(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-19
(54)【発明の名称】バッテリーセルの製造方法、バッテリーセルの製造装置
(51)【国際特許分類】
H01M 10/04 20060101AFI20231012BHJP
H01M 10/0587 20100101ALI20231012BHJP
H01M 50/179 20210101ALI20231012BHJP
H01M 50/188 20210101ALI20231012BHJP
H01M 50/545 20210101ALI20231012BHJP
H01M 50/531 20210101ALI20231012BHJP
H01M 50/548 20210101ALI20231012BHJP
H01M 50/559 20210101ALI20231012BHJP
H01M 10/052 20100101ALN20231012BHJP
【FI】
H01M10/04 W
H01M10/0587
H01M50/179
H01M50/188
H01M50/545
H01M50/531
H01M50/548 201
H01M50/559
H01M10/052
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023519044
(86)(22)【出願日】2022-03-30
(85)【翻訳文提出日】2023-03-30
(86)【国際出願番号】 KR2022004530
(87)【国際公開番号】W WO2022211502
(87)【国際公開日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】10-2021-0042363
(32)【優先日】2021-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】シム、ヒュン サブ
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジュノー
(72)【発明者】
【氏名】シム、キュフン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ギルユン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ゴン ウー
(72)【発明者】
【氏名】キム、ミンテ
【テーマコード(参考)】
5H011
5H028
5H029
5H043
【Fターム(参考)】
5H011AA09
5H011AA13
5H011FF03
5H028BB02
5H028BB10
5H028BB15
5H028BB17
5H028CC08
5H028HH03
5H029AJ12
5H029AJ14
5H029AK01
5H029AK03
5H029AL01
5H029AL02
5H029AL06
5H029AL07
5H029AL11
5H029AL12
5H029AM02
5H029AM04
5H029AM05
5H029AM07
5H029CJ12
5H029CJ16
5H029CJ28
5H029CJ30
5H029HJ00
5H043AA19
5H043BA15
5H043BA16
5H043BA17
5H043BA19
5H043CA03
5H043DA03
5H043DA08
5H043JA13D
5H043LA21D
(57)【要約】
本発明は、(A)電極組立体および電解液を収容し、一側に開放部を有する電池缶を排気チャンバ内に配置するか、前記開放部に排気チャンバを密閉するように結合する段階;(B)前記排気チャンバを不活性雰囲気に調節する段階;(C)前記電極組立体に初期充電(Pre-Charge)を行い、前記初期充電で発生した排出ガスを前記排気チャンバを介して排出する段階を含むバッテリーセルの製造方法を提供する。また、本発明は、電極組立体および電解液を収容し、一側に開放部を有する電池缶を配置するか、前記開放部を密閉するように結合することができる排気チャンバを含む、バッテリーセルの製造装置を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)電極組立体および電解液を収容し、一側に開放部を有する電池缶を排気チャンバ内に配置するか、前記開放部に排気チャンバを密閉するように結合する段階;
(B)前記排気チャンバを不活性雰囲気に調節する段階;および
(C)前記電極組立体に初期充電(Pre-Charge)を行い、前記初期充電で発生した排出ガスを前記排気チャンバを介して排出する段階
を含むバッテリーセルの製造方法。
【請求項2】
前記電極組立体は、第1の電極、分離膜および第2の電極が積層されて巻き取られた構造であり、
前記第1の電極と前記電池缶とは電気的に接続され、前記バッテリーセルは、前記第2の電極と電気的に接続される電極端子をさらに含むものである、請求項1に記載のバッテリーセルの製造方法。
【請求項3】
前記第1の電極は陰極であり、前記第2の電極は陽極のものである、請求項2に記載のバッテリーセルの製造方法。
【請求項4】
前記(B)段階は、前記排気チャンバ内の酸素濃度が4vol%以下に調節されるものである、請求項1から3のいずれか一項に記載のバッテリーセルの製造方法。
【請求項5】
前記(B)段階は、前記排気チャンバに不活性ガスを注入する段階である、請求項1から4のいずれか一項に記載のバッテリーセルの製造方法。
【請求項6】
前記不活性ガスは、窒素ガスである、請求項5に記載のバッテリーセルの製造方法。
【請求項7】
前記排気チャンバは、不活性ガスを注入する注入部と、前記排出ガスを排出する排気部とを含むものである、請求項1から6のいずれか一項に記載のバッテリーセルの製造方法。
【請求項8】
前記(B)段階は、前記注入部を介して前記排気チャンバ内の酸素濃度が4vol%以下になるまで不活性ガスの注入を行う、請求項7に記載のバッテリーセルの製造方法。
【請求項9】
前記(A)段階において、前記電池缶を排気チャンバ内に配置するか、前記開放部に排気チャンバを結合する前に前記排気チャンバ内に不活性ガスを注入する段階をさらに含む、請求項1から8のいずれか一項に記載のバッテリーセルの製造方法。
【請求項10】
前記(A)段階のうち、前記開放部に排気チャンバを密閉するように結合する段階において、前記電池缶は、前記電池缶の底部に形成された貫通孔を介してリベットされた電極端子および前記電極端子と前記貫通孔の外径との間に設けられたガスケットを含む、請求項1から8のいずれか一項に記載のバッテリーセルの製造方法。
【請求項11】
前記電極端子は、前記貫通孔に挿入された胴体部;前記底部の外部面を通じて露出された前記胴体部の一側の周りから前記外部面に沿って延びる外部フランジ部;前記底部の内部面を通じて露出された前記胴体部の他側の周りから前記内部面に向かって延びる内部フランジ部;および前記内部フランジ部の内側に設けられた平坦部を含むものである、請求項10に記載のバッテリーセルの製造方法。
【請求項12】
前記(C)段階において、バッテリーセルは、前記電池缶の底部に設けられた陰極端子を含み、前記リベットされた電極端子は陽極端子であり、
前記初期充電は、前記陰極端子および陽極端子に充電端子を接続して行われるものである、請求項10または11に記載のバッテリーセルの製造方法。
【請求項13】
前記陰極端子および前記陽極端子は、電池缶の底面に設けられるものである、請求項12に記載のバッテリーセルの製造方法。
【請求項14】
前記(A)段階のうち、前記電池缶を排気チャンバ内に配置する段階において、
前記第1の電極および前記第2の電極の少なくとも一つは、集電体および前記集電体上に設けられた電極活物質層を含み、前記集電体は、前記電極活物質層が設けられていない無地部を含み、
前記第1の電極は、前記電池缶の底部と電気的に接続され、前記バッテリーセルは、前記第2の電極の前記無地部と電気的に接続される集電板をさらに含むものである、請求項2に記載のバッテリーセルの製造方法。
【請求項15】
前記第2の電極の前記無地部と電気的に接続される集電板は、前記電極端子と電気的に連結されるリードタブをさらに含む、請求項14に記載のバッテリーセルの製造方法。
【請求項16】
前記(C)段階において、前記バッテリーセルは、両端部に設けられた前記第1の電極と電気的に接続された陰極端子と、前記第2の電極と電気的に接続された陽極端子とを含み、
前記初期充電は、前記陰極端子および陽極端子に充電端子を接続して行われるものである、請求項14に記載のバッテリーセルの製造方法。
【請求項17】
前記陰極端子は電池缶の底部に設けられ、前記陽極端子は前記底部と対向する電極組立体の他端部に設けられる、請求項16に記載のバッテリーセルの製造方法。
【請求項18】
前記充電端子は、前記陽極端子に接続される(+)充電ピンおよび前記陰極端子に接続される(-)充電ピンを含むものである、請求項12または16に記載のバッテリーセルの製造方法。
【請求項19】
電極組立体および電解液を収容し、一側に開放部を有する電池缶を配置するか、前記開放部を密閉するように結合することができる排気チャンバを含む、バッテリーセルの製造装置。
【請求項20】
前記排気チャンバは、不活性ガスを注入する注入部と、排出ガスを排出する排気部とを含むものである、請求項19に記載のバッテリーセルの製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年3月31日付にて韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10-2021-0042363号の出願日の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は、本明細書に含まれる。
【0002】
本発明は、バッテリーセルの製造方法、バッテリーセルの製造装置に関する。
【背景技術】
【0003】
製品群による適用容易性が高く、高いエネルギー密度などの電気的特性を有する二次電池は、携帯用の機器だけでなく、電気的駆動源によって駆動する電気自動車(EV、Electric Vehicle)、ハイブリッド自動車(HEV、Hybrid Electric Vehicle)などに普遍的に応用されている。
【0004】
このような二次電池は、化石燃料の使用を画期的に減らすことができるという一次的な利点だけでなく、エネルギーの使用による副産物が全く発生しないという利点も有するため、環境にやさしいおよびエネルギー効率性の向上のための新しいエネルギー源として注目されている。
【0005】
現在広く使用されている二次電池の種類には、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池などがある。このような単位二次バッテリーセルの作動電圧は、約2.5V~4.5Vである。したがって、これより高い出力電圧が求められる場合、複数個のバッテリーセルを直列に連結して電池パックを構成することもある。また、バッテリーパックに要求される充放電容量に応じて複数のバッテリーセルを並列に連結してバッテリーパックを構成することもある。したがって、前記バッテリーパックに含まれるバッテリーセルの数および電気的な連結形態は、求められる出力電圧および/または充放電容量に応じて様々に設定することができる。
【0006】
一方、二次バッテリーセルの種類として、円筒形、角形、ポーチ型のバッテリーセルが知られている。前記バッテリーセルは、円筒形のバッテリーセルであっても良い。前記バッテリーセルは、陽極と陰極との間に絶縁体である分離膜を介し、これを巻き取ってゼリーロール状の電極組立体を形成し、これを電解質と共に電池缶の内部に挿入して電池を構成する。そして、陽極および陰極の各無地部には、ストリップ状の電極タブが連結されることができ、電極タブは、電極組立体と外部に露出する電極端子との間を電気的に接続する。ちなみに、陽極電極端子は、電池缶の開放口を封止する密封体のキャッププレートであり、陰極電極端子は、電池缶である。
【0007】
ところで、このような構造を有する従来のバッテリーセルによると、陽極無地部および/または陰極無地部と結合されるストリップ状の電極タブに電流が集中するため、抵抗が大きく、熱が多く発生して、集電効率が悪いという問題があった。
【0008】
18650または21700のフォームファクタを持つ小型の円筒形バッテリーセルは、抵抗と発熱が大きな問題にはならない。しかし、円筒形のバッテリーセルを電気自動車に適用するためにフォームファクタを増加させる場合、急速充電の過程で電極タブの周りに多くの熱が発生することで、円筒形バッテリーセルが発火するという問題が発生する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、ガスの発生による発火など、安全上の問題を緩和したバッテリーセルの製造方法およびバッテリーセルの製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態は、(A)電極組立体および電解液を収容し、一側に開放部を有する電池缶を排気チャンバ内に配置するか、前記開放部に排気チャンバを密閉するように係合する段階;(B)前記排気チャンバを不活性雰囲気に調整する段階;(C)前記電極組立体に初期充電(Pre-Charge)を行い、前記初期充電で発生した排出ガスを前記排気チャンバを介して排出させる段階を含むバッテリーセルの製造方法を提供する。
【0011】
本発明の他の実施例は、電極組立体および電解液を収容し、一側に開放部を有する電池缶を配置するか、前記開放部を密閉するように結合することができる排気チャンバを含むものである、バッテリーセルの製造装置を提供する。
【発明の効果】
【0012】
バッテリーセルの製造方法の場合、バッテリーセルの組み立て完了後に活性化工程を行う前に初期充電(Pre-Charge)を進行するため、この過程で発生したガスを排出する段階は行われない。
【0013】
容量および/または出力が向上したバッテリーセルの場合、21700円筒型セルに比べてサイズが増加することに応じて、充電時にガスの生成量が容積基準で従来より約2.5倍~3.5倍まで増加することになり、これによって、初期充電(Pre-Charge)工程でガスの排出が一緒に進まないと、安全性に劣ることがあり得る。このため、充填時にガスを排出できるようにする設備/工程が要求される。
【0014】
本発明の一側面によると、電極組立体および電解液を収容し、一側に開放部を有する電池缶を排気チャンバ内に配置するか、前記開放部に排気チャンバを密閉するように結合することによって初期充電(Pre-Charge)進行の時に発生する排出ガスを前記開放部および前記排気チャンバを介して排出することができる。したがって、容量および/または出力が向上したバッテリーセルの初期充電進行の時に、既存に比べてガスの発生量が大幅に増加しても、初期の充電過程でこれを円滑に排出しながら工程が進行するため、安全性の問題を解消することができる。
【0015】
本発明の他の側面によると、電池缶の一側が開放された状態で初期充電(Pre-Charge)することで、一般の状態よりも多くの油蒸気(gas)が発生し、発火点である充電ピンにより火災、爆発の危険性があるため、前記排気チャンバを不活性雰囲気に調整するか、好ましくは窒素ガスを注入して発火しないように酸素濃度を下げて、高温環境での初期充電(Pre-Charge)時の安全上の問題を最小限に抑えることができる。
【0016】
本発明のまた他の側面によると、前記のようなガス排出の問題を解決することにより、バッテリーセルのサイズを増加させることができ、これはバッテリーセルの電極端子の構造を改善して電池缶内の空間の効率性を高め、内部抵抗を下げ、エネルギー密度を増加させることによって具現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本明細書に添付される以下の図面は、本発明の好ましい実施例を例示するものであり、後述する発明の詳細な説明と共に本発明の技術思想をより理解させる役割を果たすものであるため、本発明は、そのような図面に記載された事項のみによって限定して解釈されてはならない。
【0018】
【
図1】本発明の比較例によるバッテリーセルの製造方法において、電池缶の開放部が密封体によって密閉された状態で初期充電(Pre-Charge)が行われる場合を示す図である。
【
図2】本発明の実施例によるバッテリーセルの製造方法において、電池缶の開放部が開放された状態で、陰極端子および陽極端子が電池缶の底面に設けられて初期充電(Pre-Charge)を行い、排出ガスを排出させることを示す図である。
【
図3】本発明の実施例によるバッテリーセルの製造方法において、電池缶の開放部が開放された状態で、陰極端子は電池缶の底部に設けられ、陽極端子は、前記底部と対向する電極組立体の他端部に備えられ、電極組立体の両端部で初期充電(Pre-Charge)を行い、排出ガスを排出させることを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本明細書および特許請求の範囲で使用された用語または単語は、通常的なものであるか、または辞書的な意味に限定して解釈されず、発明者は自分の発明を最も好適な方法にて説明するために、用語の概念を適切に定義することができるという原則に即して本発明の技術的思想に合致する意味と概念で解釈されるべきである。
【0020】
本明細書の全体において、ある部分がある構成要素を「含む」と言う場合、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含んでも良いことを意味する。
【0021】
また、本明細書に記載の「…部」、「装置」などの用語は、少なくとも1つの機能や動作などを処理する単位を意味する。以下、図面を参照して本発明の実施例について説明する。
【0022】
本発明の一実施形態は、(A)電極組立体および電解液を収容し、一側に開放部を有する電池缶を排気チャンバ内に配置するか、前記開放部に排気チャンバを密閉させるように結合する段階;(B)前記排気チャンバを不活性雰囲気に調整する段階;および(C)前記電極組立体に初期充電(Pre-Charge)を行い、前記初期充電で発生した排出ガスを前記排気チャンバを介して排出させる段階を含むバッテリーセルの製造方法を提供する。
【0023】
前記各段階の順序は、記載順序によって限定されるものではない。一例において、前記(B)段階が前記(A)段階の前に実行されてもよい。
【0024】
一実施形態によると、電極組立体および電解液を収容し、一側に開放口を有する電池缶は排気チャンバ内に配置されても良い。
【0025】
前記排気チャンバ内には、電池缶に収容された電極組立体の両端部で充電可能に充電端子が位置してもよく、充電端子は電池缶の一端部に位置してもよい。
【0026】
前記電極組立体の端部とは、電極組立体の巻取軸の垂直方向の端部を意味する。
【0027】
前記電池缶が前記排気チャンバ内に配置されることにより、初期充電(Pre-Charge)の進行時に発生するガスを前記開放部および前記排気チャンバを介して排出させることができ、電極組立体の両端部に充電端子が位置することにより、排気チャンバ内の不活性雰囲気での初期充電が可能であり、安全上の問題を最小限に抑えることができる。
【0028】
一実施形態によると、電極組立体および電解液を収容し、一側に開放部を有する電池缶は、前記開放部に排気チャンバを密閉するように結合しても良い。
【0029】
前記一側に開放部を有する電池缶は、前記電池缶の開放部を封止するための密封体によって結合されていない、開放された状態で、前記排気チャンバと結合して密閉した状態を維持しても良い。
【0030】
このように、密閉状態を維持することによって、排気チャンバを不活性雰囲気に調節することができる。他にも排気チャンバを不活性雰囲気に調節できるものであれば密閉状態に限定されるものではない。
【0031】
前記排気チャンバを不活性雰囲気に保ち、充填ピンによる火災や爆発の危険性を最小限に抑えることができ、前記開放部に排気チャンバを密閉するように結合することで、初期充電(Pre-Charge)進行時に発生する排出ガスを前記開放部および前記排気チャンバを介して排出することができる。
【0032】
また、前記開放部に排気チャンバを密閉させるように結合することにより、初期充電(Pre-Charge)の進行時に発生する油蒸気は、前記排気チャンバを介して排出され、発火点である充填ピンとは空間的に分離することができ、高温環境でも初期充電(Pre-Charge)時に発生し得る安全上の問題を最小限に抑えることができる。
【0033】
前記電池缶は、導電性金属材質からなる。一例において、電池缶は、スチール材質からなることができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0034】
一実施形態によると、前記排気チャンバを不活性雰囲気に調整することは、前記排気チャンバ内の酸素濃度を4vol%以下に調整することによって行われる。
【0035】
前記排気チャンバ内の酸素濃度が4vol%以下に調節されると、発火の3要素である発火点、油蒸気、酸素の中で酸素の濃度が発火しない状態になるため、初期充電時に発生し得る安全性の問題を解消することができる。
【0036】
前記排気チャンバは真空状態であってもよく、他にも前記排気チャンバ内が不活性雰囲気で維持できるものであれば特に限定されない。
【0037】
前記排気チャンバを不活性雰囲気に保つことで、油蒸気の多い高温環境において初期充電(Pre-Charge)時の安全上の問題を軽減することができる。
【0038】
一実施形態によると、前記電極組立体に初期充電(Pre-Charge)を行い、前記初期充電で発生した排出ガスを前記排気チャンバを介して排出させる段階は、排気チャンバが不活性雰囲気に調整された状態で、電池缶の一側が開放されて行われても良い。
【0039】
従って、初期充電(Pre-Charge)の進行時に発生するガスを前記電池缶の開放部および前記排気チャンバを介して排出させることができる。初期充電過程で発生するガスを円滑に排出しながら工程が進行するため、安全性の問題を解消することができる。
【0040】
本発明によるバッテリーセルは、円筒形のバッテリーセルであっても良い。
【0041】
図1は、本発明の比較例によるバッテリーセルの製造方法において、電池缶の開放部3が密封体によって密閉された状態で初期充電(Pre-Charge)が行われる場合を示す図である。
【0042】
図1を参照すると、バッテリーセルの製造方法において、バッテリーセル(組み立て済みのセル1)の組み立て完了後、初期充電(Pre-Charge)を進めることができる。一例において、電池缶が密封体によって密閉した状態で初期充電を進めることができ、この過程で発生した排出ガスを排出させる段階は実行されない。
【0043】
このように、バッテリーセルの組み立て完了後に初期充電(Pre-Charge)が進行される場合、内部に生成するガスの量が多くなり、これによる内圧が上昇し過ぎると、安全上の問題が発生する可能性がある。
【0044】
従って、特に容量および/または出力が向上したセルの場合には、本発明のように電極組立体および電解液が収容された電池缶の一側の開放部3が開放された状態で初期充電(Pre-Charge)を行うことにより、ガス排出段階もまた同時に容易に進行できるようにする必要がある。
【0045】
図2は、本発明の実施例によるバッテリーセルの製造方法において、電池缶の開放部3が開放された状態で、陰極端子および陽極端子が電池缶の底面に設けられ、初期充電(Pre-Charge)を行い、前記電池缶の開放部3から排出ガスを排出させることを示した図である。
【0046】
図2を参照すると、電池缶の一側の開放口3の反対側、すなわち電池缶の底部20にて陽極端子および陰極端子の電気的な接続が共に行われる構造を有するバッテリーセル100が示されている。
【0047】
このようなバッテリーセル100は、前記底部20に形成された貫通孔30を介してリベットされた電極端子10および前記電極端子10を前記電池缶2と絶縁させるために、貫通孔の外径の間に設けられたガスケット40を含む。
【0048】
このような円筒形バッテリーセルの場合、前記底面に陰極端子が備えられ、前記リベットされた電極端子は陽極端子であってもよい。
【0049】
したがって、(+)充電ピン5および(-)充電ピン6を円筒形バッテリーセルの一側から接近させ、それぞれ陽極端子および陰極端子に接続させて初期充電(Pre-Charge)を進行することができる。前記接続は、前記(+)充電ピン5および(-)充電ピン6を前記陽極端子および陰極端子に接触させることであっても良い。
【0050】
円筒形セルの一方向で充填が進行するため、前記排気チャンバ7が電池缶の開放部3に合った形状で設けられ、開放部3を密閉しながら結合されることができ、それで、充填ピンとの干渉無く安全な排気が可能である。すなわち、発火点である充填ピンと排気チャンバが空間的に分離されることができ、高温環境でも初期充電(Pre-Charge)時に発生し得る安全上の問題を最小化することができる。
【0051】
このとき、陽極端子と陰極端子とが形成された電池缶の底部20の反対側は開放されているため、この開放部を介して初期充電(Pre-Charge)段階で発生する排出ガスを排出することができる。
【0052】
したがって、初期充電(Pre-Charge)段階およびガスの排出段階が同時に行われることができ、工程が迅速かつ簡便であるという利点がある。
【0053】
前記ガスを排出する段階のために、一側に開放部を有する電池缶2は、前記開放部3に排気チャンバ7を密閉するように結合させても良い。これにより、初期充電過程で発生するガスを円滑に排出しながら工程が進行するため、安全性の問題を解消することができる。
【0054】
図3は、本発明の実施例によるバッテリーセルの製造方法において、電池缶の開放部3が開放された状態で、陰極端子は電池缶の底部20に設けられ、陽極端子は前記底部と対向する電極組立体の他端部に設けられ、電極組立体の両端部で初期充電(Pre-Charge)を行い、排出ガスを排出することを示した図である。
【0055】
図3を参照すると、円筒形バッテリーセルは、前記底部20と対向する電極組立体の他端部に設けられた陽極無地部50と電気的に連結される陽極集電板4を含み、前記集電板に設けられた陽極リードタブ70が電池缶の上端の開放部を介して外部に露出され、前記陽極リードタブ70が(+)充電ピン5に接触する。
【0056】
また、電極組立体の陰極無地部50'と電気的に連結される電池缶の底面には、(-)充電ピン6が接触される。
【0057】
この場合、陽極リードタブ70に接触する(+)充填ピン5は、例えば、陽極リードタブ70が挿入できるスリットを備えるか、または陽極リードタブ70の両表面を把持できるグリップを備える構造を有していてもよい。
【0058】
図3に図示された工程の場合でも、
図2と同様に電池缶の一側が前記密封体によって封止されず、開放された状態で初期充電(Pre-Charge)が行われるため、開放部3を介してガス排出を容易に行うことができる。
【0059】
ガス排出段階は、前述したように、上部が開放された状態の一側に開放部3を有する電池缶を排気チャンバ内に配置させた後、初期充電(Pre-Charge)で発生する排出ガスを除去することができる。
【0060】
一方、図には示されていないが、電池缶の一側が開放された状態の円筒形バッテリーセルは、ペレット(Pallet)に積載された状態で個々のチャネルを通じて初期充電(Pre-Charge)されることができ、この過程で生成するガスは、排気チャンバ7を介して円筒形バッテリーセルの内部から除去することができる。
【0061】
一実施形態によると、前記電極組立体は、第1の電極、分離膜および第2の電極が積層されて巻き取られた構造であり、前記第1の電極と前記電池缶2とは電気的に接続され、前記バッテリーセルは、前記第2の電極と電気的に接続される電極端子10をさらに含む。
【0062】
ここで、前記第1の電極は陰極であり、前記第2の電極は陽極であってもよい。
【0063】
一実施形態によると、前記排気チャンバ7を不活性雰囲気に調整する段階は、前記排気チャンバ内の酸素濃度が4vol%以下に調整されることであり、前記段階は、前記排気チャンバ7に不活性ガスを注入する段階であっても良い。
【0064】
排気チャンバ内の酸素濃度を4vol%以下に調整することにより、前記排気チャンバ7を不活性雰囲気に調整することができ、これは、前記排気チャンバ7に不活性ガスを注入することにより調整することができる。
【0065】
前記排気チャンバ7内の酸素濃度が4vol%以下に調節されると、発火の3要素のうち酸素の濃度が発火しない状態になるため、初期充電時に発生し得る安全性の問題を解消することができる。
【0066】
この場合、前記排気チャンバ7に注入される不活性ガスは、窒素ガスであることができ、本発明はこれに限定されない。
【0067】
前記排気チャンバ7に注入される不活性ガスは、前記電極組立体に初期充電(Pre-Charge)を行う工程中に持続的に供給され、前記排気チャンバ7を不活性雰囲気に調節することができる。前記不活性ガスは、例えば窒素ガスであり得るが、本発明はこれに限定されない。
【0068】
一実施形態によると、排気チャンバ7は、不活性ガスを注入する注入部8と、排出ガスを排出する排気部9とを含んでも良い。
【0069】
前記注入部8および前記排気部9は、ガスを注入して排出する部分であれば、その構造や位置に制限されない。例えば、前記注入部8および前記排気部9は、注入されるガスが円滑に循環するように、前記排気チャンバ7の一端面や斜め方向に設けられてもよい。
【0070】
前記注入部8に注入される不活性ガスの圧力は、0.2mpa以上、0.3mpa以上、または0.4mpa以上であってもよい。前記注入部8に注入される不活性ガスの圧力は、0.8mpa以下、0.7mpa以下、または0.6mpa以下であってもよい。
【0071】
前記排気部9から排出される排出ガスの圧力は、前記注入部8に注入される不活性ガスの圧力またはバッテリーセルのサイズに応じて変わっても良い。
【0072】
前記注入部8には、不活性ガスを供給するガス供給装置が連結されることができ、前記ガス供給装置は、不活性ガスを一定の圧力で持続的に供給して前記排気チャンバ内の不活性雰囲気を維持しても良い。
【0073】
図2および
図3を参照すると、前記注入部8を介して注入し、前記排気部9を介して排出される不活性ガスの流れを矢印で示す。
【0074】
一実施形態によると、前記不活性ガスを注入する段階は、前記注入部8を介して排気チャンバ7内の酸素濃度が4vol%以下になるまで行われても良い。前記排気チャンバ7内の酸素濃度が4vol%以下になるまで不活性ガスが注入されることにより、前記排気チャンバ7内の不活性雰囲気を保つことができ、これによって、油蒸気の多い高温環境において初期充電(Pre-Charge)時の安全上の問題を緩和させることができる。
【0075】
前記排気チャンバ7内の酸素濃度が4vol%以下に調整されると、発火の3要素である発火点、油蒸気、酸素の中で、酸素の濃度が発火しない状態となるため、初期充電時に発生し得る安全性の問題を解消することができる。
【0076】
一側面によると、前記電池缶2を排気チャンバ7内に配置するか、前記開放口3に排気チャンバ7を結合する前に、前記排気チャンバ7内に不活性ガスを注入する段階をさらに含んでも良い。この場合、前記排気チャンバ7内の不活性雰囲気を迅速に調節することができ、安定性の問題を最小限に抑えることができる。
【0077】
本発明の一実施形態は、電極組立体および電解液を収容し、一側に開放部3を有する電池缶2の前記開放部3に排気チャンバ7を密閉させるように結合する段階で、前記電池缶2は、前記電池缶の底部20に形成された貫通孔30を介してリベットされた電極端子10および、前記電極端子10と前記貫通孔30の外径との間に設けられたガスケット40を含むバッテリーセルの製造方法を提供する。
【0078】
本発明の一実施形態によると、前記電極端子10は、前記貫通孔30に挿入された胴体部11;前記底部の外部面を通して露出された前記胴体部の一側の周りから前記外部面に沿って延びる外部フランジ部12;前記底部の内部面を通して露出された前記胴体部の他側の周りから前記内部面に向かって延びる内部フランジ部13;および前記内部フランジ部の内側に設けられた平坦部14を含むバッテリーセルの製造方法を提供する。
【0079】
本発明の実施例による電池缶2は、電池缶の底部20にリベットされた電極端子10を含んでも良い。一例として、電池缶の底部20にリベット加工された電極端子10は、リベット構造であっても良い。
【0080】
前記リベット構造によると、陽極端子と陰極端子とが円筒形セルの一端部に全て設けられ、円筒形セルの一端部から充電を進めることができる。前記円筒形セルの一端部は電池缶の底面であっても良い。
【0081】
一実施例によると、前記バッテリーセル100は、前記電池缶の底部20に設けられた陰極端子を含み、前記リベットされた電極端子10は陽極端子であり、前記初期充電は前記陰極端子および陽極端子に充電端子を接続して行われても良い。
【0082】
前記陰極端子および前記陽極端子は、電池缶の底面に設けられてもよい。
【0083】
従って、他の方向に不活性ガスの供給とガス排出のための前記排気チャンバ7が電池缶の開放部3に合う形状に設けられ、開放部3を密閉しながら結合され、これによって充填ピン5,6と干渉すること無く、安全な排気が可能である。
【0084】
図2を参照すると、実施例による電極端子10のリベット構造は、一側が開放された円筒形の電池缶2と、電池缶2の底部20に形成された貫通孔30を介してリベットされた電極端子10と、電極端子10と貫通孔30の外径との間に設けられたガスケット40とを含んでも良い。
【0085】
電池缶2は、導電性金属材質からなる。一例において、電池缶2はスチール材質からなっても良いが、本発明はこれに限定されない。
【0086】
電極端子10は導電性金属材質からなる。一例において、電極端子10はアルミニウムからなることができるが、本発明はこれに限定されない。
【0087】
ガスケット40は、絶縁性および弾性のある高分子樹脂からなっても良い。一例において、ガスケット40は、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリフッ化エチレンなどからなることができ、本発明はこれに限定されない。
【0088】
好ましくは、電極端子10は、貫通孔30に挿入された胴体部11、電池缶2の底部20の外部面を介して露出された胴体部11の一側の周りから外部面に沿って延びる外部フランジ部12および電池缶2の底部20の内部面を介して露出された胴体部11の他側の周りから内部面に向かって延びる内部フランジ部13および内部フランジ部13の内側に設けられた平坦部14を含んでも良い。
【0089】
好ましくは、平坦部14と電池缶2の底部20の内部面とは互いに平行であっても良い。ここで、「平行」とは、肉眼で観察したときに実質的に平行であることを意味する。
【0090】
本発明の実施例によると、電極端子10のリベット構造は、上下運動をするカシメ治具を用いて形成することができる。まず、電池缶2の底部20に形成された貫通孔30にガスケット40を介して電極端子10のプレフォーム(図示せず)を挿入する。プレフォームは、リベット加工される前の電極端子を指す。
【0091】
次に、カシメ治具を電池缶2の内側空間に挿入する。カシメ治具は、プレフォームをリベットして電極端子10を形成するために、プレフォームと対向する面に電極端子10の最終形状に対応する溝と突起を有する。
【0092】
次に、カシメ治具を下部に移動させてプレフォームの上部を加圧フォーミングして、プレフォームをリベットされた電極端子10に変形させる。
【0093】
カシメ治具によってプレフォームが加圧される間、外部フランジ部12と電池缶2の底部20の外部面との間に介在したガスケット40の部分が弾性的に圧縮され、その厚さが減少する。これにより、リベットされた電極端子10と電池缶2との間のシール性および密閉性が著しく向上する。
【0094】
好ましくは、ガスケット40は、プレフォームがリベットされる過程で物理的に損傷することなく、所望のシール強度を確保することができるように十分圧縮されることが好ましい。
【0095】
一例において、ガスケット40がポリブチレンテレフタレートからなる場合、ガスケット40は、それが最小の厚さに圧縮される地点で圧縮率が50%以上であることが好ましい。圧縮率は、圧縮前の厚さに対する圧縮前後の厚さの変化の割合である。
【0096】
他の例において、ガスケット40がポリフルオロエチレンからなる場合、ガスケット40は、それが最小の厚さに圧縮される地点で圧縮率が60%以上であることが好ましい。
【0097】
また他の例において、ガスケット40がポリプロピレンからなる場合、ガスケット40は、それが最小の厚さに圧縮される地点で圧縮率が60%以上であることが好ましい。
【0098】
好ましくは、カシメ治具の上下移動を少なくとも2回以上行ってプレフォームの上部の加圧フォーミングを段階的に進行することができる。すなわち、プレフォームを段階的に加圧フォーミングして複数回にわたって変形することができる。このとき、カシメ治具にかかる圧力を段階的に増加させても良い。これにより、プレフォームに加わる応力を数回にわたって分散させることで、カシメ工程が進んでいる中にガスケット40が損傷することを防ぐことができる。
【0099】
カシメ治具を用いたプレフォームの加圧フォーミングが完了した後、カシメ治具を電池缶2から分離すると、
図2に示したように、本発明の実施例による電極端子10のリベット構造が得られる。
【0100】
上述の実施例によると、コーキング治具は、電池缶2の内部で上下運動を介してプレフォームの上部を加圧フォーミングする。場合によっては、プレフォームの加圧フォーミングのために従来技術で使用されているロータリー(rotary)回転治具が使用されても良い。
【0101】
ただし、ロータリー回転治具は、電池缶2の中心軸を基準として所定角度傾斜した状態で回転運動をする。したがって、回転半径が大きいロータリー回転治具は、電池缶2の内壁と干渉を起こすことがある。また、電池缶2の深さが大きい場合、ロータリー回転治具の長さもそれだけ長くなる。この場合、ロータリー回転治具の端部の回転半径が大きくなり、プレフォームの加圧フォーミングが適切に行われない場合がある。したがって、カシメ治具を用いた加圧フォーミングの方が、ロータリー回転治具を用いた方式よりも効果的である。
【0102】
上述した本発明の実施例による電極端子10のリベット構成は、バッテリーセル100に適用することができる。
【0103】
一例において、前記バッテリーセルは電池缶を含んでも良い。前記電池缶は円筒形であっても良い。その大きさは、両端部の円形の直径が30mm~55mm、高さが60mm~120mmであって良い。好ましくは、円筒形電池缶の円形の直径×高さは、46mm×60mm、46mm×80mm、46mm×90mm、または46mm×120mmであって良い。
【0104】
好ましくは、円筒形バッテリーセルは、例えばフォームファクタの比(円筒形バッテリーセルの直径を高さで割った値、すなわち高さ(H)対直径(Φ)の比として定義される)が約0.4より大きい円筒形バッテリーセルであっても良い。
【0105】
ここで、フォームファクタとは、円筒形バッテリーセルの直径および高さを示す値を意味する。本発明の一実施形態による円筒形バッテリーセルは、例えば、46110セル、48750セル、48110セル、48800セル、46800セル、46900セルであっても良い。フォームファクタを表す数値において、一番前の2つの数字はセルの直径を表し、その次の2つの数字はセルの高さを表し、最後の数字の0はセルの断面が円形であることを示す。
【0106】
本発明の一実施例によるバッテリーセルは、略円柱状のセルであり、その直径が約46mmであり、その高さは約110mmであり、フォームファクタの比は0.418の円筒形バッテリーセルであって良い。
【0107】
他の実施例によるバッテリーセルは、略円柱状のセルであり、その直径が約48mmであり、その高さが約75mmであり、フォームファクタの比は0.640の円筒形バッテリーセルであって良い。
【0108】
また他の実施例によるバッテリーセルは、略円柱状のセルであり、その直径が約48mmであり、その高さが約110mmであり、フォームファクタの比は0.418である円筒形バッテリーセルであり得る。
【0109】
また他の実施例によるバッテリーセルは、略円柱状のセルであり、その直径が約48mmであり、その高さが約80mmであり、フォームファクタの比は0.600の円筒形バッテリーセルであり得る。
【0110】
また他の実施例によるバッテリーセルは、略円柱状のセルであり、その直径が約46mmであり、その高さが約80mmであり、フォームファクタの比は0.575の円筒形バッテリーセルであり得る。
【0111】
また他の実施例によるバッテリーセルは、略円柱状のセルであり、その直径が約46mmであり、その高さが約90mmであり、フォームファクタの比は0.511の円筒形バッテリーセルであり得る。
【0112】
従来には、フォームファクタの比が約0.4以下のバッテリーセルが用いられていた。すなわち、従来には、例えば18650セル、21700セルなどが用いられていた。18650セルの場合、その直径が約18mmであり、その高さは約65mmであり、フォームファクタの比は0.277である。21700セルの場合、その直径が約21mmであり、その高さは約70mmであり、フォームファクタの比は0.300である。
【0113】
本発明の実施例によるバッテリーセル100は、シート状の第1の電極と第2の電極とが分離膜を介在した状態で巻き取られ、両側の端部から延びて露出した前記第1の電極の無地部50'および前記第2の電極の無地部50を含む電極組立体を含む。
【0114】
本発明の実施形態による電極は電極板であってもよく、一実施例において、第1の電極は陰極板であり、第2の電極は陽極板であっても良い。もちろん、その逆の場合も可能である。
【0115】
また、バッテリーセル100は電極組立体を収容し、第1の電極の無地部50'に電気的に接続された電池缶2を含む。
【0116】
好ましくは、電池缶2の一側は開放されている。また、電池缶2の底部20は、電極端子10がカシメ工程を通じて貫通孔30にリベットされた構造を有する。
【0117】
バッテリーセル100はまた、電極端子10と貫通孔30の外径との間に設けられたガスケット40を含んでも良い。
【0118】
バッテリーセル100はまた、電池缶2から絶縁できるように、電池缶2の開放端部を封止する密封体(図示せず)を含んでも良い。好ましくは、密封体は、極性のないキャッププレートとおよびキャッププレートの縁と電池缶の開放端部との間に介在する密封ガスケットとを含んでも良い。
【0119】
キャッププレートは、アルミニウム、スチール、ニッケルなどの導電性金属材質からなることができる。また、密封ガスケットは、絶縁性および弾性のあるポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリフッ化エチレンなどからなっても良い。しかしながら、本発明はキャッププレートと密封ガスケットの素材によって限定されるものではない。
【0120】
キャッププレートは、電池缶の内部の圧力がしきい値を超えたときに破裂するベント切欠きを含んでも良い。ベント切欠きは、キャッププレートの両面に形成されても良い。ベント切欠きは、キャッププレートの表面において連続的または不連続な円形パターン、直線パターン、または他のパターンを形成しても良い。
【0121】
電池缶2は、密封体(図示せず)を固定するために、電池缶2の内側に延びたり、折り曲げられたりして封止ガスケットと共にキャッププレートの縁を包んで固定するクリンピング部を含んでも良い。
【0122】
電池缶2はまた、開放端部に隣接した領域に電池缶2の内側へと圧入されたビーディング部を含んでも良い。ビーディング部は、密封体がクリンピング部によって固定されるとき、密封体の縁、特に密封ガスケットの外周表面を支持する。
【0123】
バッテリーセル100はまた、第1の電極の無地部50'と溶接される集電板4'をさらに含んでも良い。前記集電板は、アルミニウム、スチール、ニッケルなどの導電性金属材質からなる。好ましくは、集電板は、第1の電極の無地部50'と接触しない縁部の少なくとも一部がビーディング部と密封ガスケットとの間に介在され、クリンピング部によって固定されてもよい。
【0124】
バッテリーセル100はまた、第2の電極の無地部50と溶接される集電板4を含んでも良い。好ましくは、集電板4の少なくとも一部は、電極端子10の平坦部14と溶接されても良い。
【0125】
好ましくは、集電板4が溶接されるとき、溶接具は、電極組立体のコアに存在する空洞を通して挿入され、集電板4の溶接地点まで到達され得る。また、集電板4が電極端子10の平坦部14に溶接されるとき、電極端子10が集電板4の溶接領域を支持するため、溶接領域に強い圧力を加えて溶接品質を向上させることができる。また、電極端子10の平坦部14は面積が広いため、溶接領域も広く確保することができる。これにより、溶接領域の接触抵抗を下げることによって、バッテリーセル100の内部抵抗を下げることができる。リベットされた電極端子10と集電板4との面対面溶接の構造は、ハイシーレート(c-rate)の電流を用いた急速充電に非常に有用である。電流が流れる方向の断面において単位面積当たりの電流密度を下げることができるため、電流パスで発生する発熱量を従来よりも低めることができるためである。
【0126】
電極端子10の平坦部14と集電板4との溶接の時には、レーザ溶接、超音波溶接、スポット溶接、抵抗溶接のいずれかを用いることができる。平坦部14の面積は、溶接方式によって異なるように調節することができ、溶接強度と溶接工程の容易性のために、2mm以上であることが好ましい。
【0127】
一例において、平坦部14と集電板4がレーザで溶接され、円形のパターンの形態で連続的または不連続なラインで溶接される場合、平坦部14の直径は4mm以上であることが好ましい。平坦部14の直径が該当条件を満たす場合、溶接強度の確保が可能であり、レーザ溶接具を電極組立体の空洞に挿入して溶接工程を進行することに困難がない。
【0128】
他の例において、平坦部14と集電板4とが超音波で溶接されて円形パターンに溶接される場合、平坦部14の直径は2mm以上であることが好ましい。平坦部14の直径が当該条件を満たす場合、溶接強度の確保が可能であり、超音波溶接具を電極組立体の空洞に挿入して溶接工程を進行することに困難がない。
【0129】
本発明の実施例によるバッテリーセル100は、密封体(図示せず)のキャッププレートが極性を持たない。その代わりに、集電板が電池缶2の側壁に連結されており、電池缶2の底部20の外部面が電極端子10とは反対の極性を有する。したがって、複数のセルを直列および/または並列接続しようとする場合、電池缶2の底部20の外部面と電極端子10を用いてバッテリーセル100の上部からバスバーの接続などの配線を行うことができる。これにより、同一空間に搭載できるセルの数を増やしてエネルギー密度を向上させることができる。
【0130】
一実施形態によると、電極組立体および電解液を収容し、一側に開放部を有する電池缶2の開放部3に排気チャンバ7を密閉するように結合する段階で、前記電池缶2は、前記電池缶の底部20に形成された貫通孔30を介してリベットされた電極端子10とおよび前記電極端子10と前記貫通孔30の外径との間に設けられたガスケット40を含む。
【0131】
一実施形態によると、電極組立体および電解液を収容し、一側に開放部を有する電池缶2の開放部3に排気チャンバ7を密閉するように結合する段階で、バッテリーセル100は、前記電池缶の底部20に設けられた陰極端子を含み、前記リベットされた電極端子10は陽極端子であり、前記電極組立体に初期充電(Pre-Charge)を行う際に、前記初期充電は、前記陰極端子および陽極端子に充電端子を接続して行われるものであり得る。
【0132】
また、前記充電端子は、前記陽極端子と接続される(+)充電ピン5および前記陰極端子と接続される(-)充電ピン6を含むものであっても良い。
【0133】
一実施形態によると、前記陰極端子および陽極端子は、電池缶の底面に設けられても良い。これにより、前記電極組立体の一端部から充填が進み、前記排気チャンバ7が前記開放口3を密閉するように結合されたとき、充填ピンと干渉すること無く、安全な排気が可能である(
図2参照)。
【0134】
一実施形態によると、電極組立体および電解液を収容し、一側に開放部を有する電池缶2を排気チャンバ7内に配置する段階において、前記電極組立体は、第1の電極、分離膜および第2の電極が積層して巻き取られた構造であり、前記第1の電極と前記電池缶2とは電気的に連結され、前記バッテリーセル100は、前記第2の電極と電気的に連結される電極端子10をさらに含んでも良い。
【0135】
好ましくは、第1の電極および第2の電極の少なくとも一つは、集電体および前記集電体上に設けられた電極活物質層を含み、前記集電体は、前記電極活物質層が設けられていない無地部50、50'を含み、前記第1の電極は、前記電池缶の底部20と電気的に接続され、前記バッテリーセルは、前記第2の電極の前記無地部50と電気的に接続される集電板4をさらに含んでも良い。
【0136】
前記第1の電極または第2の電極は、シート状の集電体に活物質がコーティングされた構造を有し、巻取方向に沿って一側の長辺側に無地部50、50'を含んでも良い。
【0137】
一実施形態によると、前記第2の電極の前記無地部50と電気的に接続される集電板4は、前記電極端子と電気的に接続されるリードタブ70をさらに含んでも良い。
【0138】
前記第1の電極は陰極であり、前記第2の電極は陽極であっても良い。
【0139】
電極組立体は、陰極、分離膜および陽極を順次積層させた後、一方向に巻き取ることができ、このとき、陽極と陰極の無地部は互いに反対方向に配置されてもよい。
【0140】
巻き取り工程の後、陽極の無地部50および陰極の無地部50'は、コア側に折り曲げられることができ、無地部50、50'に集電板4、4'をそれぞれ溶接して接合させても良い。
【0141】
陽極および陰極の無地部には、別途の電極タブが結合されておらず、集電板が外部の電極端子と接続され、電流パスが電極組立体の巻取軸の方向に沿って大きな断面積で形成されるため、バッテリーセルの抵抗を下げることができるという利点がある。抵抗は、電流が流れる通路の断面積に反比例するためである。
【0142】
バッテリーセル100は、電池缶2と密封体(図示せず)とを含むことができ、密封体は、キャッププレート、密封ガスケット、および連結プレートを含む。密封ガスケットは、キャッププレートの縁を包み込んで、クリンピング部によって固定される。また、電極組立体は、上下流動を防止するために、ビーディング部によって電池缶2内に固定される。
【0143】
図3を参照すると、通常、陽極端子は、密封体(図示せず)のキャッププレートであり、陰極端子は電池缶2である。したがって、陽極の無地部50に結合された集電板4は、ストリップ状のリードタブ70を介してキャッププレートに取り付けられた連結プレートに電気的に接続される。また、陰極板の無地部50'に結合された集電板4'は、電池缶2の底部20に電気的に接続される。
【0144】
集電板4が連結プレートに連結されるときには、ストリップ状のリードタブ70が用いられる。リードタブ70は、集電板4に別途に取り付けるか、集電板4と一体で作製されても良い。
【0145】
一実施形態によると、前記電池缶2を排気チャンバ7内に配置する段階で、バッテリーセル100は、両端部に設けられた前記第1の電極と電気的に接続された陰極端子および前記第2の電極と電気的に接続された陽極端子を含み、電極組立体に初期充電(Pre-Charge)を行う際に、前記陰極端子および陽極端子に充電端子を連結して行われても良い。
【0146】
また、前記充電端子は、前記陽極端子と接続される(+)充電ピン5および前記陰極端子と接続される(-)充電ピン6を含むものであっても良い。前記充電端子と接続される前記(+)充電ピン5および(-)充電ピン6は、前記充電端子に接触するものあり得る。
【0147】
図3を参照すると、一実施形態によって、前記陰極端子および陽極端子は、それぞれ前記電極組立体の両端部に設けられてもよい。前記電極組立体の両端部は、前記電極組立体の巻取軸に垂直な両端部を意味する。
【0148】
一実施形態によると、前記バッテリーセル100は、両端部に設けられた前記第1の電極と電気的に接続された陰極端子および前記第2の電極と電気的に接続された陽極端子を含み、前記初期充電は、前記陰極端子および陽極端子に充電端子を接続して行われる。
【0149】
前記電極組立体の両端部から充電が進行し、排気チャンバ7内に前記電池缶2を配置したときに、ガスを円滑に排出しながら工程が進行するため、安全性の問題を解消することができるようになる。
【0150】
本発明のまた他の実施形態は、電極組立体および電解液を収容し、一側に開放部3を有する電池缶2を配置するか、前記開放部3を密閉するように結合することができる排気チャンバ7を含むバッテリーセルの製造装置を提供する。
【0151】
一実施形態によると、前記排気チャンバ7は、不活性ガスを注入する注入部8と前記排出ガスを排出する排気部9とを含んでも良い。
【0152】
前記注入部8および前記排気部9は、前記排気チャンバ7の一側に設けられてもよく、不活性ガスを注入して排出する部分であれば、これに限定されるものではない。
【0153】
一側に開放部3を有する電池缶2の前記開放部3を密閉させるように結合できる排気チャンバ7は、前記開放部3の形態に対応するように結合部位を備えることができ、好ましくは円形であって良い。前記結合部位は、前記開放口3を密閉するように結合することができれば、その構造および形態は制限されない。
【0154】
一実施形態によると、前記バッテリーセルの製造方法によって製造されたバッテリーセル100は、初期充電で発生した排出ガスを前記排気チャンバ7を介して排出することにより、排出ガスの圧力によるバッテリーセル100の外形変形および/または電池缶2の開放端部を封止する密封体に設けられたキャッププレートのベントの可能性を最小限に抑えることができる。
【0155】
前記バッテリーセルの製造方法によって製造されないバッテリーセルは、初期充電で発生した排出ガスがバッテリーセルの内部に残っているため、排出ガスの圧力によるバッテリーセルの外形変形および/または電池缶の開放端部を封止する密封体に設けられたキャッププレートのベントの可能性がある。
【0156】
本発明において、陽極にコーティングされる陽極活物質と陰極にコーティングされる陰極活物質は、当業界において公知の活物質であれば制限なく用いることができる。
【0157】
一例において、陽極活物質は、一般化学式A[AxMy]O2+z(AはLi、NaおよびKの少なくとも1つ以上の元素を含む;MはNi、Co、Mn、Ca、Mg、Al、Ti、Si、Fe、Mo、V、Zr、Zn、Cu、Al、Mo、Sc、Zr、Ru、およびCrから選択される少なくとも1つ以上の元素を含む;x≧0、1≦x+y≦2、-0.1≦z≦2;x、y、zおよびMに含まれた成分の化学量論的係数は、化合物が電気的な中性を維持するように選ばれる)で表されるアルカリ金属化合物を含んでも良い。
【0158】
他の例において、陽極活物質は、米国特許第6,677,082号明細書、米国特許第6,680,143号明細書などに開示されたアルカリ金属化合物xLiM1O2-(1-x)Li2M2O3(M1は、平均酸化状態3を有する少なくとも1つ以上の元素を含む;M2は、平均酸化状態4を有する少なくとも1つの元素を含む;0≦x≦1)であっても良い。
【0159】
また他の例において、陽極活物質は、一般化学式LiaM1
xFe1-xM2
yP1-yM3
zO4-z(M1はTi、Si、Mn、Co、Fe、V、Cr、Mo、Ni、Nd、Al、MgおよびAlから選択される少なくとも1つ以上の元素を含む;M2は、Ti、Si、Mn、Co、Fe、V、Cr、Mo、Ni、Nd、Al、Mg、Al、As、Sb、Si、Ge、VおよびSから選択される少なくとも1つ以上の元素を含む;M3は、Fを選択的に含むハロゲン族元素を含む;0<a≦2、0≦x≦1、0≦y<1、0≦z<1;a、x、y、z、M1、M2およびM3に含まれる成分の化学量論的係数は、化合物が電気的中性を維持するように選択される)、またはLi3M2(PO4)3[MはTi、Si、Mn、Fe、Co、V、Cr、Mo、Ni、Al、MgおよびAlから選択される少なくとも1つの元素を含む]で表されるリチウム金属ホスフェートであっても良い。
【0160】
好ましくは、陽極活物質は、一次粒子および/または一次粒子が凝集した二次粒子を含んでも良い。
【0161】
一例において、陰極活物質は、炭素材、リチウム金属またはリチウム金属化合物、ケイ素またはケイ素化合物、錫または錫化合物などを使用しても良い。電位が2V未満のTiO2、SnO2のような金属酸化物も陰極活物質として使用可能である。炭素材としては、低結晶炭素、高結晶性炭素のいずれも用いることができる。
【0162】
分離膜は、多孔性高分子フィルム、例えば、エチレン単独重合体、プロピレン単独重合体、エチレン/ブテン共重合体、エチレン/ヘキセン共重合体、エチレン/メタクリレート共重合体などのようなポリオレフィン系高分子から製造した多孔性高分子フィルムを単独で、またはこれらを積層して使用することができる。他の例として、分離膜は、通常の多孔性不織布、例えば高融点のガラス繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維などからなる不織布を使用しても良い。分離膜の少なくとも一側の表面は、無機物粒子のコーティング層を含んでも良い。また、分離膜自体が無機物粒子のコーティング層を含んでも良い。コーティング層を構成する粒子は、隣接する粒子の間に間隙容量(interstitial volume)が存在するようにバインダーと結合された構造を有することができる。
【0163】
無機物粒子は、誘電率が5以上の無機物からなることができる。非制限的な例として、前記無機物粒子は、Pb(Zr、Ti)O3(PZT)、Pb1-xLaxZr1-yTiyO3(PLZT)、PB(Mg3Nb2/3)O3-PbTiO3(PMN-PT)、BaTiO3、hafnia(HfO2))、SrTiO3、TiO2、Al2O3、ZrO2、SnO2、CeO2、MgO、CaO、ZnOおよびY2O3からなる群から選択される少なくとも1つ以上の材料を含んでも良い。
【0164】
電解質は、A+B-のような構造を有する塩であっても良い。ここで、A+は、Li+、Na+、K+のようなアルカリ金属カチオンまたはそれらの組み合わせからなるイオンを含む。そしてB-はF-、Cl-、Br-、I-、NO3
-、N(CN)2
-、BF4
-、ClO4
-、AlO4
-、AlCl4
-、PF6
-、SbF6
-、AsF6
-、BF2C2O4
-、BC4O8
-,(CF3)2PF4
-,(CF3)3PF3
-,(CF3)4PF2
-,(CF3)5PF-,(CF3)6P-,CF3SO3
-,C4F9SO3
-,CF3CF2SO3
-,(CF3SO2)2N-,(FSO2)2N-、CF3CF2(CF3)2CO-、(CF3SO2)2CH-、(SF5)3C-、(CF3SO2)3C-、CF3(CF2)7SO3
-、CF3CO2
-、CH3CO2
-、SCN-および(CF3CF2SO2)2N-からなる群から選択されるいずれか1つ以上のアニオンを含む。
【0165】
電解質はまた、有機溶媒に溶解して使用しても良い。有機溶媒としては、プロピレンカーボネート(propylene carbonate、PC)、エチレンカーボネート(ethylenecarbonate、EC)、ジエチルカーボネート(diethyl carbonate、DEC)、ジメチルカーボネート(dimethyl carbonate、DMC)、ジプロピルカーボネート(dipropyl carbonate、DPC)、ジメチルスルホキシド(dimethyl sulfoxide)、アセトニトリル(acetonitrile)、ジメトキシエタン(dimethoxyethane)、ジエトキシエタン(diethoxyethane)、テトラヒドロフラン(tetrahydrofuran)、N-メチル-2-ピロリドン(N-methyl-2-pyrrolidone、NMP)、エチルメチルカーボネート(ethyl methyl carbonate、ETM)、ガンマブチロラクトン(γbutyrolactone)またはそれらの混合物が使用されても良い。
【0166】
一実施形態によると、上述の円筒形バッテリーセルは、バッテリーパックを製造するにおいて使用することができ、前記バッテリーパックは、円筒形バッテリーセルが電気的に連結された集合体およびそれを収容するパックハウジングを含んでも良い。円筒形バッテリーセルは、上述した実施例によるバッテリーセル100である。
【0167】
一実施形態によると、前記バッテリーパックは、自動車に搭載されてもよく、自動車は一例として電気自動車、ハイブリッド自動車、またはプラグインハイブリッド自動車であってもよい。自動車は四輪自動車または二輪自動車を含む。
【0168】
以上、本発明について、限定された実施例と図面に基づき説明したが、本発明がこれに限定されるものではなく、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者によって、本発明の技術思想および以下に記載される特許請求の範囲の均等範囲内で様々な修正および変形が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0169】
1 ・・・組み立て済みのセル
2 ・・・一側が開放された円筒形の電池缶
3 ・・・開放部
4、4' ・・・集電板
5 ・・・(+)充電ピン
6 ・・・(-)充電ピン
7 ・・・排気チャンバ
8 ・・・注入部
9 ・・・排気部
10 ・・・電極端子
11 ・・・胴体部
12 ・・・外部フランジ部
13 ・・・内部フランジ部
14 ・・・平坦部
20 ・・・底部
30 ・・・貫通孔
40 ・・・ガスケット
50、50' ・・・無地部
70 ・・・リードタブ
100 ・・・バッテリーセル
【国際調査報告】