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特表2023-544101キャニュレイティドねじ長さ測定ゲージ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-20
(54)【発明の名称】キャニュレイティドねじ長さ測定ゲージ
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/56 20060101AFI20231013BHJP
   A61B 17/16 20060101ALI20231013BHJP
   A61B 17/58 20060101ALI20231013BHJP
【FI】
A61B17/56
A61B17/16
A61B17/58
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023517947
(86)(22)【出願日】2021-09-24
(85)【翻訳文提出日】2023-04-10
(86)【国際出願番号】 US2021051891
(87)【国際公開番号】W WO2022072228
(87)【国際公開日】2022-04-07
(31)【優先権主張番号】63/086,773
(32)【優先日】2020-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505026479
【氏名又は名称】アキュームド・エルエルシー
【住所又は居所原語表記】5885 NE Cornelius Pass Road,Hillsboro,Oregon 97124 United States
(74)【代理人】
【識別番号】100140822
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 光広
(72)【発明者】
【氏名】コンリー,ブライアン
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL07
4C160LL21
4C160LL42
(57)【要約】
本開示の深さゲージ装置は、チューブの一端に挿入された測定ロッドを含む、チューブを備える。測定ロッドは、長さ値に関連付けられた、インジケータのセットを含む。外科医は、提供される深さゲージ装置をガイドワイヤ上で平行移動させることができ、これによりガイドワイヤは、測定ロッドを部分的にチューブから押し出す。深さゲージ装置が骨に接触したら、チューブ上の指定の箇所と整列している測定ロッドのインジケータが、骨の中のガイドワイヤ深さを示し、これは、処置に必要とされるねじ長さと等しい。これに加えて、提供される深さゲージ装置は、力が印加されないときは、測定ロッドがその位置を維持するように構成される。これにより、測定値の読み取りを行うときに、外科医は深さゲージ装置を骨から、またはガイドワイヤから完全に除去することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ねじ長さを決定する深さゲージ装置であって、
ガイドワイヤチャネルおよび測定ロッドチャネルを有するチューブであって、前記測定ロッドチャネルは、前記ガイドワイヤチャネルより大きい断面積を有する、チューブと、
前記測定ロッドチャネル内に調節可能に配置される測定ロッドであって、前記測定ロッドは、その長さに沿って複数のインジケータを含む、測定ロッドとを備え、
力が印加されないときは、前記チューブと前記測定ロッドとの接続部が前記測定ロッドの設定位置を維持する、深さゲージ装置。
【請求項2】
前記測定ロッドが、その長さに沿って少なくとも1つの平坦面を含む、請求項1に記載の深さゲージ装置。
【請求項3】
前記測定ロッドはノッチを含み、前記チューブは前記測定ロッドチャネル内に突出部を含み、前記突出部は前記ノッチ内に配置される、請求項1に記載の深さゲージ装置。
【請求項4】
前記チューブが摩擦ばねを含み、前記接続部が、前記測定ロッドに接触する前記摩擦ばねを含む、請求項1に記載の深さゲージ装置。
【請求項5】
ばねおよびボールプランジャをさらに備え、前記接続部が、前記測定ロッドまたは前記チューブに接触する前記ばねおよびボールプランジャを含む、請求項1に記載の深さゲージ装置。
【請求項6】
前記測定ロッドが、前記ばねおよびボールプランジャを備える、請求項5に記載の深さゲージ装置。
【請求項7】
前記測定ロッドは、第1の極性を有する第1の磁性材料を含み、前記チューブは、前記第1の磁性材料とは反対の極性を有する第2の磁性材料を含み、前記接続部は、前記第2の磁性材料に接触する前記第1の磁性材料を含む、請求項1に記載の深さゲージ装置。
【請求項8】
前記チューブが、前記第2の磁性材料で構成される、請求項7に記載の深さゲージ装置。
【請求項9】
前記測定ロッドがリングばねを含み、前記接続部が、前記チューブに接触する前記リングばねを含む、請求項1に記載の深さゲージ装置。
【請求項10】
前記チューブが窓を備え、その結果、前記窓を通して複数のインジケータの一部が見える、請求項1に記載の深さゲージ装置。
【請求項11】
前記窓が少なくとも1つのノッチを備える、請求項10に記載の深さゲージ装置。
【請求項12】
前記チューブが、前記窓の1つ以上の側面にレーザマーキングを含み、前記1つ以上のレーザマーキングは、前記複数のインジケータに対して平行である、請求項10に記載の深さゲージ装置。
【請求項13】
前記複数のインジケータの一部が、値マーキングを含む、請求項1に記載の深さゲージ装置。
【請求項14】
ガイドワイヤと、
深さゲージ装置であって、
(i)前記ガイドワイヤを受けるように構成されたガイドワイヤチャネル、および(ii)測定ロッドチャネルであって、前記測定ロッドチャネルは前記ガイドワイヤチャネルより大きい断面積を有する、測定ロッドチャネルを有する、チューブ、および
前記測定ロッドチャネル内に配置される測定ロッドであって、前記測定ロッドの位置は、前記ガイドワイヤを介して印加された力に応答して調節可能であり、前記測定ロッドは、その長さに沿って複数のインジケータを含む、測定ロッドを備え、
力が印加されないときは、前記測定ロッドチャネルと前記測定ロッドとの接続部が、前記測定ロッドの設定位置を維持する、
深さゲージ装置と、を含む、
ねじ長さ決定システム。
【請求項15】
ガイドワイヤのセットをさらに含み、前記セットの各ガイドワイヤが異なるサイズの直径を有する、請求項14に記載のねじ長さ決定システム。
【請求項16】
前記ガイドワイヤチャネルが、前記セットの前記各ガイドワイヤを収容する大きさにされる、請求項15に記載のねじ長さ決定システム。
【請求項17】
キャニュレイティドドリル(cannulated drill)をさらに備える、請求項14に記載のねじ長さ決定システム。
【請求項18】
ガイドワイヤチャネルおよび測定ロッドチャネルを有するチューブであって、前記測定ロッドチャネルは、前記ガイドワイヤチャネルより大きい断面積を有する、チューブと、前記測定ロッドチャネル内に調節可能に配置される測定ロッドであって、前記測定ロッドは、その長さに沿って複数のインジケータを含む、測定ロッドとを備え、力が印加されないときは、前記測定ロッドチャネルと前記測定ロッドとの接続部が前記測定ロッドの設定位置を維持する、深さゲージ装置で、ねじ長さを決定する外科処置方法であって、
骨にガイドワイヤを所望の深さまで挿入するステップと、
前記ガイドワイヤが前記ガイドワイヤチャネルに挿入されるように、前記深さゲージ装置を前記ガイドワイヤに被せて配置するステップと、
前記深さゲージ装置が前記骨に接触するまで、前記ガイドワイヤ上で前記深さゲージ装置を平行移動させるステップであって、前記深さゲージ装置を平行移動させることによって、前記ガイドワイヤを介して、前記測定ロッドの一部を前記測定ロッドチャネルから押し出す力が印加される、ステップと、
前記深さゲージ装置を前記骨から除去するステップと、
前記測定ロッドインジケータの1つの値を読み取ることによって、前記ねじ長さを決定するステップであって、前記読み取られたインジケータ値は、前記骨の中にある前記ガイドワイヤの前記所望の深さと等しい、ステップとを含む、方法。
【請求項19】
前記ねじ長さが、前記深さゲージ装置を前記骨から除去した後であって、前記深さゲージ装置を前記ガイドワイヤから除去する前に決定される、請求項18に記載の外科処置方法。
【請求項20】
前記ねじ長さが、前記深さゲージ装置を前記ガイドワイヤから除去した後で決定される、請求項18に記載の外科処置方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本出願は、2020年10月2日に出願された米国仮出願第63/086,773号の優先権および利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、一般に、医療処置のためのねじ長さ決定に関する。より詳細には、本出願は、ねじ長さを決定するために、骨に挿入されたガイドワイヤ深さを測定する装置および方法を提供する。
【背景技術】
【0003】
外科処置は、骨へのねじの挿入を含むことが多い。外科医は一般に、最初に骨に挿入されるガイドワイヤに被せて、キャニュレイティドねじを挿入する。ガイドワイヤ長さは既知であり、ガイドワイヤ先端が、ねじ先端が配置される深さまで骨に挿入される。ねじを挿入する前に、外科医は、ガイドワイヤが骨に挿入される深さを決定することによって、このような処置で外科医が使用するねじ長さを決定しなければならない。
【0004】
ねじ長さを決定する1つの方法としての装置は、装置が骨に接触するように、ガイドワイヤに被せて、または隣接して配置される。いくつかの一般的な装置では、骨の外部にあるガイドワイヤの長さを決定するために、装置の目盛りに対するガイドワイヤの端部の位置を決定することによって、測定が行われる。この外部長さは、骨に挿入されたガイドワイヤ長さを決定するために既知の全ガイドワイヤ長さから減じられてもよく、これはねじ長さと等しい。他の一般的な装置では、装置の目盛りに対するガイドワイヤ上のレーザマーキングの位置を決定することによって、測定が行われる。レーザマーキングは、一般的な測定装置に対して較正された特定の長さを示し、骨に挿入されたガイドワイヤの長さを決定するのに役立つ。
【0005】
しかしながら、このような一般的な装置はいくつか欠点がある。骨に挿入されたガイドワイヤ長さを決定するために、測定値を取得した後で、さらに計算が必要になる場合があり、これにより外科処置の時間が増加し、計算を誤る可能性が生まれる。一般的な装置およびガイドワイヤは、ねじの大きさが異なれば別のものになることが多く、したがって1つの外科処置に対して複数の装置が必要になる可能性がある。これに加えて、測定は、一般に装置が骨に対して配置されている間に行われなければならない。別の言い方をすれば、装置が骨から除去されたら、ガイドワイヤ端部またはレーザマーキングが適切に目盛りと整列しなくなるため、装置は一般にそれ以降は測定値を表示しない。
【0006】
測定値を読み取るために外科医が測定装置または外科医の視点を調節(例えば、回転させる)しなければならない場合、装置が骨に対して配置されている間に測定を行わなければならないことは外科医にとって面倒である。例えば、装置を骨に対して配置しておかなければならないので、マーキングが患者および開いた手術部位に非常に近接している間に、外科処置中にガイドワイヤ上のレーザマーキングを見て測定を行うのは、外科医にとって困難な場合がある。これにより手術時間および処置の困難さが増す場合がある。
【0007】
したがって、上述した欠点を克服する、ねじ長さ測定装置および方法に対する需要がある。
【発明の概要】
【0008】
本開示は、ねじ長さを決定するために、骨に挿入されたガイドワイヤ深さを測定する、新しい革新的な装置および方法を提供する。一例では、ねじ長さ測定ゲージは、チューブと測定ロッドとを備える。チューブは、ガイドワイヤチャネルと測定ロッドチャネルとを備える。測定ロッドチャネルは、ガイドワイヤチャネルより大きい断面積を有する。測定ロッドは、測定ロッドチャネル内に調節可能に配置される。測定ロッドは、その長さに沿って複数のインジケータをさらに備える。チューブと測定ロッドとの接続部は、力が印加されないときは測定ロッドの設定位置を維持する。
【0009】
本開示に記載されている技術的特徴に鑑みて、別段記載されていない限り他の任意の態様と組み合わせることができる本出願の開示の第1の態様では、ねじ長さを決定する深さゲージ装置はチューブと測定ロッドとを含むが、これに限定されない。チューブはガイドワイヤチャネルと測定ロッドチャネルとを有し、測定ロッドチャネルはガイドワイヤチャネルより大きい断面積を有する。測定ロッドは、測定ロッドチャネル内に調節可能に配置され、測定ロッドチャネルの長さに沿って複数のインジケータを含む。チューブと測定ロッドとの接続部は、力が印加されないときは測定ロッドの設定位置を維持する。
【0010】
別段記載されていない限り他の任意の態様(例えば第1の態様)と組み合わせることができる本出願の開示の第2の態様では、測定ロッドはその長さに沿って少なくとも1つの平坦面を含む。
【0011】
別段記載されていない限り他の任意の態様(例えば第1または第2の態様)と組み合わせることができる本出願の開示の第3の態様では、測定ロッドはノッチを含み、チューブは測定ロッドチャネル内に突出部を含み、突出部はノッチ内に配置される。
【0012】
別段記載されていない限り他の任意の態様(例えば第1または第2の態様)と組み合わせることができる本出願の開示の第4の態様では、チューブは摩擦ばねを含み、接続部は測定ロッドに接触する摩擦ばねを含む。
【0013】
別段記載されていない限り他の任意の態様(例えば第1または第2の態様)と組み合わせることができる本出願の開示の第5の態様では、ねじ長さ決定システムはばねおよびボールプランジャをさらに含み、接続部は測定ロッドまたはチューブに接触するばねおよびボールプランジャを含む。
【0014】
別段記載されていない限り他の任意の態様(例えば第5の態様)と組み合わせることができる本出願の開示の第6の態様では、測定ロッドはばねおよびボールプランジャを備える。
【0015】
別段記載されていない限り他の任意の態様(例えば第1または第2の態様)と組み合わせることができる本出願の開示の第7の態様では、測定ロッドは第1の極性を有する第1の磁性材料を含み、チューブは、第1の磁性材料とは反対の極性を有する第2の磁性材料を含み、接続部は、第2の磁性材料に接触する第1の磁性材料を含む。
【0016】
別段記載されていない限り他の任意の態様(例えば第7の態様)と組み合わせることができる本出願の開示の第8の態様では、チューブは、測定ロッドが含む第1の磁性材料とは反対の極性を有する第2の磁性材料で構成される。
【0017】
別段記載されていない限り他の任意の態様(例えば第1または第2の態様)と組み合わせることができる本出願の開示の第9の態様では、測定ロッドはリングばねを含み、接続部はチューブに接触するリングばねを含む。
【0018】
別段記載されていない限り他の任意の態様(例えば第1~第9の態様)と組み合わせることができる本出願の開示の第10の態様では、チューブは窓を備え、これにより複数のインジケータの一部を窓を通して見ることができる。
【0019】
別段記載されていない限り他の任意の態様(例えば第10の態様)と組み合わせることができる本出願の開示の第11の態様では、チューブの窓は少なくとも1つのノッチを含む。
【0020】
別段記載されていない限り他の任意の態様(例えば第10の態様)と組み合わせることができる本出願の開示の第12の態様では、チューブは窓の1つ以上の側面にレーザマーキングを含み、1つ以上のレーザマーキングは複数のインジケータに対して平行である。
【0021】
別段記載されていない限り他の任意の態様(例えば第1~第12の態様)と組み合わせることができる本出願の開示の第13の態様では、複数のインジケータの一部は、値マーキングを含む。
【0022】
別段記載されていない限り他の任意の態様(例えば第2~第13の態様)と組み合わせることができる本出願の開示の第14の態様では、ねじ長さ決定システムは、ガイドワイヤと深さゲージ装置とを含む。深さゲージ装置は、チューブと測定ロッドとを備える。チューブは、ガイドワイヤチャネルと測定ロッドチャネルとを備える。ガイドワイヤチャネルは、ガイドワイヤを受けるように構成される。測定ロッドチャネルは、ガイドワイヤチャネルより大きい断面積を有する。測定ロッドは、測定ロッドチャネル内に配置される。測定ロッドの位置は、ガイドワイヤを介して印加された力に応答して調節可能である。測定ロッドは、その長さに沿って複数のインジケータをさらに備える。チューブと測定ロッドとの接続部は、力が印加されないときは測定ロッドの設定位置を維持する。
【0023】
別段記載されていない限り他の任意の態様(例えば第14の態様)と組み合わせることができる本出願の開示の第15の態様では、ねじ長さ決定システムはガイドワイヤのセットをさらに含み、セットの各ガイドワイヤは異なる大きさの直径を有する。
【0024】
別段記載されていない限り他の任意の態様(例えば第15の態様)と組み合わせることができる本出願の開示の第16の態様では、ガイドワイヤチャネルは、ガイドワイヤのセットの各ガイドワイヤを収容する大きさにされる。
【0025】
別段記載されていない限り他の任意の態様(例えば第17の態様)と組み合わせることができる本出願の開示の第17の態様では、ねじ長さ決定システムは、キャニュレイティドドリルをさらに含む。
【0026】
別段記載されていない限り他の任意の態様(例えば第2~第13の態様、および第15~第17の態様)と組み合わせることができる本出願の開示の第18の態様では、ねじ長さを決定する方法は、ガイドワイヤチャネルおよび測定ロッドチャネルを有するチューブを備える、深さゲージ装置を使用し、測定ロッドチャネルはガイドワイヤチャネルより大きい断面積を有し、測定ロッドは測定ロッドチャネル内に調節可能に配置され、測定ロッドはその長さに沿って複数のインジケータを含み、測定ロッドチャネルと測定ロッドとの接続部は、力が印加されないときは測定ロッドの設定位置を維持する。本方法は、ガイドワイヤを所望の深さまで骨に挿入するステップを含む。深さゲージ装置は、ガイドワイヤがガイドワイヤチャネルに挿入されるように、ガイドワイヤに被せて配置される。深さゲージ装置は、深さゲージ装置が骨に接触するまで、ガイドワイヤ上で平行移動される。深さゲージ装置を平行移動させることにより、ガイドワイヤを介して印加された力が、測定ロッドの一部を測定ロッドチャネルから押し出す。深さゲージ装置は骨から除去される。ねじ長さは、測定ロッドインジケータのうちの1つの値を読み取ることによって決定され、これは骨内のガイドワイヤの所望の深さと等しい。
【0027】
別段記載されていない限り他の任意の態様(例えば第18の態様)と組み合わせることができる本出願の開示の第19の態様では、ねじ長さは、深さゲージ装置を骨から除去した後であって、深さゲージ装置をガイドワイヤから除去する前に決定される。
【0028】
別段記載されていない限り他の任意の態様(例えば第18の態様)と組み合わせることができる本出願の開示の第20の態様では、ねじ長さは、深さゲージ装置をガイドワイヤから除去した後で決定される。
【0029】
開示された方法および装置の追加の特徴および利点は、以下の詳細な説明および図に記載され、それらから明らかになるであろう。本明細書に記載の特徴および利点は、すべてを含むものではなく、特に、多くの追加の特徴および利点が、図および説明を考慮すると当業者には明らかであろう。さらに、本明細書で使用される言語は、主に読みやすさおよび説明目的のために選択されており、本発明の主題の範囲を限定するものではないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本開示の一態様による、深さゲージ装置の斜視図である。
【0031】
図2】本開示の一態様による、深さゲージ装置の部分断面図である。
【0032】
図3】本開示の一態様による、ノッチおよびキーを有する深さゲージ装置の断面図である。
【0033】
図4A】本開示の一態様による、深さゲージ装置によって行われるガイドワイヤ深さ測定の部分断面図である。
図4B】本開示の一態様による、深さゲージ装置によって行われるガイドワイヤ深さ測定の別の部分断面図である。
図4C】本開示の一態様による、深さゲージ装置によって行われるガイドワイヤ深さ測定のさらに別の部分断面図である。
【0034】
図5A】本開示の一態様による、摩擦ばねを有する深さゲージ装置の斜視図である。
【0035】
図5B】本開示の一態様による、摩擦ばねを有する深さゲージ装置の一部の断面を示す。
【0036】
図6】本開示の一態様による、ばねおよびボールプランジャを有する測定ロッドの一部の斜視図である。
【0037】
図7】本開示の一態様による、磁石を有する測定ロッドの一部の斜視図である。
【0038】
図8A】本開示の一態様による、リングばねを有する測定ロッドの一部の斜視図である。
【0039】
図8B】本開示の一態様による、リングばねの断面図である。
【0040】
図9】本開示の一態様による、ねじ長さを決定する方法の方法ステップの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本開示は、外科処置に必要なねじ長さを決定するための、骨内のガイドワイヤ深さを測定する新しい革新的な装置および方法を提供する。提供される深さゲージ装置は、チューブの全長にわたって延びる内部チャネルを含むチューブを備える。内部チャネルは、大きさが異なる断面積を有する、2つの別の部分に分離されてもよい。測定ロッドが、チューブの一端に挿入される。例えば、測定ロッドは、断面積がもう一方の端部より大きい内部チャネルを有する、チューブの端部に挿入されてもよい。このような事例では、もう一方の端部の内部チャネルは、ガイドワイヤが軸線方向に整列するように案内しそれを維持するような大きさにされた、より小さい断面積を有する。測定ロッドは、長さ値(例えば、ミリメートル)に関連付けられた、インジケータ(線、くぼみなど)のセットを含む。長さ値は、既知のガイドワイヤ長さに対応して設定される。
【0042】
外科医は、提供される深さゲージ装置をガイドワイヤに被せて配置してもよく、その結果、ガイドワイヤは、測定ロッドではなくチューブのもう一方の端部に挿入される。外科医は、次に、深さゲージ装置が骨に接触するまで、ガイドワイヤ上で深さゲージ装置を平行移動させてもよい。深さゲージ装置が平行移動されると、ガイドワイヤは、測定ロッドを部分的にチューブから押し出す。深さゲージ装置が骨に接触したら、チューブ上の指定の箇所と整列している測定ロッドのインジケータが、ガイドワイヤが骨に挿入されている深さを示す。この測定深さは、処置に必要とされるねじ長さと等しい。したがって、提供される深さゲージ装置で読み取った測定値がねじ長さと等しいため、提供される深さゲージ装置は、いくつかの一般的な装置よりも、ねじ長さ決定プロセスを容易かつ迅速にするのに役立つ。一部の一般的な装置に比べて、さらに計算が必要になることはない。
【0043】
これに加えて、提供される深さゲージ装置は、力が印加されないときは、測定ロッドがその位置を維持するように構成される。別の言い方をすれば、測定ロッドが重力によってチューブから滑り出たり引っ込んだりすることはない。それどころか、チューブから出したり引っ込めたりするためには、ガイドワイヤによって、または外科医が、測定ロッドに力を印加する必要がある。提供される深さゲージ装置のこの態様により、測定値の読み取りを行うときに、外科医は深さゲージ装置を骨から、またはガイドワイヤから完全に除去することができ、それは外科医がそれを行ったときに測定ロッドの位置が変わらないからである。一般的な装置は、測定値の読み取りが行われるときは骨に配置されている必要があるが、この態様は一般的な装置に比べて、測定を行うときに、外科医が深さゲージ装置のインジケータを見るのをより容易かつ簡便にするのに役立つ。したがって、提供される深さゲージ装置は、外科処置におけるねじ長さ決定の困難さおよび時間を低減するのに役立つ。
【0044】
図1は、チューブ102と測定ロッド104とを備える、例示的な深さゲージ装置100を示す。チューブ102は、ステンレス鋼または医療グレードのプラスチック(例えば、ポリエーテルエーテルケトン)などの、任意の適切な医療グレード材料で構成されてもよい。測定ロッド104は、アルミニウムまたは医療グレードのプラスチック(例えば、ポリエーテルエーテルケトン)などの、これも適切な剛性を有する、任意の適切な医療グレード材料で構成されてもよい。測定ロッド104は、双方向矢印112の方向へ、チューブ102の内外に調節可能に配置されてもよい。場合によっては、測定ロッド104の遠位端110が、完全にチューブ102内に配置される場合がある。図示されているように、測定ロッド104は、長さ値(例えば、ミリメートル、センチメートル)に関連付けられた、複数のインジケータ(線または目盛り、くぼみなど)を含む。関連する長さ値は、特定のガイドワイヤ長さに対応するように選択される。少なくともいくつかのインジケータは、測定ロッド上に視覚的に表示(プリント、腐食など)される、それに関連する値または数量を有し得る。例えば、図示されている実施形態では、他のそれぞれのインジケータが、視覚的に表示されたそれに関連する値を有している。
【0045】
本開示のいくつかの態様では、図示されている例のように、チューブ102は窓106を備えてもよい。窓106により、外科医は窓106を通して測定ロッド104上のインジケータを見ることが可能になる。場合によっては、チューブ102は、窓106に隣接して1つ以上のマーキング108(例えば、レーザマーキング)を含んでもよい。図示されている例示的なチューブ102は、窓106の両側にマーキング108を含んでいるが、他の事例では、チューブ102は片側のみにマーキング108を含んでもよい。マーキング108は、測定値(例えば、マーキング108と整列したインジケータの値)として測定ロッド104のどのインジケータを見るべきかを外科医に示す。他の事例では、チューブ102は、これに加えて、またはこれに代えて、測定値としてどのインジケータを見るべきか(例えば、ノッチと整列するインジケータの値)を示すために、窓106の中に延びる1つ以上のノッチを含んでもよい。
【0046】
本開示の他の態様では、チューブ102は窓106を備えていない。その代わりに、外科医は、チューブ102から出たインジケータを見ることに依存する。このような態様では、チューブ102の測定端114が、測定値(例えば、測定端114と整列したインジケータの値)として測定ロッド104のどのインジケータを見るべきかを外科医に示す。
【0047】
チューブ102は、これに加えて、挿入端116を備える。以下でより詳細に説明するように、外科医は、ガイドワイヤがチューブ102の挿入端116でチューブ102に入っている状態で、深さゲージ装置100をガイドワイヤ上で平行移動させてもよい。挿入端116は、ガイドワイヤとの係合を補助するように特に適合されてもよい。例えば、図1Bは、挿入端116の1つのこのような特定の適合の例を示す。チューブ102の一部に沿って延びる、挿入端116のスロット開口部は、ガイドワイヤをチューブ102に入れるための余分な空間を作ることを可能にする。この余分な空間により、チューブ102の端部に単純な丸い開口部があることに比べて、チューブ102内にガイドワイヤを側面から入れられるようにすることによって、小さいガイドワイヤを挿入端116の小さい開口部に合わせるのが容易になる。
【0048】
図2は、チューブ102の(1つまたは複数の)内部チャネルを示すためにチューブ102の断面を含む、例示的な深さゲージ装置100を示す。具体的には、チューブ102は、測定ロッドチャネル204を備えてもよい。測定ロッドチャネル204は、測定ロッド104の軸線方向の整列を維持する。測定ロッドチャネル204は、測定ロッド104が測定ロッドチャネル204に摺動して出入りすることをさらに可能にする。チューブ102は、ガイドワイヤチャネル206をさらに備えてもよい。様々な事例において、ガイドワイヤは、測定ロッド104より小さい断面積を有する。このような事例では、ガイドワイヤチャネル206は、(例えば、ガイドワイヤの断面積より大きくなるように最小限に)測定ロッドチャネル204の断面積より小さい断面積を有してもよいため、ガイドワイヤチャネル206は、単一のチャネルが測定ロッドチャネル204の断面積を有しているのに比べて、ガイドワイヤの軸線方向の整列を良好に維持し得る。
【0049】
例えば、以下でより詳細に説明するように、チューブ102に挿入されたガイドワイヤは、測定ロッド104をチューブ102の外に押し出すように、測定ロッド104の近位端202に力を印加する。チューブ102内に、十分な長さのガイドワイヤが曲がる空間がある場合は、このような力はガイドワイヤを曲げる力に変換され得る。ガイドワイヤが曲がれば、長さ測定は損なわれる場合がある。したがってガイドワイヤチャネル206は、ガイドワイヤの軸線方向の整列を維持するのに役立ち、かつガイドワイヤが曲がるのを防止するのに役立つように、ガイドワイヤの断面積より最小限に大きい断面積を有し得る。いくつかの例では、ガイドワイヤチャネル206は、長さは同じだが断面積が異なるガイドワイヤを収容する断面積を有してもよい。このような例では、断面積が小さいガイドワイヤは、ガイドワイヤとガイドワイヤチャネル206の壁との間により多くの空間を有しながらも、曲げが最小化され、かつ長さ測定が損なわれない程度にされる。
【0050】
チューブ102が、測定ロッドチャネル204およびガイドワイヤチャネル206の両方を含む事例では、測定ロッドチャネル204およびガイドワイヤチャネル206は、チューブ102の長さの様々な部分に広がっていてもよい。ガイドワイヤチャネル206と測定ロッドチャネル204との断面積の相違が測定ロッド104の停止点をさらに確立し、測定ロッド104はこれを越えて移動することはできない。いくつかの態様では、測定ロッド104の断面積はガイドワイヤの断面積と等しいか、ほぼそれに近くなり得る。このような態様では、チューブ102は、その長さに沿って延びる単一の連続したチャネルを含んでもよい。
【0051】
本開示のいくつかの態様では、測定ロッド104は、その長さに沿って少なくとも1つの平坦面を含む。例えば、測定ロッド104は、視覚的に表示された値を含む平坦面を有するものとして図示されている。測定ロッド104の1つ以上の平面は、測定ロッド104がチューブ102の内部の平坦面と連動して回転するのを防止する。これは、外科医が視覚的に表示された測定値を見るために、処置中に測定ロッド104を回転させる必要をなくすのに役立ち有益であろう。チューブ102の外側は、これに加えて、またはこれに代えて、深さゲージ装置100が転がるのを防止するのに役立つように、少なくとも1つの平坦面を含む。これは、深さゲージ装置100が床に転がり落ちるのを防止するのに役立つため有益であろう。
【0052】
本開示の他の態様では、測定ロッド104は円筒形であってもよい。このような態様では、深さゲージ装置100は、測定ロッド104が回転するのを防止するために、ノッチおよびキーを備えてもよい。図3は、ノッチ304を有する測定ロッド302と、キー312を有するチューブ310を備える、例示的な深さゲージ装置300の断面を示す。キー312は、チューブ310の内面に取り付けられる、またはこれと一体化される。キー312は、図示されているように、測定ロッド302のノッチ304内に適合する形状にされる。キー312とノッチ304の側面との間の空間の量によって、キー312によって停止される前に、測定ロッド302がどのくらい回転できるかが決まる。したがって、キー312は回転を最小化するのに役立ち、測定ロッド302がチューブ310内に配置されたときに、測定ロッド302が回転するのを防止する。
【0053】
図4Aから図4Cは、深さゲージ装置100によって行われる例示的なガイドワイヤ深さ測定を示す。各図において、深さゲージ装置100の内部を示すために、チューブ102の断面が図示されている。図4Aは、例示的な測定400Aを示す。ガイドワイヤ404は、所定の深さで骨402に挿入される。深さゲージ装置100は、挿入端116が骨402に接触するように、ガイドワイヤ404に被せて配置される。ガイドワイヤ404は、測定ロッド104を、ある程度までチューブ102から押し出す。例示的な測定400Aでは、外科医は、2mmに対応している測定ロッド104のインジケータが、チューブ102の測定端114と整列しているのを読み取ることができる。したがって、測定402では、ガイドワイヤ404は深さ2mmで骨402に挿入されている。
【0054】
図4Bは、例示的な測定400Bを示す。図示されているように、ガイドワイヤ404は、測定400Aにおけるよりも、深く骨402に挿入されている。測定400Bでは、ガイドワイヤ404は、したがって測定ロッド104を、測定400Aにおけるよりも短くチューブ102から押し出す。例示的な測定400Bでは、外科医は、測定ロッド104の16mmのインジケータと18mmのインジケータの中間が、チューブ102の測定端114と整列しているのを読み取ることができる。したがって、測定400Bでは、ガイドワイヤ404は深さ17mmで骨402に挿入されている。
【0055】
図4Cは、例示的な測定400Cを示す。図示されているように、ガイドワイヤ404は、測定400Aおよび400Bの両方よりも、深く骨402に挿入されている。測定400Cでは、ガイドワイヤ404は、したがって測定ロッド104を、測定400Aおよび400Bにおけるよりも短くチューブ102から押し出す。例示的な測定400Cでは、外科医は、測定ロッド104の36mmのインジケータと38mmのインジケータの中間が、チューブ102の測定端114と整列しているのを読み取ることができる。したがって、測定400Cでは、ガイドワイヤ404は深さ37mmで骨402に挿入されている。
【0056】
ここで開示される深さゲージ装置は、力が印加されないときは、測定ロッドがチューブに対してその位置を維持するように構成される。例えば、測定400Cでは、ガイドワイヤ404から印加される力が、測定ロッド104をチューブ102から押し出す。しかしながら、外科医がガイドワイヤ404から深さゲージ装置100を除去するときに、測定ロッド104は37mmの読み取りを維持する。測定ロッド104が重力によってチューブ102から引っ込んだり滑り出たりすることはない。外科医は、測定ロッド104をチューブ102の中に押し戻すために、測定ロッド104に力を印加してもよい。提供される深さゲージ装置は、測定ロッドとチューブとの接続部によって、力が印加されないときは測定ロッドがその位置を維持できるように、様々な構成を有し得る。
【0057】
図5Aは、測定ロッド104の位置を維持するための摩擦ばね506を有する、例示的な深さゲージ装置500の斜視図である。深さゲージ装置500のチューブ502の部分504は、摩擦ばね506をチューブ502の残りの部分から分離する、2つのスリット508A、508Bを含む。図5Bは、測定ロッド104がチューブ内に挿入された状態の部分504の断面を示す。摩擦ばね506は、チューブ502の内側に向かって付勢される。このようにして、摩擦ばね506は、測定ロッド104に内向きの力を印加し、摩擦ばね506と測定ロッド104との接続部で摩擦を生成する。生成された摩擦は、力を印加せずに測定ロッド506をその位置で維持するのに十分であるが、(例えば、ガイドワイヤを介して、または外科医によって)測定ロッド506に印加された力がこれを上回る可能性がある。生成される摩擦の量、したがって測定ロッド104を動かすのに必要とされる印加される力の量は、摩擦ばね506の強度に基づいて変更することができる。
【0058】
別の例では、提供される深さゲージ装置は、力が印加されないときに測定ロッドの位置を維持するために、ばねおよびボールプランジャを備えてもよい。図6は、ばねおよびボールプランジャ602を有する、例示的な測定ロッド600の近位端202を示す。ばねおよびボールプランジャ602は、チューブ内に配置されると、チューブ(例えば、チューブ102)の内側に外向きの力を印加し、ばねおよびボールプランジャ602とチューブ内側との接続部で摩擦を生成する。生成された摩擦は、力を印加せずに測定ロッド600をその位置で維持するのに十分であるが、(例えば、ガイドワイヤを介して、または外科医によって)測定ロッド600に印加された力がこれを上回る可能性がある。生成される摩擦の量、したがって測定ロッド600を動かすのに必要とされる印加される力の量は、ばねおよびボールプランジャ602の強度に基づいて変更することができる。他の例では、チューブがばねおよびボールプランジャ602を備えてもよく、これは摩擦を生成するために、測定ロッドに内向きの力を印加してもよい。
【0059】
別の例では、提供される深さゲージ装置は、力が印加されないときに測定ロッドの位置を維持するために、磁石のセットを備えてもよい。図7は、磁石702を有する、例示的な測定ロッド700の近位端202を示す。磁石702は第1の極性(例えば、N極)を有する。いくつかの例では、深さゲージ装置のチューブの内側は、反対の極性(例えば、S極)を有する第2の磁石を含む。これら2つの磁石の極性は反転されてもよい。このような例では、チューブの磁石は、測定ロッドチャネルの長さに沿って延びる。磁石702は、測定ロッド700がチューブ内に配置されたときに、磁力によってチューブの磁石に引き付けられる。磁石702とチューブの磁石との接続部の磁力は、力を印加せずに測定ロッド700をその位置で維持するのに十分であるが、(例えば、ガイドワイヤを介して、または外科医によって)測定ロッド700に印加された力がこれを上回る可能性がある。生成される磁力の量、したがって測定ロッド700を動かすのに必要とされる印加される力の量は、磁石702の強度とチューブの磁石の強度とに基づいて変更することができる。
【0060】
他の例では、磁石702は、(例えば、その側面または底面に沿って)測定ロッド700の長さに沿って延びるようにしてもよい。このような他の例では、チューブの内部磁石は、単一の点であってもよい(例えば、図示されているような磁石702)。さらに他の例では、測定ロッド700の磁石702が、チューブの一部として構成された磁石ではなくチューブ自体に引き付けられるように、深さゲージ装置のチューブが磁性材料(例えば、ステンレス鋼)で構成されてもよい。
【0061】
磁石702と、チューブまたはチューブの内部磁石とは、力が印加されないときに測定ロッド700の位置を維持する適切な磁力を有する任意の材料であってよいが、ガイドワイヤによって、または外科医が印加した力がこれを上回る可能性がある。例えば、磁石702とチューブの内部磁石とは、ネオジム磁石またはサマリウムコバルト磁石であってもよい。上述したように、いくつかの事例では、チューブ自体が磁性ステンレス鋼で構成されてもよい。磁石702と、チューブまたはチューブの内部磁石とは、例えば、約0.3lbs~1.0lbsの磁性引張り強度を有してもよい。
【0062】
別の例では、提供される深さゲージ装置は、力が印加されないときに測定ロッドの位置を維持するために、リングばねを備えてもよい。図8Aは、リングばね802を有する、例示的な測定ロッド800の近位端202を示す。リングばね802は、チューブ内に配置されると、チューブ(例えば、チューブ102)の内側に外向きの力を印加し、リングばね802とチューブ内側との接続部で摩擦を生成する。例えば、図8Bは、リングばね802の断面図である。リングばね802は、図示されている位置を維持するために付勢されるように構成されるが、端部804および806は互いに押し付けられて、リングばね802の直径を減少させ得る。測定ロッド800をチューブに挿入するには、リングばね802がチューブ内で拘束されるように、端部804と806とが互いに押し付けられる必要がある。挿入されたら、リングばね802はその静止形状に戻るように付勢されて、チューブの内側に外向きの力を印加する。
【0063】
リングばね802とチューブの内部との接続部で生成された摩擦は、力を印加せずに測定ロッド800をその位置で維持するのに十分であるが、(例えば、ガイドワイヤを介して、または外科医によって)測定ロッド800に印加された力がこれを上回る可能性がある。生成される摩擦の量、したがって測定ロッド800を動かすのに必要とされる印加される力の量は、リングばね802の強度に基づいて変更することができる。
【0064】
図9は、外科処置で使用される、ねじ長さを決定する例示的な方法900を示す。例示的な方法900は、図9に示される図を参照して説明されるが、方法900に関連する動作を実施する多くの他の方法が使用されてもよいことが理解されよう。例えば、いくつかのステップが他のステップと組み合わされてもよく、図示されていないいくつかのステップが実行されてもよい。これに加えて、例示的な方法900は、提供される深さ測定装置の、説明した例のいずれかによって実行されてもよい。
【0065】
ガイドワイヤ404は、矢印912の方向へ骨402に挿入されてもよい(ステップ910)。例えば、ガイドワイヤ404は、骨402の中に打ち込まれてもよい。ガイドワイヤ404は、骨402内の所望の深さに達するまで挿入される(ステップ920)。所望の深さに達した後で、深さ測定装置(例えば、深さ測定装置100)が、ガイドワイヤ404が深さ測定装置100のチューブ102内に入るように、ガイドワイヤ404に被せて配置される。深さ測定装置100は、次に矢印932の方向へ、骨402に向かってガイドワイヤ404上で平行移動される(ステップ930)。深さ測定装置100がガイドワイヤ404上で平行移動されている間のある時点で、ガイドワイヤ404はまず測定ロッド104に接触する。ここから先は、深さ測定装置100が骨402に向かってさらに平行移動されるにつれて、ガイドワイヤ404から印加される力が、矢印934の方向へ、測定ロッド104をチューブ102から押し出す。
【0066】
深さ測定装置100が骨402に接触したら、測定値の読み取りが行われてもよい(ステップ940)。測定値の読み取りを行うために、外科医は、チューブ102の測定端と整列している、測定ロッド104のインジケータに対応する長さ値942(例えば、20mm)を読み取ってもよい。長さ値942は、骨402の中に入ったガイドワイヤ404の深さ944(対向する矢印で示す)に対応する。したがって、長さ値942は、処置に必要なねじ長さにも対応している。場合によっては、ステップ940で図示されているように、外科医は深さゲージ装置100がまだ骨402に接触している間に、あるいはまだガイドワイヤ404に被せて配置されている間に、測定値の読み取りを行ってもよい。他の事例では、外科医はガイドワイヤ404から深さゲージ装置100を除去して、測定値の読み取りを行ってもよい(例えば、ステップ950に示すように、深さゲージ装置100はガイドワイヤ404から除去されても、まだ測定値の読み取りとして長さ値942を示している)。このような他の事例では、深さゲージ装置100が患者から離されたときに、外科医が測定値を読み取るのが容易であろう。
【0067】
キャニュレイティドドリル(cannulated drill)952が、矢印954の方向へガイドワイヤ404上で平行移動されて、骨402の中に入れられてもよい(ステップ950)。外科医は、長さ値942と等しい深さ944まで、あるいは所望の深さまで穴を開けるために、キャニュレイティドドリル952を使用してもよい。キャニュレイティドドリル952は、その後、骨402から除去される。長さ値942と等しい長さ944(対向する矢印で示す)を有するキャニュレイティドねじ962が、次に、ガイドワイヤ404に被せて骨402にねじ込まれてもよい(ステップ960)。例えば、外科医は、キャニュレイティドねじ962を骨402にねじ込むために、手持ち式ドライバハンドル、または電動ドライバを使用してもよい。キャニュレイティドねじ962が完全に挿入されたら、ガイドワイヤ404は除去される。したがって、外科医は、外科処置に必要なねじ長さを迅速かつ容易に決定して、そのような長さを有するねじを挿入することができる。
【0068】
本明細書の数値範囲はすべて、範囲内のすべての整数または少数を含むものと理解されたい。さらに、このような数値範囲は、その範囲内の任意の数または数のサブセットに関するクレームをサポートするものと解釈されるべきである。例えば、1~10という開示は、1~8、3~7、1~9、3.6~4.6、3.5~9.9などの範囲をサポートすると解釈されるべきである。
【0069】
さらに詳述することなく、当業者は、特許請求される発明を最大限に利用するために前述の説明を使用することができると考えられる。本明細書に開示された例および態様は、単なる例示として解釈されるべきであり、決して本開示の範囲を限定するものではない。説明した基本原理から逸脱することなく、上述の例の詳細に変更を加えることができることは、当業者には明らかであろう。換言すれば、上記の説明で具体的に開示された例の様々な修正および改善は、添付の特許請求の範囲内にある。例えば、記載された様々な例の特徴の任意の適切な組み合わせが企図される。
図1A
図1B
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6
図7
図8A
図8B
図9
【国際調査報告】