくつかの実施形態では、トランシーバ28は、送受信回路に含まれ得るか、または送受信回路の一部を形成し得る。上記で説明したように、いくつかの実施形態によれば、装置20は、たとえば、UE、モバイルデバイス、移動局、ME、IoTデバイスおよび/またはNB-IoTデバイスであり得る。特定の実施形態によれば、装置20は、メモリ24およびプロセッサ22によって制御されて、
図1~
図3、
図5および
図7に関して図示または説明したいくつかの動作など、本明細書で説明する実施形態のいずれかに関連する機能を実行することができる。たとえば、一実施形態では、装置20は、
図5および
図7の方法を実行するためにメモリ24およびプロセッサ22によって制御され得る。
【0097】
いくつかの実施形態では、装置(たとえば、装置10および/または装置20)は、本明細書で説明する方法または変形形態のいずれか、たとえば、
図4~
図7を参照しながら説明した方法を実行するための手段を含み得る。手段の例は、動作の実行を引き起こすための1つ以上のプロセッサ、メモリ、および/またはコンピュータプログラムコードを含み得る。
【0098】
したがって、特定の実施形態例は、既存の技術的プロセスを上回るいくつかの技術的改善、強化、および/または利点を提供する。例えば、いくつかの実施形態例の1つの利点は、UEの位置精度を向上させることである。したがって、いくつかの実施形態例の使用は、通信ネットワークおよびそれらのノードの機能の改善をもたらし、したがって、とりわけ、少なくともUE位置推定の技術分野に対する改善を構成する。
【0099】
いくつかの例示的な実施形態では、本明細書で説明する方法、プロセス、シグナリング図、アルゴリズム、またはフローチャートのいずれかの機能は、ソフトウェアおよび/またはコンピュータプログラムコード、あるいはメモリまたは他のコンピュータ可読媒体もしくは有形媒体に記憶され、プロセッサによって実行されるコードの部分によって実装され得る。
【0100】
いくつかの例示的実施形態では、装置は、少なくとも1つの演算プロセッサによって実行される、算術演算として、またはプログラムもしくはその部分(追加もしくは更新されたソフトウェアルーチンを含む)として構成される、少なくとも1つのソフトウェアアプリケーション、モジュール、ユニット、またはエンティティに含まれ得るか、またはそれらと関連付けられ得る。ソフトウェアルーチン、アプレット、およびマクロを含む、プログラム製品またはコンピュータプログラムとも呼ばれるプログラムは、任意の装置可読データ記憶媒体に記憶され得、特定のタスクを実行するためのプログラム命令を含み得る。
【0101】
コンピュータプログラム製品は、プログラムが実行されるときに、いくつかの例示的な実施形態を実行するように構成される1つ以上のコンピュータ実行可能構成要素を含み得る。1つ以上のコンピュータ実行可能構成要素は、少なくとも1つのソフトウェアコードまたはコードの部分であり得る。例示的実施形態の機能性を実装するために使用される修正および構成は、追加または更新されたソフトウェアルーチンとして実装され得るルーチンとして行われてもよい。一例では、ソフトウェアルーチンを装置にダウンロードすることができる。
【0102】
例として、ソフトウェアまたはコンピュータプログラムコードまたはコードの部分は、ソースコード形態、オブジェクトコード形態、または何らかの中間形態であり得、プログラムを搬送することができる任意のエンティティまたはデバイスであり得る、何らかの種類のキャリア、配信媒体、またはコンピュータ可読媒体に記憶され得る。そのようなキャリアは、例えば、記録媒体、コンピュータメモリ、読み取り専用メモリ、光電および/もしくは電気キャリア信号、電気通信信号、ならびに/またはソフトウェア配信パッケージを含み得る。必要とされる処理能力に応じて、コンピュータプログラムは、単一の電子デジタルコンピュータで実行されてもよく、またはいくつかのコンピュータに分散されてもよい。コンピュータ可読媒体またはコンピュータ可読記憶媒体は、非一時的媒体であり得る。
【0103】
他の例示的な実施形態では、機能は、たとえば、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルゲートアレイ(PGA)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、またはハードウェアとソフトウェアとの任意の他の組合せの使用を通じて、装置(たとえば、装置10または装置20)に含まれるハードウェアまたは回路によって実行され得る。さらに別の例示的実施形態では、機能性は、インターネットまたは他のネットワークからダウンロードされる電磁信号によって搬送することができる、非有形手段等の信号として実装されてもよい。
【0104】
例示的な実施形態によれば、ノード、デバイス、または対応する構成要素などの装置は、回路、コンピュータ、またはシングルチップコンピュータ要素などのマイクロプロセッサとして、またはチップセットとして構成され得、少なくとも、演算に使用される記憶容量を提供するためのメモリおよび/または演算を実行するための演算プロセッサを含み得る。
【0105】
本明細書で説明される例示的な実施形態は、特定の実施形態を説明することに関連して単数形または複数形の言語が使用されるかどうかにかかわらず、単数形と複数形の両方の実装形態に等しく適用される。例えば、単一のネットワークノードの動作を説明する実施形態は、ネットワークノードの複数のインスタンスを含む実施形態に等しく適用され、その逆も同様。
【0106】
当業者は、上述の例示的な実施形態が、異なる順序の動作で、および/または開示されたものとは異なる構成のハードウェア要素で実施され得ることを容易に理解するであろう。したがって、いくつかの実施形態をこれらの例示的な実施形態に基づいて説明してきたが、当業者には、例示的な実施形態の趣旨および範囲内にとどまりながら、特定の修正形態、変形形態、および代替構成が明らかであろうことが明らかであろう。
【0107】
一部用語集
AoA:到来角
APD:角度位相偏差
APD-EA:APD-推定精度
ARP:アンテナ基準点
BF:ビーム形成
DL PRS:ダウンリンク測位参照信号
gNB:5G基地局
IoT:モノのインターネット
LCS:位置サービス
LMF:位置管理機能
LPP:LTE測位プロトコル
NR:新無線(5G)
NRPPa:新規無線測位プロトコルA
PCO:位相中心オフセット
PCV:相中心変動
RS:参照信号
RSRP:参照信号受信電力
RTT:ラウンドトリップ時間
SRS:サウンディング参照信号
SRS-P:測位のためのSRS
UE:ユーザ機器
UL:アップリンク
【国際調査報告】