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特表2023-543933電池極板、電極アセンブリ、電池セル、電池及び電力消費装置
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  • 特表-電池極板、電極アセンブリ、電池セル、電池及び電力消費装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-18
(54)【発明の名称】電池極板、電極アセンブリ、電池セル、電池及び電力消費装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 4/13 20100101AFI20231011BHJP
   H01M 10/0587 20100101ALI20231011BHJP
   H01M 10/04 20060101ALI20231011BHJP
【FI】
H01M4/13
H01M10/0587
H01M10/04 W
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023520500
(86)(22)【出願日】2021-07-30
(85)【翻訳文提出日】2023-04-04
(86)【国際出願番号】 CN2021109917
(87)【国際公開番号】W WO2023004830
(87)【国際公開日】2023-02-02
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100159329
【弁理士】
【氏名又は名称】三縄 隆
(72)【発明者】
【氏名】▲車▼ ▲歡▼
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 威
(72)【発明者】
【氏名】▲許▼ 宝▲華▼
(72)【発明者】
【氏名】王 梓
(72)【発明者】
【氏名】李 世松
【テーマコード(参考)】
5H028
5H029
5H050
【Fターム(参考)】
5H028AA05
5H028CC12
5H028HH06
5H029AJ12
5H029AK01
5H029AK03
5H029AL01
5H029AL06
5H029BJ01
5H029BJ02
5H029BJ14
5H029HJ03
5H029HJ04
5H050AA15
5H050BA17
5H050CA01
5H050CA08
5H050CA09
5H050CB01
5H050CB07
5H050FA05
5H050HA03
5H050HA04
(57)【要約】
本出願は、電池極板、電極アセンブリ、電池セル、電池及び電力消費装置に関する。電池極板は集電体を含み、集電体の少なくとも一面は、接続する塗布領域と未塗布領域を含み、塗布領域に活物質層と絶縁層が塗布され、絶縁層は活物質層の未塗布領域に近い側に位置し、ここで、絶縁層は、接続する第1の部分と第2の部分を含み、第2の部分は絶縁層の活物質層に近い側のエッジ領域に位置し、活物質層は第2の部分を覆うように構成されることによって、活物質層と絶縁層が極板の厚さ方向に沿って部分的に重なる。本出願は、電池極板、電極アセンブリ、電池セル、電池及び電力消費装置を提供し、電池極板に塗布された活物質層と絶縁層は、明瞭な境界を形成し、製品の歩留りを向上させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池極板であって、
前記電池極板は集電体を含み、
前記集電体の少なくとも一面は、接続する塗布領域と未塗布領域を含み、前記塗布領域に活物質層と絶縁層が塗布され、前記絶縁層は、前記活物質層の前記未塗布領域に近い側に位置し、
ここで、前記絶縁層は、接続する第1の部分と第2の部分を含み、前記第2の部分は、前記絶縁層の前記活物質層に近い側のエッジ領域に位置し、前記活物質層は、前記第2の部分を覆い且つ前記第1の部分を覆わないように構成されることによって、前記活物質層と前記絶縁層が極板の厚さ方向に沿って部分的に重なる、ことを特徴とする電池極板。
【請求項2】
前記絶縁層の最大厚さは、前記活物質層の最大厚さ以下である、ことを特徴とする請求項1に記載の電池極板。
【請求項3】
前記第2の部分の最大厚さは、前記第1の部分の最大厚さ以下である、ことを特徴とする請求項1に記載の電池極板。
【請求項4】
極板の厚さ方向に沿って、前記第2の部分の前記集電体に向かう表面と前記集電体表面との最短距離は0~90μmである、ことを特徴とする請求項1に記載の電池極板。
【請求項5】
前記第2の部分の前記集電体から離れる表面は斜面であり、且つ前記斜面は、前記第1の部分から前記活物質層へ延伸する方向に沿って、徐々に前記集電体に近付く、ことを特徴とする請求項1に記載の電池極板。
【請求項6】
前記極板の厚さ方向に沿って、前記第2の部分の前記集電体から離れる表面と前記活物質層外表面との距離は20μm以上である、ことを特徴とする請求項1に記載の電池極板。
【請求項7】
前記第2の部分の最大厚さは3~90μmである、ことを特徴とする請求項1に記載の電池極板。
【請求項8】
前記活物質層と絶縁層の配列方向に沿って、前記第2の部分の最大幅は前記第1の部分の最大幅以下である、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の電池極板。
【請求項9】
電極アセンブリであって、請求項1~8のいずれか一項に記載の電池極板を含む、ことを特徴とする電極アセンブリ。
【請求項10】
電池セルであって、請求項9に記載の電極アセンブリを含む、ことを特徴とする電池セル。
【請求項11】
電池であって、請求項10に記載の電池セルを複数含む、ことを特徴とする電池。
【請求項12】
電力消費装置であって、請求項11に記載の電池を含み、前記電池は電気エネルギーを供給するために用いられる、ことを特徴とする電力消費装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、エネルギー貯蔵デバイスの技術分野に関し、特に電池極板、電極アセンブリ、電池セル、電池及び電力消費装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電池セルは、携帯電話、ノートパソコン、バッテリ車、電気自動車、電気飛行機、電気汽船、電動玩具自動車、電動玩具汽船、電動玩具飛行機や電動工具などの電子機器に広く適用されている。電池セルは、ニッケルカドミウム電池セル、ニッケル水素電池セル、リチウムイオン電池セル及び二次アルカリ亜鉛マンガン電池セルなどを含んでもよい。
【0003】
電池セルの使用過程において、電池セルにはリチウム析出が発生することが多く、析出したリチウムがセパレータを突き破って短絡を引き起こすことにより、安全上のリスクをもたらす。そのため、電池セルのリチウム析出問題は、早急に解決すべきである。
【発明の概要】
【0004】
上記問題を解決するために、本出願は、電池極板、電極アセンブリ、電池セル、電池及び電力消費装置を提供し、電池極板に塗布された活物質層と絶縁層は、明瞭な境界を形成し、リチウム析出のリスクを低減させ、製品の歩留りを向上させることができる。
【0005】
本出願実施例の第1の態様によれば、電池極板を提供する。電池極板は集電体を含み、集電体の少なくとも一面は、接続する塗布領域と未塗布領域を含み、塗布領域に活物質層と絶縁層が塗布され、絶縁層は活物質層の未塗布領域に近い側に位置し、ここで、絶縁層は、接続する第1の部分と第2の部分を含み、第2の部分は絶縁層の活物質層に近い側のエッジ領域に位置し、活物質層は第2の部分を覆い且つ前記第1の部分を覆わないように構成されることによって、活物質層と絶縁層が極板の厚さ方向に沿って部分的に重なる。
【0006】
第2の部分は活物質層によって覆われ、第2の部分は活物質層の上部表面に浸透することがなく、絶縁層の活物質層に近い側のエッジ領域におけるコーティングスラリーの混ざり合いによる境界線のボケの問題の発生を減少させることによって、明瞭な境界線を形成し、活物質層境界に対する誤判断のため、正極板活物質層と負極板活物質層の寸法が要件を満たさず、それによってリチウムが析出するという問題を減少させる。
【0007】
いくつかの実施例において、絶縁層の厚さは、活物質層の厚さ以下である。
【0008】
活物質層の厚さと絶縁層の厚さには、厚さの差が存在し、活物質層と絶縁層スラリーが混ざり合って活物質層の上部表面に浸透するリスクを低減させる。
【0009】
いくつかの実施例において、第2の部分の厚さは、第1の部分の厚さ以下である。
【0010】
絶縁層の厚さは小さく、活物質層と第2の部分との重なり領域のコーティングの総厚さが顕著に増加することにより縁部の膨らみを形成するという問題を減少させ、電池極板の全体的な厚さの一致性を向上させる。
【0011】
いくつかの実施例において、厚さ方向に沿って、第2の部分の集電体に向かう表面と集電体表面との最短距離は0~90μmである。
【0012】
いくつかの実施例において、第2の部分の集電体から離れる表面は斜面であり、且つ斜面は、第1の部分から活物質層へ延伸する方向に沿って、徐々に集電体に近付く。
【0013】
第2の部分の集電体から離れる表面は斜面であり、活物質層と第2の部分との重なり領域のコーティングの総厚さが増加することにより縁部の膨らみを形成するリスクを低減させる。そして、コーティングが乾燥する過程において、活物質層が収縮する時に傾斜する表面に沿ってスリップし、第2の部分のコーティングスラリーの活物質層への浸透と混ざり合いを減少する。
【0014】
いくつかの実施例において、極板の厚さ方向に沿って、第2の部分の集電体から離れる表面と活物質層外表面との距離は20μm以上である。
【0015】
第2の部分の集電体から離れる表面と活物質層外表面との距離の設定は、第2の部分が活物質層の外表面から十分に離れるように確保し、第2の部分のコーティングスラリーが活物質層の外表面に浸透する可能性を低下させることができる。
【0016】
いくつかの実施例において、第2の部分の最大厚さは3~90μmである。
【0017】
第2の部分の厚さを相対的に小さく設定することによって、活物質層と第2の部分との重なり領域のコーティングの厚さの変化も相対的に小さくなり、活物質層と絶縁層との重なり領域のコーティングの厚さが顕著に増加することにより縁部の膨らみを形成することはない。
【0018】
いくつかの実施例において、活物質層と絶縁層の配列方向に沿って、第2の部分の幅は第1の部分の幅以下である。
【0019】
第1の部分の幅と第2の部分の幅の設定によって、第2の部分と活物質層との重なり幅が広すぎることを回避することができる。
【0020】
本出願実施例の第2の態様によれば、上記の電池極板を含む電極アセンブリを提供する。
【0021】
本出願実施例の第3の態様によれば、上記の電極アセンブリを含む電池セルを提供する。
【0022】
本出願実施例の第4の態様によれば、複数の上記の電池セルを含む電池を提供する。
【0023】
本出願実施例の第5の態様によれば、電力消費装置を提供し、その特徴は、上記の電池を含み、前記電池は電気エネルギーを供給するために用いられることである。
【0024】
理解すべきこととして、以上の概要及び以下の詳細な説明は、例示的なものに過ぎず、本出願を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本出願の実施例による技術案をより明確に説明するために、以下では、本出願の実施例で使用する図面を簡単に説明するが、明らかなことに、以下に説明する図面は、本出願の具体的な実施例に過ぎず、当業者にとっては、創造的な労力を払わない前提で、以下の図面に基づいて他の実施例を入手することができる。
図1】本出願による電力消費装置の、一つの具体的な実施例における構造概略図である。
図2】本出願のいくつかの実施例による電池の分解概略図である。
図3】本出願のいくつかの実施例による電池セルの分解概略図である。
図4】本出願の一つの具体的な実施例による電極アセンブリの断面概略図である。
図5図4における電極アセンブリのE-E断面図の局所概略図である。
図6】本出願のいくつかの実施例による正極板と負極板の局所展開比較図である。
図7】電池極板の、一実施例における断面図である。
図8図7におけるI部分の拡大図である。
図9】電池極板の、別の実施例における断面図である。
図10】電池極板の、また別の実施例における断面図である。
【0026】
ここでの図面は明細書に合併して本明細書の一部を構成し、本出願に合致する実施例を示し、かつ明細書と共に本出願の原理を解釈するためのものである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本出願の技術案をよりよく理解するために、以下では、図面を結び付けながら本出願の実施例について詳細に説明する。
【0028】
指摘すべきこととして、説明された実施例は本出願の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではない。本出願における実施例に基づき、当業者が創造的な労働をすることなく得られる全ての他の実施例は、いずれも本出願の保護範囲に属する。
【0029】
本出願の実施例において使用される用語は特定の実施例を説明する目的を果たすものに過ぎず、本出願を制限するものではない。本出願の実施例と添付される特許請求の範囲に使用される単数形式の「一種の」、「前記」と「該」は多数の形式を含むことを目的とするが、文脈に他の意味を明確に表示する場合は除外される。
【0030】
理解すべきこととして、本出願における「及び/又は」という用語は、関連対象の関連関係を記述するものに過ぎず、三つの関係が存在し得ることを表し、例えば、A及び/又はBは、単独のA、AとBとの組み合わせ、単独のBの三つのケースを表してもよい。また、本文における「/」という文字は、一般的には前後関連対象が「又は」の関係であることを表す。
【0031】
注意すべきこととして、本出願実施例に記述された「上」、「下」、「左」、「右」、などの方位用語は図面に示す角度で記述されたものであり、本出願の実施例を限定するものとして理解すべきではない。なお、文脈上では、さらに理解すべきこととして、一つの素子が別の素子の「上」又は「下」に接続されると言及した時、それは別の素子の「上」又は「下」に直接接続することができるだけではなく、中間素子を介して別の素子の「上」又は「下」に接続することもできる。
【0032】
本出願の実施例で言及した電池は、より高い電圧と容量を提供するために一つ又は複数の電池セルを含む単一の物理的モジュールを指す。例えば、本出願で言及した電池には、電池モジュール又は電池パックなどが含まれてもよい。電池は、一般的には、一つ又は複数の電池セルをパッケージングするための筐体を含む。筐体は、液体又はその他の異物が電池セルの充電又は放電に影響を与えることを回避することができる。
【0033】
電池セルは電極アセンブリと電解液とを含み、電極アセンブリは正極板、負極板とセパレータによって構成される。電池セルは、主に金属イオンが正極板と負極板との間で移動することにより動作する。正極板は、正極集電体と正極活物質層とを含み、正極活物質層は、正極集電体の表面に塗布されており、正極活物質層が塗布されていない正極集電体は、正極活物質層が塗布された正極集電体から突出しており、正極活物質層が塗布されていない正極集電体は、正極タブとされる。負極板は、負極集電体と負極活物質層とを含み、負極活物質層は、負極集電体の表面に塗布されており、負極活物質層が塗布されていない負極集電体は、負極活物質層が塗布された負極集電体から突出しており、負極活物質層が塗布されていない負極集電体は、負極タブとされる。大電流を流しても溶断が生じないように、正極タブの数は複数で積層されており、負極タブの数は複数で積層されている。
【0034】
従来技術において、電池セルの極板の集電体に、一般的には活物質層と絶縁層が塗布されている。活物質層と絶縁層の色が一致しておらず、塗布完了した後、視覚によって活物質層と絶縁層の境界位置を識別することにより、活物質層の幅を確定する。
【0035】
出願人の発見によると、活物質層と絶縁層を同期して塗布する場合、活物質層と絶縁層が乾燥する過程において、境界位置に相互浸透と混ざり合いが発生し、そして絶縁層が活物質層の表面に浸透することにより、最終的に乾燥後の活物質層と絶縁層との境界位置の境界線のボケを引き起こす。
【0036】
電池セルにおいて、負極板の活物質で正極板の活物質を被覆することが要求され、即ち負極板の活物質層を正極板の活物質層よりも広くし、リチウム析出の問題を回避することが要求される。活物質層と絶縁層が乾燥する過程において、相互浸透と混ざり合いが発生し、ぼけた境界が発生するため、活物質層の位置判断にバラツキが生じ、電極アセンブリ内の正極板が負極板に完全に覆われていない状況をもたらす可能性があり、それによって電池セルの該位置におけるリチウムの析出を引き起こし、電池セルの性能に影響を与える。
【0037】
出願人が発見した上記問題に基づき、出願人は、電池極板に塗布される活物質層と絶縁層のコーティングの構造に対して改良を行い、活物質層と絶縁層を部分的に重なることによって上記問題を解決する。以下は、本出願の実施例についてさらに説明する。
【0038】
図1は、本出願による電力消費装置の、一つの具体的な実施例における構造概略図である。
【0039】
図1に示すように、本出願の実施例は、電池B、及び該電池Bを電源として使用する電力消費装置を提供する。電池Bを電源として使用する電力消費装置は車両A、船舶、小型飛行機などの機器を含み、該装置は電池Bを採用して電気エネルギーを提供し、該装置を駆動する駆動力を生成する。該装置は、電気エネルギーと他のタイプのエネルギー(例えば、化石エネルギー)とを同時に使用し、共に駆動力を生成してもよい。電池Bを電源として使用することができる装置であれば、いずれも本出願の保護範囲に属する。
【0040】
図1に示すように、電力消費装置として車両Aを例にする。本出願の実施例における車両Aは新エネルギー自動車であってもよく、該新エネルギー自動車は純電気自動車であってもよく、ハイブリッド自動車又はレンジエクステンダー自動車などであってもよい。例えば、車両AはモータM、コントローラC及び電池Bを含む。電池Bは車両本体の底部に水平に設置され、コントローラCはモータMに給電するように電池Bを制御し、モータMは伝動機構を介して車両本体上の車輪に接続されることによって、車両Aが走行するように駆動する。
【0041】
様々な電力消費需要を満たすために、電池Bは複数の電池セルDを含んでもよく、ここで、複数の電池セルDの間は、直列接続又は並列接続又は直並列接続されてもよく、直並列接続とは、直列接続と並列接続との混合を指す。電池Bは、電池パックと呼ばれてもよい。任意選択的に、複数の電池セルDをまず直列接続又は並列接続又は直並列接続して電池モジュールを構成し、複数の電池モジュールを直列接続又は並列接続又は直並列接続して電池Bを構成する。つまり、複数の電池セルDは直接的に電池Bを構成してもよく、又は、まず電池モジュールを構成し、さらに電池モジュールで電池Bを構成してもよい。
【0042】
図2は、本出願のいくつかの実施例による電池Bの分解概略図である。
【0043】
図2に示すように、電池Bは、筐体Fと、筐体F内に収容される電池セルDとを含む。筐体Fは、様々な形状、例えば、円柱体、直方体などであってもよい。無論、筐体Fは様々な構造であってもよい。
【0044】
いくつかの実施例において、筐体Fは、上筐体F1と下筐体F2を含んでもよく、上筐体F1と下筐体F2は、電池セルDを収容するための収容空間を画定するように互いに嵌合される。
【0045】
電池Bにおいて、電池セルDは、一つであってもよく、複数であってもよい。電池セルDが複数であれば、複数の電池セルDの間は、直列接続又は並列接続又は直並列接続であってもよく、直並列接続とは、複数の電池セルDに直列接続も並列接続も含まれることを意味する。
【0046】
図3は、本出願のいくつかの実施例による電池セルDの分解概略図である。
【0047】
図3に示すように、電池セルDは一般的には電極アセンブリ100、ケース200及びエンドキャップアセンブリ300を含み、エンドキャップアセンブリ300はケース200の開口に嵌合されることによって、電極アセンブリ100と電解液のために一つの密閉空間を提供する。ケース200は、様々な形状、例えば、円柱体、直方体などであってもよい。ケース200の形状は、電極アセンブリ100の具体的な形状に基づいて確定することができる。例えば、電極アセンブリ100が円柱体構造であれば、ケース200は円柱体構造を選択してもよく、電極アセンブリ100が直方体構造であれば、ケース200は直方体構造を選択してもよい。理解できるように、ケース200の形状と電極アセンブリ100の形状とは、異なっていてもよい。
【0048】
例示的に、図3において、ケース200は、一端が開口する中空の直方体構造である。ケース200の材質は、種々のものが可能であり、例えば、プラスチック、銅、鉄、アルミニウム、ステンレススチール、アルミニウム合金などであってもよく、本出願の実施例では特にこれについて限定しない。
【0049】
図3に示すように、エンドキャップアセンブリ300は、ケース200の開口を閉鎖するために用いられる。電池セルDを組み立てる時、まず電極アセンブリ100をケース200内に置き、電極アセンブリ100とエンドキャップアセンブリ300を電気的接続し固定してから、エンドキャップアセンブリ300の両側とケース200を固定的に接続し、電池セルDの組み立てを完了する。
【0050】
図4は、本出願の一つの具体的な実施例による電極アセンブリ100の断面概略図である。
【0051】
図4に示すように、本出願の一つの具体的な実施例における電極アセンブリ100は電池極板1とセパレータ2を捲回して形成され、電池極板1は正極板1aと負極板1bを含み、セパレータ2は正極板1aと負極板1bに介在する絶縁体である。
【0052】
図5は、図4における電極アセンブリ100のE-E断面図の局所概略図である。
【0053】
図5に示すように、正極板1aは、正極集電体11aと正極活物質層12aとを含み、正極集電体11aは、塗布領域と未塗布領域とを含み、正極活物質層12aは、正極集電体11aの塗布領域の表面に塗布されており、極板の幅方向Xに沿って、正極集電体11aの未塗布領域は塗布領域から突出して正極タブ111aを形成する(図6に示すとおり)。リチウムイオン電池を例にし、正極集電体11aの材料はアルミニウムであってもよく、正極活物質はコバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム、三元系リチウム又はマンガン酸リチウムなどであってもよい。極板の厚さ方向Zに沿って、正極活物質層12aは正極集電体11aの一つの表面のみに塗布されてもよく、正極集電体11aの二つの表面に同時に正極活物質層12aを塗布してもよく、図5に示す正極集電体11aは、二つの表面に同時に正極活物質層12aが塗布されている。
【0054】
負極板1bは、負極集電体11bと負極活物質層12bと含み、負極集電体11bは、塗布領域と未塗布領域とを含み、負極活物質層12bは、負極集電体11bの表面に塗布されており、極板の幅方向Xに沿って、負極集電体11bの未塗布領域は塗布領域から突出して負極タブ111bを形成する(図6に示すとおり)。負極集電体11bの材料は銅であってもよく、負極活物質は炭素又はシリコンなどであってもよい。極板の厚さ方向Zに沿って、負極活物質層12bは負極集電体11bの一つの表面にのみ塗布されてもよく、負極集電体11bの二つの表面に同時に正極活物質層12aを塗布してもよく、図5に示す負極集電体11bは、二つの表面に同時に負極活物質層12bが塗布されている。
【0055】
図6は、本出願のいくつかの実施例による正極板1aと負極板1bの局所展開比較図である。
【0056】
いくつかの実施例において、電極アセンブリ100は、正極板1aと負極板1b、及び正極板1aと負極板1bの間に介在するセパレータ2を捲回して形成され、電極アセンブリ100を展開した後、正極板1a、セパレータ2、及び負極板1bの積層構造を形成する。図6では、電極アセンブリ100における正極板1aと負極板1bの展開後の局所概略図が示されており、正極板1aと負極板1bとの寸法関係を明瞭に示すために、図6では展開したセパレータ2は示されておらず、且つ図中の破線の右側から一部の負極板1bを除去して、正極板1aの寸法状態を示す。
【0057】
図6に示すように、正極板1aの塗布領域に正極活物質層12aが塗布されており、未塗布領域は正極タブ111aを形成し、正極タブ111aは、極板の長手方向Yに沿って間隔を置いて設置され、電極アセンブリ100の巻芯を行う時、複数の正極タブ111aを重なる。負極板1bの塗布領域に負極活物質層12bが塗布されており、未塗布領域は負極タブ111bを形成し、負極タブ111bは、極板の長手方向Yに沿って間隔を置いて設置され、電極アセンブリ100を組み立てる時、複数の負極タブ111bを重なる。図6では、正極板1aと負極板1bの全長が示されておらず、正極タブ111aと負極タブ111bの全部は示されていない。
【0058】
極板の幅方向Xに沿って、負極板1bの負極活物質層12bで正極板1aの正極活物質層12aを被覆する必要があり、即ち正極活物質層12aの幅H1は、負極活物質層1bの幅H2よりも小さくなる必要があり、それによって正極活物質層12aと負極活物質層12bに、少なくとも幅の差ΔHを保持させ、電池の性能の需要を満たすために、幅の差ΔHは一般的には、式0≦ΔH≦2.5mmを満たすことが必要とされ、それによって負極板1bの負極活物質層12bが正極板活物質層12aを被覆するように確保し、リチウム析出問題が発生するリスクを低減させることができる。
【0059】
図7は、電池極板1の、一実施例における断面図である。
【0060】
図7に示すように、一つの具体的な実施例において、本出願の電池極板1の集電体11は、極板の厚さ方向Zに沿う両側の表面にいずれも活物質層12と絶縁層14が塗布されているが、これは一例に過ぎず、集電体11の一つの表面上のみに活物質層12と絶縁層14を塗布してもよい。
【0061】
いくつかの実施例において、電池極板1は集電体11を含み、集電体11の少なくとも一面は、接続する未塗布領域と塗布領域を含み、塗布領域に活物質層12と絶縁層14が塗布され、絶縁層14は、活物質層12の未塗布領域に近い側に位置し、未塗布領域はタブ111を形成する。電池極板1は、正極板1aであってもよく、負極板1bであってもよく、正極板1a及び負極板1bはいずれも以下の実施例における構造に適用できる。電池極板1が正極板1aである場合、集電体11は正極集電体11aであり、タブ111は正極タブ111aであり、電池極板1が負極板1bである場合、集電体11は負極集電体11bであり、タブ111は負極タブ111bである。
【0062】
図7に示すように、絶縁層14は、接続する第1の部分141と第2の部分142を含み、第2の部分142は、絶縁層14の活物質層12に近い側のエッジ領域に位置し、活物質層12は、第2の部分142を覆い且つ第1の部分141を覆わないように構成されることによって、活物質層12と絶縁層14の極板の厚さ方向Zに沿う投影を部分的に重なる。
【0063】
活物質層12のエッジは第1の部分141に接し、境界線15を形成する。第2の部分142は活物質層12によって覆われ、第2の部分142は活物質層12の上部表面に浸透することがなく、絶縁層14の活物質層12に近い側のエッジ領域において、コーティングスラリーの混ざり合いによる境界線のボケの問題が発生することはなく、それによって明瞭な境界線15を形成する。
【0064】
図8は、図7におけるI部分の拡大図である。
【0065】
図8に示すように、極板の厚さ方向Zに沿って、絶縁層14の厚さw1は、活物質層12の厚さw2以下であり、即ちw1≦w2である。本実施例において、絶縁層14の厚さw1は、絶縁層14の最大厚さを指す。活物質層12の厚さw2の好適な範囲は50~400マイクロメートル(μm)であり、絶縁層の厚さw1の好適な範囲は3~90μmであり、活物質層12が第2の部分142を覆う時、第2の部分142のコーティングスラリーは活物質層12内部のコーティングスラリーと接触し、活物質層12の厚さw2と絶縁層14の厚さw1に大きな厚さの差が存在するため、第2の部分142のコーティングスラリーと活物質層12内部のコーティングスラリーとの混ざり合いが発生しても、混ざり合ったスラリーが活物質層12の上部表面に滲み出ることはない。
【0066】
一つの具体的な実施例において、第1の部分141の厚さw4は、即ち絶縁層14の最大厚さであり、即ちw4=w1である。
【0067】
第2の部分142の厚さw3は、第1の部分141の厚さw4以下であり、即ちw3≦w4である。第2の部分142の厚さw3は、露出した活物質層12外部の第1の部分141の厚さw4よりも小さく、より小さい厚さを有する第2の部分142を活物質層12の内部に突入させ、第2の部分の厚さw3が小さく、活物質層12で覆われる第2の部分142の領域のコーティングの厚さが顕著に増加することにより縁部の膨らみを形成することはなく、それによって電池極板1の全体的な厚さが一致するように確保し、塗布後の電池極板1を捲回して極板巻き材を形成する時、電池極板1に縁部の膨らみが存在するために電池極板1に巻き取り時に膨張破壊や断裂が発生するリスクを低減させる。
【0068】
極板の厚さ方向Zに沿って、第2の部分142の集電体11に向かう表面と集電体11の表面との最短距離w5の範囲は、式0≦w5≦0.9×w2を満たすべきであり、即ち第2の部分142の集電体11に向かう表面と集電体11の表面との最短距離w5は、活物質層12の厚さw2の0.9倍以下になるべきである。一つの具体的な実施例において、第2の部分142の集電体11に向かう傾斜面1421と集電体11の表面との最短距離w5は0~90μmである。
【0069】
第2の部分142の集電体11に向かう表面は、即ち第2の部分142の極板の厚さ方向Zに沿う下部表面であり、第2の部分142の集電体11から離れる表面は、即ち第2の部分142の極板の厚さ方向Zに沿う上部表面である。
【0070】
第2の部分142は活物質層12の内部に突入し、活物質層12は、第2の部分142の極板の厚さ方向Zに沿う上部表面と下部表面、及び第2の部分142の、極板の幅方向Xに沿って活物質層12の内部に突入する端面を被覆することができる。活物質層12が第2の部分142の極板の厚さ方向Zに沿う上部表面と端面のみを被覆してもよく、この場合、第2の部分142の集電体11に向かう表面と集電体11の表面との最短距離w5は0であり、即ち第2の部分142の集電体11に向かう表面は直接的に集電体11に塗布される。
【0071】
第2の部分142の集電体11に向かう表面と集電体11の表面との最短距離w5の設定によって、第2の部分142が十分に集電体11に近付き、且つ活物質層12の外表面から十分に離れるように確保し、第2の部分142のコーティングスラリーが活物質層12の外表面に浸透する可能性を低下させることができる。
【0072】
いくつかの実施例において、極板の厚さ方向Zに沿って、第2の部分142の集電体11から離れる表面と活物質層12の外表面との距離w6の範囲は、式0.01×w2≦w6≦0.9×w2を満たすべきである。一つの具体的な実施例において、第2の部分142の集電体11から離れる表面と活物質層12の外表面との距離w6は20μm以上である。
【0073】
第2の部分142の集電体11から離れる表面と活物質層12の外表面との距離w6の設定は、第2の部分142が活物質層12の外表面から十分に離れるように確保し、第2の部分142のコーティングスラリーが活物質層12の外表面に浸透する可能性を低下させることができる。
【0074】
いくつかの実施例において、第2の部分142の厚さw3の範囲は、式0.01×w2≦w3≦0.9×w2を満たすべきである。一つの具体的な実施例において、第2の部分142の厚さw3は3~90μmである。
【0075】
第2の部分142の厚さw3を相対的に小さく設定することによって、活物質層12と第2の部分142との重なり領域のコーティングの厚さの変化も相対的に小さくなり、活物質層12と絶縁層14との重なり領域のコーティングの厚さが顕著に増加することにより縁部の膨らみを形成することはなく、それによって電池極板1の全体的な厚さが一致するように確保し、電池極板1に対して電極アセンブリ100の捲回を行う時、電池極板1の縁部膨らみによるリスクを低減させる。
【0076】
一般的は、タブ111は、電池極板1の基材に対してダイカットして得られるものであり、タブ111のダイカット位置は、絶縁層14に位置する必要があるため、絶縁層14は一定の幅を有しなければならず、いくつかの実施例において、第1の部分141の幅L1の範囲は0.1~15ミリメートル(mm)であり、それによってタブ111のダイカット位置が第1の部分141に位置するように確保する。
【0077】
活物質層12と絶縁層14の配列方向(極板の幅方向X)に沿って、第2の部分142の幅L2は、第1の部分141の幅L1以下であり、即ちL2≦L1である。いくつかの実施例において、第2の部分142の幅L2の範囲は0.01~2mmであり、活物質層12と第2の部分142の極板の厚さ方向Zにおける投影が重なるように確保するとともに、第2の部分142と活物質層12との重なり幅が広すぎることを回避することもできる。
【0078】
図9は、電池極板1の、別の実施例における断面図である。
【0079】
図9に示すように、いくつかの実施例において、第2の部分142の集電体11から離れる表面は斜面1421であり、且つ斜面1421は、第1の部分141から活物質層12へ延伸する方向に沿って、徐々に集電体11に近付く。この場合、活物質層12の極板の厚さ方向に沿う投影と第2の部分142とは重なり、第2の部分142の厚さw3は、第1の部分141と接する位置から極板の幅方向Xの逆方向に沿って徐々に減少し、活物質層12と第2の部分142との重なり領域のコーティングの総厚さが増加することにより縁部の膨らみを形成するリスクを低減させる。そして、活物質層12と第2の部分142を同時に塗布した後、コーティングが乾燥する過程において、活物質層12が収縮する時に傾斜する斜面1421に沿ってスリップし、第2の部分142のコーティングスラリーの活物質層12への浸透と混ざり合いを減少する。
【0080】
図9において、極板の厚さ方向Zに沿って、第1の部分141の厚さw4は活物質層の厚さw2に等しいが、これは一例に過ぎない。
【0081】
図10は、電池極板1の、また別の実施例における断面図である。
【0082】
図10に示すように、別のいくつかの実施例において、第2の部分142の集電体11から離れる表面は斜面1421であり、且つ極板の厚さ方向Zに沿って、第1の部分141の厚さw4は、活物質層の厚さw2よりも小さい。これらの実施例において、絶縁層14が活物質層12よりも小さい厚さを有するため、コーティングスラリーの混ざり合いにより活物質層12と絶縁層14との重なり領域のコーティングの厚さが顕著に増加して縁部の膨らみを形成するという問題を減少させることができる。
【0083】
無論、本出願における第2の部分142の形状は、上記の実施例に記載の状況に限定されず、それは本出願の各実施例における各種の構造形状の組み合わせであってもよい。
【0084】
本出願による電池極板1には活物質層12と絶縁層14が塗布されており、絶縁層14は、接続する第1の部分141と第2の部分142を含み、第2の部分142は、絶縁層14の活物質層12に近い側のエッジ領域に位置し、活物質層12は、第2の部分142を覆うように構成されることによって、活物質層12と絶縁層14の極板の厚さ方向Zに沿う投影を部分的に重なり、第2の部分142は活物質層12の上部表面に浸透することがなく、絶縁層14の活物質層12に近い側のエッジ領域において、コーティングスラリーの混ざり合いによる境界のボケの問題が発生することはなく、それによって明瞭な境界線15を形成する。
【0085】
本出願の電池極板1で構造された電極アセンブリ100、電池セルD及び電池Bを使用することで、負極板1bが正極板1aを被覆するように確保し、電池のリチウム析出のリスクを低減させ、電池の安全性を向上させることができる。
【0086】
上記したのは、本出願の好適な実施例に過ぎず、本出願を制限するためのものではなく、当業者にとって、本出願は、種々な変更や変形が有り得る。本出願の精神及び原則内で行われる全ての修正、同等の置き換え、改善などは、いずれも本出願の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0087】
A-車両
B-電池
C-コントローラ
D-電池セル
F-筐体
F1-上筐体
F2-下筐体
M-モータ
100-電極アセンブリ
200-ケース
300-エンドキャップアセンブリ
1-電池極板
1a-正極板
1b-負極板
11-集電体
11a-正極集電体
11b-負極集電体
111-タブ
111a-正極タブ
111b-負極タブ
12-活物質層
12a-正極活物質層
12b-負極活物質層
14-絶縁層
141-第1の部分
142-第2の部分
15-境界線
2-セパレータ
X-極板の幅方向
Y-極板の長手方向
Z-極板の厚さ方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2023-04-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0047】
図3に示すように、電池セルDは一般的には電極アセンブリ100、ケース200及びエンドキャップアセンブリ300を含み、エンドキャップアセンブリ300はケース200の開口に嵌合されることによって、電極アセンブリ100と電解液のために一つの密閉空間を提供する。ケース200は、様々な形状、例えば、円柱体、直方体などであってもよい。ケース200の形状は、電極アセンブリ100の具体的な形状に基づいて確定することができる。例えば、電極アセンブリ100が円柱体構造であれば、ケース200は円柱体構造を選択してもよく、電極アセンブリ100が直方体構造であれば、ケース200は直方体構造を選択してもよい。理解できるように、ケース200の形状と電極アセンブリ100の形状とは、異なっていてもよい。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0049】
図3に示すように、エンドキャップアセンブリ300は、ケース200の開口を閉鎖するために用いられる。電池セルDを組み立てる時、まず電極アセンブリ100をケース200内に置き、電極アセンブリ100とエンドキャップアセンブリ300を電気的接続し固定してから、エンドキャップアセンブリ300の両側とケース200を固定的に接続し、電池セルDの組み立てを完了する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0053】
図5に示すように、正極板1aは、正極集電体11aと正極活物質層12aとを含み、正極集電体11aは、塗布領域と未塗布領域とを含み、正極活物質層12aは、正極集電体11aの塗布領域の表面に塗布されており、極板の幅方向Xに沿って、正極集電体11aの未塗布領域は塗布領域から突出して正極タブ111aを形成する(図6に示すとおり)。リチウムイオン電池を例にし、正極集電体11aの材料はアルミニウムであってもよく、正極活物質はコバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム、三元系リチウム又はマンガン酸リチウムなどであってもよい。極板の厚さ方向Zに沿って、正極活物質層12aは正極集電体11aの一つの表面のみに塗布されてもよく、正極集電体11aの二つの表面に同時に正極活物質層12aを塗布してもよく、図に示す正極集電体11aは、二つの表面に同時に正極活物質層12aが塗布されている。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0054
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0054】
負極板1bは、負極集電体11bと負極活物質層12bと含み、負極集電体11bは、塗布領域と未塗布領域とを含み、負極活物質層12bは、負極集電体11bの表面に塗布されており、極板の幅方向Xに沿って、負極集電体11bの未塗布領域は塗布領域から突出して負極タブ111bを形成する(図6に示すとおり)。負極集電体11bの材料は銅であってもよく、負極活物質は炭素又はシリコンなどであってもよい。極板の厚さ方向Zに沿って、負極活物質層12bは負極集電体11bの一つの表面にのみ塗布されてもよく、負極集電体11bの二つの表面に同時に正極活物質層12aを塗布してもよく、図に示す負極集電体11bは、二つの表面に同時に負極活物質層12bが塗布されている。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0056
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0056】
いくつかの実施例において、電極アセンブリ100は、正極板1aと負極板1b、及び正極板1aと負極板1bの間に介在するセパレータ2を捲回して形成され、電極アセンブリ100を展開した後、正極板1a、セパレータ2、及び負極板1bの積層構造を形成する。図では、電極アセンブリ100における正極板1aと負極板1bの展開後の局所概略図が示されており、正極板1aと負極板1bとの寸法関係を明瞭に示すために、図6では展開したセパレータ2は示されておらず、且つ図中の破線の右側から一部の負極板1bを除去して、正極板1aの寸法状態を示す。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0068
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0068】
極板の厚さ方向Zに沿って、第2の部分142の集電体11に向かう表面と集電体11の表面との最短距離w5の範囲は、式0≦w5≦0.9×w2を満たすべきであり、即ち第2の部分142の集電体11に向かう表面と集電体11の表面との最短距離w5は、活物質層12の厚さw2の0.9倍以下になるべきである。一つの具体的な実施例において、第2の部分142の集電体11に向かう傾斜面1421と集電体11の表面との最短距離w5は0~90μmである。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0075
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0075】
第2の部分142の厚さw3を相対的に小さく設定することによって、活物質層12と第2の部分142との重なり領域のコーティングの厚さの変化も相対的に小さくなり、活物質層12と絶縁層14との重なり領域のコーティングの厚さが顕著に増加することにより縁部の膨らみを形成することはなく、それによって電池極板1の全体的な厚さが一致するように確保し、電池極板1に対して電極アセンブリ100の捲回を行う時、電池極板1の縁部膨らみによるリスクを低減させる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0077
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0077】
活物質層12と絶縁層14の配列方向(極板の幅方向X)に沿って、第2の部分142の幅L2は、第1の部分141の幅L1以下であり、即ちL2≦L1である。いくつかの実施例において、第2の部分142の幅L2の範囲は0.01~2mmであり、活物質層12と第2の部分142の極板の厚さ方向Zにおける投影が重なるように確保するとともに、第2の部分142と活物質層12との重なり幅が広すぎることを回避することもできる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0082
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0082】
図10に示すように、別のいくつかの実施例において、第2の部分142の集電体11から離れる表面は斜面1421であり、且つ極板の厚さ方向Zに沿って、第1の部分141の厚さw4は、活物質層の厚さw2よりも小さい。これらの実施例において、絶縁層14が活物質層12よりも小さい厚さを有するため、コーティングスラリーの混ざり合いにより活物質層12と絶縁層14との重なり領域のコーティングの厚さが顕著に増加して縁部の膨らみを形成するという問題を減少させることができる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池極板であって、
前記電池極板は集電体を含み、
前記集電体の少なくとも一面は、接続する塗布領域と未塗布領域を含み、前記塗布領域に活物質層と絶縁層が塗布され、前記絶縁層は、前記活物質層の前記未塗布領域に近い側に位置し、
ここで、前記絶縁層は、接続する第1の部分と第2の部分を含み、前記第2の部分は、前記絶縁層の前記活物質層に近い側のエッジ領域に位置し、前記活物質層は、前記第2の部分を覆い且つ前記第1の部分を覆わないように構成されることによって、前記活物質層と前記絶縁層が極板の厚さ方向に沿って部分的に重なる、電池極板。
【請求項2】
前記絶縁層の最大厚さは、前記活物質層の最大厚さ以下である、請求項1に記載の電池極板。
【請求項3】
前記第2の部分の最大厚さは、前記第1の部分の最大厚さ以下である、請求項1に記載の電池極板。
【請求項4】
極板の厚さ方向に沿って、前記第2の部分の前記集電体に向かう表面と前記集電体表面との最短距離は0~90μmである、請求項1に記載の電池極板。
【請求項5】
前記第2の部分の前記集電体から離れる表面は斜面であり、且つ前記斜面は、前記第1の部分から前記活物質層へ延伸する方向に沿って、徐々に前記集電体に近付く、請求項1に記載の電池極板。
【請求項6】
前記極板の厚さ方向に沿って、前記第2の部分の前記集電体から離れる表面と前記活物質層外表面との距離は20μm以上である、請求項1に記載の電池極板。
【請求項7】
前記第2の部分の最大厚さは3~90μmである、請求項1に記載の電池極板。
【請求項8】
前記活物質層と絶縁層の配列方向に沿って、前記第2の部分の最大幅は前記第1の部分の最大幅以下である、請求項1~7のいずれか一項に記載の電池極板。
【請求項9】
電極アセンブリであって、請求項1~8のいずれか一項に記載の電池極板を含む、電極アセンブリ。
【請求項10】
電池セルであって、請求項9に記載の電極アセンブリを含む、電池セル。
【請求項11】
電池であって、請求項10に記載の電池セルを複数含む、電池。
【請求項12】
電力消費装置であって、請求項11に記載の電池を含み、前記電池は電気エネルギーを供給するために用いられる、電力消費装置。
【国際調査報告】