(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-19
(54)【発明の名称】通信ネットワーク機器への電力送達方法及び関連システム、並びに同軸ケーブル
(51)【国際特許分類】
H01B 9/04 20060101AFI20231012BHJP
H01R 24/38 20110101ALI20231012BHJP
H01B 11/18 20060101ALI20231012BHJP
【FI】
H01B9/04
H01R24/38
H01B11/18 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023505971
(86)(22)【出願日】2021-07-23
(85)【翻訳文提出日】2023-03-24
(86)【国際出願番号】 US2021042865
(87)【国際公開番号】W WO2022026301
(87)【国際公開日】2022-02-03
(32)【優先日】2020-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519407091
【氏名又は名称】コムスコープ テクノロジーズ リミティド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】ゾラン マリセビック
(72)【発明者】
【氏名】マルセル シェマン
(72)【発明者】
【氏名】エリック ジェイ.コーミアー
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン ジェイ.ソロモン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン オー.カエザ
【テーマコード(参考)】
5E223
5G319
【Fターム(参考)】
5E223AA01
5E223BA15
5E223CB24
5E223CC09
5E223EC08
5E223EC26
5E223GA23
5E223GA83
5G319FA01
5G319FA10
5G319FB01
(57)【要約】
通信アクセスネットワークの機器に電力を送達する方法が本明細書にて提供される。特に、機器に電力を送達する方法は、機器と電力モニタとの間に結合される同軸ケーブルを介して伝送される、10kHz~500kHzの周波数を有するAC電力信号を生成することを含む。方法は、電力モニタを使用して、同軸ケーブルを介して電力モニタへのAC電力信号の反射を識別することを含む。更に、本方法は、反射を識別することに応答して、AC電力信号の電圧を調整することを含む。関連システム及び同軸ケーブルも提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信アクセスネットワークの機器に電力を送達するように構成されるシステムであって、
前記システムが、
発電機と前記通信アクセスネットワークの前記機器との間に結合されており、かつ10キロヘルツ(kHz)~500kHzの周波数を有する交流電流(AC)電力を送達するように構成されている、同軸ケーブルを備える、システム。
【請求項2】
前記発電機が、10kHz~500kHzの前記周波数を有する信号を生成するように構成されているAC電源を備え、
前記発電機が直流電流(DC)電源を更に備え、
前記AC電源が前記同軸ケーブルの第1の端部と前記DC電源との間に結合されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記AC電力をDC電力に変換するように構成されている電圧整流器を更に備え、
前記電圧整流器が、前記同軸ケーブルの第2の端部と前記通信アクセスネットワークの前記機器との間に結合されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記AC電源と前記同軸ケーブルとの間に結合されている電力モニタを更に備え、
前記電力モニタが、前記同軸ケーブルを介した前記電力モニタへの前記信号の反射を識別するように構成されており、
前記AC電源が、前記反射を識別する前記電力モニタに応答して、前記AC電源が出力するAC電圧を調整するように構成されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記AC電源が前記AC電圧を調整するように構成されている共振変換器を備える、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記AC電力が250ボルト以上の電圧を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記同軸ケーブルの端部がばねを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記ばねが、前記同軸ケーブルの中心導体の端部に面する端部を有する中心導体ピンの周りに延在する、誘電体ばねを備え、
前記中心導体の前記端部が、前記誘電体ばねが圧縮されるときに、前記中心導体ピンの前記端部に電気的に接続され、
前記中心導体の前記端部が、前記誘電体ばねが弛緩されるときに、前記中心導体ピンの前記端部から電気的に接続解除される、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記中心導体の前記端部が、前記同軸ケーブルの内側誘電体絶縁体の端部を超えて突出し、かつ前記内側誘電体絶縁体によって囲まれる前記中心導体の一部分の材料とは異なるアーク抑制材料を含み、
前記同軸ケーブルの前記端部上のコネクタが、前記中心導体の前記端部及び前記中心導体ピンの前記端部の周りに延在する、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記同軸ケーブルの前記端部にバヨネットコネクタを更に備え、
前記バヨネットコネクタが、前記中心導体ピンの前記端部の周りに延在する、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記ばねが、前記同軸ケーブルの中心導体の端部に面する端部を有する中心導体ピンの周りに延在する、金属ばねを備え、
前記同軸ケーブルの前記端部が、前記金属ばねの内側、又は前記金属ばねと前記中心導体の前記端部との間にある環状誘電体リングを更に備え、
前記中心導体の前記端部が、前記金属ばねが圧縮されるときに、前記中心導体ピンの前記端部に電気的に接続され、
前記中心導体の前記端部が、前記金属ばねが弛緩されるときに、前記中心導体ピンの前記端部から電気的に接続解除される、請求項7に記載のシステム。
【請求項12】
前記同軸ケーブルの前記端部にバヨネットコネクタを更に備え、
前記バヨネットコネクタが、前記環状誘電体リング及び前記中心導体ピンの前記端部の周りに延在する、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記機器が、前記通信アクセスネットワークの屋外機器を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記同軸ケーブルに結合されているファイバケーブルを更に備え、
前記ファイバケーブル及び前記同軸ケーブルが両方とも、前記発電機と前記通信アクセスネットワークの前記機器との間に結合される、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
同軸ケーブルであって、
中心導体と、
前記中心導体の端部に面する端部を有する中心導体ピンと、
前記中心導体ピンの周りに延在するばねと、を備え、
前記中心導体の前記端部が、前記ばねが圧縮されるときに、前記中心導体ピンの前記端部に電気的に接続され、
前記中心導体の前記端部が、前記ばねが弛緩されるときに、前記中心導体ピンの前記端部から電気的に接続解除される、同軸ケーブル。
【請求項16】
前記ばねが、誘電体ばねを備える、請求項15に記載の同軸ケーブル。
【請求項17】
前記中心導体の部分を囲む内側誘電体絶縁体と、
前記内側誘電体絶縁体、前記中心導体の前記端部、及び前記中心導体ピンの前記端部の周りに延在する、コネクタと、を更に備え、
前記中心導体の前記端部が、前記内側誘電体絶縁体の端部を超えて突出し、かつ前記内側誘電体絶縁体によって囲まれている前記中心導体の前記部分の材料とは異なるアーク抑制材料を含む、請求項16に記載の同軸ケーブル。
【請求項18】
前記中心導体ピンの前記端部の周りに延在するバヨネットコネクタを更に備える、請求項15に記載の同軸ケーブル。
【請求項19】
前記ばねの内側、又は前記ばねと前記中心導体の前記端部との間にある、環状誘電体リングを更に備え、
前記ばねが金属ばねを備える、請求項15に記載の同軸ケーブル。
【請求項20】
前記環状誘電体リング及び前記中心導体ピンの前記端部の周りに延在する、バヨネットコネクタを更に備える、請求項19に記載の同軸ケーブル。
【請求項21】
前記ばねと前記中心導体の前記端部との間にある、移動可能な誘電体ストッパを更に備え、
前記ばねが金属ばねを備える、請求項15に記載の同軸ケーブル。
【請求項22】
前記移動可能な誘電体ストッパ及び前記中心導体ピンの前記端部の周りに延在する、バヨネットコネクタを更に備え、
前記移動可能な誘電体ストッパが、前記バヨネットコネクタを回転させることに応答して、前記中心導体ピンの前記端部と前記中心導体の前記端部との間から後退するように構成されている、請求項21に記載の同軸ケーブル。
【請求項23】
通信アクセスネットワークの機器に電力を送達する方法であって、前記方法が、
前記機器と電力モニタとの間に結合されている同軸ケーブルを介して伝送される10キロヘルツ(kHz)~500kHzの周波数を有する交流電流(AC)電力信号を生成することと、
前記電力モニタを使用して、前記同軸ケーブルを介した前記電力モニタへの前記AC電力信号の反射を識別することと、
前記反射を識別することに応答して、前記AC電力信号の電圧を調整することと、を含む、方法。
【請求項24】
前記AC電力信号を生成することが、直流電流(DC)電源と前記電力モニタとの間に結合されている共振変換器によって行われ、
前記電圧を調整することが、前記共振変換器によって行われる、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記同軸ケーブルの端部を前記電力モニタに、又は前記機器と前記同軸ケーブルとの間に結合されている電圧整流器に電気的に接続することを更に含み、
前記同軸ケーブルの前記端部が、
中心導体と、
前記中心導体の端部に面する端部を有する中心導体ピンと、
前記中心導体ピンの周りに延在するばねと、を備え、
前記同軸ケーブルの前記端部を電気的に接続することが、前記ばねを圧縮して、前記中心導体ピンの前記端部を前記中心導体の前記端部と電気的に接続することを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記同軸ケーブルの前記端部上にあるバヨネットコネクタを回転させることに応答して、前記中心導体ピンの前記端部と前記中心導体の前記端部との間から誘電体ストッパを後退させることを更に含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記反射を識別することに応答して、前記同軸ケーブルの破損を識別することを更に含む、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
前記破損を識別することが、前記反射を識別することに応答して、前記同軸ケーブルにおける前記破損の位置を特定することを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記電圧を調整することが、前記破損を識別することに応答して、前記電圧を低減させることを含む、請求項27に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年7月27日に出願された米国仮特許出願第63/057,070号明細書の利益を主張する、2021年7月23日に出願された国際出願PCT/US2021/042865号明細書に対する優先権を主張するものであり、その全ての内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、通信ネットワーク機器への電力送達に関する。
【背景技術】
【0003】
エンドユーザ(例えば、加入者)に通信サービスを送達する通信ネットワークの「ラストマイル」又は「アクセスネットワーク」とも称され得る、最終区間は、無線周波数Radio Frequency(「RF」)信号に加えて電力を必要とするアクティブ機器を含み得る。最終区間では、無線(例えば、携帯電話及び/又はコミュニティWi-Fi)及び/又はHybrid Fiber Coax(「HFC」)及び/又はFiber to the Premises(「FTTP」)などの有線ネットワークを含む、様々なタイプのネットワークを使用することができる。多くの場合、アクセスネットワークのアクティブ要素への電力送達は、帯域幅/データスループット能力の提供に加えて必要である。
【0004】
FTTPの一タイプであるPassive Optical Networks(「PON」)は、電力を必要としない場合がある1つの例外である。しかしながら、他のタイプのFTTPは、例えば、各アクティブ分割キャビネットが100ワット(「W」)の電力を使用し得るHybrid Passive Optical Networks(「HPON」)などの、いくらかの電力を必要とする場合がある。
【0005】
他の有線ネットワークは、更に現場給電のアクティブ要素に依存し得る。例えば、数百のHomes Passed(HP)を賄うことができるHFCサービスグループエリアは、(a)約500Wの電力を必要とする場合がある、アクティブ要素としてのFiber-Deep(FD)ノード、又は(b)同じエリアに対して約1,200Wを必要とする場合がある、RF増幅器に続くHFCファイバノードに依存し得る。これらのアクティブ要素への電力は、通常、RF信号が、最大90ボルト(「V」)の電圧及び最大15アンペア(「A」)の電流を有する、方形波60ヘルツ(「Hz」)信号を使用するのと同じ同軸ケーブル上に分配され、これは、約1,350Wまでの送達可能な総電力を限定する。
【0006】
無線アクセスネットワークは、必要な電力レベルを更に増大させ得る。例えば、ミニセルタワー(例えば、6つのセクタ/アンテナを有する)は、2キロワット(「kW」)を超える電力を必要とし得る。サービスされる特定の領域の5G-運用の密度の増加とともに、更なる電力が要求され得る。92V未満の電力が、ネットワークの設置及び維持に訓練を受けた電気技師を必要としない有線ネットワークとは異なり、無線アクセスは、一例として、+/-190Vの直流電流(DC)送達を伴う専用電力ケーブル、及びケーブル内の電圧降下/電力損失が最小であるにもかかわらず、高電流で数千フィートに達する非常に重いゲージワイヤ(例えば、8又は10American Wire Gauge(「AWG」)に依存し得る。
【0007】
3つの場合(FTTP、HFC、及び無線)全てにおいて、電力送達は、これらのネットワークを設計及び運用するミッションクリティカルで、なおかつ費用集約的な態様であり得る。更に、追加の容量需要は、必要とされる電力量を増加させ得る。これらの全ての場合、交流電流(AC)(例えば、60Hz)又はDCのいずれかが電力に使用され得る。更に、ネットワーク設計者/オペレータは、(a)電流ドローとケーブル損失を低減するために、可能な限り通電用の高い電圧を使用することと、(b)アクセスネットワークの設置と保守を行う作業員の安全を保護するために十分低い電圧を使用するということの間のトレードオフに直面する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書のいくつかの実施形態による、通信アクセスネットワークの機器に電力を送達するように構成されるシステムは、発電機と通信アクセスネットワークの装置間に結合されており、かつ10キロヘルツ(kHz)~500kHzの周波数を有するAC電力を送達するように構成される、同軸ケーブルを含み得る。
【0009】
いくつかの実施形態では、発電機は、10kHz~500kHzの周波数を有する信号を生成するように構成されたAC電源を含み得る。発電機は、DC電源を含み得る。更に、AC電源は、同軸ケーブルの第1の端部とDC電源との間に結合され得る。
【0010】
いくつかの実施形態によれば、システムは、AC電力をDC電力に変換するように構成されている電圧整流器を含み得る。電圧整流器は、同軸ケーブルの第2の端部と通信アクセスネットワークの機器との間に結合され得る。
【0011】
いくつかの実施形態では、システムは、AC電源と同軸ケーブルとの間に結合されている電力モニタを含み得る。電力モニタは、同軸ケーブルを介した電力モニタへの信号の反射を識別するように構成され得る。更に、AC電源は、反射を識別する電力モニタに応答して、AC電源が出力するAC電圧を調整するように構成され得る。
【0012】
いくつかの実施形態によれば、AC電源は、AC電圧を調整するように構成された共振変換器を含み得る。更に、AC電力は、250ボルト以上の電圧を含み得る。
【0013】
いくつかの実施形態では、同軸ケーブルの一端は、ばねを含み得る。例えば、ばねは、同軸ケーブルの中心導体の端部に面する端部を有する中心導体ピンの周りに延在する、誘電体ばねであり得、中心導体の端部は、誘電体ばねが圧縮されるときに、中心導体ピンの端部に電気的に接続され得、中心導体の端部は、誘電体ばねが弛緩されたときに中心導体ピンの端部から電気的に接続解除され得る。中心導体の端部は、同軸ケーブルの内側誘電体絶縁体の端部を超えて突出し得、かつ内側誘電体絶縁体によって囲まれた中心導体の一部分の材料とは異なるアーク抑制材料を含み得、同軸ケーブルの端部のコネクタは、中心導体の端部及び中心導体ピンの端部の周りに延在し得る。更に、システムは、同軸ケーブルの端部にバヨネットコネクタを含み得、バヨネットコネクタは、中心導体ピンの端部の周りに延在し得る。別の例として、ばねは、同軸ケーブルの中心導体の端部に面する端部を有する中心導体ピンの周りに延在する金属ばねであり得、同軸ケーブルの端部は、金属ばねの内側、又は金属ばねと中心導体の端部との間にある環状誘電体リングを含み得、中心導体の端部が、金属ばねが圧縮されるときに中心導体ピンの端部に電気的に接続され得、中心導体の端部が、金属ばねが弛緩されるときに、中心導体ピンの端部から電気的に接続解除されることができる。更に、システムは、同軸ケーブルの端部にバヨネットコネクタを含み得、バヨネットコネクタは、環状誘電体リング及び中心導体ピンの端部の周りに延在し得る。
【0014】
いくつかの実施形態によれば、機器は、通信アクセスネットワークの屋外機器であり得る。更に、システムは、同軸ケーブルに結合されているファイバケーブルを含み得、ファイバケーブル及び同軸ケーブルは両方とも、発電機と通信アクセスネットワークの機器と結合され得る。
【0015】
同軸ケーブルは、本明細書のいくつかの実施形態によると、中心導体を含み得る。同軸ケーブルは、中心導体の端部に面する端部を有する中心導体ピンを含み得る。同軸ケーブルは、中心導体ピンの周りに延在するばねを含み得る。中心導体の端部は、ばねが圧縮されたときに、中心導体ピンの端部に電気的に接続され得る。更に、中心導体の端部は、ばねが弛緩されているときに、中心導体ピンの端部から電気的に接続解除され得る。
【0016】
いくつかの実施形態では、ばねは誘電体ばねであり得る。更に、同軸ケーブルは、中心導体の一部分を囲む内側誘電体絶縁体を含み得る。同軸ケーブルはまた、内側誘電体絶縁体、中心導体の端部、及び中心導体ピンの端部の周りに延在する、コネクタを含み得る。中心導体の端部は、内側誘電体絶縁体の端部を超えて突出し得、かつ内側誘電体絶縁体によって囲まれた中心導体の一部分の材料とは異なるアーク抑制材料を含み得る。
【0017】
いくつかの実施形態によれば、同軸ケーブルは、中心導体ピンの端部の周りに延在するバヨネットコネクタを含み得る。
【0018】
いくつかの実施形態では、同軸ケーブルは、ばねの内側、又はばねと中心導体の端部との間にある環状誘電体リングを含み得、ばねは、金属ばねであり得る。更に、同軸ケーブルは、環状誘電体リング及び中心導体ピンの端部の周りに延在する、バヨネットコネクタを含み得る。
【0019】
いくつかの実施形態によれば、同軸ケーブルは、ばねと中心導体の端部との間にある、移動可能な誘電体ストッパを含み得、ばねは、金属ばねであり得る。更に、同軸ケーブルは、移動可能な誘電体ストッパ及び中心導体ピンの端部の周りに延在する、バヨネットコネクタを含み得る。移動可能な誘電体ストッパは、バヨネットコネクタを回転させることに応答して、中心導体ピンの端部と中心導体の端部との間で後退するように構成され得る。
【0020】
本明細書のいくつかの実施形態による、通信アクセスネットワークの機器に電力を送達する方法は、機器と電力モニタとの間に結合されている同軸ケーブルを介して伝送される10kHz~500kHzの周波数を有するAC電力信号を生成することを含み得る。方法は、電力モニタを使用して、同軸ケーブルを介した電力モニタへのAC電力信号の反射を識別することを含み得る。更に、方法は、反射を識別することに応答して、AC電力信号の電圧を調整することを含み得る。
【0021】
いくつかの実施形態では、AC電力信号の生成は、DC電源と電力モニタとの間に結合されている共振変換器によって行われ得る。更に、電圧の調整は、共振変換器によって行われ得る。
【0022】
いくつかの実施形態によれば、方法は、同軸ケーブルの端部を、電力モニタ又は機器と同軸ケーブルとの間に結合されている電圧整流器に電気的に接続することを含み得る。同軸ケーブルの端部は、中心導体と、中心導体の端部に面する端部を有する中心導体ピンと、中心導体ピンの周りに延在するばねと、を備える。同軸ケーブルの端部を電気的に接続することは、ばねを圧縮して、中心導体ピンの端部を中心導体の端部と電気的に接続することを含み得る。更に、方法は、同軸ケーブルの端部上にあるバヨネットコネクタを回転させることに応答して、中心導体ピンの端部と中心導体の端部との間から誘電体ストッパを後退させることを含み得る。
【0023】
いくつかの実施形態では、方法は、反射を識別することに応答して同軸ケーブルの破損を識別することを含み得る。破損を識別することは、反射を識別することに応答して同軸ケーブルの破損の位置を特定することを含み得る。更に、電圧を調整することは、破損を識別することに応答して電圧を低減させることを含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】情報及び通信技術インフラストラクチャに対する増加するデータ接続ニーズを示す概略図である。
【
図2】本発明の概念の実施形態による、通信アクセスネットワークの機器に電力を送達するように構成される、システムの概略ブロック図である。
【
図3A】
図2の同軸ケーブルの長手方向の寸法に沿った断面図である。
【
図3B】隣接する雌コネクタから接続解除された
図3Aの同軸ケーブルを示す断面図である。
【
図3D】本発明の概念のいくつかの実施形態による誘電体環状リングを有する
図3Aの同軸ケーブルを示す断面図である。
【
図3E】本発明の概念の他の実施形態による後退する移動可能な誘電体ストッパを有する
図3Aの同軸ケーブルを示す断面図である。
【
図3F】中心導体とばね式付勢ピンとの間で再配置される、
図3Eの移動可能な誘電体ストッパを示す断面図である。
【
図4A】
図2の電力コントローラのブロック図である。
【
図4B】
図4Aの電力コントローラにおいて使用され得る例示のプロセッサ及びメモリの詳細を示すブロック図である。
【
図5A-5D】本発明の概念の実施形態による、通信アクセスネットワークの機器に電力を送達する動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の概念は、電力送達に関する従来の仮定のいくつかを再考する一方で、安全要件及び送達する必要のある電力の量も考慮する。例えば、アクセスネットワーク配電のための60Hz(又はヨーロッパ若しくはアジアの大部分などでは50Hz)を有する従来のAC電力の使用は、電力会社から容易に入手可能に運用される。対照的に、本発明の概念の実施形態は、約10kHz~約500kHzの範囲の周波数で電力を送達し得る。Nikola Teslaによって実証されるように、ヒト神経系は、こうした周波数を有する電流に対して無感受性であり得る。この範囲の正確な周波数選択は、(a)範囲のより高い部分を優先し得る、作業員のリスクの低減と、(b)範囲のより低い部分を優先し得る、伝送線の損失の低減との間のトレードオフであり得る。
【0026】
別の例として、電力送達のための従来的なケーブルは、高価で、漏れやすく、かつ長い距離にわたって電流が制限される場合があるペア電線を使用することが多い。対照的に、本発明の概念の実施形態は、同軸ケーブルを介してより高い周波数の電力を送達し得る。ペア電線の代わりに同軸ケーブルを使用して、約10kHz~約500kHzの範囲の高電力信号を伝送することは、いくつかの利点を有する。まず、同軸ケーブルを使用することによって、電力信号の漏れと干渉を大幅に低減することができる。また、同軸ケーブルを使用した場合の電力損失は、送達される電力に関係なく、一定の割合であり得る。例えば、2つの方程式(i)電力P=V*I及び(ii)電圧V=I*Z(それぞれ、I及びZは電流及び特性インピーダンスを示す)を組み合わせることによって、P=Z*(I^2)及び損失は、I^2に比例し、損失割合/パーセントが一定である。第2に、同じDCループ抵抗の場合、同軸ケーブルのコストは、高ゲージの電線ペアのコストよりも低い場合が多い。これは、生産規模(数千マイルのハードライン同軸ケーブルと比較的特殊な用途の大型AWGケーブルなど)と原材料のコスト(例えば、ハードライン同軸ケーブル用の主に低コストのアルミニウム対電線対用の主に高コストの銅)の両方によって運用される。
【0027】
同軸ケーブルを介してより高い周波数の電力を首尾よく送達するために、(i)電力発生装置と(ii)電力を受ける側の両方は、透過線インピーダンスの一致ルールに従い、それによって不一致損失を低減/最小化する必要がある場合がある。例えば、75オームの同軸ケーブルが電力伝送に使用される場合、発生装置内部負荷値及び受信装置インピーダンス値の両方は、最適に75オームであるべきか又は厳密に一致すべきである。そうでない場合、不一致の場合、伝送線上に高定在波が発生し、電力の送達が低減し、損失が増加する可能性がある。
【0028】
更なる実施例では、従来のDC及び50/60HzのACケーブルは、電力の接続及び分配のためのユーティリティ電力方法を使用する。特に、従来のケーブルの一方の端部が電力に接続されている場合、ケーブルの対向端部も電力に接続されている。対照的に、本発明の概念の実施形態は、同軸ケーブルの端部にばね式付勢コネクタを使用し得る。典型的な高電圧AC又はDC電力信号において、約10kHz~約500kHzの範囲の周波数は、作業員に影響を与える可能性が低いが、ばね式付勢コネクタは、更なるレベルの予防策を提供する。特に、コネクタは、別のコネクタに接触する中心導体ピンがばね式付勢であり、コネクタがねじれて他のコネクタから接続解除されると、同軸ケーブルの中心導体から電気的に接続解除される、プッシュオン同軸ケーブルコネクタのタイプである。
【0029】
ばね式付勢コネクタは、他の状態では誘電体充填材料を含む同軸ケーブルの領域に位置するばねを含む。更に、電圧を調整することは、破損を識別することに応答して電圧を低減させることを含み得る。
【0030】
更に別の例では、従来的なDC又はAC配電では、伝送ケーブルを介して、最高で安全/許容される電圧を使用することができ、その後、配電ネットワークの遠端部にある、Switched Mode Power Supply(「SMPS」)を使用して、所望の特性を有する給電電圧を生成することができる。対照的に、本発明の概念の実施形態は、SMPSの「チョッパ」部分を排除し得、したがってSMPSの複雑さ及びコストを低減し得る。伝送された電力信号は、すでに典型的なSMPSの「チョッパ」動作周波数の範囲内にあり得るため、受信側上で「ブリッジ」整流器を使用してから、SMPSの残りの電圧調整段階を進めることで十分であり得る。
【0031】
本発明の概念の例示的な実施形態は、添付の図面を参照してより詳細に説明される。
【0032】
図1は、情報及び通信技術インフラストラクチャに対する増加するデータ接続ニーズを示す概略図である。
図1に示すように、都市部又は郊外環境100では、携帯電話ネットワーク事業者などの通信プロバイダは、中央オフィス110及びマクロセル基地局120を動作させ得る。加えて、通信プロバイダは、複数のスモールセル基地局130、Wi-Fiアクセスポイント140、固定無線ノード150、アクティブキャビネット160(例えば、ファイバ用)、DSL(例えば、G.fast)流通点170、セキュリティカメラ180などを動作させ得る。
図1はまた、携帯電話又は他の通信サービスが所望され得る、一戸建ての家102-A、マルチユニット商業及び/又は住宅用建物102-B、及びオフィス/産業用建物102-Cを含む、複数の建物102を示している。
【0033】
図2は、本発明の概念の実施形態による、通信アクセスネットワークの機器290に電力を送達するように構成される、システム200の概略ブロック図である。システム200は、発電機と機器290との間に結合される同軸ケーブル245を含む。発電機は、DC電圧DVを駆動部220に出力するように構成されたDC電源210を含み得、駆動部220に結合され、約10kHz~約500kHzの周波数を有するAC電力APを出力するように構成されたAC電源を更に含み得る。いくつかの実施形態では、ケーブル245は、75オームのインピーダンスを有し得、これは共振変換器回路のインピーダンスなど、有利にAC電源のインピーダンスと一致し得る。更に、ケーブル245は、機器290に向かってAC電力APを送達するように構成され得る。
【0034】
システム200のAC電源は、駆動部220に結合されて、約10kHz~約500kHzの周波数を有する信号を生成するように構成されている共振変換器230を備え得る。特に、共振変換器230は、DC電源210(駆動部220を介して)とケーブル245の第1の端部との間に連結され得る。したがって、共振変換器230は、約10kHz~約500kHzの周波数でAC電力APをケーブル245に供給することができる。一例として、共振変換器230は、約10kHz~約500kHzのスイッチング周波数を含む1つ以上のスイッチングトランジスタ231、並びにスイッチングトランジスタ231に結合されて、約10kHz~約500kHzの周波数で共振するように構成された1つ以上の共振器を含み得る。このように、共振変換器230は、超音波周波数発生器の一例であり得る。別の例として、スイッチング変換器(例えば、ハーフブリッジ変換器)をシステム200のAC電源として使用し得る。
【0035】
共振変換器230の少なくとも1つのコンデンサ及び少なくとも1つのコイルを含む共振回路などの共振器は、(方形波ではなく)正弦波振動を有し得、これは出力スペクトルの高調波を低減するのに役立つ場合がある。しかしながら、実施形態によっては、共振変換器230は、方形波振動を生成することができる。50/60Hzの電源と比較して、より高い周波数のシステムのコンデンサは、はるかに小さくすることができる。大型電解コンデンサは、屋外機器の故障の主な原因となる傾向があり、これらは、システム200などのより高い周波数の電力送達システムを使用することによって回避することができる。更に、共振変換器230は、いくつかの実施形態では、コンデンサ及びインダクタに加えて、トランスを備え得る。
【0036】
更に、共振変換器230などの電源/発電機は、連続波形(CW)信号を提供し得る。対照的に、従来的なアプローチは、発電機から信号を送信すること、その後、フィードバックを待つのを一時停止することを含み得る。本明細書の一部の実施形態では、システム200は、発電機が送信するCW信号の周波数で定在波変化モニタリングを使用することによって、発電機側から、一時停止することなく“聞く”ことができる。
【0037】
いくつかの実施形態では、共振変換器230によって提供されるAC電力APは、250V以上のAC電圧を含み得る。例えば、AC電力APは、約300V~約1,000VのAC電圧を有し得る。更に、ケーブル245は、ケーブル245のインピーダンスに応じて、最大約61kWなど、約10kWの電力レベルでさえもAC電力APを支持し得る。例として、比較的大きな断面(例えば、7/8インチ、1インチなど)を有するケーブル245を実装すると、損失を低減し、より高い電圧(及び従って約10kWを超える電力)を可能にし、誘電体/空気の絶縁破壊の可能性を低減することができる。したがって、ケーブル245は、5/8インチ、3/4インチ、7/8インチ、1インチ、又はより広いものなど、0.5インチよりも大きい総直径を有し得る。
【0038】
システム200の電力コントローラ250は、共振変換器230を制御して、共振器が出力する電圧を変更するように構成され得る。具体的には、DC電源210から出力されるDC電圧DVは一定に保たれ得るが、電力コントローラ250は、共振変換器230から出力されるAC電圧を調整することができる。更に、DC電源210は、いくつかの施形態では、システム200から省略され得、及び/又はAC電源で置き換えられ得る。更に、可変発振器260は、電力コントローラ250と駆動部220との間に結合され得る。
【0039】
システム200は更に、AC電力APを機器290に供給されるDC電力DPに変換するように構成された電圧整流器270を含み得る。整流器270は、機器290とケーブル245の第2の端部との間に結合され得、電圧フィルタ及びレギュレータ280は、機器290と整流器270との間に結合され得る。ケーブル245の第1及び第2の端部は、対向端部であり得る。
【0040】
図2には1つの負荷(機器290)のみが示されているが、システム200は、いくつかの実施形態では、同じケーブル245を介して複数の負荷に電力を送達し得る。例えば、負荷は全て、互いに近接し得(例えば、AC電力APの波長の約1/10以内など)、所望のインピーダンス(例えば、75オームのグループインピーダンス)を集合的に提供し得る。ケーブル245を通して伝送された後、AC電力APは、分割され、個々の負荷に送達され得る。
【0041】
いくつかの実施形態では、ファイバケーブルは、ケーブル245の第1の端部又は第2の端部に結合され得る。一例として、ケーブル245及びファイバケーブルは、機器290と発電機との間で結合され得る。代替的に、ケーブル245は、機器290に向かって別個の信号搬送ファイバに沿って延在する専用の同軸(すなわち、同軸のみ)ケーブルであり得る。
【0042】
システム200の電力モニタ240は、共振変換器230とケーブル245の第1の端部との間に連結され得る。電力モニタ240は、共振変換器230がケーブル245に提供する信号の反射RPを識別するように構成される。特に、反射されたAC電力を含む,反射RPは、ケーブル245を介して電力モニタ240に伝送される。反射RPの電力モニタ240による識別に応答して、システム200は、共振変換器230を制御して、それが出力するAC電圧を調整し得る。
【0043】
伝送線システムでは、望ましくない反射を低減/防止するために、伝送及び受信インピーダンスを伝送線インピーダンスに一致させることが概して好ましい。電源では、インピーダンスの不一致は、利用可能な電力の全てが伝送線に結合されていないことを意味する。受信(負荷)側では、インピーダンスの不一致は、受信側に向けられた電力の一部が伝送線に反射されることを暗示する。結果として、電力は伝送線を通して、(i)最初に送達元から負荷まで、及び(ii)その後、負荷から送達元へ反射されるフラクションの2回輸送される。この反射されるフラクションは(例えば、反射RP)は、電力伝送における望ましくない損失を増加させる。次に、電源が伝送線に良好によく一致しない場合、前述のフラクションのフラクションが再び反射され、その結果、再反射が生じる。しかしながら、負荷が良好に一致している場合、負荷では電力反射が発生せず、再反射も回避され得る。
【0044】
負荷インピーダンスの一致は、最も重要である場合があり、良好に一致した負荷は、必ずしも良好に一致ソースを必要としない場合がある。75オームなどの、伝送線インピーダンスZに対して、好ましい負荷インピーダンスはZであり得る。これは、平均平方根(「RMS」)電圧VRが負荷に提示される場合、負荷は電力P=VR^2/Zを消費しなければならないことを意味している。これは、電源(例えば、共振変換器230)が、電力P(伝送線及び変換損失を含む)を必要とする負荷のために、電圧が大きさVR=√(P*Z)で出力されるように、その出力電圧を調整することが好ましいことを意味する。この電圧が出力されない場合、反射(反射RPなど)は概してシステム200内に存在し得る。システム/電源は、好ましくは、出力電圧及び電流相及び振幅を監視する手段を有する。既知のインピーダンスZについては、関係VR=Z*Iが保持されるべきであり、ここでIは電流である。電力コントローラ250は、この要件を満たすために、電源からの出力電圧を調整できる。例えば、フィードバックループ(例えば、電力モニタ240及び電力コントローラ250を含む)は、(i)電源からの出力電流及び出力電圧を監視し、(ii)これらを予想されるインピーダンスZと比較することができる。電力コントローラ250は、次に、出力電圧(例えば、VR)を調整して、式VR=Z*Iの誤差を低減/最小化することができる。
【0045】
いくつかの実施形態では、電源はまた、伝送線のあるセクションにおける電力輸送の方向を判定することができる。例えば、電源は、方向連結器又はその機能を実行する電子実装などの既知の手段を用いて、電力輸送の方向を判定することができる。
【0046】
伝送線に沿った複数の負荷について、インピーダンスの不一致は、伝送線がインピーダンスZで継続し、負荷が接続されている点で、追加の並列負荷インピーダンスが存在するため、各負荷位置に暗黙的に/固有に存在し得る。この不一致は、コンデンサ、インダクタ、変圧器、又は電子手段を含む一致するネットワークで修正することができる。しかし、注意すべきは、伝送線上の高周波電力信号の波長の1/8内に負荷が位置付けられる場合、これらは概してまとめて、単一の負荷として効果的に作用し、電源での電圧制御が反射を低減するのに十分である、という点である。したがって、透過線に沿って波長の1/8(又は1/4以内であっても)の距離内に負荷を配置することが有利であり得る。
【0047】
更に、電源及び負荷は、いくつかの実施形態では、電源が負荷によってどのような電力が必要とされるかを知るように通信し得る。例えば、有線又は無線通信ネットワークへのエンドユーザのアクセスを提供し得る機器290などの負荷は、スモールセル基地局130(
図1)、Wi-Fiアクセスポイント140(
図1)、又はアクティブキャビネット160(
図1)などの、屋外機器を備え得る。更に、機器290は、いくつかの実施形態では、その電力需要に関してシステム200と通信し得る。一例として、機器290は、電力需要を示す信号DMDを電力コントローラ250に伝送し得、電力コントローラ250は次に、共振変換器230に、それが出力するAC電圧(及び/又は電流)を調整するように指示し得る。
【0048】
図3Aは、同軸ケーブル245の長手方向寸法に沿った断面図である。特に、
図3Aは、ケーブル245の端部での最後の数インチの長さを示す。
図3Aにおいて示されるように、ケーブル245の端部は、ばね340を含む。ばね340は、ケーブル245の中心導体310の端部310Eに面する端部350Eを有する中心導体ピン350の周りに円周方向に延在し得る。ばね340及びピン350は、一緒に動くように構成され得る。ばね340を圧縮することによって、ピン350の端部350Eは、中心導体310の端部310Eに電気的に接続され得る。逆に、ばね340を弛緩させることによって、ピン350の端部350Eは、中心導体310の端部310Eから電気的に接続解除され得る。例えば、端部310E及び350Eは、ばね340が圧縮又は弛緩されているかどうかに基づいて、互いに物理的に接触している状態及び接触しない状態になり得、それゆえ、本明細書では「接触」と称され得る。
【0049】
誘電体材料356は、端部350Eと対向端部350EFとの間にあるピン350の中央部分を囲み得る。更に、誘電体ピストン357は、ピストン357がケーブル245の長手方向寸法に沿ってピン350と一緒に動くように、ピン350(例えば、その誘電体材料356)に接続され得る。
【0050】
いくつかの実施形態では、端部310E及び350Eは、その上にそれぞれのアーク抑制材料(例えば、コーティング)315及び355を有し得る。材料315及び355はそれぞれ、中心導体310の材料とは異なる材料を含み得る。例えば、材料315及び355はそれぞれタングステンを含み得、中心導体310(及び/又はピン350)は銅、金、又は銀を含み得る。材料315及び355の非存在下で、ケーブル245が通電電力に接続されている場合、端部310E及び350Eが互いに接触すると、スパークが発生する場合がある。ばね340の特性(例えば、誘電体ばねである場合)は、端部310E及び350Eを含むケーブル245のセクションの他の態様とともに、そのセクションのインピーダンスに影響を与え得、かつケーブル245の特性インピーダンスと、そのセクションについての静電容量に対するインダクタンスの比の同じ平方根を有するようにそのセクションについて選択/最適化され得る。
【0051】
ばね340に関して、様々な変更が可能である。1つは、ばね340をケーブル245の外側シェルに移動させることであり、その場合、ばね340は金属であり得る。更に、内側誘電体ばね又は外側金属ばねのいずれかに適用可能な別のオプションは、ケーブル245内のピン350の移動のための予備張力作用を有することである。例えば、接続がケーブル245と行われ、端部310E及び350Eが互いに約1/4インチ離れているとき、ばね340内の予備張力は、スナップ/リリースして、端部310E及び350Eを、バヨネット機構上の手生成の動きによって提供される速度よりもはるかに高速で互いに接近するように推進することができる。このより速い速度は、端部310E及び350Eが互いに接触するときに、アーク放電を低減するのに役立つ場合がある。
【0052】
コネクタ360は、ケーブル245の端部にあり得る。特に、コネクタ360は、端部350E及び/又は端部310Eの周りに円周方向に延在し得る。例えば、コネクタ360は、Bayonet Neill-Concelman(「BNC」)コネクタなどのバヨネットコネクタであり得る。バヨネットコネクタを接続するためのステップには、以下が含まれ得る。第1に、雄バヨネットコネクタの初期位置が、その外側に2つ以上の「係合ピン」を有する、雌コネクタ345(
図3B)の外側(例えば、間隔を置いて)であり得る。第2に、雌コネクタ345の係合ピンは、雄バヨネットコネクタの外側金属シェルの内部側壁上にある2つの相互開口/スライドに、放射状へ字角に整列され得る。第3に、ケーブル側/雄バヨネットコネクタは、ばね340を圧縮/装填するために、それらの開口部/スライドに沿って押し出され得る。第4に、雄バヨネットコネクタ及び雌側の係合ピンが「スライド」を進むにつれて、スライド自体がねじれを含み、雄バヨネットコネクタの外側金属シェルの対向内部側面の雄側「係合スロット」(例えば、ノッチ)に到着する、静止/ねじれ位置で終了する。この静止/ねじれ位置を、
図3Cに示す。更に、いくつかの実施形態では、BNC型バヨネットは、ピンの挿入とともに作動することができ、バヨネットは保持力を提供することができる。
【0053】
ケーブル245はまた、半径方向で、ケーブル245の中心導体310と導電性シールド330との間にある内側誘電体絶縁体320を含む。いくつかの実施形態では、絶縁体320の上のケーブル245の直径(すなわち、外側エッジの間)は、約1.3センチメートル(「cm」)であり得、中心導体310の直径は約0.3センチメートルであり得る。更に、絶縁体320は、その誘電体としてポリエチレンを含み得、それゆえ、約200キロボルト(「kV」)/cmの破壊電圧をケーブル245に提供することができる。中心導体310の端部310Eは、絶縁体320の端部320Eを超えて、ピン350に向かって長手方向に突出し得る。更に、導電性シールド330及び/又はコネクタ360(導電性シールド330に電気的に接続されている)は、端部310E及び端部350Eの周りに円周方向に延在し得る。
【0054】
ケーブル245の製造は、絶縁体320のセクションを、ケーブル245の端部で露出された中心導体310(及びいくつかの実施形態では、導電性シールド330)を残しながら、ケーブル245の端部に空洞を提供するように除去/被覆することを含み得る。次いで、中心導体310は、絶縁体320の端部320Eを超えて、ある一定の長さまでクリップダウンされ得る。次に、ばね340、ピストン357、及びピン350などの内側構成要素を空洞内に押し込むことができ、コネクタ360を押し付け/ねじ締結することができる。
【0055】
いくつかの実施形態では、ばね340は、有利には、ばね340を介して中心導体310とピン350との間の偶発的な電気的接続を妨げる誘電体ばねである。他の実施形態では、ばね340は、偶発的な電気的接続のリスクを増加させる場合があるが、誘電体ばねよりも弾性などのばね特性が優れている場合がある、金属ばねである。
【0056】
図3Bは、隣接する雌コネクタ345から取り離される、
図3Aの同軸ケーブル245を示す概略断面図である。
図3Bに示すように、ばね340(
図3A)は、ケーブル245がコネクタ345から接続解除されたときに、自然に弛緩状態340Rを有する。また、
図3Bに示すのは、その中にピストン357がケーブル245の長手方向寸法に沿って滑動できる誘電体ピストン358である。ピストン358は、長手方向寸法に沿って固定され得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、長手方向寸法に沿ったその固定位置内で円筒として回転し得る。こうした回転は、ピン350が押し込まれる、及び/又はコネクタ360(
図3A)のバヨネット機構が回転されるように、ピストン357がピストン358を過ぎて滑動すると、摩擦を低減するのに役立ち得る。
【0057】
図3Cは、
図3Bの隣接する雌コネクタ345に接続された
図3Aの同軸ケーブル245を示す断面図である。特に、ピン350(
図3A)の端部350EF(
図3B)が、コネクタ345と電気的接続(例えば、物理的接触)されている。結果として、ケーブル245のばね340(
図3A)は、圧縮状態340Cに押し込まれており、ピン350の端部350E(
図3A)は、中心導体310の端部310E(
図3A)と電気的接続されている。したがって、圧縮状態340Cにおけるばね340を有するケーブル245は、AC電力AP(
図2)をコネクタ345に伝送するか、又はコネクタ345からAC電力APを受信することができる。対照的に、弛緩状態340R(
図3B)におけるばね340を有するケーブル245は、コネクタ345との間でのAC電力APの伝送又は受電を妨げ得る。
【0058】
ピン350が押し込まれ、コネクタ360のバヨネット部品(
図3A)が係合されると、ばね340の自由移動は、ばね340が端部310Eと350Eとの間の接触を確立するために十分に圧縮されるようなものである。ばね340を収容/取り囲むピストン357、358は、互いによって/沿って自由に滑動し得、それゆえに、端部310E、350Eが物理的に互いに接触している点まで、規則正しいばね340の圧縮を可能/更に容易にすることができる。
【0059】
いくつかの実施形態では、ピストン357、358の内側にある「内側ばね」であり得るばね340は、コネクタ360が含む/周囲を囲む唯一のばねであり得る。ばね340の移動距離は、コネクタ360の外側金属シェル上の「係合ピン/スロット」の特定の位置とともに、端部350Eが端部310E(例えば、その上の材料315)に接触及び押圧することの「接続圧力/力」を判定することができる。他の実施形態では、コネクタ360の外側金属シェルは、追加のばね装填を有し得る。更に、接触を確立するバヨネット係合/中心導体の動作/特徴は、様々な形態で実施することができ、本明細書に提供される実施例に限定されない。
【0060】
図3Dは、本発明の概念のいくつかの実施形態による誘電体(例えば、プラスチック)環状リング351を有する
図3Aの同軸ケーブル245を示す断面図である。リング351は、ばね340と中心導体310の端部310Eとの間にある。したがって、ばね340が金属ばねである実施形態では、リング351は、ばね340と中心導体310との間の電気的接続を妨げ得、それゆえ、本明細書では「スペーサ」と称され得る。リング351の中心は、ばね340が圧縮されたときにピン350がそれを通って延在するのに十分な幅の固定直径を有する開口部351Gを有し得る。更に、いくつかの実施形態では、リング351は、ばね340の内側にある誘電体シリンダの一部(例えば、端部)であり得る。
【0061】
図3Eは、本発明の概念の他の実施形態による後退可能な移動可能な誘電体(例えば、プラスチック)ストッパ352/354を有する
図3Aの同軸ケーブル245を示す断面図である。特に、リング351(
図3D)の開口部351G(
図3D)の固定直径とは違って、ストッパ352/354の第1の誘電体部分352とストッパ352/354の第2の誘電体部分354との間のギャップ353は、部分352、354の少なくとも1つが移動可能/後退可能であるため、調整可能な直径を有する。例えば、部分352、354は、それぞれ、コネクタ360が回転するときに移動する物理的リンク361、362に接続され得る。一例として、部分352、354は、リンク361、362の移動を介して、ピストン358(
図3B)の中央部分からピストン358の対向側壁に向かって後退され得る。部分352、354を互いから離れて後退することによって、ギャップ353は、ばね340が圧縮されたときに、ピン350がそれを通って延在するように十分に幅で開放され得る。
【0062】
図3Fは、中心導体310(
図3A)の端部310Eとピン350の端部350Eとの間で再配置される、
図3Eの移動可能な誘電体ストッパ352/354を示す断面図である。ばね340がピン350の周囲の周りに延在することによって、ピン350はばね式付勢ピンであり得る。例えば、部分352、354は、ピストン358の対向側壁から(
図3B)、リンク361、362の動きに応答して、ピストン358の中央部分に向かって、横方向に移動することができる。部分352、354を互いにより近くに配置することによって、ギャップ353(
図3E)は、ケーブル245を保持する人がピン350を手で押すときなど、ばね340が圧縮されたときにピン350がそこを通って偶発的に延在するのを防止するように十分に狭くすることができる。
【0063】
更に、二つの別個の部分352、354を有すると示されているが、ストッパ352/354は、コネクタ360が回転するときに、ピン350の経路の内/外で(例えば、ケーブル245の長手方向軸の周りに)回転するノッチ/開口部を有する単一の誘電体部分(例えば、誘電体ディスク)を代替的に備え得る。したがって、単一の誘電体部分は、(a)誘電体材料でピン350を遮断すること、又は(b)コネクタ360の回転に応答してノッチ/開口部がどこで回転するかに応じて、ピン350がノッチ/開口部を通過することを可能にすること、のいずれかを行うことができる。
【0064】
ケーブル245は、同軸ケーブルであり得、190Vよりも高い電圧をサポートし得るため、従来のケーブルよりも大幅に高い電力を送達することができる。ケーブル245の破壊電圧は、最終的に、ケーブル245がサポートすることができる最大電力負荷を判定し得る。例えば、ケーブル245は、破壊電圧値1,747V RMSを有し得、これは、75オームのインピーダンスで約40kW、50オームで約61kWの最大電力処理をサポートすることができる。したがって、ケーブル245は、90V又は190Vの電圧を使用する従来のケーブルよりも著しく高い電力を送達することができる。
【0065】
図4Aは、
図2の電力コントローラ250のブロック図である。電力コントローラ250は、プロセッサP及びメモリM、並びにデジタル-アナログ変換器DACを含み得る。電力コントローラ250はまた、表示画面DS、マウスME、キーボード(又はキーパッド)K、及び/又はスピーカSPなどの、インターフェースN及び入力/出力インターフェースを含み得る。更に、電力コントローラ250及び/又は電力モニタ240(
図2)は、少なくとも1つの電流センサ、電圧センサ、及び/又はアナログ-デジタル(ADC)変換器を含み得る。
【0066】
プロセッサPは、デジタル-アナログ変換器DACに結合され得る。プロセッサPはまた、有線及び/又は無線インターフェースを含み得るインターフェースNに結合され得る。プロセッサPは、ネットワーク機器290(
図2)、電力モニタ240、可変発振器260(
図2)、及び/又は共振変換器230(
図2)と、インターフェースNを介して通信するように構成され得る。例えば、インターフェースNは、携帯電話回路又はWi-Fi回路及び/又はBLUETOOTH(登録商標)回路などの短距離無線通信回路を含み得る。更に、インターフェースNは、有線(例えば、イーサネット)ローカルエリアネットワーク(LAN)インターフェース、ユニバーサルシリアルバス(USB)インターフェース、又はシリアルインターフェースなどの有線インターフェースを含み得る。いくつかの実施形態では、インターフェースNは、インターネット又は他の電源又は電力負荷へのデータインターフェースを含み得る。
【0067】
そのデジタル-アナログ変換器DACの出力を調整することによって、電力コントローラ250は、(a)第1のAC電圧から(b)異なる、第2のAC電圧(すなわち、より高い又は低い電圧/周波数を有する)への共振変換器230(又は別のAC電源)の出力の調整を制御できる。例えば、プロセッサPは、電力モニタ回路からのフィードバックに応答して、デジタル-アナログ変換器DACの出力を調整するように構成されるマイクロコントローラを備え得る。例として、電力モニタ240は、AC電力AP(
図2)の反射RP(
図2)の検出に応答して電力コントローラ250へフィードバックを提供することができる。デジタル-アナログ変換器DACの出力は、電圧制御された発振器(例えば、可変発振器260)の入力を駆動し、これは、共振変換器回路(例えば、共振変換器230)内の1つ以上のスイッチングトランジスタ(
図2)231を駆動する。トランジスタ231のスイッチング周波数は、共振変換器回路の出力電圧を設定する。他の実施形態では、フィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)又は複雑なプログラマブル論理デバイス(「CPLD」)などのプログラマブル論理によるパルス幅制御又は制御によって、トランジスタ231のスイッチング信号を生成し得る。
【0068】
図4Bは、
図4Aの電力コントローラ250において使用され得る例示のプロセッサP及びメモリMの詳細を示すブロック図である。プロセッサPは、アドレス/データバスBを介してメモリMと通信する。プロセッサPは、例えば、市販又はカスタムマイクロプロセッサであり得る。更に、プロセッサPは、複数のプロセッサを含み得る。メモリMは、非一時的コンピュータ可読記憶媒体であり得、本明細書に記述される電力コントローラ250の様々な機能を実施するために使用されるソフトウェア及びデータを含むメモリデバイスの全体的な階層を表し得る。メモリMには、以下に限定されないが、以下のタイプのデバイス、キャッシュ、ROM、PROM、EPROM、EEPROM、フラッシュ、静的RAM(「SRAM」)、及び動的RAM(「DRAM」)が含まれ得る。
【0069】
図4Bに示すように、メモリMは、コンピュータ可読プログラムコードPC及び/又はオペレーティングシステムOSなど、様々なカテゴリのソフトウェア及びデータを保持し得る。オペレーティングシステムOSは、電力コントローラ250の動作を制御する。特に、オペレーティングシステムOSは、電力コントローラ250のリソースを管理し得る、プロセッサPによる様々なプログラムの実行を調整し得る。例えば、コンピュータ可読プログラムコードPCは、電力コントローラ250のプロセッサPによって実行されたとき、プロセッサPに、
図5Aのフローチャートのブロック540に示される動作を制御させる。
【0070】
図5A~5Dは、本発明の概念の実施形態による、通信アクセスネットワークの機器290(
図2)に電力を送達する動作を示すフローチャートである。
図5Aに示すように、動作は、機器290と電力モニタ240(
図2)との間に結合されている同軸ケーブル245(
図2)を介して伝送される約10kHz~約500kHzの周波数を有するAC電力信号を生成すること(ブロック520)を含み得る。例えば、信号は、共鳴変換器230(
図2)によって生成され、ケーブル245を介して電圧整流器270(
図2)に伝送されるAC電力AP(
図2)を含み得る。
【0071】
その後、電力モニタ240は、AC電力信号の反射RP(
図2)を識別(すなわち、検出(ブロック530))し得る。具体的には、反射RPは、ケーブル245を介して電力モニタ240に提供され得る。反射RPの識別に応答して、電力コントローラ250(
図2)は、共振変換器230を制御して、AC電力信号の電圧(及び/又は電流)を調整する(ブロック540)ことができる。
【0072】
ばね式付勢ピン350(
図3A)は、ケーブル245の端部で、電力モニタ240又は電圧整流器270に電気的に接続され得る。特に、ばね340(
図3A)をケーブル245の端部で圧縮することによって、ケーブル245を電力モニタ240のコネクタ345(
図3B)又は電圧整流器270に取り付けるとき、ピン350の端部350E(
図3A)は、ケーブル245の中心導体310(
図3A)の端部310E(
図3A)に電気的に接続され得る(ブロック510)。結果として、中心導体310は、電力モニタ240又は電圧整流器270に電気的に接続することができ、それゆえ、ケーブル245は、AC電力APを電圧整流器270に伝送することができる。次に、DC電力DP(
図2)を電圧整流器270から機器290に供給することができる。
【0073】
図5Aは、AC電力信号がケーブル245を介して伝送される前に、ピン350を中心導体310に接続することを図示しているが、この順序は、いくつかの実施形態では、逆転し得る。例えば、ケーブル245の対向端部は、ピン350が中心導体310に接続する前に、すでにAC電力APに結合され得る。更に、ピン350は、その後、中心導体310から接続解除され得る(ブロック550)。反射RP(
図2)の検出に応答して、電力モニタ240(
図2)はまた、ケーブル245の破損に関する情報など、システム200(
図2)の状態についての情報を識別/提供することができ、その後、反射RPの存在は、出力AC電力APをより低い、より安全なレベルに低減することをもたらすことができる。例として、反射監視の動作は、測定された反射値/係数を時間領域反射計(「TDR」)タイプの監視情報に変換して、ケーブル245における破損/不連続性(又は他の損傷)がどれほど遠く(例えば、電力モニタ240から)あるかを判定することを含み得る。一部の実施形態では、TDR検査は、正確な損傷点を見つけるために、RF信号の電気的特性(例えば、電力モニタ240におけるその反射の電気的特性)を測定し得る。
【0074】
他の実施形態では、ばね式付勢ピン350を使用する代わりに、中心導体310の端部310Eへのアクセスを遮断する誘電体カバーを使用することができる。ケーブル245を嵌合コネクタ(例えば、コネクタ345)に挿入することによってのみ、端部310Eが嵌合コネクタに結合され得るように、カバーを外に移動させることができる(例えば、物理的に接触する)。
【0075】
図5Bを参照すると、ピン350を中心導体310に接続する動作(ブロック510)は、ケーブル245の端部上のコネクタ360(
図3A)を回転させること(ブロック510A)を含み得る。例えば、コネクタ360は、回転可能なバヨネットコネクタを含み得る。いくつかの実施形態では、ケーブル245は、移動可能な誘電体ストッパ352/354(
図3E)を、コネクタ360を回転させることに応答して後退することができる(ブロック510B)。次に、ピン350は、ストッパ352/354のギャップ353(
図3E)を通して押されて(ブロック510C)、中心導体310と物理的に接触する。
【0076】
図5Cを参照すると、ピン350を中心導体310から接続解除する動作(ブロック550)は、コネクタ360を回転させること(ブロック550A)を含み得る。例えば、ピン350は、コネクタ360を回転させることに応答して、中心導体310から離れて、ストッパ352/354のギャップ353を通して後退され得る(ブロック550B)。次いで、
図3Fに示すように、ストッパ352/354は、ギャップ353において再位置決め/拡張され得る(ブロック550C)。
【0077】
図5Dを参照すると、共振変換器230を含むシステム200(
図2)は、電力需要DMD(
図2)に関し機器290と通信することができる(ブロック515)。例えば、機器290は、その需要DMDの表示を電力コントローラ250に伝送し得る。更に、いくつかの実施形態では、システム200は、機器290にピングして、需要DMDの表示を要求することができる。例えば、システム200は、ピン350を中心導体310に接続した後、ケーブル245を介して機器290にピングし得る。
【0078】
本発明の概念の実施形態による、同軸ケーブル245(
図2)を使用して、約10kHz~約500kHzの範囲の周波数の電力をネットワーク機器290(
図2)に送達するシステム200(
図2)は、多くの利点を提供し得る。これらの利点には、安全性の増加が含まれ得、このような周波数は、人を衝撃/殺す可能性を低減することができるからである。いくつかの実施形態では、ケーブル245は、中心導体310(
図3A)との電気的接続を行い、かつ遮断するために、ばね式付勢ピン350(
図3A)を使用することによって、安全性を更に増加させ得る。更に、ケーブル245は、電線ペアを含むケーブルではなく同軸ケーブルであるため、ケーブル245は有利に、コスト及び信号漏れを低減し得る。高周波数では他の点で漏れが問題となることがあり、同軸ケーブルよりも概してより高価な金属を使用する電線ペアのコストが非常に高い場合がある。
【0079】
いくつかの実施形態では、システム200は、電源(例えば、共鳴変換器230(
図2)に隣接している)で、電力モニタ240(
図2)を使用するなどして、電源に向かって電力が反射されているかどうかを有利に監視することができる。したがって、システム200は、監視に応答して、電源における電力信号の電圧(及び電流)を調整/変調することができ、それによって、電源と負荷との間のインピーダンス一致を達成することができる。
【0080】
本発明の概念は、添付図面を参照して上述されている。本発明の概念は、図示した実施形態に限定されない。むしろ、これらの実施形態は、本発明の概念を、当業者に十分かつ完全に開示することを意図している。図面では、同様の番号は、全体を通じて同様の要素を指す。一部の構成要素の厚さ及び寸法は、明確化のために誇張されている場合がある。
【0081】
図に例示されるように、1つの要素又は特徴の別の要素又は特徴との関係を説明するために、本明細書の記述を容易にするように、空間的に相対的な用語、例えば、「下」、「下方」、「下部」、「上」、「上方」、「上部」、「底部」、及びこれに類するものが本明細書で使用され得る。空間的に相対的な用語は、図に示される配向に加えて、使用中又は動作中のデバイスの異なる配向を包含することが意図されることが理解されるであろう。例えば、図中のデバイスが裏返されると、他の要素又は特徴の「下」又は「下方」として記述された要素は、他の要素又は特徴の「上」に配向される。したがって、「下」という例示的な用語は、上及び下の配向の両方を包含することができる。デバイスは、他の状態で配向され得(90度回転又は他の配向で)、本明細書で使用される空間的に相対的な記述子が相応じて解釈され得る。
【0082】
本明細書において、「取り付けられる」、「接続される」、「相互接続される」、「接触する」、「装着される」などという用語は、別段の記載がない限り、素子間の直接的又は間接的な取り付け又は接触を意味する。
【0083】
周知の機能又は構造は、簡潔さ及び/又は明確さのために詳細に記載されていない場合がある。本明細書で使用される場合、「及び/又は」という表現は、関連する列挙された項目のうちの1つ以上のありとあらゆる組み合わせを含む。
【0084】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明する目的のためのものに過ぎず、本発明の概念を限定することを意図するものではない。本明細書で使用された場合、「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」という単数形は、そうでないことを文脈が明確に示していない限り、複数形も含むことが意図されている。更に、本明細書で使用されるとき、「備える(comprises)」「備える(comprising)」、「含む(includes)」、及び/又は「含む(including)」という用語は、記載された特徴、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、動作、要素、構成要素、及び/又はそれらのグループの存在又は追加を妨げないことが更に理解されるであろう。
【国際調査報告】