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特表2023-544128電源供給管理装置およびその動作方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-20
(54)【発明の名称】電源供給管理装置およびその動作方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20231013BHJP
   H02J 1/00 20060101ALI20231013BHJP
【FI】
H02J7/00 302A
H02J1/00 304H
H02J1/00 306A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023518989
(86)(22)【出願日】2022-02-07
(85)【翻訳文提出日】2023-03-27
(86)【国際出願番号】 KR2022001835
(87)【国際公開番号】W WO2022173175
(87)【国際公開日】2022-08-18
(31)【優先権主張番号】10-2021-0018651
(32)【優先日】2021-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チョイ、ホ ジン
【テーマコード(参考)】
5G165
5G503
【Fターム(参考)】
5G165EA02
5G165GA09
5G165JA07
5G165KA01
5G165LA07
5G165NA10
5G503AA01
5G503BA03
5G503BB02
5G503CA01
5G503CA11
5G503CB11
5G503EA05
5G503EA08
5G503FA06
5G503GD03
5G503HA00
(57)【要約】
本文書に開示された一実施形態に係る電源供給管理装置は、故障の発生時に故障レベルを判断する判断部と、前記故障レベルに応じて負荷への電源供給を遮断するための制御時点を設定し、前記制御時点に対応する第1制御命令を生成する第1制御部と、前記故障の発生時に電源供給維持時間に対応する第2制御命令を生成する第2制御部と、前記第1制御命令および第2制御命令に基づいて、前記負荷への電源供給を制御するための第3制御命令を生成する第3制御部と、を含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
故障の発生時に故障レベルを判断する判断部と、
前記故障レベルに応じて負荷への電源供給を遮断するための制御時点を設定し、前記制御時点に対応する第1制御命令を生成する第1制御部と、
前記故障の発生時に電源供給維持時間に対応する第2制御命令を生成する第2制御部と、
前記第1制御命令および前記第2制御命令に基づいて、前記負荷への電源供給を制御するための第3制御命令を生成する第3制御部と、
を含む、電源供給管理装置。
【請求項2】
前記第1制御命令は、前記制御時点以前には第1値を有し、前記制御時点から第2値を有する、請求項1に記載の電源供給管理装置。
【請求項3】
前記第2制御命令は、前記電源供給維持時間の間には前記第1値を有し、前記電源供給維持時間の後には前記第2値を有する、請求項2に記載の電源供給管理装置。
【請求項4】
前記第3制御命令は、前記第1制御命令および前記第2制御命令のうち少なくともいずれか1つが前記第1値を有する場合、前記負荷への電源供給を維持する第3制御命令を生成する、請求項2または3に記載の電源供給管理装置。
【請求項5】
前記第3制御部は、OR論理ゲートまたはAND論理ゲートを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の電源供給管理装置。
【請求項6】
前記第2制御部は、機能抑制モジュールを用いて前記第2制御命令を生成する、請求項1から5のいずれか一項に記載の電源供給管理装置。
【請求項7】
故障の発生時に故障レベルを判断するステップと、
前記故障レベルに応じて負荷への電源供給を遮断するための制御時点を設定するステップと、
前記制御時点に対応する第1制御命令を生成するステップと、
前記故障の発生時に電源供給維持時間に対応する第2制御命令を生成するステップと、
前記第1制御命令および第2制御命令に基づいて、前記負荷への電源供給を制御するための第3制御命令を生成するステップと、
を含む、電源供給管理装置の動作方法。
【請求項8】
前記第1制御命令は、前記制御時点以前には第1値を有し、前記制御時点から第2値を有する、請求項7に記載の電源供給管理装置の動作方法。
【請求項9】
前記第2制御命令は、前記電源供給維持時間の間には前記第1値を有し、前記電源供給維持時間の後には前記第2値を有する、請求項8に記載の電源供給管理装置の動作方法。
【請求項10】
前記第3制御命令は、前記第1制御命令および前記第2制御命令のうち少なくともいずれか1つが前記第1値を有する場合、前記負荷への電源供給を維持する第3制御命令を生成する、請求項8または9に記載の電源供給管理装置の動作方法。
【請求項11】
前記第1制御命令および第2制御命令に基づいて、前記負荷への電源供給を制御するための第3制御命令を生成するステップは、OR論理ゲートまたはAND論理ゲートを用いて前記第3制御命令を生成する、請求項7から10のいずれか一項に記載の電源供給管理装置の動作方法。
【請求項12】
前記故障の発生時に電源供給維持時間に対応する第2制御命令を生成するステップは、機能抑制モジュールを用いて前記第2制御命令を生成する、請求項7から11のいずれか一項に記載の電源供給管理装置の動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本文書に開示された実施形態は、2021年02月09日付けの韓国特許出願第10-2021-0018651号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は、本明細書の一部として組み込まれる。
本文書に開示された実施形態は、電源供給管理装置およびその動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
BMS(Battery Management System)に故障が発生した場合、発生した故障のレベルに応じて電気装置に一定時点まで電源供給を保障しなければならない場合がある。しかし、BMSの故障検出コンポーネント(Fault Monitoring Component)や制御コンポーネントに予想できないエラーが発生すると、電源供給を維持または遮断するスイッチが予想時点よりも早く開放され、一定時点まで電気装置に電源供給を保障できない問題が発生する。
【0003】
したがって、故障検出コンポーネントや制御コンポーネントのエラーが発生した場合、電気装置への電源供給が早く遮断され、電気装置に作動エラーが発生する問題が発生し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本文書に開示される実施形態の1つの目的は、BMSに故障が発生した場合、故障レベルに応じて一定時点まで電源供給を維持することができる電源供給管理装置およびその動作方法を提供することにある。
【0005】
本文書に開示された実施形態の技術的課題は、以上で言及した技術的課題に制限されず、言及していないまた他の技術的課題は、下記の記載から当業者に明らかに理解できるものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本文書に開示された一実施形態に係る電源供給管理装置は、故障の発生時に故障レベルを判断する判断部と、前記故障レベルに応じて負荷への電源供給を遮断するための制御時点を設定し、前記制御時点に対応する第1制御命令を生成する第1制御部と、前記故障の発生時に電源供給維持時間に対応する第2制御命令を生成する第2制御部と、前記第1制御命令および第2制御命令に基づいて、前記負荷への電源供給を制御するための第3制御命令を生成する第3制御部と、を含むことができる。
【0007】
一実施形態に係る、前記第1制御命令は、前記制御時点以前には第1値を有し、前記制御時点から第2値を有することを特徴とすることができる。
一実施形態に係る、前記第2制御命令は、前記電源供給維持時間の間には前記第1値を有し、前記電源供給維持時間以後には前記第2値を有することを特徴とすることができる。
【0008】
一実施形態に係る、前記第3制御命令は、前記第1制御命令および前記第2制御命令のうち少なくともいずれか1つが前記第1値を有する場合、前記負荷への電源供給を維持する第3制御命令を生成することができる。
【0009】
一実施形態に係る、前記第3制御部は、OR論理ゲートまたはAND論理ゲートを含むことができる。
一実施形態に係る、前記第2制御部は、機能抑制モジュール(FIM、Function Inhibition Manager)を用いて前記第2制御命令を生成することができる。
【0010】
本文書に開示された一実施形態に係る電源供給管理装置の動作方法は、故障の発生時に故障レベルを判断するステップと、前記故障レベルに応じて負荷への電源供給を遮断するための制御時点を設定するステップと、前記制御時点に対応する第1制御命令を生成するステップと、前記故障の発生時に電源供給維持時間に対応する第2制御命令を生成するステップと、前記第1制御命令および第2制御命令に基づいて、前記負荷への電源供給を制御するための第3制御命令を生成するステップと、を含むことができる。
【0011】
一実施形態に係る、前記第1制御命令は、前記制御時点以前には第1値を有し、前記制御時点から第2値を有することを特徴とすることができる。
一実施形態に係る、前記第2制御命令は、前記電源供給維持時間の間には前記第1値を有し、前記電源供給維持時間以後には前記第2値を有することを特徴とすることができる。
【0012】
一実施形態に係る、前記第3制御命令は、前記第1制御命令および前記第2制御命令のうち少なくともいずれか1つが前記第1値を有する場合、前記負荷への電源供給を維持する第3制御命令を生成することができる。
【0013】
一実施形態に係る、前記第1制御命令および第2制御命令に基づいて、前記負荷への電源供給を制御するための第3制御命令を生成するステップは、OR論理ゲートまたはAND論理ゲートを用いて前記第3制御命令を生成することができる。
【0014】
一実施形態に係る、前記故障の発生時に電源供給維持時間に対応する第2制御命令を生成するステップは、機能抑制モジュール(FIM、Function Inhibition Manager)を用いて前記第2制御命令を生成することができる。
【発明の効果】
【0015】
本文書に開示された一実施形態に係る電源供給管理装置およびその動作方法によると、BMSに故障が発生した場合、故障レベルに応じて一定時点まで電源供給を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本文書に開示された一実施形態に係る電池パックを示す図である。
図2】本文書に開示された一実施形態に係る電源供給管理装置を示すブロック図である。
図3】本文書に開示された一実施形態に係る電源供給管理装置の動作を説明するための図である。
図4】本文書に開示された一実施形態に係る電源供給管理装置の第3制御部がAND論理ゲートを用いて前記第3制御命令を生成する過程を示す図である。
図5】本文書に開示された他の実施形態に係る電源供給管理装置の第3制御部がAND論理ゲートを用いて前記第3制御命令を生成する過程を示す図である。
図6】本文書に開示された一実施形態に係る電源供給管理装置の第3制御部がOR論理ゲートを用いて前記第3制御命令を生成する過程を示す図である。
図7】本文書に開示された他の実施形態に係る電源供給管理装置の第3制御部がOR論理ゲートを用いて前記第3制御命令を生成する過程を示す図である。
図8】本文書に開示された一実施形態に係る電源供給管理装置の動作方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本文書に開示された一部の実施形態を例示的な図面により詳細に説明する。各図面の構成要素に参照符号を付するにおいて、同一の構成要素に対しては他の図面上に表示される際にも可能な限り同一の符号を付するようにしていることに留意しなければならない。また、本文書に開示された実施形態を説明するにおいて、関連した公知の構成または機能に関する具体的な説明が本文書に開示された実施形態に対する理解を妨げると判断される場合には、その詳細な説明は省略する。
【0018】
本文書に開示された実施形態の構成要素を説明するにおいて、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を用いてもよい。このような用語はその構成要素を他の構成要素と区別するためのものにすぎず、その用語により当該構成要素の本質や順番または順序などが限定されることはない。また、他に定義しない限り、技術的または科学的な用語を含めてここで用いられる全ての用語は、本文書に開示された実施形態が属する技術分野における通常の知識を有する者により一般的に理解されるものと同一の意味を有する。一般的に用いられる辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈上の意味と一致する意味を有するものと解釈されなければならず、本文書において明らかに定義しない限り、理想的または過度に形式的な意味に解釈されない。
【0019】
図1は、本文書に開示された一実施形態に係る電池パックを示す図である。
図1を参照すると、本文書に開示された一実施形態に係る電池パック1000は、電池モジュール100、電池管理装置200、およびリレー300を含むことができる。
【0020】
電池モジュール100は、複数の電池セル110、120、130、140を含むことができる。図1では複数の電池セルが4個であるものと示されているが、これに限定されず、電池モジュール100は、n(nは2以上の自然数)個の電池セルを含んで構成されることができる。
【0021】
電池モジュール100は、対象装置(図示せず)に電源を供給することができる。このために、電池モジュール100は、対象装置と電気的に連結されることができる。ここで、対象装置は、複数の電池セル110、120、130、140を含む電池パック1000から電源の供給を受けて動作する電気的、電子的、または機械的装置を含むことができ、例えば、対象装置は、電気自動車(EV)であってもよいが、これに限定されない。
【0022】
複数の電池セル110、120、130、140は、リチウムイオン(Li-ion)電池、リチウムイオンポリマー(Li-ion polymer)電池、ニッケルカドミウム(Ni-Cd)電池、ニッケル水素(Ni-MH)電池などであってもよく、これに限定されない。一方、図1では電池モジュール100が1個であるものと示されているが、実施形態によっては、電池モジュール100は、複数構成されてもよい。
【0023】
電池管理装置200は、電池モジュール100の状態および/または動作を管理および/または制御することができる。例えば、電池管理装置200は、電池モジュール100に含まれた複数の電池セル110、120、130、140の状態および/または動作を管理および/または制御することができる。電池管理装置200は、電池モジュール100の充電および/または放電を管理することができる。
【0024】
また、電池管理装置200は、電池モジュール100および/または電池モジュール100に含まれた複数の電池セル110、120、130、140それぞれの電圧、電流、温度などをモニターすることができる。そして、電池管理装置200を介したモニターのために、図示していないセンサや各種測定モジュールは、電池モジュール100や充放電経路、または電池モジュール100などの任意の位置にさらに設けられることができる。電池管理装置200は、モニターした電圧、電流、温度などの測定値に基づいて、電池モジュール100の状態を示すパラメータ、例えば、SOC(State of Charge)やSOH(State of Health)などを算出することができる。
【0025】
電池管理装置200は、リレー300の動作を制御することができる。例えば、電池管理装置200は、対象装置に電源を供給するためにリレー300を短絡させることができる。また、電池管理装置200は、電池パック1000に充電装置が連結される場合にリレー300を短絡させることができる。
【0026】
電池管理装置200は、複数の電池セル110、120、130、140それぞれのセルバランシングタイムを算出することができる。ここで、セルバランシングタイムは、電池セルのバランシングにかかる時間と定義することができる。例えば、電池管理装置200は、複数の電池セル110、120、130、140それぞれのSOC(State of Charge)、電池容量、およびバランシング効率に基づいてセルバランシングタイムを算出することができる。
【0027】
電池管理装置200は、電源供給管理装置210を含むことができる。
電源供給管理装置210は、二重化演算により、電池パック1000と連結される電気装置への電源供給を維持または遮断する電源供給スイッチ(すなわち、リレー300)が最小電源供給維持時間よりも早く開放されるのを防止して電気装置への電源供給を保障することができる。
【0028】
電池管理装置200であるBMS(Battery Management System)は、電池の充電/放電、電池残量などを確認する電池制御システムであり、電池パック1000の故障を検出し、故障検出情報を他のモジュールに送出する機能を行うことができる。したがって、電池管理装置200もしくは電池モジュール100に機械的または化学的欠陥が発生する場合にも、電池管理装置200に電源が供給され続けなければ、車両制御の究極的な安全を提供することができない。
【0029】
以下、電源供給管理装置210の構成および動作について具体的に説明する。
図2は、本文書に開示された一実施形態に係る電源供給管理装置を示すブロック図である。図3は、本文書に開示された一実施形態に係る電源供給管理装置の作動システムを示す図である。
【0030】
先ず、図2を参照すると、本文書に開示された一実施形態に係る電源供給管理装置210は、判断部211、第1制御部212、第2制御部213、および第3制御部214を含むことができる。
【0031】
判断部211は、システムの内部に故障があるか否かを決める故障検出(Fault detection)機能を行うことができる。ここで、故障(Fault)は、システムの内部構成の特性またはパラメータ(Parameter)が規定された条件から許容偏差以上外れたものと定義することができる。また、判断部211は、故障の発生時に故障レベルを判断することができる。例えば、判断部211は、電池管理装置200に故障が発生したか否かを判断し、発生した故障の故障レベルを判断することができる。
【0032】
例えば、故障レベルは、ASIL(Automotive Safety Integrity Level)の危険レベルに応じて判断したレベルと定義することができる。例えば、ASILレベルは、自動車安全水準を判断する基準であって、車両水準の危険源の分析およびリスク評価により、車両部品の作動不良による被害の深刻性(Severity)、発生可能性(Exposure)、統制可能性(Controllability)に応じて決めることができる。
【0033】
ここで、ASILレベルは、ASIL A、ASIL B、ASIL C、ASIL Dのような4つの範疇に分類することができる。ASILレベルは、ASIL Dが最も危険性が高い基準であり、ASIL Aが最も危険性が低い基準と定義することができる。
【0034】
例えば、BMSの電池モジュール制御ケーブル、または電池モジュール診断ケーブルに短絡(Short-Circuit)が発生して電池セルに過電圧または低電圧が起こり、電池の温度が上昇して電池の発火危険が予想される場合には、BMSの故障レベルをASIL Dレベルと判断することができる。
【0035】
第1制御部212は、故障レベルに応じて負荷への電源供給を遮断するための制御時点を設定し、制御時点に対応する第1制御命令を生成することができる。
【0036】
すなわち、第1制御部212は、判断部211から受信した故障のASILレベルに応じて負荷への電源供給を遮断する制御時点を設定し、制御時点に対応する第1制御命令を生成することができる。
【0037】
例えば、電気装置に故障が発生する場合、ASILレベルに応じた故障レベルに応じて一定時間まで電源供給を保障しなければならない場合が発生し得る。
例えば、車両の走行時にBMSのワイヤリングハーネス端子が固定されず、電圧の測定が不可能であって電池セルの過充電を誘発する場合には、電池セルの発火危険を誘発する場合、BMSのネットワーク制御装置(ECU、Electronic Control Unit)に一時的な通信エラーが発生した場合よりも故障により発生し得る危険レベルがさらに深刻なものであって、電源供給を直ちに遮断せずに一定時間電源供給を維持することができる。
【0038】
したがって、第1制御部212は、故障レベルに応じて負荷への電源供給を遮断するための制御時点を設定し、電源供給を直ちに遮断せずに一定期間電源をさらに供給することができる。
【0039】
例えば、第1制御部212は、故障監視モジュール(Fault Monitoring Module)およびコントローラ(Controller)を用いて第1制御命令を生成することができる。
【0040】
例えば、故障監視モジュール(Fault Monitoring Module)は、故障レベルを含む故障検出情報をモニターし、故障レベルに対応して負荷への電源供給を遮断するための制御時点を設定することができる。すなわち、第1制御部212は、故障監視モジュールを用いて、判断部211から受信した故障のASILレベルに応じた電源供給を遮断する制御時点を設定することができる。また、コントローラは、故障監視モジュールから受信した制御時点に対応する第1制御命令を生成することができる。
【0041】
ここで、第1制御命令は、制御時点以前には第1値を有し、制御時点から第2値を有することができる。例えば、第1値はデジタル信号0、第2値はデジタル信号1になることができる。
【0042】
例えば、第1制御命令は、制御時点以前には、電源供給スイッチを開放しない信号としてデジタル信号0、制御時点からは、電源供給スイッチを開放する信号としてデジタル信号1になることができる。
【0043】
第2制御部213は、故障の発生時に電源供給維持時間に対応する第2制御命令を生成することができる。すなわち、第2制御部213は、電気装置に故障が発生した場合、電源供給を維持する最小電源供給維持時間を設定し、最小電源供給維持時間に対応する電源供給命令である第2制御命令を生成することができる。
【0044】
例えば、第2制御部213は、機能抑制モジュール(FIM、Function Inhibition Manager)およびコントローラを用いて第2制御命令を生成することができる。ここで、機能抑制モジュール(FIM、Function Inhibition Manager)は、特定の条件で特定のモジュールの機能を抑制することができる。例えば、機能抑制モジュールは、故障が検出された場合、電気装置への電源供給のためのスイッチ(図示せず)の開放を抑制するための電源供給維持時間を設定することができる。コントローラは、電源供給維持時間に対応する第2制御命令を生成することができる。
【0045】
すなわち、第2制御部213は、第1制御部212の故障監視モジュールまたはコントローラに予想できない演算エラーや故障が発生しても、機能抑制モジュールを介して電気装置への電源供給のためのスイッチの開放を電源供給維持時間の間抑制することで電源供給を維持することができる。
【0046】
例えば、第2制御命令は、電源供給維持時間の間には第1値になり、電源供給維持時間以後には第2値になることができる。例えば、第1値はデジタル信号0、第2値はデジタル信号1になることができる。
【0047】
したがって、第2制御部213は、電源供給を制御する第2制御命令を生成することにより、第1制御部212の第1制御命令とは別に電源供給のためのスイッチの開放を一定時間の間抑制することで、最小電源供給維持時間を確保することができる。
【0048】
第3制御部214は、第1制御命令および第2制御命令に基づいて、負荷への電源供給を制御するための第3制御命令を生成することができる。
図3を参照すると、第3制御部214は、第1制御部212から伝達される第1制御命令、および第2制御部213から伝達される第2制御命令を受信して第3制御命令を生成することができる。すなわち、第3制御部214は、第1制御命令および第2制御命令に基づく二重化演算装置と理解することができる。
【0049】
第3制御部214は、二重化演算に基づく電源供給管理を行うことで、第1制御部212または第2制御部213のうちいずれか1つに故障が発生する場合にも電気装置への電源供給を保障することができる。
【0050】
すなわち、第3制御部214は、このような二重化演算により、故障レベルに応じた電源供給維持時間または故障発生に応じた最小電源供給維持時間よりも電気装置への電源供給のためのスイッチが早く開放されるのを防止することができる。
【0051】
第3制御部214は、二重化演算を行う1つの論理素子を用いて、負荷への電源供給を制御するための第3制御命令を生成することができる。
例えば、第3制御部214は、OR論理ゲートまたはAND論理ゲートを含むことができる。ここで、第3制御部214は、第1制御命令および第2制御命令のうち少なくともいずれか1つが第1値を有する場合、負荷への電源供給を維持する第3制御命令を生成することができる。
【0052】
図4および図5は、電源供給管理装置210の第3制御部214がAND論理ゲートを用いて第3制御命令を生成する過程を示す図である。ここで、デジタル信号0は、電源供給信号、例えば、電源供給のためのスイッチの開放を禁止する信号になることができ、デジタル信号1は、電源供給遮断信号、例えば、電源供給のためのスイッチを開放させるための信号になることができる。
【0053】
図4および図5を参照すると、第3制御部214は、AND論理ゲートの作動原理に応じて、第1制御命令および第2制御命令の値が全てデジタル信号1を出力する時点からデジタル信号1を有する第3制御命令を出力することができる。
【0054】
具体的に、図4を参照すると、第1制御部212の制御時点以後に第2制御部213の電源供給維持時間が満了することができる。したがって、第3制御部214のAND論理ゲートは、第2制御部213の電源供給維持時間以後から第1制御部212および第2制御部213から全てデジタル信号1の入力を受け、AND演算によりデジタル信号1を出力することができる。すなわち、第3制御部214は、第2制御部213の電源供給維持時間以後から電源供給遮断信号である第3制御命令を生成することができる。
【0055】
図5を参照すると、第2制御部213の電源供給維持時間以後に第1制御部212の制御時点が到来することができる。したがって、第3制御部214のAND論理ゲートは、第1制御部212の制御時点から第1制御部212および第2制御部213からデジタル信号1の入力を受け、AND演算によりデジタル信号1を出力することができる。すなわち、第3制御部214は、第1制御部212の制御時点から電源供給遮断信号である第3制御命令を生成することができる。
【0056】
したがって、第3制御部214は、AND論理ゲートを用いる場合、第1制御命令および第2制御命令のうち少なくともいずれか1つが第1値として電源供給信号であるデジタル信号0を有する場合に負荷への電源供給を維持する第3制御命令を生成することができる。
【0057】
図6および図7は、電源供給管理装置210の第3制御部214がOR論理ゲートを用いて第3制御命令を生成する過程を示す図である。ここで、デジタル信号1は、電源供給信号、例えば、電源供給のためのスイッチの開放を禁止する信号になることができ、デジタル信号0は、電源供給遮断信号、例えば、電源供給のためのスイッチを開放させるための信号になることができる。
【0058】
第3制御部214は、OR論理ゲートの作動原理に応じて、第1制御命令および第2制御命令の値が全てデジタル信号0を出力する時点からデジタル信号0を第3制御命令として出力することができる。
【0059】
先ず、図6を参照すると、第1制御部212の制御時点以後に第2制御部213の電源供給維持時間が満了することができる。したがって、第3制御部214は、第2制御部213の電源供給維持時間以後から第1制御部212および第2制御部213から全てデジタル信号0の入力を受け、OR演算によりデジタル信号0を出力することができる。すなわち、第3制御部214は、第2制御部213の電源供給維持時間以後から電源供給遮断信号である第3制御命令を生成することができる。
【0060】
図7を参照すると、第2制御部213の電源供給維持時間以後に第1制御部212の制御時点が到来することができる。したがって、第3制御部214は、第1制御部212の制御時点から第1制御部212および第2制御部213から全てデジタル信号0の入力を受け、OR演算によりデジタル信号0を出力することができる。すなわち、第3制御部214は、第1制御部212の制御時点から電源供給遮断信号である第3制御命令を生成することができる。
【0061】
したがって、第3制御部214は、OR論理ゲートを用いる場合、第1制御命令および第2制御命令のうち少なくともいずれか1つが第1値として電源供給信号であるデジタル信号1を有する場合に負荷への電源供給を維持する第3制御命令を生成することができる。
【0062】
図3図6を参照した結果、第3制御部214は、AND論理ゲートまたはOR論理ゲートを用いて、第1制御命令および第2制御命令のうち少なくともいずれか1つが電源供給信号を出力する場合、電源供給を維持する第3制御命令を生成することができる。したがって、電源供給管理装置210は、第1制御命令および第2制御命令のうちいずれか1つにエラーが発生して電源供給を遮断する信号を生成しても、残りの1つの電源供給信号に基づいて電気装置に電源供給を維持することができる。
【0063】
上述したように、本文書に開示された一実施形態に係る電源供給管理装置210は、BMSのような電気装置に故障が発生した場合、故障レベルに応じて一定時点まで電源供給を維持することができる。
【0064】
図8は、本文書に開示された一実施形態に係る電源供給管理装置の動作方法を示すフローチャートである。
図8を参照すると、本文書に開示された一実施形態に係る電源供給管理装置の動作方法は、故障の発生時に故障レベルを判断するステップ(S101)と、故障レベルに応じて負荷への電源供給を遮断するための制御時点を設定するステップ(S102)と、制御時点に対応する第1制御命令を生成するステップ(S103)と、故障の発生時に電源供給維持時間に対応する第2制御命令を生成するステップ(S104)と、第1制御命令および第2制御命令に基づいて、負荷への電源供給を制御するための第3制御命令を生成するステップ(S105)と、を含むことができる。
【0065】
以下、S101ステップ~S105ステップについて図2を参照して説明する。
S101ステップにおいて、判断部211は、故障の発生時に故障レベルを判断することができる。
【0066】
例えば、故障レベルは、ASIL(Automotive Safety Integrity Level)の危険レベルに応じて判断したレベルと定義することができる。
【0067】
S102ステップにおいて、 第1制御部212は、故障レベルに応じて負荷への電源供給を遮断するための制御時点を設定することができる。
S103ステップにおいて、第1制御部212は、制御時点に対応する第1制御命令を生成することができる。
【0068】
S103ステップにおいて、第1制御部212は、故障レベルに応じて負荷への電源供給を遮断するための制御時点を設定し、電源供給を直ちに遮断せずに一定期間電源をさらに供給することができる。
【0069】
例えば、S103ステップにおいて、第1制御部212は、故障監視モジュール(Fault Monitoring Module)およびコントローラ(Controller)を用いて第1制御命令を生成することができる。
【0070】
例えば、S103ステップにおいて、故障監視モジュール(Fault Monitoring Module)は、故障レベルを含む故障検出情報をモニターし、故障レベルに対応して負荷への電源供給を遮断するための制御時点を設定することができる。すなわち、S103ステップにおいて、第1制御部212は、故障監視モジュールを用いて、判断部211から受信した故障のASILレベルに応じた電源供給を遮断する制御時点を設定することができる。また、コントローラは、故障監視モジュールから受信した制御時点に対応する第1制御命令を生成することができる。
【0071】
例えば、S103ステップにおいて、第1制御命令は、制御時点以前には第1値を有し、制御時点から第2値を有することができる。例えば、第1値はデジタル信号0、第2値はデジタル信号1になることができる。
【0072】
S103ステップにおいて、例えば、第1制御命令は、制御時点以前には第1値を有し、制御時点から第2値を有することができる。例えば、第1値はデジタル信号0、第2値はデジタル信号1になることができる。
【0073】
S104ステップにおいて、第2制御部213は、故障の発生時に電源供給維持時間に対応する第2制御命令を生成することができる。
S104ステップにおいて、例えば、第2制御部213は、機能抑制モジュール(FIM、Function Inhibition Manager)およびコントローラを用いて第2制御命令を生成することができる。ここで、機能抑制モジュール(FIM、Function Inhibition Manager)は、特定の条件で特定のモジュールの機能を抑制することができる。例えば、機能抑制モジュールは、電気装置に故障が検出された場合、電気装置への電源供給のためのスイッチ(図示せず)の開放を抑制するための電源供給維持時間を設定することができる。コントローラは、電源供給維持時間に対応する第2制御命令を生成することができる。
【0074】
S104ステップにおいて、例えば、第2制御命令は、電源供給維持時間の間には第1値になり、電源供給維持時間以後には第2値になることができる。例えば、第1値はデジタル信号0、第2値はデジタル信号1になることができる。
【0075】
S105ステップにおいて、第3制御部214は、第1制御命令および第2制御命令に基づいて、負荷への電源供給を制御するための第3制御命令を生成することができる。
【0076】
S105ステップにおいて、第3制御部214は、OR論理ゲートまたはAND論理ゲートを用いて第3制御命令を生成することができる。
S105ステップにおいて、第3制御部214は、二重化演算を行う1つの論理素子を用いて、負荷への電源供給を制御するための第3制御命令を生成することができる。
【0077】
例えば、S105ステップにおいて、第3制御部214は、OR論理ゲートまたはAND論理ゲートを含むことができる。ここで、第3制御部214は、第1制御命令および第2制御命令のうち少なくともいずれか1つが第1値を有する場合、負荷への電源供給を維持する第3制御命令を生成することができる。
【0078】
以上の説明は、本開示の技術思想を例示的に説明したものにすぎず、本開示が属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本開示の本質的な特性から逸脱しない範囲で多様な修正および変形が可能である。
【0079】
したがって、本開示に開示された実施形態は本開示の技術思想を限定するためのものではなく説明するためのものであって、このような実施形態により本開示の技術思想の範囲が限定されるものではない。本開示の保護範囲は後述の請求範囲により解釈されなければならず、それと同等な範囲内にある全ての技術思想は本開示の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】