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特表2023-543928ハンドヘルドシャフトタイプの手術機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-18
(54)【発明の名称】ハンドヘルドシャフトタイプの手術機器
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/28 20060101AFI20231011BHJP
【FI】
A61B17/28
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023520483
(86)(22)【出願日】2021-09-29
(85)【翻訳文提出日】2023-06-05
(86)【国際出願番号】 EP2021076759
(87)【国際公開番号】W WO2022073817
(87)【国際公開日】2022-04-14
(31)【優先権主張番号】102020126015.6
(32)【優先日】2020-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502154016
【氏名又は名称】アエスキュラップ アーゲー
【住所又は居所原語表記】Am Aesculap-Platz, 78532 Tuttlingen Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マーティン ルイス
(72)【発明者】
【氏名】ベルンハルト クプファーシュミッド
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160GG08
(57)【要約】
本発明は、ハンドヘルドスライドシャフトタイプ(2)の手術機器に関し、当該手術機器は、シャフト(5)であって、シャフトの長さに亘って延びる長手方向の溝(7)が形成される、シャフト(5)と、長手方向の溝(7)内に移動可能に取り付けられ、長手方向の溝(7)内の相対移動が、溝の幅方向に長手方向の溝(7)を細くする少なくとも1つのシャフト(5)接続ピース(8)によって少なくとも部分的にガイドされる、スライド(6)と、を備え、シャフト(5)は、接続ピース(8)の領域で長手方向に洗浄凹部(10)を有し、上記洗浄凹部は、溝基部の側から、長手方向の溝(7)内に開口した径方向の貫通開口を形成している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スライドシャフトタイプのハンドヘルド手術機器(2)であって、
シャフト(5)であって、前記シャフトの長さに亘って延びる長手方向の溝(7)が形成される、シャフト(5)と、
前記長手方向の溝(7)内に変位可能に取り付けられ、前記長手方向の溝(7)内の相対変位が、前記溝の幅方向に前記長手方向の溝(7)を狭める前記シャフト(5)の少なくとも1つのクロスピース(8)によって、特に、前記溝の前記幅方向に対向して配置される少なくとも1対のクロスピース(8)によって、部分的にガイドされる、好ましくはプレート形状のスライド(6)と、を備え、
前記シャフト(5)は、溝底の側から、前記長手方向の溝(7)内に開口した径方向の貫通孔を形成する、好ましくは細長い洗浄凹部(10)を、前記クロスピース(8)の領域において長手方向に備える、ハンドヘルド手術機器。
【請求項2】
前記ハンドヘルド手術機器は、特に、前記長手方向において部分的に前記クロスピース(8)によって狭められるか、遮られる前記長手方向の溝(7)によって、前記スライド(6)と前記シャフト(5)との間で前記溝の前記幅方向に形成される洗浄用の隙間(9)を備える、請求項1に記載のハンドヘルド手術機器。
【請求項3】
洗浄用の隙間(9)は、前記溝の前記幅方向において前記スライド(6)の両側に形成されている、請求項2に記載のハンドヘルド機器。
【請求項4】
前記洗浄凹部(10)及び前記長手方向の溝(7)は、前記長手方向の溝(7)内の、前記スライド(6)が前記長手方向の溝の前記溝底に支えられる前記縦方向の領域内に配置されたとき、前記洗浄凹部(10)及び前記長手方向の溝(7)が互いに流体的に接続されるように形成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載のハンドヘルド手術機器。
【請求項5】
前記洗浄凹部(10)の長手方向の広がりは、好ましくは前記シャフトの凹状領域(11)に沿って、前記シャフト(5)の前記溝の深さ方向に外側から内側に向かって減少し、及び/又は、前記シャフト(5)の前記溝の前記幅方向に外側から内側に向かって増加するか、一定のままである、請求項1~4いずれか一項に記載のハンドヘルド手術機器。
【請求項6】
前記洗浄凹部(10)は、前記溝の前記幅方向に対して垂直な長手方向断面内で円形セグメント又は楕円形セグメントの形状を有する、請求項5に記載のハンドヘルド手術機器。
【請求項7】
前記クロスピース(8)の長手方向の広がりは、好ましくは前記クロスピースの凹状短手方向面(13)に沿って、前記シャフト(5)の前記溝の深さ方向に外側から内側に向かって、特に、前記長手方向の溝(7)の溝開口から溝底に向かって、増加する、請求項1~6のいずれか一項に記載のハンドヘルド手術機器。
【請求項8】
前記クロスピース(8)の長手方向の広がりは、好ましくは前記クロスピース(8)の前記凹状短手方向面(13)に沿って、前記シャフト(5)の前記溝の前記幅方向に内側から外側に向かって増加する、請求項7に記載のハンドヘルド手術機器。
【請求項9】
前記洗浄凹部(10)によって形成される前記貫通孔は、前記スライド(6)よりも大きい、及び/又は前記クロスピース(8)の前記領域内の前記長手方向の溝(7)よりも大きい幅の広がりを有する、請求項1~8のいずれか一項に記載のハンドヘルド手術機器。
【請求項10】
機器ハンドル(4)は、スライドシャフト(1)の近位端に取り付けられており、前記スライド(6)の相対変位を動作可能にし、
エフェクタ(3)は、前記スライドシャフト(1)の遠位端に取り付けられており、前記スライド(6)の前記相対変位によって動作可能である、請求項1~9のいずれか一項に記載のハンドヘルド手術機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、機器エフェクタに作動力又は動きを伝えるためのスライドシャフト/スライドシャフト機器を有する医療機器、特にハンドヘルド手術機器に関する。
【背景技術】
【0002】
本開示は、スライドシャフトを有する任意のタイプの手術機器に関する。そのようなスライドシャフト機器は、例えば、生検鉗子、はさみ、骨パンチ、又は同様のハンド機器であってもよい。それらは、例えば、人間又は動物の体における切断処置、剪断処置、又はクランプ処置のために使用される。この場合、スライドは、スライドシャフトの遠位端で(顎状)エフェクタを作動させるために、特に開閉するために、対応するハンドグリップを介してシャフトのガイドに沿って移動させられる。したがって、そのようなスライドシャフト機器は、スライドが、シャフトの長手方向にスライド可能に上/内部に配置された、長手方向に延びる細長シャフト/シャフトを有することを特徴とする。スライド及びシャフトは通常、シャフト上/シャフト内に配置又は形成され、且つシャフトに沿ったスライドの移動を案内するガイドを介して互いにスライド接続されているが、シャフトに対するスライドの更なる相対移動を防いでいる。そのようなスライドシャフト手術機器は、例えば、欧州特許第1363542号で既知である。
【0003】
加えて、独国特許出願公開第102009008691号は、スライドの下側の対応する突起がぴったりと合うように係合するT形状の断面を有するシャフト内に長手方向の溝を有するスライドシャフト機器を開示している。
【0004】
スライドシャフト機器の再使用を可能にするために、スライドシャフト機器を少なくとも洗浄する必要があり、及び/又は、更には多くの場合、滅菌する必要がある。しかしながら、シャフト上/シャフト内のスライドの密着したガイドにより、初めに機器をその個々の部品に分解することなく再生可能にスライドシャフトを再加工することはこれまで、可能でないか又は少なくとも困難でしかなかった。しかしながら、通常、公差が狭いスライドシャフトの分解は、個々の部品が組立中に損傷する場合があり、その結果スライドシャフト機器が、少なくとも特定の回数の分解サイクルの後、要求される公差をもはや満たさないことを意味する。この理由のため、スライドシャフト機器又はそのスライドシャフトは通常、洗浄のために分解されない。
【0005】
しかしながら、組立てられた状態で洗浄/滅菌するのに必要な自由空間をスライドシャフト内に生成するために、既知のスライドシャフトは、洗浄流体又は滅菌媒体を用いたスライドのフラッシングを改善するために、スライドを収容するシャフト内の空間を周囲と接続するシャフトの全長に沿って離間した径方向の穴を有するが、これは、シャフトの安定性を著しく低減し、多数のバリにより製造コストがかかる。数個の径方向の穴を有する代わりに、短手方向のフライス加工によって、スライドを収容する長手方向の溝を広げることができ、その結果シャフト内/シャフト上に長手方向に離間した狭い当接/接触/スライドポイントが生じ、これによって、接触ポイント間の長手方向部分においてブラシで長手方向の溝底の深さまでシャフトを洗浄できることも既知であるが、これはまだ、スライドシャフトの十分な、再生可能な、再加工可能性を保証していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の目的は、再使用を可能にするためにスライドシャフトを分解することなく再生可能な方法で再加工することができ、同時に、スライドシャフト又はスライドシャフト機器の機能性、製造容易性、高精度、及び安定性に関する要件を満たす、スライドシャフト手術機器のためのスライドシャフト及びスライドシャフト手術機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、特許請求項1の特徴を有するスライドシャフトを有する、医療機器、特にハンドヘルド手術機器によって解決される。有利な更なる発展は、従属請求項の主題である。
【0008】
したがって、本開示の核は、シャフトの長手方向の断面で見たときに凹側縁を有する実質的に三角形状の、シャフトの溝側壁とスライドとの間の、従来技術でそれ自体既知の軸方向に離間した当接/接触/スライドポイントを形成すること、更には、溝底側から、このように形成された当接/接触/スライドポイントの領域内の溝底まで、シャフト内に径方向の開口を形成することで構成されている。この構成は、従来技術よりも大きい距離に亘って、好ましくは、シャフトの軸方向の両側のそれぞれの径方向の開口を超えて、各当接/接触/スライドポイントが延びることを可能にし、それによって、径方向の開口の追加にもかかわらず、シャフトを強固に維持する。凹部により、当接/接触/スライドポイントは、非常に速く軸方向に細くなり、これは、洗浄流体及び/又は滅菌媒体を用いたフラッシングを改善し、径方向の開口を介して溝底とスライドとの間の隙間に洗浄流体及び/又は滅菌媒体が浸入することも可能にする。
【0009】
しかしながら、本実施形態の特殊性はまた、その製造容易性にある。したがって、本開示の別の核は、溝底の下から溝底を超えるまで円形セグメント形状の溝をシャフト/サークルカッターによりフライス加工することによって、軸方向に離間した当接/接触/スライドポイントを作り、その結果、溝底に実質的に矩形の開口が生じ、更には、三角形状の当接/接触/スライドポイントの1つの側縁を凹状に形成することである。好ましくは、溝底から離れる方に向いた当接/接触/スライドポイントの2つの側縁にも前述の凹形状が与えられるように、溝底の上からシャフト/シャフト溝の内にフライス加工するために同じカッターが使用される。
【0010】
より正確には、医療機器、特にハンドヘルド手術機器は、スライドシャフトを有する。スライドシャフトは、細長いシャフトと、その上で(長手方向に)変位可能である、すなわちシャフトの長手方向に沿って配置されたスライドと、を有する。スライドシャフトは、スライドシャフト機器のツールヘッド/ツール部/エフェクタの作動を、スライドシャフト機器の機器ハンドルの作動と結合するように機能する。特に、スライドシャフトは、シャフトに対するスライドの相対変位によって、ツールヘッドを作動させる、特に開閉することができるように、スライドシャフトの遠位端に配置されたツールヘッドに接続されているか又は接続可能である。加えて、スライドシャフトは、特に第2のハンドグリップに対する第1のハンドグリップの回転などの機器ハンドルの作動によってシャフトに対して長手方向にスライドが変位し得るように、機器ハンドルに接続されているか又は接続可能である。スライドは、シャフトの長手方向の溝に収容されている(長手方向に変位可能である)。長手方向の溝は、シャフトの円周側に向かって開口している。スライドは、好ましくは、例えば、スライドプレートのようなプレート形状である。シャフトに対するスライドの相対変位は、シャフトの少なくとも1つのクロスピース(当接/接触/スライドポイント)によってガイドされる。クロスピースは、両側でスライドをガイドするように、スライドの両側からセクション内で幅方向に長手方向の溝を狭める。したがって、特に、シャフトは、スライドをガイドするために溝の幅方向に互いに反対に配置された少なくとも1つの対のクロスピースを有していてもよい。好ましくは、対で配置されたクロスピース(対のクロスピース)は、溝の幅方向にスライドの厚さ分、互いに離間する。このように、スライドはその両側で、クロスピースの各対の1つのクロスピースに対してスライドし得る。スライドは、好ましくは、長手方向の溝内で溝の幅方向の中央に配置される。
【0011】
本開示によると、シャフトは、クロスピース(又は対のクロスピースのそれぞれ)の領域で長手方向に洗浄凹部(フライス加工された凹部)を有し、上記洗浄凹部は、長手方向の溝内に開口した貫通孔(矩形の径方向の開口)を形成している。特に、洗浄凹部は、径方向の溝開口から離れる方に向かってシャフトの円周側(以下、下側と称する)に開口していてもよい。洗浄凹部と長手方向の溝との間に通路を形成することによって、例えば、シャフトを通ってスライドの周囲で、上から底又は底から上への洗浄流体の流動が可能になる。洗浄凹部は、クロスピースの領域で長手方向に、すなわち、クロスピースの高さで長手方向に配置されている。長手方向の溝の他の領域よりも多くのシャフト材料が存在するクロスピースの領域に追加の洗浄凹部を配置することによって、安定性がわずかに低減されるだけであり、十分に高いシャフトの安定性は保証される。好ましくは、洗浄凹部は、フライス加工された凹部として構成/フライス加工され得る。このように、例えば、穴と比べて、より平坦な表面を作ることができ、例えば、バリの発生を低減することができる。洗浄凹部は、好ましくは、シャフト内で幅方向の中央に配置される。洗浄凹部は、好ましくは細長い。これにより、洗浄凹部のために、シャフトのより不安定な幅方向において、シャフトから可能な限り少ない材料が除去される。
【0012】
言い換えると、シャフトは、スライドが長手方向に変位可能であり、且つ(隙間によって)セクション内で長手方向に沿って幅方向に広がっているか、(クロスピースによって)部分的に幅方向に狭まっている/細くなっている、長手方向の溝を有する。したがって、隙間は、クロスピースによって長手方向に部分的に狭められているか、遮られている。これは、長手方向の溝が、対のクロスピースの2つのクロスピース間の距離、又はスライドの厚さのそれぞれに対応する基本幅を有することを意味する。加えて、長手方向の溝は、長手方向に沿ったセクション内で基本幅よりも大きい幅を有する、すなわち、長手方向の溝は、セクション内で広がっている。長手方向の溝の広がったセクション内で、スライドは、シャフトを通じてガイドされない。したがって、広がったセクション内でスライドとシャフトとの間に隙間が形成されている。隙間は、長手方向の溝の一部とみなされ得る。
【0013】
更に言い換えると、シャフトは、シャフトの上側に開口した長手方向の溝と、(上記で定められるような)シャフトの下側に開口した洗浄凹部と、を有する。それによって、洗浄凹部は、シャフト内、特に長方向の溝内に十分遠く延びているので、上側から下側への(又は下側から上側へのそれぞれの)流動、したがって洗浄性の改善が可能である。
【0014】
好ましい実施形態によると、シャフトは、好ましくは、長手方向の溝に沿ったスライドシャフトの長さ(及び/又はスライドの厚さ)に応じて、長手方向に離間した複数のクロスピース(又は対のクロスピースのそれぞれ)を有していてもよい。好ましくは、複数のクロスピース(又は対のクロスピース)は、長手方向に等しい間隔で離間する。これは、スライドがねじれるのを防止する。好ましくは、シャフトは、複数の洗浄凹部、特にクロスピース(又は対のクロスピース)ごとに1つの洗浄凹部を有する。
【0015】
好ましい実施形態によると、スライドシャフトは、特に、長手方向に部分的にクロスピースによって狭められるか、遮られる長手方向の溝によって、スライドとシャフトとの間で幅方向に形成される洗浄用の隙間を有していてもよい。隙間は、好ましくは、長手方向の溝の溝底まで延びる。特に、隙間は、幅方向においてスライドの各側に形成されていてもよい。スライドシャフト、特にスライドは、隙間を通じて洗浄されてもよい。隙間は、好ましくは細長い、すなわちシャフトの長手方向に延びる。特に、隙間は、フライス加工された凹部として形成/フライス加工されてもよい。このように、例えば、穴と比べて、より平坦な表面を生成することができ、例えば、バリの形成を低減することができる。好ましい実施形態の更なる発展によると、洗浄隙間は、スライドの洗浄を更に改善するために、幅方向においてスライドの両側に形成されていてもよい。
【0016】
好ましい実施形態によると、洗浄凹部及び長手方向の溝は、長手方向の溝内に、特に、スライドが長手方向の溝の溝底に支えられる長手方向の領域内に、スライドが配置されたとき、洗浄凹部及び長手方向の溝が互いに流体的に接続されているように形成されていてもよい。これは、洗浄凹部が、例えば、スライド、又は対のクロスピースの領域の長手方向の溝よりもそれぞれ大きい幅の広がり(すなわち、それよりも大きいシャフトの幅方向の広がり)を有することを意味する。言い換えると、流体的な接続は、溝底、すなわちスライドの接触領域を介して行われる。これは、長手方向の溝に、特にクロスピースの領域に、スライドが取り付けられているときでさえ流動を可能にし、その結果、分解する必要なくスライドシャフトを洗浄することができる。
【0017】
好ましい実施形態によると、シャフトの溝の深さ方向の洗浄凹部の長手方向の広がり(すなわち、シャフトの長手方向の広がり)は、外側から内側に向かって減少していてもよい。好ましくは、長手方向の広がりは、シャフトの凹領域に沿って減少していてもよい。このように、有利な方法でシャフトの十分な安定性を保証することができる。好ましい実施形態によると、シャフトの幅方向の洗浄凹部の長手方向の広がり(すなわち、シャフトの長手方向の広がり)は、外側から内側に向かって増加していてもよいし、実質的に一定であってもよい。好ましくは、長手方向の広がりは、シャフトの凹領域に沿って増加していてもよい。好ましい実施形態によると、洗浄凹部の幅の広がり(すなわち、シャフトの幅方向の広がり)は、シャフトの深さ方向に一定であってもよい。すなわち、洗浄凹部は、幅方向に対して垂直な平面領域に沿って延びる。洗浄凹部のこのような構成は、シャフトの製造性、安定性、及び洗浄性の観点で特に有利であることが示されている。
【0018】
例えば、洗浄凹部は、既に上述したように、幅方向に対して垂直な長手方向断面内で円形セグメント又は楕円形セグメントの形状を有していてもよい。特に、洗浄凹部は、特に長手方向に対して垂直な、クロスピースと共通の対称平面を有していてもよい。例えば、洗浄凹部は、深さ方向に対して垂直な長手方向断面内で円形層又は矩形の形状を有していてもよい。このように、洗浄凹部は、単にフライス盤を押し込むことによって実装され得る。
【0019】
好ましい実施形態によると、シャフトの深さ方向のクロスピースの長手方向の広がりは、外側から内側に向かって、特に、長手方向の溝の溝開口から溝底に向かって増加していてもよい。好ましくは、長手方向の広がりは、クロスピースの凹状の短手方向面に沿って増加していてもよい。好ましい実施形態によると、シャフトの幅方向のクロスピースの長手方向の広がりは、内側から外側に向かって増加していてもよいし、実質的に一定であってもよい。好ましくは、長手方向の広がりは、クロスピースの凹状の短手方向面に沿って増加していてもよい。したがって、クロスピースの外形は、フライス加工によって容易に生成することができる。
【0020】
好ましい実施形態によると、洗浄凹部によって形成される貫通孔は、スライドよりも大きい、及び/又はクロスピースの領域内の長手方向の溝よりも大きい幅の広がりを有していてもよい。これは、洗浄流体の流動を可能にする。
【0021】
好ましい実施形態によると、洗浄凹部によって形成される貫通孔は、クロスピースの最も短い領域、特に溝開口でのクロスピースよりも大きい長手方向の広がり、及び/又はクロスピースの最も長い領域、特に溝底でのクロスピースよりも小さい長手方向の広がりを有していてもよい。このような構成は、わずかに安定性が低減されるだけで、流量が十分であるという観点で好適であることが示されている。
【0022】
好ましい実施形態によると、スライドシャフト機器は、記載したスライドシャフトと、スライドの相対変位を作動させるために当該スライドシャフトに接続される機器ハンドルと、スライドシャフトの相対変位によって動作可能であるエフェクタ/ツールヘッド/ツール部と、を備えていてもよい。機器ハンドルは、スライドシャフトの近位端に取り付けられている。機器ハンドルは、特に手動で、スライドの相対変位を動作可能にする。ツールヘッドは、スライドシャフトの遠位端に取り付けられている。スライドの相対変位は、ツールヘッドの作動、特にツールヘッドの開閉を動作可能にする。
【0023】
要約すると、本開示は、スライドシャフトを有するスライドシャフト手術機器に関する。スライドシャフトは、スライドガイドと、そこでガイドされるスライドプレートと、を有する。スライドプレートの密着したガイドにより、再使用可能な機器の再生可能な再加工は、実質的に不可能である。フライス加工された切抜きを利用して、機器の洗浄を可能にするためにスライドガイド内に自由空間を生成することができる。スライドガイド内にスライドプレートの全長に沿って連続する穴が設けられた以前の解決策は、スライドシャフトの安定性が低減されるという欠点を有し、有効性がまだ示されておらず、穴のバリを除去するのが不便で困難である。凹部がスライドシャフトの上側に設けられた他の解決策は、その深さまで洗浄するためにブラシを使用することができるため、スライドプレートの洗浄動作の改善を可能にする。本開示によると、有効性を改善するために、上からフライス加工された切抜きと下からフライス加工された切抜きとの組合せが提供される。下側のフライス加工された切抜きが上と下との間の流動を可能にしつつ、上から及び下からフライス加工されたスライドシャフト上の切抜きと、残りのクロスピースは、機器の機能を保証し、(例えば、クロスピースの数によって調整可能な)スライドプレートのねじれを回避する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】スライドシャフトを有するスライドシャフト機器の斜視図である。
図2】スライドシャフトを有するスライドシャフト機器の斜視図である。
図3】スライドシャフトのシャフトの詳細の斜視図である。
図4】スライドシャフトのシャフトの詳細の斜視図である。
図5】シャフトに収容されたスライドを有する図4の詳細の斜視図である。
図6】スライドシャフト機器の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(好ましい構成例の説明)
本開示の好ましい構成例は、添付の図に基づいて以下に記載される。
【0026】
図1図6は、スライドシャフト1又はスライドシャフト手術機器2のそれぞれの好ましい実施形態を示す。スライドシャフト1は、スライドシャフト1の遠位端に配置されるスライドシャフト機器2のツールヘッド/ツール部3の作動を、スライドシャフト1の近位端に配置されるスライドシャフト機器2の機器ハンドル4の作動と結合するように機能する。
【0027】
スライドシャフト1は、細長いシャフト5と、その上で変位可能に配置されるスライド(/スライドプレート)6と、を有する。機器ハンドル4の作動、特に機器ハンドル4の回転移動は、シャフト5に対するスライド6の相対変位と接続されているか又は接続可能である。シャフト5に対する長手方向のスライド6の相対変位は、ツールヘッド3の作動、特にツールヘッド3の開閉移動と接続されているか又は接続可能である。このように、ツールヘッド3の開閉それぞれは、シャフト5に沿ったスライド6の長手方向の移動によって達成される。
【0028】
スライド6は、シャフト5の長手方向の溝7内に配置されている。長手方向の溝7は、シャフト5の上側に向かって開口している。スライド6は、好ましくは、プレートの形態で延びる。スライド6は、シャフト5の長手方向及びシャフト5の深さ方向に延びている。すなわち、スライド6の厚さは、シャフト5の幅方向に延びている。スライド6は、シャフト5の長手方向の溝7の長手方向の広がりの実質的に全体に亘って延びている。
【0029】
スライド6は、長手方向の溝7内で長手方向に変位可能であるように配置されている。長手方向の溝7は、好ましくは、シャフト5において幅方向の中央に配置される。スライド6は、好ましくは、長手方向の溝7において幅方向の中央に配置される。スライド6の相対変位は、長手方向の溝7を幅方向に狭めるシャフト5の少なくとも1つのクロスピース8によって部分的にガイドされる。したがって、クロスピース8は、スライド6についてのガイド面を形成している。具体的には、スライド6は、クロスピース8のガイド面に支えられる。具体的には、スライド6の相対変位は、幅方向に対向して配置されるクロスピース8の少なくとも1つのペアによってガイドされる。幅方向に互いに対向して配置されるクロスピース8の対(以下、対のクロスピースとも称する)は、好ましくは、スライド6の厚さ分、すなわちシャフト5の幅方向のスライド6の広がり分、互いに離間して配置され得る。したがって、スライド6は、その両側で、対のクロスピースのそれぞれのクロスピース8に支えられ得る。
【0030】
言い換えると、長手方向の溝7は、対のクロスピースの2つのクロスピース8間の距離、又はスライド6の厚さのそれぞれに対応する基本幅を有する。加えて、長手方向の溝7は、長手方向に沿って部分的に基本幅よりも大きい幅を有する、すなわち、長手方向の溝7は、セクションにおいて広がっている。長手方向の溝7の広がったセクションでは、スライド6は、シャフト5によってガイドされない。したがって、スライド6とシャフト5との間の広がったセクション内に隙間9が形成される。隙間9は、長手方向の溝7の一部とみなさすことができる。隙間9は、好ましくは、長手方向の溝7の溝底まで延びている。特に、隙間9は、幅方向においてスライド6の両側に形成され得る。スライドシャフト1、特にスライド6は、隙間9を通じて洗浄され得る。隙間9は、好ましくはく、すなわちシャフト5の長手方向に延びている。具体的には、隙間9は、フライス加工された切抜きとして形成/フライス加工され得る。このように、例えば、穴と比べて、より平坦な表面を生成することができ、例えば、バリの発生を低減することができる。
【0031】
これは、長手方向の溝7が(隙間9によって)セクション内で長手方向に沿って幅方向に広がっているか、(クロスピース8によって)部分的に幅方向に狭まっている/より小さくなっていることを意味する。したがって、隙間9は、クロスピース8によって長手方向において部分的に狭められているか、遮られている。
【0032】
スライドシャフト1の長さ(及び/又はスライド6の厚さ)に応じて、シャフト5は、長手方向の溝7に沿って長手方向に離間する複数のクロスピース8(又は対のクロスピース)を有する。好ましくは、複数のクロスピース8(又は対のクロスピース)は、長手方向に等間隔で離間する。これは、スライド6がねじれるのを防止する。
【0033】
本開示によると、シャフト5は、長手方向の溝7内に開口した貫通孔を形成する洗浄凹部10を有する。洗浄凹部10は、クロスピース8の領域内で長手方向に配置されている。洗浄凹部10は、シャフト5の下側に向かって開口している。洗浄凹部10と長手方向の溝7との間に通路を形成することによって、例えば、シャフト5を通ってスライド6の周囲で、上部から底部又は底部から上部への洗浄流体の流動が可能になる。クロスピース8の領域内の洗浄凹部10の配置により、シャフト5の安定性は、わずかに低減されるだけである。好ましくは、シャフト5は、いくつかの洗浄凹部10、具体的には、クロスピース8(又は対のクロスピース)ごとに1つの洗浄凹部10を有する。
【0034】
洗浄凹部10は、好ましくは細長く、すなわちシャフト5の長手方向に延びている。このように、洗浄凹部10のために、シャフト5のより不安定な幅方向において、シャフト5から可能な限り少ない材料が除去される。好ましくは、洗浄凹部10は、フライス加工された切抜きとして形成/フライス加工され得る。このように、例えば、穴と比べて、より平らな表面を作ることができ、例えば、バリの発生を低減することができる。洗浄凹部10は、好ましくは、シャフト5において幅方向の中央に配置される。
【0035】
洗浄凹部10及び長手方向の溝7は、特に、スライド6が長手方向の溝7内に配置されたときに、洗浄凹部10及び長手方向の溝7が互いに流体的に結合されるように形成され得る。これは、例えば、洗浄凹部10が、スライド6、又は対のクロスピース8の領域において長手方向の溝7よりもそれぞれ大きい幅の広がり(すなわち、それよりも大きいシャフト5の幅方向の広がり)を有することを意味する。これは、長手方向の溝7にスライド6が取り付けられているときでさえ流動を可能にする。
【0036】
図3で、洗浄凹部10の好ましい形状を拡大して示す。洗浄凹部10の長手方向の広がり(すなわち、シャフト5の長手方向の広がり)は、シャフト5の深さ方向に外側から内側に向かって減少していてもよい。特に、洗浄凹部10は、(シャフト5の幅方向に対して垂直な)長手方向断面内で円形セグメント又は楕円形セグメントの形状を有していてもよい。したがって、例えば、洗浄凹部10の長手方向の広がりは、外側(ここでは下)から内側(ここでは上)に向かってシャフト5の凹状領域11に沿って減少し得る。洗浄凹部10の長手方向の広がり(すなわち、シャフト5の長手方向の広がり)は、シャフト5の幅方向に外側から内側に向かって増加していてもよい。例えば、洗浄凹部10の長手方向の広がりは、幅方向に外側から内側に向かってシャフト5の凹状領域11に沿って増加していてもよい。特に、洗浄凹部10は、(シャフト5の深さ方向に対して垂直な)長手方向断面内で円形層又は楕円形層の形状を有していてもよい。洗浄凹部10の幅の広がり(すなわち、シャフト5の幅方向の広がり)は、好ましくは、シャフト5の深さ方向に一定であってもよい。すなわち、洗浄凹部10は、幅方向に対して垂直である平面領域12に沿って延びている。好ましくは、洗浄凹部10及びクロスピース8(又は対のクロスピース)は、長手方向に対して垂直な対称の共通平面及び/又は幅方向に対して垂直な対称の共通平面に対して実質的に対称的である。
【0037】
図4で、クロスピース8の好ましい形状を拡大して示す。クロスピース8の長手方向の広がり(すなわち、シャフト5の長手方向の広がり)は、シャフトの深さ方向に外側から内側に向かって増加していてもよい。すなわち、クロスピース8の長手方向の広がりは、具体的には、長手方向の溝の溝開口から溝底に向かって増加していてもよい。具体的には、クロスピース8は、(シャフト5の幅方向に対して垂直な)長手方向断面内で円形セグメント又は楕円形セグメントの形状を有していてもよい。したがって、例えば、クロスピース8の長手方向の広がりは、外側(ここでは上)から底(ここでは下)に向かってクロスピース8の凹状短手方向面13に沿って増加していてもよい。クロスピース8の長手方向の広がり(すなわち、シャフト5の長手方向の広がり)は、シャフト5の幅方向に内側から外側に向かって増加していてもよい。したがって、例えば、クロスピース8の長手方向の広がりは、幅方向に内側から外側に向かってクロスピース8の凹状短手方向面13に沿って増加していてもよい。クロスピース8の幅の広がり(すなわち、シャフト5の幅方向の広がり)は、好ましくは、シャフト5の深さ方向に一定であってもよい。すなわち、クロスピース8は、幅方向に対して垂直である平面領域14に沿って延びている。クロスピース8の平面領域14は、スライド6についてのガイド面として機能する。
【0038】
図5は、図4のセクションを示し、スライド6は、シャフト5の長手方向の溝7内に配置されている。隙間9が、幅方向においてスライド6の両側に形成されていることが分かり得る。隙間9は、クロスピース8と実質的に同じ幅の広がりを有する。スライド6は、クロスピース8の領域においてのみ、シャフト5と接触している。
【0039】
図6は、シャフト5の幅方向に対して垂直なスライドシャフト1の長手方向断面を示す。シャフト5の下側の洗浄凹部10は、長手方向の溝7内に開口するまで、シャフト5内に深さ方向に延びていることが分かり得る。これは、クロスピース8の領域において貫通孔を形成している。隙間9は、クロスピース8によって遮られ、その結果、隙間は、凹状短手方向面13に亘って長手方向の溝7の溝底まで延びている。すなわち、隙間9の出口は、長手方向断面において円弧形状である。この結果、長手方向断面において2つの凹状短手方向面13及び凹状領域11を境界とするクロスピース8のブリッジ状の形状が生じる。凹状領域11は、凹状短手方向面13と実質的に同じ曲率を有する。
【0040】
スライドシャフト手術機器2を作動させるために、機器ハンドル4は、互いに対して回転可能である2つのハンドグリップ15、16によって形成されている。第1のハンドグリップ15は、シャフト5に対して固定して接続されていてもよい。第2のハンドグリップ16は、第1のハンドグリップ15に対して第2のハンドグリップ16を回転させると、第2のハンドグリップ16がシャフト5に対してスライド6を長手方向に変位させるように、例えばヒンジ17を介して、スライド6に動作可能に接続されていてもよい。ツールヘッド3は、互いに対して回転可能である2つのツール部品18、19によって形成されている。第1のツール部品18は、シャフト5に対して固定して接続されていてもよい。第2のツール部品19は、シャフト5に対するスライド6の相対変位が第1のツール部品18に対して第2のツール部品19を回転させる、特に、ツールヘッド3を開閉するように、例えばヒンジ20を介して、スライド6に動作可能に接続されていてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2023-06-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スライドシャフトタイプのハンドヘルド手術機器であって、
シャフトであって、前記シャフトの長さに亘って延びる長手方向の溝が形成される、シャフトと
前記長手方向の溝内に変位可能に取り付けられ、前記長手方向の溝内の相対変位が、前記溝の幅方向に前記長手方向の溝を狭める前記シャフトの少なくとも1つのクロスピースによって、特に、前記溝の前記幅方向に対向して配置される少なくとも1対のクロスピースによって、部分的にガイドされるスライドと、を備え、
前記シャフトは、溝底の側から、前記長手方向の溝内に開口した径方向の貫通孔を形成する洗浄凹部を、前記クロスピースの領域において長手方向に備える、ハンドヘルド手術機器。
【請求項2】
前記ハンドヘルド手術機器は、特に、前記長手方向において部分的に前記クロスピースによって狭められるか、遮られる前記長手方向の溝によって、前記スライドと前記シャフトとの間で前記溝の前記幅方向に形成される洗浄用の隙間を備える、請求項1に記載のハンドヘルド手術機器。
【請求項3】
洗浄用の隙間は、前記溝の前記幅方向において前記スライドの両側に形成されている、請求項2に記載のハンドヘルド手術機器。
【請求項4】
前記洗浄凹部及び前記長手方向の溝は、前記長手方向の溝内の、前記スライドが前記長手方向の溝の前記溝底に支えられる前記縦方向の領域内に配置されたとき、前記洗浄凹部及び前記長手方向の溝が互いに流体的に接続されるように形成されている、請求項に記載のハンドヘルド手術機器。
【請求項5】
前記洗浄凹部の長手方向の広がりは、好ましくは前記シャフトの凹状領域に沿って、前記シャフトの前記溝の深さ方向に外側から内側に向かって減少し、及び/又は、前記シャフトの前記溝の前記幅方向に外側から内側に向かって増加するか、一定のままである、請求項に記載のハンドヘルド手術機器。
【請求項6】
前記洗浄凹部は、前記溝の前記幅方向に対して垂直な長手方向断面内で円形セグメント又は楕円形セグメントの形状を有する、請求項5に記載のハンドヘルド手術機器。
【請求項7】
前記クロスピースの長手方向の広がりは、前記シャフトの前記溝の深さ方向に外側から内側に向かって増加する、請求項に記載のハンドヘルド手術機器。
【請求項8】
前記クロスピースの長手方向の広がりは、前記シャフトの前記溝の前記幅方向に内側から外側に向かって増加する、請求項に記載のハンドヘルド手術機器。
【請求項9】
前記洗浄凹部によって形成される前記貫通孔は、前記スライドよりも大きい、及び/又は前記クロスピースの前記領域内の前記長手方向の溝よりも大きい幅の広がりを有する、請求項に記載のハンドヘルド手術機器。
【請求項10】
機器ハンドルは、スライドシャフトの近位端に取り付けられており、前記スライドの相対変位を動作可能にし、
エフェクタは、前記スライドシャフトの遠位端に取り付けられており、前記スライドの前記相対変位によって動作可能である、請求項に記載のハンドヘルド手術機器。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0040】
スライドシャフト手術機器2を作動させるために、機器ハンドル4は、互いに対して回転可能である2つのハンドグリップ15、16によって形成されている。第1のハンドグリップ15は、シャフト5に対して固定して接続されていてもよい。第2のハンドグリップ16は、第1のハンドグリップ15に対して第2のハンドグリップ16を回転させると、第2のハンドグリップ16がシャフト5に対してスライド6を長手方向に変位させるように、例えばヒンジ17を介して、スライド6に動作可能に接続されていてもよい。ツールヘッド3は、互いに対して回転可能である2つのツール部品18、19によって形成されている。第1のツール部品18は、シャフト5に対して固定して接続されていてもよい。第2のツール部品19は、シャフト5に対するスライド6の相対変位が第1のツール部品18に対して第2のツール部品19を回転させる、特に、ツールヘッド3を開閉するように、例えばヒンジ20を介して、スライド6に動作可能に接続されていてもよい。
以下の項目は、国際出願時の請求の範囲に記載の要素である。
(項目1)
スライドシャフトタイプのハンドヘルド手術機器(2)であって、
シャフト(5)であって、前記シャフトの長さに亘って延びる長手方向の溝(7)が形成される、シャフト(5)と、
前記長手方向の溝(7)内に変位可能に取り付けられ、前記長手方向の溝(7)内の相対変位が、前記溝の幅方向に前記長手方向の溝(7)を狭める前記シャフト(5)の少なくとも1つのクロスピース(8)によって、特に、前記溝の前記幅方向に対向して配置される少なくとも1対のクロスピース(8)によって、部分的にガイドされる、好ましくはプレート形状のスライド(6)と、を備え、
前記シャフト(5)は、溝底の側から、前記長手方向の溝(7)内に開口した径方向の貫通孔を形成する、好ましくは細長い洗浄凹部(10)を、前記クロスピース(8)の領域において長手方向に備える、ハンドヘルド手術機器。
(項目2)
前記ハンドヘルド手術機器は、特に、前記長手方向において部分的に前記クロスピース(8)によって狭められるか、遮られる前記長手方向の溝(7)によって、前記スライド(6)と前記シャフト(5)との間で前記溝の前記幅方向に形成される洗浄用の隙間(9)を備える、項目1に記載のハンドヘルド手術機器。
(項目3)
洗浄用の隙間(9)は、前記溝の前記幅方向において前記スライド(6)の両側に形成されている、項目2に記載のハンドヘルド機器。
(項目4)
前記洗浄凹部(10)及び前記長手方向の溝(7)は、前記長手方向の溝(7)内の、前記スライド(6)が前記長手方向の溝の前記溝底に支えられる前記縦方向の領域内に配置されたとき、前記洗浄凹部(10)及び前記長手方向の溝(7)が互いに流体的に接続されるように形成されている、項目1~3のいずれか一項に記載のハンドヘルド手術機器。
(項目5)
前記洗浄凹部(10)の長手方向の広がりは、好ましくは前記シャフトの凹状領域(11)に沿って、前記シャフト(5)の前記溝の深さ方向に外側から内側に向かって減少し、及び/又は、前記シャフト(5)の前記溝の前記幅方向に外側から内側に向かって増加するか、一定のままである、項目1~4いずれか一項に記載のハンドヘルド手術機器。
(項目6)
前記洗浄凹部(10)は、前記溝の前記幅方向に対して垂直な長手方向断面内で円形セグメント又は楕円形セグメントの形状を有する、項目5に記載のハンドヘルド手術機器。
(項目7)
前記クロスピース(8)の長手方向の広がりは、好ましくは前記クロスピースの凹状短手方向面(13)に沿って、前記シャフト(5)の前記溝の深さ方向に外側から内側に向かって、特に、前記長手方向の溝(7)の溝開口から溝底に向かって、増加する、項目1~6のいずれか一項に記載のハンドヘルド手術機器。
(項目8)
前記クロスピース(8)の長手方向の広がりは、好ましくは前記クロスピース(8)の前記凹状短手方向面(13)に沿って、前記シャフト(5)の前記溝の前記幅方向に内側から外側に向かって増加する、項目7に記載のハンドヘルド手術機器。
(項目9)
前記洗浄凹部(10)によって形成される前記貫通孔は、前記スライド(6)よりも大きい、及び/又は前記クロスピース(8)の前記領域内の前記長手方向の溝(7)よりも大きい幅の広がりを有する、項目1~8のいずれか一項に記載のハンドヘルド手術機器。
(項目10)
機器ハンドル(4)は、スライドシャフト(1)の近位端に取り付けられており、前記スライド(6)の相対変位を動作可能にし、
エフェクタ(3)は、前記スライドシャフト(1)の遠位端に取り付けられており、前記スライド(6)の前記相対変位によって動作可能である、項目1~9のいずれか一項に記載のハンドヘルド手術機器。
【国際調査報告】