(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-19
(54)【発明の名称】完全な不正開封証拠特徴部を有する可撓性パッケージ構造体及び該構造体を作製する方法
(51)【国際特許分類】
B65D 75/58 20060101AFI20231012BHJP
B65D 65/40 20060101ALI20231012BHJP
B32B 7/12 20060101ALI20231012BHJP
B32B 27/00 20060101ALI20231012BHJP
【FI】
B65D75/58
B65D65/40 D
B32B7/12
B32B27/00 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023519040
(86)(22)【出願日】2021-08-10
(85)【翻訳文提出日】2023-05-23
(86)【国際出願番号】 US2021045303
(87)【国際公開番号】W WO2022066305
(87)【国際公開日】2022-03-31
(32)【優先日】2020-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】599057065
【氏名又は名称】ソノコ・デヴェロップメント,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100169018
【氏名又は名称】網屋 美湖
(72)【発明者】
【氏名】ハファー,スコット,ウィリアム
【テーマコード(参考)】
3E067
3E086
4F100
【Fターム(参考)】
3E067AA11
3E067AB01
3E067AC03
3E067BA11A
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3E086BA13
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3E086BB51
3E086CA01
3E086DA08
4F100AK06C
4F100AK07
4F100AK07C
4F100AK25
4F100AK42
4F100AK42A
4F100AR00A
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4F100JK17A
4F100JK17B
4F100JK17C
4F100JL12
(57)【要約】
外側構造体と、内側構造体42と、外側構造体と内側構造体とを接着により接合して積層体を形成する感圧接着剤層20とを含む、可撓性積層体、パッケージ構造体及び方法。少なくとも1本の外側脆弱線52が、外側構造体において形成され、少なくとも1本の外側脆弱線は、積層体の開口端部に隣接する少なくとも1つの裂け目受容要素56において終端する。内側構造体において形成された第1の内側脆弱線62であって、第1の内側脆弱線は、内側開口部分を画定する。外側構造体及び内側構造体の両方を通って形成された少なくとも1本の脆弱線25によって、タブ23が画定され、少なくとも1本のタブの脆弱線は、少なくとも1つの裂け目伝播要素27において終端する。第2の内側脆弱線30が、内側構造体において形成され、第2の内側脆弱線は、タブの少なくとも1つの裂け目伝播要素27と少なくとも1本の外側脆弱線の少なくとも1つの裂け目受容要素56との間に配置される。
【選択図】
図1A、
図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性積層体であって、
外側構造体と、
内側構造体と、
前記外側構造体と前記内側構造体とを接着により接合して積層体を形成する、感圧接着剤層であって、前記積層体は、開口端部及び基端部、並びに前記開口端部と前記基端部との間に延在する長手方向を有する、感圧接着剤層と、
前記外側構造体において形成された少なくとも1本の外側脆弱線であって、前記少なくとも1本の外側脆弱線は、前記少なくとも1本の外側脆弱線に沿って前記外側構造体から分離可能な外側開口部分の一部を画定し、前記少なくとも1本の外側脆弱線は、前記積層体の前記開口端部に隣接する少なくとも1つの裂け目受容要素において終端する、少なくとも1本の外側脆弱線と、
前記内側構造体において形成された第1の内側脆弱線であって、前記第1の内側脆弱線は、前記第1の内側脆弱線に沿って前記内側構造体から分離可能な内側開口部分を画定し、
前記内側開口部分は、前記可撓性パッケージ構造体の平面から前記外側開口部分を持ち上げることが、前記外側開口部分とともに前記内側開口部分を持ち上げさせて、前記可撓性パッケージ構造体を通る開口を形成するように、前記外側開口部分に接合され、
前記外側開口部分の周縁領域は、前記内側脆弱線と前記外側脆弱線との間に画定され、前記周縁領域は、下にある前記内側構造体の表面を覆っている、第1の内側脆弱線と、
前記外側構造体及び前記内側構造体の両方を通って形成された少なくとも1本の脆弱線によって画定されたタブであって、前記少なくとも1本の外側脆弱線は、少なくとも1つの裂け目伝播要素において終端する、タブと、
前記内部構造体において形成された第2の内側脆弱線であって、前記第2の内側脆弱線は、前記タブの前記少なくとも1つの裂け目伝播要素と前記少なくとも1本の外側脆弱線の前記少なくとも1つの裂け目受容要素との間に配置されている、第2の内側脆弱線と、
を備える、積層体。
【請求項2】
前記少なくとも1本の外側脆弱線は、2本の外側脆弱線を含み、そのそれぞれは、前記積層体の前記開口端部に隣接する裂け目受容要素において終端するとともに、そのそれぞれは、前記積層体の前記基端部に隣接する裂け目制限要素において終端する、請求項1に記載の積層体。
【請求項3】
前記2本の外側脆弱線のそれぞれは、他のいずれの脆弱線とも不連続である、請求項2に記載の積層体。
【請求項4】
前記裂け目受容要素のそれぞれは、J字型フック部を含む、請求項2に記載の積層体。
【請求項5】
前記積層体の前記開口端部に隣接する前記外側脆弱線の前記裂け目受容要素のそれぞれは、頂点及びアームを含み、前記アームは、前記積層体の前記長手方向に対して実質的に垂直である、請求項2に記載の積層体。
【請求項6】
前記タブの前記少なくとも1本の脆弱線は、2本の脆弱線を含み、そのそれぞれは、前記積層体の縁部において開始し、裂け目伝播要素において終端し、前記タブの前記裂け目伝播要素のそれぞれは、頂点及びアームを含み、前記頂点は、前記積層体の前記開口端部に隣接する前記外側脆弱線の前記裂け目受容要素のそれぞれのアームに向けられる、請求項5に記載の積層体。
【請求項7】
前記第2の内側脆弱線は、前記タブの中央部分に隣接して配置された中央部分と、2つの外側に延在する端部とを有し、
前記第2の内側脆弱線の第1の端部は、前記タブの前記裂け目伝播要素の第1のアームを越えて、かつ前記積層体の前記開口端部に隣接する前記外側脆弱線の前記裂け目受容要素の第1のアームを越えて、外側に延在し、
前記第2の内側脆弱線の第2の端部は、前記タブの前記裂け目伝播要素の第2のアームを越えて、かつ前記積層体の前記開口端部に隣接する前記外側脆弱線の前記裂け目受容要素の第2のアームを越えて、延在する、請求項5に記載の積層体。
【請求項8】
前記裂け目伝播要素のそれぞれは、J字型フック部を含む、請求項6に記載の積層体。
【請求項9】
前記タブの前記裂け目伝播要素、及び前記積層体の前記開口端部に隣接する前記外側脆弱線の前記裂け目受容要素は、不正開封証拠特徴部を含む、請求項6に記載の積層体。
【請求項10】
前記タブの前記少なくとも1本の脆弱線は、2本の脆弱線を含み、そのそれぞれは、前記積層体の縁部において開始し、J字型フック部において終端する、請求項1に記載の積層体。
【請求項11】
前記タブの前記2本の脆弱線のそれぞれは、他のいずれの脆弱線とも不連続である、請求項10に記載の積層体。
【請求項12】
前記感圧接着剤は、前記積層体構造全体に配置されている、請求項1に記載の積層体。
【請求項13】
第2の内側脆弱線は、前記第2の内側脆弱線の中央部分を通って前記積層体の前記長手方向に対して概ね垂直であり、その対向端部の近くで前記タブに向かって湾曲している、請求項1に記載の積層体。
【請求項14】
第2の内側脆弱線は、前記タブに向かって凹状である湾曲した脆弱線を含む、請求項1に記載の積層体。
【請求項15】
前記積層体は、可撓性パッケージを形成する、請求項1に記載の積層体。
【請求項16】
前記パッケージは、直立型パウチ又はフローラップ構造体を含む、請求項15に記載の積層体。
【請求項17】
前記外側構造体及び前記内側構造体は、ポリエチレンテレフタレートを含む、請求項1に記載の積層体。
【請求項18】
前記外側構造体は、ポリエチレンテレフタレートを含み、前記内側構造体は、低密度ポリエチレンを含む、請求項1に記載の積層体。
【請求項19】
前記外側構造体は、ポリエチレンテレフタレートを含み、前記内側構造体は、延伸ポリプロピレンを含む、請求項1に記載の積層体。
【請求項20】
前記タブと前記少なくとも1本の外側脆弱線とは、不連続である、請求項1に記載の積層体。
【請求項21】
可撓性パッケージを作製する方法であって、
外側構造体を備えることと、
内側構造体を備えることと、
感圧接着剤を使用して、前記外側構造体と前記内側構造体とを接着により接合して積層体を形成することであって、前記積層体は、開口端部及び基端部、並びに前記開口端部と前記基端部との間に延在する長手方向を有することと、
前記外側構造体において少なくとも1本の外側脆弱線を切り込むことであって、前記少なくとも1本の外側脆弱線は、前記少なくとも1本の外側脆弱線に沿って前記外側構造体から分離可能な外側開口部分の一部を画定し、前記少なくとも1本の外側脆弱線は、前記積層体の前記開口端部に隣接する少なくとも1つの裂け目受容要素において終端することと、
前記内側構造体において形成された第1の内側脆弱線を切り込むことであって、前記第1の内側脆弱線は、前記第1の内側脆弱線に沿って前記内側構造体から分離可能な内側開口部分を画定し、
前記内側開口部分は、前記可撓性パッケージ構造体の平面から前記外側開口部分を持ち上げることが、前記外側開口部分とともに前記内側開口部分を持ち上げさせて、前記可撓性パッケージ構造体を通る開口を形成するように、前記外側開口部分に接合され、
前記外側開口部分の周縁領域は、前記内側脆弱線と前記外側脆弱線との間に画定され、前記周縁領域は、下にある前記内側構造体の表面を覆っていることと、
前記外側構造体及び前記内側構造体の両方を通る少なくとも1本の脆弱線を切り込んでタブを形成することであって、前記少なくとも1本の外側脆弱線は、少なくとも1つの裂け目伝播要素において終端することと、
前記内側構造体において第2の内側脆弱線を切り込むことであって、前記第2の内側脆弱線は、前記タブの前記少なくとも1つの裂け目伝播要素と、前記少なくとも1本の外側脆弱線の前記少なくとも1つの裂け目受容要素との間に配置されていることと、
前記切り込まれた積層体を、前記タブを含む第1の側壁と、第2の側壁とを有するパッケージ構造体に形成することであって、前記タブは、前記第1の側壁のエンドシール領域内に配置されていることと、
前記タブが前記第2の側壁に接着されないままとなるように、前記第1の側壁を前記第2の側壁にエンドシールすることと、
を含む、方法。
【請求項22】
前記エンドシールは、ヒートシールを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
ヒートシールは、前記タブを形成する前記少なくとも1本の脆弱線を囲む凹部を有するヒートシールツールを使用して達成される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記タブの縁部は、前記パッケージ構造体の縁部と位置合わせされている、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記パッケージ構造体を開封する前には、前記タブと前記少なくとも1本の外側脆弱線とは不連続である、請求項21の方法。
【請求項26】
可撓性パッケージ構造体であって、
製品を包囲する第1の側壁及び第2の側壁であって、前記第1の側壁及び前記第2の側壁のそれぞれは、
外側構造体と、
内側構造体と、
前記外側構造体と前記内側構造体とを接着により接合して積層体を形成する、感圧接着剤層であって、前記第1の側壁は、開口端部及び基端部、並びに前記開口端部と前記基端部との間に延在する長手方向を有する、感圧接着剤層と、
を含む、第1の側壁及び第2の側壁と、
前記第1の側壁の前記外側構造体において形成された少なくとも1本の外側脆弱線であって、前記少なくとも1本の外側脆弱線は、前記少なくとも1本の外側脆弱線に沿って前記外側構造体から分離可能な外側開口部分の一部を画定し、前記少なくとも1本の外側脆弱線は、前記積層体の前記開口端部に隣接する少なくとも1つのJ字型フック部において終端する、少なくとも1本の外側脆弱線と、
前記第1の側壁の前記内側構造体において形成された第1の内側脆弱線であって、前記第1の内側脆弱線は、前記第1の内側脆弱線に沿って前記内側構造体から分離可能な内側開口部分を画定し、
前記内側開口部分は、前記可撓性パッケージ構造体の平面から前記外側開口部分を持ち上げることが、前記外側開口部分とともに前記内側開口部分を持ち上げさせて、前記可撓性パッケージ構造体を通る開口を形成するように、前記外側開口部分に接合され、
前記外側開口部分の周縁領域は、前記内側脆弱線と前記外側脆弱線との間に画定され、前記周縁領域は、下にある前記内側構造体の表面を覆っている、第1の内側脆弱線と、
前記第1の側壁の前記外側構造体及び前記内側構造体の両方を通って形成された少なくとも1本の脆弱線によって画定されたタブであって、前記少なくとも1本の外側脆弱線は、少なくとも1つのJ字型フック部において終端する、タブと、
前記第1の側壁の前記内部構造体において形成された第2の内側脆弱線であって、前記第2の内側脆弱線は、前記タブの前記少なくとも1つのJ字型フック部と前記少なくとも1本の外側脆弱線の前記少なくとも1つのJ字型フック部との間に配置されている、第2の内側脆弱線と、
を備える、パッケージ構造体。
【請求項27】
前記少なくとも1本の外側脆弱線は、2本の外側脆弱線を含み、そのそれぞれは、前記積層体の前記開口端部に隣接するJ字型フック部において終端するとともに、そのそれぞれは、前記積層体の前記基端部に隣接するJ字型フック部において終端する、請求項26記載のパッケージ構造体。
【請求項28】
前記2本の外側脆弱線のそれぞれは、他のいずれの脆弱線とも不連続である、請求項27に記載のパッケージ構造体。
【請求項29】
前記積層体の前記開口端部に隣接する前記外側脆弱線の前記J字型フック部のそれぞれは、頂点及びアームを含み、前記アームは、前記積層体の前記長手方向に対して実質的に垂直である、請求項27に記載のパッケージ構造体。
【請求項30】
前記第2の内側脆弱線は、前記タブの中央部分に隣接して配置された中央部分と、2つの外側に延在する端部とを有し、
前記第2の内側脆弱線の第1の端部は、前記タブの前記J字型フック部の第1のアームを越えて、かつ前記積層体の前記開口端部に隣接する前記外側脆弱線の前記J字型フック部の第1のアームを越えて、外側に延在し、
前記第2の内側脆弱線の第2の端部は、前記タブの前記J字型フック部の第2のアームを越えて、かつ前記積層体の前記開口端部に隣接する前記外側脆弱線の前記J字型フック部の第2のアームを越えて、延在する、請求項29に記載のパッケージ構造体。
【請求項31】
前記タブの前記J字型フック部、及び前記積層体の前記開口端部に隣接する前記外側脆弱線の前記J字型フック部は、不正開封証拠特徴部を含む、請求項29に記載のパッケージ構造体。
【請求項32】
前記タブの前記少なくとも1本の脆弱線は、2本の脆弱線を含み、そのそれぞれは、前記積層体の縁部において開始し、J字型フック部において終端し、前記タブの前記J字型フック部のそれぞれは、頂点及びアームを含み、前記頂点は、前記開口端部に隣接する前記外側脆弱線の前記J字型フック部のそれぞれのアームに向けられる、請求項29のパッケージ構造体。
【請求項33】
請求項32に記載のパッケージ構造体を開封する方法であって、
前記タブを前記開口端部から離れる方向にかつ前記基端部に向かって引っ張り、前記タブの前記J字型フック部のそれぞれから、前記開口端部に隣接する前記外側脆弱線の前記J字型フック部の前記アームのそれぞれに向けて、裂け目線を伝播させることと、
前記裂け目線が、前記第2の内側脆弱線と交差するように、前記タブを引っ張り続けることと、
前記裂け目線が、前記開口端部に隣接する前記外側脆弱線の前記J字型フック部のそれぞれのアームと交差するように、前記タブを引っ張り続けることと、
前記タブと前記外側脆弱線とが、前記パッケージ構造体への開口フラップを形成するように、前記タブを引っぱり続けることと、
を含む、方法。
【請求項34】
前記パッケージ構造体を開封した後、前記タブの前記J字型フック部及び前記外側脆弱線の前記J字型フック部が引き裂かれたことが視覚的に明らかとなる、請求項26に記載のパッケージ構造体。
【請求項35】
前記裂け目線がそれた場合、前記第2の内側脆弱線は、前記裂け目線を前記パッケージ構造体の中央部分へと向ける、請求項26に記載のパッケージ構造体。
【請求項36】
前記タブの前記少なくとも1本の脆弱線は、2本の脆弱線を含み、そのそれぞれは、前記積層体の前記縁部において開始し、J字型フック部において終端する、請求項26に記載のパッケージ構造体。
【請求項37】
前記タブの2本の前記外側脆弱線のそれぞれは、他のいずれの脆弱線とも不連続である、請求項26のパッケージ構造体。
【請求項38】
前記感圧接着剤は、前記積層体構造全体に配置されている、請求項26に記載のパッケージ構造体。
【請求項39】
第2の内側脆弱線は、前記第2の内側脆弱線の中央部分を通って前記積層体の前記長手方向に対して概ね垂直であり、その対向端部の近くで前記タブに向かって湾曲している、請求項26に記載のパッケージ構造体。
【請求項40】
第2の内側脆弱線は、前記タブに向かって凹状である湾曲した脆弱線を含む、請求項26に記載のパッケージ構造体。
【請求項41】
前記パッケージは、直立型パウチ又はフローラップ構造体を含む、請求項26に記載のパッケージ構造体。
【請求項42】
前記タブと前記少なくとも1本の外側脆弱線とは、不連続である、請求項26に記載のパッケージ構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、包括的には、製品のパッケージに関し、より詳細には、可撓性のフィルムベースの材料から構築されるパッケージに関する。一実施形態においては、本開示は、パッケージへの開口を形成する剥離可能な部分を画定する切込線、プルタブ、及び/又はパッケージ完全性特徴部を有するパッケージに関する。本発明はまた、パッケージ構造体を製造する方法を含む。
【0002】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2020年9月24日付けで出願された米国特許出願第17/031,154号の優先権を主張するものであり、その全体が引用することにより本明細書の一部をなすものとする。
【0003】
様々な食品及び非食品の製品が、主にポリマーフィルム、金属化ポリマーフィルム、紙、及び金属箔等のうちの1つ以上の積層体で形成された、可撓性パッケージ材料を使用して、パッケージングされている。多くの場合、パッケージは、一度に少しずつ使用又は消費され得る製品を収容しており、製品は、周囲の環境への曝露によって悪影響を受けやすい(例えば、濡れる、乾燥する等)ものであり得る。したがって、最初の開封後にパッケージを再閉鎖して、パッケージ内に残る製品を新鮮に保つことを可能にしたいという要望が存在する。
【0004】
かかるパッケージを作製するための既存の工程においては、多くの場合、パターン接着剤が可撓性フィルム層に塗布され、層が次いで一緒に積層され、印刷され、その後切り込まれて、開封及び再閉鎖を可能にする様々なパッケージ構造体要素を生成する。多くの場合、パターン接着剤シリンダ及びオフラインの精密切込装置が使用されて、それぞれが接着剤及び印刷された材料と見当合わせされた、パッケージのための機能的な開封フラップ、タブ、及びパッケージ完全性特徴部を生成する。工夫及び努力により、本発明者は、パターン接着剤シリンダ、接着剤のパターン塗布、弱くされた又は接着剤のないタブ、及び/又は製造工程中の別個の精密切込工程(見当合わせを伴う)の必要性を排除する工程を開発した。本開示は、可撓性パッケージ構造体及び該構造体を作製する方法であって、該構造体が、該構造体に組み込まれた開封/再閉鎖及び不正開封証拠特徴部を有し、現在の方法よりも効率よく製造される、可撓性パッケージ構造体及び該構造を作製する方法を提供することによって、上述したニーズに対処し、その他の利点を実現する。
【0005】
さらに、本発明の1つの実施形態によれば、様々なフィルム層を通る切込線は、開封フラップを形成するのみならず、独特なプルタブ及び不正開封証拠特徴部も形成する。この実施形態においては、プルタブは、フラップ開封特徴部とは不連続であってもよい。プルタブが分離されて剥離されると、中断された領域におけるフィルムの一部が引き裂かれて、プルタブと開封フラップとを接続する。中断された領域における裂け目の存在が、パッケージが既に開封されたか又は手を加えられたことを示唆する。
【発明の概要】
【0006】
一実施の形態において、本発明は、可撓性積層体であって、外側構造体と、内側構造体と、前記外側構造体と前記内側構造体とを接着により接合して積層体を形成する、感圧接着剤層であって、前記積層体は、開口端部及び基端部、並びに前記開口端部と前記基端部との間に延在する長手方向を有する、感圧接着剤層とを備える、積層体を含む。前記積層体は、前記外側構造体において形成された少なくとも1本の外側脆弱線であって、前記少なくとも1本の外側脆弱線は、前記少なくとも1本の外側脆弱線に沿って前記外側構造体から分離可能な外側開口部分の一部を画定し、前記少なくとも1本の外側脆弱線は、前記積層体の前記開口端部に隣接する少なくとも1つの裂け目受容要素(tear receiving element)において終端する、少なくとも1本の外側脆弱線を有する。前記積層体は、前記内側構造体において形成された第1の内側脆弱線であって、前記第1の内側脆弱線は、前記第1の内側脆弱線に沿って前記内側構造体から分離可能な内側開口部分を画定し、前記内側開口部分は、前記可撓性パッケージ構造体の平面から前記外側開口部分を持ち上げることが、前記外側開口部分とともに前記内側開口部分を持ち上げさせて、前記可撓性パッケージ構造体を通る開口を形成するように、前記外側開口部分に接合され、前記外側開口部分の周縁領域は、前記内側脆弱線と前記外側脆弱線との間に画定され、前記周縁領域は、下にある前記内側構造体の表面を覆っている、第1の内側脆弱線を有する。前記積層体はまた、前記外側構造体及び前記内側構造体の両方を通って形成された少なくとも1本の脆弱線によって画定されたタブであって、前記少なくとも1本の外側脆弱線は、少なくとも1つの裂け目伝播要素において終端する、タブと、前記内部構造体において形成された第2の内側脆弱線であって、前記第2の内側脆弱線は、前記タブの前記少なくとも1つの裂け目伝播要素と前記少なくとも1本の外側脆弱線の前記少なくとも1つの裂け目受容要素との間に配置されている、第2の内側脆弱線とを備える。
【0007】
一実施の形態において、本発明は、可撓性パッケージを作製する方法であって、外側構造体を備えることと、内側構造体を備えることと、感圧接着剤を使用して、前記外側構造体と前記内側構造体とを接着により接合して積層体を形成することであって、前記積層体は、開口端部及び基端部、並びに前記開口端部と前記基端部との間に延在する長手方向を有することと、前記外側構造体において少なくとも1本の外側脆弱線を切り込むことであって、前記少なくとも1本の外側脆弱線は、前記少なくとも1本の外側脆弱線に沿って前記外側構造体から分離可能な外側開口部分の一部を画定し、前記少なくとも1本の外側脆弱線は、前記積層体の前記開口端部に隣接する少なくとも1つの裂け目受容要素において終端することと、前記内側構造体において形成された第1の内側脆弱線を切り込むことであって、前記第1の内側脆弱線は、前記第1の内側脆弱線に沿って前記内側構造体から分離可能な内側開口部分を画定することとを含む、方法を含む。一実施の形態において、前記内側開口部分は、前記可撓性パッケージ構造体の平面から前記外側開口部分を持ち上げることが、前記外側開口部分とともに前記内側開口部分を持ち上げさせて、前記可撓性パッケージ構造体を通る開口を形成するように、前記外側開口部分に接合され、前記外側開口部分の周縁領域は、前記内側脆弱線と前記外側脆弱線との間に画定され、前記周縁領域は、下にある前記内側構造体の表面を覆っている。前記方法はまた、前記外側構造体及び前記内側構造体の両方を通る少なくとも1本の脆弱線を切り込んでタブを形成することであって、前記少なくとも1本の外側脆弱線は、少なくとも1つの裂け目伝播要素(tear propagating element)において終端することと、前記内側構造体において第2の内側脆弱線を切り込むことであって、前記第2の内側脆弱線は、前記タブの前記少なくとも1つの裂け目伝播要素と、前記少なくとも1本の外側脆弱線の前記少なくとも1つの裂け目受容要素との間に配置されていることと、前記切り込まれた積層体を、前記タブを含む第1の側壁と、第2の側壁とを有するパッケージ構造体に形成することであって、前記タブは、前記第1の側壁のエンドシール領域内に配置されていることと、前記タブが前記第2の側壁に接着されないままとなるように、前記第1の側壁を前記第2の側壁にエンドシールすることとを伴うことができる。
【0008】
更に別の実施の形態において、本発明は、可撓性パッケージ構造体であって、製品を包囲する第1の側壁及び第2の側壁であって、前記第1の側壁及び前記第2の側壁のそれぞれは、外側構造体と、内側構造体と、前記外側構造体と前記内側構造体とを接着により接合して積層体を形成する、感圧接着剤層であって、前記第1の側壁は、開口端部及び基端部、並びに前記開口端部と前記基端部との間に延在する長手方向を有する、感圧接着剤層とを含む、第1の側壁及び第2の側壁と、前記第1の側壁の前記外側構造体において形成された少なくとも1本の外側脆弱線であって、前記少なくとも1本の外側脆弱線は、前記少なくとも1本の外側脆弱線に沿って前記外側構造体から分離可能な外側開口部分の一部を画定し、前記少なくとも1本の外側脆弱線は、前記積層体の前記開口端部に隣接する少なくとも1つのJ字型フック部において終端する、少なくとも1本の外側脆弱線と、前記第1の側壁の前記内側構造体において形成された第1の内側脆弱線であって、前記第1の内側脆弱線は、前記第1の内側脆弱線に沿って前記内側構造体から分離可能な内側開口部分を画定し、前記内側開口部分は、前記可撓性パッケージ構造体の平面から前記外側開口部分を持ち上げることが、前記外側開口部分とともに前記内側開口部分を持ち上げさせて、前記可撓性パッケージ構造体を通る開口を形成するように、前記外側開口部分に接合され、前記外側開口部分の周縁領域は、前記内側脆弱線と前記外側脆弱線との間に画定され、前記周縁領域は、下にある前記内側構造体の表面を覆っている、第1の内側脆弱線と、前記第1の側壁の前記外側構造体及び前記内側構造体の両方を通って形成された少なくとも1本の脆弱線によって画定されたタブであって、前記少なくとも1本の外側脆弱線は、少なくとも1つのJ字型フック部において終端する、タブと、前記第1の側壁の前記内部構造体において形成された第2の内側脆弱線であって、前記第2の内側脆弱線は、前記タブの前記少なくとも1つのJ字型フック部と前記少なくとも1本の外側脆弱線の前記少なくとも1つのJ字型フック部との間に配置されている、第2の内側脆弱線とを備える、パッケージ構造体を含む。
【0009】
本開示をこのように全般的に記載してきたところで、以下、添付図面を参照する。図面は必ずしも一定縮尺で示されていない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】本発明の一実施形態における、閉じたパッケージの斜視図である。
【
図1B】本発明の一実施形態における、開いた構成の、
図1Aにおいて示されるパッケージの斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態における、積層体ロールの上面図である。
【
図3A】
図2における線A-Aによる、本発明の一実施形態におけるパッケージの斜視断面図である。
【
図3B】
図2における線A-Aによる、本発明の一実施形態におけるパッケージの斜視断面図である。
【
図3C】
図2における線A-Aによる、本発明の一実施形態におけるパッケージの斜視断面図である。
【
図3D】
図2における線A-Aによる、本発明の一実施形態におけるパッケージの斜視断面図である。
【
図4】本発明の一実施形態における、直立型パウチの斜視図である。
【
図5】本発明の一実施形態における、積層体の分解上面図である。
【
図6】パッケージ構造体が開封された後の、本発明の一実施形態における積層体の分解上面図である。
【
図7A】本発明の一実施形態における、積層体及びヒートシールツールの分解上面図である。
【
図7B】本発明の一実施形態における、積層体及びヒートシールツールの分解上面図である。
【
図7C】本発明の一実施形態における、積層体及びヒートシールツールの分解上面図である。
【
図8A】
図2における線B-Bによる、本発明の一実施形態におけるパッケージの断面図である。
【
図8B】
図2における線C-Cによる、本発明の一実施形態におけるパッケージの断面図である。
【
図9】
図9A~
図9Lは、本発明において利用することができる様々な裂け目伝播要素及び/又は裂け目受容要素を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態の幾つかであって、全てを示すものではないが、添付の図面を参照して以下でより詳細に本発明を説明する。実際のところ、これらの発明は、多くの異なる形態で具現化することができ、本明細書中に記載の実施形態に限定するように解釈されるものではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が法的適用要件を満たすために提示されるものである。全体を通じて同様の符号は同様の要素を表す。
【0012】
本発明の一実施形態においては、可撓性パッケージ積層体は、一体型の開封及び再閉鎖機能、プルタブ、及び不正開封証拠特徴部を有するよう構築されている。積層体は、第1の構造体を第2の構造体に接着により積層することによって多層構造体として構築され、第1の構造体及び第2の構造体のそれぞれは、可撓性材料の1つ以上の層を含んでもよい。感圧接着剤が、積層の前に構造体のうちの一方に塗布される。このようにして積層体が形成されると、切込動作が実行される。
【0013】
一実施形態においては、1つ以上の切込動作が、積層体の各側面に対して実行される。一実施形態においては、いくつかの切込動作は、積層体の厚さの一部のみを貫通し、特に、第1の構造体に隣接する積層体の側面に対して実行される切込動作は、第1の構造体を貫通するが、第2の構造体を完全には貫通せず、好ましくは第2の構造体を実質的に貫通せず、より好ましくは全く貫通しないことに帰着する。同様に、第2の構造体に隣接する積層体の側面に対して実行される切込動作は、第2の構造体を貫通するが、第1の構造体を完全には貫通せず、好ましくは第1の構造体を実質的に貫通せず、より好ましくは全く貫通しないことに帰着する。しかしながら、本明細書に示されるいくつかの切込動作においては、切込は、第1の構造体及び第2の構造体の両方を通る完全な貫通を含む。切込動作は、以下に更に説明されるように、剥離可能/再閉鎖可能なフラップ、プルタブ、及び不正開封証拠特徴部を形成してもよい。
【0014】
いくつかの実施形態においては、パッケージは、内側構造体と対面関係で接合された外側構造体を有する2部分構造として積層体を形成することによって、一体型の開封及び再閉鎖特徴部を有するよう形成される。外側構造体及び内側構造体のそれぞれは、ポリマーフィルム、紙、及び金属箔等の可撓性パッケージ材料の1つ以上の層を含み得る。外側構造体においては、外側構造体の平面から持ち上げられ得る外側開口部分を画定する、外側脆弱線が形成される。同様に、内側構造体においては、内側構造体の平面から持ち上げられ得る内側開口部分を画定する、内側脆弱線が形成される。外側開口部分及び内側開口部分は、外側開口部分及び内側開口部分が、一体として平面から持ち上げられ、それによって内側脆弱線によって画定されるパッケージ構造体を通る開口を生成し得るように、互いに取り付けられる。
【0015】
外側開口部分は内側開口部分よりも面積が大きく、内側開口部分の周縁部を越えて延在する周縁領域を有する。外側開口部分及び内側開口部分が平面から持ち上げられて開口を形成すると、外側開口部分の周縁領域と見当合わせされた、下にある内側構造体の部分が、開口に隣接して露出させられる。外側構造体の内面及び/又は内側構造体の外面に、感圧接着剤が塗布される。一実施形態においては、感圧接着剤は、外側構造体の内面及び/又は内側構造体の外面にフラッドコーティング(100%被覆)される。それゆえ、外側開口部分及び内側開口部分の最初の持ち上げの後、感圧接着剤を介して、外側開口部分の周縁領域を、下にある内側構造体の部分に接着させることにより、構造体を通る開口が再閉鎖され得る。
【0016】
一実施形態においては、外側構造体は、感圧接着剤を介して内側構造体に接着により接合されて、積層体を形成する。接着剤は、本分野において知られているいずれの適切な機器及び技術を使用して塗布されてもよい。一実施形態においては、感圧接着剤は、プルタブの領域におけるように、接着剤がない領域又はかかる接着剤が弱められている領域が存在するように塗布される必要はない。一実施形態においては、プルタブは、内側構造体及び外側構造体の両方を含むので、内側構造体と外側構造体との間の接着剤のない領域又は弱められている領域は、本発明においては必須ではない。既存のパッケージ構造体とは対照的に、本発明のタブは、外側構造体だけで構成されるものではない。外側構造体と内側構造体とは互いに同延であってもよく、それぞれがそれぞれの供給ロールから引き出される連続的なウェブであってもよく、一緒に積層されて連続的なウェブである積層体を形成してもよい。
【0017】
一実施形態においては、積層体はその後、外側構造体の厚さを通る1本以上の外側脆弱線(本明細書では「切込線」とも呼ばれる)と、内側構造体の厚さを通る1本以上の内側切込線と、外側構造体及び内側構造体を通って延在する1本以上のスルーカット切込線とを形成するように切り込まれてもよい。有利には、構造体は、感圧接着剤を用いてフラッドコーティングされているので、切込線は、接着剤又は一実施形態においては任意の印刷物に関して見当合わせされる必要はない。
【0018】
一実施形態においては、外側切込線は、外側切込線に沿って外側構造体の残部から分離可能な外側構造体の外側開口部分を線引きし、内側切込線は、接着剤によって外側開口部分に貼付され、内側切込線に沿って内側構造体の残部から分離可能な、内側構造体の内側開口部分を線引きする。外側脆弱線又は切込線は、好ましくは、外側構造体の厚さを貫通するが、内側構造体を貫通しない。同様に、内側切込線は、好ましくは、内側構造体の厚さを貫通するが、外側構造体を貫通しない。
【0019】
一実施形態においては、別個の内側切込線が、不正開封証拠特徴部の一部を画定する。一実施形態においては、スルーカット切込線は、内側構造体及び外側構造体の厚さを貫通し、プルタブの少なくとも一部を画定する。一実施形態においては、切込線は、レーザ切込によって形成される。しかしながら、機械的な切込、ダイカット、キスカット、又はそれらの組み合わせ等、他の方法が利用されてもよい。
【0020】
内部構造体又は外部構造体は、水分及び/又は酸素の通過に対する障壁を提供する、障壁層を含んでもよい。水分に敏感な製品(例えば、環境にさらされると劣化する傾向があるクッキー又は同様の製品)のパッケージ等、いくつかの用途においては、水分障壁を提供することは重要である。障壁層は、エチレンビニルアルコールコポリマー(EVOH)及びポリアミド等の障壁ポリマーフィルム;ポリエチレン、ポリプロピレン及び延伸ポリプロピレン等の金属化ポリオレフィンフィルム;AlOxでコーティングされたポリマーフィルム;SiOxでコーティングされたポリマーフィルム;並びにアルミニウム箔の金属箔等を含む、様々なポリマーベースの障壁材料のいずれかを含んでもよい。「障壁層」という用語は、金属化フィルムに関連して、金属化フィルム全体を指すために使用されるが、障壁機能を提供するのは金属の層であることは、認識されるであろう。同様に、セラミックでコーティングされたフィルムにおいて障壁機能を提供するのはAlOx又はSiOxコーティングであるが、それにもかかわらず、本明細書においてはフィルム全体が「障壁層」と呼ばれる。
【0021】
外側構造体は、望ましい心地よい感触を有し、容易に印刷される、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルの層を含んでもよい。ポリエステル層は、グラフィックス及び表示を提供するために、インクを用いて印刷され得る。或る特定の実施形態においては、ポリエステル層は透明であり、内部構造体に面する表面上に反転印刷される。一実施形態においては、外側構造体は、反転印刷されたインク、下塗剤、及びアクリル層を含んでもよい。
【0022】
一実施形態においては、内部構造体は、ポリエチレンテレフタレート、低密度ポリエチレンテレフタレート、延伸ポリプロピレン、又はその他の本分野において知られているいずれの材料を含んでもよい。一実施形態においては、内側構造体は、ヒートシール可能である。一実施形態においては、内部構造体は、金属化されてもよいし、又は酸化アルミニウム障壁を含んでもよい。
【0023】
詳細に移ると、本製造の方法においては、第1の構造体(任意選択で外側構造体)は、供給ロールから前進させられてもよい。第1の構造体の一方又は両方の表面は、任意選択で、コロナ放電又は火炎処理によって処理されて、表面(複数の場合もある)をインクに対してより受容的にし、及び/又は、以下に説明されるように、後続して表面に塗布される感圧接着剤に対して表面(複数の場合もある)をより容易に結合可能にするようにしてもよい。第1の構造体は、任意選択で、予め印刷されていてもよいし、又は、ここで説明されている製造工程の一部として印刷されてもよい。インク及び印刷は、第1の構造体の外面に、又は反転印刷工程を介して内面に、適用されてもよい。第1の構造体は、ポリエステル、ポリオレフィン(ホモポリマー及びコポリマーを含む)、ポリアミド等のポリマー、紙、及び/又は金属箔を含む、1つ以上の可撓性パッケージ材料の層を含んでもよい。一実施形態においては、第1の構造体は、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルの少なくとも1つの層を含んでもよい。
【0024】
一実施形態においては、第2の構造体もまた、供給ロールから前進させられてもよい。第2の構造体の一方又は両方の表面は、任意選択で、以上に示されたようにコロナ放電又は火炎処理によって処理されてもよいし、又は、印刷若しくは反転印刷等されてもよい。第2の構造体は、第1の構造体と同延であってもよい(すなわち、第2の構造体の幅は、第1の構造体の幅Wと実質的に等しくてもよく、第2の構造体の長手方向に延在する縁部は、第1の構造体の長手方向に延在する縁部L1、L2と実質的に一致してもよい)。本明細書において使用される、第1の構造体、第2の構造体、及び/又は積層体の長手方向に延在する端部は、ロールが開始されるフィルムの端部に対して垂直に、フィルムの縦方向に延在する、
図2において示される端部を指す。一実施形態においては、結果として得られる積層体に関して、第2の構造体は内側フィルム構造体を含み、第1の構造体は外側フィルム構造体を含む。第2の構造体は、ポリエステル、ポリオレフィン(ホモポリマー及びコポリマーを含む)及びポリアミド等のポリマー、紙、及び/又は金属箔を含む、可撓性パッケージ材料の1つ以上の層を含んでもよい。
【0025】
一実施形態においては、感圧接着剤が、第1の構造体及び/又は第2の構造体に塗布される。一実施形態においては、感圧接着剤は、関連する構造体の表面上にフラッドコーティング(100%被覆)される。一実施形態においては、感圧接着剤は、第1の構造体及び/又は第2の構造体の実質的に全体を被覆してもよい。感圧接着剤は、様々な組成物を含み得る。感圧接着剤は、積極的かつ永続的に粘着性である粘弾性結合を形成し、指又は手の圧力よりも大きい圧力を必要とすることなく接着し、水、溶剤又は熱による活性化を必要としない。感圧接着剤は多くの場合、ラテックスエマルジョン若しくは溶剤により介在される形態の非架橋ゴム接着剤に基づくものであり、又は、アクリル及びメタクリル酸の接着剤、スチレンコポリマー(SIS/SBS)、並びにシリコーンを含んでもよい。アクリル系接着剤は、他の樹脂系と比較して、優れた耐環境性及び速硬化性で知られている。アクリル系感圧接着剤は多くの場合、アクリレート系を使用する。天然ゴム、合成ゴム又はエラストマーのシーリング剤及び接着剤は、シリコーン、ポリウレタン、クロロプレン、ブチル、ポリブタジエン、イソプレン、又はネオプレン等、様々な系に基づくものであってもよい。本発明のパッケージ積層体が食品パッケージのために使用される場合、感圧接着剤は一般的に食品用の組成物である必要がある。様々な感圧接着剤が、21 CFR Part 175.300により規制されているように、直接に食品と接触する使用のために、米国食品医薬品局によって承認されている。本発明における使用のための食品用の感圧接着剤は、Bostik Findley社から入手可能なJonbond 743である。接着剤の塗布は、感圧接着剤を構造体に塗布することが可能ないずれの適切な装置を含んでもよく、感圧接着剤は、本分野において知られているいずれの感圧接着剤を含んでもよい。感圧接着剤の塗布の後、感圧接着剤を乾燥又は部分的に乾燥させるために、関連する構造体がオーブン等の乾燥器に前進させられてもよい。
【0026】
任意選択で、永続的な積層体接着剤が、1つ以上の位置において、第1の構造体又は第2の構造体にパターン塗布されてもよい。永続的な接着剤は、様々な組成物を含み得る。好適な例は、Henkel社から入手可能なTycel 7900/7283等、2成分ポリウレタン接着剤系を含む。
【0027】
第1の構造体及び第2の構造体は次いで、例えばそれらの間にニップを形成する一対のロールを介して、一緒に積層されてもよい。第1の構造体及び第2の構造体は、ニップを通過させられて互いに積層されてもよい。典型的な工程においては、積層体は次いで、リールアップに前進させられ、そこで、製造工程の第2のオフラインの切込段階における後続する処理のために、ロールへと巻き付けられる。しかしながら、本発明においては、本発明の切込ステップは、積層ステップとインラインで実行されてもよい。本発明の工程においては、積層体の製造、並びに積層体における開封/再閉鎖及び不正開封証拠特徴部の組込みは、同じ全体的な工程の一部としてインラインの態様で実施される。かくして、本発明の工程は、かなり効率がよく、コストがかからないものである。
【0028】
同じ処理ライン内で、接着剤を塗布し、層を積層し、積層体を切り込むことができる、製造機器が備えられてもよい。一実施形態においては、切込機器は、レーザ切込装置を含む。レーザによって形成される切込線の深さは、レーザビームの出力又はビーム強度、レーザビームの幅又はスポットサイズ、及びフィルム表面上の所与のスポットがビームによって照射される時間の量を調整することによって、調整され得る。これらの因子は、一般的に、切り込まれる材料の特性に基づいて選択される。本分野において知られているように、いくつかの材料は、他の材料よりもレーザによって容易に切り込まれる。レーザによって形成される切込線の深さは、レーザビームの出力又はビーム強度、レーザビームの幅又はスポットサイズ、及びフィルム表面上の所与のスポットがビームによって照射される時間の量を調整することによって、調整されてもよい。これらの因子は、一般的に、切り込まれる材料の特性に基づいて選択される。例えば、10.6ミクロン(マイクロメートル)の波長が、ポリエチレンテレフタレートを含む第1の構造体及び/又は第2の構造体を切り込むために利用されてもよい。
【0029】
一実施形態においては、いくつかの切込線が、切込工程の一部として積層体に形成されてもよい。いくつかの切込線は、同時に形成されてもよいし、本分野において知られている任意の順序で順次形成されてもよい。かくして、本明細書のステップは、第1、第2等と呼ばれるが、工程はそのように限定されるべきではない。
【0030】
図を参照すると、一実施形態においては、第1の切込線52(すなわち、外側又はオーバカット切込線)が、第1の(外側)構造体10の厚さを通して形成されてもよい。感圧接着剤20は、この実施形態においてはフラッドコーティングされており、パターン塗布されていないので、第1の切込線52は、感圧接着剤20の任意のパターンと見当合わせされて(すなわち、一致させて)形成される必要はない。第1の切込線52は、第1の構造体10の厚さを実質的に通って延在するが、好ましくは、第2の(内側の)構造体42の中にはいずれの実質的な範囲にも延在しない。切込線52は、感圧接着剤層20の中へと延在してもよいし、又は延在しなくてもよい。
【0031】
一般的に言えば、第1の切込線52は、パッケージの中へのフラップ12の外側開口部分86(
図1A及び
図1Bを参照)の外周のかなりの部分を含んでもよい。一実施形態においては、第1の切込線52は、不連続である。一実施形態においては、第1の切込線52は、実際には2つの別個の切込線を含む。一実施形態においては、第1の切込線(複数の場合もある)52は、少なくとも部分的に積層体に沿って長手方向に、積層体の長手方向に延在する縁部L
1、L
2に平行に延在する(
図2を参照)。一実施形態においては、第1の切込線(複数の場合もある)52は、少なくとも部分的に積層体の縦方向Mに延在する(
図2を参照)。一実施形態においては、第1の切込線(複数の場合もある)52は、積層体の長手方向に延在する縁部L
1、L
2の内側に、少なくとも該縁部に部分的に沿って延在する。別の実施形態においては、第1の切込線(複数の場合もある)52は、積層体の長手方向に延在する縁部L
1、L
2と一致する(かくして、かかる長手方向に延在する縁部L
1、L
2に沿った切込は必須ではない)。
【0032】
一実施形態においては、第1の切込線52は、プルタブ23(以下に説明される)の反対側の基端部51と、プルタブ23に最も近い先端部53とを有することができる。一実施形態においては、第1の切込線(複数の場合もある)52は、それらの基端部において接続してもよい。この実施形態においては、フラップ12の外側開口部分86は、取外し可能なフラップ部分を含んでもよい。しかしながら、他の実施形態においては、切込線(複数の場合もある)52は、それらの基端部51において接続しなくてもよい。むしろ、切込線(複数の場合もある)52は、それらの基端部51におけるJ字型フック部54において終端して、フラップ12がJ字型フック部54の位置を越えて引っ張られることを防止してもよい。一実施形態においては、切込線52の基端部51におけるJ字型フック部54の「フック部」は、長手方向に、積層体フィルムウェブの縦方向Mに、又は積層体の長手方向に延在する縁部L1、L2に平行に、向けられる。
【0033】
一実施形態においては、各切込線52の先端部53は、フラップの外側開口部分86を形成するために、角度を付けて又は湾曲した態様で、内側に向けられてもよい。特定の実施形態においては、切込線52は、部分的な卵形又は楕円形の態様で、徐々に内側に湾曲する。
【0034】
一実施形態においては、切込線52は、それらの先端部53において接続しない。むしろ、切込線52の2つの端部の間には、それらの先端部53において、未切断フィルム材料55が存在する。一実施形態においては、切込線52の2つの端部の間の未切断フィルム材料55の幅は、おおよそタブ23の幅である。一実施形態においては、切込線52の2つの端部の間の未切断フィルム材料55の幅は、タブ23の幅よりも小さい。一実施形態においては、切込線52の2つの端部の間の未切断フィルム材料55の幅は、タブ23の幅の約半分である。一実施形態においては、切込線52の2つの端部の間の未切断フィルム材料55の幅は、タブ23の幅よりも大きい。
【0035】
一実施形態においては、切込線52の2つの端部は、その先端部53において、J字型フック部56において終端する。一実施形態においては、切込線52の先端部53におけるJ字型フック部56は、切込線52の基端部51におけるJ字型フック部54に対して垂直である。一実施形態においては、切込線52の先端部53におけるJ字型フック部56のアーム59は、積層体の長手方向に延在する縁部L1、L2のうちの一方に対して横方向に、これに向かって、又はこれに対して垂直に向けられる。一実施形態においては、切込線52の先端部53におけるJ字型フック部56は、本発明の不正開封証拠特徴部の少なくとも一部を含む。
【0036】
第2の切込線62(すなわち、内側又はアンダカット切込線)は、第2の(内側)構造体42の厚さを通して形成されてもよい。ここでもまた、感圧接着剤20はパターン塗布されていないので、第2の切込線62は感圧接着剤20と見当合わせされる必要はない。第2の切込線62は、第2の(内側)構造体42の厚さを実質的に通って延在するが、好ましくは、第1の(外側)構造体10の中にはいずれの実質的な範囲にも延在しない。第2の切込線62は、感圧接着剤層20の中へと延在してもよいし、又は延在しなくてもよい。第2の切込線62は、第1の切込線52の内側に離隔され、外側開口部分86よりも小さな面積の内側開口部分88を画定する。以下に更に説明されるように、内側開口部分88は、パッケージを開封するときに両方の部分86、88が一緒に持ち上げられるように、外側開口部分86に接着される。
【0037】
一実施形態においては、第2の切込線62は、連続的(すなわち、楕円、正方形、長方形、楕円形、円形、又はその他の形状等の閉じた形状)であってもよい。この実施形態においては、内側開口部分88は、内側構造体42の残部から完全に分離していてもよい。この実施形態においては、第2の切込線62は、その基端部61(以下に説明される)において接続してもよい。
【0038】
一実施形態においては、第2の切込線62は、第1の切込線52の構成と概ね類似する。一実施形態においては、第2の切込線62は、積層体に沿って長手方向に延在する縁部L1、L2に少なくとも部分的に平行に延在する。一実施形態においては、第2の切込線62は、少なくとも部分的に積層体の縦方向Mに延在する。
【0039】
一実施形態においては、第2の切込線62は、プルタブ23の反対側の基端部61と、プルタブに最も近い先端部63とを有することができる。一実施形態においては、第2の切込線62は、その先端部63においては、積層体の長手方向に延在する縁部L1、L2に対して垂直である方向に少なくとも部分的に延在する。第1の切込線52とは対照的に、第2の切込線62は、その先端部63において連続的であってもよい。一実施形態においては、切込線62の先端部63は、角度を付けて又は湾曲した態様で構成されてもよい。特定の実施形態においては、切込線62の先端部63は、卵形又は楕円形であってもよい。一実施形態においては、第2の切込線62は概ねU字形又はC字形であってもよく、このとき「U」字又は「C」字の開放端部が基端部61の方に向けられる。
【0040】
一実施形態においては、第2の切込線62は不連続であってもよく、その基端部61において接続しなくてもよい。むしろ、第2の切込線62は、その基端部61におけるJ字型フック部64において終端して、フラップ12がJ字型フック部64の位置を越えて引かれることを防止してもよい。この実施形態においては、切込線62によって画定されるフラップの内側開口部分88は、切込線62によって画定される3つの辺を有する概ねU字形の外周を有してもよく、第4の辺(すなわちU字形の切込線62の2つの脚部の自由端部の間に延在する仮想線)に沿って内側フィルム42の残部に取り付けられてもよい。前述したように、第2の切込線62は、第1の切込線52に概ね平行であってもよいが、外側開口部分86よりも小さな面積の内側開口部分88を画定するように、第1の切込線52の内側に離隔されてもよい。一実施形態においては、第2の切込線62の基端部61におけるJ字型フック部64は、第2の切込線52の基端部51におけるJ字型フック部54よりも、タブ23に近くてもよい。一実施形態においては、J字型フック部64及び/又はJ字型フック部54は、内側に(フラップ12の中心に向かって)向けられてもよいし、又は外側に向けられてもよい。
【0041】
一実施形態においては、内側開口部分88の端部を越えて延在する外側開口部分86の周縁領域90が存在する。感圧接着剤20は、この周縁領域90とその下にある内側構造体42の表面92との間に配置される。外側開口部分86と内側開口部分88とはまた、感圧接着剤20によって接合される。
【0042】
一実施形態においては、本明細書に示される切込工程は、プルタブ23を追加的に形成する。典型的には、本明細書に記載されるもののようなパッケージ構造体におけるプルタブは、タブが積層構造体の外側層においてのみ形成されるように構築される。プルタブは多くの場合、内側層に対する接着剤若しくは積層がないものであるか、又はそこに位置決めされた任意の接着剤に関して弱められているものであり得る。しかしながら、本発明においては、プルタブ23は、第1(外側)のフィルム層及び第2(内側)のフィルム層の両方と、その間の感圧接着剤層20とを含む。本発明においては、プルタブ23は、積層体の長手方向に延在する縁部L1、L2の間の、積層体の中央ゾーンにおいて配置されてもよい。別の実施形態においては、プルタブ23は、積層体の長手方向に延在する縁部L1、L2に平行である第1の切断線52の一部の間にセンタリングされてもよい。しかしながら、プルタブ23は、いずれの位置に配置されてもよく、そのように限定されるべきではない。
【0043】
プルタブ23は、積層体の第1の(外側)構造体10及び第2の(内側)構造体42の両方を通して配置されるとともに、積層体の感圧接着剤層20も通して配置される、2本の切込線25によって画定されてもよい。かくして、プルタブ23の切込線25は、この実施形態においては、貫通切込線である。プルタブ23の切込線25は、互いに平行又は実質的に平行であってもよい。プルタブ23の切込線25は、積層体の長手方向に延在する縁部L1、L2に平行又は実質的に平行であってもよい。他の実施形態においては、切込線25は、湾曲したもの、角度を付けられたもの、又は不規則なものであってもよい。切込線25は、特定の実施形態においては、タブ23に注意を引くような形状及び構成で設計されてもよい。
【0044】
一実施形態においては、切込線25間の距離は、約1/2インチ~約1インチであってもよい。別の実施形態においては、切込線25間の距離は、約5/8インチの間であってもよい。別の実施形態においては、切込線25間の距離は、第1の切込線52のJ字型フック部56の頂点57(
図5、以下に議論される)間の距離よりも小さくてもよい。
【0045】
一実施形態においては、切込線25は、パッケージ構造体の縁部24において開始される。この実施形態においては、
図2に示される積層体ウェブが個々のパッケージ構造体へと切断されると、切断線24はパッケージ構造体の縁部(積層体の長手方向に延在する縁部L1、L2に垂直な)を含むこととなる。他の実施形態においては、切込線25は、切断線24を越えて延在してもよい。いずれの場合においても、積層体がパッケージ構造体へと切り取られると、切断線24はタブ23の縁部を含むこととなる。代替としては、タブの縁部を含む別個の切断線が形成されてもよい。
【0046】
一実施形態においては、切込線25は、パッケージ構造体の縁部24とは反対側のJ字型フック部27において終端する。すなわち、タブ23の内側端部(パッケージ構造体に関して)においては、タブ23は、J字型フック部27において終端してもよい。かくして、タブ23を画定する切込線25は、他のいずれの切込線とも不連続である。タブ23のJ字型フック部27は、第1の構造体10、感圧接着剤層20及び第2の構造体42のそれぞれを通る、スルーカットとして配置されてもよいし、第1の(外側)構造体10のみを通る(すなわち外側又はオーバカット切込線)ように配置されてもよいし、又は第2の(内側)構造体42のみを通る(すなわち内側又はアンダカット切込線)ように配置されてもよい。タブ23のJ字型フック部27は、J字型フック部27のアーム15が、積層体の長手方向に延在する縁部L1、L2に対して垂直に又は実質的に垂直に向けられるように配置されてもよい。J字型フック部27のアーム15は、切断線25に平行又は実質的に平行であってもよい。一実施形態においては、J字型フック部27のアーム15は、積層体の長手方向に延在する縁部L1、L2と平行又は実質的に平行であってもよい。一実施形態においては、J字型フック部56とJ字型フック部27との間には、少なくとも第1の層10の未切断フィルム材料が存在する。別の実施形態においては、J字型フック部56とJ字型フック部27との間には、第1の構造体10、感圧接着剤層20及び第2の構造体42を含む、未切断フィルム材料が存在する。
【0047】
本開示は、或る特定の要素(すなわち27、54及び56)をJ字型フック部と呼ぶが、シェパードフード、スマイル型フック部、T字型フック部、二重J字型フック部、鳩尾形部、又は本分野において共通の命名法を有さない切込線のような、いずれの形の裂け目伝播制限、管理又は指向部が使用されてもよいことは、留意されるべきである(
図9A~
図9Lを参照)。同様に、裂け目の伝播制限、管理又は指向要素は、内側に向けられてもよいし、外側に向けられてもよいし、角度を付けられて向けられてもよいし、水平に向けられてもよいし、垂直に向けられてもよいし、又は本分野において知られているいずれのその他の向きで配置されてもよい。
【0048】
より詳細には、要素27は、数ある中でも、タブ切込線25から線30及び裂け目受容要素56に向かって裂け目線16を伝播させることを意図されているので、本明細書では裂け目伝播要素と呼ばれ得る。同様に、裂け目受容要素56は、裂け目線16を受容するように意図されている。裂け目伝播要素27及び裂け目受容要素56は、本明細書に開示された(例えば、
図9A~
図9Lを参照)、又は本分野において知られている、いずれの形をとってもよく、互いと同じであってもよいし、又は互いとは異なっていてもよい。
【0049】
一実施形態においては、追加的な切込線30が、第1の(外側)構造体10を通って配置されずに(若しくは実質的に若しくは完全に通って配置されずに)又は第1の(外側)構造体10内には配置されずに、第2の(内側)構造体42を通って配置される。追加的な切込線30は、一実施形態においては、アンダカットであってもよい。追加的な切込線30は、タブ23のJ字型フック部27と、第1の切断線52のJ字型フック部56との間に配置される。一実施形態においては、切込線30は、タブ23に向かって凹状である曲線を含む。切込線30は、その上方に湾曲した端部がタブ23に近い、「スマイル型」を含んでもよい。一実施形態においては、切込線30は、その中央部分を通って積層体の長手方向に延在する縁部L1、L2に対して概ね垂直であるが、その対向端部の近くではタブ23に向かって徐々に湾曲している。一実施形態においては、切込線30は、その長さ全体にわたって一貫した曲率半径を有する。
【0050】
他の実施形態においては、切込線30は、角度を付けられてもよく(すなわち、シェブロン若しくは矢印)、又はその長さ全体にわたって様々な曲率半径を有していてもよい。一実施形態においては、切込線30は、タブ23がパッケージ構造体から引き離されたときに、タブ23のJ字型フック部27から、第1の切断線52のJ字型フック部56に向けて、裂け目を向ける又は伝播させる、いずれの形をとってもよい(
図10A~
図10Eにおける例を参照)。一実施形態においては、切込線30の各対向端部は、積層体のそれぞれの長手方向に延在する縁部L1、L2に向かって延在する。
【0051】
一実施形態においては、切込線30の各端部は、タブ23のJ字型フック部27の縁部を越えて、及び/又は第1の切断線52のJ字型フック部56の縁部を越えて、延在する。一実施形態においては、切込線30は、タブ23のJ字型フック部27の頂点14を越えて延在する。一実施形態においては、切込線30は、タブ23のJ字型フック部27のアーム15を越えて延在する。一実施形態においては、切込線30は、積層体のそれぞれの長手方向に延在する縁部L1、L2に最も近いタブ23のJ字型フック部27のアーム15の一部を越えて延在する。
【0052】
一実施形態においては、切込線30は、第1の切断線52のJ字型フック部56の頂点57を越えて延在する。一実施形態においては、切込線30は、第1の切断線52のJ字型フック部56のアーム59を越えて延在する。一実施形態においては、切込線30は、積層体のそれぞれの長手方向に延在する縁部L1、L2に最も近い、第1の切断線52のJ字型フック部56のアーム59の一部を越えて延在する。
【0053】
一実施形態においては、切込線30の長さ(積層体の対向する長手方向に延在する縁部L1、L2に向かって延在する)は、約1インチ~約3インチであってもよい。特定の実施形態においては、切込線30の長さは、約1+3/4インチ~約2インチであってもよい。別の実施形態においては、切込線30の長さは、約1+3/4インチ又は約2インチであってもよい。
【0054】
一実施形態においては、タブ23のJ字型フック部27と切込線30との間の距離は、約1/8インチ~3/16インチである。一実施形態においては、第1の切断線52のJ字型フック部56と切込線30との間の距離もまた、約1/8インチ~3/16インチである。一実施形態においては、(a)タブ23のJ字型フック部27と切込線30との間の距離、及び/又は(b)第1の切断線52のJ字型フック部56と切込線30との間の距離は、J字型フック部27の頂点14の間又はJ字型フック部56の頂点57の間の距離よりも小さい。或る特定の上面図又は斜視図においては、第1の構造体10のみにおける又は第1の構造体10及び第2の構造体42の両方における切断線が実線で示され、第2の構造体42における切断線は破線で示されている。
【0055】
一実施形態においては、積層体の切込線は、不正開封証拠を提供するのみならず、タブ23をフラップ12と接続するように裂け目の伝播を向けるように設計されている。この実施形態においては、タブ23のJ字型フック部27は、頂点14を有する(
図5を参照)。タブ23は、フラップ12に向かって引っ張られると、J字型フック部27の頂点14に張力がかかり、J字型フック部27と追加的な内側切込線30との間の積層体の未切断部分において、裂け目16、好ましくは2つの裂け目16が伝播させられるように、設計されている。裂け目線16は、一実施形態においては、J字型フック部27の形状及び構成により、J字型フック部27の頂点14から追加的な内側切込線30へと向けられる。裂け目線16が、積層体のそれぞれの長手方向に延在する縁部L1、L2に向かって外側にそれると、裂け目線16は、追加的な内側切込線30(J字型フック部27よりも積層体の長手方向に延在する縁部L1、L2に向かって更に延在している)と交差し、追加的な内側切込線30の中心へと向きを変えられる。かくして、追加的な内側切込線30は、裂け目線16を適切な方向に向けることを補助する。追加的な内側切込線30は、内側構造体42においてのみ切り込まれるので、パッケージの密封性には影響を与えない。追加的な内側切込線30が交差すると、裂け目線16は、第1の切込線(複数の場合もある)52のJ字型フック部56に向かって続く。
【0056】
裂け目線16は次いで、第1の切込線52のJ字型フック部56と交差する。第1の切込線52及びJ字型フック部56は外側構造体10においてのみ配置されているので、ここでもまた、パッケージ構造体の密封性が維持される。第1の切込線52のJ字型フック部56のそれぞれは、J字型フック部の「フック」部分を構成する頂点57及びアーム59を有する(
図5を参照)。裂け目線16は、好ましくは、アーム59に沿ってJ字型フック部56と交差する。アーム59は、一実施形態においては、長手方向に延在する縁部L1、L2へと向けられ、それらに対して垂直である。アーム59は、タブ23のJ字型フック部27よりも更に(すなわち頂点14よりも更に及び/又はアーム15よりも更に)、それぞれの長手方向に延在する縁部L1、L2に向かって延在してもよい。一実施形態においては、頂点57間の距離は、未切断材料55を含む。一実施形態においては、J字型フック部56の頂点57間の距離は、タブ23を形成する切込線25間の距離よりも小さい。一実施形態においては、J字型フック部56の頂点57間の距離は、裂け目線16が頂点57間の間隙に向かって伝播しても、裂け目線16が頂点57に接続することとなるような距離である。裂け目線16がJ字型フック部56に接続すると、タブ23は第1の切込線52に接続されて、パッケージ構造体のフラップ12を開くために引っ張られ得る。
【0057】
一実施形態においては、第1の切込線52のJ字型フック部56の頂点57とアーム59の端部との間の距離は、約1/8インチ~1/2インチである。別の実施形態においては、第1の切込線52のJ字型フック部56の頂点57とアーム59の端部との間の距離は、約1/4インチである。一実施形態においては、第1の切込線52のJ字型フック部56とタブ23のJ字型フック部27とが位置合わせされ、J字型フック部27の頂点14が、J字型フック部56のアーム59の少なくとも一部に向けられるか、又は長手方向Lにおいてそれと位置合わせされる。一実施形態においては、第1の切込線52のJ字型フック部56とタブ23のJ字型フック部27とが位置合わせされ、J字型フック部27の頂点14が、J字型フック部56の頂点57に向けられるか、又は長手方向Lにおいてそれと位置合わせされる。
【0058】
図6は、引き裂かれてパッケージ構造体へと戻された後の、タブ23及びフラップ12の上面図の例を示す。図示されるように、タブ23のJ字型フック部27と第1の切込線52のJ字型フック部56との間の間隙が引き裂かれ、接続されたJ字型フック部27及びJ字型フック部56を含むネック部分60に帰着する。ネック部分60は、フィルムの引き裂きにより、直線的な辺を有していてもよいし、又は不規則な形状を有していてもよいし、若しくは不規則な縁部/辺を有していてもよい。ネック部分60は、一実施形態においては、外側層10のみを含む。一実施形態においては、ネック部分60の縁部/辺は、未切断部分55よりも更に、それぞれの長手方向に延在する縁部L1、L2に向かって延在していてもよい。このように、未切断部分55は、実際にはネック部分60よりも狭くてもよい。同様に、一実施形態においては、ネック部分60の縁部/辺は、タブ23よりも更に、それぞれの長手方向に延在する縁部L1、L2に向かって延在してもよい。このように、タブ23は、実際にはネック部分60よりも狭くてもよい。
【0059】
一実施形態においては、本明細書に記載の積層体は、本分野において知られている1つ以上の方法を使用して、パッケージへと形成されてもよい。一実施形態においては、本明細書に記載のパッケージは、形成された後に、パッケージの1つ以上の端部において一緒にヒートシールされてもよい。特定の実施形態においては、積層構造体は、ロールされ又は折り畳まれそれ自体にシールされて、パッケージ(すなわち、フローラップパッケージ又はパウチ)を形成する。この実施形態においては、パッケージは、上側層100及び底側層102(
図3A~
図3Dを参照)、又は表側層及び裏側層を有してもよい。別の実施形態においては、積層構造体は、パッケージを形成するために、別個のウェブ又は容器と組み合わせられ、それにヒートシールされる。積層構造体のうちの少なくとも1つは、ヒートシールのシール特性を容易化及び改善するために、熱可塑性特性を有する構成要素を含んでもよい。ヒートシールは、積層構造体(複数の場合もある)又は容器を熱と接触させ、材料中の熱可塑性成分が溶融してヒートシールを提供するようにすることにより、得られてもよい。ヒートシールは、代替としては、本分野において知られているいずれの適切な方法を使用して、例えば、熱風溶接又は従来の熱成形シーリングによって得られてもよい。
【0060】
一実施形態においては、タブ23を含むパッケージ構造体の端部に沿ってヒートシールを形成するために、特定のヒートシールツールが利用される。この実施形態においては、パッケージの上側層100において形成される積層体のそのタブ23の部分が、パッケージの底側層102に接着しないことが望ましい(
図3A~
図3Dを参照)。この実施形態においては、タブ23の領域以外における積層体24の縁部に沿ってヒートシールを提供するように、カスタマイズされたヒートシールツール110(
図7A~
図7Cを参照)又はヒートシールジョーが利用されてもよい。この実施形態においては、ヒートシールツール110は、積層体の端部24に沿ってシールするために概ね長方形であってもよいが、中空の長方形、正方形、半楕円形又は半円形等で内向きに凹状のものであってもよい。ツール110の凹部112は、タブ23を形成する切込線25がヒートシールされないことを確実にするために、切込線25を囲むように構成されてもよい。この実施形態においては、タブ23の全体がヒートシールされなくてもよい。一実施形態においては、ヒートシールツール110は、タブ23のJ字型フック部27のアーム15の少なくとも一部をシールする(すなわち、凹部112がアーム15を完全には囲まない)ように構成されてもよい(
図7Cを参照)。しかしながら、この実施形態においては、凹部112は頂部14を囲んでもよい。
【0061】
ツール110は、ヒートシールが内側切込線30を取り囲む/被覆する(すなわち、凹部112が切込線30を越えて延在しない)ように構成されてもよい。このことは、開封時にパッケージ構造体の密封性を確実にするのに役立ち得る。ヒートシールは、一実施形態においては、
図8において断面図で示されている。ヒートシールゾーン40は、内側切込線30を取り囲んでいるが、切断線25を取り囲んではいない。一実施形態においては、切断線25の少なくとも一部は、ヒートシールのないゾーン41に配置される。
【0062】
代替としては、標準的なヒートシールツールを使用して、タブ23の領域において、パッケージの上側層100とパッケージの底側層102との間の領域を弱くし、それにより、タブ23がパッケージ構造体の残部にシールされないようにすることが、本発明に包含される。
【0063】
使用時には、消費者は、タブ23を把持し、パッケージ構造体から引き離すことができる。タブ23は、上側フィルム層100において形成され、底側フィルム層102に貼付されていないので、タブ23の少なくとも縁部は、容易に分離され、把持され、引っ張られる。
【0064】
タブ23を把持し引っ張るとき、ユーザは、切断線30が内側層42に配置されているヒートシールされたゾーン40(
図8A及び
図8Bを参照)を通して、タブ23を引っ張る必要がある。タブ23のJ字型フック部27と内側切断線30との間ではフィルムは切断されていないため、少なくとも外側フィルム層52においては、少なくとも1つの裂け目線16が、タブ23のJ字型フック部27から内側切断線30に向けて伝播させられる。一実施形態においては、裂け目線16は、タブ23のJ字型フック部27から内側切断線30に向けて、外側フィルム層52及び内側フィルム層10を通して伝播させられる。裂け目線16が続く(又はそれ始める)につれて、アンダカット線30は、裂け目線16を積層構造体の中心へと向ける。フィルムは、内側切断線30と外側フラップ切断線52のJ字型フック部56との間では切断されていないので、裂け目線16はこのとき、少なくとも外側フィルム層52においては、J字型フック部56に向かって続き、ネック部分60を形成する。タブ23が剥離され、裂け目線16が内側切断線30に到達すると、上側フィルム層100の第1の構造体10と第2の構造体42とが、感圧接着剤20層において分離し始める(
図3C)。この実施形態においては、上側フィルム層100及び底側フィルム層102は、切断線30(貼付されたゾーン72)を越えてヒートシールを維持する。
【0065】
タブ23が剥離され続けると、第1の構造体10は、タブ23のJ字型フック部27と第1の切断線52のJ字型フック部56との間の未切断部分を通して引き裂かれる。裂け目が第1の切断線52のJ字型フック部56に到達すると、フラップ12の開口部分86が開き始める。
【0066】
外側開口部分86が、第1の切込線52に沿って、第1の構造体10の残部から引き離され、
図3Dにおけるように剥離されたとき、内側開口部分88は、外側開口部分86に貼付されたままであり、それによって、第2の切込線62によって画定されるように上側フィルム層100において開口94を形成する。外側開口部分及び内側開口部分は、一実施形態においては、切込線52、62の2つの脚部の自由端部の間に画定されるヒンジ線に沿って取り付けられたままであるフラップ12を形成する。
【0067】
パッケージは、感圧接着剤20を内側構造体42の表面92に再び取り付けて、パッケージを閉じた状態に復元することによって、再閉鎖可能である。しかしながら、外側フィルム10が、タブ23とフラップ12との間で引き裂かれることとなるため、パッケージが既に開封されていることが容易に分かることとなる。フラップ12を元の位置に戻すよういくら注意しても、タブ23のJ字型フック部27と第1の切断線52のJ字型フック部56との間の領域が引き裂かれているという事実を覆い隠すことはできない。したがって、本発明は、容易には回避されない、信頼性の高い不正開封証拠特徴部を提供する。
【0068】
図1A及び
図1Bは、可撓性パッケージ200を示す。パッケージは、パッケージ内容物を包み、内容物を包囲するようにシールされている、外側ラッパ74を含む。外側ラッパ74は、以上に説明された積層体のような、本発明による方法によって作製されたパッケージ積層体を含む。外側ラッパ74は、
図2に示されるものよりも大きな幅を有してもよい。外側ラッパ74は、管状の形状へと操作されてもよく、ラッパ74の長手方向に延在する縁部L1、L2は、適切なシーラント材料によって一緒にシールされて、典型的にはパッケージの底面に隣接する、長手方向のシール(すなわち、図示されていないフィンシール)を形成してもよい。ラッパ74の対向する部分は、管状のラッパの対向する端部に隣接する横方向シール領域76、78に沿って、一緒にシールされる。ラッパ74の端部は、本分野において知られているように、所望によりガセットを取り付けてもよい。
【0069】
図示されたパッケージにおいては、切込線52、62を有する外側ラッパ74の部分は、パッケージの上側面にある。切込線によって境界付けられたラッパ74の領域は、パッケージの上側面全体のうちのいずれの割合を構成してもよいが、有利には、該領域は、上側面の表面積全体のうちの大部分である。
【0070】
積層体及びその形成工程の以上の説明に基づいて、各切込線はラッパ74の厚さ全体を部分的に通ってしか延在せず、切込線は互いと位置合わせされないので、切込線52、62、30の存在が、外側ラッパ74の障壁機能にほとんど又は全く影響しないことは、理解されるであろう。これに加えて、感圧接着剤20が切込線間の間隙を埋めるため、切込線が厚さ方向に多少重なっても、それらの間に開いたルートは依然として存在しない。さらに、切込線は、典型的には、千分の数インチのオーダーの、小さな幅を有する。これに加えて、切込線25(タブ23を形成する)はラッパ74の上側層の厚さを完全に通って延在するが、タブ23がヒートシールによって囲まれているので、このことは外側ラッパ74の障壁機能にほとんど又は全く影響しない。
【0071】
いくつかの実施形態においては、外側構造体10は、不正開封証拠特徴部の機能性を損なうことなく、実質的に透明性がないもの又は不透明なものであり得る。外側構造体10の透明性がない又は不透明な特性は、フィルム材料自体の特性であってもよいし、又はフィルム上のインク等のコーティングによって達成されてもよい。
【0072】
一実施形態においては、外側構造体10は、内側構造体42の表面92よりも高い感圧接着剤20との結合親和性を有してもよく、それゆえ、感圧接着剤20は、表面92から引き離され、
図3A~
図3Dに示されるように外側開口部分86の周縁領域90に取り付けられたままとなる。外側構造体10の、より大きな結合親和性は、様々な方法で達成され得る。例えば、外側構造体10の表面がコロナ放電又は火炎処理によって処理されて、表面エネルギーを増大させ、結合親和性を高めてもよい。また、望ましい場合には、接着剤に添加剤を含ませて結合強度を低減させることにより、層に対する感圧接着剤の結合強度を制御することも可能である。
【0073】
感圧接着剤を外側構造体に塗布させ、開封時に外側構造体上に留まるようにすることが好ましいが、感圧接着剤を内側構造体に塗布し、開封時に内側構造体上に留まるようにすることもまた、本発明の範囲内である。
【0074】
上述の説明から、本発明により作製された積層体は、以上に述べられたように、開封後に、パッケージを元の未開封状態に完全に復元するような態様でフラップ12を元に戻すことが不可能であるため、パッケージに不正開封証拠機能を提供することが、理解されるであろう。積層体上に印刷が含まれている場合、パッケージを再閉鎖するときに、切込線を横切って印刷物の完全な見当合わせを達成することが困難であるため、パッケージが開封された場合に更に目立つ。
【0075】
積層体上の印刷は、中断領域の存在に対する消費者の注意を促し、それらが引き裂かれた場合に、消費者はパッケージを購入するべきではないことを示唆するテキストを、タブ23のJ字型フック部27と第1の切断線52のJ字型フック部56との間の中断領域に隣接して、含んでもよい。
【0076】
本明細書において使用される「脆弱線」及び「切込線」という用語は、積層体の1つ以上の層の厚さを通る完全な切断、又は切込線に沿って層(複数の場合もある)が分断されることを可能にするかかる層(複数の場合もある)の厚さを通る部分的な切断のいずれかを指すことに留意されたい。この用語は、穴の開いた切断線又は連続した切断線を含み得る。
【0077】
図2は、本発明において利用され得る可撓性積層体のロール400の上面図の実施形態を示す。ロール400においては、1つの可撓性積層構造体が示されているが、複数の可撓性積層構造体がロール400上に存在してもよいことは、理解されるべきである。この実施形態においては、各積層構造体は、外側フィルム層における外側切込線52(任意選択で、積層後の精密なオーバカット)、及び内側フィルム層における内側切込線62(任意選択で、積層後の精密なアンダカット)を含む。各構造体は、これに加えて、タブ23を含む。タブ23の最も外側の縁部は、一実施形態においては、積層体の境界内になくてもよい(パッケージ構造体の縁部24を参照)。他の実施形態においては、タブ23の最も外側の縁部は、パッケージ構造体の縁部24と位置合わせされる。一実施形態においては、タブ23の少なくとも一部は、積層体のヒートシール領域内に位置決めされる。一実施形態においては、タブ23の全体が、積層体のヒートシール領域内に位置決めされる。
【0078】
パッケージのヒートシール領域内にタブ23を提示することは、多くの利点を提供する。1つの例として、この構成においては、タブ23がより容易にアクセスされ得る。パッケージの上面又は前面を探すのではなく、消費者は、どこでタブ23を見つけてアクセスできるか即座に分かる。タブ23は、パッケージの縁部と位置合わせされているので、容易に識別され、アクセスされ、パッケージから持ち上げられることができ、顧客のフラストレーションを軽減する。これに加えて、本明細書において議論される積層体及びパッケージ構造体は、切断/切込工程があまり複雑ではなく、製造工程において生成される廃棄物が少ないので、より製造コストが低い。タブの縁部を、積層体の縁部に又はヒートシールの切断線に沿って位置合わせすることによって、追加的な切断又は角度が検討される必要がない。単一の切断で十分となる(又は積層体の縁部に位置合わせされたタブの場合には全く切断が必要ない)。これに加えて、タブの縁部と積層体の境界との間で生成される廃棄物が、削減又は排除され得る。
【0079】
以上に説明されたパッケージは、内容物を可撓性積層体の中に完全に包むことによって形成される。しかしながら、代替としては、内容物を含むトレイ又はその他の容器のフランジに(例えばヒートシール等によって)固定され得る、可撓性の蓋を形成するための蓋材として、可撓性積層体を採用することも、本発明の範囲内である。この態様においては、蓋は、以上に説明されたような組み込まれた開封及び再閉鎖機能を含む。
【0080】
本明細書に記載されている本発明の主題の多くの変形及び他の実施形態は、上述の記載及び添付図面に提示されている教示の利益を有することが、本発明に関連する当業者には想到される。したがって、本発明は、開示されている特定の実施形態に限定されず、変形形態及び他の実施形態が添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれることが意図されることを理解されたい。本明細書では具体的な用語を採用しているが、それらは、限定を目的とするのではなく単に包括的かつ説明的な意味で用いている。
【国際調査報告】