(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-18
(54)【発明の名称】装置、ディスク、及び製造方法
(51)【国際特許分類】
G01D 5/245 20060101AFI20231011BHJP
G01D 5/244 20060101ALI20231011BHJP
【FI】
G01D5/245 110J
G01D5/244 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023521020
(86)(22)【出願日】2021-10-04
(85)【翻訳文提出日】2023-06-05
(86)【国際出願番号】 GB2021052557
(87)【国際公開番号】W WO2022074368
(87)【国際公開日】2022-04-14
(32)【優先日】2020-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391002306
【氏名又は名称】レニショウ パブリック リミテッド カンパニー
【氏名又は名称原語表記】RENISHAW PUBLIC LIMITED COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フィンレイ ジョナサン エヴァンス
(72)【発明者】
【氏名】ダンカン サール
【テーマコード(参考)】
2F077
【Fターム(参考)】
2F077AA46
2F077AA47
2F077CC02
2F077NN02
2F077NN11
2F077NN14
2F077NN24
2F077NN27
2F077PP01
2F077PP05
2F077PP19
2F077QQ01
2F077QQ15
2F077QQ17
2F077VV11
2F077VV33
(57)【要約】
エンコーダスケールディスクおよびマウントを含む装置であって、エンコーダスケールディスクは、スケールディスクをマウント上に配置するように、マウントと相互作用するように構成され、スケールの半径方向外側に配置される半径方向および/または接線弾性特徴を含む。エンコーダスケールディスクは、ディスクから半径方向に偏向する半径方向弾性特徴を含んでもよい。また、開示は、エンコーダスケールディスクを含む装置を製造する方法であって、デバイスに半径方向弾性特徴を含むディスクを取り付けることであって、ディスクの前記半径方向弾性特徴は、ディスクを半径方向圧縮状態に配置するためにデバイスと相互作用すること、とディスクを装置に取り付けることであって、スケールを適用するためのデバイス上の取り付け特徴および装置は、ディスクを半径方向圧縮に配置するために同じ方法で相互作用すること、と含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンコーダスケールディスクおよびマウントを含む装置であって、
前記エンコーダスケールディスクは、半径方向弾性特徴および接線弾性特徴を含み、前記半径方向弾性特徴および接線弾性特徴は、前記スケールディスクを前記マウント上に配置するように、前記マウントと相互作用するように構成され、スケールの半径方向外側に配置されることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記エンコーダスケールディスクは、半径方向弾性特徴を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記半径方向弾性特徴は、屈曲を含む、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記エンコーダスケールディスクの前記特徴は、前記ディスクから半径方向に偏向する、請求項2または3に記載の装置。
【請求項5】
前記特徴は、前記ディスクから半径方向外向きに偏向する、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
エンコーダスケールディスクおよびマウントを含む装置であって、前記マウントに取り付けた場合に、前記エンコーダスケールディスクの周囲面の特徴は、前記マウントと相互作用して、前記エンコーダスケールディスクを半径方向圧縮に置き、前記エンコーダスケールディスクを前記マウント上に保持することを特徴とする装置。
【請求項7】
前記マウントに取り付けた場合に、前記エンコーダスケールディスクの前記周囲面の特徴は、前記マウントの一部を変形する、請求項1~6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記マウントに取り付けた場合に、前記エンコーダスケールディスクの前記周囲面の特徴は、前記マウントの一部により変形される、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記変形は、弾性変形を含む、請求項7または8に記載の装置。
【請求項10】
エンコーダスケールディスクおよびマウントを含む装置であって、前記マウントに取り付けた場合に、前記エンコーダスケールディスクは半径方向圧縮の状態に配置されることを特徴とする装置。
【請求項11】
請求項1~5のいずれか一項に記載のエンコーダスケールディスク。
【請求項12】
請求項1~10のいずれか一項に記載の装置および/または請求項11に記載のエンコーダスケールディスクを含む、測定装置。
【請求項13】
エンコーダスケールディスクを含む装置を製造する方法であって、
スケールを適用するためのデバイスに半径方向弾性特徴を含むディスクを取り付けることであって、前記ディスクの前記半径方向弾性特徴は、ディスクを半径方向圧縮状態に配置するためにスケールを適用するためにデバイスと相互作用すること、と
前記ディスクにスケールを適用すること、と
スケールを適用するために前記デバイスから前記ディスクを取り外すこと、と
前記ディスクを装置に取り付けることであって、スケールを適用するためのデバイス上の取り付け特徴および前記装置は、ディスクを半径方向圧縮に配置するために同じ方法で相互作用すること、と
を順不同で含む方法。
【請求項14】
前記半径方向弾性特徴の半径方向内側の位置で前記ディスクにスケールを適用する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
スケールを適用するための前記デバイスのマウントまたは前記装置のマウントに取り付けられた場合に、前記ディスクの半径方向弾性特徴により前記マウントまたは各マウントの一部が変形する、請求項13または14に記載の装置の製造方法。
【請求項16】
スケールを適用するための前記デバイスのマウントまたは前記装置のマウントに取り付けられた場合に、前記ディスクの前記半径方向弾性特徴は、当該マウントまたは各マウントの一部によって変形される請求項13~15のいずれか一項に記載の装置の製造方法。
【請求項17】
スケールを適用するための前記デバイスおよび前記装置は、前記ディスクの前記半径方向弾性特徴と相互作用するための幾何学的に共通の特徴を含む、請求項13~16のいずれか一項に記載の装置の製造方法。
【請求項18】
前記ディスクは、スケールを適用するための前記デバイスの前記マウントまたは第1の位置と第2の位置との間の前記装置のマウントに対して移動され、第2の位置での前記マウントと前記半径方向弾性特徴との間の相互作用は、前記ディスクに半径方向内向きの力を加える、請求項13~17のいずれか一項に記載の装置の製造方法。
【請求項19】
前記第2の位置で前記ディスクに加えられる前記半径方向内向きの力は、スケールを適用するための前記デバイスのマウントまたは前記第1の位置での前記装置のマウントによって前記ディスクに加えられる半径方向内向きの力よりも大きい、請求項18に記載の装置の製造方法。
【請求項20】
前記第1の位置において、スケールを適用するための前記デバイスのマウントまたは前記装置のマウントと前記半径方向弾性特徴との間に隙間がある、請求項18または19に記載の装置の製造方法。
【請求項21】
前記エンコーダディスクは、スケールを適用するための前記デバイスのマウント、または前記第1の位置と前記第2の位置との間の前記装置のマウントに対して回転される、請求項18~20のいずれか一項に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンコーダ装置および製造方法、特にスケールディスクを含むエンコーダ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エンコーダは、典型的には、機械の比較的可動部分間の相対変位を測定するために使用される。例えば、エンコーダは、多くの産業において、機械の制御システムへの位置(またはその派生物、例えば、速度および/または加速度)フィードバック、例えば、機械の別の部分に対する機械のある部分の位置/動きに対するフィードバック制御を提供するために使用される。典型的には、エンコーダは、機械の一方の部分に設けられた一連の位置特徴を有するスケールと、機械の他方の部分に設けられたスケールを読み取るための読み取りヘッドとを備える。計測スケールの種類には、磁気スケール(スケール特徴が特定の磁気特性を有する特徴によって提供される)、静電容量スケール(特徴が特定の静電容量特性を有する特徴によって提供される)、誘導スケール(特徴が特定の誘導特性を有する特徴によって提供される)、及び、光学スケール(特徴が特定の光学特性を有する特徴によって提供される)が含まれる。光学スケールは、透過性または反射性であってもよい。機械の第1および第2の部分の相対的な変位は、エンコーダスケールおよび読み取りヘッドの相対的な移動を引き起こし、変位の程度を決定することができる。言い換えれば、スケールと読み取りヘッドの相対位置、したがって機械部品の相対位置は、エンコーダの測定寸法に沿った読み取りヘッドによって検出することができる。
【0003】
エンコーダは、線形変位を測定するための線形エンコーダであり得るか、またはエンコーダは、回転変位を測定するための回転エンコーダであり得る。回転エンコーダのために、スケールは、読み取りヘッドに関するシャフトまたは他の回転部分と共に使用して回転する部材上に設けられてもよい。特に、スケールを有し、シャフトと共に使用中に回転し得る部材は、ディスクまたはリングであり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特願平05-296789号公報
【特許文献2】米国特許第5758427号
【特許文献3】米国特許第6255644号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
エンコーダスケールディスク1の例を
図1(a)に示す。エンコーダスケールディスク1は、第1の面2および第2の面4を有する。周囲面7は、ディスクの外縁部上の第1の面2と第2の面4との間に位置する。エンコーダスケールディスクの場合、スケール8は、ディスクの面2、4上に位置し得る。特許文献1は、スリットプレート21を有するエンコーダスケールディスクの例を開示し、ここで、スケールは、第1の面から第2の面までディスクを通って延在し、これは、透過性光学エンコーダディスクの例である。特許文献2は、スケールディスク40の面を読み取るために配置された走査ユニット41を示す回転エンコーダの例を開示する。特許文献3は、ディスクDSの片面から延在する取り付け部DMを有するディスクDSを含むコードプレート6を開示している。シャフト部材20への取り付けは、ディスクDSから離れた取り付け部分DMを介して行われる。
図1(b)は、エンコーダリングスケール10の例を示す。エンコーダリングスケールの場合、スケール12は、2つの面16、18の間に位置する周囲面14上に位置する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様によれば、エンコーダスケールディスクおよびマウントを含む装置が提供される。エンコーダスケールディスクは、半径方向弾性特徴を含み得る。エンコーダスケールディスクは、接線的に弾力性のある特徴を含み得る。エンコーダスケールディスクは、半径方向弾性特徴および接線弾性特徴を含み得る。半径方向弾性特徴および/または接線弾性特徴は、スケールの半径方向外側に配置され得る。半径方向弾性特徴および/または接線弾性特徴は、スケールディスクをマウント上に配置するように、マウントと相互作用するように構成され得る。
【0007】
半径方向弾性特徴および/または接線弾性特徴をスケールの半径方向外側に配置することにより、エンコーダスケールディスクをディスクの周辺を介して取り付けることができる。これにより、スケールの半径方向内側の領域を増加させることができる。スケールの半径方向内側に増加した領域は、より多くのコンポーネント(例えば、電子部品または穴を通過するワイヤ、ケーブル、ホース、チューブなどを含み得る貫通孔供給部)がスケールの半径方向内側に配置され得るため、エンコーダのサイズの縮小を可能にすることができる。半径方向弾性特徴および/または接線弾性特徴をスケールの半径方向外側に配置することは、エンコーダスケールディスクを中空シャフト内に取り付けることを可能にすることができ、そのような実施形態では、貫通孔供給部または電子部品がスケール内に配置されるためのスペースが増加することが有利であり得る。これにより、外部固定を必要とせずにエンコーダスケールディスクを取り付けることができる。
【0008】
エンコーダは、回転エンコーダであってもよい。エンコーダは、回転ディスクエンコーダであってもよい。エンコーダは、単一の読み取りヘッドを含み得る。エンコーダは、2つ以上の読み取りヘッドを含んでもよく、例えば、エンコーダは、2つの読み取りヘッドを含んでもよい。2つの読み取りヘッドを有するロータリエンコーダは、シャフトに対するスケールの同心性の欠如から生じ得る少なくともいくつかのエラーを軽減または排除し得る。
【0009】
半径方向弾性特徴は、半径方向に準拠していてもよい。半径方向弾性特徴は、屈曲を含み得る。エンコーダスケールディスクは、実質的に環状のディスク(例えば、平らで実質的に円形のディスクまたは環状)を含み得る。半径方向弾性特徴は、ディスクから半径方向に偏向し得る。特徴は、ディスクから半径方向外向きに偏向し得る。半径方向弾性特徴は、ディスクから半径方向内向きに偏向し得る。
【0010】
ディスクからの半径方向弾性特徴の半径方向の偏差は、ディスクの取り付けを支援することができ、エンコーダスケールディスクが取り付けられる部分に存在し得る取り付け特徴によって当接する表面を提供することによって、繰り返し可能な取り付け(すなわち、またはエンコーダスケールディスクは、毎回実質的に同じ方向で部品に対して同じ位置に取り付けることができる)を可能にすることができる。取り付け特徴による当接部は、エンコーダスケールディスクを所定の位置に保持するために、エンコーダスケールディスクに力を加えることを可能にする。追加の保持、例えば接着剤が提供され得る。
【0011】
半径方向弾性特徴は、減少した半径方向剛性のディスクの周辺表面の領域または部分を含み得る。半径方向弾性特徴は、増加した半径方向コンプライアンスのディスクの周辺表面の領域または部分を含み得る。半径方向弾性特徴は、増加した半径方向剛性のディスクの周辺表面の領域または部分を含み得る。半径方向弾性特徴は、減少した半径方向コンプライアンスのディスクの周辺表面の領域または部分を含み得る。
【0012】
違いは、半径方向の剛性または半径方向のコンプライアンスが、エンコーダスケールディスクを所定の位置に保持するために、エンコーダスケールディスクに力を加えることができることである。これは、エンコーダスケールディスクに圧縮荷重を加えることによって達成され得る。これは、半径方向内側コンポーネントを有する力または複数の力をエンコーダスケールディスクに加えることによって達成され得る。
【0013】
エンコーダスケールディスクは、金属エンコーダスケールディスクを含み得る。エンコーダスケールディスクは、金属合金を含み得る。例えば、エンコーダスケールディスクは、鋼、アルミニウム、もしくは別の金属または金属合金のうちの1つ以上を含み得る。エンコーダスケールディスクは、プラスチックを含み得る。エンコーダスケールディスクは、ガラスを含み得る。エンコーダスケールディスクは、セラミックを含み得る。
【0014】
本発明の第2の態様によれば、エンコーダスケールディスクおよびマウントを含む装置が提供される。マウントに取り付けると、エンコーダスケールディスクの周囲面の特徴は、マウントと相互作用して、エンコーダスケールディスクを半径方向圧縮に置くことができ、これは、エンコーダスケールディスクをマウント上に保持することができる。
【0015】
マウントとの相互作用によって半径方向圧縮を介してエンコーダスケールディスクを保持することにより、エンコーダスケールディスクをディスクの周辺を介して取り付けることができる。これにより、スケールの半径方向内側の領域を増加させることができる。スケールの半径方向内側に増加した領域は、より多くのコンポーネント(例えば、電子部品または貫通孔供給部)がスケールの半径方向内側に配置され得るため、エンコーダのサイズの縮小を可能にすることができる。ディスクの周辺を介してエンコーダスケールディスクを取り付けることはまた、ディスクの内径を増加させることを可能にし得(例えば、ディスクが環状である場合)、同じ直径のディスクに対してより小さなエンコーダスケールディスク質量を可能にし得る。これにより、エンコーダスケールディスクを、外部固定を必要とせずに取り付けることができる。
【0016】
マウントに取り付けると、エンコーダスケールディスクの周囲面の特徴がマウントの一部を変形させる可能性がある。追加的または代替的に、マウントに取り付けられ、エンコーダスケールディスクの周囲面の特徴は、マウントの一部によって変形される。変形は、弾性変形を含み得る。これは、例えば、マウントに取り付ける前にディスク上にスケールを形成するためのデバイス上を含んで、ディスクを繰り返し取り付けることを可能にし得る(すなわち、またはエンコーダスケールディスクは、毎回実質的に同じ方向の部品に対して同じ位置に取り付けることができる)。繰り返し可能な取り付けは、スケールを形成するためのデバイスに取り付けられたときのエンコーダスケールディスクの位置と、知られているマウントに取り付けられたときのエンコーダスケールディスクの位置との間を関係づけることができる。
【0017】
本発明の第3の態様によれば、任意の適切な順序で、スケールを適用するためのデバイスに半径方向弾性特徴を含むディスクを取り付けることを含む、エンコーダスケールディスクを含む装置を製造する方法が提供され、ディスクの半径方向弾性特徴は、ディスクを半径方向圧縮に配置するためにスケールを適用するためにデバイスと相互作用し、ディスクにスケールを適用し、スケールを適用するためにデバイスからディスクを取り外し、ディスクを装置に取り付けることであって、スケールを適用するためのデバイス上の取り付け特徴および装置は、ディスクを半径方向圧縮に配置するために同じ方法で相互作用する。
【0018】
任意選択で、この方法は、半径方向弾性特徴の半径方向内側の位置でディスクにスケールを適用することを含む。任意選択で、スケールを適用するためのデバイスのマウントまたは装置のマウントに取り付けるとき、ディスクの半径方向弾性特徴により当該マウントまたは各マウントの一部は変形する。
【0019】
任意選択で、スケールを適用するためのデバイスのマウントまたは装置のマウントに取り付けると、ディスクの半径方向弾性特徴は、当該マウントまたは各マウントの一部によって変形される。任意選択で、スケールを適用するためのデバイスおよび装置は、ディスクの半径方向弾性特徴と相互作用するための幾何学的に共通の特徴を含む。
【0020】
任意選択で、ディスクは、スケールを適用するためのデバイスのマウントまたは第1の位置と第2の位置との間の装置のマウントに対して移動され、第2の位置でのマウントと半径方向弾性特徴との間の相互作用は、ディスクに半径方向内向きの力を加える。
【0021】
第2の位置でディスクに加えられる半径方向内向きの力は、スケールを適用するためのデバイスのマウントまたは第1の位置での装置のマウントによってディスクに加えられる半径方向内向きの力よりも大きくてもよい。第1の位置では、スケールを適用するためのデバイスのマウントまたは装置のマウントと半径方向弾性特徴との間に隙間があり得る。
【0022】
任意選択で、エンコーダディスクは、スケールを適用するためのデバイスのマウント、または第1の位置と第2の位置との間の装置のマウントに対して回転される。
【0023】
本発明の第4の態様によれば、エンコーダスケールディスク、およびマウントを備えるエンコーダ装置が提供され、マウントに取り付けられたとき、エンコーダスケールディスクは半径方向圧縮に配置される。これにより、エンコーダスケールディスクを、外部固定を必要とせずに取り付けることができる。これにより、製造プロセスの複雑さを軽減することができる。これにより、スケールの半径方向内側の領域を増加させることができる。スケールの半径方向内側に増加した領域は、より多くのコンポーネント(例えば、電子部品または貫通孔供給部)がスケールの半径方向内側に配置され得るため、エンコーダのサイズの縮小を可能にすることができる。エンコーダスケールディスクの半径方向圧縮を介してエンコーダスケールディスクを取り付けることはまた、ディスクの内径を増加させることを可能にし得(例えば、ディスクが環状である場合)、同じ直径のディスクに対してより小さなエンコーダスケールディスク質量を可能にし得る。これにより、エンコーダスケールディスクを、外部固定を必要とせずに取り付けることができる。
【0024】
本発明の第5の態様によれば、第1、第2、および/または第3の態様のいずれか1つのエンコーダスケールディスクが提供される。
【0025】
本発明の第6の態様によれば、第1、第2、および/または第3の態様のいずれか1つのエンコーダ装置、および/または第4の態様のエンコーダスケールディスクを含む測定装置が提供される。
【0026】
任意選択で、測定装置は、(例えば、走査プローブまたはタッチトリガープローブの一部として)関節屈曲ヘッドを備える。関節屈曲したヘッドは、タッチプローブの一部であり得る。関節屈曲したヘッドは、撮像プローブの一部であり得る。関節屈曲したヘッドは、誘導プローブの一部であり得る。関節屈曲したヘッドは、容量性プローブの一部であり得る。関節屈曲したヘッドは、5つ以上の自由度を有してもよい。関節屈曲したヘッドは、最大5度の自由度を有することができる。
【0027】
本発明の第7の態様によれば、第1の態様、第2の態様、および/または第3の態様のいずれか1つによるエンコーダ装置、および/または第4の態様のエンコーダスケールディスクを製造する方法であって、任意の適切な順序で、スケールを適用するためのデバイスに半径方向弾性特徴を含むディスクを取り付けることを含み、ディスクの半径方向弾性特徴は、スケールを適用してディスクを半径方向に配置するためのデバイスと相互作用する方法が提供される。必要に応じて、ディスクは環状である。
【0028】
エンコーダスケールディスクの半径方向弾性特徴を使用して、スケールを適用するためのデバイスと相互作用することにより、スケールを適用するためのデバイス上にエンコーダスケールディスクが取り付けられている位置と、エンコーダスケールディスクが既知のエンコーダのマウント上に取り付けられている位置との間を関係づけることができる。スケールを適用するためのデバイスとエンコーダのマウントの両方におけるエンコーダスケールディスクの相対位置を知ることにより、エンコーダ上のスケールの位置を知ることができる。これは、例えば、スケールおよびエンコーダのマウントを適用するためのデバイス上に類似または実質的に同一の特徴を有することによって達成することができる。エンコーダスケールディスク上のエンコーダスケールディスクの位置間の関係を既知または測定することができるため、スケールを適用するためのデバイスおよびエンコーダのマウント上の特徴は、エンコーダスケールディスク上のデバイスのそれぞれに繰り返し取り付ける(すなわち、エンコーダスケールディスクまたはエンコーダスケールディスクは、毎回実質的に同じ向きの部品に対して同じ位置に取り付けることができる)ことができる限り、同一または同様である必要はないことが理解されるであろう。
【0029】
任意選択で、この方法は、半径方向弾性特徴の半径方向内側の位置でディスクにスケールを適用することを含む。エンコーダ装置を製造する方法は、ディスクをマウントに取り付けることを含み得、ディスクの半径方向弾性特徴は、ディスクを半径方向圧縮に配置するためにマウントと相互作用する。任意選択で、エンコーダ装置の製造方法の間に、マウントに取り付けられたとき、ディスクの半径方向弾性特徴はマウントを部分的に変形する。任意選択で、マウントに取り付けると、ディスクの半径方向弾性特徴がマウントの一部によって変形する。
【0030】
任意選択で、スケールを適用するためのデバイスおよびエンコーダのマウントは、ディスクの半径方向弾性特徴と相互作用するための幾何学的に共通の特徴を含む。スケールを適用するためのデバイス及びエンコーダのマウントのためのディスクの半径方向弾性特徴と相互作用するための幾何学的に共通の特徴を提供することは、スケールを適用するためのデバイス上にエンコーダスケールディスクが取り付けられている位置と、エンコーダスケールディスクが既知のエンコーダのマウント上に取り付けられている位置とを関係づけることができる。幾何学的に共通の特徴は、エンコーダスケールディスクを、スケールおよびエンコーダのマウントを適用するためのデバイスのためのディスクの半径方向弾性特徴の幾何学的に共通の特徴に対して同じ位置に配置することを可能にすることができる。任意選択で、スケールを適用するためのデバイスおよびエンコーダのマウントは、ディスクの半径方向弾性特徴と相互作用するための幾何学的に同一の特徴を含む。
【0031】
任意選択で、ディスクは、エンコーダのマウントまたは第1の位置と第2の位置との間にスケールを適用するためのデバイスのマウントに対して可動であり、ここで、第2の位置において、エンコーダのマウントまたはスケールを適用するためのデバイスのマウントと半径方向弾性特徴の間の相互作用は、ディスクに半径方向内向きの力を加える。任意選択で、第2の位置でディスクに加えられる半径方向内向きの力は、エンコーダまたは第1の位置でスケールを適用するためのデバイスのマウントによってディスクに加えられる半径方向内向きの力よりも大きい。任意選択で、エンコーダスケールディスクは、第1の位置と第2の位置との間で回転させることができる。これにより、ディスクを第2の位置に保持することができる。任意選択で、エンコーダスケールディスクは、最初の位置にあるときにスケールを適用するために、デバイスから自由に取り外すことができる。
【0032】
本発明の第8の態様によれば、エンコーダスケールディスクは、第1の位置と第2の位置との間でマウントに対して可動であり、マウントと半径方向弾性特徴との間の第2の位置相互作用において、ディスクに半径方向内向きの力を加える、第1の態様、第2の態様、および/または第3の態様のいずれか1つによるエンコーダ装置の製造方法が提供される。任意選択で、第2の位置のエンコーダスケールディスクに加えられる半径方向内向きの力は、第1の位置のマウントによるエンコーダスケールディスクへの半径方向内向きの力よりも大きい。任意選択で、第1の位置には、マウントと半径方向弾性特徴との間に隙間がある。任意選択で、エンコーダディスクは、第1の位置と第2の位置との間のマウントに対して回転可能である。
【0033】
有利には、エンコーダスケールディスクを第1の位置と第2の位置との間で移動させることにより、エンコーダスケールディスクを保持された(または使用中の)位置と、挿入位置であり得る別の位置との間で移動させることができる。これは、エンコーダスケールディスクが、エンコーダスケールディスクがマウント上に保持される第2の位置に移動される前に、エンコーダスケールディスクをマウント内の第1の位置に挿入することを可能にすることによって、製造プロセスを簡素化することができる。取り付けは、エンコーダスケールディスク上のエンコーダスケールがマウントに対して同じ位置に配置されるように、繰り返し可能であり得る(すなわち、またはエンコーダスケールディスクは、毎回実質的に同じ方向で部品に対して同じ位置に取り付けることができる)。
【図面の簡単な説明】
【0034】
ここで、実施形態は、例としてのみ、かつ以下の図面を参照して例示される。
【
図1(a)】
図1(a)は、エンコーダスケールディスクの例を示す。
【
図1(b)】
図1(b)は、エンコーダリングスケールの例を示す。
【
図2】
図2は、本発明によるエンコーダスケールディスクの実施形態を示す。
【
図3】
図3は、本発明によるエンコーダの実施形態を示す。
【
図4】
図4は、線IV-IVに沿った
図3のエンコーダの断面図を示す。
【
図7】
図7は、マウントに対して第1の位置にあるエンコーダスケールディスクを示す。
【
図8】
図8は、マウントに対して第2の位置にあるエンコーダスケールディスクを示す。
【
図10】
図10は、エンコーダスケールディスク製造方法を示す。
【
図11】
図11は、本発明によるエンコーダスケールディスクの第2の実施形態を示す。
【
図12】
図12は、本発明によるエンコーダスケールディスクの第3の実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図2は、エンコーダスケールディスク100の実施形態を示す。この実施形態では、エンコーダスケールディスク100は、3つの半径方向弾性特徴110を備える。この実施形態では、特徴110は、屈曲部110の形態である。屈曲部110のそれぞれは、開口部112および突出部114を備える。突出部114は、この実施形態のエンコーダスケールディスク100の概して円形の形状から半径方向外側に偏向する。エンコーダスケールディスク100は、(
図3及び
図4に見られるように)概して平面の環状形状を有する。
【0036】
図2の実施形態のエンコーダスケールディスク100は、周辺縁部120と、内側空間140の周りに配置された3つのアセンブリ特徴130とを備える。アセンブリ特徴130は、エンコーダまたはスケールを適用するためのデバイスのためのデバイス内にエンコーダスケールディスクを保持および位置決めするために使用することができる。内部空間140は、エンコーダスケールディスク100が使用されているときに、軸および/または貫通孔供給部のためのスペースを可能にすることができる。
図2に示されるように、エンコーダスケールディスク100は、第1の面160上にも位置する参照標識150を含むスケールを含み、第1の面160上に位置するスケールはまた増分スケール(インクリメンタルスケール)145である。
図2のエンコーダスケールディスク100は、光増分スケールディスクである。他のマーキングは、第1の面160上に存在してもよく、例えば、
図2に示される実施形態は、エンコーダスケールディスク100の第1の面160上に識別マーキングを示す。
【0037】
図3は、エンコーダ200の実施形態を示す。エンコーダ200は、エンコーダスケールディスク100およびマウント300を備える。エンコーダは、読み取りヘッド250(
図4に示される)をさらに備える。マウント300は、囲み310を備える。この実施形態では、囲み310は、3つのマウントギャップ312を含む。エンコーダ200はまた、軸320を備える。
図3に見ることができるように、エンコーダスケールディスクの半径方向弾性特徴110の区域内の周辺縁部120は、エンコーダスケールディスクをマウント上に保持するために、マウント300の囲み310と相互作用する。半径方向弾性特徴110の区域では、エンコーダスケールディスク100は、マウント300の囲み310に対して押し付けられる。これにより、半径方向内向きの力が半径方向弾性特徴110に印加される。半径方向弾性特徴110は、圧縮状態に配置される。エンコーダスケールディスク100は、スケール152を備える。
【0038】
図4は、
図3の線IV-IVに沿った断面で、
図3のエンコーダ200を示す。
図4に見ることができるように、エンコーダスケールディスク100は、第1の面160(スケール152を含む)、第2の面170、及びエンコーダスケールディスク100の外周上の第1の面160と第2の面170との間に延在する周縁120を有する。
図3および
図4に示される実施形態では、エンコーダスケールディスク100は、第1の面160と第2の面170との間に延在する半径方向の内側縁部180を備えることが分かる。この実施形態では、半径方向の内側縁部180は、軸320から離間されている。エンコーダスケールディスク100は、周辺縁部120を介してマウント300に取り付けられる。この実施形態のエンコーダスケールディスク100は、半径方向内側縁部180を介して軸320に直接取り付けられていない。
【0039】
読み取りヘッド250は、スケール152を読み取るために提供される。図示される実施形態では、使用中、エンコーダスケールディスク100は、軸320の周りで回転される。これは、エンコーダスケールディスク100及び読み取りヘッド250の相対的な移動を引き起こす。読み取りヘッド250は、相対的な動きの量および/または相対的な動きの速度を監視することを可能にする、現在の実施形態のスケール152および参照マークを監視する。
【0040】
図3の実施形態の代替的な図は、
図5および6に見ることができる。
【0041】
図7および
図8は、囲み310を介してエンコーダスケールディスク100をマウント300に取り付ける方法を示す。
【0042】
図7は、エンコーダスケールディスク100がマウント300に対して第1の位置であることを示す。第1の位置では、半径方向弾性特徴110は、マウント300のマウントギャップ312と並んでいる。第1の位置では、半径方向弾性特徴110は、半径方向内向きの力が半径方向弾性特徴110に印加されるように、囲み310と相互作用しない。この実施形態では、これは、半径方向弾性特徴110と囲み310内のギャップ312によって提供される囲み310との間に隙間があるためである。第1の位置では、エンコーダスケールディスク100は、半径方向スケールディスク100の平面に垂直な方向に自由に移動することができる。これにより、エンコーダスケールディスク100をマウント300から挿入および/または取り外すことができる。
【0043】
図8は、マウント300に対して第2の位置にあるエンコーダスケールディスクを示す。第2の位置では、エンコーダスケールディスク100の半径方向弾性特徴110は、囲み310と相互作用して、半径方向弾性特徴110に半径方向内向きの力を加えさせる。示される実施形態では、半径方向弾性特徴がエンコーダスケールディスク100の概して円形の形状から半径方向外向きに偏向するため、半径方向弾性特徴110は囲み310と相互作用する。半径方向内向きの力は、例示される実施形態の屈曲部114を内向きに変形させる。半径方向内向きの力により、エンコーダスケールディスクをマウントに保持できる。この結果、エンコーダスケールディスク100は圧縮荷重を受ける。
【0044】
エンコーダスケールディスク100を
図7に示される第1の位置から
図8に示される第2の(保持される)位置に移動させるために、エンコーダスケールディスク100は(ディスクの平面内で)回転される。エンコーダスケールディスク100が
図7に示される第1の位置から
図8に示される第2の位置に移動するにつれて、半径方向弾性特徴110は、マウント300の囲み310と相互作用し始める。例示される実施形態では、囲み310およびエンコーダスケールディスクは、エンコーダスケールディスク100がさらに回転するにつれて、囲み310によって半径方向に弾性特徴110に加えられる半径方向内向きの力が増加するように形作られる。図示の実施形態では、
図8に示される第2の位置は、エンコーダスケールディスク100をさらに回転させるために克服される必要のある抵抗が急激に増加する停止位置を表し、したがって、エンコーダスケールディスク100をマウント300に挿入し、エンコーダスケールディスク100を同じ位置に繰り返し回転させることが可能である。これは、エンコーダのマウントに対するエンコーダスケールディスク100の位置(したがって、スケール152)を、具体的に測定する必要なしに知ることができることを意味する。図示の実施形態では、エンコーダスケールディスクは、アセンブリ特徴130を使用して回転することができる。
【0045】
図9は、エンコーダ200の組み立て方法400を詳述するフローチャートを示す。
図9に示される第1のステップ402において、エンコーダスケールディスク100は、第1の位置にあるようにマウントに挿入される。上記の実施形態では、これは、3つの半径方向弾性特徴110がマウントギャップ312と整列している
図7に示される状況に対応する。第1の位置では、エンコーダスケールディスク100は、半径方向弾性特徴110がマウントギャップと整列している間、実質的な抵抗に会うことなく、エンコーダスケールディスク100の平面に垂直にマウントに挿入され得る。これにより、エンコーダスケールディスク100をマウント300から簡単に挿入(または取り外す)ことができる。スケール152の損傷またはエンコーダスケールディスク100の汚染を回避するために、ツールを使用してエンコーダスケールディスク100を第1の位置から移動させることが望ましい場合がある。ステップ404において、ツールは、エンコーダスケールディスク100と係合される。ステップ406において、エンコーダスケールディスク100は、第2の位置に回転され、これは、ツールを回転させることによって引き起こされ得る。ステップ408において、ツールは取り外される。
【0046】
一実施形態では、半径方向弾性特徴110に対するスケール152の位置は、エンコーダマウント300と同一のエンコーダスケールディスク100用のマウントを有するスケールマーキングデバイス(レーザアブレーターなど)を使用することによって制御することができる。エンコーダ200のマウント300とスケールマーキングデバイスのマウントとの間の幾何学的類似性は、エンコーダスケールディスク100をスケールマーキングデバイスのマウントに挿入し、
図7および
図8に示されるエンコーダのマウント300に関して上述したのと同じ繰り返し可能な方法で配置することを可能にすることができる。
【0047】
図10は、エンコーダスケールディスク100を製造する方法500を示す。第1のステップ502では、エンコーダスケールディスク100は、エンコーダスケールディスク100上にスケールが存在することなく、スケールマーキングデバイス(一実施形態ではレーザアブレーターである)の第1の位置に挿入される。エンコーダスケールディスク100は、半径方向弾性特徴110がスケールマーキングデバイスに存在するマウントギャップと整列している間、実質的な抵抗に会うことなく、エンコーダスケールディスク100の平面に垂直にスケールマーキングデバイスに挿入することができる。
【0048】
これにより、スケールマーキングデバイスからエンコーダスケールディスク100を簡単に挿入(または取り外す)ことができる。エンコーダスケールディスク100を第1の位置から移動させるためにツールを使用することが望ましい場合がある。これは、スケールマーキングプロセスを妨げる可能性のある汚染からエンコーダスケールディスク100の表面を保護するのに役立ち得る。ステップ504において、ツールは、エンコーダスケールディスク100と係合される。ステップ506において、エンコーダスケールディスク100は、第2の位置に回転され、これは、ツールを回転させることによって引き起こされ得る。スケールマーキングプロセス中にツールを取り外す必要がある場合がある。ステップ508において、スケールマーキングデバイスは、エンコーダスケールディスク上のスケールをマーキングする。ステップ510において、エンコーダスケールディスクは、第2の位置から第1の位置に回転される。これには、ツールの再係合が含まれる場合がある。ステップ512において、エンコーダスケールディスク100は、スケールマーキングデバイスから取り外される。
【0049】
図11は、エンコーダスケールディスク1000の第2の実施形態を示す。エンコーダスケールディスク1000は、
図11に示されていない第1の実施形態のものと同様の特徴を有し得ることが理解されるであろう。特に、エンコーダスケールディスク100は、スケール(スケール152に類似する)を含み得、参照マーク(参照マーク150に類似する)を含み得る。エンコーダスケールディスク1000は、アセンブリ特徴(アセンブリ特徴130に類似する)を含み得る。任意選択で、エンコーダスケールディスク1000は、識別マーキング(他の実施形態に示される識別マーキングに類似する)を含む。
【0050】
図11の実施形態は、実質的に平面のディスクを示し、この実施形態では、周辺縁部1120を含む環状リングの形態である。この実施形態では、エンコーダスケールディスクは、エンコーダスケールディスク1000をマウント3000内に維持するために使用される3つの取り付け特徴1100を備える。マウント3000は、例えば、エンコーダのマウントであってもよく、あるいは、スケールを適用するためのデバイスのマウントであってもよい。見ることができるように、マウント3000は、エンコーダスケールディスクの3つの取り付け特徴1100に対応する3つの取り付け空間3010を備える。
【0051】
各取り付け特徴1100は、第1の部分1200および第2の部分1220を備える。当該実施形態では、第1の部分1200および第2の部分1220は、異なる幅を有する。これにより、第2の部分1220は、エンコーダスケールディスク1000の周辺縁部1120に接する方向に、より容易に偏向することができる。
図11は、マウント3000の取り付け空間3010内に位置する取り付け特徴1100を示す。しかしながら、取り付け空間3010内に位置しない場合、取り付け特徴1100の第1の部分1200及び第2の部分1220は、並列にエンコーダスケールディスクから延在しない。現在の実施形態では、マウントに取り付けられていない場合、第1の部分1200は、エンコーダスケールディスク1000の中心から実質的に半径方向に延在し、第2の部分1220は、第1の部分1200から離れて延在し、第1の部分1200と第2の部分1220との間のギャップ1230は、環状ディスクの中心からより大きな半径方向距離であるほど、より大きくなる。これは、取り付け特徴1100が、マウント3000の空間3010内に収まるように互いに強制されなければならないことを意味する。
【0052】
マウント3000に取り付けると、取り付け特徴1100は、エンコーダスケールディスクの周辺縁部1120(すなわち、矢印AおよびBの方向)に接する力をマウントに対して及ぼす。接線力は、エンコーダスケールディスク1000をマウント3000に保持するために使用することができる。
【0053】
第3の実施形態を
図12に示す。
図12は、マウント4000の空間4010内に配置された取り付け特徴2100が示される、マウント4000内に取り付けられたエンコーダスケールディスク2000の一部を示す。この実施形態では、取り付け特徴2100は、第1の部分2200および第2の部分2230を有し、マウント4000の空間4010内に位置するとき、第1の部分2200は、マウント4000上のエンコーダスケールディスク2000の外周縁部に実質的に接線的な力(すなわち、矢印Cの方向)を及ぼし、第2の部分2230は、エンコーダスケールディスクの周縁部に対して接線的および半径方向の両方の構成要素を有するマウント4000上に力を及ぼす(この実施形態では、マウント4000上の第2の部分2230によって及ぼされる力は、矢印Dの方向にある)。
【0054】
図示されていない第4の実施形態では、エンコーダスケールディスクの取り付け特徴は、第1および第2の部分を含み得、ここで、第1および第2の部分のそれぞれは、マウントに取り付けられたとき、エンコーダスケールディスクの周辺縁部に対して半径方向および接線方向の両方の構成要素を有するマウントに力を及ぼす。
図13は、上記の実施形態のうちの1つによるエンコーダおよび/またはエンコーダスケールディスクを備える測定装置の関節屈曲ヘッド5000を示す。図示の実施形態は、座標測定機(CMM)に取り付けられたタッチプローブの一部を形成する関節屈曲ヘッドを示す。この実施形態では、関節屈曲ヘッドは、第1の軸A1および第2の軸A2を中心に回転させることができる。上述の実施形態のエンコーダまたはエンコーダスケールディスクは、第1の軸A1および/または第2の軸A2を中心とした関節屈曲ヘッドの部分の移動を測定するために使用され得る。
【0055】
他の実施形態では、エンコーダスケール152は、光学スケールである必要はなく、誘導スケール、または静電容量スケールまたは磁気スケールであってもよい。いくつかの実施形態では、スケール152は、絶対スケールである。他の実施形態では、スケール152は、増分特徴と絶対特徴の両方を有し得る(別個のスケールトラックとして、または増分スケール内に埋め込まれた絶対位置情報を有する)。
【0056】
いくつかの実施形態では、半径方向弾性特徴の数は、上述の実施形態とは異なる場合がある。いくつかの実施形態では、1つ、2つ、4つ、5つ、またはよりそれ以上の、半径方向弾性特徴があり得る。いくつかの実施形態では、半径方向弾性特徴は、エンコーダスケールディスクの周縁部から半径方向内側に偏向し得、そのような実施形態では、エンコーダおよび/またはレーザマーキングデバイスのマウントは、半径方向内側に延びる突起などの特徴を有し得、これは、半径方向弾性特徴に半径方向内側に力を加えるために、エンコーダスケールディスクの半径方向弾性特徴と相互作用する(したがって、エンコーダスケールディスクに圧縮負荷を加える)。
【0057】
いくつかの実施形態では、エンコーダスケールディスクに加えられた圧縮負荷に加えて、接着剤を使用して、エンコーダスケールディスクをマウントに固定することができる。
【0058】
上記の実施形態では、マウント310およびスケールマーキングデバイスは、同一の特徴を有すると記載されているが、他の実施形態では、これは当てはまらない場合がある。いくつかの実施形態では、マウントおよびスケールマーキングデバイスの特徴は類似してもよく、例えば、いくつかの実施形態では、マウントの囲みの幾何学的特性(特に、囲みおよびマウントギャップ)は、スケールマーキングデバイスの幾何学的特性と類似または同一であってもよい。
【国際調査報告】