(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-20
(54)【発明の名称】電気保護装置用の電気アーク消弧室および少なくとも1つのこのような消弧室を備える電気保護装置
(51)【国際特許分類】
H01H 9/34 20060101AFI20231013BHJP
H01H 33/08 20060101ALI20231013BHJP
【FI】
H01H9/34
H01H33/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023504538
(86)(22)【出願日】2021-07-20
(85)【翻訳文提出日】2023-03-22
(86)【国際出願番号】 EP2021070207
(87)【国際公開番号】W WO2022018053
(87)【国際公開日】2022-01-27
(32)【優先日】2020-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516314136
【氏名又は名称】ヘイガー-エレクトロ エスエーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ブレーズ,バートランド
(72)【発明者】
【氏名】エロイ,ステファン
(72)【発明者】
【氏名】ファッセル,リュック
【テーマコード(参考)】
5G027
【Fターム(参考)】
5G027AA03
5G027BA07
5G027BC04
5G027BC07
5G027BC20
(57)【要約】
電気保護装置用の電気アーク消弧室および少なくとも1つのこのような消弧室を備える電気保護装置。本発明は、互いに離間される並置金属分離板(1)と、分離板を定位置に保持するために分離板の両側に配置された少なくとも2つのフランジ(2)とを備える電気アーク消弧室に関する。消弧室はさらに、並置金属分離板に沿って延在する各々のフランジ(2)の内面(2a)に配置された少なくとも1つの補強部材(3)を備え、分離板の各々の側面(1a)は、切欠き(10a)から突出する少なくとも1つの保持要素(100a)が設けられた少なくとも1つの切欠き(10a)を備え、各々の補強部材(3)は、切欠きに挿入され、保持要素は、補強部材およびフランジを貫通して分離板間の間隔の維持を強化する。本発明はさらに、このような消弧室を備える電気保護装置に関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気保護装置用の電気アーク消弧室であって、前記消弧室は、電気接点の分離/開放中に形成される電気アークを消滅させることができ、前記電気接点に対向するように意図された前部(A)と後部(A’)とを有し、互いに離間され、並置軸(X)に沿って延在する並置金属分離板(1)と、互いに対向しており、それぞれが内面(2a)を有し、前記分離板(1)の両側に配置されて前記並置軸(X)に対して横方向の位置で保持することによって前記消弧室の2つの側面を画定する少なくとも2つのフランジ(2)とを備え、各々の分離板(1)は、前記フランジ(2)の内面にそれぞれ固定された2つの対向する側面(1a)と、前記消弧室の前記後部(A’)および前記前部(A)にそれぞれ位置する後面(1b)および前面(1c)とを備える、消弧室であり、前記消弧室は、並置方向に沿って延在する肉厚部の形成を伴って各々のフランジ(2)の前記内面(2a)に配置された少なくとも1つの補強部材(3)をさらに備えること、前記分離板(1)の各々の側面(1a)は、少なくとも1つのスロット(10a)から突出する少なくとも1つの保持要素(100a)が設けられた少なくとも1つのスロット(10a)を備え、各々の補強部材(3)は、前記分離板(1)の対応する側面(1a)の前記スロット(10a)に挿入または押込み嵌めされ、前記スロット(10a)の前記保持要素は、対応する補強部材(3)および対応するフランジ(2)の両方を貫通して、電気アークが発生したときに前記分離板(1)間の間隔の維持を強化することを特徴とする、消弧室。
【請求項2】
各々の保持要素(100a)は、対応する補強部材(3)および対応するフランジ(1)を貫通し、前記フランジ(1)を越えて外方に突出するように、そのスロット(10a)から突出することを特徴とする、請求項1に記載の消弧室。
【請求項3】
前記フランジ(2)の1つと前記分離板(1)との間にそれぞれ位置決めされ、前記分離板(1)の前面(1b)上で並置方向に沿って延在する少なくとも2つの保護要素(4)をさらに備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の消弧室。
【請求項4】
各々のスロット(10a)は、前記側面(1a)の中央部分に形成されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の消弧室。
【請求項5】
各々の補強部材(3)は、前記並置軸(X)に平行に延在する直方体の全体形状を有し、各々のスロット(10a)は、相補的なU字形状を有すること、および各々のスロット(10a)の前記保持要素(100a)は、U字の底部から前記スロット(10a)の外方に突出することを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の消弧室。
【請求項6】
各々のフランジ(2)は、前記消弧室の後部(A’)に位置する後面(2b)を備えること、前記消弧室は、濾過室(5’)と、その両側に、前記消弧室の内側に対向し、電気アークの発生により生じる消弧ガスおよび材料突起が前記濾過室(5’)に入ることを可能にする内面(5b)と、前記消弧ガスおよび/または前記材料突起を排出するための外面(5a)とを備える濾過カバー(5)をさらに備え、前記濾過カバー(5)は、好ましくは取り外し可能に、前記フランジ(2)の前記後面(2c)に固定されること、および前記内面(5b)は、電気アークが発生したときに前記後部(A’)における前記分離板(1)間の間隔の維持を強化するために前記消弧室の前記後部(A’)において各々が2つの隣接する分離板(1)間に挿入されたスペーサ要素(5c)を備え、前記スペーサ要素(5c)は、並置方向の長さの全体または一部にわたって分布するように前記内面(5a)に配置されることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の消弧室。
【請求項7】
前記濾過カバー(5)は、スナップ嵌め/弾性押込み嵌めアセンブリによって前記フランジ(2)の前記後面(2b)に固定され、前記スナップ嵌め/弾性押込み嵌めアセンブリは、好ましくは反転可能であり、前記フランジ(2)の前記後面(2b)に配置または形成された第1のスナップ嵌め/弾性押込み嵌め手段(20b)と、前記第2のスナップ嵌め/弾性押込み嵌め手段と相互作用してスナップ嵌め/弾性押込み嵌めアセンブリを形成するように前記濾過カバー(5)の前記内面(5b)に配置または形成された第2のスナップ嵌め/弾性押込み嵌め手段(5f)とを備えることを特徴とする、請求項6に記載の消弧室。
【請求項8】
前記第1のスナップ嵌め/弾性押込み嵌め手段(20b)は、各々のフランジ(2)の前記後面(2b)から突出する少なくとも2つのT字形の雄部材から構成され、前記第2のスナップ嵌め/弾性押込み嵌め手段(5b)は、スナップ嵌め/弾性押込み嵌めによって前記T字形の雄部材のうちの1つをそれぞれ受容するように、前記濾過カバー(5)の前記内面(5a)に形成された少なくとも2つの受容キャビティから構成されることを特徴とする、請求項7に記載の消弧室。
【請求項9】
前記濾過カバー(5)は、前記内面(5a)に垂直な2つの対向する外面(5g)を備え、各々の受容キャビティ(5f)は、前記内面(5a)に形成され、前記外面(5g)のうちの1つに続くことを特徴とする、請求項8に記載の消弧室。
【請求項10】
電気回路に接続するためのコネクタと、互いに離間して電気接点間の電流の流れを遮断することができる少なくとも1対の電気接点と、前記電気接点を分離することができる少なくとも1つのトリガ機構と、故障を検出し、前記電気接点の分離を制御するための少なくとも1つの保護機構と、前記電気接点の分離中に形成される電気アークを消滅させることができ、前記電気接点に対向する前部と、前記電気接点の分離中に電気アークの発生により生じる消弧ガスおよび/または材料突起を排出するための後部(A’)とを有する少なくとも1つの消弧室とを備える電気保護装置であって、前記消弧室または前記消弧室のうち少なくとも1つの消弧室が請求項1~9のいずれか一項に記載の消弧室から構成されることを特徴とする電気保護装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気保護回路の分野に関し、より詳細には、電気アーク消弧室を備える回路遮断器などの電気保護装置に関し、電気保護装置用の電気アーク消弧室、および少なくとも1つのそのような消弧室を備える電気保護装置に関する。
【背景技術】
【0002】
回路遮断器などの電気保護装置は、例えば家庭用または工業用配電網内の電気回路における電流の流れを遮断することができることが知られている。前記電気回路において短絡または過負荷などの故障または事故を検出したときに電気保護装置によってトリガされるこの遮断により、電線路、機器および/または人を保護することができる。
【0003】
これらの電気保護装置は、電気回路に接続するためのコネクタと、故障を検出するための保護機構(一般にバイメタル板および/またはサーマルリレーおよび/または電子回路タイプ)と、電流の遮断を可能にするために分離され得る少なくとも1対の電気接点と、前記接点を分離することができるトリップ機構と、故障を検出し、故障検出時に接点の分離を制御するための保護機構とを備える。また、これらの電気保護装置は、一般に、電気保護装置を手動で切断またはリセットし、その状態を指定するのに役立つレバーを備える。
【0004】
これらの電気保護装置に関する既知の問題は、電流の存在下で、接点が分離されているときに接点において電気アークが形成され、そのことにより電流が接点間を通過することが可能になることである。さらに、電気アークのエネルギーまたは温度が高いときに、特に電気アークのコアにおいて、電離ガスまたはプラズマであるコアは、金属の蒸発および溶融材料の突起によって接点の劣化を引き起こす可能性がある。
【0005】
この欠点を克服するために、電気保護装置は、電気アークを消滅させるための少なくとも1つの消弧室をさらに備える。このような消弧室は、平行に一緒に保持され、消弧室の2つの対向する側面を画定する側壁(エンドプレートまたはフランジとも呼ばれる)によって互いに離間されたプレートのスタックを垂直方向に形成する、並置された平坦金属板を備える。セパレータまたはプレートレットとも呼ばれるこれらのプレートは、電気アークを2つのプレート間にある空間と同じ数の電気アークに分割することを可能にし、電気アークを長くする。プレートはまた、電気アークによって生成されるエネルギーの少なくとも一部を吸収または貯蔵することを可能にする。したがって、プレートは、電気アークを消滅させること、またはその消弧に寄与することを可能にし、ひいては接点を開放することによる電流の最終的な遮断に寄与することを可能にする。
【0006】
しかしながら、これらの消弧室は、電気アークが消弧室の入口、消弧室のプレートとフランジとの間の接合部に長時間留まる傾向があり、その結果フランジの腐食を引き起こし、このことが消弧室の早期摩耗につながり、電気保護装置の有効性および信頼性を低下させるので、必ずしも満足できるものではない。
【0007】
文献EP3236482A1(欧州特許出願公開第3236482号公報)の主題は、電流の入力端子および出力端子に接続された分離可能な電気接点の分離中に形成される電気アークを消滅させるための消弧室を備え、さらにこの欠点を克服することを可能にする回路遮断器タイプの電気保護装置である。電気消弧室は、回路遮断器が低電圧および高強度電流に使用される場合に、高い耐久性およびより優れた耐摩耗性を有する。消弧室は、互いに離間された分離板のスタックと、スタックの両側に配置された側壁(フランジ)とを備える。分離板は、側面によって側壁に接合されることによって、側壁に固定される。消弧室はさらに、電気接点に対向する消弧室の前部における側壁と分離板との間の接合部において、スタックの両側の側壁に沿って、消弧室の内側に配置された保護要素を備える。これらの保護要素は、側壁に隣接する前部の分離板の角部を覆い、これらの角部を電気接点から分離する。したがって、保護要素は、特に電気アークが長期間にわたって消弧室の入口に留まるときに、電気アークが消弧室のフランジを損傷することを防止する。さらに、各々の保護要素の1つの側面の凹形状は、アークを消弧室の中央領域に向かって案内するように作用する。消弧室はまた、消弧室の後部に形成された排出オリフィスが設けられた濾過システムを備える。
【0008】
しかしながら、これらの保護要素の存在にもかかわらず、文献EP3236482A1(欧州特許出願公開第3236482号公報)に開示されているタイプの回路遮断器では、特に金属分離板および電気アークが発生したときのそれらの間隔の保持に関して、依然として信頼性の問題がある。これは、電気接点の分離時に電気アークが発生すると、前記金属分離板が互いに引き合う磁場を受け、そのことにより金属分離板が変形またはねじれを引き起こし、金属分離板を互いに接触させる作用を有するか、または金属分離板を溶接までもして、電流の二次または別の遮断に対して金属分離板を無効にするからである。さらに、保護要素は、電気アークの断片化が形成されたときに強力な爆風にさらされ、その結果、保護要素が劣化するか、さらには引き裂かれる可能性がある。
【0009】
さらに、濾過システムに関しては、一般に、消弧室の側壁の後面に金属ねじによって固定されるカバーの形態でアセンブリに組み込まれる。これらの金属ねじは、絶縁耐力を低下させるという欠点を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、これらの欠点を解消することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明によれば、電気保護装置用の電気アーク消弧室であり、前記消弧室は、電気接点の分離/開放中に形成される電気アークを消滅させることができ、前記電気接点に対向するように意図された前部と後部とを有し、互いに離間され、並置軸に沿って延びる並置金属分離板と、互いに対向しており、それぞれが内面を有し、前記分離板の両側に配置されて並置軸に対して横方向の位置で保持することによって消弧室の2つの側面を画定する少なくとも2つのフランジとを備え、各々の分離板は、前記フランジの内面にそれぞれ固定された2つの対向する側面と、消弧室の後部および前部にそれぞれ位置する後面および前面とを備える消弧室であって、消弧室は、並置方向に沿って延在する肉厚部の形成を伴って各々のフランジの内面に配置される少なくとも1つの補強部材をさらに備えること、および分離板の各々の側面は、スロットから突出する少なくとも1つの保持要素が設けられた少なくとも1つのスロットをさらに備え、各々の補強部材は、分離板の対応する側面のスロットに挿入または押込み嵌めされ、前記スロットの保持要素は、電気アークが発生したときに分離板間の間隔の維持を強化するように、対応する補強部材および対応するフランジの両方を貫通することを本質的に特徴とする電気アーク消弧室が提供される。
【0012】
本発明はまた、電気回路に接続するためのコネクタと、互いに離間して電気接点間の電流の流れを遮断することができる少なくとも1対の電気接点と、前記電気接点を分離することができる少なくとも1つのトリガ機構と、故障を検出し、電気接点の分離を制御するための少なくとも1つの保護機構と、電気接点の分離中に形成される電気アークを消滅させることができ、前記電気接点に対向する前部と、前記電気接点の分離中に電気アークの発生により生じる消弧ガスおよび/または材料突起を排出するための後部とを有する少なくとも1つの消弧室とを備える電気保護装置であって、前記消弧室または少なくとも1つの消弧室が本発明に係る消弧室から構成されることを本質的に特徴とする電気保護装置に関する。
【0013】
本発明は、非限定的な例として示され、添付の概略図を参照しながら説明される好ましい実施形態に関する以下の説明によって、より良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】保護要素とスペーサ要素を有する濾過カバーとを備える好ましい実施形態における、本発明に係る消弧室の4分の3の斜視図である。
【
図5】
図1に示す消弧室の分離板における消弧室の断面図である。
【
図6】スペーサ要素列における2つの分離板間の断面図である。
【
図7】スペーサ要素が内面の一部に集められた状態の内面を示す濾過カバーの斜視図である。
【
図8】本発明に係る消弧室を備える電気保護装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図面は、本発明に係る電気保護装置用の電気アーク消弧室を示しており、前記消弧室は、電気接点の分離/開放中に形成される電気アークを消滅させることができ、前記電気接点に対向するように意図された前部Aと、後部A’(前記前部Aの反対側)とを有する。消弧室は、
【0016】
互いに離間され、並置軸Xに沿って延在する、好ましくは平坦な形態の並置金属分離板1と、
【0017】
少なくとも2つのフランジ2であって、互いに対向し、各々が内面2a(すなわち消弧室の内側に対向する面)を有し、並置軸Xに対して横方向の位置に分離板1を保持するように前記分離板1の両側に配置されることによって消弧室の2つの側面を画定する、少なくとも2つのフランジ2とを備える。
【0018】
各々の分離板1は、前記フランジ2の内面2aにそれぞれ固定された2つの対向する側面1aと、消弧室の後部A’および前部Aにそれぞれ位置する後面1bおよび前面1cとを備える。
【0019】
本発明によれば、このような消弧室はさらに、電気アークが発生したときに分離板1の保持およびそれらの間の間隔の維持を強化することを可能にし、並置方向に沿って、すなわち消弧室が組み立てられた状態で、分離板1の後面1aと前面1bとの間に延在する肉厚部の形成を伴って各フランジ2の内面2a上に配置される少なくとも1つの補強部材3を備える。さらに、分離板1の各々の側面1aは、少なくとも1つのスロット10aを備え、スロット10aは、好ましくは対応する分離板1の平面内で、スロット10aから突出する、例えばラグまたはパッドタイプの少なくとも1つの保持要素100aを有する。
【0020】
各々の補強部材3は、分離板1の対応する側面1aのスロット10aに挿入または押込み嵌めされ、前記スロット10aの保持要素100aは、分離板1間の間隔の維持を強化ために、対応する補強部材3および対応するフランジ1の両方を貫通する。
【0021】
並置方向の両側において、スロット10aは、並置軸Xに平行に延在する少なくとも一連のスロット10aを形成する。同様に、このように形成された肉厚部は、並置方向に沿って、好ましくは並置軸Xに平行に延在する。
【0022】
肉厚部は、対応する内面2aの表面の一部にわたってフランジ2の厚さだけ厚くなった厚さを有し、各々の保持要素100aは、対応する補強部材3および対応するフランジ1の両方をそれらの厚さ方向に貫通することを理解されたい。
【0023】
好ましくは、
図1、
図5および
図6に示されるように、各々の保持要素100aは、対応する補強部材3および対応するフランジ1を貫通し、前記フランジ1を越えて外方に突出するように、そのスロット10aから突出する。
【0024】
本発明に係る補強部材1は、分離板1間の間隔の維持を強化することを可能にする。これは、各々のフランジ2の内面2a上に肉厚部を形成する各々の補強部材1と、補強部材3の厚さおよびフランジ2の厚さの両方を貫通する保持要素100aとにより、前記補強部材3を含まない1.5mmではなくて、より大きい厚さにわたって(例えば、約3mmの厚さにわたって)、補強部材3おいて分離板1を保持する効果を有することが可能になるからである。さらに、好ましくは、各々の保持要素100aが、フランジ2を越えて外方に突出することができるように設けられる場合、その突出部分は、リベット締めの方法で全体を確実に固定し、ひいては分離板1の保持をさらに強化するように、それらを平らにするか、または平らにして広げられ得る。
【0025】
好ましくは、各々の補強部材1は、
図3でより詳細に示されるように、並置方向に沿って、好ましくは並置軸Xに平行に延在する細長い形態、例えば長方形を有し得、単一片でまたは一体的に作成され得る。別の形態では、添付図面に示されていない実施形態において、各々の補強部材1は、各々が1つまたは複数のスロット10aに挿入または押込み嵌めされた複数の基本補強要素1から構成され得る。
【0026】
フランジ2(好ましくは、平坦である)は、保持要素100aを受容するための開口部2d(好ましくは、貫通開口部)を備え、保持部材3は、保持要素100aを受容し、保持要素100aの各々が、必要に応じてフランジ2を越えて外方に突出することによって、保持部材3およびフランジ2の両方を貫通することを可能にするための貫通開口部3aを備え得る。したがって、保持部材3の開口部3aは、フランジ2の開口部2dに対向するように作成される(特に
図1、
図2、
図3および
図5を参照)。
【0027】
さらに、分離板1は、例えば文献EP3236482A1(欧州特許出願公開第3236482号公報)から知られているように、分離板1の側面1aから突出し、好ましくは前記分離板1の平面に平行に延在する保持パッド11aを備え得る。
【0028】
さらに、フランジ2は、分離板1をフランジ2にしっかりと固定するように、保持パッド11aの1つをそれぞれ受容することができる開口部2eを備え得る。分離板1の一方の側面1aの各々の保持パッド11aは、前記分離板のスロット10aと前記分離板の後面1bとの間に配置され得る。フランジ2の保持パッド11aの1つを受容することができる各々の開口部2eは、保持部材3と前記フランジ2の後面2bとの間に配置され得る。スロット10aから突出する保持要素100aは、前記保持要素100aが貫通する部材3によって形成される肉厚部と共に、分離板1の位置およびそれらの間の間隔のさらなる維持を確実にすることを可能にする。
【0029】
好ましくは、特に
図1、
図3、
図5および
図6に示されるように、このような消弧室は、フランジ2の1つと分離板1との間にそれぞれ位置決めされ、前記分離板1の前面1cで並置方向に沿って延在する少なくとも2つの保護要素4をさらに備え得る。このような保護要素3は、文献EP3236482A1(欧州特許出願公開第3236482号公報)に記載されているタイプの保護要素であり得、本願ではこれ以上詳細に説明しない。各々の保護要素3(好ましくは電気絶縁材料から作られる)は、電気アークによって生じる爆風に対する良好な耐性を可能にし、分離板1の前面1cを電気的に絶縁することによって分離板1を保護することを可能にする。
【0030】
図1、
図3、
図5および
図7をさらに詳細に参照すると、各々のスロット10aは、さらに効果的に保持するために、好ましくは側面1aの中央部分に形成され得ることがわかる。
【0031】
好ましい実施形態では、各々の補強部材3は、並置軸Xに平行に延在する直方体の全体形状を有し、各々のスロット10aは、相補的なU字形状を有する。この場合、各々のスロット10aの保持要素100aは、U字の底部からスロット10aの外方に突出する。
【0032】
各々のフランジ2は、消弧室の後部A’に位置する後面2bを備える。
【0033】
各々の分離板1は、その側面1aでフランジ2の内面2aと接触している。
【0034】
さらに、本発明によれば、消弧室が、消弧室の後部A’を通る電気アークの発生により生じる消弧ガスを濾過して排出するための濾過カバー5をさらに備え、前記濾過カバー5は、濾過室5’と、その両側に、消弧室の内側に対向し、電気アークの発生により生じる消弧ガスおよび材料突起が前記濾過室5’に入ることを可能にする内面5bと、前記消弧ガスおよび/または前記材料突起を排出するための外面5aとを備えることができる。濾過カバー5は、フランジ2の後面2cに、好ましくは取り外し可能に固定される。
【0035】
図4、
図6および
図7を参照すると、本発明によればさらに、濾過カバー5の内面5bが、消弧室の後部A’における2つの隣接する分離板1間にそれぞれ挿入されたスペーサ要素5cをさらに備え、電気アークが発生したときに後部A’における分離板1間の間隔の維持を強化することができることが分かる。スペーサ要素5cは、並置方向の長さの全体または一部にわたって分布するように、濾過カバー5の内面5b内/内面5b上に配置される。
【0036】
濾過カバー5は、消弧ガスおよび/または突起が濾過室5’に入ることを可能にするために、内面5bを貫通する複数の入口オリフィス5dを備え得る。
図4および
図7に示されるように、スペーサ要素5cは、好ましくは、前記入口オリフィス5dの数を最適化するために並置方向の長さの一部にわたってのみ分布し、それと同時にスペーサ要素5cによって形成される分離板1間の間隔のさらなる維持を依然として最適化するように、内面5bに配置され得る。具体的には、スペーサ要素5cの存在が内面5aの表面積を占め、この占有表面積に入口オリフィス5dが存在しないようにすることを理解されたい。濾過カバー5は、上面5aを貫通し、消弧ガスおよび突起が濾過システム5’を通過した後に消弧ガスおよび突起を外部に排出することができるように意図された排出オリフィス5eをさらに備え得る。
【0037】
組み立てまたは接続の好ましい形態では、濾過カバー5は、スナップ嵌め/弾性押込み嵌めアセンブリによってフランジ2の後面2bに固定され、スナップ嵌め/弾性押込み嵌めアセンブリは、好ましくは反転可能であり、フランジ2の後面2bに配置または形成された第1のスナップ嵌め/弾性押込み嵌め手段20bと、第2のスナップ嵌め/弾性押込み嵌め手段と相互作用してスナップ嵌め/弾性押込み嵌めアセンブリを形成するように濾過カバー5の内面5bに配置または形成された第2のスナップ嵌め/弾性押込み嵌め手段5fとを備える。
【0038】
第1のスナップ嵌め/弾性押込み嵌め手段20bは、各々のフランジ2の後面2bから、好ましくはフランジ2の平面内で突出する、例えばT字形の少なくとも2つの雄部材から構成され得、第2のスナップ嵌め/弾性押込み嵌め手段5fは、スナップ嵌め/弾性押込み嵌めによって前記雄部材のうちの1つをそれぞれ受容するように、濾過カバー5の内面5bに形成された少なくとも2つの受容キャビティから構成され得る。T字の可撓性または弾性変形可能な垂直枝部は、組み立て時に、対応する受容キャビティ5f内への一方向への移動によって雄部材20bが押し込まれたときに雄部材20bの弾性変形を可能にし、T字の水平枝部は、反対方向への移動を防止するように構成された前記受容キャビティ5fの凹部50f内に収容される(
図1、
図2、
図3、
図6および
図7)。
【0039】
本発明は、反転可能なアセンブリを形成し、濾過カバー5を取り外すことができるように、T字の水平枝部の退出を可能にする、内面5b内の受容キャビティ5fの構成を提供することができる。例えば、濾過カバー5は、
図1、
図2、
図3、
図6および
図7に示されるように、内面5aに垂直な2つの対向する外面5gを備え得、各々の受容キャビティ5fは、外面5gのうちの1つに続くように内面5aに形成され得、そのことにより、T字の水平枝部を前記受容キャビティ5fの凹部50fから退出させるためにT字の垂直枝部の弾性変形によってT字の垂直枝部を外面5gの外側に移動させることを可能にする。当然ながら、本発明の範囲から逸脱せずに、同様の効果および結果を得るために、雄部材20bの他の実施形態が想定され得る。
【0040】
さらに、各々の受容キャビティ5fは、
図7でより詳細に示されるように、特に凹部50fに向かう受容キャビティ5fの部分に、1つまたは複数の傾斜面51fを備え、T字の水平枝部が凹部50fにスナップ嵌め/圧入されるまで、前記受容キャビティ5fへの雄部材20bの挿入および/または案内を容易にすることができる。
【0041】
スナップ嵌め手段または弾性圧入手段のスナップ嵌め/弾性圧入は、類似した2つの表現であると見なされる。
【0042】
このようなスナップ嵌め/弾性圧入アセンブリは、現在の消弧室で一般に使用されている金属ねじ(絶縁耐力を低下させるという欠点を有する)の代わりにプラスチック部品を使用することを可能にする。
【0043】
図4、
図5および
図6をより詳細に参照すると、消弧室は、消弧室の前部A’における消弧室への入口から、並置分離板1が占める消弧室の内部空間に向かう電気アークの移動を促進することを可能にする既知のアークホーンCをさらに備え得ることが分かる。このようなアークホーンCは、例えば文献EP3236482A1(欧州特許出願公開第3236482号公報)に記載されている。
【0044】
本発明はまた、電気回路に接続するためのコネクタと、互いに離間して電気接点間の電流の流れを遮断することができる少なくとも1対の電気接点と、前記電気接点を分離することができる少なくとも1つのトリガ機構と、故障を検出し、電気接点の分離を制御するための少なくとも1つの保護機構と、電気接点の分離中に形成される電気アークを消滅させることができ、前記電気接点に対向する前部と、前記電気接点の分離中に電気アークの発生により生じる消弧ガスおよび/または材料突起を排出するための後部A’とを有する少なくとも1つの消弧室とを備える電気保護装置に関する。
【0045】
本発明によれば、
図8に示されるような電気保護装置において、消弧室または消弧室の少なくとも1つは、上述したような本発明に係る消弧室から構成される。特に
図8では、濾過カバー5で示される本発明に係る複数の消弧室(例えば、3つの消弧室)を備えるこのような電気保護装置を見ることができる。各々の消弧室は、その前部が複数対の電気接点を備え得る電気保護装置の電気接点対のうちの1つに対向するように設けられ得る。
【0046】
したがって、本発明に係るこのような消弧室、またはこのような消弧室を備える電気保護装置は、特に、既知の消弧室、またはそのような消弧室を備える既知の電気保護装置に対して、以下の改善を可能にする。
【0047】
分離板1の側面から突出する保持要素によってフランジ2を介して貫通される肉厚部を形成する補強部材3は、電気接点の開放/分離に続いて電気アークが発生するときにそれらの間隔の維持を改善することを可能にし、必要に応じて、スペーサ要素5cは、消弧室の後部A’における分離板1間のこの間隔の維持をさらに強化することを可能にする。
【0048】
濾過カバー5とフランジ2とを固定または接続するスナップ嵌め/弾性押込み嵌めアセンブリは、電気強度を高め、濾過表面積を最適化するために非金属部品を使用することを可能にする。
【0049】
当然ながら、本発明は、説明され添付図面に示された実施形態に限定されない。本発明の保護範囲から逸脱せずに、特に様々な要素の構成の観点から、または技術的等価物を代用することによって、変更が依然として可能である。
【手続補正書】
【提出日】2023-03-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】
各々の補強部材3は、分離板1の対応する側面1aのスロット10aに挿入または押込み嵌めされ、前記スロット10aの保持要素100aは、分離板1間の間隔の維持を強化ために、対応する補強部材3および対応するフランジ2の両方を貫通する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
肉厚部は、対応する内面2aの表面の一部にわたってフランジ2の厚さだけ厚くなった厚さを有し、各々の保持要素100aは、対応する補強部材3および対応するフランジ2の両方をそれらの厚さ方向に貫通することを理解されたい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0023】
好ましくは、
図1、
図5および
図6に示されるように、各々の保持要素100aは、対応する補強部材3および対応するフランジ
2を貫通し、前記フランジ1を越えて外方に突出するように、そのスロット10aから突出する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
本発明に係る補強部材3は、分離板1間の間隔の維持を強化することを可能にする。これは、各々のフランジ2の内面2a上に肉厚部を形成する各々の補強部材3と、補強部材3の厚さおよびフランジ2の厚さの両方を貫通する保持要素100aとにより、前記補強部材3を含まない1.5mmではなくて、より大きい厚さにわたって(例えば、約3mmの厚さにわたって)、補強部材3おいて分離板1を保持する効果を有することが可能になるからである。さらに、好ましくは、各々の保持要素100aが、フランジ2を越えて外方に突出することができるように設けられる場合、その突出部分は、リベット締めの方法で全体を確実に固定し、ひいては分離板1の保持をさらに強化するように、それらを平らにするか、または平らにして広げられ得る。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0025】
好ましくは、各々の補強部材
3は、
図3でより詳細に示されるように、並置方向に沿って、好ましくは並置軸Xに平行に延在する細長い形態、例えば長方形を有し得、単一片でまたは一体的に作成され得る。別の形態では、添付図面に示されていない実施形態において、各々の補強部材
3は、各々が1つまたは複数のスロット10aに挿入または押込み嵌めされた複数の基本補強要素1から構成され得る。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0036】
濾過カバー5は、消弧ガスおよび/または突起が濾過室5’に入ることを可能にするために、内面5bを貫通する複数の入口オリフィス5dを備え得る。
図4および
図7に示されるように、スペーサ要素5cは、好ましくは、前記入口オリフィス5dの数を最適化するために並置方向の長さの一部にわたってのみ分布し、それと同時にスペーサ要素5cによって形成される分離板1間の間隔のさらなる維持を依然として最適化するように、内面5bに配置され得る。具体的には、スペーサ要素5cの存在が内面
5bの表面積を占め、この占有表面積に入口オリフィス5dが存在しないようにすることを理解されたい。濾過カバー5は、上面5aを貫通し、消弧ガスおよび突起が濾過システム5’を通過した後に消弧ガスおよび突起を外部に排出することができるように意図された排出オリフィス5eをさらに備え得る。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0039】
本発明は、反転可能なアセンブリを形成し、濾過カバー5を取り外すことができるように、T字の水平枝部の退出を可能にする、内面5b内の受容キャビティ5fの構成を提供することができる。例えば、濾過カバー5は、
図1、
図2、
図3、
図6および
図7に示されるように、内面5aに垂直な2つの対向する外面5gを備え得、各々の受容キャビティ5fは、外面5gのうちの1つに続くように内面
5bに形成され得、そのことにより、T字の水平枝部を前記受容キャビティ5fの凹部50fから退出させるためにT字の垂直枝部の弾性変形によってT字の垂直枝部を外面5gの外側に移動させることを可能にする。当然ながら、本発明の範囲から逸脱せずに、同様の効果および結果を得るために、雄部材20bの他の実施形態が想定され得る。
【手続補正8】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気保護装置用の電気アーク消弧室であって、前記消弧室は、電気接点の分離/開放中に形成される電気アークを消滅させることができ、前記電気接点に対向するように意図された前部(A)と後部(A’)とを有し、互いに離間され、並置軸(X)に沿って延在する並置金属分離板(1)と、互いに対向しており、それぞれが内面(2a)を有し、前記分離板(1)の両側に配置されて前記並置軸(X)に対して横方向の位置で保持することによって前記消弧室の2つの側面を画定する少なくとも2つのフランジ(2)とを備え、各々の分離板(1)は、前記フランジ(2)の内面にそれぞれ固定された2つの対向する側面(1a)と、前記消弧室の前記後部(A’)および前記前部(A)にそれぞれ位置する後面(1b)および前面(1c)とを備える、消弧室であり、前記消弧室は、並置方向に沿って延在する肉厚部の形成を伴って各々のフランジ(2)の前記内面(2a)に配置された少なくとも1つの補強部材(3)をさらに備えること、前記分離板(1)の各々の側面(1a)は、少なくとも1つのスロット(10a)から突出する少なくとも1つの保持要素(100a)が設けられた少なくとも1つのスロット(10a)を備え、各々の補強部材(3)は、前記分離板(1)の対応する側面(1a)の前記スロット(10a)に挿入または押込み嵌めされ、前記スロット(10a)の前記保持要素は、対応する補強部材(3)および対応するフランジ(2)の両方を貫通して、電気アークが発生したときに前記分離板(1)間の間隔の維持を強化することを特徴とする、消弧室。
【請求項2】
各々の保持要素(100a)は、対応する補強部材(3)および対応するフランジ(
2)を貫通し、前記フランジ(
2)を越えて外方に突出するように、そのスロット(10a)から突出することを特徴とする、請求項1に記載の消弧室。
【請求項3】
前記フランジ(2)の1つと前記分離板(1)との間にそれぞれ位置決めされ、前記分離板(1)の前面(1b)上で並置方向に沿って延在する少なくとも2つの保護要素(4)をさらに備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の消弧室。
【請求項4】
各々のスロット(10a)は、前記側面(1a)の中央部分に形成されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の消弧室。
【請求項5】
各々の補強部材(3)は、前記並置軸(X)に平行に延在する直方体の全体形状を有し、各々のスロット(10a)は、相補的なU字形状を有すること、および各々のスロット(10a)の前記保持要素(100a)は、U字の底部から前記スロット(10a)の外方に突出することを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の消弧室。
【請求項6】
各々のフランジ(2)は、前記消弧室の後部(A’)に位置する後面(2b)を備えること、前記消弧室は、濾過室(5’)と、その両側に、前記消弧室の内側に対向し、電気アークの発生により生じる消弧ガスおよび材料突起が前記濾過室(5’)に入ることを可能にする内面(5b)と、前記消弧ガスおよび/または前記材料突起を排出するための外面(5a)とを備える濾過カバー(5)をさらに備え、前記濾過カバー(5)は、好ましくは取り外し可能に、前記フランジ(2)の前記後面(
2b)に固定されること、および前記内面(5b)は、電気アークが発生したときに前記後部(A’)における前記分離板(1)間の間隔の維持を強化するために前記消弧室の前記後部(A’)において各々が2つの隣接する分離板(1)間に挿入されたスペーサ要素(5c)を備え、前記スペーサ要素(5c)は、並置方向の長さの全体または一部にわたって分布するように前記内面(
5b)に配置されることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の消弧室。
【請求項7】
前記濾過カバー(5)は、スナップ嵌め/弾性押込み嵌めアセンブリによって前記フランジ(2)の前記後面(2b)に固定され、前記スナップ嵌め/弾性押込み嵌めアセンブリは、好ましくは反転可能であり、前記フランジ(2)の前記後面(2b)に配置または形成された第1のスナップ嵌め/弾性押込み嵌め手段(20b)と、前記第2のスナップ嵌め/弾性押込み嵌め手段と相互作用してスナップ嵌め/弾性押込み嵌めアセンブリを形成するように前記濾過カバー(5)の前記内面(5b)に配置または形成された第2のスナップ嵌め/弾性押込み嵌め手段(5f)とを備えることを特徴とする、請求項6に記載の消弧室。
【請求項8】
前記第1のスナップ嵌め/弾性押込み嵌め手段(20b)は、各々のフランジ(2)の前記後面(2b)から突出する少なくとも2つのT字形の雄部材から構成され、前記第2のスナップ嵌め/弾性押込み嵌め手段(
5f)は、スナップ嵌め/弾性押込み嵌めによって前記T字形の雄部材のうちの1つをそれぞれ受容するように、前記濾過カバー(5)の前記内面(
5b)に形成された少なくとも2つの受容キャビティから構成されることを特徴とする、請求項7に記載の消弧室。
【請求項9】
前記濾過カバー(5)は、前記内面(5a)に垂直な2つの対向する外面(5g)を備え、各々の受容キャビティ(5f)は、前記内面(
5b)に形成され、前記外面(5g)のうちの1つに続くことを特徴とする、請求項8に記載の消弧室。
【請求項10】
電気回路に接続するためのコネクタと、互いに離間して電気接点間の電流の流れを遮断することができる少なくとも1対の電気接点と、前記電気接点を分離することができる少なくとも1つのトリガ機構と、故障を検出し、前記電気接点の分離を制御するための少なくとも1つの保護機構と、前記電気接点の分離中に形成される電気アークを消滅させることができ、前記電気接点に対向する前部と、前記電気接点の分離中に電気アークの発生により生じる消弧ガスおよび/または材料突起を排出するための後部(A’)とを有する少なくとも1つの消弧室とを備える電気保護装置であって、前記消弧室または前記消弧室のうち少なくとも1つの消弧室が請求項1~9のいずれか一項に記載の消弧室から構成されることを特徴とする電気保護装置。
【手続補正9】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正10】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【国際調査報告】