(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-20
(54)【発明の名称】スキンケア配合物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/89 20060101AFI20231013BHJP
A61K 8/73 20060101ALI20231013BHJP
A61Q 17/04 20060101ALI20231013BHJP
A61Q 1/00 20060101ALI20231013BHJP
【FI】
A61K8/89
A61K8/73
A61Q17/04
A61Q1/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023517744
(86)(22)【出願日】2021-09-21
(85)【翻訳文提出日】2023-04-18
(86)【国際出願番号】 US2021051168
(87)【国際公開番号】W WO2022066592
(87)【国際公開日】2022-03-31
(32)【優先日】2020-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(71)【出願人】
【識別番号】590001418
【氏名又は名称】ダウ シリコーンズ コーポレーション
(71)【出願人】
【識別番号】590002035
【氏名又は名称】ローム アンド ハース カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110000589
【氏名又は名称】弁理士法人センダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュー、ウェンジュン
(72)【発明者】
【氏名】クルトマンシュ、マルク-アンドレ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン リース、イザベル
(72)【発明者】
【氏名】ディハン、エレーヌ
(72)【発明者】
【氏名】ラン、ティアン
(72)【発明者】
【氏名】イ、ミョンベ
(72)【発明者】
【氏名】マクラフリン、マシュー
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA122
4C083AB191
4C083AB211
4C083AB231
4C083AB232
4C083AB241
4C083AB331
4C083AB431
4C083AC011
4C083AC012
4C083AC021
4C083AC022
4C083AC061
4C083AC062
4C083AC071
4C083AC091
4C083AC172
4C083AC301
4C083AC331
4C083AC791
4C083AC841
4C083AC851
4C083AD092
4C083AD151
4C083AD152
4C083AD172
4C083AD281
4C083AD282
4C083BB23
4C083BB24
4C083CC11
4C083DD31
4C083EE03
(57)【要約】
油/ポリマーブレンドが提供され、油/ポリマーブレンドは、油であって、油は、シリコーン流体、1分子当たり2~30個の炭素原子を含有する流体、及びこれらの混合物からなる群から選択される、油と、増粘ポリマー粉末、すなわち、増粘ポリマーであって、増粘ポリマーは、-Si(R1)3基で官能化されたセルロースポリマーを含む、シリル化セルロースポリマーであり、式中、各R1は、独立して、水素、C1~8アルキル基、C1~8ハロアルキル基、アリール基、C1~8アルキルアリール基、及びC1~8ハロアルキルアリール基からなる群から選択され、セルロースポリマーは、50,000~1,500,000ダルトンの重量平均分子量を有する、増粘ポリマー粉末、すなわち、増粘ポリマーと、を含む、油/ポリマーブレンド。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
油/ポリマーブレンドであって、
(a)油であって、前記油は、シリコーン流体、1分子当たり2~30個の炭素原子を含有する流体、及びこれらの混合物からなる群から選択される、油と、
(b)増粘ポリマー粉末、すなわち、増粘ポリマーであって、前記増粘ポリマーは、-Si(R
1)
3基で官能化されたセルロースポリマーを含む、シリル化セルロースポリマーであり、式中、各R
1は、独立して、水素、C
1~8アルキル基、C
1~8ハロアルキル基、アリール基、C
1~8アルキルアリール基、及びC
1~8ハロアルキルアリール基からなる群から選択され、
前記セルロースポリマーは、50,000~1,500,000ダルトンの重量平均分子量を有する、増粘ポリマー粉末、すなわち、増粘ポリマーと、を含む、油/ポリマーブレンド。
【請求項2】
前記油は、美容的に許容される油である、請求項1に記載の油/ポリマーブレンド。
【請求項3】
前記美容的に許容される油は、直鎖状又は分岐状C
8~30アルカン、C
8~30アルキルエステル、C
8~30カルボン酸エステル、C
8~30直鎖状又は分岐状アルコール、シリコーン流体、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項2に記載の油/ポリマーブレンド。
【請求項4】
前記シリル化セルロースポリマーは、式Iで表され、
【化1】
式中、nは、平均308~9,252であり、各R
2は、独立して、水素、C
1~8アルキル基、及び-Si(R
1)
3基からなる群から選択され、各R
1は、独立して、水素、C
1~8アルキル基、C
1~8ハロアルキル基、アリール基、C
1~8アルキルアリール基、及びC
1~8ハロアルキルアリール基からなる群から選択される、請求項1に記載の油/ポリマーブレンド。
【請求項5】
美容的に許容される担体及び色成分を更に含み、前記油/ポリマーブレンドは、スキンケア配合物である、請求項3に記載の油/ポリマーブレンド。
【請求項6】
前記色成分は、無機顔料、有機顔料、色素、水性顔料分散体、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項5に記載のスキンケア配合物。
【請求項7】
前記色成分は、Ext.D&C Yellow No.2、Ext.D & C Violet No.2、FD&C Red No.4、FD&C Red No.40、FD&C Yellow No.5、FD&C Yellow No.6、FD&C Green No.3、FD&C Blue No.1、D&C Yellow No.7、D&C Yellow No.8、D&C Yellow No.10、D&C Yellow No.11、D&C Violet No.2、D&C Red No.6、D&C Red No.7、D&C Red No.17、D&C Red No.21、D&C Red No.22、D&C Red No.27、D&C Red No.28、D&C Red No.30、D&C Red No.31、D&C Red No.34、D&C Red No.33、D&C Red No.36、D&C Green No.5、D&C Green No.6、D&C Green No.8、D&C Blue No.4、D&C Orange No.4、D&C Orange No.5、D&C Orange No.10、D&C Orange No.11、D&C Brown No.1、アルミニウム粉末、アナトー、クエン酸ビスマス、オキシ塩化ビスマス、ブロンズ粉末、カラメル、カルミン、β-カロテン、水酸化クロムグリーン、酸化クロムグリーン、銅クロロフィリン、銅粉末、ジヒドロキシアセトン、フェロシアン化第二鉄アンモニウム、フェロシアン化第二鉄、グアニン、酸化鉄、マンガンバイオレット、雲母、銀、二酸化チタン、群青、酸化亜鉛、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項5に記載のスキンケア配合物。
【請求項8】
前記色成分は、酸化鉄及び二酸化チタンを含む、請求項5に記載のスキンケア配合物。
【請求項9】
サンケア活性物質を更に含む、請求項4に記載のスキンケア配合物。
【請求項10】
皮膚の外観を向上させる方法であって、
請求項5に記載のスキンケア配合物を提供することと、
前記スキンケア配合物を皮膚に塗布することと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油/ポリマーブレンドに関する。特に、本発明は、油/ポリマーブレンドを含むスキンケア配合物であって、油/ポリマーブレンドは、油であって、油は、シリコーン流体、1分子当たり2~30個の炭素原子を含有する流体、及びこれらの混合物からなる群から選択される、油と、増粘ポリマー粉末、すなわち、増粘ポリマーであって、増粘ポリマーは、-Si(R1)3基で官能化されたセルロースポリマーを含むシリル化セルロースポリマーであり、式中、各R1は、独立して、水素、C1~8アルキル基、C1~8ハロアルキル基、アリール基、C1~8アルキルアリール基、及びC1~8ハロアルキルアリール基からなる群から選択され、セルロースポリマーは、50,000~1,500,000ダルトンの重量平均分子量を有する、増粘ポリマー粉末、すなわち、増粘ポリマーと、を含む、スキンケア配合物に関する。
【0002】
消費者は、一度塗布すると、直し又は修正の必要がなく、作用が一日中及びそれ以降も続くことができるような、長時間持続性を提供するスキンケア配合物をますます望んでいる。現在の活動的な生活スタイルを考慮すると、そのような長持ちするスキンケア配合物を提供することは容易な課題ではない。
【0003】
そのような化粧品配合物を提供するためのアプローチは、Konikらによって米国特許第6,060,072号に開示されている。米国特許第6,060,072号において、Konikらは、5~10%の量のスチレン-エチレン-プロピレンコポリマー、0.1~50%の量のPVP/エイコセンコポリマーとトリコンタニルPVPコポリマーとの組み合わせ、C8~9イソパラフィン、C9~12脂肪族炭化水素、又は50~85%の量のそれらの組み合わせを含む防水又は耐水性化粧品組成物を開示している。
【0004】
それにもかかわらず、保色性と共に効果的な耐摩耗性を提供する新規スキンケア配合物に対する必要性が依然として存在する。
【0005】
本発明は、油/ポリマーブレンドを提供し、油/ポリマーブレンドは、(a)油であって、油は、シリコーン流体、1分子当たり2~30個の炭素原子を含有する流体、及びこれらの混合物からなる群から選択される、油と、(b)増粘ポリマー粉末、すなわち、増粘ポリマーであって、増粘ポリマーは、Si(R1)3基で官能化されたセルロースポリマーを含む、シリル化セルロースポリマーであり、式中、各R1は、独立して、水素、C1~8アルキル基、C1~8ハロアルキル基、アリール基、C1~8アルキルアリール基、及びC1~8ハロアルキルアリール基からなる群から選択され、セルロースポリマーは、50,000~1,500,000ダルトンの重量平均分子量を有する、増粘ポリマー粉末、すなわち、増粘ポリマーと、を含む。
【0006】
本発明は、油/ポリマーブレンドを提供し、油/ポリマーブレンドは、(a)油であって、油は、aであり、美容的に許容される油は、直鎖状又は分岐状C8~30アルカン、C8~30アルキルエステル、C8~30カルボン酸エステル、C8~30直鎖状又は分岐状アルコール、シリコーン流体、及びこれらの混合物からなる群から選択される、油と、(b)増粘ポリマー粉末、すなわち、増粘ポリマーであって、増粘ポリマーは、-Si(R1)3基で官能化されたセルロースポリマーを含む、シリル化セルロースポリマーであり、式中、各R1は、独立して、水素、C1~8アルキル基、C1~8ハロアルキル基、アリール基、C1~8アルキルアリール基、及びC1~8ハロアルキルアリール基からなる群から選択され、セルロースポリマーは、50,000~1,500,000ダルトンの重量平均分子量を有する、増粘ポリマー粉末、すなわち、増粘ポリマーと、を含む。
【0007】
本発明は、スキンケア配合物を提供し、スキンケア配合物は、美容的に許容される担体と、色成分と、油/ポリマーブレンドと、を含み、油/ポリマーブレンドは、(a)油であって、油は、aであり、美容的に許容される油は、直鎖状又は分岐状C8~30アルカン、C8~30アルキルエステル、C8~30カルボン酸エステル、C8~30直鎖状又は分岐状アルコール、シリコーン流体、及びこれらの混合物からなる群から選択される、油と、(b)増粘ポリマー粉末、すなわち、増粘ポリマーであって、増粘ポリマーは、-Si(R1)3基で官能化されたセルロースポリマーを含む、シリル化セルロースポリマーであり、式中、各R1は、独立して、水素、C1~8アルキル基、C1~8ハロアルキル基、アリール基、C1~8アルキルアリール基、及びC1~8ハロアルキルアリール基からなる群から選択され、セルロースポリマーは、50,000~1,500,000ダルトンの重量平均分子量を有する、増粘ポリマー粉末、すなわち、増粘ポリマーと、を含む。
【0008】
本発明は、本発明のスキンケア配合物を提供することと、スキンケア配合物を皮膚に塗布することと、を含む、皮膚の外観を向上させる方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明者らは、驚くべきことに、本明細書に記載されるような特有の油/ポリマーブレンドがスキンケア配合物に配合された場合に、効果的な増粘(好ましくは、0.01sec-1で≧500Pa・s(より好ましくは、0.01sec-1で≧5,000Pa・s))と、効果的なずり減粘(好ましくは、100sec-1で≦10Pa・s(より好ましくは、100sec-1で≦0.5Pa・s))と、ファンデーション、口紅、リップグロス、マスカラ、ヘアオイル、日焼け止めオイル及び制汗剤/防臭剤配合物を含む一連のスキンケア組成物に特性が有益である、良好な耐擦過性と、を提供することをここで見出した。
【0010】
別段示されない限り、比率、百分率、部などは、重量によるものである。
【0011】
本明細書で使用される場合、別段示されない限り、「重量平均分子量」及び「MW」という用語は互換的に使用され、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)及びポリスチレン標準物などの従来の標準物を用いた従来の方式で測定された重量平均分子量を指す。GPC技術は、Modern Size Exclusion Liquid Chromatography:Practice of Gel Permeation and Gel Filtration Chromatography,Second Edition,Striegelら,John Wiley & Sons,2009に詳細に論じられている。重量平均分子量は、本明細書においてダルトンの単位で報告される。
【0012】
本明細書及び添付で使用される用語「美容的に許容される」は、パーソナルケア組成物に典型的に使用される成分を指し、パーソナルケア組成物中に典型的に見られる量で存在する場合に毒性のある材料は、本発明の一部として企図されないことを強調することが意図される。
【0013】
酸性水性クレンジング配合物を参照しつつ本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される用語「美的特徴」は、視覚的及び触覚的感覚特性(例えば、滑らかさ、粘着性、潤滑性、質感、色、透明性、濁度、均一性)を指す。
【0014】
好ましくは、本発明の油/ポリマーブレンドは、(a)油(油/ポリマーブレンドの重量に基づいて、好ましくは、75~99.9重量%(より好ましくは、80~99.7重量%、なおより好ましくは、85~99.6重量%、最も好ましくは、90~99.5重量%)の油)であって、油は、シリコーン流体、1分子当たり2~30個の炭素原子(好ましくは、5~30個の炭素原子、より好ましくは、8~30個の炭素原子、最も好ましくは、10~25個の炭素原子)を含有する流体、及びこれらの混合物からなる群から選択される、油と、(b)増粘ポリマー(油/ポリマーブレンドの重量に基づいて、好ましくは、0.1~25重量%(より好ましくは、0.3~20重量%、なおより好ましくは、0.4~15重量%、最も好ましくは、0.5~10重量%)の増粘ポリマー)であって、増粘ポリマーは、-Si(R1)3基で官能化されたセルロースポリマーを含む、シリル化セルロースポリマーであり、セルロースポリマーは、50,000~1,500,000ダルトンの重量平均分子量を有し、式中、各R1は、独立して、水素、C1~8アルキル基、C1~8ハロアルキル基、アリール基、C1~8アルキルアリール基、及びC1~8ハロアルキルアリール基(好ましくは、水素及びC1~8アルキル基、より好ましくは、C1~4アルキル基、なおより好ましくは、C1~2アルキル基、最も好ましくは、メチル基)からなる群から選択される、増粘ポリマーと、を含む。
【0015】
好ましくは、本発明の油/ポリマーブレンドは、油/ポリマーブレンドの重量に基づいて、75~99.9重量%(好ましくは、80~99.7重量%、より好ましくは、85~99.6重量%、最も好ましくは、90~99.5重量%)の油であって、油は、シリコーン流体、2~30個の炭素原子(好ましくは、5~30個の炭素原子、より好ましくは、8~30個の炭素原子、最も好ましくは、10~25個の炭素原子)を含有する流体、及びこれらの混合物からなる群から選択される、油を含む。より好ましくは、本発明の油/ポリマーブレンドは、油/ポリマーブレンドの重量に基づいて、75~99.9重量%(好ましくは、80~99.7重量%、より好ましくは、85~99.6重量%、最も好ましくは、90~99.5重量%)の油であって、油は、シリコーン流体、1分子当たり2~30個の炭素原子(好ましくは、5~30個の炭素原子、より好ましくは、8~30個の炭素原子、最も好ましくは、10~25個の炭素原子)を含有する流体、及びこれらの混合物からなる群から選択され、油は、美容的に許容される油である、油を含む。なおより好ましくは、本発明の油/ポリマーブレンドは、油/ポリマーブレンドの重量に基づいて、75~99.9重量%(好ましくは、80~99.7重量%、より好ましくは、85~99.6重量%、最も好ましくは、90~99.5重量%)の油であって、油は、直鎖状又は分岐状C5~30アルカン(好ましくは、C14~22鉱油、イソドデカン、C11/C13直鎖状アルカンブレンド(例えば、Cetiol Ultimate)、ヘミスクワラン、より好ましくは、イソドデカン、C11/C13直鎖状アルカンブレンド(例えば、Cetiol Ultimate)、最も好ましくは、イソドデカン); C5~30アルキルエステル(好ましくは、2-メチルウンデカノエート、安息香酸C12アルキル、デカン酸エチル、ドデカン酸エチル、テトラエチルヘキサン酸ペンタエリトリチル、ネオペンタン酸オクチルドデシル、トリカプリリン、イソノナン酸エチルヘキシル、イソステアリン酸メチルヘプチル、マレイン酸ジカプリリル、ヒドロキシステアリン酸エチルヘキシル);C2~30カルボン酸エステル(好ましくは、オレイン酸、デカン酸、オクタン酸、リノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、リシノール酸); C2~30直鎖状又は分岐状アルコール(好ましくは、2-ブチル-1-オクタノール、セチルアルコール(別名1-ヘキサデカノール)、ステアリルアルコール、ドデカノール(別名ラウリルアルコール)、オクタノール(別名カプリルアルコール)、1-ノナノール、1-デカノール(別名カプリンアルコール)、1-ウンデカノール、1-トリデカノール、ミリスチルアルコール(別名1-テトラデカノール)、1-ペンタデカノール、cis-9-ヘキサデセン-1-オール、ヘプタデシルアルコール、オレイルアルコール(別名1-オクタデセノール)、1-ノナデカノール、1-エイコサノール、1-ヘンエイコサノール、ベヘニルアルコール(別名1-ドコサノール)、cis-13-ドコセン-1-オール、1-テトラコサノール、セリルアルコール(別名1-ヘキサコサノール)、1-ヘプタコサノール、モンタニルアルコール、1-ノナコサノール、ミリシルアルコール); シリコーン流体(好ましくは、カプリリルメチコン、メチルヘキシルトリシロキサン、フェニルトリメチコン、シクロシロキサン(例えば、シクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロキサン)、ポリジメチルシロキサン(例えば、5cSt 200流体)); 及びこれらの混合物からなる群から選択される、美容的に許容される油である、油を含む。更により好ましくは、本発明の油/ポリマーブレンドは、油/ポリマーブレンドの重量に基づいて、75~99.9重量%(好ましくは、80~99.7重量%、より好ましくは、85~99.6重量%、最も好ましくは、90~99.5重量%)の油であって、油は、C14~22鉱油、イソドデカン、C11/C13直鎖状アルカンブレンド、ヘミスクワラン、2-メチルウンデカノエート、安息香酸C12アルキル、デカン酸エチル、ドデカン酸エチル、テトラエチルヘキサン酸ペンタエリトリチル、ネオペンタン酸オクチルドデシル、トリカプリリン、イソノナン酸エチルヘキシル、イソステアリン酸メチルヘプチル、マレイン酸ジカプリリル、ヒドロキシステアリン酸エチルヘキシル、オレイン酸、デカン酸、オクタン酸、リノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、リシノール酸、2-ブチル-1-オクタノール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ドデカノール、オクタノール、1-ノナノール、1-デカノール、1-ウンデカノール、1-トリデカノール、ミリスチルアルコール、1-ペンタデカノール、cis-9-ヘキサデセン-1-オール、ヘプタデシルアルコール、オレオイルアルコール、1-ノナデカノール、1-エイコサノール、1-ヘンエイコサノール、ベヘニルアルコール、cis-13-ドコセン-1-オール、1-テトラコサノール、セリルアルコール、1-ヘプタコサノール、モンタニルアルコール、1-ノナコサノール、ミリシルアルコール、カプリリルメチコン、メチルヘキシルトリシロキサン、フェニルトリメチコン、シクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロキサン、ポリジメチルシロキサン、及びこれらの混合物からなる群から選択される、美容的に許容される油である、油を含む。最も好ましくは、本発明の油/ポリマーブレンドは、油/ポリマーブレンドの重量に基づいて、75~99.9重量%(好ましくは、80~99.7重量%、より好ましくは、85~99.6重量%、最も好ましくは、90~99.5重量%)の油であって、油は、イソドデカン、カプリリルメチコン、及びこれらの混合物からなる群から選択される、美容的に許容される油である、油を含む。
【0016】
好ましくは、本発明の油/ポリマーブレンドは、油/ポリマーブレンドの重量に基づいて、0.1~25重量%(好ましくは、1~20重量%、より好ましくは、2~15重量%、最も好ましくは、2.5~7.5重量%)の増粘ポリマーであって、増粘ポリマーは、シリル化セルロースポリマーであり、シリル化セルロースポリマーは、-Si(R1)3基で官能化されたセルロースポリマーを含み、セルロースポリマーは、50,000~1,500,000ダルトン(好ましくは、50,000~1,250,000ダルトン、より好ましくは、80,000~1,150,000ダルトン、最も好ましくは、100,000~1,100,000ダルトン)の重量平均分子量を有し、式中、各R1は、独立して、水素、C1~8アルキル基、C1~8ハロアルキル基、アリール基、C1~8アルキルアリール基、及びC1~8ハロアルキルアリール基からなる群から選択される、増粘ポリマーを含む。より好ましくは、本発明の油/ポリマーブレンドは、油/ポリマーブレンドの重量に基づいて、0.1~25重量%(好ましくは、1~20重量%、より好ましくは、2~15重量%、最も好ましくは、2.5~7.5重量%の増粘ポリマーであって、増粘ポリマーは、シリル化セルロースポリマーであり、シリル化セルロースポリマーは、-Si(R1)3基で官能化されたセルロースポリマーを含み、セルロースポリマーは、50,000~1,500,000ダルトン(好ましくは、50,000~1,250,000ダルトン、より好ましくは、80,000~1,150,000ダルトン、最も好ましくは、100,000~1,100,000ダルトン)の重量平均分子量を有し、式中、各R1は、独立して、水素及びC1~8アルキル基からなる群から選択される、増粘ポリマーを含む。なおより好ましくは、本発明の油/ポリマーブレンドは、油/ポリマーブレンドの重量に基づいて、0.1~25重量%(好ましくは、1~20重量%、より好ましくは、2~15重量%、最も好ましくは、2.5~7.5重量%)の増粘ポリマーであって、増粘ポリマーは、シリル化セルロースポリマーであり、シリル化セルロースポリマーは、-Si(R1)3基で官能化されたセルロースポリマーを含み、セルロースポリマーは、50,000~1,500,000ダルトン(好ましくは、50,000~1,250,000ダルトン、より好ましくは、80,000~1,150,000ダルトン、最も好ましくは、100,000~1,100,000ダルトン)の重量平均分子量を有し、式中、各R1は、独立して、C1~4アルキル基からなる群から選択される、増粘ポリマーを含む。更になおより好ましくは、本発明の油/ポリマーブレンドは、油/ポリマーブレンドの重量に基づいて、0.1~25重量%(好ましくは、1~20重量%、より好ましくは、2~15重量%、最も好ましくは、2.5~7.5重量%)の増粘ポリマーであって、増粘ポリマーは、シリル化セルロースポリマーであり、シリル化セルロースポリマーは、-Si(R1)3基で官能化されたセルロースポリマーを含み、セルロースポリマーは、50,000~1,500,000ダルトン(好ましくは、50,000~1,250,000ダルトン、より好ましくは、80,000~1,150,000ダルトン、最も好ましくは、100,000~1,100,000ダルトン)の重量平均分子量を有し、式中、各R1は、独立して、C1~2アルキル基からなる群から選択される、増粘ポリマーを含む。最も好ましくは、本発明の油/ポリマーブレンドは、油/ポリマーブレンドの重量に基づいて、0.1~25重量%(好ましくは、1~20重量%、より好ましくは、2~15重量%、最も好ましくは、2.5~7.5重量%)の増粘ポリマーであって、増粘ポリマーは、シリル化セルロースポリマーであり、シリル化セルロースポリマーは、-Si(R1)3基で官能化されたセルロースポリマーを含み、セルロースポリマーは、50,000~1,500,000ダルトン(好ましくは、50,000~1,250,000ダルトン、より好ましくは、80,000~1,150,000ダルトン、最も好ましくは、100,000~1,100,000ダルトン)の重量平均分子量を有し、式中、各R1は、メチル基である、増粘ポリマーを含む。
【0017】
好ましくは、本発明の油/ポリマーブレンドは、油/ポリマーブレンドの重量に基づいて、0.1~25重量%(好ましくは、1~20重量%、より好ましくは、2~15重量%、最も好ましくは、2.5~7.5重量%)の増粘ポリマーであって、増粘ポリマーは、式I
【0018】
【化1】
[式中、nは、平均308~9,252(好ましくは308~6,167、より好ましくは3083~4,317)であり、各R
2は、独立して、水素、C
1~8アルキル基、及び-Si(R
1)
3基(好ましくは、水素、C
1~4アルキル基、及び-Si(R
1)
3基、より好ましくは、水素、C
1~2アルキル基、及び-Si(R
2)
3基、最も好ましくは、水素及び-Si(R
1)
3基)からなる群から選択され、式中、各R
1は、独立して、水素、C
1~8アルキル基、C
1~8ハロアルキル基、アリール基、C
1~8アルキルアリール基、及びC
1~8ハロアルキルアリール基(好ましくは、水素及びC
1~8アルキル基、より好ましくは、C
1~4アルキル基、なおより好ましくは、C
1~2アルキル基、最も好ましくは、メチル基)からなる群から選択される]である、増粘ポリマーを含む。
【0019】
好ましくは、増粘ポリマーは、シリル化セルロースポリマーであり、シリル化セルロースポリマーは、-Si(R1)3基で官能化されたセルロースポリマーを含み、-Si(R1)3の置換度DSは、減衰全反射-フーリエ変換赤外(Attenuated Total Reflection-Fourier Transform Infrared、ATR-FTIR)分光法によって決定された、1.4~3.0(好ましくは、1.5~3.0、より好ましくは、2.0~3.0、最も好ましくは、2.25~3.0)である。
【0020】
好ましくは、本発明のスキンケア配合物は、美容的に許容される担体(スキンケア配合物の重量に基づいて、好ましくは30~92重量%(より好ましくは、35~92重量%、最も好ましくは、40~80重量%)の美容的に許容される担体)と、色成分(スキンケア配合物の重量に基づいて、好ましくは、0.01~25重量%(より好ましくは、0.1~20重量%、最も好ましくは、1~10重量%)の色成分)と、油/ポリマーブレンド(スキンケア配合物の重量に基づいて、好ましくは、5~69.9重量%(より好ましくは、7~50重量%、最も好ましくは、15~30重量%)の油/ポリマーブレンド)と、を含み、油/ポリマーブレンドは、(a)油(油/ポリマーブレンドの重量に基づいて(好ましくは75~99.9重量%(より好ましくは80~99.7重量%、なおより好ましくは、85~99.6重量%、最も好ましくは、90~99.5重量%)の油)であって、油は、直鎖状又は分岐状C8~30アルカン(好ましくは、C14~22鉱油、イソドデカン、C11/C13直鎖状アルカンブレンド(例えば、Cetiol Ultimate)、ヘミスクワラン、より好ましくは、イソドデカン、C11/C13直鎖状アルカンブレンド(例えば、Cetiol Ultimate)、最も好ましくは、イソドデカン);C8~30アルキルエステル(好ましくは、2-メチルウンデカノエート、安息香酸C12アルキル、デカン酸エチル、ドデカン酸エチル、テトラエチルヘキサン酸ペンタエリトリチル、ネオペンタン酸オクチルドデシル、トリカプリリン、イソノナン酸エチルヘキシル、イソステアリン酸メチルヘプチル、マレイン酸ジカプリリル、ヒドロキシステアリン酸エチルヘキシル);C8~30カルボン酸エステル類(好ましくは、例えば、オレイン酸、デカン酸、オクタン酸、リノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、リシノール酸);C8~30直鎖状又は分岐状アルコール(好ましくは、2-ブチル-1-オクタノール、セチルアルコール(別名1-ヘキサデカノール)、ステアリルアルコール、ドデカノール(別名ラウリルアルコール)、オクタノール(別名カプリルアルコール)、1-ノナノール、1-デカノール(別名カプリンアルコール)、1-ウンデカノール、1-トリデカノール、ミリスチルアルコール(別名1-テトラデカノール)、1-ペンタデカノール、cis-9-ヘキサデセン-1-オール、ヘプタデシルアルコール、オレイルアルコール(別名1-オクタデセノール)、1-ノナデカノール、1-エイコサノール、1-ヘンエイコサノール、ベヘニルアルコール(別名1-ドコサノール)、cis-13-ドコセン-1-オール、1-テトラコサノール、セリルアルコール(別名1-ヘキサコサノール)、1-ヘプタコサノール、モンタニルアルコール、1-ノナコサノール、ミリシルアルコール);シリコーン流体(好ましくは、カプリリルメチコン、メチルヘキシルトリシロキサン、フェニルトリメチコン、ポリジメチルシロキサン(例えば、5cSt 200流体));及びこれらの混合物からなる群から選択される、美容的に許容される油である、油と、(b)増粘ポリマー(油/ポリマーブレンドの重量に基づいて、好ましくは、0.1~25重量%(より好ましくは、1~20重量%、なおより好ましくは、2~15重量%、最も好ましくは、2.5~7.5重量%)の増粘ポリマー)であって、増粘ポリマーは、-Si(R1)3基で官能化されたセルロースポリマーを含む、シリル化セルロースポリマーであり、式中、各R1は、独立して、水素、C1~8アルキル基、C1~8ハロアルキル基、アリール基、C1~8アルキルアリール基、及びC1~8ハロアルキルアリール基(好ましくは、水素及びC1~8アルキル基、より好ましくは、C1~4アルキル基、なおより好ましくは、C1~2アルキル基、最も好ましくは、メチル基)からなる群から選択される、増粘ポリマーと、を含む。
【0021】
好ましくは、本発明のスキンケア配合物は、スキンケア配合物の重量に基づいて、30~92重量%(好ましくは、35~92重量%、より好ましくは、40~80重量%)の美容的に許容される担体を含む。より好ましくは、本発明のスキンケア配合物は、スキンケア配合物の重量に基づいて、30~92重量%(好ましくは、35~92重量%、より好ましくは、40~80重量%)の美容的に許容される担体を含み、色成分及び油/ポリマーブレンドは、美容的に許容される担体中に分散されている。なおより好ましくは、本発明のスキンケア配合物は、スキンケア配合物の重量に基づいて、30~92重量%(好ましくは、35~92重量%、より好ましくは、40~80重量%)の美容的に許容される担体を含み、色成分及び油/ポリマーブレンドは、美容的に許容される担体中に分散されている。最も好ましくは、本発明のスキンケア配合物は、スキンケア配合物の重量に基づいて、30~92重量%(好ましくは、35~92重量%、より好ましくは、40~80重量%)の美容的に許容される担体を含み、色成分及び油/ポリマーブレンドは、美容的に許容される担体中に分散されている。
【0022】
好ましくは、本発明のスキンケア配合物は、スキンケア配合物の重量に基づいて、30~92重量%(好ましくは、35~92重量%、より好ましくは、40~80重量%)の美容的に許容される担体を含み、美容的に許容される担体は、哺乳動物の皮膚(好ましくは、ヒトの皮膚)へのスキンケア配合物の塗布時に蒸発することができるように選択される。
【0023】
好ましくは、本発明のスキンケア配合物は、スキンケア配合物の重量に基づいて、30~92重量%(好ましくは、35~92重量%、より好ましくは、40~80重量%)の美容的に許容される担体を含み、美容的に許容されるものは、水(例えば、脱イオン水、蒸留水);短鎖アルコール(例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコールなどのC1~4直鎖状又は分岐状アルコール);グリコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコール、エトキシジグリコール);シクロシロキサン(例えば、シクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロキサン); グリセリン;イソドデカン;イソヘキサデカン;アセトン;酢酸メチル;ブチルセロソルブ、及びこれらの混合物からなる群から選択される。より好ましくは、本発明のスキンケア配合物は、スキンケア配合物の重量に基づいて、30~92重量%(好ましくは、35~92重量%、より好ましくは、40~80重量%)の美容的に許容される担体を含み、美容的に許容される担体は、水及びイソドデカンのうちの少なくとも1つ(好ましくは、脱イオン水、蒸留水、及びイソドデカンのうちの少なくとも1つ、より好ましくは、脱イオン水及びイソドデカンのうちの少なくとも1つ)を含む。
【0024】
好ましくは、本発明のスキンケア配合物は、色成分を含む。より好ましくは、本発明のスキンケア配合物は、色成分を更に含み、色成分は、無機顔料、有機顔料、色素、水性顔料分散体、及びこれらの混合物からなる群から選択される。なおより好ましくは、本発明のスキンケア配合物は、色成分を更に含み、色成分は、Ext.D&C Yellow No.2、Ext.D & C Violet No.2、FD&C Red No.4、FD&C Red No.40、FD&C Yellow No.5、FD&C Yellow No.6、FD&C Green No.3、FD&C Blue No.1、D&C Yellow No.7、D&C Yellow No.8、D&C Yellow No.10、D&C Yellow No.11、D&C Violet No.2、D&C Red No.6、D&C Red No.7、D&C Red No.17、D&C Red No.21、D&C Red No.22、D&C Red No.27、D&C Red No.28、D&C Red No.30、D&C Red No.31、D&C Red No.34、D&C Red No.33、D&C Red No.36、D&C Green No.5、D&C Green No.6、D&C Green No.8、D&C Blue No.4、D&C Orange No.4、D&C Orange No.5、D&C Orange No.10、D&C Orange No.11、D&C Brown No.1、アルミニウム粉末、アナトー、クエン酸ビスマス、オキシ塩化ビスマス、ブロンズ粉末、カラメル、カルミン、β-カロテン、水酸化クロムグリーン、酸化クロムグリーン、銅クロロフィリン、銅粉末、ジヒドロキシアセトン、フェロシアン化第二鉄アンモニウム、フェロシアン化第二鉄、グアニン、酸化鉄、マンガンバイオレット、雲母、銀、二酸化チタン、群青、酸化亜鉛、及びこれらの混合物からなる群から選択される。なおより好ましくは、本発明のスキンケア配合物は、色成分を更に含み、色成分は、少なくとも1つの酸化鉄及び二酸化チタンを含む。最も好ましくは、本発明のスキンケア配合物は、色成分を含み、色成分は、酸化鉄と二酸化チタンとの混合物を含む。
【0025】
好ましくは、本発明のスキンケア配合物は、任意選択的に、任意選択の添加剤を更に含む。より好ましくは、本発明のスキンケア配合物は、任意選択の添加剤を更に含み、任意選択の添加剤は、サンケア活性物質、塗膜形成剤、防腐剤、抗酸化剤、芳香剤、保湿剤、レオロジー調整剤、美容改質剤、ビタミン、皮膚保護剤、油、乳化剤、界面活性剤、真珠光沢剤、コンシステンシーファクター、増粘剤、過脂肪剤、安定剤、ポリマー、シリコーン化合物、脂肪、ワックス、レシチン、リン脂質、充填剤、光管理粉末及び粒子、並びにこれらの混合物からなる群から選択される。
【0026】
好ましくは、本発明のスキンケア配合物は、サンケア活性物質を更に含む。より好ましくは、本発明のスキンケア配合物は、サンケア活性物質を更に含み、サンケア活性物質は、紫外線吸収剤である。なおより好ましくは、本発明のスキンケア配合物は、サンケア活性物質を更に含み、サンケア活性物質は、物理的遮断剤(例えば、赤色ワセリン、二酸化チタン、酸化亜鉛)及び化学的吸収剤(例えば、1-(4-メトキシフェノール)-3-(4-tert-ブチルフェニル)プロパン-1,3-ジオン(INCI:ブチルメトキシジベンゾイルメタン)、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン(INCI:ベンゾフェノン-3)、ジオキシベンゾン、スリソベンゾン、メンチルアントラニレート、パラ-アミノ安息香酸、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、オクチルパラジメチルアミノベンゾエート、エチル4-ビス(ヒドロキシプロピル)パラ-アミノベンゾエート、ポリエチレングリコール(PEG-25)パラ-アミノベンゾエート、エチル4-ビス(ヒドロキシプロピル)アミノベンゾエート、ジエタノールアミンパラ-メチオキシシンナメート、2-エトキシエチルパラメトキシシンナメート、エチルヘキシルパラ-メトキシシンナメート、オクチルパラメトキシシンナメート、イソアミルパラ-メトキシシンナメート、2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3-ジフェニル-アクリレート、2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3-ジフェニル-2-プロペノエート(INCI:オクトクリレン)、2-エチルヘキシル-2-ヒドロキシベンゾエート(INCI:サリチル酸エチルヘキシル)、ホモメチルサリチレート、グリセリルアミノベンゾエート、トリエタノールアミンサリチレート、ジグアロイルトリオレート、ジヒドロキシアセトンを有するローソン、2-フェニルベンゾイミダゾール-5-スルホン酸、4-メチルベンジリジンカンファー、アボベンゾン、トリアジン、ベンゾトリアゾール、ビニル基含有アミド、ケイ皮酸アミド、スルホン化ベンゾイミダゾール)、3,3,5-トリメチルシクロヘキシル2-ヒドロキシベンゾエート(INCI:ホモサレート)からなる群から選択される紫外線吸収剤である。更により好ましくは、本発明のスキンケア配合物は、サンケア活性物質から更になり、サンケア活性物質は、紫外線吸収剤の混合物を含む紫外線吸収剤である。最も好ましくは、本発明のスキンケア配合物は、サンケア活性物質を含み、サンケア活性物質は、二酸化チタン、1-(4-メトキシフェノール)-3-(4-tert-ブチルフェニル)プロパン-1,3-ジオン、2-エチルヘキシル-2-ヒドロキシベンゾエート、2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3-ジフェニル-2-プロペノエート、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、及び3,3,5-トリメチルシクロヘキシル2-ヒドロキシベンゾエート、のうちの少なくとも1つを含む紫外線吸収剤の混合物である紫外線吸収剤である。
【0027】
好ましくは、本発明のスキンケア配合物は、4~9のpHを有する。より好ましくは、本発明のスキンケア配合物は、4.5~8.5のpHを有する。なおより好ましくは、本発明のスキンケア配合物は、5.0~8.0のpHを有する。最も好ましくは、本発明のスキンケア配合物は、5.5~7.5のpHを有する。
【0028】
好ましくは、本発明のスキンケア配合物は、クリーム、水溶液、エマルジョン(例えば、油中水型エマルジョン、水中油型エマルジョン)、油、軟膏、ペースト、ゲル、ローション、ミルク、フォーム、スティック、及び懸濁液からなる群から選択される製品形態で提供される。
【0029】
本発明のスキンケア配合物は、皮膚への塗布を通じて皮膚の外観を向上させるのに有用である。好ましくは、本発明のスキンケア配合物は、皮膚に容易に塗布され、少なくとも作用が一日中、好ましくはその後も、所定の位置に残る透明で鮮やかな色を残す。
【0030】
ここで、本発明のいくつかの実施形態を、以下の実施例で詳細に説明する。
【0031】
実施例S1~S25:増粘ポリマーの合成
窒素導入口及び温度調節器を備えた2リットルの三つ口フラスコに、表1に記載のセルロースの種類及び量を秤量した。次いで、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)溶媒を表1に記載の量でフラスコに添加した。次いで、フラスコ内容物を窒素雰囲気下に置いた。次いで、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)を表1に記載の量でフラスコ内容物に一度に添加した。次いで、フラスコ内容物を撹拌しながら表1に示した設定温度T1までゆっくりと加熱し、表1に示した時間単位での時間t1の間撹拌した。次いで、熱源を除去し、フラスコ内容物を放冷した。次いで、キシレン(Xyl)を表1に記載の量でフラスコ内容物に添加し、次いでフラスコ内容物を表1に記載の設定温度T2に加熱し、表1に記載の時間単位での時間t2の間撹拌した。次いで、生成物溶液を分液漏斗に移し、激しく撹拌している2リットルのメタノール中に滴下して添加することによって非溶媒沈殿に供した。生成物は、糸又はフレークの形態で沈殿した。生成物を濾過により単離し、生成物を真空オーブン中、50℃で一晩乾燥させた。次いで、生成物を500mLのメタノールに懸濁させ、一晩放置し、次いで再濾過し、真空オーブン中、50℃で一晩乾燥させた。
【0032】
【表1】
ASigma-Aldrichから入手可能な60,000ダルトンの重量平均分子量を有するAvicel PH-101(51μm)微結晶セルロース
BBahi Specialty Celluloseから入手可能な400,000ダルトンの重量平均分子量を有する結晶性PL HDユーカリパルプ
CTartas(Rayonier)から入手可能な600,000ダルトンの重量平均分子量を有するBiosloc 92 MV木材パルプ
DTartas(Rayonier)から入手可能な900,000ダルトンの重量平均分子量を有するBiosfloc XV木材パルプ
EGaomiから入手可能な1,000,000ダルトンの重量平均分子量を有するPCS-2400コットンリンター
FGP Celluloseから入手可能な100,000ダルトンの重量平均分子量を有するE4木材パルプ
GGP Celluloseから入手可能な125,000ダルトンの重量平均分子量を有するE60-HB木材パルプ
HTartas(Rayonier)から入手可能な600,000ダルトンの重量平均分子量を有するBiofloc 94 MV木材パルプ
【0033】
DS決定
実施例S1~S25に従って調製された増粘ポリマー中の-Si(CH3)3の置換度DSは、表2に提供されるスペクトルパラメータを使用してMATLABで計算されたスペクトルピーク面積を分析する減衰全反射-フーリエ変換赤外分光に基づく周知の技術を使用して決定され、決定されたDS値は、表3に報告されている。
【0034】
【0035】
【0036】
比較例C1及び実施例1~4:スキンケア配合物
表4に記載の配合を有する比較例C1及び実施例1~4のスキンケア配合物を調製した。相Bの成分を、別々の容器内で混合した。相Cの成分を別々の容器に入れ、均一になるまで混合した。相A及び相Dの成分を別々のビーカーに入れ、均一になるまで混合した。次に、混合した相Cの成分を、合わせた相A及び相Dの成分に、450rpmでせん断しながら均質になるまで加えた。次いで、混合した相Bの成分を、700rpmでせん断しながら、合わせた相A、相C及び相Dの成分にゆっくり添加した。次いで、合わせた配合物を、2,000rpmでせん断しながら更に5分間混合して、生成物のスキンケア配合物を得た。
【0037】
【表4】
1商品名DOWSIL(商標)ES-5300でThe Dow Chemical Companyから入手可能。
2商品名DOWSIL(商標)FZ-3196でThe Dow Chemical Companyから入手可能。
3商品名Creasil ID CGでThe Innovation Companyから入手可能。
4商品名Euxyl PE 9010でSchulke Inc.から入手可能。
5商品名SAT-B-335198でMiyoshi Americaから入手可能。
6商品名SAT-Y-338075でMiyoshi Americaから入手可能。
7商品名SAT-R-338073でMiyoshi Americaから入手可能。
8商品名SAT-TRI-77891でMiyoshi Americaから入手可能。
9商品名DOWSIL(商標)FA4002 IDでThe Dow Chemical Companyから入手可能。
【0038】
増粘及びずり減粘
比較例C1及び実施例1~4のスキンケア配合物の粘度を、ステンレス鋼の60mm、0.5°コーン及びプレートセンサを備えたTA Instruments DHR-3レオメータ、17マイクロメートルでの隙間設定、及び6.31s-1のせん断速度を使用して25℃で決定した。0.01s-1~100s-1の範囲のせん断速度でせん断スイープ法を使用した。低せん断(0.1s-1)及び高せん断(100s-1)で測定した粘度を表5に報告する。
【0039】
増粘剤のずり減粘効率は、粘度データをべき乗則流体方程式に当てはめることによって評価した。
η=K・γn-1
式中、ηは、粘度であり、γは、せん断速度であり、Kは、フローコンシステンシー指数であり、nは、フロー挙動指数である。ずり減粘流体については、n<1である。n値が小さいほど、ずり減粘度が高いことを示す。増粘剤について計算したずり減粘効率を表5に報告する。
【0040】
表5に示すように、全ての増粘剤のデータは、べき乗則流体方程式によく適合し、決定係数r2の値は、1に近かった。本発明の増粘剤についてのフロー挙動指数(n)は、市販の材料(DOWSIL(商標)FA4002 IDシリコーンアクリレート)よりもはるかに低く、配合物のより良好な噴霧性及び展延性のためにパーソナルケア配合物において非常に好ましいはるかに高いずり減粘度を示した。本発明のポリマーはまた、市販の材料(DOWSIL(商標)FA4002 IDシリコーンアクリレート)よりもはるかに高い配合物粘度の増加をもたらし、本発明のポリマーについてはるかに高い増粘効果を示している。
【0041】
【表5】
1The Dow Chemical Companyから入手可能なDOWSIL(商標)FA4002 IDシリコンイソドデカン(及び)アクリレート/ポリトリメチルシロキシメタクリレートコポリマー
【0042】
比較例C2~C3及び実施例5~9:スキンケア配合物
表6に記載の配合を有する比較例C2~C3及び実施例5~9のスキンケア配合物を調製した。相Bの成分を、別々の容器内で混合した。相Cの成分を別々の容器に入れ、均一になるまで混合した。相A及び相Dの成分を別々のビーカーに入れ、均一になるまで混合した。次に、混合した相Cの成分を、合わせた相A及び相Dの成分に、450rpmでせん断しながら均質になるまで加えた。次いで、混合した相Bの成分を、700rpmでせん断しながら、合わせた相A、相C及び相Dの成分にゆっくり添加した。次いで、合わせた配合物を、2,000rpmでせん断しながら更に5分間混合して、生成物のスキンケア配合物を得た。
【0043】
【表6】
1商品名DOWSIL(商標)ES-5300でThe Dow Chemical Companyから入手可能。
2商品名DOWSIL(商標)FZ-3196でThe Dow Chemical Companyから入手可能。
3商品名Creasil ID CGでThe Innovation Companyから入手可能。
4商品名Euxyl PE 9010でSchulke Inc.から入手可能。
5商品名SAT-B-335198でMiyoshi Americaから入手可能。
6商品名SAT-Y-338075でMiyoshi Americaから入手可能。
7商品名SAT-R-338073でMiyoshi Americaから入手可能。
8商品名SAT-TRI-77891でMiyoshi Americaから入手可能。
9商品名DOWSIL(商標)FA4002 IDでThe Dow Chemical Companyから入手可能。
【0044】
耐摩耗性
比較例C2~C3及び実施例5~9に従って調製されたスキンケア配合物は、6ミル(0.1524mm)に設定されたギャップでドクターブレードフィルムアプリケータを使用して、白いビニルチャート(Lenetaから入手可能)に各々被覆され、22℃で少なくとも48時間乾燥させた。次いで、各サンプルのカラーの読み取り値を比色計(Ocean Optics)で測定した。スキンケア配合物の堆積フィルムの耐摩耗性は、予め切断されたバスタオル(55mm×45mm)を用いて擦過する前後の変化(ΔE)によって特徴付けられた。バスタオルを、一定速度で定期的に前後に動くロボットの可動部分に固定した。フィルムは、およそ600Paの圧力下で、バスタオルによる3回及び6回の摩耗サイクルで擦過され、各摩耗サイクルは、6秒間続く。各堆積フィルムの10点から読み取りを行った。各サンプルからの読み取り値の平均を表7に示す。ΔEが低いほど、擦った後の色の変化が少なく、耐摩耗性が高いことを示す。本発明のポリマーのΔEは、市販の材料よりも低く、これは、スキンケア配合物が長期持続性の性能を可能にするのに非常に好ましい。
【0045】
【0046】
比較例C4~C13及び実施例10~28:粘度
油のみの比較例C4~C13、及び増粘油/ポリマーブレンドの実施例10~28の粘度を、表8に記載されるように、ステンレス鋼の60mm、0.5°コーン及びプレートセンサを備えたTA Instruments DHR-3レオメータ、17マイクロメートルでの隙間設定及び0.01s-1のせん断速度を使用して25℃で決定した。測定された粘度を表8に報告する。
【0047】
【表8】
aThe Dow Chemical Companyから入手可能
bBASFから入手可能なINCI:ウンデカン(及び)トリデカン
cSigma-Aldrichから入手可能な完全飽和C
15炭化水素(99%)
dThe Dow Chemical Companyから入手可能
eSasolから入手可能なIsofol 12
fThe Dow Chemical Companyから入手可能な直鎖状シロキサン流体
B-懸濁した塊を有する不均質
【国際調査報告】