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特表2023-544057ニッケルナノ粉末の製造方法及びそれを用いて製造したニッケルナノ粉末
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-19
(54)【発明の名称】ニッケルナノ粉末の製造方法及びそれを用いて製造したニッケルナノ粉末
(51)【国際特許分類】
   B22F 9/22 20060101AFI20231012BHJP
   B22F 1/00 20220101ALI20231012BHJP
   B22F 1/054 20220101ALI20231012BHJP
   B22F 1/16 20220101ALI20231012BHJP
【FI】
B22F9/22 G
B22F1/00 M
B22F1/054
B22F1/16
B22F9/22 E
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023520526
(86)(22)【出願日】2021-08-18
(85)【翻訳文提出日】2023-04-04
(86)【国際出願番号】 KR2021010940
(87)【国際公開番号】W WO2022075576
(87)【国際公開日】2022-04-14
(31)【優先権主張番号】10-2020-0128530
(32)【優先日】2020-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510307244
【氏名又は名称】コリア インスティチュート オブ インダストリアル テクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、スン ミン
(72)【発明者】
【氏名】ムン、ゴン テ
(72)【発明者】
【氏名】チョン、ヨン ギュ
(72)【発明者】
【氏名】クウォン、オヒョン
(72)【発明者】
【氏名】キム、クン イ
(72)【発明者】
【氏名】キム、キョン フン
【テーマコード(参考)】
4K017
4K018
【Fターム(参考)】
4K017AA03
4K017CA08
4K017EH01
4K017FB03
4K017FB06
4K018BA04
4K018BB05
4K018BC11
4K018BC28
4K018BC32
4K018KA32
(57)【要約】
本発明は、粒子間の凝集を防止することで、平均粒度が小さく、凝集率が低いニッケルナノ粉末の製造方法を提供する。本発明の一実施例によれば、前記ニッケルナノ粉末の製造方法は、ニッケル塩及びシェル形成物質を提供するステップと;前記ニッケル塩からニッケルコア粒子を核生成及び成長させるステップと;前記シェル形成物質を用いて前記ニッケルコア粒子の表面にシェル層を形成するステップと;前記シェル層を除去して、ニッケルナノ粉末を形成するステップと;を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニッケル塩及びシェル形成物質を提供するステップと、
前記ニッケル塩からニッケルコア粒子を核生成及び成長させるステップと、
前記シェル形成物質を用いて前記ニッケルコア粒子の表面にシェル層を形成するステップと、
前記シェル層を除去して、ニッケルナノ粉末を形成するステップとを含む、ニッケルナノ粉末の製造方法。
【請求項2】
前記シェル層は、前記ニッケルコア粒子の非焼結性凝集を誘導し、
前記シェル層を除去することによって、非焼結性凝集した前記ニッケルコア粒子は個別化されて、前記ニッケルナノ粉末を形成する、請求項1に記載のニッケルナノ粉末の製造方法。
【請求項3】
前記ニッケル塩及びシェル形成物質を提供するステップにおいて、
前記シェル形成物質は、注入ガスの体積当たりのモル比率で0.4mmol/L~2.5mmol/Lの範囲で提供される、請求項1に記載のニッケルナノ粉末の製造方法。
【請求項4】
前記ニッケルコア粒子を核生成及び成長させるステップは、
前記ニッケル塩を還元ガスを用いて還元反応させて、固相の前記ニッケルコア粒子を形成してなる、請求項1に記載のニッケルナノ粉末の製造方法。
【請求項5】
前記シェル層を形成するステップは、
前記ニッケルコア粒子の表面に気化した前記シェル形成物質が析出及び成長して前記シェル層を形成してなる、請求項1に記載のニッケルナノ粉末の製造方法。
【請求項6】
前記シェル層を形成するステップは、
前記ニッケルコア粒子が移送される方向に沿って温度が減少する領域で行われる、請求項1に記載のニッケルナノ粉末の製造方法。
【請求項7】
前記シェル層を形成するステップにおいて、
前記シェル形成物質の生成自由エネルギーは、前記ニッケル塩の生成自由エネルギーに比べて小さい、請求項1に記載のニッケルナノ粉末の製造方法。
【請求項8】
前記ニッケルナノ粉末を形成するステップは、
前記シェル層を湿式の後処理を通じて選択的に除去してなる、請求項1に記載のニッケルナノ粉末の製造方法。
【請求項9】
前記ニッケル塩は、ニッケルアセテート(nickel acetate)、ニッケルブロミド(nickel bromide)、ニッケルカーボネート(nickel carbonate)、ニッケルクロリド(nickel chloride)、ニッケルフルオリド(nickel fluoride)、ニッケルヒドロキシド(nickel hydroxide)、ニッケルヨージド(nickel iodide)、ニッケルナイトレート(nickel nitrate)、ニッケルオキシド(nickel oxide)、ニッケルホスフェート(nickel phosphate)、ニッケルシリケート(nickel silicate)、ニッケルスルフェート(nickel sulfate)、及びニッケルスルフィド(nickel sulfide)のうちの少なくともいずれか1つを含む、請求項1に記載のニッケルナノ粉末の製造方法。
【請求項10】
前記シェル形成物質は水溶性金属塩を含む、請求項1に記載のニッケルナノ粉末の製造方法。
【請求項11】
前記シェル形成物質は、
アルミニウム(Al)、バリウム(Ba)、カルシウム(Ca)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、銅(Cu)、鉄(Fe)、鉛(Pb)、リチウム(Li)、マグネシウム(Mg)、マンガン(Mn)、水銀(Hg)、ニッケル(Ni)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、銀(Ag)、ナトリウム(Na)、ストロンチウム(Sr)、錫(Sn)、ランタン(La)、シリコン(Si)、ガリウム(Ga)、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)、カドミウム(Cd)、アクチニウム(Ac)、セシウム(Cs)、ハフニウム(Hf)及び亜鉛(Zn)のうちの少なくともいずれか1つを含むか、または
金属アセテート(metal acetate)、金属ブロミド(metal bromide)、金属カーボネート(metal carbonate)、金属クロリド(metal chloride)、金属フルオリド(metal fluoride)、金属ヒドロキシド(metal hydroxide)、金属ヨージド(metal iodide)、金属ナイトレート(metal nitrate)、金属オキシド(metal oxide)、金属ホスフェート(metal phosphate)、金属シリケート(metal silicate)、金属スルフェート(metal sulfate)、及び金属スルフィド(metal sulfide)のうちの少なくともいずれか1つを含む、請求項1に記載のニッケルナノ粉末の製造方法。
【請求項12】
請求項1に記載の製造方法を用いて形成され、ニッケルで構成された、ニッケルナノ粉末であって、
前記ニッケルナノ粉末は、30nm~200nmの範囲の平均粒度を有し、
0.5%~50%の範囲の凝集率を有する、ニッケルナノ粉末。
【請求項13】
前記ニッケルナノ粉末は、表面に形成された自然酸化層を含む、請求項12に記載のニッケルナノ粉末。
【請求項14】
前記ニッケルナノ粉末は、50重量%~100重量%の範囲のニッケルを含む、請求項12に記載のニッケルナノ粉末。
【請求項15】
コア-シェル構造を有するニッケルナノ粉末であって、
ニッケルコア粒子と、
前記ニッケルコア粒子の表面を囲み、水溶性金属塩で構成されたシェル層とを含む、ニッケルナノ粉末。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の技術的思想は、金属粉末に関し、より詳細には、粒子間の凝集を防止して均一な粒度を有するニッケルナノ粉末の製造方法、及びそれを用いて製造したニッケルナノ粉末に関する。
【背景技術】
【0002】
積層セラミックコンデンサ(Multi Layer Ceramic Capacitor、MLCC)は、電子回路で一時的に電気を充電したりノイズを除去したりするチップ形態のキャパシタであって、電流を貯蔵しておき、必要な分だけ電気を安定的に供給して電子装置が正しく動作するようにする部品である。現代で、前記積層セラミックコンデンサは、電子産業の米と呼ばれるほどに多くの需要があり、例えば、パーソナルコンピューターやスマートフォンには約1000個が必要であり、テレビには約2000個が必要である。
【0003】
このような積層セラミックコンデンサ(MLCC)は、大きさを減少させ、貯蔵電気容量を増加させる必要がある。そのために、積層セラミックコンデンサは、内部に約500層のセラミック層とニッケル電極層が交互に積層された構造を有する。積層セラミックコンデンサは、離型フィルム上にセラミックシートを形成する成形工程、前記セラミックシートに電極パターンを形成する印刷工程、及び前記セラミックシートを切断し、離型フィルムを除去した後、前記セラミックシートとニッケル電極層を積層する積層工程で形成される。前記積層セラミックコンデンサにおける重要な技術は、ニッケル電極層を極力薄くし、また、多く積層させ、1000℃以上の高温で亀裂なしに形成することである。
【0004】
最近は、前記積層セラミックコンデンサの超小型化及び高積層化に伴い、内部電極の超薄層化が求められている。しかし、従来の技術によるニッケル粉末を用いる場合、過焼結による断線が発生したり、粉末が凝集したりする問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の技術的思想が達成しようとする技術的課題は、粒子間の凝集を防止することで、平均粒度が小さく、凝集率が低いニッケルナノ粉末の製造方法、及びそれを用いて製造したニッケルナノ粉末を提供することである。
【0006】
しかし、このような課題は例示的なものであって、本発明の技術的思想がこれに限定されるものではない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、粒子間の凝集を防止することで、平均粒度が小さく、凝集率が低いニッケルナノ粉末の製造方法、及びそれを用いて製造したニッケルナノ粉末が提供される。
【0008】
本発明の一実施例によれば、前記ニッケルナノ粉末の製造方法は、ニッケル塩及びシェル形成物質を提供するステップと;前記ニッケル塩からニッケルコア粒子を核生成及び成長させるステップと;前記シェル形成物質を用いて前記ニッケルコア粒子の表面にシェル層を形成するステップと;前記シェル層を除去して、ニッケルナノ粉末を形成するステップと;を含むことができる。
【0009】
本発明の一実施例によれば、前記シェル層は、前記ニッケルコア粒子の非焼結性凝集を誘導し、前記シェル層を除去することによって、非焼結性凝集した前記ニッケルコア粒子は個別化されて、前記ニッケルナノ粉末を形成することができる。
【0010】
本発明の一実施例によれば、前記ニッケル塩及びシェル形成物質を提供するステップは、前記ニッケル塩及び前記シェル形成物質を300℃~1200℃の範囲の温度で気化させて提供することができる。
【0011】
本発明の一実施例によれば、前記ニッケル塩及びシェル形成物質を提供するステップにおいて、前記ニッケル塩と前記シェル形成物質は、重量比率で、3:1~65:1の範囲で提供され得る。
【0012】
本発明の一実施例によれば、前記ニッケル塩及びシェル形成物質を提供するステップにおいて、前記シェル形成物質は、注入ガスの体積当たりのモル比率で0.4mmol/L~2.5mmol/Lの範囲で提供され得る。
【0013】
本発明の一実施例によれば、前記ニッケルコア粒子を核生成及び成長させるステップは、前記ニッケル塩を還元ガスを用いて還元反応させて、固相の前記ニッケルコア粒子を形成してなり得る。
【0014】
本発明の一実施例によれば、前記ニッケルコア粒子を核生成及び成長させるステップは、800℃~1200℃の範囲の温度で行われ得る。
【0015】
本発明の一実施例によれば、前記シェル層を形成するステップは、前記ニッケルコア粒子の表面に気化した前記シェル形成物質が析出及び成長して前記シェル層を形成してなり得る。
【0016】
本発明の一実施例によれば、前記シェル層を形成するステップは、前記ニッケルコア粒子が移送される方向に沿って温度が減少する領域で行われ得る。
【0017】
本発明の一実施例によれば、前記シェル層を形成するステップは、300℃~1200℃の範囲の温度で行われ得る。
【0018】
本発明の一実施例によれば、前記シェル層を形成するステップにおいて、前記シェル形成物質の生成自由エネルギーは、前記ニッケル塩の生成自由エネルギーに比べて小さくなり得る。
【0019】
本発明の一実施例によれば、前記シェル層を形成するステップにおいて、前記シェル形成物質は、0.9kPa~54kPaの範囲の平衡蒸気圧を有することができる。
【0020】
本発明の一実施例によれば、前記ニッケルナノ粉末を形成するステップは、前記シェル層を湿式の後処理を通じて選択的に除去してなり得る。
【0021】
本発明の一実施例によれば、前記ニッケル塩は、ニッケルアセテート(nickel acetate)、ニッケルブロミド(nickel bromide)、ニッケルカーボネート(nickel carbonate)、ニッケルクロリド(nickel chloride)、ニッケルフルオリド(nickel fluoride)、ニッケルヒドロキシド(nickel hydroxide)、ニッケルヨージド(nickel iodide)、ニッケルナイトレート(nickel nitrate)、ニッケルオキシド(nickel oxide)、ニッケルホスフェート(nickel phosphate)、ニッケルシリケート(nickel silicate)、ニッケルスルフェート(nickel sulfate)、及びニッケルスルフィド(nickel sulfide)のうちの少なくともいずれか1つを含むことができる。
【0022】
本発明の一実施例によれば、前記シェル形成物質は水溶性金属塩を含むことができる。
【0023】
本発明の一実施例によれば、前記シェル形成物質は、アルミニウム(Al)、バリウム(Ba)、カルシウム(Ca)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、銅(Cu)、鉄(Fe)、鉛(Pb)、リチウム(Li)、マグネシウム(Mg)、マンガン(Mn)、水銀(Hg)、ニッケル(Ni)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、銀(Ag)、ナトリウム(Na)、ストロンチウム(Sr)、錫(Sn)、ランタン(La)、シリコン(Si)、ガリウム(Ga)、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)、カドミウム(Cd)、アクチニウム(Ac)、セシウム(Cs)、ハフニウム(Hf)及び亜鉛(Zn)のうちの少なくともいずれか1つを含むことができる。
【0024】
本発明の一実施例によれば、前記シェル形成物質は、金属アセテート(metal acetate)、金属ブロミド(metal bromide)、金属カーボネート(metal carbonate)、金属クロリド(metal chloride)、金属フルオリド(metal fluoride)、金属ヒドロキシド(metal hydroxide)、金属ヨージド(metal iodide)、金属ナイトレート(metal nitrate)、金属オキシド(metal oxide)、金属ホスフェート(metal phosphate)、金属シリケート(metal silicate)、金属スルフェート(metal sulfate)、及び金属スルフィド(metal sulfide)のうちの少なくともいずれか1つを含むことができる。
【0025】
本発明の一実施例によれば、上述した製造方法を用いて形成され、ニッケルで構成されたニッケルナノ粉末を提供する。
【0026】
本発明の一実施例によれば、前記ニッケルナノ粉末は、30nm~200nmの範囲の平均粒度を有し、0.5%~50%の範囲の凝集率を有することができる。
【0027】
本発明の一実施例によれば、前記ニッケルナノ粉末は、表面に形成された自然酸化層を含むことができる。
【0028】
本発明の一実施例によれば、前記ニッケルナノ粉末は、50重量%~100重量%の範囲のニッケルを含むことができる。
【0029】
本発明の一実施例によれば、前記ニッケルナノ粉末は、コア-シェル構造を有するニッケルナノ粉末であって、ニッケルコア粒子と;前記ニッケルコア粒子の表面を囲み、水溶性金属塩で構成されたシェル層と;を含むことができる。
【0030】
本発明の一実施例によれば、前記金属ナノ粉末の製造方法は、金属塩及びシェル形成物質を提供するステップと;前記金属塩から金属コア粒子を核生成及び成長させるステップと;前記シェル形成物質を用いて前記金属コア粒子の表面にシェル層を形成するステップと;前記シェル層を除去して、金属ナノ粉末を形成するステップと;を含むことができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明の技術的思想による場合、高温の環境でニッケルコア粒子の表面に水溶性金属で構成されたシェル層を形成した後に、前記シェル層を低温で湿式法により容易に除去することによって、粒子間の凝集を防止して、平均粒度が小さく、凝集率が低いニッケルナノ粉末を提供することができる。
【0032】
上述した本発明の効果は例示的に記載されたもので、このような効果によって本発明の範囲が限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明の技術的思想によるニッケルナノ粉末の製造方法を示すフローチャートである。
【0034】
図2】本発明の技術的思想による金属ナノ粉末の製造方法を示すフローチャートである。
【0035】
図3】本発明の技術的思想によるニッケルナノ粉末の製造方法の原理を説明する概略図である。
【0036】
図4】本発明の技術的思想によるニッケルナノ粉末の製造方法に用いられるシェル形成物質の候補物質の溶解度を示す表である。
【0037】
図5】本発明の技術的思想によるニッケルナノ粉末の製造方法に用いられるシェル形成物質の候補物質に対するエリンガムダイアグラムを示すグラフである。
【0038】
図6】本発明の技術的思想によるニッケルナノ粉末の製造方法を行う装置を示す概略図である。
【0039】
図7】本発明の技術的思想によるニッケルナノ粉末の製造方法を用いて形成したニッケルナノ粉末を示す走査電子顕微鏡写真である。
【0040】
図8】本発明の技術的思想によるニッケルナノ粉末の製造方法を用いて形成したニッケルナノ粉末を示す走査電子顕微鏡写真である。
【0041】
図9】本発明の技術的思想によるニッケルナノ粉末の製造方法を用いて形成したニッケルナノ粉末のサイズ分布を示すグラフである。
【0042】
図10】本発明の技術的思想によるニッケルナノ粉末の製造方法を用いて形成したニッケルナノ粉末のサイズ分布を示すグラフである。
【0043】
図11】本発明の技術的思想によるニッケルナノ粉末の製造方法を用いて形成したニッケルナノ粉末の凝集した状態を示す図である。
【0044】
図12】本発明の技術的思想によるニッケルナノ粉末の製造方法を用いて形成したニッケルナノ粉末の蒸留水を用いて洗浄した後のナノ粉末の表面状態を示す走査電子顕微鏡写真である。
【0045】
図13】本発明の技術的思想によるニッケルナノ粉末の製造方法を用いて形成したニッケルナノ粉末の蒸留水を用いて洗浄した後のEDS分析結果を示すグラフである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
以下、添付の図面を参照して、本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。本発明の実施例は、当該技術分野における通常の知識を有する者に本発明の技術的思想をさらに完全に説明するために提供されるものであり、下記の実施例は様々な他の形態に変形可能であり、本発明の技術的思想の範囲が下記の実施例に限定されるものではない。むしろ、これらの実施例は、本開示をさらに充実かつ完全にし、当業者に本発明の技術的思想を完全に伝達するために提供されるものである。本明細書全体において、同一の符号は同一の要素を意味する。さらに、図面での様々な要素と領域は概略的に示されたものである。したがって、本発明の技術的思想は、添付の図面に示された相対的な大きさや間隔によって制限されない。
【0047】
本発明の技術的思想は、気相法を用いた金属ナノ粉末を製造する方法に関する。本発明の技術的思想によれば、例示的な金属ナノ粉末として、積層セラミックコンデンサに使用されるニッケルナノ粉末を形成することができる。
【0048】
前記積層セラミックコンデンサは、超小型化及び高積層化されており、これによって、ニッケル電極層の超薄層化が求められている。このようなニッケル電極層の超薄層化によって、従来の500nm以上のサイズのニッケル粉末を使用する場合には、過焼結にる断線や粉末凝集の問題が発生する。具体的に、積層セラミックコンデンサの超小型化及び高積層化のためには、ニッケル粉末が100nm以下の粒径を有することが要求され、気相反応器の設計技術が求められる。積層セラミックコンデンサの焼結均一性の向上のためには、ニッケル粉末が均一な粒度分布を有しなければならず、粉末分級技術の改善が求められる。積層セラミックコンデンサの焼結温度が増加することに対応するためには、ニッケル粉末の表面に形成される酸化膜の除去処理が求められる。積層セラミックコンデンサの焼結時に亀裂を防止するためには、ニッケル粉末が低い凝集特性を有しなければならず、そのために、ニッケル粉末の表面化学処理が求められる。
【0049】
積層セラミックコンデンサのニッケル電極層は、微細なニッケル粉末ペーストをセラミック層に印刷して製造する。前記ニッケル粉末は、蒸発凝縮法、熱分解法、気相反応法、電気爆発法などのような乾式法や、液相還元法、水熱合成法、化学沈殿法などのような湿式法によって製造される。前記乾式法は、高純度・高品質のナノ粉末の製造が可能であるが、低い生産性、及び高い設備投資費用が必要である。前記湿式法は、低い単価及び大量生産に有利であるが、有機物などの不純物の制御が難しく、粒度の制御が難しいという欠点がある。したがって、乾式法は、高い純度及び高い結晶性を要求する分野に使用するのに適するが、界面活性剤を使用することができず、高温工程であるため粒子間の凝集が強く発生し、粒子をサイズによって分類する分級工程を使用しなければならないため、収率が低下する。したがって、粒子間の凝集を防止することによって前記分級工程を行わない場合には、高い収率を達成することができる。
【0050】
以下の説明において、金属ナノ粉末を製造するために化学気相合成法(chemical vapor synthesis、CVS)を用いる場合について説明しているが、これは例示的であり、本発明の技術的思想はこれに限定されるものではなく、DCプラズマまたはRFプラズマなどを用いる物理気相合成法(physical vapor synthesis、PVS)を用いる場合も本発明の技術的思想に含まれる。
【0051】
図1は、本発明の技術的思想によるニッケルナノ粉末の製造方法(S100)を示すフローチャートである。
【0052】
図1を参照すると、前記ニッケルナノ粉末の製造方法(S100)は、ニッケル塩及びシェル形成物質を提供するステップ(S110)と;前記ニッケル塩からニッケルコア粒子を核生成及び成長させるステップ(S120)と;前記シェル形成物質を用いて前記ニッケルコア粒子の表面にシェル層を形成するステップ(S130)と;前記シェル層を除去して、ニッケルナノ粉末を形成するステップ(S140)と;を含む。
【0053】
前記シェル層は、前記ニッケルコア粒子の非焼結性凝集を誘導することができる。また、前記シェル層を除去することによって、非焼結性凝集された前記ニッケルコア粒子は個別化されて、前記ニッケルナノ粉末を形成することができる。
【0054】
前記ニッケル塩及びシェル形成物質を提供するステップ(S110)は、前記ニッケル塩及びシェル形成物質を気化させて提供することができる。前記ステップ(S110)は、前記ニッケル塩が固相から気相に変化する温度で行われ得る。前記ニッケル塩及び前記シェル形成物質を、例えば、300℃~1200℃の範囲の温度で気化させて提供することができる。
【0055】
前記ニッケル塩と前記シェル形成物質を、重量比率で、例えば、3:1~65:1の範囲で提供することができる。前記ニッケル塩と前記シェル形成物質を混合して共に提供するか、または個別に提供することができる。
【0056】
また、前記シェル形成物質は、注入ガスの体積当たりのモル比率で0.4mmol/L~2.5mmol/Lの範囲で提供され得る。
【0057】
前記気化したニッケル塩及び前記気化したシェル形成物質は、キャリアガスによって反応チャンバ内で移送され得る。前記キャリアガスは、アルゴンガスまたは窒素ガスを含むことができる。
【0058】
前記ニッケルコア粒子を核生成及び成長させるステップ(S120)は、前記ニッケル塩を還元ガスを用いて、例えば、水素含有ガスを用いて、還元反応させて、固相の前記ニッケルコア粒子を形成してなり得る。前記ニッケルコア粒子を核生成及び成長させるステップ(S120)は、例えば、800℃~1200℃の範囲の温度で行われてもよい。
【0059】
例えば、前記ニッケル塩がニッケルクロリド(NiCl)である場合には、下記のような反応によって、前記ニッケルコア粒子を形成することができる。
【0060】
ニッケル塩の気化反応:NiCl(s)⇒NiCl(g)
【0061】
ニッケルコア粒子の生成反応:NiCl(g)+H(g)⇒Ni(s)+2HCl(g)
【0062】
前記還元ガスは、還元反応を発生させるガスを含むことができる。前記還元ガスは、例えば、水素ガス、一酸化炭素ガス、マグネシウム蒸気ガス、カルシウム蒸気ガスなどを含むことができる。
【0063】
前記ニッケルコア粒子は、例えば50重量%以上のニッケルを含むことができ、例えば50重量%~100重量%の範囲のニッケルを含むことができる。残部は、酸化物、塩化物などの不可避な不純物で構成され得る。
【0064】
前記シェル層を形成するステップ(S130)は、前記ニッケルコア粒子の表面に気化した前記シェル形成物質が析出及び成長して前記シェル層を形成してなり得る。前記シェル形成物質は、気相状態から液相を経て固相として前記シェル層を形成するか、または気相状態から直接固相に変化して前記シェル層を形成することができる。
【0065】
前記シェル層を形成するステップ(S130)は、前記ニッケルコア粒子が移送される方向に沿って温度が減少する領域で行われ得る。前記ステップ(S130)は、前記シェル形成物質が析出及び成長が始まる温度以下で行われ得、前記ニッケルナノ粉末が焼結又は凝集し得る温度以上で行われ得る。前記ステップ(S130)は、例えば、300℃~1200℃の範囲の温度で行われ得る。
【0066】
前記シェル層を形成するステップ(S130)において、前記シェル形成物質の生成自由エネルギーは、前記ニッケル塩の生成自由エネルギーに比べて小さくなり得る。また、前記シェル形成物質の生成自由エネルギーは、前記ニッケル塩と前記還元ガスが反応して形成する塩化ガス(HCl)の生成自由エネルギーに比べて小さくなり得る。また、前記シェル形成物質は、例えば、0.9kPa~54kPaの範囲の平衡蒸気圧を有することができる。
【0067】
前記ステップ(S110)~前記ステップ(S130)は、熱処理炉を用いて行われ得、一つの熱処理炉で前記ニッケル塩、前記シェル形成物質、及び前記ニッケルコア粒子が移送されながら順次に行われ得る。
【0068】
前記ニッケルナノ粉末を形成するステップ(S140)は、前記シェル層を湿式の後処理を通じて、前記ニッケルナノ粉末を除去せずに、前記シェル層を選択的に除去してなり得る。前記湿式の後処理は、水を用いて行われてもよく、酸性溶液又は塩基性溶液を用いて行われてもよい。このような後処理のために、前記シェル層が形成された前記ニッケルナノ粉末を用いた熱処理炉から排出させた後、湿式処理機に装入して行われ得る。
【0069】
前記ニッケル塩は、例えば、ニッケルアセテート(nickel acetate)、ニッケルブロミド(nickel bromide)、ニッケルカーボネート(nickel carbonate)、ニッケルクロリド(nickel chloride)、ニッケルフルオリド(nickel fluoride)、ニッケルヒドロキシド(nickel hydroxide)、ニッケルヨージド(nickel iodide)、ニッケルナイトレート(nickel nitrate)、ニッケルオキシド(nickel oxide)、ニッケルホスフェート(nickel phosphate)、ニッケルシリケート(nickel silicate)、ニッケルスルフェート(nickel sulfate)、及びニッケルスルフィド(nickel sulfide)のうちの少なくともいずれか1つを含むことができる。
【0070】
前記シェル形成物質は水溶性金属塩を含むことができる。前記シェル形成物質は、例えば、アルミニウム(Al)、バリウム(Ba)、カルシウム(Ca)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、銅(Cu)、鉄(Fe)、鉛(Pb)、リチウム(Li)、マグネシウム(Mg)、マンガン(Mn)、水銀(Hg)、ニッケル(Ni)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、銀(Ag)、ナトリウム(Na)、ストロンチウム(Sr)、錫(Sn)、ランタン(La)、シリコン(Si)、ガリウム(Ga)、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)、カドミウム(Cd)、アクチニウム(Ac)、セシウム(Cs)、ハフニウム(Hf)及び亜鉛(Zn)のうちの少なくともいずれか1つを含むことができる。
【0071】
前記シェル形成物質は、例えば、金属アセテート(metal acetate)、金属ブロミド(metal bromide)、金属カーボネート(metal carbonate)、金属クロリド(metal chloride)、金属フルオリド(metal fluoride)、金属ヒドロキシド(metal hydroxide)、金属ヨージド(metal iodide)、金属ナイトレート(metal nitrate)、金属オキシド(metal oxide)、金属ホスフェート(metal phosphate)、金属シリケート(metal silicate)、金属スルフェート(metal sulfate)、及び金属スルフィド(metal sulfide)のうちの少なくともいずれか1つを含むことができる。ここで、前記シェル形成物質に含まれる前記金属は、例えば、アルミニウム(Al)、バリウム(Ba)、カルシウム(Ca)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、銅(Cu)、鉄(Fe)、鉛(Pb)、リチウム(Li)、マグネシウム(Mg)、マンガン(Mn)、水銀(Hg)、ニッケル(Ni)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、銀(Ag)、ナトリウム(Na)、ストロンチウム(Sr)、錫(Sn)、ランタン(La)、シリコン(Si)、ガリウム(Ga)、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)、カドミウム(Cd)、アクチニウム(Ac)、セシウム(Cs)、ハフニウム(Hf)及び亜鉛(Zn)のうちの少なくともいずれか1つを含むことができる。
【0072】
上述したニッケルナノ粉末の製造方法(S100)によってニッケルナノ粉末を形成することができる。前記ニッケルナノ粉末は、表面に形成された自然酸化層を含むことができる。上述したニッケルナノ粉末の製造方法(S100)での反応の全区間は還元雰囲気に維持され得、このような場合には、前記ニッケルナノ粉末の表面に自然酸化層が形成されなくなり得る。反応が終了し、前記ニッケルナノ粉末が還元雰囲気から大気雰囲気に移送されると、前記ニッケルナノ粉末の表面に前記自然酸化層が形成され得る。
【0073】
前記ニッケルナノ粉末は、例えば50重量%以上のニッケルを含むことができ、例えば50重量%~100重量%の範囲のニッケルを含むことができる。残部は、酸化物、塩化物などの不可避な不純物で構成され得る。
【0074】
前記ニッケルナノ粉末は、例えば、30nm~200nmの範囲の平均粒度を有することができ、例えば、0.5%~50%の範囲の凝集率を有することができる。
【0075】
前記ニッケルナノ粉末は、コア-シェル構造を有するニッケルナノ粉末であって、ニッケルコア粒子と;前記ニッケルコア粒子の表面を囲み、水溶性金属塩で構成されたシェル層と;を含むことができる。このようなニッケルナノ粉末は、洗浄によって前記シェル層を除去することができる。
【0076】
本発明の技術的思想によるニッケルナノ粉末の製造方法は、様々な金属ナノ粉末を製造する方法に拡張可能である。
【0077】
図2は、本発明の技術的思想による金属ナノ粉末の製造方法(S200)を示すフローチャートである。
【0078】
図2を参照すると、前記金属ナノ粉末の製造方法(S200)は、金属塩及びシェル形成物質を提供するステップ(S210)と;前記金属塩から金属コア粒子を核生成及び成長させるステップ(S220)と;前記シェル形成物質を用いて前記金属コア粒子の表面にシェル層を形成するステップ(S230)と;前記シェル層を除去して、金属ナノ粉末を形成するステップ(S240)と;を含む。
【0079】
図3は、本発明の技術的思想によるニッケルナノ粉末の製造方法の原理を説明する概略図である。
【0080】
図3を参照すると、比較例では、ニッケル粒子が核生成及び成長を通じて形成された後、前記ニッケル粒子が互いに凝集(coagulation)するようになり、高温の環境で焼結型(sintering-typed)合体(agglomeration)される。前記焼結型合体は、粒子が焼結によって相対的に強く結合されることを意味する。このような焼結型合体によって、多数のニッケル粒子が合体した場合と、少数のニッケル粒子が合体した場合によって形成されたニッケル粒子のサイズに差が生じることになる。したがって、分級工程を通じて、目標サイズの範囲にニッケル粒子を分離しなければならない。次いで、洗浄工程及び表面酸化を経てニッケルナノ粉末が形成される。前記分級工程によって、大きなサイズに合体されたニッケル粒子が除去されるので、製造されるニッケルナノ粉末の収率が低下する問題がある。
【0081】
反面、本発明の技術的思想によるニッケルナノ粉末の製造方法の実施例では、ニッケルコア粒子が核生成及び成長を通じて形成された後、水溶解性金属物質、すなわち、シェル形成物質で前記ニッケルコア粒子の表面をコーティングさせる。すなわち、表面にシェル層が形成されたニッケルコア粒子を形成することができる。前記ニッケルコア粒子の表面にコーティングされた前記水溶解性金属物質が焼結されることを防止できるので、前記ニッケルコア粒子は非焼結型(non-sintering-typed)凝集(coagulation)される。前記非焼結型凝集は、ニッケル粒子が静電気的結合などによって相対的に弱く結合されることを意味する。次いで、前記ニッケル粒子を洗浄すると、前記ニッケル粒子の表面にコーティングされた前記シェルを構成する前記水溶解性金属物質が除去され、凝集した前記ニッケル粒子は互いに分離される。次いで、表面酸化を経ると、ニッケルナノ粉末が形成される。本実施例では分級工程を行わないため、除去されるニッケル粒子を最小化することができるので、前記ニッケル粒子の収率が増加するようになる。
【0082】
前記シェル形成物質として、前記水溶解性金属物質は、下記のような基準で選定することができる。
【0083】
1)除去の容易性:前記シェル形成物質は、回収されたニッケル粉末から容易に除去できなければならない。例えば、前記シェル形成物質は、水、酸性溶液または塩基性溶液などによって容易に除去できなければならない。また、不溶性化合物を形成しないものが好ましい。
【0084】
2)気相化蒸気圧:前記シェル形成物質は、一定の温度範囲で容易な気相化のための十分な蒸気圧を有しなければならない。
【0085】
3)反応性:前記シェル形成物質は、製造工程で用いられるガス、または反応で生成されたガスと反応性のないものが好ましく、もし反応が起こる場合には、反応生成物が本選定基準を満たさなければならない。また、製造工程の温度で熱分解が起こらないものが好ましく、もし熱分解が起こる場合には、生成物が本選定基準を満たさなければならない。
【0086】
4)固相化蒸気圧:前記シェル形成物質は、一定の温度範囲で容易な固相化のための十分な蒸気圧を有しなければならない。すなわち、前記シェル形成物質を適切な量投入し、適切な温度で適切な量で析出(シェル形成)が発生しなければならない。前記シェルの形成のために過度に多い量のシェル形成物質が必要な場合には、気化に多くのエネルギーが消費されたり、反応速度が減少したりする恐れがある。
【0087】
以下では、前記選定基準によってシェル形成物質を選定する実験例を例示的に説明する。
【0088】
図4は、本発明の技術的思想によるニッケルナノ粉末の製造方法に用いられるシェル形成物質の候補物質の溶解度を示す表である。
【0089】
図4を参照すると、前記シェル形成物質を構成できる化合物のカチオン(cation)とアニオン(anion)による水に対する溶解度を示す。表において、“S”は、よく溶解される場合であり、“ss”は、前記“S”に比べて少なく溶解される場合であり、“I”は、溶解されない場合であり、“DR”は、分解反応が起こる場合である。
【0090】
図4の溶解度に基づいて、前記シェルを形成した後、除去するときに水を使用することを前提として、前記シェル形成物質の候補物質として、アセテート(acetate)化合物、ブロミド(bromide)化合物、及びクロリド(chloride)化合物を選択することができる。
【0091】
次いで、前記シェル形成物質は、高い気相化蒸気圧を有する物質が要求されるところ、前記シェル形成物質の候補物質としてクロリド化合物を選択することができる。
【0092】
次いで、前記シェル形成物質は、製造工程中に使用ガスまたは生成ガスとの反応性がない物質が要求されるところ、エリンガムダイアグラム(ellingham diagram)を用いた。
【0093】
図5は、本発明の技術的思想によるニッケルナノ粉末の製造方法に用いられるシェル形成物質の候補物質に対するエリンガムダイアグラムを示すグラフである。
【0094】
図5を参照すると、反応生成物であるHClの生成自由エネルギーを基準として、MoClは、全範囲の温度で高い生成自由エネルギーを有するので、MoClは安定性が低く、そのため、前記シェル形成物質の候補物質として選択することができない。反面、MgClは、工程温度の全範囲で低い生成自由エネルギーを有するので、MgClは安定性が高く、そのため、前記シェル形成物質の候補物質として選択することができる。
【0095】
このように、エリンガムダイアグラムで提供する生成自由エネルギーを基準として、前記シェル形成物質の候補物質として、MgCl、LaCl、LiCl、SrCl、SiCl、GaCl、ScCl、NaCl、KCl、UCl、TiCl、ZnCl、VCl、ZrCl、UCl、YCl、RbCl、CdCl、AlCl、AcCl、CaCl、BaCl、CsCl、HfClなどを選択することができる。
【0096】
次いで、前記シェル形成物質の候補物質は、工程条件上の与えられた温度領域でシェルを形成するのに十分な蒸気圧を有する必要がある。したがって、沸点を基準として、例えば300℃以上、例えば700℃以上の沸点を有する物質を基準として、前記シェル形成物質の候補物質として、MgCl、LaCl、LiCl、NaCl、KCl、ZnCl、YCl、RbCl、CdCl、CaCl、BaCl、CsClなどを選択することができる。
【0097】
次いで、固相化蒸気圧の選択基準を満たすために、温度別の平衡蒸気圧を検討する必要があり、これによって、クラウジウス-クラペイロンの関係(Clausius-Clapeyron relation)を用いて、前記シェル形成物質の候補物質として、NaCl、KCl、ZnCl、LiCl、CaCl、MgCl、CsCl、BaClなどを選択することができる。
【0098】
図6は、本発明の技術的思想によるニッケルナノ粉末の製造方法を行う金属ナノ粉末の製造装置100を示す概略図である。
【0099】
図6を参照すると、金属ナノ粉末の製造装置100は、気化領域110、還元反応領域120、及びシェル層形成領域130に区分することができる。
【0100】
気化領域110では、ニッケル塩とシェル形成物質が気化することができ、例えば、300℃~1200℃の範囲の温度を有することができる。
【0101】
還元反応領域120では、前記ニッケル塩が還元ガスと還元反応してニッケルコア粒子を形成することができ、例えば、800℃~1200℃の範囲の温度を有することができる。
【0102】
シェル層形成領域130では、前記ニッケルコア粒子の表面にシェルが形成され得、例えば、300℃~1200℃の範囲の温度を有することができる。
【0103】
金属ナノ粉末の製造装置100は、反応器本体部140と、反応器本体部140の外側に位置し、反応器本体部140に熱を提供するヒータ部150と、反応器本体部140の一端部に位置し、キャリアガスを供給するキャリアガス供給部160と、反応器本体部140の一端部に位置し、還元ガスを供給する還元ガス供給部170と、反応器本体部140の他端部に位置し、排出されるガスをフィルタリングして、シェルが形成されたニッケルコア粒子を取得するフィルタ部180とを含む。
【0104】
金属ナノ粉末の製造装置100の作動方法は、次の通りである。
【0105】
金属ナノ粉末の製造装置100の反応器本体部140内にニッケル塩とシェル形成物質190を気化領域110に装入する。このような装入は、収容容器にニッケル塩とシェル形成物質190を収容して行われるか、または注入機のような装置を用いて行われ得る。また、ニッケル塩とシェル形成物質190は、混合されて共に装入されるか、または別個にそれぞれ装入されてもよい。
【0106】
気化領域110において、ヒータ部150によってニッケル塩とシェル形成物質190が加熱されて気化すると、キャリアガス供給部160を通じて供給されたキャリアガスによって、前記ニッケル塩と前記シェル形成物質は還元反応領域120に移送される。
【0107】
還元反応領域120において、気化した前記ニッケル塩と前記シェル形成物質が、温度が維持されるか、または増加するように、ヒータ部150によって熱が供給され得る。還元ガス供給部170を通じて供給された還元ガスによって前記ニッケル塩が還元反応してニッケルコア粒子を形成する。次いで、前記キャリアガスによって、前記ニッケルコア粒子及び前記シェル形成物質はシェル層形成領域130に移送される。
【0108】
シェル層形成領域130において、前記ニッケルコア粒子と前記シェル形成物質は、温度が維持されるか、または徐々に減少するように、ヒータ部150によって熱が供給され得る。しかし、これは例示的であり、ヒータ部150は省略されてもよい。シェル層形成領域130で雰囲気温度が減少し、これによって、前記ニッケルコア粒子の表面にシェル形成物質が付着されてシェル層を形成する。
【0109】
前記シェル層が形成された前記ニッケルコア粒子は、前記キャリアガスによってフィルタ部180に移送され、フィルタ部180でフィルタリングされる。
【0110】
実験例
【0111】
以下、本発明の理解を助けるために好ましい実験例を提示する。但し、下記の実験例は本発明の理解を助けるためのものに過ぎず、本発明が下記の実験例によって限定されるものではない。
【0112】
下記の実験例において、ニッケル塩はNiCl六水和物を使用し、シェル形成物質としてKCl無水和物またはNaCl無水和物を使用した。前記ニッケル塩と前記シェル形成物質は、様々な重量比率で混合して蒸留水に溶解した。次いで、噴霧乾燥を用いて固相のニッケル塩とシェル形成物質の混合粉末を形成し、該混合粉末を、本発明の製造方法において前記ニッケル塩及びシェル形成物質を提供するステップで提供した。次いで、上述したニッケルナノ粉末の製造方法を用いてニッケルナノ粉末を形成した。
【0113】
比較例の場合には、ニッケル塩はNiClのみを使用して気化させ、水素ガスと反応させて気相析出してニッケルナノ粉末を形成した。すなわち、比較例ではシェル形成物質を使用しなかった。
【0114】
表1は、本発明の実施例の前記ニッケル塩と前記シェル形成物質の様々な混合重量比率を示す表である。
【0115】
【表1】
【0116】
図7及び図8は、本発明の技術的思想によるニッケルナノ粉末の製造方法を用いて形成したニッケルナノ粉末を示す走査電子顕微鏡写真である。
【0117】
図7及び図8を参照すると、比較例では、焼結型合体したニッケルナノ粉末が多く観察された。これは、前記シェル形成物質を使用しなかったため、固相化されたニッケル粒子が高温で互いに合体して焼結され、このように合体されたニッケル粒子を後続工程で分離することが難しいためであると分析される。
【0118】
前記シェル形成物質として前記KCl無水和物を使用した場合を分析すると、実施例1及び実施例2では、前記焼結型合体したニッケルナノ粉末が相対的に少なく観察され、実施例3ではほとんど観察されなかった。
【0119】
前記シェル形成物質として前記NaCl無水和物を使用した場合を分析すると、実施例4、実施例5、及び実施例6で前記焼結型合体したニッケルナノ粉末が相対的に少なく観察された。
【0120】
図9及び図10は、本発明の技術的思想によるニッケルナノ粉末の製造方法を用いて形成したニッケルナノ粉末のサイズ分布を示すグラフである。
【0121】
図9及び図10を参照すると、比較例と実施例1~実施例6のニッケルナノ粉末のサイズ分布が示されている。前記グラフを基準として、製造したニッケルナノ粉末の平均粒度、粒度分布、及び凝集率を表2に示した。下記の表2において、平均粒度は中央直径値を用い、粒度分布は幾何標準偏差を用いた。
【0122】
【表2】
【0123】
表2を参照すると、比較例に比べて、実施例は平均粒度が減少し、凝集率も減少傾向を示した。前記シェル形成物質としてKClを使用した実施例1~実施例3において、前記NiCl六水和物の含量が高いほど、平均粒度が小さくなり、凝集率が減少することがわかる。前記シェル形成物質としてNaClを使用した実施例4~実施例6において、前記NiCl六水和物の含量が高いほど、平均粒度が小さくなり、凝集率が減少した。しかし、実施例4と実施例5は、比較例に比べて、凝集率は多少高く示された。
【0124】
図11は、本発明の技術的思想によるニッケルナノ粉末の製造方法を用いて形成したニッケルナノ粉末の凝集した状態を示す。
【0125】
図11を参照すると、図7及び図8のニッケルナノ粉末の走査電子顕微鏡写真において、ニッケル粒子が2個、3個、4個、及び5個が凝集した状態を示す。これによって、前記写真から凝集粒子の数を算出して表3に示した。
【0126】
【表3】
【0127】
表3を参照すると、比較例に比べて、実施例は凝集粒子の個数が全般的に減少した。特に、前記シェル形成物質としてKClを使用した実施例3では、凝集粒子の顕著な減少を示した。
【0128】
前記結果を分析すると、前記シェル形成粒子(KCl又はNaCl)に対してニッケル塩(NiCl六水和物)の重量比率が高いほど、焼結型合体したニッケル粒子が減少し、非焼結性凝集された後、個別化されたニッケルナノ粉末をさらに容易に形成することができる。また、NaClに比べてKClがニッケル粒子の凝集の防止にさらに効果的であることがわかる。これは、同じ温度でKClに比べてNaClの析出量がさらに少ないためであると分析される。
【0129】
図12は、本発明の技術的思想によるニッケルナノ粉末の製造方法を用いて形成したニッケルナノ粉末の蒸留水を用いて洗浄した後のナノ粉末の表面状態を示す走査電子顕微鏡写真である。
【0130】
図12を参照すると、比較例はシェル形成物質を使用しなかったため、洗浄前と洗浄後のナノ粉末の表面状態に変化がほとんどなかった。反面、実施例3の場合には、蒸留水を用いた洗浄によってシェル層が除去されて、ニッケルナノ粉末が個別化されることを確認できる。
【0131】
図13は、本発明の技術的思想によるニッケルナノ粉末の製造方法を用いて形成したニッケルナノ粉末の蒸留水を用いて洗浄した後のEDS分析結果を示すグラフである。
【0132】
図13を参照すると、比較例の場合にはシェル形成物質を使用しなかったため、カリウムの含量が示されず、ニッケル粉末の形成のために使用された塩素の含量は洗浄によって減少した。
【0133】
実施例の場合には、洗浄前には、ニッケルコア粒子を囲み、KClで構成されたシェルが存在するので、カリウムと塩素の含量が高く示され、洗浄後には、カリウムの含量は示されず、塩素の含量も非常に低下したことがわかる。したがって、実施例で洗浄によってシェルが効果的に除去されてニッケルナノ粉末を形成することがわかる。前記ニッケルナノ粉末においてニッケルの含量は、洗浄前には56.59重量%と示され、洗浄後には99.61重量%と示された。実施例の場合が、比較例に比べてニッケルナノ粉末に含有された塩素の含量がさらに低く示された。
【0134】
以上で説明した本発明の技術的思想が前述した実施例及び添付の図面に限定されず、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で様々な置換、変形及び変更が可能であるということは、本発明の技術的思想が属する技術分野における通常の知識を有する者にとって明らかであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2023-04-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニッケル塩及びシェル形成物質を提供するステップと、
前記ニッケル塩からニッケルコア粒子を核生成及び成長させるステップと、
前記シェル形成物質を用いて前記ニッケルコア粒子の表面にシェル層を形成するステップと、
前記シェル層を除去して、ニッケルナノ粉末を形成するステップとを含む、ニッケルナノ粉末の製造方法。
【請求項2】
前記シェル層は、前記ニッケルコア粒子の非焼結性凝集を誘導し、
前記シェル層を除去することによって、非焼結性凝集した前記ニッケルコア粒子は個別化されて、前記ニッケルナノ粉末を形成する、請求項1に記載のニッケルナノ粉末の製造方法。
【請求項3】
前記ニッケル塩及びシェル形成物質を提供するステップにおいて、
前記シェル形成物質は、注入ガスの体積当たりのモル比率で0.4mmol/L~2.5mmol/Lの範囲で提供される、請求項1に記載のニッケルナノ粉末の製造方法。
【請求項4】
前記ニッケルコア粒子を核生成及び成長させるステップは、
前記ニッケル塩を還元ガスを用いて還元反応させて、固相の前記ニッケルコア粒子を形成してなる、請求項1に記載のニッケルナノ粉末の製造方法。
【請求項5】
前記シェル層を形成するステップは、
前記ニッケルコア粒子の表面に気化した前記シェル形成物質が析出及び成長して前記シェル層を形成してなる、請求項1に記載のニッケルナノ粉末の製造方法。
【請求項6】
前記シェル層を形成するステップは、
前記ニッケルコア粒子が移送される方向に沿って温度が減少する領域で行われる、請求項1に記載のニッケルナノ粉末の製造方法。
【請求項7】
前記シェル層を形成するステップにおいて、
前記シェル形成物質の生成自由エネルギーは、前記ニッケル塩の生成自由エネルギーに比べて小さい、請求項1に記載のニッケルナノ粉末の製造方法。
【請求項8】
前記ニッケルナノ粉末を形成するステップは、
前記シェル層を湿式の後処理を通じて選択的に除去してなる、請求項1に記載のニッケルナノ粉末の製造方法。
【請求項9】
前記ニッケル塩は、ニッケルアセテート(nickel acetate)、ニッケルブロミド(nickel bromide)、ニッケルカーボネート(nickel carbonate)、ニッケルクロリド(nickel chloride)、ニッケルフルオリド(nickel fluoride)、ニッケルヒドロキシド(nickel hydroxide)、ニッケルヨージド(nickel iodide)、ニッケルナイトレート(nickel nitrate)、ニッケルオキシド(nickel oxide)、ニッケルホスフェート(nickel phosphate)、ニッケルシリケート(nickel silicate)、ニッケルスルフェート(nickel sulfate)、及びニッケルスルフィド(nickel sulfide)のうちの少なくともいずれか1つを含む、請求項1に記載のニッケルナノ粉末の製造方法。
【請求項10】
前記シェル形成物質は水溶性金属塩を含む、請求項1に記載のニッケルナノ粉末の製造方法。
【請求項11】
前記シェル形成物質は、
アルミニウム(Al)、バリウム(Ba)、カルシウム(Ca)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、銅(Cu)、鉄(Fe)、鉛(Pb)、リチウム(Li)、マグネシウム(Mg)、マンガン(Mn)、水銀(Hg)、ニッケル(Ni)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、銀(Ag)、ナトリウム(Na)、ストロンチウム(Sr)、錫(Sn)、ランタン(La)、シリコン(Si)、ガリウム(Ga)、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)、カドミウム(Cd)、アクチニウム(Ac)、セシウム(Cs)、ハフニウム(Hf)及び亜鉛(Zn)のうちの少なくともいずれか1つを含むか、または
金属アセテート(metal acetate)、金属ブロミド(metal bromide)、金属カーボネート(metal carbonate)、金属クロリド(metal chloride)、金属フルオリド(metal fluoride)、金属ヒドロキシド(metal hydroxide)、金属ヨージド(metal iodide)、金属ナイトレート(metal nitrate)、金属オキシド(metal oxide)、金属ホスフェート(metal phosphate)、金属シリケート(metal silicate)、金属スルフェート(metal sulfate)、及び金属スルフィド(metal sulfide)のうちの少なくともいずれか1つを含む、請求項1に記載のニッケルナノ粉末の製造方法。
【請求項12】
請求項1に記載の製造方法を用いて形成され、ニッケルで構成された、ニッケルナノ粉末であって、
前記ニッケルナノ粉末は、30nm~200nmの範囲の平均粒度を有し、
0.5%~50%の範囲の凝集率を有する、ニッケルナノ粉末。
【請求項13】
前記ニッケルナノ粉末は、表面に形成された自然酸化層を含む、請求項12に記載のニッケルナノ粉末。
【請求項14】
前記ニッケルナノ粉末は、50重量%~100重量%の範囲のニッケルを含む、請求項12に記載のニッケルナノ粉末。
【請求項15】
コア-シェル構造を有するニッケルナノ粉末であって、
ニッケルコア粒子と、
前記ニッケルコア粒子の表面を囲み、水溶性金属塩で構成されたシェル層とを含む、ニッケルナノ粉末。
【請求項16】
金属塩及びシェル形成物質を提供するステップと、
前記金属塩から金属コア粒子を核生成及び成長させるステップと、
前記シェル形成物質を用いて前記金属コア粒子の表面にシェル層を形成するステップと、
前記シェル層を除去して、金属ナノ粉末を形成するステップと;を含む、金属ナノ粉末の製造方法。
【国際調査報告】