(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-20
(54)【発明の名称】新規の抗クローディン18抗体
(51)【国際特許分類】
C12N 15/13 20060101AFI20231013BHJP
C07K 16/28 20060101ALI20231013BHJP
C07K 19/00 20060101ALI20231013BHJP
C07K 14/725 20060101ALI20231013BHJP
C12N 15/12 20060101ALI20231013BHJP
C12N 15/62 20060101ALI20231013BHJP
C12N 15/63 20060101ALI20231013BHJP
C12N 1/15 20060101ALI20231013BHJP
C12N 1/19 20060101ALI20231013BHJP
C12N 1/21 20060101ALI20231013BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20231013BHJP
C12P 21/08 20060101ALI20231013BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20231013BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20231013BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20231013BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20231013BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20231013BHJP
G01N 33/531 20060101ALI20231013BHJP
G01N 33/53 20060101ALI20231013BHJP
【FI】
C12N15/13
C07K16/28 ZNA
C07K19/00
C07K14/725
C12N15/12
C12N15/62 Z
C12N15/63 Z
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
C12P21/08
A61K39/395 N
A61K39/395 Y
A61K45/00
A61P35/00
A61P35/02
A61P43/00 121
G01N33/531 A
G01N33/53 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023519463
(86)(22)【出願日】2021-09-26
(85)【翻訳文提出日】2023-05-25
(86)【国際出願番号】 CN2021120683
(87)【国際公開番号】W WO2022063272
(87)【国際公開日】2022-03-31
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2020/118369
(32)【優先日】2020-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202111107543.X
(32)【優先日】2021-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520502972
【氏名又は名称】エルピサイエンス(スーチョウ)・バイオファーマ,リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】520502983
【氏名又は名称】エルピサイエンス・バイオファーマ,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100163784
【氏名又は名称】武田 健志
(72)【発明者】
【氏名】チウ,ヤンシェン
(72)【発明者】
【氏名】ルー,ホンタオ
(72)【発明者】
【氏名】シン,ロウメイ
(72)【発明者】
【氏名】ユ,ジンフェン
(72)【発明者】
【氏名】ガオ,ルイ
【テーマコード(参考)】
4B064
4B065
4C084
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
4B064AG27
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4C085GG01
4C085GG02
4C085GG03
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4C085GG08
4H045AA11
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA41
4H045BA70
4H045BA71
4H045BA72
4H045CA40
4H045DA50
4H045DA76
4H045EA20
4H045EA50
4H045FA74
4H045GA26
(57)【要約】
抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体またはその抗原結合性断片、これらをコードする単離されたポリヌクレオチド、これらを含む医薬組成物、およびこれらの使用が提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
CLDN18に特異的に結合することができる抗体又はその抗原結合性断片であって、HCDR1、HCDR2、及びHCDR3を含む重鎖可変領域並びに/又はLCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む軽鎖可変領域を含み、
a)HCDR1が、配列番号1~28、201、202、332~337からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むか、又は
b)HCDR2が、配列番号29~67、203、338~343、367からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むか、又は
c)HCDR3が、配列番号68~94、344~346からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むか、又は
d)LCDR1が、配列番号95~113、205、347、348からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むか、又は
e)LCDR2が、配列番号114~123、349、350からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むか、又は
f)LCDR3が、配列番号124~155、204、351~354からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、
上記抗体又はその抗原結合性断片。
【請求項2】
a)HCDR1が配列番号1、4、11、15~20、201、202、332~337からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、かつ/又は
b)HCDR2が配列番号29、32、43、46~51、53、203、338~343からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、かつ/又は
c)HCDR3が配列番号68、69、71、79、80~85、344~346からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、かつ/又は
d)LCDR1が配列番号95、96、101~104、106、205、347、348からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、かつ/又は
e)LCDR2が配列番号114、115、117~122、349、350からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、かつ/又は
f)LCDR3が配列番号124、127、135、137~142、144、204、351~354からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、
請求項1に記載の抗体又はその抗原結合性断片。
【請求項3】
a)HCDR1が配列番号1、4、11、15~20、201、202からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、かつ/又は
b)HCDR2が配列番号29、32、43、46~51、53、203からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、かつ/又は
c)HCDR3が配列番号68、69、71、79、80~85からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、かつ/又は
d)LCDR1が配列番号95、96、101~104、106、205からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、かつ/又は
e)LCDR2が配列番号114、115、117~122からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、かつ/又は
f)LCDR3が配列番号124、127、135、137~142、144、204からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、
請求項2に記載の抗体又はその抗原結合性断片。
【請求項4】
a)HCDR1が配列番号16、19、201、202からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、かつ/又は
b)HCDR2が配列番号47、50、203からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、かつ/又は
c)HCDR3が配列番号80、83からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、かつ/又は
d)LCDR1が配列番号96、103、205からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、かつ/又は
e)LCDR2が配列番号118、120からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、かつ/又は
f)LCDR3が配列番号138、141、204からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、
請求項1に記載の抗体又はその抗原結合性断片。
【請求項5】
重鎖可変領域が、
(1)配列番号1の配列を含むHCDR1、配列番号29の配列を含むHCDR2、及び配列番号68の配列を含むHCDR3、又は
(2)配列番号2の配列を含むHCDR1、配列番号30の配列を含むHCDR2、及び配列番号69の配列を含むHCDR3、又は
(3)配列番号3の配列を含むHCDR1、配列番号31の配列を含むHCDR2、及び配列番号70の配列を含むHCDR3、又は
(4)配列番号4の配列を含むHCDR1、配列番号32の配列を含むHCDR2、及び配列番号69の配列を含むHCDR3、又は
(5)配列番号5の配列を含むHCDR1、配列番号33の配列を含むHCDR2、及び配列番号71の配列を含むHCDR3、又は
(6)配列番号4の配列を含むHCDR1、配列番号34の配列を含むHCDR2、及び配列番号69の配列を含むHCDR3、又は
(7)配列番号6の配列を含むHCDR1、配列番号32の配列を含むHCDR2、及び配列番号69の配列を含むHCDR3、又は
(8)配列番号7の配列を含むHCDR1、配列番号35の配列を含むHCDR2、及び配列番号72の配列を含むHCDR3、又は
(9)配列番号8の配列を含むHCDR1、配列番号36の配列を含むHCDR2、及び配列番号72の配列を含むHCDR3、又は
(10)配列番号6の配列を含むHCDR1、配列番号37の配列を含むHCDR2、及び配列番号69の配列を含むHCDR3、又は
(11)配列番号5の配列を含むHCDR1、配列番号38の配列を含むHCDR2、及び配列番号73の配列を含むHCDR3、又は
(12)配列番号8の配列を含むHCDR1、配列番号35の配列を含むHCDR2、及び配列番号74の配列を含むHCDR3、又は
(13)配列番号2の配列を含むHCDR1、配列番号39の配列を含むHCDR2、及び配列番号69の配列を含むHCDR3、又は
(14)配列番号9の配列を含むHCDR1、配列番号40の配列を含むHCDR2、及び配列番号75の配列を含むHCDR3、又は
(15)配列番号9の配列を含むHCDR1、配列番号41の配列を含むHCDR2、及び配列番号76の配列を含むHCDR3、又は
(16)配列番号10の配列を含むHCDR1、配列番号42の配列を含むHCDR2、及び配列番号77の配列を含むHCDR3、又は
(17)配列番号11の配列を含むHCDR1、配列番号43の配列を含むHCDR2、及び配列番号71の配列を含むHCDR3、又は
(18)配列番号12の配列を含むHCDR1、配列番号44の配列を含むHCDR2、及び配列番号75の配列を含むHCDR3、又は
(19)配列番号13の配列を含むHCDR1、配列番号40の配列を含むHCDR2、及び配列番号75の配列を含むHCDR3、又は
(20)配列番号14の配列を含むHCDR1、配列番号45の配列を含むHCDR2、及び配列番号78の配列を含むHCDR3、又は
(21)配列番号8の配列を含むHCDR1、配列番号35の配列を含むHCDR2、及び配列番号72の配列を含むHCDR3、又は
(22)配列番号15の配列を含むHCDR1、配列番号46の配列を含むHCDR2、及び配列番号79の配列を含むHCDR3、又は
(23)配列番号16の配列を含むHCDR1、配列番号47の配列を含むHCDR2、及び配列番号80の配列を含むHCDR3、又は
(24)配列番号201の配列を含むHCDR1、配列番号47の配列を含むHCDR2、及び配列番号80の配列を含むHCDR3、又は
(25)配列番号17の配列を含むHCDR1、配列番号48の配列を含むHCDR2、及び配列番号81の配列を含むHCDR3、又は
(26)配列番号18の配列を含むHCDR1、配列番号49の配列を含むHCDR2、及び配列番号82の配列を含むHCDR3、又は
(27)配列番号19の配列を含むHCDR1、配列番号50の配列を含むHCDR2、及び配列番号83の配列を含むHCDR3、又は
(28)配列番号202の配列を含むHCDR1、配列番号50の配列を含むHCDR2、及び配列番号83の配列を含むHCDR3、又は
(29)配列番号202の配列を含むHCDR1、配列番号203の配列を含むHCDR2、及び配列番号83の配列を含むHCDR3、又は
(30)配列番号17の配列を含むHCDR1、配列番号51の配列を含むHCDR2、及び配列番号84の配列を含むHCDR3、又は
(31)配列番号2の配列を含むHCDR1、配列番号52の配列を含むHCDR2、及び配列番号69の配列を含むHCDR3、又は
(32)配列番号20の配列を含むHCDR1、配列番号53の配列を含むHCDR2、及び配列番号85の配列を含むHCDR3、又は
(33)配列番号21の配列を含むHCDR1、配列番号54の配列を含むHCDR2、及び配列番号86の配列を含むHCDR3、又は
(34)配列番号22の配列を含むHCDR1、配列番号55の配列を含むHCDR2、及び配列番号87の配列を含むHCDR3、又は
(35)配列番号2の配列を含むHCDR1、配列番号56の配列を含むHCDR2、及び配列番号69の配列を含むHCDR3、又は
(36)配列番号1の配列を含むHCDR1、配列番号57の配列を含むHCDR2、及び配列番号69の配列を含むHCDR3、又は
(37)配列番号11の配列を含むHCDR1、配列番号43の配列を含むHCDR2、及び配列番号88の配列を含むHCDR3、又は
(38)配列番号23の配列を含むHCDR1、配列番号58の配列を含むHCDR2、及び配列番号89の配列を含むHCDR3、又は
(39)配列番号24の配列を含むHCDR1、配列番号59の配列を含むHCDR2、及び配列番号90の配列を含むHCDR3、又は
(40)配列番号25の配列を含むHCDR1、配列番号60の配列を含むHCDR2、及び配列番号90の配列を含むHCDR3、又は
(41)配列番号26の配列を含むHCDR1、配列番号61の配列を含むHCDR2、及び配列番号91の配列を含むHCDR3、又は
(42)配列番号26の配列を含むHCDR1、配列番号62の配列を含むHCDR2、及び配列番号92の配列を含むHCDR3、又は
(43)配列番号27の配列を含むHCDR1、配列番号367の配列を含むHCDR2、及び配列番号93の配列を含むHCDR3、又は
(44)配列番号26の配列を含むHCDR1、配列番号63の配列を含むHCDR2、及び配列番号92の配列を含むHCDR3、又は
(45)配列番号26の配列を含むHCDR1、配列番号64の配列を含むHCDR2、及び配列番号92の配列を含むHCDR3、又は
(46)配列番号28の配列を含むHCDR1、配列番号65の配列を含むHCDR2、及び配列番号85の配列を含むHCDR3、又は
(47)配列番号28の配列を含むHCDR1、配列番号66の配列を含むHCDR2、及び配列番号94の配列を含むHCDR3、又は
(48)配列番号28の配列を含むHCDR1、配列番号66の配列を含むHCDR2、及び配列番号85の配列を含むHCDR3、又は
(49)配列番号26の配列を含むHCDR1、配列番号67の配列を含むHCDR2、及び配列番号92の配列を含むHCDR3、又は
(50)配列番号11の配列を含むHCDR1、配列番号61の配列を含むHCDR2、及び配列番号91の配列を含むHCDR3
を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の抗体又はその抗原結合性断片。
【請求項6】
軽鎖可変領域が、
(1)配列番号95の配列を含むLCDR1、配列番号114の配列を含むLCDR2、及び配列番号124の配列を含むLCDR3、又は
(2)配列番号96の配列を含むLCDR1、配列番号114の配列を含むLCDR2、及び配列番号125の配列を含むLCDR3、又は
(3)配列番号96の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、及び配列番号126の配列を含むLCDR3、又は
(4)配列番号96の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、及び配列番号127の配列を含むLCDR3、又は
(5)配列番号96の配列を含むLCDR1、配列番号116の配列を含むLCDR2、及び配列番号128の配列を含むLCDR3、又は
(6)配列番号97の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、及び配列番号129の配列を含むLCDR3、又は
(7)配列番号96の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、及び配列番号130の配列を含むLCDR3、又は
(8)配列番号98の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、及び配列番号127の配列を含むLCDR3、又は
(9)配列番号96の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、及び配列番号128の配列を含むLCDR3、又は
(10)配列番号99の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、及び配列番号131の配列を含むLCDR3、又は
(11)配列番号99の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、及び配列番号132の配列を含むLCDR3、又は
(12)配列番号99の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、及び配列番号133の配列を含むLCDR3、又は
(13)配列番号100の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、及び配列番号134の配列を含むLCDR3、又は
(14)配列番号101の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、及び配列番号135の配列を含むLCDR3、又は
(15)配列番号96の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、及び配列番号136の配列を含むLCDR3、又は
(16)配列番号102の配列を含むLCDR1、配列番号117の配列を含むLCDR2、及び配列番号137の配列を含むLCDR3、又は
(17)配列番号103の配列を含むLCDR1、配列番号118の配列を含むLCDR2、及び配列番号138の配列を含むLCDR3、又は
(18)配列番号103の配列を含むLCDR1、配列番号118の配列を含むLCDR2、及び配列番号204の配列を含むLCDR3、又は
(19)配列番号96の配列を含むLCDR1、配列番号119の配列を含むLCDR2、及び配列番号139の配列を含むLCDR3、又は
(20)配列番号104の配列を含むLCDR1、配列番号118の配列を含むLCDR2、及び配列番号140の配列を含むLCDR3、又は
(21)配列番号96の配列を含むLCDR1、配列番号120の配列を含むLCDR2、及び配列番号141の配列を含むLCDR3、又は
(22)配列番号205の配列を含むLCDR1、配列番号120の配列を含むLCDR2、及び配列番号141の配列を含むLCDR3、又は
(23)配列番号96の配列を含むLCDR1、配列番号121の配列を含むLCDR2、及び配列番号142の配列を含むLCDR3、又は
(24)配列番号105の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、及び配列番号143の配列を含むLCDR3、又は
(25)配列番号106の配列を含むLCDR1、配列番号122の配列を含むLCDR2、及び配列番号144の配列を含むLCDR3、又は
(26)配列番号95の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、及び配列番号128の配列を含むLCDR3、又は
(27)配列番号98の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、及び配列番号145の配列を含むLCDR3、又は
(28)配列番号96の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、及び配列番号146の配列を含むLCDR3、又は
(29)配列番号96の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、及び配列番号147の配列を含むLCDR3、又は
(30)配列番号96の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、及び配列番号148の配列を含むLCDR3、又は
(31)配列番号107の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、及び配列番号149の配列を含むLCDR3、又は
(32)配列番号108の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、及び配列番号150の配列を含むLCDR3、又は
(33)配列番号108の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、及び配列番号150の配列を含むLCDR3、又は
(34)配列番号107の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、及び配列番号149の配列を含むLCDR3、又は
(35)配列番号109の配列を含むLCDR1、配列番号123の配列を含むLCDR2、及び配列番号151の配列を含むLCDR3、又は
(36)配列番号110の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、及び配列番号150の配列を含むLCDR3、又は
(37)配列番号111の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、及び配列番号150の配列を含むLCDR3、又は
(38)配列番号101の配列を含むLCDR1、配列番号120の配列を含むLCDR2、及び配列番号152の配列を含むLCDR3、又は
(39)配列番号101の配列を含むLCDR1、配列番号120の配列を含むLCDR2、及び配列番号153の配列を含むLCDR3、又は
(40)配列番号112の配列を含むLCDR1、配列番号120の配列を含むLCDR2、及び配列番号152の配列を含むLCDR3、又は
(41)配列番号101の配列を含むLCDR1、配列番号120の配列を含むLCDR2、及び配列番号153の配列を含むLCDR3、又は
(42)配列番号107の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、及び配列番号149の配列を含むLCDR3、又は
(43)配列番号101の配列を含むLCDR1、配列番号120の配列を含むLCDR2、及び配列番号152の配列を含むLCDR3、又は
(44)配列番号101の配列を含むLCDR1、配列番号120の配列を含むLCDR2、及び配列番号154の配列を含むLCDR3、又は
(45)配列番号96の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、及び配列番号155の配列を含むLCDR3、又は
(46)配列番号108の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、及び配列番号150の配列を含むLCDR3、又は
(47)配列番号107の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、及び配列番号149の配列を含むLCDR3、又は
(48)配列番号113の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、及び配列番号149の配列を含むLCDR3、又は
(49)配列番号108の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、及び配列番号150の配列を含むLCDR3、又は
(50)配列番号107の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、及び配列番号149の配列を含むLCDR3、又は
(51)配列番号101の配列を含むLCDR1、配列番号120の配列を含むLCDR2、及び配列番号153の配列を含むLCDR3
を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の抗体又はその抗原結合性断片。
【請求項7】
(1)HCDR1が配列番号1の配列を含み、HCDR2が配列番号29の配列を含み、HCDR3が配列番号68の配列を含み、LCDR1が配列番号95の配列を含み、LCDR2が配列番号114の配列を含み、LCDR3が配列番号124の配列を含むか、又は
(2)HCDR1が配列番号2の配列を含み、HCDR2が配列番号30の配列を含み、HCDR3が配列番号69の配列を含み、LCDR1が配列番号96の配列を含み、LCDR2が配列番号114の配列を含み、LCDR3が配列番号125の配列を含むか、又は
(3)HCDR1が配列番号3の配列を含み、HCDR2が配列番号31の配列を含み、HCDR3が配列番号70の配列を含み、LCDR1が配列番号96の配列を含み、LCDR2が配列番号115の配列を含み、LCDR3が配列番号126の配列を含むか、又は
(4)HCDR1が配列番号4の配列を含み、HCDR2が配列番号32の配列を含み、HCDR3が配列番号69の配列を含み、LCDR1が配列番号96の配列を含み、LCDR2が配列番号115の配列を含み、LCDR3が配列番号127の配列を含むか、又は
(5)HCDR1が配列番号5の配列を含み、HCDR2が配列番号33の配列を含み、HCDR3が配列番号71の配列を含み、LCDR1が配列番号96の配列を含み、LCDR2が配列番号116の配列を含み、LCDR3が配列番号128の配列を含むか、又は
(6)HCDR1が配列番号4の配列を含み、HCDR2が配列番号34の配列を含み、HCDR3が配列番号69の配列を含み、LCDR1が配列番号97の配列を含み、LCDR2が配列番号115の配列を含み、LCDR3が配列番号129の配列を含むか、又は
(7)HCDR1が配列番号6の配列を含み、HCDR2が配列番号32の配列を含み、HCDR3が配列番号69の配列を含み、LCDR1が配列番号96の配列を含み、LCDR2が配列番号115の配列を含み、LCDR3が配列番号127の配列を含むか、又は
(8)HCDR1が配列番号7の配列を含み、HCDR2が配列番号35の配列を含み、HCDR3が配列番号72の配列を含み、LCDR1が配列番号96の配列を含み、LCDR2が配列番号115の配列を含み、LCDR3が配列番号130の配列を含むか、又は
(9)HCDR1が配列番号8の配列を含み、HCDR2が配列番号36の配列を含み、HCDR3が配列番号72の配列を含み、LCDR1が配列番号96の配列を含み、LCDR2が配列番号115の配列を含み、LCDR3が配列番号130の配列を含むか、又は
(10)HCDR1が配列番号6の配列を含み、HCDR2が配列番号37の配列を含み、HCDR3が配列番号69の配列を含み、LCDR1が配列番号98の配列を含み、LCDR2が配列番号115の配列を含み、LCDR3が配列番号127の配列を含むか、又は
(11)HCDR1が配列番号5の配列を含み、HCDR2が配列番号38の配列を含み、HCDR3が配列番号73の配列を含み、LCDR1が配列番号96の配列を含み、LCDR2が配列番号115の配列を含み、LCDR3が配列番号128の配列を含むか、又は
(12)HCDR1が配列番号8の配列を含み、HCDR2が配列番号35の配列を含み、HCDR3が配列番号74の配列を含み、LCDR1が配列番号96の配列を含み、LCDR2が配列番号115の配列を含み、LCDR3が配列番号130の配列を含むか、又は
(13)HCDR1が配列番号6の配列を含み、HCDR2が配列番号32の配列を含み、HCDR3が配列番号69の配列を含み、LCDR1が配列番号96の配列を含み、LCDR2が配列番号115の配列を含み、LCDR3が配列番号127の配列を含むか、又は
(14)HCDR1が配列番号2の配列を含み、HCDR2が配列番号39の配列を含み、HCDR3が配列番号69の配列を含み、LCDR1が配列番号99の配列を含み、LCDR2が配列番号115の配列を含み、LCDR3が配列番号131の配列を含むか、又は
(15)HCDR1が配列番号5の配列を含み、HCDR2が配列番号33の配列を含み、HCDR3が配列番号71の配列を含み、LCDR1が配列番号96の配列を含み、LCDR2が配列番号115の配列を含み、LCDR3が配列番号128の配列を含むか、又は
(16)HCDR1が配列番号9の配列を含み、HCDR2が配列番号40の配列を含み、HCDR3が配列番号75の配列を含み、LCDR1が配列番号99の配列を含み、LCDR2が配列番号115の配列を含み、LCDR3が配列番号132の配列を含むか、又は
(17)HCDR1が配列番号9の配列を含み、HCDR2が配列番号41の配列を含み、HCDR3が配列番号76の配列を含み、LCDR1が配列番号99の配列を含み、LCDR2が配列番号115の配列を含み、LCDR3が配列番号133の配列を含むか、又は
(18)HCDR1が配列番号10の配列を含み、HCDR2が配列番号42の配列を含み、HCDR3が配列番号77の配列を含み、LCDR1が配列番号100の配列を含み、LCDR2が配列番号115の配列を含み、LCDR3が配列番号134の配列を含むか、又は
(19)HCDR1が配列番号11の配列を含み、HCDR2が配列番号43の配列を含み、HCDR3が配列番号71の配列を含み、LCDR1が配列番号101の配列を含み、LCDR2が配列番号115の配列を含み、LCDR3が配列番号135の配列を含むか、又は
(20)HCDR1が配列番号12の配列を含み、HCDR2が配列番号44の配列を含み、HCDR3が配列番号75の配列を含み、LCDR1が配列番号99の配列を含み、LCDR2が配列番号115の配列を含み、LCDR3が配列番号132の配列を含むか、又は
(21)HCDR1が配列番号13の配列を含み、HCDR2が配列番号40の配列を含み、HCDR3が配列番号75の配列を含み、LCDR1が配列番号99の配列を含み、LCDR2が配列番号115の配列を含み、LCDR3が配列番号132の配列を含むか、又は
(22)HCDR1が配列番号12の配列を含み、HCDR2が配列番号44の配列を含み、HCDR3が配列番号75の配列を含み、LCDR1が配列番号99の配列を含み、LCDR2が配列番号115の配列を含み、LCDR3が配列番号132の配列を含むか、又は
(23)HCDR1が配列番号14の配列を含み、HCDR2が配列番号45の配列を含み、HCDR3が配列番号78の配列を含み、LCDR1が配列番号96の配列を含み、LCDR2が配列番号115の配列を含み、LCDR3が配列番号136の配列を含むか、又は
(24)HCDR1が配列番号8の配列を含み、HCDR2が配列番号35の配列を含み、HCDR3が配列番号72の配列を含み、LCDR1が配列番号96の配列を含み、LCDR2が配列番号115の配列を含み、LCDR3が配列番号130の配列を含むか、又は
(25)HCDR1が配列番号15の配列を含み、HCDR2が配列番号46の配列を含み、HCDR3が配列番号79の配列を含み、LCDR1が配列番号102の配列を含み、LCDR2が配列番号117の配列を含み、LCDR3が配列番号137の配列を含むか、又は
(26)HCDR1が配列番号16の配列を含み、HCDR2が配列番号47の配列を含み、HCDR3が配列番号80の配列を含み、LCDR1が配列番号103の配列を含み、LCDR2が配列番号118の配列を含み、LCDR3が配列番号138の配列を含むか、又は
(27)HCDR1が配列番号17の配列を含み、HCDR2が配列番号48の配列を含み、HCDR3が配列番号81の配列を含み、LCDR1が配列番号96の配列を含み、LCDR2が配列番号119の配列を含み、LCDR3が配列番号139の配列を含むか、又は
(28)HCDR1が配列番号18の配列を含み、HCDR2が配列番号49の配列を含み、HCDR3が配列番号82の配列を含み、LCDR1が配列番号104の配列を含み、LCDR2が配列番号118の配列を含み、LCDR3が配列番号140の配列を含むか、又は
(29)HCDR1が配列番号19の配列を含み、HCDR2が配列番号50の配列を含み、HCDR3が配列番号83の配列を含み、LCDR1が配列番号96の配列を含み、LCDR2が配列番号120の配列を含み、LCDR3が配列番号141の配列を含むか、又は
(30)HCDR1が配列番号17の配列を含み、HCDR2が配列番号51の配列を含み、HCDR3が配列番号84の配列を含み、LCDR1が配列番号96の配列を含み、LCDR2が配列番号121の配列を含み、LCDR3が配列番号142の配列を含むか、又は
(31)HCDR1が配列番号2の配列を含み、HCDR2が配列番号52の配列を含み、HCDR3が配列番号69の配列を含み、LCDR1が配列番号105の配列を含み、LCDR2が配列番号115の配列を含み、LCDR3が配列番号143の配列を含むか、又は
(32)HCDR1が配列番号20の配列を含み、HCDR2が配列番号53の配列を含み、HCDR3が配列番号85の配列を含み、LCDR1が配列番号106の配列を含み、LCDR2が配列番号122の配列を含み、LCDR3が配列番号144の配列を含むか、又は
(33)HCDR1が配列番号21の配列を含み、HCDR2が配列番号54の配列を含み、HCDR3が配列番号86の配列を含み、LCDR1が配列番号95の配列を含み、LCDR2が配列番号115の配列を含み、LCDR3が配列番号128の配列を含むか、又は
(34)HCDR1が配列番号22の配列を含み、HCDR2が配列番号55の配列を含み、HCDR3が配列番号87の配列を含み、LCDR1が配列番号98の配列を含み、LCDR2が配列番号115の配列を含み、LCDR3が配列番号145の配列を含むか、又は
(35)HCDR1が配列番号2の配列を含み、HCDR2が配列番号56の配列を含み、HCDR3が配列番号69の配列を含み、LCDR1が配列番号98の配列を含み、LCDR2が配列番号115の配列を含み、LCDR3が配列番号127の配列を含むか、又は
(36)HCDR1が配列番号1の配列を含み、HCDR2が配列番号57の配列を含み、HCDR3が配列番号69の配列を含み、LCDR1が配列番号98の配列を含み、LCDR2が配列番号115の配列を含み、LCDR3が配列番号127の配列を含むか、又は
(37)HCDR1が配列番号11の配列を含み、HCDR2が配列番号43の配列を含み、HCDR3が配列番号88の配列を含み、LCDR1が配列番号96の配列を含み、LCDR2が配列番号115の配列を含み、LCDR3が配列番号146の配列を含むか、又は
(38)HCDR1が配列番号23の配列を含み、HCDR2が配列番号58の配列を含み、HCDR3が配列番号89の配列を含み、LCDR1が配列番号96の配列を含み、LCDR2が配列番号115の配列を含み、LCDR3が配列番号147の配列を含むか、又は
(39)HCDR1が配列番号22の配列を含み、HCDR2が配列番号55の配列を含み、HCDR3が配列番号87の配列を含み、LCDR1が配列番号96の配列を含み、LCDR2が配列番号115の配列を含み、LCDR3が配列番号130の配列を含むか、又は
(40)HCDR1が配列番号24の配列を含み、HCDR2が配列番号59の配列を含み、HCDR3が配列番号90の配列を含み、LCDR1が配列番号96の配列を含み、LCDR2が配列番号115の配列を含み、LCDR3が配列番号148の配列を含むか、又は
(41)HCDR1が配列番号25の配列を含み、HCDR2が配列番号60の配列を含み、HCDR3が配列番号90の配列を含み、LCDR1が配列番号96の配列を含み、LCDR2が配列番号115の配列を含み、LCDR3が配列番号148の配列を含むか、又は
(42)HCDR1が配列番号26の配列を含み、HCDR2が配列番号61の配列を含み、HCDR3が配列番号91の配列を含み、LCDR1が配列番号107の配列を含み、LCDR2が配列番号115の配列を含み、LCDR3が配列番号149の配列を含むか、又は
(43)HCDR1が配列番号26の配列を含み、HCDR2が配列番号62の配列を含み、HCDR3が配列番号92の配列を含み、LCDR1が配列番号108の配列を含み、LCDR2が配列番号115の配列を含み、LCDR3が配列番号150の配列を含むか、又は
(44)HCDR1が配列番号24の配列を含み、HCDR2が配列番号59の配列を含み、HCDR3が配列番号90の配列を含み、LCDR1が配列番号96の配列を含み、LCDR2が配列番号115の配列を含み、LCDR3が配列番号148の配列を含むか、又は
(45)HCDR1が配列番号26の配列を含み、HCDR2が配列番号61の配列を含み、HCDR3が配列番号91の配列を含み、LCDR1が配列番号107の配列を含み、LCDR2が配列番号115の配列を含み、LCDR3が配列番号149の配列を含むか、又は
(46)HCDR1が配列番号25の配列を含み、HCDR2が配列番号60の配列を含み、HCDR3が配列番号90の配列を含み、LCDR1が配列番号109の配列を含み、LCDR2が配列番号123の配列を含み、LCDR3が配列番号151の配列を含むか、又は
(47)HCDR1が配列番号27の配列を含み、HCDR2が配列番号367の配列を含み、HCDR3が配列番号93の配列を含み、LCDR1が配列番号109の配列を含み、LCDR2が配列番号123の配列を含み、LCDR3が配列番号151の配列を含むか、又は
(48)HCDR1が配列番号26の配列を含み、HCDR2が配列番号63の配列を含み、HCDR3が配列番号92の配列を含み、LCDR1が配列番号110の配列を含み、LCDR2が配列番号115の配列を含み、LCDR3が配列番号150の配列を含むか、又は
(49)HCDR1が配列番号26の配列を含み、HCDR2が配列番号64の配列を含み、HCDR3が配列番号92の配列を含み、LCDR1が配列番号111の配列を含み、LCDR2が配列番号115の配列を含み、LCDR3が配列番号150の配列を含むか、又は
(50)HCDR1が配列番号28の配列を含み、HCDR2が配列番号65の配列を含み、HCDR3が配列番号85の配列を含み、LCDR1が配列番号101の配列を含み、LCDR2が配列番号120の配列を含み、LCDR3が配列番号152の配列を含むか、又は
(51)HCDR1が配列番号28の配列を含み、HCDR2が配列番号66の配列を含み、HCDR3が配列番号94の配列を含み、LCDR1が配列番号101の配列を含み、LCDR2が配列番号120の配列を含み、LCDR3が配列番号153の配列を含むか、又は
(52)HCDR1が配列番号28の配列を含み、HCDR2が配列番号65の配列を含み、HCDR3が配列番号85の配列を含み、LCDR1が配列番号112の配列を含み、LCDR2が配列番号120の配列を含み、LCDR3が配列番号152の配列を含むか、又は
(53)HCDR1が配列番号28の配列を含み、HCDR2が配列番号66の配列を含み、HCDR3が配列番号85の配列を含み、LCDR1が配列番号101の配列を含み、LCDR2が配列番号120の配列を含み、LCDR3が配列番号154の配列を含むか、又は
(54)HCDR1が配列番号26の配列を含み、HCDR2が配列番号67の配列を含み、HCDR3が配列番号92の配列を含み、LCDR1が配列番号96の配列を含み、LCDR2が配列番号115の配列を含み、LCDR3が配列番号155の配列を含むか、又は
(55)HCDR1が配列番号26の配列を含み、HCDR2が配列番号63の配列を含み、HCDR3が配列番号92の配列を含み、LCDR1が配列番号108の配列を含み、LCDR2が配列番号115の配列を含み、LCDR3が配列番号150の配列を含むか、又は
(56)HCDR1が配列番号26の配列を含み、HCDR2が配列番号61の配列を含み、HCDR3が配列番号91の配列を含み、LCDR1が配列番号107の配列を含み、LCDR2が配列番号115の配列を含み、LCDR3が配列番号149の配列を含むか、又は
(57)HCDR1が配列番号11の配列を含み、HCDR2が配列番号61の配列を含み、HCDR3が配列番号91の配列を含み、LCDR1が配列番号113の配列を含み、LCDR2が配列番号115の配列を含み、LCDR3が配列番号149の配列を含むか、又は
(58)HCDR1が配列番号26の配列を含み、HCDR2が配列番号61の配列を含み、HCDR3が配列番号91の配列を含み、LCDR1が配列番号107の配列を含み、LCDR2が配列番号115の配列を含み、LCDR3が配列番号149の配列を含むか、又は
(59)HCDR1が配列番号11の配列を含み、HCDR2が配列番号61の配列を含み、HCDR3が配列番号91の配列を含み、LCDR1が配列番号96の配列を含み、LCDR2が配列番号115の配列を含み、LCDR3が配列番号148の配列を含むか、又は
(60)HCDR1が配列番号28の配列を含み、HCDR2が配列番号66の配列を含み、HCDR3が配列番号85の配列を含み、LCDR1が配列番号101の配列を含み、LCDR2が配列番号120の配列を含み、LCDR3が配列番号153の配列を含むか、又は
(61)HCDR1が配列番号16の配列を含み、HCDR2が配列番号47の配列を含み、HCDR3が配列番号80の配列を含み、LCDR1が配列番号103の配列を含み、LCDR2が配列番号118の配列を含み、LCDR3が配列番号204の配列を含むか、又は
(62)HCDR1が配列番号201の配列を含み、HCDR2が配列番号47の配列を含み、HCDR3が配列番号80の配列を含み、LCDR1が配列番号103の配列を含み、LCDR2が配列番号118の配列を含み、LCDR3が配列番号138の配列を含むか、又は
(63)HCDR1が配列番号201の配列を含み、HCDR2が配列番号47の配列を含み、HCDR3が配列番号80の配列を含み、LCDR1が配列番号103の配列を含み、LCDR2が配列番号118の配列を含み、LCDR3が配列番号204の配列を含むか、又は
(64)HCDR1が配列番号202の配列を含み、HCDR2が配列番号203の配列を含み、HCDR3が配列番号83の配列を含み、LCDR1が配列番号96の配列を含み、LCDR2が配列番号120の配列を含み、LCDR3が配列番号141の配列を含むか、又は
(65)HCDR1が配列番号202の配列を含み、HCDR2が配列番号203の配列を含み、HCDR3が配列番号83の配列を含み、LCDR1が配列番号205の配列を含み、LCDR2が配列番号120の配列を含み、LCDR3が配列番号141の配列を含むか、又は
(66)HCDR1が配列番号19の配列を含み、HCDR2が配列番号50の配列を含み、HCDR3が配列番号83の配列を含み、LCDR1が配列番号205の配列を含み、LCDR2が配列番号120の配列を含み、LCDR3が配列番号141の配列を含む、
請求項1~6のいずれか1項に記載の抗体又はその抗原結合性断片。
【請求項8】
重鎖HFR1、HFR2、HFR3、及びHFR4のうち1つもしくは複数、並びに/又は軽鎖LFR1、LFR2、LFR3、及びLFR4のうち1つもしくは複数をさらに含み、
a)HFR1が配列番号355もしくは356の配列、又はその少なくとも80%の配列同一性のある相同配列を含み、
b)HFR2が配列番号357もしくは358の配列、又はその少なくとも80%の配列同一性のある相同配列を含み、
c)HFR3が配列番号359もしくは360の配列、又はその少なくとも80%の配列同一性のある相同配列を含み、
d)HFR4が配列番号361もしくは362の配列、又はその少なくとも80%の配列同一性のある相同配列を含み、
e)LFR1が配列番号363の配列、又はその少なくとも80%の配列同一性のある相同配列を含み、
f)LFR2が配列番号364の配列、又はその少なくとも80%の配列同一性のある相同配列を含み、
g)LFR3が配列番号365の配列、又はその少なくとも80%の配列同一性のある相同配列を含み、
h)LFR4が配列番号366の配列、又はその少なくとも80%の配列同一性のある相同配列を含む、
請求項1~7のいずれか1項に記載の抗体又はその抗原結合性断片。
【請求項9】
a)HFR1が配列番号355の配列、又はその少なくとも80%の配列同一性のある相同配列を含み、
b)HFR2が配列番号357の配列、又はその少なくとも80%の配列同一性のある相同配列を含み、
c)HFR3が配列番号359の配列、又はその少なくとも80%の配列同一性のある相同配列を含み、
d)HFR4が配列番号361の配列、又はその少なくとも80%の配列同一性のある相同配列を含み、
e)LFR1が配列番号363の配列、又はその少なくとも80%の配列同一性のある相同配列を含み、
f)LFR2が配列番号364の配列、又はその少なくとも80%の配列同一性のある相同配列を含み、
g)LFR3が配列番号365の配列、又はその少なくとも80%の配列同一性のある相同配列を含み、
h)LFR4が配列番号366の配列、又はその少なくとも80%の配列同一性のある相同配列を含む、
請求項8に記載の抗体又はその抗原結合性断片。
【請求項10】
a)HFR1が配列番号356の配列、又はその少なくとも80%の配列同一性のある相同配列を含み、
b)HFR2が配列番号358の配列、又はその少なくとも80%の配列同一性のある相同配列を含み、
c)HFR3が配列番号360の配列、又はその少なくとも80%の配列同一性のある相同配列を含み、
d)HFR4が配列番号362の配列、又はその少なくとも80%の配列同一性のある相同配列を含み、
e)LFR1が配列番号363の配列、又はその少なくとも80%の配列同一性のある相同配列を含み、
f)LFR2が配列番号364の配列、又はその少なくとも80%の配列同一性のある相同配列を含み、
g)LFR3が配列番号365の配列、又はその少なくとも80%の配列同一性のある相同配列を含み、
h)LFR4が配列番号366の配列、又はその少なくとも80%の配列同一性のある相同配列を含む、
請求項8に記載の抗体又はその抗原結合性断片。
【請求項11】
HFR1が配列番号156~161からなる群から選択される配列を含み、
HFR2が配列番号162~168からなる群から選択される配列を含み、
HFR3が配列番号169~176からなる群から選択される配列を含み、
HFR4が配列番号177~178からなる群から選択される配列を含み、
LFR1が配列番号179~184からなる群から選択される配列を含み、
LFR2が配列番号185~189からなる群から選択される配列を含み、
LFR3が配列番号190~197からなる群から選択される配列を含み、
LFR4が配列番号198~200からなる群から選択される配列を含む、
請求項8~10のいずれか1項に記載の抗体又はその抗原結合性断片。
【請求項12】
配列番号206~259、311~313、318~321からなる群から選択される配列、及び少なくとも80%の配列同一性を有ししかもCLDN18に対する特異的結合親和性を保持しているその相同配列を含む重鎖可変領域、並びに
配列番号260~310、314~317、322~324からなる群から選択される配列、及び少なくとも80%の配列同一性を有ししかもCLDN18に対する特異的結合親和性を保持しているその相同配列を含む軽鎖可変領域
を含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の抗体又はその抗原結合性断片。
【請求項13】
配列番号210、246からなる群から選択される配列、及び少なくとも80%の配列同一性を有ししかもCLDN18に対する特異的結合親和性を保持しているその相同配列を含む重鎖可変領域、並びに
配列番号273、307からなる群から選択される配列、及び少なくとも80%の配列同一性を有ししかもCLDN18に対する特異的結合親和性を保持しているその相同配列を含む軽鎖可変領域
を含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の抗体又はその抗原結合性断片。
【請求項14】
(1)配列番号249の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号294の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(2)配列番号208の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号278の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(3)配列番号225の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号296の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(4)配列番号242の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号289の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(5)配列番号244の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号265の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(6)配列番号242の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号295の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(7)配列番号243の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号267の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(8)配列番号237の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号304の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(9)配列番号239の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号277の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(10)配列番号225の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号310の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(11)配列番号246の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号273の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(12)配列番号226の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号298の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(13)配列番号224の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号296の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(14)配列番号226の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号297の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(15)配列番号240の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号276の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(16)配列番号238の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号275の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(17)配列番号258の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号301の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(18)配列番号209の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号301の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(19)配列番号244の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号266の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(20)配列番号247の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号289の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(21)配列番号228の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号300の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(22)配列番号245の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号266の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(23)配列番号258の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号289の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(24)配列番号248の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号289の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(25)配列番号230の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号303の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(26)配列番号212の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号309の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(27)配列番号207の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号280の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(28)配列番号210の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号307の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(29)配列番号231の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号306の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(30)配列番号241の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号283の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(31)配列番号213の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号308の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(32)配列番号214の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号269の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(33)配列番号206の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号305の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(34)配列番号259の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号271の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(35)配列番号221の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号281の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(36)配列番号227の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号286の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(37)配列番号215の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号263の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(38)配列番号218の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号262の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(39)配列番号216の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号263の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(40)配列番号234の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号274の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(41)配列番号211の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号261の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(42)配列番号217の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号262の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(43)配列番号219の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号264の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(44)配列番号230の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号279の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(45)配列番号257の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号271の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(46)配列番号233の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号292の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(47)配列番号255の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号299の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(48)配列番号252の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号272の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(49)配列番号223の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号285の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(50)配列番号232の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号287の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(51)配列番号253の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号270の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(52)配列番号222の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号260の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(53)配列番号220の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号284の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(54)配列番号251の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号291の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(55)配列番号256の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号268の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(56)配列番号236の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号293の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(57)配列番号250の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号290の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(58)配列番号235の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号288の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(59)配列番号229の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号282の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(60)配列番号254の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号302の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(61)配列番号311の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号314の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(62)配列番号311の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号315の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(63)配列番号311の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号316の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(64)配列番号311の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号317の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(65)配列番号311の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号402の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(66)配列番号312の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号314の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(67)配列番号312の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号315の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(68)配列番号312の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号316の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(69)配列番号312の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号317の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(70)配列番号312の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号402の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(71)配列番号313の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号314の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(72)配列番号313の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号315の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(73)配列番号313の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号316の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(74)配列番号313の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号317の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(75)配列番号313の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号402の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(76)配列番号318の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号322の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(77)配列番号318の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号323の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(78)配列番号318の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号324の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(79)配列番号319の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号322の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(80)配列番号319の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号323の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(81)配列番号319の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号324の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(82)配列番号320の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号322の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(83)配列番号320の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号323の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(84)配列番号320の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号324の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(85)配列番号321の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号322の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(86)配列番号321の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号323の配列を含む軽鎖可変領域、又は
(87)配列番号321の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号324の配列を含む軽鎖可変領域
を含む、請求項1~13のいずれか1項に記載の抗体又はその抗原結合性断片。
【請求項15】
1つ又は複数のアミノ酸残基の置換又は修飾をさらに含み、しかもヒトCLDN18に対する特異的結合親和性を保持している、請求項1~14のいずれか1項に記載の抗体又はその抗原結合性断片。
【請求項16】
置換又は修飾のうち少なくとも1つが重鎖可変領域又は軽鎖可変領域のCDR配列の1つもしくは複数の中、及び/又は非CDR配列の1つもしくは複数の中にある、請求項15に記載の抗体又はその抗原結合性断片。
【請求項17】
Fc領域、任意選択でヒト免疫グロブリン(Ig)のFc領域、又は任意選択でヒトIgGのFc領域をさらに含む、請求項1~16のいずれか1項に記載の抗体又はその抗原結合性断片。
【請求項18】
Fc領域がヒトIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、IgA2、又はIgMに由来する、請求項17に記載の抗体又はその抗原結合性断片。
【請求項19】
ヒトIgG1に由来するFc領域が、L235V、G236A、S239D、F243L、H268F、R292P、Y300L、V305I、S324T、A330L、I332E、及びP396Lからなる群から選択される1つ又は複数の変異を含む、請求項18に記載の抗体又はその抗原結合性断片。
【請求項20】
ヒトIgG1に由来するFc領域が、(1)G236A、S239D、及びI332E、(2)S239D、A330L、及びI332E、(3)S239D及びI332E、(4)S239D、H268F、S324T、及びI332E、(5)F243L、R292P、Y300L、V305I、及びP396L、(6)L235V、F243L、R292P、Y300L、及びP396Lからなる群から選択される変異を含む、請求項19に記載の抗体又はその抗原結合性断片。
【請求項21】
Fc領域が、配列番号326~331からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項20に記載の抗体又はその抗原結合性断片。
【請求項22】
ヒト化されている、請求項1~21のいずれか1項に記載の抗体又はその抗原結合性断片。
【請求項23】
モノクローナル抗体、二重特異的抗体、多重特異的抗体、組換え抗体、キメラ抗体、標識抗体、二価抗体、抗イディオタイプ抗体、又は融合タンパク質である、請求項1~22のいずれか1項に記載の抗体又はその抗原結合性断片。
【請求項24】
ダイアボディ、Fab、Fab’、F(ab’)
2、Fd、Fv断片、ジスルフィド安定化Fv断片(dsFv)、(dsFv)
2、二重特異的dsFv(dsFv-dsFv’)、ジスルフィド安定化ダイアボディ(dsダイアボディ)、単鎖抗体分子(scFv)、scFvダイマー(二価ダイアボディ)、多重特異的抗体、ラクダ化単一ドメイン抗体、ナノボディ、ドメイン抗体、又は二価ドメイン抗体である、請求項1~23のいずれか1項に記載の抗体又はその抗原結合性断片。
【請求項25】
ヒトCLDN18に特異的に結合することができる、請求項1~24のいずれか1項に記載の抗体又はその抗原結合性断片。
【請求項26】
ヒトCLDN18.2に特異的に結合することができる、請求項25に記載の抗体又はその抗原結合性断片。
【請求項27】
ヒトCLDN18.1とヒトCLDN18.2の両方に結合することができる、請求項25に記載の抗体又はその抗原結合性断片。
【請求項28】
FACSアッセイによって測定して2nM以下のEC
50でヒトCLDN18.2に特異的に結合することができる、請求項1~27のいずれか1項に記載の抗体又はその抗原結合性断片。
【請求項29】
a)FACSアッセイによって測定してヒトCLDN18.2に特異的に結合するが、ヒトCLDN18.1に特異的に結合しない、
b)FACSアッセイによって測定してヒトCLDN18.2とマウスCLDN18.2の両方に特異的に結合する、
c)FACSアッセイによって測定して4nM以下のEC
50でマウスCLDN18.2に特異的に結合する、
d)Biacoreアッセイによって測定して10
-8M以下のK
D値でヒトCLDN18.2に特異的に結合する、
e)Octetアッセイによって測定して10
-8M以下のK
D値でヒトCLDN18.2に特異的に結合する、
からなる群から選択される1つ又は複数の特性を有する、請求項1~28のいずれか1項に記載の抗体又はその抗原結合性断片。
【請求項30】
ヒトCLDN18との結合について請求項1~28のいずれか1項に記載の抗体又はその抗原結合性断片と競合する、抗CLDN18抗体又はその抗原結合性断片。
【請求項31】
CLDN18が、配列番号401のアミノ酸配列を含むヒトCLDN18.2である、請求項1~30のいずれか1項に記載の抗体又はその抗原結合性断片。
【請求項32】
配列番号397の配列を含む重鎖可変領域及び配列番号398の配列を含む軽鎖可変領域を含む抗体IMAB362ではない、請求項29~31のいずれか1項に記載の抗体又はその抗原結合性断片。
【請求項33】
二重特異的である、請求項1~32のいずれか1項に記載の抗体又はその抗原結合性断片。
【請求項34】
CLDN18以外の第2の抗原又はCLDN18上の第2のエピトープと特異的に結合することができる、請求項33に記載の抗体又はその抗原結合性断片。
【請求項35】
1つ又は複数のコンジュゲート部分に連結された、請求項1~34のいずれか1項に記載の抗体又はその抗原結合性断片。
【請求項36】
コンジュゲート部分が、クリアランス修飾剤、化学療法剤、毒素、放射性同位体、ランタニド、発光標識、蛍光標識、酵素基質標識、DNAアルキル化剤、トポイソメラーゼ阻害剤、チューブリンバインダー、精製部分、又はその他の抗がん薬物を含む、請求項35に記載の抗体又はその抗原結合性断片。
【請求項37】
コンジュゲート部分が、TLR-7アゴニスト、TLR-8アゴニスト、又はTLR-9アゴニストである、請求項35に記載の抗体又はその抗原結合性断片。
【請求項38】
請求項1~37のいずれか1項に記載の抗体又はその抗原結合性断片及び1つ又は複数の薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
【請求項39】
請求項1~37のいずれか1項に記載の抗体又はその抗原結合性断片、膜貫通領域、及び細胞内シグナル領域を含む、キメラ抗原受容体。
【請求項40】
抗原結合性断片がscFvである、請求項39に記載のキメラ抗原受容体。
【請求項41】
膜貫通領域が、CD3、CD4、CD8、又はCD28の膜貫通領域を含む、請求項40に記載のキメラ抗原受容体。
【請求項42】
細胞内シグナル領域が、CD3、CD27、CD28、CD137、CD134、MyD88、CD40、CD278、TLRの細胞内シグナル領域配列又はそれらの組合せからなる群から選択される、請求項40又は41に記載のキメラ抗原受容体。
【請求項43】
請求項1~37のいずれか1項に記載の抗体もしくはその抗原結合性断片、及び/又は請求項39~42のいずれか1項に記載のキメラ抗原受容体をコードする、単離されたポリヌクレオチド。
【請求項44】
請求項43に記載の単離されたポリヌクレオチドを含む、ベクター。
【請求項45】
請求項44に記載のベクターを含む、宿主細胞。
【請求項46】
請求項1~37のいずれか1項に記載の抗体もしくはその抗原結合性断片、及び/又は請求項38に記載の医薬組成物、及び/又は請求項39~42のいずれか1項に記載のキメラ抗原受容体、並びに第2の治療剤を含む、キット。
【請求項47】
請求項44に記載のベクターが発現される条件下で請求項44に記載の宿主細胞を培養するステップを含む、請求項1~37のいずれか1項に記載の抗体もしくはその抗原結合性断片又は請求項39~42のいずれか1項に記載のキメラ抗原受容体を発現する方法。
【請求項48】
治療有効量の請求項1~37のいずれか1項に記載の抗体もしくはその抗原結合性断片、及び/又は請求項38に記載の医薬組成物、及び/又は請求項39~42のいずれか1項に記載のキメラ抗原受容体を対象に投与するステップを含む、対象におけるCLDN18関連の疾患、障害、又は状態を処置し、防止し、又は軽減する方法。
【請求項49】
疾患、障害、又は状態ががんである、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
がんが上皮細胞由来のがんである、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
がんが、肛門がん、虫垂がん、星状細胞腫、基底細胞癌、胆嚢がん、胃がん、肺がん、気管支がん、骨がん、肝胆管がん、膵がん、乳がん、肝がん、卵巣がん、精巣がん、腎がん、腎盂尿管がん、唾液腺がん、小腸がん、尿道がん、膀胱がん、頭頚部がん、脊椎がん、脳がん、頸がん、子宮がん、子宮内膜がん、結腸がん、結腸直腸がん、直腸がん、食道がん、胃腸管がん、皮膚がん、前立腺がん、下垂体がん、膣がん、甲状腺がん、咽喉がん、膠芽細胞腫、黒色腫、骨髄異形成症候群、肉腫、奇形腫、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性リンパ球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫、TもしくはB細胞リンパ腫、GI器官間質腫、軟組織腫瘍、肝細胞癌、又は腺癌、又はこれらの転移である、請求項49に記載の方法。
【請求項52】
がんが、胃がん、膵がん、食道がん、卵巣がん、又はこれらの転移である、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
対象が、任意選択で非がん細胞において通常見られるレベルより有意に高いレベルで、CLDN18を発現しているがん細胞又は腫瘍浸潤性免疫細胞を有すると同定されている、請求項48~52のいずれか1項に記載の方法。
【請求項54】
対象がヒトである、請求項48~53のいずれか1項に記載の方法。
【請求項55】
投与が経口、経鼻、静脈内、皮下、舌下、又は筋肉内の投与を介する、請求項48~54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項56】
治療有効量の第2の治療剤を投与するステップをさらに含む、請求項48~55のいずれか1項に記載の方法。
【請求項57】
第2の治療剤が、化学療法剤、抗がん薬、放射線療法剤、免疫療法剤、抗血管新生剤、標的療法剤、細胞療法剤、遺伝子療法剤、ホルモン療法剤、抗ウイルス剤、抗生剤、鎮痛剤、抗酸化剤、金属キレート剤、及びサイトカインからなる群から選択される、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
CLDN18陽性細胞を請求項1~37のいずれか1項に記載の抗体もしくはその抗原結合性断片及び/又は請求項38に記載の医薬組成物及び/又は請求項39~42のいずれか1項に記載のキメラ抗原受容体に曝露するステップを含む、CLDN18陽性細胞におけるCLDN18活性を調節する方法。
【請求項59】
試料を請求項1~37のいずれか1項に記載の抗体もしくはその抗原結合性断片及び/又は請求項38に記載の医薬組成物及び/又は請求項39~42のいずれか1項に記載のキメラ抗原受容体と接触させるステップ、並びに試料中におけるCLDN18の存在又は量を決定するステップを含む、試料中におけるCLDN18の存在又は量を検出する方法。
【請求項60】
a)対象から得た試料を請求項1~37のいずれか1項に記載の抗体もしくはその抗原結合性断片及び/又は請求項38に記載の医薬組成物及び/又は請求項39~42のいずれか1項に記載のキメラ抗原受容体と接触させるステップ、b)試料中のCLDN18の存在又は量を決定するステップ、並びにc)CLDN18の存在又は量を対象におけるCLDN18関連の疾患、障害、又は状態の存在又はステータスと相関させるステップを含む、対象におけるCLDN18関連の疾患、障害、又は状態を診断する方法。
【請求項61】
治療有効量の請求項1~37のいずれか1項に記載の抗体もしくはその抗原結合性断片及び/又は請求項38に記載の医薬組成物及び/又は請求項39~42のいずれか1項に記載のキメラ抗原受容体を対象に投与するステップを含む、CLDN18活性の調節によって恩恵を受ける対象における疾患、障害、又は状態を処置し、防止し、又は軽減する方法。
【請求項62】
対象におけるCLDN18関連の疾患、障害、又は状態を処置し、防止し、又は軽減するための医薬の製造における、請求項1~37のいずれか1項に記載の抗体もしくはその抗原結合性断片及び/又は請求項38に記載の医薬組成物及び/又は請求項39~42のいずれか1項に記載のキメラ抗原受容体の使用。
【請求項63】
対象におけるCLDN18関連の疾患、障害、又は状態を診断するための診断試薬の製造における、請求項1~37のいずれか1項に記載の抗体もしくはその抗原結合性断片及び/又は請求項38に記載の医薬組成物及び/又は請求項39~42のいずれか1項に記載のキメラ抗原受容体の使用。
【請求項64】
CLDN18の検出に有用な、請求項1~37のいずれか1項に記載の抗体もしくはその抗原結合性断片及び/又は請求項38に記載の医薬組成物及び/又は請求項39~42のいずれか1項に記載のキメラ抗原受容体を含む、キット。
【請求項65】
CLDN18がヒトCLDN18.2である、請求項48~61のいずれか1項に記載の方法、請求項62~63のいずれか1項に記載の使用、請求項64に記載のキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[001]本開示は一般に、新規の抗クローディン18(特に抗クローディン18.2)抗体およびその抗体断片に関する。
【背景技術】
【0002】
[002]クローディン(CLDN)タンパク質は、上皮と内皮の堅固な接合部の中に位置する内在性膜タンパク質であり、イオンおよび溶質に対する傍細胞浸透性を制御するために有用である。CLDN18をノックオフしたマウスは、溶質浸透性および肺胞液クリアランスの増大を呈した。CLDN18タンパク質は種々のがんの型で幅広く発現され、少なくとも2つのアイソフォーム、即ちCLDN18.1およびCLDN18.2を有している。CLDN18.1スプライスバリアントは肺で発現され、CLDN18.2スプライスバリアントは胃粘膜で発現されるが他の健常な組織では発現されない(Singh et al.,Journal of Hematology & Oncology(2017)10:105)。CLDN18.2は、短命な分化した上皮細胞に限定され、胃腺の幹細胞ゾーンには存在しない発現パターンを有する高度に選択的な胃リニエージ(たとえば胃細胞特異的)マーカーを提供する(Sahin et al.,Clin Cancer Res 14(23)7624-7634,2008)。Sahinらはまた、CLDN18.2が、膵、胃、食道、肺、および卵巣のがんを含むいくつかの異なる型のがんにおいてしばしば過発現されることを報告した。したがって、公開された報告は、CLDN18.2が上皮細胞由来の腫瘍に関連する疾患のがん免疫療法の開発のための診断ツールおよび魅力的な目標になり得ることを示唆している。特に、CLDN18.2に対して生成したモノクローナル抗体であるゾルベツキシマブ(IMAB362としても知られている)が進行胃がんに有用であることを示唆する予備的な結果が臨床試験によって得られた。
【0003】
[003]新規の抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体へのニーズが依然としてある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
[004]本開示を通して、冠詞「a」、「an」、および「the」は、本明細書において、その冠詞の文法的目的物の1つまたはそれ超(即ち、少なくとも1つ)を意味するために用いられる。例として、「抗体」は1つの抗体または2つ以上の抗体を意味する。
【0005】
[005]1つの観点では、本開示は、CLDN18に特異的に結合することができる抗体またはその抗原結合性断片であって、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3を含む重鎖可変領域ならびに/またはLCDR1、LCDR2、およびLCDR3を含む軽鎖可変領域を含み、
a)HCDR1が、配列番号1~28、201、202、332~337からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むか、または
b)HCDR2が、配列番号29~67、203、338~343、367からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むか、または
c)HCDR3が、配列番号68~94、344~346からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むか、または
d)LCDR1が、配列番号95~113、205、347、348からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むか、または
e)LCDR2が、配列番号114~123、349、350からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むか、または
f)LCDR3が、配列番号124~155、204、351~354からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、抗体またはその抗原結合性断片を提供する。
【0006】
[006]一部の実施形態では、本明細書で提供される抗体またはその抗原結合性断片は、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3を含む重鎖可変領域ならびに/またはLCDR1、LCDR2、およびLCDR3を含む軽鎖可変領域を含み、
a)HCDR1は配列番号1、4、11、15~20、201、202、332~337からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、かつ/または
b)HCDR2は配列番号29、32、43、46~51、53、203、338~343からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、かつ/または
c)HCDR3は配列番号68、69、71、79、80~85、344~346からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、かつ/または
d)LCDR1は配列番号95、96、101~104、106、205、347、348からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、かつ/または
e)LCDR2は配列番号114、115、117~122、349、350からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、かつ/または
f)LCDR3は配列番号124、127、135、137~142、144、204、351~354からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0007】
[007]一部の実施形態では、本明細書で提供される抗体またはその抗原結合性断片は、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3を含む重鎖可変領域ならびに/またはLCDR1、LCDR2、およびLCDR3を含む軽鎖可変領域を含み、
a)HCDR1は配列番号1、4、11、15~20、201、202からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、かつ/または
b)HCDR2は配列番号29、32、43、46~51、53、203からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、かつ/または
c)HCDR3は配列番号68、69、71、79、80~85からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、かつ/または
d)LCDR1は配列番号95、96、101~104、106、205からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、かつ/または
e)LCDR2は配列番号114、115、117~122からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、かつ/または
f)LCDR3は配列番号124、127、135、137~142、144、204からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0008】
[008]一部の実施形態では、本明細書で提供される抗体またはその抗原結合性断片は、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3を含む重鎖可変領域ならびに/またはLCDR1、LCDR2、およびLCDR3を含む軽鎖可変領域を含み、
a)HCDR1は配列番号16、19、201、202からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、かつ/または
b)HCDR2は配列番号47、50、203からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、かつ/または
c)HCDR3は配列番号80、83からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、かつ/または
d)LCDR1は配列番号96、103、205からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、かつ/または
e)LCDR2は配列番号118、120からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、かつ/または
f)LCDR3は配列番号138、141、204からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0009】
[009]一部の実施形態では、本明細書で提供される抗体またはその抗原結合性断片は、
(1)配列番号1の配列を含むHCDR1、配列番号29の配列を含むHCDR2、および配列番号68の配列を含むHCDR3、または
(2)配列番号2の配列を含むHCDR1、配列番号30の配列を含むHCDR2、および配列番号69の配列を含むHCDR3、または
(3)配列番号3の配列を含むHCDR1、配列番号31の配列を含むHCDR2、および配列番号70の配列を含むHCDR3、または
(4)配列番号4の配列を含むHCDR1、配列番号32の配列を含むHCDR2、および配列番号69の配列を含むHCDR3、または
(5)配列番号5の配列を含むHCDR1、配列番号33の配列を含むHCDR2、および配列番号71の配列を含むHCDR3、または
(6)配列番号4の配列を含むHCDR1、配列番号34の配列を含むHCDR2、および配列番号69の配列を含むHCDR3、または
(7)配列番号6の配列を含むHCDR1、配列番号32の配列を含むHCDR2、および配列番号69の配列を含むHCDR3、または
(8)配列番号7の配列を含むHCDR1、配列番号35の配列を含むHCDR2、および配列番号72の配列を含むHCDR3、または
(9)配列番号8の配列を含むHCDR1、配列番号36の配列を含むHCDR2、および配列番号72の配列を含むHCDR3、または
(10)配列番号6の配列を含むHCDR1、配列番号37の配列を含むHCDR2、および配列番号69の配列を含むHCDR3、または
(11)配列番号5の配列を含むHCDR1、配列番号38の配列を含むHCDR2、および配列番号73の配列を含むHCDR3、または
(12)配列番号8の配列を含むHCDR1、配列番号35の配列を含むHCDR2、および配列番号74の配列を含むHCDR3、または
(13)配列番号2の配列を含むHCDR1、配列番号39の配列を含むHCDR2、および配列番号69の配列を含むHCDR3、または
(14)配列番号9の配列を含むHCDR1、配列番号40の配列を含むHCDR2、および配列番号75の配列を含むHCDR3、または
(15)配列番号9の配列を含むHCDR1、配列番号41の配列を含むHCDR2、および配列番号76の配列を含むHCDR3、または
(16)配列番号10の配列を含むHCDR1、配列番号42の配列を含むHCDR2、および配列番号77の配列を含むHCDR3、または
(17)配列番号11の配列を含むHCDR1、配列番号43の配列を含むHCDR2、および配列番号71の配列を含むHCDR3、または
(18)配列番号12の配列を含むHCDR1、配列番号44の配列を含むHCDR2、および配列番号75の配列を含むHCDR3、または
(19)配列番号13の配列を含むHCDR1、配列番号40の配列を含むHCDR2、および配列番号75の配列を含むHCDR3、または
(20)配列番号14の配列を含むHCDR1、配列番号45の配列を含むHCDR2、および配列番号78の配列を含むHCDR3、または
(21)配列番号8の配列を含むHCDR1、配列番号35の配列を含むHCDR2、および配列番号72の配列を含むHCDR3、または
(22)配列番号15の配列を含むHCDR1、配列番号46の配列を含むHCDR2、および配列番号79の配列を含むHCDR3、または
(23)配列番号16の配列を含むHCDR1、配列番号47の配列を含むHCDR2、および配列番号80の配列を含むHCDR3、または
(24)配列番号201の配列を含むHCDR1、配列番号47の配列を含むHCDR2、および配列番号80の配列を含むHCDR3、または
(25)配列番号17の配列を含むHCDR1、配列番号48の配列を含むHCDR2、および配列番号81の配列を含むHCDR3、または
(26)配列番号18の配列を含むHCDR1、配列番号49の配列を含むHCDR2、および配列番号82の配列を含むHCDR3、または
(27)配列番号19の配列を含むHCDR1、配列番号50の配列を含むHCDR2、および配列番号83の配列を含むHCDR3、または
(28)配列番号202の配列を含むHCDR1、配列番号50の配列を含むHCDR2、および配列番号83の配列を含むHCDR3、または
(29)配列番号202の配列を含むHCDR1、配列番号203の配列を含むHCDR2、および配列番号83の配列を含むHCDR3、または
(30)配列番号17の配列を含むHCDR1、配列番号51の配列を含むHCDR2、および配列番号84の配列を含むHCDR3、または
(31)配列番号2の配列を含むHCDR1、配列番号52の配列を含むHCDR2、および配列番号69の配列を含むHCDR3、または
(32)配列番号20の配列を含むHCDR1、配列番号53の配列を含むHCDR2、および配列番号85の配列を含むHCDR3、または
(33)配列番号21の配列を含むHCDR1、配列番号54の配列を含むHCDR2、および配列番号86の配列を含むHCDR3、または
(34)配列番号22の配列を含むHCDR1、配列番号55の配列を含むHCDR2、および配列番号87の配列を含むHCDR3、または
(35)配列番号2の配列を含むHCDR1、配列番号56の配列を含むHCDR2、および配列番号69の配列を含むHCDR3、または
(36)配列番号1の配列を含むHCDR1、配列番号57の配列を含むHCDR2、および配列番号69の配列を含むHCDR3、または
(37)配列番号11の配列を含むHCDR1、配列番号43の配列を含むHCDR2、および配列番号88の配列を含むHCDR3、または
(38)配列番号23の配列を含むHCDR1、配列番号58の配列を含むHCDR2、および配列番号89の配列を含むHCDR3、または
(39)配列番号24の配列を含むHCDR1、配列番号59の配列を含むHCDR2、および配列番号90の配列を含むHCDR3、または
(40)配列番号25の配列を含むHCDR1、配列番号60の配列を含むHCDR2、および配列番号90の配列を含むHCDR3、または
(41)配列番号26の配列を含むHCDR1、配列番号61の配列を含むHCDR2、および配列番号91の配列を含むHCDR3、または
(42)配列番号26の配列を含むHCDR1、配列番号62の配列を含むHCDR2、および配列番号92の配列を含むHCDR3、または
(43)配列番号27の配列を含むHCDR1、配列番号367の配列を含むHCDR2、および配列番号93の配列を含むHCDR3、または
(44)配列番号26の配列を含むHCDR1、配列番号63の配列を含むHCDR2、および配列番号92の配列を含むHCDR3、または
(45)配列番号26の配列を含むHCDR1、配列番号64の配列を含むHCDR2、および配列番号92の配列を含むHCDR3、または
(46)配列番号28の配列を含むHCDR1、配列番号65の配列を含むHCDR2、および配列番号85の配列を含むHCDR3、または
(47)配列番号28の配列を含むHCDR1、配列番号66の配列を含むHCDR2、および配列番号94の配列を含むHCDR3、または
(48)配列番号28の配列を含むHCDR1、配列番号66の配列を含むHCDR2、および配列番号85の配列を含むHCDR3、または
(49)配列番号26の配列を含むHCDR1、配列番号67の配列を含むHCDR2、および配列番号92の配列を含むHCDR3、または
(50)配列番号11の配列を含むHCDR1、配列番号61の配列を含むHCDR2、および配列番号91の配列を含むHCDR3
を含む重鎖可変領域を含む。
【0010】
[0010]一部の実施形態では、本明細書で提供される抗体またはその抗原結合性断片は、
(1)配列番号95の配列を含むLCDR1、配列番号114の配列を含むLCDR2、および配列番号124の配列を含むLCDR3、または
(2)配列番号96の配列を含むLCDR1、配列番号114の配列を含むLCDR2、および配列番号125の配列を含むLCDR3、または
(3)配列番号96の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号126の配列を含むLCDR3、または
(4)配列番号96の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号127の配列を含むLCDR3、または
(5)配列番号96の配列を含むLCDR1、配列番号116の配列を含むLCDR2、および配列番号128の配列を含むLCDR3、または
(6)配列番号97の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号129の配列を含むLCDR3、または
(7)配列番号96の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号130の配列を含むLCDR3、または
(8)配列番号98の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号127の配列を含むLCDR3、または
(9)配列番号96の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号128の配列を含むLCDR3、または
(10)配列番号99の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号131の配列を含むLCDR3、または
(11)配列番号99の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号132の配列を含むLCDR3、または
(12)配列番号99の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号133の配列を含むLCDR3、または
(13)配列番号100の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号134の配列を含むLCDR3、または
(14)配列番号101の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号135の配列を含むLCDR3、または
(15)配列番号96の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号136の配列を含むLCDR3、または
(16)配列番号102の配列を含むLCDR1、配列番号117の配列を含むLCDR2、および配列番号137の配列を含むLCDR3、または
(17)配列番号103の配列を含むLCDR1、配列番号118の配列を含むLCDR2、および配列番号138の配列を含むLCDR3、または
(18)配列番号103の配列を含むLCDR1、配列番号118の配列を含むLCDR2、および配列番号204の配列を含むLCDR3、または
(19)配列番号96の配列を含むLCDR1、配列番号119の配列を含むLCDR2、および配列番号139の配列を含むLCDR3、または
(20)配列番号104の配列を含むLCDR1、配列番号118の配列を含むLCDR2、および配列番号140の配列を含むLCDR3、または
(21)配列番号96の配列を含むLCDR1、配列番号120の配列を含むLCDR2、および配列番号141の配列を含むLCDR3、または
(22)配列番号205の配列を含むLCDR1、配列番号120の配列を含むLCDR2、および配列番号141の配列を含むLCDR3、または
(23)配列番号96の配列を含むLCDR1、配列番号121の配列を含むLCDR2、および配列番号142の配列を含むLCDR3、または
(24)配列番号105の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号143の配列を含むLCDR3、または
(25)配列番号106の配列を含むLCDR1、配列番号122の配列を含むLCDR2、および配列番号144の配列を含むLCDR3、または
(26)配列番号95の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号128の配列を含むLCDR3、または
(27)配列番号98の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号145の配列を含むLCDR3、または
(28)配列番号96の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号146の配列を含むLCDR3、または
(29)配列番号96の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号147の配列を含むLCDR3、または
(30)配列番号96の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号148の配列を含むLCDR3、または
(31)配列番号107の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号149の配列を含むLCDR3、または
(32)配列番号108の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号150の配列を含むLCDR3、または
(33)配列番号108の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号150の配列を含むLCDR3、または
(34)配列番号107の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号149の配列を含むLCDR3、または
(35)配列番号109の配列を含むLCDR1、配列番号123の配列を含むLCDR2、および配列番号151の配列を含むLCDR3、または
(36)配列番号110の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号150の配列を含むLCDR3、または
(37)配列番号111の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号150の配列を含むLCDR3、または
(38)配列番号101の配列を含むLCDR1、配列番号120の配列を含むLCDR2、および配列番号152の配列を含むLCDR3、または
(39)配列番号101の配列を含むLCDR1、配列番号120の配列を含むLCDR2、および配列番号153の配列を含むLCDR3、または
(40)配列番号112の配列を含むLCDR1、配列番号120の配列を含むLCDR2、および配列番号152の配列を含むLCDR3、または
(41)配列番号101の配列を含むLCDR1、配列番号120の配列を含むLCDR2、および配列番号153の配列を含むLCDR3、または
(42)配列番号107の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号149の配列を含むLCDR3、または
(43)配列番号101の配列を含むLCDR1、配列番号120の配列を含むLCDR2、および配列番号152の配列を含むLCDR3、または
(44)配列番号101の配列を含むLCDR1、配列番号120の配列を含むLCDR2、および配列番号154の配列を含むLCDR3、または
(45)配列番号96の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号155の配列を含むLCDR3、または
(46)配列番号108の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号150の配列を含むLCDR3、または
(47)配列番号107の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号149の配列を含むLCDR3、または
(48)配列番号113の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号149の配列を含むLCDR3、または
(49)配列番号108の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号150の配列を含むLCDR3、または
(50)配列番号107の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号149の配列を含むLCDR3、または
(51)配列番号101の配列を含むLCDR1、配列番号120の配列を含むLCDR2、および配列番号153の配列を含むLCDR3
を含む軽鎖可変領域を含む。
【0011】
[0011]一部の実施形態では、本明細書で提供される抗体またはその抗原結合性断片は、重鎖HFR1、HFR2、HFR3、およびHFR4のうち1つもしくは複数、ならびに/または軽鎖LFR1、LFR2、LFR3、およびLFR4のうち1つもしくは複数をさらに含み、
a)HFR1は配列番号355もしくは356の配列、またはその少なくとも80%の配列同一性のある相同配列を含み、
b)HFR2は配列番号357もしくは358の配列、またはその少なくとも80%の配列同一性のある相同配列を含み、
c)HFR3は配列番号359もしくは360の配列、またはその少なくとも80%の配列同一性のある相同配列を含み、
d)HFR4は配列番号361もしくは362の配列、またはその少なくとも80%の配列同一性のある相同配列を含み、
e)LFR1は配列番号363の配列、またはその少なくとも80%の配列同一性のある相同配列を含み、
f)LFR2は配列番号364の配列、またはその少なくとも80%の配列同一性のある相同配列を含み、
g)LFR3は配列番号365の配列、またはその少なくとも80%の配列同一性のある相同配列を含み、
h)LFR4は配列番号366の配列、またはその少なくとも80%の配列同一性のある相同配列を含む。
【0012】
[0012]一部の実施形態では、本明細書で提供される抗体またはその抗原結合性断片は、配列番号206~259、311~313、318~321からなる群から選択される配列、および少なくとも80%の配列同一性を有ししかもCLDN18に対する特異的結合親和性を保持しているその相同配列を含む重鎖可変領域、ならびに配列番号260~310、314~317、322~324からなる群から選択される配列、および少なくとも80%の配列同一性を有ししかもCLDN18に対する特異的結合親和性を保持しているその相同配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0013】
[0013]一部の実施形態では、本明細書で提供される抗体またはその抗原結合性断片は、配列番号210、246からなる群から選択される配列、および少なくとも80%の配列同一性を有ししかもCLDN18に対する特異的結合親和性を保持しているその相同配列を含む重鎖可変領域、ならびに配列番号273、307からなる群から選択される配列、および少なくとも80%の配列同一性を有ししかもCLDN18に対する特異的結合親和性を保持しているその相同配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0014】
[0014]一部の実施形態では、本明細書で提供される抗体またはその抗原結合性断片は、1つまたは複数のアミノ酸残基の置換または修飾をさらに含み、しかもCLDN18に対する特異的結合親和性を保持している。一部の実施形態では、置換または修飾のうち少なくとも1つは、重鎖可変領域または軽鎖可変領域のCDR配列の1つもしくは複数の中、および/または非CDR配列の1つもしくは複数の中にある。
【0015】
[0015]一部の実施形態では、抗体またはその抗原結合性断片は、Fc領域、任意選択でヒト免疫グロブリン(Ig)のFc領域、または任意選択でヒトIgGのFc領域をさらに含む。一部の実施形態では、Fc領域はヒトIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、IgA2、またはIgMに由来する。一部の実施形態では、ヒトIgG1に由来するFc領域は、L235V、G236A、S239D、F243L、H268F、R292P、Y300L、V305I、S324T、A330L、I332E、およびP396Lからなる群から選択される1つまたは複数の変異を含む。一部の実施形態では、ヒトIgG1に由来するFc領域は、(1)G236A、S239D、およびI332E、(2)S239D、A330L、およびI332E、(3)S239DおよびI332E、(4)S239D、H268F、S324T、およびI332E、(5)F243L、R292P、Y300L、V305I、およびP396L、(6)L235V、F243L、R292P、Y300L、およびP396Lからなる群から選択される変異を含む。一部の実施形態では、本明細書で提供される抗体またはその抗原結合性断片は、配列番号326~331からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むFc領域を含む。
【0016】
[0016]一部の実施形態では、本明細書で提供される抗体またはその抗原結合性断片は、ヒト化されている。一部の実施形態では、抗体またはその抗原結合性断片は、モノクローナル抗体、二重特異的抗体、多重特異的抗体、組換え抗体、キメラ抗体、標識抗体、二価抗体、抗イディオタイプ抗体、または融合タンパク質である。
【0017】
[0017]一部の実施形態では、本明細書で提供される抗体またはその抗原結合性断片は、ダイアボディ、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fd、Fv断片、ジスルフィド安定化Fv断片(dsFv)、(dsFv)2、二重特異的dsFv(dsFv-dsFv’)、ジスルフィド安定化ダイアボディ(dsダイアボディ)、単鎖抗体分子(scFv)、scFvダイマー(二価ダイアボディ)、多重特異的抗体、ラクダ化単鎖ドメイン抗体、ナノボディ、ドメイン抗体、または二価ドメイン抗体である。
【0018】
[0018]一部の実施形態では、本明細書で提供される抗体またはその抗原結合性断片は、ヒトCLDN18に特異的に結合することができる。一部の実施形態では、本明細書で提供される抗体またはその抗原結合性断片は、ヒトCLDN18.2に特異的に結合することができる。一部の実施形態では、本明細書で提供される抗体またはその抗原結合性断片は、ヒトCLDN18.1とヒトCLDN18.2の両方に結合することができる。一部の実施形態では、本明細書で提供される抗体またはその抗原結合性断片は、FACSアッセイによって測定して2nM以下のEC50でヒトCLDN18.2に特異的に結合することができる。
【0019】
[0019]一部の実施形態では、本明細書で提供される抗体またはその抗原結合性断片は、
a)FACSアッセイによって測定してヒトCLDN18.2に特異的に結合するが、ヒトCLDN18.1に特異的に結合しない、
b)FACSアッセイによって測定してヒトCLDN18.2とマウスCLDN18.2の両方に特異的に結合する、
c)FACSアッセイによって測定して4nM以下のEC50でマウスCLDN18.2に特異的に結合する、
d)Biacoreアッセイによって測定して10-8M以下のKD値でヒトCLDN18.2に特異的に結合する、
e)Octetアッセイによって測定して10-8M以下のKD値でヒトCLDN18.2に特異的に結合する、
からなる群から選択される1つまたは複数の特性を有する。
【0020】
[0020]別の態様では、本開示は、ヒトCLDN18との結合について本明細書で提供される抗体またはその抗原結合性断片と競合する抗CLDN18抗体またはその抗原結合性断片を提供する。
【0021】
[0021]一部の実施形態では、本開示のCLDN18は、配列番号401のアミノ酸配列を含むヒトCLDN18.2である。
[0022]一部の実施形態では、本明細書で提供される抗体またはその抗原結合性断片は、配列番号397の配列を含む重鎖可変領域および配列番号398の配列を含む軽鎖可変領域を含む抗体IMAB362ではない。
【0022】
[0023]一部の実施形態では、本明細書で提供される抗体またはその抗原結合性断片は、二重特異的である。
[0024]一部の実施形態では、本明細書で提供される抗体またはその抗原結合性断片は、CLDN18以外の第2の抗原またはCLDN18の上の第2のエピトープと特異的に結合することができる。
【0023】
[0025]一部の実施形態では、本明細書で提供される抗体またはその抗原結合性断片は、1つまたは複数のコンジュゲート部分に連結されている。一部の実施形態では、コンジュゲート部分はクリアランス修飾剤、化学療法剤、毒素、放射性同位体、ランタニド、発光標識、蛍光標識、酵素基質標識、DNAアルキル化剤、トポイソメラーゼ阻害剤、チューブリンバインダー、精製部分、またはその他の抗がん薬物を含む。
【0024】
[0026]別の態様では、本開示は、本明細書で提供される抗体またはその抗原結合性断片および1つまたは複数の薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。
[0027]別の態様では、本開示は、本明細書で提供される抗体またはその抗原結合性断片、膜貫通領域、および細胞内シグナル領域を含むキメラ抗原受容体を提供する。一部の実施形態では、キメラ抗原受容体の抗原結合性断片はscFvである。一部の実施形態では、キメラ抗原受容体の膜貫通領域はCD3、CD4、CD8、またはCD28の膜貫通領域を含む。一部の実施形態では、キメラ抗原受容体の細胞内シグナル領域はCD3、CD27、CD28、CD137、CD134、MyD88、CD40、CD278、TLRの細胞内シグナル領域配列またはそれらの組合せからなる群から選択される。
【0025】
[0028]別の態様では、本開示は、本明細書で提供される抗体もしくはその抗原結合性断片、および/または本明細書で提供されるキメラ抗原受容体をコードする単離されたポリヌクレオチドを提供する。
【0026】
[0029]別の態様では、本開示は、本開示の単離されたポリヌクレオチドを含むベクターを提供する。
[0030]別の態様では、本開示は、本開示のベクターを含む宿主細胞を提供する。
【0027】
[0031]別の態様では、本開示は、本開示の抗体もしくはその抗原結合性断片、および/または本開示の医薬組成物、および/または本開示のキメラ抗原受容体、ならびに第2の治療剤を含むキットを提供する。
【0028】
[0032]別の態様では、本開示は、本開示のベクターが発現される条件下で本開示の宿主細胞を培養するステップを含む、本開示の抗体もしくはその抗原結合性断片または本開示のキメラ抗原受容体を発現する方法を提供する。
【0029】
[0033]別の態様では、本開示は、治療有効量の本開示の抗体もしくはその抗原結合性断片、および/または本開示の医薬組成物、および/または本開示のキメラ抗原受容体を対象に投与するステップを含む、対象におけるCLDN18関連の疾患、障害、または状態を処置し、防止し、または軽減する方法を提供する。
【0030】
[0034]一部の実施形態では、疾患、障害、または状態はがんである。一部の実施形態では、がんは上皮細胞由来のがんである。一部の実施形態では、がんは肛門がん、虫垂がん、星状細胞腫、基底細胞癌、胆嚢がん、胃がん、肺がん、気管支がん、骨がん、肝胆管がん、膵がん、乳がん、肝がん、卵巣がん、精巣がん、腎がん、腎盂尿管がん、唾液腺がん、小腸がん、尿道がん、膀胱がん、頭頚部がん、脊椎がん、脳がん、頸がん、子宮がん、子宮内膜がん、結腸がん、結腸直腸がん、直腸がん、食道がん、胃腸管がん、皮膚がん、前立腺がん、下垂体がん、膣がん、甲状腺がん、咽喉がん、膠芽細胞腫、黒色腫、骨髄異形成症候群、肉腫、奇形腫、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性リンパ球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫、TもしくはB細胞リンパ腫、GI器官間質腫、軟組織腫瘍、肝細胞癌、または腺癌、またはこれらの転移である。一部の実施形態では、がんは胃がん、膵がん、食道がん、卵巣がん、またはこれらの転移である。
【0031】
[0035]一部の実施形態では、対象は、任意選択で非がん細胞において通常見られるレベルより有意に高いレベルで、CLDN18を発現しているがん細胞または腫瘍浸潤性免疫細胞を有すると同定されている。一部の実施形態では、対象はヒトである。
【0032】
[0036]一部の実施形態では、投与は経口、経鼻、静脈内、皮下、舌下、または筋肉内の投与である。
[0037]一部の実施形態では、対象におけるCLDN18関連の疾患、障害、または状態を処置し、防止し、または軽減する方法は、治療有効量の第2の治療剤を投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、第2の治療剤は化学療法剤、抗がん薬、放射線療法剤、免疫療法剤、抗血管新生剤、標的療法剤、細胞療法剤、遺伝子療法剤、ホルモン療法剤、抗ウイルス剤、抗生剤、鎮痛剤、抗酸化剤、金属キレート剤、およびサイトカインからなる群から選択される。
【0033】
[0038]別の態様では、本開示は、CLDN18陽性細胞を本開示の抗体もしくはその抗原結合性断片および/または本開示の医薬組成物および/または本開示のキメラ抗原受容体に曝露するステップを含む、CLDN18陽性細胞におけるCLDN18の活性を調節する方法を提供する。
【0034】
[0039]別の態様では、本開示は、試料を本開示の抗体もしくはその抗原結合性断片および/または本開示の医薬組成物および/または本開示のキメラ抗原受容体と接触させるステップ、ならびに試料中におけるCLDN18の存在または量を決定するステップを含む、試料中におけるCLDN18の存在または量を検出する方法を提供する。
【0035】
[0040]別の態様では、本開示は、a)対象から得た試料を本開示の抗体もしくはその抗原結合性断片および/または本開示の医薬組成物および/または本開示のキメラ抗原受容体と接触させるステップ、b)試料中のCLDN18の存在または量を決定するステップ、ならびにc)CLDN18の存在または量を対象におけるCLDN18関連の疾患、障害、または状態の存在またはステータスと相関させるステップを含む、対象におけるCLDN18関連の疾患、障害、または状態を診断する方法を提供する。
【0036】
[0041]別の態様では、本開示は、治療有効量の本開示の抗体もしくはその抗原結合性断片および/または本開示の医薬組成物および/または本開示のキメラ抗原受容体を対象に投与するステップを含む、CLDN18活性の調節によって恩恵を受ける対象における疾患、障害、または状態を処置し、防止し、または軽減する方法を提供する。
【0037】
[0042]別の態様では、本開示は、対象におけるCLDN18関連の疾患、障害、または状態を処置し、防止し、または軽減するための医薬の製造における、本開示の抗体もしくはその抗原結合性断片および/または本開示の医薬組成物および/または本開示のキメラ抗原受容体の使用を提供する。
【0038】
[0043]別の態様では、本開示は、対象におけるCLDN18関連の疾患、障害、または状態を診断するための診断試薬の製造における、本開示の抗体もしくはその抗原結合性断片および/または本開示の医薬組成物および/または本開示のキメラ抗原受容体の使用を提供する。
【0039】
[0044]別の態様では、本開示は、CLDN18の検出に有用な、本開示の抗体もしくはその抗原結合性断片および/または本開示の医薬組成物および/または本開示のキメラ抗原受容体を含むキットを提供する。
【0040】
[0045]一部の実施形態では、本開示のCLDN18は、ヒトCLDN18.2である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】[0046]
図1は、参照抗体IMAB362によるhCLDN18.2安定化タンパク質に対するELISAアッセイの結果を示す。
【
図2】[0047]
図2は、免疫したマウスの血清によるhCLDN18.2安定化タンパク質に対するELISAアッセイの結果を示す。
【
図3】[0048]
図3は、免疫したマウスの血清によるCHO-K1-hCLDN18.2安定細胞株に対するFACSアッセイの結果を示す。
【
図4】[0049]
図4は、ハイブリドーマスクリーニングの代表的な図を示す。
【
図5-1】[0050]
図5は、精製されたハイブリドーマ抗体の、HEK293-hCLDN18.2細胞(
図5A)、HEK293-hCLDN18.1細胞(
図5B)、HEK293-mCLDN18.2細胞(
図5C)、及びSNU620細胞(
図5D)に対する結合親和性を示す。
【
図6】[0051]
図6は、6種のキメラ抗体(即ち、ch99H8、ch97A9、ch60F11、ch35B4、ch22E12、ch33G12)の標的細胞としてのHEK293/hCLDN18.2細胞とのADCC研究の結果を示す。
【
図7】[0052]
図7は、6種のキメラ抗体(即ちch99H8、ch97A9、ch60F11、ch35B4、ch22E12、ch33G12)の標的細胞としてのNUGC-4/hCLDN18.2細胞とのADCC研究における用量応答性を示す。
【
図8】[0053]
図8は、6種のキメラ抗体(即ちch99H8、ch97A9、ch60F11、ch35B4、ch22E12、ch33G12)の標的細胞としてのHEK293/hCLDN18.1細胞とのADCC研究における用量応答性の結果を示す。
【
図9】[0054]
図9は、6種のキメラ抗体(即ちch99H8、ch97A9、ch60F11、ch35B4、ch22E12、ch33G12)の標的細胞としてのHEK293/hCLDN18.1細胞とのCDC研究の結果を示す。
【
図10】[0055]
図10Aおよび
図10Bは、MFC/hCLDN18.2細胞に対するヒト化22E12抗体の結合親和性を示す。
【
図11】[0056]
図11Aおよび
図11Bは、SNU620/hCLDN18.2細胞に対するヒト化35B4抗体の結合親和性を示す。
【
図12】[0057]
図12Aおよび
図12Bは、NK92-CD16aおよびHEK293/hCLDN18.2細胞(
図12A)またはNUGC4細胞(
図12B)に対するヒト化22E12または35B4抗体のADCC研究の結果を示す。
【
図13】[0058]
図13は、NK92-CD16aおよびHEK293/hCLDN18.2細胞に対するFc操作されたヒト化35B4(
図13A)および22E12(
図13B)抗体のADCC研究の結果を示す。
【
図14】[0059]
図14は、本明細書で提供される抗体の免疫組織化学(IHC)染色の代表的な画像を示す。
【
図15-1】[0060]
図15A~15Eは、抗体hu35B4.H1L2(
図15A)、抗体hu22E12.H1L2(
図15B)、抗体ch99H8(
図15C)、抗体ch97A9(
図15D)、及び参照抗体IMAB362(
図15E)についての表面プラスモン共鳴(SPR)による速度論研究の結果を示す。
【
図16】[0061]
図16は、SNU620細胞における例示的な抗体の内在化率を示す。
【
図17】[0062]
図17Aおよび
図17Bは、ビヒクル、ヒトIgG1アイソタイプ、hu22E12.H1L2単独、抗SIRPα抗体単独、およびhu22E12.H1L2+抗SIRPα抗体の組合せによる処理後の数日にわたるマウスにおける腫瘍体積の変化(
図17A、*はp<0.05を示し、***はp<0.001を示す)および体重変化(
図17B)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0042】
[0063]以下の本開示の記述は、本開示の種々の実施形態を説明することを意図しているのみである。したがって、議論する特定の改変は本開示の範囲を限定するものと解釈すべきではない。本開示の範囲から逸脱することなしに種々の等価物、変更、および改変ができることは、当業者には明らかであり、そのような等価の実施形態が本明細書に含まれるべきことが理解される。出版物、特許、および特許出願を含む本明細書で引用した全ての参照文献は、参照により全体として本明細書に組み込まれる。
【0043】
定義
[0064]本明細書で用いる用語「抗体」は、特定の抗原に結合する任意の免疫グロブリン、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、多価抗体、二価抗体、一価抗体、多重特異的抗体、または二重特異的抗体を含む。天然のインタクトな抗体は2つの重(H)鎖および2つの軽(L)鎖を含む。哺乳動物の重鎖はアルファ、デルタ、イプシロン、ガンマ、およびミューに分類され、それぞれの重鎖は可変領域(VH)ならびに第1、第2、第3、および任意選択で第4の定常領域(それぞれCH1、CH2、CH3、CH4)を含む。哺乳動物の軽鎖はλまたはκと分類され、それぞれの軽鎖は可変領域(VL)および定常領域を含む。抗体は「Y」の形状を有し、Yの軸はジスルフィド結合を介して互いに結合した2つの重鎖の第2および第3の定常領域からなる。Yのそれぞれのアームは、1本の軽鎖の可変および定常領域に結合した1本の重鎖の可変領域および第1の定常領域を含む。軽鎖および重鎖の可変領域は抗原の結合に関与している。両方の鎖の可変領域は一般に、相補性決定領域(CDR)(LCDR1、LCDR2、およびLCDR3を含む軽鎖CDR、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3を含む重鎖CDR)と呼ばれる3つの高度に可変性のループを含む。本明細書で開示する抗体および抗原結合性断片のCDRの境界は、Kabat、IMGT、Chothia、またはAl-Lazikaniの規則によって定義され、または同定されてよい(Al-Lazikani,B.,Chothia,C.,Lesk,A.M.,J.Mol.Biol.,273(4),927(1997);Chothia,C.et al.,J Mol Biol.Dec 5;186(3):651-63(1985);Chothia,C.and Lesk,A.M.,J.Mol.Biol.,196,901(1987);Chothia,C.et al.,Nature.Dec 21-28;342(6252):877-83(1989);Kabat E.A.et al.,Sequences of Proteins of immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1991);Marie-Paule Lefranc et al.,Developmental and Comparative Immunology,27:55-77(2003);Marie-Paule Lefranc et al.,Immunome Research,1(3),(2005);Marie-Paule Lefranc,Molecular Biology of B cells(second edition),chapter 26,481-514,(2015))。3つのCDRは、CDRよりも高度に保存され、高度に可変性のループを支持するスキャフォールドを形成するフレームワーク領域(FR)(LFR1、LFR2、LFR3、およびLFR4を含む軽鎖FR、ならびにHFR1、HFR2、HFR3、およびHFR4を含む重鎖FR)として知られる隣接する区間の間に挿入されている。重鎖および軽鎖の定常領域は抗原結合には関与しないが、種々のエフェクター機能を呈する。抗体は、その重鎖の定常領域のアミノ酸配列に基づいてクラスに割り付けられる。抗体の5つの主なクラスまたはアイソタイプはIgA、IgD、IgE、IgG、およびIgMであり、これらはそれぞれアルファ、デルタ、イプシロン、ガンマ、およびミュー重鎖の存在によって特徴付けられる。主な抗体クラスのいくつかは、IgG1(ガンマ1重鎖)、IgG2(ガンマ2重鎖)、IgG3(ガンマ3重鎖)、IgG4(ガンマ4重鎖)、IgA1(アルファ1重鎖)、またはIgA2(アルファ2重鎖)等のサブクラスに分割される。
【0044】
[0065]ある特定の実施形態では、本明細書で提供される抗体はその任意の抗原結合性断片を包含する。本明細書で用いる用語「抗原結合性断片」は、1つまたは複数のCDRを含む抗体の一部から形成された抗体断片、または抗原に結合するが、インタクトな天然の抗体構造を含まない任意の他の抗体断片を意味する。抗原結合性断片の例には、限定なく、ダイアボディ、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv断片、ジスルフィド安定化Fv断片(dsFv)、(dsFv)2、二重特異的dsFv(dsFv-dsFv’)、ジスルフィド安定化ダイアボディ(dsダイアボディ)、単鎖抗体分子(scFv)、scFvダイマー(二価ダイアボディ)、二重特異的抗体、多重特異的抗体、ラクダ化単鎖ドメイン抗体、ナノボディ、ドメイン抗体、または二価ドメイン抗体が含まれる。抗原結合性断片は、親抗体が結合する同じ抗原に結合することができる。
【0045】
[0066]「Fab」は、抗体に関して、ジスルフィド結合によって単一の重鎖の可変領域および第1の定常領域に結合した単一の軽鎖(可変領域と定常領域の両方)からなる抗体の部分を意味する。
【0046】
[0067]「Fab’」は、ヒンジ領域の一部を含むFab断片を意味する。
[0068]「F(ab’)2」は、Fab’のダイマーを意味する。
[0069]「Fc」は、抗体(たとえばIgG、IgA、またはIgDアイソタイプ)に関して、ジスルフィド結合を介して第2の重鎖の第2および第3の定常ドメインに結合した第1の重鎖の第2および第3の定常ドメインからなる抗体の部分を意味する。IgMおよびIgEアイソタイプの抗体に関するFcは、第4の定常ドメインをさらに含む。抗体のFc部分は、抗体依存性細胞媒介細胞毒性(ADCC)および補体依存性細胞毒性(CDC)等の種々のエフェクター機能に関与しているが、抗原結合には機能しない。
【0047】
[0070]「Fv」は、抗体に関して、完全な抗原結合部位を担う抗体の最小断片を意味する。Fv断片は、単一の重鎖の可変領域に結合した単一の軽鎖の可変領域からなる。
[0071]「単鎖Fv抗体」または「scFv」は、直接またはペプチドリンカー配列を介して相互に連結された軽鎖可変領域および重鎖可変領域からなる操作された抗体を意味する(Huston JS et al.Proc Natl Acad Sci USA,85:5879(1988))。
【0048】
[0072]「単鎖Fv-Fc抗体」または「scFv-Fc」は、抗体のFc領域に連結されたscFvからなる操作された抗体を意味する。
[0073]「ラクダ化単鎖ドメイン抗体」、「重鎖抗体」、または「HCAb」は、2つのVHドメインを含み、軽鎖を含まない抗体を意味する(Riechmann L.and Muyldermans S.,J Immunol Methods.Dec 10;231(1-2):25-38(1999);Muyldermans S.,J Biotechnol.Jun;74(4):277-302(2001);WO94/04678;WO94/25591;米国特許第6,005,079号)。重鎖抗体はもともとラクダ科(ラクダ、ヒトコブラクダ、およびリャマ)に由来する。ラクダ化抗体は軽鎖を有しないが、真正の抗原結合能力を有する(Hamers-Casterman C.et al.,Nature.Jun 3;363(6428):446-8(1993);Nguyen VK.et al.Immunogenetics.Apr;54(1):39-47(2002);Nguyen VK.et al.Immunology.May;109(1):93-101(2003))。重鎖抗体の可変ドメイン(VHHドメイン)は、適応免疫応答によって生成される既知の最小の抗原結合単位を表す(Koch-Nolte F.et al.,FASEB J.Nov;21(13):3490-8.Epub 2007 Jun 15(2007))。
【0049】
[0074]「ナノボディ」は、重鎖抗体のVHHドメインおよび2つの定常ドメイン、CH2およびCH3からなる抗体断片を意味する。
[0075]「ダイアボディ」または「dAb」には、2つの抗原結合部位を有する小さな抗体断片が含まれ、断片は同じポリペプチド鎖の中でVLドメインに連結されたVHドメインを含む(VH-VLまたはVL-VH)(たとえばHolliger P.et al.,Proc Natl Acad Sci USA.Jul 15;90(14):6444-8(1993);EP404097;WO93/11161を参照)。同じ鎖の中の2つのドメインの間での対形成を可能にするには短すぎるリンカーを用いることによって、ドメインは別の鎖の相補的なドメインと対を形成することを強制され、それにより2つの抗原結合部位が創出される。抗原結合部位は同じまたは異なる抗原(またはエピトープ)を標的とし得る。ある特定の実施形態では、「二重特異的dsダイアボディ」は、2つの異なる抗原(またはエピトープ)を標的とするダイアボディである。
【0050】
[0076]「ドメイン抗体」は、重鎖の可変領域または軽鎖の可変領域のみを含む抗体断片を意味する。ある例では、2つ以上のVHドメインがペプチドリンカーと共有結合的に接合されて、二価または多価のドメイン抗体が創出される。二価ドメイン抗体の2つのVHドメインは、同じまたは異なる抗原を標的とし得る。
【0051】
[0077]本明細書で用いる用語「価」は、所与の分子の中の特定した数の抗原結合部位の存在を意味する。用語「一価」は、ただ一つの単一の抗原結合部位を有する抗体または抗原結合性断片を意味し、用語「多価」は、複数の抗原結合部位を有する抗体または抗原結合性断片を意味する。したがって、用語「二価」、「四価」、および「六価」は、抗原結合性分子の中のそれぞれ2つの結合部位、4つの結合部位、および6つの結合部位の存在を示す。一部の実施形態では、抗体またはその抗原結合性断片は二価である。
【0052】
[0078]本明細書で用いる場合、「二重特異的」抗体は、2つの異なるモノクローナル抗体に由来する断片を有し、2つの異なるエピトープに結合することができる人工の抗体を意味する。2つのエピトープは同じ抗原の上に存在してもよく、または2つの異なる抗原の上に存在してもよい。
【0053】
[0079]ある特定の実施形態では、「scFvダイマー」は、別のVH-VL部分と二量化した(ペプチドリンカーによって二量化された)VH-VLを含む二価ダイアボディまたは二重特異的scFv(BsFv)であり、それにより1つの部分のVHが他の部分のVLと協調して、同じ抗原(またはエピトープ)または異なる抗原(またはエピトープ)を標的とすることができる2つの結合部位を形成する。他の実施形態では、「scFvダイマー」は、(ペプチドリンカーによって連結された)VL1-VH2と会合した(これもペプチドリンカーによって連結した)VH1-VL2を含む二重特異的ダイアボディであり、それによりVH1とVL1が協調し、VH2とVL2が協調して、それぞれの協調した対が異なる抗原特異性を有する。
【0054】
[0080]「dsFv」は、単一の軽鎖の可変領域と単一の重鎖の可変領域との間の連結がジスルフィド結合であるジスルフィド安定化Fv断片を意味する。一部の実施形態では、「(dsFv)2」または「(dsFv-dsFv’)」は、3つのペプチド鎖、即ちペプチドリンカー(たとえば長い可撓性リンカー)によって連結され、ジスルフィド架橋を介してそれぞれ2つのVL部分に結合した2つのVH部分を含む。一部の実施形態では、dsFv-dsFv’は、ジスルフィドで対を形成したそれぞれの重鎖および軽鎖が異なる抗原特異性を有する二重特異的である。
【0055】
[0081]本明細書で用いる用語「キメラ」は、1つの種に由来する重鎖および/または軽鎖の一部と、異なる種に由来する重鎖および/または軽鎖の残りとを有する抗体または抗原結合性断片を意味する。説明的な例では、キメラ抗体はヒトに由来する定常領域と、マウス等の非ヒト動物に由来する可変領域とを含んでよい。一部の実施形態では、非ヒト動物は哺乳動物、たとえばマウス、ラット、ウサギ、ヤギ、ヒツジ、モルモット、またはハムスターである。
【0056】
[0082]本明細書で用いる用語「ヒト化」は、抗体または抗原結合性断片が非ヒト動物に由来するCDR、ヒトに由来するFR領域、および適用される場合にはヒトに由来する定常領域を含むことを意味する。本開示で提供されるヒト化抗体のCDRは、それらの親抗体のCDRと比較して変異を含んでもよい。
【0057】
[0083]本明細書で用いる用語「親和性」は、免疫グロブリン分子(即ち抗体)またはその断片と抗原との間の非共有結合相互作用の強さを意味する。
[0084]本明細書で用いる用語「特異的結合」または「特異的に結合する」は、たとえば抗体と抗原のような2つの分子の間の非ランダム結合反応を意味する。特異的結合は、たとえば抗原と抗原結合性分子との間の結合が平衡に達したときのKD値、即ち解離速度と会合速度との比(koff/kon)によって表される結合親和性において特徴付けることができる。KDは、それだけに限らないが、表面プラスモン共鳴法、Octet法、ミクロスケールサーモフォレーシス法、HPLC-MS法、および蛍光活性化細胞ソーティング(FACS)アッセイ法を含む当技術分野で既知の任意の従来法を用いて決定してよい。10-6M以下(たとえば5×10-7M以下、2×10-7M以下、10-7M以下、5×10-8M以下、2×10-8M以下、10-8M以下、5×10-9M以下、4×10-9M以下、3×10-9M以下、2×10-9M以下、10-9M以下、5×10-10M以下、4×10-10M以下、3×10-10M以下、2×10-10M以下、10-10M以下)のKD値は、抗体またはその抗原結合性断片とCLDN18.2(たとえばヒトCLDN18.2)との間の特異的結合を示し得る。
【0058】
[0085]本明細書で用いる「CLDN18.2との結合について競合する」能力は、第1の抗体または抗原結合性断片の、CLDN18.2と第2の抗CLDN18.2抗体との間の結合相互作用を何らかの検出可能な程度で阻害する能力を意味する。ある特定の実施形態では、CLDN18.2との結合について競合する抗体または抗原結合性断片は、CLDN18.2と第2のCLDN18.2抗体との間の結合相互作用を少なくとも85%、または少なくとも90%阻害する。ある特定の実施形態では、この阻害は95%より大きく、または99%より大きくてよい。
【0059】
[0086]本明細書で用いる用語「エピトープ」は、それに抗体が結合する抗原の上の特定の原子またはアミノ酸の群を意味する。2つの抗体が抗原に対して競合的結合を示せば、それらは抗原の中の同じまたは密接に関連したエピトープに結合し得る。エピトープは線状またはコンフォメーション状(即ち、隔たれたアミノ酸残基を含む)であってよい。たとえば、抗体または抗原結合性断片が参照抗体の抗原への結合を少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%ブロックすれば、その抗体または抗原結合性断片は、参照抗体と同じ/密接に関連したエピトープと結合するとみなしてよい。
【0060】
[0087]本明細書で用いる用語「アミノ酸」は、それぞれのアミノ酸に特有の側鎖とともにアミン(-NH2)およびカルボキシル(-COOH)官能基を含む有機化合物を意味する。本開示においてアミノ酸の名称は標準的な1文字または3文字のコードとして表すこともでき、それらを以下に要約する。
【0061】
【0062】
[0088]アミノ酸配列に関する「保存的置換」は、アミノ酸残基を、同様の物理化学的特性を有する側鎖を有する異なるアミノ酸残基で置き換えることを意味する。たとえば、保存的置換は、疎水性側鎖を有するアミノ酸残基(たとえばMet、Ala、Val、Leu、およびIle)の間で、中性親水性側鎖を有するアミノ酸残基(たとえばCys、Ser、Thr、Asn、およびGln)の間で、酸性側鎖を有するアミノ酸残基(たとえばAsp、Glu)の間で、塩基性側鎖を有するアミノ酸残基(たとえばHis、Lys、およびArg)の間で、または芳香族側鎖を有するアミノ酸残基(たとえばTrp、Tyr、およびPhe)の間で行なうことができる。当技術分野で既知のように、保存的置換は通常、タンパク質のコンフォメーション構造において顕著な変化を生じず、したがってタンパク質の生物学的活性を保持することができる。
【0063】
[0089]本明細書で用いる用語「相同」は、最適に整列させたときに別の配列と少なくとも60%(たとえば少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%)の配列同一性を有する核酸配列(またはその相補的ストランド)またはアミノ酸配列を意味する。
【0064】
[0090]アミノ酸配列(または核酸配列)に関する「配列同一性パーセント(%)」は、配列を整列させ、必要な場合には同一のアミノ酸(または核酸)の数が最大になるようにギャップを導入した後の、参照配列におけるアミノ酸(または核酸)残基と同一である候補配列におけるアミノ酸(または核酸)残基のパーセンテージとして定義される。換言すれば、アミノ酸配列(または核酸配列)の配列同一性パーセント(%)は、比較する参照配列に関して同一であるアミノ酸残基(または塩基)の数を、候補配列または参照配列のどちらか短い方におけるアミノ酸残基(または塩基)の全数で除することによって計算することができる。アミノ酸残基の保存的置換は、同一の残基とみなしてもよく、みなさなくてもよい。アミノ酸(または核酸)の配列同一性パーセントを計算するための整列は、たとえばBLASTN、BLASTp(U.S.National Center for Biotechnology Information(NCBI)のウェブサイトから入手可能、Altschul S.F.et al.,J.Mol.Biol.,215:403-410(1990);Stephen F.et al.,Nucleic Acids Res.,25:3389-3402(1997)も参照されたい)、ClustalW2(European Bioinformatics Instituteのウェブサイトから入手可能、Higgins D.G.et al.,Methods in Enzymology,266:383-402(1996);Larkin M.A.et al.,Bioinformatics(Oxford,England),23(21):2947-8(2007)も参照されたい)、およびALIGNまたはMegalign(DNASTAR)ソフトウェア等の公衆利用可能なツールを用いて達成することができる。当業者であれば、ツールによって提供されるデフォルトパラメーターを用いてもよく、またはたとえば好適なアルゴリズムを選択することによって整列のために適切なパラメーターをカスタマイズしてもよい。
【0065】
[0091]本明細書で用いる「エフェクター機能」は、抗体のFc領域の、C1複合体およびFc受容体等のそのエフェクターへの結合に帰せられる生物学的活性を意味する。例示的なエフェクター機能には、抗体とC1複合体上のC1qとの相互作用によって媒介される補体依存性細胞毒性(CDC)、抗体のFc領域のエフェクター細胞上のFc受容体への結合によって媒介される抗体依存性細胞媒介細胞毒性(ADCC)、およびファゴサイトーシスが含まれる。エフェクター機能は、Fc受容体結合アッセイ、C1q結合アッセイ、および細胞溶解アッセイ等の種々のアッセイを用いて評価することができる。
【0066】
[0092]本明細書で用いる「抗体依存性細胞媒介細胞毒性」または「ADCC」は、Fc受容体(FcR)を発現するエフェクター細胞が標的細胞上の結合した抗体または抗原結合性断片を認識し、引き続いて標的細胞の溶解を惹起する細胞媒介反応を意味する。「ADCC活性」または「ADCC効果」は、標的細胞上に結合した抗体または抗原結合性断片が上記のADCC反応を誘発する能力を意味する。
【0067】
[0093]本明細書で用いる「補体依存性細胞毒性」または「CDC」は、抗体が生命体の補体系の活性化によって特定の標的細胞の溶解を媒介することができる機構を意味する。CDCにおいてC1qが抗体に結合し、この結合が補体カスケードを誘発して、古典的経路の補体活性化の結果として標的細胞の表面における膜侵襲複合体(MAC)(C5b~C9)の形成がもたらされる。「CDC活性」または「CDC効果」は、標的細胞上に結合した抗体または抗原結合性断片が上記のCDC反応を誘発する能力を意味する。
【0068】
[0094]本明細書で用いる「標的細胞」は、Fc領域を含む抗体が一般にはFc領域のC末端であるタンパク質部分を介して特異的に結合する細胞を意味する。「エフェクター細胞」は、1つまたは複数のFc受容体を発現してエフェクター機能を果たす白血球である。ADCCを媒介するヒト白血球の例には、末梢血単核細胞(PBMC)、ナチュラルキラー(NK)細胞、単球、細胞傷害性T細胞、および好中球が含まれ、PBMCおよびNK細胞が好ましい。エフェクター細胞はその自然の供給源から、たとえば当技術分野で既知の血液またはPBMCから単離してよい。
【0069】
[0095]「単離された」物質は、天然の状態から人の手によって改変されている。「単離された」組成物または物質が天然に生じるならば、それはその元の環境から変化しもしくは除去されているか、またはその両方である。たとえば、生きている動物の中に天然に存在するポリヌクレオチドまたはポリペプチドは「単離されて」いないが、同じポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、その天然の状態において共存する物質から十分に分離されて実質的に純粋な状態で存在するならば、「単離されて」いる。「単離された核酸配列」は、単離された核酸分子の配列を意味する。ある特定の実施形態では、「単離された抗体またはその抗原結合性断片」は、電気泳動法(SDS-PAGE、等電点電気泳動、キャピラリ電気泳動等)またはクロマトグラフィー法(イオン交換クロマトグラフィーまたは逆相HPLC)によって決定して少なくとも60%、70%、75%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%の純度を有する抗体またはその抗原結合性断片を意味する。
【0070】
[0096]本明細書で用いる用語「ベクター」は、その中に遺伝要素が作動可能に挿入され、その遺伝要素の発現が生じて、それにより、その遺伝要素によってコードされるタンパク質、RNA、またはDNAが産生され、またはその遺伝要素が複製されるビヒクルを意味する。ベクターは、宿主細胞をトランスフォーム、トランスデュース、またはトランスフェクトして、それが宿主細胞の中に運搬する遺伝要素の発現を生じさせるために用い得る。ベクターの例には、プラスミド、ファージミド、コスミド、酵母人工染色体(YAC)、細菌人工染色体(BAC)、またはP1由来人工染色体(PAC)等の人工染色体、ラムダファージまたはM13ファージ等のバクテリオファージ、および動物ウイルスが含まれる。ベクターは、プロモーター配列、転写開始配列、エンハンサー配列、選択可能な要素、およびレポーター遺伝子等の発現を制御するための種々の要素を含んでよい。さらに、ベクターは複製の起点を含んでよい。ベクターは、ウイルス粒子、リポソーム、またはタンパク質コーティングを含むがこれらに限定されない、ベクターの細胞内への進入を補助する物質を含んでもよい。ベクターは発現ベクターまたはクローニングベクターであってよい。本開示は、抗体またはその抗原結合性断片をコードする本明細書で提供される核酸配列、核酸配列に作動可能に連結された少なくとも1つのプロモーター(たとえばSV40、CMV、EF-1α)、および少なくとも1つの選択マーカーを含むベクター(たとえば発現ベクター)を提供する。
【0071】
[0097]本明細書で用いる語句「宿主細胞」は、その中に外来のポリヌクレオチドおよび/またはベクターを導入することができ、またはこれらが導入された細胞を意味する。
[0098]用語「対象」は、ヒトおよび非ヒト動物を含む。非ヒト動物は、全ての脊椎動物、たとえば哺乳動物および非ヒト霊長類、マウス、ラット、ネコ、ウサギ、ヒツジ、イヌ、雌ウシ、ニワトリ、両生類、および爬虫類等の非哺乳動物を含む。注記した場合を除いて、用語「患者」、「対象」、または「個体」は、本明細書では相互交換可能に用いられる。
【0072】
[0099]用語「抗腫瘍活性」は、腫瘍細胞の増殖、生存性、または転移活性の低減を意味する。たとえば、抗腫瘍活性は、治療のない対照と比較して、治療中に生じる異常な細胞の増殖速度の低下、または腫瘍のサイズの安定性もしくは低減、あるいは治療による長期生存によって示すことができる。そのような活性は、異種移植モデル、同種移植モデル、マウス乳腺腫瘍ウイルス(MMTV)モデル、および抗腫瘍活性を検討するための当技術分野で既知のその他のモデルを含むがこれらに限らない許容されたin vitroまたはin vivoの腫瘍モデルを用いて評価することができる。
【0073】
[00100]本明細書で用いる疾患、障害、もしくは状態を「処置すること」またはそれらの「処置」は、疾患、障害、もしくは状態を防止しまたは軽減すること、疾患、障害、もしくは状態の発症または発生速度を遅くすること、疾患、障害、もしくは状態を発生させるリスクを低減すること、疾患、障害、もしくは状態に関連する症状の発生を防止しまたは遅延させること、疾患、障害、もしくは状態に関連する症状を低減しまたは終止させること、疾患、障害、もしくは状態を完全にまたは部分的に寛解させること、疾患、障害、もしくは状態を治癒させること、またはそれらのいくつかの組合せを含む。
【0074】
[00101]用語「診断」、「診断する」、または「診断すること」は、CLDN18(特にCLDN18.2)関連疾患の同定のような、病的な状態、疾患、または状態の同定を意味し、または特定の処置レジメンによって恩恵を受ける可能性のあるCLDN18(特にCLDN18.2)関連疾患を有する対象の同定を意味する。一部の実施形態では、診断はCLDN18.2の異常な量または活性の同定を含む。一部の実施形態では、診断は対象におけるがんの同定を意味する。
【0075】
[00102]本明細書で用いる場合、用語「生物学的試料」または「試料」は、目的の対象から得られまたは由来し、たとえば物理的、生化学的、化学的、および/または生理学的特徴に基づいて特徴付けおよび/または同定される、細胞および/またはその他の分子実体を含む生物学的組成物を意味する。生物学的試料は、当業者には既知の任意の方法によって得られる対象の細胞、組織、臓器、および/または生物学的流体を含むが、これらに限定されない。一部の実施形態では、生物学的試料は流体試料である。一部の実施形態では、流体試料は全血、血漿、血清、粘液(鼻漏および痰を含む)、腹水、胸膜液、胸水、唾液、尿、滑液、脳脊髄液(CSF)、胸腔穿刺液、腹部の液、腹水、または心嚢液である。一部の実施形態では、生物学的試料は、対象の胃、心臓、肝臓、脾臓、肺、腎臓、皮膚、または血管から得られた組織または細胞である。
【0076】
[00103]本明細書で用いる「CLDN18」はクローディン18を意味し、細胞によって天然に発現されまたはCLDN18遺伝子がトランスフェクトされた細胞によって発現されるCLDN18のCLDN18.1およびCLDN18.2を含むその任意のバリアント、コンフォメーション、アイソフォーム、および種ホモログを含む。ある特定の実施形態では、CLDN18はヒトCLDN18である。本明細書で用いるCLDN18は他の動物種、たとえばとりわけヒト、マウス、およびカニクイザル由来のものであってよい。用語「CLDN18」、「CLDN-18」、「CLDN 18」、「クローディン18」、「クローディン-18」、または「クローディン 18」は本開示では相互交換可能に用いられる。
【0077】
[00104]「CLDN18.1」はCLDN18のスプライスバリアントであり、細胞によって天然に発現されまたはCLDN18.1遺伝子がトランスフェクトされた細胞において発現されるCLDN18.1の翻訳後改変バリアント、アイソフォーム、および種ホモログを含む。用語「CLDN18.1」、「CLDN-18.1」、「CLDN 18.1」、「クローディン18.1」、「クローディン-18.1」、または「クローディン 18.1」は本開示では相互交換可能に用いられる。ヒトCLDN18.1タンパク質の例示的な配列は、NCBI Ref Seq No.NP_057453.1.に開示されている。
【0078】
[00105]「CLDN18.2」はCLDN18のスプライスバリアントであり、細胞によって天然に発現されまたはCLDN18.2遺伝子がトランスフェクトされた細胞において発現されるCLDN18.2の翻訳後改変バリアント、アイソフォーム、および種ホモログを含む。用語「CLDN18.2」、「CLDN-18.2」、「CLDN 18.2」、「クローディン18.2」、「クローディン-18.2」、または「クローディン 18.2」は本開示では相互交換可能に用いられる。ヒトCLDN18.2タンパク質の例示的な配列は、NCBI Ref Seq No.NP_001002026.1.に開示されている。
【0079】
[00106]用語「抗CLDN18抗体」は、CLDN18(たとえばヒトCLDN18)に特異的に結合することができる抗体を意味する。用語「抗ヒトCLDN18抗体」は、ヒトCLDN18に特異的に結合することができる抗体を意味する。一部の実施形態では、本明細書で提供される抗CLDN18抗体は、CLDN18.1とCLDN18.2の両方に結合することができる。一部の実施形態では、本明細書で提供される抗CLDN18抗体は、CLDN18.2に特異的に結合することができるが、CLDN18.1には結合することができないか、CLDN18.1により少なく結合することができる(たとえば、CLDN18.1への結合親和性はCLDN18.2への結合親和性の10分の1以下、またはCLDN18.2への結合親和性の50分の1以下、または100分の1以下、または200分の1以下である)。一部の実施形態では、本明細書で提供される抗CLDN18抗体は、CLDN18.1に対して検出可能な結合親和性を有しない。一部の実施形態では、結合親和性はFACSアッセイによって決定される。一部の実施形態では、結合親和性はFACSアッセイによって検出される平均蛍光強度(MFI)によって決定される。
【0080】
[00107]本明細書で用いる「CLDN18関連」の疾患、障害、または状態は、CLDN18の増加したまたは減少した発現または活性によって惹起され、悪化され、またはその他に関連する任意の疾患または状態を意味する。一部の実施形態では、CLDN18関連の疾患、障害、または状態は、たとえばがん等の過剰な細胞の増殖に関連する障害である。ある特定の実施形態では、CLDN18関連の疾患または状態は、CLDN18および/またはCLDN18.1遺伝子もしくはCLDN18.2遺伝子等のCLDN18関連遺伝子の発現または過発現において特徴付けられる。
【0081】
[00108]用語「薬学的に許容される」は、指定した担体、ビヒクル、希釈剤、賦形剤、および/または塩が一般に、その製剤を構成する他の成分と化学的におよび/または物理的に適合性があり、その受容者に生理学的に適合性があることを示す。
【0082】
[00109]本明細書で用いる用語「CLDN18陽性細胞」は、細胞の表面にCLDN18を発現する細胞(たとえば上皮細胞)を意味する。
抗CLDN18抗体
[00110]本開示は、抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。本明細書で提供される抗CLDN18抗体および抗原結合性断片は、CLDN18(特にCLDN18.2)に特異的に結合することができる。
【0083】
[00111]ある特定の実施形態では、本明細書で提供される抗体およびその抗原結合性断片は、ヒトCLDN18(特にヒトCLDN18.2)に特異的に結合する。ある特定の実施形態では、本明細書で提供される抗体およびその抗原結合性断片は、ヒトCLDN18.1とヒトCLDN18.2の両方に結合することができる。ある特定の実施形態では、本明細書で提供される抗体およびその抗原結合性断片は、Biacoreアッセイによって測定して、10-7M以下、8×10-8M以下、5×10-8M以下、2×10-8M以下、10-8M以下、8×10-9M以下、5×10-9M以下、2×10-9M以下、10-9M以下、8×10-10M以下、7×10-10M以下、6×10-10M以下、5×10-10M以下、4×10-10M以下、3×10-10M以下、2×10-10M以下のKD値で、ヒトCLDN18.2に特異的に結合する。Biacoreアッセイは表面プラスモン共鳴技術に基づいている。たとえばMurphy,M.et al.,Current protocols in protein science,Chapter 19,unit 19.14,2006を参照されたい。
【0084】
[00112]ある特定の実施形態では、本明細書で提供される抗体およびその抗原結合性断片は、Octetアッセイによって測定して、10-8M以下、8×10-9M以下、5×10-9M以下、1×10-9M以下、8×10-10M以下、5×10-10M以下、1×10-10M以下、8×10-11M以下、5×10-11M以下、1×10-11M以下、8×10-12M以下、5×10-12M以下、1×10-12M以下のKD値で、ヒトCLDN18(特にCLDN18.2)に特異的に結合する。Octetアッセイは、生物層干渉分光技術に基づいている。たとえばAbdiche,Yasmina N.,et al.Analytical biochemistry 386.2(2009):172-180およびSun Y S.,Instrumentation Science & Technology,2014,42(2):109-127を参照されたい。
【0085】
[00113]本明細書で提供される抗体またはその抗原結合性断片のCLDN18への結合は、「50%効果濃度」(EC50)値によっても表すことができる。EC50値は、その最大の結合の50%が観察される抗体の濃度を意味する。EC50値は当技術分野で既知の結合アッセイ、たとえば酵素連結免疫吸着アッセイ(ELISA)等の直接または間接結合アッセイ、FACSアッセイ、およびその他の結合アッセイによって測定することができる。ある特定の実施形態では、本明細書で提供される抗体およびその抗原結合性断片は、FACSアッセイによって、10-9M以下、8×10-10M以下、7×10-10M以下、6×10-10M以下、5×10-10M以下、4×10-10M以下、3×10-10M以下、2×10-10M以下のEC50(即ち50%結合濃度)で、ヒトまたはマウスのCLDN18(特にヒトまたはマウスのCLDN18.2)に特異的に結合する。ある特定の実施形態では、結合はELISAまたはFACSアッセイによって測定される。ある特定の実施形態では、EC50値は本開示の実施例2.3に記載された方法によって測定される。
【0086】
[00114]一部の実施形態では、本明細書で提供される抗体またはその抗原結合性断片は、CLDN18.2に特異的に結合する。一部の実施形態では、本明細書で提供される抗体またはその抗原結合性断片は、ヒトCLDN18.2に特異的に結合する。一部の実施形態では、本明細書で提供される抗体またはその抗原結合性断片は、CLDNファミリーの他のメンバー(たとえばCLDN18.1)には結合しない。一部の実施形態では、本明細書で提供される抗体またはその抗原結合性断片は、たとえばFACSアッセイによって測定してヒトCLDN18.2に特異的に結合するが、ヒトCLDN18.1には特異的に結合しない。
【0087】
[00115]ある特定の実施形態では、本明細書で提供される抗体およびその抗原結合性断片は、FACSアッセイによって、10-8M以下、8×10-9M以下、5×10-9M以下、2×10-9M以下、10-9M以下、8×10-10M以下、7×10-10M以下、6×10-10M以下、5×10-10M以下、または4×10-10M以下のEC50値で、マウスのCLDN18.2に特異的に結合する。
【0088】
実例となる抗CLDN18抗体
[00116]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号1~155、201~205、332~354、および367からなる群から選択される配列を含む1つまたは複数の(たとえば1、2、3、4、5、または6つの)のCDRを含む抗CLDN18抗体(たとえば抗CLDN18.2抗体)およびその抗原結合性断片を提供する。ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号1~155、201~205、332~354、および367のいずれかの1つ、2つ、もしくは3つ以下のアミノ酸残基の置換を有する抗体およびその抗原結合性断片をさらに包含する。上記のそれぞれのCDRの特定のアミノ酸配列を下の表2に示す。
【0089】
[00117]本明細書で用いる抗体「99H8」は、配列番号254の配列を有する重鎖可変領域および配列番号302の配列を有する軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体を意味する。
【0090】
[00118]本明細書で用いる抗体「99G8」は、配列番号229の配列を有する重鎖可変領域および配列番号282の配列を有する軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体を意味する。
【0091】
[00119]本明細書で用いる抗体「99A7」は、配列番号235の配列を有する重鎖可変領域および配列番号288の配列を有する軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体を意味する。
【0092】
[00120]本明細書で用いる抗体「97A9」は、配列番号250の配列を有する重鎖可変領域および配列番号290の配列を有する軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体を意味する。
【0093】
[00121]本明細書で用いる抗体「84E8」は、配列番号236の配列を有する重鎖可変領域および配列番号293の配列を有する軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体を意味する。
【0094】
[00122]本明細書で用いる抗体「83H3」は、配列番号256の配列を有する重鎖可変領域および配列番号268の配列を有する軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体を意味する。
【0095】
[00123]本明細書で用いる抗体「80F10」は、配列番号251の配列を有する重鎖可変領域および配列番号291の配列を有する軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体を意味する。
【0096】
[00124]本明細書で用いる抗体「79C3」は、配列番号220の配列を有する重鎖可変領域および配列番号284の配列を有する軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体を意味する。
【0097】
[00125]本明細書で用いる抗体「78H6」は、配列番号222の配列を有する重鎖可変領域および配列番号260の配列を有する軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体を意味する。
【0098】
[00126]本明細書で用いる抗体「73E4」は、配列番号253の配列を有する重鎖可変領域および配列番号270の配列を有する軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体を意味する。
【0099】
[00127]本明細書で用いる抗体「69B2」は、配列番号232の配列を有する重鎖可変領域および配列番号287の配列を有する軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体を意味する。
【0100】
[00128]本明細書で用いる抗体「68E9」は、配列番号223の配列を有する重鎖可変領域および配列番号285の配列を有する軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体を意味する。
【0101】
[00129]本明細書で用いる抗体「68D1」は、配列番号252の配列を有する重鎖可変領域および配列番号272の配列を有する軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体を意味する。
【0102】
[00130]本明細書で用いる抗体「66E6」は、配列番号255の配列を有する重鎖可変領域および配列番号299の配列を有する軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体を意味する。
【0103】
[00131]本明細書で用いる抗体「66E12」は、配列番号233の配列を有する重鎖可変領域および配列番号292の配列を有する軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体を意味する。
【0104】
[00132]本明細書で用いる抗体「64C1」は、配列番号217の配列を有する重鎖可変領域および配列番号262の配列を有する軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体を意味する。
【0105】
[00133]本明細書で用いる抗体「64C10」は、配列番号219の配列を有する重鎖可変領域および配列番号264の配列を有する軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体を意味する。
【0106】
[00134]本明細書で用いる抗体「61A5」は、配列番号211の配列を有する重鎖可変領域および配列番号261の配列を有する軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体を意味する。
【0107】
[00135]本明細書で用いる抗体「60F11」は、配列番号234の配列を有する重鎖可変領域および配列番号274の配列を有する軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体を意味する。
【0108】
[00136]本明細書で用いる抗体「59G12」は、配列番号216の配列を有する重鎖可変領域および配列番号263の配列を有する軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体を意味する。
【0109】
[00137]本明細書で用いる抗体「59F5」は、配列番号218の配列を有する重鎖可変領域および配列番号262の配列を有する軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体を意味する。
【0110】
[00138]本明細書で用いる抗体「59E7」は、配列番号215の配列を有する重鎖可変領域および配列番号263の配列を有する軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体を意味する。
【0111】
[00139]本明細書で用いる抗体「56B2」は、配列番号227の配列を有する重鎖可変領域および配列番号286の配列を有する軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体を意味する。
【0112】
[00140]本明細書で用いる抗体「54F5」は、配列番号221の配列を有する重鎖可変領域および配列番号281の配列を有する軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体を意味する。
【0113】
[00141]本明細書で用いる抗体「38B9」は、配列番号213の配列を有する重鎖可変領域および配列番号308の配列を有する軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体を意味する。
【0114】
[00142]本明細書で用いる抗体「35B4」は、配列番号210の配列を有する重鎖可変領域および配列番号307の配列を有する軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体を意味する。
【0115】
[00143]本明細書で用いる抗体「35A10」は、配列番号207の配列を有する重鎖可変領域および配列番号280の配列を有する軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体を意味する。
【0116】
[00144]本明細書で用いる抗体「33G12」は、配列番号212の配列を有する重鎖可変領域および配列番号309の配列を有する軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体を意味する。
【0117】
[00145]本明細書で用いる抗体「22E12」は、配列番号246の配列を有する重鎖可変領域および配列番号273の配列を有する軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体を意味する。
【0118】
[00146]本明細書で用いる抗体「15E10」は、配列番号208の配列を有する重鎖可変領域および配列番号278の配列を有する軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体を意味する。
【0119】
[00147]本明細書で用いる抗体「100F4」は、配列番号249の配列を有する重鎖可変領域および配列番号294の配列を有する軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体を意味する。
【0120】
[00148]本明細書で用いる抗体「40C1」は、配列番号214の配列を有する重鎖可変領域および配列番号269の配列を有する軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体を意味する。
【0121】
[00149]本明細書で用いる抗体「41B3」は、配列番号206の配列を有する重鎖可変領域および配列番号305の配列を有する軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体を意味する。
【0122】
[00150]本明細書で用いる抗体「66D7-1」は、配列番号230の配列を有する重鎖可変領域および配列番号279の配列を有する軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体を意味する。
【0123】
[00151]本明細書で用いる抗体「66D7-2」は、配列番号257の配列を有する重鎖可変領域および配列番号271の配列を有する軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体を意味する。
【0124】
[00152]本明細書で用いる抗体「51G10」は、配列番号259の配列を有する重鎖可変領域および配列番号271の配列を有する軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体を意味する。
【0125】
[00153]本明細書で用いる抗体「365F6」は、配列番号241の配列を有する重鎖可変領域および配列番号283の配列を有する軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体を意味する。
【0126】
[00154]本明細書で用いる抗体「360C2」は、配列番号231の配列を有する重鎖可変領域および配列番号306の配列を有する軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体を意味する。
【0127】
[00155]本明細書で用いる抗体「319F2」は、配列番号230の配列を有する重鎖可変領域および配列番号303の配列を有する軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体を意味する。
【0128】
[00156]本明細書で用いる抗体「317A7」は、配列番号248の配列を有する重鎖可変領域および配列番号289の配列を有する軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体を意味する。
【0129】
[00157]本明細書で用いる抗体「315F10」は、配列番号258の配列を有する重鎖可変領域および配列番号289の配列を有する軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体を意味する。
【0130】
[00158]本明細書で用いる抗体「314D7」は、配列番号245の配列を有する重鎖可変領域および配列番号266の配列を有する軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体を意味する。
【0131】
[00159]本明細書で用いる抗体「310H5」は、配列番号228の配列を有する重鎖可変領域および配列番号300の配列を有する軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体を意味する。
【0132】
[00160]本明細書で用いる抗体「308E8」は、配列番号247の配列を有する重鎖可変領域および配列番号289の配列を有する軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体を意味する。
【0133】
[00161]本明細書で用いる抗体「305G8」は、配列番号244の配列を有する重鎖可変領域および配列番号266の配列を有する軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体を意味する。
【0134】
[00162]本明細書で用いる抗体「256C10-1」は、配列番号258の配列を有する重鎖可変領域および配列番号301の配列を有する軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体を意味する。
【0135】
[00163]本明細書で用いる抗体「256C10-2」は、配列番号209の配列を有する重鎖可変領域および配列番号301の配列を有する軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体を意味する。
【0136】
[00164]本明細書で用いる抗体「248D9」は、配列番号238の配列を有する重鎖可変領域および配列番号275の配列を有する軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体を意味する。
【0137】
[00165]本明細書で用いる抗体「246B8」は、配列番号240の配列を有する重鎖可変領域および配列番号276の配列を有する軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体を意味する。
【0138】
[00166]本明細書で用いる抗体「243A8」は、配列番号226の配列を有する重鎖可変領域および配列番号297の配列を有する軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体を意味する。
【0139】
[00167]本明細書で用いる抗体「242G5」は、配列番号224の配列を有する重鎖可変領域および配列番号296の配列を有する軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体を意味する。
【0140】
[00168]本明細書で用いる抗体「237E3」は、配列番号226の配列を有する重鎖可変領域および配列番号298の配列を有する軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体を意味する。
【0141】
[00169]本明細書で用いる抗体「226E9」は、配列番号225の配列を有する重鎖可変領域および配列番号310の配列を有する軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体を意味する。
【0142】
[00170]本明細書で用いる抗体「226D5」は、配列番号239の配列を有する重鎖可変領域および配列番号277の配列を有する軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体を意味する。
【0143】
[00171]本明細書で用いる抗体「217B5」は、配列番号237の配列を有する重鎖可変領域および配列番号304の配列を有する軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体を意味する。
【0144】
[00172]本明細書で用いる抗体「214E4」は、配列番号243の配列を有する重鎖可変領域および配列番号267の配列を有する軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体を意味する。
【0145】
[00173]本明細書で用いる抗体「213A9」は、配列番号242の配列を有する重鎖可変領域および配列番号295の配列を有する軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体を意味する。
【0146】
[00174]本明細書で用いる抗体「206C7」は、配列番号244の配列を有する重鎖可変領域および配列番号265の配列を有する軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体を意味する。
【0147】
[00175]本明細書で用いる抗体「203D12」は、配列番号242の配列を有する重鎖可変領域および配列番号289の配列を有する軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体を意味する。
【0148】
[00176]本明細書で用いる抗体「203A5」は、配列番号225の配列を有する重鎖可変領域および配列番号296の配列を有する軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体を意味する。
【0149】
[00177]上記のそれぞれの例示的な抗体の重鎖可変領域および軽鎖可変領域の特定のアミノ酸配列を下の表3に示す。
[00178]ある特定の実施形態では、本開示は、抗体99H8、99G8、99A7、97A9、84E8、83H3、80F10、79C3、78H6、73E4、69B2、68E9、68D1、66E6、66E12、64C1、64C10、61A5、60F11、59G12、59F5、59E7、56B2、54F5、38B9、35B4、35A10、33G12、22E12、15E10、100F4、40C1、41B3、66D7-1、66D7-2、51G10、365F6、360C2、319F2、317A7、315F10、314D7、310H5、308E8、305G8、256C10-1、256C10-2、248D9、246B8、243A8、242G5、237E3、226E9、226D5、217B5、214E4、213A9、206C7、203D12、または203A5の1つまたは複数の(たとえば1、2、3、4、5、または6つの)CDR配列を含む抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0150】
[00179]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号1~28、201、202、332~337からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHCDR1、配列番号29~67、203、338~343、367からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHCDR2、および配列番号68~94、344~346から選択されるアミノ酸配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号95~113、205、347、348から選択されるアミノ酸配列を含むLCDR1、配列番号114~123、349、350からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むLCDR2、および配列番号124~155、204、351~354からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むLCDR3を含む抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0151】
[00180]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号1、4、11、15~20、201、202、332~337からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHCDR1、配列番号29、32、43、46~51、53、203、338~343からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHCDR2、および配列番号68、69、71、79、80~85、344~346からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号95、96、101~104、106、205、347、348からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むLCDR1、配列番号114、115、117~122、349、350からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むLCDR2、および配列番号124、127、135、137~142、144、204、351~354からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むLCDR3を含む抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0152】
[00181]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号1、4、11、15~20、201、202からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHCDR1、配列番号29、32、43、46~51、53、203からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHCDR2、配列番号68、69、71、79、80~85からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号95、96、101~104、106、205からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むLCDR1、配列番号114、115、117~122からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むLCDR2、および配列番号124、127、135、137~142、144、204からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むLCDR3を含む抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0153】
[00182]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号16、19、201、202からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHCDR1、配列番号47、50、203からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHCDR2、配列番号80、83からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号96、103、205からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むLCDR1、配列番号118、120からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むLCDR2、および配列番号138、141、204からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むLCDR3を含む抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0154】
[00183]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号1の配列を含むHCDR1、配列番号29の配列を含むHCDR2、および配列番号68の配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号95の配列を含むLCDR1、配列番号114の配列を含むLCDR2、および配列番号124の配列を含むLCDR3を含む抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0155】
[00184]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号2の配列を含むHCDR1、配列番号30の配列を含むHCDR2、配列番号69の配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号96の配列を含むLCDR1、配列番号114の配列を含むLCDR2、および配列番号125の配列を含むLCDR3を含む抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0156】
[00185]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号3の配列を含むHCDR1、配列番号31の配列を含むHCDR2、配列番号70の配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号96の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号126の配列を含むLCDR3を含む抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0157】
[00186]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号4の配列を含むHCDR1、配列番号32の配列を含むHCDR2、配列番号69の配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号96の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号127の配列を含むLCDR3を含む抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0158】
[00187]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号5の配列を含むHCDR1、配列番号33の配列を含むHCDR2、配列番号71の配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号96の配列を含むLCDR1、配列番号116の配列を含むLCDR2、および配列番号128の配列を含むLCDR3を含む抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0159】
[00188]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号4の配列を含むHCDR1、配列番号34の配列を含むHCDR2、配列番号69の配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号97の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号129の配列を含むLCDR3を含む抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0160】
[00189]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号6の配列を含むHCDR1、配列番号32の配列を含むHCDR2、配列番号69の配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号96の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号127の配列を含むLCDR3を含む抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0161】
[00190]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号7の配列を含むHCDR1、配列番号35の配列を含むHCDR2、配列番号72の配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号96の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号130の配列を含むLCDR3を含む抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0162】
[00191]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号8の配列を含むHCDR1、配列番号36の配列を含むHCDR2、配列番号72の配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号96の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号130の配列を含むLCDR3を含む、抗CLDN18(特に、抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0163】
[00192]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号6の配列を含むHCDR1、配列番号37の配列を含むHCDR2、配列番号69の配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号98の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号127の配列を含むLCDR3を含む、抗CLDN18(特に、抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0164】
[00193]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号5の配列を含むHCDR1、配列番号38の配列を含むHCDR2、配列番号73の配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号96の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号128の配列を含むLCDR3を含む、抗CLDN18(特に、抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0165】
[00194]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号8の配列を含むHCDR1、配列番号35の配列を含むHCDR2、配列番号74の配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号96の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号130の配列を含むLCDR3を含む、抗CLDN18(特に、抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0166】
[00195]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号6の配列を含むHCDR1、配列番号32の配列を含むHCDR2、配列番号69の配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号96の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号127の配列を含むLCDR3を含む、抗CLDN18(特に、抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0167】
[00196]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号2の配列を含むHCDR1、配列番号39の配列を含むHCDR2、配列番号69の配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号99の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号131の配列を含むLCDR3を含む抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0168】
[00197]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号5の配列を含むHCDR1、配列番号33の配列を含むHCDR2、配列番号71の配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号96の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号128の配列を含むLCDR3を含む抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0169】
[00198]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号9の配列を含むHCDR1、配列番号40の配列を含むHCDR2、配列番号75の配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号99の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号132の配列を含むLCDR3を含む抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0170】
[00199]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号9の配列を含むHCDR1、配列番号41の配列を含むHCDR2、配列番号76の配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号99の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号133の配列を含むLCDR3を含む抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0171】
[00200]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号10の配列を含むHCDR1、配列番号42の配列を含むHCDR2、配列番号77の配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号100の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号134の配列を含むLCDR3を含む抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0172】
[00201]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号11の配列を含むHCDR1、配列番号43の配列を含むHCDR2、配列番号71の配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号101の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号135の配列を含むLCDR3を含む抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0173】
[00202]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号12の配列を含むHCDR1、配列番号44の配列を含むHCDR2、配列番号75の配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号99の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号132の配列を含むLCDR3を含む抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0174】
[00203]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号13の配列を含むHCDR1、配列番号40の配列を含むHCDR2、配列番号75の配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号99の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号132の配列を含むLCDR3を含む抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0175】
[00204]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号12の配列を含むHCDR1、配列番号44の配列を含むHCDR2、配列番号75の配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号99の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号132の配列を含むLCDR3を含む抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0176】
[00205]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号14の配列を含むHCDR1、配列番号45の配列を含むHCDR2、配列番号78の配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号96の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号136の配列を含むLCDR3を含む抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0177】
[00206]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号8の配列を含むHCDR1、配列番号35の配列を含むHCDR2、配列番号72の配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号96の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号130の配列を含むLCDR3を含む抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0178】
[00207]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号15の配列を含むHCDR1、配列番号46の配列を含むHCDR2、配列番号79の配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号102の配列を含むLCDR1、配列番号117の配列を含むLCDR2、および配列番号137の配列を含むLCDR3を含む抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0179】
[00208]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号16の配列を含むHCDR1、配列番号47の配列を含むHCDR2、配列番号80の配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号103の配列を含むLCDR1、配列番号118の配列を含むLCDR2、および配列番号138の配列を含むLCDR3を含む抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0180】
[00209]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号17の配列を含むHCDR1、配列番号48の配列を含むHCDR2、配列番号81の配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号96の配列を含むLCDR1、配列番号119の配列を含むLCDR2、および配列番号139の配列を含むLCDR3を含む抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0181】
[00210]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号18の配列を含むHCDR1、配列番号49の配列を含むHCDR2、配列番号82の配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号104の配列を含むLCDR1、配列番号118の配列を含むLCDR2、および配列番号140の配列を含むLCDR3を含む抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0182】
[00211]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号19の配列を含むHCDR1、配列番号50の配列を含むHCDR2、配列番号83の配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号96の配列を含むLCDR1、配列番号120の配列を含むLCDR2、および配列番号141の配列を含むLCDR3を含む抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0183】
[00212]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号17の配列を含むHCDR1、配列番号51の配列を含むHCDR2、配列番号84の配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号96の配列を含むLCDR1、配列番号121の配列を含むLCDR2、および配列番号142の配列を含むLCDR3を含む抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0184】
[00213]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号2の配列を含むHCDR1、配列番号52の配列を含むHCDR2、配列番号69の配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号105の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号143の配列を含むLCDR3を含む抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0185】
[00214]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号20の配列を含むHCDR1、配列番号53の配列を含むHCDR2、配列番号85の配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号106の配列を含むLCDR1、配列番号122の配列を含むLCDR2、および配列番号144の配列を含むLCDR3を含む抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0186】
[00215]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号21の配列を含むHCDR1、配列番号54の配列を含むHCDR2、配列番号86の配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号95の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号128の配列を含むLCDR3を含む抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0187】
[00216]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号22の配列を含むHCDR1、配列番号55の配列を含むHCDR2、配列番号87の配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号98の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号145の配列を含むLCDR3を含む抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0188】
[00217]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号2の配列を含むHCDR1、配列番号56の配列を含むHCDR2、配列番号69の配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号98の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号127の配列を含むLCDR3を含む抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0189】
[00218]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号1の配列を含むHCDR1、配列番号57の配列を含むHCDR2、配列番号69の配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号98の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号127の配列を含むLCDR3を含む抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0190】
[00219]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号11の配列を含むHCDR1、配列番号43の配列を含むHCDR2、配列番号88の配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号96の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号146の配列を含むLCDR3を含む抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0191】
[00220]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号23の配列を含むHCDR1、配列番号58の配列を含むHCDR2、配列番号89の配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号96の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号147の配列を含むLCDR3を含む抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0192】
[00221]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号22の配列を含むHCDR1、配列番号55の配列を含むHCDR2、配列番号87の配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号96の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号130の配列を含むLCDR3を含む抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0193】
[00222]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号24の配列を含むHCDR1、配列番号59の配列を含むHCDR2、配列番号90の配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号96の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号148の配列を含むLCDR3を含む抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0194】
[00223]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号25の配列を含むHCDR1、配列番号60の配列を含むHCDR2、配列番号90の配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号96の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号148の配列を含むLCDR3を含む抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0195】
[00224]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号26の配列を含むHCDR1、配列番号61の配列を含むHCDR2、配列番号91の配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号107の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号149の配列を含むLCDR3を含む抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0196】
[00225]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号26の配列を含むHCDR1、配列番号62の配列を含むHCDR2、配列番号92の配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号108の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号150の配列を含むLCDR3を含む抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0197】
[00226]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号24の配列を含むHCDR1、配列番号59の配列を含むHCDR2、配列番号90の配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号96の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号148の配列を含むLCDR3を含む抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0198】
[00227]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号26の配列を含むHCDR1、配列番号61の配列を含むHCDR2、配列番号91の配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号107の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号149の配列を含むLCDR3を含む抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0199】
[00228]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号25の配列を含むHCDR1、配列番号60の配列を含むHCDR2、配列番号90の配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号109の配列を含むLCDR1、配列番号123の配列を含むLCDR2、および配列番号151の配列を含むLCDR3を含む抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0200】
[00229]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号27の配列を含むHCDR1、配列番号367の配列を含むHCDR2、配列番号93の配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号109の配列を含むLCDR1、配列番号123の配列を含むLCDR2、および配列番号151の配列を含むLCDR3を含む抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0201】
[00230]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号26の配列を含むHCDR1、配列番号63の配列を含むHCDR2、配列番号92の配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号110の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号150の配列を含むLCDR3を含む抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0202】
[00231]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号26の配列を含むHCDR1、配列番号64の配列を含むHCDR2、配列番号92の配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号111の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号150の配列を含むLCDR3を含む抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0203】
[00232]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号28の配列を含むHCDR1、配列番号65の配列を含むHCDR2、配列番号85の配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号101の配列を含むLCDR1、配列番号120の配列を含むLCDR2、および配列番号152の配列を含むLCDR3を含む抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0204】
[00233]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号28の配列を含むHCDR1、配列番号66の配列を含むHCDR2、配列番号94の配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号101の配列を含むLCDR1、配列番号120の配列を含むLCDR2、および配列番号153の配列を含むLCDR3を含む抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0205】
[00234]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号28の配列を含むHCDR1、配列番号65の配列を含むHCDR2、配列番号85の配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号112の配列を含むLCDR1、配列番号120の配列を含むLCDR2、および配列番号152の配列を含むLCDR3を含む抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0206】
[00235]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号28の配列を含むHCDR1、配列番号66の配列を含むHCDR2、配列番号85の配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号101の配列を含むLCDR1、配列番号120の配列を含むLCDR2、および配列番号154の配列を含むLCDR3を含む抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0207】
[00236]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号26の配列を含むHCDR1、配列番号67の配列を含むHCDR2、配列番号92の配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号96の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号155の配列を含むLCDR3を含む抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0208】
[00237]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号26の配列を含むHCDR1、配列番号63の配列を含むHCDR2、配列番号92の配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号108の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号150の配列を含むLCDR3を含む抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0209】
[00238]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号26の配列を含むHCDR1、配列番号61の配列を含むHCDR2、配列番号91の配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号107の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号149の配列を含むLCDR3を含む抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0210】
[00239]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号11の配列を含むHCDR1、配列番号61の配列を含むHCDR2、配列番号91の配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号113の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号149の配列を含むLCDR3を含む抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0211】
[00240]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号26の配列を含むHCDR1、配列番号61の配列を含むHCDR2、配列番号91の配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号107の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号149の配列を含むLCDR3を含む抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0212】
[00241]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号11の配列を含むHCDR1、配列番号61の配列を含むHCDR2、配列番号91の配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号96の配列を含むLCDR1、配列番号115の配列を含むLCDR2、および配列番号148の配列を含むLCDR3を含む抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0213】
[00242]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号28の配列を含むHCDR1、配列番号66の配列を含むHCDR2、配列番号85の配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号101の配列を含むLCDR1、配列番号120の配列を含むLCDR2、および配列番号153の配列を含むLCDR3を含む抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0214】
[00243]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号16の配列を含むHCDR1、配列番号47の配列を含むHCDR2、配列番号80の配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号103の配列を含むLCDR1、配列番号118の配列を含むLCDR2、および配列番号204の配列を含むLCDR3を含む抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0215】
[00244]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号201の配列を含むHCDR1、配列番号47の配列を含むHCDR2、配列番号80の配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号103の配列を含むLCDR1、配列番号118の配列を含むLCDR2、および配列番号138の配列を含むLCDR3を含む抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0216】
[00245]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号201の配列を含むHCDR1、配列番号47の配列を含むHCDR2、配列番号80の配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号103の配列を含むLCDR1、配列番号118の配列を含むLCDR2、および配列番号204の配列を含むLCDR3を含む抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0217】
[00246]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号202の配列を含むHCDR1、配列番号203の配列を含むHCDR2、配列番号83の配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号96の配列を含むLCDR1、配列番号120の配列を含むLCDR2、および配列番号141の配列を含むLCDR3を含む抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0218】
[00247]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号202の配列を含むHCDR1、配列番号203の配列を含むHCDR2、配列番号83の配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号205の配列を含むLCDR1、配列番号120の配列を含むLCDR2、および配列番号141の配列を含むLCDR3を含む抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0219】
[00248]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号19の配列を含むHCDR1、配列番号50の配列を含むHCDR2、配列番号83の配列を含むHCDR3、ならびに/または配列番号205の配列を含むLCDR1、配列番号120の配列を含むLCDR2、および配列番号141の配列を含むLCDR3を含む抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片を提供する。
【0220】
[00249]上記の60種のモノクローナル抗体のそれぞれの重鎖(「H」と表す)可変領域、軽鎖(「L」と表す)可変領域、HCDR、およびLCDRの配列番号を下の表1に示す。他に指示しなければ、CDRの境界はKabatの規則によって定義し、または同定した。60種の例示的なモノクローナル抗体のそれぞれのCDRのアミノ酸配列を下の表2に示す。60種の例示的なモノクローナル抗体のそれぞれのVHおよびVLのアミノ酸配列を下の表3に示す。
【0221】
【0222】
【0223】
【0224】
【0225】
【0226】
【0227】
【0228】
【0229】
【0230】
【0231】
【0232】
【0233】
【0234】
【0235】
【0236】
【0237】
【0238】
【0239】
【0240】
[00250]60種の例示的なモノクローナル抗体のそれぞれがCLDN18(特にCLDN18.2)に結合することができ、抗原結合特異性が一次的にCDR1、CDR2、およびCDR3領域によって提供されることを考えれば、60種の例示的なモノクローナル抗体のそれぞれのHCDR1、HCDR2、およびHCDR3の配列、ならびにLCDR1、LCDR2、およびLCDR3の配列は「混合および整合されて」(即ち異なる抗体のCDRは混合および整合されるが、それぞれの抗体はHCDR1、HCDR2、およびHCDR3、ならびにLCDR1、LCDR2、およびLCDR3を含まなければならない)、本開示の抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)結合分子を創出することができる。そのような「混合および整合された」抗体のCLDN18(特にCLDN18.2)結合は、上記および実施例に記載した結合アッセイを用いて試験することができる。好ましくは、VH CDR配列が混合および整合される場合には、特定のVH配列からのHCDR1、HCDR2、および/またはHCDR3配列は、構造的に同様のCDR配列で置き換えられる。同様に、VL CDR配列が混合および整合される場合には、特定のVL配列からのLCDR1、LCDR2、および/またはLCDR3配列は、好ましくは構造的に同様のCDR配列で置き換えられる。たとえば、抗体99H8および99G8のHCDR1はいくつかの構造的同様性を共有しており、したがって混合および整合させやすい。60種の例示的なモノクローナル抗体について1つまたは複数のVHおよび/またはVL CDR配列を本明細書で開示したCDR配列からの構造的に同様の配列で置換することによって新規のVHおよびVL配列が創出され得ることは、当業者には容易に明白になる。
【0241】
[00251]CDRは抗原結合に関与していることが知られている。しかし、6つのCDRの全てが不可欠または不変ではないことが見出されている。換言すれば、CLDN18(特にCLDN18.2)への特異的な結合親和性を実質的に保持しながら60種の例示的なモノクローナル抗体のそれぞれにおける1つまたは複数のCDRを置き換え、変更、または修飾することが可能である。
【0242】
[00252]ある特定の実施形態では、本明細書で提供される抗体およびその抗原結合性断片は、その抗体およびその抗原結合性断片がCLDN18(特に、抗CLDN18.2)に特異的に結合することができる限り、好適なフレームワーク領域(FR)配列を含む。上の表2で提供したCDR配列はマウス抗体から得られるが、これらは組換え手法等の当技術分野で既知の好適な方法を用いてとりわけマウス、ヒト、ラット、ウサギ等の任意の好適な種の任意の好適なFR配列にグラフトすることができる。一部の実施形態では、本明細書で提供される抗体またはその抗原結合性断片は、配列番号156の配列を含むHFR1、配列番号162の配列を含むHFR2、配列番号169の配列を含むHFR3、配列番号177の配列を含むHFR4、配列番号179の配列を含むLFR1、配列番号185の配列を含むLFR2、配列番号190の配列を含むLFR3、配列番号198の配列を含むLFR4を含む。一部の実施形態では、本明細書で提供される抗体またはその抗原結合性断片は、配列番号158の配列を含むHFR1、配列番号165の配列を含むHFR2、配列番号172の配列を含むHFR3、配列番号177の配列を含むHFR4、配列番号182の配列を含むLFR1、配列番号189の配列を含むLFR2、配列番号194の配列を含むLFR3、配列番号198の配列を含むLFR4を含む。上記のFRのアミノ酸配列を下の表4に示す。
【0243】
【0244】
[00253]ある特定の実施形態では、本明細書で提供される抗体およびその抗原結合性断片は、ヒト化される。ヒト化抗体またはその抗原結合性断片は、ヒトにおけるその低減した免疫原性において望ましい。ヒト化抗体は、非ヒトCDR配列がヒトまたは実質的にヒトのFR配列にグラフトされているので、その可変領域においてキメラである。抗体または抗原結合性断片のヒト化は本質的に、非ヒト(マウス等)CDR遺伝子をヒト免疫グロブリン遺伝子中の対応するヒトCDR遺伝子で置換することによって実施することができる(たとえばJones et al.(1986)Nature 321:522-525;Riechmann et al.(1988)Nature 332:323-327;Verhoeyen et al.(1988)Science 239:1534-1536)を参照されたい)。
【0245】
[00254]この目的を達成するために、当技術分野で既知の方法を用いて好適なヒト重鎖および軽鎖の可変ドメインを選択することができる。説明的な例では、「ベストフィット」アプローチを用いることができ、ここでは非ヒト(たとえばげっ歯類)抗体の可変ドメイン配列が既知のヒト可変ドメイン配列に対してスクリーニングまたはBLAST処理され、非ヒトクエリー配列に最も近いヒト配列が同定され、非ヒトCDR配列をグラフトするためのヒトスキャフォールドとして用いられる(たとえばSims et al.,(1993)J.Immunol.151:2296;Chothia et al.(1987)J.Mot.Biol.196:901を参照されたい)。あるいは、非ヒトCDRのグラフト化のために、全てのヒト抗体のコンセンサス配列に由来するフレームワークを用いてもよい(たとえばCarter et al.(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA,89:4285;Presta et al.(1993)J.Immunol.,151:2623を参照されたい)。
【0246】
[00255]一部の実施形態では、本開示は35B4の15種のヒト化抗体を提供し、これらはそれぞれ、hu35B4.H1L1、hu35B4.H1L2、hu35B4.H1L3、hu35B4.H1L4、hu35B4.H1L1S92A、hu35B4.H2L1、hu35B4.H2L2、hu35B4.H2L3、hu35B4.H2L4、hu35B4.H2L1S92A、hu35B4.H3L1、hu35B4.H3L2、hu35B4.H3L3、hu35B4.H3L4、hu35B4.H3L1S92Aと表記する。35B4のそれぞれのヒト化抗体の重鎖および軽鎖の可変領域の配列番号および特定のアミノ酸配列を下の表5および表6に示す。35B4のそれぞれのヒト化抗体のFRの配列番号および特定のアミノ酸配列を下の表7および表8に示す。ヒト化抗体hu35B4.H1L1、hu35B4.H1L2、hu35B4.H1L3、hu35B4.H1L4、hu35B4.H2L1、hu35B4.H2L2、hu35B4.H2L3、hu35B4.H2L4、hu35B4.H3L1、hu35B4.H3L2、hu35B4.H3L3、hu35B4.H3L4のそれぞれは、配列番号201の配列を含むHCDR1、配列番号47の配列を含むHCDR2、配列番号80の配列を含むHCDR3、配列番号103の配列を含むLCDR1、配列番号118の配列を含むLCDR2、および配列番号138の配列を含むLCDR3を含み、ヒト化抗体hu35B4.H1L1S92A、hu35B4.H2L1S92A、hu35B4.H3L1S92Aのそれぞれは、配列番号201の配列を含むHCDR1、配列番号47の配列を含むHCDR2、配列番号80の配列を含むHCDR3、配列番号103の配列を含むLCDR1、配列番号118の配列を含むLCDR2、および配列番号204の配列を含むLCDR3を含む。上記の35B4の15種のヒト化抗体のCDR境界はIMGTの規則によって定義し、または同定した。
【0247】
【0248】
【0249】
【0250】
【0251】
[00256]一部の実施形態では、本開示は22E12の12種のヒト化抗体を提供し、これらはそれぞれ、hu22E12.H1L1、hu22E12.H1L2、hu22E12.H1L3、hu22E12.H2L1、hu22E12.H2L2、hu22E12.H2L3、hu22E12.H3L1、hu22E12.H3L2、hu22E12.H3L3、hu22E12.H4L1、hu22E12.H4L2、hu22E12.H4L3と表記する。22E12のそれぞれのヒト化抗体の重鎖および軽鎖の可変領域の配列番号および特定のアミノ酸配列を下の表9および表10に示す。22E12のそれぞれのヒト化抗体のFRの配列番号および特定のアミノ酸配列を下の表11および表12に示す。上記の22E12についての12種のヒト化抗体のそれぞれは、配列番号202の配列を含むHCDR1、配列番号203の配列を含むHCDR2、配列番号83の配列を含むHCDR3、配列番号205の配列を含むLCDR1、配列番号120の配列を含むLCDR2、および配列番号141の配列を含むLCDR3を含む。上記の22E12の12種のヒト化抗体のCDR境界はIMGTの規則によって定義し、または同定した。
【0252】
【0253】
【0254】
【0255】
【0256】
[00257]ある特定の実施形態では、本明細書で提供されるヒト化抗体またはその抗原結合性断片は、非ヒトであるCDR配列を除いて、実質的に全てのヒト配列からなっている。一部の実施形態では、可変領域FRおよび存在する場合には定常領域は、完全にまたは実質的にヒト免疫グロブリン配列からのものである。ヒトFR配列およびヒト定常領域配列は異なるヒト免疫グロブリン遺伝子由来でよく、たとえばFR配列は1つのヒト抗体由来であり、定常領域は別のヒト抗体に由来する。一部の実施形態では、ヒト化抗体またはその抗原結合性断片は、ヒト重鎖HFR1~4、および/または軽鎖LFR1~4を含む。
【0257】
[00258]一部の実施形態では、ヒトに由来するFR領域は、それが由来する元のヒト免疫グロブリンと同じアミノ酸配列を含んでよい。一部の実施形態では、ヒトFRの1つまたは複数のアミノ酸残基は、親の非ヒト抗体からの対応する残基で置換される。これは、ある特定の実施形態ではヒト化抗体またはその断片を非ヒト親抗体の構造に密接に近似させ、それによって結合特性を最適化(たとえば結合親和性を増大)させるために望ましい。ある特定の実施形態では、本明細書で提供されるヒト化抗体またはその抗原結合性断片は、ヒトFR配列のそれぞれにおいて10、9、8、7、6、5、4、3、2、もしくは1個以下のアミノ酸残基の置換、または重鎖もしくは軽鎖の可変ドメインの全てのFR配列において10、9、8、7、6、5、4、3、2、もしくは1個以下のアミノ酸残基の置換を含む。一部の実施形態では、アミノ酸残基におけるそのような変化は、重鎖FR領域にのみ、軽鎖FR領域にのみ、または両方の鎖に存在し得る。ある特定の実施形態では、ヒトFR配列の1つまたは複数のアミノ酸はランダムに変異して結合親和性を増大させる。ある特定の実施形態では、ヒトFR配列の1つまたは複数のアミノ酸は親の非ヒト抗体の対応するアミノ酸に復帰変異して結合親和性を増大させる。
【0258】
[00259]ある特定の実施形態では、本開示は、EX62X63LX64ESGGX65X66X67QPGGSLX68LSCAA(配列番号355)もしくはQVQLX69QX70GX71EX72X73KX74GX75SVKX76SCKAS(配列番号356)の配列またはその少なくとも80%の配列同一性のある相同配列を含む重鎖HFR1、WVRQX77PX78KX79LEWVX80(配列番号357)もしくはWVX81QX82PGQGLEWX83G(配列番号358)の配列またはその少なくとも80%の配列同一性のある相同配列を含む重鎖HFR2、RFTISRDNX84X85NTLX86LQMX87SLX88X89EDTAX90YYCAX91(配列番号359)もしくはX93X94TX95TX96DX97SX98X99TX100YMX101LSSLX102SEDX103AVYX104CAX105(配列番号360)の配列またはその少なくとも80%の配列同一性のある相同配列を含む重鎖HFR3、およびWGQGTLVTVSX92(配列番号361)もしくはWGQGTLVTVSX106(配列番号362)の配列またはその少なくとも80%の配列同一性ある相同配列を含む重鎖HFR4を含む、ヒト化抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片をも提供し、ここでX62=AまたはV、X63=KまたはQ、X64=VまたはL、X65=DまたはG、X66=FまたはL、X67=MまたはV、X68=KまたはR、X69=QまたはV、X70=PまたはS、X71=TまたはA、X72=LまたはV、X73=VまたはK、X74=TまたはP、X75=TまたはA、X76=LまたはV、X77=TまたはA、X78=EまたはG、X79=RまたはG、X80=AまたはS、X81=IまたはR、X82=RまたはA、X83=IまたはM、X84=AまたはS、X85=RまたはK、X86=FまたはY、X87=SまたはN、X88=QまたはR、X89=SまたはA、X90=IまたはV、X91=TまたはK、X93=KまたはR、X94=AまたはV、X95=LまたはM、X96=LまたはR、X97=RまたはT、X98=SまたはT、X99=TまたはS、X100=AまたはV、X101=QまたはE、X102=TまたはR、X103=SまたはT、X104=FまたはY、X105=GまたはR、X92=AまたはS、X106=AまたはSである。
【0259】
[00260]ある特定の実施形態では、本開示は、X107IX108X109X110QSPX111X112LX113X114X115X116GX117X118X119TX120X121C(配列番号363)の配列またはその少なくとも80%の配列同一性のある相同配列を含む軽鎖LFR1、WYQQKPGX122X123PKX124X125IY(配列番号364)の配列またはその少なくとも80%の配列同一性のある相同配列を含む軽鎖LFR2、GVPX126RFX127GSGSGTX128X129X130LTIX131X132X133X134X135EDX136AX137YX138C(配列番号365)の配列またはその少なくとも80%の配列同一性のある相同配列を含む軽鎖LFR3、およびFGX139GTKLEX140K(配列番号366)の配列またはその少なくとも80%の配列同一性のある相同配列を含む軽鎖LFR4を含む、ヒト化抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)およびその抗原結合性断片も提供し、ここでX107=QまたはD、X108=VまたはQ、X109=LまたはM、X110=SまたはT、X111=AまたはSまたはD、X112=IまたはFまたはS、X113=SまたはTまたはA、X114=AまたはV、X115=SまたはT、X116=PまたはVまたはAまたはL、X117=EまたはD、X118=KまたはR、X119=VまたはA、X120=MまたはIまたはL、X121=TまたはSまたはN、X122=SまたはKまたはQ、X123=SまたはAまたはP、X124=AまたはL、X125=WまたはL、X126=TまたはSまたはD、X127=SまたはT、X128=SまたはEまたはD、X129=YまたはF、X130=SまたはT、X131=DまたはS、X132=RまたはS、X133=VまたはL、X134=EまたはQ、X135=AまたはP、X136=AまたはFまたはLまたはV、X137=TまたはV、X138=YまたはH、X139=AまたはQまたはAまたはG、X140=LまたはIである。
【0260】
[00261]ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号157~161の配列からなる群から選択される配列を含む重鎖HFR1、配列番号163~168の配列を含む重鎖HFR2、配列番号170~176からなる群から選択される配列を含む重鎖HFR3、および配列番号178の配列を含む重鎖HFR4、ならびに/または配列番号180~184からなる群からの配列を含む軽鎖LFR1、配列番号186~189からなる群から選択される配列を含む軽鎖LFR2、配列番号191~197からなる群から選択される配列を含む軽鎖LFR3、および配列番号199~200からなる群から選択される配列を含む軽鎖LFR4を含む、ヒト化抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片をも提供する。
【0261】
[00262]ある特定の実施形態では、本明細書で提供されるヒト化抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片は、配列番号311~313、318~321からなる群から選択される配列、および少なくとも80%の配列同一性を有ししかもCLDN18に対する特異的結合親和性を保持しているその相同配列を含む重鎖可変ドメイン配列、ならびに/または配列番号314~317、322~324からなる群から選択される配列、および少なくとも80%の配列同一性を有ししかもCLDN18に対する特異的結合親和性を保持しているその相同配列を含む軽鎖可変ドメイン配列を含む。
【0262】
[00263]本開示は、
1)hu35B4.H1(配列番号311)の重鎖可変領域およびhu35B4.L1(配列番号314)の軽鎖可変領域を含む「hu35B4.H1L1」、
2)hu35B4.H1(配列番号311)の重鎖可変領域およびhu35B4.L2(配列番号315)の軽鎖可変領域を含む「hu35B4.H1L2」、
3)hu35B4.H1(配列番号311)の重鎖可変領域およびhu35B4.L3(配列番号316)の軽鎖可変領域を含む「hu35B4.H1L3」、
4)hu35B4.H1(配列番号311)の重鎖可変領域およびhu35B4.L4(配列番号317)の軽鎖可変領域を含む「hu35B4.H1L4」、
5)hu35B4.H1(配列番号311)の重鎖可変領域およびhu35B4.L1S92A(配列番号402)の軽鎖可変領域を含む「hu35B4.H1L1S92A」、
6)hu35B4.H2(配列番号312)の重鎖可変領域およびhu35B4.L1(配列番号314)の軽鎖可変領域を含む「hu35B4.H2L1」、
7)hu35B4.H2(配列番号312)の重鎖可変領域およびhu35B4.L2(配列番号315)の軽鎖可変領域を含む「hu35B4.H2L2」、
8)hu35B4.H2(配列番号312)の重鎖可変領域およびhu35B4.L3(配列番号316)の軽鎖可変領域を含む「hu35B4.H2L3」、
9)hu35B4.H2(配列番号312)の重鎖可変領域およびhu35B4.L4(配列番号317)の軽鎖可変領域を含む「hu35B4.H2L4」、
10)hu35B4.H2(配列番号312)の重鎖可変領域およびhu35B4.L1S92A(配列番号402)の軽鎖可変領域を含む「hu35B4.H2L1S92A」、
11)hu35B4.H3(配列番号313)の重鎖可変領域およびhu35B4.L1(配列番号314)の軽鎖可変領域を含む「hu35B4.H3L1」、
12)hu35B4.H3(配列番号313)の重鎖可変領域およびhu35B4.L2(配列番号315)の軽鎖可変領域を含む「hu35B4.H3L2」、
13)hu35B4.H3(配列番号313)の重鎖可変領域およびhu35B4.L3(配列番号316)の軽鎖可変領域を含む「hu35B4.H3L3」、
14)hu35B4.H3(配列番号313)の重鎖可変領域およびhu35B4.L4(配列番号317)の軽鎖可変領域を含む「hu35B4.H3L4」、
15)hu35B4.H3(配列番号313)の重鎖可変領域およびhu35B4.L1S92A(配列番号402)の軽鎖可変領域を含む「hu35B4.H3L1S92A」
を含む、35B4の15種の例示的なヒト化抗体をも提供する。
【0263】
[00264]本開示は、
1)hu22E12.H1(配列番号318)の重鎖可変領域およびhu22E12.L1(配列番号322)の軽鎖可変領域を含む「hu22E12.H1L1」、
2)hu22E12.H1(配列番号318)の重鎖可変領域およびhu22E12.L2(配列番号323)の軽鎖可変領域を含む「hu22E12.H1L2」、
3)hu22E12.H1(配列番号318)の重鎖可変領域およびhu22E12.L3(配列番号324)の軽鎖可変領域を含む「hu22E12.H1L3」、
4)hu22E12.H2(配列番号319)の重鎖可変領域およびhu22E12.L1(配列番号322)の軽鎖可変領域を含む「hu22E12.H2L1」、
5)hu22E12.H2(配列番号319)の重鎖可変領域およびhu22E12.L2(配列番号323)の軽鎖可変領域を含む「hu22E12.H2L2」、
6)hu22E12.H2(配列番号319)の重鎖可変領域およびhu22E12.L3(配列番号324)の軽鎖可変領域を含む「hu22E12.H2L3」、
7)hu22E12.H3(配列番号320)の重鎖可変領域およびhu22E12.L1(配列番号322)の軽鎖可変領域を含む「hu22E12.H3L1」、
8)hu22E12.H3(配列番号320)の重鎖可変領域およびhu22E12.L2(配列番号323)の軽鎖可変領域を含む「hu22E12.H3L2」、
9)hu22E12.H3(配列番号320)の重鎖可変領域およびhu22E12.L3(配列番号324)の軽鎖可変領域を含む「hu22E12.H3L3」、
10)hu22E12.H4(配列番号321)の重鎖可変領域およびhu22E12.L1(配列番号322)の軽鎖可変領域を含む「hu22E12.H4L1」、
11)hu22E12.H4(配列番号321)の重鎖可変領域およびhu22E12.L2(配列番号323)の軽鎖可変領域を含む「hu22E12.H4L2」、
12)hu22E12.H4(配列番号321)の重鎖可変領域およびhu22E12.L3(配列番号324)の軽鎖可変領域を含む「hu22E12.H4L3」
を含む、22E12の12種の例示的なヒト化抗体をも提供する。
【0264】
[00265]これらの例示的なヒト化抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体はCLDN18(特にCLDN18.2)に対する特異的な結合能力または親和性を保持しており、その観点において親のマウス抗体35B4または22E12と少なくとも同程度またはそれより優れている。
【0265】
[00266]一部の実施形態では、本明細書で提供される抗CLDN18(特に、抗CLDN18.2)抗体および抗原結合性断片は、重鎖可変ドメインの全てもしくは一部、および/または軽鎖可変ドメインの全てもしくは一部を含む。一実施形態では、本明細書で提供される抗CLDN18(特に、抗CLDN18.2)抗体またはその抗原結合性断片は、本明細書で提供される重鎖可変ドメインの全てまたは一部からなる単鎖ドメイン抗体である。そのような単鎖ドメイン抗体のさらなる情報は当技術分野で利用可能である(たとえば米国特許第6,248,516号を参照されたい)。
【0266】
[00267]ある特定の実施形態では、本明細書で提供される抗CLDN18(特に、抗CLDN18.2)抗体またはその抗原結合性断片は、免疫グロブリン(Ig)の定常領域をさらに含み、これは任意選択で重鎖および/または軽鎖の定常領域をさらに含む。ある特定の実施形態では、重鎖定常領域はCH1、ヒンジ、および/またはCH2-CH3領域(または任意選択でCH2-CH3-CH4領域)を含む。ある特定の実施形態では、本明細書で提供される抗CLDN18(特に、抗CLDN18.2)抗体またはその抗原結合性断片は、ヒトIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、IgA2、またはIgMの重鎖定常領域を含む。ある特定の実施形態では、軽鎖定常領域はCκまたはCλを含む。本明細書で提供される抗CLDN18(特に、抗CLDN18.2)抗体またはその抗原結合性断片の定常領域は、野生型の定常領域の配列と同一であってもよく、1つまたは複数の変異において異なってもよい。
【0267】
[00268]ある特定の実施形態では、重鎖定常領域はFc領域を含む。Fc領域は、抗体依存性細胞性細胞毒性(ADCC)および抗体の補体依存性細胞毒性(CDC)等のエフェクター機能を媒介することが知られている。異なるIgアイソタイプのFc領域はエフェクター機能を誘導する異なる能力を有する。たとえば、IgG1およびIgG3のFc領域は、IgG2およびIgG4のFc領域より効果的にADCCとCDCの両方を誘導することが認識されている。ある特定の実施形態では、本明細書で提供される抗CLDN18(特に、抗CLDN18.2)抗体およびその抗原結合性断片は、ADCCまたはCDCを誘導することができるIgG1またはIgG3アイソタイプのFc領域を含み、あるいはエフェクター機能が低減しまたは枯渇したIgG4もしくはIgG2アイソタイプの定常領域を含む。一部の実施形態では、ヒトIgG1に由来するFc領域は増強されたエフェクター機能を有する。一部の実施形態では、ヒトIgG1に由来するFc領域は、L235V、G236A、S239D、F243L、H268F、R292P、Y300L、V305I、S324T、A330L、I332E、およびP396Lからなる群から選択される1つまたは複数の変異を含む。ある特定の実施形態では、ヒトIgG1に由来するFc領域は、(1)G236A、S239D、およびI332E、(2)S239D、A330L、およびI332E、(3)S239DおよびI332E、(4)S239D、H268F、S324T、およびI332E、(5)F243L、R292P、Y300L、V305I、およびP396L、(6)L235V、F243L、R292P、Y300L、およびP396Lからなる群から選択される変異を含む。ある特定の実施形態では、野生型ヒトIgG1のアミノ酸配列は配列番号325で説明される。ある特定の実施形態では、Fc領域は、配列番号326~331からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。配列番号325~331のアミノ酸配列を下の表13に示し、それぞれのFc領域の変異部位に下線を付している。
【0268】
【0269】
【0270】
[00269]ある特定の実施形態では、本明細書で提供される抗体またはその抗原結合性断片は、診断用および/または治療用に提供するために十分なヒト抗CLDN18.2に対する特異的結合親和性を有する。
【0271】
[00270]本明細書で提供される抗体またはその抗原結合性断片は、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、組換え抗体、二重特異的抗体、多重特異的抗体、標識抗体、二価抗体、抗イディオタイプ抗体、または融合タンパク質であってよい。組換え抗体は、動物体内でなくin vitroで組換え法を用いて調製された抗体である。
【0272】
[00271]ある特定の実施形態では、本開示は、CLDN18(特にCLDN18.2)との結合について本明細書で提供される抗体またはその抗原結合性断片と競合する抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体またはその抗原結合性断片を提供する。ある特定の実施形態では、本開示は、ヒトCLDN18(特にCLDN18.2)との結合について抗体99H8、99G8、99A7、97A9、84E8、83H3、80F10、79C3、78H6、73E4、69B2、68E9、68D1、66E6、66E12、64C1、64C10、61A5、60F11、59G12、59F5、59E7、56B2、54F5、38B9、35B4、35A10、33G12、22E12、15E10、100F4、40C1、41B3、66D7-1、66D7-2、51G10、365F6、360C2、319F2、317A7、315F10、314D7、310H5、308E8、305G8、256C10-1、256C10-2、248D9、246B8、243A8、242G5、237E3、226E9、226D5、217B5、214E4、213A9、206C7、203D12、または203A5のいずれか1つと競合する抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体またはその抗原結合性断片を提供する。
【0273】
[00272]一部の実施形態では、本明細書で提供されるCLDN18はヒトCLDN18.2である。一部の実施形態では、CLDN18は下の表14に示す配列番号401のアミノ酸配列を含むヒトCLDN18.2である。
【0274】
[00273]ある特定の実施形態では、本明細書で提供される抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体またはその抗原結合性断片は、IMAB362ではない。
[00274]本明細書で用いる「IMAB362」は、配列番号397のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域および配列番号398のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含む抗体またはその抗原結合性断片を意味する。IMAB362の全長の重鎖および全長の軽鎖のアミノ酸配列は、それぞれ配列番号399および400で説明される。配列番号397~400のアミノ酸配列を、下の表14に示す。
【0275】
【0276】
抗体バリアント
[00275]本明細書で提供される抗体およびその抗原結合性断片は、本明細書で提供される抗体配列の種々のバリアントをも包含する。
【0277】
[00276]ある特定の実施形態では、抗体バリアントは、上の表2で提供したCDR配列の1つもしくは複数、上の表3で提供した重鎖可変領域もしくは軽鎖可変領域の非CDR配列の1つもしくは複数、ならびに/または定常領域(たとえばFc領域)における1つまたは複数の修飾または置換を含む。そのようなバリアントはCLDN18(特に、抗CLDN18.2)に対するそれらの親抗体の結合特異性を保持しているが、修飾または置換によって与えられる1つまたは複数の望ましい特性を有する。たとえば、抗体バリアントは、改善された抗原結合親和性、改善されたグリコシル化パターン、低減されたグリコシル化のリスク、低減された脱アミノ化、増強されたエフェクター機能、改善されたFcRn受容体結合、増大した薬物動態学的半減期、pH感受性、および/またはコンジュゲート化に対する適合性(たとえば導入された1つまたは複数のシステイン残基)を有し得る。
【0278】
[00277]当技術分野で既知の方法、たとえば「アラニンスキャニング変異生成」を用いて親抗体配列をスクリーニングして、修飾しまたは置換するために好適なまたは好ましい残基を同定してよい(たとえばCunningham and Wells (1989)Science,244:1081-1085を参照されたい)。簡単には、標的の残基(たとえばArg、Asp、His、Lys、およびGlu等の荷電残基)を同定し、中性または陰荷電のアミノ酸(たとえばアラニンまたはポリアラニン)で置き換えることができ、修飾された抗体を産生して目的の特性についてスクリーニングする。特定のアミノ酸の位置における置換によって目的の機能の変化が実証されれば、その位置を修飾または置換のための可能性のある残基として同定することができる。可能性のある残基は、異なる種類の残基(たとえばシステイン残基、陽荷電残基等)で置換することによってさらに評価してよい。
【0279】
親和性バリアント
[00278]抗体の親和性バリアントは、上の表2で提供した1つもしくは複数のCDR配列、上の表4、表8、および表12で提供した1つもしくは複数のFR配列、または上の表3、表6、および表10で提供した重鎖または軽鎖の可変領域配列における修飾または置換を含んでよい。CDR領域は可変領域において2つのFR領域に隣接していることが当技術分野で公知であるので、FR配列は、上の表2におけるCDR配列および上の表3、表6、および表10における可変領域配列に基づいて当業者によって容易に同定することができる。親和性バリアントはCLDN18(特に、抗CLDN18.2)に対する親抗体の特異的結合親和性を保持し、または親抗体よりも改善されたCLDN18特異的結合親和性さえも有する。ある特定の実施形態では、CDR配列、FR配列、または可変領域配列における置換の少なくとも1つ(または全て)は、保存的置換を含む。
【0280】
[00279]当業者であれば、上の表2で提供したCDR配列、ならびに上の表3、表6、および表10で提供した可変領域配列において、1つまたは複数のアミノ酸残基が置換され、しかも得られる抗体もしくは抗原結合性断片がまだCLDN18(特に、抗CLDN18.2)に対する結合親和性もしくは結合容量を保持し、または改善された結合親和性もしくは容量さえも有することが理解される。この目的を達成するために、当技術分野で既知の種々の方法を用いることができる。たとえば、ファージディスプレイ技術を用いて抗体バリアント(FabまたはscFvバリアント等)のライブラリーを生成して発現させ、次いでヒトCLDN18(特に、抗CLDN18.2)への結合親和性についてスクリーニングすることができる。別の例として、コンピューターソフトウェアを用いて抗体のヒトCLDN18(特に、抗CLDN18.2)への結合を仮想的に模擬し、結合界面を形成する抗体上のアミノ酸残基を同定することができる。そのような残基は、結合親和性の低減を防止するために置換において避けるか、またはより強い結合を提供するために置換の標的としてもよい。
【0281】
[00280]ある特定の実施形態では、本明細書で提供されるヒト化抗体またはその抗原結合性断片は、CDR配列の1つもしくは複数において、および/またはFR配列の1つもしくは複数において、1つまたは複数のアミノ酸残基の置換を含む。ある特定の実施形態では、親和性バリアントは、CDR配列中および/またはFR配列中、合計で20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1以下の置換を含む。
【0282】
[00281]ある特定の実施形態では、抗CLDN18(特に、抗CLDN18.2)抗体またはその抗原結合性断片は、上の表2に列挙したCDRと少なくとも80%(たとえば少なくとも85%、88%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%)の配列同一性を有する1つ、2つ、または3つのCDR配列を含み、しかもその親抗体と同様またはそれより高いレベルでさえCLDN18(特に、抗CLDN18.2)に対する特異的結合親和性を保持している。
【0283】
[00282]ある特定の実施形態では、抗CLDN18(特に、抗CLDN18.2)抗体またはその抗原結合性断片は、上の表3、表6、および表10に列挙した可変領域配列と少なくとも80%(たとえば少なくとも85%、88%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%)の配列同一性を有する1つまたは複数の可変領域配列を含み、しかもその親抗体と同様またはそれより高いレベルでさえCLDN18(特に、抗CLDN18.2)に対する特異的結合親和性を保持している。一部の実施形態では、上の表3、表6、および表10に列挙した可変領域配列において全部で1~10個のアミノ酸が置換され、挿入され、または欠失している。一部の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外(たとえばFRの中)の領域で起こる。
【0284】
グリコシル化バリアント
[00283]本明細書で提供される抗CLDN18(特に、抗CLDN18.2)抗体またはその抗原結合性断片は、抗体またはその抗原結合性断片のグリコシル化の程度を増加しまたは減少することによって得られるグリコシル化バリアントをも包含する。
【0285】
[00284]抗体またはその抗原結合性断片は、グリコシル化部位を導入しまたは除去する1つまたは複数の修飾を含んでよい。グリコシル化部位は、炭水化物部分(たとえばオリゴ糖構造)を結合することができる側鎖を有するアミノ酸残基である。抗体のグリコシル化は、典型的にはN連結またはO連結である。N連結は、アスパラギン残基、たとえばアスパラギン-X-セリンおよびアスパラギン-X-スレオニン等のトリペプチド配列においてXがプロリンを除く任意のアミノ酸である、アスパラギン残基の側鎖への炭水化物部分の結合を意味する。O連結グリコシル化は、糖、N-アセチルガラクトサミン、ガラクトース、またはキシロースのうちの1つの、ヒドロキシアミノ酸、最も一般的にはセリンまたはスレオニンへの結合を意味する。天然のグリコシル化部位の除去は、たとえば配列中に存在する上記のトリペプチド配列(N連結グリコシル化部位について)またはセリンもしくはスレオニン残基(O連結グリコシル化部位について)の1つが置換されるようにアミノ酸配列を改変することによって、便利に達成することができる。そのようなトリペプチド配列またはセリンもしくはスレオニン残基を導入することによって、新たなグリコシル化部位を同様に創出することができる。
【0286】
[00285]ある特定の実施形態では、本明細書で提供される抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体および抗原結合性断片は、1つまたは複数の脱アミド化部位を除去するために、軽鎖の92位および/もしくは32位に変異、ならびに/または重鎖の55位に変異を含む。ある特定の実施形態では、本明細書で提供される抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体および抗原結合性断片は、1つまたは複数の脱アミド化部位を除去するために、S92に変異(たとえばS92A)、および/またはS32に変異(たとえばS32A)、および/またはG55(たとえばG55A)に変異を含む。これらの変異を試験し、本明細書で提供される抗体の結合親和性に悪影響を与えないと考えられる。
【0287】
システイン操作されたバリアント
[00286]本明細書で提供される抗CLDN18抗体またはその抗原結合性断片は、導入された1つまたは複数の遊離のシステインアミノ酸残基を含む、システイン操作されたバリアントをも包含する。
【0288】
[00287]遊離のシステイン残基は、ジスルフィド架橋の部分ではない残基である。システイン操作されたバリアントは、操作されたシステインの部位で、たとえばマレイミドまたはハロアセチルによって、たとえば細胞毒性および/またはイメージング化合物、標識、またはとりわけ放射性同位体とコンジュゲートするために有用である。抗体またはその抗原結合性断片を操作して遊離のシステイン残基を導入する方法は当技術分野で既知であり、たとえばWO2006/034488を参照されたい。
【0289】
Fcバリアント
[00288]本明細書で提供される抗CLDN18抗体またはその抗原結合性断片は、たとえばADCCおよびCDC等の改変されたエフェクター機能を提供するために、Fc領域および/またはヒンジ領域に1つまたは複数のアミノ酸残基の修飾または置換を含むFcバリアントをも包含する。抗体操作によってADCC活性を改変する方法は当技術分野において記載されており、たとえばShields RL.et al.,J Biol Chem.2001.276(9):6591-604;Idusogie EE.et al.,J Immunol.2000.164(8):4178-84;Steurer W.et al.,J Immunol.1995,155(3):1165- 74;Idusogie EE.et al.,J Immunol.2001,166(4):2571-5;Lazar GA.et al.,PNAS,2006,103(11):4005-4010;Ryan MC.et al.,Mol.Cancer Ther.,2007,6:3009-3018;Richards JO,.et al.,Mol Cancer Ther.2008,7(8):2517-27;Shields R.L.et al.,J.Biol.Chem,2002,277:26733-26740;Shinkawa T.et al.,J.Biol.Chem,2003,278:3466-3473を参照されたい。
【0290】
[00289]本明細書で提供される抗体または抗原結合性断片のCDC活性は、たとえばC1q結合および/またはCDCを改善しまたは減退させることによって改変することもできる(たとえばWO99/51642;Duncan & Winter Nature 322:738-40(1988);米国特許第5,648,260号;米国特許第5,624,821号;ならびにFc領域バリアントの他の例に関してはWO94/29351を参照されたい)。Fc領域のアミノ酸残基329、331、および322から選択される1つまたは複数のアミノ酸を異なるアミノ酸残基で置き換えて、C1qの結合を改変し、および/または補体依存性細胞毒性(CDC)を増強することができる(Idusogieらによる米国特許第6,194,551号を参照されたい)。1つまたは複数のアミノ酸置換を導入して、抗体の補体を固定する能力を改変することもできる(BodmerらによるPCT公開WO 94/29351を参照されたい)。
【0291】
[00290]ある特定の実施形態では、本明細書で提供される抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体またはその抗原結合性断片は、増強されたエフェクター機能(たとえば増強されたADCC活性)を有しており、ヒトIgG1において235、236、239、243、268、292、300、305、324、330、332、および396(IMGT番号付けによる)からなる群から選択される位置に1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。ある特定の実施形態では、本明細書で提供される抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体またはその抗原結合性断片はIgG1アイソタイプのものであり、L235V、G236A、S239D、F243L、H268F、R292P、Y300L、V305I、S324T、A330L、I332E、およびP396L(IMGT番号付けによる)からなる群から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換およびそれらの任意の組合せを含む。ある特定の実施形態では、本明細書で提供される抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体またはその抗原結合性断片はIgG1アイソタイプのものであり、(1)G236A、S239D、およびI332E、(2)S239D、A330L、およびI332E、(3)S239DおよびI332E、(4)S239D、H268F、S324T、およびI332E、(5)F243L、R292P、Y300L、V305I、およびP396L、(6)L235V、F243L、R292P、Y300L、およびP396Lからなる群から選択される変異(IMGT番号付けによる)を含む。
【0292】
[00291]ある特定の実施形態では、抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体またはその抗原結合性断片は、胎児型Fc受容体(FcRn)へのpH依存性結合を改善する1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。そのようなバリアントは酸性pHでFcRnに結合してこれをリソソーム内での分解から逃れさせ、次いで転座して細胞外に放出されることを可能にするので、延長された薬物動態学的半減期を有することができる。抗体またはその抗原結合性断片を操作してFcRnとの結合親和性を改善する方法は当技術分野で公知であり、たとえばVaughn,D.et al.,Structure,6(1):63-73,1998;Kontermann,R.et al.,Antibody Engineering,Volume 1,Chapter 27:Engineering of the Fc region for improved PK,published by Springer,2010;Yeung,Y.et al.,Cancer Research,70:3269-3277(2010);and Hinton,P.et al.,J.Immunology,176:346-356(2006)を参照されたい。
【0293】
[00292]ある特定の実施形態では、抗CLDN18(特に、抗CLDN18.2)抗体またはその抗原結合性断片は、Fc領域の界面においてヘテロ二量化を容易にしおよび/または促進する1つまたは複数のアミノ酸の置換を含む。これらの修飾は、第1のFcポリペプチドへの突出部の導入および第2のFcポリペプチドへの空洞の導入を含み、突出部が空洞の中に位置して第1および第2のFcポリペプチドの相互作用が促進され、ヘテロ二量体または複合体が形成される。これらの修飾を有する抗体を生成する方法は、たとえば米国特許第5,731,168号に記載されているように当技術分野で既知である。
【0294】
抗原結合性断片
[00293]抗CLDN18(特に、抗CLDN18.2)抗原結合性断片も、本明細書で提供される。種々の型の抗原結合性断片が当技術分野で既知であり、たとえばそのCDRが上の表2に示され、可変配列が表3、表6、および表10に示される、例示的な抗体ならびにその種々のバリアント(親和性バリアント、グリコシル化バリアント、Fcバリアント、システイン操作されたバリアント、その他)を含む本明細書で提供される抗CLDN18(特に、抗CLDN18.2)抗体に基づいて開発することができる。
【0295】
[00294]ある特定の実施形態では、本明細書で提供される抗CLDN18(特に、抗CLDN18.2)抗原結合性断片は、ダイアボディ、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fd、Fv断片、ジスルフィド安定化Fv断片(dsFv)、(dsFv)2、二重特異的dsFv(dsFv-dsFv’)、ジスルフィド安定化ダイアボディ(dsダイアボディ)、単鎖抗体分子(scFv)、scFvダイマー(二価ダイアボディ)、多重特異的抗体、ラクダ化単鎖ドメイン抗体、ナノボディ、ドメイン抗体、および二価ドメイン抗体である。
【0296】
[00295]そのような抗原結合性断片の産生のために種々の手法を用いることができる。実例的な方法には、インタクトな抗体の酵素消化(たとえばMorimoto et al.,Journal of Biochemical and Biophysical Methods 24:107-117(1992);およびBrennan et al.,Science,229:81(1985)を参照されたい)、E.coli等の宿主細胞による組換え発現(たとえばFab、Fv、およびScFv抗体断片のため)、上で論じたファージディスプレイライブラリーからのスクリーニング(たとえばScFvのため)、およびF(ab’)2断片を形成するための2つのFab’-SH断片の化学的カップリング(Carter et al.,Bio/Technology 10:163-167(1992))が含まれる。抗体断片の産生のためのその他の手法は、当業者には明らかになる。
【0297】
[00296]ある特定の実施形態では、抗原結合性断片はscFvである。scFvの生成は、たとえばWO 93/16185;米国特許第5,571,894号および第5,587,458号に記載されている。ScFvはアミノまたはカルボキシル末端でエフェクタータンパク質と融合して、融合タンパク質を提供することができる(たとえばAntibody Engineering,Borrebaeck編を参照されたい)。
【0298】
[00297]ある特定の実施形態では、本明細書で提供される抗CLDN18(特に、抗CLDN18.2)抗体またはその抗原結合性断片は、二価、四価、六価、または多価である。二価を超えるいずれの分子も多価と考えられ、たとえば三価、四価、六価等を包含する。
【0299】
[00298]二価分子は、2つの結合部位がいずれも同じ抗原または同じエピトープへの結合について特異的であれば、単一特異的である。これは、ある特定の実施形態では、抗原またはエピトープに対して一価の対応物よりも強い結合を提供する。同様に、多価分子も単一特異的であり得る。ある特定の実施形態では、二価または多価の抗原結合性部分において、結合部位の第1の価および結合部位の第2の価は構造的に同一である(即ち、同じ配列を有する)か、または構造的に異なる(即ち、同じ特異性であるが異なる配列を有する)。
【0300】
[00299]二価も、2つの結合部位が異なる抗原またはエピトープに特異的であれば、二重特異的であり得る。これは多価分子にもあてはまる。たとえば、三価分子は、2つの結合部位が第1の抗原(またはエピトープ)に対して単一特異的で、第3の結合部位が第2の抗原(またはエピトープ)に対して特異的であれば、二重特異的であり得る。
【0301】
二重特異的抗体
[00300]ある特定の実施形態では、抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体またはその抗原結合性断片は二重特異的である。ある特定の実施形態では、抗体またはその抗原結合性断片は、前記CLDN18(特に、抗CLDN18.2)抗体またはその抗原結合性断片とは異なる結合特異性を有する第2の機能性部分にさらに連結されている。
【0302】
[00301]ある特定の実施形態では、本明細書で提供される二重特異的抗体またはその抗原結合性断片は、CLDN18(特に、抗CLDN18.2)以外の第2の抗原、またはCLDN18(特に、抗CLDN18.2)の上の第2のエピトープに特異的に結合することができる。ある特定の実施形態では、第2の抗原は、EGFR、FGFR、VEGF、OX40、CD3、CD37、c-MET、Her2、CD19、CD20、CD39、SIRPα、TGFベータ、CD73、PD1、PDL1、4-1BB、CTLA4、TIGIT、GITA、VISTA、TIGIT、B7-H3、B7-H4、B7-H5、CD112R、Siglec-15、LAG3、およびTIM-3からなる群から選択される。ある特定の実施形態では、本明細書で提供される二重特異的抗体またはその抗原結合性断片は、CLDN18(特にCLDN18.2)およびSIRPαに特異的に結合することができる。ある特定の実施形態では、本明細書で提供される二重特異的抗体またはその抗原結合性断片は、CLDN18(特にCLDN18.2)およびCD39に特異的に結合することができる。
【0303】
コンジュゲート
[00302]一部の実施形態では、抗CLDN18(特に、抗CLDN18.2)抗体またはその抗原結合性断片は、1つまたは複数のコンジュゲート部分をさらに含む。コンジュゲート部分は、抗体またはその抗原結合性断片に連結することができる。コンジュゲート部分は、抗体またはその抗原結合性断片に結合することができる部分である。種々のコンジュゲート部分が本明細書で提供される抗体またはその抗原結合性断片に連結され得ることが意図されている(たとえば「Conjugate Vaccines」,Contributions to Microbiology and Immunology,J.M.Cruse and R.E.Lewis,Jr.(eds.),Carger Press,New York,(1989)を参照されたい)。これらのコンジュゲート部分は、とりわけ共有結合(たとえばジスルフィド結合)、親和性結合、インターカレーション、配位結合、複合体化、会合、ブレンド、または付加によって、抗体またはその抗原結合性断片に連結され得る。一部の実施形態では、抗体またはその抗原結合性断片は、リンカーまたは架橋剤を介して1つまたは複数のコンジュゲートに連結することができる。リンカーまたは架橋剤は、抗CLDN18抗体またはその抗原結合性断片と反応することができる反応性化学基を含む。反応性化学基は、N-スクシンイミジルエステルおよびN-スルホスクシンイミジルエステルであってよい。さらにリンカーは、薬物と反応してジスルフィド結合を形成することができるジチオピリジル基であってよい反応性化学基を含む。リンカー分子には、たとえばN-スクシンイミジル4-(マレイミドメチル)シクロヘキサンカルボキシレート(SMCC)、N-スクシンイミジル3-(2-ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP)(たとえばCarlsson et al.,Biochem.J.,173:723-737(1978)を参照)、N-スクシンイミジル4-(2-ピリジルジチオ)ブタノエート(SPDB)(たとえば米国特許第4,563,304号を参照)、N-スクシンイミジル4-(2-ピリジルジチオ)2-スルホブタノエート(スルホSPDB)(米国特許公開第20090274713号)、N-スクシンイミジル4-(2-ピリジルジチオ)ペンタノエート(SPP)(たとえば CAS Registry number 341498-08-6)、2-イミノチオラン、またはアセチルスクシン酸無水物が含まれる。たとえば、抗体または細胞結合剤を架橋剤によって改変することができ、このようにして誘導された遊離のまたは保護されたチオール基を含む抗体または細胞結合剤を次にジスルフィドまたはチオールを含むマイタンシノイドと反応させてコンジュゲートを産生することができる。コンジュゲートは、HPLC、サイズ排除、吸着、イオン交換、および親和性捕捉を含むがそれらに限定されないクロマトグラフィー、透析、または接線流濾過によって精製することができる。
【0304】
[00303]ある特定の実施形態では、本明細書で提供される抗体またはその抗原結合性断片は、エピトープ結合部分の外に、1つまたは複数のコンジュゲート部分への結合に利用できる特定の部位を含むように操作してよい。たとえば、そのような部位は、コンジュゲート部分への共有結合リンケージを容易にする1つまたは複数の反応性アミノ酸残基、たとえばシステインまたはヒスチジン残基を含んでよい。
【0305】
[00304]ある特定の実施形態では、本明細書で提供される抗体またはその抗原結合性断片は、コンジュゲート部分に間接的に、または他のコンジュゲート部分を通して連結されてもよい。たとえば、本明細書で提供される抗体またはその抗原結合性断片をビオチンにコンジュゲートさせ、次いでアビジンにコンジュゲートした第2のコンジュゲートに間接的にコンジュゲートしてよい。一部の実施形態では、コンジュゲート部分は、クリアランス修飾剤(たとえば半減期を延長させるPEG等のポリマー)、化学療法剤、毒素、放射性同位体、ランタニド、検出可能な標識(たとえば発光標識、蛍光標識、酵素基質標識)、DNAアルキル化剤、トポイソメラーゼ阻害剤、チューブリンバインダー、精製部分、またはその他の抗がん薬物を含む(たとえば、トール様受容体7(TLR-7)、TLR-8、および/またはTLR-9のアゴニスト、siRNA、抗体またはその抗原結合性断片、ペプチド(たとえば短いペプチド)、その他)。
【0306】
[00305]「毒素」は、細胞に有害なまたは細胞に損傷を与えもしくはこれを殺す任意の薬剤であり得る。毒素の例には、タキソール、タキソイド、CC-1065およびCC-1065アナログ、デュオカマイシンおよびデュオカマイシンアナログ、カリケアマイシン等のエンジイン、アウリスタチンを含むドラスタチンおよびドラスタチンアナログ、トマイマイシン誘導体、レプトマイシン誘導体、シスプラチン、カルボプラチン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、メルファラン、マイトマイシンC、クロラムブシルおよびモルホリノドキソルビシン、サイトカラシンB、グラミシジンD、エチジウムブロミド、エメチン、マイトマイシン、エトポシド、テノポシド、ビンクリスチン、MMAE、MMAF、DM1、DM4、ビンブラスチン、コルヒチン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ジヒドロキシアンスラシンジオン、ミトキサントロン、ミスラマイシン、アクチノマイシンD、1-デヒドロテストステロン、グルココルチコイド、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロプラノロール、プロマイシンおよびそのアナログ、抗代謝物(たとえばメトトレキサート、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、シタラビン、5-フルオロウラシルデカルバジン)、アルキル化剤(たとえばメクロレタミン、チオエパクロラムブシル、メルファラン、カルムスチン(BSNU)およびロムスチン(CCNU)、シクロホスファミド、ブスルファン、ジブロモマニトール、ストレプトゾトシン、マイトマイシンC、およびcis-ジクロロジアミン白金(II)(DDP)シスプラチン、アンスラサイクリン類(たとえばダウノルビシン(以前はダウノマイシン)およびドキソルビシン)、抗生剤(たとえばダクチノマイシン(以前はアクチノマイシン)、ブレオマイシン、ミスラマイシンおよびアンスラマイシン(AMC))、抗有糸分裂剤(たとえばビンクリスチンおよびビンブラスチン)、トポイソメラーゼ阻害剤、ならびにチューブリンバインダーが限定なく含まれる。
【0307】
[00306]検出可能な標識の例には、蛍光標識(たとえばフルオレセイン、ローダミン、ダンシル、フィコエリスリン、またはテキサスレッド)、酵素基質標識(たとえばセイヨウワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、ルセリフェラーゼ類、グルコアミラーゼ、リゾチーム、サッカライドオキシダーゼ類、またはβ-D-ガラクトシダーゼ)、放射性同位体(たとえば123I、124I、125I、131I、35S、3H、111In、112In、14C、64Cu、67Cu、86Y、88Y、90Y、177Lu、211At、186Re、188Re、153Sm、212Bi、および32P、その他のランタニド)、発光標識、色素体部分、ジゴキシゲニン、ビオチン/アビジン、DNA分子、または検出用の金が含まれてよい。
【0308】
[00307]ある特定の実施形態では、コンジュゲート部分は、抗体の半減期を延長することを補助するクリアランス修飾剤であり得る。説明的な例には、水溶性ポリマー、たとえばPEG、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、エチレングリコール/プロピレングリコールのコポリマー、その他が含まれる。ポリマーは任意の分子量のものであってよく、分枝しても分枝しなくてもよい。抗体に結合されるポリマーの数は変動し、2つ以上のポリマーが結合される場合にはこれらは同じ分子または異なる分子であり得る。
【0309】
[00308]ある特定の実施形態では、コンジュゲート部分は磁気ビーズ等の精製部分であり得る。
[00309]ある特定の実施形態では、本明細書で提供される抗体またはその抗原結合性断片は、コンジュゲートのための基礎として用いられる。
【0310】
[00310]ある特定の実施形態では、本明細書で提供される抗体またはその抗原結合性断片は、シグナルペプチドにコンジュゲートされる。シグナルペプチド(シグナル配列、リーダー配列、またはリーダーペプチドと称されることもある)は、本明細書で提供される抗体またはその抗原結合性断片の分泌および単離を容易にするために用いることができる。シグナルペプチドは、典型的には一般に1つまたは複数の切断事象において分泌の間に成熟タンパク質から切断される疎水性アミノ酸のコアによって特徴付けられる。そのようなシグナルペプチドは、成熟タンパク質が分泌経路を通過するとともに成熟タンパク質からのシグナル配列の切断を可能にするプロセッシング部位を含む。即ち、本発明は、シグナル配列を有する記載したポリペプチド、ならびにシグナル配列がそれからタンパク質分解的に切断されたポリペプチド(即ち切断産物)に関する。一実施形態では、シグナル配列をコードする核酸配列は、発現ベクターにおいて目的のタンパク質、たとえば通常は分泌されないか、さもなければ単離が困難なタンパク質に作動可能に連結されていてよい。シグナル配列は、たとえばその中で発現ベクターが形質転換される真核生物宿主からのタンパク質の分泌を指令し、引き続いてまたは同時に、シグナル配列が切断される。タンパク質は、次いで当技術によって認知される方法によって細胞外培地から容易に精製される。あるいは、精製を容易にする配列を用いて、たとえばGSTドメインによって、シグナル配列を目的のタンパク質に連結することができる。一部の実施形態では、本開示で用いるシグナルペプチドは配列番号368~396からなる群から選択されるアミノ酸配列を有し、それらの配列を下の表15に示す。
【0311】
【0312】
[00311]一部の実施形態では、シグナルペプチドにコンジュゲートした本明細書で提供される抗体またはその抗原結合性断片は、配列番号403~457からなる群から選択される配列を含む重鎖可変領域および配列番号458~508からなる群から選択される配列を含む軽鎖可変領域を有する。得られる抗体を本明細書でsg100F4、sg15E10等と称し、ここで接頭辞「sg」は「シグナルペプチド」を示し、接尾辞はモノクローナル抗体を示す。たとえば、「100F4」はこれがモノクローナル抗体100F4由来であることを示し、ここで抗体100F4のVHおよびVLのN末端はそれぞれシグナルペプチドにコンジュゲートしている。配列番号403~508のアミノ酸配列を下の表16に示し、シグナルペプチドに下線を付している。
【0313】
【0314】
【0315】
【0316】
【0317】
【0318】
【0319】
【0320】
【0321】
【0322】
【0323】
【0324】
【0325】
【0326】
【0327】
【0328】
ポリヌクレオチドおよび組換え方法
[00312]本開示は、本明細書で提供される抗CLDN18(特に、抗CLDN18.2)抗体またはその抗原結合性断片をコードする単離されたポリヌクレオチドを提供する。本明細書で用いる用語「核酸」または「ポリヌクレオチド」は、一本鎖または二本鎖の形態のデオキシリボ核酸(DNA)またはリボ核酸(RNA)およびそのポリマーを意味する。他に指示しなければ、特定のポリヌクレオチド配列は、その保存的に修飾されたバリアント(たとえば縮重コドン置換)、対立遺伝子、オルソログ、SNP、および相補的配列をも黙示的に包含し、ならびに明白に示された配列を包含する。具体的には、縮重コドン置換は、その中の1つまたは複数の選択された(または全ての)コドンの第3の位置が混合された塩基および/またはデオキシイノシン残基で置換された配列を生成することによって達成され得る(Batzer et al.,Nucleic Acid Res.19:5081(1991);Ohtsuka et al.,J.Biol.Chem.260:2605-2608(1985);およびRossolini et al.,Mol.Cell.Probes 8:91-98(1994)を参照されたい)。
【0329】
[00313]モノクローナル抗体をコードするDNAは、従来の手順を用いて(たとえば抗体の重鎖および軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合することができるオリゴヌクレオチドプローブを用いることによって)容易に単離され、シーケンシングされる。コードするDNAは、合成法によって得てもよい。
【0330】
[00314]本明細書で提供される抗CLDN18(特に抗CLDN18.2)抗体またはその抗原結合性断片をコードする単離されたポリヌクレオチドは、当技術分野で既知の組換え手法を用いて、さらなるクローニング(DNAの増幅)または発現のために、ベクターに挿入することができる。多くのベクターが利用可能である。ベクター成分には一般に、それだけに限らないが、以下の1つまたは複数が含まれる。シグナル配列、複製の起源、1つまたは複数のマーカー遺伝子、エンハンサー要素、プロモーター(たとえばSV40、CMV、EF-1α)、および転写終止配列。
【0331】
[00315]本開示は、本明細書で提供される単離されたポリヌクレオチドを含むベクターを提供する。ある特定の実施形態では、本明細書で提供されるポリヌクレオチドは、抗体またはその抗原結合性断片、核酸配列に作動可能に連結された少なくとも1つのプロモーター(たとえばSV40、CMV、EF-1α)、および少なくとも1つの選択マーカーをコードする。ベクターの例には、それだけに限らないが、レトロウイルス(レンチウイルスを含む)、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルス(たとえばヘルペスシンプレックスウイルス)、ポックスウイルス、バキュロウイルス、パピローマウイルス、パポバウイルス(たとえばSV40)、ラムダファージ、およびM13ファージ、プラスミドpcDNA3.3、pMD18-T、pOptivec、pCMV、pEGFP、pIRES、pQD-Hyg-GSeu、pALTER、pBAD、pcDNA、pCal、pL、pET、pGEMEX、pGEX、pCI、pEGFT、pSV2、pFUSE、pVITRO、pVIVO、pMAL、pMONO、pSELECT、pUNO、pDUO、Psg5L、pBABE、pWPXL、pBI、p15TV-L、pPro18、pTD、pRS10、pLexA、pACT2.2、pCMV-SCRIPT.RTM.、pCDM8、pCDNA1.1/amp、pcDNA3.1、pRc/RSV、PCR2.1、pEF-1、pFB、pSG5、pXT1、pCDEF3、pSVSPORT、pEF-Bos等が含まれる。
【0332】
[00316]抗体またはその抗原結合性断片をコードするポリヌクレオチド配列を含むベクターを、クローニングまたは遺伝子発現のために宿主細胞に導入することができる。本明細書におけるベクター中でのクローニングまたはDNA発現に適した宿主細胞は、原核細胞、酵母、または上述の高等な真核細胞である。この目的に適した原核細胞には、グラム陰性またはグラム陽性の生命体等の真正細菌、たとえばエシェリキア属、たとえば大腸菌等の腸内細菌科、エンテロバクター属、エルウィニア属、クレブシエラ属、プロテウス属、サルモネラ属、たとえばSalmonella typhimurium、セラチア属、たとえばSerratia marcescans、およびシゲラ属、ならびにB.subtilisおよびB.licheniformis等のバチルス属、P.aeruginosa等のシュードモナス属、ならびにストレプトミセス属が含まれる。
【0333】
[00317]原核細胞に加えて、糸状菌または酵母等の真核微生物は、抗CLDN18(特に、抗CLDN18.2)抗体コーディングベクターのための好適なクローニングまたは発現用の宿主である。低級真核宿主微生物の中で、Saccharomyces cerevisiaeまたは一般的な製パン用酵母が最も一般に使用されている。しかし、Schizosaccharomyces pombe、たとえばK.lactis、K.fragilis(ATCC 12,424)、K.bulgaricus(ATCC 16,045)、K.wickeramii(ATCC 24,178)、K.waltii(ATCC 56,500)、K.drosophilarum(ATCC 36,906)、K.thermotolerans、およびK.marxianus等のクルイベロミセス宿主、ヤロウィア(EP 402,226)、Pichia pastoris(EP 183,070)、カンジダ、Trichoderma reesia(EP 244,234)、Neurospora crassa、Schwanniomyces occidentalis等のシュワニオミセス、およびたとえばNeurospora、Penicillium、Tolypocladium等の糸状菌、ならびにA.nidulansおよびA.niger等のアスペルギルス属の宿主等の他の多数の属、種、および株が一般に利用可能であり、本明細書で有用である。
【0334】
[00318]本明細書で提供されるグリコシル化抗体またはその抗原結合性断片の発現のために好適な宿主細胞は、多細胞生命体に由来する。無脊椎動物の細胞の例には、植物および昆虫の細胞が含まれる。多数のバキュロウイルス株およびバリアント、ならびにSpodoptera frugiperda(毛虫)、Aedes aegypti(蚊)、Aedes albopictus(蚊)、Drosophila melanogaster(ミバエ)、およびBombyx mori等の宿主からの対応する許容される昆虫宿主細胞が同定されている。トランスフェクションのための種々のウイルス株、たとえばAutographa californica NPVのL-1バリアントおよびBombyx mori NPVのBm-5株は公に利用可能であり、そのようなウイルスは本発明に従って本明細書のウイルスとして、特にSpodoptera frugiperda細胞のトランスフェクションのために用いてよい。木綿、トウモロコシ、ジャガイモ、大豆、ペチュニア、トマト、およびタバコの植物細胞培養も宿主として利用することができる。
【0335】
[00319]しかし、関心は脊椎動物細胞において最大であり、培養における脊椎動物細胞の増殖(組織培養)が通常の手順になっている。有用な哺乳動物宿主細胞株の例には、SV40でトランスフォームされたサル腎CV1株(COS-7、ATCC CRL 1651)、ヒト胚腎株(懸濁培養における増殖のためにサブクローニングされた293または293細胞、Graham et al.,J.Gen Virol.36:59(1977))、ベビーハムスター腎細胞(BHK、ATCC CCL 10)、チャイニーズハムスター卵巣細胞/-DHFR(CHO、Urlaub et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:4216(1980))、マウスセルトリ細胞(TM4、Mather,Biol.Reprod.23:243-251(1980))、サル腎細胞(CV1 ATCC CCL 70)、アフリカミドリザル腎細胞(VERO-76、ATCC CRL-1587)、ヒト子宮頚癌細胞(HELA、ATCC CCL 2)、イヌ腎細胞(MDCK、ATCC CCL 34)、バッファローラット肝細胞(BRL 3A、ATCC CRL 1442)、ヒト肺細胞(W138、ATCC CCL 75)、ヒト肝細胞(Hep G2、HB 8065)、マウス乳腺腫瘍(MMT 060562、ATCC CCL51)、TRI細胞(Mather et al.,Annals N.Y.Acad.Sci.383:44-68(1982))、MRC5細胞、FS4細胞、マウス前胃癌細胞(MFC)、SNU620細胞、ならびにヒト肝細胞がん株(Hep G2)がある。一部の実施形態では、宿主細胞は、CHO、BHK、NS0、293、MFC、SNU620等の哺乳動物培養細胞株、およびそれらの誘導体である。
【0336】
[00320]宿主細胞は、抗CLDN18(特に、抗CLDN18.2)抗体の産生のための上記の発現またはクローニング用のベクターによってトランスフォームされ、プロモーターの誘導、トランスフォーマントの選択、または所望の配列をコードする遺伝子の増幅のために適するように修飾された従来の栄養培地中で培養される。別の実施形態では、抗体は当技術分野で既知の相同組換えによって産生してよい。ある特定の実施形態では、宿主細胞は、本明細書で提供される抗体またはその抗原結合性断片を産生することができる。
【0337】
[00321]本開示はまた、本開示のベクターが発現される条件下で、本開示で提供される宿主細胞を培養するステップを含む、本明細書で提供される抗体またはその抗原結合性断片を発現する方法を提供する。本明細書で提供される抗体またはその抗原結合性断片を産生するために用いる宿主細胞は、種々の培地中で培養してよい。HamのF10(Sigma)、Minimal Essential Medium(MEM)(Sigma)、RPMI-1640(Sigma)、およびDulbeccoのModified Eagle’s Medium(DMEM)(Sigma)等の市販の培地は、宿主細胞を培養するために好適である。さらに、Ham et al.,Meth.Enz.58:44(1979)、Barnes et al.,Anal.Biochem.102:255(1980)、米国特許第4,767,704号、第4,657,866号、第4,927,762号、第4,560,655号、もしくは第5,122,469号、WO 90/03430、WO 87/00195、または米国特許Re.30,985に記載された培地のいずれも、宿主細胞の培養培地として用いてよい。これらの培地のいずれにも、ホルモンおよび/またはその他の成長因子(インスリン、トランスフェリン、または上皮細胞成長増殖因子等)、塩(塩化ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、およびリン酸塩)、緩衝剤(HEPES等)、ヌクレオチド(アデノシンおよびチミジン等)、抗生剤(GENTAMYCIN(商標)薬物等)、微量元素(通常マイクロモル範囲の最終濃度で存在する無機化合物として定義される)、およびグルコースもしくは当量のエネルギー源を必要に応じて補ってよい。当業者に既知の他の任意の必要な補助物も、適切な濃度で含んでよい。温度、pH、その他の培養条件は、発現のために選択した宿主細胞とともに既に用いられたものであり、当業者には明白になる。
【0338】
[00322]組換え手法を用いる場合には、抗体は細胞内で、細胞膜周辺腔で、産生され、または培地中に直接分泌することができる。抗体が細胞内で産生される場合には、第1のステップとして、宿主細胞または溶解した断片の粒子状のデブリは、たとえば遠心分離または限外濾過によって除去される。Carter et al.,Bio/Technology 10:163-167(1992)は、大腸菌の細胞膜周辺腔に分泌される抗体を単離する手順を記載している。簡単には、酢酸ナトリウム(pH3.5)、EDTA、およびフェニルメチルスルホニルフルオリド(PMSF)の存在下に約30分かけて細胞ペーストを解凍する。細胞デブリは遠心分離によって除去することができる。抗体が培地中に分泌される場合には、そのような発現システムからの上清を、一般に市販のタンパク質濃縮フィルター、たとえばAmiconまたはMilliporeのPellicon限外濾過ユニットを用いてまず濃縮する。タンパク質分解を阻害するためにPMSF等のプロテアーゼ阻害剤を前記ステップのいずれにも含ませ、外来の夾雑物の増殖を防止するために抗生剤を含ませてよい。
【0339】
[00323]細胞から調製した抗CLDN18(特に、抗CLDN18.2)抗体またはその抗原結合性断片は、たとえばヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析、DEAEセルロースイオン交換クロマトグラフィー、硫酸アンモニウム沈降、塩析、およびアフィニティクロマトグラフィーを用いて精製することができ、アフィニティクロマトグラフィーが好ましい精製手法である。
【0340】
[00324]ある特定の実施形態では、固相に固定化されたプロテインAが、抗体およびその抗原結合性断片の免疫アフィニティ精製のために用いられる。アフィニティリガンドとしてのプロテインAの好適性は、抗体中に存在する任意の免疫グロブリンのFcドメインの種およびアイソタイプによる。プロテインAは、ヒトガンマ1、ガンマ2、またはガンマ4の重鎖に基づく抗体を精製するために用いることができる(Lindmark et al.,J.Immunol.Meth.62:1-13(1983))。全てのマウスアイソタイプおよびヒトガンマ3についてはプロテインGが推奨される(Guss et al.,EMBO J.5:1567 1575(1986))。アフィニティリガンドが結合するマトリックスはアガロースであることが最も多いが、他のマトリックスも利用可能である。制御された細孔ガラスまたはポリ(スチレンジビニル)ベンゼン等の機械的に安定なマトリックスは、アガロースによって達成されるよりも速い流量および短い処理時間を可能にする。抗体がCH3ドメインを含む場合には、Bakerbond ABX(商標)樹脂(J.T.Baker,Phillipsburg,N.J.)が精製に有用である。イオン交換カラム上の分別、エタノール沈降、逆相HPLC、シリカ上のクロマトグラフィー、ヘパリンSEPHAROSE(商標)上のクロマトグラフィー、アニオンまたはカチオン交換樹脂(ポリアスパラギン酸カラム等)上のクロマトグラフィー、クロマトフォーカシング、SDS-PAGE、および硫酸アンモニウム沈降等のタンパク質精製のための他の手法も、回収すべき抗体に応じて利用可能である。
【0341】
[00325]任意の予備的な精製ステップに続いて、目的の抗体および夾雑物を含む混合物を、約2.5~4.5のpHで溶出緩衝液を用い、好ましくは低い塩濃度(たとえば約0~0.25Mの塩)で実施する低pH疎水性相互作用クロマトグラフィーに供してよい。
【0342】
医薬組成物
[00326]本開示は、抗CLDN18(特に、抗CLDN18.2)抗体またはその抗原結合性断片および1つもしくは複数の薬学的に許容される担体を含む医薬組成物をさらに提供する。
【0343】
[00327]本明細書で開示する医薬組成物における使用のための薬学的に許容される担体には、たとえば薬学的に許容される液体、ゲル、もしくは固体の担体、水性ビヒクル、非水性ビヒクル、抗微生物剤、等張剤、緩衝剤、抗酸化剤、麻酔剤、懸濁/分散剤、隔離剤もしくはキレート化剤、希釈剤、アジュバント、賦形剤、または非毒性補助物質、当技術分野で既知の他の成分、またはそれらの種々の組合せが含まれ得る。
【0344】
[00328]好適な成分には、たとえば抗酸化剤、充填材、結合剤、崩壊剤、緩衝剤、保存剤、滑剤、香味剤、増粘剤、着色剤、乳化剤、または糖およびシクロデキストリン等の安定剤が含まれ得る。好適な抗酸化剤には、たとえばメチオニン、アスコルビン酸、EDTA、チオ硫酸ナトリウム、白金、カタラーゼ、クエン酸、システイン、チオグリセロール、チオグリコール酸、チオソルビトール、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、および/またはプロピルガレートが含まれ得る。本明細書で開示したように、本明細書で提供される抗体またはその抗原結合性断片およびコンジュゲートを含む組成物におけるメチオニン等の1つもしくは複数の抗酸化剤の含有により、抗体またはその抗原結合性断片の酸化が低減される。この酸化の低減によって結合親和性の喪失が防止されまたは低減され、それにより抗体の安定性が改善され、保存期間が最大化される。したがって、ある特定の実施形態では、本明細書で開示した1つもしくは複数の抗体またはその抗原結合性断片およびメチオニン等の1つもしくは複数の抗酸化剤を含む医薬組成物が提供される。抗体または抗原結合性断片をメチオニン等の1つもしくは複数の抗酸化剤と混合することによって、本明細書で提供される抗体または抗原結合性断片の酸化を防止し、保存期間を延長し、および/または有効性を改善する方法がさらに提供される。
【0345】
[00329]さらに説明すると、薬学的に許容される担体には、たとえば注射用塩化ナトリウム、リンゲル注射液、等張デキストロース注射液、注射用滅菌水、もしくはデキストロースおよびラクテート化リンゲル注射液等の水性ビヒクル、植物由来の固定化油、綿実油、コーン油、ゴマ油、またはピーナツ油等の非水性ビヒクル、静細菌性または静真菌性の濃度の抗微生物剤、塩化ナトリウムもしくはデキストロース等の等張剤、リン酸塩もしくはクエン酸塩等の緩衝剤、重硫酸ナトリウム等の抗酸化剤、プロカイン塩酸塩等の局所麻酔剤、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、もしくはポリビニルピロリドン等の懸濁分散剤、Polysorbate80(TWEEN(登録商標)-80)等の乳化剤、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)もしくはEGTA(エチレングリコール四酢酸)等の隔離剤もしくはキレート化剤、エチルアルコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、水酸化ナトリウム、塩酸、クエン酸、または乳酸が含まれ得る。多数回投与用容器中の医薬組成物には、フェノール類もしくはクレゾール類、水銀化合物、ベンジルアルコール、クロロブタノール、メチルおよびプロピルp-ヒドロキシ安息香酸エステル、チメロサール、塩化ベンザルコニウム、および塩化ベンゼトニウムを含む、担体として利用される抗微生物剤を添加してよい。好適な賦形剤には、たとえば水、食塩液、デキストロース、グリセロール、またはエタノールが含まれ得る。好適な非毒性補助物質には、たとえば湿潤もしくは乳化剤、pH緩衝剤、安定剤、溶解促進剤、または酢酸ナトリウム、ソルビタンモノラウレート、トリエタノールアミンオレエート、もしくはシクロデキストリン等の薬剤が含まれ得る。
【0346】
[00330]医薬組成物は、液体溶液、懸濁液、エマルジョン、ピル、カプセル、錠剤、持続放出製剤、または粉末であり得る。経口製剤には、医薬グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウム等の標準的な担体が含まれ得る。
【0347】
[00331]ある特定の実施形態では、医薬組成物は注射可能な組成物に製剤化される。注射可能な医薬組成物は、たとえば液体溶液、懸濁液、エマルジョン、を生成するために好適な液体溶液、懸濁液、エマルジョン、または固体形態等の任意の従来の形態で調製してよい。注射用の調製物には、即時注射可能な無菌かつ/または非発熱性の溶液、皮下注射用錠剤を含む使用直前に溶媒と即時混合できる凍結乾燥粉末等の無菌の乾燥した可溶性製品、即時注射可能な無菌の懸濁液、使用直前にビヒクルと即時混合できる無菌の乾燥した不溶性製品、ならびに無菌かつ/または非発熱性のエマルジョンが含まれ得る。溶液は水性または非水性であってよい。
【0348】
[00332]ある特定の実施形態では、単位用量の調製物がアンプル、バイアル、または針付きシリンジの中に包装される。非経口投与のための全ての調製物は、当技術分野で知られており実践されているように、無菌かつ非発熱性であるべきである。
【0349】
[00333]ある特定の実施形態では、無菌の凍結乾燥された粉末は、本明細書で開示した抗体または抗原結合性断片を好適な溶媒に溶解することによって調製される。溶媒は、粉末または粉末から調製される再構成された溶液の安定性またはその他の薬理学的要素を改善する賦形剤を含んでよい。用い得る賦形剤には、それだけに限らないが、水、デキストロース、ソルビタール、フルクトース、コーンシラップ、キシリトール、グリセリン、グルコース、スクロース、またはその他の好適な薬剤が含まれる。溶媒は、一実施形態ではほぼ中性のpHで、クエン酸塩、リン酸ナトリウムもしくはカリウム、またはその他の当業者には既知のそのような緩衝剤等の緩衝剤を含んでよい。引き続く溶液の無菌濾過およびそれに続く当業者には既知の標準的条件下における凍結乾燥によって、望ましい製剤が提供される。一実施形態では、得られる溶液は凍結乾燥のためのバイアルに分注される。各バイアルは、抗CLDN18(特に、抗CLDN18.2)抗体もしくはその抗原結合性断片、またはその組成物の単一用量または多回用量を含み得る。用量または用量の組に必要な量より少量(たとえば約10%)多くバイアルを過剰充填することは、正確な試料取り出しおよび正確な投与を容易にするために許容される。凍結乾燥された粉末は、約4℃~室温等の適切な条件下で保存することができる。
【0350】
[00334]凍結乾燥された粉末を注射用水で再構成することによって、非経口投与における使用のための製剤が提供される。一実施形態では、再構成のために、無菌かつ/もしくは非発熱性の水またはその他の好適な液体担体を、凍結乾燥された粉末に添加する。正確な量は与えられる選択した療法に依存し、実験的に決定することができる。
【0351】
キメラ抗原受容体
[00335]ある特定の実施形態では、本開示は、本明細書で提供される抗体またはその抗原結合性断片、膜貫通領域、および細胞内シグナル領域を含むキメラ抗原受容体を提供する。
【0352】
[00336]本明細書で用いる用語「キメラ抗原受容体」または「CAR」または「CARs」は、抗原特異性を細胞(たとえばナイーブT細胞、セントラルメモリーT細胞、エフェクターメモリーT細胞、制御性T細胞、またはそれらの組合せ等のT細胞)にグラフトする操作された受容体を意味する。CARは、人工T細胞受容体、キメラT細胞受容体、またはキメラ免疫受容体としても知られている。一部の実施形態では、CARは、抗原特異的標的領域(たとえば本明細書で提供される抗CLDN18抗体の抗原結合性断片)、細胞外領域、膜貫通領域、1つまたは複数の共刺激領域、および細胞内シグナル領域を含む。
【0353】
[00337]一部の実施形態では、抗原特異的標的領域はscFvである。一部の実施形態では、膜貫通領域は、CD3、CD4、CD8、またはCD28の膜貫通領域を含む。一部の実施形態では、共刺激領域は、CD28、ICOS、CD27、4-1BB、OX40、およびCD40Lの共刺激領域を含む。一部の実施形態では、細胞内シグナル領域は、CD3、CD27、CD28、CD137、CD134、MyD88、CD40、CD278、TLRの細胞内シグナル領域配列またはそれらの組合せからなる群から選択される。
【0354】
キット
[00338]ある特定の実施形態では、本開示は、本明細書で提供される抗体もしくはその抗原結合性断片および/または本明細書で提供される医薬組成物および/または本明細書で提供されるキメラ抗原受容体を含むキットを提供する。ある特定の実施形態では、本開示は、本明細書で提供される抗体もしくはその抗原結合性断片および/または本明細書で提供される医薬組成物および/または本明細書で提供されるキメラ抗原受容体、ならびに第2の治療剤を含むキットを提供する。ある特定の実施形態では、第2の治療剤は、化学療法剤、抗がん薬物、放射線療法、免疫療法剤、抗血管形成剤、標的療法、細胞療法、遺伝子療法、ホルモン療法、抗ウイルス剤、抗生剤、鎮痛剤、抗酸化剤、金属キレート化剤、およびサイトカインからなる群から選択される。
【0355】
[00339]そのようなキットは、当業者には容易に明白になるように、所望であればたとえば1つもしくは複数の薬学的に許容される担体を含む容器、追加の容器、その他の種々の従来の医薬キット成分の1つまた複数をさらに含み得る。投与すべき成分の量を示す、挿入物またはラベルとしての説明書、投与のためのガイドライン、および/または成分を混合するためのガイドラインも、キットに含ませることができる。
【0356】
使用の方法
[00340]本開示は、治療有効量の本明細書で提供される抗体もしくはその抗原結合性断片および/または本明細書で提供される医薬組成物および/または本明細書で提供されるキメラ抗原受容体を対象に投与するステップを含む、対象におけるCLDN18関連の疾患、障害、もしくは状態を処置し、防止し、または軽減する方法をも提供する。ある特定の実施形態では、CLDN18関連の疾患、障害、または状態は、CLDN18.2関連の疾患、障害、または状態である。ある特定の実施形態では、対象はヒトである。
【0357】
[00341]一部の実施形態では、CLDN18関連の疾患、障害、または状態は、CLDN18(特に、抗CLDN18.2)の発現または過発現によって特徴付けられる。
[00342]ある特定の実施形態では、CLDN18関連の疾患、障害、または状態は、がんである。ある特定の実施形態では、がんはCLDN18を発現しているがんである。本明細書で用いる「CLDN18を発現している」がんは、がん細胞、腫瘍浸潤性免疫細胞の中でCLDN18(特に、抗CLDN18.2)タンパク質を発現していること、またはがん細胞、腫瘍浸潤性免疫細胞の中で正常細胞において予想されるよりも有意に高いレベルでCLDN18(特に、抗CLDN18.2)を発現していることにおいて特徴付けられるがんを意味する。対象からの試験生物学的試料の中のCLDN18の存在および/または量を決定するために、種々の方法を用いることができる。たとえば、試験生物学的試料を、発現されたCLDN18(特に、抗CLDN18.2)タンパク質に結合し、これを検出する抗CLDN18(特に、抗CLDN18.2)抗体またはその抗原結合性断片に曝露することができる。あるいは、qPCR、逆転写酵素PCR、マイクロアレイ、SAGE、FISH、その他の方法を用いて、核酸発現レベルでCLDN18(特に、抗CLDN18.2)を検出することもできる。一部の実施形態では、試験試料はがん細胞もしくは組織、または腫瘍浸潤性免疫細胞に由来する。参照試料は、健常もしくは非疾患個体から得られた対照試料、または試験試料を得た同じ個体からの健常もしくは非疾患試料であり得る。たとえば、参照試料は、試験試料(たとえば腫瘍)に隣接したまたはその付近の非疾患試料であり得る。
【0358】
[00343]ある特定の実施形態では、がんは上皮細胞由来のがんである。「上皮細胞由来のがん」は、上皮細胞、たとえば肺胞上皮細胞、胃粘膜の上皮細胞、皮膚、血管、尿管等の上皮細胞に起源するがんを意味する。
【0359】
[00344]ある特定の実施形態では、がんは、肛門がん、虫垂がん、星状細胞腫、基底細胞癌、胆嚢がん、胃がん、肺がん、気管支がん、骨がん、肝胆管がん、膵がん、乳がん、肝がん、卵巣がん、精巣がん、腎がん、腎盂尿管がん、唾液腺がん、小腸がん、尿道がん、膀胱がん、頭頚部がん、脊椎がん、脳がん、頸がん、子宮がん、子宮内膜がん、結腸がん、結腸直腸がん、直腸がん、食道がん、胃腸管がん、皮膚がん、前立腺がん、下垂体がん、膣がん、甲状腺がん、咽喉がん、膠芽細胞腫、黒色腫、骨髄異形成症候群、肉腫、奇形腫、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性リンパ球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫、TもしくはB細胞リンパ腫、GI器官間質腫、軟組織腫瘍、肝細胞癌、または腺癌、またはこれらの転移からなる群から選択される。ある特定の実施形態では、がんは、胃がん、膵がん、食道がん、卵巣がん、またはこれらの転移である。
【0360】
[00345]一部の実施形態では、対象は、任意選択で非がん細胞において通常見られるレベルより有意に高いレベルで、CLDN18(特にCLDN18.2)を発現しているがん細胞または腫瘍浸潤性免疫細胞を有すると同定されている。
【0361】
[00346]別の態様では、治療有効量の本明細書で提供される抗体もしくはその抗原結合性断片および/または本明細書で提供される医薬組成物および/または本明細書で提供されるキメラ抗原受容体を対象に投与するステップを含む、CLDN18(特にCLDN18.2)の活性の調節によって恩恵を受ける対象における疾患、障害、または状態を処置し、防止し、または軽減する方法が提供される。ある特定の実施形態では、疾患、障害、または状態は、上で定義したCLDN18(特に、抗CLDN18.2)に関連する疾患、障害、または状態である。
【0362】
[00347]本明細書で提供される抗体または抗原結合性断片の治療有効量は、たとえば体重、年齢、過去の病歴、現在の投薬、対象の健康状態および交差反応の可能性、アレルギー、感受性、および有害な副反応、ならびに投与経路および疾患発生の程度等の当技術分野で既知の種々の因子に依存する。用量は、これらのおよびその他の状況または要求によって指示されるように、当事者(たとえば医師または獣医師)によって比例的に低減されまたは増加されてよい。
【0363】
[00348]ある特定の実施形態では、本明細書で提供される抗体または抗原結合性断片は、約0.01mg/kg~約100mg/kgの治療有効用量で投与してよい。ある特定の実施形態では、投与用量は処置の経過にわたって変化してよい。たとえばある特定の実施形態では、初期の投与用量は引き続く投与用量より高くてよい。ある特定の実施形態では、投与用量は対象の反応に応じて処置の経過にわたって変動してよい。
【0364】
[00349]投薬レジメンは、最適の所望の応答(たとえば治療応答)が提供されるように調整してよい。たとえば、単一用量を投与してもよく、いくつかに分割した用量を経時的に投与してもよい。
【0365】
[00350]本明細書で提供される抗体またはその抗原結合性断片は、当技術分野で既知の任意の経路、たとえば非経口(たとえば皮下、腹腔内、静脈内注入を含む静脈内、筋肉内、または皮内注射)または非-非経口(たとえば経口、経鼻、眼内、舌下腺、直腸、または局所)経路によって投与してよい。
【0366】
[00351]一部の実施形態では、本明細書で提供される抗体またはその抗原結合性断片は、単独で、または治療有効量の第2の治療剤と組み合わせて、投与してよい。たとえば、本明細書で開示する抗体またはその抗原結合性断片は、第2の治療剤、たとえば化学療法剤、抗がん薬、放射線療法剤、免疫療法剤、抗血管新生剤、標的療法剤、細胞療法剤、遺伝子療法剤、ホルモン療法剤、抗ウイルス剤、抗生剤、鎮痛剤、抗酸化剤、金属キレート剤、またはサイトカインと組み合わせて投与してよい。
【0367】
[00352]本明細書で用いる用語「免疫療法」は、免疫系を刺激してがん等の疾患と闘わせるか、一般的な方法で免疫系を強化する療法の型を意味する。免疫療法の例には、チェックポイント調節剤、養子細胞移植、サイトカイン、腫瘍溶解性ウイルス、および治療用ワクチンが限定なく含まれる。
【0368】
[00353]「標的療法」は、がんに関連する特定の分子、たとえばがん細胞には存在するが正常な細胞には存在しない、もしくはがん細胞でより豊富に存在する特定のタンパク質、またはがんの成長および生存に寄与するがん微小環境における標的分子に作用する療法の型である。標的療法は治療剤を腫瘍に標的させ、それにより正常組織を治療剤の影響から救う。
【0369】
[00354]これらの実施形態のあるものでは、1つもしくは複数の追加の治療剤と組み合わせて投与される本明細書で提供される抗体もしくはその抗原結合性断片は、その1つもしくは複数の追加の治療剤と同時に投与してよく、またこれらの実施形態のあるものでは、抗体もしくはその抗原結合性断片および追加の治療剤は、同じ医薬組成物の部分として投与してよい。しかし、別の治療剤と「組み合わせて」投与される抗体もしくはその抗原結合性断片は、その薬剤と同時にもしくは同じ組成物中で投与されなくてもよい。別の薬剤の前にもしくはその後に投与される抗体もしくはその抗原結合性断片は、その抗体もしくは抗原結合性断片および第2の薬剤が異なる経路を介して投与されたとしても、その語句が本明細書で使用されれば、その薬剤と「組み合わせて」投与されたと考えられる。可能な場合には、本明細書で開示した抗体もしくはその抗原結合性断片と組み合わせて投与された追加の治療剤は、その追加の治療剤の製品情報シートに列挙されたスケジュールに従って、またはPhysicians’ Desk Reference 2003(Physicians’ Desk Reference,57版;Medical Economics Company;ISBN:1563634457;57版(2002年11月)もしくは当技術分野で公知のプロトコルに従って、投与される。
【0370】
[00355]本開示は、CLDN18陽性細胞を本明細書で提供される抗体もしくはその抗原結合性断片および/または本明細書で提供される医薬組成物および/または本明細書で提供されるキメラ抗原受容体に曝露するステップを含む、CLDN18陽性細胞におけるCLDN18(特にCLDN18.2)の活性を調節する方法をさらに提供する。一部の実施形態では、CLDN18陽性細胞は上皮細胞である。
【0371】
[00356]別の態様では、本開示は、試料を本明細書で提供される抗体もしくはその抗原結合性断片および/または本明細書で提供される医薬組成物および/または本明細書で提供されるキメラ抗原受容体と接触させるステップ、ならびに試料中のCLDN18(特にCLDN18.2)の存在または量を決定するステップを含む、試料中のCLDN18(特にCLDN18.2)の存在または量を検出する方法を提供する。
【0372】
[00357]別の態様では、本開示は、a)対象から得た試料を本明細書で提供される抗体もしくはその抗原結合性断片および/または本明細書で提供される医薬組成物および/または本明細書で提供されるキメラ抗原受容体と接触させるステップ、b)試料中のCLDN18(特にCLDN18.2)の存在または量を決定するステップ、ならびにc)CLDN18(特にCLDN18.2)の存在または量を対象におけるCLDN18(特にCLDN18.2)関連の疾患、障害、または状態の存在またはステータスと相関させるステップを含む、対象におけるCLDN18(特にCLDN18.2)関連の疾患、障害、または状態を診断する方法を提供する。
【0373】
[00358]別の態様では、本開示は、CLDN18(特にCLDN18.2)の検出に有用な、任意選択で検出可能な部分とコンジュゲートした、本明細書で提供される抗体もしくはその抗原結合性断片および/または本明細書で提供される医薬組成物および/または本明細書で提供されるキメラ抗原受容体を含むキットを提供する。キットは、使用説明書をさらに含んでよい。
【0374】
[00359]別の態様では、本開示は、対象におけるCLDN18(特にCLDN18.2)関連の疾患、障害、または状態を処置し、防止し、または軽減するための医薬の製造における、ならびにCLDN18(特にCLDN18.2)関連の疾患、障害、または状態を診断するための診断試薬の製造における、本明細書で提供される抗体もしくはその抗原結合性断片および/または本明細書で提供される医薬組成物および/または本明細書で提供されるキメラ抗原受容体の使用をも提供する。
【0375】
[00360]以下の実施例は、特許請求する発明をより良く説明するために提供され、本発明の範囲を限定するものと解釈すべきではない。以下に記載する全ての特定の組成物、材料、および方法は全体としてまたは部分的に、本発明の範囲に含まれる。これらの特定の組成物、材料、および方法は本発明を限定することを意図しておらず、本発明の範囲に含まれる特定の実施形態を説明するのみである。当業者であれば、発明の能力を行使することなく、また本発明の範囲から逸脱せずに、等価の組成物、材料、および方法を開発することができる。本発明の境界内に留まりつつ、本明細書に記載した手順の中で多くの変形を行なうことができることが理解されよう。そのような変形が本発明の範囲に含まれることは、本発明者らの意図である。
【実施例】
【0376】
実施例1.抗体の生成
1.1.免疫
[00361]CLDN18.2に対する抗体を生成するため、ヒトCLDN18.2(hCLDN18.2)安定化タンパク質を用いるタンパク質免疫法、hCLDN18.2発現プラスミドを用いる遺伝子免疫法、およびCHO-K1-hCLDN18.2安定細胞株を用いる細胞免疫法の3つの異なる戦略を適用した。実施例で用いた免疫原、即ちhCLDN18.2発現プラスミド、CHO-K1-hCLDN18.2安定細胞株、hCLDN18.2安定化タンパク質は市販で入手可能であり、GenScript社から購入した。ヒト化抗CLDN18.2抗体であるIMAB362(ゾルベツキシマブ)は実施例における参照抗体として用い、GenScript社から購入した。それぞれの免疫原の説明を下の表17に提供した。
【0377】
【0378】
[00362]具体的には、5匹のSJLマウスをhCLDN18.2安定化タンパク質で免疫し、5匹のBALB/Cマウス、5匹のC57マウス、および5匹のSJLマウスをそれぞれhCLDN18.2発現プラスミドおよびCHO-K1-hCLDN18.2安定細胞株による最終ブーストによって免疫した。免疫プロトコルを、下の表18、表19、表20、および表21にまとめた。一次免疫に続いて、動物がハイブリドーマの開発に好適な満足すべき血清力価を生じるまで、数回のブーストを行なった。免疫したマウスの血清力価を検出するため、参照抗体IMAB362を用いるhCLDN18.2安定化タンパク質に対するELISAアッセイ(
図1参照)、hCLDN18.2安定化タンパク質を用いるELISAアッセイ(
図2参照)、およびCHO-K1-hCLDN18.2安定細胞株を用いるFACSアッセイ(
図3参照)を用いた。抗CLDN18.2抗体の十分な力価を有するマウスを細胞融合に用いた。
【0379】
【0380】
【0381】
【0382】
【0383】
1.2.ハイブリドーマの生成およびスクリーニング
[00363]それぞれの免疫についての最終のブーストの4日後に細胞融合を実施した。免疫したマウスの脾細胞および/またはリンパ節細胞を単離し、マウスミエローマ細胞株(SP2/0)に融合させた。HEK293-hCLDN18.2細胞に対するFACSアッセイを一次スクリーニングに用いた(
図3参照)。hCLDN18.2に特異的なハイブリドーマクローンを、HEK293-hCLDN18.2細胞を用いるカウンタースクリーニングを行なうために選択した。これらのhCLDN18.2に対して特異的なクローンを24ウェルに移し、次いで上清を収集してFACSによる確認のために用い、hCLDN18.2に特異的なハイブリドーマクローンをサブクローニングして安定なハイブリドーマクローンを得た。1~2回のサブクローニングの後、抗体の産生のためにハイブリドーマモノクローンを増殖させ、ストックとして凍結した。
【0384】
[00364]約10日間の培養の後、ハイブリドーマ細胞培養培地を収集してプロテインAアフィニティクロマトグラフィーカラム(GE)によって精製した。全部で76種の精製された抗体が、約1nMのEC
50値を有する強力なHEK293-hCLDN18.2細胞結合を示した。その中で、60種の抗体が特有の配列を示し、4種の抗体(即ちクローン35B4、33G12、15E10、40C1)がHEK293-hCLDN18.2細胞の死を誘導し、2種の抗体(即ちクローン22E12および35A10)がOctetアッセイによってpM未満の強力なK
D値を有すると同定され、12種を超える抗体が強力なK
D値および良好なNK細胞ADCC活性化を示した。ハイブリドーマスクリーニングの代表的な図を
図4に示した。
図4に示すように、33G12を除いて、左側の試験した抗体(即ちクローン15E10、22E12、35A10、35B4、38B9)の全てが、HEK-hCLDN18.2細胞に対する特異的な結合を示した。
【0385】
実施例2.抗体の特徴付け
2.1.抗体
[00365]ハイブリドーマ抗体クローン15E10、22E12、33G12、35A10、35B4、38B9、60F11、97A9、および99H8を、以下に記載するように一連の結合および機能性のアッセイにおいて特徴付けた。
【0386】
2.2.ハイブリドーマのスクリーニング
[00366]TRIzol(登録商標)試薬の技術マニュアルに従って、ハイブリドーマ細胞から全RNAを単離した。次いでPrimeScript(商標)1st Strand cDNA Synthesis Kitの技術マニュアルに従い、アイソタイプ特異的アンチセンスプライマーまたはユニバーサルプライマーを用いて、全RNAをcDNAに逆転写した。GenScriptのcDNA末端の迅速増幅(RACE)の標準操作手順書(SOP)に従って、VHおよびVLの抗体断片を増幅した。増幅した抗体断片を標準クローニングベクターに個別にクローニングした。正しいサイズのインサートを有するクローンをスクリーニングするために、コロニーPCRを実施した。正しいサイズのインサートを有する5個以上のクローンを各断片についてシーケンシングした。異なるクローンの配列を整列させ、これらのクローンのコンセンサス配列を準備した。
【0387】
[00367]ハイブリドーマ抗体の可変領域配列を本明細書の上の表3に提供する。
2.3.抗体の結合親和性、交差反応性、および選択性の研究
[00368]FACSアッセイを用いて、ナイーブなCLDN18.2を発現するHEK293-hCLDN18.2細胞およびSNU620細胞に対する抗体の結合親和性、HEK293-hCLDN18.1細胞における選択性、およびHEK293-マウスCLDN18.2細胞における交差反応性を決定した。HEK293-hCLDN18.2細胞、HEK293-hCLDN18.1細胞、およびHEK293-マウスCLDN18.2(HEK293-mCLDN18.2)細胞は、ATCCの手順に従ってピューロマイシンを含む培養培地中で維持した。SNU620細胞は、記載されたKCLB手順のように培養培地中で維持した。細胞を収集し、細胞密度1×106個/mlでブロッキング緩衝液中に再懸濁した。細胞を100μl/ウェル(1×105個/ウェル)で96ウェルのFACSプレートに移し、プレートを遠心分離し、FACS緩衝液(PBS、1% FBS、0.05% Tween(登録商標)-20)で2回洗浄した。抗抗CLDN18.2抗体の3倍段階希釈をFACS緩衝液中で15μg/mlから始めて調製した。参照抗体IMAB362およびマウス/ヒト対照IgGを、それぞれ陽性および陰性の対照として用いた。細胞を100μL/ウェル希釈抗体中で再懸濁し、プレートを4℃で60分インキュベートした。プレートをFACS緩衝液で洗浄し、Alexa-Fluor(登録商標)488ラベル二次抗体(FACS緩衝液中1:1000)を各ウェルに加えて、4℃で30分インキュベートした。プレートをFACS緩衝液で洗浄し、細胞を100μL/ウェルのPBSで再懸濁した。次いで細胞をFACSCaliber(商標)で解析し、平均蛍光強度を決定した。抗体濃度の範囲を試験することによって、hCLDN18.2発現細胞について完全結合曲線を生成した。Prismソフトウェアを用いて、各抗体について見かけの親和性を決定した。
【0388】
[00369]精製したハイブリドーマ抗体のHEK293-hCLDN18.2細胞、HEK293-hCLDN18.1細胞、HEK293-mCLDN18.2細胞、およびSNU620細胞に対する結合親和性を、それぞれ
図5A、
図5B、
図5C、および
図5Dに示した。
図5A~
図5Dに示すように、試験したハイブリドーマ抗体は全て用量依存的にヒトおよびマウスのCLDN18.2に結合し、クローン33G12だけがヒトCLDN18.1に結合した。
【0389】
[00370]精製したハイブリドーマ抗体のhCLDN18.2、mCLDN18.2、およびhCLDN18.1に対する交差反応性および選択性を、CLDN18.1またはCLDN18.2タンパク質を安定に発現しているHEK293-hCLDN18.2細胞、HEK293-mCLDN18.2細胞、およびHEK293-hCLDN18.1細胞を用いるFACSアッセイによって決定した。簡単には、抗体を標的細胞とともに4℃で1時間インキュベートした。洗浄後、蛍光標識抗マウスまたは抗ヒトIgG二次抗体(Life Technologies)を加え、4℃で1時間インキュベートした。幾何メディアン蛍光強度を検出し、EC50を計算した。6種の機能性抗体の交差反応特性を下の表22にまとめた。特に、同じ実験で試験した他の抗体とは対照的に、33G12がhCLDN18.1とhCLDN18.2の両方を認識したことが注目される。
【0390】
2.4.エピトープビニング
[00371]参照抗体とのエピトープビニングのために競合ELISAアッセイを用いた。簡単には、過剰の競合抗体とビオチン標識hCLDN18.2を、参照抗体をコートしたELISAマイクロプレートで共インキュベートした。洗浄後、HRP-SAを加え、37℃で1時間インキュベートした。次いで100μl/ウェルのTMB溶液(Biotechnology)を加えた。室温で15分インキュベートした後、50μlの1N HClを加えて反応を停止させた。OD450nmを読み取った。競合比を計算した。hCLDN18.2との結合について参照抗体と競合することができる抗体は、同様の結合エピトープを有している。
【0391】
[00372]下の表22に示すように、全部で6種の抗体が3つの異なるエピトープ群に属している。クローン97A9、35B4、および33G12は、参照抗体IMAB362と同じエピトープ群に属している。60F11および22E12は、参照抗体IMAB362とは異なる同じエピトープ群に属している。
【0392】
[00373]具体的には、抗体97A9、35B4、および33G12、ならびに参照抗体IMAB362はhCLDN18.2との結合について相互に競合し、これらが表22に示すように群Iに分類される同一のまたは緊密に関連したエピトープに結合し得ることを示している。抗体60F11および22E12は参照抗体IMAB362によって完全に競合することができず、これらが表22に示すように群IIに分類される異なるエピトープに結合し得ることを示している。
【0393】
【0394】
実施例3.キメラ抗体の生成および特徴付け
3.1.キメラ抗体の生成および産生
[00374]選択した6種のハイブリドーマ抗体(即ちクローン99H8、97A9、60F11、35B4、22E12、33G12)の可変領域をコードするDNAを合成し、前もってヒトIgG定常遺伝子を含ませた発現ベクターにサブクローニングした。組換えタンパク質の発現のためにベクターを哺乳動物細胞にトランスフェクトし、発現させた抗体をプロテインAアフィニティクロマトグラフィーカラムで精製した。得られたキメラ抗体を本明細書ではch99H8、ch97A9、ch60F11、ch35B4、ch22E12、ch33G12と称し、ここで接頭辞「ch」は「キメラ」を示し、接尾辞はハイブリドーマ抗体のクローンを示す。たとえば「99H8」はこれがハイブリドーマ抗体クローン99H8に由来することを示す。
【0395】
3.2.キメラ抗体の特徴付け:抗体依存性細胞性細胞毒性(ADCC)の研究
[00375]精製された6種のキメラ抗体を、抗体依存性細胞性細胞毒性(ADCC)活性について試験した。簡単には、標的細胞、即ちHEK293/hCLDN18.2細胞を上記のように培養し、収集して研究の前に加温したPBSで2回洗浄した。単離した細胞をPBSで再懸濁し、CellTrace(商標)Violetで標識して、細胞密度を4×105細胞/mlに調節し、1ウェルあたり25μlを96ウェルプレートに加えた。抗体濃度を40μg/mlに希釈し、1ウェルあたり25μlを加えて最終濃度10μg/mlとした。次いで細胞を37℃で15分インキュベートして光から保護した。エフェクター細胞、即ちヒトPBMCを5×106/mlで準備し、1ウェルあたり50μlを加えてE/T=25:1とした。細胞混合物を37℃で2時間インキュベートし、次いでPIで染色して、生/死細胞をFACSで解析した。
【0396】
[00376]ADCCの研究結果を上の表22および
図6に示した。
図6に示すように、試験したキメラ抗体の全ては良好なADCC効果を示した。
[00377]標的細胞としてNUGC-4細胞を用いるADCCにおける6種のキメラ抗体(即ちch99H8、ch97A9、ch60F11、ch35B4、ch22E12、ch33G12)の用量応答を上記と同様の手順で実施し、結果を
図7に示した。
図7に示すように、試験した6種のキメラ抗体の全てはNUGC-4細胞の死滅を誘導する活性を示した。
【0397】
[00378]標的細胞としてHEK293-hCLDN18.1細胞を用いるADCCにおける6種のキメラ抗体(即ちch99H8、ch97A9、ch60F11、ch35B4、ch22E12、ch33G12)の用量応答を上記と同様の手順(標的細胞がHEK293-hCLDN18.1細胞、E/T=12.5:1、インキュベーション時間が3時間であることを除いて)で実施し、結果を
図8に示した。
図8に示すように、ch33G12を除いて、試験した他のキメラ抗体の全ては、参照抗体IMAB362と比較して有意に増大したHEK293細胞の死滅を誘導しなかった。
【0398】
3.3.キメラ抗体の特徴付け:補体依存性細胞毒性(CDC)の研究
[00379]6種のキメラ抗体(即ちch99H8、ch97A9、ch60F11、ch35B4、ch22E12、ch33G12)のCDC活性を誘導する能力を、hCLDN18.2を過発現するHEK293細胞を用いて評価した。標的細胞、即ちHEK293-hCLDN18.2細胞を抗体ありおよび抗体なしで、正常ヒト血清(25%)とともに2時間、共培養し、次いで細胞を収集して、PIによって生/死を染色し、FACSによって解析した。
【0399】
[00380]CDC研究の結果を上の表22および
図9に示した。
図9に示すように、試験したキメラ抗体の全ては良好なCDC効果を示し、これは参照抗体IMAB362と同程度である。
【0400】
実施例4.抗体のヒト化および親和性成熟
4.1.ヒト化
[00381]抗体22E12および35B4をヒト化のためのクローンとして選択した。抗体配列を、配列整合を用いるプロファイリングに供して、最もよく一致した生殖細胞系列を同定し、次いで最適フィットモデルを用いてこれらの復帰変異部位を同定した。最適化された変異体を合成し、FCMによって決定される結合親和性のために組換え抗体を産生した。グラフトおよび復帰変異の後で、いくつかの35B4および22E12ヒト化抗体の親和性は保持されていた。最良の性能をADCCおよび/またはCDCアッセイによる機能性評価に供した。
【0401】
[00382]クローン35B4について全部で15種のヒト化抗体クローンが得られ、ヒト化35B4重鎖可変領域の3種のバリアント(即ちhu35B4.H1、hu35B4.H2、およびhu35B4.H3)ならびにヒト化35B4軽鎖可変領域の5種のバリアント(即ちhu35B4.L1、hu35B4.L2、hu35B4.L3、hu35B4.L4、およびhu35B4.L1S92A)を混合し、整合させた。15種のヒト化抗体クローンを下の表23に示すようにhu35B4.H1L1、hu35B4.H1L2等と表記した。ここで接頭辞「hu」は「ヒト化」を示し、接尾辞、たとえば「H1L1」はhu35B4.H1バリアントおよびhu35B4.L1バリアントの可変領域を有するヒト化35B4抗体クローンの一連番号を表す。
【0402】
【0403】
[00383]同様に、クローン22E12について全部で12種のヒト化抗体が得られ、ヒト化22E12重鎖可変領域の4つのバリアント(即ちhu22E12.H1、hu22E12.H2、hu22E12.H3、およびhu22E12.H4)ならびにヒト化22E12軽鎖可変領域の3つのバリアント(即ちhu22E12.L1、hu22E12.L2、およびhu22E22.L3)を混合し、整合させた。12種のヒト化抗体クローンを同じ表象によって下の表24に示すようにhu22E12.H1L1、hu22E12.H1L2等と表記した。
【0404】
【0405】
4.2.ヒト化抗体の特徴付け:結合親和性
[00384]表23および表24のヒト化抗体を組換えで産生して結合親和性について試験し、これらがhCLDN18.2への特異的結合を保持できることが示された。22E12についてのヒト化抗体および参照抗体IMAB362を、hCLDN18.2を過発現するMFC細胞を用いるFACSアッセイによって、hCLDN18.2に対する結合親和性について特徴付けした。35B4についてのヒト化抗体および参照抗体IMAB362を、hCLDN18.2を過発現するSNU620細胞を用いるFACSアッセイによって、hCLDN18.2に対する結合親和性について特徴付けした。簡単には、ヒト化抗体のそれぞれおよび参照抗体を2%FBS中で最大濃度(200nM)に希釈し、次いで2%FBSで3倍段階希釈を実施した。400g、5分の遠心分離によって細胞を収集した。次いで細胞を2%FBS中に再懸濁し、1×105細胞/ml、100μl/ウェルで96ウェルプレートに播種した。200μlの2%FBSを加え、400gで5分、遠心分離し、次いでもう一度洗浄した。試験抗体を含む2%FBS、100μl/ウェルに細胞を再懸濁した。細胞を2%FBSで2回洗浄し、400gで5分、遠心分離し、次いで上清を廃棄した。二次抗体を含む2%FBS、100μl/ウェルに細胞を再懸濁し、4℃で60分インキュベートした。細胞を2%FBSで2回洗浄し、1000rpmで5分、遠心分離し、次いで上清を廃棄した。最後に、100μlの2%FBSに細胞を再懸濁し、FACSによって解析した。
【0406】
[00385]良好な結合親和性を示すヒト化抗体を下の表25~26に示し、
図10A、
図10B、
図11A、および
図11Bにも示した。EC
50値は、このアッセイにおいてシグナルの50%に達する表示した抗体の濃度である。
【0407】
【0408】
【0409】
4.3.ヒト化抗体の特徴付け:ADCC研究
[00386]比較的高い親和性を有するヒト化抗体(たとえばhu22E12.H1L2、hu35B4.H1L2)を、ADCC研究を含む機能性アッセイでさらに評価した。ADCC研究は、上の実施例3.2に記載したものと同様の方法(エフェクター細胞がNK-CD16a細胞であることを除いて)によってHEK293/hCLDN18.2細胞またはNUGC4細胞で実施した。
【0410】
[00387]ADCC研究の結果を、それぞれ
図12A(HEK293/hCLDN18.2細胞)および
図12B(NUGC4細胞)に示した。
図12Aおよび
図12Bに示すように、試験したヒト化抗体の両方(即ちhu22E12.H1L2、hu35B4.H1L2)は、親のキメラ抗体と同様の良好なADCC効果および参照抗体IMAB362と比較してより良い有効性を示した。
【0411】
実施例5.Fcの操作によるADCCの増強
5.1.Fcの操作
[00388]ヒトIgG1(hIgG1)Fc領域を、そのFcガンマ受容体および/または補体への結合を調節するための点変異を起こさせる鋳型として設定した。全部で6種の操作されたFc領域を開発し、下の表27に示した。これらの操作されたFc領域を有する組換え抗体ch99H8、ch22E12、ヒト化22E12、およびヒト化35B4を上記のように産生した。これらを、ADCC誘導活性評価に供した。
【0412】
【0413】
5.2.Fc操作された抗体のADCC活性
[00389]Fc操作された抗体のADCC活性を誘導する能力を、hCLDN18.2を過発現するHEK293細胞を用いて評価した。Fc操作された抗体についてのADCC研究は、上の実施例3.2に記載したのと同様の方法によって行なった(エフェクター細胞がNK-CD16a細胞であることを除いて)。ADCC研究の結果を
図13Aおよび
図13Bに示し、EC
50値を下の表28および表29に示した。表28、表29、
図13A、および
図13Bに示すように、試験したFc操作された抗体の全ては、Fc操作がない抗体と比較して増強されたADCC効果を示した。
【0414】
【0415】
【0416】
実施例6.免疫組織化学(IHC)染色
[00390]いくつかの例示的な抗体についてIHC染色を実施した。GA006は胃がんの患者由来の腫瘍異種移植(PDX)(CLDN18.2高発現)モデルであり、PA6262は膵がんのPDXモデル(CLDN18.2低発現)であり、LY6933はリンパ腫のPDXモデル(クローディン18.2の発現なし)である。PDX腫瘍試料を収集し、パラフィン包埋切片を調製した。次いで抗CLDN18.2抗体である60F11、40C1、35B4、35A10、22E12、33G12、15E10、97A9、84F2、38B9、73E4、および99H8を染色し、HRP標識抗マウスIgG抗体を用いてその結合を検出した。DAB基質によって発色させた後、組織切片中の抗体染色の色を顕微鏡下で観察した。IHCの代表的な画像を
図14に示した。
図14に示すように、抗体15E10はGA006に最大のスコアで結合し、LY6933に最小のスコアで結合する。これは、抗体15E10がCLDN18(特にCLDN18.2)関連疾患の診断に有用であることを示唆した。試験した他の抗体の結果も同様であり、ここでは示さなかった。
【0417】
実施例7.表面プラスモン共鳴(SPR)を用いる速度論的研究
[00391]いくつかの例示的な抗体について速度論的研究を実施した。特に、ヒト化抗体hu35B4.H1L2およびhu22E12.H1L2、キメラ抗体ch99H8およびch97A9、ならびに参照抗体IMAB362を、Biacore(GE)を用いてCLDN18.2に対する結合親和性について特徴付けした。簡単には、アミンカップリングキット(GE)を用いて組換えCLDN18.2タンパク質をCM5チップ(GE)に固定化した。6×Hisタグ付けしたヒトCLDN18.2の抗原を固定化のために10μg/mlに希釈した(固定化時間:120秒)。試験すべき抗体を多重用量のため段階希釈し、最大濃度をそれぞれ200nM(hu35B4.H1L2)、25nM(hu22E12.H1L2)、100nM(ch99H8)、50nM(ch97A9)、および100nM(IMAB362)とした。試験した全ての抗体についての会合時間は120秒である。解離時間は600秒(hu22E12.H1L2について)または180秒(その他の試験した抗体について)である。速度論解析はBiacore T200 Analysis V10を用い、1:1のグローバルフィッティングによって実施した。それぞれの抗体についてKa/Kd/KD値を計算した。試験した抗体の親和性データを下の表30にまとめ、
図15A~
図15Eに示す。表30および
図15A~
図15Eに示すように、試験したヒト化抗体およびキメラ抗体は参照抗体IMAB362と比較して良好な親和性を示し、これらはhu22E12.H1L2>hu35B4.H1L2、ch99H8、ch97A9>IMAB362と順位付けされる。
【0418】
【0419】
実施例8.SNU620細胞に対する抗体誘導標的内在化
[00392]いくつかの例示的な抗体の内在化率をアッセイして、抗体-薬物コンジュゲート区域におけるそれらの能力を評価した。簡単には、試験した抗体を200nMに希釈し、2つのプレートに50μl/Ab/ウェルで二連で分注した。SNU620細胞を培養して単核細胞として収集し、次いで50μlのFACS緩衝液中の2×10
5細胞を抗体プレートに加えた。抗体結合のため、細胞プレートを4℃で30分インキュベートし、次いで数サイクルの遠心分離およびFACS緩衝液を用いる再懸濁によって未結合の抗体を除去した。100μlの細胞培養培地を加えて細胞を懸濁し、一方のプレートを4℃で2時間インキュベートし、もう一方のプレートを37℃で2時間インキュベートした。数回の洗浄の後、洗浄ステップを3回繰り返した後で、蛍光標識抗hIgG抗体を用いて4℃、1時間で全ての細胞を染色し、次いでFACSを用いて読み出した。以下の式を用いて内在化率を計算し、結果を
図16に示した。
【0420】
内在化(%)=(MFI(4℃)-MFI(37℃))/MFI(4℃)
[00393]
図16に示すように、試験したいくつかの抗CLDN18.2キメラ抗体、たとえばch319F2、ch317A7、ch315F10、ch256C10-1、ch226D5等は、CLDN18.2への結合に際して効率的に内在化され、これらが抗体薬物コンジュゲートとしてのさらなる評価に適していることを示唆している。
【0421】
実施例9.抗CLDN18.2抗体と抗SIRPα抗体との組合せ処置
[00394]本発明の抗CLDN18.2抗体と抗SIRPα抗体との組合せ処置のin vivo有効性を本実施例において評価した。簡単には、hCD47/hCLDN18.2を過発現するMC38細胞をhCD47/hSIRPαダブルノックインC57BL/6マウスに接種した。D0(即ち0日目)における腫瘍サイズはほぼ100mm
3であった。マウスを5群(各群7匹)に分け、各群におけるマウスをそれぞれビヒクル、ヒトIgG1アイソタイプ、hu22E12.H1L2単独、抗SIRPα抗体(社内で調製)単独、およびhu22E12.H1L2+抗SIRPα抗体コンボで週に2回、腹腔内(i.p.)処理した。それぞれのマウスの腫瘍サイズおよび体重を週に2回、測定した。処置後の経日的なマウスの腫瘍体積変化および体重変化を
図17Aおよび
図17Bに示した。
図17Aおよび
図17Bに示すように、ヒト化抗体hu22E12.H1L2は、CLDN18.2を発現する腫瘍細胞を有意に阻害し、抗SIRPα抗体はhu22E12.H1L2のin vivo有効性を有意に改善した。
【配列表】
【国際調査報告】