IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ジェイオ テック カンパニー リミテッドの特許一覧

<>
  • 特表-移動型局所排気装置 図1
  • 特表-移動型局所排気装置 図2
  • 特表-移動型局所排気装置 図3
  • 特表-移動型局所排気装置 図4
  • 特表-移動型局所排気装置 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-19
(54)【発明の名称】移動型局所排気装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 8/80 20210101AFI20231012BHJP
   B08B 15/00 20060101ALI20231012BHJP
【FI】
F24F8/80 110
F24F8/80 150
F24F8/80 218
F24F8/80 250
B08B15/00
F24F8/80 135
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023520515
(86)(22)【出願日】2020-10-08
(85)【翻訳文提出日】2023-04-03
(86)【国際出願番号】 KR2020013762
(87)【国際公開番号】W WO2022075505
(87)【国際公開日】2022-04-14
(31)【優先権主張番号】10-2020-0129438
(32)【優先日】2020-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523122159
【氏名又は名称】ジェイオ テック カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】JEIO TECH CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】153, Techno 2-ro, Yuseong-gu, Daejeon 34025, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】キム,サン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】シン,ヒョン ジュ
(57)【要約】
【課題】本発明は、移動型局所排気装置に関するものであって、特には、吸入力を発生させ、フィルターが内蔵されて、汚染物質を浄化した後に、きれいな空気を排出する排気装置と、一方の端部が排気装置に連結され、他方の端部に磁性体が設置される関節アームと、前記排気装置から発生する吸入力によって汚染物質を吸入し、前記磁性体に付着される金属板が上面に備えられるフードと、を含んで構成され、有害化学物質の属性及び実験の種類に応じて、形態が異なるフードに簡単に交換できるという効果がある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モーター(11)の回転によって吸入力を発生させ、フィルター(12)が内蔵されて、汚染物質を浄化した後に、きれいな空気を排出する排気装置(10)と、
一方の端部が前記排気装置(10)に連結され、他方の端部に磁性体(50)が設置される関節アーム(20)と、
前記排気装置(10)から発生する吸入力によって汚染物質を吸入し、前記磁性体(50)に吸着される金属板(31)が上面に備えられるフード(30)と、
を含んで構成されることを特徴とする移動型局所排気装置。
【請求項2】
前記磁性体(50)は、前記関節アーム(20)の他方の端部に密着するベース(51)と、前記ベース(51)により、開放された上面が密閉され、ベース(51)とともに前記関節アーム(20)に締結されるカバー(52)と、前記カバー(52)の内部に設置される多数の磁石(53)と、からなることを特徴とする、
請求項1に記載の移動型局所排気装置。
【請求項3】
前記排気装置(10)をオン/オフさせる電源スイッチ(41)が備えられる、リモコン(40)をさらに含んで構成されることを特徴とする、
請求項1に記載の移動型局所排気装置。
【請求項4】
前記リモコン(40)には、VOCセンサー(42)が備えられることを特徴とする、
請求項3に記載の移動型局所排気装置。
【請求項5】
前記リモコン(40)には、排気装置(10)のモーター(11)を制御して排気量を調節する、排気制御ボタン(43)が備えられることを特徴とする、
請求項3に記載の移動型局所排気装置。
【請求項6】
前記VOCセンサー(42)によって測定されるVOCの濃度が、設定値以上である場合、前記排気装置(10)のモーター(11)が自動的に作動することを特徴とする、
請求項4に記載の移動型局所排気装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、局所排気装置に関するものであり、特に実験室や作業場などに配置され、汚染源から発生する有害ガスをフィルタリングして迅速に排出する、移動型局所排気装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
局所排気装置は、壁や天井などに固定された排気口から離隔されたところから部分的な汚染源が発生したり、周辺の構造物や設置物のために汚染源の近くに排気口を設置することが難しかったり、瞬間的な汚染源の発生のために排気口の設置が難しい場合に、汚染源の付近に配置して汚染物質を迅速に除去することで、製造物の品質を向上させたり、正確な実験結果を導き出すために使われる。
【0003】
したがって、局所排気装置は、主に、清浄な大気条件が要求される研究室や工場の内部に配置して使われる場合が多く、使用者を汚染物質から保護する重要な役割をする。
【0004】
このような局所排気装置は、吸入力を発生する排気装置と、排気装置に連結される関節アームと、関節アームの先端に連結されて、汚染源から発生する汚染物質を排気装置の吸入力で吸入するフードと、から構成されることが一般的である。
【0005】
前記のように構成される局所排気装置は、有害化学物質の属性や実験の種類に応じて、異なる形態のフードを使用することが効果的であるが、従来の局所排気装置は、フードを関節アームに結束する際にボルトを使用して締結する方式を採択しているため、関節アームに、他の形態のフードを、状況に応じて交換することが容易ではないという問題点がある。
【0006】
そして、従来の局所排気装置は、オン/オフスイッチが排気装置に備えられているため、関節アームの長さが一定の長さ以上になると、排気装置をオン/オフするためにフードの近くにいる使用者が排気装置側に移動しなければならないという煩わしさがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記の従来技術の問題点を解決するために案出されたものであり、磁力によってフードを関節アームに簡単に装着・脱着することで、有害化学物質の属性及び実験の種類に応じてフードを簡単に交換できる、移動型局所排気装置を提供することに、その目的がある。
【0008】
また、オン/オフスイッチを使用者が携帯できるリモコンに備えることによって、オン/オフのために使用者が移動する必要がない移動型局所排気装置を提供することに、その目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の課題を解決するための本発明による移動型局所排気装置は、(1)モーターの回転により吸入力を発生し、フィルターが内蔵されて汚染物質を浄化した後、きれいな空気を排出する排気装置と、(2)一方の端部が排気装置に連結され、他方の端部に磁性体が設置された関節アームと、(3)前記排気装置から発生する吸入力によって汚染物質を吸入し、前記磁性体に吸着(付着)される金属板が上面に備えられるフードと、を含んで構成される。
【0010】
ここで、前記の磁性体は、(i)前記の関節アームの他側の端部に密着するベースと、(ii)前記ベースによって開放された上面が密閉され、ベースと共に前記関節アームに締結されるカバーと、(iii)前記カバーの内部に設置される多数の磁石と、から構成される。
【0011】
一方、本発明は、前記排気装置をオン/オフする電源スイッチを備えたリモコンをさらに含んで構成される。
【0012】
ここで、前記リモコンには,VOCセンサーが備えられる。
【0013】
そして、前記リモコンには、排気装置のモーターを制御して排気量を調節する排気制御ボタンが備えられる。
【0014】
また、VOCセンサーによって測定されるVOCの濃度が設定値以上の場合、前記排気装置のモーターが自動的に作動する。
【発明の効果】
【0015】
前記のように構成される本発明の移動型局所排気装置は、磁力による磁性体と金属板との結合によって、関節アームの端部にフードが結合されるので、フードの着脱を容易にすることができ、有害化学物質の属性及び実験の種類に応じて、形態が異なるフードに簡単に交換できるという利点がある。
【0016】
また、従来にネジを緩めて締めてフードを交替する方式を、磁力による着脱方式に変えることで、フードの交換時間を短縮して、便宜性と作業効率性を向上させることができるという利点がある。
【0017】
また、リモコンに電源スイッチが備えられることで、排気装置を作動させたり停止させたりするために、使用者が現在の位置から移動する必要がないので、実験中の使用者の注意を分散させないという利点がある。
【0018】
また、使用者が局所排気装置を使わない時、リモコンを利用して簡単に停止することができるので、これによる電気費用及びフィルターの費用などを減らすことができるという利点がある。
【0019】
また、VOCセンサーを通じてリモコン周辺の有害ガス濃度を把握した後、排気制御ボタンでもって、有害ガスの吸入量と、きれいな空気の排出量とを簡単に調節することで、使用者の健康上の安全を図ることができ、実験の集中度を向上させることができるという利点がある。
【0020】
また、VOC濃度が設定された値以上であると、自動的に排気装置のモーターが作動するため、使用者が実験または作業に没頭して、未だに、室内の空気汚染に対して考え及んでいない状況が発生しても、モーターの自動作動によって室内空気が浄化されるため、使用者の安全を図ることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明による移動型局所排気装置を示す図(1)である。
図2】本発明による移動型局所排気装置を示す図(2)である。
図3】本発明による移動型局所排気装置の関節アームとフードを示す図(1)である。
図4】本発明による移動型局所排気装置の関節アームとフードを示す図(2)である。
図5図5は、本発明による移動型局所排気装置のリモコンを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
前記の課題を解決するための本発明による移動型局所排気装置は、(1)モーターの回転によって吸入力を発生させ、フィルターが内蔵されて、汚染物質を浄化した後に、きれいな空気を排出する排気装置と、(2)一方の端部が排気装置に連結され、他方の端部に磁性体が設置される関節アームと、(3)前記排気装置から発生する吸入力によって汚染物質を吸入し、前記磁性体に吸着される金属板が上面に備えられるフードとを含んで構成される。
【0023】
以下、本発明による移動型局所排気装置の実施形態を、添付の図面を参照して詳しく説明する。
【0024】
図1及び図2は本発明による移動型局所排気装置を示す図であり、図3及び図4は本発明による移動型局所排気装置の関節アームとフードを示す図であり、図5は本発明による移動型局所排気装置のリモコンを示す図である。
【0025】
本発明による移動型局所排気装置は、(1)排気装置10と、排気装置10に連結される関節アーム20と、(2)前記関節アーム20に連結されるフード30とを含んで構成され、(3)前記排気装置10を遠隔で制御するリモコン40をさらに含んで構成されうる。
【0026】
前記の排気装置10は、内部に設置されるモーター11の回転によって吸入力を発生させ、フィルター12が内蔵されて、汚染物質を浄化した後に、きれいな空気を排出する。
【0027】
より詳しく説明すると、排気装置10は、内部にモーター11が設置されており、前記モーター11の回転軸には吸入ファン13が設置され、吸入ファン13が回転すると、排気装置10に内蔵されたフィルター12の側に空気を吸い込む、吸入力が発生する。このような吸入力により、フード30と関節アーム20とを通じて、汚染物質が含まれた空気が、排気装置10の内部に流入した後、フィルター12を通過しながら浄化される。このようにフィルターにより浄化された、きれいな空気は、排気装置10の外部に排出される。
【0028】
前記関節アーム20は、一方の端部が排気装置10の内部と連結され、他方の端部に磁性体50が設置される。
【0029】
このような関節アーム20は、所定の長さを持つ多数の管が、相互回転できるように連結されたものであり、先端に吸着・装着されているフード30を任意の地点に移動させて汚染源から発生する汚染物質を吸収できるようにする。そして、関節アーム20は、局所排気装置を使わない場合に、折りたためるようになっており、その他の作業をするにあたって干渉が起きないようにする。
【0030】
前記の磁性体50は、プラスチック射出物であるベース51と、前記ベース51に結合され、プラスチック射出により作られるカバー52と、前記カバー52の内部に設置される多数の磁石53から構成される。
【0031】
前記ベース51は、円形のリングの形態であり、関節アーム20の他方の端部に密着する。
【0032】
前記カバー52は、ベース51と同じ直径を持つ円形のリングの形態であり、上面は開放され、残りの面は密閉される。カバー52の開放上面は、ベース51によって密閉される。
【0033】
このようにカバー52は、開放された上面を覆うベース51と共に、ボルトなどを利用して関節アーム20に締結される。この際に使用するボルトは、金属材から作ることも可能であるが、プラスチックから作れば、有害ガスによりボルトが腐食することを防止できる。
【0034】
前記磁石53は、強い磁性を持つものでもって構成され、カバー52の内部に設置されても、その磁性により、後述する金属板31との強い結合が可能になるようにする。
【0035】
前記フード30は、排気装置10から発生する吸入力により汚染物質を吸入し、磁性体50に吸着(吸着)される金属板31が上面に備えられる。
【0036】
このようなフード30は、一定の空間内にて位置変更が頻繁に行われる汚染源の、上部に位置し、汚染源から発生する有害ガスなどを吸入する。このように吸入された有害ガスは、関節アーム20を経て、排気装置10の内部に吸入される。
【0037】
前記金属板31は、磁性体50と同様にリング状に形成され、磁性体50と磁力により結合される。
【0038】
前記リモコン40は、ブルートゥース(登録商標)などといった無線通信方法でもって排気装置10と通信して、この排気装置10を遠隔で制御するためのものであり、ここには、電源スイッチ41と、VOCセンサー42と、排気制御ボタン43などが備えられている。
【0039】
前記電源スイッチ41は、排気装置10をオン(ON)/オフ(OFF)するものであり、モーター11をはじめとする排気装置10に使われる各種の電気機器に、電源を供給したり遮断したりする。
【0040】
前記VOCセンサー42は、リモコン40の周辺のVOC(volatile organic compound)を感知し、濃度を測定するものである。
【0041】
前記排気制御ボタン43は、排気装置10のモーター11を制御して、排気量を調節する。なお、VOCセンサー42によって測定されたVOCの濃度が甚だしい場合には、リモコン40の排気制御ボタン43を操作して排気量を増加させる。すなわち、排気量を増加させるために排気制御ボタン43を操作すれば、モーター11の回転が増加して吸入力が、より大きくなり、結局、より多くの有害ガスを吸入してフィルタリングした後に、より多くのきれいな空気を排出することができる。
【0042】
もちろん、VOCセンサー42で測定される濃度に応じて、自動的に排気装置10のモーター11が操作されるようにすることで、排気量を自動調節することもできる。すなわち、VOCセンサー42により測定されるVOCの濃度が、あらかじめ設定された特定値以上になる場合には、排気装置10のモーター11が自動的に作動して、室内の空気を浄化する。
【0043】
本発明は、移動型の局所排気装置に関するものであり、工場で物を製作したり、実験室で実験をしたりする時に多く使われるため、排気装置と関連した産業に、幅広く適用することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】