(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-19
(54)【発明の名称】分析アプリケーション環境におけるKPIカスタマイズのためのユーザインターフェースを提供するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/06 20230101AFI20231012BHJP
G06F 9/451 20180101ALI20231012BHJP
【FI】
G06Q10/06
G06F9/451
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023519024
(86)(22)【出願日】2021-09-22
(85)【翻訳文提出日】2023-05-24
(86)【国際出願番号】 US2021051587
(87)【国際公開番号】W WO2022066794
(87)【国際公開日】2022-03-31
(32)【優先日】2020-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502303739
【氏名又は名称】オラクル・インターナショナル・コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グランホルム,デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】バル,ラジェシュ
(72)【発明者】
【氏名】ベンカタ,アナンス
(72)【発明者】
【氏名】フラー,ジョン
【テーマコード(参考)】
5B376
5L049
【Fターム(参考)】
5B376AA17
5B376DA21
5L049AA06
(57)【要約】
ある実施形態に従うと、本明細書に記載されるのは、分析アプリケーション環境において重要業績評価指標(KPI)カスタマイズを提供するためのシステムおよび方法であり、これは、組織の企業ソフトウェアアプリケーションもしくはデータ環境、またはサービスとしてのソフトウェアもしくは他のタイプのクラウドもしくはコンピューティング環境の文脈内で、データアナリティクスを可能にする。本システムは、全体として、カスタマイズされた性能メトリックまたはKPIオブジェクトをもたらすことができる、複数のレイヤから導出されるカスタマイズをサポートする。ある実施形態に従うと、本システムは、元の(例えば、事前設定なしで利用可能なまたはファクトリ)KPIおよびユーザにより修正されたKPIを記述するアイコンでユーザインターフェースをサポートする。ユーザが、元のKPIオブジェクトを修正して、カスタマイズされたKPIを作成すると、そのアイコンは、ユーザがKPIを修正したことを視覚的に示すように変更される。カスタマイズされたKPIは、元のKPIオブジェクトに対する系統を保持しながら、KPIデッキ、カード、ダッシュボード、または他のタイプの視覚化内で使用され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析アプリケーション環境において重要業績評価指標(KPI)カスタマイズを提供するためのシステムであって、重要業績評価指標オブジェクトの修正のためのユーザインターフェースを含み、
分析アプリケーション環境へのアクセスを提供する、1つ以上のプロセッサを含むコンピュータを備え、
前記システムは、全体的に、元のバージョンに基づいてカスタマイズされた重要業績評価指標を提供する複数のレイヤから導出される重要業績評価指標のカスタマイズを可能にし、前記カスタマイズは、実行時において、元の重要業績評価指標定義と1つ以上の拡張とがマージされるときに、適用され、
前記システムは、元の重要業績評価指標およびユーザ修正された重要業績評価指標を記述するアイコンをユーザインターフェースに提供するように適合され、ユーザが元の重要業績評価指標オブジェクトを修正してカスタマイズされた重要業績評価指標を作成すると、そのアイコンが変更されて、前記ユーザが前記重要業績評価指標を修正したことを視覚的に示す、システム。
【請求項2】
重要業績評価指標モデルは、顧客データに関連付けられデータアナリティクス環境内に維持されるユーザインターフェースデッキ、カード、ダッシュボード、または他の視覚化を準備するために、前記データアナリティクス環境のプレゼンテーション層に関連して使用され得る、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記システムは、クラウドまたはマルチテナント環境において提供される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記カスタマイズされた重要業績評価指標は、JSONフォーマットで記憶され、前記JSONフォーマットは、データベースによって前記ユーザインターフェースに返される情報を提供するよう、および特定の重要業績評価指標に関連付けられるデータが、重要業績評価指標オブジェクトの元のバージョンによって、またはカスタマイズされた重要業績評価指標オブジェクトによって、いつ提供されているかを示すよう用いられ、前記情報は、前記重要業績評価指標の指示を、前記ユーザインターフェースに表示されるそのアイコンを含んでレンダリングするときに、前記プレゼンテーション層またはユーザインターフェースによって解析される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
重要業績評価指標の配列は閲覧されることができ、当該配列から特定の重要業績評価指標がカスタマイズのために選択され、どの重要業績評価指標がカスタマイズされたかを示すためにアイコンが提供され、その後の時点で、ユーザは、前記カスタマイズされた重要業績評価指標をその元の重要業績評価指標に復帰させて戻すことを選択することができ、その重要業績評価指標に関連付けられるアイコンは、その元のアイコンに復帰する、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
分析アプリケーション環境において重要業績評価指標(KPI)カスタマイズを提供するための方法であって、重要業績評価指標オブジェクトの修正のためのユーザインターフェースを含み、前記方法は、
1つ以上のプロセッサを含むコンピュータが、分析アプリケーション環境へのアクセスを提供することと、
全体的に、元のバージョンに基づいてカスタマイズされた重要業績評価指標を提供する複数のレイヤから導出される重要業績評価指標のカスタマイズを提供することとを含み、前記カスタマイズは、実行時において、元の重要業績評価指標定義と1つ以上の拡張とがマージされるときに、適用され、
前記システムは、元の重要業績評価指標およびユーザ修正された重要業績評価指標を記述するアイコンをユーザインターフェースに提供するように適合され、ユーザが元の重要業績評価指標オブジェクトを修正してカスタマイズされた重要業績評価指標を作成すると、そのアイコンが変更されて、前記ユーザが前記重要業績評価指標を修正したことを視覚的に示す、方法。
【請求項7】
重要業績評価指標モデルは、顧客データに関連付けられデータアナリティクス環境内に維持されるユーザインターフェースデッキ、カード、ダッシュボード、または他の視覚化を準備するために、前記データアナリティクス環境のプレゼンテーション層に関連して使用され得る、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記システムは、クラウドまたはマルチテナント環境において提供される、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記カスタマイズされた重要業績評価指標は、JSONフォーマットで記憶され、前記JSONフォーマットは、データベースによって前記ユーザインターフェースに返される情報を提供するよう、および特定の重要業績評価指標に関連付けられるデータが、重要業績評価指標オブジェクトの元のバージョンによって、またはカスタマイズされた重要業績評価指標オブジェクトによって、いつ提供されているかを示すよう用いられ、前記情報は、前記重要業績評価指標の指示を、前記ユーザインターフェースに表示されるそのアイコンを含んでレンダリングするときに、前記プレゼンテーション層またはユーザインターフェースによって解析される、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
重要業績評価指標の配列は閲覧されることができ、当該配列から特定の重要業績評価指標がカスタマイズのために選択され、どの重要業績評価指標がカスタマイズされたかを示すためにアイコンが提供され、その後の時点で、ユーザは、前記カスタマイズされた重要業績評価指標をその元の重要業績評価指標に復帰させて戻すことを選択することができ、その重要業績評価指標に関連付けられるアイコンは、その元のアイコンに復帰する、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
命令を有する非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であって、前記命令は、1つ以上のプロセッサを含むコンピュータによって読み出され、実行されると、前記コンピュータに、ある方法を実行させ、前記方法は、
1つ以上のプロセッサを含むコンピュータが、分析アプリケーション環境へのアクセスを提供することと、
全体的に、元のバージョンに基づいてカスタマイズされた重要業績評価指標を提供する複数のレイヤから導出される重要業績評価指標のカスタマイズを提供することとを含み、前記カスタマイズは、実行時において、元の重要業績評価指標定義と1つ以上の拡張とがマージされるときに、適用され、
前記システムは、元の重要業績評価指標およびユーザ修正された重要業績評価指標を記述するアイコンをユーザインターフェースに提供するように適合され、ユーザが元の重要業績評価指標オブジェクトを修正してカスタマイズされた重要業績評価指標を作成すると、そのアイコンが変更されて、前記ユーザが前記重要業績評価指標を修正したことを視覚的に示す、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項12】
重要業績評価指標モデルは、顧客データに関連付けられデータアナリティクス環境内に維持されるユーザインターフェースデッキ、カード、ダッシュボード、または他の視覚化を準備するために、前記データアナリティクス環境のプレゼンテーション層に関連して使用され得る、請求項11に記載の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項13】
前記システムはクラウドまたはマルチテナント環境において提供される、請求項11に記載の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項14】
前記カスタマイズされた重要業績評価指標は、JSONフォーマットで記憶され、前記JSONフォーマットは、データベースによって前記ユーザインターフェースに返される情報を提供するよう、および特定の重要業績評価指標に関連付けられるデータが、重要業績評価指標オブジェクトの元のバージョンによって、またはカスタマイズされた重要業績評価指標オブジェクトによって、いつ提供されているかを示すよう用いられ、前記情報は、前記重要業績評価指標の指示を、前記ユーザインターフェースに表示されるそのアイコンを含んでレンダリングするときに、前記プレゼンテーション層またはユーザインターフェースによって解析される、請求項11に記載の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項15】
重要業績評価指標の配列は閲覧されることができ、当該配列から特定の重要業績評価指標がカスタマイズのために選択され、どの重要業績評価指標がカスタマイズされたかを示すためにアイコンが提供され、その後の時点で、ユーザは、前記カスタマイズされた重要業績評価指標をその元の重要業績評価指標に復帰させて戻すことを選択することができ、その重要業績評価指標に関連付けられるアイコンは、その元のアイコンに復帰する、請求項11に記載の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
著作権表示
本特許文献の開示の一部には、著作権保護の対象となる資料が含まれる。特許文献または特許開示は、米国特許庁の特許ファイルおよび記録に公開されているため、著作権者は、何人によるその複製に対しても異議はないが、そうでない場合には、例外なくすべての著作権を保有する。
【0002】
優先権主張:
本出願は、「SYSTEM AND METHOD FOR KPI CUSTOMIZATION IN AN ANALYTIC APPLICATIONS ENVIRONMENT」と題され、2020年9月25日に出願された米国仮特許出願、出願番号63/083,320;「SYSTEM AND METHOD FOR PROVIDING LAYERED KPI CUSTOMIZATION IN AN ANALYTIC APPLICATIONS ENVIRONMENT」と題され、2021年9月15日に出願された米国特許出願、出願番号17/476,242号;および「SYSTEM AND METHOD FOR PROVIDING A USER INTERFACE FOR KPI CUSTOMIZATION IN AN ANALYTIC APPLICATIONS ENVIRONMENT」と題され、2021年9月15日に出願された米国特許出願、出願番号17/476,246の優先権を主張するものであり、「SYSTEM AND METHOD FOR CUSTOMIZATION IN AN ANALYTIC APPLICATIONS ENVIRONMENT」と題され、2020年5月6日に出願され、出願番号16/868,081であり、米国特許出願公開番号20200356575として公開された米国特許出願に関連しており;これらの出願の各々は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
技術分野:
本明細書で説明される実施形態は、概して、コンピュータデータアナリティクス、およびビジネスインテリジェンスデータを提供するコンピュータベースの方法に関し、特に、分析アプリケーション環境において重要業績評価指標(KPI)カスタマイズを提供するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0004】
背景
一般に説明すると、組織内では、データアナリティクスによって、大量のデータから結論またはその他の情報を導き出すために、当該データのコンピュータベースの調査または解析が可能になり、ビジネスインテリジェンスツールによって、戦略的な経営判断を行うことを可能にする形式で企業データを記述した情報が組織のビジネスユーザに提供される。
【0005】
組織のエンタープライズソフトウェアアプリケーション/データ環境(たとえば、Oracle Fusion Applications環境もしくはその他の種類のエンタープライズソフトウェアアプリケーション/データ環境など)と関連して、または、SaaS(Software-As-A-Service)もしくはクラウド環境(たとえば、Oracle Analytics CloudもしくはOracle Cloud Infrastructure環境、もしくはその他の種類のコンピューティングクラウド環境など)と関連してデータアナリティクスの利用を活用するソフトウェアアプリケーションを開発することに対する関心が高まっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
いくつかの分析環境は、ダッシュボード、重要業績評価指標(KPI)、または他のタイプのレポートの使用をサポートする。しかしながら、データアナリティクス環境の異なる顧客は、そのようなKPIまたは他のビジネスインテリジェンスデータを提供する目的で、顧客のデータがどのように分類、集約、または変換されるかに関して異なる選好を有し得る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
概要:
ある実施形態に従うと、本明細書に記載されるのは、分析アプリケーション環境において重要業績評価指標(KPI)カスタマイズを提供するためのシステムおよび方法であり、これは、組織の企業ソフトウェアアプリケーションもしくはデータ環境、またはサービスとしてのソフトウェアもしくは他のタイプのクラウドもしくはコンピューティング環境の文脈内で、データアナリティクスを可能にする。本システムは、全体として、カスタマイズされた性能メトリックまたはKPIオブジェクトをもたらすことができる、複数のレイヤから導出されるカスタマイズをサポートする。
【0008】
ある実施形態に従うと、システムは、実行時にマージされて最終的なカスタマイズされたKPIを作成する、元の(例えば、事前設定なしで利用可能なまたはファクトリ)KPIオブジェクトについてのKPI情報のバリエーションを階層化することによって、カスタマイズされたKPIの作成を可能にする。各デルタ-KPI自体も、複数の、例えばサイト/ユーザレベル/レイヤをサポートし得る。本手法は、デッキ、カード、ダッシュボード、または他のタイプの視覚化等のKPI視覚化オブジェクトが現れるユーザインターフェースデッキ/ダッシュボードのために拡張性を提供するよう使用され得る。
【0009】
ある実施形態に従うと、本システムは、元の(例えば、事前設定なしで利用可能なまたはファクトリ)KPIおよびユーザにより修正されたKPIを記述するアイコンでユーザインターフェースをサポートする。ユーザが、元のKPIオブジェクトを修正して、カスタマイズされたKPIを作成すると、そのアイコンは、ユーザがKPIを修正したことを視覚的に示すように変更される。カスタマイズされたKPIは、元のKPIオブジェクトに対する系統を保持しながら、KPIデッキ、カード、ダッシュボード、または他のタイプの視覚化内で使用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】一実施形態による、分析アプリケーション環境を提供するためのシステムを示す。
【
図2】一実施形態による、分析アプリケーション環境において拡張性およびカスタマイズをサポートするためのシステムを示す。
【
図3】一実施形態によるKPIカスタマイズを提供するために本システムをどのように使用できるかを示す。
【
図4】一実施形態による例示的なKPIカスタマイズを示す。
【
図5】一実施形態による例示的なメタデータを示す図である。
【
図6】一実施形態による例示的なKPIカスタマイズをさらに示す。
【
図7】一実施形態による別の例示的なメタデータを示す図である。
【
図8】一実施形態による例示的なKPIカスタマイズをさらに示す。
【
図9】ある実施形態に係る、KPIに関連付けられるデータを読み出すための例示的な動作のセットを示す図である。
【
図10】一実施形態による、例示的なマージされたJSONファイルを示す図である。
【
図11】一実施形態による、分析アプリケーション環境においてKPIカスタマイズを提供するためのプロセスを示す。
【
図12】ある実施形態に係る、ユーザがカスタマイズされたKPIを作成および使用することを可能にする例示的なユーザインターフェースを示す図である。
【
図13】ある実施形態に係る、ユーザがカスタマイズされたKPIを作成および使用することを可能にする例示的なユーザインターフェースを示す図である。
【
図14】ある実施形態に係る、ユーザがカスタマイズされたKPIを作成および使用することを可能にする例示的なユーザインターフェースを示す図である。
【
図15】ある実施形態に係る、ユーザがカスタマイズされたKPIを作成および使用することを可能にする例示的なユーザインターフェースを示す図である。
【
図16】ある実施形態に係る、ユーザがカスタマイズされたKPIを作成および使用することを可能にする例示的なユーザインターフェースを示す図である。
【
図17】ある実施形態に係る、ユーザがカスタマイズされたKPIを作成および使用することを可能にする例示的なユーザインターフェースを示す図である。
【
図18】ある実施形態に係る、ユーザがカスタマイズされたKPIを作成および使用することを可能にする例示的なユーザインターフェースを示す図である。
【
図19】ある実施形態に係る、ユーザがカスタマイズされたKPIを作成および使用することを可能にする例示的なユーザインターフェースを示す図である。
【
図20】ある実施形態に係る、ユーザがカスタマイズされたKPIを作成および使用することを可能にする例示的なユーザインターフェースを示す図である。
【
図21】ある実施形態に係る、ユーザがカスタマイズされたKPIを作成および使用することを可能にする例示的なユーザインターフェースを示す図である。
【
図22】ある実施形態に係る、分析アプリケーション環境においてKPIカスタマイズを提供するためのプロセスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
詳細な説明:
上述したように、組織内では、データアナリティクスによって、大量のデータから結論またはその他の情報を導き出すために、当該データのコンピュータベースの調査または解析が可能になり、ビジネスインテリジェンスツールによって、戦略的な経営判断を行うことを可能にする形式で企業データを記述した情報が組織のビジネスユーザに提供される。
【0012】
組織のエンタープライズソフトウェアアプリケーション/データ環境(たとえば、Oracle Fusion Applications環境もしくはその他の種類のエンタープライズソフトウェアアプリケーション/データ環境など)と関連して、または、SaaS(Software-As-A-Service)もしくはクラウド環境(たとえば、Oracle Analytics CloudもしくはOracle Cloud Infrastructure環境、もしくはその他の種類のクラウドまたはコンピューティング環境など)と関連してデータアナリティクスの利用を活用するソフトウェアアプリケーションを開発することに対する関心が高まっている。
【0013】
ある実施形態に従うと、本明細書に記載されるのは、分析アプリケーション環境において重要業績評価指標(KPI)カスタマイズを提供するためのシステムおよび方法であり、これは、組織の企業ソフトウェアアプリケーションもしくはデータ環境、またはサービスとしてのソフトウェアもしくは他のタイプのクラウドもしくはコンピューティング環境の文脈内で、データアナリティクスを可能にする。本システムは、全体として、カスタマイズされた性能メトリックまたはKPIオブジェクトをもたらすことができる、複数のレイヤから導出されるカスタマイズをサポートする。
【0014】
ある実施形態に従うと、システムは、実行時にマージされて最終的なカスタマイズされたKPIを作成する、元の(例えば、事前設定なしで利用可能なまたはファクトリ)KPIオブジェクトについてのKPI情報のバリエーションを階層化することによって、カスタマイズされたKPIの作成を可能にする。各デルタ-KPI自体も、複数の、例えばサイト/ユーザレベル/レイヤをサポートし得る。本手法は、デッキ、カード、ダッシュボード、または他のタイプの視覚化等のKPI視覚化オブジェクトが現れるユーザインターフェースデッキ/ダッシュボードのために拡張性を提供するよう使用され得る。
【0015】
ある実施形態に従うと、このシステムは、全体として、KPIオブジェクトの基底のバージョンまたは元の(例えば、事前設定なしで利用可能なもしくはファクトリ)バージョンを修正しない、カスタマイズされた性能メトリックまたはKPIオブジェクトをもたらし得る複数のレイヤから導出されるカスタマイズをサポートし、KPIエディタまたはユーザインターフェースにおける変更のアップグレード、復帰、および追跡を可能にする。
【0016】
ある実施形態に従うと、顧客は、データを移動し、重要業績評価指標(KPI)を作成し、それらをデッキ、カード、ダッシュボード、または他のタイプの視覚化として提示し得る。時折、顧客は、それらのKPIを彼らの特定の業務で使用するためにカスタマイズし、拡張したい場合があり、これは、伝統的には、新たなKPIを作成するために「名前を付けて保存」手法を必要とするが、元のKPIに戻る系統は失われるであろう。KPI情報のバリエーションを元の(例えば、事前設定なしで利用可能なまたはファクトリ)KPIオブジェクト上に階層化することによって、この特徴は、例えば、マルチテナント環境において特に有用であり、ここで、テナントは、ベースKPIに対する変更+テナント固有またはユーザ固有のデルタKPIを階層化し得、これらは、実行時にマージされて、最終的なカスタマイズされたKPIを作成する。
【0017】
ある実施形態に従うと、本システムは、元の(例えば、事前設定なしで利用可能なまたはファクトリ)KPIおよびユーザにより修正されたKPIを記述するアイコンでユーザインターフェースをサポートする。ユーザが、元のKPIオブジェクトを修正して、カスタマイズされたKPIを作成すると、そのアイコンは、ユーザがKPIを修正したことを視覚的に示すように変更される。カスタマイズされたKPIは、元のKPIオブジェクトに対する系統を保持しながら、KPIデッキ、カード、ダッシュボード、または他のタイプの視覚化内で使用され得る。
【0018】
ある実施形態に従うと、任意の段階で、ユーザは、その事前設定なしで利用可能なまたはファクトリKPIに復帰して戻り得る。カスタマイズされたKPIの元のKPIへの系統はまた、元のKPIが更新されるときに、それがパッチされるか、または別様に更新されることも可能にする。
【0019】
様々な実施形態によれば、説明される手法の技術的利点は、例えば、(1)多くの場合、事前設定なしで利用可能なまたはファクトリKPIオブジェクトには適度な微調整しか必要とされないので、KPIの作成および使用に必要なストレージの最適化、ならびに(2)後続のリリースにわたる基底のファクトリKPI定義のサポート性およびアップグレードの容易さを含む。
【0020】
分析アプリケーション環境
実施の形態によると、たとえば、ADW(Oracle Autonomous Data Warehouse)、ADWC(Oracle Autonomous Data Warehouse Cloud)などのデータウェアハウス環境もしくはコンポーネント、または、大量のデータを格納するようになされたその他の種類のデータウェアハウス環境もしくはコンポーネントは、1つ以上の業務アプリケーションが収集したデータを格納するための中央リポジトリを提供することができる。
【0021】
たとえば、実施の形態によると、データウェアハウス環境またはコンポーネントは、OLAP(Online Analytical Processing)または複数の異なるソースのデータから業務関連データを生成するその他の技術を採用する多次元データベースとして提供され得る。組織は、1つ以上の垂直業務アプリケーションおよび/または水平業務アプリケーションからこのような業務関連データを抽出し、その組織に対応付けられたデータウェアハウスインスタンスに抽出データを注入することができる。
【0022】
水平業務アプリケーションとして、上述したような、ERP、HCM、CX、SCM、およびEPMなどを挙げることができ、様々な企業組織間で広い範囲の機能を提供することができる。
【0023】
垂直業務アプリケーションは、一般に、水平業務アプリケーションよりも範囲が狭いが、規定の範囲または業界内の上下方向の一連のデータへのアクセスを与える。垂直業務アプリケーションとして、特定の組織内で使用するための医療用ソフトウェア、または銀行業務ソフトウェアなどを挙げることができる。
【0024】
SaaSまたはクラウド指向商品として、たとえばOracle Fusion Applicationsなど、企業ソフトウェアプロダクトまたはコンポーネントをソフトウェアベンダーが提供することが増えているが、たとえば、Oracle ADWCなど、その他の企業ソフトウェアプロダクトまたはコンポーネントを、SaaS、PaaS(Platform-as-a-Service)、またはハイブリッドサブスクリプションのうちの1つ以上として提供することができる。従来のビジネスインテリジェンス(BI)アプリケーションおよびプロセスの企業ユーザは、一般に、水平業務アプリケーションおよび垂直業務アプリケーションからデータを抽出して、抽出データをデータウェアハウスに入れるタスク、つまり、多くの時間とリソースの両方を必要とし得るプロセスに直面する。
【0025】
実施の形態によると、分析アプリケーション環境は、たとえば、OBIA(Oracle Business Intelligence Applications)環境、または顧客(テナント)自身によってまたは複数のサードパーティエンティティから入手される大量のデータを調べるようになされたその他の種類のBIコンポーネントなど、BIコンポーネントとともに使用するための、コンピュータによって実行可能なソフトウェア分析アプリケーションを顧客(テナント)開発できるようにする。
【0026】
例えば、実施の形態によると、分析アプリケーション環境を利用して、データウェアハウスインスタンスのレポートインターフェースに、様々な業務生産性ソフトウェアアプリケーションに関連する業務関連データオブジェクトを記述した関連メタデータを予め追加して、たとえば、定義済みのダッシュボード、重要業績評価指標(KPI)、またはその他の種類のレポートを含めることができる。
【0027】
ある実施形態に従うと、たとえばOracle Analytics Cloud(OAC)環境のようなアナリティクスクラウド環境(アナリティクスクラウド)に関連して分析アプリケーション環境を提供し得る。そのような環境は、協調分析を探索および実行する能力を提供するスケーラブルかつセキュアなパブリッククラウドサービスを提供する。
【0028】
図1は、一実施形態による、分析アプリケーション環境を提供するためのシステムを示す。
【0029】
図1に示され、説明される例は、本明細書に説明されるようなKPIカスタマイズの様々な実施形態を利用し得る、1つのタイプのデータアナリティクス環境の例を示す目的で提供される。他の実施形態および例によれば、本明細書で説明されるKPIカスタマイズ機能は、他のタイプのデータアナリティクス環境とともに使用され得る。
【0030】
図1に示すように、実施の形態によると、分析アプリケーション環境100は、コンピュータハードウェア(たとえば、プロセッサ、メモリ)101を有し、コントロールプレーン102およびデータプレーン104として動作する1つ以上のソフトウェアコンポーネントを備え、データウェアハウスまたはデータウェアハウスインスタンス160へのアクセスを与えるコンピュータシステムによって提供され得るまたは当該コンピュータシステムにおいて動作し得る。
【0031】
実施の形態によると、
図1に示され、様々なその他の実施の形態に関してさらに説明されるコンポーネントおよびプロセスは、コンピュータシステムまたはその他の種類の処理装置によって実行可能なソフトウェアまたはプログラムコードとして提供することができる。たとえば、実施の形態によると、本明細書において説明するコンポーネントおよびプロセスは、クラウドコンピューティングシステム、またはその他の適切にプログラムされたコンピュータシステムによって提供することができる。
【0032】
実施の形態によると、コントロールプレーンは、たとえば、Oracle Analytics CloudもしくはOracle Cloud Infrastructure環境、またはその他の種類のクラウドもしくはコンピューティング環境など、SaaSまたはクラウド環境に関連して提供されるクラウドまたはその他のソフトウェアプロダクトを制御するよう動作する。たとえば、実施の形態によると、顧客(テナント)および/またはプロビジョニングコンポーネント111を有するクラウド環境の制御の下、コントロールプレーンは、デバイスハードウェア12と、アプリケーション14と、ユーザインターフェース16とを有するクライアントコンピュータデバイス10によるアクセスを可能にするコンソールインターフェース110を含み得る。
【0033】
実施の形態によると、コンソールインターフェースは、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)および/もしくはコマンドラインインターフェース(CLI)もしくはその他のインターフェースを操作する顧客(テナント)によるアクセスを可能にすることができ、ならびに/またはSaaSもしくはクラウド環境のプロバイダおよびその顧客(テナント)が使用するためのインターフェースを含み得る。たとえば、実施の形態によると、コンソールインターフェースは、顧客が顧客のSaaS環境内で使用するためのサービスをプロビジョニングできるようにするインターフェース、および顧客がプロビジョニングされたそれらのサービスを構成できるようにするインターフェースを提供することができる。
【0034】
実施の形態によると、顧客(テナント)は、データウェアハウス内の顧客スキーマ164のプロビジョニングを要求できる。また、顧客は、必須属性(たとえば、ログイン認証情報)およびオプション属性(たとえば、サイズ、または速度)を含む、データウェアハウスインスタンスに対応付けられた複数の属性をコンソールインターフェースを介して供給し得る。その後、データウェアハウスの顧客スキーマを含む要求されたデータウェアハウスインスタンスをプロビジョニングコンポーネントがプロビジョニングして、顧客が供給する適切な情報をデータウェアハウスインスタンスに追加し得る。
【0035】
また、実施の形態によると、プロビジョニングコンポーネントは、たとえば特定の顧客(テナント)についてのETLプロセス実行の要求頻度を変更または更新することによって、データウェアハウスインスタンス、および/またはデータプレーンにおいて動作するETLプロセスを更新または編集するために利用することができる。
【0036】
実施の形態によると、データプレーンAPIは、データプレーンと通信できる。たとえば、実施の形態によると、データプレーンが提供するサービスのプロビジョニングおよび構成の変更を、データプレーンAPIを介してデータプレーンに通信することができる。
【0037】
実施の形態によると、データプレーンは、データパイプライン/処理層120と、データ変換層134とを含み得る。データパイプライン/処理層120およびデータ変換層134は、共に、たとえば、顧客の(テナントの)SaaS環境においてプロビジョニングされる業務生産性ソフトウェアアプリケーションなど、組織のエンタープライズソフトウェアアプリケーション/データ環境からの運用データまたは取引データを処理する。データパイプライン/処理は、SaaS環境においてプロビジョニングされる業務アプリケーションおよびデータベースから取引データを抽出し、その後変換データをデータウェアハウスにロードする様々な機能を含み得る。
【0038】
実施の形態によると、データ変換層は、SaaS環境においてプロビジョニングされた業務アプリケーションおよび対応するトランザクションデータベースから受信した取引データを、分析アプリケーション環境が理解するモデルフォーマットに変換するためにシステムが利用するデータモデル、たとえば、ナレッジモデル(KM)またはその他の種類のデータモデルなどを含み得る。モデルフォーマットは、データウェアハウスに格納するのに適した任意のデータフォーマットで提供することができる。実施の形態によると、また、データプレーンは、データ/構成ユーザインターフェース130と、マッピング/構成データベース132とを備え得る。
【0039】
実施の形態によると、データウェアハウスは、デフォルト分析アプリケーションスキーマ(本明細書では、いくつかの実施の形態に従って、分析ウェアハウススキーマと称する)162と、システムの顧客(テナント)ごとに上述したような顧客スキーマとを含み得る。
【0040】
実施の形態によると、データプレーンは、ETL(抽出、変換、ロード)操作を実行する役割を担う。ETL操作は、たとえばSaaS環境において提供される業務生産性ソフトウェアアプリケーションおよび対応するトランザクションデータベースなど、組織のエンタープライズソフトウェアアプリケーション/データ環境から取引データを抽出する操作、抽出データをモデルフォーマットに変換する操作、および変換データをデータウェアハウスの顧客スキーマにロードする操作を含む。
【0041】
たとえば、実施の形態によると、環境の各顧客(テナント)は、データウェアハウス内の自身の顧客テナンシに対応付けられ得る。顧客テナンシは、自身の顧客スキーマに対応付けられており、分析アプリケーションスキーマへの読み取り専用アクセスが与えられた状態で追加提供され得る。分析アプリケーションスキーマは、周期的またはその他の基準でデータパイプライン/処理、たとえば、ETLプロセスによって更新することができる。
【0042】
実施の形態によると、データパイプライン/処理は、たとえば、SaaS環境においてプロビジョニングされる業務生産性ソフトウェアアプリケーションおよび対応するトランザクションデータベース106など、エンタープライズソフトウェアアプリケーション/データ環境から取引データを一定間隔(たとえば、毎時/毎日/毎週)で抽出するようにスケジューリングされ得る。
【0043】
実施の形態によると、抽出プロセス108が取引データを抽出することができ、抽出すると、データパイプライン/処理がデータステージング領域に抽出データを挿入することができる。データステージング領域は、抽出データの一時的なステージング領域として機能できる。データ品質コンポーネントおよびデータ保護コンポーネントを用いて、抽出データの完全性を確保することができる。たとえば、実施の形態によると、データ品質コンポーネントは、データステージング領域に抽出データが一時的に保持されている間にこのデータの検証を行うことができる。
【0044】
実施の形態によると、抽出プロセスが抽出を完了すると、データ変換層を用いて、データウェアハウスの顧客スキーマにロードするために抽出データをモデルフォーマットに変更する変換処理を開始できる。
【0045】
上述したように、実施の形態によると、データパイプライン/処理は、データ変換層と組み合わせて動作してデータをモデルフォーマットに変換することができる。マッピング/構成データベースは、データ変換が使用するデータモデルを定義するメタデータおよびデータマッピングを格納し得る。データ/構成ユーザインターフェース(UI)は、マッピング/構成データベースへのアクセスおよび変更を容易にすることができる。
【0046】
実施の形態によると、データ変換層は、たとえば上述したようなデータモデルに従って、データウェアハウスの顧客スキーマにロードするのに適したフォーマットに抽出データを変換できる。変換の間、データ変換は、ディメンションの作成、ファクトの作成、およびアグリゲートの作成を適宜行うことができる。ディメンションの作成は、データウェアハウスインスタンスにロードするためのディメンションまたはフィールドを作成するステップを含み得る。
【0047】
実施の形態によると、抽出データの変換後、データパイプライン/処理は、ウェアハウスロードプロシージャ150を実行して、変換データをデータウェアハウスの顧客スキーマインスタンスにロードできる。変換データを顧客スキーマにロードするステップに続いて、変換データを解析して様々な追加のビジネスインテリジェンスプロセスにおいて利用することができる。
【0048】
ある実施形態によると、本明細書に説明される様々なシステム、方法、および特徴を利用し得る、分析アプリケーション環境の例示的実施例は、「SYSTEM AND METHOD FOR CUSTOMIZATION IN AN ANALYTIC APPLICATIONS ENVIRONMENT」と題され、2020年5月6日に出願され、出願番号16/868,081であり、米国特許出願公開番号20200356575として公開された米国特許出願に示されており、この出願は、参照により本明細書に組み込まれる。様々な実施形態によれば、本明細書に記載のシステムおよび方法は、他のタイプの企業ソフトウェアアプリケーションもしくはデータ環境、クラウド環境、クラウドサービス、クラウドコンピューティング、または他の分析アプリケーションもしくはコンピューティング環境とともに使用され得る。
【0049】
拡張性およびカスタマイズ
データアナリティクスもしくはビジネスインテリジェンスデータを提供する目的またはソフトウェア分析アプリケーションを開発する目的でデータをどのように分類、集約または変換するかに関して、データアナリティクス環境の異なる顧客は異なる要求を有しているであろう。
【0050】
一実施形態に従って、このような異なる要求をサポートするために、システムは、カスタムセマンティック拡張を使用してセマンティックデータモデル(セマンティックモデル)を拡張してプレゼンテーション層においてカスタムコンテンツを提供することを可能にするセマンティック層を含み得る。拡張ウィザードまたは開発環境は、カスタムセマンティック拡張を使用して分岐およびステップの定義を介してセマンティックモデルを拡張またはカスタマイズし、その後、拡張またはカスタマイズされたセマンティックモデルを生産環境に昇格させる際にユーザを導くことができる。
【0051】
図2は、一実施形態に係る、分析アプリケーション環境において拡張性およびカスタマイゼーションをサポートするためのシステムを示す図である。
【0052】
一実施形態に従って、セマンティック層は、顧客のデータのセマンティックモデルを定義するデータを含み得て、これは、ユーザが一般に理解されるビジネス用語を使用して当該データを理解してアクセスするのを手助けする際に有用である。
【0053】
図2に示されるように、一実施形態に従って、セマンティック層230は、パッケージングされたコンテンツを提供するのに使用することができるパッケージングされた(事前設定なしでそのまま使用可能な、最初の)セマンティックモデル232を含み得る。たとえば、システムは、上記のETLまたは他のデータパイプラインまたはプロセスを使用して、データを顧客の企業ソフトウェアアプリケーションまたはデータ環境からデータウェアハウスインスタンスにロードすることができ、次いで、パッケージングされたセマンティックモデルを使用して、パッケージングされたコンテンツをプレゼンテーション層に提供することができる。
【0054】
一実施形態に従って、セマンティック層は、1つまたは複数のセマンティック拡張236に関連付けられることもでき、1つまたは複数のセマンティック拡張236は、パッケージングされたセマンティックモデルを拡張してカスタムコンテンツをプレゼンテーション層240に提供するのに使用することができる。
【0055】
一実施形態に従って、プレゼンテーション層は、たとえばソフトウェア分析アプリケーション、ユーザインターフェース、ダッシュボード、重要業績指標(KPI)242、または、たとえばオラクルアナリティクスクラウドもしくはオラクル・アナリティクス・フォー・アプリケーションズなどの製品によって提供され得る他のタイプのレポートもしくはインターフェースを使用して、データコンテンツへのアクセスを可能にすることができる。
【0056】
たとえば、以下で説明するように、ある実施形態に従うと、カスタマイズされたKPIは、元の、ファクトリの、または事前設定なしで利用可能なKPI定義302および顧客拡張304を含むさまざまなレベルの拡張の組み合わせまたはマージによって作成され、結果として得られるまたはカスタマイズされたKPIカード306を作成し得る。
【0057】
一実施形態に従って、上記のETLまたは他のデータパイプラインまたはプロセスを使用して顧客の環境から供給されるデータに加えて、顧客データが、さらなる拡張性およびカスタマイゼーションの機会を提供するさまざまなデータモデルまたはシナリオを使用してデータウェアハウスインスタンスにロードされることができる。
【0058】
階層化されたKPIカスタマイズ
ある実施形態に従うと、このシステムは、全体として、KPIオブジェクトの基底のバージョンまたは元の(例えば、事前設定なしで利用可能なもしくはファクトリ)バージョンを修正しない、カスタマイズされた性能メトリックまたはKPIオブジェクトをもたらし得る複数のレイヤから導出されるカスタマイズをサポートし、KPIエディタまたはユーザインターフェースにおける変更のアップグレード、復帰、および追跡を可能にする。
【0059】
ある実施形態に従うと、顧客は、データを移動し、重要業績評価指標(KPI)を作成し、それらをデッキ、カード、ダッシュボード、または他のタイプの視覚化として提示し得る。時折、顧客は、それらのKPIを彼らの特定の業務で使用するためにカスタマイズし、拡張したい場合があり、これは、伝統的には、新たなKPIを作成するために「名前を付けて保存」手法を必要とするが、元のKPIに戻る系統は失われるであろう。KPI情報のバリエーションを元の(例えば、事前設定なしで利用可能なまたはファクトリ)KPIオブジェクト上に階層化することによって、この特徴は、例えば、マルチテナント環境において特に有用であり、ここで、テナントは、ベースKPIに対する変更+テナント固有またはユーザ固有のデルタKPIを階層化し得、これらは、実行時にマージされて、最終的なカスタマイズされたKPIを作成する。
【0060】
図3は、カスタマイズされたKPIを提供するためにKPI定義を拡張とマージし得る一実施形態によるKPIカスタマイズを提供するためにシステムをどのように使用し得るかを示す。
【0061】
上述したように、ある実施形態に従うと、分析アプリケーション環境では、プレゼンテーション層は、たとえばソフトウェア分析アプリケーション、ユーザインターフェース、ダッシュボード、重要業績評価指標(KPI);または、例えば、Oracle Analytics CloudもしくはOracle Analytics for Applicationsなどの製品によって提供され得るような他のタイプの報告もしくはインターフェースを用いて、データコンテンツへのアクセスを可能にし得る。そのような環境では、KPIカスタマイズは、顧客が、例えば、Oracleの専門家がFusion Applicationsの一部、またはFusion Applications Warehouse(FAW)として提供する、同じ基底のファクトリKPIを活用することを可能にする。
【0062】
図3に示すように、ある実施形態に従うと、この手法は、KPIカスタマイズに対するマルチレベルまたはマルチレイヤの手法に従うものであり、それは、全体として、たとえば基底のOracleバージョンに触れないカスタマイズされたKPIをもたらすことになる。これは、例えば、KPIエディタまたは他のユーザインターフェースにおける変更のアップグレード、復帰、および追跡を可能にする。
【0063】
階層化されたカスタマイズデータモデル
ある実施形態に従うと、本システムは、KPIオブジェクトの元の(例えば、事前設定なしで利用可能なまたはファクトリ)バージョンとカスタマイズされたKPIオブジェクトとの間の分離を、データモデルレベルで提供する。
【0064】
たとえば、ある実施形態に従うと、複数のKPIオブジェクトの事前設定なしで利用可能なバージョンまたはファクトリバージョンを含むCXO_MDS_KPIテーブルを提供し得る。そのような例では、CXO_MDS_KPI_Cテーブルが、次いで、1つ以上のそれらのKPIオブジェクトに対するカスタマイズを、たとえば、完全にカスタマイズされたKPIオブジェクトとして、またはKPIオブジェクトの事前設定なしで利用可能なバージョンもしくはファクトリバージョンに対するカスタマイズとして、含むよう提供され得る。
【0065】
ある実施形態に従うと、顧客のデータは、事前設定なしで利用可能な状態で(すなわち、ファクトリまたはシステムプロバイダから)出荷されるKPIオブジェクトを含むベーステーブルによってアクセスされ得る。このテーブルには読出専用コピーを設けることができ、アプリケーションコードによるこのテーブルに対する挿入または更新または削除はない。ファクトリで開発されたそれらのKPIオブジェクトは、例えばシステム(ポッド)プロビジョニング中にこのテーブルにインポートされる。ベーステーブルはテナントによってストライピングされないので、システム全体(ポッド)に対するファクトリメタデータのコピーは1つだけであり、テーブルはテナントごとに複製されない。
【0066】
ある実施形態に従うと、ユーザが新たなKPIオブジェクトを作成すると、またはKPIオブジェクトの元の(例えば、事前設定なしで利用可能なまたはファクトリ)バージョンをカスタマイズすると、システムは、この追加/カスタマイズをカスタムテーブルに保存する。
【0067】
例えば、マルチテナント分析アプリケーション環境では、第1のテナントは、KPIオブジェクトの事前設定なしで利用可能なまたはファクトリバージョンに対する変更の第1のセットを作成してもよく、それらの変更の第1のセットは、第1のデルタKPIとして記憶される。第2のテナントは、KPIオブジェクトの事前設定なしで利用可能なまたはファクトリバージョンに対する変更の、異なる/第2のセットを作成してもよく、それらの変更の第2のセットは、異なる/第2のデルタKPIとして記憶される。
【0068】
ある実施形態に従うと、本システムは、KPIオブジェクトの元の(例えば、事前設定なしで利用可能なまたはファクトリ)バージョンを修正することも、そのオブジェクトをテナントの記憶されたデータ空間にコピーすることもしないが、これは、それが重複するものとなるであろうからであり、カスタマイズされたKPIを、デルタKPIに基づいて、元の事前設定なしで利用可能なまたはファクトリKPIオブジェクトに結び付けて戻すというシステムの能力を制限するであろうからである。
【0069】
ある実施形態に従うと、カスタムテーブルをストライピングし、各顧客のカスタマイズを別々のストライプに格納する。新たなKPIオブジェクトの場合、メタデータ全体をカスタムテーブルに保存し得る。ファクトリKPIオブジェクトのカスタマイズの場合、デルタKPIメタデータをカスタムテーブルに保存し得る。
【0070】
ある実施形態に従うと、カスタマイズされたKPIは、たとえば以下に示す例のJSONフォーマットで記憶され得、次いで、これを用いてユーザインターフェースにおいてKPIの視覚化をレンダリングし得る。
【0071】
ある実施形態に従うと、各KPIは、特定のKPIを示すIDと、名前空間と、メタデータと、アクセス制御リスト(ACL)IDとに関連付けられ得る。
【0072】
例えば、IDは数値として提供され得、名前空間は、KPIオブジェクトまたはデルタKPIオブジェクトのソースを示し得る。メタデータは、例えば、以下の例示的メタデータ1に示すように、結果として得られるKPI視覚化を提供するために照会されることになる顧客データに関連付けられる様々な次元、式、または他の情報の定義を示し得る。ACL IDは、KPIにアクセスするために必要なセキュリティの指示を提供するよう使用され得る。
【0073】
KPIカスタマイズシナリオの例示的な説明
ある実施形態に従って、異なるKPIカスタマイズシナリオのさまざまな例を以下に示す。
【0074】
図4は、カスタマイズされたKPIを提供するためにKPI定義を拡張とマージし得る一実施形態による例示的なKPIカスタマイズを示す。
図4に示され、以下に部分的に再現されるように、この例では、KPIオブジェクトの元の(例えば、事前設定なしで利用可能なまたはファクトリ)バージョンはカスタマイズされない:
【0075】
【0076】
この例では、上述したように、KPIオブジェクトの事前設定なしで利用可能なバージョンまたはファクトリバージョンを使用して、顧客データにアクセスし、そのデータに基づいてKPIデッキ、カード、ダッシュボード、または他のタイプの視覚化を生成し得る。
【0077】
図5は、KPIオブジェクトの事前設定なしで利用可能なバージョンまたはファクトリバージョンに関連付けられるKPI定義を示す、一実施形態による例示的なメタデータを示す図である。
図5に示され、以下に再現されるように、この例では、KPIは、KPIを生成する際に使用するための、国の位置および地域を含む労働力情報を提供する。
【0078】
【0079】
この例では、メタデータを使用して、顧客データにアクセスし、国または地域次元に基づく(ただし、この例では、都市次元に基づかない)情報を含む、そのデータに基づいたKPIデッキ、カード、ダッシュボード、または他のタイプの視覚化を生成し得る。
【0080】
KPIカスタマイズ-新たな次元の追加
図6は、カスタマイズされたKPIを提供するためにKPI定義を拡張とマージし得る一実施形態による例示的なKPIカスタマイズをさらに示す。
図6に示され、以下で部分的に再現されるように、この例では、KPIオブジェクトの事前設定なしで利用可能なバージョンまたはファクトリバージョンがカスタマイズされ、たとえば、新たな次元がKPIに追加される:
【0081】
【0082】
この例では、KPIオブジェクトの元の(例えば、事前設定なしで利用可能なまたはファクトリ)バージョンに対する修正、すなわちデルタ-KPIは、<delta metadata>、ならびに、階層化されたKPIカスタマイズおよび異なるテナントに関連付けられるカスタマイズをサポートするために使用され得るレイヤIDおよびストライプIDを含む。
【0083】
たとえば、ある実施形態に従うと、レイヤIDをサイト識別子として使用して、サイトレイヤカスタマイズを示すことができる。別の実施例では、レイヤIDを部門識別子として使用して、部門レイヤカスタマイズを示すことができる。他のタイプのレイヤIDを使用して、例えば、ユーザレイヤまたは他のレベルのカスタマイズを示すことができる。
【0084】
本明細書に記載されるように、ある実施形態に従うと、KPIカスタマイズに対するマルチレベルもしくはマルチレイヤ手法または設計は、任意の数のカスタマイズの追加レイヤを含むように拡張され得る。例えば、レイヤIDは、顧客にとって意味のある任意のレイヤ、例えば、法人企業領域(例えば、米国、欧州)、部門(例えば、HR、財務)、または特定のユーザもしくはユーザのグループを示すために使用され得る。
【0085】
ある実施形態に従うと、ストライプIDを用いて、たとえばクラウドまたはマルチテナント環境においてテナントを示し得る。これは、そのような環境で使用するための特定のテーブルが複数のテナントによって共有されることを可能にする。
【0086】
ある実施形態に従うと、デルタKPIのためのACLは、基底のKPIに関連付けられるものとは異なるように構成され得、これは、たとえば、異なる部門が異なるACLを使用することを可能にし、KPIは、たとえばそのカスタマイズされたKPIにアクセスする部門またはユーザのACL属性に応じて適切に返されることになる。
【0087】
図7は、KPIオブジェクトの事前設定なしで利用可能なバージョンまたはファクトリバージョンに関連付けられるKPI定義を示す、一実施形態による別の例示的なメタデータを示す図である。
【0088】
図7に例示され、以下に再現されるように、KPIオブジェクトの事前設定なしで利用可能なまたはファクトリバージョンと関連付けられるデルタKPI定義を使用する、この実施例では、ユーザは、都市についての次元を追加している。KPIは効果的にカスタマイズされることになり、したがって、組み合わされた(KPI+デルタ-KPI)メタデータを使用して、顧客データにアクセスし、この例ではデルタ-KPIカスタマイズによって追加された国、地域、および/または都市の次元に基づく情報を含む、そのデータに基づいたKPIデッキ、カード、ダッシュボード、または他のタイプの視覚化を生成し得る。
【0089】
【0090】
この例では、KPIオブジェクトの事前設定なしで利用可能なまたはファクトリバージョンによって提供され国または地域に向けられる元のKPIメタデータは、デルタKPIメタデータにおいて繰り返されない。しかしながら、クエリが顧客データに対して行われてKPIデッキ、カード、ダッシュボード、または他のタイプの視覚化を生成するとき、システムは、クエリを処理するために、元のKPIメタデータで表される国情報と、デルタKPIメタデータで表される都市情報との両方を入れることになる。
【0091】
KPIオブジェクトの元の事前設定なしで利用可能なまたはファクトリバージョンは修正されていないので、例えばOracleによって元のKPIに何らかの変更がなされる場合、元のKPIは機能し続けることになり、デルタKPIが基底のファクトリKPIと競合しない限りにおいて、それらのデルタKPIは、同様に機能し続けることになり、加えて、元のKPIが更新され、パッチされ、または別様に修正されることから利益を得ることができる。
【0092】
KPIカスタマイズ-新たなカスタマイズされたKPIの作成
図8は、カスタマイズされたKPIを提供するためにKPI定義を拡張とマージし得る一実施形態による例示的なKPIカスタマイズをさらに示す。
図8に示され、以下で部分的に再現されるように、この例では、任意選択であり、必ずしもではないが、開始点として、KPIオブジェクトの事前設定なしで利用可能なバージョンまたはファクトリバージョンから始まって、新たなカスタマイズされたKPIが作成される。
【0093】
【0094】
新たなカスタマイズされたKPIを示すこの例では、顧客は、新たなKPIを作成する際に、デルタKPIメタデータを作成してはいないが、代わりに、新たなKPIを(この例では、名前空間「Admin」において)作成している。この例では、KPI ID=3は、KPIが新たなカスタマイズされたKPIであり、デルタKPIではないことを示す。加えて、この例では、<metadata>レイヤはこのインスタンスにおいてヌルであり、というのも、この場合も、それはデルタKPIではなく、新たなKPIカスタマイズであるからである(任意選択で、開始点としてKPIオブジェクトの事前設定なしで利用可能なバージョンまたはファクトリバージョンから始まる)。
【0095】
この例では、KPIは、特定のテナント(「Tenant1」)に対しても作成されている。デルタKPIの各々は、KPIオブジェクトの元の(例えば、事前設定なしで利用可能なまたはファクトリ)バージョンのデルタとして作成される。
【0096】
上に示されていないが、いくつかの実施形態によれば、顧客/テナントは、例えば、KPI ID3デルタ-KPIを取得し、次いで、さらに別の/追加のデルタ-KPIを作成し得、プロセスは、他のレイヤについてさらに継続され得る。さらに別の階層化またはカスタマイズを提供するために、追加のレイヤ値および/またはカラムタイプも使用され得る。
【0097】
たとえば、ある実施形態に従うと、ユーザレベルのカスタマイズをサポートするために、オブジェクトは追加の顧客、ユーザまたは他のカラムを含み得る。代替として、ユーザレベルのカスタマイズは、例えば、レイヤ=USER、およびレイヤID-<name of user>(ユーザの名前)で示され得る。同様に、レイヤは、レイヤ=CUSTOM、または何らかの他のカスタマイズレイヤを示すための何らかの他の値として示され得る。ストライプIDは、例えば、(そのユーザに関連付けられ得る)部門を示すために使用され得る。
【0098】
ある実施形態に従うと、上述のKPIモデルは、たとえば、顧客データに関連付けられデータアナリティクス環境内に維持されるユーザインターフェースデッキ、カード、ダッシュボード、または他の視覚化を準備するために、データアナリティクス環境のプレゼンテーション層に関連して使用され得る。
【0099】
たとえば、ある実施形態に従うと、上記のようなKPIオブジェクトメタデータによって示される次元は、データアナリティクス環境によって、セマンティックモデルまたはセマンティック層を介してデータベースにアクセスしながら、使用され得る。
【0100】
他の実施形態によれば、本システムは、セマンティックモデルまたはセマンティック層を介してデータにアクセスする代わりに、例えば、データ自体に直接アクセスすることによって、もしくは顧客データへのアクセスを提供しKPIオブジェクトおよび/もしくはカスタマイズされたKPIオブジェクトに従ってデータの検索をサポートするなんらかの他の中間コンポーネントを介して、何らかの他のモデルまたはレイヤを介して、データにアクセスし得る。
【0101】
動作例
ある実施形態に従うと、実行時に、特定のKPIに関連付けられる視覚化を作成すると、本システムは、上記のように(適切な場合、任意のデルタKPIを含む)KPIオブジェクトによって提供されるKPIの定義を調べ、その情報を用いて、動作、たとえばSQL SELECT動作または他のコマンドを生成し、例えば、読出、挿入、更新、または結合の組合せをそのような様々な動作にわたって用いて、データベースからデータを取り出し得る。ある実施形態に従うと、READ(読出)、INSERT(挿入)、UPDATE(更新)、およびDELETE(削除)動作のさまざまな例を以下に示す。
【0102】
READ動作
ある実施形態に従うと、READ動作は、擬似SQLロジックまたは他のデータ検索プロセスを用いて、データベースから、KPIに関連付けられるデータを検索し得る。以下の例では、テーブルは、ファクトリKPI(上記KPI1として示される例と同様に、テナントによってカスタマイズされない);完全にカスタマイズされたKPI(上記KPI3として示した例に類似する);およびファクトリでカスタマイズされたKPI(上記のKPI2として示した例と同様)を含む。
【0103】
図9は、ある実施形態に係る、KPIに関連付けられるデータを読み出すための例示的な動作のセットを示す図である。
図9に示され、以下に再現されるように、この例では、
【0104】
【0105】
図10は、どの属性が、ファクトリで提供された属性に対するカスタマイズされた属性であるかを示すために、各KPI属性レベルで追加のプロパティを含む、一実施形態による例示的なマージされたJSONファイルを示す。
図10に例示され、以下に再現されるように、この例では、
【0106】
【0107】
ある実施形態に従うと、上記プロセスを用いてデータベースから返されるデータは、プレゼンテーション層またはユーザインターフェースにデータを提供する前に、さらに処理される必要がある。例えば、「FACTORYCUSTOM」セット(310)内のKPI、f_metadataおよびc_metadata_siteは、サポートされたカスタマイズユースケースに従って比較され、マージされ、処理されることになる。ファクトリモデルが国を含むが、次いで都市デルタを追加する上記の例を使用すると、JSONは、その場合、KPIオブジェクトの事前設定なしで利用可能なまたはファクトリバージョンおよびカスタマイズされたデルタ-KPIオブジェクトによって指定される次元の3つすべてを含むことになる。
【0108】
ある実施形態に従うと、次いで、JSON情報を用いて、データベースによって返された情報をユーザインターフェースに提供し得る。JSONはまた、特定のKPIに関連付けられるデータが、例えば、KPIオブジェクトの元の(例えば、事前設定なしで利用可能なまたはファクトリ)バージョンによって、またはカスタマイズされたKPIオブジェクトによって、いつ提供されているかを示し得る。
【0109】
ある実施形態に従うと、次いで、KPIの指示(例えば、ユーザインターフェースに表示されるようなそのアイコンを含む)をレンダリングするときに、そのような情報をプレゼンテーション層またはユーザインターフェースによって解析して、アイコン(およびその関連付けられるKPI)がKPIオブジェクトの元の(例えば、事前設定なしで利用可能なまたはファクトリ)バージョンによって決定されているか、またはカスタマイズされたKPIオブジェクト(もしくはカスタマイズされたデルタKPIオブジェクト)によって決定されているかを示し得る。
【0110】
INSERT動作
ある実施形態に従うと、INSERT動作の場合、純粋なカスタムオブジェクトである場合には、カスタムテーブルに挿入されるだけでよい。カスタマイズされるファクトリオブジェクトの場合、デルタは最初に計算される必要があり、デルタのみが、カスタムテーブルに、(適切なレイヤidで、)同じKPI idで、記憶される必要がある。挿入は、ベーステーブルに対しては、プロビジョニング時にインポートする間を除いて、行われない。
【0111】
UPDATE動作
ある実施形態に従うと、UPDATE動作の場合、ベーステーブルに対する更新は行われない。純粋なカスタムオブジェクトである場合、新たなメタデータは、カスタムテーブル内で単純に更新され得る。ファクトリオブジェクトである場合、デルタを計算し、カスタムテーブルに(適切なレイヤで)更新する必要がある。
【0112】
DELETE動作
ある実施形態に従うと、DELETE動作の場合、ベーステーブルに対する削除は行われない。純粋なカスタムオブジェクトである場合、新たなメタデータは、ACLが許可する場合、カスタムテーブル内で単純に削除され得る。ファクトリオブジェクトである場合、カスタムテーブル内のデルタレコードは削除され得る(したがって、オブジェクトのファクトリバージョンに復帰して戻る)。
【0113】
KPIカスタマイズエラー検出
ある実施形態に従うと、本システムは、カスタマイズされたKPIの作成中に導入されるエラーに関連してエラーチェックをサポートする。例えば、顧客が、ファクトリKPIの動作に悪影響を及ぼすカスタマイズされたKPIを作成する場合、本システムは、そのイベントの情報を知らせるために、ユーザへのエラーメッセージにフラグを立て得る。
【0114】
KPI実現例
ある実施形態に従うと、表1は、KPI実現例に関連付けられるさまざまな例を示す。
【0115】
【0116】
KPIカスタマイズ使用例
ある実施形態に従うと、表2は、KPIカスタマイズ使用例のさまざまな例を示す。
【0117】
【0118】
【0119】
図11は、一実施形態による、分析アプリケーション環境においてKPIカスタマイズを提供するためのプロセスを示す。
【0120】
図11に示されるように、ある実施形態に従うと、ステップ312において、コンピュータハードウェア(たとえばプロセッサ、メモリ)を有するコンピュータシステムは、要求に応答してデータアナリティクスを提供するように適合された分析アプリケーション環境を介して、データベースまたはデータウェアハウスへのアクセスを提供する。
【0121】
ステップ314において、セマンティック層は、セマンティック拡張が、プレゼンテーション層においてカスタムコンテンツとしてデータアナリティクスを提供する際に使用するためのセマンティックデータモデル(セマンティックモデル)を拡張することを可能にする。
【0122】
ステップ316において、重要業績評価指標(KPI)へのカスタマイズが、元のKPIオブジェクトについてのKPI情報のバリエーションを階層化することによって提供され、これは、全体として、カスタマイズされたKPIオブジェクトをもたらす。
【0123】
ステップ318において、実行時に、システムは、データベースまたはデータウェアハウスからデータを検索し、データをカスタムコンテンツとしてプレゼンテーション層に提供する際に使用するために、カスタマイズされたKPIに関連付けられるレイヤをマージする。
【0124】
KPIカスタマイズのためのユーザインターフェース
ある実施形態に従うと、本システムは、元の(例えば、事前設定なしで利用可能なまたはファクトリ)KPIおよびユーザにより修正されたKPIを記述するアイコンでユーザインターフェースをサポートする。ユーザが、元のKPIオブジェクトを修正して、カスタマイズされたKPIを作成すると、そのアイコンは、ユーザがKPIを修正したことを視覚的に示すように変更される。カスタマイズされたKPIは、元のKPIオブジェクトに対する系統を保持しながら、KPIデッキ、カード、ダッシュボード、または他のタイプの視覚化内で使用され得る。
【0125】
ある実施形態に従うと、任意の段階で、ユーザは、その事前設定なしで利用可能なまたはファクトリKPIに復帰して戻り得る。カスタマイズされたKPIの元のKPIへの系統はまた、元のKPIが更新されるときに、それがパッチされるか、または別様に更新されることも可能にする。
【0126】
例えば、上述のように、ある実施形態に従うと、カスタマイズされたKPIは、たとえば以下に示す例のJSONフォーマットで記憶され得、次いで、これを用いてユーザインターフェースにおいてKPIの視覚化をレンダリングし得る。
【0127】
ある実施形態に従うと、次いで、JSON情報を用いて、データベースによって返された情報をユーザインターフェースに提供し得る。JSONはまた、特定のKPIに関連付けられるデータが、例えば、KPIオブジェクトの元の(例えば、事前設定なしで利用可能なまたはファクトリ)バージョンによって、またはカスタマイズされたKPIオブジェクトによって、いつ提供されているかを示し得る。
【0128】
ある実施形態に従うと、次いで、KPIの指示(例えば、ユーザインターフェースに表示されるようなそのアイコンを含む)をレンダリングするときに、そのような情報をプレゼンテーション層またはユーザインターフェースによって解析して、アイコン(およびその関連付けられるKPI)がKPIオブジェクトの元の(例えば、事前設定なしで利用可能なまたはファクトリ)バージョンによって決定されているか、またはカスタマイズされたKPIオブジェクト(もしくはカスタマイズされたデルタKPIオブジェクト)によって決定されているかを示し得る。
【0129】
図12~
図21は、ある実施形態に係る、ユーザがカスタマイズされたKPIを作成および使用することを可能にするユーザインターフェースの様々な例を示す。
【0130】
図12~
図13に示すように、ユーザインターフェース330は、ユーザが、使用またはカスタマイズする様々な分析デッキを閲覧および選択することを可能にし、それらの各々は、デッキ内に値または他の情報を表示する1つ以上のKPIを含み得る。
【0131】
図14に示すように、KPIの配列を閲覧でき、カスタマイズのために特定のKPIを選択できる。どのKPIが事前設定なしで利用可能で提供されるか、またはファクトリで提供されるか;およびどのKPIが、特定の、例えば、顧客サイト、部門、またはユーザに適するようにカスタマイズされているかを示すために、異なるアイコンが提供され得る。
【0132】
例えば、
図14に示すように、「売上」KPIは、この例では、その関連付けられたKPIが元の(例えば、事前設定なしで利用可能なまたはファクトリ)KPIであることを示す特定のアイコンに関連付けられている。
【0133】
特定の実現例に応じて、KPIオブジェクトの元のバージョンに関連付けられるアイコンと、カスタマイズされたKPIオブジェクトに関連付けられるアイコンとの間の区別を与えるために、たとえば異なるタイプのアイコン色および/または異なる印もしくは他の設計もしくは装飾的特徴を含む、異なる手法が使用され得る。
【0134】
図15~
図18に示すように、KPI属性を閲覧または修正し、変更を保存し得る。
たとえば、上述のように、ある実施形態に従うと、ユーザが新たなKPIオブジェクトを作成すると、またはKPIオブジェクトの元の(例えば、事前設定なしで利用可能なまたはファクトリ)バージョンをカスタマイズすると、システムは、この追加/カスタマイズをカスタムテーブルに保存する。
【0135】
図19に示すように、KPIがカスタマイズされると、システムはそのアイコン変更を変更して、それが今やカスタマイズされたKPIであることを示す。しかしながら、上述のように、階層化されたカスタマイズデータモデルの使用は、カスタマイズされたKPIが、元の、例えば、事前設定なしで利用可能なまたはファクトリで提供されるKPIへの系統を保持することを可能にし、したがって、事前設定なしで利用可能なまたはファクトリで提供されるKPIに対する改良、更新、パッチ、または他の修正も、カスタマイズされたKPI内において表面化され得る。
【0136】
例えば、
図19に示すように、「売上」KPIは、ユーザによって「私の売上収益」KPIになるように修正されており、この例では、関連するKPIがカスタマイズされたKPIであることを示す特定のアイコンに関連付けられている。この特定の例では、本システムはまた、KPIを、修正された日付に従って、再編成している。
【0137】
図20に示されるように、後の時点で、ユーザは、カスタマイズされたKPIを、その元の、例えば、事前設定なしで利用可能なまたはファクトリで提供されたKPIに復帰させて戻すことを選択し得る。
【0138】
図21に示されるように、その元の構成に復帰すると、そのKPIに関連付けられるアイコンは、同様に、その元のアイコンに復帰して戻り得る。例えば、「私の売上収益」KPIは、「売上」KPIに復帰して戻され得、その関連付けられるアイコンは、その関連付けられるKPIが、再び、
図14に最初に示されるように、元の(例えば、事前設定なしで利用可能なまたはファクトリ)KPIのアイコンであることを示すように復帰して戻され得る。
【0139】
図22は、ある実施形態に係る、分析アプリケーション環境においてKPIカスタマイズを提供するためのプロセスを示す図である。
【0140】
図22に示されるように、ある実施形態に従うと、ステップ342において、コンピュータハードウェア(たとえばプロセッサ、メモリ)を有するコンピュータシステムは、要求に応答してデータアナリティクスを提供するように適合された分析アプリケーション環境を介して、データベースまたはデータウェアハウスへのアクセスを提供する。
【0141】
ステップ344において、セマンティック層は、セマンティック拡張が、データアナリティクスをプレゼンテーション層においてカスタムコンテンツとして提供する際に使用するためのセマンティックデータモデル(セマンティックモデル)を拡張することを可能にし;ここで、重要業績評価指標(KPI)へのカスタマイズは、元のKPIオブジェクトについてのKPI情報のバリエーションを階層化することによって提供され得、それは、全体として、カスタマイズされたKPIオブジェクトをもたらし;実行時に、カスタマイズされたKPIに関連付けられるレイヤは、データベースまたはデータウェアハウスからデータを検索し、データをカスタムコンテンツとしてプレゼンテーション層に提供する際に使用するために、マージされる。
【0142】
ステップ346において、元のKPIおよびユーザにより修正されたKPIを記述するアイコンをユーザインターフェースに提供し;ここで、ユーザが元のKPIオブジェクトを修正してカスタマイズされたKPIまたはKPIカードを作成すると、そのアイコンは、ユーザがそのKPIを修正したことを視覚的に示すように変更される。
【0143】
ステップ348において、本システムは、ユーザが、カスタマイズされたKPIを、自身のKPIデッキ、カード、ダッシュボード、または他のタイプの視覚化内で使用することを可能にし;一方、カスタマイズされたKPI自体は、元のKPIオブジェクトに対する系統を保持する。
【0144】
様々な実施形態によれば、本開示の態様は、以下の番号付けされた条項に記載される。
1.分析アプリケーション環境において重要業績評価指標(KPI)カスタマイズを提供するためのシステムであって、
分析アプリケーション環境へのアクセスを提供する、1つ以上のプロセッサを含むコンピュータを備え、
本システムは、複数のレイヤから導出される重要業績評価指標のカスタマイズを可能にし、それは、全体として、元のバージョンに基づいてカスタマイズされた重要業績評価指標を提供する一方で、重要業績評価指標におけるアップグレードおよび変化の復帰を可能にし、
カスタマイズは、実行時において、元の重要業績評価指標定義と1つ以上の拡張とがマージされるときに、適用される。
【0145】
2.データが、読取専用コピーとして提供される重要業績評価指標オブジェクトを含むベーステーブルによってアクセスされ、ユーザが新たな重要業績評価指標オブジェクトを作成するか、または重要業績評価指標オブジェクトの元のバージョンをカスタマイズすると、本システムは、カスタマイズの指示をカスタムテーブルに保存する、条項1に記載のシステム。
【0146】
3.重要業績評価指標モデルが、顧客データに関連付けられデータアナリティクス環境内に維持されるユーザインターフェースデッキ、カード、ダッシュボード、または他の視覚化を準備するために、データアナリティクス環境のプレゼンテーション層に関連して使用され得る、条項1に記載のシステム。
【0147】
4.カスタマイズされた重要業績評価指標は、JSONフォーマットで記憶され、ユーザインターフェースにおいて重要業績評価指標の視覚化をレンダリングするために使用される、条項1に記載のシステム。
【0148】
5.本システムは、クラウドまたはマルチテナント環境において提供され、第1のテナントは、重要業績評価指標オブジェクトの元のバージョンに対する変更の第1のセットを作成してもよく、それらの変更の第1のセットは、第1のデルタ-KP1として記憶され、第2のテナントは、重要業績評価指標オブジェクトの元のバージョンに対する変更の第2のセットを作成してもよく、これらの変更の第2のセットは、第2のデルタ-KPIとして記憶される、条項1に記載のシステム。
【0149】
6.分析アプリケーション環境において重要業績評価指標(KPI)カスタマイズを提供するための方法であって、
1つ以上のプロセッサを含むコンピュータが、分析アプリケーション環境へのアクセスを提供することと、
複数のレイヤから導出される重要業績評価指標のカスタマイズを提供することとを含み、それは、全体として、元のバージョンに基づいてカスタマイズされた重要業績評価指標を提供する一方で、重要業績評価指標におけるアップグレードおよび変化の復帰を可能にし、
カスタマイズは、実行時において、元の重要業績評価指標定義と1つ以上の拡張とがマージされるときに、適用される。
【0150】
7.データが、読取専用コピーとして提供される重要業績評価指標オブジェクトを含むベーステーブルによってアクセスされ、ユーザが新たな重要業績評価指標オブジェクトを作成するか、または重要業績評価指標オブジェクトの元のバージョンをカスタマイズすると、本システムは、カスタマイズの指示をカスタムテーブルに保存する、条項6に記載の方法。
【0151】
8.重要業績評価指標モデルが、顧客データに関連付けられデータアナリティクス環境内に維持されるユーザインターフェースデッキ、カード、ダッシュボード、または他の視覚化を準備するために、データアナリティクス環境のプレゼンテーション層に関連して使用され得る、条項6に記載の方法。
【0152】
9.カスタマイズされた重要業績評価指標は、JSONフォーマットで記憶され、ユーザインターフェースにおいて重要業績評価指標の視覚化をレンダリングするために使用される、条項6に記載の方法。
【0153】
10.本システムは、クラウドまたはマルチテナント環境において提供され、第1のテナントは、重要業績評価指標オブジェクトの元のバージョンに対する変更の第1のセットを作成してもよく、それらの変更の第1のセットは、第1のデルタ-KP1として記憶され、第2のテナントは、重要業績評価指標オブジェクトの元のバージョンに対する変更の第2のセットを作成してもよく、これらの変更の第2のセットは、第2のデルタ-KPIとして記憶される、条項6に記載の方法。
【0154】
11.命令を有する非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であって、命令は、1つ以上のプロセッサを含むコンピュータによって読み出され、実行されると、コンピュータに方法を実行させ、本方法は、
分析アプリケーション環境へのアクセスを提供することと、
複数のレイヤから導出される重要業績評価指標のカスタマイズを提供することとを含み、それは、全体として、元のバージョンに基づいてカスタマイズされた重要業績評価指標を提供する一方で、重要業績評価指標におけるアップグレードおよび変化の復帰を可能にし、
カスタマイズは、実行時において、元の重要業績評価指標定義と1つ以上の拡張とがマージされるときに、適用される。
【0155】
12.データが、読取専用コピーとして提供される重要業績評価指標オブジェクトを含むベーステーブルによってアクセスされ、ユーザが新たな重要業績評価指標オブジェクトを作成するか、または重要業績評価指標オブジェクトの元のバージョンをカスタマイズすると、本システムは、カスタマイズの指示をカスタムテーブルに保存する、条項11に記載の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【0156】
13.重要業績評価指標モデルが、顧客データに関連付けられデータアナリティクス環境内に維持されるユーザインターフェースデッキ、カード、ダッシュボード、または他の視覚化を準備するために、データアナリティクス環境のプレゼンテーション層に関連して使用され得る、条項11に記載の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【0157】
14.カスタマイズされた重要業績評価指標は、JSONフォーマットで記憶され、ユーザインターフェースにおいて重要業績評価指標の視覚化をレンダリングするために使用される、条項11に記載の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【0158】
15.本システムは、クラウドまたはマルチテナント環境において提供され、第1のテナントは、重要業績評価指標オブジェクトの元のバージョンに対する変更の第1のセットを作成してもよく、それらの変更の第1のセットは、第1のデルタ-KP1として記憶され、第2のテナントは、重要業績評価指標オブジェクトの元のバージョンに対する変更の第2のセットを作成してもよく、これらの変更の第2のセットは、第2のデルタ-KPIとして記憶される、条項11に記載の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【0159】
16.分析アプリケーション環境において重要業績評価指標(KPI)カスタマイズを提供するためのシステムであって、重要業績評価指標オブジェクトの修正のためのユーザインターフェースを含み、
分析アプリケーション環境へのアクセスを提供する、1つ以上のプロセッサを含むコンピュータを備え、
本システムは、全体的に、元のバージョンに基づいてカスタマイズされた重要業績評価指標を提供する複数のレイヤから導出される重要業績評価指標のカスタマイズを可能にし、カスタマイズは、実行時において、元の重要業績評価指標定義と1つ以上の拡張とがマージされるときに、適用され、
本システムは、元の重要業績評価指標およびユーザ修正された重要業績評価指標を記述するアイコンをユーザインターフェースに提供するように適合され、ユーザが元の重要業績評価指標オブジェクトを修正してカスタマイズされた重要業績評価指標を作成すると、そのアイコンが変更されて、ユーザが重要業績評価指標を修正したことを視覚的に示す。
【0160】
17.重要業績評価指標モデルが、顧客データに関連付けられデータアナリティクス環境内に維持されるユーザインターフェースデッキ、カード、ダッシュボード、または他の視覚化を準備するために、データアナリティクス環境のプレゼンテーション層に関連して使用され得る、条項16に記載のシステム。
【0161】
18.本システムはクラウドまたはマルチテナント環境において提供される、条項16のシステム。
【0162】
19.カスタマイズされた重要業績評価指標は、JSONフォーマットで記憶され、JSONフォーマットは、データベースによってユーザインターフェースに返される情報を提供するよう、および特定の重要業績評価指標に関連付けられるデータが、重要業績評価指標オブジェクトの元のバージョンによって、またはカスタマイズされた重要業績評価指標オブジェクトによって、いつ提供されているかを示すよう用いられ、情報は、重要業績評価指標の指示を、ユーザインターフェースに表示されるそのアイコンを含んでレンダリングするときに、プレゼンテーション層またはユーザインターフェースによって解析される、条項16に記載のシステム。
【0163】
20.重要業績評価指標の配列を閲覧し得、そこから特定の重要業績評価指標がカスタマイズのために選択され、どの重要業績評価指標がカスタマイズされたかを示すためにアイコンが提供され、その後の時点で、ユーザは、カスタマイズされた重要業績評価指標をその元の重要業績評価指標に復帰させて戻すことを選択し得、その重要業績評価指標に関連付けられるアイコンは、その元のアイコンに復帰する、条項1に記載のシステム。
【0164】
21.分析アプリケーション環境において重要業績評価指標(KPI)カスタマイズを提供するための方法であって、重要業績評価指標オブジェクトの修正のためのユーザインターフェースを含み、本方法は、
1つ以上のプロセッサを含むコンピュータが、分析アプリケーション環境へのアクセスを提供することと、
全体的に、元のバージョンに基づいてカスタマイズされた重要業績評価指標を提供する複数のレイヤから導出される重要業績評価指標のカスタマイズを提供することとを含み、カスタマイズは、実行時において、元の重要業績評価指標定義と1つ以上の拡張とがマージされるときに、適用され、
本システムは、元の重要業績評価指標およびユーザ修正された重要業績評価指標を記述するアイコンをユーザインターフェースに提供するように適合され、ユーザが元の重要業績評価指標オブジェクトを修正してカスタマイズされた重要業績評価指標を作成すると、そのアイコンが変更されて、ユーザが重要業績評価指標を修正したことを視覚的に示す。
【0165】
22.重要業績評価指標モデルが、顧客データに関連付けられデータアナリティクス環境内に維持されるユーザインターフェースデッキ、カード、ダッシュボード、または他の視覚化を準備するために、データアナリティクス環境のプレゼンテーション層に関連して使用され得る、条項21に記載の方法。
【0166】
23.本システムはクラウドまたはマルチテナント環境において提供される、条項21に記載の方法。
【0167】
24.カスタマイズされた重要業績評価指標は、JSONフォーマットで記憶され、JSONフォーマットは、データベースによってユーザインターフェースに返される情報を提供するよう、および特定の重要業績評価指標に関連付けられるデータが、重要業績評価指標オブジェクトの元のバージョンによって、またはカスタマイズされた重要業績評価指標オブジェクトによって、いつ提供されているかを示すよう用いられ、情報は、重要業績評価指標の指示を、ユーザインターフェースに表示されるそのアイコンを含んでレンダリングするときに、プレゼンテーション層またはユーザインターフェースによって解析される、条項21に記載の方法。
【0168】
25.重要業績評価指標の配列を閲覧し得、そこから特定の重要業績評価指標がカスタマイズのために選択され、どの重要業績評価指標がカスタマイズされたかを示すためにアイコンが提供され、その後の時点で、ユーザは、カスタマイズされた重要業績評価指標をその元の重要業績評価指標に復帰させて戻すことを選択し得、その重要業績評価指標に関連付けられるアイコンは、その元のアイコンに復帰する、条項21に記載の方法。
【0169】
26.命令を有する非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であって、命令は、1つ以上のプロセッサを含むコンピュータによって読み出され、実行されると、コンピュータに方法を実行させ、本方法は、
1つ以上のプロセッサを含むコンピュータが、分析アプリケーション環境へのアクセスを提供することと、
全体的に、元のバージョンに基づいてカスタマイズされた重要業績評価指標を提供する複数のレイヤから導出される重要業績評価指標のカスタマイズを提供することとを含み、カスタマイズは、実行時において、元の重要業績評価指標定義と1つ以上の拡張とがマージされるときに、適用され、
本システムは、元の重要業績評価指標およびユーザ修正された重要業績評価指標を記述するアイコンをユーザインターフェースに提供するように適合され、ユーザが元の重要業績評価指標オブジェクトを修正してカスタマイズされた重要業績評価指標を作成すると、そのアイコンが変更されて、ユーザが重要業績評価指標を修正したことを視覚的に示す。
【0170】
27.重要業績評価指標モデルが、顧客データに関連付けられデータアナリティクス環境内に維持されるユーザインターフェースデッキ、カード、ダッシュボード、または他の視覚化を準備するために、データアナリティクス環境のプレゼンテーション層に関連して使用され得る、条項26に記載の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【0171】
28.本システムはクラウドまたはマルチテナント環境において提供される、条項26に記載の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【0172】
29.カスタマイズされた重要業績評価指標は、JSONフォーマットで記憶され、JSONフォーマットは、データベースによってユーザインターフェースに返される情報を提供するよう、および特定の重要業績評価指標に関連付けられるデータが、重要業績評価指標オブジェクトの元のバージョンによって、またはカスタマイズされた重要業績評価指標オブジェクトによって、いつ提供されているかを示すよう用いられ、情報は、重要業績評価指標の指示を、ユーザインターフェースに表示されるそのアイコンを含んでレンダリングするときに、プレゼンテーション層またはユーザインターフェースによって解析される、条項26に記載の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【0173】
30.重要業績評価指標の配列を閲覧し得、そこから特定の重要業績評価指標がカスタマイズのために選択され、どの重要業績評価指標がカスタマイズされたかを示すためにアイコンが提供され、その後の時点で、ユーザは、カスタマイズされた重要業績評価指標をその元の重要業績評価指標に復帰させて戻すことを選択し得、その重要業績評価指標に関連付けられるアイコンは、その元のアイコンに復帰する、条項26に記載の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【0174】
様々な実施の形態によると、本明細書における教示は、本開示の教示に従ってプログラムされた1つ以上のプロセッサ、メモリ、および/またはコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含む、1つ以上の従来の汎用または専用のデジタルコンピュータ、コンピューティングデバイス、機械、またはマイクロプロセッサによって好都合に実現されてもよい。当業者であるプログラマーは、ソフトウェア技術を身につけた者に明らかなように、本開示の教示に基づいて、適切なソフトウェアコーディングを容易に用意できる。
【0175】
いくつかの実施の形態において、本発明は、指示を格納した非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体(複数のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体)であるコンピュータプログラムプロダクトを含む。コンピュータプログラムプロダクトを使用して、本教示のいずれの処理も実行できるようにコンピュータをプログラムすることができる。たとえば、このような記憶媒体は、ハードディスクドライブ、ハードディスク、固定ディスク、またはその他の電気機械式データ記憶装置、フロッピー(登録商標)ディスク、光ディスク、DVD、CD-ROM、マイクロドライブ、および光磁気ディスクを含む任意の種類のディスク、ROM、RAM、EPROM、EEPROM、DRAM、VRAM、フラッシュメモリデバイス、磁気カードもしくは光カード、ナノシステム、または指示ならびに/もしくはデータを一時的に格納するのに適したその他の種類の記憶媒体もしくはバイスを含み得るが、これらに限定されない。
【0176】
上記の説明は、例示および説明のために提供されている。これは、包括的であったり、開示した厳密な形態に保護範囲を限定したりすることを意図していない。多くの変更および変形が当業者に明らかになるであろう。
【0177】
たとえば、本明細書において提供した例のうちのいくつかでは、たとえば、Oracle Fusion Applications環境などのエンタープライズソフトウェアアプリケーション/データ環境との分析アプリケーション環境の動作、または、たとえば、Oracle Analytics CloudまたはOracle Cloud Infrastructure環境など、SaaS(Software-As-A-Service)またはクラウド環境のコンテキスト内での分析アプリケーション環境の動作を例示したが、様々な実施の形態によると、本明細書に記載のシステムおよび方法は、その他の種類のエンタープライズソフトウェアアプリケーション/データ環境、クラウド環境、クラウドサービス、クラウドコンピューティング、またはその他のコンピューティング環境とともに用いることができる。
【0178】
本教示の原理およびその実際の適用例を最もよく説明するために実施の形態を選んで説明した。これにより、様々な実施の形態、およびこれらに加えて考えられる特定の用途に適した様々な変更例を当業者が理解することが可能になる。本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって示される。
【国際調査報告】